JP2017532115A - 膝関節用の拘束型プロテーゼ - Google Patents

Abstract

大腿骨コンポーネント（２）と脛骨コンポーネント（３）と中間コンポーネント（３０）とを含む膝関節用の拘束型プロテーゼ（１）であって、大腿骨コンポーネント（２）は膝関節に近接する大腿骨の端部に拘束されるのに適しており、脛骨コンポーネント（３）は膝関節に近接する脛骨の端部に拘束されるのに適しており、大腿骨コンポーネント（２）は脛骨コンポーネント（３）に接触してそれと関節結合するように適応され、中間コンポーネント（３０）は使用時に大腿骨コンポーネント（２）と脛骨コンポーネント（３）との間に配置され、拘束型プロテーゼ（１）は大腿骨コンポーネント（２）を脛骨コンポーネント（３）に回転自在に拘束するように適応された第１ヒンジ（３２ａ）と第２ヒンジ（３２ｂ）とを含む。

Description

本発明は、例えば感染症後に、膝関節プロテーゼの再置換のために利用できる拘束型プロテーゼに関する。この場合、本願発明の拘束型プロテーゼは、再置換型のプロテーゼである。

一般的に、膝関節は、大腿骨の遠位部に位置する１対の顆部によって形成される。顆部の下面は、顆部自体の下面に対応する形状の脛骨プラトーの対応面上に載置され、そこで摺動／転動する。

大腿骨および脛骨は次いで、関節に安定性を与える靭帯によって連結される。

関節プロテーゼ移植学（ｉｍｐｌａｎｔｏｌｏｇｙ）の分野では、そのような装置は様々な理由から、特に、プロテーゼ自体の移植後に生じる関節の局所的感染症のため、除去しなければならない場合があることが知られている。

この場合、最初のプロテーゼを除去した後、新しいプロテーゼの移植が可能になる前に、関節座を適切な抗生薬剤で治療する必要がある。

治療期間中に、組織の短縮化、関節の萎縮、および筋緊張の喪失を回避するために、新しいプロテーゼの移植に必要な関節空間を維持することが不可欠である。

この技術は、関節プロテーゼの「２ステップ移植」として知られている。

時々、第２の感染が生じることがあり、したがって、適切な治療期間後に、二回目に移植したプロテーゼも三度目のプロテーゼと置換しなければならない。

時々、膝関節が特に弱い場合、または外科手術上の必要性から除去される骨の量がかなり多い場合、拘束型装置を移植することが必要になる場合がある。

そのような拘束型装置は、ヒンジ構造によって相互に基幹的に連結される大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントを含む。

公知のタイプの拘束型プロテーゼは一般的に、使用時にプロテーゼ自体の脛骨コンポーネントに挿入されて係止される係止ピンが設けられたヒンジ構造を含む。

こうして脛骨コンポーネントに堅固に拘束されたヒンジコンポーネントは次いで、大腿骨コンポーネントに回転可能に連結される。

一般的に骨セメントから作られ、上述した機能を達成することのできる、膝用の一時的関節スペーサもすでに市場に存在する。

これらの中には、移植部位の大きさおよび形状にもよるが、それを作製する材料を適切に成形することによって、スペーサ自体の外科的移植中に直接外科医によって手動で得られるものもある。

予成形され、したがってすぐに移植することのできる、膝関節用のスペーサもまた市販されている。そのようなスペーサは一般的に、脛骨コンポーネントに位置する対応する表面に載置されその上で摺動または回転する、２つの関節顆を大腿骨コンポーネントに有する。

本発明の目的は、先行技術の状態を改善することである。

本発明のさらなる目的は、それ以前のプロテーゼの再置換術後における、膝関節用のいわゆる「再置換プロテーゼ」と呼ばれるような、最終的なプロテーゼを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、予成形された拘束型プロテーゼであって、同時に、感染した関節プロテーゼの除去後に切除された骨組織の量または治療される関節に存在する靭帯の弱さをも考慮して、それが移植される膝関節の実際の状態に適応可能である、拘束型プロテーゼを提供することである。

本発明のさらなる目的は、関節自体の高い可動性および安定性を確実にする拘束型プロテーゼを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、大腿骨コンポーネントを脛骨コンポーネントに、かつしたがって大腿骨を脛骨に関節状に機械的に拘束し、それらの回転並進関節運動を可能にする、拘束型プロテーゼを提供することである。

本発明のさらに別の目的は、装置自体の移植後の患者の良好な生活の質を確実にする拘束型プロテーゼを提供することである。

本発明の一態様では、添付の請求項１に記載する、膝関節用の拘束型プロテーゼを提供する。

本発明はさらに、添付の請求項１６に記載する、膝関節用の拘束型プロテーゼを組み立てる方法に関する。

従属請求項は、本発明の好適かつ有利な実施形態に関連する。

本発明のさらなる特徴および利点は、添付の図面に例示であって非限定的な実施例によって示される、膝関節用の拘束型プロテーゼの好適であるが制限されない、実施形態の詳細な説明から、より明確になるであろう。

