JP2018000373A - 眼科撮影装置及びその制御方法、並びに、プログラム - Google Patents

眼科撮影装置及びその制御方法、並びに、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】OCTアンギオグラフィー撮影の成否をより早く把握できる仕組みを提供する。【解決手段】光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー(OCTA)画像を取得するためのOCTA撮影を行う眼科撮影装置100において、OCTA撮影に基づき、被検眼の断層画像を取得する断層画像取得部142と、断層画像取得部142で取得された複数の断層画像を用いてOCTA画像を生成するOCTA画像生成部143と、断層画像取得部142で取得された複数の断層画像に係る相関値を算出する相関値算出部146と、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づいてOCTA撮影の成否を判定する撮影成否判定部147を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置及びその制御方法、並びに、当該眼科撮影装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムに関するものである。
現在、光学機器を用いた眼科用機器として、様々なものが使用されている。例えば、眼を観察する光学機器として、前眼部撮影装置、眼底カメラ、共焦点レーザー走査検眼鏡(Scanning Laser Ophthalmoscope:SLO)等、様々な機器が使用されている。中でも、多波長光波干渉を利用した光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)による光干渉断層計(OCT装置)は、被検査物の断層画像を高解像度に得ることができる装置である。このため、この光干渉断層計(OCT装置)は、眼科用機器として網膜の専門外来では必要不可欠な装置になりつつあり、また、眼科用だけでなく、内視鏡等にも利用されている。
この光干渉断層計(OCT装置)は、例えば眼科診断等においては、被検眼の眼底における網膜の断層画像や、被検眼の角膜等の前眼部の断層画像を取得するために広く利用されている。この光干渉断層計(OCT装置)では、低コヒーレント光である測定光を参照光と測定光とに分け、測定光を被検査物に照射し、その被検査物からの戻り光と参照光とを干渉させ、その干渉光のスペクトル情報から被検査物の断層を測定することができる。現在の光干渉断層計(OCT装置)としては、上述した干渉光のスペクトル情報から奥行き方向の情報を得ることができるスペクトラムドメインOCT(Spectrum Domain OCT:SD−OCT)装置が一般的に利用されている。さらに、発振波長を変えることができる波長可変光源装置を光源として使用した波長掃引OCT(Swept Source OCT:SS−OCT)装置も利用されている。このSD−OCT装置とSS−OCT装置は、総称してフーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT:FD−OCT)装置と呼ばれている。
従来、被検眼の網膜における毛細血管等の細い血管を調べる場合、蛍光眼底造影検査が行われている。この検査は、瞳孔を開くための散瞳剤を点眼し、血管造影剤を静脈注射して眼底カメラで連続撮影を行うため、被検者に負担がかかる検査であった。そして、近年、光干渉断層計(OCT装置)を用いて血管造影剤を使用することなく毛細血管等を可視化する方法として、OCTアンギオグラフィー(OCT Angiography:OCTA)撮影が利用されている。このOCTアンギオグラフィー撮影は、被検眼の網膜の同じ位置に測定光を複数回走査することにより赤血球等の散乱する粒子の動きを検知して、毛細血管等の細い血管を可視化する方法である(例えば特許文献1参照)。
特表2015−515894号公報
このOCTアンギオグラフィー撮影により取得されるOCTアンギオグラフィー画像の生成には、膨大な計算処理が必要であり、OCTアンギオグラフィー画像の生成開始から終了までに多大な時間がかかる。また、OCTアンギオグラフィー撮影では、OCTアンギオグラフィー画像の生成用に複数の断層画像を撮影するため、被検者には数秒間の固視を続けてもらう必要があるが、撮影中に瞬きすることや固視がずれる等によりうまく固視を続けられずに撮影が失敗する場合も少なくない。
従来、このOCTアンギオグラフィー撮影に失敗していた場合、当該撮影により得られるOCTアンギオグラフィー画像の生成後に当該画像から失敗を把握し、その後、再撮影を行うようにしていた。この場合、OCTアンギオグラフィー画像の生成が完了し、その画像を確認するまで被検者を待たせてしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、OCTアンギオグラフィー撮影の成否をより早く把握できる仕組みを提供することを目的とする。
本発明の眼科撮影装置は、光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置であって、前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成手段と、前記画像取得手段で取得された複数の断層画像に係る相関値を算出する算出手段と、前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を完了する前に、前記相関値に基づいて前記撮影の成否を判定する判定手段とを有する。
本発明の眼科撮影装置における他の態様は、光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置であって、前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段で取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成手段と、前記撮影に係る撮影情報を取得する情報取得手段と、前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を完了する前に、前記撮影情報に基づいて前記撮影の成否を判定する判定手段とを有する。
また、本発明は、上述した眼科撮影装置の制御方法、及び、上述した眼科撮影装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムを含む。
本発明によれば、OCTアンギオグラフィー撮影の成否をより早く把握することができる。これにより、OCTアンギオグラフィー撮影に失敗して再撮影を行う場合に、被検者の待ち時間を短縮することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置の概略構成の一例を示す図である。 図1に示す測定光学部及びベース部の内部構成の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置による被検眼Eの走査(スキャン)を説明するための図である。 本発明の第1の実施形態を示し、Bスキャン画像の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態を示し、OCTA撮影の際に行われるBスキャンを説明するための図である。 図1に示すOCTA画像生成部で行われるOCTA画像の生成処理における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 図10のステップS602の処理を説明するための図である。 本発明の第3の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 本発明の第3の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。 図13のステップS1303で生成された血管画像Viの一例を示す図である。 本発明の第4の実施形態に係る眼科撮影装置の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。
以下に、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態(実施形態)について説明する。
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。
[眼科撮影装置の概略構成]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の概略構成の一例を示す図である。この眼科撮影装置100は、図1に示すように、測定光学部110、ステージ部120、ベース部130、コンピュータ140、入力部150、及び、表示部160を有して構成されている。
測定光学部110は、被検眼の前眼部画像、SLO眼底画像及び断層画像を取得するための構成部である。ステージ部120は、測定光学部110を被検眼に対して前後左右に移動可能な構成部である。ベース部130は、測定光学部110及びステージ部120を支持する構成部である。
