JP4262940B2 - 人工関節、膝の人工関節、膝関節のベアリングコンポーネント、および関節形成術で用いるためのベアリングコンポーネントの製造方法 - Google Patents
人工関節、膝の人工関節、膝関節のベアリングコンポーネント、および関節形成術で用いるためのベアリングコンポーネントの製造方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、整形外科学の分野に関し、より詳しくは関節形成術で用いるための移植片に関する。
【0002】
この発明は人工関節に関する。より詳しくは、この発明は回転可能または非回転可能に構成される膝の人工関節の脛骨コンポーネントに関する。
【0003】
米国仮特許出願との相互参照
この出願は、2001年6月30日に出願された米国仮特許出願第60/302,115号「インサートを備えた表面を滅菌する滅菌法で滅菌可能な関節置換用の人工関節コンポーネント」に基づく実用特許出願の優先権を主張するものである。
【0004】
関連出願との相互参照
この出願において、以下の出願が参照される。
「人工関節の成形方法および人工関節を予備形成するため成形金型」(DEP677)
「非直線状のインサートを備えた関節置換用の人工関節コンポーネント」(DEP0676)
【0005】
【従来の技術】
関節置換術は良く知られた手術であり、その手術を行なわなければ正常に機能することができない多くの人がその手術を行なうことにより正常に機能することを可能にするものである。人工関節は通常、金属製、セラミック製、プラスチック製のコンポーネントを有し、それらのコンポーネントは既存の骨に固定される。
【0006】
膝の関節形成術は良く知られた外科的手技であり、病気のまたは損傷した本来の膝関節を人工関節の膝関節で置き換えるものである。典型的な膝の人工関節は、大腿側コンポーネント、膝蓋コンポーネント、脛骨トレー(または脛骨プラトー)、および、脛骨ベアリングインサートを含む。大腿骨コンポーネントは横方向に間隔を置いて設けられた一対の関節丘部分を含み、関節丘部分の遠位の表面は脛骨ベアリングインサートに形成された相補的な関節丘要素と関節でつながる。
【0007】
脛骨プラトーは患者の脛骨に取り付けられる。脛骨ベアリングインサートは通常、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)から製造され、典型的には脛骨プラトーの上方の表面に取り付けられる。脛骨ベアリングインサートの外形および構造は各患者の要望および関節の状態に応じて変更される。ある脛骨ベアリングインサートは、一方または両方の十字靭帯を保持する手技の間に移植される人工関節と共に用いられるように設計されている。他の脛骨ベアリングインサートは、一方または両方の十字靭帯が除去された後に移植され、したがって、十字靭帯の喪失を補うような構造になっている。さらに他の脛骨ベアリングインサートは膝関節の安定性を増強するための人工関節と共に用いられる。
【0008】
最近では完全な膝の人工関節(total knee prostheses)が設計され、その完全な人工関節によって大腿骨と脛骨との間である程度の自由な回転が可能になった。この回転動作を可能にするために、脛骨トレー(または脛骨プラトー)に対して回転できる脛骨ベアリングインサートが設計された。典型的には、脛骨ベアリングインサートは脛骨トレーの移植片の脛骨ステムの中心で回転可能に係合する中心ステムを有し、それによって回転動作が提供される。典型的には、脛骨トレーの移植片と脛骨ベアリングインサートとの間の回転には制約がない。多くの場合、完全な膝関節形成術(total knee arthroplasty)の間に、後部十字靭帯が犠牲にされ、後部十字靭帯の置換が必要となる。後部十字靭帯を置換するための完全な膝関節形成術に用いられる整形外科用の移植片が開発された。そのような移植片の例としては、米国特許第4,298,992号明細書に記載されたPFCシグマRP(PFC Sigma RP)、LCSコンプリート(LCS Complete)という完全な膝の人工関節があり、これらの移植片はアメリカ合衆国インディアナ州ワルシャワ(Warsaw)のDepuy Orthopaedics社から販売されている。
【0009】
これらの完全な膝の人工関節は、脛骨コンポーネントと大腿骨コンポーネントがそれらの関節面と共に突起部およびカム機構(spine and cam mechanism)を有し、突起部およびカム機構は膝の後部十字靭帯が犠牲にされた場合に後部十字靭帯を置換する構造として用いられる。
【0010】
そのような突起部およびカム機構を含む完全な膝の人工関節は、典型的には、通常UHMWPEからなる適切なプラスチックから製造された脛骨ベアリングコンポーネントを含む。制約のある(constrained)人工関節として知られている完全な膝の人工関節のあるクラスで用いられるそのような構造のひとつは、プラスチック製のベアリングコンポーネントの構造に金属製の補強ロッドを組み込んだものである。ベアリングインサート(ベアリングコンポーネント)は内部に金属製のロッドが配置されているように構成され、ベアリングインサートの中心の突起部要素に対する追加的な支持が提供されている。そのようなコンポーネントは、典型的には、ベアリングコンポーネントを機械加工または成形し、中心の孔を穴あけし、金属製の補強ロッドを圧入することによって製造される。そのようなコンポーネントの例が、Sidebothamらによる米国特許第5,007,933号明細書に記載されている。
【0011】
十分な範囲にわたる動作を行なう間中の望ましい運動性(kinematics)を可能にするために、脛骨ベアリングインサートの突起部およびカム機構は適切な位置に配置されてよく、好ましくは脛骨ベアリングインサートの中心線に対して前方及び/または後方への方向に沿って前方に配置される。脛骨ベアリングインサートの設計は、安定化のための軟組織の損傷が様々な理由によって引き起こされ若しくは発生した膝関節を再建する手助けとして用いることができる。そのような場合、脛骨ベアリングインサートは前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向に沿ってより大きな負荷が加えられることが要求される。そのような束縛された脛骨ベアリングインサートは上述されたようにポリエチレン製の脛骨ベアリングインサートの突起部に加わる負荷を分散させるように金属製のロッドで補強されてよい。
