JP2017537718A - 自動的なコーヒーメーカ及び抽出飲料を調製する方法 - Google Patents

自動的なコーヒーメーカ及び抽出飲料を調製する方法 Download PDF

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Abstract

水出口を有するハウジングを含む飲料システムが提供される。水リザーバがハウジングに取り付けられる。水リザーバは、少なくとも1つの流体導管を介して水出口と流体連通して配置される。流量計が少なくとも1つの流体導管内に配置される。流量計は、水出口に供給される水の量を測定するように構成されている。加熱機構が、少なくとも1つの流体導管内の水の少なくとも一部を加熱するように構成されている。水は、ポンプを用いることなく水出口に選択的に供給される。

Description

本開示の例示的な実施形態は、飲料を抽出するシステム及び方法に関し、より詳細には、所望の風味プロファイルを有する飲料を自動的に抽出するシステム及び方法に関する。
コーヒー等の飲料を抽出する種々のシステム及び方法が既知である。既知のシステムは、熱水がコーヒー粉末を通して染み透ってカラフェに入るドリップ抽出システム、並びに、コーヒー粉末及び熱水が容器内で混合されて、透水性のプランジャが上部から容器内に押されて容器の底部において挽いたコーヒーを捕捉するフレンチプレスシステムを含む。
したがって、選択される飲料のタイプ又は量にかかわらず、所望の風味プロファイルを有する飲料を自動的に抽出することが可能な飲料抽出システムが望ましい。
一実施形態によると、水出口を有するハウジングを含む飲料システムが提供される。水リザーバがハウジングに取り付けられる。水リザーバは、少なくとも1つの流体導管を介して水出口と流体連通して配置される。流量計が少なくとも1つの流体導管内に配置される。流量計は、水出口に供給される水の量を測定するように構成されている。加熱機構が、少なくとも1つの流体導管内の水の少なくとも一部を加熱するように構成されている。水は、ポンプを用いることなく水出口に選択的に供給される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、水は、上記加熱機構を動作させることによって上記水出口に選択的に供給される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記加熱機構を動作させることによって生成される圧力は、或る量の水を上記水出口に供給するように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記加熱機構及び上記流量計はコントローラに動作可能に連結される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記コントローラは、上記流量計によって測定される上記水の量に基づいて、上記加熱機構の動作を制御するように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記水リザーバからの水は、重力によって上記流量計に給送される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記流量計はパドルホイールである。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記加熱機構は、水リザーバが流体を収容しているときにのみ動作可能である。
別の実施形態によると、飲料システムによって調製される飲料を貯蔵する容器を受け入れるように構成されているハウジングを含む飲料システムが提供される。加熱機構がハウジング内に位置決めされる。加熱機構は、容器内の飲料を選択的に加熱するように構成されている。熱調節デバイスが加熱機構に動作可能に連結される。熱調節デバイスは、温度が所定の閾値内にあるままであり、飲料の風味プロファイルを維持するように、飲料及び容器のうちの少なくとも一方の温度を監視するように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記加熱機構によって提供される上記熱は、当該熱が上記飲料内の1つ又は複数の化合物を分解する場合に、上記飲料の上記風味プロファイルに影響を与える。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記熱調節デバイスはサーミスタである。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記熱調節デバイスはサーモスタットである。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記ハウジングは、上記容器を受け入れるように構成されている床を含み、上記加熱機構は前記床内に位置決めされる。
別の実施形態によると、容器を受け入れるように構成されているハウジングを含む飲料システムが提供される。シャワーヘッドがハウジングに取り付けられる。シャワーヘッドは、容器と実質的に垂直に位置合わせされる。水リザーバがハウジングの一部に取り外し可能に連結される。抽出バスケットが、シャワーヘッドの直接的に下でハウジングに取り外し可能に取り付けられる。抽出バスケットは、抽出室を内部に画定するように構成されている概ね中空の本体を含む。抽出バスケットの本体に形成される少なくとも1つの出口開口が、抽出室に流体的に連結される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記概ね中空の本体は、あふれることを防止するために或る量の流体を収容するように構成されている少なくとも1つのオーバーフローオリフィスを含む。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記少なくとも1つのオーバーフローオリフィスは、上記中空の本体の側壁に隣接して位置決めされる。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記少なくとも1つの出口開口は、2つの実質的に同一の出口開口を含む。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記少なくとも1つの出口開口は単一の出口開口を含む。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、単一の出口開口は、抽出室に流体的に連結されるとともに、上記中空の本体の側壁から延びるパイプを有するサイフォンを含む。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、流量制御デバイスが、上記少なくとも1つの開口に隣接して上記中空の本体に取り付けられる。流量制御デバイスは、少なくとも1つの開口を通る流体の流れを選択的に制御するように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記流量制御デバイスは、流体が上記少なくとも1つの開口を通って自由に流れるように構成されている第1の位置と、流体が上記少なくとも1つの開口を通って流れるように構成されない第2の位置との間で移動可能である。