JP2008539740A - 発酵法及び、この発酵法を実施するための装置 - Google Patents
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Abstract
本発明は、複数の反応容器の培養液内に栄養素を所望に投入するための発酵法であって、この場合、各反応容器内にそれぞれ少なくとも1つの遊離システムから栄養素を供給するようになっている方法に関する。
規定された遊離率で装置的に安価なコストでフィード・バッチ式発酵のための調量率を改良及び最適化するために、本発明によれば、前記遊離システムを、反応容器の内側面の、引き続き培養液と接触する領域内に固定するようにした。
また本発明は、栄養素を遊離システムから、互いに接続された複数の反応容器の培養液内に所望に投入することによって発酵させる方法を実施するための装置に関する。
規定された遊離率で装置的に安価なコストでフィード・バッチ式発酵のための調量率を改良及び最適化するために、本発明によれば、前記遊離システムを、反応容器の内側面の、引き続き培養液と接触する領域内に固定するようにした。
また本発明は、栄養素を遊離システムから、互いに接続された複数の反応容器の培養液内に所望に投入することによって発酵させる方法を実施するための装置に関する。
Description
本発明は、複数の反応容器の培養液内に栄養素を所望に投入するための発酵法であって、この場合、各反応容器内にそれぞれ少なくとも1つの遊離システムから栄養素を供給するようになっている方法に関する。また本発明は、栄養素を遊離システムから複数の反応容器の培養液内に所望に投入することによって発酵させる方法を実施するための装置に関する。
バイオテクノロジーの製造プロセスのためには、栄養素を投入する運転形式、いわゆるフィード・バッチ運転形式(Fed-batch-Betriebsweise)が特に有利であることが分かった。発酵中に栄養素を投入することによって、純粋なバッチ運転形式に対して成長及び生産段階が劇的に改善される。微量定量プレートの成長は、培養液の組成、特に培養液内に含まれる栄養素の組成に強く依存している。例えば過剰な栄養素によって、低い水分活性又は高い浸透圧に至るような妨害が存在すると、異化作用抑止が発生するか、又は発酵中にオーバーフロー(溢流)メカニズムが働き、このオーバーフローメカニズムにおいて、例えばラクテート(乳酸塩)、アセテート(酢酸塩)又はエタノールが析出するので、バッチ式発酵(batch-Fermentation)によって最適な微生物及び培養液を得ることはできない。
従来のバイオリアクタにおいて、フィード・バッチ運転形式は、バッチ式発酵に対して、反応容器が発酵開始時に部分的にのみ充填される、という点で異なっている。発酵の過程において初めて、反応容器が栄養素溶液を所望に投入することによって最大充填容積が得られる。栄養素溶液を所望に供給するのを開始する時点は、それぞれの発酵法に基づいている。
フィード・バッチ式発酵の目的は、多くの場合、反応容器内における限定された栄養素又は前駆物質の濃度を、生物学的な反応のために有利であると分かった低い濃度範囲内に維持するという点にある。フィード・バッチ式発酵の別の目的は、第1の段階で、微生物の成長を促し、所望の投入開始時点で所望の生産物への材料転換を開始させる、という点にある。
フィード・バッチ運転形式による生産プロセスのための栄養素供給の、多くの場合経験的な改良は、高価な時間的及び装置的なコストを伴って順次実施される、実験室撹拌リアクタ内での実験で行われる。しかしながらバイオテクノロジーにおける発酵の生産プロセスを改良するための古典的な機器は、振動ピストン技術である。これによって、並行して行われる試験において、多くの重要なプロセスパラメータ、例えば栄養素スペクトル、pH値、微量元素、濃度が、並行して試験される。
