以下、図面に基づいて本発明の一実施の形態のヘルスケアシステムを詳細に説明する。本明細書での用語の定義として、疾患とは、いわゆる病い、病気、疾病、症候群、障害、その他を含む総称とする。疾患は、名称、種類、程度、段階、推移、及び詳細等を含めて管理される。疾患は、疾患が疑われる状態、現在疾患である状態、疾患が治癒した状態、等を含めて管理される。疾患は、医師等の診断によるもの、ユーザの自己認識及び主観によるものを含む。疾患は、特に産婦人科及び生殖医療の領域に係わる疾患を含むが、他の診療科の疾患を含んでもよい。
治療とは、医療機関による診療、治療、処置、処方等、並びに医療機関による許可でユーザにより採用される療法等を含む総称とする。治療は、名称、種類、段階、推移、及び詳細等を含めて管理される。治療の例は、カウンセリング、タイミング法(排卵日に合わせて性交を行う方法)、人工授精、体外受精、顕微授精、卵巣や子宮の手術、薬剤の注射、等がある。
検査とは、医学的な検査であり、テスト等を含む総称とする。検査の例は、血液検査、尿検査、精液検査、超音波や内視鏡による生理機能検査、画像検査等がある。検査は、性感染症等の特定の疾患毎の検査を含む。検査は、一般的な健康診断を含む。
症状とは、運動、食事、睡眠、排泄などの実態、気分、体調等を含む総称とし、ストレスを含めてもよい。症状やストレスは、ユーザが主観的に認識する様々な身体及び精神の症状やストレスを含む。行動とは、疾患の改善を目的とした、ユーザが主観的に計画する運動、食事、睡眠、排泄、性交、その他各種の日常生活上の活動の総称とする。
本実施の形態のヘルスケアシステムは、産婦人科及び生殖医療(男性の場合は泌尿器科を含む)を含む領域を対象として、女性に特有の疾患(女性ホルモンの増加や減少に伴う症状を含む)、妊娠や不妊等のイベントを含む、ユーザのヘルス状態をケアし、ユーザの治療や検査を含む活動を支援するサービスを提供する。本サービスは、ユーザ個人毎のヘルス情報を登録及び管理し、ユーザ個人毎のヘルス状態を分析し、ユーザ個人毎の状態に応じたメッセージ等の情報を提供する。
本サービスは、ユーザ毎のヘルス情報を含む情報の管理に基づいて、ユーザ間で情報をシェア(共有)する管理を行う。本サービスは、当該シェア情報を参照しながら、状況等が類似するユーザを解析し、ユーザ毎の類似ユーザを判定する。本サービスは、解析に基づいて、各ユーザに、類似ユーザ情報、即ち当該ユーザの状況等に即した、類似する他ユーザのシェア情報を自動的に提供する。
上記サービスにより、ユーザは、疾患や治療等の属性やヘルス状態や妊娠の状況等が自分と似た他ユーザの属性やヘルス状態等を含む有用な情報を容易に閲覧及び取得でき、自分の治療や妊娠等の活動やその判断に参考にすることができる。
[システム]
図1は、本実施の形態のヘルスケアシステムの全体的な構成を示す。実施の形態のヘルスケアシステムは、サービス事業者によるサーバ1と、複数の各ユーザの端末2とが、通信網9を介して接続される。ユーザは、患者等を含む人であり、端末2及び医療機器3を所有する。ユーザの端末2に対し、通信網9を介し、医療機関または検査機関の端末4が接続されてもよい。サーバ1に対し、通信網9を介し、医療機関または検査機関の端末4が接続されてもよい。サーバ1に対し、他の事業者のサーバが接続されてサーバ1との連携でサービスが提供されてもよい。
医療機関は病院等が挙げられる。検査機関は検査会社や医療機関内の検査部門等が挙げられる。他の事業者のサーバは、医療情報や病院情報を提供するWebサイトのサーバ、ユーザ情報管理や決済のサービスを提供する通信キャリアのサーバ等が挙げられる。
サーバ1は、サービス部10及びDB(データベース)50を有する。サービス部10は、サーバコンピュータのサーバプログラムの処理に基づいて、通信網9を介しアクセスしてきたユーザの端末2に対し、DB50の情報を用いながら、ヘルスケアのサービスの画面及び処理を提供する。DB50は、ストレージ等で構成され、サービスのためのデータ及び情報を格納し、セキュアに管理される。サーバ1は、クラウドコンピューティングシステム等でもよい。
ユーザの端末2は、PC、スマートフォン、タブレット端末、ウェアラブル端末等の各種のコンピュータが可能であり、CPU,ROM,RAM,入力部、出力部、及び通信部等の公知の要素を含む。ユーザの端末2は、アプリ20、体温月経データ入力部21、及び検査結果データ入力部22を有する。
アプリ20は、サーバ1のサービス部10と通信してヘルスケアのサービスを受けるための処理を行うプログラムであり、当該サービスの画面を含むユーザインタフェースを提供する。アプリ20は、体温月経データ入力部21及び検査結果データ入力部22に対応した機能の実装を含む。
体温月経データ入力部21は、ユーザの体温データ及び月経データを入力する。体温データは、基礎体温の計測の日付及び数値等を含む時系列のデータである。月経データは、月経日等の情報を含む時系列のデータである。検査結果データ入力部22は、ユーザの検査結果データを入力する。検査結果データは、検査の日付、検査項目、及び数値等を含む時系列のデータである。検査項目は、女性ホルモン等の内分泌学検査等を含む。体温月経データ入力部21や検査結果データ入力部22は、手動入力に加え自動転送が可能であり、例えば無線通信インタフェースを備え、外部からのデータを無線通信で入力する。
医療機器3は、ユーザが基礎体温の計測に使用する体温計、検査チェッカー等を含む。医療機器3は、センサ機能として、体温等の計測機能を備える。医療機器3は、センサ機能により計測した体温等のデータを記憶し、表示し、外部出力可能である。ユーザの端末2の体温月経データ入力部21は、医療機器3から体温等のデータを通信で入力する。
ユーザの端末2や医療機器3は、体温に限らず、他の項目を計測する機能を備えてもよい。ユーザの端末2は、体温や他の項目の数値を計測し、それらの項目の時系列のデータを、計測データ(バイタルデータともいう)として、サーバ1へ登録してもよい。計測データの項目の例としては、体温、心拍、脈拍、血圧、呼吸、等がある。
計測項目及び計測データは、ユーザ自身による計測の場合と、医療機関や検査機関による計測の場合とのいずれでも登録が可能である。検査項目及び検査結果データは、ユーザ自身による検査の場合と、医療機関や検査機関による検査の場合とのいずれでも登録が可能である。
ユーザの端末2や医療機器3は、センサ機能を持つウェアラブル端末でもよい。その場合、ウェアラブル端末は、ユーザのヘルス状態に係わる体温や他の所定の項目の数値を自動的に計測または検査して当該データを記録する。端末2と医療機器3とが1つに統合されてもよい。計測項目や検査項目に応じた複数の医療機器3があってもよい。
医療機関の医師あるいは検査機関の検査者等の人は、端末4を使用する。またユーザが自宅等で端末4を使用してもよい。端末4は、ユーザの端末2と同様に各種のコンピュータの他、専用の医療機器や検査機器、病院システム等でもよく、専用の医薬品や検査チェッカー等でもよい。例えば医師、検査者、またはユーザは、端末4にユーザの治療等の情報(いわゆるカルテ情報)や検査結果情報を手動入力する。また、端末4が医療機器や検査機器、病院システムである場合、データを自動転送する。端末4は、検査結果データ出力機能を備え、ユーザの検査結果データを外部出力可能である。ユーザの端末2は、検査結果データ入力部22により、端末4の検査結果データ出力機能から検査結果データを通信で入力可能である。
サービス部10は、ユーザ設定部11、医療情報設定部12、ヘルス情報管理部13A、行動情報管理部13B、グラフ作成部14、カレンダー入力部15、分析部16、解析部17、出力部18、検索部19、及び補助部70を有する。各部は、ソフトウェアプログラム処理で実現される。DB50は、ユーザ設定情報61、ユーザ属性情報51、医療検査情報52、ヘルス情報53A、行動情報53B、グラフデータ54、カレンダー入力情報55、分析情報56、解析情報57、出力情報58、及び処理定義情報59等を格納する。
サービス部10は、上記以外にユーザの端末2に対して基本サービスを提供する機能を含み、当該処理のための情報をDB50に管理する。サービス部10は、他の事業者のサーバから必要な情報を適宜取得または参照して基本サービスの処理を行う。基本サービスは、最新の医療情報やヘルス情報の提供、医療機関や医薬品(ビタミンや漢方を含む)等の検索、掲示板(コミュニティ等、複数の人が読み書きする媒体)やブログ等の機能がある。
ユーザ設定部11は、ユーザ設定及びユーザ属性情報登録の処理部を含む。ユーザ設定部11は、ユーザの端末2にユーザ設定用の画面を提供し、当該画面でユーザにより入力されるユーザ毎の設定情報を、ユーザ設定情報61として登録する処理を行う。またユーザ設定部11は、ユーザの端末2にユーザ属性情報登録用の画面を提供し、当該画面でユーザにより入力されるユーザの属性情報を、ユーザ属性情報51として登録する処理を行う。なおユーザ属性情報51とユーザ設定情報61とが統合されてもよい。
医療情報設定部12は、本システムの管理者による入力に基づいて、医療検査情報52及び処理定義情報59を含む本システムの管理情報を設定する処理を行う。医療検査情報52は、複数の医療機関や検査機関、医療及び検査に関する管理情報を含むDBである。処理定義情報59は、本システムの管理情報として、各種の分析や解析の際に用いる、個別の処理論理の定義情報が設定される。
ヘルス情報管理部13Aは、ユーザの端末2のアプリ20を通じてユーザにより入力される各種の要素、即ち体温、月経、検査結果、症状、及び服薬等の要素毎の時系列のヘルスデータを、ヘルス情報として、DB50に管理する処理を行う。特に、ヘルス情報管理部13は、端末2の体温月経データ入力部21を通じて入力及び送信される体温データ及び月経データを受信し、ヘルス情報53Aの一部として格納する。またヘルス情報管理部13は、端末2の検査結果データ入力部22を通じて入力及び送信される検査結果データを受信し、ヘルス情報53Aの一部として格納する。
行動情報管理部13Bは、ユーザの端末2のアプリ20を通じてユーザにより入力される行動や、つぶやき等の任意のテキストデータを、行動情報53Bとして、DB50に管理する処理を行う。
グラフ作成部14は、ユーザ情報における各種の時系列のデータを用いて、各種のグラフを作成し、作成したグラフをグラフデータ54としてDB50に保存し、画面にグラフを表示する処理を行う。グラフ作成部14は、例えばヘルス情報53Aのうちの体温データ及び月経データを用いて体温月経グラフを作成し、グラフデータ54の一部として格納し、画面に体温月経グラフを表示する。またグラフ作成部14は、ヘルス情報53Aのうちの検査結果データを用いて検査結果グラフを作成し、グラフデータ54の一部として格納し、画面に検査結果グラフを表示する。またグラフ作成部14は、行動情報53Bを用いて、行動グラフを作成し、グラフデータ54の一部として格納し、画面に行動グラフを表示する。またグラフ作成部14は、ユーザ属性情報51の属性を用いて、属性グラフを作成し、グラフデータ54の一部として格納し、画面に属性グラフを表示する。またグラフ作成部14は、分析情報56を用いて、分析結果グラフを作成し、グラフデータ54の一部として格納し、画面に分析結果グラフを表示する。
グラフは、例えば横軸を時間として縦軸に体温等の数値をプロットしたグラフを含む。体温月経グラフは、体温グラフと月経グラフとを統合したグラフであるが、分けて管理されてもよい。検査結果グラフは内分泌学検査等の検査項目数値のグラフを含む。
カレンダー入力部15は、ヘルス情報管理部13Aのヘルス情報53Aや行動情報管理部13Bの行動情報53B等の入力及び管理を補助する処理部である。カレンダー入力部15は、ユーザの端末2にカレンダーを含む画面を提供し、当該画面でユーザにより入力される、基礎体温や月経、検査結果、症状、服薬、行動、つぶやき、治療(通院)、その他の情報を含むユーザ入力情報を、静的方法、動的方法を問わずに、カレンダー入力情報55として登録する処理を行う。カレンダーの日付毎に時系列で各種のユーザ入力情報が登録可能である。各ユーザ入力情報は専用の画面や入力欄やカレンダーのうち少なくとも1つで入力可能である。
分析部16は、ユーザ属性情報51、医療検査情報52、及び処理定義情報59を用いつつ、ユーザ毎に、傾向分析及び疾患リスク判断等の気づき情報抽出と、行動抽出と、妊娠支援と、を含む各分析の処理を行う。分析部16は、ユーザのヘルス情報53A、行動情報53Bを対象に、各種の傾向分析の処理を行い、その結果情報を、分析情報56内に格納する。分析部16は、ユーザの分析情報56によるヘルス状態、並びにカレンダー入力情報55で登録された行動情報53Bを対象に、行動抽出処理を行い、その結果情報を、分析情報56内に格納する。分析部16は、ユーザの分析情報56によるヘルス状態、並びに上記ヘルス情報53Aや行動情報53Bの要素の組合せを用いて、疾患リスク判断処理や妊娠支援処理を行い、それらの結果情報を、分析情報56内に格納する。
解析部17は、ユーザ設定情報61に基づいて、ユーザのユーザ属性情報51、ヘルス情報53A、行動情報53B、グラフデータ54、及び分析情報56等を対象に、類似ユーザに関する解析処理を行う。解析部17は、ユーザ設定情報61に設定された条件に従い、ユーザ群における各々のユーザ間での類似性を解析し、ユーザ毎の類似ユーザを判定し、当該解析処理の結果を、解析情報57に格納する。
解析部17は、解析処理では、ユーザ間で、ユーザ属性情報51の属性値や、ヘルス情報53Aや行動情報53Bの要素の値や、グラフや、分析結果の値等を比較して、ユーザ間の類似性を表す指標値である類似度を計算する。解析部17は、類似度を用いて、ユーザに対する類似する他ユーザを類似ユーザとして判定し、ユーザと他ユーザである類似ユーザとを関係付ける情報を、解析情報57内に格納する。
解析部17は、解析処理の結果に基づいて、各ユーザに対して出力する類似ユーザ情報を決定し、当該情報を解析情報57または出力情報58内に格納する。出力する類似ユーザ情報は、本システムにユーザ群のシェア情報として登録される各種のユーザ情報を含み、ユーザ属性情報51の所定の属性の情報や、所定のヘルス情報53Aや行動情報53Bの要素のデータや、所定の分析結果情報及びメッセージ情報、等である。
出力部18は、上記分析情報56、解析情報57、出力情報58に基づいて、ユーザの端末2の画面に、当該ユーザ毎のヘルス状態に応じたメッセージ、並びに、ユーザ毎の類似ユーザ情報、を含む情報の出力処理を行い、当該情報を出力情報58に管理する。
補助部70は、アプリ20と連携しつつ、本サービスの他の機能である補助機能に対応した処理を行い、そのための情報をDB50に管理する。
[機能及びデータ]
図2A,図2B,図2Cは、本実施の形態のヘルスケアシステムにより提供するサービス及び対応する機能、並びに管理するデータ及び情報の概要を示す。本ヘルスケアシステムは、主な機能として、(1)データ管理機能201、(2)分析機能202、(3)解析機能203、(4)検索機能204、(5)統計機能205、(6)補助機能206を含む。
(1) データ管理機能201は、図2Aのように、シェア管理機能、ユーザ属性情報管理機能、医療情報設定機能、ヘルス情報管理機能、行動情報管理機能、グラフ管理機能、カレンダー管理機能、等を含み、ユーザ設定情報61、ユーザ属性情報51、医療検査情報52、処理定義情報59、ヘルス情報53A、行動情報53B、グラフデータ54、カレンダー入力情報55、等を管理する。データ管理機能201は、ユーザ個人毎のヘルス状態に関するデータの記録及び一元管理の機能を含む。データ管理機能201は、ユーザにより端末2のアプリ20の画面を通じて随時に入力されるユーザ入力情報を、DB50に登録する。
(1−1) シェア管理機能は、ユーザ設定部11を用いて実現され、本システムの管理者または個別のユーザによる、ユーザ毎のユーザ設定情報61の管理を含む機能である。シェア管理機能は、ユーザ設定情報61に、ユーザ群のデータ及び情報のシェアに係わる設定や、類似ユーザの解析及び情報提供に係わる設定を行う。ユーザ設定情報61は、詳しくは、ユーザ毎のシェア設定情報61a、類似ユーザ判定用情報61b、及び優先出力情報61cを含む。
(1−2) ユーザ属性情報管理機能は、ユーザ設定部11を用いて実現され、ユーザ毎のユーザ属性情報51の登録及び管理を含む機能である。ユーザ属性情報51は、属性の項目として、ユーザ名、性別、年齢、利用する医療機関や検査機関、治療や疾患や既往症の状態、生活ポリシー、運動ポリシー、食事ポリシー、等を含む。
(1−3) 医療情報設定機能は、医療情報設定部12を用いて実現され、管理者の操作に基づいて、医療検査情報52、及び処理定義情報59を設定し管理する機能である。
医療検査情報52は、本システムの管理情報として、複数の各々の医療機関及び検査機関に関する情報が設定される。医療検査情報52は、分析や解析の際に用いる基準情報の設定及び管理を含む。本システムは、医療検査情報52を適宜参照し、ユーザ毎の医療機関や検査等を判断し、それに応じた分析や解析を行う。
処理定義情報59は、分析機能の各種の分析及びチェック等の際に用いる、個別の処理論理の定義情報が設定される。処理定義情報59は、医療検査情報52に基づく、適用する基準の情報の管理を含む。
(1−4) ヘルス情報管理機能は、ヘルス情報管理部13Aを用いて実現され、ユーザ個人毎のヘルス情報の各要素のデータの記録及び一元管理の機能を含む。ヘルス情報管理機能は、ユーザ毎における、基礎体温データ管理、月経データ管理、検査結果データ管理、症状データ管理、等の機能を含む。
ヘルス情報53Aは、要素として、(a)基礎体温、(b)月経、(c)検査結果、(d)症状、(e)服薬、(f)その他、を含む。(a)の基礎体温は、計測項目及び計測データの例であり、他の複数の計測項目の計測データを有してもよい。(c)の検査結果は、後述の検査結果データであり、複数の検査項目の数値を含み、複数の種類の内分泌学検査項目数値等を含む。(d)の症状は、ストレスを含む。(e)の服薬の情報は、医療機関による薬剤の処方、ユーザによる薬剤の服用、及びその履歴の情報を含む。
(1−5) 行動情報管理機能は、行動情報管理部13Bを用いて実現され、ユーザ個人毎の行動情報の各要素のデータの記録及び一元管理の機能を含む。行動情報管理機能は、ユーザ毎における、行動データ管理、つぶやきデータ管理、等の機能を含む。
行動情報53Bは、行動データと、つぶやきデータ等の任意のテキストデータと、を含む。行動データは、生活習慣に係わる各種の行動毎のデータを含み、例えば運動データ、食事データを含む。行動は、運動療法や食事療法、音楽療法等を含む。つぶやきは、気持ちやメモ等を表す任意のテキストを含む。
(1−6) グラフ管理機能は、グラフ作成部14を用いて実現され、ユーザのヘルス状態を表す体温月経グラフや検査結果グラフ、行動グラフ、属性グラフ、分析結果グラフ等を含む、各種のグラフデータ54及びそれに関連する情報を管理する。グラフ管理機能は、各ユーザのグラフとは別に、後述の基準グラフに関連する情報を設定し管理する。
(1−7) カレンダー管理機能は、カレンダー入力部15を用いて実現され、ユーザ入力情報の登録及び表示のためのカレンダーを含む画面、及びカレンダー入力情報55を管理する。カレンダー管理機能は、ユーザの端末2のアプリ20の画面にカレンダーを表示し、カレンダーの日付に対する各種の情報(基礎体温、月経、検査結果、症状、服薬、行動、つぶやき、治療、その他)の登録及び表示を制御する。ユーザ入力情報は、カレンダーの形式で時系列で記録及び一元管理される。カレンダーは、現在日や過去日や未来日の入力や表示が可能である。
(2) 図2Bで、分析機能202は、分析部16及び出力部18を用いて実現され、分析機能及びメッセージ出力機能を含む。分析機能は、気づき情報抽出機能、行動抽出機能、及び妊娠支援機能を含み、分析情報56を管理する。メッセージ出力機能は、出力情報58を管理する。出力情報58は、メッセージ情報58aを含む。分析機能202は、上記(1)のデータ管理機能201による各データ、即ちユーザ毎のユーザ属性情報51、ヘルス情報53A、行動情報53B等を用いて、医療検査情報52や処理定義情報59に基づいて、ユーザ毎のヘルス状態に関する高度な分析を行う。そして、分析機能202は、当該分析の結果であるユーザ毎のヘルス状態に応じた高度なメッセージを含む情報を出力する。
(2−1) 傾向分析機能は、ヘルス情報53A及び行動情報53Bの各要素に関する傾向分析、即ち、体温及び月経の傾向分析、検査結果の傾向分析、行動の傾向分析、症状の傾向分析、等の機能を含む。傾向分析の処理は、ユーザの体温等の要素の時系列の数値における、絶対的な良し悪し、及び相対的な改善や悪化等の傾向の状態を、所定の基準の数値に基づいて判定する。傾向とは、時系列での数値の変動を含む。傾向は、例えば過去の一定期間での要素毎の変化、例えば量や頻度や継続性の変化を含む。
体温及び月経の傾向分析の機能は、ユーザ毎のヘルス情報53Aの体温及び月経等の数値やグラフを用いて、ユーザの体温や月経の傾向を含むヘルス状態を分析する。この機能は、後述の温度差や月経周期等の所定の項目の数値の算出や判定を含む。検査結果の傾向分析の機能は、ユーザ毎のヘルス情報53Aの検査結果データ等の数値やグラフを用いて、ユーザの検査結果の数値の傾向を含むヘルス状態を分析する。この機能は、検査結果に関する所定の項目の数値の算出や判定を含む。行動の傾向分析の機能は、ユーザ毎の行動情報53Bの行動の値やグラフを用いて、ユーザの行動の傾向を分析する。症状の傾向分析の機能は、ユーザ毎のヘルス情報53Aの症状の値やグラフを用いて、行動の傾向を分析する。他の要素の傾向分析も同様である。
