JP2018002797A - 金属用研磨液及び研磨方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】基板表面にコバルト含有膜を有する基盤を腐食抑制しつつ研磨可能な金属用研磨液、及び、当該金属用研磨液を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)アミノ酸と、(B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤と、(C)有機酸と、を含有し、pHが4.5〜9.0であり、基板表面のコバルト含有膜を研磨するための金属用研磨液及びこれを用いた研磨方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属用研磨液及び研磨方法に関する。特に、本発明は、金属機械研磨に使用される金属用研磨液及び研磨方法に関する。
近年、半導体集積回路(以下「LSI」と記す)の高集積化、高性能化に伴って新たな微細加工技術が開発されている。化学機械研磨(以下「CMP」と記す)法もその一つであり、LSI製造工程、特に多層配線形成工程における層間絶縁材料の平坦化、金属プラグ形成、埋め込み配線形成において頻繁に利用される技術である(例えば、下記特許文献1参照)。
現在は主に配線材料として銅、銅合金、銅の酸化物、銅合金の酸化物等の銅系金属が用いられている。銅系金属は、従来のアルミニウム合金配線の形成で頻繁に用いられているドライエッチング法による微細加工が困難である為、あらかじめ凹部(溝部)及び凸部が形成されている絶縁材料上に銅系金属を堆積して、凹部に銅系金属を埋め込み、次いで、凸部上に堆積した銅系金属(凹部以外の銅系金属)をCMPにより除去して埋め込み配線を形成する、いわゆる銅ダマシン法が主に採用されている(例えば、下記特許文献2参照)。
一方で近年では、LSIの更なる高集積化、高性能化の為により微細な配線の形成が求められている。しかしながら、前記銅ダマシン法では銅の微細配線への埋め込みに技術的限界がある。このため、銅に代わる配線材料としてコバルトが注目されている。コバルトは堆積技術(PVD、CVD等)の技術的発展に伴い超微細配線の形成が可能となった。ダマシン法の銅をコバルトに置き換えた半導体製造手法が確立されつつある。
CMPに用いられる金属用研磨液は、必要に応じて、砥粒、酸化剤、金属溶解剤、金属防食剤を含有する。酸化剤を含有する研磨剤を用いたCMPでは、酸化剤によって金属表面が酸化されて酸化層が形成され、その酸化層が削り取られることが基本的なメカニズムであると考えられている。このような研磨においては、凹部の金属表面の酸化層は研磨布にあまり触れず、削り取りの効果が及ばないので、CMPの進行とともに凸部上の金属材料が除去されて基体表面は平坦化される。
CMPによる研磨速度(以下、「CMP速度」と記す)を高める方法として、金属溶解剤を研磨液に添加することが有効とされている。しかし、一方で、凹部の金属のエッチングが進行してしまい、平坦化効果が損なわれる懸念がある。これを防ぐために、金属防食剤が研磨液に更に添加される場合がある。このような研磨液は、金属溶解剤と金属防食剤のバランスを取ることが重要であり、凹部の金属表面の酸化層があまりエッチングされず、且つ、削り取られた金属が効率良く溶解されてCMP速度が大きいことが望ましい。
現在では、金属溶解剤と金属防食剤のほかに、添加剤として様々な物質を研磨液に添加することが検討されており、これらの添加剤によって比較的高いCMP速度(400〜500nm/min)、低いエッチング速度が得られる場合がある(例えば、下記特許文献3及び4参照)。
米国特許第4944836号明細書 特開平2−278822号公報 特開2010−538457号公報 特開2009−514219号公報
近年の半導体デバイスの潮流として、LSIがより高性能化し、特に配線が微細化している。配線の微細化に伴い、銅ダマシンプロセスによる配線形成では微細配線部の埋め込み不良が発生する。このため、銅ダマシンプロセスでは埋め込み性の良好なバリア膜(コバルト、ルテニウム等)を用い微細配線部の銅埋め込み性を改善している。しかしながら、1xnmノードなどの最先端プロセスでは埋め込み性が良好なバリア膜を用いても銅の埋め込み性が限界に近づきつつある。このため、配線材料を銅から、埋め込み性の良好なコバルトへ置き換える動きが近年出てきている。
