JP2018004421A - 金属表面の質感評価装置及び評価方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 金属表面の凹凸、光沢などの質感の定量化を図る。
【解決手段】 Lab色度分布の中心を特定し(S145)、2つのU(L,a,b)、U(L,a,b)のいずれか一方の中心座標を他の中心座標に一致するように、中心座標の偏差ΔA、ΔB、ΔL分だけ、Lab色度分布全体をシフト(写像)処理し(S146)、空間的な広がり度差分を示す質感広がり指数を演算する(S147)。Lab色度分布の3次元空間の中で空間的な広がり度を演算し、検査面の凹凸を照明光の回折現象にて定量化でき、その広がり度の違いにより、色のことは除いて、金属表面等の凹凸の評価に適用できる。
【選択図】図15

Description

本発明は、金属表面の質感評価装置及び評価方法、特に、金属表面の光沢、斑、濁り、凹凸等の質感を評価するための評価装置とその方法に関する。
金属表面での微細な凹凸を研磨するには様々な方法が提案されている(http://www.chemicoat.co.jp/column/detail_6.html)。
「化学研磨」とは、研磨用の溶液に金属を浸して、酸やアルカリの力によってその化学反応で金属の表面を腐食させる研磨方法である。細かい部分にまで溶液が入り込むため、機械による研磨では届かないような細部にも処理を行うことが出来るのが特徴である。主に複雑な形状の微細部品や内面部分の研磨を行う場合に化学研磨が向いている。
「電解研磨」とは、電解研磨用の溶液に金属を浸して、その溶液の中で金属をプラスとして電流を流す方ことで研磨を行う。金属は次第に溶解し、表面が光沢化や平滑化してくる。表面に加工による変質層を作ることがなく汚れや焼けなども残さないため、化学研磨と共に精密部品などのクリーンな研磨方法が必要な場合に利用されている。
「機械研磨」とは、その名の通り機械を使って行う研磨のことを指し、様々な方法がある。現在の主流は、円盤型の定盤の上に研磨パッドを貼り、その上に化学成分や微細な粒子を含んだ液体の研磨材を垂らし、回転させながら磨くロータリータイプです。他にも金属の内径を精密に研磨するホーニングマシンによる研磨や、バフを使用したバフ研磨など様々な研磨方法がある。
梨地仕上げ(なしぢしあげ)とは(http://www.chemicoat.co.jp/knowledge/detail_169.html)、金属の表面に微細な凹凸をつけて、ざらざらとした質感に仕上げる表面処理方法を言います。果実の梨の表面に似ていることからこう呼ばれる。梨地仕上げには、光沢、半光沢、無光沢の梨地がある。梨地仕上げを行う目的は、質感や見た目をよくするなどのほかオイルのついた手で触ったときに滑りにくくするための滑り止め目的や、塗装や陽極酸化をする際の前処理などの目的で用いられている。また精密機械などの金属表面の摩擦抵抗を減らすために、「きさげ加工」という微細な凹凸をつける加工がほどこされる場合もある。
金属表面を梨地仕上げ加工する方法には主に機械的な方法と化学的な方法があり、機械的な方法としては前述のきさげ加工のほかワイヤブラシにより金属表面を磨くワイヤブラシ法、微粒子を圧縮空気により表面に吹き付けるサンドブラスト法、細かい粒子を含んだ加工液を金属加工面に吹き付ける液体ホーニング法などがある。化学的に梨地仕上げ加工を行う方法には、エッチングなどの化学腐食や電解腐食を用いる方法、分散めっき法などの電気メッキを用いた表面処理を行う方法などがある。
表面つや粗さ測定方式には、従来、粗さ計があり、機械式のもの、レーザーなどの光学式のものがある。これらは凹凸が何mmあるか、あるいは何nmあるかといった数値で示すが、現場の経験ある技術者はこうした値よりも目で見た、表面のツヤ感やテカリ度を見て判定している。また、こうした経験のある現場の判定で作業が進んでいる。
表面を光学的に計測する特許文献1、2、3の発明が提案されている。
これに対し、色と質感の調整に関しては、特許文献4の発明が提案されている。この発明では、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラと、カメラが取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換した着色データを取得し演算する演算処理部と、測定対象物を照射する照明部と、を備え、演算処理部が、測定対象物の撮像により得られた着色データのうち、特定された検査領域を設定し、測定対象物として、検査物と基準物について、それぞれ、検査領域の各画素のX,Y,Z値より正規化されたx,y値を検査領域について演算し、xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査物と基準物の画素数を積算することにより、xy色度座標ヒストグラム分布を作成するか、または、三次元XYZ座標において取得したXYZ色度座標ヒストグラムの画素数を積算することにより、XYZ色度座標ヒストグラム分布を生成し、検査物と基準物の2つのxy色度座標ヒストグラム分布またはXYZ色度座標ヒストグラム分布の重なり合った割合を示すLab平均値及び広がり度差分演算を演算することにより、色およびそのテクスチャーを検査する。
このように色と質感を総合的に検査するため、人の目との相関が取れている方法ではある。たとえば、産業製品のインラインのカメラの装置で使っている。産業製品が流れてくると、リアルタイムで人間の目と同じような判断で、産業製品の全体、あるいは部分の境目の色違いを検出するところで利用される。こうして人間の目と同じような判断基準で不良着色を除外することができる。
特開平7−280541号公報 特開平8−43060号公報 特開平10−227626号公報 特開2014−187558号公報
しかしながら、特許文献1〜3は、光沢、つや、粗さ等の仕上がり具合を示す質感の判断までは行うことができないし、また、特許文献4に示す発明において、色と質感を調整するためのパラメーターとしては色一致指数での総合的な判断となるため、インラインでの色検査には好都合ではあるが、金属表面の仕上がり具合を示す質感の評価に利用するのが難しい場合がある。
金属表面を仕上げるのに、粗くしたり、鏡面仕上げにしたりするが、この荒さ加減は、専門家の目による評価が必要となる。金属表面が粗いものでもミクロンオーダーとなり、鏡面ではナノオーダーの凹凸となるが、人の目はその両方での判定を行うので、時間とコストがかかる、正確な判定が難しいという問題がある。
そこで、本発明は、XYZ系のカメラにより、金属表面の凹凸に光源からの光を当てて、その反射光分布を計測し、金属表面の形状により、光源からの光が回折により色の広がりとして観測され、この広がり感により、人間の目の判定条件に近い状態で、金属表面の仕上げ判定定量化を可能とすることを課題とする。
本発明は、XYZ系のカメラを用いた判定方式で、この方式では人の見た目の判定法と極めて近い判定が出来る。その根拠はカメラでは、正確な値が2次元又は3次元で求められるため、検査面の凹凸等の質感を照明光の回折現象にて定量化できる点にある。
