JP2017535276A - 細胞培養培地延長材料及び方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、経時によって、栄養素を細胞培養環境内へゆっくりと放出することができる細胞培養培地延長材料を提供する。実施形態において、この材料は、細胞培養容器の一部である。実施形態において、本材料は、細胞培養材料の表面上のコーティング又はフィルムである。さらなる実施形態において、本材料は、細胞培養容器又はマイクロキャリアなど、細胞がその上で培養される表面である。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、その内容が依拠され、その全体がここに参照することによって本願に援用される、2014年11月25日出願の米国仮特許出願第62/084356号の米国法典第35編特許法119条に基づく優先権の利益を主張する。
本開示は、細胞培養の持続時間を延長するのに適した環境を提供するための、培養細胞への栄養素の持続的かつ制御された供給に有用な材料に関する。
細胞培養系において、細胞が培養物中で生存するために必要とする栄養素は、細胞が浸かる液体培地中に存在する。長期間、静置培養において細胞を維持するために、長期にわたって細胞に供給するのに十分な濃度の栄養素が培地に供給される。しかしながら、栄養素は、時間経過とともに分解する。例えば、必須アミノ酸のグルタミン、及びエネルギー代謝に必要なグルコースが、細胞培養培地に供給される。これらの栄養素は、時間経過とともに分解する。これらの栄養素の分解は、栄養素自体の濃度の影響を受けうる。グルタミン及びグルコースなどの栄養素の分解生成物は、細胞に対して毒性でありうる。
したがって、細胞培養寿命を延長するために細胞培養培地に比較的高濃度の栄養素を供給することにより、栄養素が時間経過とともに分解するにつれて、細胞に対して毒性となる培地を生じうる。これらの影響は、細胞培養の寿命を制限しかねない。
本開示は、隔離又は捕捉された細胞培養栄養素を有し、かつ、より長い期間、培養物中の細胞を支援する、制御かつ持続された方法での栄養素の放出のための機構を提供する、培地延長材料を有する、細胞培養物に曝露される表面を提供する。実施形態において、培地延長材料は、時間経過とともに細胞培養栄養素を放出することができる、細胞培養表面に施されたコーティング又はフィルムである。実施形態において、本明細書に開示される培地延長材料は、水性環境において50質量%未満の水に膨潤するポリマーであり、該ポリマーは、栄養素と混合される、又は捕捉された栄養素を有する、又は栄養素を含む。実施形態において、栄養素は、結晶又は固体の形態でポリマー内に捕捉又は隔離される。
さらなる実施形態において、本開示は、培地延長材料を有する細胞培養表面の存在下で、細胞を培養する方法を提供し、ここで、ポリマーマトリクス内に捕捉された栄養素は、水性培地の存在下で溶解し、培地内へゆっくりと放出される。栄養素が水性環境中に溶解する場合には、浸透圧ポンプがポリマーマトリクス内のポケットに作り出され、栄養素がポリマーポケットのより濃縮された環境から培地内へと流入可能になりうる。ポリマーマトリクス内のこの栄養素の隔離により、細胞培養容器を開けずに、培地内への栄養素のゆっくりとした導入が可能となる。この隔離により、高濃度では細胞に対して直接的に又は間接的に毒性になりうる栄養素の低濃度の存在下で、静置培養又は動的培養条件での細胞培養が可能になる。
実施形態において、本開示は、細胞培養培地延長材料を含む表面を有する細胞培養容器を提供する。実施形態において、細胞培養培地延長材料は、コーティング又はフィルムであってよく、あるいはフィルムのコーティングであってもよい。実施形態において、細胞培養培地延長材料は、少なくとも1つの隔離された栄養素を含んでいる吸湿性ポリマーを含む。実施形態において、細胞培養容器は、少なくとも1つの細胞培養コンパートメントを含み、各細胞培養コンパートメントは、ベッド、天井、及び少なくとも1つの壁を備えている。実施形態において、細胞培養培地延長材料は、細胞培養コンパートメントのベッド、天井又は壁の上、若しくは、ベッド、天井又は壁の組合せ上に存在する。
実施形態において、本開示は、吸湿性ポリマーと少なくとも1つの栄養素とを含む細胞培養培地延長材料を提供する。実施形態において、細胞培養培地延長材料は、細胞培養容器の一部又はマイクロキャリアの一部を形成する。実施形態において、吸湿性ポリマーはEVAを含み、少なくとも1つの栄養素は、グルコース、グルタミン又はグルコースとグルタミンの組合せである。
実施形態において、本開示は、(a)細胞培養培地延長材料を含む細胞培養チャンバ内に細胞を導入する工程であって、該細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つの隔離された栄養素を含んでいる吸湿性ポリマーを含む、工程;及び、(b)2mM未満のL−グルタミン濃度を有する培地の存在下で、細胞を静置培養でインキュベートする工程を含む、細胞を培養する方法を提供する。実施形態において、グルタミン濃度は0〜1.5mMである。
実施形態の細胞培養容器を示す図 図1Aの面A−Aで切り取った、図1Aに示される細胞培養容器の断面 別の実施形態における、マイクロキャリアの形態の細胞培養表面を示す図 細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った細胞培養容器の断面 細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った細胞培養容器の断面 細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った細胞培養容器の断面 細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った細胞培養容器の断面 細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った細胞培養容器の断面 dPBSの不存在下での細胞培養延長材料の実施形態の画像 dPBSの存在下での細胞培養延長材料の実施形態の画像 別の実施形態における多層の細胞培養容器の一部切り欠き図 多層の細胞培養容器の内面上の材料の5つの実施形態を示す、図5に示される面B−Bで切り取った細胞培養容器の断面 実施形態における、材料の使用方法を示す図 多層フラスコ環境における材料の実施形態の使用方法の実施形態の図 多層フラスコ環境における材料の実施形態の使用方法の実施形態の図 多層フラスコ環境における材料の実施形態の使用方法の実施形態の図 多層フラスコ環境における材料の実施形態の使用方法の実施形態の図 0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地の存在下における、アンモニウム生成に対するグルコース消費を示すグラフ 0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地での増殖96時間後に採取したCHOk1細胞を示すグラフ 0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地での増殖96時間後の1日当たりの1細胞当たりのアンモニウム生成を示すグラフ 経時による、グルコース及びグルタミンを含む材料の実施形態からのmg/cmでのグルコースの放出を示すグラフ 経時による、グルコース及びグルタミンを含む材料の実施形態からのmg/cmでのグルタミンの放出を示すグラフ 経時による、グルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフ 経時による、グルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフ 経時による、別のグルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフ 経時による、別のグルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフ 経時による、別のグルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフ
実施形態において、本開示は、時間経過とともにゆっくりと細胞培養環境内に栄養素を放出可能な細胞培養培地延長材料を提供する。さらなる実施形態では、材料は、細胞培養培地に晒される。実施形態において、この材料は、細胞培養容器の一部である。実施形態において、材料は、細胞培養材料の表面上のコーティング又はフィルムである。さらなる実施形態では、材料は、細胞培養容器又はマイクロキャリアなど、細胞がその上で培養される表面である。
実施形態において、本開示の細胞培養培地延長材料、及び細胞培養培地延長材料を製造および使用する本開示の方法は、例えば以下に論じられるものなどを含む、1つ以上の有利な特徴又は態様を提供する。特許請求の範囲に記載される特徴又は態様は、概して、本発明のすべての面に適用可能である。いずれか1つの請求項に記載される単一又は複数の特徴又は態様は、他の請求項に記載される任意の他の特徴又は態様と組み合わせてもよく、あるいは順番を入れ替えてもよい。
定義