コバルトは標準酸化還元電位が低く、腐食しやすい問題がある。この為、従来の技術ではコバルト含有膜を腐食なく研磨することは困難であった。このため、配線パターンを形成しても腐食による欠陥が発生し、デバイスの誤作動を引き起こす懸念があった。
以上のように、コバルト含有膜を研磨する場合、その腐食を抑制する観点からエッチング速度を抑制することは非常に重要であるが、困難であった。
本発明は、上記問題点に鑑み、基板表面にコバルト含有膜を有する基盤を腐食抑制しつつ研磨可能な金属用研磨液、及び、当該金属用研磨液を用いた研磨方法を提供することを目的とする。
(A)アミノ酸と、(B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤と、(C)有機酸と、を含有し、pHが4.5〜9.0であり、基板表面のコバルト含有膜を研磨するための金属用研磨液である。
本発明に係る金属用研磨液は、前記(C)有機酸として、COOH基に直鎖が結合し、直鎖の炭素数が3個以上のモノカルボン酸を含有する。また、本発明に係る金属用研磨液は過酸化水素、過ヨウ素酸カリウム及びオゾン水からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する。また、本発明に係る金属用研磨液は研磨砥粒を0〜10質量部含有する。
本発明に係る金属用研磨液によれば、低いエッチング速度を達成できる。これらにより、被研磨面の平坦性を向上させつつ、腐食なく埋め込みパタ−ンを形成することができる。
研磨されるコバルト含有膜は、コバルト、コバルト合金、コバルトの酸化物及びコバルト合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含んでいてもよい。すなわち、本発明によれば、コバルト、コバルト合金、コバルトの酸化物及びコバルト合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む金属の研磨のための、金属用研磨液の応用が提供される。
本発明に係る研磨方法は、前記金属用研磨液を用いて、金属の少なくとも一部を研磨する。本発明に係る研磨方法では、前記金属用研磨液を用いることにより、金属の研磨に際し、低いエッチング速度を達成できる。
本発明に係る研磨方法は、被研磨面の平坦性を向上させつつ、腐食なく金属の埋め込みパタ−ンを形成することができる。
研磨方法の一実施形態を示す模式断面図である。
以下、本発明の一実施形態に係る金属用研磨液、及び、当該金属用研磨液を用いた研磨方法について詳細に説明する。
(定義)
本発明の説明において、「物質Aを研磨する」及び「物質Aの研磨」とは、物質Aの少なくとも一部を研磨により除去することと定義される。「高いCMP速度」とは、研磨される物質がCMP研磨により除去される速度(例えば、時間あたりの厚みの低減量)が大きいことと定義される。
また、「コバルト含有膜」とは、コバルト原子を含む金属を意味し、具体的には、コバルト、コバルト合金、コバルトの酸化物及びコバルト合金の酸化物を意味する。
また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
(金属用研磨液)
本実施形態に係る金属用研磨液は、金属の少なくとも一部を研磨するための金属用研磨液である。本実施形態に係る金属用研磨液は、例えば、半導体デバイス製造工程において、基板表面にコバルト含有膜を有し、かつ基板表面に銅含有膜を有しない基盤をCMPする際に用いられる。
本実施形態に係る金属用研磨液は、(A)アミノ酸と、(B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤と、(C)有機酸と、を含有し、pHが4.5〜9.0である。なお、金属用研磨液における(A)成分、(B)成分や(C)成分、その他の構成成分としては、一種を単独で使用してもよく、二種類以上を併用してもよい。
(金属溶解剤)