(2−2) 行動抽出機能は、ユーザ毎の行動情報53Bを用いて、ユーザの現在の体温、月経、検査結果、及び症状等のヘルス状態に関連や影響があると推定される過去の行動の情報を抽出し、ユーザに提示する。ユーザのヘルス状態は、傾向分析の結果を用いる。また、行動抽出機能は、ユーザの行動情報53Bと、そのユーザの類似ユーザの行動情報53Bとを用いて、ユーザ毎に行動支援情報を生成し、提示する。行動支援情報は、ユーザのヘルス状態の改善に役立つ可能性がある行動を提案する情報である。
(2−3) 疾患リスク警告機能は、上記ユーザの属性やヘルス情報や行動情報の要素を組合せで用いた総合的な分析により、ユーザの疾患等の可能性を含むヘルス状態を推定及びチェックする。そして疾患リスク警告機能は、その結果に応じたメッセージを、メッセージ出力機能を用いて提供する。疾患リスク警告機能は、結果に応じて、疾患の可能性及びリスクを警告するメッセージを出力する。チェック対象は、女性に特有の各種の疾患等を含む。警告は、言い換えると、可能性の示唆や、注意喚起を促すアラートである。
(2−4) 妊娠支援機能は、上記ユーザの属性やヘルス情報や行動情報の要素や分析結果を用いて、ユーザの妊娠や生殖能力に係わるヘルス状態を分析及び把握する。妊娠支援機能は、当該ユーザのヘルス状態に応じた、妊娠の可能性を高めるための妊娠支援情報を生成し、ユーザに提供する。妊娠支援情報は、パートナーとの妊娠活動のアドバイス等を含む。
上記(2)の機能による出力情報58の概要として以下を含む。出力情報58のメッセージ情報58aは、一般的な医学的知識や最新情報、生活アドバイス、傾向分析結果情報、抽出行動、行動傾向、行動支援情報、チェック結果による疾患の可能性の注意喚起を示すアラート、治療や検査や病院等に関する受診勧奨、妊娠支援情報、等を含む。傾向分析結果情報は、ユーザのヘルス状態の数値、その良し悪し、改善や悪化等の傾向の状態を伝える情報、当該状態の説明や解釈の情報を含む。分析結果及びメッセージ情報は、本システムの特有の分析によるユーザ個人毎に提供される参考情報である。
(3) 図2Cで、解析機能203は、解析部17及び出力部18を用いて実現され、類似ユーザ解析機能を含み、解析情報57及び出力情報58を管理し、ユーザ毎に類似ユーザ情報を提供する。解析機能203は、ユーザ毎のユーザ設定情報61に基づいて、ユーザ群におけるユーザ属性情報51、ヘルス情報53A、行動情報53B、グラフデータ54、及び分析情報56等を対象に、ユーザ間の類似性を解析する。解析機能203は、ユーザ間の類似性を表す指標値である類似度を計算し、ユーザ毎の類似ユーザを判定し、解析結果を解析情報57に格納する。解析情報57は、類似度を用いて、各ユーザと、他ユーザである類似ユーザとを関係付ける情報を含む。
解析機能203は、解析情報57に基づいて、ユーザ毎に提供及び出力するための類似ユーザ情報を決定し、解析情報57または出力情報58内の類似ユーザ情報58bとして格納する。出力の類似ユーザ情報は、類似ユーザのシェア情報の所定の項目の情報であり、ユーザ属性情報51の属性値、ヘルス情報や行動情報の要素のグラフを含むデータ、分析結果またはメッセージ情報、等を含む。
解析機能203は、解析情報57または出力情報58内の類似ユーザ情報58bに基づいて、各ユーザの端末2に対し、所定のタイミングで、類似ユーザ情報を自動的に提供する。ユーザは、端末2の画面で類似ユーザ情報を閲覧できる。所定のタイミングは、例えば所定の画面へのアクセス時や、設定された定期的な時点等である。
解析機能203は、詳しくは、類似ユーザの判定に関する機能として、(3A)ユーザ属性比較、(3B)ヘルス情報要素比較、(3C)行動情報比較、(3D)グラフ比較、(3E)分析結果比較、を含む。
(3A) ユーザ属性比較機能は、ユーザ間でユーザ属性情報51の1つ以上の属性の属性値を比較して、属性値の類似性を判定し、ユーザ属性に関する類似度を計算し、結果を解析情報57に格納する。
(3B) ヘルス情報要素比較機能は、ユーザ間でヘルス情報53Aのうちの1つ以上の要素のデータを比較して、要素の類似性を判定し、ヘルス情報に関する類似度を計算し、結果を解析情報57に格納する。
ヘルス情報要素比較機能は、体温比較機能や、検査結果比較機能や、症状比較機能、等を含む。
(3C) 行動情報比較機能は、ユーザ間で行動情報53Bのうちの1つ以上の要素のデータを比較して、要素の類似性を判定し、行動情報に関する類似度を計算し、結果を解析情報57に格納する。行動情報比較機能は、テキストマイニング機能を含む。行動情報比較機能は、ユーザ間でつぶやき等のテキストデータを比較する場合、テキストマイニング機能を用いて、テキストデータを対象に解析し、テキストから抽出したワードの分析及び比較により、テキストの内容に関する類似度を計算する。
(3D) グラフ比較機能は、ユーザ間でグラフデータ54のうちの対応する1つ以上の要素(属性等の項目を含む)のグラフを比較して、要素の類似性を判定し、グラフに関する類似度を計算し、結果を解析情報57に格納する。グラフ比較機能は、例えばユーザの要素のデータのグラフと、他ユーザの対応する要素のデータのグラフとでグラフパターンを比較して、当該要素のグラフに関する類似度を計算する。
(3E) 分析結果比較機能は、分析機能202による分析結果の分析情報56及び出力情報58のメッセージ情報58aを用いて、ユーザ間での分析結果またはメッセージを比較して、分析結果またはメッセージに関する類似度を計算し、結果を解析情報57に格納する。比較対象の項目は、各要素の傾向分析の結果の所定の項目の数値やその傾向の状態、行動抽出の結果の行動の情報、疾患リスク判断結果の疾患の可能性の情報、妊娠支援の結果の妊娠に係わる状態の情報、等である。
解析機能203は、上記のうち単一の機能のみで類似ユーザを判定してもよいし、複数の機能の組合せを用いて総合的に類似ユーザを判定してもよい。解析機能203は、後者の例としては、ユーザ属性の類似度と、ヘルス情報の類似度と、行動情報の類似度と、グラフの類似度と、分析結果の類似度とを用いて、それらの加算や乗算等を含む所定の総合の計算により、ユーザ間の総合的な類似度を計算する。
(4) 検索機能204は、検索部19等を用いて実現され、ユーザの指定の条件による、類似ユーザ情報を含む他ユーザのユーザ情報(シェア情報)の詳細検索の機能である。本システムは、解析機能203による類似ユーザ情報の自動的な提供の機能に加え、補完の機能として、検索機能204を提供する。ユーザは、必要に応じて随時、端末2の画面で、検索機能204を用いて、他ユーザのユーザ情報を検索するための条件を入力し、検索を実行する。検索条件は、ユーザの所望の属性や要素の値、自由なキーワード等である。検索機能204は、検索条件に従い、DB50に登録されているユーザ群のユーザ情報や解析情報57を検索し、検索条件に合致する他ユーザの情報を抽出して検索結果情報を構成し、ユーザの端末2へ提供する。ユーザは、端末2の画面で、所望の条件に合致する他ユーザの情報を取得及び閲覧できる。
(5) 統計機能205は、グラフ作成部14を用いて実現され、類似ユーザを含むユーザ群の統計情報をユーザに提供する機能である。本システムは、解析機能203による類似ユーザ情報の提供に加え、補完の機能として、統計機能205を提供する。
統計機能205は、類似ユーザを含むユーザ群に関する、ユーザ属性やヘルス情報や行動情報の要素や分析結果等の所定の項目に関する集計を含む統計処理を行い、その結果の統計データを構成し、DB50に格納する。統計機能205は、例えば特定のユーザ属性に関し、ユーザ群のデータを集計し、平均や分散等の統計値を求め、グラフ作成部14を用いて、それらのグラフ等を含む統計データを構成する。統計機能205は、統計データを用い、各ユーザの端末2に、類似ユーザ情報に加え、統計情報のグラフ等を含む画面を提供する。ユーザは、画面で、所望の項目に関する統計情報を閲覧できる。
(6) 補助機能206は、補助部70を用いて実現され、入力補助機能、基準グラフ機能、関連情報検索機能、等を含む。入力補助機能は、ユーザのデータ入力を補助する機能であり、医療機器連携機能や音声入力機能を含む。医療機器連携機能は、医療機器3や端末4と連携してデータを入力する機能である。音声入力機能は、ユーザの音声でデータを入力する機能である。基準グラフ機能は、ユーザの端末2に、ヘルス情報の要素等に関する基準グラフを表示し、ユーザのグラフと基準グラフとで比較する機能を含む。関連情報検索機能は、ユーザ毎の属性やヘルス状態や分析結果、並びに類似ユーザ情報に係わる関連情報を、インターネットから自動的に検索し、ユーザの端末2に提供する。
本システムは、ユーザへ提供するサービスの種別に応じて、検索機能204、統計機能205、補助機能206を提供する。
[データ入力]
図1のシステムにおけるデータの入力及び登録の際の具体例を以下に示す。まず体温及び月経データの入力は以下である。ユーザは、日々、体温計等の医療機器3で基礎体温を計測する。ユーザは、端末2のアプリ20の画面で、基礎体温を入力し、月経有りの場合は月経日等の情報を入力する。ユーザは、紙の基礎体温表の数値をアプリ20の画面で手入力してもよいし、紙のスキャンや撮影により数値をデータ化して入力してもよい。手入力の場合、アプリ20の画面は、体温の入力欄を表示し、日付及び数値を選択入力できる。またアプリ20の画面は、体温のグラフ欄を表示し、日付箇所での数値のプロットにより入力できる。
またユーザは、医療機器3からの体温データ等を、端末2の体温月経データ入力部21を通じて通信で入力できる。端末2のアプリ20及びサービス部10の補助部70により、入力補助機能の医療機器連携機能が実現される。例えばユーザが体温計である医療機器3を端末2の体温月経データ入力部21によるインタフェース部にかざすまたは接続することにより、医療機器3から体温データが転送され入力される。端末2のアプリ20は、入力された体温及び月経等のデータを端末2内に保存し、サーバ1に送信し登録する。
アプリ20及びサービス部10により、体温等の入力データは、適宜、本システムで扱う所定の形式のデータに変換される。また医療機器3が体温データを時系列やグラフで保持する場合や、体温の他に、月経、身長、体重、BMI(体格指数)等の情報やその他の計測データやヘルス情報や行動情報等を一緒に持つ場合、それらのデータを端末2のアプリ20へまとめて入力してもよい。医療機器3は、各種のヘルス情報や行動情報が入力されてもよい。他の計測項目の計測データについても同様に入力及び登録が可能である。
次に検査結果データの入力は以下である。前提の医療機関や検査機関の利用例と共に説明する。例えば不妊症の治療や検査を受けるユーザは、病院の産婦人科等に行く。医師は、患者であるユーザを診察し、必要に応じて、検査や処方のオーダー、病状の診断、処置等の治療を行う。治療は、タイミング法、不妊原因の疾患の治療、人工授精、等がある。
検査のオーダーを受けた検査機関である検査会社や病院内の検査部門等の検査者は、オーダーされた検査を実施する。検査機関は、例えば血液検査として、検査装置を用いて、検体であるユーザの血液中に含まれる女性ホルモン等の数値を測定し、ユーザの検査結果データを端末4等に記録する。
ユーザは、検査機関等から提供された検査結果の紙または検査結果データを用い、端末2で検査結果データを入力する。端末2のアプリ20は、検査結果データの入力欄を含む画面を表示し、ユーザは、画面で、検査の日付、利用した医療機関や検査機関、検査項目、及び数値等を入力できる。また特に、端末4の検査結果データ出力機能から転送された検査結果データを、ユーザの端末2にまとめて入力できる。端末2は、検査結果データ入力部22を通じて入力された検査結果データを、端末2内に保存し、サーバ1へ送信し登録する。
なおユーザ、医療機関や検査機関、及び事業者との間では、相互同意に基づいて、端末4からユーザの端末2あるいはサーバ1へ、ユーザのデータ及び情報を提供してもよい。提供対象は、医療機関のカルテの情報や計測データ、検査機関による検査結果データ等である。この場合、ユーザのデータ登録の手間を削減できる。またユーザや検査機関等から事業者へ、検査結果の紙またはデータを、郵送または通信網9を介して送信し、事業者の人が当該紙やデータから検査結果データとしてデータ化してもよい。またユーザが自分で検査薬等を用いて行う検査の場合、ユーザにより測った数値を端末2で入力し検査結果データとして登録してもよい。
音声入力機能を用いる場合は以下である。音声入力機能を構成する要素として、端末2またはアプリ20またはサービス部10は、公知の音声認識機能を備える。ユーザは、端末2のアプリ20で体温等のデータを入力する際、音声入力機能の使用を選択し、例えば体温の数値を音声で入力する。例えばアプリ20に持つ音声認識機能は、ユーザの入力音声を認識して音声データに変換し、音声データを解析して体温の数値等の情報を抽出する。アプリ20は音声データまたは抽出情報をサーバ1へ送信し、サーバ1は音声データまたは抽出情報からの体温データを登録する。サーバ1側で解析する場合も同様である。
[処理(1)]
図3は、アプリ20及びサーバ1による主な処理として、まずユーザ個人毎のヘルス情報等の登録及びヘルス状態の分析を含むデータ処理に関するフローを示す。S1等は処理ステップを示す。
(S1) サーバ1において、管理者及び医療情報設定部12により、予め本システムの管理情報である医療検査情報52や処理定義情報59が設定される。当該設定の内容は、医療や検査の情報の追加や修正等に応じて随時更新される。
(S2) ユーザの操作に基づいて、サービス利用開始時または随時に、端末2のアプリ20からサーバ1のサービス部10へアクセスし、端末2にサービスの画面として、ユーザの属性情報の登録用の画面等を提供する。本画面は、後述の図5Aのユーザ属性情報51に対応した、ユーザの各属性の項目の入力欄を含み、各項目で選択肢やテキスト等で情報、即ち属性値が登録可能である。ユーザ設定部11は、本画面での入力情報をユーザ属性情報51に登録する。ユーザは、本画面で、適宜、例えば治療を受けた場合等に、自分用のユーザ属性情報51の内容の設定、確認や更新が可能である。
(S3) 随時、ユーザの端末2のアプリ20からサーバ1のサービス部10へアクセスし、ヘルス情報管理部13Aにより、体温及び月経データの入力欄を含む画面を提供する。ユーザは、本画面で、自分の体温及び月経の情報を、例えば医療機器3からの転送の体温データに基づいて入力する。端末2のアプリ20は、ユーザの体温及び月経データをサーバ1へ送信し、ヘルス情報管理部13Aは、ヘルス情報53Aの一部として登録する。他の測定項目の測定データも同様に登録可能である。
(S4) 同様に、随時、ユーザの端末2からサーバ1へアクセスし、ヘルス情報管理部13Aにより、検査結果データの入力欄を含む画面を提供する。ユーザは、本画面で、自分の検査結果データを、例えば端末4からの転送の検査結果データに基づいて入力する。端末2のアプリ20は、ユーザの検査結果データ及び単位を含む情報をサーバ1へ送信し、ヘルス情報管理部13Aは、ヘルス情報53Aの一部として登録する。
(S5) 随時、ユーザの端末2のアプリ20からサーバ1のサービス部10へアクセスし、カレンダー入力部15により、カレンダーを含む画面を提供する。ユーザは、カレンダーの日付に対し、ユーザの体温、月経、検査結果、症状、服薬、行動、つぶやき、治療(通院)、その他の各種の要素の情報を入力できる。入力は、テキスト入力または選択肢やマークの選択等で可能である。カレンダー入力部15は、ユーザ入力情報をカレンダー入力情報55に登録する。上記S3〜S5のように、ユーザは、自分の端末2の画面で、日々好きな時に、ヘルス情報等を入力及び登録でき、また登録された情報を確認や修正ができる。なお、ヘルス情報管理部13Aは、カレンダー入力情報のうちヘルス情報にあたるデータをヘルス情報53Aにも登録し、行動情報管理部13Bは、カレンダー入力情報のうち行動情報にあたるデータを行動情報53Bにも登録する。
(S6) サーバ1のグラフ作成部14は、S3によるヘルス情報53Aの体温及び月経データを用いて、ユーザ毎の体温月経グラフ(後述の図10)を作成または更新し、グラフデータ54の一部として保存する。体温月経グラフは、基礎体温の時系列の数値によるグラフであり、月経日や月経周期等の情報が重ね合わされたグラフである。グラフ作成部14は、作成した体温月経グラフを含む画面を、ユーザの端末2へ提供する。
またグラフ作成部14は、S4によるヘルス情報53Aの検査結果データを用いて、ユーザ毎の検査結果グラフ(後述の図11等)を作成または更新し、グラフデータ54の一部として保存する。検査結果グラフは、複数の種類の検査項目、例えば血液検査による複数の種類の女性ホルモン、に関する時系列の数値によるグラフである。グラフ作成部14は、作成した検査結果グラフを含む画面を、ユーザの端末2へ提供する。
同様に、グラフ作成部14は、ユーザが登録したユーザ情報のうちの属性情報の項目や行動情報の要素について、それぞれグラフを作成し、グラフデータ54に格納する。
(S7) サーバ1の分析部16は、上記S3〜S6で登録されたユーザの各要素のデータを用いて、ユーザ属性情報51、医療検査情報52、及び処理定義情報59等に基づいて、ユーザ毎のヘルス状態の傾向分析処理を行い、その結果を分析情報56に格納する。傾向分析は、ヘルス情報53Aを用いた、体温及び月経の傾向分析や検査結果の傾向分析や症状傾向分析、行動情報53Bを用いた行動傾向分析等を含む。
分析部16は、傾向分析として、ユーザのグラフ等のデータの数値と、医療検査情報52及び処理定義情報59に基づく基準情報の数値範囲または基準グラフとを比較し、絶対値での良し悪しの状態、時系列での相対的な数値の変動の傾向、例えば改善や悪化や維持等の状態を、判定及び検出する。また分析部16は、後述の温度差や月経周期等の所定の項目の数値を算出及び記録し、当該項目の数値の時系列の変化量等を算出し、当該算出した数値を、基準情報の数値と比較して、ユーザの傾向の状態を判定する。
(S8) 分析部16は、上記登録された行動情報やヘルス情報を用いて、ユーザ毎の行動抽出や行動傾向分析の処理を行い、その結果を分析情報56に格納する。分析部16は、行動抽出処理で、S7の傾向分析により検出されたユーザの現在の傾向を含むヘルス状態について、関連や影響していると推定される、ユーザの過去の行動を参照及び抽出する。分析部16は、処理定義情報59に基づいて、ユーザのユーザ属性情報51、各要素に関する分析情報56等を用いて、時系列の行動データから、上記抽出する行動を判定する。分析部16は、抽出した行動を、分析情報56の一部として保存する。S8で分析部16は、同様に、症状抽出の処理を行う。
行動抽出の処理は、ユーザの現在のヘルス状態に関係がありそうな過去の行動等を緩やかに推定する特有の処理であり、抽出情報をDB50に蓄積し、参考情報としてユーザに提供する。ユーザは、画面で自分の現在のヘルス状態に関連がありそうな過去の行動や症状の情報を見ることができ、自分の今後の行動等に参考にできる。
分析部16は、行動の傾向分析処理では、ユーザの過去の期間の行動における傾向を判定する。分析部16は、例えば食事や運動等の行動種類毎に、量や頻度や継続性等を数値で算出し、それらの時系列の変化を判定する。分析部16は、例えば各種の行動の量を、登録された日数で算出する。分析部16は、同様に、症状の傾向分析処理では、ユーザの過去の期間の症状における傾向を判定する。
分析部16は、ユーザのヘルス状態の改善に役立つと推定される行動を、ユーザの行動情報の中から抽出する。また、分析部16は、処理定義情報59に基づいて、ユーザのヘルス状態の改善に役立つと推定される行動を生成する。分析部16は、その行動を含む行動支援情報を生成し、分析情報56に格納する。
(S9) 分析部16は、ユーザ属性情報51、上記症状データを含むヘルス情報の各種の要素の組合せを用いて、総合的な疾患リスク判断処理を行い、その結果を分析情報56に格納する。分析部16は、疾患リスク判断処理では、症状抽出及び症状の傾向分析の結果情報を用いて、処理定義情報59に基づいて、症状を含む要素の数値を基準の数値と比較し、女性に特有の各種の疾患等の可能性を緩やかに推定する。
(S10) 分析部16は、上記ユーザのユーザ属性情報51、ヘルス情報53Aの要素、行動情報53Bの要素、及び分析情報56を用いて、ユーザの妊娠や生殖能力に係わる状態を分析し、例えば妊娠のしやすさの状態等を表す指標値や、パートナーとの妊娠活動に関する指標値を算出する。分析部16は、当該ユーザの妊娠や生殖能力に係わる状態に応じて、ユーザの妊娠の可能性を高めるための妊娠支援情報を生成し、分析情報56に格納する。妊娠支援情報は、例えばユーザの妊娠に係わる状態に応じた、パートナーとの妊娠活動のアドバイス等のメッセージを含む。
(S11) 分析部16は、上記S7〜S10の結果を含む分析情報56に基づいて、ユーザ毎のヘルス状態に応じた出力メッセージを決定し、出力情報58のメッセージ情報58aに格納する。出力部18は、出力情報58に基づいて、ユーザの端末2の画面の専用の欄やグラフ等の欄に、メッセージを表示する。出力部18は、出力したメッセージの履歴情報を出力情報58に格納する。メッセージの出力のタイミングは、ユーザが所定の画面にアクセスした時点、ユーザの要求を受けた時点、ユーザのデータを分析した時点、ユーザ設定に基づく定期的な時点、等が可能である。
ユーザは、好きな時に、自分の端末2の画面で、登録による自分のヘルス情報、行動情報、分析結果のメッセージ等の情報を閲覧できる。ユーザは、画面で、選択した個別の情報の閲覧、複数の種類の情報の一覧及び並列での閲覧、1日単位の情報の閲覧、過去の指定の期間の情報の閲覧、等が可能である。
