JP2018000340A - 生体組織把持機構 - Google Patents

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Abstract

【課題】安定的に生体組織を把持することができるとともに、把持部材の安定した開閉動作を実現できる生体組織把持機構を提供する。
【解決手段】生体組織把持機構16は、ボディ部材30と、ボディ部材30に連結された平行リンク機構32と、平行リンク機構32を介してボディ部材30に連結されるとともに開閉動作可能な把持部材34と、ボディ部材30に対して軸方向に相対変位可能に配置された駆動ワイヤ26とを備える。駆動ワイヤ26の変位により、把持部材34が開閉動作する。
【選択図】図2

Description

本発明は、生体組織を把持するための開閉可能な把持部を備えた生体組織把持機構に関する。
生体管腔に生じる疾患のひとつに下肢静脈瘤がある。生体内の各静脈には、血液を重力に逆らって心臓に戻すための静脈弁があり、静脈弁に障害が生じると血液の逆流が起きて静脈圧が高くなり、静脈が拡張することによって静脈瘤が発症する。
従来、下肢静脈瘤を治療する方法として、血管内に硬化剤を注入して静脈を閉塞する硬化剤療法、特定のデバイスを用いて静脈瘤が生じている血管を引き出す(除去する)ストリッピング法、カテーテルを用いて血管内から閉塞処置を行う血管内治療がある。このうち、低侵襲で再発率の低い血管内治療が現在主流となっている。
血管内治療には、高周波又はレーザの熱により血管を焼灼して閉塞する方法、血管内壁の機械的損傷によって硬化剤による血管内壁への損傷の硬化を高めた硬化剤療法、血管内壁同士を接着剤でくっつけて閉塞する方法がある。しかしながら、血管内治療には、カテーテル由来の合併症が起きる問題がある。
特許第5210556号公報
ところで、開腹手術と比較して患者の身体的負担が少ない治療方法として知られる腹腔鏡手術等の内視鏡下手術では、血管や腸管等の生体管腔の物理的又は熱的閉塞を目的として、先端部に鉗子様の開閉機構を持つベッセルシーラーが用いられる。そこで、ベッセルシーラーを用いて、静脈瘤が生じた血管を外側から把持し、血管を閉塞することが考えられる。しかしながら、ベッセルシーラーは、太径又は肉厚の管腔を把持する際に、組織の滑り等により内腔を十分に閉塞させた状態で把持することが容易ではない。また、把持力が把持面に亘って均一ではないため物理的又は熱的閉塞力の低下が起きる問題がある。
一方、特許文献1には、X字状にクロスした駆動リンクと従動リンクとを備え、駆動リンクと従動リンクに鉗子片が連結された内視鏡用把持鉗子が開示されている。そして、この内視鏡用把持鉗子では、操作ワイヤを進退操作することにより、駆動リンクと従動リンクとがパンタグラフ状に動作して、鉗子片が向きを変えることなく開閉動作するようになっている。しかしながら、特許文献1の内視鏡用把持鉗子では、駆動リンクと従動リンクのクロスした箇所でねじれが生じやすく、安定した開閉動作及び安定した把持が容易ではない。
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、安定的に生体組織を把持することができるとともに、把持部材の安定した開閉動作を実現できる生体組織把持機構を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の生体組織把持機構は、ボディ部材と、ボディ部材に連結された平行リンク機構と、前記平行リンク機構を介して前記ボディ部材に連結されるとともに開閉動作可能な把持部材と、前記ボディ部材に対して軸方向に相対変位可能に配置された駆動部材と、を備え、前記駆動部材の変位により、前記把持部材が開閉動作することを特徴とする。
上記の構成を採用した生体組織把持機構によれば、把持部材が平行リンク機構を介してボディ部材に連結されている。このため、特に、生体管腔を処置対象とした場合に、生体管腔の厚みや径によらず、内腔を閉塞した状態で安定的に生体管腔を把持することができるとともに、把持部材の安定した開閉動作を実現できる。また特に、下肢静脈瘤治療に用いた場合、生体内の狭所でも操作性を損なうことなく対象血管を把持し、対象血管の内腔を十分に閉塞させることが可能であるため、安定した閉鎖効果が得られるとともに、血管内治療にあるようなカテーテル由来の合併症がない。
上記の生体組織把持機構において、前記平行リンク機構は、前記ボディ部材に第1回動軸を介して連結され、前記把持部材に第2回動軸を介して連結され、前記駆動部材の軸方向への変位に基づいて前記ボディ部材に対して回動する駆動リンクと、前記ボディ部材に第3回動軸を介して連結され、前記把持部材に第4回動軸を介して連結された従動リンクと、を有し、前記駆動リンクは、前記第1回動軸を基準として前記第2回動軸が設けられた側と反対方向に延出する駆動力入力部を有し、前記駆動力入力部に、前記駆動部材からの駆動力が伝達されてもよい。
上記の構成により、駆動部材を軸方向に移動させることにより、平行リンク機構をスムーズに動作させることができる。
上記の生体組織把持機構において、前記駆動力入力部には、前記駆動力入力部の延在方向に沿って延在するガイド溝が設けられ、前記駆動部材には、前記ガイド溝に挿入されるとともに前記ガイド溝に対して変位可能な係合突起が設けられ、前記係合突起が前記軸方向に移動することに伴って、前記係合突起が前記駆動リンクを回動させてもよい。
上記の構成により、把持部材を閉じる方向だけでなく、開く方向にも、駆動部材から平行リンク機構へと駆動力を良好に伝達することができる。
上記の生体組織把持機構において、少なくとも前記把持部材が閉じた状態で、前記第1回動軸と前記係合突起との距離は、前記第1回動軸と前記第2回動軸との距離よりも長くてもよい。
上記の構成により、把持部材が閉じた状態では、梃子の原理を利用して、強い把持力で生体管腔を把持することができる。
上記の生体組織把持機構において、前記把持部材の把持面は、前記把持部材の開閉方向に関し、前記第4回動軸よりも外側に位置してもよい。