振動ピストン技術をフィード・バッチプロセスの改良のためにも使用することができるようにするために、フィード・バッチ式振動ピストン技術が開発されている(Chemie Ingenieur Technik(68)11/96:化学工学(68)11/96)。このために、簡単な振動ピストン技術が、小さい反応容積に適合された精確な調量技術と組み合わされる。調量技術は、精密なピストンポンプより成っており、このピストンポンプは、種々異なる栄養素をマルチポートバルブによって調量導管を介して複数の振動ピストンに分配する。栄養素調量の制御は、プロセスコンピュータによって行われる。これによって、調量スケジュールを予め設定することによって、個別に並行に駆動される各振動ピストンのために個別の調量特性が実現される。フィード・バッチ式振動ピストン装置によって、14個までのピストンに、4種類の異なる栄養素が供給される。
公知のフィード・バッチ式振動ピストン装置は、実験室の基準で、フィード・バッチ式発酵のための、調量計画の自動化された、並行の改良及び最適化を可能にするものではあるが、前述のように高価な装置的なコストのために、並行に駆動しようとする反応容器の数は制限されている。従って、微生物及び/又は生産物の最適な生産量を供給する、多数の(例えば数百の)異なる微生物の選別は、経済的に殆ど実施することができない。
「Luebbe et al., Appl Microbiol Bioetechnol (1985) 22:424-427 " Use of controlled-release polymer to feed ammonium Streptomyces clavuligerus cephalosporin fermentations in shake flasks "」(リュッベルその他著による論文、アップル微生物学バイオテクノロジー(1985)22:424―427"シェイクフラスコ内に、アンモニウム ストレムトマイセス クラブリゲルス セファロスポリン発酵物を供給するために、ポリマーを制御しながら遊離させる")には、栄養素を遊離システムとしてのポリマーマトリックス内にカプセル状に包囲して、この遊離システムを振動ピストン内の培養液に与える点について記載されている。遊離システムは、約33重量%の培養液及び約9mmの直径を有するポリマーディスクとして培養液内に懸架され、この培養液に全面的に接触している。各振動ピストンは、2つのディスク状の遊離システムを有しており、これらの遊離システムは栄養素をゆっくりと遊離させる。このような遊離システムは、振動ピストン内において循環する培養液上で浮遊する、という欠点がある。これによってもはや、遊離システムと培養液との規定された接触面は得られず、遊離率を規定することができない。しかも、培養液の表面におけるガス交換は不確定な形式で阻止される。
また、例えば24,28又は96箇所の凹部を有するプラスチックより成る微量定量プレートが数十年前より公知であって、微生物を培養するためにも使用される。
以上のような従来技術から出発して、本発明の課題は、冒頭に述べた方法を改良して、フィード・バッチ条件のもとでの選別を可能にし、しかも装置的に安価なコストでフィード・バッチ式発酵のための調量計画の改良及び最適化を可能にし、この場合、規定された遊離率が得られ、培養液の表面におけるガス交換が阻止されないような方法を提供することである。
また本発明は、このような方法を実施するために適した装置を提供することである。
この課題を解決した本発明の方法の手段によれば、前記遊離システムを、反応容器の内側面の、引き続き培養液と接触する領域内に固定するようにしたことによって解決された。
遊離システムは、反応容器の底部又は壁部、或いは底部と壁部とに固定される。従来技術のものとは異なり、遊離システムは培養液内に懸架されてはいない。従って培養液と接触する表面は、常に同じである。これによって、遊離システム内で固定された栄養素の規定された遊離運動が得られる。しかもガス相(気相)とのガス交換が阻止されることはない。
本発明による遊離システムは、特に、最短で1時間から最大で3週間迄の所定の時間に亘って培養液内で遊離する栄養素の所定の濃度を確実に維持することができる。
本発明の方法の実施態様によれば、栄養素を、発酵に適した一定の質量流量で供給するようにした。一定に供給することによって、微生物の所望に制限された生物学的な成長を促すことができる。
それにも拘わらず、栄養素を、例えば質量流の指数関数的に増大させて、可変な質量流で遊離システムから供給するようにした場合、ほぼ一定の栄養素濃度が得られる。