ここで、本実施形態においては、測定光学部110、ステージ部120及びベース部130から、光干渉断層計(OCT装置)が構成されているものとする。そして、本実施形態に係る眼科撮影装置100は、この光干渉断層計(OCT装置)を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像(以下、「OCTA画像」と称する)を取得するためのOCTアンギオグラフィー撮影(以下、「OCTA撮影」と称する)を行う。
コンピュータ140は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、眼科撮影装置100の動作を統括的に制御することや、各種の処理を行う構成部である。例えば、コンピュータ140は、ステージ部120の制御や、アライメント動作の制御、各種の画像の生成等を行う。また、図1に示すコンピュータ140の内部には、主として、本実施形態におけるOCTA撮影の処理に係る機能構成を記載している。具体的に、図1に示すコンピュータ140には、OCTA撮影処理部141、断層画像取得部142、OCTA画像生成部143、撮影情報取得部144、画像処理部145、相関値算出部146、撮影成否判定部147、表示制御部148、及び、記憶部149の機能構成が含まれている。
OCTA撮影処理部141は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、被検眼のOCTA撮影を行う処理をする。
断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼の断層画像を取得する処理を行う。
OCTA画像生成部143は、断層画像取得部142で取得された複数の断層画像を用いてOCTA画像を生成する処理を行う。
撮影情報取得部144は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に係る撮影情報を取得する処理を行う。
画像処理部145は、必要に応じて、断層画像取得部142で取得された複数の断層画像に対して各種の画像処理を行う。
相関値算出部146は、断層画像取得部142で取得された複数の断層画像に係る相関値を算出する処理を行う。
撮影成否判定部147は、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づいてOCTA撮影の成否を判定する処理を行う。
表示制御部148は、各種の画像や各種の情報を表示部160に表示する制御を行う。例えば、表示制御部148は、撮影成否判定部147によるOCTA撮影の成否における判定結果の情報を表示部160に表示する制御を行う。
記憶部149は、コンピュータ140で処理を実行する際に用いるプログラムや各種の情報(各種のデータも含む)、更には、コンピュータ140の処理で得られた各種の情報(各種のデータも含む)等を記憶する。例えば、記憶部149は、OCTA撮影用のプログラムや、被検者情報(患者情報)、各種の画像データ、正常データベースの統計情報等を記憶する。
入力部150は、例えば、検者により入力された入力情報や、通信回線を介して外部装置から入力された入力情報を、コンピュータ140に入力する。
表示部160は、表示制御部148の制御に基づいて、各種の画像や各種の情報を表示するモニタ等である。例えば、表示部160は、表示制御部148の制御に基づいて、撮影成否判定部147によるOCTA撮影の成否における判定結果の情報を表示する。
[光干渉断層計(OCT装置)の内部構成]
図2は、図1に示す測定光学部110及びベース部130の内部構成の一例を示す図である。この図2において、図1に示す構成と同様の構成については同じ符号を付している。
まず、測定光学部110の内部構成について説明する。
被検眼Eに対向して対物レンズ201が設置され、その光軸上に第1ダイクロイックミラー202及び第2ダイクロイックミラー203が配置されている。これらのダイクロイックミラー202及び203によって、OCT光学系の光路L1、被検眼Eの観察とSLO眼底画像の取得とを兼ねるSLO光学系及び固視灯用の光路L2、及び、前眼部観察光学系の光路L3とに、波長帯域ごとに分岐される。
光路L2は、SLO走査手段204、レンズ205及び206、ミラー207、第3ダイクロイックミラー208、フォトダイオード209、SLO光源210、並びに、固視灯211が配置されている。
具体的に、ミラー207は、穴あきミラーや中空のミラーが蒸着されたプリズムであり、SLO光源210による照明光と、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)からの戻り光とを分離する。第3ダイクロイックミラー208は、SLO光源210の光路と固視灯211の光路とに波長帯域ごとに分離する。
SLO走査手段204は、SLO光源210と固視灯211から発せられた光を被検眼E上で走査するものである。このSLO走査手段204は、図2のx方向(主走査方向)に走査するXスキャナ204−1と、図2のy方向(副走査方向)に走査するYスキャナ204−2を有して構成されている。本実施形態では、Xスキャナ204−1は、SLO走査手段204における主走査方向の走査を担うスキャナであり、高速走査を行う必要があるため、例えばポリゴンミラーで構成されている。また、Yスキャナ204−2は、SLO走査手段204における副走査方向の走査を担うスキャナであり、例えばガルバノミラーで構成されている。
レンズ205は、SLO光学系及び固視灯の焦点合わせのため、不図示のモータによって駆動される。SLO光源210は、780nm付近の波長の光を発生する。フォトダイオード209は、被検眼Eからの戻り光を検出する。固視灯211は、可視光を発生して被検眼Eの固視を促すものである。
SLO光源210から発せられた光は、第3ダイクロイックミラー208で反射され、ミラー207を通過し、レンズ206及び205を通り、SLO走査手段204によって、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)上で走査される。被検眼Eからの戻り光は、投影光と同じ経路を戻った後、ミラー207によって反射されてフォトダイオード209へと導かれ、SLO眼底画像が得られる。
固視灯211から発せられた光は、第3ダイクロイックミラー208及びミラー207を透過し、レンズ206及び205を通り、SLO走査手段204によって、被検眼E上で走査される。この際、SLO走査手段204の動きに合わせて固視灯211を点滅させることによって、被検眼E上の任意の位置に任意の形状をつくり、被検眼Eの固視を促す。
光路L3には、レンズ212及び214、スプリットプリズム213、赤外光を検知する前眼部観察用のCCD215が配置されている。このCCD215は、不図示の前眼観察用光源の照射光の波長(具体的には970nm)付近に感度を持つものである。スプリットプリズム213は、被検眼Eの瞳孔と共役な位置に配置されており、被検眼Eに対する測定光学部110のz方向(前後方向)の距離を、前眼部のスプリット像として検出することができる。
光路L1は、上述した通りOCT光学系を成しており、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)の断層画像を撮像するための光学系の光路である。より具体的には、光路L1は、断層画像を形成するための干渉信号を得るための光学系の光路である。
XYスキャナ216は、測定光を被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)上で走査するためのスキャナである。このXYスキャナ216は、図2においては1枚のミラーとして図示しているが、x方向及びy方向の2軸方向の走査を行うガルバノミラーである。レンズ217は、光カプラー219に接続されている光ファイバー224から出射するOCT光源220からの測定光を被検眼Eに焦点合わせするために、不図示のモータによって駆動される。この焦点合わせによって、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)からの戻り光は、同時に光ファイバー224の先端に、スポット状に結像されて入射されることとなる。
また、光路L1には、レンズ218、光カプラー219、OCT光源220、参照ミラー221、分散補償用ガラス222、レンズ223、光ファイバー224〜227、偏光調整部228及び229が設けられている。光ファイバー224〜227は、光カプラー219に接続されて一体化しているシングルモードの光ファイバーであり、また、光ファイバー227は、分光器230と接続されている。これらの構成によってマイケルソン干渉系が構成されている。
OCT光源220から出射された光は、光ファイバー225を通じ、光カプラー219を介して光ファイバー224側の測定光と、光ファイバー226側の参照光とに分割される。測定光は、XYスキャナ216及び第2ダイクロイックミラー203を介して、観察対象である被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)に照射され、被検眼Eによる反射や散乱により同じ経路を辿って光カプラー219に到達する。一方、参照光は、光ファイバー226、レンズ223、測定光と参照光の分散を合わせるために挿入された分散補償用ガラス222を介して、参照ミラー221に到達し反射される。そして、参照ミラー221に到達し反射した参照光は、同じ経路を辿って光カプラー219に到達する。そして、光カプラー219によって、測定光と参照光は合波されて干渉光となる。ここで、測定光の光路長と参照光の光路長とが略同一となったときに干渉を生じる。参照ミラー221は、不図示のモータ及び駆動機構によって光軸方向に調整可能に保持され、被検眼Eによって変わる測定光の光路長に参照光の光路長を合わせることが可能である。そして、光カプラー219によって生成された干渉光は、光ファイバー227を介して、ベース部130の分光器230に導かれる。