上記の構成により、把持部材の把持面を有する部分を細くすることができる。これにより、生体組織把持機構の細径化を図ることが可能となる。
上記の生体組織把持機構において、2つの前記従動リンクは、1つの前記第3回動軸を共有していてもよい。
上記の構成により、いずれも開閉動作可能な一対の把持部材を設けつつ、生体組織把持機構の細径化を図ることが可能である。
上記の生体組織把持機構において、前記把持部材は、本体部と、前記本体部に対して回動可能に連結された管腔保持部とを有し、前記管腔保持部は、前記把持部材の先端部を構成するとともに、前記把持部材の開閉方向の内側に回動可能であってもよい。
上記の構成により、生体管腔を確実且つ容易に把持することができる。
上記の生体組織把持機構において、前記軸方向に関し、前記第3回動軸は、前記第1回動軸と前記第2回動軸との間に位置し、前記駆動リンクのうち前記第1回動軸と前記第2回動軸との間の部分を構成するリンクアーム部は、前記従動リンクから離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲していてもよい。
上記の構成により、把持部材が閉じた状態で、駆動リンクが従動リンクと干渉することが回避される。従って、生体組織把持機構の一層の細径化を図ることが可能となる。
上記の生体組織把持機構において、前記軸方向に関し、前記第2回動軸は、前記第3回動軸と前記第4回動軸との間に位置し、前記従動リンクのうち前記第3回動軸と前記第4回動軸との間の部分は、前記駆動リンクから離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲していてもよい。
上記の構成により、把持部材が閉じた状態で、従動リンクが駆動リンクと干渉することが回避される。従って、生体組織把持機構の一層の細径化を図ることが可能となる。
上記の生体組織把持機構において、前記把持部材は、前記把持部材が閉じた際に前記駆動リンクと接触することで前記把持部材が開く方向に回動することを阻止するスタビライザを有してもよい。
上記の構成により、十分な把持力を確保することができる。
上記の生体組織把持機構において、前記平行リンク機構は、前記ボディ部材を中心に線対称に一対配置され、前記平行リンク機構の各々に前記把持部材が連結されていてもよい。
上記の構成により、いずれも開閉動作可能な一対の把持部材により、生体管腔を一層安定的に把持することができる。
上記の生体組織把持機構において、前記本体部に対して真っ直ぐな状態からの前記管腔保持部の回動可能角度は、90°未満であってもよい。
上記の構成により、把持部材を閉じる際に、管腔保持部を本体部に対して真っ直ぐな状態に確実に戻すことができる。
また、本発明の生体管腔閉塞方法は、一対の平行リンク機構を介してボディ部材に連結され開閉動作可能な一対の把持部材を有する生体組織把持機構が先端部に設けられた処置デバイスを用いて、生体管腔を閉塞する生体管腔閉塞方法であって、生体内に、前記生体組織把持機構を挿入する挿入ステップと、前記一対の把持部材を平行状態に保持したまま閉じて前記生体管腔を把持することで、前記生体管腔を挟み込む把持ステップと、把持された前記生体管腔に対し、閉塞処理を行う閉塞処理ステップと、を含むことを特徴とする。
上記の生体管腔閉塞方法において、前記閉塞処理ステップは、前記生体管腔を焼灼すること又は前記生体管腔にクリップを付けることを含んでもよい。
上記の生体管腔閉塞方法において、前記生体管腔の複数個所に前記閉塞処理を行ってもよい。
上記の生体管腔閉塞方法において、前記生体管腔は、静脈瘤であってもよい。
本発明の生体組織把持機構によれば、安定的に生体組織を把持することができるとともに、把持部材の安定した開閉動作を実現できる。
処置デバイスの全体斜視図である。 上記処置デバイスに設けられた本発明の実施形態に係る生体組織把持機構の斜視図である。 上記生体組織把持機構の分解斜視図である。 上記生体組織把持機構の平面図である。 上記生体組織把持機構の把持部材が閉じた状態の平面図である。 上記生体組織把持機構の把持部材が開いた状態の平面図である。 本発明の実施形態に係る生体管腔閉塞方法の第1説明図である。 上記生体管腔閉塞方法の第2説明図である。 上記生体管腔閉塞方法の第3説明図である。 図10Aは、上記生体管腔閉塞方法の第4説明図(側面図)であり、図10Bは、上記生体管腔閉塞方法の第4説明図(平面図)である。 図11Aは、上記生体管腔閉塞方法の第5説明図(側面図)であり、図11Bは、上記生体管腔閉塞方法の第5説明図(平面図)である。 上記生体管腔閉塞方法の第6説明図である。 上記生体管腔閉塞方法の第7説明図である。 図14Aは、変形例に係る把持部材の管腔保持部が真っ直ぐの状態の斜視図であり、図14Bは、上記管腔保持部が内側に回動した状態の斜視図である。 図15Aは、上記管腔保持部が真っ直ぐの状態の平面図であり、図15Bは、上記管腔保持部が内側に回動した状態の平面図であり、図15Cは、把持部材が閉じて上記管腔保持部が再び真っ直ぐに戻った状態の平面図である。
以下、本発明に係る生体組織把持機構について好適な実施形態を挙げ、添付の図面を参照しながら説明する。
図1に示す処置デバイス10は、生体組織を把持するために使用される。把持の対象となる生体組織は、例えば、血管等の生体管腔である。処置デバイス10は、シャフト12と、シャフト12の基端部に接続されたハンドル14と、シャフト12の先端部に接続された生体組織把持機構16(以下、「把持機構16」と略称する)とを備える。
シャフト12は、細長い中空状部材からなり、適度の剛性を有する。生体内への挿入を容易にするため、シャフト12は、十分に細径に構成されている。シャフト12内には、シャフト12の全長に亘って延在する中空部13(図3参照)が設けられている。図1においてシャフト12は直線状に構成されている。なお、シャフト12は、長手方向の全体又は一部において湾曲する形状を有していてもよい。
ハンドル14は、把持機構16を開閉動作させるために、ユーザ(術者)が握って操作する部分である。ハンドル14は、ハンドル本体18と、一対のグリップ部材20と、一対のリンク部材22と、可動体24とを備える。
