関連出願との相互参照
本出願は、2014年12月3日に出願された米国仮特許出願第62/087、179号および2015年3月9日に出願された米国仮特許出願第62/130、469号の優先権を主張するものであり、本明細書内に全体として参照により援用される。
分野
本開示は、概して、治療用組織調節に関し、より具体的には、(例えば、肝臓系の)標的神経線維の神経調節を治療的に遂行して、代謝性疾患または状態(例えば、真性糖尿病)を治療するための装置、システム、および方法の実施形態に関する。
背景
慢性高血糖は、真性糖尿病の決定的な特徴の1つである。高血糖は、血糖濃度が上昇している状態である。血糖値の上昇は、膵臓からのインスリン分泌の障害、および/またはインスリンに正常に応答しない細胞からのインスリン分泌の障害に起因する可能性がある。肝臓からの過剰なグルコース放出は、高血糖の重大な原因である。肝臓は、およそグルコース産生の90%およびグルコース摂取の33%に関与し、2型糖尿病の両方の障害は、空腹時および食後の状態における高血糖に寄与する。
1型真性糖尿病は、インスリン産生が不十分になる膵β細胞の自己免疫妨害に起因する。2型真性糖尿病は、不十分なインスリン産生とインスリンの作用に対する細胞の抵抗性との組み合わせに起因して発症する、より複雑で慢性的な代謝障害である。インスリンは、様々な組織へのグルコース摂取を促進し、また、肝臓および腎臓によるグルコース産生を減少させる。インスリン抵抗性は、末梢グルコース摂取の減少および内因性グルコース産生の増加をもたらし、両方とも血糖濃度を正常値より高くする。
現在の推定では、米国における約2600万人(人口の8%以上)が何らかの形の真性糖尿病を有するとされている。薬品療法、食事療法、運動などの治療は、血糖値を制御しようとし、これは患者が血糖値を注意深く監視することを必要とする。さらに、1型真性糖尿病患者、および2型糖尿病患者の多くは、毎日インスリンを摂取する必要がある。インスリンは丸薬の形態では入手できず、皮膚の下に注射する必要がある。真性糖尿病に対する治療は、日常的に患者によって自己管理されるので、治療への順守または遵守は問題となる可能性がある。
概要
本明細書に記載のいくつかの実施形態は、概して、様々な医学的状態、障害、および疾患を治療するための標的神経線維の神経調節を治療的に行うための、装置、システム、および方法に関する。いくつかの実施形態では、標的神経線維の神経調節を使用して、様々な代謝性疾患に関連する症状の発生リスクを治療するか、またはそのリスクを低減する。例えば、標的神経線維の神経調節は、糖尿病(例えば、真性糖尿病)または他の糖尿病関連疾患に関連する症状の発生リスクを治療するか、またはそのリスクを低減することができる。本明細書に記載の方法は、毎日のインスリン注射または血糖値の一定の監視を必要とすることなく、有利に糖尿病を治療することができる。本明細書に記載の装置、システム、および方法によって提供される治療は、永久的または少なくとも半永久的である(例えば、数週間、数ヶ月または数年間続く)ことが可能であり、それにより継続的または定期的な治療の必要性が低減される。本明細書に記載の装置の実施形態は、一時的または移植可能とすることができる。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の標的神経線維の神経調節は、インスリン抵抗性、遺伝的代謝症候群、心室頻拍、心房細動または心房粗動、不整脈、炎症性疾患、高血圧(動脈または肺)、(グルコース耐性を含む)高血糖、高脂血症、摂食障害、および/または内分泌疾患の治療のために使用することができる。いくつかの実施形態では、標的神経線維の神経調節は、糖尿病、インスリン耐性、または他の代謝性疾患の任意の組み合わせを治療する。いくつかの実施形態では、(例えば、体重減少を促進するために)満腹感および食欲を調節するために、一時的または埋め込み型の神経調節剤を使用することができる。いくつかの実施形態では、肝臓を(求心性または遠心性に)支配する神経組織の調節は、ヘモクロマトーシス、ウィルソン病、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)、および/または、肝臓および/または肝臓代謝に影響を与える他の状態を治療するために使用される。いくつかの実施形態では、肝臓を(求心性または遠心性に)支配する神経組織の調節(例えば、肝臓の除神経)は、全身交感神経系の緊張およびその結果の状態(例えば、高血圧、うっ血性心不全、心房細動、閉塞性睡眠時無呼吸、および/または腎不全など)を低減するのに効果的である。
いくつかの実施形態では、肝臓に関連する交感神経線維は、肝臓のグルコース産生を減少させ、および/または肝臓のグルコース摂取を増加させるために、選択的に妨害(例えば、アブレーション(切除)、除神経化、無効化、切断、遮断、傷害、脱感作、除去)され、糖尿病および/または関連する疾患または障害の治療またはそのリスクの軽減を助ける。妨害は、永続的または一時的な(例えば、数日、数週間または数ヶ月の間の)ものとすることができる。いくつかの実施形態では、肝神経叢における交感神経線維が、選択的に妨害される。いくつかの実施形態では、固有肝動脈に近接する総肝動脈を取り囲む(例えば、血管周囲空間内の)交感神経線維、固有肝動脈を取り囲む交感神経線維、腹腔動脈に隣接する腹腔神経節における交感神経線維、肝臓を支配する、または肝臓の周囲のその他交感神経線維、膵臓を支配する交感神経線維、脂肪組織(例えば内臓脂肪)を支配する交感神経線維、副腎を支配する交感神経線維、小腸(例えば、またはその一部(例えば、十二指腸))を支配する交感神経線維、胃(例えば、またはその一部(例えば、幽門))を支配する交感神経線維、褐色脂肪組織を支配する交感神経線維、骨格筋を支配する交感神経線維、および/または腎臓を支配する交感神経線維は、選択的に妨害されるか、または(同時または逐次的に)調節されて、高血圧、糖尿病(例えば、真性糖尿病)、または他の代謝性疾患または障害に関連する症状の治療または軽減を促進する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の方法、装置、およびシステムは、任意の糖尿病関連の器官または組織に関連する自律神経を治療的に調節するために使用される。例えば、膵臓および十二指腸に関して、一方または両方の構造を支配する神経は、肝臓を支配する神経に加えて、またはその代わりに、神経調節(例えば、アブレーション)されることができ、前記神経調節は、糖尿病または他の代謝性疾患または障害に関連する1以上の症状/特徴に影響を及ぼす。そのような症状/特徴には、血漿または肝臓または他の器官内の、グルコース値、コレステロール値、脂質値、トリグリセリド値、ノルエピネフリン値、インスリン調節などの変化(例えば、増加または減少)が含まれるが、これらに限定されない。肝臓調節に関して本明細書に開示される装置および方法は、膵臓、十二指腸、胃、または他の器官および構造を神経調節するために使用することができる。
いくつかの実施形態によれば、伏在神経、大腿神経、腰神経、正中神経、尺骨神経、迷走神経、および橈骨神経を含むがこれらに限定されない自律神経線維を含む任意の神経が調節される。肝動脈以外の動脈または静脈を取り囲む神経は、例えば、上腸間膜動脈、下腸間膜動脈、大腿動脈、骨盤動脈、門脈、肺動脈、肺静脈、腹腔大動脈、大静脈、脾動脈、胃動脈、内頸動脈、内頸静脈、脊椎動脈、腎動脈、および腎静脈を取り囲む神経が挙げられるがこれらに限定されない神経が調節される。腹腔動脈はまた、本明細書のいくつかの実施形態に従って調節することができる。
いくつかの実施形態によれば、治療用神経調節システムは、交感神経線維を選択的に妨害するために使用される。神経調節システムは、アブレーションカテーテルシステムおよび/または送達カテーテルシステム(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)を備えることができる。アブレーションカテーテルシステムは、高周波(RF)エネルギーを使用して交感神経線維をアブレーションし、交感神経伝達の神経調節または妨害を引き起こすことができる。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、交感神経線維をアブレーションするために超音波エネルギーを使用する。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、交感神経線維を選択的にアブレーションするために超音波(例えば、高強度集束超音波または低強度集束超音波)エネルギーを使用する。他の実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、交感神経線維を調節するためにエレクトロポレーション(電気穿孔法)を使用する。本明細書で使用されるようなアブレーションカテーテルは、アブレーションを引き起こすことに限定されず、神経の調節(例えば、部分的または可逆的アブレーション、アブレーションなしのブロッキング、刺激)を促進する装置も含む。いくつかの実施形態では、送達カテーテルシステムは、薬品または化学薬品を神経線維に送達して、神経線維を(例えば、化学的アブレーションによって)調節する。化学的アブレーション(または他の何らかの形態の化学的に媒介される神経調節)で使用される化学物質は、例えば、フェノール、アルコール、または神経線維の化学的アブレーションを引き起こす他の化学物質を含むことができる。いくつかの実施形態では、凍結療法が使用される。例えば、交感神経線維を選択的に調節(例えば、アブレーション)するために凍結アブレーションを用いるアブレーションカテーテルシステムが提供される。他の実施形態では、近接照射療法による送達カテーテルシステムが使用され、神経線維を調節する。カテーテルシステムは、RFエネルギー、超音波エネルギー、集束超音波(例えば、HIFU、LIFU)エネルギー、イオン化エネルギー(例えば、X線、陽子線、ガンマ線、電子線、およびアルファ線)、エレクトロポレーション、薬品送達、化学的アブレーション、凍結アブレーション、近接照射療法、または自律神経(例えば、交感神経または副交感神経)の神経繊維の妨害または神経調節(例えば、アブレーション、除神経、刺激)を引き起こす任意の他のモダリティの任意の組み合わせをさらに使用することができる。以下に説明されるように、いくつかの実施形態では、マイクロ波エネルギーまたはレーザエネルギー(または2つ、3つ、またはそれ以上のエネルギー源の組み合わせ)が使用される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、非エネルギーベースの神経調節(例えば、薬品送達)と関連して使用される。
いくつかの実施形態では、治療的神経調節システムを送達するために最小侵襲外科技術が使用される。例えば、交感神経線維の妨害または神経調節のためのカテーテルシステム(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するまたは有さない他の送達装置)は、(例えば、大腿動脈、上腕動脈、橈骨動脈を介して)動脈内送達することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムを固有肝動脈に進めて、肝神経叢内の交感神経線維を(完全にまたは部分的に)アブレーションする。他の実施形態では、アブレーションカテーテルシステムを総肝動脈に進めて、総肝動脈を取り囲む交感神経線維をアブレーションする。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムを腹腔動脈または腹腔幹に進めて、(例えば、その下流の神経を含む)腹腔神経節または腹腔神経叢における交感神経線維をアブレーションする。アブレーションまたは送達カテーテルシステムは、肝臓または他の器官または組織(例えば、膵臓、脂肪組織(例えば、肝臓の内臓脂肪)、副腎、胃、小腸、胆嚢、胆管、褐色脂肪組織、骨格筋)に関連し、その少なくともいくつかは臨床的に糖尿病に関連している可能性がある標的交感神経線維を妨害するために、他の動脈(例えば、左肝動脈、右肝動脈、胃十二指腸動脈、胃動脈、脾動脈、腎動脈など)内に進めることができる。いくつかの実施形態では、腹腔神経節の神経調節(例えば、除神経、剥離、刺激)または腹腔神経節活動の調節は、高血圧の治療を促進する。
いくつかの実施形態では、治療的神経調節または妨害システムが、静脈系を通して血管内に送達される。例えば、治療的神経調節システムは、門脈または下大静脈のいずれかを介して送達することができる。いくつかの実施形態では、神経調節システムは、交感神経線維を調節または妨害するために胆道に経皮的に送達される。
他の実施形態では、神経調節システムは、経気道的にまたは腹腔鏡下に送達され、交感神経線維を調節または妨害する。例えば、神経調節システムは、胃を介して、または十二指腸を介して、経腔的に送達することができる。
いくつかの実施形態では、神経調節システムの低侵襲外科的送達(例えば、腹腔鏡下)は、画像誘導技術と組み合わせて達成される。例えば、視覚化装置(例えば、光ファイバー内視鏡)を使用して、神経調節システムの最小限の侵襲的外科的送達の間に画像誘導を提供することができる。いくつかの実施形態では、透視、コンピュータ断層撮影(CT)、放射線撮影、光干渉断層撮影(OCT)、血管内超音波(IVUS)、ドップラー、サーモグラフィ、および/または磁気共鳴(MR)イメージングが、神経調節システムの最小限の侵襲的外科的送達と併用される。いくつかの実施形態では、神経調節システムの送達および整列を補助するために、神経調節システムの遠位端に放射線不透過性マーカーが配置される。
いくつかの実施形態では、調節されるべき神経線維にアクセスするために切開手術を用いる。いくつかの実施形態では、RFエネルギー、超音波エネルギー、HIFU、熱エネルギー、光エネルギー、RFエネルギー以外の電気エネルギー、薬品送達、化学的アブレーション、凍結アブレーション、蒸気または温水、イオン化エネルギー(例えば、X線、陽子線、ガンマ線、電子線、およびアルファ線)、または他のモダリティを含むがこれらに限定されない本明細書に記載のモダリティのいずれかが、交感神経線維を調節または妨害させるために切開手術と併用される。マイクロ波エネルギーおよびレーザエネルギーによる神経調節もまた、いくつかの実施形態で提供され、本明細書で論じられる。他の実施形態では、神経線維を外科的にカット(例えば、切断)して、神経信号の伝導を妨害し、そうでなければ神経損傷を引き起こす。
いくつかの実施形態では、非侵襲性(例えば、経皮的)処置を使用して、交感神経線維(例えば、肝臓を支配する神経、肝動脈内またはその周囲の神経、腹腔動脈、胃十二指腸動脈、脾動脈、膵臓を支配する神経、および/または十二指腸を支配する神経)を調節または妨害する。いくつかの実施形態では、RFエネルギー、超音波エネルギー、HIFUエネルギー、放射線療法、光エネルギー、赤外線エネルギー、熱エネルギー、蒸気、温水、磁場、イオン化エネルギー、他の形態の電気または電磁気エネルギー、または他のモダリティを含むがこれらに限定されない本明細書に記載のモダリティのうちのいずれかが、交感神経線維を調節または妨害させるために非侵襲的処置と併用される。
いくつかの実施形態によれば、神経調節システムは、1以上の位置または標的部位で交感神経線維を調節または妨害するために使用される。例えば、アブレーションカテーテルシステム(例えば、超音波、RF、凍結などの本明細書に記載のアブレーション装置または方法を含む)は、円周方向または半径方向のパターンでアブレーションを実行することができる、および/またはアブレーションカテーテルシステムは、血管の長さに沿って直線的に間隔を置いて配置された複数の点で、アブレーションを実行することができる。他の実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、交感神経線維(例えば、スパイラル(螺旋状)パターン、ジグザグパターン、複数の直線状パターンなど)の通信経路を中断させることができる任意の他のパターンの1以上の位置でアブレーションを実行する。パターンは、連続的であっても非連続的(例えば、断続的)であってもよい。アブレーションは、血管の円周の特定の部分(例えば、円周の半分または半分未満の部分)を標的とすることができる。いくつかの実施形態では、血管壁の調節(例えば、熱傷または熱損傷)は非円周である。アブレーションまたは他の治療は、血管の1つの象限、2つの象限、3つの象限、または4つの象限で実行することができる。一実施形態では、アブレーションまたは他の治療は、血管の2つを超える象限では実行されない。他の実施形態では、アブレーションまたは他の治療は、他の増分のセクタ(例えば、2つ、3つ、5つ、または6つのセクション)内で実行される。いくつかの実施形態では、セクタは90度〜120度の半径方向距離に及ぶことができる。他の実施形態では、セクタは120度〜240度の半径方向距離に及ぶことができる。様々な実施形態において、セクタは、所望の効果を達成するために、約90度、120度、144度、または180度の増分で放射状に配置される。
本明細書内に開示される本発明の実施形態によれば、様々な医学的障害および疾患を治療するための治療的神経調節には、標的神経線維の神経刺激が含まれる。例えば、自律神経繊維(例えば、交感神経線維、副交感神経線維)は、糖尿病(例えば、真性糖尿病)または他の状態、疾患、および障害を治療するか、またはその発生のリスクを低減するために刺激されることができる。
いくつかの実施形態では、肝臓を支配する副交感神経線維が刺激される。いくつかの実施形態では、膵臓、脂肪組織(例えば、肝臓の内臓脂肪)、副腎、胃(例えば、またはその一部(例えば、幽門))、腎臓、褐色脂肪組織、骨格筋、および/または小腸(例えば、十二指腸)を支配する副交感神経線維が刺激される。いくつかの実施形態によれば、肝臓、膵臓、脂肪組織、副腎、胃、腎臓、褐色脂肪組織、骨格筋、および小腸を支配する副交感神経線維の任意の組み合わせを刺激して治療する、または糖尿病(例えば、真性糖尿病)または他の状態、疾患、または障害に関連する症状の発症のリスクを軽減または減少させる。いくつかの実施形態では、器官または組織は、内部または外部のいずれかで直接的に刺激される。例えば、組織(または組織のコンポーネント(例えば、細胞、受容体、圧受容器))の調節は、本明細書に記載のいくつかの実施形態によって達成することができ、神経の調節の有無にかかわらず行うことができる。
いくつかの実施形態では、交感神経または副交感神経線維を刺激するために神経刺激装置が使用される。いくつかの実施形態では、神経刺激装置は埋め込み可能である。いくつかの実施形態によれば、埋め込み可能な神経刺激装置は、副交感神経線維を電気的に刺激する。いくつかの実施形態では、埋め込み可能な神経刺激装置は、副交感神経線維を化学的に刺激する。さらに他の実施形態では、埋め込み可能な神経刺激装置は、電気刺激、化学刺激、または副交感神経線維を刺激することができる任意の他の方法の組み合わせを使用する。
他の実施形態では、非侵襲性神経刺激を使用して、副交感神経線維の刺激を行う。例えば、経皮的電気刺激を使用して、副交感神経線維を刺激することができる。副交感神経線維の非侵襲的神経刺激(例えば、光エネルギー、超音波エネルギー)に影響を及ぼすために、他のエネルギーのモダリティを使用することもできる。
いくつかの実施形態では、標的自律神経線維の神経調節は、全身性グルコースを低下させることにより、糖尿病(例えば、真性糖尿病)および関連する状態を治療する。例えば、標的神経線維の治療的神経調節は、肝臓グルコース産生を減少させることによって全身グルコースを減少させることができる。いくつかの実施形態では、肝臓グルコース産生は、交感神経線維の妨害(例えば、アブレーション)によって低下する。他の実施形態では、肝臓グルコース産生は、副交感神経線維の刺激によって減少する。
いくつかの実施形態では、標的神経線維の治療的神経調節は、肝臓のグルコース摂取を増加させることによって全身グルコースを低下させる。いくつかの実施形態では、肝臓のグルコース摂取は、交感神経線維の妨害(例えば、アブレーション)によって増加する。他の実施形態では、肝臓のグルコース摂取は、副交感神経線維の刺激によって増加する。いくつかの実施形態では、トリグリセリドまたはコレステロール値は、治療的神経調節によって減少する。
いくつかの実施形態では、肝神経叢の交感神経線維の妨害または調節は、肝臓を取り囲む副交感神経線維に影響を及ぼさない。いくつかの実施形態では、肝神経叢の交感神経線維の妨害または調節(例えば、アブレーションまたは除神経)は、超低密度のリポタンパク質(VLDL)レベルの低下を引き起こし、それによって脂質状態に有益な効果をもたらす。いくつかの実施形態では、本発明は、交感神経駆動および/またはトリグリセリドまたは(高密度リポタンパク質(HDL)レベル、低密度リポタンパク質(LDL)レベル、および/または超低密度リポタンパク質(VLDL)レベルを含む)コレステロールレベルに影響を及ぼす神経調節治療を含む。いくつかの実施形態では、交感神経の除神経またはアブレーションは、トリグリセリドレベル、コレステロールレベル、および/または中枢交感神経駆動を減少させる。例えば、いくつかの実施形態では、ノルエピネフリンレベルが影響を受ける可能性がある。
他の実施形態では、標的神経線維の治療的神経調節(例えば、肝臓の除神経)は、インスリン分泌を増加させることによって全身性グルコースを低下させる。いくつかの実施形態では、インスリン分泌は、交感神経線維(例えば、肝動脈の周囲枝)の妨害(例えば、アブレーション)によって増加する。他の実施形態では、インスリン分泌は、副交感神経線維の刺激によって増加する。いくつかの実施形態では、膵臓を取り囲む交感神経線維は、グルカゴンレベルを低下させ、インスリンレベルを上昇させるように調節されることが可能である。いくつかの実施形態では、副腎を取り囲む交感神経線維は、アドレナリンまたはノルアドレナリンレベルに影響を及ぼすように調節される。肝臓の脂肪組織(例えば、内臓脂肪)は、グリセロールまたは遊離脂肪酸レベルに影響するように標的化され得る。いくつかの実施形態では、インスリンレベルは、同じを維持するか、または±5%未満、±10%未満、±2.5%未満、またはそれらの重複範囲で増加または減少する。いくつかの実施形態では、インスリンレベルは、膵臓の一部が単独で、または総肝動脈または他の肝動脈の枝と組み合わせてアブレーションされるとき、一定または実質的に一定を維持する。様々な実施形態では、肝臓を支配する神経(例えば、総肝動脈を取り囲む交感神経)の除神経は、低血糖の事象に反応する被験体の能力に影響を与えない。
本発明のいくつかの実施形態によれば、被験体内の血糖値を低下させる方法が提供される。本方法は、大腿動脈にアクセスし、切開内に神経調節装置(例えば、カテーテル、超音波カテーテルなど)を挿入するために、被験体の鼠径部に切開部を形成するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、大腿動脈から動脈系を通って総肝動脈または固有肝動脈まで神経調節装置を前進させ、総肝動脈または固有肝動脈を取り囲む肝神経叢内の交感神経に沿った神経伝達を熱的に阻害する治療上有効な量のエネルギーを固有肝動脈の内壁にアブレーションカテーテルによって血管内に送達させ、それにより被験体内の血糖値を低下させるステップを含む。要望通りにまたは必要に応じて、他の切開またはアクセスポイントを使用することができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)は、集束または非集束超音波アブレーションカテーテルである。
いくつかの実施形態では、神経調節装置(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)は、1以上の電極を含む高周波(RF)アブレーションカテーテルである。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、高強度集束超音波アブレーションカテーテルである。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、凍結アブレーションカテーテルである。本方法は、肝臓に関連する1以上の副交感神経を刺激して、肝臓のグルコース産生を減少させるか、またはグルコース摂取を増加させるステップをさらに含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、糖尿病または糖尿病に関連する症状を有する被験体を治療する方法が提供される。本方法は、被験体の肝神経叢の近傍にRFアブレーションカテーテル(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)を送達し、RFアブレーションカテーテルの1以上の電極からRFエネルギーを放出させることによって肝神経叢の交感神経に沿って神経伝達を妨害するステップを含むことができる。いくつかの実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、大腿動脈を通って固有または総肝動脈の枝内の位置に血管内送達される。いくつかの実施形態では、RFエネルギーは、RFアブレーションカテーテルによって血管外送達される。
いくつかの実施形態では、神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の交感神経に沿った神経伝達を永久に無効にするステップを含む。いくつかの実施形態では、神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の交感神経に沿った神経伝達を一時的に阻止または低減するステップを含む。いくつかの実施形態では、肝神経叢の交感神経に沿った神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の複数の交感神経に沿った神経伝達を妨害するステップを含む。
本方法は、RFアブレーションカテーテルを被験体の腹腔神経叢の近傍に配置し、RFエネルギーをRFアブレーションカテーテルの1以上の電極から放出させることにより、腹腔神経叢の交感神経に沿った神経伝達を妨害するステップをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、膵臓を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、RFアブレーションカテーテルの1以上の電極からRFエネルギーを放出させることによって、交感神経線維に沿って神経伝達を妨害させるステップ、胃を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、RFアブレーションカテーテルの1以上の電極からRFエネルギーを放出させることによって、交感神経線維に沿って神経伝達を妨害させるステップ、および/または十二指腸を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、RFアブレーションカテーテルの1以上の電極からRFエネルギーを放出させることによって、交感神経線維に沿って神経伝達を妨害させるステップを含む。いくつかの実施形態では、薬品または治療剤を、肝臓または周囲の器官または組織に送達させることができる。
いくつかの実施形態によれば、被験体内の血糖値を低下させる方法が提供される。本方法は、RF、超音波などのアブレーションカテーテル(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)を被験体の血管系内に挿入するステップと、RFアブレーションカテーテルを肝動脈(例えば、固有肝動脈または総肝動脈)の枝の位置まで前進させるステップとを含む。一実施形態では、本方法は、総肝動脈または固有肝動脈を囲む肝神経叢の交感神経内の神経伝達を熱的に抑制するための治療的に有効な量のRF、超音波などのエネルギーを、固有肝動脈の内壁にアブレーションカテーテルによって血管内送達させ、それによって被験体内の血糖値を低下させるステップを含む。いくつかの実施形態では、治療上有効な量のRF、超音波などのエネルギーの総肝動脈または固有肝動脈への送達はまた、膵臓および/または十二指腸の神経を調節(例えば、アブレーション、除神経)するのに十分なエネルギーの送達を含み、これは相乗効果をもたらすことができる。種々の実施形態において、血糖値は、ベースライン値から30〜60%(例えば、40〜50%、30〜50%、35〜55%、45〜60%、またはそれらの重複範囲)減少する。
一実施形態では、標的血管の内側血管壁の位置または標的神経の位置におけるRFエネルギーの治療有効量は、約100J〜約1kJの範囲内(例えば、約100J〜約500J、約250J〜約750J、約300J〜約1kJ、約500J〜1kJ、またはそれらの重複範囲)である。一実施形態では、RFエネルギーの治療有効量は、約0.1W〜約14W(例えば、約0.1W〜約10W、約0.5W〜約5W、約3W〜約8W、約2W〜約6W、約5W〜約10W、約8W〜約12W、約10W〜約14W、またはそれらの重複範囲)のパワー(出力)を有することができる。本明細書で提供される範囲は、電極あたり、エネルギー送達位置当たり、または総エネルギー送達とすることができる。RF、超音波などのエネルギーは、標的血管に沿って、または複数の異なる血管内の、1つの位置または複数の位置で送達されることができる。いくつかの実施形態では、RF、超音波などのエネルギーは、神経を取り囲む組織の線維化を引き起こすのに十分な程度に送達され、それによって神経の中断(ドロップアウト)をもたらす。
一実施形態では、RFアブレーションカテーテル(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するまたは有さない他の送達装置)は、少なくとも1つのアブレーション電極を含む。RFアブレーションカテーテルは、少なくとも1つのアブレーション電極を肝動脈分枝部の内壁に接触させ、RFエネルギーが送達されている間に十分な接触圧で内壁との接触を維持するように構成することができる。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、肝動脈分枝部の内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な連続した接触圧を維持するように構成されたバルーンカテーテルを備える。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、肝動脈分枝部の内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な連続した接触圧を維持するように構成された作動可能な(例えば、操縦可能な、関節運動可能な、拡張可能な)遠位先端部を備える。様々な実施形態において、十分な接触圧は、約0.1g/mm2〜約100g/mm2(例えば、約0.1g/mm2〜約10g/mm2)の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、肝動脈の枝の内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な連続した接触を維持するように構成された少なくとも1つの固定部材を含む。作動可能な遠位先端部および/または固定部材は、1以上の可撓性部分、1以上の拡張可能な部材(例えば、バルーン、リボン、ケージ、バスケット、ワイヤ、ストラット)、1以上の操縦可能または関節運動可能な部材、1以上の予め曲げられた形状記憶部分、またはそれらの組み合わせを含むことができる。拡張可能な部材は、自己拡張可能、機械的拡張可能、空気圧拡張可能、膨張可能、または他の方法で拡張可能とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、糖尿病または糖尿病に関連する症状を有する被験体を治療する方法が提供される。一実施形態では、本方法は、肝動脈分枝部内の肝神経叢の近傍(例えば、固有肝動脈、総肝動脈、またはその2つの間の分枝に隣接するか、または2つの間の分枝内)にRFアブレーションカテーテルを送達するステップを含む。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、少なくとも1つの電極を含む。本方法は、少なくとも1つの電極を肝動脈の枝の内壁と接触させて配置するステップを含むことができる。一実施形態では、本方法は、少なくとも1つの電極に電気信号を印加することによって肝動脈分枝部を取り囲む肝神経叢の交感神経の神経伝達を妨害し、それにより少なくとも1つの電極によって送達された熱エネルギーに、肝動脈分枝部の内壁を加熱させるステップを含む。非融解加熱、融蝕加熱、またはそれらの組み合わせが、いくつかの実施形態で使用される。
一実施形態では、神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の交感神経の神経伝達を永久に無効にするステップを含む。一実施形態では、神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の交感神経に沿った神経伝達を一時的に阻止または低減するステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、RFアブレーションカテーテルを被験体の腹腔神経叢の近傍に配置し、腹腔神経叢の交感神経に沿って神経伝達を妨害させるステップ、膵臓を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、交感神経線維に沿った神経伝達を妨害するステップ、胃を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、交感神経線維に沿った神経伝達を妨害するステップ、および/または十二指腸を支配する交感神経線維の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置し、RFエネルギーをRFアブレーションカテーテルの少なくとも1つの電極から放出させることによって、交感神経線維に沿った神経伝達を妨害するステップを含む。いくつかの実施形態では、神経調節の確認を促進し、リアルタイムで治療の調節を可能にするフィードバック機構が提供される。一実施形態では、神経調節(例えば、アブレーション)処置または方法(例えば、本明細書に記載の方法)の進行または状態を追跡するために、超音波エラストグラフィ、超音波ソノグラフィ、エコーディコリレーション(非相関)、ドップラー超音波、磁気共鳴エラストグラフィ、および/またはコンピュータ断層撮影が使用される。
いくつかの実施形態によれば、糖尿病または糖尿病に関連する症状(例えば、高血糖または高トリグリセリドレベル)を有する被験体を治療する方法が提供される。一実施形態では、本方法は、肝動脈内の神経調節カテーテルを被験体の肝神経叢の近傍に送達させるステップと、RF、超音波などのエネルギーを神経調整カテーテルの1以上の電極から放出させることによって肝神経叢の神経を調節するステップを含む。一実施形態では、肝神経叢の神経を調節するステップは、肝神経叢の交感神経を麻痺させるステップおよび/または肝神経叢の副交感神経を刺激するステップを含む。一実施形態では、交感神経の麻痺(除神経)および副交感神経刺激は同時に行われる。一実施形態では、交感神経の麻痺(除神経)および副交感神経刺激は順次行われる。一実施形態では、交感神経は、同じ血管または組織を取り囲む副交感神経を調節することなく調節される。
いくつかの実施形態によれば、肝臓の神経調節のために構成された装置が提供される。一実施形態では、装置は、1以上の肝動脈分枝部または隣接する動脈分枝内に血管内配置のために構成されたバルーンカテーテルを備える。一実施形態では、バルーンカテーテルは、少なくとも1つの拡張可能なバルーンと、双極電極対を備える。一実施形態では、双極電極対のうちの少なくとも1つは、少なくとも1つの拡張可能なバルーンの拡張時に肝動脈分枝部の内壁と接触して拡張されるように配置されるように構成される。一実施形態では、双極電極対は、肝臓の除神経を達成するように構成された熱線量のエネルギーを送達するように構成される。少なくとも1つの拡張可能なバルーンは、双極電極対のうちの少なくとも1つの電極と肝動脈分枝部の内壁との間で十分な接触圧(例えば、連続接触圧)を維持するように構成することができる。いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルは、2つの拡張可能なバルーンを備え、それぞれは、双極電極対のうちの1つの電極がその上に配置される。一実施形態では、バルーンカテーテルは、単一の拡張可能なバルーンを備え、双極電極対は、拡張可能なバルーン上に配置される。一実施形態では、バルーンは、バルーンの内腔内に冷却流体を含む。
いくつかの実施形態によれば、肝臓の神経調節のために構成された装置が提供される。一実施形態では、装置は、内腔と、開放遠位端と、カテーテルの内腔内に摺動可能に受け入れされるように構成された操縦可能なシャフトとを含むカテーテルを備える。一実施形態では、操縦可能なシャフトの少なくとも遠位部分は、操縦可能なシャフトの遠位部分を挑戦状に変化させる(例えば、曲げる)ように構成された予め形成された形状を有する形状記憶材料を含み、操縦可能なシャフトの遠位部分をカテーテルの開放遠位端から外へ前進させた際に血管壁に接触する。一実施形態では、操縦可能なシャフトの遠位端は、肝動脈の分枝部または他の標的血管の除神経を達成するように構成された熱線量のエネルギーを送達するように作動するように構成された少なくとも1つの電極を含む。一実施形態では、操縦可能なシャフトの形状記憶材料は、肝臓の除神経処置の間、少なくとも1つの電極と肝動脈分枝部の内壁との間に十分な連続接触圧を維持するのに十分な弾力性を有する。カテーテルの遠位端における外径は、内径の小さい血管内への挿入に対応するために、カテーテルの近位端における外径より小さくすることができる。様々な実施形態において、カテーテルの遠位端の外径は、約1mm〜約4mm(例えば、1mm〜3mm、1mm、2mm、3mm、4mm、3mm以下)である。一実施形態では、少なくとも1つの電極は、1以上の窓(ウィンドウ)を有するコーティングを含む。肝動脈内で使用される実施形態では、カテーテルの操縦可能なシャフトは、肝動脈分枝部または隣接する動脈内の2以上の湾曲部に倣う(適合する)ように構成された複数の湾曲部(例えば、2、3、またはそれ以上の湾曲部)を有するように作動させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルの1以上の部分は、特定の湾曲形状を有するように予め曲げられている。いくつかの実施形態では、複数の湾曲部のうちの1つは予め形成され、複数の湾曲部のうちの1つは送達中に作動される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達装置(例えば、カテーテル)は、形状記憶材料で構築された遠位部分と、ガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔とを含む。形状記憶材料は、(電極などのエネルギー送達要素を含むことができる)エネルギー送達装置の遠位端を、標的血管の内壁に接触させるように、熱設定または形状設定することができる。ガイドワイヤは、遠位部分が標的血管内の所望の位置に配置されるまで、エネルギー送達装置の遠位部分を直線的または実質的に直線的なアライメントに保持することができる。ガイドワイヤがエネルギー送達装置の内腔から引き抜かれると、形状記憶先端部は、エネルギー送達装置の遠位端を標的血管の内壁に接触させるように、熱設定または形状設定構成に変形する。
いくつかの実施形態によれば、神経調節キットが提供される。一実施形態では、キットは、肝動脈を取り囲む神経を調節するために、肝臓系の血管内に挿入されるように構成された神経調節カテーテルを含む。一実施形態では、キットは、神経調節カテーテルの内腔内に挿入されるように構成された複数のエネルギー送達装置を含む。一実施形態では、エネルギー送達装置のそれぞれは、エネルギー送達装置の遠位端に、またはその近くに、少なくとも1つの調節要素を含む。一実施形態では、エネルギー送達装置のそれぞれは、異なる予め形成された形状記憶構成を含む遠位部分を含む。少なくとも1つの調節要素は、糖尿病に関連する症状を治療するために、肝動脈を取り囲む神経の少なくとも一部を調節するように作動されるように構成することができる。
いくつかの実施形態では、本発明は、例えば、インスリン調節、グルコース摂取、代謝などのインスリンおよび/またはグルコースに影響を与える障害を治療するための神経系の調節を含む。いくつかの実施形態では、神経系の入力および/出力は、一時的または永久的に調節される(例えば、減少する)。いくつかの実施形態は、以下の効果のうちの1つまたは組み合わせを実行するように構成される:神経組織のアブレーション、神経組織の加熱、神経組織の冷却、神経組織の不活性化、神経組織の切断、細胞溶解、アポトーシス、および壊死。いくつかの実施形態では、局部的な神経調節が行われ、周囲の組織に影響を与えない。他の実施形態では、標的神経を取り囲む組織もまた処置される。
いくつかの実施形態によれば、肝臓の除神経の方法は、腎臓の除神経処置よりも短い処置およびエネルギーの印加時間で実施される。いくつかの実施形態では、肝臓の除神経は、痛みを引き起こすことなく実施され、治療中の被験体への痛みを緩和する。いくつかの実施形態によれば、神経調節(例えば、除神経またはアブレーション)は、標的血管(例えば、肝動脈)内で狭窄または血栓を引き起こすことなく実施される。熱処理を含む実施形態では、既存の除神経系および方法と比較して、血流に失われる熱を防止または低減することができ、その結果、より低いパワーおよびより短い治療時間をもたらす。様々な実施形態において、神経調節の方法は、標的血管への内皮損傷をほとんどまたは全く伴わずに(例えば、標的血管の20%未満のアブレーションで)実施される。いくつかの実施形態では、エネルギー送達は、すべての方向に実質的に均等に送達される(例えば、全方向性送達)。神経調節システム(例えば、本明細書に記載のカテーテルベースのエネルギー送達システム)の様々な実施形態では、標的血管壁との適切な電極接触が維持され、それによってパワーレベル、電圧レベル、血管壁または組織の熱損傷、および処置回数を低減する。
いくつかの実施形態によれば、熱誘発性肝臓神経調節のための方法が提供される。本方法は、神経調節カテーテル(例えば、RFアブレーションカテーテル)を被験体の血管系内に挿入するステップを含む。一実施形態では、神経調節カテーテルは、第1の肝動脈部分または肝動脈の内外へ分枝する第1の動脈の第1の解剖学的屈曲部に倣うように、または第1の解剖学的屈曲部に適合して配置されるように、第1の屈曲部を形成するように構成され、第2の肝動脈部分または肝動脈の内外へ分枝する第2の動脈の第2の解剖学的屈曲部に倣うように、第2の屈曲部を形成するように構成される。第1の湾曲部および/または第2の湾曲部は、機械的作動、磁気的作動、材料作動、空気圧作動、油圧作動、膨張、自己拡張などによって形成することができる。一実施形態では、神経調節カテーテル、第1の湾曲部、および/または第2の湾曲部は、予め曲げられているか、または予め湾曲している。(例えば、形状、サイズ、柔軟性などに関して)肝動脈のために設計された、いくつかのカテーテルおよび他のアクセス/送達装置が本明細書で開示されているが、そのようなカテーテルおよび他のアクセス/送達装置は、他の動脈および血管(特に、曲がりくねっている他の動脈および血管)に対して使用することもできる。また、装置は、神経調節カテーテルまたは装置として本明細書に記載され、神経の調節(例えば、アブレーション)に関して記載される場合もあるが、カテーテルまたは他の装置は、他のタイプの組織(例えば、器官または血管の内側を覆う組織、筋肉組織、内皮組織、粘膜下組織)を調整するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、血管系の肝動脈内の位置に、または肝動脈の上流の位置(例えば、大動脈または腹腔動脈または軸内)に進められる。第1の屈曲部は、第1の解剖学的屈曲部(例えば、大動脈または腹腔動脈と総肝動脈との間の急な屈曲部、または総肝動脈内の第1の屈曲部)と共に形成および/または整列させることができる。第2の屈曲部は、第2の解剖学的屈曲部(例えば、総肝動脈と固有肝動脈または胃十二指腸動脈との間の急な屈曲部、または総肝動脈内の第2の屈曲部)と共に形成および/または整列させることができる。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、肝動脈の内壁に治療的に有効な量のエネルギー(例えば、RFエネルギー、熱エネルギー、超音波エネルギー)を血管内送達させるように動作されるか、またはさもなければ引き起こされ、肝臓の神経叢の1以上の交感神経を調節する(例えば、除神経する、アブレーションする、傷つける、刺激する)。
一実施形態では、神経調節カテーテルは、少なくとも1つの電極を有するRFアブレーションカテーテルを備える。RFアブレーションカテーテルは、有利には、RFエネルギーが送達されている間に肝動脈の動脈内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な接触圧を維持するように構成することができる。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、肝動脈の動脈内壁に対する少なくとも1つの電極の十分な接触圧を維持するように構成されたバルーンカテーテルを含む。一実施形態では、RF、超音波などのアブレーションカテーテルは、RF、超音波などのアブレーションカテーテルを肝動脈内の位置まで前進させる間に、第1の解剖学的屈曲部および第2の解剖学的屈曲部に倣うように構成された作動可能な遠位部分を備える。一実施形態では、作動可能な遠位部分は、第1の湾曲部および第2の湾曲部を形成するように構成された形状記憶材料を含む。一実施形態では、作動可能な遠位部分は、第1の湾曲部および第2の湾曲部を形成するために、1以上の引張ワイヤによって機械的に拡張されるように構成される。一実施形態では、第1の湾曲部および第2の湾曲部は、S字形状から共に曲がる。
一実施形態では、十分な接触圧は、約0.1g/mm2〜約100g/mm2(例えば、約0.1g/mm2〜約10g/mm2、約5g/mm2〜約20g/mm2、約1g/mm2〜約50g/mm2、またはそれらの重複範囲)である。一実施形態では、治療上の有効量のRFエネルギーは、標的位置当たりまたはすべての標的位置の合計当たり、約300J〜約1.5kJ(例えば、約300J〜約1kJ)の範囲内である。治療上の有効量のRFエネルギーは、標的位置当たり、約0.1W〜約14W(例えば、約0.1W〜約10W、約3W〜約8W、約3W〜約10W)のパワーレベルを有することができる。
いくつかの実施形態では、本方法は、RFエネルギーによって標的とされている、または標的とされていない総肝動脈の一部に、または少なくとも1つの電極に冷却を提供するステップを含む。一実施形態では、冷却は、カテーテル内または少なくとも1つの電極に隣接する血流内に生理食塩水を注入するステップを含む。一実施形態では、冷却は、少なくとも1つの電極の上流の流れを妨害して、少なくとも1つの電極を通過する動脈流速を増加させ、それによって血流の増加に起因する対流冷却を提供するステップを含む。いくつかの実施形態では、流れは、少なくとも1つの電極に向かって(例えば、血管の中心から血管の壁に向かって)迂回されるか、または導かれる。
いくつかの実施形態によれば、熱誘発性肝臓神経調節のための装置が提供される。本装置は、近位端および遠位端を有するカテーテル本体と、近位端から遠位端まで延びる内腔とを備える。一実施形態では、カテーテル本体は、肝動脈分枝部内に経皮的に血管内に配置されるように構成される。本装置は、カテーテル本体の遠位端に作動可能な部分と、作動可能な部分に配置された少なくとも1つの電極とを含むことができる。いくつかの実施形態では、作動可能な部分は、肝動脈分枝内のカテーテルの安定化を提供し、少なくとも1つの電極の、肝動脈分枝部の動脈内壁との接触を促進するように構成される。少なくとも1つの電極またはトランスデューサは、肝動脈分枝部の少なくとも一部(例えば、30mm以下、24mm以下、20mm以下、または20mm〜30mmの長さを有する総肝動脈の一部分)の調節(例えば、除神経、アブレーション、刺激)を達成するのに十分な熱エネルギーを送達するために作動されるように構成することができる。少なくとも1つの電極またはトランスデューサは、肝動脈の枝の長さに沿って、および/またはその周囲の、複数の位置で再配置され、作動させることができる。少なくとも1つの電極またはトランスデューサは、1以上の単極電極または1以上の双極電極対を備えることができる。複数の電極またはトランスデューサを含む実施形態では、異なる場所または位置での調節は、同時にまたは逐次実行することができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置は、2つの電極またはトランスデューサのみからなるか、または本質的にそれらからなる。いくつかの実施形態では、神経調節装置は、4つの電極またはトランスデューサのみからなるか、または本質的にそれらからなる。様々な実施形態では、電極またはトランスデューサは、有利には、4つの象限のすべてではなく、血管壁の2つの象限またはセクションのみのアブレーションを促進する。いくつかの実施形態では、電極またはトランスデューサは、電極またはトランスデューサ間に180度のオフセットを維持し、所望通りに、または必要に応じて、血管の長さに沿って電極またはトランスデューサ間に間隔を設けるように配置される。他の実施形態では、他の数の電極またはトランスデューサ(例えば、3つの電極、5つの電極など)および他の円周方向のオフセット(例えば、30度、45度、60度、72度、90度、120度)を使用することができる。様々な実施形態では、電極またはトランスデューサは、円周方向(または半径方向)および/または軸方向(または長手方向)に離間させることができ、血管、患者、または治療パラメータに応じて電極(および治療部位)の円周方向および/または軸方向の間隔を調整するために独立して調整可能とすることができる。
一実施形態では、作動可能な部分は、膨張可能なバルーンを備える。一実施形態では、作動可能な部分は、カテーテル本体の遠位端がカテーテル本体の近位部分の長手軸に対して軸外に曲がるように、予め形成された屈曲形状を有する偏向可能な屈曲セグメントを含む。一実施形態では、作動可能な部分は、1以上の予め形成された屈曲形状を有する形状記憶材料を含む。一実施形態では、作動可能な部分は、1以上の引張ワイヤによって作動されて、肝動脈分枝部内の解剖学的湾曲に一致するか、または肝動脈分枝部へのアクセスを促進する1以上の湾曲形状を形成する。一実施形態では、作動可能な部分は、標的位置で肝動脈分枝部の動脈内壁に接触するように外側に拡張されるように構成された1以上のフレキシブルリボンワイヤまたはケーブルを備え、少なくとも1つの電極は、前記1以上のフレキシブルワイヤまたはケーブルのうちの少なくとも1つの上に配置される。作動可能な部分は、独立して作動可能な複数の部材を含むことができる。様々な実施形態において、作動可能な部分は、形状記憶材料、フレキシブル屈曲セグメント、リボンワイヤまたはケーブル、拡張可能部材、および膨張可能部材のうちの1以上を含む。一実施形態では、装置は外側シースを備え、カテーテル本体(例えば、プローブまたはシャフト)は、外側シースの内腔内に送達されるように構成され、外側シースに対して並進可能である。一実施形態では、外側シースは偏向可能である。一実施形態では、第1の屈曲セグメントの関節運動は第1の引張ワイヤによって制御され、第2の屈曲セグメントの関節運動は第2の引張ワイヤによって制御される。一実施形態では、第1のフレキシブル屈曲セグメントは、作動時に第1の動脈湾曲に適合するように構成され、第2のフレキシブル屈曲セグメントは、第2の動脈湾曲に適合するように構成される。第1の屈曲セグメントと第2のセグメントは、共に作動時にS字形状を形成することができる。一実施形態では、装置は、少なくとも1つの電極に隣接して配置され、電極を通過する動脈の流れを増加させ、それによって少なくとも1つの電極の冷却を促進するように構成された妨害要素を含む。少なくとも1つの電極は、肝動脈分枝部内の複数の位置に熱エネルギーを同時にまたは順次に送達するように構成された複数の電極を含むことができる。標的位置は、肝動脈の標的セグメント(例えば、長さ30mm未満、長さ20mm〜30mm、長さ24mm未満などのセグメント)の長さに沿って離間させることができる。いくつかの実施形態では、神経調節のための装置は、近位端と、蛇行動脈内の経皮的血管内配置のために構成された遠位端とを有する細長い本体を含む。装置はまた、細長い本体の遠位端に作動可能な部分を含むことができる。装置は、蛇行動脈内に安定化を提供するように構成され、少なくとも1つの電極と蛇行動脈の内壁との接触を促進するように構成された作動可能な部分上に配置された少なくとも1つの電極を含むことができる。一実施形態では、少なくとも1つの電極は、蛇行した動脈の少なくとも一部の除神経を達成するのに十分な熱エネルギーを送達するために作動されるように構成される。作動可能な部分は、動脈内の解剖学的湾曲に一致するように、または蛇行した動脈へのアクセスを促進するために、1以上の湾曲形状を形成するように構成された1以上の引張ワイヤによって作動されるように構成された1以上のフレキシブル屈曲セグメントを備えることができ、第1のフレキシブル屈曲セグメントは、作動時に第1の動脈湾曲に適合するように構成され、第2のフレキシブル屈曲セグメントは、作動時に第2の動脈湾曲に適合するように構成される。いくつかの実施形態では、第1のフレキシブル屈曲セグメントの関節運動は、第1の引張ワイヤによって制御され、第2のフレキシブル屈曲セグメントの関節運動は、第2の引張ワイヤによって制御される。装置は、外側シースをさらに備えることができ、細長い本体は、外側シースの内腔内に送達されるように構成され、外側シースに対して並進可能である。細長い本体は、アクセスを促進するためにガイドワイヤを追跡するように構成された内腔を含むことができる。一実施形態では、細長い本体は、第3および/または第4の湾曲部を備える。一実施形態では、細長い本体は、予め形成された湾曲形状をさらに備える。
いくつかの実施形態によれば、被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させるために、熱誘発性の肝臓神経調節のための方法が提供される。一実施形態では、本方法は、代謝障害を有する被験体を識別するステップと、RFアブレーションカテーテルを被験体の血管系内に挿入するステップとを含む。一実施形態では、本方法は、RFアブレーションカテーテルを血管系の総肝動脈内のある位置に前進させるステップを含む。その位置は、腹腔動脈の分枝部と総肝動脈の分枝部との間の総肝動脈内とすることができる。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルを使用して、治療的に有効な量のRFエネルギーを総肝動脈の内壁に血管内送達して、肝神経叢の1以上の交感神経をアブレーションし、それにより被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させる。一実施形態では、RFアブレーションカテーテルは、2つの電極からなるか、本質的に2つの電極からなるか、または2つの電極を備える。RFアブレーションカテーテルは、RFエネルギーが送達されている間に、総肝動脈の内壁に対して2つの電極のうちの少なくとも1つ(例えば、活性電極)の十分な接触圧を維持するように有利に構成することができる。一実施形態では、アブレーションカテーテルは、総肝動脈の内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な接触圧を維持するように構成されたバルーンカテーテルを含む。一実施形態では、アブレーションカテーテルは、総肝動脈の内壁に対して少なくとも1つの電極の十分な接触圧を維持するように構成された操縦可能な遠位端を含む。十分な接触圧は、約5g/mm2〜約100g/mm2または約0.1g/mm2〜約10g/mm2とすることができる。一実施形態では、RFエネルギーは、総肝動脈の内壁の前方180°円弧に送達され、それにより、副交感神経をアブレーションすることなく交感神経をアブレーションする。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルは、総肝動脈の内壁に対する少なくとも1つの電極の接触力を測定するための力センサまたはトランスデューサを備える。
一実施形態では、被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させるための熱誘発性肝臓神経調節のための方法が提供される。本方法は、2つの電極を含むRFアブレーションカテーテルを、肝動脈分枝部内の肝神経叢の近傍に送達するステップと、2つの電極のうちの少なくとも1つを肝動脈分枝部の内壁と接触させ、少なくとも1つの電極に電気信号を印加することによって肝動脈分枝部を取り囲む肝神経叢の交感神経の神経伝達を妨害し、それによって少なくとも1つの電極に送達された熱エネルギーに、肝動脈分枝部の内壁を加熱させるステップを含む。肝動脈分枝部は、固有肝動脈または総肝動脈とすることができる。様々な実施形態において、神経伝達を妨害するステップは、肝神経叢の交感神経の神経伝達を永久に無効にするステップ、または肝神経叢の交感神経の神経伝達を一時的に阻害または減少させるステップを含む。一実施形態では、本方法は、被験体の腹腔神経叢の近傍にRFアブレーションカテーテルを配置するステップと、RFアブレーションカテーテルの少なくとも1つの電極からRFエネルギーを放出させることによって、腹腔神経叢の交感神経の神経伝達を妨害するステップを含む。
一実施形態では、被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させるために熱誘発性肝臓神経調節のための方法は、肝動脈内の神経調節カテーテルを被験体の肝神経叢の近傍に送達するステップと、前記被験体の血糖値またはトリグリセリドレベルのうちの少なくとも1つを減少させるために肝神経叢内の1以上の神経を調節するのに十分なエネルギーを肝神経叢に送達するために、前記カテーテルを使用することによって肝神経叢の神経を調節するステップとを含む。一実施形態では、肝神経叢の神経を調節するステップは、肝神経叢の副交感神経を除神経化することなく、肝神経叢の交感神経を除神経化するステップを含む。一実施形態では、肝神経叢の神経を調節するステップは、肝神経叢の交感神経を除神経化し、肝神経叢の副交感神経を刺激するステップを含む。
いくつかの実施形態によれば、肝臓神経調節のための装置が提供される。一実施形態では、装置は、近位端および遠位端を有するカテーテル本体と、近位端から遠位端まで延びる内腔とを備え、カテーテル本体は、肝動脈分枝部内の経皮的血管内配置のために構成される。一実施形態では、装置は、カテーテル本体の遠位端に関節運動可能な部分と、本体の近位端から延び、関節運動可能な部分に結合される少なくとも1つの関節運動部材(例えば、ワイヤ)とを備える。少なくとも1つの関節運動ワイヤは、カテーテル本体の遠位端において関節運動可能な部分を曲げるように構成することができる。一実施形態では、関節運動可能な部分および/または関節運動可能な部分の遠位側の領域は、1以上のRF電極を備え、RF電極のうちの少なくとも1つは、肝動脈分枝部の除神経を達成し、これによって、被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させるのに十分なRFエネルギーを送達するために作動されるように構成される。一実施形態では、カテーテル本体の遠位部分は、カテーテル本体の遠位端がカテーテル本体の近位部分の長手軸に対して軸外に曲がるように予め形成された屈曲形状を有する偏向可能な屈曲セグメントを備え、関節運動可動な部分および偏向可能な屈曲セグメントは、変動可能で蛇行する肝動脈(例えば、腹腔大動脈から分枝する腹腔動脈)の解剖学的構造内または肝動脈に通じる解剖学的構造内での治療を促進する。一実施形態では、関節運動可能な部分は、少なくとも1つのアクティブなRF電極と肝動脈分枝部の動脈内壁との間に接触圧を加えて維持するように構成され、これによって、肝動脈分枝部がダイアフラム運動に応答して動くとき、連続した接触を促進する。一実施形態では、接触圧は、約5g/mm2〜約100g/mm2であり、肝動脈の枝の除神経を達成するために送達されるように構成されたRFエネルギーは、約100J〜約2kJ(例えば、約100J〜1kJ、500J〜1.5kJ、1kJ〜2kJ、またはそれらの重複範囲)である。
一実施形態では、カテーテル本体は、半径方向または大腿動脈から肝動脈分枝部まで延びるのに十分な長さを有し、カテーテル本体の遠位端は、肝動脈分枝部内に嵌合するように寸法決めされた外径を有する。いくつかの実施形態では、カテーテル本体は、大腿動脈または橈骨動脈から、膵臓、十二指腸、胃、肝臓、または他の胃腸器官を供給する動脈分枝部まで延びるのに十分な長さを有する。一実施形態では、装置は外側シースを備え、カテーテル本体は、外側シースの内腔内に送達されるように構成され、外側シースに対して並進可能である。一実施形態では、カテーテル本体の偏向可能な屈曲セグメントは、外側シースの引き込み時またはカテーテル本体の遠位端の外側シースからの前進時に予め形成された屈曲形状に移行するように構成される。一実施形態では、外側シースは偏向可能である。一実施形態では、装置は、接触圧を調節するために使用されるように構成されたカテーテル本体の遠位端に沿って配置された2つの放射線不透過性マーカーを含む。一実施形態では、関節運動可能な部分は、複数の独立制御可能な屈曲セグメントを含む。一実施形態では、偏向可能な屈曲セグメントの予め形成された屈曲形状は、腹腔動脈または大動脈と総肝動脈との間の屈曲に対応するように構成される。RFアブレーションカテーテルおよび使用方法の様々な実施形態は、アブレーション回数の減少、および神経をアブレーションするために熱を提供しながらの内腔の傷の減少を提供する。
いくつかの実施形態によれば、肝臓神経調節のための装置が提供される。一実施形態では、装置は、近位端および遠位端を有するカテーテル本体と、近位端から遠位端まで延びる内腔とを備え、カテーテル本体は、肝動脈分枝部内の経皮的血管内配置のために構成される。一実施形態では、装置は、カテーテル本体の近位端から2つの独立制御可能な屈曲部品まで延びる2つの関節部材(例えば、ワイヤ)によって個別に関節接合されるように構成された2つの独立制御可能な屈曲セグメントを含むカテーテル本体の遠位端に関節運動可能な部分を含む。一実施形態では、2つの独立制御可能な屈曲セグメントは共に、2以上の電極を含み、RF電極のうちの少なくとも1つは、肝動脈分枝部の除神経を達成し、これによって、被験体内の血糖値および/またはトリグリセリドレベルを低下させるのに十分なRFエネルギーを送達するために作動されるように構成される。一実施形態では、2つの独立制御可能な屈曲セグメントのうちの第1の屈曲セグメントの関節運動は、第1の関節ワイヤによって制御され、2つの独立制御可能な屈曲セグメントのうちの第2の屈曲セグメントの関節運動は、第2の関節ワイヤによって制御される。第1の屈曲セグメントは、第1の動脈屈曲部に適合して関節運動するように構成することができ、第2の屈曲セグメントは、第2の動脈屈曲部に適合するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、熱誘発性肝臓神経調節のための装置が提供される。一実施形態では、装置は、近位端および遠位端を有するカテーテル本体と、近位端から遠位端まで延びる内腔とを備え、カテーテル本体は、肝動脈分枝部内の経皮的血管内配置のために構成される。一実施形態では、カテーテル本体は、大腿動脈から肝動脈分枝部まで延びるのに十分な長さを有し、カテーテル本体の遠位端は、肝動脈分枝部内に嵌合するように寸法決めされた外径を有する。カテーテル本体の遠位端は、カテーテル本体の遠位端がカテーテル本体の近位部分の長手軸に対して軸外に曲がるように予め形成された屈曲形状を有する偏向可能な屈曲セグメントを含むことができる。偏向可能な屈曲セグメントおよび/または屈曲セグメントの遠位側の領域は、1以上の電極を備えることができ、RF電極のうちの少なくとも1つは、肝動脈分枝部の除神経を達成するのに十分なRFエネルギーを送達するように作動するように構成される。一実施形態では、偏向可能な屈曲セグメントは、少なくとも1つのアクティブなRF電極と肝動脈分枝部の動脈内壁との間に接触圧を加えて維持するように構成され、これによって、肝動脈分枝部がダイアフラム運動に応答して動くとき、連続した接触を促進し、これによって、肝動脈の変動可能で蛇行する解剖学的構造内の治療を促進する。一実施形態では、装置は外側シースを備え、カテーテル本体は、外側シースの内腔内に送達されるように構成され、外側シースに対して並進可能である。偏向可能な屈曲セグメントは、外側シースの引き込み時または外側シースからのカテーテル本体の遠位端の前進時に予め形成された屈曲形状に移行するように構成することができる。
いくつかの実施形態によれば、近位端、遠位端、および内腔を含むシャフトと、シャフトの遠位端の遠位先端部に配置された電極とを含む肝臓神経調節のための装置が提供される。一実施形態では、シャフトは、第1の領域、第2の領域、および第3の領域を含む。第1の領域は、電極の近位側に弾性的に変形可能な領域を含むことができ、第2の領域は、弾性的に変形可能な領域の近位側に関節運動可能な領域を含むことができ、第3の領域は、関節運動可能な領域の近位側にねじれ剛性領域を含むことができる。いくつかの実施形態では、第1の領域、第2の領域、および第3の領域のうちの少なくとも1つは、肝動脈の蛇行をナビゲートするように構成される。本装置は、関節運動可能な領域の遠位端からシャフトの近位端まで延びる引張ワイヤを含むことができ、引張ワイヤは、遠位先端で電極を肝動脈の内壁に向けて関節運動させ、内壁に対して電極の一貫した接触力を維持するように構成され、電極は、肝動脈の少なくとも一部の除神経を達成するのに十分なエネルギーを送達するように作動されるように構成される。一実施形態では、電極の直径は、電極の長さに等しい。一実施形態では、ねじれ剛性領域はフレキシブルであり、ねじれ剛性領域は、少なくとも一方向にねじれて高剛性である。関節運動可能な領域は、一貫した電極接触力の維持を促進するために片持ち支持を提供するように構成することができる。関節運動可能領域の長さは、0.5cm〜2cmとすることができる。一実施形態では、シャフトはハイポチューブを備え、ねじれ剛性領域は、ねじれ剛性領域の長さに沿って変化する中断されたスパイラル切断パターンを含む。一実施形態では、関節運動可能な領域は、スパイン切断パターンを含む、および/または、180度の関節運動を提供するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、神経調節カテーテルが提供される。カテーテルは、第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部まで延びる内腔を備える。一実施形態では、カテーテルは、遠位端に配置されたバルーンを備える。バルーンは、カテーテルの実質的に全周(例えば、80%〜90%、75%〜85%、85%〜95%、またはそれらの重複範囲)の周りに配置することができる。一実施形態では、カテーテルは、バルーンによって覆われていないカテーテルの領域に配置された電極を含む。バルーンの拡張は、内部にカテーテルが配置される動脈または他の血管の断面積の一部を閉塞し、それによって電極周囲の血流速度を増加させるのに有効である可能性がある。一実施形態では、電極は、動脈または他の血管を取り囲む1以上の交感神経の除神経を引き起こすのに十分なエネルギーを送達するように構成される。いくつかの実施形態では、血管内腔を取り囲む神経の神経調節に対して適合された装置は、第1の端部、第2の端部、および第1の端部から第2の端部まで延びる内腔を含む管状シャフトを備える。本装置は、シャフトの遠位端に配置されたバルーンを備えることができ、バルーンは、シャフトの内腔を通して流体を導入することにより、収縮形態から拡張形態に移行するように構成される。拡張形態にあるとき、バルーンは、シャフトの円周の約85%〜約95%の周りに配置することができる。装置は、バルーンによって覆われていないシャフトの位置に配置された電極を備えることができる。拡張形態では、バルーンは、血管の断面積の一部を閉塞し、それにより電極周囲の血流速度を増加させることがあるできる。一実施形態では、電極は、血管を取り囲む1以上の交感神経の除神経を引き起こすのに十分なエネルギーを送達するように構成される。いくつかの実施形態では、装置は、バルーンによって覆われていないシャフトの長さに沿って配置された複数の電極を備える。
いくつかの実施形態によれば、血管内肝臓神経調節用に構成された神経調節装置は、近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に結合された第1の電極配備アームと、第1の電極配備アームの遠位端に結合された第1の電極と、細長いシャフトの遠位端に結合された第2の電極配備アームと、第2の電極配備アームの遠位端に結合された第2の電極とを含む。第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周り互いに180度離間して配置され、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、配備形態にあるとき、前記第1の電極および前記第2の電極を血管壁に接触させるように構成される。一実施形態では、神経調節装置は、2つの、それぞれが1つの電極を有する2つのみの電極配備アームを含み、2つより多い電極を含まない。別の一実施形態では、神経調節装置は、4つの、それぞれが1つの電極を有する4つのみの電極配備アームを含み、4つより多い電極を含まない。いくつかの実施形態では、180度オフセットが維持され、短い長さを有する血管(例えば、約30mmの長さを有する総肝動脈)を調節することができるので、2つの電極が有利である。別の一実施形態では、以下の利点のうちの1以上の理由により、4つの電極が有利である。(i)90度または180度のオフセットをなお維持しながら、増大した血管長を治療することができる、(ii)2つの電極の間の半径方向または円周方向の間隔を制御しながら複数の電極を最短の血管長さに配置することができる、(iii)困難な解剖学的構造(例えば、蛇行、短い長さ、急な(厳しい)テーパ)内に電極配置特性を調整する能力の増加によって、オペレータは側枝部または病巣の損傷部位に対処できる、(iv)オペレータは2の倍数で治療を行うことができる、(v)不完全な治療(例えば、アブレーション)サイクルに起因して血管内で失われた治療可能な領域を減少させる、および/または(vi)一連の処置(例えば、アブレーション)の間に空間を半径方向および/または長手方向にオフセットする機能を維持する。4つの電極を使用するいくつかの実施形態では、治療をより良好に制御することができ(例えば、電極対間の半径方向および/または長さの間隔を制御することができ)、4つ以上の電極を有する装置と比較して、治療部位またはカテーテル配置の数が減少して、4つの処置(例えば、アブレーション)を実行することができる。いくつかの実施形態では、例えば、電極の効率の増大および使用される治療パラメータのために、2つの電極のみまたは4つの電極のみを使用することが可能である。2つの電極が使用される場合、2つの電極は、単極電極または双極電極対を備えることができる。4つの電極が使用される場合、4つの電極は、単極電極または2つの双極電極対を備えることができる。いくつかの実施形態では、血管内肝臓神経調節用に構成された神経調節装置は、近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、その遠位端で細長いシャフトの遠位端に結合された第1の電極配備アームと、第1の電極配備アームの近位端に結合された第1の電極と、その遠位端で細長いシャフトの遠位端に結合された第2の電極配備アームと、第2の電極配備アームの近位端に結合された第2の電極とを含む。
いくつかの実施形態では、電極配備アームは、配備形態にあるときに血管の長さに沿って離間した位置で電極が血管壁と接触するように、細長いシャフトに結合される。いくつかの実施形態では、電極は、血管壁と実質的に整列した姿勢を促進するように構成されたピボットにそれぞれ取り付けられる。一実施形態では、電極配備アームは、形状記憶材料を備え、電極配備アームが、細長いシャフトを覆うシースの引き込み時に自動的に配備形態に移行するように構成される。一実施形態では、電極配備アームは操縦可能である。例えば、電極配備アームは、細長いシャフトの長さに沿って延在する単一の引張ワイヤによって一括して作動されるか、または別個の引張ワイヤによって個別に作動されることができる。一実施形態では、細長いシャフトは、細長いシャフトのガイドワイヤ上への追従性を提供するための、ガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔を含む。
いくつかの実施形態では、電極は、(例えば、半円筒形状を有する)湾曲した電極を含む。いくつかの実施形態では、電極は、球形電極または平坦電極を含まない。一実施形態では、神経調節装置は、シャフトの内腔内に配置された内側コア部材を含む。内側コア部材の遠位端は、配備形態に電極配備アームを配備するように構成された配備部材を備えることができる。例えば、内側コア部材は、細長いシャフトに対して並進可能とすることができる。内側コア部材を近位方向に引っ込めると、内側コア部材の遠位端の配備部材は、電極配備アームを機械的に分離し、それらを配備形態に移行させるように構成することができる。様々な実施形態では、電極配備アームは、電極の接触面(例えば、側面)が電極と少なくとも実質的に平行になるように電極のピボット動作(枢動)を可能にするように構成された電極取り付け点の近位側にある柔軟または「やわらかい」セグメントを含む。いくつかの実施形態では、電極配備アームは、電極によって血管壁に均一な接触力を提供するように構成される。
いくつかの実施形態によれば、血管内肝臓神経調節用に構成された神経調節装置は、近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に配置された第1の電極と、細長いシャフトの遠位端で第1の電極に対して近位側に配置された第2の電極(第1の電極および第2の電極の各々は、丸い接触面、電極シャフト、および制御要素を含む)と、細長いシャフト内に配置された延長部材とを含むか、またはそれらから本質的に成る。延長部材は、(i)第1の電極および第2の電極の丸い接触面が、細長いシャフトの外面と実質的に同一平面上にあり、電極シャフトが細長いシャフト内に配置される非配備形態と、(ii)電極シャフトが細長シャフトの半径方向外側に前進された結果、第1の電極および第2の電極の丸い接触面が血管壁と接触する配置形態との間で第1の電極および第2の電極を移行させるように構成させる。制御要素は、血管壁上の電極の最大外向き力を制限し、延長部材が非拡張状態に戻されると電極を非配備形態に戻すように構成される。第1の電極および第2の電極は、第1の電極および第2の電極の丸い接触面が、細長いシャフトの円周の周りで互いに180°離間するように配置される。
様々な実施形態において、延長部材は、膨張可能なバルーンまたは機械的に作動される骨格を備える。制御要素は、第1の電極および第2の電極の電極シャフトの周りに配置されたコイルばねを備えてもよい。制御要素は、電極シャフトを非配備形態に戻し、電極によって血管壁に及ぼされる外向きの力を制限するように構成された他の機構を備えてもよい。一実施形態では、細長いシャフトは、細長いシャフトのガイドワイヤ上への追従性を提供するためのガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔を含む。一実施形態では、細長いシャフトは操縦可能である。
一実施形態では、本発明は、肝臓、膵臓および/または十二指腸を支配する神経の調節を促進するように構成された血管(例えば、総肝動脈)内の位置に血管内進入するように構成された細長いシャフトを含むシステムを含む。細長いシャフトの遠位端は、細長いシャフトの円周の周りに(例えば、90度または180度だけ)オフセットした2つまたは4つの高周波電極を含む。電極は、それらが細長いシャフトの外面と実質的に同一平面である非配備状態と、電極が血管壁と接触して維持される配備状態との間で移行するように構成される。細長いシャフトはまた、電極を血管壁と接触している配備状態に移行させるように構成された配備または延長部材を含む。配備または延長部材は、電極を均一または一貫した力または圧力での接触を維持させるように構成することができる。電極は、表面領域接触を強化するために、または標的部位(例えば、血管壁)との接触を促進するために、オプションとして湾曲させるか、またはさもなければ形作るか、または適合可能とすることができる。さらに、システムは、引張ワイヤ、シースまたは他のカバーの引き込み、バルーンなどの膨張可能な部材、または骨格などの機械的に作動する延長部材を使用して制御可能に配備されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、差動配置電極を有する組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節に適合された神経調節装置)は、近位端部分および遠位端部分を有する細長いシャフトを備える。細長いシャフトは、近位端部分から遠位端部分まで延びるガイドワイヤ内腔を含む。組織調節装置は、細長いシャフトに沿って配置された第1の単極電極と、細長いシャフトの遠位端部分に沿って配置された形状設定部分とをさらに含む。形状設定部分は、ガイドワイヤがガイドワイヤ内腔内で形状設定部分の遠位側に延びている送達形態と、形状設定部分の近位側にガイドワイヤを後退させる配備形態との間で移行するように適合されている。この実施形態では、形状設定部分は、第2の単極電極を備える。形状設定部分は、配備形態において非ヘリカル形状を形成するように適合されてもよい。第2の単極電極は、形状設定部分の非ヘリカル形状の長さに沿ったある位置に配置されて、第2の単極電極は、血管(例えば、総肝動脈、腎動脈)の血管壁に第1の位置で接触し、第2の単極電極(例えば、最長の側面または寸法)は、形状設定部分が配備形態にあるときに、細長いシャフトの長手軸に対して実質的に垂直に配向される。この実施形態では、第1の単極電極は、形状設定部分が配備形態にあるとき、第1の位置から軸方向に離間され、円周方向にオフセットした第2の位置で血管壁に接触するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の位置および第2の位置は、血管壁の反対側にある。他の実施形態では、第1の位置および第2の位置は、血管壁の異なる象限にある。
一実施形態では、第1の単極電極は、形状設定部分の近位側に配置される。別の一実施形態では、第1の単極電極は、形状設定部分の遠位側に配置される。いくつかの実施形態は、形状設定部分の近位側または遠位側のいずれかに(例えば、第1の単極電極とは形状設定部分の反対側に)配置された第3の単極電極を含む。形状設定部分の近位側または遠位側に配置された電極は、細長いシャフトの長手軸と平行に配向された長手軸を有する円筒形電極であってもよい。一実施形態では、電極の最長の側面または寸法は、細長いシャフトの長手軸と平行に配向される。形状設定部分上の電極(例えば、第2の単極電極)は、円筒形状または台形形状を含むことができるか、または溝付きまたは入れ子形態(例えば、「馬蹄形状」またはU形状)を含むことができ、電極が形状設定部分の部分的な円周の周りに入れ子にされるときに、外形の減少を促進する。いくつかの実施形態では、非ヘリカルな形状設定部分は、配備形態にあるとき、細長いシャフトの長手軸に平行な第1の向きから、細長いシャフトの長手軸に垂直な第2の向きへ移行し、その後、細長いシャフトと平行な第1の向きに戻る長手軸を含む。非ヘリカルな形状設定部分は、それ自身を二重に戻すか、またはループにすることができ、非配備形態の形状設定部分の第2の長さの遠位にある形状設定部分の少なくとも第1の長さは、配備形態の第2の長さの近位にある。
形状設定部分は、2以上の単極電極を備えてもよい。例えば、2つの単極電極は、形状設定部分上で互いに離間して配置され、配備形態では、2つの電極は、90度〜210度(例えば、90度〜120度、110度〜140度、120度〜160度、150度〜180度、170度〜200度、180度〜210度、それらの重複範囲、または記載された範囲の、またはその範囲内の任意の値(例えば、90度または180度))だけ円周方向にオフセットされる。2つの単極電極は、2つの電極が円周方向にオフセットされ、配備形態では、血管壁の反対側または血管壁の異なる象限に接触するように配置されてもよい。
(形状設定部分上であろうと、形状設定部分に近位または遠位であろうと)細長いシャフトに沿った電極は、配備形態にあるとき、それらが軸方向に3mm〜8mm(例えば、3〜5mm、4〜7mm、5〜8mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の、またはその範囲内の任意の値(例えば、4mmまたは6mm))だけ離間するように配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、組織調節装置(例えば、神経調節装置)は、細長いシャフトの遠位端部分に沿って(例えば、最遠位電極の遠位に)配置された1以上の損傷間隔インジケータを含み、損傷ゾーンの制御された間隔を促進する。損傷間隔インジケータは、形状設定部分を越えて延びる遠位延長部上に配置されてもよい。一実施形態では、装置は2つの離間した損傷インジケータからなる。別の一実施形態では、電極のうちの1つは、離間した損傷間隔インジケータのうちの1つとして機能する。損傷間隔インジケータは、蛍光透視法または他のイメージング技術の下で目視可能な放射線不透過性マーカーを含むことができる。損傷間隔インジケータは、形状設定部分が配備形態にあるとき、第1の単極電極と第2の単極電極との間の距離に等しい距離離間することができ、または形状設定部分が配備形態にあるとき、第1の単極電極と第2の単極電極との間の距離の2倍の距離離間することができる。要望および/または必要に応じて、他の距離を使用することができる。
いくつかの実施形態では、形状設定部分の配備は、ガイドワイヤの引き込みによって引き起こされるのではなく、その代わりに外側シースの引き込みによって引き起こされる。他の実施形態では、形状設定部分は、形状記憶または熱設定(ヒートセット)材料を含まず、1以上の作動部材(例えば、引張ワイヤ)によって、または細長いシャフトの2つの部分の互いに対する移動によって置換され、三次元曲線または他の構成を形成する。
いくつかの実施形態によれば、組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節に適応した神経調節装置)は、近位端部分および遠位端部分を含む細長いシャフトと、遠位端部分に配置されたバルーンを含み、バルーンは非膨張送達形態から膨張配備形態に移行するように構成されている。この実施形態では、バルーンは、バルーンの外面に沿って配置された複数の電極アレイを含み、電極アレイの各々は、複数の離間した電極を含む。この実施形態では、電極アレイの各々は、電極アレイの各々が個別に制御可能な(例えば、作動または非作動される)ように、別々の接続ワイヤによってジェネレータに接続されるように構成される。複数の電極アレイは、バルーンの外面に沿ってスパイラルパターンを形成するように配置される。膨張配備形態では、複数の電極アレイのうちの少なくとも1つが血管壁(例えば、総肝動脈、固有肝動脈、胃十二指腸動脈、脾動脈、腹腔動脈、腎動脈)と接触するように適合される。
いくつかの実施形態では、その最も長い側面における複数の電極アレイのそれぞれのサイズは、体組織における熱伝導の特性長さ以下である。いくつかの実施形態では、電極の各アレイまたは電極グループ内の複数の離間した電極は、(例えば、電極アレイが4つの電極からなる場合)電極が6mm以下の最も長い側面または寸法を有する領域または面積内に配置されるように接近して離間される。様々な実施形態において、各電極アレイは、2〜8の離間した電極(例えば、2、3、4、5、6、7、8つの電極)からなる。各電極アレイは、同じ数の電極を有してもよく、または、いくつかの電極アレイは、他の電極アレイとは異なる数の電極を有してもよい。様々な実施形態において、電極アレイまたは電極グループの数は、2〜8(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つのアレイまたはグループ)の範囲にある。しかしながら、他の実施形態では、8つを超えるアレイまたはグループが存在してもよい。
いくつかの実施形態では、電極アレイは、接着剤によってバルーンの外面に結合される。いくつかの実施形態では、電極アレイは、フレキシブル基板に結合される。バルーンは、電極の活性電極領域を除くバルーンの外面全体を覆うコーティング、またはバルーンの外面の実質的な部分および/または活性電極領域以外の電極を覆うコーティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、複数の電極アレイのうちの少なくとも1つにおいて、第1の電極から最後の電極に及ぶ接続ワイヤの一部は、ジグザグパターンを形成する。バルーンの外面上に配置された電極アレイの各々は、全体的な間隔を減少させるため、および(例えば、全体的な輪郭(プロファイル)を減少させるために)非膨張形態でのバルーンの折り畳みを回避するために、接続ワイヤのジグザグパターンを形成することができる。いくつかの実施形態では、装置は、損傷ゾーンの制御された間隔を促進するために、細長いシャフトの遠位端部分に沿って配置された1以上の損傷間隔インジケータを含む。損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカー)は、バルーンの遠位側の遠位延長部に配置されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節に適応した神経調節装置)は、外側チューブと、外側チューブ内に、かつ外側チューブに対して長手方向に移動自在に、同心円状に配置された内側チューブとを含み、内側チューブは外側チューブの遠位端を越えて延びてある長さを有する。この装置は、近位端および遠位端を有する第1配備アームをさらに備え、近位端は、外側チューブの遠位端部分に結合され、遠位端は、内側チューブの遠位端部分に結合され、第1配備アームは、外側チューブに対して内側チューブの移動の際に送達形態と配備形態との間で移行するように適合される。第1配備アームは、第1配備アームの長さに沿った位置に配置された第1電極を備え、第1の電極が配備形態にあるとき、第1電極は、第1の位置で血管壁に接触するように構成される。
いくつかの実施形態では、装置は、近位端および遠位端を有する第2の配備アームを備え、近位端は、外側チューブの第1の配備アームとは反対側の遠位端部分に結合され、遠位端は、内側チューブの第1の配備アームとは反対側で内側チューブの先端部に結合されている。第1の配備アームは、外側チューブに対する内側チューブの移動時に、送達形態と配備形態との間で移行するように適合され、配備形態では、第1の配備アームおよび第2の配備アームは、内側チューブの円周の両側で外側へ拡張する。一実施形態では、第2の配備アームは、第2の配備アームの長さに沿った位置に配置された第2の電極を備え、第2の配備アームが配備形態にあるとき、第2の電極は、血管壁の円周の第1の位置とは反対側の第2の位置で血管壁に接触するように適合される。
いくつかの実施形態では、第1の電極は、第1の配備アームの長さに沿った中点に配置される。2つの配備アームがそれぞれ電極を含む実施形態では、第2の電極の位置は、第2の配備アームの長さの中点であり、第1の配備アーム上の第1の電極の位置と一致させることができる。2つの配備アームを含む他の実施形態では、第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも1つの位置は、第1および/または第2の配備アームの長さの中点ではなく、第1および第2の配備アームがそれらの配備形態にあるとき、第1および第2の電極は、血管壁の長さに沿って軸方向に離間するように構成される。例えば、第1の電極の位置および第2の電極の位置は、非対称であってもよい。一実施形態では、第1の電極も第2の電極も、それぞれの配備アームの長さの中点に配置されていない。
1つまたは2つの配備アームを含む実施形態では、1以上の電極はまた、配備アームの近位側の外側チューブの遠位端部に沿って配置することができ、および/または配備アームの遠位側の内側チューブの遠位端部に沿って配置することができる。いくつかの実施形態では、装置は、内側チューブの遠位端に結合され、遠位端を越えて延在する遠位延長部を備え、遠位延長部は、追跡可能性を促進するためにガイドワイヤを受け入れるように構成された内腔を含む。電極は、全体的な輪郭を減少させるために、入れ子式またはスロット(溝)付き電極を含むことができる。例えば、入れ子式電極またはスロット付き電極は、半円筒形、U字形、馬蹄形、または他の放物線形または湾曲形を含むことができる。
いくつかの実施形態では、装置は、近位端および遠位端を有する第2の配備アームを備え、近位端は、外側チューブの遠位端部分に結合され、遠位端は、内側チューブの遠位端部分に結合され、第1の配備アームは、外側チューブに対する内側チューブの移動時に、送達形態と配備形態との間で移行するように適合され、配備形態では、第1の配備アームおよび第2の配備アームは、血管壁に接触するように外側へ拡張する。この実施形態では、第2の配備アームは、第2の配備アームの長さに沿った位置に配置された第2の電極を備え、第2の配備アームが配備形態にあるとき、第2の電極は、血管壁の円周に沿った、第1の位置とは異なる象限内の第2の位置で血管壁に接触するように適合される(例えば、第2の位置および第1の位置は、円周方向に少なくとも90度離間している)。いくつかの実施形態では、第2の位置および第1の位置は、約180度だけ円周方向に離間している。いくつかの実施形態では、第2の位置および第1の位置は、120度〜210度(例えば、120度〜150度、140度〜180度、180度〜210度、これらの重複範囲、または列挙された範囲の、またはその範囲内の任意の値)だけ円周方向に離間している。いくつかの実施形態では、装置は、他の実施形態に関連して本明細書に記載されるような損傷ゾーンの制御された間隔を促進するために神経調節装置に沿って配置された1以上の損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカー)を含む。損傷間隔インジケータは、第1の電極の遠位側に配置することができる。
いくつかの実施形態によれば、組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節用に構成された神経調節装置)は、近位端部分および遠位端部分を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に結合された第1の電極配備アームと、前記第1の電極配備アームの遠位端に結合された第1の電極と、第1の電極配備アームを細長いシャフトの遠位端に結合する位置の近位側の細長いシャフトの遠位端に結合された第2の電極配備アームと、第2の電極配備アームの遠位端に結合された第2の電極とを含むか、またはそれらから本質的に成り、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周りの両側に配置され、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、配備形態にあるとき、第1の電極および第2の電極を血管壁の両側の位置で血管壁に接触させるように構成される。
