以下に、本発明の実施の形態に係る照明装置および照明システムを図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1に係る照明システムを構成する照明装置1の構成例を示すブロック図である。照明装置1は、光源2と、点灯制御部3と、指令部4と、人感センサ5と、送受信部6と、を備える。
照明装置1は、発光素子である光源2を備えている。光源2は、点灯制御部3が出力する電流によって点灯または消灯する。点灯制御部3は、指令部4が出力する指令信号によって光源2に出力する電流の大きさを制御する。指令部4は、人感センサ5において人の在または不在を検知したことを示す情報である人感センサ検知情報、送受信部6において他の照明装置1との無線通信により受信された無線信号に含まれる他の照明装置1の人感センサ5の人感センサ検知情報、および他の照明装置1に割り当てられた照明装置1毎に固有の識別子の情報を用いて、点灯制御部3が光源2に出力する電流を制御するための指令信号を生成する。なお、人の在とは人が存在していることであり、人の不在とは人が不存在、すなわち人が存在していないことである。図1の例では、照明装置1には1つの光源2が設けられているが、光源2の数は限定されるものではなく、1つの照明装置1が複数の光源2を備える構成でもよい。なお、人感センサ検知情報を検知情報と称する場合がある。
実施の形態1では、具体的に、光源2としてLED(Light Emitting Diode)を用いた場合について説明する。光源2は、複数のLEDを直列または並列に接続した構成であり、点灯制御部3とコネクタまたはソケットにより接続され、点灯制御部3が出力する電流により点灯する。また、光源2は、光出力の配光むら改善、およびLEDのぎらつき抑制を目的として、拡散カバーをLEDの発光面を覆うように設置することもある。なお、光源2については、LEDの他に、有機EL(Electro Luminescence)、蛍光灯、白熱電球といった発光素子を用いてもよい。
点灯制御部3は、図示しない交流電源または直流電源と接続し、所望の大きさの直流の電流を生成し、生成した電流を光源2に出力する。このとき、光源2の光束は、点灯制御部3が出力する電流の大きさに依存する。点灯制御部3は、出力する電流の大きさを、指令部4から受け取った電流の目標値を決めるための指令信号によって制御する。点灯制御部3は、光源2に出力する電流を制御することによって、光源2を点灯、調光、消灯、あるいは点滅させる。
指令部4は、人感センサ5、および送受信部6から受け取った無線信号を用いて、点灯制御部3が光源2に出力する電流の大きさを決めるための指令信号を生成して出力する。
指令部4の内部構成をより詳細に説明する。指令部4は、センサ出力処理部41と、指令信号生成部42と、通信信号処理部43と、判定部44と、受信内容処理部45と、記憶部46と、を備える。
通信信号処理部43は、無線通信により受信された無線信号を送受信部6から受け取り、受け取った無線信号から、送信元の照明装置1の人感センサ5において人の在または不在を検知したことを示す情報である人感センサ検知情報、および送信元の照明装置1を識別するための識別子であるアドレス情報を抽出する。通信信号処理部43は、抽出したアドレス情報を判定部44に出力し、抽出した人感センサ検知情報を受信内容処理部45に出力する。
判定部44は、送受信部6で受信された無線信号の送信元の照明装置1を示すアドレス情報と、記憶部46に予め記憶されている、連動して光源2の点灯を制御すべき連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較する。判定部44は、比較した結果、すなわちアドレス情報が一致したか否かを示す信号を受信内容処理部45に出力する。
記憶部46は、自装置の照明装置1が連動して点灯制御すべき連動対象の照明装置の識別子であるアドレス情報を記憶している。また、記憶部46は、自装置の照明装置1を識別するための識別子である、自装置の照明装置1に割り当てられたアドレス情報を記憶している。識別子であるアドレス情報は、照明装置1毎に固有のものである。記憶部46は、連動対象の照明装置のアドレス情報、および自装置の照明装置1のアドレス情報について、予めユーザまたは照明システムの管理者などによって設定されているものとする。各照明装置1を識別するための識別子であるアドレス情報は、例えば、インターネットプロトコル(IP(Internet Protocol))アドレスであるが、これに限定されるものではない。
受信内容処理部45は、判定部44から受け取った信号が、送受信部6で受信された無線信号の送信元の照明装置1のアドレス情報と記憶部46に予め記憶されている連動対象の照明装置のアドレス情報とが一致していることを示す信号であった場合、通信信号処理部43から受け取った人感センサ検知情報を指令信号生成部42に出力する。
センサ出力処理部41は、人感センサ5から受け取った信号を用いて、人の在または不在を検知したことを示す情報である人感センサ検知情報を生成し、生成した人感センサ検知情報を指令信号生成部42および通信信号処理部43に出力する。
指令信号生成部42は、受信内容処理部45およびセンサ出力処理部41から受け取った情報、すなわち、連動対象の照明装置の人感センサ5による人感センサ検知情報、および自装置の照明装置1の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、点灯制御部3が出力する電流の大きさを決めるための指令信号を生成し、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。
また、通信信号処理部43は、センサ出力処理部41から受け取った自装置の照明装置1の人感センサ5による人感センサ検知情報と、記憶部46に記憶されている自装置の照明装置1に割り当てられたアドレス情報とを含み、他の照明装置1に無線通信により送信するための無線信号を生成する。
人感センサ5は、人の在または不在を検知する焦電素子を備えており、人の在または不在を検知した信号を、センサ出力処理部41に出力する人検知部である。人感センサ5において、焦電素子の数は1つでもよいし、複数であってもよい。
送受信部6は、他の照明装置1からの無線信号を受信し、および他の照明装置1へ無線信号を送信するためのアンテナを備えている。送受信部6は、他の照明装置1から受信した無線信号に対して復調および復号などを行って、通信信号処理部43に出力する。また、送受信部6は、通信信号処理部43で生成された無線信号、具体的には、前述のように、自装置の照明装置1の人感センサ5による人感センサ検知情報と、記憶部46に記憶されている自装置の照明装置1に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号に対して符号化および変調などを行い、他の照明装置1に送信する。
送受信部6において行われる無線通信としては、例えば、Wi−Fi(Wireless−Fidelity)(登録商標)などの無線LAN(Local Area Network)、またはBluetooth(登録商標)などがある。