ハンドル本体18は、処置デバイス10の長手方向に沿ってやや長尺に構成されている。ハンドル本体18の先端側にシャフト12が接続されている。シャフト12の基端開口は、ハンドル本体18の内部で開口している。ハンドル本体18に、一対のグリップ部材20が回動可能に連結されている。
各グリップ部材20は、第1指掛け部20aと、第1指掛け部20aの基端部から基端側に延出した第2指掛け部20bと、第1指掛け部20aの先端部から先端側に延出した回動アーム部20cとを有する。
第1指掛け部20aは、厚さ方向に貫通した指掛け孔20dを有するリング状に構成されている。第2指掛け部20bは、外方向(ハンドル本体18から離れる方向)に湾曲している。以下、第1指掛け部20aと第2指掛け部20bとを合わせて「指掛け部」と呼ぶ。回動アーム部20cは、その先端部にてハンドル本体18に回動可能に連結されている。
各リンク部材22は、その先端部にてグリップ部材20の指掛け部に回動可能に連結され、その基端部にて可動体24に回動可能に連結されている。一対のグリップ部材20及び一対のリンク部材22は、ハンドル本体18を中心に左右対称に配置されている。
可動体24は、ハンドル本体18の基端側に配置されており、ハンドル本体18に対して軸方向に変位可能である。可動体24は、ハンドル本体18内に配置されたスライド部24aと、スライド部24aの左右両側から突出した突出片24bとを有する。左右の突出片24bに一対のリンク部材22がそれぞれ回動可能に連結されている。
一対のグリップ部材20を開くと(一対のグリップ部材20を互いに離間する方向に回動させると)、リンク部材22を介してグリップ部材20に連結された可動体24が、先端方向に移動する。逆に、一対のグリップ部材20を閉じると(一対のグリップ部材20を互いに近づける方向に回動させると)、リンク部材22を介してグリップ部材20に連結された可動体24が、基端方向に移動する。
可動体24には、駆動ワイヤ26(駆動部材)が連結固定されている。駆動ワイヤ26は、シャフト12の中空部13に挿通されるとともに、シャフト12の基端開口から基端方向に突出して、ハンドル本体18内で可動体24に固定されている。駆動ワイヤ26の先端部は、シャフト12の先端開口12a(図2参照)から先端方向に突出している。可動体24の軸方向変位に伴って、駆動ワイヤ26は、シャフト12に沿って、すなわち軸方向に変位する。
図2〜図4に示すように、把持機構16は、ボディ部材30と、一対の平行リンク機構32(32a、32b)と、一対の把持部材34(34a、34b)とを備える。
ボディ部材30は、固定リング35及び固定ピン37a、37bによりシャフト12の先端部に固定されるとともに、シャフト12の先端部から先端方向に延出している。ボディ部材30の構成材料としては、例えば、硬質樹脂や金属等が挙げられる。図2及び図3に示すように、ボディ部材30は、下側部分を構成する下側部材36と、上側部分を構成する上側部材38とを有し、下側部材36と上側部材38とが上下に重なった状態で相互固定されている。なお、図2では、理解の容易のため上側部材38を仮想線で示している。
ボディ部材30の基端側には、シャフト12の先端部が挿入及び固定された固定孔30aが設けられている。ボディ部材30の先端側には、左右(側方)及び先端方向に開口したスリット溝30bが設けられている。下側部材36の先端側には先端方向に突出した第1支持片36aが設けられている。上側部材38の先端部には先端方向に突出した第2支持片38aが設けられている。第1支持片36aと第2支持片38aは互いに離間して対向している。第1支持片36aと第2支持片38aとの間の空間が、上記スリット溝30bを構成している。
第1支持片36aと第2支持片38aには、ボディ部材30の軸方向(矢印X方向)に沿って延在するワイヤガイド溝36b、38bがそれぞれ設けられている。ワイヤガイド溝36b、38bは、第1支持片36aと第2支持片38aのそれぞれの基端側に設けられている。ワイヤガイド溝36b、38bは、第1支持片36aと第2支持片38aを厚さ方向(矢印Z方向)にそれぞれ貫通している。なお、ワイヤガイド溝36b、38bは、第1支持片36aと第2支持片38aを厚さ方向にそれぞれ貫通しない有底の溝であってもよい。
駆動ワイヤ26の先端部には、軸方向に対して垂直な方向に突出した2つの係合突起26a、26bが設けられており、2つの係合突起26a、26bが、ワイヤガイド溝36b、38bにそれぞれ挿入されている。2つの係合突起26a、26bは、ワイヤガイド溝36b、38bに沿って変位可能である。
図2〜図4に示すように、下側部材36には、3つの回動支持ピン40(40a、40b)、42が設けられている。なお、図4では、上側部材38(図3参照)の図示を省略している。3つの回動支持ピン40、42は、ワイヤガイド溝36b、38bよりも先端側に設けられている。具体的に、3つの回動支持ピン40、42は、相対的に基端側に配置された2つの回動支持ピン40(40a、40b)と、相対的に先端側に配置された1つの回動支持ピン42とを有する。
図4に示すように、基端側の2つの回動支持ピン40a、40bは、ボディ部材30の軸方向に関して同一位置に配置されている。回動支持ピン40a、40bの間に、ワイヤガイド溝36b、38bの先端方向への延長線ELが位置している。先端側の回動支持ピン42は、上記延長線EL上に配置されている。なお、回動支持ピン40、42の全部又は一部は、上側部材38に設けられていてもよい。
一対の平行リンク機構32は、ボディ部材30に連結されている。一対の平行リンク機構32は、ボディ部材30の中心線CLを基準として、線対称に配置されている。一対の平行リンク機構32は、ボディ部材30に設けられた上記スリット溝30bに配置されるとともに、ボディ部材30から露出した部分を有する。具体的に、一対の平行リンク機構32の各々は、駆動リンク44と従動リンク46とを有する。駆動リンク44及び従動リンク46の構成材料としては、例えば硬質樹脂、金属等が挙げられる。