上記課題に鑑み本発明は、本発明のXYZ系のカメラで、金属表面に光源を当て、光沢、つや、斑、濁り、凹凸等の質感を、その反射光分布を計測すると、金属表面の形状により、光源からの光が回折により色・質感の広がりとして観測され、この広がり感により、金属表面の色・質感の定量化が可能となることに着目した。すなわち、本発明は、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラと、前記カメラが取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを取得し演算する演算処理部と、金属表面を照射する照明部と、を備え、前記演算処理部が、前記金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定し、XYZ表色系の色空間にそれぞれ対応する座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査面と基準面の画素数を積算することにより、XYZ表色系の色空間ヒストグラム分布を作成し、前記検査面と基準面の2つの色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方の色空間ヒストグラム分布の中心を他の色空間ヒストグラム分布に近接するようにシフトさせることにより、色空間ヒストグラム分布の広がりの差を示す質感広がり指標を演算することを特徴とする金属表面の質感評価装置である。
ここでいう金属表面には、刃物の表面、金型の表面、めっきの表面等が挙げられる。質感には、光沢、つや、粗さ、凹凸等があげられる。評価には金属表面の凹凸、斑、濁り、粗さ、つや、光沢等、仕上がり具合の状態を評価することをいう。
本発明は、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラを利用する金属表面の質感評価方法において、照明下で、前記カメラによる撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを生成するステップと、前記金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定するステップと、XYZ表色系の色空間にそれぞれ対応する、座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査面と基準面の画素数を積算することにより、色空間ヒストグラム分布を作成するステップと、前記検査面と基準面の2つの色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方の色空間ヒストグラム分布の中心を、他の色空間ヒストグラム分布に近接するようにシフトさせ、色空間ヒストグラム分布の広がりの差を示す質感広がり指標を演算するステップと、を備えたことを特徴とする金属表面の質感評価方法である。
特許請求の範囲では、XYZ表色系は他のCIE系表色系を含む広義のものを意味し、特許請求の範囲以外では、狭義のものを意味する。狭義のXYZ表色系とは、RGB表色系を単純な一次変換で負の値が現れないように定めたものであり、他のCIE表色系、例えば、Yxy、XYZ、Lab、Luv等のCIE表色系の基礎となり、2次元色度図又は3次元色空間を含む概念である。したがって、広義のXYZ表色系は、狭義のXYZ表色系と該XYZ表色系から発展させた他のCIE表色系を含む。
狭義のXYZ表色系とは、RGB表色系を単純な一次変換で負の値が現れないように、CIEが1931年にRGB表色系と同時に定めたものである。
xyY表色系(Yxy表色系ともいう)とは、XYZ表色系では数値と色の関連がわかりにくいので、XYZ表色系から絶対的な色合いを表現するために定められたものである。
Luv表色系とは、CIEが1976年に定めた均等色空間のひとつであり、CIELは光の波長を基礎に、XYZ表色系のxy色度図の波長間隔の均等性を改善したものである。日本ではJIS Z8518に規定されている。
Lab表色系とは、CIELであり、XYZ表色系から知覚と装置の違いによる色差を測定するために派生したものである。日本ではJIS Z 8729に規定されている。
広義のXYZ表色系には、2次元座標と3次元座標で規定される色空間が含まれる。色空間の代表例としては、と、XYZ色空間と、Lab色空間等の構成例がある。2次元の色空間の場合、例えば、Yxy色空間、Luv色空間の場合、2次元平面であるxy色度図(Yxy色空間で正規化したxy色度値(平面))、uv色度図、u’v’色度図が挙げられる。平面上での2次元色度図の画素の密度として表現されるxy色度ヒストグラム分布又はLuv色度ヒストグラム分布等が対応する。3次元の色空間の場合、例えば、XYZ色空間、Lab色空間の場合、3次元空間であるXYZ色空間、Lab色空間が挙げられる。3次元での色空間上の画素の密度として表現されるXYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布等が対応する。
2次元のxy色度平面、uv色度図、u’v’色度図での色と質感の分離に対して、他のXYZ色空間とLab色空間等は3次元色空間上で色と質感の分離となる。従って、用語として、xy色度ヒストグラムに対して、XYZ色空間ヒストグラム、Lab色空間ヒストグラム等のように、区別して定義している。
XYZ色空間ヒストグラムとLab色空間ヒストグラムは、それぞれ、別のものであり、Lab色空間での質感広がり指標演算は、XYZ色データをLab色度データに変換して、この変換したデータより、計算するものである。
近接させるようにシフトする態様について、例えば、ヒストグラム分布の所定の位置、例えば、中心を一致させる、所定の位置、例えば中心同士を所定範囲内まで近接させる、座標軸と平行に移動させることで近接させる、中心から他の中心まで直線方向に近接させる等、適切な指標を得られる程度であれば、シフト量、シフト方向等は適宜設定が可能であり、種々なる態様でシフトの実施が可能である。
指標には、指数、グラフ、絵図、または、これらの組み合わせで示すもの等、平面、立体にかぎらず、種々なる態様が可能である。
技術的関連を有する発明によれば、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラと、前記カメラが取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを取得し演算する演算処理部と、金属表面を照射する照明部と、を備え、前記演算処理部が、前記金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定し、金属表面として、検査面と基準面について、それぞれ、前記検査領域の各画素のX,Y,Z値を演算し、xy色度図、XYZ色度図、又はLab色度図にそれぞれ対応する、xy座標、XYZ座標、又はLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査面と基準面の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布を作成し、前記検査面と基準面の2つのxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方のxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布の中心を、他のxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布に近接させるようにシフトさせ、xy色度ヒストグラム分布、XYZ色空間ヒストグラム分布、又はLab色空間ヒストグラム分布の質感広がり指標を演算することを特徴とする金属表面の質感評価装置である。