「栄養素」とは、供給源が化学的であるか生物的であるかにかかわらず、細胞培養培地と接触して、細胞の成長又は増殖若しくは細胞による生物活性物質の産生を維持又は促進する、本開示の材料に使用可能な化合物又は成分を指す。「成分」、「栄養素」、「食物(sustenant)」、又は「原料」は、相互に置換可能に用いることができ、これらはすべて、このような化合物を指す。細胞培養培地に使用可能な栄養素としては、例えば、アミノ酸、塩、金属、糖、脂質、核酸、ホルモン、ビタミン、脂肪酸、タンパク質などの物質、又はこれらの組合せが挙げられうる。インビトロ(例えば、細胞培養物中)での細胞の培養を促進又は維持可能な他の原料は、特定のニーズに従って当業者が選択可能である。
「材料」は、実施形態における、本明細書に開示される細胞培養培地延長材料を意味する。
「隔離」とは、ポリマーマトリクス内に捕捉又は混合された固体又は結晶の形態の栄養素を意味する。ポリマーの層の下に捕捉された又はポリマーの層間に捕捉された栄養素もまた「隔離」されている。
「含む(Include,includes)」又は同様の用語は、包含するがそれらに限られない、すなわち、包含的であって排他的ではないことを意味する。
例えば、本開示の実施形態の説明に用いられる、組成物中の原料の量、濃度、容積、処理温度、処理時間、収率、流量、圧力、粘度などの値及びそれらの範囲、又は、構成要素の寸法などの値及びそれらの範囲を修飾する「約」とは、例えば:材料、組成物、複合材料、濃縮物、構成要素部分、製造物品、又は使用配合物の調製に用いられる典型的な測定及び取り扱い手順を通じて;これらの手順における不注意によるエラーを通じて;本方法の実施に用いられる出発材料又は原料の製造、供給源、又は純度の差異を通じて;及び同様のものを通じて生じうる、数量の変動のことを指す。用語「約」はまた、特定の初期濃度又は調合での組成物又は配合物のエイジングに起因して異なる量、及び特定の初期濃度又は調合での、組成物又は配合物の混合又は処理に起因して異なる量も包含する。
「必要に応じた」又は「必要に応じて」は、その後に記載される事象又は状況が生じても生じなくてもよく、かつ、その記載がその事象又は状況が生じる場合と生じない場合の両方を含むことを意味する。
本開示の材料並びに該材料の製造および使用方法は、特許請求の範囲に列挙される構成要素又は工程を含んでよく、それに加えて、材料の基本的な特性及び新規特性に材料的に影響を及ぼさない他の構成要素又は工程、若しくは、特定の装置又は容器の形状、特定の添加剤又は原料、特定の薬剤、特定の構造材料又は構成要素、特定のインキュベーション又は培養条件、又は同様の選択された構造、材料、又は処理変数などの製造又は使用方法も含みうる。
本明細書で用いられる名詞は、他に明記されない限り、少なくとも1つ、又は1つ以上の対象を指す。
当業者によく知られている略語が用いられうる(例えば、時間についての「h」又は「hrs」、グラムについての「g」又は「gm」、ミリリットルについての「mL」、室温についての「rt」、及び、ナノメートルについての「nm」などの略語)。
組成物、原料、添加剤、寸法、状態などの態様について開示される特定の値及び好ましい値、並びにそれらの範囲は、単なる例証であり、他の定められた値又は定められた範囲内の他の値を排除しない。本開示の組成物及び方法は、明白な又は黙示的な中間の値及び範囲を含めて、任意の値又はそれらの値の任意の組合せ、本明細書に記載される特定の値、さらに特定の値、及び好ましい値を含みうる。
細胞培養の成功には、栄養摂取及び代謝廃棄物の蓄積への配慮が求められる。培養中の細胞は、典型的には、水性培地環境で増殖する。細胞は、静置培養、灌流培養、又は混合又は振とう培養において増殖可能である。細胞培養容器内又は細胞培養容器を通る栄養素培地の一定の流れを有しない静置培養条件下で培養される細胞は、長期間、細胞培養培地内にある。細胞培養培地から供給される栄養素は、時間経過とともに、培養細胞によって使い果たされ、副生成物又は老廃物が蓄積される。これらの老廃物は毒性でありうる。
細胞培養培地は、生命維持に必要なアミノ酸、糖、塩、増殖因子、及び、培養中の細胞の健康を維持するために重要な他の原料を含む。細胞培養培地中の重要なアミノ酸原料の1つは、グルタミンである。グルタミンは、時間経過とともに、細胞培養培地中で自然に分解する。細胞培養培地は、通常、それ自体の分解を補償するために過剰のグルタミンを伴って配合される。しかしながら、アンモニウムは、L−グルタミンの自然分解によって生成する。アンモニウムはまた、細胞代謝の結果としても生成される。細胞培養培地中のアンモニウムが多すぎると、培養中の細胞にとって毒性になりうる。フェッドバッチ系は、低持続性のグルタミン濃度の利用によるアンモニウムの形成速度の低下による利益を享受することが実証されている。これは、必要とされる培地の容積を増加し、形成される培養生成物を希釈することによる、頻繁な又は連続的な供給を通じて達成されている。
細胞培養培地は、例えば水性であってよく、「基本培地」の形成のために、例えば、脱イオン水、蒸留水の溶液中に多くの原料を含みうる。任意の基本培地が、本開示の方法に従って用いられうる。基本培地は、例えば、以下の原料のうちの1つ以上を含みうる:アミノ酸、ビタミン、有機塩、無機塩、微量元素、緩衝塩、及び糖。好ましくは、基本培地は、例えば、1つ以上のアミノ酸、1つ以上のビタミン、1つ以上の無機塩、アデニン硫酸塩、ATP、1つ以上の微量元素、デオキシリボース、エタノールアミン、D−グルコース、グルタチオン、N−[2−ヒドロキシエチル]−ピペラジン−N’−[2−エタンスルホン酸](HEPES)、又は1つ以上の他の両性イオン緩衝液、ヒポキサンチン、リノール酸、リポイド酸(lipoid acid)、インスリン、フェノールレッド、リン酸エタノールアミン、プトレシン、ピルビン酸ナトリウム、チミジン、ウラシル、及びキサンチンを含みうる。これらの原料は市販されている。
本開示の培養培地に含まれうるアミノ酸原料としては、例えば、L−アラニン、L−アルギニン、L−アスパラギン、L−アスパラギン酸、L−シスチン、L−システイン、L−グルタミン酸、L−グルタミン、グリシン;L−ヒスチジン、L−イソロイシン、L−ロイシン、L−リシン、L−メチオニン、L−フェニルアラニン、L−プロリン、L−セリン、L−トレオニン、L−トリプトファン、L−チロシン、及びL−バリンが挙げられうる。
本開示の培地に含まれうるビタミン原料としては、例えば、アスコルビン酸マグネシウム塩、ビオチン、塩化コリン;D−Ca++パントテン酸塩、葉酸、i−イノシトール、メナジオン、ナイアシンアミド、ニコチン酸、パラアミノ安息香酸(PABA)、ピリドキサール、ピリドキシン、リボフラビン、チアミン−HCl、ビタミンA酢酸塩、ビタミンB12及びビタミンDが挙げられうる。
本開示の培地に使用可能な無機塩原料としては、例えば、CaCl、KCl、MgCl、MgSO、NaCl、NaHCO、NaHPO、NaHPOO、及びクエン酸第二鉄キレート剤又は硫酸第一鉄キレート剤が挙げられうる。
本開示の培地に使用可能な微量元素としては、例えば、バリウム、臭素、コバルト、ヨウ素、マンガン、クロム、銅、ニッケル、セレン、バナジウム、チタン、ゲルマニウム、モリブデン、ケイ素、鉄、フッ素、銀、ルビジウム、スズ、ジルコニウム、カドミウム、亜鉛及びアルミニウムのイオンが挙げられうる。これらのイオンは、例えば、微量元素の塩で提供されうる。
培地中に必要に応じて含まれうる追加の原料としては、例えば、増殖因子、インスリン(特にインスリン−Zn++として)及びトランスフェリンがある。これらの追加の原料は、典型的な生物学的又は生理学的濃度で培地中に配合されうる。鉄の塩又はキレート(例えば、クエン酸第二鉄キレート剤又は硫酸第一鉄)は、トランスフェリンの代用として培地に用いられうる。組み換えインスリン又は亜鉛系の塩(例えば、ZnCl等)は、動物又はヒトに由来するインスリンの代用となりうる。
培養中の細胞の健康を維持するとともに、細胞培養の持続時間を最大限にするために、多くの計画が用いられてきた。例えば、頻繁な培地交換、培地内への栄養素放出材料の導入、灌流培養及びフェッドバッチ法が用いられている。
培地中の細胞培養栄養素を最大限にし、老廃物の蓄積を最小限にするために、培地を交換してもよい。古い培地(栄養素は枯渇し、老廃物を含みうる)が除去され、新鮮培地が培養中の細胞に供給される。しかしながら、培地を交換するときに、細胞培養物が易感染性になりうる危険性がある。例えば、古い培地を除去し、新しい培地を供給するために細胞培養容器を開けるときに汚染が生じうる。培地交換には、時間と細胞培養の専門家による手当ても必要とされる。すなわち、培地交換には、汚染の危険性があり、かつ、人件費がかかる。
人件費を低減し、培地交換中の汚染の危険性を低減するために、培地交換の時間間隔を延長するための尽力がされている。例えば、細胞培養培地は、細胞が栄養素を使い切るまでに、より長い期間、十分な栄養素が細胞培養物中に存在することを確実にするために、必要な栄養素を過多に含みうる。このことにより、例えばグルタミン又はグルコースなどのある特定の栄養素が過度に豊富な培地を結果的に生じる。グルタミン(相互置換可能に「L−グルタミン」とも称される)は水性環境で加水分解し、アンモニウムの生成を引き起こす。グルタミンはまた、細胞によっても分解されてアンモニウムを生成する。しかしながら、グルタミンの細胞代謝に由来するアンモニウムの生成は、水性環境におけるグルタミンの加水分解と比較して、培地中のアンモニウムの蓄積への寄与は少ないであろう。グルコースは細胞によって分解されて、乳酸を形成する。酸素を豊富に含む細胞培養系では、乳酸の生成は、過多のグルコースの結果である。アンモニウム及び乳酸は蓄積されうると同時に、細胞に対して毒性でありうる。よって、培養中の細胞を長期間維持するのに十分な栄養素を供給する目的で、培地にこれらの化合物を過多に供給することにより、毒性の副生成物が時間経過とともに培地に蓄積するにつれて、いつの間にか、必要とされるよりも健康的ではない環境に細胞が置かれている状況が逆説的に可能である。