グラフ作成部14は、ユーザの分析情報56の分析結果の項目毎に、グラフを作成し、グラフデータ54に格納する。
(S12) サーバ1は、ユーザの端末2のアプリ20からのユーザによる所望のデータの出力の要求に応じて、DB50に保存されている対応するデータを読み出し、端末2へ送信する。DB50は、ユーザ毎の各データが整理して蓄積される。ユーザの端末2のアプリ20は、サーバ1から受信したデータをメモリに保存し、画面表示や印刷を行う。出力可能なデータは、ユーザ属性情報51、グラフやカレンダー入力情報55を含むヘルス情報、行動情報、分析結果のメッセージ、及び類似ユーザ情報を含む。出力データは、例えば過去の指定の期間の履歴情報及び一覧情報のファイルが可能である。またS12で、検査結果データを出力する際には、サーバ1は、検査項目数値の単位変換を行い、単位変換後のデータを提供する。
[処理(2)]
図4は、アプリ20及びサーバ1による主な処理として、解析部17及び解析機能203による類似ユーザ解析及び類似ユーザ情報提供を含む処理に関するフローを示す。S21等は処理ステップを示す。
(S21) サーバ1において、管理者により、予め本システムの管理情報である、類似ユーザ解析及び類似ユーザ情報提供に関する、ユーザ設定情報61が設定される。このユーザ設定情報61(後述の図6)は、サービスの設定情報に対応し、サービスの種別毎にそれを利用する全ユーザに対して同様に適用される。
(S22) ユーザの操作に基づいて、端末2のアプリ20からサーバ1のサービス部10へアクセスし、端末2に、ユーザ毎のユーザ設定用の画面を提供する。本画面は、ユーザにより自分のユーザ設定情報61(後述の図7等)の内容を設定するための入力欄を含む。ユーザ設定部11は、本画面での入力情報を、ユーザ設定情報61に格納する。ユーザは、シェア設定情報61a、類似ユーザ判定用情報61b、及び優先出力情報61cの内容を設定できる。シェア設定情報61aは、シェア対象の項目が設定される。類似ユーザ判定用情報61bは、類似ユーザの判定用の項目が設定される。優先出力情報61cは、優先出力対象の項目が設定される。各項目は、ユーザ属性、ヘルス情報要素、行動情報要素、分析種別等の単位で選択できる。
(S23) S23は、前述のS3〜S10と同様であり、ユーザ群におけるヘルス情報等の登録、グラフの作成、各種の分析等が行われる。これにより、解析の対象となるデータ及び情報が本システムのDB50に蓄積される。
(S24) S24は、サーバ1の解析部17により、S23のDB50のユーザ群のデータ及び情報を対象に、類似ユーザに関する解析処理を行い、その結果情報を解析情報57に格納する。解析部17は、例えば定期的、あるいはユーザによるデータ登録の発生の時点等に応じたタイミングで、解析処理を実行し、解析情報57の内容を更新する。S24の処理は、S24A〜S24Fの各処理を含む。各処理は、ユーザ毎のユーザ設定情報61に応じて実行される。
(S24A) S24Aは、ユーザ属性比較による類似ユーザ解析処理である。S24Aのユーザ属性比較の処理は、ユーザ群における各々の二者のユーザ間で、ユーザ属性情報51のシェア対象項目である各属性の属性値の比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、当該解析で、ユーザ属性に関するユーザ間の類似度を計算し、類似ユーザを判定する。そして解析部17は、当該類似度で類似ユーザであるユーザと他ユーザとを関係付ける情報を、解析情報57に格納する。
(S24B) S24Bは、ヘルス情報要素比較による類似ユーザ解析処理である。S24Bの処理は、ユーザ群における各々のユーザ間で、シェア対象の要素に対応した体温月経データや検査結果データや症状データや服薬データ等の対応する要素同士のデータの比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、当該解析で、要素に関するユーザ間の類似度を計算し、類似ユーザを判定し、解析情報57に格納する。
解析部17は、症状の比較の場合、比較対象のユーザの組における、対象期間に登録された症状を比較する。解析部17は、対象期間での、腹痛や頭痛等の症状の種類毎に、登録の日数や症状の度合いを加味した量、頻度や継続性等の数値を取得または算出する。解析部17は、当該数値をユーザ間で比較し、当該数値の近さから、ユーザ間の症状の類似度を計算する。同様に、解析部17は、服薬の比較の場合、ユーザ間で、対象期間に登録された服薬の情報を比較し、服薬の類似度を計算する。
(S24C) S24Cは、行動情報要素比較による類似ユーザ解析処理である。S24Cの処理は、各々のユーザ間で、シェア対象の要素である行動やつぶやきテキストの比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、当該解析で、行動やつぶやきに関するユーザ間の類似度を計算し、類似ユーザを判定し、解析情報57に格納する。
解析部17は、行動の比較の場合、比較対象のユーザの組における、対象期間に登録された行動、あるいはS8で抽出された行動を比較する。解析部17は、対象期間での各種の運動や食事等の行動の種類毎に、登録の日数や総時間等の量、頻度や継続性等の数値を取得または算出する。解析部17は、当該数値をユーザ間で比較し、それらの数値の近さから、ユーザ間の行動の類似度を計算する。
解析部17は、つぶやきのテキストの比較の場合、各々のユーザ間で、シェア対象の要素である、カレンダーで登録されているつぶやきのテキストデータの比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、比較対象のユーザの組における、対象期間に登録されたつぶやきのテキストデータを比較する。解析部17は、テキストマイニング機能を用い、各ユーザのテキストを解析し、テキスト中に含まれるワードを抽出し、抽出したワード毎に、登録の日数や出現数や頻度等を算出する。テキストマイニング機能は公知技術を利用できる。解析部17は、算出した数値をユーザ間で比較し、それらの数値の近さから、ユーザ間のつぶやきのテキストの内容における類似度を計算する。
解析部17は、テキストから特定のワードのみを抽出し、特定のワードの登録の日数や出現数等を算出してもよい。特定のワードは、例えば本システムによる設定情報である。例えば“お腹が痛い”というワードは、腹痛の症状が有りというヘルス状態と関連付けられる。特定のワードを用いて、ユーザ属性やヘルス情報や行動情報の要素に関する類似性の判定が可能である。
(S24D) S24Dは、分析結果比較による類似ユーザ解析処理である。S24Dの分析結果比較の処理は、各々のユーザ間で、シェア対象の項目である各種の分析結果またはメッセージの比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、当該解析で、分析結果またはメッセージに関するユーザ間の類似度を計算し、類似ユーザを判定し、解析情報57に格納する。解析部17は、比較対象のユーザの組における、分析情報56やメッセージ情報58aに格納されている分析結果やメッセージの値を比較する。解析部17は、当該値の近さから、ユーザ間の分析結果及びメッセージの類似度を計算する。
解析部17は、傾向分析結果の類似度を計算してもよい。解析部17は、例えばユーザ間で同じ要素の傾向分析の結果における傾向の状態を表す値を参照し比較する。当該傾向の状態は、例えば、温度差や月経周期等の所定の項目の数値の良し悪し等の状態や、相対的な改善や悪化等の状態の判定結果の値である。解析部17は、二者の傾向の状態を比較し、当該傾向の状態の近さを判定する。二者の値が同一の場合や差分が小さい場合、または同じグループに属する値である場合、類似性が高いと判定できる。同じグループとは、本システムによる設定情報である。
解析部17は、同様に、行動抽出、疾患リスク警告、及び妊娠支援等の各種の分析の分析結果についても、それぞれの単位での類似度を計算可能である。例えば行動抽出の結果で同じまたは類似の行動が抽出されている場合、当該ユーザ間における行動の類似度が高い。疾患リスク警告の結果で同じまたは類似の疾患の可能性が推定されている場合、疾患に関する類似度が高い。妊娠支援処理の結果で妊娠に係わる状態の指標値が同じまたは近い場合、妊娠に関する類似度が高い。
解析部17は、出力メッセージの類似度を計算してもよい。解析部17は、出力情報58のメッセージ情報58aを参照し、比較対象のユーザの組における出力メッセージの種類、出力回数、メッセージ内のテキスト等を比較する。二者の値が同一の場合や近い場合、または同じグループに属する値である場合、メッセージの類似度が高い。
(S24E) S24Eは、グラフ比較による類似ユーザ解析処理である。解析部17は、S6で作成された所定の項目や要素のグラフを用いる。解析部17は、ユーザ間で、シェア対象の所定の項目や要素に対応するグラフ同士でグラフパターンの比較により、ユーザ間の類似性を解析する。解析部17は、当該解析で、グラフに関するユーザ間の類似度を計算し、類似ユーザを判定し、解析情報57に格納する。
(S24F) 更にS24Fで、解析部17は、上記ユーザ属性情報51の属性、ヘルス情報53Aの要素、行動情報53Bの要素、グラフ、及び分析結果のすべてを比較対象としたそれぞれの単位の類似度の結果を用いて、総合的にユーザ間の類似度を計算してもよい。解析部17は、ユーザ間で、ユーザ属性情報の属性項目、ヘルス情報や行動情報の要素、グラフ、及び分析結果を含むユーザ情報のうち、所定の組合せの単位で比較することにより、ユーザ間の類似度を計算する。解析部17は、例えば、組合せを構成する要素や項目毎に類似度を計算し、それらの類似度を用いて、加算や乗算等を含む所定の総合の計算により、ユーザ間の総合的な類似度を得る。類似度を計算する組合せは、予め本システムの管理情報やユーザ設定情報61で設定可能である。類似度を計算する組合せの例は以下である。
(1) 属性情報とヘルス情報と行動情報のうち、少なくとも2つによる組合せ。解析部17は、設定に基づいて、例えば、属性情報のうち1つ以上の属性と、ヘルス情報や行動情報のうち1つ以上の要素との組合せで、類似度を計算する。解析部17は、例えば、属性に関する第1の類似度と、ヘルス情報や行動情報の要素に関する第2の類似度とを計算し、それらの類似度を用いて、総合的な類似度を計算する。
上記組合せの具体例としては、解析部17は、ユーザ間で、属性情報のうち年齢、治療、既往症の少なくとも1つを含む属性の属性値を比較して第1の類似度を計算し、ヘルス情報のうち検査結果、症状、服薬の少なくとも1つの要素のデータを比較して第2の類似度を計算し、第1の類似度と第2の類似度とを用いて、組合せの類似度を計算する。
(2) 属性情報とヘルス情報と行動情報のうちの少なくとも1つと、グラフとの組合せ。解析部17は、設定に基づいて、例えば、1つ以上の属性と、ヘルス情報や行動情報のうち1つ以上の要素と、所定の項目や要素に関する1つ以上のグラフとの組合せで、類似度を計算する。
(3) 属性情報とヘルス情報と行動情報のうちの少なくとも1つと、分析結果との組合せ。解析部17は、設定に基づいて、例えば、1つ以上の属性と、ヘルス情報や行動情報のうち1つ以上の要素と、分析結果または出力メッセージとの組合せで、類似度を計算する。
(4) 属性情報とヘルス情報と行動情報のうちの少なくとも1つと、パートナー(後述)のユーザ情報との組合せ。データ管理機能201は、ユーザのユーザ情報と、そのユーザのパートナーのユーザ情報とを管理する。解析部17は、ユーザのパートナー間でユーザ情報を比較して、当該ユーザ情報の類似性の解析により、パートナー間の類似度を計算する。解析部17は、設定に基づいて、属性情報とヘルス情報と行動情報のうち1つ以上の項目や要素に関する類似度と、パートナー間の類似度との組合せで、総合的な類似度を計算する。
(5) ユーザとそのパートナーとのペアの組合せ。データ管理機能201は、ユーザとして、第1のユーザのユーザ情報と、第1のユーザのパートナーである第2のユーザのユーザ情報とを管理する。解析部17は、第1のユーザ間でユーザ情報を比較し、第1のユーザ間の第1の類似度を計算し、第2のユーザ間でユーザ情報を比較し、第2のユーザ間の第2の類似度を計算する。第1のユーザ間で比較するユーザ情報は、属性情報とヘルス情報と行動情報のうちの少なくとも1つを含み、第2のユーザ間で比較するユーザ情報は、属性情報とヘルス情報と行動情報のうちの少なくとも1つを含み、両者は異なっていてもよい。解析部17は、第1の類似度と第2の類似度とを用いて、第1のユーザと第2のユーザとのペアの単位での類似度を計算する。
(S25) S25は、サーバ1の統計機能205により、本システムに登録されたユーザ群における全ユーザ、またはあるユーザの類似ユーザである複数のユーザにおける、所定の項目に関する集計を含む統計処理を行う。統計機能205は、統計処理の結果のグラフを含む統計データを構成し、DB50に格納する。統計処理の対象のユーザや項目は、本システムによる固定の設定情報でもよいし、ユーザ毎の設定や指定でもよい。
(S26) S26では、サーバ1は、S24の結果の解析情報57に基づいて、各々のユーザに対して出力するための類似ユーザ情報の内容を決定し、当該決定した情報を、例えば出力情報58内に類似ユーザ情報58bとして格納する。当該情報は、いつ、どのユーザに対し、どの類似ユーザのどの項目の情報を出力するか等を規定する情報である。
上記ユーザ毎に出力する類似ユーザ情報の内容の決定は、第1の方法として、予めサーバ1による解析時点でもよいし、第2の方法として、個別のユーザへの出力時点でもよい。第1の方法の処理例では、解析時点で、一定の類似ユーザ情報の内容、例えば特定の類似ユーザ、所定の属性や要素等の項目に決定される。その後、個別ユーザによる画面へのアクセス時等のタイミングで、当該類似ユーザ情報がそのまま提供される。
第2の方法の処理例では、解析時点で、概略的に類似ユーザ情報の内容、例えば出力の候補とする類似ユーザや属性や要素等の項目や範囲が決定される。その後、個別のユーザによる画面へのアクセス時等のタイミングで、上記候補の中から、例えば類似順や優先出力情報61cの設定に基づいて出力の情報が決定されて提供される。また候補の中からランダムに出力の情報が選出される方法でもよい。
サーバ1は、ユーザ毎の優先出力情報61cが設定されている場合、上記出力の類似ユーザ情報の決定の際、または個別のユーザへの類似ユーザ情報の出力の際に、優先出力情報61cの内容に基づいて出力の情報を決める。サーバ1は、ユーザの優先出力情報61cで必須の項目が指定されている場合、当該項目の情報を必ず当該ユーザの端末2の画面に出力する。サーバ1は、ユーザの優先出力情報61cで優先の項目が指定されている場合、当該項目の情報を他の項目よりも優先して当該ユーザの端末2の画面に出力する。
(S27) S27では、サーバ1の出力部18は、S26の出力情報58の類似ユーザ情報58bに基づいて、所定のタイミングで、ユーザの端末2に、類似ユーザ情報を含む情報を送信して画面に表示させる。そして出力部18は、出力情報58内に、出力の類似ユーザ情報の履歴情報を格納する。本システムは、例えばユーザが所定の画面の閲覧の時に、自動的に画面内の所定の領域に類似ユーザ情報を表示させる。他の方法は、ユーザの操作に応じて端末2から類似ユーザ情報の要求を送信し、サーバ1は、当該要求を受けたタイミングで類似ユーザ情報を送信して表示させる。
類似ユーザ情報を含む画面は、例えば後述の図24のように、複数の類似ユーザのリストが表示され、ユーザによるリストからの類似ユーザの選択に応じて、当該類似ユーザの詳細情報が表示される。ユーザは、画面で自分が見たい類似ユーザや項目を選択してその情報を閲覧できる。
また出力部18は、S25のDB50の統計データに基づいて、ユーザの端末2の画面に、統計情報を含む情報を送信して表示させる。出力部18は、所定の画面の表示時や、類似ユーザ情報の表示時、またはユーザの要求を受けた時等の所定のタイミングで、グラフ等を含む統計情報を表示させる。ユーザは、端末2の画面で、上記類似ユーザ情報及び統計情報を閲覧できる。
(S28) S28,S29は、検索機能204による検索処理である。S28では、ユーザは、必要な時、端末2のアプリ20で検索の利用を選択操作する。ユーザは、表示された検索用の画面の欄で、他ユーザの情報を検索するための検索条件を入力し、当該検索を実行する。また本検索は、全ユーザ対象か、特定の類似ユーザ対象かを、ユーザにより指定できる。端末2のアプリ20は、検索条件を含む要求をサーバ1に送信する。
(S29) S29では、サーバ1の検索部19は、ユーザの端末2からの検索条件を含む要求を受信し、当該検索条件の情報を用いて、DB50に登録されている他ユーザの情報を検索する。検索部19は、検索結果情報を構成し、ユーザの端末2に送信する。端末2は、当該情報を受信し、検索結果情報を含む画面を表示する。検索結果情報を含む画面は、例えば検索条件に該当する他ユーザのリストが表示され、ユーザによる他ユーザの選択操作に応じて、当該他ユーザの詳細情報が表示される。
ユーザは、端末2の画面で、例えば自動的に表示される類似ユーザ情報の中に所望の情報が無い場合、検索機能204により自分で細かく条件を指定して他ユーザの詳細情報を検索して閲覧及び取得ができる。
[ユーザ属性情報]
図5Aは、ユーザ属性情報51の主なデータ項目の構成例を示す。ユーザ属性情報51は、ユーザの基本情報に加え、ユーザのヘルス状態に係わる各種の属性の情報、即ち属性値を格納する。図5Aのユーザ属性情報51は、項目として、ユーザID、パスワード、端末アドレス、ユーザ名、性別、年齢、医療機関、治療期間、治療、疾患、既往症、妊娠、パートナー、会員種類、等がある。
ユーザID、パスワード、及び端末アドレス等は、サービス制御用のユーザの基本情報である。端末アドレスは、IPアドレス、電話番号、メールアドレス等である。基本情報は、住所等を含んでもよい。「ユーザ名」項目は、ユーザ設定される匿名やニックネームである。「年齢」項目は、年齢や年齢層である。
「医療機関」項目は、ユーザが現在利用する病院等の医療機関や検査機関の識別情報を含む。「医療機関」は、転院等の履歴の管理を含み、例えば病院名や通院期間等を含む。具体例は「現在:病院A」「2012年1月〜12月:病院B、2013年1月〜:病院A」等である。なお「病院A」等は説明上の抽象化した識別名を示す。
「治療期間」項目は、治療の開始年月から現在または終了年月までの期間、及びその年数等を示す。この項目でいう治療は全般的な取り組みを指し、個別の治療は下記の項目で管理される。「治療」項目は、医療機関による治療の状況を示す情報であり、名称や識別情報を登録する。「治療」は、ユーザによる療法の実践を含む。「治療」は、治療の履歴の管理を含む。「治療」は、治療の経過や開始及び終了等の状態、及び治療の詳細の情報の管理を含む。具体例は、「現在:治療X=体外受精」「2011年:タイミング法、2012年:人工授精、2013年:体外授精」等である。
「疾患」項目は、上記「治療」項目に係わる、ユーザの現在の主要な疾患ないし病状を示す情報であり、名称や識別情報を登録する。「疾患」は、履歴の管理を含む。「疾患」は、疾患の経過や開始及び終了の状態、及び疾患の詳細の情報の管理を含む。「疾患」は、疾患の可能性有りの状態や健康の状態の管理を含む。具体例は、「現在:疾患X=不妊症」等である。
「既往症」項目は、上記「疾患」や「治療」の項目の値以外における、ユーザの関連する持病、既往症、手術歴、等の概略の情報を格納する。即ち「既往症」項目は、副次的な病気や治療の情報を管理する。「既往症」は、産婦人科に限らず他の診療科の疾患や治療を含む。具体例は「2009年:疾患Y,2009年:治療Y」等である。なお「既往症」項目が「疾患」項目等に統合されてもよい。
上記「治療」「疾患」「既往症」等の項目は、ユーザによるテキスト入力での登録に限らず、本システムで予め設定された治療や疾患の選択肢からの選択による登録も可能である。治療や疾患の名称等の情報は、統一化されていないものも含め、本システムのDB50に管理情報として設定される。
「妊娠」項目は、当該ユーザの妊娠や出産の状況に関する情報を格納する。「妊娠」の情報は、例えば妊娠の成功や失敗、回数、年月、年齢、等である。具体例は、「妊娠:0回」,「妊娠:1回:2011年2月(37歳)」等である。
「パートナー」項目は、当該ユーザの夫や恋人等のパートナーの状況を表す情報を格納する。「パートナー」の情報は、例えば年齢、疾患、治療、その他の各属性情報を格納する形式でもよいし、ユーザID等を格納して別の表を参照する形式でもよい。サーバ1は、「パートナー」の情報により、パートナーないしペアである男女のユーザの各データを識別及び関連付ける。具体例は「夫:38歳:疾患Z」等である。
本システムは、ユーザ毎の会員種類等の状態に応じて異なるサービス及び機能を提供してもよい。サーバ1は、例えばユーザID等と、会員種類と、サービスや機能との対応付けの情報を管理する。「会員種類」項目は、ユーザの会員種類の情報が登録される。会員種類は、サービスや機能の利用範囲に関係付けられる。会員種類は、例えば下記(a)〜(d)がある。(a)は、体温、月経、及びタイミング法の管理を含む、関連のサービス及び機能を利用する会員種類である。(b)は、(a)に加え更に、人工授精の管理までを含む。(c)は、(b)に加え更に、体外受精及び顕微授精の管理までを含む。(d)は、更に、男性配偶者も利用することを示す。
