JP2018005707A - 介入効果推測システム、介入効果推測方法、及び、介入効果推測システムに用いるプログラム - Google Patents

介入効果推測システム、介入効果推測方法、及び、介入効果推測システムに用いるプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】各個人に対して介入の良否も含めて介入の効果を低負担で推測できる介入効果推測システムを提供する。
【解決手段】介入効果推測システム10は、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を保持する集団用処理部24と、集団分析結果を用いて、ユーザ用に準備された回帰モデルとしてユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザの被験者データを取得すると、その被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する個人用処理部25とを備え、個人用処理部25は、この個人用処理部25により回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する。
【選択図】図6

Description

本発明は、統計的手法を用いて介入の効果を推測する介入効果推測システム、介入効果推測方法、及び、介入効果推測システムに用いるプログラムに関する。
医療分野では、ビッグデータ活用の重要性が唱えられている。ビッグデータ活用の最終ステップは、根拠に基づいた医療(EBM:Evidence Based Medicine)と言われており、患者個々に対する介入(医療介入)の効果や副作用などを統計的根拠に基づき推測し、医療行為を決定して実行する段階である。しかし、現在研究や報告がなされている推測手法は、多数の被験者における介入の効果を統計処理した結果を用いて、患者個々に対する介入の効果を推測するものであり、テーラーメード医療(個別化医療)に逆行している。
テーラーメード医療に関して、特許文献1は、電子薬剤投与システムにより患者の治療を管理および提供するための構成を開示している。この構成では、患者への薬剤投与量を制御する医療機器が、患者IDを使用して、データベース等から患者特有の情報を取り出す。そして、医療機器は、患者用に計算された治療(薬剤治療)に基づき、治療に対して観察された患者特有の反応に基づく基本的な患者特有の制御変数(例えば、血中グルコースレベル)を推測する。治療は、身長、体重などのすべての患者特有変数に応じて計算され、適切な処置が患者の状態に対して決定される。医療機器は、治療に対する患者の反応を観察して、治療を更新する。このように、特許文献1に記載の医療機器は、推測された基本的な患者特有の制御変数、治療に対して観察された患者特有の反応、および治療目的に基づいて、患者に対して更新された治療を提供する。
また、介入の効果を推測する従来の手法として、「N of 1 trial(N of 1 Randomization)」という手法が知られている(非特許文献1参照)。この手法は、1人の患者に対して様々な介入をランダムな順番で繰り返し行い、介入の効果を比較する手法である。この手法では、ある介入を行った後にその介入の効果が消滅してから、別の介入を行う。
特許5699161号公報
"N−of−1試験のデザインと実施に関するユーザズガイド"、[平成28年6月28日検索]、インターネット「URL:http://effectivehealthcare.ahrq.gov/ehc/products/534/1844/n-1-trials-report-130213.pdf」
ところで、特許文献1に記載された従来技術は、点滴などの薬剤投与量を自動的に制御するものであり、薬剤に効果があるという前提で、症状に対する介入が制御される。しかしながら、医療における介入の中には、人によってよい効果が得られるとは限らないものがあり、各個人に対して介入の良否を含めて介入の効果を推測できることが望ましい。一方、非特許文献1に記載された従来技術は、患者に対して様々な介入をランダムな順番で強いるものであり、患者の負担が大きい。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、各個人に対して介入の良否も含めて介入の効果を低負担で推測できる介入効果推測システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するべく、第1の発明は、所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測システムであって、介入実施情報を独立変数とし介入効果情報を目的変数とする回帰モデルを用いて、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を保持する集団用処理部と、集団分析結果を用いて、ユーザ用に準備された回帰モデルとしてユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザの被験者データを取得すると、該被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する個人用処理部とを備え、個人用処理部は、当該個人用処理部により回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測システムである。
第2の発明は、第1の発明において、被験者データは、所定の症状に対して定められた複数の介入の各々について介入実施情報を含み、回帰モデルは、各介入についての介入実施情報を各独立変数として用い、個人用処理部は、当該個人用処理部により各独立変数の回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する各介入の効果を個別に推測する。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、当該介入効果推測システムは、ユーザを含む複数人の被験者が利用可能であり、集団用処理部は、被験者から取得した被験者データを集団データに追加し、該追加後の集団データに基づいて集団分析結果を更新する。
第4の発明は、第3の発明において、個人用処理部は、集団用処理部における更新後の集団分析結果を取得し、個人用処理部は、更新後の集団分析結果を用いて、回帰係数の初期値及び最初の事前分布を設定し直し、過去に取得したユーザの被験者データを1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、回帰係数の更新をやり直す。
第5の発明は、第1乃至第4の何れか1つの発明において、集団用処理部は、被験者の情報として、該被験者データを分類するための分類用情報を取得し、集団用処理部では、分類用情報に応じて、複数人の被験者データが複数の集団データに分類され、集団データ毎に集団分析結果が保持されており、個人用処理部は、ユーザから取得した分類用情報に対応する集団分析結果を取得し、該集団分析結果を用いて回帰係数の初期値及び最初の事前分布を設定する。
第6の発明は、第1乃至第5の何れか1つの発明において、個人用処理部は、ユーザの被験者データを取得すると、比較用の回帰モデルを用いて、複数回に亘って過去に取得したユーザの被験者データを対象に回帰分析を行い、個人用処理部は、ユーザ用の回帰モデルと比較用の回帰モデルとの中から所定の指標に基づいて回帰モデルを選定し、該選定した回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する。
第7の発明は、第1乃至第6の何れか1つの発明において、個人用処理部は、当該個人用処理部により回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、介入の効果の推定値と、該推定値の信頼区間とを算出する。