持続放出性のグルコースを供給することによって、グルコースなどの栄養素を細胞培養培地内へとゆっくりと放出するための技法が開発されている。例えば、米国特許第3,926,723号明細書には、デンプンポリマーからグルコースを酵素的に放出することによって、細胞培養培地内に酵素的に放出可能なグルコシル部分(デンプン)とグルコシル部分を放出可能な酵素(例えばマルターゼ及びアミラーゼ)とを含む培地を供給することを含む、細胞を培養する方法が開示されている。デンプンは、酵素の存在下で分解して、グルコースを形成する。
米国特許出願公開第2011/0244573号明細書には、細胞培養物のフェッドバッチ培養のために、ペレットの構造から酵素とともに栄養素を放出するように、細胞培養物に添加可能なペレット又は錠剤が開示されている。大腸菌(E. coli)の培養のためのラクトースのコアを有するデンプン錠剤が開示されている。ラクトースは、錠剤のデンプンを分解して細胞培養物にグルコースを供給する働きをした。
細胞はまた、灌流培養条件下でも増殖可能である。しかしながら、灌流細胞培養系は、無菌状態を維持し、かつ細胞の不必要な混乱を回避しつつ、新鮮培地が培養中の細胞に一貫して供給されることを確保するために、ポンプ、管類及びコネクタを含む、相当な設備を必要とする。例えば、「細胞培養物のフィードバック制御を伴わない予めプログラムされた連続供給(Pre-Programmed Non-Feedback Controlled Continuous Feeding of Cell Cultures)」という発明の名称の国際公開第2013/040444号には、連続的な供給流れを細胞培養物に供給するための装置が開示されている。
他の方法としては、供給濃縮物を細胞培養物に供給する、フェッドバッチ法又はバッチフェッド法が挙げられる。しかしながら、フェッドバッチ又はボーラス供給は、時間経過とともに細胞培養中の栄養素の濃度に結果的に変動を生じ、かつ、大きな労働力を要しうる。
静置培養では、米国ニューヨーク州コーニング所在のCorning,Incorporated社から市販されるGlutagro(商標)、又は米国カリフォルニア州カールスバッド所在のLife Technologies社から市販されるGlutaMAX(商標)などの製品が、時折使用される。これらの製品は、ゆっくりと分解してグルタミンを放出する、グルタミンジペプチド(L−アラニル−L−グルタミンジペプチド)を含む、細胞培養培地添加剤である。これは、細胞培養中の培地内に、はるかに少ないアンモニウムの蓄積を生じるが、幾つかの細胞型において成果を乏しくさせるアラニンもまた放出してしまう。哺乳動物の細胞培養技術は、生物医学的研究及び製薬業界において幅広く用いられている。哺乳動物細胞における組み換えタンパク質の産生は、典型的には、規模の拡大を容易にするために懸濁液に適応した細胞を使用して行われる。研究室規模での現代の細胞培養は、主に、概略的にはバッチ培養として行われる振とう培養をベースとしている、すなわち、栄養素は培養の開始時に添加される。産業的なフェッドバッチ法と比較して、振とう培養は、低い容積細胞収率及び生産収率によって特徴づけられる。振とうフラスコは、バイオプロセス開発にとって限られた情報しか提供せず;培養パラメータは、フェッドバッチモードではしばしば再最適化され、したがって所要時間と人件費をかなり増大させてしまう。変動し易い振とう培養とは対照的に、よく制御されたバイオリアクタ規模の培養では、栄養素及び代謝物の濃度、酸素レベル、バイオマス密度、及び培地のpHのより良好なプロセス制御をもたらすことから、フェッドバッチ技術が主に適用される。バッチ培養における、プロセス制御能力の欠如は、バッチモードで行われるプロセス及び培地の最適化の結果がフェッドバッチ動作モードでのより大規模生産に直接、転換できないことの主な理由である。これらの問題を克服するため、供給の自動化及びpHの制御を伴ったハイスループットのフェッドバッチ動作を可能にする、ミニチュアバイオリアクタ又は自動化技術が用いられる(例えば、Legmann, R., et al., A predictive high-throughput scale-down model of monoclonal antibody production in CHO cells. Biotechnol Bioeng., 2009; 104; 1107-1120; Thomas, D., et al., A novel automated approach to enabling high-thoughput cell line development, selection, and other cell culture tasks performed in Erlenmeyer (shake) flasks, J. Assoc. Lab Autom., 2008; 13: 145-151; Gryseels, T., Considering cell culture automation in upstream bioprocess development, Bioproc. Intl., 2008; 6: 12-16を参照)。これらの技術は高価であることから、哺乳動物細胞のためのプロセス開発における産業及び学究的環境にわたって、振とうフラスコが、主な規模を縮小したプラットフォームとして広く使用され続けている(Buhs, J., Introduction to advantages and problems of shaken cultures, Biochem. Eng. J., 2001; 7: 91-98を参照)。
主な課題は、主として間欠送給によって行われる、小規模のフェッドバッチ原理の適合だけでなく、さらに重要なことに、高い細胞密度にも同時に到達することである。バッチ法では、細胞密度は、増殖を制限する栄養素供給源の濃度、培地のpH、及び毒性代謝物の濃度によって決定される。このことにより、十分なグルコースが炭素源として利用可能な場合にのみ、高い細胞密度が得られるというジレンマを生じる。同時に、グルコースのボーラス添加は、高いモル浸透圧を生じうる、栄養素濃度の一過性の大きい上昇を生じることがあり、また、例えば、高濃度のグルコースなど、高濃度の不用代謝物は、乳酸産生の増加及びpHの低下を引き起こしうる(Zhou, W. C., et al., High viable cell concentration fed batch cultures of hybridoma cells through online nutrient feeding, Biotechnol Bioeng., 1995; 46: 579-587; Chee, F. W. D., et al., Impact of dynamic online fed-batch strategies on metabolism, productivity an N-glycosylation quality in CHO cell cultures, Biotechnol. Bioeng., 2005; 89: 164-177を参照)。加えて、組み換え抗体の糖化は、培地中のグルコース濃度を低レベルに制御することによって制御されうる(Yuk, I. H., et al., Controlling glycation of recombinant antibody in fed-batch cell cultures, Biotechnol. Bioeng., 2011; 108; 2600-2610を参照)。細胞によるグルコース利用の主要経路は解糖である。腫瘍由来の細胞株は、概して、エネルギーの必要性に基づいた解糖流量の制御能力を失う(Eigenbrodt, E., et al., New perspectives on carbohydrate metabolism in tumor cells, R. Brietner (ed.), Regulation of Carbohydrate Metabolism, Vol. 2., CRC Press, Boca Raton, Floridaを参照)。結果として、解糖は、細胞外成長培地におけるグルコースの濃度によって制御される。バッチ細胞培養では、グルコースは、しばしば、血流(5mM以下)に見られるよりもはるかに高い濃度(最大50mM)で存在する。CHO(チャイニーズハムスター卵巣)細胞の生存率の低下は、高グルコース濃度において解糖の副生成物として生成される、高レベルの毒性代謝物メチルグリオキサールによって引き起こされることが実証されている(Chaplen, F. W. R., et al., Evidence of high levels of methylglyoxal in cultured Chinese hamster ovary cells, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 1998; 95:5533-5538; Roy, B. M., et al., Toxic concentrations of methylglyoxal in hybridoma cells culture, Cytotechnology, 2005; 46: 97-107を参照)。
