JP2018008328A - ワイヤソー装置 - Google Patents

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Atsunori Takeda
篤徳 武田
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Abstract

【課題】ワイヤソーを用いて被加工物を加工切断する際、多様な加工態様に柔軟に対応できるようにする。
【解決手段】ワイヤソー装置1は、多軸制御により、自在に移動可能な1台のロボットアーム2と、ロボットアーム2に接続されたワイヤソーユニット3と、ワイヤソーユニット3内に軸支された複数のプーリに掛け渡されたワイヤ8と、ワイヤ8の切断加工域20を形成するガイドローラ4a、4bと、ロードセル9とを有している。ガイドローラ4a、4b近くに設けられたロードセル9によって、ワイヤ8の撓み状況を正確に把握し、撓みを低減させ、精度の高い切断加工を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、多関節で多軸制御可能なロボットアームを利用して、被加工物を切断加工するワイヤソー装置に関する。
従来より、シリコンやサファイア等の被加工物をウエハ状に切り出す手段としてワイヤソー装置が知られている。ワイヤソー装置は、複数のガイドローラ間に切断用ワイヤが巻き掛けられることによりワイヤが多数本並んだワイヤ列を形成する。ワイヤソーは、ワイヤを一方向走行または往復走行させながら、ワイヤ列に被加工物を切断送りする。そして、被加工物をワイヤ列に押し付けることで、被加工物をウエハ状に多数同時に切り出すように構成されている。ワイヤに、鋼線で形成された芯線にダイヤモンド等の砥粒が電着、レジン等で固定された固定砥粒ワイヤを用いた、固定砥粒方式のワイヤソー装置も知られている。
通常、ワイヤソー装置では、被加工物への切断が進むとワイヤに撓みが生じ、撓みを制御できなければ、ワイヤが断線する結果になる。また、加工精度も落ちる。そこで、撓みを制御し、しいては安定したワイヤの走行の制御を実現するために、次のような各種のワイヤソー装置が提案されている。
溝ローラ間に形成された一方向又は往復方向に走行される多条のワイヤ列に、加工液を供給しつつ、被加工物を押し付けて切断するワイヤソー装置で、走行するワイヤに所定の張力を付与するダンサローラを設ける。本装置は、ダンサローラにかかる荷重を検出するためのダンサローラ近辺に配されたロードセルと、ダンサローラの基準点からの変位量を測定する変位検出装置とを備え、ロードセルと変位検出装置からの検出結果を制御装置に発信し、リールからのワイヤの繰出し量又は巻取り量を調整し、ワイヤの撓みを制御するワイヤソー装置である(例えば、特許文献1)。
また、ワイヤの張力を測定する張力センサと、ワイヤを押圧してワイヤの撓みを調整する機構とを有するワイヤソー装置であって、張力センサが常時ワイヤ列に当接するセンサローラと、センサローラを介してワイヤ列の押圧力を検出し、ワイヤの撓み量を検出するロードセンサとから構成される。ワイヤの撓みを調整する機構は、作動子と、作動子の先端部に設けられワイヤ列に当接する調整ローラと、作動子を介して調整ローラをワイヤ列に押圧する上下方向及びワイヤ列と平行な水平方向に移動させる駆動手段とから構成される。張力センサによってワイヤの張力を測定し、調整ローラをワイヤ列に押圧する上下方向に移動させる駆動手段を動作させて、ワイヤの張力を調整する(例えば、特許文献2)。
また、多種の被加工物や多様な加工態様、例えば曲面形状への加工を柔軟に対応出来る装置としては、ワイヤの撓み制御を搭載した次のようなワイヤソー装置が提案されている。