第8の発明は、所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測システムに用いるプログラムであって、ユーザの情報端末に対して、介入実施情報を独立変数とし介入効果情報を目的変数とする回帰モデルであって回帰係数の初期値が設定されたユーザ用の回帰モデルが準備され、ユーザの被験者データを取得すると、該ユーザの被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する更新ステップと、更新ステップにおいて回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行させるプログラムである。
第9の発明は、所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、介入の実施状況を表す介入実施情報と、介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測方法であって、介入実施情報を独立変数とし介入効果情報を目的変数とする回帰モデルであって回帰係数の初期値が設定されたユーザ用の回帰モデルが準備され、ユーザの被験者データを取得すると、ユーザの被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する更新ステップと、更新ステップにおいて回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行させることを特徴とする、介入効果推測方法である。
第1の発明では、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を用いて、ユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザの被験者データを取得すると、その被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、上記回帰係数を更新する。そして、回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する。そのため、ユーザの被験者データを用いて回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルは、ユーザへの適合性が向上する。また、回帰モデルに基づいて介入の効果を推測するため、反対方向の効果も推測可能である。従って、ユーザ個人に対して、介入の良否も含めて介入の効果を適切に推測することができ、ユーザにとって効果的な介入を選択可能な個別化医療を実現することができる。
また、第1の発明では、ユーザに対する介入の効果の推測に回帰モデルを用いるため、ユーザが複数の介入を行う場合に複数の介入を順番に行う必要がない。従って、上述の「N of 1 trial」とは異なり、ユーザに対して様々な介入をランダムな順番で強いることはなく、ユーザにとって低負担で介入の効果を推測することができる。
また、第1の発明では、集団分析結果を用いて、ユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値等を設定する。ここで、ユーザ1人の被験者データのみを用いて、ユーザに対する介入の効果を推測する場合は、ある程度の回数分の被験者データがなければ、ユーザに対する介入の効果を適切に推測できない。そのため、ユーザに対して適切な推測結果を得るために時間を要する。それに対し、第1の発明によれば、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を用いるため、ユーザに対して適切な推測結果を得るために必要な時間を短縮することができる。
また、第2の発明では、複数の介入を行うユーザに対して、各介入の効果を個別に推測する。従って、各介入の推測結果から、ユーザにとってどの介入が効果的であるかを把握することができる。
また、第3の発明では、ユーザを含む複数人の被験者が介入効果推測システムを利用可能であり、被験者から取得した被験者データが集団データに追加され、集団データの標本数が増加する。そのため、追加後の集団データに基づいて集団分析結果を更新することで、集団分析結果の誤差が小さくなる。従って、回帰係数の初期値等の設定に更新後の集団分析結果を用いるユーザにとっては、より高い精度のユーザ用の回帰モデルに基づいて、介入の効果を推測することができる。
また、第4の発明では、更新後の集団分析結果(誤差が小さくなった集団分析結果)を用いて、回帰係数の初期値等を設定し直す。そして、ユーザから過去に取得したユーザの被験者データを1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、回帰係数の更新をやり直す。そのため、更新のやり直しがなされた回帰係数の誤差も小さくなり、ユーザ対する介入の効果をさらに高精度に推測することができる。
また、第5の発明では、集団用処理部では、分類用情報に応じて分類された集団データ毎に集団分析結果が保持されている。そして、個人用処理部は、ユーザから取得した分類用情報に対応する集団分析結果を取得し、その集団分析結果を用いて回帰係数の初期値等を設定する。従って、ユーザ自身が分類される集団に対応する集団分析結果が用いられるため、ユーザ用の回帰モデルはユーザに対する精度がさらに向上し、ユーザ対する介入の効果をさらに高精度に推測することができる。
また、第6の発明では、ユーザの被験者データを取得すると、比較用の回帰モデルを用いて、複数回に亘って過去に取得したユーザの被験者データを対象に回帰分析を行う。そして、ユーザ用の回帰モデルと比較用の回帰モデルとの中から、所定の指標に基づいて回帰モデルを選定する。比較用の回帰モデルは、ユーザ用の回帰モデルと同様に、ユーザに適合させる回帰モデルとなる。第6の発明では、複数の回帰モデルの中から優れた回帰モデルを選定可能であるため、ユーザ対する介入の効果をさらに高精度に推測できる可能性がある。
また、第7の発明では、介入の効果の推定値について信頼区間が算出される。ここで、推定値の信頼区間を参照することで、介入に効果があるか否かを判断できる場合がある。例えば推定値としてオッズ比を算出する場合、オッズ比の信頼区間の下限値が1を少しでも超えていれば、介入に少なからず効果があると判断できるし、たとえ信頼区間の下限値が1を下回っていたとしても大きく下回っていなければ、同様の判断ができる。従って、回帰係数の更新回数が少ない場合など、回帰係数の誤差が小さくなっておらず推定値だけでは、介入を続けるか否かの判断が難しい場合であっても、信頼区間を参照することで、介入を続けるか否かの判断が可能となる。
また、第8及び第9の各発明では、第1の発明と同様に、ユーザ個人に対して介入の良否も含めて介入の効果を適切に推測することができ、ユーザにとって効果的な介入を選択可能な個別化医療を実現することができる。
実施の形態に係る介入効果推測システムの構成図 疫学データベースを説明するための図 ユーザデータベースを説明するための図 入力画面を表示した情報端末の正面図 出力画面を表示した情報端末の正面図 介入効果推測システムの運用開始以後の状態を表す概念図 第1統計処理部における処理のフローチャート 第2統計処理部における処理のフローチャート 変形例に係る介入効果推測システムの構成図
以下、図1−図8を参照しながら、本発明に係る介入効果推測システム10について詳細に説明する。なお、本実施の形態は本発明の一例であり、本発明は本実施の形態に限定されない。
[1.介入効果推測システムの基本構成等]
介入効果推測システム10は、所定の症状に対して所定の介入(治療などの医療介入)を行ったユーザに対して、回帰分析及びベイズ法を用いて、介入の効果を推測するシステムである。介入効果推測システム10に適用できる所定の症状としては、例えば、便秘、アレルギー症(花粉症など)、睡眠障害(不眠症、過眠症など)などが挙げられる。また、介入効果推測システム10に適用できる所定の介入としては、例えば、薬物の服用、健康食品の摂取、医療機器の使用、運動プログラムの実施、鍼治療の実施などが挙げられる。但し、症状及び介入ともに、これらに限定されない。なお、本実施の形態では、所定の症状に対して複数の介入が定められているが、所定の症状に対して定められる介入は1つであってもよい。
介入効果推測システム10は、図1に示すように、インターネットなどのネットワーク16を介してユーザの情報端末14と通信可能なクラウドサーバ20を備えている。クラウドサーバ20は、1つ又は複数のコンピュータによって構成される。情報端末14は、スマートフォンなどの携帯端末であるが、デスクトップ型PC又はノート型PCであってもよい。
