JP2018008302A - 接合方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】金属部材同士の位置決めが容易であり、また、金属部材の表面にバリが発生するのを防ぐことができるとともに、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる接合方法を提供することを課題とする。
【解決手段】底面3aに孔部11が形成された凹溝3を有する板状の第一金属部材1と、端面2aに突出部10を有する板状の第二金属部材2を準備する準備工程と、孔部11に突出部10を挿入して、第一金属部材1の裏面1cに第二金属部材2の端面2aが突き合わされた突合せ部J1と、孔部11と突出部10とが突き合わされた突合せ部J2を形成する突合せ工程と、凹溝3に回転ツールGを挿入して凹溝3に沿って相対移動させ、各突合せ部J1,J2を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程とを含み、第一金属部材1から発生するバリVを回転ツールGのショルダ部G1で押さえつつ摩擦攪拌接合を行う。
【選択図】図4
【解決手段】底面3aに孔部11が形成された凹溝3を有する板状の第一金属部材1と、端面2aに突出部10を有する板状の第二金属部材2を準備する準備工程と、孔部11に突出部10を挿入して、第一金属部材1の裏面1cに第二金属部材2の端面2aが突き合わされた突合せ部J1と、孔部11と突出部10とが突き合わされた突合せ部J2を形成する突合せ工程と、凹溝3に回転ツールGを挿入して凹溝3に沿って相対移動させ、各突合せ部J1,J2を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程とを含み、第一金属部材1から発生するバリVを回転ツールGのショルダ部G1で押さえつつ摩擦攪拌接合を行う。
【選択図】図4
Description
本発明は、金属部材同士を摩擦攪拌接合する接合方法に関する。
特許文献1,2には、金属部材同士を正面視T字状に突き合わせ、突合せ部を摩擦攪拌接合する技術が開示されている。当該従来技術は、第一金属部材の端面を、第二金属部材の裏面に形成された凹溝に挿入した後、第二金属部材の表面側から回転ツールを挿入して突合せ部を摩擦攪拌接合するというものである。
従来技術であると、第一金属部材の端面を第二金属部材の凹溝に挿入する形態であるため、第一金属部材の長手方向に両部材が相対移動する。これにより、金属部材同士の位置決めが困難になるという問題がある。また、回転ツールのショルダ部の下端面を第二金属部材の表面に押し込んで摩擦攪拌工程を行うため、第一金属部材の表面にバリが発生する。そのため、バリを除去するバリ除去工程を行わなければならない。更には、回転ツールのショルダ部を第二金属部材の表面に接触させて摩擦攪拌を行うため、摩擦攪拌装置にかかる負荷が大きくなるという問題がある。
このような観点から、本発明は、金属部材同士の位置決めが容易であり、また、金属部材の表面にバリが発生するのを防ぐことができるとともに、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる接合方法を提供することを特徴とする。
このような課題を解決するために本発明は、板状を呈し表面に凹溝を有するとともに前記凹溝に孔部を有する第一金属部材と、板状を呈し端面に突出部を有する第二金属部材と、を準備する準備工程と、前記第一金属部材の裏面に前記第二金属部材の端面を突き合わせるとともに、前記孔部に前記突出部を挿入し、前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の端面とが突き合わされた第一突合せ部と、前記孔部と前記突出部とが突き合わされた第二突合せ部を形成する突合せ工程と、前記第一金属部材の表面側から前記凹溝に回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記凹溝に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含み、前記回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部と前記ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを有し、前記ショルダ部の直径を前記凹溝の幅よりも小さく設定し、前記摩擦攪拌工程において、前記回転ツールのショルダ部を前記凹溝内に挿入し、前記ショルダ部を前記凹溝の底面から離間させた状態で、前記第一金属部材から発生するバリを前記ショルダ部で押さえつつ、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする。
