JP2017534575A - 2’−o−フコシルラクトースの製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、2'-O-フコシルラクトースの製造方法、本方法により入手できる2'-O-フコシルラクトース及びその使用に関する。本方法は、下記式(I)の過シリル化され、保護されたフコース誘導体を、少なくとも1つのトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物と反応させるステップ及びこのようにして得られた生成物を一般式(II)の化合物と、塩基の存在下で続いて反応させるステップを含む。式(I)及び(II)において、変数は次のようにそれぞれ定義される:RSiは、同一又は異なっており、式SiRaRbRcの残基を示し;R1は、C(=O)-R11残基又はSiR12R13R14残基であり;R2は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し;R3は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成する。

Description

本発明は、2'-O-フコシルラクトースの製造方法、本方法により得られる2'-O-フコシルラクトース及びその使用に関する。
2'-O-フコシルラクトース(CAS-No.:41263-94-9:α-L-フコピラノシル)-(1→2)-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコピラノース)は、母乳中に比較的多量に見いだされるオリゴ糖である。母乳中に存在する2'-O-フコシルラクトースはそれに起因して、母乳で育てられている新生児において感染のリスクを低下させることが、様々に報告されてきた(例えば、Weichertら、Nutrition Research、33 (2013)、10巻、831〜838; Jantscher-Krennら、Minerva Pediatr. 2012、64 (1) 83〜99; Morrowら、J. Pediatr. 145 (2004) 297〜303を参照されたい)。したがって、2'-O-フコシルラクトースは、栄養補助食品の成分として、特にヒト化乳製品用、特に乳児栄養用の添加物として、特に興味深い。
古典的な化学的又は生化学的手段による2'-O-フコシルラクトースの製造については、文献において様々に記載されてきた(例えば、Carbohydrate Res.88(1) (1981) 51、Carbohydrate.Res.154 (1986) 93〜101, Carbohydrate.Res.212 (1991) C1〜C3、J. Org.Chem. (1997) 62、992、Heterocycles 84(1) (2012) 637、US5,438,124、WO2010/115934、WO2010/115935、WO2010/070616、WO2012/113404及びWO2013/48294を参照されたい)。化学的製造は、活性型フコシルドナー、例えば、メチル1-チオ-2,3,4-トリ-O-ベンジル-β-L-フコピラノシド、メチル3,4-O-イソプロピリデン-2-O-(4-メトキシベンジル)-1-チオ-L-フコピラノシド、ペンテニル3,4-O-イソプロピリデン-2-O-(4-メトキシベンジル)-β-L-フコピラノシド、フェニル1-チオ-2,3,4-トリ-O-ベンジル-β-L-フコピラノシド、2,3,4-トリ-O-ベンジル-β-L-フコピラノシルブロミド、又は2,3,4-トリ-O-ベンジル-β-L-フコピラノシルトリクロロアセトイミダートを使用することによる、適切に保護されたアクセプタ、すなわち部分的に保護され、2位では保護されていないラクトース誘導体[これはアノマーOH基の代わりにチオアルキル基、アルケニルオキシ基、トリクロロアセトイミダート又は臭素原子を有し、例えば、4-O-(6-O-アセチル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコースジメチルアセタール]のフコシル化に一般には基づいている(フコースドナーに関連しては、上の引用文献及びTetrahedron Lett.31 (1990) 4325を参照されたい)。フコースドナーの複雑性、一般には多段階の製造法が欠点である。フコシル化試薬のベンジル保護基を、重金属含有触媒を使用する水素化分解により除去する必要があり、これによって、除去するのが困難であるとともに食料品には許容されない生成物中の不純物がもたらされることが、別の欠点である。
例えば、R. K. Jainら、Carbohydrate Research、212 (1991)、pp.C1〜C3には、フコシル化試薬としてメチル3,4-O-イソプロピリデン-2-O-(4-メトキシベンジル)-1-チオ-β-L-フコピラノシド又はペンチル3,4-O-イソプロピリデン-2-O-(4-メトキシベンジル)-β-L-フコピラノシドを使用する、4-O-(6-O-アセチル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコースジメチルアセタールのフコシル化による2'-O-フコシルラクトースの製造経路が記載されている。しかし、このようなフコシル化試薬を製造するのは複雑である。類似の合成法がJ.Org.Chem.1997、62、992に記載されている。
WO2010/115934及びWO2010/115934には、2-O-ベンジル化フコシルドナーを使用する2-フコシルラクトースの製造法が記載されている。このフコシルドナーは、製造するのに複雑であり、水素化分解により除去する必要のあるベンジル基をなお有している。類似の方法はWO2010/070616から公知である。
WO2012/113404には、グリコシル化においてフコシルドナーとして使用可能なO-保護フコシル亜リン酸塩が、特に記載されている。ここでもまた、2,3,4-O-保護フコース誘導体を多段階反応においてまず製造する必要があり、三塩化リン及びフェノールと引き続いて反応させて、対応するフコシル亜リン酸塩とする。
要約すると、2'-O-フコシルラクトースを製造するための現在まで公知の方法は複雑であり、したがって経済的ではない、と言えよう。さらに、生態毒性学の観点から問題である試薬が使用される。そのうえ、生成した2'-O-フコシルラクトースは、ベンジル保護基の水素化分解的除去に由来する遷移物質及び芳香族などの完全に除去できない不純物を、また2'-O-フコシルラクトースのβ-異性体、すなわちβ-L-フコピラノシル-(1→2)-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコピラノースなどの望ましくない三糖を含んでいる。2'-O-フコシルラクトースをヒトの栄養において、特に乳児の栄養において使用する場合、このような不純物は特に問題である。
先行技術における問題を有さない、2'-O-フコシルラクトースの製造方法を提供することが本発明の一目的である。本方法により、簡便に製造することができる出発物質、特に簡単に入手できるフコシルドナーを使用することが、特に可能となるであろう。本方法により、フコシル化において良好な収率及び良好な立体選択性がさらに確実となるであろう。また、本方法は、遷移金属触媒を通す水素化分解によって任意の保護基が除去されることを回避するのに適しているであろう。
下記式(I)、特に下記式(I-α)のα-アノマー
Figure 2017534575
[式中、
RSiは式SiRaRbRcの残基である(ここで、
Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]
の過シリル化され保護されたフコース誘導体を、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物と反応させ、続いてこのようにして得たフコースドナー、対応するヨウ化物を、適切なラクトースアクセプター、すなわち下でより詳細に定義される一般式(II)の化合物と、少なくとも1つの塩基の存在下で反応させると、一般式(III)の対応する、保護された2'-O-フコシルラクトース誘導体が良好な収率及び高い選択性で得られ、この誘導体を次いでそれ自体が公知な方法で脱保護して、必要とされる水素化ステップを実施することなく、2'-O-フコシルラクトースを得ることができることが判明した。
したがって、本発明は、
a) 一般式(I)、特に下記式(I-α)のα-アノマー
Figure 2017534575
[式中、
RSiは式SiRaRbRcの残基である(ここで、
Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]
の保護されたフコースを、
一般式(II)
Figure 2017534575
[式中、
R1は、C(=O)-R11残基又はSiR12R13R14残基であり(ここで、
R11は、水素、C1〜C8-アルキル、C1〜C8-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル又はフェニルであり(ここで、前記フェニルは、非置換であるか又はハロゲン、CN、NO2、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル及びC1〜C4-アルコキシから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有する)、並びに
R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)、
R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成する]
の化合物と反応させるステップ、
b) ステップa)において得られた一般式(III)
Figure 2017534575
[式中、RSi、R1、R2及びR3は、上記のように定義される]
のカップリング生成物を脱保護して、2'-O-フコシルラクトースを得るステップ
を含み、
ステップa)が、
a.1) 一般式(I)の保護されたフコースをトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物で処理すること、及び
a.2) 少なくとも1つの塩基の存在下で、ステップa.1)で得られた生成物を式(II)の化合物と反応させること
を含む、2'-O-フコシルラクトースの製造方法にまず関する。
本発明は、一般式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IV)
Figure 2017534575
Figure 2017534575
[式中、
式(IIIa)においてR1aは、SiR12R13R14残基であり(ここで、
R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)、
式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)においてR2は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)においてR3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)においてR4は、同一又は異なっており、水素又はSiRaRbRc残基を示し(ここで、
Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)
及び
式(IIIc)及び(IV)においてR11は、水素、C1〜C8-アルキル、C1〜C8-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル又はフェニルである(ここで前記フェニルは、非置換であるか又はハロゲン、CN、NO2、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル及びC1〜C4-ハロアルコキシから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有する)]
の保護された及び部分的に保護された2'-O-フコシルラクトース誘導体にさらに関する。
本発明は、一般式(II)[式中、R1は、SiR12R13R14残基である(ここで、R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]の部分的に保護されたラクトース誘導体にさらに関する。これらについては、式(IIa):
Figure 2017534575
[式中、R1aは、SiR12R13R14残基である(ここで、R12、R13及びR14は先に定義されている通りであり、R2及びR3は式(II)、(III)、(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)に対して定義されている通りである)]
によって以下に説明する。
本発明の方法は一連の長所に関連している。式(I)の化合物がフコースから一段階で製造できるので、フコシルドナーの複雑な製造を回避することができる。本方法により、グリコシル化に関連して良好な収率及び良好な立体選択性で式(III)の一次カップリング生成物が得られる。式(III)の化合物中の保護基の除去は、遷移金属触媒を通す水素化分解を必要とせず、温和な加水分解条件下で可能である。式(III)の、特に式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)の生成中間体は、安定であり、特に保存時に安定であり、精製することができる。また、本方法は比較的大きなスケールで容易に実施することができる。さらなる長所とは、本発明に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトースは、公知の2'-O-フコシルラクトースと比較して、除去不可能な不純物、例えば水素化から生じる重金属及び重金属化合物、及び保護基の水素化により形成されるアルキル芳香族化合物も含まないか、又はこれらをはるかに少量で含むのみである、ことである。さらに、本発明の方法により、望ましくないβ-異性体は形成されないか又は極低い程度で形成されるのみであるが、この程度は先行技術の方法において形成されるβ-異性体の量と比較してさらに低い。実際、式(I)の化合物を式(II)の化合物と反応させることにより、式(III)の化合物の望ましくないβ-異性体は、β-異性体(III-β)とα-異性体(III-α)
Figure 2017534575
のモル比が1:25を超えないような、特に1:35〜1:40の範囲であるような、このような微量で形成される。したがって、本発明の方法により、任意選択でのさらなる精製の後に、望ましくないβ-異性体を1重量%未満で、特に0.5重量%未満で含む所望の2'-O-フコシルラクトースを含有している2'-O-フコシルラクトースを製造することが可能である。
本方法並びに本方法により得られる式(IIa)の反応物及び式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)及び(IV)の中間生成物は、それ故、2'-O-フコシルラクトースを製造するのに特に適している。したがって、本発明はまた、2'-O-フコシルラクトースを製造するための一般式(IIa)の化合物の使用及び2'-O-フコシルラクトースを製造するための一般式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の使用にも関する。
本発明に記載の方法により得られる2'-O-フコシルラクトースに関する品質が、この2'-O-フコシルラクトースを食料品の製造に特に適したものとする。したがって、本発明はまた、
- 本明細書に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトース、
- 一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の少なくとも1つの使用により製造された2'-O-フコシルラクトース、
- 食料品において又は食品添加物として、本明細書に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトースの使用、