技術的関連を有する発明によれば、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラを利用する金属表面の質感評価方法において、照明下で、前記カメラによる撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを生成するステップと、前記金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定するステップと、金属表面として、検査面と基準面について、それぞれ、前記検査領域の各画素のX,Y,Z値を演算するステップと、xy色度図、XYZ色度図、又はLab色度図にそれぞれ対応する、xy座標、XYZ座標、又はLab座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する前記検査面と基準面の画素数を積算することにより、xy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布を作成するステップと、前記検査面と基準面の2つのxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方のxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布の中心を、他のxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布に近接させるようにシフトさせ、xy色度ヒストグラム分布、XYZ色空間ヒストグラム分布、又はLab色空間ヒストグラム分布の質感広がり指標を演算するステップと、を備えたことを特徴とする金属表面の質感評価方法である。
本発明における撮像装置は、三つの分光感度(S(λ),S(λ),S(λ))により、すなわち、基準面、検査面を三つのチャンネルに分けて撮像することとなるが、その手段としては、これらの分光感度を得るために設定された光学フィルタまたはダイクロイックミラーもしくはダイクロイックプリズム等のいずれであるかを問わず用いることができる。
前記撮像装置の分光感度(S(λ),S(λ),S(λ))は、CIE XYZ分光特性から負の値を持たない、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりは最小限にするという条件から等価変換したものであって、分光特性Sのカーブは、ピーク波長が582nmであり、半値幅が523〜629nmであり、1/10幅が491〜663nmである。分光特性Sのカーブは、ピーク波長が543nmであり、半値幅が506〜589nmであり、1/10幅が464〜632nmである。分光特性Sのカーブは、ピーク波長が446nmであり、半値幅が423〜478nmであり、1/10幅が409〜508nmである。
本発明は、XYZ系のカメラによって、金属表面の光沢、つや、凹凸等の質感を照明光の回折現象にて定量化できるため、人の見た目の判定法と極めて近い判定が、正確、効率的に出来る利点がある。
本発明実施形態1の金属表面の質感評価装置1のブロック図である。 本発明実施形態1におけるXYZ表色系カメラであるカメラ2の分光感度を示す関数である。 本発明実施形態1において三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を取得する方式の具体例である。(a)はダイクロイックミラーを用いる場合の説明図である。(b)はフィルタターレットを用いる場合の説明図である。(c)は光学フィルタ22a、22b、22cを撮像素子23に微視的に貼着した場合の説明図である。 本発明実施形態1のカメラ2におけるフローチャートである。 本発明実施形態1の演算処理装置3におけるフローチャートである。 本発明実施形態1の演算処理装置3におけるサブーチャートである。 本発明実施形態1の演算処理装置3における、xy座標空間におけるシフト処理を示す説明図である。 (a)は発明実施形態1の演算処理装置1における検査領域Tを示す説明図、(b)は検査領域Tに対応する色度図上の色度領域Kを示すxy色度図、(c)は格子Gで区画された色度領域Kの説明図、(d)はxy2次元色度図上での色度の重なりの様子を示す模式図、(e)はミニマム分布を示す説明図、(f)はxy色度ヒストグラム分布の一例を示す説明図である。 (a)は金属表面のメタリック度を示す説明図、(b)はxy色度ヒストグラム分布図、(c)はxy色度ヒストグラム分布の立体イメージ図である。 本発明実施形態2の金属表面の質感評価装置101の構成を示すブロック図である。 本発明実施形態2の金属表面の質感評価装置101の演算処理装置103におけるフローチャート(XYZ色空間分布)である。 本発明実施形態2の金属表面の質感評価装置101の演算処理装置103におけるフローチャート(Lab色空間分布)である。 本発明実施形態3の金属表面の質感評価装置101のxy座標空間におけるシフト処理を示す説明図である。 本発明実施形態3の金属表面の質感評価装置201の構成を示すブロック図である 本発明実施形態3の金属表面の質感評価装置201のLab座標空間におけるシフト処理を示す説明図である。 実施例1のサンプルNo.2の測定範囲と測定場所(画像緑枠内)を示す説明写真図である。 実施例2のサンプルNo.2の測定範囲と測定場所(画像緑枠内)を示す説明写真図である。 実施例3のサンプルNo.8とNo.4の測定範囲と測定場所(画像緑枠内)を示す説明写真図である。 実施例3のサンプルNo.5-No.7の測定範囲と測定場所(画像緑枠内)を示す説明写真図である。
本発明の好適な実施形態1による金属表面の質感評価装置1について図1〜図10を参照して説明する。
表面の質感評価装置1は、CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する2次元色彩計2と、2次元色彩計2が取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを取得し演算する演算処理部3と、金属表面5を照射する照明部6と、を備え、演算処理部3が、金属表面5の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定し、金属表面5として、検査面と基準面について、それぞれ、検査領域の各画素のX,Y,Z値をLab値に変換し、Labの各値の平均値を演算し、xy色度図のxy座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査面と基準面の画素数を積算することにより、Lab色度ヒストグラム分布を作成し、検査面と基準面の2つのxy色度ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方のxy色度ヒストグラム、XYZ色空間ヒストグラム、又はLab色空間ヒストグラム分布の中心を他のxy色度ヒストグラム分布の中心と一致するようにシフトさせ、xy色度ヒストグラム分布もしくはXYZ色色空間ヒストグラムもしくはLab色空間ヒストグラムの広がり度差分を演算することを特徴とする。金属表面としては刃物、金型、めっき等の表面が挙げられる。
フリップフロップにより角度によって見え方が相違するので、ここでは、2次元色彩計2を手動で移動して、少なくとも3つの相違する角度から撮像する。照明部6があって、2次元色彩計2がその下に設置され、2次元色彩計2が手動でその角度を変えられる。2次元色彩計2により多角度から金属表面5及びそのLab色ヒストグラム分布データを測定できる。