2つのアームの先端に設けられた、それぞれの切断用ローラの間に懸架されたワイヤを走行させると共に、切断用ローラの回転の中心線を、加工しようとする曲面に対して垂直な状態で維持する。切断用ローラの回転の中心線を加工方向において、仰角・俯角の方向に変化させ、切断用ローラが曲面の仰角・俯角の変化に追従する。それに合わせて、ローラに懸架されたワイヤを被加工物に押し付け、被加工物に曲面を形成する切断加工方法が行われている(例えば特許文献3)。本ワイヤソー装置では、切断用ローラの間隔が長い時、ワイヤの撓み防止対策のために、双方のアーム間にガイドバーを架け渡し、ガイドバーの中間位置であって、切断用ローラの中間点に、撓み防止用ガイドローラを設けて、一対の切断用ローラとともに自由に角度を変える構造にし、ワイヤの中間位置を支えて、ワイヤの撓みを抑制している。
特開平10−119031号公報 特許第4390363号公報 特開2014−73549号公報
特許文献1に開示されたワイヤソー装置は、ワイヤの撓み制御のための情報収集のために、ワイヤに所定の張力を付与するダンサローラと、ダンサローラにかかる荷重を検出すするロードセルと、ダンサローラの基準点からの変位量を測定する変位検出装置等、ワイヤの張力検出に複数の機構が必要となる。さらには、砥粒を含む加工液を使用することが前提となっているため、ダンサローラ、ロードセル、変位検出装置が加工液に晒されないように鉄のプレート等で隔壁することが必須となり、装置内部の構造が複雑となる。
特許文献2に開示されたワイヤソー装置は、ワイヤの張力検出は簡素な構成ではあるが、ワイヤの張力調整には作動子の先端に押圧ローラを設けて動かすように、複雑な構成をとる。さらには、ワイヤの張力を検出するロードセンサが加工域近くに配されるので、砥粒を含む加工液を用いた場合、張力検出機能が劣化する恐れがある。
特許文献3に開示されたワイヤソー装置は、大きな被加工物の曲面形状への加工を特徴としている。それ故、ワイヤが懸架された左右の切断用ローラが被加工物に干渉しないようにするためには、左右の切断用ローラを、ある一定の距離以上をもって配置する必要がある。加えて、被加工物のサイズが大きくなると、撓み防止用の機構を備えるためには、切断用ローラ間の距離を広げ、撓み防止用のローラを支持するガイドバーも長くしなければならない。そのため、ガイドバーを支持するアームに、より負荷がかるのでアームの耐久性が必須となる。
したがって、本発明の課題は、ワイヤの撓み抑制を簡素な構造で実現しつつ、本装置の機動力を損なうことなく、被加工物の切断加工のためのロボットアームの可動範囲を広く確保し、その可動範囲であれば、被加工物の方位、方向に関係なく、多様な切断加工ができ、また、被加工物の種類やサイズに対しても、柔軟に対応出来るような、ワイヤソー装置を提供することである。
上記の課題のもと、本発明は、ロボットアーム、ワイヤ、ワイヤソーユニット、ノズル、およびロボットの制御装置を有機的に組み合わせて、装置を構成し、被加工物の多種多様な加工態様に、対応出来るようにしている。
すなわち、上述の課題を解決するために、請求項1の発明は、多軸制御により自在に移動可能な1台のロボットアームの先端に接続されたワイヤソーユニット内に、軸支された複数のプーリにワイヤが架け渡され、前記ロボットアームを予め設定された方向に移動させながら、前記ワイヤソーユニット内の前記ワイヤを走行させて、前記ワイヤの被加工物切断域を被加工物に押し付けることにより、前記被加工物を所定形状に切断するワイヤソー装置において、前記ワイヤソーユニットの先端で、ワイヤが懸架され被加工物切断域を形成する一対のガイドプーリと、前記ガイドプーリのうち少なくとも一つの回転軸に設けられたロードセルと、前記ロードセルにより、前記ワイヤにかかる負荷を測定し、ワイヤの撓みを制御する制御装置と、を備えることを特徴とするワイヤソー装置である。
また、請求項2の発明は、前記制御装置が、前記測定結果から被加工物に対して前記ワイヤを押し付ける速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー装置である。
