JP2018005042A - トナー、トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法 Download PDF

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大輔 渡邉
Daisuke Watanabe
大輔 渡邉
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Akira Nakabayashi
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Abstract

【課題】粒子構造体による光沢感が高い画像を形成できるトナー、そのようなトナーの製造方法、そのようなトナーを用いて画像を形成する方法、およびそのようなトナーを用いて画像を形成する装置を提供すること。【解決手段】本発明に係るトナーは、水溶性モノマー、開始剤および配列したときに構造色を観察可能な粒子を含む、流動性のコア部と、熱可塑性樹脂を含むシェル部と、を含む。上記トナーは、二次乳化法によって製造することができる。上記トナーは、定着した画像に活性光線を照射する光照射部を有する画像形成装置によって画像を形成可能である。【選択図】図1

Description

本発明は、トナー、トナーの製造方法、画像形成装置および画像形成方法に関する。
卒業証書などの証明書、および企業または公官庁での表彰状または感謝状などの画像は、枠などに金色などの光輝性の画像を用いて華やかさおよび豪華さを演出している。このような画像を紙などの記録媒体上に形成するときは、枠体および文書などは同一であるが、名前および所属などの画像の一部のみが異なる画像を、大量に形成することが求められる。これらの画像は、枠などの同一部分が予め印刷された専用紙に、異なる部分を手書きして、形成されることが多い。しかし、専用紙はコストが高く、専用紙を業者に発注する場合には、大量の枚数でないと受け付けてもらえないことが多いため、例えば枠のデザインの変更などの仕様変更は容易には行えなかった。
昨今のパソコンによる画像作成能力の向上および画像形成装置の性能向上にともない、これらの光輝性の画像も、複写機によって記録媒体上に形成することが可能となっている。光輝性の画像は、高い光沢を呈する特殊な着色剤を含む特色トナーによって形成することができる。
上記特色トナーとして、反射性の物質(たとえばアルミニウムなど)の薄片または微粉末を色材として含有するトナーが知られている。たとえば、特許文献1には、雲母などの薄片状無機物質に二酸化チタンおよび黄色酸化鉄からなる反射性の薄層を被覆させた顔料を着色剤として用いるトナーが記載されている。また、特許文献2には、銅、亜鉛およびアルミニウムを主成分とした反射性の合金の微粉末を着色剤として用いるトナーが記載されている。また、特許文献3〜特許文献6には、光を反射するフレーク状(薄片状)の物質を着色剤として用いるトナーが記載されている。
一方で、均一な粒子径を有する球形の粒子が少なくとも部分的に配列した構造(以下、均一な粒子径を有する粒子が少なくとも部分的に配列した構造を単に「粒子構造体」ともいう。)から観察される構造色は、高い光沢を有することが知られている。
上記粒子構造体に入射した光は、上記粒子構造体を構成する粒子の表面または内部などで反射して、粒子構造体から出射する。このとき、上記粒子の様々な位置で反射した光はそれぞれ異なる光路長を有するため、これらの異なる光路長を有する光が干渉して特定の波長のエネルギーが強まった光が粒子構造体から出射する(以下、粒子構造体での干渉により特定の波長のエネルギーが強くなった出射光を、単に「干渉光」ともいう。)。そのため、上記粒子構造体からは、上記干渉によってエネルギーが強まった波長に対応する構造色が観察される。このとき、上記粒子構造体は従来の色材に比べて光の吸収が少ないため、高い光沢を有する構造色を観察することが可能である。
なお、上記粒子構造体が長距離秩序性を有する結晶構造(以下、単に「結晶構造」ともいう。)を形成すると、画像から観察される構造色の色味が観察する角度によって異なる特徴を有する(以下、単に「画像の角度依存性が高い」ともいう。)。これは、結晶構造の粒子構造体では、粒子が長距離秩序を有する層を形成しており、入射光が層間で反射して、ブラッグの法則による干渉光が多く生じるため、干渉によるエネルギーが強まる波長が粒子構造体に入射する光の入射角および粒子構造体から出射する光の出射角(粒子構造体を観察する角度)によって異なるためだと考えられる。一方、上記粒子構造体を、短距離秩序を有するアモルファス構造とすることで、層間での反射を抑制して、粒子での反射による、観察する角度によらずにほぼ同程度の色味を有する(以下、単に「画像の角度依存性が低い」ともいう。)構造色の観察を可能にすることもできる。
また、上記干渉によりエネルギーが強まる波長は粒子径によって定まるため、粒子径を調整することで、赤、緑および青など特定の色に対応する波長のエネルギーが強い光を上記粒子構造体から出射させ、観察される構造色をこれらの色にすることも可能である。
特許文献7および特許文献8には、上記粒子が液体状の媒体に分散された組成物が開示されている。特許文献7には、上記組成物から媒体を除去することで、上記粒子が配列し、粒子構造体が形成されると記載されているが、媒体を除去する具体的な方法は記載されていない。特許文献8には、組成物をスピンコート法などで基材上に供給することで、基材上に粒子構造体からなる構造色を観察可能にできると記載されている。
特開昭62−100770号公報 特開平9−160298号公報 特開2002−351144号公報 特開2004−61822号公報 特開2003−207941号公報 特開2013−73017号公報 特開2015−197554号公報 特開2010−58091号公報
特許文献1〜特許文献6に記載のトナーによれば、光沢が高い画像を形成できるとされている。しかし、本発明者らの検討によると、特許文献1〜特許文献6のいずれに記載されているトナーにもよっても、箔画像のように全面が滑らかな光沢感を出すことが可能であるとはいえなかった。また、これらの技術を進展させて、これ以上光沢感を高める得る技術も、未だ開発されていない。そのため、特許文献1〜特許文献6に記載の方法とは異なる原理によって光沢感を出すトナーの開発が望まれていた。
これに対し、特許文献7および特許文献8に記載の粒子構造体によれば、より光沢が高い画像を形成することができると期待される。しかし、特許文献7および特許文献8のいずれにも、粒子構造体をある程度広い範囲に一様に形成する技術しか開示されておらず、トナーのように精細な画像を形成するための方法は記載されていない。トナーを用いた画像形成方法によって粒子構造体による光沢が高い画像を形成する方法は、いまだ着想すらされていない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、粒子構造体による光沢感が高い画像を形成できるトナー、そのようなトナーの製造方法、そのようなトナーを用いて画像を形成する装置、およびそのようなトナーを用いて画像を形成する方法を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明の一実施形態は、配列したときに構造色を観察可能な粒子を含む、流動性のコア部と、熱可塑性樹脂を含むシェル部と、を含むトナーに関する。
また、上記課題を解決するための本発明の他の実施形態は、配列したときに構造色を観察可能な粒子を含む液体を、第1の乳化剤で乳化させて第1乳化液を調製する工程と、前記第1乳化液と熱可塑性樹脂とを混合して得られる液体を、第2の乳化剤で乳化させて第2乳化液を調製する工程と、前記第2乳化液から粒子状のトナーを分離する工程と、を含む、トナーの製造方法に関する。
また、上記課題を解決するための本発明の他の実施形態は像保持体と、前記像保持体の表面を帯電する帯電部と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、前記静電潜像を上述したトナーでトナー像として現像する現像部と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写部と、熱圧力の印加により前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる定着部と、活性光線の照射により前記定着したトナー像を硬化させる光照射部と、を備える画像形成装置に関する。
また、上記課題を解決するための本発明の他の実施形態は、像保持体の表面を帯電する工程と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像を上述したトナーでトナー像として現像する工程と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する工程と、熱圧力の印加により前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる工程と、活性光線の照射により前記定着したトナー像を硬化させる工程と、を含む画像形成方法に関する。
本発明により、粒子構造体による光沢感が高い画像を形成できるトナー、そのようなトナーの製造方法、そのようなトナーを用いて画像を形成する装置、およびそのようなトナーを用いて画像を形成する方法が提供される。
図1Aは本発明の一実施形態におけるトナーを表す模式図である。 図2Aは上記本発明の一実施形態における別のトナーを表す模式図である。図2Bは上記本発明の一実施形態におけるさらに別のトナーを表す模式図である。 図3は本発明の一実施形態におけるトナーを用いて画像を形成するときに、粒子構造体が形成される様子を示す模式図である。 図4は従来のトナーを用いて光輝性の画像を形成するときの様子を示す模式図である。 図5は本発明の別の実施形態におけるトナーの製造方法のフローチャートである。 図6は本発明の別の実施形態における画像形成装置の構成を示す模式図である。 図7は本発明の別の実施形態における画像形成方法のフローチャートである。
本発明者らの検討によると、従来のように反射性の物質の薄片を含有させたトナーを用いて形成した画像では、入射した光が上記薄片で散乱し、または上記薄片の間を透過して十分に反射できないため、画像の光沢が十分に高まりにくいと考えられる。これに対し、アモルファス構造の粒子構造体によれば、光が入射する角度によらず構造色粒子での干渉によって構造色を観察できるため、光の散乱による観察される光沢の低下を抑制できると考えられる。また、アモルファス構造の粒子構造体では、構造色粒子を隙間なく配列させることができるため、光の透過による光沢の低下も抑制できると考えられる。