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記中空の本体は、上記ハウジングの1つ又は複数のレールに摺動可能に取り付けられるように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記水リザーバ、及び、当該水リザーバが連結される上記ハウジングの上記一部は、直径が実質的に同一である。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記抽出バスケット及び上記シャワーヘッドは、上記水リザーバから横方向にオフセットされる。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、プラットフォームが上記ハウジングに取り付けられる。プラットフォームは、後退位置と伸張位置との間で移動可能である。伸張位置では、上記床、上記プラットフォーム、上記抽出バスケット及び上記シャワーヘッドは、垂直軸を中心に実質的に位置合わせされる。
別の実施形態によると、流量計を有するハウジングを含む飲料システムが提供される。水リザーバが、液体を受け入れる室を含んでハウジングとともに構成可能である。水リザーバは、流量計と流体連通して配置される。水リザーバは、室から流量計への液体の流れが重量によって駆動されるように、流量計の上に垂直に配置される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記液体は、平衡に達するまで上記室から流れるように構成されている。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記流量計は、加熱機構から上流の流体導管内に配置される。
上述した特徴のうちの1つ又は複数に加えて、又は代替として、更なる実施形態では、上記流量計はパドルホイールである。
明細書に組み込まれるとともに明細書の一部を形成する添付の図面は、本開示の幾つかの態様を具現し、記載とともに、本開示の原理を説明する役割を果たす。
抽出されたコーヒーの濃さ(%TDS)対抽出(%)を表すグラフ。 一実施形態による飲料抽出装置の概略図。 一実施形態による飲料抽出装置の斜視図。 一実施形態による別の飲料抽出装置の斜視図。 一実施形態によるまた別の飲料抽出装置の斜視図。 一実施形態による飲料抽出装置の断面の概略図。 一実施形態による飲料抽出装置の別の斜視図。 一実施形態による飲料抽出装置の水リザーバの斜視図。 一実施形態による飲料抽出装置の別の水リザーバの正面図。 一実施形態による図8の水リザーバの蓋の斜視図。 一実施形態による飲料抽出装置の抽出バスケットの断面図。 一実施形態による、ドリップ停止アセンブリが第1の位置にあるときの飲料抽出装置の抽出バスケットの底面図。 一実施形態による、ドリップ停止アセンブリが第2の位置にあるときの飲料抽出装置の抽出バスケットの底面図。 一実施形態による飲料抽出装置のシャワーヘッドの断面図。 本発明の一実施形態による飲料抽出装置のシャワーヘッドの底面図。 一実施形態による飲料抽出装置によって達成される風味プロファイルを有する抽出されたコーヒーの濃さ(%TDS)対抽出(%)を表すグラフ。 一実施形態による飲料抽出装置を使用して抽出飲料を調製する方法のフロー図。 送達される水の量対時間(低温水)を表すグラフ。 最初の送達までの時間対加熱機構の前回の動作から経過した時間を表すグラフ。 別の実施形態による抽出バスケットの一部の上面斜視図。 別の実施形態による、図17の抽出バスケットの部分の断面図。 別の実施形態による飲料抽出装置のハウジングの斜視図。
詳細な説明は、図面を参照して例として、本開示の実施形態を利点及び特徴とともに説明する。
本明細書において開示される態様及び実施形態は、種々の抽出飲料を調製するシステム及び方法を含む。本開示は、抽出されるコーヒー飲料を調製することに関して本明細書において記載されるが、他の抽出飲料の調整が本開示の範囲内にある。「コーヒー」とは、この用語が本明細書において用いられる場合、コーヒー豆から抽出される固体を含むとともに水に溶解される飲料を指す。抽出されるコーヒーは通常、熱水を、本明細書では「挽いたコーヒー」と称される、乾燥し挽かれたコーヒー豆に通すことによって調製される。挽いたコーヒーからの固体は、熱水を通るときに熱水に溶解される。
抽出されたコーヒーの風味プロファイルは、図1に示されているように、濃さ(可溶分の濃度)と抽出(可溶分の収率)とのバランスである。濃さは、コーヒーに抽出される固体の測定される量を指す。濃さは通常、総溶解固体の割合(%TDS)として表される。例えば、1.2%TDSになる100gのコーヒーの場合、コーヒーの98.8%が水であり、1.2gが溶解されるコーヒー固体である。抽出、すなわち可溶分の収率は、抽出プロセス中に溶解する水によって除去される、挽いたコーヒーの重量パーセンテージを指す。挽いたコーヒー中の利用可能な可溶固体の30%までを抽出することができ、残りの70%の大部分は水に溶けない。抽出されたコーヒーの可溶分の収率は、限定はされないが、挽いたコーヒーに通される水の温度、挽いたコーヒーの挽きサイズ、及び、水が挽いたコーヒーと接触する時間の量を含む複数の要因に依存する。例えば、より大きい挽きサイズを有する挽いたコーヒーは、より小さい挽きサイズを有する挽いたコーヒーと等しい量の可溶性の抽出を達成するために、より高い水温、又は、より低い温度におけるより長い水接触時間を必要とし得る。
長年にわたって、コーヒー産業における種々の団体及び委員会は、約18%〜22%の抽出、及び、約1.15〜1.35パーセントの総溶解固体のパーセンテージを有するコーヒーが、抽出されたコーヒーの最良の品質を概ねもたらすという「ゴールドカップ」基準を確立している。図面に示されているように、22%超の抽出を有するコーヒーは、抽出し過ぎに関連するより苦い味に寄与する可溶性成分が著しく増大し、18%未満の抽出を有するコーヒーは、酸味のある未発達の味に概ね関連する。
コーヒーを抽出するのに使用される水の量も、好ましい風味及び濃さを有するコーヒーを生成するために制御されるべきである。コーヒーの濃さは、挽いたコーヒーと使用される水の比、挽きサイズ、及び、例えばコーヒー粉末と水の接触時間を含む複数の要因に応じて変わる。一般的な用途では、多すぎる水の使用は、薄いコーヒーを生じる可能性があり、少なすぎる水の使用は、不所望に濃いコーヒーを生じる可能性がある。
使用される水の温度も、適切なバランス及び味を決める上で重要な変数であると考えられる。これは、より冷たい水は、抽出されたコーヒーの風味を構成する所望の量の可溶分を抽出することができないためである。同様に、より熱い水は、所望であるよりもより高い比の苦い可溶分を抽出する可能性がある。その結果、抽出室内の温度が約華氏195°〜華氏205°(91℃〜96℃)であるように、コーヒーを抽出する水を使用することが概して望ましい。
