JP2018008886A - 腸溶性硬カプセル用組成物及び腸溶性硬カプセルの製造方法 - Google Patents

腸溶性硬カプセル用組成物及び腸溶性硬カプセルの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】十分な耐水性、耐酸性を有する腸溶性カプセルを得るために、従来見出されていなかった腸溶性ポリマーにおける中和水溶液の熱ゲル化特性を利用した腸溶性硬カプセル用組成物等を提供する。
【解決手段】無水グルコース単位当たりのアセチル基モル置換度が0.6〜0.8であり、前記アセチル基モル置換度と無水グルコース単位当たりのスクシニル基モル置換度との比が2.0〜4.0である前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルと、中和剤と、水とを少なくとも含む腸溶性硬カプセル用組成物、及び50〜80℃に加熱した成形ピンを、この腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬する工程と、浸漬された成形ピンを前記腸溶性硬カプセル用組成物から引き上げる工程と、引き上げられた成形ピン上に形成された、前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのゲル層を乾燥する工程とを少なくとも含む腸溶性硬カプセルの製造方法を提供する。
【選択図】なし

Description

本発明は、腸溶性硬カプセル用組成物及び腸溶性硬カプセルの製造方法に関する。更に詳細には、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル(別名ヒドロキシプロピルメチルセルロースアセテートサクシネート、以下、「HPMCAS」ともいう。)、中和剤及び水を含む腸溶性硬カプセル用組成物、並びに腸溶性硬カプセルの製造方法に関する。
医薬品、健康食品等に使用される剤形としては、カプセル剤、錠剤、顆粒剤等が挙げられるが、有効成分を簡便に封入可能なカプセル剤は有用である。
カプセル剤には、軟カプセル及び硬カプセルがあり、硬カプセルにはゼラチンを原料としたゼラチンカプセルやヒプロメロース(別名ヒドロキシプロピルメチルセルロース、以下、「HPMC」ともいう。)を原料としたセルロースカプセルがある。
近年、HPMCは、ゼラチンと比較して狂牛病の恐れが無く、植物性原料であり、カプセルに含まれる水分が少なくてもカプセル強度が高いことから、セルロースカプセルの基剤として広く使用されている。
一般的に、セルロースカプセルの製造方法としては、ゲル化剤を用いる冷却ゲル化法及び熱ゲル化法が挙げられる。いずれの方法においても、成形ピンを所定のHPMC水溶液やスラリーに浸漬後、成形ピンを浸漬槽から引き上げてゲル化させる。これにより液だれを防止し、成形ピン上にHPMC溶液を均一に付着させることができる。その後、乾燥させ、均一な膜厚の硬カプセルを製造することができる。このようにゲル化は、均一なカプセルの製造において重要な特性である。
冷却ゲル化法では、ゲル化剤として常温でゲル化する物質を使用する。具体的にはカラギーナン、ジェランガム、ペクチン、寒天、アルギン酸ナトリウム等が挙げられ、これらの物質を含むHPMCの熱水スラリーに成形ピンを浸漬させ、当該成形ピンに所定量の熱水スラリーを付着させた後、冷却することによりゲル化させる。
一方、熱ゲル化法では、HPMC水溶液が熱ゲル化する特性を利用する。加熱した成形ピンをHPMC水溶液に浸漬することにより、加熱された成形ピン上にHPMC水溶液がゲル化して付着することを利用した方法である。
しかし、前記ゼラチンカプセル、セルロースカプセルは何れも水溶性であるため、経口投与後に、胃液中で崩壊してしまう。医薬品、健康食品等の内容物が酸に不安定な場合や胃への刺激性がある場合は、使用上問題となる。このような場合には、前記硬カプセルに腸溶性ポリマーでコーティングを行う。しかし、この方法では追加のコーティング操作が必要であり、生産性が低く、コスト高となる。このため、腸溶性ポリマー自体をカプセル基材とする硬カプセルの開発が行われてきている。
ヒプロメロースフタル酸エステル(別名ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、以下、「HPMCP」ともいう。)又はHPMCASを含む腸溶性セルロース誘導体と、非極性ゲル化剤、クエン酸トリエチル、トリアセチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート80(Tween80)及びポリエチレングリコールから選ばれる1種又は2種以上の可塑剤とを配合することを特徴とする腸溶性硬カプセルが提案されている(特許文献1)。