いくつかの実施形態では、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、配備形態にあるとき、第1の電極および第2の電極が、血管の長さに沿って離間した位置で血管壁に接触するように細長いシャフトに結合されている。いくつかの実施形態では、第1の電極および第2の電極のうちの少なくとも1つは、血管壁と実質的に整列した姿勢を促進するように構成されたピボットに取り付けられる。電極配備アームは、電極配備アームが、細長いシャフトを覆うシースの引き込み時または細長いシャフトのガイドワイヤ内腔からのガイドワイヤの引き込み時に配備形態に自動的に移行するように構成されるように形状記憶材料を含むことができる。いくつかの実施形態では、電極配備アームは、操縦可能である(例えば、単一の引張ワイヤまたは他の作動部材によって共に作動されるか、または別々の引張ワイヤまたは作動部材によって個別に作動される)。電極は、曲がった電極、入れ子式電極、またはスロット付き電極を含むことができる。例えば、電極は、半円筒形、U字形、馬蹄形、または他の放物線形または湾曲形を含むことができる。いくつかの実施形態では、装置は、細長いシャフトの内腔内に配置された内側コア部材を含み、内側コア部材の遠位端は、配備形態に第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームを配備するように構成された1以上の配備部材を備える。一実施形態では、内側コア部材は、細長いシャフトに対して並進可能であり、内側コア部材を近位方向に引っ込めると、内側コア部材の遠位端の配備部材は、第1の電極配備アーム及び第2の電極配備アームを機械的に分離し、それらを配備形態に移行させるように構成される。
いくつかの実施形態では、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、電極の枢動を可能にして電極の面が血管壁と少なくとも実質的に平行となるように設計された電極取り付け点の近位側の可撓性セグメントを含む。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、非配備形態にある第1の電極配備アームを収容する大きさの第1のスロットと、非配備形態にある第2の電極配備アームを収容する大きさの第2のスロットとを含む。第1のスロットおよび第2のスロットは、直線状、湾曲状、またはヘリカルであってもよい。一実施形態では、第1のスロットおよび第2のスロットは、湾曲しているか、またはヘリカルであり、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、配備形態にあるとき、湾曲またはヘリカル形態を有するように構成される。様々な実施形態において、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、第1の電極および第2の電極によって血管壁に均一な接触力を提供するように構成される。組織調節装置はまた、他の実施形態に関連して本明細書に記載される損傷ゾーンの制御された間隔を促進するために、細長いシャフトの遠位端部分に沿って配置された1以上の損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカー)を含むことができる。損傷間隔インジケータは、第1の電極の遠位側に配置することができる。第1の電極の遠位側に配置された2つの間隔インジケータからなる実施形態では、損傷間隔インジケータは、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームが配備形態にあるとき、第1の電極と第2の電極との間の距離に等しい距離離間することができ、または第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームが配備形態にあるとき、第1の電極と第2の電極との間の距離の2倍に等しい距離離間することができる。
いくつかの実施形態によれば、組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節に適応した神経調節装置)は、近位端および遠位端を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端に結合された第1の電極配備アームと、第1の電極配備アームの遠位端に結合された第1の電極と、細長いシャフトの遠位端で第1の電極に対して近位側に配置された第2の電極(第1の電極および第2の電極の各々は、丸い接触面、電極シャフト、および制御要素を含む)と、細長いシャフトの遠位端に結合された第2の電極配備アームと、第2の電極配備アームの遠位端に結合された第2の電極と、細長いシャフトの遠位端に結合された第3の電極配備アームと、第3の電極配備アームの遠位端に結合された第3の電極と、細長いシャフトの遠位端に結合された第4の電極配備アームと、第4の電極配備アームの遠位端に結合された第4の電極とを備えるか、または本質的にそれらから成り、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周りで互いに180度離間して配置され、第3の電極配備アームと第4の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周りで互いに180度離間して配置され、第1の電極配備アームと第3の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周りで同じ象限内に配置され、第2の電極配備アームと第4の電極配備アームは、細長いシャフトの円周の周りで同じ象限内に配置され、4つの電極配備アームは、配備形態にあるときに、4つの電極を血管壁に接触させるように構成されている。
いくつかの実施形態では、第2の電極配備アームは、第1の電極配備アームの近位側に間隔を置いて配置され、第3の電極配備アームは、第2の電極配備アームの近位側に間隔を置いて配置され、第4の電極配備アームは、第3の電極配備アームの近位側に間隔を置いて配置され、配備形態では、4つの電極が血管の長さに沿って離間した位置で血管壁に接触する。4つの電極のいずれかまたは全ては、血管壁と実質的に整列した方向を促進するように構成されたピボットに取り付けられてもよい。いくつかの実施形態では、4つの電極配備アームは、電極配備アームが、細長いシャフトを覆うシースの引き込み時に配備形態に自動的に移行するように構成されるように形状記憶材料を含む。いくつかの実施形態では、4つの電極配備アームは、操縦可能である(例えば、単一の引張ワイヤまたは他の作動部材によって一緒に作動されるか、または別個の引張ワイヤまたは作動部材によって個別に作動される)。いくつかの実施形態では、細長いシャフトは、細長いシャフトのガイドワイヤ上への追従性を提供するためのガイドワイヤを受けるように構成された内腔を含む。電極は、曲がった電極、入れ子式電極、またはスロット付き電極を含むことができる。例えば、電極は、半円筒形、U字形、馬蹄形、または他の放物線形または湾曲形を含むことができる。いくつかの実施形態では、電極配備アームは、電極の側部が血管壁と少なくとも実質的に平行になるように電極のピボット(枢動)を可能にするように構成された電極取り付け点の近位にあるフレキシブルセグメントを含む。様々な実施形態において、第1の電極配備アームおよび第2の電極配備アームは、第1の電極および第2の電極によって血管壁に均一な接触力を提供するように構成される。組織調節装置はまた、他の実施形態に関連して本明細書に記載されるような損傷ゾーンの制御された間隔を促進するために、細長いシャフトの遠位端部分に沿って配置される1以上の損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカー)を含むことができる。損傷間隔インジケータは、最も遠位の配備アームの遠位側に配置されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、組織調節装置(例えば、血管内肝神経調節用に構成された神経調節装置)は、近位端部分および遠位端部分を含む細長いシャフトを含むか、または本質的にそれらからなり、遠位端部分は、第1の電極と、第1の電極から遠位に離間した第2の電極と、第1の電極と第2の電極との間の第1のスロットと、未配備形態において第1のスロット内に収容されるように、配備形態において第1のスロットから外側に拡張するように構成される第1の機械的偏向部材を含む。配備形態では、第1の機械的偏向部材の少なくとも一部が血管壁に接触し、第1の電極および第2の電極を、第1の機械的偏向部材の接触位置として血管壁の円周の反対側の血管壁に接触させる。第1の機械的偏向部材は、リボン部材を含むことができる。
いくつかの実施形態では、装置は、第1の機械的偏向部材の近位端に結合され、第1の機械的偏向部材を、第1作動ワイヤの前進および後退によって未配備形態と配備形態の間を移行させるように構成された第1作動ワイヤを更に含み、第1作動ワイヤは、神経調節装置の近位端部分から第1機械的偏向部材の近位端まで延在する。いくつかの実施形態では、電極は円筒形の単極電極を含む。他の実施形態では、第1の電極および第2の電極は双極電極のペアを含む。装置は、第2の電極に対して遠位の遠位延長部を含むことができる。遠位延長部は、離間した損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカー)のペアを含むことができる。一実施形態では、電極のうちの1つは、離間した損傷間隔インジケータのペアのうちの1つとして作用することができる。離間した損傷インジケータのペアは、第1の電極と第2の電極との間の距離に等しい距離、または第1の電極と第2の電極との間の距離の2倍に等しい距離、離間していてもよい。治療血管の長さまたは直径に応じて、他の距離を使用してもよい。
いくつかの実施形態では、組織調節装置は、遠位端部分の円周の第1のスロットとは反対側に配置された第2のスロットと、未配備形態において第2のスロット内に収容され、配備形態において第2のスロットから外側へ拡張するように構成された第2の機械的偏向部材をさらに含み、第2の機械的偏向部材は、第1の機械的偏向部材の拡張方向とは実質的に反対方向に外側に拡張するように構成されている。第2の機械的偏向部材は、リボン部材を備えることができる。これらの実施形態では、装置は、第2の機械的偏向部材の近位端に結合され、第2の機械的偏向部材を、第2の作動ワイヤの前進および後退によって非配備形態と配備形態との間で移行させる第2の作動ワイヤを更に含み、第2の作動ワイヤは、神経調節装置の近位端部分から第2の機械的偏向部材の近位端まで延在する。
いくつかの実施形態によれば、制御された損傷間隔パターンを有する血管を取り囲む神経をアブレーションする方法は、神経調節装置を血管内に挿入するステップを含む。神経調節装置は、第1電極と、神経調節装置の遠位端部分に沿って第1電極の遠位側に離間した第2電極と、第2電極の遠位側に配置された少なくとも1つの損傷間隔インジケータとを含む。本方法は、第1の電極を第1の接触位置で血管の内壁に接触させ、第2の電極を第2の接触位置で血管の内壁に接触させるステップをさらに含み、第1の接触位置および第2の接触位置は、互いから分離距離だけ軸方向に離間されている。本方法は、第1の電極および第2の電極に、接触位置にいる間に血管の内壁に高周波エネルギーを送達させるステップをさらに含む。本方法はまた、少なくとも1つの損傷間隔インジケータを使用して血管内に神経調節装置を軸方向に再配置するステップと、第1の電極を第3の接触位置で血管の内壁に接触させ、第2の電極を第4の接触位置で内壁に接触させるステップを含み、第3の接触位置と第4の接触位置は、前記分離距離だけ互いから軸方向に離間している。次いで、神経調節装置を血管から取り除くことができる。
いくつかの実施形態では、第1の位置および第2の位置は、互いに対して血管の内壁の異なる象限にあり、第3の位置および第4の位置は、互いに対して血管の内壁の異なる象限にある。第1の位置と第3の位置は同じ象限にあってもよく、第2の位置と第3の位置は同じ象限にあってもよい。例えば、神経調節装置は、第1および第2の電極の一方が第1象限で血管壁と接触し、同時に、第1および第2の電極の他方が第1の象限とは異なる第2の象限で血管壁と接触するように形態を偏向するか、またはさもなければ形態を変えるように構成することができる。いくつかの実施形態では、第1および第2の電極は、血管壁の反対側の象限(例えば、約180度離間した接触位置)で血管壁と接触するように構成される。いくつかの実施形態では、第1の接触位置および第2の接触位置は、120度〜210度だけ円周方向に離間している。いくつかの実施形態では、第1の接触位置および第2の接触位置は、約90度だけ円周方向に離間している。
他の実施形態では、第1の場所と第2の場所は同じ象限にあり、第3の場所と第4の場所は同じ象限にある。例えば、第1および第2の電極は、第1象限内の血管の内壁と接触するように配置され、第1象限内に離間した損傷ゾーンを形成するように作動され、その後、神経調節装置は、少なくとも1つの間隔インジケータを用いてある距離だけ後退または前進させることができ、第1および第2の電極は、第1の象限とは異なる第2の象限(例えば、血管の円周の反対側)に、血管の内壁と接触するように配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの損傷間隔インジケータは、分離距離に等しい距離だけ第2の電極から軸方向に離間される。他の実施形態では、少なくとも1つの損傷間隔インジケータは、分離距離の2倍の距離で第2の電極から軸方向に離間される。第2の電極の遠位側に位置する2つの離間した損傷間隔インジケータが使用される実施形態では、近位損傷間隔インジケータを第2の電極に隣接して配置することができ(例えば、2mm以内、1mm以内)、2つの離間した損傷間隔インジケータ間の間隔は、分離距離に等しいかまたは2倍とすることができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置を血管内で軸方向に再位置決めすることは、2つの損傷間隔インジケータの遠位の1つを、再配置前の2つの損傷間隔インジケータの近位のものの位置に揃えることを含む。分離距離は、3mm〜8mm(例えば、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm)とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、組織の接触検知および組織の調節に適した神経調節システムは、近位端部分および遠位端部分を有する細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端部分に配置された電極アセンブリとを含む神経調節装置を含む。一実施形態では、電極アセンブリは、絶縁層によって分離された内側電極要素および外側電極要素を備え、内側電極要素は外側電極要素内で同心である。電極アセンブリは、内側電極要素および外側電極要素に共通モード信号を印加して、組織をアブレーションするのに十分な高周波電力の送達を生じさせ、内部電極要素と外部電極要素との間に差動モード検知信号を印加して、組織接触検知測定値に基づいて組織接触のレベルを決定するように適合された処理装置によって受信される接触検知測定値を生成するように適合される。
組織接触検知測定値は、内側電極部材と外側電極部材との間の双極接触インピーダンス測定値および/または内側電極部材内の1以上の熱電対リード線によって得られる温度測定値を含むことができる。いくつかの実施形態では、システムは、組織接触検知測定値を受信し、受信した組織接触検知測定値に基づいて接触が存在するかまたは組織接触のレベルを決定するように構成された処理装置を含む。処理装置は、組織接触のレベルを示す出力を生成するように構成する(例えば、具体的にプログラミングする)ことができる。いくつかの実施形態では、共通モード信号は、400kHz〜650kHz(例えば、400kHz〜500kHz、450kHz〜600kHz、550kHz〜650kHz、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)の周波数範囲を有する。いくつかの実施形態では、差動モード検知信号は、共通モード信号の周波数範囲外の周波数を有する。例えば、差動モード検出信号は、共通モード信号の周波数範囲外の周波数を有する。例えば、差動モード検知信号は、800kHz〜20MHz(例えば、800kHz〜1MHz、1MHz〜10MHz、5MHz〜15MHz、10MHz〜20MHz、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)の周波数を有する。いくつかの実施形態では、外側電極の接触表面積の内側電極の接触表面積に対する比は、5:1〜25:1(例えば、5:1〜10:1、10:1〜25:1、10:1〜20:1、15:1〜25:1、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)である。
いくつかの実施形態によれば、組織接触検知および神経または他の組織の調節に適した神経調節装置は、近位端部分および遠位端部分を含む細長いシャフトと、細長いシャフトの遠位端部分に配置された電極とを含む。電極は、標的組織をアブレーションするのに十分な高周波電力の送達を引き起こす信号を印加するように適合される。電極は、電極の接触面から電極の内側コア内の位置まで延びる光学窓または側面ポートを含む。神経調節装置は、少なくとも1つの照明ファイバーと少なくとも1つの検知ファイバーとを含む光学センサをさらに備える。少なくとも1つの照明ファイバーの遠位端および少なくとも1つの検知ファイバーの遠位端は、電極の内側コア内の光学窓内に配置される。少なくとも1つの照明ファイバーの近位端は照明源に結合されるように構成され、少なくとも1つの検知ファイバーの近位端は、検出器に結合されるように構成される。
いくつかの実施形態では、光学窓および/または少なくとも1つの照明ファイバーおよび少なくとも1つの検知ファイバーの遠位端は、光学接着剤で充填、被覆、またはコーティングされる。いくつかの実施形態では、光学接着剤は、入射光および反射光の標的組織への透過を改善するように適合された屈折率を有する。神経調節装置と、照明源および検出器を含む接触検知ユニットとを備えるシステムが提供されてもよい。接触検知ユニットは、細長いシャフト内に配置されてもよく、または被験体の体外に配置されるように構成された別個のスタンドアロンのコンポーネントであってもよい。いくつかの実施形態では、接触検知ユニットは、電力またはエネルギー源(例えば、RFジェネレータ)と同じハウジング内にある。システムはまた、検出器から受信した情報に基づいて組織接触を示す出力を生成するように構成された処理装置を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に開示されたシステム、装置、および方法は、被験体間の解剖学的ばらつきにもかかわらず、グルコース産生および/または貯蔵に影響を及ぼす器官を支配する神経の一貫した妨害を提供する。いくつかの実施形態では、肝臓の神経調節に適した超音波システムは、ジェネレータおよび超音波カテーテルを含む。ジェネレータは、グルコース生成および/または貯蔵に影響する1以上の器官(例えば、肝臓、膵臓、小腸、胃など)の組織(例えば、神経)を調節するのに十分な音響エネルギーを送達するための超音波カテーテルを作動させるように構成することができる。
一実施形態では、超音波カテーテルは、近位端部分と、遠位端部分と、近位端部分と遠位端部分との間に延びる細長い部材とを備える。細長い部材および遠位端部分は、肝動脈(例えば、総肝動脈、固有肝動脈、左肝動脈、右肝動脈)または他の動脈または血管内に配置されるように曲がりくねった血管系をナビゲートするように特に設計および適合(例えば、構成)されてもよい。超音波カテーテルは、遠位端部分に配置された少なくとも1つの超音波トランスデューサを含む。超音波カテーテルは、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または任意の数のトランスデューサを含むことができる。
一実施形態では、超音波システムは、肝動脈または他の血管内の位置から隣接する密集構造を検知または視覚化し、次いで、特定された興味のある領域(例えば、隣接する密集構造の近接によって引き起こされる高い神経の濃度または密度の領域)を調節(例えば、アブレーション)するように適合される。様々な実施形態では、少なくとも1つの超音波トランスデューサは、(a)1以上の隣接する密集構造までの距離を決定するために撮像
データをジェネレータに提供し、(b)神経を調節するのに十分な音響エネルギーを送達するように構成される。単一の超音波トランスデューサは、診断(例えば、画像化、検知、視覚化、局在診断など)機能および組織調節(例えば、神経アブレーション)機能の両方を提供するように適合されることができる。いくつかの実施形態では、1以上の超音波トランスデューサは、診断目的に適合され、1以上の超音波トランスデューサは、組織調節目的に適合される。例えば、診断トランスデューサは、診断目的に適合した第1の周波数範囲(例えば、5〜60MHz)で動作することができ、組織調節トランスデューサは、組織調節に適合した第2の周波数範囲(例えば、0.5〜40MHz)で動作することができる。いくつかの実施形態では、診断目的はより低い周波数で達成されることができ、一方、組織調節はより高い周波数で達成することができる。一実施形態では、同じ範囲の周波数を診断および組織調節に使用することができる。
いくつかの実施形態では、肝動脈内のエネルギー送達の位置は、1以上の隣接する密集構造までの決定された距離、または、解剖学的画像上に重ね合わされた超音波カテーテルによって得られた画像またはデータから決定された1以上の隣接する密集構造の位置に基づいて選択される。いくつかの実施形態では、隣接する密集構造に近接した領域は、隣接する密集構造と肝動脈または他の血管との間の限られた空間に起因して、高い神経密度または濃度を有する可能性がある。オペレータは、閾値レベル以下(例えば、1cm以内、9mm以内、8mm以内、7mm以内、6mm以内、5mm以内)である隣接する密集構造までの距離を有する位置でエネルギーを送達することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションされることが望ましくなく、またはさもなければ熱損傷を受ける密集構造である場合には、隣接する密集構造への損傷を回避するために、最小閾値レベル(例えば、2mm、3mm、4mm、5mm)とすることができる。
ジェネレータは、診断モードまたは治療モードで動作するように構成することができる。診断モードまたは治療モードのいずれかで超音波トランスデューサによって送達されるエネルギーは、集束超音波(例えば、高強度集束超音波)または非集束超音波とすることができる。オペレータは、ジェネレータとのインターフェース(例えば、タッチスクリーンインターフェースまたは物理的なボタンまたはスイッチ)を介して動作モードを切り替え可能とすることができる。いくつかの実施形態では、ジェネレータは、グラフィカルユーザインタフェースのディスプレイ上に、隣接する密集構造の決定された距離または画像を表示するように適合される。
ジェネレータは、動作モードに基づいて、少なくとも1つの超音波トランスデューサによって送達されるエネルギーの周波数を調節するように適合されてもよい。一実施形態では、ジェネレータは、撮像データまたはジェネレータが診断モードにあるときに受信した他のフィードバックに基づいて、少なくとも1つの超音波トランスデューサの1以上の治療パラメータ(例えば、電力レベル、強度レベル、持続時間、目標温度、周波数)を調節するように適合される。
いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、肝動脈内の少なくとも1つのトランスデューサを中心に置くように構成された構造、または肝動脈の内壁と少なくとも1つのトランスデューサの接触面との間のオフセット(例えば、最小距離)を維持するように構成された構造を含む。
いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、少なくとも1つのトランスデューサの過熱を防止するように適合された1以上の冷却構造または熱伝達構造を含む。一実施形態では、超音波カテーテルの細長い部材は内腔を備え、超音波カテーテルは、内腔の少なくとも一部(例えば、被験体内の大部分、最遠位部分、または少なくとも1つのトランスデューサから遠位の部分)に収容されたガイドワイヤを含むことができる。
様々な実施形態において、少なくとも1つのトランスデューサは、冷却を促進するために、電力分布または焦点ターゲットを制御するために、トランスデューサの効率または動作を改善するために、およびトランスデューサのサイズを増加させることなくパワーを増加させるために、共振空洞トランスデューサ、ヒートパイプ構成、または音響ミラーまたはレンズのうちの少なくとも1つを含む。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、肝血管系または周囲の血管系へのアクセスを促進するための導入プロファイルを維持しながら、エネルギー送達中に、円周方向のカバレージを増加させ、軸方向のカバレッジを減少させるように適合された構造または機構を含む。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、フレキシブル回路を含む。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、少なくとも1つのトランスデューサの最も長い寸法を、肝動脈の長さにほぼ平行な位置から、肝動脈の円周にほぼ平行な位置に枢動させ、それによって調節の軸方向の長さを減少させながら、調節の円周方向の領域を増加させるように適合される。
いくつかの実施形態によれば、グルコース産生を減少させる方式で神経を調節する方法は、撮像のために適合された1以上の超音波トランスデューサを使用して、隣接する密集構造から特定の距離内の肝動脈に沿った1以上の位置を特定するステップと、1以上の超音波トランスデューサを使用して、血糖値を低下させるために神経を調節するのに十分なエネルギーを送達するステップとを含む。一実施形態では、単一の超音波トランスデューサが撮像し、神経を調節するのに十分なエネルギーを送達するように適合される。他の実施形態では、1以上のトランスデューサは、撮像に適合された第1の1以上のトランスデューサと、エネルギーを送達して神経を調節するように適合された第2の1以上の超音波トランスデューサとを備える。神経を調節するのに十分なエネルギーは、いくつかの実施形態では、神経を除神経またはアブレーションするのに十分である可能性がある。
いくつかの実施形態では、本方法は、(例えば、超音波カテーテル上の高周波電極に結合された検知ワイヤを使用して)神経の調節を確認するステップを含む。いくつかの実施形態では、組織のインピーダンスを監視して、電極と接触している組織がアブレーションされているか否かを判定することができる。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、超音波トランスデューサを使用した超音波エネルギーと、1以上の高周波電極を使用した高周波エネルギーの両方を送達するように適合される。
いくつかの実施形態では、1以上の超音波トランスデューサによって受信された撮像データに基づいて、または1以上の高周波電極によって得られたインピーダンス測定値に基づいて、エネルギー送達の1以上のパラメータ(例えば、電力レベル、強度レベル、持続時間、目標温度、周波数)が調節される。様々な実施形態では、本方法は、1以上の超音波トランスデューサの姿勢を調節して、肝動脈内の治療領域を調節する(例えば、軸方向カバレッジを減少させながら周方向カバレッジを増加させる)ステップを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、(例えば、冷却バルーンを用いて、循環流体を用いて、および/または熱プレート構成を用いて)1以上の超音波トランスデューサを冷却するステップを含む。
いくつかの実施形態によれば、血糖値を低下させるために肝臓を支配する神経をアブレーションするのに十分なエネルギーを送達する方法は、エネルギー送達装置の少なくとも1つの電極を使用して、アブレーション閾値に近接する温度に組織の温度を上昇させるのに十分な標的位置に高周波エネルギーを送達するステップと、エネルギー送達装置の少なくとも1つの超音波トランスデューサを使用して、アブレーション閾値を超えて温度を上昇させるのに十分な音響エネルギーを標的位置に送達するステップとを含む。いくつかの実施形態では、高周波エネルギーの周波数は、400kHz〜60MHz(例えば、400kHz〜600kHz、500kHz〜750kHz、600kHz〜900kHz、700kHz〜1MHz、1MHz〜10MHz、10MHz〜60MHz、またはそれらの重複範囲)であり、音響エネルギーの周波数は、0.5MHz〜60MHz(例えば、0.5MHz〜5MHz、1MHz〜10MHz、2MHz〜8MHz、10MHz〜40MHz、15MHz〜30MHz、20MHz〜60MHz、30MHz〜50MHz、およびそれらの重複範囲)である。一実施形態では、少なくとも1つの電極は、少なくとも1つの超音波トランスデューサと直列に接続される。別の一実施形態では、少なくとも1つの電極は、少なくとも1つの超音波トランスデューサと並列に接続される。別の一実施形態では、少なくとも1つの電極は、少なくとも1つの超音波トランスデューサ用の電極としても機能する。一実施形態では、本方法は、エネルギー送達装置の少なくとも1つの電極を使用して標的位置での組織のアブレーションを確認するステップを含む。少なくとも1つの電極は、エネルギー送達電極と同一の電極であってもよいし、ジェネレータに直接結合された別個の検知電極であってもよい。一実施形態では、少なくとも1つの電極は、超音波トランスデューサに結合された電極であってもよい。
一実施形態では、グルコース産生を減少させるような方法で神経を調節する方法は、血管に沿った1以上の位置を特定するステップと、1以上の超音波トランスデューサを用いてグルコースレベルを直接的または間接的に低下させるために、前記血管内のまたはそれを取り囲む神経を調節するのに十分なエネルギーを送達するステップを含む。調節は、(例えば、被験体の体内で)侵襲的に、または(例えば、被験体の体外の源から)非侵襲的に実行することができる。一実施形態では、糖尿病を治療する方法は、血管に沿った1以上の位置を特定するステップと、1以上の超音波トランスデューサを用いてグルコースレベルを直接的または間接的に低下させるために、前記血管内のまたはそれを取り囲む神経を調節するのに十分なエネルギーを送達するステップを含む。
様々な実施形態において、血管内または血管の周囲に位置する神経を治療することによって血糖値を低下させる神経調節に適合された超音波システムは、近位端部分、遠位端部分、および近位端部分と遠位端部分との間に延びる細長い部材を含む超音波装置を含む。細長い部材および遠位端部分は、蛇行した血管系をナビゲートして血管内に配置されるように構成される。超音波装置は、遠位端部分に配置された少なくとも1つの超音波トランスデューサを含む。少なくとも1つの超音波トランスデューサは、血管の神経を調節するのに十分な音響エネルギーを送達するように適合される。一実施形態では、超音波トランスデューサの周波数は、2MHz〜40MHz(例えば、2MHz〜20MHz、10MHz〜40MHz)であり、超音波トランスデューサは、血管の内面から0.5mm〜10mmにエネルギーを送達するように適合される。いくつかの実施形態では、神経のアブレーションは、血管表面(内側または外側)から0.5〜5mm、1〜6mm、0.1〜10mm、1〜3mm、または2〜4mm、およびそれらの重複範囲で生じる。血管は肝動脈とすることができる。いくつかの実施形態では、トランスデューサは、直線状または放射状のパターンで複数(例えば、2〜10個またはそれ以上)の変換要素を含む。トランスデューサは、電子的または位相的な焦点合わせ、または機械的な焦点合わせのために構成することができる。一実施形態では、トランスデューサは、非集束超音波を送達するように構成される。いくつかの実施形態では、超音波システムは、超音波装置上または別個の装置上に撮像トランスデューサを含む。超音波システムは、糖尿病または他の代謝状態を治療するために使用することができる。
上に要約したいくつかの実施形態は、肝臓神経調節に関して記載されているが、本明細書の実施形態はまた、肝臓または肝臓血管以外の領域の神経調節または組織調節が考えられる。例えば、本明細書に記載のカテーテル、装置、およびシステムはまた、(例えば、一方または両方の腎動脈の神経を調節することによって)腎臓の除神経のために、膵臓、腎臓、十二指腸、空腸、および/または胃を支配する神経を調節することによってグルコースまたは脂質調節のために、心臓アブレーションのために、肺組織または血管のアブレーションまたは神経調節、ならびに本明細書に記載の他の標的および適応症のために使用することができる。上に要約した装置およびシステムは、腎動脈、胃十二指腸動脈、腹腔動脈、または脾動脈などの肝動脈以外の血管内で使用することができる。例えば、装置およびシステムは、1以上の腎動脈または静脈内で使用されてもよく、高血圧または腎血管を取り囲む神経の調節に関連する他の状態を治療するのに適している可能性もある。別の一例として、装置およびシステムは、胃十二指腸動脈、腹腔動脈、または膵臓を支配する血管内で使用されてもよく、神経調節装置は、糖尿病の1以上の症状を治療するのに適している可能性もある。別の一例として、装置およびシステムは血管内で使用することができ、交感神経緊張を変化させるのに十分な血管周囲の神経の調節を引き起こすように構成されてもよい。
本開示を要約する目的のために、本発明の実施形態の特定の態様、利点、および新規な構成が本明細書に記載されている。必ずしもそのような利点のすべてが、本明細書に開示された本発明の特定の実施形態に従って達成できるとは限らないことを理解すべきである。したがって、本明細書に開示された実施形態は、本明細書で教示または示されることができるような他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書で教示または示唆された1つの利点またはグループの利点を達成または最適化するように具現化または実行さることができる。上記に要約され、以下でさらに詳細に説明される方法は、実践者によって取られる特定の行動を記述する。しかしながら、彼らはまた、他の当事者によるそれらの行動の指示を含むことができることを理解すべきである。したがって、「肝動脈内に神経調節カテーテルを送達する」などの動作は、「肝動脈内に神経調節カテーテルを送達することを指示する」ことを含む。図面に関して、1つの図形からの要素は、他の図形からの要素と組み合わせることができる。
本発明の一実施形態に係る、肝臓および肝臓血液供給を含む標的治療部位の解剖学的構造を示す。
本発明の一実施形態に係る、肝臓および肝臓血液供給を含む標的治療部位の解剖学的構造を示す。
肝臓およびその周辺の器官および組織、ならびに肝臓およびその周囲の器官および組織を支配する神経に血液を供給する様々な動脈を示す。
隣接する密集構造の存在によって影響されるような、肝動脈を取り囲む神経の分布の例を示す。
隣接する密集構造の存在によって影響されるような、肝動脈を取り囲む神経の分布の例を示す。
総肝動脈および肝神経叢の神経の概略図を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
神経の調節を促進するように構成された圧迫部材の実施形態を示す。
電極カテーテルの実施形態を示す。
電極カテーテルの実施形態を示す。
アブレーションコイルの実施形態を示す。
アブレーションコイルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンカテーテルの実施形態を示す。
バルーンに基づくボリュームアブレーションカテーテルシステムの一実施形態を示す。
RF加熱対電極からの距離のグラフを示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
電極カテーテルの冷却を高めるように構成された装置および方法を示す。
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神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
カテーテル遠位先端電極およびガイドワイヤ形状のいくつかの実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
神経調節のための高周波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
肝臓の除神経のために構成された高周波エネルギー送達カテーテルの一実施形態を示す。
本明細書に記載の方法、装置、およびシステムによって標的とされ得る動脈枝の概略図である。
血管系内で180°の関節運動を促進するように構成されたカテーテルの一実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
標的血管内の電極カテーテルのカテーテルおよび/または電極安定化を増加させるための装置および方法の実施形態を示す。
窓付きアブレーションカテーテルの実施形態を示す。
窓付きアブレーションカテーテルの実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
損傷形成を制御するように構成されたシステムおよび方法の実施形態を示す。
複数の電極を配備する際に使用する配備スリーブシステムの様々な実施形態を示す。
複数の電極を配備する際に使用する配備スリーブシステムの様々な実施形態を示す。
複数の電極を配備する際に使用する配備スリーブシステムの様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
ピボット電極の一実施形態を示す。
本発明の一実施形態に係る、パルス治療の使用を示すグラフを示す。
総肝動脈を取り囲む神経の位置を示す画像を示す。
マイクロ波放射センサによって示される電極カテーテル先端部の動きのグラフを示す。
総肝動脈内の血管内アブレーションのモデルから得られた画像を示す。
総肝動脈内の血管内アブレーションのモデルから得られた画像を示す。
冷却された電極からある距離での温度フィードバックを提供するための冷却された電極および熱電対を有するカテーテルの概略的な実施形態を示す。
冷却された電極からある距離での温度フィードバックを提供するための冷却された電極および熱電対を有するカテーテルの概略的な実施形態を示す。
対流的な血流が増加するときの電極先端温度および損傷深さのグラフを示す。
熱質量流量センサを有するカテーテルの一実施形態を示す。
図73の熱質量流量センサの動作原理を示すグラフである。
アブレーション制御プロセスの一実施形態のフローチャートを示す。
インピーダンスに基づくフィードバック制御の一実施形態のフローチャートである。
血流測定に基づくエネルギー送達アルゴリズムの実施形態を示す。
血流測定に基づくエネルギー送達アルゴリズムの実施形態を示す。
アブレーション治療中の血管の円周方向がずれるのを防止するように構成された血管内アブレーションカテーテルの実施形態を概略的に示す。
アブレーション治療中の血管の円周方向がずれるのを防止するように構成された血管内アブレーションカテーテルの実施形態を概略的に示す。
隣接する密集構造に近接した位置に対応する位置で血管内に配置された超音波エネルギー送達装置の遠位部分の概略図を示す。
エネルギー送達システムの一実施形態を示す。
様々なピボット条件におけるピボット式超音波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
様々なピボット条件におけるピボット式超音波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
様々なピボット条件におけるピボット式超音波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
様々なピボット条件におけるピボット式超音波エネルギー送達装置の実施形態を示す。
複数のピボット式トランスデューサを有する超音波エネルギー送達装置の遠位部分の一実施形態を示す。
図82Aの超音波エネルギー送達装置の複数のピボット式トランスデューサのアセンブリの代替の一実施形態を示す。
折り畳み可能なフレキシブル回路を含む超音波エネルギー送達装置の遠位部分の実施形態を示す。
折り畳み可能なフレキシブル回路を含む超音波エネルギー送達装置の遠位部分の実施形態を示す。
図83Aの超音波エネルギー送達装置の遠位部分の様々な構成を示す。
フレキシブル回路を広げることによって配備するように構成された超音波エネルギー送達装置の遠位部分の一実施形態を示す。
複数のインターロック式取り付け要素を備える超音波エネルギー送達装置の遠位部分の別の一実施形態を示す。
超音波トランスデューサによって送達される音響エネルギーの分布を制御する音響ミラーおよび/またはレンズの様々な実施形態を示す。
共振空洞超音波トランスデューサの一実施形態の概略図を示す。
熱伝達を増加させるヒートパイプを含む超音波トランスデューサの一実施形態を示す。図89Aは、図89の超音波トランスデューサヒートパイプの冷却プレートの一部の拡大図を示す。図89Bは、図89の超音波トランスデューサヒートパイプの表面のテクスチャパターンの様々な実施形態を示す。
単一のエネルギー送達装置を使用して標的組織に超音波および高周波エネルギーを送達するように構成されたエネルギー送達システムの一実施形態を示す。
マイクロ波ベースのアブレーションカテーテルシステムの一実施形態を示す。
誘発型アブレーションカテーテルシステムの一実施形態を示す。
蒸気アブレーションカテーテルの一実施形態を示す。
温水バルーンアブレーションカテーテルの一実施形態を示す。
肝動脈の枝への低プロファイル神経調節カテーテルの送達を促進するための「伸縮式」システムの一実施形態を示す。
肝動脈内の標的神経調節位置にアクセスするための
のシステムの使用の一実施形態を示す。
ガイドシースまたは捕捉スリーブを備える血管アクセスシステムの実施形態を示す。
ガイドシースまたは捕捉スリーブを備える血管アクセスシステムの実施形態を示す。
ガイドカテーテルまたはガイド拡張カテーテルを適所に固定するために使用することができるくさび型拡張固定の一実施形態を示す。
蛇行した肝血管系へのアクセスを促進するように特別に設計された装置(およびそのような装置を使用する方法)の実施形態を示す。
蛇行した肝血管系へのアクセスを促進するように特別に設計された装置(およびそのような装置を使用する方法)の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
カテーテルの安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムおよび関連方法の実施形態を示す。
不良な壁−電極接触の一例および良好な壁−電極接触の一例を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
蛇行した血管系内または呼吸中に動く血管系内でカテーテルの安定化を提供するように構成された神経調節カテーテルの実施形態を示す。
組織接触検知のための分割電極アセンブリの実施形態を示す。
組織接触検知のための光ファイバーセンサの一実施形態を示す。
組織接触検知のための光ファイバーセンサの一実施形態を示す。
(有線または無線接続を介して)エネルギー送達装置に通信可能に結合された被験体の身体の外側に配置されたコントローラ(例えば、ジェネレータ)を含むシステムの一実施形態を示す。
肝臓を取り囲むヒトの解剖学的構造の一部を示す。
本発明の実施形態に係る、肝臓の除神経研究からのデータのグラフを示す。
本発明の実施形態に係る、肝臓の除神経研究からのデータのグラフを示す。
本発明の実施形態に係る、肝臓の除神経研究からのデータのグラフを示す。
動物研究中の肝臓の除神経処置後の肝ノルエピネフリンレベルに対する効果を示す。
幾何学的モデルを示す。
幾何学的モデルを示す。
幾何学的モデルを示す。
幾何学的モデルを示す。
本発明の一実施形態に係る、損傷深さの概略2次元表示を示す図である。
本発明の一実施形態に係る、動脈流速の関数としての最大パワーを示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る、最大パワーと動脈流速との間の関係についての最小二乗曲線フィッティングのグラフである。
本発明の一実施形態に係る、電極サイズの変化に伴う損傷部温度の変化を示すグラフである。
本発明の一実施形態に係る、異なるパワーレベルのRFエネルギーに対する経時的な温度変化を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る様々な治療パラメータ間の関係を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る様々な治療パラメータ間の関係を示すグラフである。
本発明の実施形態に係る様々な治療パラメータ間の関係を示すグラフである。
インピーダンスフィードバック制御を組み込んだパワー制御プロセスの一実施形態を示す。
位相シフトがどのようにして電流および/または電圧の不正確な測定を引き起こす可能性があるかを示す。
血管内アブレーション処置の一実施形態におけるインピーダンスの成分を示す。
本発明の一実施形態に係る、背景インピーダンス信号を減算することによるインピーダンス測定への影響を示す。
詳細な説明
(I.序論と概説)
本明細書に記載される本発明の実施形態は、一般的に、糖尿病(例えば、真性糖尿病)を含むが、これに限定されない様々な代謝性の疾患、状態、または障害の治療のための、またはそれらの発生または進行のリスクを低減するための標的神経線維の治療的神経調節に関する。説明は、様々な実施形態における具体的な詳細を述べているが、その説明は例示的なものに過ぎず、決して本開示を限定するものと解釈されるべきではないことが理解されるだろう。さらに、開示された実施形態の様々な応用、および当業者にとって起こり得る修正形態もまた、本明細書に記載の一般的な概念によって包含される。以下に示すいくつかの図は、肝臓神経調節に関して記載されているが、本明細書の実施形態はまた、肝臓または肝血管系以外の領域の神経調節または組織調節を企図している。例えば、本明細書中に記載されるカテーテル、装置、およびシステムは、膵臓、十二指腸、空腸、および/または胃を支配する神経を調節することによるグルコースまたは脂質調節のための、心臓のアブレーションのための、肺組織または血管のアブレーションまたは神経調節のための、ならびに本明細書に記載の他の標的および適応症のための、(例えば、腎動脈の一方または両方の神経を調節することによる)腎臓除神経に対しても使用することができる。
自律神経系には、交感神経系および副交感神経系が含まれる。交感神経系は、身体の「闘争・逃走反応」反応に関与している自律神経系のコンポーネントであり、高ストレスまたは激しい身体運動の期間の間に身体を準備できるものである。したがって、交感神経系の機能の1つは、興奮またはストレスの期間中の迅速なエネルギー代謝のためのグルコースの利用可能性を高め、インスリン分泌を減少させることである。
肝臓は正常な血糖濃度を維持する上で重要な役割を果たすことができる。例えば、肝臓は、グルコースの大きなポリマーであるグリコーゲンを形成することによって、その細胞内に過剰のグルコースを貯蔵することができる。次に、血糖濃度があまりにもひどく低下し始めると、貯蔵されたグリコーゲンからグルコース分子を分離し、血液に戻して他の細胞によるエネルギーとして使用することができる。肝臓は、2つの独立した血液供給源によって供給される非常に血管に富む器官であり、一方は(肝臓の一次血液供給源としての)門脈であり、他方は肝動脈である(肝臓の二次血液供給源である)。
グリコーゲンをグルコースに分解するプロセスは、グリコーゲン分解として知られており、交感神経系が全身性グルコースを増加させることができる1つの方法である。グリコーゲン分解が起こるためには、酵素ホスホリラーゼを最初に活性化してリン酸化を引き起こさなければならず、これは個々のグルコース分子をグリコーゲンポリマーの枝から分離させることができる。ホスホリラーゼを活性化する1つの方法は、例えば、副腎髄質の交感神経刺激によるものである。副腎髄質を支配する交感神経を刺激することによって、エピネフリンが放出される。次いで、エピネフリンは、サイクリックAMPの形成を促進し、次いで、ホスホリラーゼを活性化する化学反応を開始する。ホスホリラーゼを活性化する別の方法は、膵臓の交感神経刺激によるものである。例えば、ホスホリラーゼは、膵臓のα細胞によるホルモングルカゴンの放出を介して活性化することができる。エピネフリンと同様に、グルカゴンは、サイクリックAMPの形成を刺激し、これは次いで化学的反応を開始してホスホリラーゼを活性化する。
肝臓が正常な血糖濃度を維持するように機能する別の方法は、糖新生のプロセスによるものである。血糖濃度が正常値より低くなると、肝臓は正常な血糖濃度を維持するために様々なアミノ酸およびグリセロールからグルコースを合成する。交感神経活動の増加が示されており、糖新生を増加させ、それによって血糖濃度の増加をもたらす。
副交感神経系は、自律神経系の第2のコンポーネントであり、身体の「休息および消化」機能を担う。これらの「休息および消化」機能は、交感神経系の「闘争・逃走」反応を補完して機能する。副交感神経系の刺激は、血糖値の低下に関連している。例えば、副交感神経系の刺激は、膵臓のβ細胞からのインスリン分泌を増加させるために示されている。細胞膜を通るグルコース輸送の速度は、インスリンによって大きく増強されるので、膵臓から分泌されるインスリンの量を増加させることは、血糖濃度を低下させるのに役立つ可能性がある。他の器官または組織(例えば、膵臓、小腸、十二指腸、および/または胃の一部)を囲む交感神経および/または副交感神経の神経調節(例えば、除神経または刺激)は、糖尿病または糖尿病に関連する症状(例えば、高血糖値、高トリグリセリド値、高コレステロール値、低インスリン分泌値)を治療するために、肝臓を支配する神経の調節と組み合わせて実行することもできる。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、副交感神経系を単独で、または交感神経系と併せて調節(例えば、アブレーション、刺激など)するように適合される。いくつかの実施形態では、一方の系が活性化され、他方の系は非活性化される。あるいはまた、両方の系を活性化または非活性化させることができる。いくつかの実施形態では、膵臓を支配する副交感神経の刺激は、糖尿病または糖尿病に関連する症状(例えば、高血糖値、高トリグリセリド値、高コレステロール値、低インスリン分泌値)を治療するために肝臓を支配する交感神経の除神経と組み合わされる。他の器官または組織(例えば、膵臓、十二指腸、および/または胃の一部)を取り囲む交感神経および/または副交感神経の刺激および/または除神経もまた、組み合わせて行うことができる。
図1Aは、肝臓101および標的肝臓治療部位100の血管系を示す。血管系は、総肝動脈105、固有肝動脈110、右肝動脈115、左肝動脈120、右肝静脈125、左肝静脈130、中肝静脈135、下大静脈140を含む。肝臓の血液供給系では、総肝動脈105、固有肝動脈110、そしてその後、左肝動脈120または右肝動脈115のいずれかを経て血液が肝臓に入る。右肝動脈115および左肝動脈120(および門脈、図示せず)は、肝臓101への血液供給を提供し、肝臓101の肝組織内の毛細血管床に直接供給する。肝臓101は、右肝動脈115と左肝動脈120によって提供される酸素化血流によって提供される酸素を使用する。肝臓101からの脱酸素血液は、右肝静脈125、左肝静脈130、および中肝静脈135を通って肝臓101を出る。それらのすべては下大静脈140に流れ込む。
図1Bは、肝臓101と、糖尿病、または糖尿病またはグルコース産生に関連する症状を治療するための肝臓神経調節法およびシステムの標的血管系とを示す。標的血管系は、腹部大動脈205に由来する腹腔動脈210から分枝する肝動脈105を含むことができる。肝動脈105は、血液を肝臓に供給する。脾動脈235もまた図示されており、脾動脈235もまた、腹腔動脈210から分枝して血液を脾臓145に提供する。肝動脈105に隣接して配置された他の器官または密集構造は、膵臓150、胃155、および(小腸を含む)腸160の一部を含むことができる。以下にさらに詳細に説明するように、グルコース産生に影響を及ぼす可能性のある隣接構造(例えば、器官)に近接している肝動脈105に沿った位置を特定し、特定された位置でまたはその近傍で組織を(例えば、肝臓および/またはグルコース産生に影響を及ぼす可能性のある他の隣接構造(例えば、膵臓150、胃155、および/または小腸160)を支配する神経を調節するのに十分な高周波、超音波、またはマイクロ波エネルギー送達装置を用いてエネルギーを送達することによって)調節するように、システムおよび方法を提供することができる。提供される調節は、グルコースレベル(例えば、血糖値)、脂質レベル、コレステロールレベルなどを低下させるのに十分であり得る。様々な実施形態において、複数の隣接構造(例えば器官)の一部は、(肝動脈105または肝動脈105に接続された、またはそれに隣接する動脈(例えば、腹腔動脈210、脾動脈235、および胃十二指腸動脈)の一部に沿った単一の位置または複数の位置のいずれかから)除神経する、または別の方法で調節することができる。本発明のいくつかの実施形態は、被験体間の解剖学的ばらつきにもかかわらず、グルコースの産生および貯蔵に影響を及ぼす器官を支配する交感神経の妨害を一貫して実行できるという点で特に有利である。
図1Cは、肝臓を取り囲む様々な動脈、および肝臓およびその周囲の器官および組織を支配する様々な神経系200を示す。動脈は、腹部大動脈205、腹腔動脈210、総肝動脈215、固有肝動脈220、胃十二指腸動脈222、右肝動脈225、左肝動脈230、および脾動脈235を含む。様々な例示された神経系200は、腹腔神経叢240および肝神経叢245を含む。肝臓への血液供給は、心臓から大動脈にポンプ輸送され、次いで、腹大動脈205を通って下り、腹腔動脈210に至る。腹腔動脈210から、血液は、総肝動脈215を通り、固有肝動脈220へ、次に右肝動脈225および左肝動脈230を通って肝臓に移動する。総肝動脈215は、腹腔幹または動脈210から分枝する。総肝動脈215は、胃動脈および胃十二指腸動脈を生じる。肝臓を支配する神経は、腹腔神経叢240および肝神経叢245の部分を含む可能性がある。腹腔神経叢240は、腹腔動脈210の周りを包み込み、肝神経叢245内へと続き、これは固有肝動脈220、総肝動脈215の周りを包み込み、右肝動脈225および左肝動脈230へと続く。いくつかの解剖学的構造においては、腹腔神経叢240および肝神経叢245は、肝臓に血液を供給する動脈の壁にしっかりと接着し(およびいくつかの神経は外膜に埋め込まれる場合もある)、これによって血管内外神経調節は、腹腔神経叢240および/または肝神経叢245の神経を調節するのに特に有利になる。いくつかの実施形態では、血管(例えば、肝動脈)の媒体厚さは、約0.1cm〜約0.25cmの範囲である。いくつかの解剖学的構造では、肝動脈の枝の神経線維の少なくともかなりの部分が、内腔壁から0.5mm〜1mm以内に局在しているため、血管内アプローチを用いた調節(例えば除神経)は、低減されたパワーまたはエネルギー必要量により効果的である。高周波エネルギーが使用されるいくつかの実施形態では、肝臓に血液を供給する動脈(例えば、肝動脈の枝)の外壁に、または外壁内に神経が密着しているため、低パワーまたは低エネルギー(例えば、標的血管の内壁または標的神経に送達される10W未満のパワーおよび/または1kJ未満のエネルギー)の血管内エネルギー送達を使用することができる。
引き続いて、図1A、図1B、および図1Cを参照すると、肝神経叢245は、腹腔神経叢240からの最大のオフセットである。肝神経叢245は、主に、求心性および遠心性交感神経線維を伝えると考えられ、その刺激は、多くの機構によって血糖値を上昇させる可能性がある。例えば、肝神経叢245における交感神経線維の刺激は、肝臓のグルコース産生を増加させることによって血糖値を上昇させることができる。肝神経叢245の交感神経線維の刺激はまた、肝臓のグルコース摂取を減少させることによって血糖値を上昇させることができる。したがって、肝神経叢245内の交感神経の信号伝達を妨害(例えば、遮断、終結、除神経化、アブレーション)することによって、血糖、トリグリセリド、ノルエピネフリン、脂質(例えば、リポタンパク質)、および/またはコレステロールレベルを減少または低減させることができる。いくつかの実施形態では、血糖値は、ベースラインから10〜80%(例えば、10〜20%、20〜30%、30〜40%、40〜50%、50〜60%、60〜70%、70〜80%、30〜60%、40〜70%、20〜50%、またはそれらの重複範囲)低減される。トリグリセリド、ノルエピネフリン、脂質、および/またはコレステロールレベルもまた、同様の量だけ減少させることができる。
いくつかの実施形態では、図1A、図1B、および図1C内で特定される領域(例えば、動脈、神経)のいずれも、本明細書に記載の実施形態に従って調節することができる。あるいはまた、一実施形態では、これらの他の領域のうちの1以上を、影響を受けないままにしながら、局所的治療が肝神経叢に提供される。いくつかの実施形態では、図1A、図1B、および図1Cに示される(例えば、器官、動脈、神経系のうちの)複数の領域は、組み合わせて(同時にまたは逐次的に)調節することができ、これは1以上の相乗効果を提供する可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、代謝神経調節治療法は、短縮した総肝動脈および/または異常な分枝血管の解剖学的構造の場合でも、総肝動脈、ならびに腹腔、脾臓、および/または肝動脈の他の部分または枝(例えば、固有肝動脈、左肝動脈、右肝動脈)内にアブレーション損傷を形成し、肝臓に加えて相補的な代謝器官および構造物(例えば、膵臓、胃、十二指腸)の除神経を促進するステップを含む。いくつかの実施形態では、被験体が短い総肝動脈(例えば、30mm未満)を有する場合、効果的な治療を達成するために、他の血管または肝動脈の部分のアブレーションが所望される、および/または要求される場合がある。他の実施形態では、腹腔動脈、脾動脈、胃十二指腸動脈、および/または肝動脈の他の部分(例えば、固有肝動脈、右肝動脈、左肝動脈)にエネルギーを送達することによる相補的な代謝器官および構造の治療は、有利なことには、1以上の相乗効果を提供する可能性がある。(例えば、形状、大きさ、柔軟性などにおいて)肝動脈用に構成された、いくつかのアクセス/送達装置が、本明細書に記載されているが、そのようなアクセス/送達装置はまた、他の動脈および血管(特に、他の蛇行した血管系)に対しても使用することができる。また、装置は、神経調節カテーテルまたは装置として本明細書に記載され、神経の調節(例えば、アブレーション)に関して記載される場合があるが、カテーテルまたは他の装置は、他のタイプの組織(例えば、器官または血管、筋肉組織、内皮組織、結合組織、粘膜下組織)を調節するために使用することが可能である。
交感神経は、肝動脈(または腹腔動脈、脾動脈、胃十二指腸動脈などの他の動脈)の周りに分布している可能性があり、本発明のいくつかの実施形態は、これらの血管を治療するように適合される。肝動脈は、腹腔動脈におけるその起源から肝臓におけるその終端まで、多くの隣接する構造を通過する。神経が肝動脈から離れている距離または神経の密度は、肝臓、膵臓、胃、小腸などの隣接する密集構造の近接性によって影響される可能性がある。いくつかの実施形態によれば、隣接する密集構造(例えば、肝臓、膵臓、胃、小腸、筋肉、および/または結合組織)と十分に近接している(例えば、肝動脈の内壁から1cm未満の)肝動脈に沿った位置における組織を調節することは、有利である可能性がある。例えば、隣接する構造に近い肝動脈に沿った位置は、高密度濃度の神経と関連している可能性があり、その調節はグルコースレベルを低下させるか、または効率的かつ効果的な方法で糖尿病の治療に関連する他の効果をもたらす可能性がある。図2Aは、限定された隣接構造170の影響(例えば、隣接する密集構造170が肝動脈105の内壁から1cm以上離れている場合)を有する肝動脈105を囲む神経165の分布の概略図を示し、図2Bは、有意な隣接構造170の影響(例えば、隣接する密集構造170が肝動脈105の内壁から1cm未満にある場合)を有する肝動脈105を取り囲む神経165の分布の概略図を示す。図から分かるように、図2Bにおける神経165の分布は、肝動脈105と隣接構造170との間の空間が限られているため、肝動脈105の周囲に非常に集中している。図示された例は、膵臓によって概してカプセル化された肝動脈105の領域を表すことができる。
腹腔神経叢の遠位側の血管の枝の解剖学的構造は、被験体間で非常に異なる場合がある。いくつかの実施形態によれば、肝動脈105に沿って位置を特定するシステムおよび方法が提供され、肝動脈105が隣接する密集構造170に(例えば、密集構造170から1cm未満、5mm未満に)近接して、肝動脈105を取り囲む神経165(例えば、肝動脈105の中間層と隣接する密集構造170との間の神経165)を妨害するように、特定された位置にエネルギーを提供する。いくつかの実施形態では、肝動脈105が隣接する密集構造170に近接している位置は、神経調節の理想的な候補であると判定された位置(例えば、適切な血管の直径、多くの蛇行のない十分な治療長さなどを有する位置)と一致する。
図3は、肝神経叢300の神経線維の概略図である。総肝動脈305(または代替的には、固有肝動脈)の一部は、肝神経叢300が動脈の周りに巻き付けられて示されている。肝神経叢の神経線維のいくつかは、総肝動脈305(または固有肝動脈)の脈管周囲空間(例えば、外膜)内に埋め込まれているか、または少なくとも外側の血管壁に、または血管壁内に密着されている可能性がある。図示されるように、動脈内腔の中心に続く血管内腔軸がある。肝神経叢300は、副交感神経310と交感神経315とからなる。いくつかの解剖学的構造では、副交感神経310は動脈の円周の半分を下行する傾向があり、交感神経315は動脈の他の半分を下行する傾向がある。
図3に示されるように、総肝動脈305の部分は、ほぼ円筒状であり、副交感神経310が、円筒のうちのほぼ180°の円弧を支配し、肝神経叢315の交感神経が、円筒の反対の約180°の円弧を支配する。いくつかの解剖学的構造では、肝神経叢の副交感神経310と交感神経315との間に重複は(存在するとしても)ほとんど存在しない。そのような離散化は、肝神経叢の交感神経315または副交感神経310のみが調節される実施形態において有利となる可能性がある。いくつかの実施形態では、肝神経叢の交感神経315の調節は望ましい可能性があり、一方、肝神経叢の副交感神経310の調節は望ましくない可能性がある(またはその逆)。
いくつかの実施形態では、標的血管系の脈管周囲空間(例えば、外膜層)の選択領域のみが調節される。いくつかの被験体において、副交感神経および交感神経は、血管の外膜層の上または中に明確に分布している可能性がある。例えば、血管の内腔によって生成される軸を使用すると、肝神経叢の副交感神経は、外膜の180度の円弧の1つに位置することができ、一方、交感神経は外膜の他の180度の円弧に位置することができる(例えば、図3に図示される)。一般的に、交感神経線維は、肝動脈の前面に沿って走る傾向があり、副交感神経線維は、肝動脈の後面に局在する。これらの場合、前部領域または後部領域のいずれかの神経を調節することにより、それぞれ交感神経または副交感神経のいずれかを選択的に妨害することが、有利となる可能性がある。
いくつかの被験体では、交感神経線維は肝動脈の有意な長さに沿って走る可能性があり、一方、副交感神経線維は肝動脈の遠位方向に向かって結合する可能性がある。迷走神経は、(例えば、肝動脈樹を取り囲む神経よりも遠位の位置にある)肝実質の近くの肝臓の門に結合することを研究は示している。迷走神経は副交感神経性であるため、近位に肝動脈を取り囲む神経は、主に交感神経性である可能性がある。いくつかの実施形態によれば、固有肝動脈のその近位範囲(例えば、腹腔動脈の第1の枝と総肝動脈の第1の枝の中間)への調節(例えば、アブレーション)は、肝神経叢内の交感神経を妨害するのが望ましい場合に実行される。本発明の一実施形態によれば、肝動脈の近位範囲のアブレーションは、有利なことには、胆管、膵臓、および(肝臓に遠位方向に向かいながら肝動脈に近づく)門脈のような重要な構造を回避するという付随した利点を提供することができる。
一実施形態では、肝動脈の前方領域のみが選択的に調節(例えば、アブレーション)される。一実施形態では、(対応する外膜層を含むことができる)動脈の円周の約180度がアブレーションされる。いくつかの実施形態では、約60°〜約240°、約80°〜約220°、約100°〜約200°、約120°〜約180°、約140°〜約180°、約140°〜約160°の範囲、またはそれらの重複範囲内でアブレーションするのが望ましい。いくつかの実施形態では、標的とされる血管壁の部分の反対側で標的とされない血管壁の部分は、調節処置の間に(例えば、図56Aおよび図56Bに関連して記載されるように)能動的に冷却される。このような冷却は、処置を意図していない神経線維への側副傷害(付随して起こる損傷)を減少させることができる。多くの実施形態では、冷却は使用されない。
血管壁の選択部分のみを治療する実施形態では、ジグザグ、オーバーラップする半円形、スパイラル、ラッソー状、またはアブレーションの他のパターンを用いて、外膜内の神経組織または他の脈管周囲空間の選択領域のみを治療することができる。一実施形態に係るスパイラルアブレーションパターンZの一例を図3に示す。いくつかの実施形態では、固有のジグザグ、スパイラル、または他のパターンを有する1以上のアブレーション電極が使用される。いくつかの実施形態では、(電極パターンに関係なく)単一点アブレーション電極は、ジグザグ、スパイラル、または他のパターンでアブレーションするために、血管周囲の実質的に180度の周りで長手方向および円周方向に前進され、これによって血管壁および付随する神経組織の約180度を選択的にアブレーションする。いくつかの実施形態では、電極構成の他のパターンが使用される。いくつかの実施形態では、アブレーション電極移動の他のパターンが(固有の形態とは無関係に)使用される。いくつかの実施形態では、互いに重複しない損傷ゾーンが生成される。様々な実施形態において、損傷ゾーンは、軸方向および/または半径方向に離間されている。
いくつかの実施形態では、血管壁の選択領域のみが調節(例えば、アブレーションまたは刺激)される場合、高度な装置(例えば、カテーテル)制御、安定性、および/または精度を有することが有用であり得る。高精度に必要な制御を達成するために、ガイドカテーテルを使用して、近くの枝(例えば、腹腔動脈または腹腔幹からの総肝動脈の枝)の小孔に係合させて、不変の基準点を提供し、そこからエネルギー送達(例えば、アブレーション)カテーテルを配置することができる。あるいはまた、制御および/または安定化をさらに改善するために、カテーテル(例えば、プローブ)を個別にまたは同時に他の枝に固定することもできる。同時の固定は、(例えば、小孔または特定の血管の別の部分に一致するように構成された形状およびサイズを有する)コンプライアント(柔軟)で拡張可能なバルーンによって達成することができ、これは血管の内腔(例えば、小孔)を実質的に閉塞することができ、これによってカテーテルを固定し、安定性が向上する。処置の誘導は、神経調節カテーテルのガイドカテーテルからの距離が患者の外で測定される基準の血管造影に対して実行できるので、このようなアプローチは、同時に起こる有害な造影剤およびX線曝露を含む治療経過をマッピングする血管造影の必要性を取り除くことができる。いくつかの実施形態では、膨張可能なバルーンは、複数の小孔に係合するように、または複数の枝に(同時にまたは順次に)固定されるように構成されたサイズおよび形状を有することができる。いくつかの実施形態では、血管の閉塞は、標的位置での動脈血流の増加をもたらし、これによって、より効果的な対流冷却を提供する。一実施形態では、バルーンカテーテルは、動脈(例えば、肝動脈)内の低流量および/または可変流量に関わらず、動脈壁の規定された領域内に制御された量のエネルギーを送達するように構成される。
腹腔神経叢の遠位側の血管の枝の解剖学的構造は、被験体間で非常に異なる可能性があり、交感神経および副交感神経の経過の変化は、肝動脈に沿った遠位側の特定の距離に関連しているのではなく、腹腔神経叢の遠位側の枝と主に関連している傾向がある。いくつかの実施形態では、例えば、総肝動脈内で、かつ腹腔軸の分枝部から約1cm〜6cm(例えば、約2cm〜3cm、または実質的に総肝動脈の中点)における、または脾動脈の分枝部から、または胃十二指腸動脈の分枝部から1mm〜1cm(例えば、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、1cm)における交感神経線維を標的とするために、肝動脈に沿った任意の固定距離ではなく、分枝構造に対する位置に基づいて、神経調節位置が選択される。
副交感神経および交感神経線維は、反対の生理学的効果を有する傾向があり、したがって、いくつかの実施形態では、副交感神経線維ではなく交感神経線維のみが、妨害(例えば、除神経、アブレーション)され、内因性グルコース産生の減少、および肝臓および末梢グルコース貯蔵の増加の効果を達成する。いくつかの実施形態では、内因性グルコース産生を減少させ、肝臓および末梢グルコース貯蔵を増加させる効果を達成するために、交感神経線維ではなく副交感神経線維のみが刺激される。いくつかの実施形態では、内在性グルコース産生を減少させ、肝臓および末梢グルコース貯蔵を増加させる効果を達成するために、交感神経線維を除神経し、一方、副交感神経線維を同時に刺激する。いくつかの実施形態では、交感神経線維の除神経および副交感神経線維の刺激は順次行われる。
いくつかの実施形態によれば、障害(例えば、真性糖尿病)を予防または治療するための治療的神経調節の方法は、神経線維(例えば、肝神経叢の交感神経線維)の調節を含む。一実施形態では、神経調節は、肝臓グルコース産生を減少させ、および/または肝臓グルコース摂取を増加させ、ひいては血糖値、トリグリセリドレベル、脂質レベル、ノルエピネフリンレベル、および/またはコレステロールレベルの低下をもたらすことができる。神経線維の妨害は、アブレーション、除神経、切断、破壊、除去、脱感作、不能化、縮小、圧潰、または圧迫によって、または神経線維または周囲の領域を(永久的にまたは一時的に)阻害または他の方法で調節することを介して神経活動を抑制することによって影響を与えることができる。いくつかの実施形態では、妨害は、体外部位から例えば血管内、血管外、または非侵襲的に(例えば、経皮的に)送達される1以上のエネルギーモダリティを用いて行われる。エネルギーモダリティには、音響または音エネルギー(例えば、超音波エネルギー)、非集束超音波、集束超音波(例えば、高強度または低強度集束超音波)、マイクロ波エネルギー、高周波(RF)エネルギー、熱エネルギー(例えば、凍結エネルギー、熱い流体または気体によって提供される熱)、電気エネルギー、赤外線エネルギー、レーザエネルギー、(例えば、1以上の活性化剤と組み合わせた)光線療法または光線力学療法、プラズマエネルギー、イオン化エネルギー送達(例えば、X線、陽子線、ガンマ線、電子線、およびアルファ線)、切削または研磨要素によって送達される機械エネルギー、凍結アブレーション、および化学エネルギーまたは調節(例えば、化学アブレーション)、またはそれらの任意の組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、交感神経線維の妨害は、単独で、またはエネルギーモダリティと組み合わせて、化学物質または治療剤によって(例えば、薬品送達を介して)行われる。様々な実施形態において、異なるエネルギーモダリティを組み合わせて(同時にまたは逐次的に)使用することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、標的神経を血管外にかつ選択的に妨害するように構成される。いくつかの実施形態では、カテーテルは、心臓血管系を通して標的部位まで進められる。カテーテルは、血管外空間に経内腔的に通されてもよく、血管媒体と血管の外膜との間に仮想空間を作成してもよい。いくつかの実施形態では、所望の位置に一旦配置されたカテーテルは、標的神経または複数の標的神経を選択的に調節または妨害するように作動される。選択的妨害は、神経毒または神経生存性に有害な他の薬品を含むがこれに限定されない任意のタイプの神経破壊剤を供給するなどの化学的妨害を介して達成または実施することができる。いくつかの実施形態では、選択的妨害は、熱または光アブレーション(例えば、高周波アブレーション、超音波アブレーション、またはレーザアブレーション)などのエネルギー誘発妨害を介して行われる。一実施形態では、カテーテルの遠位端にカメラまたは他の視覚化装置(例えば、光ファイバースコープ)が配置され、神経が標的とされ、周囲の組織ではないことが保証される。標的の位置が総肝動脈と固有肝動脈との間の分枝部に隣接する場合、総肝動脈の分枝点と固有肝動脈との間の角度に起因して、より急ではないカテーテル屈曲が必要とされる可能性がある。いくつかの実施形態では、カテーテルは、側方ポート、開口部、または窓を備え、これによってカテーテルの縦軸が標的血管部分に平行または実質的に平行に整列された状態で、除神経または神経をアブレーションするための流体またはエネルギーの送達を可能にする。いくつかの実施形態では、カテーテルまたはプローブは、エネルギーまたは流体の血管外送達のために、経皮的に挿入され、標的位置まで前進される。
本明細書中に開示されるいくつかの実施形態によれば、本発明は、糖尿病または他の代謝状態、障害、または他の疾患を治療するために、肝神経叢内の神経線維の代わりに、または神経線維に加えて、神経線維の調節を含む。例えば、固有肝動脈または肝動脈の他の分枝部の近位側の総肝動脈を取り囲む(例えば、総肝動脈の内膜、中膜、脈管空間(例えば、外膜)内の)交感神経線維、腹腔動脈を取り囲む交感神経線維(例えば、膵臓、胃、および小腸を含む複数の器官に神経線維を供給する腹腔神経節または腹腔神経叢)、膵臓を支配する交感神経線維、副腎を支配する交感神経線維(例えば、腎臓神経叢または上腎神経叢)、消化管、腸、胃、または小腸(例えば、十二指腸または空腸)を支配する交感神経線維、褐色脂肪組織を支配する交感神経線維、骨格筋を支配する交感神経線維、迷走神経、横隔膜神経叢または横隔膜神経節、胃神経叢、脾臓神経叢、内臓神経、精巣動脈神経叢、上腸間膜神経節、腰神経節、上腸間膜神経叢または下腸間膜神経叢、大動脈神経叢、またはそれらの交感神経線維の任意の組み合わせは、本明細書に開示される実施形態に従って調節することができる。いくつかの実施形態では、これらの他の組織は、治療される代わりに、肝神経叢の局在化された神経調節中の破壊(例えば、アブレーションまたは除神経)から保護される。いくつかの実施形態では、1以上の交感神経線維(例えば、神経節)を除去することができる(例えば、膵臓交感神経切除術)。上述の様々な器官を取り囲む神経(交感神経または副交感神経)は、1以上の相乗効果をもたらすことができる組み合わされた治療処置で(同時または逐次のいずれかで)調節することができる。
いくつかの実施形態では、胃を支配する神経の調節(例えば、交感神経の除神経)は、グレリン分泌の減少および満腹感の増加、運動性の増加を引き起こす交感神経系の緊張の低下、および/またはより速い食物通過時間をもたらし、これによって「神経胃バイパス」をもたらす。いくつかの実施形態では、幽門を支配する神経の調節(例えば、交感神経の除神経)は、遠心性交感神経緊張の低下をもたらし、より速い移行時間をもたらし、「神経胃バイパス」をもたらす。いくつかの実施形態では、十二指腸を支配する神経の調節(例えば、交感神経の除神経)は、求心性交感神経活動の妨害をもたらし、様々な受容体およびホルモン(例えば、腸ホルモン、GLP−1、胃阻害ペプチド(GIP)、コレシストキニン(CCK)、ペプチドYY(PYY)、5−ヒドロキシトリプタミン(5−HT))の別の信号をもたらし、これによってインスリン分泌およびインスリン感受性の増加および/または遠心性交感神経緊張の低下を引き起こし、より速い移行時間をもたらし、これによって「神経十二指腸バイパス」をもたらす。
いくつかの実施形態では、膵臓を支配する神経の調節(例えば、交感神経の除神経)は、遠心性交感神経緊張の低下をもたらし、それによってβ細胞インスリン産生およびβ細胞量の増加、およびアルファ細胞グルカゴン産生の低下を引き起こす。いくつかの実施形態では、肝臓を支配する求心性交感神経の調節は、膵臓、胃腸管、および/または筋肉への再反射性交感神経緊張の減少をもたらす。いくつかの実施形態では、肝臓を支配する求心性交感神経の調節は、全身性効果(例えば、肝臓インスリン感作物質)を伴う肝細胞性ホルモンの増加をもたらす。いくつかの実施形態では、迷走神経の共通の肝臓分枝部の刺激は、同様の効果をもたらす可能性がある。
本発明のいくつかの実施形態は、以下の利点のうちの1つ、いくつか、またはすべてを含むため、特に有利である:(i)血管壁との一貫した維持された接触、(ii)有効性の増加による治療部位の減少、(iii)総肝動脈などの短い血管長を効果的に治療できること、(iv)血中グルコース、コレステロール、および/またはトリグリセリドレベルの低下、(v)肝臓、膵臓、および/または十二指腸内の脂質および/またはノルエピネフリンレベルの低下、(vi)治療効果の確認、(vii)単一の場所からの複数の器官または組織構造の除神経、(viii)血管内壁の最小限の加熱または血管内壁への最小限の熱傷を維持しながら、脈管周囲領域における神経の効果的な除神経、(ix)高い神経密度の領域の調節による成功した神経調節のより高い可能性、(x)高い神経密度または濃度の領域の調節によるグルコース産生に影響を及ぼす調節の可能性の増加、および/または(xi)軸方向の血管の長さの領域(カバレージ)を減少させて、円周方向の血管の領域を増加させる。
(II.神経調節のタイプ)
(A.機械的神経調節)
神経線維の選択的調節または妨害は、切断、分断、リッピング、引き裂き、横引き、または押し潰しを含むが、これらに限定されない機械的または物理的妨害を介して行うことができる。本発明のいくつかの実施形態は、神経組織の細胞膜を妨害することを含む。いくつかの実施形態は、神経組織および繊維の選択的圧迫を含む。選択的な圧迫力または圧潰力を含むがこれらに限定されない機械的圧力にさらされる神経は、虚血、神経伝導速度の障害、および神経壊死を含むがこれらに限定されない影響を受ける可能性がある。このような影響は、血流の減少などの複数の要因に起因する可能性がある。
いくつかの実施形態では、選択的圧迫または機械的押し潰し力による影響の多くは可逆的である。神経応答を選択的かつ可逆的に調節するために機械的圧迫を使用する以外に、機械的圧迫を用いて、ミエリン鞘および個々の神経束を選択して損傷を通して神経応答を永久に調節することができる。いくつかの実施形態では、神経調節のレベルは、神経に印加される機械的圧迫力を調節することによって調節される。例えば、神経に印加される大きな圧迫力は、神経応答を完全に阻害することができるが、同じ神経に印加される軽い圧迫力は、神経応答をわずかに低下させることができるに過ぎない。いくつかの実施形態では、機械的圧迫力または押し潰し力を、着脱可能な押し潰し装置を用いて、神経(例えば、肝神経叢の交感神経)に印加することができる。いくつかの実施形態では、着脱可能な押し潰し装置を取り外し、被験体の個々のニーズ(例えば、必要な神経応答レベルに合わせた着脱可能な破砕装置の強度)に応じて、より強いまたはより弱い着脱可能な押し潰し装置で置き換える。神経応答を選択的に調節するように微調節されるような着脱可能な押し潰し装置の機能は、多くのタイプの神経アブレーションのバイナリ(例えば、全部かゼロか )応答よりも有利である。
様々な実施形態において、肝動脈または他の血管内で神経を圧迫または挫傷または虚血を引き起こすのに必要な圧迫力または押し潰し力は、約1g/mm2〜約100g/mm2、約1g/mm2〜約10g/mm2、約3g/mm2〜約5g/mm2(例えば、8g/mm2)、約5g/mm2〜約20g/mm2、約10g/mm2〜約50g/mm2、約20g/mm2〜約80g/mm2、約50g/mm2〜約100g/mm2、またはそれらの重複範囲とすることができる。これらの圧迫力は、本明細書に記載の機械的神経調節装置または部材の様々な実施形態によってもたらすことができる。
図4A〜図4C、図5A、図5B、図6、および図7は、機械的神経調節装置または部材の様々な実施形態を示す。図4A〜図4Cは、形状記憶圧迫クリップ400の実施形態を示す。いくつかの実施形態では、形状記憶圧迫クリップ400は、標的神経を機械的に圧迫するために使用される。いくつかの実施形態では、形状記憶圧迫クリップ400は着脱可能である。図4Aは、形状記憶圧迫クリップ400の静止形態を示す。図4Bは、図示された実施形態において大文字「U」のように見える形状記憶圧迫クリップ400の緊張形態を示す。形状記憶圧迫クリップ400は、形状記憶圧迫クリップ400を強制的にその緊張形態にし、標的神経を形状記憶圧迫クリップ400の底部窪みに配置し、次いで形状記憶圧迫クリップ400をその静止形態に戻すことを可能にし、それによってそれが潰れたり挟まれたりすることによって所望の圧迫力を標的神経に印加することによって、神経(例えば、肝神経叢の神経)に適用することができる。図4Cは、形状記憶圧迫クリップ420の別の一実施形態を示しており、そこでは、底部窪みが静止形状にあるときに湾曲ではなく鋭い屈曲を形成する。圧迫クリップ400、420は、(例えば、形状記憶材料の超弾性特性を利用して)緊張形態で圧迫クリップをバイアスする外力を除去するか、または転移温度を超えて圧迫クリップを加熱することによって静止形態に戻すことが可能であり、これにより、圧迫クリップが、元の形態または転移温度よりも高いオーステナイト相における静止形状をとることを可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、機械的圧迫力は、印加後に実質的に一定のレベルに保持される。いくつかの実施形態では、形状記憶圧迫クリップ400は、異なる標的神経の解剖学的構造に合わせて調節することができる。いくつかの実施形態では、形状記憶圧迫クリップ400は、解剖学的なばらつきを補償するためにサイズまたは形状が変化する。いくつかの実施形態では、様々なレベルの圧迫応力を標的神経に選択的に印加するために、解剖学的構造のばらつきを補償するのに加えて、形状記憶圧迫クリップの様々なサイズまたは形状(例えば、より大きな力に対してより小さなクリップまたはより強い材料、およびより小さな力に対してより大きなクリップまたはより弱い材料)を使用することができる。一実施形態では、形状記憶材料はニチノールである。様々な実施形態では、形状記憶材料は、形状記憶ポリマーまたは形状記憶材料特性を有する任意の他の適切な材料である。いくつかの実施形態では、圧迫部材は、単純なばねクリップまたは実質的に一定の力を加えることができる任意の他の装置を備える。いくつかの実施形態では、圧迫部材は、外膜層内の動脈全体および神経をクランプするように構成され、それによって、標的神経および標的神経が周囲を伝わる動脈の両方に所望の圧迫力を印加する。
肝臓には、本明細書に記載の標的神経の多くが周囲を伝わることができる肝動脈ならびに門脈の両方から血液が供給されるため、いくつかの実施形態では、肝動脈に圧迫力、閉塞力、または圧潰力を印加することは一意的に実行可能である。肝動脈の少なくとも1つが(その外膜の神経に圧迫力を加える目的で)クランプされている場合、肝臓はその動脈からの血液供給を失うが、門脈によって完全に供給され、肝臓は生存可能で健康のままである。
いくつかの実施形態では、機械的圧迫力は、印加後に時間の経過と共に変化する。いくつかの実施形態では、機械的圧迫力は、予め設定されたデューティサイクルに従って変化され、それにより、神経調節の効果を増やす。1以上の実施形態は、体温とは実質的に異なる温度によって誘発される特定の温度でのマルテンサイト状態とオーステナイト状態との間の転移を有する圧迫部材(例えば、ニチノールクリップ)に結合された回路へのエネルギーの経皮送達を含むことができる。いくつかの実施形態では、温度の変化は、回路が電力を印加することができる圧迫部材に熱的に結合された熱電対(例えば、ペルチェ接合)または回路が抵抗力を印加して圧迫部材の物理的形状を変え、圧迫部材によって発生する圧迫力を変化させる(印加される電力に応じて増加または減少させる)ことができる圧迫部材に熱的に結合された加熱要素を介して提供されるが、これに限定されない。一実施形態では、圧迫部材自体が抵抗要素として働き、回路が圧迫部材に直接結合されて、圧迫部材に抵抗力を印加し、それによって圧迫部材の物理的形状を変え、圧迫部材によって発生する圧迫力を変化させる(印加される電力に応じて増加または減少させる)。他の実施形態は、圧迫部材を熱電対または他の温度測定装置と組み合わせて、圧迫部材によって生成される圧迫応力を変化させるための電力の選択的印加を可能にする。
図5Aおよび図5Bは、圧迫装置の別の一実施形態を示す。図5Aは、開いた形態の血管壁クランプ515を含むカテーテルベースの血管壁圧迫システム500を示す。カテーテルベースの血管壁圧迫システム500は、着脱可能な挿入カテーテル505、吸引孔510、血管壁クランプ515の係合部515A、固定機構520、血管壁クランプの受け入れ部515B、および固定機構受け入れ部分530を含む。作動中、血管壁クランプ515は、着脱可能な挿入カテーテル505の遠位端の標的血管内に挿入されることができる。一実施形態では、血管壁クランプ515の受け入れ部515Bは、着脱可能な挿入カテーテル505の遠位端に配置され、一方、血管壁クランプ515の係合部515Aは、受け入れ部515Bのわずかに近位側に配置される。受け入れ部515Bと係合部515Aとの間の着脱可能な挿入カテーテル505の表面は、複数の吸引孔510を含むことができる。
さらなる操作において、血管壁クランプ515が所望の標的位置に配置されると、一実施形態では、吸引孔510は、真空または吸引を生成し、これは複数の吸引孔510を含む着脱可能な挿入カテーテル部分の表面に対して標的血管の壁を実質的に直接並置にする。吸引を維持しながら、したがって着脱可能な挿入カテーテル505に並置した血管壁の位置を維持しながら、係合部515Aは、受け入れ部515Bに向かって移動し(またはその逆)、それにより、受け入れ部515Bと係合部515Aとの間で着脱可能な挿入カテーテルに対して直接並置されたままである血管壁を挟む。
係合部515Aに取り付けられた固定機構520は、受け入れ部515Bの固定部材受け入れ部530に係合し、これによって受け入れ部515Bを係合部515Aに固定し、受け入れ部515Bと係合部515Aとの間で着脱可能な挿入カテーテル505に直接並置されたままの血管壁部をクランプする。一度受け入れ部515Bが係合部515Aと完全に係合すると、着脱可能な挿入カテーテル505を血管壁クランプ515から係合を外し、それが挿入されたのと同じ経路によって取り外すことができる。
図5Bは、閉じた形態の血管壁クランプ515を示す。図5Bでは、血管壁クランプ515の係合部515Aに取り付けられた固定機構520が、血管壁クランプ515の受け入れ部515Bの固定部材受け入れ部530に係合し、これによって受け入れ部515Bと係合部515Aとの間で血管壁の一部をクランプする。図5Bは、着脱可能な挿入カテーテル505が既に取り外されていることを示している。
いくつかの実施形態では、血管壁クランプ525の係合部515Aおよび受け入れ部515Bは共に中空の中心を含む。これらの実施形態では、着脱可能な挿入カテーテル505が取り外されると、血管壁クランプ515の係合部515Aの中心の穴および血管壁クランプ525の受け入れ部515Bの中心の穴が、受け入れ部515Bと係合部515Aとの間に開存している内腔を作成し、これにより一方の側から他方の側への継続的な血流が可能となる。いくつかの実施形態では、着脱可能な挿入カテーテル505は、ねじ部分によって血管壁クランプ515の係合部515Aまたは受け入れ部515Bのいずれかに取り付けられ、これは、一度受け入れ部515Bおよび係合部515Aが係合すると、ねじ止めされなくすることができ、着脱可能な挿入カテーテル505はもはや必要ではない。
いくつかの実施形態では、血管壁クランプ515は、有線(オーバー・ザ・ワイヤ)方式を使用して標的の解剖学的構造に挿入される。いくつかの実施形態では、着脱可能な挿入カテーテル505は中空であり、着脱可能な挿入カテーテル505の内部中空内腔と連通する吸引孔510を有する。吸引孔510は、一連の小さな開口部、スクリーン、または血管壁クランプ515の受け入れ部515Bと係合部515Aとの間に形成されるより低い圧力領域を可能にする任意の他の構造とすることができ、血管壁および血管周囲組織を、着脱可能な挿入カテーテル505と実質的に直接並置させる。いくつかの実施形態では、血管壁クランプ515は、着脱可能な挿入カテーテル505上で近位に引っ張ることによって配備され、これにより、血管壁クランプ525の遠位受け入れ部515Bが、血管壁クランプ515の近位係合部515Aと係合し、これにより、その中に捕捉された動脈および神経組織を圧迫および/または切断する。いくつかの実施形態では、カテーテル505の回転は、カテーテル505を血管壁クランプ515から係合解除するのに有効である。いくつかの実施形態では、血管壁クランプ515からの着脱可能な挿入カテーテル505の除去は、肝臓に血流を許容する開存内腔を残す。
いくつかの実施形態では、係合機構520は、少なくとも1つの槍状クリップを備え、係合受け入れ部530は、少なくとも1つの槍状クリップを受け入れ、それが少なくとも1つの穴係合受け入れ部530に入り、適所にはめ込まれるとき、少なくとも1つの槍状クリップ係合機構520に係合するように整列された少なくとも1つの穴を備える。いくつかの実施形態では、係合機構520および係合受け入れ部530は、単に血管壁クランプ515の受け入れ部515Bおよび血管壁クランプ515の係合部515Aを共に保持する磁石である。さらに他の実施形態では、係合機構520および係合受け入れ部530は、係合部515Aが受け入れ部515Bに係合し、係合形態にとどまることを可能にする任意の構造である。いくつかの実施形態では、血管壁クランプ515は、テフロン(商標名)などの低減された血栓形成性を有する生物学的に不活性な材料を含む。
図6は、血管内に挿入された血管外圧縮コイル600の一実施形態を示す。動作時には、血管外圧縮コイル600は、血管壁610の穴を通ってスパイラル状に脈管内から血管外へと血管外膜内に進められ、それによって血管外圧縮コイル600を標的血管の周りに配置することができる。いくつかの実施形態では、血管外圧縮コイル600は、標的血管の血管壁内に位置する神経を圧迫する効果を有する。いくつかの実施形態では、閉塞および狭窄を防止または抑制するために、血管内ステントが続いて標的血管の内腔内に配置され、それにより継続的流れのために血管を開放し、標的神経を圧迫する弾性表面を提供する。
狭窄が特に懸念される実施形態では、ステントは、開存性を保持するために治療後に標的血管内に配置される。いくつかの実施形態では、標的血管の内腔内にステントを配置することにより、血管壁をより高度に圧迫するという付加的な利益がもたらされ、それにより標的神経をさらに妨害する。いくつかの実施形態では、ステントは、肝動脈アブレーション処置による門脈狭窄のリスクのために、門脈内に配置される。いくつかの実施形態では、可能性のある狭窄から門脈を保護するために、腸静脈流が門脈システムに移動するので、肛門冷却を使用する(いくつかの実施形態では、肛門冷却は、門脈を冷却して、肝動脈の治療に起因する狭窄の可能性を減少させる直接的な結果を有する)。
いくつかの実施形態では、磁石は、門脈および肝動脈に別々に送達させることができる。2つの磁石を配置すると、2つの磁石の反対の極が互いに引き付けられ、続いてくっつき、それによって2つの磁石の間に配置された神経の実質的な圧迫が生じる。2つの磁石がくっつくことによって生成される力は、要望通りに、または要求に応じて、任意の所与の患者の形態に対して使用される磁石の強度を増加または減少させることによって選択的に調節することができる。