介入効果推測システム10は、ネットワーク16を介して、複数のユーザ(参加者)が登録可能である。ユーザは、介入効果推測システム10に登録する際、自らの情報端末14から、登録情報をクラウドサーバ20へ送信する。登録情報は、氏名に加えて、年齢及び性別などの属性情報を含む。各情報端末14から受信した登録情報は、後述するユーザデータベース27に保存される。なお、この登録の際に、情報端末14には、クラウドサーバ20から提供されたユーザ用プログラムがインストールされる。
介入効果推測システム10は、複数の介入のうち少なくとも1つを行った被験者の情報をデータ化した被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する。介入効果推測システム10は、ユーザの被験者データ(以下、「ユーザデータ」という。)に加えて、複数人の被験者データを集合させた集団データを用いる。クラウドサーバ20では、後述する記録部23に、複数人の被験者データを集団データとして一括管理する疫学データベース26と、ユーザ毎にユーザデータを管理するユーザデータベース27とが設けられている。
クラウドサーバ20の構成について説明をする前に、図2等を参照して、被験者データ及び被験者データの蓄積方法について説明をする。図2は、疫学データベース26のテーブルを表す。図2の各行は、各被験者の被験者データを表す。
疫学データベース26では、各被験者データに割り当てられた被験者番号に対して、複数の項目が設けられている。各被験者データは、各項目に記述する項目情報として、複数の介入に対応した複数の介入実施情報と、介入効果情報とを少なくとも含む。各介入実施情報は、少なくとも1つ介入を実施した日(以下、「介入実施日」という。)における各介入の実施状況(本実施の形態では、介入の実施の有無)を表す。各介入実施情報は、後述する独立変数(説明変数)Xnに用いる説明情報として扱われる。介入効果情報は、介入実施日に実施した1つ又は複数の介入による効果の状況(本実施の形態では、効果の有無)を表す。介入効果情報は、後述する目的変数に用いる。各被験者データは、例えば、介入実施日単位(所定期間単位)で作成される。各被験者データは、被験者の属性を表す属性情報をさらに含む。なお、本実施の形態では、属性情報を説明情報として扱わないが(独立変数Xnに用いないが)、属性情報を説明情報として扱ってもよい。
本実施の形態では、所定の症状が便秘の場合の被験者データについて説明を行う。被験者データは、介入実施日における薬剤Aの服用の有無を表す第1介入実施情報と、介入実施日における薬剤Bの服用の有無を表す第2介入実施情報と、介入実施日における運動の実施の有無を表す第3介入実施情報(図2では図示省略)と、介入実施日(又は翌日)における排便の有無を表す介入効果情報を含む。被験者データでは、図2に示すように、一部の介入実施情報が「実施有り」となる場合、つまり全ての介入実施情報が「実施有り」にならない場合がある。また、被験者データは、性別を表す第1属性情報と、年齢を表す第2属性情報とを含む。なお、年齢の代わりに又は年齢に加えて、属性情報として生年月日を用いることもできる。
また、被験者データは、図2に図示しないが、説明情報として、介入実施日における食事の摂取状況を表す食事情報と、介入実施日における睡眠状況を表す睡眠情報とを含む。食事情報は、食事の時間帯(朝、昼、晩)の各々について食事の摂取の有無を表す情報であるが、さらに間食の有無を表す情報を含んでいてもよい。睡眠情報は、睡眠時間を表す情報であるが、睡眠状態(良眠、普通、不眠)を表す情報を含んでいてもよい。また、被験者が女性である場合に、被験者データは、説明情報として、介入実施日が生理中であるか否かを表す生理情報をさらに含む。
なお、被験者データは、説明情報として、身長、体重、自宅の位置情報、介入をしなかった場合の便秘の重症度(自然排便の周期(日数))、自ら実施している便秘対策のリスト、勤務時間帯(日勤、準夜勤、又は夜勤など)、喫煙の状況、結婚の有無、排便があった時刻、運動の実施状況、又は、飲酒の状況などを表す情報のうち1つ又は複数をさらに含んでいてもよい。ここで、自宅の位置情報は、天気や最高気温、気圧等を自動的に収集するために用いる情報である。便秘対策のリストに含ませる対策としては、便秘対策のヨーグルト、健康食品、一般市販薬、処方薬などが挙げられる。喫煙の状況としては、喫煙の有無、1日当たりの喫煙回数(喫煙本数)などが挙げられる。運動の実施状況としては、運動の頻度(例えば週1回)、1回の運動時間(例えば20分以上)、運動の強度(汗ばむ程度の運度)などが挙げられる。飲酒の状況としては、飲酒の有無、飲酒量などが挙げられる。また、被験者が女性の場合は、被験者データが、説明情報として、出産経験回数、妊娠中かどうか、又は、ピルの服薬の有無などを表す情報のうち1つ又は複数をさらに含んでいてもよい。
図3は、ユーザデータベース27における各ユーザのテーブルを表す。図3の各行は、各介入実施日におけるユーザデータを表す。各ユーザのテーブルでは、介入実施日毎にユーザデータが記述されている。各ユーザデータは、疫学データベース26の被験者データと同様に、第1〜第3介入実施情報などを含む説明情報、介入効果情報、及び、介入実施日を表す実施日情報を含む。各ユーザのテーブルには、各ユーザの属性情報が対応付けられている。この属性情報は、登録時にユーザから取得した登録情報に含まれている情報が用いられる。
ユーザデータは、ユーザが情報端末14に入力するユーザ被験情報に基づいて作成される。具体的に、情報端末14においてユーザ用プログラムが起動されると、ユーザ被験情報を入力するための入力画面が表示される。図4に入力画面の一例を示す。ユーザ被験情報は、介入実施日単位で入力される。ユーザが複数日に亘って介入を行う場合は、介入実施日毎にユーザ被験情報が入力されることになる。情報端末14は、ユーザ被験情報が入力される度に、ユーザ被験情報をデータ化してユーザデータを作成し、そのユーザデータをクラウドサーバ20へ送信する。クラウドサーバ20では、ユーザデータ(受信データ)を受信すると、ユーザデータベース27のうち、当該受信データの送信者のテーブルに受信データが追加される。さらに、受信データは、属性情報が付加されて、疫学データベース26に追加される。なお、ユーザ被験情報の入力は、介入実施日単位での入力に限定されない。
図1に戻って、クラウドサーバ20の構成について説明する。クラウドサーバ20は、通信部21とサーバ制御部22と記録部23と第1統計処理部24と第2統計処理部25とを備えている。通信部21は、ネットワーク通信機能を有する通信装置であり、ネットワーク16を介して各ユーザの情報端末14と通信を行う。サーバ制御部22と第1統計処理部24と第2統計処理部25とは、クラウドサーバ20のCPUがサーバ用プログラムを実行及び解釈することによって実現される機能ブロックである。記録部23は、データを記録する記録装置であり、疫学データベース26、ユーザデータベース27及びサーバ用プログラムなどを格納する。通信部21と記録部23と第1統計処理部24と第2統計処理部25とは、サーバ制御部22の制御下で動作する。
第1統計処理部24には、疫学データベース26に格納された集団データを回帰分析するための集団用の回帰モデルが準備されている。集団用の回帰モデルは、介入実施情報を含む各説明情報を各独立変数とし、介入効果情報を目的変数としている。本実施の形態では、回帰モデルとして、ロジスティック回帰モデルが採用されている。式1によって表されるロジスティック回帰モデルの方程式は、切片βと、複数の独立変数Xnと、複数の独立変数Xnに対応する複数の回帰係数βnとから構成される。
Figure 2018005707
第1統計処理部24は、集団用の回帰モデルを用いて集団データを回帰分析する集団分析処理を行う。そして、集団分析処理により得られた分析結果は、集団分析結果として記録部23に記録(保持)される。第1統計処理部24は、集団用処理部に相当する。