コーヒーを抽出するために使用される熱水の大部分を送達する前等に、挽いたコーヒーを水に予め浸すか又は濡らすことが、挽いたコーヒーを予め浸すことなく生成される抽出されたコーヒーよりも好ましい味を有する抽出されたコーヒーを生じ得ることが分かっている。挽いたコーヒーを予め浸すことは、例えば二酸化炭素等の、コーヒー粉末内に捕捉されているガスを放出させる。結果として、水を均等に吸収して染み透るように構成される挽いたコーヒーの部分が増大する。挽いたコーヒーを予め浸すために使用される水は、本明細書では「蒸らし水」と称することができ、挽いたコーヒーを予め浸すために蒸らし水が挽いたコーヒーに晒される時間の量は、「蒸らし時間」と称される。蒸らし水後に挽いたコーヒーからコーヒーを抽出するために使用される水は、本明細書では「抽出水」と称される。抽出水は、挽いたコーヒーを蒸らし時間にわたって蒸らし水で予め浸すことの完了後に、挽いたコーヒーに送達される。蒸らし水の量対挽いたコーヒーの質量の比も、他の要因に加えて、バランスのとれた好ましい味のコーヒーの生成に寄与する。
ここで図2〜図12b及び図17〜図19を参照すると、本開示の一実施形態による自動化された飲料抽出装置20がより詳細に示されている。装置20は、コーヒーを抽出するために使用される水の量だけではなく、水が挽いたコーヒーと接触する時間も制御することによって、例えばコーヒー等の好ましい風味の飲料を生成することが可能である。装置は、ハウジング22、水リザーバ30、加熱機構44、シャワーヘッド50及び抽出バスケット60を含む。水リザーバ30は、ハウジング22の一部に固定される概ね中空の容器である。リザーバ30は、例えばコーヒー等の飲料を抽出するために、所望の量の水を内部に貯蔵するように構成されており、幾つかの実施形態では、使用を容易にするためにハウジング22から着脱可能であるものとすることができる。
水リザーバ30の一例が、図8、図8a及び図9により詳細に示されている。示されている非限定的な実施形態では、リザーバ30は、例えば凹んだ把持部等の1つ又は複数の輪郭32を含み、ユーザが水リザーバ30を片手で運ぶことを可能にする。1つ又は複数のマーク34を、リザーバ30に形成し、選択可能な抽出サイズの1つ又は複数に適切な十分な水の量をユーザに示すことができる。図8aの実施形態に示されているように、水リザーバ30は、リザーバ30の周囲の周りに水平に延びる1つ又は複数のリブを含んで形成することができる。
リザーバの蓋36を、ハウジング22に一体的に形成することができるか、又は代替的には、リザーバ30に取り外し可能に取り付けられる別個の構成要素であるものとすることができる。図8に示されているように、蓋36は、例えばねじ係合等によってリザーバ30の部分に取り付けられるように構成されている第1の部分36a、及び、第1の部分36aに連結されるとともに、閉位置(図8)と開位置(図9)との間で移動可能であり、リザーバ30を水で容易に満たす第2の部分36bを含むことができる。一実施形態では、蓋36の第1の部分36aは、閉位置と開位置との間で約180度移動可能である。
一実施形態では、リザーバ30の出口端38が、リザーバを適所にロックするようにハウジング22の一部内に配置される複数の相補的なコネクタ(図示せず)に摺動可能に係合するよう構成されている少なくとも1つのコネクタ40を含む。図8aにおいて最も良く分かるプラグ42が、リザーバ30の出口端38において形成される開口(図示せず)内に概ね配置される。プラグ42は、開口内に少なくとも部分的に位置決めされるシャフト43、及び、隣接する開口よりも大きい直径を有するベース45を概ね含む。リザーバ30がハウジング22から分離されると、ベース45は、リザーバ30の端38に接触して配置され、その出口端38からの水の流れを阻止する。しかし、リザーバ30がハウジング22に接続されると、プラグ42は、垂直に移動するように構成されており、それによって、ベース45と出口端38との間に隙間を形成し、出口端38を通る水の流れを可能にする。一実施形態では、プラグ42は、ばね式であり、リザーバ30からの流れを阻止する位置に付勢される。粒子フィルタも、プラグ42内又は出口端38の開口内に直接的に形成することができる。
ハウジング22の内部に配置される加熱機構44は、第1の導管46を介して水リザーバ30の出口端38に流体的に連結され、第2の導管48を介してシャワーヘッド50と流体連通して配置される。別のプラグ47を、水リザーバ30の出口端38に隣接して、ハウジング22又は第1の導管46内に配置することができる。プラグ42と同様に、プラグ47は、水リザーバ30がハウジング22に接続されていないときに、プラグ47を定位置に付勢して第1の導管46の端を通る水の流れを阻止するように構成されている、例えばばね等の付勢機構を含むことができる。水リザーバ30は、ハウジング22に接続されると、付勢機構とは反対に、プラグ47に力を加え、それによって、プラグ47が第2の位置に移動し、水リザーバ30及び第1の導管46は流体連通して配置される。第1の導管46及び第2の導管48は、例えば食品グレードのシリコンチューブ、ステンレス鋼チューブ又はポリマーチューブ等の、同じか又は異なる食品安全材料から形成することができる。一実施形態では、加熱機構44はボイラであり、水をシャワーヘッド50に供給する前にリザーバ30からの水を加熱するように構成されている。
抽出バスケット60は、シャワーヘッド50の垂直方向下の位置において、例えば1つ又は複数のレール61(図19を参照のこと)等を介してハウジング22に取り外し可能に連結される。図6に示されているように、側面から見て、抽出バスケット60は、隣接する水リザーバ30を越えて更に前方に延びる。抽出バスケット60は概ね中空であり、挽いたコーヒーを受け入れるとともに、熱水が内部に導入されると挽いたコーヒーを抽出するように構成されている抽出室62を含む。一実施形態では、抽出室62は、挽いたコーヒーを配置することができる使い捨て又は恒久的なコーヒーフィルタ(図示せず)を受け入れるように構成されている。
抽出されたコーヒーは、抽出バスケット60から、垂直方向に隣接する容器80に、直接的に、又は、1つ又は複数の導管若しくは室を通して方向付けられる。飲料抽出装置20とともに使用されるように構成されている容器80の例は、限定されないが、例えばカラフェ、ハーフカラフェ、トラベルマグ及びマグを含む。一実施形態では、抽出された飲料は、抽出バスケット60の出口端64から、容器80内に配置されるストロー84内に滴ることができる。ストロー84は、例えば容器80の上部又は容器80の底部82付近等の任意の位置に位置付けられる開口86を含むことができる。非限定的な実施形態では、ストロー84は、抽出された飲料の流れ方向を容器80内への単一の方向に方向付けるように構成されている単一の歯を含む。