図7は、標的血管内に挿入された完全閉塞バルーン700の一実施形態を示す。動作中、完全閉塞バルーン710を標的血管に挿入し、膨張させ、周囲の神経を虚血点または物理的破壊のいずれかまで十分に引き伸ばすために血管内腔を拡張または伸張するために使用する。完全閉塞バルーン710は、物理的破壊の後、または標的神経が虚血により破壊された後に除去することができる。あるいはまた、完全閉塞バルーン710は、上述したように、肝臓が門脈からの血液によっても供給され、肝動脈を少なくとも幾分冗長にするので、永久に定位置に残すことができる。いくつかの実施形態では、バルーン圧迫のレベルは、歩行可能なように調節され、それによって神経調節効果の滴定を可能にする。
いくつかの実施形態では、完全閉塞バルーン710を使用するのではなく、非閉塞バルーンまたは部分閉塞バルーンを標的血管に挿入し、膨張させ、周囲の神経を虚血点または物理的破壊まで十分に引き伸ばすために血管内腔を拡張または伸張するために使用する。非閉塞バルーンまたは部分閉塞バルーンは、完全閉塞バルーン710と同様の構造的特徴を有することができるが、配置後の血流を継続可能にするための少なくとも1つの中空内腔(例えば、中央内腔)を含むことができる。いくつかの実施形態では、バルーン圧迫のレベルは、歩行可能なように調整することができ、それによって、神経調節効果の滴定を可能にする。
いくつかの実施形態では、上述の閉塞技術と同様に、バルーンカテーテルは、標的血管内に挿入され、その後、(例えば、振動様式で加圧された)特定の周波数で注入および引き出される液体で満たされ、これによって標的血管(例えば、肝動脈)を取り囲む(例えば、標的血管の壁内(例えば、内膜、中膜、または外膜内)の)神経線維の機械的妨害を引き起こす。いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルを充填するために使用される流体は、動脈構造の視覚化を助ける造影剤とすることができる(これによって、処置において使用される造影剤の量を制限する)。
いくつかの実施形態では、標的神経が周囲にある脈管構造を囲む隙間空間に流体が注入され、それによって血管を囲む神経束に圧迫力を加える。いくつかの実施形態では、流体は空気である。いくつかの実施形態では、流体は、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノンを含むがこれらに限定されない任意の希ガス(例えば、重ガス)である。いくつかの実施形態では、流体は窒素ガスである。いくつかの実施形態では、流体は、所望の圧迫力を加えるために注入可能な任意の流体である。いくつかの実施形態では、流体は、標的部位(例えば、神経圧迫が望まれる場所)に実質的に近接した血管を通って経管的に挿入されたカテーテルによって注入される。いくつかの実施形態では、流体は、皮膚および周囲の組織を通って標的部位に経皮的に挿入された針またはトロカールによって注入される。流体注入の任意の方法を使用して、標的神経(例えば肝神経叢の神経)に印加される圧迫力を生成するために必要な量の流体を標的部位に送達することができる。
いくつかの実施形態では、標的血管が完全に切断され、それによって血管壁および外膜組織の周囲の神経の完全かつすべての物理的妨害を引き起こす。次いで、標的血管を再吻合し、それにより血管を通して継続的な灌流を可能にすることができる。神経組織は再接続しないか、またはそうするためにかなりの時間がかかる。したがって、切断された血管を取り囲むすべての神経伝達は、一時的にまたは永続的に妨害されることが可能となる。いくつかの実施形態では、切断装置は、標的血管に到達するまで、被験体の脈管構造を通ってカテーテル内を進められる。次いで、切断装置を標的血管の軸に沿ってねじって、内側から標的血管を切断することができる。いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルなどの拡張可能要素を血管に挿入して血管壁を圧迫し、切断を可能にするように制御された血管の厚さを提供する。次いで、回転カッターを、拡張可能な要素の周りで円周方向に前進させて、血管および血管の外膜内に配置された神経の切断を行うことができる。一実施形態では、開腹手術中に標的血管を切断する。
血管の再吻合は、レーザ、RF、マイクロ波、直接熱、または超音波血管シーリングを含むいくつかの方法のいずれかを用いて達成することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能要素によって提供される機械的圧力下で血管の吻合を行うために拡張可能要素を介して熱エネルギーを送達することができる。圧力、時間、および温度の組み合わせ(一実施形態では、60℃、5秒、および120psi)は、肝動脈などの血管を密封する有効な手段となることができる。
(B.エネルギーベースの神経調節)
(1.高周波)
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、ジェネレータ(例えば、パルス発生装置または発電機)に結合されたアブレーション装置を備える。例えば、アブレーション装置は、アブレーションカテーテルとすることができる。アブレーションカテーテルは、近位端部分および遠位端部分を有することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルの遠位端部分は、1以上の電極(例えば、1つの電極、2つの電極、3つの電極、4つの電極、5つの電極、6つの電極、6つを超える電極)を備える。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルは、2つの電極のみからなる。他の実施形態では、アブレーションカテーテルは、4つの電極のみからなる。1以上の電極は、アブレーションカテーテルの外面上に配置することができ、またはアブレーションカテーテルの遠位端部分から外へ延びることができる。いくつかの実施形態では、電極は単極電極を含む。いくつかの実施形態では、電極は、双極電極対を形成するために協働する1以上の活性電極と1以上のリターン電極とを含む。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルの遠位端部分は、少なくとも1つの双極電極対と少なくとも1つの単極電極とを含む。1以上の導電性ワイヤ(例えば、熱電対ワイヤ)は、アブレーションカテーテルの遠位端に位置する1以上の電極をジェネレータ(例えば、パルス発生装置)に接続することができる。いくつかの実施形態では、複数の電極は、血管(例えば、肝動脈、腎動脈)内または他の体腔内または器官(例えば、膵臓、胃、小腸)内に複数のエネルギー送達位置または点を提供するために、複数のワイヤまたは配備アーム上のアブレーションカテーテルから延びることができる。
いくつかの実施形態では、ジェネレータ(例えば、パルス発生装置)は、アブレーションカテーテルの遠位端部分にまたはその近くに配置された電極に電力を印加するか、または電気的(例えば、高周波(RF))信号またはパルスを送達する。電極は、熱エネルギーによるアブレーションを引き起こすために、肝神経叢内の交感神経線維の方向にRFエネルギーを送達するように配置することができる。いくつかの実施形態では、電極は、アブレーションカテーテルからのRFエネルギーの指向性を促進するために、反射層またはコーティングの上に配置される。様々な実施形態では、電極は湾曲しているか、または平坦である。電極は、乾式電極または湿式電極とすることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、1以上の電極を有する1以上のプローブを含む。例えば、第1のプローブは活性電極を含み、第2のプローブはリターン電極を含むことができる。いくつかの実施形態では、1以上のプローブの遠位端は、フレキシブルである。アブレーションカテーテルは、フレキシブルな遠位端部分を含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルの長さに沿った可撓性または剛性のある可変領域が提供される。様々な実施形態において、第1の可撓性部分は、第1の解剖学的屈曲(例えば、肝動脈分枝部の第1の屈曲部)に一致するように構成された第1の屈曲形状を有するように作動され、第2の可撓性部分は、第2の解剖学的屈曲(例えば、肝動脈分枝部の第2の屈曲部)に一致するように構成された第2の屈曲形状を有するように作動される。
一実施形態では、一対のバイポーラ電極が、肝動脈の内腔に実質的に接する位置に配置され、各個別電極は20度の弧長を有し、電極間の間隔は10度である。一実施形態において、アーク長さおよび電極間隔は、肝動脈内腔の1〜3mm内の領域に熱エネルギーを送達するように構成される。2つの電極の端部は、電流密度を低減するのに十分な半径を有することができる。いくつかの実施形態では、2つの電極は、非導電性材料の薄層でコーティングされ、エネルギーが容量結合を介して標的組織に送達されるように電流密度を低減する。バイポーラ電極のアーク長さおよび間隔は、電極からのエネルギーの送達によって生成されるエネルギー送達領域および熱的損傷の形状を変えるために変更することができる。
いくつかの実施形態では、周辺アクティブ導体または接地導体が電界を成形するために使用される。一実施形態では、接地針が血管周囲に配置されて、脈管周囲空間内の神経に向かってアブレーション電流を方向付ける。同じ効果を達成するための非侵襲的な一実施形態では、高イオン含有物質が門脈に注入される。別の一実施形態では、成形電極が、経頸静脈性肝内門脈体循環短絡術(TIPS)技術で使用されるような経皮技術を使用して門脈内に配置される。一実施形態では、第2の成形電極が、内視鏡的に胆道樹内に配置される。
いくつかの実施形態では、複数の電極は、アブレーションカテーテルの中心軸に対して長手方向に(例えば、アブレーションカテーテルの長さに沿って)離間される。いくつかの実施形態では、複数の電極は、アブレーションカテーテルの遠位端の円周の周りに半径方向に離間される。いくつかの実施形態では、複数の電極は、アブレーションカテーテルの長手方向軸に沿って長手方向に、アブレーションカテーテルの円周の周りに半径方向に互いに離間される。様々な実施形態において、電極は、様々な他のパターン(例えば、スパイラルパターン、市松模様、ジグザグ模様、直線模様、ランダム模様)で配置される。
1以上の電極は、妨害される自律神経に隣接する1以上の標的アブレーション部位で血管(例えば、総肝動脈または固有肝動脈)の内壁(例えば、内膜)と接触するように配置することができ、それによって血管内のエネルギー送達を提供する。いくつかの実施形態では、電極は、膨張可能かつ折り畳み可能な構造(例えば、自己拡張可能または機械的に拡張可能)に結合され、血管内壁との接触を促進する。拡張可能な構造は、コイル、ばね、突起、尖叉、骨格、ワイヤ、ステント、バルーン、ケージ、バスケット等を含むことができる。拡張可能な電極は、カテーテルの遠位端から、またはカテーテルの外周面から配備されることができる。カテーテルはまた、電極または能動冷却要素に隣接する絶縁層を含むことができる。いくつかの実施形態では、冷却要素は必要とされない。いくつかの実施形態では、電極は、血管(例えば、肝動脈)の壁を貫通してエネルギーを血管外に送達して、交感神経線維(例えば、肝神経叢)を妨害するように構成された針電極とすることができる。例えば、カテーテルは、穿刺要素を有する拡張可能な針電極を使用して血管内アプローチから血管外アプローチを使用することができる。電極は、使い捨てまたは再使用可能とすることができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルは、約2〜約5mm2、約5〜約20mm2、約7.5〜約17.5mm2、約10〜約15mm2、それらの重複範囲、約5mm2未満、約20mm2超、4mm2、または約12.5mm2の表面積を有する電極を含む。いくつかの実施形態では、カテーテルは、直接的な血液冷却にのみ依存する。いくつかの実施形態では、電極の表面積は、血栓形成および内皮壁損傷を減少させるために利用可能な冷却の関数である。いくつかの実施形態では、より低い温度の冷却が提供される。いくつかの実施形態では、より大きな表面積が使用され、それによって、約5〜約120mm2、約40〜約110mm2、約50〜約100mm2、約60〜約90mm2、約70〜約80mm2、それらの重複範囲、5mm2未満、または120mm2超の表面積を含む血管周囲空間に送達されるエネルギーの量を増加させる。いくつかの実施形態では、電極は、ステンレス鋼、銅、白金、金、ニッケル、ニッケルメッキ鋼、マグネシウム、または他の適切な導電性材料を含む。いくつかの実施形態では、導電率と温度との間に逆の大きな非線形関係を有する正の温度係数(PTC)複合ポリマーが使用される。いくつかの実施形態では、標的組織に送達されるRFエネルギーの温度を制御するためにPTC電極(例えば、参照により本明細書に援用される米国特許第7、327、951号に記載されるPTC電極)が使用される。例えば、PTC電極は、60℃未満の温度で高い導電率をもたらし、60℃を超える温度では導電率が実質的に低くなり、それによって60℃を超える組織へのエネルギー送達の効果を制限する。
(a.ヒドロゲルコーティング電極カテーテル)
図8は、自己修復アブレーションカテーテル800を示す。自己修復アブレーションカテーテル800は、カテーテル本体805と、針電極810と、血管壁プラグ815とを備える。一実施形態では、針電極810は、カテーテル本体805の遠位端に、またはその近くに配置され、組織を加熱するために使用される(これは、神経アブレーションをもたらす可能性がある)。血管壁プラグ815は、針電極810が血管壁内に押し込まれるか、または血管壁を通って押し込まれるときに、血管壁プラグ815もまた血管壁内に押し込まれるか、または血管壁を通って押し込まれるように、針電極810の周りに配置させることができる。自己修復アブレーションカテーテル800を引っ込めると、針電極810はいくつかの実施形態では完全に後退し、血管壁プラグ815を後に残し、それによって針電極810によって残された穴をふさぐまたは閉塞する。
血管外調節(例えば、アブレーション)をするために使用される実施形態では、血管壁プラグ815は、針電極810上に配置されたヒドロゲルジャケットまたはコーティングを含むことができる。いくつかの実施形態では、血管壁プラグ815は、その遠位端で針電極810に壊れやすい様式で接着または他の方法で付着または固定され、しかも十分に薄くすることができるので、脈管周囲空間内に前進するときに針電極810が円滑に通過するのを防止または阻止しない。いくつかの実施形態では、一度血管壁プラグ815の近位端がガイド内腔から出ると、それを近位側に引っ張ることはできない。したがって、アブレーション完了時に、血管周囲空間からの針電極810の除去は、ヒドロゲルジャケットを血管壁内の針電極810によって形成された穴内に圧迫して配置し、これにより、血管漏出または断裂の可能性を防止または低減するプラグを形成する。いくつかの実施形態では、血管壁プラグ815は、ポリビニルアルコールなどの組織に曝露されたときに膨潤するヒドロゲル、または血栓形成材料(例えば、非標的血管を巻いて取り除くための介入放射線療法中に使用されるもの)から作られる。
図9は、ヒドロゲルコーティング電極カテーテル900の一実施形態を示す。ヒドロゲルコーティング電極カテーテル900は、カテーテル本体905と、アブレーション電極910と、ヒドロゲルコーティング915とを含む。一実施形態では、アブレーション電極910は、カテーテル本体905の遠位端に取り付けられ、ヒドロゲルコーティング915は、電極910を被覆する。
いくつかの実施形態では、ヒドロゲルコーティング915は、予め乾燥されたヒドロゲルである。標的組織に挿入すると、アブレーション電極910上のヒドロゲルコーティング915は、周囲の組織および血液からの水分を吸収する可能性がある。血液から引き込まれる(またはヒドロゲルコーティング915に先験的に含まれる)イオンは、ヒドロゲルコーティング915に導電性を付与し、それによって組織へのエネルギーの送達を可能にすることができる。いくつかの実施形態によれば、ヒドロゲルコーティングされた電極カテーテル900は、ヒドロゲルコーティングが乾燥に抵抗するので、アブレーション中の冷却をより少なくする必要がある。構造要件およびコンポーネントの数を減らすことができるので、より小さなカテーテルサイズも利用することができる。いくつかの実施形態では、電極インピーダンスは、より良好なインピーダンス整合のために、固有の組織インピーダンスを再現する。いくつかの実施形態では、ヒドロゲルコーティング電極の表面における温度測定が可能である。
(b.バルーンカテーテル)
エネルギー送達カテーテルは、神経または他の組織を調節するように構成されたバルーンカテーテルを含むことができる。いくつかの実施形態では、バルーンカテーテルは、カテーテル本体と、遠位バルーンとを備える。カテーテル本体は、生理食塩水または他の流体をバルーン内に連続的に注入するように構成された内腔を含む。遠位バルーンは、遠位バルーンの円周の周りに間隔を置いて配置された1以上のヒドロゲル部分を含む。一実施形態では、生理食塩水が使用される場合、遠位バルーンの表面から気化する水がバルーン内腔からの拡散により補充され、それによって遊離生理食塩水が血管界面に移動するのを防止または抑制し、食塩水注入の望ましくない影響を低減する。
いくつかの実施形態によれば、総肝動脈、固有肝動脈、および胃十二指腸動脈の間の分枝部の分枝は、肝臓および膵臓に供給する交感神経が、これらの動脈の壁に、または壁内に概してしっかりと付着されているので、有利なことには、(例えば、RFエネルギーで)同時にまたは連続的に標的化される。他の動脈または血管の間の分枝部は、同様に(例えば、RFエネルギーで)同時にまたは連続的に標的とすることができる。いくつかの実施形態では、動脈壁に対向するコイル状電極が使用される。
図10Aは、単一アブレーションコイル1000装置の一実施形態を示す。単一アブレーションコイル装置1000は、標的脈管構造内に挿入され、脈管構造内の神経または脈管構造を取り囲む神経をアブレーションするように作動させることができる。血管分枝部をアブレーションするには、単一のアブレーションコイル1000を分枝部の1つの枝(例えば、固有肝動脈の枝)内に挿入し、その枝をアブレーションし、次いで、単一のアブレーションコイル1000を分枝部の他の枝(例えば、胃十二指腸動脈の枝または左または右の肝動脈の枝)に挿入し、その枝をアブレーションする。
図10Bは、分枝したアブレーションコイル装置1050を示す。分枝したアブレーションコイル装置1050は、2つのアブレーションコイル(第1のアブレーションコイル1055および第2のアブレーションコイル1060)を含む。いくつかの実施形態によれば、分枝したアブレーションコイル装置1050は、血管分枝部全体を同時にアブレーションすることができる。動作時には、第1アブレーションコイル1055と第2アブレーションコイル1060を重ね合わせる(実際上は単一の二重ヘリックス(螺旋)コイルを生成する)ことによって、分枝したアブレーションコイル装置1050を標的脈管構造に挿入することができる。標的分枝部に到達すると、第1アブレーションコイル1055および第2アブレーションコイル1060は分離し、第1アブレーションコイル1055を標的分枝部の第1の枝に挿入し、第2アブレーションコイル1060を標的分枝部の第2の枝に挿入する。次いで、標的血管分枝部の枝(および分枝部の枝の血管内またはその周囲の神経)を同時にアブレーションすることができる。
いくつかの実施形態では、コイル状電極(例えば、アブレーションコイル装置1000または分枝したアブレーションコイル装置1050)は、ニチノールまたは任意の他の形状記憶材料などの記憶材料から作成される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、神経アブレーション(一時的または永久的)を引き起こさないように、1以上のコイル状電極によって送達されることができる。いくつかの実施形態では、送達される熱線量は、アブレーションを引き起こすことなく神経を調節する可能性がある。アブレーションコイルは、1以上のカテーテルによって送達されることができる。アブレーションコイルは、標的位置のアブレーション後にアブレーションコイルが除去または再配置できるように、カテーテルに結合可能である。アブレーションコイルの代わりに、バルーン電極または他のアブレーション要素を使用することができる。いくつかの実施形態では、コイル状電極の代わりに、複数の電極を有する単一のバルーンを使用することができる。電極を有するバルーンの一部は、枝の各々に配置されてもよい。他の実施形態では、枝の各々は、閉塞部材で閉塞されることができ、流体を注入してアブレーションのための湿式電極効果を生成することができる。
いくつかの実施形態では、エネルギーは、バイポーラ方式で脈管分枝部にまたがるように配置された2つのアブレーション要素間で送達され、それにより、神経繊維のより高い密度が存在する可能性のある分枝領域内のアブレーション要素間にエネルギー送達および除神経を集中させる。
図11A〜図11Cは、バルーンアブレーションカテーテルの実施形態を示す。図11Aは、単一バルーンアブレーションカテーテル1100の一実施形態を示し、図11Bは、分枝型二重バルーンアブレーションカテーテル1125の一実施形態を示し、図11Cは、分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175の一実施形態を示す。様々な実施形態において、バルーンアブレーションカテーテルは、バイポーラバルーンカテーテルを含む。
図11Aの単一バルーンアブレーションカテーテル1100は、図11Aの実施形態は、少なくとも1つの電極1110(例えば、1つの電極、2つの電極、3つの電極、4つの電極、5〜10の電極、10〜20の電極、または20を超える電極)を有する電極バルーン1105を備える。図11A〜図11Cに示される電極パターンおよび構成は、電極パターンおよび構成の様々な実施形態を示している。しかしながら、他のパターンおよび構成を、要望通りにまたは必要に応じて使用することができる。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極の代わりに高誘電率材料を使用することができる。単一バルーンアブレーションカテーテル1100は、標的脈管構造内に挿入され、次いで膨張され、脈管構造をアブレーションするために使用することができる(それにより脈管周囲空間内などの血管内または血管の周囲の神経をアブレーションする)。血管分枝部をアブレーションするには、単一バルーンアブレーションカテーテル1100を分枝部の1つの枝に挿入し、その枝をアブレーションした後、単一バルーンアブレーションカテーテル1100をその枝から引っ込め、単一バルーンアブレーションカテーテル1100を分枝部の他の枝に挿入し、その枝をアブレーションすることが必要となる可能性がある。
図11Bの分枝された2つのバルーンアブレーションカテーテル1125は、第1の電極バルーン1130と第2の電極バルーン1135を含む。第1の電極バルーン1130は、少なくとも第1の電極1140を含み、第2の電極バルーン1135は、少なくとも第2の電極1145を含む。いくつかの実施形態では、分枝された2つのバルーンアブレーションカテーテル1125は、血管分枝部全体(例えば、全ての枝)を同時にアブレーションすることを可能にする。動作時には、分枝された2つのバルーンアブレーションカテーテル1125は脈管構造内に挿入され、標的分枝部へと前進させられる。標的分枝部に到達すると、左電極バルーン1130および右電極バルーン1135を膨張させ、左電極バルーン1130を標的分枝部の左枝に挿入し、右電極バルーン1135を標的分枝部の右枝に挿入する(またはその逆)。次いで、標的分枝部を同時にアブレーションすることができる。上述したように、第1のバルーンおよび第2のバルーンは、複数の電極を含むことができ、またはいくつかの実施形態では、電極のうちの少なくとも1つは、高誘電率材料で置き換えられる。1以上の電極は、1以上のリード線または熱電対ワイヤを介してジェネレータに個別に接続することができる。1以上の電極対を同時に、選択的および/または順次的に作動させることによって、周囲の組織へのエネルギー送達は、バルーン位置に対して標的解剖学的構造に向かって一意的に導くことができる。例えば、ここで図11Cを参照すると、血管壁内に集中した障害を作るために電極1190Aと電極1190Bとの間にエネルギーを向けることができるか、または血管分枝部でのエネルギー送達を集中させるために電極1190Cと1190Dとの間にエネルギーを向けることができる。
図11Cの分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175は、少なくとも1つのバルーン電極1190を備えた左分枝部1180および右分枝部1185を有する単一バルーンを含む。いくつかの実施形態では、分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175は、各バルーン分枝部に対して少なくとも1つのバルーン電極を含む。電極は、標的分枝部の各枝内に少なくとも1つのバルーン電極の位置決めを促進するために、バルーンに沿って間隔をあけて分布させることができる。分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175は、分枝型二重バルーンアブレーションカテーテル1125と同様に動作する。しかしながら、有利なことには、血管分枝部の股部のより効果的なアブレーションを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175のバルーンは、実質的に標的分枝部の形状であるか、または標的分枝部の形状に適合するように構成される。いくつかの実施形態では、分枝型バルーンアブレーションカテーテル1175は、3以上の枝を有する分枝部(例えば、総肝動脈、固有肝動脈、および胃十二指腸動脈の間の分枝部)を有する血管内で使用されるように構成される。いくつかの実施形態では、血管分枝部の枝の各々を閉塞部材で閉塞することができ、流体を注入して切除のための湿式電極を形成することができる。様々な実施形態において、本明細書に記載の分枝装置は、総肝動脈および胃十二指腸動脈の分枝部で、または固有肝動脈の右肝動脈および左肝動脈への分枝部で、神経を調節するために使用される。
電極バルーンを使用して、標的脈管構造をアブレーション(または他の方法で調節)することができる。いくつかの実施形態では、電極バルーンはカテーテルを介して挿入され、バルーンが実質的に全ての分枝部の内壁と接触するように膨張される。いくつかの実施形態では、電極バルーンは実質的に楕円形である。分枝部の表面全体をアブレーションするために、2段階アプローチを使用することができる。まず、分枝部の1つの枝(例えば、固有肝動脈の岐)内のバルーンを膨張させ、アブレーションに使用することができる。第2に、バルーンを引き込み、次に他の枝(例えば、胃十二指腸動脈の枝または右肝動脈または左肝動脈の枝)に進め、膨張させ、次いでアブレーションするために使用することができる。いくつかの実施形態では、電極バルーンは、電極バルーンと接触している内膜壁全体を同時にアブレーションすることが可能となる十分な密度で外面上にアブレーション電極を含む。いくつかの実施形態では、電極バルーンの表面上のアブレーション電極は、所定のパターンで配置される。いくつかの実施形態では、電極バルーンの表面上のアブレーション電極は、同時に作動される。いくつかの実施形態では、電極バルーンの表面上のアブレーション電極は、個別にアドレス指定可能(例えば、作動可能)であり、それにより、選択領域を要望通りにアブレーションすることができる。いくつかの実施形態では、電極バルーン上の少なくとも1つの電極はアブレーション電極であり、電極バルーン上の少なくとも1つの電極は(例えば、インピーダンス、温度などを検出するために使用される)検出電極である。
いくつかの実施形態では、電極バルーンは、個別に作動可能に構成され、かつ刺激モード、アブレーションモード、および/または検出モードで使用されるように構成された近位電極および遠位電極を含む。近位電極および遠位電極は、2つの異なる枝内に(例えば、近位電極を固有肝動脈内に、遠位電極を胃十二指腸動脈内に)配置することができる。電極バルーンは、総肝動脈内に配置されたガイドカテーテルから配備されることができる。一実施形態では、近位電極は刺激され、遠位電極は検知され、正しい領域(例えば、固有肝動脈に出現するが胃十二指腸動脈にはない神経線維)が特定された場合、近位電極は、アブレーション用に作動させることができる。電極バルーンは、様々な血管部分をマッピングし、選択的にアブレーションするか、または別の方法で治療するために使用することができる。
いくつかの実施形態では、円形電極バルーンを使用して、選択領域のみを選択的にアブレーションすることができる。いくつかの実施形態では、円形電極バルーンは、電極密度、および少なくとも1つのアブレーション電極の存在を含めて、上記とほぼ同じ電極特性を有する。いくつかの実施形態では、円形電極バルーンは、少なくとも1つのセンサ電極または温度測定装置(例えば、熱電対)を含む。
いくつかの実施形態では、誘電体アブレーションバルーンが使用される。誘電体アブレーションバルーンは、本明細書に記載の他の電極バルーン実施形態と同じ形状特性を有することができる。いくつかの実施形態では、誘電体アブレーションバルーンは、その外面に高導電率材料の少なくとも1つのピースを含む。いくつかの実施形態では、誘電体アブレーションバルーンの使用は、本明細書に記載の方法を介して誘電体アブレーションバルーンを標的血管内の所定の位置に前進させ、その外面が標的血管の内膜壁に近接するように誘電体アブレーションバルーンを膨張させることを含む。いくつかの実施形態では、次に、マイクロ波ジェネレータを被験者の体の表面の近くに配置し、マイクロ波をマイクロ波ジェネレータから被験体内の誘電体アブレーションバルーンへと向け、マイクロ波が高導電率材料の少なくとも1つのピースと相互作用して、生成された熱が少なくとも1つの高伝導率材料に近接した領域(例えば、血管壁面)を熱的にアブレーションするように熱を生成する。いくつかの実施形態では、誘電体アブレーションバルーンは、その外面上に複数の(例えば、2つ、3つ、4つ、または4つを超える)高伝導率材料のピースまたは部分を含む。
図12Aは、バルーン1205を含む高周波エネルギー送達装置1200の一実施形態の概略図を示す。バルーン1205は、部分的または実質的に閉塞するように適合され、バルーン1205の外面に沿った1以上の位置に配置された複数の電極1210を含む。バルーン1205は、治療(例えば、切除または除神経)されるべき血管(例えば、総肝動脈)の全長を覆うようなサイズにすることができ、または血管の一部を治療するためにより短くすることができる。一実施形態では、バルーン1205は、直径5mm×長さ20mmであるが、他のバルーンは、血管長さに基づき、要望通りにまたは要求に応じて、直径を3mm〜8mm(例えば、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm)の範囲、長さを10mm〜40mm(例えば、10mm〜20mm、15mm〜25mm、20mm〜30mm、25mm〜35mm、30mm〜40mm)の範囲とすることができる。電極面積は、1mm2〜6mm2(例えば、1mm2〜3mm2、2mm2〜4mm2、3mm2〜6mm2)の範囲とすることができる。電極1210は、単一の電極要素または部材から構成されることができ、または複数の別個の電極要素(例えば、4つの電極のクラスタまたはグループ)のうちの1以上のアレイから構成されることができる。例えば、少なくとも1つの電極要素のアレイは、電極1210を介して送達されるRF電力が実質的に連続的な体積の組織を加熱するように作用するように、熱伝達において組織の領域に近接することができる。電極1210は、直径が0.5mm〜3mm(例えば、0.5mm〜1mm、1mm〜1.5mm、1.5mm〜2mm、2mm〜2.5mm、2.5mm〜3mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の任意の値またはその範囲内の任意の値)とすることができる。少なくとも1つの電極のアレイは、直線状、ジグザグ状、湾曲状、長方形、多角形、または円形とすることができる。他の形状およびパターンも、要望通りにまたは要求に応じて使用することができる。電極アレイのサイズは、その最も狭い態様では、0.1mm〜3mm(例えば、0.1mm〜0.5mm、0.3mm〜1mm、0.5mm〜1.5mm、0.8mm〜2mm、1mm〜3mm、1.5mm〜3mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の任意の値またはその範囲内の任意の値)とすることができ、その最も長い態様では、1mm〜5mm(1mm〜3mm、2mm〜4mm、3mm〜5mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の任意の値またはその範囲内の任意の値)とすることができる。いくつかの実施形態では、電極アレイは、その最も長い態様では10mm〜20mmとすることができる。アレイを含む個々の電極1210は、それらの最も狭い態様では、0.1mm〜2mm(例えば、0.1mm〜0.5mm、0.3mm〜1mm、0.5mm〜1.5mm、0.8mm〜2mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の任意の値またはその範囲内の任意の値)とすることができ、それらの最も長い態様では、0.5mm〜5mm(例えば、0.5mm〜2.5mm、2mm〜4mm、3mm〜5mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲の任意の値またはその範囲内の任意の値)とすることができる。いくつかの実施形態では、電極要素の最も長い態様は、5mm〜20mmとすることができる。いくつかの実施形態では、0.5W〜3W(例えば、0.5W、1W、1.5W、2W、2.5W、3W)のRF電力を、電極を介して供給することができる。
様々な実施形態において、電極またはアレイは、1以上の接続ワイヤ1215と共にバルーン1205に取り付けることができる。接続ワイヤを備えた電極アレイの2つの実施形態が、図12Bおよび図12Cに図示される。様々な実施形態によれば、接続ワイヤ1215は、RF電流を電極1210に供給する。いくつかの実施形態では、接続ワイヤ1215は、温度を測定するための信号を伝送する。いくつかの実施形態では、接続ワイヤ1215は、アブレーションまたは他の治療のためのRF電流と、温度を測定するための信号の両方を伝送する。いくつかの実施形態では、接続ワイヤ1215は、熱電対(例えば、2本巻きの熱電対)を形成する。バルーン1205は、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または6つを超える電極アレイからなることができる。各アレイは、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、または8つを超える電極からなることができる。
いくつかの実施形態では、電極1210は、それらの1以上の接続ワイヤ1215と共に、接着剤(例えば、エポキシ、シアノアクリレート、シリコーン、アクリル、ポリアミド、ポリウレタン、感圧接着剤、およびホットメルト接着剤)でバルーンに取り付けられる。一実施形態では、活性電極領域を除くバルーンおよび電極アセンブリ全体を、コーティング内に封入することができる。別の一実施形態では、コーティングは、バルーンおよび電極アセンブリの部分のみを覆う。図12Bは、バルーン1205に接着されるように適合された接着体1220を含む電極アレイ1202の一実施形態を示す。他の実施形態では、電極は、バルーン1205に直接取り付けることができる。図12Cは、各個別電極の間に接続ワイヤ1215が結合されたジグザグ配置を有する電極アレイを示す。ジグザグ配置は、有利なことには、電極間の間隔を有利に減少させ、全体的にスパイラルパターンを維持しながら電極アレイによって占有される全体のサイズまたはアレイを減少させることができる。いくつかの実施形態では、電極アレイの電極は、フレキシブル基板に固定される。いくつかの実施形態では、電極、接続ワイヤ、およびフレキシブル基板は共に、フレックス回路を含む。図12Dは、バルーン1205の外面の周りにスパイラルパターンに配置された電極1210および接続ワイヤ1215を含む複数の電極アレイ1202を有するバルーンカテーテル1200の一実施形態を示す。接続ワイヤ1215は、RF電力またはエネルギー源(例えば、ジェネレータ)に結合することができる。各電極アレイまたは電極群は、各電極アレイまたは電極群がRF電源によって個々に制御可能なように、個別の接続ワイヤを有することができる。
いくつかの実施形態によれば、バルーン電極カテーテルのバルーンは、並列に接続された複数の電極要素から形成された少なくとも1つの対角線方向または円周方向に方向づけられた電極群を含み、その最も長い態様における電極群のサイズは、組織内の熱伝導または拡散の特性長さ以下である。より大きな損傷は、より多くの電力を必要とするので、電流密度を許容可能なレベル(例えば、>3mm2)内に保つためには、より大きな電極表面積が必要とされる。しかしながら、大きな電極(例えば、最大の態様で、>1.5mm)は、バルーンの可撓性、追跡可能性、および折り畳み性を低下させる。電極の円周方向または斜めの向きは、バルーンの折り畳みをさらに妨害する可能性がある。しかしながら、電極は、折り目の周りに配置されるように配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、図12A〜図12Cに関連して図示および記載されたような狭い間隔で配置された電極アレイは、電極の近く(例えば、近接場)に局所的に不均一な電流密度を作り出し、電流密度は電極からより遠く離れたところ(例えば、非近接場)で均一になる。また、組織内の熱伝導は、近接場内の温度を一様にする傾向がある。電極の間隔が狭く、電極の長さが長すぎない場合、電極表面上の電流密度分布は予測可能であり、単一の温度測定値は、電極全体の温度を表すことができる。例えば、温度はまだ変化する可能性があるが、予測可能なように変化する。いくつかの実施形態によれば、「狭い間隔で配置された」とは、全電極面積がその最長の態様において、6mm以下の領域にあることを意味する。
図12Eは、バルーンカテーテル1200のバルーン1205の一実施形態を示しており、バルーンカテーテル1200は、血管壁の損傷またはダメージを低減させながら、増大した血管周囲の治療を提供するように設計された所望のアブレーションまたは治療パターンを提供するように、互いに180°オフセットされ、バルーン1205の表面に沿って長手方向に離間して配置された4つの個別電極部材を備える。いくつかの実施形態では、電極1205は、円周方向のアスペクト比を示す。いくつかの実施形態では、電極のアレイは、動脈または他の体腔の軸に対して斜めの方向に方向付けられ、それにより、バルーン1205がつぶれて収縮した形態にあるとき、電極1210間の干渉を回避しながら、損傷の円周範囲を広げる。アブレーションされる組織の頻度および程度が大きいほど、神経調節または他の組織調節(例えば、アブレーション、除神経)の程度が増大する。電極アレイの電極に対する円周方位の程度は、電極によって生成される加熱によって生成される損傷の形状によって反映される。互い違いの斜めの損傷は、有利なことには、血管に沿って密に(例えば、2mm〜8mm(例えば、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm)の間隔をおいて)詰めることができ、重複した損傷を伴わずに損傷の周方向範囲を増加させる。
バルーンカテーテル(例えば、バルーンカテーテル1200)の電極は、円形、長方形、または楕円形とすることができる。いくつかの実施形態では、電極はディスク形状であってもよい。一実施形態では、電極は、金、白金、ステンレス鋼、金または白金の層状複合物、金または白金メッキされた卑金属(例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル)を含むが、これらに限定されないリストから選択される金属から構成されることができる。いくつかの実施形態では、接続ワイヤ1215は、電極1210と連続している。他の実施形態では、接続ワイヤ1215は、溶接、はんだ付け、クリンピング、またはかしめなどの手段によって電極1210に取り付けることができる。
いくつかの実施形態では、バルーン材料は、PET、ポリエステル、ポリオレフィン、ナイロン、高デュロメータポリウレタン、およびポリエーテルブロックアミドを含むが、これらに限定されない材料のリストから選択される低コンプライアンス材料である。いくつかの実施形態では、バルーン材料は、低デュロメータポリウレタン、クラトン、ラテックス、シリコーン、および/または熱可塑性エラストマーなどのコンプライアント材料から構成される。
いくつかの実施形態では、肝動脈内の閉塞を含むアブレーション処置に対して、腎動脈などの他の動脈におけるアブレーション処置よりも、より低いパワーおよびより長い持続時間のアブレーションが使用される。このような治療は、(上記のように)肝臓の二重供給源の血液供給のために一意的に可能にすることができる。肝臓血管(例えば、総肝動脈)のバルーンアブレーションは、安全上の理由から(例えば、虚血に起因する潜在的な脳卒中を避けるために)他の部位においては、以前は可能でなかったか、または以前は試みられなかった、かなりの期間の完全閉塞を用いることができる。いくつかの実施形態では、バルーンを膨らませて、約1分〜約10分、約10分〜約20分、約20分〜約60分、約15分〜約45分、約10分〜約40分、約15分、約20分、約25分、約30分、約35分、約40分、約45分、約50分、約55分、約60分の範囲内においてアブレーション用に使用することができる。より長いアブレーション時間は、いくつかの実施形態に従っていくつかの利点を有する可能性がある。第1に、より長い曝露時間は、組織および神経の死は温度と時間の両方の関数であるため、より低い治療温度が使用可能であることを意味する。いくつかの実施形態では、温度は、約30℃〜約80℃、約40℃〜約70℃、または約50℃〜約60℃の範囲内で使用される。一実施形態では、45℃を超えて60℃未満の温度が使用される。
いくつかの実施形態では、RFエネルギーおよび熱加熱を(標的神経が位置する)外膜または血管周囲空間のレベルに集中させながら、低温冷却剤をバルーン空洞に注入する(それによって内膜を冷えたままにする)ことによって、血管(例えば、動脈)の内腔は、同時に保護される。第2に、バルーン閉塞は、バルーンの外側に配置された電極と動脈壁との間の接触および接触圧の改善を促進することができる。第3に、バルーン閉塞は、血管壁の組織を圧迫し、それによって電極から標的神経までの距離を減少させ、標的神経への熱エネルギー送達の効率を改善することができる。第4に、閉塞装置は、確実かつ正確に位置決めされ(かつ一旦適所となったその位置を維持す)るため、バルーンカテーテルを使用することにより、コントラスト/造影剤の必要性をより低くすることができ、装置および治療配置の信頼できるマーカーとして役立つ。さらに、バルーンが血管壁に係合するとき、(エネルギーは血液に直接接触することなく電極から血管壁に直接伝達されるので)血液の加熱は完全に回避され、それによって蒸気の泡の形成または血栓症(例えば、凝塊形成)のリスクが低減される。
バルーンカテーテルの一実施形態を図13Aおよび図13Bに示す。バルーンカテーテルは、有利なことには、血液と接触する電極を有することなく、または必要とすることなく、1以上の電極を冷却するための流れを提供するように構成することができる。いくつかの実施形態では、バルーンは、図13Aおよび図13Bに示されるようなc形のバルーンであり、バルーン周囲の実質的な部分の周りに膨張可能領域1302と、膨張時にバルーンが実質的に円形の形状を維持するために、バルーンの全円周の1/18未満(あるいは、代替的に、1/10未満、1/12未満、1/14未満、1/16未満、1/20未満、1/22未満、1/24未満、1/25未満)を含む非膨張可能領域1304(例えば、ウェブ領域)とを有する。複数の電極は、RFエネルギーを肝動脈または他の標的血管または組織に送達するように構成された非膨張可能ウェブ領域上にバルーンの長手軸に沿って配置することができる。図13に示される設計のc形バルーンは、膨張時に内腔を画定し、それを通る血液の流れを可能にする。一実施形態では、ウェブ領域の薄い膜は、印加されたRFエネルギーが標的組織(したがって、肝動脈または他の標的血管または組織を取り囲む神経)に実質的に送達され、血液に失われないことを保証するために、電気的分離を提供する。一実施形態では、図13Aおよび図13Bに示されるバルーン設計は、ウェブ領域の薄い膜によって提供される限定された断熱手段によって血液が電極を冷却する能力を有利に提供し、それによって標的組織に送達可能な有効電力を増加させる。
図14は、図13Aおよび図13Bのc形バルーン電極の設計が、どのようにして介入カテーテルに取り付けることができるかを示す。一実施形態では、c形バルーンの膨張可能領域1402は、介入カテーテルのシャフトに向かって近位側に配置可能な膨張マニホルド1403と流体連通している。膨張マニホルド1403は、カテーテルに取り付けるように構成されたフランジ1406で終端を迎える内腔1404を画定することができる。膨張マニホルド1403のフランジ1406は、適切な接着手段(例えば、UV硬化接着剤、RF溶接、接着剤、熱シール)を使用して、カテーテルの一部または実質的全長に沿って配置された側出内腔に接着することができ、それによってカテーテル内腔とc形バルーン1401の膨張可能領域との間の流体連通を可能にする。c形バルーン1401をカテーテルに構造的に取り付けるために、複数の支柱を設けることができる。一実施形態では、支柱は、ニチノールなどの弾性材料で形成され、バルーンを円筒形に拡張する傾向のある位置に向かって偏っている。支柱は、任意の適切な手段を使用して、カテーテルおよびc形バルーンに接合することができる。一実施形態では、支柱は、カテーテル内にオーバーモールドされ、バルーン1401に接着される。
c型バルーンおよび電極を製造するための例示的な方法が、図15A〜図15Cで強調表示されている。バルーンは、平らなまたは実質的に平らな原材料の2つのピース(例えば、厚さ約0.003インチのポリウレタンシート)を使用して製造することができる。2つの層は、図示された領域内で適切な技術(例えば、RF溶接、接着剤、熱シールなど)を使用して接着して、その後、円筒形に巻いてシールして非膨張可能なウェブ領域を形成することができる。一実施形態では、ウェブ領域1504は、フレキシブル電子機器製造技術(例えば、「フレクストロニクス(Flextronics)」)を使用して形成され、電極は、2つの誘電体層(例えば、ポリイミド)の間にラミネート加工される。その後、フレクストロニクスストリップが薄膜バルーン構造の各端部に接着され、円筒状のc型バルーンを形成することができる。
図16Aおよび図16Bは、RFエネルギーを送達するように構成されたバルーンカテーテル1600の一実施形態を示す。一実施形態では、カテーテルは、近位端部で(例えば、カテーテルの遠位端でバルーン内に0〜600mmHgを生成可能な)圧力源と連通する部分または実質的に全長に沿って配置された内腔1610を有するポリマーシャフト1605から構成される。一実施形態では、内腔1610は、シャフト1605の遠位先端近くのシャフト1605の横断面を通って出る。図示されるように、バルーン1615は、内腔出口およびシャフトの一部の周りに配置される。様々な実施形態において、バルーン1615は、シャフト1605の円周の実質的な部分(例えば、30%超、40%超、50%超、60%超、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%)である。
一実施形態では、バルーン1615は、電極または他のエネルギー送達部材によって覆われていないシャフト1605の全周の周りに配置される。一実施形態では、バルーン1615は、1mm〜8mm(例えば、1mm〜5mm、1mm〜4mm、2mm〜5mm、3mm〜8mm、1mm〜6mm、4mm〜8mm、またはそれらの重複範囲)の直径まで拡張可能であり、シャフト1605の遠位部分に沿って約5mm〜30mm(例えば、5mm〜20mm、5mm〜15mm、10mm〜20mm、10mm〜30mm、5mm〜25mm、15mm〜25mm、20mm〜30mm、またはそれらの重複範囲)の長さ配置される。一実施形態では、バルーン1615と実質的に対向して、電極(例えば、半円筒形電極)または他のエネルギー送達部材1620が、シャフトに結合されるか、または別の方法で固定され、内腔を通って、またはカテーテル1600の外面に沿った経路でワイヤ(例えば、熱電対ワイヤ)と電気的連通し、ワイヤはRFジェネレータおよび熱電対(例えば、T型熱電対)読み取り回路に接続され、RFエネルギーの送達および電極または組織温度の評価を可能にする。一実施形態では、電極1620は、カテーテル1600の遠位先端の1cm以内に配置される。一実施形態では、電極1620は、有利には、カテーテル表面と同一平面上または実質的に同一平面上にある。
図17Aおよび図17Bは、図13Aおよび図13Bのバルーンカテーテルの別の構成を示す。一実施形態では、エネルギー送達カテーテル1700は、血管内腔の閉塞を可能にし、灌流内腔1710を通る血流の再指向を可能にする灌流バルーン1705を含む。潅流内腔1710は、灌流内腔1710内の露出した電極表面上に血流を誘導する一定直径の流路を提供し、それにより予測可能な冷却効果を可能にする。本明細書で説明されるカテーテルの実施形態は、オーバー・ザ・ワイヤ、迅速交換、または操縦可能なカテーテルアプローチと組み合わせて使用することができる。
カテーテル1700の遠位端において、非外傷性の可撓性先端部1720が、灌流内腔1710の遠位開口部1725上に、またはそれに隣接して組み込まれる。一実施形態では、遠位先端部1720の近位側には、バルーン取り付け領域1730があり、ここで、灌流バルーン1705は、潅流内腔1710に取り付けられる。バルーン取り付け領域1730は、円滑な可撓性移行を提供するように有利に最適化することができる。様々な実施形態において、灌流バルーン1705は、接着剤または熱接合または接着方法および材料によって取り付けられる。バルーン取り付け領域1730は、灌流内腔1710および/またはガイドワイヤ内腔の全部または一部の円周を囲むことができる。バルーン材料は、コンプライアントまたは非コンプライアントタイプとすることができる。バルーン1705は、単一の材料でできていてもよく、または異なる材料または同じ材料の異なる等級の層を組み込んでもよい。同様に、バルーン1705は、ポリマーブレンドから形成することができる。
バルーン1705の形状は、テーパ状または非同心状であってもよい。断面形状は、円形から三日月形までの範囲とすることができる。いくつかの実施形態によれば、バルーン1705は、自然の血管内腔を閉塞し、血管壁との電極接触を維持するように形成され、潅流内腔1710に取り付けられる。拡張状態のバルーンの直径は、約2mm〜約10mm(例えば、2mm〜8mm、3mm〜6mm、4mm〜10mm、およびそれらの重複範囲)の範囲とすることができる。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの電極1715が灌流内腔1710の長さ内に存在する。電極1715は、電極1715の外側が血管壁に接触することができ、内側(例えば、灌流内腔1710内に露出する側)が灌流内腔1710の内径によって形成された内腔と同一平面上にある、または内腔内にあるように配置または位置決めすることができる。1以上の電極1715は、導電性ワイヤを介して外部エネルギー源(例えば、RFジェネレータ)に接続される。電極1715は、個別に制御されてもよいし、共同して制御されて、同じレベルまたは異なるレベルで独立してまたは同時にエネルギーを送達してもよい。
電極位置の近位側には、第2のバルーン取り付け点または領域1735がある。可撓性移行を最適化するために、材料および接合方法を有利に選択することができる。取り付け点または領域1735には、バルーン1705、灌流内腔1710、膨張内腔、ガイドワイヤ内腔、および/または導電性ワイヤが断面的に含まれる。第2のバルーン取り付け点または領域1735の近位側には、潅流内腔出口または開口部(図示せず)がある。灌流内腔1710の長さは、約5mm〜約80mm(例えば、5mm〜40mm、10mm〜50mm、20mm〜60mm、30mm〜80mm、5mm〜20mm、またはそれらの重複範囲)の範囲とすることができる。バルーンの長さは、一般的に、灌流内腔1710の長さよりも短くてもよい。灌流内腔1710は、図90Aおよび図90Bに関連して説明されるように、電極1715と血液の直接接触を避けるために絶縁層によって電極1715から絶縁されてもよい。
灌流内腔近位開口部の近位側またはこれに対応して、カテーテル構造は、バルーン拡張、ガイドワイヤ封じ込め、および/または導電性ワイヤ経路のために1以上の内腔を維持しながら、可撓性、トルク、および押し付け力能力のために最適化することができる。
いくつかの実施形態では、エネルギー源(例えば、RFジェネレータ)への導電性ワイヤ接続、バルーン膨張装置への取り付け、および/またはガイドワイヤ内腔および/または遠位の操縦可能なセグメントを偏向させる機構へのアクセスを可能にするハンドルまたはマニホールド(図示せず)が、シャフト上の近位側に配置される。
迅速交換の一実施形態では、ガイドワイヤポートは、遠位先端部の近位側10〜20cmに配置することができる。一実施形態では、ガイドワイヤポートは、遠位アセンブリに押し付け力を効率的に伝達しながら、耐ねじれ性のある可撓性移行部を維持するように構成される。ガイドワイヤポートの近位側では、シャフトがポリマーで被覆されたハイポチューブから構成され、膨張内腔を含み、導電性ワイヤを保護する。
いくつかの実施形態では、近位灌流内腔開口部の近位側のシャフトは、膨張内腔、シールドされた導電性ワイヤを含む内腔、ガイドワイヤ内腔、引張ワイヤ、および/または前述の内腔を封止または被覆するポリマーを含む。ポリマー包囲体またはシースは、押出成形または堆積成形されたチューブまたは輪郭を減少させるためにリフローされた熱可塑性プラスチックであってもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは操縦可能であり、本開示の他の箇所に記載されているように、遠位アセンブリを偏向させることができる引張ワイヤセンブリを含む。
バルーンアブレーションカテーテルシステムは、肝動脈の枝を取り囲む(例えば、肝動脈の枝の壁内の(例えば、肝動脈の枝の内膜、中膜、または外膜内の))神経を除神経するために有利である可能性があり、肝動脈の枝(例えば、総肝動脈)は、1以上のバルーンによって閉塞され、次いで、冷却剤がアブレーションの領域内に(例えば、バルーンの内腔を通って)循環されることができる。様々な実施形態において、バルーンアブレーションカテーテルは、(例えば、バルーンに含めることができる大きな電極サイズによって可能になる)より大きな電極表面積を介したより高い電力の正味のエネルギーと、(より長期間にわたり肝動脈への流れを閉塞する能力によって可能にすることができる)増加した堆積時間の両方を有利に促進する。いくつかの実施形態では、内皮壁への損傷の危険性は、より高いパワーによってエネルギー密度の増加があっても、冷却剤の流れによって緩和される。従って、肝動脈の内腔から最大1mmまでの温熱温度よりも低い温度に維持されるために肝動脈の内皮領域に損傷を与える危険性がなく、他の血管または器官の除神経に使用される除神経システムよりも高い電力エネルギー送達(例えば、約40〜50%高い電力)を使用することができる。
いくつかの実施形態では、能動的に冷却されたバルーンカテーテルが、標的血管系をアブレーションするために使用される。能動的な冷却を促進するために、冷却要素に高流量の冷却剤を供給するのに十分なポンプを使用することができる。いくつかの実施形態では、適当な流速(例えば、約100〜500mL/分)の冷却剤を4〜6Frバルーンカテーテルに供給して適切な温度を維持するための駆動圧力の範囲は、約25〜約150psiである。流速は、バルーン内部の実際の温度に基づいて調節することができる。いくつかの実施形態では、バルーン内の所望の冷却剤温度は、約5℃〜約10℃である。いくつかの実施形態では、冷却剤温度を絶えず監視するために、バルーン内部に温度測定装置(例えば、熱電対)が含まれる。ポンプ出力は、所望の温度と冷却剤の実際の温度との間の差に基づいて増減されてもよい。
図18は、能動的に冷却されたバルーンカテーテル1800の一実施形態を示す。バルーンカテーテルは、内腔を有するメインシャフト1802と、メインシャフト1802の遠位端に結合され、内腔と流体連通するバルーン1805と、バルーン1805の円周の周りに配置された複数の電極1810と、電極1810に結合され、メインシャフト1802の近位端まで延在する電極リード線1812と、出口管1815とを含む。非導電性冷却剤溶液は、バルーン1805の入口に、ポンプ(図示せず)によってポンピングすることができ、非導電性冷却剤溶液は、出口管1815を通ってバルーン1805を出てもよい。メインシャフト1802は、熱伝達を防止または抑制するための絶縁シースまたはカバー1820を備えることができる。非導電性冷却剤溶液は、有利には、バルーン1805上の電極1810に冷却を提供し、同時に隣接する組織をRFエネルギーから遮蔽することができる。
図19A〜図19Cは、バルーンカテーテル1900の電極1910に冷却を提供するように構成されたバルーンカテーテル1900の別の一実施形態の遠位端部分を示す。図示の実施形態では、バルーンカテーテル1900は、少なくとも1つの入口から少なくとも1つの出口まで冷却剤の(矢印で示される)流れ1914を導く内部ダイアフラム1915を緊張させて引っ張っている冷却剤で満ちているとき拡張するバルーン1912を含むチューブである。電極1910を中心とする円形面は、熱伝導面1920を含むことができ、一方、カテーテル1900の残りは、標的アブレーション領域に移動している間に冷却剤1914の加温を防止または抑制するように構成された断熱材を含むことができる。冷却用バルーン1912に冷却剤が注入されると、バルーン1912が拡張し、それによって電極1910および冷却用バルーン1912は血管壁に押し付けられる。一実施形態では、冷却剤は、標的アブレーション領域で血管壁を冷却し、それにより、過剰な血管壁損傷の可能性を防止または低減する。
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の神経調節カテーテル(例えば、アブレーションカテーテル)の設計は、必要に応じて、内皮損傷を引き起こすことなく、または少なくとも最小にする肝動脈または他の血管の枝を支配する神経の効果的な調節を有利に提供する。例えば、本明細書に記載されるカテーテルは、(例えば、バルーンを使用して)肝動脈を閉塞し、次いで、(例えば、バルーンの内腔内の)アブレーション領域において冷却剤を循環させることができる。いくつかの実施形態では、カテーテルは、(バルーン上で製造可能なより大きな電極サイズによって可能にされることができる)より大きい電極表面積および(長期間にわたって肝動脈への流れを閉塞する能力によって可能になることができる)堆積時間の増加を介して提供される両方のより高い電力の正味のエネルギーの独特の利点を提供する。いくつかの実施形態によれば、高出力によるエネルギー密度の増加は、バルーン内の冷却剤の流れによる内皮壁への損傷のリスクを緩和する。
図20は、例えば、腹腔動脈、総肝動脈、および固有肝動脈内で使用することができる、バルーンベースのボリュームアブレーションシステム2000の一実施形態である。図示された実施形態では、バルーンベースのボリュームアブレーションシステム2000は、複数の閉塞バルーン2025と、複数のバルーンガイドワイヤ2030と、カテーテル2050と、電極2040とを備える。図20はまた、腹部大動脈2005、腹腔動脈2006、総肝動脈2007、脾動脈2008、固有肝動脈2009、右肝動脈2010、および左肝動脈2011を標的治療部位の一例として示している。動作時には、バルーンベースのボリュームアブレーションシステム2000は、腹部大動脈2005を通って腹腔動脈2006内へと標的治療部位まで挿入することができる。個々の閉塞バルーン2025は、その後、後続の血管(例えば、脾動脈2008、右肝動脈2010、および左肝動脈2011)内へと前進することができる。適切な閉塞バルーン2025が、それらがアブレーションされる所望の脈管容積を画定するように配置されると、閉塞バルーン2025が膨張し、それにより、内部に配置されていた血管を閉塞することができる。一実施形態では、標的容積はその後、食塩水で満たされ、電極2040は電気エネルギーを送達して標的容積全体を同時に加熱するように作動される。電極2040は、標的治療部位内の血管の神経のすべてまたは少なくとも一部をアブレーションするのに十分なエネルギーを標的容積に送達するように構成することができる。完了すると、閉塞バルーン2025を収縮させることができ、バルーンベースのボリュームアブレーションシステム2000全体を後退させることができる。
いくつかの実施形態では、腹腔動脈から生じるすべての動脈の一部またはすべての動脈のサブセット(例えば、左胃動脈、脾動脈、右胃動脈、胃十二指腸動脈、および肝動脈)を支配する神経の領域を同時にアブレーションすることは、有利である可能性がある。いくつかの実施形態では、アブレーションは、腹腔動脈または腹部大動脈内のガイドカテーテルから配備されたバルーンカテーテルまたは他の閉塞部材を使用することによって達成され、アブレーションされない血管の部分を遮断または閉塞し(標的容積は、所望の容積の上流および下流でバルーンを膨張させるか、または閉塞部材を配置することにより調節され、それにより離散容積を形成し)、ガイドカテーテルを介して標的容積を生理食塩水で満たし、RF又は他のエネルギーを生理食塩水に印加して、それにより冷却された生理食塩水の循環によって血管の内皮表面を直接冷却しながら、液圧による血管の開存性を維持する方法で、標的容積を取り囲む組織をアブレーションする。いくつかの実施形態では、上述の「生理食塩水電極」システムを使用して、生理食塩水で標的動脈を加圧する。生理食塩水電極システムの動脈壁に対する接触圧は、血管造影での動脈直径の測定、および動脈直径と流体圧力との間の所定の関係を利用することによって、または一実施形態では、生理食塩水電極システムのコンポーネントとして使用することができる1以上の圧力センサを使用することによって、評価することができる。生理食塩水電極システムは、有利には、全方向性のエネルギー送達を促進することができる。
いくつかの実施形態では、高張(例えば、高浸透圧)食塩水が、標的容積のアブレーションに使用される。高張食塩水を使用すると、内皮細胞をイオンで「装填する」ことができ、その導電率を効果的に上昇させる。内皮細胞をイオンで装填することは、以下の効果の1以上を有する可能性がある:内皮ライニング(および浸透勾配に沿って影響を受ける他の細胞(例えば、中膜内の細胞))のイオン摩擦を減少させる;内皮細胞の位置に堆積した熱を減少させる;内皮細胞に対する顕著な熱損傷を防止または抑制する;および電極近くの領域における導電率の増加の結果として電流密度を増加させ、標的神経が配置される可能性のある血管壁内をより深く加熱する効率を有利に増加させることができる。一実施形態では、血管の「装填」は、アブレーションプロファイル形状に対する胆管および/または門脈構造の影響を低減する。
図20に記載された実施形態などの生理食塩水スラグ電極は、一定の注入で冷却流体を循環させて内腔表面の温度を一定に保つように構成することができる。いくつかの実施形態では、供給されるエネルギー量を測定するために、入口クーラント流と出口クーラント流との間の差異を測定することができる。生理食塩水スラグは、当然のこととして任意の形状または大きさの内腔に適合するので、(それぞれのバルーンに取り付けられた電極の層間剥離につながる可能性がある)複数のコンプライアントバルーンの使用は、様々な血管の内腔サイズの変化に合わせる必要はない。いくつかの実施形態によると、本明細書に記載の生理食塩水電極は、装置の設計、機能、またはオペレータの可変性とは無関係に、改善された電極接触を有利に提供する。いくつかの実施形態では、生理食塩水スラグ電極は、インターベンショナル心臓専門医が実際に日常的に使用することに精通しているカテーテル設計(例えば、バルーン)を採用し、一方で、電気生理学者のみが、「点電極」アブレーションカテーテルを用いることにより、快適となり、訓練することができる。
いくつかの実施形態では、食塩水スラグ電極(または金属電極)構成における対流熱伝達係数(h)を正確に制御することによって(例えば、スラグ領域内の流速を正確に制御することによって)、エネルギー送達を中断することができ、スラグ内の点での熱減衰(時定数)を測定することにより、アブレーションの深度を評価することができ、より長い時定数は、一般的に、より大きなアブレーション深度に対応する。
いくつかの実施形態によれば、電極および血管壁の温度は、血管のアブレーション中に注意深く監視および制御される。アブレーションの深度を監視することができる。いくつかの実施形態では、血管攣縮、血栓形成、および狭窄を回避するために、動脈壁の温度が制限または低減される。電極および接触した組織の対流冷却に影響を及ぼす能力は、様々な実施形態において特に有利である可能性がある。電極の温度は、損傷の深さに影響を及ぼす可能性がある。いくつかの実施形態では、電極冷却に影響を及ぼす主な機構は、電極および接触した血管壁を通過する血流からの対流冷却である。腎動脈のアブレーションは、550mL/分の流速を有する。総肝動脈を通る流れは、〜100〜200mL/分(例えば、150mL/分)であり、これは腎動脈の典型的な流速(〜550mL/分)よりもはるかに遅く、ただし、アブレーションは最小限の電極冷却または電極冷却なしで実行された。肝動脈内での低い流速および/または可変の流速のために、電極冷却を増加させることを目的とした方法およびシステムがここに提供される。図21は、総肝動脈内の減少した流速を考慮した血管内アブレーションの課題の例を示す。図21は、電極表面からの距離が増加するにつれてRF加熱の減少のプロットを示す。いくつかの実施形態では、電極表面での加熱の低下は、治療標的(例えば、肝臓の神経、腎臓の神経、または他の末梢神経)での加熱の低下をもたらすことができる全体的なパワーの低下を必要とする。
一実施形態では、治療標的における電極および接触した組織の周りの質量流量は、例えば、図22A〜図22Cに示されるように増加する。例えば、電極の周りの断面積を減少させることによって(例えば、プラグまたは他の妨害または閉塞装置を用いて血管を部分的に閉塞することによって)、図22Bおよび図22Cの横断面に示されるように、平均流速が増加し、ピーク速度流線が電極および接触組織の近くに移動する。図22Aおよび図22Bにおける陰影は、流体の速度を示しており、陰影が濃いほど、流速は速くなる。図示されるように、流れを少なくとも部分的に閉塞することによって、電極に隣接する血流は、妨害されていない流れまたは閉塞されていない流れよりも増加する。図22Cは、血管(例えば、肝動脈)内の妨害または閉塞要素2205の縦断面図を示す。妨害または閉塞要素2205は、電極2215と少なくとも実質的に整列した開口部またはノッチまたは窪み2210を有することができる。整列した開口部2210を有する妨害または閉塞要素2205は、電極2215の下流の流線密度を電極2215の上流よりも密にすることができる。増加した血流は、電極2215の冷却の増加をもたらすことが可能である。
一実施形態では、妨害要素(例えば、バルーン)は、(一実施形態において、電極と組織表面との接触によって規定される表面に垂直な方向で)可能な限り電極に近い反力を印加するのに有効である。一実施形態では、バルーンは電極の正反対に配置される。横隔膜運動のアーチファクトとして動脈内のバルーンの運動を制限するために、バルーンは、バルーンと動脈成分(例えば、内皮組織)との間のより高い摩擦係数を有する材料から構成されてもよい。一実施形態では、バルーンはシリコーンから構成される。
様々な実施形態において、バルーンは、動脈断面積の少なくとも50%を閉塞するように構成される。適切な範囲は、50〜60%、50〜70%、50〜80%、60〜80%、および70〜90%の閉塞、またはその重複範囲を含むことができる。いくつかの実施形態では、閉塞されていない構成と比較して血管内腔が実質的に閉塞されているとき、標的電極温度に達するのに必要な電力はより高くなり、エネルギー供給効率が高まる。
ここで、図23A〜図23Cを参照すると、閉塞または妨害要素の一実施形態は、カテーテルシャフト2310の遠位端および(例えば、電極または他の作動部材を含む)カテーテル全体の遠位点に結合された(例えば、シリコーン、ポリウレタン、または他の適切なコンプライアント材料で作られた)コンプライアントバルーン2305である。一実施形態では、バルーンの円周方向の円弧2315の一部は、バルーンの軸方向長さのかなりの距離に亘るよりコンプライアントではない材料(例えば、PEBAX、ナイロン、PE、ニチノール、ステンレス鋼、または他の適切なよりコンプライアントではない材料)によって拘束される。いくつかの実施形態では、カテーテルの拘束されたセクションまたは部分は、カテーテルシャフト2310の延長部であり、曲げることができるように構成されてもよい。図示された実施形態では、拘束されたセクションは、屈曲を可能にするノッチまたは撓曲様領域2320などの物理的設計要素を組み込んでいる。
図23Bに示されるように、バルーン2305の膨張中、バルーン材料は、拘束されたセクションの近傍を除いてどこでも血管壁に当たるまで均一に拡張する。いくつかの実施形態では、拘束されたセクションが半径方向に移動するが、拘束されたセクションは依然としてコンプライアントなバルーン2305を制限し、それによって拘束されたセクションの円弧2315の両側の血管(例えば、動脈)壁とバルーン2305との間に隙間を作り出す。この隙間の大きさは、(それはコンプライアントバルーンの拡張に関連するので)圧力に依存する。いくつかの実施形態では、隙間のサイズは、(拘束された円弧を有する)コンプライアントバルーンが半コンプライアントなチューブ内で拡張され、断面積が視覚的にまたは流体抵抗の関数として測定される実験によってバルーン圧力の関数として特徴付けられる。
様々な実施形態において、隙間の断面は、有利には、自然の血管断面よりも小さく、それによって、その断面における流体速度を増加させる。いくつかの実施形態では、断面の中点(例えば、最高速度流線の領域)は、拘束された円弧2315のより近くに移動される。
いくつかの実施形態では、バルーン2305が膨張したときに、バルーン2305が曲がっていなければならない(その領域内の材料を引き伸ばすためにより大きな圧力を必要とする)カテーテル材料のストリップの周りを除いて、均一に拡張する。ある範囲の圧力によって、バルーン2305は、電極の周りに隙間を残しながら、対向する血管壁を圧迫するように拡張することができる。様々な実施形態において、この圧力範囲は実験的に定義することができる。
一実施形態では、バルーン2305は、カテーテルの近位端でシリンジによって膨張させられる。医師または他の臨床医は、触覚(および潜在的にシリンジ内の圧力計)を用いてバルーンを自己膨張させ、印加される圧力を調節することができる。一実施形態では、圧力は、バルーンを膨張させる前に、放出バルブまたはシリンジ内に配置された設定容積によって制限される。一実施形態では、バルーンは電極力を印加するための機構となり、この機構は触覚フィードバック(例えば、シリンジ)を有する。全体的な冷却効果を高めるために、バルーンを冷たい流体で満たしてもよい。
様々な実施形態において、電極は、拘束されたセクションに(例えば、オーバーモールドで物理的に、接着剤で化学的に、または他の適切な結合方法で)結合される。電極からのワイヤは、拘束されたセクションの外部、中、または内部に走っていてもよい。一実施形態では、拘束されたセクションは、回路包囲材料内に埋め込まれたワイヤおよび電極を有する薄くフレキシブルな回路で作られる。
様々な実施形態では、容量性結合または抵抗加熱カテーテル装置を使用して熱エネルギーを送達する。一実施形態では、容量結合カテーテル装置は、2つの電極間に絶縁層を有する容量結合構成で配置された双極電極のペアを備えるバルーンを備える。一実施形態では、絶縁層は、2つの電極を被覆する。一実施形態では、バルーンは、実質的に非導電性のバルーン膜によって形成された誘電体層を介して標的組織に容量結合された生理食塩水で満たされた非導電性バルーンを含む。容量結合カテーテル装置は、有利には、標的組織との直接的な電極接触を必要とせず、それによって、他の装置によって要求される電流密度レベルおよびエッジ効果を低減することができる。参照により本明細書に組み込まれる米国特許第5,295,038号に記載されているものと同様の容量性結合装置または方法を使用することができる。リターン電極経路を設けることもできる。
一実施形態では、抵抗加熱エネルギー送達カテーテルは、その上に配置された抵抗加熱要素を有するバルーンカテーテルを含む。例えば、バルーンカテーテルは、バルーンの周りを包むスパイラル抵抗加熱器を含むことができる。血管組織にRF電流を誘導させる代わりに、DC電流またはAC/RF電流を用いてバルーンカテーテル自体に熱を発生させることができ、熱を伝導によって周囲の血管組織(例えば、肝動脈組織)に伝達することができる。
(c.電極の冷却)
いくつかの実施形態によれば、電極の表面積または電極に熱的に近接する領域を増加させることができる。上昇した温度は、ニュートンの法則による対流冷却が表面積に比例するので、電極の長さまたは直径を増加させることによって達成することができる。一実施形態では、電極の表面積を増加させることは、(図24に図示されるように)フィン2405を追加することによって、または電極をカテーテル2410の別のセクションに熱的に接続することによって達成される。様々な実施形態において、カテーテル2410のフィン付き領域は、電極と直接電気的連通するか、または薄い誘電体層によって電極から電気的に絶縁されるかのいずれかとすることができる。いくつかの実施形態によれば、薄い材料を通る熱伝導率は、より厚い材料を通る熱伝導率よりも大きいので、電気的絶縁(例えば、ポリイミドの薄い0.001インチの層)は、フィン付き領域と電極との間の熱伝導を実質的に減少させない。
様々な実施形態では、フィンの代わりに、電極の表面を微細構造化(例えば、ビーズブラスト、微細破砕、またはエッチング)することもできる。いくつかの実施形態では、小さなはんだバンプが電極の表面上に溶接またはリベット留めされる。一実施形態では、金または他の放射線不透過性材料のはんだバンプは、電極の放射線不透過性を高めるのに特に有利である。
一実施形態では、(電極の表面積を増加させるのとは対照的に)血管の内腔の表面積を効果的に増加させることによって電極冷却を増加させ、それによって組織から血液への熱伝達率を増加させる。図25に示される一実施形態では、組織から血液への熱伝達率を高めることは、電極2510を取り囲む組織と接触して熱伝導性パッド2505を配置することによって達成される。例えば、ステントまたはリングは、アブレーションエネルギー投与前に配備することができる。配備可能なステントまたはリングは、アブレーション部位の周囲に熱伝導性構造(例えば、「パッド」)を配置することができる。一実施形態では、パッド2505は、ゼラチン、ヒドロゲル、または他の高熱伝導性材料からなる予め形成された構造である。組織の非標的のアブレーションを防止または抑制するために、電極からパッド2505を電気的に絶縁することが必要な場合がある。電気的絶縁は、電極2510または配置案内機構(例えば、漏斗)の正確な配置によって、電極2510と導電性パッド2505との間に空間を残すことによって達成することができる(それによってパッド2505と電極2510との間の接触を防止または抑制する)。電気的絶縁はまた、電極2510に露出したパッド2505の表面上に電気絶縁体の薄層を配置することによっても達成することができる。電気絶縁層はまた、電極2510とパッド2505との間のカテーテルに取り付けられてもよい。
様々な実施形態によれば、パッドが大きな表面積を有することが有利であろう。図24に図示され記載されるようなフィンは、表面積を増加させ、熱放散を増加させる1つの方法である。
いくつかの実施形態では、低温注入技術(例えば、血管内に直接注入された氷冷生理食塩水)を使用して、または冷却バルーンを使用してアブレーション領域が予冷される。いくつかの実施形態では、滞留時間を増加させ、所望の熱伝達を達成するために、予冷中に血流を制限することもできる。アブレーション領域の予冷は、アブレーションの初期温度を有利に低下させ、より多くの電力を局所的に送達することを可能にし、それにより、より急な温度勾配およびより深くより密な損傷を可能にすることができる。予冷はまた、冷却された領域の導電率を低下させ、局所的に加熱された領域に電力をさらに集中させることができる。一実施形態では、1以上の電極を有するバルーンは、血管または器官内の標的アブレーション部位(例えば、総肝動脈内)に挿入される。冷却剤は、1以上の電極を介してアブレーションを開始する前に、一定期間(例えば、20〜60秒、30〜50秒、20〜40秒、30秒)、バルーンを通って循環させることができる。いくつかの実施形態では、標的アブレーション部位の予冷は、標的アブレーション部位が予冷されなかった場合よりも高いパワーレベルでアブレーションエネルギーの送達を有利に可能にし、より深くより狭い損傷を形成することを可能にする。
一実施形態では、血液と電極および周囲組織との間の温度デルタを増加させることによって熱伝導を増加させるために、血液の温度を低下させることによって電極および/または組織の冷却が増加する。いくつかの実施形態では、電極および/または組織の冷却は、熱電素子をカテーテル上に、電極の近位に配置することによって達成される。ペルチェ効果を利用して、2つの異なる導体の接合部を流れる電流を使用して、接合部から熱を除去(冷却)することができる。カテーテルは、順行様式で肝動脈に挿入されるので、血液はカテーテルに沿って電極(またはアブレーション部位)に向かって流れる。一実施形態では、電極の近位にあるカテーテルの領域はアブレーションの上流にある。(他の部位および血液は、アブレーション部位に達する前にカテーテルに沿って冷却することができる。)一実施形態では、複数の熱電冷却器(例えば、MD03シリーズまたはMDL06シリーズ)は、電極の近位側のカテーテル内に配置され、血液を冷却するために使用される。熱電部位の熱コンダクタンスを増加させると熱電素子の効率が向上するので、熱電素子は、表面積を最大化または増加させ(例えば、フィン)、壁の厚さを最小限にするか、さもなければ減少させ、および/または最大速度の流線近くの位置を最大化または増加させるように配置することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション部位の上流の低温流体注入が熱電素子の代わりに使用されて、アブレーション部位での血液温度を減少させる同じ目標を達成する。
いくつかの実施形態では、生理食塩水超生理学的フローカテーテルを使用して、標的動脈(例えば、総肝動脈)内の流体の流れを増加させる。図26Aおよび図26Bは、生理食塩水超生理学的フローカテーテルの概略的な実施形態を示す。図26Aは、電極−血管接触位置での増加した(例えば、約500mL/分の)順行性流れ制御を提供するように構成された生理食塩水超生理学的フローカテーテルの一実施形態を示す。図26Bは、電極−血管接触位置を過ぎた増加した逆行または逆流を提供するように構成された生理食塩水超生理学的フローカテーテルの一実施形態を示す。一実施形態では、血管の流れは、電極の近位側または遠位側で部分的にまたは完全に止められ、および/またはより低い電力を使用することができる。生理食塩水の流れは、血管内の流れを2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、またはそれよりも多く増加させることができる。一実施形態では、所望の温度が達成可能となるように対流冷却速度のフィードバックを提供するために、カテーテルの遠位先端にフローセンサが配置される。
いくつかの実施形態によれば、血管のより高い流れ領域(例えば、中心)から血管壁(または血管壁と接触する電極)へ高速血液流の方向を変えることにより、アブレーション時に生成される熱の除去が増加する。図27A〜図27Dは、血管の中心から血管壁と接触する電極に向かって高速の血流を方向転換または迂回させるように構成された装置の実施形態を示す。図27Aは、電極2710の上方に配置され、電極2710に向かって流れを方向転換することができる膨張可能な円錐2705の一実施形態を示す。一実施形態では、膨張可能な円錐2705は、別個のカテーテルを通して導入され、位置まで送達される。円錐2705は、円錐2705の周りの血流のための空間を与えるように膨張させることができ、血管の中心に配置され、それによって血管の壁に沿って層流の高速流をもたらし、それによって電極2710および血管内腔を冷却することができる。図27B〜図27Dは、カテーテル2725(例えば、プローブまたはシャフト)の遠位端で電極2710に向かって流れを迂回させるように構成された漏斗2720の一実施形態を示す。図27Dは、図27Cの断面図である。漏斗2720は、電極2710の近くの位置で継手またはヒンジによってカテーテル2725に固定または結合されてもよい(ただし、要望および/または必要に応じて他の結合技術を使用することができる)。漏斗2720は、血管の中心でより高い血流を収集し、流れを電極2710のすぐ向こうに迂回させるように構成することができる。いくつかの実施形態では、漏斗2720は可撓性材料を含む。増加した血流によってもたらされる冷却は、炭化または痙攣を引き起こすことなくより深部の損傷の形成を促進することができ、過剰な表面損傷の可能性を低減することができ、アブレーションをより制御することができる。一実施形態では、フラップは、電極上に流れを捕捉し、流れを迂回させ、冷却を促進し、電極を血管(例えば、動脈)の上流位置に向けることができる。フラップは、流れによって電極を血管壁に対して向けることを可能にし、それによって壁接触を増強または可能にする。一実施形態では、近位カテーテルシャフトは、極度の蛇行を横切ることができるように極めてフレキシブルとすることができる。流れを方向づけられた壁接触は、しっかりとした屈曲部に神経調節(例えば、アブレーション)することが望まれる状況で電極接触を可能にすることができる。一実施形態では、血液捕捉のために「カップ」を作成することができ、それにより、流れを方向づけられた追跡および流れを方向づけられた壁接触を可能にする。
いくつかの実施形態によれば、標的血管(例えば、総肝動脈)につながるもの以外の主血管の枝は、標的血管への血流を増加させるために部分的にまたは完全に閉塞される。例えば、(総肝動脈の起源の上流の腹部大動脈から分枝する)左胃動脈および脾動脈は、総肝動脈を通る血流を増加させるために、総肝動脈の治療中に一時的に閉塞され、それによって電極の冷却を増加させ、痙攣、ノッチング、および炭化の可能性を減少させる。いくつかの実施形態では、分枝血管の部分的または完全な閉塞は、ガイドカテーテルによって提供することができる。ガイドカテーテルは、ガイドカテーテルの挿入および取外し中に引っ込められ、ガイドカテーテルが標的血管に隣接する適切な位置に(例えば、総肝動脈の起点に隣接する腹部大動脈内に)前進する際に配備することができる延長可能かつ調節可能なプレートを追加するように修正することができる。ガイドカテーテルがいったん定位置に置かれると、プレートは配備され配置され、標的動脈の上流の枝動脈への一部または全部の入口を閉塞し、それにより標的動脈への流れを増加させ、次いで電極および動脈壁の冷却を増加させることができる。
いくつかの実施形態によれば、埋め込み電極設計および/またはシールド電極設計は、冷却を防止または抑制するために使用される。図28は、動脈内の血流による冷却から電極を実質的に遮蔽し、それにより電気的開口部を増加させるために電極を埋め込む一例を示す。いくつかの実施形態では、電極は、動脈壁の中膜に対して押されるか、または動脈壁の中膜の中に押し込まれて、内膜と中膜との間に「偽の内腔」を作り、電極を血流から遮蔽することができる。一実施形態では、電極が血管壁と平行または実質的に平行であり、それによって電極が血流による冷却から遮蔽されるように配置される平坦または実質的に平坦な電極を使用することができる。一実施形態では、電極は、血液冷却を防止または抑制するために絶縁体で覆われた半球を有する指状電極を含む。
(d.偏向可能、操縦可能、配備可能、または拡張可能な構造)
肝動脈の解剖学的構造は、一般的に、他の領域の他の血管の解剖学的構造よりも蛇行しており、変化している。蛇行した肝動脈の解剖学的構造内での電極または他のエネルギー送達要素の良好な接触を維持することは困難である可能性があり、神経アブレーションのための既存のカテーテル装置とは異なるカテーテル装置の使用を必要とする可能性がある。図29Aおよび図29Bは、蛇行した肝臓血管の解剖学的構造の動脈の内壁との電極または他のエネルギー送達要素の接触を有利に促進することができる、低プロファイルのアブレーションカテーテル2900の一実施形態を示す。低プロファイルアブレーションカテーテル2900は、内側電極部材2910および外側シース2915を備える。内側電極部材2910は、弾性(例えば、形状記憶)材料と少なくとも1つの電極2920を含む可逆的に偏向可能な、予め成形された円筒形シャフトを含むことができる。一実施形態では、外側シース2915は、内腔を有するガイドカテーテルを含む。内側電極部材2910は、外側シース2915の内腔内に送達され、外側シース2915に対して並進可能となるように構成することができ、内側電極部材2910は、外側シース2915の遠位端から前進する、および遠位端内に後退して戻ることができる。一実施形態では、図29Bに示されるように、内側電極部材2910は、外側シース2915の遠位端から前進したときに、概して偏向された(例えば、軸外の)構成をとる。この拘束されていない状態では、内側電極部材2910の遠位端は、電極の近位部分によって画定される長手軸から逸脱する。内側電極部材2910が外側シース2915内に引っ込められると、図29Aに示されるように、内側電極部材2910は弾性変形して、外側シース2915の内腔の実質的に真っ直ぐな形状によって画定される実質的に真っ直ぐな形状をとる。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910が外側シース2915の遠位端から前進するとき、内側電極部材2910の遠位端部分は、偏向して血管壁(例えば、動脈壁)と接触する。非拘束状態の内側電極部材2910の遠位端の形状は、血管壁と確実に接触するように予め形成されてもよい。
いくつかの実施形態では、外側シース2915は、約4mm未満、約3mm未満、約2mm未満、または約1mm未満の直径を有する。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910は、ニッケルチタン合金材料などの記憶材料で少なくとも部分的に形成されたシャフトを含む。内側電極部材2910は、外側シース2915の外径に実質的に等しい外側断面寸法を有することができるか、または外側シース2915の外径よりも小さいかまたは大きい外側断面寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910が、外側シース2915から、その遠位端部またはその近辺の予め形成された段差2925を超えてスライドされると、遠位端またはその近傍の段差2925は、内側電極部材2910の遠位端の表面を外側シース2915の自然軸から離して配置する。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910の遠位端に近い段差2925は、内側電極部材2910の表面を、外側シース2915の外側表面とほぼ同じ平面と、外側シース2915の中心から外側シース2915の外側表面までの直径の約2倍との間に配置する。いくつかの実施形態では、外側シース2915は偏向可能である。
いくつかの実施形態では、遠位端近くの段差2925で生成された軸外偏向の大きさは、様々な解剖学的要件に調整される(例えば、より大きい血管に対しては遠位端付近のより大きな段差、より小さな血管に対しては遠位端付近のより小さな段差)。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910は交換可能であり、異なるサイズのパラメータを有する異なる内側電極部材と置き換えることができる。異なるサイズの内側電極部材または異なる予め形成された形状を有する電極部材がキット内に提供されることができ、患者の解剖学的構造を(例えば、CT、蛍光透視法、または超音波画像法によって)評価した後に、適切な内側電極部材を選択することができる。いくつかの実施形態では、内側電極部材2910は、カテーテル本体内で回転する。
いくつかの実施形態では、内側電極部材2910の少なくとも1つの電極2920は、1以上の単極、双極、または多極電極を備える(追加の予め成形された電極の追加は、双極および多極RFエネルギー送達を可能にする)。任意の所望の特性を有するカテーテルを形成するために、電極の任意の組み合わせを内側電極部材2910の設計に組み込むことができる。
いくつかの実施形態では、内側電極部材2910のシャフトは、内側電極部材2910の部分から離れた熱伝達を防止または抑制する、またはその部分を電気的に絶縁するための絶縁部材を含む。いくつかの実施形態では、絶縁部材は、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエチレン、または任意の他の高誘電材料からなるチューブ、コーティング、または熱収縮である。絶縁部材は、内側電極部材2910の遠位端部分の一部を露出させるための1以上の開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、絶縁部材は、所望の幾何学的形状で絶縁部材を選択的に除去することによって、特定の電極の幾何学的形状を画定するために使用される。他の実施形態では、内側電極部材2910は、内部に配置された1以上の電極リード線を有する形状記憶ポリマーまたは形状偏向ポリマーを含む。一実施形態では、低プロファイルアブレーションカテーテル2900は、形状記憶電極の背(脊柱)と共押出されたカテーテルを備え、押出されたカテーテルは電気的絶縁を提供する。一実施形態では、少なくとも1つの電極2920は球状電極を含む。一実施形態では、内側電極シャフトの遠位端は一連の電極を含む。
いくつかの実施形態では、低プロファイルアブレーションカテーテル2900は、アブレーションカテーテルの遠位端付近の側部に半径方向の窓またはスロットを含む。一実施形態では、内側電極部材2910の遠位端は、半径方向の窓またはスロットから配備されるように構成される。一実施形態では、アブレーションカテーテル2900の内腔は、半径方向の窓またはスロットに至るランプを備え、内側電極部材の遠位端を半径方向の窓またはスロットから外へ導く。
いくつかの実施形態によれば、低プロファイルアブレーションカテーテル2900は、低プロファイル(例えば、小さな外側断面寸法)を備え、電極の偏向ならびに電極自体を作動させるために同じ機構を使用する装置を有利に提供し、それにより別個のコンポーネントの数が減少する。低プロファイルアブレーションカテーテル2900の内側電極2910はまた、有利なことには、少なくとも部分的に配備され、カテーテル挿入中に血管の枝を「引っ掛ける」か、または蛇行した血管をナビゲートするための多様な先端湾曲オプションを提供することによって、ナビゲーションを促進することができる。いくつかの実施形態によれば、低プロファイルアブレーションカテーテル2900は、有利なことには、血管壁との固体接触および連続接触を有利に促進し、それによって、所望の電極先端温度を維持するために実質的に一定の電圧を可能にする。
図29C〜図29Kは、呼吸または血流による運動にもかかわらず、エネルギー送達部材(例えば、電極)の血管壁(例えば、総肝動脈の壁)に対する接触を維持しやすくするように構成されたエネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。