また、請求項3の発明は、前記制御装置が、前記測定結果から被加工物に対して前記ワイヤの走行速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー装置である。
また、請求項4の発明は、前記ロボットアームの先端にツールチェンジャーを設け、前記ツールチェンジャーを介して前記ロボットアームとワイヤソーユニットとを脱着自在に構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤソー装置である。
また、請求項5の発明は、前記ワイヤソーユニットにおいて、少なくとも1つのエアーを噴射するノズルを有し、前記ノズルが前記被加工物切断加工域のワイヤ及び被加工物の切断加工面にエアーを噴射することにより、切断屑を除去するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤソー装置である。
本発明に関するワイヤソー装置では、回転自在な運動機能を備えたツールチェンジャーを介して、ロボットアームとワイヤソーユニットが接続されている。また、一体のロボットアームのため、被加工物の形状、大きさに合わせて、ロボットアームの交換が容易であり、装置の設置スペースもそれほど必要がない。ロボットアームの動作で、ワイヤソーユニットが自由に移動可能で、ワイヤソーユニットに懸架されたワイヤを被加工物に押し付け、被加工物を平面形状に切断加工するだけでなく、曲面形状に切断加工するといった多様な加工形態を実現できる。
加工精度面において、切断加工域近くにロードセルを設けることにより、ワイヤの撓み状況をより正確に把握出来る。曲面加工では、ワイヤにかかる負荷が一方向ではないため、ワイヤが撓みすぎると、ワイヤがプーリから脱線するし、ワイヤがたわんだ状態では高精度の加工はできない。本装置では、ワイヤの撓みを低減させ、抑制するためそれら問題点の解消が可能となる。
利便性の面において、ロボットアームの先端に設けられているワイヤソーユニットは、ロボットアームとワイヤソーユニット間を連結するツールチェンジャーを介しているため、脱着可能である。ワイヤ及びプーリを交換する際には、前記ワイヤソーユニットをロボットアーム本体から外すので、作業者が自身とより近い距離で細かい作業を行いやすい。そのため、メンテナンス性に優れている。また、被加工物の種類、サイズによって、選択的にワイヤソーユニットや、ワイヤを容易に交換することが出来る。
コスト面において、ノズルから噴出されるエアーにより切断屑を除去する方式(乾式)の採用で、洗浄目的で加工部に向けて放出される洗浄液を使わずに済み、コスト削減が可能となる。くわえて、切断屑で汚染された洗浄液を廃棄する必要もなく、環境面においても優位性がある。
本発明に係る、ワイヤソー装置の一部破断全体図である。 本発明に係る、ワイヤソーユニットの拡大平面図である。 本発明に係る、図2のA−A方向拡大正面図である。 本発明に係る、ワイヤソー装置での切断加工動作の説明図である。 本発明に係る、ロードセル配置部のガイドプーリ周辺の拡大図である。 本発明に係る、撓み制御の方法の説明図である。 本発明に係る、ツールチェンジャーの拡大断面図である。 (a)は、本発明に係る、被加工物である通気性部材の保持方法を表す説明図であり、(b)は、ハニカム部材の被加工物を切断加工する方法を表す説明図である。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
図1は、本発明のワイヤソー装置1の一部破断全体図である。
ワイヤソー装置1は、ロボットアーム2の先端部に連結されたツールチェンジャー7を介して、脱着自在に接続されたワイヤソーユニット3を有する。
