JP2017533279A - 造血免疫療法(hit)としてのil−12の使用 - Google Patents

造血免疫療法(hit)としてのil−12の使用 Download PDF

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Abstract

本開示の形態および実施態様は、患者の化学療法剤への曝露後に、用量減量および/または投薬延期を必要とする、化学療法誘発血球減少症から、がん患者を治療または予防するために有用な、造血免疫療法(HIT)として、インターロイキン−12(IL−12)を含む、治療方法および組成物を提供し、該方法は、実質的に単離されたIL−12を含む医薬組成物の治療有効量を患者に投与する工程を含み、それにより、血球減少症は低減され、そして、化学療法剤に対する増大した反応の軽減がもたらされる。

Description

関連出願への相互参照
本願は、参照によりその内容が全体として本明細書に組み込まれる、2014年10月31日に出願された米国仮特許出願第62/073,220号に基づく優先権の利益を主張する。
分野
本開示は、一般に、移植のための新規方法および組成物に関する。特に、本開示は、IL−12を含む医薬組成物の治療有効量を、それを必要とする患者に投与することを含む、造血細胞移植において、使用される、方法および組成物に関する。本発明におけるIL−12の使用は、がんの治療のための、化学療法の使用における、2つの課題に取り組む:1)用量減量および/または投薬延期、ならびに他の合併症に通じる、化学療法レジメンに因り引き起こされる血球減少症を軽減させる、ならびに2)根底にあるがんの縮小。本発明の両形態は、結果として、微小残存病変(MRD)の縮小をはじめとする、化学療法による奏功率の増加をもたらし、それによって、治療された患者のより長い生存期間をももたらす。化学療法による治療を必要とするがん患者におけるIL−12のこれらの二重効果のために、本発明者らは、IL−12を、造血免疫療法(HIT)と呼ぶ。
背景
本開示の多様な形態ならびに態様を理解する上で、有用でありうる情報が、以下に含まれている。本明細書中に提供されるいかなる情報は、ここに記載されている、もしくは権利請求されている発明に対して、従来技術、あるいは、関連していること、あるいは、具体的または暗示的に参照されている、いかなる刊行物または文献が、従来技術であることを、自認するものではない。
化学療法誘発血小板減少症(CIT)をはじめとする、造血性血球減少症(hematopoietic cytopenia)は、化学療法治療により引き起こされる骨髄抑制の一般的な副作用である。プラチナ含有レジメンは、グレード3および4の好中球減少症、リンパ球減少症および貧血のみならす、特に、グレード3および4の血小板減少症の発生率と相関している。CITに付随するリスクは、出血の発生率増加;化学療法の用量減量およびスケジュール変更;ならびに血小板輸血の必要性増大を含んでいる。米国において毎年化学療法を受ける患者140万人のうち、およそ10%が血小板減少症を患う(MGIプレスリリース、8/28/07)。新しいより強烈な化学療法剤が市場に参入しており、そして、ケア治療の標準が変化し、発展し続けているため、CITの年間総発生率は、増加し続けると予想される。
現状、CITに付随する合併症は、約60%の発生率レベルに達している。血小板減少症は、打撲を伴わない挫傷をもたらす可能性がある。50,000/μl未満の血小板数は、特発性出血の高いリスクと関連している。血小板は、睡眠、気分および食欲を制御する神経伝達物質、セロトニンおよびその前駆体である1−トリプトファンを保有しており、したがって、血小板減少症は、しばしば、倦怠感および時には抑うつ状態を付随している。血小板減少症はまた、様々な診断および/または医学的治療の妨げとなる。さらに、現在、血小板は、免疫系調節効果を有していることが公知である(SempleおよびFreedman、Cell Mol Life Sci 67:499ページ、2010)。一般に、血小板減少症は、出血(bleeding)および多量出血(hemorrhage)と関連付けられているが、あまり知られていない問題は、免疫系に対する、低血小板の影響である。血小板は、自然および獲得免疫系の主要細胞である、樹状細胞を成熟させることができることが、判明している[Hamzeh-Cognasseら、BMC immunol 9:54ページ、2008]。さらに、他の最近の報告は、血小板減少症は、がん患者における、移植に引き続く、疾患再発に因る死亡リスク増大に連結することが示している[Ninanら、Biol Blood Marrow Transpl 13:895ページ、2007]。
CITの予防または治療の用途に、入手可能な医薬品はない。1997年に、重症の血小板減少症のリスクが高い、非骨髄性悪性腫瘍を有する成人患者における、骨髄抑制的化学療法に引き続く、重症の血小板減少症の予防、ならびに、血小板輸血の必要性の低減の用途で、インターロイキン−11(IL−11、オプレルベキン)が、米国FDAにより承認された。しかしながら、該薬物の深刻な副作用、ならびに、その限られた効果のために、IL−11は、通常、腫瘍科の臨床診療では、使用されていない。医師は、該薬物の眼および循環器への副作用を懸念しており、そして、大半の患者では、投与することを望まない。代わりに、化学療法の用量減量、投薬延期、ならびび、重症の場合には、血小板輸血によって、血小板減少症に、対処している。さらに重要なのは、免疫性血小板減少性紫斑病(ITP)に対して、最近承認された、より新しい血小板減少症薬、Nplate(Romiplostim)およびPromacta(エルトロンボパグ)は、第II相試験において、臨床的なエンドポイントを満たすことに成功していないことである。
発明の概要
したがって、CITおよび他の血球減少症の有効な治療および予防のために有用であり、同時に、根底にあるがんと戦うことのできる(腫瘍量を低減し、また、MRDを低減する)抗腫瘍免疫応答を提供して、より長い生存期間をもたらす、新規方法および組成物が必要とされている。
本開示は、化学療法剤への患者の曝露に引き続く、様々な血球減少症、特に、血小板減少症から、がんを有しており、そして、移植に先立ち、化学療法を受ける患者を、治療および予防するために有用な、治療方法およびインターロイキン12(IL−12)を含む組成物を提供する。いくつかの形態では、該方法は、化学療法剤への患者の曝露に引き続いて、血球減少症になりやすい、あるいは、なっている患者に、実質的に単離されたIL−12を含む医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含んでおり、それによって、血球減少症が予防され、軽減されおよび/または治療される。複数の血球減少症に対する、IL−12の効果とともに、腫瘍量の低減および/またはMRDの低減に対する、随伴性の効果もある。これらの二重の効果全体は、化学療法による治療を必要とする、がん患者における、長い生存をもたらす。
一実施態様では、本方法は、患者の必要に応じて、化学療法剤を1回またはそれより多く投与する工程を含む。
一実施態様では、本方法は、患者の必要に応じて、および/または血球減少症を予防、軽減および/または治療するために、化学療法剤の投与の前、その間および/または後に、IL−12を1回またはそれより多く投与する工程を含む。
一実施態様では、本方法は、患者の必要に応じて、多様なタイプの化学療法剤を投与する工程を含む。
一形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、皮下に、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、硬膜外に、非経口的に投与される。
一形態では、投与されたIL−12は、末梢血中の血小板、ナチュラルキラー細胞およびCD8細胞をはじめとするリンパ球、赤血球ならびに好中球の産生を誘導する。いくつかの形態では、血小板および赤血球の産生は、造血再生もしくは再構築および/または生存を促進し、ならびに/あるいは血小板または赤血球(または全血)輸血の必要性を減少させ、出血および/または大量出血のリスクを減少させる。白血球、好中球およびリンパ球の増加は、感染性合併症の減少をもたらす。
本明細書中に記載され、また、特許請求されている発明は、それには限定されないが、上述されたもの、あるいは、この概要中において、説明もしくは言及されたものをはじめとする、多くの性状ならびに実施態様を有する。該概要は、包括的なものであることを意図しておらず、そして、本明細書中に記載され、また、特許請求されている発明は、限定ではなく、単に例示の目的でのみ、含まれている、該概要中において見出された、特徴もしくは実施態様により、限定されず、またはそれにより制限もされない。さらなる実施態様は、以下の詳細な説明中において、開示される。
図1 A〜B:骨髄抑制的放射線照射(625rad)の前および後に投与された、ビヒクルおよびrMuIL−12における、血液回復プロファイル。
血球回復プロフィールは、EL4リンパ腫モデル(a)およびルイス肺がんモデル(b)における、好中球、赤血球および血小板について示されている。
照射前の血液値は、照射および腫瘍接種前における、両群中のすべての動物の平均を反映している。マウス血球数について。正常時の閾値を破線で示す。14〜21日目の間、両方の腫瘍モデルにおいて、rMuIL−12治療マウスは、ビヒクル対照と比較して、血球数について、統計的に有意な改善を示している(14日目および18日目においてP<.001、ならびに21日目でP<.01;Tukey検定に基づく、分散分析(ANOVA))。
図2A〜B:照射(625rad)に引き続く、ビヒクルおよびrMuIL−12治療群における、腫瘍体積の相対変化。
EL4リンパ腫腫瘍モデル(a)およびルイス肺がん腫瘍モデル(b)について、実験過程にわたり、腫瘍体積の変化を示す。両腫瘍モデルのマウスは、1日目に、625radを照射された。両腫瘍モデルのマウスに、最初の放射線照射に引き続いて、22日目に第2の線量の放射線を照射した。EL4リンパ腫モデルでは、すべてのrMuIL−12治療群、すなわち、照射前、後および前−後投薬群は、腫瘍体積評価のエンドポイントにおいて、対照と比較して、有意に腫瘍成長が低減されていた(%T/C<50%)。ルイス肺がんモデルでは、照射後のrMuIL−12治療は、腫瘍成長評価のエンドポイントにおいて、有意に腫瘍成長が低減されていた(%T/C<50%)。
図3:HemaMax(商標)で治療された、照射され、無支持のサルのカプランマイヤー生存曲線。
プールしたHemaMax(商標)投薬群を示す。試験中、抗生物質は使用しなかった。試験とは無関係な死亡であるため、歯の折れた1匹の動物を試験から除外した。p<0.05 プールした治療群。
図4A〜B:HemaMax(商標)で治療された、照射され、無支持のアカゲザル中の、白血球数(a)および血小板数(b)。
試験期間中の、血球数の差違を評価するために3つの分析を実施した。血球数を1日目から30日目まで分析した第1の分析においては、HemaMax(商標)で治療した動物は、ビヒクルで治療した動物と比較して、用量100ng/kgおよび250ng/kgのHemaMax(商標)において、12日目と14日目では、白血球および血小板数が有意に高かった。特に、この試験は、致死的な照射がなされたNHPの試験であり、ビヒクル治療したサルの80%が血小板輸血を必要としたが、HemaMax治療したサルのわずか25%が、血小板輸血を必要とした(p<0.007、カイ二乗分析)。
図5:IL−12Rβ2を発現するヒトおよびNHP骨髄。
ヒト(a)およびNHP(b)大腿骨骨髄由来の組織は、IL−12Rβ2について、免疫組織化学染色された。IL−12Rβ2を発現する前駆細胞および巨核球を示す。Plos One 論文 図10a。
図6:、マウスIL−12は、照射したマウス中において、造血回復を促進する。
IL−12Rβ2について染色した、非照射未治療マウス由来の大腿骨骨髄の代表的な切片を(a)に示す。動物は、TBI(8.0Gy)を施され、その後、照射後の示された時間に、ビヒクルまたはrMuIL−12(20ng/マウス)を皮下投与された(b〜f)。照射後12日目、大腿骨骨髄は、IL−12Rβ2について免疫組織化学染色された(オレンジ色)。ビヒクルで治療したマウス由来の骨髄は、IL−12Rβ2発現細胞を欠き、造血再生の徴候を示さなかったが(b)、rMuIL−12で治療したマウスは、造血再構築、ならびに、IL−12Rβ2−発現巨核球、骨髄系前駆体、および骨芽細胞の存在を示した(c〜f)。倍率=100×。
図6:、マウスIL−12は、照射したマウス中において、造血回復を促進する。
IL−12Rβ2について染色した、非照射未治療マウス由来の大腿骨骨髄の代表的な切片を(a)に示す。動物は、TBI(8.0Gy)を施され、その後、照射後の示された時間に、ビヒクルまたはrMuIL−12(20ng/マウス)を皮下投与された(b〜f)。照射後12日目、大腿骨骨髄は、IL−12Rβ2について免疫組織化学染色された(オレンジ色)。ビヒクルで治療したマウス由来の骨髄は、IL−12Rβ2発現細胞を欠き、造血再生の徴候を示さなかったが(b)、rMuIL−12で治療したマウスは、造血再構築、ならびに、IL−12Rβ2−発現巨核球、骨髄系前駆体、および骨芽細胞の存在を示した(c〜f)。倍率=100×。
図7:Lin-IL−12Rβ2細胞を、IL−12のありおよびなしで、megacult培地に、5000個の細胞/スライドで蒔種された。IL−12で刺激された培養物は、培地単独による培養物と比較して、より大きなコロニーをもたらした。 図8:rMuIL−12で治療したCITマウスにおける、ベースラインと比較した、個々の血小板数のパーセンテージ。
rMuIL−12治療群のいずれも、33%を超える、血小板の減少を示す動物はいなかった(50匹中、0匹)。対照的に、rMuIL−12を受けなかった対照群では、20匹中、6匹(30%)のマウスが、ベーサル(basal)と比較して、33%またはそれ未満まで、血小板レベルが低下していた。
図9:rMuIL−12を受けている、GCによる治療中のマウスのルイス肺腫瘍体積。
注:時間ゼロは、化学療法投与の時間を表す。腫瘍接種は、化学療法投与の11日前に実施した。
図10:rMuIL−12を受けている、ゲムシタビンによる単独療法中のマウスのルイス肺腫瘍体積。
0日目は、最初の化学療法の時点である。第2の化学療法投与は、7日目に実施した。腫瘍接種は、8日目に行った。rMuIL−12は、化学療法剤として、ゲムシタビンのみを使用するこのモデル系において、腫瘍成長速度を増加させなかった。群間における成長の相違は、統計的に有意ではなかった。前投薬(pre-dosing)群は例外として、rMuIL−12投与による腫瘍サイズの減少の傾向が観察された。
詳細な説明
細胞傷害性の化学療法は、種々の悪性疾患の治療において有用であると証明されてきているが、様々な程度の骨髄抑制を伴う。好中球減少症、貧血および血小板減少症は、しばしば、化学療法のタイムリーかつ有効な投薬を制限する可能性がある、用量制限毒性となる。市販の造血成長因子は、好中球減少症の治療/予防の両方のために非常に効果的に使用されてきており(Neupogen、Neulasta、Leukine)、そして、化学療法誘発貧血を治療するためにも使用されてきた(Procrit、Aranesp)。厄介な副作用のために、化学療法誘発血小板減少症の唯一利用可能な治療(Neumega)は、広範には使用されてこなかった。化学療法誘発血球減少症の予防は、化学療法の用量強度を維持することを可能とし、これは、さらに、最終的には、患者のより良い治療効果をもたらすことができる。
血小板輸血:利用可能な薬物がないため、急性または慢性血小板減少症の唯一利用可能な治療は、血小板輸血である。約200万件の血小板輸血が、毎年、米国において行われている(Heala and Blumberg Blood Reviews、18:149ページ、2004)。輸血は、血小板減少症を一次的に治すだけであり、そして、高い割合の合併症(約60%)を伴う。血小板輸血は、深刻な副作用を有する可能性がある。血小板輸血を受けている患者は、弱いアレルギー反応から生命を脅かすアナフィラキシーにわたる、数種の反応のリスクを有する。発熱反応が最も一般的であり、輸血100回当たり1回の割合で発生する。臨床的に、最も重要な合併症は、同種免疫、免疫抑制および移植片対宿主病(GVHD)の免疫調節性効果である。血小板輸血を受けている患者は、細菌、寄生虫およびウイルス感染症のリスクも有する。同種輸血を受けている患者は、HIVよりも肝炎ウイルスによる致死的感染症のリスクが大きい。
したがって、本開示は、化学療法誘発血小板減少症(CIT)および他の血球減少症を治療/予防するために化学療法と組み合わせる、補助療法として、HemaMax(商標)(IL−12)を対象としており、そして、MRDの低減をもたらす抗腫瘍反応も提供する。これら2つの効果は一緒になって、がん患者がより長い無憎悪生存および全生存期間を有することをもたらす。
HemaMax(商標)(rHuIL−12)は、ジスルフィド結合で連結されている、2つのサブユニットからなるヘテロ二量体タンパク質である。2つのサブユニットは、それぞれ、p35およびp40と呼ばれる、AおよびBサブユニットである。ヘテロ二量体IL−12は、503個のアミノ酸を含有する。このタンパク質は、チャイニーズハムスター卵母(CHO)細胞中で組換えタンパク質産生技術によって産生することができ、約75.0kDaの総分子量を有しており、そして、内因性IL−12と同様に、その最終形態は、糖タンパク質である。HemaMax(商標)のグリコシル化パターンは、内因性IL−12とは異なる。HemaMax(商標)は、in vitroでヒト免疫細胞において、ならびにin vitroおよびin vivoの両方で、非ヒト霊長類(アカゲザル)において、強力に薬力学反応(インターフェロン−γ[IFN−γ])を誘発する。
HemaMax(rHuIL−12):HemaMaxは、骨髄破壊的処置後の非ヒト霊長類(NHP)モデルのみでなく、マウスモデルにおいても、血小板回復をはじめとする、優れた血球回復、骨髄抑制的または骨髄破壊的処置後の回復を示した(セクションDを参照)。実際に、本発明者らの実証実験、致死的な照射NHP試験において、ビヒクル治療したサルの80%が血小板輸血を必要としたが、HemaMax治療したサルはわずか25%が血小板輸血を必要とした(p<0.007、カイ二乗分析)。これらの結果は、CITにおいてHemaMaxを推すことを支持する強力な証拠を提示する。HemaMaxの作用メカニズム(MOA)は、造血幹細胞(HSC)のレベルで造血を再生することを含む。このMOAを支持して、Neumedicinesは、それがCD34、c−KitおよびKDR等の、知られた幹細胞マーカーとともに共発現されることから、ヒトHSCのいくつかの主要亜群上にIL−12受容体を見出している。さらに、該系統の分化を追っていくと、IL−12受容体は、ヒトおよびマウス両方の巨核球の未成熟および成熟両方の巨核球、ならびに血小板自体にも見出された。よって、HemaMaxのMOAは、がん患者における、血小板減少症の発生率ならびに血小板輸血の必要性を減少させるための薬物を目的とする、CITにおけるいまだ対処されない必要性に応じることの成功を予示している。