【0012】
脛骨トレーに係合する脛骨ベアリングインサートの遠位のステム部分の中心軸と大腿骨コンポーネントのカムに係合する上方の突起部部分の軸とが必ずしも同一直線上にないような位置で脛骨ベアリングインサートの突起部およびカム機構が配置されるように、完全な膝の人工関節は設計されている。
【0013】
不都合なことに、このような設計の人工関節では、脛骨ベアリングインサートを補強するために広く用いられている直線状のロッドを用いることができない。
【0014】
第1のロッドが突起部の内部に挿入され、第2のロッドが脛骨ベアリングインサートの脛骨トレーの部分のステムの内部に配置されることに注意しなければならない。それにもかかわらず、第1のロッドに加えられた負荷は脛骨ベアリングインサートのポリマーの部分を介して第2のロッドに伝達される。したがって、ポリマーの強度がこのような構造の負荷容量(load carryin capacity)を限定する。そのような構造は脛骨ベアリングインサートの突起部を十分に支持しかつ補強するために必要な強度を必ずしも提供しない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は、脛骨ベアリングインサートの遠位のステムの中心軸と上方の突起部の軸とが必ずしも同一直線上にない場合にベアリングの耐磨耗性を保ちながら前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向に沿った膝の人工関節への負荷に耐えることができるように突起部を備えた脛骨ベアリングインサートを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この発明は、完全な膝関節の置換のための突起部およびカム機構を含む改良された人工関節に関する。カム機構は大腿骨コンポーネントに配置され、突起部は脛骨ベアリングインサートに配置されている。突起部およびカム機構は、ベアリングの耐磨耗性を保ちながら完全な膝関節の関節形成術の間に後方の十字靭帯および側副靭帯のいずれか一方若しくは両方が突起部およびカム機構で置き換えられたときに生じる前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向に沿って加えられるより大きな負荷に耐えることができる。
【0017】
この発明に基づく脛骨ベアリングインサートの突起部は、脛骨ベアリングインサートの中心線に対して前方及び/または後方への方向に沿って前方に配置されている。したがって、脛骨トレーに係合する脛骨ベアリングインサートの遠位のステム部分と、大腿骨コンポーネントのカムに係合する上方の突起部とは、同一直線上にない。したがって、この発明の脛骨ベアリングインサートはそのような変位した形状を含んだ脛骨ベアリングインサートの内部に配置されたロッドを有する。
【0018】
したがって、この発明の膝の人工関節は、第1の高分子材料コンポールントと、第1の中心線に沿って配置された第1の部分および第2の中心線に沿って配置された第2の部分を含む補強コンポーネントとを含み、第1の部分は脛骨トレーと係合し、第2の部分は膝の人工関節の大腿骨コンポーネントのカム機構と共に動作する。
【0019】
この発明に係る一実施の形態に基づけば、第1の長骨と共に動作する第1のコンポーネントと、第2の長骨と共に動作する第2のコンポーネントとを有する人工関節が提供される。その人工関節は、さらに、第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントの間に配置されると共に第1のコンポーネントおよび第2のコンポーネントと共に動作するベアリングコンポーネントを有する。ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントと、高分子材料とを有する。高分子材料は第1のコンポーネントの表面積の少なくとも99%を取り囲みかつ第1のコンポーネントに密着して成形されているので、高分子材料は主に表面を滅菌する技術によって滅菌されてよい。ベアリングコンポーネントは第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定する。第1の周縁領域は補強コンポーネントの第1の端部に隣接し、第2の周縁領域は補強コンポーネントの第2の端部に隣接する。第1の周縁領域は第1のコンポーネントと共に動作し、第2の周縁領域は第2のコンポーネントと共に動作する。
【0020】
この発明に係る他の実施の形態に基づけば、大腿骨に取り付けるための大腿骨コンポーネントおよび脛骨に取り付けるための脛骨トレーを含む膝の人工関節が提供される。膝の人工関節は、大腿骨コンポーネントと脛骨トレーとの間に配置されて大腿骨コンポーネントおよび脛骨トレーと共に動作するベアリングコンポーネントをさらに含む。ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントを含む。ベアリングコンポーネントは、高分子材料をさらに含む。高分子材料は補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を取り囲みかつ補強コンポーネントに密着して成形されているので、高分子材料は主に表面を滅菌する技術によって滅菌されてよい。ベアリングコンポーネントは第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定する。第1の周縁領域は補強コンポーネントの第1の端部に隣接し、第2の周縁領域は補強コンポーネントの第2の端部に隣接する。第1の周縁領域は大腿骨コンポーネントと共に動作し、第2の周縁領域は脛骨トレーと共に動作する。