駆動リンク44は、回動支持ピン40を介してボディ部材30に回動可能に連結されるとともに、回動支持ピン48を介して把持部材34に回動可能に連結されている。駆動リンク44は、従動リンク46よりも長い。駆動リンク44に設けられた孔部45a、45b(図3参照)に、回動支持ピン40、48がそれぞれ挿通されている。以下、駆動リンク44を支持する一方の回動支持ピン40を「第1回動軸40」と呼び、駆動リンク44を支持する他方の回動支持ピン48を「第2回動軸48」とも呼ぶ。
駆動リンク44は、その中間部分で、第1回動軸40に支持されている。駆動リンク44における第1回動軸40と第2回動軸48との間を構成するリンクアーム部44aは、従動リンク46から離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲している。具体的に、一対の平行リンク機構32a、32bの各々において、リンクアーム部44aの従動リンク46側の縁部44bは、凹状に湾曲している。縁部44bは、従動リンク46の基端部に対向している。
駆動リンク44は、第1回動軸40を基準として第2回動軸48が設けられた側(リンクアーム部44a側)と反対方向に延出する駆動力入力部44cを有する。すなわち、駆動リンク44では、第1回動軸40を中心として、リンクアーム部44aと駆動力入力部44cとが互いに反対方向に延出している。駆動力入力部44cには、駆動力入力部44cの延在方向に沿って延在するガイド溝44dが設けられている。ガイド溝44dは、駆動力入力部44cの厚さ方向(矢印Z方向)に貫通するスリット状の孔である。ガイド溝44dは、その一端から他端に向かって若干だけ湾曲している。
駆動ワイヤ26の先端部は、一方の平行リンク機構32aにおける駆動力入力部44cと他方の平行リンク機構32bにおける駆動力入力部44cとの間に配置されている。駆動ワイヤ26の係合突起26a、26bが、2つのガイド溝44dにそれぞれ挿入されている。より具体的には、一方の係合突起26aが、一方の平行リンク機構32aにおける駆動リンク44のガイド溝44dに挿入されている。他方の係合突起26bが、他方の平行リンク機構32bにおける駆動リンク44のガイド溝44dに挿入されている。係合突起26a、26bは、ガイド溝44d内を変位可能である。
一方の平行リンク機構32aにおける駆動力入力部44cは部分的に、下側部材36と駆動ワイヤ26との間に配置されている。他方の平行リンク機構32bにおける駆動力入力部44cは部分的に、上側部材38と駆動ワイヤ26との間に配置されている。図4に示すように、2つの駆動力入力部44cは、ボディ部材30の軸方向に垂直且つ把持部材34の開閉方向に垂直な方向(矢印Z方向)から見て、交差している。把持部材34の開閉途中状態(図4)及び最大拡開状態(図6)で、2つの駆動力入力部44cは、スリット溝30bの互いに反対側から突出してボディ部材30の外部に露出する。
駆動ワイヤ26が軸方向に変位する際、係合突起26a、26bがガイド溝44dに対して変位する。これにより、駆動リンク44は、第1回動軸40を中心に回動する。例えば、駆動ワイヤ26が基端方向に変位すると、駆動リンク44は、リンクアーム部44aがボディ部材30の中心線CLへ近づく方向に回動する。逆に、駆動ワイヤ26が先端方向に変位すると、駆動リンク44は、リンクアーム部44aがボディ部材30の中心線CLから遠ざかる方向に回動する。
従動リンク46は、回動支持ピン42を介してボディ部材30に回動可能に連結されるとともに、把持部材34に設けられた回動支持ピン50を介して把持部材34に回動可能に連結されている。従動リンク46に設けられた孔部47a、47b(図3参照)に、回動支持ピン42、50がそれぞれ挿通されている。以下、従動リンク46を支持する一方の回動支持ピン42を「第3回動軸42」と呼ぶ。また、従動リンク46を支持する他方の回動支持ピン50を「第4回動軸50」とも呼ぶ。
図2及び図4に示すように、本実施形態では、2つの従動リンク46が、1つの第3回動軸42を介してボディ部材30に回動可能に連結されている。すなわち、一対の平行リンク機構32a、32bにおいて、2つの従動リンク46は、1つの第3回動軸42を共有している。なお、第3回動軸42を2つ設け、当該2つの第3回動軸42を介して2つの従動リンク46がボディ部材30にそれぞれ回動可能に連結されていてもよい。
第3回動軸42は、第1回動軸40よりも先端側に配置されている。第3回動軸42は、ボディ部材30の中心線CL上に配置されている。第4回動軸50は、第2回動軸48よりも先端側に配置されている。第4回動軸50は、第2回動軸48よりもボディ部材30の中心線CL側に配置されている。
図6において、第1回動軸40と第2回動軸48との距離(中心間距離)L1と、第3回動軸42と第4回動軸50との距離(中心間距離)L2は、同一である。第1回動軸40と第3回動軸42との距離(中心間距離)L3と、第2回動軸48と第4回動軸50との距離(中心間距離)L4は、同一である。このため、各平行リンク機構32では、第1〜第4回動軸40、48、42、50が平行四辺形の4つの頂点となっている。
図5に示すように、把持部材34が閉じた状態で、第1回動軸40と係合突起26a、26bとの距離(中心間距離)L5は、第1回動軸40と第2回動軸48との距離L1よりも長い。また、把持部材34が閉じた状態で、第1回動軸40は、第2回動軸48と係合突起26a、26bとを結ぶ線分SLに対して、把持部材34の開閉方向の外側に位置している。
図4に示すように、従動リンク46は、駆動リンク44から離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲している。具体的に、一対の平行リンク機構32a、32bの各々において、従動リンク46の、駆動リンク44側の縁部46aは、凹状に湾曲している。縁部46aは、駆動リンク44の先端部に対向している。