ここで、トナーによって粒子構造体を形成するためには、トナーの内部に均一な粒子径を有する粒子(以下、単に「構造色粒子」ともいう。)を多数含ませておく必要がある。しかし、単にトナーの内部に単離した構造色粒子を含ませて従来の方法で画像を形成するのみでは、構造色粒子が十分に配列しにくく、粒子構造体は形成されにくい。構造色粒子を配列させるためには、画像形成時に構造色粒子がある程度の広さを有する領域を自由に流動する必要があり、そのためには構造色粒子が流動性のある環境下に存在し、かつ、複数のトナーが合一して上記流動性のある環境がある程度の体積になる必要があると考えられる。一方で、構造色粒子が自由に流動しすぎると、長距離秩序性を有する結晶構造が形成されてしまい、画像の角度依存性が高くなってしまう。そのため、画像の角度依存性を低くして、たとえば金色に近い色味を観察する角度によらずに発現させるためには、構造色粒子の流動を制御し調整する必要もある。
本発明者らは、上記着想に基づき、コアシェル型のトナーにおいて、コア部が構造色粒子と活性光線の照射によって硬化するモノマーとを含む流動性の構成であり、シェル部が熱可塑性樹脂を含む構成であるトナーを開発した。このトナーによれば、記録媒体上で熱圧力を印加することでシェル部を変形させ定着させ、同時にシェル部に覆われた流動性のコア部内で構造色粒子を少なくとも部分的に配列させ、その後活性光線を照射してコア部を硬化させることで、粒子構造体が記録媒体上に定着してなる画像を形成することができる。
具体的には、上記トナーの一実施形態は、図1に模式的に示すトナー100のように、構造色粒子10を含有する流動性のコア部50と、シェル部60と、を含む。図1に示すように、トナー100は、コア部50に、水溶性モノマー20および開始剤30をさらに含有してもよい。また、図2Aおよび図2Bに模式的に示すように、トナー100は、コア部50に、光吸収性材料40をさらに含有してもよい。
図3に示すように、トナー100は、記録媒体P上で熱圧力を印加されると、シェル部60を構成する熱可塑性樹脂が軟化および変形して隣り合うトナー同士が合一し、複数のトナー100のコア部50に由来する流動性のコア部50aが上記複数のトナー100のシェル部60に由来する定着樹脂60aに被覆されて、記録媒体Pの表面に定着する。このとき、流動性のコア部50aでは構造色粒子10が移動して部分的に結晶化する。しかし、定着樹脂60aが皮膜または隔壁として作用し、コア部50aでの構造色粒子10の自由な移動を適度に制御するため、長距離秩序を有する結晶構造は形成されず、短距離秩序を有するアモルファス構造の粒子構造体15が形成される。トナー100では、さらに、活性光線を照射することで、水溶性モノマー20が重合および架橋して硬化して粒子構造体15を保持する保持体50bとなり、粒子構造体15の形状を維持しやすくする。
一方で、図4に示すように、樹脂製のバインダー410および反射性の物質(たとえばアルミニウムなど)の薄片420を含む従来のトナー400を用いて記録媒体P上に画像を形成すると、定着させるための熱圧力の印加により硬化したバインダー410a中に分散された薄片420は、記録媒体Pに対して様々な角度で傾斜しており、また、薄片420の間には多くの隙間が生じやすい。このような画像では、入射した光の一部は、傾斜した薄片420によって多様な角度に反射して様々な方向へ散乱するため、見る角度によっては光沢が十分に観察できないおそれがある。また、このような画像に入射した光の別の一部は、薄片420同士の間に多く存在する隙間を透過して十分に反射できないため、光沢が十分に高まらない。
また、トナー100を用いれば、光の吸収が少ない粒子構造体から反射して得られる干渉光による、より光沢が高い画像を形成することができると期待される。また、上記粒子構造体から観察される構造色は、従来の染料や顔料と異なり、反射スペクトルがシャープな形状を有するため、上記トナーを用いれば、色純度がより高い色を観察可能にできると期待される。また、上記粒子構造体は光の吸収が少ないため、特定の波長の光を吸収して色味を呈する従来の顔料や染料とくらべて、光のエネルギーによる経時劣化が生じにくい。さらには、上記粒子構造体は、構造色粒子の粒子径を変更するだけで観察される色味を容易に変更できるため、色ごとに異なる化学構造を有する色材を開発する必要がある従来の顔料や染料に比べて、新たな色味を発現するトナーの開発が容易である。
以下に、本発明の代表的な実施形態を詳細に説明する。
1.トナー
本発明の一実施形態は、構造色粒子、水溶性モノマーおよび開始剤を含む流動性のコア部と、熱可塑性樹脂を含むシェル部と、を含むコアシェル型のトナーに関する。図1に模式的に示すように、本実施形態に係るトナー100は、構造色粒子10を含有する流動性のコア部50と、シェル部60と、を含む。図1に示すように、トナー100は、コア部50に、水溶性モノマー20および開始剤30をさらに含有してもよい。また、図2Aおよび図2Bに模式的に示すように、本実施形態に係るトナー100は、コア部50に、光吸収性材料40をさらに含有してもよい。
トナー100は、磁性または非磁性の一成分系トナーであってもよいし、キャリアと組みあわせて現像剤として使用する非磁性の二成分系トナーであってもよい。
1−1.コア部50
コア部50は、構造色粒子10を含有する。コア部は、水溶性モノマー20、開始剤30、および光吸収性材料40をさらに含んでもよい。また、コア部50は、上記各物質を分散させる分散媒としての水を含んでいてもよい。
1−1−1.構造色粒子10
構造色粒子10は、アモルファス構造の粒子構造体を形成したときに構造色を観察できるものであればよく、有機材料または無機材料のいずれからなるものでもよい。
上記有機材料の例には、ポリドーパミン、ポリスチレン、ポリアクリル、シリコーンおよびナイロンなどが含まれる。上記無機材料の例には、シリカ、チタニアおよびアルミナなどを含む無機酸化物、ならびに、窒化ケイ素、窒化アルミおよび窒化ホウ素などを含む無機窒化物などが含まれる。これらのうち、構造色粒子10の平均粒子径を調整しやすくする観点からは、ポリドーパミン、ポリスチレンおよびシリカが好ましい。これらの材料は、1種のみを用いても、複数種を用いてもよい。また、構造色粒子10は、これらの材料のうち1種のみ(たとえば、ポリドーパミン、ポリスチレンまたはシリカのみ)からなっても、たとえばコアシェル構造を形成する複数種からなってもよい。
構造色粒子10の形状は、アモルファス構造の粒子構造体を形成することができるものであればよい。粒子構造体を容易に形成させ、かつ、干渉により強まる波長の幅をより小さくする観点からは、構造色粒子10は球形であることが好ましく、たとえば、構造色粒子10のアスペクト比は1.00以上1.20以下であることが好ましく、1.00以上1.15以下であることがより好ましく、1.00以上1.10以下であることがさらに好ましい。なお、上記アスペクト比とは、構造色粒子10の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの比の(b/a)で表される値である。
なお、構造色粒子10の内部は、中空でもよく、または上記材料で内部が充填されていてもよい。
構造色粒子10の平均粒子径は、粒子構造体を形成したときに構造色を観察可能な大きさであればよく、たとえば、150nm以上350nm以下とすることができる。なお、平均粒子径を上記範囲で適宜調節することで、近赤外線、可視光線および近紫外線の範囲に含まれる波長の光、たとえば、赤、緑、青、および黄に対応する波長の光、を干渉により強めることができる。なお、後述するように構造色粒子10が光吸収性材料で被覆されているときは、本段落における平均粒子径は、光吸収性材料の厚みを含まない構造色粒子10の粒子径の平均値である。
なお、本明細書において、多数の構造色粒子10を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像して得た画像中から任意に選定した100個の構造色粒子10の粒子径(粒子の長手方向の長さbと、それに対する短手方向の長さaとの平均値((a+b/2)))を実測し、それらの平均値を構造色粒子10の平均粒子径とする。
粒子構造体を形成させやすくし、かつ、干渉により強まる波長の分布をより小さくして観察される色純度をより高める観点からは、構造色粒子10の粒子径は単分散であることが好ましい。上記観点からは、構造色粒子10のCV(Coefficient of Variation)値は20%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。なお、上記CV値とは、多数の構造色粒子10の断面をSEMで撮像して得た画像中から任意に選定した300個の構造色粒子10について粒度分布の標準偏差σおよび平均粒子径Dを求めて、(σ/D)×100(%)とした値である。なお、後述するように構造色粒子10が光吸収性材料で被覆されているときは、本段落における平均粒子径は、光吸収性材料の厚みを含まない構造色粒子10の粒子径の平均値である。
トナーの全質量に対する構造色粒子10の含有量は、5質量%以上70質量%以下であることが好ましく、7質量%以上60質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上50質量%以下であることがさらに好ましい。構造色粒子10の含有量が上記範囲であると、干渉光の光量を高めて観察される色純度を十分にすることができる。
1−1−2.水溶性モノマー20
水溶性モノマー20は、活性光線の照射によって重合および架橋して硬化するモノマーである。水溶性モノマー20は、後述するトナーの製造時に、第1の水相液の分散媒である水に溶解するものであればよく、たとえば、25℃における水への溶解度が0.1g/L以上であるものであればよい。水溶性モノマーは、1種類の化合物のみからなってもよく、複数種類の化合物の組み合わせであってもよい。
水溶性モノマー20の例には、スチレンモノマー、スルホン酸基を有するモノマー、カルボキシ基を有するモノマー、ヒドロキシ基を有するモノマー、ならびに構造中にアミノ基、アミド基、オキシアルキレン鎖およびシアノ基などの極性を有する構造を有するモノマーが含まれる。
上記スルホン酸基を有するモノマーの例には、スチレンスルホン酸、および2−(メタ)アクリルアミドプロピルスルホン酸などが含まれる。