【0021】
この発明に係るさらに他の実施の形態に基づけば、ベアリングコンポーネントが提供される。ベアリングコンポーネントは、膝の関節形成術に用いられる。ベアリングコンポーネントは大腿骨コンポーネントと脛骨トレーとの間に配置されて大腿骨コンポーネントおよび脛骨トレーと共に動作し、ベアリングコンポーネントは第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントを含む。ベアリングコンポーネントは、補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を取り囲む高分子材料をさらに含むので、高分子材料は主に表面を滅菌する技術によって滅菌されてよい。ベアリングコンポーネントは第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定する。第1の周縁領域は補強コンポーネントの第1の端部に隣接し、第2の周縁領域は補強コンポーネントの第2の端部に隣接する。第1の周縁領域は大腿骨コンポーネントと共に動作し、第2の周縁領域は脛骨トレーと共に動作する。
【0022】
この発明に係る他の実施の形態に基づけば、膝の関節形成術に用いられ第1の関節コンポーネントおよび第2の関節コンポーネントと共に動作する高分子材料からなるベアリングコンポーネントの製造方法が提供される。この方法は、第1の端部および第2の端部を備えた補強支持体を提供する過程と、膝の関節形成術に用いるベアリングコンポーネントを製造するように適合され第1の成形部分および第2の成形部分を備えた成形金型を提供する過程とを含む。第1の成形部分は第1の関節コンポーネントと共に動作する第1の表面を提供するように適合され、第2の成形部分は第2の関節コンポーネントと友に動作する第2の表面を提供するように適合されている。その方法は、補強支持体および成形金型と共に動作する位置決め部材を提供する過程と、補強支持体を成形金型内の所望の位置に位置決めする過程とをさらに含む。第1の端部および第2の端部の一方は第1の成形部分内に配置される。その方法は、補強支持体の位置を位置決め部材と密接に接触するように保持する過程と、成形金型内に成形可能な高分子材料を供給する過程とをさらに含む。その方法は、補強支持体を成形可能な高分子材料で実質的に取り囲む過程と、成形金型を加圧する過程と、成形可能な高分子材料を冷却して成形可能な高分子材料を形成する過程と、成形可能な高分子材料を冷却して形成する間に成形金型に加えられた熱および圧力の一方をより低い値に保つと共に位置決め部材が占有していた空間を高分子材料が代わって占有するようにしながら補強支持体から位置決め部材を取り除く過程とをさらに含む。その方法は、成形金型からベアリングコンポーネントを取り外す過程をさらに含む。
【0023】
完全な膝の人工関節を患者から除去して新たな人工関節に置き換えることが必要な場合、そのような置換後の人工関節は典型的には大腿骨および脛骨の髄管内にさらに係合する。そのような人工関節は、修正の人工関節と呼ばれる。人工関節を置換する間、後方の十字靭帯は最初(または第1)の完全な膝の関節形成術の場合に比べてさらに犠牲にされることが多い。現在の回転する形状を備えた修正の脛骨ベアリングインサートには、脛骨トレーと回転可能に係合する脛骨ベアリングインサートの遠位のステム部分の中心と整合していない中心線を備えた突起部を含んだものはない。
【0024】
ポリエチレン製のベアリングを補強する試みがなされてきた。そのような試みのひとつが、Ashbyらによる米国特許第5,989,472号明細書に示されている。Ashbyらによる上記明細書に示されたポリエチレン製のベアリングは、骨に取り付けるための補強機構が含まれている。その補強機構はポリエチレンと金属製バッキングとの間の動きをなくすように働く。
【0025】
ポリエチレン製のベアリングを補強するその他の試みが、Hodoreckによる米国特許第4,997,445号明細書に記載されている。この特許明細書には、金属製のベースにポリエチレンが補強して接着された金属で裏打ちされた人工関節の移植片が記載されている。
【0026】
この発明のその他の技術的な利点は、図面、発明の詳細な説明、および特許請求の範囲から当業者には十分に明らかとなるであろう。
【0027】
【発明の実施の形態】
この発明およびその利点をより完全に理解するために、添付の図面を参照しながら以下にこの発明を説明する。
【0028】
この発明の実施の形態およびその利点は、以下の説明および図面か最良に理解され、図面中では類似もしくは対応する部分には同じ符号が付されている。
【0029】
この発明に基づいて図8を参照しながら膝の人工関節の形態での人工関節が示される。膝の人工関節10は、大腿骨(または第1の長骨)14に取り付けられる大腿骨コンポーネント(または第1のコンポーネント)12を含む。人工関節10は、脛骨(または第2の長骨)20に取り付けられる脛骨トレー(または第2のコンポーネント)16をさらに含む。大腿骨コンポーネント12および脛骨トレー16は図1乃至図9および図16乃至図19により詳細に示されている。大腿骨コンポーネント12および脛骨トレー16はヒトの解剖学的構造に対する生体適合性を有する任意の適切な耐久性の材料から作られている。大腿骨コンポーネント12および脛骨トレー16は、例えば合金から作られ、例えば、コバルト・クロム・モリブデン、チタンおよびチタン合金から作られ、またはステンレス鋼から作られる。
【0030】
膝の人工関節10は、ベアリングコンポーネント222をさらに含む。ベアリングコンポーネント222は大腿骨コンポーネント12と脛骨トレー16との間に配置される。ベアリングコンポーネント222は大腿骨コンポーネント12および脛骨トレー16と共に動作して膝の人工関節10の望ましい運動性を提供する。
【0031】