細胞培養培地における高いグルコース濃度に起因するこれらの問題を解決又は軽減するために、高密度培養のための連続的な基質送給源の必要性が高まっている。微生物培養のための一例は、微生物を培養するために開発されかつ現在市販されている、酵素制御されたグルコース供給システムであるEnBase(商標)である(Panula-Perala, J., et al., Enzyme controlled glucose auto-delivery for high cell density cultivations in microplates and shake flasks, Microbial Cell factories, 2008; 7:31を参照)。「EnBase」は、グルコースの生成のための炭素源としてグルコアミラーゼ/デンプンを使用する。細胞培養培地におけるグルコアミラーゼの使用は、哺乳動物細胞に制限を課す。あるいは、ポリジメチルシロキサン樹脂に包埋されたグルコースが、振とうフラスコ内でのハンゼヌラ・ポリモルファ(H. polymorpha)の培養のための持続放出法として利用されている(Jeude, M., et al., Fed-Batch Mode in Shake Flasks by Slow-Release Technique, Biotechnology and Bioengineering, 2006; 95を参照;kuhner.comにおいてFeedBeads社から市販される)。文献から、PDMSが細胞培養培地中のタンパク質に対して高い非特異的結合能を有し、このように、哺乳動物細胞の培養用途には望ましくないことが知られている。しかしながら、ハイドロゲルをベースとしたグルコース供給システムの使用は、哺乳動物細胞の培養用に開発されている(Hedge, S., et al., Controlled release of nutrients to mammalian cell culture in shake flasks, Biotechnol. Prog., 2012; 28: 1を参照)。このシステムは、カプセル封入されたグルコース粉末を用いたHEMA:EGDMAハイドロゲルディスクをベースとしている。未反応の残留モノマーを理由として、このようなシステムは、細胞毒性を軽減するために、ハイドロゲルの大規模な洗浄を必要とする。
「インビボにおける栄養素の持続放出(Sustained Release of Nutrients In Vivo)」という発明の名称の2013年10月22日にSextonらに対し発行された米国特許第8,563,066号明細書には、長期間にわたって持続可能に時間制御された方式でインビボにおいて供給される栄養組成物が、運動能力の増進、視覚と手の協調の向上、及び目の前の作業への集中をもたらすことが記載されている。組成物は、(a)1つ以上の栄養補助剤と、(b)(a)の1つ以上の栄養補助剤をカプセル封入する1つ以上のハイドロゲルマイクロ粒子であって、該1つ以上のハイドロゲルのマイクロ粒子が、(i)1〜1000マイクロメートルの直径を有し;(ii)非毒性の架橋されている、かつ、インビボにおいて時間制御された及び持続された方式でカプセル封入された1つ以上の栄養補助剤を放出する、1つ以上の化合物を含み;(iii)pH感受性であって、ハイドロゲルのマイクロ粒子の1つ以上の化合物がpH1〜3において膨潤せず;及び、(iv)温度感受性であって、ハイドロゲルのマイクロ粒子の1つ以上の化合物が水溶液において、より低い臨界溶液温度を有する、1つ以上のハイドロゲルマイクロ粒子を含む、水性懸濁液を含みうる。栄養補助剤の時間制御されかつ持続された放出のための(b)の(ii)における1つ以上の化合物は、生物分解性のポリマー、生体接着剤、結合剤、又は組合せでありうる。生物分解性のポリマー及び結合剤は、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコリド)、ポリ(乳酸−co−グリコリド)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)、ポリ(乳酸−co−グリコール酸)、ポリカプロラクトン、ポリカーボネート、ポリエステルアミド、ポリ無水物、ポリ(アミノ酸)、ポリオルトエステル、ポリアセチル(polyacetyls)、ポリシアノアクリレート、ポリエーテルエステル、ポリ(ジオキサノン)、ポリ(アルキレンアルキレート)、ポリエチレングリコールとポリオルトエステルとの共重合体、生物分解性のポリウレタン、多糖類及び多糖類とポリエーテルとの共重合体のうちの1つ以上でありうる。Sextonは、マイクロスフィアが栄養化合物の混合物を含有可能であり、該マイクロスフィアが、ある特定の期間にわたって放出される生物分解性の材料で構成されることにも言及している。例えば、栄養素の初期バーストをもたらして、個体にエネルギー又は栄養素の即時の蓄積(immediate reservoir)を提供するために、栄養化合物は、そのように配合され、さまざまな炭水化物、アミノ酸、電解質、ビタミン等を異なる比率で含みうる。第2の群は、異なる比率の炭水化物:アミノ酸:ビタミン等を含有可能であり、あるいは、栄養素の持続放出を維持するために、より長期間にわたって放出される、厳密には異なっている又は類似している炭水化物を含みうる。マイクロスフィアの栄養配合物及び放出のタイミングは、活性の種類、個体、年齢、体重及び栄養のニーズに応じて変動しうる。例えば、マラソンランナー(長期にわたる持続栄養)は、スプリンター(栄養のバースト)とは異なる栄養ニーズを有するであろう。
一般事項として、生分解の生成物は、概して、インビトロ又はエクスビボでの細胞培養において望ましくない。実施形態において、本開示において使用するために選択される材料ポリマーは、インサイチュで(すなわち、細胞培養物内及び細胞培養中に)容易に生物分解されない。
「pH指示薬を有する細胞培養ハイドロゲル(Cell Culture Hydrogel With pH Indicator)」という発明の名称の米国特許出願公開第20090190135号明細書には、細胞培養の状態を維持し、該細胞培養の状態を測定するための装置、組成物及び方法が記載されている。特に、本発明は、細胞培養中のグルコース及びpHレベルを準最適レベルに維持する幾つかの非侵襲的な技法、並びに、細胞培養中のpHレベルの非侵襲的な測定のためのハイドロゲル材料、装置及び方法を提供する。
本開示は、より長い期間にわたり、より堅固な細胞培養状態を可能にする、一定の制御された態様での、グルタミン及び、グルコースを含む他の栄養素を放出するための材料の実施形態を提供する。加えて、この改良された材料は、優れた細胞増殖及び低減されたアンモニウム及び乳酸産生を依然として支援すると同時に、細胞培養中の培地が、グルコース及びグルタミンをはるかに少ない量で含有可能にする条件を作り出す。これにより、頻繁な培地交換に起因する汚染の危険性及び人件費の増加を低減するとともに、培地の交換(「再供給」とも称される)を必要としない、より長期間の細胞培養が可能となる。細胞を支援する、培地の延長された能力により、容器内でのより高い細胞密度もまた可能となり、細胞培養もさらに効率的になりうる。
図1A及び1Bは、実施形態における細胞培養容器100の図である。容器は、フラスコとして示されているが、細胞培養容器は、ペトリ皿、フラスコ、マルチウェルプレート、バッグ、バイオリアクタ、多層の容器、多層フラスコ(実施形態において、図5及び図6に示される)、ベッド、マイクロキャリア(図2に示される)、又は細胞培養に適した任意の他の容器、器、フラスコ、又は表面を含む、細胞培養に適したいずれかの形状でありうる。細胞培養容器又は表面は、付着又は非付着細胞、動物細胞、酵母細胞、昆虫細胞、真核細胞、原核細胞、組織培養、器官培養、植物培養、初代細胞、細胞株、遺伝子組み換え細胞又は生物、又は任意の他の細胞培養目的を支援するのに適しうる。
図1A及び1Bに示される実施形態では、容器100は、ネック開口に取り付けられたキャップ130を備えた、図1Aに示される、底部109、最上部110、側壁112、及びネック開口131を有する。図1Aに示される容器の内部は、細胞培養チャンバ111である。図1Bは、図1Aの面A−Aで切り取った、図1Aに示される細胞培養容器の断面である。図1Bに示されるように、容器100は内面を有する。頂壁110は、天井115とも呼ばれる内面115を有する。底壁109は、ベッド113とも呼ばれる内面113を有する。各側壁112は内面132を有する。
図2はマイクロキャリアの実施形態である。図2は、マイクロキャリア200の断面を示している。マイクロキャリアは、マイクロキャリア表面150を有するマイクロキャリア本体149を有している。材料151が、マイクロキャリア表面150上の層に示されている。