一実施形態では、ハウジング22は、その上で容器80を支持するように構成されている床24を含む。床24は、装置のベース26に概ね隣接して配置することができ、(図5に最も良く示されている)ユーザインタフェースを含むハウジングの隣接する部分を越えるように、シャワーヘッド50に対して概ね平行に延びることができる。代替的に又は加えて、格納位置と展開位置との間で移動可能なプラットフォーム28を、ハウジング22の一部に取り付けることができ、それによって、プラットフォーム28が展開位置にあるときに、プラットフォーム28は、容器80をその上で支持するように構成されている。プラットフォーム28が展開位置にあるとき、シャワーヘッド50、抽出バスケット60、プラットフォーム28及び床24は、垂直軸A(図7)を中心に実質的に位置合わせされる。一実施形態では、プラットフォーム28は、展開位置にあるときに、床に対して約5°以内で概ね平行である。図示のように、プラットフォーム28は、垂直軸Aに対して概ね垂直に延びる軸Bを中心に回動するように構成されている。しかし、プラットフォームが、例えば軸Aに対して実質的に平行である軸Bを中心に回動するように構成されている場合等の他の実施形態も、本開示の範囲内にある。床24と抽出バスケット60との間にプラットフォーム28を位置決めすることによって、プラットフォーム28は、例えばマグ又はトラベルマグ等のより小さい容器を支持するために使用され、抽出バスケット60の出口端64から容器80内への抽出された飲料が滴る距離を制限することができる。
図10において最も良く示されているように、少なくとも1つのオーバーフローチャネル又はオリフィス66を、抽出バスケット60内に、その縁68に隣接するように形成することができる。オーバーフローチャネル66は、抽出バスケットからの余分な水を隣接する容器内に直接的に排水するように構成されている。一実施形態では、抽出バスケット60は、抽出バスケット60の外周の周りで離間した複数のオーバーフローチャネル66を含む。余分な水がシャワーヘッド50から抽出バスケット60内に供給される場合、水の一部が少なくとも1つのオーバーフローチャネル66内に流れ、水が抽出バスケット60の縁68からこぼれることを防止する。
一実施形態では、抽出バスケット60は、抽出バスケット60の出口端64に配置される移動可能なカラー72を含むドリップ停止部70を有して構成されている。カラー72は、少なくとも1つのガスケット73を含む特定の幾何学的形態を有し、第1の位置と第2の位置との間で回転可能である。カラー72が第1の位置(図11a)にあるとき、幾何学的形態及び少なくとも1つのガスケット73は、抽出された飲料が、抽出バスケット60の出口端64に形成される少なくとも1つの開口74から隣接する容器80内に滴ることを可能にするように構成されている。カラー72が第2の位置(図11b)にあるとき、幾何学的形態及び少なくとも1つのガスケット73は、抽出バスケット60の少なくとも1つの開口74に干渉し、少なくとも1つの開口74からのコーヒーの流れを阻止する。ドリップ停止部70を含めることは、抽出された飲料が内部に集められる容器80を変更することを可能にするため等に、抽出バスケット60からの抽出された飲料の流れを一時的に停止させる。一実施形態では、抽出室62は、ドリップ停止アセンブリが閉じているときに、余分な水を、溢れさせることなく少なくとも5秒間蓄積させることが可能である。
図10〜図11bに示す実施形態では、抽出バスケット60は、その出口端64に形成される複数の実質的に同一の開口74を含む。図17及び図18に示されている別の実施形態では、抽出バスケット60は、隣接する容器80に流体の流れを提供するように構成されている単一の開口74を含む。単一の開口74は、抽出バスケット60の出口端64に隣接して形成することができるか、又は代替的には、抽出室62に流体的に連結されるとともに、抽出室62の側壁69に対して平行に又は或る角度で延びるパイプ77を有するサイフォンを含むことができ、それによって、パイプ77の出口点は、抽出室62内で流体を保持する最下面の下にある。そのような実施形態では、ろ液は、抽出プロセス中に、少なくとも十分な水が抽出室62内に注がれてパイプセクション77の屈曲部を完全に満たす場合に、抽出バスケット60から吸い上げられるように流れ出るよう構成されている。吸い上げられた単一の流れを有する抽出バスケット60は、より層流の流れに起因して撥ねが低減するという付加的な利点、及び、抽出動作の終わりにおける最小限の滴りを伴うきれいな断ち切りを提供する。ドリップ停止部70は、1つ又は複数の開口74を有する抽出バスケット60とともに使用されるように適合することができる。例えば、抽出バスケット60が単一の吸引開口74を含む実施形態では、ドリップ停止部70は、パイプ77に圧力を加えるか又は絞り、そこを通る流れを制限するように構成することができる。加えて、ユーザインタフェース76は、例えばライト又は他の指示子等を介して、ドリップ停止部70が閉位置にあることを操作者又はユーザに示すように構成することができる。
ここで図12a及び図12bを参照すると、シャワーヘッド50の例がより詳細に示されている。シャワーヘッド50は、抽出バスケット60の抽出室62内に配置されている挽いたコーヒーにわたって加熱された水を均一に分配するように構成されている。シャワーヘッド50は、第2の導管48によって加熱機構44に流体的に接続される入口52を有する実質的に中空の容器を含む。一実施形態では、シャワーヘッド50のベース54は、抽出バスケット60の蓋に画定されるオリフィスの上又は内部に配置される。図面において見えるように、シャワーヘッド50の垂直位置は、水リザーバ30の蓋36よりも低いべきではない。
少なくとも1つの分配穴56が、シャワーヘッド50のベース54に形成され、加熱された水がそこを通って挽いたコーヒー上に流れることを可能にする。図示のように、シャワーヘッド50は、複数の分配穴56を含むことができ、各分配穴56は、水を挽いたコーヒーの露出された表面積の所望の部分に分配するように構成されている。複数の分配穴56は、実質的に同一のサイズ及び形状であるものとすることができるが、必ずしもそのような必要はない。示されている非限定的な実施形態では、複数の分配穴56は、ベース54を中心に配置され、隣接する分配穴56によって提供される最小限の範囲の重なりで挽いたコーヒーの表面を均一に覆う。一実施形態では、シャワーヘッド50は、25mmの半径で均等に離間される2.5mmの直径を有する8つの分配穴56、8.5mmの半径で均等に離間される2.5mmの直径を有する3つの分配穴56、及び、7mmの直径を有する中心穴を含むことができる。加えて、穴の最も外側のリングは、例えば22.5°等、中心線からオフセットされることができる。分配穴56は、水が液滴形態で分配穴56を通って流れることを促すように構成されているテーパ状のボス(図示せず)も含むことができる。
複数の分配穴56は、ベース54を中心に位置決めされ、水が、抽出バスケット60の側面、又は、抽出バスケット60内に配置されるフィルタに直接接触することを最小限に抑えるか又は防止することもできる。加えて、シャワーヘッド50は、1つ又は複数の分配穴56を介して抽出室60に水を供給する前に、水で少なくとも部分的に満ちるように構成することができる。結果として、シャワーヘッド50内の水は、分配穴56のそれぞれ、したがって挽いたコーヒーに均一に供給される。