図1乃至図9および図21乃至図24に示された人工関節は、可動性のベアリング人工関節または可動性のベアリング膝関節と呼ばれている。そのような可動性のベアリング膝関節は、1997年ごろから商標名「LCS」としてDepuy Orthopaedics社から提供されている。このタイプの可動性のベアリング膝関節は、脛骨トレー16とベアリングコンポーネント222が互いに物理的に分離している点で、固定されたベアリング膝関節と異なる。ベアリングコンポーネント222は脛骨トレーのコンポーネントに対して自由に回転できるようになっている。可動性のベアリング膝関節を用いる場合には、大腿骨コンポーネントおよびベアリングコンポーネントの適正な関係を保つのに十分な十字靭帯および腱を患者が有していることが必要とされることがある。十字靭帯がひどく損傷されている、または膝関節の外科手術で犠牲にされているもしくは除去されているような場合には、亜脱臼または脱臼を防止するために大腿骨コンポーネントを脛骨トレーに対して束縛するという用意が人工関節においてなされなければならない。
【0032】
図21および図22を参照すると、大腿骨コンポーネント12を脛骨トレー16に対して制限するためのひとつの解法として、大腿骨コンポーネント12に配置されたカム26とかみ合うベアリングコンポーネント222に配置された突起部24の形態の機構を用いることが示されている。図21および図22に示されているように、膝の人工関節10に内側及び/または外側への方向に沿った支持を与えるために、好ましくは大腿骨コンポーネント12は突起部24の突起面32と共に動作する大腿骨面30を含む。突起面32は大腿骨面30によって画定される大腿骨の幅CWに対応した突起部の幅SWを画定する。SWとCWの関係は内側及び/または外側への方向に沿った人工関節での制約のレベルを決定する。
【0033】
図8を参照すると、前方の支持を提供するために突起部24はカム26の突起部協働面35(図21)と共に動作するカム協働面34を含んでいる。後方の十字靭帯がひどく損傷されまたは失われた患者の場合には、突起部24に加わる力は前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向の両方できわめて大きくなり得るということを適切に認識しなければならない。
【0034】
好ましくは、そして図8に示されているように、ベアリングコンポーネント222は、高分子材料、例えばポリエチレンから作られる。好ましくは、ベアリングコンポーネント222はUHMWPEから作られる。ベアリングコンポーネント222は、接触面40の耐磨耗性を向上させるようにさらに処理されてよい。接触面40は大腿骨コンポーネント12の横方向に離れた関節外側面42と接触する表面である。UHMWPEの耐磨耗性を向上させるための方法は、Hamiltonらによる米国特許第5,577,368号明細書に開示されているGamma Vacuum Foil(GVF)として知られる処理過程と、Saumらによる米国特許第6,017,975号明細書および同第6,242,507号明細書、およびMcKellopらによる米国特許第6,228,900号明細書に開示されたMarathon(登録商標)処理過程とを含む。
【0035】
図8を再び参照し、この発明に基づけば、人工関節10のベアリングコンポーネント222は第1のコンポーネント(または補強コンポーネント)236を含む。補強コンポーネント236は、十字靭帯および側副靭帯が膝関節を適正に支持できない場合に膝の人工関節10の突起部24に加わる力に突起部24が耐えられるようにするためにベアリングコンポーネント222を補強するように働く。
【0036】
ベアリングコンポーネント222は好ましくは高分子材料から作られ、補強コンポーネント236はベアリングコンポーネント222を強化するためのものなので、補強コンポーネント236は好ましくは高分子材料に比べてより高い強度の材料から作られ、好ましくはより高い弾性係数(modulus of elasticity)の材料から作られる。例えば、補強コンポーネント236は、ステンレス鋼、チタンおよびチタン合金、またはコバルト・クロム・モリブデン合金などのヒトの解剖学的構造に対する生体適合性を有する金属から作られる。
【0037】
出願人は、十分な範囲にわたる動作を行なう間中の膝関節の望ましい運動性(kinematics)を得るには、例えば図8の膝の人工関節を構成するコンポーネントの最適な設計が、ベアリングコンポーネント222の突起部24の中心線46と同一直線上にない中心回動軸44を備えた脛骨トレー16を含むことが必要であることを見出した。ベアリングコンポーネント222を含む人工関節10はヒトの体に移植されるので、ベアリングコンポーネント222を含む人工関節10を滅菌することが重要である。ベアリングコンポーネント222を含む人工関節10に対して、いくつかの有効な滅菌方法を用いることができる。
【0038】
例えば、ベアリングコンポーネント222にガンマ線を照射してベアリングコンポーネント222を滅菌してもよい。ベリングコンポーネント222にガンマ線を照射することにより、ベアリングコンポーネント222を製造するのに典型的に用いられている高分子材料またはポリエチレン内に遊離基が存在するようになることがある。このようにベアリングコンポーネント222内に遊離基が存在すると、酸化プロセスを介してベアリングコンポーネント222の劣化が速められることがある。
【0039】
ガンマ線を用いた滅菌によって発生する遊離基の負の効果を最小にするために、ベアリングコンポーネント222は好ましくは真空中または不活性ガス中に遮断されて囲まれ(barrier package)、酸素を締め出すと共に囲みの内側で生じた水素を捕獲する。そのような処理は、ベアリングコンポーネント222の速い酸化を防止し、ベアリングコンポーネント222を十分に滅菌できるようにする。
【0040】
この発明に基づけば、好ましい滅菌法はガスプラズマ滅菌法である。ガスプラズマ滅菌法は、主に表面を滅菌する滅菌法である。ガスプラズマ滅菌法は、コンポーネントの外部表面に限定的に露出または連結された内部表面に対しては、限定された滅菌能力を有する。
【0041】