本発明の方法の別の実施態様によれば、栄養素を微生物の可能な位置相に適合させることができるようにするために、栄養素を、発酵開始後に時間的に遅らせて投入するようにした。時間的に遅らせて供給される、栄養素の質量流は、同様に可変に又は一定であってよい。
遊離システムの遊離率は、栄養素が炭素源である場合、0.1−10gNaehrstoff × 培養ステージ/(リットルKulturvolumen X時間)、有利には1−2gNaehrstoff × 培養ステージ/(リットルKulturvolumen X時間)である。制限された栄養素が別の成分である場合、微生物の需要に応じて、少量の栄養素が遊離される。
培養液内へのエネルギー供給は、反応容器を揺り動かすか又は、含有された培養液を撹拌することによって行われる。撹拌は、有利な形式で磁石撹拌機によって行われる。撹拌は、別の変化例では、空気を圧力によって反応器の下部に吹き込むブローコラム(Blasensaeule)によって行われる。
栄養素を遊離システムから複数の反応容器の培養液内に所望に投入することによって発酵させる、特に請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する装置は、
反応容器が互いに接続されていて、接続された反応容器が特に微量定量プレートとして構成されており、
各反応容器内に少なくとも1つの遊離システムが配置されており、
各遊離システムが、培養液と接触する領域内で、反応容器のうちの1つの内側面に固定されている。
反応容器が互いに接続されていて、接続された反応容器が特に微量定量プレートとして構成されており、
各反応容器内に少なくとも1つの遊離システムが配置されており、
各遊離システムが、培養液と接触する領域内で、反応容器のうちの1つの内側面に固定されている。
遊離システムを本発明に従って固定することによって、所定の遊離率及び、培養液の問題のないガス交換が保証される。遊離システムの固定は、反応容器内のポリマーマトリックスのモノマーから出発して、ポリマーマトリックスを重合化することによって行われる。さらに、反応容器の外でまず、遊離システムとしてのシート又はディスクを製造することができる。このシート又はディスクは、適当な部分に分割され、反応容器内に接着されるか又は押し込まれる。
複数の反応容器を、特に公知の微量定量プレートとしての構造的な1つのユニットに接続することによって、狭いスペース内で複数の発酵を並行して集中的に実施することができる。複数の反応容器を接続することによる別の利点は、ユニット特に微量定量プレートが実験室ロボットによって操作することができ、すべての発酵プロセスを自動化することができる、という点にある。
微量定量プレートのフィード・バッチ式培養液のために適した遊離運動を有する、内側面に固定された組み込み式の遊離システムを備えた微量定量プレートは、有利な形式で使い捨て使用のために滅菌包装されなければならない。
特に滅菌包装された使い捨て使用のための微量定量プレートを用いた、本発明による装置は、栄養素を所望に投入する公知の発酵方に対して、装置的なコスト及び操作コストを安価にすることができる。使用者は、微量定量プレートを組み込まれた遊離システムと共に、滅菌包装から取り出して、これを直ちに、所定の栄養素供給を伴う例えば96種類の異なる培養のフィード・バッチ式培養のために使用することができる。
組み込まれた遊離システムを有する微量定量プレートを使用することによって、試験製剤(Testansatz)内において所定の栄養素を所定の濃度の調節することができ、このために側別な測定及び調整装置を必要とすることはない。
遊離システムは、栄養素ストック(Nahrstoffvorrat)より形成されており、この栄養素ストックは、ウエル(Well;溜)特に底部の内側面の一部と、ウエルの内側面によって閉鎖された拡散バリヤの一部とによってカプセル状に包囲されている。このような形式で、拡散バリヤとして働くポリマー層は、栄養素ストックを閉じ込める。
別の解決策によれば、栄養素は拡散バリヤ内に埋め込まれており、この拡散バリヤは栄養素をその物理的な特性に応じて放出するようになっている。このような形式で形成された遊離システムは、50μm〜4mmの高さ、遊離には200μmから2mmの高さを有している。