図29C−1および図29C−2は、拡張時に血管壁と接触するように拡張するように構成された1以上の拡張可能な血管内構造2902を有するシャフト2901を含むアブレーションカテーテルシステム2900Cの一実施形態を示す。アブレーションカテーテルシステム2900Cは、有利なことには、電極先端のカテーテルを含む実施形態の血管の心出しを提供するために使用することができる。いくつかの実施形態では、拡張可能な構造2902は、所望の治療部位への制御された垂直提示のために電極2904を支持しながら、血流に対する最小の制限を可能にする。拡張可能な血管内構造2902は、可撓性、耐久性、および/または可撓性弾性材料(例えば、ニチノール、インコネル、または他の形状記憶材料)から構築された複数のローブまたは尖叉で形成された骨格、フレーム、ケージ、またはバスケットを備えることができる。一実施形態では、未拡張状態から拡張状態への構造体2902の拡張は、引張ワイヤを引っ込めることによる圧縮または短縮を伴う。図示された実施形態に示されるように、シャフト2901は、2つの拡張可能な血管内構造2902を含むことができる。電極先端カテーテルは、シャフト2901の内腔を通り、シャフト2901のポートまたは側部開口部2903から外に前進する電極先端2904を有する円筒形のプローブまたはチューブを含むことができる。一実施形態では、電極先端2904は、電極先端2904が血管壁に接触するまでシャフト2901の長手軸に対して90度の角度でシャフト2901のポートまたは側部開口部2903から電極先端2904を押し出す拡張可能な血管内構造2902の間に(例えば、その間の中点に)位置する偏向ランプに達するまで、シャフト2901の内腔を通って前進する。
図29Dは、デュアル内腔カテーテル2911を含むアブレーションカテーテルシステム2900Dの一実施形態を示す。デュアル内腔カテーテル2911の遠位端は、拡張可能構造2912および電極2916を備える。図示の実施形態では、拡張可能構造2912は、内腔のうちの1つの近位端から遠位端の拡張可能な構造2912まで延びる引張ワイヤ2914によって機械的に拡張される。拡張可能構造2912は、有利には、骨格またはバスケットが拡張状態にある間に自由で制限されていない血液の流れを促進する開口パターンを有する骨格またはバスケットを含むことができる。拡張可能構造2912は、呼吸または血液による運動(例えば、ピストン状の軸方向の動き)の影響を受けることなく(例えば、損傷を作成する目的で)異なる直径を有する多くの標的血管のいずれかの中に構造2912を配備して固定することができる形態を有することができ、それによりエネルギー送達の間、一貫した集中した電極壁接触を提供する。使用方法の例示的な実施形態として、オペレータは、デュアル内腔カテーテル2911を標的血管内に配置し、標的血管内の標的部位に前進させ、機械的引張ワイヤ2914を用いて拡張可能構造2912を配備することができる。エネルギーは、電極2916を介して送達させることができる。エネルギーサイクルが完了すると、拡張可能構造2912は引っ込められ、カテーテル2911が引き抜かれ、または異なる標的部位に移動することができる。いくつかのアブレーションの実施形態では、損傷生成の改善された精度および軸方向損傷の拡張の最小化は、損傷の重複の可能性を低減し、血管の安全性プロファイルを改善する。
図29Eは、血管壁に対する電極の維持された接触を促進するために血管を通る血流のエネルギーを利用するように構成された高周波エネルギー送達カテーテル2900Eの一実施形態を示す。カテーテル2900Eは、偏向可能なシャフトセグメント2921と、引張ワイヤ2924と、遠位先端電極2926と、弾性膜2927と、弾性膜2927を拡張するように構成された押し込みワイヤ2928とを備える。偏向可能なシャフトセグメント2921の作動は、引張ワイヤ2924を引っ張ると起きるので、同じ動作は押し込みワイヤ2928を押し、それによって弾性膜2927は拡張する。弾性膜2927は、偏向可能なシャフトセグメント2921の一部分(例えば、シャフト周囲の180度)の周りに延在し、電極の接触力と安定性を向上させるために血流によってもたらされる力を利用する「帆」を形成する。カテーテル2900Eの設計は、作動構造を排除することによってシャフトのプロファイルを最小にするか、さもなければ減少させることができる。いくつかの実施形態では、押し込みワイヤ2928および引張ワイヤ2924は、独立して作動される。
いくつかの実施形態によれば、エネルギー送達装置(例えば、カテーテル)は、形状記憶材料で構築された遠位部分と、ガイドワイヤを受けるように構成された内腔とを含む。形状記憶材料は、エネルギー送達装置の遠位部分に配置された電極を標的血管の内壁に接触させるように、熱設定または形状設定可能である。ガイドワイヤは、遠位部分が標的血管内の所望の位置に配置されるまで、エネルギー送達装置の遠位部分を直線的または実質的に直線的な位置に保持することができる。ガイドワイヤがエネルギー送達装置の内腔から引き抜かれると、形状記憶遠位部分は、エネルギー送達装置の電極を標的血管の内壁に接触させるように、熱設定または形状設定形態に変形する。いくつかの実施形態では、エネルギー送達装置(例えば、カテーテル)は、シースまたは導入カテーテルから前進させられたときに予め形成された形態に移行するように構成された1以上の予め形成された形態部分と、ガイドワイヤの除去または引き抜き時に予め形成された形態に移行するように構成された1以上の予め形成された形態部分とを有することができる。
図29Fは、先端電極2936およびガイドワイヤ2938を有する装置(例えば、カテーテル)2931を含むRFエネルギー送達システム2900Fの一実施形態を示す。カテーテル2931の遠位部分は、製造中に形状設定され、予め形成されたピグテール(例えば、スパイラル又はコークスクリュー)形状を有する。カテーテル2931の遠位部分は、ガイドワイヤ上の目標位置に前進されるとき、直線状または実質的に直線状のままである。ガイドワイヤが後退すると、カテーテル2931の遠位部分は、予め形成されたピグテール形状をとり、それによって電極先端2936を含む血管壁の長さおよび周囲に沿った複数の位置でカテーテル2931の遠位部分の接触を引き起こす。ガイドワイヤの再挿入は、カテーテル2931の遠位部分をまっすぐにし、カテーテル2931の取り外しを促進する。
図29G−1および図29G−2は、神経調節または他の組織調節のためのRFエネルギー送達システム2900Gの別の一実施形態を示す。エネルギー送達システム2900Gは、オーバー・ザ・ワイヤの治療カテーテル2931およびガイドワイヤ2938を含む。図29G−1および図29G−2の治療カテーテル2931は、形状設定部分2932上の2つの電極2936と、ガイドワイヤ2938を受け入れるように寸法決めされ適合された内腔とを備える。形状設定部分2932は、治療カテーテル2931のメインシャフトの近位部分2937および遠位部分2939に結合される。遠位部分2939は、ガイドワイヤ2938上の追跡可能性を促進するために延長部を備えることができる。
図29Fに関連して上述したように、図29G−1および図29G−2のカテーテル2931の一部は、製造中に形状設定され、予め形成されたピグテール(例えば、スパイラルまたはコークスクリュー)形状を有する。治療用カテーテル2931の形状設定部分2932は、ガイドワイヤ2938上を標的位置に前進するとき、直線状または実質的に直線状の形態を維持する。治療用カテーテルが標的位置に配置されると、ガイドワイヤ2938は、後退されるか、または引き戻されることが可能であり、これは治療用カテーテル2931の形状設定部分2932が(図29G−2の配備形態に示されるように)三次元曲線に「バネ」化することを可能にし、それによって形状設定部分2932の電極2936は、血管壁の長さおよび周囲に沿って複数の離間した位置で血管壁に接触する。ガイドワイヤ2938の再挿入は、形状設定部分2932をまっすぐにし、治療用カテーテル2931の除去を促進する。三次元曲線は、図示のようにスパイラル形状にすることができる。スパイラルは、様々なピッチおよび/または直径を有してもよく、または均一な直径およびピッチのヘリカルであってもよい。形状設定部分2932は、(例えば、金属または金属合金(例えば、ニチノール)でできた)形状弾性部材を組み込むことによって形成されてもよく、または熱成形技術を用いて熱可塑性材料で形成されてもよい。形状設定部分2932は、熱硬化または予め応力をかける方法または技術によって形成してもよい。
形状設定部分2932は、2以上の電極(例えば、2つ、3つ、4つ、4つを超える)を備えることができる。2つの電極が含まれる場合、電極2936は、図29G−2に示されるように、形状設定部分2932上の周方向角度分離の約180度に配置することができる。180度のオフセットは、電極2936を長手方向に離間して配置するが、治療血管内に配備したときに対向する側に配置する。電極2936は、要望通りにおよび/または必要に応じて、形状設定部分に沿って任意の方法で配置することができる。様々な実施形態では、電極2936の配置および三次元曲線の形状は、図29G−2に示されるように、第1の電極は、(例えば、第1の電極の最も長い面によって決定される)軸方向または長手方向の姿勢で血管壁に接触し、第2の電極は、(血管またはカテーテルシャフトの長手軸に対して垂直にオフセットされた)傾斜した姿勢で血管壁に接触するように構成される。例えば、第1の電極および第2の電極は、90度または実質的に互いに垂直に差異的に配向させることができる。一実施形態では、三次元曲線は非ヘリカルである。非ヘリカルの湾曲または形状設定部分2932は、図29G−2に示されるように、カテーテルシャフトの近位部分に接続された近位長手方向部分から近位傾斜部分に、中央の長手方向部分に、遠位傾斜部分に、次いで、カテーテルシャフトの遠位部分に接続された遠位長手方向部分に戻って移行するように構成することができる。図示された実施形態では、第1の電極は中心長手方向部分上に配置され、第2の電極は遠位傾斜部分上に配置される。長手方向部分と傾斜部分の接触部分は、互いに180度オフセットされて構成されていてもよい。いくつかの実施形態では、第2の電極は、近位傾斜部分上に配置されてもよく、または電極は、近位傾斜部分および遠位傾斜部分のそれぞれに配置されてもよく、斜め方向の電極のそれぞれは、軸方向電極から180度オフセットされている。いくつかの実施形態では、電極は、近位および遠位長手方向部分の一方または両方に、または近位および遠位長手方向部分に隣接するカテーテルシャフト上に、中央の長手方向部分に加えてまたは代わりに配置することができる。電極2936は、軸方向に2mm、3mm、4mm、5mm、6mm離間するように構成することができる。
図29Hは、カテーテルシャフト2931の長さの一部に沿ってヘリカル(螺旋)形態を形成するように適合されたカテーテルシャフト2931の一実施形態を示す。カテーテルシャフト2931は、ヘリカル部に沿って離間した位置に配置された2つの電極2936を含み、軸方向および円周方向に離間した位置(例えば、180度離れた位置)で血管壁に接触する。いくつかの実施形態では、1以上の電極が、シャフトの偏向可能部分の近位および/または遠位側のシャフトの偏向不可能な(例えば、非ヘリカル)部分に配置される。一実施形態では、カテーテルシャフトは、偏向可能な(例えば、形状記憶、引張ワイヤを介して操縦可能な)部分上の単一の電極と、シャフトのメインの偏向不可能な部分上の1以上の電極とからなる。
図29Iは、カテーテルシャフトのフレキシブルで偏向可能部分の上に2つの電極部材2936を含むカテーテルシャフトの一実施形態を示す。カテーテルシャフトはまた、偏向不可能なメインシャフト部分に沿った位置に配置された1以上の電極を含むことができる。いくつかの実施形態では、同一平面上の接触は、カテーテルシャフトの可撓性および/または材料の可変性のために、偏向可能部分上の2つの離間した電極部分によって達成することができる。偏向可能部分は、様々な程度の可撓性を有するサブ部分または長さを含むことができる。例えば、電極2936の(近位および遠位の)すぐ近くのサブ部分2933は、サブ部分2933から偏向不可能なメインシャフト部分まで延びるサブ部分2934よりもフレキシブルな部分を含むことができる。偏向可能部分の様々なサブ部分は、電極2936を直線状、同一平面上、または実質的に直線状または同一平面状に血管壁に接触させるように特別に適合され、設計されることができる。
いくつかの実施形態では、偏向可能部分の近位および/または遠位側のメインシャフト部分に沿って1以上の追加電極を配置することができる。電極2936は、円筒形または非円筒形の電極(例えば、溝付き、C形、D形電極)を含むことができる。偏向可能部分は、形状記憶材料(熱設定可能な熱可塑性物質または形状記憶金属または金属合金)を含むことができるか、または1以上の引張ワイヤまたは他の作動部材によって制御することができる。
図29J−1および図29J−2は、自己配備治療用カテーテル2931の別の一実施形態を示す。図29G−1および図29G−2の実施形態を参照すると、治療用カテーテル2931は、内部ガイドワイヤ2938の後退時に三次元形状構成に移行するように構成された形状設定部分2932を含む。しかしながら、この実施形態では、近位電極2936Aは、形状設定部分2932上にはなく、メインシャフトの近位部分2937上に配置されている。遠位電極2936Bは、形状設定部分2932が配備形態(図29J−2)にあるとき、遠位電極2936Bが血管の反対側にくるように、形状設定部分2932上に取り付けることができる。形状設定部分2932は、非ヘリカル形状を含むことができる。例えば、一実施形態では、形状設定部分は、カテーテルシャフトの近位部分に接続された近位長手方向部分を含み、これは中央傾斜部分に移行し、その後、遠位長手部分に戻る。長手方向部分と傾斜部分の接触部分は、互いに180度オフセットして構成することができる。図29J−1および図29J−2に示されるように、主カテーテルシャフト上の近位電極2936Aは、(例えば、カテーテルまたは血管の長手軸と平行に)軸方向に方向づけられまたは整列され、遠位電極2936Bは、(例えば、カテーテルまたは血管の長手軸に対して垂直にオフセットされ)斜めに方向づけられまたは整列される。図示のように、近位電極2936Aおよび遠位電極2936Bはまた、円周方向にオフセットした位置(例えば、180°のオフセット)で血管壁に接触するように配置することができる。一実施形態では、電極は、近位電極2936Aの代わりに、またはこれに加えて、カテーテルシャフトの遠位部分2939上に配置することができる。形状設定部分2932は、熱設定または予め応力を掛ける方法または技術によって形成することができる。
いくつかの実施形態によれば、電極は、有利には、低プロファイルカテーテル(例えば、プローブまたはシャフト)の側面に配置することができ、それによって、先端電極ではなく血管と接触する電極のより長いセグメントを提供する。側部配置は、同等のエネルギー送達のためにカテーテルの寸法を低減可能にすることができる。
図29Kは、予め形成された屈曲形状を有し、側面電極2946を含む遠位端部分2941を含むエネルギー送達カテーテル(例えば、シャフトまたはプローブ)2900Kの一実施形態を示す。エネルギー送達カテーテル2900Kは、(1)シースまたはカテーテルから前進されたときに予め形成された屈曲形状に移行するように構成された予め形成された屈曲形状を有するコアワイヤ、または(2)ガイドワイヤの上を前進し、その後、ガイドワイヤの後退時に「配備」されるように構成された予め形成された屈曲形状を有する中空シースを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテル2900Kは、コアワイヤ2944と電極2946と電極リード線2948との間に絶縁層および/または保護層を含む。
図29L−1および図29L−2は、予め形成された屈曲形状を有し、側面電極2956を含む遠位端部分2951を含むエネルギー送達カテーテル(例えば、シャフト、プローブ、またはワイヤ)2900Lの一実施形態を示す。図29L−1は、エネルギー送達カテーテルのセグメント2957が平坦化されていることを示している。側部電極2956は、平坦化セグメント2957の位置において、遠位端部分2951の遠位末端からある距離に配置される。図29L−2は、製造中に熱または形状が設定された先端部分2951の予め形成された屈曲形状を示す。予め形成された屈曲形状は、外側シース(例えば、ガイド拡張カテーテルまたはガイドカテーテル)から前進させられたときに側面電極2956が血管壁と接触することを促進する。
図29M−1〜図29M−4は、予め形成された屈曲形状または構成を有する遠位端部分2962と、側面電極2966と、ガイドワイヤ2963(例えば、0.014インチワイヤ)とを有するカテーテル2961を含むエネルギー送達システム2900Mの実施形態を示す。遠位端部分2962は、ガイドワイヤ2963の上を前進しながら実質的に真っ直ぐな構成を維持し、ガイドワイヤ2963の引き戻し時に「コブラヘッド」構成に移行し、それによって側面電極2966が血管壁に接触する。側面電極2966は、図29M−1および図29M−2の遠位末端に、またはその近くに、図29M−3および29M−4の遠位末端から離間した位置に配置される。ガイドワイヤ2963は、カテーテル2961の取り外しを促進するために遠位端部分2962を真っ直ぐにするように再び前進させることができる。
図29N−1および図29N−2は、低プロファイルカテーテル2971およびガイドワイヤ2973を含むエネルギー送達システム2900Nの実施形態を示す。カテーテル2971は、メインシャフト2972、遠位シャフト先端2974、および電極2976を備える。電極2976の近位端は、メインシャフト2972の遠位部分に結合され、電極2976の遠位端は、遠位シャフト先端2974の近位部分に結合される。カテーテル2971は、ガイドワイヤ2973の上を、標的血管内の標的治療部位まで前進される。次に、ガイドワイヤ2973を引っ込めることができ、電極2976が血管壁に接触する構成に電極2976を移行可能にする。エネルギー送達システム2900Nの実施形態は、有利なことには、電極位置においてより低いプロファイルを提供する。
図29Oは、エネルギー送達カテーテル2900Oの一実施形態の断面図を示す。カテーテル2900Oは、形状記憶構成を有するカテーテル2900Oの少なくとも一部が実質的に真っ直ぐな構成にとどまるように、ガイドワイヤ2983上に送達させることができる。カテーテル2900Oは、ガイドワイヤ2983を受け入れるように構成された中央内腔2984と、カテーテル長さの全部または一部に沿って延びる形状記憶材料(例えば、ニチノール)で形成された編組壁2985と、カテーテル2900Oの外層2988内に埋め込まれた電極2986および温度測定装置2987(例えば、サーミスタ、熱電対)を含むことができる。
図30は、遠位先端電極およびガイドワイヤ形状3000の様々な実施形態を示す。遠位先端電極およびガイドワイヤ形状3000は、「L」字型先端3005、「J」字形先端3010、「羊飼いのつえ」形状の先端3015、「フック」形状の先端3020、「ライン」形状の先端3025、「キー」形状の先端3030、「円」形状の先端3035、「四角フック」形状の先端3040、または「段差」形状のフック3045を含むことができる。(図10Aに示されるような)スパイラル形状の先端もまた、使用することができる。一実施形態では、楕円形状の先端が使用される。楕円状の先端は、「円」形状の先端3035と同様の構成を有することができるが、「円」形状または「楕円」形状の先端部分は、直線部分に対して実質的に垂直に向けられる。図30に示された様々な形状は、有利なことには、低プロファイルアブレーションカテーテル2900または他のカテーテル装置から選択され、それと組み合わせて使用することができ、(例えば、治療される被験体の特定の血管の解剖学的構造または治療される特定の血管に基づいて)電極または他のエネルギー送達要素と蛇行性肝血管構造の動脈の内壁との接触を促進する。図30に示される形状3000のいずれかは、異なるパターンで配置された複数の電極を含むことができる。種々の遠位先端の形状または設計は、キット内に提供され、被験体間の広範囲の肝動脈の解剖学的構造または他の標的の解剖学的構造を治療する能力を高めることができる。
いくつかの実施形態では、遠位先端電極それ自体またはガイドワイヤは、挿入カテーテルから部分的にまたは完全に拡張されて、ナビゲーションを助けることができ、それにより、カテーテル挿入時の血管枝を「引っ掛ける」ための様々な先端湾曲オプションを提供することができる。いくつかの実施形態では、形状記憶電極は、臨床医の使用者によって交換可能とすることができる。例えば、臨床医は、単一の装置構造または構成に拘束されるのではなく、異なる形状の装置のキットから被験体の独自の解剖学的構造に対して最も適切な形状構造を選択することができる。一実施形態では、特定の形状は、標的治療領域の血管造影または他の撮像モダリティに基づいて選択される。種々の形状の先端は、標的血管のおよび/または標的血管を取り囲む血管の解剖学的構造の蛇行性およびばらつきのために、1以上の電極またはエネルギー送達要素が標的血管に接触する能力を最適化するように有利に選択することができる。電極アセンブリはまた、治療中の組織温度およびエネルギー送達の測定を可能にする検知要素(例えば、熱検知要素(例えば、サーミスタまたは熱電対))を含むことができる。検知要素は、神経伝導の消失または遮断の確認および/または血管壁に加えられる接触力および接触力が効果的な神経調節を可能にするのに十分であるか否かに関するフィードバックを提供することができる。
いくつかの実施形態によれば、特定の形状が選択されると、電極の近位端に力(F)が印加され、血管壁に対する接触力F’を調節することができる。いくつかの実施形態では、電極遠位部分の歪みの程度は、血管壁に印加される力に比例する。放射線不透過性マーカーは、内部電極1410の長さに沿って配置され、放射線不透過性マーカーのうちの2つの間に引かれた線の間の相対角度φは、F’=f(φ(F))となるように設計することができる。次いで、臨床医は、電極の近位端の力を調節して、所望の接触力を達成することができる。
いくつかの実施形態では、神経調節カテーテル(例えば、アブレーションカテーテル)内に配置された電磁要素の使用によって、電極接触力および/または電極関節運動が提供される。図31Aおよび図31Bに示されるように、アブレーションカテーテル装置の一実施形態は、少なくとも電極3115と、フレキシブルシャフト3110と、電流を伝え、電極に著しく近接して、印加された磁場に応答して電極の動きをもたらすことができるセグメントとから構成される。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル装置は血管内に配置され、磁場は血管を通して印加される(例えば、患者の外部で印加される)。電流がオンになると、ローレンツ力の法則:F=I×Bに従って電流伝送セグメントに電磁力が印加される。磁場の位置は、力の方向(したがって、血管内で印加される力の位置)が調節可能となるように移動することができる。大きさおよび電流または磁場は、力の大きさを調節するように調節することができる。外積の大きさは、交差するベクトルの方向に依存するので、電流および磁場の方向は、力の大きさを調節するように使用することができる。様々な実施形態では、1以上の電流伝送セグメント、1以上の電極、および/または1以上のフレキシブルカテーテルセグメントを使用可能である。
図32Aおよび図32Bに示される一実施形態では、神経調節装置(例えば、アブレーションカテーテル)は、少なくとも電極3215と、フレキシブルシャフト3210と、磁場(例えば、強磁性材料)を伝えることができ、1以上の印加された磁場に応答して電極の動きをもたらすために電極に著しく近接しているセグメントまたは要素3218とから構成される。アブレーションカテーテル装置は、特定の位置の血管内に配置することができ、その後、磁気セグメントの磁場の印加と共に血管を通して磁場を印加することができ、それにより磁場の反対の極が引き寄せられる。磁場の位置および/又は方向は、力の方向を調節するために移動させることができる。磁場の大きさは、力の大きさを調節するために調節することができる。様々な実施形態において、磁場伝送セグメントの数は変えることができ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い)、および/または電極およびフレキシブルカテーテルセグメントの数は、変えることができる(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い)。いくつかの実施形態では、磁気セグメント3218は、強磁性体および/または電磁石を含む。
図33Aおよび図33Bを参照すると、いくつかの実施形態では、神経調節装置(例えば、アブレーションカテーテル)は、少なくとも電極3315と、フレキシブルシャフト3310と、磁場を伝えることができ、1以上の印加された磁場に応答して電極の動きをもたらすために電極に著しく近接している2つのセグメントまたは要素3318とから構成される。いくつかの実施形態では、2つの磁気セグメントは、反対の極を有する磁場を生成するように構成される。装置は、特定の標的位置の血管内に配置することができる。磁場は、磁気セグメントを介して印加され、2つの磁気セグメントの磁場の反対の磁極が引き寄せられ(例えば、磁場が整列する)、それによりフレキシブルシャフト内に少なくとも1つの曲げモーメントがもたらされる。図33Bに示されるように、カテーテルの遠位部分に複数の屈曲部を生成することができる。磁場の位置および/または方向は、力および/または曲げモーメントの方向を調節するように移動させることができる。磁場の大きさは、力および/または曲げモーメントの大きさを調節するように調節することができる。様々な実施形態において、磁場伝送セグメントの数は変えることができ(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い)、および/または電極およびフレキシブルカテーテルセグメントの数は、変えることができる(例えば、1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い)。いくつかの実施形態では、磁気セグメントは、強磁性体および/または電磁石を含む。
図31〜図33に関連して図示および説明された実施形態は、有利には、アブレーションカテーテル装置の電極に著しく近接しているセグメントに力を直接加えることができ、それにより、アブレーションカテーテル装置が、蛇行した解剖学的構造内に、またはさもなければナビゲートが困難な解剖学的構造内に配置されたとき、電極の制御および電極−血管の力の制御が改善される。
いくつかの実施形態では、標的血管の内径と実質的に一致する外径を有するカテーテルが使用され、それにより、正確な標的指向性のための機械的要件および設置面積の要件が最小限に抑えられる。カテーテルは、標的血管の測定された内径に基づいて様々な外径寸法を有するカテーテルのキットから選択することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルの外径は、処置キット内に設けられたスペーサを使用して変更することができる。カテーテルは、患者の血管系を通って前進することができる(血管系の内径は、標的位置が近づくにつれて減少する可能性がある)。カテーテルが標的血管の位置まで前進すると、カテーテルは、その円周のまわりにおいて実質的に均一な接触圧で血管壁と有利に係合することができる。いくつかの実施形態では、(狭窄の危険性のために)血管の全周にエネルギーを印加することは望ましくないので、選択的な電極配置または電極「窓」を使用する本明細書に開示された設計のいずれかが使用され、血管壁の周りの別個の位置におけるエネルギー送達を可能にする。
図34A〜図34Cを参照すると、RF電極アブレーションカテーテル(例えば、プローブ)3400の実施形態が示されている。RFアブレーションカテーテル3400は、血管壁に接触して標的アブレーション部位へのより集中した、より指向性のエネルギー送達を提供するように構成された先端電極3402を含むことができ、それによって外来組織および周囲の血液の周囲加熱を低減する。図34AのRFアブレーションカテーテル3400は、平板電極を含み、図34BのRFアブレーションカテーテル3400は、半球電極を含む。図34Cを参照すると、RFアブレーションカテーテル3400の最遠位部分3401は、(例えば、RFアブレーションカテーテル3400のメインシャフト3402の1以上の引張ワイヤおよび1以上のフレキシブルな操縦可能なおよび/または形状記憶変形可能な部分を介して)対向する血管壁から一端が飛び出すことによって、先端電極の接触面を血管壁と同一平面上または実質的に同一平面上に配置するように(例えば、最遠位部分3401の長手軸が、血管壁に垂直または実質的に垂直となるように)作動させることができる。
図34Dおよび図34Eは、2つの電極3402を含むRF治療用カテーテル3400’の一実施形態を示す。遠位偏向領域3405が2つの電極3402の間に延び、近位偏向領域3406が近位電極3402Bの近位側に延びる。偏向領域3405、3406は、内部偏向ワイヤ(図示せず)によって作動される関節運動構造から構成することができる。RF治療用カテーテル3400’は、本明細書に記載の技術を利用して、治療血管(例えば、総肝動脈)までナビゲートすることができる。電極3402が所望の治療位置にあるとき、遠位偏向セグメント3405は湾曲した形状に作動され、これは遠位電極3402Aを血管内腔の1つの象限に向かって押圧し、これにより(図34Dに示されるように)近位電極3402Bを血管内腔の反対側の象限(面)に付勢する。可撓性領域3407は、近位偏向領域3406の近位側に延在し、さらに近位側のカテーテルシャフトが、反対側の壁に強制的に並置されるのではなく、血管内腔にほぼ平行に延在することを可能にする。遠位および/または近位電極3402は、電極3402が内腔表面に対して平行に位置していなくても、血管内腔との一貫した均一な接触を維持するために、図示のような丸い表面をさらに含むことができる。長手方向に間隔をおいて直径方向に対向する位置にある両方の電極3402によって、カテーテルの長手方向の操作または回転操作なしで、2つの治療ゾーンを生成することができる。治療用カテーテル3400’の長手方向の操作および再作動により、3以上の治療ゾーンを作り出すことができる。電極3402は、同時にまたは連続的に作動させることができるか、または単一の電極を作動させることができる。いくつかの実施形態では、遠位電極3402Aは、血管壁に斜めまたはほぼ垂直の向きで接触するように構成され、近位電極3402Bは、平行な向きで血管壁に接触するように構成される。
一実施形態では、治療用カテーテル3400’は、「有線(オーバー・ザ・ワイヤ)」設計ではない。この実施形態では、ワイヤ内腔は提供されず、遠位電極は、単に閉じた遠位表面を有することができる。このような非有線の実施形態の送達は、腹腔動脈の小孔に配置されたガイドカテーテルを介して、またはより深く(例えば、総肝動脈の小孔に)配置されたガイドカテーテルを介して行うことができる。あるいはまた、治療用カテーテル3400’を他の血管セグメント内に配置し、任意の適切な血管の小孔にガイドカテーテルを配置することによってカテーテル送達を行うことができる。
図34Dおよび図34Eに示されるRF治療用カテーテル3400’の実施形態はまた、「自己配備」設計とすることができる。例えば、能動的な偏向領域を有する代わりに、このような領域は、予め湾曲させて図34Eに示される所望の形状を達成することができる。RF治療用カテーテル3400”は、ガイドワイヤ3408を受け入れるように構成された内腔を備えることができる。(図34Fに示されるように)内部ガイドワイヤ3408と共に使用される場合、ガイドワイヤ3408が偏向領域の遠位側に前進されたとき、RF治療用カテーテル3400”は、比較的直線的である。ガイドワイヤ3408が引っ込められると、「配備」領域は湾曲した状態に弾性的に自己偏向し、それによって電極3402を離間した対向する構成に配置する。使用中、RF治療用カテーテル3400”は、ガイドワイヤ3408の存在により比較的直線的である。一旦所望の位置に来ると、ガイドワイヤ3408を引っ込めて、RF治療用カテーテル3400”の遠位部分が、作動のために血管内腔に対して電極3402を配置することができる蛇行した形状を呈することができる。ガイドワイヤ3408は、再び前進して、後続の処置のため、またはカテーテル3400”を被験体から引き出すためにカテーテル3400”を再配置することができる。
図35、図36A、図36B、図37A、図37B、図38、図39、図40、図41A、図41B、図41C、図41D、図42A、図42B、図43A、図43B、図44、図45A、図45B、図46A、図46B、図47A、図47B、図53A、図53B、および図54A〜図54Cは、治療標的位置(例えば、肝動脈内)における血管壁との強化されたカテーテル安定化および/または電極接触を提供するように構成された電極カテーテルまたはカテーテルの修正形態の実施形態を示す。図35は、電極3510の反対方向に血管(例えば、動脈)の内壁に固定するように構成された格納式安定化セグメント3505を有する電極カテーテルの一実施形態を示す。摩擦を提供するために、安定化セグメント3505は、滑り止め表面を含むことができる。一実施形態では、安定化セグメント3505は、摩擦がカテーテルを挿入する能力に著しく影響を与えないように、所定の位置に一度だけ突出または配備される。一実施形態では、滑り止め表面は、もはや滑らかではなく、長手方向および横方向の小さいサイズの窪みの配列を有するようにシリコーンの外層を改質することによって達成される。拡張可能な安定化セグメント3505は、その先端が動脈壁に平行に延びるので、大きな表面に応力を分散させるために、動脈壁に穴を開けることなく動脈壁に押し込む。一実施形態では、安定化セグメントを有するカテーテルは、安定化力の結果として、少なくともわずかな血管(例えば、動脈)の変形を引き起こす。
肝動脈または肝動脈につながる血管系または他の血管系の蛇行した解剖学的構造のために、動脈の長さに沿った様々な位置でRF電極カテーテルの電極に繰り返し可能な力を加えることは困難である可能性がある。片持ち屈曲カテーテルは、内側の円弧を引張ワイヤで圧迫することによってカテーテルの遠位セクションに沿って曲げモーメントを加えるカテーテルである。曲げモーメントは、カテーテル先端を血管壁に向かって動かす。曲げモーメントがカテーテル先端を通って血管壁に力を加えるためには、カテーテルの別のセクションに反力を加えなければならない。この反力は、カテーテルとカテーテルの遠位先端部の反対側の血管壁との間にあり、および遠位先端部の近位側のカテーテルのセグメントを通る可能性が高い。蛇行した解剖学的構造および急な屈曲では、この「反力」は反復可能ではない可能性がある。本明細書に記載の装置、システム、および方法のいくつかの実施形態では、反復可能および/または連続的な接触力を提供するように構成される。本明細書に記載のカテーテルおよび使用方法のいくつかの実施形態では、拍動接触が有利に提供される。
一実施形態では、遠位先端部にモーメントを加え、血管とカテーテルの近位セグメントとの間の反力に依存する代わりに、曲げモーメントおよび片持ちの先端部の近くに反力を加えるために、ワイヤまたはリボンを使用することができる。この目的は、可能な限り電極接触の近くに反力(または複数の反力)を作り出し、それによって、血管壁に対してカテーテルの遠位領域を固定して、曲げモーメントを有する血管壁内に電極を加える屈曲機構(例えば、片持ち屈曲カテーテル)に対して反作用モーメントを提供することである。ここで図36Aを参照すると、曲げモーメントが加えられる場所(例えば、引張ワイヤがカテーテルシャフトに取り付けられる場所)の反対側の片持ちの(片持ちの)屈曲カテーテル3605に2つの開口部が形成され、リボン3610がこれら2つの開口部の間のカテーテル3605の外側になるように、リボン3610がこれらの開口部に通される。リボン3610は、カテーテル3605の最遠位の開口部の遠位側にあり、カテーテルの近位端に押すことができるカテーテル3605内の点に固定することができる。リボン3610が押し込まれると、リボン3610は近位開口部から移動してループを形成する。このループは、曲げモーメントの反対側の血管壁に対して押し込まれるまで拡大される。(リボンが押し込まれているので、カテーテル内の空いた空間のすべてを満たすことを望む)システム内のたるみを減らすために追加することができるオプションの追加機能は、図36Bに示されるように、カテーテル3605の長さに沿って延びており、断面の中点の近くにある仕切り3620である。いくつかの実施形態では、仕切りが断面の中点にあるので、仕切りは、リボン3610に近づくおよびリボン3610から離れるカテーテルの可撓性に大きな影響を与えない。したがって、仕切り3620は、曲げモーメントに影響を及ぼすことなく遠位屈曲セクション3608を通って進むことができる。
様々な実施形態では、図36Aに関連して記載された種類のカテーテルに対する修正および改良を行うことができる。例えば、一実施形態では、カテーテル先端部3607に曲げモーメントを生成するために引張ワイヤを使用する代わりに、カテーテル3605の外側円弧に沿って押し進められるリボン3610は、屈曲領域の外側の円弧を引っ張って曲げモーメントを生成することができる。この実施形態は、冗長引張ワイヤを減らすことによって設計を単純化する。曲げモーメントを作り出す。この実施形態は、冗長引張ワイヤを減らすことによって設計を単純化する。
いくつかの実施形態によれば、RF電極治療用カテーテルは、それ自体が電極を運ばない1以上の配備セグメントを有することができる。図36Cは、2つの電極3601を含むRF電極治療用カテーテル3605の一実施形態を示す。電極3601は、メインカテーテルシャフト3602に固定して結合され、偏向セグメント3610は、2つの電極3601の間に延び、メインカテーテルシャフト3602内のスロット3603から半径方向外方へ配備するように構成される。電極3601はメインカテーテルシャフト3602に固定して結合されているので、それらの長手方向の位置は、配備セグメント3610が配備される半径方向の範囲とは無関係に安定したままである。配備セグメント3610は、金属リボンなどのリボン形態とすることができる。配備セグメント3610は、近位部分を近位カテーテルシャフトに対して前進させることによって半径方向に配備することができる。あるいはまた、(図36Cの断面図である)図36Dに最もよく示されているように、配備セグメント3610は、配備セグメント3610の遠位端が結合または固定される内側カテーテル3604の相対的な後退によって配備されてもよい。
配備セグメント3610はまた、半径方向に拡張された形状に予め設定された形状を有することができ、治療用カテーテル3605の治療部位への追跡中にカテーテルシャフト3602とほぼ平行な配備前の形状に「保持」することができる。処置部位またはその付近で、配備セグメント3610は、近位カテーテルシャフトに対する近位部分の相対的前進によって自己配備することができる。自己配備と能動的配備の組み合わせも考えられる。例えば、配備セグメント3610は、カテーテルシャフト3602から特定の半径方向距離に自己配備するように予め成形されてもよいが、配備セグメント3610の近位部分のさらなる相対的な前進は、それをさらに半径方向に延ばすことができる。
両方の電極3601がカテーテルシャフト3602に取り付けられているので、配備セグメント3610が配備されると、両方の電極3601は血管内腔の同じ側にある。両方の電極3601が同時に作動されると、2つの長手方向に離間した治療ゾーンが血管の片側に作成される。長手方向に離間した2つの治療ゾーンを作成することが望ましいが、血管の両側にある場合は、単一の電極(例えば、遠位電極)を作動させることができる。その後、カテーテル3605を180度回転させ、次いで配備セグメント3610を再配備し、次いで単一の電極(例えば、近位電極)を作動させることによって、カテーテル3605を回転させることができる。一実施形態では、このアプローチは「馬跳び」アプローチと呼ばれる。3以上の治療ゾーンを生成することが望ましい場合、カテーテル3605は、別の長手方向位置に前進または後退されてもよく、上記と同じステップが繰り返される。いくつかの実施態様では、図61Aに示されるように、血管内腔の両側で交互に長手方向に離間した合計4つの治療ゾーンが望ましい場合がある。このような治療ゾーンのパターンは、最初にカテーテル3605を第1の位置に配置し、配備セグメント3610を配備し、遠位電極3601と近位電極3601の両方を通電することによって、図36Cの実施形態で作成することができる。次に、カテーテル3605は、電極3601間の距離の約半分の距離だけ前進または後退され、回転され、配備され、両方の電極3601が作動される。いくつかの実施形態では、カテーテル3605は、追跡可能性を促進するために遠位延長部3609を含む。
いくつかの実施形態では、図37A〜図37Dに示されるように、複数のリボン3710を使用することができる。これらの実施形態は、接触点の数を増加させ、カテーテルの安定性を増加させる。一実施形態では、バルーンを単独で、または1以上のリボンと組み合わせて使用することができる。図37Cおよび図37Dは、図36Cおよび図36DのRF治療用カテーテル3605と同様のRF電極治療用カテーテル3705の実施形態は、しかしながら、図37Cおよび図37DのRF治療用カテーテル3705の実施形態は、2つの配備セグメント(上部配備セグメント3701Aおよび下部配備セグメント3710B)を含む。この実施形態は、RF電極治療用カテーテル3705を回したり回転させたりする必要なく、血管の反対側の治療(例えば、180度オフセットされた損傷ゾーンの形成)を促進する。例えば、カテーテル3705は、第1の治療位置に前進させることができ、上部配備セグメント3710Aは、電極3701が血管の反対側の血管壁に接触するように配備形態に配備させることができる。下部配備セグメント3710Bは、無配備形態のままである。次いで、電極3701の一方または両方が、血管壁にエネルギーを送達するように作動されることができる。アブレーションエネルギーが送達される実施形態では、(電極が単極であるか双極であるか、一方または両方の電極が作動されているかに応じて)第1の治療位置に1つまたは2つの損傷ゾーンを形成することができる。次に、上部配備セグメント3710Aが、無配備形態に移行される。次いで、カテーテル3705は、第1の治療位置から長手方向または軸方向に離間した第2の治療位置まで前進または後退させることができ、下部配備セグメント3710Bは、電極3701が血管の反対側の血管壁に接触するように配備形態に配備させることができる。次いで、電極3701の一方または両方を、血管壁にエネルギーを送達するために作動させることができる。アブレーションエネルギーが送達される実施形態では、第1の治療位置で生成された損傷ゾーンから円周方向にオフセットされた(電極が単極であるか双極であるか、一方または両方の電極が作動されているかに応じて)第2の治療位置に1つまたは2つの損傷ゾーンを形成することができる。RF電極治療用カテーテル3705の実施形態は、図61Aに示されるように、血管内腔の反対側に交互に4つの長手方向に離間した治療ゾーンを形成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル3705は、追跡可能性を促進するために遠位延長部3709を含む。
一実施形態では、円周に沿ってある線内に複数の接触点を設ける代わりに、血管の長さおよび/または円周に沿った異なる位置で血管に接触する接触点(これらも図37Aおよび図37Bに図示される)を作成することができる。ある距離だけ分離された複数の点を作成すると、(それらの印加された力は距離によって分離されるため)これらの点はトルクに抵抗可能になることができる。
「リボン」は、特定の材料または幾何学的形態に限定されない。例えば、金属、ポリマー、または形状記憶材料を使用することができる。いくつかの実施形態では、平らなワイヤ(リボン)をワイヤまたは任意の他の形状(例えば、円筒形、三角形、長方形、ダイヤモンド形)で置き換えることができる。
いくつかの実施形態によれば、「反力」を曲げモーメントおよび片持ちの先端部に近づけて印加することにより、標準片持ち屈曲カテーテルと比較して電極力を加えるのに必要な長さが短縮され、これは蛇行した血管の印加された「電極力」の再現性を有利に改善することができる。反力または接触点を電極に向かって移動させることはまた、電極の近くの安定性を増加させ、使用中の電極の移動を減少させることができる。血管に加えられる垂直力を増加させることはまた、標的解剖学的構造内のカテーテル電極の安定性を増加させることができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位先端にモーメントを加え、血管とカテーテルの近位セグメントとの間の反力に依存する代わりに、(互換的にカテーテル先端力とも呼ばれる)電極力に垂直な反力を印加することもできる。ここで図38を参照すると、正方形または平行四辺形に類似した部材によって接続された4つのヒンジ点を含む構造体をカテーテルの遠位端に配置することができる。これらの点を接続する部材が一定の長さを有すると仮定すると、2つの対向するヒンジ点(例えば、pt1とpt3)が互いに向かって引っ張られると、反対の点の他の対(例えば、pt2とpt4)は互いに離れて移動する。一実施形態では、この反対の動作は、カテーテルの遠位端にpt1を固定し、pt3をpt1に向かって引っ張ることによって達成することができる。電極は、他のヒンジ点(pt2またはpt3)のうちの1つに配置することができ、これらのヒンジ点の両方は、図39に示されるように、血管壁に対して力を加えることができる。
一実施形態では、図40に示されるように、ヒンジ点は、撓み(例えば、より大きなセグメントを接続する薄い可撓性セグメント)を含むことができるか、または部材および反対のヒンジ点(pt2およびpt4)は、「仮想の」または「生きている」ヒンジを形成する、ワイヤまたはリボンのフレキシブルな連続長さで置き換えることができる。フレキシブルリボン4010を使用することにより、明示的なヒンジ点(pt2およびpt4)の必要性がなくなり、pt1およびpt3における明示的なヒンジの必要性もなくなる。代わりに、pt1はカテーテルの開口部とすることができ、pt3はリボンの結合点とすることができる。この実施形態では、電極は、血管壁と実質的に接触する位置においてリボンの少なくとも1つに固定することができる。
いくつかの実施形態によれば、「反力」ベクトルは、「電極力」の反対(「電極力」から180度)であり、「反力」は「電極力」と同じ血管のセグメントに加えられ、それにより片持ち屈曲カテーテルと比較して電極力を印加するのに必要な長さを減少させ、それにより蛇行した血管内に印加された「電極力」の再現性を改善する。反力または接触点を電極に向かって移動させることはまた、電極の近くの安定性を増加させ、使用中の電極の移動を減少させることができる。
図42Aおよび図42Bに示される別の好ましい一実施形態では、フレキシブルな電子機器またはポリイミドなどのフレキシブルなプラスチック基板上に取り付けられた電子機器で形成された管の壁を通してスリット4205を切ることによって、複数のリボンを形成することができる。例えば、2つの層の間に埋め込まれた複数の銅または銀リード(好ましくは少なくとも1つ)を有するポリイミドの2つの層は、円筒構造を画定する管構造に巻かれることができる。複数の開口部(好ましくは、少なくとも1つ)が、円筒の外面を含むポリイミド層内に切られ、ジェネレータに接続可能な個別の電極4215を形成することができ、ジェネレータは単極または双極または多極の方式のいずれかの電気外科(RF)ジェネレータを含むがこれに限定されない。先に説明したリボンを画定するために、スリット4205を実質的にチューブの長手軸に沿って切ることができる。チューブ構造は、チューブ構造の近位および遠位の範囲を画定するマーカーバンド4210(例えば、放射線不透過性マーカーバンド)と共に図42Aおよび図42Bに示されるように、カテーテルに取り付けることができる。一実施形態では、リボンまたはワイヤまたは同様の装置(例えば、薄いニチノールリボン)は、フレキシブルな電子機器を搭載するための基板を提供するようにポリイミドでジャケット付けされる。ニチノールまたは他の高弾性率材料は、拡張状態および非拡張状態にある間に、拡張可能構造に完全性を提供することができる。一実施形態では、ガイドワイヤハウジングがカテーテルの遠位端に配置され、カテーテルの実質的に全長にわたって延びる内腔と連通している。一実施形態では、カテーテル装置は、ガイドワイヤハウジングとインターフェース接続するように設計された戻り止め構造を含む固定用ガイドワイヤ4220上を通過または導入され、ガイドワイヤおよびカテーテルを反対方向に移動させることにより、リボンの拡張を引き起こす管構造に圧縮力が生じる。戻り止めは、最大の戻り止め力を超えると、固定用ガイドワイヤ4220がガイドワイヤハウジング内に引き込まれるように設計することができる。このようにして、組織に加えられるこの最大の接触力は制限可能となる。例えば、戻り止め力(ひいては組織に加えられる力)は、戻り止め機構の外側寸法とガイドワイヤハウジングの内側寸法とによって規定される寸法的な干渉を変化させることによって制御することができる。
上述のフレキシブル回路設計の実施形態の1つの特定の利点は、血液からの対流冷却の有益な効果を依然として達成しながら、血流からのエネルギーの送達を分離する能力である。ポリイミド、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、またはポリエステルなどのフレキシブル回路材料の高い誘電特性のために、複数の電極のうちの任意の1つを動脈血流から電気的に絶縁するために材料の薄い層のみが必要とされ、血液に「失われる」エネルギー量を効果的に制限し、動脈周囲の標的組織に電気エネルギーおよび熱エネルギーのより反復可能で測定可能な滴定を提供する。いくつかの実施形態では、電気絶縁層の薄い構造は、電極から隔離層を通って動脈血液への熱伝達を高め、電極の温度を制限し、それにより、例えば、より高いパワーのエネルギー送達、より深いアブレーション、および治療時間の短縮を有利に可能にする。
ここで図43Aおよび図43Bを参照すると、血管壁に加えられる力はまた、拡張可能な構造4310の1以上のリボンを配備するためのカテーテルのハンドル内のトルクリミッタ4305によって制限することができる。例えば、引張ワイヤ4307は、所定のトルクス(登録商標)リップ値を有するトルク−レンチ機構のキャプスタンの周囲に巻かれることができる。
さらに他の実施形態では、図40〜図43に記載された種類のカテーテルに対する修正および改良が提供される。例えば、一実施形態では、2つのリボン(電極力を印加するために1つ、反力を印加するために1つ)を使用する代わりに、複数のリボンを使用して反力を印加する(例えば、血管壁に対する3、4、5、6以上の接触点)。「リボン」は、特定の材料または幾何学的構成に限定されない。様々な実施形態では、金属、ポリマー、または形状記憶材料を使用することができる。いくつかの実施形態では、平らなワイヤ(リボン)をワイヤまたは任意の他の形状(例えば、円筒形、三角形、長方形、ダイヤモンド形)で置き換えることができる。
様々な実施形態では、図41Aおよび図41Bに示されるように、ステージを使用して、電極を支持することができる。ステージは、フレキシブルなリボンでpt1(カテーテルの端部)に接続することができ、pt3(他のリボンの遠位接続点)のように機能することができる。一実施形態では、ステージをpt1(カテーテル端部)および別個のpt3(他のリボンの遠位接続点)にフレキシブルリボンで接続することができる。
一実施形態では、操縦可能なカテーテルの遠位先端にモーメントを加え、血管と操縦可能なカテーテルのセグメントとの間の反力に依存する代わりに、カテーテルを特定の位置で屈曲させる(例えば、Sカーブを作り出す)ことができ、および/または複数の位置でより大きな反力を加えることができる。ここで図44を参照すると、カテーテルを血管内に押し込み、電極を通して血管壁に力を加える複数の曲げモーメントを提供することができる。電極は、有利には、血管壁と接触する位置に配置することができる。
図45Aは、血管壁の反対側の(例えば、180度離れた)治療位置でカテーテル4500の長さに沿って離間した2つの電極4502の接触を促進する形状に移行するように適合された「自己配備型」カテーテル4500の一実施形態を示している。図示されるように、カテーテルの遠位部分は、ほぼ蛇行した形状に成形される。蛇行した形状またはさもなければ湾曲した形状は、概して長手方向の軸から横方向に延び、スパン寸法を画定する頂点を形成する。2つの電極4502は、遠位部分に配置することができ、1つは曲線の遠位端またはその近くに配置され、もう1つは頂点またはその近くに配置される。カテーテル4500は、ガイドワイヤ4503と共に使用するためのガイドワイヤ内腔をさらに含むことができる。カテーテルの追従性を向上させるために、図示されるように、遠位電極の遠位側の遠位延長部4504によって、内腔を遠位に拡張することができる。遠位延長部4504は、横方向の剛性を遠位方向によりフレキシブルに移行させることができる。使用時には、電極4502が望ましい位置にあると、電極4502のその後の電気的作動の間に撓みを妨げないように、または電気的異常を生成しないように、ガイドワイヤを引き込むことができる。延長部4504の剛性は、遠位電極の近くでさえも、カテーテルがその撓んだ状態にあるときに、延長部が血管壁から容易に撓むことを可能にするのに十分に低くするのが望ましい可能性がある。遠位延長部4504はまた、遠位電極の近くでねじれを防止するために、コイルまたは編組などの耐ねじれ構造を組み込んでもよい。遠位延長部4504は、エラストマー材料から構成されてもよく、その結果、遠位電極の近くでねじれると、撓みが反転した後に回復することができる。
電極4502の一方または両方は、図45Bに示されるように、概して台形の側面形状を有することができる。ガイドワイヤ内腔が開存を残す(例えば、ねじれないまたはクリンプされていない)ために、蛇行形状は、好ましくは滑らかな曲線を有し、鋭い曲線を有さない。蛇行形状に望まれるスパンが長手方向の間隔と比較して比較的大きい場合、電極4502の長さは、蛇行形状をとるカテーテル4500の遠位部分の利用可能な長さを最大にするために、比較的短いことが好ましい。しかしながら、電極が血管壁との接触に対して比較的大きな表面積を提示することは依然として望ましい可能性がある。一実施形態によれば、台形形状は、カテーテルの蛇行形状への影響を低減する一方で、比較的大きな表面を治療血管内腔に提示することを可能にする。本明細書に記載される電極を含む治療用カテーテルまたは装置の任意の実施形態は、電極の1以上に対して台形形状を組み込むことができる。
一方または両方の電極4502は、実質的に円筒形の外側面を保持しながら、電極4502をカテーテルシャフトに取り付けることを促進するために内側の空洞または穴を備えて構成することができる。いくつかの実施形態では、この空洞または穴は、電極の接触面がカテーテル軸からより遠くに位置するように偏心して配置されてもよい。図45Bはまた、本明細書に記載の治療用カテーテルまたは電極を有する装置のいずれかの実施形態に組み込むことができる追加の要素を示す。各電極は、それに接続するリード線4512を有することができる。一方または両方の電極4502は、それらに接続された熱電対または他の温度センサを有することができる。電極に温度センサが接続されている場合、センサのリード線のうちの1つをまた、実際に電極に給電するために使用することができる。さらに、ガイドワイヤと共に使用するための内部内腔が設けられてもよい。内腔は、内部チューブ4514から形成することができる。1以上の電極は、外部チューブ4515に機械的に結合または固定されてもよい。内部チューブ4514と外部チューブ4515との間のコイル構造4516は、ねじれ耐性を提供するためのカテーテルの長さの一部または全部であり、蛇行形状に予備成形されてもよい。図45Bは、内部ガイドワイヤ(図示せず)が存在する場合など、真っ直ぐな構成の治療用カテーテル4500の遠位部分を示す。
図46Aおよび図46Bは、(例えば、2つの湾曲部を有する)s曲線を有するカテーテルの一実施形態を示す。ハイポチューブ支持カテーテルは、遠位先端および電極に近接した2つの非常にフレキシブルなセクションを生成するために(図46Aに示されるように)レーザ切断されてもよい。一実施形態では、2つのセクションが互いに反対に同じ平面内で曲がるように、2つのセクションは、ある距離によって分離され、180度または約180度オフセットされている。例えば、2つのセクションは、カテーテルの180度の関節運動を促進することができる。一実施形態では、2つの引張ワイヤ4607A、4607Bは、それぞれが対応するフレキシブルなセクションに到達するまで、屈曲面に垂直にカテーテルの長さを通り過ぎる(図46B参照)。引張ワイヤの屈曲部を介して、引張ワイヤは、屈曲面内を、屈曲切り込みを有するカテーテル壁に沿って延びる。次いで、引張ワイヤをカテーテルシャフトに(例えば、その屈曲切り込みの遠位側で)接合することができる。このように引張ワイヤを方向付けることは、有利には、多セグメントの多方向の屈曲にさもなければ抵抗するであろう各引張ワイヤからの対抗する力を防止または抑制することができる。
様々な実施形態では、図40〜図43に記載された種類の装置(例えば、カテーテル)の修正および改良をすることができる。例えば、いくつかの実施形態は、以下の1以上を含むことができる。
1.2つの引張ワイヤを使用する代わりに、1つの引張ワイヤを使用して両方の曲げモーメント(例えば、各湾曲部の内側の円弧長の圧縮)を生じさせることができる。単一の引張ワイヤを用いて両方の曲げモーメントを生じさせるには、例えば、引張ワイヤをカテーテルの内側に沿ってスパイラルパターンに配置し、引張ワイヤを屈曲切り込みで配向させるか、あるいは、引張ワイヤが屈曲切り込みセクションの各々に接続されたループを通って入る屈曲切り込みの位置まで、1つの引張ワイヤがカテーテル内を緩く走ることができる。
2.各湾曲部の内側円弧長さを圧迫するために単一の引張ワイヤを使用する代わりに、1つの引張ワイヤが穴を通ってカテーテルの外側を通過し、カテーテル長さのセクションに沿ってカテーテル内腔の外側に延び、その後、第2の穴を通ってカテーテル内腔に再び入ることができる(例えば、図47Aおよび図47Bを参照)。一実施形態では、引張ワイヤは、両方の穴の遠位側に固定され、両方の穴の近位側の機構によって引っ張ることができる。カテーテルは、穴から少なくとも近位方向および遠位方向に延びる可撓性領域を有することができる。引張ワイヤを引っ張ると、2つの穴が互いに向かって移動し、それによりカテーテルが穴から離れて弧状に曲がる。
3.安定性を向上させ、より高い再現性と共に電極を介して力を印加するために、複数の屈曲セクション(>1、>2、>3、>4)を使用することができる。
4.1つの平面内で曲げる代わりに(屈曲切り込みは180度離れて配向されるため)、カテーテルは複数の(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い)平面内で曲がることができる。一実施形態では、カテーテルはヘリカル形状(例えば、ピグテールまたはコルクスクリュー形状)に曲がる。
5.一実施形態では、カテーテルは、引張ワイヤの遠位点を引っ張ることによって、カテーテルをコイルまたはヘリカル形状に弾性的につぶすように切断または構成することができる。引張ワイヤの張力が解放されると、カテーテルは弾性的にまっすぐに伸びることができる。
図48A〜図48Cは、長手軸と、長手軸の実質的な部分の周りに配置された内腔とを有するカテーテル4800の実施形態を示す。図示された実施形態では、電極4805は、電極4805の近位に配置された弾性的に変形可能な領域4810、弾性的に変形可能な領域4810の近位に配置された偏向可能なまたは関節運動可能な領域4815、および偏向可能領域4815の近位に配置されたねじり剛性があるが可撓性のある領域4820(少なくとも1つの回転方向にねじり剛性がある)を有するカテーテル4800の遠位先端または遠位端に向かって配置される。カテーテル4800の残りの長さ(近位の固体管部分4825)は、実質的にねじり剛性および曲げ剛性があることが可能である。カテーテル4800は、弾性的に変形可能な領域4810と、スパイン切断パターンを有する偏向可能領域4815と、(中断または連続する)スパイラル切断パターンを有するねじり剛性があるが可撓性の領域4820とを有するハイポチューブを含むことができる。
各カテーテル領域の寸法特性は、神経調節の対象となる特定の解剖学的構造に合わせて調節することができる。例えば、カテーテル4800を使用して、図49に示される動脈の任意の部分にアクセスすることができる。一実施形態では、カテーテル4800は、総肝動脈の(例えば、壁内(例えば、内膜、中膜、または外膜内)または周りの血管周囲空間内の)周囲の神経にアクセスし、それらを調節するように構成される。総肝動脈の治療は、この領域の血管系の蛇行性およびルーティングのばらつきのために特に困難である可能性がある。一実施形態では、電極4805の直径は2mm(6Fr)で、長さは2mmであるが、他の電極直径(例えば、0.5〜1mm、1〜1.25mm、1〜1.5mm、1.5〜2mm、2〜2.5mm、2.5〜3mm)と長さ(例えば、0.5〜1mm、1〜1.25mm、1〜1.5mm、1.5〜2mm、2〜2.5mm、2.5〜3mm)の組み合わせが望ましい可能性もある。有効な接触力(例えば、本明細書に記載の接触力および圧力)および片持ち支持を提供し維持するために、弾性変形可能領域4810の長さは、一実施形態では、リフローポリマー(例えば、35D Hytrel(商標名)の40D Pebax(商標名)、外径0.042インチ×内径0.038インチ、および長さ0.250インチ〜0.350インチ(または長さ30mm±1mm))によって覆われている。一実施形態では、カテーテル4800は、有効接触力又は圧力(例えば、0.1〜100g/mm2、0.1〜10g/mm2、5〜20g/mm2)を総肝動脈の内壁に繰り返し印加するように構成される。弾性的に変形可能な領域4810は、一貫した有効な接触力または圧力を提供するために片持ち支持を提供するように設計されることが可能である。カテーテル4800は、1〜4分間(例えば、1分、90秒、2分、150秒、3分)、8〜14ワットの電力(例えば、8W、10W、12W)を送達するように使用され、各アブレーション又は加熱位置に480J〜2520J(例えば、約1kJ、約1500J、約2000J)のエネルギーを送達することができる。
総肝動脈または他の動脈岐の蛇行した解剖学的構造内での接触を促進するために、いくつかの実施形態では、腎動脈など比較的直線状の血管床とは対照的に、増加した偏向範囲が必要とされる場合があり、(定義による)90度は、その長手軸の線を長手軸に直角の点に偏向させるのに必要な最小の偏向量である。血管の曲率または蛇行性が増加した領域(例えば、総肝動脈に近接したまたは総肝動脈内の脈管構造)では、必要な偏向角は、90度に血管の曲率半径に比例した量を加えたものとすることができる。例えば、一実施形態では、偏向可能領域または関節運動可能領域4815は、図50に示されるように、180度の偏向が可能である。180度の偏向は、(電極の組織に対する接触力/圧力を規定する)電極と組織の接触面と、偏向可能領域セグメントと組織の接触面との間の反力の結合を有利に改善することができる。反力の結合は、横隔膜運動中の肝動脈内の遠位カテーテル領域の動きを防止または抑制するのに役立つ可能性がある。いくつかの実施形態では、偏向可能領域4815が総肝動脈の長さ内に確実に完全に留まり、それにより適切な接触力または圧力を提供できることを保証するために、偏向可能領域4815に弾性変形可能な領域4810の長さを加えたものは、2cm未満または(研究から、27mm±8.5mmであると決定された)平均総肝動脈長さから1標準偏差分を差し引いたものに対応する他の長さであり、それにより総肝動脈の解剖学的構造の大部分がカテーテル4800によってアクセス可能になることを保証する。いくつかの実施形態では、この結合された長さは0.5〜2cmである。偏向可能領域4815の長さは、いくつかの実施形態では、約0.4インチ〜0.5インチである。一実施形態では、偏向、関節運動、または操縦可能性を達成するために、偏向可能領域または関節運動可能領域4815の遠位端に引張ワイヤを結合することができる。
ねじり剛性があるが可撓性のあるまたは柔軟なセクション4820の一実施形態を図48Cに示す。セクション4820は、有利には、腹腔軸および総肝動脈の蛇行した解剖学的構造への進入のための屈曲性の曲げを可能にするハイポチューブ(例えば、ステンレス鋼ハイポチューブ)中の断続スパイラル状切り込みを含むことができる。いくつかの実施形態では、領域4820の長さは、ヒト被験体に見られるばらつきのある腹腔の解剖学的構造および共通の肝臓の解剖学的構造の広範な範囲へのカテーテルのアクセスを可能にするために、少なくとも5±3cmである。図48Cに示される実施形態は、そのスパイラル状切り込みのハイポチューブ設計のおかげで、有利なことには、反時計回りの方向に回転されたときにスパイラルが巻かれ、ねじれの観点から適度により剛性があるので、少なくとも1つの方向(または好ましい方向)にねじり剛性がある。連続したスパイラル状の切り込みと、a)(両方向にねじり剛性がある)対向する二重の断続したスパイラル状の切り込みや、b)ある角度(例えば、180度)で管の長手軸に沿ってオフセットされた管の横軸を通して穿孔された穴のパターンを有するものや、他のパターンを有するものを含む他のチューブ切り込み設計が可能である。一実施形態では、切り込みパターンは、0.012インチ〜0.015インチ(例えば、0.012インチ、0.013インチ、0.014インチ、0.015インチ)のピッチまたはスパイン幅を有するスパイラル状切り込みである。一実施形態では、切り込みパターンは、全長に沿って均一である。一実施形態では、切り込みパターンは、図48Aに示されるように、その長さに沿って変化する。一実施形態では、切り込みパターンは、第1の遠位部分(例えば、8.5cm)に沿った非常にフレキシブルな断続スパイラル状切り込みパターンと、第2の近位部分(11.5cm)に沿ったよりフレキシブルでない幅広ピッチの断続スパイラル状切り込みパターンへの移行部(急激または緩やかな移行のいずれか)を含む。例えば、第1の遠位部分のピッチは、0.015インチとすることができ、その後、徐々に0.220インチのピッチまで移行することができる。いくつかの実施形態では、ねじり剛性があるが可撓性のある領域4820と固体管近位領域4825との間の移行部は、熱硬化性熱収縮材料(例えば、PET熱収縮チューブ)によって支持され、この領域内においてカテーテルをねじれさせる機会を減らす。一実施形態では、切り込みの幅は0.002インチであるが、幅は、約0.001インチ〜約0.005インチ、約0.0015インチ〜約0.0025インチ、約0.002インチ〜約0.004インチ、またはその重複範囲に及ぶことができる。
カテーテル4800は、有利には、遠位先端および電極を半径約0.5cmの少なくとも2つの狭い屈曲部を通って押し込むのに十分な押し込み効率を有するように構成することができる。(カテーテル4800を含む)本明細書に記載のカテーテルのいずれかのカテーテルの長さは、様々な実施形態において、50cm〜150cm(例えば、50cm〜100cm、80cm〜120cm、90cm〜130cm、100cm、110cm、120cm)の範囲とすることができる。一実施形態では、カテーテル4800の長さは110cmである。一実施形態では、カテーテル4800は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの滑らかで低摩擦の材料を含む。カテーテル4800のねじれ半径は、0.5cm未満とすることができる。電極4805の長さは、0.25インチ未満とすることができる。様々な実施形態において、カテーテル4800の外径は、8Fr未満、7Fr未満、6Fr以下、または5Fr未満である。一実施形態では、電極4805は、有利には、カテーテル表面と同一平面上または実質的に同一平面上にある。いくつかの実施形態では、電極4805は、カテーテル4800によって提供される十分なトルク効率を有し、2以上の狭い(約0.5cm)屈曲部をナビゲートした後に、血管の円周の周りの4点(例えば、90度離間した4つの点)(または要望または要求通りに4点よりも少ないかまたは多い点)で血管の内壁に接触するように構成される。様々な実施形態において、カテーテル4800は、カテーテルを再配置する必要なく、複数の位置でエネルギーを送達するように構成される。カテーテル4800は、ガイドシースまたはガイドカテーテルおよび(オプションとして)ガイドエクステンダを含む血管アクセスシステムを通して血管系内に導入することができる。いくつかの実施形態では、温度測定装置(例えば、熱電対)が、はんだ付け、スポット溶接、および/または接着剤によって電極4805に接合される。
図48Dおよび図48Eは、カテーテル4800の遠位端部分の長さに沿って配置された複数の電極4805による均一で一貫した接触を提供するように構成されたカテーテル4800の別の一実施形態を示す。図48Dおよび図48Eは、2つの電極からなる。しかしながら、他の実施形態は、3以上の電極(例えば、3つ、4つ、5つ、6つ、または6つを超える電極)を含むことができる。カテーテル4800は、遠位電極4805Aと、遠位電極の近位側に離間された近位電極4805Bとを含む。内部引張ワイヤで作動する偏向機構を組み込むことができる。
図48Eを参照すると、偏向を生じさせるための内部構造の一実施形態が示されている。カテーテルシャフトは、セグメント化された剛性、または様々な程度の可撓性または剛性を有するセグメントを含み、遠位の偏向をもたらすことができる。カテーテルシャフトの主要な構造要素は、ハイポチューブなどのチューブとすることができ、パターンがカットまたはエッチングされる。治療用カテーテル4800の偏向可能部分4806は、湾曲した偏向部分の外側部分となる側にスパインを有するスロット付きパターンを組み込むことができる。偏向可能部分4806は、スロットの間隔および幅ならびにシャフトの材料によって決定される一様な程度の可撓性を有することができる。偏向可能部分4806の近位側には、スパイラルパターンをチューブ内にカットすることによって形成することができる比較的フレキシブルな領域4808がある。比較的フレキシブルな領域4808は、偏向可能部分4806とは異なるスロットまたはスリットパターンを含み、偏向可能部分4806の遠位の長さよりも可撓性を低くすることができる。カテーテルの長さの可変の可撓性および2つの電極4805の位置決めは、電極4805の両方を隔壁された位置で血管壁に対して位置決めさせる。
図示されるように、両方の電極4805は、偏向可能部分4806上に配置され、遠位電極4805は、偏向可能部分4806の遠位端に配置され、近位電極は、偏向可能部分4806の近位端に配置される。いくつかの実施形態では、両方の電極4805は、電極の面が血管壁面と同一平面またはほぼ平行になるように配置される。他の実施形態では、遠位電極4805Aは、第1の位置で血管壁とほぼ垂直または斜めに接触して配置されることができ、近位電極4805Bは、第2の位置で血管壁とほぼ平行に接触して配置される。電極4805は、電力またはエネルギーを血管壁に印加するようにそれぞれ別々に適合された単極電極を含むことができる。他の実施形態では、近位電極4805Bは、偏向可能部分4806上に配置されず、比較的フレキシブルな部分4808の部分上に配置される。カテーテルシャフトは、ステンレス鋼および/またはポリイミドで補強することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテル4800は、カテーテル4800の追従性を高めるために遠位電極4805Aの遠位側に延びる遠位延長部4809によって遠位に拡張されたガイドワイヤ内腔を備える。遠位延長部4809は、横方向の剛性を変えることができ、遠位方向によりフレキシブルである。使用時には、一度電極4805が所望の位置に到達すると、ガイドワイヤを後退させることができ、電極4805の後続の電気的作動中に、偏向を妨げない、または電気的異常を生成しない。遠位延長部4809の剛性は、遠位電極4805Aの近くでさえ、カテーテルがその偏向された状態にあるときに延長部4809が血管壁から離れて容易に屈曲することを可能にするのに十分に低くするのが望ましい場合がある。遠位延長部4809はまた、遠位電極4805Aの近くでねじれを防止するコイルまたは編組などの耐ねじれ構造を組み込んでもよい。遠位延長部4809は、遠位電極4805Aの近くでねじれた場合に、偏向が逆転した後に回復することができるように、エラストマー材料で構成することができる。いくつかの実施形態では、カテーテル4800は、外側シースまたはカバー4811を備える。
いくつかの実施形態によれば、カテーテルを電極力(二次的なs屈曲)に対向させることは、電極力を加えるのに必要な長さを減少させ、蛇行した血管内で印加された「電極力」の再現性を改善する。反力または接触点を電極に向かって移動させることはまた、電極の近くの安定性を増加させ、使用中の電極の移動を減少させることができる。血管に加えられる垂直力を増加させることはまた、標的解剖学的構造内のカテーテル電極の安定性を増加させ、肝動脈(例えば、総肝動脈または固有肝動脈または他の動脈、静脈または他の血管または器官)を取り囲む(例えば、その壁内の(例えば、その内膜、中膜、または外膜内の))標的神経に送達されるエネルギー量を増加させる。いくつかの実施形態によれば、本明細書で説明されるように引張ワイヤの経路を導くことにより、所与の回転方向のカテーテルの向きに対して予測可能な曲げ方向が提供される。
一実施形態では、カテーテルの遠位先端にモーメントを加え、血管とカテーテルのセグメントとの間の反力に依存する代わりに、(以前にカテーテル先端力と呼ばれた)電極力に垂直な反力を印加することができ、1点または複数の離散点で力を印加する代わりに、血管の円周の周りにそれを印加することができる。例えば、バルーンまたはステント状部材を使用して、反応力および電極力を血管の円周に印加することができる。代わりに、「逆の」Tuohy Borst型の機構を使用することもできる。 Tuohy Borstは、厚い中空円筒のような形状の圧縮性ポリマーを円筒状のスリーブ内に配置し、スリーブの両端から圧縮するシール機構の一例である。この圧迫により、圧縮可能な中空円筒がつぶれ、その内径を縮小させることができる。逆を見ると、圧縮可能な中空円筒をロッドの上に置き、それを圧縮することにより、その外径を拡張させることができる。一実施形態では、材料に長手方向の切り込みを作ることは、この機構を誇張する。
ここで図51Aおよび図51Bを参照すると、カテーテルシャフト5105と遠位プラグ5110との間に、軟質でフレキシブルな材料(例えば、シリコーンまたはポリウレタンなどの低ヤング率材料)の円筒5102が配置され、引張ロッドまたは引張ワイヤ5107が材料の中心を通って走る。いくつかの実施形態では、電極が円筒の外面を越えて露出され、続いて円筒の拡張時に血管壁と接触するように、1以上の電極が円筒の長手方向長さの中点の近くまたは中点に配置される。電極は、オーバーモールドプロセスを使用して円筒に固定されてもよく、または接着剤によって円筒に接着されてもよい。様々な実施形態では、電極に接続されたワイヤは、円筒の外面に沿って、(ワイヤ上にオーバーモールドされた)円筒材料を通って、または円筒の内側を走る。一実施形態では、ワイヤは、フレキシブルなプリント回路で置き換えられる。遠位プラグ5110をカテーテルシャフト5105に対して引っ張ると、円筒材料が外側に変形し、電極を血管壁に接触させる。いくつかの実施形態では、材料に長手方向の切り込みを作ることは、この機構を誇張する。
電極力と同じ平面内の円周に反作用を加えると、電極力を印加するのに必要な長さを短くし、蛇行した血管内で印加された「電極力」の再現性を改善することができる。反力または接触点を電極に向かって移動させることはまた、電極の近くの安定性を増加させ、使用中の電極の移動を減少させることができる。血管に加えられる垂直力を増加させることは、標的解剖学的構造内におけるカテーテル電極の安定性を増加させることができる。図52A〜図52Cに示されるように、バルーンまたはステントと比較して、スリット「逆Tuohy Borst」は、設計者が特定の領域に血流を導き、これらの領域を通って質量流量を制御することを可能にする。
総肝動脈を除神経させる場合、独特の血管の曲がり(例えば、複数回の鋭い曲がりまたは屈曲)が、装置の近位端から遠位端への力またはトルク伝達を困難にする可能性がある。例えば、カテーテルシャフトが蛇行した血管壁に接触するまで、カテーテルシャフトの並進により、トルクは、最初に失われる可能性があり、カテーテルシャフトの1つの平面内にロックされた引張ワイヤが、その平面内で屈曲部を通ってシャフトの直線化または屈曲を引き起こし、関節運動を意図した遠位セグメントの屈曲に先立って、それらの屈曲に沿った力の損失に至る。本明細書に記載のいくつかの実施形態は、蛇行した屈曲部を通って移動する際に損失を起こさないエネルギーの形態を有利に使用する。
いくつかの実施形態では、引張ワイヤ以外の機構を使用して、本明細書に記載の片持ち屈曲カテーテルなどの構造を作動させることができる。例えば、油圧式または空気圧式の手段を利用して、例えば、図53Aおよび図53Bに示されるように、屈曲カテーテルの屈曲を行うことができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置(例えば、アブレーションカテーテル)は、少なくとも、電極5315と、フレキシブルシャフトと、電極に隣接し(例えば、装置の遠位端部に位置し)、シャフトを取り囲む媒体および/またはシャフト内の流体にさらされるセグメント5318とで構成される。一実施形態では、セグメント5318は、低弾性係数を有する材料(例えば、シリコーンまたはポリウレタン)またはよりコンプライアントでない材料(例えば、ナイロン、PET、シリコーンなど)で作られたバルーン5320を備え、(例えば、曲げ可能なストローと同様の)円周方向のリブまたは折り目を有するように加工される。内部圧力が外部圧力よりも大きい場合、バルーンは軸方向に拡張することができる。一方の面が拘束されている場合、拡張により、バルーンおよび拘束された部分は、拘束された部分または血管壁に向かって曲がることができる。
ここで図54Aおよび図54Bを参照すると、一実施形態では、神経調節装置(例えば、アブレーションカテーテル)は、少なくとも、電極5415と、フレキシブルシャフトと、プランジャ5417と連通する関節運動(例えば、拡張可能な)セクションと、シールまたはプランジャによって分離された2つの圧力チャンバとから構成される。一実施形態では、少なくとも1つのチャンバは、圧縮性流体で満たされているか、または非圧縮性流体で満たされており、またシリンジなどの別のチャンバと連通している。一実施形態では、プランジャ5417は、プランジャ5417のいずれかの側の圧力を変化させることによって駆動され、それによって、プランジャ5417と連通する関節運動セクションにエネルギーを伝達する。図54Aおよび図54Bに示される関節運動セクションは、図42A、図42B、および図43Aに関連して図示および説明された拡張構造の構造および/または動作と同様の構造および/または動作とすることができる。
(e.制御された損傷形成)
図55Aおよび図55Bは、窓付きアブレーションカテーテル5500の一実施形態を示す。窓付きアブレーションカテーテル5500は、カテーテル本体5505と、第1の窓5520および少なくとも1つのアブレーション電極5530を有する内側スリーブ5510と、第2の窓5525を有する外側スリーブ5515とを含む。図55Aは、窓付きアブレーションカテーテル5500の遠位端の図を示し、図55Bは、窓付きアブレーションカテーテル5500の遠位端の詳細な切り取り図を示す。
いくつかの実施形態では、アブレーション電極5530は、内側スリーブ5510の内腔内に配置される。内側スリーブ5510は、外側スリーブ5515が内側スリーブ5510の周りで回転可能なように、外側スリーブ5515内に回転可能に収容される。内側スリーブ5510を外側スリーブ5515に対して回転させることにより、またはその逆により、外側スリーブ5515の第2の窓5525を内側スリーブ5510の第1の窓5520と整列させることによって、カテーテルはエネルギーを送達することができる。一実施形態では、内側スリーブ5510は、絶縁を提供するための誘電体被覆を含む。
いくつかの実施形態では、内側スリーブ5510の第1の窓5520と外側スリーブ5515の第2の窓5525とが重なり合うとき、アブレーション電極5530は、(標的血管の壁に接触して配置することができる)外側スリーブ5515の外側に露出される。一実施形態では、第1の窓5520と第2の窓5525とが重なり合っているとき、または少なくとも部分的に位置合わせされているとき、エネルギーは単に目標血管の壁に到達する。重なり合いの程度は、外側スリーブ5515に対する内側スリーブ5510の回転または平行移動によって制御することができる。一実施形態では、カテーテルはユーザによって挿入され、内側スリーブ5510は、ユーザの制御に基づいて回転され、外側スリーブ5515は、ユーザの制御に基づいて回転され、それにより、少なくとも1つのアブレーション電極によって生成されたエネルギーを標的血管の実質的に任意の部分に選択的に印加することができる。
いくつかの実施形態では、内側スリーブ5510は、異なる位置で内側スリーブ5510の長さに沿って離間した複数の開口部を含む。例えば、内側スリーブ5510は、内側スリーブ5510の軸に沿って直線的に離間した開口部と、内側スリーブ5510の軸の周りに回転された開口部とを有することができる。一実施形態では、内側スリーブ5510の開口部は、スパイラルパターンを画定する。図55Bに示されるように、内側スリーブ5510の外面および外側スリーブ5515の内面は、内側スリーブ5510に対する外側スリーブ5515の回転によって、内側スリーブ5510が外側スリーブ5515に対して並進されるようにねじ切りされることができる。いくつかの実施形態では、内側スリーブ5510に対する外側スリーブ5515の相対的な回転は、外側スリーブ5515の窓5525を並進および回転の両方をさせるように働き、内側スリーブ5510の開口部のそれぞれを通して血管組織をアブレーション電極5535に順次露出させる。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載されるような窓付きアブレーションカテーテルは、血管壁の長さに沿ったスパイラル状の損傷の形成を促進することができる。内側スリーブ5510に開口部を選択的に形成し、内側スリーブ5510に対して外側スリーブ5515を回転させることによって、ヘリカル状経路に沿った実質的に任意のアブレーションパターンを形成することができる。
アブレーションカテーテルと血管壁との接触を改善し、それによって治療効力を改善するために、いくつかの実施形態は、アブレーションカテーテルの遠位先端上の窓を含むか、または1以上の電極窓に組み込まれた窓を含み、吸引(または真空圧)を提供する。内腔壁に提供される吸引は、動脈を装置と直接接触させ、それによってより効率的かつ損傷の少ないアブレーションを達成する。
いくつかの実施形態によれば、総肝動脈は、RF電極カテーテルを使用するアブレーションの標的である。いくつかの被験体にとって、総肝動脈の長さは、可能なアブレーション部位の数を制限する可能性がある。いくつかの実施形態では、総肝動脈の長手方向の長さに沿って生成される損傷のサイズを最小化することによって、血管内で利用可能なアブレーション部位の数が増加する。損傷の十分な深さを維持し、血流または冷却用の冷却流体にさらされる電極の表面を最大にしながら、血管の長手軸に平行な損傷の幅を減少させるために、RF電極カテーテルの電極は、その長さ以上の直径を有するように構築することができる。例えば、電極が概して直径6フレンチ(0.080インチ)である場合、電極の長さは0.080インチ以下とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、損傷サイズの一貫性は、血管サイズのばらつきに依存せずに所望され、これは異なる被験体にわたる同じ標的血管に対して変化する可能性がある。例えば、総肝動脈の内径は、3mmから7mmまで変化する可能性がある。さらに、損傷形成における重複は望ましくない場合がある。標的治療長さが(例えば、被験体の解剖学的構造に起因して)十分に短く、複数の離間した損傷が血管長さに沿って形成される必要がある場合、損傷形成における重複は、回避または防止することが困難となる可能性がある。
患者特有の解剖学的制約のために所定の間隔で実行することができるアブレーションの数に固有の限界がある状況では、標的血管をアブレーションしながら引き伸ばすことができる。一実施形態では、血管を所望の長さに伸ばすために、アブレーション中に血管内にバネを配置することによって標的血管を引き伸ばすことができ、次いで、アブレーションの完了時に除去することができる。一実施形態では、バルーンが血管内に挿入され、まっすぐにするように拡張され、こうして血管を引き伸ばす。バルーンは、バルーンアブレーションカテーテルのバルーンとすることができる。いくつかの実施形態では、血管の長さおよび面積は、バルーンによって増大させることができ、その結果、血管の抵抗は増加しない。いくつかの実施形態によれば、血管を引き伸ばすことにより、標的血管の長さまたは標的血管の一部にわたって所与の間隔でより多くの損傷を形成することが可能になり、それにより潜在的により大きな治療効果が得られる。いくつかの実施形態では、組織の導電率が一定のまま血管伸展によって細胞が引き伸ばされるので、エネルギープルームまたはコーンは、血管壁内または血管壁を囲む(例えば、外膜内の)同じ密度の神経繊維に依然として到達しながら、血管壁内のより少ない細胞を標的とする。
図56Aおよび図56Bを参照すると、単一のエネルギープロトコルを利用しながら血管径にかかわらず損傷の大きさの一貫性を提供するように構成された代謝神経調節システム5600が示されている。一実施形態では、代謝神経調節システム5600は、離間した損傷間の損傷のテールオーバーラップのリスクを低減しながら(例えば、重複した損傷ゾーンに起因する完全な円周の危険性を低減しながら)、所望の円周性(例えば、血管円周の60〜80%)を保証する血管径の全範囲に対して単一のアブレーションプロトコルを開発することを有利に可能にする。いくつかの実施形態では、代謝神経調節システム5600は、複数の異なる面で全円周方向治療を確実にするのに必要な損傷の数の低減を可能にすることができる。代謝神経調節システム5600は、2つの対向する接触点5612Aおよび5612Bを有する機械的に配備可能な骨格5610を有する単一の使い捨てカテーテル5605を備える。骨格5610は、機械的な引張ワイヤ(図示せず)によって機械的に拡張され、引き込まれることができる。一実施形態では、骨格5610は、漏斗形状のバスケットを含む。電極は、アブレーションの目的のためにエネルギーを送達するために第2の接触点5612Bに配置されてもよく、冷却チップは、第2の接触点5612Bに対して180度反対の第1の接触点5612Aに配置され、損傷の円周性を防止または抑制する目的のために冷却された組織ゾーンの生成を促進することができる。いくつかの実施形態によれば、冷却された組織ゾーンのサイズは、血管の直径に基づいて異なるが、損傷の全円周性を防止または抑制するのに十分である。一実施形態では、カテーテル5605の内腔に冷却液体を連続的に注入することによって、冷却チップを促進することができる。冷却チップは、電極接触領域に隣接する血管壁に向けられてもよい。このようにして、電極接触点に隣接する組織は、電極が通電されるか、または作動される前、間、および/または後に冷却することができる。RF以外のモダリティを使用する実施形態では、冷却チップを使用することもできる。凍結療法(凍結アブレーションなど)を採用する実施形態では、代わりに加温要素/流体を導入することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテル5605の冷却先端部は、エネルギー送達の間にアブレーション部位に対して180度である冷却ゾーンを有利に作り出し、C字形損傷の「尾」が、血管の直径に関係なく、接触または重複しないことを保証する。冷却されたゾーンの円周方向の範囲は、血管の大きさにかかわらず、血管の円周全体にわたる損傷の形成を防止または阻害するのに十分に冷たい限り、可変とすることができる。いくつかの実施形態では、冷却ゾーンは、血管の直径に関係なく、血管の円周の少なくとも10%がアブレーションされるのを防止する。いくつかの実施形態では、冷却ゾーンは、血管の直径に関係なく、血管の円周の少なくとも20%がアブレーションされるのを防止する。図56Bは、3mm、5mm、および7mmの直径を有する血管の治療ゾーン5625および冷却ゾーン5630を概略的に示す。
図57は、損傷の制御された円周性を提供するように構成された代謝神経調節システムを概略的に示し、それにより2つの損傷の円周性または重複の可能性を防止または低減しながら同じ平面内に2つの対向する損傷を作成することを可能にする。神経調節システムは、遮蔽材料によって取り囲まれたエネルギー源5702(例えば、電極)を有する単一の使い捨てカテーテル、または非対称な損傷を生成する方向エネルギー送達を引き起こすように構成された遮蔽構造5704を含むことができる。神経調節システムは、損傷の境界が、代表的な血管の内径の範囲(例えば、3mm〜7mm)にわたって接触したり、重なり合ったりしないことを保証しながら、プロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによる実行時に、同じ平面内に2つの対向する損傷の作成を可能にするエネルギープロトコルの送達を引き起こす非一時的なコンピュータ可読媒体に格納された命令を含むことができる。図57は、内径が3mm(図57D)、5mm(図57B)、および7mm(図57C)の血管について形成された損傷の例を概略的に示す。
図56A、図56B、および図57に示される実施形態は、(1)危険性の増大なしに損傷と長さの比が増加すること、(2)損傷の尾の重複の危険性の可能性を削減または低減しながら、最適な(例えば、50〜80%の)円周性を保証する血管直径の全範囲に対して開発される単一のアブレーションプロトコル、(3)血管直径に関係なく損傷の円周性の予測可能性の改善、(4)より小さい血管(例えば、総肝動脈)の長さを有する被験体が治療候補となることを可能にすることができる。様々な患者の解剖学的構造にわたって同様の性能を提供するように他の装置を構成することもできる。