図3A〜Eは、細胞培養容器の内面上の材料の実施形態を示す、図1Aの面A−Aで切り取った、細胞培養容器の断面図である。図3A〜3Eの各々において、図1A及び1Bに示される実施形態における細胞培養容器100の断面が示されている。細胞培養容器100は、内部上面115又は天井115を有する頂壁110、内部側壁面132を有する側壁112、内部底面113又はベッド113を有する底壁109、及び細胞培養チャンバ111を有している。図3Aでは、材料151は、底壁109の内面113又はベッド113上に示されている。図3Bでは、材料151は、頂壁110の内面115又は天井115に示されている。図3Cでは、材料151は、側壁112の内面132上に示されている。図3Dでは、材料151は、反対側の側壁112の内面132上に示されている。図3Eでは、材料151は、頂壁110、底壁109及び側壁112の各々の内面115、113、及び112上に示されている。図3Eは、頂壁110、底壁109及び側壁112の各々の細胞培養チャンバ115、113、及び112の内面の各々上の材料を示しているが、材料は、頂壁110、底壁109及び側壁112の各々の内面115、113、及び112のうちの1つ、2つ以上だがすべてではない、又はすべてに存在しうる。
実施形態において、材料151は、表面を完全に覆ってもよく、あるいは、表面を部分的に覆ってもよい。実施形態において、材料151は、頂壁110、底壁109及び側壁112の各々の内面115、113、及び112のうちの1つ以上に塗布されたコーティングである。コーティングは、キャスト及び硬化などの方法による湿式化学を用いて塗布されうる。すなわち、材料の溶液が容器100内に導入されて、容器の内面の1つ以上のコーティングが可能になりうる。コーティングを容器の内面の1つ以上に付着可能にする、硬化工程又は乾燥工程などの追加の工程が行われうる。実施形態において、材料は、頂壁110、底壁109及び側壁112の各々の内面115、113、及び112の1つ以上に施されたフィルムである。フィルムは、容器を組み立てる前に内面の1つ以上にフィルムを施すことを含む、当技術分野で知られたいずれかの方法によって、容器の内面の1つ以上に施されうる。実施形態において、材料は、頂壁110、底壁109及び側壁112の1つ以上と一体化している。例えば、材料は、頂壁110、底壁109及び側壁112の1つ以上を形成するように押出成形されうる。
図4A及び4Bは、細胞培養培地の不存在下(図4A)及び存在下(図4B)における、細胞培養培地延長材料151の実施形態の画像である。表面上に溶媒キャストした、細胞培養延長材料である、20%のグルコースを有するポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)すなわち「EVA」材料(40%の酢酸ビニル)の実施形態の写真が図4Aに示されている。乾燥条件では、グルコース結晶300が、ポリマー301の緻密な層の下に見られる。図4Aに示されるように、グルコース結晶は、ポリマー内に隔離されている。実施形態において、ポリマーは、その捕捉又は隔離された栄養素(図4A及び4Bの事例ではグルコース)とともに、細胞培養延長材料151となる。浸透圧的に培地に似ているdPBS水溶液中で96時間の材料のインキュベート後、材料は、図4Bに示されるように変化している。理論に縛られるわけではないが、ポリマー中に捕捉されたグルコースは、吸収された水を有し、ポリマーの外の周囲溶液内への栄養素のポンプ圧送を生じる、加圧されたポケット315をポリマー301内に作り出すと仮定されている。これは、ポケットと培地との間の濃度勾配によって栄養素がポリマーポケットの外の培地内へと駆動される、浸透圧ポンプと称することができる。
本発明の実施形態において、多層フラスコが提供される。本発明の多層フラスコ100の実施形態は、図5に示される一部切り欠き斜視図に示されている。多層フラスコ100は、頂壁110、底部トレイ(図示せず)、側壁112、及び末端壁114によって画成される外側容器本体101を有する。フラスコ100内には、図6にさらに明確に見られるように、個々の細胞増殖チャンバ111が配置されている。個々の細胞増殖チャンバ111は、各々、底面又はベッド113と上面又は天井115とによって画成される。表面113及び115は、側壁112及び末端壁114に沿って、フラスコ本体101に取り付けられる。実施形態において、各チャンバ111内の少なくとも1つの底面113は、細胞117の増殖のための表面を提供可能なガス透過性かつ液体不透過性の材料である。ガス透過性かつ液体不透過性の材料は、細胞が付着する表面、又は細胞増殖チャンバのベッドを提供することができ、あるいは、この材料は、対向する表面又は細胞増殖チャンバの天井であってもよい。底面113又は細胞培養表面113は、可撓性であっても剛性であってもよい。各上面115は、実施形態において、細胞増殖チャンバ111及び多層の細胞培養容器に支持をもたらす、剛性の、概してガス不透過性の材料である。多層フラスコの表面は、透明、不透明、着色、又は無色でありうる。本発明の実施形態では、各細胞増殖チャンバ111間に導管(tracheal)空間118が存在する。チャンバ111の対向する上面115は、細胞増殖チャンバ111に対する上壁又は天井、並びに、導管チャンバ118の底部部分を画成する。したがって、導管チャンバ118は、第1の細胞増殖チャンバのガス透過性かつ液体不透過性の表面113、及び第2の増殖チャンバ111の対向する表面115を包含する。支持体119は、一体型のフラスコ101内に導管空間118と交互に増殖チャンバ111を形成する表面113及び115を一体的に取り込むための構造支持を提供するように存在しうる。したがって、各細胞増殖チャンバ111は、逐次垂直方向(vertical successive orientation)に導管チャンバ118と交互に配される。
本発明の実施形態では、個々の細胞増殖チャンバ111は、複数の細胞増殖チャンバ111が多層フラスコ100の本体101と一体化し、細胞増殖用の栄養培地で完全に満たすことができるように、ガス透過性膜113上での細胞増殖を可能にする。実施形態において、これらの細胞増殖チャンバの高さは、およそ2mmである。多層フラスコ100を通る一連の導管空間118は、多層フラスコ内部の個々の細胞増殖チャンバ111における培地127内のガス透過性表面113上で増殖する細胞117と、外部環境との間にガス連通をもたらす。導管空間118は、ガス透過性表面113を通じて、細胞増殖チャンバ111内に位置する培地の酸素供給を可能にする。さらには、導管チャンバ118は、任意の空隙又は空間の形態であってよく、かつ、液体を侵入させない。結果として、導管空間118と交互になっている複数の増殖チャンバ111を有する剛性の細胞培養多層フラスコ100は、大容積の細胞117に対する等しいガス分配の利益を供与するように協働的に構成される。実施形態において、多層フラスコは、プラグ又はポートカバー121を有していてよい、ポート120を有しうる。加えて、多層フラスコは、任意の形状でありうる。例えば、多層フラスコは、角部107を有しうる。
図6は、図5に示される多層の細胞培養容器の実施形態の内面上の材料の実施形態1〜5を示す、図5の面B−Bで切り取った細胞培養容器100の断面である。細胞培養チャンバ1(111)では、頂壁110は、内面又は天井115と、底面又はベッド113上の細胞培養培地延長材料151の層とを有する。実施形態において、ベッド113は、液体不透過性かつガス透過性フィルムで作られている。導管空間118は、支持体119によって支えられたベッド113の下にある。多層の細胞培養チャンバの実施形態(1)では、細胞培養培地延長材料は、底面又はベッド113上にある。
細胞培養チャンバ2では、細胞培養培地延長材料は、頂壁の内面又は天井115にある(多層のこの第2の層のものは、ガス透過性かつ液体不透過性のフィルムを支持し、導管空間118を形成する支持体119を提供する層でもある)。細胞培養チャンバ3及び4では、材料151は側壁上にある。細胞培養チャンバ5では、細胞培養培地延長材料は、細胞培養チャンバ111のすべての内面上にある。当業者は、細胞培養培地延長材料が、図1、2、3、5、6、7、8に示される構成又は任意の他の構成で、細胞培養容器内の表面に提供されうることを理解するであろう。
図7は、単層の細胞培養容器の実施形態において、材料を使用する方法を示す図である。図7では、細胞培養培地延長材料151は、細胞培養容器の底壁又はベッド113上にある。細胞159は、培地160で覆われたベッド113上にある。栄養素161は、培地から供給されるが、図7に矢印で示されるように、細胞培養培地延長材料151からも放出される。加えて、培地160に由来する水が、図7に矢印で示されるように材料151内に侵入する。水は、培養培地からポリマーフィルム内へと移動しうる。培地内への栄養素の放出の作用機構については理論によって制限されるわけではないが、水が固体の栄養素粒子を水和し、図4Bに示されるように、ポリマー内のポケットに飽和溶液を形成するのであろう。この溶液の容積は、フィルム内に圧力を生じ、例えばグルタミン又はグルコースでありうる溶媒和栄養素を、ポリマーを通じて、一定の速さで、培養培地内へと移動させる(図14〜18参照)。この一定の速度は、アンモニウム生成速度を低く保持すると同時に、培養中の細胞を支援するために低い有用濃度のグルタミンを維持する。