本発明に係る拘束型プロテーゼの大腿骨コンポーネントの背面斜視図である。 本発明に係る拘束型プロテーゼの脛骨コンポーネントの背面斜視図である。 図２の脛骨コンポーネントの一部分の側面図である。 図２および図３の脛骨コンポーネントの一部分の背面図である。 本発明に係る組み立てられた拘束型プロテーゼの背面図である。 図５の拘束型プロテーゼの分解組立背面斜視図である。 図５の組み立てられた拘束型プロテーゼコンポーネントの側面図である。 大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントが第１角度配置に従って相互に関節結合された、本発明に係る組み立てられた拘束型プロテーゼの背面斜視図である。 大腿骨コンポーネントおよび脛骨コンポーネントが第２角度配置に従って相互に関節結合された、本発明に係る組み立てられた拘束型プロテーゼの背面斜視図である。 本発明に係る拘束型プロテーゼの一形態の分解組立図である。 それぞれの骨部（破線）に関連付けられた、本発明に係る拘束型プロテーゼの斜視図である。 本発明に係る拘束型プロテーゼの第１作動位置における側面斜視図である。 移植または組立ステップ中の本発明に係る拘束型プロテーゼの側面斜視図である。

公知の通り、膝関節の関節面は大腿骨顆部および関連脛骨支持ベースによって表わされる。

２つの顆部の下面から成る大腿骨の関節面は平滑かつＵ字状であり、それは、脛骨の近位骨端の上面である脛骨プラトーに関節結合される。

添付の図に関連して、１は一般的に膝関節用のプロテーゼを示す。

拘束型プロテーゼを使用する必要性は、治療される患者の靭帯が特に弱いこと、あるいは骨の切除が大きすぎることに由来しており、したがって、固有の安定性を有する拘束型プロテーゼを挿置する必要がある。

関節の脆弱性または適切な骨の支持の欠如の理由がすでに明らかである場合、本願発明に係る拘束型プロテーゼ１は、例えば1回目の移植物（インプラント）、あるいは2回目または3回目の移植物として、再置換後に挿入されるのに使用することができる。

そのような拘束型プロテーゼ１は大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３を含む。

大腿骨コンポーネント２は膝関節に近接して大腿骨の端部に拘束されるように適応される一方、脛骨コンポーネント３は膝関節で脛骨の端部に拘束されるように適応される。

本発明の一形態では、相互に拘束される大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３だけが存在するが、拘束型プロテーゼ１の目的の一つは、移植の複雑さを軽減することであるので、膝蓋骨コンポーネントは存在しない。その代わり、別の再置換においては、前記膝蓋骨コンポーネントが存在してもよい。

大腿骨コンポーネント２は、大腿骨の顆状関節面を大まかに複製する形状を含む。

特に、大腿骨コンポーネント２は、図７の組み立てられた状態の側面図および図１の組み立てられていない状態の斜視図に見られるように、人体の矢状面に平行な平面に沿って、骨座と接触する略凹状の内面４と脛骨コンポーネント３と接触するのに適した略凸状の外面５とを含む、略「Ｕ字状」断面を有する。

特に、大腿骨コンポーネント２は２つの顆状部１２、２２を含み、人体の矢状面に対して第１顆状部１２は外側に配置され、第２顆状部２２は内側に配置され、各々が膝の顆部と同様の形状を有する。

次に顆状部１２、２２は、人体の矢状面に平行な平面に沿って、骨座と接触する略凹状の内面４と脛骨コンポーネント３に嵌着しかつそれと接触するのに適した略凸状の外面５とを含む、略「Ｕ」字状断面を有する。

顆状部１２、２２は、使用時に本発明に係る拘束型プロテーゼ１の前側になる部分が相互に向かって収束し、かつ本発明の一形態では、結合して膝蓋骨と接触するのに適した膝蓋骨部分または表面６を形成し、あるいは解剖学的観点からそれが通常位置する領域に実質的に配置される。

本発明の代替的形態では、顆状部１２、２２は、使用時に本発明に係る拘束型プロテーゼ１の前側になる部分が相互に向かって収束するが、結合されず、分離されたままであり、２つの膝蓋骨部分または表面を形成する（図示せず）。