化学療法または放射線照射に対する補助療法として、HemaMaxは、例えば、1)化学療法または放射線照射に引き続く、血小板回復に加えて、HemaMaxのMOAは、結果として、好中球および赤血球の回復をはじめとする、多系列の血液回復をもたらし;2)HemaMaxは、一次療法、すなわち、化学療法または放射線照射と相乗的でありうる、既知の抗腫瘍応答を有し;ならびに、3)アジュバントとして使用した際に、これら2つの独特の特性を発揮できるサイトカインは他にない、という特有の性質を有する。
本開示は、化学療法剤への患者の曝露に引き続く、化学療法誘発血球減少症に対して、患者を治療および/または予防する方法および組成物を提供しており、該方法は:患者に、実質的に単離されたIL−12を含む医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含み、それによって、血球減少症が軽減される。
本明細書中で使用される場合、IL−12は、免疫におけるその役割に関して、周知である、p40およびp35サブユニットを両方含む、ヘテロ二量体サイトカインである。約20年間にわたる多数の報告中には、IL−12は、炎症反応、感染に対する自然抵抗性および適応免疫を調節することによって、免疫性の自然免疫部分および適応免疫部分の間の相互作用において、重要な役割を有していることが解明されている。内因性のIL−12は、多くの病原体、ならびに、移植可能な腫瘍、および化学物質により誘発された腫瘍に対する抵抗性において、要求されている。免疫系における、IL−12の特徴的な効果は、ナチュラルキラー(NK)細胞、マクロファージおよびT細胞からのインターフェロン−ガンマ(IFN−ガンマ)の産生を刺激する能力である。さらに、90年代初期〜中期における、いくつかのin vitroの研究は、IL−12が、他のサイトカインとともに、相乗的に造血を刺激することができると報告している。これらの研究では高度精製の前駆細胞または均一な単一細胞が使用されているので、IL−12の造血促進活性は、骨髄幹細胞に対する直接作用に因っていると見做される。いくつかの研究が、造血の促進および抑制の両方を、IFN−ガンマに結び付いているように、IL−12の造血活性におけるIFN−ガンマの役割は、明らかではない。
インターロイキン−12(IL−12)は、全身放射線への曝露の前またはそのすぐ後に使用された場合、放射線防護機能を有することが示されている(Netaら、(1994) IL-12 protects bone marrow from and sensitizes intestinal tract to ionizing radiation. J Immunol 153:4230〜4237ページ;Chenら、(2007) IL-12 facilitates both the recovery of endogenous hematopoiesis and the engraftment of stem cells after ionizing radiation、Exp Hematol 35:203〜213ページ;Basileら(2008) Multilineage hematopoietic recovery with concomitant antitumor effects using low dose Interleukin-12 in myelosuppressed tumor-bearing mice、J. Trans. Med. 6(26);Gluzman-Poltorakら、(2014) Randomized comparison of single dose of recombinant human IL-12 versus placebo for restoration of hematopoiesis and improved survival in rhesus monkeys exposed to lethal radiation、J. Hematol. Oncol. 7(31);Gluzman-Poltorakら、(2014) Recombinant interleukin-12, but not granulocyte-colony stimulating factor, improves survival in lethally irradiated nonhuman primates in the absence of supportive care: Evidence for the development of a frontline radiation medical countermeasure、Am. J. Hematol.、00(00);Gokhaleら、(2014) Single low-dose rHuIL-12 safely triggers multilineage hematopoietic and immune-mediated effects、Exp. Hematol. Oncol.、3(11);さらに、US2011/0206635 A1およびUS 7,939,058 B1の全開示は、参照により本明細書中に組み込まれる。該研究においては、マウスは、致死的な全身放射線照射の有害作用から救済された。放射線照射防護効果は、骨髄中の未知の細胞集団の中、おそらくは、長期再増殖造血幹細胞に帰されると、報告されている。別の研究においては、IL−12は、担腫瘍マウスへの亜致死的線量の放射線照射に引き続く、末梢血球数の早期回復を提供することが示されている。(Basileら、(2008) Multilineage hematopoietic recovery with concomitant antitumor effects using low dose Interleukin-12 in myelosuppressed tumor-bearing mice. J Transl Med 6: 26ページ)。この後者の研究では、腫瘍体積の低減においては、IL−12は、放射線照射と相乗的であったことが示された。特に、IL−12は、放射線曝露の前または後のいずれかに投与された場合、腫瘍体積を増加させなかった。
よって、IL−12は、全身放射線照射に引き続く、骨髄に対する放射線防護における可能性を有する。しかしながら、早期の研究は、IL−12は、骨髄における、放射線防護効果を有するが、胃腸(GI)系は、放射線損傷に対して敏感になったと報告した(Neta,et al.)。その後の報告において、IL−12のGIを敏感化する効果は、投与されたIL−12の用量に依存することがわかった(Chen, et al.)。骨髄以外の、他の組織または器官に対するIL−12の放射線防護効果についての報告はない。
本発明は、特定のマウス組換えIL−12(例えば、m−HemaMax)およびヒト組換えIL−12(例えば、HemaMax)が、それを必要とする患者においてCITをはじめとする、血球減少症を治療または予防する能力を有するという、驚くべきかつ予想外の発見に基づいている。
先行している造血支持療法(EPO)は、腫瘍成長に対するそれらの効果に対して、ブラックボックス警告が通知された。造血幹細胞に対するHemaMaxの作用の直接的なメカニズムは、(Procrit、AranespおよびEpogenという商標を付けられた)EPO、および(NeulastaおよびNeupogenという商標を付けられた)G−CSF、ならびに、(NplateおよびPromactaという商標を付けられた)TPO模倣体および(Neumegaという商標を付けられた)IL−11等の、他の周知の造血成長因子とは、対比されることができる。EPO様分子は、赤血球前駆細胞のレベルで作用して、赤血球の増加をもたらす。G−CSF様分子は、好中球前駆細胞のレベルで作用して、好中球の増加をもたらす。TPO模倣体およびIL−11は、巨核球のレベルで作用して、血小板の増加をもたらす。これらの造血成長因子の標的細胞集団は、すべて、HemaMaxの標的細胞である造血幹細胞の下流にある。
HemaMaxの作用メカニズムと、周知の造血成長因子のそれとの間には重複がない。HemaMaxの作用メカニズムは、他の造血因子の作用の上流の造血幹細胞の活性化を伴っている。結論として、HemaMaxは、除去した後に、造血系および免疫系を再充填し、そして、再生させることができるが、下流の作用因子は、前駆細胞を標的として、単一の血液細胞タイプをもたらすのみで、これらの下流の作用因子には、上流の造血幹細胞の活性化はできない。この早期に作用する(上流の)メカニズムを介して、HemaMaxによる、原始造血幹細胞の活性化は、すべての主要血液細胞タイプを復元することができる。前臨床試験において、HemaMaxは、その免疫療法の作用メカニズム(INF−γの増加ならびにTおよびNK細胞の上方制御)による、抗腫瘍効果を有している。
一形態では、HemaMaxに対する、マウスの対応物(rMuIL−12)は、CITをはじめとする、血球減少症の予防および/または治療において、予想外かつ驚くべき有効性を示している。
一形態では、HemaMaxに対する、マウスの対応物(rMuIL−12)は、亜致死性または致死的な全身放射線照射(TBI)に曝露された、正常および担腫瘍マウス両方において、白血球および赤血球ならびに血小板をはじめとする、全系列血液細胞の回復を促進する。HemaMaxの活性は、骨髄コンパートメント内に存在する原始細胞(造血および非造血幹細胞)のレベルで開始される。これらの原始細胞の活性化は、放射線照射または化学療法により引き起こされた骨髄破壊または骨髄機能抑制に引き続く、骨髄コンパートメントの再生をもたらす。
本開示の目的では、以下の定義は全体として、技術用語を定義するため、ならびに、請求の範囲において、権利保護が求められている、組成物の範囲を定義するために使用されるものとする。
本明細書中で使用する際、「患者」は、治療、観察または実験の対象である動物をさす。「動物」は、魚類、甲殻類、爬虫類および、特に哺乳動物等の、冷血および温血脊椎動物および無脊椎動物を含む。「哺乳動物」は、これらに限定されないが、マウス;ラット;ウサギ;モルモット;イヌ;ネコ;ヒツジ;ヤギ;雌牛;ウマ;サル、チンパンジー、類人猿ならびに、胎児期の、小児のおよび成人のヒトのような、霊長類を含む。
本明細書中で使用される際、「予防すること」または「保護すること」は、全体的にまたは部分的に防止すること、あるいは寛解させることまたは抑制することを意味する。
本明細書中で使用される際、用語「治療すること」は、治療的処置および予防的または防止的手段の両方、あるいは治療的潜在力を有する疑いのある作用剤を投与することをさす。
本明細書中で使用される際、用語「薬学的有効量」は、治療されている疾患の症状の軽減または緩和を含む、研究者、獣医師、医師または他の臨床医によって求められている、組織、器官、動物またはヒトにおける生物学的または医学的応答を引出す、活性化合物または医薬品の量を意味する。
本明細書中で使用される際、本開示の医薬組成物に関して、「有効量」は、有用性を有し、所望の治療的な結果を提供するのに十分な量をさす。
本明細書中で使用される際、全身放射線照射(TBI)に引き続く放射線誘発損傷は、以下の:骨髄、リンパ系、免疫系、粘膜組織、粘膜免疫系、胃腸管系、循環器系、神経系、生殖器官、前立腺、卵巣、肺、腎臓、皮膚および脳に付随している、器官、組織、系に悪影響を及ぼしえる。
本明細書中で使用される際、放射線曝露は、放射線誘発性の急性、慢性および全身性の損傷効果を伴っている。一形態では、本開示は、放射線誘発性の急性損傷効果を治療するための治療用組成物およびその使用方法を提供する。代表的な損傷効果は、必ずしも、放射線照射ビーム中の正常組織に限定されるわけではない。代表的な損傷効果には、処置部位を越えて拡がり、例えば、食道炎(嚥下困難);肺内の肺炎(咳、発熱、肺液貯留);小腸放射線照射誘導性の炎症(下痢、けいれん、腹部痛);悪心および嘔吐;疲労、倦怠感、下痢、頭痛、組織膨満、皮膚の紅斑、咳および呼吸困難も含まれる。代表的な損傷効果は、皮膚の領域、例えば、紅斑、落屑;口腔粘膜、例えば、粘膜炎、鼻咽頭;中咽頭;声帯;扁桃;皮膚(扁平上皮または癌腫)に悪影響を及ぼしうる。特定の実施態様では、代表的な効果には、毛細血管拡張症、線維症、脊髄炎(spinal cord myelitis)および軟骨の線維症(cartilage fibrosis)も含まれる。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発損傷効果には、(骨髄、脾臓およびリンパ組織等の)最も早いペースで分裂する細胞への損傷が特徴である、造血器(骨髄)症候群も含まれる。代表的な症状には、内部出血、倦怠感、細菌感染および発熱が含まれる。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発損傷効果には、(胃および小腸の内壁等の)それほど急速に分裂しない細胞への損傷が特徴である、胃腸管症候群も含まれる。代表的な症状には、悪心、嘔吐、下痢、脱水、電解質不均衡、消化能力喪失、出血性潰瘍および造血器症候群の症状が含まれる。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発損傷効果には、粘膜炎も含まれる。一実施態様では、放射線誘発粘膜炎は、口腔粘膜炎である。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発損傷効果には、神経細胞のような再生されない細胞への損傷が特徴である、中枢神経系症候群も含まれる。代表的な症状は、協調運動障害、錯乱、昏睡、けいれん、ショックならびに造血器および胃腸管症候群の症状を含む。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発損傷効果には、胎児期の放射線曝露に因る、胎児に対する効果も含まれる。(胚/胎児細胞は急速に分裂している)、胚/胎児は、特に、妊娠の最初の20週間において、放射線照射に対して特に敏感である。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発効果には、電離放射線照射と酸素および水の相互作用に由来する、スーパーオキシド、ヒドロキシルラジカル、酸化窒素および過酸化窒素をはじめとする、電離放射線照射誘発性のラジカル酸素種(ROS)生成に因る損傷も含まれる。
一形態では、本開示は、放射線誘発性の慢性損傷効果を治療するための治療用組成物およびその使用方法を提供する。慢性の放射線照射効果は、すべての患者において非常に重要であるが、全身放射線照射(TBI)を施されている者においては特別である。全身放射線照射は、いくつかのがん治療において、特に、骨髄移植を必要とする患者に対して、利用される。
代表的な放射線誘発性の慢性損傷効果は、例えば、白髪になること、皮膚の菲薄化および乾燥、白内障発生、早期心筋線維症、心筋梗塞、神経変性、骨減少症/骨軟化症(osteomalasia)および神経認知異常のような早期老化に共通する特徴を含むことができる。
特定の実施態様では、代表的な放射線誘発効果には、線維症(患部の制限された動きをもたらす、瘢痕組織による正常組織の置換);下痢および出血を引き起こす、腸への損傷;記憶喪失;不妊および/または発癌/白血病誘発も含まれる。
特定の実施態様では、本開示の方法および組成物は、幹細胞移植に引き続く造血を改善するために有用である。代表的な骨髄破壊的な照射(delivery)のモダリティ/レジメンは、例えば、従来の分割照射療法、多分割照射法、少分割照射法および加速分割照射法を含むことができる。
一実施態様では、治療モダリティ/レジメンは、多分割照射法である。多分割照射法において、目標は、臨床的に許容される長期の組織損傷のレベルを維持しつつ、より高い腫瘍線量を照射することである。画分当たりの線量を減少させつつ、一日当たりの用量は、不変であるかまたは僅かに増加するのみで、そして、全体的な処置時間が一定のままである。
一実施態様では、治療モダリティ/レジメンは、加速分割照射療法である。加速分割照射療法においては、一日当たりの用量は増加する一方、画分当たりの線量は不変であり、そして、治療のための合計時間は減少する。
一実施態様では、治療モダリティ/レジメンは、持続的多分割加速放射線療法(CHART)である。(CHRAT)療法においては、短縮された期間内において、複数の日々画分が投与される、治療の集中スケジュールが施される。
一実施態様では、治療モダリティ/レジメンは、IMRT(強度変調放射線治療)である。
化学療法モダリティ
今日使用される化学療法剤の投与には、いくつもの方略がある。化学療法は、治癒目的で投与できる、あるいは、延命することまたは症状を一時的に緩和することを目的することもできる。
併用モダリティ化学療法は、放射線療法または手術等の、他のがん治療法と組み合わせた、薬物の使用である。現在、大半のがんは、この方法で治療されている。併用化学療法は、同時に、いくつもの異なる薬物を用いて、患者を治療する工程を必要とする、類似の治療法である。それぞれ、該薬物は、その機序および副作用は、異なっている。最大の利点は、いずれか1つの作用剤に対して、抵抗性が発現する可能性を最小にすることである。
ネオアジュバント化学療法(術前治療)では、原発腫瘍を収縮させ、それによって。局所療法(手術または放射線療法)をより破壊的でないものとする、あるいは、より効果的なものとするために、最初の化学療法は、デザインされる。
アジュバント化学療法(術後治療)は、がん残存の証拠はほとんどないものの、再発のリスクがある場合に、使用することができる。これは、再発の可能性の低減を手伝うことができる。これは、体の他の部分に拡がった任意のがん性細胞の殺滅においても、有用である。新たに成長する腫瘍は急速に分裂しており、したがって、非常に感受性が高いので、これはしばしば効果的である。緩和化学療法は、治癒を目的としてなく、単に、腫瘍量を減少させ、そして、平均余命を増加させるために、投与される。これらのレジメンに関しては、通常、より優れた毒性プロファイルが要求される。
本明細書中で使用される際、化学療法レジメンは、患者が治療に耐えることが可能であることを必要とする。パフォーマンス・ステイタスは、患者が化学療法を受けることができるか、あるいは、用量減量が必要か否かを、決定するための、尺度として、しばしば、使用される。腫瘍中の細胞の一部のみが、各治療により死ぬ(部分殺滅)ため、腫瘍サイズを低減するためには、反復用量を継続して、投与しなければならない。現在の化学療法レジメンは、患者に対する毒性により制限される、治療の頻度および持続時間で、周期的な薬物治療を適用する。
化学療法剤の種類
本明細書中で使用される際、化学療法薬の大部分は、アルキル化剤、代謝拮抗薬、アントラサイクリン、植物アルカロイド、トポイソメラーゼ阻害剤および他の抗腫瘍剤に分類することができる。これらの薬物のすべては、細胞分裂またはDNA合成に影響を及ぼし、そして、何らかの方法によって機能する。
特定の実施態様では、化学療法剤は、DNAを直接妨害しない。これらには、モノクローナル抗体およびチロシンキナーゼ阻害剤、例えば、特定のタイプのがん(慢性骨髄性白血病、胃腸間質腫瘍)中の、分子異常を直接標的としている、イマチニブメシレート(GleevecまたはGlivec)が含まれている。これらは、標的療法の例である。
他の実施態様では、直接腫瘍細胞を攻撃することなく、それらの腫瘍細胞の挙動を調節する、特定の薬物を使用することができる。ホルモン治療は、このカテゴリーに入る。
アルキル化剤
アルキル化抗腫瘍剤