装置20は、例えばハウジングの外側に配置されるパネル等のユーザインタフェース76も含む。ユーザインタフェース76の種々の形態の例が図4、図5及び図19に示されている。ユーザインタフェース76は、抽出飲料の複数のサイズのうちの1つを選択するため等に、1つ又は複数のボタン、ノブ又は他の制御入力デバイス78を含むことができる。代替的に、ユーザインタフェース76はタッチスクリーンを含むことができる。一実施形態では、抽出サイズは、マグ(約6オンス(170g)〜約10オンス(283g))、トラベルマグ(約12オンス(340g)〜約16オンス(453g))、ハーフカラフェ(およそ16オンス(453g)〜24オンス(680g))、及び、カラフェ(約34オンス(963g)〜約44オンス(1247g))から選択することができる。ユーザインタフェース76は、例えばレギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー又はスペシャルティコーヒー等の、抽出飲料のタイプを選択するための入力デバイス78を更に含む。
示されている非限定的な実施形態では、飲料抽出装置20は、水リザーバ30からシャワーヘッド50に水を供給するように構成されているポンプを含まない。むしろ、加熱機構44の動作によって生成される圧力が、所望の量の水をシャワーヘッド50に供給するために使用される。加熱機構44が非アクティブであるとき、水リザーバ30内の水位及び第2の導管48内の水位が概ね等しいか、又は、圧力の均等化に起因して同じ水平面内に配置される。加熱機構44がアクティブであるとき、加熱機構44内に配置される水は熱水及び蒸気に変換される。この膨張の結果として、第2の導管48内の圧力が上昇し、加熱機構48からの水の泡立つスラグの排出を、第2の導管48を通してシャワーヘッド50内に押しやる。スラグの送達後に、水に作用する圧力が再び等しくなるまで、更なる水が水リザーバ30から加熱機構44及び第2の導管48内に流れる。
飲料抽出装置20の動作は、加熱機構44に動作可能に連結されるコントローラ90、及び、ユーザインタフェース76の1つ又は複数の入力デバイス78によって制御される。コントローラ90は、抽出飲料の少なくとも既知のサイズ及びタイプを示す、入力デバイス78から受信される入力信号に応じて飲料を抽出するために、加熱機構44を動作させるように構成されている。コントローラ90は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)のうちの1つ又は複数、又は、当該技術分野において既知である電子コントローラの任意の他の形態を含むことができる。
表1a〜表1dにおいて示されているように、1つ又は複数のサイズの種々の飲料を抽出するためのパラメータが、コントローラによってアクセス可能である。各サイズに使用される挽いたコーヒーの示唆される量に基づいて、パラメータは、各タイプの飲料の所望の風味プロファイルを達成するように選択される蒸らし水の量、蒸らし時間、及び、抽出水の量を含む。示されている非限定的な実施形態では、飲料抽出装置は、レギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー及びスペシャルティコーヒーのいずれかを調製するように構成されている。図13を参照すると、レギュラーコーヒーを調製するために使用されるパラメータは、1.15〜1.35の%TDS及び約18%〜22%の抽出を有する風味プロファイルを達成することが意図される。同様に、リッチコーヒーを調製するために使用されるパラメータは、1.35〜1.55の%TDS及び約18%〜22%の抽出を有する風味プロファイルを達成することが意図される。装置20によって抽出されるレギュラーコーヒー及びリッチコーヒーの双方の風味プロファイルは、図13にそれぞれ領域A及びBとして示されている。しかし、リッチコーヒーを調製するために使用される水と挽いたコーヒーとの比は、レギュラーコーヒーの調整において使用されるよりも少ないものとすることができる。
オーバーアイスコーヒーを調製するために使用されるパラメータは、2.30〜2.80の%TDS及び約16%〜20%の抽出を有する抽出されるコーヒーの風味プロファイルを達成することが意図される。オーバーアイスコーヒーの風味プロファイルは、図13に領域Cとして示されている。一実施形態では、抽出されるウルトラリッチコーヒーは、アイスコーヒー飲料を形成するように少なくとも部分的に氷で満たされる容器に受け入れられるように構成されている。明らかであるように、オーバーアイスコーヒーの風味プロファイルは、オーバーアイスコーヒーが容器に提供されてその内部の氷の少なくとも一部を溶解させるときに生じる希釈を考慮するように、レギュラーコーヒーのプロファイルに対して斜めにシフトする。
スペシャルティコーヒーを調製するために使用されるパラメータは、2.80〜3.80の%TDS及び約15.5%〜20%の抽出を有する抽出されるコーヒーの風味プロファイルを達成することが意図される。スペシャルティコーヒーの風味プロファイルは、図13に領域Dとして示されている。一実施形態では、抽出されるスペシャルティコーヒーは、別の食品又は飲料アイテムにおける香味料として使用されるように構成されている。明らかであるように、スペシャルティコーヒーの風味プロファイルは、ウルトラリッチコーヒーが容器に提供されて内部の氷の少なくとも一部を溶解させるときに生じる希釈を考慮するようにレギュラーコーヒーのプロファイルに対して斜めにシフトする。
一実施形態では、挽いたコーヒーの推奨される質量及び使用される蒸らし水の量は概して、どのタイプの飲料が調製されるかに関わらず、各抽出サイズに対して一定のままである。例えば、カップ又はマグ抽出サイズのレギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー又はスペシャルティコーヒーのいずれかを調製するには、約14g〜20gの挽いたコーヒー及び約40mL〜60mLの蒸らし水が、領域A、B、C又はD内の風味プロファイルをそれぞれ有する飲料を達成するために推奨される。約20g〜30gの挽いたコーヒー及び60mL〜80mLの蒸らし水の使用は、レギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー又はスペシャルティコーヒーのいずれかのトラベルマグ抽出サイズを調製することが示唆される。同様に、所望の風味プロファイルを有するレギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー又はスペシャルティコーヒーのハーフカラフェ抽出サイズを達成するには、約27g〜41gの挽いたコーヒー及び約100mL〜140mLの蒸らし水が推奨される。レギュラーコーヒー、リッチコーヒー、オーバーアイスコーヒー又はスペシャルティコーヒーのカラフェ抽出サイズの調製は、約54g〜82gの挽いたコーヒー及び約170mL〜230mLの蒸らし水を含む。