図７の側面図に見られるように、膝蓋骨部分または表面６は人体の前額面に略平行である。

したがって、そのような膝蓋骨部分または表面６の外面５は略平面である。

顆状部１２、２２は、使用時に本発明に係る拘束型プロテーゼ１の後側になる部分に、顆間空間１０によって相互に分離される第１および第２後側部分１２ａ、２２ａを含む。

大腿骨コンポーネント２は、内面４に位置する箱状要素１４を含む。

箱状要素１４は、２つの側壁１４ａ、１４ｂと、側壁１４ａおよび１４ｂをそれに連結し両者を結合する連結壁１４ｃとを有する。

箱状要素１４は、人体の前額面に平行な平面に沿って略逆「Ｕ」字状断面を有する。

側壁１４ａ、１４ｂと連結壁１４ｃとの間には座またはキャビティ１４０が含まれる。

側壁１４ａ、１４ｂの自由周縁は大腿骨コンポーネント２の内面４に接触し、かつそれに連結される。

特に、側壁１４ａ、１４ｂは、顆間空間１０を包囲するように、顆状部１２、２２の内周縁に配置される。

このようにして、箱状要素１４の座またはキャビティ１４０は顆間空間１０に対応する。

おそらく、連結部１４ｃの２つの自由側面の１つも、大腿骨コンポーネント４の内面４に接触し、かつ／またはそれに連結されてよい。

連結壁１４ｃには、大腿骨コンポーネント２を大腿骨Ｆの骨端に連結し、固定し、かつ中心を合わせ、あるいは向き付けるための、おそらくねじ付きの筒状突起またはシャンク１６が存在してよい。

箱状要素１４の各側壁１４ａ、１４ｂには貫通穴１５が存在し、２つの側壁１４ａ、１４ｂに存在する穴１５は、同一軸線、いわゆる回転軸線または回転拘束軸線に沿って位置合わせされる。

本発明の簡略形態では、使用時の大腿骨コンポーネント２の空間配置を考慮して、この軸線は水平である。

本書でさらに下述するように、そのような貫通穴１５にピン１５０を挿入することができる。

本発明に係る拘束型プロテーゼ１は、上述の通り、脛骨コンポーネント３を含む。

脛骨コンポーネント３は脛骨プラトー２０と、およびおそらく、脛骨コンポーネント３を脛骨Ｐの骨端に連結し、固定し、かつ中心を合わせ、あるいは向き付けるための、おそらくねじ付きの筒状突起またはシャンク１６を含む。

上述した大腿骨コンポーネント２は脛骨プラトー２０上に載置され、そこで転動し、かつ／または摺動し、かつそれに関節結合される

脛骨プラトー２０は、顆状部１２、２２に対応する２つの顆状関節ベース１３、２３を含む。

筒状突起またはシャンク１６は、脛骨コンポーネント３の２つの顆状関節ベース１３、２３を有する面とは反対側の面から延びる。

顆状関節ベース１３、２３は略凹状であり、曲率半径Ｒ２を有する。

顆状部１２、２２、特にそれらの後側部分１２ａ、２２ａ、および／または中間部分は、曲率半径Ｒ１を有する。

図７に見られるように、顆状部１２、２２の曲率半径Ｒ１および顆状関節ベース１３、２３の曲率半径Ｒ２は、相互に略一致する。

本発明の一形態では、Ｒ１＝［Ｒ２−（Ｒ２×（０．０５÷０．５）］であり、したがってＲ１はＲ２より小さい。

脛骨コンポーネント３はさらに、顆状関節ベース１３、２３の間に顆間隆起２４を含む。

そのような顆間隆起２４は、膝に配置される脛骨コンポーネント３を考慮して、垂直上方に延びる。

顆間隆起２４は使用時に、大腿骨コンポーネント２と脛骨コンポーネント３との間に誘導関節結合が形成されるように、大腿骨コンポーネント２の顆間空間１０に挿入するのに適する。

脛骨コンポーネント３を示す例えば図２および図３を見ると、該コンポーネントのサイズは、使用時に人体に対して左右の横断方向の展開の方が、使用時に人体に対して前後の矢状方向の展開より大きい。

２つの顆状関節ベース１３、２３は、該コンポーネントの横断方向の展開を考慮して脛骨コンポーネント３の外側端および内側端に配置される一方、顆間隆起２４は上述した顆状関節ベース１３、２３の間の脛骨コンポーネント３の中心に配置される。

顆間隆起２４は、その最大寸法を考慮して、人体の矢状面に対して平行な展開を有する。

脛骨コンポーネント３の使用位置を考慮して、該コンポーネントは、内側部分、外側部分、前部、および後部を含む周面を有する。

内側部分および外側部分は人体の矢状面に対して平行な展開を有する一方、前部および後部は人体の前額面に平行である。

顆間隆起２４は、人体の縦軸に対して略平行な展開を持つ開口または凹部１８を有する。

開口または凹部１８は、脛骨コンポーネント３の内側に特定の長さＴにわたって延びる。

本発明の好適な形態では、長さＴは、開口または凹部１８が使用時に、顆状関節ベース１３、２３が存在する脛骨コンポーネント３の上方の面だけに影響するように、顆間隆起２４の高さＨより小さい。このようにして、脛骨コンポーネント３を脛骨端に固定するために使用される骨セメントは、本書にて後で明らかにする理由から、開口または凹部１８内に浸入できない。