上記カルボキシ基を有するモノマーの例には、(メタ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、マレイン酸モノブチルエステル、およびマレイン酸モノオクチルエステルなどが含まれる。
上記ヒドロキシ基を有するモノマーの例には、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリレート、および4-ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどが含まれる。
上記構造中にアミノ基を有するモノマーの例には、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート、および3−ジメチルアミノフェニル(メタ)アクリレートなどが含まれる。
上記構造中にアミド基を有するモノマーの例には、ジメチルアクリルアミド、アクリロイルモルホリン、イソプロピルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、およびジメチルアミノプロピルアクリルアミド塩化メチル4級塩などが含まれる。
上記構造中にオキシアルキレン鎖を有するモノマーの例には、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ならびにトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレートおよびビスフェノールAジアクリレートなどのエチレンオキサイド変性物またはプロピレンオキサイド変性物などが含まれる。
上記構造中にシアノ基を有するモノマーの例には、(メタ)アクリロニトリルなどが含まれる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリルとはアクリルおよびメタクリル、(メタ)アクリレートとはアクリレートおよびメタクリレート、(メタ)アクリロとはアクリロおよびメタクリロ、のそれぞれ片方または双方を意味する。
活性光線の照射によってコア部を十分に硬化させて記録媒体に接着させ、強固な画像を形成させる観点からは、トナーの全質量に対する水溶性モノマー20の含有量は、5質量%以上50質量%以下であることが好ましく、7質量%以上40質量%以下であることがより好ましく、10質量%以上30質量%以下であることがさらに好ましい。
1−1−3.開始剤30
開始剤30は、上記モノマー20の重合および架橋を開始させる化合物である。開始剤は、開裂型ラジカル開始剤でも水素引き抜き型ラジカル開始剤でもよく、光酸発生剤でもよい。開始剤は、1種類の化合物のみからなってもよく、複数種類の化合物の組み合わせであってもよい。
開裂型ラジカル開始剤の例には、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オンおよび2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンなどを含むアセトフェノン系ラジカル開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルなどを含むベンゾイン類ラジカル開始剤、2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドなどを含むアシルホスフィンオキシド系ラジカル開始剤、ベンジルならびにメチルフェニルグリオキシエステルなどが含まれる。
水素引き抜き型ラジカル開始剤の例には、ベンゾフェノンおよびN,N−ジエチルベンゾフェノンなどを含むベンゾフェノン類、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントンおよびイソプロポキシクロロチオキサントンなどを含むチオキサントン類、エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノンおよびクロロアントラキノンなどを含むアントラキノン類、ならびに9−フェニルアクリジンおよび1,7−ビス(9,9’−アクリジニル)ヘプタンなどを含むアクリジン類などが含まれる。
光酸発生剤の例には、公知のスルホニウム塩、アンモニウム塩、ジアリールヨードニウム塩およびトリアリールスルホニウム塩等など、具体的には、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロホスフェート塩、ヨードニウム(4−メチルフェニル)(4−(2−メチルプロピル)フェニル)ヘキサフルオロホスフェート、トリアリールスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−メチル−2−ブテニルテトラメチレンスルホニウムヘキサフルオロアンチモネートなどが含まれる。
1−1−4.光吸収性材料40
光吸収性材料40は、粒子構造体に入射した光が散乱して生じる散乱光を吸収して、観察される色純度をより高めることができる。
粒子構造体に照射される光の一部は、上記粒子構造体を構成する粒子の表面または内部で散乱して粒子構造体から出射される(以下、上記散乱により生じた光を、単に「散乱光」ともいう。)。この散乱光では、上記干渉光とは異なる波長のエネルギーも強くなっている。そのため、上記干渉光および上記散乱光が同時に粒子構造体から出射されると、観察される構造色の色純度が低下してしまう。また、上記散乱光は、反射光の純度を低めて、観察したときに光沢を感じにくくする。これに対し、粒子構造体から出射する光に含まれる上記散乱光を光吸収性材料40に吸収させることで、形成される画像の光沢および色再現域をより高めることができる。
光吸収性材料40は、可視光領域における光に対する吸光性を有していればよく、各種公知の染料または顔料とすることができる。
上記顔料の例には、C.I.Pigment Yellow(以下、単に「PY」ともいう。) 1、PY 2、PY 3、PY 12、PY 13、PY 14、PY 16、PY 17、PY 73、PY 74、PY 75、PY 81、PY 83、PY 87、PY 93、PY 95、PY 97、PY 98、PY 109、PY 114、PY 120、PY 128、PY 129、PY 138、PY 150、PY 151、PY 154、PY 155、PY 180、PY 185、PY 213、C.I.Pigment Red(以下、単に「PR」ともいう。) 5、PR 7、PR 12、PR 22、PR 38、PR 48:1、PR 48:2、PR 48:4、PR 49:1、PR 53:1、PR 57:1、PR 63:1、PR 101、PR 112、PR 122、PR 123、PR 144、PR 146、PR 168、PR 184、PR 185、PR 202、C.I.Pigment Violet(以下、単に「PV」ともいう。) 19、PV 23、C.I.Pigment Blue(以下、単に「PB」ともいう。) 1、PB 2、PB 3、PB 15:1、PB 15:2、PB 15:3、PB 15:4、PB 18、PB 22、PB 27、PB 29、PB 60、C.I.Pigment Green(以下、単に「PG」ともいう。) 7、PG 36、C.I.Pigment White(以下、単に「PW」ともいう。) 6、PW 18、PW 21、ならびにC.I.Pigment Black 7が含まれる。
上記染料の市販品の例には、三井化学株式会社製、MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、およびMS Magenta HSo−147、保土谷化学工業株式会社製、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、およびSPIRON Red GEH SPECIAL、バイエルジャパン社製、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、およびMACROLEX ROT5B、日本化薬株式会社製、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、およびKAYASET Red 802、ダイワ化成株式会社製、PHLOXIN、ROSE BENGAL、およびACID Red、三菱化学株式会社製、HSR−31、DIARESIN Red K、ならびにBASFジャパン社製、Oil Redを含むマゼンタまたは赤染料、三井化学株式会社製、MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、およびMS Cyan VPG、保土谷化学工業株式会社製、AIZEN SOT Blue−4、バイエルジャパン社製、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、およびSIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%、日本化薬株式会社製、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、およびLight Blue BGL−5 200、ダイワ化成株式会社製、DAIWA Blue 7000、およびOleosol Fast Blue GL、三菱化学株式会社製、DIARESIN Blue P、ならびにBASFジャパン社製、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、およびZAPON Blue 806を含むシアンまたは青染料、ならびに三井化学株式会社製、MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、およびYellow EX−27、保土谷化学工業株式会社製、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、およびAIZEN SOT Yellow−6、バイエルジャパン社製、MACROLEX Yellow 6G、およびMACROLEX FLUOR.Yellow 10GN、日本化薬株式会社製、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、およびKAYASET Yellow E−G、ダイワ化成株式会社製、DAIWA Yellow 330HB、三菱化学株式会社製、HSY−68、ならびにBASFジャパン社製、SUDAN Yellow 146、およびNEOPEN Yellow 075を含むイエロー染料が含まれる。