図58は、血管壁周囲の単一の断面スライス内に複数の損傷部が形成されることによる円周性の可能性を防止または低減するように構成された血管内RFアブレーションカテーテル5800の一実施形態を示す。一実施形態では、RFアブレーションカテーテル5800は、血管の任意の断面スライスにおける外膜の75%を超える加熱またはアブレーションを含まないようにエネルギーが送達されるという保証を提供することができる。RFアブレーションカテーテル5800は、血管の円周の周りの離間した位置で血管壁に接触するように構成された拡張可能なフレームまたは骨格5805を含む。拡張可能なフレームまたは骨格5805は、部材に沿って血管接触点に配置された電極5815を有する互いに180°離間した2つの処置部材またはループ5810と、互いに180°離間し、電極5815を有する2つの処置部材またはループ5810から90°離間した2つの冷却部材またはループ5820とを備える。拡張可能なフレームまたは骨格5805の部材またはループの総数は、変えることができ(例えば、2つ、4つ、8つ)、処置部材またはループ5810の数および冷却部材またはループ5820の数は、変えることができる。例えば、拡張可能なフレームまたは骨格5805は、3つの処置部材またはループ5810と、1つの冷却部材またはループ5820とを備えることができる。部材またはループは、フレキシブルなスプライン、歯、腕などを備えることができる。拡張可能なフレームまたは骨格は、バスケット状の骨格を形成することができる。部材またはループは、均一な方法または不均一な方法で離間することができる。処置部材および冷却部材は、連続して交互に配置されてもよいし、連続して交互に配置されなくてもよい。いくつかの実施形態では、カテーテル5800は、1以上の拡張可能な部材を備える。拡張可能な部材は、バスケット状に拡張する部材から構成されてもよい。拡張された形態では、部材は血管壁に接触することができる。バスケットの個々の部材は、血管壁を冷却するように構成された少なくとも1つの冷却チャネルと、接触を介して血管壁内にRFエネルギーを伝達する1以上のRF電極を有する少なくとも1つの部材とを含むことができる。複数の冷却部材または電極部材は、所望のアブレーション結果をもたらすように構成することができる。一実施形態では、拡張可能な部材は、冷却流体およびバルーンの表面上に取り付けられた電極によって拡張されるバルーン、または上に取り付けられたRF電極を含む拡張可能なバスケットを備える。様々な実施形態において、冷却流体は、冷却部材内に収容されてもよく、または冷却部材から血管壁に向かって放出されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、損傷は、任意の1つの位置または断面スライスにおいて円周方向の損傷を生成することなく、連続的な斜めの円周方向の損傷を提供するように調節および配置することができる。いくつかの実施形態では、損傷の位置および程度の両方が制御される。損傷は、180度離間して配置され、血管の長さに沿って軸方向に変位させることができる。いくつかの実施形態では、損傷の円周方向および軸方向の範囲は、損傷のマージンがエネルギー送達要素(例えば、電極)位置のいずれかの側で90度の位置でちょうど交差するように制御される。いくつかの実施形態では、損傷の交差を検出するために温度またはインピーダンスを測定するために損傷の間に基準電極を配置することができる。いくつかの実施形態では、損傷は、1〜50mm(例えば、1、5、10、12、15、20、25、50mm、およびそれらの重複範囲)離間される。損傷は、重複していても重複していなくてもよい。一実施形態では、重複していても重複していなくてもよい複数の焦点またはアブレーション部位が、熱傷のラインを生成するために形成される。焦点または部位は、0.2mm〜20mm(例えば、0.2mm〜2mm、5mm〜15mm、10mm〜20mm、1mm〜12mm、またはそれらの重複範囲)離間させることができる。いくつかの実施形態では、損傷は非円周である。いくつかの実施形態では、損傷は、オフセットされた円周、部分的な円周、および完全な円周を含む円周である。様々な実施形態において、損傷は、電極直径の1〜15倍配置させることができる。例えば、1mmまたは2mmの直径を有する電極の場合、電極は、1mm〜30mm(例えば、1〜12mm、5〜15mm、10〜20mm、およびそれらの重複範囲)離間させることができる。損傷の間隔は、血管の直径に基づいて調節することができる。アブレーションの回数もまた、血管の直径に基づいて変化させることができる。
カテーテル先端の温度およびインピーダンス単独では、組織温度または損傷サイズの貧弱な指標である可能性があるため、損傷発生を監視し、および/または損傷形成を確認するために、アブレーションの間に先端温度およびインピーダンスの両方を測定し、それによって標的神経の除神経の確認を提供する
はじめに、先端温度が上昇し、インピーダンスが低下する。組織の導電率は、ある閾値(例えば、摂氏約80度)まで温度と共に増加する。この閾値温度を超えると、組織は収縮し始め、乾燥する場合があり、インピーダンスは減少する代わりに増加し始める可能性がある。除神経を確認するための損傷形成の指標として、温度およびインピーダンスの減結合を使用することができる。先端温度の対応する減少なしにインピーダンスが増加し始める場合、これは終点として、または損傷形成の確認として使用することができる。温度およびインピーダンスの減結合の時間はまた、パワーの減少または冷却の増加などのエネルギー送達プロトコルにおける他の変化を引き起こすフィードバックとして使用することができる。
図59を参照すると、RFアブレーションカテーテルのシャフトまたはフレームは、電極5910の長手軸5905が血管の長手軸5915と同じ平面にないことを保証するように構成することができる。このような構成の場合、図59に概略的に示されるように、電極によって作成された損傷の最も長い寸法は、血管の長手軸5915と平行でなくてもよい。一実施形態では、単一の遠位電極を有するカテーテルに対して血管の長手軸5915から電極5910を離すように配向させるために、カテーテルのシャフトは、遠位端にスパイラルを形成するように構成することができ、これは電極5910を血管の縦断面から外に傾斜させることができる。あるいはまた、マンドレルまたはガイドワイヤの挿入または除去によって、相対的に直線状から非直線状の姿勢にシフトする予め成形されたシャフトを使用することができる。複数電極カテーテルのアプローチの場合、バスケットまたは骨格の周りに配置された複数の電極を含むバスケットまたは骨格は、作動されると、電極を軸から外して保持するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、180度間隔とは対照的に90度間隔でアブレーション部位を半径方向に間隔を置いて配置することによって、血管の全円周アブレーションを防止または抑制することができる。図60は、180度間隔および90度間隔で実行されるアブレーションを概略的に示す。図示のように、たとえ180度間隔が血管の長さに沿って軸方向に離間されていたとしても、(各アブレーションが血管円周の約180度に及ぶ損傷を形成すると仮定すると)アブレーション損傷の「尾」は、血管の両側で潜在的に重複する可能性があり、これにより、完全な円周方向の損傷が形成される。90度間隔が使用される場合、隣接する損傷の間に重複が潜在的に存在する可能性があるが、複数の損傷で構成される損傷全体の完全な血管の円周性のリスクは低減される。単一または多点RFアブレーションカテーテルは、約90度のアブレーション部位の半径方向の間隔と、少なくとも1つの電極長さの長手方向の間隔とを促進することができる。いくつかの実施形態では、アブレーション部位の半径方向の間隔が90度であると、血管の完全には満たない円周アブレーション(例えば、75%〜95%、70%〜90%、65%〜80%、75%〜90%、またはそれらの重複範囲)を引き起こす。いくつかの実施形態では、治療部位(例えば、アブレーション部位)は、(例えば、エネルギー送達装置が3つの電極を含む場合、)円周方向に120度の間隔を置いて配置されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のシステムおよび方法は、脈管壁損傷および隣接構造の関与を減少させながら、血管周囲のアブレーションのサイズおよび神経の影響を有利に増加させる。例えば、RF電極の実施形態では、血管壁の損傷および隣接する構造の関与を最小限に抑えながら、電極形状およびエネルギー送達パラメータを設計して血管周囲のアブレーション領域および神経の影響を最大化または増加させることができる。種々の実施形態において、本質的に単一の電極からなるエネルギー送達装置が使用される。他の実施形態では、本質的に2つおよび2つのみの電極からなるエネルギー送達装置が使用される。いくつかの実施形態では、本質的に4つおよび4つのみの電極からなるエネルギー送達装置が使用される。他の実施形態では、本質的に3つおよび3つのみの電極からなるエネルギー送達装置が使用される。さらに他の実施形態では、本質的に5つおよび5つのみの電極からなるエネルギー送達装置が使用される。
図61Aおよび図61Bを参照すると、アブレーションパターンは、アブレーション部材(例えば、電極、トランスデューサ)と接触している血管壁の部分に対して、熱損傷または内皮形成がほとんどまたは全くない(例えば、血管損傷の20%未満の平均最大円周、内部弾性薄層断裂なし、動脈解離なし、および/または臨床的に重要な新内膜形成なし、長期間の血管狭窄なし、円周血管壁損傷なし)ことを維持しながら、血管周囲全体のアブレーション容積を有利に増加させることができる。図61Aは、4つの離間したアブレーション位置6105A〜6105Dを含むアブレーションパターンの一実施形態を示す。アブレーション位置は等しい距離Xで離間され、各アブレーション位置は次の位置から180度オフセットされて(ずれて)いる。いくつかの実施形態では、位置間の間隔は最小閾値によって決定され、間隔は必ずしも等しい必要はない(単に最小閾値間隔を超えていればよい)。(損傷ゾーンの中心点間の)最小閾値間隔は、2〜8mm(例えば、2〜4mm、3〜6mm、4〜8mm、3〜7mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、それらの重複範囲、または範囲のまたは範囲内のいずれかの値)とすることができる。いくつかの実施形態では、最小閾値間隔は、標的血管長さの解剖学的限界に依存する。例えば、総肝動脈では、いくつかの実施形態によれば、間隔は4mmまたは6mmである。図61Aに関して説明した間隔は、本明細書に記載の実施形態のいずれかにおける電極の間隔に使用することができる。配備形態を有する装置の場合、間隔は、装置が配備形態で血管壁と接触するときの間隔でとすることができる。
図61Bは、図61Aに示される4つの位置でアブレーションによって形成された損傷ゾーン6110A〜Dの概略図を示す。図示されるように、間隔と180度のオフセットの組み合わせは、血管の長さに沿ってより大きな円周方向の血管周囲の損傷を提供するために、血管周囲の損傷の融合を増加させ、それにより円周方向の血管壁の損傷を回避しながら、有効性の可能性を増加させる。電極の大きさ、パワー、持続時間、および接触のレベルの要因もまた、有効性に寄与する可能性がある。いくつかの実施形態によれば、個々のアブレーションポイントおよびその後の損傷ゾーンは、電極サイズおよび形状、アブレーションシステムによって適用されるエネルギーアルゴリズム、血管直径、血管壁厚さ、および血流速度によって影響される。アブレーションポイント間の間隔は、血管壁および血管周囲空間における個々の損傷ゾーンの融合または分離を促進する。いくつかの実施形態によれば、アブレーションポイント間の間隔を大きくすると、損傷ゾーンの融合が減少(例えば、最小化)し、アブレーションポイント間の空間を小さくすると、損傷ゾーンの融合が増加(例えば最大化)する。血管を取り囲む神経を妨害するための損傷ゾーンを作成する場合、血管壁内の損傷ゾーンを縮小(例えば、最小化)し、血管周囲空間内の損傷ゾーンを増加(例えば、最大化)することが望ましい。損傷ゾーンの融合の最適化は、360度(または360度近く)の円周方向の血管周囲損傷ゾーンの可能性を高め、一方、治療血管の長さに沿った円周方向の血管壁損傷の可能性を低減し、それによって血管狭窄を回避する。電極の直径および長さ(例えば、3mm2〜16mm2の電極面積(例えば、3mm2〜6mm2、4mm2〜8mm2、4mm2〜10mm2、6mm2〜8mm2、8mm2〜12mm2、10mm2〜16mm2、4mm2、6mm2、8mm2、10mm2、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)およびエネルギーアルゴリズム定数(例えば、500J/アブレーションポイント〜2000J/アブレーションポイント、500J/アブレーションポイント〜1000J/アブレーションポイント、1000J/アブレーションポイント〜2000J/アブレーションポイント、500J/アブレーションポイント、1000J/アブレーションポイント、1200J/アブレーションポイント、1600J/アブレーションポイント、2000J/アブレーションポイント))を保持しながら、血管直径範囲内でアブレーションポイント間の距離を8mm以上(例えば、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm)から6mm以下(例えば、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm)に減少させることによって、血管壁損傷を一定に保ちながら、血管の長さに沿った360度の円周方向の血管周囲アブレーションゾーンの頻度を増加させることができる。いくつかの実施形態によれば、(点間隔、電極サイズ、エネルギーアルゴリズム、円周方向のオフセットを含む)パターンは、2:1以上(例えば、5:1、4:1、3:1、2:1)の円周方向血管周囲損傷の円周方向血管壁損傷に対する割合を生成するように構成される。いくつかの実施形態では、パターンはまた、接触レベル(例えば、押し込み深さまたは接触力)を含むことができる。例えば、押し込み深さは、0〜1mm(例えば、0.1mm〜0.3mm、0.2mm〜0.4mm、0.3mm〜0.6mm、0.4mm〜0.8mm、0.6mm〜1mm、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)の範囲とすることができる。接触力は、1〜15グラムの力(gmf)(例えば、1〜5gmf、5〜10gmf、10〜15gmf、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、各アブレーションポイントは180度オフセットされている。他の実施形態では、円周方向のオフセットは、90度〜180度(例えば、90度〜130度、100度〜140度、110度〜160度、130度〜180度、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)である。
総肝動脈などの治療血管中の治療構成の一実施形態は、互いに長手方向および/または回転方向に離間する2以上の(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、6つを超える)ゾーンを処理するためのものである。いくつかの例では、隣接するゾーンが、図61Aに示されるように、長手方向および回転方向の両方に離間した2以上のゾーンを処理することは、有利となる可能性がある。このような一連の処理ゾーンは、長手方向および回転方向の両方で電極を操作することによって、単一の電極の実施形態で作ることができる。いくつかの場合には、処置血管の内腔の対向する象限(または側部)に沿って整列する傾向のある2以上の電極を含むことが望ましい場合がある。これは、図61Aに記載されているものなどの複数の重複しない処理ゾーンが所望される場合、特に有益である可能性がある。
様々な実施形態において、電極は、直径が約0.5mm〜5mm(例えば、0.5mm、1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、または記載された範囲内の任意の直径)である。電極は、1mm〜4mm(例えば、1.0mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、1.6mm、1.7mm、1.8mm、1.9mm、2.0mm、2.1mm、2.2mm、2.3mm、2.4mm、2.5mm、2.6mm、2.7mm、2.8mm、2.9mm、3mm、3.1mm、3.2mm、3.3mm、3.4mm、3.5mm、3.6mm、2.7mm、3.8mm、3.9mm、4.0mm)、2.5mm〜3.0mm、2.6mm〜2.9mm、2.7mm〜3.0mm、3.0mm〜3.5mm、3.5mm〜4.0mm、2.0mm〜2.5mm、またはそれらの重複範囲の長さを有することができる。いくつかの実施形態では、電極の長さの電極の直径に対する比は、1:1、1.2:1、1.3:1、1.4:1、1.5:1、1.6:1、1.7:1、1.8:1、1.9:1、または2:1である。いくつかの実施形態では、電極は、円筒形(例えば、丸い)または非円筒形(例えば、湾曲した、溝付き)電極を含む。
一実施形態では、電極カテーテルは、偏向可能または操縦可能なカテーテルシャフトの遠位先端の単一の丸い電極から本質的になる。電極は、偏向されたシャフト状態で電極の側面が血管壁とほぼ平行になることを可能にして安定した接触領域を提供するフレキシブルシャフトセグメントに結合することができる。電極の直径は、血管壁との一貫性のある大きな接触面積を可能にし、それによって電極を血管壁に埋め込むオペレータの能力を最小化にする。血管接触面積および残りの表面積は、有利には、エネルギーを10ワットまでステップさせるエネルギーアルゴリズムによって制御された先端温度を維持しながら血管壁への効果的なエネルギー伝達を可能にすることができ、治療サイクル中にエネルギー送達を調節するために電極温度を監視する。エネルギー送達パラメータは、本明細書に記載される範囲内とすることができる。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のシステムおよび方法は、血管壁円周(例えば、総肝動脈壁円周)の平均5〜30%(例えば、5〜10%、10〜15%、15〜20%、20〜25%、25%〜30%、またはそれらの重複範囲)と約5mmの深さにおける血管周囲の円周の40%〜80%(例えば、40〜60%、45〜55%、50〜60%、60〜85%、またはそれらの重複範囲)に影響を及ぼすサイズおよび形状およびエネルギー送達パラメータを有する単一の電極、2つの電極、または4つの電極を使用し、それにより(より大きなアブレーションゾーンを達成することにより)アブレーション当たり多数の神経に影響を及ぼし、同時に所望の治療効果を達成するために患者の動脈内の総アブレーション回数をより少なくする。総肝動脈の長さは平均でわずか30mmであるので、総肝動脈を標的とする実施形態は、総肝動脈の長さにわたって実施することができるアブレーションの数が制限される。したがって、この解剖学的構造を標的とするときに、依然として血管壁に対する損傷を低減または制限しながら、アブレーション回数を減らし、アブレーションの有効性を高めることは有利である。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のRFアブレーションカテーテルは、成功するアブレーションのために必要なエネルギーサイクルを開始または完了させるための適切な接触条件を維持し、それにより拘束された血管の長さにもかかわらず、アブレーションサイクルまたは配置位置の数を減少させる
図62Aおよび図62Bは、例えば、図61Aおよび図61Bに示されるような、複数の治療ゾーンを生成するために治療用カテーテル6200を複数の位置に配置することが望ましい場合に、治療用カテーテル6200の位置決めを助ける損傷間隔インジケータ6202の使用を組み込んだ治療用カテーテル6200および位置決め方法の一実施形態を示す。記載される損傷間隔インジケータおよび技術は、本明細書に記載の神経調節装置(例えば、治療用カテーテル、アブレーションカテーテルまたは装置)の任意の実施形態に組み込むことができ、それによって神経調節装置(例えば、治療用カテーテル)は、複数の治療ゾーン6204を生成するように再位置決めされる。治療用カテーテル6200は、配備形態にあるときに、離間距離Lだけ長手方向に間隔を置いて配置され、(例えば、約180度オフセットされた)血管の対向する側で血管に接触する複数の電極6205(この場合、2つの電極)を含む。治療用カテーテル6200は、2つの損傷間隔インジケータ6202を含むことができ、電極6205の遠位側の治療用カテーテル6200の遠位端部分に固定することができる。損傷間隔インジケータ6202の間隔は、電極6205の(配備されたときの)長手方向の間隔と所定の関係とすることができる。この場合、損傷間隔インジケータ6202の間隔は、長さLの2倍(または2L)である。図示されているように、治療用カテーテル6200は、偏向可能部分上に1つの電極と、偏向不可能部分上に1つの電極とを含む。しかしながら、他の実施形態では、両方の電極6205は、偏向可能部分に沿って、または偏向不可能部分に沿って配置されてもよい。
使用中、治療用カテーテル6200は、蛍光透視血管造影撮像の助けを借りて所望の治療血管内に配置することができる。(例えば、図62Aに示されるように)血管内の所望の第1の位置に配置されると、電極6205は、電極6205の血管壁との接触位置における第1のセットの治療ゾーン6204A(例えば、損傷ゾーン)を生成するように作動される。治療用カテーテル6200は、遠位損傷間隔インジケータ6202Bを、近位損傷間隔インジケータ6202Aが以前にあった位置に配置することによって、第2の位置(この場合は後退位置)に再配置される。配備されると、電極6205は、(図62Bに示されるように)第2のセットの治療ゾーン6204Bを生成するために第2の時間に作動される。このようにして、血管の交互の対向する側に4つの比較的等間隔の処理ゾーンが形成される。
治療用カテーテルが第1の位置(例えば、図62Aに示されている位置)にあるとき、対応する解剖学的標識が蛍光透視画像または血管造影画像に記されているならば(例えば、近位マーカー6202Aに隣接する側枝)、それはまた有利である可能性がある。この第1の血管造影画像から「ロードマップ」が作成されたならば、治療用カテーテル6200は、追加のコントラスト(造影剤)の供給を必要とせずにロードマップの「上での」蛍光透視画像の利用のみによって第2の位置に再配置することができる。放射線不透過性マーカー6202はまた、デジタルサブトラクション血管造影の場合にも有用である可能性がある。この実施形態では、治療用カテーテル6200がその第1の位置にあるとき、損傷間隔インジケータ6202のゴースト画像を作成することができる。第2の位置への再配置は、追加のコントラストの供給を必要とすることなく達成することができる。
電極6205の遠位側の2つの損傷間隔インジケータ(例えば、放射線不透過性マーカーバンド)について説明したが、損傷間隔インジケータを電極の近位にすることもできると考えられ、電極が蛍光透視法で可視である限り、電極6205のうちの1つを損傷間隔インジケータのうちの1つとして使用することも可能である。放射性物質を組み込んだカテーテルシャフトの部分も使用することができる。
配備されたときの2つの電極が長手方向に離間した配置であるが血管の対向する側にある上記の実施形態では、損傷インジケータの間隔は、有利なことには、電極間隔の2倍である。しかしながら、配置された電極が長手方向に離間しているが血管の同じ側にあるいくつかの実施形態では、損傷間隔インジケータ間の間隔は、有利なことには、電極間の間隔に等しいか、またはその間隔の半分である。電極間の間隔は、血管の直径に応じて変化させることができる。他の実施形態では、第1の2つの損傷ゾーン6204Aは、血管の同じ側にあり、第2の2つの損傷ゾーン6204Bは、血管の反対側にあり、治療用カテーテル6200は血管の反対側に回転され配置され、損傷間隔インジケータ間の間隔と損傷間隔インジケータの位置とによって決定することができるので、遠位電極は、第1の2つの損傷ゾーン6204Aの間に軸方向に位置決めされる。
いくつかの実施形態によれば、制御された電極配備は、一貫した電極位置決め、接触力および姿勢を達成することが望ましい。複数の弾性的または変形可能な電極支持部材を制御可能に解放して回復するための様々な手段が本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、電極がガイドカテーテルの遠位末端に非常に近い(例えば、5mm以内の)場合でも、電極を制御可能に解放および回復するための手段は機能する。いくつかの実施形態では、電極配備アームおよび/または電極配備シースの向きを逆にして、電極をガイドカテーテルの遠位末端に近接して配置することができる。いくつかの実施形態では、作動結合要素が、電極配備アームまたはシースを遠位方向から作動させるために提供される。
例えば、図63A〜図63Cは、プロファイルを増加させることなくシャフトに沿って横方向に配備された複数の電極を提供するための配備スリーブシステムの様々な実施形態を示す。1以上の電極6305は、血管壁に接触するように配備することができる弾性屈曲要素に取り付けることができる。図63A−1および図63A−2は、同軸電極配備スリーブシステム6300の実施形態を示す。図63A−1の配備スリーブシステム6300は、電極の配備を制御するために独立して調節可能な単一の内側スリーブ6302および同軸外側スリーブ6304を備える。第1の電極配備アームは、レール部材によって共通支持要素6308に結合される。第2の電極配備アームは、内側スリーブによって取り囲まれておらず、外側スリーブ6304の後退によって配備される。図63A−2の配備スリーブシステム6300は、レールセクション6306によって共通支持要素6308に摺動可能に結合された2つの内側スリーブ6302を含む。共通支持要素6308は、ガイドワイヤであってもよい。図63Bは、ダブテール電極配備スリーブシステム6300’の一実施形態を示す。配備スリーブシステム6300’は、外側スリーブ6304内で独立して前進可能な2つの内側スリーブ6302を含む。2つの内側スリーブ6302は、蟻溝(ダブテール)方式で互いに結合される。2つの内側スリーブは、電極6305が血管の長さに沿って軸方向に離間して配置されるように、または血管の長さに沿って軸方向に整列されるが180度オフセットされて配置されるように電極6305を配置するために、互いに対して並進させることができる。図63Cは、側部孔スリーブ配備システム6300”の一実施形態を示す。スリーブ6302は、(図示されるように)複数の電極の配備および回復を可能にするように設計された複数の側部孔6312を有することができ、または、単一の電極の配備および回復のための単一の側部孔を有してもよい。複数の電極または電極配備部材を含む実施形態では、電極は、周方向および/または軸方向にオフセットされた間隔を提供するように独立して調節可能とすることができる。いくつかの実施形態では、スリーブおよび/またはガイドワイヤは、電極の入れ子を可能にするように形成され、電極は、スリーブまたはガイドワイヤの上で入れ子になるようにスロットをつけることができる。図63A〜図63Cに示される様々な実施形態の向きは、ガイドカテーテルの遠位末端に非常に近い部位の治療を促進するために逆転されてもよい。
一実施形態では、配備スリーブは油圧によって作動される。例えば、スリーブは、転動膜を含むことができる。油圧スリーブ上の電極は、油圧配備後の機械的張力によって回収されてもよい。
(f.多電極装置)
図64A〜図64Kは、多電極エネルギー送達装置の様々な実施形態を示す。図示のように、エネルギー送達装置は、本質的に2つの電極または4つの電極からなることができる。様々な実施形態において、電極およびエネルギー送達パラメータは、神経の成功した調節(例えば、肝動脈(例えば、総肝動脈、固有肝動脈、右肝動脈、左肝動脈)の血管周囲領域における神経の除神経またはアブレーション)を達成するために、2つを超えるまたは4つを超える電極がそれぞれ必要とされないように設計される。いくつかの実施形態によれば、エネルギー送達装置は、均一な接触特性を提供し、それにより、カテーテル配置当たりの最大接触のカスタマイズによって一貫したアブレーション性能を達成する。
図64A〜図64Dは、複数電極送達装置の実施形態の非配備状態および配備状態を示す。図64A−1および図64A−2は、2つのボタン電極6405を有する多電極カテーテル6400の遠位部分の非配備形態および配備形態を示す。ボタン電極6405は、カテーテルシャフト内の延長部材6410の結果として電極シャフトを外側に押し出すことによってカテーテル表面から機械的または液圧的に半径方向に配備することができる。延長部材6410は、バルーン、拡張可能な機械的骨格またはフレーム、または拡張または他の作動の際に電極6405を血管壁に対して配備状態に押し出す他の拡張可能な部材または構造とすることができる。延長部材6410は、電極6405上に均一な外向きの圧力を提供する。電極6405は、非配備状態のカテーテルシャフト内に含まれる電極シャフト表面を取り囲むコイルバネ6415または他の制御要素(例えば、圧縮部材および/または引張部材)を含む。コイルバネまたは他の制御要素(例えば、力制限および/または力回復構造)は、電極が突き出ることができる最大の外向きの力を有利に制限し、内部延長部材が非作動状態(例えば、非拡張状態)に戻されると、電極を非配備状態に戻すことができる。多電極カテーテルは、有線(オーバー・ザ・ワイヤー)カテーテルまたは操縦可能なカテーテルでとすることができる。多電極カテーテル6400は、有利には、以下の利点のうちの1以上を提供することができる:(i)同時かつバランスの取れた電極配備、(ii)血管壁に対する電極配備に必要なガイドカテーテルまたはシース先端を越えてカテーテルの露出長さを減少させる、および/または(iii)電極接触力を独立に制限する能力を可能にする。
多電極送達装置のいくつかの実施形態は、カテーテルシャフトに沿って配置された電極配備アームのペアを含む。電極は、多数の機構(例えば、(1)配備アームを解放して配備状態に自己拡張する引き込み可能なシース、(2)配備アームを機械的に分離して半径方向に拡張して電極の血管との接触を確実にする引き込み可能な先端、および/または(3)電極の血管壁との接触を可能にする所定の形状に弾性的に変形する構造を含む引張ワイヤ作動配備アーム。)によって配備することができる。
図64B−1および図64B−2は、複数の電極6405の配備を促進するための引き込み可能なシース6402を有する多電極カテーテル6400の一実施形態の非配備形態および配備形態を示す。所定の形状に弾性変形し、それにより電極6405の血管壁との接触を可能にする構造を含む個々の配備アーム6406の端部に複数の電極6405は結合される。電極配備アーム6406は、引き込み可能なシース6402の収縮時に予め形成された形状に自動的に移行する形状記憶材料を含むことができる。図示のように、多電極カテーテルは、引き込み可能なシース6402の遠位端とインターフェース接続する大きさの遠位先端を有するコア部材6407を含むことができる。コア部材6407は、オーバー・ザ・ワイヤの前進を促進するための中心内腔を含む。他の実施形態では、コア部材6407は、中心内腔を含まない。引き込み可能なシース6402およびコア部材6407は、互いに独立して制御および移動することができる。
図64C−1および図64C−2は、血管壁との均一な電極接触を促進するために電極配備アーム6406を機械的に分離および半径方向に拡張するように構成された引き込み可能なカテーテル先端部6403を有する多電極カテーテル6400の一実施形態の未配備形態および配備形態を示す。図64Bの多電極カテーテルと同様に、図64Cの多電極カテーテルは、引き込み可能なシース6402を含む。しかしながら、この実施形態の電極配備アーム6406は、引き込み可能なシース6402の引き込み時に自動的に配備されず、引張ワイヤによって作動させられない。図示した実施形態では、カテーテル先端6403を近位方向に後退させることによって、電極配備アームが分離され、血管壁に向かって外側に拡張される。カテーテル先端6403は、近位方向に引っ張ることができる内側部材(例えば、ワイヤ、テザー、シャフト)に結合することができる。図64A〜図64Cに示される様々な実施形態の向きは、ガイドカテーテルの遠位末端に非常に近い部位の治療を促進するために、逆にすることができる。
図64D−1および図64D−2は、所定の形状に弾性変形する構造を含む複数の引張ワイヤ作動電極配備アーム6406を有し、それにより電極6405の血管壁との均一な接触を可能にする多電極カテーテル6400の一実施形態の未配備形態および配備形態を示す。電極配備アーム6406は、付勢されたスロット付きハイポチューブまたはマイクロチューブを備える。図示の実施形態では、電極配備アーム6406の遠位セグメントは、電極配備アーム6406の遠位端を所定の形状に弾性変形させるように構成されたスロットまたはスリットを有する。電極配備アーム6406の各々は、電極の側部が血管壁と少なくとも実質的に平行となるように電極の枢動(ピボット)を可能にするように設計された電極取り付け点の直近にある「柔らかい」またはフレキシブルなセグメント6408を備える。いくつかの実施形態によれば、柔らかいセグメント6408は、電極が完全に配備された状態で血管に及ぼすことができる最大の力を有利に制限することができる。電極配備アームは、単一の引張ワイヤ6401によって集合的に作動されてもよく、または別々の引張ワイヤ6401によって個別に作動されてもよい。
図64Eは、複数の電極による均一で一貫した接触を提供するように構成された多電極カテーテル6400の一実施形態を示す。多電極カテーテル6400は、中心枢動点6411と2つの電極6405とを有するレバーアーム6409を備えたオーバー・ザ・ワイヤーカテーテルであり、レバーアーム6409の各端部に1つの電極が配置されている。トルクは、1以上のトルク印加機構によって印加される。様々な実施形態において、トルク印加機構は、直線運動を回転運動に変換することができる。そのような機構は、プーリー、ラックアンドピニオン、スコッチヨーク、クランクシャフト、ボールネジ、リードスクリュー、および/またはカムフォロワのうちの1以上を含むことができるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、直線から回転への機構は、ヘリカル溝またはスロットを有する細長いチューブまたはシャフトと、スロットまたは溝内を摺動するように適合されたピンを提供する回転要素とを備える。他の実施形態では、トルク印加機構は、第1の方向の回転運動を第2の方向の回転運動に変換することができる。そのような機構は、ウォームギア、スパイラルギア、ベベルギア、および/またはねじれたベルトまたはチェーンのうちの1以上が含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ギアはピンギアである。中心枢動点は、有利には、配備部位での電極配備およびカテーテルのセンタリング、ならびに単一の配備機構で電極接触力を独立して制限する能力を可能にすることができる。多電極カテーテル6400は、他の実施形態では、複数のレバーアーム6409を備えることができる。
図64F−1〜図64F−4は、治療血管の対向する側に2つの長手方向に変位した治療ゾーンを作成するために能動的に配備することができる2つの電極6405を含む神経調節装置(例えば、治療用カテーテル)6400の一実施形態(例えば、「弓の弦」設計)を示す。配備形態では、図64F−2に示されるように、治療用カテーテル6400は、血管壁の第1の側の第1の位置で接触するように構成された第1の電極6405Aを含む(例えば、運ぶ)配備セグメント6406を含む。配備セグメント6406はまた、カテーテルシャフト6416の隣接する遠位部分および近位部分を血管壁の反対側に押し付ける。第2の電極6405Bは、近位部分6417でカテーテルシャフト6416に結合または固定されることができ、したがって、第1の電極6405Aから血管の反対側の象限にある血管壁に接触する。カテーテルシャフト6416の遠位部分6419はまた、治療用カテーテル6400を血管の軸に沿った配向を維持する傾向にあるこの対向する象限に押し付けられる。配備は、内側チューブ6418をカテーテルシャフト6416の残りの部分に対して(例えば、長手方向の作動によって)後退させることによって制御することができる。内側チューブ6418はまた、ガイドワイヤと共に使用するための内腔を提供するのに役立つこともできる。
配備セグメント6406は、外側に配備されたときに構造的安定性を提供することができるリボン状の断面を含むことができる。図64F−3に見られるように、配備セグメント6406を構成する要素は、内側センサおよび/または電力リード線6424(例えば、銅およびコンスタンタンのリード線、光ファイバー、他の温度測定装置のリード線および/または他のセンサまたは電力導体リード線を含むT型熱電対などのバイファイラ熱電対)をその間に有する2つの横方向に変位した外側構造ワイヤ6422を含むリボン複合体を含むことができる。外側構造ワイヤ6422は、ニチノール、ステンレス鋼または他の金属、金属合金、または形状記憶材料を含むことができる。一実施形態では、外側構造ワイヤ6422の直径は0.006インチであるが、他の直径(例えば、0.0004インチ〜0.0010インチ、0.0005インチ〜0.0015インチ、0.0008インチ〜0.0012インチ、それらの重複範囲、または列挙された範囲のまたは範囲内の任意の値)を要望および/または必要に応じて使用してもよい。内側リード線は、1以上のポリマー材料(例えば、ポリイミド、PTFE、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、ポリウレタン、ナイロン等)から構成される絶縁カバーまたはジャケットにオプションとして包まれてもよい。(図64F−4に示されるように)配備セグメント6406が第1の電極6405Aに接続する場合、(もしも含まれていれば熱電対のリード線のうちの1つとすることができる)通電リード線は、適切な接続手段によって(例えば、はんだ付けまたは溶接によって)電極6405Aに電気的に接続される。いくつかの実施形態では、構造用ワイヤ6422は、電気的に絶縁された金属または金属合金(例えば、ポリイミドラミネート、熱可塑性リフロー絶縁材)のほぼ平面の構造要素を含む。様々な実施形態では、リボン複合構造は、外側構造ワイヤおよび内側センサおよび/または電源ワイヤを囲む外側カバー(図示せず)をオプションとして含む。外側カバーは、ポリイミドテープ、Pebax(商標名)、同時押出ポリマー(ホットメルト接着剤の内側)、および/またはすべてを一緒に接着するために使用される接着剤を含むことができる。
第1の電極6405Aは、図64F−4に見られるように、概して「馬蹄形」またはU字形を有することができる。開口部は、治療用カテーテルが配備されていないとき(図64F−1)、血管内に治療用カテーテル6400を配置する間に、電極6405Aが内側チューブ6418の周りに入れ子状になることを可能にする。配備時に、第1の電極6405Aは、内側チューブ6418から横方向に移動することができる。いくつかの実施形態では、第1の電極6405Aは、配備セグメント6406がその中に確実に存在することができる鍵穴6426を含む。そのような鍵穴6426は、第1の電極6405Aに良好な機械的接続を提供する。第2の電極6405Aは、第1電極6405Bと同様の形状を有していてもよいし、カテーテルシャフト6416の全周に亘って延びる円筒形状を有していてもよい。
図64B〜図64Eの多電極カテーテル6400は、以下の利点のうちの1以上を有利に提供することができる:(i)電極ペアの同時かつ均衡のとれた電極配置、(ii)電極の配備中にカテーテルを中心に合わせる、(iii)血管壁に対して電極を配備するのに必要なガイドカテーテルまたはシース先端を越えたカテーテルの露出長さを減少させる、および/または(iv)電極接触力を独立に制限する能力を可能にする。電極配備アーム6406は、血管壁の長さに沿った単一の位置で、または血管壁の長さに沿った異なる位置で、単一の円周方向断面に沿って電極を離間させるように設計することができる。電極6405は、同時にまたは連続的に作動させることができる。
図64G−1、図64G−2、図64G−3、図64G−4、図64G−5、図64G−6、図64H、および図64Iは、プロファイルを増加させることなく、カテーテルシャフトに沿って複数の電極6405の制御された自己拡張電極配備を提供するように構成された複数の片持ち尖または電極配備アーム6406を有する多電極カテーテル6400の様々な実施形態を示す。配備アーム6406は、(例えば、図64Hおよび図64Iに示されるように)メインカテーテルシャフトに戻って接続しない自由に浮遊する遠位端を備えることができる。いくつかの実施形態では、多電極カテーテル6400は、(例えば、図64Gおよび64Jに示されるように)配備アームが両端部でメインシャフトに接続されている配備アームの閉じた構成を含む。配備アームの数は変えることができる(例えば、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多いアーム)。各配備アームは、配備アームの長さに沿って配置された単一の電極または複数の電極からなることができる。閉鎖構成の場合、各電極は(例えば、図64G−1に示されるように)配備アームの長さの中央部分に配置することができるか、または電極は(例えば、図64G−2に示されるように)配備アームの長さに沿って軸方向にオフセットされた位置に配置することができ、血管の長さに沿って離間した位置での損傷の形成を促進する。単極の場合、複数の電極を同時にまたは順次に作動させることができる。片持ち尖は、(例えば、図64Hに示されるような)直線軸スロットまたは(例えば、図64Iに示されるような)湾曲スロットから配備することができる。図示されるように、多電極カテーテル6400は、ガイドワイヤ上での前進を促進するための中央内腔を備えていてもよい。多電極カテーテルは、様々な実施形態において、2つの電極または4つの電極からなることができる。電極は、血管の長さに沿って間隔を置いて配置された様々な位置(例えば、0.4cm、0.5cm、0.6cm、0.7cm、0.8cm、0.9cm、1cm、1.1cm、1.2cm、1.3cm、1.4cm、1.5cm、1.6cm、1.7cm、1.8cm、1.9cm、2cm、0.4cm未満、または2cmを超えて離れている)に配備されるように構成することができる。電極は、血管壁との表面接触の増加を促進するために血管壁の曲率に一致するように構成された丸い電極(例えば、円筒形、スロット付き、半円筒形、C形、D形の電極)を含むことができる。電極はまた、図64F−4に関連して上述したような鍵穴スロットを備えてもよい。図64G〜図64Iに示される様々な実施形態の向きは、ガイドカテーテルの遠位末端に非常に近い部位の治療を促進するために逆にしてもよい。本明細書に記載される配備アームまたはセグメントは、プル作動またはプッシュ作動とすることができる。
図64G−2Aは、治療用カテーテル6400の両側で2つの配備アームまたはセグメント6406上に取り付けられた2つの配備可能な電極6405を有する治療用カテーテル6400の一実施形態を示す。各配備セグメント6406の遠位端は、同じ長手方向の位置で治療用カテーテル6406内に固定することができる。各配備セグメント6406の近位部分は、カテーテルシャフト6416上の同じ長手方向位置から出てくることができる。電極6405は、配備セグメント6406に沿って非対称に配置してもよい。例えば、図64G−2Aに示されるように、第1の電極を、その配備セグメント6406により近位に取り付けることができ、一方、近位電極は、より近位に取り付けられる。
配備セグメント6406は、図64G−2Aの場合のように、均一な断面を有してもよく、又は不均一な断面を有してもよい。各配備セグメント6406は、電極6405の近位に比べて電極の遠位に延びる、異なる曲げ剛性を有することができる。このようにして、配備セグメント6406は、例えば、図64G−2Aに示されるように、偏心して配備することができる。異なる曲げ剛性は、例えば、配備セグメント6406の一部の寸法を縮小することによって達成することができる。
配備セグメント6406は、各配備セグメントの近位部分をカテーテルシャフト6416に対して遠位方向に前進させることによって作動させることができる。配備セグメント6406は、同時にまたは連続して作動させることができる。図64G−2A(図64G−2B)の断面図に見られるように、配備セグメント6406の近位部分は両方とも、配備セグメント6406を介して電極6405に接続される電気リードワイヤも含むまたは含有する長手方向に可動な要素6430(例えば、管状スリーブ)に結合するか、または固定することができる。治療用カテーテル6400は、ガイドワイヤの追従性を促進するために、本明細書の他の場所に記載されているような遠位延長部6424を含むことができる。
図64G−3A〜図64G〜図3Cは、配備可能な多電極治療用カテーテル6400の一実施形態を示す。治療用カテーテル6400は、2つのオフセットされた配置アームまたはセグメント6406を備え、それぞれは、電極6405(例えば、「二重弦」設計)を含む。各配備セグメント6406は、カテーテルシャフト6416から横方向に離れて延びるように構成される。配備セグメント6406は、血管壁と接触しているときに、それらがほぼ反対側にあるように、180度離れて配置することができる。他の角度の向き、ならびにカテーテルシャフトの長さに沿った2つを超える配備セグメント、または配備セグメント当たり2つ以上の電極が考えられる。
図64F−1〜図64F−4に関連して説明した実施形態と同様に、図64G−3A〜図64G〜図3Cの電極6405は、(図64G−3Bに示されるような)非配備条件において、治療用カテーテル6400のシャフト6416の周りに電極6405を入れ子にすることができるように、「馬蹄形」またはU字型とすることができる。他のスロット付きまたは入れ子の形状または形態もまた考えられる。電極6405の配備方法は、図64G−3Cの断面図に見ることができるように、近位カテーテルシャフトの外側チューブに対する長手方向に移動可能な内側チューブ6430を含むことができる。内側チューブ6430の移動(例えば、後退)は、配備セグメント6406の遠位接続部を引っ込め、それによって電極6405を半径方向外側に配備させることができる。いくつかの実施形態によれば、両方の電極6405もまた半径方向外側に移動するにつれて逆行するように動くが、それらの間の長手方向の間隔は比較的一定のままであり、有利なことには、広範囲の血管直径にわたって一貫した長手方向の間隔をもたらす。配備セグメント6406は、図64F−3に記載された構成と同様の複合リボン状構造とすることができる。いくつかの実施形態では、カテーテル6400は、追跡可能性を促進するために遠位延長部6419を含む。
様々な実施形態において、電極6405は、電極6405の拡張および安定化を提供するステント様支持構造間で支持されることができ、前記支持構造は、血管直径とは実質的に無関係に電極6405の軸方向間隔を制御する実質的に軸方向のコネクターによって接続される。ステント様支持構造は、編組、ジグザグ、蛇行、正弦波、ピンホイール、モザイク模様、または非モザイク模様のデザインとすることができる。支持体は、PEEK繊維、絶縁金属、またはこれら2つの組み合わせで構成することができる。
図64G−4は、RF電極治療用カテーテル6400の偏向可能部分の一実施形態を示す。偏向可能部分は、それぞれが電極6405を含む2つの配備セグメント6406を含む。電極は、図示のように配備形態において、長手方向および円周方向にオフセット(例えば、180度のオフセット)されるように配置される。配備セグメント6406は、ワイヤの編組ガイドアセンブリ6421によって作動されるように構成される。一実施形態では、編組ガイドアセンブリ6421の近位部分は、カテーテルシャフト6416の外側チューブ6423に結合され、編組ガイドアセンブリ6421の遠位部分は、カテーテルシャフト6416内の内側チューブ6425に結合され、内側チューブ6425は外側チューブ6423に対して移動可能であり、またはその逆である。
図64G−5および図64G−6は、フレームまたは骨格6404の長さに沿って配置された複数の電極6405を有するフレームまたは骨格6404を含む多電極カテーテル6400の実施形態を示す。図64G−5のフレームまたは骨格6406は、同一平面に沿って整列されているが互いに180°離間し、フレーム6404の長さに沿って軸方向に離間した電極6405を有する平面フレーム6404を含む。フレーム6404の一部だけが図示される。フレーム6404は、同じ交互の180度パターン(例えば、4つの全電極)に続く追加の電極を含むことができることを理解すべきである。図64G−5に図示される電極は、単極電極である。代替の一実施形態では、電極6405は、双極電極ペアのうちの第1の電極(例えば、活性電極)を備え、対応する第2の電極(例えば、リターン電極)は、第1の電極とは反対側の支柱上のフレーム6404上に配置されることができる。いくつかの実施形態では、フレーム6404は、非平面とすることができる(例えば、フレーム6404は、ヘリカルまたはスパイラル構成を有してもよい)。いくつかの実施形態では、フレーム6404は、ステントと同様の構成を有することができる。
図64G−6のフレーム6404は、電極6405のそれぞれの内腔を通って延びる2本の連続ワイヤを含む。ワイヤは、電極6405を周方向に180度オフセットした軸方向に離間した位置で血管壁に接触させるように構成される。電極間のワイヤの部分は、外側に配備して血管壁に接触して電極6405の血管壁との接触を維持するための支持を提供するような大きさおよび形状にすることができる。
いくつかの実施形態では、フレーム6404の電極6405は、180度以外(例えば、120度、90度)でオフセットされている。フレーム6404は、シースまたはスリーブを出て、予め形成された形状に移行すると、3mm〜10mmの直径を有する任意の血管の内側の血管壁との有効な接触を電極6405にもたらすように適合された形状記憶金属合金材料または他の自己拡張可能な材料を含むことができる。フレーム6404はまた、血管内の別の位置で再配置するため、または本体から除去するために、シースまたはスリーブ内で再捕捉されるように適合させることができる。フレーム6404の支柱またはセルパターンは例として提供される。パターンは、要望通りにおよび/または必要に応じて、変化してもよい。電極6405は、図示のような略円筒形電極または非円筒形電極(スロット付き、D字形、C字形)を含むことができる。
図64Jおよび図64Kは、カテーテルシャフト6413の長さに沿って配置されたスロット6412を含む多電極カテーテル6400の実施形態を示しており、カテーテルシャフト6413の一部の変形によって、血管壁の長さに沿った様々な位置で複数の電極6405を蛇行状に配備することができる。多電極カテーテル6400は、(図64Jに示されるように)2つの電極、(図64Kに示されるように)3つの電極、4つの電極、6つの電極、または8つの電極を含む、またはそれらから本質的になることができる。いくつかの実施形態では、電極6405は、(図64G−1、64G−2、64G−3、64G−4、64J、および64Kに示されるように)互いから180度離れて配置されるように構成される。様々な実施形態では、電極6405は、有利には、4つの象限のすべての代わりに、血管壁のわずか2つの象限のアブレーションを促進する。単極の場合、複数の電極を同時にまたは順次に作動させることができる。図64G〜図64Kの多電極カテーテル6400は、(i)低いプロファイル、(ii)大きな電極表面および湾曲、(iii)横方向配備、(iv)低い力、(v)制御された柔軟性、および/または(vi)血管内壁の加熱または血管内壁への熱損傷を最小限に抑えながら、血管周囲領域内の神経の効果的除神経、のうちの1以上を有利に提供することができる。
図65は、シャフトまたは電極配備アーム6502の遠位端上の枢動電極6500の一実施形態を示す。枢動電極6500は、血管壁と実質的に整列した姿勢を促進するように構成されたピボット6504上に取り付けられる。枢動電極6500は、同等の厚さの球状電極と比較して増大した表面積を提供する細長い電極を含む。図示の実施形態では、ピボットDD04はピンを含む。ピンは、電極6500の実質的に中心とすることができる。ピボット6504は、高度にフレキシブルなポリマーまたはゲルで形成することができる。いくつかの実施形態では、ピボット6504は、繊維または糸を含むことができる。いくつかの実施形態では、ピボット6504は、玉継手を含むことができる。
ピボット電極6500は、実質的に円筒形(例えば、半円筒形)とすることができる。一実施形態では、電極6500は実質的に球形の端部を有する。電極6500の1つの端部および/または側部には、ピボット6504へのアクセスを可能にするように、スロットをつけることができる。いくつかの実施形態では、電極6500は、サドル(鞍)、スターラップ(あぶみ)、またはクレビス(U字型金具)構成を用いてシャフト6502に取り付けられる。クレビス留め具を使用する場合、クレビスは電極またはシャフト上にあることが可能である。
ピボット6504は、偏向されたカテーテルシャフトのヘリカル状の変形を補正するために、シャフト6502の中心長手軸に対して斜めにすることができる。ピボット6504は、限られた運動範囲を提供することができる。いくつかの実施形態では、ピボット6504は、その運動範囲内に実質的にゼロのモーメントまたはトルクを提供する。いくつかの実施形態では、ピボット6504は、その運動範囲内に特定のモーメントまたはトルクを提供する。ピボット電極6500は、本明細書に記載の電極ベースの装置またはシステムのいずれかに組み込むことができる。枢動電極6500は、以下の利点のうちの1以上を有利に提供することができる:(i)カテーテルによる血管の可能性のある変形または血管の解剖学的構造のばらつきにもかかわらず、所望の姿勢における均一な電極接触、(ii)電極表面の接触の増加、(iii)一貫した損傷サイズ、(iv)電流および冷却変動を減少させることによる表在血管壁損傷の減少、(v)カテーテルの長さ、追跡可能性、および操縦性の増加、および/または(vi)異なる血管の幾何学的形状と一致しない可能性のある再配向を達成するのに並置力に依存しない。
(g.RFエネルギー送達パラメータ)
いくつかの実施形態では、RFエネルギー送達システムは、変化する持続時間のRFエネルギー波を送達する。いくつかの実施形態では、RFエネルギー送達システムは、RFエネルギーの振幅を変化させる。他の実施形態では、RFエネルギー送達システムは、複数のRF波パルスを送達する。例えば、RFエネルギー送達システムは一連のRFパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、RFエネルギー送達システムは、RFエネルギーの周波数を変化させる。他の実施形態では、RFエネルギー送達システムは、持続時間、振幅、周波数、および全パルス数またはパルス幅を含むが、これらに限定されないRFエネルギーの任意の1以上のパラメータを変化させる。例えば、RFエネルギー送達システムは、肝神経叢における交感神経線維を最も効果的に調節する(例えば、アブレーションするか、または他の方法で妨害する)ように選択されたRFエネルギーを送達することができる。いくつかの実施形態では、RFエネルギーの周波数は一定または実質的に一定のレベルに維持される。
いくつかの実施形態では、RFエネルギーの周波数は、約50kHz〜約20MHz、約100kHz〜約2.5MHz、約400kHz〜約1MHz、約50kHz〜約5MHz、約100kHz〜約10MHz、約500kHz〜約15MHz、50kHz未満、20MHz超、約3kHz〜約300GHz、またはそれらの重複範囲である。非RF周波数も使用することができる。例えば、周波数は、約100Hz〜約3kHzの範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、印加される電圧の振幅は、約1ボルト〜1000ボルト、約5ボルト〜約500ボルト、約10ボルト〜約200ボルト、約20ボルト〜約100ボルト、約1ボルト〜約10ボルト、約5ボルト〜約20ボルト、約1ボルト〜約50ボルト、約15ボルト〜約25ボルト、約20ボルト〜約75ボルト、約50ボルト〜約100ボルト、約100ボルト〜約500ボルト、約200ボルト〜約750ボルト、約500ボルト〜約1000ボルト、1ボルト未満、1000ボルト超、またはそれらの重複範囲である。
いくつかの実施形態では、RFエネルギーの電流は、約0.5mA〜約500mA、約1mA〜約100mA、約10mA〜約50mA、約50mA〜約150mA、約100mA〜約300mA、約250mA〜約400mA、約300〜約500mA、またはそれらの重複範囲に及ぶ。印加されるRFエネルギーの電流密度は、約0.01mA/cm2〜約100mA/cm2、約0.1mA/cm2〜約50mA/cm2、約0.2mA/cm2〜約10mA/cm2、約0.3mA/cm2〜約5mA/cm2、約0.01mA/cm2未満、約100mA/cm2超、またはそれらの重複範囲の電流密度を有することができる。いくつかの実施形態では、RFジェネレータの電力出力は、約0.1mW〜約100W、約1mW〜100mW、約1W〜10W、約1W〜15W、5W〜20W、約10W〜50W、約25W〜約75W、約50W〜約90W、約75W〜約100W、またはそれらの重複範囲に及ぶ。いくつかの実施形態では、標的位置(例えば、血管内壁、血管の媒体、血管の外膜、または血管壁内のまたは血管壁に付着した標的神経)に送達される全RFエネルギー線量は、約100J〜約2000J、約150J〜約500J、約300J〜約800J(500Jを含む)、約500J〜約1000J、約800J〜約1200J、約1000J〜約1500J、およびそれらの重複範囲である。いくつかの実施形態では、インピーダンスは、約10オーム〜約600オーム、約100オーム〜約300オーム、約50オーム〜約200オーム、約200オーム〜約500オーム、約300オーム〜約600オーム、およびそれらの重複範囲に及ぶ。いくつかの実施形態では、30秒〜3分(例えば、1分、90秒、2分、150秒)の間、8W〜14W(例えば、10W、12W)の電力(パワー)が供給され、240J〜2520J(例えば、1200J−10Wで2分間、1500J−12Wで2分間)の全エネルギー送達を提供する。ジェネレータが各実施形態と共に明示的に示されていない場合でも、電極は、エネルギー源(例えば、ジェネレータ(発電機))に(例えば、有線または無線接続によって)結合することができる。本明細書に記載の装置(例えば、カテーテル)またはシステムの実施形態のいずれかに対して、本明細書に列挙した様々な治療パラメータ(例えば、パワー、持続時間、エネルギー、接触力/圧力、電極サイズ、パルス、抵抗など)を使用することができる。
様々な実施形態において、ジェネレータは、実行されると、オペレータによって選択された特定の血管を治療するための特定の治療(例えば、カスタムエネルギーアルゴリズム)を提供する格納されたコンピュータ可読命令を含む。したがって、ジェネレータは、様々な患者の解剖学的構造にわたって同様または一貫した性能を提供するように構成された単一の(例えば、フリーサイズの)RFエネルギー送達装置を使用して、異なる治療パラメータを有するRFエネルギーの送達を促進する。ジェネレータは、環境(すなわち、血管の大きさ、流れ、抵抗、および/または他の構造)に合わせた安全制御を含むことができる。格納されたコンピュータ可読命令(例えば、ソフトウェア、アルゴリズム)は、最適化された損傷深度を提供するようにカスタマイズされてもよく、および/または予めプログラムされたオペレータ非依存の治療アルゴリズムを含んでいてもよい。いくつかの実施形態では、1以上のパラメータ(例えば、パワー、治療期間、標的位置の数、標的位置の間隔、エネルギー、パルスまたは非パルスなど)を含むことができる予めプログラムされた治療コースが提供される。予めプログラムされた治療コースは、血管の寸法(例えば、直径、セグメントの長さ、壁の厚さ、患者の年齢、患者の体重など)に基づくことができる。一実施形態では、1以上の神経を調節する(例えば、アブレーションする)ために、神経調節(例えば、アブレーション)の事前に構成された、または所定のコースを(例えば、自動的にまたは手動で)実行することができる。所定の治療コースまたはプロファイルは、治療または治療ポイントの完全なまたは部分的な経路を含むことができる。経路は、血管の部分的な円周の周り(例えば、270度、220度、180度、90度、または60度)に、または全円周の周りに延びることができる。
例えば、一部の患者では、標的調節(例えば、アブレーション)の位置(例えば、総肝動脈)は、標的神経の完全な調節(例えば、アブレーション)を可能にするのに十分な長さではない場合がある。いくつかの実施形態では、単一のエネルギー送達装置を用いて、肝動脈血管系(例えば、腹腔動脈、脾動脈、総肝動脈、固有肝動脈)に隣接するかまたはその一部である複数の血管を治療することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、オペレータは治療すべき血管を選択することができ、選択された血管に基づいてジェネレータが自動的にエネルギー送達パラメータを調節する(例えば、所定のエネルギーアルゴリズムを選択する)ことができる。例えば、異なる血管は、異なる流れ特性および異なる直径を有する可能性がある。したがって、異なるエネルギープロファイル(例えば、変動する電力および/または時間)を異なる血管に関連させて、所望の全体エネルギー出力を達成することができる。アブレーションの実施形態では、異なるエネルギープロファイルは、様々な異なる血管に対して同じ容積および/または損傷の円周方向の円弧を提供する。エネルギーの送達は、ジェネレータ内のコントローラ、プロセッサ、または他のコンピューティングデバイス(例えば、メモリに記憶された命令の実行に基づく)によって決定される予め構成されたエネルギープロファイルに従って、手動または自動で制御されてもよい。例えば、公称血管径(例えば、総肝動脈)が隣接する血管径よりも大きい場合、血管壁と電極表面との間の接触面積が大きくなるので、パワーレベルおよび時間をより低く調節することができる。いくつかの実施形態では、電極からの熱を除去するために、血流のより低い容量を補償するために、許容可能な温度の目標または限界をより高く調節することができる。隣接する動脈がより大きい場合、電力を増加させて、単一のサイクルでより大きな領域を調節(例えば、アブレーション)することができる。いくつかの実施形態では、より大きな隣接する血管内のより多くの調節(例えば、アブレーション)部位へ向かう傾向を採用することができる。
RFエネルギーは、パルスまたは連続とすることができる。電圧、電流密度、周波数、治療期間、パワー、および/または他の治療パラメータは、連続信号またはパルス信号のどちらを使用するかによって変化する可能性がある。例えば、電圧または電流の振幅は、パルスRFエネルギーに対して大幅に増加させることができる。パルス信号のデューティサイクルは、約0.0001%〜約100%、約0.001%〜約100%、約0.01%〜約100%、約0.1%〜約100%、約1%〜約10%、約5%〜約15%、約10%〜約50%、約20%〜約60%、約25%〜約75%、約50%〜約80%、約75%〜約100%、またはそれらの重複範囲に及ぶことができる。パルスのパルス持続時間またはパルス幅は変えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、パルス持続時間は、約10マイクロ秒〜約1ミリ秒の範囲とすることができる。しかしながら、要望および/または必要に応じて、10マイクロ秒未満または1ミリ秒超のパルス持続時間を使用することができる。いくつかの実施形態によれば、パルスエネルギーの使用は、温度の上昇または加熱による内皮の損傷のリスクなしに、温度の低下、治療時間の短縮、冷却要件の低減、および/または電力レベルの増加を促進することができる。バルーンを有するカテーテルの使用を含むいくつかの実施形態では、バルーンを選択的に収縮・拡張させて内腔壁の冷却を高め、パルスエネルギーが提供する冷却機能を高めることができる。
いくつかの実施形態では、RFエネルギーは、例えば、図66に示されるように、検知された組織インピーダンスまたは温度に少なくとも部分的に基づいてパルス化される。例えば、RF電力は、第2の温度が第1の温度よりも高い所定の値に達するまで送達することができ、その時点で、RF電力は一時的に中断することができる。動脈内腔に近い組織は(例えば、動脈内腔から約3、3.5、4、4.5、5mmの)標的組織よりも速く冷却するので、いくつかの実施形態では、図55に示されるように、一時的な中断は標的組織の位置に熱を集中させる傾向がある。いくつかの実施形態では、組織インピーダンスに少なくとも部分的に基づいてRFエネルギーをパルス化することによって同様の結果を得ることができる。一実施形態では、各々の後続の冷却期間(A、B、C、D)は、(流量が他の血管内部位よりも低い肝動脈では意外と特に重要である可能性がある)前回の冷却期間よりも長い。このアプローチの実施形態は、本明細書に参照によって援用され、本明細書に記載の実施形態と併せて使用することができる米国特許出願公開第2010/0125268号明細書に記載される。いくつかの実施形態では、パルスエネルギーは、肝動脈または他の標的血管の外膜内の神経に選択的に熱を送達させるために使用される。
いくつかの実施形態では、本発明は、末梢神経の領域に熱を集中させるために意外にも有用であり、(そして、肝動脈の周りの末梢神経を治療するために特に有益である)ので、特に有益である。いくつかの実施形態では、治療される標的組織の実質的にすべてが健康な組織である。
治療時間の持続時間は、1秒〜1時間、5秒〜30分、10秒〜10分、30秒〜30分、1分〜20分、1分〜3分、2〜4分、5分〜10分、10分〜40分、30秒〜90秒、5秒〜50秒、60秒〜120秒、それらの重複範囲、1秒未満、1時間超、約120秒、またはそれらの重複範囲に及ぶことができる。持続時間は、種々の治療パラメータ(例えば、振幅、電流密度、近接度、連続またはパルス、神経のタイプ、神経のサイズ)に依存して変化する可能性がある。いくつかの実施形態では、RFまたは他の電気エネルギーは、エネルギーの送達が標的神経または周囲組織を約50〜約90℃(例えば、60〜75℃、50〜80℃、70〜90℃、60〜90℃、またはそれらの重複範囲)の範囲内に加熱するように制御される。いくつかの実施形態では、温度は、50℃未満または90℃超となる可能性がある。電極先端エネルギーは、37〜100℃の範囲とすることができる。いくつかの実施形態では、RFアブレーション熱損傷サイズは、約0〜約3cm(例えば、1〜5mm、2〜4mm、5〜10mm、15〜20mm、20〜30mm、それらの重複範囲、約2mm、約3mm)または1〜10(例えば、1〜3、2〜4、3〜5、4〜8、5〜10)の中膜厚さの血管内腔との差異内に及ぶ(例えば、研究は、総肝動脈および肝動脈の他の枝を取り囲む神経は、一般的にこの範囲内にあることを示している)。いくつかの実施形態では、血管(例えば、肝動脈)の中膜の厚さは、約0.1cm〜約0.25cmの範囲である。いくつかの解剖学的構造では、肝動脈の枝の神経線維の少なくともかなりの部分が、内腔壁から0.5mm〜1mm以内に局在しているため、血管内アプローチを用いた調節(例えば除神経)は、低減したパワーまたはエネルギー量の要件と共に有効である。
いくつかの実施形態では、RFアブレーションカテーテルを用いて、1以上の位置で肝神経叢内の交感神経線維のRFアブレーションを行う。例えば、RFアブレーションカテーテルは、1以上の位置(例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、6〜8、4〜8、10を超えた位置)で肝神経叢内の交感神経線維をアブレーションするために、円周方向または半径方向のパターンでアブレーションを実行することができる。ここで図67を参照すると、神経は、動脈の非分枝領域に沿って動脈内腔に近づき、分枝領域内の動脈の内腔から分枝する傾向にあるので、肝臓の神経は、一般的に、総肝動脈の起点と胃十二指腸動脈の起点との中点によって画定される領域に集中していることを死体研究は示している。死体研究はまた、肝臓の神経が主に動脈の内腔によって画定された環内、および動脈内腔から約4mm離間した同心リング内に存在することを示している。いくつかの実施形態では、神経の数および神経の動脈内腔への近接度は、総肝動脈の中点に向かって増加する。いくつかの実施形態では、交感神経線維は、総肝動脈の起点と胃十二指腸動脈の起源との中点で有利に調節(例えば、アブレーション)される。いくつかの実施形態では、交感神経線維は、肝動脈の内腔から4〜6mm、3〜5mm、3〜6mm、2〜7mmの深さまで調節(例えば、アブレーション)される。他の実施形態では、肝神経叢の交感神経線維は、血管の長さに沿って直線的に間隔を置いた複数の点でRFアブレーションを実行することによって、1以上の点でアブレーションされる。例えば、RFアブレーションは、肝神経叢内の交感神経線維をアブレーションするために、固有肝動脈の長さに沿って直線的に離間した1以上の点で実行されてもよい。いくつかの実施形態では、RFアブレーションは、任意のパターン(例えば、スパイラルパターン、または交差することができるまたは交差することができない一連の直線パターン)の1以上の位置で実行され、要望および/または必要に応じて、肝神経叢内の交感神経線維のアブレーションを引き起こす。アブレーションパターンは、連続パターンまたは間欠パターンを含むことができる。様々な実施形態によれば、RFアブレーションは、壁の熱が、血液を流すことによって、体外にもたらされる冷却によって、または隣接する器官および組織構造によってもたらされる冷却(例えば、門脈静脈冷却および/または注入)の増加によって消失し、それにより血管内膜および内側層を横切って温度が上昇し、神経が伝わる外膜まで温度増加の勾配を生成するので、血管壁に永続的な損傷を引き起こさない。外膜は、動脈壁の外層であり、中膜は中間層であり、内膜は内層である。内膜は、結合組織の層によって支持された内皮細胞の層を含む。中膜は、3つの血管層のうち最も厚く、平滑筋および弾性組織を含む。外膜は、線維性結合組織を含む。
(h.治療の調節と監視)
いくつかの実施形態では、RFエネルギー源からのエネルギー出力は、一定温度モードを使用して調節することができる。一定温度モードでは、低温閾値に達したときにエネルギー源をオンにし、上限温度閾値に達すると(サーモスタットと同様に)エネルギー源をオフにする。いくつかの実施形態では、一定温度モードを使用するアブレーションカテーテルシステムは、(一実施形態では、温度センサによって提供される)フィードバックを必要とする。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、エネルギー源(例えば、RFジェネレータ)と通信する温度センサを備える。これらの実施形態のいくつかでは、温度がある下限閾値レベルを下回ったことを温度センサが測定すると、エネルギー源はエネルギーを送達し始め(例えば、オンになり)、温度が所定の上限閾値レベルを超えたことを温度センサが測定すると、エネルギー源はエネルギー送達を終了する(例えば、オフになる)。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムからのエネルギー出力は、組織インピーダンスなどの温度以外のパラメータを使用して調節されてもよい。組織の温度が上昇するにつれて、組織のインピーダンスは上昇する可能性がある。インピーダンスモードは、(一定温度モードが温度の上昇および下降に応答するのと同じ方法で)下限インピーダンス閾値に達したときにエネルギー源をオンにし、上限インピーダンス閾値に達したときにエネルギー源をオフにするように構成することができる。一定インピーダンスモードを使用するエネルギー送達システムは、(一実施形態では、インピーダンスセンサによって提供される)何らかの形のフィードバック機構を含むことができる。いくつかの実施形態では、インピーダンスは、電圧および電流を測定し、電圧を電流で除算することによって計算される。
いくつかの実施形態では、カテーテルベースのエネルギー送達システムは、第1の電極を有する第1のカテーテルと、第2の電極を有する第2のカテーテルとを含む。第1のカテーテルは、標的血管(例えば、総肝動脈)内に挿入され、標的血管内の神経を調節するためにエネルギーを送達するために使用される。第2のカテーテルは、隣接する血管内に挿入することができ、インピーダンスは2つの電極間で測定することができる。例えば、第1のカテーテルが肝動脈内に挿入される場合、第2のカテーテルは、胆管または門脈内に挿入することができる。いくつかの実施形態では、第2の電極が被験体の皮膚上に配置され、インピーダンスは、第2の電極とカテーテルベースのエネルギー送達システムの電極との間で測定される。いくつかの実施形態では、第2の電極は、標的組織のインピーダンスの実質的に正確な測定値を提供するように構成された他の位置に配置されてもよい。
いくつかの実施形態では、インピーダンス測定値は、エネルギー源(例えば、パルスジェネレータ)に伝達される。いくつかの実施形態では、インピーダンスがある下限閾値レベルを下回って低下したことが検知されると、エネルギー源はパルスを生成し始め(すなわち、オンになり)、インピーダンスが所定の上限閾値レベルを超えたことが検知されると、エネルギー源はパルスを終了する(すなわち、オフにする)。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムのエネルギー出力は、時間によって調節される。そのような実施形態では、エネルギー送達システムのエネルギー源は、所定時間量の間、エネルギーを送達し、その後、所定の時間量の間、エネルギー送達を終了させる。このサイクルは、所望の全治療期間にわたって繰り返してもよい。いくつかの実施形態では、エネルギーが送達される所定の時間量およびエネルギー送達が終了される所定の時間量は、経験的に最適化された時間長さである。いくつかの実施形態によれば、インピーダンスが閾値レベルに近づくとき、インピーダンスに従ってエネルギー送達を制御し、エネルギー送達を低減する(または代替的に、インピーダンスレベルに関係なく時間的にエネルギーを調節する)ことは、熱エネルギーが血管内腔の周辺の位置に集中されるのを有利に提供する。例えば、エネルギーパルスが終了すると、血管内腔は血液への対流熱損失のために急速に冷却され、それにより内皮細胞を熱損傷から保護する。いくつかの実施形態では、(例えば、標的とされる神経が位置する)末梢組織の熱は、熱伝導を介してよりゆっくりと消散する。いくつかの実施形態では、連続するパルスは、末梢(例えば、神経)組織の優先的な加熱を引き起こす傾向がある。いくつかの実施形態によれば、組織のインピーダンスが蒸発によって上昇すると、電気伝導率が急激に低下し、それによって標的組織へのエネルギーのさらなる送達を効果的に防止または阻害する。いくつかの実施形態では、(例えば、インピーダンスの監視または時間調節によって)組織インピーダンスがこのレベルに上昇する前にエネルギーパルスを終了させることによって、この有害な影響を回避することができる。いくつかの実施形態によれば、炭化物形成は、インピーダンス、電気アーク放電、および血栓形成の急激な増加に起因する組織蒸発および炭化の結果である。インピーダンス上昇を防止または抑制することによって、組織の炭化を回避することができる。
いくつかの実施形態では、全エネルギー送達は、治療の進行を追跡するために、(アブレーション特性に予め関連付けられることができる)電力出力の時間積分を計算することによって監視される。いくつかの実施形態では、アレニウスの関係を用いてアブレーション電極を取り囲む組織内の温度場の推定値を得るために、温度、時間、および電界の間の関係を監視する。いくつかの実施形態では、周辺組織応答を評価するための既知の初期条件を提供するために、必要に応じて、既知の熱入力がアブレーション電極に提供される。いくつかの実施形態では、アブレーション領域の一部が一時的に冷却され、結果として生じる温度は低下する。例えば、一定期間進行している血管内アブレーションの場合、組織内に幾分高い温度分布が存在することを予想することができる。臨床医が所与の時間(例えば、t0)に治療の進行を評価することを望む場合、エネルギー送達を中断することができ、短時間(例えば、約1秒)のうちに所定の電極温度を達成するために冷却された生理食塩水またはガスを、電極を通して迅速に循環させることができる。いくつかの実施形態では、結果として生じる電極表面で測定される温度上昇(例えば、約5秒以上)は、周囲組織の全エネルギーの表示である。このプロセスは、進行状況を追跡するための処置を通じて繰り返すことができる。
いくつかの実施形態では、パラメータ(例えば、温度、赤外線、またはマイクロ波放射)を監視して、組織に送達されるエネルギーの大きさを評価し、それによって誘発される神経調節の程度を推定することができる。熱放射(温度)、赤外線放射、および/またはマイクロ波放射の両方の大きさは、身体組織内に含まれるエネルギーの量を示すことができる。いくつかの実施形態では、組織が体温に向かって戻って冷却するにつれて、アブレーションの完了後に大きさは減少すると予想され、特定の点(例えば、血管内腔面)で測定されたこの減少率は、アブレーションのサイズを評価するために使用可能である(例えば、より遅い減少は、より大きなアブレーションサイズに対応することができる)。本明細書に記載の実施形態のいずれかは、個々にまたは組み合わせて使用され、組織損傷ゾーンの実際のサイズを示すことができる。
電極先端温度制御は、アブレーション処置(特に、血管内および/または心臓アブレーション処置)のための制御変数および治療進行指標としてしばしば用いられる。このアプローチの1つの潜在的な問題は、組織内のある深さで組織を処置することが目的であるが、温度検知要素(熱電対またはサーミスタ)は、一般的に心臓または血管組織の表面温度のみを測定できることである。さらに、電極自体内の温度勾配のために、温度検知要素は、典型的には約37℃である電極周囲の対流的な血流の程度によってしばしば強く影響される表面温度を正確に測定するのではなく、電極のバルク温度を測定する傾向がある。
一実施形態では、マイクロ波放射測定法を使用して、電極表面ではなく深度で組織温度を測定する(例えば、米国特許出願公開第2007/0299488号に記載される)(その全内容は、本明細書中に参照として明示的に援用される)。アブレーション進行および有効性に関する改善されたフィードバックを提供することに加えて、いくつかの実施形態によれば、マイクロ波放射測定を用いて、標的内の治療電極の安定性を推定することもできる。図68は、マイクロ波放射測定法を使用する効果の一例を示す。図68は、従来の電極先端温度測定値を有するベースケースを示す。電極先端温度センサは、電極の周りの組織の小さな領域の温度を測定するので、この組織の熱質量は制限される。電極が移動すると、電極と接触している新しい組織が急速に加熱され、電極の動きによる電極先端温度の変化は重要ではなく、このパラメータを電極および/またはカテーテルの動きの指標として潜在的に信頼できなくしている。いくつかの実施形態によれば、マイクロ波放射測定法は組織領域のバルク熱エネルギーを測定するので、温度測定ははるかに大きな熱質量を有する組織領域に対応する。その結果、いくつかの実施形態によれば、マイクロ波放射測定法を使用する温度測定値は、図68に示されるように、電極および/またはカテーテルの動きによってより顕著に低下する。この事実は、エネルギー送達を制御するために使用することができる(例えば、温度が特定の閾値を下回り、過剰なカテーテルの運動を示すときにアラームが生成することができる)。
いくつかの実施形態では、マイクロ波放射線計測損傷評価を使用して深度における組織温度を正確に測定することにより、治療の有効性および進行をより確実に推定することができる。過剰な電極および/またはカテーテルの動きも検出することができ、それにより医師または他の臨床医に、治療を進める前に血管造影的に良好な、または十分な電極接触を確認するように警告する。
アブレーション処置中に損傷深度を増加させるためのいくつかの戦略は、(例えば、注入された生理食塩水、内部循環流体および/または冷却流体を使用して)電極の表面を積極的に冷却することに集中している。いくつかの実施形態では、電極冷却は、電極に隣接する組織を気化させることなく、より深い損傷を形成することを可能にする。いくつかの用途では、電極内に熱電対を配置する典型的な慣行は、冷却自体によってバイアスされた温度を測定し、したがって、より遠くの組織によって到達されたピーク温度を表すことができないので、冷却すると、組織によって到達されるピーク温度についてのフィードバックを有することは困難である。
肝動脈の血管内アブレーションにおける外膜ピーク組織温度を測定するための一実施形態は、以下の通りである。熱電対、サーミスタ、または他の温度測定装置を肝動脈内のある場所に配置し、直径1mmから2mmの間の電極サイズに対して、電極の表面から(最短経路として)約5mmの距離で壁温度を測定するために使用する。研究は、そのような距離で壁温度を測定することは、外膜内に達するピーク温度のかなり近似であることを示している。
電極の冷却により、電極内の熱電対は、冷却自体によって駆動される温度を測定するが、これは、より遠位の組織によって到達される温度よりもはるかに低い可能性がある。したがって、温度制御されたアブレーションの場合、この測定は、神経が位置する外膜によって到達される温度を示すのに有用でない可能性がある。結果として、一実施形態では、提供された熱が一定期間内にアブレーションを引き起こすのに十分でない場合には、神経をアブレーションすることができず、または熱が過剰である場合には、副次的な損傷が生じ得る。いくつかの実施形態によれば、電気出力(例えば、電圧、電流、または電力)を制御するかのように、温度制御された神経調節(例えば、アブレーション)が望ましく、組織に伝達される熱は、接触力およびインピーダンスなどの限られた数の変数に依存し、それによって治療効果の変動を低減する。冷却された電極戦略によって任意の欠点に対処するために、標的組織内の別個の位置に配置された遠隔プローブの配置は、それらは経血管配置を必要とし、それにより処置のリスクを増加させるので、いくつかの実施形態では、望ましくないかもしれない。
肝動脈アブレーションの数値モデルを使用して、本出願人は、電極の表面から5ミリメートルの最短経路距離で動脈内腔での温度の測定は、中膜−外膜界面で到達したピーク温度に合理的に近い温度を提供することを実証した。この解析の目的のために、数値モデルは、肝動脈系の統合された生理学的知識を反映して、以下の前提に基づいている。
1.直径が4ミリメートルの動脈
2.中膜の厚さは2ミリメートルである
3.外部の血液の冷却がない(この仮定は、電極の冷却が電極の近くの熱応答を支配するので適切である)
4.電極の直径は1〜2ミリメートル
5.電極は冷却され、その表面を約37℃に維持する。
図69および図70は、25Vでの3分間のアブレーション後の等温線図を示す。図は、それぞれ直径1および2ミリメートルの電極の場合である。図58では、電極は動脈の右側に接触しているが、図59では、電極は動脈の底に接触している。動脈内の点は、電極の表面から約5ミリメートルの距離にある。外膜内の点は、外膜自体の中で到達する最高温度を表す。両方の場合において、ドットの対は、同じ等温面に属し、したがって、良好な近似により、同じ温度である。いくつかの実施形態では、電極が小さくなるにつれて、温度の勾配が大きくなり、直径が1ミリメートルよりもかなり小さいサイズおよび2ミリメートルよりもかなり大きいサイズでは、5ミリメートルの距離が変化する可能性がある。
いくつかの実施形態では、電極から距離d(例えば、5ミリメートル)の温度は、カテーテル6010から分枝する温度検知装置6005(例えば、熱電対)を使用して、(図71Aおよび図71Bにそれぞれ示されるように)電極6015の同じ側または反対側のいずれかで測定される。電極6015と温度測定装置6005との間の距離dは、5ミリメートル以外(例えば、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5.5mm、6mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、または2mm〜10mm、5mm〜15mm、10mm〜20mmの任意の距離、またはそれらの重複範囲)とすることができる。
様々な実施形態では、様々な治療パラメータ(例えば、インピーダンス、電極温度、組織温度、電力、電流、電圧、時間、および/またはエネルギー)の割合の変化が実質的にリアルタイムで監視され、ユーザインタフェース上に表示される。治療パラメータデータは、後の報告および/または分析のためにデータストアに格納されてもよい。いくつかの実施形態では、エネルギー送達システムは、血中グルコースレベル、ノルエピネフリンレベル、または治療の進行の状態を示す他の生理学的パラメータなどの生理学的信号から変換された入力を受け取る。
組織アブレーションゾーンおよび周囲の解剖学的構造を観察する他の方法は、血管内超音波、エコー非相関、光コヒーレンス・トモグラフィ、共焦点顕微鏡法、赤外分光法、紫外線分光法、ラマン分光法、マイクロ波温度計を含むがこれらに限定されないモダリティによる、前、同時、または後の血管内イメージングを含むことができる。そのようなイメージングモダリティはすべて、低流量に対するその独自の耐性のために、肝動脈に有利に適合させることができる。いくつかの実施形態では、超音波エラストグラフィは、イメージングに有利に使用される。超音波エラストグラフィは、熱アブレーション中のコラーゲンタンパク質の変性に起因する局部的な組織の硬さの領域を示すことができる(アブレーションされた領域は、天然組織に比べて硬くなる傾向がある)。例えば、堅い領域はアブレーションされた領域に対応することができる。血管内超音波は、例えば、アブレーション損傷の存在および深さを検出または監視するために使用することができる。例えば、損傷が内腔壁から2〜6mmの範囲にある場合、臨床医は、熱凝固の結果として標的神経が妨害されたと確信することができる。血管外超音波イメージングを使用することもできる。
一定の電極先端温度アブレーション(例えば、一定の電極先端温度を維持するためのRFジェネレータ出力パワーの制御)に関して、生理的状況内では、対流冷却の程度は、電極温度測定を効果的に混乱させる一方、ゼロまたは限定された対流的な冷却は温度と時間を使用して損傷の大きさを「設定」することができる。いくつかの実施形態では、顕著な対流冷却が存在すると、RFジェネレータは先端温度を維持するにはあまりにも多くの出力を出力することになり、組織内のある深さ(電極表面から>0mm)で、最大温度に達し、それによりアブレーションサイズが制限される。図72に示されるように、電極先端温度および損傷の大きさは関連しているが、最大値(特に、対流冷却が増加するにつれて、より低い温度にシフトする最大値)が常に存在する。所与の生理的境界条件(例えば、血流速度)に対してどの曲線が適用可能であるかを評価するために、流量センサをカテーテルに追加して、対流冷却の程度を測定することができる。所与の対流冷却速度に対して、電極先端温度と損傷深さとの間の関係は、損傷の大きさを特定および評価するための有効なルックアップテーブルを提供するためにin vivoおよびex vivo技術を用いて確立することができる。
一実施形態では、電極先端温度は、送達される電力が増加するにつれてエッジ効果の結果として発生し始める可能性のある血栓形成を防止または制限するために使用することができる。一例として、閾値温度(例えば、75℃、80℃、90℃など)に達すると、RF電力または他のエネルギー送達(例えば、超音波、光、マイクロ波など)を終了させることができる。
血流速度を評価するための1つの方法は、電極を血流の流れの中、好ましくは血管(例えば、動脈または他の内腔)の中心に配置することを含む。設定された時間期間(例えば、1〜10秒、3秒)の間、設定された電力(例えば、2〜10W、5W)を送達することができる。この時間期間中に測定された電極先端温度の対応する上昇は、標的血管内の血流速度(肝動脈については100〜200mL/分の範囲にあると予想される)に逆比例する。
流れを測定するための一実施形態が、血流を測定するように構成されたカテーテルアセンブリを示す図73に示される。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、カテーテルアセンブリは、肝動脈の小さな内腔内の血流を妨げることなく、または最小限の閉塞で流れを測定し、それにより血液の潜在的に有益な冷却作用を利用する。図79に示される実施形態は、RF熱源(例えば、活性電極)が血流中に配置され、さらに、電極先端に熱電対または他の温度測定装置を含むことができるという事実を利用している。図示されるように、2以上の熱電対または他の温度測定装置をカテーテルに追加することができ、1つは電極から上流に、1つは電極から下流にあり、それによって流れによって伝達される熱の測定が可能になる。一実施形態では、流れによって伝達される熱の測定は、LIQUI−FLOW(商標名)コントローラ(Bronkhorst High−Tech、Amsterdam、Netherlands)などの液体中の熱質量流量に対する統合技術を用いて行われる。図79に示されるように、2つの熱電対は、離散的な位置に(例えば、1つを電極から下流のある距離(例えば、3ミリメートル)に、1つを電極の上流のある距離(例えば3ミリメートル)に)カテーテルアセンブリに追加することができる。他の距離を使用することもできる。いくつかの実施形態では、電極付近の熱電対の安定かつ正確な位置決めを達成するために、熱電対を屈曲セグメントの端部に配置することができる。
図74は、熱流センサの原理を示す。いくつかの実施形態では、電極は、RFエネルギーの印加を介して周囲の組織(例えば、血液および動脈壁)を加熱する。動脈の流れがゼロのとき、組織内で発生した熱が近位および遠位方向に電極から対称的に伝導されるので、2つの熱電対は同じ温度を検知する。血流がゼロより大きい場合には、対流熱伝達によって、その代わりに温度プロファイルは流れ方向(図80では右方向)にシフトし、それにより、流れる血液によって運ばれる熱の結果として2つの熱電対によって検出された温度間の差ΔΤをもたらす。いくつかの実施形態では、ΔΤは、概して流速の大きさに比例する。熱電対の出力をA/Dコンバータおよびマイクロプロセッサに接続することにより、正確な流れは、既知の制御された条件下での流量値にΔΤを関連づける予め決定された較正から決定することができ、これは線形関係として近似することができる。
ここで、図75を参照すると、アブレーション制御プロセスの一実施形態が、総肝動脈の成功した血管内アブレーションを達成するために提供される。一度カテーテルが配置されると、これを行うように構成された本明細書で前述した様々な実施形態のいずれかを利用して、流れ、インピーダンス、および電極温度をリアルタイムで監視し始めることができる。血流速度値は、本明細書で以前に説明した値(例えば、表1を参照)に従って目標パワーを決定する。流速の値が安全で成功したアブレーションに必要な最小値(例えば、少なくとも0.01m/s)よりも低い場合、アブレーション処置は直ちに終了する。
RFエネルギーの印加の間、組織温度の上昇に伴うインピーダンスの変化は、インピーダンス−温度曲線(例えば、図76を参照)に近い(例えば、30%の許容範囲内にある)はずであり、組織温度の上昇は、インピーダンスのわずかな低下に相当するはずである。インピーダンスがあまりにも低下した場合(例えば、図76に記載された曲線から>30%)、電極は動脈壁と接触せず、その代わりに、かなり低い抵抗率を有する血液と実質的に直接連通することができる。この状況では、動脈壁との良好な接触を確実にするためにカテーテルが再配置される。
インピーダンスが(例えば、図76によって)予想よりも高いままである場合、RF電力レベルを増加させることによって、組織をさらに加熱する必要がある可能性がある。あるいはまた、インピーダンスが予想よりもはるかに高い(例えば、約200〜300Ωよりも高い)場合、これは血栓の形成を示す可能性が高い。そのような場合、組織の血栓がアブレーションを予測不能かつ危険にさせるので、アブレーションは直ちに中止される。
一般的に、図75のアブレーション制御プロセスによれば、電力は目標電力レベルに達するまで直線的に(例えば毎秒0.5ワットの割合で)増加される。電力が増加した後、流速が20%を超えて変化しなければ、電力レベルは安定して維持される。流速が20%を超えて変化した場合、流速が0.01m/秒または他の何らかの閾値を上回っている限り、電力は新しい流速に調節される。
アブレーション中の任意の時点で、流れ、インピーダンス、および電極温度はリアルタイムのフィードバック信号として監視され、電力はそれらの値に従って調節(または停止)される。4分後、または他の適切な時間期間の後(例えば、表1に列挙された電力および時間の組み合わせに従って)、RFエネルギー送達が終了され、アブレーションが完了する。
図75に記載のアブレーション制御プロセスでは、電極での温度が常に組織内に達する最高温度の良好な指標ではないので、温度制御アルゴリズムの代わりに電力制御アブレーションアルゴリズムを使用することができる。電極は血液と接触しているので、その温度は37℃を超えて著しく上昇することは予想されず、組織内の温度よりもかなり低い可能性がある。電極温度は、肝動脈のRFアブレーション治療中の合併症を検出するために使用することができる。例えば、電極温度が高くなり過ぎる(例えば、80℃を超える)と、これは予期せぬことが起こったことの兆候(例えば、動脈壁に穴が形成され、電極が組織内に直接挿入されるか、または代替的には、血栓形成)である可能性がある。いくつかの実施形態では、電極温度の監視は、処置の安全性を確保するための追加の制御冗長層を提供するが、RFエネルギーを制御するための第1のフィードバック変数として使用することはできない。