また、OCT光源220は、例えば、代表的な低コヒーレント光源であるSLD(Super Luminescent Diode)である。OCT光源220の光は、例えば、その中心波長が約855nm、波長バンド幅が約100nmである。ここで、波長バンド幅は、得られる断層画像の光軸方向の分解能に影響するため、重要なパラメータである。また、ここでは、OCT光源220をSLDとしたが、本実施形態においては低コヒーレント光が出射できるものであれば良く、例えばASE(Amplified Spontaneous Emission)等を適用することもできる。なお、OCT光源220の光は、眼を測定することに鑑みると近赤外光が望ましく、また、その中心波長が断層画像の横方向の分解能に影響するためになるべく短波長であることが望ましい。この双方の理由から、ここでは、OCT光源220の光の中心波長を約855nmとしている。
また、偏光調整部228は、光ファイバー224中に設けられた測定光側の偏光調整部であり、偏光調整部229は、光ファイバー226中に設けられた参照光側の偏光調整部である。これらの偏光調整部228及び229は、光ファイバーをループ状に引き回した部分を幾つか持っている。このループ状の部分を光ファイバーの長手方向を中心として回動させることにより、光ファイバーに捩じりを加え、測定光と参照光の偏光状態を各々調整して合わせることが可能となっている。
次に、ベース部130の内部構成について説明する。
ベース部130には、分光器230が構成されている。この分光器230は、レンズ231及び233、回折格子232、ラインセンサ234を有して構成されている。光ファイバー227から出射された干渉光は、レンズ231を介して平行光となった後、回折格子232で分光され、レンズ233によってラインセンサ234に結像される。ラインセンサ234は、この干渉光を検出して、断層画像信号を生成する。
そして、断層画像取得部142は、例えば、ラインセンサ234で得られた断層画像信号をフーリエ変換等の再構成処理を行うことにより、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)の断層画像を取得する処理を行う。
また、本実施形態では、干渉系として上述したマイケルソン干渉系を用いる例を示したが、マッハツェンダー干渉系を用いても良い。この際、例えば、測定光と参照光との光量差に応じて、光量差が大きい場合にはマッハツェンダー干渉系を用いることが望ましく、光量差が比較的小さい場合にはマイケルソン干渉系を用いることが望ましい。
[断層画像の撮像方法]
図3は、本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置100による被検眼Eの走査(スキャン)を説明するための図である。
本実施形態に係る眼科撮影装置100では、コンピュータ140が図2のXYスキャナ216を制御することにより、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)の所定領域の断層画像を撮像する。ここでは、断層画像取得用の測定光を被検眼E中で走査する軌跡のことをスキャンパターン(走査パターン)と呼ぶ。このスキャンパターンには、例えば、1点を中心として縦横十字にスキャンするクロススキャンや、エリア全体を塗りつぶすようにスキャンして結果として3次元断層画像を得る3Dスキャン等がある。特定の領域に対して詳細な観察を行いたい場合にはクロススキャンが適しており、被検眼Eの網膜全体の層構造や層厚を観察したい場合には3Dスキャンが適している。そして、図3には、具体的に、この3Dスキャンを実行した場合の撮像方法を示している。
まず、被検眼E(より詳細には、被検眼Eの眼底Er)の走査点A11において、z方向へのスキャンを行い、被検眼Eの情報をラインセンサ234で撮像する。そして、コンピュータ140は、ラインセンサ234上の輝度分布を高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform:FFT)し、FFTで得られた線状の輝度分布を濃度情報に変換する。これにより得られた画像をAスキャン画像と呼ぶ。
次いで、走査位置をx方向にずらしながら、走査点A11から走査点A1mまで走査を行うことにより、コンピュータ140(例えば断層画像取得部142)は、複数のAスキャン画像を並べた2次元の断層画像を取得することができる。この走査をBスキャンと呼び、得られた断層画像をBスキャン画像と呼ぶ。また、Bスキャンの走査方向を主走査方向と呼ぶ。
Bスキャンをy方向に走査位置をずらしながら、走査点B1から走査点BnまでBスキャンを行うことにより、コンピュータ140(例えば断層画像取得部142)は、3次元の断層画像を取得することができる。ここで、走査点B1から走査点Bnに向かう方向、即ち主走査方向に直交する方向を副走査方向と呼ぶ。
図4は、本発明の第1の実施形態を示し、Bスキャン画像の一例を示す図である。この図4に示すように、ここでは、任意のkに対して走査点Bkで取得されたBスキャン画像をBScankと称する。そして、本実施形態では、複数のBスキャン画像、或いは、複数のBスキャン画像から構築した3次元断層画像を表示部160に表示することにより、検者が被検眼Eの診断を行うことができる。
なお、ここでは、x方向のBスキャン画像を複数取得することにより3次元断層画像を得る例を示したが、例えばy方向のBスキャン画像を複数取得することにより次元断層画像を得るようにしても良い。
[OCTA撮影]
OCTA撮影では、血流によるOCT干渉信号の時間変化を計測するため、同一位置(または略同一位置)で複数回走査(複数回スキャン)を行う必要がある。ここでは、同一位置でP回スキャンを行う場合について図3を用いて説明する。ここで、スキャン回数Pは、2以上の値の中から、画質や撮影時間を考慮して決定される。
OCTA撮影では、まず、走査点A11から走査点A1mまでのAスキャンを行う。次いで、走査点A1mのAスキャンが完了した後、再び、走査点A11から走査点A1mまでのAスキャンを行う。これを連続してP回繰り返す。つまり、走査点B1の位置におけるBスキャンをP回連続して繰り返す。
そして、OCTA撮影では、Bスキャンを行う位置を、走査点B1から走査点Bnまで移動させながら、各Bスキャン位置でP回連続してBスキャンを行う。
図5は、本発明の第1の実施形態を示し、OCTA撮影の際に行われるBスキャンを説明するための図である。ここでは、図5に示すように、Bスキャン位置kにおけるi回目のBスキャンによって得られるBスキャン画像をBScank iと称する。
[OCTA画像の生成処理]
図6は、図1に示すOCTA画像生成部143で行われるOCTA画像の生成処理における処理手順の一例を示すフローチャートである。
まず、ステップS601において、OCTA画像生成部143は、コンピュータ140の制御に従って、OCTA画像の生成を開始する。
図6においては、任意のBスキャン画像BScank i及びBスキャン画像BScank i+1(1≦k≦n)(1≦i<P)に対して以下の処理を実施することにより、Bスキャン画像BScankに対応する血管領域が求まる。
続いて、ステップS602において、OCTA画像生成部143は、層情報等を基にしてBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1を位置合わせする(ラフアライメント)。
続いて、ステップS603において、OCTA画像生成部143は、相関情報等を基にしてBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1を位置合わせする(ファインアライメント)。
続いて、ステップS604において、OCTA画像生成部143は、位置合わせ後のBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1の画像間の差分を求めて所定の深度範囲内でz方向に足し合わせる。
そして、全てのk,iに対して、ステップS602〜S604の処理を実施することにより、(P−1)枚の同一位置での血管領域画像を取得することができる。
続いて、ステップS605において、OCTA画像生成部143は、(P−1)枚の同一位置での血管領域画像を合成して、OCTA画像を生成する。
続いて、ステップS606において、OCTA画像生成部143は、OCTA画像の生成を完了する。その後、図6のフローチャートの処理を終了する。
[OCTA撮影の成否判定]
次に、撮影成否判定部147によるOCTA撮影の成否判定について説明する。
ここで、本実施形態において、OCTA撮影の失敗とは、撮影結果を基に生成されるOCTA画像に、診断に許容できないレベルで、ノイズとなる線(ノイズ線)や副走査方向に輝度が不連続な箇所(輝度ジャンプ)が発生する、血管の走行が悪い(血管が途切れる)等のことを指すものとする。また、OCTA撮影が失敗する主な原因としては、OCTA撮影中に被検者がまばたきをする、固視がずれる等によるものである。また、OCTA画像の生成処理において、画像サイズやコンピュータスペック等により変化はするが、図6のステップS603におけるファインアライメント処理には大きな時間が必要となる。そのため、OCTA撮影の成否判定結果をより効果的に利用するためには、OCTA撮影の成否判定を図6のステップS603よりも前に行うことが好ましい。この形態を図7を用いて説明する。