また、光吸収性材料40は、可視光領域の全波長域において光に対する吸収性を有する材料を含むことが好ましく、たとえば、ポリドーパミン、カーボンブラック、ランプブラック、植物黒、骨炭、黒鉛、酸化物系黒色顔料、およびニグロシンなどの材料を含むことが好ましく、実質的にこれらの材料からなることがより好ましい。これらのうち、散乱光をより吸収しやすくする観点からは、ポリドーパミンおよびカーボンブラックが好ましく、ポリドーパミンがより好ましい。
光吸収性材料40は、図2Aに示すように構造色粒子10とは別個にコア部50中に含まれてもよいし、図2Bに示すように構造色粒子10に含まれる形で構造色インク中に含まれてもよい。構造色粒子10に含まれるとき、光吸収性材料40は構造色粒子10の内部に、たとえば分散などして存在してもよいし、構造色粒子10の表面の全部または一部を被覆(図2B参照)していてもよい。また、構造色粒子10が、可視光に対する吸収性を有する光吸収性材料40から形成されるときは、構造色粒子10そのものが光吸収性材料40としても機能する。
光吸収性材料40の含有量は、粒子構造体に入射する光および粒子構造体から出射する干渉光を過剰に吸収しない程度であればよく、たとえば、トナーの全質量に対して0.001質量%以上5質量%以下とすることができ、0.01質量%以上3質量%以下とすることが好ましく、0.05質量%以上1.5質量%以下とすることがより好ましい。
構造色粒子10とは別個にコア部50中に含まれているとき、光吸収性材料40は、コア部50の液体成分に溶解または分散可能な材料からなる微粒子であって、構造色を観察可能な干渉光を出射しにくい大きさであり、かつ、上記アモルファス構造の粒子構造体の形成を妨げない大きさであるような平均粒子径を有する微粒子とすることができる。たとえば、光吸収性材料40の微粒子の平均粒子径は、構造色粒子10の平均粒子径よりも小さく、かつ、1nm以上200nm以下とすることができ、5nm以上150nm以下とすることが好ましく、10nm以上100nm以下とすることがより好ましい。
構造色粒子10を被覆する形で構造色インク中に含まれているとき、光吸収性材料40の膜厚は、粒子構造体に入射する光および粒子構造体から出射する干渉光を過剰に吸収せず、かつ、アモルファス構造の粒子構造体の形成を妨げない程度であればよい。たとえば、光吸収性材料40の膜厚は、構造色粒子10の膜厚に対して0.01%以上10%以下であることが好ましく、0.1%以上5%以下であることがより好ましい。
上記散乱光を光吸収性材料40により吸収させやすくして、観察される構造色の色純度を高め、粒子構造体を用いて形成する画像の色再現域をより高める観点からは、光吸収性材料40は、構造色粒子10を被覆する形で構造色インク中に含まれることが好ましい。
1−2.シェル部60
シェル部60は、熱可塑性樹脂を含む他は、公知のコアシェル型のトナーにおけるシェル部と同様の構成にすることができる。たとえば、シェル部60は、公知の離型剤および荷電制御剤などをさらに含有してもよい。また、シェル部60は、その表面に公知の外添剤が添加されていてもよい。
コア部50を十分に保護し、かつ定着性を高める観点からは、シェル部60の膜厚は、0.05μm以上であることが好ましい。記録媒体上で熱圧力を印加したときに隣り合うトナー粒子のコア部50同士を合一させ、スジの少ない画像を形成する観点からは、シェル部60の膜厚は、2.5μm以下であることが好ましい。
1−2−1.熱可塑性樹脂
上記熱可塑性樹脂は、たとえば従来のトナーにおいて定着樹脂(バインダー)として用いられる熱可塑性樹脂とすればよい。このような熱可塑性樹脂の例には、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂が含まれる。
また、上記熱可塑性樹脂は、非晶性の樹脂(たとえばビニル樹脂)の中に結晶性の樹脂(たとえばポリエステル樹脂)を分散させた樹脂であることが好ましい。なお、樹脂が非晶性であるとは、示差走査熱量測定(Differential scanning calorimetry:DSC)により得られる吸熱曲線において、昇温時に明確な吸熱ピーク(融点)が見られないことを意味し、樹脂が結晶性であるとは、上記吸熱曲線において、昇温時に明確な吸熱ピークが見られることを意味する。なお、上記明確な吸熱ピークとは、10℃/minの昇温速度で昇温したときの吸熱曲線において半値幅が15℃以内のピークを意味する。
上記ビニル樹脂は、エチレン性不飽和結合を有するモノマーに由来する構成単位を有する樹脂である。エチレン性不飽和結合を有するモノマーの例には、スチレン系モノマー、不飽和カルボン酸とその塩、不飽和カルボン酸エステル化合物、ビニルエステル化合物、ビニルエーテル化合物、ビニルケトン化合物、N−ビニル化合物、(メタ)アクリロニトリル、ビニルナフタレン、ビニルピリジン、(メタ)アクリルアミドなどが含まれる。
上記スチレン系モノマーの例には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、およびp−n−ドデシルスチレン、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記不飽和カルボン酸の例には、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、およびマレイン酸などが含まれる。
上記不飽和カルボン酸エステル化合物の例には、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルおよび、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記ビニルエステル化合物の例には、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、およびベンゾエ酸ビニル、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記ビニルエーテル化合物の例には、ビニルメチルエーテルおよびビニルエチルエーテル、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記ビニルケトン化合物の例には、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトンおよびビニルヘキシルケトン、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記N−ビニル化合物の例には、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドールおよびN−ビニルピロリドン、ならびにこれらの誘導体などが含まれる。
上記ビニル樹脂は、単一のモノマーが重合してなる重合体でもよく、複数種類のモノマーが重合してなる共重合体でもよい。好ましいビニル樹脂の例には、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂などが含まれる。これらのうち、耐熱保管性をより高める観点からは、スチレン−アクリル樹脂が好ましい。また、架橋構造によって機械的強度および耐熱性を高める観点からは、2つ以上のエチレン性不飽和結合を有する多官能モノマーを含む共重合体であることが好ましい。上記多官能モノマーの例には、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、およびネオペンチルグリコールジ(メタ)クリレートなどが含まれる。
上記ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸)と、2価以上のアルコール(多価アルコール)とが重合してなる樹脂である。
上記多価カルボン酸の例には、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、n−ドデシルコハク酸、1,2−プロパンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)、フマル酸およびメサコン酸などを含む脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸などを含む脂環式ジカルボン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などを含む芳香族ジカルボン酸、トリメリット酸およびピロメリット酸などを含む3価以上の多価カルボン酸、ならびにこれらの無水物およびイソフタル酸ジメチルなどのこれらの炭素数1〜3のアルキルエステルなどが含まれる。上記ポリエステル樹脂は、これらの多価カルボン酸のうち、1種のみからなってもよく、2種以上からなってもよい。上記ポリエステル樹脂は、耐熱性が高い非晶性の樹脂とする観点からは、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸、ドデセニルコハク酸またはトリメリット酸に由来する構成単位を有することが好ましい。
上記多価アルコールの例には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール(プロピレングリコール)、1,3−プロパンジオール、2,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物(BPA−EO)、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物(BPA−PO)、などを含む2価の多価アルコール、ならびにグリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビタンおよびソルビトールなどを含む3価以上の多価アルコール等が挙げられる。上記ポリエステル樹脂は、これらの多価アルコールのうち、1種のみからなってもよく、2種以上からなってもよい。上記ポリエステル樹脂は、低温定着性が高い結晶性の樹脂とする観点からは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物またはビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物に由来する構成単位を有することが好ましい。
トナーの定着性をより高める観点から、上記熱可塑性樹脂の軟化点(Tsp)は、70℃以上140℃以下であることが好ましい。
