JP2017532463A - せん断スピニング繊維の作製方法およびそれから作製された繊維 - Google Patents
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Abstract
一実施形態では、繊維を作製する方法であって、逆溶媒を含む分散媒体を、反応管を通して流すステップと;ポリマおよび溶媒を含むポリマ溶液の温度を調節して、安定なポリマ溶液を形成するステップと;安定なポリマ溶液を分散媒体に導入して、分散媒体およびポリマ溶液の複数のポリマ成分を含むポリマ分散体を形成するステップと;反応管を通して分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して、10μm以下の平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;を含む方法。
Description
本出願は、せん断スピニング繊維(shear spun fiber)を作製する方法およびそれから作製される繊維を対象とする。
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年10月17日出願の米国仮出願番号第62/065,195号および2015年8月21日出願の米国仮出願番号第62/208,078号に関する優先権を請求する国際出願である。その両方を、それらの全体において本明細書に引用して援用する。
本出願は、2015年10月17日出願の米国仮出願番号第62/065,195号および2015年8月21日出願の米国仮出願番号第62/208,078号に関する優先権を請求する国際出願である。その両方を、それらの全体において本明細書に引用して援用する。
小さな繊維は、ドローイング法(drawing)、鋳型合成自己集合法(template synthesis self-assembly)、相分離法およびエレクトロスピニング法を含む様々な仕方で生産することができる。可能性のある商業生産は、溶融吹き出し法(melt blowing)および二成分繊維のスプリッティング/溶解法に重点が置かれている。しかし、これらのプロセスは、溶融加工可能なポリマに限定される。最も小さい繊維(直径で20〜2000nm)を生産することができるエレクトロスピニングは生産速度が低い。10ミクロン(μm)未満の平均直径を有する繊維の広範な商業化のためには、数桁高い生産性が可能な繊維生産方法が必要である。
ポリエーテルイミド(PEI)繊維、ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂繊維ならびにポリカーボネート(PC)およびPCコポリマ繊維は、必要な環境で機能を果たすために異なる樹脂の様々な独特の特性を必要とする、多くの用途および複合構造物において使用されている。これらの用途の多くは、その樹脂が、妥当なスループット率(throughput rate)での従来の繊維生産方法を使用して現在達成できるものよりずっと小さい繊維の大きさであることを必要とする。これは、これらの用途での使用に適したこれらの樹脂の多くの導入および試験に対する障害となっている。PEI、PCおよびPCコポリマは、溶融スピンニングを用いて、10〜20ミクロン(μm)の範囲の大きさの繊維に変換されている。PBTおよびPPEベースの樹脂は、溶融スピンニングプロセスを用いて、15〜20ミクロンの直径に変換されている。
上記理由のため、室温の溶液中では不安定なポリマから繊維を加工するための改善された技術が依然として必要である。
繊維を作製する方法およびそれから作製された繊維を本明細書で開示する。
一実施形態では、繊維を作製する方法は:逆溶媒(貧溶媒)(anti-solvent)を含む分散媒体を、反応管を通して流すステップと;ポリマおよび溶媒を含むポリマ溶液の温度を調節して、安定なポリマ溶液を形成するステップと;安定なポリマ溶液を分散媒体中に導入して、分散媒体およびポリマ溶液の複数のポリマ成分を含むポリマ分散体を形成するステップと;反応管を通して分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して(shearing)、10μm以下の平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;を含む。
上記およびその他の特徴を、以下の図および詳細な説明によって例示する。
ここで図を参照するが、これらは例示的な実施形態であり、類似した要素には同じような番号が付けられている。
Velevらの米国特許公開第2013/0012598号に記載されているせん断スピニング技術(以下「オリジナルのせん断スピニング技術」と称する)は、繊維を、多くのポリマについて、商業的にスケールアップ可能なプロセスで首尾よく形成させることが分かっている。しかし、このプロセスは、いくつかのポリマについては効果が小さく、過度に大きな繊維が形成される、および/または少ない数の繊維しか形成されない。例えば、このオリジナルのせん断スピニング技術は、4,4’−ビスフェノールA二無水物(「BPADA」)およびメタフェニレンジアミン(「mPD」)をベースとしたPEIであり、30,000〜60,000ダルトンの平均分子量(Mw)を有する、ベースのポリエーテルイミド(「PEI」)(SABICから市販されているULTEM(商標)1000およびULTEM(商標)1010など)のための繊維を首尾よく生産している。生産された繊維は、600〜700ナノメートル(nm)の範囲の平均直径を有していた。しかし、このオリジナルのせん断スピニング技術は、BPADAおよびパラフェニレンジアミン(「pPD」)をベースとし、40,000〜100,000ダルトンのMwを有する化学的耐性のあるPEI(例えば、SABICから市販されているULTEM(商標)CRS)に対しては機能していなかった。本明細書での別段の具体的な指定のない限り、分子量は、ポリスチレン標準品を用いてゲル浸透クロマトグラフィを使用して決定される。基本的に、化学的耐性のあるPEIで、繊維はほとんど形成されず、その繊維は不具合な大きさを有しており(例えば、得られた繊維の平均直径は1〜25ミクロン(μm)であった);基本的にシートおよびリボンが形成されている。
オリジナルのせん断スピニング技術での間に、安定状態で留まることができないポリマのために、溶媒中に溶解されたポリマ(ポリマ成分とも称される)のポリマ溶液が形成される、新規なプロセスが開発された。ポリマ溶液の温度は、その溶液が安定である、すなわち、そのポリマが溶液で留まる(溶液から析出して固体を形成しない)温度に調節される。
繊維の形成の間に、ポリマ溶液と分散媒体(逆溶媒を含み、任意選択でキャリアを含み、さらに任意選択で粘度調整剤を含む)を、せん断応力下で一緒にし、その溶液からポリマが析出するようにさせ、そのせん断応力が析出ポリマを繊維にすることができるようにする。任意選択で、分散媒体は制御された温度を有することができる。任意選択で、分散媒体の温度を調節する(室温(例えば25℃)から、逆溶媒の氷点付近まで下方へ、逆溶媒の沸点付近まで上方へ低下または上昇させる)ことができる。
したがって、本せん断スピニングプロセスは、溶媒中に溶解したポリマのポリマ溶液を形成するステップと;ポリマ溶液の温度を、ポリマが溶液で留まる(例えば、溶媒リットル当たり1g(g/L)未満、特に0.1g/L以下にポリマが溶解していない)安定温度に調節するステップと;ポリマ溶液と分散媒体を一緒にして、一緒にされた混合物を形成し、ポリマを析出させるステップであって、その一緒にされた混合物をせん断力印加のもとに置くステップと;繊維を形成するステップと;複数のポリマ繊維を、例えば少なくとも300g/時間の速度で収集するステップと;を含む。ポリマ溶液は、分散媒体と一緒にされるまで、安定温度で保持される。望ましくは、ポリマ溶液は、望ましくない副反応を避けるために、この工程を通して不活性雰囲気下で維持される。
せん断スピンニングプロセスを使用して、これらの材料を溶液スピンニングして、10ミクロン(μm)以下の繊維直径、例えばサブミクロン範囲の直径にすることができる。繊維直径のわずかな減少でも、その樹脂の表面積の実質的な増大がもたらされ、それによって、個々の樹脂が用途をもたらす性能利益を増大させる。
このプロセスの生産物はバルクステープル繊維である。これらの繊維は、そのままで使用するか、または、切断して繊維の長さをさらに短くすることができる。次いで、繊維を、下流の湿式(wet laid)または乾式不織プロセスで使用するか、または、別の基材上へのコーティングとして噴霧させるか、または製品上に巻くことができる。これらのプロセスは、例えば膜(例えば、バッテリ用セパレータ)、複合材料、紙(例えば、電気紙、ハニカム紙、濾過媒体)などの用途のもの(applications)を生産するために使用される。
ポリマ溶液はポリマ成分を含む。そのポリマ成分は、任意選択で、5,000ダルトン以上、25,000ダルトン以上または50,000ダルトン以上、例えば50,000〜150,000ダルトン、特に70,000〜100,000ダルトンまたは80,000〜125,000ダルトンのMwを有することができる。本明細書で使用されるMwは、ポリスチレン標準品を用いて、ゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)で決定される。ポリマ成分の例には、ポリエーテルイミド、ポリカーボネート、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンスルホン、ポリ(フェニレンエーテル)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミック酸(PAA)、および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せ、例えばポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマ、ポリカーボネートコポリマ、ポリエーテルイミドホモポリマ、PEN/PEIブレンド(例えば、PEN/ULTEM(商標)CRSブレンドなどのPEN/ULTEMブレンド)、ULTEM(商標)CRS/ULTEM(商標)ブレンド(例えば、パラフェニレンジアミンおよびメタフェニレンジアミンから形成されたPEIのブレンド)などが含まれる。ポリマ成分のいくつかの例には、ポリエーテルイミド(PEI)(SABICから市販されているULTEM(商標)CRS樹脂など)、ポリフェニレンエーテル(PPE)(SABICから市販されているNORYL(商標)樹脂またはPPO(商標)樹脂など)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)(SABICから市販されているVALOX(商標)樹脂など)、ポリカーボネート(PC)(SABICから市販されているLEXAN(商標)樹脂など)、ならびに上記ポリマ成分のうちの少なくとも1つを含む組合せが含まれる。ポリマ成分は、ポリエーテルイミド、例えば化学的耐性のあるポリエーテルイミドであってよい。
ポリエーテルイミドは、アナリン(analine)エンドキャップ(またはアナリンでエンドキャップ)されていてよい。ポリエーテルイミドは、その反応生成物がアナリンでエンドキャップされている(すなわち、アナリンエンドキャップされている)、4,4’−ビスフェノールA二無水物とメタフェニレンジアミンモノマーの反応生成物であってよい。ポリエーテルイミド成分は、その反応生成物がアナリンでエンドキャップされている(またはアナリンエンドキャップされている)、4,4’−ビスフェノールA二無水物とパラフェニレンジアミンモノマーの反応生成物であってよい。ポリエーテルイミド成分は、その反応生成物がアナリンエンドキャップされている、4,4’−ビスフェノールA二無水物、アミノプロピルキャップされたポリジメチルシロキサンおよびメタフェニレンジアミンモノマーの反応生成物であってよい。ポリエーテルイミド成分は、その反応生成物が無水フタル酸でエンドキャップされている(または無水フタル酸エンドキャップされている)、4,4’−ビスフェノールA二無水物とパラフェニレンジアミンモノマーの反応生成物であってよい。ポリエーテルイミド成分は、その反応生成物が無水フタル酸エンドキャップされている4,4’−ビスフェノールA二無水物、アミノプロピルキャップされたポリジメチルシロキサンおよびメタフェニレンジアミンモノマーの反応生成物であってよい。ポリエーテルイミドは、5,000ダルトン以上(特に20,000ダルトン以上、より特別には60,000ダルトン以上)のMwおよび215〜230℃、特に220〜230℃のガラス転移温度(Tg)を有することができる。本明細書で使用されるTgは、示差走査熱量測定(DSC)を用いて決定され、20℃/minの加熱速度で測定される。
ポリエーテルイミドは、ポリエーテルイミドおよびリン含有安定剤を含む熱可塑性樹脂組成物であってよい。安定剤は、ポリエーテルイミドの溶融安定性を増大させるのに効果的な量で存在することができる。リン含有安定剤は低い揮発性を示し、したがって、熱重量分析で測定して、不活性雰囲気下、20℃/分の加熱速度で室温から300℃まで試料を加熱して、安定剤試料の初期量の10wt%以上が蒸発せずに残留する。
ポリイミドは、ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドコポリマを含むことができる。ポリエーテルイミドは、(i)ポリエーテルイミドホモポリマ、例えばポリエーテルイミド、(ii)ポリエーテルイミドコポリマ、例えばポリエーテルイミドスルホン、および(iii)上記のうちの少なくとも1つを含む組合せから選択することができる。ポリエーテルイミドは公知のポリマであり、ULTEM(商標)、EXTEM(商標)およびSiltem(商標)の銘柄(SABIC Innovative Plastics IP B.V.の商標)のもとでSABICから販売されている。
ポリエーテルイミドは式(1):
(1)
(式中、aは1超、例えば10〜1,000もしくはそれ以上、またはより具体的には、10〜500である)
からなってもよい。
(1)
(式中、aは1超、例えば10〜1,000もしくはそれ以上、またはより具体的には、10〜500である)
からなってもよい。
式(1)中の基Vは、エーテル基(本明細書で使用するような「ポリエーテルイミド」)またはエーテル基の組合せおよびアリーレンスルホン基(「ポリエーテルイミドスルホン」)を含む四価リンカである。そうしたリンカには、これらに限定されないが:(a)エーテル基、アリーレンスルホン基またはエーテル基とアリーレンスルホン基の組合せで、任意選択で置換された、5〜50個の炭素原子を有する、置換もしくは非置換、飽和、不飽和もしくは芳香族の単環式および多環式基;および(b)エーテル基、またはエーテル基、アリーレンスルホン基およびアリーレンスルホン基の組合せで、任意選択で置換された、1〜30個の炭素原子を有する、置換もしくは非置換、直鎖状もしくは分枝状、飽和もしくは不飽和のアルキル基;あるいは上記の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。可能な追加の置換には、これらに限定されないが、エーテル、アミド、エステルおよび上記の少なくとも1つを含む組合せが含まれる。
式(1)のR基には、これらに限定されないが、置換もしくは非置換二価有機基、例えば:(a)6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基およびそのハロゲン化誘導体;(b)2〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基;(c)3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、または(d)式(2)の二価基:
(2)
(式中、Q1には、これらに限定されないが、二価部分、例えば−O−、−S−、−C(O)−、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体が含まれる)
が含まれる。
(2)
(式中、Q1には、これらに限定されないが、二価部分、例えば−O−、−S−、−C(O)−、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体が含まれる)
が含まれる。
リンカVには、これらに限定されないが、式(3)の四価芳香族基:
(3)
[式中、Wは、−O−、−SO2−、または式−O−Z−O−の基を含む二価部分であり、−O−または−O−Z−O−基の二価結合は、3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にあり、Zには、これらに限定されないが、式(4)の二価基:
(4)
{式中、Qには、これらに限定されないが、−O−、−S−、−C(O)、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体を含む二価部分が含まれる}が含まれる]
が含まれる。
(3)