したがって、この発明に基づけば、ガスプラズマ滅菌法によって滅菌されて、かつ十字靭帯が損傷されまたは犠牲にされた患者に対して用いるための制約された運動性のベアリングを備えた膝の人工関節を用いる場合に必要な補強された突起部を備えたベアリングコンポーネントが必要とされる。
【0042】
この発明に基づけば、図15乃至図19を参照すると、この発明の一実施の形態がベアリングコンポーネント222として示されている。
【0043】
図19を参照すると、この発明のベアリングコンポーネント222がより詳細に示されている。ベアリングコンポーネント222は、突起部224および遠位のステム282に十分な強度を与えるための補強コンポーネント(または補強ロッド)236を含んだネット形状(net shaped)の成形品として成形されてよい。補強コンポーネント236は第1の端部286および反対側の第2の端部294を含む。ベアリングコンポーネント222は、補強ロッド236を大気に露出するためにベアリングコンポーネント222のポリエチレン製の部分に設けられるベアリングコンポーネントの開孔を含まないように設計されている。このような構造を可能にする技術についてより詳細に説明する。
【0044】
補強ロッド236を外部に露出しないベアリングコンポーネント222を提供することにより、ベアリングコンポーネント222をガスプラズマ滅菌法によって滅菌してもよい。ガスプラズマ滅菌法によってベアリングコンポーネント222を滅菌することにより、ベアリングコンポーネント222の材料を酸化させて劣化させることになる遊離基を発生させずにベアリングコンポーネント222を滅菌できる。
【0045】
図19を参照し、この発明に基づけば、人工関節10のベアリングコンポーネント222は、補強コンポーネント236を含み、この補強コンポーネント236は脛骨トレー16(図8)の中心回動ステムの中心線44が突起部24の中心線46から変位していることに適応するように設計されている。
【0046】
したがって、図19に示されているように、補強コンポーネント236は第2の中心線252と同一直線上にない第1の中心線250を有するように設計されている。図8および図19に示されているように、補強コンポーネント236の第2の中心線252は脛骨トレー16の中心回動ステムの中心回動軸44と同一直線上にある。同様に、補強コンポーネント236の第1の中心線250は突起部24の中心線46と同一直線上にある。
【0047】
図19を続けて参照すると、補強コンポーネント236は第1の中心線250を画定する第1の部分254を含む。補強コンポーネント236は、第2の中心線252を画定する第2の部分256をさらに有する。第1の中心線250および第2の中心線252は同一直線上にない。
【0048】
図19に示されているように、第1の中心線250は第2の中心線252と平行で間隔を置いて配置されていてよい。しかし、第1の中心線250および第2の中心線252は実際には傾いていても収束もしくは発散していてもよいことが適切に理解されなければならない。しかし、図19に示されているように、第1の中心線250および第2の中心線252は距離COOだけ間隔を置いて配置されていて、距離COOは突起部24の中心線46と脛骨トレー16の中心線44との間の距離SOO(図8)に等しい。
【0049】
図19に示されているように、補強コンポーネント236は第1の部分254と第2の部分256との間に配置された連結部分260を含む。連結部分260は、任意の適切な形状でよいが、好ましくは強度および平易さの観点からアーチ形の部分である。そのような構造において、連結部分260の形状は一対の半径RR1およびRR2によって画定され、半径RR1および半径RR2は例えば同じであってよい。
【0050】
補強コンポーネント236は一対の変位した中心線に支持を提供できるような任意の形状でよいことが適切に理解されるべきであると共に、平易さの観点からおよび図15(b)に示されているように、補強コンポーネント236は単一の断面形状を有してよいことが適切に理解されなければならない。例えば、補強コンポーネント236の断面は四角形、三角形、六角形、または図15(b)に示されているような円形であってよい。円形の断面形状によって、所定の重量および寸法の補強コンポーネント236に対して様々な向きの最適な曲げ強さが提供される。
【0051】
補強コンポーネント236は中空の材料から作られていても、図18に示すようにほぼ中実の材料から作られていてもよい。空間的な制約から、補強コンポーネント236は図18に示すように中実の材料から作られている。
【0052】
図15および図19から明らかなように、より詳しくは、補強コンポーネント236を含むベアリングコンポーネント222は様々な方法によって製造されるが、はじめにベアリングコンポーネント222を製造して、次に補強コンポーネント236を取り付けるための開孔または導管をベアリングコンポーネント222に設けるというように単純かつ容易には製造できない。したがって、ベアリンクコンポーネント222に補強ロッドを設けるための典型的な方法である、ベアリングコンポーネント222に開孔を穴あけして直線状の円筒形ロッドを開孔に挿入するといった方式は採用できない。
【0053】
図19を参照すると、補強コンポーネント(または補強ロッド)236がより詳細に示されている。ベアリングコンポーネント222は、成形金型内に配置された補強ロッド236と、補強ロッド236の周囲で成形された高分子材料とを含む。したがって、ベアリングコンポーネント222は、成形金型が補強ロッド236を成形金型内に正しく配置する用意を提供することを必要とする。したがって、図19に示されているように、補強ロッド236は向き付けおよび位置決めの両方を行う配向および配置機構202を含む。図15(a)に示すように、配向および配置機構202は第1の凹部(または貫通孔)204および第2の凹部(または貫通孔)206を含む。
【0054】