一対の把持部材34a、34bは、一対の平行リンク機構32a、32bにそれぞれ連結されている。一対の把持部材34a、34bの先端部(後述する把持アーム54)は、互いに鏡像関係となる形状を有し、ボディ部材30の中心線CLを通り、第3回動軸42の軸と垂直な面を基準として、面対称に配置されている。一対の把持部材34a、34bの基部52は、互いに同一形状を有し、ボディ部材30の中心線CLを基準として、線対称に配置されている。一対の把持部材34a、34bの各々は、ボディ部材30の軸方向に沿って延在する形状を有する。図4〜図6に示すように、一対の把持部材34a、34bは、一対の平行リンク機構32a、32bを介してボディ部材30にそれぞれ連結されていることにより、ボディ部材30に対する姿勢を変化させることなく、互いに平行状態を保持したまま、開閉動作するように構成されている。
図6において、駆動ワイヤ26は前進位置にあり、平行リンク機構32は起立状態となっており、把持部材34は最大拡開状態となっている。この状態から駆動ワイヤ26の基端方向への移動を開始すると、図4のように、平行リンク機構32が先端方向に倒れていくとともに、把持部材34がボディ部材30の中心線CLに近づいていく。そして、駆動ワイヤ26をさらに基端方向へと移動させると、図5のように、平行リンク機構32が完全に倒れて(閉じて)、把持部材34が閉じた状態となる。図6から図4の状態に至る過程で、把持部材34は、ボディ部材30に対して先端方向に変位しながら、ボディ部材30の中心線CL側へと変位する。把持部材34が閉じた状態から開いた状態への動作は、上記とは逆の動作となる。
図2〜図4に示すように、把持部材34は、平行リンク機構32に連結された基部52と、基部52から先端方向に延出した把持アーム54と、基部52から基端方向に延出したスタビライザ56とを有する。把持部材34の構成材料としては、例えば硬質樹脂、金属等が挙げられる。
基部52には、回動支持ピン48、50が固定されている。なお、これらの回動支持ピン48、50は、基部52に一体成形されていてもよい。図3に示すように、基部52は、回動支持ピン48、50が設けられた支持板部52aと、支持板部52aに隣接して設けられた切欠部52bとを有する。
一方の把持部材34aにおいて、切欠部52bは、把持部材34aの厚さ方向(矢印Z方向)一方側に配置され、支持板部52aは、把持部材34aの厚さ方向他方側に配置されている。他方の把持部材34bにおいて、支持板部52aは、把持部材34bの厚さ方向一方側に配置され、切欠部52bは、把持部材34bの厚さ方向他方側に配置されている。なお、把持部材34a、34bの厚さ方向とは、ボディ部材30の軸方向(矢印X方向)に垂直且つ把持部材34の開閉方向(矢印Y方向)に垂直な方向(矢印Z方向)をいう。
支持板部52aは、把持アーム54の把持面54aよりも把持部材34の開閉方向内側に向かって突出する部分を有する。切欠部52bは、把持アーム54の把持面54aよりも把持部材34の開閉方向外側に向かって凹んでいる。一方の把持部材34aにおける支持板部52aは、他方の把持部材34bにおける切欠部52bと対向しており、他方の把持部材34bにおける支持板部52aは、一方の把持部材34aにおける切欠部52bと対向している。
図5のように、一対の把持部材34a、34bが閉じた状態で、一方の把持部材34aにおける支持板部52aは、他方の把持部材34bにおける切欠部52bに収納され、他方の把持部材34bにおける支持板部52aは、一方の把持部材34aにおける切欠部52bに収納される。
図2に示すように、2つの把持アーム54は、互いに対向する側に把持面54aを有する。把持面54aは互いに平行である。2つの把持アーム54は、閉塞処理機構として、バイポーラ電極を構成する一対の電極54bを有する。一対の電極54bに把持面54aが設けられている。一対の電極54b間に高周波電圧を印加することで、把持アーム54間に挟んだ生体管腔を熱凝固(焼灼)して、生体管腔の内腔を閉塞することができる。
なお、他の閉塞処理機構としては、バイポーラ電極に代えて、2つの把持アーム54の一方又は両方に、例えば抵抗加熱によって発熱する発熱体が設けられ、発熱体によって生体管腔を熱凝固するように構成されてもよい。さらに他の閉塞処理機構としては、2つの把持アーム54の一方又は両方に、クリップを保持及び解放する機構が設けられ、把持アーム54間に生体管腔を挟んだ後にクリップによって生体管腔の閉塞を固定化するように構成されてもよい。
スタビライザ56は、把持部材34が閉じた際(図5)に駆動リンク44と接触することで把持部材34が開く方向に回動することを阻止する。具体的に、スタビライザ56は、把持部材34の開閉方向(矢印Y方向)に関し、基部52及び把持アーム54よりも薄肉である。また、スタビライザ56は、基部52の基端部における把持部材34の開閉方向外側寄りの箇所からから基端方向に突出している。
把持部材34の開閉途中状態(図4)及び最大拡開状態(図6)において、スタビライザ56は、把持部材34の開閉動作の妨げにならないように、駆動リンク44から離間している。一方、図5のように、把持部材34が閉じた状態において、スタビライザ56は、駆動リンク44と接触する。スタビライザ56の内面56a(駆動リンク44と対向する面)の形状は、把持部材34が閉じた状態で、駆動リンク44の外面44e(スタビライザ56と対向する面)の形状と合致する。
次に、本発明の実施形態に係る生体管腔閉塞方法について説明する。以下では、特に、処置デバイス10を用いて、静脈瘤状態の血管60の内腔を閉塞する処置を例示する。
図7のように、術者は、静脈瘤状態の血管60の真上にある体表62を切皮することにより、デバイス挿入孔64を形成し、血管60へのアクセスを可能な状態にする(デバイス挿入孔形成ステップ)。ここで、図7では、静脈瘤状態にある血管60として、大腿部の下肢静脈瘤を例示している。なお、処置対象となる血管60は、ふくらはぎに発症した静脈瘤であってもよい。切皮に代えて、針による穿刺孔からダイレータで孔を拡張することにより、デバイス挿入孔64を形成してもよい。
次に、図8のように、術者は、一対の把持部材34を閉じた状態で、処置デバイス10の先端部(把持機構16)をデバイス挿入孔64に挿入する(デバイス挿入ステップ)。この場合、体表62及び血管60に対して傾斜する方向に、処置デバイス10を挿入する。