- 食料品において又は食品添加物として、一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の少なくとも1つの使用により製造された2'-O-フコシルラクトースの使用、
- 一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の少なくとも1つから2'-O-フコシルラクトースを製造すること及びこのようにして入手できる2'-O-フコシルラクトースを食料品中に製剤化することを含む、食料品の製造方法、
- 本明細書に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトース及び食料品に適した少なくとも1つの担体を含む、食料品又は食品添加物、
にも関する。
本発明に関して、総称的に使用される用語を以下の通り定義する。
接頭辞Cx〜Cyは、特定の場合において、可能性のある炭素原子の数を示す。
用語「ハロゲン」は、各場合において、フッ素、臭素、塩素又はヨウ素、特にフッ素、塩素又は臭素を示す。
用語「C1〜C4-アルキル」は、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基残基、例えば、メチル、エチル、プロピル、1-メチルエチル(イソプロピル)、ブチル、1-メチルプロピル(sec-ブチル)、2-メチルプロピル(イソブチル)又は1,1-ジメチルエチル(tert-ブチル)を示す。
用語「C1〜C8-アルキル」は、1〜8個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル基残基を示す。具体例は、C1〜C4-アルキルに関して記載した残基に加えて、n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、2-ペンチル、2-ヘキシル、2-ヘプチル、2-オクチル、3-ペンチル、3-ヘキシル、3-ヘプチル、3-オクチル、2,2-ジメチルプロピル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、2-エチルブチル、3-エチルブチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-エチルペンチル、3-エチルペンチル、4-エチルペンチル、2-エチルヘキシル及びそれらの位置異性体である。
用語「C1〜C8-ハロアルキル」とは、1個以上又は全部の水素原子がハロゲン原子で、特にフッ素又は塩素原子で置き換えられている、1〜8個の炭素原子、特に1〜4個の炭素原子(C1〜C4-ハロアルキル)を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル残基を示す。本発明での例は、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、1,1,2,2-テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、2,2-ジフルオロプロピル、3,3-ジフルオロプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、2,2,3,3,3-ペンタフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピルなどである。
用語「C1〜C4-アルコキシ」とは、酸素原子を介して結合している1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和アルキル基を示す。C1〜C4-アルコキシの例は、メトキシ、エトキシ、n-プロポキシ、1-メチルエトキシ(イソプロポキシ)、n-ブトキシ、1-メチルプロポキシ(sec-ブトキシ)、2-メチルプロポキシ(イソブトキシ)及び1,1-ジメチルエトキシ(tert-ブトキシ)である。
用語「C1〜C4-ハロアルコキシ」とは、酸素原子を介して結合している1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖の飽和ハロアルキル基を意味する。この場合の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、1-フルオロエトキシ、2-フルオロエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、1,1,2,2-テトラフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシ、3,3,3-トリフルオロプロパ-1-オキシ、1,1,1-トリフルオロプロパ-2-オキシ、1-フルオロブトキシ、2-フルオロブトキシ、3-フルオロブトキシ、4-フルオロブトキシなどである。
用語「C3〜C8-シクロアルキル」とは、3〜8個の炭素原子を含む、環状、飽和ヒドロカルビル残基を示す。例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル及びシクロオクチルがある。
用語「C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル」とは、上に定義したように、1個の水素原子がC3〜C8-シクロアルキルにより置き換えられている、1〜4個の炭素原子を含む直鎖又は分岐鎖のアルキル残基を示す。
用語「直鎖C1〜C4-アルカンジイル」とは、1〜4個の炭素原子を有する、直鎖、二価ヒドロカルビル残基、例えば、メチレン、エタン-1,2-ジイル、プロパン-1,3-ジイル、及びブタン-1,4-ジイルを示す。
用語「直鎖C3〜C6-アルカンジイル」とは、3〜6個の炭素原子を有する、直鎖、二価ヒドロカルビル残基、例えば、プロパン-1,3-ジイル、ブタン-1,4-ジイル、ペンタン-1,5-ジイル及びヘキサン-1,6-ジイルを示す。
用語「食料品」又は「食品」とは、哺乳動物、特にヒトの栄養として意図され、それとして適した組成物及び製剤を示す。本発明に関して、これらには、天然物、例えば乳製品に基づく組成物、及び例えば食事又は医学的栄養向けの人工的に製造された製剤の双方が含まれるが、このような製剤は、直接使用することも可能であるし、又は任意選択で、液体を添加することにより使用前にすぐに使用できる製剤に転換させる必要がある。
用語「食品添加物」とは、食料品と混合して、化学的、物理的又は生理学的効果も達成する物質を示す。
本発明に記載の方法及び式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIb')、(IIIc)及び(IIIc')の化合物に関し、1つの式内の変数R2は各場合において同一の定義を有することが好ましい。R2は、特にC1〜C4-アルキル、とりわけメチルであり、又は同一炭素原子に結合している2個のR2残基は共に1,5-ペンタンジイルであり、したがって、それらが結合している炭素原子とともにシクロヘキサン-1,1-ジイル残基を形成している。全てのR2残基はとりわけメチルである。
本発明に記載の方法及び式(II)、(IIa)、(III)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIb')、(IIIc)及び(IIIc')の化合物に関し、1つの式内の変数R3は各場合において同一の定義を有することが好ましい。R3は、特にC1〜C4-アルキル及びとりわけメチルである。
本発明に記載の方法及び式(IIIa)、(IIIb)及び(IIIc)の化合物に関し、1つの式内の変数R4は各場合において同一の定義を有することが好ましい。R4は、特に水素又はトリ(C1〜C4-アルキル)シリル、とりわけ水素又はトリメチルシリルであり、すなわちSiRaRbRc残基において、残基Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、特にC1〜C4-アルキル、とりわけメチルである。式(IIIa)の化合物において、R4は特にトリ(C1〜C4-アルキル)シリル、とりわけトリメチルシリルである。式(IIIb)の化合物において、R4は特に水素である。
本発明に記載の方法及び式(I)及び(II)の化合物に関し、1つの式内の変数RSiは各場合において同一の定義を有することが好ましい。RSiは、特に水素又はトリ(C1〜C4-アルキル)シリル、とりわけ水素又はトリメチルシリルであり、すなわちSiRaRbRc残基において、残基Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、特にC1〜C4-アルキル、とりわけメチルである。
第1の実施形態は、式(II)及び(III)の化合物において、R1残基はSiR12R13R14残基、特にトリ(C1〜C4-アルキル)シリル、とりわけトリメチルシリルであり、すなわち、SiR12R13R14残基において、残基R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、特にC1〜C4-アルキル、とりわけメチルである。したがって、式(IIa)及び(IIIa)において、R1aはトリ(C1〜C4-アルキル)シリル、とりわけトリメチルシリルである、一方法に関する。
第2の好ましい実施形態は、式(II)及び(III)の化合物において、R1残基はC(=O)-R11残基であり、ここで、R11は上記のように定義され、特に水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル又はフェニル、とりわけメチル、tert-ブチル又はフェニルである、一方法に関する。したがって、式(IIIc)、(IIIc')及び(IV)において、R11残基は好ましくは水素、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-ハロアルキル又はフェニル、とりわけメチル、tert-ブチル又はフェニルである。本発明のある特定の実施形態では、R11はメチルと異なる。実施形態の特別の群では、R11はメチルである。実施形態のさらなる特別の群では、R11はtert-ブチルである。
式(I)の特に好ましい化合物の例は、全てのRSi残基がトリメチルシリルである、式(I)の化合物である。
本発明の方法では、式(I)の化合物はそのα-アノマー(I-α)の形態で通常用いられる。式(I)の化合物は、α-アノマー(I-α)とβ-アノマー(I-β)
Figure 2017534575
との混合物としてそのβ-アノマー(I-β)を有することもまた可能である。式(I)の化合物は、そのα-アノマー(I-α)から本質的になる形態で通常用いられる、すなわちα-アノマーとβ-アノマーの比が少なくとも8:1又は少なくとも9:1である。しかし、この比は所望の異性体(III)の形成にめだった影響を及ぼさない。
式(II)の特に好ましい化合物の例は、全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つR1がトリメチルシリルである、式(II)の化合物である。この化合物はまた式(IIa)の化合物の例でもある。
式(II)のさらに特に好ましい化合物の例はまた、全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つR1がアセチルである、式(II)の化合物である。
式(II)のさらに特に好ましい化合物の別例はまた、全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つR1がベンゾイルである、式(II)の化合物である。
式(II)のさらに特に好ましい化合物の別例はまた、全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つR1がピバロイル、すなわちC(=O)-C(CH3)3である、式(II)の化合物である。
式(III)の特に好ましい化合物の例は、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのRSi残基がトリメチルシリルであり、且つR1がトリメチルシリルである、式(III)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのRSi残基がトリメチルシリルであり、且つR1がアセチルである、式(III)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのRSi残基がトリメチルシリルであり、且つR1がピバロイルである、式(III)の化合物
である。
式(IIIa)の特に好ましい化合物の例は、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基がトリメチルシリルであり、且つR1aがトリメチルシリルである、式(IIIa)の化合物、及び
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基が水素であり、且つR1aがトリメチルシリルである、式(IIIa)の化合物
である。
式(IIIb)の特に好ましい化合物の例は、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つ全てのR4残基がトリメチルシリルである、式(IIIb)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、且つ全てのR4残基が水素である、式(IIIb)の化合物
である。
式(IIIc)の特に好ましい化合物の例は、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基がトリメチルシリルであり、且つR11が水素である、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基が水素であり、且つR11が水素である、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基がトリメチルシリルであり、且つR11がメチルである、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基が水素であり、且つR11がメチルである、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基がトリメチルシリルであり、且つR11がフェニルである、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基が水素であり、且つR11がフェニルである、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基がトリメチルシリルであり、且つR11がtert-ブチルである、式(IIIc)の化合物、
- 全てのR2残基がメチルであり、全てのR3残基がメチルであり、全てのR4残基が水素であり、且つR11がtert-ブチルである、式(IIIc)の化合物
である。
式(IV)の特に好ましい化合物の例は、
- R11がメチルである、式(IV)の化合物、
- R11がエチルである、式(IV)の化合物、
- R11がフェニルである、式(IV)の化合物、
- R11がtert-ブチルである、式(IV)の化合物
である。
本発明に記載の方法のステップa)には、一般式(I)の保護されたフコースを少なくとも1つのトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物で処理することが含まれる。この場合、式(I)の化合物は、一般式(I')
Figure 2017534575
の対応するヨウ化物に選択的に転換される。
この反応はまた、以下でステップa.1)という。次いで得られた反応生成物を式(II)の化合物と反応させるが、ここで、この反応は、反応(ステップa.2)において場合により生成したヨウ化水素を除去するために、少なくとも1つの塩基の存在下で行われる。
好適に用いられるトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物はヨウ化トリメチルシリルである。
トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物は、式(I)の化合物1モル当たり、0.8モル〜1.4モル又は0.8モル〜1.2モルの量で、特に0.9〜1.1モルの量で、とりわけ0.9〜1モルの量で使用するのが好ましい。
トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物は、特にヨウ化トリメチルシリルはこのように使用することができる。トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物は、特にヨウ化トリメチルシリルはインサイチュで製造することもできる。
例えば、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物のインサイチュ製造は、対応するトリ(C1〜C6-アルキル)シリル塩化物をヨウ化物塩、特に、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムなどのアルカリ金属ヨウ化物で処理することにより、達成できる。これに適した方法は、例えば、Synthesis 1983、p. 459、Synthesis 1979、p. 740、Synthesis 1981、p. 67、Chem. Ber. 1962、95、p. 174及びBioorganic and Med. Chem. Lett. 10、2000、p. 2311から公知で、これらは適宜援用することができる。本発明では、ヨウ化物塩を、トリ(C1〜C6-アルキル)シリル塩化物に対して少なくとも等モル量で使用するのが好ましく、特にトリ(C1〜C6-アルキル)シリル塩化物に対して過剰で使用するのが好ましい。この場合、好適な手順としては、対応するトリ(C1〜C6-アルキル)シリル塩化物をヨウ化物塩で、特に、ヨウ化リチウム、ヨウ化カリウム又はヨウ化ナトリウムなどのアルカリ金属ヨウ化物で処理することにより、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物、特にヨウ化トリメチルシリルを最初に製造し、そしてこの反応生成物を一般式(I)の化合物に加える、ようなものである。適切な溶媒中で、特に、アセトニトリル又はプロピオニトリルなどの非プロトン性溶媒中で製造を行うのが好ましい。
トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物のインサイチュ製造は、対応するヘキサ(C1〜C6-アルキル)ジシラン、とりわけヘキサメチルジシラン(HMDS)をヨウ素と反応させることにより、達成できる。これに適した方法は、例えばSynthesis Commun. 1974、p. 740; Chem. Commun. 2003、p. 1266; Carb. Lett. 1998、3、p. 179から公知で、これらは適宜援用することができる。
本発明では、第1のステップにおいて、ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン、とりわけHMDSを元素状ヨウ素と反応させ、その後、このようにして得た反応混合物に式(I)の化合物を添加するのが好ましい。ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン、とりわけHMDSのヨウ素との反応は、バルク中で又は不活性有機溶媒中で実施することができる。適切な不活性溶媒には、特に、トリクロロメタン及びジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が含まれる。ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン、とりわけHMDSの元素状ヨウ素との反応は、0〜110℃の範囲、特に、0〜60℃の範囲の温度で実施されることが多い。あるいは、ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン、とりわけHMDSをヨウ素及び式(I)の化合物と反応させることもできる。この代替法は不活性溶媒中で実施するのが好ましい。適切な不活性溶媒には、特に、トリクロロメタン及びジクロロメタンなどのハロゲン化炭化水素が含まれる。ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン及びヨウ素を、0.5:1〜1:0.5の範囲のモル比で、特に、約1:1のモル比で反応させるのが好ましい。ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン及び式(I)の化合物を、0.5:1〜1:1の範囲のモル比で、特に、0.5:1〜0.8:1の範囲のモル比で使用するのが好ましい。ヨウ素及び式(I)の化合物を、0.5:1〜1:1の範囲のモル比で、特に、0.5:1〜0.8:1の範囲のモル比で用いるのが好ましい。
式(I)の化合物を、不活性有機溶媒中で又は希釈剤中でトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物と一般には反応させる。好ましいのは、非プロトン性溶媒、特に、水、アルコール又は酸などのプロトン性不純物の含量が低いものである。溶媒中のプロトン性不純物の含量は1000ppm未満であるのが好ましい。好ましくは本発明に記載の方法において使用する前に、非プロトン性溶媒を、適切な吸収剤で、例えば、ポアサイズが3〜4オングストロームのモレキュラーシーブで処理することにより、プロトン性不純物、特に水の含量を低下させるように処理する。好適な有機溶媒は、アルケン及びシクロアルケン、例えば、イソブテン、アミレン(1-ペンテン、2-ペンテン、2-メチルブタ-1-エン、3-メチルブタ-1-エン及びそれらの混合物)、シクロペンテン及びシクロヘキセンなど、ハロアルカン、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタンなど、芳香族炭化水素、例えばトルエン及びキシレンなど、及びまたアルキルニトリル、例えばアセトニトリルなど、並びにまた上記溶媒の混合物である。溶媒は、全ての成分が溶解形態で存在するように、選択されるのが好ましい。式(I)の化合物の総濃度は、全ての試薬及び溶媒の総重量に対して5〜70重量%、特に10〜50重量%の範囲であるのが好ましい。例えば、本発明に記載の方法を、アルケンとは異なる非プロトン性溶媒中で実施してもよいし、安定化添加物として、化合物(I)に対して5から100mol%のアルケン又はシクロアルケンを任意選択で含有している非プロトン性溶媒中で実施してもよい。溶媒として少なくとも1種のアルケン中で反応を実施することも可能である。反応を実施した後に、HI又はI2を除去するための安定化剤としてアルケンを添加することも可能である。
式(I)の化合物を、-20〜110℃の範囲の、特に0〜80℃の範囲の、とりわけ20〜65℃の範囲の温度でトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物と反応させるのが好ましい。反応は、大気圧で、減圧で又は高圧で実施することができる。反応は、900〜1100mbarの範囲の圧力で一般には実施する。
式(I)の化合物とトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物との反応から得られる反応生成物を、分離しないのが好ましく、さらなる分離又は精製をすることなく、特に塩基の存在下で、式(II)の化合物と反応させるが、ここで、式(III)の化合物が得られる。式(I)の化合物とトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物との反応から得られる反応生成物を、例えば、好ましくは減圧下で反応混合物から揮発性成分を除去することにより、及び/又は、適切な低沸点溶剤、例えばヘキサン、シクロヘキサン若しくはヘプタンなどのアルカン、又はトルエンなどの芳香族化合物と同時蒸発させることにより、精製又は分離することもできる。
任意選択で、ステップa.2)での式(II)の化合物との反応に先立ち、無機塩基をステップa.1)において得られた反応生成物に添加することができる。高い頻度で、無機塩基は、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ土類の炭酸塩及びアルカリ土類の重炭酸塩から、特に、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ炭酸塩、並びに重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムなどのアルカリ重炭酸塩から選択される。場合によっては、この無機塩基を、式(I)の化合物1モル当たり0.01〜0.5当量の量で、すなわち炭酸塩の場合、式(I)の化合物1モル当たり0.005モル〜0.25モルの量で、及び重炭酸塩の場合、式(I)の化合物1モル当たり0.01モル〜0.5モルの量で、加えるのが好ましい。
ステップa.1において得られた、すなわち化合物(I)をトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物で処理することから得られた反応生成物を、本発明にしたがってステップa.2において式(II)の化合物と反応させる。
ステップa.2における反応は、少なくとも1つの塩基の存在下で行われる。二次反応を回避するために、塩基を式(I)の化合物に対し少なくとも等モル量で使用するのが好ましい。具体的には、無機塩基を、式(I)の化合物1モル当たり1〜3モルの量で、特に式(I)の化合物1モル当たり1〜1.5モルの量で使用する。
好適な塩基は主としてアミン塩基、特に第三級アミン、とりわけピリジン塩基及びまた第三級脂肪族アミン若しくは第三級環状脂肪族アミンである。適切なピリジン塩基は、例えば、ピリジン、キノリン並びにC1〜C6-アルキル-置換ピリジン、特に、2,6-ジ(C1〜C6-アルキル)ピリジンなどのモノ-、ジ-及びトリ(C1〜C6-アルキル)ピリジン、例えば、2,6-ジメチルピリジン又は2,6-ビス(tert-ブチル)ピリジン、及びコリジンである。適切な第三級脂肪族アミン又は第三級環状脂肪族アミンは、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、トリ-n-ブチルアミン又はイソプロピルジメチルアミンなどのトリ(C1〜C6-アルキル)アミン、シクロヘキシルジメチルアミンなどのC3〜C8-シクロアルキル-ジ(C1〜C6-アルキル)アミン、N-メチルピペリジンなどのN-(C1〜C6-アルキル)ピペリジン、及びビスシクロヘキシルメチルアミンなどのジ(C3〜C8-シクロアルキル)-C1-C6-アルキルアミン、である。特に好ましいのは、トリ(C1〜C6-アルキル)アミン、とりわけトリメチルアミン及びトリエチルアミンである。適切な塩基はまた、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ土類の炭酸塩及びアルカリ土類の重炭酸塩から、特に、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム及び炭酸カリウムなどのアルカリ炭酸塩、並びに重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムなどのアルカリ重炭酸塩からなる群から選択される、無機塩基である。
好ましくは、ステップa.2において使用される塩基は、少なくとも1つのアミン塩基、特に少なくとも1つの第三級アミンを含む。具体的には、塩基は、少なくとも1つのアミン塩基と、特に少なくとも1つの第三級アミンと、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩、アルカリ土類の炭酸塩及びアルカリ土類の重炭酸塩からなる群から、特にアルカリ炭酸塩及びアルカリ重炭酸塩から選択される少なくとも1つの無機塩基との、組み合わせを含む。アミン塩基と無機塩基との組合せを使用する場合、アミン塩基を、式(I)の化合物1モル当たり1〜2モルの量で、特に式(I)の化合物1モル当たり1〜1.5モルの量で用いるのが好ましい。この組合せでは、無機塩基を、式(I)の化合物1モル当たり0.01〜0.5当量の量で、すなわち炭酸塩の場合、式(I)の化合物1モル当たり0.005モル〜0.25モルの量で、及び重炭酸塩の場合、式(I)の化合物1モル当たり0.01モル〜0.5モルの量で、用いるのが好ましい。
式(II)の化合物は、式(I)の化合物と式(II)の化合物のモル比が、1:3〜3:1の範囲、特に1:2〜2:1の範囲、特に好ましくは1:1.5〜1.5:1の範囲、とりわけ1:1.1〜1.1:1の範囲にあるような量で一般には使用される。
好ましくは、ステップa.2)は、元素状ヨウ素、ヨウ化物塩、トリアリールホスフィンオキサイド及びそれらの組合せから選択される、少なくとも1つのさらなる試薬の存在下で実施される。適切なヨウ化物塩には、アルカリ金属ヨウ化物、及びまたヨウ化テトラアルキルアンモニウム、特に、ヨウ化テトラエチルアンモニウム及びヨウ化テトラプロピルアンモニウム、とりわけヨウ化テトラブチルアンモニウムなどのヨウ化テトラ-C1-C6-アルキルアンモニウムが含まれる。好ましいのは、アルカリ金属ヨウ化物、特にNaI及びKIである。適切なトリアリールホスフィンオキサイドはトリフェニルホスフィンオキサイドである。具体的には、ステップa.2)は、元素状ヨウ素及びヨウ化物塩からなる群から選択される、とりわけ元素状ヨウ素及びアルカリ金属ヨウ化物並びにそれらの組合せからなる群から選択される、少なくとも1つのさらなる試薬の存在下で、実施される。とりわけ、ステップa.2)は、元素状ヨウ素及びヨウ化物塩の混合物の存在下で、特に元素状ヨウ素及びアルカリ金属ヨウ化物塩の混合物の存在下で、極めてとりわけ元素状ヨウ素及びKIの混合物の存在下で又は元素状ヨウ素及びNaIの混合物の存在下で、実施される。
本発明の第1の好ましい実施形態Aでは、ステップa.2の反応はヨウ素の存在下で行われる。この実施形態では、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物を、式(I)の化合物1モル当たり、0.9〜1.1モルの量で、とりわけ0.9〜1モルの量で使用するのが好ましく、そしてヨウ素を、式(I)の化合物1モル当たり、0.005〜0.5モルの量で、とりわけ0.005〜0.1モルの量で使用するのが好ましい。
本発明のさらに好ましい一実施形態Bでは、ステップa.2の反応はヨウ化物塩の存在下で行われる。この実施形態では、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物を、式(I)の化合物1モル当たり、0.9〜1.1モルの量で、とりわけ0.9〜1モルの量で使用するのが好ましく、そしてヨウ化物塩を、式(I)の化合物1モル当たり、0.005〜0.5モルの量で、とりわけ0.005〜0.1モルの量で使用するのが好ましい。適切なヨウ化物塩は、アルカリ金属ヨウ化物に加えて、主としてヨウ化テトラアルキルアンモニウム、特に、ヨウ化テトラエチルアンモニウム及びヨウ化テトラプロピルアンモニウム、とりわけヨウ化テトラブチルアンモニウムなどのヨウ化テトラ-C1〜C6-アルキルアンモニウムである。特に好ましいのは、アルカリ金属ヨウ化物、特にNaI及びKIである。
本発明のさらに好ましい一実施形態Cでは、ステップa.2の反応は元素性ヨウ化物とヨウ化物塩との混合物の存在下で行われる。この実施形態では、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物を、式(I)の化合物1モル当たり、0.9〜1.1モルの量で、とりわけ0.9〜1モルの量で使用するのが好ましく、元素状ヨウ素を、式(I)の化合物1モル当たり、0.005〜0.5モルの量で、とりわけ0.005〜0.1モルの量で使用するのが好ましく、そしてヨウ化物塩を、式(I)の化合物1モル当たり、0.005〜0.5モルの量で、とりわけ0.005〜0.1モルの量で使用するのが好ましい。適切なヨウ化物塩には、アルカリ金属ヨウ化物に加えて、主としてヨウ化テトラアルキルアンモニウム、特に、ヨウ化テトラエチルアンモニウム、ヨウ化テトラプロピルアンモニウム、とりわけヨウ化テトラブチルアンモニウムなどのヨウ化テトラ-C1〜C6-アルキルアンモニウムである。特に好ましいのは、アルカリ金属ヨウ化物、特にNaI及びKIである。