脛骨コンポーネント３はさらに、穴２５を含む。

穴２５は、脛骨コンポーネント３に対して直線状の横断方向または水平方向の展開を有する。

穴２５は脛骨コンポーネント３の少なくとも片側、すなわち内側または外側に影響する。

本発明の一形態では、穴２５は貫通穴であり、すなわち、それは脛骨コンポーネント３の内側および外側部分の両方に影響する。

穴２５は顆間突起２４の開口または凹部１８と交差する。

本書でさらに後述するように、この穴２５にピン２５０を挿入することができる。したがって、ひとたび穴２５に挿入されたピン２５０は、開口または凹部１８をも貫通する。

本発明に係る拘束型プロテーゼ１はさらに、例えば棒状の形状を有する中間コンポーネント３０を含む。

中間コンポーネント３０は、膝関節結合中にそれらの間の回転運動および／または並進運動を達成するために、大腿骨コンポーネント２と脛骨コンポーネント３とを回転自在に連結するのに適した連結要素である。

中間コンポーネント３０は、使用時に大腿骨コンポーネント２と脛骨コンポーネント３との間に配置される。

中間コンポーネント３０は細長い形状を有し、そのような形状は略矩形、二裂状、または面取りされた縁のある形とすることができる。中間コンポーネント３０はまた、本書で後述する機能を果たすことを可能にするのに適した他の形状を有することもできる。

中間コンポーネント３０は、人体の縦軸と略位置合わせされた最大寸法を有する。

特に、中間コンポーネント３０は近位端３０ａおよび遠位端３０ｂを有する。

近位端３０ａは大腿骨コンポーネント２に配置される。特に、近位端３０ａは、箱状要素１４の内部領域によって決定される顆間空間１０に挿入するのに適する。

代わって、遠位端３０ｂは脛骨コンポーネント３に配置される。特に、近位端３０ｂを脛骨コンポーネント３の顆間隆起２４の開口または凹部１８内に挿入するように適応される。

開口または凹部１８の寸法は、それと中間コンポーネントとの間に遊びができるように、かつ、こうして人体に対して矢状方向および／または横断方向に沿って中間コンポーネントを開口または凹部１８の内側で動かすことができるように、中間コンポーネント３０の遠位端３０ｂの全体寸法より大きい。

中間コンポーネント３０は、近位端３０ａにおける貫通穴３１ａおよび遠位端３０ｂにおける貫通穴３１ｂを含む。

本発明に係る拘束型プロテーゼ１は２つのヒンジ３２ａおよび３２ｂを含み、第１ヒンジ３２ａは中間コンポーネント３０の近位端３０ａに位置し、第２ヒンジ３２ｂは中間コンポーネント３０の遠位端３０ｂに位置する。

２つのヒンジ３２ａ、３２ｂは、大腿骨コンポーネント２を脛骨コンポーネント３に回転自在に拘束するように適応される。

２つのヒンジ３２ａ、３２ｂは、穴３１ａが箱状要素１４の貫通穴１５と位置合わせされることを前提として、穴３１ａおよび１５に収容されたピン１５０から成り、かつ穴３１ｂが脛骨コンポーネント３の穴２５と位置合わせされることを前提として、穴３１ｂおよび１５に収容されたピン２５０から成る。したがって、ヒンジ３２ｂは脛骨コンポーネント３の開口または凹部１８の内部に位置する。

特に、ヒンジ３２ａ、３２ｂは各々、大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３が起こり得る相互並進運動を排除して回転を許可のみする、拘束要素を構成する。

ヒンジは２つの固体物体を連結し、通常、それらの限定された角度の回転のみを可能にする。理想的なヒンジによって連結された２つの物体は、固定回転軸線（ヒンジの幾何学的軸線）を中心に相互に対して回転する。

したがって、大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３は、中間コンポーネント３０によって相互に、かつヒンジ３２ａおよび３２ｂに、回転自在に拘束される。

したがって、本発明に係る拘束型プロテーゼ１は、中間コンポーネント３０が限定的に振動することが可能であることから、開口または凹部１８の内部にヒンジ３２ｂおよびピン２５０を支点として有するため、脛骨コンポーネント３上での大腿骨コンポーネント２の転動および限定的摺動の両方を可能にする。

このようにして、脛骨コンポーネント３上での大腿骨コンポーネント２の、ヒンジ３２ａおよびピン１５０に対応する回転の中心は、膝関節運動中に（その２つの位置を図８および図９に示す）、常に同じ位置に維持されず、前述されるように、中間コンポーネント３０の振動の幅に応じて限定的に並進運動する。