具体的に、集団分析処理では、式1に示す方程式に、集団データの各被験者データから、各独立変数Xn(「リスクファクター」ともいう。)に各説明情報を入力し、目的変数(「アウトカム」ともいう。)に介入効果情報を入力して、最尤法によって集団用の回帰モデルにおける切片β及び各回帰係数βnの推定値が算出される。また、切片βに対する標準誤差、及び、各回帰係数βnの推定値に対する標準誤差も算出される。集団分析結果は、集団用の回帰モデルにおける切片β及び各回帰係数βnの推定値に加えて、切片βの推定値に対する標準誤差と、各回帰係数βnの推定値に対する標準誤差(以下、「回帰係数標準誤差」ともいう。)とを含む。以下では、集団分析結果のうち、切片β及び各回帰係数βnの推定値の組み合わせ(β,β,β,β・・・βn)における各値を「集団分析値」という。
具体的に、本実施の形態では、各独立変数Xnに、第1介入実施情報(薬剤Aの服用の有無)、第2介入実施情報(薬剤Bの服用の有無)、第3介入実施情報(運動の実施の有無)、食事情報、睡眠情報、及び生理情報(被験者が女性の場合のみ)を入力している。例えば、図4に示す入力画面で説明すると、介入実施情報、食事情報又は生理情報に用いる各独立変数Xnの値は、「有り」又は「はい」の場合に「1」、「無し」又は「いいえ」の場合に「0」が入力され、睡眠情報に用いる独立変数Xnの値は、睡眠時間が入力される。また、目的変数には、介入効果情報(排便の有無)を入力している。目的変数の値は、「有り」の場合に「1」、「無し」の場合に「0」が入力される。
第2統計処理部25は、ユーザに対する各介入の効果を推測するためのユーザ用の回帰モデルが準備されている。第2統計処理部25は、図1に示すように、ユーザ用の回帰モデルにおける各回帰係数βnを更新する係数更新処理を行う係数更新部28と、各回帰係数βnが更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいてユーザに対する各介入(薬剤Aの服用、薬剤Bの服用、運動の実施)の効果を推測する効果推測処理を行う効果推測部29とを備えている。第2統計処理部25では、ユーザデータを送信したユーザの各々に対し、係数更新処理及び効果推測処理が行われる。第2統計処理部25は、個人用処理部に相当する。
ユーザ用の回帰モデルは、第1統計処理部24の回帰モデルと同じ方程式であり、式1によって表される。第2統計処理部25は、第1統計処理部24と同様に、ロジスティック回帰モデルを採用している。ユーザ用の回帰モデルは、第1統計処理部24の回帰モデルと同じ各説明情報(第1治療実施情報、第2治療実施情報、第3治療実施情報、食事情報、睡眠情報、及び生理情報(被験者が女性の場合のみ))を各独立変数Xnとし、介入効果情報を目的変数としている。
以下では、ユーザ用の回帰モデルにおける切片β及び各回帰係数βnの推定値の組み合わせ(β,β,β,β・・・βn)と、切片βの推定値に対する標準誤差と、各回帰係数βnの推定値に対する標準誤差(回帰係数標準誤差)とにより構成されたデータを「ユーザ分析結果」といい、そのうち切片β及び各回帰係数βnの推定値の組み合わせ(β,β,β,β・・・βn)における各値を「ユーザ分析値」という。
係数更新部28は、ユーザ分析結果の初期データとして、集団分析結果を用いる。係数更新部28は、集団分析結果を用いて、ユーザ分析結果における各ユーザ分析値βn(回帰係数βnの推定値)の初期値を設定する。また、係数更新部28は、集団分析結果を用いて、ユーザ分析結果における各回帰係数標準誤差の初期値を設定し、ベイズ推定に用いる最初の事前分布を設定する。
そして、係数更新部28は、ユーザデータを取得する度に(つまり、通信部21がユーザデータを受信する度に)、ユーザデータの尤度を用いたベイズ推定によって、各ユーザ分析値βnを更新する係数更新処理を行う。係数更新処理では、ベイズ法を用いて、各ユーザ分析値βnが個別に更新される。なお、本実施の形態では、ユーザデータを受信(取得)する度に係数更新処理を行うが、ユーザデータを取得した全てのタイミングで係数更新処理を行わなくてもよい。また、本実施の形態では、切片βは固定値であり切片βの更新を行わないが、切片βの更新を行うようにしてもよい。
具体的に、各ユーザ分析値βnの初期値が、記録部23に保持された集団分析値(集団分析結果において対応する回帰係数βn)に設定される。また、各回帰係数標準誤差の初期値が、記録部23に保持された集団分析結果において対応する回帰係数標準誤差に設定される。各ユーザ分析値βnの更新では、ユーザ分析値βnにおける最初の事前分布が、ユーザ分析値βnの初期値と、回帰係数標準誤差の初期値とを用いて設定される。そして、新たに取得したユーザデータのうち、ユーザ分析値βnに対応する独立変数Xnに用いる説明情報(「新データ」ともいう。)の尤度を求める。そして、事前分布と尤度とを掛けあわせて事後分布を求め、事後分布の平均値を更新後のユーザ分析値βn’として求め、さらに事後分布から更新後の回帰係数標準誤差を求める。この事後分布は、次の係数更新処理で事前分布となる。記録部23では、更新後の各ユーザ分析値βn’及び更新後の各回帰係数標準誤差が、更新前のデータに上書きされ、ユーザ分析結果が更新される。
2回目以降の各ユーザ分析値βnの更新では、現在のユーザ分析値βn及び現在の回帰係数標準誤差から、現在のユーザ分析値βnの事前分布を求める。そして、1回目と同様に、新データの尤度を求め、さらに事前分布及び尤度から事後分布を求めて、更新後のユーザ分析値βn’及び更新後の回帰係数標準誤差を求める。記録部23では、ユーザ分析結果が更新される。
本実施の形態では、事後分布の平均値を更新後のユーザ分析値βn’として求めるが、事後分布の範囲内の値を更新後のユーザ分析値βn’とすればよく、例えば略平均値(平均値から±5%の範囲の値)を更新後のユーザ分析値βn’としてもよいし、平均値から±30%の範囲の値をユーザ分析値βn’としてもよい。例えば分散が小さい事後分布の場合は、平均値を用いなくても、ユーザ用の回帰モデルをユーザに適合させるという目的を達成することができる。
なお、ユーザ分析値βnの更新に用いられる計算式は、式2及び式3によって表される。ユーザ分析値βnの更新が1度も行われていない状態では、i=0となっている。この状態では、ユーザ分析値βnは集団分析値に設定されている。そして、ユーザデータが取得される度に、ユーザ分析値βnの更新値(t=i+1)が算出される。
Figure 2018005707
Figure 2018005707
係数更新部28は、ユーザ分析値が更新されたユーザ用の回帰モデルの検定として、その回帰モデルにおける切片β及び各ユーザ分析値βnの推定値の組み合わせ(β,β,β,β・・・βn)からp値を求めて、p値が有意水準(例えば0.05)より小さいか否かを判定する。そして、検定結果を利用して、効果推測部29は、p値が有意水準よりも小さい場合だけ効果推測処理を実行する。有意水準は適宜決定することができる。
なお、効果推測部29は、p値が有意水準以上である場合にも効果推測処理を実行してもよい。また、効果推測部29は、係数更新処理が行われる度に、効果推測処理を行ってもよいし、係数更新処理の実行回数が所定回数に達するまで(例えば、ユーザ用の回帰モデルが所定の精度に達するまで)は効果推測処理を行わずに、係数更新処理の実行回数が所定回数に達してから効果推測処理を行うようにしてもよい。また、情報端末14においてユーザが効果の推測結果の表示を求めた場合に、効果推測処理を行ってもよい。
効果推測部29は、係数更新処理によりユーザ分析値が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する各介入の効果を推測する効果推測処理を行う。効果推測処理では、最新のユーザ分析値が適用されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する各介入の効果の推定値(指標)として、オッズ比が算出される。具体的に、第1介入実施情報に対応するユーザ分析値βから、薬剤Aの服用についてのオッズ比を算出する。また、第2介入実施情報に対応するユーザ分析値βから、薬剤Bの服用についてのオッズ比を算出する。また、第3介入実施情報に対応するユーザ分析値βから、運動の実施についてのオッズ比を算出する。