本発明のさらに好ましい一実施形態Dでは、ステップa.2の反応はトリアリールホスフィンオキサイドの存在下で行われる。この実施形態では、トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物を、式(I)の化合物1モル当たり、0.9〜1.1モルの量で、とりわけ0.9〜1モルの量で使用するのが好ましく、そしてトリアリールホスフィンオキサイドを、式(I)の化合物1モル当たり、0.005〜0.5モルの量で、とりわけ0.005〜0.1モルの量で使用するのが好ましい。適切なトリアリールホスフィンオキサイドは特にトリフェニルホスフィンオキサイドである。
本発明の等しく好ましい一実施形態では、ステップa.2)において上記のさらなる試薬はいずれも添加されない。
極めて好ましい一実施形態では、以下の手順が取られる。まず、ヘキサ-(C1〜C6-アルキル)ジシラン、特にHMDSをヨウ素と反応させ、その後得られた反応混合物を式(I)の化合物と反応させる。通常、この反応は、上記の条件下で、特に上記の好ましい条件下で実施される。次いで、無機塩基を、これはアルカリ炭酸塩、アルカリ金属重炭酸塩及びそれらの混合物から特に選択されるが、かくして得られた反応混合物に加え、そしてこのようにして得られた混合物を、アミン塩基の存在下で式(II)の化合物と引き続き反応させる。反応条件、塩基の量及び試薬に関しては、上記が同様に適用される。この実施形態によれば、ステップa.2)は、元素状ヨウ素及びヨウ化物塩からなる群から選択される、特に元素状ヨウ素及びアルカリ金属ヨウ化物並びにそれらの混合物から選択される、試薬の存在下で、実施されるのが好ましい。この実施形態によれば、ステップa.2)は、元素状ヨウ素及びヨウ化物塩の混合物の存在下で、特に混合元素状ヨウ素及びアルカリ金属ヨウ化物の存在下で、とりわけ元素状ヨウ素及びKIの混合物の存在下で又は元素状ヨウ素及びNaIの混合物の存在下で、とりわけ実施される。これらの試薬の相対的量に関して、実施形態A、B及びDに関する記載は類似的に適用される。
ステップa.2)、すなわち、式(I)の化合物をトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物で処理することから得られる反応生成物を式(II)の化合物と反応させるステップを、上記の不活性有機溶媒又は希釈剤の内の1つの中で一般には実施する。好ましいのはここでもまた、上記の非プロトン性溶媒、特に水、アルコール又は酸などのプロトン性不純物の含量が低いものである。溶媒のプロトン性不純物の含量は1000ppm未満であるのが好ましい。好ましくは本発明に記載の方法において使用する前に、非プロトン性溶媒を、適切な吸収剤で、例えば、ポアサイズが3〜4オングストロームのモレキュラーシーブで処理することにより、プロトン性不純物、特に水の含量を低下させるように処理する。好適な有機溶媒は、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロアルカン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、ジメチルホルムアミド(DMF)及びジメチルアセタミドなどの脂肪族カルボン酸のジメチルアミド、及びまたアセトニトリルなどのアルキルニトリル、並びにまた上記溶媒の混合物である。全ての成分が溶解形態で存在するように、溶媒を選択するのが好ましい。式(I)及び(II)の化合物の総濃度は、全ての試薬及び溶媒の総重量に対して、5〜75重量%、特に10〜65重量%、又は15〜60重量%の範囲であるのが好ましい。
ステップa.2)における反応は、-20〜110℃の範囲の、特に0〜80℃の範囲の温度で実施するのが好ましい。反応は、大気圧で、減圧で又は高圧で実施することができる。反応は、900〜1100mbarの範囲の圧力で一般には行う。
ステップa)の反応により得られた式(III)の化合物を、通例の後処理方法により分離することができ、結晶化及び/又はグラクロマトグラフィーにより任意選択で精製することができる。あるいは、式(IIIa)の化合物[式中R4=H]、式(IIIc)の化合物[式中R4=H]又は式(IIIb)の化合物若しくは式(IV)の化合物が得られるように、ステップa)の反応により得られた式(III)の化合物を、少なくとも部分的な又は完全な脱保護に直接供することも可能である。
式(III)の化合物の脱保護を、公知の脱保護反応と同様に行い、加水分解法により実施するのが好ましい。そのような保護基の切断条件は、例えば、P.G.M Wutsら、"Greene's Protecting Groups in Organic Synthesis、4版、Wiley 2006及びこれに引用されている文献、又は2'-O-フコシルラクトースの製造について冒頭で引用された参考文献から、当業者にとって馴染みである。
本発明の第1の実施形態b.1)によれば、式(III)の化合物を酸の存在下、水で処理する。このようにして、式(III)の化合物から全ての保護基を完全に切断することが一般には行われ、2'-O-フコシルラクトースが得られる。
適切な酸は、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸、リン酸水素アルカリ金属塩及びリン酸二水素アルカリ金属塩又は硫酸水素アルカリ金属塩、例えばリン酸二水素ナトリウム若しくはリン酸水素カリウムなどの鉱酸の酸性塩、加えて、酢酸、プロピオン酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸又はトリフルオロ酢酸などの有機カルボン酸、並びにメタンスルホン酸などの有機硫酸である。酸は、稀薄水性酸として、例えば、5〜70濃度重量%溶液として、一般には使用される。高い頻度で、稀薄水性酸は適切な有機溶媒と組合せで使用される。それらの例は、C1〜C4-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、1-ブタノール又はtert-ブタノールなどの水と混和する有機溶媒、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどの環状エーテル、並びにまた水との限定された混和性のみを有する有機溶媒、例えばジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロアルカン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、及びまたジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル若しくはメチルtert-ブチルエーテルなどのジアルキルエーテルである。必要とされる反応条件は、P. G. M. Wutsら、同上、及びこれに引用されている文献、又は2'-O-フコシルラクトースの製造について冒頭で引用された参考文献から、当業者にとって公知である。保護基の除去に続いて、酸を通常中和し、次いで生成物を、水分を除去することにより分離する。アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩及びアルカリ金属重炭酸塩を含めて、この目的のために従来使用されている塩基を使用することにより中和を行うことができる。塩基性又は強塩基性イオン交換樹脂を使用することにより中和を行うこともでき、なぜなら、これにより、生成物溶液中に塩を生成することなく中和することが可能となるからである。
実施形態b.1)では、保護基の切断を、水性媒体中の酸性イオン交換樹脂の手段で行うこともできる。これによって、別個の中和ステップを回避することができる。
本発明のさらなる一実施形態b.2)によれば、式(III)[式中、R1はSiR12R13R14残基である]の化合物を、脱シリル化試薬でまず処理し、ここで、式(IIIb')
Figure 2017534575
の化合物が得られる。
式(III)[式中、R1はSiR12R13R14残基である]の化合物は、式(IIIa)[式中、R1はSiR12R13R14残基であり、R4はSiRaRbRc残基である]の化合物に対応する。式(IIIb')の化合物は式(IIIb)[式中R4は水素である]の化合物に対応する。
SiR12R13R14基とSiRaRbRc基との双方が同時に切断されるように、脱シリル化は一段階で実施することが可能である。SiR12R13R14基とSiRaRbRc基とが異なる反応性を有する場合、これは続けて実施することもできる。
脱シリル化用の適切な試薬は、例えば、水の添加で又は無添加で、上記のC1〜C4アルコール、特にメタノール、及びまた炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸ナトリウム及び重炭酸カリウムなどの、アルカリ金属炭酸塩又はアルカリ土類金属炭酸塩及び炭酸水素塩であり、水の添加で又は無添加で、上記のC1〜C4アルコールのうち1つの溶液であるのが好ましく、特にメタノール溶液である。適切な脱シリル化試薬はまたフッ化テトラアルキルアンモニウムでもあり、これは、極性、非プロトン性有機溶媒中で、例えばテトラヒドロフラン又はジオキサンなどの環式エーテル中で、又はジメチルホルムアミド若しくはジメチルアセタミドなどの脂肪族カルボン酸のジ-C1〜C4-アルキルアミド中で、又はアセトニトリルなどのアルキルニトリル中で、又は上記極性、非プロトン性有機溶媒の混合物中で、使用するのが好ましい。必要とされる反応条件は、例えばP. G. M. Wutsら、同上、及びこれに引用されている文献から、当業者にとって公知である。
続いて、残りの保護基を、酸の存在下で、式(IIIb')の化合物を水で処理することにより除去する。これは、実施形態b1)に記載の方法で実施することができる。
本発明のさらなる一実施形態b.3)によれば、式(III)[式中、R1はC(O)R11残基である]の化合物を、脱シリル化試薬でまず処理し、ここで、式(IIIc')
Figure 2017534575
の化合物が得られる。
式(IIIc')の化合物は式(IIIc)[式中R4は水素である]の化合物に対応する。続いて、C(O)-R11基及び残りの保護基を、同時に又は順に除去する。
式(III)[式中、R1はC(O)R11残基である]の化合物の脱シリル化を、式(III)の化合物を脱シリル化試薬で処理することにより、実施形態b2)と同様に行うことができる。脱シリル化に必要とされる反応条件は、例えばP. G. M. Wutsら、同上、及びこれに引用されている文献から、当業者にとって公知である。
エステル基C(=O)-R11のその後の切断は、塩基性ケン化により又は塩基性触媒エステル交換反応若しくは酵素触媒エステル交換反応により、それ自体が公知な方法で行うことができる。この目的のための方法は、例えばP. G. M. Wutsら、同上から又はKocienskyらProtective groups、3版、4.6章、Thieme 2005から公知である。残りのC(R2)2及びOR3の保護基を次いで、それ自体が公知な方法で、実施形態b1)と関連して既に記載のように、例えば水性酸で処理することにより除去する。
さらなる一実施形態b.4)によれば、代替的に、手順はまた、実施形態b1)と関連して既に記載のように、C(R2)2及びOR3の保護基を、例えば水性酸で処理することにより式(IIIc')の化合物から最初に除去するようなものであり、ここで、先に記載のように一般式(IV)の化合物が得られる。次いでエステル基C(=O)-R11を、それ自体が公知な方法で、例えば塩基性ケン化若しくは塩基性エステル交換反応により又は酵素触媒エステル交換反応により、式(IV)の化合物から切断することができる。
あるいは、手順はまた、実施形態b1)と関連して既に記載のように、C(R2)2及びOR3の保護基を、例えば水性酸で処理することにより式(IIIc')の化合物から最初に除去し、次にエステル基C(=O)-R11を、それ自体が公知な方法で、塩基性ケン化により又は酵素触媒エステル交換反応により次いで切断するようなものである。
特に好ましい一実施形態b.5)によれば、式(III)の化合物を、C1〜C4-アルカノール及びアルカリ金属塩基でまず処理し、これにより、式(IIIb')の化合物が得られ、その後に残りの保護基を、酸性反応条件下で除去する。この実施形態では、R11は、メチル、エチル又はtert-ブチルなどのC1〜C4-アルキルであるのが好ましい。そのことにより、脱シリル化とエステル基C(=O)-R11の除去とを互いにリンクすることができ、単一段階で切断することが可能である。この場合適切な試薬は、溶媒としてメタノールなどのC1〜C4-アルカノール中の上記のアルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩である。この目的のため、メタノールと炭酸ナトリウム又は炭酸カリウムとの組合せが特に有用である。この目的のため必要とされる反応条件は、当業者にとって馴染みであり、通常の実験で決定することが可能である。好ましくは、脱シリル化とエステル基C(=O)-R11の除去とを、20〜50℃の範囲の温度で、メタノールなどのC1〜C4-アルカノール中のアルカリ金属塩基で(III)を処理することにより同時に行うことができる。アルカリ金属塩基、特にアルカリ金属炭酸塩の量は、化合物(III)に対して、好ましくは3〜10当量、とりわけ4〜7当量であり、すなわちアルカリ金属炭酸塩の場合、化合物(III)の1モル当たり、1.5〜5モル、特に2〜3.5モルである。保護基C(R2)2及びOR3の切断は、b.1)に記載の方法と同様に行うことができる。
保護基を除去した後に得られる2'-O-フコシルラクトースを、任意選択で補助添加物、例えばチャコール、シリカ又はポリビニルピロリドンを用いる、クロマトグラフィー又は結晶化などの従来の精製方法を使用することにより精製することができる。2'-O-フコシルラクトースの結晶化の典型的条件については、Chem. Ber. 1956、11、2513に見出すことができる。反応条件及び精製方法に応じて、得られた2'-O-フコシルラクトースは、z.B.生成物の重量に対して1%〜20%の量で、ラクトースを含有することもある。2'-O-フコシルラクトースの化学的純度は、ラクトースを引いて、通常少なくとも90%、特に95%以上である。しかし、このラクトースの量は食品中に2'-O-フコシルラクトースを使用するのに問題ではないので、ラクトースは問題となる不純物ではない。
具体的には、望ましくないβ-異性体であるβ-2'-O-フコシルラクトース(=β-L-フコピラノシル)-(1→2)-O-β-D-ガラクトピラノシル-(1→4)-D-グルコピラノース)の量が、反応生成物の精製により、2'-O-フコシルラクトースの総重量に対して1重量%未満、特に0.5重量%未満のβ-2'-O-フコシルラクトースを含有する2'-O-フコシルラクトースがもたらされる程に、後処理の前でも、低いように、そのように2'-O-フコシルラクトースを生成することが、本発明の方法で可能である。これは現在まで不可能であった。先行技術の方法とは対照的に、本発明の方法は、ベンジル保護基の水素化分解的切断の遷移金属触媒を必要とせず、したがって、本発明の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトース中の遷移金属の濃度は1ppm未満、特に検出レベル未満である頻度が高い。
本発明に記載の方法に関してステップa)において使用する式(I)の化合物は、例えば、Synlett. 1996、499; Org. Lett. 13(3) (2001) 2081〜2084;及びTetrahedron Asym.、16 (1) (2005) 149〜158から、公知である。
式(II)[式中R1はC(=O)-R11残基である]の化合物は、例えば冒頭に引用された参考文献から、又はTetrahedron Letters、1981、22 (50)、5007〜5010、WO2010/115934、WO2010/115935及びCarbohydrate Research、1981、88、51〜60から公知であり、又はそれらに記載の方法と同様に製造することができる。
式(II)[式中R1はSiR12R13R14残基である]の化合物は式(II)aの化合物に対応する。基R1は基SiR12R13R14[式中、R12及びR13メチルであり、R14はtert-ブチルであり、並びにR2及びR3メチルである]ではないことを条件とすると、前記化合物は新規である(H. KogelbergらCarbohydrate Research 201 (1990)、161〜173)を参照されたい)。したがって、R2及びR3はメチルの場合、基R1はtert-ブチルジメチルシリルではないことを条件とすると、式(IIa)の化合物は本発明の主題の一部を同様に形成する。