アルキル化剤は、細胞内に存在する条件下で、多くの求核官能基をアルキル化する、それらの能力のため、そのように名付けられている。オキサリプラチンと同様に、シスプラチンおよびカルボプラチンは、アルキル化剤である。これらは、生物学的に重要な分子中の、アミノ、カルボキシル、スルフヒドリルおよびリン酸基と共有結合を形成することによって、細胞機能を障害する。
他の作用剤は、メクロレタミン、シクロホスファミド、クロラムブシル、イフォスファミドである。これらは、細胞のDNAを化学的に修飾することによって作用する。
代謝拮抗薬
代謝拮抗薬は、DNAの構成要素となる、プリン(アザチオプリン、メルカプトプリン)またはピリミジンに、なりすます。それらは、(細胞周期の)「S」期の間に、これらの物質がDNA中に取り込まれるのを阻害して、正常な発育および分裂を停止させる。それらは、RNA合成にも影響を与える。その効率のために、これらの薬物は、最も広く使用されている、細胞増殖抑制剤である。
植物アルカロイドおよびテルペノイド
これらのアルカロイドは、植物由来であり、そして、微小管機能を防止することによって、細胞分裂を阻害する。微小管は、細胞分裂にとって極めて重要であり、そして、それなしでは、細胞分裂を起こすことができない。主要な例は、ビンカアルカロイドおよびタキサンである。
ビンカアルカロイド
ビンカアルカロイドは、チューブリン上の特定の部位に結合して、微小管へのチューブリンの会合を阻害する(細胞周期のM期)。それらは、Madagascar periwinkle、(以前は、Vinca roseaとして知られた)ニチニチソウ(Catharanthus roseus)に由来する。ビンカアルカロイドは:ビンクリスチン;ビンブラスチン;ビノレルビン;およびビンデシンを含む。
ポドフィロトキシン
ポドフィロトキシンは、消化を助けると言われ、ならびに、他の2つの細胞増殖抑制剤、エトポシドおよびテニポシドを製造するために使用される、植物由来化合物である。それらは、細胞がGI期(DNA複製の開始)に入ること、そして、DNAの複製(S期)を防止している。その作用の正確なメカニズムはまだ解明されていない。
この物質は、主にアメリカハッカクレン(American Mayapple)(ポドフィルム・ペルタツム(Podophyllum peltatum))から採取されてきた。最近、希少なヒマラヤハッカクレン(Himalayan Mayapple)(ポドフィルム・ヘキサンドラム(Podophylum hexandrum))が、それをもっと大量に含有することが発見されたが、この植物が危険にさらされているため、その供給は制限されている。組換えによって、この物質を得ることを可能とするため、その産生に関与する遺伝子を単離するための研究が行われている。
タキサン
プロトタイプのタキサンは、もとはTaxolとして知られ、そして、最初に太平洋イチイの樹皮から分取された、天然物パクリタキセルである。ドセタキセルは、パクリタキセルの半合成類似体である。タキサンは、微小管の安定性を高め、分裂後期の間の染色体の分離を妨害する。
トポイソメラーゼ阻害剤
トポイソメラーゼは、DNAのトポロジーを維持する必須の酵素である。I型またはII型トポイソメラーゼの阻害は、適切なDNAスーパーコイル形成を妨げることによって、DNAの転写および複製の両方を妨害する。
いくつかのI型トポイソメラーゼ阻害剤は、カンプトテシン:イリノテカンおよびトポテカンを含む。
II型阻害剤の例には、アムサクリン、エトポシド、リン酸エトポシドおよびテニポシドが含まれる。これらは、アメリカハッカクレン(ポドフィルム・ペルタツム)の根中の、天然に存在する物質、エピポドフィロトキシンの半合成誘導体である。
細胞障害性抗生物質:これらには、例えば、II型トポイソメラーゼも阻害するアクチノマイシン;アンスラサイクリン;ドキソルビシン;ダウノルビシン;バルルビシン;イダルビシン;エピルビシンが含まれる。
他の細胞傷害性抗生物質には、例えば、ブレオマイシンが含まれる。ブレオマイシンは、DNA−ブレオマイシン−Fe(II)複合体の酸化とフリーラジカルの形成を経由する、特有の方法で作用し、これが損傷および染色体異常を誘起する。他の例には、プリカマイシンおよびマイトマイシンが含まれる。
多数の化学療法剤が、放射線療法の効果を高めることができる。一形態では、本開示の形態および実施態様は、既存の化学療法モダリティとの併用療法として利用されることができる。(連続的または同時の)併用療法は、同時投与または共製剤であることができる。
「インターロイキン−12(IL−12)」は、天然のIL−12分子、ならびに、現在公知であるか、または将来的に開発され、本分野で現在公知のもしくは将来的に開発される任意の方法で生成される、変異型11−12分子および共有結合性に修飾されたIL−12分子をはじめとする、本明細書に開示された造血特性のうちの少なくとも1つをもたらす、IL−12分子をさす。
IL−12分子は、実質的に単離された形態で存在しうる。この生成物は、この生成物の意図された用途を妨害することのない、担体または希釈剤と混合することができ、そして、依然として、実質的に単離されているとみなされうることは理解されよう。本発明の生成物は、実質的に純粋な形態であることもでき、その場合、例えば、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%をはじめとし、一般的に、調製物のペプチドまたは乾燥質量の約80%、85%または90%を構成する。
一般に、本発明の実施態様において使用されるIL−12分子のアミノ酸配列は、本発明の方法によって治療される特定の哺乳動物に由来する。よって、一例としては、ヒトにおいては、一般に、ヒトIL−12または組換えヒトIL−12が本発明の方法においてヒトに投与され、また、同様に、ネコにおいては、例えば、ネコIL−12または組換えネコIL−12が、本発明の方法においてネコに投与される。
しかしながら、IL−12分子のアミノ酸配列が本発明の治療方法の対象である哺乳動物に由来していない、特定の実施態様も本発明に含まれる。一例としては、ヒトIL−12または組換えヒトIL−12を、ネコ科の哺乳動物に対して利用することもできる。本発明のさらに他の実施態様は、IL−12の天然のアミノ酸配列を、天然の配列から変更されているが、該IL−12分子は本明細書中に開示された、IL−12の造血特性をもたらすように機能している、IL−12分子をも含む。IL−12の天然の種特異的なアミノ酸配列からの変更は、IL−12の一次配列中の変化を含み、また、変異型IL−12分子をもたらすための、一次アミノ酸配列への欠失および付加をも包含する。高度に誘導体化がなされているIL−12分子の一例は、Maxygen,Incにより製造される、再設計が施されたIL−12分子(Leong S Rら、Proc Nati Acad Sci USA. 2003 Feb. 4;100 (3):1163-8ページ)であり、該変異型IL−12分子は、DNAシャッフリング法によって生成されている。修飾IL−12分子、例えば、保存可能期間、半減期、有効性、溶解度、送達性などを増加させる、IL−12分子への共有結合的修飾、米国特許第4,640,835号;同第4,496,689号;同第4,301,144号;同第4,670,417号;同第4,791,192号または同第4,179,337号に示された手法でのポリレチレングリコール基、ポリプロピレングリコールなどの付加も、本発明の方法に含まれる。IL−12分子への共有結合的修飾の1つのタイプは、IL−12ポリペプチドの選択された側鎖またはN−もしくはC−末端残基と反応することのできる有機誘導体化剤を用いて、IL−12ポリペプチドの標的アミノ酸残基を反応させることによって、分子内に導入される。天然配列IL−12およびIL−12のアミノ酸配列変異体は、ともに、共有結合性に修飾することができる。本明細書中で言及される際、IL−12分子は、組換え法をはじめとする、本分野で知られた多様な方法によって生成することができる.本開示に含まれる、他のIL−12変異体は、標準配列が翻訳後修飾、例えば、グリコシル化されるものである。特定の実施態様では、IL−12は、哺乳動物発現系または細胞系において発現される。一実施態様では、IL−12は、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞における発現によって産生される。
変異型IL−12ポリペプチドの特徴を前もって予測することは困難なことが多いため、最適な変異体を選択するため、回収された変異体の何等かのスクリーニングが必要とされることは理解される。変異型IL−12分子の血液学的な刺激または亢進特性における変化を評価する好ましい方法は、以下に開示される、致死的な放射線照射のレスキューのプロトコールによる。酸化還元もしくは温度安定性、疎水性、タンパク質分解に対する感受性、または担体と、もしくは多量体に凝集する傾向等の、タンパク質またはポリペプチドの特性の他の可能性のある修飾は、本分野で周知の方法を用いて、評価される。
IL−12に関する、一般的記載に関しては、米国特許第5,573,764号、同第5,648,072号、同第5,648,467号、同第5,744,132号、同第5,756,085号、同第5,853,714号および同第6,683,046号を参照されたい。インターロイキン−12(IL−12)は、一般に、免疫反応に関与する細胞の活性を制御する炎症促進性サイトカインとして記述されている、ヘテロ二量体サイトカインである(Fitz K Mら、1989、J. Exp. Med. 170:827-45ページ)。一般に、IL−12は、ナチュラルキラー(NK)細胞およびT細胞からのインターフェロンγ(IFN−γ)の産生を刺激し(Lertmemongkolchai G, Caiら、2001、Journal of Immunology. 166:1097〜105ページ;Cui J, Shin Tら、1997、Science. 278:1623〜6ページ;Ohteki T, Fukao Tら、1999、J. Exp. Med. 189:1981〜6ページ;Airoldi I, Gri Gら、2000、Journal of Immunology. 165:6880〜8ページ)、Tヘルパー1(TH1)細胞の分化を助力し(Hsieh C Sら、1993、Science. 260:547〜9ページ;Manetti Rら、1993、J. Exp. Med. 177:1199〜1204ページ)、自然抵抗性と適応免疫の間の関連を形成する。
IL−12は、その免疫調節および抗血管新生効果を介して、がん成長を阻害することも示されている(Brunda M Jら、1993、J. Exp. Med. 178:1223〜1230ページ;Noguchi Yら、1996、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:11798〜11801ページ;Giordano P Nら、2001、J. Exp. Med. 194:1195〜1206ページ;Colombo M Pら、2002、Cytokine Growth factor rev. 13:155〜168ページ;Yao Lら、2000、Blood 96:1900〜1905ページ)。IL−12は、主に樹状細胞(DC)および貪食細胞(マクロファージおよび好中球)が、遭遇した病原性細菌、真菌または細胞内寄生生物によって活性化されると、それらにより産生される(Reis Cら、1997、J. Exp. Med. 186: 1819〜1829 ページ; Gazzinelli R Tら、1994、J. Immunol. 153:2533〜2543 ページ;Dalod Mら、2002、J. Exp. Med. 195:517〜528ページ)。IL−12受容体(IL−12R)は、主に活性化されたT細胞およびNK細胞によって発現される(Presky D Hら、1996、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 93:14002〜14007 ページ; Wu C Yら、 1996、Eur J. Immunol. 26:345〜50 ページ)。
一般に、IL−12の産生は、INF−γの産生を刺激し、これが、今度は、IL−12の産生を高める、すなわち、ポジティブ・フィードバック・ループを形成する。in vitroの系では、IL−12は、他のサイトカイン(例えば、IL−3およびSCF)と相乗して、初期造血前駆細胞の増殖および分化を刺激することができると報告されている。(Jacobsen S Eら、1993、J. Exp Med 2:413〜8ページ;Ploemacher R Eら、1993、Leukemia 7:1381〜8ページ;Hirao Aら、1995、Stem Cells 13:47〜53ページ)
IL−12のin vivo投与では、末梢血球数および骨髄造血を減少させることが観察された(Robertson M Jら、1999、Clinical Cancer Research 5:9〜16ページ;Lenzi Rら、2002、Clinical Cancer Research 8:3686〜95ページ;Ryffel B. 1997、Clin Immunol Immunopathol. 83:18〜20ページ;Car B Dら、1999、The Toxicol Pathol. 27:58〜63ページ)。INF−γ受容体ノックアウトマウスを用いて、EngらおよびCarらは、高用量のIL−12が一般的にみられる毒性効果を誘発しない、すなわち、造血の阻害はなかったことを実証した、(Eng V Mら、1995、J. Exp Med. 181:1893〜8ページ;Car B Dら、1995、American Journal of Pathology 147:1693〜707ページ)。この観察結果は、先に報告されたとおり、一般的なIL−12の現象によって促進された分化した造血細胞の亢進は、支配的な骨髄抑制的方法において、作用する、INF−γの産生によって、in vivoで釣り合いがとれることを示唆している。
最近の証拠は、代表的なIL−12調製物、組換えヒトIL−12(例えば、HemaMax)が、体内で少なくとも4つのレベルで応答を引き起こすことを示唆している(図14を参照されたい)。レベル1の応答においては、HemaMaxは、現存の放射線感受性免疫細胞、すなわち、NK細胞、マクロファージおよび樹状細胞の増殖および活性化を促進する。HemaMax誘発性のIL−15およびIL−18の血漿中上昇は、NK細胞の成熟も促進し、IFN−γの放出をもたらし、これが次に、マクロファージおよび樹状細胞、およびおそらくNK細胞からの内因性IL−12の産生に良い影響を及ぼす。これらの事象は、HemaMax投与に引き続き、早期に自然免疫能を高める。レベル2の応答においては、HemaMaxは、生き残っている造血幹細胞、骨芽細胞および巨核球の、増殖および最適の造血を確実にする特定の細胞構成への分化を促進する。CD34+、IL−12Rβ2−陽性骨髄細胞からのEPOのHemaMax誘発性の分泌も、骨髄における局所的なIFN−γの過剰産生を抑制し、こうして、造血細胞の拡大を促進する環境を提供する。骨髄における造血再生は、自然免疫能および適応免疫能を両方とも高める。レベル3の応答において、HemaMaxは、GI幹細胞を維持し、病原体の漏出の低減、摂食量の増加および下痢の減少をもたらす。レベル4の応答において、恐らくは、HemaMaxが、器官/組織の多様な集合において、細胞生育力を高める、細胞保護因子である、EPOの腎臓からの放出を直接的に増加させている。主に病原体および/またはEPOによって活性化された、樹状細胞からの内因性IL−12の継続した産生は、ポジティブ・フィードバック・ループとしての役目を果たし、おそらくは、放射線照射後何週間も、外因性HemaMaxに対する初期応答を維持することにおける、重要な役割を演じる。
IL−12の投与方法
本開示は、所望の治療効果を達成するために、ある期間、IL−12の有効用量の1回またはそれより多くの、患者への投与による治療方法を提供する。患者は、好ましくは、雌ウシ、ブタ、ウマ、ニワトリ、ネコ、イヌなどの動物を含むが、それに限定されない哺乳動物であり、そして、最も好ましくは、ヒトである。
本発明の方法に従ってIL−12を投与するために、多様な送達系、例えば、リポソーム、微粒子、マイクロカプセルへの封入、IL−12を発現可能な組換え細胞、受容体媒介性のエンドサイトーシス(例えば、WuおよびWu、1987、J. Biol. Chem. 262:4429〜4432ページを参照されたい)、レトロウイルスもしくは他のベクター等の一部として、IL−12遺伝子を含む核酸の構築等が知られており、また、使用可能である。導入方法は、それに限定されないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻腔内、硬膜外および経口経路を含む。
IL−12は、任意の便利な経路により、例えば、点滴またはボーラス注入により、上皮もしくは粘膜皮膚裏層(例えば、口腔粘膜、直腸および小腸粘膜など)を経由する吸収により、投与することができ、また、他の生物学的活性剤と一緒に投与することができる。投与は、全身的または局所的であることができる。さらに、脳室内またはクモ膜下腔内注射を含む、任意の好適な経路により中枢神経系中へIL−12を含む医薬組成物を導入することが望ましい可能性があり;脳室内注射は、例えば、Ommayaリザーバーのようなリザーバーに取り付けられた脳室内カテーテルによって容易に施すことができる。肺内投与も、例えば、吸入器またはネブライザー、およびエアロゾル化剤を含む製剤の使用により、採用することができる。IL−12を含む医薬組成物を、治療を必要とする領域へ局所的に投与することが好ましい可能性があり;これは、例えば、それに限定はされないが、局所投与により、注射により、カテーテルにより、坐剤により、またはインプラントにより、達成することができ、前記インプラントは、シラスティック(sialastic)膜のような膜、または繊維をはじめとする、多孔質の、無孔性の、またはゼラチン状の材料でできている。
IL−12投与の他の様式は、ベシクル、特にリポソーム中での送達を含む(Langer、Science 249:1527〜1533ページ、(1990); Treatら、Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer中、Lopez-Berestein および Fidler (編)、Liss, New York、353-365ページ、(1989);Lopez-Berestein、同上所収、317〜327ページ; 一般に、同上を参照されたい)。