ユーザ属性情報51は、その他の属性の項目として、身長、体重、飲酒、喫煙、保険、家族、職業、地域、治療金額、リミット金額、リミット年齢、等を設けてもよい。リミット金額は、治療にかけられる上限の金額、リミット年齢は、治療を続ける上限の年齢である。ユーザ属性情報51は、所定の属性の項目を必須入力とし、他の項目を任意入力としてもよい。ユーザは、ユーザ属性情報51に、医療機関等から与えられた情報を入力してもよいし、ユーザの自己判断による情報を入力してもよい。
更に、図5Aのユーザ属性情報51は、シェア設定情報61aの構成例として、501の列で示すシェア属性設定項目を有する。シェア属性設定項目501は、属性毎に、他ユーザとのシェア即ち公開の有無をフラグ値で設定する。○印(1)はシェアする(共有)、×印(0)はシェアしない(非共有)を示す。本システムの基本的なサービスの設定では、全属性が共有に設定される。別のサービスの設定では、属性毎に共有や非共有が設定される。ユーザ属性情報51は、類似ユーザ判定用の属性や優先出力の属性を設定するための項目が同様に設けられてもよい。
[ヘルス情報]
図5B及び図5Cは、本実施の形態で適用可能なヘルス情報53Aの構成例を示す。図5B及び図5Cのヘルス情報53Aの項目は、すべてがシェア対象として設定可能である。このヘルス情報53Aの表は、列として、「分類」、「項目」、「説明」、「具体例」を有する。「分類」は、ヘルス情報における概略的な分類を示し、前述の(a)体温、(b)月経、(c)検査結果、(d)症状、(e)服薬、(f)その他、を有する。図5Bは、(c)検査結果を除く部分を示し、図5Cは、(c)検査結果の部分を示す。「項目」は、ヘルス情報の項目であり、「説明」は、項目の説明として、登録可能な情報等を示し、「具体例」は、登録情報の具体例を示す。
図5Bで、ヘルス情報53Aの表は、「項目」として、基礎体温、月経、症状、服薬、自己計測項目、等を有する。「基礎体温」項目は、検温日,体温等を含む。具体例は「2014/3/3,36.5℃」である。基礎体温は、計測項目及び計測データの一例である。「月経」項目は、今回開始日,今回終了日,前回開始日,前回終了日,月経周期,排卵予定日等を含む。具体例は、それらの情報の順序の値として、「2014/4/1〜4/5,2014/3/3〜3/7,28日,2014/4/5」である。
「症状」項目は、体調に関する症状等を含む。具体例は、「頭痛,倦怠感,ストレス」である。「服薬」項目は、薬名,服用開始日,服用終了日,副作用,服用中止有無,副作用症状等を含む。具体例は、「クロミド,2014/3/3〜3/7,副作用あり、服用中止あり、腹痛」である。
「自己計測項目」項目は、体温の他に、ユーザ自身により計測される所定の計測項目がある場合に、同様に、計測結果の情報として、計測項目毎に計測日や計測値等が格納される。計測項目の例は、前述の心拍、脈拍、血圧、呼吸、等がある。なお、端末2や医療機器3の機能に応じて、自動計測及び自動登録が可能な計測項目もある。
図5Cで、ヘルス情報53Aの表は、「項目」として、妊娠支援、その他医療機関検査項目、自己測定項目(自己検査項目)等を有する。「妊娠支援」は、より詳しい複数の項目として、括弧書きで示すように、男性共通検査項目、女性共通検査項目、タイミング法、人工授精、体外受精:採卵、体外受精:移植、体外受精:妊娠、等を有する。
「妊娠支援」項目において、「男性共通検査項目」は、採精日,精液量,総精子数,精子濃度,前進運動率,高速直進運動率,生存率,正常形態率,等を含む。具体例は、検査項目の順序の値として、「2014/3/3,2ml,40x10^6/ml,20x10^6/ml,50%,25%,50%,50%」である。「女性共通検査項目」は、検査日,LH,FSH,E2,P4,AMH,卵胞の大きさ,内膜厚,等を含む。具体例は、検査項目の順序の値として、「2014/3/3,2.2mlU/mL,6mlU/mL,80pg/mL,6.5ng/m,11pM,20mm,8mm」である。
「タイミング法」は、不正出血,排卵誘発,帯下幅,等を含む。具体例は、「不正出血なし、排卵誘発あり、帯下幅7cm」である。「人工授精」は、尿中LH,人工授精有無,等を含む。具体例は、「陽性,人工授精あり」等である。「体外受精:採卵」は、麻酔方法、採卵日、採卵数、凍結胚No-グレード、等を含む。なお、凍結胚No-グレードについては、凍結胚が複数あるため、No(番号)を付与してグレードを登録するものである。具体例は、「静脈麻酔,2014/3/21,5,{No1-A,No2-A,No3-B,No4-B}」である。「体外受精:移植」は、移植日,移植胚No-グレード-大きさ,アシステッドハッチング有無,移植方法,等を含む。具体例は、「2014/3/22,No1-A-48mm,あり,顕微授精」である。「体外受精:妊娠」は、妊娠判定日,妊娠判定陽性,胎嚢(のう)確認日,胎嚢確認有無,心拍確認日,等を含む。具体例は、「2014/3/31,陽性,空白,空白,空白」である。
「その他医療機関検査項目」項目は、図示しないが、医療機関や検査機関における各種の検査に係わる検査項目がある。
「自己測定項目(自己検査項目)」項目は、検査結果のうち、医療機関や検査機関ではなくユーザ自身により測定及び検査される項目がある場合に、その項目の情報が格納される。ユーザが例えば市販の検査薬や自分の医療機器3等を用いて所定の項目を測定及び検査した結果の情報として測定日や測定値等が格納される。この(c)検査結果の「自己測定項目(自己検査項目)」は、(f)その他の「自己計測項目」と同様に、心拍、脈拍、血圧、呼吸、等があり、例えば、血圧(高)及び血圧(低)の値、脈拍数,分あたり呼吸数、等が格納される。具体例は、「110,60,70,20」である。また、この項目は、後述の排卵テスト結果,妊娠テスト結果,分泌物の量、等が格納できる。
[行動情報]
図5Dは、本実施の形態で適用可能な行動情報53Bの構成例を同様に示す。図5Dの行動情報53Bの項目は、すべてがシェア対象として設定可能である。この行動情報53Bの表は、分類として、行動、タイミング、つぶやき、自動計測項目を有する。「行動」は、項目として、運動療法、食事療法、等の療法を含む。例えば運動療法は、登録可能な情報として、運動療法の実施期間,運動療法を含む。具体例は、「2014/1/10〜4/30,水泳」である。食事療法は、登録可能な情報として、食事療法の実施期間,食事療法を含む。具体例は、「2014/1/10〜4/30,葉酸」である。「タイミング」項目は、登録可能な情報として、性交日,性交渉有無等を含む。具体例は、「2014/3/3,あり」である。「つぶやき」項目は、つぶやきとして、コメント、メモ、気持ち等を含む、任意で自由なテキストないし文字列が格納される。具体例は、「強いストレスを感じる」である。
「自動計測項目」は、行動に係わる、自動計測及び自動登録が可能な項目であり、例として、運動時間及び量、睡眠時間及び量、消費カロリー、移動距離、歩数等がある。端末2や医療機器3に備える機能、例えばウェアラブル端末に備えるヘルスケア機能に応じて、所定の計測項目を自動計測及び自動登録が可能である。ユーザ設定に応じて、自動計測項目のデータを行動情報53Bの一部として登録してもよい。
なお、上記ユーザ属性情報51、ヘルス情報53A、行動情報53B等に含まれる各種の情報の分類や項目分けは一例であり、他の分類等も可能であり、それらの情報を例えばヘルスデータとして一括管理してもよい。
[ユーザ設定情報]
ユーザ設定情報61において、シェア設定情報61aは、ユーザのユーザ属性情報51の各属性、ヘルス情報53Aや行動情報53Bの各要素、及び各分析の項目毎に、他ユーザに対してシェア即ち公開するか否かが設定される。
類似ユーザ判定用情報61bは、解析機能203による類似ユーザ判定の際に、ユーザ毎にどの属性や要素や分析等の項目に注目して類似ユーザを判定するかに関する設定情報である。言い換えると、類似ユーザ判定用情報61bは、ユーザがどの観点で自分と似ている他ユーザの情報を見たいかに関する設定情報である。
優先出力情報61cは、類似ユーザ情報の出力の際に、ユーザ毎に類似ユーザのどの属性や要素や分析等の項目の情報を必須または優先で出力するかに関する設定情報である。言い換えると、優先出力情報61cは、ユーザが他ユーザである類似ユーザの情報のうちどの項目の情報を必須または優先で見たいかに関する設定情報である。
図6〜図8は、ユーザ設定情報61の構成例を示す。図6は、ユーザ設定情報の第1の構成例として、本システムによるサービスの種別毎の設定例を示す。本システムは、ユーザに提供するビジネス及び情報処理のサービスとして、複数の種別のサービスを設け、ユーザの会員等の状態に応じてユーザ毎に異なるサービスを提供してもよい。
図6のサービスA設定情報は、本システムの基本的なサービスである第1の種別のサービスAに関する設定情報である。サービスAは、それを利用するユーザグループA、例えば全ユーザが関係付けられる。サービスA設定情報は、シェア設定情報61aに対応するシェア項目の行と、類似ユーザ判定用情報61bに対応する判定用項目の行と、優先出力情報61cに対応する優先出力項目の行とを有する。
シェア項目、判定用項目、及び優先出力項目の各行は、属性、要素、及び分析の各行を含む。属性の行は、ユーザ属性情報51の各種の属性に関する設定である。要素の行は、ヘルス情報53A及び行動情報53Bの各種の要素に関する設定である。分析の行は、傾向分析等の各種の分析に関する設定である。
サービスA設定情報は、シェア項目が、全属性、全要素、及び全分析である。ユーザへ提供される類似ユーザ情報は、当該シェア項目で設定された全情報である。優先出力項目は無しである。即ちユーザへ提供される類似ユーザ情報は、シェア項目の全情報が、優先順位無しで出力される。なお本例では、優先出力項目は、優先の情報を設定するが、必須の情報を設定してもよい。
判定用項目は、特定の属性、例えば{性別,年齢,疾患,治療}の4つの属性のセットであり、要素及び分析は無しである。なお女性専用のサービスの場合は性別属性が省略可能である。この設定の場合、解析の際は、上記4つの属性値の比較で総合的にユーザ間の類似性が判定され、対応する類似度が計算される。また当該類似ユーザの判定の際に考慮される属性の優先順位は、そのまま{性別,年齢,疾患,治療}の順である。即ち第1に性別が同じで年齢が近いユーザほど類似度が高くなるように計算される。優先順位を変える場合は{治療,疾患,……}等と設定され、この場合は治療の状況が類似するほど類似度が高くなる。更に、各属性の優先順位に対応する重み付けの値が設定されてもよい。
サービスB設定情報は、同様に、第2の種別のサービスB及びユーザグループBの設定例を示す。サービスB設定情報は、シェア項目が全部であり、優先出力項目は無しなので図示省略する。判定用項目は、ヘルス情報53Aにおける{体温,月経,検査結果}の3つの要素のセットである。この場合、解析の際は、3つの要素のグラフを含むデータの比較で総合的にユーザ間の類似度が計算される。
なお、本設定例では、属性や要素や分析の項目毎に関係付けられたグラフを自動的に含めるものとしているが、項目とそのグラフとを分けて設定可能としてもよい。例えば、ある要素について判定用項目として設定する場合、その要素のデータ(グラフではない登録データ)、その要素のグラフ、またはそれらの両方を設定可能である。
サービスC設定情報は、同様に、第3の種別のサービスC及びユーザグループCの設定例を示す。サービスC設定情報は、判定用項目が、分析の種別における傾向分析である。この場合、解析の際は、傾向分析処理の分析結果及びメッセージを含む情報の比較で総合的にユーザ間の類似度が計算される。
他のサービス設定情報の例では、判定用項目として、属性は、年齢、治療、既往症の少なくとも1つとし、要素は、検査結果、症状、服薬の少なくとも1つとする。解析部17は、判定用項目の属性に関して第1の類似度を計算し、要素に関して第2の類似度を計算し、第1の類似度と第2の類似度とを用いて、属性と要素との組合せの単位での総合的な類似度を計算する。
図7は、ユーザ設定情報61の第2の構成例として、個別のユーザ毎に異なる設定例を示す。本システムは、例えばユーザの会員等の状態に応じたオプションのサービスとして、個別ユーザによるユーザ設定を可能とする。ユーザは、自分のユーザ設定情報61のシェア項目、判定用項目、及び優先出力項目の各項目で、対象や非対象を設定できる。
ユーザA設定情報は、ユーザAにより設定されるユーザAの設定情報である。ユーザA設定情報は、シェア項目が全部である。判定用項目は、サービスAと同じ{性別,年齢,疾患,治療}の4つの属性に加え、{医療機関,検査機関}の2つの属性である。この設定の場合、利用の医療機関や検査機関が同じであるほど、類似度が高く計算される。
優先出力項目は、ユーザ属性が無しであり、ヘルス情報53A及び行動情報53Bの要素が{検査結果,月経}、分析が{傾向分析,疾患リスク警告}である。この場合、ユーザAの端末2の画面に表示される類似ユーザ情報は、類似ユーザのシェア情報の全項目のうち、グラフを含む検査結果データ及び月経データと、それらの傾向分析及び疾患リスク警告の結果の情報とが、優先して表示される。
上記出力情報は、例えば検査結果の女性ホルモンの数値、その変動量、その傾向の状態、及び当該傾向から推定される疾患の可能性といった、分析時に計算及び判定された所定の項目の数値やメッセージを含む。ユーザAは、自分と医療機関等が似た他ユーザの検査結果グラフや分析結果を優先的に閲覧できる。ユーザに提供される類似ユーザ情報の量が多い場合、優先出力項目の設定により、情報量を少なくして見やすくできる。
ユーザB設定情報は、シェア項目が全部である。判定用項目は、ヘルス情報53A及び行動情報53Bの要素がサービスBと同じ{体温,月経,検査結果}の3つの要素に加え、{行動}である。この場合、4つの要素のデータの比較によって総合的にユーザ間の類似性が判定される。即ち登録されている行動が似たユーザほど類似度が高くなる。
また優先出力項目は、{妊娠,パートナー}の2つの属性と、{行動抽出,妊娠支援}の2つの分析である。この場合、ユーザBへの類似ユーザ情報は、類似ユーザの全情報のうち、妊娠の状況及びパートナーの状況の情報と、行動抽出及び妊娠支援の結果の情報とが優先して出力される。ユーザBは、自分と行動等が似た他ユーザの行動や妊娠やパートナーの情報を優先的に閲覧できる。
ユーザC設定情報は、シェア項目が、全属性、{体温,月経,検査結果}の3つの要素、{傾向分析,疾患リスク警告}の2つの分析である。即ち、ユーザCは、当該3つの要素のデータを登録してシェアし、当該要素の傾向分析及び疾患リスク警告の機能を利用し、当該分析の結果をシェアする。本例のように、ユーザは、特定の分析の機能のみを利用してもよく、シェア項目は特定の種別の分析が設定される。
判定用項目は、{性別,年齢}の属性、{体温,月経,検査結果}の要素、{傾向分析,疾患リスク警告}の分析である。即ちこれらの複数の項目の組合せの比較によって総合的にユーザ間の類似度が計算される。
優先出力項目は、{疾患,治療}の属性、検査結果、{傾向分析,疾患リスク警告}の分析である。ユーザCは、自分と判定用項目の内容が似た他ユーザに関する、疾患、治療、検査結果、傾向等の情報を優先的に閲覧できる。ユーザCは、例えば同じ疾患の可能性の警告が出ているユーザの情報を知ることができる。なお複数の項目の組合せに関しても同様に優先順位が設定可能である。
図8は、ユーザ設定情報61の第3の構成例として、個別のユーザ毎に異なる設定例を示す。ユーザD設定情報は、シェア項目が、ユーザ属性については、「シェアしない」(非共有)が選択された特定の属性、例えば{妊娠,パートナー}の属性、を除く全属性である。ヘルス情報及び行動情報の要素については、同様に非共有が設定された特定の要素である例えば{つぶやき}を除く全要素である。分析については、同様に非共有が設定された特定の分析である例えば{妊娠支援}を除く全分析である。ユーザDへの類似ユーザ情報は、シェア項目で非共有に設定された項目を除く全情報が提供される。
本実施の形態では基本的にシェア項目と類似ユーザ情報の項目とが同じになるように対応付けられる。即ち共有に設定された項目の情報は類似ユーザ情報で提供され、非共有に設定された項目の情報は類似ユーザ情報で提供されない。シェア項目が多い場合は、その分提供される類似ユーザ情報が多くなり、シェア項目が少ない場合は、その分類似ユーザ情報も限定される。なお他の実施の形態では、上記シェア項目と類似ユーザ情報の項目とを異ならせてもよい。
判定用項目は、属性が{性別,年齢,既往症}、要素が{行動}、分析が{傾向分析,行動抽出}である。優先出力項目は、分析の{行動抽出}である。ユーザDは、判定用項目のいずれかの観点で自分と似た他ユーザに関する行動(ヘルス状態の改善に寄与したと推定される行動)を優先的に閲覧できる。ユーザDは、自分と他ユーザとでの行動の類似性や差異を知ることができる。別の設定例では、同様に症状や服薬を中心に設定した場合、ユーザは、自分と他ユーザとで症状や服薬の類似性や差異を知ることができる。
ユーザE設定情報は、シェア項目が全部である。判定用項目は、属性が{性別,年齢,妊娠,パートナー}であり、要素が{検査結果}であり、分析が{妊娠支援}である。優先出力項目は、属性が{疾患,治療,医療機関}、要素が{症状,つぶやき}、分析が{妊娠支援}である。ユーザEは、自分と妊娠やパートナーの状況が似た他ユーザに関する、医療機関、症状やつぶやき、妊娠支援情報等の情報を優先的に閲覧できる。
ユーザF設定情報は、シェア項目が全部である。判定用項目は、属性が{性別,年齢,疾患,治療}に加え、{妊娠}の属性値の指定として{妊娠=成功}である。属性値の指定の場合、類似性の判定の際に、当該属性値に該当するユーザの類似度が高くなるように計算される。この場合、ユーザEは、自分と年齢や疾患等の状況が近く、かつ、妊娠の状況として妊娠成功である他ユーザの情報を取得及び閲覧できる。例えばユーザEは、自分が妊娠の未経験や失敗の状況であり、妊娠に成功した人の情報を知りたい場合、上記設定により、妊娠に成功した人の情報が得られる。
上記判定用項目の設定例のように、ユーザ間で異なる属性や非類似の属性も指定可能である。上記属性値の指定は、ユーザ属性に限らず、ヘルス情報や行動情報の要素や分析結果についても同様に可能である。解析部17は、上記属性値等の条件の指定による類似ユーザの判定で、条件に該当するユーザのみを類似ユーザとして抽出するように絞り込みをしてもよい。
上述のように、ユーザ設定情報61は、サービス毎やユーザ毎に多様に条件が設定可能である。また後述の検索機能205では、上記ユーザ設定情報61の判定用項目の設定例と同様に検索条件を指定して他ユーザの情報を検索可能である。
[医療検査情報]
図9は、医療検査情報52の構成例を示す。図9の医療検査情報52の表は、項目として、医療機関、治療、治療方法、実績、検査機関、検査、検査種別、検査項目、検査方法、基準情報、等がある。医療検査情報52は、医療機関及び検査機関毎に提供している治療や検査の内容の管理を含む。本システムは、医療検査情報52を含む情報管理により、ユーザ群のユーザ情報の比較による類似ユーザの解析を可能とする。
「医療機関」項目は、医療機関の識別情報及び名称を格納し、例えば“医療機関A(病院A)”である。「治療」項目は、医療機関の採用している1つ以上の医学的な治療の識別情報や名称を格納し、例えば“治療A”である。「治療方法」項目は、治療に係わる治療方法や治療種別等の情報を格納し、例えば“治療方法A”等である。「実績」項目は、治療件数、手術件数等の情報を格納する。情報は、例えば、タイミング法年間件数、人工授精年間件数、母数、妊娠数、妊娠率、等がある。
「検査機関」項目は、医療機関に関連付けられた、検査主体である検査機関の識別情報や名称を格納し、例えば“検査会社A”である。検査機関と医療機関とが同じ場合は当該情報を省略できる。「検査」項目は、検査機関の採用している1つ以上の医学的な検査の識別情報や名称を格納し、例えば“検査A”である。「検査種別」項目は、血液検査、尿検査、超音波検査、触診等の、検査の種別を示す情報であり、例えば“血液検査”である。「検査項目」項目は、検査や測定の対象の項目であり、例えば“LH(黄体化ホルモンまたは黄体形成ホルモン)”や“FSH(卵胞刺激ホルモン)”であり、図5Cのような検査項目を含む。「検査方法」項目は、検査に関連付けられる検査方法の識別情報や名称を格納し、例えば“検査方法A=EIA法(酵素免疫測定法)”等である。
「基準情報」項目は、当該治療や検査における判定の基準となる数値及び範囲等の情報であり、いわゆる基準値と呼ばれる値に対応する。当該数値範囲は、例えば“範囲A=数値A1〜数値A2”である。数値A1は下限値、数値A2は上限値である。例えば検査項目数値であるLH数値が範囲A内にある場合には正常ないし良好と判定され、範囲A外にある場合には、異常ないし不良、要注意等と判定される。基準情報の数値範囲は、閾値のみの場合や、範囲内の代表の数値を設ける場合もある。数値範囲は、卵胞期では範囲a、排卵期では範囲b、等のように、期間毎に設定される場合もある。数値範囲は、所定の関数で規定される場合もある。また良好/不良等の2値の判定に限らず、複数の数値を用いた複数のレベルの判定の場合もある。
上記検査方法、検査項目、基準情報等は、単位の情報の管理を含む。単位は、例えば[mol/L][ng/mL][mIU/mL]等の各種がある。本システムは、管理情報に基づいて、単位の換算を適宜行う。
上記医療検査情報52の基準情報等の情報は、医療機関や検査機関により提供や公開される情報を用いて、本システムにより設定される。また1つの医療機関や検査機関でも治療や検査が複数存在する場合、それぞれの治療や検査毎の情報が関連付けて管理される。基準情報の数値範囲や単位は、医療機関や検査機関等に応じて異なる。基準情報は、複数のユーザ並びに複数の医療機関等について個別的かつ包括的に対応できるように設定される。本システムは、医療機関や検査機関毎に異なる基準情報をそのまま個別に設定してもよい。本システムは、複数の医療機関等から提供される複数の基準情報の数値範囲を考慮して統一化した固有の緩やかな基準情報の数値範囲を設定してもよい。