[式中、Wは、−O−、−SO2−、または式−O−Z−O−の基を含む二価部分であり、−O−または−O−Z−O−基の二価結合は、3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にあり、Zには、これらに限定されないが、式(4)の二価基:
(4)
{式中、Qには、これらに限定されないが、−O−、−S−、−C(O)、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体を含む二価部分が含まれる}が含まれる]
が含まれる。
ポリエーテルイミドは、1超、特に10〜1,000、またはより具体的には、10〜500個の式(5)の構造単位:
(5)
(式中、Tは、その−O−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にある−O−または式−O−Z−O−の基であり;Zは上記に定義した式(3)の二価基であり;Rは上記に定義した式(2)の二価基である)
を含むことができる。
(5)
(式中、Tは、その−O−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にある−O−または式−O−Z−O−の基であり;Zは上記に定義した式(3)の二価基であり;Rは上記に定義した式(2)の二価基である)
を含むことができる。
ポリエーテルイミドスルホンは、エーテル基およびスルホン基を含むポリエーテルイミドであることができ、式(1)のリンカVおよび基Rの少なくとも50モル%は二価アリーレンスルホン基を含む。例えば、すべてのリンカVは(基Rは含まないが)アリーレンスルホン基を含有することができる;または、すべての基Rは(リンカVは含まないが)アリーレンスルホン基を含有することができる;あるいは、アリーレンスルホンがリンカVおよびR基の一部に存在していてもよい。ただし、アリールスルホン基を含有するVおよびR基の全モル分率は50モル%以上であるものとする。
具体的には、ポリエーテルイミドスルホンは、1超、特に10〜1,000またはより具体的には、10〜500個の式(6)の構造単位:
(6)
(式中、Yは、その−O−、SO2−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’または4,4’位にある−O−、−SO2−または式−O−Z−O−の基であり、Zは上記に定義した式(3)の二価基であり、Rは上記に定義した式(2)の二価基であり、ただし、式(2)のYのモル数+Rのモル数の和の50モル%超は−SO2−基を含むものとする)
を含むことができる。
(6)
(式中、Yは、その−O−、SO2−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’または4,4’位にある−O−、−SO2−または式−O−Z−O−の基であり、Zは上記に定義した式(3)の二価基であり、Rは上記に定義した式(2)の二価基であり、ただし、式(2)のYのモル数+Rのモル数の和の50モル%超は−SO2−基を含むものとする)
を含むことができる。
ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドスルホンは、エーテル、またはエーテルおよびスルホン基を含有しないリンカV、例えば式(7)のリンカ:
(7)
を任意選択で含むことができることを理解されたい。
(7)
を任意選択で含むことができることを理解されたい。
そうしたリンカを含有するイミド単位は、一般に、全単位数の0〜10モル%、特に0〜5モル%の範囲の量で存在する。一実施形態では、ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドスルホンの中に、追加のリンカVは存在しない。
ポリエーテルイミドは、10〜500個の式(5)の構造単位を含むことができ、ポリエーテルイミドスルホンは、10〜500個の式(6)の構造単位を含むことができる。
ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドスルホンは、重縮合重合プロセスおよびハロ転位重合プロセスなどの種々のプロセスで調製することができる。
重縮合方法は、ニトロ置換プロセス(式(8)においてXはニトロである)と称される、構造(1)を有するポリエーテルイミドの調製のための方法を含むことができる。ニトロ置換プロセスの一例では、N−メチルフタルイミドを、99%硝酸でニトロ化して、N−メチル−4−ニトロフタルイミド(4−NPI)とN−メチル−3−ニトロフタルイミド(3−NPI)の混合物を得る。精製後、約95部の4−NPIと5部の3−NPIを含有するこの混合物を、トルエン中、相間移動触媒の存在下でビスフェノール−A(BPA)の二ナトリウム塩と反応させる。ニトロ置換ステップとして公知であるこの反応によってBPA−ビスイミドおよびNaNO2を得る。精製後、BPA−ビスイミドを、イミド交換反応で無水フタル酸と反応させて、BPA−二無水物(BPADA)を得る。次いでこれを、イミド化−重合ステップにおいて、ortho−ジクロロベンゼン中でmeta−フェニレンジアミン(MPD)などのジアミンと反応させて、生成物ポリエーテルイミドを得る。
他のジアミンも可能である。ジアミンの例には、m−フェニレンジアミン;p−フェニレンジアミン;2,4−ジアミノトルエン;2,6−ジアミノトルエン;m−キシリレンジアミン;p−キシリレンジアミン;ベンジジン;3,3’−ジメチルベンジジン;3,3’−ジメトキシベンジジン;1,5−ジアミノナフタレン;ビス(4−アミノフェニル)メタン;ビス(4−アミノフェニル)プロパン;ビス(4−アミノフェニル)スルフィド;ビス(4−アミノフェニル)スルホン;ビス(4−アミノフェニル)エーテル;4,4’−ジアミノジフェニルプロパン;4,4’−ジアミノジフェニルメタン(4,4’−メチレンジアニリン);4,4’−ジアミノジフェニルスルフィド;4,4’−ジアミノジフェニルスルホン;4,4’−ジアミノジフェニルエーテル(4,4’−オキシジアニリン);1,5−ジアミノナフタレン;3,3’ジメチルベンジジン;3−メチルヘプタメチレンジアミン;4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン;2,2’,3,3’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビ[1H−インデン]−6,6’−ジアミン;3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−2,2’−スピロビ[2H−1−ベンゾ−ピラン]−7,7’−ジアミン;1,1’−ビス[1−アミノ−2−メチル−4−フェニル]シクロヘキサン、およびその異性体ならびに上記の少なくとも1つを含む混合物およびブレンドが含まれる。一実施形態では、そのジアミンは、特に芳香族ジアミン、特にm−およびp−フェニレンジアミンおよび上記の少なくとも1つを含む混合物である。
ジアミンと使用することができる二無水物には、これらに限定されないが、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;1,3−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物;1,4−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物;1,3−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物;1,4−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゼン二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;ナフタル酸二無水物、例えば2,3,6,7−ナフタル酸二無水物等;3,3’,4,4’−ビフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ビフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ジメチルジフェニルシランテトラカルボン酸二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルプロパン二無水物;3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;ビス(フタル酸)フェニルスルフィンオキシド二無水物;p−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物;m−フェニレン−ビス(トリフェニルフタル酸)二無水物;ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルエーテル二無水物;ビス(トリフェニルフタル酸)−4,4’−ジフェニルメタン二無水物;2,2’−ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物;4,4’−オキシジフタル酸二無水物;ピロメリチク二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;4’,4’−ビスフェノールA二無水物;ヒドロキノンジフタル酸二無水物;6,6’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−2,2’,3,3’−テトラヒドロ−3,3,3’,3’−テトラメチル−−1,1’−スピロビ[1H−インデン]二無水物;7,7’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−3,3’,4,4’−テトラヒドロ−4,4,4’,4’−テトラメチル−−2,2’−スピロビ[2H−1−ベンゾピラン]二無水物;1,1’−ビス[1−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)−2−メチル−4−フェニル]シクロヘキサン二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルフィドテトラカルボン酸二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルホキシドテトラカルボン酸二無水物;4,4’−オキシジフタル酸二無水物;3,4’−オキシジフタル酸二無水物;3,3’−オキシジフタル酸二無水物;3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物;4,4’−カルボニルジフタル酸二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物;2,2−ビス(4−(3,3−ジカルボキシフェニル)プロパン二無水物;2,2−ビス(4−(3,3−ジカルボキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン二無水物;(3,3’,4,4’−ジフェニル)フェニルホスフィンテトラカルボン酸二無水物;(3,3’,4,4’−ジフェニル)フェニルホスフィンオキシドテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジクロロ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジメチル−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジシアノ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジブロモ−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジヨード−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ジトリフルオロメチル−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1−メチル−4−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1−トリフルオロメチル−2−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1−トリフルオロメチル−3−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1−トリフルオロメチル−4−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1−フェニル−4−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物;4,4’−ビスフェノールA二無水物;3,4’−ビスフェノールA二無水物;3,3’−ビスフェノールA二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルスルホキシドテトラカルボン酸二無水物;4,4’−カルボニルジフタル酸二無水物;3,3’,4,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物;2,2’−ビス(1,3−トリフルオロメチル−4−フェニル)−3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、およびそのすべての異性体ならびに上記の組合せが含まれる。
ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドスルホンを作り出すためのハロ置換重合方法には、これらに限定されないが、式(8):
(8)
(式中、Rは上記の通りであり、Xはニトロ基またはハロゲンである)
についてのビス(フタルイミド)の反応が含まれる。ビス−フタルイミド(8)は、例えば式(9):
(9)
(式中、Xはニトロ基またはハロゲンである)
の対応する無水物と、式(10):
H2N−R−NH2 (10)
(式中、Rは上記の通りである)
の有機ジアミンの縮合によって形成させることができる。
(8)
(式中、Rは上記の通りであり、Xはニトロ基またはハロゲンである)
についてのビス(フタルイミド)の反応が含まれる。ビス−フタルイミド(8)は、例えば式(9):
(9)
(式中、Xはニトロ基またはハロゲンである)
の対応する無水物と、式(10):
H2N−R−NH2 (10)
(式中、Rは上記の通りである)
の有機ジアミンの縮合によって形成させることができる。
式(10)のアミン化合物の例示的なものには:エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4−メチルノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2、2−ジメチルプロピレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,4−ビス(b−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−b−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−b−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p−b−メチル−o−アミノペンチル)ベンゼン、1、3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)エーテルおよび1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンが含まれる。これらのアミンの混合物を使用することができる。スルホン基を含有する式(10)のアミン化合物の例示的なものには、これらに限定されないが、ジアミノジフェニルスルホン(DDS)およびビス(アミノフェノキシフェニル)スルホン(BAPS)が含まれる。上記アミンのいずれかを含む組合せを使用することができる。
ポリエーテルイミドは、相間移動触媒の存在下または非存在下でのビス(フタルイミド)(8)と、式HO−V−OH(式中、Vは上記の通りである)のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素のアルカリ金属塩との反応によって合成することができる。相間移動触媒の例は米国特許第5,229,482号に開示されている。特に、ジヒドロキシ置換芳香族炭化水素、ビスフェノール、例えばビスフェノールA、またはビスフェノールのアルカリ金属塩と他のジヒドロキシ置換芳香族炭化水素のアルカリ金属塩との組合せを使用することができる。