上記軟化点(Tsp)は、たとえば次のようにして測定することができる。
20±1℃、50±5%RH環境下において、試料1.1gをシャーレに入れて平らにならし、12時間以上放置した後、成型器SSP−A(島津製作所製)にて3820kg/cmの力で30秒間加圧し、直径1cmの円中型の成型サンプルを作製する。 次に、24±5℃、50±20%RH環境下において、フローテスタCFT−500D(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの孔(直径1mm、深さ1mm)から直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から上記成型サンプルを押し出す。昇温法の溶融温度測定方法により、オフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetを、軟化点とする。
トナーの低温定着性をより高める観点から、上記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)は、70℃以下であることが好ましい。一方で、トナーの耐熱保管性をより高める観点からは、上記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)は、40℃以上であることが好ましい。上記低温定着性および耐熱保管性をいずれも高める観点からは、上記熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)は、45度以上65℃以下であることが好ましい。
上記ガラス転移点(Tg)は、たとえば次のようにして測定することができる。
試料3.0mgをアルミニウム製パンに封入し、加熱、冷却、加熱の順に温度を変動させる。1回目の加熱時には室温(25℃)から、2回目の加熱時には0℃から、10℃/minの昇温速度でそれぞれ200℃まで昇温して、150℃を5分間保持する。冷却時には、10℃/minの降温速度で200℃から0℃まで降温して、0℃の温度を5分間保持する。示差走査熱量測定装置(たとえばパーキンエルマー社製、ダイヤモンドDSC)を用いて2回目の加熱時に得られた測定曲線におけるベースラインのシフトを観察し、シフトする前のベースラインの延長線と、ベースラインのシフト部分の最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点(Tg)とする。
上記熱可塑性樹脂の数平均分子量(Mn)は、3000以上6000以下であることが好ましく、3500以上5500以下であることがより好ましい。また、上記熱可塑性樹脂の数平均分子量(Mn)に対する重量平均分子量(Mw)の比の値は、2.0以上6.0以下であることが好ましく、2.5以上5.5以下であることがより好ましい。
上記数平均分子量(Mn)および重量平均分子量(Mw)は、たとえば次のようにして測定することができる。
試料を濃度1mg/mLとなるようにテトラヒドロフラン(THF)中に添加し、40℃において超音波分散機を用いて15分間分散処理した後、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して、試料液を調製する。ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)装置(たとえば、東ソー株式会社製、HLC−8120GPC及びカラム(たとえば、東ソー株式会社製、TSKguardcolumnおよびTSKgelSuperHZ−M3を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを流速0.2mL/minで流す。キャリア溶媒とともに、調製した試料液10μLをGPC装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて試料を検出し、単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて、試料の分子量分布を算出する。検量線は、分子量がそれぞれ6×10、2.1×10、4×10、1.75×10、5.1×10、1.1×10、3.9×10、8.6×10、2×10、4.48×10である10点のポリスチレン標準粒子(Pressure Chemical社製)を測定することにより、作成する。
コア部50を十分に保護し、かつ定着性を高める観点からは、上記熱可塑性樹脂の含有量は、トナーの全質量に対して10質量%以上であることが好ましい。記録媒体上で熱圧力を印加したときに隣り合うトナー粒子のコア部50同士を合一させ、スジの少ない画像を形成する観点からは、上記熱可塑性樹脂の含有量は、トナーの全質量に対して80質量%以下であることが好ましい。
1−2−2.離型剤
上記離型剤は、像保持体の表面に現像されたトナー像の記録媒体の表面への転写(定着分離)を容易にするために用いられる公知の離型剤とすることができる。
このような離型剤の例には、公知のワックス、たとえば、ポリエチレンワックスおよびポリプロピレンワックスなどを含むポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどを含む分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックスおよびサゾールワックスなどを含む長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどを含むジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、およびジステアリルマレエートなどを含むエステル系ワックス、ならびにエチレンジアミンベヘニルアミドおよびトリメリット酸トリステアリルアミドなどを含むアミド系ワックスなどが含まれる。
トナーの定着分離性をより高め、一方で不純物による画質の劣化を抑制する観点からは、上記離型剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、1質量部以上30質量部以下とすることができ、5質量部以上20質量部以下とすることが好ましい。また、トナーの定着分離性をより高め、一方で不純物による画質の劣化を抑制する観点からは、上記離型剤の含有量は、トナーの全質量に対して3質量%以上15質量%以下であることが好ましい。
1−2−3.荷電制御剤
上記荷電制御剤は、トナーの帯電性を制御するために用いられる公知の荷電制御剤とすることができる。
このような荷電制御剤の例には、グロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩、アゾ系金属錯体、およびサリチル酸金属塩等などが含まれる。
トナーの帯電性を所望の範囲に制御する観点からは、上記荷電制御剤の含有量は、上記熱可塑性樹脂100質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下とすることが好ましい。
1−2−4.外添剤
上記外添剤の例には、トナーの流動性を高めるために用いられる公知の流動化剤、および像保持体からトナーを除去しやすくするために用いられる公知のクリーニング助剤などが含まれる。
上記流動化剤の例には、シリカ微粒子、アルミナ微粒子および酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子、ステアリン酸アルミニウム微粒子およびステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、ならびにチタン酸ストロンチウムおよびチタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子が含まれる。耐熱保管性および環境安定性をより高める観点からは、これらの化合物は、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、高級脂肪酸、またはシリコーンオイルなどによって光沢処理が行われていることが好ましい。
上記クリーニング助剤の例には、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子、ポリフッ化ビニリデン微粒子、およびポリテトラフルオロエチレン微粒子などの樹脂微粒子が含まれる。
トナーの流動性またはクリーニング性をより高めるなどの効果を付与し、一方で不純物による画質の劣化を抑制する観点からは、上記外添剤の合計の含有量は、トナーの全質量に対して0.05質量%以上5.0質量%以下であることが好ましく、0.1質量%以上3.0質量%以下であることがより好ましい。
1−3.トナー100の形状
帯電特性をより安定させ、かつ、低温定着性をより高める観点から、トナー100の平均円形度は、0.930以上1.000以下であることが好ましく、0.950以上0.995以下であることがより好ましい。トナー100の平均円形度が上記範囲内にあれば、個々のトナー粒子が破砕しにくくなる。これにより、像保持体などの汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができるとともに、形成される画像の画質を高めることができる。
上記トナー100の平均円形度は、たとえば次のようにして測定することができる。
測定試料を界面活性剤入り水溶液に馴染ませた後、超音波分散処理を1分間行って上記水溶液に分散させる。その後、Sysmex社製、FPIA−2100などの撮像機器によって、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3000〜10000個の適正濃度で分散液を撮影する。撮影した粒子像から、個々のトナー粒子の円形度を下記式(I)に従って算出し、各トナー粒子の円形度を加算して全トナー粒子数で除することにより、平均円形度を得る。
式(I)
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
1−4.キャリア
トナー100を二成分系トナーとして用いるときに組み合わされるキャリアは、公知のキャリアとすることができ、たとえば、公知の磁性粒子、上記磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリア、およびバインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散した分散型キャリアなどとすることができる。上記磁性粒子の材料の例には、鉄、フェライト、およびマグネタイトなどの金属、ならびに上記金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが含まれる。これらのうち、フェライトが好ましい。