かかる方法によれば、突出部及び孔部によって両金属部材を位置決めすることができる。この位置決めした状態で双方の金属部材を摩擦攪拌接合するので、接合精度を高めることができる。また、凹溝の底面、凹溝の側壁及びショルダ部の下端面で狭い空間が形成されるため、バリが散飛するのを防ぐとともに凹溝の底面にバリを堆積させることができる。これにより、第一金属部材の表面にバリが発生するのを防ぐことができるとともに、第一金属部材の表面のバリ除去工程等の表面処理を省略化することができる。また、凹溝の底面にショルダ部を押し込まないため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる。
また、前記摩擦攪拌工程の前に、前記第二突合せ部を仮接合する仮接合工程を含むことを特徴とする。
かかる方法によれば、摩擦攪拌の際に第一金属部材の裏面と第二金属部材の端面とが突き合わされた第一突合せ部の目開きを防ぐことができる。
また、前記第二金属部材の板厚は、前記凹溝の幅よりも大きく設定することを特徴とする。
かかる方法によれば、第二金属部材の板厚寸法を第一金属部材の凹溝の幅よりも大きく設定しているため、回転ツールの攪拌ピンによって塑性流動化した材料が、第一突合せ部から飛び出ることを確実に防止することができる。
本発明に係る接合方法によれば、金属部材同士の位置決めが容易であり、また、金属部材の表面にバリが発生するのを防ぐことができるとともに、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる。
[第一実施形態]
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1と第二金属部材2とを正面視T字状に突合せて摩擦攪拌により接合する。本実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程とを行う。なお、説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面を意味する。
本発明の第一実施形態に係る接合方法について図面を参照して詳細に説明する。図1に示すように、本実施形態に係る接合方法では、第一金属部材1と第二金属部材2とを正面視T字状に突合せて摩擦攪拌により接合する。本実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程とを行う。なお、説明における「表面」とは、「裏面」の反対側の面を意味する。
準備工程は、第一金属部材1及び第二金属部材2を準備する工程である。第一金属部材1及び第二金属部材2は、いずれも板状を呈する。第一金属部材1及び第二金属部材2は、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、チタン、チタン合金、 マグネシウム、マグネシウム合金等の摩擦攪拌可能な金属から適宜選択される。
第一金属部材1の表面には、断面矩形の凹溝3が形成されている。凹溝3は、第一金属部材1の延長方向に延設されている。凹溝3の底面3aには、底面3aから裏面1cに貫通する複数の孔部11が形成されている。孔部11は、円柱状の中空部になっている。第二金属部材2の端面2aには、複数の突出部10(本実施形態では3つ)が形成されている。突出部10の個数は制限されるものではない。突出部10は単数でも良い。突出部10の形状は特に制限されないが本実施形態では円柱状を呈する。突出部10の高さ寸法は、第一金属部材1の凹溝3の底面3aと裏面1c間の板厚寸法と同等になっている。突出部10は、孔部11に対応する位置に形成されており、孔部11に概ね隙間なく嵌め合わされる大きさになっている。
第二金属部材2は、板状の金属部材である。第二金属部材2の板厚寸法は適宜設定すればよいが、本実施形態では凹溝3の幅よりも大きく形成されている。第二金属部材2の材料は、前記した摩擦攪拌可能な金属から適宜選択すればよいが、第一金属部材1と同等の材料であることが好ましい。
突合せ工程は、図2に示すように、第一金属部材1の裏面1cと、第二金属部材2の端面2aとを突き合わせるとともに、孔部11に突出部10を挿入する工程である。第一金属部材1の裏面1cと第二金属部材2の端面2aとが突き合わされて突合せ部J1(第一突合せ部)が形成される。また、突出部10の外周面10aと孔部11の孔壁11aとが突き合わされることにより突合せ部J2(第二突合せ部)が形成される。
仮接合工程は、図3に示すように、第一金属部材1の表面1b側から回転する回転ツールFを挿入し、凹溝3の底面3aに露出する突合せ部J2の一部又は全てを摩擦攪拌して接合(仮接合)する工程である。回転ツールFは、連結部F1と、攪拌ピンF2とで構成されている。連結部F1は、図示しない摩擦攪拌装置に取り付けられる部位であって、円柱状を呈する。