任意のサイズのレギュラーコーヒーの蒸らし時間は、約12秒〜36秒であるものとすることができ、任意のサイズのリッチコーヒーの蒸らし時間は、約12秒〜54秒であるものとすることができ、任意のサイズのオーバーアイスコーヒーの蒸らし時間は、15秒〜72秒であるものとすることができ、任意のサイズのスペシャルティコーヒーの蒸らし時間は、約24秒〜72秒であるものとすることができる。しかし、蒸らし時間、抽出水の量及び目的最終量は、選択される抽出サイズだけではなく、調製される飲料にも基づいて概ね変化する。レギュラーコーヒーのマグサイズの一人前は、領域A内の風味プロファイルを達成するために、約24秒〜36秒の推奨される蒸らし時間、約270mL〜400mLの抽出水の量、及び、約225mL〜337mLの目的最終量を有する。リッチコーヒーのマグサイズの一人前は、領域B内の風味プロファイルを達成するために、約36秒〜54秒の推奨される蒸らし時間、約235mL〜345mLの抽出水の量、及び、約189mL〜283mLの目的最終量を有する。オーバーアイスコーヒーのマグサイズの一人前は、領域C内の風味プロファイルを達成するために、36秒〜54秒の推奨される蒸らし時間、130mL〜196mLの抽出水の量、及び、約89mL〜133mLの目的最終量を有する。同様に、スペシャルティコーヒーのマグサイズの一人前は、領域D内の風味プロファイルを達成するために、24秒〜36秒の推奨される蒸らし時間、110mL〜150mLの抽出水の量、及び、約80mL〜100mLの目的最終量を有する。
同様に、レギュラーコーヒーのトラベルマグの一人前の調製は、領域A内の風味プロファイルを達成するために、約20秒〜30秒の推奨される蒸らし時間、約395mL〜591mLの抽出水の量、及び、約331mL〜497mLの目的最終量を有する。リッチコーヒーのトラベルマグの一人前は、領域B内の風味プロファイルを達成するために、約32秒〜48秒の推奨される蒸らし時間、約351mL〜527mLの抽出水の量、及び、約293mL〜439mLの目的最終量を有する。オーバーアイスコーヒーのトラベルマグの一人前は、領域C内の風味プロファイルを達成するために、48秒〜72秒の推奨される蒸らし時間、195mL〜293mLの抽出水の量、及び、約139mL〜209mLの目的最終量を有する。同様に、スペシャルティコーヒーのトラベルマグサイズの一人前は、領域D内の風味プロファイルを達成するために、48秒〜72秒の推奨される蒸らし時間、150mL〜200mLの抽出水の量、及び、約100mL〜140mLの目的最終量を有する。
レギュラーコーヒーのハーフカラフェの調製は、領域A内の風味プロファイルを達成するために、約12秒〜18秒の推奨される蒸らし時間、約526mL〜790mLの抽出水の量、及び、約465mL〜674mLの目的最終量を有する。リッチコーヒーのハーフカラフェは、領域B内の風味プロファイルを達成するために、約24秒〜36秒の推奨される蒸らし時間、約458mL〜698mLの抽出水の量、及び、約393mL〜589mLの目的最終量を有する。オーバーアイスコーヒーのハーフカラフェは、領域C内の風味プロファイルを達成するために、24秒〜36秒の推奨される蒸らし時間、249mL〜373mLの抽出水の量、及び、約180mL〜270mLの目的最終量を有する。同様に、スペシャルティコーヒーのハーフカラフェサイズの一人前は、領域D内の風味プロファイルを達成するために、48秒〜72秒の推奨される蒸らし時間、210mL〜250mLの抽出水の量、及び、約130mL〜170mLの目的最終量を有する。
最後に、レギュラーコーヒーのカラフェの調製は、領域A内の風味プロファイルを達成するために、約12秒〜18秒の推奨される蒸らし時間、約1025mL〜1537mLの抽出水の量、及び、約898mL〜1348mLの最終目的量を含む。リッチコーヒーを調製するための推奨は、領域B内の風味プロファイルを達成するために、約12秒〜18秒の蒸らし時間、約919mL〜1379mLの抽出水の量、及び、約788mL〜984mLの最終目的量を含む。オーバーアイスコーヒーのカラフェは、領域C内の風味プロファイルを達成するために、12秒〜18秒の推奨される蒸らし時間、496mL〜745mLの抽出水の量、及び、約374mL〜562mLの最終目的量を有する。同様に、スペシャルティコーヒーのカラフェサイズの一人前は、領域D内の風味プロファイルを達成するために、48秒〜72秒の推奨される蒸らし時間、430mL〜470mLの抽出水の量、及び、約280mL〜320mLの最終目的量を有する。
蒸らし水又は抽出水として挽いたコーヒーに供給される水の量を制御するための種々の方法が存在する。図2に示されているように、流量計92を、水リザーバ30と加熱機構44との間に延びる第1の導管46内に配置することができる。図示のように、水リザーバ30は、水がシステム20に、より具体的には流量計92に重力によって給送されるように、流量計92と垂直方向に位置合わせすることができる。流量計92は、コントローラ90に動作可能に連結され、流量計92を通る水の量を監視するように構成されている。流体システム内の等しい圧力に起因して、流量計92を通る水の量は、シャワーヘッド50に提供される水の量を概ね示す。種々のタイプの流れセンサが本開示の範囲内にある。流量計92がパドルホイールである実施形態では、ホイールの各回転は、既知の量の水が流量計92を通ったことを示す信号をコントローラ90に送信する。所定の量の水が流量計92を通ると、コントローラ90は加熱機構44をオフにし、シャワーヘッド50への水の流れを更に制限する。別の実施形態では、流量計92は、体積流量を計算するために超音波によって水の速度を測定するように構成されている超音波流量計である。代替的に、流量計92は、水の流れの速度を測定するために、動的な水圧によって生じるその変位を測定するように構成されている容量式流れセンサであるものとすることができる。
別の実施形態では、シャワーヘッド50に供給される水の量は、コントローラ90内に記憶されるアルゴリズムによって監視される。アルゴリズムは、シャワーヘッドへの冷温水の送達量及び加熱機構44が最後に使用されてからの時間の量の関数である。図15のグラフ1に示されているように、送達される水の量対時間を表すグラフは、電力が加熱機構44に印加されるが、シャワーヘッド50に水が送達されない初期の「ウォームアップ」期間を含む。シャワーヘッド50への水の送達が開始しただけで、グラフは線形になる。線の傾斜は、リザーバ30内の水の温度に基づいて変わる。任意の所与の時間期間で送達される量は、方程式:
量=流量×(時間−ウォームアップ時間)
によって表すことができる。
ウォームアップ期間は、加熱機構44が最後に励起されてからの時間によって直接的に影響を受ける。図16のグラフ2は、加熱機構44の動作から経過した時間の関数として加熱機構44のウォームアップ期間を示している。
図示のように、加熱機構44の温度が周囲条件に達すると、加熱機構44をウォームアップするために必要な時間は、その限界に漸近的に達する。示されている非限定的な実施形態では、グラフ2は、加熱機構44の温度が1時間以上の任意の経過時間にわたって周囲温度に等しいという仮定に基づく。加熱機構44をウォームアップするために必要な時間は、水の温度にも基づいて変わり得る。一実施形態では、装置20は、水の温度を監視するように構成されているサーミスタ又は他のセンサを含むことができる。そのような例では、アルゴリズムは、加熱機構44がシャワーヘッド50に所望の量の水を供給するように励起されるべきである時間の長さをより正確に求めるために、水温を考慮するように適合することができる。
代替的には、例えば負温度係数サーミスタ等の温度センサ(図示せず)が、加熱素子の温度を監視するように構成することができる。温度センサは、コントローラが加熱機構の温度を連続的に監視するように、コントローラに動作可能に連結される。コントローラは、温度センサによって記録される値と、記憶されている基準値とを比較し、加熱機構の状態を判断する。温度センサによって記録される値が所定の閾値に達すると、加熱機構44のウォームアップが完了したことを判断することができる。