2次元色彩計2の分光感度はルータ条件を満たすものであって、その分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、図2に示す通り、XYZ等色関数から、負の値を持たず、単独ピークを持つ山形であり、それぞれの分光感度曲線のピーク値が等しく、かつ分光感度の曲線の重なりはできるだけ少なくするという条件から等価変換したものである。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は具体的には以下の特性を持つ。

ピーク波長 半値幅 1/10幅
S1 582nm 523〜629nm 491〜663nm
S2 543nm 506〜589nm 464〜632nm
S3 446nm 423〜478nm 409〜508nm
上記の分光特性S1のピーク波長を580±4nm、分光特性S2のピーク波長を543±3nm、分光特性S3のピーク波長を446±7nmとして取り扱うこともできる。
三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は次の数式1を用いて求められるものである。分光特性自体についての詳細は特開2005−257827号公報等を参照されたい。
2次元色彩計2の仕様は、例えば、有限会社パパラボの2次元色彩計RC-500であり、有効頻度値約500万画素、有効面積9.93mm×8.7mm、画像サイズ3.45μm×3.45μm、ビデオ出力12Bit、カメラインターフェイスGigE、フレーム数(ピント調整時)3〜7フレーム/Sec、シャッタースピード1/15,600Sec〜1/15Sec、積算時間3秒まで、S/N比60dB以上、レンズマウントFマウント、動作温度0℃〜40℃、動作湿度20%〜80%である。
2次元色彩計2は、図1に示すように、撮影レンズ21と、この撮影レンズ21の後方に配置された三つの光学フィルタ22a、22b、22cと、光学フィルタ22a、22b、22cの後方に配置された撮像素子23(CCD、CMOSなど)と、を備えている。2次元色彩計2の三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、光学フィルタ22a、22b、22cの分光透過率と撮像素子23の分光感度との積により与えられるものである。図1における光学フィルタ22a、22b、22cと撮像素子23との配列的関係は模式的に示したものにすぎないものである。三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を取得する方式について以下に具体例を挙げるが、本実施形態1ではこれらのうちいずれをも採ることができ、また、その他の方式を採ることもできる。
図3(a)に示すものはダイクロイックミラーを用いる方式である。これはダイクロイックミラー22c´により特定の波長の光を反射し、透過した残りの光について、さらに別のダイクロイックミラー22a´により別の特定の波長の光を反射して分光し、撮像素子23a、23b、23cを三つ並列にして読み出す方式である。ここでは、ダイクロイックミラー22a´が光学フィルタ22a、22bに相当し、ダイクロイックミラー22c´が光学フィルタ22cに相当する。撮影レンズ21から入射する光はダイクロイックミラー22c´により分光感度S3に従う光が反射され、残りの光は透過する。ダイクロイックミラー22c´により反射された光を反射鏡26により反射して撮像素子23cにより分光感度S3を得る。一方、ダイクロイックミラー22c´を透過した光は、ダイクロイックミラー22a´において、分光感度S1に従う光が反射され、残りの分光感度S2に従う光は透過するため、それぞれ撮像素子23a、撮像素子23bにより撮像して分光感度S1、S2を得る。ダイクロイックミラーに代えて同様な特性を有するダイクロイックプリズムを用いて三つに分光し、それぞれの光が透過する位置に撮像素子23a、23b、23cを接着することとしてもよい。
図3(b)に示すものはフィルタターレット27を用いる方式である。撮影レンズ21からの入射光と同じ方向を回転軸に持つフィルタターレット27に光学フィルタ22a、22b、22cを設けてこれらを機械的に回転させ、順次透過する光について撮像素子23により三つの分光感度S1、S2、S3を得るものである。
図3(c)に示すものは光学フィルタ22a、22b、22cを撮像素子23に微視的に貼着する方式である。撮像素子23上における光学フィルタ22a、22b、22cは、ベイヤー配列型に設けられる。この配列は、格子状に分けた撮像素子23上の領域のうち半分に光学フィルタ22bを設け、残りの半分の領域に光学フィルタ22aと光学フィルタ22cとをそれぞれ均等に配置するものである。すなわち、配置量は光学フィルタ22a:光学フィルタ22b:光学フィルタ22c=1:2:1となる。光学フィルタ22a、22b、22cの配列をベイヤー配列以外のものとすることは本実施形態1において特に妨げられない。一つ一つの光学フィルタ22a、22b、22cは非常に微細であるため、印刷により撮像素子23に貼着される。ただし、本発明はこの配列に意味があるのではなく、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))の特性のフィルタを撮像素子に貼着することにある。
2次元色彩計2は分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))により取得した画像情報を演算処理装置3に送信し、演算処理装置3でXYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換し、取得した三刺激値X、Y、Zによる画像データを変換処理による演算処理を行い、視覚化処理された画像を表示する表示装置(図示略)を備える。
演算処理装置3は2次元色彩計2により取得した画像の任意の位置における輝度、色度等を演算し視覚化処理するものである。金属表面5の斜めから照明を照射し、金属色のxy、XYZ又はLab色度分布データ同士を比較して指数化する。
2次元色彩計2で金属表面5を、通常、1ヶ所で撮像し、必要に応じて、2次元色彩計2が移動して、他の別の角度で撮像する。ここでは、例えば、正面、左右45度の3箇所(適宜数の箇所でも良い)で撮影することもできる。
照明部6の照明源はキセノンランプ(擬似太陽光)を採用する。照明部6はキセノンランプのほかに、フレネルレンズ・アセンブリを備えている。キセノンランプは金属表面5の斜め上から均一に照らすものとする。キセノンランプ以外にLEDの人工太陽灯でもよい。
表示装置7は演算処理装置3と接続され、演算処理装置3で処理された画像信号を受信して、画像を画面に表示するようになっている。演算処理装置3または表示装置7は、適宜、入力手段(図示略)等を備える。入力手段はキーボード、マウス、画像表示装置に設けられるタッチパネル等である。
金属表面5の質感評価装置1の動作について具体例を挙げつつ説明する。金属表面5の質感評価装置1は、図1に示す通り、2次元色彩計2と、演算処理装置3と、表示装置7とを接続することにより動作する。接続方法は有線・無線を問わず選択できる。2次元色彩計2におけるフローチャートを図4に、演算処理装置3におけるフローチャートを図6に、それぞれ示す。
2次元色彩計2の電源が入ると、図4に示す通り、初期化をする(初期化S1)。つぎに、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))により金属表面5を撮像し(撮像処理S2)、その後、撮像された画像データを撮像素子23により入力し(入力処理S3)、演算処理装置3にて三刺激値X、Y、Zに変換する(変換処理S4)。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は表示装置7に送信される(データ送信S5)。画像が動画である場合には、撮像処理S2からデータ送信S5の一連の処理が連続的に行われる。画像は画像表示装置7に表示される。