ポリエーテルイミドは式(5)の構造単位を含むことができる。ここで、各Rは独立に、p−フェニレンもしくはm−フェニレンまたは上記の少なくとも1つを含む混合物であり;Tは式−O−Z−O−の基であり、その−O−Z−O−基の二価結合は3,3’位にあり、Zは2,2−ジフェニレンプロパン基(ビスフェノールA基)である。さらに、ポリエーテルイミドスルホンは式(6)の構造単位を含むことができる。ここで、R基の少なくとも50モル%は式(4)からなり、Qは−SO2−であり、残りのR基は独立にp−フェニレンもしくはm−フェニレンまたは上記の少なくとも1つを含む組合せであり;Tは式−O−Z−O−の基であり、その−O−Z−O−基の二価結合は3,3’位にあり、Zは2,2−ジフェニレンプロパン基である。
ポリエーテルイミドおよびポリエーテルイミドスルホンは、ポリマ成分の構築において、単独でも、また互いにかつ/または他の開示ポリマ材料との組合せでも使用することができる。一実施形態では、ポリエーテルイミドだけを使用する。他の実施形態では、ポリエーテルイミド:ポリエーテルイミドスルホンの重量比は99:1〜50:50であってもよい。
ポリエーテルイミドは、ゲル透過クロマトグラフィ(GPC)で測定して5,000〜100,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有することができる。いくつかの実施形態では、Mwは10,000〜80,000であってもよい。本明細書で用いる分子量は絶対(absolute)重量平均分子量(Mw)を指す。
ポリエーテルイミドは、m−クレゾール中、25℃で測定して0.2デシリットル/グラム(dl/g)以上の固有粘度を有することができる。この範囲内で、その固有粘度は、m−クレゾール中、25℃で測定して0.35〜1.0dl/gであってもよい。
ポリエーテルイミドは、示差走査熱量測定法(DSC)を用いて、ASTM試験D3418によって測定して、180℃超、特に200℃〜500℃のガラス転移温度を有することができる。いくつかの実施形態では、ポリエーテルイミド、特にポリエーテルイミドは240〜350℃のガラス転移温度を有する。
ポリエーテルイミドは、米国材料試験協会(American Society for Testing Materials)(ASTM)DI238に従って、6.7キログラム(kg)重を用いて340〜370℃で測定して0.1〜10グラム/分(g/min)のメルトインデックスを有することができる。
ポリエーテルイミド、(例えば、構造(1)を有するポリエーテルイミド)を作り出すためのハロ置換重合プロセスは、クロロ置換プロセス(例えば、式(8)においてXはClである)と称されるプロセスである。クロロ置換プロセスを例示すると以下の通りである:4−クロロフタル酸無水物とmeta−フェニレンジアミンを、触媒量のフェニルホスフィン酸ナトリウム触媒の存在下で反応して、meta−フェニレンジアミンのビスクロロフタルイミド(CAS No.148935−94−8)を生成させる。次いでビスクロロフタルイミドを、ortho−ジクロロベンゼンまたはアニソール溶媒中、触媒の存在下での、BPAの二ナトリウム塩とのクロロ置換反応による重合にかける。あるいは、3−クロロフタル酸無水物と4−クロロフタル酸無水物の混合物を用いて、上記の通りBPA二ナトリウム塩でのクロロ置換によって重合できる、異性体のビスクロロフタルイミドの混合物を提供することができる。
シロキサンポリエーテルイミドは、ブロックコポリマの全重量に対して0超から40重量パーセント(wt%)未満のシロキサン含量を有するポリシロキサン/ポリエーテルイミドブロックコポリマを含むことができる。ブロックコポリマは、式(I):
(I)
(式中、R1〜6は、出現ごとに独立に、5〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族単環式基、5〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族多環式基、1〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基および2〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルケニル基から選択され、Vは、5〜50個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族の単環式および多環式基、1〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基、2〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルケニル基および上記の少なくとも1つのリンカを含む組合せからなる群から選択される四価リンカであり、gは1〜30に等しく、dは2〜20である)のシロキサンブロックを含む。市販のシロキサンポリエーテルイミドは、銘柄名SILTEM(商標)のもとでSABIC Innovative Plasticsから得ることができる。
(I)
(式中、R1〜6は、出現ごとに独立に、5〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族単環式基、5〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族多環式基、1〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基および2〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルケニル基から選択され、Vは、5〜50個の炭素原子を有する置換もしくは非置換、飽和、不飽和または芳香族の単環式および多環式基、1〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルキル基、2〜30個の炭素原子を有する置換もしくは非置換アルケニル基および上記の少なくとも1つのリンカを含む組合せからなる群から選択される四価リンカであり、gは1〜30に等しく、dは2〜20である)のシロキサンブロックを含む。市販のシロキサンポリエーテルイミドは、銘柄名SILTEM(商標)のもとでSABIC Innovative Plasticsから得ることができる。
ポリエーテルイミド樹脂は、5,000〜100,000ダルトン、5,000〜70,000ダルトンまたは5,000〜60,000ダルトン、または60,000〜100,000ダルトン、特に70,000〜100,000ダルトンの重量平均分子量(Mw)を有することができる。
ポリエーテルイミド樹脂は、例えば、米国特許第3,875,116号、同第6,919,422号および同第6,355,723号に記載の通りのポリエーテルイミド;例えば米国特許第4,690,997号および同第4,808,686号に記載の通りのシリコーンポリエーテルイミド;米国特許第7,041,773号に記載の通りのポリエーテルイミドスルホン樹脂;および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せから選択することができる。
ポリエーテルイミド樹脂は、200℃超のガラス転移温度(Tg)を有することができる。ポリエーテルイミド樹脂は、ベンジルプロトンを実質的に含まなくてもよい(100ppm未満)。ポリエーテルイミド樹脂は、ベンジルプロトンを含まなくてもよい。ポリエーテルイミド樹脂は、100ppm未満の量のベンジルプロトンを有することができる。一実施形態では、ベンジルプロトンの量は0超から100ppm未満の範囲である。他の実施形態では、2014年10月の時点で利用できる検出方法に基づいて、ベンジルプロトンの量は検出することができない。
ポリエーテルイミド樹脂は、ハロゲン原子を実質的に含まなくてもよい(100ppm未満)。ポリエーテルイミド樹脂はハロゲン原子を含まなくてもよい。ポリエーテルイミド樹脂は、100ppm未満の量のハロゲン原子を有することができる。一実施形態では、ハロゲン原子の量は0超から100ppm未満の範囲である。他の実施形態では、2014年10月の時点で利用できる検出方法に基づいて、ハロゲン原子の量は検出することができない。
開示組成物において使用できるポリエーテルイミドの例には、これに限定されないが、ULTEM(商標)が含まれる。ULTEM(商標)は、SABICによって販売されているポリエーテルイミドのファミリからのポリマである。本明細書で使用されるULTEM(商標)は、別段指示されていない限り、このファミリに含まれるあらゆるULTEM(商標)ポリマを指す。ポリエーテルイミドは、例えば、米国特許第4,548,997号;米国特許第4,629,759号;米国特許第4,816,527号;米国特許第6,310,145号;および米国特許第7,230,066号などに挙げられているような、任意のポリカーボネート材料または材料の混合物をさらに含み得る組成物中にあってよい。ポリエーテルイミドは、例えば、米国特許第4,141,927号;米国特許第6,063,874号;米国特許第6,150,473号;および米国特許第6,204,340号などに挙げられているような、任意のポリエステル材料または材料の混合物をさらに含み得る組成物中にあってよい。
ポリエーテルイミドは、式(I):
(I)
の有機基で表される構造単位を含む構造を有することができ、
ここで、式(I)のRには、置換もしくは非置換二価有機基、例えば、(a)6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基およびそのハロゲン化誘導体;(b)2〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基;(c)3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、または(d)一般式(II):
(II)
の二価基が含まれ、
ここで、Qには、単結合、−O−、−S−、−C(O)−、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体からなる群から選択される二価部分が含まれ;Tは、その−O−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にある−O−または式−O−Z−O−の基であり、Zには、これらに限定されないが、式(III):
または
(III)
の二価基が含まれ、式(I)に含まれるポリエーテルイミドは少なくとも40,000のMwを有する。
(I)
の有機基で表される構造単位を含む構造を有することができ、
ここで、式(I)のRには、置換もしくは非置換二価有機基、例えば、(a)6〜20個の炭素原子を有する芳香族炭化水素基およびそのハロゲン化誘導体;(b)2〜20個の炭素原子を有する直鎖もしくは分枝鎖のアルキレン基;(c)3〜20個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、または(d)一般式(II):
(II)
の二価基が含まれ、
ここで、Qには、単結合、−O−、−S−、−C(O)−、−SO2−、−SO−、−CyH2y−(yは1〜5の整数である)およびペルフルオロアルキレン基を含むそのハロゲン化誘導体からなる群から選択される二価部分が含まれ;Tは、その−O−または−O−Z−O−基の二価結合が3,3’、3,4’、4,3’もしくは4,4’位にある−O−または式−O−Z−O−の基であり、Zには、これらに限定されないが、式(III):
または
(III)
の二価基が含まれ、式(I)に含まれるポリエーテルイミドは少なくとも40,000のMwを有する。
他の態様では、ポリエーテルイミドポリマは、上記のエーテルイミド単位に加えて、式(IV):
(IV)
(式中、Rは式(I)について上記に定義した通りであり、Mには、これらに限定されないが、式(V):
または
(V)
の基が含まれる)
のポリイミド構造単位をさらに含有するコポリマであってもよい。
(IV)
(式中、Rは式(I)について上記に定義した通りであり、Mには、これらに限定されないが、式(V):
または
(V)
の基が含まれる)
のポリイミド構造単位をさらに含有するコポリマであってもよい。
他の態様では、熱可塑性樹脂は式:
で表される構造を有するポリエーテルイミドポリマであって、このポリエーテルイミドポリマは、少なくとも40,000ダルトン、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも60,000ダルトン、少なくとも80,000ダルトンまたは少なくとも100,000ダルトンの分子量を有する。
で表される構造を有するポリエーテルイミドポリマであって、このポリエーテルイミドポリマは、少なくとも40,000ダルトン、少なくとも50,000ダルトン、少なくとも60,000ダルトン、少なくとも80,000ダルトンまたは少なくとも100,000ダルトンの分子量を有する。
ポリエーテルイミドポリマは、式(VI):
(VI)
の芳香族ビス(エーテル無水物)と式(IX):
H2N−R−NH2 (VII)
(式中、TおよびRは式(I)において上記のように定義されている)
の有機ジアミンとの反応を含む、当業者に公知の方法で調製することができる。
(VI)
の芳香族ビス(エーテル無水物)と式(IX):
H2N−R−NH2 (VII)
(式中、TおよびRは式(I)において上記のように定義されている)
の有機ジアミンとの反応を含む、当業者に公知の方法で調製することができる。
式(VI)の芳香族ビス(エーテル無水物)の例示的で非限定的な例には、2,2−ビス[4−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;2,2−ビス[4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)フェニル]プロパン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物;4,4’−ビス(2,3−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニル−2,2−プロパン二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルエーテル二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルフィド二無水物;4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ベンゾフェノン二無水物および4−(2,3−ジカルボキシフェノキシ)−4’−(3,4−ジカルボキシフェノキシ)ジフェニルスルホン二無水物、ならびにその種々の混合物が含まれる。
ビス(エーテル無水物)は、双極性の非プロトン性溶媒の存在下でのニトロ置換フェニルジニトリルと二価フェノール化合物の金属塩との反応生成物の加水分解、続く脱水によって調製することができる。上記式(VI)に含まれる有用な部類の芳香族ビス(エーテル無水物)には、これらに限定されないが、Tが式(VIII):
(VIII)
からなる化合物が含まれ、このエーテル結合は、例えば3,3’、3,4’、4,3’または4,4’位およびその組合せが有益であり、Qは上記定義通りである。
(VIII)
からなる化合物が含まれ、このエーテル結合は、例えば3,3’、3,4’、4,3’または4,4’位およびその組合せが有益であり、Qは上記定義通りである。
ポリイミドおよび/またはポリエーテルイミドの調製において、任意のジアミノ化合物を用いることができる。式(VII)のジアミノ化合物の例示的で非限定的な例には、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トリメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテルトラミン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミン、デカメチレンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,18−オクタデカンジアミン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメチルヘプタメチレンジアミン、4−メチルノナメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミン、2、2−ジメチルプロピレンジアミン、N−メチル−ビス(3−アミノプロピル)アミン、3−メトキシヘキサメチレンジアミン、1,2−ビス(3−アミノプロポキシ)エタン、ビス(3−アミノプロピル)スルフィド、1,4−シクロヘキサンジアミン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノトルエン、2,6−ジアミノトルエン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、5−メチル−4,6−ジエチル−1,3−フェニレン−ジアミン、ベンジジン、3,3’−ジメチルベンジジン、3,3’−ジメトキシベンジジン、1,5−ジアミノナフタレン、ビス(4−アミノフェニル)メタン、ビス(2−クロロ−4−アミノ−3,5−ジエチルフェニル)メタン、ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2,4−ビス(b−アミノ−t−ブチル)トルエン、ビス(p−b−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−b−メチル−o−アミノフェニル)ベンゼン、ビス(p−b−メチル−o−アミノペンチル)ベンゼン、1,3−ジアミノ−4−イソプロピルベンゼン、ビス(4−アミノフェニル)スルフィド、ビス(4−アミノフェニル)スルホン、ビス(4−アミノフェニル)エーテルおよび1,3−ビス(3−アミノプロピル)テトラメチルジシロキサンが含まれる。これらの化合物の混合物も存在してもよい。有益なジアミノ化合物は、芳香族ジアミン、特にm−およびp−フェニレンジアミンおよびその混合物である。