したがって中間コンポーネント３０は、大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３に対応する部分の間、およびしたがってそれぞれ大腿骨部分Ｆおよび脛骨部分Ｐの間の拘束機能を果たす。

さらに、本発明に係る拘束型プロテーゼ１が移植される骨断端が非常に小さい場合、追加シャンク４０またはリングまたは厚さを設けることが可能であり、そのような骨の端部を伸長し、それらを元の位置に近づけることができる。

特に、図１０に見られるように、追加シャンク４０は、必要ならば、大腿骨コンポーネント２および／または脛骨コンポーネント３に存在する筒状突起またはシャンク１６に連結または拘束することができる。そのような追加シャンク４０は、本発明の一形態では、取外し可能なねじ接続を用いて筒状突起またはシャンク１６に連結することができる。

追加シャンク４０は、本発明の一形態では、筒状突起またはシャンク１６に配置される第１追加シャンク４０部分とは反対側の第２追加シャンク４０部分の全方向の回転およびしたがって向き付けが可能になるように、玉継手４１または一般的に回転手段を持つことができる。

筒状突起もしくはシャンク１６および／または追加シャンク４０、特にそれらの第一部分は、患者の大腿骨Ｆおよび／または脛骨Ｐに対するそれらの向き付けを容易にするために、例えば５度だけ傾けることができる。

本発明の限定されない形態に係る拘束型プロテーゼ１は、以下の方法に従って組み立てられる。

中間コンポーネント３０は、第１ヒンジ３２ａによって、大腿骨コンポーネント２に拘束的に関連付けられる。

詳しくは、中間コンポーネント３０、またはより好適にはその近位端３０ａは、大腿骨コンポーネント２の顆間空間１０に挿入される。

その後、ピン１５０が、大腿骨コンポーネント２に存在する貫通穴１５内、および中間コンポーネント３０の近位端３０ａの貫通穴３１ａ内に挿入される。

本発明の一形態では、中間要素３０は、（図１３に示すように）大腿骨コンポーネント２の顆間空間１０内にすでに挿置され、かつピン１５０によりすでに固定された状態で工場から出荷される。

この時点で、医師は必要ならば追加シャンク４０を加え、かつおそらくそれを大腿骨Ｆに対して向き付けを行い、次いで骨断端にセメントを塗布した後、大腿骨コンポーネント２を大腿骨Ｆに挿入する。

この時点で、医師は脛骨コンポーネント３を準備し、追加シャンク４０を加え、または加えず、かつ必要ならばそれを脛骨Ｐに対して向き付けし、次いで医師は、コンポーネント自体を骨上に固定するために多少のセメントを間に必ず挟んで、脛骨コンポーネント３を脛骨Ｐ内に挿入する。

次いで医師は大腿骨Ｆおよび脛骨Ｐを、次いで大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３を寄せ合わせる。

こうして該方法は、中間コンポーネント３０を脛骨コンポーネント３に挿入し、かつ第２ヒンジ３２ｂによって中間コンポーネント３０を脛骨コンポーネント３に拘束する。

このようにして、中間コンポーネント３０の遠位端３０ｂは次いで脛骨コンポーネント３の開口または凹部１８内に挿入される。

ピン２５０は第２ヒンジ３２ｂ内に、また詳細には、脛骨コンポーネントの開口２５内に挿入され、脛骨コンポーネント３０の遠位端３０ｂの貫通穴３１ｂを貫通する。

このようにして、ピン１５０、２５０は、本発明に係る拘束型プロテーゼ１のヒンジ３２ａおよび３２ｂを構成する。

ピン２５０をヒンジ３２ｂ内に挿入した後、該方法はピン２５０を第２ヒンジ３２ｂ内にセメントで固定し、次いで医師は、それらの取外し易さを確実にするために、そのオリフィスを多少のセメントで塞ぐことができる。

上述の通り、必要ならば、追加シャンク４０が大腿骨コンポーネントおよび／または脛骨コンポーネントの筒状突起またはシャンク１６に固定される。組み立てられた後、または移植中に、拘束型プロテーゼ１、その様々なコンポーネント、および／または追加シャンク４０は、患者の大きさおよび解剖学的形態にまたはインプラントの特定の要求に対して可能な限り最大限に適応させるように、向き付けることができる。

何らかの理由で、移植後に、医師が拘束型プロテーゼ１を除去しなければならない場合、その組立及び上述に使用されたステップを逆順に実行する必要がある。したがって、例えば金属穿孔器または他の器具を用いて外科的に切開した後、医師はピン２５０をその座から押し出す。ピン２５０自体を封止するために配置されたセメントは簡単に砕けるので、そのような手術は容易である。