次に、図9のように、術者は、エコー装置やX線装置をガイドとして、一対の把持部材34を閉じた状態で、血管60に沿って処置デバイス10を前進させる(デバイス前進ステップ)。具体的には、図8のようにデバイス挿入孔64に処置デバイス10の先端部を挿入した後、図9のように処置デバイス10を先端方向に押し込むことにより、把持部材34の先端部で血管60とその上方の脂肪66との間を剥離しながら、処置デバイス10を血管60に沿って前進させる。これにより、患者の体内(体表62と血管60との間)には、血管60に沿って延在する空間68が血管60上に形成される。なお、デバイス前進ステップにおいて、TLA麻酔(tumescent local anesthesia)や生理的食塩水を用いた液性剥離等による剥離(血管60と脂肪66の剥離)の補助があってもよい。
患者の体内で把持機構16を所望の位置に到達させたら、次に、術者は、図10A及び図10Bのように、一対の把持部材34を平行状態に保持したまま開く。このとき、周辺の脂肪66を押し広げ、空間を確保する。そして、一対の把持部材34の間(具体的には把持アーム54間)に血管60が配置されるように、把持部材34を配置する(配置ステップ)。
次に、図11A及び図11Bのように、術者は、一対の把持部材34を平行状態に保持したまま閉じて(把持部材閉鎖ステップ)、閉塞処理を行う(閉塞処理ステップ)。具体的には、把持部材34を閉じることにより、一対の把持部材34の把持面54aにより血管60を挟み込んで血管60をその両側から押し潰す。これにより、押し潰された部分の血管60の対向する内壁同士を密着させ、血管内腔を閉塞させる。そして、この状態で、把持部材34に設けられた一対の電極54b間に高周波電圧を印加することにより、押し潰された部分の血管60を熱凝固(焼灼)する。これにより、図12のように、血管60に閉塞処置部60aが形成され、血管内腔の閉塞が固定化される。
なお、閉塞処理ステップでは、把持部材34に発熱体が設けられる場合には当該発熱体により血管60を熱凝固して血管内腔の閉塞を固定化してもよく、あるいは、把持部材34にクリップが設けられる場合には当該クリップを血管60に装着することにより血管内腔の閉塞を固定化してもよい。
図12のように、術者は、処置デバイス10を適宜基端方向に移動させて、複数個所において同様の閉塞処理を行う。そして、所望の箇所において閉塞処理が完了したら、術者は、デバイス挿入孔64を介して、処置デバイス10を患者の体外に抜去する。
次に、図13のように、術者は、切開部であるデバイス挿入孔64を縫合糸69等で閉創する。以上により、処置デバイス10を用いた静脈瘤に対する処置が終了する。
この場合、本実施形態によれば、図2〜図4に示したように、把持部材34が平行リンク機構32を介してボディ部材30に連結されている。このため、把持部材34により生体組織を安定的に把持することができる。特に、生体管腔(血管60等)を処置対象とする場合、生体管腔の厚みや径によらず、内腔を閉塞した状態で安定的に生体管腔を把持することができるとともに、把持部材34の安定した開閉動作を実現できる。また特に、血管60を処置対象とした場合、空間68の様な狭所においても操作性を損なうことなく一対の把持部材34で血管60を挟むことができ、対象血管の内腔を十分に閉塞させることが可能であるため安定した閉鎖効果が得られる。さらに、従来の血管内治療と異なり、カテーテル由来の合併症がなく、しかも血管周囲へのTLA麻酔注入ステップを省略可能であるか、デバイス前進ステップと同時に施行することで手技の簡略化が図られる。
本実施形態では、平行リンク機構32は、駆動リンク44と従動リンク46とを有し、駆動リンク44は、第1回動軸40を基準として第2回動軸48が設けられた側と反対方向に延出する駆動力入力部44cを有し、駆動力入力部44cに、駆動ワイヤ26からの駆動力が伝達される。このため、駆動ワイヤ26を軸方向に移動させることにより、平行リンク機構32をスムーズに動作させることができる。
本実施形態では、駆動力入力部44cには、駆動力入力部44cの延在方向に沿って延在するガイド溝44dが設けられている。駆動ワイヤ26には、ガイド溝44dに挿入されるとともにガイド溝44dに対して変位可能な係合突起26a、26bが設けられている。そして、係合突起26a、26bが軸方向に移動することに伴って、係合突起26a、26bが駆動リンク44を回動させる。このため、把持部材34を閉じる方向だけでなく、開く方向にも、駆動ワイヤ26から平行リンク機構32へと駆動力を良好に伝達することができる。従って、体内で把持部材34を開く際(図10B参照)に、十分な拡開力が得られるため、血管60の両側の脂肪66を血管60から容易に剥離させることができる。
本実施形態では、少なくとも把持部材34が閉じた状態で、第1回動軸40と係合突起26a、26bとの距離L5は、第1回動軸40と第2回動軸48との距離L1よりも長い(図5参照)。このため、把持部材34が閉じた状態では、梃子の原理を利用して、強い把持力で血管60を把持することができる。
本実施形態では、第3回動軸42は、第1回動軸40よりも先端側に配置され、第4回動軸50は、第2回動軸48よりも先端側に配置されている。このため、駆動リンク44の先端部と従動リンク46の先端部の軸方向位置を異ならせて、把持部材34が閉じた状態(図5)での把持機構16の外径(特に、矢印Y方向の幅)を比較的小さくすること(細径化)が可能となる。
本実施形態では、把持部材34の把持面54aは、把持部材34の開閉方向に関し、第4回動軸50よりも外側に位置している。このため、把持部材34の把持面54aを有する部分(把持アーム54)を細くすることができる。これにより、把持機構16の一層の細径化を図ることが可能となる。