ポリエーテルイミド樹脂は、式(I)による構造単位を含むことができる。ここで、各Rは独立にp−フェニレンもしくはm−フェニレンまたはその混合物であり、Tは式(IX):
(IX)
の二価基である。
(IX)
の二価基である。
反応を、o−ジクロロベンゼン、m−クレゾール/トルエンまたは同様のものなどの溶媒を用いて実施して、式(VI)の無水物と式(VII)のジアミンとの反応を100℃〜250℃の温度で行うことができる。あるいは、ポリエーテルイミドは、出発材料の混合物を、撹拌しながら、高温で加熱することによって、式(VI)の芳香族ビス(エーテル無水物)と式(VII)のジアミンとの溶融重合によって調製することができる。溶融重合では、200℃〜400℃の温度を用いることができる。連鎖停止剤および分岐剤も反応に用いることができる。ポリエーテルイミドポリマは、任意選択で、芳香族ビス(エーテル無水物)と有機ジアミンとの反応であって、そのジアミンが、反応混合物中にせいぜい0.2モル過剰、有益には0.2モル未満過剰で存在する反応によって調製することができる。そうした条件下では、ポリエーテルイミド樹脂は、一実施形態では、氷酢酸中33重量パーセント(wt%)の臭化水素酸溶液を含むクロロホルム溶液での滴定によって示される15マイクロ当量/グラム(μeq/g)未満の酸滴定可能基を有し、他の実施形態では10μeq/g未満の酸滴定可能基を有する。酸滴定可能基は基本的にポリエーテルイミド樹脂中のアミン末端基に起因している。
ポリ(フェニレンエーテル)成分は式:
(式中、出現ごとのZ1は、独立に、ハロゲン、非置換または置換C1〜C12ヒドロカルビルであり、ただし、ヒドロカルビル基は、第三ヒドロカルビル、C1〜C12ヒドロカルビルチオ、C1〜C12ヒドロカルビルオキシまたはC2〜C12ハロヒドロカルビルオキシではなく、少なくとも2個の炭素原子はハロゲンと酸素原子を分離しており;出現ごとのZ2は、独立に、水素、ハロゲン、非置換または置換C1〜C12ヒドロカルビルであり、ただし、ヒドロカルビル基は、第三ヒドロカルビル、C1〜C12ヒドロカルビルチオ、C1〜C12ヒドロカルビルオキシまたはC2〜C12ハロヒドロカルビルオキシではなく、少なくとも2個の炭素原子はハロゲンと酸素原子を分離している)
を有する繰り返し構造単位を含むことができる。
(式中、出現ごとのZ1は、独立に、ハロゲン、非置換または置換C1〜C12ヒドロカルビルであり、ただし、ヒドロカルビル基は、第三ヒドロカルビル、C1〜C12ヒドロカルビルチオ、C1〜C12ヒドロカルビルオキシまたはC2〜C12ハロヒドロカルビルオキシではなく、少なくとも2個の炭素原子はハロゲンと酸素原子を分離しており;出現ごとのZ2は、独立に、水素、ハロゲン、非置換または置換C1〜C12ヒドロカルビルであり、ただし、ヒドロカルビル基は、第三ヒドロカルビル、C1〜C12ヒドロカルビルチオ、C1〜C12ヒドロカルビルオキシまたはC2〜C12ハロヒドロカルビルオキシではなく、少なくとも2個の炭素原子はハロゲンと酸素原子を分離している)
を有する繰り返し構造単位を含むことができる。
ポリ(フェニレンエーテル)−ポリシロキサンブロックコポリマは、酸化的共重合法によって調製することができる。ポリ(フェニレンエーテル)成分は、2,6ジメチルフェノール、2,3,6トリメチルフェノールなどのモノマーおよび上記のうちの少なくとも1つを含む組合せのホモポリマまたはコポリマを含むことができる。
ポリカーボネート成分は、ビスフェノールAカーボネート単位および式:
(式中、R5は、水素であるか、または最大で5個のC1〜10アルキル基またはC1〜4アルキルで任意選択で置換されたフェニルである)
の単位を含むポリカーボネートコポリマを含むことができる。ポリカーボネート成分は、ビスフェノールAカーボネート単位および式:
(式中、Eは2〜200の平均値を有し、そのポリ(カーボネート−シロキサン)は、ポリ(カーボネート−シロキサン)の全重量に対して0.5〜55wt%のシロキサン単位を含む)
のシロキサン単位または上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含むポリ(カーボネート−シロキサン)を含むことができる。ポリカーボネート成分は、ビスフェノールポリカーボネートであってよい。ポリカーボネート成分は、溶媒中のポリカーボネート成分の溶液の形態であってよい。
(式中、R5は、水素であるか、または最大で5個のC1〜10アルキル基またはC1〜4アルキルで任意選択で置換されたフェニルである)
の単位を含むポリカーボネートコポリマを含むことができる。ポリカーボネート成分は、ビスフェノールAカーボネート単位および式:
(式中、Eは2〜200の平均値を有し、そのポリ(カーボネート−シロキサン)は、ポリ(カーボネート−シロキサン)の全重量に対して0.5〜55wt%のシロキサン単位を含む)
のシロキサン単位または上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含むポリ(カーボネート−シロキサン)を含むことができる。ポリカーボネート成分は、ビスフェノールポリカーボネートであってよい。ポリカーボネート成分は、溶媒中のポリカーボネート成分の溶液の形態であってよい。
ポリマは溶媒に溶解させる。選択される具体的な溶媒は、具体的なポリマ、および溶媒中でのそのポリマの溶解度に基づく。溶媒中でのポリマの溶解度は、安定温度でリットル当たり5g(g/L)超でなければならず、安定温度で完全に溶解することが望ましい。もう1つ考えるべきことは、蒸留によるなどの、分散媒体からの溶媒の容易な分離が可能であるかどうかという、溶媒の分散媒体との適合性である。容易な分離は、溶媒および分散媒体の再循環を可能にし、したがって、さらに、商業的により実現可能なプロセスをもたらすことになる。溶媒は、メタ−クレゾール、ベラトロール、オルト−ジクロロベンゼン(ODCB)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジクロロメタン(DCM)ジメチルアセトアミド(DMAc)、炭酸ジメチル(DMC)、炭酸ジエチル(DEC)、炭酸エチルメチル(EMC)、炭酸エチレン(EC)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ヘキサフルオロ−2−プロパノール(HFIP)、トリクロロエタン(TCHE)、テトラクロロエタン、トリフルオロ酢酸(TFA)、フェノール(例えば、4−クロロ−3−メチル−フェノール、4−クロロ−2−メチル−フェノール、2,4−ジクロロ−6−メチル−フェノール、2,4−ジクロロ−フェノール、2,6−ジクロロ−フェノール、4−クロロ−フェノール、2−クロロ−フェノール、4−メトキシ−フェノール)、クレゾール(例えば、オルト−クレゾール、メタ−クレゾール、パラ−クレゾール)、ベンゾキノン、キシレノール(例えば、2,3−キシレノール、2,6−キシレノール)、ジヒドロキシベンゼン(例えば、カテコール、レゾルシノール)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、1−エテニル−2−ピロリドン(NVP)、2−ピロリドン(2−Py)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPGME)および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含むことができる。化学的耐性のあるPEI(例えば、(i)パラフェニレンジアミンモノマーおよび無水フタル酸エンドキャップされているもの、または(ii)パラフェニレンジアミンモノマーおよびアナリンエンドキャップされているものから形成される)のためには、例えば、溶媒は、NMP、DCM/HFIP(例えば、1:1比で)、クロロホルム/DCM/HFIP、クロロホルム/HFIP/トルエン(例えば、37/37/25の割合で)、DCM/HFIP/4−Cl−クレゾール、クロロホルム/HFIP(例えば、90/10)、クロロホルム/HFIP(例えば、50/50)、HFIP/DCM(例えば、50/50)、TFA/4−Cl−クレゾール(例えば、50/50)、2−Cl−フェノール/HFIP(例えば、50/50および80/20)、DCM/4−Cl−クレゾール(例えば、50/50)、DCM/2−Cl−クレゾール(例えば、50/50)、4−Cl−クレゾール、2−Cl−クレゾールおよびクレゾール/Cl−クレゾールであってよい。例えば、溶媒は、NEP、NVP、2−Py、DMI、DMF、DMAc、DMSO、DPGME、NMPまたは上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含むことができる。任意選択で、溶媒は、DMI、DMF、DMAc、DMSO、DPGME、NMPまたは上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む;または、特に溶媒はNMPを含む。
ポリマの析出は分散媒体中で起こる。したがって、分散媒体は逆溶媒を含む。本明細書で使用される逆溶媒は、逆溶媒とポリマ溶液を一緒にした場合に、ポリマの析出を誘発する材料である。言い換えれば、ポリマは、逆溶媒に不溶である(分散媒体の操作温度で、2g/L未満、特に1g/L以下、より特別には0.5g/L以下、最も特別には0.1g/L以下の逆溶媒中での溶解度を有する)。
逆溶媒の例には、水、エチルアルコール、プロピルグリコール、プロピレングリコール、グリセリンならびに水とエチルアルコールなどの上記のうちの少なくとも1つを含む組合せが含まれる。例えば、逆溶媒は、水であってよい。例えば、逆溶媒は、水、エチルアルコールおよびグリセリンであってよい。分散媒体は、グリセリン、クレゾール、テトラクロロエタン、HFIP、メタ−クレゾール、ベラトロール、オルト−ジクロロベンゼン(ODCB)、N−メチルピロリドン(NMP)、クロロホルム、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)およびジメチルアセトアミド(DCM)、N−エチル−2−ピロリドン(NEP)、1−エテニル−2−ピロリドン(NVP)、2−ピロリドン(2−Py)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジプロピレングリコールジメチルエーテル(DPGME)および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せなどのキャリアをさらに含むことができる。例えば、キャリアはNMPであってよい。理論に拘泥するわけではないが、これらの材料は、樹脂を凝集(clumping)させるのではなく、繊維形成を可能にするように析出速度を低下させるために使用することができる。例えば、分散媒体は、90wt%以上のキャリアおよび10wt%以下の逆溶媒(例えば、水)(すなわち、90wt%〜100wt%未満のキャリアおよび0wt%〜10wt%超の逆溶媒)、例えば92wt%〜98wt%のキャリアおよび2wt%〜8wt%以下の逆溶媒、特に92wt%〜97wt%のキャリアおよび3wt%〜8wt%以下の逆溶媒を含むことができる。例えば、逆溶媒は、90wt%以上のNMPおよび10wt%以下の水、例えば92wt%〜98wt%のNMPおよび2wt%〜8wt%以下の水、特に92wt%〜97wt%のNMPおよび3wt%〜8wt%以下の水を含むことができる。
任意選択で、例えば、繊維を形成するときのせん断応力を増大させ、それによってより細い繊維の形成を容易にするために、分散媒体の粘度を増大させることができる。分散媒体粘度は、下記の:粒子を添加する、例えばサブミクロン粒子(例えば、1μm未満の平均主軸(すなわち、最長軸)を有する)および/または100nm以下の平均主軸を有するナノ粒子を添加するステップ;分散媒体中に塩を溶解させるステップ、分散媒体の温度を低下させるステップ、分散媒体中にアルギン酸ナトリウムを溶解させるステップ、および、分散媒体中にポリマを溶解させるステップのうちの少なくとも1つを用いて増大させることができる。平均主軸は、例えば走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して決定することができる。可能性のあるサブミクロン粒子の例には、酸化アルミニウム(AL2O3)、二酸化ナトリウム(SiO2)および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せが含まれる。塩の例には、塩化リチウム塩および臭化リチウムが含まれる。可能性のある塩には、水である逆溶媒(NMPを含むポリマ溶液で使用して)を含む分散媒体中に溶解させることができるものが含まれる。分散媒体中に溶解させることができるポリマの例には、ポリビニルピロリドン(PVP)およびポリエチレングリコール(PEG)が含まれる。分散媒体に溶解させることができる別のポリマの例は、ポリビニルアルコール(PVA)である。例えば、指定された平均繊維直径を有する繊維を形成する場合、分散媒体の粘度は、0.75nm以下(指定された平均繊維直径)、特に0.5nm以下(指定された平均繊維直径)、より特別には0.25nm*以下(指定された平均繊維直径)の直径を有する0〜15wt%超の粒子を添加することによって増大させることができる。
このプロセスは、ノズルを用いることなく使用できるので、添加剤の混ぜ込みを、ノズルを詰まらせるかまたは操作圧力を過度に増大させる恐れなく遂行することができる。可能性のある添加剤の例には、セラミックス(チタニア、アルミナ、ジルコニアおよび種々の粘土、シリカ、ガラス、バイオセラミックス、生体活性ガラスなど)、金属(例えば、銀、金等)、金属合金、金属酸化物、半金属(例えば、ケイ素、ゲルマニウム、半導体および量子ドット形成材料等)およびそれらの酸化物、グラファイト、カーボンブラック、種々のグラフェンナノシートおよびカーボンナノチューブ(CNT)が含まれる。添加剤には、ナノ繊維の特性または機能、例えば強度、抗菌活性、治療活性(例えば、薬剤用薬物結晶(pharmaceutical drug crystal))、導電性、半導体性(例えば、量子ドット、半導体ナノ粒子)、磁気的挙動、空隙率、疎水性、選択的透過性、種々の材料に対する選択的親和性、接着性、酵素的または触媒的活性、生体適合性、生分解性、生物学的接着性、生物学的認識および/または結合、化学的不活性、極性、分析的分離技術における被分析物の選択的保持および/または濃縮を付与するまたはそれを増進させるなどの種々の目的のために、着色剤(例えば、蛍光性染料および顔料)、付臭剤、脱臭剤、可塑剤、衝撃改質剤、フィラー、核形成剤、潤滑剤、界面活性剤、湿潤剤、難燃剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、殺生物剤、増粘剤、熱安定剤、消泡剤、発泡剤、乳化剤、架橋剤、ワックス、微粒子、流動促進剤ならびに上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含めることができる。添加剤は、ポリマ溶液、分散媒体またはその両方に添加することができる。これらの添加剤は、ポリマ分散体の形成および/またはポリマ繊維の形成の前、その間またはその後に添加することができる。特定の実施形態では、特に繊維が水溶液中にある場合、溶液中の繊維の分散を増進させるために、ノニオン性またはアニオン性界面活性剤などの界面活性剤をその繊維を含む溶液に添加する。任意選択で、繊維に、治療活性、触媒活性、ミクロ電子工学的活性、ミクロ光電子工学的活性、磁気的活性、生物学的活性および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを付与する追加的な機能を提供することができる。
上記方法のうちの少なくとも1つによって、添加剤を、1)溶媒に溶解する前に、ポリマペレット/粉末中へ添加し、2)ポリマを溶解する場合に、溶媒に添加し、3)制御された量の添加剤を供給するためのポリマ−溶媒注入ライン中に注入点を有し、4)分散媒体に添加することができる。例えば、添加剤は、分散媒体と混合する前に、ポリマ溶液に添加することができる。
ポリマ溶液は、室温で、最大で300,000センチポアズ(cP)、例えば1〜40,000cPまたは50〜20,000cPまたは100〜2,500cP、さらには150〜1,000cPの粘度を有することができる。例えば、ポリマ溶液は、50〜100cPの粘度を有することができる。