IL−12投与のさらに他の様式は、制御放出システムにおける送達を含む。特定の実施態様では、ポンプが使用される(Langer、上記; Sefton、CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201ページ(1987); Buchwaldら、Surgery 88:507 (1980);Saudekら、N. Engl. J. Med. 321:574ページ(1989)を参照されたい)。さらに、ポリマー材料も使用可能である(Medical Applications of Controlled Release、LangerおよびWise (編), CRC Pres, Boca Raton, Fla. (1974);Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance, SmolenおよびBall(編)、Wiley、N.Y. (1984);RangerおよびPeppas、J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 23:61ページを参照されたい(1983;Levyら, Science 228:190 (1985);Duringら、Ann. Neurol. 25:351 (1989);Howardら, J. Neurosurg. 71:105ページ(1989)も参照されたい));あるいは、制御放出システムを、治療標的、すなわち、脳の近傍に設置することもでき、したがって、全身用量の一部のみが必要とされる(例えば、Goodson、Medical Applications of Controlled Release中、上記、vol. 2、115〜138ページ、(1984)を参照されたい)。他の制御放出システムは、Langer(Science 249:1527〜1533ページ、(1990))による総説中に論じられている。
一形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、化学療法への曝露前に投与される。他の形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、化学療法への曝露の前、その間および/または後に投与される。別の形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、化学療法への曝露後に投与される。
特定の形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、化学療法への曝露の後、約24時間、約48時間、約72時間、約96時間または約120時間を超えた時点で投与される。
一形態では、1回またはそれより多くの、IL−12の有効用量が、局所的に、皮下に、皮内に、静脈内に、腹腔内に、筋肉内に、硬膜外に、腸管外に、鼻腔内に、および/または頭蓋内に投与される。
IL−12の形態および投薬量
本発明の実施態様での使用のためのIL−12の好適な剤形は、本質的に無毒性であり、非治療的である生理学的に許容される担体を包含する。そのような担体の例としては、イオン交換体、アルミナ、ステアリン酸アルミニウム、レシチン、ヒト血清アルブミンのような血清タンパク質、リン酸塩のような緩衝物質、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分グリセリド混合物、水、塩、または硫酸プロタミンのような電解質、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイド状シリカ、三ケイ酸マグネシウム、ポリビニルピロリドン、セルロース系物質およびPEGが挙げられる。IL−12ポリペプチドの局所的またはゲル性の形態のための担体は、カルボキシメチルセルロースナトリウムまたはメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、PEGおよびウッドワックスアルコール(wood wax alcohol)などのポリサッカライドを含む。すべての投与のために、従来のデポー形態が好適に使用される。そのような形態は、例えば、マイクロカプセル、ナノカプセル、リポソーム、プラスター、吸入形態、鼻スプレー、舌下錠および持続放出製剤を含む。
持続放出製剤の好適な例としては、ポリペプチドを含有する固体疎水性ポリマーの半透性マトリックスが挙げられ、該マトリックスは、成形品の形態、例えば、フィルムまたはマイクロカプセルである。持続放出マトリックスの例としては、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、上記のLangerらおよび上記のLangerにより記載されたポリ(2−ヒドロキシエチル−メタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール)、ポリラクチド(米国特許第3,773,919号)、L−グルタミン酸とγ−エチル−L−グルタミン酸のコポリマー(Sidmanら、上記)、非分解性のエチレン−酢酸ビニル(Langerら、上記)、Lupron Depot(商標)等の分解性の乳酸−グリコール酸コポリマー(乳酸−グリコール酸コポリマーおよび酢酸ロイプロリドからなる注射用ミクロスフィア)、およびポリ−D−(−)−3−ヒドロキシブチル酸が挙げられる。エチレン−酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸等のポリマーが100日間にわたる分子の放出を可能とする一方、特定のヒドロゲルは、より短い期間、タンパク質を放出する。封入されたIL−12ポリペプチドが長期間、体内に留まる場合、37℃における水分への曝露の結果として、変性または凝集し、生物学的活性の喪失および免疫原性において可能性のある変化がもたらされる。関与するメカニズムに依存する、安定化のための合理的な対策を考案することができる。例えば、凝集メカニズムがチオ−ジスルフィド相互変換による、分子内S−S結合形成であることがわかった場合、安定化は、スルフヒドリル残基を修飾すること、酸性の溶液から凍結乾燥すること、適切な添加剤を用いて水分含量を制御すること、および特定のポリマーマトリックス組成物を開発することによって達成されうる。
また、持続放出IL−12含有組成物には、リポソームに取り込まれたポリペプチドも含まれる。IL−12ポリペプチドを含有するリポソームは、Eppsteinら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82:3688〜3692ページ(1985);Hwangら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、77: 4030ページ(1980);および米国特許第4,485,045号および同第4,544,545号に記載されたような、本分野で公知の方法によって調製される。通常は、リポソームは、その中で脂質含量が約30モル%コレステロールを超え、選択された割合は最適のWntポリペプチド療法のために調整されている、小さな(約200〜800オングストローム)単層タイプである。向上した循環時間を具える、リポソームは、米国特許第5,013,556号に開示されている。
疾患の治療のために、IL−12ポリペプチドの適切な投薬量は、上で定義した、治療される疾患のタイプ、疾患の重症度および経過、先の治療、患者の臨床歴ならびに本明細書に開示されたIL−12治療法に対する応答性、ならびに担当医の裁量に依存する。本発明によれば、IL−12は、1回または一連の治療にわたって、好適に患者に投与される。
疾患のタイプおよび重症度に依存して、例えば、1回またはそれ以上の別個の投与による、あるいは、持続注入による、約10ng/kg〜2000ng/kgのIL−12が患者への投与のための初回投薬量候補である。ヒトは、約500ng/kgの反復投薬量に安全に耐えることができる、但し、約200ng/kgまでの単回投薬量は毒性の副作用を生じてはならない。例えば、用量は、G−CSF、GM−CSFおよびEPOのような他のサイトカインと同じであってもよい。数日以上にわたる反復投与のためには、症状に依存して、疾患症状の所望の抑制が起こるまで治療が持続される。しかしながら、他の投薬量レジメンも有用である。この治療法の進行は、従来の技術およびアッセイ法によって容易にモニターすることができる。
IL−12は、直接同時投与または連続投与のいずれかによって、他のサイトカインとともに投与することができる。1つまたはそれ以上のサイトカインがIL−12と同時投与される場合、より低い用量のIL−12を採用することができる。他のサイトカイン、すなわち、IL−12以外のサイトカインの好適な用量は、約1μg/kg〜約15mg/kgのサイトカインである。例えば、その用量は、G−CSF、GM−CSFおよびEPO等の他のサイトカインと同じであることができる。IL−12の投与に先立ち、同時に、または、引き続いて、他のサイトカインを投与することができる。哺乳動物への同時投与のための医薬組成物を形成するために、該サイトカインおよびIL−12を、組み合わせることができる。特定の実施態様では、IL−12およびサイトカインの量は、哺乳動物へのIL−12および他のサイトカインの投与に際して、哺乳動物において血液細胞の相乗的再増殖(または造血細胞の増殖および/または分化における相乗的増加)が起こるようなものである。言い換えれば、血液細胞の再増殖(または造血細胞の増殖および/または分化)に関する2つ以上の作用剤(すなわち、IL−12および1つまたは複数のサイトカイン)の協調作用が、これらの分子の個々の効果の合計を超えている。
貯蔵のために、IL−12の治療用製剤は、所望の程度の純度を有するIL−12を、任意選択の生理学的に許容される担体、賦形剤または安定化剤(Remington’s Pharmaceutical Sciences、第16版、Osol, A.編、(1980))と、混合することによって、凍結乾燥ケーキまたは水溶液の形態に調製される。許容される担体、賦形剤または安定化剤には、採用される投薬量および濃度において、レシピエントに対して無毒性であり、そして、リン酸、クエン酸および他の有機酸のような緩衝剤;アスコルビン酸をはじめとする抗酸化剤;低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチンまたはイムノグロブリン等のタンパク質;ポリビニルピロリドン等の親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、アルギニンまたはリジン等のアミノ酸;グルコース、マンノースまたはデキストリンをはじめとするモノサッカライド、ジサッカライドおよび他の炭化水素;EDTA等のキレート剤;マンニトールまたはソルビトール等の糖アルコール;ナトリウム等の塩形成性対イオン;ならびに/あるいはTween(登録商標)、Pluronics(商標)またはポリエチレングリコール(PEG)等の非イオン性界面活性剤が含まれる。
本明細書中で使用される際、用語「緩衝剤」は、医薬品のpHを安定化する、薬学的に許容される賦形剤を示す。好適な緩衝剤は、本分野で周知であり、文献中に見いだされることができる。薬学的に許容される緩衝剤には、それらに限定されないが、ヒスチジン緩衝剤、クエン酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、アルギニン緩衝剤、またはその混合物が含まれる。上記緩衝剤は、一般に、約1mM〜約100mM、約5mM〜約50mM、および約10〜20mMの量で使用される。緩衝液のpHは、少なくとも4.0、少なくとも4.5、少なくとも5.0、少なくとも5.5または少なくとも6.0とすることができる。緩衝液のpHは、7.5未満、7.0未満または6.5未満とすることができる。緩衝液のpHは、本分野で公知の酸または塩基、例えば、塩酸、酢酸、リン酸、硫酸およびクエン酸、水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムによって、約4.0〜約7.5、約5.5〜約7.5、約5.0〜約6.5、および約5.5〜約6.5とすることができる。本明細書中で使用される際、pHを記載する場合、「約」は、プラスまたはマイナス0.2pH単位を意味する。
本明細書中で使用される際、用語「界面活性剤」は、攪拌および剪断頭の機械的ストレスに対してタンパク質製剤を保護するために使用される、薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。薬学的に許容される界面活性剤の例には、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(Tween)、ポリオキシエチレンアルキルエーテル(Brij)、アルキルフェニルポリオキシエチレンエーテル(Triton−X)、ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレンコポリマー(Poloxamer、Pluronic)およびドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が含まれる。好適な界面活性剤には、(商標Tween20(登録商標)のもとに販売される)ポリソルベート20および(商標Tween80(登録商標)のもとに販売される)ポリソルベート80等の、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステルが含まれる。好適なポリエチレン−ポリプロピレンコポリマーは、名称Pluronic(登録商標)F68またはPoloxamer188(登録商標)のもとに販売されるものである。好適なポリオキシエチレンアルキルエーテルは、商標Brij(登録商標)のもとに販売されるものである。好適なアルキルフェノールポリオキシエチレンエーテル(esthers)は、商品名Triton−Xのもとに販売されている。ポリソルベート20(Tween20(登録商標))およびポリソルベート80(Tween80(登録商標))が使用される場合、それらは、一般に、約0.001〜約1%、約0.005〜約0.2%、および約0.01%〜約0.1%w/v(重量/体積)の濃度範囲内で使用される。
本明細書中で使用される際、用語「安定化剤」は、製造、貯蔵および適用中、活性医薬成分および/または製剤を、化学的および/または物理的な劣化から保護する、薬学的に許容される賦形剤を含むことができる。タンパク質医薬品の化学的および物理的な劣化経路は、Clelandら、Crit. Rev. Ther. Drug Carrier Syst、70(4):307〜77ページ(1993);Wang、Int. J. Pharm.、7S5(2):129〜88ページ(1999);Wang、Int. J. Pharm.、203(1−2):1〜60ページ(2000);およびChiら、Pharm. Res.、20(9):1325〜36ページ(2003)中に、概説されている。安定化剤には、それらに限定されないが、糖、アミノ酸、ポリオール、シクロデキストリン、例えば、ヒドロキシプロピル−ベータ−シクロデキストリン、スルホブチルエチル−ベータ−シクロデキストリン、ベータ−シクロデキストリン、ポリエチレングリコール、例えば、PEG3000、PEG3350、PEG4000、PEG6000、アルブミン、ヒト血清アルブミン(HSA)、ウシ血清アルブミン(BSA)、塩、例えば、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、キレート剤、例えば、以下に定義されるEDTAが含まれる。上記のとおり、安定化剤は、製剤中に、約10〜約500mMの量、約10〜約300mMの量、または約100mM〜約300mMの量で存在することができる。いくつかの実施態様では、代表的なIL−12を、その中では、それが安定である、適切な医薬製剤中に溶解させることができる。
IL−12を、例えば、コアセルベーション法あるいは界面重合法により調製されたマイクロカプセル(例えば、それぞれ、ヒドロキシメチルセルロースまたはゼラチンマイクロカプセルおよびポリ(メチルメタクリレート)マイクロカプセル)中、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフィア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)中、あるいは、マクロエマルジョン中に、取り込ませることもできる。そのような技術は、上記の、Remington‘s Pharmaceutical Sciences中に、開示されている。
in vivo投与に使用されるIL−12は、無菌でなければならない。これは、凍結乾燥および再構成に先立ちまたは引き続いて、除菌濾過膜を通す濾過によって容易に達成される。通常、IL−12は、凍結乾燥形態または溶液中に貯蔵される。治療用IL−12組成物は、一般に、無菌アクセスポートを有する容器、例えば、皮下注射針により突き刺し可能なストッパーを有する静脈注射用溶液のバッグまたはバイアル中に収納される。
局所的に適用される場合、IL−12は、担体および/または補助剤等の、他の成分と好適に組み合わせられる。生理学的に許容され、その意図される投与のために有効でなければならず、また、組成物の活性成分の活性を低下させる可能性がないことを除き、そのような他の成分の性質には制限がない。好適なビヒクルの例には、精製コラーゲンを含むかまたは含まない、軟膏、クリーム、ゲル、または懸濁液が含まれる。組成物は、経皮パッチ、プラスターおよび絆創膏にも、好ましくは、液体または半液体形態で含浸されることができる。
ゲル製剤を得る目的で、局所な適用に適する粘度のゲルを形成するため、液体組成物に製剤化されたIL−12を、水溶性ポリサッカライドまたはPEGのような合成ポリマーの有効量と混合することができる。使用することができる、ポリサッカライドには、例えば、アルキルセルロース、ヒドロキシアルキルセルロースおよびアルキルヒドロキシアルキルセルロースをはじめとする、エーテル化セルロース誘導体等のセルロース誘導体、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース;デンプンおよび分別デンプン(fractionated starch);寒天;アルギン酸およびアルギン酸塩;アラブル ガム(gum arable);プルラン(pullullan);アガロース;カラギーナン;デキストラン;デキストリン;フルクタン;イヌリン;マンナン;キシラン;アラビナン;キトサン;グリコーゲン;グルカン;および合成バイオポリマー;ならびに,キサンタンガム;グアーガム;ローカストビーンガム;アラビアガム;トラガントガムおよびカラヤガム等のガム、ならびに、その誘導体および混合物が含まれる。その中でも好ましいゲル化剤は、生体系に対して不活性であり、無毒性で、調製が単純であり、そして、流れやす過ぎずまたは粘ちょう過ぎず、その中に閉じ込められているIL−12分子を不安定化することのないものである。
好ましくは、ポリサッカライドは、エーテル化セルロース誘導体、より好ましくは、明確に定義され、精製され、USP(米国薬局方)に列挙されたもの、例えば、メチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよびヒドロキシプロピルメチルセルロース等のヒドロキシアルキルセルロース誘導体である。その中でも、最も好ましいのは、メチルセルロースである。
ゲル化のために有用なポリエチレングリコールは、通常、適切な粘度を得るために、低分子量および高分子量PEGの混合物である。例えば、分子量400〜600のPEGと分子量1500のものとの混合物は、ペーストを得ために適する比率で混合されている場合、この目的のために有効となりうる。
ポリサッカライドおよびPEGに適用する際、用語「水溶性」は、コロイド状溶液および分散液を含むことを意図している。一般に、セルロース誘導体の溶解度は、エーテル基の置換度によって決定され、本明細書中で有用な、安定化させる誘導体は、セルロース鎖中のアンヒドログルコース単位当たり、該誘導体を水溶性とするために十分な量のエーテル基を有する必要がある。一般に、アンヒドログルコース単位当たり、少なくとも0.35個のエーテル基のエーテル置換度で十分である。さらに、セルロース誘導体は、アルカリ金属塩、例えば、Li、Na、KまたはCs塩の形態であることができる。