次いで、特に栄養素を時間的にずらして放出させるために、遊離システムが考慮されている。この遊離システムは、ポリマー内に埋め込まれた栄養素ストック(ポリマーマトリックス)によって形成されており、この場合、埋め込まれた栄養素ストックは、ウエルの内側面の一部と、該ウエルの内側面によって閉鎖された拡散バリヤの一部とによってカプセル状に包囲されている。この拡散バリヤは、一般的に栄養素を含有していないが、場合によっては、孔形成部材として働く少量の栄養素を含有していてもよい。
異なる大きさの粒子が広範囲に分布されている栄養素結晶をポリマーマトリックス内に埋め込むことができる。異なる大きさの粒子が狭い範囲に分布されている方が遊離である。何故ならばそれによって規定された遊離システムを得ることができるからである。栄養素結晶の粒子の大きさは5μm〜2mmであって、粒子の大きさは有利には50μm〜500μmである。所定の種々異なる大きさの粒子分布を有する栄養素粒子、又はそれぞれ異なる大きさの粒子が狭い範囲に分布されている2つ又はそれ以上の粒群を使用してもよい。ポリマーマトリックスの重合化法は、種々異なる大きさの粒子を有する栄養素が遊離システムの種々異なる高さ位置に配置されるように、制御される。従って例えば、モノマー液の所定に調節された粘性によって、及び重合化中に種々異なる大きさの粒子の種々異なる沈殿速度を利用することによって、大きい栄養素粒子が下降し、ポリマーマトリクス内でこれらの大きい栄養素粒子上により小さい栄養素粒子が配置される。さらにまた、狭い範囲の粒子大きさ分布を1箇所に配置することによって、ポリマーマトリックスの高さに亘って積層された粒子の密度分布を得ることができる。このような特別な遊離法によって、有利な形式で、微生物の必要性に適合された遊離運動が得られる。
遊離システム用のポリマー材料として、天然の又は人工的なポリマー、特に以下のポリマー若しくはポリマーグループが考慮される。
ポリサッカリド及びその誘導体、ポリシロキサン、ポリアクリル酸及びその誘導体、ポリカーボネート、ポリオレフィン及びその誘導体、ポリカーボン酸及びその誘導体、ポリエーテル及びその誘導体、ポリエステル及びその誘導体、ポリアミン、アミド及びその誘導体、ポリスルホン及びその誘導体、ポリウレタン、ポリビニル及びその誘導体特にポリビニルアルコール、並びに前記ポリマーのコポリマー、及びその修飾によって得られる誘導体、
例えばアルギン酸塩が、キトサン及びポリアミドと組み合わせて天然のポリマーとして使用されると、6時間以上の遊離時間が可能である。人工的なポリマーEudragid(定量分析で、栄養素核を包囲する相として使用される)によって、12時間以上の遊離時間が得られる。さらに、人工的なポリマーとしてのシリコーンより成る拡散バリヤによって定量分的が行われ、この拡散バリヤ内に、網状結合の前に栄養素結晶が懸濁される。このような形式で埋め込まれた栄養素を有する拡散バリヤは、約3〜250時間の遊離時間を保証することができる。
例えばアルギン酸塩が、キトサン及びポリアミドと組み合わせて天然のポリマーとして使用されると、6時間以上の遊離時間が可能である。人工的なポリマーEudragid(定量分析で、栄養素核を包囲する相として使用される)によって、12時間以上の遊離時間が得られる。さらに、人工的なポリマーとしてのシリコーンより成る拡散バリヤによって定量分的が行われ、この拡散バリヤ内に、網状結合の前に栄養素結晶が懸濁される。このような形式で埋め込まれた栄養素を有する拡散バリヤは、約3〜250時間の遊離時間を保証することができる。
本発明の有利な実施態様によれば、拡散バリヤは膨張体(Quellkoerper)を有しており、この膨張体は拡散バリヤをまず膨張過程によって浸透させる。これによって、いわゆる遅滞期を有する発酵時に、遅延された遊離が実現される。
拡散バリヤ内における可溶性の成分が孔形成部材として除除に複数の通路を形成し、これらの通路は、栄養素の遊離を、増大された質量流によって加速する。種々異なる溶解性を有する成分を選択することによって、栄養素放出をコントロールすることができる。