図8A〜8Dは、多層フラスコ環境における材料の4つの実施形態を使用する方法の実施形態の図である。図8Aでは、材料151は、多層の細胞培養容器内の細胞培養チャンバの天井115上にある。細胞159は、培地160で覆われた液体不透過性かつガス透過性フィルムでありうる、ベッド113の上にある。栄養素161は、培地から供給されるが、矢印で示されるように、材料151からも放出される。加えて、培地160からの水が材料151に入る(図8Aには示されていないが、図7並びに図4A及び4Bには示されている)。図8Bでは、材料151は、多層の細胞培養容器の細胞培養チャンバの底壁又はベッド113上にある。細胞159は、培地160で覆われたベッド113の上にある。栄養素161は、培地から供給されるが、矢印で示されるように、材料151からも放出される。図8Cでは、材料151は、多層の細胞培養容器の細胞培養チャンバの側壁112の内面132上にある。細胞159は、培地160で覆われたベッド113の上にある。栄養素161は、培地から供給されるが、矢印で示されるように、材料151からも放出される。図8Dでは、材料151は、多層の細胞培養容器の細胞培養チャンバの内面のすべてにある。細胞159は、培地160で覆われたベッド113上の材料151の上にある。栄養素161は、培地から供給されるが、矢印で示されるように、材料151からも放出される。
幾つかの細胞培養容器では、培地は、容器の内部に空気の層をもたらすように細胞培養チャンバに供給される。このようにして、酸素が培地−空気界面において培地内に拡散しつつ、酸素レベルが健康レベルに維持される。図5及び6に示されるものなど、多層の細胞培養装置では、培地は、細胞培養チャンバを完全に満たす。これらの実施形態では、酸素は、細胞培養チャンバ113のベッドを形成する、ガス透過性かつ液体不透過性の膜を横断する拡散によって培養中の細胞にもたらされる。ベッド113は、細胞培養チャンバ側で培地と、かつ、膜の導管空間118側で空気と接触している。
実施形態において、材料151は、多層の細胞培養容器内の細胞培養チャンバの天井面115に設けられる。このような方法で、酸素は、細胞培養チャンバのベッド113のガス透過性かつ液体不透過性の膜を通じて細胞培養チャンバ内へと拡散することができ、栄養素は、細胞培養チャンバの天井に存在する材料151を介して培地内に移行することができる。
栄養素の放出のための細胞培養材料の例としては、隔離された栄養素粒子を含有するポリマーが挙げられる。適切なポリマー材料は、水がゆっくりとポリマー材料に浸透し、ポリマーマトリクス内に捕捉された栄養素粒子を放出可能にする。次に、水は、栄養素粒子を溶解し始め、放出される栄養素を、ポリマーを通じて培地の外へと解放することができる。このポリマー材料からの栄養素の放出は、浸透圧ポンプに対する応答としての働きをすることができ、数日間にわたるグルタミンの一定放出を可能にする。
本発明にとって有用なポリマーは、栄養素を含有可能である必要がある。これは、細胞培養培地と接触する表面にポリマー材料を形成する前に、栄養素をポリマー材料と混合することによってなされうる。栄養素は、結晶形態であってよく、図4A及び4Bに示されるように、ポリマー層によって捕捉されるか、あるいはポリマー層に結合されうる。あるいは、これは、栄養素の層と細胞培養培地との間にポリマーの層を設けて、栄養素が時間経過とともにポリマー層を通じて放出可能にすることによってなされうる。あるいは、栄養素は、ポリマーの層間に捕捉されうる。ポリマーの層の下に捕捉された又はポリマーの層間に捕捉された栄養素は、「隔離」されてもいる。また、ポリマーは、制御された速度で栄養素を放出可能でなくてはならない。すなわち、ポリマーが多孔質すぎる場合には、栄養素は過度に急速におよそ数時間で放出される。細胞培養の寿命を延長するためには、栄養素は、数日間又は数週間にさえわたって、放出される必要がある。ポリマーが水に対して不透過性の場合、細胞培養の利益になる栄養素は放出されないであろう。実施形態において、ポリマーは、適切な速度での栄養素の放出を可能にする特性を有する。この特性を説明するための方法の1つは、ポリマーの吸湿特性にある。吸湿性ポリマーは、周囲環境からの水分子を引き付けかつ保持する(水分子を吸着する)能力を有する。吸湿性ポリマーの例としては、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル);ポリ(エチルセルロース);PDMS;PEBAX2533などのポリ(エーテル/アミド)共重合体;及び他のものが挙げられる。吸湿性ポリマーは、ハイドロゲルとは区別されうる。ハイドロゲルは、膨潤し、かつ、その構造内にかなりの割合の水を保持する能力を示すが、水には溶解しない、ポリマー性材料として定義される(http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S2090123213000969)。ハイドロゲルは、IUPACによって「水を膨潤剤とするゲル」として定義される(注釈:1.ハイドロゲルのネットワーク成分は、通常はポリマーネットワークである。2.ネットワーク成分がコロイド状ネットワークであるハイドロゲルは、アクアゲルと称されうる)。概して、ハイドロゲルは、水中で膨潤し、かつ、高いパーセンテージで水を含む。本開示の目的では、ハイドロゲルは、水性環境中で50質量%超の水に膨潤するポリマー材料である。実施形態において、本明細書に開示される吸湿性の材料は、水性環境において50質量%未満の水に膨潤するポリマーである。ポリマーの水を吸収する特性及び水を放出する特性は、ポリマーが、時間経過とともに水に溶解した栄養素を放出することができる速度を決定する。栄養素は、ポリマー材料の外へ、又はポリマー材料を通じて、拡散する。
実施形態において、培地延長材料は、時間経過とともに細胞培養栄養素を放出することができる、細胞培養表面に施されたコーティング又はフィルムである。実施形態において、本明細書に開示される培地延長材料は、栄養素と混合された、若しくは栄養素を捕捉又は隔離した、若しくは栄養素を含む、水性環境において50質量%未満の水に膨潤するポリマーである。実施形態において、栄養素は、ポリマー内に結晶又は固体の形態で捕捉又は隔離される。
さらなる実施形態において、本開示は、ポリマーマトリクス内に捕捉された栄養素が、水性培地の存在下で溶解し、培地内へとゆっくり放出される、培地延長材料を有する細胞培養表面の存在下で細胞を培養する方法を提供する。栄養素が水性環境中に溶解する場合、浸透圧ポンプがポリマーマトリクス内のポケットに生じて、栄養素がポリマーポケットのより濃縮された環境から培地内へと流れることが可能になりうる。ポリマーマトリクス内のこの栄養素の隔離によって、培地交換を必要とせずに、培地内への栄養素のゆっくりとした導入が可能になる。この隔離はまた、高濃度では細胞に対して直接的に又は間接的に毒性になりうる栄養素の低濃度の存在下で、静置培養又は動的培養条件での細胞培養を可能にもする。
経時によるポリマー外への栄養素の拡散速度は、フィルム又はフィルムの層の厚さ、栄養素の性質、ポリマーと培地との間の拡散勾配、温度、及び他の因子の影響も受ける。
これらのポリマー/栄養素材料は、キャスト、押出成形、モールドを含むいかなる形態で作られてもよく、あるいは、交換のための高表面積をもたらすコーティング及び薄いフィルムとして提供されてもよい。また、フィルムが一旦、押出成形又は製造されると、フィルムは、モールド、オーバモールド、インサート成形又は他の方法で、細胞培養物に曝露される表面に施されうる。材料自体をモールド又はオーバモールドして、細胞培養物に曝露される表面を形成してもよい。材料は、細胞培養コンパートメントの表面の少なくとも一部を形成しうる。材料は、細胞が付着し増殖する表面(「細胞培養表面」)に表面の一部を形成してもよく、あるいは、細胞培養表面ではない表面の一部を形成してもよい。あるいは、材料は、マイクロキャリア又は細胞の培養に用いられる他の表面の少なくとも一部を形成してもよい。
実施形態において、材料は、細胞培養容器を形成するように押出成形される。さらなる実施形態において、材料は、細胞培養容器の表面にコーティングとして形成される。さらなる実施形態では、コーティングはフィルムでありうる。コーティングは、細胞培養容器の表面にキャストされてよく、あるいは、コーティングは、フィルムとして形成されて、後で細胞培養表面にフィルムとして施されてもよい。フィルムは、モールド、オーバモールド、インサート成形又は他の方法で、細胞培養物に曝露された表面に施されうる。形成されたフィルムは、キャスト、押出成形、又はモールドされてよく、あるいは、当技術分野で知られた任意の他の方法によって形成されてもよい。溶媒キャスト法をフィルム及びコーティングの生成に用いてもよい。
さらなる実施形態において、材料は、細胞培養表面に対し、2つ以上の層で施される。例えば、栄養素を含む材料が、表面に施されて第1の層を形成してよく、次に、栄養素を含まない第2の材料が第1の層の上に施されて、第2の層を形成してもよい。栄養素を含まない第2の層の施用は、その栄養素が、培地にアクセス可能になる前に、第1の層から出て、第2の層を通って移動しなければならないことから、第1の層からの1つ以上の栄養素の放出を遅延させるために適用されうる(例えば、下記表1のフィルム19を参照)。