攪拌ピンF2は、連結部F1から垂下しており、連結部F1と同軸になっている。攪拌ピンF2は連結部F1から離間するにつれて先細りになっている。攪拌ピンF2の外周面には螺旋溝F3が刻設されている。本実施形態では、回転ツールFを矢印で示すように右回転させるため、螺旋溝F3は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝F3は、螺旋溝F3を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、回転ツールFを左回転させる場合は、螺旋溝F3を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝F3は、螺旋溝F3を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝F3をこのように設定することで、摩擦攪拌の際に塑性流動化した金属が螺旋溝F3によって攪拌ピンF2の先端側に導かれる。これにより、第一金属部材1の外部に溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
仮接合工程では、図3に示すように、第一金属部材1の表面1bから突合せ部J2に右回転させた攪拌ピンF2を挿入する。仮接合工程では、攪拌ピンF2のみと第一金属部材1及び第二金属部材2とを接触させた状態で突合せ部J2に沿って回転ツールFを相対移動させる。回転ツールFの移動軌跡には、塑性化領域W1が形成される。攪拌ピンF2の挿入深さは適宜設定すればよく、塑性化領域W1が突合せ部J1に達するように設定してもよい。
仮接合工程では、突出部10及び孔部11で形成された他の突合せ部J2に対しても同様に摩擦攪拌接合を行う。なお、仮接合工程は溶接で行ってもよい。また、仮接合工程は省略してもよい。
摩擦攪拌工程は、図4及び図5に示すように、回転ツールGのショルダ部G1を凹溝3内に挿入して突合せ部J1を摩擦攪拌接合する工程である。回転ツールGは、円柱状のショルダ部G1と、ショルダ部G1の下端面G1aから垂下する攪拌ピンG2とで構成されている。ショルダ部G1の外径は、凹溝3の幅よりも若干小さく形成されている。ショルダ部G1の外径は、ショルダ部G1の外周面と凹溝3の側壁3b,3bとが接触するように設定してもよいが、摩擦攪拌工程を行う際に、ショルダ部G1の外周面と凹溝3の側壁3b,3bとが僅かな隙間をあけて相対移動可能な寸法であることが好ましい。
攪拌ピンG2は、先細りになっている。攪拌ピンG2の外周面には螺旋溝が形成されている。本実施形態では、回転ツールGを右回転させるため、攪拌ピンG2の螺旋溝は、基端から先端に向かうにつれて左回りに形成されている。言い換えると、螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て左回りに形成されている。
なお、回転ツールGを左回転させる場合は、螺旋溝を基端から先端に向かうにつれて右回りに形成することが好ましい。言い換えると、この場合の螺旋溝は、螺旋溝を基端から先端に向けてなぞると上から見て右回りに形成されている。螺旋溝をこのように設定することで、摩擦攪拌工程の際に塑性流動化した金属が螺旋溝によって攪拌ピンG2の先端側に導かれる。これにより、凹溝3の底面3aから溢れ出る金属の量を少なくすることができる。
摩擦攪拌工程では、回転ツールGの攪拌ピンG2を第一金属部材1の表面1b側から凹溝3の底面3aの中央に挿入し、突合せ部J1(凹溝3)に沿って回転ツールGを相対移動させる。回転ツールGの挿入深さは、適宜設定すればよいが、本実施形態では、攪拌ピンG2が第二金属部材2に達するように、つまり、第一金属部材1及び第二金属部材2と攪拌ピンG2とを接触させた状態で摩擦攪拌接合を行う。回転ツールGの移動軌跡には塑性化領域Wが形成される。
また、摩擦攪拌工程では、ショルダ部G1の下端面G1aを、凹溝3の底面3aから離間させ、かつ、第一金属部材1の表面1bよりも低い位置に設定している。つまり、摩擦攪拌工程では、摩擦攪拌によって発生するバリVをショルダ部G1の下端面G1aで押さえ込みつつ摩擦攪拌接合を行う。特許請求の範囲の「前記ショルダ部を前記凹溝の底面から離間させた状態」とは、バリVが発生する前の凹溝3の底面3aからショルダ部G1の下端面G1aを離間させるという意味である。また、特許請求の範囲の「前記第一金属部材から発生するバリを前記ショルダ部で押さえつつ」とは、堆積するバリVとショルダ部G1の下端面G1aとが接触しており、バリVの表面(上面)をショルダ部G1の下端面G1aによって押さえるという意味である。
また、ショルダ部G1の外周面と凹溝3の側壁3b,3bとは僅かな隙間をあけて離間している。凹溝3の底面3a、凹溝3の側壁3b,3b及びショルダ部G1の下端面G1aで狭い空間が形成されている。
摩擦攪拌工程によって凹溝3の底面3aにバリVが発生するが、凹溝3の底面3a、凹溝3の側壁3b,3b及びショルダ部G1の下端面G1aで構成された狭い空間(断面矩形の閉空間)に当該バリVが閉じ込められ、底面3aにバリVが堆積する。図6に示すように、バリVは、凹溝3内に収容されるとともに、バリVの表面(上面)は、ショルダ部G1の下端面G1aによって押さえられて略平坦になる。