図7は、本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図7において、図6に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、ステップS701において、OCTA撮影処理部141は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、被検眼のOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、ステップ702において、相関値算出部146は、断層画像取得部142で取得した複数の断層画像(ここでは、Bスキャン画像)に係る相関値を算出する。
続いて、ステップS703において、撮影成否判定部147は、ステップS702で算出された相関値に基づいてOCTA撮影が成功したか否かを判定する処理を行う。
ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が成功した場合には(S703/YES)、ステップS601に進む。
ステップS601に進むと、その後、OCTA画像生成部143は、図6に示すステップS601〜S606の処理を行って、OCTA画像の生成を完了する。その後、図7のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS703でOCTA撮影が成功したと判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が失敗した場合には(S703/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図7のフローチャートの処理を終了する。
なお、図7のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、上述した図6のフローチャートでは、任意のBスキャン画像BScank i及びBスキャン画像BScank i+1に着目して処理を行っている。この場合、撮影成否判定部147は、具体的に例えば、これらのBスキャン画像に係る相関値を所定の閾値と比較することにより、OCTA撮影の成否を判定することが考えられる。また、Bスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1とは連続したスキャンで得られた画像であるため、正常に撮影できている場合には2枚の画像間での差分は非常に小さくなる。一方、2枚の画像のスキャン中に瞬きや固視ずれが発生していた場合、画像全体の輝度が異なることや、断層の位置がずれる等の2枚の画像間での差分が大きくなる。このため、この特性を利用して、例えば解像度を落とした画像を利用する等の高速に計算可能な方法を用いて相関値を算出する態様をとり得る。
解像度を落とした画像に対して画像間の相関値Rk iを算出し、相関値Rk iを基にOCTA撮影全体の相関値Rを算出する方法を図8のフローチャートを用いて説明する。
図8は、本発明の第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図8において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、図7のステップS701と同様に、図8のステップS701において、OCTA撮影処理部141は、被検眼EのOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、ステップS801において、画像処理部145は、断層画像取得部142で取得されたBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1の解像度を低下させる画像処理を行って、それぞれ、画像BSk iと画像BSk i+1を生成する。
続いて、ステップ802において、相関値算出部146は、ステップS801で生成された画像BSk iと画像BSk i+1の各ピクセル値(各画素値)を比較して、両画像間の相関値Rk iを算出する。具体的に、ステップS802において、相関値算出部146は、以下の(1)式により、相関値Rk iを算出する。
この(1)式において、Pixは画像BSk iのピクセル数(画素数)を示している。また、(1)式において、BSk i xyは画像BSk iの(x,y)座標のピクセル値(画素値)を示し、BSk i+1 xyは画像BSk i+1の(x,y)座標のピクセル値(画素値)を示している。
そして、ステップS801及びS802の処理を全てのk,iについて処理を行う。その後、ステップS803に進む。
ステップS803に進むと、相関値算出部146は、ステップS802で算出した相関値Rk iを用いて、OCTA撮影全体を通しての相関値Rを算出する。具体的に、ステップS803において、相関値算出部146は、以下の(2)式により、相関値Rを算出する。
この(2)式により算出される相関値Rは、0〜1の範囲の値をとる。この際、各組み合わせの画像が同一である場合には相関値Rは1となり、また、各組み合わせの画像の異なる度合いが大きい程、相関値Rは減少する。
続いて、ステップS804において、撮影成否判定部147は、ステップS803で算出された相関値Rが閾値(ここでは、例えば0.5とする)よりも大きいか否かを判定する。即ち、本ステップS804において、撮影成否判定部147は、相関値Rが閾値よりも大きいか否かに基づいて、OCTA撮影が成功したか否かを判定する。
ステップS804の判定の結果、相関値Rが閾値よりも大きい(即ち、OCTA撮影が成功した)場合には(S804/YES)、ステップS601に進む。
ステップS601に進むと、その後、OCTA画像生成部143は、図6に示すステップS601〜S606の処理を行って、OCTA画像の生成を完了する。その後、図8のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS804で相関値Rが閾値よりも大きい(即ち、OCTA撮影が成功した)と判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS804の判定の結果、相関値Rが閾値以下である(即ち、OCTA撮影が失敗した)場合には(S804/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図8のフローチャートの処理を終了する。
次に、この図8に示すフローチャートの処理に関して、本発明の第1の実施形態に適用可能な他の処理例について説明する。
図8のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、図8のフローチャートでは、ステップS804でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S804/NO)、ステップS704においてその旨を通知し、その後処理を終了しているが、本実施形態においてはこの態様に限定されるものではない。例えば、ステップS804でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S804/NO)、その旨の通知に加えて、OCTA撮影処理部141が被検眼EのOCTA撮影を再度実施する処理を行うようにする態様も、本実施形態に適用可能である。
また、図8のステップS801〜S802では、光干渉断層計(OCT装置)において被検眼Eの同一位置kを複数回走査することにより得られた複数のBスキャン画像BScank i及びBScank i+1に係る相関値を算出するものであった。しかしながら、本実施形態においては、この態様に限定されるものではない。例えば、光干渉断層計(OCT装置)において被検眼Eの近傍する複数の位置k及びk+1を走査することにより得られた複数のBスキャン画像BScank iとBScank+1 iに係る相関値を算出する等のスキャン箇所・スキャンタイミングの近い画像から算出してもよい。
また、図8のフローチャートの処理において、必ずしも(k,i,x,y)が全ての値をとる必要は無い。例えば、OCTA撮影時に指定した領域内でも、周辺部よりも中心部の方の関心が高いことより、kの値域を((1/4)・n≦k≦(3/4)・n)とする等、画像の一部分のみを利用して相関値を算出しても良い。
また、図8のフローチャートの処理において、相関値Rの算出に際して、各相関値Rk iと閾値Tを比較し、Rk i>Tを満たす個数に基づいてOCTA撮影の相関値Rを算出しても良い。また、相関値Rk iのみを利用してOCTA撮影の成否判定を実施する等、図8のステップS803で相関値Rを算出する前の時点でOCTA撮影の成否判定を実施しても良い。また、図8のフローチャートの処理において、相関値の算出に際して、ピクセル値(画素値)以外の要素を使用して相関値の算出を行っても良い。例えば、ヒストグラムを作成し、ヒストグラムの一致度を基に相関値を算出すること等が考えられる。
第1の実施形態に係る眼科撮影装置100では、撮影成否判定部147において、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づいてOCTA撮影の成否を判定するようにしている。より詳細には、撮影成否判定部147は、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を開始する前に、OCTA撮影の成否を判定するようにしている(例えば、図7のS703及びS601、或いは、図8のS804及びS601)。