飲料抽出装置20を使用して飲料を抽出する方法120が、図14のフロー図に示されている。動作時に、ユーザは、ブロック125において示されているように、例えば1つ又は複数の入力デバイス78を使用して、装置によって抽出飲料の抽出サイズ及びタイプを選択する。ブロック130において、ユーザは、十分な量の水を水リザーバ30に加え、選択されたサイズの飲料を抽出する。同様に、ブロック135において、ユーザは、選択された抽出サイズに適切な量の挽いたコーヒーを抽出バスケット60の抽出室62に更に加える。一実施形態では、抽出バスケット60又はその内部に配置されるフィルタは、選択可能な抽出サイズの1つ又は複数に適切な挽いたコーヒーの示唆される量を示す、例えばその外面又は抽出室62内に形成されるといった、1つ又は複数のマーク65(図10を参照のこと)を含むことができる。他の実施形態では、装置20は、水及び挽いたコーヒーの供給源から、水を水リザーバ30に、及び/又は、挽いたコーヒーを抽出バスケット60にそれぞれ自動的に加えるように構成することができる。
一実施形態では、センサ94(図2を参照のこと)が、コントローラ90に動作可能に連結され、リザーバ30内の水の存在を検出するように構成されている。センサ94の例は、投入チューブ46に隣接するリザーバ30の出口端38付近に取り付けられる2つの導電ピンを含むことができる。ピン間の回路は、水がリザーバ30内に存在すると短絡する。センサ94が、リザーバ30内に水がないことを示す信号を生成する場合、コントローラ90は、加熱機構44の動作を停止させるか、又は、加熱機構44を励起しない。加えて、ユーザインタフェース76は、例えばライト又は他の指示子等を介して、水がリザーバ30内に存在しないことを操作者又はユーザに示すように構成することができる。
ブロック140において、適切な量の水及び挽いたコーヒーが装置20に加えられた後で、ユーザは、例えば入力デバイス78等を介して抽出プロセスを開始することができる。代替的には、装置20は、タイマ又は他のプログラミングデバイスからの信号に応じて、飲料を抽出することを自動的に開始するように構成することができる。加熱機構44内の水は、所望の温度まで加熱される。加熱された水及び生成された蒸気は、ブロック145において示されているように、蒸らし水として使用される水の第1の部分が、第2の導管48を通して、抽出室62内の挽いたコーヒーに分配されるシャワーヘッド50に供給されるように、加熱機構44内で圧力を増大させる。挽いたコーヒーに供給される蒸らし水の量は、抽出飲料の選択される抽出サイズ及びタイプに基づいて変わる所定の量である。挽いたコーヒーに供給される蒸らし水の量は、抽出室62内の挽いたコーヒーの一部又は全てを湿らせるのに十分であるが、十分な量又は幾らかの水を容器80に出すには不十分である。
蒸らし水は、ブロック150において示されているように、挽いたコーヒーを所定の時間期間にわたって予め浸す。蒸らし時間も、抽出飲料の選択される抽出サイズ及びタイプに基づいて可変である。ブロック155において示されているように、蒸らし水が挽いたコーヒーを蒸らし時間にわたって予め浸すことを可能にした後で、コントローラ90は加熱機構44を再び励起し、或る量の抽出水を加熱して抽出室62に方向付ける。ブロック160において、加熱された抽出水は抽出室62に入り、挽いたコーヒーを通して容器80内に方向付けられるコーヒーを生成し、それによって、抽出サイクルを完了する。
図2に示されているヒータプレート96を、例えば床24に直接的に隣接するようにハウジング22内に位置決めすることができる。ヒータプレート96は、コントローラ90に動作可能に連結され、床24に位置付けられる容器80内に貯蔵される抽出された飲料を選択的に加熱するように構成することができる。ヒータプレート96によって供給される熱が、例えばコーヒー内の脂質又は化合物を分解する等によって抽出された飲料の風味に悪影響を与えることを防止するために、熱調節デバイス98を、容器80及び/又は抽出された飲料の温度を監視するように構成することができる。一実施形態では、熱調節デバイス98は、容器80が所定の温度を超えるとヒータプレート96への電力を自動的に遮断するように構成されているサーモスタットである。別の実施形態では、熱調節デバイス98は、コントローラ90に連結されるサーミスタである。そのような実施形態では、サーミスタの抵抗が許容可能な範囲外にあり、それによって、容器80の温度が所望の温度よりも高い場合、コントローラ90は、ヒータプレート96から電力を除去する。
コントローラ90が、抽出飲料の量及びタイプに基づいて抽出飲料のパラメータを変えることを可能にすることによって、装置20は、最適化された風味プロファイルをそれぞれ有する、複数の抽出飲料を調製するように構成されている。このカスタマイズの結果として、より好ましい味の飲料を達成することができる。
本明細書において引用される公報、特許出願及び特許を含む全ての引例は、各引例が個々に及び具体的に参照により援用されることが示され、その全体が本明細書において記載されるかのように同じ範囲まで、参照により本明細書に援用される。
本開示を記載する文脈における(特に以下の特許請求の範囲の文脈における)用語「a」及び「an」及び「the」並びに同様の指示対象の使用は、本明細書において別途示されるか又は文脈によって明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の双方を包含するように解釈されるべきである。「備える」、「有する」、「含む」及び「含有する」という用語は、別途記されない限り、オープンエンドな用語(すなわち、「〜を含むがこれらに限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において別途示されない限り、範囲内に入る各別個の値を個々に言及する簡潔な方法として働くことが単に意図され、各別個の値は、本明細書において個々に記載されるかのように本明細書に援用される。本明細書において記載される全ての方法は、本明細書において別途示されるか又は別様に文脈によってはっきりと矛盾しない限り、任意の好適な順序で行うことができる。本明細書において提供されるありとあらゆる例又は例示的な文言(例えば「等」)の使用は、本開示をより良く示すことが単に意図され、別途特許請求されない限り、本開示の範囲を限定するものではない。本明細書における文言は、いずれかの特許請求されない要素を、本開示の実施に必須であるものと示すように解釈されるべきではない。
本発明者らに既知の、本開示を実施するための最良の形態を含む、本開示の例示的な実施形態が本明細書において記載される。それらの実施形態の変形形態は、上記の記載を読めば当業者には明らかとなるであろう。本発明者らは、当業者がそのような変形形態を適切に使用することを期待し、本発明者らは、本開示が、本明細書において具体的に記載される以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本開示は、適用法によって許容されるような、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載されている主題の全ての変更形態及び均等物を含む。さらに、その全ての可能な変形形態における上述した要素の任意の組み合わせは、本明細書において別途示されるか又は別途文脈によってはっきりと矛盾しない限り、本開示によって包含される。