また、無線通信の別の例として赤外線がある。この場合、照明装置1の送受信部6は、前述のアンテナに替えて、赤外線による信号を受信するための赤外線受光素子、および赤外線による信号を送信するための赤外線発光素子を備える。
次に、実施の形態1にかかる照明装置1の動作を説明する。
図2は、実施の形態1に係る照明装置1−1〜1−5によって構成される照明システム100の構成例を示す図である。照明装置1−1〜1−5の構成は、図1に示す照明装置1の構成と同様とする。
照明装置1−3は、人感センサ5において人7を検知すると、指令部4および点灯制御部3の制御により、光源2を点灯する。また、照明装置1−3は、送受信部6から、人感センサ5で人7の在を検知したことを示す人感センサ検知情報と、照明装置1−3に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号を、無線通信により他の照明装置1−1,1−2,1−4,1−5に送信する。
照明装置1−3から無線信号を受信した照明装置1−1,1−2,1−4,1−5は、受信した無線信号から、人感センサ検知情報、および照明装置1−3のアドレス情報を抽出する。照明装置1−1,1−2,1−4,1−5には、予め連動対象の照明装置のアドレス情報が記憶されているものとする。ここでは、照明装置1−2,1−4には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1−3のアドレス情報が記憶されており、照明装置1−1,1−5には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1−3のアドレス情報が記憶されていないとする。照明装置1−1,1−2,1−4,1−5は、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報との比較を行う。
照明装置1−2は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、抽出した照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報、および自装置の照明装置1−2の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。同様に、照明装置1−4は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、抽出した照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報、および自装置の照明装置1−4の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。
一方、照明装置1−1は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いず、自装置の照明装置1−1の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。同様に、照明装置1−5は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いず、自装置の照明装置1−5の人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。
これにより、照明装置1−1,1−2,1−4,1−5は、照明装置1−3から無線信号を受信した場合に、予め決められた照明装置1の人感センサ5による人感センサ検知情報にのみに連動して、自装置の光源2の点灯制御を行うことができる。
図2は、照明装置1−1〜1−5が、隣接する照明装置1の人感センサ5が人7を検知している場合に連動して点灯する制御を行う例を示したものである。照明装置1−3のみが人感センサ5により人7を検知しており、照明装置1−1,1−2,1−4,1−5は人7を検知していない。照明装置1−3は、人感センサ5で人7を検知したので、光源2を点灯する。また、照明装置1−3の送受信部6は、人感センサ5による人7を検知したことを示す人感センサ検知情報と、自装置である照明装置1−3のアドレス情報を含む無線信号を他の照明装置1−1,1−2,1−4,1−5に送信する。
照明装置1−1,1−2,1−4,1−5のうち、照明装置1−3に隣接して設置されている照明装置1−2,1−4は、照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報と連動して光源2を点灯する。一方、照明装置1−3に隣接していない照明装置1−1,1−5は、照明装置1−3の人感センサ5による人感センサ検知情報を受信するが、連動して光源2を点灯せず、消灯する。
これにより、照明システム100は、人7の周囲のより広い範囲を照らすことができる。照明システム100は、例えば、図2において人7が右方向に移動している場合、人7の移動先にある照明装置1−4を予め点灯させておくことができるため、利便性が向上する。
他の照明装置1から無線信号を受信して、光源2の点灯を制御する照明装置1の動作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図3は、実施の形態1に係る照明システム100において他の照明装置1から無線信号を受信した照明装置1における点灯制御の例を示すフローチャートである。
照明装置1において、送受信部6は、他の照明装置1から無線信号を受信する(ステップS1)。通信信号処理部43は、送受信部6で受信された無線信号から、送信元の照明装置1のアドレス情報を抽出する(ステップS2)。また、通信信号処理部43は、無線信号から、人感センサ検知情報を抽出する(ステップS3)。通信信号処理部43は、抽出したアドレス情報を判定部44に出力し、抽出した人感センサ検知情報を受信内容処理部45に出力する。
判定部44は、抽出されたアドレス情報と、予め記憶部46に記憶されている連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較する(ステップS4)。アドレス情報が一致した場合(ステップS4:Yes)、判定部44はアドレス情報が一致したことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致したという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報を指令信号生成部42に出力する(ステップS5)。指令信号生成部42は、受信内容処理部45から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報、およびセンサ出力処理部41から受け取った自装置の照明装置1の人感センサ検知情報を用いて、指令信号を生成する(ステップS6)。すなわち、指令信号生成部42は、自装置および連動対象の照明装置の人感センサ検知情報を用いて指令信号を生成する。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS7)。