また、腸溶性基剤としてHPMCP及びHPMCASからなる群から選択された少なくとも1種の物質を含み、カプセル成形補助剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)及びメチルセルロース(MC)からなる群から選択された少なくとも1種のセルロースエーテル及びアルカリ性の中和剤を含む腸溶性硬質カプセル用水性組成物が提案されている(特許文献2)。
更に、少なくとも一つのアルカリ性物質で部分的に中和されたHPMCASの水分散液を含んでなる腸溶性のハードカプセルシェルを作るための水性組成物が提案されている(特許文献3)。
特開2006−016372号公報 特表2013−504565号公報 特表2015−518005号公報
しかし、特許文献1で提案されている腸溶性硬カプセルは、カプセルを成形するために水溶性のゲル化剤や可塑剤が多く必要であり、得られたカプセルは水中で崩壊するものであり、酸性試験液においても十分な耐酸性を示すものが得られなかった。
特許文献2に提案されている腸溶性硬質カプセル用水性組成物によって得られた腸溶性硬カプセルは、ゲル化剤として多量の水溶性のセルロースエーテルが必要であり、得られたカプセルは水中で崩壊するものであり、酸性試験液においても十分な耐酸性を示すものが得られなかった。
特許文献3に提案されている腸溶性のハードカプセルシェルでは、腸溶性ポリマーの水分散液から製造されるため、均一な膜を得ることが難しい。又、水溶性のゲル化剤や可塑剤が多く必要であり、得られたカプセルは水中で崩壊するものであり、酸性試験液においても十分な耐酸性を示すものが得られなかった。
このように従来技術においては、いずれも水溶性のゲル化剤が必須であるため、得られた腸溶性カプセルは十分な耐水性、耐酸性を示すものが得られない問題があった。
本発明は、十分な耐水性、耐酸性を有する腸溶性カプセルを得るために、従来見出されていなかった腸溶性ポリマーにおける中和水溶液の熱ゲル化特性を利用した腸溶性硬カプセル用組成物及び腸溶性硬カプセルの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、所定のHPMCASが優れた熱ゲル化特性を有することを見出し、本発明をなすに至った。更に、前記HPMCAS、中和剤及び水を含む腸溶性硬カプセル用組成物を用いることにより、耐水性、耐酸性、機械的強度に優れる腸溶性硬カプセルの製造が可能であることを見出した。
本発明の一つの形態では、無水グルコース単位当たりのアセチル基モル置換度が0.6〜0.8であり、前記アセチル基モル置換度と無水グルコース単位当たりのスクシニル基モル置換度との比が2.0〜4.0である前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルと、中和剤と、水とを少なくとも含む腸溶性硬カプセル用組成物を提供できる。
本発明の他の形態では、50〜80℃に加熱した成形ピンを、このヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル含有腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬する工程と、浸漬された成形ピンを前記腸溶性硬カプセル用組成物から引き上げる工程と、引き上げられた成形ピン上に形成された、前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのゲル層を乾燥する工程とを少なくとも含む腸溶性硬カプセルの製造方法を提供できる。
本発明によれば、耐水性、耐酸性、機械的強度に優れ、外観の向上した高品質な腸溶性硬カプセルを生産することができる。HPMCASは植物系セルロース誘導体であるため、狂牛病汚染による影響がなく、市場に安定供給することが可能となる。更に、従来の設備をそのまま使用することができるため工業的に大量生産が可能となる。
腸溶性硬カプセル用組成物は、好ましくは、特定の置換度を有するHPMCASと、中和剤と、水とを含む水性組成物であって、水不溶性の酸性ポリマーであるHPMCASを中和剤にて中和することにより溶解した水溶液である。
特定の置換度を有するHPMCASは、腸溶性硬カプセル用基剤として使用される。腸溶性硬カプセル用基剤としては、フィルムの機械的特性、透明性、ガスバリアー性等に優れるヒプロメロースフタル酸エステル(HPMCP)、HPMCAS等のセルロース誘導体が適するが、本発明においては特定の置換度を有するHPMCASが使用される。
