JP2017538451A - 補綴用ベース、補綴用ベースに少なくとも1つの人工歯を物質対物質結合させるための方法、補綴物、補綴物の製造方法及びワックスモデル - Google Patents
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Abstract
Description
プラスチック製であり、図1において断面で模式的に例示される補綴用ベース2を、CAD/CAMプロセスによる仮想歯セットアップに基づいて作製した。補綴用ベース2は、湾曲した底面6を有する。底面6は、患者の上顎の実際の状況に適合している。上面は、リセス3を複数有しており、各リセス3は、人工歯1を受容するように機能する(図3及び図4を参照)。リセス3の内輪郭は、受容されるべき各人工歯1の外輪郭に適合している。従って、リセス3は、はめ込まれる人工歯1にカスタムフィットした座部(seat)を有する。人工歯1を補綴用ベース2へ物質対物質結合するための硬化性材料4を受容する機能を有するチャネル5が、各場合において、リセス3内の実質的に中心に開口している。材料4は、特に、接着剤でもよい。各チャネル5は、各リセス3の基部から補綴用ベース2の底面6に向かって、真っ直ぐに(例えば、垂直に、傾斜して、角度を有して(斜めに))又は湾曲して(好ましくは、真っ直ぐに)伸びている。これにより、硬化性材料4を、底面から各チャネル5内に導入可能である。同様に、図6に、補綴用ベースの頬側に向かうチャネル5を示す。特に好ましい代替手段によれば、図6に示されるように、少なくとも1つのチャネル5は、リセス3から補綴用ベース2の頬側に向かって、好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、又は湾曲して伸びている。このため、この代替手段によれば、少なくとも1つのチャネル5は、補綴用ベース中において、好ましくは、頬又は唇の領域で終わっている。硬化性材料4を導入し、材料を硬化させた後、チャネルの元の頬側開口は、この位置においてほとんど炎症を伴わない補綴用ベースの均一な表面を確保するために、後処理(特に、研磨)され得る。同様の手法が、底面に元々存在する充填後開口にも適用される。
2 補綴用ベース
3 リセス
4 硬化性材料
5 チャネル
6 補綴用ベースの底面
7 注入装置
8 広がり部
9 プレート
10 アプリケータ
以下、本発明の態様の例を記載する。
<1> 人工歯(1)を領域で受容するための実質的にカスタムフィットしたリセス(3)を上面に少なくとも1つ有する補綴用ベースであって、
前記補綴用ベース(2)中に、前記リセス(3)内へと開口しているチャネル(5)が少なくとも1つ形成されていることを特徴とする補綴用ベース。
<2> (a)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の底面(6)に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びているか、
(b)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の頬側に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びているか、又は、
(c)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の舌側に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びている
ことを特徴とする<1>に記載の補綴用ベース。
<3> 前記チャネル(5)は、前記リセス(3)へと、前記リセス(3)に対して実質的に中心に開口し、及び/又は、少なくとも前記チャネル(5)が前記リセス(3)へ開口している領域において広がり部(8)を有することを特徴とする<1>又は<2>に記載の補綴用ベース。
<4> 前記リセス(3)は、前記人工歯(1)の外輪郭に少なくとも部分的に適合する内輪郭を有することを特徴とする<1>〜<3>のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
<5> 前記補綴用ベース(2)は、CAD/CAMプロセスにより製造されたものであることを特徴とする<1>〜<4>のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
<6> 前記補綴用ベース(2)の前記カスタムフィットしたリセス(3)は、鋳造モデル又は仮想モデルの対応するリセスに対して、100μm(好ましくは50μm、より好ましくは30μm)の最大寸法許容誤差を有することを特徴とする<1>〜<5>のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
<7> 補綴材料及び/又はワックスで全体又は一部が製造されていることを特徴とする<1>〜<6>のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
<8> 前記補綴材料は、プラスチック又は重合補綴材料を含み、
前記プラスチック又は重合補綴材料は、液状モノマー成分及び粉末状成分の重合により得ることができることを特徴とする<1>〜<7>のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
<9> 人工歯(1)を領域で受容するための実質的にカスタムフィットしたリセス(3)を上面に少なくとも1つ有する補綴用ベース(2)に、人工歯(1)を物質対物質結合させる方法であって、
前記物質対物質結合は、前記補綴用ベース(2)中に形成され、且つ前記リセス(3)内へと開口しているチャネル(5)に導入される硬化性材料(4)により確立され、前記硬化性材料(4)を、前記リセス(3)内にはめ込まれた又ははめ込まれていない状態にある前記人工歯(1)と接触させることを特徴とする前記方法。