次いで患者の膝は９０°に屈曲され、医師は脛骨コンポーネント３を引き抜き、かつ次に大腿骨コンポーネント２を引き抜くことができる。

こうして、中間コンポーネント３０の第２機能は、拘束型プロテーゼ１の２つのコンポーネント２、３の組立および移植の両方、ならびにその後のそれらの除去を容易化しかつ支援することであることが明らかである。

このように、重篤な骨損失および靭帯の緩みという両方の状況ならびにより低損傷の状況で移植中に、拘束型プロテーゼ１は拘束され、それによって膝関節の優れた安定性が確保されるので、拘束型プロテーゼ１は上述した利点を満たしている。

さらに、２つのヒンジ３２ａおよび３２ｂが存在するため、脛骨コンポーネント３上での大腿骨コンポーネント２の転動および並進の両方を含む、関節によって行われる運動は、非病理学的な正常な条件下で解剖学的に実行される運動に、より合致している。

さらに、このおかげで、患者は、本発明に係る拘束型プロテーゼの全使用期間にわたって自立した生活を送ることができる。本発明に係る拘束型プロテーゼ１は生体適合性材料から作られる。

そのような生体適合性材料は金属、合金、有機金属化合物から選択することができる。そのような材料は、例えばポリエチレンのようなポリマー材料の挿入物を含んでもよい

本発明の一形態では、生体適合性材料は、アクリル樹脂、プラスチック材、セラミック材、または高多孔性樹脂、および／またはそれらの組合せ、または例えばポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）のような骨セメントを含んでいるか、それらで被覆されてもよい。または、先述のプラスチック材は、例えば、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、熱成形ポリマー、その他の同様の材料などの熱可塑性ポリマーの中から選択してもよい。

拘束型プロテーゼ１は、インプラントに、より優れた安定性、高い負荷抵抗等をもたらすことのできる金属コアを含むことができる。

拘束的に関節結合しなければならない拘束型プロテーゼ１には、機械的拘束によって生じる機械的応力に対抗することのできる剛性補強構造が要求されるので、そのような金属コアは必要である。

本発明の一形態では、拘束型プロテーゼ１は、金属および／またはＰＭＭＡ（ポリメタクリル酸メチル）およびＵＨＭＷＰＥ（超高分子量ポリエチレン）のような異なるプラスチック材の組合せから作られた内部コアを補強構造として、有する。

特に、ヒンジ３２ａおよび３２ｂを構成するピン１５０、２５０は、そのような領域に集中する負荷を支持するために、金属コアによって補強された穴内に挿入しなければならない。

ピン１５０、２５０は、プラスチック材または骨セメントのような生体適合性材料でおそらく被覆された、例えば鋼のような金属材から作ることができる。

そのような金属コアは、本発明の一形態では、大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３の両方の内部、および中間コンポーネント３０の内部にも存在する。

拘束型プロテーゼ１はすでに金属材から作られているので、そのような金属コアは要求されないかもしれない。

筒状突起またはシャンク１６は、プラスチック材または骨セメントのような、前述の生体適合性材料でおそらく被覆された金属材から作ることができる。

実施例として図５および図７に示す本発明の特定の形態では、拘束型プロテーゼ１および／または少なくともその脛骨コンポーネント３は、骨セメントで被覆された金属コアＧを含む。

本発明のさらなる形態では、拘束型プロテーゼ１はＰＭＭＡから作られ、あるいは金属コアＧはＰＭＭＡで被覆される。

大腿骨コンポーネント２および脛骨コンポーネント３は予成形される。

拘束型プロテーゼ１の生体適合性材料は多孔性であってもよい。

このように着想された本発明は、本発明の概念の範囲内に含まれる多くの変形および変更が可能である。

加えて、全ての細部は他の技術的に同等の要素に置き換えることができる。実際には、使用される材料、ならびに偶発的な形状および大きさは、以下の特許請求の範囲の保護範囲から逸脱することなく、要件に応じて任意のタイプとすることができる。

こうして脛骨コンポーネントに堅固に拘束されたヒンジコンポーネントは次いで、大腿骨コンポーネントに回転可能に連結される。
米国特許第３７６５０３３号明細書は、相互に回動可能かつ摺動可能な上および下関節部を有する移植可能な人工膝関節アセンブリを開示している。該発明の一実施形態では、関節アセンブリは適切な穴内に挿入可能な単一のリテーナピンを含む。別の実施形態では、そのような関節アセンブリは、脚に移植した後に筋肉および組織を支援しかつ関節部の分離を防止するために、リンクに設けられた穴に挿入可能な２つのリテーナピンを有する。リンクは、関節アセンブリの下顆状部および上顆状部の縁に形成されたノッチに枢動自在に係合される。

Claims (21)