図2、図3、図4によって示されるワイヤソーユニット3は、ロボットアーム2側のツールチェンジャー7(図7に示す)のオス部18と、ワイヤソーユニット3側のツールチェンジャー7のメス部19が図示しないプランジャー等の適宜の手段で係合し、ロボットアーム2に脱着可能に装着される。ロボットアーム2の内部モーター(図示せず)の稼働で、回転軸15を駆動し、駆動制御装置(図示せず)により回転体12の回転は適宜制御され、これにより、ツールチェンジャー7は回動可能となる。回転体12の動きに合わせ、ツールチェンジャー7を介して、ワイヤソーユニット3も360度回転可能だが、実際、切断加工する場合は、駆動制御装置(図示せず)によって、回転角度が制御される。ワイヤソーユニット3の内部は、2つのガイドプーリ4a、4bと、複数の回転プーリ5と、回転プーリ5を回転させる駆動源(図示せず)が設けられている。ここでは、複数の回転プーリ5のうち少なくとも一つは、張力調整用のテンションプーリである。また、ワイヤソーユニット3の先端部に設けられるガイドプーリ4a、4bのV溝上を、ワイヤ8が通過し、ガイドプーリ4aと4b間に、切断加工域20を形成する。ワイヤソーユニット3全体は、軽量で耐久性に優れた部材(例えば炭素繊維)のカバーで覆うことも出来る。
ワイヤソーユニット3内部の回転プーリ5に巻回されているワイヤ8は、無端状に形成される。ワイヤ表面にダイヤモンド等の砥粒が電着やレジン等で固定された固定砥粒方式のワイヤを用いてもよい。
また、ワイヤ8を無端状のループに形成するのではなく、ワイヤソーユニット3内部にワイヤの供給リール及び回収リールを設け、ワイヤの両端をそれぞれのリールに巻回させ、供給側のリールから繰出されたワイヤが回収側の回収リールに巻取られるようにし、一方で、ワイヤ8の走行方向が切り替わる際には、供給側と回収側が逆の状態となって、ワイヤ8の繰出し及び巻取りが行なわれるようにしてもよい。
ロボットアーム2は、基端がベース24上に取り付けられている。ロボットアーム2は、多軸制御可能で昇降、回転、移動自在の多関節である。ベース24を支点とし、ロボットアーム2の内部モーター(図示せず)によって稼働し、駆動制御装置(図示せず)により、ロボットアーム2の移動経路が制御される。制御されたロボットアーム2の動きによって、ワイヤ8が被加工物6を切断加工していく。
図5は、ワイヤの撓み制御のために、ロードセル9をガイドプーリ4aの回転軸15に設けた場合の拡大図である。ロードセル9は、ガイドプーリ4aの回転軸15に軸支され、回転軸15は、ブラケット25によりワイヤソーユニット3に固定される。回転軸15に軸支され、ワイヤ8近くに設けられるのであれば、ロードセル9を設ける位置を図5(a)、図5(b)のようにしてもよい。図5(a)では、回転軸15がワイヤソーユニット3の内側方向から延伸して、ガイドプーリ4aをワイヤソーユニット3の先端に設ける形態をとっている。この場合、ロードセル9は、ワイヤソーユニット3の内側方向から回転軸15に軸支される。図5(b)では、回転軸15がワイヤソーユニット3の外側方向から延伸して、ガイドプーリ4aを先端に設ける形態をとっている。この場合、ロードセル9は、ワイヤソーユニット3の外側方向から回転軸15に軸支されている。
図6は、以下に説明するワイヤの撓み制御の方法を補足するものである。
例えば、第1の方法として(図6(a))、被加工物を切断する場合のワイヤ8にかかる負荷を、ガイドプーリ4a、4bの一方もしくは両方に設けられたロードセル9によって検出し、駆動制御装置(図示せず)によって、その負荷が無くなるまでワイヤ8の被加工物を切断する切断速度を落とすために、ロボットアーム2の動きで被加工物に対するワイヤ8を押し付ける速度、または、ワイヤ8の走行速度を調整し、ワイヤ8の撓み制御に繋げてもよい。
また、第2の方法として(図6(b))、ガイドプーリの4a、4bのいずれか一方にロードセル9を設け、まず、任意の押し当て力を定める。駆動制御装置(図示せず)によって、ロボットアーム2の動きでワイヤ8を被加工物へ押し当て、その押し当て力のアナログ数値をロードセル9に登録する。被加工物を切断する際に、その数値をもとに、ロードセル9にかかる負荷状態から撓み量が算出される。その撓み量によって、ロボットアーム2の動きで被加工物6に対するワイヤ8を押し付ける速度、または、ワイヤ8の走行速度を調整し、ワイヤ8の撓み制御に繋げてもよい。