通信部21は、各介入実施情報に対応するユーザ分析値βnから求めたオッズ比を推測結果として情報端末14に送信する。情報端末14では、通信部21から受信した推測結果が表示される。例えば、図5(a)に示す出力画面のように、ランキング形式で各介入の推測結果(オッズ比)を表示してもよい。また、図5(b)に示す出力画面のように、効果が得られる予測確率と、予測確率を説明するグラフとを表示してもよい。予測確率は、各独立変数Xnの値を式1に代入することなどにより算出する。なお、ユーザに対する介入の効果の指標として、ロジットを算出してもよい。
なお、効果推測処理では、各介入の効果の推定値に加えて、推定値の信頼区間を算出してもよい。この場合、通信部21は、推定値の信頼区間も推測結果として情報端末14に送信する。情報端末14の画面には、例えば「95%信頼区間 0.9−10、p値<0.05」と表示される。
また、効果推測処理において、効果推測部29は、全ての介入についての効果の推定値を比較して、最も良い推定値が得られた介入をユーザに提示してもよい。本実施の形態では、3つの介入についてのオッズ比の中から、最もオッズ比が大きい介入(薬剤A)が選定される。そして、選定された介入の情報が、情報端末14に送信されて画面に表示される。
[2.システム運用開始後の集団分析結果の更新などについて]
クラウドサーバ20では、介入効果推測システム10の運用開始時に、記録部23が疫学データベース26を格納している。この疫学データベース26は、介入効果推測システム10の運用開始前に、複数人の被験者から集めた被験者データに基づいて作成されたものである。介入効果推測システム10の運用開始時には、集団データが準備されている。第1統計処理部24は、運用開始時に疫学データベース26の集団データに対して集団分析処理を行っている。記録部23は、この集団分析処理により得られた集団分析結果(切片β、各回帰係数βnの推定値、切片βの推定値に対する標準誤差、各回帰係数βnの推定値に対する標準誤差)を保持している。介入効果推測システム10は、運用開始時から、第2統計処理部25において集団分析結果を用いた係数更新処理が実行可能である。
なお、介入効果推測システム10の運用開始時に、疫学データベース26を準備せずに、運用開始後に集まるユーザデータによって疫学データベース26を構成してもよい。この場合でも、運用開始後にある程度の人数の被験者からユーザデータが集まった段階で、集団分析結果を用いた係数更新処理が実行可能になる。
介入効果推測システム10の運用開始後は、各情報端末14にユーザ被験情報がユーザから入力される度に、クラウドサーバ20の通信部21は、各情報端末14からユーザデータを受信する。記録部23では、通信部21によって受信されたユーザデータが、ユーザデータベース27だけでなく、疫学データベース26に追加される。疫学データベース26を構成する集団データにおける被験者データの人数(標本数)は、図6に示すように、ユーザデータが新たに追加される度に増えていく。介入効果推測システム10の運用開始から時間が経過するに従って、また介入効果推測システム10へ登録するユーザが増えるに従って、被験者データの標本数は増えていく。
第1統計処理部24は、介入効果推測システム10の運用開始後に、所定の周期(例えば1ヵ月周期)で、最新の集団データ(前回の集団分析処理後に受信したユーザデータが追加された集団データ)を回帰分析する集団分析処理を行う。記録部23では、この集団分析処理により得られた集団分析結果が更新前のデータに上書きされ、集団分析結果が更新される。
介入効果推測システム10の運用開始後、集団データにおいて被験者データの標本数が増加するに従って、集団分析結果の誤差が小さくなってゆく。従って、介入効果推測システム10の運用直後に登録するユーザに比べて、後から登録したユーザは、誤差の小さい集団分析値結果を使用できる。
第2統計処理部25では、係数更新部28が、第1統計処理部24における更新後の集団分析結果を取得する。係数更新部28は、集団分析結果の更新が行われる度に更新後の集団分析結果を取得する。なお、係数更新部28は、所定の周期(例えば、集団分析結果の更新周期よりも長い周期)で、更新後の集団分析結果を取得してもよい。係数更新部28は、各ユーザに対して、更新後の集団分析結果を用いて、各ユーザ分析値βnの初期値及び最初の事前分布を設定し直し、過去に取得したユーザデータを古い方から順番に1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、各ユーザ分析値βnの更新をやり直す。記録部23では、各ユーザについて、更新をやり直した後のユーザ分析値βn及び回帰係数標準誤差が、更新をやり直す前のデータに上書きされる。
なお、本実施の形態では、最新の集団分析結果の取得までにユーザから取得した全てのユーザデータを用いて、ユーザ分析値の更新をやり直すが、一部のユーザデータ(例えば、直近から所定回数分のユーザデータ)を用いて、ユーザ分析値の更新をやり直してもよい。
[3.第1統計処理部における処理のフロー]
図7のフローチャートを参照にして、第1統計処理部24における処理について説明する。この処理は、第1のサーバ用プログラムに従って行われる。
まずステップS71において、第1統計処理部24は、集団分析結果を更新するか否かを判定する。ステップS71では、前回の集団分析結果の更新から所定期間(例えば1ヵ月)が経過した場合に、集団分析結果を更新すると判定する。なお、前回の集団分析結果の更新から疫学データベース26に追加されたユーザデータの数が所定数を超えた場合に、集団分析結果を更新すると判定してもよい。
集団分析結果を更新すると判定された場合、ステップS72において、第1統計処理部24は、記録部23から最新の集団データを読み出す。次に、ステップS73において、第1統計処理部24は、ステップS72で読み出した集団データを対象に回帰分析を行う(集団分析処理)。次に、ステップS74において、第1統計処理部24は、ステップS73の集団分析処理によって得られた集団分析結果を更新前のデータに上書きする。以上の処理によって、第1統計処理部24における処理は終了する。
[4.第2統計処理部における処理のフロー]
続いて、図8のフローチャートを参照にして、第2統計処理部25における処理について説明する。この処理は、第2のサーバ用プログラムに従って行われる。以下では、1人のユーザに対する処理について説明を行う。
まずステップS81において、第2統計処理部25は、新たなユーザデータが取得されたか否か(新たなユーザデータがユーザデータベース27に追加されたか否か)を判定する。そして、新たなユーザデータが取得されたと判定された場合、ステップS82において、前回の係数更新処理後に第1統計処理部24において集団分析結果が更新されたか否かを判定する。集団分析結果が更新されていないと判定された場合は、ステップS83において、係数更新部28は、記録部23から、ユーザ分析結果を読み出す。次に、ステップS84において、係数更新部28は、ステップS83で読み出したユーザ分析結果と、新たなユーザデータとを用いて、そのユーザデータの尤度を用いたベイズ推定によって、ユーザ分析結果を更新する係数更新処理を行う(更新ステップ)。
一方、ステップS82において集団分析結果が更新されたと判定された場合は、ステップS85−S88において、係数更新部28が、最新の集団分析結果を用いて、各ユーザ分析値βnの初期値及び最初の事前分布を設定し直し、過去に取得したユーザデータを1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、各ユーザ分析値βnの更新をやり直す。
具体的に、ステップS85において、係数更新部28は、実施日情報に基づいてユーザデータベース27から最古のユーザデータを読み出す。次に、ステップS86において、係数更新部28は、ステップS85で読み出したユーザデータの尤度を用いたベイズ推定によって、各ユーザ分析値βnを更新する係数更新処理を行う。次に、ステップS87において、係数更新部28は、ステップS86で使用したユーザデータが最新であるか否かを判定する。そして、最新ではないと判定された場合に、ステップS88において、係数更新部28は、実施日情報に基づいて、ステップS86で使用したユーザデータの次に古いユーザデータを読み出し、ステップS86に戻る。ステップS86では、係数更新部28が、ステップS88で読み出したユーザデータの尤度を用いたベイズ推定によって、各ユーザ分析値βnを更新する係数更新処理を行う。