本実施形態では、軸方向に関し、第3回動軸42は、第1回動軸40と第2回動軸48との間に位置している。そして、駆動リンク44のうち第1回動軸40と第2回動軸48との間の部分を構成するリンクアーム部44aは、従動リンク46から離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲している。このため、図5のように把持部材34が閉じた状態で、駆動リンク44のリンクアーム部44aが、従動リンク46の基端部と干渉することが回避される。従って、把持機構16の一層の細径化を図ることが可能となる。
本実施形態では、軸方向に関し、第2回動軸48は、第3回動軸42と第4回動軸50との間に位置している。そして、従動リンク46のうち第3回動軸42と第4回動軸50との間の部分は、駆動リンク44から離れる方向に向かって凸形状を有するように湾曲している。このため、図5のように把持部材34が閉じた状態で、従動リンク46が駆動リンク44の先端部と干渉することが回避される。従って、把持機構16の一層の細径化を図ることが可能となる。
本実施形態では、把持部材34は、スタビライザ56を有する。スタビライザ56は、把持部材34が閉じた際に駆動リンク44と接触することで把持部材34が開く方向に回動することを阻止する。このため、十分な把持力を確保することができる。特に、スタビライザ56は、把持部材34の基部52から基端方向に延出している。このため、把持機構16の外径の増大を抑制しつつ、スタビライザ56を設けることができる。
本実施形態では、平行リンク機構32a、32bは、ボディ部材30を中心に線対称に一対配置され、平行リンク機構32a、32bに把持部材34a、34bがそれぞれ連結されている。このため、いずれも開閉動作可能な一対の把持部材34a、34bにより、血管60を一層安定的に把持することができる。特に、2つの従動リンク46は、1つの第3回動軸42を共有しているため、いずれも開閉動作可能な一対の把持部材34a、34bを設けつつ、把持機構16の細径化を図ることが可能である。
本実施形態では、把持部材34(34a、34b)の基部52は、平行リンク機構32が連結された支持板部52aと、支持板部52aに隣接して設けられた切欠部52bとを有する(図3参照)。支持板部52aは、把持アーム54の把持面54aよりも把持部材34の開閉方向内側に向かって突出する部分を有する。切欠部52bは、把持アーム54の把持面54aよりも把持部材34の開閉方向外側に向かって凹んでいる。そして、把持部材34a、34bが閉じた状態で、一方の把持部材34aにおける支持板部52aは、他方の把持部材34bにおける切欠部52bに収納され、他方の把持部材34bにおける支持板部52aは、一方の把持部材34aにおける切欠部52bに収納される(図5参照)。このため、いずれも開閉動作可能な一対の把持部材34a、34bを設けつつ、把持機構16の一層の細径化を図ることが可能である。
処置デバイス10において、駆動ワイヤ26により駆動リンク44を直接駆動する構成に代えて、別のリンク(中間リンク)を介して駆動リンク44を駆動する構成が採用されてもよい。この場合、当該中間リンクは、駆動リンク44に回動可能に連結され、駆動ワイヤ26が中間リンクに回動可能に連結される。駆動ワイヤ26を軸方向に移動させると、中間リングが回動する。中間リングの回動に伴って、駆動リンク44が回動し、把持部材34が開閉動作する。
あるいは、処置デバイス10において、駆動ワイヤ26により駆動リンク44を直接駆動する構成に代えて、一端(基端)が駆動ワイヤ26に固定された牽引ワイヤを介して駆動リンク44を駆動する構成が採用されてもよい。この場合、当該牽引ワイヤの他端(先端)は、駆動リンク44に固定される。駆動ワイヤ26を基端方向に移動させると、牽引ワイヤが駆動リンク44を基端方向に引っ張ることに伴って、駆動リンク44が回動し、把持部材34が閉動作する。
処置デバイス10において、2つの把持部材34のうち一方だけが平行リンク機構32によって開閉動作可能に構成され、他方はボディ部材30に動作不可能に固定されていてもよい。すなわち、平行リンク機構32が1つだけ設けられていてもよい。
処置デバイス10において、上述した把持部材34に代えて、図14A〜図15Cに示す把持アーム72を有する把持部材70が採用されてもよい。把持アーム72は、本体部74と、回動軸76を介して本体部74に対して回動可能に連結された管腔保持部78とを有する。管腔保持部78は、本体部74の先端部に連結されており、把持部材34(把持アーム72)の先端部を構成している。
2つの把持アーム72における回動軸76は互いに平行である。管腔保持部78は、把持部材70の開閉方向の内側に回動可能である。管腔保持部78は、爪部78aを有する。爪部78aは、先端方向に向かって幅(図14Aの状態での把持部材70の開閉方向に沿った寸法)が小さくなっている。管腔保持部78が内側に回動する際、当該爪部78aが、内側に変位する。
図14Aにおいて、管腔保持部78は、本体部74に対して真っ直ぐな状態となっている。図14Bにおいて、管腔保持部78は、内側に回動し、本体部74に対して傾斜した状態となっている。
把持部材34により血管60等の生体管腔61を把持するには、図15Aのように、生体内で、管腔保持部78を本体部74に対して真っ直ぐな状態にして、生体管腔61の両側に把持アーム72を配置する。そして、管腔保持部78の先端を生体内の比較的硬い組織(筋膜等)に押し当てると、図15Bのように、当該組織からの反力によって、管腔保持部78が内側に強制的に回動させられる。この結果、爪部78a間の間隔は、生体管腔61の外径よりも小さくなる。このため、一対の把持部材70を閉じることで、生体管腔61を確実に把持することができる。
すなわち、図15Cのように、把持部材70(把持アーム72)を閉じると、生体管腔は2つの把持アーム72によって挟まれる。このとき、管腔保持部78(爪部78a)は、生体管腔61を抱え込みながら、図15Aから図15Bの状態になる場合と逆方向に回動して、図15Cのように本体部74に対して真っ直ぐな状態に戻る。従って、把持アーム72が閉じる動作を行っている間、管腔保持部78は、生体管腔61を良好に保持し続ける。このため、把持アーム72によって生体管腔を確実且つ容易に把持することができる。