一方、アドレス情報が一致していない場合(ステップS4:No)、判定部44はアドレス情報が一致していないことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致していないという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報を指令信号生成部42に出力しない(ステップS8)。指令信号生成部42は、センサ出力処理部41から受け取った自装置の人感センサ検知情報を用いて、指令信号を生成する(ステップS9)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS7)。
このように、予め連動して光源2を制御する照明装置1を決めておくことで、無線通信により連動して光源2を制御する場合においても、連動対象以外の照明装置1を点灯させることなく連動対象の照明装置の制御が可能であり、照明システム100の消費電力を低減できる。例えば、室内照明においては、隣接する部屋の照明を区別して制御する必要がある。無線信号を送信した照明装置1から規定された範囲内の照明装置1を全て点灯させてしまう場合、隣接する部屋の照明装置1を不要に点灯させてしまうことが考えられる。本実施の形態の制御によれば、同一室内の照明装置1のみが連動するよう、予めアドレス情報を設定することにより、不要な照明装置1の点灯を回避できる。
照明装置1において、指令部4は、人感センサ5による人感センサ検知情報、および自装置に割り当てられたアドレス情報を含む無線信号を生成して送受信部6経由で他の照明装置1に送信する。また、指令部4は、送受信部6経由で他の照明装置1から無線信号を受信した場合、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1の人感センサ5による人感センサ検知情報、および他の照明装置1のアドレス情報を用いて、指令信号を生成する。
また、指令部4は、光源2を消灯している状態において他の照明装置1から無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1のアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致した場合、光源2を点灯させるための指令信号を生成して点灯制御部3に出力する。
なお、照明装置1−3は、光源2を点灯中、人感センサ5において人7の不在を検知した場合、隣り合う照明装置1−2,1−4のいずれかが人7を検知するまでは光源2の点灯状態を維持するようにしてもよい。これにより、照明装置1−3は、照明装置1−3が備える人感センサ5が人7の不在を誤検知した場合、または、いずれの照明装置1の人感センサ5も人7を検知できない領域に人7が移動した場合において、誤って光源2を消灯することを防止できる。すなわち、照明装置1において、指令部4は、光源2を点灯している状態において自装置の人感センサ5が人の不在を検知し、かつ、他の照明装置1から無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1のアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致し、他の照明装置1の人感センサ検知情報が人を検知したことを示す内容であった場合、光源2を消灯させるための指令信号を生成して点灯制御部3に出力する。
また、本実施の形態において、照明システム100を構成する全ての照明装置1が人感センサ5を備える必要はなく、一部の照明装置1は人感センサ5を備えていなくてもよい。図4は、実施の形態1に係る照明システムを構成する照明装置1aの構成例を示すブロック図である。また、図5は、実施の形態1に係る照明装置1a−1,1a−2,1−3,1a−4,1a−5によって構成される照明システム100aの構成例を示す図である。照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5の構成は、図4に示す照明装置1aの構成と同様とする。
図4および図5に示すように、照明システム100aにおいて、照明装置1−3のみ人感センサ5を備え、照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5は人感センサ5を備えていない場合について説明する。照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5ではセンサ出力処理部41を備える必要はないが、部品すなわち指令部4の共通化のため、センサ出力処理部41を備えていてもよい。すなわち、照明装置1−3と照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5とは、人感センサ5の有無のみが異なる。
照明装置1−3は、人感センサ5において人7を検知すると、指令部4および点灯制御部3の制御により、光源2を点灯する。また、照明装置1−3は、送受信部6から、人感センサ5で人7の在を検知したことを示す人感センサ検知情報と、照明装置1−3に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号を、無線通信により他の照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5に送信する。
照明装置1−3から無線信号を受信した照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5は、受信した無線信号から、人感センサ検知情報、および照明装置1−3のアドレス情報を抽出する。照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5には、予め連動対象の照明装置のアドレス情報が記憶されているものとする。ここでは、照明装置1a−2,1a−4には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1−3のアドレス情報が記憶されており、照明装置1a−1,1a−5には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1−3のアドレス情報が記憶されていないとする。照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5は、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報との比較を行う。
アドレス情報が一致した照明装置1a−2,1a−4は、受信した人感センサ検知情報を用いて、光源2を制御する。一方、アドレス情報が一致していない照明装置1a−1,1a−5は、受信した人感センサ検知情報を用いないで、ユーザまたは照明システム100aの管理者などによって予め入力された制御内容を用いて、光源2を制御する。
これにより、照明装置1a−1,1a−2,1a−4,1a−5は、照明装置1−3から無線信号を受信した場合に、予め決められた照明装置の人感センサ5による人感センサ検知情報にのみに連動して、自装置の光源2の点灯制御を行うことができる。
人感センサ5を持たない照明装置1aが、他の照明装置1から無線信号を受信して、光源2の点灯を制御する動作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図6は、実施の形態1に係る照明システム100aにおいて他の照明装置1から無線信号を受信した照明装置1aにおける点灯制御の例を示すフローチャートである。