分散媒体は、室温で、最大で100,000センチポアズ(cP)、例えば1〜2,500cPまたは10〜1,500cPまたは30〜500cP、さらには40〜250cPの粘度を有することができる。例えば、分散媒体は、50〜100cPの粘度を有することができる。
ポリマ溶液が形成されたら、温度を安定温度に調節する。ポリマ溶液が分散媒体と混合されるまで、安定温度が室温より低い場合、ポリマ溶液を安定温度かまたはそれより低い温度に保持し、安定温度が室温より高い場合、ポリマ溶液を安定温度かまたはそれより高い温度に保持することが望ましい。例えば、ポリマ溶液は、ポリマがそこで溶解される30℃以上〜溶媒の沸点未満、特に40℃〜沸点より10℃下、より特別には50℃〜沸点より10℃下の温度に調節することができる(言い換えれば、溶媒の沸点が200℃であった場合、沸点より10℃下は190℃となる)。あるいは、ポリマ溶液の温度を、室温より低い温度(例えば、25℃未満)に調節することができる。例えば、ポリマ溶液は、その溶媒の氷点超〜20℃、特にその溶媒の氷点の上5℃〜20℃、より特別にはその溶媒の氷点の上10℃〜15℃の温度に調節することができる(言い換えれば、溶媒の氷点が−40℃であった場合、氷点より5℃上は−35℃となる)。特定の所望温度は、そのポリマと溶媒を一緒にしてポリマ溶液を形成させ、ポリマ溶液の温度を調節することによって容易に決定することができる。そのポリマが溶液中に留まる場合、安定温度は決定されたことになる。次いで、その溶液が分散媒体と一緒にされるまで、ポリマ溶液を、安定温度で保持することができる。
ポリマ溶液の温度の保持は、利用可能な任意の仕方で達成することができる。例えば、温度は、以下の:1)ポリマ溶液供給、注入管および注入点を安定温度で維持すること;2)熱用ブランケット(例えば、加熱ブランケット)を使用し;熱交換器(例えば、油浴、ドープタンク、加熱板など)を用いてポリマ溶液の温度を調節すること;3)制御ループおよび温度センサを備えた制御装置;4)熱交換器、の1つ以上を用いて調節し維持することができる。
分散媒体の温度は、ポリマ溶液と同様の方法で調節し維持することができる。分散媒体は、室温から、例えば30℃超〜分散媒体の沸点未満、例えば30℃〜150℃、特に30℃〜100℃または40℃〜80℃まで上昇させて調節された温度を有することができる。分散媒体の温度の制御は、ポリマ溶液が分散媒体と混合される場合、析出速度に対する制御をもたらすことができる。結果として、繊維の大きさを制御することができる。
分散媒体とポリマ溶液を一緒にして(例えば、ポリマ溶液を分散媒体に添加して)ポリマ分散体が形成されると、せん断応力がポリマ分散体に印加される。せん断応力は、最大で1,500パスカル(Pa)、例えば10Pa〜1,000Paまたは20〜500Paまたは30〜100Paであってよい。この工程は、所望のせん断応力、したがって所望の繊維の大きさを提供するのに十分なスピンニング速度で操作することができる。例えば、スピンニング速度は、時間当たり300g(g/hr)以上または7,000g/hr以上;例えば300〜100,000g/hr、特に2,000〜95,000g/hr、より特別には7,000〜80,000g/hrであってよい。
任意選択で、ポリマ分散体中でのポリマの析出速度は、その混合物の温度を制御し、その温度を徐々に室温の方へ調節することによって制御することができる。例えば、220℃超のTgを有するポリエーテルイミドのためには、ポリマ分散体は、析出速度を制御するために、30℃〜100℃の温度であってよい。
繊維が形成されたら、それらを、ポリマ分散体から分離し、任意選択で洗浄して(例えば逆溶媒を使用して)溶媒を除去し、次いで、例えばフィルタプレスを使用して濾過することができる。次いで、繊維を、例えば湿潤したまま収集し、湿式不織物形成へ送ることができる。あるいは、例えば出荷のために、繊維を乾燥し、収集することができる。任意選択で、溶媒を、その繊維から一部除去することができる(例えば、繊維を固化させるために、かつ、pHを制御するために)。
繊維の種類(例えば、複合材無機物/ポリマ繊維)に応じて、次いで、繊維を焼成および/または有機物除去プロセスにかけて、ナノ繊維から無機小線維(fibril)を放出させる(または解放する)ことができる。この方法で、無機小線維を最終製品として提供することができる。焼成は、焼成を行うように構成された任意の装置(加熱炉、キルン、流動床反応器等)中で実施することができる。焼成を行う温度および焼成の合計時間は、ポリマの種類および使用される無機化合物によることになり、一般に、それは、無機小線維を熱分解させることなく、ポリマフラクションを蒸発させるのに十分でなければならない。
複数のポリマ繊維のそれぞれは、10〜1,000,000、例えば100〜950,000または10〜50,000または10,000〜900,000の、直径に対する長さの比を有することができる。任意選択で、繊維は所望の長さに切断することができる。複数のポリマ繊維のそれぞれは、最大で6μm、例えば0.1〜5.5μm、特に0.3〜5μm、より特別には0.5〜5μm、さらには0.5〜1μm未満の平均直径を有することができる。本明細書で使用される繊維直径(例えば、平均直径)の分布は、130Xの最小倍率を用いたPhenom Pro Desktop、走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して試料を画像化することによって測定した。最少で4つの画像を繊維直径分析用に保持した。繊維直径分析ソフトウェア(例えば、Fibermetricソフトウェア)を、そのソフトウェアによりランダムに選択され、平均繊維直径および分布を決定するために使用する画像当たり少なくとも20個の測定点で試料の画像を測定するために使用する。
生産された繊維は種々のプロセスで使用することができる。例えば、本プロセスは、複数の繊維を含む不織ウェブを生産するステップをさらに含むことができる。不織ウェブの生産は、キャリア基材(例えば、往復ベルト)、機能性基材、フィルム、不織ウェブ、巻きとった製品(good product)(例えば、フィルム、濾材、基材、セルロースベースの紙および巻きとった形態で販売されている他の製品)および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せの上に複数の繊維を固着させるステップを含むことができる。本プロセスは、固着ステップの前に、複数のポリマ繊維を固化させるステップをさらに含むことができる。言い換えれば、その繊維を、それらが互いに接触しているところで一緒に結合させて、より強い不織ウェブを形成することができる。不織ウェブは一体化されていなくてもよい。本プロセスは、不織ウェブを一体化させるステップをさらに含むことができる。本プロセスは、圧力および温度のもとで、不織ウェブを一体化させるステップをさらに含むことができる。
本プロセスは、複数のポリマ繊維を含む不織ウェブを生産するステップをさらに含むことができる。不織ウェブは、最大で1,000ミリメートル(mm)またはそれ超、例えば125mm〜1,000mmまたは130〜900mmまたは150〜800mmの幅を有することができる。任意選択で、不織ウェブは、少なくとも150mmの幅を有することができる。
本プロセスは、繊維をエンタングリングさせるステップをさらに含むことができる。エンタングリングは、ニードルパンチングおよび流体ハイドロエンタングルメントのうちの少なくとも1つであってよい。
任意選択で、繊維を、例えば熱結合および化学結合のうちの少なくとも1つによって、隣接繊維と結合させる、または隣接繊維と部分的に結合させることができる。熱結合のためには、例えば、高温カレンダリング、加熱プレスなどを使用することができる。化学結合のためには、結合剤樹脂を使用することができる。
繊維がポリマ分散体から分離されたら、残りの混合物をさらに処理することができる。例えば、その混合物を処理して、溶媒と逆溶媒を分離することができる。可能性のある分離装置には、蒸留塔、分離膜および分子篩(モレキュラシーブ)が含まれる。ストリームが分離されたら、それらを適切に再循環させることができる。ストリーム、特に溶媒ストリームを再循環させる能力を容易にするために、溶媒と逆溶媒を、さらに、それらを容易に分離できるように選択することができる。例えば、以下の:(i)NMPおよび水、(ii)エチルアルコール、水およびグリセロールは、使用できる溶媒と逆溶媒の組合せである。溶媒としてのNMPと逆溶媒としてのグリセロールの組合せは、繊維の生産において効果的である可能性があるが、分離するのが困難であり、したがって、あまり望ましくないことに留意すべきである。
不織ウェブは、ポリビニルピロリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリエチレンオキシド、アガロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸グリコール酸(polylactic glycolic acid)、ナイロン6、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸、ポリブチレンテレフタレートおよび上記のうちの少なくとも1つを含む組合せなどの別の材料を含むことができる。他の材料の量は、その繊維および他の材料の全重量に対して、15wt%未満、例えば10wt%未満、特に0.1〜9wt%、より特別には0.5〜5wt%であってよい。いくつかの実施形態では、本プロセスは、検出可能な任意の量のポリビニルピロリジン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレンオキシド、アガロース、ポリフッ化ビニリデン、ポリ乳酸グリコール酸、ナイロン6、ポリカプロラクトン、ポリ乳酸およびポリブチレンテレフタレートを排除することができる。ここで、検出は、2014年10月現在で利用可能な検出技術に基づくものとする。
この製品、すなわち繊維は、湿式不織物および紙(例えば、電気絶縁紙)、医療用移植片、フィルタ(例えば、超精密フィルタ、人工肺(oxygenator)フィルタ、静脈内(IV)フィルタ、診断検査用フィルタおよび血液/アフェレーシスフィルタ)、膜、病衣、ハニカム構造物および個人用衛生用品、および透析器などの様々な物品を生産するために使用できる。この製品は、紡錘フィラメントおよび少なくとも1つの他の繊維を含む複合材不織製品であってよい。この製品は、巻きとったシート製品に接着された複合材不織製品であってよい。この製品は、シートまたはフィルムのうちの少なくとも1つに接着された複合材不織製品であってよい。
図1は、Velevらの米国特許公開第2013/0012598号に記載されているようなせん断スピニングシステム100の例の概略図である。繊維を加工するために使用できるシステム100は、ある体積の分散媒体を収容し、ポリマ溶液を受け入れるための、それ自体の周りに配置された加熱または冷却用ジャケットを有し得る容器104(例えば、外円筒)、その容器104から延在する構造体108(例えば、内円筒)、および加熱して所要のポリマ安定温度を提供することができる、ポリマ溶液を分散媒体に供給するための分注デバイス112を含む。容器104と構造体108は、それらの間に分散媒体のための体積を形成するように同心円状に配置することができ、この構造体108は容器104を通って延在している。容器104と構造体108の間に相対的運動を生み出して、せん断をもたらすことができる。この運動は、矢印で表されるように、分散媒体が所望の角速度で動くようにし、外円筒中に収容された成分にせん断応力を付与する。例として、図1は、ポリマ溶液が、液滴116として外円筒104中に分注され、ポリマ溶液の分散相成分120は分散媒体中でせん断が印加され、これが、以下で説明するように、ポリマ溶媒が、分散相成分120から分散媒体中へ拡散してくるようにすることを例示している。
せん断応力は、分散媒体(すなわち、せん断媒体)の粘度、せん断速度(例えば、回転速度)、および外円筒と内円筒の間の隙間の大きさなどの1つ以上の、せん断応力をそれに応じて制御する変数を変化させることによって調節することができる。せん断応力を制御することによって、最終直径を制御することができる。
さらに他の実行形態では、正端子136および負端子138によって概略的に示されているようにして、外円筒104と内円筒108の間に電位を印加することによって、半径方向に電場を施すことができる。あるいは、装置100を、軸方向に電場を施すように構成させることができる。繊維形成の動力学に応じて、極性の側基鎖を含む繊維を、恒久的に静電的に分極させることができる。これによって、異方性表面特性を示す繊維を形成することができる。異方性バルク構造を有する繊維を作り出すポリマの内側に物品を動かすこともできる。形成される繊維の特性を改変するために、せん断形成過程の間に施すことができる他の種類の場には、磁場、光照射野(light field)または熱的勾配が含まれる。
いくつかの実行形態において、1つ以上のバッフルを、円筒104、108に対して垂直に配置することができ、各バッフルは、内円筒104が、例えば環状のバッフル140を通るのにちょうどの大きさの中央開口部を有することができる。そうしたデバイスを、バッフル140のすぐ上のレベルまで液体で満たした場合、空気は入ってこないで、流れはより安定になる。流れを安定化させるために報告されている追加的な戦略を用いることもできる。
図2は、連続プロセスで繊維を加工するために使用できる連続式せん断流動システム1000の例の概略図である。この装置1000は一般に、せん断流動導管1004(反応管とも称される)、繊維前駆体溶液入口1008および熱的ジャケット1052を含む。せん断流動導管1004は、その中に分散媒体が、矢印1014で示されるように流れ込む入口1012、および分散媒体中で運ばれている繊維が、矢印1018で示されるようにそこから排出される出口1016を含む。溶液入口1008は、繊維前駆体溶液のストリーム1022をせん断流動導管1004中に、したがって流動分散媒体中に導入するのに適した任意の構造であってよく、例えば、それを通して導管(例えば、第2の導管(または側部導管)1026)を延ばすことができるせん断流動導管1004の壁を通る開口部であってよい。第2の導管1026は、その中にポリマ溶液が供給源1050から流れ込む入口1028と、それからポリマ溶液がせん断流動導管1004の内側に排出される出口(またはチップ)1032を有している。ポリマ供給源1050は、ポリマ溶液の温度を調節するための熱制御を含む。第2の導管1026は、繊維前駆体溶液をせん断流動導管1004中に流し込むためのポンプまたは他の技術の一部である導管を表すことができる。
出口1032は、せん断流動導管1004の壁の開口部でフラッシュさせることができ、あるいは、その出口1032がせん断流動導管1004の内側のある距離に位置するように、開口部を通して延在させることができる。例示した例において、第2の導管1026は、せん断流動導管1004に対して直角に方向付けられるが、他の実行形態では、一般に、せん断流動導管1004に対して任意の角度に方向付けることができる。図3は、複数のポリマ溶液導管(1026)を含む連続式せん断流動システム1000を例示する。ここで、それらの導管は、せん断流動導管1004(反応管としても公知である)の長手に沿って軸方向に互いに間隔をおいて例示されており、複数の注入点および熱的加熱ジャケット1052を可能にしている。任意選択で、異なる導管1026は、同じかまたは異なるポリマ溶液を分散媒体中に注入することができる。ポリマ供給源1050は、ポリマ溶液の温度を調節するための熱制御を含む。例えば、2つの異なる種類の繊維の混合物を有することが望ましい場合、導管のいくつかは、所望の繊維組成物の一方を含む第1のポリマ溶液を導入することができ、その他の導管は、所望の繊維組成物の他方を含む第2の(異なる)ポリマ溶液を導入することができる。
典型的な実行形態において、せん断流動導管1004の横断面の流れ領域(すなわち、その中心軸に対して直角の面内のせん断流動導管1004の内部横断面)は、多角形(例えば、レクティリニア、台形等)、環状または楕円形であってよく、楕円形は、円形(これはゼロの偏心度を有する楕円である)を含む。
せん断流動導管1004(すなわち、反応管)の長さの、その流れ領域の特徴的寸法に対する比は、10〜600またはそれ超の範囲であってよい。
必要な反応管長は、ポリマが管内で十分に繊維化するのに必要な滞留時間がもとになる。せん断応力および出発ポリマ溶液粘度で、そのせん断応力の印加がその繊維をさらに5%以下しか長くしないときに、そのポリマは十分に繊維化されている。十分に繊維化されたら、繊維は伸びが0%であることが望ましい。そうした所要管長は、非常に短い滞留時間要件を有するシステムについて非常に短い、例えば0.2〜0.5mであってよい、または、比較的長い滞留時間要件を有するシステムについて2.5m以上または3m以上または4m以上、さらには最大で200mの範囲であってよい。