HPMCASは、セルロースにヒドロキシプロポキシ基、メトキシ基、アセチル基、スクシニル基の4種類の置換基を有するセルロース誘導体である。HPMCASの4種類の置換基の置換度は、第17改正日本薬局方第一追補の医薬品各条「ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル」に記載されている方法により測定できる。
HPMCASにおける無水グルコース単位当たりのアセチル基モル置換度は、0.6〜0.8、好ましくは0.60〜0.75、より好ましくは0.6〜0.7である。0.6未満では十分な熱ゲル強度を示さない。また、0.8超過では常温での腸溶性硬カプセル用組成物の流動性が低下する。
HPMCASにおける無水グルコース単位当たりのアセチル基モル置換度と無水グルコース単位当たりのスクシニル基モル置換度との比(アセチル基モル置換度/スクシニル基モル置換度)は2.0〜4.0、好ましくは2.3〜4.0、より好ましくは2.5〜3.7である。2.0未満では十分なゲル強度を示さない。また、4.0超過では常温での腸溶性硬カプセル用組成物の流動性が低下する。
HPMCASにおける無水グルコース単位当たりのスクシニル基モル置換度は、特に限定されないが、好ましくは0.15〜0.40、より好ましくは0.15〜0.35、更に好ましくは0.15〜0.3である。
HPMCASにおける無水グルコース単位当たりのメトキシ基モル置換度は、特に限定されないが、好ましくは1.0〜2.9、より好ましくは1.4〜2.0、更に好ましくは1.7〜2.0である。
HPMCASにおける無水グルコース単位当たりのヒドロキシプロポキシ基のモル置換度は、特に限定されないが、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.1〜0.8、更に好ましくは0.15〜0.28である。
HPMCASの熱ゲル特性は、貯蔵弾性率G’(5→90℃)と損失弾性率G”の関係を用いて評価する。一般に損失弾性率G”とは、溶液の粘性成分、つまり流体の運動にともなって、流体が変形され抵抗を生じる性質の成分を表す。
貯蔵弾性率G’(5→90℃)と損失弾性率G”は、例えばAnton Paar社のレオメーターであるMCR301を用いて測定することができる。
レオメーターの試料測定部を、予め5℃に温調しておき、HPMCAS15質量%アンモニア当量中和水溶液を調製し、それを試料部測定部にセットし、測定治具に直径50mmφの平行板(PP−50)を用いて、測定ギャップ0.5mmにセットする。測定治具の外周をシリコーンオイルで覆い、5℃にて5分間静置した後、周波数を1Hz、振幅1%のひずみをかけ測定を開始する。試料測定部は、毎分2℃ずつ90℃までペルチェ温度制御にて昇温させる。データは毎分2点収集する。この測定で得られる貯蔵弾性率G’(5→90℃)及び損失弾性率G”は、測定系の温度が上昇するに従い値が変化し、損失弾性率G”(5→90℃)と貯蔵弾性率G’が等しい値、つまりG”/G’=1となるときの温度をゲル化温度とした。また、加熱された成形ピンが腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬した時の成形ピンの表面温度が60℃付近と想定されたため、60℃における貯蔵弾性率G’をゲル強度として評価した。
スクシニル基モル置換度と当量のアンモニアにより中和されたHPMCAS15質量%水溶液のゲル化温度は、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜60℃であり、更に好ましくは15〜50℃である。ゲル化温度が5℃未満ではゲル化温度が低すぎるため、常温での腸溶性硬カプセル用組成物の流動性が低下する場合がある。また、ゲル化温度が70℃超過ではカプセル成形時に液だれが発生し、均一な膜厚のカプセルを得ることができない場合がある。
スクシニル基モル置換度と当量のアンモニアにより中和されたHPMCAS15質量%水溶液の60℃におけるゲル強度は、好ましくは10Pa以上、より好ましくは20Pa以上、更に好ましくは40Pa以上である。ゲル強度が10Pa未満では、カプセル成形時に液だれが発生し、均一な膜厚のカプセルを得ることができない。ゲル強度の上限は特に制限されないが、膜厚制御の観点から1000Pa以下が好ましい。
HPMCASの20℃における2質量%の希(0.1mol/L)水酸化ナトリウム水溶液の粘度は、機械的強度及びカプセルの成形性の制御の観点から、好ましくは2.0〜20mPa・s、より好ましくは2.4〜3.6mPa・sである。粘度は、第17改正日本薬局方のHPMCASの一般試験法の粘度測定法に記載のウベローデ型粘度計を用いた方法により測定することができる。
HPMCASは、例えば、特開昭54−61282号公報に記載の方法を用いて製造できる。原料となるHPMCを氷酢酸に溶解し、エステル化剤として無水酢酸と無水コハク酸、反応触媒として酢酸ナトリウムを添加して加熱することにより反応させる。反応終了後、反応液に多量の水を添加してHPMCASを析出させる。その析出物を水洗後、乾燥することにより得られる。