図77Aは、血流測定に基づくエネルギー送達アルゴリズムの一実施形態を示す。エネルギー送達アルゴリズムは、制御変数として血流速度または血液流速(あるいは、一般制御変数「X」、例えば、インピーダンス)を利用する。いくつかの実施形態では、ジェネレータは、制御変数(例えば、血流速度)の初期値を評価するためにRFエネルギーを印加する前にチェックサムを実行する。測定された制御変数の値に少なくとも部分的に基づいて、比例積分微分(PID)コントローラ利得値は、エネルギー印加処置の持続期間を通して安定した制御フィードバックループを保証するように調節されてもよい。次いで、RFエネルギー送達は、設定された閾値(例えば、75°)に達するまで、電極先端温度(または他の制御変数、例えば、インピーダンス)の一次導関数を一定に維持するように出力電力を調節する方法で、第1の期間送達することができる。次いで、RFエネルギーは、一定の電極先端温度(または他の制御変数)を維持する方法で、第2の期間送達することができる。期間1および2の間のジェネレータによる(図77Bの電流(i)グラフに示されるような)出力電力または電流出力もまた、説明の目的で図77Aおよび図77Bに示されている。
本明細書に記載のRFベースのシステムおよび方法の様々な実施形態は、以下の利点のうちの1以上を提供することができる:(i)有効な治療に必要なアブレーションの数を減少させる、(ii)RFアブレーション装置による有効な治療に必要な血管の長さを短縮する、(iii)標的血管内の有効な電極冷却を可能にする、(iv)電極冷却のための十分な表面積を維持しながら、一貫した血管接触面積を提供する、(v)血管壁上の電極の接触圧を低下させる、および/または(vi)血管内壁の加熱を最小限に維持しながら、または血管内壁の熱傷を最小限に維持しながら、血管周囲領域における神経の効果的除神経を提供する。
(2.超音波)
超音波エネルギー送達装置はまた、標的血管の周りに完全な円周状損傷を形成する可能性を低減するために使用されてもよい。図78Aおよび図78Bは、アブレーション治療中の血管の円周方向性を防止または阻害するように構成された血管内アブレーションカテーテルのコンポーネントの実施形態を概略的に示す。図78Aは、血管内アブレーションカテーテルが、アブレーションカテーテルの遠位先端付近で超音波エネルギーを放射状に放射するように構成されたトランスデューサ7805を含むことができることを概略的に示す。アブレーションカテーテルの構造は、トランスデューサ7805が、図59に関連して説明したRFアブレーションカテーテルのアプローチと同様に、常に血管の中心から離れて保持されるようなものであってもよい。いくつかの実施形態では、半径方向の放射は、主に、トランスデューサ7805に最も近い血管壁7810および(血管壁7810の外層と考えることができる)外膜7815の弧を含む。エネルギーレベルの最適化は、トランスデューサ7805が位置する壁の反対側の壁はアブレーションの弧には関与しないように行うことができる。いくつかの実施形態では、血管内アブレーションカテーテルは、トランスデューサ7805をバルーンおよび血管の中心軸から外して配置したバルーンを備える。他の実施形態は、血管の直径よりも小さい同心バルーン、またはトランスデューサを軸外に保持する偏向可能なシャフトを含むカテーテルを含む。一実施形態では、カテーテルは、トランスデューサを軸から外して配置する予め成形された遠位シャフトを備える。例えば、シャフトは、ガイドワイヤまたはマンドレルによってまっすぐに保持することができ、一旦取り外されると、シャフトは、軸から外れて偏向できる。別の一例として、取り外し可能な予め成形されたマンドレルを利用することができる。
図78Bは、カテーテルの遠位先端付近で超音波エネルギーを放出するように構成された1以上のフラットトランスデューサ7805を含む血管内アブレーションカテーテルの一実施形態を概略的に示す。トランスデューサ7805は、全てのトランスデューサによって形成されたアブレーションパターンが任意の血管断面における血管円周の75%を超えないことを保証するように、カテーテルのシャフトに沿って半径方向および/または長手方向に配置することができる。図78Bは、2つのトランスデューサ7805からの超音波エネルギーの放出によって形成されたエネルギーコーン7820を概略的に示す。様々な実施形態では、傾斜した超音波トランスデューサを使用して狭い斜めの周方向損傷を作成して、任意の1つの円周面で負のリモデリングが生じるのを防止または抑制する。超音波エネルギーは、損傷深度を維持するためにビーム状または強度調節されてもよい。
図79は、隣接する密集構造体7910(この図の膵臓)が近接している血管7905に沿った特定の位置に対応する位置で、血管7905(例えば、肝動脈)内に配置された(例えば、トランスデューサ7915およびシャフト7920を含む)超音波エネルギー送達装置の遠位部分7900の概略図を示す。この図の膵臓は、他の密集構造体7910(例えば、肝臓、胃、小腸、筋肉、および/または結合組織)で置換することができる。
神経調節は、血管内で、または患者の皮膚の外部に位置する源から(例えば、非侵襲的に)行うことができる。神経調節は、神経(例えば、肝臓および/またはグルコース産生に影響を与える可能性のある他の器官を支配する交感神経)のアブレーションまたは除神経を含むことができる。神経調節は、超音波送達装置(例えば、超音波カテーテル)を使用して音響エネルギーを送達することによって達成することができる。いくつかの実施形態では、神経調節は、隣接構造7910の特定された位置またはそのような隣接構造7910までの距離に基づいて調整されてもよい。いくつかの実施形態によれば、隣接構造7910の存在を利用して、隣接構造7910を識別して隣接構造7910を回避しようとする代わりに、神経調節(例えば、アブレーション)の標的を識別することができる。いくつかの実施形態では、隣接する密集構造7910自体の組織をアブレーションすることなく、肝動脈と隣接する密集構造7910との間の神経の調節を行うために、最小閾値距離も識別される。例えば、許容可能な距離の範囲は、3mm〜1cm、2mm〜5mm、3mm〜7mm、4mm〜8mm、5mm〜9mm、またはそれらの重複範囲とすることができる。
本明細書に記載の超音波システム、装置、および方法のいくつかの実施形態は、以下の利点のうちの1つ、いくつか、またはすべてを含むため、特に有利である:(i)有効性の増加による治療位置がより少なくてよい、(ii)総肝動脈などの短い血管長を効果的に治療する能力、(iii)血中グルコース、コレステロール、および/またはトリグリセリドレベルの低下、(iv)肝臓、膵臓、および/または十二指腸における脂質および/またはノルエピネフリンレベルの低下、(v)治療効果の確認、(vi)高い神経密度の領域の調節による成功した神経調節のより高い可能性、(vii)高い神経密度または濃度の領域の調節によるグルコース産生への影響を有する調節の可能性の増加、(viii)、軸方向血管長さのカバレッジを減少させる円周方向血管カバレッジの増加、(ix)トランスデューササイズの増加なしの電力伝達の増加、(x)高周波エネルギーと音響(超音波)エネルギーの両方を用いて治療を組み合わせることによる全パワーまたはエネルギー送達の減少、および/または(xi)単一の位置からの複数の器官または組織構造の除神経。本発明のいくつかの実施形態は、これらの利点のうちの1以上を達成するように適合される。例えば、いくつかの実施形態は、以下の特徴の1以上を有する:操縦可能性と可撓性とのバランスをとるように構成される;標的血管を治療するための特定の形状を有する;非標的組織の加熱を抑制しながら、神経を治療するための超音波放射の特定のパターン、周波数、またはパワーを有する;(蛇行していてもよい)標的血管系を通る位置決めおよび移動を促進するための寸法(例えば、長さ、直径、断面など)を有する;血管内の遠位端部分をセンタリングするか、または安定させるための要素を有する;エネルギー送達の軌道または焦点または分散を調節または制御するための要素を有する;高周波エネルギーと音響エネルギーの両方を送達するための少なくとも1つの超音波トランスデューサと少なくとも1つの電極を有する;損傷形成または他の組織調節の確認または他の評価を提供するための1以上の要素を有する;冷却のための表面積を増大させながら動作効率を高める要素または構造を有する、および/またはトランスデューサまたは他のエネルギー送達要素の位置を調節するための要素、材料、または機構を有し、医療器具(例えば、カテーテル)の遠位端部分が、標的位置に導入される間に縮小輪郭構成と、円周方向のカバレージまたは治療表面積が増大される拡張輪郭構成とを有する。
図80は、糖尿病または糖尿病に関連する症状を治療するために(例えば、グルコースレベルを低下させ、コレステロールレベルを低下させ、脂質レベルを低下させ、トリグリセリドレベルを低下させるために)標的組織を調節するように構成されたエネルギー送達システム8000の一実施形態を示す。図示されるように、エネルギー送達システム8000は、医療器具8005の遠位端に沿って1以上のエネルギー送達部材8010(例えば、超音波トランスデューサ、高周波電極、マイクロ波アンテナ)を含む医療器具8005を含むことができる。医療器具8005は、治療されている被験体を通って腔内(例えば、血管内)を通過するような大きさ、形状、および/または他の形に構成することができる。他の実施形態では、医療器具8005は、血管内に配置されず、腹腔鏡手術または開腹外科手術を介して血管外に配置される。種々の実施形態において、医療器具8005は、カテーテル、シャフト、ワイヤ、および/または他の細長い器具を備える。用語「遠位端」は必ずしも遠位末端または遠位端を意味するものではない。遠位端は、遠位末端または遠位末端から離れた位置であるが、概して医療機器8005の遠位端部分を意味することができる。
いくつかの実施形態では、医療器具8005は、1以上の装置またはコンポーネントに動作可能に結合される。例えば、図80に示されるように、医療機器8005は、送達モジュール8015(例えば、エネルギー送達モジュール)に結合することができる。いくつかの構成によれば、エネルギー送達モジュール8015は、医療器具8005に沿って配置されたエネルギー送達部材8010(例えば、超音波トランスデューサ)を選択的に励起し、および/または他の方法で作動させるように構成されたエネルギー発生装置8020を含む。いくつかの実施形態では、例えば、エネルギー発生装置8020は、ジェネレータ、高周波ジェネレータ、マイクロ波エネルギー源、レーザ/光源、別のタイプのエネルギー源またはジェネレータなど、およびそれらの組み合わせを含む。他の実施形態では、エネルギー発生装置8020は、流体(例えば、温度を調節する低温流体または他の流体、またはエネルギー送達部材または周囲の組織または血液を冷却するための冷却流体)源の代わりに、またはそれに加えて使用される。
図80の模式図を続けて参照すると、エネルギー送達モジュール8015は、1以上の入力/出力装置またはコンポーネント8025(例えば、1以上のグラフィカルユーザインタフェースを有するタッチスクリーン装置、スクリーンまたは他のディスプレイ、コントローラ(例えば、ボタン、ノブ、スイッチ、ダイアルなど)、キーパッド、マウス、ジョイスティック、トラックパッド、マイクロフォン、または他の入力装置など)を含むことができる。このような装置は、医師または他のユーザが、情報をエネルギー送達システム8000に入れる(例えば、タッチスクリーンGUI入力を押すか、または物理的なボタンまたはスイッチを操作することによって動作モードを切り替える)ことを可能にすることができ、および/またはエネルギー供給システム8000から情報を受信することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、出力装置8025は、画像またはマップを表示し、温度情報、組織接触情報、他の測定情報、および/または特定の治療処置を調節するために有用である可能性のある他のデータまたはインジケータを提供するタッチスクリーンまたは他のディスプレイまたはグラフィカルユーザインタフェースを含むことができる。マップは、リアルタイムで動的に更新されてもよく、静的マップであってもよい。マップは、調節(例えば、アブレーション)の望ましい領域および/または以前の調節(例えば、アブレーション)部位を示すことができる。
いくつかの実施形態によれば、エネルギー送達モジュール8015は、エネルギー送達システム8000の1以上の態様を調節するように構成されたプロセッサ8030(例えば、処理または制御ユニット)を含む。プロセッサ8030は、コンピュータ実行可能命令を読み込み、回路によって具体的に定義された動作をハードウェア回路の一部に実行させるように構成されたハードウェア回路を含む1以上の特定目的のマイクロプロセッサを含むことができる。エネルギー送達モジュール8015はまた、エネルギー送達システム8000の動作に関連する動作パラメータおよび/または他のデータを格納するために使用することができるメモリユニットまたは他の記憶装置8035(例えば、コンピュータ可読媒体)を備えることができる。記憶装置8035は、不揮発性および/または揮発性メモリ(例えば、情報の一時記憶用のランダムアクセスメモリ(「RAM」)および実行のためにプロセッサ8030に通信される前のコンピュータ実行可能命令の一部または全部を格納することができる情報の永久記憶用のリードオンリーメモリ(「ROM」)および/または(例えば、コンピュータシステムがオフにされたときを含む)比較的長期間にわたってコンピュータ実行可能命令を格納することができる大容量記憶装置(例えば、ハードドライブ、フロッピーディスク、CD−ROMドライブ、DVD−ROMドライブ、または光媒体記憶装置))を含むことができる。
エネルギー送達システム8000のモジュールおよびサブモジュールは、標準ベースのバスシステムを使用して接続することができる。別の実施形態では、標準ベースのバスシステムは、例えば、Peripheral Component Interconnect(「PCI」)、マイクロチャネル、小型コンピュータシステムインタフェース(「SCSI」)、工業標準アーキテクチャ(「ISA」)、および拡張ISA(「EISA」)アーキテクチャとすることができる。さらに、コンピューティングシステムのコンポーネントおよびモジュールで提供される機能性は、より少数のコンポーネントおよびモジュールに結合されてもよく、またはさらなるコンポーネントおよびモジュールにさらに分離されてもよい。
システム8000はまた、1以上のマルチメディアデバイス(例えば、スピーカ、ビデオカード、グラフィックスアクセラレータ、およびマイクロフォンなど)を含むことができる。当業者であれば、本開示に照らして、本出願で示された操作を実行するのに必要なすべてのハードウェアコンポーネント(例えば、プロセッサ8030、I/O装置8025、記憶装置8035)を含むシステムは、本開示の範囲内にあることを理解するであろう。
図80を参照すると、エネルギー送達システム8000は、冷却システム8040を備える(または、冷却システム8040と流体連通して配置されるように構成される)。図80に概略的に示されるようないくつかの実施形態では、このような冷却システム8040は、エネルギー送達モジュール8015および/またはエネルギー送達システム8000の他のコンポーネントから少なくとも部分的に分離される。しかしながら、他の実施形態では、冷却システム8040は、エネルギー送達モジュール8015に少なくとも部分的に組み込まれる。冷却システム8040は、医療器具8005の1以上の内腔または他の通路を通って流体を選択的に移動させるように構成された1以上のポンプまたは他の流体搬送装置を含むことができる。そのような流体は、エネルギー送達部材8010を選択的に冷却する(例えば、エネルギー送達部材8010から熱を移動させる)、および/または使用中に周囲の組織または血液を冷却するために使用することができる。
一実施形態では、エネルギー送達システム8000は、超音波エネルギー送達システムを備え、医療機器8005は、カテーテルシャフトの遠位セグメント上に配置された1以上の超音波トランスデューサを有する超音波カテーテルを備え、エネルギー送達モジュール8015は、肝臓、膵臓、胃、および/または小腸を支配する神経を調節(例えば、アブレーションまたは除神経)するのに十分な組織を加熱するための音響エネルギーを超音波カテーテルに送達させるように構成されたジェネレータを含む。
いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは血管造影的に可視であり、位置のマッピングを可能にするように構成された構造を含む。例えば、超音波カテーテルが平面トランスデューサを含む場合、マッピング構造は、カテーテルが回転される平面を示すことができる。トランスデューサは、組織を調節(例えば、アブレーション)する音波を生成し、組織構造を検知または視覚化するために戻る音波を検出するように有利に構成することができる。例えば、超音波カテーテルを用いて、肝動脈または他の動脈壁から隣接する密集構造(例えば、肝臓、膵臓、胃、小腸)までの距離を特定することができる。上述したように、超音波カテーテルは、隣接する密集構造が、肝動脈の内壁から閾値距離未満(例えば、5mm未満、6mm未満、7mm未満、4mm未満、3mm未満、8mm未満、9mm未満、10mm未満)であり、神経の可能性の高い高密度分布を示す肝動脈に沿った領域を検出するために使用することができる。
様々な実施形態において、超音波エネルギー送達システムは、検知(例えば、視覚化、画像化、または診断)モードまたは治療(例えば、エネルギー送達)モードのいずれかで動作するように構成される。ジェネレータまたは他のエネルギー源は、(例えば、グラフィカルユーザインタフェースのタッチスクリーンディスプレイ上のグラフィカルユーザインタフェースボタンを押すことによって)検知モードと治療モードとの間でトグルすることを可能にするグラフィカルユーザインタフェースを備えることができる。一実施形態では、隣接する密集構造の距離は、ジェネレータのグラフィカルユーザインタフェース上に表示される。別の一実施形態では、隣接構造の画像が表示され、隣接構造までの距離は画像から決定することができる。一例として、検知モードの出力を、被験体の解剖学的構造のデジタル画像と組み合わせて、肝動脈に沿って望ましい/望ましくない調節部位の視覚マップをオペレータに提供することができる。一実施形態では、マップは、質的に(例えば、色、ハイライト、または他の視覚インジケータを使用して)または定量的に(数値測定を使用して)密集構造までの距離を示す「地形」マップを含む。一実施形態では、マップは、肝動脈から長手方向および/または半径方向に密集した密集構造の強調(ハイライト)された領域を含む。
単一の超音波カテーテルは、少なくとも1つのトランスデューサを利用してエネルギー(例えば、アブレーションエネルギー)を検知して送達するように構成することができる。交感神経をアブレーションするために使用される周波数は、予想される減衰、横方向および軸方向の両方のビームの閉じ込め、治療の深さ、神経のタイプ、動作モード(例えば、検知モードまたは治療モード)、および/または他のパラメータに基づいて変えることができる。いくつかの実施形態では、使用される周波数は、約20kHz〜約60MHz、約20kHz〜約20MHz、約1MHz〜約15MHz、約20MHz〜約60MHz、約500kHz〜約10MHz、約1MHz〜約5MHz、約2MHz〜約6MHz、約3MHz〜約8MHz、20kHz未満、60MHz超、またはそれらの重複範囲に及ぶ。検知モードは、10〜60MHz(例えば、10〜20MHz、15〜30MHz、10〜40MHz、15〜50MHz、20〜50MHz、30〜60MHz、またはそれらの重複範囲)の範囲の周波数の使用を含むことができる。治療モードは、2〜45MHz(例えば、2〜10MHz、5〜15MHz、5〜30MHz、10〜40MHz、15〜45MHz、30〜45MHz、10〜45MHz、またはそれらの重複範囲)の範囲の周波数の使用を含むことができる。しかしながら、本開示の範囲を限定することなく他の周波数を使用することができる。いくつかの実施形態では、パルスエコー超音波信号を用いて検知が行われる。一実施形態では、検知トランスデューサは、有利には、狭いパルス幅(例えば、広帯域感度)を提供するために、背面に減衰層を備える。一実施形態では、能動的減衰(例えば、整形パルス)を使用して狭い送信パルスが達成される。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサは、チタン酸ジルコン酸鉛またはPZTなどのセラミックスチップである。別の一実施形態では、検知知超音波トランスデューサは、ポリビニリデンフルオライド(「PVDF」)トランスデューサなどのポリマートランスデューサである。様々な実施形態において、エネルギー送達システム8000は、検知動作モード中に取得された結果またはフィードバックに基づいて、エネルギー送達アルゴリズムまたは治療パラメータを調節することができる。
超音波カテーテルの1以上の超音波トランスデューサは、集束音波または非集束音波を放射することができる。トランスデューサは、指向性であっても無指向性(例えば、全方向性)であってもよい。トランスデューサは、平坦な長方形のトランスデューサまたは円筒形のトランスデューサを含むことができる。様々な実施形態において、1以上のトランスデューサは、音響エネルギーを送達して組織を調節するように適合され、1以上のトランスデューサは、画像化、視覚化、または他の診断測定を提供するように適合される。いくつかの実施形態では、トランスデューサは、エネルギーの送達機能および検知機能の両方を提供するように構成された複数素子トランスデューサまたは他のタイプのトランスデューサを含むことができる。画像化と治療の両方が実行される実施形態では、画像化要素は、治療要素と共局在化することができるか、または別々に(例えば、異なるハウジング、ユニット、トランスデューサなどの中に)配置することができる。
超音波カテーテルまたはシステムの実施形態は、1以上のトランスデューサを肝動脈または他の血管内にセンタリングするための構造を備え、トランスデューサを動脈の内壁から最小距離に維持するか、またはさもなければ動脈の壁に接触しないように維持する。例えば、このような構造は、1以上のバルーンまたは他の拡張可能および格納可能な部材(例えば、ワイヤ、リボン、コイル、スパイラル部材、またはアーム)を含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルまたはシステムは、トランスデューサを冷却するか、または過熱の可能性を低減する構造を含む。例えば、トランスデューサは、冷却流体を有するバルーン内に配置されてもよく、またはトランスデューサ表面から熱を伝達、分流、または散逸させる構造を含んでもよい。いくつかの実施形態では、カテーテルは、トランスデューサの上の血液の速度を増加させるために、流れを向ける構造または迂回構造を含む。
いくつかの実施形態によれば、超音波トランスデューサの位置決めは、パワーの円周方向分布を制御し(例えば、アブレーション損傷の形状を制御し)、オプションとして、隣接する密集構造に対する損傷を回避するように操作される。エネルギー送達システム8000は、血管(例えば、肝動脈)内のトランスデューサの位置を評価するための検知装置または視覚化装置、および/または血管内のトランスデューサを移動させる(例えば、血管の壁から離れた距離でトランスデューサをセンタリングする、またはトランスデューサを偏らせる)ように適合された装置を含むことができる。検知または視覚化装置および移動装置は、超音波カテーテルの一体コンポーネントまたは部材であってもよく、または超音波カテーテルと共に使用される超音波カテーテルとは別個の分離した1以上の装置を含んでもよい。
一実施形態では、検知または視覚化装置は、血管のマージンを規定する血管造影マーカーを含むことができる。別の一実施形態では、装置は、血管のマージンを規定する希釈コントラスト充填バルーンを含むことができる。いくつかの実施形態では、1以上のトランスデューサは放射線不透過性であるか、または超音波カテーテルが、位置決めの評価を促進するために別個の放射線不透過性マーカーを備える。
いくつかの実施形態では、超音波カテーテルのシャフトの遠位端部分は、引張ワイヤによって、湾曲したスタイレットの回転および/または並進によって、偏心バルーンの拡張/収縮によって、および/または湾曲した又はまっすぐなシースの挿入および引き抜きによって偏向することができる。いくつかの実施形態によれば、隣接する血管外構造の大まかな位置がわかっている場合、それに応じて(例えば、前方、後方、上方、下方などに)トランスデューサを調節することができる。いくつかの実施形態では、隣接する血管外構造の位置を特定するために、血管内撮像技術(例えば、光干渉断層撮影、血管内超音波)または体外非侵襲撮像技術(例えば、MRI、CT)が使用される。一実施形態では、撮像(例えば、広帯域、より高い周波数)用に適合された(例えば、最適化された)トランスデューサを使用して、血管内撮像が実行される。一実施形態では、治療用超音波から後方散乱を検出するために、エネルギー送達トランスデューサに近接した別個の検知トランスデューサが使用される。最も大きなエコーは、一般的に、血管の内部弾性薄層からのものである可能性がある。距離は、パルスエコーまたは相関アルゴリズムによって正確に測定することができる。単一の主要エコーのみが存在する場合、複数の信号の平均化は、信号の波長よりも優れた精度を達成することができる。
いくつかの実施形態によれば、超音波カテーテルまたは他の医療器具の1以上のトランスデューサは、アブレーションエネルギーを送達し、(例えば、平面トランスデューサの場合)トランスデューサの軸方向アブレーション長さを低減しながら、アブレーション損傷サイズを半径方向に増加(例えば、最大化)させるように特に構成される。超音波カテーテルは、平面トランスデューサの最長寸法を、血管長にほぼ平行な位置から血管円周にほぼ平行な位置まで枢動させる枢動可能なカテーテルを含むことができる。
図81A〜図81Dは、様々なピボット構成の(1以上のエネルギー送達部材8110(例えば、超音波トランスデューサ、高周波電極、マイクロ波アンテナ)を含む)枢動式超音波エネルギー送達装置の実施形態を示す。図81Aは、エネルギー送達前の非ピボット構成の超音波カテーテルの一実施形態を示す。超音波カテーテルは、ガイド、シース、および/または血管壁に平行なトランスデューサの長い寸法を有するガイドまたはシースカテーテルに挿入される。次いで、超音波カテーテルは、カテーテルシャフトの遠位セグメントを枢動(ピボット)構成に偏向させて、最も長いトランスデューサの寸法を血管内に半径方向に向ける。例えば、図81Bは、L字型ピボット構成の超音波カテーテルを示し、図81Cは、別のT字型ピボット構成の超音波カテーテルを示す。一実施形態では、超音波カテーテルは、シャフトの遠位セグメントをスパイラル形状に偏向させて、図81Dに示されるように、血管内で半径方向に最長のトランスデューサの寸法を向けるように構成することができる。
枢動式カテーテルのいくつかの実施形態は、低プロファイル(例えば、可能な限り低いプロファイル)でのトランスデューサの挿入を促進し、方向性トランスデューサの向きを半径方向に増加させ(例えば、最大にし)、それによって関与する血管長さを低減(例えば、最小に)しながら、エネルギー送達へ曝露される円周方向の複数のスライスを可能にするので、平面方向性トランスデューサにとって特に有利である。
組織をアブレーションするのに十分な電力またはエネルギーを送達するように適合された超音波カテーテルおよびシステムの場合、本発明のいくつかの実施形態によれば、小さな血管周囲標的容積に十分な電力を送達して焦点損傷を作り出し、円周方向により長く、軸方向により短い楕円形領域に電力を送達することが特に有利である。したがって、超音波カテーテルの実施形態は、電力またはエネルギー送達のための比較的大きな表面積を提供するが、血管(例えば、肝動脈)への導入のためのプロファイルの減少および標的血管系へのアクセスのための可撓性の増大を提供する。
図82A〜図86は、減少した挿入および送達プロファイルを提供するとともに、増加した円周方向の血管カバレッジを提供するように適合された超音波カテーテルまたはシステムの様々な実施形態を示す。図82Aは、挿入のための略軸方向縮小プロファイル構成と、円周方向により長く、軸方向により短いエネルギー送達プロファイルを提供するための横方向エネルギー送達形態との間で回転するように適合された複数のピボット式トランスデューサ8210を有する超音波エネルギー送達装置の遠位部分の一実施形態を示す。超音波トランスデューサ8210は、平坦で矩形のトランスデューサを含む。
縮小プロファイル形態では、トランスデューサ8210のより長い寸法は、カテーテルのシャフトの長手軸と平行になるように位置合わせされる。図示のように、隣接するトランスデューサ8210は、エネルギー送達形態に移行したときにトランスデューサ間の間隔を減少させるように、積み重ねられるか、または垂直にオフセットすることができる。トランスデューサ8210はそれぞれ、図82Aに示されるように、それぞれの中心ピボット8220の周りを枢動することができる。他の実施形態では、トランスデューサ8210は、トランスデューサ8210の動作(例えば、ビームパターン)または効率を妨害または干渉しないように枢動する取り付け構造またはキャリアによって支えられるか、または吊り下げられてもよい。また図示のように、トランスデューサ8210は、カテーテルシャフトの凹部8215内に配置され、全体のプロファイルを縮小することができる。
様々な実施形態において、トランスデューサの枢動または回転を引き起こす機構は、1以上の制御または作動ワイヤ8225(例えば、引張ワイヤおよび/または押し込みワイヤ)、または縮小プロファイル形態とエネルギー送達形態との間を移行可能な弾性自己回転機構または材料を含む。ワイヤ8225は、トランスデューサ8210と、またはトランスデューサ8210を保持する取り付けフレームまたは構造と、直接的にインターフェース接続することができる。トランスデューサ8210は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはより多くのトランスデューサのアレイを含むことができる。
様々な実施形態では、トランスデューサ8210は、エネルギー送達形態において、幅が0.5〜2mm、長さが4〜6mm、間隔が2〜3mmであり、厚さは圧電結晶内で音速を用いた波長の半分である。いくつかの実施形態では、トランスデューサ8210の能動表面は、4分の1波長の厚さのポリマー整合層でコーティングされる。いくつかの実施形態では、トランスデューサ8210の反対側の表面は、トランスデューサの音響結合を最小限にするかまたは低減し、トランスデューサの効率を高めるように構成される。例えば、エアポケットが、反対側の面に近接して配置されてもよい。トランスデューサ8210のアレイが使用される場合、トランスデューサ8210は、音波が互いに建設的に干渉して電力伝達を最大化または増加させるようにオフセットさせることができる。
図82Bは、図82Bの超音波エネルギー送達装置の複数のピボット式トランスデューサ8210のアセンブリの代替実施形態を示す。図示されるように、は、各々がそれ自体の個々のピボットの周りでのみ回転するトランスデューサ8210の代わりに、トランスデューサ8210は、1以上の接続部材8235の使用を介して、均一な中央ピボット8230の周りを回転することができる。図に示される相対的な間隔および大きさは、必ずしも一定の縮尺ではなく、正確ではない。いくつかの実施形態では、トランスデューサはすべて同じ大きさおよび形状であり、エネルギー送達または配置形態において均等に離間されている。他の実施形態では、トランスデューサは、異なるサイズおよび/または形状を有してもよく、均等に離間されない。トランスデューサは、トランスデューサを支持するサスペンション装置上に取り付けられることができ、トランスデューサの機能を妨害することなく接続および枢動を提供する。
図83Aは、超音波トランスデューサ8310のアレイを支える折り畳み可能なフレキシブル回路基板8305を含む超音波エネルギー送達装置の遠位端部分の一実施形態を示す。フレキシブル回路基板8305は、ヒンジまたは折り畳み挙動を規定して制御する穿孔、スロット、または穴8315を備える。一実施形態では、フレキシブル回路基板8305は、薄いポリイミドまたは他の可撓性ポリマー材料で形成される。様々な実施形態において、フレキシブル回路基板8305の厚さは、約0.001〜約0.003インチの範囲にある。トランスデューサ8310および電気リード線8325を、フレキシブル回路基板8305に取り付けることができる。一実施形態では、基板8305は、引き抜きを促進するようにトリミングされる。フレキシブル回路8305は、細長い送達部材8320(例えば、ワイヤ、チューブ、シャフト)の遠位端に結合され、シースまたはチューブ8330を介して縮小プロファイル形態に導入されるように構成され、次いで、エネルギー送達形態に配備される。配備は、1以上の作動ワイヤまたは制御ワイヤによって、または基板8305の材料の可撓性および基板8305内の穿孔またはスロット8315の自然な結果として促進することができる。図83Aに示されるように、電気リード線8325をトランスデューサ8310に結合して、ジェネレータまたは他のエネルギー源から電気エネルギーを送達してトランスデューサ8310を作動させて音響エネルギーを送達することができる。各トランスデューサ8310は、2つの別個のリード線8325(上面用に1つと下面用に1つ)を有することができ、またはすべてがトランスデューサ8310の各々に接続するために分枝する2つのリード線8325があってもよい。
いくつかの実施形態では、フレキシブル回路8305は、安定性および強度を提供し、および/または配備および引き抜きのさらなる制御を提供し、および所望のエネルギー送達形態のためのより精度を高めるために、金属、金属合金(例えば、ニチノール)、セラミックスまたはポリマー材料、要素または構造によって補強される(例えば、基板に固定される)。一実施形態では、フレキシブル回路8305は、ニチノールステーまたはヒンジで補強される。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路8305は基板に銅をメッキすることによって製造され、銅はフォトリソグラフィを用いてエッチングされて所望の回路パターンを生成する。様々な実施形態において、トランスデューサ8310の長さは約3mm〜約10mm(例えば、3〜6mm、4〜8mm、5〜10mm)であり、トランスデューサ8310の幅は2mm未満である。
図83B−1〜図83B−3は、フレキシブル回路を含む超音波エネルギー送達装置の遠位端部分の別の一実施形態を(例えば、側面図、上面図、および開いた図を介して)示す。図示の実施形態では、フレキシブル回路基板8305は、細長い送達部材(例えば、ポリイミドまたは他の可撓性ポリマー材料から作製されたシャフトまたはチューブ)と一体化されて(またはそれから形成されて)おり、それによって操作(例えば、挿入および引き抜き)のために近位端で追加の安定性および強度を提供する。例えば、離間した位置で細長い送達部材にスカイブまたは切り欠き8340を形成することができ、スカイブ8340の間の細長い送達部材内にスリット8345を形成することもできる。図83Aと同様に、超音波トランスデューサ8310は、任意のパターンまたは構成でフレキシブル回路基板8305上に配置することができる。フレキシブル回路基板8305は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、または任意の数のトランスデューサ8310を含むことができる。トランスデューサ8310は、電気リード線またはワイヤ8325によってジェネレータまたは他のエネルギー源に結合することができる。いくつかの実施形態では、リード線8325は、細長い送達部材8320内のマイクロ同軸ケーブル8335内を伝わる。一実施形態では、リード線またはワイヤ8325が、銅、ニッケル、ニッケルメッキ、金、銀、タングステンなどから作られた高コンダクタンスの編組ワイヤを含む場合、マイクロ同軸ケーブル8335は編組ポリイミドで形成される。いくつかの実施形態では、リード線またはワイヤ8325は、ビアを有する両面トレースを含む。
図84A〜図84Eは、図83Aまたは図84Bの超音波エネルギー送達装置の遠位部分の様々な構成を示す。図84Aは、平坦なエネルギー送達形態を示す。図84Bは、トランスデューサ8310が集束されたエネルギー送達を提供するために焦点に向かって角度付けされたエネルギー送達形態を示す。図84Cは、シースまたはスリーブ8330(例えば、ガイドまたは延長カテーテル)を介してフレキシブル回路8305を導入するための折り畳み形態を示す。トランスデューサ8310は、三角形、正方形、または他の多角形の形状に折り畳まれるように構成することができる。いくつかの実施形態では、図84Cの折り畳み形態は、より幅の広いトランスデューサに使用できる。図84Dは、シースまたはスリーブ8330を介してフレキシブル回路8305を導入するための積層形態を示す。図84Eは、超音波トランスデューサ8310が、より広い領域にわたって電力またはエネルギーを分散させるように、互いに角度をなして配置されたエネルギー送達形態を示す。例えば、エネルギーは、横方向、円周方向、または長手方向に、焦点を外して、または焦点が合っていない方法で送達されてもよい。
図85は、フレキシブル回路8505を広げることによって配備するように構成された超音波エネルギー送達装置の遠位部分の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、フレキシブル回路8505は、複数の超音波トランスデューサ8510(例えば、アレイ)を備え、フレキシブル回路8505は、導入のためのロールアップされた形態とエネルギー供給のための配備された広げられた形態との間で移行するように構成されている。図示されるように、導入ロールアップ構成は、スパイラルまたは「ゼリーロール」形態を含むことができる。フレキシブル回路8505は、超音波カテーテルまたは他の医療器具の部分を逆方向に、または自己拡張型形状記憶材料(例えば、ニチノール)の結果として回転させることによって広げられ、および巻かれることができる。フレキシブル回路8505は、互いに比較的近接して配置された複数のトランスデューサ8510を備えてもよい。一実施形態では、トランスデューサ8510は、より正確な焦点(例えば、中膜内で半波長未満)でエネルギーを送達するように適合される。一実施形態では、トランスデューサ8510は、0.5mm幅である。図に示される相対的な間隔は、必ずしも一定の縮尺ではなく、正確でもない。
図86は、複数のインターロック式取り付け要素8602を備える超音波エネルギー送達装置の遠位部分の別の一実施形態を示す。この実施形態では、複数のトランスデューサ8610が、フレキシブルカテーテル8605に沿って軸方向に分布している。トランスデューサ8610は、互いに連動するように成形されて形成されている取り付け要素8602に取り付けられている。治療部位にいったん到達すると、取り付け要素8602は締め付けられるか、さもなければ一緒になって所定の形状を有する高剛性構造を形成することができる。所定の形状は、平坦な形態、凹状の形態、または凸状の形態を含むことができる。締め付けは、取り付け要素を通って延びる1以上の引張ワイヤおよび/または押し込みワイヤによって行うことができる。取り付け要素8602間の向きは、取り付け要素の相互に係合する縁部の形状によって画定されてもよい。超音波エネルギー送達装置の遠位端は、固定具(図示せず)と、柔らかく操縦可能な先端8615とを備えることができる。
フレキシブル回路を含む超音波エネルギー送達装置のいくつかの実施形態は、トランスデューサに結合された電極を支持し、および/またはトランスデューサの対向する面に電気的リード線を提供するので、特に有利である。
いくつかの実施形態によれば、音響ミラーおよび/またはレンズは、治療領域(例えば、損傷ゾーン)のサイズおよび形状を制御するために、超音波カテーテルの超音波トランスデューサによって送達される音響エネルギーの分布を制御するために使用される。例えば、音響インピーダンスは、光学系における屈折率に類似しているかもしれない。異なる音響インピーダンスの領域を横断する音波は、屈折および/または反射される可能性がある。したがって、大きな平面または円筒形トランスデューサによって、より狭い焦点を達成することができる。
図87A〜図87Fは、超音波トランスデューサによって送達される音響エネルギーの分布を制御する音響ミラーおよび/またはレンズの様々な実施形態を示す。異なる流体で満たされたバルーンを使用して、超音波トランスデューサの出力をフォーカスまたはデフォーカスすることができる。例えば、音響ミラーまたはレンズは、周囲の媒体(例えば、組織および/または血液)とは異なる音響インピーダンスを有する媒体で膨張されたバルーンの曲面によって生成されてもよい。いくつかの実施形態によれば、音響ミラーおよび/またはレンズの使用は、トランスデューサを過熱することなく、またはトランスデューサ表面にキャビテーションを生じさせることなく、より多くのエネルギーを標的治療領域に有利に提供する。
図87Aは、周囲の血液および/又は組織とは異なる(例えば、より大きい、より小さい)音響インピーダンスを有する液体で満たされた単一のバルーン8705上に配置され、それによって音響レンズを形成する円筒形トランスデューサ8710を示す。見て分かるように、バルーン8705は、音響エネルギーの経路を初期軌道から逸脱させる。音響ミラーまたはレンズは、単一のバルーンまたは二重バルーン(例えば、内側バルーンおよび外側バルーン)を含むことができる。図87Bは、二重バルーンを含む一実施形態を示す。内側バルーン8705Aは、第1の音響インピーダンスを有する第1の液体で満たされ、外側バルーン8705Bは、第1の液体の音響インピーダンスとは異なる第2の音響インピーダンスを有する第2の液体で満たされる。第1の液体または第2の液体のいずれかが、周囲の組織および/または血液の音響インピーダンスと実質的に異なる音響インピーダンスを有することができる。例えば、脂肪組織、血液組織、および軟組織は、1.3〜1.7MRaylsの音響インピーダンスを有する。(いくつかの実施形態に係る)バルーン内の流体(例えば、液体)は、組織または血液と約10%異なる音響インピーダンスを有する。例えば、いくつかの実施形態では、流体は、0.7MRayls〜1.8MRaylsの音響インピーダンスを有する。いくつかの実施形態では、第1のバルーンは第1の音響インピーダンスを有する第1の流体を含み、第2のバルーンは第2の音響インピーダンスを有する第2の流体を含む。円筒形トランスデューサ8710は、内側バルーン8705A上に配置される。
いくつかの実施形態では、(図87Cおよび図87Dに示されるように)外側バルーンは空気で充填され、音響ミラーを形成する。図87Cは、より広い分散を提供するために概して非円柱の軌道を生成するためのミラー構成を示し、図87Dは、トランスデューサ8710が空気−液体界面の焦点に配置された、略円柱状の軌道を生成するためのミラー構成を示す。図87Dの実施形態では、外側バルーン8705Bを内側バルーン8705Aと共に形成して、三日月形または放物線状の空洞を生成することができ、トランスデューサ8710を三日月型または放物線状の空洞の底に配置することができる。
図87Eは、平坦な矩形の超音波トランスデューサ8710が二重バルーン構成に配置され、内側バルーン8705Aが液体で充填されて音響レンズを形成し、外側バルーン8705Bは空気で充填されて、音響ミラーを形成する一実施形態を示す。図87Fは、音響ミラーが機械的構造またはプレート8715を折り畳むことによって形成可能であることを示す。
様々な実施形態において、バルーンは、球形のバルーンを含む。バルーンを加圧または伸張させることによりバルーンの形状を変えることによって、および/またはバルーン内の流体の媒体または濃度を変えることによって、音響レンズの実施形態の焦点を変えることができる。使用される液体は、濃縮食塩水、濃グルコース溶液、グリセロール、プロピレングリコール、エチレングリコール、重水(D2O)、フルオロカーボン(例えば、フレオン)、水銀、ガリウム、ペルフルオロトリブチルアミン、ペルフルオロデカリン、および/または油を含む。空気は、二酸化炭素などの任意のガスを含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、トランスデューサのサイズを増大させることなく、より大きな治療領域(例えば、より大きなアブレーションゾーン)を提供することが特に有利である可能性がある。例えば、複数のトランスデューサを互いに音響結合するように配置することができ、より多くのパワーがアクティブな表面から送信され(例えば、効率を高め)、より多くの表面積を冷却に利用することができる。
図88は、より大きな治療領域(例えば、より大きなアブレーションゾーン)を提供するように適合された共振空洞超音波トランスデューサ8810の一実施形態の概略図を示す。超音波トランスデューサ8810は、共振を達成するために波長の倍数(d=n×λ)である距離dだけ離間し、反対方向に放射するように適合された2つの平行フラットトランスデューサ8805を備える。共振空洞超音波トランスデューサ8810は、2つのトランスデューサまたはプレート8805のアライメントを平行な向きに維持するように構成されたサスペンション構造、フレーム、または機構(図示せず)を備える。サスペンション構造または機構は、共振を達成するために自己調節が可能なように、わずかに柔軟であることができる。トランスデューサまたはプレート8805の露出したすべての表面は、バルーン8815内に含まれる冷却流体によって取り囲まれている。トランスデューサ8805の外側表面は整合層を含み、内側表面はトランスデューサ8805の冷却を高めるために整合層を含まない。
いくつかの実施形態によれば、共鳴空洞超音波トランスデューサを含む実施形態は、以下の利点または利益の1以上を有利に提供する:冷却の増大、振幅またはパワーの増大、およびトランスデューサを壁のより近くに移動できること(例えば、より近い焦点距離を可能にすること)。
いくつかの実施形態によれば、効率を低下させる後方音響結合(例えば、エアギャップ)を伴わずに超音波トランスデューサを冷却することが有利である可能性がある。図89は、熱伝達を増加させるためのヒートパイプ構成を備える超音波トランスデューサ8910の一実施形態を示す。一実施形態では、平らなヒートパイプを圧電チップまたはプレートの背面に配置して、音響結合を増加させることなく熱伝達を増加させることができる。ヒートパイプ構成は、高温面8902、低温面8903、および高温面8902と低温面8903との間の二相流体8905で満たされた薄いギャップ8904を含む。二相流体8905は、液体および気体を含む。高温面8902は、圧電プレートまたは高温面8902は、圧電板またはチップ8906の背面に形成される。チップ8906の背面に形成される。液体は、水、アルコール、冷媒(例えば、フレオン、R12)、プロパン、亜酸化窒素などを含むことができる。二相流体または混合物の品質(例えば、液体%)は、温度とともに変化する。いくつかの実施形態では、トランスデューサを減衰させることなく動作温度での平衡を維持するのに十分な熱伝達を提供する品質が望まれる。流体8905は、高温面と低温面との間を移動するか、またはウィックする。流体8905は、圧電プレートまたはチップ8906の移動によって生成されるマイクロストリーミングによって攪拌されることができる。いくつかの実施形態では、液相が圧電プレートまたはチップ8906の表面に接触することはめったにない。したがって、有効音響インピーダンスは、蒸気または気相であり、これは通常、非常に低く、トランスデューサの背面側から音響エネルギーはほとんど伝達されない。
冷却プレートの内部低温面8903は、凝縮物の核形成、成長、および輸送を制御するために、テクスチャ加工またはパターン化されてもよい。図89Bは、図89の超音波トランスデューサのテクスチャパターンの様々な実施形態を示す。パターンは、溝、スロット、穴、クロスハッチ、バンプ、スパイラル、バンプおよび穴などを含むことができる。いくつかの実施形態では、パターンは、凝縮液または液相に対して異なる親和性を有する表面コーティングの印刷領域を含む。圧電背面(例えば、高温面または蒸発面8902)は、液相に対して低い親和性を有し、冷却プレート表面(例えば、低温面8903)は、液相に対して高い親和性を有する。水が流体として使用される場合、高温面8902は疎水性であり、低温面8903は親水性である。薄い間隙8904は、圧電プレートまたはチップ(ホットプレート8902)の波長の数倍の厚さを有することができる。ギャップ8904は、圧電チップ(例えば、PZT)が加熱されるときに、凝縮物の核形成および成長の明確な領域の十分な成長を可能にすべきである。図89に示されるように、冷却プレートの外部(背面)表面は、熱伝達を促進するためのテクスチャ構造8907(例えば、溝、フィン)を含むことができる。一実施形態では、冷却プレートは、圧電プレートまたはチップ8906(例えば、ホットプレート)よりも大きい。
ヒートパイプを含む超音波トランスデューサ8910は、MEMS技術を用いて製造することができる。様々な実施形態では、圧電チップまたはプレート8906は、ガラス溶接部8908を使用してバッキングまたは冷却プレートに気密封止される。冷却プレートまたはバッキングは、ガラス、セラミックス、および/または金属を含むことができる。図89Aは、図89の超音波トランスデューサ8910の冷却プレートまたはバッキングの一部の拡大図を示す。図示のように、低温面8903の高親和性表面8909上に凝縮物8915を形成することができる。凝縮物収集物が高温面8902に近づくと、熱が凝縮物収集物または液滴に移動し、液滴は蒸発する。冷却プレートは、流体、ヒートパイプ、または熱伝導を使用して離れた場所に熱を伝達することができる。他の実施形態では、高親和性表面は、様々な領域に使用される材料に応じて隆起領域の代わりにより低い領域であってもよい。一実施形態では、冷却プレートの表面は物理的に平坦であるが、高親和性および低親和性(例えば、親水性および疎水性)材料の交互領域でパターン化される。
いくつかの実施形態によれば、エネルギー送達装置(例えば、カテーテル)は、標的組織に超音波および高周波エネルギーの両方を送達するように適合される。例えば、エネルギー装置またはシステムは、単極超音波および高周波エネルギー送達を提供するように構成することができる。図90は、単一のエネルギー送達装置を使用して標的組織に超音波および高周波エネルギーを送達するように構成されたエネルギー送達システム9000の一実施形態を示す。エネルギー送達システムは、1以上の超音波トランスデューサ9010および1以上の電極9025、接地パッド9030、およびジェネレータ9035を含むエネルギー送達装置9020を備える。エネルギー送達装置9020の図示された実施形態は、2つの超音波トランスデューサ9010と、超音波トランスデューサ9010の間に配置された電極9025とを含む。電極9025は、トランスデューサ9010と直列または並列に結合または配置することができる。一実施形態では、1以上の電極9025は、1以上の露出したトランスデューサ電極を含む。別の一実施形態では、1以上の電極9025は、トランスデューサ9010とは分離した別個の要素を含む。トランスデューサ9010は、集束超音波トランスデューサまたは非集束超音波トランスデューサを含むことができる。ジェネレータ9035は、本明細書に記載の他のジェネレータまたはエネルギー送達モジュールの構成を含むことができる。
一実施形態では、ワイヤ9040は、ジェネレータ9035を超音波トランスデューサ9010および電極9025の1つの電極層に接続し、回路は、これもまたジェネレータ9035に電気的に結合された接地パッド9030によって完成される。高周波エネルギーは、電極9025によって、組織を通して接地パッド9030に向かって送達される。超音波駆動信号のリターン経路はまた、接地パッド9030への組織伝導を使用する。したがって、超音波および高周波エネルギーは、接地パッド9030によって提供されるリターンを有する単一のワイヤを介して単極方式で送達されることが可能である。
いくつかの実施形態では、ちょうど組織のアブレーション閾値(例えば、摂氏1〜10度以内、摂氏1〜5度以内)未満のレベルに組織を予熱するために、超音波エネルギーが送達される前の期間、高周波エネルギーが送達される。一実施形態では、その後、超音波エネルギーは、組織のアブレーション閾値を超えて温度を上昇させるのに十分なほど組織を徐々に加熱するように提供され、それによって集束アブレーションを依然として提供しながら、組織をアブレーションするのに必要な電力またはエネルギーの総量を低減する。
いくつかの実施形態では、電極9025における電圧を測定するために検知ワイヤ9045が提供され、それによって超音波および高周波電力の送達の両方の測定が可能になる。検知ワイヤ9045は、ジェネレータ9035から電極9025に直接接続することができる。いくつかの実施形態では、検知ワイヤ9045を用いて組織のインピーダンスを測定する。検知ワイヤ9045は、電力またはエネルギー送達の割合を変更するために電極の割合を調整するために使用されてもよい。例えば、検知ワイヤ9045を使用して得られた測定値は、高周波エネルギー送達を調整して、標的組織に送達される高周波エネルギーをより多く送達するか、または高周波エネルギー送達を他に流用するかのいずれかにすることができる。高周波および超音波パワーの割合は、超音波トランスデューサ9010の共振周波数に対して周波数を変えることによって調整することができる。いくつかの実施形態では、超音波トランスデューサ9010は、治療エネルギーを1〜10MHz(例えば、2〜5MHz、3〜8MHz、1〜4MHz、6〜10MHz、またはそれらの重複範囲)の範囲内で送達し、電極9025は、エネルギーを400kHz〜1MHz(例えば、450kHz〜650kHz、600kHz〜800kHz、700kHz〜1MHz、またはそれら重複範囲)の範囲内で送達する。
いくつかの実施形態では、電極9025のインピーダンスの変化を損傷形成の指標として使用することができ、インピーダンスの測定値を使用してエネルギー送達を調節することができる。いくつかの実施形態では、インピーダンスの測定値または損傷の形成または完了を示す出力は、ジェネレータ9035のディスプレイ上に出力されることができる。いくつかの実施形態では、電極9025は、エネルギーの送達のためではなく検知のためにのみ使用される。
いくつかの実施形態によれば、超音波および高周波の両方を送達するように構成されたシステムの実施形態は、以下の利点または利益のうちの1以上を提供する:(i)シャフト内のワイヤの数が少ない、(ii)損傷の特徴付けまたは損傷形成の評価、(iii)高周波エネルギー送達によって提供される追加の熱、(iv)送電線要件を低減することによる単純化されたカテーテル構築、(v)比較的小さな表面積(例えば、円筒形トランスデューサの場合は50mm2未満、矩形トランスデューサの場合は15mm2未満)を有するトランスデューサの使用、(vii)超音波駆動信号のリターンパスとしての接地パッドへの組織伝導の使用、(v)超音波トランスデューサによって送達されるパワーの減少による小さな焦点損傷の迅速な形成、および/または(vi)送達される全エネルギーの増加によるより多くの焦点損傷の生成。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システム8000は、超音波エネルギーを送達して、肝神経叢内の交感神経線維を調節(例えば、アブレーション、刺激)する。例えば、エネルギー送達システム8000は、交感神経線維をアブレーションするために集束超音波エネルギー(例えば、高強度集束超音波(HIFU)エネルギーまたは低強度集束超音波(LIFU)エネルギー)を使用することができる。別の一例として、エネルギー送達システム8000は、非集束または未集束のエネルギーを送達する。例えば、超音波トランスデューサは、肝神経叢または本明細書に記載の他の神経(例えば、腹腔神経叢、または肝臓、膵臓、胃、および/または小腸を支配する、取り囲む、または近接する神経)内の交感神経線維を調節(例えば、アブレーション)するために、1以上の標的部位に超音波エネルギーを送達することができる。音響エネルギーまたは超音波エネルギーは、量、パルス、または周波数の選択によって制御することができる。いくつかの実施形態では、HIFUエネルギーは、血管の組織(例えば、内膜および中膜の層)または周囲組織の潜在的な妨害を低減するために、離れた点で有利に集束させることができる。HIFUエネルギーは、超音波カテーテルの位置決めに必要な精度を有利に低減することができる。1以上の超音波トランスデューサは、治療部位の数を増加させるために、または治療の深さを調節するために、治療中に再度焦点を合わせることができる。いくつかの実施形態では、HIFUエネルギーの使用は、より短い持続時間の間に熱の集中の増加をもたらすことができ、エネルギーを複数の焦点に同時に集束させることができ、それにより、神経調節処置を施すのに必要な総時間が短縮される。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システム8000は、集束超音波(例えば、HIFU)アブレーションカテーテルおよび音響周波数ジェネレータを含む。アブレーションカテーテルは、遠隔機構を使用して被験体の外側から操縦可能とすることができる。アブレーションカテーテルの遠位端は、肝動脈または他の動脈内の位置決めを促進するために、カテーテルシャフトの軸の周りの配向または回転の自由を可能にするようにフレキシブルとすることができる。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルは、超音波エネルギーの送達を促進する、集束(例えば、パラボラ)ミラーまたは他の反射器、ガス充填または液体充填バルーン、および/または他の構造的集束要素を含む。1以上のトランスデューサは、円筒形、矩形、楕円形、または他の任意の形状とすることができる。超音波カテーテルは、温度を監視し過熱を防止するため、または1以上の超音波トランスデューサ、血管壁、および/または超音波トランスデューサを横切って流れる血液に対応する他のデータを取得するためのセンサおよび制御回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、センサは、超音波エネルギーの送達を制御するためにフィードバックを提供する。いくつかの実施形態では、超音波エネルギーは、超音波エネルギーの送達が、約40℃〜約90℃(例えば、40℃〜60℃、60℃〜75℃、65℃〜80℃、60℃〜90℃、またはそれらの重複範囲)の範囲内に動脈組織を加熱するように制御される。いくつかの実施形態では、温度は、40℃未満または90℃を超えることができる。
肝神経叢、腹腔神経叢、または他の交感神経線維内における交感神経線維のアブレーションのための平均超音波強度は、約0.1W/cm2〜約10kW/cm2、約0.1W/cm2〜約10W/cm2、約0.5W/cm2〜約5W/cm2、約1W/cm2〜約100W/cm2、約10W/cm2〜約10kW/cm2、約500W/cm2〜約5kW/cm2、約2W/cm2〜約8kW/cm2、約1kW/cm2〜約10kW/cm2、約25W/cm2〜約200W/cm2、約200W/cm2〜約1MW/cm2、0.1W/cm2未満、10kW/cm2超、またはそれらの重複範囲に及ぶことができる。平均電力レベルは、約0.1W〜約1MW(例えば、超音波エネルギーの強度、パルスデューティサイクル、および/または他のパラメータに応じて、約0.1W〜約1kW、約0.1W〜約10W、約0.5W〜約5W、約1W〜約100W、約25W〜約1MW)に及ぶことができる。超音波エネルギーは、連続でもパルスでもよい。パルス超音波エネルギー用に使用される平均電力レベルまたはエネルギー密度レベルは、連続超音波エネルギー用に使用される平均電力レベルよりも高くなる場合がある。
各標的部位(例えば、アブレーション部位)の治療時間は、約5秒〜約120秒、約10秒〜約60秒、約20秒〜約80秒、約30秒約90秒、10秒未満、120秒超、1分〜15分、10分〜1時間、またはそれらの重複範囲に及ぶことができる。いくつかの実施形態によれば、使用されるパラメータは、少なくとも数ヶ月にわたり(例えば、肝神経叢の)交感神経の伝導を無効にし、遮断し、停止させ、または他の方法で妨害するように選択される。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達システム8000の超音波カテーテルは、約2〜8Fr、約3〜7Fr、約4〜6Fr(約5Frを含む)、およびそれらの重複範囲の直径を有する。カテーテル(例えば、チューブ、プローブ、またはシャフト)は、その長さに沿って変化する直径を有し、カテーテルの遠位部分が、カテーテルが血管系内を前進するにつれて漸進的により小さい血管に適合するのに十分に小さくしてもよい。一実施形態では、カテーテルは、(内腔の直径が約1mmと小さい可能性のある)総肝動脈または固有肝動脈内に適合するように寸法決めされた外径を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルは、少なくとも約150cmの長さ、少なくとも約140cmの長さ、少なくとも約130cmの長さ、少なくとも約120cmの長さ、少なくとも約110cmの長さ、少なくとも約100cmの長さ、少なくとも約75cm、または少なくとも約90cmの長さを有する。いくつかの実施形態では、カテーテルの長さは、上腕動脈、橈骨動脈、または大腿動脈の血管アクセス技術での使用に十分である。いくつかの実施形態では、カテーテルの可撓性は、約10mm、約9mm、約8mm、約7mm、約6mm、約5mm、約4mm、約3mm、約2mm、約1mm、または約0.5mmの曲げ半径を有する曲がりくねった肝動脈の解剖学的構造をナビゲートするのに十分である。
いくつかの実施形態によれば、超音波カテーテルは、作動可能な、拡張可能な、操縦可能な、予め湾曲した、偏向可能な、および/またはフレキシブルな遠位先端コンポーネントまたは遠位セグメントを有する。偏向可能性または可撓性は、超音波トランスデューサの正確な位置決めを有利に可能にし、および/または超音波カテーテルを標的の解剖学的構造にナビゲートするのを助けることができる。いくつかの実施形態では、操縦可能な、湾曲可能な、または関節運動可能な遠位部分を有する装置(例えば、カテーテル)は、(1以上のトランスデューサを含むことができる)遠位端の関節運動、曲げ、または他の配備を引き起こす機能を提供する。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、ガイドワイヤ上に送達される機能を提供する。超音波カテーテルは、単独のオペレータによるガイドワイヤ交換を可能にするように構成することができる。一実施形態では、超音波カテーテルは、被験体内に挿入されるシャフトの部分の大部分に沿ってガイドワイヤを受け入れる内腔を含む。別の一実施形態では、ガイドワイヤは、カテーテルのシャフトの最遠位セグメント(例えば、最遠位20cm以下)内にのみ受け入れられる。一実施形態では、ガイドワイヤは、最遠位の超音波トランスデューサの遠位の構造によって受け取られる。いくつかの実施形態では、超音波カテーテルは、ガイドシースまたはガイド拡張カテーテルを介して血管系内に挿入される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは使用されない。
いくつかの実施形態によれば、超音波エネルギー送達システムは、超音波カテーテルに加えて、ガイドカテーテル、ガイド拡張カテーテルまたは支持カテーテル(例えば、Guidezilla(商標名)カテーテルまたはGuideLiner(商標名)カテーテル)、マイクロカテーテル、および/またはガイドワイヤを含むことができる。一実施形態では、ガイドカテーテルは、腹腔動脈の内壁と係合して安定した固定および/または基準点を提供するように構成された7Frガイドカテーテルである。システムは、ガイドカテーテルの内腔を通って送達され、肝動脈または他の血管または器官内の標的神経調節位置を越えた位置に前進するように構成することができるガイドワイヤ(例えば、0.014インチのガイドワイヤ)を含むことができる。システムはまた、マイクロカテーテル(例えば、4Fr以下)および/またはガイド拡張カテーテル(例えば、6Frガイド拡張カテーテル)を含むことができる。ガイド拡張カテーテルは、ガイドカテーテルの内腔内に嵌合して移動可能であり、ガイドカテーテルよりも低いプロファイル(例えば、外径)での支持を提供するように構成することができる。マイクロカテーテルは、ガイド拡張カテーテルの内腔内に嵌合して移動可能であり、ガイド拡張カテーテルの遠位端を越えて伸びるように構成することができる。マイクロカテーテルは、ガイドワイヤ上のガイド拡張カテーテルの追従および前進を促進することができる。いくつかの実施形態では、マイクロカテーテルは、迅速交換マイクロカテーテルを含む。ガイドワイヤは、神経変調装置を前進させるときのカテーテルの追従を助け、血管損傷のリスクを軽減するための「レール」を提供することができる。
いくつかの実施形態では、ガイドカテーテルおよび/またはガイド拡張カテーテルは、所望の位置に前進させられ、その後、ガイド拡張カテーテルまたはガイドカテーテルを介して神経調節装置が前進する前または前進する間に拡張するように構成された拡張可能部分を含む。拡張可能部分は、血管の内径の一過性のまたは一時的な拡張を可能にすることができる。一実施形態では、拡張可能部分は、互いにスライドする複数の層から形成されてもよい。一実施形態では、拡張可能部分は、断続した長手方向の切り込みを有する円筒から形成され、切り込みを非拡張状態において圧縮した状態に保つ弾性層によって封止されてもよい。拡張可能な部分は、安定化または固定を提供することができる。ガイドカテーテルおよび/またはガイド拡張カテーテル(例えば、バルーン、リボン、ワイヤ)の長さに沿った様々な位置に(拡張可能な部分に加えて、またはその代わりに)安定化機構を設けることができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置の導入後に、ガイドカテーテルまたはガイド拡張カテーテルの一部を硬化させて、神経調節処置中の安定性および位置の維持を提供することができる。いくつかの実施形態では、システムは、ガイド拡張カテーテルがガイドワイヤの必要性を取り除くことができるので、ガイドワイヤを備えていない。
いくつかの実施形態では、超音波エネルギー送達装置またはシステムは、身体の外部から(例えば、体外からまたは経皮的に)エネルギーを血管外送達することができるが、または体内で血管内送達することもできる。体外神経調節は、超音波エネルギー(例えば、高強度集束超音波エネルギーまたは低強度超音波エネルギー)またはマイクロ波以外の他の形態の放射エネルギー(例えば、X線またはガンマ線)の送達を含むことができる。いくつかの実施形態では、所望のまたは標的の位置は、外部撮像手段によって画定される。焦点または他の標的位置は、本明細書に記載の画像誘導技術のいずれかによって決定されてもよい。いくつかの実施形態では、焦点または他の標的位置にまたはその近傍に配置された内部カテーテルまたは他の装置(例えば、センサ、ビーコン、またはエミッタ)は、標的位置を標的にする、またはそれを画定するのを助けるために提供することができる。標的カテーテルは、伝達されるエネルギーを直接検知することができる。他の実施形態では、標的カテーテルは、外部トランスデューサにエネルギーを反射または再送信することによって、送信されたエネルギーに応答することができる。外部トランスデューサは、送信トランスデューサまたは第2のトランスデューサであってもよい。
超音波システムの1以上の焦点は、肝臓、膵臓、十二指腸、または他の器官(例えば、肝神経叢、腹腔神経叢、腹腔神経節の神経)を支配する1以上の神経に焦点を合わせることができる。エネルギーの送達は、コントローラ、プロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって(例えば、メモリに記憶された命令の実行に基づいて)決定された予め設定された治療パラメータに従って、手動または自動で制御することができる。
外部治療に加えて、本明細書に開示のいくつかの実施形態(内部および外部治療の両方)を(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような)画像化と共に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、外部超音波イメージングによって画像誘導が提供される。外部イメージングは、標的装置(例えば、カテーテル)および周囲の組織の直接的な表示を提供することができる。外部イメージングはまた、組織の温度を測定するために使用することができる。エネルギー送達は、組織温度に基づいて調節または制御することができる。いくつかの実施形態では、標的カテーテルは視覚化を改善するように構成することができる。いくつかの実施形態では、材料、コーティングまたは表面処理が、超音波の拡散反射を増加させるために提供される。他の実施形態では、超音波エネルギーを検出するために、および/または超音波エネルギーを外部トランスデューサに再送信するためにトランスデューサが設けられる。いくつかの実施形態では、標的装置(例えば、カテーテル)上のトランスデューサは、基準トランスデューサに送信される、または基準トランスデューサから送信される超音波を送信または検出する。基準は内部または外部のどちらでもよい。標的装置の位置を再構成し、基準画像またはマップと比較することができる。他の実施形態では、カテーテルは、エネルギーを共振させて再送信することによって外部送信されたエネルギーの強度を増加させることができるか、またはカテーテルは、外部エネルギー送達の強度を増加または変更するためにエネルギーを直接送信することができる。様々な実施形態において、画像化は、胃、食道、結腸、または腸内に配置された内視鏡または他の身体挿入撮像装置を介して提供されてもよい。いくつかの実施形態では、標的装置は、散乱を促進するポリマーコーティングまたは表面テクスチャを含む。トランスデューサまたはトランスポンダは、励起波とは異なる周波数で共振することができる。
(3.レーザ)
いくつかの実施形態では、肝神経叢または肝臓を支配する他の神経の交感神経活動を調節(例えば、アブレーション)するためにレーザを使用することができる。レーザは一般的に、他の動脈の動脈神経アブレーションには使用されないが、肝動脈の壁厚は他の動脈構造の厚みよりも実質的に小さく、それによりレーザエネルギー送達が可能になる。いくつかの実施形態では、肝動脈の内膜表面の約2mm以内、内膜表面の約1.5mm以内、内膜表面の約1mm以内、または内膜表面の約0.5mm以内に位置する神経をアブレーションするために、1以上のレーザが使用される。いくつかの実施形態では、交感神経線維の発色団染色が、レーザエネルギーの交感神経吸収を選択的に高めるために行われる。いくつかの実施形態では、バルーンを用いて肝動脈を伸長させ、それによって動脈壁を薄くし、内膜表面から交感神経線維までの深さを減少させ、それによってレーザエネルギーの送達を改善する。
他の形態の光学的または光エネルギーもまた使用することができる。光源は、LED光源、エレクトロルミネセンス光源、白熱光源、蛍光光源、ガスレーザ、化学レーザ、色素レーザ、金属蒸気レーザ、固体レーザ、半導体レーザ、垂直空洞面発光レーザ、または他の光源を含むことができる。光エネルギーまたはレーザエネルギーの波長は、約300nm〜約2000nm、約500nm〜約1100nm、約600nm〜約1000nm、約800nm〜約1200nm、約1000nm〜約1600nm、またはその重複範囲に及ぶことができる。
(4.外部からの開始)
様々な実施形態によれば、エネルギー送達は、被験体の外部の供給源から開始(例えば、体外活性化)される。図91は、マイクロ波ベースのエネルギー送達システム9100の一実施形態を示す。マイクロ波ベースのエネルギー送達システム9100は、アブレーションカテーテル9105およびマイクロ波発生装置9120を備える。いくつかの実施形態では、他のエネルギー源もまた外部に送達可能である。
いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテル9105は、その遠位端に配置された高伝導性プローブ9110を含む。動作中、アブレーションカテーテル9105を標的血管に挿入し、高伝導性プローブ9110がアブレーションの標的部位に近接するように配置することができる。マイクロ波発生装置9120は、被験体の体外に配置され、集束マイクロ波9125が標的血管および高伝導性プローブ9110に向かって送達されるように配置される。いくつかの実施形態では、送達された集束マイクロ波9125が高伝導性プローブ9110に接触すると、高伝導性プローブ9110内に渦電流を誘発し、それにより高伝導性プローブ9110を加熱する。高伝導性プローブの加熱から発生する熱エネルギー9115は、伝導性熱伝達を介して標的組織を加熱することができる。いくつかの実施形態では、生成された熱エネルギー9115は、標的組織(例えば、血管壁)内またはその上に配置される神経をアブレーションするのに十分である。様々な実施形態において、高伝導性プローブ9110は、1000シーメンス/メートルより大きい導電率を有する。
いくつかの実施形態では、神経調節装置(例えば、カテーテル)は、血管(例えば、肝動脈)内またはそれを取り囲む神経(例えば、血管周囲交感神経)、または肝臓、膵臓、および/または十二指腸を支配する神経を調節(例えば、アブレーション、除神経)するのに十分なマイクロ波エネルギーを放射するように構成されたマイクロ波エミッタを含む。いくつかの実施形態では、マイクロ波エミッタは、神経調節装置のシャフトの長さに沿って延びる導体(例えば、同軸ケーブル)を介して外部マイクロ波エネルギー源に電気的に結合される。一実施形態では、外部マイクロ波エネルギー源は、神経調節装置の近位端に結合される。マイクロ波エミッタは、無指向性電磁場またはより集束された(例えば、一方向性の)電磁場を生成するように構成されてもよい。神経調節装置は、治療処置の監視および制御を促進するために、温度センサ、圧力センサ、インピーダンスセンサ、または他のセンサを含むことができる。様々な実施形態において、マイクロ波エネルギーは、300MHz〜300GHz(例えば、900MHzと〜5GHz、500MHz〜3GHz、1GHz〜5GHz、10GHz〜100GHz、100GHz〜300GHz、およびそれらの重複範囲)の周波数を有する。様々な実施形態において、放出される平均電力量は、1W〜30W(例えば、1W〜5W、4W〜10W、6W〜12W、8W〜14W、10W〜20W、15W〜30W、またはそれらの重複範囲)である。マイクロ波エネルギーは、30秒〜15分(例えば、30秒〜2分、1分〜5分、3分〜8分、5分〜10分、8分〜15分、またはそれらの重複範囲)の間、送達されることができる。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、1つ、2つ、またはそれよりも多いバルーンまたは他の同様の拡張可能な部材を含む。バルーンは、1以上の冷却要素を含むことができ、または冷却流体で満たされるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、マイクロ波エミッタは、バルーン内に配置される。
図92は、誘導ベースのエネルギー送達カテーテルシステム9200の一実施形態を示す。図示された実施形態では、誘導ベースのエネルギー送達システム9200は、カテーテル9205、誘導コイル9210、外部インダクタ電力回路9250、インダクタ9260、レジスタ9270、およびキャパシタ9280を含む。一実施形態では、誘導コイル9210は、カテーテル9205の遠位端に配置される。動作中、誘導コイル9210は、外部誘導電力回路9250からエネルギーを受け取るインダクタとして機能することができる。いくつかの実施形態では、外部誘導電力回路9250は、インダクタ9260が十分な誘導範囲内で誘導コイル9210に隣接するように配置される。いくつかの実施形態では、電流は外部誘導電力回路9250を介して送達され、それにより電流が誘導コイル9210に流れ、周囲組織に次のアブレーションエネルギーを送達する。一実施形態では、誘導コイルは、本明細書に記載の窓付きカテーテル装置(例えば、図55Aおよび55Bに関連して説明した窓付きカテーテル装置)のいずれかと組み合わせて使用される。例えば、誘導コイルは、標的組織へのエネルギーの選択的送達を可能にするように構成された1以上の窓を有するカテーテルまたはスリーブの内腔内に配置することができる。
いくつかの実施形態では、1以上の人工塞栓を標的血管内に挿入し、(少なくとも一時的に)その中に移植または埋め込むことができる。人工塞栓は、(例えば、標的位置および血管直径の血管造影に基づいて)標的血管の解剖学的構造に一致するように有利にサイズ決めすることができる。人工塞栓は、標的血管の測定または推定された寸法に基づいて選択されてもよい。一実施形態では、エネルギー送達カテーテルは、エネルギーを送達するために標的血管内に挿入された1以上の人工塞栓に結合される。いくつかの実施形態では、エネルギーは、図21に関連して説明したような誘導結合を使用して人工塞栓に経皮的に送達され、それによってエネルギー送達カテーテルの必要性を排除する。人工塞栓は、誘導コイルと、高誘電材料から構成される絶縁支持構造内に埋め込まれた複数の電極とを含むことができる。適切なエネルギーが、標的血管に関連する神経を調節するために送達された後、1以上の塞栓が除去することができる。
本発明のいくつかの実施形態では、エネルギーベースの送達システムは、例えば、標的領域の周囲の領域に対する熱損傷を低減するために使用される冷却システムを含む。例えば、冷却は、組織の温度を特定の閾値温度(例えば、摂氏40〜50度)に低下させる(または維持する)ことにより、細胞壊死を予防または低減することができる。いくつかの実施形態では、冷却用バルーンまたは他の拡張可能な冷却部材が使用される。一実施形態では、アブレーション電極は、冷却流体を使用して拡張されるバルーン上に配置される。いくつかの実施形態では、冷却流体は、送達システム(例えば、カテーテルシステム)を通って循環される。いくつかの実施形態では、冷却流体(例えば、予め冷却された生理食塩水)は、治療領域内のカテーテル装置から送達(例えば、放出)されることができる。さらなる実施形態では、冷却流体は、十分な血流の不在下で内皮壁を冷却するために、カテーテル装置内で連続的または断続的に内部循環される。
体外神経調節は、超音波エネルギー(例えば、高強度集束超音波エネルギーまたは低強度超音波エネルギー)またはマイクロ波以外の他の形態の放射エネルギー(例えば、X線またはガンマ線)の送達を含むことができる。いくつかの実施形態では、超音波システムは、約200kHz〜約20MHz(例えば、200kHz〜2MHz、400kHz〜4MHz、1MHz〜10MHz、5MHz〜20MHz、またはそれらの重複範囲)の周波数で超音波を送達するように構成される。超音波エネルギーのパラメータは、本明細書の他の場所に記載されているパラメータおよびパラメータの範囲のいずれかを含むことができる。様々な実施形態において、超音波エネルギーは、患者の皮膚と接触して配置されてもされなくてもよい単一のトランスデューサまたは複数のトランスデューサによって標的組織に向けて導かれることができる。1以上のトランスデューサは、所望の位置にエネルギーを集中させるように構成される。いくつかの実施形態では、所望の位置または標的位置は、外部撮像手段によって画定される。焦点または他の標的位置は、本明細書に記載される画像誘導技術のいずれかによって決定されてもよい。いくつかの実施形態では、焦点または他の標的位置にまたはその近傍に配置された内部カテーテルまたは他の装置(例えば、センサ、ビーコン、またはエミッタ)は、標的位置の標的または画定を助けるために提供されることができる。標的カテーテルは、伝達されるエネルギーを直接検知することができる。他の実施形態では、標的カテーテルは、外部トランスデューサにエネルギーを反射または再送信することによって、送信されたエネルギーに応答することができる。外部トランスデューサは、送信トランスデューサまたは第2のトランスデューサであってもよい。
超音波システムの1以上の焦点は、肝臓、膵臓、十二指腸、または他の器官(例えば、肝神経叢、腹腔神経叢、腹腔神経節の神経)を支配する1以上の神経に焦点を合わせることができる。エネルギーの送達は、コントローラ、プロセッサ、または他のコンピューティングデバイスによって(例えば、メモリに記憶された命令の実行に基づいて)決定された予め設定された治療パラメータに従って、手動または自動で制御することができる。
外部治療に加えて、本明細書に開示のいくつかの実施形態(内部および外部治療の両方)を(例えば、本明細書の他の箇所に記載されているような)画像化と共に使用することができる。本発明のいくつかの実施形態では、外部超音波イメージングによって画像誘導が提供される。外部イメージングは、標的装置(例えば、カテーテル)および周囲の組織の直接的な表示を提供することができる。外部イメージングはまた、組織の温度を測定するために使用することができる。エネルギー送達は、組織温度に基づいて調節または制御することができる。いくつかの実施形態では、標的カテーテルは視覚化を改善するように構成することができる。いくつかの実施形態では、材料、コーティングまたは表面処理が、超音波の拡散反射を増加させるために提供される。他の実施形態では、超音波エネルギーを検出するために、および/または超音波エネルギーを外部トランスデューサに再送信するためにトランスデューサが設けられる。いくつかの実施形態では、標的装置(例えば、カテーテル)上のトランスデューサは、基準トランスデューサに送信される、または基準トランスデューサから送信される超音波を送信または検出する。基準は内部または外部のどちらでもよい。標的装置の位置を再構成し、基準画像またはマップと比較することができる。他の実施形態では、カテーテルは、エネルギーを共振させて再送信することによって外部送信されたエネルギーの強度を増加させることができるか、またはカテーテルは、外部エネルギー送達の強度を増加または変更するためにエネルギーを直接送信することができる。様々な実施形態において、画像化は、胃、食道、結腸、または腸内に配置された内視鏡または他の身体挿入撮像装置を介して提供されてもよい。いくつかの実施形態では、標的装置は、散乱を促進するポリマーコーティングまたは表面テクスチャを含む。トランスデューサまたはトランスポンダは、励起波とは異なる周波数で共振することができる。
いくつかの実施形態では、画像誘導は、外部磁気共鳴(MR)イメージングまたはX線イメージングによって提供される。外部イメージングは、標的装置(例えば、カテーテル)および周囲組織の直接的な表示を提供することができる。外部イメージングは、組織の温度を測定することもできる。エネルギー送達は、組織温度に基づいて調節または制御することができる。いくつかの実施形態では、標的装置は、視覚化を改善するように構成することができる。いくつかの実施形態では、MRまたはX線画像内において視認可能な方法で隣接する組織の緩和を変更するための材料、コーティングまたは表面処理が提供される。いくつかの実施形態では、画像を再構成するために使用される局所的に放射されるエネルギー(例えば、RFエネルギー)を検出または変更するためにアンテナまたはコイルが設けられる。いくつかの実施形態では、標的装置(例えば、カテーテル)上のコイルまたはアンテナによって検出された局所放出物(例えば、RF)が、装置の位置を計算するために使用される。いくつかの実施形態では、T1剤は、T1画像上で明るく見えることができる偏極した水素核の緩和を加速し、T2剤は、画像上に暗い領域として現れることができるT2緩和(ディフェージング)を加速することができる磁気不均一性を提供する。画像化効果は、視覚化される標的装置(例えば、カテーテル)のコンポーネント(例えば、金属などの材料)のコーティングまたは固有の特性によって促進されることができる。
(D.蒸気/熱水神経調節)
図93は、蒸気アブレーションカテーテル9300の一実施形態を示す。図示された実施形態では、蒸気アブレーションカテーテル9300は、水路9305、蒸気発生ヘッド9310、および蒸気出口9315を含む。動作中、水は、水路9305を通って押し出され、蒸気発生ヘッド9310に入ることができる。一実施形態では、蒸気発生ヘッド9310は水を蒸気に変換し、蒸気は蒸気出口9315を通って蒸気アブレーションカテーテル9300を出る。
いくつかの実施形態では、蒸気を用いて、標的解剖学的構造(例えば、肝動脈およびそれに関連する神経)をアブレーションまたは除神経する。いくつかの実施形態によれば、水はアブレーションカテーテル9300を通って押し出され、(水を蒸気に変換する)蒸気発生ヘッド9310を通って出て、蒸気はアブレーションターゲットに導かれる。蒸気アブレーションカテーテル9300は、カテーテル本体の長さに沿って1以上の窓を備えることができる。
図94は、高温流体バルーンアブレーションカテーテル9400の一実施形態を示す。図示の実施形態では、高温流体バルーンアブレーションカテーテル9400は、拡張可能なバルーン9405を備える。いくつかの実施形態では、拡張可能なバルーン9405は、温度可変流体9410で満たされる。いくつかの実施形態によると、温水が、拡張可能なバルーン9405を満たすのに使用される温度可変流体9410である。拡張可能なバルーン内の高温流体から発生する熱は、標的の解剖学的構造(例えば、肝動脈およびそれに関連する神経)をアブレーションまたは除神経するのに十分である可能性がある。いくつかの実施形態では、拡張可能なバルーン9405は、アブレーション部位に挿入され、熱湯流体または沸騰流体(例えば、水)で膨張され、それにより、組織をアブレーションまたは除神経するのに十分に拡張可能なバルーン9405を取り囲む組織を加熱する。いくつかの実施形態では、バルーン9405内の高温流体は、約120°F〜約212°F、約140°F〜約212°F、約160°F〜約212°F、約180°F〜約212°F、約200°F〜約212°F、またはそれらの重複範囲の温度範囲内にある。いくつかの実施形態では、バルーンアブレーションカテーテル9400は、温度センサを備え、治療が指示されるときに、異なる温度の流体(例えば、水)が、挿入され、取り出すことができる。いくつかの実施形態では、膨張可能なバルーン9405は、ポリウレタンまたは任意の他の耐熱拡張性材料で作られる。
(E.化学的神経調節)
いくつかの実施形態では、薬品が、単独で、または他のモダリティと組み合わせて使用されて、本明細書に記載の神経のいずれかの神経調節を引き起こす。薬品には、ムスカリン性受容体アゴニスト、抗コリンエステラーゼ剤、ニコチン性受容体アゴニスト、およびニコチン受容体アンタゴニストが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、神経伝達の合成、分解、または再摂取に直接影響を及ぼす薬品が使用される。
いくつかの実施形態では、神経調節のために薬品(単独またはエネルギーモダリティとの組み合わせのいずれか)を使用することができる。例えば、送達装置(例えば、カテーテル)は、1以上の内部内腔を有することができる。いくつかの実施形態では、1以上の内部内腔は、近位開口部および送達カテーテルの遠位開口部と流体連通する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの遠位開口部が送達カテーテルの遠位端に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部が送達カテーテルの近位端に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部は、少なくとも1つのリザーバと流体連通している。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリザーバは、肝神経叢内の交感神経線維を調節することができる薬品または治療剤を保持する薬品リザーバである。いくつかの実施形態では、送達カテーテルシステムと共に使用される各薬品について、別個の薬品リザーバが提供される。他の実施形態では、少なくとも1つの薬品リザーバは、複数の薬品または治療剤の組み合わせを保持することができる。神経信号を調節することができる任意の薬品は、本明細書に開示される実施形態に従って使用することができる。いくつかの実施形態では、神経毒(例えば、ボツリヌス毒素)が、肝臓、膵臓、またはそれに関連する他の周囲の器官または神経に送達される。いくつかの実施形態では、神経毒(例えば、ボツリヌス毒素)は、肝臓、膵臓、またはそれに関連する他の周囲の器官または神経に送達されない。
いくつかの実施形態では、送達カテーテルシステムは、1以上の薬品を1以上の標的部位に送達する送達装置を含む。例えば、送達装置はポンプとすることができる。カテーテルを介して薬品を送達することができる任意のポンプ、弁、または他の流れ調節部材を使用することができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、少なくとも1つの薬品を少なくとも1つの薬品リザーバからカテーテル送達システムの少なくとも1つの内部内腔を通して1以上の標的部位に送達する。
いくつかの実施形態では、ポンプは、リザーバから標的部位に送達される薬品用量を選択する。例えば、ポンプは、神経調節の必要に応じて送達される1以上の薬品の総量を選択的に変化させることができる。いくつかの実施形態では、複数の薬品が標的部位に実質的に同時に送達される。他の実施形態では、複数の薬品が連続して送達される。他の実施形態では、複数の薬品が実質的に同時に送達され、複数の薬品が標的部位に送達される前または後に、少なくとも1つの他の薬品が送達される。薬品または他の化学物質は、いくつかの実施形態では、送達カテーテルなしで使用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、薬品は、阻害効果または刺激効果を有することができる。
いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、化学的アブレーションを使用して神経線維(例えば、肝神経叢内の交感神経線維)をアブレーションする。例えば、アブレーションカテーテルは、1以上の内部内腔を有することができる。いくつかの実施形態では、1以上の内部内腔は、近位開口部および遠位開口部と流体連通している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの遠位開口部がアブレーションカテーテルの遠位端に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部がアブレーションカテーテルの近位端に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部は、少なくとも1つのリザーバと流体連通している。
いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリザーバは、神経繊維(例えば、肝神経叢内の交感神経線維)を妨害(例えば、アブレーション、脱感作、破壊)することができる1以上の化学物質を保持および/または貯蔵する。いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムとともに使用される各化学物質に対して別個のリザーバが提供される。他の実施形態では、少なくとも1つのリザーバは、化学薬品の任意の組合せを保持することができる。神経信号を妨害することができる任意の化学物質は、本明細書に開示される実施形態に従って使用することができる。例えば、使用される1以上の化学物質または乾燥剤は、フェノールまたはアルコール、グアネチジン、酸、フェノール−クロトン、硫酸亜鉛、ナノ粒子、近接照射療法のための放射線源、神経刺激薬(例えば、メタンフェタミン)、および/または酸素ラジカル(例えば過酸化物)を含むことができる。しかしながら、肝神経叢内の交感神経線維をアブレーションすることができる任意の化学物質を、本明細書に開示された実施形態に従って使用することができる。いくつかの実施形態では、化学的アブレーションは、経皮的に、腹腔鏡的に、または血管内アプローチを介して送達される流体送達針を使用して実施される。