本実施形態に係る金属用研磨液は、低いエッチング速度を達成する観点から金属溶解剤として(A)アミノ酸を含有する。アミノ酸としては、グリシン、α−アラニン、β−アラニン(別名:3−アミノプロパン酸)、2−アミノ酪酸、ノルバリン、バリン、ロイシン、ノルロイシン、イソロイシン、アロイソロイシン、フェニルアラニン、プロリン、サルコシン、オルニチン、リシン、タウリン、セリン、トレオニン、アロトレオニン、ホモセリン、チロシン、3,5−ジヨ−ドチロシン、β−(3,4−ジヒドロキシフェニル)アラニン、チロキシン、4−ヒドロキシプロリン、システイン、メチオニン、エチオニン、ランチオニン、シスタチオニン、シスチン、システイン酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、カルボキシメチルシステイン、4−アミノ酪酸、アスパラギン、グルタミン、アザセリン、アルギニン、カナバニン、シトルリン、δ−ヒドロキシリシン、クレアチン、キヌレニン、ヒスチジン、1−メチルヒスチジン、3−メチルヒスチジン、エルゴチオネイン、トリプトファン、アクチノマイシンC1、アパミン、アンギオテンシンI、アンギオテンシンII、アンチパイン等が挙げられる。
前記(A)アミノ酸の中でも、低いエッチング速度を高度に達成する観点から、グリシンを含有するのが好ましい。CMP速度を更に向上させることを目的として、グリシン以外のアミノ酸を含有してもよい。グリシン以外のアミノ酸としては、低分子量のアミノ酸が好ましい。具体的には、分子量が200以下のアミノ酸が好ましく、150以下のアミノ酸がより好ましい。また、第一アミノ基(−NH)をもつ一級アミノ酸が好ましい。このようなアミノ酸としては、α−アラニン、β−アラニン、4−アミノ酪酸等が挙げられる。
(A)アミノ酸の含有量(グリシン単独、又はグリシンとグリシン以外のアミノ酸の総和)は、金属を充分に溶解し易くなる観点から、研磨液100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.1質量部以上が更に好ましく、0.5質量部以上が特に好ましく、0.8質量部以上が極めて好ましい。(A)アミノ酸の含有量は、エッチングの抑制が容易となる観点から、研磨液100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましく、2質量部以下が特に好ましく、1.5質量部以下が極めて好ましい。上記の観点で、(A)アミノ酸の含有量は、0.001〜10質量部の範囲が好ましい。これにより低いエッチング速度を達成することが出来る。
(金属防食剤)
本実施形態に係る金属用研磨液は、低いエッチング速度を達成する観点から金属防食剤として、(B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤を含有する。ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物は金属(特に銅系金属)表面に対して保護膜を形成して防食作用を発揮すると考えられる。また、その際に、その疎水性構造を研磨布と接触する側に向けるため、研磨布との摩擦が高まり、研磨速度を高める機能があると考えられる。なお、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物が酸基(例えばカルボン酸)を有する場合は、前記有機酸化合物としてではなく、ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物として数える。
ベンゾトリアゾール骨格を有する化合物としては、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−ニトロ(−1H−)ベンゾトリアゾール、5−クロロ(−1H−)ベンゾトリアゾール、1−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾール、1−エチル(−1H−)ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸メチル、6−ブロモ−1H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、2−アミノ−2H−ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アミン、1−アセチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−7−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−アミノ−5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、5−メトキシ−1H−ベンゾトリアゾール、1−クロロ−1H−ベンゾトリアゾール、1−ビニル