ゲル中に、メチルセルロースを採用する場合、それは、好ましくはゲルの約2〜5%、より好ましくは約3%を構成し、そして、IL−12は、ゲル1ml当たり、約300〜1000mgの量で存在する。
治療的に採用される、IL−12の有効量は、例えば、治療対象、投与経路、および患者の状態に依存する。したがって、最適な治療効果を得るために、必要に応じて、セラピストが投薬量を評定し、投与経路を修正することが必要である。通常、臨床医は、所望の効果を達成する投薬量に達するまで、IL−12を投与する。全身的な処置のための、典型的な投薬量は、上述の要素に依存して、約10ng/kgから2000ng/kgまたはそれ以上までの範囲にわたることもある。いくつかの実施態様では、用量範囲は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19から、約20まで;約30まで;約50まで;約100まで;約200まで;約300まで;または約500ng/kgまでの範囲にわたることができる。一形態では、用量は、500ng/kg未満である。別の形態では、用量は、300ng/kg未満である。別の形態では、用量は、約200ng/kg未満である。別の形態では、用量は、約100ng/kg未満である。別の形態では、用量は、約50ng/kg未満である。他の形態では、用量は、約10〜300ng/kgまで、20〜40ng/kg、25〜35ng/kg、50〜100ng/kgの範囲に及ぶことができる。
一形態では、本明細書に記載される、代表的な治療用組成物を、分割照射療法と組み合わせて投与することができる。一実施態様では、各画分に先立ち、治療有効用量が投与される。一実施態様では、治療有効用量が、各画分の投与とおよそ同時に投与される。一実施態様では、治療有効用量が、各画分の5、10、15、20、25、30、35、40、50もしくは60分前から;または、各画分の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間前;あるいは、各画分の1、2、3、4、5、6、7日前にわたって、各画分の前に投与することができる。一実施態様では、治療有効用量が、各画分の5、10、15、20、25、30、35、40、50もしくは60分後;または、各画分の2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12時間後;あるいは、各画分の1、2、3、4、5、6、7日後;または、放射線照射治療の間もしくはその後に、毎週、2週間ごとに、もしくは、2カ月に1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回にわたって投与される。別の実施態様では、それぞれの放射線源を使用して、TBIまたは局所的に投与される、30日間までの、1〜10線量/日の分割レジメンにおける、各放射線照射の約5、10、15、20、30、40、50、60分、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、1日、2日、3日、4日、5日、6日、7日、前および後の両方において、1回またそれより多くの、IL−12の代表的用量(1〜100ng/kg)が投与される。
代わりの一般的な提案として、IL−12受容体を製剤化した上で、有効であるが過度に毒性でない最大用量までで、組織中において、約0.1ng/ccより大きなIL−12レベルを確立することが可能な投薬量で、標的部位または組織に送達される。可能であれば、持続注入、徐放、局所適用または経験的に決定された頻度の注射によるものをはじめとする、投与レジームによって、この組織内濃度を、維持することが必要である。この治療法の進展は、従来のアッセイによって容易にモニターされる。
「処置投与の時間の近辺」は、約1カ月、約3週間、約2週間、約1週間、数日、約120時間、約96時間、約72時間、約48時間、約24時間、約20時間、数時間、約1時間もしくは数分等の、処置投与の前および/または後のいずれかの、任意の合理的な時間における、IL−12の投与をさす。処置投与の時間の近辺は、同時またはほぼ同時、すなわち、数分から1日以内の、いずれかの、処置およびIL−12の投与を指すこともできる。
「化学療法」は、医学分野において、現在公知のまたは今後開発される、天然または合成の作用剤を含む、任意の療法をさす。化学療法の例には、現在利用可能な多数の制がん薬が含まれる。しかしながら、化学療法には、疾患状態を治療することを意図されている、任意の天然または合成の薬物をも含まれる。本発明の特定の実施態様では、化学療法には、疾患状態を治療することが意図されている、数種の最先端の薬物の投与も含まれる。例には、頭部の局所的に進行した扁平上皮癌腫を有する患者のための、ドセタキセル、シスプラチンおよび5−フルオロウラシルを用いる併用化学療法(Tsukuda, M.ら、Int J Clin Oncol. 2004 June;9 (3):161〜6ページ)、ならびに難治性または再発した低悪性度リンパ腫における、フルダラビンおよびベンダムスチン(Konigsmann Mら、Leuk Lymphoma. 2004; 45 (9): 1821〜1827ページ)が含まれる。
本明細書中で使用される際、代表的な治療用または偶発的な電離放射線源には、例えば、アルファ線、ベータ線、ガンマ線、X線および中性子線源が含まれる。
「放射線療法」は、疾患状態を治療するために、任意の形態の放射線照射が使用されている、任意の療法をさす。放射線療法のための放射線を発生させる機器は、現在利用可能であるか、または、将来利用可能となるいずれかの機器である。
「高線量処置モダリティ」は、亜致死的またはほぼ致死的に高い処置をさす。高線量処置モダリティは、治療エンドポイントを達成するために、増大した能力を有することを意図しているが、一般に、増大した付随する毒性を有する。さらに、一般に、高線量処置モダリティは、従来の処置モダリティと比較して、増大した造血損傷を示す。高線量処置モダリティのためのプロトコールは、現在使用されているか、または、将来的に使用されるものである。
本明細書中で使用される際、放射線療法「処置モダリティ」は、電離および非電離放射線源を両方含むことができる。代表的な電離放射線処置モダリティには、例えば、外部ビーム照射療法;強度変調放射線療法(IMRT);画像誘導放射線療法(IGRT);X線照射(例えば、光子線療法);電子ビーム(例えば、ベータ線照射);プロトン照射;高形エネルギー付与(LET)粒子;定位放射線手術;ガンマナイフ;線形加速器媒介フレームレス定位放射線手術;ロボットアーム制御X線照射送達システム(robot arm controlled x irradiation delivery system);臓器特異的またはがん細胞特異的取り込みのための放射性同位体放射線療法;腫瘍標的型放射線療法(または放射線免疫療法、RIT)のためのモノクローナル抗体に結合した放射性同位体;密封小線源療法(組織内または腔内);高線量率放射線源移植(high dose rate radiation source implantation);臓器特異的線量送達のための永久放射性シード移植が含まれる。
一般に、「ドーズデンス治療レジメン(dose dense treatment regimen)」は、それによって、従来の治療レジメンに比較して、治療が連続して加速的に繰り返されて、所望の治療アウトカムを達成する、治療レジメンである。本発明の方法は、処置に付随する造血毒性を低減し、または寛解させることによって、ドーズデンス治療レジメンの使用を容易化し、それによって、ドーズデンス治療レジメンが利用され、特定の疾患状態を治療することにおける成功率を増大させることを可能にする(一般に、Hudis C A、Schmits N、Semin Oncol. 2004 June; 31 (3 Suppl 8):19〜26ページ; Keith Bら、J Clin Oncol. 2004 Feb. 15; 22 (4):749ページ; author reply 751〜3ページ;Maurel Jら、Cancer. 2004 Apr. 1; 100 (7):1498〜506ページ;Atkins C D、J Clin Oncol. 2004 Feb. 15;22 (4);749〜50ページを参照されたい)。
「化学防護または放射線防護」は、疾患状態を標的とすることを意図すた処置に付随する造血毒性からの防護またはその明らかな低減をさす。
本明細書中で使用される際、「(放射線毒性または放射線障害としても知られる)急性放射線症候群(ARS)」は、非常に短時間(例えば、ものの数分)、高線量の透過性放射線による、全身(または体のほとんど)の致死的または亜致死的な放射線照射を受容することによって引き起こされる、急性疾患により特徴付けられる。ARSを患う人の例は、広島および長崎原子爆弾の生存者、1986年のチェルノブイリ原子力発電所事故後に最初に対応した消防士、および滅菌放射線照射装置にうっかり曝露された人である。特定の実施態様では、急性放射線症候群に付随する放射線量は、通常、大きい(すなわち、0.7Gray(Gy)または70radを超える)。特定の実施態様では、0.3Gyまたは30radの低い線量でも、弱い症状が観察されうる。
本明細書中で使用される際、「急性損傷効果」および「損傷効果」は、急性の致死的およびほぼ致死的な放射線量による放射線誘発損傷を含むことができる。
「固形腫瘍」は、一般に、血液、骨髄またはリンパ系以外の体の組織のがんの存在をさす。
「造血障害(がん)」は、一般に、造血系に起源を有するがん細胞の存在をさす。
「欠損を寛解させる」は、造血欠損の低減、すなわち、欠損の改善または現在の臨床により定義された正常状態の部分的もしくは完全な回復をさす。よって、造血欠損の寛解は、全般的または特異的な造血の増大、刺激、亢進または促進をさす。造血欠損の寛解は、全般的、すなわち、2つ以上の造血細胞タイプもしくは系列を増加させること、または特異的、すなわち、1つの造血細胞タイプまたは系列を増加させることとして観察することができる。
「骨髄細胞」は、一般に、哺乳動物の骨髄コンパートメント中に存在しおよび/または向かう細胞をさす。用語「骨髄細胞」に含まれるのは、それらに限定されないが、造血再増殖細胞、造血幹細胞および/または前駆細胞をはじめとする、造血系起源の細胞だけでなく、それに限定されないが、これらのおよび他の細胞タイプおよび系列に関連している幹細胞および/または前駆細胞をはじめとする、内皮細胞、間葉細胞、骨細胞、神経系細胞、支持細胞(間質細胞)等の、骨髄由来でありうる任意の細胞も含まれる。
「造血細胞タイプ」は、一般に、多様なタイプの分化した造血細胞をさすが、幹細胞、前駆細胞、および、骨髄性細胞、リンパ球様細胞等の、多様な系列の細胞をはじめとする、血液細胞産生に関係する、すべての細胞タイプを指している、多様な芽細胞等の、特定の造血細胞タイプがそれに起源を有する、造血前駆細胞も含むことができる。
「造血細胞系列」は、一般に、骨髄系またはリンパ系等の、分化した造血細胞の特定の系列をさすが、樹状細胞、赤血球等の、より分化した系列をもさしうる。
細胞の「IL−12により促進された増殖」は、一般に、造血前駆細胞および/または幹細胞等の、さらに、骨髄ニッチの微小環境を構成する他の細胞も含む、哺乳動物の骨髄に存在するかまたは向かう細胞の拡大または増加に、少なくとも部分的に貢献する造血の増大、刺激または促進をさす。
「造血の刺激または促進」は、一般に、1つまたは複数の造血細胞タイプまたは系列の増加をさし、特に、哺乳動物が1つまたは複数の造血細胞タイプまたは系列の欠乏を有する場合に、1つまたは複数の造血細胞タイプまたは系列の刺激または亢進に関する。
「長期再増殖造血細胞」は、一般に、骨髄中の最も原始的な血液細胞であり、多様な血液細胞タイプおよび系列の生涯にわたる産生を提供することに関与する血液幹細胞である。
「造血幹細胞」は、一般に、血液幹細胞であって;上で定義される「長期再増殖」、および、短期間(哺乳動物に依って、数週間、数カ月または、時に数年)の間、「前駆細胞」を産生することのできる「短期再増殖」の2つのタイプがある。
「造血前駆細胞」は、一般に、血液幹細胞から分化する(すなわち、成熟する)最初の細胞であり;その後、多様な血液細胞タイプおよび系列に分化(成熟)する。
「造血支持細胞」は、骨髄の非血液細胞であり;これらの細胞は、血液細胞産生のための「支持体」を提供する。これらの細胞は、骨髄間質細胞とも呼ばれる。
「骨髄維持」は、放射線、化学療法、疾患または毒素によって損傷された骨髄が、それによって、その正常または正常に近い状態を維持されるプロセスを意味し;「骨髄回復」は、放射線、化学療法、疾患または毒素によって損傷された骨髄が、それによって、その正常または正常に近い状態に回復するか、または、骨髄機能の何らかの測定可能な改善が得られるプロセスを意味し;骨髄機能は、適切なレベルの多様な血液細胞タイプまたは系列が、それによって、造血(血液)幹細胞から産生されるプロセスである。
「骨髄機能不全」は、放射線、化学療法、疾患または毒素によって損傷された骨髄を、正常まで、修復することができず、したがって、哺乳動物中において、適切な造血を維持するための十分な血液細胞の産生ができなくなる、病理学的プロセスである。

ここでは、以下の例を参照して、本発明を説明する。これらの例は、例示の目的のみのために、提供されており、そして、本発明は、これらの例に限定されないが、本明細書に提供されている、教示の結果として、明らかになっている、全てのバリエーションを包含する。
本明細書に記載される、実験よりも前には、化学療法を受けているがん患者において、顕著な抗腫瘍効果を提供するとともに、CITをはじめとする広範囲の血球減少症の有効な治療のための、組換えヒトインターロイキン−12(IL−12)調製物をはじめとする、IL−12を含む組成物および方法に対する、公開されたプロトコールはなかった。
本開示の形態および実施態様は、化学療法治療を必要とする患者に投与した場合、特定のIL−12製剤および投薬レジメンが驚くべき且つ予想しない、有用性および有効性を有しているという、予期しない発見に、由来している。特に、本発明における、IL−12の最適用量は、CITをはじめとする、血球減少症の軽減ならびに腫瘍量および/またはMRDの低減を両方とも伴う、二重効果をもたらす。
例として、HIT治療のために、治療的に有効なIL−12製剤を投与するための方法および組成物が開発された。CITにおけるHemaMax(商標)の有効性に関する、裏付け実験結果が、図1〜13ならびに:骨髄抑制した担腫瘍マウスにおける試験;骨髄破壊、致死的な照射がなされた非ヒト霊長類(NHP)における放射線緩和(radiomitigation)試験;巨核球減少症におけるIL−12受容体の役割;IL−12の直接的および間接的な抗腫瘍効果;CITのマウスモデルにおける、rMuIL−12の抗血小板減少効果の例をはじめとし、以下に提供されている。
例1:
骨髄抑制した担腫瘍マウスにおける試験は、マウスIL−12が、骨髄抑制したマウスにおいて、付随する抗腫瘍応答を伴う、早期の造血回復を促進させることを実証した。
図1A〜Bは、骨髄抑制的放射線照射(625rad)の前および後に投与されたビヒクルおよびrMuIL−12についての血液回復プロファイルを示した。血小板回復プロファイルを、EL4リンパ腫腫瘍モデル(a)およびルイス肺がんモデル(b)について示す。14〜21日目の間に、両腫瘍モデルにおいて、ビヒクル対照に比較して、rMuIL−12治療マウスは、血小板数における、統計的に有意な改善を示した。
例2:
図2A〜Bは、ビヒクルおよびrMuIL−12治療群について、放射線照射(625rad)に引き続く、腫瘍体積の相対変化を描く。実験の期間にわたる、腫瘍体積の変化を、EL4リンパ腫腫瘍モデル(a)およびルイス肺がん腫瘍モデル(b)について示す。両腫瘍モデルのマウスに、1日目に625radを与える。最初の放射線照射に続いて、22日目に、両腫瘍モデルのマウスに第2の放射線照射を与えた。EL4リンパ腫モデルでは、すべてのrMuIL−12治療群、すなわち、放射線照射前、後および前−後投与群が、腫瘍体積評価のエンドポイントにおいて、対照と比較して、有意に腫瘍成長を低減させた(%T/C<50%)。ルイス肺がんモデルでは、処置後のrMuIL−12が、腫瘍成長評価のエンドポイントにおいて、有意に腫瘍成長を低減させた(%T/C<50%)。
例3:
骨髄破壊、致死的な照射された非ヒト霊長類(NHP)における、放射線緩和試験は、HemaMax(rHuIL−12)が、NHPにおいて、生存を増加させ、血小板およびWBCの最下点を和らげ、そして、血小板輸血の必要性を低減させることを実証した。例として、図3は、HemaMax(商標)で治療した、照射された無支持マウスのカプランマイヤー生存曲線を描く。プールしたHemaMax(商標)投薬群を示す。試験の間、抗生物質は使用しなかった。
例4:
図4は、HemaMax(商標)で治療した、照射された無支持アカゲザルにおける、血小板(a)および白血球(b)数を描く。試験期間中の血球数の差を評価するために、3つの分析を実施した。血球数を1日目から30日目まで分析した第1の分析では、ビヒクルで治療した動物と比較して、HemaMax(商標)で治療した動物は、100ng/kgおよび250ng/kg用量のHemaMax(商標)において、12日目および14日目では、白血球および血小板数が有意に高かった。特に、致死的な照射がなされたNHP試験で、ビヒクル治療したサルの80%は、血小板輸血を必要としたであろうが、HemaMax治療したサルのわずか25%が血小板輸血を必要としたであろう。
例5:
巨核球減少症におけるIL−12受容体の役割:IL−12受容体は、ヒト、NHPおよびマウスの骨髄前駆細胞および巨核球に見出される。図5に示すように、ヒト(a)およびNHP(b)大腿骨骨髄由来の組織を、IL−12Rβ2について免疫組織化学染色した。IL−12Rβ2を発現する前駆細胞および巨核球を示す。
例6:
例として、図6は、マウスIL−12が照射マウスにおける造血回復を促進することを示している。IL−12Rβ2について染色した(オレンジ色)非照射未治療マウス由来の大腿骨骨髄の代表的切片を(a)に示す。動物は、TBI(8.0Gy)を施され、そして、その後、照射後の示した時間(b〜f)に、ビヒクルまたはrMuIL−12(20ng/マウス)を皮下に投与された。照射の12日後に、大腿骨骨髄をIL−12Rβ2について免疫組織化学染色した(オレンジ色)。ビヒクルで治療されたマウス由来の骨髄には、IL−12Rβ2発現細胞がなく、造血再生の徴候を示さなかった(b)が、rMuIL−12で治療されたマウスは、造血再構築ならびにIL−12Rβ2発現巨核球、骨髄前駆細胞および骨芽細胞の存在を示した(c〜f)。
例7:
例として、図7は、IL−12有りおよび無しで、5000個細胞/スライドで、megacult培地に捲かれたLin-IL−12RB2細胞を示す。培地のみによる培養と比較して、IL−12で刺激した培養では、より大きなコロニーが結果として生じている。
例8:
IL−12の直接的および間接的な抗腫瘍効果