さらには、第3の方法として(図6(c))、ガイドプーリの4a、4bのいずれか一方に、2方向(X軸方向、Y軸方向)の力を測定できるロードセル9(2分力ロードセル)を設け、ワイヤ8を被加工物6に押し付けた時にX軸方向とY軸方向にかかる力を測定し(tanθ=Y/X)撓み状態を算出しながら、駆動制御装置(図示せず)によって、ロボットアーム2の動きで被加工物に対するワイヤ8を押し付ける速度、または、ワイヤ8の走行速度を調整し、ワイヤ8の撓みを制御することも出来る。
上述の撓み制御の方法としてワイヤ8の走行速度を調整する場合、例えば、ワイヤ8の撓みの発生量が少ないときは、ワイヤ8をゆっくり走行させ、ワイヤ8の撓みの発生量が多いときは、ワイヤ8の走行速度を上げて切り込んでいくように制御させてもよい。
図7は、ロボットアーム2とワイヤソーユニット3の脱着について、実施例の一つを示している。ロボットアーム2側に配置された回転可能な回転体12の先端には、ツールチェンジャー7の基板17aが取り付けられる。一方、ワイヤソーユニット3側に配置された接続ブラケット11の上には、ツールチェンジャー7の基板17bが取り付けられる。基板17aはオス部18を、基板17bはメス部19をそれぞれ有しており、基板17aと基板17bの当接時に、オス部18がメス部19と係合する。結果、ロボットアーム2と、ワイヤソーユニット3が脱着可能となる。ワイヤソーユニット3側のツールチェンジャー7の接続部は、接続ブラケット11に形成される。すなわち、ツールチェンジャー7の接続が、接続ブラケット11内で行われることとなり、ロボットアーム2とワイヤソーユニット3とは当接して係合されるので、ワイヤソーユニット3が回転自在に移動してもツールチェンジャー7の接続部に掛かる負荷は少なくなる。
また、ツールチェンジャー7の基板17a、17bは、相互に対向する複数のコネクタを備えている。そのうち、コネクタ13a、13bはワイヤソーユニット3への給電用コネクタであり、コネクタ14a、14bはノズルへのエアー供給用コネクタである。オス部18とメス部19の係合と同時に、対向するコネクタ14a、14b同士も係合する。
ノズル10はワイヤソーユニット3本体上面に配置されており、被加工物の切断加工面にエアーを吹きつけ、切断屑を吹き飛ばし除去する。エアーを排出する範囲の偏り防止のためには、ワイヤソーユニット3の中心線をはさんでほぼ対称に、1対のノズルを設けることが望ましい。ノズル10の好適な配置位置としては、被加工物を切断する際に、被加工物に接触しないように、ワイヤソーユニット3の切断加工域に懸架されたワイヤ8よりも、ノズル10のエアー吐出口が突出しない程度に設け、併せて、エアーが被加工物の切断加工面に十分に達する範囲内、すなわちワイヤソーユニット3の先端近くに設けることが望ましい。また、ノズル10へのエアーの供給は、ロボットアーム2内部のエアー供給源(図示しない)がエアーを排出して行う。エアー供給源から排出されたエアーは、ロボットアーム2内のエアー供給用ホース16を通過し、ツールチェンジャー7のエアー供給用コネクタ14a、14bを介して、前記コネクタに接続されたワイヤソーユニット3本体上部に配置された、エアー供給用ホース16から、ノズル10へ到達する。この場合において、好適な冷却機構をワイヤソー装置1に設けて、被加工物の切断加工面を冷却するエアーを排出しても良い。また、別途、切断屑を集塵する機能を備えても良い。例えば、図示しない吸引源をワイヤソー装置1内に配し、ノズル10のうち一方を、切断屑を吸引可能としたり、ワイヤソー装置1にノズル10とは別に、吸引ブロア装置を組み合わせることとする。そうすることで、切断屑の周辺への飛散を抑制し、汚染を減じることが可能となる。