好ましくは、第1の凹部204および第2の凹部206は小さい。補強ロッド236の第1の凹部204および第2の凹部206は好ましくは両方とも補強ロッド236の同じ部分に配置されている。それらの凹部を同じ部分に配置することにより、例えば第2の部分256に配置することにより、それらの凹部が成形金型262(図17参照)の基部金型(または底部金型)266に両方とも配置されて、この発明を適切に操作する助けとなる。補強ロッド236の同じ部分に配置された凹部の意義についてより詳細に説明する。
【0055】
図17を参照すると、ベアリングコンポーネント222を成形するための成形金型262が示されている。成形金型262は直接圧縮成形法(direct compression molding)で用いられるものである。ベアリングコンポーネント222は、成形金型262内で、逆のまたは逆さまの順序で成形されて、基部金型(または底部金型)266に凹部204,206を位置決めする。基部金型(または底部金型)266に配向および配置機構202を位置決めすることの利点を後により詳細に説明する。
【0056】
図17に示されているように、成形金型262は基部金型(または底部金型)266を含む。基部金型266はベアリングコンポーネント222の底部ベアリング面280および回転シャフト(または第2の周縁領域)282を形成するのに用いられる。底部金型266から上向きに延在するのは本体金型(または側面金型)272である。側面金型272はベアリングコンポーネントの湾曲した側面274を形成するのに用いられる。側面金型272内にはプランジャ(または上部金型)270が摺動可能に配置されている。プランジャ(または上部金型)270はベアリングコンポーネント222の関節面(または第1の周縁領域)271を形成するのに用いられる。金型270,272,266は、当業者に良く知られた収縮寸法を許容するように用意されたベアリングコンポーネント222の外側表面に沿った内側形成面264を提供するように働く。
【0057】
内側形成面264は内部キャビティ208を画定する。
【0058】
補強ロッド236は成形金型262の内部キャビティ208内に適切に配置されなければならない。したがって、好ましくは、成形金型262は、補強ロッド236を成形金型262の内部キャビティ208内に適切に配置するための位置決め装置284を含む。例えば、図17に示すように、位置決め装置284は第1のピン290および第2のピン292の形態である。ピン290,292は補強ロッド236(図19)の第1の凹部204および第2の凹部206と共に動作する。
【0059】
好ましくは、この発明に基づけば、ピン290,292は、補強ロッド236に比べて非常に小さい寸法を有する。例えば、図17に示されているようにピン290,292が円筒形ならば、ピン290,292は補強ロッド236の第2の部分256の直径DDに比べて非常に小さい直径Dを有してよい。例えば、補強ロッド236は約10mmの直径DDを有する。ピン290,292の対応する直径は例えば0.5mm乃至2.0mmである。
【0060】
ピン290,292は、成形過程で成形金型に加えられる熱および圧力に耐えることができるような高い溶融点の材料から作られるのが好ましい。ピン290,292は金属、セラミック、または熱分解炭素から作られてよい。成形金型262を用いて図17に示すようにベアリングコンポーネントを成形する成形過程は、最初に底部金型266から上部金型270を分離する過程と、図12の成形金型62に関して説明された過程のプラスチック粉末112と同様のプラスチック粉末207を供給する過程とを含む。所望のプラスチック粉末207が供給された後に、上部金型270が側面金型272内に配置されて、金型266,270,272がベアリングコンポーネント222の外側表面に対応する内側形成面264を形成するまで、上部金型272が底部金型264に向けて下ろされる。
【0061】
圧縮成形サイクルの終了に向かう間にUHMWPE材料がほぼ十分な密度となりかつ完全に成形金型を満たしたと想定されたとき、ピン290,292はキャビティ208から好ましくは補強ロッド236の中心線250,252と直交する方向に沿って引き抜かれる。例えば、図17に示されているように、第1のピン290は実線で描かれた位置から破線で描かれた位置へ移動する。第1のピン290および第2のピン292が破線で描かれた位置へ後退すると、小さなピンキャビティ238がピン290,292が引き抜かれた後に残される。圧縮サイクルは終了していないので、加圧され溶けた高分子材料が直ちにピンキャビティ238を満たしてピンキャビティ238がなくなる。
【0062】
UHMWPE材料がほぼ十分な密度となりかつ完全に成形金型を満たしたと想定されたとき、キャビティ208内のプラスチック粉末207は圧縮成形サイクルのその時点では高い粘性を獲得しているので、補強ロッド236はピン290,292が完全に引き抜かれて補強ロッド236を支持しなくなった後でもその以前の位置に留まる。
【0063】
好ましくは、図17に示すように、ピン290,292は、例えば補強ロッド236の直径である距離DDの2倍の値の距離Pだけ第2の中心線250に沿って互いに離れて配置される。距離Pが大きいほど、成形金型262内での補強ロッド236の安定性および位置の正確さが増加する。
【0064】
好ましくは、図17に示すように、ピン290,292は第2の中心線250に対して直角に配置され、好ましくは互いにある角度をなすように配置され、好ましくは互いに90度の角度をなして(または直角に)配置される。そのように配置することで、3度以上の自由度で補強ロッド236を適切に位置決めするためのピン290,292の効果が最適化される。適切な冷却の後に、プランジャ(または上部金型)270が開かれて、完成したベアリングコンポーネント222が成形金型262から取り出される。
【0065】
成形金型262内に補強ロッド236を位置決めし、さらに、ポリエチレンで補強ロッド236を完全に包むためのその他の方法が採用されてもよいことが適切に理解されなければならない。例えば、ピン290,292はプラスチック粉末207と同じポリエチレンから作られてよい。そしてピン290,292は完全に配置されたまま残されて後退させられない。そしてピン290,292は溶けてプラスチック粉末207と一体となり、ポリエチレンが補強ロッド236を支持するたの十分な粘性を獲得するまでの間成形金型262内に補強ロッド236を適切に配置するのに十分な強度を成形過程において早くから有する。