(F.低温調節)
いくつかの実施形態では、本発明は、寒冷療法または低温調節を含む。一実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、神経調節のために凍結アブレーション技術(例えば低温エネルギー送達)を使用する。一実施形態では、凍結アブレーションを用いて、肝神経叢内の交感神経線維をアブレーションする。例えば、アブレーションカテーテルは、1以上の内部内腔を有することができる。いくつかの実施形態では、1以上の内部内腔が近位開口部と流体連通する。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部はアブレーションカテーテルの近位端に配置される。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの近位開口部は、少なくとも1つのリザーバ(例えば、低温チャンバ)と流体連通している。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのリザーバは、液体窒素、CO2、アルゴン、または亜酸化窒素を含むがこれらに限定されない1以上の冷却剤を保持する。アブレーションカテーテルは、アブレーションカテーテルの遠位先端に冷却剤を送達するための供給ラインと、使用済み冷却剤を少なくとも1つのリザーバに戻すためのリターンラインとを含むことができる。冷却剤は、肝神経叢内の交感神経線維を凍結およびアブレーションするのに十分低い温度に達することができる。いくつかの実施形態では、冷却剤は、零下75℃未満、零下80℃未満、零下90℃未満、または零下100℃未満の温度に達することができる。
いくつかの実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、1以上の内部内腔を通って標的部位への1以上の冷却剤の送達を制御する送達装置を含む。例えば、送達装置は、ポンプとすることができる。カテーテルを通して冷却剤を送達することができる任意のポンプ、弁、または他の流れ調節部材を使用することができる。いくつかの実施形態では、ポンプは、少なくとも1つのリザーバから、カテーテル本体の少なくとも1つの近位開口部を通って、カテーテル本体の少なくとも1つの内部内腔を通って、アブレーションカテーテルの遠位端まで(例えば、供給ラインまたは冷却剤ラインを介して)、少なくとも1つの冷却剤を送達する。
いくつかの実施形態では、標的神経は、埋め込み可能なペルチェ冷却装置を使用して不可逆的に冷却されることができる。いくつかの実施形態では、埋め込み型冷却装置は、埋め込み型装置内のリザーバ内に圧力によって注入された不活性ガスで再充填され、その後、標的神経の近傍で選択的に放出され、それらを断熱的に冷却し、それによって(一時的にまたは永久的に)神経伝導を停止するように構成される。いくつかの実施形態では、塩化アンモニウムの局所注射または注入は、神経伝導を変化または阻害するのに十分な冷却反応を誘発するために使用される。いくつかの実施形態では、1以上のアブレーション電極または金属で包まれた円筒形先端部を含むことができるアブレーションカテーテルの遠位端に冷却剤を送達することによって、肝神経叢内の交感神経線維の除神経が引き起こされる。例えば、アブレーションカテーテルが固有肝動脈または総肝動脈の中または近くに配置される場合、冷却剤の温度によって、周囲領域の温度が肝神経叢の交感神経線維を除神経するのに十分に低下する可能性がある。いくつかの実施形態では、凍結アブレーションは、低温カテーテルを使用して行われる。代わりに、凍結アブレーションは、1以上のプローブを単独で、または低温カテーテルと組み合わせて使用して実施することができる。
各標的アブレーション部位の治療時間は、約5秒〜約100秒、5分〜約30分、約10分〜約20分、約5分〜約15分、約10分〜約30分、5秒未満、30分超、またはそれらの重複範囲に及ぶことができる。いくつかの実施形態によれば、使用されるパラメータは、例えば、肝神経叢の交感神経の伝導を無効にし、遮断し、停止させ、または他の方法で妨害するように選択される。神経の伝導への影響は永久的でも一時的でもよい。1回、2回、3回、またはそれよりも多い冷却サイクルを使用することができる。
いくつかの実施形態では、薬品送達、化学的アブレーション、および/または凍結アブレーションの任意の組み合わせが、本明細書に記載される神経のいずれかの神経調節のために使用され、エネルギーモダリティと組み合わせて使用されることができる。いくつかの実施形態では、冷却システムは、例えば、神経繊維に隣接する組織を保護するために、エネルギー送達と併せて提供される。
(III.カテーテルアクセスおよび送達システムおよび方法)
(A.アクセス)
いくつかの実施形態によれば、神経調節(例えば、交感神経線維の妨害)は、アブレーションカテーテルシステムなどの低侵襲システムを使用して行われる。いくつかの実施形態では、神経線維をアブレーションするためのアブレーションカテーテルシステムが、血管内(例えば、動脈内)アプローチを用いて導入される。一実施形態では、アブレーションカテーテルシステムを使用して、肝神経叢および/または肝臓を支配する神経内の交感神経線維をアブレーションする。上述したように、肝神経叢は、総肝動脈または総肝動脈から分枝する固有肝動脈を囲む。いくつかの実施形態では、大腿動脈にアクセスするために鼠径部の切開部を介して神経調節システム(例えば、アブレーションカテーテルシステム)が導入される。神経調節システムは、大腿動脈から、腸骨動脈、腹部大動脈、腹腔動脈、および総肝動脈を介して、固有肝動脈に進められることができる。他の実施形態では、アブレーションカテーテルシステムを動脈系に導入するために、任意の他の適切な経皮的血管内切開点またはアプローチ(例えば、橈骨動脈を介する橈骨アプローチまたは上腕動脈を介する上腕アプローチ)が使用される。
いくつかの実施形態では、カテーテル(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)を、標的神経に実質的に近い標的領域に経皮注入を介して配置することができる。そのような経皮的配置を使用すると、いくつかの実施形態によれば、標的神経のより破壊的でなく侵襲性の低い選択的破壊または妨害を可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、カテーテルの遠位端に実質的に近い視覚化装置または他の診断装置を含む。視覚化装置は、神経の視覚化を促進することができ、それによって、標的にされた神経の妨害のより高いレベルの精度を可能にする。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、視覚化を助けるように構成された光源を含む。いくつかの実施形態では、視界を促進するために、光源および視覚化装置(例えば、カメラ)が一列に使用される。診断装置は、温度測定装置(例えば、サーミスタ、熱電対、放射計)、接触センサ、または1以上の超音波トランスデューサを含むことができる。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、能動要素(例えば、任意のカメラ、光、薬品送達ポート、および/または切断装置など)が前進して出る遠位開口部を備える。いくつかの実施形態では、カテーテルシステムは、能動要素(例えば、任意のカメラ、光、薬品送達ポート、および/または切断装置など)が前進して出る側部開口部を備え、それによりユーザは、曲がりくねった湾曲部を有する血管内の血管壁にアクセス可能となり、それにより血管に平行に整列されたカテーテルの軸を用いた神経治療(例えば、破壊)が可能になる。
動物研究は、血管壁に対する電極接触の力が、エネルギーを送達するために高周波電極を組み込んだ装置の実施形態においてアブレーションの成功を達成するための決定的なパラメータであり得ることを示してきた。したがって、アブレーションカテーテル装置は、標的血管系にアクセスするのに十分小さいだけでなく、治療の長さの間に十分な電極接触力または圧力を促進するための低プロファイルの構成を有利に組み込むことができる。
いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルシステムのカテーテルは、約2〜8Fr、約3〜7Fr、約4〜6Fr(約5Frを含む)、およびそれらの重複範囲の範囲内の直径を有する。カテーテル(例えば、チューブ、プローブ、またはシャフト)は、その長さに沿って変化する直径を有して、カテーテルの遠位部分は、カテーテルが血管系内を前進するにつれて徐々に小さい血管に適合するように十分に小さい。一実施形態では、カテーテルは、(内腔の直径が約1mmと小さい可能性のある)総肝動脈または固有肝動脈内に収まるように寸法決めされた外径を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルは、少なくとも約150cmの長さ、少なくとも約140cmの長さ、少なくとも約130cmの長さ、少なくとも約120cmの長さ、少なくとも約110cmの長さ、少なくとも約100cmの長さ、少なくとも約75cm、または少なくとも約90cmの長さである。いくつかの実施形態では、カテーテルの可撓性は、約10mm、約9mm、約8mm、約7mm、約6mm、約5mm、約4mm、約3mm、約2mm、約1mm、または約0.5mmの曲げ半径を有する曲がりくねった肝動脈の解剖学的構造をナビゲートするのに十分である。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のカテーテルベースのシステムの装置は、作動可能な、拡張可能な、操縦可能な、予め湾曲した、偏向可能な、および/またはフレキシブルな遠位先端コンポーネントまたは遠位セグメントを有する。偏向可能性または可撓性は、治療の効果的なおよび/または安全な送達を保証し、エネルギーアプリケータの正確な位置決めを可能にし、血管壁に対するエネルギー送達要素の接触を維持し、血管壁に対する十分な接触力または接触圧を維持し、および/または標的の解剖学的構造へカテーテル(例えば、神経調節カテーテル)をナビゲートするのを助けるために動脈壁に対してエネルギーアプリケータを有利に付勢することができる。いくつかの実施形態では、操縦可能な、湾曲可能な、または関節運動可能な遠位部分を有する装置(例えば、カテーテル)は、カテーテル(例えば、神経調節カテーテル)の実質的一部が、ガイドカテーテルまたはガイド拡張カテーテル内にとどまる場合でさえ、(アブレーション要素またはエネルギー送達要素を含むことができる)遠位先端の関節運動、屈曲、または他の配備を引き起こす機能を提供する。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、ガイドカテーテルを配置することが扱いにくく、ナビゲートに時間がかかるため、ガイドワイヤを介して送達される機能を提供する。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、ガイドシースまたはガイド拡張カテーテルを介して血管系内に挿入される。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤは使用されない。
いくつかの実施形態によれば、カテーテルベースのシステムは、ガイドカテーテル、ガイド拡張カテーテル、または支持カテーテル(例えば、Guidezilla(商標名)カテーテルまたはGuideLiner(商標名)カテーテル)、マイクロカテーテル、および/またはガイドワイヤを、神経調節カテーテルに加えて含むことができる。図95は、肝動脈の枝への低プロファイル神経調節カテーテルの送達を促進するための「入れ子式」システム9500の一実施形態を示す。「入れ子式」システム9500は、ガイドカテーテル9505を含む。一実施形態では、ガイドカテーテル9505は、腹腔動脈の内壁と係合して安定した固定および/または基準点を提供するように構成された7Frガイドカテーテルである。システム9500は、ガイドカテーテル9505の内腔を通って送達され、肝動脈または他の血管または器官内の標的神経調節位置を越えた位置まで前進するように構成されたガイドワイヤ9510(例えば、0.014インチのガイドワイヤ)をさらに備える。システム9500はまた、マイクロカテーテル9515(例えば、4Fr以下)およびガイド拡張カテーテル9520(例えば、6Frガイド拡張カテーテル)を備える。ガイド拡張カテーテル9520は、ガイドカテーテル9505の内腔と嵌合して内腔内を移動可能であり、ガイドカテーテル9505よりも低いプロファイル(例えば、外径)での支持を提供するように構成することができる。マイクロカテーテル9515は、ガイド拡張カテーテル9520の内腔と嵌合して内腔内を移動可能であり、ガイド拡張カテーテル9520の遠位端を越えて延びるように構成することができる。マイクロカテーテル9515は、ガイドワイヤ9510上のガイド拡張カテーテル9520の追跡および前進を促進することができる。いくつかの実施形態では、マイクロカテーテル9515は、迅速交換マイクロカテーテルを含む。ガイドワイヤ9510は、カテーテルの追跡を助け、神経調節装置を前進させるときの血管損傷のリスクを軽減するための「レール」を提供することができる。
いくつかの実施形態では、ガイドカテーテル9505および/またはガイド拡張カテーテル9520は、所望の位置に前進させられ、次に、ガイド拡張カテーテル9520またはガイドカテーテル9505を介して神経調節装置の前進前または前進中に拡張されるように構成された拡張可能部分を含む。拡張可能部分は、血管の内径の一時的な、または仮の拡張を可能にすることができる。一実施形態では、拡張可能部分は、互いにスライドする複数の層から形成することができる。一実施形態では、拡張可能部分は、断続した長手方向の切り込みを有する円筒から形成され、切り込みを非拡張状態に圧縮した状態に保つ弾性層によって封止させることができる。拡張可能部分は、安定化または固定を提供することができる。ガイドカテーテル9505および/またはガイド拡張カテーテル9520(例えば、バルーン、リボン、ワイヤ)の長さに沿った様々な位置に(拡張可能部分に加えてまたはその代わりに)安定化機構を設けることができる。いくつかの実施形態では、神経調節装置の導入後に、ガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520の一部を硬化させて、神経調節処置中の安定性および位置の維持を提供することができる。いくつかの実施形態では、ガイド拡張カテーテル9520は、ガイドワイヤの必要性を取り除くことができるので、「入れ子式」システム9500は、ガイドワイヤを備えていない。
いくつかの実施形態では、システム9500は、ガイドワイヤ9510とガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520との間に先細りの移行部を提供するフレキシブルな導入器を含むことができ、それにより蛇行した肝動脈血管系へのアクセスを促進する。フレキシブルな導入器は、マイクロカテーテル9515および/またはガイド拡張カテーテル9520を置き換えることができる。いくつかの実施形態では、フレキシブルな導入器は、ニチノールまたは低デュロメータPebax(商標名)などの弾性材料または形状記憶材料を含む。フレキシブルな導入器は、(例えば、図48A〜図48Cに示されたカットパターンに類似する)コイルカットパターンまたはトルクコンバータまたは湾曲カットパターンを有することができるか、またはフレキシブルな導入器内に金属コイルを封入してもよい。ガイドカテーテル9505、ガイド拡張カテーテル9520、および/またはマイクロカテーテル9515の部分は、偏向可能および/または操縦可能とすることができる。偏向および/または操縦のための機構は、本明細書に記載の偏向または操縦機構(例えば、張力ワイヤ、油圧、磁気など)のいずれかを備えてもよい。いくつかの実施形態では、ガイドカテーテル9505、ガイド拡張カテーテル9520、および/またはマイクロカテーテル9515の部分は塑性変形可能であり、および/または形状設定されて血管系内で変形可能であり、それにより独自の患者固有の解剖学的構造に適合するように構成されるアクセサリ装置として機能する。
図96は、肝動脈内の標的神経調節位置にアクセスする図95のシステムの使用の一実施形態を示す。ガイドカテーテル9505は、腹部大動脈9501内の位置、または腹部大動脈9501から離れた腹腔動脈9502の起点に前進させられる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ9510およびマイクロカテーテル9515は、次に、標的神経調節位置にまたはその近傍に配置するように前進され、ガイド拡張カテーテル9520は、マイクロカテーテル9515の上を標的神経調節位置まで進められる。ガイド拡張カテーテル9520は、ガイドワイヤ9510のみの上または(ガイドワイヤ9510の上を前進する)マイクロカテーテル9515の上のいずれかを前進させることができる。図96は、ガイドワイヤ9510および/またはマイクロカテーテル9515が除去された後のシステム9500を示す。図96はまた、ガイド拡張カテーテル9520を介して肝動脈内の標的神経調節位置に進んだ神経調節装置9525の一実施形態を示す。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ9510またはマイクロカテーテル9515を使用しなくてもよく、ガイド拡張カテーテル9520は、標的神経調節位置を超えて前進させることができ、神経調節装置9525は、標的神経調節位置まで前進させられ、その後、ガイド拡張カテーテル9520は引き抜かれて、神経調節装置9525から抜かれる。いくつかの実施形態によれば、ガイド拡張カテーテル9520は、肝動脈または他の標的血管の複数またはすべての象限への神経調節装置9525の回転を可能にするように、神経調節装置9525のトルクを促進することができる。いくつかの実施形態では、ガイド拡張カテーテル9520は、神経調節装置9525の最初の「配備」に続いて除去される。神経調節(例えば、アブレーション)の間、流体(例えば、冷却流体、造影剤、または選択的色素)をガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520を介して注入することができる。
いくつかの実施形態では、ガイド拡張カテーテル9520、またはその内部を神経調節装置9525が前進する他のアクセス装置は、ガイド拡張カテーテル9520または他のアクセス装置の内径と神経調節装置9525の外径との間にきついクリアランスを維持するように構成される。例えば、内径は、接触点の数を減少させ、ガイド延長カテーテル9520または他のアクセス装置の長さに沿って延びており、親水性コーティングなどの低摩擦コーティングで被覆されている神経調節装置の外面に対して半径方向内方力を提供する低摩擦表面またはコーティングおよび/または構造(例えば、シリコーンなどのコンプライアント材料の隆起リブ)を有することができる。神経調節装置のフレキシブルな長さに沿った強化された支持は、神経調節装置がより正確に撓むことを可能にすることができ、トルク効率の向上を支援することができる。
ガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520の移動は、神経調節装置の位置を乱す可能性がある。例えば、ガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520の移動は、ガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520の内腔を通って送達されるRFエネルギー送達装置の電極を、装置間の摩擦によって動かすことができる。したがって、いくつかの実施形態では、カテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520を固定することにより、運動のアーチファクトを有利に最小限に抑えるかまたは低減することができる。
図97Aおよび図97Bは、神経調節装置9725(例えば、電極治療用カテーテル)のシャフトに追加の支持を提供するためのガイドシースまたは捕捉支持スリーブ9721を含むカテーテルベースの血管アクセスシステムの実施形態を示す。図95および図96に関連して上述したシステムと同様に、システムは、腹腔大動脈9701を通って腹腔動脈9702が腹部大動脈9501から分枝する位置(例えば、腹腔動脈の小孔)まで前進するように適合されたガイドカテーテル9705を備える。ガイドシースまたは捕捉支持スリーブ9721は、ガイドカテーテル9705の開放遠位端から延びている。図示の実施形態では、補足支持スリーブ9721は、腹部大動脈9701から総肝動脈9703と脾動脈9704との接合部までの腹腔動脈9702の長さに対応する長さを有する。図97Aは、カテーテルのシャフトに沿って配置された2つの離間した電極を有するオーバー・ザ・ワイヤのRFエネルギー送達カテーテルを含む神経調節装置9725を示す。2つの離間した電極は、少なくとも1つの電極がアブレーションのために総肝動脈9703の内壁と接触するように配置される。電極は、両方とも、内壁と接触して配置することができる。電極は、単極電極または一対の双極電極を含むことができる。
いくつかの実施形態によれば、神経調節装置9725は、血管造影および蛍光透視による視覚化を用いて配置される。造影剤は、ガイドカテーテル9705の内腔を通って提供されてもよい。あるいはまた、造影剤は、神経調節装置9725が延びるガイドシースまたは捕捉支持スリーブ9721を通して送達されてもよい。ガイドシース9721が総肝動脈9703の小孔の近くに配置されている場合、造影剤の大部分が脾動動9704の代わりに総肝動脈を通って流れるので、視覚化を強化することができる。ガイドシースまたは補足支持スリーブ9721はまた、神経調節装置9725の近位部分への強化された支持を提供することができる。代替的にまたは付加的に、神経調節装置9725は、造影剤送達用の追加の内腔を含むことができ、それによって、造影剤は、主要な側の血管(例えば、脾動脈9704)の遠位側に配置された出口9727から出ることができる。図97Bは、造影剤内腔を組み込んだ神経調節装置の一実施形態を示す。出口は、捕捉支持スリーブ9721の一部に沿って、または捕捉支持スリーブ9721の遠位側の神経調節装置9725の位置に配置されてもよい。総肝動脈内に配置することに関して図示され説明されているが、神経調節装置9725は、代替的に他の血管セグメント内に配置することができ、任意の適切な血管の小孔にガイドカテーテルを配置することによってカテーテル送達を行うことができる。
図98Aおよび図98Bは、ガイドカテーテル9505またはガイド拡張カテーテル9520を定位置に固定するために使用することができるくさび形拡張固定具9800の実施形態を示す。固定具9800は、(例えば、処置中または造影剤の注入中の)ガイドカテーテルまたはガイド拡張カテーテルの移動の可能性を防止または低減するために、ガイドカテーテルの遠位端に配置することができる。固定具9800は、斜めに切断され、部分9801Bに配置されたジョイントに固定された引張ワイヤ9802によって接続される2つの部分9801A、9701Bを含む。(例えば、引張ワイヤ9802を引き、部分9801Aを押すことによって)2つの部分9801が一緒に引き出されると、2つの部分9801が横方向に移動して血管壁内に拡張し、それによってガイドカテーテル、ガイド拡張カテーテル、またはガイドシースのための固定が提供される。
図99Aおよび図99Bは、蛇行した肝血管系へのアクセスを促進するように特別に設計された装置(およびそのような装置を使用する方法)の実施形態を示す。ある状況では、臨床医がガイドワイヤを用いて動脈の位置を特定することが困難な場合がある。いくつかの実施形態によれば、バルーンカテーテル9905を使用して、動脈の遠位部分を一時的にブロックすることができる。非常に緩くてフレキシブルな遠位部分を有する電極カテーテルまたはガイドワイヤ9910は、アクセスが望まれる分枝血管の起点近くに配置することができる。電極カテーテルまたはガイドワイヤの遠位部分は、血流を捕捉し、血流を標的分枝血管にドリフトさせ、それにより標的分枝血管へのアクセスを促進するように設計された膨張可能な、または別の方法で拡張可能な帆またはパラシュート様のアタッチメント9915を含むことができる。図99Aは、バルーンカテーテル9905および電極カテーテルまたはガイドワイヤ9910の、主血管9920に対する下流位置からの前進を示し、図99Bは、バルーンカテーテル9905および電極カテーテルまたはガイドワイヤ9910の、主血管9920に対する上流位置からの前進を示す。いくつかの実施形態では、血流は、電極接触の安定化および維持を促進し、および/または電極を血管の壁へ向けることができる。
本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、電極カテーテルは、標的血管内のカテーテルおよび/または電極の改善された安定化を有利に促進し、これはより予測可能な結果およびより効果的な処置につながる可能性がある。例えば、改善された安定化は、(血栓形成の可能性を防止または低減する可能性がある)組織または血液の望ましくない部分の加熱、燃焼または炭化の可能性を防止または低減することができる。本明細書に記載のカテーテルの実施形態はまた、総肝動脈の起点からのアクセスを促進することができる。
(B.接触の促進)
一実施形態では、1以上のカスタマイズ可能な曲げ領域または偏向領域を含む神経調節カテーテル(例えば、中空、中実、部分的に中空、カテーテル、プローブ、シャフト、または内腔を有するかまたは有さない他の送達装置)が提供される。一実施形態では、神経調節カテーテルは、複数の関節運動領域または屈曲領域の調節を(まとめてまたは独立して)促進する。一実施形態では、神経調節カテーテルを使用する方法は、コンピュータ断層撮影(CT)スキャンを実施するステップと、CTスキャンをデジタル化して標的の解剖学的構造の領域の3次元(3D)モデルを作成するステップと、主要動脈または他の血管または解剖学的屈曲部の位置および曲げ半径を決定するステップと、主要動脈屈曲部または他の血管または解剖学的屈曲部の位置に対応する(例えば、適合または整列する)ようにカテーテルの1以上の関節運動部分を調節するステップとを含む。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、第1の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の第1の部分における第1の屈曲部または肝動脈からの枝)に対応する第1の屈曲部および第2の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の第2の部分における第2の屈曲部または肝動脈からの枝)を有するように構成される。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、3つおよび/または4つの解剖学的屈曲部に対応する3つまたは4つの屈曲部を有するように構成される。屈曲部は、略直角の屈曲または約5°〜90°(例えば、5°〜10°、10°〜20°、20°〜40°、40°〜60°、60°〜90°、およびそれらの重複範囲)の範囲の鋭角の屈曲とすることができる。1以上の屈曲部は、予め形成されていてもよく、および/または1以上の屈曲部は、送達中の動作によって(例えば、拡張、膨張、関節運動、作動、引き抜きによって)形成されてもよい。
いくつかの実施形態では、第1の屈曲部は、カテーテルの長さの遠位10〜40%(例えば、20%)に配置または形成され、第2の湾曲部は、カテーテルの長さの遠位1〜20%(例えば、5%)に配置または形成される。屈曲部は一部または全部が予め形成されていてもよい。いくつかの実施形態では、屈曲部は、カテーテルの外側部分がオプションとして血管壁の内部に接触するように、血管壁の屈曲部に適合する。一実施形態では、カテーテルの屈曲部は、血管壁に適合するが、血管壁に接触しない(例えば、血管壁に実質的に平行であるが、0.1mm〜10mmまたはそれ以上の距離だけ離れている)。いくつかの実施形態では、第1の屈曲部は、第1の平面内で約90°(例えば、70〜110°)であり、約0.5cm(例えば、0.3〜0.7cm)の半径であり、大動脈からの腹腔軸の分枝に対応する。いくつかの実施形態では、第2の屈曲部は、第2の平面内で約90°(例えば、70〜110°)であり、約0.4cm(例えば、0.2〜0.5cm)の半径であり、第2の平面は、第1の平面に実質的に直交しており、総肝動脈と脾動脈の分枝に対応する。いくつかの実施形態では、第3の屈曲部は、第3の平面内で約90°(例えば70〜110°)であり、約0.3cm(0.2〜0.4cm)の半径であり、第3の平面は、第1および第2の平面に実質的に直交しており、総肝動脈の屈曲部に対応する。屈曲部は、油圧、空気圧、引張ワイヤ、弾性変形、磁気的、および電磁的手段を含むがこれらに限定されない、本明細書に記載の手段のいずれかによって達成することができる。さらに別の一実施形態では、複数の屈曲部が、電極または他の治療用部材を動脈壁に付勢するように構成され、それによって電極接触力を生成し、さらに、例えば、図100に図示のように、電極の接触力とのバランスをとるための所定の反力を提供する。一実施形態では、カテーテルは、電極接触力を促進するために、1以上のバネ状またはコイル状の部材を備える。
接触が望まれるおよび/または必要とされる様々な実施形態において、十分な接触圧を維持するために血管壁に及ぼされる接触力は、約1g〜約500g、約20g〜約200g、約10g〜約100g、約50g〜約150g、約100g〜約300g、約200g〜約400g、約300g〜約500g、またはそれらの重複範囲である。いくつかの実施形態では、同じ範囲を使用可能であるが、g/mm2の圧力数として表される。上述の接触力/圧力は、本明細書に記載される神経調節(例えば、アブレーション)装置およびシステムのいずれかによって達成することができる。
いくつかの実施形態によれば、RF電極または他の治療部材の肝動脈壁に対する接触力は、アブレーションの成功を決定する重要な変数である。様々な実施形態において、約0.5cm(例えば、0.2cm〜0.8cm)の曲げ半径を有する屈曲領域を介して接線方向の電極接触を提供する装置が提供される。他の実施形態では、電極接触力に対して制御可能な反力を及ぼす手段を有する装置が提供される。いくつかの実施形態では、電極または他の治療部材と血管壁(例えば、肝動脈壁)との間の確実な接触を保証するために吸引が提供される。
いくつかの実施形態では、RFエネルギー送達装置の電極の一部分は、この領域を通って流体が灌流される変形可能な膜から構成される。一実施形態では、流体はカテーテル内を循環する冷却剤流体であるか、または電極を冷却するために動脈内腔に送達される冷却剤流体である。冷却剤の一定の流量を維持するように外部コントローラを構成することができ、そうするために必要な駆動圧力は、電極の変形可能領域に沿った接触圧と直接相関する可能性がある。
ここで図101を参照すると、カテーテルの遠位内腔内に配置され、一端の電極に取り付けられた放射線不透過性マーカーと、カテーテルの近位領域に固定された伸張可能なばねとを有するカテーテル遠位先端デザインの一実施形態が示される。領域A(可撓性領域)内のカテーテルは、実質的に放射線不透過性であるように構成され、一方、領域Bのカテーテルは、非放射線不透過性であるように構成される。動脈壁に電極が接触すると、領域A内でカテーテルの偏向を引き起こし、放射線不透過性マーカーは遠位方向に放射線不透過性領域A内に押し込まれ、これにより放射線不透過性マーカーの可視長dを減少させ、血管造影または他のイメージングモダリティの間に見ることができる電極接触力の視覚的指標を提供する。いくつかの実施形態では、可視長dは、電極接触力に間接的に関係しているかもしれない。
図102は、関節運動可能な先端を有する操縦可能な神経調節カテーテル10200の一実施形態を示す。神経調節カテーテル10200は、カテーテル本体10205と、複数のセグメント10210と、複数の対応するヒンジ10220と、複数の対応する関節運動部材(例えば、ワイヤ)10230とを備える。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテル10200は、6つよりも少ない(例えば、2つ、3つ、4つ、または5つの)セグメント、ヒンジ、および/または関節運動ワイヤを含む。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテル10200は、6つを超える(例えば、7、8、9、10、11〜20、または20より多い)セグメント、ヒンジ、および/または関節運動ワイヤを含む。一実施形態では、セグメント10210およびヒンジ10220は中空である。
セグメント10210の各々は、ヒンジ10220のうちの1つによって隣接するセグメントに結合される。関節運動ワイヤの各々は、セグメントのうちの少なくとも1つに取り付けられ、セグメントが取り付けられているセグメントから他のセグメントを通ってカテーテル本体10205に向かって進む。動作中、関節運動部材(例えば、ワイヤ)は、要望に応じて伸長または後退され、それによってカテーテル10200の関節運動可能な先端を枢動させることができる。一実施形態では、操縦可能な神経調節カテーテルは、「インチワーム」端部を含む。
いくつかの実施形態では、関節運動ワイヤ10230のすべてが伸張され、組み合わせて後退される。他の実施形態では、関節運動ワイヤ10230の各々は、個別に作動可能である。このような実施形態では、各個別セグメント10210は、対応する各関節運動ワイヤ10230によって個別に作動可能とすることができる。例えば、第3のセグメント、第4のセグメント、第5のセグメント、および第6のセグメントがガイドカテーテル内に拘束されている場合であっても、第1のセグメントおよび第2のセグメントは、第1の関節運動ワイヤおよび/または第2の関節運動ワイヤをそれぞれ十分な力で伸長または後退させることによって関節運動させることができる。操縦可能なカテーテル10200は、有利には、操縦可能なカテーテル10200の遠位先端と標的血管の血管壁との間の改善された接触圧を可能にし、それによって治療効力を改善することができる。様々な実施形態において、セグメント10210の第1の部分は、第1の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の枝または一部の第1の屈曲部)に一致するように構成された第1の屈曲形状を有するように作動され、セグメント10210の第2の部分は、第2の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の枝または一部の第2の屈曲部)に一致するように構成された第2の屈曲形状を有する。セグメント10210の第1の部分およびセグメント10210の第2の部分は、(複数の場合、まとめてまたは独立して)1以上の関節ワイヤ10230の運動によって作動させることができる。一実施形態では、操縦可能なカテーテル10200は、肝動脈または他の動脈または血管の形状に適合する形状の構成を実質的に固定し、改善された安定性を提供する。
図103は、偏向可能な遠位先端を有する神経調節カテーテル10300の一実施形態を示す。神経調節カテーテル10300は、操縦性を促進するように構成されたガイドワイヤを備える。神経調節カテーテル10300は、アブレーションカテーテル先端部10305、ガイドワイヤハウジング10310、ガイドワイヤチャネル10315、およびガイドワイヤ10320を含む。動作中、ガイドワイヤ10320は、ガイドワイヤチャネル10315を通って引き出され、血管系をナビゲートするその誘導機能内で使用される。誘導機能内においてガイドワイヤ10320を使用することが望ましくない場合、ガイドワイヤ10320は、アブレーションカテーテル先端部10305の中に引き込まれ、次いで、ガイドワイヤハウジング10310内に伸びて、そこで必要または所望となるまで保管することができる。一実施形態では、操縦可能な神経調節カテーテルは、「インチワーム」端部を含む。
いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ10320は、遠位先端の永久的な屈曲によって塑性変形可能である。このような実施形態では、ガイドワイヤ10320は、神経調節カテーテル10300の本体内で回転して、塑性変形してガイドワイヤハウジング10310に押し込まれるか、または180度回転され、その屈曲形態に戻り、ガイドワイヤチャネル10315を通って出ることができる。いくつかの実施形態では、熱電対(例えば、タイプT熱電対)温度センサをガイドワイヤ10320に組み込むことができる。熱電対は、血液によって対流される熱損失と比較して、標的組織に送達される熱損失を評価するために使用することができる。いくつかの実施形態では、ガイドワイヤ10320は、アブレーションエネルギー(例えば、RFエネルギー)を少なくとも1つの電極に送達するために使用される。一実施形態では、アブレーションエネルギーの送達は、ガイドワイヤ10320と少なくとも1つのアブレーション電極との間に伝導性ゲルを配置することによって促進される。様々な実施形態において、偏向可能な遠位先端部は、第1の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の枝の第1の屈曲部)に一致する第1の屈曲形状を有するように構成された第1の部分と、第2の解剖学的屈曲部(例えば、肝動脈の枝の第2の屈曲部)に一致する第2の屈曲形状を有するように構成された第2の部分とを有する2つの偏向可能な、操縦可能な、および/または作動可能な部分を含む。一実施形態では、神経調節カテーテル10300は、1以上の予め屈曲された部分または予め湾曲された部分を含む。予め屈曲された部分または予め湾曲された部分は、(例えば、肝動脈または肝動脈の上流または下流にある隣接する枝内の)特定の解剖学的屈曲形状に一致してもよい。
図111、図112A、および図113Aに示されるように、総肝動脈および腹腔幹は非常に曲がりくねっている可能性がある(例えば、複数の屈曲部を有する可能性がある)。いくつかの実施形態では、この解剖学的構造にアクセスすることは、非常にフレキシブルなカテーテルまたは十分に強いカラム強度を有する他の器具を使用して行われる。いくつかの実施形態では、単一電極を有する本明細書に記載の神経調節(例えば、アブレーション)カテーテルは、標的血管の円周の周りの複数の点と接触するように構成され、カテーテルシャフトを介した優れたトルク伝達を有する。いくつかの実施形態では、カテーテルは、ねじれることなく蛇行した解剖学的構造をナビゲートするか、ねじれの可能性を低減するのに十分なほどフレキシブルである。ねじれは、シャフトの断面が曲がって楕円形になるために発生する可能性がある。例えば、臨界曲げ半径に達した後、楕円形が崩壊してねじれが生じることがある。いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のカテーテルは、「楕円化」の可能性を防止または低減し、同時に、内側円弧および外側円弧の材料をそれぞれ圧縮および伸長させることを可能にする。
アブレーション装置上の単一の電極または限られた数の電極では、血管(例えば、血管周囲空間)を取り囲む神経の円周または増加した容積のアブレーションを作り出すために、電極の回転および複数回のアブレーションが必要とされる可能性がある。総肝動脈(CHA)を脱神経させる場合には、独特の血管の蛇行(複数の鋭いターン)がトルク伝達をより困難にする可能性がある。トルクがカテーテルシャフトの近位端に印加されると、トルクは、シャフトが血管壁の長さに接触するまで、まず遠位回転変位に変換することができる。シャフトが支持された後、近位端に加えられるトルクは、その後、シャフトの遠位端の回転を引き起こすことができるが、「フリップする」か、またはそうでなくとも遠位電極の制御されない回転をもたらす可能性がある。
ここで、図104Aおよび104Bを参照すると、血管内腔内でカテーテルシャフトを支持し、それによって血管壁へのシャフトの並進を減少させるように構成されたカテーテルシステムの一実施形態が示されている。図示された実施形態は、動脈内腔の長さに沿った損失を低減し、近位に印加されたトルクがカテーテルシャフトの遠位端で遠位電極の制御された回転をもたらすことを可能にすることによってトルク効率を有利に改善することができる。図104Aに示されるように、アブレーション装置10406の外径よりちょうど大きい内腔を有するガイドカテーテル10405は、支持構造10408によって血管壁のセクションに対してそれ自体を支持することができる。一実施形態では、支持構造10408は、ガイドカテーテルの長さに沿って配置され、ガイドカテーテルの遠位端の近く(例えば、その1cm以内、2cm以内、3cm以内)の動脈または他の血管内腔に露出された複数の内腔から押し出された複数のワイヤまたはリボンから構成される。内腔内に配置され、ガイドカテーテル10405の近位端で制御されるワイヤまたはリボンは、それらが血管壁に接触するまで外側に拡張する。いくつかの実施形態では、ワイヤまたはリボンは、複数の点で血管壁に対して力を及ぼし、それによってアブレーション装置10406がガイドカテーテル10405内で回転されるとき、ガイドカテーテルの横方向の動きを制限する反力を提供する。ガイドカテーテル10405の内腔およびアブレーション装置10406の外面(例えば、電極/カテーテル)は、2つの装置間の回転摩擦をさらに低減するために、低摩擦係数を有する材料またはコーティング(例えば、ポリテトラフルオロエチレンまたは親水性コーティング)から構成することができる。
一実施形態では、ガイドカテーテル10405を血管壁と接触させて配置するために、複数の支持構造を使用することができる。いくつかの例には、灌流、自己拡張型ステント構造、および半径方向に圧縮され拡張されるかまたは他の方法で配備されることができるガイドカテーテルポリマーチューブのバスケットセクションを可能にする加圧支持バルーン(例えば、図104Bに示されるようなもの)が含まれる。
図105に示される一実施形態では、内側支持部材10504(例えば、ガイドワイヤ)は、アブレーション装置を保持するように構成される。例えば、ループ10501および10502は、アブレーション装置を保持するために内側支持部材に溶接されるか、そうでなければ固定または結合されることができる。次いで、アブレーション装置は、ループを通過し、ループの間の内側支持部材の周りにスパイラル状に巻き付けられてもよい。アブレーション装置にトルクが(一方向に)加えられると、アブレーション装置は、内側支持部材の間のたるみを吸収し、トルクを遠位端に伝達し、アブレーション装置の遠位端を一回転方向に「巻き付ける」ことができる。逆方向にトルクが加えられると、アブレーション装置は「巻き戻す」ことを望む。一実施形態では、このトルク改善機構は、有利には、一方向におけるトルク効率の向上を可能にする。一実施形態では、アブレーション装置の近位端に、単独で、またはトルクと組み合わせて、引っ張り力を加えることができる。
図106に示される一実施形態では、ガイドカテーテルは、内部カテーテル受け入れ内腔10522および外部動脈接触面10524を有し、内部内腔10522と外部面10524との間に延びる外部内腔を有する拡張可能なバルーン10520から構成される。内部内腔10522および外部内腔は、ガイドカテーテルの膨張可能なガイド領域の一部分または実質的に全体の長さに沿って延びる複数の支柱10526によって接続される。標的解剖学的構造(例えば、腹腔軸)に挿入すると、支柱によって画定されたバルーンチャンバが膨張して、ガイドカテーテルの位置を維持し、ガイドカテーテルの内部内腔10522内に挿入されたアブレーションカテーテルのナビゲーションおよびトルク応答を改善する。
ここで図107を参照すると、カテーテルの遠位端を直接制御することによって、カテーテルの遠位端における電極または他の治療要素の正確な制御を提供するように構成された制御機構の一実施形態が提供される。図107に示されるように、直接制御は、カテーテルシャフト内に配置され、カテーテルの遠位の場所(例えば、電極領域近く)に固定された制御ワイヤにトルク/回転を加えることによって達成することができる。いくつかの実施形態によれば、蛇行した解剖学的構造内に配置されたカテーテルにトルクをかけることに関連する課題は、全体的に回避または低減することができる。
図108は、コイル10805の利点(例えば、ねじれ防止または抑制)および中実ロッド10810の利点(所与の直径制約のための改善されたトルク伝達)を組み合わせたカテーテルの遠位部分の一実施形態を示す。カテーテルは、コイル状でリブ付きのポリマー内側層(例えば、ポリイミド)と、内側層の周りに配置された編組外側層(例えば、Pebax(商標名))とを有するホースを含む。内側層は「楕円化」の可能性を防止または低減し、一方、外側層は改善されたカラム強度およびトルク伝達特性を提供する。一実施形態では、内側層は(リブ付きポリマーなしの)コイルを含み、外側層は円形または平坦な編組を含む。
図109Aおよび図109Bは、屈曲可撓性、カラム強度、およびトルク能力を有利に提供する切り込みパターンを有するハイポチューブの一実施形態を示す。材料の「半島」のみが1つのリングまたは材料の一部を別のものに接続するように、材料のリングを互いに向かって曲げて空の空間に移動可能にするように、チューブの円周の周りで材料を除去することができる。リングの位置を90度または約90度交互にすることにより、リング部分を複数の方向に曲げることができる。切り込みパターンは、レーザまたは機械的切断手段によって形成することができる。いくつかの実施形態によれば、カテーテルのハイポチューブまたはシャフトは、改善された絶縁耐力および電気シャフトキャパシタンスを提供し、それによって電気的安全性を改善するために、実質的に非導電性の強化シャフトを備える。いくつかの実施形態では、iec60601−2−2−R12に記載されているような実効シャフトキャパシタンスが、シャフト長さの2pF/cm未満である。他の実施形態では、IEC60601−2−2−R12の要件は、5Fr未満の直径を有するオーバー・ザ・ワイヤーカテーテルで満たすことができる。シャフトは、ポリイミド、ポリエステル、ポリエーテルブロックアミド、ポリウレタン、ナイロン、ポリエチレン、Pebax(商標名)、グリラミド、熱可塑性エラストマーおよびコポリマーから選択される第1の材料と、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)、Vectran(商標名)、Spectra(商標名)、Dyneema(商標名)、Kevlar(商標名)、またはポリイミド材料などの第2の補強材とから形成することができる。補強材は、丸いまたは平らな編組を含むことができる。いくつかの実施形態では、補強材はコイルである。他の実施形態では、補強材は編組である。いくつかの実施形態では、ハイポチューブまたはシャフトは、ポリイミド、PTFE、またはポリイミド/PTFE複合材で裏打ちされる。いくつかの実施形態では、ハイポチューブまたはシャフトはPebax(商標名)外層を含む。
トルク能力は、動脈内腔の小さなサイズが多先端電極カテーテルの通過を許さない肝動脈または周囲の動脈の枝において特に有利である可能性がある。いくつかの実施形態によれば、(例えば、後続のアブレーションまたは遠心性神経の近傍の領域をカバーする他の処置動作における電極の位置を調節するために)電極の回転の精密な制御を有することは特に有利である。電極の位置決めのユーザ制御を改善するためのカテーテルの一実施形態を図110に概略的に示す。図示されるように、カテーテルの小径シャフトは、より大きな直径の円筒形シャフトに接続することができ、それによって、医師または他の臨床医に調節のためのより大きな制御面を提供する。一実施形態では、制御面は、遊星歯車システムのリング歯車を含むことができ、カテーテルシャフトが太陽歯車を形成し、制御面の回転のカテーテルの回転に対する比は、遊星歯車によって決定される。一実施形態では、比は1:1未満(例えば、1:10、1:9、1:8、1:7、1:6、1:5、1:4、1:3、1:2)である。
ここで図111を参照すると、肝動脈および周囲の動脈の蛇行した解剖学的構造は、(動脈壁との接触が、1以上の電極によるRFカテーテルアブレーションなどの神経の調節を促進する実施形態において)アクセスおよびカテーテル接触の課題を提供する可能性がある。例えば、図26は、蛇行した動脈内の電極カテーテルを示す。図111Aに示されるように、電極とカテーテルの遠位関節運動連結部との間に形成された直線は、動脈壁の接触不良を示すことができ、一方、(図111Bに示されるように)電極と遠位関節運動連結部との間の曲線は、電極が動脈壁に対して片持ち支持されていることを示すことができる(十分な動脈壁接触の指標となり得る)。
図112Aおよび図112Bは、蛇行した血管系(例えば、総肝動脈の蛇行した血管系)内の改善された壁接触およびカテーテル安定化を提供するように構成されたカテーテルシステムの一実施形態を示す。カテーテルシステムは、ガイドカテーテル11205および拡張可能要素カテーテル11210(例えば、バルーンカテーテル)を備える。図示の実施形態では、拡張可能要素カテーテル11210は、バルーンカテーテルの遠位端に配置されたバルーンを有するバルーンカテーテルを備える。バルーンカテーテルは、(図112Aに示されるような)収縮した状態で総肝動脈内に挿入され、次に(図112Bに示されるような)拡張した状態まで膨張させることができる。いくつかの実施形態では、拡張可能要素11215の拡張(例えば、バルーンの膨張)は、拡張可能部材内またはその上に配置された1以上の電極または他の治療部材(例えば、トランスデューサ、マイクロ波エミッタ)の壁接触を促進するために、蛇行した血管(例えば、肝動脈の一部)をまっすぐに伸ばす。複数の電極または他の治療部材が使用される場合、複数の部材は、拡張可能な要素の長さおよび/または円周に沿って様々な位置に離間して配置することができ、それにより、複数の位置で(同時にまたは別々に)治療を促進する。拡張された状態はまた、改善されたカテーテル安定化をもたらし、それにより、治療処置の効率を改善し、治療時間を短縮することができる。
拡張可能要素は、自己拡張可能、機械的拡張可能、または空気圧的に拡張可能(例えば、膨張可能)とすることができる。一実施形態では、拡張可能要素は、形状記憶材料(例えば、自己拡張可能なステント様要素)を含む。一実施形態では、カテーテルシステムは、フレキシブルな状態の蛇行した血管の中へおよびそこを通ってカテーテルを誘導し、次いで高剛性の形状ロック状態に移行する受動的セグメント化カテーテル(例えば、1以上のネストされたリンクの形状ロックアセンブリ)を含む。一実施形態では、カテーテルは曲がった状態で蛇行した血管に入り、次に血管を真っ直ぐにして、血管を実質的に真っ直ぐな円筒形に形成する。
呼吸は、神経調節の対象となる血管の動きを引き起こす可能性がある。例えば、呼吸は、総肝動脈の領域で2〜5cmも移動を引き起こす可能性があり、それは神経調節カテーテルまたはその上に配置された治療要素(例えば、電極、トランスデューサ、またはエミッタ)の望ましくない動きを引き起こす可能性がある。呼吸によって引き起こされる動作は、治療要素(例えば、電極またはトランスデューサ)の血管壁に対する連続的かつ十分な壁接触に悪影響を及ぼし、本明細書に記載のいくつかの実施形態では、その悪影響は低減または除去される。
図113は、血管安定化を提供し、神経調節装置またはシステムの治療要素(例えば、アブレーション電極)を位置決めするための標識を提供するように構成された一時的なフレームまたは骨格11300の一実施形態を示す。フレーム11300は、カテーテルによって及ぼされた力の下で変形され、および/または呼吸によって伸張または偏向された血管(例えば、肝動脈)を有利に安定化することができる。いくつかの実施形態では、フレーム11300は、所望の治療(例えば、アブレーション)部位で血管壁へのアクセスを提供する。フレーム11300は、一般的な血管の幾何学的形状ならびに局所壁の位置の両方を安定化させることができる。いくつかの実施形態によれば、フレーム11300は、処置中に配備され、取り出される。
図示の実施形態では、フレーム11300は、六角形のワイヤメッシュである。フレーム11300は、スロット付きチューブまたは織りワイヤとして製造することができる。フレーム11300は、ポリマーまたは金属で構成することができる。金属材料は、ニチノール、ステンレス鋼、MP35N合金、エルギロイ合金などを含むことができる。金属は、ポリマーまたは酸化物層で絶縁されていてもよい。ポリマー材料は、ポリウレタン、パリレン、フルオロカーボン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、フッ素化エチレンプロピレン(FEP)、ペルフルオロアルコキシアルカン(PFA)、熱可塑性エラストマー、ナイロン、Hytrel(商標名)、Pebax(商標名)、Arnitel(商標名)などを含むことができる。フレーム要素は、所望の機械的特性を提供するために、包まれ、折り畳まれ、または曲げられることができる。フレーム要素は、はんだ、ろう付け、接着剤などで接合または結合されてもよい。フレームメッシュは、単一の連続した要素であってもよく、別々の要素に分割されていてもよい。フレーム11300は、高剛性であっても、またはフレキシブルであってもよい。フレーム11300は、任意の多角形メッシュ構造を含むことができる。他の実施形態では、フレーム11300は、編組、コイル、織り、または金属またはポリマーワイヤまたはフィラメントで形成された他の絡み合った構成であってもよい。
いくつかの実施形態では、フレーム11300は、視覚化を提供するために、放射線不透過性要素または放射線不透過性材料を含むことができる。フレーム11300は、フレーム11300を通して挿入されるエネルギー送達装置のアブレーション電極または他の治療要素を位置決めするのを助けるために、X線撮影標識を提供することができる。X線撮影標識は、放射線不透過性マーカーを含むことができる。いくつかの実施形態では、X線撮影標識は、フレーム11300自体の構造および可視性に基づくことができる。フレーム11300全体が放射線不透過性であってもよく、またはある部分または要素が放射線不透過性であってもよい。
いくつかの実施形態では、フレーム11300は、治療要素(例えば、電極)の機械的な姿勢および位置決めを提供する。例えば、フレーム11300と電極アセンブリとの間の相互作用は、フレーム11300に対する電極の触覚フィードバックまたは直接的な位置決めを提供することができる。電極カテーテルと共に使用される場合、フレーム11300はまた、電極配置を補助するために電気的位置検出を提供できる。電気的位置検出は、フレーム11300上の対応する要素への近接を検出する、またはその逆の検出要素を電極シャフト上に設けることによって達成することができる。検出要素は、導通、抵抗、導電率、磁気抵抗(例えば、GMR)、ホール効果、静電容量、磁気、光、反射率、吸光度、屈折、回折、音、音響反射などを用いて近接性を検出することができる。別個の電極カテーテル(図示せず)をフレーム11300内で前進させ、血管壁と接触するようにフレーム11300のワイヤメッシュ内の開口を通して電極が送達されるように操作することができる。フレーム11300は、血管壁をわずかな張力下に置くことによって、標的アブレーション部位の領域で血管壁を有利に安定化し、それによって電極によって課せられる接触力による血管壁の変形を制限または低減することができる。いくつかの場合、これらの接触力は、もしもそうでないならば、電極と血管壁との間の接触面積を増加させ、電極付近の血流を制限し、冷却を損なうとともに血管損傷を増加させる可能性がある。いくつかの実施形態では、神経調節装置は、別個の装置であるフレームの代わりにそれ自体がフレームを含むことができる。フレーム11300は、RFエネルギーを血管壁に送達するための1以上の単極電極または双極電極のペアを含むことができる。
肝動脈は、片側横隔膜の潮汐呼吸運動および横隔膜の運動のために動く。肝動脈の垂直運動は、概して、右または左の横隔膜の運動と一致する。一実施形態では、平均水平移動は、最大1.90mmとなる可能性がある。肝動脈アブレーションのブタ試験中、カテーテル先端のアブレーション後の位置は、最初の標的位置から一貫して最大1cmであり、得られた損傷およびそれに対応した一貫性の変動性を増加させ、その一貫性によって肝動脈の除神経が達成された。種々の実施形態では、肝臓の除神経または他の神経調節を達成するために必要な処置(例えば、アブレーション)の持続時間に対して、呼吸停止が実行可能でない可能性があるため、処置中のカテーテルの先端および/または電極の動きを低減することを目的とする方法およびシステムが提供される。
様々な実施形態では、神経調節カテーテルと神経調節カテーテルが挿入されるガイドカテーテルとの間の摩擦を実質的に低減することによって、神経調節カテーテル(例えば、アブレーションカテーテル)の望ましくない動きを低減することができる。摩擦の低減は、例えば、疎水性(例えば、フッ素系)潤滑剤またはコーティングによって達成することができる。いくつかの実施形態では、(例えば、導入シースと接触する)カテーテルの近位端およびカテーテルの遠位端(例えば、電極)からの力および/または変位の並進を低減させて、カテーテルの運動に対処することができる。いくつかの実施形態では、カテーテルの遠位端(例えば、電極)および標的組織の近くの摩擦を増加させて、カテーテルの運動に対処することができる。
図114Aおよび図114Bは、肝動脈への呼吸運動の影響に対処するように構成されたカテーテルの一実施形態を示す。図114Aは、吸入中のカテーテルを示し、図114Bは、呼気中のカテーテルを示す。カテーテルは、切断セグメント、または可撓性および/または受動的セグメントを備える。いくつかの実施形態では、可撓性および/または受動的セグメントは、(図114Aおよび図114Bに示されるように)総肝動脈の起点に配置される。
図115は、カテーテルの近位端およびカテーテルの遠位端から力および/または変位の並進を低減させることによって、標的血管の運動に対処するように構成されたカテーテルシステムの実施形態を示す。図115のカテーテルを使用する方法では、アクセス部位とカテーテルの遠位端(例えば、電極)との間のカテーテルシステムに弛緩を配置することができる。一実施形態では、弛緩形成は、カテーテルの遠位端を固定し、次にフレキシブルカテーテルを数センチメートル前方に押すことによって達成されるので、追加の材料がカテーテルの遠位端とアクセス部位との間にある。一実施形態では、アクセス部位に対する遠位端の任意の動きは、遠位端および/またはアクセス部位に並進力を加える代わりに、カテーテルの弛緩をまっすぐにする。
いくつかの実施形態では、カテーテルは、カテーテルの遠位端と近位端との間に弛緩を選択的に作り出すか、または許容するように設計することもできる。遠位セグメントおよび近位セグメントを有するカテーテルの一実施形態を図116Aおよび図116Bに示す。一実施形態では、テンションワイヤまたはテザー11605が遠位セグメントから近位セグメントまで延びている。緊張状態に置かれると、このワイヤまたはテザー11605は、遠位セグメントを近位セグメントに向かって引っ張ることができる。機械的インターフェース11610(例えば、近位部分のテーパ端部および遠位部分のフレア端部)は、2つのセグメントを整列させ、遠位セグメントが近位セグメント上を摺動することを防止または阻止することができる。カテーテルのアクセスおよびナビゲーションの間、テンションワイヤまたはテザー11605は緊張状態に置くことができる。しかしながら、治療(例えば、アブレーション投与)の間、張力を解放することができ、ワイヤまたはテザー11605は、2つのセグメントを接続するテザーとして作用することができる。機械的インターフェース11610は、任意の対応する機械的構造(例えば、ノッチ/突起、ラッチ)または接着構造によって形成することができる。
いくつかの実施形態によれば、カテーテルの可撓性は、弛緩がシステムに加えられることを可能が、同時に押し込み効率を低下させ、カテーテルの肝動脈へのアクセス能力を低下させる。いくつかの実施形態では、可撓性形態と高剛性形態とを切り替えるための機構が有利に設けられる。そのような切換機構の一実施形態は、高剛性部材11705を名目上フレキシブルなカテーテルシャフト11710の内外に軸方向に移動させることを含み、それにより図117に示されるように選択的に高剛性領域を画定する。例えば、高剛性部材は、着脱可能なガイドワイヤを備えることができる。
一実施形態では、切換機構は、可撓性領域と単一の曲げ平面とを有する2つの同軸部材(例えば、図118に示されるように単一方向にフレキシブルである回転可能な部材)を組み合わせることを含む。2つの回転可能な部材のフレキシブルな方向が整列されるとき、カテーテル部分はフレキシブルとなり、回転可能な部材が、それらの長手軸に実質的に沿って互いに対して回転され、それらのフレキシブルな方向が整列しないとき、高剛性または実質的に高剛性である。
総肝動脈の解剖学の種々の研究を通して、総肝動脈の長さを遠位に進むにつれて、運動の変動がより大きくなるようであり、それはより遠位の点がそのような変動を引き起こす横隔膜により近いので、生理学的に理にかなっている。いくつかの実施形態では、呼吸運動による標的血管(例えば、総肝動脈)の予想される動きの変動を補償するために、カテーテルの剛性をその長さに沿って変化させることができる。呼吸に起因してより大きな動きに直面する可能性のある血管の部分に配置されるように構成されたカテーテル長さの1以上の部分は、より大きな軸方向コンプライアンスを有するように構成することができ、カテーテルの一部が血管と共に移動して伸びることを可能にする。一実施形態では、カテーテルは、異なる金属の相対的組成によって剛性の変化を可能にする合金を使用することによって、カテーテルの長さに沿って軸方向の剛性勾配を有することができる。一実施形態では、同じ材料(例えば、金属)が使用されるが、カテーテル壁の厚さは、その長さに沿って先細りになっている。一実施形態では、材料の組成または量は、カテーテルの長さに沿った別個の位置または「リンク」で変更することができる。いくつかの実施形態では、総肝動脈にアクセスして標的とするように構成されたカテーテルの剛性は、総肝動脈内に配置されるように構成されたカテーテルの部分で、カテーテルの長さに沿って近位から遠位に減少する。一実施形態では、カテーテルは、カテーテルの長さに沿って異なる点に、したがってカテーテル剛性の異なる点に配置された複数の電極を含む。より遠位の電極は、より近位の電極よりも大きな呼吸運動と共に追跡することができる。電極の位置を固定したままにすると、アブレーション間のより一貫した間隔を可能にすることができ、より短い血管を有する患者がより多くのアブレーションを達成することを潜在的に可能にすることができる。
いくつかの実施形態では、エネルギー送達は、呼吸サイクル中のエネルギー送達要素の非対称運動による温度またはインピーダンス測定値を使用した呼吸に基づいてゲート制御されてもよい。エネルギー送達要素は、呼吸サイクル(呼気)の約2/3の間、比較的静止したままである可能性があり、この期間中、治療される組織は、温度が上昇する可能性がある。エネルギー供給要素が、呼吸周期の他の3分の1(吸気)の間に動いているとき、組織は冷却されることができる。温度の変化が監視され、エネルギー送達要素が静止しているとき(例えば、呼気中)にのみエネルギーが供給されるように、または定常期間中に電力を増加させて、所望の平均電力レベル(例えば、10ワット)を維持するように使用することができる。組織のインピーダンスは温度によって変化するので、インピーダンス測定値が(代替的にまたは温度との組み合わせで)監視され、エネルギー送達を開始および停止するために使用することができる。温度および/またはインピーダンス測定値の変動が検出されない状況では、電力は一定の割合で送達することができる。
電力出力が呼吸と同期されるそのような実施形態では、エネルギー源のランプは、ほぼ瞬間的な電力の上昇を達成するように調節することができる。この調節は、エネルギー源のランピングアルゴリズムを変更することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、エネルギー源は、1W未満の電力出力からピーク電力出力まで0.5秒未満でランプアップするようにプログラムすることができる。いくつかの実施形態によれば、電力出力と呼吸との同期化は、血管(例えば、総肝動脈)内の血流が最大である時間フレームを利用し、それによってエネルギー送達要素および血管壁に対する冷却を強化し、それは炭化、ノッチング、および血管攣縮を軽減することができる。
(C.コンタクトアセスメント)
いくつかの実施形態では、フィードバックおよび/または評価尺度が、壁接触の質および/または大きさを評価するために提供される。例えば、蛍光透視法(例えば、血管造影)を用いて、血管(例えば、動脈)壁に対する電極の接触によって引き起こされる内腔圧痕の大きさを評価することができる。くぼみの大きさは、接触力に直接相関する可能性がある。さらに、血液と動脈の抵抗率および誘電率との間には有意な差があるので、電極インピーダンスは接触力の指標として使用することができ、インピーダンスの増加は、一般的に改善された接触と相関する。アブレーションを開始する前に、試験電流をジェネレータによって印加して、電極を直接囲む組織のインピーダンスを測定することができる。神経調節装置または別個の付属センサ上に位置する、単一の主電極(単極)、分割電極(双極)、1以上のコイル(例えば、ループまたはソレノイド)、1以上の巨大磁気抵抗装置、または他のセンサを用いて得られる電磁的特性測定値に基づいて、複素インピーダンスを得ることができる。複素インピーダンスは、ジェネレータから得られる電流、電圧、抵抗、および/または電力測定値に基づいて決定することができる。接触検知方法は、ジェネレータによって提供されるエネルギー送達信号(例えば、アブレーション信号)の既存の周波数内容を使用することができる。処置電極は、接触検知を行うために使用することができ、または補助センサまたは電極を使用してもよい。いくつかの実施形態では、接触検知に使用される周波数は、500kHz〜10MHzの範囲とすることができ、これは治療周波数範囲内の可能性もあるし、治療周波数範囲を超えている可能性もある。他の実施形態では、接触検知に使用される周波数は、500kHz〜100MHzの範囲とすることができる。一実施形態では、検知周波数は、アブレーション周波数とは異なる。いくつかの実施形態では、損失正接、透磁率、活動電位、および/または複合インピーダンスの成分(例えば、抵抗およびリアクタンスまたは大きさおよび位相角)が計算され、接触レベルを決定するために使用される。接触検知はまた、神経調節装置に沿ってまたはスタンドアロンの装置上に配置された1以上の温度センサを使用する熱応答に基づいて決定されてもよい。例えば、接触評価を促進するために、インパルス応答またはステップ応答を測定することができる。いくつかの実施形態では、血管内神経調節装置の特定の設計によって接触が保証されるため、積極的な接触は必要とされない。
様々な実施形態において、2つの電極要素は、接着層または絶縁層によって分離されて互いに近接して設けられる。少なくとも2つの電極要素は、治療用電力送達のために、単極モードで並列に接続することができ、電流リターン経路は、接地パッド、不関電極、または治療部位から離れた他のリターン電極によって提供される。少なくとも2つの電極要素は、差動または双極モードで励起されて、電極要素に近接する組織の組成に関連する検知情報を提供することができる。いくつかの実施形態では、検知情報(信号)は、電極アセンブリと血管壁との間の接触の程度を評価するために使用される。他の実施形態では、検知信号は、電極アセンブリに近接する組織の温度変化を評価するために使用される。さらに他の実施形態では、検出信号は、電極アセンブリと組織または構造物との間の距離を評価するために使用される。
いくつかの実施形態では、熱的および/または電気的絶縁材料によって分離された伝導性材料のセクションに、より大きな電極を分割することによって、少なくとも2つの電極要素が作成される。一実施形態では、より大きな電極は実質的に円筒形である。別の一実施形態では、電極は実質的に球形である。さらに別の一実施形態では、電極は、互いに隣接して配置された別個の円筒状または球状の要素から構成される。一実施形態では、第1の電極要素は、第2の電極要素と第3の電極要素との間に配置される。第2および第3の電極要素は、並列に接続されてもよい。様々な実施形態において、電極要素は、カテーテルのシャフトに沿って同軸に分布される。いくつかの実施形態では、電極要素は、カテーテルのシャフト上に長手方向または円周方向に分布される。いくつかの実施形態では、第1の電極要素は、第2の電極要素内に実質的に含まれてもよい。
図119A〜図119Dは、2つの同軸電極を含む治療(例えば、アブレーションまたは他の神経調節)および組織接触検知のための電力送達を提供するように適合された電極構成またはアセンブリの実施形態を示す。図示された実施形態では、第1の電極要素11905Aは、実質的に同心円状に第2の電極要素11905B内に収容される。図119Aは、電力送達および組織接触検知を提供するように構成された電極アセンブリの一実施形態の上面図であり、図119Bは断面側面図であり、図119Cは断面等角図である。図119Dは、電力送達および組織接触検知を提供するように構成された電極アセンブリの第2の実施形態の上面図である。図示した実施形態では、第1の電極要素11905Aは、第2の電極要素11905Bの壁に円形の開口部を形成し、第1の電極要素は第2の電極要素内に同心円状に配置される。いくつかの実施形態では、電極要素11905のうちの少なくとも1つは、電極アセンブリが血管壁に接触する場所または領域の近くまたは接触して配置されるように構成される。第1の電極要素11905Aは、実質的に円形または球形、多角形、円盤形状、または他の規則的な幾何学形状とすることができる。電極要素11905は、電気的および/または熱的絶縁材料11910によって分離されている。いくつかの実施形態では、電気的および/または熱的絶縁材料11910は、デルリン、エポキシ、ナイロン、ポリウレタン、アルミナ、酸化アルミニウム、マコール(macor)、ポリエチレン、シアノアクリレート、アセタール、PTFE、PFA、FEP、およびPEEKを含む群から選択されるがこれらに限定されない接着剤、ポリマー、またはセラミックスから形成することができる。いくつかの実施形態では、シャフトは、電気的絶縁および/または熱的絶縁を提供する。
図119A〜図119Cは、電極要素11905に接続する2つの接続ワイヤ11915を示す。図119Cは、単一の接続ワイヤを使用して第1の電極要素11905Aおよび第2の電極要素11905Bとの接続部を形成することができるように、接続ワイヤ11915(例えば、銅線)のうちの1つの被覆がスロット11916を含むことができることを示す。いくつかの実施形態では、アブレーション電流および検知電流は、例えば、図119Dに示された実施形態に示されるように、各要素に別個の接続ワイヤ1115を設けることによって電極要素間に配分されることができる。フィルタリング、変調、および多重化手法を使用して、様々な接続ワイヤ11915に電力を分配することができる。一実施形態では、電極要素と電気的に接触する接続ワイヤ11915は、熱電対または他の温度測定装置を形成する。別の一実施形態では、電極要素への接続ワイヤ11915は単一の導体である。このような接続ワイヤ配置の非限定的な例は、電極アセンブリの血管壁接触領域の近くの電極要素11905Aのうちの小さい方に熱電対リード線(例えば、40ゲージT型熱電対リード線)と、単一の電力リード線(例えば、40ゲージ銅線)を周囲の電極要素11905Bに提供するものである。いくつかの実施形態では、400kHz〜650kHz(例えば、400kHz、450kHz、500kHz、550kHz、600kHz、650kHz)の周波数でのアブレーションパワー(例えば、5W〜20W、5W〜15W、8W〜12W、10W〜20W)が、単極モード(例えば、コモンモード信号が両方の電極要素に供給され、戻り信号が接地パッドまたは不関電極へと行く)で、電極素子のより大きい方または両方に送達されることができ、検知信号(例えば、1MHz〜100MHz(例えば、1MHz〜10MHz、5MHz〜15MHz、10MHz、15MHz〜50MHz、30MHz〜60MHz、50MHz〜100MHz)で1〜20mA(例えば、10mA)の電流)が、双極モードで2つの電極要素の間に送達されることができる。他の電力レベル、電流レベル、または周波数が、要望および/または必要に応じて使用されてもよい。いくつかの実施形態によれば、検知のための周波数は、アブレーションパワー用に用いられる周波数の範囲外である。検知電流の複素インピーダンス、位相、損失正接、リアクタンス、および抵抗を、隣接する組織に対して高感度に解析することができる。検知電流は、複数の周波数で提供されてもよく、インピーダンスは、組織接触を記述する複合パラメータに比較され、または結合されてもよい。検知電流は、時間領域または周波数領域で分析することができる。検出波形は、掃引、狭帯域、広帯域、パルス、方形波、チャープ、周波数変調、多項式、または他の適切な波形とすることができる。検知システムは、2つの電極間の検知信号の周波数を分離するための外部のドライバおよびジェネレータを含むことができる。検知システムは、コモンモードチョーク、ハイパス、ローパス、および/またはバンドパスフィルタ、または他のフィルタリング回路を含むことができる。検知システムは、十分な量の接触が存在するかどうかを決定する、または電極アセンブリから受信した組織接触測定値に基づいて組織接触の量的レベルを決定するように適合された処理装置を含むことができる。処理装置は、ディスプレイまたは他の出力に対して接触または組織接触のレベルをユーザへ示す出力を生成することができる。組織接触測定値は、双極接触インピーダンス測定値または温度測定値を含むことができる。図119A〜図119Dに関連して説明された接触検知構成および実施形態は、本明細書に記載の神経調節装置(例えば、治療用カテーテル、アブレーションカテーテル、または他の装置)のいずれかに組み込むことができる。
いくつかの実施形態では、周囲の組織に対して高い熱応答および高い感度を提供するように、第1の電極要素内に温度検知装置を設けることができる。温度センサは、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、サーミスタ、フッ素光学温度センサ、ファブリペロー温度センサ、または他の適切なセンサで構成することができる。一実施形態では、少なくとも1つの電極要素を介して単極モードで送達される電力は、温度センサに近接した組織の中等度の良性の局部加熱を引き起こす。センサによって測定された温度変化の割合または大きさは、組織または血液との接触の程度を反映する。小さい接触面積、および低い熱質量および非検知面からの絶縁は、応答性と感度を向上させる。1つの非限定的な例では、40ゲージのT型の熱電対リード線が、電極の血管壁接触領域近くの電極要素11905Aのうちの小さい方に接続され、単一の40ゲージの銅線が周囲の電極要素11905Bに接続される。他のタイプまたはサイズの温度測定装置またはワイヤを、要望および/または必要に応じて使用してもよい。一実施形態では、1Wの電力が、電極要素を介して単極または双極モードで供給される。温度の上昇または低下の大きさまたは割合は、血管壁の接触の指標として取られる。他の電力レベルを、要望および/または必要に応じて使用することができる。
いくつかの実施形態では、電極の接触領域またはその近傍の血液または組織からの反射光を測定するために、光ファイバーセンサを電極の近傍に構成することができる。光ファイバーセンサの非限定的な例は以下の通りである。血液は、高濃度のヘモグロビンを含むことが知られている。ヘモグロビンは、オキシヘモグロビンまたはデオキシヘモグロビンとして存在し得るが、オキシヘモグロビンは一般に、動脈系においてより一般的である。これらの化合物および血液の両方は、全体として吸収スペクトルおよび散乱スペクトルをよく特徴付けている。アテローム性動脈硬化症などの血管壁の様々な疾患のためにいくつかのばらつきが存在するが、動脈血管壁の吸収スペクトルおよび散乱スペクトルもまた、よく説明される。血液の光学的特性がより一貫しているので、アルゴリズムは、測定された反射光の強度を比較して、血液の期待値からの偏差の尺度を提供する。高い偏差は血管壁接触に関連するが、低い偏差は血液接触に関連する。特徴的な赤色の血液のために、赤および緑の波長を比較のために選択してもよい。
図120Aおよび図120Bは、組織接触検知のための光センサ12000を含む神経調節装置の一実施形態を示す。光センサ12000は、神経調節装置(例えば、治療用カテーテル、アブレーションカテーテル、または本明細書に記載の他の装置)のいずれかに組み込むことができる。光センサ12000は、電極12006で終端を迎える神経調節装置のカテーテルまたは細長い本体12005に沿って、またはその中に、少なくとも1つの照明ファイバー12002および少なくとも1つの検知ファイバー12004を含むことができる。電極12006は、光学窓または側面ポート12008を電極12006および血管壁の接触領域付近に配置することができる。入射光および反射光の両方を血管壁に向かって横向きに、ファイバー12002、12004に直角に方向付けるために、光ファイバー12002、12004は、ある角度(例えば、45度の角度)で切断されてもよく、遠位先端は、反射性材料(例えば、ミラーコーティング)でコーティングされてもよい。ファイバー12002、12004の切断端部と共に光学窓12008は、組織への入射光および反射光の伝送を改善するために、ファイバー12002、12004と同様の屈折率を有する光学接着剤(例えば、エポキシ)で封止されてもよい。光学接着剤は、光ファイバー12002、12004の図を不明瞭にするので、図120Aには図示されない。光学接着剤が光ファイバー12002、12004と同じ屈折率を有する場合、光はコーティングから反射し、あたかもそこにはなかったかのように、ファイバーと光学接着剤の間の境界を横切って移動する。一例は、「光学エポキシ」または「光学接着剤」である。様々な実施形態において、コーティングは、金属(例えば、ニッケル、銀、アルミニウムなど)の非常に薄いコーティングを含む。
本体の外部の光検知制御および/または検出ユニットは、少なくとも1つの波長で照明および検出を提供することができる。照明は、広帯域または白色光であってもよく、単一波長または有限数の波長であってもよい。照明源は、レーザ、発光ダイオード(LED)、超発光ダイオード、レーザダイオード、ハロゲンまたはキセノン球、または他の適切な光源を含むことができる。検出器は、光学フィルタの有無にかかわらず、狭帯域または広帯域検出器を含むことができる。図120Bは、熱電対リード線12009がカテーテルに沿って(例えば、光ファイバー12002と12004の間に)走っていることを示している。熱電対リード線は、電極12006に結合されてもよく、電極12006の光学窓12008内に置かれてもよい(図120Bには図示せず)。
他の実施形態は、蛍光、分光法、紫外/可視反射分光法、ラマン分光法、後方散乱分析、または他の方法を含む他のタイプの光学検出を使用することができる。照明ファイバーと検知ファイバーの分離は、有利には、血液と比較して血管からの鏡面(検鏡)反射および拡散反射の異なる程度の測定を提供することができる。
いくつかの実施形態では、圧力センサ、力センサ、または接触センサ(例えば、FlexiForce(商標名)力センサ(マサチューセッツ州南ボス緊張のTekscan Inc.)が、カテーテルチップ上またはカテーテル先端に直接組み込まれる。いくつかの実施形態では、接触力は、神経調節システム(例えば、RFエネルギー送達)システムのディスプレイ上に表示することができる。いくつかの実施形態では、接触力が閾値範囲を上回るかまたは下回るとき、警報または警告を聴覚的または視覚的に提供することができる。エネルギー送達部材(例えば、電極)の接触は、センサから受信したフィードバック(例えば、測定値)に基づいて(手動または自動で)調節することができる。例えば、図121は、(有線または無線接続を介して)エネルギー送達装置12110に通信可能に結合された被験体の身体の外側に配置されたコントローラ12105(例えば、ジェネレータ)を含むシステム12100の一実施形態を示す。エネルギー送達装置12110は、エネルギー送達装置12110の遠位先端にエネルギー送達要素12115(例えば、電極)と、エネルギー送達要素12115によって血管壁に及ぼされた力を検知するためにエネルギー送達要素12115に隣接する力センサ12120とを含む。図示された実施形態では、エネルギー送達装置12110の遠位端部分は、偏向または作動ワイヤ12125を介して偏向可能である。ワイヤ12125の張力は、(呼吸および/または血流サイクルの間でさえ)好ましい接触力を維持するために、センサ12120から受信されたフィードバックに基づいて調節することができる。ワイヤ12125の張力の調節は、コントローラ12105の1以上のコンピューティングデバイスまたは処理装置によって自動的に、またはオペレータが手動で行うことができる。維持された接触力は、アブレーションエネルギー送達の実施形態のための一貫した損傷生成を有利に促進することができる。力センサはまた、組織の剛性に起因する熱変化に起因する損傷生成のリアルタイムフィードバックを提供することができる。コントローラ12105は、接触力または温度を表示するためのディスプレイ(例えば、モニタまたはスクリーン上のグラフィカルユーザインタフェース)を含むことができるか、または接触力または温度の測定値を別個のディスプレイ装置に表示させることができる。いくつかの実施形態では、接触検知を実行するために超音波モダリティが使用される。例えば、超音波弾性または超音波イメージング(例えば、Aモード、Bモード、3D、ドップラー、または干渉パターンイメージング)を使用して、神経調節装置(例えば、アブレーションカテーテル)の治療要素と標的組織(例えば、血管壁)との間の接触状態または他の接触評価の指標を提供することができる。接触評価を提供するために、音響センサ(例えば、圧電式、容量式、受動低周波、機械式またはフェーズドアレイ、ビームパターン、IVUS、TEE、TTE、HIFU、燃料ゲージ、アクチュエータ)を使用することができる。いくつかの実施形態では、接触評価を提供するために光センサまたは光検知方法が使用される。例えば、弾性、可塑性、複合インピーダンス(貯蔵弾性率/損失弾性率)、動的機械的解析(DMA/DMTA)、高周波/低周波、チャープ、または力を評価するために、機械的装置および方法を使用することもできる。力は、ひずみゲージ、バネ、静電容量式センサ、圧電式センサ、または変位トランスデューサによって測定することができる。
様々な実施形態において、接触は、エネルギー送達の開始前に閾値レベルを上回ることが要求される。いくつかの実施形態では、接触レベルは治療中に連続的に監視される。接触レベルが閾値レベルを下回るかまたは閾値レベルを上回った場合、コントローラ12105は、ユーザに治療処置を終了させるか、または治療パラメータを調節させる警告を生成してもよく、またはコントローラ12105は、自動的に治療処置を終了するか、または治療パラメータを調節してもよい。コントローラ12105は、電力またはエネルギー源(例えば、ジェネレータ)内に配置されてもよく、または検知ユニットまたは制御ユニット内の別個のコンポーネントであってもよい。
(IV.画像誘導、マッピング、および選択的位置決め)
(A.画像誘導)
画像誘導(イメージガイダンス)技術は、本明細書に開示されるいくつかの実施形態に従って使用することができる。例えば、視覚化要素(例えば、光ファイバースコープ)を、カテーテルベースのエネルギーまたは流体送達システムと組み合わせて提供して、神経調節カテーテルの送達および位置合わせを補助することができる。他の実施形態では、X線(蛍光)透視法、超音波法、ドップラー法または他の画像法を用いて、神経調節カテーテルの送達および位置合わせを補助する。いくつかの実施形態では、放射線不透過性マーカーが、神経調節カテーテルの遠位端に、または神経調節カテーテルの長さに沿った1以上の位置に配置される。例えば、電極を有するカテーテルの場合、電極のうちの少なくとも1つは放射線不透過性材料を含むことができる。一実施形態では、近位放射線不透過性マーカーは、ガイドカテーテルの遠位端を越えて十分な伸張を確認するように配置される。一実施形態では、遠位放射線不透過性マーカーは、解剖学的標識(例えば、総肝動脈と脾動脈の間または固有肝動脈と胃十二指腸動脈との間の遠位分枝部)に対する軸方向のカテーテル位置の登録を示す。造影剤または分子造影剤の有無にかかわらず、コンピュータ断層撮影(CT)、蛍光、X線撮影、サーモグラフィ、ドップラー、光コヒーレンス・トモグラフィ(OCT)、血管内超音波(IVUS)、および/または磁気共鳴(MR)イメージングシステムを、神経調節カテーテルシステムの画像誘導を提供するために使用することもできる。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、イメージング装置、視覚化装置、光送達装置、吸引装置、または他の装置を挿入するための1以上の内腔を備える。
いくつかの実施形態によれば、画像または視覚化技術およびシステムは、標的とされる神経線維の妨害(例えば、アブレーション、破壊、切断、除神経)の確認を提供するために使用される。いくつかの実施形態では、神経調節カテーテルは、標的とされる神経線維の伝達の妨害(例えば、アブレーション、破壊、切断、除神経)の確認を提供するために使用される1以上のセンサ(例えば、センサ電極)を含む。センサは、画像センサ、温度センサ、インピーダンスセンサ、光学センサ、電磁センサ、力センサ、圧力センサ、血液センサ、または他の治療または組織パラメータを測定するように構成された他のセンサを含むことができる。治療または患者のパラメータは、1以上のセンサから受信した信号に基づいて監視することができる。センサは、患者または治療のパラメータ(例えば、組織温度、治療要素温度、組織インピーダンス、血液温度、血圧、接触圧、血流レベル、血糖値、トリグリセリドレベル、インスリンレベル、グルカゴンレベル、ノルエピネフリンレベル、胃腸ホルモンレベル、または前述のパラメータのうちのいずれかの2つ、3つ、またはそれ以上の組み合わせ)に関する情報を提供することができる。
(B.マッピング)
いくつかの実施形態では、交感神経および副交感神経は調節の前にマッピングされる。いくつかの実施形態では、センサカテーテルが、標的調節領域の近くの血管の内腔内に挿入される。センサカテーテルは、カテーテル本体の長さに沿って分布した1つのセンサ部材または複数のセンサを備えることができる。センサカテーテルが所定位置に配置された後、交感神経または副交感神経のいずれかを刺激することができる。いくつかの実施形態では、センサカテーテルは、電気的活動を検出するように構成される。いくつかの実施形態では、交感神経が人為的に刺激され、副交感神経は変化のないままであるとき、センサカテーテルは増加した電気的活動を検出し、センサカテーテルから得られたデータを用いて交感神経のジオメトリ(幾何学的形状)をマッピングする。いくつかの実施形態では、副交感神経が人為的に刺激され、交感神経は変化のないままであるとき、センサカテーテルは増加した電気的活動を検出し、センサカテーテルから得られたデータを使用して副交感神経のジオメトリをマッピングする。いくつかの実施形態では、神経刺激およびセンサカテーテルを使用して神経のジオメトリをマッピングすることは、調節するための標的領域の改善されたまたはより詳細な情報選択を有利に促進し、選択神経を生存状態に残しながら、他を選択的にアブレーションおよび妨害する。一実施形態の一例として、交感神経を選択的にアブレーションするために、既に挿入されたセンサカテーテルが増加した電気的活動の領域を検出しマッピングする間、交感神経を人為的に刺激することができる。交感神経を妨害するためには、増加した電気的活動を記録する領域のみをアブレーションする必要があるかもしれない。
一実施形態では、交感神経線維を標的とする方法は、電気生理学マッピングツールの使用を含む。(例えば、ノルアドレナリンまたは電気刺激を投与することによって)交感神経活動を増大させることを意図した中枢または末梢神経信号を印加しながら、検知カテーテルを使用して、標的血管(例えば、肝動脈)のジオメトリをマッピングし、増加した電気的活動の領域を強調することができる。増加した電気的活動の領域は、主に交感神経線維により主に支配される可能性があるので、次いで、アブレーションカテーテルを導入し増加した電気的活動のマッピングされた領域をアブレーションするように作動させることができる。いくつかの実施形態では、神経損傷監視(NIM)法および装置を使用して、血管周囲に位置する交感神経に対する装置の近接性に関するフィードバックを提供する。一実施形態では、NIM電極は、交感神経節に腹腔鏡または胸腔鏡的に接続される。
(C.選択的位置決め)
いくつかの実施形態では、交感神経を選択的に標的にするために、局所導電率を肝動脈の周囲の周りで監視してもよい。最大インピーダンスに対応する位置は、肝動脈の後方を走行して門三腔を取り囲む他の組織と比較して導電性が高い胆管および門脈から最も離れているので、交感神経線維の位置に対応する可能性が高い。いくつかの方法では、交感神経を選択的に妨害するために、増加したインピーダンスを有する位置が選択的に調節(例えば、アブレーション)される。いくつかの実施形態では、交感神経組織で観察されるインピーダンス効果を高めるために、門脈および/または胆管に1以上のリターン電極を配置する。いくつかの実施形態では、リターン電極は、大きな静脈で灌流され、脂肪および/または非血管組織が減少した皮膚領域(例えば、首または手首)に配置される。門脈と他の静脈との間の抵抗は、他の組織と比較して血液の電気伝導度が増加しているため、非常に低い可能性がある。したがって、肝動脈および門脈の様々な位置の間の抵抗の比較的小さな変化が、検知される全体の抵抗に比較的大きな影響を及ぼす可能性があるため、インピーダンス効果を高めることができる。
いくつかの実施形態では、最小の重なりを有する連続的な損傷を形成するのを助けるために、隣接する損傷の間の中点付近に配置された基準トランスデューサを用いてインピーダンスおよび/または温度を測定することができる。いくつかの実施形態では、インピーダンスは、接地電極または局所双極基準電極を基準として測定される。損傷が参照電極に近づくにつれてインピーダンスが変化する。一例として、2つの損傷が、血管に沿って軸方向および/または円周方向に5〜10mm離れて配置される場合、基準トランスデューサは、損傷の所望の程度(例えば、2.5mm〜5mm)に対応する位置でアブレーションカテーテルのシャフトに沿って配置することができる。基準トランスデューサは、血管壁と接触して配置されるように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、アブレーション周波数とは異なる周波数でインピーダンスが測定される。基準トランスデューサをフィルタリングして、基準信号を選択的に測定することができる。いくつかの実施形態では、基準トランスデューサは、アブレーション領域を歪ませるのを回避するために高い入力インピーダンスを有する。他の実施形態では、インピーダンス測定がアブレーション信号と交互となるように、基準トランスデューサがゲート制御される。
いくつかの実施形態では、交感神経は、局所的に標的化される。副交感神経線維が固有肝動脈の遠位範囲に向かってつながる傾向がある一方で、交感神経線維は固有肝動脈の有意な長さに沿って走る傾向があることがいくつかの被験体において観察されるかもしれない。いくつかの実施形態では、交感神経は、固有肝動脈をその近位の範囲(例えば、腹腔動脈の第1の枝と総肝動脈の第1の枝との間のほぼ中間、または固有肝動脈の枝を越えて約1センチメートル、約2センチメートル、約3センチメートル、約4センチメートル、または約5センチメートル)に向かってアブレーションすることによって標的化される。位置の標的化は、肝臓に向かって遠位側に進むにつれて概して肝動脈に近づく胆管や門脈などの重要な構造への損傷を避けることができるので有利である可能性がある。