撮像処理S2では、様々な金属表面5を測定する例が挙げられているが、撮像位置が相違する特定領域について、相違する角度にて2次元色彩計2で金属表面5を撮像する。撮像箇所は複数個所であり、適宜数を選択できる。ここでは、正面(0度)、左45度、右45度の3方向から測定する。また、測定の場所は、2次元色彩計2の0度の光軸は金属表面5に垂直になる。また、照明は、太陽光と同じく斜め上からの照明であることが特徴となる。
三刺激値X、Y、ZからY´xy表色系への変換式を数式2、3に挙げる。ここでは2次元色彩計2とともに輝度計(図示略)を使用し、Yは輝度計の値(nt)により校正してY´としたものである。色空間の変換式は慣用されているものであるため、その他の詳しい式については割愛する。
XYZ表色系は、現在CIE標準表色系として各表色系の基礎となっている。光の三原色(R=赤、G=緑、B=青紫)の加法混色の原理に基づいて発展したもので、色度図を使って色をYxyの3つの値で表わす。Yが反射率で明度に対応し、xyが色度になる。
撮像処理S2は、三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有する2次元色彩計2によって金属表面5を撮像する工程である(図1、図4参照)。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は上記の数式1に従って与えられるものである。撮影レンズ21と光学フィルタ22a、22b、22cと撮像素子23により撮像されると同時に入力処理S3が連続的に行われる。
入力された画像データは分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従った値であるため、2次元色彩計2の演算処理装置3における変換処理S4によって、撮像された画像の画像データを三刺激値X、Y、Zに変換する。この変換は数式1に従って行われる。すなわち、数式1における係数の逆行列を乗じて三刺激値X、Y、Zを得ることとなる。なお、2次元色彩計2からは分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従った値のまま演算処理装置3に送信する。
演算処理装置3に電源が入ると、図5に示す通り、初期化をする(初期化S110)。表示装置7は2次元色彩計2と接続された状態において、2次元色彩計2から送信された分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を受信する(データ受信S120)。その後、分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))から三刺激値X、Y、Zに変換する(S140)。その内容を表示装置7に送信する(表示処理S150)。2次元色彩計2からデータ受信S120に従い、変換処理S130から表示処理S150の一連の処理が連続的に行われる。
演算処理S140は、撮像された基準面と検査面の画像のLab平均値及びxy質感広がり指数を演算し視覚化処理する工程であり、表示装置7に表示するために必要な場合は、色情報をRGB等に変換処理する。
前記の表示処理S150は、視覚化処理された質感広がり指数を画像表示装置に表示する工程であり、処理をリターンする。
図6のS140のサブフローチャートを説明する。基準面の第1画像(画像B)を撮像しておき、次に対比すべき検査面の第2画像(画像A)を撮像し、以下のとおり、質感広がり指数を順次計算する。質感を分離した質感広がり指数により、質感の類似性を判定する。
撮像した画像ABについて検査したい領域T(図8(a)参照)に対応する検査領域K(図20(b)参照)を設定する(ステップS141)。大きさや場所を自由に設定することができる。
色度xyを演算し、色度Yxyを求める(S142)。
撮像した検査面の画像Aから切り出した領域Kの検査面のxy色度ヒストグラム分布を作成する(S143)。この色度ヒストグラム分布は、図8(c)に示す、2つのヒストグラム分布の重なり領域Dに属する画素をカウントした積算数である。
xy色度ヒストグラム分布は、上記各単位格子に属数する画素の積算数を示す立体ヒストグラムであり、図8(d)に重なり領域Dを示す。
図8(c)に示す通り、xy座標の位置での比較対象の色分布を平面的に書いたものであり、検査領域Kを格子Gで区画し、その区画のxy値を有する画素を積算しz軸とするヒストグラム分布を作成する。xy座標を、特定の幅のグリッド(立体マス目)、例えば、xyをそれぞれ1/1000(1000個の線)で切った平面格子とする。ヒストグラムの端から端までスキャンしてゆき、格子Gに区画した領域ごとに、これに属する画素数を同じxy面でそれぞれスキャンしz方向に積算してゆく。また、検査領域Kでxy座標の特定範囲だけを演算すれば、演算時間が短縮できる。グリッドのマス目を細かくすれば精度は上がるが、演算時間が長くなるので、適宜のマス目とする。
S143と同様に、基準面の画像Bのxy色度ヒストグラム分布を作成する(S144)。xy色度ヒストグラム分布は、xy軸がxy色度、z軸が画素の積算数であり、図8(d)に平面的な重なり領域を示す。
Labのa軸、b軸、L軸について、それぞれ独立に検査領域のすべての画素の総和を取り、その画素数にて、それぞれのL値、a値、b値の総和を割って、Lab色度分布の平均L値、平均a値、平均b値を計算する(S145)。
下記の数式4により変換したLab空間のLab値を算出する。Lab色空間は補色空間の一種で、明度を意味する次元Lと補色次元のAおよびBを持ち、CIEXYZ色空間の座標を非線形に圧縮したものに基づいている。正規化する前のXYZ値からLab値に数式4により変換する。XYZ色空間上での分布に対して、Lab色空間の分布は、明るさ方向も加味した分布が得られる。
数4で、関数fの括弧の中のX,Y,Z の値がそれぞれ白色点の座標Xn,Yn,Znで割ってあるのは,最大値を1に揃えるためである。
基準面及び検査面の平均値の差分を取り色の相違の判断材料とする。
図7に示す通り、xy色度分布の中心座標C、Cを特定する(S146)。ここでは中心座標は図心(重心位置)とする。
図7に示す通り、2つのxyヒストグラム分布H(x,y)、H(x,y)のいずれか一方の中心座標を他の中心座標に一致するように、中心座標の偏差ΔF分だけ、xy色度分布全体をシフト(写像)処理する(S147)。いずれか一方の分布を他の分布にシフトさせないと、色成分の差も計算してしまうことになるからである。グラフ上でも計算だけでもできる。シフト量は適宜設定可能である。例えば、一方の中心から他の中心へのシフトに代えて、一方の中心から他の中心の所定範囲内へのシフトでも同様の効果がある。要は、質感が把握できる適宜のシフト量で接近させればよい。
空間的な広がり度差分を示す質感広がり指数を演算する(S148)。これにより単純にメタリック感の違いだけ抽出して、色度の類似性と、メタリック感の程度を分離して判定し、これを定量化できる。xy色度分布の2次元空間の中で広がり度を演算し、その広がり度の違いを、色のことは除いた、光輝材のキラメキ感の違いとして把握できるので、色と質感とを確実に分離して検出できる。
質感広がり指数は、下式により計算する。xy色度ヒストグラム分布は、画素の積算数であり、図8(d)に重なり領域D、図8(e)にミニマム分布を示す。
質感広がり指数=重なり領域Dに属する画素の積算数/検査領域Kの全体の画素数×100(%)