理論に拘泥するわけではないが、反応管中でその繊維を十分に繊維化させることは、繊維の品質を増進させることになると考えられる。ポリマが十分に繊維化されていない場合、それは、もつれ、他の繊維にくっついてバンドルを形成する可能性がある。このため、得られる繊維の品質は、試料中に多くの繊維バンドルが存在する標準以下のものとなる可能性がある。繊維バンドルを除去して、個々の繊維の生成を可能にすることが望ましい。十分に繊維化されたポリマは、部分的にしか繊維化されていないポリマと比較して、バンドリングを減少させ、さらにはバンドリングを無くすことになる。他方で、所要滞留時間が決定されたら、管内でポリマが十分に繊維化されるのに要するのを超える不必要な管長は回避され得る。当業者は容易に理解されるように、所要滞留時間は、そのポリマが十分に繊維化されているかどうかに基づいて管長を調節する(例えば、ポリマが十分に繊維化していない場合、管長を増大させる)ことによって実験的に容易に決定することができる。
操作において、分散媒体の定常流れまたはパルス流れが、せん断流動導管1004を通して確立される。せん断流動導管1004の横断面が円形である図2に具体的に例示した実行形態について、せん断流動導管1004を通る定常流れは、ポアズイユ流れとして特徴付けられる。せん断流動導管1004を通る流れは、以下の通り
(式中、DHは、せん断流動導管1004の水力直径(メートル(m))(円形導管の場合の内径)であり、Qは体積流量(1秒当たりの立方メートル(m3/s))であり、Aは、せん断流動導管1004の横断面の面積(平方メートル(m2))であり、νは液体の平均速度(1秒当たりのメートル(m/s))であり、μは液体の動的粘度(dynamic viscosity)(パスカル秒(Pa*s)またはメートル秒当たりのキログラム(kg/(m*s)))であり、ρは液体の密度(1立方メートル当たりのキログラム(kg/m3))であり、υ=μ/ρは液体の動粘度(kinetic viscosity)(1秒当たりの平方メートル(m2/s))である)定義される無次元のレイノルズ数によって特徴付けられる。一般に、レイノルズ数が2,040未満である場合、円形横断面の導管を通る液体の流れは層流と考えられる。本明細書で例示される種々の実行形態において、せん断流動導管1004を通る流れを特徴付けるレイノルズ数は、層流形態(regime)の範囲内であり得る。層流は、速度νおよび分散媒体の印加されたせん断応力τの半径方向位置依存性プロファイルを概略図で例示する図2の例で表される。速度はせん断流動導管1004の内壁で最小であり、中心軸で最大であるが、せん断応力は内壁で最大であり、中心軸で最小である。他の実行形態では、せん断流動導管1004を通る流れは一般に層流であるが、せん断流動導管1004での1つ以上の位置において局所的な乱流を示すことがある。他の実行形態では、その流れは、純粋な層流と純粋な乱流の間の過渡的な形態内であり得る、または、流れは、さらにかなり乱流であり得る。
(式中、DHは、せん断流動導管1004の水力直径(メートル(m))(円形導管の場合の内径)であり、Qは体積流量(1秒当たりの立方メートル(m3/s))であり、Aは、せん断流動導管1004の横断面の面積(平方メートル(m2))であり、νは液体の平均速度(1秒当たりのメートル(m/s))であり、μは液体の動的粘度(dynamic viscosity)(パスカル秒(Pa*s)またはメートル秒当たりのキログラム(kg/(m*s)))であり、ρは液体の密度(1立方メートル当たりのキログラム(kg/m3))であり、υ=μ/ρは液体の動粘度(kinetic viscosity)(1秒当たりの平方メートル(m2/s))である)定義される無次元のレイノルズ数によって特徴付けられる。一般に、レイノルズ数が2,040未満である場合、円形横断面の導管を通る液体の流れは層流と考えられる。本明細書で例示される種々の実行形態において、せん断流動導管1004を通る流れを特徴付けるレイノルズ数は、層流形態(regime)の範囲内であり得る。層流は、速度νおよび分散媒体の印加されたせん断応力τの半径方向位置依存性プロファイルを概略図で例示する図2の例で表される。速度はせん断流動導管1004の内壁で最小であり、中心軸で最大であるが、せん断応力は内壁で最大であり、中心軸で最小である。他の実行形態では、せん断流動導管1004を通る流れは一般に層流であるが、せん断流動導管1004での1つ以上の位置において局所的な乱流を示すことがある。他の実行形態では、その流れは、純粋な層流と純粋な乱流の間の過渡的な形態内であり得る、または、流れは、さらにかなり乱流であり得る。
任意選択で、分散媒体を供給するために使用されるポンプは、高いせん断応力(例えば、200Pa超)を達成するように構成することができる。せん断流動導管1004の固定した寸法と選択された分散媒体の粘度の所与のセットについて、他の流れパラメータを、具体的な生産工程に必要なように設定または調節することができる。例えば、せん断流動導管1004を通る分散媒体の体積流量は、1秒当たり数ミリリットル(mL/sec)〜1分当たり数10リットル(L/min)またはそれ超の範囲であってよい。別の例では、その流量は、30mL/secからそれ超の範囲であってよい。別の例では、その流量は、35〜75L/minの範囲であってよい。1つの非限定的な例では、せん断流動導管1004の入口1012での分散媒体の圧力は、平方インチ当たり0〜125ポンドゲージ圧(psig)またはそれ超であってよい。
分散媒体の流れが確立されたら、第2の導管1026または他の種類の溶液入口1008を介して、ポリマ溶液が、連続ストリームとして流動する分散媒体中に注入される。例えば、ポリマ溶液を、ギアポンプなどで、圧力下で注入することができる。1つの非限定的な例として、せん断流動導管1004中に導入されるときのポリマ溶液の体積流量は、数mL/min〜数L/minまたはそれ超の範囲であってよい。例えば、流量は、5mL/min以上、例えば1〜5L/minまたはそれ超であってよい。溶液入口1008でのポリマ溶液の圧力は0〜125psig以上であってよい。
図2は、第2の導管1026の出口1032付近での繊維前駆体溶液の分散相成分1042を概略図で表している。繊維前駆体溶液は、すでに複数のポリマ成分1042になっている形態で、または、分散媒体で混合されると破壊されてポリマ成分1042になる連続相として、分散媒体中に注入することができる。図2は、ポリマ成分が1044でせん断のもとで変形し、砕けてより小さいポリマ成分1046になり、これが、長くなり、硬くなって不溶性繊維1048になることも概略図で表している。
ポリマ溶液は、連続ベースで、または間隔をおいて(例えば、所望期間のパルスで)、分散媒体中に流れ込ませることができる。分散媒体の流量および/またはポリマ溶液の流量(注入速度)は一定(または実質的に一定)であっても、また、所望のプロファイル(例えば、傾斜状、正弦曲線状、鋸歯状、矩形波状または階段状の流量)に応じて変化してもよい。いくつかの実行形態では、繊維直径に幅広いバリエーションを意図的にもたらすために、ポリマ溶液の速度可変の注入を実施することができ、これは、特定の用途では望ましい可能性がある。分散媒体の流量(すなわちせん断速度)がより大きくなるか、またはポリマ溶液の注入速度がより低くなると、より小さい直径の繊維をもたらすことができる。任意選択で、ポリマ溶液を、予め作製された液滴分散液の形態で、そのせん断媒体と混和性の適切な中間媒体中へ注入することができる。
最終直径は制御することができ、望むなら、その繊維の多分散性を、印加するせん断応力を制御(または調節)することによって低下させることができる。連続プロセスにおいて、せん断応力は、分散媒体の流量および/または粘度を変えるなどのいくつかのやり方で制御することができる。分散媒体の粘度は、例えば、その温度の変更、添加剤(粘度調整剤など)の添加、または異なる組成を有する分散媒体への切り替えによって、リアルタイムで変えることができる。せん断応力は、せん断流動導管1004を、異なる幾何形状を有する別の導管で置き換えることによって制御することもできる。ポリマ溶液の温度を調節することもできる。
連続プロセスは同様に変更または改変することができる。例えば、連続プロセスを、繊維前駆体溶液中への選択された粒子の取り込みによって、複合材料繊維を生産するために使用することができる。別の例として、連続プロセスを、繊維前駆体溶液中への選択された無機前駆体材料の取り込みによって、複合材料繊維を生産するために使用することができる。回分プロセスの場合と同様に、分散相成分(ポリマ溶液と無機前駆体の混合物からなる)のフィラメントがせん断誘発により伸びると、形成されたばかりの繊維からポリマ溶媒が拡散するので、ポリマと無機前駆体の間に相分離が起こり、不溶性複合材料繊維の形成がもたらされる。やはり回分の場合と同様に、望むなら、上記したような適切なポリマ除去技術(例えば、焼成、化学処理、熱酸化、溶解、酵素分解等)を実施することによって、純粋な無機小線維を、複合材料繊維から放出させることができる。様々な添加剤および無機前駆体の例は、本開示において上述されている。
繊維が加工されると、それらを、せん断流動導管1004の出口1016から適切な任意の送り先に移し、適切な任意の後加工処理ステップにかけることができる。
上述したように、第2の導管1026の出口1032が、せん断流動導管1004の中心軸から所望の半径方向距離に配置されるように、溶液入口1008に付随する第2の導管1026をせん断流動導管1004中に延ばすことができる。所与のセットの他の操作パラメータ(例えば、ポリマ溶液および分散媒体の組成、せん断流動速度、注入速度、粘度、印加されるせん断応力等)を考慮して繊維生産が最適化されるように、第2の導管1026の出口1032の位置を選択することができる。任意選択で、第2の導管1026を、矢印で表されているように(図3を参照されたい)、せん断流動導管1004に対して移動させることができる。すなわち、せん断流動導管1004の中心軸に対する第2の導管1026の出口1032の位置を調節することができる。
図2および図3において、第2の導管1026の出口1032は、ポリマ溶液が分散媒体の流れの方向に対して直角の方向、すなわち直交流方向に注入されるように方向付けられる。任意選択で、ポリマ溶液は、分散媒体の流れと同じ方向、すなわち並流(co-flow)方向に注入される。図9で例示されるように、代替的に、ポリマ溶液を、ポリマ溶液の分散相成分が注入点から離れてせん断にかけられるように、分散媒体の流れに対向する方向、すなわち向流方向に注入することができる。図9でさらに例示されるように、注入点は、任意選択で、反応管1004の中心であってもよい。任意選択で、注入点は反応管の中心付近であってよく、例えば、注入点は、壁から、反応管の半径の90%〜100%のところである。注入点は、壁と反応管の中心の間にあってよい。
いくつかの実行形態では、せん断流動導管1004の幾何形状を、その長さに沿って(一般に注入点から下流方向)、1つ以上のポイントで変更して、1つ以上のプロセスパラメータを改善することができる。例えば、せん断流動導管1004の初期幾何形状を、せん断流動導管1004の横断面の流れ領域が1つまたは両方の寸法で減少する、より縮められた幾何形状へ移行させることができる。幾何形状の改変がどのようになされるかに応じて、それは、より強力でかつ/またはより均一なせん断応力が繊維前駆体溶液に印加される結果となり、次いで、より小さい、かつ/またはより均一な直径の繊維をもたらすことができる。
図4において、せん断流動導管1004は、その横断面の流れ領域の寸法の一方が、ポリマ溶液注入領域の下流で他方の寸法に対して変化するように構成される。具体的に示した例において、せん断流動導管1004は、楕円形(示した例では円形)の横断面の流れ領域を有する第1の部分1604、続く過渡的部分1606、続くスロット状の横断面の流れ領域を有する第2の部分1608を含む。横断面の流れ領域をx軸とy軸によって規定すると、スロット状の第2の部分1608への移行部は、x軸寸法の大幅な減少によって特徴付けられる。
代替的な実行形態では、繊維が形成されている間でのせん断応力の増大を提供することができる。一例として、繊維前駆体溶液を、同心状の錐体(cone)間の隙間を通して流すことができる。少なくとも1つの錐体を、コロイドミルに類似した仕方で、他方の錐体に対して回転させることができる。別の例として、繊維前駆体溶液を、ボールスプリングまたは他の種類の高圧または高せん断バルブを備えたホモジナイジング装置を通して流すことができる。
連続プロセスの1つの非限定的な例として、高圧連続式せん断流動装置を、図2に例示したのと同じようにして構成させた。せん断流動導管は、4フィートの長さおよび4mmの内径を有し、熱的ジャケットを有する直線長さおよび円形横断面を備えた加熱ステンレス鋼管であった。粘性分散媒体を供給するために、ポンプを、せん断流動導管の入口とつないで配置した。使用したポンプは、三シリンダ容積移送式ポンプ(triplex positive displacement pump)(CAT Pumps、Minneapolis、Minn.、モデル番号2SF20ES)およびダイヤフラムポンプ(例えば、ステンレス空気ダイヤフラムポンプ)を含む。任意選択で、分散媒体は加熱することができる(例えば、フラスコ中で加熱し、次いで暖かいままポンプ輸送する)。入口を、せん断流動導管の壁を通して形成させた。ポリマ溶液をポンプ輸送するために、ポンプを、小さい入口とつないで配置した。使用したポンプは、シリンジ型ポンプ(New Era Pump Systems Inc.、Farmingdale、N.Y.、モデル番号NE−1000)およびギアポンプを含む。
本発明を、以下の例示的な実施例においてさらに説明する。ここで、別段指示されていない限り、すべての部およびパーセンテージは重量によるものとする。
<実施例1>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%のポリエーテルイミド(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水を含む流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、160℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、55℃に加熱され、4ガロン/分(gal/min)の流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、0.8mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維を形成させ、次いで収集し、得られた繊維は、1〜25μmの直径を有していた。図5は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%のポリエーテルイミド(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水を含む流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、160℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、55℃に加熱され、4ガロン/分(gal/min)の流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、0.8mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維を形成させ、次いで収集し、得られた繊維は、1〜25μmの直径を有していた。図5は、形成された繊維を例示する。
<実施例2>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%のポリエーテルイミド(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水を含む流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、160℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、60℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20ml/minの流量で注入した。分散媒体は、4.57mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、0.8mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し、得られた繊維は、1〜25μmの直径を有していた。図6は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%のポリエーテルイミド(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水を含む流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、160℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、60℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20ml/minの流量で注入した。分散媒体は、4.57mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、0.8mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し、得られた繊維は、1〜25μmの直径を有していた。図6は、形成された繊維を例示する。