ステップS87において、ステップS86で使用したユーザデータが最新であると判定されるまで、係数更新部28は、ステップS86−S88を繰り返し行う。ステップS87において、ステップS86で使用したユーザデータが最新であると判定された場合、ステップS89において、効果推測部29が効果推測処理を行う(推測ステップ)。ステップS84直後のステップS89では、ステップS84で各ユーザ分析値βnが更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、効果推測処理が行われる。ステップS87直後のステップS89では、直前のステップS86で各ユーザ分析値βnが更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、効果推測処理が行われる。以上の処理によって、第2統計処理部25における処理は終了する。クラウドサーバ20では、フローの終了後に、ステップS89の効果推測処理によって得られた推測結果が、情報端末14に送信される。
[5.実施の形態の効果など]
本実施の形態では、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を用いて、ユーザ用の回帰モデルにおけるユーザ分析値βnの初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザデータを取得すると、その被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、ユーザ分析値βnを更新する。そして、ユーザ分析値βnが更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する。そのため、ユーザデータを用いてユーザ分析値βnが更新されたユーザ用の回帰モデルは、ユーザへの適合性が向上する。また、回帰モデルに基づいて介入の効果を推測するため、反対方向の効果も推測可能である。従って、ユーザ個人に対して、介入の良否も含めて介入の効果を適切に推測することができ、ユーザにとって効果的な介入を選択可能な個別化医療を実現することができる。
また、本実施の形態では、ユーザに対する介入の効果の推測に回帰モデルを用いるため、上述の「N of 1 trial」とは異なり、ユーザに対して様々な介入をランダムな順番で強いることはなく、ユーザにとって低負担で介入の効果を推測することができる。
また、本実施の形態では、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を用いるため、ユーザに対して適切な推測結果を得るために必要な時間を短縮することができる。
また、本実施の形態では、複数の介入を行うユーザに対して、各介入の効果を個別に推測する。従って、各介入の推測結果から、ユーザにとってどの介入が効果的であるかを把握することができる。また、各介入の推測結果を用いて、値段当たりの介入効果を推定することが可能になり、製薬会社や病院の医師にとっては、費用対効果の高い介入を同定することに応用でき、医療費を削減することが可能となる。
また、クラウドサーバ20では、多数の被験者に対する介入の効果がマスデータとして蓄積されてゆく。製薬会社にとっては、このマスデータを属性情報などに基づいて分析することで、自社製品が効きやすい顧客層を把握することができる。また、製薬会社にとっては、薬剤効果を判定可能であるため、現在臨床研究で行われている薬剤効果の推定プロセスを簡略化することも可能である。
また、本実施の形態では、ユーザを含む複数人の被験者が介入効果推測システム10を利用可能であり、被験者から取得した被験者データが集団データに追加され、集団データの標本数が増加する。そのため、追加後の集団データに基づいて集団分析結果を更新することで、集団分析結果の誤差が小さくなる。従って、ユーザ分析値βnの初期値等の設定に更新後の集団分析結果を用いるユーザにとっては、より高い精度のユーザ用の回帰モデルに基づいて、介入の効果を推測することができる。
また、本実施の形態では、更新後の集団分析結果(誤差が小さくなった集団分析結果)を用いて、ユーザ分析値βnの初期値等を設定し直す。そして、ユーザから過去に取得したユーザデータを1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、ユーザ分析値βnの更新をやり直す。そのため、更新のやり直しがなされたユーザ分析値βnの誤差も小さくなり、ユーザ対する介入の効果をさらに高精度に推測することができる。
本実施の形態では、介入の効果の推定値について信頼区間が算出される。そのため、ユーザ分析値βnの更新回数が少ない場合など、ユーザ分析値βnの誤差が小さくなっておらず推定値だけでは、介入を続けるか否かの判断が難しい場合であっても、信頼区間を参照することで、介入を続けるか否かの判断が可能となる。
[6.比較用の回帰モデルを用いる変形例]
本変形例では、第2統計処理部25に、ユーザに対する各介入の効果を推測するための回帰モデルとして、ユーザ用の回帰モデルに加えて、比較用の回帰モデルが準備されている。変形例では、比較用の回帰モデルとして、ユーザ用の回帰モデルと同じロジスティック回帰モデルを採用しているが、他の回帰モデルを採用してもよい。以下では、1人のユーザに対する処理について説明を行う。
第2統計処理部25は、ユーザデータベース27に新たなユーザデータが追加される度に、比較用の回帰モデルを用いて、ユーザデータベース27に蓄積された全てのユーザデータのみを対象に回帰分析を行う。すなわち、比較用の回帰モデルに対して、ユーザデータベース27に蓄積された各ユーザデータから、各独立変数Xnに各説明情報を入力し、目的変数に介入効果情報を入力して、最尤法によって第2ユーザ分析結果を算出する。第2ユーザ分析結果は、第1ユーザ分析結果と同様に、回帰モデルにおける切片β及び各回帰係数βnの推定値の組み合わせ(β,β,β,β・・・βn)と、切片βの推定値に対する標準誤差と、各回帰係数βnの推定値に対する標準誤差とを含む。ユーザデータベース27には、ユーザ用の回帰モデルによる第1ユーザ分析結果と共に、比較用の回帰モデルによる第2ユーザ分析結果が記録される。
効果推測部29は、第1ユーザ分析結果を適用したユーザ用の回帰モデルと、第2ユーザ分析結果を適用した比較用の回帰モデルとを比較して所定の指標に基づいて回帰モデルを選定し、選定した回帰モデルに基づいて、ユーザに対する各介入の効果を推測する。例えば、効果推測部29は、所定の指標として精度を用い、精度の高い(例えば寄与率が大きい)回帰モデルを選定する。なお、回帰モデルの選定に用いる指標としては、予測率、AIC/BICなどの統計量を用いることができる。
本変形例では、比較用の回帰モデルが、ユーザ用の回帰モデルと同様に、ユーザに適合させる回帰モデルとなる。本変形例によれば、複数の回帰モデルの中から、優れた回帰モデルを選定するため、ユーザ対して各介入の効果をさらに高精度に推測できる可能性がある。
なお、ユーザ用の回帰モデルに比べて比較用の回帰モデルの精度が高くなった時点から、ユーザ用の回帰モデルによる第1ユーザ分析結果の更新を停止し、比較用の回帰モデルによる第2ユーザ分析結果の更新だけを行うようにしてもよい。
[7.他の症状についての変形例]
所定の症状が便秘以外の場合について説明を行う。
<所定の症状が片頭痛の場合>
この場合、被験者データは、説明情報として、症状が便秘の場合の項目情報に加えて、介入実施日が属する季節を表す季節情報、及び、介入実施日の気温を表す気温情報を含み、目的変数とする項目情報として、介入実施日における片頭痛の有無を表す介入効果情報を含む。
<所定の症状が睡眠障害の場合>
この場合、被験者データは、説明情報としては、症状が便秘の場合の項目情報と同じである。被験者データは、目的変数とする項目情報として、介入実施日の晩における睡眠の有無を表す介入効果情報を含む。
<所定の症状がアレルギー症の場合>
この場合、被験者データは、説明情報として、症状が便秘の場合の項目情報に加えて、上記季節情報、上記気温情報、及び、アレルゲンに関する情報を含み、目的変数とする項目情報として、介入実施日(又は翌日)におけるアレルギー症の軽減の有無(又は、軽減レベル)を表す介入効果情報を含む。なお、アレルゲンに関する情報は、例えば花粉の飛散量を表す情報である。
[8.他の回帰モデルについての変形例]