以下の実施例は、長期細胞培養条件を増進するための例となる材料の調製を例証するものである。
実施例1:材料の配合:ポリマーの質量の20%のグルコース粉末(粉砕試料)及びポリマーの質量の20%のグルタミンと混合した、塩化メチレン中、ポリ(エチレン−co−酢酸ビニル)(40%VA)の10%溶液から、フィルム13をキャストした。この溶液を約0.254mm(0.010インチ)厚のポリスチレンフィルム上に約0.254mm(0.010インチ)厚になるように滑らかかつ迅速に流し(knifed)、溶液をおよそ約50.8μm(0.002インチ)厚になるまで乾燥させた。得られたフィルムを、次に、栄養素を添加しない、同一ポリマー(EVA)の10%溶液でコーティングした。最終的なフィルムの厚さは、約0.254mm(0.010インチ)のポリスチレンのベースフィルムを含めて約0.330mm(0.013インチ)であった。フィルム15を、同じ方法で、20%のグルコース及び30%のグルタミンを用いて作製した。フィルム19の層4の「オーバーコート」については、ポリマーを、栄養素なしに溶媒に溶解させて、オーバーコートを形成した。フィルム19を、追加のベース層を用いて作製した。第1のベース層は、EVA中、40%のグルコースを有し、それに続く別の層は30%のグルコースを有し、それに続く層は20%のグルコース及び25%のグルタミンを有しており、それに続くEVAのオーバーコートは栄養素を有していなかった。
Figure 2017535276
実施例2−材料フィルムの形成:図12〜18で分析されている(後述する)フィルムを、細胞培養表面上に溶媒キャストした。溶媒キャスト法は、適切な溶媒にポリマーを溶解する方法である。この実施例では、適切な溶媒は、ポリマーを溶解させるが栄養素を溶解させない溶媒である。次に、ポリマー溶液をフィルム上に滑らかかつ迅速に流し、乾燥させた。これによって、栄養素を含むポリマーを有する複合フィルム材料が生成される。固体(非溶解)の栄養素はフィルム内に塊で存在していた。すなわち、栄養素はキャスト材料には溶解しないため、それらは、複合ポリマー材料全体にわたって不均等に分散していた(図4A及び4Bを参照)。溶媒キャスト法は、フィルム及びコーティングの生成に使用されうる。熱処理もまた、材料151のフィルムをもたらすために使用されうる。これらのフィルムは、モールドに最初のポリマー層と相容性のポリマーが充填されるときに溶接を生じるように、モールド内に挿入され、モールド・キャビティに面するフィルムの最初のポリマー層を用いてオーバモールドされうる。フィルムの浸透圧ポンプ側は、次に、細胞培養チャンバに面するであろう。フィルムは、二次的な作業において溶接されてもよい。
図9は、0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地の存在下でのアンモニウム生成に対するグルコース消費を示すグラフである。図9は、低グルタミン培地条件下で、アンモニウム生成が、図9のグラフに示される96時間の培養にわたって、低減されることを示している。図9は、96時間の培養の終了時に、通常のグルタミン条件下でのアンモニウム生成が、低グルタミン条件下での培養から測定されたもののおよそ2倍であることを示している。加えて、グルコース濃度は、低グルタミン濃度条件においてより速く減少した。アンモニア(NH)レベルの増加は、健康な細胞培養条件と漸減的に相関している。図9は、低グルタミンの存在下で、細胞培養条件がより長期間、より健康のまま保持されることを示している。グルコース濃度は、細胞集団が通常のグルタミン条件と比較して増加したことに起因して、低グルタミン濃度の存在下でより速く減少した(図10参照)。別の言い方をすれば、細胞集団は、通常のグルタミン条件下と比較して、低グルタミン条件下でより早く増殖した。これは、アンモニウムの蓄積の低減に起因するかもしれない(図11に示される)。
図10は、0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地での増殖96時間後に採取したCHOk1細胞を示すグラフである。図10に示されるように、低グルタミンを用いて配合されたフラスコでは、通常のグルタミン条件の存在下の細胞と比較して、細胞の収率が増加した。このデータは、図9に示されるグラフと組み合わせて、細胞が低グルタミン条件でより速く増殖することを示唆している。これは、細胞が低グルタミン/低アンモニア培養条件でより速く増殖することを見出したバッチ培養条件の報告と一致する(Low-Glutamine Fed-Batch Cultures of 293-HEK Serum-Free Suspension Cells for Adenovirus Production Lee, Y.Y. et al., Biotechnol. Prog. 2003, 19, 501-509)。この群はまた、低グルタミン/低アンモニア条件下で増殖する細胞において、より高いウイルス価も測定された。本開示は、フェッドバッチ細胞培養条件下では、バッチにグルタミンを低濃度で供給することが好ましいことを示している。
本開示の目的では、「低グルタミン濃度」は、2mM未満のL−グルタミン、1.5mM未満のL−グルタミン又は1.0mM未満のL−グルタミンの濃度を意味する。細胞は、培養において、たくさんではないが、ある程度のグルタミンを必要とする。すなわち、2mM未満のL−グルタミン濃度、1.5mM未満のL−グルタミン濃度又は1.0mM未満のL−グルタミン濃度は、細胞培養を支援するのに十分である。しかしながら、グルタミンは、培養中に分解するため、静置培養に用いられる培地に供給されるグルタミンレベルは、通常は2mM超である。
図11は、0.5mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する実験的な低グルタミン培地条件と比較した、4mMのL−グルタミン濃度(及び1g/Lのグルコース濃度)を有する従来の培地での増殖96時間後の1日当たりの1細胞当たりのアンモニウム生成を示すグラフである。1日当たりの1細胞当たりの生成されるアンモニア(累積した生成アンモニウムをIVCDすなわち積分生細胞密度で割ったもの)は、標準濃度のL−グルタミン対照(セット2)と比較して80%の低下を実証した。
図12は、経時による、グルコース及びグルタミンを含む材料の実施形態からのmg/cmでのグルコースの放出を示すグラフである。グルコースとグルタミンの両方を含む、3種類のポリマー/栄養素フィルム配合物の例をグルコースの放出について試験した。実施例13、15及び19は、表1に定められている。図12は、細胞のマクロ栄養素要求を支援するためのグルコースの放出率のプロットであり、フィルム配合物における相対的な変化が結果的に幅広い栄養素放出率を生じうることを実証している。
図13は、経時によるグルコース及びグルタミンを含む材料の実施形態からのmg/cmでのグルタミンの放出を示すグラフである。グルコースとグルタミンの両方を含む、3種類のポリマー/栄養素フィルム配合物の例をグルタミンの放出について試験した(材料組成については表1を参照)。図13は、細胞のマクロ栄養素要求を支援するためのL−グルタミンの放出率のプロットであり、フィルム配合物における相対的な変化が結果的に幅広い栄養素放出率を生じうることを実証している。系の要求に応じて、配合物は、需要に一致させるように調整可能である。
図14は、時間単位での経時によるグルコースを含む材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフである。図14は、10%のグルコースを含み、かつ、約25.4μm(約0.001インチ)厚のグルコースを含まないPEBAX(商標)の追加の最上部コーティング層を有する、「PEBAX」2533材料からのグルコースの放出を示している。「PEBAX」は、米国ペンシルベニア州キング・オブ・プルシア所在のArkema社から市販されるポリアミド/ポリエーテルブロック共重合体である。材料を、細胞培養表面に溶媒キャストし、培地と浸透圧が似ているdPBS水溶液中でインキュベートした。g/Lでのグルコース濃度を時間増分において測定した。グルコースの測定された濃度を3.5倍して、2mmの培地ヘッド高さに入る場合に放出されるグルコースの当量濃度を得て、結果的に、2mmの培地高さについての経時による平均グルコース放出の測定値0.5g/Lを得た。この培地のヘッド高さとは、図5に示される、米国ニューヨーク州コーニング所在のCorning,Incorporated社から市販される多層細胞培養フラスコHYPERStack(登録商標)内の培地空間である。「PEBAX」材料は、72時間にわたり、0.5g/Lの一定の割合でグルコースを放出した。
図15は、経時によるグルコースを含む材料の別の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフである。図15は、10%のグルコースを含み、かつ、約25.4μm(約0.001インチ)厚のグルコースを含まないEVAの追加の最上部コーティング層を有する、EVA(エチルビニルアセテート、40質量%VA)からのグルコースの放出を示している。EVA材料を、細胞培養表面に溶媒キャストし、培地と浸透圧が似ているdPBS水溶液中でインキュベートした。g/Lでのグルコース濃度を時間増分において測定した。グルコースの測定された濃度を3.5倍して、2mmの培地ヘッド高さに入る場合に放出されるグルコースの当量濃度を得た。グルコースを含むEVA材料は、96時間にわたり、1.5g/Lの一定の割合でグルコースを放出した。