式(IIa)の化合物は、CH2-OH基の選択的シリル化により式(IIb)
Figure 2017534575
の化合物から単純な方法で製造することができる。
式(IIb)のR2及びR3は、上で定義した通りであり、特に下に定義する通りである:
R2は、特にC1〜C4-アルキル及びとりわけメチルであり、又は同一炭素原子に結合している2個のR2残基は共に1,5-ペンタンジイルであり、したがってそれらが結合している炭素原子とともにシクロヘキサン-1,1-ジイル残基を形成している。全てのR2残基はとりわけメチルである。
R3は、特にC1〜C4-アルキル及びとりわけメチルである。
選択的シリル化のために、式(IIb)の化合物を、適切なシリル化試薬、例えば式SiXR12R13R14の化合物と一般には反応させるが、ここで、R12、R13及びR14は先に定義した通りであり、とりわけメチルであり、Xはハロゲン、特に塩素である。シリル化試薬との反応は塩基の存在下で実施するのが好ましい。
選択的シリル化のために、式(IIb)の化合物1モル当たり、0.9〜2モル、特に1〜1.5モル、とりわけ約1.1モルのシリル化試薬を一般には使用する。
反応を選択的に進行させるために、(IIb)の反応を、-40から+40℃の温度範囲で、特に-20から+20℃の範囲で、とりわけ好ましくは-5から+5℃の範囲で、例えば約0℃で、実施するのが好ましい。
適切な塩基は主としてアミン塩基、特に第二級及び第三級アミン、とりわけピリジン塩基及び第三級脂肪族アミン又は第三級環状脂肪族アミンである。適切なピリジン塩基は、例えば、ピリジン、キノリン及びC1〜C6-アルキル-置換ピリジン、特に、2,6-ジ(C1〜C6-アルキル)ピリジンなどのモノ-、ジ-及びトリ(C1〜C6-アルキル)ピリジン及びコリジンである。適切な第三級脂肪族アミン又は第三級環状脂肪族アミンは、トリエチルアミン、ジイソプロピルメチルアミン、トリ-n-ブチルアミン又はイソプロピルジメチルアミンなどのトリ(C1〜C6-アルキル)アミン、シクロヘキシルジメチルアミンなどのC3〜C8-シクロアルキル-ジ(C1〜C6-アルキル)アミン、N-メチルピペリジンなどのN-(C1〜C6-アルキル)ピペリジン、及びビスシクロヘキシルメチルアミンなどのジ(C3〜C8-シクロアルキル)-C1-C6-アルキルアミンである。
塩基を、式(IIb)の化合物1モル当たり、0.9〜2モルの量で、特に1〜1.5モルの量で一般には使用する。
式(IIb)の化合物をシリル化試薬と、一般には不活性有機溶媒又は希釈剤中で反応させる。好ましいのは、非プロトン性溶媒、特に水、アルコール又は酸などのプロトン性不純物の含量が低い非プロトン性溶媒である。好適な有機溶媒は、ジクロロメタン、トリクロロメタン、ジクロロエタンなどのハロアルカン、トルエン及びキシレンなどの芳香族炭化水素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルtert-ブチルエーテルなどのジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン又はジオキサンなどの環状エーテル、ジメチルホルムアミド又はジメチルアセタミドなどの脂肪族カルボン酸のジアルキルアミド、及びまたアセトニトリルなどのアルキルニトリル、並びにまた上記溶媒の混合物である。全ての成分が溶解形態で存在するように、溶媒を選択するのが好ましい。式(I)及び式(II)の化合物の総濃度は、全ての試薬の総重量に対して5〜50重量%の範囲であるのが好ましく、特に10〜40重量%である。
式(IIa)の化合物を、濾過により、抽出により又は場合によっては蒸留により、後処理することができる。
式(IIb)の化合物については、例えば、Carbohydrate Research 212 (1991)、pp.C1〜C3; Tetrahedron Lett.、31 (1990) 4325; Carbohydrate Research、75 (1979) C11; Carbohydrate Research、88 (1981) 51; Chem. 5 (1999) 1512; WO2010/070616、WO2012/113404、WO2010/115934及びWO2010/115935から公知であり、又はそれらに記載の方法により製造が可能である。
既に記載したように、本発明に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトースは、既知の2'-O-フコシルラクトースと比べて、除去不可能な不純物を含まないか、又はこれらをはるかに少量で含むのみであることを、特徴とする。具体的には、本発明に記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトースは、食料品での使用には懸念となるであろう、重大な量の不純物を含まず、特に水素化から生じる不純物を含まない。
したがって、このような2'-O-フコシルラクトースは、それ自体食料品として、また食料品向けの添加物として適している。このような2'-O-フコシルラクトースを使用することが可能な食料品の例は、例えば冒頭で引用した先行技術から、当業者にとって馴染みである。この点で、これは天然物に基づいた組成物の形態、例えば乳製品、また例えば食事又は医学的栄養向けの人工的に製造された製剤の形態とすることができる。このような製剤は、すぐに使用可能な製剤とすることができそして直接に使用してもよいし、又は、濃縮製剤の形態、例えば液体若しくは半固体濃縮物の形態としてもよく、又は顆粒、フレーク若しくは粉末などの固体製品としてもよいが、これらは、液体、特に水を添加することにより使用前にすぐに使用可能な製剤に転換されるか、あるいは通常の食料品中に含有される。
濃縮物及びすぐに使用可能な製剤も固体の、液体の、半固体の製剤としてよい。
具体的には、本発明に記載の2'-O-フコシルラクトースが使用されている食料品は、幼児栄養向けの、特に粉ミルクでのとりわけ乳児用調製粉乳での食料品組成物である。
一般に、本発明に記載の2'-O-フコシルラクトースが使用されている食料品は、固体の、半固体の又は液体の食料品組成物、特に半固体の、又はとりわけ液体の食料品組成物である。
食料品組成物、すなわちすぐに使用可能な食料品組成物及び濃縮物は、本発明したがって入手できる2'-O-フコシルラクトースを食料品製剤に含有させることにより、それ自体が公知の方法で製造することが可能である。このような食料品製剤は、2'-O-フコシル-ラクトースに加えて、他の栄養素を含んでもよく、一般には食料品に適した少なくとも1つの担体を含み、ここで、担体は、固体でも、液体でも、半固体でもよい。担体は、食料品でも栄養価のある物質でもよく、又はこれは、それ自体栄養価のない物質、例えば食物繊維又は水とすることができる。
後続する例によって、本発明を例示する。
次の略号を使用した。
d: ダブレット
s: シングレット
t: トリプレット
m: マルチプレット
mc: 中心となるマルチプレット
CHE: シクロヘキサン
DCM: ジクロロメタン、アミレンで安定化されているか又は安定剤無しが好ましい
DMF: ジメチルホルムアミド
of th.:理論の
EE: 酢酸エチル
EtOH: エタノール
eq: モル当量
b.p.: 沸点
MeOH: メタノール
NEt3:トリエチルアミン
RT: 周囲温度、約22℃
Rt.: 保持時間
TMS: トリメチルシリル
TMSCl: トリメチルシリル塩化物
TMSI: ヨウ化トリメチルシリル
2'-Fl: 2'-O-フコシルラクトース
これと異なる記述がない限り、2'-O-フコシルラクトース(2'-FL)は、そのアルファアノマーを指す。
別途指定されていない場合、HPLC分析はAgilent Series 1200及びLuna-NH2カラム(3μm;250x4.6mm,100Å)を使用して行った。カラムを35℃に維持し、135barで操作した。75/25v/vのアセトニトリル/水を溶離液として使用し、検出にはRID検出器を用いた。流速は1mL/min、ラン時間は10minとした。試料容積は5μLとした。試料調製については、各場合において試料10mgを容量比75/25のアセトニトリル/水1mLに溶かした。
また、次の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)の方法を使用したが、これについては以下に示されている。
HPLC方法2
HPLC分析はAgilent Series 1200及びLuna-NH2カラム(3μm;250x4.6mm,100Å)を使用して行った。カラムを35℃に維持し、204barで操作した。
82.5/17.5v/vのアセトニトリル/水を溶離液として使用し、検出にはRID検出器を用いた。流速は1mL/min、ラン時間は10〜40minとした。試料容積は5μLとした。
試料調製については、各場合において試料100mgを容量比50/50のアセトニトリル/水10mLに溶かした。
HPLC方法3
HPLC分析はAgilent Series 1200及びWaters Spherisorb-NH2カラム(3μm;250x4.6mm,80Å)を使用して行った。カラムを35℃に維持し、112barで操作した。
82.5/17.5v/vのアセトニトリル/水を溶離液として使用し、検出にはRID検出器を用いた。流速は1mL/min、ラン時間は10〜40minとした。試料容積は5μLとした。
試料調製については、各場合において試料100mgを容量比50/50のアセトニトリル/水10mLに溶かした。
個々の化合物の保持時間は時間経過とともに変化するが、変化の理由としては、カラムの劣化及び試料の組成があげられる。測定前に、問題の出発材料の基準試料、問題の生成物の基準試料及び問題の副生成物の基準試料を常時測定して、実際の保持時間を決定した。
α/β-比の決定
HPLC方法3を使用すると、2'-O-フコシルラクトースのβ-異性体の保持時間Rtは10.2minであり、一方、標的(所望の)α-異性体の保持時間Rtは11.6minである。カラムの劣化及び試料の組成の結果として、これらの値は時間経過とともに変化する。いかなる場合でも、β-異性体はα-異性体の前に溶出する。いかなる場合でも、両異性体の基準試料を、実際の保持時間を決定するために常時測定した。
[実施例]
製造例1:テトラキストリメチルシリルフコースの製造
フコース2.5g(15.1mmol)をDCM(0.2M溶液)75mLに入れた。これに、トリメチルアミン6.78g(4.4eq.)を加え、混合物を0℃に冷却した。次いでクロロトリメチルシラン7.35g(4.4eq.)を0℃にてゆっくりと滴下添加し、反応混合物を0℃にて1h間攪拌した。混合物をRTまで温め、RTにてさらに16hの後、ペンタン75mLを加え、混合物を手短に攪拌し、次いで氷水100mLに加えた。相分離の後に、水相をペンタンで3回再抽出し、合わせた有機相を水で2回及びNaCl溶液で3回連続して洗浄した。有機相をNa2SO4で乾燥し、ろ過し、減圧下で乾固するまで濃縮した。収率:6.6g(97% of th.)
1H-NMR (CD2Cl2): δ5.0 (d, 1H), 4.0 (mc, 1 H), 3.8, (m, 2 H), 1.05 (d, 3 H), 0.2-0.1 (4 s, 36 H)
製造例2:テトラキストリメチルシリルフコースの製造
製造例1と類似の方法で、TMSCl38.2g及びNEt335.3gとともに、DMF386mL中のフコース13gから、標題化合物34.9gを上に記載の方法により得る。
製造例3:4-O-(3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコースジメチルアセタール(化合物II-1:R1=H、R2=CH3及びR3=CH3である式(II)の化合物)の製造
ラクトース205.4g(0.6mol)を1,4-ジオキサン409mLに入れた。これに、DL-カンファスルホン酸28.44g(0.12mol=0.2eq.)及びジメトキシプロパン376.4mL(3mol=5eq.)を加えた。混合物を4h間加熱還流した。トリエチルアミン10.04mLを次いで加えた。冷却後、混合物を減圧下(2mbar)及び50℃にて濃縮し、この間、各回トルエン300mLを2回加え共蒸留した。残った残渣を9:1v/vのメタノール/水1000mLに取り、60℃にて1h間攪拌した。減圧下でメタノールを除去した後、DCM600mLを加え、生成した溶液を5%NaHCO3水溶液で2回洗浄した。減圧下で溶媒除去後、残渣を、酢酸エチル50mLに取り、シクロヘキサン50mL及びジイソプロピルエーテル160mLを加えて-10℃にて結晶化させた。
結晶を冷却ジイソプロピルエーテル50mLで2回濾過洗浄することにより、純度92%で表題化合物118.9gを得る。
1H-NMR (CD2Cl2): δ4.5 (t, 1 H), 4.4 (d, 1 H), 4.4-4.3 (m, 2 H), 4.2 (m, 1 H), 4.1-3.8 (m, 7 H, ), 3.6 (m, 1 H), 3.5 (m, 1 H), 3.4 (s, 6 H), 3.3 (d, 1 H), 2.9 (s, 1 H), 1.5 (2 s, 6 H), 1.4 (s, 6 H), 1.3 (s, 6 H).
製造例4:4-O-(6-O-アセチル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコースジメチルアセタール(化合物II-2:R1=アセチル、R2=CH3及びR3=CH3である式(II)の化合物)の製造
58.8g(92%濃度=0.106mol)の製造例3からの化合物II-1をDCM183mLに溶かした。この溶液をNEt325.12mL(0.181mol)で処理し、-5℃に冷却した。これに、DCM61mLに溶かした塩化アセチル60.9g(0.16mol)の溶液を70minの時間にわたって滴下添加し、生成した混合物を0℃にて20h間攪拌した。後処理のために、混合物を氷水100mLで処理し、両相を分離させ、水相を各回DCM50mLで2回抽出した。
合わせた有機相を1N塩酸水溶液50mL、5%NaHCO3水溶液50mLで連続して洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下(250mbar)40℃にて濃縮した。
表題化合物II-2を純度73%で65.1gの量で得た。生成物をさらに直接反応させ、クロマトグラフィー又はシクロヘキサンからの二次成分を結晶化させることにより90%の純度まで精製した。
1H-NMR (CD2Cl2): δ4.5-4.4 (m, 2 H), 4.4 (m, 1 H), 4.4-4.2 (m, 2 H), 4.2-4.1 (m, 2 H), 4.1-3.9 (m, 5 H), 3.5 (m, 1 H), 3.4 (2 s, 6 H), 2.1 (s 3 H), 1.5 (s 2 6H), 1.4 ( 2 s 6 H), 1.3 s, 6H).
製造例5:4-O-(6-O-トリメチルシリル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコースジメチルアセタール(化合物II-3:R1=TMS、R2=CH3及びR3=CH3である式(II)の化合物)の製造
5.98g(85%含量、1eq.)の製造例3からの化合物II-1とNEt31.55mL(1.5eq.)との0℃にあるDCM23mL溶液をTMSCl1.2g(1.1eq.)のDCM6mL溶液で処理し、生成した混合物を0℃にて6h間攪拌した。後処理のために、ヘプタン26mL及び氷水50mLを混合物に加え、有機相を分離させた。NaCl飽和水溶液で有機相を乾燥させ、減圧下で溶媒を除去した後、さらなる反応に十分純粋な粗生成物として化合物II-3の5.7gが残った。精製はシリカゲルクロマトグラフィーにより又は蒸留により行うことができる(0.1mbarにてb.p.130〜140℃)。7/3v/vの酢酸エチル/シクロヘキサンを使用する500mLのシリカゲルクロマトグラフィーにより1.97gの化合物を得た。
1H NMR、CD2Cl2: δ 4.4-4.2 (m, 3 H); 4.2 (m, 1 H), 4.2-3.6 (m, 10 H), 3.4 (m, 1 H), 3.3 (2 s, 6 H), 1.4 (2 s, 6 H), 1.3-1.2 (3 s, 12 H), 0.1 (s, 9 H).