上記キャリアとして用いる粒子または微粒子の体積基準のメジアン径(d50)は、20μm以上100μm以下であることが好ましく、25μm以上80μm以下であることがより好ましい。
キャリアの体積基準のメジアン径(d50)は、たとえば湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置(SYMPATEC社製、ヘロス(HELOS)など)によって測定することができる。
1−5.トナーセット
構造色粒子の粒子径が異なり、異なる色が観察される粒子構造体が形成される異なる複数のトナー100を組み合わせて、トナーセットとすることができる。たとえば、赤、緑および青を観察可能な粒子構造体が形成される複数のトナー100を含むトナーセットを用いて画像を形成すると、加法混色によるカラー画像を記録媒体上に形成することが可能になり、イエロー、マゼンタおよびシアンによる減法混色によるカラー画像よりも色再現域を広げて、CRT画面や液晶画面などにソフトコピーとして表示される色再現域により近づけることができると期待される。上記トナーセットには、黄(金)などが観察可能な粒子構造体が形成される特色のトナー100を含まれると、光輝性の画像による華やかさおよび豪華さがより演出しやすくなる。
一方で、黄(金)などが観察可能な粒子構造体が形成されるトナー100を、単独で用いて、または染料または顔料などを含有する従来のトナーと組み合わせて用いて、光輝性の画像を形成してもよい。
2.トナーの製造方法
本発明の他の実施形態は、上述したトナー100の製造方法に関する。上記トナー100は、たとえば二次乳化法によって製造することができる。
二次乳化法によれば、そのフローを示す図5に示すように、(2−1)水溶性モノマー、開始剤および配列したときに構造色を観察可能な粒子を含有する第1の水相液と、熱可塑性樹脂および第1の乳化剤を含有する油相液と、を混合して、油中水(W/O)型エマルションである第1乳化液を調製する工程(S−210)と、(2−2)上記第1乳化液と、第2の乳化剤を含有する第2の水相液と、を混合して、水中油中水(W/O/W)型エマルションである第2乳化液を調製する工程(S−220)と、(2−3)上記第2乳化液から粒子状のトナーを分離する工程(S−230)と、によって、上記トナー100を製造できる。
2−1.第1乳化液を調製する工程
本工程では、構造色粒子を含有する第1の水相液を、熱可塑性樹脂および第1の乳化剤を含有する油相液中で乳化させて、W/O型エマルションである第1乳化液を調製する。このようにして得られる第1乳化液では、トナー100のコア部50の材料である上記構造色粒子を含む水滴が油性溶媒中に分散している。トナー100がシェル部50に上述した離型剤および荷電制御剤などを含有するときは、離型剤を上記油相液中に添加しておくことが好ましい。上記第1の水相液には、水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含有させてもよい。このとき、第1乳化液では、トナー100のコア部50の材料である上記水溶性モノマー、開始剤および構造色粒子を含む水滴が油性溶媒中に分散している。
第1の水相液が含有する構造色粒子、水溶性モノマーおよび開始剤としては、上述したトナー100のコア部50に含まれる構造色粒子、水溶性モノマーおよび開始剤を用いることができる。トナー100がコア部50に上記構造色粒子、水溶性モノマーおよび開始剤以外の追加の構成要素を含むときは、上記追加の構成要素を第1の水相液に分散または溶解させておく。第1の水相液が含有する水溶性モノマー、開始剤および構造色粒子の量は、上記トナー100に含有させる量に応じて調整すればよい。
上記構造色粒子は、単分散微粒子を製造する公知の方法、たとえばポリスチレン粒子であれば過硫酸カリウムおよび過酸化ベンゾイルなどを重合開始触媒として用いる乳化重合法、シリカ粒子であればStober法など、で作製することができる。
上記油相液が含有する第1の乳化剤としては、非イオン性界面活性剤などの、W/O型エマルションを調製するために用いられる公知の乳化剤を用いることができる。このような非イオン性界面活性剤の例には、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノパルミテート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンセスキオレート、ソルビタンジオレート、ソルビタントリオレートなどを含むソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、およびポリオキシエチレンソルビタントリオレエートなどを含むポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、グリセリルモノステアレート、デカグリセリルトリオレエート、およびヘキサグリセリンポリリシノレートなどを含むモノ、ジまたはポリ−グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビット脂肪酸エステルおよびポリオキシエチレングリセリン植物油脂肪酸エステルなどを含むポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、高級アルコール、オキサゾリン誘導体、イミダゾリン誘導体、リン酸エステル、脂肪酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩、ならびに1級、2級および3級のアミン塩などが含まれる。
これらのうち、W/O型エマルションを調製しやすくする観点からは、Hydrophile Lipophile Balance(HLB)値が3以上11以下の乳化剤が好ましい。HLB値が3以上11以下の乳化剤の例には、ソルビタン脂肪酸エステル、(ポリ)グリセリン脂肪酸エステル、およびポリオキシエチレンアルキルエーテルなどが含まれる。
第1の乳化剤の含有量は、第1乳化液の全質量に対して0.1質量%以上15質量%以下であることが好ましく、1質量%以上10質量%以下であることがより好ましい。
上記油相液が含有する熱可塑性樹脂としては、上述したトナー100のシェル部60に含まれる熱可塑性樹脂を用いることができる。上記油相液が含有する熱可塑性樹脂の量は、上記トナー100に含有させる量に応じて調整すればよい。
上記油相液の溶媒としては、上記熱可塑性樹脂を溶解させることができる油性溶媒であればよく、上記熱可塑性樹脂の種類に応じて適宜選択することができる。このような油性溶媒の例には、メタノール、エタノール、プロパノール、およびブタノールなどを含むアルキルアルコール系の油性溶剤、ベンゾール、トルオール、およびキシロールなどを含む芳香族炭化水素系の油性溶剤、酢酸メチル、酢酸エチル、および酢酸ブチルなどを含むエステル系の油性溶剤、クロロホルム、および二塩化エチレンなどを含む塩素化炭化水素系の油性溶剤、アセトン、ジオキサン、ならびにセロソルブ酢酸エチルなどが含まれる。
上記乳化は、W/O型エマルションを調製するための公知の方法、たとえば、上記油相液に上記第1の水相液を添加しながら、撹拌、超音波、ホモジナイザー、マイクロリアクター、マイクロチャンネルおよび多孔質膜などによって分散させる方法で行うことができる。
2−2.第2乳化液を調製する工程
本工程では、上記第1乳化液を、第2の乳化剤を含有する第2の水相液中で乳化させて、W/O/W型エマルションである第2乳化液を調製する。このようにして得られる第2乳化液では、上記構造色粒子を含み、任意に上記水溶性モノマーおよび開始剤を含む水滴が上記熱可塑性樹脂および上記油性溶媒に被覆されてなる油滴が、水性溶媒中に分散している。
第2の水相液が含有する第2の乳化剤としては、上記第1の乳化剤と同様の乳化剤を用いることができる。これらのうち、W/O/W型エマルションを調製しやすくする観点からは、HLB値が8以上18以下の乳化剤が好ましい。HLB値が8以上18以下の乳化剤の例には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンヒマシ油、およびポリオキシエチレン硬化ヒマシ油などが含まれる。
第2の乳化剤の含有量は、第2乳化液の全質量に対して0.1質量%以上10質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以上5質量%以下であることがより好ましい。
上記乳化は、W/O/W型エマルションを調製するための公知の方法、たとえば、上記第2の水相液に上記第1乳化液を添加しながら、撹拌、超音波、ホモジナイザー、マイクロリアクター、マイクロチャンネルおよび多孔質膜などによって分散させる方法で行うことができる。
2−3.粒子状のトナーを分離する工程
本工程では、上記第2乳化液から粒子状のトナーを分離する。乾燥の前に、上記第2乳化液を加熱または減圧して上記油性溶媒を除去してもよい。
トナーの分離は、濾過などの、エマルションから粒子を分離するための公知の方法によって行うことができる。
2−4.外添剤を付与する工程
トナー100が上述した外添剤を含有するとき、本実施形態は、外添剤を付与する工程をさらに有してもよい。外添剤は、上述の工程で分離されて得たトナーと外添剤とをヘンシェルミキサーで混合するなどの公知の方法で、トナーに付与することができる。
3.画像形成装置
本発明の他の実施形態は、上述したトナー100を用いて画像を形成する装置に関する。本実施形態は、トナー100を使用してトナー像を形成する現像部を有することを除けば、トナーを用いる通常の画像形成装置と同様の構成とすることができる。トナー100が、コア部50に、上述した水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含有するとき、本実施形態に係る画像形成装置は、活性光線の照射により記録媒体に定着したトナー像を硬化させる光照射部をさらに備えていてもよい。
具体的には、本実施形態に係る画像形成装置600は、図6に示すように、像保持体610、帯電部620、潜像形成部630、現像部640、転写部650、および定着部660を有する。トナー100が、コア部50に、上述した水溶性モノマー20および開始剤30をさらに含有するとき、画像形成装置600は、光照射部670をさらに備えていてもよい。画像形成装置600は、記録媒体供給部680および記録媒体排出部690などをさらに有してもよい。