図16及び図17は、経時によるグルコースを含むエチルセルロース材料の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すグラフである。図15は、30%のグルコースを含む、EC300等級のエチルセルロース(英国ドーセット州所在のSigma社から市販、カタログ番号247499)材料からのグルコースの放出を示しており、図16は、50%のグルコースを含む、EC100等級のエチルセルロース(英国ドーセット州所在のSigma社から市販、カタログ番号200654)材料からのグルコースの放出を示しており、各々が、約25.4μm(約0.001インチ)厚のグルコースを含まないポリマーの追加の最上部コーティングを有している。両方の事例において、材料を細胞培養表面に溶媒キャストし、培地と浸透圧が似ているdPBS水溶液中でインキュベートした。g/Lでのグルコース濃度を時間増分において測定した。グルコースの測定された濃度を3.5倍して、2mmの培地ヘッド高さに入る場合に放出されるグルコースの当量濃度を得た。グルコースを含むエチルセルロース材料は、両方とも、120時間にわたって一定の速さでグルコースを放出した。30%のグルコースを有するEC300材料からの算出したグルコースの放出は0.7g/Lであり、50%のグルコースを有するEC100材料からの算出したグルコースの放出は2.8g/Lであった。
図18は、経時によるグルコースを含む材料の別の実施形態からのg/Lでのグルコースの放出を示すさらなるグラフである。図18は、30%のグルコースを含み、かつ、約25.4μm(約0.001インチ)厚のグルコースを含まないEVAの追加の最上部コーティング層を有するEVA(エチルビニルアセテート、40質量%VA)からのグルコースの放出を示している。EVA材料を細胞培養表面に溶媒キャストし、培地と浸透圧が似ているdPBS水溶液中でインキュベートした。g/Lでのグルコース濃度を時間増分において測定した。グルコースの測定された濃度を3.5倍して、2mmの培地ヘッド高さに入る場合に放出されるグルコースの当量濃度を得た。グルコースを含むEVA材料は、96時間にわたり、4.9g/Lの一定の割合でグルコースを放出した。
本開示は、さまざまな特定の実施形態及び技法に関して説明されてきた。しかしながら、本開示の範囲内に保たれつつ、多くの変形及び修正が可能であるものと解されたい。
以下、本発明の好ましい実施形態を項分け記載する。
実施形態1
細胞培養培地延長材料を含む表面を有する、細胞培養容器。
実施形態2
前記細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つの隔離された栄養素を含んでいるポリマーを含むことを特徴とする、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態3
前記細胞培養培地延長材料が、吸湿性ポリマーと少なくとも1つの栄養素とを含むことを特徴とする、実施形態1に記載の細胞培養容器。
実施形態4
前記吸湿性ポリマーがEVAを含むことを特徴とする、実施形態3に記載の細胞培養容器。
実施形態5
前記細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つのコーティングを含むことを特徴とする、実施形態1〜4のいずれかに記載の細胞培養容器。
実施形態6
前記細胞培養培地延長材料がフィルムを含むことを特徴とする、実施形態1〜4のいずれかに記載の細胞培養容器。
実施形態7
前記容器が少なくとも1つの細胞培養コンパートメントを含み、各細胞培養コンパートメントが、ベッド、天井、及び少なくとも1つの壁を備えていることを特徴とする、実施形態1〜6のいずれかに記載の細胞培養容器。
実施形態8
前記ベッドが前記細胞培養培地延長材料を含むことを特徴とする、実施形態7に記載の細胞培養容器。
実施形態9
前記天井が前記細胞培養培地延長材料を含むことを特徴とする、実施形態7に記載の細胞培養容器。
実施形態10
前記少なくとも1つの壁が、前記細胞培養培地延長材料を含むことを特徴とする、実施形態7に記載の細胞培養容器。
実施形態11
前記ベッド、前記天井及び前記少なくとも1つの壁のうちの少なくとも2つが、前記細胞培養培地延長材料を含むことを特徴とする、実施形態7に記載の細胞培養容器。
実施形態12
吸湿性ポリマーと少なくとも1つの栄養素とを含む、細胞培養培地延長材料。
実施形態13
前記材料が、細胞培養容器の一部を形成することを特徴とする、実施形態12に記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態14
前記材料が、マイクロキャリアの少なくとも一部を形成することを特徴とする、実施形態12に記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態15
前記吸湿性ポリマーがEVAを含むことを特徴とする、実施形態12〜14のいずれかに記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態16
前記少なくとも1つの栄養素が、グルコースを含むことを特徴とする、実施形態12〜15のいずれかに記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態17
前記少なくとも1つの栄養素が、グルタミンを含むことを特徴とする、実施形態12〜16のいずれかに記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態18
前記材料がフィルムであることを特徴とする、実施形態12〜17のいずれかに記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態19
前記フィルムが、細胞培養チャンバの天井にあることを特徴とする、実施形態13に記載の細胞培養培地延長材料。
実施形態20
(a)細胞培養培地延長材料を含む細胞培養チャンバ内に細胞を導入する工程であって、前記細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つの隔離された栄養素を含んでいる吸湿性ポリマーを含む、工程;及び
(b)2mM未満のL−グルタミン濃度を有する培地の存在下で、前記細胞培養チャンバ内で前記細胞をインキュベートする工程
を含む、細胞を培養する方法。
実施形態21
前記グルタミン濃度が0〜1.5mMであることを特徴とする、実施形態20に記載の方法。
100 細胞培養容器/多層フラスコ
101 外側容器本体/フラスコ本体
107 角部
109 底部/底壁
110 最上部/頂壁
111 細胞培養チャンバ
112 側壁
113 内面/ベッド
114 末端壁
115 内面/天井
117 細胞
118 導管空間/導管チャンバ
119 支持体
120 ポート
121 ポートカバー
127 培地
130 キャップ
131 ネック開口
132 内面/内部側壁面
149 マイクロキャリア本体
150 マイクロキャリア表面
151 材料/細胞培養培地延長材料
159 細胞
160 培地
161 栄養素
200 マイクロキャリア
300 グルコース結晶
301 ポリマー
315 ポケット

Claims (10)

  1. 細胞培養培地延長材料を含む表面を有する、細胞培養容器。
  2. 前記細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つの隔離された栄養素を含んでいるポリマーを含むことを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養容器。
  3. 前記細胞培養培地延長材料が、吸湿性ポリマーと少なくとも1つの栄養素とを含むことを特徴とする、請求項1に記載の細胞培養容器。
  4. 前記吸湿性ポリマーがEVAを含むことを特徴とする、請求項3に記載の細胞培養容器。
  5. 前記細胞培養培地延長材料が、少なくとも1つのコーティングを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  6. 前記細胞培養培地延長材料が、フィルムを含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の細胞培養容器。
  7. 吸湿性ポリマーと少なくとも1つの栄養素とを含む、細胞培養培地延長材料。
  8. 前記材料が、細胞培養容器の一部を形成することを特徴とする、請求項7に記載の細胞培養培地延長材料。
  9. 前記吸湿性ポリマーがEVAを含むことを特徴とする、 請求項7又は8に記載の細胞培養培地延長材料。
  10. 前記材料が、フィルムであることを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の細胞培養培地延長材料。
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