固有の基準情報の設定の例は、元の第1の基準情報の数値範囲と第2の基準情報の数値範囲とがある場合に、それらの論理的なOR条件やAND条件、あるいは統計値等をとる。これにより、元よりも広い数値範囲や狭い数値範囲、あるいは独自の数値範囲が、本システム固有の数値範囲として設定される。医療検査情報52は、その他、医療機関や検査機関や治療や検査についての説明情報や関連する医療情報、またはその参照用のリンク情報等が格納されてもよい。
分析部16は、ユーザ属性情報51や医療検査情報52を参照し、ユーザ毎の医療機関や検査機関に関係付けられる基準情報を適用し、ユーザ毎のヘルス状態を判定する。また解析部17は、類似ユーザ解析に関する第1の方法として、医療検査情報52を参照し、ユーザ毎に利用する医療機関や検査機関に応じた検査方法や基準情報を判断し、当該検査方法や基準情報等が同じである複数のユーザを比較対象として類似ユーザを解析する。
また分析部16は、複数のユーザの分析の際、医療検査情報52に設定される同じ本システム固有の基準情報を適用し、複数のユーザのヘルス状態を判定してもよい。解析部17は、類似ユーザ解析に関する第2の方法として、検査方法や基準情報等が異なるユーザを比較対象とする。第2の方法では、検査方法や基準情報等が異なるユーザ間での概略的な比較を可能とするために、医療検査情報52は、複数の医療機関や検査機関等の情報を比較可能な形式に整理した情報が設定される。
上記情報の例として、医療検査情報52は、本システム固有の変換式が設定される。解析部17は、医療検査情報52の本システム固有の変換式を参照し、ユーザ毎の利用の医療機関や検査機関等に応じた本システム固有の変換式を適用し、複数のユーザの情報を概略的に比較可能な形式に変換する。そして解析部17は、変換後の情報をユーザ間で比較して類似ユーザを解析する。
上記本システム固有の変換式は、例えば一方の検査方法や特定の検査方法に合わせるように所定の関数等によって数値が変換される。上記本システム固有の変換の処理は、ユーザによるデータ登録時に行われてもよいし、類似ユーザの解析時に行われてもよい。上記本システム固有の変換は、厳密な変換ではなくとも、類似ユーザの判定には有用である。
[体温月経データ及び体温月経グラフ]
ヘルス情報53Aは、図示しないが、例えばユーザ、日時、体温数値、月経有無、等の項目を持つ表で体温及び月経の情報が管理される。
図10は、ヘルス情報53Aのうちの体温及び月経の時系列のデータに基づいて作成される体温月経グラフの例を示す。横軸が日数、縦軸が基礎体温の数値である。a1は、月経日(いわゆる生理日)及びその期間である月経期を示す。a2は、月経周期を示し、前の月経日a1から次の月経日a1までの日数である。a3は、予測排卵日を示す。t1は、基礎体温が相対的に低い低温相ないし低温期を示す。t2は、基礎体温が相対的に高い高温相ないし高温期を示す。a4は、低温相t1と高温相t2との温度差ΔTを示す。温度差ΔTは、例えば高温相t2の体温の最大値と低温相t1の体温の最小値との差分を用いて本システム固有に算出される値である。
月経周期a2において、卵胞期t3、排卵期t4、黄体期t5の各期を示す。排卵期t4及び予側排卵日a3付近は、妊娠しやすい時期である。なお、体温月経グラフの表示の際には、各期における女性ホルモン等の内分泌に関する情報や、心身への影響等の情報を表示してもよい。
[検査結果データ及び検査結果グラフ]
図11は、ヘルス情報53Aのうちのユーザ毎の検査結果データの例である表を示す。体温月経データ及び検査結果データは、ユーザ属性情報51や医療検査情報52と関係付けて管理される。図11の検査結果データの表は、項目として、ユーザ、医療機関、検査機関、検査方法、検査日時、種別、項目、単位、及び数値がある。「ユーザ」はユーザIDやユーザ名である。「医療機関」はユーザが利用する病院等を示す。「検査機関」はユーザが利用する検査会社等を示す。医療機関と検査機関とが同じ場合は値を省略できる。「検査方法」は、検査機関による検査で採用している検査方法を示す情報である。「検査日時」は、検査が実施された日時である。「種別」は、検査の種別であり、血液検査、超音波検査、精液検査等である。「項目」は、前述の検査項目であり、例えば特定の女性ホルモンである。複数の種類の女性ホルモンとして、後述のLH,FSH等がある。「単位」は、検査項目数値の単位である。なお単位は、2種類以上の単位が存在する場合もある。「数値」は、検査項目数値である。
例えば第1行では、ユーザAは、病院Aでの治療に係わり、検査会社Aによる検査方法Aでの検査を受けており、例えば7月1日に血液検査が実施され、複数の種類の内分泌学検査の数値として、LH=n1、FSH=n2、等であったことを示す。
図12は、検査結果データに基づいて作成される検査結果グラフの第1の例として、健康な人における血液検査の検査項目の女性ホルモンにおけるLH及びFSHの場合のグラフを示す。横軸は日数、縦軸は女性ホルモン数値である。なお図10のt4〜t6の各期との関係も示す。女性に特有の疾患や妊娠等に係わりが深いものとして、LH,FSH,E2,P4,AMH等が挙げられる。本システムは、これら複数の種類の検査結果を個別的及び包括的に取り扱う。
LH(黄体化ホルモンまたは黄体形成ホルモン)は、排卵や黄体形成を促すホルモンであり、そのため、排卵予測に使用可能である。141はLH数値の折れ線である。LHは、図示のように、排卵期t4の付近で、一時的にピーク、即ち最大値が発生する。LHのピーク日の付近は排卵期t4に対応する。
FSH(卵胞刺激ホルモン)は、卵胞の発育を促すホルモンである。年齢が高くなるとFSHの値は高くなっていく傾向がある。そのため、FSHは、例えば体外受精の継続の判断材料となり得る。142はFSH数値の折れ線である。FSHは、LHピークの付近で同様にピークが発生する。LH及びFSHの単位は例えば[mIU/mL]である。
図13は、検査結果データに基づいて作成される検査結果グラフの第2の例として、女性ホルモンにおけるE2及びP4の場合の検査結果グラフを示す。E2(エストラジオール)は、エストロゲン(卵胞ホルモン)の一種であり、生殖機能維持や卵胞の成熟、排卵促進、子宮内膜の増殖、等の働きがある。卵胞が育ってくると、E2の数値が上がり、ある値になると、下垂体に作用してLH数値が上がる。そのため、E2は、妊娠支援にとっては、LHの観測より早期に排卵の傾向を把握できるため、排卵予測に有用である。151はE2数値の折れ線である。E2は、排卵期t4のLHピークの手前付近、及び黄体期t5に高くなる。E2の単位は例えば[pg/mL]である。
P4(プロゲステロン)は、黄体ホルモンとも呼ばれる。P4は、卵胞発育の抑制、子宮内膜を厚くする作用、妊娠持続作用がある。152はP4数値の折れ線である。P4は、黄体期t5に高くなる。P4の単位は例えば[ng/mL]である。
AMH(抗ミューラー管ホルモン)は、卵胞から分泌される女性ホルモンであり、AMH数値から卵巣の機能が推定できるといわれる。AMHについても同様にグラフが作成される。女性ホルモンは、上記5種類に限らず、その他の各種の女性ホルモン、例えばプロラクチン(PRL)、テストステロン等についても同様に適用可能である。検査結果は、上記女性ホルモンに限らず、図5Cの検査項目を含め、他の化学物質や指標値についても同様に適用可能である。
上記体温、月経、及び女性ホルモン等の数値やその変動は、医学的に関連している。本システムは、上記体温、月経、及び女性ホルモン等を含む複数の要素の数値に関する基準情報を用いて各要素の関連や傾向を含むヘルス状態を分析する。ユーザは、画面で、自分の体温、月経、及び女性ホルモン等の状態を、分析結果と共に閲覧できる。
[カレンダー入力情報]
図14は、カレンダー入力情報55の管理例を示す。図14のカレンダー入力情報55の表は、項目として、日時、種別、ユーザ入力情報がある。日時は、カレンダーの日付に対応した、ユーザ入力情報が登録された日時である。種別は、ユーザ入力情報の大まかな種別を示し、ユーザ属性やヘルス情報や行動情報の要素と対応する。ユーザ入力情報は、ユーザにより入力されたテキスト、選択された選択肢やマークの識別情報、等を示す。
図14の例では、11月1日は、月経日、即ち月経有りとして登録されている。2日は、つぶやきのテキストとして、気持ち等を表す“気分が良い”や顔マークAが登録されている。4日は、症状として、重い腹痛有りが登録されている。6日は、行動、特に運動療法として、運動Aが登録されている。8日は、治療として、治療Aが登録されている。9日は、検査結果として、検査項目、検査数値、検査会社A等が登録されている。10日は、服薬として、薬剤A、期間、及び量が登録されている。11日は、治療(通院)として、病院A,治療Aが登録されている。また11日は、つぶやきのテキストとして、病院Aでの治療Aの感想や評価等のコメント、例えば“病院Aで治療Aを受けた。対応は丁寧だった。待ち時間は長かった。”が登録されている。
上記ユーザの症状や行動等は、予め本システムで用意及び設定した選択肢やマーク等による入力も、自由なテキストでの入力もできる。本システムは、選択肢として、よくある行動やよくある症状等を設定してもよい。つぶやきのテキストで例えば症状や行動が登録される場合、“ストレスを感じる”、“がっかりした”等となる。
[分析情報]
分析情報56は、図示しないが、例えば分析の日時やID、分析対象ユーザ、分析種別、分析項目、分析結果、等の項目を持つ表で管理される。分析種別は、傾向分析等の種別である。分析項目は、分析対象の属性や要素である。分析結果は、分析結果データ自体またはその参照用の識別情報である。なお分析処理は本実施の形態で示す分析処理以外も各種可能である。
[解析情報]
図15は、解析情報57の構成例として、ユーザ属性比較による解析結果の例を示す。図15の(a)の解析情報57の表は、ユーザ毎の類似ユーザのリストの例であり、ユーザXに関する類似ユーザのリストの場合である。(a)の解析情報57の表は、列として、#で示す類似順、類似度、ユーザ、類似属性、及び非類似属性がある。本リストは、ユーザ毎に、類似度の順に他ユーザが類似ユーザとして関係付けられる。
「類似順」は、複数の他ユーザに関する類似度が高い順序を示す。「類似度」は、ユーザ間の類似性を表す指標値である類似度の値を示し、本例はユーザ属性に関する類似度を示す。「ユーザ」は、類似ユーザである他ユーザのユーザ名やユーザID等を示す。「類似属性」は、当該ユーザと他ユーザとで類似する属性を示す。「非類似属性」は、当該ユーザと他ユーザとで類似しない属性を示す。
「類似度」は、本例では2種類の類似度であるR,Lを示す。類似度Rは、数値であり、例えば0〜100の範囲に正規化された数値であり、数値が大きいほど類似性が高いことを表す。例えばユーザAとの類似度R1、ユーザBとの類似度R2であり、R1>R2である。類似度Rは、差分値等で計算されてもよく、その場合、数値が小さいほど類似性が高いことを表す。類似度Lは、類似度Rよりも粗い複数のレベルである。解析時に例えば細かい数値である類似度Rが計算され、更に類似度Rを所定の閾値で区分することにより類似度Lが得られる。例えばユーザAとの類似度L1、ユーザBとの類似度L2である。L1の方がL2よりも類似性が高いことを表す。
「類似属性」及び「非類似属性」の項目は、ユーザ属性に関して、類似の情報部分と非類似の情報部分とを判定及び整理した情報を示す。本例では、第1行のユーザXとユーザAとでは、属性A〜Dでは属性値が類似であり、属性E〜Hでは属性値が非類似である。第2行のユーザXとユーザBとでは、属性A〜Cが類似であり、属性D〜Hが非類似である。第3行のユーザXとユーザCとでは、属性A,Bが類似であり、属性C〜Hが非類似である。他のユーザの単位についても同様に類似ユーザのリストが管理される。
本システムは、解析情報57を参照し、リストに記載の順に類似ユーザとし、ユーザ毎に提供する類似ユーザ情報を決定し、出力情報58に記載する。例えばユーザXに提供する類似ユーザ情報は、上記リストから類似順であるユーザA,B,C等の順で優先して類似ユーザとし、当該類似ユーザのシェア情報として決定される。
図15の(b)の解析情報57は、(a)の表に対応して、ユーザ間における各属性の比較の情報を格納する表の例である。本表は、列として、属性、ユーザX属性値、ユーザA属性値、及び属性類似度がある。解析部17は、例えばユーザXとユーザAとの間で、属性A,B,C等の属性毎に属性値を比較し、属性単位の類似度(rとする)を計算し、「属性類似度」項目に格納する。例えば属性A(例:年齢)に関する類似度r1は、ユーザXの属性Aの属性値a1と、ユーザAの属性Aの属性値a2との比較での差分値等から計算される。本システムは、属性毎の類似度の計算の定義情報を管理する。
上記(b)の表の最後の行は、全属性の比較によるユーザ属性に関する総合的な類似度を示す。解析部17は、各属性の類似度r1,r2等を用いた所定の演算により、この総合的な類似度を計算する。この類似度は、(a)の表の類似度(R1)の値と対応する。この総合的な類似度(R)の計算の例は、各属性の類似度(r)の総和を属性数(n)で割る。即ち、R={r1+r2+……+rn}/nである。他の計算の例は、各属性の類似度に、属性の優先順に関する重み付けの値を乗算する。属性毎の重み付けの値をw1等とする。即ち、R={r1×w1+r2×w2+……+rn×wn}である。
他の計算の例は、各属性のうち属性の類似度が一番高いものを代表として抽出して総合的な類似度としてもよいし、属性の類似度が所定の閾値以上のものを抽出して総合的な類似度を計算してもよい。本システムは、総合的な類似度の計算の定義情報を管理する。
解析がヘルス情報や行動情報の要素比較や分析結果比較の場合も上記と同様に表が管理される。例えばヘルス情報要素比較の場合、上記表は、「ヘルス情報に関する総合的な類似度」、「要素単位の類似度」、「要素の所定の項目毎の類似度」、「類似要素」及び「非類似要素」等の情報が管理される。同様に分析結果比較の場合、上記表は、「分析結果に関する総合的な類似度」、「分析種別毎の分析結果の類似度」、「分析結果の所定の項目毎の類似度」等の情報が管理される。上記「所定の項目毎の類似度」とは、例えば温度差ΔTの類似度や、月経周期a2の傾向の類似度である。
更に、ユーザ属性、ヘルス情報、行動情報、及び分析結果の4つの項目から総合的にユーザ間の類似度(R)を計算する場合、解析情報57は、各項目に関する類似度(RA,RB,RC,RDとする)と、それらの総合の計算による類似度(R)とが管理される。この総合的な類似度(R)の計算の例は、各項目の重み付けの値(WA等とする)を用いて、R={RA×WA+RB×WB+RC×WC+RD×WD}等である。
図15の(c)の解析情報57の表は、(a),(b)の表に対応して、属性単位で整理した情報の例として、属性Aに関する類似ユーザのリストである。解析部17や後述の統計機能205は、このような情報を管理してもよい。(c)の表は、項目として、#で示す人数順、属性値、ユーザ、及び人数がある。この表は、属性の属性値毎に、該当するユーザ及びその人数等の情報を格納する。例えば属性Aに関して、同じ属性値a1に該当する類似ユーザとしてユーザA,D,G,J等がおり、その人数がN1である。同様に属性値a2の該当類似ユーザがユーザB,E,H等であり、その人数がN2である。
[解析処理(1)−ユーザ属性比較]
図16は、図4のS24の解析処理における類似ユーザ判定の例として、S24Aのユーザ属性比較の場合の例を示す。解析部17は、各ユーザ間で、ユーザ属性情報51の複数の各々の属性の属性値を比較し、当該ユーザ間の類似性を判定する。図16の例は、ユーザXと、他ユーザであるユーザA,B,Cとで比較する場合である。属性A〜H等はユーザ属性情報51の属性であり、すべてがシェア項目及び判定用項目とする。例えば属性Aは年齢、属性Bは疾患、属性Cは治療である。
解析部17は、比較対象ユーザである例えばユーザXとユーザAとの組において、ユーザ属性情報51の判定用項目である属性を参照して各属性の属性値同士を比較する。解析部17は、まず属性毎の類似性を判定し、即ち図15の属性類似度(r)を計算する。例えば解析部17は、属性値が同じまたは近い場合は「類似」と判定し、そうではない場合は「非類似」と判定する。即ち属性類似度(r)は、「類似(1)」/「非類似(0)」の2値で計算される。例えばユーザXの属性Aの属性値a1とユーザAの属性値a2との比較で、同一または近い値である場合は「類似」、そうでない場合は「非類似」となる。
上記属性類似度(r)の計算は、属性値の差分をとる方法でもよい。例えば「年齢」属性の数値の差分をとり、当該差分値が小さいほど属性類似度が高い値に計算される。また差分等による単純な比較ができない属性に関しては、本システムによる管理情報として属性値に関する類似性の判定用のグループを設定しておき、当該設定情報を用いて類似性を判定し、類似度を計算してもよい。例えば属性Aに関して属性値a1〜a3が同じ第1グループ、a3〜a6が同じ第2グループ、等と設定される。解析部17は、例えばユーザXの属性Aの属性値a1とユーザAの属性値a2との比較で、同一の値の場合は類似性が高いレベルであるL1とし、異なる値で同じグループに属する場合は中程度のレベルであるL2とし、異なる値で同じグループに属さない場合は、類似性が低いレベルであるL3とする。
また属性値がテキストである場合、上記と同様に、ワードの類似性に応じたグループの設定情報を用いて判定可能である。例えば「疾患」属性に関して{疾患a,疾患b,疾患c}は類似性が高い同じグループに設定される。
解析部17は、各属性A〜Hの類似度(rA〜rHとする)に基づいて、ユーザX,A間でのユーザ属性に関する総合的な類似度(R1)を計算する。類似度(R)の計算例は、「類似」の属性の数に応じた計算である。ユーザX,Aの組で、161は「類似」の属性A〜C、162は「非類似」の属性D〜Hである。163は、ユーザX,B間の類似の属性A,Bである。164は、ユーザX,C間の類似の属性Aである。ユーザX,A間の類似度R1は、例えばR1=3である。同様に、ユーザX,B間の類似度R2=2、ユーザX,C間の類似度R3=1、等と計算される。ユーザX,Aは、全属性のうち類似の属性の数が3で一番多いので、類似度R1が相対的に高くなる。
類似度(R)の他の計算例は、前述のように、各属性類似度(r)の総和等の計算による。判定用項目が属性A〜Cの3つである場合、計算式の例は、R={rA+rB+rC}/3である。属性の優先順位がある場合は、R={rA×wA+rB×wB+rC×wC}等である。解析部17は、各ユーザの組について類似度(R)を同様に計算する。
解析部17は、上記類似度(R)を所定の閾値(例:h1,h2)と比較して区分し、レベルによる類似度(L)を得てもよい。例えばRが第1閾値h1以上である場合(R≧h1)はL1、第1閾値と第2閾値との範囲内の場合(Th1>R≧Th2)はL2、第2閾値より小さい場合(Th2>R)はL3、等である。
上記解析の結果、ユーザXにおける各ユーザA,B,Cとの間での類似度は、R1>R2>R3、L1>L2>L3、のようになる。即ち、ユーザXの複数の類似ユーザは、例えばユーザA,B,Cの順で関係付けられる。また解析部17は、類似度(L)が所定のレベル以上である他ユーザのみを類似ユーザとして関係付けてもよい。
165は、解析の結果に基づく類似ユーザ情報の出力の例であり、ユーザXに対する第1の類似ユーザであるユーザAのシェア情報である例えばユーザ属性情報をユーザXへ提供することを示す。この際、出力部18は、ユーザX,A間における、161に示す類似の情報部分(属性A〜C)と、162に示す非類似の情報部分(属性D〜H)とを整理して比較する形式とした情報を提供してもよい。
[解析処理(2)−ヘルス情報要素比較]
S24の解析処理におけるS24B等のヘルス情報要素比較の場合の類似ユーザ判定の例は以下である。この処理は、ユーザ属性比較の場合と基本的には同様の考え方で実現できる。解析部17は、ユーザ間でヘルス情報53Aの各種の要素のデータを要素毎に比較し、各要素単位での類似度(fとする)を計算し、それら要素単位の類似度(f)を用いた所定の計算により、ヘルス情報に関する総合的なユーザ間の類似度(R,L)を計算する。ここでは、対象の要素を、前述の(a)体温,(b)月経,(c)検査結果,(d)症状,(e)服薬、の5種類とする。
類似度(R)の計算式の例は、R={[要素aの類似度fa]+[要素bの類似度fb]+……+[要素eの類似度fe]}/[要素数(n=5)]である。要素毎の優先順位の重み付けの値(wa等とする)がある場合は、R={fa×wa+fb×wb+……+fe×we}等である。
解析部17は、DB50から比較対象ユーザである例えばユーザXとユーザAのヘルス情報における判定用項目の要素、例えば体温及び月経のデータにおける、対象期間のデータを読み出す。対象期間は、例えば同じ日時の範囲(例:2013年12月)、または異なる日時でも同じ長さの範囲(例:30日)、または各ユーザの1回以上の月経周期による期間、等である。本システムは、処理毎に対象期間を設定する。
解析部17は、比較対象ユーザの対象期間の要素のデータの時系列の数値を比較し、両者の近さにより、当類要素の単位の類似度(f)を計算する。