以上説明した本実施形態に係る接合方法によれば、突出部10を孔部11に嵌め合わせると、第二金属部材2に対して第一金属部材1が移動不能となる。突出部10及び孔部11によって第一金属部材1及び第二金属部材2を位置決めした状態で、摩擦攪拌接合を行うため、接合精度を高めることができる。また、仮接合を行うことにより、摩擦攪拌工程の際に突合せ部J1の目開きを防ぐことができるため、第一金属部材1と第二金属部材2の接合精度をより高めることができる。
また、凹溝3の底面3a、凹溝3の側壁3b及びショルダ部G1の下端面G1aで狭い空間が形成されるため、バリVが散飛するのを防ぐとともに凹溝3の底面3aにバリVを堆積させることができる。これにより、第一金属部材1の表面1bにバリが発生するのを防ぐことができる。よって、第一金属部材1の表面1bのバリ除去工程等の表面処理を省略化することができる。また、凹溝3の底面3aにショルダ部G1を押し込まないため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる。
また、第二金属部材2の板厚寸法を、第一金属部材1の凹溝3の幅よりも大きく設定しているため、回転ツールGの攪拌ピンG2によって塑性流動化した材料が、突合せ部J1から飛び出ることを確実に防止することができる。
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図7、図8及び図9に示すように、第二実施形態に係る接合方法では、一対の第一金属部材1(1A,1B)と複数の第二金属部材2とを接合して構造物Zを形成する。
次に、本発明の第二実施形態に係る接合方法について説明する。図7、図8及び図9に示すように、第二実施形態に係る接合方法では、一対の第一金属部材1(1A,1B)と複数の第二金属部材2とを接合して構造物Zを形成する。
第一金属部材1Aは、板状を呈する金属部材である。第一金属部材1Aの表面1bには、複数の凹溝3が形成されている。凹溝3は、所定の間隔をあけて形成されている。凹溝3の底面3aには、底面3aから裏面1cに貫通する複数の孔部11が形成されている。孔部11は、円柱状の中空部になっている。第一金属部材1Bは、第一金属部材1Aと同等の部材である。
第二金属部材2の両側の端面2aには、複数の突出部10が形成されている。突出部10の形状は特に制限されないが、ここでは円柱状を呈する。突出部10の高さ寸法は、第一金属部材1A,1Bの凹溝3の底面3aと裏面1c間の板厚寸法と同等になっている。突出部10は、孔部11に対応する位置に形成されており、孔部11に概ね隙間なく嵌め合わされる大きさになっている。第二実施形態に係る接合方法では、準備工程と、突合せ工程と、仮接合工程と、摩擦攪拌工程とを行う。
準備工程は、上述した一対の第一金属部材1A,1B及び複数の第二金属部材2を準備する工程である。
突合せ工程は、図7に示すように、一対の第一金属部材1A,1Bと複数の第二金属部材2とを突き合わせて複数の突合せ部J1a,J1b,J2を形成する工程である。突合せ工程では、第一金属部材1Aの裏面1cと、複数の第二金属部材2の一方の端面2aとを突き合わせて複数の突合せ部J1a(第一突合せ部)を形成する。第二金属部材2の一方の端面2aは、第一金属部材1Aの凹溝3に対応する裏面1cの位置に突き合わせる。この際、突出部10の外周面10aと孔部11の孔壁11aとが突き合わされることにより突合せ部J2(第二突合せ部)が形成される。また、突合せ工程では、第一金属部材1Bの裏面1cと、複数の第二金属部材2の他方の端面2aとを突き合わせて複数の突合せ部J1b(第一突合せ部)を形成する。第二金属部材2の他方の端面2aは、第一金属部材1Bの凹溝3に対応する裏面1cの位置に突き合わせる。この際、突出部10の外周面10aと孔部11の孔壁11aとが突き合わされることにより突合せ部J2(第二突合せ部)が形成される。
仮接合工程は、第一金属部材1A,1Bの表面1b側から回転する回転ツールF(図3参照)を挿入し、凹溝3の底面3aに露出する各突合せ部J2の一部又は全てを摩擦攪拌して仮接合する工程である。なお、仮接合工程は省略することも可能である。
摩擦攪拌工程は、第一金属部材1Aと第二金属部材2とで形成された突合せ部J1aを接合する第一摩擦攪拌工程と、第一金属部材1Bと第二金属部材2とで形成された突合せ部J2bを接合する第二摩擦攪拌工程とを行う。図8に示すように、第一摩擦攪拌工程では、回転ツールGを用いて突合せ部J1aを摩擦攪拌接合する。第一摩擦攪拌工程は、第一実施形態の摩擦攪拌工程と同等であるため、詳細な説明は省略する。また、図9に示すように、第二摩擦攪拌工程では、回転ツールGを用いて突合せ部J1bを摩擦攪拌接合する。第二摩擦攪拌工程は、第一実施形態の摩擦攪拌工程と同等であるため、詳細な説明は省略する。