照明装置1aにおいて、送受信部6は、他の照明装置1から無線信号を受信する(ステップS11)。通信信号処理部43は、送受信部6で受信された無線信号から、送信元の照明装置1のアドレス情報を抽出する(ステップS12)。また、通信信号処理部43は、無線信号から、人感センサ検知情報を抽出する(ステップS13)。通信信号処理部43は、抽出したアドレス情報を判定部44に出力し、抽出した人感センサ検知情報を受信内容処理部45に出力する。
判定部44は、抽出されたアドレス情報と、予め記憶部46に記憶されている連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較する(ステップS14)。アドレス情報が一致した場合(ステップS14:Yes)、判定部44はアドレス情報が一致したことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致したという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報を指令信号生成部42に出力する(ステップS15)。指令信号生成部42は、受信内容処理部45から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報を用いて、指令信号を生成する(ステップS16)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS17)。
一方、アドレス情報が一致していない場合(ステップS14:No)、判定部44はアドレス情報が一致していないことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致していないという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1の人感センサ検知情報を指令信号生成部42に出力しない(ステップS18)。指令信号生成部42は、ユーザまたは照明システム100aの管理者などによって予め入力された制御内容を用いて、指令信号を生成する(ステップS19)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS17)。
つづいて、照明装置1のハードウェア構成について説明する。なお、照明装置1aは照明装置1から人感センサ5を除いた構成であり、人感センサ5以外の部分は共通のため、照明装置1aについての具体的な説明は省略する。照明装置1において、光源2は、LEDなどの発光素子により実現される。点灯制御部3は、所望の大きさの直流電流を生成する回路により実現される。人感センサ5は、焦電素子により実現される。送受信部6は、無線通信のインターフェース回路により実現される。指令部4は、処理回路により実現される。すなわち、照明装置1は、他の照明装置1から受信した無線信号からアドレス情報および人感センサ検知情報を抽出し、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較し、アドレス情報が一致した場合、抽出した人感センサ検知情報および自装置の人感センサ5の人感センサ検知情報を用いて指令信号を生成するための処理回路を備える。処理回路は、メモリに格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)およびメモリであってもよいし、専用のハードウェアであってもよい。
処理回路がCPUおよびメモリで構成される場合、指令部4の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせにより実現される。ソフトウェアまたはファームウェアはプログラムとして記述され、メモリに格納される。処理回路では、メモリに記憶されたプログラムをCPUが読み出して実行することにより、各機能を実現する。すなわち、照明装置1は、指令部4が処理回路により実行されるときに、他の照明装置1から受信した無線信号からアドレス情報および人感センサ検知情報を抽出するステップ、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較するステップ、アドレス情報が一致した場合、抽出した人感センサ検知情報および自装置の人感センサ5の人感センサ検知情報を用いて指令信号を生成するステップが結果的に実行されることになるプログラムを格納するためのメモリを備える。また、これらのプログラムは、照明装置1の手順および方法をコンピュータに実行させるものであるともいえる。ここで、CPUは、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、プロセッサ、またはDSP(Digital Signal Processor)などであってもよい。また、メモリとは、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)などの、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、またはDVD(Digital Versatile Disc)などが該当する。
処理回路が専用のハードウェアである場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)、またはこれらを組み合わせたものが該当する。指令部4の各機能を機能別に処理回路で実現してもよいし、各機能をまとめて処理回路で実現してもよい。
なお、指令部4の各機能について、一部を専用のハードウェアで実現し、一部をソフトウェアまたはファームウェアで実現するようにしてもよい。このように、処理回路は、専用のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせによって、上述の各機能を実現することができる。
以上説明したように、本実施の形態によれば、照明システム100において、照明装置1は、予め連動して光源2を制御する連動対象の照明装置を設定しておき、他の照明装置1から無線信号を受信し、無線信号に含まれるアドレス情報が連動対象として設定された照明装置のアドレス情報と一致した場合、無線信号に含まれる他の照明装置1の人感センサ検知情報を用いて、光源2を制御することとした。これにより、無線通信により他の照明装置1と連動して光源2の点灯を制御する場合においても、連動して動作するべきではない照明装置1の光源2を点灯すなわち誤動作させることなく、連動対象の照明装置の光源2の点灯を制御することが可能であり、照明システム100の消費電力を低減できる。また、無線通信により他の照明装置1と通信を行うため、信号線が不要であることから照明システム100の高コスト化を抑制できるとともに、照明システム100の施工性を向上できる。
また、人感センサ5を備えない照明装置1aにおいても、周囲の照明装置1が備える人感センサ5による人感センサ検知情報を用いて、光源2の点灯および消灯の制御が可能である。これにより、照明装置1aの構成を簡易にしつつ、照明システム100aの消費電力を低減できる。
実施の形態2.