かかる構成によれば、OCTA画像の生成後に当該画像から失敗を把握する場合と比較して、OCTA撮影の成否をより早く把握することができる。これにより、OCTA撮影に失敗して再撮影を行う場合に、被検者の待ち時間を短縮することが可能となる。
(第2の実施形態)
次に、第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態に係る眼科撮影装置の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の概略構成と同様である。また、第2の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれる図1に示す測定光学部110及びベース部130の内部構成は、図2に示す第1の実施形態における測定光学部110及びベース部130の内部構成と同様である。また、第2の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順は、図6に示す第1の実施形態におけるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順と同様である。以下の第2の実施形態における説明では、上述した第1の実施形態と異なる部分について説明を行う。
図9は、本発明の第2の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図9において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、図7のステップS701と同様に、図9のステップS701において、OCTA撮影処理部141は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、被検眼のOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、図6のステップS601と同様に、図9のステップS601において、OCTA画像生成部143は、コンピュータ140の制御に従って、OCTA画像の生成を開始する。
続いて、図7のステップS702と同様に、図9のステップS702において、相関値算出部146は、断層画像取得部142で取得した複数の断層画像(ここでは、Bスキャン画像)に係る相関値を算出する。
続いて、図7のステップS703と同様に、図9のステップS703において、撮影成否判定部147は、ステップS702で算出された相関値に基づいてOCTA撮影が成功したか否かを判定する処理を行う。
ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が成功した場合には(S703/YES)、ステップS606に進む。
ステップS606に進むと、OCTA画像生成部143は、OCTA画像の生成を完了する。ここで、図6のステップS602〜S605の処理は、上述した図9のステップS601から本ステップの間に行われているものとする。その後、図9のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS703でOCTA撮影が成功したと判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が失敗した場合には(S703/NO)、図7と同様にステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図9のフローチャートの処理を終了する。
なお、図9のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、上述した図6のフローチャートでは、任意のBスキャン画像BScank i及びBスキャン画像BScank i+1に着目して処理を行っている。この際、OCTA画像生成部143によるOCTA画像の生成中に得られた情報を用いて各画像の相関値を算出する方法を図10のフローチャートを用いて説明する。
図10は、本発明の第2の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図10において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、図6のステップS601と同様に、図10のステップS601において、OCTA撮影処理部141は、被検眼EのOCTA撮影を行う。
図10においても、図6のステップS601と同様に、任意のBスキャン画像BScank i及びBスキャン画像BScank i+1(1≦k≦n)(1≦i<P)に対して以下の処理を実施することにより、Bスキャン画像BScankに対応する血管領域が求まる。
続いて、図6のステップS602と同様に、図10のステップS602において、OCTA画像生成部143は、層情報等を基にしてBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1を位置合わせする(ラフアライメント)。
図11は、図10のステップS602の処理を説明するための図である。
この図11には、左側にBスキャン画像BScank iを示し、右側にBスキャン画像BScank i+1を示している。そして、ここでは、図11に示すように、図10のステップS602でのラフアライメント時のBスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1におけるアライメントの移動量をdk iとする。
続いて、ステップS1001において、相関値算出部146は、以下の(3)式により、ステップS602で得られたラフアライメント時の移動量dk iを用いて、Bスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank i+1の画像間の相関値Rk iを算出する。
この(3)式において、tはスキャン精度等から得られる係数である。
そして、ステップS602及びS1001の処理を全てのk,iについて処理を行う。その後、ステップS1102に進む。
ステップS1002に進むと、相関値算出部146は、ステップS1001で算出した相関値Rk iを用いて、OCTA撮影全体を通しての相関値Rを算出する。具体的に、ステップS1002において、相関値算出部146は、以下の(4)式により、相関値Rを算出する。
この(4)式により算出される相関値Rは、0〜1の範囲の値をとる。この際、各組み合わせの画像においてアライメントの移動量が0である場合には相関値Rは1となり、また、各組み合わせの画像においてアライメントの移動量が大きい程、相関値Rは減少する。
続いて、ステップS1003において、撮影成否判定部147は、ステップS1002で算出された相関値Rが閾値(ここでは、例えば0.5とする)よりも大きいか否かを判定する。即ち、本ステップS1003において、撮影成否判定部147は、相関値Rが閾値よりも大きいか否かに基づいて、OCTA撮影が成功したか否かを判定する。
ステップS1003の判定の結果、相関値Rが閾値よりも大きい(即ち、OCTA撮影が成功した)場合には(S1003/YES)、ステップS606に進む。
ステップS606に進むと、OCTA画像生成部143は、OCTA画像の生成を完了する。ここで、図6のステップS602〜S605の処理は、上述した図10ステップS601から本ステップの間に行われているものとする。その後、図10のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS1003でOCTA撮影が成功したと判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS1003の判定の結果、OCTA撮影が失敗した場合には(S1003/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図10のフローチャートの処理を終了する。
次に、この図10に示すフローチャートの処理に関して、本発明の第2の実施形態に適用可能な他の処理例について説明する。
図10のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、図10のフローチャートでは、ステップS1003でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S1003/NO)、ステップS704においてその旨を通知し、その後処理を終了しているが、本実施形態においてはこの態様に限定されるものではない。例えば、ステップS1003でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S1003/NO)、その旨の通知に加えて、OCTA撮影処理部141が被検眼EのOCTA撮影を再度実施する処理を行うようにする態様も、本実施形態に適用可能である。
また、図10のステップS1001における相関値Rk iの算出においては、例えば、移動量dk iと閾値Tを比較し、dk i<TのときにRk i=1とし、dk i≧TのときRk i=0としても良い。また、閾値T1,T2,…と複数設定し、それぞれの閾値に対して重み付けをして相関値Rk iを算出しても良い。