【0066】
補強ロッド236を適切に配置して補強ロッド236を完全にポリエチレンで包むようにするためのその他の方法もこの発明の範囲内にある。
【0067】
この発明に基づけば、図10乃至図14を参照して、この発明の他の実施の形態がベアリングコンポーネント22として示される。
【0068】
図8を参照すると、図10(a)のベアリングコンポーネント22が人工関節10のためのベアリングコンポーネント222の代わりに用いられてよいことが適切に評価されなければならない。ベアリングコンポーネント22が人工関節10においてベアリングコンポーネント222に代わって用いられるように、ベアリングコンポーネント22はベアリングコンポーネント222と同様の材料でつくられ、同様の強度および同様の負荷容量を有し、さらに同様の寸法を有する。
【0069】
図10(a)を参照すると、この発明のベアリングコンポーネントの他の実施の形態が人工関節10において代わりに用いられるベアリングコンポーネント22として示される。ベアリングコンポーネント22は、脛骨トレー16の中心回動ステムの中心線44が突起部24(図8)の中心線46から変位していることに適応するように設計された補強ロッド36を含む。したがって、図10(a)に示すように、補強ロッド36は第2の中心線52と同一直線状にない第1の中心線50を有するように設計されている。図8および図10に示されているように、補強ロッド36の第1の中心線50は脛骨トレー16の中心回動ステムの中心線44と同一直線上にある。同様に補強ロッド36の第2の中心線52は突起部24の中心線46と同一直線上にある。
【0070】
図10(a)を続けて参照すると、補強ロッド36は補強ロッド36の第1の中心線50を画定する第1の部分54を含む。補強ロッド36は補強ロッド36の第2の中心線52を画定する第2の部分56をさらに含む。第1の中心線50および第2の中心線52は同一直線上にない。
【0071】
図10(a)に示されているように、第1の中心線50は第2の中心線52と平行で間隔を置いて配置されていてよい。しかし、第1の中心線50および第2の中心線52は実際には傾いていても収束もしくは発散していてもよいことが適切に理解されなければならない。しかし、図10(a)に示されているように、第1の中心線50および第2の中心線52は距離COだけ間隔を置いて配置されていて、距離COは突起部24の中心線46と脛骨トレー16の中心線44との間の距離SO(図8)に等しい。
【0072】
図10(a)に示されているように、補強コンポーネント36は第1の部分54と第2の部分56との間に配置された連結部分60を含む。連結部分60は、任意の適切な形状でよいが、好ましくは強度および平易さの観点からアーチ形の部分である。そのような構造において、連結部分60の形状は一対の半径R1およびR2によって画定され、半径R1および半径R2は例えば同じであってよい。
【0073】
補強コンポーネント36は一対の変位した中心線に支持を提供できるような任意の形状でよいことが適切に理解されるべきであると共に、平易さの観点からおよび図10(b)に示されているように、補強コンポーネント36は単一の断面形状を有してよいことが適切に理解されなければならない。例えば、補強コンポーネント36の断面は四角形、三角形、六角形、または図10(b)に示されているような円形であってよい。円形の断面形状によって、所定の重量および寸法の補強コンポーネント36に対して様々な向きの最適な曲げ強さが提供される。
【0074】
補強コンポーネント36は中空の材料から作られても、図10(b)に示すようにほぼ中実の材料から作られてもよい。空間的な制約から、補強コンポーネント36は図10(b)に示すように中実の材料から作られる。
【0075】
図8および図10から明らかなように、より詳しくは、補強コンポーネント36を含むベアリングコンポーネント22は様々な方法によって製造されるが、はじめにベアリングコンポーネント22を製造して、次に補強コンポーネント36を取り付けるための開孔または導管をベアリングコンポーネント22に設けるというように単純かつ容易には製造できない。したがって、ベアリンクコンポーネント22に補強ロッドを設けるための典型的な方法である、ベアリングコンポーネント22に開孔を穴あけして直線状の円筒形ロッドを開孔に挿入するといった方式は採用できない。
【0076】
したがって、図11、図12、および図13を参照すると、ベアリングコンポーネント22は好ましくは例えば圧縮成形法またはポリマーを処理できる任意の成形法などの成形法によって製造される。
【0077】
図11、図12、および図13を参照すると、ベアリングコンポーネント22は好ましくは形成金型62内で製造される。べアリングコンポーネント22は任意の適切な成形法によって製造されるが、好ましくは図12に示すように成形金型62は直接圧縮成形法(direct compression molding)で用いられるものである。プラスチック粉末が成形金型62内に配置され、成形金型62が閉じられて圧力が加えられて圧縮、加熱され、プラスチック粉末がキャビティの形状に沿って流れるようになる。
【0078】
成形金型62は最終的に完成したベアリングコンポーネント22の形状に形成された内側形成面64を含む形状で製造されている。好ましくは、内側形成面64は、当業者に知られているように適正な収縮寸法を許容するような寸法を有する。
【0079】
成形金型62は複数の部分から作られている。典型的には、基部金型(または底部金型)66がベアリングコンポーネント22の関節面70を形成するのに用いられる。成形金型62は本体金型(側面金型)72をも含む。本体金型72はベアリングコンポーネント22の湾曲した側面74を形成するのに用いられる。さらに、成形金型62はプランジャアセンブリ76をも含む。プランジャアセンブリ76は底部ベアリング面80および回転シャフト82を形成するのに用いられる。様々な厚さの脛骨ベアリングコンポーネント22を形成するのに単一の金型が用いられてよい。