実施の形態2では、リモートコントローラ(以下、リモコンと称する。)から操作内容を受信した照明装置が、他の照明装置と連動して点灯制御を行う。実施の形態1と異なる部分について説明する。
図7は、実施の形態2に係る照明システムを構成する照明装置1bの構成例を示すブロック図である。照明装置1bは、指令部4および人感センサ5に替えて、指令部4bおよびリモコン信号受信部8を備える。指令部4bは、センサ出力処理部41に替えて、リモコン信号処理部47を備える。
リモコンから光源2の点灯、消灯を制御する操作内容の信号が送信されると、リモコン信号受信部8は、リモコンからの信号を検知する。指令部4bは、リモコンから送信された信号による操作内容、および送受信部6から入力された信号を用いて、点灯制御部3が光源2に出力する電流の大きさを決めるための指令信号を生成して出力する。
リモコン信号受信部8は、リモコンから送信された信号を受信し、受信した信号の内容すなわちユーザによる操作内容を、指令部4bのリモコン信号処理部47に出力する。リモコンが信号を送信する手段の例としては赤外線があり、この場合、リモコン信号受信部8は、赤外線受信のための赤外線受光素子を用いて構成される。
また、リモコンが信号を送信する手段の別の例としては、Wi−Fiなどの無線LAN、またはBluetoothなどがある。この場合、リモコン信号受信部8は、無線信号を受信するためのアンテナを備える。なお、送受信部6と同一手段で通信を行う場合は、送受信部6がリモコン信号受信部8の機能を兼ねる構成としてもよい。この場合、リモコン信号受信部8は省略することができる。
リモコン信号処理部47は、リモコン信号受信部8で受信された信号、すなわちリモコン9の操作内容を、指令信号生成部42および通信信号処理部43に出力する。
通信信号処理部43は、リモコン信号処理部47から受け取ったリモコン9の操作内容と、記憶部46に記憶されている自装置の照明装置1bに割り当てられたアドレス情報とを含み、他の照明装置に無線通信により送信するための無線信号を生成する。
送受信部6は、通信信号処理部43で生成された無線信号を、他の照明装置1bに送信する。
次に、実施の形態2にかかる照明装置1bの動作を説明する。
図8は、実施の形態2に係る照明装置1b−1〜1b−5によって構成される照明システム100bの構成例を示す図である。照明装置1b−1〜1b−5の構成は、図7に示す照明装置1bの構成と同様とする。
照明装置1b−3は、リモコン信号受信部8において外部のリモコン9から信号を受信すると、指令部4bおよび点灯制御部3の制御により、光源2を点灯する。また、照明装置1b−3は、送受信部6から、リモコン信号受信部8で受信されたリモコン9からの操作内容と、照明装置1b−3に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号を、無線通信により他の照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5に送信する。
照明装置1b−3から無線信号を受信した照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5は、受信した無線通信から、リモコン9による操作内容、および照明装置1b−3のアドレス情報を抽出する。照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5には、予め連動対象の照明装置のアドレス情報が記憶されているものとする。ここでは、照明装置1b−4,1b−5には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1b−3のアドレス情報が記憶されており、照明装置1b−1,1b−2には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1b−3のアドレス情報が記憶されていないとする。照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5は、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報との比較を行う。
照明装置1b−4は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、抽出した照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9による操作内容を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。同様に、照明装置1b−5は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、抽出した照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9による操作内容を用いて、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。
一方、照明装置1b−1は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9による操作内容を用いないで、ユーザまたは照明システム100bの管理者などによって予め入力された制御内容を用いて、光源2を制御する。同様に、照明装置1b−2は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9による操作内容を用いないで、ユーザまたは照明システム100bの管理者などによって予め入力された制御内容を用いて、光源2を制御する。
これにより、照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5は、照明装置1b−3から無線信号を受信した場合に、予め決められた照明装置1bのリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9による操作内容にのみに連動して、自装置の光源2の点灯制御を行うことができる。
図8は、照明装置1b−1〜1b−5が、予め決められた領域内の照明装置1bのリモコン信号受信部8がリモコン9から操作内容を受信している場合に連動して点灯する制御を行う例を示したものである。照明装置1b−3のみがリモコン信号受信部8によりリモコン9から操作内容を受信しており、照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5はリモコン9から操作内容を受信していない。照明装置1b−3は、リモコン信号受信部8によりリモコン9から操作内容を受信したので、光源2の点灯および消灯などをする。また、照明装置1b−3の送受信部6は、リモコン信号受信部8によりリモコン9から受信した操作内容と、自装置である照明装置1b−3のアドレス情報を含む無線信号を他の照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5に送信する。
照明装置1b−1,1b−2,1b−4,1b−5のうち、照明装置1b−3が予め設定された領域内にある照明装置1b−4,1b−5は、照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9からの操作内容と連動して光源2を点灯する。一方、照明装置1b−3が予め設定された領域内にない照明装置1b−1,1b−2は、照明装置1b−3のリモコン信号受信部8で受信されたリモコン9からの操作内容を受信するが、連動して光源2を点灯せず、消灯する。
これにより、照明システム100bは、リモコン9の信号が届かない領域にある照明装置1bを制御することができる。また、無線通信の範囲内において、予め設定された領域内の照明装置1bのみが連動して点灯制御をするため、例えば、室内照明において、予め設定された領域内にない場合は、隣り合った部屋の照明装置1bが誤って制御されることがない。
他の照明装置1bからリモコン9の操作内容を含む無線信号を受信して、光源2の点灯を制御する照明装置1bの動作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図9は、実施の形態2に係る照明システム100bにおいて他の照明装置1bから無線信号を受信した照明装置1bにおける点灯制御の例を示すフローチャートである。
照明装置1bにおいて、送受信部6は、他の照明装置1bから無線信号を受信する(ステップS21)。通信信号処理部43は、送受信部6で受信された無線信号から、送信元の照明装置1bのアドレス情報を抽出する(ステップS22)。また、通信信号処理部43は、無線信号から、リモコン9による操作内容を抽出する(ステップS23)。通信信号処理部43は、抽出したアドレス情報を判定部44に出力し、抽出したリモコン9による操作内容を受信内容処理部45に出力する。