−1H−ベンゾトリアゾール、4−アミノ−1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5−アミン、1−メチル−1H−ベンゾトリアゾール−5−アミン、2−メチル−2H−ベンゾトリアゾール、2H−ベンゾトリアゾール、5,6−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、4,7−ジメチル−1H−ベンゾトリアゾール、1−ジヒドロキシプロピルベンゾトリアゾール、2,3−ジカルボキシプロピルベンゾトリアゾール、4−ヒドロキシベンゾトリアゾール、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾール、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールメチルエステル、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールブチルエステル、4−カルボキシ(−1H−)ベンゾトリアゾールオクチルエステル、5−ヘキシルベンゾトリアゾール、5−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾール(トリルトリアゾール)、ナフトトリアゾール等が挙げられる。
その中でも銅系金属に対する高い研磨速度と低いエッチング速度とを両立する観点から、ベンゾトリアゾール、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、5−メチル(−1H−)ベンゾトリアゾールが好ましい。
(B)成分の含有量は、エッチングの抑制が容易となる観点から、研磨液100質量部に対して、0.001質量部以上が好ましく、0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上が更に好ましく、0.02質量部以上が特に好ましい。(B)成分含有量は、材料の溶解性の観点から、研磨液100質量部に対して、0.5質量部以下が好ましく、0.2質量部以下がより好ましく、0.1質量部以下が更に好ましく、0.08質量部以下が特に好ましく、0.05質量部以下が極めて好ましい。これにより低いエッチング速度を高度に達成することが出来る。
本実施形態に係る金属用研磨液は、前記(B)成分以外に、公知の金属防食剤を含むことができる。金属防食剤としては、複素環化合物が知られており、具体的には、トリアゾール骨格を有する化合物、ピリミジン骨格を有する化合物、イミダゾール骨格を有する化合物、グアニジン骨格を有する化合物、チアゾール骨格を有する化合物、及び、ピラゾール骨格を有する化合物等が挙げられる。
前記(B)成分以外の、公知の金属防食剤としては、エッチングの抑制が容易となる観点から、トリアゾール骨格を有する化合物が好ましく、ナフトトリアゾール骨格を有する化合物がより好ましい。
ナフトトリアゾール誘導体としては、1H−ナフト[2,3−d]トリアゾール1−アミン、1−アミノ−1H−ナフト[1,2−d]トリアゾール、2−アミノ−2H−ナフト[1,2−d]トリアゾール、3H−ナフト[1,2−d]トリアゾール、4,9−ジヒドロ−1H−ナフト[2,3−d]トリアゾール等が挙げられる。
これらの化合物を含む場合、その含有量は、研磨液100質量部に対して、0.001〜0.5質量部が好ましい。
(金属錯化剤)
本実施形態に係る金属用研磨液は、低いエッチング速度を達成する観点から金属錯化剤として(C)有機酸を含有する。有機酸として、COOH基に直鎖が結合し、直鎖の炭素数が3個以上のものカルボン酸を含有する。前記カルボン酸としては、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、乳酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等が挙げられる。
前記(C)有機酸の中でも、低いエッチング速度を高度に達成する観点から、直鎖に官能基を有しない、低分子量のカルボン酸が好ましい。具体的には、分子量が200以下のカルボン酸が好ましく、150以下のカルボン酸がより好ましい。このようなカルボン酸としてはプロピオン酸、酪酸、乳酸等が挙げられる。