がん化学療法において、HemaMaxは、抗がん剤とすることができるが、また、造血アジュバントとして作用することもできる。抗腫瘍剤として作用するための、HemaMaxの能力は、また、HemaMaxを、がんの治療によって誘発された血球減少症を処理するための、好ましい支持療法薬とすることができる、さらなる利点でもある。
HemaMaxは、例示的な化学療法レジメンと相加的または相乗的に働いて、化学療法単独以上に、腫瘍のサイズおよび再発を低減する。
放射線照射または化学療法を施されている、がん患者において、造血回復を支持するために使用する際、増殖する腫瘍の成長に対して、逆効果となる性質を有してなく、有する可能性もない薬物を有することが重要である。本発明者らは、すでに、リンパ腫および肺がんのマウスモデルにおいて、rMuIL−12は、放射線治療または化学療法に引き続く、腫瘍成長を誘起しないことを実証した。実際に、本発明者らは、両腫瘍モデルにおいて、マウスIL−12は、相乗的な抗腫瘍応答を提供することを示している(Basileら、2008)。本発明者らの研究において、本発明者らは、一次治療単独の使用と比較して、マウスIL−12によって、腫瘍成長の有意な減少を獲得することの成功を観察した(Basileら、2008)。多くの研究が、その多面的な生物学的活性の故に、様々な悪性腫瘍における、IL−12の抗腫瘍的役割を評価している(Coccoら、2009;Pistoiaら、2009;Trinchieriら、2003)。IL−12の抗腫瘍活性のメカニズムは、少なくとも、i)免疫刺激、ii)抗血管新生およびiii)直接的な抗腫瘍効果を含む。
CITのマウスモデルにおける、rMuIL−12の抗血小板減少効果
CITに対するrMuIL−12の効果
ゲムシタビン/カルボプラチン化学療法(GC)(6.6mgゲムシタビン用量+2mgカルボプラチン)と併せた、rMuIL−12投与の効果を試験した。0日目に、マウスにGCを静脈内に施した。マウスIL−12の皮下投与は、以下の3つのスケジュールのうちの1つで行い、マウスにIL−12を投与しなかった対照群と比較した。
前投薬:化学療法治療の24時間前にrMuIL−12を与えた(n=18)
後投薬:化学療法治療の48時間後にrMuIL−12を投与した(n=19)
前/後投薬:化学療法の24時間前、および、化学療法の48時間後に、rMuIL−12を与えた(n=13)
rMuIL−12無し(n=20)
8日目における、各群についての、ベースラインからの血小板数%の平均および標準偏差:
前投薬群:79±34%
後投薬群:110±37%
前/後投薬群:111±33%
rMuIL−12無し:71±41%
例として、図8には、rMuIL−12で治療されたCITマウスの、ベースラインと比較した、個々の血小板数のパーセンテージが示されている。rMuIL−12治療群のいずれも、33%を超えて血小板が減少した動物はいなかった(50匹のうち0匹)。対照的に、rMuIL−12を受けなかった対照群は、20匹のうちの6匹のマウス(30%)で、ベーサルと比較して、血小板レベルが33%以下に低下した。
例9
ルイス肺腫瘍マウスモデルにおける、腫瘍成長に対する、GC化学療法と併せたrMuIL−12の効果
マウス腫瘍化学療法モデルでの腫瘍成長に対する、rMuIL−12投与の効果を評価した。腫瘍モデルでは、各マウスの皮下に注射された(100,000個の細胞)ルイス肺がん細胞が使用された。腫瘍接種後の所与の時間に、マウスを化学療法で治療した。上記のゲムシタビン/カルボプラチン化学療法レジメンを使用し、IP投与した。以下に示すように、化学療法の前、後または前/後に、rMuIL−12を皮下投与した(20ng)。
前投薬(n=16):化学療法治療の24時間前にrMuIL−12を与えた
後投薬(n=16):化学療法治療の48時間後にrMuIL−12を投与した。
前/後投薬(n=16):化学療法の24時間前、および化学療法の48時間後に、rMuIL−12を与えた。対照(n=16)
経時的に腫瘍体積をモニターして、rMuIL−12治療マウスと対比される、対照における腫瘍成長の比較を行った。図9に表すように、rMuIL−12は、GCによる治療中の増殖するルイス肺腫瘍細胞を有するマウスにおいて、腫瘍成長を増大させなかった。腫瘍成長における群間の差は、統計的に有意ではなかった。結果は、任意のスケジュールにおいて、rMuIL−12の追加によって、腫瘍成長が減少する傾向があることを示している。
例として、図9は、rMuIL−12を投与されている、GCによる治療中のマウスのルイス肺腫瘍体積を示している。注:時間ゼロは、化学療法投与の時間を表す。腫瘍接種は、化学療法投与の11日前に行われた。
例10
2ラウンドのゲムシタビン単独療法を伴う、rMuIL−12の腫瘍成長に対する効果。
マウス化学療法モデルにおける腫瘍成長に対する、rMuIL−12の効果を評価する試験は、ゲムシタビンを単独療法として使用し、1週間をおいて2回投与した場合、同じルイス肺モデルにおける成長を調べる、第2の試験により、フォローアップされた。上記のとおり、前投薬および後投薬として、rMuIL−12も投与され、また、24時間後群にも、該化学療法投与と同日に投与した。rMuIL−12は、化学療法の両方の週、または第1週のみの、いずれかに投与した。各群n=5の、5つの群がある。これらの群は、以下に記載のとおりである:毎週1回の化学療法:ゲムシタビン単独、IP投与、6.6mgのrMuIL−12を毎週、3つのスケジュール:化学療法の24時間前(Pre);化学療法と同日(SD);化学療法の24時間後(Post1=24時間後;Post2=48時間後)。
例として、図10は、rMuIL−12を投与されている、ゲムシタビンによる単独療法中のマウスのルイス肺腫瘍体積を描く。0日目は、第1の化学療法の時である。第2の化学療法投与は、7日目に行った。腫瘍接種は、8日目に行った。化学療法剤としてゲムシタビンのみを使用する、このモデル系では、rMuIL−12は、腫瘍成長速度を増加させなかった。群間の成長の差は、統計的に有意ではなかった。前投薬群を除けば、rMuIL−12投与により腫瘍サイズが減少する傾向が観察されている。
例11:
マウスのデータの概要
臨床的に関連のある、非比例的に決定された、ゲムシタビンおよびカルボプラチンの用量は、指示された用量減量ガイドラインによれば、用量減量または延期を必要とする、ヒトでのレベルと一致する血小板レベルの低減を、化学療法の静脈内投与の8日後に、30%のマウスで引き起こした。化学療法投与の前、後または前および後の両方における、rMuIL−12の投与は、この血小板レベルの減少を抑制し、血小板レベルがベースラインレベルの3分の1またはそれを超えて、低下したマウスは、0%であった。マウスIL−12は、化学療法に対する、いかなるrMuIL−12投与のスケジュール(前、後または同日で6時間未満後)においても、マウス肺がん/ゲムシタビンレジメンモデルにおいて、腫瘍成長を増大させなかった。このモデルでは、マウスIL−12治療が、化学療法に対する、任意の投与スケジュールにおいて、腫瘍成長を減少させるという、統計的には有意でない傾向が観察されている。
例12:
代表的なファースト・イン・ヒューマン(FIH)臨床試験の概要およびデザイン
健常な成人患者におけるHemaMax(商標)の用量漸増単回皮下(SC)投薬の薬物動態および免疫原性を評価するための副次的な目的を伴う、安全性および耐容性を決定するために、「健常な成人ボランティアにおける、HemaMax(商標)(rHuIL−12)の安全性、耐容性、薬物動態および薬物動力学の、第1相二重盲検プラセボ対照単回投与用量漸増試験(IND 104,091)」と題する試験を、立案した。
最大30人の18〜45歳の健常な男性および女性の成人患者を、各6人の患者の4つの連続したコホートに登録し、そして、センティネル患者を各用量レベルで使用する。治験薬(HemaMax(商標)またはプラセボ)の単回SC注射を、2、5、10および20μgの用量レベルで腹部に投与する。用量レベル当たり、6人の患者のコホートを、二重盲検様式で評価する(プラセボについてはn=2およびHemaMax(商標)についてはn=4)。試験の漸増用量部分において、投与される最高用量(またはプラセボ)を受けるために、n=6の患者(2人のプラセボおよび4人のHemaMax(商標))のさらなる拡張コホートを登録してもよい。
各用量コホート中の最初の2人の患者を、プラセボまたはHemaMax(商標)を、1:1の割合で腹部への単回SC注射を受けるために、無作為化した。研究者および/またはデータ安全性委員会(DSC)が、7日間の観察期間後に、コホートの最初の2人のセンティネル患者(第1群;a群)がいかなるDLTも示さないと評価した場合、次の4人の患者(第2群;b群)を、プラセボまたはHemaMax(商標)(1:3プラセボおよびHemaMax(商標))のいずれかを受けるように、無作為化する。(研究者および/またはDSCが評価して)DLTを観察した場合、DSCに対して、その患者を盲検解除する。該患者がHemaMax(商標)を受けていた場合、すべての投薬を終了し、すべての治療した患者を適宜フォローする。盲検解除された患者がプラセボを投与されていた場合、計画通りに投薬を継続する。コホート中の最後の患者に投薬してから少なくとも28日の入院患者観察期間に引き続いて、すべての利用可能なコホートデータ(すなわち、有害事象、バイタルサイン、心電図、抗原性および検査結果をはじめとする、曝露ならびに安全性)は、DSCによって再検討され、そして、DSCは、次の用量レベルに上がることが安全かを決定する。抗原性試験のための血液サンプルを、ベースラインならびに試験の28日目に収集し、そして、増大の決定に先立ち、抗原性試験の結果を再検討する。
フェーズI プロジェクトの目標は、多様な化学療法レジメンと組み合わせて投与した場合に、有効性を最大化し、患者の適応性を増進するように、HemaMax治療スケジュールを精査し、最適化することにある。化学療法投与に対する、HemaMax投与のスケジュールの最適化は、臨床的成功を達成するための鍵となる。
第1相 手法/第1相の目的

投与時期(ToA)設定試験(第1相、目的 1&2)
第I相 プロジェクトは、化学療法誘発血小板減少症(CIT)の状態に適用するときの、安全性および有効性を最大化するために最適なIL−12治療レジメンを調査し、そして、最終的に決定することを目的とする。第1相試験は、ゲムシタビン(GCB)またはゲムシタビン/カルボプラチンの併用療法(GCB/CPL)の静脈内(IV)投薬を毎週、8週間にわたって受けている、健常な雄性および雌性マウスのモデルを利用する。1日目(d1)、d2、d3および/またはd4に、動物をIL−12で治療する。有効性(造血効果)ならびに、最適な治療を評価するために、分析方法は、完全血球算定(CBC)、コロニー形成単位−巨核球(CFU−Meg)アッセイ、および免疫組織化学(IHC)を含む。成功した試験結果は、以下の:ビヒクル群に対する、治療群における末梢血球数、具体的には、血小板、好中球および赤血球の増加(分析方法:CBC);ビヒクル群に対する、治療群における血小板新生効果(分析方法:CBC;CFU−Megアッセイ;およびIHC);ビヒクル群に対する、治療群における骨髄保護効果(分析方法:CFU−MegアッセイおよびIHC);ならびに、化学療法誘発血小板減少症(CIT)の状態に適用したときの安全性および有効性を最大化する、最適なIL−12治療レジメンの決定、を含む。
例13
例として、図11は、投与時期(ToA)設定試験(第1相 目的I)を対象とする治療スケジュールを示している。静脈内ゲムシタビン(GCB)を受けている、マウスモデル(n=108)における、最適な安全性および有効性(血小板新生シミュレーション)を達成するためのIL−12治療スケジュールの評価および決定。
例14
例として、図12は、治療スケジュールおよび投与時期(ToA)設定試験(第1相 目的2)を示している。静脈内ゲムシタビン(GCB)を受けている、マウスモデル(n=108)における、最適な安全性および有効性(血小板新生シミュレーション)を達成するためのIL−12治療スケジュールの評価および決定。
(第1相、目的3)
第1相試験の目的3は、第1相試験の目的1および2において決定された最適な治療レジメンを利用する。よって、目的3において使用すべき具体的な治療スケジュールは、まだ、決定されていない。この試験は、ゲムシタビン(GCB)またはゲムシタビン/カルボプラチン(GCB/CPL)の併用療法の静脈内(IV)投薬を14〜30日間にわたって毎週受けているマウス腫瘍モデルを利用する。利用する腫瘍モデルは、ルイス肺がん固形腫瘍モデルである。ここでも、目的1および2において決定された最適な治療スケジュールに従って、動物をIL−12で治療する。有効性(造血および抗腫瘍効果)および最適な治療を評価するために、分析方法は、完全血球算定(CBC)および腫瘍体積の測定を含む。成功した試験結果は、以下の:ビヒクル群に対する、治療群における末梢血球数、具体的には、血小板、好中球および赤血球の増加(分析方法:CBC);観察した抗腫瘍応答(分析方法:腫瘍体積);および化学療法誘発血小板減少症(CIT)の状態に適用したときに安全性および有効性を最大化する、最適なIL−12投薬レジメンの決定、を含む。
例15
例として、図13は、POC試験(第1相 目的3)における治療スケジュールを示している。GCB単独またはGCB/CPLを受けているマウス腫瘍モデル(n=30)における最適なIL−12スケジュールの安全性および有効性評価。
例16:第2相
第2相の目的
HemaMax−血小板減少症コンピュータモデル(第2相、目的1)
このコンピュータモデルは、幹細胞のレベルから、血液中の血小板のレベルまでの、血小板減少症の包括的かつ非常に詳細な数学的記述から成る。モデルの多くの方程式の正確な記述は、この提案の範囲を超えているが、その全体構造は、Skomorovskiら(PMID 14616973)の研究に基づいている。このモデルは、骨髄細胞進化の9つの異なる段階、末梢血中の成熟血小板、好中球および赤血球、血液中のIL−12およびTPO濃度をはじめとする、血小板減少症を包括的に記述するコンパートメントからなっている。各コンパートメントを、その中の細胞の成熟段階(齢)に従って、さらに細分する。さらに、モデルは、化学療法剤と併せたモデルに調整することができ、かつ、されている。このモデリングの成果は、ヒトの投薬スケジューリングのための予測モデルを提供し、さらに、第I相プロジェクトの前臨床のマウス試験において開発された、スケジュールモデリングを検証する。
第1b相試験は、固形腫瘍を有する患者における、ゲムシタビンと併用したHemaMaxの安全性、耐容性、PKおよび有効性を評価する(第2相、目的2)。
目的
この試験の一次目的は、固形腫瘍を有する患者のためのゲムシタビンと併用したHemaMaxの安全性、耐容性、PKおよび有効性を評価すること、ならびに、ゲムシタビンと組み合わせたHemaMaxの推奨される第2相用量を確立することである。二次目的は、1)ゲムシタビンと組み合わせた、第1および第2の投与後のHemaMaxのPKパラメータを明らかにすること、2)ゲムシタビンを受けている患者における、HemaMaxの血液学的効果、具体的には、血球数および輸血の必要性に対する効果を明らかにすること、ならびに、3)ゲムシタビンと組み合わせたHemaMaxの臨床活性を調査することである。
方法論
これは、固形腫瘍を有する患者における静脈内ゲムシタビンと組み合わせて投薬したHemaMax(商標)の安全性および耐容性を評価するために立案した、第1b相 非盲検、単一群、用量漸増、非無作為化試験である。HemaMaxは、ゲムシタビンを受けている患者において、(CITのための)補助的支持療法薬物として評価されており、よって、HemaMaxについてMTDを決定することは、計画されていない。むしろ、その最高のものは、いかなる追加の毒性もなく、CITに対して防御する利益を提供すると予想される、4つの予め定義された用量レベルを、調査している。標準的な「3+3」用量漸増デザインを、この試験に採用する。各コホートにおいては、DLTの存在または不存在に依存して、少なくとも3人、最大6人の患者を治療する。ゲムシタビンの用量は、(毒性のために用量減量が必要でない限り)1000mg/m2で一定に留め、そして、漸増させない。各コホートの最初の3人の患者を、用量漸増前に21日間治療(ゲムシタビンの3回投薬およびHemaMaxの3回投薬)する。用量漸増を以下のようにすすめる。ある用量レベルで0/3の患者がDLTを経験する場合、用量漸増を次の用量レベルに継続する。1/3の患者がDLTを経験している場合、コホートを患者6人に拡張する。患者6人のコホートにおいて、1/6以下の患者がDLTを経験している場合、用量漸増を次の用量レベルに継続する。1/6を超える患者がDLTを経験している場合、その用量レベルはMTDを超えているとみなされ、先の用量レベルですでに6人の患者が治療されていない限り、先の用量レベルを患者6人に拡張する。DLTを観察しない場合、6人の患者をHemaMaxの計画した最高用量で治療して、その用量の耐容性を確認する。静脈内ゲムシタビンは、最初のサイクルにおいては、1、8、15、22、29、36および43日目に30分間にわたって注入する。その後のサイクルでは、各28日サイクルの1、8および15日目に30分間にわたってゲムシタビンを輸注する。HemaMaxは、最初のサイクルについては、1、8、15、22、29、36および43日目に、任意の潜在的な薬物−薬物相互作用を最小化するために、ゲムシタビン輸注の終了後、3時間で皮下投与する。第2のサイクル以降は、1、8および15日目に、各ゲムシタビン輸注の終了後3時間で、HemaMaxを皮下投与する。ゲムシタビン輸注が任意の理由(毒性、疾患進行、研究者の自由裁量または他の理由)により維持される場合、HemaMax(商標)も対応する日/用量だけ維持する。よって、HemaMax(商標)は、患者がゲムシタビン輸注を受ける日にだけ投与される。ゲムシタビン輸注が延期されるかまたは予め指定された試験スケジュールと異なる日に投与される場合、HemaMax(商標)もその日に、ゲムシタビン輸注終了の3時間後に投与される。具体的には、HemaMaxに起因する深刻な有害事象(SAE)は予想されないが、HemaMaxのこの試験に登録した患者は、起こりうるAEの管理が完備した施設で慎重かつ用心深いやり方で投薬を受ける。投薬の日は患者を綿密に観察し、毒性について頻繁にモニターする。各用量レベルで治療した最初の3人の患者を、そのコホート内のその後の患者に投薬する前の21日間、観察する。技術的には、DLTとはみなされないが、少なくとも部分的にHemaMax(商標)に起因しうる任意のグレード3〜4の毒性が治療の最初の21日より後に発生する場合、この情報は、研究者の自由裁量で、1)将来の患者/コホートにおけるHemaMax(商標)の用量漸増を停止し、および/または、2)すでに治療を開始している他の患者において用量を調節するか、もしくは、HemaMaxを中止するために、使用する。施設内審査委員会(IRB)により承認された患者のインフォームドコンセントは、HemaMaxの投与の潜在的リスクに対する公平かつ偏りのない見方を提供する。組み入れおよび除外基準のようなさらなる情報に関しては、ヒト患者セクションを参照されたい。
例17:有効性を評価するための、代表的な一般的臨床試験デザイン
目的およびエンドポイント
試験デザイン/概要