また、図10のフローチャートの処理において、相関値Rの算出に際して、各相関値Rk iと閾値Tを比較し、Rk i>Tを満たす個数に基づいてOCTA撮影の相関値Rを算出しても良い。また、相関値Rの算出に際して、アライメント時の移動量以外の要素を使用して相関値の算出を行っても良い。例えば、層の厚さ、形状、座標等、OCTA画像の生成中に取得できるあらゆる情報を、単体ないしは複合的に利用することが考えられる。
第2の実施形態に係る眼科撮影装置100では、撮影成否判定部147において、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づいてOCTA撮影の成否を判定するようにしている。
かかる構成によれば、OCTA画像の生成後に当該画像から失敗を把握する場合と比較して、OCTA撮影の成否をより早く把握することができる。これにより、OCTA撮影に失敗して再撮影を行う場合に、被検者の待ち時間を短縮することが可能となる。
より詳細には、第2の実施形態に係る眼科撮影装置100では、相関値算出部146において、OCTA画像生成部143によるOCTA画像の生成中に得られた情報(移動量dk i)を用いて相関値を算出している。そして、撮影成否判定部147は、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を開始した後であって当該OCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づきOCTA撮影の成否を判定するようにしている(例えば、図9のS601及びS703、或いは、図10のS601及びS1003)。
かかる構成によれば、第1の場合と比較して、OCTA撮影の成否判定のタイミングは遅くなるが、OCTA画像の生成中に得られた情報を利用することにより、より精度の高いOCTA撮影の成否判定を行うことが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態に係る眼科撮影装置の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の概略構成と同様である。また、第3の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれる図1に示す測定光学部110及びベース部130の内部構成は、図2に示す第1の実施形態における測定光学部110及びベース部130の内部構成と同様である。また、第3の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順は、図6に示す第1の実施形態におけるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順と同様である。以下の第3の実施形態における説明では、上述した第1の実施形態と異なる部分について説明を行う。
図12は、本発明の第3の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図12において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、図7のステップS701と同様に、図12のステップS701において、OCTA撮影処理部141は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、被検眼のOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、ステップS1201において、画像処理部145は、断層画像取得部142で取得された複数のBスキャン画像を用いて、OCTA画像生成部143で生成されるOCTA画像よりも生成に係る画像処理の負荷が小さい加工画像を生成する。ここで、画像処理部145は、加工画像として、例えば、OCTA画像よりも生成に係る画像処理の負荷がはるかに小さいEnFace画像またはプロジェクション画像等を生成する。また、このEnFace画像やプロジェクション画像は、複数のBスキャン画像を基にして、被検眼Eの眼底Erを正面から構造的に可視化した正面画像であるため、OCTA撮影に失敗しているとEnFace画像やプロジェクション画像にも血管走行のズレや輝度ジャンプ等での影響が現れる。
続いて、ステップS1202において、相関値算出部146は、ステップS1201で生成された加工画像を用いて、断層画像取得部142で取得した複数のBスキャン画像に係る相関値を算出する。この相関値の具体的な算出方法については、図13及び図14を用いて後述する。
続いて、ステップS703において、撮影成否判定部147は、ステップS1202で算出された相関値に基づいてOCTA撮影が成功したか否かを判定する処理を行う。
ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が成功した場合には(S703/YES)、ステップS601に進む。
ステップS601に進むと、その後、OCTA画像生成部143は、図6に示すステップS601〜S606の処理を行って、OCTA画像の生成を完了する。その後、図12のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS703でOCTA撮影が成功したと判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が失敗した場合には(S703/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図12のフローチャートの処理を終了する。
なお、図12のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
第3の実施形態では、例えば、OCTA撮影において主走査方向に血管走行がズレやすい特性を利用して、OCTA撮影の成否判定を行う。これを図13及び図14を用いて以下に説明する。
図13は、本発明の第3の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図13において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。また、図13に示すフローチャートでは、画像処理部145で生成する加工画像として、EnFace画像を生成する場合の例について説明する。
まず、図7のステップS701と同様に、図13のステップS701において、OCTA撮影処理部141は、被検眼EのOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、ステップS1301において、画像処理部145は、断層画像取得部142で取得されたBスキャン画像BScan0 iからBScann iを用いて、EnFacei画像を生成する。
続いて、ステップS1302において、例えば画像処理部145は、ステップS1301で生成したEnFacei画像に対してメディアンフィルタをかける等の画像処理を行うことにより、EnFaceiから血管領域を除去した画像EFiを生成する。
続いて、ステップS1303において、例えば画像処理部145は、ステップS1301で生成したEnFacei画像とステップS1302で生成した画像EFiの差分をとり、その後、コントラストを調整し、細線化することにより、血管画像Viを生成する。
図14は、図13のステップS1303で生成された血管画像Viの一例を示す図である。この図14に示す血管画像Viにおいて、主走査方向と平行なピクセル群(画素群)をLk i(1≦k<n)とする。また、Bスキャン画像BScank iに係るピクセル群Lk iとBスキャン画像BScank+1 iに係るピクセル群Lk+1 iとを比較し、ピクセル群Lk iの各血管Vjにおいて、ピクセル群Lk+1 iの最も近い血管までの距離をdjとする。また、距離djの平均値を各ピクセル群間のズレ幅dk iとする。
続いて、ステップS1304において、相関値算出部146は、ステップS1303で生成された血管画像Viから血管走行のズレ幅dk iを検出し、Bスキャン画像BScank iとBスキャン画像BScank+1 iの両画像間に係る相関値Riを算出する。具体的に、ステップS1304において、相関値算出部146は、Bスキャン画像のサイズ等から閾値Tを設定し、以下の(5)式及び(6)式、並びに、(7)式により、相関値Riを算出する。
そして、ステップS1301〜S1304の処理を全てのiについて処理を行う。その後、ステップS1305に進む。
ステップS1305に進むと、相関値算出部146は、ステップS1304で算出した相関値Riを用いて、OCTA撮影全体を通しての相関値Rを算出する。具体的に、ステップS1305において、相関値算出部146は、以下の(8)式により、相関値Rを算出する。
この(8)式により算出される相関値Rは、0〜1の範囲の値をとる。この際、EnFace画像において、全ての血管が連結している場合には相関値Rは1となり、また、ズレが存在する程、相関値Rは減少する。
続いて、ステップS1306において、撮影成否判定部147は、ステップS1305で算出された相関値Rが閾値(ここでは、例えば0.5とする)よりも大きいか否かを判定する。即ち、本ステップS1306において、撮影成否判定部147は、相関値Rが閾値よりも大きいか否かに基づいて、OCTA撮影が成功したか否かを判定する。