基準面と検査面の2次元空間上での広がり度ヒストグラムを計算し、その配列の同じ位置同士のミニマム値を取ったものが、重なり合い頻度となるため、全体のヒストグラム総和カウントで、この値を割ったもので計算される。
図8(d)(e)は図8(c)をS−S断面で切り取った1つの断面図であり、xy座標で同じライン上で見た場合には重なり合いがある。立体的に描く代わりに、便宜上、平面で描いている。またヒストグラムであるから、微小な階段形状の分布になっている。図8(d)の積算数Hと積算数Hはそれぞれ画像A、画像Bに対応する。二つのヒストグラム分布を比較すると、重なり領域Dが存在する。
図8(e)に示す通り、H(x、y)を検査面のxy色度ヒストグラム分布の積算数、H2(x、y)を検査面のxy色度ヒストグラム分布の積算数とすると、重なり合った左側領域ではH>Hで、中央でH=Hとなり、右側ではH<Hである。H,Hのうち、小さい方の積算数(画素頻度)を取ると、左側ではH、右側ではHとなり、階段状のヒストグラム曲線であるミニマム分布が特定できる。これを利用し、重なり領域Dの全体領域に対する割合が演算できる。
このミニマム分布で小さな方の積算値を特定する。HとHのうち、少ない方の積算数を加算演算すれば、重なり領域Dの積算数が演算でき、全体の画素数に対する割合が特定できる。検査領域Kの全体の画素数は決まっており、検査面と基準面では、ともに総画素数は同一値である。この割合の演算は全部の格子Gについて3次元的に積算してもよいし、例えば、図8(c)に示す通り、S−S軸に沿って検査領域Kを切り、yが所定値でxが端から端まで変化する場合での画素の積算数の分布を2次元的に積算する。図8(f)が積算結果のxy座標上での2次元マップである。検査領域Kにおいて分布がなく画素数がゼロの場合には演算から除外する。
最後に、表示・保存処理、送信処理を行い(S149)、処理をリターンする。
例えば、検査領域Kに属する画素を縦100画素×横100画素=10,000画素とする。同じ検査領域Kで画像を切り取るので、画像Aと画像Bの全体の画素数はともに10,000画素である。xy色度ヒストグラムから、重なり領域の画素数を積算し、積算数が5,000個であった場合、質感広がり指数は50%となる。質感広がり指数が100%を下回るほど質感の相違度が大きくなる。xy値の分布が完全に一致していれば100%となる。これにより、一定以上の数値であると判定された場合に、質感について適合面であると判定することができる。
画像について、第一次的に得られる色情報はXYZ等色関数と等価な関数による三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))であるため、RGBにより取得する場合と比べて人の眼の感度に忠実で高精度である。分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))の重なり合いは小さく、S/N比も十分にとれ、分光感度の曲線におけるカーブも自然に変化するため、測色における誤差は最低限に留められる。
画像の質感を色とは分離してヒストグラム分布で把握できるため、表面の光沢、つや、凹凸、粗さ等の違いを反映することにより、微妙な色合いの違いまで判定できる。
例えば、図9(a)〜(c)に示す通り、メタリック度が小さいものから大きなものまで3種類を検査した場合の例を説明する。メタリック度の小さなものを基準面1とし、メタリック度の中程度を検査面2とし、メタリック度の大きなものを検査面3とする。まず、1〜3を前記の処理を行った後のxyz色度図上での分布を作成すると、図9(b)のxy色度図に示す通り、ハイライト部分が積算されたデータである。積算数を明暗で示してあり、色の明るいほど積算数は大きい。図9(c)は基準面と検査面の3次元で積算数を模式的に表したものである。xy軸は色度、z軸は積算数である。基本的には、メタリック感が強いほど、低く広がった山形となり、メタリック感が弱いほど、尖った山形になる。基準面1と、検査面2又は3について、2つのヒストグラム分布を比較することで、重なりの度合いを示す質感広がり指数を演算する。
なお、表1に示す通り、比較例はΔEが質感の元となる色を平均値で算出したLabを使用するので、Lab値、ΔEの値が見た目に比べて微小の差異であり、検査が困難であった。本実施形態の質感広がり指数は、検査領域Kの範囲内の積算数をそのまま用いるので、基準面1に対して、検査面2、3がそれぞれ58%、27%となり、数値で明確に、かつ、簡単にメタリック度の識別ができる。
次の本実施形態2の金属表面5の質感評価装置101を図10、図11、図12を参照して説明する。対応する同様な要素については100番台として説明を援用し、主として、相違点を説明する。
基準面、検査面を撮像する2次元色彩計102、2次元色彩計102とスイッチ106を介して接続し信号を受信し、質感広がり指数の演算を行う演算処理装置103と、演算処理装置103と接続し指数表示を行う表示装置107とを備えている。
図10に示す通り、演算処理装置103は、基準面となる色見本105を撮像することにより取得される刺激値XYZ1を計算する演算部103Aと、検査面となる色見本を撮像することにより取得される刺激値XYZ2を計算する演算部103Bと、演算部103Aと演算部103Bと接続し、金属表面5の色一致度指数を演算する演算部103Cと、演算部103CからのOK信号またはNG信号を表示装置107に送信したり、外部に送信するものである。なお、スイッチ106は、刺激値XYZ1と刺激値XYZ2を選択的に入力するものである。
図11は2つの画像A、Bから色度ヒストグラム分布の比較による質感広がり指数を演算するフローチャートである。図11に示す通り、プログラムが起動すると、画像Aから検査領域Kを切り出し特定し、設定する(S201)。次に画像Bから画像Aと同様の検査領域を切り出し特定し、設定する(S202)。画像A,Bより色度値XYZの演算を行う(S203)。検査領域Kにおいて、検査面と基準面のXYZ色度ヒストグラム分布をそれぞれ演算し、作成する(S204)。XYZ値の平均値を演算する(S205)。XYZ色空間分布の中心座標を特定する(S206)。中心座標へのXYZ色空間分布をシフト処理する(S207)。シフト処理後、XYZ色空間分布の中心座標を特定する(S208)。シフト処理後の中心座標の適否の確認のためである。ここで中心座標の再調整が可能である。XYZ色度ヒストグラム分布のミニマム分布を特定し、重なり領域DでのXYZ色度ヒストグラム分布の積算数を演算する(S209)。質感広がり指数=(重なり領域Dに属する画素の積算数/検査領域Kの全体の画素数)×100(%)である。重なり領域Dでの積算数はTとTのうち、少ない方の積算数を加算演算する。質感広がり指数を演算し(S210)、リターンする。
なお、検査領域Kに対応するXYZ分布の演算の場合、指数の演算は、X軸、Y軸、Z軸の3次元空間での分布により行う。検査面と基準面でのXYZ空間座標でのXYZ値を、図13(a)(b)に示す通り、それぞれ、T(L,a,b)、T(L,a,b)とする。XYZの色空間であるとヒストグラム分布は地球儀のような形状になっており、2つのヒストグラム分布が立体的に重なり合っている場合と分離している場合がある。これをシフト処理し、中心座標を近づける。3次元空間の検査領域Kを格子で区画し、3次元でのT(X,Y,Z)、T(X,Y,Z)の色度ヒストグラム分布とミニマム分布を求め、同様な指数の演算を行う。格子の積算数を平面上に投影し、その面内で同様な積算で格子上の重なり合いの領域の積算数を演算してもよい。XYZ色度の場合には、明るさの情報がないため、XYZ空間では、画像の明るさが変わってもヒストグラム分布は変化しない。