像保持体610は、正または負に帯電する有機感光体からなる公知の感光体ドラムとすることができる。感光体ドラムは、たとえばドラム状の金属基体の外周面に、有機光導電体を含有させた樹脂よりなる感光層が形成された有機感光体である。感光体ドラムは、一定の周速で回転可能に配置され、その周囲に、後述する帯電部620、潜像形成部630および現像部640が、この順番で回転方向に配置される。
帯電部620は、像保持体610の表面を、正または負の極性に、一様に帯電させる。帯電部620は、コロナ帯電器などの非接触型の帯電装置であってもよいし、帯電ローラー、帯電ブラシおよび帯電ブレードなどの帯電部材を感光体ドラムである像保持体610に接触させて帯電させる接触型の帯電装置であってもよい。
潜像形成部630は、帯電部620によって帯電された像保持体610の表面に静電潜像を形成する。潜像形成部630は、レーザー光源、および上記レーザー光源からのレーザーを像保持体610の表面に結像させる回転ポリゴンミラーを組み合わせたレーザーROS(Raster Output Scanner)装置でもよいし、複数の発光ダイオード(Light Emitting Diode:LED)が直線状に配列されたLEDアレイ、および上記LEDアレイからの放射光を像保持体610の表面に結像させるレンズアレイ等を有するLEDプリントヘッドであってもよい。上記帯電された像保持体610の表面の形成すべき画像に応じた部位に、上記レーザーまたは光を照射することで、感光体上に、周囲との電位差により静電潜像が形成される。
現像部640は、上記トナー100、またはトナー100とキャリアとを組み合わせた現像剤、を収容する現像容器を備える。現像部640は、たとえば、上記現像容器の開口部に回転可能に配置されている現像ローラーおよび撹拌等によってトナーを帯電させる撹拌装置などを備えてもよい。上記現像容器の内部に収容され、必要に応じて撹拌装置などによって帯電されたトナー100が、現像ローラーによって上記像保持体610に向けて搬送されると、トナー100が上記静電潜像に静電的に付着して、静電潜像がトナー像として像保持体610の表面に現像される。上記トナー像は、各色を呈すべき領域に、呈される色味に対応する粒子径を有する構造色粒子を含有するトナー100が付着して形成された像である。後述する定着部による定着および光照射部による活性光線の照射により、粒子構造体が形成されて色味が観察可能となるため、上記トナー像から呈すべき色味が観察可能である必要はない。
カラー画像を形成するときは、画像形成装置600は、たとえば粒子構造体が形成されたときに赤、緑および青の各色を観察可能なトナー100をそれぞれの現像容器に収容する複数の現像部640を有する。このとき、画像形成装置600は、粒子構造体が形成されたときに黄を観察可能なトナー100を現像容器に収容する現像部640をさらに有してもよい。また、画像形成装置600は、粒子構造体が形成されたときに黄を観察可能なトナー100を現像容器に収容する現像部640を単独で有して、または染料または顔料などを含有する従来のトナーを現像容器に収容する現像部と組み合わせて、有していてもよい。このとき、画像形成装置600は、各色のトナー像が形成される複数の像保持体610を有し、それぞれの像保持体610から記録媒体または後述する二次転写ローラー653にトナー像を重畳して転写してもよい。
転写部650は、上記像保持体610の表面に現像されたトナー像を記録媒体の表面に転写する。転写部650は、搬送されてきた記録媒体と上記トナー像が形成された像保持体610とを圧接して上記トナー像を像保持体610から記録媒体に直接転写する転写ローラーを有する一段階式の転写ユニットでもよいし、一または複数の像保持体610の表面に現像されたトナー像が一次転写される転写ベルト651、転写ベルト651を支持し回転させつつ上記像保持体610に圧接して上記トナー像を一次転写させる一次転写ローラー652、および記録媒体を支持しつつ上記転写ベルト651に圧接して転写ベルト651の表面に転写されたトナー像を記録媒体に二次転写する二次転写ローラー653を有する二段階式の転写ユニット(図6参照)でもよい。上記各転写ローラーは、トナーと逆の電荷をかけて転写を容易にする構成でもよい。
定着部660は、転写部650によって記録媒体に転写されたトナー像を記録媒体に定着させる。たとえば、搬送されてきた用紙を定着ニップで加熱および加圧することにより、用紙にトナー像を定着させる。上記加熱および加圧によって、隣り合うトナー100のシェル部60に含まれる熱可塑性樹脂同士を融合させてシェル部を変形させて定着樹脂60aとし、トナー100を記録媒体の表面に定着させる。同時に定着樹脂60aに覆われた流動性のコア部50a内で構造色粒子10が少なくとも部分的に配列して粒子構造体が形成されはじめる。
定着部660による定着時の温度および圧力は、従来のトナーを定着するときの温度および圧力と同等の範囲から適宜選択することができる。
光照射部670は、定着したトナー像に活性光線を照射して水溶性モノマー20を重合および架橋させて硬化させ、構造色粒子10が部分的に配列してなる粒子構造体15を保持してその形状を維持する保持体50bを形成する。なお、粒子構造体15は、活性光線の照射前に形成されていてもよいし、活性光線の照射によって水溶性モノマー20が重合および架橋するときに形成されていってもよい。
構造色粒子による結晶構造の形成を抑制し、画像の角度依存性を低くする観点からは、活性光線は、トナー像の定着後0.001秒以上5.0秒以下の間に照射されることが好ましく、0.001秒以上2.0秒以下の間に照射されることがより好ましい。
上記活性光線は、たとえば、電子線、紫外線、α線、γ線、およびエックス線などとすることができるが、紫外線が好ましい。
光源の輻射熱によって上記バインダーが溶けることによる硬化不良を生じにくくする観点からは、光照射部670は、LEDを光源とすることが好ましい。LED光源は、370nm以上410nm以下の波長を有する紫外線の画像表面におけるピーク照度が0.5W/cm以上10W/cm以下となるように設置され、1W/cm以上5W/cm以下となるように設置することがより好ましい。輻射熱がインクに照射されることを抑制する観点からは、記録媒体に転写されたトナー像に照射される光量は1500mJ/cm未満であることが好ましい。
記録媒体供給部680は、たとえば、給紙カセット681または不図示の手差しトレイ、記録媒体を取り出すピックアップローラー682、取り出された記録媒体を用紙搬送路に送り出す給紙ローラー683、684および685、ならびに記録媒体を一時待機させた後に所定のタイミングで供給するレジストローラー686を備えた構成とすることができる。
記録媒体排出部690は、排紙ローラー691などを備えて、画像が形成された記録媒体を画像形成装置600の外部に排出する構成とすることができる。
4.画像形成方法
本発明の他の実施形態は、上述したトナー100を用いた画像形成方法に関する。本実施形態は、トナー100を使用し、かつ、記録媒体に定着したトナー像に活性光線を照射することを除けば、トナーを用いる通常の画像形成方法と同様に実施することができる。
具体的には、本実施形態に係る画像形成方法は、そのフローを示す図7に示すように、像保持体の表面を帯電する工程(S−410)と、帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する工程(S−420)と、前記静電潜像を上記トナー100でトナー像として現像する工程(S−430)と、前記トナー像を記録媒体の表面に転写する工程(S−440)と、熱圧力の印加により前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる工程(S−450)と、を含む。トナー100が、コア部50に、上述した水溶性モノマー20および開始剤30をさらに含有するとき、本実施形態に係る画像形成方法は、活性光線の照射により前記定着したトナー像を硬化させる工程(S−460)をさらに含んでもよい。
上記画像形成方法は、上述した画像形成装置600を用いて実施することができる。このとき、上記S−410は帯電部620が像保持体610の表面を帯電させる工程であり、上記S−420は潜像形成部630が帯電した像保持体610の表面に静電潜像を形成する工程であり、上記S−430は現像部640がトナー100を上記静電潜像に静電的に付着させて上記静電潜像をトナー像として現像する工程であり、上記S−440は転写部650が像保持体610の表面に現像されたトナー像を記録媒体の表面に転写する工程であり、上記S−450は定着部660が転写されたトナー像を記録媒体の表面に定着させる工程であり、上記S−460は定着されたトナー像に光照射部670が活性光線を照射して上記水溶性モノマーを重合および硬化させ、トナー像を硬化させる工程である。
以下、本発明の具体的な実施例を比較例とともに説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
1.現像液の調製
1−1.構造色粒子の合成
4ツ口セパラブルカバー、攪拌翼、三方コック、冷却管及び温度計を取り付けた1000mL容量のセパラブルフラスコに、28.33gのスチレンモノマー、0.056gのパラスチレンスルホン酸ナトリウムおよび780gの水を秤量して添加し、攪拌しつつ窒素雰囲気下で温度70℃にて40分間攪拌した。その後、あらかじめ水に溶解させた1.08gの過硫酸カリウムを上記セパラブルフラスコに添加し、室温で8時間撹拌して、スチレンを主成分とする構造色粒子を得た。得られた構造色粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を画像解析したところ、平均粒子径は0.21μmであった。
分散液中の含有量が0.1質量%となる量の上記構造色粒子を、100gの水に添加して分散した。この分散液に1gのTrisと光吸収性材料としての0.05gのドーパミン塩酸塩を添加し、室温で20 時間撹拌した後、遠心分離して、ドーパミンで被覆されたスチレン粒子を主成分とする構造色粒子の分散液を作製した。得られた構造色粒子の走査型電子顕微鏡(SEM)写真を画像解析したところ、構造色粒子を被覆する光吸収性材料の厚みは5nmであった。
1−2.熱可塑性樹脂の合成
1−2−1.熱可塑性樹脂1の合成