上記実施の形態では、回帰モデルとしてロジスティック回帰モデルを採用したが、最小二乗法を用いた単回帰モデル若しくは重回帰モデル、又は、コックスの比例ハザードモデルなど他の回帰モデルを採用してもよい。ロジスティック回帰モデルでは目的変数は離散変数(有りの場合が「1」、無しの場合が「0」)であるが、本変形例のモデルでは、離散変数としてもよいし連続変数としてもよい。
[9.集団データの分類についての変形例]
上記実施の形態では、複数人の被験者データを1つの集団データとして扱うが、複数人の被験者データを複数の集団データに分類してもよい。例えば、複数人の被験者データについて、男性の被験者データにより構成された集団データと、女性の被験者データにより構成された集団データとに分類することができる。また、年齢層に応じて集団データを分類することもできる。
第1統計処理部24では、分類用情報に応じて、疫学データベース26における複数人の被験者データが複数の集団データに分類され、集団データ毎に集団分析結果が保持されている。第1統計処理部24は、情報端末14からユーザデータ(受信データ)を受信する度に、受信データを記述するテーブルに対応付けられた分類用情報に応じて集団データを選定し、選定した集団データに受信データを追加する。また、第1統計処理部24は、所定の周期で各集団データについて集団分析処理を行い、集団分析結果を更新して保持する。
第2統計処理部25は、ユーザから取得した分類用情報に対応する集団分析結果を取得する。そして、第2統計処理部25は、ユーザの分類に対応する集団分析結果を用いて、各ユーザ分析値βnの初期値と最初の事前分布とを設定する。第2統計処理部25は、係数更新処理を行い、ユーザ分析結果を更新して保持する。上述したユーザ分析結果の更新のやり直しにおいても、ユーザの分類用情報に対応する最新の集団分析結果が用いられる。
本変形例では、ユーザが分類される集団に対応する集団分析結果が用いられるため、ユーザ用の回帰モデルはユーザに対する精度がさらに向上し、ユーザ対する介入の効果をさらに高精度に推測することができる。
[10.他のシステム形態についての変形例]
介入効果推測システム10は、図9に示すように、システム管理者が管理するサーバ40と、各ユーザが操作する情報端末14とを備えている。この変形例では、サーバ40が集団用処理部に相当し、各情報端末14が個人用処理部に相当する。サーバ40と情報端末14とは、ネットワーク16を介して、相互に通信可能である。サーバ40は、1つ又は複数のコンピュータによって構成することができる。サーバ40には、管理用プログラムがインストールされている。情報端末14には、ユーザ用プログラムがインストールされている。このユーザ用プログラムは、上述の実施の形態とは異なり、係数更新処理及び効果推測処理などの処理の実行プログラムである。
サーバ40は、図9に示すように、通信部41とサーバ制御部42と記録部43と統計処理部44とを備えている。通信部41は、ネットワーク通信機能を有する通信装置である。サーバ制御部42と統計処理部44とは、サーバ40のCPUが管理用プログラムを実行及び解釈することによって実現される機能ブロックである。記録部43は、データを記録する記録装置であり、疫学データベース26及び管理用プログラムなどを格納している。通信部41と記録部43と統計処理部44は、サーバ制御部42の制御下で動作する。
情報端末14は、図9に示すように、通信部31と端末制御部32と記録部33と統計処理部34とを備えている。通信部31は、ネットワーク通信機能を有する通信装置である。端末制御部32と統計処理部34とは、情報端末14のCPUがユーザ用プログラムを実行及び解釈することによって実現される機能ブロックである。記録部33は、データを記録する記録装置であり、ユーザデータベース27及びユーザ用プログラムなどを格納している。通信部31と記録部33と統計処理部34とは、サーバ制御部32の制御下で動作する。なお、ユーザデータベース27は、上述の実施の形態とは異なり、ユーザ個人のユーザデータのみを管理する。
本変形例では、サーバ40の統計処理部44が、上述の実施の形態の第1統計処理部24に相当する。また、情報端末14の統計処理部34が、上述の実施の形態の第2統計処理部25に相当する。以下では、上述の実施の形態とは異なる点を中心に説明を行う。
サーバ40では、上述の実施の形態のクラウドサーバ20と同様に、記録部43が集団分析結果を保持している。そして、サーバ40では、情報端末14からユーザデータ(受信データ)を受信する度に、受信データが疫学データベース26に追加される。統計処理部44は、所定の周期(例えば1ヵ月周期)で、集団用の回帰モデルを用いて、疫学データベース26における最新の集団データを回帰分析する集団分析処理を行い、集団分析処理を更新する。
情報端末14では、ユーザ用プログラムが起動されると、ユーザ被験情報を入力するための入力画面が表示され、図8と同じ処理が行われる。なお、情報端末14は、サーバ40からユーザ用プログラムをダウンロードする際に、集団分析結果を取得して記録部33に記録する。そして、情報端末14は、所定の周期で、サーバ40から最新の集団分析結果を自動的にアップロードして上書きする。
具体的に、統計処理部34は、ステップS81において、新たなユーザデータが取得されたか否かを判定する。また、ステップS82において、前回の係数更新処理後にサーバ40において集団分析結果が更新されたか否か(最新の集団分析結果をアップロードしたか否か)を判定する。集団分析結果が更新されていないと判定された場合は、ステップS83において、係数更新部35が、記録部33から、ユーザ分析結果を読み出す。次に、ステップS84において、係数更新部35は、ステップS83で読み出したユーザ分析結果と、新たなユーザデータとを用いて、そのユーザデータの尤度を用いたベイズ推定によって、ユーザ分析結果を更新する係数更新処理を行う(更新ステップ)。
一方、ステップS82において集団分析結果が更新されたと判定された場合は、ステップS85−S88において、係数更新部35が、最新の集団分析結果を用いて、各ユーザ分析値βnの初期値及び最初の事前分布を設定し直し、過去に取得したユーザデータを1つずつ用いてベイズ推定を繰り返すことによって、各ユーザ分析値βnの更新をやり直す。また、ステップS89において、効果推測部36が効果推測処理を行う(推測ステップ)。そして、フローの終了後にステップS89の効果推測処理によって得られた推測結果が、情報端末14の画面に表示される。
[11.その他の変形例]
上記実施の形態では、ユーザ被験情報はユーザによって情報端末14に入力されたが、センシングによってユーザ被験情報を取得してもよい。
上記実施の形態において、情報端末14へ入力されるユーザ被験情報として、更に詳しい情報を取得できるようにしてもよい。例えば、図4に示す入力画面における入力項目に入力した際に(「有り」又は「無し」などを選択した際に)、時刻を入力できるポップアップ画面が表示されるようにして、各入力項目について時刻情報(介入を実施した時刻など)を取得できるようにしてもよい。「睡眠時間」の入力項目については、開始時刻と終了時刻とを入力できるようにする。この変形例によれば、時刻情報を用いて、係数更新処理や効果推測処理等を行うことで、症状に対して介入の効果が発現するまでに要する時間(例えば、排便までの時間)を予測することができる。
上記実施の形態では、介入実施情報が、介入の実施の有無を表しているが、介入を実施した量(例えば、薬剤の服用量)を表していてもよい。この場合、薬剤の服用量(例えば、服用した錠剤数)が独立変数Xnに入力される。
上記実施の形態では、介入効果情報が、介入による効果の有無を表しているが、介入による効果の程度(例えば、症状の改善レベル)を表していてもよい。この場合、改善レベルを表す数値が目的変数に入力される。
本発明は、統計的手法を用いて介入の効果を推測する介入効果推測システム等に適用可能である。
10 介入効果推測システム
14 情報端末
20 クラウドサーバ
21 通信部
22 サーバ制御部
23 記録部
24 第1統計処理部(集団用処理部)
25 第2統計処理部(個人用処理部)
26 疫学データベース
27 ユーザデータベース
28 係数更新部
29 効果推測部