上記の一連の構成により、本発明のワイヤソー装置1では、多様な加工態様に柔軟に対応出来る。ロボットアーム2の所定方向への動作によりワイヤソーユニット3が、適宜手段で保持されている被加工物6の位置まで移動する。ワイヤソーユニット3に懸架されているワイヤ8は、回転プーリ5の回転に合わせて循環走行する。ロボットアーム2の動きにより、ワイヤ8の切断加工域20が、被加工物6の下面に押し付けられ(図4に示す)、回転可能なワイヤソーユニット3がノズル10から排出されるエアーで切断屑を除去しながら、所望の形状に被加工物6を切断していく。
本発明のワイヤソー装置1では、昇降、回転、移動自在の多関節のロボットアーム2は自在な動きが可能であり、自在なワイヤソーユニット3との動きと連動して、被加工物を平面形状だけでなく、曲面形状に切断加工することが出来る。このような、柔軟な切断加工性能だけでなく、外部装置との連携性においても優れた面を有している。ロボットアーム2の可動範囲内であれば、方位方向を問わず、可動範囲内にある外部装置のサポートを受けることが可能である。それ故、本装置に余分な機構を付ける必要が無く、その機動性を落とすこともない。例えば、ロボットアーム2の可動範囲内に、ワイヤ8の線径を高速で検出可能な装置を設置する。ロボットアーム2の動きによって、ワイヤ8を前記装置のところまで、定期的に移動させれば、本発明のワイヤソー装置1自身が、ワイヤ8の摩耗を検知する機構を有さなくても、外部装置の検出データにより、ワイヤ8が摩耗によって断線する前に、自発的にワイヤ交換が可能となる。
また、本発明のワイヤソー装置1に余分な機構を付けないことにより、装置本体が簡素化され、大型化を防ぎ、設置場所の余分なスペースが不要となる。例えば、本装置を2台並べて同時に可動させ、その2台の間に、ワイヤ8の寸法検出装置を設置する。そうすることで、2台の本発明の装置で1台の前記検出装置を共有することも可能であり、限られた設置スペースでの作業効率が上がる。
次に、被加工物の種類に応じた切断加工の一態様として、図8(a)、(b)を参照し、本発明の実施形態を示す。例えば、軽量かつ高強度、衝撃吸収性に優れたハニカム部材の切断方法について言及する。当該切断方法についても、本発明のワイヤの撓み制御は重要である。
ハニカム部材は、多数の貫通孔がセル壁を隔てて長手方向に並設されている。貫通孔形状のため、通気性を有する。ハニカム部材の被加工物を切断加工する際には図8(a)のようなテーブル21を用いる。テーブル21は吸着孔23を有しており、その保持面21a上に、被加工物6が垂直方向に載置される。尚、被加工物6は、ハニカム部材の材質として例えば、アラミド繊維、アルミニウム等で構成されている。また、ハニカム形状の部材を炭素繊維強化樹脂(CFRP)で挟持したものであって良いし、ハニカム形状でなく、各種の通気性部材であっても良い。被加工物6は、テーブル21よりも大きく形成される。テーブル21より加工する部分がはみ出している方が、加工切断時にテーブル21がワイヤソーユニット3と干渉しない。
当該テーブル21では、被加工物6を保持面21a上に載置した後、その上面を非通気性部材22で覆う。その際、非通気性部材22は、ナイロンシート、樹脂板等が用いられる。テーブル21内部の吸引機構(図示しない)を稼働させると、テーブル21の吸着孔23を介して、非通気性部材22が吸引され、テーブル21に吸着する。被加工物6は通気性を有しているので、被加工物6上面を覆っている非通気性部材22に働いている吸引力が被加工物6全体をテーブル21に押し付ける。このように、テーブル21に固定された被加工物6は、安定して切断加工出来る。