膨張体がその体積を、培養液のpH値及び/又は温度に基づいて増大させ、かつ/又は可溶性の成分若しくは孔形成部材が、培養液のpH値及び/又は温度に基づいて溶解すると、栄養素放出は、pH値及び/又は温度に基づいて、例えば酸性の培養液の場合、所定のpH値若しくは所定の温度が得られてから行われる。
以下に本発明を添付の図面を用いて詳しく説明する。
図1は、本発明による方法を実施するための微量定量プレートの反応容器の、断面した概略的な側面図であって、
図1Aは、底部側の遊離システムを備えた反応容器、
図1Bは、底部側の遊離システムを備えた、別の反応容器、
図1Cは、中空円筒形の壁部側の遊離システムを備えた反応容器、
図1Dは、壁部及び底部に亘って延在する遊離システムを備えた反応容器を示し、
図2は、図1とは別の構成による遊離システムを備えた、微量定量プレートの反応容器の、断面した概略的な側面図、
図3は、図1及び図2とは別の構成による遊離システムを備えた、微量定量プレートの反応容器の、断面した概略的な側面図である。
図1Aは、底部側の遊離システムを備えた反応容器、
図1Bは、底部側の遊離システムを備えた、別の反応容器、
図1Cは、中空円筒形の壁部側の遊離システムを備えた反応容器、
図1Dは、壁部及び底部に亘って延在する遊離システムを備えた反応容器を示し、
図2は、図1とは別の構成による遊離システムを備えた、微量定量プレートの反応容器の、断面した概略的な側面図、
図3は、図1及び図2とは別の構成による遊離システムを備えた、微量定量プレートの反応容器の、断面した概略的な側面図である。
図1は、部分的にのみ示された微量定量プレートの反応容器を示しており、この微量定量プレートは、このような形式の、規則正しく配置された複数の反応容器1を有している。微量定量プレートの反応容器1は、「ウエル(Well;溜)」とも称呼される。各反応容器1は、底部側が閉鎖された、中空円筒形体であって、環状の壁部2と、底面3とから成っている。
図1に示した実施例では、遊離システム4は、ポリマーより成る拡散バリヤ7によって形成されており、この拡散バリヤ7内に栄養素が埋め込まれている(ポリマーマトリックス)。栄養素ストックの埋め込みは、図1では、遊離システム4内の白い点によって示されている。
図1Aによれば、遊離システム4は底面全体に亘って延在している。遊離システムの固定は、反応容器内で、ポリマーマトリックスのモノマーからポリマーマトリックスを重合することによって行われる。
反応容器の内側面に遊離システムを固定してから、反応容器の内側面は培養液5に接触する。それに続いて微量定量プレートが、反応容器の内側面に固定された遊離システムによって前もって形成され、滅菌包装され、使用時まで問題なく蓄えられる。
図1B〜図1Dは、遊離システムの別の固定可能性を示す。図1Bには、遊離システム4が底面3の全体に亘って延在していない変化実施例が示されており、これに対して、図1Cに示した変化実施例では、中空円筒形の遊離システム4が反応容器1の側壁2に固定されており、また図1Dには、側壁2と底面3とを覆う遊離システム4が示されている。
さらに、図1A〜図1Dによれば、遊離システム4が全体的に、反応容器1の内側面の、続いて充填しようとする培養液5と接触する領域内に固定されていることが明らかである。
図2に示した遊離システム6は、図1に示した遊離システムとは異なり、遊離システム6が栄養素ストック8から形成され、この栄養素ストック8は、ウエルの内側面の一部、つまり底部3と側壁2の下部と、ウエルの側壁2と同一面を成して接続された拡散バリヤ9とによって閉じ込められている。拡散バリヤ9として機能するポリマー層は、このような形式で栄養素ストック8を閉鎖するようになっているので、栄養素ストック8は、拡散バリヤ9だけを通って培養液5に達する。
次いで特に、栄養素を時間的にずらして提供するために、図3に示した遊離システムが用いられる。この遊離システムは、ポリマー内に埋め込まれた栄養素ストック(ポリマーマトリックス)7によって形成されており、この場合、埋め込まれた栄養素ストック(ポリマーマトリクス)7は、ウエルの内側面の一部と、ウエルの内側面によって閉鎖された拡散バリヤ9とによって、カプセル状に包囲されている。拡散バリヤ9は、図2に示された拡散バリヤ9と同様に、栄養素を含んでいない。