これは、固形腫瘍を有する患者における、静脈内ゲムシタビンと併用して投薬されるHemaMax(商標)の安全性および有効性を評価するために立案された、第I相 非盲検、単一群、用量漸増、非無作為化試験である。HemaMaxを、ゲムシタビンを受けている患者において、補助的支持療法薬物として評価しており、従って、HemaMax(商標)についてのMTDは、決定されない。むしろ、前臨床およびFIHデータに基づいて、いかなる付加された毒性を伴うことなく、CITに対して防御する利点を提供すると予想される、4つの予め定義された用量レベルを調査する。DLTの存在または不存在に従って(セクション3.4を参照)、各用量レベル当たり3〜6人の患者を治療する。DLTが観察されない場合、6人の患者を、HemaMax(商標)の計画した最高用量において治療して、その用量の耐容性を確認する。
代表的な治療スケジュール
第1のサイクルについては、1、8、15、22、29、36および43日目に、30分間かけて、ゲムシタビンを静脈内輸注する。その後のサイクルでは、28日毎の1、8および15日目に、30分間かけて、ゲムシタビンを輸注する。HemaMax(商標)は、第1のサイクルについては、1、8、15、22、29、36および43日目に、ゲムシタビン輸注終了の3時間後に皮下投与する。第2のサイクルでは、HemaMax(商標)を、1、8および15日目に、各ゲムシタビン輸注終了の3時間後に皮下投与する。HemaMax(商標)は、第3のサイクルおよびそれ以降は投与されない。ゲムシタビン輸注が任意の理由(毒性、疾患進行、研究者の自由裁量または他の理由)で維持される場合、HemaMax(商標)も対応する日/用量に維持される。よって、HemaMax(商標)は、患者がゲムシタビン輸注を受ける日にのみ投与される。ゲムシタビン輸注を、延期または予め特定した試験スケジュールと異なる日に投与する場合、それがサイクル1または2の間であれば、HemaMax(商標)もその日に、ゲムシタビン輸注終了の3時間後に投与する。
ゲムシタビンの表示した用量(1000mg/m2)およびスケジュールを、上回ることはない。ゲムシタビンの用量およびスケジュールは、明らかになってくる耐容性データに基づいて、減少させることができる。目標は、良好な耐容性で、適切な薬物動態を提供する、用量およびレジメンを特定することである。この用量およびレジメンは、推奨される第2相の用量(R2PD)である。
用量漸増の手順
この試験では、標準的な「3+3」用量漸増デザインを採用する。DLTの存在または不存在に依存して、少なくとも3人最大6人の患者を各コホートにおいて治療する。ゲムシタビンの用量は、(毒性のために用量減量が必要でない限り)一定の1000mg/m2であり、そして、漸増されることはない。よって、「用量漸増」は、具体的には、HemaMax(商標)をさす。
次の患者を同じ用量レベルで治療する前に、各コホートの最初の患者を、21日間(ゲムシタビンの3回投薬およびHemaMax(商標)の3回投薬)治療する。
以下に示すとおり、この試験においては、HemaMax(商標)の4つの計画した用量レベルがある。
用量漸増を、以下の表中に描写される、DLTの存在または不存在によって、判断される。ある用量レベルにおいて、0/3の患者がDLTを経験している場合、用量漸増を次の用量レベルに継続する。1/3の患者がDLTを経験している場合、コホートを患者6人に拡張する。患者6人のコホートにおいて、1/6以下の患者がDLTを経験する場合、用量漸増を次の用量レベルに継続する。1/6を超える患者がDLTを経験した場合、その用量レベルは、MTDを超えるとみなされ、そして、先の用量レベルですでに6人の患者が治療されていない限り、先の用量レベルを患者6人に拡張する。推奨される第II相用量(R2PD)は、1/6以下の患者がDLTを経験している、この試験における最高用量レベルである。
DLT
用量規制毒性は、ゲムシタビンおよびHemaMax(商標)の最初の用量の投与開始後の最初の21日間の間に発生する毒性であって、以下の基準のいずれかに該当するものと定義される:5日以上続く、グレード4の好中球減少症;グレード3〜4の発熱性好中球減少症;グレード4の血小板減少症;グレード3または4の非血液学的毒性(24時間以内の矯正(correction with 24 hours)に対して応答性の電解質異常;または標準的な医療に対して応答性の下痢/悪心および嘔吐を除く);未解決の毒性に起因する、14日以上の治療延期;研究者およびメディカルモニターの判定によるグレード2以上の非血液学的毒性であって、用量規制的であるもの;ベースラインが上昇したASTまたはALTを有する患者に関する、ASTまたはALTの2グレード増大(グレード1からグレード3またはグレード2からグレード4)。
MTDおよびR2PD
DLTの頻度に依存して、いずれかのコホートの2人以上の患者がDLTを経験している場合、定義上は、MTDを超過している。この場合、MTDは、6人のうちの1人以下の患者が、ゲムシタビンおよびHemaMax(商標)の最初の投与後の21日間にDLTを経験する、最高用量である。
1/6未満の患者が300ng/kg/用量のHemaMax(商標)でDLTを経験する場合、定義上、MTDはなく、そして、優れた耐容性および安全性プロファイルとともに十分な活性を提供する、より低い用量がない限り、300ng/kg/用量がR2PDとみなされる。
患者の最初のサイクルを超えた継続治療
患者は、サイクル2を通して、HemaMax(商標)およびゲムシタビンによる治療を継続することができ、そして、その後、治療中止基準を満たすまで、単剤ゲムシタビンによる治療を継続する(セクション3.8を参照)。
患者内用量漸増
HemaMax(商標)の患者内用量漸増は、この試験では許されない。患者がゲムシタビンの用量減量を必要とした場合、メディカルモニターとの協議と併せて、研究者の自由裁量によって、用量を1000mg/m2の標準的な用量に再び上げることができる。
治療中止基準
各患者は、サイクル2のため、HemaMax(商標)およびゲムシタビンを受けることを継続することができ、その後、以下のうちの1つが発生するまで、単剤ゲムシタビンを受けることを継続することができる:
RECIST1.1に基づく疾患進行。研究者は、利益を受けているが、疾患進行の基準を満たす患者において、治療を継続することを、メディカルモニターと協議しうる。
試験薬物のさらなる投与を妨げる併発疾病。
研究者またはメディカルモニターによって、試験薬物の永久的中止の正当な
理由とみなされる有害事象。
14日間を超える治療の休止をもたらす、臨床的に重要な有害事象。毒性を解消させるため、あるいは、スケジューリングの困難性のために、最大14日の投薬の延期を患者に許可する。研究者およびメディカルモニターが、治療の延期が14日を超えた患者にとって治療継続が有益であると結論した場合、この患者は、メディカルモニターの許可により治療を継続することができる。
患者が、さらなる治療またはデータ収集のための承諾を撤回する。
患者がさらなる治療のための承諾を撤回する場合、フォローアップ来院を継続するべきである。
患者がさらなる治療およびデータ収集のための承諾を撤回する場合、試験のためのさらなる訪問またはデータ収集は発生すべきでない。
治験薬用量/投与
ゲムシタビンについての用量変更
ゲムシタビンについての用量変更は、毒性に対する対応において、あるいは、ゲムシタビンの全用量(full-dose)に耐えることのできない患者のためには、必要とされる。NCL CTCAEバージョン4.02に基づいて、すべての毒性を類別する。ANCおよび血小板数以外の、すべての毒性について、患者がグレード2以上の毒性を発した場合には、ゲムシタビンによる投薬の中止または中断を考慮する。毒性がグレード1以下に改善した場合には、ゲムシタビンをその時点の用量レベルで再開することができる。毒性が再発した場合には、少なくとも25%の用量減量によりゲムシタビンを再開することを考慮する。処方されたゲムシタビン用量に耐えられないかもしれない患者については、研究者の臨床的判断によって用量変更が許され、そして、実施される。
ANCおよび/または血小板数の減少に基づく用量変更に関する推奨が表9にある。
スクリーニングの間の手順
治療前28日以内
・腫瘍測定(RECIST):該当する場合、腫瘍マーカー
○ベースラインで使用したのと同じ評価方法を、試験を通して、すべての評価のために一貫して使用すべきである
・インフォームドコンセント
・ベースラインの個体群統計学
・病歴
・薬歴
治療前72時間以内
・身長および体重
・身体検査
・ECOG活動指標
・妊娠の可能性のある女性に関する血清妊娠検査
○陰性の血清妊娠検査は、書類として、記録に残さなければならない
・組み入れ/除外基準の再検討
・尿検査
・12誘導心電図
・血液学
・化学
・該当する場合、腫瘍マーカー
治療の間の手順
サイクル1、1日目
・ゲムシタビン輸注開始の直前、HemaMax(商標)の投与の直前、およびHemaMax(商標)の投与の2時間および4時間後のバイタルサイン
・HemaMax(商標)の投与の直前、およびHemaMax(商標)の投与の8時間後の12誘導心電図
・静脈内ゲムシタビンの投与
・皮下HemaMax(商標)の投与
・PK試験のための血液サンプリング(PK時点に関する詳細については、表12を参照)
・抗原性およびNAB検査
・必要に応じて、有害事象評価
サイクル1、2日目
・バイタルサイン
・血液学
・化学
・PK試験のための血液サンプリング
・12誘導心電図
サイクル1、8日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・PK試験のための血液サンプリング
・有害事象評価
・HemaMax(商標)の投与直前の12誘導心電図
サイクル1、15日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・皮下HemaMax(商標)の投与
・有害事象評価
サイクル1、22日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル1、29日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル1、36日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル1、43日
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・尿検査
・抗原性およびNAB検査
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル1、50日目
・この日には、評価または手順はない
サイクル2、1日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル2、8日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル2、15日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・HemaMax(商標)の皮下投与
・有害事象評価
サイクル2、22日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・有害事象評価
サイクル3ならびにそれ以降、1日目
・暫定の既往歴
・該当する場合、腫瘍マーカー
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・有害事象評価
・RECISTを使用する疾患評価(これは、順次、奇数サイクル、すなわち、サイクル5、7、9等、の1日目にのみ実施する)
サイクル3ならびにそれ以降、8日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・有害事象評価
サイクル3ならびにそれ以降、15日目
・暫定の既往歴
・薬歴
・体重
・身体検査
・バイタルサイン
・ECOG活動指標
・血液学
・化学
・静脈内ゲムシタビンの投与
・有害事象評価

治療の終了
患者が解除される際(柔軟な試験(lithe study))、以下の作業を行うべきである:
・バイタルサイン
・暫定の既往歴
・身体検査
・有害事象評価
・抗原性およびNAB検査
・血液学
・化学
患者が入院するかまたは試験のための訪問終了時に治療センターに来訪することができない場合、最終の抗原性検査のために、できる限り、何らかの時点で患者に再診させる努力をすべきである。
薬物動態サンプリングタイムテーブル
上の表中のPKサンプリングは、指定した時点の10分以内に行うべきである。任意の予期しない状況のためにこれが不可能である場合、それでも、PKサンプルは、明確に実際の時間を記録するとともに、採血される。
データ分析および統計的考察
仮説および治療の比較
この試験の一次目的は、ゲムシタビンと組み合わせて投与した場合のHemaMax(商標)の利用可能な安全性、PKおよび任意の臨床的活動性データに基づいて、推奨される第2相の用量を決定することであり;従って、正式な統計的仮説の検証は行われない。分析は、用量レベル間の比較に焦点をあて、そして、記述的かつ探索的なものとなる。
サンプルサイズの想定
サンプルサイズは、統計的考察からは、導き出せしない。患者の総数は、DLTの存在または不存在に依存する。しかしながら、予期される患者の最大数はおよそ24人である。 試験エンドポイントの分析
一次エンドポイント
この第1相試験の一次エンドポイントは、固形腫瘍を有する患者のための、ゲムシタビンと組み合わせて毎週投与するHemaMax(商標)の安全性、PK、なんびに、推奨される第2相用量を評価することである。
任意の量のHemaMax(商標)を受けるすべての患者は、安全性について、評価可能とみなす。サイクル1の間に、ゲムシタビンおよびHemaMax(商標)の両方の4回の計画した投薬全てを受けている患者は、用量漸増評価について、評価可能とみなす。サイクル1の間に、患者がDLTを経験しているが、計画していた全てのサイクル1の用量を受けていない場合、その情報は、用量漸増決定において使用され;その患者は、交代させるべきでない。
二次エンドポイント
この試験における二次エンドポイントは、血球減少症による輸血の頻度、投薬延期率およびグレード3〜4の血球減少症の割合は勿論のこと、(データに基づいた)AUC0-tau、AUC0-∞、Cmax、tmaxおよびt1/2をはじめとする、薬物動態パラメータ;RECIST1.1を使用する奏功率を含んでいる。
探索的エンドポイント
血清ハプトグロビンレベルが、ゲムシタビンの血液学的毒性に対する感受性を予測することができるという、いくつかの証拠がある。この試験では、この着想を調査するために、ベースラインにおいて、血清ハプトグロビンレベルを収集するが、患者を選択するためには使用せず、患者の治療を開始した後は、(溶血を除外するためのような、別の理由のために、ハプトグロビンを採取しない限り)いかなる治療の決定に影響を与えるためには、測定はされない。
本開示は、以下の代表的な一次および/または二次エンドポイント、ならびに、例えば、有害事象の発生率;グレード3または4の血小板減少症の持続時間;治療群が経験した、試験中の最初の化学療法サイクルの間のグレード3または4の血小板減少症(例えば、血小板数<50×109/L)の持続時間;最初の治療サイクルの間に参加者が経験するグレード3または4の血小板減少症(<50×109/L)の発生率;参加者の血小板輸血の発生率;試験中の最初の治療サイクルの間に血小板輸血を投与した参加者の発生率;血小板数、をはじめとする評価基準の使用の可能性も考えている。
身体検査
有資格医師または被指名人により、現地の実務に従って、身体検査を実施する。
バイタルサイン
バイタルサインの測定値は、体温、収縮期および拡張期血圧ならびに脈拍を含む。身長(ベースラインのみ)および体重も測定し、記録する。
心電図(ECG)
試験の間に、自動的に心拍数を計算し、PR、QRS、QTおよびQTc間隔を測定するECG機器(Mortara system)を使用して、12誘導ECGを得る。各評価において、資格要件を満たした職員が、半横臥位または仰臥で少なくとも5分間安静にした後の患者に、その場で、12誘導ECGを行う。
これに限定されないが、QTcF>450 msecをはじめとする、いずれかの臨床的に重要な異常がある場合、知見は、少なくとも5分間おいてとった、さらに2回のECGにより確認する。
臨床検査室評価
リストアップした血液学、化学、尿検査および血清妊娠検査を、施設の検査室で分析する。ハプトグロビンは、資格要件を満たした研究室に送ることができ、その場で行わない。
パフォーマンス・ステイタス
パフォーマンス・ステイタスの評価は、ECOGスケールに基づく[Oken、1982]:
0−制限なく、すべての未病パフォーマンスを継続することができる。
1−身体的に激しい活動は制限されるが、通院であり、軽いまたは座位の作業(例えば、軽い家事、オフィスワーク)を実行することができる。
2−通院であり、すべての自己ケアが可能であるが、いかなる作業活動も行うことはできない。覚醒時間の約50%を超えて、起き上がって動ける状態である。
3−限られた自己ケアのみが可能であり、覚醒時間の50%を超えてベッドまたは椅子に拘束される。
4−完全な身体障害。いかなる自己ケアも実行できない。完全にベッドまたは椅子に拘束される。
抗がん活性
疾患の評価は、画像法(例えば、コンピュータ断層撮影、磁気共鳴画像法、骨のスキャン、平面X線撮影)および(触知できる/表在性病変のために示される)身体検査を含む。
その疾患が良く特徴付けされた腫瘍マーカーにより追跡することができる、患者については、疾患の評価は、腫瘍マーカー測定値を含むべきである。疾患の評価を、ゲムシタビンの初回投薬前の4週間以内、次いで、その後8週間(±5日)毎、および試験のための最終訪問において完了する。
疾患進行のために患者が離脱している場合には、試験のための最終訪問時に放射線学的評価を繰り返す必要はない。その疾患が応答する(完全な応答または部分的応答のいずれか)患者は、その間に応答が実証された評価の日の4週間後(±5日)に確認のための疾患評価を受けるべきである。研究者の自由裁量により、より頻繁な疾患評価を行うこともできる。ベースラインとその後の評価との間の比較可能性を確実にするために、応答を評価するときには、同じ評価方法および同じ手法を使用する。
薬物動態
HemaMax(商標)およびゲムシタビンの両方についての薬物動態分析のための血液サンプルを、表12に示した時点で収集する。各血液サンプル収集の実際の日付および時間を記録する。PKサンプルのタイミングは、変更されてよく、および/またはPKサンプルは、緻密なPKモニタリングを保証するために追加の時点で取得することもできる。
PKサンプル−HemaMax(商標)
PKの時点については、表12を参照されたい。噴霧乾燥したエチレンジアミン四酢酸二カリウム(K2EDTA)を含有するVacutainer(登録商標)採血管に血液サンプルを収集する。収集後、サンプルを8〜10回逆さにして、抗凝血剤と混合する。遠心分離まで、管を氷/水浴中に保持する。収集の60分以内に、4℃で10分間、およそ1500Gでサンプルを遠心分離する。およそ2mLの血漿を適切なアリコート管へピペットで入れる。管を凍結するまで、氷/水浴中に保持する。遠心分離から60分以内に、およそ−70℃でサンプルを凍結する。
PKサンプル−ゲムシタビン