(C)カルボン酸の含有量は、金属と充分に錯体を形成する観点から、研磨液100質量部に対して、0.00001質量部以上が好ましく、0.0005質量部以上がより好ましく、0.0001質量部以上が更に好ましい。(C)カルボン酸の含有量は、エッチングの抑制が容易となる観点から、研磨液100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましく、2質量部以下が特に好ましく、1.5質量部以下が極めて好ましい。上記の観点で、(A)アミノ酸の含有量は、0.00001〜10質量部の範囲が好ましい。これにより低いエッチング速度を達成することが出来る。
本実施形態に係る金属用研磨液のpHは4.5〜9.0である。金属用研磨液のpHが4.5以上であると、エッチングが抑制される。金属用研磨液のpHは、エッチングの抑制が更に容易となる観点から、5.0以上が好ましく、5.5以上が更に好ましい。金属用研磨液のpHが9.0以下であると、充分なCMP速度が得られる。金属用研磨液のpHは、充分なCMP速度が得られ易くなる観点から、8.5以下が好ましく、8.0以下がより好ましい。
本実施形態に係る金属用研磨液は、酸又は塩基をpH調整剤として用いて、pHを調整してもよい。前記pH調整剤としては、塩酸、硝酸等の無機酸;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基などが挙げられる。その中でも硝酸、アンモニア等がpH調整の容易性の観点から好ましい。
本実施形態に係る金属用研磨液のpHは、pHメータ(例えば、株式会社堀場製作所製の型番pHMeter F−51)で測定できる。例えば、フタル酸塩pH緩衝液(pH4.01)と中性リン酸塩pH緩衝液(pH6.86)を標準緩衝液として用いてpHメータを2点校正した後、pHメータの電極を金属用研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後の値を測定する。このとき、標準緩衝液と金属用研磨液の液温は共に25℃とする。
本実施形態に係る金属用研磨液は、金属の酸化剤(以下、「金属酸化剤」と記す)を更に含有していてもよい。金属酸化剤としては、過酸化水素(H)、過ヨウ素酸カリウム、オゾン水等が挙げられる。金属酸化剤の中でも、過酸化水素が好ましい。
金属酸化剤の含有量は、充分に金属が酸化されるため良好なCMP速度が得られ易くなる観点から、研磨液100質量部に対して、0.1質量部以上が好ましく、0.5質量部以上がより好ましく、1質量部以上が更に好ましい。金属酸化剤の含有量は、研磨面に荒れが生じることを防ぎ易くなる観点から、研磨液100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、6質量部以下がより好ましく、3質量部以下が更に好ましい。
本実施形態に係る金属用研磨液は、必要に応じて砥粒(研磨砥粒)を含有していてもよい。砥粒としては、シリカ、アルミナ、セリア、チタニア、ジルコニア、ゲルマニア、炭化珪素等の無機物砥粒;ポリスチレン、ポリアクリル、ポリ塩化ビニル等の有機物砥粒;無機物砥粒と有機物砥粒の複合砥粒;などが挙げられる。砥粒としては、研磨液中での分散安定性が良く、研磨時に発生する研磨傷数が更に少ない観点から、無機物砥粒が好ましく、無機物砥粒のコロイドがより好ましく、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナが更に好ましい。
砥粒の平均粒径は、特に制限はないが、分散安定性の観点から、100nm以下が好ましく、80nm以下がより好ましい。また、砥粒の平均粒径は、高いCMP速度が発現し易くなる観点から、5nm以上が好ましく、10nm以上がより好ましい。砥粒の「平均粒径」とは、金属用研磨液中の砥粒の平均二次粒径を意味する。砥粒の平均粒径の測定に際しては、例えば、光回折散乱式粒度分布計(例えば、COULTER Electronics社製、商品名:COULTER N4SDや、マルバーンインスツルメンツ社製、商品名:ゼータサイザー3000HSA)を使用できる。
砥粒の含有量は、研磨液中において砥粒の分散安定性が低下することを抑制する観点から、研磨液100質量部に対して、10質量部以下が好ましく、8質量部以下がより好ましく、5質量部以下が更に好ましく、3質量部以下が特に好ましい。砥粒を用いる場合、砥粒の含有量は、高いCMP速度が発現し易くなる観点から、研磨液100質量部に対して、0.01質量部以上が好ましく、0.05質量部以上がより好ましい。