図4では、ガイドプーリ4a、4bの正面が走行するワイヤ8を、被加工物6の下側表面に対向するよう、押し付けて切る態様が示されている。ここにおいて、単に押し付けて切るだけでなく、ワイヤソーユニット3を揺動させ、被加工物6に対してワイヤ8の角度を付けながら切断させると、ワイヤ8の撓みの低減に繋がる。特に、ハニカム部材ように特有の中空形状のセル壁を有する被加工物6では、切断中にセル壁に負荷がかかる。過度の負荷をかけ、中空形状を変形させないようにするためには、前述のように、ワイヤソーユニット3を所定角度に揺動させながら、切断加工していくことが好ましい。別の切断加工条件によっては、ワイヤソーユニット3を揺動させずに、ロボットアーム2を揺動させてもよい。被加工物6に対するワイヤ8が点接触となり、加工点に集中的に圧力がかかり、ワイヤ8の接触面が小さくなり加工精度が増す。また、揺動切断加工を行うことで、バリの発生を抑制することが出来る。一方で、前述の揺動切断加工においても、ワイヤ8が撓み過ぎると特徴とする、被加工物に対するワイヤ8の点接触が困難となる。よって、ワイヤ8の撓みを制御することは必須であるため、本発明の技術は有用となる。
尚、本発明は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限り、各請求項に示した範囲内において、種々変更を加え得ることは可能である。すなわち、請求項に示した範囲内で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態も、本発明の技術範囲に含まれる。
1 ワイヤソー装置
2 ロボットアーム
3 ワイヤソーユニット
4a ガイドプーリ
4b ガイドプーリ
5 回転プーリ
6 被加工物
7 ツールチェンジャー
8 ワイヤ
9 ロードセル
10 ノズル
11 接続ブラケット
12 回転体
13a 給電用コネクタ
13b 給電用コネクタ
14a エアー供給用コネクタ
14b エアー供給用コネクタ
15 回転軸
16 エアー供給用ホース
17a 基板
17b 基板
18 オス部
19 メス部
20 切断加工域
21 テーブル
21a 保持面
22 非通気性部材
23 吸着孔
24 ベース
25 ブラケット


Claims (5)

  1. 多軸制御により自在に移動可能な1台のロボットアームの先端に接続されたワイヤソーユニット内に、軸支された複数のプーリにワイヤが架け渡され、前記ロボットアームを予め設定された方向に移動させながら、前記ワイヤソーユニット内の前記ワイヤを走行させて、前記ワイヤの被加工物切断域を被加工物に押し付けることにより、前記被加工物を所定形状に切断するワイヤソー装置において、前記ワイヤソーユニットの先端で、ワイヤが懸架され被加工物切断域を形成する一対のガイドプーリと、前記ガイドプーリのうち少なくとも一つの回転軸に設けられたロードセルと、前記ロードセルにより、前記ワイヤにかかる負荷を測定し、ワイヤの撓みを制御する制御装置と、を備えることを特徴とするワイヤソー装置。
  2. 前記制御装置は、前記測定結果から被加工物に対して前記ワイヤを押し付ける速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー装置。
  3. 前記制御装置は、前記測定結果から被加工物に対して前記ワイヤの走行速度を調整することを特徴とする請求項1に記載のワイヤソー装置。
  4. 前記ロボットアームの先端にツールチェンジャーを設け、前記ツールチェンジャーを介して前記ロボットアームとワイヤソーユニットとを脱着自在に構成したことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載のワイヤソー装置。
  5. 前記ワイヤソーユニットにおいて、少なくとも1つのエアーを噴射するノズルを有し、前記ノズルが前記被加工物切断加工域のワイヤ及び被加工物の切断加工面にエアーを噴射することにより、切断屑を除去するようにしたことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれかに記載のワイヤソー装置。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2022553425A (ja) * 2020-01-20 2022-12-22 泰州市晨虹数控設備制造有限公司 デュアルスイングワイヤ切断工作機械

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