製造例6:4-O-(6-O-ピバロイル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-2,3;5,6-ビス-O-イソプロピリデン-D-グルコース-ジメチルアセタール(化合物II-4:R1=C(=O)C(CH3)3、R2=CH3、及びR3=CH3である式(II)の化合物)の製造
150g(280mmol)の製造例3からの化合物II-1(R2=R3=CH3)をDCM190mLに入れた。これに、トリエチルアミン57.19g(565mmol)を加えた。塩化ピバロイル49.56g(411mmol)のDCM35mL溶液を2hの期間にわたり加え、それに伴い温度が27℃を超えて上昇しないようにした。次いで、反応混合物を21h間加熱還流した(内部温度:49℃)。冷却後、懸濁液を氷水410mL上に注ぎ、生成した混合物を10min間攪拌した。
有機相を分離し、水相をDCM95mLで1回抽出した。合わせた有機相を、水95mL、NaCl飽和溶液95mLで連続して洗浄し、Na2SO445gで乾燥し、固形物をろ別した。ろ液をロータリーエバポレーションにより蒸発させて(40℃、5mbar)、表題化合物79.2重量%を含む生成物188.65gを得た(89.2% of th.)。
13C NMR(CD2Cl2, 500 MHz): δ (ppm) 178.24, 110.40, 110.30, 108.55, 105.65, 103.95, 79.36, 78.35, 78.12, 76.72, 75.62, 74.60, 73.60, 71.36, 64.99, 63.09, 56.51, 53.54, 38.98, 28.25, 27.35, 27.26, 27.26, 27.26, 26.68, 26.39, 25.82, 24.51.
[実施例1]
式(IIIc)[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=H]の化合物の製造
テトラキストリメチルシリルフコース(式(I)の化合物、式中、RSi=トリメチルシリル、1eq.)0.8gのDCM3mL溶液に、DCM中の5濃度重量%溶液のヨウ化トリメチルシリル5.2mLをRTにて滴下添加し、混合物をRTにて20min間攪拌した。
このようにして得られた溶液を、製造例4からのフコースアクセプターII-2の0.973g(1eq.)と2,6-ジ-tert-ブチルピリジン0.523gとをDCM3mLに溶かした溶液に0℃にて滴下添加し、混合物をRTにて16h間攪拌した。メタノール18mLをこのようにして得られた反応混合物に加え、混合物を30min間攪拌した。次いでメタノール混合物をNaHCO3飽和水溶液25mLに加え、両相を分離させた。水相をDCM20mLでもう一度抽出し、合わせた有機相をNa2SO3飽和水溶液20mLで洗浄した。
有機相をシリカゲルクロマトグラフィーにかけ(シリカゲル200mL、92/8のDCM/MeOH)、ここで、0.57gのフコースアクセプターII-2を回収し、そして式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=H]の保護された表題化合物0.13gを得た。
13C-NMR (CD2Cl2): δ171.00, 110.44, 110.20, 108.99, 105.92, 101.66, 97.88, 80.25, 77.97, 77.40, 76.22, 75.69, 75.64, 75.51, 74.04, 71.24, 71.17, 69.20, 66.92, 66.03, 63.60, 56.12, 53.54, 27.87, 27.45, 27.12, 27.11, 26.37, 25.62, 21.03, 17.04, 0.72, 0.72, 0.72, 0.57, 0.57, 0.57, 0.20, 0.20, 0.20.
[実施例2]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
実施例1と類似の方法で、テトラキストリメチルシリルフコース1.0gと製造例4からの化合物II-2の1.22gとを溶媒のアセトニトリル中で反応させた。メタノールを加えなかったという点において、後処理は実施例1と異なった。反応生成物のシリカゲルクロマトグラフィーを行った後、表題化合物0.28g及び使用したフコースアクセプターII-2の0.67gを得た。
13C-NMR (CD2Cl2): δ110.4, 110.2, 109.0 106.0, 101.7, 97.9, 80.3, 78.0, 77.4, 76.3, 75.7, 75.6, 75.5, 74.1, 71.3, 71.2, 69.2, 69.0, 66.1, 63.6, 56.2, 53.6, 27.9, 27.5, 27.1, 26.4, 25.7, 21.1, 17.1, 0.8, 0.6, 0.2.
[実施例3]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
実施例1と類似の方法で、テトラキストリメチルシリルフコース2.5g(5.5mmol)をヨウ化トリメチルシリル1.1gとまず反応させた。反応生成物をNEt30.75g、モレキュラーシーブ2.5g及びヨウ素1.4gで処理し、続いて、製造例4からの化合物II-2の8.4g(0.015mol)と40℃にて48h間反応させた。シリカゲル上1:1v/vのEE/CHEを使用して濾過した後、表題化合物2.1gを得た(理論の40%収率)。
[実施例4]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
実施例3と類似の方法で、テトラキストリメチルシリルフコース3.26g(7.2mmol)をヨウ化トリメチルシリル1.44gとまず反応させた。20分後、揮発性成分を減圧下で除去した。残渣(ヨウ化物)を各回n-ヘプタン10mLとともに同時蒸発させた。次いで残渣をDCM10mL中に取り、NEt30.98g、モレキュラーシーブ3.3g及びヨウ化テトラブチルアンモニウム2.66gの存在下で、DCM中の、製造例4からの化合物II-2の38%濃度溶液20.79g(14.4mmol)と反応させた。シリカゲル上1:1v/vのEE/CHEを使用して濾過した後、表題化合物3.8gを得た(理論の57%収率)。
[実施例5]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
実施例3と類似の方法で、テトラキストリメチルシリルフコース3.26g(7.2mmol)をヨウ化トリメチルシリル1.44gとまず反応させた。20分後、揮発性成分を減圧下で除去した。生成した残渣を各回n-ヘプタン10mLで2回同時蒸発させた。次いで残渣をDCM10mLに取り、NEt30.94g、モレキュラーシーブ3g及びヨウ化テトラブチルアンモニウム1.3gで処理し、続いて、製造例4からの化合物II-2の5.50gと40℃にて64h間反応させた。シリカゲル上1:1v/vのEE/CHEを使用して濾過した後、表題化合物2.1gを得た(理論の64%収率)。
[実施例6]
式IIIb[式中、R2=CH3、R3=CH3及びR4=H]の化合物の製造
実施例3と類似の方法で、テトラキストリメチルシリルフコース1.5g(3.3mmol)をDCM中の29濃度重量%溶液のヨウ化トリメチルシリル3.27gと20min間まず攪拌した。次いで反応溶液を、NEt30.45g、ヨウ化テトラブチルアンモニウム0.12g及び製造例4からの化合物II-2の1.8g(3.1mmol)をDCM12mLに加え、混合物を40℃にて24h間反応させた。次いでRTにて30分間攪拌した反応混合物にメタノール10mLを加え、次いでK2CO350mgで処理し、さらに3h間攪拌した。生成した反応物をDCM20mLで希釈後、有機相を分離し、NaHCO3飽和水溶液で洗浄し、続いて蒸発乾固させた。シリカゲル上100:0のCHE/EE->0/80/20のCHE/EE/MeOHの勾配で残渣を濾過することで、表題化合物163mgを得た。
13C NMR (CD2Cl2, 500 MHz): δ (ppm) 111.03, 110.03, 109.02, 108.03, 101.85, 97.15, 80.74, 78.44, 77.78, 76.26, 75.64, 75.10, 75.01, 74.54, 72.52, 71.43, 69.81, 66.73, 65.47, 62.61, 57.92, 54.37, 28.11, 27.30, 26.96, 26.94, 26.55, 25.04, 16.69.
[実施例7]
2'-O-フコシルラクトースの製造
MeOH3mL中の実施例5からの化合物IIIc0.3gを水0.3mL及びK2CO32.3eq.とRTにて16h間攪拌した。HPLCクロマトグラムは98%の化合物IIIb[式中、R2=R3=CH3及びR4=H]を示し、この化合物は、その保持時間Rt=3.46min及び実施例6からの試料でスパイクすることにより同定された。次いでこれに、60重量%の酢酸水溶液9gを加え、HPLCで参照して完全な転換が達成されるまで、混合物を60℃にて23h間攪拌した。反応混合物の蒸発及びシリカゲル上8/2のクロロフォルム/メタノールでの残渣の濾過後、2'-O-フコシルラクトース54mgを得たが、これはHPLCでの保持時間(Rt=8.16min.)により及び市販の2'-O-フコシルラクトースと比較することにより同定した。
アノマー性α-異性体の混合物として13C
異性体I 13C NMR (D2O, 500 MHz): δ (ppm) 103.08, 102.17, 98.75, 79.11, 78.57, 78.16, 78.07, 77.15, 76.76, 76.44, 74.51, 72.45, 71.99, 70.99, 69.76, 63.98, 63.00, 18.13.
異性体II 13C NMR (D2O, 500 MHz): δ (ppm) 103.04, 102.17, 94.66, 79.12, 78.69, 78.07, 76.44, 74.51, 74.16, 74.11, 73.22, 72.45, 72.02, 70.99, 69.79, 64.01, 62.87, 18.10.
[実施例8]
2'-O-フコシルラクトースの製造
0.3gの実施例5からの化合物IIIcを0.5%水性HCl7mL中で24h間攪拌した。
HPLCで参照して、化合物IIIcは2'-O-フコシルラクトースに定量的に転換されていたが、これは実施例7にその保持時間が同一であることにより同定した。
[実施例9]
式IIIa[式中、R1a=CH3、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
a) テトラキストリメチルシリルフコース(RSi=Si(CH3)3の式(I)の化合物、92%濃度、6.9mmol)3.4gをDCM10mLに溶かし、次いでTMSI1.38g(6.9mmol)を滴下添加し、反応混合物を20min間攪拌した。次いで、揮発成分を真空下40℃にて除去し、残渣を各回トルエン10mLで2回共蒸留した。粗生成物をDMF10mLに取った。
b) 第2のフラスコにおいて、真空中で前もって加熱したモレキュラーシーブ(4オングストローム)3.4g、KI0.11g(0.7mmol)、I20.18g(0.7mmol)、NEt30.92g(9.1mmol)及び製造例4からの化合物II-2の5.7g(10.4mmol、1.3eq.)を懸濁させたDMF7.8g溶液を50℃にて加熱した。次いで、ステップa)からのトリス(トリメチルシリル)フコシルヨウ化物のDMF溶液を滴下添加し、混合物を50℃にて24h間攪拌した。
混合物の不溶性成分をろ別し、揮発成分を真空中で除去して、生成物含量32.3%(定量的HPLC分析を参照して)で粗生成物13.8gを得た。粗収率:理論の77.3%。
粗生成物を、1%NEt3を含むシクロヘキサン/酢酸エチル2:1->1%NEt3を含むシクロヘキサン/酢酸エチル1:1の勾配で、シリカゲル(1000mL)クロマトグラフィーによりさらに精製して、純度95%(HPLC分析を参照して、10.3min)で表題の化合物5.1gを得た。
[実施例10]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3、及びR4=トリメチルシリル]の化合物の製造
a) ヘキサメチルジシラン(98%濃度)1.08g(7.2mmol)及びヨウ素(98%濃度)1.86g(7.2mmol)を65℃にて加熱し、発熱反応が減衰するまで混合物をこの温度にて保持した。反応混合物を約110℃にての還流までゆっくりと加熱し、90min間攪拌した。反応混合物をRTに冷却した。次いで、テトラキストリメチルシリルフコース(92%濃度)3.58g(7.2mmol)のDCM2mLを加え、反応混合物を20min間攪拌した。揮発成分を真空中40℃にて除去し、残渣を各回トルエン10mLで3回共蒸留した。残渣をDMF10mLに取った。
b) 第2のフラスコにおいて、真空中で前もって加熱したモレキュラーシーブ(4オングストローム)3.4g、NaI0.053g(0.36mmol)、I20.091g(0.36mmol)、トリエチルアミン0.95g(9.4mmol)及び製造例4からの式II-2の化合物3.97g(7.2mmol、1eq.)を懸濁させたDCM3.5g溶液を50℃にて加熱し、ステップa)からのヨウ素含有のフコース構築ブロックの溶液を滴下添加し、混合物を50℃にて24h間攪拌した。
不溶性成分をろ別し、揮発成分を真空中で除去して、表題化合物59.6重量%を含む粗生成物8.1gを得た(収率:78%)。
後処理のために、粗生成物をDCM10mLに再度取り、10%チオ硫酸ナトリウム溶液10mLで洗浄した。真空中で蒸発の後、表題化合物71.6重量%を含む粗生成物6.6gを得た。
実施例9と類似の方法で、粗表題化合物をシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、純度99%で表題の化合物4.8gを得た(収率:75.8%、HPLC方法2:10.3min)。
[実施例11]
式IIIc[式中、R11=CH3、R2=CH3、R3=CH3、及びR4=トリメチルシリル]の化合物の製造
a) ヘキサメチルジシラン(98%濃度)2.02g(13.5mmol)及びヨウ素(98%濃度)3.47g(13.5mmol)をDCM4.2g中でRTにて180min間攪拌し、次いでテトラキストリメチルシリルフコース(92.8%濃度)11g(22.5mmol)のDCM4.2gを加えた。RTにての180minの攪拌後、揮発成分を真空中40℃にて除去し、残渣を各回トルエン10mLで3回共蒸留した。次いで、粗生成物をDCM3.8mLに取った。
b) 第2のフラスコにおいて、NaI0.169g(1.1mmol)、NEt32.96g(29.3mmol)及び製造例4からの化合物II-2の12.42g(22.5mmol、1eq.)を懸濁させたDCM10g溶液を調製し、ステップa)からのヨウ素含有のフコース構築ブロックの溶液を滴下添加した。内部温度50〜64℃に24h間加熱後、混合物を冷却し、不溶性成分をろ別した。次いで、ろ液をDCM13.4gで希釈し、10%チオ硫酸ナトリウム溶液(14g)で洗浄した。
濃縮後、表題化合物(HPLC方法2を参照して:10.3min)72.5重量%を含む粗生成物21.7gを得た。
[実施例12]
式IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、及びR4=トリメチルシリル]の化合物の製造
ヨウ素3.33g(13.1mmol)及びDCM3mL中のヘキサメチルジシラン1.94g(13.1mmol) をRTにて3h間攪拌した。これに、DCM3mL中の89%濃度のテトラキストリメチルシリルフコース()11g(21.6mmol)を加え、RTにてさらなる20min間攪拌を継続した。揮発性成分を真空中40℃及び30mbarにて除去し、残渣を各回トルエン10mLで3回同時蒸発させた。残渣をDCM1mLに溶かした。
この溶液を、トリエチルアミン2.84g(28mmol)、NaI0.16g(1.1mmol)、製造例6からの化合物II-4の12.81g(21.6mmol)の加熱還流下にあるDCM7.5g中の混合物に、滴下添加した。次いで、反応混合物を攪拌しながら20h間加熱還流した。後処理のために、10%チオ硫酸ナトリウム溶液10mLを加え、混合物を5min間激しく攪拌し、両相を分離させた。有機相を水5mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、濃縮した。
同定及び精製のために、粗生成物17.0gを5:1のシクロヘキサン/酢酸エチルに溶かし、1%トリエチルアミンで処理し、シリカゲルカラム上端に移した(カラム寸法:直径d=9cm、高さh=37cm、容積Vおよそ2.3L)。カラムを多少の加圧下で溶出した。生成物画分を合わせて、ロータリーエバポレーションにより45℃及び5mbarにて濃縮し、次いで真空オイルポンプにより1h間濃縮し、表題化合物11.42gを得た。
13C NMR (CD2Cl2, 500 MHz): δ (ppm) 178.18, 110.26, 110.12, 108.96, 105.84, 101.80, 97.96, 80.26, 78.01, 77.56, 76.29, 75.94, 75.37, 75.23, 73.80, 71.23, 70.96, 69.25, 66.98, 65.98, 62.78, 56.23, 53.40, 39.01, 27.92, 27.41, 27.32, 27.27, 27.27, 27.27, 27.16, 26.35, 25.66, 17.08, 0.77, 0.77, 0.77, 0.62, 0.62, 0.62, 0.26, 0.26, 0.26.