腸溶性硬カプセル用組成物中のHPMCASの濃度としては、カプセルの膜厚の均一性の観点から、好ましくは10〜25質量%、より好ましくは10〜20質量%である。
中和剤としては、アルカリ性物質であるアンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化カリウム及びその混合物が挙げられる。カプセル皮膜中のアルカリ残存量が少ない程、優れた耐水性、腸溶性を示すため、中和剤は乾燥後に揮発してカプセル皮膜に残存し難いアンモニアが好ましい。
中和剤の添加量は、HPMCASを中和して透明な水溶液を製造するに必要な量であり、HPMCASのスクシニル基のモル数を100モル%とした場合、80〜120モル%が好ましい。
腸溶性硬カプセル用組成物中の水量は、HPMCAS濃度や中和剤含有量によって決まるが、好ましくは70〜90質量%である。
腸溶性硬カプセル用組成物は、基本的に水溶性ゲル化剤は不要であるが、更なる強度向上のため水溶性ゲル化剤を含有することができる。水溶性ゲル化剤としては、MC、HPMC、カラギーナン、ジェランガム、ペクチン、寒天、アルギン酸ナトリウム等が挙げられる。水溶性ゲル化剤の含有量は、腸溶性カプセルの耐水性、耐酸性、機械的強度の観点から、好ましくは4質量%以下、より好ましくは1質量%以下、更に好ましくは0.5質量%以下である。
また、腸溶性硬カプセル用組成物は、必要に応じてクエン酸トリエチル、トリアセチン、グリセリン脂肪酸エステル、ポリソルベート80、ポリエチレングリコール等の可塑剤や酸化チタン、アルミニウムレーキ等の顔料を含有することができる。可塑剤の含有量は、好ましくは0〜15質量%である。顔料の含有量は、好ましくは0〜10質量%である。
腸溶性カプセル用組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、HPMCASを水に分散し、中和剤を添加して水溶液とする方法が挙げられる。具体的には、例えばHPMCASを水に添加し、プロペラ撹拌又はホモジナイザー等により、分散して得られた水分散液に中和剤を添加する方法が挙げられる。プロペラ撹拌又はホモジナイザーの回転数は、泡が発生してポリマーが集塊しないように分散液を比較的穏やかな撹拌の状態に維持する観点から、プロペラ撹拌の場合は好ましくは100〜1200rpm、ホモジナイザーの場合は好ましくは500〜10000rpmである。調整する時の温度は、冷却時間又はカプセル膜厚の均一性の観点から、好ましくは5〜60℃、より好ましくは10〜30℃である。
腸溶性硬カプセル用組成物の粘度は、特に制限されるものではないが、腸溶性硬カプセルの膜厚の制御の観点から、20℃において、好ましくは100〜10000mPa・s、より好ましくは1000〜5000mPa・sである。腸溶性硬カプセル用組成物の粘度は、日本薬局方一般試験法の粘度測定法に記載されているブルックフィールド型粘度計であるB型粘度計にて測定可能である。
腸溶性硬カプセルを製造するための浸漬工程では、50〜80℃に加熱した成形ピンを、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル含有腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬する。成形ピンは、その浸漬前に、好ましくは30〜80℃、より好ましくは50〜80℃に加熱する。成形ピンの温度が30℃未満では腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬した時のゲル化が不十分であり、成形ピンからの液だれが発生する可能性がある。成形ピンの温度が80℃超過では効果の変化がみられない。
腸溶性硬カプセル用組成物への浸漬時間は、成形ピンへの付着量の観点から、好ましくは1〜10秒間、より好ましくは2〜6秒間である。
腸溶性硬カプセルを製造するための引き上げ工程では、浸漬された成形ピンを腸溶性硬カプセル用組成物から引き上げる。成形ピンの引き上げ時間は、成形ピンへの付着量の観点から、好ましくは1〜30秒間、より好ましくは5〜10秒間である。
腸溶性硬カプセルを製造するための乾燥工程では、引き上げられた成形ピン上に形成された、ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのゲル層を乾燥する。成形ピン上に形成されたゲル層を乾燥する温度は、生産性又は硬カプセル表面の平滑性の観点から、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃である。