<実施例3>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)を含む溶液を、約2cPの粘度を有する、95.5wt%のNMPおよび4.5wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、20℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、6mmの直径を有していた。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)を含む溶液を、約2cPの粘度を有する、95.5wt%のNMPおよび4.5wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、20℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、6mmの直径を有していた。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。
<実施例4>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5011K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、125℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、20℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、6mmの直径を有していた。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5011K)の溶液を、約2cPの粘度を有する、94.5wt%のNMPおよび5.5wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、125℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、20℃に加熱され、4gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、100ml/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および1mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、6mmの直径を有していた。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。
<実施例5>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した12wt%(ULTEM(商標)CRS5011K)の溶液を、30wt%のNMP、49wt%のグリセロール、14wt%のエチルアルコールおよび7wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を室温で(25℃)で保持し、続いて、やはり室温であった分散媒体中に注入した。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。図7は試料の形態を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した12wt%(ULTEM(商標)CRS5011K)の溶液を、30wt%のNMP、49wt%のグリセロール、14wt%のエチルアルコールおよび7wt%の水の流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を室温で(25℃)で保持し、続いて、やはり室温であった分散媒体中に注入した。ポリマ溶液を注入しても、繊維は形成されなかった。図7は試料の形態を例示する。
<実施例6>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した28wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.7wt%の水、12.5wt%、ポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および79.8wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、50℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、1.15μmの平均直径および400nmの標準偏差を有していた。図10は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した28wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.7wt%の水、12.5wt%、ポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および79.8wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、50℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、1.15μmの平均直径および400nmの標準偏差を有していた。図10は、形成された繊維を例示する。
<実施例7>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.4wt%の水、12.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および80.1wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、45℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、930nmの平均直径および329nmの標準偏差を有していた。図11は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した22wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.4wt%の水、12.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および80.1wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、45℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、930nmの平均直径および329nmの標準偏差を有していた。図11は、形成された繊維を例示する。
<実施例8>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した26wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.7wt%の水、12.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および79.8wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、50℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、1.11μmの平均直径および405nmの標準偏差を有していた。図12は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した26wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約25cPの粘度を有する、7.7wt%の水、12.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−30および79.8wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、50℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、1.11μmの平均直径および405nmの標準偏差を有していた。図12は、形成された繊維を例示する。
<実施例9>
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した18wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約60cPの粘度を有する、8.2wt%の水、3.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−90および88.3wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、40℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、3.0μmの平均直径および1.2μmの標準偏差を有していた。図13は、形成された繊維を例示する。
n−メチルピロリドン(NMP)に溶解した18wt%(ULTEM(商標)CRS5001K)の溶液を、25℃で約60cPの粘度を有する、8.2wt%の水、3.5wt%のポリビニルピロリドン(PVP)グレードK−90および88.3wt%のNMPの流動分散媒体ストリーム中に注入した。ポリマ溶液を、180℃の温度で貯蔵タンク中に保持し、続いて、40℃に加熱され、4.5gal/minの流量で注入点を通って流れている分散媒体中に、20g/minの流量で注入した。分散媒体は、9.53mmの直径および2.5mの長さを有する反応管を流れていた。その注入点は反応管の始まり部に位置しており、1.194mmの直径を有していた。ポリマ溶液の注入後、繊維が形成され、次いで収集し;得られた繊維は、3.0μmの平均直径および1.2μmの標準偏差を有していた。図13は、形成された繊維を例示する。
上述したように、本発明のプロセスは、独特の繊維を形成するために使用することができる。本プロセスは、室温での溶液中で化学的に不安定である(25℃で10g/L未満の溶解度;言い換えれば、そのポリマを溶液で保持するのに高温(30℃超)が必要となる)ポリマからの不連続な繊維の生産を可能にする。例えば、本プロセスで生産された繊維は連続したものではなく、これは、湿式不織物に有益である。これまで、化学的耐性のあるPEI繊維は連続したフィラメントで生産されてきた。安定な不連続繊維は直接生産することができなかった(例えば、切断することなく)。したがって、本発明のプロセスは、室温(例えば、25℃)での溶液中で化学的に不安定な材料から、不連続な繊維を直接生産することができる。繊維の大きさをさらに変える、かつ/または所望の大きさの分布を得るためには、さらなる処理(例えば、切断)を実施することができるが、不織繊維を生産するために、切断を必要としなくてもよい。
本明細書で開示される方法および繊維のいくつかの実施形態を以下に示す。
実施形態1:繊維を作製する方法であって:逆溶媒を含む分散媒体を、反応管を通して流すステップと;ポリマ(第1のポリマとも称される)および溶媒を含むポリマ溶液の温度を調節して、安定なポリマ溶液を形成するステップと;第1のポリマおよび溶媒を含む安定なポリマ溶液を分散媒体中に導入して、ポリマ分散体を形成するステップと;反応管を通して分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して、10μm以下の平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;を含む方法。
実施形態2:実施形態1の方法であって、分散媒体の温度を調節するステップをさらに含む、方法。
実施形態3:前記実施形態のいずれかの方法であって、分散媒体の温度を、30℃以上(≧)に調節する、好ましくは≧40℃に調節する、または好ましくは≧50℃に調節する、または好ましくは≦20℃に調節する、方法。
実施形態4:前記実施形態のいずれかの方法であって、ポリマ溶液の温度を、≧20℃に調節する、好ましくは≧30℃に調節する、または好ましくは≧80℃に調節する、または好ましくは≧100℃に調節する、または好ましくは≧150℃に調節する、方法。
実施形態5:前記実施形態のいずれかの方法であって、逆溶媒が、水、メタノール、アセトン、トルエン、エチルアルコール、プロピルグリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンのうちの少なくとも1つを含み、好ましくは逆溶媒が水を含む、方法。
実施形態6:前記実施形態のいずれかの方法であって、ポリマが、220℃以上のTgを有し、ポリスチレン標準品を用いたGPCを使用して決定して40,000ダルトン超のMw(好ましくは≧60,000ダルトンのMw)を有するポリエーテルイミドを含み;溶媒がNMPを含み、分散媒体が2wt%〜10wt%の水および90wt%〜98wt%のNMPを含む、方法。
実施形態7:前記実施形態のいずれかの方法であって、ポリマが、室温で溶媒中に10g/L未満までの溶解度、好ましくは、室温で溶媒中に5g/L以下の溶解度、または、好ましくは、室温(例えば、25℃)で溶媒中に2g/L以下の溶解度を有する、方法。ポリマは、≧30℃の温度、好ましくは≧40℃の温度で溶媒中に15g/L超の溶解度を有することが好ましい。
実施形態8:前記実施形態のいずれかの方法であって、分散媒体が分散媒体粘度を有し、分散媒体粘度を増大させるステップをさらに含み、分散媒体粘度を以下の:粒子を添加すること;分散媒体中に塩を溶解させること;分散媒体の温度を低下させること;分散媒体中にアルギン酸ナトリウムを溶解させること;および分散媒体中に第2のポリマを溶解させること;のうちの少なくとも1つを用いて増大させる、方法。
実施形態9:繊維を作製する方法であって、逆溶媒を含む分散媒体の分散媒体粘度を増大させるステップであって、分散媒体粘度を、以下の:粒子を分散媒体に添加すること;分散媒体中に塩を溶解させること;分散媒体の温度を低下させること;分散媒体中にアルギン酸ナトリウムを溶解させること;および分散媒体中に第2のポリマを溶解させることのうちの少なくとも1つを用いて増大させステップと;反応管を通して分散媒体を流すステップと;安定なポリマ溶液を分散媒体中に導入して、分散媒体およびポリマ溶液の複数のポリマ成分を含むポリマ分散体を形成するステップと;反応管を通して分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して、≦10μmの平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;を含む方法。
実施形態10:実施形態8〜9のいずれかの方法であって、分散媒体粘度を増大させるステップが、粒子を分散媒体に添加することを含み、粒子が、1μm未満の直径を有する粒子、好ましくは100nm以下の平均直径を有する粒子を含む、方法。
実施形態11:実施形態8〜10のいずれかの方法であって、分散媒体粘度を増大させるステップが、塩を分散媒体に溶解させるステップを含み、塩が、塩化リチウム塩、臭化リチウムまたは上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む、方法。
実施形態12:実施形態8〜11のいずれかの方法であって、分散媒体粘度を増大させるステップが、アルギン酸ナトリウムを分散媒体中に溶解させることを含む、方法。
実施形態13:実施形態8〜12のいずれかの方法であって、分散媒体粘度を増大させるステップが、第2のポリマを分散媒体中に溶解させることを含み、第2のポリマがポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)、ポリビニルアルコール(PVA)および上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含み;好ましくはそのポリマがPVPを含む、方法。