[実施例13]
式IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、及びR4=トリメチルシリル]の化合物の製造
a) 89.4重量濃度%のテトラキストリメチルシリルフコース7.08g(14mmol)をDCM4mLに溶かし、TMSI(97%)2.88g(13.5mmol)で処理した。20min間攪拌後、揮発成分を真空中で除去し、次いで残渣を各回トルエン10mLで3回共蒸留した。粗生成物をDCM2mLに取った。
b) 第2のフラスコ中で、製造例6からの化合物II-4の8.28g(14mmol)のDCM4gを、トリエチルアミン1.86g(フコース構築ブロックに対して1.3eq.)、NaI(フコース構築ブロックに対して0.05eq.)105mg及びヨウ素0.177g(フコース構築ブロックに対して0.05eq.)で処理し、続いてステップa)からのトリメチルシリルフコースヨウ化物溶液を50〜65℃にて滴下添加した。さらなる24h間の攪拌及び加熱還流後、混合物を冷却し、不溶性成分をろ別した。
有機相を、10%チオ硫酸ナトリウム溶液10mL及び水10mLで続いて洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥させた。
ろ過及び濃縮後、表題化合物69.5重量%を含む粗生成物13.5g(71%収率、HPLC方法2を参照して:15.04min)を得た。
[実施例14]
式IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、R4=トリメチルシリル]の化合物の製造
ヘキサメチルジシラン(98%)1.28g(8.7mmol)及びヨウ素(98%)2.2g(8.7mmol)をDCM2mL中でRTにて180min間攪拌した。これに、テトラキストリメチルシリルフコース(81%濃度)8g(14.3mmol)のDCM1mLを加えた。RTにて180min間攪拌後、KHCO30.573g(5mmol)を加え、混合物をRTにて60min間攪拌した。次いでトリエチルアミン1.88g(18.6mmol)を加え、混合物を加熱還流した。、製造例6からの化合物II-4の53重量%のジクロロメタン溶液15.92g(14.3mmol)を加え、混合物を24h間攪拌及び加熱還流した。
冷却後、不溶性成分をろ別し、ろ液を10%チオ硫酸ナトリウム溶液10g及び水で続いて洗浄した。Na2SO4で乾燥及び濃縮乾固後、表題化合物(HPLC方法2を参照して)61.5重量%を含む粗生成物16g(粗収率:71.5%)を得た。
[実施例15]
2'-O-フコシルラクトースの製造のためのワンポット反応
ヘキサメチルジシラン1.28g(8.7mmol)及びヨウ素2.2g(8.7mmol)を溶かしたDCM2mLをRTにて3h間攪拌した。次いでテトラキストリメチルシリルフコース(89.4%濃度)7.25g(14.3mmol)を加え、混合物を20min間攪拌した。揮発成分を真空中で除去し、残渣を各回トルエン10mLで3回蒸発させた。残渣をトルエン1.4mLに溶かし、トリエチルアミン1.88g(18.6mmol)、NaI0.107g(0.7mmol)及び製造例6からの化合物II-4の8.47gのDCM5.4g中の溶液に滴下添加し、この溶液を加熱還流した。混合物を24h間攪拌及び加熱還流し、ろ過し、濃縮した。
残渣をDCM約10mLに溶かし、10%炭酸ナトリウム溶液10mL及び10%チオ硫酸ナトリウム溶液で洗浄した。合わせた水相をDCM6mLで抽出した。合わせた有機相をNa2SO4で乾燥し濃縮して、粗生成物IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、R4=Si(CH3)3]13.9gを得た。
メタノール44.8mL中の得られた粗生成物IIIc13.8gをK2CO32.82g(20mmol)で処理し、16h間攪拌した。温度が38℃となるまで300mbarにてメタノールを留去した。次いでDCM28mLを加え、混合物を水13.5mLで洗浄した。水相をDCM6.6mLで再抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させた。溶媒を除去後、粗生成物をHPLC分析により転換が完全であるかチェックし、次いでDCM28mL中に取った。これに、水28mLを加え、DCMを留去した。次いで、水6.6mL及び1NHCl34.8mLを加え、混合物をRTにて24h間攪拌した。
続いて、混合物を、イオン交換体IMAC HP 661の53mLを充填したカラムを通して溶出することにより中和し、次に水26mLで再洗浄し、合わせた水相をDCM6mLで再洗浄した。真空中で蒸発の後、2'-O-フコシルラクトース(HPLC方法2)67.2重量%を含む粗生成物6.2gを得た。標的(1-2-α)生成物と(1-2-β)生成物との比は、29:1であった(面積パーセント)。
[実施例16]
式IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
DCM30mL中のヘキサメチルジシラン17.97g(0.120mol)及びヨウ素30.84g(0.120mol)ををRTにて3h間攪拌した。テトラキストリメチルシリルフコース102.3g(89重量%、0.205mol)を加え、混合物をRTにて20min間攪拌した。揮発成分を真空中で除去し、残渣を各回トルエン75mLで3回共蒸留した。
このようにして得た粗トリス(トリメチルシリル)フコシルヨウ化物を、DCM75g中の製造例6からの化合物II-4の118.83g、トリエチルアミン26.38g(0.2607mol)及びNaI1.5g(0.01mol)の溶液に滴下添加し、溶液を加熱還流し、その後DCM30mLでリンスした。24h間の加熱還流後、反応混合物をRTに冷却し、DCM150mL及び5%チオ硫酸ナトリウム溶液200mLを加え、この混合物を10min間激しく攪拌した。有機相を分離し、水50mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。HPLC分析論を参照すると、表題生成物76.7%が得られた。
粗生成物を各100gの2部に分け、両2部を5:1のシクロヘキサン/酢酸エチル及び1%のトリエチルアミンを使用してシリカゲルカラムクロマトグラフィー(カラム:直径d=12.5cm、高さh=40cm、容積Vおよそ4.9L)により精製して、純度94.6%の生成物画分70.9g(第1のカラム)及び純度87.5%の生成物画分71.9g(第2のカラム)を得た。両方の生成物画分を合わせた。
[実施例17]
式IIIb[式中、R2=CH3、R3=CH3及びR4=Si(CH3)3]の化合物の製造
化合物IIIc[式中、R11=C(CH3)3、R2=CH3、R3=CH3、R4=Si(CH3)3](含量85.7重量%、実施例16に従い製造)155.38gを、MeOH569mL中でK2CO338.5gとともにRTにて22h間攪拌した。揮発成分を真空中で除去し、残渣をDCM350mL中に取り、各回水150mLで3回洗浄した。合わせた水相をDCMで1回再抽出し、合わせた有機相をNa2SO4で乾燥させた。真空中でろ過濃縮後、含量90.4%で粗生成物IIIb118.2gを得た。
さらなる反応向けに操作を簡便とするために、粗生成物をDCM100mLに溶かした。
[実施例18]
2'-O-フコシルラクトースの製造
実施例17からの粗生成物溶液125g(DCM中の化合物IIIb59.1g)を水175mLで処理し、DCMをロータリーエバポレーターによって50℃及び400mbarにて留去した。水相混合物をRTに冷却し、さらなる水191mL及び2NHCl122mL(HCl0.5mol/Lの総濃度に対応する)を加え、RTにて一晩攪拌した。次いで、この溶液(535g)を弱塩基性イオン交換体Lewatit MP62を通してろ過し、その後各回水160mLで3回再洗浄した。母液及び洗浄液を合わせ、30℃及び5mbarにてロータリーエバポレーションにより及び1h間のオイルポンプ真空により蒸発させ、純度90.7%で生成物38.9g得たが、生成物含量は78.3重量%であった(HPLC方法3を参照すると)。標的(1-2-α)生成物と(1-2-β)生成物との比は、49:1であった(重量パーセント)。
[実施例19]
2'-O-フコシルラクトースの製造
実施例18と類似の方法で、実施例17で得た、化合物IIIbのDCM溶液25gを水性塩酸で処理し、次いでAmberlyst A21の80mLを通してろ過し、ラクトースとは異なる成分に対して、純度88.7%で2'-O-フコシルラクトース8.05gを得た。2'-O-フコシルラクトースの含量は72重量%であった。
[実施例20]
2'-O-フコシルラクトースの製造
実施例18と類似の方法で、実施例17で得た化合物IIIbのDCM溶液25gを水性塩酸で処理し、次いでIMAC HP 661を通してろ過し、ラクトースとは異なる成分に対して、純度91.1%で粗生成物7.7gを得た。2'-O-フコシルラクトースの含量は78重量%であった。
2'-O-フコシルラクトース5.0gをMeOH15mLに加熱下で溶かし、不溶性成分を加熱下でろ別した。表題化合物を、冷却EtOH45mLを加えることによりろ液から沈殿させ、沈殿物をろ別し、EtOHで2回洗浄した。表題生成物を純度92%で得たが、純度はラクトースを含めずに決定した。収率は78.8%であった。
HPLC:0.05重量%のフコース、8.9重量%のラクトース、0.2重量%の2'-Flのβ-アノマー、69.0重量%の2'-Fl、1.75面積-%のテトラサッカライド
精製1:メタノールを使用する2'-O-フコシルラクトースの精製
MeOH35mL中の実施例18からの2'-O-フコシルラクトースの粗生成物5.0gを加熱還流し、懸濁液を総容量10mLに濃縮した。次いで混合物を-5℃に冷却し、30min間攪拌した。得られた固形物を吸い取り、各回冷却メタノール2mLで2回及び各回冷却アセトン2mLで2回洗浄した。収率83.7重量%で表題生成物3.41gを得た。
表題生成物は11.5重量%のラクトースを含有していたが、純度は、HPLC方法3を参照して及びラクトース含量を考慮して、97.4面積-%であった。
精製2:H2O/アセトンを使用する2'-O-フコシルラクトースの精製
実施例18からの2'-O-フコシルラクトース5.0gを75℃にて水3mLに溶かした。次いで、溶液を冷却し、アセトン1mL及びEtOH5mLを加え、混合物を16h間攪拌した。混合物をろ過し、得られた固形物を各回EtOH/H2O(96.5:3.5)3mLで3回洗浄した。表題生成物2.14g(収率:50.0%)を得た。ラクトース含量はHPLC分析を参照すると12%であった。
[実施例21]
(比較例)比較化合物、2'-FL(2'-O-α-L-フコピラノシルラクトース)のβ-異性体の製造:
2,3,4-トリ-O-アセチル-β-L-フコピラノシルトリクロロアセトイミダートを、Liebigs Ann Chemie、1991、121に述べてあるように製造した。
ステップ1:O-(2,3,4-トリ-O-アセチル-β-L-フコピラノシル)-(1-2)-O-(6-O-アセチル-3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-(1-4)-2,3:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-グルコース-ジメチルアセタール
モレキュラーシーブ4Å1.5gを充填したフラスコを真空中で加熱し、アルゴンでパージした。これに、製造例4からの化合物II-2の2.77g(5mmol)のCH2Cl22g中溶液を、次いで3,4-トリ-O-アセチル-β-Lフコピラノシルトリクロロアセトイミダート1.46g(3.3mmol)を-5〜0℃にて加え、混合物を0℃にて1h間攪拌した。次いで、CH2Cl21mL中のBF3・OEt248mgを0〜5℃にて滴下添加し、混合物を0℃にて6h間、次いで0〜20℃にて一晩攪拌した。反応混合物をろ過し、CH2Cl210mLで洗浄した。合わせた有機相をNaHCO3飽和溶液10mLで洗浄し、Na2SO4で乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物3.85gが得られ、これをシクロヘキサン/酢酸エチル2:1〜1:1でのシリカゲル(500mL)クロマトグラフィーにより精製して1gの表題化合物を得た。
13C NMR (CD2Cl2, 500 MHz): δ (ppm) 170.97, 170.97, 170.45, 170.01, 110.45, 110.16, 109.00, 106.11, 101.69, 99.96, 78.01, 77.96, 77.76, 76.94, 75.54, 75.50, 73.87, 72.05, 71.17, 70.68, 69.72, 69.53, 66.60, 63.46, 56.18, 53.69, 27.90, 27.50, 27.16, 27.06, 26.39, 25.75, 21.17, 21.02, 20.93, 20.84, 16.00.