成形ピン上に形成されたゲル層を乾燥する時間は、乾燥温度や装置によって異なるが、十分な乾燥又は生産性の観点から、好ましくは0.5〜3時間、より好ましくは1〜2時間である。
硬カプセルのサイズとしては、00号、0号、1号、2号、3号、4号、5号、9号等があるが、本発明ではいずれのサイズの硬カプセルも製造し、使用することができる。得られた腸溶性硬カプセルは、耐水性、耐酸性、機械的強度に優れ、外観の向上した高品質な腸溶性硬カプセルであるため、医薬、健康食品等に利用可能である。
カプセル内に封入する薬物や有効成分としては、経口投与可能なものであれば特に限定されるものではない。かかる薬物としては、例えば、中枢神経系薬物、循環器系薬物、呼吸器系薬物、消化器系薬物、抗生物質、鎮咳・去たん剤、抗ヒスタミン剤、解熱鎮痛消炎剤、利尿剤、自律神経作用薬、抗マラリア剤、止潟剤、向精神剤、ビタミン類及びその誘導体等が挙げられる。
中枢神経系薬物としては、例えば、ジアゼパム、イデベノン、アスピリン、イブプロフェン、パラセタモール、ナプロキセン、ピロキシカム、ジクロフェナック、インドメタシン、スリンダック、ロラゼパム、ニトラゼパム、フェニトイン、アセトアミノフェン、エテンザミド、ケトプロフェン及びクロルジアゼポキシド等が挙げられる。
循環器系薬物としては、例えば、モルシドミン、ビンポセチン、メチルドパ、ジピリダモール、フロセミド、トリアムテレン、ニフェジビン、アテノロール、スピロノラクトン、メトプロロール、ピンドロール、カプトプリル、硝酸イソソルビト、塩酸デラプリル、塩酸メクロフェノキサート、塩酸ジルチアゼム、塩酸エチレフリン、ジギトキシン、塩酸プロプラノロール及び塩酸アルプレノロール等が挙げられる。
呼吸器系薬物としては、例えば、アムレキサノクス、デキストロメトルファン、テオフィリン、プソイドエフェドリン、サルブタモール及びグアイフェネシン等が挙げられる。
消化器系薬物としては、例えば、2−[〔3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロエトキシ)−2−ピリジル〕メチルスルフィニル]ベンゾイミダゾール及び5−メトキシ−2−〔(4−メトキシ−3,5−ジメチル−2−ピリジル)メチルスルフィニル〕ベンゾイミダゾール等の抗潰瘍作用を有するベンゾイミダゾール系薬物、シメチジン、ラニチジン、塩酸ピレンゼピン、パンクレアチン、ビサコジル並びに5−アミノサリチル酸等が挙げられる。
抗生物質としては、例えば、塩酸タランピシリン、塩酸バカンピシリン、セファクロル及びエリスロマイシン等が挙げられる。
鎮咳・去たん剤としては、例えば、塩酸ノスカピン、クエン酸カルベタペンタン、臭化水素酸デキストロメトルファン、クエン酸イソアミニル及びリン酸ジメモルファン等が挙げられる。
抗ヒスタミン剤としては、例えば、マレイン酸クロルフェニラミン、塩酸ジフェンヒドラミン及び塩酸プロメタジン等が挙げられる。
解熱鎮痛消炎剤としては、例えば、イブプロフェン、ジクロフェナクナトリウム、フルフェナム酸、スルピリン、アスピリン及びケトプロフェン等が挙げられる。
利尿剤としては、例えば、カフェイン等が挙げられる。
自律神経作用薬としては、例えば、リン酸ジヒドロコデイン、dl−塩酸メチルエフェドリン、硫酸アトロピン、塩化アセチルコリン及びネオスチグミン等が挙げられる。
抗マラリア剤としては、例えば、塩酸キニーネ等が挙げられる。
止潟剤としては、例えば、塩酸ロペラミド等が挙げられる。
向精神剤としては、例えば、クロルプロマジン等が挙げられる。
ビタミン類及びその誘導体としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB1、フルスルチアミン、ビタミンB2、ビタミンB6、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、パントテン酸カルシウム及びトラネキサム酸等が挙げられる。
以下、本発明を実施例及び比較例によって更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例の記載に限定されるものではない。
実施例1
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水83.13質量部に添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水1.87質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。この試験液の熱ゲル特性は、Anton Paar社のレオメーターMCR301を用いて上述した貯蔵弾性率G'(5→90℃)と損失弾性率G”の関係により評価し、貯蔵弾性率G'(5→90℃)と損失弾性率G”が等しい値となるときの温度をゲル化温度、60℃における貯蔵弾性率G'をゲル強度として表1に示した。