また解析部17は、体温や月経等の要素のデータの比較において、当該要素に関する所定の項目に関する類似度を計算し、それら項目毎の類似度を用いて、当該要素の類似度(f)を計算してもよい。所定の項目は、例えば体温データの場合の温度差ΔTや、月経データの場合の月経周期a2等がある。解析部17は、例えばユーザ間で温度差ΔTの数値を比較し、差分値をとる方法等により、温度差ΔTの類似度を計算する。解析部17は、計算した温度差ΔT等の各項目の類似度を用いて、前述と同様の所定の総合の計算により、体温の単位の類似度(fa)を得る。
検査結果データの比較の場合も上記と同様に可能である。解析部17は、比較対象ユーザの検査結果データから、例えば複数の種類の女性ホルモン(LH,FSH,E2,P4)の対象期間のデータを読み出す。解析部17は、検査項目の女性ホルモン毎に、時系列の数値を比較し、検査項目の単位での類似度を計算する。例えばLHの数値の比較から、LHの類似度が得られる。解析部17は、各検査項目の類似度を用いた所定の総合の計算により、検査結果の単位の類似度(fc)を得る。計算式の例は、fc={[LHの類似度]+[FSHの類似度]+[E2の類似度]+[P4の類似度]}/[検査項目数(n=4)]である。
[解析処理(3)−グラフ比較]
図17は、類似ユーザ判定の処理として特にS24Bのグラフ比較の場合の処理を、検査結果グラフを用いた例で示す。解析部17は、比較対象の一方のユーザXのグラフと、他方のユーザAのグラフとの比較及びマッチングにより、当該ユーザ間の類似度(R)を計算する。
図17の(a)は、ユーザXの特定の検査項目(例:P4)の検査結果グラフの例を月経周期の1回分で示す。同様に(b)は、ユーザAの同じ検査項目の検査結果グラフの例を月経周期の1回分で示す。171や172の点は、入力の検査結果データに基づいた、検査及び登録の日付に応じた検査項目数値を示す。解析部17は、ユーザX,Aの体温月経グラフから対象期間である例えば現在直近の月経周期の1回分のデータを読み出す。
図17の(c)は、(a)のユーザXのグラフと、(b)のユーザAのグラフとを比較する様子を示す。解析部17は、対象期間における(a)のユーザXのグラフと(b)のユーザAのグラフとを(c)のように重ね合わせる。なお両者のグラフの月経周期等の期間の長さが異なる場合、当該期間を同じに揃えるように調整してもよい。調整は例えば一方のデータの期間の伸縮でもよいし、一方のデータの端部の切り捨て等でもよい。
解析部17は、(c)のように、両者のグラフの数値を比較し、両者の近さから、当該検査項目の女性ホルモンの単位での類似度を計算する。解析部17は、(c)中の矢印のように、両者のグラフの時系列で対応する複数の各々の時点の数値同士を比較する。解析部17は、173のように、各時点の数値同士の差分値をとる。差分値をとる時点は、一定間隔でもよいし、検査項目数値が登録されている全時点でもよい。
なおユーザ毎に検査項目数値の検査及び登録の日時及び有無が異なるので、解析部17は、両者の比較が可能なように、グラフの数値を補間してもよい。解析部17は、補間処理で、検査項目数値の登録日の時点の数値の間を直線や曲線で接続し、非登録日の時点に補間の数値を構成する。補間処理後のグラフは、折れ線や曲線等のグラフとなる。補間は、ベジェ曲線等の公知技術が利用可能である。また補間は、予め設定された基準グラフを用いてもよい。
解析部17は、上記(c)の対象期間における173の各差分値の総和をとり、時点数や対象期間の日数等で除算する演算により、当該検査項目のグラフの単位での類似度を得る。解析部17は、他の検査項目のグラフについても同様に類似度を計算する。
対象期間は、複数回の連続する月経周期による期間や、卵胞期t3等の特定の期も可能である。解析部17は、複数の月経周期による期間における体温や月経や女性ホルモン等の周期的な変動の傾向に関して類似性を判定してもよい。出力部18は、ユーザに類似ユーザ情報を出力する際、(c)のようなグラフ比較の情報を提供してもよい。
また本システムは、上記グラフ比較の処理において、基準グラフを用いてもよい。基準グラフは、体温等の要素毎に設定される。基準グラフは、例えば医療機関等により提供される、健康な人の検体の統計データによるグラフがある。基準グラフは、医学的な情報を考慮して本システムにより固有に設定されるグラフでもよい。基準グラフは、医療検査情報52の基準情報の数値範囲に対応して設定される曲線や折れ線のグラフ等がある。
図17の(d)は、所定の検査項目(例:P4)のグラフに関する基準グラフの例を示す。(d)の基準グラフは、滑らかな曲線で構成される。解析部17は、例えば(a)のユーザXの検査項目のグラフに対応する(d)の基準グラフをDB50から読み出す。解析部17は、(a)のユーザXのグラフと、(d)の基準グラフとを重ね合わせて比較し、当該ユーザXのグラフの基準グラフに対する近さを表す指標値を計算する。当該指標値は、上記(c)と同様に、差分値の演算等により計算できる。解析部17は、各ユーザの各種のグラフについて、対応する基準グラフと比較して、指標値を計算する。解析部17は、上記計算した指標値を、各々のユーザ間で比較し、それらの差分値等から、当該要素に関するユーザ間の類似度(R)を計算してもよい。
上記グラフ比較の機能により、ユーザのグラフの類似性による類似ユーザを判定及び抽出できる。ユーザは、自分とグラフが似た他ユーザのグラフを含む情報を閲覧できる。またユーザによるデータ記録が多いほど、上記グラフ比較を含む比較対象のデータが多くなるので、類似ユーザが抽出されやすくなる。よってユーザのデータ記録の意欲も高めることができる。
[解析処理(4)−行動比較及び症状比較]
図18は、S24の解析処理におけるS24Cの行動比較及びS24Bの症状比較の場合の類似ユーザ判定の例を示す。図18の(a)は、ユーザXの月経周期Gaの期間での検査結果グラフと、当該期間に登録されている行動及び症状の情報を示す。検査項目は各種の女性ホルモン{LH,FSH,E2,P4}である。同様に図18の(b)は、ユーザAの月経周期Gbの期間での検査結果グラフと、当該期間の行動及び症状の情報を示す。対象期間である月経周期Ga,Gbは、例えば現在日から直近の過去の月経周期の1回分である。
(a)の月経周期Gaの期間におけるユーザXの登録データにおいて、行動は{運動a,運動b,食事a,食事b}等、症状は{症状a,症状b,症状c,症状d}等である。(b)の月経周期Gbの期間におけるユーザAの登録データにおいて、行動は{運動a,運動c,食事a,食事c}等、症状は{症状a,症状b,症状e,症状f}等である。
解析部17は、比較対象である例えばユーザX,Aの組において、対象期間の行動データを比較する。当該比較で、{運動a,食事a}は同一で共通である。またユーザXの{運動b,食事b}と、ユーザAの{運動c,食事c}とが異なる。
解析部17は、ユーザX,A間で、運動a等の行動種類毎に類似性を判断し、例えば類似性の指標値であるスコアを計算する。解析部17は、例えば行動の値が運動aのように同一の場合は、スコアを+3のように加算する。また行動の値が異なるが「類似」と判断する場合は、スコアを+1のように加算する。また行動の値が異なり「非類似」と判断する場合は、スコアを加算しないか、あるいは−1のように減算する。
行動の「類似」/「非類似」等の判断は、前述のユーザ属性比較等の場合と同様に、類似性の判定用の行動のグループの設定等により可能である。例えば{運動b,運動c等}のグループ、{食事b等}のグループ、{食事c等}のグループ等が設定されているとする。この場合、ユーザXの運動bとユーザAの運動cとは、同じグループに属するので、「類似」の行動と判断される。またユーザXの食事bとユーザAの食事cとは、違うグループに属するので、「非類似」の行動と判断される。
解析部17は、上記ユーザ間での行動の値の比較の結果に基づいて、ユーザ間の行動に関する総合的な類似度(R)を計算する。解析部17は、例えば登録の全行動に関して上記行動毎のスコアを総和することにより当該類似度を得る。同一や類似の行動が多く登録されているほど、当該類似度が高くなる。
解析部17は、行動種類毎の量や頻度や継続性等を考慮して上記類似度を計算してもよい。行動データの登録及び傾向分析の機能により、分析情報56には、ユーザ毎、及び行動種類毎に、登録日数や総時間等の行動量、頻度、継続期間等の情報が格納されている。例えば1ヶ月におけるユーザXの運動aに関して登録日数が10日、ユーザAの運動aに関して登録日数が12日とする。解析部17は、当該情報を用いて、ユーザX,A間の運動aの類似度を、例えば登録日数の差分値により計算する。
症状比較の場合も上記と同様に可能である。解析部17は、ユーザXとユーザAとで症状の情報を比較し、{症状a,症状b}が同一で共通であり、ユーザXの{症状c,症状d}とユーザAの{症状e,症状f}とが異なる。症状cと症状eとが「類似」と判定され、症状dと症状fとが「非類似」と判定される。解析部17は、例えば同一の症状が2個、類似が1個、非類似が1個、等と判定する。解析部17は、症状の種類毎の類似性の指標値であるスコアを、全症状について総和する計算により、症状の類似度を得る。
また解析部17は、症状の類似度の計算で、症状の種類だけでなく、症状の登録日数や症状の度合い等を反映する。例えば症状aとして腹痛有りについて、1ヶ月の登録日数が6日であり、登録日毎に症状aの度合いとして重い/中/軽い、の3値がある。症状の量を計算するため、例えば重い場合は+3、中の場合は+2、軽い場合は+1、等と設定される。1ヶ月におけるユーザXの症状aの量は、例えば重いが1日、中が2日、軽いが3日の場合、1×3+2×2+3×1=10、となる。同様にユーザAの症状aの量が計算され例えば12であるとする。解析部17は、両者の症状aの量の差分値から、症状aの類似度を12−10=2として得る。
上記行動比較及び症状比較の機能により、ユーザ間の行動や症状の類似性による類似ユーザを判定できる。ユーザは、自分と行動や症状が似た他ユーザの行動や症状を含む情報を閲覧できる。
[解析処理(5)−テキスト比較]
S24の解析処理におけるS24Cのつぶやきのテキストの比較の場合の類似ユーザ判定の例は以下である。解析部17は、ユーザ間でのつぶやき等のテキストデータの比較の場合、テキストマイニング機能により、テキストに含まれるワードを解析して、各ワードまたは特定のワードを抽出する。解析部17は、抽出したワード毎に、登録の日数、出現の数、頻度、継続性等を計算する。解析部17は、計算した数値を用いて、ユーザ間でのつぶやきのテキストに関する類似度を計算する。
解析部17は、比較対象ユーザのカレンダーの対象期間のつぶやきのテキストのデータを読み出す。解析部17は、当該テキストデータを対象に解析し、ユーザ間で同一または類似するワードを抽出する。類似のワードの抽出は、例えば前述の類似性のグループの設定情報を用いてもよい。解析部17は、上記抽出した同一や類似のワードの数を計算し、またワード毎に登録日数や出現数等の量を計算する。解析部17は、計算したワードの情報から、ユーザ間のつぶやきのテキストの内容に関する類似度を計算する。
例えば1ヶ月におけるユーザXの登録は、ワードaが3日、ワードbが4日、等であり、ユーザAの登録は、ワードaが2日、ワードcが2日、等とする。ワードbとワードcとは類似のグループとする。ユーザX,A間で、同一のワードの数が1個、類似のワードの数が1個である。解析部17は、例えば同一のワードaの登録日数の小さい方である3日、及び類似のワードb,cの登録日数の小さい方である2日を採用し、類似度を、1×3+1×2=5、のように計算する。
上記つぶやきのテキストの比較の機能により、ユーザ間のつぶやきのテキストの内容の類似性による類似ユーザを判定できる。ユーザは、自分とつぶやきの内容が似た他ユーザのつぶやきを含む情報を閲覧できる。
[解析処理(6)−分析結果比較]
S24の解析処理におけるS24Dの分析結果比較の場合の類似ユーザ判定の例は以下である。解析部17は、比較対象ユーザに関する分析情報56または出力情報58のメッセージ情報58aを参照し、判定用項目である分析種別の分析結果またはメッセージの値を比較し、分析結果に関する類似度を計算する。
例えば体温及び月経の傾向分析の結果の比較の場合において、解析部17は、比較対象のユーザX,Aにおける、複数の月経周期を含む対象期間における、温度差ΔTの傾向の状態を示す値を参照する。例えばユーザXは、過去の2回の月経周期a2の値が{g1,g2}であり、温度差ΔTの値が{ΔT1,ΔT2}である。月経周期a2は、g1,g2が32日であり変動量(g2−g1)は0日であった。またΔTの変動量は(ΔT2−ΔT1)であり、ΔT1は0.3度未満、ΔT2は0.3度以上の良好な状態(いわゆる2相パターンの状態)であった。即ち当該期間ではa2が維持されΔTが改善された。
傾向分析の結果、ユーザXの体温に関する傾向の状態の値は{温度差ΔTの改善}であった。解析部17は、ユーザX,A間で、上記温度差ΔT等の項目に関する変動量や傾向の状態の値を比較し、当該値の近さから、当該項目毎の類似度を計算する。例えばユーザX,Aの上記体温の傾向の状態の値が同じ場合、温度差ΔTの類似度は高い値になる。
解析部17は、上記項目毎の類似度を用いた所定の総合の計算により、ユーザ間の当該分析種別の単位の類似度、例えば体温及び月経の傾向分析の結果の類似度、を計算する。行動抽出等の他の分析種別の分析結果についても上記と同様に類似度を計算できる。更に解析部17は、上記計算した各分析種別の単位の類似度を用いた所定の総合の計算により、ユーザ間の総合的な分析結果に関する類似度を計算できる。
[解析処理(7)−パートナー間比較、ペア間比較]
上記解析処理は、ユーザ情報における各種の項目や要素の比較による類似性の解析であるが、これと同様に、前述のパートナー間での比較による類似性の解析や、ペア単位での比較による類似性の解析が可能である。解析部17は、ユーザのパートナー間で、属性、ヘルス情報や行動情報の要素、グラフ、分析結果のうち所定の1つ以上の項目や要素のデータを比較して、パートナー間の類似度を計算し、当該類似度に応じてユーザ毎の類似ユーザを関係付ける。また、解析部17は、第1のユーザと第2のユーザとのペアの単位で、属性、ヘルス情報や行動情報の要素、グラフ、分析結果のうち所定の1つ以上の項目や要素のデータを比較して、ペア間の類似度を計算し、当該類似度に応じて、第1のユーザ毎の類似ユーザを関係付ける。
[出力情報]
図19は、出力情報58の構成例を示す。図19の(a)はメッセージ情報58aの構成例を示す。メッセージ情報58aは、これから出力する予定の情報、及び過去に出力した情報の履歴を含め、時系列で管理される。(a)のメッセージ情報58aの表は、項目として、日時、出力ID、ユーザ、及びメッセージがある。「日時」は、当該メッセージを出力する日時または出力した日時を示す。「出力ID」は、当該出力の識別情報である。「ユーザ」は、当該メッセージの出力先のユーザ名やユーザID等を示す。「メッセージ」は、出力メッセージの内容のテキスト、またはその参照用の識別情報である。メッセージ情報58aは、メッセージの種別が管理されてもよい。種別は、例えば「傾向分析」「疾患リスク警告」「データ分析」等である。
本例では、出力ID=001は、11月1日、ユーザAに対する気づきメッセージである傾向分析メッセージとして「温度差が0.3度以上になりました。」を示す。これは体温の傾向分析の例である。002は、同様に、検査結果の傾向分析の出力例「前回の検査結果に比べて今回の検査結果ではLH数値が改善しました。」を示す。
003は、疾患リスク警告及び受診勧奨メッセージの出力例「疾患Aの可能性があります。受診をお奨めします。」を示す。これは、疾患の可能性の警告(アラート)、受診勧奨の例である。受診勧奨は、疾患Aへの対処として有効と考えられる特定の治療や検査や医療機関等の受診勧奨等である。
004は、気づきメッセージであるデータ分析メッセージとして、傾向分析結果に応じた行動抽出の出力例「前の月経周期に比べてLH数値が改善しました。これに関連がありそうな過去の行動として、行動Aが挙げられます。」を示す。005は、同様に、行動傾向分析及び行動抽出の出力例「先月は運動Aが〜日行われています。今月は食事Aが〜日行われています。」を示す。006は、同様に、症状傾向分析及び症状抽出の出力例「先月は症状Aが〜日出ています。今月は症状Bが〜日出ています。」を示す。
007は、気づきメッセージであるデータ分析メッセージとして、妊娠支援の出力例「妊娠のしやすさは〜です。パートナーに〜をお奨めします。」を示す。これは、ユーザの妊娠のしやすさ等の状態の通知、パートナーとの妊娠活動に関する行動等のアドバイスやお奨めの例である。
出力メッセージは、URL等のリンクを付属させてもよい。その時のURLは、静的なURLだけでなく、動的に収集したURLとしてもよい。例えば疾患の可能性の警告の場合に、当該疾患の説明情報のページへリンクする。例えば、インターネット上に存在するある単語で収集されたURLである。また受診勧奨の場合に、勧奨の対象の治療や検査の情報提供や、医療機関等の検索及び情報へリンクする。
図19の(b)は、出力情報58の類似ユーザ情報58bの構成例を示す。(b)の類似ユーザ情報58bの表は、項目として、日時、出力ID、ユーザ、類似ユーザ、及び提供情報がある。「日時」は類似ユーザ情報を出力する日時または出力した日時である。「ユーザ」は出力先のユーザの識別情報である。「類似ユーザ」は、提供する類似ユーザ情報の類似ユーザの識別情報である。「提供情報」は、提供する類似ユーザ情報の内容であり、シェア項目の識別情報、またはシェア項目のデータ自体である。
[ユーザ毎の情報を含む画面]
図20は、本システムのサービスの画面の一例として、ユーザ毎の情報を「MYカルテ」として表示する画面を示す。このMYカルテは、本サービスの特有の情報として、ユーザ毎のヘルス状態等を示す総合的な情報である。本画面は、ユーザ属性情報の欄101、体温月経グラフの欄102、検査結果グラフの欄103、カレンダーの欄104、分析結果の出力メッセージの欄105、等を有する。
欄101は、登録のユーザ属性情報51に基づくユーザの各属性の情報を表示する。右側は[治療履歴]や[行動]を表示する例である。[治療履歴]は、前述の「治療」属性の値に基づいた表示例を示す。[行動]は、カレンダー入力情報55及び行動抽出機能に基づいたユーザの主な運動や食事等の表示例を示す。
欄102は、DB50のヘルス情報53A及びグラフデータ54に基づいて、ユーザの体温月経グラフを、図10の例のように表示する。また欄102は、体温及び月経の傾向分析の結果情報を併せて表示してもよい。また体温登録ボタンにより、体温データの登録用の欄がポップアップ等で表示されるか、別の画面へ遷移される。ユーザは、当該欄で、体温の数値を直接入力、あるいは選択肢から選択して登録できる。またグラフへのプロットにより体温を登録可能としてもよい。同様に、月経登録ボタンにより月経日等の情報を登録できる。
欄103は、DB50のヘルス情報53A及びグラフデータ54に基づいて、ユーザの血液検査結果の女性ホルモン等のグラフを、図12等のように表示する。また欄103は、検査結果の傾向分析の結果情報を併せて表示してもよい。また検査結果登録ボタンにより、検査結果データの登録用の欄が表示される。ユーザは、当該欄で、検査結果の数値等を直接入力、あるいは選択肢から選択して登録できる。また欄103は、複数の種類の検査項目がある場合の選択欄を設け、ユーザにより選択された検査項目に応じたグラフを表示する。
欄104は、カレンダーの日付毎に、基礎体温、月経、検査結果、症状、服薬、行動、つぶやき、治療(通院)、等の各種の情報を入力及び記録でき、カレンダー入力情報55に登録されるそれらの各種の情報を閲覧できる。カレンダーの日付で既に情報が登録済みの箇所は、ユーザにより選択操作された場合、登録情報内容が例えば吹き出しや別の欄等で表示される。欄104は、現在日を含む期間の情報を表示する。ユーザは、カレンダーで、上記登録情報の確認、振り返りや思い出し等ができ、各種の行動や通院等の予定の記入やスケジューリングもできる。
欄105は、前述の各種の分析の分析結果に関する最新のメッセージ情報を表示する。メッセージは、他の欄や画面の中で表示されてもよい。
上記画面の各欄や各項目は、ユーザ設定により表示の有無や位置やタイミング等を設定できる。例えば所定の欄は、表示しない時には折り畳まれた状態であり、ユーザが見たい時に選択操作した場合や、特定のタイミングになった場合、自動的に表示に切り替えされる。またグラフ等の各欄の情報は、月日等の時間軸を合わせて並列で表示してもよい。各欄の情報は、履歴が管理されているので、ユーザは、過去の情報を指定し閲覧できる。カレンダーやグラフは、ユーザにより表示の期間を指定できる。ユーザは、上記画面で、自分のヘルス状態に関する各情報を一覧でき、また個別の情報を閲覧でき、自分のヘルス状態をわかりやすく認識できる。
[カレンダーを含む画面]
カレンダーを含む画面例は以下である。カレンダーで登録及び表示する情報の項目として、前述の各種の項目がある。各項目の情報は、選択肢、数値、テキスト、マーク等で登録可能である。選択肢は、本システムにより設定される選択肢、ユーザ設定される選択肢がある。日付の選択は、デフォルトでは自動的に現在日が選択される。カレンダー及び情報入力の方式は以下が挙げられる。
第1の方式のカレンダーは、図20の104の例のように、横軸に日付、縦軸に複数の情報項目を並べる。ユーザは、入力対象の日付と情報項目を選択し、当該日付と情報項目との交差部分に情報が入力される。他の方式は、横軸に情報項目、縦軸に日付でもよい。
第2の方式のカレンダーは、図21の111の例のように、縦横に日付を並べ、1日単位の日付の中に各種の情報項目を設ける。ユーザは、入力対象の日付を選択し、これにより日付単位の入力欄や画面が表示される。当該1日分の入力欄は、図21の112の例のように、複数の情報の項目を有し、ユーザは項目毎に情報を入力する。ユーザは、任意の1日分の情報をまとめて入力できる。