ステップ2:O-β-L-フコピラノシル-(1-2)-O-(3,4-イソプロピリデン-β-D-ガラクトピラノシル)-(1-4)-2,3:5,6-ジ-O-イソプロピリデン-D-グルコース-ジメチルアセタール
ステップ1からの化合物1.87gをメタノール10mL及びナトリウムメトキシド406mgで攪拌しながらRTにて16h間処理した。次いで、不溶性成分をろ過し、混合物を真空中で濃縮し、ジクロロメタン/MeOH95:5でのシリカゲル(100mL)クロマトグラフィーにより精製して1.1gの表題化合物を得た。
13C NMR (CD2Cl2, 500 MHz): δ (ppm) 110.37, 110.21, 108.53, 107.61, 103.24, 102.57, 79.02, 78.93, 78.64, 78.24, 75.54, 74.95, 74.85, 74.40, 74.18, 72.06, 71.57, 70.94, 64.63, 62,46. 57,82, 54.25, 28.07, 27.27, 26.55, 26.46, 26.05, 23.64, 16.28.
ステップ3:β-2'-O-フコシルラクトース
ステップ2からの生成物0.97gを水性塩酸(0.5M)21.6mLで処理し、RTにて20h間攪拌した。次いで、反応混合物をイオン交換体IMAC HP661の7.8mLで中和し、ろ過し、水10mLで洗浄した。揮発成分を真空中で除去後、残渣を高真空下で乾燥し、還元性未端基でのアノマーの混合物として2'-O-フコシルラクトースのβ-異性体0.66gを得た。
アノマーI 13C NMR (CD3OD, 500 MHz): δ (ppm) 104.48, 102.56, 98.11.80.55, 78.93, 77.03, 76.97, 76.16, 75.22, 73.85, 73.81, 73.09, 72.63, 72.22, 69.77, 62.72, 62.26, 16.78;
アノマーII 13C NMR (CD3OD, 500 MHz): δ (ppm) 104.40, 102.68, 93.80, 80.37, 79.34, 76.97, 76.10, 75.18, 73.70, 73.11, 72.92, 72.62, 72.22, 71.83, 69.74, 62.73, 62.27, 16.78.

Claims (32)

  1. 2'-O-フコシルラクトースの製造方法であって、
    a) 一般式(I)
    Figure 2017534575
    の保護されたフコース
    [式中、RSiは、同一でも異なっていてもよく、式SiRaRbRcの残基を示す
    (ここで、Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]を
    一般式(II)
    Figure 2017534575
    の化合物
    [式中、
    R1は、C(=O)-R11残基又はSiR12R13R14残基であり(ここで、
    R11は、水素、C1〜C8-アルキル、C1〜C8-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル又はフェニルであり(ここで、前記フェニルは、非置換であるか又はハロゲン、CN、NO2、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル及びC1〜C4-ハロアルコキシから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有する)、
    R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)、
    R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一の炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成する]
    と反応させるステップ;
    b) ステップa)において得られた一般式(III)
    Figure 2017534575
    [式中、RSi、R1、R2及びR3は、上記のように定義される]
    のカップリング生成物を脱保護して、2'-O-フコシルラクトース
    を得るステップを含み、
    ここで、ステップa)が、
    a.1) 一般式(I)の保護されたフコースをトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物で処理すること、
    a.2) 少なくとも1つの塩基の存在下で、ステップa.1)で得られた生成物を式(II)の化合物と反応させること
    を含む、製造方法。
  2. トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物がヨウ化トリメチルシリルである、請求項1に記載の方法。
  3. トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物が式(I)の化合物1モル当たり0.8〜1.4モルの量で使用される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物が、対応するトリ(C1〜C6-アルキル)シリル塩化物をヨウ化物塩で処理することによりインサイチュで生じる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  5. トリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物が、対応するヘキサ(C1〜C6-アルキル)ジシランをヨウ素と反応させることによりインサイチュで生じる、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  6. まず、ステップa.1)において、ヘキサ(C1〜C6-アルキル)ジシランをヨウ素と反応させ、次いで生成した反応混合物を式(I)の化合物と反応させる、請求項5に記載の方法。
  7. ステップa)において、
    a.1) 式(I)の化合物をトリ(C1〜C6-アルキル)シリルヨウ化物でまず処理し、
    a.2) 生成した生成物を、さらなる精製処理を行うことなく、塩基の存在下で式(II)の化合物と反応させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  8. 塩基が、式(I)の化合物に対し少なくとも等モル量で使用される、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  9. 塩基が、アミン塩基、特に第三級アミンから選択される少なくとも1つの塩基性化合物を含む、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  10. 塩基が、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩及びそれらの混合物から選択される塩基性化合物をさらに含む、請求項9に記載の方法。
  11. a.1) まず、ヘキサ(C1〜C6-アルキル)ジシランをヨウ素と反応させ、次いで生成した反応混合物を式(I)の化合物と反応させ、
    a.2) ステップa.1)の反応混合物を、アルカリ炭酸塩、アルカリ重炭酸塩及びそれらの混合物から選択される塩基性化合物で処理し、生成した混合物を続いて、アミン塩基の存在下で、式(II)の化合物と反応させる、
    請求項10に記載の方法。
  12. ステップa.2)が、ヨウ素、ヨウ化物塩及びトリアリールホスフィンオキサイド並びにそれらの混合物から選択される少なくとも1つの試薬の存在下で行われる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  13. 式(I)の化合物と式(II)の化合物とを、1:3〜3:1の範囲にある(I):(II)のモル比で反応させる、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  14. ステップb)において、
    b.1) 式(III)の化合物を酸の存在下、水で処理するか、
    又は
    b.2) 式(III)[式中、R1はSiR12R13R14残基である]の化合物を、脱シリル化試薬でまず処理し、ここで、式(IIIb')
    Figure 2017534575
    の化合物が得られ、
    続いて、酸の存在下で、式(IIIb')の化合物を水で処理することにより、残りの保護基を除去するか、
    又は
    b.3) 式(III)[式中、R1はC(O)R11残基である]の化合物を、脱シリル化試薬でまず処理し、ここで、式(IIIc')
    Figure 2017534575
    の化合物が得られ、
    続いて、C(O)-R11基及び残りの保護基を引き続き除去するか、
    又は
    b.4) 保護基C(R2)2及びOR3を式(III)[式中、R1はC(O)R11残基である]の化合物からまず除去し、ここで、式(IV)
    Figure 2017534575
    の化合物が得られ、
    続いて、C(O)R11基を除去するか、
    又は
    b.5) 式(III)[式中、R1はC(O)-R11基である]の化合物を、C1〜C4-アルカノール及びアルカリ金属塩基でまず処理し、これにより、式(IIIb')の化合物が得られ、続いて、酸性反応条件下で式(IIIb')の化合物を処理することによって、残りの保護基を除去する、
    先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  15. 式(I)及び(III)におけるRSi残基がトリメチルシリルである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  16. 式(II)及び(III)におけるR1残基がトリメチルシリルである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  17. 式(II)及び(III)におけるR1残基がアセチル、ピバロイル又はベンゾイルである、請求項1〜15のいずれかに記載の方法。
  18. 式(II)及び(III)におけるR2残基がメチルである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  19. 式(II)及び(III)におけるR3残基がメチルである、先行する請求項のいずれかに記載の方法。
  20. 一般式(IIIa)
    Figure 2017534575
    [式中、
    R1aは、SiR12R13R14残基であり(ここで、
    R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)、
    R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一の炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示すか、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R4は、同一又は異なっており、水素又はSiRaRbRc残基を示す(ここで、
    Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]
    の化合物。
  21. 一般式(IIIb)
    Figure 2017534575
    [式中、
    R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一の炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを指し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R4は、同一又は異なっており、水素又はSiRaRbRc残基を示す(ここで、
    Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]
    の化合物。
  22. 一般式(IIIc)
    Figure 2017534575
    [式中、
    R11は、水素、C1〜C8-アルキル、C1〜C8-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル又はフェニルであり(ここで、前記フェニルは、非置換であるか又はハロゲン、CN、NO2、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル及びC1〜C4-ハロアルコキシから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有する)、
    R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一の炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R4は、同一又は異なっており、水素又はSiRaRbRc残基を示す(ここで、
    Ra、Rb及びRcは、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)]
    の化合物。
  23. 一般式(IIa)
    Figure 2017534575
    [式中、
    R1aはSiR12R13R14残基であり(ここで、
    R12、R13及びR14は、同一又は異なっており、C1〜C8-アルキル、C3〜C8-シクロアルキル、フェニル及びC3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキルから選択される)、
    R2は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は同一の炭素原子に結合している2個のR2残基は直鎖C3〜C6-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成し、
    R3は、同一でも異なっていてもよく、C1〜C8-アルキルを示し、又は直鎖C1〜C4-アルカンジイル(これは非置換であるか又は置換基として1〜6個のメチル基を有する)を一緒に形成する]
    の化合物であって、
    ただし、式中、R1aがtert-ブチルジメチルシリルであり、R2及びR3が双方ともメチルである式(IIa)の化合物は除外される、一般式(IIa)の化合物。
  24. 一般式(IV)
    Figure 2017534575
    [式中、
    R11は、水素、C2〜C8-アルキル、C1〜C8-ハロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル、C3〜C8-シクロアルキル-C1〜C4-アルキル又はフェニルである(ここで、
    前記フェニルは、非置換であるか又はハロゲン、CN、NO2、C1〜C4-アルキル、C1〜C4-アルコキシ、C1〜C4-ハロアルキル及びC1〜C4-ハロアルコキシから選択される1〜5個の置換基を任意選択で有する)]
    の化合物。
  25. 請求項1〜19のいずれかに記載の方法により入手できる、2'-O-フコシルラクトース。
  26. 1重量%未満のβアノマーβ-2'-O-フコシルラクトースを含有する、請求項25に記載の2'-O-フコシルラクトース。
  27. 遷移金属不純物の量が検出可能レベル未満である、請求項25に記載の2'-O-フコシルラクトース。
  28. 2'-O-フコシルラクトースを製造するための、請求項20〜24に記載の一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の使用。
  29. 食料品中における又は食品添加物としての、請求項1〜19のいずれかに記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトースの使用。
  30. 一般式(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の少なくとも1つから2'-O-フコシルラクトースを製造することを含む、食料品及び食品添加物を製造するための、請求項20〜24に記載の一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の使用。
  31. 請求項20〜24に記載の一般式(IIa)、(IIIa)、(IIIb)、(IIIc)又は(IV)の化合物の少なくとも1つから2'-O-フコシルラクトースを製造すること及び前記2'-O-フコシルラクトースを食料品中に製剤化することを含む、食料品の製造方法。
  32. 請求項1〜19のいずれかに記載の方法により入手できる2'-O-フコシルラクトース及び食料品に適した少なくとも1つの担体を含む、食料品又は食品添加物。
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