1. 大腿骨コンポーネント（２）と脛骨コンポーネント（３）と中間コンポーネント（３０）とを含む膝関節用のプロテーゼ（１）であって、前記大腿骨コンポーネント（２）は膝関節に近接する大腿骨の端部に拘束されるのに適しており、前記脛骨コンポーネント（３）は膝関節に近接する脛骨の端部に拘束されるのに適しており、前記大腿骨コンポーネント（２）は前記脛骨コンポーネント（３）に接触しかつそれと関節結合するのに適しており、前記中間コンポーネント（３０）は使用時に前記大腿骨コンポーネント（２）と前記脛骨コンポーネント（３）との間に配置される、プロテーゼ（１）において、前記大腿骨コンポーネント（２）を前記脛骨コンポーネント（３）に回転自在に拘束するように適応された第１ヒンジ（３２ａ）と第２ヒンジ（３２ｂ）とを含むことを特徴とするプロテーゼ（１）。
2. 前記中間コンポーネント（３０）は棒状、もしくは細長い、もしくは略矩形、もしくは二裂状の形状、または面取りされた縁を有し、かつ／または前記中間コンポーネント（３０）は、前記大腿骨コンポーネント（２）に配置される近位端（３０ａ）と前記脛骨コンポーネント（３）に配置される遠位端（３０ｂ）とを有し、前記近位端（３０ａ）は貫通穴（３１ａ）を有し、前記遠位端（３０ｂ）は貫通穴（３１ｂ）を有する、請求項１に記載のプロテーゼ（１）。
3. 前記第１ヒンジ（３２ａ）は前記中間コンポーネント（３０）の前記近位端（３０ａ）に配置され、前記第２ヒンジ（３２ｂ）は前記中間コンポーネント（３０）の前記遠位端（３０ｂ）に配置される、請求項１または２に記載のプロテーゼ（１）。
4. 前記大腿骨コンポーネント（２）は、人体の矢状面に平行な平面に沿って略「Ｕ」字状断面を有し、かつ大腿骨座に接触する略凹状の内面（４）と、前記脛骨コンポーネント（３）と接触するのに適した略凸状の外面（５）とを含む、請求項１に記載のプロテーゼ（１）。
5. 前記大腿骨コンポーネント（２）は第１顆状部（１２）と第２顆状部（２２）とを含み、前記第１顆状部（１２）は人体の矢状面に対して外側に位置し、前記第２顆状部（２２）は内側に位置し、前記顆状部（１２、２２）は人体の矢状面に平行な平面に沿って略「Ｕ」字状断面を有し、前記第１顆状部（１２）および前記第２顆状部（２２）の使用時に人体に対して後側になる部分は、顆間空間（１０）によって分離される第１および第２後側部分（１２ａ、２２ａ）を含む、請求項１に記載のプロテーゼ（１）。
6. 前記大腿骨コンポーネント（２）は前記大腿骨コンポーネント（２）の内面（４）に位置する箱状要素（１４）を含み、前記箱状要素（１４）は２つの側壁（１４ａ、１４ｂ）と、前記側壁（１４ａ、１４ｂ）に連結された連結壁（１４ｃ）と、前記側壁（１４ａ、１４ｂ）および前記連結壁（１４ｃ）によって画成される座またはキャビティ（１４０）とを含み、前記１つの座またはキャビティは前記顆間空間（１０）に対応する、請求項１〜５のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
7. 前記中間コンポーネント（３０）の前記近位端（３０ａ）は、使用時に前記座またはキャビティ（１４０）に挿入されかつ前記第１ヒンジ（３２ａ）によって蝶着されるのに適している、請求項１〜６のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
8. 前記箱状要素（１４）の各側壁（１４ａ、１４ｂ）は貫通穴（１５）を有し、前記プロテーゼ（１）は前記貫通穴（１５）内に挿入するのに適したピン（１５０）を含む、請求項１〜７のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
9. 前記脛骨コンポーネント（３）は脛骨プラトー（２０）を含み、前記脛骨プラトー（２０）は、前記顆状部（１２、２２）に対応する２つの顆状関節ベース（１３、２３）と、前記顆状関節ベース（１３、２３）の間に位置しかつ使用時に前記大腿骨コンポーネント（２）の前記顆間空間（１０）内に挿入するのに適した顆間隆起（２４）とを含む、請求項１〜８のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
10. 前記顆間隆起（２４）は人体の縦軸に対して略平行に延びる開口または凹部（１８）を有し、前記開口または凹部（１８）は前記脛骨コンポーネント（３）の内側に特定の長さ（Ｔ）にわたって延びる、請求項９に記載のプロテーゼ（１）。
11. 前記中間コンポーネント（３０）の前記遠位端（３０ｂ）は、前記遠位端（３０ｂ）と前記開口または凹部（１８）との間に特定の遊びができ、前記遠位端（３０ｂ）が前記開口または凹部（１８）内で少なくとも矢状方向に動くことができるように、使用時に、前記開口または凹部（１８）内に挿入される、請求項１０に記載のプロテーゼ（１）。