本実施形態に係る金属用研磨液は、スラリと、添加液とを混合して前記金属用研磨液となるように、前記研磨剤の構成成分をスラリと添加液とに分けた複数液式の研磨剤セットとして保存してもよい。スラリは、例えば、砥粒及び水を少なくとも含む。添加液は、例えば、前記(A)〜(B)成分及び金属酸化剤からなる群より選択される少なくとも一種を含む。特に、金属酸化剤として過酸化水素を用いる場合等、分解しやすい成分を含む場合は、その成分を分けて保存することが好ましい。例えば、砥粒、前記(A)〜(C)成分及び水を含むスラリと、過酸化水素及び水を含む添加液に分けて保存することが好ましい。
また、前記スラリ及び添加液は、水等の液状媒体によって希釈されて使用される、濃縮貯蔵液であってもよい。ここで、濃縮とは、液状媒体に対する各成分の含有割合が金属用研磨液における含有割合より多いことを意味し、濃縮工程を経たものに限定されない。
(研磨方法)
本実施形態に係る研磨方法は、前記金属用研磨液を用いて、金属を研磨する。本実施形態に係る研磨方法の被研磨対象は、基板表面にコバルト含有膜を有していれば特に制限はなく、前記コバルト含有膜は、コバルト、コバルト合金(コバルト−ニッケル合金等)、コバルトの酸化物及びコバルト合金の酸化物からなる群より選ばれる少なくとも1種のコバルト含有膜を含むことが好ましい。被研磨対象は、表面に凸部及び凹部を有する下地層(基板、層間絶縁材料等)上に、金属を堆積して、凹部に金属を充填した基体が好ましい。前記金属用研磨液を用いてこのような基体を研磨すると、基板又は層間絶縁材料の凸部上に堆積した金属が選択的に研磨・除去され、所望の平坦化された配線パターンが好適に得られる。
本実施形態に係る研磨方法では、例えば、図1(a)に示すような、基板1a及び層間絶縁材料1bから構成されて表面に凸部及び凹部を有する下地層1と、下地層1の表面に追従して設けられたバリア材料2と、前記凹部を埋め込むように当該バリア材料2を被覆する導電性物質3と、を有する基体10を研磨する。本実施形態に係る研磨方法は、例えば、前記金属用研磨液を用いて導電性物質3を研磨して、図1(b)に示すように、下地層1の凸部上に位置するバリア材料2を露出させて基体20を得る第1の研磨工程と、少なくとも前記凸部上のバリア材料2を研磨して、図1(c)に示すように、凸部を構成する下地層1(図1中では層間絶縁材料1b)を露出させて基体30を得る第2の研磨工程と、を備える。
本実施形態に係る研磨方法では、例えば、研磨定盤の研磨布上に前記金属用研磨液を供給し、被研磨材料(例えば前記導電性物質)を有する基体の当該被研磨材料を研磨布に押圧した状態で、研磨定盤と基体とを相対的に動かすことによって被研磨材料を研磨する。
研磨装置としては、例えば、研磨布により研磨する場合、研磨される基体を保持できるホルダと、研磨布を貼り付け可能であり、且つ、回転数が変更可能なモータ等と接続している研磨定盤と、を有する一般的な研磨装置を使用できる。研磨布としては、不織布、発泡ポリウレタン、多孔質フッ素樹脂等が使用できる。
研磨条件には特に制限はないが、研磨定盤の回転速度は、基体が飛び出さないように200min−1(200rpm)以下の低回転が好ましい。被研磨材料を有する基体の研磨布への押し付け圧力は、4.9〜98kPaが好ましく、同一面内でCMP速度のばらつきが少ないこと(CMP速度の面内均一性)、及び、研磨前に存在していた凹凸が解消し平坦になり易いこと(パターンの平坦性)を満足する観点から、9.8〜49Paがより好ましい。
研磨している間、例えば、金属用研磨液をポンプ等で連続的に研磨布に供給する。この供給量に制限はないが、研磨布の表面が常に研磨液で覆われていることが好ましい。研磨終了後の基体は、流水中でよく洗浄後、スピンドライ等を用いて、基体に付着した水滴を払い落としてから乾燥させることが好ましい。
以下、実施例により本発明を説明する。但し、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[金属用研磨液の調製]
表1〜表3に示すように、研磨砥粒として平均粒径(二次粒径)70nmのコロイダルシリカと、(A)アミノ酸を含有する金属溶解剤としてグリシンを、(B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤として5−メチル−1H−ベンゾトリアゾール(5M−BTA)またはベンゾトリアゾール(BTA)、金属錯化剤となる(C)有機酸としてカルボン酸、溶剤として3−メトキシ−3メチル−1−ブタノール(MMB)、pH調整剤としてアンモニア水と、金属酸化剤として過酸化水素とを用意した。表1〜表3に示す各組成(単位:質量部)となるように、金属用研磨液の残部として純水を前記各成分と混合して100質量部の金属用研磨液を調製した。