次に、上記試験液を腸溶性硬カプセル用組成物とし、15℃に調整された腸溶性硬カプセル用組成物に、70℃に加熱された直径7mmで高さ22mmの円柱状の成形ピン(0号)を3秒間浸漬し、成形ピンを10秒間かけて引き上げた。成形ピンを反転させ、60℃のオーブンにて2時間成形ピン上に形成されたゲルを乾燥し、カプセルを得た。得られたカプセルの上部(円柱の上面から高さ方向に4mm内側の地点)、中央部(円柱の上面から高さ方向に10mm内側の地点)、下部(円柱の上面から高さ方向に20mm内側の地点)の膜厚を、シックネスゲージ(ミツトヨ社製)を用いて各々6箇所(各地点から周方向に60度ごと)測定し、その平均を求め、表1に示した。また、下記式により液だれ率を算出し、表1に示した。
液だれ率(%)=[(中央部膜厚−下部膜厚)/中央部膜厚]×100
実施例2
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水82.85質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水2.15質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
実施例3
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水82.55質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水2.45質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
実施例4
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水82.36質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水2.64質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
比較例1
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水82.17質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水2.83質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
比較例2
下記表1に示した置換度を有するHPMCAS15質量部を15℃の水81.29質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水3.71質量部(スクシニル基と当モル量)を添加することにより、HPMCASの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
比較例3
下記表1に示した置換度を有するHPMCP15質量部を15℃の水79.69質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水5.31質量部(カルボキシベンゾイル基と当モル量)を添加することにより、HPMCPの熱ゲル特性測定用の試験液を調製した。実施例1と同様に熱ゲル特性及びカプセルの成形性の評価を行い、その結果を表1に示した。
Figure 2018008886
実施例1〜4の腸溶性硬カプセル用組成物は、何れも室温付近で熱ゲル化し、腸溶性硬カプセル成形時における成形ピンの表面温度付近と考えられる60℃におけるゲル強度も高いため、カプセル成形時の液だれが10%以下と少なく、外観上均一な膜厚のカプセルを得ることができた。一方、比較例1〜3の腸溶性硬カプセル用組成物は、何れも熱ゲル化特性を示さず、液だれが発生し、カプセル成形時の液だれ率が高かった。そのため、成形ピンへの十分な付着量が得られず、十分な強度を示す腸溶性硬カプセルが得られなかった。
実施例5
実施例1で製造したカプセルについて、第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて崩壊時間を測定した。試験液としては、第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
実施例6
実施例2で製造したカプセルについて、第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて崩壊時間を測定した。試験液としては、第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