判定部44は、抽出されたアドレス情報と、予め記憶部46に記憶されている連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較する(ステップS24)。アドレス情報が一致した場合(ステップS24:Yes)、判定部44はアドレス情報が一致したことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致したという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1bのリモコン9による操作内容を指令信号生成部42に出力する(ステップS25)。指令信号生成部42は、受信内容処理部45から受け取った他の照明装置1bのリモコン9による操作内容を用いて、指令信号を生成する(ステップS26)。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS27)。
一方、アドレス情報が一致していない場合(ステップS24:No)、判定部44はアドレス情報が一致していないことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致していないという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った他の照明装置1bのリモコン9による操作内容を指令信号生成部42に出力しない(ステップS28)。指令信号生成部42は、現状の状態を維持する指令信号を生成する(ステップS29)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS27)。
このように、予め連動して光源2を制御する照明装置1bを決めておくことで、無線通信により連動して光源2を制御する場合においても、連動対象以外の照明装置1bを点灯させることなく連動対象の照明装置の制御が可能である。照明システム100bは、リモコン9の通信内容が直接到達しない広い場所にある照明装置1bを制御することができるため、利便性を向上できる。
照明装置1bにおいて、指令部4bは、リモコン信号受信部8で受信された操作内容、および自装置に割り当てられたアドレス情報を含む無線信号を生成して送受信部6経由で他の照明装置1bに送信する。また、指令部4bは、送受信部6経由で他の照明装置1bから無線信号を受信した場合、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1bのリモコン信号受信部8で受信された操作内容、および他の照明装置1bのアドレス情報を用いて、指令信号を生成する。
また、指令部4bは、他の照明装置1bから無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1bのアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致した場合、他の照明装置1bで受信された操作内容に従って、指令信号を生成して点灯制御部3に出力する。
また、本実施の形態において、照明システム100bを構成する全ての照明装置1bがリモコン信号受信部8を備える必要はなく、一部の照明装置1bはリモコン信号受信部8を備えていなくてもよい。図10は、実施の形態2に係る照明システムを構成する照明装置1cの構成例を示すブロック図である。また、図11は、実施の形態2に係る照明装置1c−1,1c−2,1b−3,1c−4,1c−5によって構成される照明システム100cの構成例を示す図である。照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5の構成は、図10に示す照明装置1cの構成と同様とする。
図10および図11に示すように、照明システム100cにおいて、照明装置1b−3のみリモコン信号受信部8を備え、照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5はリモコン信号受信部8を備えていない場合について説明する。照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5ではリモコン信号処理部47を備える必要はないが、部品すなわち指令部4bの共通化のため、リモコン信号処理部47を備えていてもよい。すなわち、照明装置1b−3と照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5とは、リモコン信号受信部8の有無のみが異なる。
照明装置1b−3は、リモコン信号受信部8において外部のリモコン9から信号を受信すると、指令部4bおよび点灯制御部3の制御により、光源2を点灯する。また、照明装置1b−3は、送受信部6から、リモコン信号受信部8で受信されたリモコン9からの操作内容と、照明装置1b−3に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号を、無線通信により他の照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5に送信する。
照明装置1b−3から無線信号を受信した照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5は、受信した無線信号から、リモコン9からの操作内容、および照明装置1b−3のアドレス情報を抽出する。照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5には、予め連動対象の照明装置のアドレス情報が記憶されているものとする。ここでは、照明装置1c−4,1c−5には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1b−3のアドレス情報が記憶されており、照明装置1c−1,1c−2には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1b−3のアドレス情報が記憶されていないとする。照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5は、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報との比較を行う。
アドレス情報が一致した照明装置1c−4,1c−5は、リモコン9からの操作内容を用いて、光源2を制御する。一方、アドレス情報が一致していない照明装置1c−1,1c−2は、受信したリモコン9からの操作内容を用いないで、光源2を制御する。
これにより、照明装置1c−1,1c−2,1c−4,1c−5は、照明装置1b−3から無線信号を受信した場合に、予め決められた照明装置で受信されたリモコン9からの操作内容にのみに連動して、自装置の光源2の点灯制御を行うことができる。
リモコン信号受信部8を持たない照明装置1cが、他の照明装置1bから無線信号を受信して、光源2の点灯を制御する動作についてのフローチャートは、図9のフローチャートと同様である。
なお、実施の形態2における制御は、上記の構成のみに限定されるものではなく、実施の形態1に示す制御と組み合わせて実施することができる。
照明装置1bのハードウェア構成について説明する。なお、照明装置1cは照明装置1bからリモコン信号受信部8を除いた構成であり、リモコン信号受信部8以外の部分は共通のため、照明装置1cについての具体的な説明は省略する。照明装置1bにおいて、リモコン信号受信部8は、赤外線受信のための赤外線受光素子により実現される。その他の構成は、照明装置1と同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、照明システム100bにおいて、照明装置1bは、予め連動して光源2を制御する連動対象の照明装置を設定しておき、他の照明装置1bから無線信号を受信し、無線信号に含まれるアドレス情報が連動対象として設定された照明装置のアドレス情報と一致した場合、無線信号に含まれる他の照明装置1bのリモコン9からの操作内容を用いて、光源2を制御することとした。これにより、無線通信により他の照明装置1bと連動して光源2の点灯を制御する場合においても、連動して動作するべきではない照明装置1bの光源2を点灯すなわち誤動作させることなく、連動対象の照明装置の光源2の点灯を制御することが可能であり、照明システム100bの消費電力を低減できる。また、無線通信により他の照明装置1bと通信を行うため、信号線が不要であることから照明システム100bの高コスト化を抑制できるとともに、照明システム100bの施工性を向上できる。
また、リモコン信号受信部8を備えない照明装置1cにおいても、周囲の照明装置1bが備えるリモコン信号受信部8で受信された操作内容を用いて、光源2の点灯および消灯の制御が可能である。これにより、照明装置1cの構成を簡易にしつつ、照明システム100cの消費電力を低減できる。
実施の形態3.