また、本体部74に対して真っ直ぐな状態(図14A及び図15A)からの管腔保持部78の回動可能角度は、90°未満に設定されている。このため、把持アーム72を閉じる際に、管腔保持部78を本体部74に対して真っ直ぐな状態に確実に戻すことができる。
さらに、図14Aに示すように、回動軸76は、本体部74の延在方向に対して傾斜している。このため、図11Aに示したように血管60に対して把持機構16を斜めにした状態で血管60を把持する場合に、血管60の延在方向に沿って、管腔保持部78と血管60との接触長さを確保しやすい。従って、管腔保持部78によって血管60を一層良好に保持することができる。
管腔保持部78は、把持部材70の開閉方向の外側には回動不可能である。具体的に、管腔保持部78は、図14A及び図14Bに示すように、爪部78aの基端部から基端方向に延出した回動規制片78bを有する。このため、管腔保持部78が把持部材70の開閉方向の外側に回動して生体管腔61を保持できない状態に陥ってしまうことを確実に阻止することができる。
また、図14Bに示すように、本体部74の先端部外側には、溝状に切り欠かれた当接部74aが設けられている。管腔保持部78が本体部74に対して真っ直ぐな状態(図14A)で、回動規制片78bは、当接部74aに入り込むとともに、当接部74aの底部に当接する。このため、回動規制片78bを設けることによる把持アーム72の幅寸法の増大を抑制することができる。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改変が可能である。
10…処置デバイス 12…シャフト
16…生体組織把持機構 26…駆動ワイヤ
30…ボディ部材
32、32a、32b…平行リンク機構
34、34a、34b、70…把持部材
40、40a、40b…回動支持ピン(第1回動軸)
42…回動支持ピン(第3回動軸) 44…駆動リンク
44c…駆動力入力部 44d…ガイド溝
46…従動リンク 48…回動支持ピン(第2回動軸)
50…回動支持ピン(第4回動軸) 56…スタビライザ
78…管腔保持部

Claims (9)

  1. ボディ部材と、
    ボディ部材に連結された平行リンク機構と、
    前記平行リンク機構を介して前記ボディ部材に連結されるとともに開閉動作可能な把持部材と、
    前記ボディ部材に対して軸方向に相対変位可能に配置された駆動部材と、を備え、
    前記駆動部材の変位により、前記把持部材が開閉動作する、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  2. 請求項1記載の生体組織把持機構において、
    前記平行リンク機構は、
    前記ボディ部材に第1回動軸を介して連結され、前記把持部材に第2回動軸を介して連結され、前記駆動部材の軸方向への変位に基づいて前記ボディ部材に対して回動する駆動リンクと、
    前記ボディ部材に第3回動軸を介して連結され、前記把持部材に第4回動軸を介して連結された従動リンクと、を有し、
    前記駆動リンクは、前記第1回動軸を基準として前記第2回動軸が設けられた側と反対方向に延出する駆動力入力部を有し、
    前記駆動力入力部に、前記駆動部材からの駆動力が伝達される、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  3. 請求項2記載の生体組織把持機構において、
    前記駆動力入力部には、前記駆動力入力部の延在方向に沿って延在するガイド溝が設けられ、
    前記駆動部材には、前記ガイド溝に挿入されるとともに前記ガイド溝に対して変位可能な係合突起が設けられ、
    前記係合突起が前記軸方向に移動することに伴って、前記係合突起が前記駆動リンクを回動させる、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  4. 請求項3記載の生体組織把持機構において、
    少なくとも前記把持部材が閉じた状態で、前記第1回動軸と前記係合突起との距離は、前記第1回動軸と前記第2回動軸との距離よりも長い、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  5. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の生体組織把持機構において、
    前記把持部材の把持面は、前記把持部材の開閉方向に関し、前記第4回動軸よりも外側に位置する、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の生体組織把持機構において、
    2つの前記従動リンクは、1つの前記第3回動軸を共有している、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の生体組織把持機構において、
    前記把持部材は、本体部と、前記本体部に対して回動可能に連結された管腔保持部とを有し、
    前記管腔保持部は、前記把持部材の先端部を構成するとともに、前記把持部材の開閉方向の内側に回動可能である、
    ことを特徴とする生体組織把持機構。
  8. 一対の平行リンク機構を介してボディ部材に連結され開閉動作可能な一対の把持部材を有する生体組織把持機構が先端部に設けられた処置デバイスを用いて、生体管腔を閉塞する生体管腔閉塞方法であって、
    生体内に、前記生体組織把持機構を挿入する挿入ステップと、
    前記一対の把持部材を平行状態に保持したまま閉じて前記生体管腔を把持することで、前記生体管腔を挟み込む把持ステップと、
    把持された前記生体管腔に対し、閉塞処理を行う閉塞処理ステップと、を含む、
    ことを特徴とする生体管腔閉塞方法。
  9. 請求項8記載の生体管腔閉塞方法において、
    前記閉塞処理ステップは、前記生体管腔を焼灼すること又は前記生体管腔にクリップを付けることを含む、
    ことを特徴とする生体管腔閉塞方法。
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