<10> 前記人工歯(1)を前記補綴用ベース(2)の前記リセス(3)内にはめ込む前又は後に、前記硬化性材料(4)を前記チャネル(5)内に導入することを特徴とする<9>に記載の方法であって、
ここで、前記補綴用ベース(2)の底面(6)から導入することが好ましい、前記方法。
<11> 前記硬化性材料(4)を、注入装置(7)を用いて、前記チャネル(5)内に導入することを特徴とする<9>又は<10>に記載の方法。
<12> 前記硬化性材料(4)を、前記チャネル(5)に圧入することを特徴とする<10>又は<11>に記載の方法。
<13> 接着剤、重合性モノマー、又は液化ワックスを、硬化性材料(4)として使用することを特徴とする<9>〜<12>のいずれか一項に記載の方法。
<14> 少なくとも1つの歯(特に、人工歯)であり、前記歯が、その外輪郭に刻みを少なくとも1つ有することを特徴とする補綴物。
<15> <9>〜<13>のいずれか一項に記載の方法により得ることができる補綴物。
<16> <1>〜<7>のいずれか一項に記載の補綴物の状態で存在することを特徴するワックスモデル。
Claims (16)
- 人工歯(1)を領域で受容するための実質的にカスタムフィットしたリセス(3)を上面に少なくとも1つ有する補綴用ベースであって、
前記補綴用ベース(2)中に、前記リセス(3)内へと開口しているチャネル(5)が少なくとも1つ形成されていることを特徴とする補綴用ベース。 - (a)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の底面(6)に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びているか、
(b)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の頬側に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びているか、又は、
(c)前記チャネル(5)は、前記リセス(3)から前記補綴用ベース(2)の舌側に向かって(好ましくは真っ直ぐに、角度を有して(斜めに)、若しくは湾曲して)伸びている
ことを特徴とする請求項1に記載の補綴用ベース。 - 前記チャネル(5)は、前記リセス(3)へと、前記リセス(3)に対して実質的に中心に開口し、及び/又は、少なくとも前記チャネル(5)が前記リセス(3)へ開口している領域において広がり部(8)を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の補綴用ベース。
- 前記リセス(3)は、前記人工歯(1)の外輪郭に少なくとも部分的に適合する内輪郭を有することを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
- 前記補綴用ベース(2)は、CAD/CAMプロセスにより製造されたものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
- 前記補綴用ベース(2)の前記カスタムフィットしたリセス(3)は、鋳造モデル又は仮想モデルの対応するリセスに対して、100μm(好ましくは50μm、より好ましくは30μm)の最大寸法許容誤差を有することを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
- 補綴材料及び/又はワックスで全体又は一部が製造されていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載の補綴用ベース。
- 前記補綴材料は、プラスチック又は重合補綴材料を含み、
前記プラスチック又は重合補綴材料は、液状モノマー成分及び粉末状成分の重合により得ることができることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の補綴用ベース。 - 人工歯(1)を領域で受容するための実質的にカスタムフィットしたリセス(3)を上面に少なくとも1つ有する補綴用ベース(2)に、人工歯(1)を物質対物質結合させる方法であって、
前記物質対物質結合は、前記補綴用ベース(2)中に形成され、且つ前記リセス(3)内へと開口しているチャネル(5)に導入される硬化性材料(4)により確立され、前記硬化性材料(4)を、前記リセス(3)内にはめ込まれた又ははめ込まれていない状態にある前記人工歯(1)と接触させることを特徴とする前記方法。 - 前記人工歯(1)を前記補綴用ベース(2)の前記リセス(3)内にはめ込む前又は後に、前記硬化性材料(4)を前記チャネル(5)内に導入することを特徴とする請求項9に記載の方法であって、
ここで、前記補綴用ベース(2)の底面(6)から導入することが好ましい、前記方法。 - 前記硬化性材料(4)を、注入装置(7)を用いて、前記チャネル(5)内に導入することを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の方法。
- 前記硬化性材料(4)を、前記チャネル(5)に圧入することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の方法。
- 接着剤、重合性モノマー、又は液化ワックスを、硬化性材料(4)として使用することを特徴とする請求項9〜請求項12のいずれか一項に記載の方法。
- 少なくとも1つの歯(特に、人工歯)であり、前記歯が、その外輪郭に刻みを少なくとも1つ有することを特徴とする補綴物。
- 請求項9〜請求項13のいずれか一項に記載の方法により得ることができる補綴物。
- 請求項1〜請求項7のいずれか一項に記載の補綴物の状態で存在することを特徴するワックスモデル。
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