ステップS1306の判定の結果、相関値Rが閾値よりも大きい(即ち、OCTA撮影が成功した)場合には(S1306/YES)、ステップS601に進む。
ステップS601に進むと、その後、OCTA画像生成部143は、図6に示すステップS601〜S606の処理を行って、OCTA画像の生成を完了する。その後、図13のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS1306で相関値Rが閾値よりも大きい(即ち、OCTA撮影が成功した)と判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS1306の判定の結果、相関値Rが閾値以下である(即ち、OCTA撮影が失敗した)場合には(S1306/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図13のフローチャートの処理を終了する。
次に、この図13に示すフローチャートの処理に関して、本発明の第3の実施形態に適用可能な他の処理例について説明する。
図13のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、図13のフローチャートでは、ステップS1306でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S1306/NO)、ステップS704においてその旨を通知し、その後処理を終了しているが、本実施形態においてはこの態様に限定されるものではない。例えば、ステップS1306でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S1306/NO)、その旨の通知に加えて、OCTA撮影処理部141が被検眼EのOCTA撮影を再度実施する処理を行うようにする態様も、本実施形態に適用可能である。
また、図13のステップS1304において、血管画像Viから血管の連結性を判定する際に、別撮りした眼底画像やSLO画像等から任意の方法で血管抽出したものと比較することにより、相関値Rk iを算出しても良い。
また、図13のフローチャートの処理において、相関値Riの算出に際して、EnFacei画像から血管画像Viを減算し、減算した部分を周囲の色で補完して、画像EFiよりも精度の高い血管領域を除去した画像EF'iを生成し、画像EF'iにおいて副走査方向に輝度ジャンプを検出することにより相関値Riを求めても良い。
また、図13のフローチャートの処理において、相関値Riの算出に際して、OCTA撮影時のトラッキング情報や再スキャン情報等を基にして、EnFacei画像の血管走行のズレや輝度ジャンプを検出することにより相関値Riを算出しても良い。
また、図13のステップS1304において、相関値Rk iの算出に際して、閾値をT1,T2,…と複数設定し、それぞれの閾値に対して重み付けをして相関値Rk iを算出しても良い。
また、図13のステップS1306の判定において用いる閾値を、検者が任意に設定できるようにしても良い。
第3の実施形態に係る眼科撮影装置100では、画像処理部145において、断層画像取得部142で取得された複数のBスキャン画像を用いて、OCTA画像よりも生成に係る画像処理の負荷が小さい加工画像を生成するようにしている。そして、相関値算出部146は、当該加工画像を用いて相関値を算出し、撮影成否判定部147は、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、相関値算出部146で算出された相関値に基づきOCTA撮影の成否を判定するようにしている。
かかる構成によれば、OCTA画像の生成後に当該画像から失敗を把握する場合と比較して、OCTA撮影の成否をより早く把握することができる。これにより、OCTA撮影に失敗して再撮影を行う場合に、被検者の待ち時間を短縮することが可能となる。
(第4の実施形態)
次に、第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態に係る眼科撮影装置の概略構成は、図1に示す第1の実施形態に係る眼科撮影装置100の概略構成と同様である。また、第4の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれる図1に示す測定光学部110及びベース部130の内部構成は、図2に示す第1の実施形態における測定光学部110及びベース部130の内部構成と同様である。また、第4の実施形態に係る眼科撮影装置100に含まれるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順は、図6に示す第1の実施形態におけるOCTA画像生成部143において行われるOCTA画像の生成処理手順と同様である。以下の第4の実施形態における説明では、上述した第1の実施形態と異なる部分について説明を行う。
図15は、本発明の第4の実施形態に係る眼科撮影装置100の制御方法における処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、図15において、図6及び図7に示す処理ステップと同様の処理ステップについては同じ符号を付している。
まず、図7のステップS701と同様に、図15のステップS701において、OCTA撮影処理部141は、例えば入力部150から入力された情報等に基づいて、被検眼のOCTA撮影を行う。その後、断層画像取得部142は、OCTA撮影処理部141によるOCTA撮影に基づき、光干渉断層計(OCT装置)で得られた被検眼Eの断層画像(ここでは、Bスキャン画像)を取得する。
続いて、ステップS1501において、撮影情報取得部144は、OCTA撮影に係る撮影情報を取得する。ここでは、撮影情報として、例えば、OCTA撮影中に光干渉断層計(OCT装置)が被検眼Eに対して行った再スキャンの回数の情報を取得する。
続いて、ステップS703において、撮影成否判定部147は、ステップS1501で取得された撮影情報に基づいてOCTA撮影が成功したか否かを判定する処理を行う。ここでは、撮影情報として取得された再スキャンの回数が所定の回数を超えた場合に、OCTA撮影が失敗したと判定するものとする。ここで、再スキャンとは、操作中に眼の動き等によるスキャン位置のズレを検知し、ズレの生じた箇所やその周辺のスキャンを再度実施する仕組みである。
ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が成功した場合には(S703/YES)、ステップS601に進む。
ステップS601に進むと、その後、OCTA画像生成部143は、図6に示すステップS601〜S606の処理を行って、OCTA画像の生成を完了する。その後、図15のフローチャートの処理を終了する。なお、ステップS703でOCTA撮影が成功したと判定された後であって、ステップS606の処理が終了するまでの間またはその処理が終了した後に、必要に応じて、表示制御部148は、OCTA撮影が成功した旨の情報を表示部160に表示する。
一方、ステップS703の判定の結果、OCTA撮影が失敗した場合には(S703/NO)、ステップS704に進む。
ステップS704に進むと、表示制御部148は、OCTA撮影が失敗した旨の情報を表示部160に表示して、検者にその旨を通知する。その後、図15のフローチャートの処理を終了する。
次に、この図15に示すフローチャートの処理に関して、本発明の第3の実施形態に適用可能な他の処理例について説明する。
図15のフローチャートでは、ステップS704においてOCTA撮影が失敗した旨を通知した後に処理を終了するようにしているが、OCTA撮影が失敗した旨を通知した後に、OCTA画像生成部143においてOCTA画像を生成するようにしてもよい。この場合、検者は、OCTA撮影に失敗していると認識した上でOCTA画像を観察できる。
また、図15のフローチャートでは、ステップS703でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S703/NO)、ステップS704においてその旨を通知し、その後処理を終了しているが、本実施形態においてはこの態様に限定されるものではない。例えば、ステップS703でOCTA撮影が失敗したと判定された場合に(S703/NO)、その旨の通知に加えて、OCTA撮影処理部141が被検眼EのOCTA撮影を再度実施する処理を行うようにする態様も、本実施形態に適用可能である。
また、図15のステップS1501では、OCTA撮影に係る撮影情報として、OCTA撮影中に光干渉断層計(OCT装置)が被検眼Eに対して行った再スキャンの回数の情報を取得する例について説明を行ったが、他の情報を取得する態様も適用可能である。
例えば、図15のステップS1501において取得するOCTA撮影に係る撮影情報として、OCTA撮影中に光干渉断層計(OCT装置)が被検眼Eに対して行ったトラッキングの総距離の情報を取得する態様も、本実施形態に適用可能である。ここで、トラッキングとは、被検眼Eの動きに合わせて走査位置を追従させることにより、被検眼Eが動いた場合であっても同一箇所をスキャンすることができる仕組みである。そして、この態様の場合、ステップS703において、撮影成否判定部147は、例えば、撮影情報として取得されたトラッキングの総距離が所定の距離を超えた場合に、OCTA撮影が失敗したと判定する形態をとり得る。