第3の方式のカレンダーは、第1の方式や第2の方式のように日付を選択する方式ではなく、ユーザの端末2の画面に自動的に現在日の1日分の情報の欄を大きく表示する。当該1日分の欄の中に、複数の情報の項目を有する。1日分の欄から、月単位の欄などに遷移可能である。
図21は、第2の方式のカレンダーの場合の画面例及び1日単位の入力例を示す。111は、縦横に週区切りのカレンダーの例である。ユーザは、カレンダーから所望の日付、例えば今日の日付を選択する。選択された1日の入力欄がポップアップ等で表示される。112は、1日の入力欄の例である。1日の入力欄は、情報項目として、例えば月経、体温、タイミング(タイミング法)、通院、治療、服薬、行動(運動療法、食事療法等)、症状、気持ち、つぶやき等がある。各項目は、選択肢やテキスト等で情報を入力できる。この欄の各項目は、デフォルトでは現在日時が登録される。
「月経」項目は、月経日ないし月経有無等を登録できる。「体温」項目は、体温数値を登録できる。例えばリストボックスの選択肢で体温数値を選択できる。「通院」項目は、通院先の医療機関等を登録できる。「治療」項目は、通院先で受けた治療を登録できる。「服薬」項目は、処方され服用する薬剤の名称(もしくは商品名)、量等を登録できる。「行動」項目は、ユーザが行った運動、食事や食品の情報を登録できる。「症状」項目は、各種の症状やストレスの有無等を登録できる。
「つぶやき」項目は、ユーザの気持ち、感情、症状、行動、メモ、コメント等の任意のつぶやきのテキストを登録できる。ユーザは、入力フォームにつぶやきのテキストを入力し、登録ボタンにより登録できる。またテキスト入力の際、「#1201#」のように所定の書式で日付(例:12月1日)の指定が可能である。また「#3665#」のように所定の書式で基礎体温(例:36.65度)等の登録を可能としてもよい。また音声入力ボタンを設けて音声データの登録を可能としてもよいし、画像登録ボタンを設けてカメラの撮影による画像データの登録を可能としてもよい。
本システムは、上記複数の情報の項目に関する個別の項目毎の欄や画面を別に設けてもよい。ユーザは、個別の項目毎の欄や画面で、詳細情報の確認や入力ができる。図21の113は、個別の項目の入力欄の例として、「月経」項目の入力欄である。111のカレンダーや112の入力欄から、ユーザの選択操作に応じて、113のような個別の項目の入力欄へ遷移できる。
113の「月経」項目の入力欄では、月経日ないし月経期を日付範囲の指定で入力できる。この欄は、登録の月経データ及び分析結果に基づき、前回月経日、前回月経期、今回月経周期、予測排卵日、等の情報を表示してもよい。また当該表示情報のリンクから該当のグラフの画面へ遷移してもよい。この欄は、月経に関するつぶやきのテキストの入力項目を設けてもよい。
114は「運動療法」項目の入力欄の例を示す。この欄は、運動の名称や種類、日付、任意のテキスト等を入力できる。この欄は、複数の運動の選択肢を提示し、それらの中からユーザにより選択された選択肢の運動を登録できる。本システムは、よくある行動の選択肢を設定する。またこの欄は、ユーザがよく行う運動をユーザ設定可能である。例えば運動Aの設定としてテキストで“ウォーキング 30分”等と設定できる。これによりユーザは日々の運動の情報の登録の際、選択肢として運動A等が提示されるので簡単に登録できる。他の項目の入力欄においても、頻繁に入力する情報をユーザ設定可能である。
他の例として「治療」項目の入力欄では、治療の名称や種類や詳細、日付、任意のテキスト等を入力できる。例えば治療が「人工授精」である場合、LHの陽性/陰性、卵胞の大きさ、子宮内膜厚、等の情報を入力できる。治療が「体外受精」の場合、体外受精の方法、採卵方法、採卵日、採卵数、卵胞の大きさ、グレード、子宮内膜厚、等の情報を入力できる。また男性ユーザの精子の採精の場合、日付、量、濃度、運動率、等の情報を入力できる。これらの情報は、前述の検査結果としても登録できる。
[1日の入力欄の画面例]
図22は、ユーザの端末2の画面例として1日の入力欄の例を示す。端末2がスマートフォン等の場合である。この画面は、1日の単位でのヘルスデータの記録用の欄を表示する。なお、この画面ではヘルス情報や行動情報等を含めてヘルスデータと総称している。この画面は、情報項目として、排卵テスト、妊娠テスト、タイミング法、分泌物の量、検査結果、等がある。
「排卵テスト」項目は、排卵テストの結果の陽性/陰性を入力できる。「妊娠テスト」項目は、妊娠テストの結果の陽性/陰性を入力できる。排卵テストや妊娠テストは、自己測定(自己検査)の入力でもよいし、医療機関や検査機関による所定の検査結果の入力でもよい。排卵テストや分泌物等の入力データはヘルス情報53Aに格納される。「タイミング法」項目は、性交有無を入力できる。この入力データは行動情報53Bに格納される。「分泌物の量」項目は、分泌物の量を選択入力できる。上記入力情報は、妊娠支援等の分析処理の際に使用される。
「検査結果」項目は、各種の検査の結果の情報を詳細に入力できる。「検査結果」項目は、図示しないが、例えば血液検査等の検査種別、検査の日付、検査機関、検査方法、等の情報を選択肢やテキストで入力できる。「検査結果」項目は、検査項目として前述の各種の女性ホルモンの数値、内膜厚、卵胞の大きさ等の数値を入力できる。
図23は、1日の入力欄の例として、症状やストレスの入力欄を示す。この入力欄は、症状の傾向分析、疾患リスク警告、及び妊娠支援等の分析に係わる、各種の症状及びストレス等の情報を入力できる。この入力欄は、症状の項目では、症状の種類毎に、有無、度合いを選択入力できる。症状の例として、頭痛、腹痛、腰痛、うつ、イライラ、無気力、等である。またストレスの項目は、ストレスの有無や度合い等を選択入力できる。
入力例は、頭痛が有りで度合いが軽い、うつが有りで度合いが重い、及び高いストレス有りを示す。症状やストレスの度合いは、複数の値、例えば軽い/中程度/重い等である。またこの入力欄は、症状や気分等を表すテキストを自由に入力できる。上記入力欄は、複数の疾患に関する汎用的なチェックのために各種の症状を網羅的に入力可能とする例であるが、これに限らず、特定の疾患毎のチェック用の画面が提供されてもよい。
[類似ユーザ情報を含む画面例]
図24は、ユーザ(例:ユーザX)の端末2に類似ユーザ情報を表示する画面例を示す。図24の画面は、類似ユーザ情報を表示する欄として「あなたと似た他のユーザさんの情報」欄を有する。この欄の中に前述の類似ユーザ情報の内容が表示される。この欄の表示は、図20のMYカルテの画面内でもよいし、別の画面でもよい。
図24の欄は、条件の欄241と、類似ユーザのリストの欄242とを含む。条件の欄241は、類似ユーザ判定用の条件の情報を表示する。本例では、条件が類似属性の場合であり、属性及び属性値の情報を含み、例えば{年齢,疾患,治療}の3つである。本例では性別は女性を前提とし、条件は性別を含めると4つの属性である。表示例は「あなたと同じく、(年齢)35歳くらいで、(疾患)不妊症であり、(治療)体外受精をしている人」である。他の表示例は「30代後半で、子宮内膜症と診断されており、体外受精を検討している人」等である。
欄241の条件は、類似ユーザ判定用情報61bの設定に従って決定及び表示される。条件の属性の属性値は、当該ユーザXのユーザ属性情報51の属性項目の設定値と対応している。条件の類似属性は、1つ以上の属性値を用いる。条件は、例えば疾患の属性のみにもできるし、医療機関や既往症、妊娠、パートナー等の属性を付加することもできる。
また欄241の条件は、前述のユーザ設定情報61により、ヘルス情報や行動情報の要素や各種の分析の項目に関しても同様に設定できる。例えば類似要素や類似分析として、月経データ、月経周期、月経周期の変動の傾向、月経に係わる病気、等も設定できる。類似要素が例えば体温及び月経である場合、表示例は「体温月経グラフが似ている人」等となる。他の表示例は「行動が似ている人」「同じ疾患の可能性がある人」等である。また、条件として、「パートナー男性が似ている人」、「ペア単位で似ている人」等も選択可能である。
図24の画面での類似ユーザ情報の表示は、直接、出力対象の類似ユーザ情報の内容であるシェア項目の全情報または一部情報を表示してもよいが、類似ユーザ情報の量が多い場合は一度に全部表示しきれないので、最初は欄242の類似ユーザのリストを表示する。欄242の類似ユーザのリストは、解析情報57の内容に従い、類似順に上から一人以上の類似ユーザの情報が表示される。一人分の類似ユーザの情報の欄の表示は、出力対象の類似ユーザ情報の内容を一部表示してもよいし、概要情報を表示してもよい。概要情報は、ユーザ名、シェア項目等を含む。シェア項目は、公開され閲覧できる項目を示す。概要情報は、類似度や後述の参考度を表示してもよい。
欄242の類似ユーザのリストにおいて、ユーザによる所望の類似ユーザやそのシェア項目の選択操作に応じて、当該類似ユーザの詳細情報を、ポップアップや別の画面等で表示する。当該詳細情報の表示は、例えば図20のMYカルテの画面と同様の表示であり、当該類似ユーザのシェア項目の各情報が表示される。概要情報や詳細情報は、前述の優先出力情報61cの設定がある場合、当該設定の内容に従い、必須の項目の情報のみが表示されるか、優先の項目の情報から順に表示される。上記類似ユーザのリストの表示や優先出力項目に基づく表示により、ユーザは、類似ユーザ情報の内容の閲覧がしやすく、自分が見たい情報を優先的に閲覧できる。
243は、一人の類似ユーザの情報の表示例であり、特にユーザXの所望の項目に関して自分と類似ユーザとで情報部分を比較する形式で表示する例である。比較の項目は、ユーザが任意に選択操作した項目でもよいし、予め設定された項目でもよい。出力部18は、ユーザに類似ユーザ情報を出力する際、解析情報57に基づいて、243の例のように、ユーザ間で同じ部分や違う部分を整理して見やすいようにした比較用の情報を作成し、ユーザの端末2の画面へ表示させる。
243の例は、比較の項目である治療属性に関して、ユーザXと類似ユーザであるユーザCとで、治療履歴を含む治療の状況を示す情報を左右で比較する形式で表示する。治療の状況の情報の例として、年齢、年月、治療名、治療の回数や詳細内容、等を示す。下線付きの箇所は、ユーザXとユーザCとで異なる情報部分の強調表示であり、それ以外の箇所は同じ情報部分である。表示は、同じ部分の強調表示でもよい。243のような比較情報の表示により、ユーザは、自分と類似ユーザとで同じ部分と違う部分とをわかりやすく確認及び理解でき、情報の活用がしやすい。他の例は、ユーザが医療機関の属性を指定した場合、通院や転院を含む病院の比較の情報が閲覧できる。他の例は、ユーザが要素として「行動(運動療法)」を指定した場合、運動の比較の情報が閲覧できる。
他の例として、出力部18は、解析情報57に基づいて、ユーザと類似ユーザとで、類似の項目と非類似の項目とを整理した比較用の情報を作成して同様に提供してもよい。例えば図15の(a)の解析情報57の内容に従い、ユーザXとユーザCとで、類似属性がA,Bであり、非類似属性がC〜Hであることを示す情報が提供される。
他の例として、上記同じ情報部分のみの表示、異なる部分のみの表示、類似部分のみの表示、非類似部分のみの表示、等も可能である。他の例として、各ユーザのグラフ等のデータを並べて表示してもよいし、重ね合わせて表示してもよい。
他の例として、図20のMYカルテ等の画面内に、類似ユーザ情報に関するメッセージの表示欄を設けてもよい。表示例は「あなたと似た他のユーザさんは、ユーザAさん、ユーザBさんです。」「ユーザAさんは、検査結果グラフが似ています。」等である。そして当該メッセージ中のワードのリンクから、類似ユーザ情報の詳細情報が閲覧できる。
他の例として、類似ユーザ情報の評価用のボタンを設けてもよい。ユーザは、上記類似ユーザ情報を閲覧して、それが参考になった場合は、対応するボタンを押す。サーバ1は、このボタンの情報を、当該類似ユーザ情報の評価に反映する。サーバ1は、例えば類似ユーザ情報毎に、上記ボタンの情報を集計し、ユーザの参考や評価を示す指標値である参考度を、5段階評価等で計算する。参考度は欄242のリスト中に星印等で表示される。サーバ1は、参考度を、欄242のリストの複数の類似ユーザの表示の順序に反映してもよい。その場合、ユーザは、評価が高い他ユーザの情報を優先して閲覧できる。
244は、ユーザにより欄242のリストの複数の類似ユーザの情報に関する表示の順序を、類似度や参考度やその他の観点で並び替えできる項目を示す。245は、後述の詳細検索のためのボタンを示す。246は、後述の統計情報の表示のためのボタンを示す。
上記画面に自動的に類似ユーザ情報が表示されるので、ユーザは、類似ユーザの情報を容易に閲覧及び取得でき、自分で情報を探す手間が削減される。また表示された類似ユーザ情報の中にあまり参考になる情報が見つからなかった場合、ユーザ設定による条件の変更もできるし、後述の検索機能204を利用して探すこともできる。
[ユーザ設定の画面例]
図25は、ユーザ毎のユーザ設定情報61に関するユーザ設定の画面例を示す。ユーザは、本画面で、自分に関するユーザ設定情報61の内容を設定できる。本画面は、シェア項目の設定の欄251と、類似ユーザ判定用の条件の設定の欄252と、優先出力項目の設定の欄253とを有する。
欄251は、シェア設定情報61aの設定に対応する。欄251は、図示省略するが、ユーザ属性、ヘルス情報や行動情報の要素、及び分析結果について、それぞれの詳細の項目毎に、ユーザによりシェアの有無が設定できる。ユーザ属性のシェアに関しては、前述の図5Aのユーザ属性情報51の設定でも可能である。
欄252は、類似ユーザ判定用情報61bの設定に対応する。欄252は、対象項目の選択の欄252aと、ユーザ属性の欄252bと、ヘルス情報要素の欄252cと、行動情報要素の欄252dと、分析結果の欄252eとを含む。欄252aは、類似ユーザ判定用の条件とする項目として、ユーザ属性、ヘルス情報要素、行動情報要素、分析結果のうち、少なくとも1つをチェックボタン等で選択できる。選択された項目の詳細な設定は欄252b等で行われる。
欄252bは、各種のユーザ属性のうち、1つ以上を選択できる。欄252bでは、複数の属性の優先順位が設定できる。例えば第1優先が年齢、第2優先が疾患、第3優先が治療である。更に、各属性に、優先順位に関する重み付けの値を設定可能としてもよい。欄252cは、各種のヘルス情報の要素のうち、1つ以上を選択できる。また検査結果等の分類毎に、より詳しく複数の項目を含む場合には、その項目毎に選択できる。同様に、欄252dは、各種の行動情報の要素のうち、1つ以上を選択できる。欄252eは、各種の分析種別の分析結果のうち、1つ以上を選択できる。欄252cや欄252dや欄252eは、ユーザ属性と同様に、複数の要素や分析についての優先順位等を設定可能としてもよい。また欄252では、図示しないが、グラフについても、属性や要素毎に、適用するかどうかを選択して設定可能である。欄252により、組合せの設定を含め、図7等の例のように設定可能である。類似ユーザ判定用の条件は、ユーザ設定によりANDやOR等の論理条件を設定可能としてもよい。
欄253は、優先出力情報61cの設定に対応する。欄253は、優先出力項目を1つ以上選択でき、それらの項目の優先順位を設定できる。欄253は、例えばリストボックスの選択肢から項目を選択できる。欄253は、必須か優先かを設定可能としてもよい。
ユーザ設定に関する他の方式は、画面でユーザによりユーザ設定情報のパターンを設定して保存し、選択利用を可能としてもよい。また本システムにより設定されたユーザ設定情報のパターンを選択肢として提示し、ユーザにより選択利用を可能としてもよい。
[検索機能の画面例]
図26は、検索機能204に関する画面例を示す。本画面は、ユーザにより検索の利用が指示された場合に表示される。本画面は、検索機能204による詳細検索として、ユーザによる条件の指定により他ユーザの情報を詳細に検索するための情報が表示される。本画面は、検索条件の欄261と、検索結果の欄262とを含む。本画面は、DB50の全ユーザの情報を対象に検索する場合を示すが、特定の類似ユーザを対象に検索する場合も同様に実現できる。例えば図24の画面の詳細検索のボタン245から本画面に遷移でき、図24の類似ユーザ情報を対象とした詳細検索が可能である。
検索条件の欄261は、ユーザ属性の各属性及びその属性値を選択入力する欄261aと、ヘルス情報や行動情報の各要素及びその分析結果の値を選択入力する欄261bと、自由なキーワードの入力欄261cとを含む。
欄261aは、ユーザ属性情報51に対応した各属性の属性値をリストボックスの選択肢やテキスト等で入力できる。欄261bは、ヘルス情報や行動情報の要素毎に、分析前または分析後の数値や状態を選択入力できる。例えば体温の項目では、基礎体温、温度差ΔT、温度差ΔTの傾向の状態の値、等を指定できる。例えば「温度差ΔT≧0.3度」「温度差ΔTの改善」等が選択できる。運動の項目では、特定の運動を指定でき、症状の項目では、特定の症状を指定できる。入力欄261cは、検索条件にするキーワードを自由にテキストで入力できる。
検索結果の欄262は、欄261の検索条件による検索結果情報を表示する。欄262の検索結果情報の表示は、例えば図24の欄242と同様に、他ユーザのリストを類似順等で表示してもよい。ユーザによる所望の他ユーザの選択操作に応じて当該他ユーザの詳細情報の表示へ遷移する。検索機能204により、ユーザは多様で詳細な条件で他ユーザの情報を検索して閲覧及び取得でき、有用な情報を探すことができる。
[統計情報の画面例]
図27は、統計機能205による統計情報の表示を含む画面例を示す。本画面は、類似ユーザに関する統計情報を表示する欄271と、全ユーザに関する統計情報を表示する欄272とを含む。本画面は、例えば図24の画面の統計情報のボタン246から遷移できる。欄271と欄272は、一方のみの表示でもよい。
欄271は、あるユーザに対する類似ユーザのシェア情報における所定の項目に関する集計結果を含む統計データの内容を表示する。271aは、注目する所定の項目の情報を表示する。注目する項目は、本システムによる固定の設定でもよいし、ユーザによる選択でもよい。本例は、行動情報要素の行動のうちの運動の場合である。271bは、271aの項目に関して、類似ユーザである複数のユーザにおける登録された各種の運動の情報のうち、例えば該当ユーザ数が多い順に、リストで表示する。例えば運動A,B,Cの順に、当該運動をしているユーザが多いことを示す。また各運動の行毎に、該当ユーザのユーザ名等を表示し、リンクから当該ユーザの詳細情報を閲覧できる。ユーザは、自分と年齢や疾患等の属性で似た他ユーザがしている運動がわかり、参考にできる。
欄272は、全ユーザのシェア情報における所定の項目に関する集計結果を含む統計データの内容を表示する。272aは、注目する所定の項目の情報を表示し、本例はユーザ属性のうちの医療機関の場合である。272bは、272aの項目に関し、全ユーザの医療機関の属性の属性値のうち、例えば該当ユーザ数が多い順に、各種の医療機関の情報をリストで表示する。例えば病院A,Bの順に通院の人数が多いことを示す。272bは、各医療機関の行毎に、病院名等の情報を表示し、また医療検査情報52に基づいて、当該医療機関が提供している治療や検査等の情報を表示する。272bの医療機関や治療等のワードのリンクから詳細情報のページへ遷移できる。ユーザは、他ユーザがどの医療機関を利用しているか、各医療機関がどのような治療や検査を提供しているか、等がわかる。
また272bは、各医療機関の行毎に、該当ユーザのユーザ名等を表示してもよいし、該当ユーザによるつぶやきのテキストの内容をピックアップして表示してもよい。例えばつぶやきのテキスト中から頻出のワードを抽出して表示してもよい。ユーザは、医療機関に関する他ユーザの感想や評価のコメント等を知ることができ、通院先の選択等に参考にできる。
272dは、他の注目する項目の例であり、ユーザ属性として、治療Aを受けた年齢、及び妊娠の状況の場合である。272eは、272dの項目に関する統計情報を表示する。左側は、治療Aを受けた年齢と人数のグラフを表示し、平均年齢等の統計値を表示する。右側は、治療Aを受けた結果による妊娠の成功率のグラフを表示する。ユーザは、他ユーザが治療Aを受けた年齢や人数、治療Aを受けた結果による妊娠の成功率等を知ることができ、参考にできる。
271bや272b等の統計情報のリストについても、複数の行の情報の表示の順序を、ユーザにより該当ユーザ数等の観点で選択して並び替え可能としてもよい。また統計情報のリストの各行の情報毎に、評価用のボタンを設けてもよい。ユーザは当該行の情報が参考になった場合あるいは当該行の運動や病院等を評価する場合、当該ボタンを押す。サーバ1は当該ボタンの情報を集計し、各行の情報毎に、指標値である評価点を計算する。サーバ1は、リストの各行の情報毎に評価点を表示してもよいし、表示の順序に反映してもよい。サーバ1は、つぶやきのテキストの内容の解析に基づいて、各行の情報毎に評価点を計算してもよい。この場合、ユーザは評価が高い情報を優先して閲覧できる。
他の表示例として、サーバ1は、上記統計情報における集計対象の属性等の項目や、リストのうちの属性値等の単位毎に、つぶやきのテキストの解析結果の抽出ワード群を、グラフィカルに関連付けて表示してもよい。例えば各ワードをノードとして出現数に応じてノードの大きさを変えたグラフで表示してもよい。