実施形態14:前記実施形態のいずれかの方法であって、第2のポリマを分散媒体に溶解させるステップが、第2のポリマ溶液を形成させ、第2のポリマ溶液を分散媒体に導入することをさらに含み、第2のポリマが第1のポリマとは異なった材料である、方法。
実施形態15:前記実施形態のいずれかの方法であって、第1のポリマが、PEN、PEI、PPE、ポリアミック酸、PEEKまたは上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含む、方法。
実施形態16:前記実施形態のいずれかの方法であって、せん断の印加を、第1のポリマが十分に繊維化するまで続行する、方法。
実施形態17:前記実施形態のいずれかの方法であって、ポリマ溶液を導入するステップが、そのポリマ溶液を、分散媒体の流れを含む反応管中に注入することを含み、注入が、管壁から反応管の半径の90%〜100%のところであり、好ましくは、注入が反応管の中心においてである、方法。
実施形態18:実施形態17の方法であって、ポリマ溶液を、分散媒体の流れ方向に対して向流方向に注入するステップをさらに含む、方法。
実施形態19:前記実施形態のいずれかの方法であって、第3のポリマを分散媒体に溶解させるステップをさらに含み、溶解したポリマが分散媒体の粘度に影響を及ぼす、方法。第3のポリマは、第1のポリマおよび第2のポリマとは異なった材料であってよい。第3のポリマは、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリエチレングリコール(PEG)およびポリビニルアルコール(PVA)のうちの少なくとも1つであってよく、好ましくはその第3のポリマはPVPである。第3のポリマは、第2のポリマと同じ材料であってよいが、異なったMwを有するものとすることができる。
実施形態20:実施形態19の方法であって、第3のポリマが、Waters Laboratory Analyticsによるウルトラハイドロゲル・リニアカラムを使用してSEC(サイズ排除クロマトグラフィ)で測定して、4,000〜3,000,000g/mol、好ましくは40,000〜1,700,000g/mol、および/または好ましくは40,000〜80,000g/molのMwを有する、方法。使用する溶離液は、1,000,000までのMwについて、ポリアクリレート標準品をもとにした、0.1M(モル)硝酸ナトリウムとアセトニトリルの80/20ミックスである。その数値は、低角度レーザ光散乱(LALLS)を使用してさらに決定する(resolve)ことができる。
実施形態21:実施形態19〜20のいずれかの方法であって、第3のポリマがPVP、PEGおよびPVAのうちの少なくとも1つを含み、好ましくは、第3のポリマがPVPである、より好ましくは、第3のポリマがPVPである、方法。
実施形態22:実施形態21の方法であって、第3のポリマが、1,000,000〜1,700,000g/mol、390,000〜470、000g/molおよび40,000〜80,000g/molのMwのうちの少なくとも1つを有し、好ましくは第3のポリマが1,000,000〜1,700,000g/molのMwを有する、または好ましくは第3のポリマが40,000〜80,000g/molのMwを有する、方法。Mwは、Waters Laboratory Analyticsによるウルトラハイドロゲル・リニアカラムを使用して、SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)で測定した。使用した溶離液は、1,000,000までのMwについて、ポリアクリレート標準品をもとにした、0.1M(モル)硝酸ナトリウムとアセトニトリルの80/20ミックスである。その数値は、低角度レーザ光散乱(LALLS)を使用してさらに決定することができる。
実施形態23:前記実施形態のいずれかの方法であって、分散媒体がキャリアをさらに含み、キャリアが、グリセリン、クレゾール、テトラクロロエタン、HFIP、メタ−クレゾール、ベラトロール、ODCB、NMP、クロロホルム、THF、DMF、DCM、NEP、NVP、2−Py、DMI、DMAc、DMSO、DPGMEのうちの少なくとも1つであり、好ましくは、キャリアがグリセリン、ODCB、THF、DCM、メタ−クレゾール、veratol、DEC、NMPおよびDCMのうちの少なくとも1つである、方法。
実施形態24:前記実施形態のいずれかの方法であって、第1のポリマが、室温で溶液中にある場合、化学的に不安定なポリマ(例えば、材料)である、方法。
実施形態25:前記実施形態のいずれかの方法であって、第1のポリマがポリエーテルイミドである、方法。
実施形態26:前記実施形態のいずれかの方法であって、溶媒が、NMP、NEP、NVP、2−Py、DMI、DMF、DMAc、DMSO、DPGMEおよびNMPのうちの少なくとも1つを含み、好ましくは溶媒がNMPを含む、方法。
実施形態27:前記実施形態のいずれかの方法であって、繊維が、反応管を出るとき不連続である、方法。
実施形態28:前記実施形態のいずれかの方法によって形成された複数の繊維。
実施形態29:実施形態28の繊維であって、1μm未満の平均直径、好ましくは200nm〜900nm、または好ましくは300nm〜700nmの平均直径を有する、繊維。
一般に、本発明は、代替的に、本明細書で開示する適切な任意の成分を含む、それからなる、またはそれから本質的になり得る。本発明は、追加的にまたは代替的に、従来技術の組成物において使用される、または本発明の機能および/または目的の達成に他に必要のない任意の成分、材料、構成成分、補助剤または種を、欠くように、またはそれらを実質的に含まないように処方することができる。
本明細書で開示されるすべての範囲はその端点を含み、その端点は、独立に、互いに組合せ可能である(例えば、「最大で25wt%、またはより特別には5wt%〜20wt%」の範囲はその端点、および「5wt%〜25wt%」等の範囲のすべての中間値を含む)。「組合せ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物などを含む。さらに、「第1(の)」、「第2(の)」などの用語は、本明細書では、順番、量または重要さを何ら表すものではなく、むしろ、1つの要素を、別の要素と区別して表すために使用されるものとする。「a」、「an」および「the」という用語は、本明細書では、量の限定を表すものではなく、本明細書で別段指示されていない限り、または文脈による明白な矛盾のない限り、単数と複数の両方を包含すると解釈されるべきである。本明細書で使用される接尾語「(s)」は、それが修飾する用語の単数形と複数形の両方を含み、それによって、その用語の1つ以上を含むものとする(例えば、フィルム(s)は、1つ以上のフィルムを含む)。本明細書を通して、「一実施形態(one embodiment)」、「別の実施形態(another embodiment)」、「1つの実施形態(an embodiment)」などへの参照は、その実施形態に関連して説明される特定の要素(例えば、特性、構造および/または特徴)が、本明細書で説明される少なくとも1つの実施形態に包含されることを意味し、それは、他の実施形態中に存在していてもいなくてもよい。さらに、その説明される要素は、種々の実施形態において適切な仕方で組み合わせることができることを理解されたい。本明細書で使用されるように、分散媒体は、逆溶媒を含み、任意選択でキャリアを含み、さらに任意選択で粘度調整剤を含む。
特定の実施形態を説明してきたが、現在予見されない、または予見することができない代替形態、改変形態、変更形態、改善形態および実質的な均等形態が、出願者、または他の当業者に想起され得よう。したがって、出願され、補正され得る添付の特許請求の範囲は、そうしたすべての代替形態、改変形態、変更形態、改善形態および実質的な均等形態を包含するものとする。
引用したすべての特許、特許出願および他の文献を、それらの全体において本明細書に引用して援用する。しかし、本出願における用語が、組み込まれた文献における用語と矛盾または対立する場合、本出願による用語が、組み込まれた文献からの対立用語に対して優先されるものとする。例えば、米国特許公開第2013/0012598A1号を、それらの全体において本明細書に引用して援用する。
Claims (20)
- 繊維を作製する方法であって:
逆溶媒を含む分散媒体を、反応管を通して流すステップと;
第1のポリマおよび溶媒を含むポリマ溶液の温度を調節して、安定なポリマ溶液を形成するステップと;
前記安定なポリマ溶液を前記分散媒体中に導入して、分散媒体および前記ポリマ溶液の複数のポリマ成分を含むポリマ分散体を形成するステップと;
反応管を通して分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して、10μm以下の平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項1に記載の方法であって、前記分散媒体が分散媒体粘度を有し、前記分散媒体粘度を増大させるステップをさらに含み、前記分散媒体粘度を、以下の:粒子を添加すること;前記分散媒体中に塩を溶解させること;前記分散媒体の温度を低下させること;前記分散媒体中にアルギン酸ナトリウムを溶解させること;および前記分散媒体中に第2のポリマを溶解させること;のうちの少なくとも1つを用いて増大させることを特徴とする方法。
- 繊維を作製する方法であって:
逆溶媒を含む分散媒体の分散媒体粘度を増大させるステップであって、前記分散媒体粘度を、以下の:
粒子を前記分散媒体に添加すること;前記分散媒体中に塩を溶解させること;前記分散媒体の温度を低下させること;
前記分散媒体中にアルギン酸ナトリウムを溶解させること;および前記分散媒体に第2のポリマを溶解させること;
のうちの少なくとも1つを用いて増大させるステップと;
反応管を通して前記分散媒体を流すステップと;
第1のポリマおよび溶媒を含む安定なポリマ溶液を前記分散媒体に導入して、ポリマ分散体を形成するステップと;
前記反応管を通して前記分散系を流すことによって、分散相成分にせん断を印加して、10μm以下の平均直径を有する複数の繊維を形成するステップと;
を含むことを特徴とする方法。 - 請求項2〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記分散媒体粘度を増大させるステップが、粒子を前記分散媒体に添加することを含み、前記粒子が1μm未満の直径を有する粒子、好ましくは、200nm〜900nmの平均直径を有する粒子を含むことを特徴とする方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法であって、前記分散媒体の温度を調節するステップをさらに含み、前記分散媒体の温度を、30℃以上に調節する、または好ましくは40℃以上に調節する、または好ましくは50℃以上に調節する、または好ましくは20℃以下に調節することを特徴とする方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記ポリマ溶液の温度を20℃以下に調節する、または好ましくは30℃以上に調節する、または好ましくは80℃以上に調節する、または好ましくは100℃以上に調節する、または好ましくは150℃以上に調節することを特徴とする方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1のポリマがポリエーテルイミドを含み、
前記逆溶媒が、水、メタノール、アセトン、トルエン、エチルアルコール、プロピルグリコール、プロピレングリコールおよびグリセリンのうちの少なくとも1つを含み;
前記溶媒が、NMP、NEP、NVP、2−Py、DMI、DMF、DMAc、DMSO、DPGMEおよびNMPのうちの少なくとも1つを含み;好ましくは前記溶媒がNMPを含むことを特徴とする方法。 - 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1のポリマが、220℃以上のTgを有し、ポリスチレン標準品を用いたGPCを使用して決定して40,000ダルトン超のMwを有するポリエーテルイミドを含み;前記溶媒がNMPを含み、前記分散媒体が、2wt%〜10wt%の水および90wt%〜98wt%のNMPを含むことを特徴とする方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1のポリマが、室温で溶媒中に10g/L未満の溶解度、好ましくは、室温で溶媒中に5g/L以下の溶解度、より好ましくは、室温で溶媒中に2g/L以下の溶解度、より好ましくは30℃超の温度で溶媒中に15g/L超の溶解度を有することを特徴とする方法。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法であって、第2のポリマ溶液を前記分散媒体中に導入するステップをさらに含み、前記第2のポリマ溶液が、前記ポリマ溶液中の前記ポリマとは異なった材料である第2のポリマを含むことを特徴とする方法。
- 請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法であって、前記第1のポリマが、PEN、PEI、PPE、ポリアミック酸、PEEKまたは上記のうちの少なくとも1つを含む組合せを含むことを特徴とする方法。
- 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法であって、前記せん断の印加を、前記第1のポリマが十分に繊維化されるまで続行することを特徴とする方法。
- 請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法であって、前記ポリマ溶液を導入するステップが、前記ポリマ溶液を、前記分散媒体の流れを含む前記反応管に注入することを含み、前記注入が、管壁から前記反応管の半径の90%〜100%のところであり、好ましくは、前記注入が、前記反応管の中心においてであることを特徴とする方法。
- 請求項13に記載の方法であって、前記ポリマ溶液を、前記分散媒体の流れ方向に対して向流方向に注入するステップをさらに含むことを特徴とする方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法であって、前記分散媒体中に第3のポリマを溶解させるステップをさらに含み、前記第3のポリマが分散媒体の粘度に影響を及ぼすことを特徴とする方法。
- 請求項15に記載の方法であって、前記第3のポリマが、
Waters Laboratory Analyticsによるウルトラハイドロゲル・リニアカラムを使用して、1,000,000までのMwについて、ポリアクリレート標準品をもとにして、0.1M(モル)硝酸ナトリウムのアセトニトリルに対する80/20ミックスの溶離液を用いて、SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)で測定して、4,000〜3,000,000g/mol、好ましくは40,000〜1,700,000g/mol、より好ましくは40,000〜80,000g/molのMw;あるいは、
Waters Laboratory Analyticsによるウルトラハイドロゲル・リニアカラムを使用して、1,000,000までのMwについて、ポリアクリレート標準品をもとにして、0.1M(モル)硝酸ナトリウムのアセトニトリルに対する80/20ミックスの溶離液を用いて、SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)で測定して1,000,000〜1,700,000g/molのMw;
を有し、その数値が、低角度レーザ光散乱(LALLS)を使用してさらに決定され得ることを特徴とする方法。 - 請求項15〜16のいずれか1項に記載の方法であって、前記第3のポリマが、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよびポリビニルアルコールのうちの少なくとも1つであり、好ましくは前記第3のポリマがポリビニルピリジンを含むことを特徴とする方法。
- 請求項17に記載の方法であって、前記第3のポリマが、Waters Laboratory Analyticsによるウルトラハイドロゲル・リニアカラムを使用して、SEC(サイズ排除クロマトグラフィ)で測定して、1,000,000〜1,700,000g/molのMw、390,000〜470、000g/molのMwおよび40,000〜80,000g/molのMwのうちの少なくとも1つを有し、好ましくは前記第3のポリマが40,000〜80,000g/molのMwを有することを特徴とする方法。
- 請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法によって形成されることを特徴とする複数の繊維。
- 請求項19に記載の繊維であって、1μm未満の平均直径、好ましくは200nm〜900nm、または好ましくは300nm〜700nmの平均直径を有することを特徴とする繊維。
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