実施例7
実施例3で製造したカプセルについて、第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて崩壊時間を測定した。試験液としては、第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
実施例8
実施例4で製造したカプセルについて、第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて崩壊時間を測定した。試験液としては、第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
比較例4
比較例2と同様の置換基を有するHPMCAS10.5質量部を15℃の水56.9質量部を添加し、撹拌機にて分散した。これに10質量%アンモニア水2.6質量部(スクシニル基と当モル量)を添加して腸溶性硬カプセル用組成物を調製し、更にメトキシ基置換度:1.89、ヒドロキシプロポキシ基置換度:0.25のHPMCの15質量%水溶液を30g添加混合した。次に、実施例1と同様の方法にて腸溶性硬カプセルを作製した。製造したカプセルについて第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて、崩壊時間を測定した。試験液としては第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
比較例5
比較例3と同様の置換度を有するHPMCP14.3質量部を15℃の水73.14質量部を添加し、撹拌機にて分散した。ここに10質量%アンモニア水5.06質量部(カルボキシベンゾイル基と当モル量)を添加して腸溶性硬カプセル用組成物を調製し、更に10質量%寒天水溶液を7.5g添加混合した。その後、実施例1と同様の方法にて腸溶性硬カプセルを製造した。製造した腸溶性硬カプセルについて、第17改正日本薬局方の一般試験法の崩壊試験にて崩壊時間を測定した。試験液としては、第1液(pH:1.2)及び第2液(pH:6.8)を使用した。更に耐水性を評価するために水も使用した。
Figure 2018008886
実施例5〜8の腸溶性硬カプセルは、水及び第1液における崩壊時間が120分以上であり、耐水性、耐酸性に優れる腸溶性硬カプセルであったが、比較例4、5で使用したHPMCAS又はHPMCPを含む腸溶性硬カプセル用組成物は熱ゲル特性を示さず、十分な強度を示す硬カプセルを製造できなかったため、更に水溶性ゲル化剤であるHPMC又は寒天を添加した。そのため、耐水性が低く、耐酸性も不十分であった。

Claims (5)

  1. 無水グルコース単位当たりのアセチル基モル置換度が0.6〜0.8であり、前記アセチル基モル置換度と無水グルコース単位当たりのスクシニル基モル置換度との比が2.0〜4.0である前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルと、中和剤と、水とを少なくとも含む腸溶性硬カプセル用組成物。
  2. 前記スクシニル基モル置換度と当量のアンモニアにより中和された前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルの15質量%水溶液が、5〜60℃のゲル化温度を有する請求項1に記載の腸溶性硬カプセル用組成物。
  3. 前記スクシニル基モル置換度と当量のアンモニアにより中和された前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルの15質量%水溶液が、60℃において、10Pa以上のゲル強度を有する請求項1又は請求項2に記載の腸溶性硬カプセル用組成物。
  4. 前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのスクシニル基のモル数を100モル%とした場合、前記中和剤が、80〜120モル%含まれる請求項1〜3のいずれか一項に記載の腸溶性硬カプセル用組成物。
  5. 50〜80℃に加熱した成形ピンを、請求項1〜4のいずれか一項に記載のヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステル含有腸溶性硬カプセル用組成物に浸漬する工程と、
    浸漬された成形ピンを前記腸溶性硬カプセル用組成物から引き上げる工程と、
    引き上げられた成形ピン上に形成された、前記ヒプロメロース酢酸エステルコハク酸エステルのゲル層を乾燥する工程と
    を少なくとも含む腸溶性硬カプセルの製造方法。
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