上述のように、ユーザは、端末2の画面で、類似ユーザ情報に加え、各種の統計情報をわかりやすく閲覧でき、自分の治療等の活動に参考にできる。統計機能205による他の表示例は、同じ疾患や症状を持つユーザ群における、治療の開始や終了の時期や期間、治療の感想や気持ち、各種の検査の経験、産婦人科以外の診療科に係わる疾患や治療の状況、服薬の薬剤、パートナーの状況、治療金額、等の統計情報である。ユーザは、特定の治療や検査等の選択、及び開始や終了に係わる判断もしやすい。
[他の画面例]
図28は、他の画面例として、女性ユーザの端末2における今日1日の単位の情報の表示例を示す。本画面は、「To Do」欄281、「NEW」欄282、「あなたに似た人」欄283、「関連情報」欄284、及びメニュー285を有する。
「To Do」欄281は、今日1日分の「To Do」、即ちすべきことのリスト情報を表示する。ユーザは、例えばカレンダーの画面で日付を選択し、「To Do」情報をテキストや選択肢で登録できる。これによる登録情報が「To Do」欄282に表示される。「To Do」情報の例は、検査薬の購入、通院や検査、運動や食事等の行動の予定等である。
「NEW」欄282は、ユーザのヘルス状態に応じた最新の出力メッセージ情報を表示する。出力メッセージ情報は、前述の各種の分析結果を含む。
「あなたに似た人」欄283は、類似ユーザ情報を自動的に表示する。例えば類似順に類似ユーザがピックアップされ、どの観点で類似するかを示す情報が表示される。ユーザによる類似ユーザの選択により詳細情報の表示へ遷移する。
「関連情報」欄284は、関連情報検索機能により提供する関連検索情報の内容を自動的に表示する。関連情報検索機能は、ユーザ毎のヘルス状態や出力メッセージ及び類似ユーザ情報に係わる関連情報を、インターネットから自動的に検索し、当該関連検索情報を「関連情報」欄284に表示する。関連情報検索機能の処理例は以下である。
サーバ1の分析機能202は、ユーザのヘルス状態の傾向や疾患の可能性等を判定及び検出する。関連情報検索機能は、当該検出のタイミングで、上記分析の処理論理の中で記述されているキーワードや分析結果のメッセージ中に含まれるキーワード、あるいは類似ユーザ情報の中に含まれるキーワード等を元に、インターネットを含む外部の通信網やサーバから、関連情報を自動的に検索する。
関連情報検索機能は、検索結果情報であるURL等のインデックス情報あるいは公開情報自体を、関連検索情報としてDB50に格納する。出力部18は、関連検索情報の内容を、ユーザの端末2の画面内の「関連情報」欄284等に表示する。関連検索情報の内容がURLである場合は詳細のWebページへ遷移できる。関連検索情報の別の表示方法は、出力メッセージや類似ユーザ情報の中のワードからのリンクによる表示でもよい。
上記関連検索情報は、キーワードに関連が深い、Webサイトの公開情報等が取得される。例えばユーザのヘルス状態の分析結果の中に含まれるキーワードとして‘PMS’や‘不妊症’がある場合、当該キーワードに関連する医療情報が取得される。ユーザは、自分のヘルス状態等に係わる関連情報を容易に閲覧及び取得でき、参考にできる。
メニュー285は、機能の選択操作のためのボタンを示し、例えば「HOME」、「グラフ」、「カレンダー」、「パートナー」、「設定」等がある。「HOME」ボタンからはサービスのHOMEの画面等へ遷移できる。「グラフ」ボタンからは、体温月経グラフ等のグラフの画面へ遷移できる。「カレンダー」ボタンからは、カレンダーの画面へ遷移できる。「パートナー」ボタンからは、夫等のパートナーの情報の表示の画面へ遷移できる。「設定」ボタンからは、ユーザ設定用の画面へ遷移できる。パートナーの情報の画面は、例えばパートナーのユーザ属性やヘルス情報や行動情報の入力欄を含み、例えば精液検査等の検査結果データを入力できる。なお女性ユーザがメインで利用する場合も、男性ユーザがメインで利用する場合も、本サービスの各種の機能は同様に実現できる。
[分析例−傾向分析]
分析機能202による分析処理の例を簡単に説明する。傾向分析の処理の例は以下である。体温及び月経の傾向分析の場合、分析部16は、ユーザの登録データから、月経周期a2や温度差ΔT等の所定の項目の数値を算出する。分析部16は、項目毎に、所定の基準情報の数値との比較に基づいて、絶対値の良し悪し、相対的な改善や悪化や維持等の傾向を判定及び検出する。分析部16は、項目毎に、対象期間での時系列での変動量を算出し、分析情報56に記録する。変動量は、例えば前後の月経周期a2での差分値である。分析部16は、項目の変動量と、所定の数値とを比較し、傾向の状態を判定する。
分析部16は、上記ユーザのデータの時系列の数値の変動における周期的な安定性やパターンを、基準情報の数値範囲または基準グラフとの比較に基づいて、判定及び検出する。分析部16は、例えばユーザの過去の対象期間の月経周期a2等の数値の変動をみて、当該変動が小さい場合は周期的な安定性が高く良好な状態であり、当該変動が大きい場合は周期的な安定性が低く不良な状態であると判定する。
検査結果の傾向分析の場合、分析部16は、検査結果データの検査項目の複数の種類の女性ホルモンの時系列の数値について、個別の女性ホルモン毎に、基準情報を参照しつつ、傾向の状態を判定及び検出する。分析部16は、複数の女性ホルモンの組合せについて、基準情報を参照しつつ、傾向の状態を総合的に判定する。分析部16は、上記女性ホルモンと、体温や月経の数値、月経周期a2等の数値との関係を含めて総合的に状態を判定する。
本システムは、上記傾向分析の結果による、傾向の状態の値、変動量、周期的な安定性、パターン、基準との近さの指標値、等の情報を、ユーザに提供する。
[分析例−疾患リスク警告]
疾患リスク警告の処理例は以下である。分析部16は、前述のユーザの各要素の組合せにおける傾向分析等の結果と併せつつ、女性に特有の各種の疾患の可能性を推定しチェックする。処理定義情報59は、当該チェック対象の疾患等に応じた処理論理や基準情報が設定される。なお本分析は、あくまで固有の緩やかな推定であり、医療機関による医学的な診断ではなく、出力は参考情報である。この旨はユーザに通知される。以下、特定の疾患の例として、疾患A=PMS(月経前症候群)とする。
疾患Aのチェックに関する処理定義情報59は、例えば医学的に疾患Aとの関連が推定される特定の症状や行動の値、疾患Aの場合の体温や月経や女性ホルモン等の数値に関する基準情報、並びに対象期間等が設定される。
分析部16は、ユーザのユーザ属性情報51の「疾患」や「既往症」の値を参照し、現在または過去の疾患A等の状態の該当や、疾患Aに関連する他の疾患の状態の該当を確認する。分析部16は、対象期間におけるユーザの症状データを参照し、症状の傾向分析に基づいて、症状の良し悪し、改善や悪化等の傾向を判定及び検出する。分析部16は、疾患Aに関する処理定義情報59に基づいて、ユーザの症状データから、疾患Aに関連すると考えられる特定の症状及びストレスを抽出する。例えば軽い頭痛有りの症状a、重いうつ有りの症状b、及び高いストレス有り、等が抽出される。
分析部16は、疾患Aに関連すると考えられる、対象期間における、体温や月経や女性ホルモン等のデータを参照し、それらの傾向分析の結果から、傾向を把握する。分析部16は、例えば月経日、月経周期、温度差、女性ホルモン、運動、食事、及びつぶやき中の気持ち等の情報を参照する。
分析部16は、上記処理定義情報59及び参照情報を用い、ユーザの症状の傾向を含むヘルス状態に基づいて、ユーザが疾患Aに該当する可能性を推定する。分析部16は、当該疾患Aの可能性を、有無、あるいは3値以上のレベルや率(%)等の形式で判定する。分析部16は、例えば特定の複数の症状がすべて抽出された場合、疾患Aの可能性が有りまたは可能性が高い等と判定する。分析部16は、例えば抽出された特定の症状の数が、基準の数以上である場合、疾患Aの可能性有り等と判定してもよいし、特定の症状の度合いが、基準の度合いを超える場合、疾患Aの可能性が有り等と判定してもよい。
他の例では、分析部16は、月経周期a2等の所定の項目の数値またはその変動量が、所定の基準の数値を超える場合、特定の疾患の可能性が有りと判定する。分析部16は、例えば複数の種類の女性ホルモンの組合せの数値が、所定の基準の条件を満たす場合、特定の疾患の可能性が有りと判定する。
疾患リスク警告や症状の分析の際に、つぶやきのテキストを用いて分析する場合、分析部16は、テキストマイニングにより、テキスト中に含まれる症状や気持ち等を表すワードを抽出する。例えば“気分が良い”等のポジティブワードや、“気分が悪い”等のネガティブワードである。分析部16は、抽出ワード数等からヘルス状態を判定する。
[分析例−行動抽出]
行動抽出に係わる分析例及び解析例は以下である。分析部16は、処理定義情報59に基づいて、行動抽出処理として、ユーザ毎に、ヘルス状態の改善に役立つ行動として、食事や運動を含む行動を抽出する。分析部16は、抽出した行動を含む行動支援情報を生成する。例えばPMSに関して、一般的に改善に役立つ食事の例としては、未精製の穀類、ビタミンA,C、海草、ビタミンB6、ナッツ類、植物油、大豆製品、が挙げられる。また、運動の例としては、お風呂、睡眠、月経1〜2週間前の適度な運動、が挙げられる。分析部16は、ユーザにおける排卵日から月経開始日までにおけるPMSの症状と、上記例のような行動との相関関係を分析する。即ち、分析部16は、ユーザのPMSの症状が改善や悪化した結果に対し、影響を与えた可能性がある食事や運動を抽出し、時系列でデータを蓄積する。
解析部16は、ユーザ間で、所定の組合せで類似性を解析し、類似ユーザを関係付ける。解析部16は、例えば、第1のユーザについて、所定の属性等で類似する類似ユーザである第2のユーザ等を関係付ける。ここで、第1のユーザは、PMSの症状が改善していない状況とし、第2のユーザは、PMSの症状が改善している状況とする。第1のユーザは、PMSの疾患及び症状とそれに影響する行動に興味があり、優先出力項目としてPMSの疾患及び症状、行動が指定されている。
解析部16は、行動抽出処理の結果に基づいて、第1のユーザの類似ユーザのうち、PMSの症状が改善している第2のユーザと、第2のユーザのPMSの症状の改善に役立ったと推定される行動とをピックアップする。解析部16は、その第2のユーザの行動のうち、第1のユーザの行動とは異なる行動をピックアップし、第1のユーザへの行動支援情報の一部とする。解析部16は、その第2のユーザ及び行動を含む行動支援情報を、類似ユーザ情報の一部とし、解析情報57及び出力情報58に反映する。
出力部18は、上記出力情報58及び第1のユーザの優先出力項目に基づいて、第1のユーザの端末2の画面に、第2のユーザの共有情報、及び行動支援情報を出力する。出力部18は、画面で、行動に関し、第1のユーザと第2のユーザとで、類似部分と非類似部分とを、図24の243の例と同様に比較表示する。類似部分は、所定の属性等である。出力部18は、非類似の情報部分として、第2のユーザのPMSの症状の改善に役立ったと推定される行動、特に、第1のユーザが行っていないが第2のユーザが行っている行動を、優先的に表示する。これにより、第1のユーザは、第2のユーザの行動を参考に、PMSの症状を改善するための行動を試すことができる。
[分析例−妊娠支援]
妊娠支援機能は、女性の自然妊娠及び出産等を支援し、女性ユーザと男性ユーザとのパートナーの関係での妊娠活動を支援する。妊娠活動は、治療や行動等を含む。妊娠支援機能は、男女のパートナーの各ユーザのヘルス状態をケアし、当該ヘルス状態に即して、妊娠活動に関するアドバイスやお奨め等のメッセージ情報を含む妊娠支援情報を提供する。これにより、男女のパートナーのヘルス状態が良好で生殖能力や活動性が高い状態となるようにして、男女の妊娠活動を促し、妊娠の可能性や成功率を総合的に高める。
妊娠支援機能は、女性ユーザの体温、月経、女性ホルモン、子宮や卵巣等を含む生殖能力に係わる状態を把握及び分析する。妊娠支援機能は、男性ユーザのホルモン、精巣等を含む生殖能力に係わる状態を把握及び分析する。妊娠支援機能は、男女のパートナーの双方について不妊等の原因を分析する。妊娠支援機能は、男女のヘルス状態を改善し、自然妊娠がしやすい状態となるように、不妊の原因の分析結果やそれに対するアドバイスを含む妊娠支援情報を生成し、参考情報としてユーザに提供する。
分析部16による妊娠支援機能の処理例は以下である。分析部16は、ユーザのユーザ属性情報51、各種のヘルス情報や行動情報、傾向分析等の分析結果を用いて、所定の処理定義情報59に基づいて、ユーザの生殖能力、妊娠や不妊に係わるヘルス状態を判定する。分析部16は、当該ヘルス状態に応じて、妊娠支援情報を生成し、ユーザの端末2の画面に送信して表示させる。妊娠支援情報は、男女のパートナーでの妊娠活動を活性化するための行動等のアドバイスやお奨め等の情報を含む。
妊娠支援機能は、例えば妊娠の成立に大きく関係する排卵日の推測処理を行う。分析部16は、各種のユーザ入力データを用いて、排卵日を推測し、排卵日の推測の結果の情報をDB50に蓄積する。妊娠支援機能は、推測した排卵日の情報を含む妊娠支援情報をユーザに提供する。排卵日の推測の処理は各種可能である。
分析部16は、単独のユーザの単位における、自然妊娠のしやすさ等の状態を、固有の指標値として算出してもよい。また分析部16は、パートナーである女性ユーザと男性ユーザとのペアについて、両者のヘルス状態の分析結果に基づいて、当該ペアの単位における妊娠のしやすさ等の状態を、本システム固有の指標値として算出してもよい。妊娠支援機能は、上記妊娠のしやすさ等の指標値を含む妊娠支援情報をユーザに提供してもよい。
[効果等]
以上説明したように、本実施の形態のヘルスケアシステムによれば、ユーザの体温や検査結果を含むヘルス状態や医療情報に関する取得の支援、ユーザのヘルス状態や医療情報に関するアドバイス等の提供情報の充実及び高度化、ユーザのデータ入力の手間の削減並びに動機及び意欲の確保、等を実現できる。これらにより総合的にユーザのヘルス状態のケア及び治療や検査の支援ができる。
本システムは、ユーザ群においてユーザ属性やヘルス情報や行動情報や分析結果等の情報をシェアし、各ユーザに対して類似ユーザのシェア情報を自動的に提供する。本システムは、ユーザ群のヘルス状態に係わるシェア情報を用いて自動的に類似ユーザを解析して類似ユーザ情報を提供する。ユーザは、自分と状況等が似た他ユーザのヘルス状態を含む各種の情報を容易に閲覧及び取得できる。各ユーザは、自分と似た他ユーザが、どのような属性やヘルス状態で、どのような治療や検査や行動をしているかを知ることができる。またユーザは、他者の気持ちや考え、体験や対処等を知ることができる。
従来のサービスは、ユーザが、自分と状況等が似た他者を意識して探し、他者の持つ有用な情報を得ることは、手間が大きく、難しかった。本システムは、従来よりも、ユーザ間での医療情報等の取得や共有に手間が大幅に少ない。ユーザは、自分で比較対象の他者をインターネット等から探して有用な情報を取得する手間が削減され、少ない手間で有用な情報を発見しやすい。
ユーザは、類似ユーザ情報を見ることで、自分のヘルス状態に関する気付きが得られる。ユーザは、有用な情報が類似ユーザ情報の形で自動的に得られるので、他者との比較で、自分一人では意識していない点について、気付きが得られやすい。またユーザは、類似ユーザ情報を見て、自分と他者とで類似の情報部分や、異なる情報部分等を認識でき、わかりやすい。
ユーザは、類似ユーザ情報を見てその中の有用な情報を参考にでき、自分のヘルス状態の維持や改善のために、どのような治療や検査、医療機関や行動等を選択すればよいか、判断がしやすく、実際の受診や妊娠活動等に活かしやすい。ユーザは、自分の疾患や不妊の可能性を意識して早めの対応を図りやすい。ユーザは、例えば自分と同じ病状の他者が、自分とは異なる治療や検査や行動等をしている事例を知ることができ、参考にできる。
本システムは、ユーザに、類似ユーザ情報、詳細検索情報、統計情報、関連検索情報等を提供し、ユーザの治療や検査を含む活動を支援する。ユーザは、それらの多様な提供情報を参考にして、検査結果等の医療情報の理解や判断もしやすい。またユーザは、それらの多様な提供情報から、複数の治療や検査、複数の行動等の情報が得られ、それらの情報を選択の候補として比較検討ができる。ユーザは、特定の人ではなく、複数の色々な人の情報が得られるので、偏りが避けられる。
ユーザは、サービスの選択やユーザ設定に応じて、所望の多様な条件で類似ユーザや他ユーザの情報を得られる。ユーザは、所望の項目の情報をシェアし、当該項目の情報を類似ユーザ情報として得られる。またユーザは、属性やヘルス情報や行動情報や分析結果等、自分と所望の観点で似た他ユーザの情報を類似ユーザ情報として得られる。またユーザは、所望の項目の類似ユーザ情報を必須または優先で効率的に閲覧できる。
本システムは、分析機能202により、各ユーザに、個人毎の分析結果及びメッセージ等の情報が提供される。各ユーザは、自分の分析結果及びメッセージ等の情報から、自分のヘルス状態をわかりやすく認識できる。そして本システムは、解析機能203により、各ユーザに、類似ユーザ情報が自動的に提供される。よって、ユーザは、自分と他者との比較で、ヘルス状態等に関する気付きが得られやすい。
本システムは、医療検査情報52を用いて複数の医療機関や検査の情報を包括的及び個別的に管理し、ユーザ毎の治療や検査に合わせた支援を提供すると共に、ユーザ群の類似ユーザの解析に利用する。本システムは、医療検査情報52等を用いて、ユーザ群のシェア情報を比較可能に整理し、類似ユーザの解析処理を背景で自動的に実行し、比較対象のユーザやデータを判断する。各ユーザは、自分で類似ユーザやその情報を判断する難しさが低減される。
ユーザは、自分の年齢や疾患や治療、妊娠やパートナー等の各種の属性について、類似ユーザとの比較で閲覧できる。よって、ユーザは自分の状況に関する気付きが得られやすい。ユーザは、例えば治療や検査の経験者、妊娠の成功者、あるいは治療を止めた人や妊娠を諦めた人、等の情報も得られる。ユーザは、自分の年齢、時間、金額等も考慮して、治療等の継続や終了の判断もしやすい。ユーザは、他ユーザの治療の詳細等の情報も得られるので、判断もしやすい。
ユーザは、自分の体温や月経や女性ホルモン、行動や症状やつぶやき、及びそれらの傾向の状態を、類似ユーザとの比較で閲覧できる。よって、ユーザは自分のヘルス状態に関する気付きが得られやすい。ユーザは、グラフの比較を含め、他者との間で時系列のデータ及び情報を比較できる。ユーザは、他者との比較により、自分にあった行動を探しやすく、行動や治療等に取り組む意欲も出やすい。ユーザは、他者のつぶやきのコメントを参考に、治療や医療機関等の判断もしやすい。
ユーザは、分析結果に基づいて、自分の疾患の可能性や、妊娠や不妊に係わるヘルス状態、妊娠活動に係わる状態を、他ユーザとの比較で閲覧できる。よって、ユーザは疾患や妊娠に関する気付きが得られやすく、治療や妊娠活動に取り組む意欲も出やすい。
本サービスは、傾向分析や行動抽出のように、ユーザの時系列のデータを管理及び分析する機能を含むので、類似ユーザ情報の内容は、他ユーザの時系列での状態の変動に関する情報を含む。ユーザは、類似ユーザ情報で他ユーザの時系列での状態の変動を含めて観察できる。ユーザは、例えば治療や行動等の推移や帰結を含め知ることができ、判断の参考にしやすい。
本システムは、入力補助機能を含め、データ入力の負担を低減し容易にする仕組みを含む。よって、ユーザは、各データの入力の手間が少なくて済み、データを継続的に登録する意欲も持ちやすい。ユーザ入力によるシェア情報が多く正確であるほど、提供される類似ユーザ情報が充実し、参考にできる情報が増える。よって、ユーザは日々の継続的なデータ入力の意欲を持ちやすい。
本システムは、産婦人科を含む診療科におけるユーザの治療や検査、妊娠等の活動の最中やその前後の段階にわたって、継続的にユーザを支援できる。本システムによるサービスは、複数のユーザが参加して他者と情報をシェアする。よって、各ユーザは、自分と似た他者の存在を知り、他者と一緒に治療や妊娠活動に取り組むような感覚を持つことができる。ユーザは、他者との間で不安や喜び等を含む気持ちも部分的に共有できる。
本システムは、医療等に関するユーザ間での情報のシェア、蓄積、及び解析を含む仕組みにより、広くユーザ及び医療等を支援できる。本システムは、母集団データ、即ち多数の人の検体のデータの存在を前提とせずに適用可能である。
本発明は、上記実施の形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。他の実施の形態として以下が挙げられる。本システムは、ユーザの端末2のアプリ20でのユーザ入力によるデータ量やデータ入力された日数、特にシェア情報の量、等をカウントして指標値として管理する。サーバ1は、上記指標値を記憶し、アプリ20の画面に表示する。本システムは、上記指標値に応じて、ユーザにサービス上の特典等を与えてもよい。これによりユーザは、いっそうデータ入力の意欲が持ちやすい。
前述の検査結果データは、医療機関や検査機関によるヘルス状態の判定結果の情報、例えば女性ホルモンの良否や疾患の可能性等の情報、を含んでもよい。サーバ1は、ユーザ毎に上記検査結果データ内の判定結果の情報を登録して、解析部17による類似ユーザの解析に利用してもよい。即ち、サーバ1は、外部から所定の分析の分析結果情報を登録し、その分析結果情報を、ユーザ間の類似性の解析に利用してもよい。
本システムは、ユーザ群による各種の登録データや類似ユーザ情報等の提供情報が、DB50に履歴として蓄積され、各ユーザは、蓄積情報を活用できる。本システムは、蓄積されたシェア情報や統計情報を、ユーザだけでなく医療機関等に提供してもよい。例えば疾患や症状に関するユーザ群のデータの提供により、医療の発展に貢献できる。