第8の発明は、所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を、コンピュータに推測させるプログラムであって、コンピュータは、介入実施情報を独立変数とし介入効果情報を目的変数とする回帰モデルを用いて、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を保持する記録部を備え、コンピュータに、集団分析結果を用いて、ユーザ用に準備された回帰モデルとしてユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザの被験者データを取得すると、該被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する更新ステップと、更新ステップにおいて回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行させるプログラムである。
第9の発明は、所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、介入の実施状況を表す介入実施情報と、介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を、コンピュータが推測する介入効果推測方法であって、コンピュータは、介入実施情報を独立変数とし介入効果情報を目的変数とする回帰モデルを用いて、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を保持する記録部を備え、コンピュータが、集団分析結果を用いて、ユーザ用に準備された回帰モデルとしてユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、ユーザの被験者データを取得すると、該被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、回帰係数を更新する更新ステップと、更新ステップにおいて回帰係数が更新されたユーザ用の回帰モデルに基づいて、ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行することを特徴とする、介入効果推測方法である。

Claims (9)

  1. 所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、前記介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、前記被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測システムであって、
    前記介入実施情報を独立変数とし前記介入効果情報を目的変数とする回帰モデルを用いて、複数人の被験者データを集合させた集団データを回帰分析した集団分析結果を保持する集団用処理部と、
    前記集団分析結果を用いて、前記ユーザ用に準備された前記回帰モデルとしてユーザ用の回帰モデルにおける回帰係数の初期値と、ベイズ推定に用いる最初の事前分布とを設定し、前記ユーザの被験者データを取得すると、該被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、前記回帰係数を更新する個人用処理部とを備え、
    前記個人用処理部は、当該個人用処理部により前記回帰係数が更新された前記ユーザ用の回帰モデルに基づいて、前記ユーザに対する介入の効果を推測することを特徴とする、介入効果推測システム。
  2. 前記被験者データは、所定の症状に対して定められた複数の介入の各々について前記介入実施情報を含み、
    前記回帰モデルは、各介入についての前記介入実施情報を各独立変数として用い、
    前記個人用処理部は、当該個人用処理部により前記各独立変数の回帰係数が更新された前記ユーザ用の回帰モデルに基づいて、前記ユーザに対する各介入の効果を個別に推測することを特徴とする、請求項1に記載の介入効果推測システム。
  3. 当該介入効果推測システムは、ユーザを含む複数人の被験者が利用可能であり、
    前記集団用処理部は、前記被験者から取得した被験者データを前記集団データに追加し、該追加後の集団データに基づいて前記集団分析結果を更新することを特徴とする、請求項1又は2に記載の介入効果推測システム。
  4. 前記個人用処理部は、前記集団用処理部における更新後の集団分析結果を取得し、
    前記個人用処理部は、前記更新後の集団分析結果を用いて、前記回帰係数の初期値及び前記最初の事前分布を設定し直し、過去に取得した前記ユーザの被験者データを1つずつ用いて前記ベイズ推定を繰り返すことによって、前記回帰係数の更新をやり直すことを特徴とする、請求項3に記載の介入効果推測システム。
  5. 前記集団用処理部は、前記被験者の情報として、該被験者データを分類するための分類用情報を取得し、
    前記集団用処理部では、前記分類用情報に応じて、前記複数人の被験者データが複数の集団データに分類され、前記集団データ毎に前記集団分析結果が保持されており、
    前記個人用処理部は、前記ユーザから取得した前記分類用情報に対応する前記集団分析結果を取得し、該集団分析結果を用いて前記回帰係数の初期値及び前記最初の事前分布を設定することを特徴とする、請求項1乃至4の何れか1つに記載の介入効果推測システム。
  6. 前記個人用処理部は、前記ユーザの被験者データを取得すると、比較用の回帰モデルを用いて、複数回に亘って過去に取得したユーザの被験者データを対象に回帰分析を行い、
    前記個人用処理部は、前記ユーザ用の回帰モデルと前記比較用の回帰モデルとの中から所定の指標に基づいて回帰モデルを選定し、該選定した回帰モデルに基づいて、前記ユーザに対する介入の効果を推測することを特徴とする、請求項1乃至5の何れか1つに記載の介入効果推測システム。
  7. 前記個人用処理部は、当該個人用処理部により前記回帰係数が更新された前記ユーザ用の回帰モデルに基づいて、前記介入の効果の推定値と、該推定値の信頼区間とを算出することを特徴とする、請求項1乃至6の何れか1つに記載の介入効果推測システム。
  8. 所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、前記介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、前記被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測システムに用いるプログラムであって、
    前記ユーザの情報端末に対して、
    前記介入実施情報を独立変数とし前記介入効果情報を目的変数とする回帰モデルであって回帰係数の初期値が設定されたユーザ用の回帰モデルが準備され、前記ユーザの被験者データを取得すると、該ユーザの被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、前記回帰係数を更新する更新ステップと、
    前記更新ステップにおいて前記回帰係数が更新された前記ユーザ用の回帰モデルに基づいて、前記ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行させることを特徴とする、プログラム。
  9. 所定の症状に対して1つ又は複数の介入が定められ、少なくとも1つの介入を行った被験者の情報として、前記介入の実施状況を表す介入実施情報と、該介入による効果の状況を表す介入効果情報とを含む被験者データを用いて、前記被験者の1人であるユーザに対する介入の効果を推測する介入効果推測方法であって、
    前記介入実施情報を独立変数とし前記介入効果情報を目的変数とする回帰モデルであって回帰係数の初期値が設定されたユーザ用の回帰モデルが準備され、前記ユーザの被験者データを取得すると、該ユーザの被験者データの尤度を用いたベイズ推定によって、前記回帰係数を更新する更新ステップと、
    前記更新ステップにおいて前記回帰係数が更新された前記ユーザ用の回帰モデルに基づいて、前記ユーザに対する介入の効果を推測する推測ステップとを実行させることを特徴とする、介入効果推測方法。

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