PKの時点については、表12を参照されたい。ヘパリンナトリウム(Na Hep)を含有するVacutainer(登録商標)採血管に血液サンプルを収集し、そして、ゲムシタビンをdFdUに代謝するシチジンデアミナーゼを阻害するために、テトラヒドロウリジン(THU)(血漿中、0.1mg/mL)で処理する。収集の60分以内に、4℃で10分間、およそ1500Gでサンプルを遠心分離する。およそ0.5mLの血漿を適切なアリコート管へピペットで入れる。凍結するまで、管を氷/水浴中に保持する。遠心分離から60分以内に、およそ−70℃でサンプルを凍結する。
抗原性および中和抗体試験
これらのサンプルを、サイクル1、1日目(投薬前)、サイクル1、43日目および試験のための訪問終了時に収集する。
噴霧乾燥したエチレンジアミン四酢酸二カリウム(K2EDTA)を含有するVacutainer(登録商標)採血管に血液サンプルを収集する。収集後、サンプルを8〜10回逆さにして、抗凝血剤と混合し、遠心分離まで、管を氷/水浴中に保持する。収集の60分以内に、4℃で10分間、約1500Gでサンプルを遠心分離する。血漿を適切にラベルした4つのアリコート管へピペットで、それぞれおよそ0.5mLの体積で入れる。凍結するまで、管を氷/水浴中に保持する。遠心分離から60分以内に、およそ−70℃でサンプルを凍結する。

併用される薬物療法および非薬物療法
許可される薬物
疾患関連症状の緩和および支持療法を、試験内のすべての患者に提案する。そのようなものとして、患者は抗生物質、制吐薬、下痢止め薬、鎮痛薬および適切とみなされる他のケアを、施設のガイドラインに従って受けることができる。患者は、試験中は、いかなる他の抗がん剤も受けてはならない;しかしながら、(そのために患者が現試験に参加している悪性疾患でない)ホルモン感受性乳がんの合併診断のための補助抗エストロゲン療法にある患者は、そのような治療に留まってよい。患者は、試験の間に、骨転移のためのビスホスホネート治療またはデノスマブも受けることができる。
エリスロポエチン刺激剤(ESA)およびコロニー刺激因子のような支持ケア補助療法が、試験の最初の21日を完了後、研究者の自由裁量により、ASCOガイドラインに従って投与することができる。それらは、医学的に必要とみなされれば、より早く投与することができる。
患者が、HemaMax(商標)に対する任意のアレルギーまたはサイトカイン媒介性の応答(熱、悪寒、掻痒、蕁麻疹など)を経験する場合、彼/彼女に、その後のHemaMax(商標)投薬に先立ち、前投薬を行うことができる。1人を超える患者が同様の応答を経験している場合、後続の患者は、すべて、HemaMax(商標)のすべての投薬に先立ち、同じ前投薬レジメンを置く。提案されるレジメンは:
デキサメタゾン10mg IV
ラニチジン50mg IV
ジフェニルドラミン50mg IV
アセトアミノフェン650mg PO
非薬物療法
患者は、試験の間を通じて、試験のための最終訪問まで、植物性生薬/漢方薬の使用を控える。これらの生薬は、これらに限定されないが、セントジョンズワート、カバ、エフェドラ(マオウ)、イチョウ葉、デヒドロエピアンドロステロン(DHEA)、ヨヒンベ、ソーパルメットおよびジンセンを含む。個々のビタミンまたはマルチビタミンの標準的用量は許可する。
治験薬
調製/取り扱い/貯蔵/説明責任
ゲムシタビン
Gemzarの再構成のために推奨される希釈剤は、保存剤を含まない0.9%塩化ナトリウム注射液である。溶解度の問題により、再構成に際したGemzarの最大濃度は、40mg/mLである。40mg/mLを超える濃度での再構成は、不完全な溶解をもたらし、従って、避けるべきである。再構成するためには、200mgバイアルへ5mlの0.9%塩化ナトリウム注射液を添加するか、または1gバイアルへ25mLの塩化ナトリウム注射液を添加する。振って溶解させる。
これらの希釈液はそれぞれ、凍結乾燥粉末の押しのけ容積(200mgバイアルについては0.26mL、または1gバイアルについては1.3mL)を考慮すると、38mg/mLのゲムシタビン濃度をもたらす。再構成した際の総体積は、それぞれ、5.26mLまたは26.3mLである。バイアル内容物を完全に取り出すと、それぞれ、200mgまたは1gのゲムシタビンが提供される。薬物の適切な量を、調製されたまま、または0.9%塩化ナトリウム注射液によって、0.1mg/mLの低濃度にさらに希釈されて投与することができる。再構成したGemzarは、透明の、無色〜薄いわら色の溶液である。0.9%塩化ナトリウム注射液で再構成後、結果として生じた溶液のpHは2.7〜3.3の範囲にある。溶液は、溶液または容器が許すときは常に、投与に先立ち、粒子状物および変色について、目視により検査すべきである。粒子状物または変色が見出された場合には、投与しない。指示通りに調製した場合、Gemzar溶液は、20℃〜25℃(68°F〜77°F)の制御された室温で24時間、安定である[USPを参照]。不使用部分は、廃棄する。結晶が発生する可能性があるので、再構成したGemzarは、冷蔵するべきでない。Gemzarと他の薬物の適合性は、試験されていない。点滴ボトルまたは塩化ポリビニルバッグおよび投与セットとの不適合性は、観察されていない。Gemzarの未開封バイアルは、20℃〜25℃(68°F〜77°F)の制御された室温で貯蔵した場合には、包装に示された使用期限まで安定である[USPを参照]。Gemzar溶液の取り扱いおよび調製に際しては、注意をはらうべきである。手袋の使用を推奨する。Gemzar溶液が皮膚または粘膜に触れたら、直ちに石鹸および水で皮膚を徹底的に洗浄するか、または大量の水で粘膜をすすぐ。動物試験では、急性の皮膚刺激は観察されていないが、ウサギ3匹のうちの2匹は、皮膚吸収による、薬物関連の全身毒性(死亡、自発運動の抑制、鼻汁、浅い呼吸)を示した。抗がん薬の適切な取り扱いおよび廃棄のための手順に従うべきである。
HemaMax(商標)
薬剤師は、患者への注射のための充填したシリンジの形態で投薬溶液を調製する。この試験において、治験薬(IP)は、2mLの透明バイアル中のHemaMax(rHuIL−12)製剤からなる。HemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルは、0.1%(w/v)ポロキサマー188を含む、10mM リン酸ナトリウム、150mM 塩化ナトリウム、pH6.0中に溶解されている、0.65mLの20μg/mLrHuIL−12タンパク質を含有する(0.50mLの引き出し体積)。これらの溶液は、無色透明である。冷蔵庫からバイアルを取り出し、投薬の調製前に少なくとも15分間、室温に置く。取り外した25G5/8針を伴うポリプロピレン製注射外筒を有するBDシリンジ、またはBDツベルクリンシリンジ(27g1/2針を取り付けた、カタログ番号305553)が、適合すると示されている。調製した溶液を入れたシリンジは、室温で6時間保持可能である。より長期の貯蔵時間が望ましい場合には、シリンジは、2〜8℃で24時間貯蔵可能である。シリンジと分離した針を使用する場合、およそ0.1mL、シリンジに用量を過充填し、次いで、針を取り外し、新しい針に交換し、適切な用量に達するまで穏やかに排出する。
5μg HemaMax(rHuIL−12)
製剤の用量調製
必要なもの:1バイアルのHemaMax(rHuIL−12)製剤、1バイアルのHemaMaxプラセボ、2本のBDシリンジおよび3つの25G5/8針
i HemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルから0.65mLを引き出す。
ii バイアルを数回反転することを3〜4回行い、次いで、逆さにしたまま、バイアルの底部を3〜4回穏やかに叩くことによって、溶液を混合する。
iii 注射用の新しいシリンジによって、HemaMax製剤バイアルからおよそ0.6mLを引き出す。
iv 針を交換する。
v 0.5mLの印に達するまで、シリンジから過剰の液体を穏やかに排出する。
vi 注射用シリンジを患者の情報で標識する。
10μg HemaMax(rHuIL−12)
製剤の用量調製
必要なもの:1バイアルのHemaMax(rHuIL−12)製剤、1本のBDシリンジおよび2つの25G5/8針
i HemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルからおよそ0.6mLを引き出す。
ii 針を交換する。
iii 0.5mLの印に達するまで、シリンジから過剰の液体を穏やかに排出する。
iv 注射用シリンジを患者の情報で標識する。
20μg HemaMax(rHuIL−12)
製剤の用量調製
必要なもの:2バイアルのHemaMax(rHuIL−12)製剤、2本のBDシリンジおよび3つの25G5/8針
i HemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルから、全内容物(できるだけ多く)を引き出す。
ii HemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルに全量を移す。
ix バイアルを数回反転することを3〜4回行い、次いで、逆さにしたまま、バイアルの底部を3〜4回穏やかに叩くことによって、溶液を混合する。
iii 新しい注射用シリンジによって、第2のHemaMax(rHuIL−12)製剤バイアルからおよそ1.1mLを引き出す。
iv 針を交換する。
v 1.0mLの印に達するまで、シリンジから過剰の液体を穏やかに排出する。
vi 注射用シリンジを患者の情報で標識する。

本発明は、特定の実施態様を参照して開示してきたが、他の実施態様および本発明のバリエーションは、本発明の目的および範囲を逸脱することなく当業者によって変更されうることは明らかである。添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような実施態様および等価なバリエーションを含む。

本明細書において、参照および述べた、すべての特許、論文、科学記事、ウェブサイト、ならびに他の文献および資料は、本発明が属する技術分野の当業者の技術レベルを示しており、そして、そのような参照した文献および資料の夫々は、参照によりその全体を個別に組み込む、または、その全体を本明細書において明らかにするように同程度まで参照により本明細書に組み込まれる。出願者は、任意のそのような特許、論文、科学記事、ウェブサイト、電子的に入手可能な情報、および他の参照した資料または文献からの任意のおよびすべての資料および情報を、本明細書に物理的に組み込む権利を保持している。
本明細書に記載の特定の方法および組成物は、好ましい実施態様の代表例であり、例示的であり、本発明の技術的範囲を制限することを意図していない。他の対象、形態、および実施態様は、本明細書を考慮する際、当業者には思い浮かべることができ、そして、請求の範囲によって規定される、本発明の技術思想内に包含される。本発明の技術的範囲および技術思想を逸脱することなく、本明細書に開示されている本発明に対して、様々な置換および変更を施すことができることは、当業者には容易に判るであろう。本明細書に例示的に記載されている発明は、必須であるとして本明細書中において具体的に開示されていない、任意の要素または要素群、または制限または制限群の不在下において、適宜、実施することもできる。したがって、例えば、本明細書内の事例中、本発明の実施態様または例示において、用語:「含む(comprising)」、「本質的に〜からなる(consisting essentially of)」、および「〜からなる(consisting of)」は、本明細書における他の2つの用語のいずれかと置き換えることもできる。また、用語:「含む(comprising)」、「包含する(including)」、「含有する(containing)」等は、限定がなされてなく、開放的に読まれる。本明細書に例示的に記載されている方法およびプロセスは、異なるステップの順番において、適宜、実施することもでき、従って、それらは、本明細書または特許請求の範囲に記載されている、ステップの順番に、必ずしも限定されてはいない。本明細書において、および添付の特許請求の範囲において使用される際、単数形「1つの(a)」「1つの(an)」および「その(the)」は、文脈が、明確に特段の規定をおこなっていない限り、複数の参照も含む。いかなる状況下でも、該特許は、本明細書中に具体的に開示されている、具体的な例または実施態様または方法に限定されていると解釈されることはない。いかなる状況下でも、該特許は、出願者による返答文書中において、具体的に、かつ、なんらの条件あるいは制限を付すことなく、明示的に、該記述を承認されていない限り、特許商標局の任意の審査官または任意の他の係官もしくは職員によってなされる任意の記述によって、限定がなされていると解釈されることはない。 採用されている用語および表現は、限定ではなく、記述の表現法として使用され、そして、そのような用語および表現の使用において、示されたおよび記載された特徴またはその一部の任意の等価物を除外する意図はなく、また、特許請求されている、本発明の技術的範囲内における、様々な改変が可能であると認識される。したがって、本発明は、好ましい実施態様および任意選択の特徴によって具体的に開示されているが、本明細書に開示されている、概念の改変およびバリエーションは、当業者により講じられることができ、そして、そのような改変およびバリエーションは、添付の特許請求の範囲によって定義される、本発明の技術的範囲内であると理解される。
本発明は、本明細書において、概括的に、かつ属として、記載される。属の開示内に入る、各より狭い種ならびに下位概念の群類も、また、本発明の一部を形成している。これには、排除された事項が本明細書において具体的に記載されるか否かにかかわらず、条件付きで、または属の任意の対象事項を除く否定的な限定付きの、発明の属の記載も含まれる。
他の実施態様は以下の特許請求の範囲内である。さらに、本発明の特徴または形態が、マーカッシュ・グループの表記法で記載されている場合、当業者は、本発明がそれによりマーカッシュ・グループの任意の個々のメンバーまたはメンバーのサブグループの表記法でも記載されることを認識するであろう。

Claims (21)

  1. がんを有する患者において生存を増加させるための医薬組成物であって、
    該組成物は、治療有効量のIL−12を含み、そして、
    がんを有する患者において生存を増加させるための方法は、
    所定の化学療法および/または化学放射線療法レジメンを受けている患者に、医薬組成物の治療有効量を投与する工程を含み、
    IL−12の投与が、化学療法および/または化学放射線療法によって誘発可能な、少なくとも2つの血球減少症の発生の可能性および/または重症度を低減し、
    血球減少症の誘発の結果として生じる、化学療法および/または化学放射線療法の投与レジメンのその後の調整の必要性が、軽減される
    ことを特徴とする、医薬組成物。
  2. 化学療法および/または化学放射線療法の投与レジメンの調整が、用量分割/用量滴定および/または用量減量をはじめとする、用量および投与頻度の調節を含む
    ことを特徴とする、請求項1に記載の医薬組成物。
  3. IL−12の投与が、抗腫瘍免疫応答を誘発する
    ことを特徴とする、請求項1または2に記載の医薬組成物。
  4. IL−12投与と、化学療法および/または化学放射線療法との併用モダリティが、患者の生存の増加をもたらす
    ことを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  5. 生存が、無進行生存である
    ことを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
  6. 生存が、患者の全生存である
    ことを特徴とする、請求項4に記載の医薬組成物。
  7. 血球減少症は、リンパ球減少症を含む
    ことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  8. 血球減少症は、好中球減少症、白血球減少症、貧血、血小板減少症およびリンパ球減少症の少なくとも2つから選択される
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  9. 血球減少症は、好中球減少症を含む
    ことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか1項に記載の医薬組成物。
  10. リンパ球減少症は、CD4+、CD8+、CD8+免疫記憶細胞およびNK細胞を含む、リンパ球サブセットの少なくとも1つを含む
    ことを特徴とする、請求項7または8に記載の医薬組成物。
  11. 化学療法剤への患者の曝露後の、患者における、化学療法誘発血球減少症の治療または予防のための、実質的に単離されたIL−12を含む、医薬組成物であって、
    該医薬組成物の治療有効量の投与が、軽減された化学療法誘発血球減少症の軽減をもたらす
    ことを特徴とする、医薬組成物。
  12. 化学療法剤が、ある線量の放射線への曝露と組み合わせる、併用モダリティとして、患者に投与される
    ことを特徴とする、請求項11に記載の医薬組成物。
  13. IL−12の薬学的有効用量が、約300ng/kg未満である
    ことを特徴とする、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  14. IL−12の薬学的有効用量が、各投薬について、約300ng/kg未満の、2回またはそれより多くの投薬である
    ことを特徴とする、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  15. IL−12の1回またはそれより多くの薬学的有効用量が、約200ng/kg未満である
    ことを特徴とする、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  16. IL−12の1回またはそれより多くの薬学的有効用量が、約100ng/kg未満である
    ことを特徴とする、請求項11または12に記載の医薬組成物。
  17. IL−12の1回またはそれより多くの薬学的有効用量が、化学療法剤曝露の前に投与される
    ことを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  18. IL−12の1回またはそれより多くの薬学的有効用量が、化学療法剤曝露の前および後に投与される
    ことを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  19. IL−12の1回またはそれより多くの薬学的有効用量が、化学療法剤曝露の後に投与される
    ことを特徴とする、請求項11〜16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  20. IL−12がrHuIL−12である
    ことを特徴とする、請求項11〜19のいずれか一項に記載の医薬組成物。
  21. 化学療法剤が、プラチナベースの化学療法である
    ことを特徴とする、請求項11〜20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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