Claims (30)

  1. 飲料システムであってと、
    水出口を含むハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられる水リザーバであって、少なくとも1つの流体導管を介して前記水出口と流体連通して配置される水リザーバと、
    前記少なくとも1つの流体導管内に配置される流量計であって、前記水出口に供給される水の量を測定するように構成されている流量計と、
    前記少なくとも1つの流体導管内の水の少なくとも一部を加熱するように構成されている加熱機構であって、水は、ポンプを用いることなく前記水出口に選択的に供給される加熱機構と
    を備える、飲料システム。
  2. 水は、前記加熱機構を動作させることによって前記水出口に選択的に供給される、請求項1に記載の飲料システム。
  3. 前記加熱機構を動作させることによって生成される圧力は、或る量の水を前記水出口に供給するように構成されている、請求項2に記載の飲料システム。
  4. 前記加熱機構及び前記流量計はコントローラに動作可能に連結される、請求項2に記載の飲料システム。
  5. 前記コントローラは、前記流量計によって測定される前記水の量に基づいて、前記加熱機構の動作を制御するように構成されている、請求項4に記載の飲料システム。
  6. 前記水リザーバからの水は、重力によって前記流量計に給送される、請求項1に記載の飲料システム。
  7. 前記流量計はパドルホイールである、請求項1に記載の飲料システム。
  8. 前記加熱機構は、前記水リザーバが流体を収容しているときにのみ動作可能である、請求項1に記載の飲料システム。
  9. 飲料システムであって、
    前記飲料システムによって調製される飲料を貯蔵する容器を受け入れるように構成されているハウジングと、
    前記ハウジング内に位置決めされる加熱機構であって、前記容器内の前記飲料を選択的に加熱するように構成されている加熱機構と、
    前記加熱機構に動作可能に連結される熱調節デバイスであって、温度を所定の閾値内のままにして前記飲料の風味プロファイルを維持するように、前記飲料及び前記容器のうちの少なくとも一方の前記温度を監視するように構成されている、熱調節デバイスと
    を備える、飲料システム。
  10. 前記温度が所定の閾値を超える場合、電力が前記加熱機構から除去される、請求項9に記載の飲料システム。
  11. 前記加熱機構によって提供される熱は、その熱が前記飲料内の1つ又は複数の化合物を分解する場合に、前記飲料の前記風味プロファイルに影響を与える、請求項9に記載の飲料システム。
  12. 前記熱調節デバイスはサーミスタである、請求項9に記載の飲料システム。
  13. 前記熱調節デバイスはサーモスタットである、請求項9に記載の飲料システム。
  14. 前記ハウジングは、前記容器を受け入れるように構成されている床を含み、
    前記加熱機構は、前記床内に位置決めされる、請求項9に記載の飲料システム。
  15. 飲料システムであって、
    容器を受け入れるように構成されているハウジングと、
    前記ハウジングに取り付けられるシャワーヘッドであって、前記容器と実質的に垂直に位置合わせされるシャワーヘッドと、
    前記ハウジングの一部に取り外し可能に連結される水リザーバと、
    前記シャワーヘッドの直接的に下で前記ハウジングに取り外し可能に取り付けられる抽出バスケットであって、抽出室を内部に画定するように構成されている概ね中空の本体、及び前記本体に形成されるとともに前記抽出室に流体的に連結される少なくとも1つの出口開口を含む抽出バスケットと
    を備える、飲料システム。
  16. 前記概ね中空の本体は、あふれることを防止するために或る量の流体を収容するように構成されている少なくとも1つのオーバーフローオリフィスを含む、請求項15に記載の飲料システム。
  17. 前記少なくとも1つのオーバーフローオリフィスは、前記中空の本体の側壁に隣接して位置決めされる、請求項16に記載の飲料システム。
  18. 前記少なくとも1つの出口開口は、2つの実質的に同一の出口開口を含む、請求項15に記載の飲料システム。
  19. 前記少なくとも1つの出口開口は単一の出口開口を含む、請求項15に記載の飲料システム。
  20. 前記単一の出口開口は、前記抽出室に流体的に連結されるとともに前記中空の本体の側壁から延びるパイプを有するサイフォンを含む、請求項19に記載の飲料システム。
  21. 前記少なくとも1つの開口に隣接して前記中空の本体に取り付けられる流量制御デバイスであって、前記少なくとも1つの開口を通る流体の流れを選択的に制御するように構成されている流量制御デバイスを更に備える、請求項15に記載の飲料システム。
  22. 前記流量制御デバイスは、流体が前記少なくとも1つの開口を通って自由に流れるように構成されている第1の位置と、流体が前記少なくとも1つの開口を通って流れるように構成されない第2の位置との間で移動可能である、請求項21に記載の飲料システム。
  23. 前記中空の本体は、前記ハウジングの1つ又は複数のレールに摺動可能に取り付けられるように構成されている、請求項15に記載の飲料システム。
  24. 前記水リザーバ、及び前記水リザーバが連結される前記ハウジングの一部は、直径が実質的に同一である、請求項15に記載の飲料システム。
  25. 前記抽出バスケット及び前記シャワーヘッドは、前記水リザーバから横方向にオフセットされる、請求項15に記載の飲料システム。
  26. 前記ハウジングに取り付けられるプラットフォームであって、後退位置と伸張位置との間で移動可能であり、前記伸張位置では、床、前記プラットフォーム、前記抽出バスケット及び前記シャワーヘッドは、垂直軸を中心に実質的に位置合わせされているプラットフォームを更に備える、請求項15に記載の飲料システム。
  27. 飲料システムであって、
    流量計を含むハウジングと、
    前記ハウジングとともに構成可能であるとともに、液体を受け入れる室を含む水リザーバであって、前記流量計と流体連通して配置され、前記水リザーバは、前記室から前記流量計への前記液体の流れが重力によって駆動されるように、前記流量計の上に垂直に配置されている水リザーバと
    を備える、飲料システム。
  28. 前記液体は、平衡に達するまで前記室から流れるように構成されている、請求項27に記載の飲料システム。
  29. 前記流量計は、加熱機構から上流の流体導管内に配置されている、請求項27に記載の飲料システム。
  30. 前記流量計はパドルホイールである、請求項27に記載の飲料システム。
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