1 反応容器
2 壁部
3 底面
4 遊離システム
5 培養液
6 遊離システム
7 拡散バリヤ(栄養分粒子を有するポリマーマトリックス)
8 栄養素ストック
9 拡散バリヤ(栄養分粒子を有していないポリマー層)
2 壁部
3 底面
4 遊離システム
5 培養液
6 遊離システム
7 拡散バリヤ(栄養分粒子を有するポリマーマトリックス)
8 栄養素ストック
9 拡散バリヤ(栄養分粒子を有していないポリマー層)
Claims (17)
- 複数の反応容器の培養液内に栄養素を所望に投入するための発酵法であって、この場合、各反応容器内にそれぞれ少なくとも1つの遊離システムから栄養素を供給するようになっている方法において、
前記遊離システム(4)を、引き続き培養液(5)と接触する領域内で反応容器(1)の内側面(2,3)に固定することを特徴とする、発酵法。 - 前記遊離システム(4)を、前記反応容器(1)の底部(3)及び/又は壁部(2)に固定する、請求項1記載の発酵法。
- 栄養素を、発酵開始後に時間的に遅らせて投入する、請求項1又は2記載の発酵法。
- 栄養素を、前記遊離システム(4)から一定の質量流量で投入する、請求項1から3までのいずれか1項記載の発酵法。
- 栄養素を、前記遊離システム(4)から可変な質量流量で投入する、請求項1から3までのいずれか1項記載の発酵法。
- 前記反応容器(1)を発酵中に揺り動かす、請求項1から5までのいずれか1項記載の発酵法。
- 前記培養液(5)を反応容器(1)内で発酵中に撹拌する、請求項1から5までのいずれか1項記載の発酵法。
- 栄養素を遊離システムから複数の反応容器の培養液内に所望に投入することによって発酵させる、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法を実施する装置において、
反応容器(1)が互いに接続されており、
各反応容器(1)内に少なくとも1つの遊離システム(4)が配置されており、
各遊離システム(4)が、培養液(5)と接触する領域内で、反応容器(1)のうちの1つの内側面(2,3)に固定されている、
ことを特徴とする発酵法。 - 前記接続された反応容器(1)が微量定量プレートとして構成されている、請求項8記載の装置。
- 遊離システム(4)が、微量定量プレートの反応容器としてのウエルの底部(3)及び/又は壁部の内側面(2)に固定されている、請求項9記載の装置。
- 遊離システム(4)が栄養素ストック(8)より構成されており、この栄養素ストック(8)が、反応容器としてのウエル(1)の内側面(2,3)の一部と、該ウエル(1)の内側面(2,3)に接続され、かつこの内側面(2,3)で終わっている拡散バリヤ(9)とによってカプセル状に包囲されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の装置。
- 遊離システム(4)が拡散バリヤ(7)によって形成されていて、該拡散バリヤ(7)内に栄養素が埋め込まれている、請求項8から10までのいずれか1項記載の装置。
- 遊離システム(4)が拡散バリヤ(7)によって形成されていて、該拡散バリヤ(7)内に栄養素が埋め込まれており、この埋め込まれた栄養素が、反応容器としてのウエル(1)の内側面(2,3)の一部と、該ウエル(1)の内側面に接続され、かつこの内側面で終わっている別の拡散バリヤ(9)とによってカプセル状に包囲されている、請求項8から10までのいずれか1項記載の装置。
- 前記拡散バリヤ(7,9)が少なくとも部分的にポリマーより成っている、請求項11から13までのいずれか1項記載の装置。
- 前記拡散バリヤ(7,9)が、孔形成部材として働く膨張体及び/又は可溶性の成分とを含有している、請求項11から14までのいずれか1項記載の装置。
- 前記膨張体が、pH値及び/又は培養液の温度に依存してその容積を増大するようになっている、請求項15記載の装置。
- 孔形成部材とした働く可溶性の成分が、培養液(5)のpH値及び/又は温度に依存して溶解する、請求項15記載の装置。
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