図122は、肝臓に隣接する器官(例えば、胆嚢、膵臓、胃)の概略図を示す。本発明のいくつかの実施形態によれば、本明細書中に記載されるカテーテルおよび処置は、肝動脈内またはその周囲の神経の神経調節(例えば、RF電極アブレーション)中の肝臓を取り囲む器官または組織(例えば、胆管、門脈、膵臓、胃)に対する付随的な損傷の可能性を防止または低減することができる。様々な実施形態において、本明細書に記載のカテーテルおよび使用方法は、胆管狭窄、門脈血栓症、または膵炎の可能性を予防または低減することができる。いくつかの実施形態では、双極エネルギー送達装置および方法を使用して、胆管、門脈、膵臓、および/または他の器官または組織からエネルギーを遠ざける。いくつかの実施形態では、双極の装置および方法は、隣接構造(例えば、胆管および門脈)がアブレーション領域に及ぼす影響を制限し、エネルギーが隣接構造に向かって追従することを防止または禁止する。
一実施形態では、胆道保護剤(例えば、非導電性の絶縁物質)を胆嚢内にまたは内視鏡逆行性胆管膵臓造影(ERCP)を介して経皮的に注入する。一実施形態では、冷却された溶液が、同じ手段によって胆道樹に注入される。一実施形態では、ハイドロディセクションと同様であるが、非導電性生体適合性物質(例えば、ポリエチレングリコール(PEG)ヒドロゲル)を用いて動脈周囲の絶縁「リング」が注入される。
肝動脈の近傍の胆嚢または他の器官への付随的損傷の可能性を減少させる1つの方法は、胆汁分泌を最小限にするか、さもなければ減少させるために、神経調節処置の前に全身的に患者に胆汁酸阻害薬を投与するか、または患者が処置の前に脂肪分の多い食事を摂らないように要求することである。他の予防措置は、「脂肪」の生きた保護および/または伝導率の低下を引き起こすために、処置の前に嘔吐を誘発して胆汁を排出するか、またはエタノールを患者に投与することを含む。一実施形態では、潜在的な副次的損傷に対する胃の保護は、胃内の伝導に対する空気障壁を提供するために患者に空気を吸入させるか、または胃を拡張させることによって促進させることができる。胆嚢を保護するために、(例えば、1以上の磁気部分を有する)動脈内カテーテルを肝動脈または隣接する動脈内に挿入して、肝動脈を胆嚢から「引き離す」ことができる。外部磁石を用いて肝動脈を胆嚢から引き離すこともできる。
いくつかの実施形態では、神経調節位置は、血管系の既知の枝構造(例えば、所与の枝の直後)との関係によって選択される。いくつかの実施形態では、神経調節位置は、測定(例えば、標的血管内への特定の数センチメートルの挿入)によって選択される。関連する神経および血管の解剖学的構造はヒトにおいて非常に可変であるので、肝動脈に沿った距離に基づいてではなく、枝の解剖学的構造に対する位置に基づいて神経調節位置を選択することがいくつかの例ではより効果的である可能性がある。いくつかの被験体では、神経繊維密度は分枝部位で定性的に増加する。
(D.血管造影)
いくつかの実施形態では、交感神経線維を標的とする方法は、血管造影を用いて腹腔軸の遠位側の動脈構造のジオメトリを評価することを含む。一実施形態では、本方法は、ジオメトリを任意の数の一般的なバリエーションに特徴付け、次いで、所与の動脈のバリエーションに対して副交感神経線維の予想される経過に基づいて神経調節(例えば、アブレーション)位置を選択することを含む。動脈長の測定は被験体ごとに異なる可能性があるので、いくつかの実施形態では、交感神経線維を標的とする本方法は、動脈長測定値とは無関係に実行される。本方法は、例えば、総肝動脈の胃十二指腸動脈および固有肝動脈への分枝部に隣接しかつ近位の領域を除神経またはアブレーションすることが望ましい場合に使用することができる。
(E.生理学的監視)
直接観察下での神経特定がない場合、神経はそれらの生理学的機能に基づいて特定することができる。いくつかの実施形態では、マッピングおよびその後の調節は、グルコースおよびノルエピネフリン(「NE」)レベルを使用して行われる。いくつかの実施形態では、グルコースレベルおよびNEレベルは、高速の時定数で応答する。したがって、臨床医は、標的動脈または他の血管内の特定の領域(例えば、異なる方向または円周方向のクロック位置または長手方向の位置)を刺激し、生理学的応答を監視し、次いで、望ましくない生理学的応答を呈した位置においてのみ調節(例えば、アブレーション)を行うことができる。交感神経は肝動脈の前方部分に向かって走る傾向があり、一方、副交感神経は肝動脈の後方部分に向かって走る傾向がある。したがって、前方の位置だけでなく(前述のグルコースおよびNEレベル測定値を使用して)刺激に対して最も強い生理学的応答(例えば、交感神経刺激によるグルコースレベルの上昇)を示した前方領域の特定の位置もまた選択することができる。いくつかの実施形態では、0.1sオン、4.9sオフ、14Hz、0.3ms、4mAのパルスRFエネルギーでの刺激は、交感神経活性化因子となり、2sオン、3sオフ、40Hz、0.3ms、4mAのパルスRFエネルギーは、副交感神経活性化因子となる。しかしながら、RFエネルギーまたは他のエネルギータイプの他のパラメータを使用することもできる。
いくつかの実施形態では、電気的および/または位置的選択性を使用して、臨床医は、刺激パルスまたは信号を印加し、生理学的応答を監視することができる。治療の効能を示すことができるいくつかの生理学的反応は、血中グルコースレベル、血液および/または組織のNEレベル、血管筋緊張、血液インスリンレベル、血中グルカゴンレベル、血液Cペプチドレベル、血圧(収縮期血圧、拡張期血圧、平均血圧)、および心拍数を含むがこれらに限定されない。場合によっては、血糖値および組織NEレベルが、最も正確かつ容易に測定されるパラメータであるかもしれない。生理学的応答は、動脈または静脈血液採取、神経伝導研究、経口または直腸温度の読み取り、または経皮的または外科的生検によって監視または評価することができる。いくつかの実施形態では、各々のインクリメンタルなアブレーションの後に経腔的肝生検を行い、組織のNEレベルの結果として生じる減少を測定し、測定されたレベルに基づいて処置を滴定または調節することができる。例えば、肝臓内の組織のNEレベルを測定するために、生検カテーテルをTIPSアプローチまたは他の頸部アクセスによって挿入して、肝実質のサンプルを捕捉することができる。いくつかの実施形態では、静脈が肝実質に囲まれ、それによって失血を予防または阻止するので、門脈の静脈壁を安全に侵害して生検を得ることができる。
様々な実施形態において、アブレーションまたは除神経部位の両側にある検知電極または他の診断部材からなる回路によって検出される信号または応答は、(1)インピーダンス(例えば、作成された回路の動的抵抗またはコンダクタンスの変化)および/または(2)活動電位(例えば、神経線維は生理学的にこのような活動電位を使用して伝導するので、回路は、短い電圧インパルスでプローブされ、次いで、電気的応答を監視することができる)とすることができる。いくつかの実施形態では、生理学的応答が監視され、問い合わせられた器官および生理学に応じていくつかの可能性が導かれる。生理的応答の例には、以下が含まれる:(1)肝臓/グルコース:肝臓交感神経の刺激が正味の肝臓グルコース産生を増加させ、したがって全身のグルコースレベルを増加させるので、除神経またはアブレーション後に血糖値の増加がより小さく観察される可能性がある。(2)膵臓/インスリン−グルカゴン:膵臓交感神経の刺激はインスリン分泌を増加させ、グルカゴン分泌を減少させることができるので、これらのホルモンレベルの両方を除神経の前後で測定することができる。(3)十二指腸−胃/運動性:胃腸(GI)交感神経の刺激は運動性の低下につながる可能性があるので、運動性の直接観察または多数の運動性試験を介して、除神経またはアブレーションの前後で測定することができる。上述のシステムおよび方法は、末端器官にかかわらず、血管内除神経に普遍的に適用可能とすることができる(例えば、動脈の周囲の神経によって支配される任意の器官に適用することができる)。(電気的または生理学的または他のタイプのいずれであっても)測定は、アブレーション処置の間に連続的に、または慢性的に(例えば、処置の後のある時期に)、除神経の成功を評価するために行うことができる。
肝臓または肝臓の除神経を含む実施形態において、除神経の確認は、組織のノルエピネフリンレベルによって評価することができる。例えば、組織のノルエピネフリンレベルは、90%を超えて低下する可能性がある。総肝動脈または他の隣接する血管をアブレーションすることによる肝臓の除神経を含むいくつかの実施形態では、膵臓および十二指腸に対応する「用量応答」が存在する可能性がある。言い換えれば、いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるような総肝動脈および/または周囲の血管をアブレーションすることによって、除神経される肝臓に加えて、膵臓および/または十二指腸を十分に除神経することができる(例えば、>90%)。したがって、除神経の影響を示唆する膵臓または十二指腸の生理学的評価(例えば、確立された臨床試験または測定)を用いて、肝臓の除神経の成功を確認することができる。いくつかの実施形態では、アブレーションは、意図されたまたは予想された臨床的変化が検出されるまで継続することができる。
除神経によって影響される膵臓応答を測定するための臨床測定は、経口グルコースチャレンジおよびその後のインスリン応答を含むことができる。理論的には膵臓の除神経はより大きなインスリン分泌をもたらすはずであり、これについての証拠は犬研究で観察されている。したがって、複数回の経口グルコースチャレンジが与えられ、血中インスリンレベルが測定され、インスリンレベルが増加した場合、除神経成功を推測することができる。膵臓応答を測定するための臨床測定はまた、グルコースチャレンジなしのスポットインスリン測定も含むことができる。いくつかの実施形態では、肝臓の除神経を確認するために、除神経によって影響される可能性のある膵臓から分泌されるホルモンであるグルカゴンの測定を行うことができる。
十二指腸の交感神経の除神経では、十二指腸運動の増加および通過時間の減少があり得るため、十二指腸応答の測定のための臨床的測定は、GI運動性試験を含むことができる。摂取された放射性食物の輸送を見る核医学検査、およびC−アセテート呼気検査を含む、運動性の変化を測定するためのいくつかの臨床的に検証された試験が存在する。いくつかの実施形態では、内視鏡検査を実施することができ、十二指腸を直接視覚化して運動の変化の徴候を調べることができる。
いくつかの実施形態では、総肝動脈のアブレーション時の肝臓除神経の確認を促進するために、(求心性神経接続が総肝動脈をアブレーションすることによって妨害される可能性があるため)システム全体の応答を測定することができる。他の器官への交感神経流出は、肝臓から脳までの反射経路を介して他の器官まで減少する可能性がある。影響を受けかつ測定される可能性のあるパラメータには、血圧、心拍数、および筋交感神経活動(MSNA)が含まれるが、これらに限定されない。
(F.交感神経の緊張測定)
正常な状態で交感神経ニューロンが発火する割合は、交感神経の緊張と呼ばれる。同様に、副交感神経が正常な状態で発火する割合は、副交感神経の緊張と呼ばれる。例えば、アブレーションまたは1以上のニューロンの刺激によるニューロンの発火の変化は、緊張の変化をもたらすことができる。治療前、治療中、および/または治療後に、緊張を測定、検出、または監視して、処置に関する情報を提供することができる。例えば、処置中または処置後に(例えば、緊張を測定する方法としての)交感神経緊張または生理学的応答の監視された変化は、交感神経ニューロンの除神経処置の有効性に関するリアルタイム検証を提供することができる。別の一例として、交感神経緊張は、患者のスクリーニングのための処置の前に測定され、治療のための局所的位置を特定するなどができる。測定は、全体的または局所的とすることができる。
いくつかの実施形態では、緊張は血管内装置を使用して測定することができる。例えば、ノルアドレナリン(NA)血漿濃度は動脈および/または静脈で測定することができる。ノルアドレナリンスピルオーバーは、血管系全体で測定することができ、心臓(心臓NAスピルオーバー)、前腕(前腕NAスピルオーバー)、腎臓(腎臓NAスピルオーバー)、肝臓(肝臓NAスピルオーバー)、骨格筋血管系などを例として含む。別の一例として、表面神経における活性を測定するために、(例えば、MSNAを測定する)マイクロニューログラフィを使用することができる。例えば、ノルエピネフリン(NE)が挙げられるがこれに限定されない他の血液成分もまた測定することができる。特定の血液成分は、全身に対しておよび/または既知のまたは確信された開始位置に近接して測定することができる。例えば、NEは、特定の器官(例えば、肺)に近接して測定されてもよく、これはNEの約40%に由来すると考えられている。測定値は、実質的に定常状態の条件での値によって、例えば、ある一定時間(例えば、約30分、約15分、約5分など)にわたって約25%未満、約10%未満、約5%未満などの変化によって特徴付けることができる。血管以外の体腔内での測定も可能である。例えば、尿中カテコールアミンは交感神経緊張を示す可能性がある。内部で測定を行うことができる体腔には、例えば、動脈、静脈、室、細動脈、細静脈、管または道(例えば、尿、胃腸管)、ポケット、細管などが含まれる。
一実施形態では、カテーテルは体腔内に配置され、器官に近接してナビゲートされる。プローブは、内腔の壁内に、例えば、ある深さおよび/または角度で配備することができる。プローブの位置は、例えば、固定具、バーブ、バルーン、拡張可能なケージまたはその一部分、それらの組み合わせなどによって安定化することができる。プローブは、例えば、交感神経の緊張の計量特性を生成するために、記録することができる電気生理学的信号を受信することができる。背景信号またはノイズは、例えば、器官から離して電気生理学的信号を測定するためのプローブを配備することによって除去することができる。プローブは、血液または他の流体の検体レベル、血液または他の流体の流れ、血液または他の流体の流量差、血液酸素飽和度、血液灌流、血圧、中枢交感神経駆動、電気音響イベント、筋電図信号、誘発電位、局所電場電位、組織学的信号、MSNA、神経トラフィック、神経活動の遠隔刺激、温度、組織の緊張、血管拡張、血管壁の硬さ、水分濃度、それらの組み合わせなどのうちの1以上を測定することができる。複数のプローブは、複数の信号または他の特性、体内の異なる場所での同じ信号、およびそれらの組み合わせを測定するために使用されてもよい。
一実施形態では、第1のカテーテルは、肝臓などの器官に近接する動脈内に配置され、第2のカテーテルは、器官に近接する静脈内に配置される。第1のカテーテルは、血液成分(例えば、NA、NEなど)を検出するように構成された第1のセンサを備える。第2のカテーテルは、同じ血液成分(例えば、NA、NEなど)を検出するように構成された第2のセンサを備える。第1のカテーテルおよび第2のカテーテルの少なくとも1つは、血液流量を測定するように構成された流量計を備える。交感神経緊張を示す可能性がある血液成分のスピルオーバー(例えば、ng/分)は、流量(例えば、mL/分)を動脈および静脈内の血液成分の濃度差(例えば、ng/mL)と掛け合わせることによって測定できる。いくつかの実施形態では、第1のカテーテルおよび第2のカテーテルは、同じ血管(例えば、器官の上流および下流)に配置してもよい。
いくつかの実施形態では、緊張は、非侵襲的装置または体外の装置を使用して測定することができる。非侵襲的なツールは、MSNA用のまたは血管内装置などの既存のマイクロニューログラフよりも容易および/または正確であることが可能である。交感神経緊張の変化は、交感神経緊張の急変が共感性の心拍数の変化と並行するため、安静時の心拍数の変化によって特徴付けることができる。心拍数は、血圧計、光学モニタ、EKG、スマートフォン、スマートウォッチなどを使用して測定することができる。
心拍変動(HRV)のスペクトル分析を用いて、交感神経緊張の変化を評価することができる。例えば、EKGを使用して、様々な周波数におけるスペクトルパワーまたは強度を測定することができる。HRVスペクトルは、3つの主要な周波数帯域に集約することができ、それは副交感神経成分に対応する高周波数帯域(約0.15Hz〜約0.4Hz)、交感神経成分と副交感神経成分の両方に対応する低周波数帯域(約0.04Hz〜約0.15Hz)、および血管運動の緊張を含むいくつかの生理学的機構の影響を反映する可能性のある非常に低い周波数帯域(約0.0033Hz〜約0.04Hz)である。得られるスペクトルパワーまたは強度は、周波数に対してプロットすることができる。特定の周波数のピークは、交感神経活動の指標となる可能性があり、ピークの変化は、交感神経活動の変化を示すことができる。追加的にまたは代替的に、スペクトルプロットまたはその一部(例えば、高周波のみ、低周波のみ、高周波および低周波のみなど)のもとの領域として測定された全スペクトルパワーの変化は、交感神経活動の指標となることができ、全スペクトルパワーの変化が交感神経活動の変化を示すことができる。
交感神経緊張の測定値(例えば、スクリーニング段階で得られた静的な数)は、除神経または刺激のための適切な対象を示すことができる。(例えば、測定タイプおよび処置に応じて上昇または下降する)交感神経緊張の測定値の変化は、交感神経緊張に変化をもたらすべき処置(例えば、除神経または刺激)の成功を示すことができる。期待された結果が達成されなかった場合、処置は、例えば、位置、パワー、エネルギータイプなどを調節することによって、繰り返されるか、または修正されてもよい。
(G.蛍光透視法)
いくつかの実施形態では、X線透視イメージングを使用して見たときに適切な位置を示すことができる放射線不透過性インジケータを有するアブレーションカテーテルを使用して、アブレーションが実行される。X線透視イメージングの2次元的性質のため、装置の位置は、単一の平面に沿ってのみ決定することができ、標的血管系の矩形の断面図を提供する。透視イメージングシステムを再配置せずに血管周囲に沿って装置位置を決定することの難しさを克服するために、蛍光透視イメージングを使用して視認可能な回転位置決めインジケータを血管内アブレーション装置に有利に組み込んで、血管の解剖学的構造に対するアブレーションコンポーネント(例えば、電極)の円周方向の位置を示すことができる。
一実施形態では、アブレーション電極を有するアブレーションカテーテルは、アブレーションカテーテルの長手軸に沿って配置された3つの放射線不透過性インジケータを備える。一実施形態では、第1の放射線不透過性インジケータは、装置軸上の電極に実質的に隣接して配置され、第2の放射線不透過性インジケータは、装置軸上の電極に近位側に配置され、第3の放射線不透過性インジケータは、装置軸から外れて配置される。一実施形態では、第3の放射線不透過性インジケータは、第1の放射線不透過性インジケータと第2の放射線不透過性インジケータとの間に配置される。3つの放射線不透過性インジケータを有する実施形態では、アブレーション電極は、カテーテルの中心軸からの偏向を介して血管壁に接触するように構成される。一実施形態では、第1および第2の放射線不透過性インジケータの位置合わせは、(例えば、冠状撮像面を前方または後方に仮定して)アブレーション電極が撮像面から離間し、かつ直交する位置に配置されることを意味する。一実施形態では、第3の放射線不透過性インジケータの位置は、前方−後方の向きを示す。例えば、第1の放射線不透過性インジケータと第2の放射線不透過性インジケータとの間に形成された線の上方、線上、または線の下方の第3の放射線不透過性インジケータの位置は、ユーザがアブレーションカテーテルの位置を推測可能とするのに必要な残りの情報を提供することができる。
(H.神経の標的化)
いくつかの実施形態によれば、標識化および破壊のための特異的神経化学標的化(ターゲティング)の方法が提供される。肝動脈内またはその周囲の神経は、腎動脈の場合よりも動脈内腔に近い可能性がある。いくつかの例では、神経は、総肝動脈セグメントの中点で動脈内腔に向かって収束し、その後に発散する。総肝動脈を支配する神経は、主に交感神経の遠心性神経であり得る。図56に示されるように、総肝動脈を支配する神経は、大部分が交感神経性遠心性神経である可能性がある。図56に示されるように、総肝動脈を支配する神経は、大部分が脂肪組織内に埋まっている可能性がある。
いくつかの実施形態では、神経を標的にする方法は、遠心性線維に特異的な薬品(例えば、遠心性を破壊しながら求心性神経を守るTH阻害剤)を注入することを含む。いくつかの実施形態では、化学溶液(例えば、水酸化カリウム)を用いて、脂肪をそのまま残しながら神経を溶解させる。一実施形態では、脂肪特異的溶解性薬品を注射して神経を骨格化させ、それによって神経を動脈内腔または血管壁にさらに近づける。
いくつかの実施形態では、神経は、化学的ではなく(例えば、神経の軟らかい脂肪に対する異なる剛性特性を利用することにより)機械的に標的化される。振動エネルギー(例えば、音、超音波)を、例えば、標的神経に対して使用することができる。一実施形態では、肝臓の特定の葉に蛍光マーカーを注入して、それらが肝動脈周囲のどこを支配しているかを決定する。一実施形態では、中点の特異的アブレーションパターンを用いて総肝動脈をアブレーションする。
(I.損傷の監視)
いくつかの実施形態によれば、アブレーション中の損傷の成長を監視することは、一貫した損傷を生成する方法を提供することができる。さらに、アブレーション中の損傷の大きさおよび重症度を知ることにより、過剰治療を避けることができる。いくつかの実施形態では、超音波画像のエコー非相関(echo decorrelation)を用いて、アブレーション中の組織変化をマッピングすることができる。エコー非相関は、局所的な超音波信号のフレームごとの変化を測定することによって実行される。信号の劣化が記録され、累積非相関マップが生成される。これらの結果得られた画像は、損傷の重症度による組織変化を視覚化することができる。いくつかの実施形態では、血管内超音波プローブがアブレーション部位に配置される。他の実施形態では、血管内超音波プローブは、平行な静脈または動脈または他の構造内に配置される。血管の壁(例えば、内膜、中膜、および/または外膜)に形成された1以上のアブレーション損傷の成長を監視するために、エコーの非相関をリアルタイムで実行することができる。いくつかの実施形態では、エコー非相関は、1以上の成長する損傷を視覚化するために、インビトロの経験的組織アブレーションデータから定義される閾値を使用する。損傷が十分な大きさに達したとき、または損傷の重症度が危険なレベルに近づいたときに、(例えば、電極または超音波トランスデューサからの)アブレーションエネルギー送達を停止するために監視を有利に使用することができる。
上述のように、診断プローブを、総肝動脈に隣接する構造内に挿入して、アブレーション損傷の形成またはアブレーションの他の浸透を検出するための監視部位として使用することができる。例えば、胃および十二指腸には、処置の時点に配置されたプローブを用いて内視鏡的アプローチを介してアクセスすることができる。診断装置は、腹部の外部からの経皮的アプローチを介して、または大静脈から肝臓組織を横切る静脈アクセスを介して門脈に挿入することができる。診断装置は、例えば、腹部の外から経皮的にアクセスすることができる胆管に挿入することができる。診断装置は、標準的な静脈アプローチを介して下大静脈に挿入することができる。いくつかの実施形態では、診断要素は、患者の体外に腹部の皮膚に配置される。様々な診断装置(例えば、プローブ)は、熱電対、サーミスタ、マイクロ波検出、容積熱マッピング、または(例えば、超音波または光干渉断層撮影(OCT)プローブを使用して)組織の機械的変化を使用して温度を測定することができる。いくつかの実施形態によれば、隣接構造に挿入された診断装置(例えば、プローブ)は、エネルギーが意図された部位に実際に送達された(したがって有効性を示唆する)という確信をオペレータに有利に与えることができ、アブレーションされることを意図していなかった隣接する敏感な構造(例えば、胆管)が影響を受けないことを保証する(したがって、安全性を保証する)ことができる。
(J.神経伝導の監視)
神経がアブレーションまたは除神経されたかどうか、および最終器官(例えば肝臓、膵臓、十二指腸など)への神経接続が妨害されたかどうかを(急性的におよび/または慢性的に)検出する能力を提供するための様々なシステムおよび方法が本明細書で提供される。いくつかの実施形態によれば、送達される実際のエネルギーをリアルタイムで検出することが望ましい場合がある。神経は電気信号を伝え、除神経またはアブレーションされた神経はもはやこれらの信号を伝えることができないので、神経線維の長さに沿って伝導を測定することが可能である。いくつかの実施形態では、バイナリ信号(例えば、オン/オフ)または神経妨害の程度に相関する定量的信号を決定することができる。いくつかの実施形態では、標的神経(例えば、肝動脈を取り囲む神経)の刺激に対する予想される生理学的応答(例えば、グルコース変化、インスリンまたはグルカゴン変化、GI運動など)は、除神経または神経アブレーション処置の直後に監視され、予想された生理学的応答が生じたかどうかを判定し、それによってリアルタイムの処置内診断の可能性を導くことができる。いくつかの実施形態では、アブレーション処置中のリアルタイムのフィードバックは、除神経の成功のために必要なだけの十分なエネルギー(または十分な損傷のみの形成)の送達を促進することができ、それにより、可能なアブレーションの数を制限する可能性のある解剖学的制約(例えば、血管の長さや蛇行など)に起因する処置により幅広い人口を開放する、および/または過度のエネルギー送達に起因する安全性の影響(例えば、血管または隣接する構造の損傷)の可能性を低減する。
いくつかの実施形態によれば、エネルギー送達(例えば、アブレーション)に使用されるカテーテルは、アブレーション部位の近位側および/または遠位側に検知電極を含む。検知電極は、標的の神経線維(例えば、総肝動脈を囲む外膜内の神経線維)における伝導を検出するために、血管壁と接触して配置されるように構成することができる。血管壁との電極の接触を促進するための本明細書に記載の構造および構成のいずれかを使用することができる。例えば、バルーンアブレーションカテーテルは、バルーンの中央にアブレーション電極を備え、アブレーション電極の近位側および遠位側の同じバルーン上に検知電極を備えることができる。いくつかの実施形態では、同じ電極がアブレーションおよび検知機能を提供するように構成される。いくつかの実施形態では、バルーンアブレーションカテーテルは、アブレーションバルーン(またはアブレーション電極を有するバルーン)のいずれかの側に検知バルーン(例えば、検知電極を有するバルーン)を有する複数のバルーンを備えることができる。
同様の技術をアブレーションカテーテルとは別個のカテーテル上で使用することができ、アブレーションに続く特定の時間(例えば、5分、10分、15分、20分、30分、45分、60分)の直後またはその間に、または将来のいくつかの他の診断または治療セッションにおいて、別個の検知カテーテルを用いて診断処置を行うことができる。いくつかの実施形態では、非カテーテルベースの診断システムおよび方法が使用される。例えば、近位および遠位検知電極は、カフ、針、パッチなどに配置されてもよい。アクセスは経皮的であってもよく、体外の皮膚上に配置されてもよく、隣接する構造(例えば、門脈、胆管、下大静脈)内に配置されてもよく、または器官組織(例えば、肝臓組織)自体に配置されてもよい。いくつかの実施形態によれば、本方法は、有利には、標的とされている生理機能(例えば、神経電気伝導)を監視することを含み、これは考えられる最も直接的な測定を提供する。
(V.代替送達方法)
(A.血管内)
動脈を通して血管内に送達されることに加えて、本明細書に記載の神経調節システム(例えば、アブレーションカテーテルシステムおよび他のアクセス/送達システム)は、静脈系を通して血管内に送達可能である。例えば、アブレーションカテーテルシステムは、門脈を通して送達されてもよい。他の実施形態では、アブレーションカテーテルシステムは、下大静脈を通して血管内に送達される。(例えば、肝神経叢内の交感神経線維の調節のために)神経調節システムを送達するために、任意の他の血管内送達方法またはアプローチを使用してもよい。
(B.経腔的、腹腔鏡的、経皮的、または開腹外科的)
いくつかの実施形態では、神経調節システム(例えば、カテーテルおよび他のアクセス/送達システム)は、神経線維を調節するために経腔的に送達される。例えば、カテーテルシステムは、胃を通して経腔的に送達されてもよい。他の実施形態では、カテーテルシステムは、十二指腸を通して経腔的に、または内視鏡逆行性胆管造影(ERCP)を介して胆道を通して経腔的に送達される。他の任意の経腔的または腹腔鏡的送達方法を用いて、本明細書に記載の実施形態に係るカテーテルシステムを送達することができる。
いくつかの実施形態では、カテーテルシステムを胆道に経皮的に送達して、肝神経叢内の交感神経線維をアブレーションする。任意の他の低侵襲性送達方法を使用して、要望および/または必要に応じて肝神経叢内の交感神経線維の調節または妨害のための神経調節システムを送達することができる。
いくつかの実施形態では、開腹外科的処置を用いて、肝神経叢内の交感神経線維を調節する。肝神経叢にアクセスするために、任意の開腹外科的処置を使用することができる。開腹外科的処置と併せて、神経調節のために本明細書に記載したモダリティのいずれかを使用することができる。例えば、RFアブレーション、超音波アブレーション、HIFUアブレーション、薬品送達によるアブレーション、化学アブレーション、凍結アブレーション、電離エネルギー送達(例えば、X線、陽子線、ガンマ線、電子線、およびアルファ線)、またはそれらの任意の組み合わせは、開腹外科的処置と共に使用することができる。一実施形態では、(例えば、肝神経叢内の)交感神経の信号伝達を妨害するために、開腹外科的処置と併せて、(例えば、肝神経叢内またはその周囲の)神経繊維を外科的に切断する。
(C.非侵襲的)
いくつかの実施形態では、非侵襲的処置またはアプローチを用いて、肝神経叢および/または他の神経線維中の交感神経線維をアブレーションする。いくつかの実施形態では、超音波エネルギー、HIFUエネルギー、電気エネルギー、磁気エネルギー、光/放射線エネルギー、または神経線維の非侵襲的アブレーションを行うことができる任意の他のモダリティを含むがこれに限定されない、本明細書に記載のモダリティのうちのいずれかが、肝神経叢および/または他の神経線維中の交感神経線維をアブレーションするための非侵襲的(例えば、経皮的)処置と共に使用される。
(D.ロボット/自動治療)
肝臓または他の動脈は、予め定められた、または予め選択された治療に基づくロボット治療または自動治療に役立つことができる。自動治療は、心的外傷、および手順からの逸脱の危険性を最小化または低減することができる。予め選択された治療は、治療パラメータ(例えば、標的位置、治療位置間の間隔、持続時間、頻度など)を組み込むことができる。
一実施形態では、自動システムは、神経の自動治療のために使用することができる。自動システムは、レシピまたは手順を含むメモリを含むことができる。メモリは、入力装置によって選択可能な複数のレシピ(例えば、治療される異なる身体部分、そのような身体部分の異なる治療)を含むことができる。レシピは、例えば、身体部分へどのようにナビゲートしたらよいか、および特定の治療を行うためにどのようなタイプのエネルギー(例えば、エネルギーモダリティ、パワーレベル、治療期間、連続的または間欠的)を印加したらよいかに関する情報を含むことができる。
システムは、(例えば、患者、システムのコンポーネント、ユーザ、環境要因などに関する)情報を含むメモリを含むことができる。システムは、その情報を使用して、処置前、処置中、および/または処置後にレシピを変更することができる。
ラップトップまたはタブレットなどのコンピューティングデバイスは、処置のための制御センターとして動作するメモリ、入力装置、ディスプレイ装置、通信装置などを含むことができる。例えば、処置は、制御センターの入力装置を介して、制御センターによって表示されたメニューからレシピ(例えば、肝臓の除神経)および患者を選択することによって開始することができる。制御センターは、処置が実質的に自動化された後の処置の初期設定のための指示を視覚的におよび/または聴覚的に提供してもよく、または処置はメニュー選択の直後またはまもなく開始してもよい。
システムは、ガイドワイヤまたはガイドカテーテルなどの操縦可能なコンポーネントを含むことができる。操縦可能なコンポーネントは、(例えば、大腿動脈または橈骨動脈において)治療されるべき神経から離れた血管系内に挿入されることができる。体内の操縦可能なコンポーネントの一部は、カテーテルの位置を監視するために、監視装置(例えば、IVUS、RFIDなど)を含むことができる。制御センターは、有線および/または無線通信を介して監視装置から情報を受信することができる。代替的または追加的に、本体内部の操縦可能なコンポーネントの一部は、放射線不透過性要素(例えば、マーカーバンド)および/または本体の外部の操縦可能なコンポーネントの位置を監視するための他の手段を含むことができる。
本体の外側では、操縦可能なコンポーネントは、前進機構と係合することができる。例えば、1以上のモータは、制御センターからの指示に応答して、操舵可能なコンポーネントを前進、後退、および/または回転させることができる。操縦可能なコンポーネントの少なくとも一部の湾曲は、血管系を通るナビゲートの可能性を提供するように変更されてもよい。IVUSは、操縦可能なコンポーネントの周囲を監視するために使用することができる。前進機構は、レシピに示されるように、血管系を通して操縦可能なコンポーネントを身体部分まで前進させることができる。例えば、操縦可能なコンポーネントは、操縦可能なコンポーネントが(例えば、制御センターによって検出されることができるIVUS出力上の暗い壁でないスポットによって示される)枝血管に到達するまで、長手方向に遠位に前進させることができる。血管系またはターニングガイドの地図(例えば、第1の枝の後まっすぐ、第2の枝内を左、第3の枝内を右など)を含むことができるレシピに基づいて、操縦可能なコンポーネントは、(例えば、操舵可能なコンポーネントの曲率を変更することによって)枝血管内へと前進される、または元の血管内で前進し続ける。操縦可能なコンポーネントがガイドワイヤである場合、カテーテルをガイドワイヤ上で前進させることができる。操縦可能なコンポーネントがガイドカテーテルである場合、カテーテルはガイドカテーテル内を前進することができるか、またはガイドカテーテル自体はエネルギーエミッタなどの治療ツールを含むことができる。部分的に自動化されたシステムでは、ユーザは、操縦可能なコンポーネントを身体部分またはその近くの位置に前進させることができ、その後、システムを自動化することができる。
治療ツールがある位置にくると、レシピは、(例えば、身体的パラメータの)初期診断を要求することができる。身体パラメータは、治療を評価するためのベースラインとして、および/または治療パラメータを調節するための変数として使用することができる。治療ツールは、例えば、長手方向の前進および/または後退、回転、および/または側方への付勢を介して(例えば、形状記憶ワイヤ、バルーン、固定具などを介して)、神経を調節するために自動的に配置することができる。レシピは、除神経または刺激を要求し、それに応じて、エネルギー印加パラメータ(例えば、周波数、時間、冷却、焦点など)を調節することができる。治療ツールは、例えば、特定の方向に既知の距離または計算された距離を進めることによって、複数の部位に移動させることができる。レシピは、治療中に(例えば、同じまたは異なる身体的パラメータの)進行中の診断を要求してもよい。身体パラメータは、治療パラメータを調節するために、および/または治療の途中の処置を繰り返すために使用されてもよい。レシピは、(例えば、同じまたは異なる身体的パラメータの)最終的なまたは処置後の診断を要求してもよい。身体パラメータは、処置の完了を確認するために使用されてもよい。身体パラメータは、治療パラメータを調節するために、および/または処置の最初の完了後に治療を繰り返すために使用されてもよい。
システムのユーザは、非自動化された動作が必要とされる場合があることに注意することができる。動作は、例えば、コントロールセンタ上の警告を介して、システム自体によって示されることが可能である。
(VI.刺激)
いくつかの実施形態によれば、神経調節は、神経を刺激すること、および/または神経伝達を増強することによって達成される。一実施形態では、刺激は神経遮断をもたらすことができる。他の実施形態では、刺激は、神経活動(例えば、信号の伝達)を増強する。
いくつかの実施形態によれば、神経線維の治療的調節は、自律(例えば、交感または副交感)神経線維の神経刺激によって行われる。神経刺激は、上述の装置またはシステム(例えば、アブレーションカテーテルまたは送達カテーテルシステム)のいずれかによって、上述の(例えば、血管内、腹腔鏡下、経皮的、非侵襲的、開腹外科的)アプローチのいずれかを使用して提供することができる。いくつかの実施形態では、神経刺激は、一時的なカテーテルまたはプローブを用いて提供される。他の実施形態では、埋め込み型装置を用いて神経刺激が提供される。例えば、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激するために、電気神経刺激装置を移植することができ、これは有利には、交感神経の影響を相殺することによって、血糖値の低下をもたらすことができる。
いくつかの実施形態では、埋め込み型神経刺激装置は、埋め込み型パルスジェネレータを含む。いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、内部電源を含む。例えば、内部電源は、1以上の電池を含むことができる。一実施形態では、内部電源は、(例えば、電池交換に対して容易にアクセスできるように)埋め込み型パルスジェネレータとは別の皮下位置に配置される。他の実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、外部電源を含む。例えば、埋め込み型パルスジェネレータは、RFリンクを介して給電されてもよい。他の実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、直接電気リンクを介して給電される。本明細書に開示された実施形態に従って、埋め込み型パルスジェネレータに電力を供給するために、任意の他の内部または外部電源を使用することができる。
いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、1以上のワイヤまたはリード線に電気的に接続される。1以上のワイヤまたはリード線は、1以上の電極に電気的に接続されてもよい。いくつかの実施形態では、1以上の電極は双極である。他の実施形態では、1以上の電極は単極である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つの双極電極のペアと少なくとも1つの単極電極がある。いくつかの実施形態では、1以上の電極は、神経カフ電極である。他の実施形態では、1以上の電極は、導電性固定具である。
いくつかの実施形態では、肝臓を支配する副交感神経線維の上または近くに1以上の電極を配置する。いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、電気信号を1以上の電極に送達する。いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激するのに十分な電場を生成する1以上の電極に電気信号を送達する。例えば、生成された電場は、活動電位を生成させるために、神経線維の膜電位を変化させることによって肝臓を支配する副交感神経線維を刺激することができる。
いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、電極に送達される電気信号を変化させることによって肝臓を支配する増加した数の副交感神経線維を補充する。例えば、埋め込み型パルスジェネレータは、変化する持続時間のパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、パルスの振幅を変化させる。他の実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは複数のパルスを送達する。例えば、埋め込み型パルスジェネレータは一連のパルスを送達することができる。いくつかの実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、パルスの周波数を変化させる。他の実施形態では、埋め込み型パルスジェネレータは、持続時間、振幅、周波数、および総パルス数を含むがこれに限定されない任意の1以上のパルスパラメータを変化させる。
いくつかの実施形態では、埋め込み型神経刺激装置は、肝臓を支配する副交感神経線維を化学的に刺激する。例えば、化学的神経刺激装置は埋め込み型ポンプであってもよい。いくつかの実施形態では、埋め込み型ポンプは、埋め込まれたリザーバから化学薬品を送達する。例えば、埋め込み型ポンプは、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激するために、化学薬品、薬品、または治療薬を送達することができる。
いくつかの実施形態では、埋め込み型神経刺激装置は、電気刺激、化学的刺激、または肝臓を支配する副交感神経線維を刺激する任意の他の方法の任意の組み合わせを使用する。
いくつかの実施形態では、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激するために非侵襲性神経刺激が使用される。例えば、経皮電気刺激を用いて、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激することができる。他の実施形態では、非侵襲性神経刺激の任意の方法を使用して、肝臓を支配する副交感神経線維を刺激する。
本明細書に開示された実施形態によれば、肝臓を支配するもの以外の副交感神経線維は、糖尿病、高血圧、および/または代謝状態に関連する他の状態、疾患、障害、または症状を治療するために刺激される。例えば、膵臓を支配する副交感神経線維、副腎を支配する副交感神経線維、小腸を支配する副交感神経線維、胃を支配する副交感神経線、腎臓を支配する副交感神経線維(例えば、腎神経叢)、またはそれらの副交感神経線維の任意の組み合わせが、本明細書に開示された実施形態に従って刺激されてもよい。任意の自律神経線維は、本明細書に記載の状態、疾患、障害、または症状(例えば、糖尿病または糖尿病関連状態)のいずれかを治療するために、本明細書に記載の装置、システム、および方法を用いて治療的に調節(例えば、妨害または刺激)することができる。いくつかの実施形態では、肝臓または他の周囲の器官の内臓脂肪組織が刺激される。いくつかの実施形態では、肝臓内刺激または肝臓の外面への刺激が提供される。いくつかの実施形態では、刺激(例えば、電気刺激)は、肝臓の外面または肝臓内(例えば、肝実質)には提供されず、迷走神経には提供されず、肝臓の門脈には提供されず、および/または胆管には提供されない。
刺激は、血管内または血管外で行うことができる。一実施形態では、刺激用リード線は、副交感神経に隣接する肝動脈樹内の血管内に配置される。副交感神経の主な肝臓枝は、固有肝動脈、または左右の肝動脈の枝および下位区分を追跡する複数の肝臓枝に近接した場所を標的にすることによって刺激することができる。一実施形態では、刺激用リード線は、食道の動脈の一部分内に配置され、両方の迷走神経の枝が食道の動脈に沿って走っているので、食道の動脈を取り囲む副交感神経を刺激するように作動される。
一実施形態では、刺激用リード線は、門脈内に配置され、求心性副交感神経特性を有する可能性のある門脈周囲の神経線維を刺激するように作動される。一実施形態では、刺激用リード線は、(例えば、TIPS様の処置を介して)中心静脈アプローチから肝実質を横切って配置されるか、または肝動脈を通って門脈内への動脈アクセスによって配置される。一実施形態では、門脈は、経皮的アプローチを介して血管外からアクセスされる。刺激用リード線は、門脈に長手方向に配置されてもよく、または脈管のように門脈の周りに巻き付けられてもよい。門脈静脈の血管外刺激は、外部血管壁にまたは外部血管壁内に接着された副交感神経線維上に刺激用リード線を直接配置することによって行うことができる。種々の実施形態において、刺激用リード線は、門脈壁を通るTIPS様アプローチを使用して、動脈壁を横切ることによって、または胆管樹にアクセスすることによって、蛍光透視法の誘導の下で経皮的に配置される。
いくつかの実施形態では、刺激用リード線は、持続的にまたは慢性的に刺激されて、安静時の肝臓のグルコース産生およびグルコース摂取に影響を及ぼす。種々の実施形態において、被験体のグルコースエクスカーションプロファイルに依存して、被験体が絶食状態または摂食状態にあるときに刺激が実施される。いくつかの実施形態では、刺激は、異なる時間に(例えば、定期的にまたはフィードバックに基づいて)自動的に発生するようにプログラムされてもよい。例えば、センサ用リード線は、食物摂取を検出し、検出時に刺激を誘発するために、胃または他の場所に配置することができる。いくつかの実施形態では、刺激は、被験体によって、またはネットワークを介して臨床医によって遠隔から制御またはプログラムされる。
いくつかの実施形態では、0.1sオン、4.9sオフ、14Hz、0.3ms、4mAのパルスRFエネルギーによる刺激を、交感神経刺激用に使用し、2sオン、3sオフ、40Hz、0.3ms、4mAのパルスRFエネルギーによる刺激を、副交感神経活性化用に使用する。しかしながら、RFエネルギーまたは他のエネルギータイプの他のパラメータを使用することもできる。
副交感神経刺激はまた、肝臓への遠心性効果に加えて、迷走神経に沿った求心性効果を引き起こし、肝臓のグルコース産生および摂取の変化をもたらす。求心性効果は、膵臓におけるベータ細胞機能の改善、筋肉グルコース摂取の増加、胃または十二指腸の運動性の変化、分泌物または重要な胃および十二指腸ホルモンの変化(例えば、満腹感を呈する胃内のグレリンの増加、および/またはインスリン感受性を増加させるための十二指腸からのグルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)の増加)のうちの1以上を含むがこれらに限定されない代謝状態における他の遠心性神経介在変化を引き起こすことができる。
(VII.実施例)
以下に提供される実施例は、本発明の非限定的な実施形態を意図している。
(A.実施例1)
9匹のイヌを高脂肪、高フルクトース食餌に4週間置いて、イヌにインスリン抵抗性を与えた。対照として、0.9g/kg経口強制ポリコースの投薬を食餌の開始前および食餌の開始後4週間目に投与し、グルコースレベルを追跡するために、一晩の絶食後、経口グルコース耐性試験を様々な時間間隔で実施した。その後、6匹のイヌの総肝動脈を外科的に除神経し、3匹のイヌを偽手術した。別の0.9g/kgの経口強制ポリコースの投薬を、肝臓の除神経の約2〜3週間後に一晩の絶食後に投与した。経口グルコース耐性試験は、ポリコースの投与後、様々な時間間隔で行った。図123A−1は、3回の経口ブドウ糖負荷試験(OGTT)によって報告された、6匹の除神経したイヌについての経時的な平均静脈血漿グルコースのグラフを示す。白丸で表されたデータ点を有する曲線は、高脂肪、高フルクトース食餌前の6匹のイヌのOGTT試験からのグルコース測定値の平均値を表し、灰色の丸によって表されたデータ点を有する曲線は、肝臓除神経前の高脂肪、高フルクトース食餌の4週間後の6匹のイヌのOGTT試験からのグルコース測定値の平均値を表す。経口強制ポリコース投薬を(図123A−2に示されるように)時間ゼロで投与した。黒丸で表されたデータ点を有する曲線は、肝臓の除神経の17日後の同じ6匹のイヌのOGTT試験からのグルコース測定値の平均値を表す。図123Aに見ることができるように、肝臓の除神経後のグルコース値は、より低いグルコース濃度でピークに達し、肝臓の除神経前のグルコース値よりもはるかに急速に低下し、OGTTの曲線下の領域は約50%改善し、通常の食事提供レベルに戻った。興味深いことに、OGTT中のインスリンレベルは、除神経後に実際に増加し、β細胞機能に有益な効果を示唆している。図123Bは、曲線下のグルコース領域の経時的な増加を示す、同じ時点での3つの偽手術したイヌのグラフを示す。偽手術したイヌもインスリンレベルの上昇はなかった。いくつかの実施形態によれば、研究の結果は、血糖値を制御するための肝臓の除神経の有効性の強い証拠を提供する。いくつかの実施形態では、インスリンレベルは一定のままであるかもしれないし、または5%を超えて増加または減少しないかもしれない。
(B.実施例2)
図124は、高血糖−高インスリン血クランプ研究の間に得られた正味の肝臓グルコースバランスを示す。ひし形指標(HDN)で表されるデータは、除神経から4週間後の実施例1からの同じ6匹のイヌの平均正味肝臓グルコースレベルを表す。三角指標(HF/HF)で表されるデータは、高脂肪、高フルクトース食餌を与えられた5匹のイヌの平均正味肝臓グルコースレベルを表す。正方形指標(対照)で表されるデータは、通常の食事を与えた5匹のイヌの平均正味肝臓グルコースレベルを表す。データは、曲線の終わりに向かって、肝臓の除神経は、ベースラインまで戻って、約50%まで肝臓グルコースバランスを回復させることができ、これはHF/HFイヌモデルの肝臓のインスリン耐性が肝臓の除神経によって大きく矯正されることを示唆しており、本発明の実施形態によれば、肝臓の除神経が肝臓のグルコース摂取および/または肝臓のグルコース産生に影響を及ぼすことを示している。
(C.実施例3)
肝動脈を、総肝動脈の近位から左肝動脈および右肝動脈の分枝部の遠位まで、ブタ肝臓から摘出した。動脈神経叢を肝実質の2つのセクション(「床部」および「屋根部」)の間に挟み、ステンレス鋼製トレーに配置してリターン電極として機能させた。長さ約1/16インチ〜3/32インチの露出面を有するNiTi/拡張器シースを使用したRADIONICS RFG−3C RFジェネレータを用いて合計3本の動脈をアブレーションした。ジェネレータの出力を4(概して、55〜270Ωへ2〜3Wを送達)に設定して、RFエネルギーをそれぞれの場合において117秒間印加した。最初の2つのサンプル動脈に対して、K型熱電対を用いて血管外温度を監視し、50〜63℃に達した。1回目のアブレーションを左肝動脈で行い、2回目のアブレーションを右肝動脈で行い、3回目のアブレーションは固有肝動脈で行った。1.15mmの内腔径を有する左肝動脈の1回目のアブレーションでは、2つのアブレーションゾーンの測定値が得られた(0.57mmおよび0.14mm)。約3mmの凝固ゾーンが測定された。電極露出距離は3/32インチであった。右肝動脈の2回目のアブレーションでは、1/16インチの電極露出距離を使用した。高い電流密度により、ジェネレータは妨害され、アブレーション損傷は観察されなかった。2mmの内腔径を有する固有肝動脈の、3/32インチの電極露出距離を用いた3回目のアブレーションでは、0.52mm、0.38mm、および0.43mmの3つのアブレーションゾーンの幅が測定された。測定されたアブレーションゾーンの幅は、(動脈壁にまたは動脈壁内に密着している可能性のある)固有肝動脈を取り囲む神経は、血管内アプローチを用いて除神経できるという事実を裏付けている。ブタ肝動脈セグメントの組織学的測定は、肝動脈神経が内腔面から1〜10mm内側の厚さ(約1〜3mm)内にあり、それにより低出力RFエネルギー(例えば、10W未満および/または1kJ未満)または他のエネルギーモダリティを用いて、肝動脈の枝を血管内支配する神経の調節(例えば、除神経、アブレーション、伝導の遮断、または妨害)に対する裏付けを提供していることを示している。腎動脈を支配する神経は、腎動脈の内腔から概して4〜6mmの範囲内にある。
(D.実施例4)
急性動物実験を、ブタモデルの総肝動脈および固有肝動脈で実施した。総肝動脈を7回アブレーションし、固有肝動脈を3回アブレーションした。本発明の一実施形態によれば、(例えば、所望の温度を達成するために手動でパワーを調節する)温度制御アルゴリズムは、50℃〜80℃の範囲の温度で実施され、2〜4分間の範囲の総アブレーション時間で実施された。本発明の一実施形態によれば、全てのアブレーションの電極露出距離は3/32インチであった。全アブレーションにわたって、アブレーションパラメータは、概して以下の通りである:本発明の様々な実施形態によれば、抵抗は、約0.1オーム〜約869オーム(一般的に約100オーム〜約300オーム)の範囲であり、電力出力は、約0.1W〜約100W(一般的に約1ワット〜約10ワット)の範囲であり、ジェネレータの電圧は、一般的に約0.1V〜約50Vの範囲であり、電流は、一般的に約0.01A〜約0.5Aの範囲であり、電極先端温度は、一般的に約37℃〜約99℃(各アブレーションの目標温度から概ね±5℃)の範囲である。エネルギーは、多くのアブレーションにおいて約1kJまで温度および時間に基づいて滴定された。熱損傷が動脈攣縮を引き起こしたため、完了したアブレーションに対応する位置で蛍光透視法のもとでノッチングが観察され、これはアブレーションの成功の正の指標となることができる。
(一実施形態によると)アブレーション領域の1cmの分離が試みられたが、アブレーションカテーテルはアブレーション処置の間に遠位にスキップし、これはアブレーション処置の間に横隔膜の動きに起因して発生したと考えられており、それにより肝臓を取り囲む解剖学的構造および肝動脈血管系の動きを引き起こす(これは、肝臓の解剖学的構造のための独特な課題である可能性がある)ことが観察された。
血管内アブレーションの以前の標的(例えば、概して腎臓に向かって真っ直ぐ進んでいる腎動脈)とは異なり、肝動脈血管系は非常に可変であり、曲がりくねっている。単一の関節形状を有するカテーテルは、アブレーションの成功を達成するのに適切かつ一貫した電極接触力を提供することができない可能性があることが、この研究の間に観察された。例えば、手動で実施される一定温度アルゴリズムに従って送達されるエネルギーを有する既存の市販のRFアブレーションカテーテルを使用するいくつかのアブレーション試行では、出力レベルは比較的高く、目標温度を維持するために必要な電圧出力の変動が小さい。このデータは、電極が血液からより高いレベルの冷却に曝される(それにより、特定の目標温度を維持するためにより高い電力出力を必要とする)ため、血管壁の接触不良を一般的に示す。さらに、組織抵抗率は温度の関数である。血管壁内の組織は空間的に固定されているが、生理的温度で電極と接触している「リフレッシュされた」血液組織の一定の質量流束が存在する。その結果、一実施形態では、電極が生理的温度で「リフレッシュされた」血液と実質的に接触すると、電極は実質的に一定のインピーダンスを「見る」。インピーダンスと電圧との間の相関(例えば、P=V2/R)により、実質的に一定のインピーダンスは、目標電極先端温度を維持するのに必要な実質的に一定(より可変でない)電圧入力に反映される。したがって、特定の実施形態(例えば、図29および図30に記載されるものなど)は、臨床的に遭遇する可能性のある肝動脈の曲がりの任意の程度において、適切な電極接触を有利に可能にする。
追跡的肝動脈除神経処置において、単極カテーテルを用いてアブレーションすることにより肝ノルエピネフリンレベルを低下させる能力が示された。その結果を図125に示す。外科的肝動脈除神経の後のイヌで観察された歴史的な肝ノルエピネフリン滴と比較して、血管内アブレーション除神経処置は、肝臓との交感神経伝達を破壊する際に72〜95%有効であると推定された。
(E.実施例5)
肝動脈および周囲構造を表す数値モデルをCOMSOL Multiphysics 4.3で解剖学的、熱的、および電気的組織特性を使用して構築した。熱的および電気的特性は温度の関数である。電気伝導度(シグマまたはσ)は、一般的に、生理的温度(T0)で測定した電気伝導率をσ0とし、温度をTとすると、σ=σ0e0.015(T−T0)に従って変化する。図126A〜図126Dを参照して、肝動脈内腔、胆管12605、および門脈12610を表す領域を含めたモデルの幾何学的形状を評価した。胆管12605および門脈12610は、接地構造としてモデル化され、電流へのこれらの構造の効果を強調した。肝臓血流および肝動脈および門脈12610からの相対的寄与を計算することにより、肝動脈における流速が他の動脈(例えば、腎動脈)における流速よりも有意に低いことを決定した。一実施形態では、肝動脈に対する推定流速は139.5mL/分であった。上記のモデルを使用して、単極および双極電極構成に対して独立した解が最初に得られた。総肝動脈に対応する幾何学モデルを作成し、バイオヒート方程式
を用いてCOMSOLで時間依存解を計算した。これは、一実施形態では、組織内の温度勾配、血液灌流、関心のある幾何学的領域に入る血液温度、およびRFエネルギー堆積の関数としての発生熱(qm)の関数として、モデルの任意の点における温度を関連付ける。
図126Aおよび図126Bは、胆管12605および門脈12610の導電性が接地(図126A)および説明(図126B)された単一電極を用いた総肝動脈におけるRFエネルギー堆積の幾何学モデルを示す。図126Bに示されるように、胆道および門脈の伝導度は、単一の電極12615が使用されたときにアブレーションエネルギーが移動する位置に影響を及ぼす可能性がある。図126Cおよび図126Dは、胆管12605および門脈12610の導電性が接地(図126C)および説明(図126D)された双極電極構成12615に対する総肝動脈におけるRFエネルギー堆積の幾何学モデルを示す。
本発明の一実施形態によれば、電場の形状および結果として生じる熱アブレーション12620は、(図126Aおよび図126Bに示されるように)胆道および門脈の導電性のために単極アブレーションモデルにおいて著しく影響を受けた。(図126Cおよび図126Dに示される)双極アブレーションモデルに対する電場および結果として生じる熱アブレーション12620の形状において、胆道および門脈の導電性による最小限の影響(例えば、成形効果)が観察された。一実施形態によれば、一対の双極電極を、動脈の内腔に実質的に接する位置に配置されるようにモデル化し、それぞれの個々の電極は20度の弧長を有し、電極間の間隔は10度である場合、図126Aおよび図126Bが得られた。一実施形態では、電極のエッジは、電流密度を低減するのに十分な半径(0.001インチ未満)を有する。いくつかの実施形態では、双極構成は、胆管および門脈の総肝動脈への近接による胆管および門脈の導電性の影響にもかかわらず、アブレーションゾーンの顕著な成形効果なしに、効果的なアブレーション(例えば、肝動脈の熱アブレーション)を有利に提供する。
(F.実施例6)
実施例5で上述したのと同じ双極構成モデルを用いて、(例えば、血流のみによって提供される)対流冷却によるアブレーションに対して、および能動冷却(例えば、7℃のクーラント)を組み込んだアブレーションに対して、独立したモデリング解が得られた。モデルは、内腔(内皮)界面に対応する位置で有意に低下した温度を示した。より高いパワー(45%高いパワー)が能動冷却モデルに送達された。能動冷却モデルにより高いパワー(例えば、45%高いパワー)が送達されたとしても、総肝動脈の内皮領域は冷えたまま(例えば、内腔から1mmまでは温熱温度未満)であった。熱アブレーションゾーンの効果的な成形はまた、能動冷却モデルにおいて半径方向に向けられたより直線的な形状に向けられた。いくつかの実施形態によれば、冷却パワーが増加し、RFパワーが増加すると、線形成形効果が拡大され、それにより、アブレーションゾーンが、(例えば、より標的位置の方へ)方向付けられるか、または「プログラムされる」ことを可能にすることが観察された。
(G.実施例7)
図126Aおよび図126Bに関連して先に説明したものと同様のCOMSOLモデルを使用すると、血流の冷却効果は、アブレーション処置が組織を気化させることなくより深く達成することを可能にするので、血流の冷却効果はアブレーション処置の成功に重要な役割を果たすことが観察される。文献は、総肝動脈における流速のかなりの変動を報告している。さらに、処置中に動脈の突然の収縮が起こることがあり、これはアブレーションの結果を大きく変える可能性がある。以下の例では、リアルタイムに肝動脈の血液流量を知ることの重要性が定量的に示されている。そうするために、アブレーションパラメータ(例えば、組織内で到達した最高温度および内腔から6ミリメートルでの温度)を、総肝動脈における流速と関連付ける結果が、本発明の一実施形態に従って提示される。リアルタイムに流量を測定することにより、アブレーション中のパワーの調節が可能になる。
いくつかの実施形態によれば、成功した(「有効な」)アブレーションの定義のための1つの基準は、組織内のどこに到達する最高温度も、組織へのエネルギーの印加中の任意の時点で98℃未満である。この温度閾値は、組織のインピーダンスを増加させるだけでなく、副次的な損傷を引き起こす可能性のある組織蒸発を有利に回避し、それによって潜在的に損傷の大きさを予測不能にすることができる。さらに、いくつかの実施形態によるアブレーションが成功するためには、内腔から6ミリメートルの距離で少なくとも2分間、少なくとも50℃の温度が達成されなければならない。これらのパラメータは、肝動脈周囲の大部分の神経の位置(例えば、動脈内腔から約4mmの距離)での細胞死の増大した信頼性を提供することができる。
いくつかの実施形態によれば、(いくつかの実施形態では)損傷は円錐形または切頭円錐形を有しているので、肝臓神経の成功したアブレーションは、神経が主に内腔から4mmに位置しているにもかかわらず、6mmの深さを有するものとして画定される。もし我々が正確に4mmで最大を取るならば、そのような深さでの損傷の直径は非常に小さいかもしれない。6mmでの最大温度を考慮に入れることにより、(図127に示されるように)比較的広い範囲に対してそのような温度に4mmで到達することが保証されること可能となる。
シミュレーションからのデータは、所与の流速値に対して、深さ4mmの所望の損傷サイズを有するために、パワーが何であるべきかを推定することを可能にする。いくつかの実施形態によれば、損傷を達成するための2つの主な戦略がある:1)最大パワー−最小時間、および2)最小パワー−最大時間。第1の戦略は、組織が気化することなく到達することができる最大値に近い温度を推奨し、それによってアブレーションの合計時間を最小にする。第2の戦略では、損傷の端部の温度は比較的低く維持されるが、アブレーションは(アレニウスの式に従って)熱の累積効果が組織の死を引き起こすのに長い時間を要する。総肝動脈のアブレーション中の問題の1つは、呼吸による運動であるため、電極移動のリスクを最小限に抑えるか、さもなければ低減することが妥当であるため、第1の戦略(最大パワーおよび最小時間)を用いることが有利である。さらに、臨床医は一般的に、患者のリスクを軽減するために、より短い処置時間を好む。
いくつかの実施形態では、エネルギーまたは電力送達は、呼吸サイクル中の電極の非対称運動による温度またはインピーダンス測定値を使用する呼吸に基づいてゲート制御されてもよい。電極は、呼吸サイクル(呼気)の約2/3の間、比較的静止したままであることができ、この期間中、電極と接触する組織は、温度が上昇する。呼吸サイクル(吸気)のもう3分の1の間に電極が動いているとき、組織は冷却可能である。温度の変化は監視され、電極へのRFエネルギーの送達をゲート制御するために使用することができ、その結果、電極が静止しているとき(例えば、呼気中)のみエネルギーが送達されるか、または電力がこの期間中に増加して、所望の平均電力レベル(例えば、10ワット)を維持する。組織のインピーダンスは温度によって変化するので、インピーダンス測定値は(代替的にまたは温度との組み合わせで)監視され、エネルギー送達を開始および停止するために使用することができる。温度および/またはインピーダンスの測定値の変動が検出されない状況では、電力は一定の割合で送達されることができる。
電力出力が呼吸と同期されるこのような実施形態では、RFジェネレータのランプは、ほぼ瞬間的な電力の上昇を達成するように調節されてもよい。この調節は、ジェネレータのランピングアルゴリズムを変更することによって行うことができる。いくつかの実施形態では、ジェネレ−タは、0.5秒未満の内に1W未満の電力出力からピーク電力出力までランプアップするようにプログラムされてもよい。いくつかの実施形態によれば、電力出力と呼吸との同期化は、血管(例えば、総肝動脈)内の血流が最大になる時間フレームを利用し、それによって電極および血管壁の冷却を強化し、カーリング、ノッチング、および血管攣縮を低減することができる。
図128は、動脈流速の関数として気化を生じることなく印加可能な最大パワーを表す。曲線は、直径2ミリメートルの電極を用いて、4〜5分のアブレーションの前提に基づいて生成される。いくつかの実施形態では、蒸発を避けるために、温度を約97℃未満に維持し、損傷温度を少なくとも2分間、47℃の最低温度に維持する。場合によっては、数秒間約60℃の温度で組織死を引き起こすこともある。いくつかの実施形態によれば、組織蒸発を引き起こすことなく、損傷全体を通して50℃よりもかなり高い温度に到達することはできない。
図128に示されるように、流量が増加するにつれて、非常に低いレベルの流量および流量が約0.6m/秒の安定期では、最大出力が急激に増加する。安定期は、血液の冷却能力が飽和点に達するという事実に少なくとも部分的に基づいている。したがって、より高いレベルの流量であっても、電力を増加させることはできない。肝動脈内の典型的な流速は、一般的に0.5m/秒以下である。アブレーション中に流速値は、予期せずして容易に低下する可能性がある(例えば、カテーテルが血流の一部を妨害する場合)。
これは、実際には、肝動脈アブレーションは、図128の曲線の左側部分によって表される条件に基づいて行われることを意味する。曲線のこの領域では、最大パワーは、流量のわずかな変動と共に大きく変化する。いくつかの実施形態では、流れを監視することが過度または不十分なパワーを回避するために不可欠であり、その両方はアブレーションを失敗させる可能性がある。
最大パワーと流量を結ぶ曲線は、以下の式を有する非線形最小二乗曲線フィッティングを用いて(例えば、図129に示されるように)近似することができる。
パワー=K1−K2e(−K3×流量)
ただし、K1=11.27、K2=10.28、K3=151.59
以下の表は、いくつかの実施形態に対して、ピーク温度(典型的には電極の表面から約1mm)および動脈内腔から約6mmの両方における、RF電力印加の異なる時間間隔に対する温度のばらつきを示す。いくつかの実施形態では、120秒〜300秒の間の温度ばらつきは最小であるが、損傷の端部の温度が比較的低い(50℃よりわずかに低い)ので、いくつかの実施形態によれば、組織死を引き起こすために少なくとも240秒間持続するアブレーションを使用することができる。
表1:肝動脈血流の様々な度合いに対する許容される電力と時間との組み合わせ
(例えば、気化なしの基準と、血管内腔から6mmの位置で約50℃の最低温度とを使用して)上記の非限定的なシミュレーションから、4mmの深さの損傷を可能にし、気化を回避する最小流速は、約0.01m/秒である。したがって、治療を開始する前に、流れが適切であることを保証するために、処置の前に肝動脈内の流れを測定することが有利である可能性がある。このような流速未満では、他の形態の冷却(例えば、内部電極の冷却または動脈の灌流)を追加する必要があるかもしれない。
(H.実施例8)
肝動脈は、成人の平均推定直径が4mmである。血管内アブレーションでは、この直径は、使用することができる電極のサイズを制限する。肝動脈の外膜内の深さ約4mmの損傷に到達するのに最適な電極の大きさを調べるための研究が行われた。
本発明の実施形態によれば、モデルは、それぞれ直径1、2、3ミリメートルの活性球状電極を有する単極設定で行われるアブレーションを想定する。モデルはまた、一実施形態において、電極が0.1m/秒の速度を有する血流によって外部冷却され、中膜が2ミリメートルの厚さを有し、25Vが最小接触力と共に3分間印加されると仮定する。図130は電極サイズによる温度変化の傾向を示す。
いくつかの実施形態では、電極サイズが変化するとき、損傷の大きさに影響を及ぼす2つの要因がある。第1の要因は、電極に隣接する領域においてより密度が高くなる傾向のある電界線であり、これは、より小さい電極の近くでより高い温度を引き起こし、電極からの距離に伴ってより急速な減少を引き起こす可能性がある。この効果が支配的であった場合、電極サイズが大きくなるにつれて、所与の電力レベルに対して温度は低下する。
第2の要因は、血流の冷却作用である。いくつかの実施形態では、電極の直径は、動脈の直径と同等の大きさであり、したがって、より大きな電極は、血流の一部を遮断または閉塞し、それによって電極のサイズが増加するにつれて温度の上昇を引き起こす。
総肝動脈の場合、第2の要因が第1の要因をわずかに支配することがあり、電極サイズが増加するにつれて温度がわずかに上昇することがある。
この研究は、直径3ミリメートルの電極に限定された。直径は、完全閉塞を避けるために肝動脈の直径に基づいて選択された。種々の実施形態において、電極直径は、電極自体による完全な閉塞を防止または抑制し、および/またはピーク温度を低下させ、それによって気化点の到達を防止または抑制するように選択される。
いくつかの実施形態によれば、本明細書に記載のシステムおよび方法は、広範囲の解剖学的および生理学的条件(例えば、動脈内腔径、血流速度、組織組成など)にわたる神経調節(例えば、神経妨害)を制御し、それは損傷の幾何学的形状に影響を与える。いくつかの実施形態によれば、肝動脈の除神経のために、初期条件および境界条件(例えば、血流速度、動脈内腔径、呼吸運動)に影響されない(例えば、頑強な)エネルギー送達戦略を定義することが特に有利である。これは、解剖学および生理学が患者間および術中の両方で腎動脈よりも有意に変化する可能性がある肝臓の除神経にとって特に当てはまる可能性がある。例えば、肝動脈は、空気を通した各呼吸サイクル中に最大5cmまで動くことができ、電極の位置および動脈の血流の変動をもたらす。患者の約60〜75%のみが正常な肝動脈の解剖学的構造を示していることが観察され、ヒトの死体における病理学的研究により、組織組成(特に、肝動脈領域の内臓脂肪の程度)が被験体間で有意に変動する可能性があることが示されている。
いくつかの実施形態では、血管内アブレーション処置の進行を評価するための手段が提供される。電極先端温度制御を用いて制御されるアブレーションは、治療領域内における対流冷却の量に基づいて変動する可能性があり、高い冷却環境の場合、より多くのエネルギーが標的組織に送達され、より大きな損傷をもたらすことができ、低い冷却環境の場合、より少ないエネルギーが標的組織に送達され、より小さな損傷をもたらすことができる。種々の実施形態において、適切な安全監視機能および温度、インピーダンス、または二次制御手段としての他のフィードバック制御方式を含む、一次制御方法としてオープンループエネルギー制御を採用することが望ましい場合がある。オープンループ制御アルゴリズムは、過去のin vitroおよびin vivo研究に基づいて(例えば、データマイニング技術を用いて)開発されているため、安全かつ効果的な治療開始点を保証することができ、その後、フィードバック信号に基づいて調節することができる。
一実施形態では、安全かつ迅速かつ確実に肝臓の除神経を達成する特定の出力および温度制御アルゴリズムが記載される。in vitroおよび/またはin vivo試験に基づいて、既知のレベルの一定のRF電力印加に対する標的組織の温度応答が特徴付けられる。次いで、エネルギーは、最初に、第1の設定期間の間、最大初期電力で送達され、定常状態の組織温度が所与の定常状態電力で達成されるまで、電力がある設定量だけ減少されるなどの第2の設定期間が続く。インピーダンスと温度との間の既知の関係を使用して、組織インピーダンスの顕著な増加を使用して、予測不可能な非常に非線形性の結果を防止または抑制するために、印加電力を減少させるか、またはエネルギー送達を終了させることができる。いくつかの実施形態では、規定されたインピーダンス降下が達成され、処置の期間全体を通して維持されるように、電力を印加することができる。
いくつかの実施形態では、電極先端温度測定値が電源遮断限界として使用され、および/または血流速度の推定値を提供するために使用され、それに応じて目標電力およびインピーダンスレベルを調節する。
所与のポイント位置でのRF電力レベル(1W〜5W)の範囲に対する理想化された組織応答が図131に示される。いくつかの時間期間に対して、t<tssでは、時間の関数として直線的に温度が上昇し、供給される電力によってdT/dtが規定される。生物学的組織では、周辺組織への伝導による熱損失、血流、および灌流により、組織温度は一般的に、時間とともに定常値に近づく。理想的には、より高い定常状態の温度をより速く達成するために、単に電力を増加させるだけである。しかしながら、生物学的組織は、気化温度(例えば、〜100℃)に近い温度では高度に非線形である温度依存性を有するので、温度の進行および結果として生じる損傷のサイズは非常に変動し、予測不可能である(例えば、図134参照)。
いくつかの実施形態によれば、定常状態の温度を最大にするか、さもなければ上昇させ、それらに到達する速度を増加させるために、(例えば、図135に示される)デクリメントされた電力送達アルゴリズムが提供される。サイクル0(n=0)では、最大電力Pmaxが時間期間t1の間に印加され、ここで、Pmaxは、組織蒸発を引き起こすことなく制御可能な時間期間に送達されることができる最大電力であり、t1は、蒸発を引き起こすことなくPmaxが送達されることができる最大時間である。t=t1に対応するサイクル1(n=1)では、印加された電力はPmax−ΔPにデクリメントされ、蒸発を引き起こすことなくPmax−ΔPが送達されることができる最大時間に対応する期間t2の間印加される。このデクリメントアルゴリズムは、nサイクルにわたって継続することができ、各サイクルnにおける送達された電力がPmax−nΔPであり、電力印加時間tnが蒸発を引き起こさずにPmax−nΔPを供給可能な最大時間に対応する。
Pmax、ΔP、およびt1、...、tnは、組織の気化が回避されることを一般的に保証するこれらのパラメータに対するレベル(気化を避けるために、Pmax、ΔP、およびt1、...、tnに対して99%の信頼性、95%の信頼性下限値)を選択するように使用される統計的方法によって、文献で報告された適切なin vitroおよびin vivoモデルおよびデータを用いて経験的に決定することができる。
ΔPは、後続のサイクルで変化する可能性があり、ここでは簡潔さのために単一の変数として記載される(それは、2つ、3つ、4つ、またはそれよりも多い変数となる可能性がある)。いくつかの実施形態では、定常状態の電力が漸近的に近づくにつれて、各後続サイクルでΔPが減少(およびtnが増加)する。図136に記載されたアルゴリズムは、一実施形態において、気化を引き起こすことなく、または予測不可能な非線形組織応答を誘発することなく、持続可能な最大の加熱電力を組織に送達するという効果を有する。
いくつかの実施形態では、オープンループのアプローチは、過去に得られたデータに基づく良好な経験的アプローチを提供するが、臨床的に遭遇する解剖学的および生理学的変動を説明しない可能性がある。上述したコアとなるまたは主要なエネルギー送達アルゴリズムを各固有の臨床状況に合わせるために、ある程度のフィードバック制御が望ましい場合がある。例えば、高冷却環境では、(より多くのエネルギーが対流によって運び去られるので)より少ないエネルギーが標的組織に供給されてもよく、あるいはまた、低冷却環境では、より多くのエネルギーが標的組織に送達されてもよい。組織組成のばらつきのために、一部の組織は、他の組織よりも速く蒸発または壊死に達し、非線形効果をもたらすことがある。
インピーダンスは、(例えば、図134に示されるように)一般的に温度に関連しているので、電極を取り囲む組織のバルク温度の代用としてインピーダンスを使用することができる。初期加熱期間中の(図133に示される)インピーダンスの特性低下Δz1は、効果的な加熱を示すが、一方、この初期期間後のインピーダンスの増加Δznは、非線形効果および気化を示す可能性がある。いくつかの実施形態では、非線形効果および気化は回避される。
インピーダンスベースのフィードバック制御をオープンループ電力制御アルゴリズムと重ね合わせるためのアルゴリズムの一実施形態が、図134に示されている。いくつかの実施形態では、このアルゴリズムの効果は、一般的に、第1のサイクルでインピーダンスの所望の低下を達成するために、Pmax(図132に表される曲線)を上方にシフトさせることである。続くサイクルでは、オープンループアルゴリズムによって規定された所定の時間期間(tn)が経過した後、または閾値インピーダンスの上昇(Δzn)が検出されるまで電力を減少させることができ、その後、気化を避けるために電力をさらに減少させることができる。いくつかの実施形態では、RF電力送達は、閾値インピーダンスの上昇の検出時に中断されるか、さもなければ終了させる。
Δz1は、基準インピーダンス値に対する標的のインピーダンスとして可変に定義することができ(例えば、標的のインピーダンス150Ωおよび初期インピーダンス210Ω、Δz1=60Ω)、または代替的に、組織へのエネルギー送達の開始時に測定されるインピーダンスに対して厳密に定義することができる(例えば、治療または処置の開始時のインピーダンス測定値からΔz1=50Ωの固定値)。同様に、Δznは、絶対値として定義することができるか、または標的のインピーダンス値に対してスケーリング(例えば、標的のインピーダンス値から10%の偏差と)することができる。
いくつかの実施形態におけるインピーダンス測定の忠実度を改善するために、偽陽性制御信号をトリガするインピーダンス測定におけるノイズを避けるために、フィルタリングまたは平均化計算(例えば、窓平均または他のフィルタ)を実施することが望ましい可能性がある。
RFジェネレータの設計は、一般的に、電圧および電流を測定することによって電力およびインピーダンスを計算する(P=VIおよびV/I=R)。システムのリアクタンスのために、この測定値は誤っている可能性があり、肝動脈または他の標的動脈、血管、または組織を取り囲む神経の不適切な処置(例えば、アブレーション)をもたらす。
リアクタンス、RF回路内のキャパシタンスおよびインダクタンスの結果は、(図136に示されるように)位相シフトにつながる可能性があり、標的組織内の電圧および/または電流は、RFジェネレータによって測定された電圧および/または電流からオフセットされる。測定された実際の電圧と電流が異なる場合、治療の進行は未知であり、広範囲のエネルギー制御アルゴリズム用の制御変数として電力とインピーダンスが使用されるため、予期しない結果につながる可能性がある。測定された電力およびインピーダンスは、しばしば実際の値と10%ほど異なる可能性がある。
インダクタンスは、一般的に、電極リード線の蛇行の結果であり、アブレーション処置のためには、一般的に無視される。生物学的組織において、静電容量は、電極シャフト(または「電極リード線」)と、電極シャフトまたは電極リード線の非治療部分の周りに概して配置された絶縁誘電体を横切る組織との間の容量結合の結果である可能性がある。組織内のイオンは、電極の極性の変化に応答して移動するが、静電容量はRFジェネレータの駆動電圧に対するイオンの流れの離散的な遅延をもたらし、位相シフトとして現れる。組織レベルでは、静電容量は、組織の変動する組成により発生する可能性がある。例えば、肝動脈を取り巻く門のシース内に配置された、脂質、脂肪、および他の非伝導性組織は、組織を通るイオンの流れに離散的な遅延を引き起こす局部的な静電容量につながる可能性があり、位相シフトにも寄与する可能性がある。一実施形態では、位相シフトは、米国特許出願公開第2012/0095461号明細書(例えば、段落0050〜0089)に記載されているバイリニア変換などのバイリニア変換を採用することによって説明することができ、これは参照として本明細書に援用される。負荷における位相および大きさの変化を正確に説明することにより、電力およびインピーダンスをより正確に測定することができ、肝動脈を取り囲む神経のより効果的な治療(例えば、アブレーション)につながる。
ここで再び図135を参照すると、治療中のチップ温度を監視する機能は、図示されない。先端温度測定値は、(例えば、閾値温度に達すると、RF電力送達を終了させるために)フィードバック信号として使用することもできる。いくつかの実施形態では、所与の出力レベルで先端温度が血流速度の関数であるという事実を利用して、Pmaxを同様に上下に調節することができ、利用可能な対流冷却パワーに基づいて有効エネルギー送達を増加(例えば、最大化)させ、これは、電極を熱線風速計流量センサに効果的に変換する。
単極構成のインピーダンス変化を監視する能力は、これまでには認識されておらず、血管内アブレーションのために、インピーダンス制御アルゴリズムは双極電極構成に対してのみ有用であると一般的に考えられていた。バイポーラ構成で加熱された組織の領域は比較的限定された領域に制約されるので、システムのインピーダンスは、一般的に加熱領域のインピーダンスとみなされる。しかしながら、加熱領域のインピーダンスは、単極構成についても決定することができる。生物学的組織を通る抵抗経路は、一般的にバルク特性と見なされるが、単極構成については3つの成分に分解することができ、各成分の代表値が図137に強調表示される。
1)血液の抵抗(Rblood)
2)バルク組織の「背景」または「遠隔」抵抗(Rremote)
3)単極電極(標的組織)近傍の組織の抵抗、Rtissue。
いくつかの実施形態では、背景組織および血液によってもたらされるインピーダンスの成分を差し引くことによって、より敏感なインピーダンス測定治療組織領域を得ることができ、それによって単極構成におけるインピーダンス制御の精度および適用性を改善する。非標的組織に堆積したパワーを差し引くことにより、標的組織に送達されるエネルギーのより信頼できる推定値を得ることができる。
図138に示されるように、組織インピーダンスの重要な変化は、肝動脈アブレーション中に、抵抗の大部分「DC」成分を差し引き、局所組織応答によって駆動される可変成分に焦点を当てることによって実証されている。
いくつかの実施形態によれば、上記の治療制御アプローチは、血流の変動からの電極先端温度測定値の効果的な「デカップリング」を予想外に提供する。電極先端温度制御アルゴリズムを使用して、出力電力は、ほぼ一定の電極先端温度を維持するように調節することができる。電力は、その後、血流による対流冷却の事実上の測定値となるが、制御された出力であるので遅れ指標となる可能性がある。上述した電力制御アルゴリズムを実施することにより、電極チップ温度センサは、他の機能を実行する(例えば、1)過度の温度に達した場合に電力を遮断するための安全信号を提供し、血栓または痂皮の形成を回避する、または2)所与の電力印加のために達する定常状態の温度は、血流の先導指標として使用することができ、これはまた、組織に送達される電力の全体レベルを概して増加または減少させるために使用することができる(例えば、Pmaxを増加または減少させる))ために「解放」することができる。
本明細書に記載の装置、システム、および方法は、主に糖尿病(例えば、真性糖尿病)の治療に取り組んでいるが、心室頻拍症、心房細動、心房粗動、炎症性疾患、内分泌疾患、肝炎、膵炎、胃潰瘍、胃運動障害、過敏性腸症候群、自己免疫疾患(クローン病など)、肥満症、テイ・サックス病、ウィルソン病、NASH、NAFLD、大脳白質萎縮症、多嚢胞性卵巣症候群、妊娠糖尿病、肥満症、甲状腺疾患、および他の代謝障害、疾患、または状態は、本明細書に記載の装置、システム、および方法を用いて治療することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、以下の組織調節用手段(例えば、アブレーションまたは他のタイプの調節、カテーテル、または送達装置)、エネルギー送達用手段(例えば、ジェネレータまたは他のエネルギー発生モジュール)、エネルギー送達部材または他の治療要素の配備手段(例えば、引張ワイヤ、予め形成された形状記憶材料、引き込み可能なシース、延長部材)などのうちの1以上を含む。
いくつかの実施形態では、システムは、(複数の構成とは対照的に)単一の構成として存在する様々な構成を含む。例えば、一実施形態では、システムは、単一のエネルギー送達部材(例えば、高周波電極)を有する単一のアブレーションカテーテルを含む。単一の熱電対(または温度を測定するための他の手段)も含めることができる。別の実施形態では、複数の構成またはコンポーネントが提供される。
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された様々な例示的な論理ブロック、モジュール、および回路(例えば、ジェネレータ)は、本明細書に記載の機能を実行するように設計された、汎用プロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または他のプログラマブルロジックデバイス、ディスクリートゲートまたはトランジスタロジック、ディスクリートハードウェアコンポーネント、またはそれらの任意の組合せによって、実装または実行されることができる。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサとすることができるが、代替として、プロセッサは、任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械とすることができる。プロセッサはまた、コンピューティングデバイスの組み合わせ(例えば、DSPとマイクロプロセッサとの組み合わせ)、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと組み合わせた1以上のマイクロプロセッサ、または他のそのような構成として実装されることもできる。
本明細書に開示された実施形態に関連して説明された方法およびアルゴリズムのブロックは、ハードウェア内に直接、プロセッサによって実行されるソフトウェアモジュール内に、またはその2つの組み合わせの中に具現化させることができる。本明細書で説明したモジュールは、メモリに格納された構造的ハードウェア要素および/または非構造的ソフトウェア要素(例えば、処理装置またはコンピューティングデバイスによって実行可能なアルゴリズムまたはマシン可読命令)を含むことができる。メモリまたはコンピュータ可読記憶媒体は、RAMメモリ、フラッシュメモリ、ROMメモリ、EPROMメモリ、EEPROMメモリ、レジスタ、ハードディスク、リムーバブルディスク、CD−ROM、または当技術分野で既知のコンピュータ可読記憶媒体を含むことができる。本明細書に記載の任意の方法は、メモリに格納され、1以上のプロセッサまたは他のコンピューティングデバイスによって実行されるソフトウェアコードモジュール内に具現化され、ソフトウェアコードモジュールを介して、部分的または完全に自動化されることが可能である。本方法は、有形のコンピュータ可読媒体から読み取られたソフトウェア命令または他の実行可能なマシン可読コードの実行に応答して、コンピューティングデバイス上で実行されてもよい。有形のコンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムによって読み取り可能なデータを格納することができるデータ記憶装置である。コンピュータ可読媒体の例には、読み取り専用メモリ(例えば、EEPROM)、ランダムアクセスメモリ、他の揮発性または不揮発性メモリデバイス、CD−ROM、磁気テープ、フラッシュドライブ、および光学データ記憶デバイスが含まれる。記憶媒体は、プロセッサに有利に結合することができ、プロセッサは、記憶媒体から情報を読み取り、記憶媒体に情報を書き込むことができる。あるいは、記憶媒体は、プロセッサに一体化することができる。
例えば、本発明の実施形態に係る選択されたタスクを実行するためのハードウェアは、チップまたは回路として実施することができる。ソフトウェアとして、本発明の実施形態に係る選択されたタスクは、任意の適切なオペレーティングシステムを使用してコンピュータによって実行されるアルゴリズムまたは複数のマシン可読命令として実装することができる。一実施形態では、ネットワーク(有線または無線)接続が提供される。ディスプレイおよび/またはユーザ入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ユーザ作動可能入力、トラックパッド)がオプションとして提供されてもよい。
特定の実施形態および実施例が本明細書で説明されてきたが、本開示で示され説明された方法および装置の態様は、さらに別の実施形態を形成するために異なるように組み合わされる、および/または修正されてもよい。さらに、本明細書に記載の方法は、記載されたステップを実行するのに適した任意のデバイスを使用して実施することができる。いくつかの実施形態は、添付の図面に関連して説明されている。しかしながら、図は縮尺通りに描かれていないことを理解すべきである。距離、角度などは単なる例示であり、必ずしも図示の装置の実際の寸法およびレイアウトと正確な関係を有するとは限らない。コンポーネントは、追加、削除、および/または再配置できる。さらに、様々な実施形態に関連する任意の特定の構成、態様、方法、特性、特徴、本質、属性、要素などの本明細書の(図面を含む)開示は、本明細書に記載される他のすべての実施形態において使用することができる。例えば、1つの図に記載された構成は、他の図に示された実施形態と共に使用されてもよい。ある方式で具現化または実行された実施形態は、他の利点を必ずしも達成することなく、本明細書に教示されているように、1つの利点または利点のグループを達成することができる。本明細書で使用される見出しは、単に読みやすさを高めるために提供されたものであり、特定のセクションに開示された実施形態の範囲を、そのセクションに開示された構成または要素に限定することを意図するものではない。
実施形態は様々な修正および代替形態の影響を受けやすいが、それらの特定の例が図面に示されており、本明細書で詳細に説明されている。しかしながら、実施形態は、開示された特定の形態または方法に限定されるものではなく、逆に、実施形態は、記載の様々な実施形態および添付の特許請求の範囲の主旨および範囲内に入るすべての修正形態、均等形態、および代替形態を網羅するものであることを理解すべきである。本明細書に開示された任意の方法は、記載された順序で実施される必要はない。本明細書に開示された方法は、実践者によって取られた特定の行為を含むが、明示的または暗示的に、第三者による行為の指示を含むこともできる。例えば、「肝動脈内に神経調節カテーテルを送達する」などの行為は、「肝動脈内に神経調節カテーテルを送達することを指示する」ことを含む。
本発明の様々な実施形態は、範囲形式(レンジフォーマット)で提示されてきた。範囲形式の記載は、単に利便性および簡便性のためのものであることを理解すべきであり、本発明の範囲に対する柔軟性のない限定として解釈されるべきではないことを理解すべきである。本明細書に開示された範囲は、任意のおよびすべての重複、部分範囲、およびそれらの組合せ、ならびにその範囲内の個々の数値を包含する。例えば、約5〜約30分などの範囲の記述は、5〜10度、10〜20分、5〜25分、15〜30分などの部分範囲、ならびにその範囲内の個別の数値(例えば、5、10、15、20、25、12、15、5、およびそれらの間の任意の全体および部分増分)を具体的に開示したとみなされるべきである。「〜まで」、「少なくとも」、「より大きい」、「より小さい」、「〜の間」等のような言葉は、記載された数字を含む。「約」または「およそ」などの用語の前に付された数字には、記載された数字が含まれる(例えば、「約3mm」には「3mm」が含まれる)。本明細書で使用されるような「約」、「およそ」、および「実質的に」という用語は、依然として所望の機能を果たすか、または所望の結果を達成する記載量に近い量を表す。