実施の形態3では、照明装置が、周囲の照明装置が不具合によって不点灯状態となった場合、光源の光量を増加して周囲の明るさの低下を補う。実施の形態1と異なる部分について説明する。
図12は、実施の形態3に係る照明システムを構成する照明装置1dの構成例を示すブロック図である。照明装置1dは、指令部4に替えて指令部4dを備え、人感センサ5を削除したものである。指令部4dは、センサ出力処理部41に替えて、不点灯状態検出部48を備える。
不点灯状態検出部48は、光源2または点灯制御部3の不具合によって、照明装置1dが不点灯の状態、詳細には照明装置1dの光源2が不点灯の状態になったことを検出する。ここで、点灯制御部3は、光源2に出力する電流の大きさを検出する機能を備えており、検出結果である出力電流の情報を不点灯状態検出部48に出力する。また、指令信号生成部42は、点灯制御部3とともに、不点灯状態検出部48に指令信号を出力する。不点灯状態検出部48は、指令信号生成部42から指令信号を受け取り、光源2を点灯する指令信号が出力されている状態において、光源2への出力電流の大きさが規定された閾値以下の場合、光源2が不具合によって不点灯状態であると判断する。不点灯状態検出部48は、自装置の光源2が不具合によって不点灯状態であることを示す不点灯情報を通信信号処理部43に出力する。
通信信号処理部43は、不点灯状態検出部48から受け取った不点灯情報と、記憶部46に記憶されている自装置の照明装置1dに割り当てられたアドレス情報とを含み、他の照明装置1dに無線通信により送信するための無線信号を生成する。
送受信部6は、通信信号処理部43で生成された無線信号を、他の照明装置1dに送信する。
本実施の形態において、照明装置1dは、周囲の照明装置1dが不具合によって不点灯状態となった場合、自装置の光源2の光量を増加し、周囲の照明装置1dが不具合によって不点灯状態になったことによる周囲の明るさの低下を補う制御を行う。不具合によって不点灯となった照明装置1dに対して、光源2の光量を増加する照明装置1dの対応関係を予め設定しておく。これにより、設定された照明装置1dのみが光源2の光量を増加し、設定されていない他の照明装置1dが不要に光源2の光量を増加することを防止できる。この対応関係は、ユーザまたは照明システム100dの管理者などによって、予め連動して光源2の光量を制御する他の照明装置1dのアドレス情報を記憶部46に記憶させておく。
次に、実施の形態3にかかる照明装置1dの動作を説明する。
図13は、実施の形態3に係る照明装置1d−1〜1d−5によって構成される照明システム100dの構成例を示す図である。照明装置1d−1〜1d−5の構成は、図12に示す照明装置1dの構成と同様とする。
照明装置1d−3は、自装置の光源2が不具合によって不点灯状態になったとき、送受信部6から、自装置の光源2が不具合によって不点灯状態にあることを示す不点灯情報と、照明装置1d−3に割り当てられたアドレス情報とを含む無線信号を、無線通信により他の照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5に送信する。
照明装置1d−3から無線信号を受信した照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5は、受信した無線信号から、不点灯情報、および照明装置1d−3のアドレス情報を抽出する。照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5には、予め連動対象の照明装置のアドレス情報が記憶されているものとする。ここでは、照明装置1d−2,1d−4には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1d−3のアドレス情報が記憶されており、照明装置1d−1,1d−5には、連動対象の照明装置のアドレス情報として照明装置1d−3のアドレス情報が記憶されていないとする。照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5は、抽出したアドレス情報と連動対象の照明装置のアドレス情報との比較を行う。
照明装置1d−2は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、照明装置1d−3の不点灯情報に従い、光源2の光量を増加させる制御を行う。同様に、照明装置1d−4は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致すると判断すると、照明装置1d−3の不点灯情報に従い、光源2の光量を増加させる制御を行う。
一方、照明装置1d−1は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1d−3の不点灯情報を用いず、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。同様に、照明装置1d−5は、受信した無線信号から抽出したアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致しないと判断すると、抽出した照明装置1d−3の不点灯情報を用いず、光源2の点灯、消灯、または調光といった制御を行う。
これにより、照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5は、照明装置1d−3から無線信号を受信した場合に、予め決められた照明装置1dの不点灯情報にのみに連動して、自装置の光源2の光量を増加させる制御を行うことができる。
図13は、照明装置1d−1〜1d−5が、隣接する照明装置1dが不具合によって不点灯状態になった場合に連動して自装置の光源2の光量を増加する制御を行う例を示したものである。照明装置1d−1〜1d−5が点灯中において照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になった場合、照明装置1d−3は、自装置が不具合によって不点灯状態になったことを示す不点灯情報と、自装置である照明装置1d−3のアドレス情報を含む無線信号を他の照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5に送信する。
照明装置1d−1,1d−2,1d−4,1d−5のうち、照明装置1d−3に隣接して設置されている照明装置1d−2,1d−4は、照明装置1d−3の不点灯情報に連動して光源2の光量を増加させる。一方、照明装置1d−3に隣接していない照明装置1d−1,1d−5は、照明装置1d−3の不点灯情報を受信するが、連動して光源2の光量を増加させる制御はしない。