12. 前記脛骨コンポーネント（３）は、脛骨コンポーネント（３）に対して直線状の横断方向または水平方向の展開を持つ穴（２５）を含み、前記穴（２５）は前記顆間突起（２４）の前記開口または凹部（１８）、および前記穴（２５）内および前記開口または凹部（１８）内に挿入するのに適したピン（２５０）と交差する、請求項１〜１１のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
13. 前記第１ヒンジ（３２ａ）は、前記箱状要素（１４）の前記側壁（１４ａ、１４ｂ）の前記貫通穴（１５）内および前記中間コンポーネント（３０）の前記貫通穴（３１ａ）内に収容された前記ピン（１５０）から成り、前記第２ヒンジ（３２ｂ）は、前記脛骨コンポーネント（３）の前記穴（２５）内および前記中間コンポーネント（３０）の前記穴（３１ｂ）内に収容された前記ピン（２５０）から成る、請求項１〜１２のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
14. 前記大腿骨コンポーネント（２）および／または前記脛骨コンポーネント（３）および／または前記中間コンポーネント（３０）は内部金属コア（Ｇ）を有し、前記金属コア（Ｇ）は、セラミック材、高多孔性樹脂、プラスチック材、および／またはそれらの組合せ、アクリル樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステルのような熱可塑性ポリマー、熱成形可能なポリマー、骨セメント、例えばポリメタクリル酸メチル（ＰＭＭＡ）のような生体適合性材料により被覆される、請求項１〜１３のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
15. 前記プロテーゼ（１）は金属、合金、または有機金属化合物から選択された生体適合性材料から作られる、請求項１〜１４のいずれか一項に記載のプロテーゼ（１）。
16. 大腿骨コンポーネント（２）と脛骨コンポーネント（３）と中間コンポーネント（３０）とを含む膝関節用の拘束型プロテーゼ（１）であって、前記大腿骨コンポーネント（２）は膝関節に近接する大腿骨の端部に拘束されるように適合され、前記脛骨コンポーネント（３）は膝関節に近接する脛骨の端部に拘束されるように適合され、前記大腿骨コンポーネント（２）は前記脛骨コンポーネント（３）に接触しかつそれと関節結合するのに適している、拘束型プロテーゼ（１）を組み立てる方法において、
    第１ヒンジ（３２ａ）を介して,前記中間コンポーネント（３０）を前記大腿骨コンポーネント（２）に拘束的に関連付けるステップと、
    前記中間コンポーネント（３０）を前記脛骨コンポーネント（３）内に挿入するステップと、
    第２ヒンジ（３２ｂ）を介して前記中間コンポーネント（３０）を前記脛骨コンポーネント（３）に拘束するステップと、
    を含み、
    前記第１ヒンジ（３２ａ）および前記第２ヒンジ（３２ｂ）は前記大腿骨コンポーネント（２）を前記脛骨コンポーネント（３）に回転自在に拘束するのに適している、
    方法。
17. 第１ヒンジ（３２ａ）を介して前記中間コンポーネント（３０）を前記大腿骨コンポーネント（２）に拘束的に関連付ける前記ステップは、前記中間コンポーネント（３０）の近位端（３０ａ）を前記大腿骨コンポーネント（２）の顆間空間（１０）内に挿入するサブステップと、前記第１ヒンジ（３２ａ）内にピン（１５０）を挿入するサブステップとを含む、
    請求項１６に記載の方法。
18. 前記中間コンポーネント（３０）を前記脛骨コンポーネント（３）内に挿入する前記ステップは、前記中間コンポーネント（３０）の遠位端（３０ｂ）を前記脛骨コンポーネント（３）の開口または凹部（１８）内に挿入するサブステップを含む、請求項１７に記載の方法。
19. 第２ヒンジ（３２ｂ）を介して前記中間コンポーネント（３０）を前記脛骨コンポーネント（３）に拘束する前記ステップは、前記第２ヒンジ（３２ｂ）内にピン（２５０）を挿入するサブステップを含む、請求項１７に記載の方法。
20. 前記ピン（２５０）を前記第２ヒンジ（３２ｂ）内にセメントで固定するステップを含む、請求項１６〜１９のいずれか一項に記載の方法。
21. 使用時に患者の骨端を延長するように、かつ／または前記脛骨コンポーネント（３）および／または前記大腿骨コンポーネント（２）を患者の骨端に対して向き付けるように適応された少なくとも１つの追加シャンク（４０）またはリングまたは厚さを、前記脛骨コンポーネント（３）および／または前記大腿骨コンポーネント（２）に関連付けるステップを含む、請求項１６〜２０のいずれか一項に記載の方法。
    

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