XYZ色空間ヒストグラムに代えてLab色空間ヒストグラムを質感判定に用いる場合には、図12のフローチャートを用いる。図12の説明は図11の上記説明を援用する。S205では領域の平均Lab値の計算と画像Bの検査領域の平均Lab値の演算となる。Lab色度の場合には、明るさの情報があるため、Lab空間では、画像の明るさが変わると、ヒストグラム分布が変化する。
次に本実施形態3の金属表面205の質感評価装置201につき図14を参照して説明する。対応する同様な要素については200番台として説明を援用し、主として、相違点を説明する。
図14に示す通り、色判定対象は金属表面5の一部の領域であり、2次元色彩計202が金属表面205の対象領域を撮像する。演算処理装置203は、基準となる刺激値XYZ1からLabを計算する演算部203Aと、判定対象となる刺激値XYZ2からLabを計算する演算部203Bと、演算部203Aと演算部203Bと接続しLab平均値を演算する演算部203Cと、基準Labと対象Labから質感広がり指数を演算する質感広がり指数演算部203Dと、演算部203C、203Dからの演算値を着色装置257に送信するものである。指数値に応じて、適正な金属質感になっているかどうかを、画面を見て判定し、さらに着色処理を行うものである。なお、スイッチ206は、基準XYZと対象XYZを選択的に入力するものである。主要な処理は概ね実施形態1、2のフローチャートと同様であるので、説明は援用する。
検査領域Kに対応するLab空間における色度ヒストグラム分布の演算の場合、XYZ値からLabへ変換を行う。指数の演算は、L軸、a軸、b軸の3次元空間での分布により行う。Lab色度分布は立体楕円形状である。検査面と基準面でのLab空間座標でのLab値を、図15(a)(b)に示す通り、それぞれ、U(L,a,b)、U(L,a,b)とする。Labの色空間であるとヒストグラム分布は地球儀のような形状になっており、2つのヒストグラム分布が立体的に重なり合っている場合と分離している場合がある。3次元空間の検査領域Kを格子で区画し、3次元でのU(L,a,b)、U(L,a,b)の色度ヒストグラム分布とミニマム分布を求め、同様な指数の演算を行う。格子の積算数を平面上に投影し、その面内で同様な積算で格子上の重なり合いの領域の積算数を演算する。Lab色度の場合には、明るさの情報があるため、Lab空間では、画像の明るさが変わると、L値が変化して、一致度の分布U、UがLab空間内で位置がずれるため、明暗を考慮に入れた判定が可能である。画像の明るさが違えば分布の位置がずれるからである。例えば、Lab色度ヒストグラム分布は、暗くなれば下方にずれ、明るくなれば上方にずれる。
その他の応用例を説明する。基準面・検査面の取得されたA,B画像の2枚の画像を重ねあわせ、それぞれの色度ヒストグラム分布を表示装置7に表示したり、それぞれの色度ヒストグラム分布をひとつの色度図上で重ね合わせた色度図が表示でき、色の相違を平均Lab値で判定し、一方、金属表面の質感を示す質感広がり指数演算を分離してパーセンテージで表示できる。これにより、検査面の色度分布の基準面の色度分布の空間的広がりのズレ、特に、凹凸感や粗さ感を数値で確実に確認できる。各領域Kごとに検査結果が数値で表示される。格子のグリッド幅の調節が可能である。指数のしきい値を任意で設定可能である。測定結果と撮影した画像は保存が可能である。目視検査では避けられなかった個人差の問題や、客先との判断基準のトラブル等を減らして、金属質感の仕上がり具合の基準化や安定した質感管理を行うことが可能となる。
以上、本実施形態を説明したが、以下の効果がある。(1)平均L値、平均a値、平均b値、及び、(2)2つのH(x,y)、H(x,y)、T(X,Y,Z)、T(X,Y,Z)、U(L,a,b)、U(L,a,b)に関する質感広がり指数ついて、それぞれの例を挙げたが、色と、光沢、つや、凹凸等の質感との違いを、分離して提示することにより、正確、迅速な評価をおこなうことができ、金属表面の荒さ調整等の質感調整により、仕上がり具合について適格な方針を与えることができる。
本発明の金属表面評価装置1により、金属表面の粗さを評価するため実施例1〜実施例7の通り、測定し、評価を行った。
以下に、実施例を例示し、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例中における特性値の測定及び評価は下記のように行った。
(1) 評価装置
有限会社パパラボのPPLB-200を用いた。PPLB-200は2次元色彩計RC-500を備える。照明はPanasonic社製D50照明を用いた。
(2) 撮影
PPLB-200による撮影は、部屋が暗室状態で行った。2次元色彩計は静止画タイプのものを使用し、白色板のL値を100として測定を行った。
(3)測定範囲
サンプルの測定範囲について、評価する際の範囲は全サンプルを同じサイズとした。測定範囲は、実施例1は図16、実施例2は図17、実施例3は図18,図19について、それぞれ、画像の枠線内である。
(4)測定項目及び結果について
サンプルの合格基準面と検査サンプルの測定を行った。撮影した基準・検査サンプル画像の測定部の一致度、ΔE、平均Labの差を求めた。一致度のうち、xy−3Dはヒストグラム分布の中心座標のシフト処理(図6のS147、図11のS207、図12のS207)をせずに求めた値、色分離はヒストグラム分布の中心座標のシフト処理を行って求めた値である。色分離は色と質感を分離したパラメータである。平均Lab値の差=検査サンプルの平均Lab値−基準サンプルの平均Lab値とした。測定結果から、一致度の結果とΔEの数値から、基準サンプルに色も表面の質感も一番類似しているサンプルを特定した。ΔEに関して人間の視感度特性を考慮したΔE00を使用した。
以下の実施例1〜3の金属部品について、測定場所、一致度、ΔE00、平均Lab値の差、及び測定範囲内のLab値を示す。
サンプルNo.2は、金属表面の茶濁がない部分を基準とし、茶濁がある部分と茶濁がない部分(基準とは違う箇所)の一致度、ΔE00、平均Labの差を測定した。表2に測定結果一覧を示す。色の違いは評価せず、質感の違いを評価する場合には、色分離の数値を基準として判断する。色の違いを併せて評価する場合には、ΔE00,平均Labの差も参照の上、評価を行う。
サンプルNo.2の基準測定範囲内のLab値、茶濁がある部分の測定範囲内のLab値、茶濁がない部分の測定範囲内のLab値を、それぞれ、表3、表4、表5に示す。茶濁がない部分の一致度について、xy−3Dと色分離とは数値は同じ96%であるが、茶濁がある部分の一致度について、色分離の数値は63%であり、xy−3Dの46%よりも17%も高くなっているので、より正確な評価が可能である。これにより、茶濁を見た人間の目の評価に近くなるので、迅速で正確な評価が可能となる。

サンプルNo.3は、金属表面の茶濁がない部分を基準とし、茶濁がある部分と茶濁がない部分(基準とは違う箇所)の一致度、ΔE00、平均Labの差を測定した。表6に測定結果一覧を示す。色の違いは評価せず、質感の違いを評価する場合には、色分離の数値を基準として判断する。色の違いを併せて評価する場合には、ΔE00,平均Labの差も参照の上、評価を行う。