これにより、照明システム100dは、照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になったことによる明るさの低下を補うことができ、かつ、隣接する照明装置1d−2,1d−4のみで制御することができる。
光源2にLEDを使用する場合、光源2の光量は、点灯制御部3が光源2に出力する電流値に依存して大きくなる。具体的に、照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になった場合に隣接する照明装置1d−2,1d−4が光源2の光量を増加する制御について、光源2の光量の変化を各照明装置1dの点灯制御部3から出力される電流の大きさを用いて説明する。図14は、実施の形態3に係る照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になる前後における各照明装置1d−1〜1d−5の点灯制御部3が出力する電流を示す図である。各照明装置1d−1〜1d−5の点灯制御部3は、時刻T以前、すなわち照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になる前は大きさIの電流を出力している。時刻Tにおいて、照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になり、照明装置1d−3の点灯制御部3からの出力電流が規定された閾値以下になると、隣接する照明装置1d−2,1d−4は出力電流をI+ΔIに増加する。一方で、照明装置1d−1,1d−5は出力電流を増加しない。これにより、照明装置1d−3が不具合によって不点灯状態になった場合に、照明装置1d−2,1d−4が光源2の光量を増加させることができる。
不点灯状態検出部48を備えた照明装置1dが、他の照明装置1dから無線信号を受信して、光源2の光量を制御する動作について、フローチャートを用いて詳細に説明する。図15は、実施の形態3に係る照明システム100dにおいて他の照明装置1dから無線信号を受信した照明装置1dにおける点灯制御の例を示すフローチャートである。
照明装置1dにおいて、送受信部6は、他の照明装置1dから無線信号を受信する(ステップS31)。通信信号処理部43は、送受信部6で受信された無線信号から、送信元の照明装置1dのアドレス情報を抽出する(ステップS32)。また、通信信号処理部43は、無線信号から、不点灯情報を抽出する(ステップS33)。通信信号処理部43は、抽出したアドレス情報を判定部44に出力し、抽出した不点灯情報を受信内容処理部45に出力する。
判定部44は、抽出されたアドレス情報と、予め記憶部46に記憶されている連動対象の照明装置のアドレス情報とを比較する(ステップS34)。アドレス情報が一致した場合(ステップS34:Yes)、判定部44はアドレス情報が一致したことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致したという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った不点灯情報を指令信号生成部42に出力する(ステップS35)。指令信号生成部42は、受信内容処理部45から受け取った不点灯情報に従って、光源2の光量を増加させるための指令信号を生成する(ステップS36)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を増加し、光源2の光量を増加させる制御をする(ステップS37)。
一方、アドレス情報が一致していない場合(ステップS34:No)、判定部44はアドレス情報が一致していないことを示す信号を受信内容処理部45に出力する。受信内容処理部45は、アドレス情報が一致していないという判定部44の信号の内容から、通信信号処理部43から受け取った不点灯情報を指令信号生成部42に出力しない(ステップS38)。指令信号生成部42は、現状の状態を維持する指令信号を生成する(ステップS39)。指令信号生成部42は、生成した指令信号を点灯制御部3に出力する。そして、点灯制御部3は、受け取った指令信号によって出力する電流を制御し、光源2の点灯または消灯などを制御する(ステップS37)。
照明装置1dにおいて、指令部4dは、光源2の不点灯状態を検出したことを示す不点灯情報、および自装置のアドレス情報を含む無線信号を生成して送受信部6経由で他の照明装置1dに送信する。また、指令部4dは、送受信部6経由で他の照明装置1dから無線信号を受信した場合、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1dの指令部4dによる不点灯情報、および他の照明装置1dのアドレス情報を用いて、指令信号を生成する。
また、指令部4dは、他の照明装置1dから無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれる他の照明装置1dのアドレス情報が連動対象の照明装置のアドレス情報と一致した場合、光源2の光量を増加させるための指令信号を生成して点灯制御部3に出力する。
なお、実施の形態3における制御は、上記の構成のみに限定されるものではなく、実施の形態1および実施の形態2に示す制御と組み合わせて実施することができる。
照明装置1dのハードウェア構成については実施の形態1の照明装置1と同様である。
以上説明したように、本実施の形態によれば、照明システム100dにおいて、照明装置1dは、予め連動して光源2を制御する連動対象の照明装置を設定しておき、他の照明装置1dから無線信号を受信し、無線信号に含まれるアドレス情報が連動対象として設定された照明装置のアドレス情報と一致した場合、無線信号に含まれる他の照明装置1dの不点灯情報に従って、光源2の光量を増加させることとした。これにより、不具合によって不点灯状態になった照明装置1dに対して、無線通信により、他の照明装置1dが連動して光源2の光量を増加する場合においても、連動して動作するべきではない照明装置1dの光源2の光量を増加すなわち誤動作させることなく、連動対象の照明装置の光源2の光量の増加が可能である。
以上の実施の形態に示した構成は、本発明の内容の一例を示すものであり、別の公知の技術と組み合わせることも可能であるし、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、構成の一部を省略、変更することも可能である。