砥粒の平均粒径は、光回折散乱式粒度分布計(マルバーンインスツルメンツ社製、商品名:ゼータサイザー3000HSA)を用いて測定した。
金属用研磨液のpHを以下の条件により測定した。測定結果を表1〜表3に示す。
測定温度:25±5℃
測定装置:株式会社堀場製作所製 型番:pHMeter F−51
測定方法:標準緩衝液(フタル酸塩pH緩衝液、pH:4.01(25℃);中性リン酸塩pH緩衝液、pH6.86(25℃))を用いて2点校正した後、電極を金属用研磨液に入れて、2分以上経過して安定した後のpHを前記測定装置により測定した。
[研磨特性評価]
前記で得られた金属用研磨液の腐食特性を、以下に示す評価項目で評価した。評価結果を表1〜表3に示す。
(評価項目)
エッチング速度:60℃に加温しながら200rpmで撹拌されている研磨液へ前記基板を2分間浸漬した。浸漬前後のコバルトの厚み差を電気抵抗値から換算して求め、厚み差と浸漬時間とによりエッチング速度を算出した。
Figure 2018002797
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実施例1〜4に示すように、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを併用し、pHを4.5以上とした場合、低いエッチング速度が得られる。実施例5に示すように、アンモニアを用いてpHを4.5〜9.0の範囲内とした場合、低いエッチング速度が得られる。一方で比較例1〜3に示すように、pHが4.5〜9.0の範囲外となった場合、コバルトエッチング速度は大きくなる。更に実施例6〜10に示すように、(C)有機酸として、COOH基に直鎖が結合し、直鎖の炭素数が3個以上のモノカルボン酸(以下、「本願所定の金属錯化剤」ということがある。)を含有することにより、低いエッチング速度を高度に達成することが出来る。
一方、比較例4に示すように金属溶解剤であるグリシンの含有量が、研磨液100質量部に対して3質量部を超える場合、コバルトエッチング速度は大きくなる。また、比較例6〜17に示すように本願所定以外の金属錯化剤を用いた場合、pHが4.5以上であっても低いエッチング速度を達成することはできない。
このように研磨液の組成として、(A)成分と(B)成分と(C)成分とを併用していない組成の研磨液、又は(C)成分として本願所定の金属錯化剤を使用していない組成の研磨液、又はpHが4.5〜9.0ではない組成の研磨液を採用した場合、低いエッチング速度を達成することはできない。
1…下地層、1a…基板、1b…層間絶縁材料、2…バリア材料、3…導電性物質、10、20、30…基体。

Claims (5)

  1. 基板表面のコバルト含有膜を研磨するための金属用研磨液であって、
    (A)アミノ酸と、
    (B)ベンゾトリアゾール骨格を有する防食剤と、
    (C)有機酸と、
    を含有し、
    pHが4.5〜9.0である金属用研磨液。
  2. 前記(C)有機酸として、COOH基に直鎖が結合し、直鎖の炭素数が3個以上のモノカルボン酸を含有する、請求項1に記載の金属用研磨液。
  3. 過酸化水素、過ヨウ素酸カリウム及びオゾン水からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含有する、請求項1又は2に記載の金属用研磨液。
  4. さらに研磨砥粒を0〜10質量部含有する請求項1〜3のいずれか一項に記載の金属用研磨液。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の金属用研磨液を用いて、前記基板表面のコバルト含有膜の少なくとも一部を研磨する、研磨方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN109048699A (zh) * 2018-07-17 2018-12-21 常州乔尔塑料有限公司 一种飞机涂层去除用氨基模塑料磨料的制备及使用方法

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