サンプルNo.3の基準測定範囲内のLab値、茶濁がある部分の測定範囲内のLab値、茶濁がない部分の測定範囲内のLab値を、それぞれ、表7、表8、表9に示す。茶濁がない部分の一致度について、xy−3Dと色分離とは数値は同じ96%であるが、茶濁がある部分の一致度について、色分離の数値は80%であり、xy−3Dの66%よりも14%高くなっているので、より正確な評価が可能である。これにより、茶濁を見た人間の目の評価に近くなるので、迅速で正確な評価が可能となる。
白濁があるのはNo.4〜No.6のサンプル、白濁がないのはNo7である。白濁がないサンプルNo.8を基準とし、No.4〜No.6の白濁がある部分の一致度、ΔE00、平均Labの差を測定した。 また比較のため白濁がないNo.7も同様に測定した。表10に測定結果一覧を示す。色の違いは評価せず、質感の違いを評価する場合には、色分離の数値を基準として判断する。色の違いを併せて評価する場合には、ΔE00,平均Labの差も参照の上、評価を行う。
サンプルNo.8(基準)、No.4、 No.5、No.6、 No.7の基準測定範囲内のLab値、白濁がある部分の測定範囲内のLab値、白濁がない部分の測定範囲内のLab値を、それぞれ、表11、表12、表13、表14、表15に示す。白濁がない部分の一致度について、xy−3Dと色分離とは数値は85%から79%に減少しているが、白濁があるサンプルNo.4〜No.6の一致度について、色分離の数値は、61%、56%、67%であり、いずれも、xy−3Dの値よりも2%高くなっているので、より正確な評価が可能である。これにより、白濁を見た人間の目の評価に近くなるので、迅速で正確な評価が可能となる。

なお、本発明の実施形態は、上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲において、改変等を加えることができるものであり、それらの改変、均等物等も本発明の技術的範囲に含まれ、前記技術的範囲に属する限り種々の形態を採り得ることは言うまでもない。例えば、三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を取得する方式について、本実施形態において挙げた方式は具体例に過ぎないものであって、これらに限られず、その他の方式によっても本発明の技術的思想は実施されるものである。
本発明の評価装置は、金属表面の光沢、つや、凹凸等の質感を照明光の回折現象にて定量化できるため、人の見た目の判定法と極めて近い判定が出来ることにより、これまで人の目に依存していた金属表面等の凹凸の評価に適用できる。
1、101、201・・・金属表面の質感評価装置
2、102、202・・・2次元色彩計
3、103、203・・・演算処理装置
5、105、205・・・色見本
6、106、206・・・照明部
7・・・表示装置
21・・・撮影レンズ
22a、22b、22c・・・光学フィルタ
23・・・撮像素子
22a´、22c´・・・ダイクロイックミラー
23a、23b、23c・・・撮像素子
2次元色彩計2は、図1に示すように、撮影レンズ21と、この撮影レンズ21の後方に配置された三つの光学フィルタ22a、22b、22cと、光学フィルタ22a、22b、22cの後方に配置された撮像素子23(CCD、CMOSなど)と、を備えている。2次元色彩計2の三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))は、光学フィルタ22a、22b、22cの分光透過率と撮像素子23の分光感度との積により与えられるものである。図1における光学フィルタ22a、22b、22cと撮像素子23との配列的関係は模式的に示したものにすぎないものである。三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))に従って画像情報を取得する方式について以下に具体例を挙げるが、本実施形態1ではこれらのうちいずれをも採ることができ、また、その他の方式を採ることもできる。24は演算部、25は表示部である。
図3(a)に示すものはダイクロイックミラーを用いる方式である。これはダイクロイックミラー22c´により特定の波長の光を反射し、透過した残りの光について、さらに別のダイクロイックミラー22a´により別の特定の波長の光を反射して分光し、撮像素子23a、23b、23cを三つ並列にして読み出す方式である。ここでは、ダイクロイックミラー22a´が光学フィルタ22a、22bに相当し、ダイクロイックミラー22c´が光学フィルタ22cに相当する。撮影レンズ21から入射する光はダイクロイックミラー22c´により分光感度S3に従う光が反射され、残りの光は透過する。ダイクロイックミラー22c´により反射された光を反射鏡26により反射して撮像素子23cにより分光感度S3を得る。一方、ダイクロイックミラー22c´を透過した光は、ダイクロイックミラー22a´において、分光感度S1に従う光が反射され、残りの分光感度S2に従う光は透過する。ダイクロイックミラー22a´を透過した光を撮像素子23bにより撮像して分光感度S2を得る。ダイクロイックミラー22a´により反射された光を反射鏡29により反射して撮像素子23aにより分光感度S1を得る。ダイクロイックミラーに代えて同様な特性を有するダイクロイックプリズムを用いて三つに分光し、それぞれの光が透過する位置に撮像素子23a、23b、23cを接着することとしてもよい。

Claims (2)

  1. CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラと、
    前記カメラが取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを取得し演算する演算処理部と、
    金属表面を照射する照明部と、
    を備え、
    前記演算処理部が、
    前記金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定し、
    XYZ表色系の色空間にそれぞれ対応する座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査面と基準面の画素数を積算することにより、XYZ表色系の色空間ヒストグラム分布を作成し、
    検査面と基準面の2つの色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方の色空間ヒストグラム分布の中心を他の色空間ヒストグラム分布に近接するようにシフトさせることにより、色空間ヒストグラム分布の広がりの差を示す質感広がり指標を演算することを特徴とする金属表面の質感評価装置。
  2. CIE XYZ等色関数と等価に線形変換された三つの分光感度(S1(λ)、S2(λ)、S3(λ))を有するカメラを利用する金属表面の質感評価方法において、
    照明下で、前記カメラによる撮像により取得した三つの分光感度を有する画像をCIE XYZ表色系における三刺激値X、Y、Zに変換したデータを生成するステップと、
    金属表面の撮像により得られたデータのうち、特定された検査領域を設定するステップと、
    XYZ表色系の色空間にそれぞれ対応する、座標の検査領域を格子で区画し、各格子に属する検査面と基準面の画素数を積算することにより、色空間ヒストグラム分布を作成するステップと、
    検査面と基準面の2つの色空間ヒストグラム分布の中心を特定し、いずれか一方の色空間ヒストグラム分布の中心を、他の色空間ヒストグラム分布に近接するようにシフトさせ、色空間ヒストグラム分布の広がりの差を示す質感広がり指標を演算するステップと、
    を備えたことを特徴とする金属表面の質感評価方法。
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