第二実施形態に係る接合方法によれば、内部に断面視矩形の複数の中空部Xを備えた構造物Zを形成することができる。また、第二実施形態に係る接合方法によれば、第二金属部材2の両端の突出部10を、上下の第一金属部材1A,1Bの孔部11に嵌め合わせると、第二金属部材2に対して第一金属部材1A,1Bが移動不能となる。突出部10及び孔部11によって上下の第一金属部材1A,1B及び第二金属部材2を位置決めした状態で摩擦攪拌接合を行うため、接合精度を高めることができる。また、仮接合工程を行うことにより、第一摩擦攪拌工程及び第二摩擦攪拌工程の際に突合せ部J1a,J1bの目開きを防ぐことができるため、各第一金属部材1A,1Bと第二金属部材2との接合精度をより高めることができる。
また、第二実施形態に係る接合方法によれば、凹溝3の底面3a、凹溝3の側壁3b,3b及びショルダ部G1の下端面G1aで狭い空間が形成されるため、バリVが散飛するのを防ぐとともに凹溝3の底面3aにバリVを堆積させることができる。これにより、第一金属部材1A,1Bの表面1b及び第一金属部材1Bの表面1bにバリVが発生するのを防ぐことができる。更に、第二実施形態に係る接合方法によれば、凹溝3の底面3aにショルダ部G1を押し込まないため、摩擦攪拌装置にかかる負荷を小さくすることができる。
1 第一金属部材
1b 表面
1c 裏面
2 第二金属部材
2a 端面
2b 表面
2c 裏面
3 凹溝
3a 底面
3b 側壁
10 突出部
10a 外周面
11 孔部
11a 孔壁
F 回転ツール(仮接合用回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
G 回転ツール(接合用回転ツール)
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
J1 突合せ部 (第一突合せ部)
J2 突合せ部(第二突合せ部)
W 塑性化領域
W1 塑性化領域
1b 表面
1c 裏面
2 第二金属部材
2a 端面
2b 表面
2c 裏面
3 凹溝
3a 底面
3b 側壁
10 突出部
10a 外周面
11 孔部
11a 孔壁
F 回転ツール(仮接合用回転ツール)
F1 連結部
F2 攪拌ピン
G 回転ツール(接合用回転ツール)
G1 ショルダ部
G2 攪拌ピン
J1 突合せ部 (第一突合せ部)
J2 突合せ部(第二突合せ部)
W 塑性化領域
W1 塑性化領域
Claims (3)
- 板状を呈し表面に凹溝を有するとともに前記凹溝に孔部を有する第一金属部材と、板状を呈し端面に突出部を有する第二金属部材と、を準備する準備工程と、
前記第一金属部材の裏面に前記第二金属部材の端面を突き合わせるとともに、前記孔部に前記突出部を挿入し、前記第一金属部材の裏面と前記第二金属部材の端面とが突き合わされた第一突合せ部と、前記孔部と前記突出部とが突き合わされた第二突合せ部を形成する突合せ工程と、
前記第一金属部材の表面側から前記凹溝に回転ツールの攪拌ピンを挿入し、前記回転ツールを前記凹溝に沿って相対移動させて、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合する摩擦攪拌工程と、を含み、
前記回転ツールは、円柱状を呈するショルダ部と前記ショルダ部から垂下する攪拌ピンとを有し、前記ショルダ部の直径を前記凹溝の幅よりも小さく設定し、
前記摩擦攪拌工程において、前記回転ツールのショルダ部を前記凹溝内に挿入し、前記ショルダ部を前記凹溝の底面から離間させた状態で、前記第一金属部材から発生するバリを前記ショルダ部で押さえつつ、前記第一突合せ部及び前記第二突合せ部を摩擦攪拌接合することを特徴とする接合方法。 - 前記摩擦攪拌工程の前に、前記第二突合せ部を仮接合する仮接合工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の接合方法。
- 前記第二金属部材の板厚は、前記凹溝の幅よりも大きく設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の接合方法。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019026901A1 (ja) | 2017-07-31 | 2019-02-07 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート、印画シート及び熱転写印画装置 |
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2016
- 2016-07-15 JP JP2016140231A patent/JP2018008302A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019026901A1 (ja) | 2017-07-31 | 2019-02-07 | 大日本印刷株式会社 | 熱転写シート、印画シート及び熱転写印画装置 |
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