三ツ口フラスコに30質量部のコハク酸、33質量部の1,2−プロパンジカルボン酸、15質量部のエチレングリコール、18質量部のプロピレングリコール、および4質量部のポリエチレングリコール(重量平均分子量600)を投入した後、触媒として0.5質量部のテトラブトキシチタネートをさらに添加した。減圧操作で上記三ツ口フラスコ内の空気を減圧して窒素ガスで不活性雰囲気に置換した後、生成する水を留去しながら、上記三ツ口フラスコ内を230℃で5時間撹拌した。その後、空冷して、減圧を解除して反応を停止させて、ポリエステル樹脂である熱可塑性樹脂1を得た。
1−2−2.熱可塑性樹脂2の合成
100質量部のプロピレングリコールモノメチルエーテルを窒素置換しながら加熱し、液温120℃以上で還流させたところへ、60.0質量部のスチレン、35.0質量部のアクリル酸n−ブチル、5.0質量部のアクリル酸、および0.6質量部のtert−ブチルパーオキシベンゾエート(有機過酸化物系重合開始剤:日油株式会社製、パーブチルZ(「パーブチル」は同社の登録商標))の混合物を3時間かけて滴下した。滴下終了後に得られた溶液を3時間撹拌した。その後、液温170℃まで昇温しながら常圧で蒸留し、液温170℃到達後に1hPaに減圧して1時間蒸留して溶剤を留去して、樹脂固形物を得た。得られた樹脂固形物をテトラヒドロフランに溶解し、n−ヘキサンで再沈殿させ、析出した固体を濾別することでスチレン−アクリル系樹である熱可塑性樹脂2を得た。
1−3.第1乳化液を調製する工程
30gの上記構造色粒子の分散液、30gの水溶性モノマーとしてのポリエチレングリコール#400ジアクリレート、0.3gの開始剤としてのBASF社製、IRGACURE 2959(「IRGACURE」は同社の登録商標)、および39.7gの水を混合して第1の水相液を作製した。さらに、30gの上記コア組成液、47gの溶媒としての酢酸エチル、8gの第1の乳化剤としてのレオドールAO−15V、15gの上記熱可塑性樹脂1、1.2gの離型剤としてのパラフィンワックスを混合した後、10分間超音波を照射してO/Wエマルションを形成し、第1乳化液を得た。
1−4.第2乳化液を調製する工程
セパラブルフラスコ中で792gの純水に第2の乳化剤としての8gの阪本薬品工業社製、SYグリスター MSW−7Sを溶解して第2の水相液を調整した。撹拌翼で撹拌されている上記第2の水相液に80gの上記第1乳化液を滴下してW/O/Wエマルションを形成し、第2乳化液を得た。
1−5.分離する工程
上記第2乳化液からエバポレーターにより有機溶剤成分を除去した後、メンブレンフィルターを用いてろ過し、粒子を得た。光学顕微鏡で確認したところ、得られた粒子の平均粒子径は30μmであった。さらに得られたトナー粒子を24時間常温乾燥することでトナー粒子を得た。得られたトナー粒子の平均粒子径は9μmであった。
1−6.外添剤を付与する工程
乾燥させたトナー粒子に、1質量%の疎水性シリカ(数平均一次粒子径:12nm)および0.3質量%の疎水性チタニア(数平均一次粒子径:20nm)を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合して、トナー1を得た。
1−7.現像剤の製造
100質量部の磁性粒子としてのフェライト粒子と5質量部のシクロヘキシルメタクリレート/メチルメタクリレート(共重合比5/5)の共重合体樹脂粒子とを、撹拌羽根付き高速混合機に投入し、120℃で30分間撹拌混合して機械的衝撃力の作用で上記フェライト粒子の表面に上記共重合体樹脂によるコート層を形成させて、体積基準のメジアン径が50μmであるキャリアを得た。
なお、キャリアの体積基準のメジアン径は、湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「シンパティック社製、ヘロス(HELOS)」により測定した。
トナー1に対して、トナー1の濃度が6質量%となる量の上記のキャリアを添加し、ミクロ型V型混合機(筒井理化学器株式会社製)によって回転速度45rpmで30分間混合して、現像剤を製造した。
2.画像形成
上記現像剤を、市販のカラー複合機(コニカミノルタ社製、bizhub PRO C6500(「bizhub」は同社の登録商標)に装填して、記録媒体としての王子製紙社製、POD128gグロスコート(坪量:128g/m )上に、トナー付着量が4g/m のベタ画像を出力した。その後、出力画像に対してLEDの紫外線ランプ(Phoseon Technology社製LEDランプ(365nm、8W/cm2、water cooledunit))からの露光面照度1、200mW/cmに集光したUV光の照射が始まるように照射し、画像を固定化させた。
3.画像の評価
固定後の上記ベタ画像の光沢性を目視で観察したところ、面全体が滑らかな光沢感を示していた。
[実施例2]
実施例1の「第1乳化液を調製する工程」において熱可塑性樹脂1を熱可塑性樹脂2に変更した以外は同様にして、ベタ画像を形成したところ、得られたベタ画像は、面全体が滑らかな光沢感を示していた。
[実施例3]
実施例1の「第1乳化液を調製する工程」においてポリエチレングリコール#400ジアクリレートおよび、IRGACURE 2959を添加せず、UV光の照射をしなかった以外は同様にして、ベタ画像を形成したところ、得られたベタ画像は、実施例1、2に比べ多少の粒状感が存在するものの面全体の滑らかな光沢感は保持していた。
[比較例]
実施例3のトナーを40℃で24h真空乾燥を行い十分に液体成分を除去した以外は同様にして、ベタ画像を形成したところ、得られたベタ画像は粒状感のある画像であった。
本発明のトナーによれば、光沢感が高い光輝性の画像を、トナーを用いる画像形成装置によって容易に大量生産することができる。そのため、本発明は、証明書、表彰状または感謝状などの、金色などの光輝性の画像を有し、かつ、細部が異なるハードコピーの画像を、大量に生産することを可能とし、また、枠のデザインの変更などの仕様変更も容易に行えるため、ハードコピーに関する技術の進展および普及に貢献することが期待される。
10 構造色粒子
15 粒子構造体
20 水溶性モノマー
30 開始剤
40 光吸収性材料
50 コア部
60 シェル部
100 トナー
400 従来のトナー
410 バインダー
410a 硬化したバインダー
420 反射性の物質の薄片
600 画像形成装置
610 像保持体
620 帯電部
630 潜像形成部
640 現像部
650 転写部
651 転写ベルト
652 転写ローラー
653 二次転写ローラー
660 定着部
670 光照射部
680 記録媒体供給部
681 給紙カセット
682 ピックアップローラー
683、684、685 給紙ローラー
686 レジストローラー
690 記録媒体排出部
691 排紙ローラー

Claims (14)

  1. 配列したときに構造色を観察可能な粒子を含む、流動性のコア部と、
    熱可塑性樹脂を含むシェル部と、
    を含むトナー。
  2. 前記コア部は、水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含む、請求項1に記載のトナー。
  3. 前記粒子の平均粒子径は150nm以上350nm以下である、請求項1または2に記載のトナー。
  4. 前記粒子は、光吸収性材料を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のトナー。
  5. 前記光吸収性材料は、ポリドーパミンである、請求項4に記載のトナー。
  6. 前記光吸収性材料は、前記粒子を被覆している。請求項4または5に記載のトナー。
  7. 配列したときに構造色を観察可能な粒子を含有する第1の水相液と、熱可塑性樹脂および第1の乳化剤を含有する油相液と、を混合して、油中水(W/O)型エマルションである第1乳化液を調製する工程と、
    前記第1乳化液と、第2の乳化剤を含有する第2の水相液と、を混合して、水中油中水(W/O/W)型エマルションである第2乳化液を調製する工程と、
    前記第2乳化液をから粒子状のトナーを分離する工程と、
    を含む、トナーの製造方法。
  8. 上記第1の水相液は、水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含有する、請求項7に記載のトナーの製造方法。
  9. 前記第1の乳化剤のHLB価は、3以上11以下である、請求項7または8に記載のトナーの製造方法。
  10. 前記第2の乳化剤のHLB価は、8以上18以下である、請求項7〜9のいずれか1項に記載のトナーの製造方法。
  11. 像保持体と、
    前記像保持体の表面を帯電する帯電部と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成部と、
    前記静電潜像を請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーでトナー像として現像する現像部と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する転写部と、
    熱圧力の印加により前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる定着部と、
    を備える画像形成装置。
  12. さらに、活性光線の照射により前記定着したトナー像を硬化させる光照射部を備え、
    前記現像部は、前記コア部に水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含む前記トナーで現像する、
    請求項11に記載の画像形成装置。
  13. 像保持体の表面を帯電する工程と、
    帯電した前記像保持体の表面に静電潜像を形成する工程と、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載のトナーまたは請求項7〜10のいずれか1項に記載の方法で製造したトナーで、前記静電潜像をトナー像として現像する工程と、
    前記トナー像を記録媒体の表面に転写する工程と、
    熱圧力の印加により前記トナー像を前記記録媒体の表面に定着させる工程と、
    を含む画像形成方法。
  14. さらに、活性光線の照射により前記定着したトナー像を硬化させる工程を含み、
    前記現像する工程は、前記コア部に水溶性モノマーおよび開始剤をさらに含む前記トナーで現像する、
    請求項13に記載の方法。
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