また、例えば、図15のステップS1501において取得するOCTA撮影に係る撮影情報として、上述した再スキャンの回数の情報及び上述したトラッキングの総距離の情報の両方を取得する態様も、本実施形態に適用可能である。そして、この態様の場合、ステップS703においては、例えば、再スキャンの回数が所定の回数を超えた場合、または、トラッキングの総距離が所定の距離を超えた場合のいずれかを満たした場合に、OCTA撮影が失敗したと判定する形態をとり得る。さらに、この態様の場合、ステップS703においては、例えば、再スキャンの回数が所定の回数を超えた場合、及び、トラッキングの総距離が所定の距離を超えた場合の両方を満たした場合に、OCTA撮影が失敗したと判定する形態もとり得る。
このように、OCTA撮影に係る撮影情報として、トラッキングの総距離の情報や再スキャンの回数の情報を取得するのは、OCTA撮影中には瞬きや固視ずれへの対処として、トラッキングや再スキャンが行われるためである。
さらに、図15のステップS703におけるOCTA撮影の成否判定の際に、一般に端部より中心部の方が関心度が高いことより、トラッキングや再スキャンが行われた位置により重みをつけても良い。
第4の実施形態に係る眼科撮影装置100では、撮影成否判定部147において、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を完了する前に、撮影情報取得部144で取得した撮影情報に基づいてOCTA撮影の成否を判定するようにしている。より詳細には、撮影成否判定部147は、OCTA画像生成部143がOCTA画像の生成を開始する前に、OCTA撮影の成否を判定するようにしている(例えば、図15のS703及びS601)。
かかる構成によれば、OCTA画像の生成後に当該画像から失敗を把握する場合と比較して、OCTA撮影の成否をより早く把握することができる。これにより、OCTA撮影に失敗して再撮影を行う場合に、被検者の待ち時間を短縮することが可能となる。
(その他の実施形態)
上述した第1〜第4の実施形態のそれぞれに対して、組み合わせ可能な他の実施形態を1つまたは複数組み合わせた形態も、本発明に適用可能である。
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
このプログラム及び当該プログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、本発明に含まれる。
なお、上述した本発明の実施形態は、いずれも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、または、その主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
100 眼科撮影装置、110 測定光学部、120 ステージ部、130 ベース部、140 コンピュータ、141 OCTA撮影処理部、142 断層画像取得部、143 OCTA画像生成部、144 撮影情報取得部、145 画像処理部、146 相関値算出部、147 撮影成否判定部、148 表示制御部、149 記憶部、150 入力部、160 表示部

Claims (16)

  1. 光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置であって、
    前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段で取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成手段と、
    前記画像取得手段で取得された複数の断層画像に係る相関値を算出する算出手段と、
    前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を完了する前に、前記相関値に基づいて前記撮影の成否を判定する判定手段と
    を有することを特徴とする眼科撮影装置。
  2. 前記算出手段は、前記光干渉断層計において前記被検眼の同一位置を複数回走査することにより得られた前記複数の断層画像に係る相関値を算出することを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  3. 前記算出手段は、前記光干渉断層計において前記被検眼の近傍する複数の位置を走査することにより得られた前記複数の断層画像に係る相関値を算出することを特徴とする請求項1に記載の眼科撮影装置。
  4. 前記判定手段は、前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を開始する前に、前記撮影の成否を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  5. 前記判定手段は、前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を開始した後であって前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を完了する前に、前記撮影の成否を判定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  6. 前記画像取得手段で取得された複数の断層画像に対して解像度を低下させる画像処理を行う画像処理手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記画像処理により解像度が低下した複数の断層画像に係る相関値を算出することを特徴とする請求項4または5に記載の眼科撮影装置。
  7. 前記算出手段は、前記生成手段による前記OCTアンギオグラフィー画像の生成中に得られた情報を用いて前記相関値を算出することを特徴とする請求項5に記載の眼科撮影装置。
  8. 前記画像取得手段で取得された複数の断層画像を用いて、前記OCTアンギオグラフィー画像よりも生成に係る画像処理の負荷が小さい加工画像を生成する画像処理を行う画像処理手段を更に有し、
    前記算出手段は、前記加工画像を用いて前記相関値を算出することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  9. 前記加工画像は、EnFace画像またはプロジェクション画像であることを特徴とする請求項8に記載の眼科撮影装置。
  10. 光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置であって、
    前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得手段と、
    前記画像取得手段で取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成手段と、
    前記撮影に係る撮影情報を取得する情報取得手段と、
    前記生成手段が前記OCTアンギオグラフィー画像の生成を完了する前に、前記撮影情報に基づいて前記撮影の成否を判定する判定手段と
    を有することを特徴とする眼科撮影装置。
  11. 前記撮影情報は、前記撮影中に前記光干渉断層計が前記被検眼に対して行った再スキャンの回数の情報、または、前記撮影中に前記光干渉断層計が前記被検眼に対して行ったトラッキングの総距離の情報であることを特徴とする請求項10に記載の眼科撮影装置。
  12. 前記判定手段による前記撮影の成否における判定結果を表示部に表示する制御を行う表示制御手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  13. 前記判定手段により前記撮影が失敗したと判定された場合に、前記撮影を再度実施する処理を行う撮影処理手段を更に有することを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1項に記載の眼科撮影装置。
  14. 光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置の制御方法であって、
    前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された複数の断層画像に係る相関値を算出する算出ステップと、
    前記生成ステップにおいて前記OCTアンギオグラフィー画像の生成が完了する前に、前記相関値に基づいて前記撮影の成否を判定する判定ステップと
    を有することを特徴とする眼科撮影装置の制御方法。
  15. 光干渉断層計を用いて被検眼のOCTアンギオグラフィー画像を取得するための撮影を行う眼科撮影装置の制御方法であって、
    前記撮影に基づき、前記被検眼の断層画像を取得する画像取得ステップと、
    前記画像取得ステップで取得された複数の断層画像を用いて前記OCTアンギオグラフィー画像を生成する生成ステップと、
    前記撮影に係る撮影情報を取得する情報取得ステップと、
    前記生成ステップにおいて前記OCTアンギオグラフィー画像の生成が完了する前に、前記撮影情報に基づいて前記撮影の成否を判定する判定ステップと
    を有することを特徴とする眼科撮影装置の制御方法。
  16. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の眼科撮影装置の各手段としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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