【0080】
この発明のベアリングコンポーネント22を製造するために、成形金型62は、例えば補強ロッドの形態の補強コンポーネント36を支持するように変形されている。
【0081】
好ましくは、図12に示すように、補強ロッド(または補強コンポーネント)36は内側形成面64から間隔をおいて配置されている。好ましくは、図12に示すように、補強ロッド36は配向機構84によって、ベアリングコンポーネント22の突起部と遠位のステムとの間の変位を形成するように最初に設計されたように内側形成面64からの間隔を保たれている。配向機構84は、成形金型62内で補強ロッド36を間隔をおいて配置する、支持するまたは位置決めするのに用いられる。配向機構(または支持機構)84は補強コンポーネント36の任意の適切な箇所で補強コンポーネント36を支持または固定してよい。簡単にするため図12に示すように、配向機構84は補強ロッド36の第1の端部86に配置されている。
【0082】
配向機構84は補強ロッド36の第1の端部86に対して相互に作用するただ一つの位置決め部材を含むものでよい。配向機構84が一方の端部のみに配置されると共に補強ロッド36がその端部で保持される場合、基部金型(または底部金型)66またはプランジャアセンブリ(または上部金型)76に配置された配向機構84を含む成形金型の部分は、補強ロッド36を配向機構84にしっかりと一時的に取り付けるものでなければならない。
【0083】
この発明は補強ロッド36の一方の端部に配置されたただ一つの配向機構を用いて実施できるが、そのような構成では、配向機構84と補強ロッド36との間の許容誤差の値によって、補強ロッド36の成形金型62内での位置が十分に正確とならず、その結果補強ロッド36が完成した補強ロッド(補強コンポーネント)36内で誤った位置に配置されるという問題を生じることがある。誤った配置は前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向のいずれでも生ずることがある。さらに、補強ロッド36は突起部24および遠位のステムに対して周方向の誤った位置に配置されることもある。
【0084】
したがって、好ましくは、図12に示すように、配向機構84は補強ロッド36の第1の端部86に配置された第1の位置決め装置90および補強ロッド36の第2の端部94に配置された第2の位置決め装置92の形態を有する。補強ロッド36が第1の端部86および第2の端部94の両方で保持される場合、一方の端部、例えば第1の端部86は固定して一時的に取り付けられ、他方の端部、例えば第2の端部は移動できるように一時的に取り付けられなければならない。移動できるように一時的に取り付けることは、成形金型の2つの端部が各成形サイクルの間に互いに接近したり遠ざかったりできるようにするために必要である。さらに、移動できるように一時的に取り付けることにより、高分子材料が補強ロッド36の周囲に均等に配置されるようにして突起部24内で補強コンポーネント36を最適な位置に配置するための周方向の整合がもたらされなければならない。
【0085】
成形金型62内での補強ロッド36の位置決めをより正確にするために、所望に応じて、成形金型62は内側形成面64に対して(結局は補強コンポーネント36に対して)補強ロッド36を最適な角度で配置するための配向機構100を含んでもよい。配向機構100は、例えば位置決め装置90,92に含まれていてよく、例えば、図12に示すように第2の位置決め装置92に配置された平坦部102の形態でよい。図12に示されているように、配向機構100は6個の等間隔の平坦部の形態であり、そのうちの3個の平坦部が図示されている。したがって、位置決め装置(または配向機構)84は、6角形のロッドの形態である。成形コンポーネント(ベアリングコンポーネント)に対する補強コンポーネントの位置をより細かく調整できるようにさらに平坦部が設けられてもよい。
【0086】
図10(a)を参照すると、好ましくは図10(a)に示されているように、補強ロッド36は、例えば補強ロッド36の第1の端部86に配置された第1の凹部104および補強ロッド36の第2の端部94に配置された第2の凹部106の形態の位置決め機構を含む。第1の凹部104は第1の位置決め装置90を嵌め合わせるように受容し、第2の凹部106は第2の位置決め装置92を受容する(図11)。好ましくは、図10(a)に示すように、第2の凹部106は第2の位置決め装置92の平坦部102と嵌め合わされる凹部平坦部110を含む。
【0087】
図14を参照すると、成形金型62(図12)によって成形されたベアリングコンポーネント22が示されている。ベアリングコンポーネント22が成形金型62から取り出されるときに、第1の位置決め装置90および第2の位置決め装置92がキャビティ114からそしてベアリングコンポーネント22から取り外されるようにするために、ベアリングコンポーネント22は補強ロッド36の第1の凹部104と同軸上で第1の凹部104の上に配置された第1のベアリングコンポーネント開口120を含む。同様に、ベアリングコンポーネント22は補強ロッド36の第2の凹部106から外向きに延在する第2のベアリングコンポーネント開口122をさらに含む。第1のベアリングコンポーネント開口120および第2のベアリングコンポーネント開口122は、ベアリングコンポーネント22の外側から補強ロッド36へのアクセスを提供する。
【0088】
図12を再び参照すると、プラスチック粉末112が成形金型62のキャビティ114内に適切な量で加えられる。成形金型62は、プランジャアセンブリ(または上部金型)76を成形金型62の本体金型(または側面金型)72の上に載せて閉じられる。
【0089】
ベアリングコンポーネント22は、プラスチック粉末112を固めるために必要な圧力および温度のよく知られた条件の下に成形金型62を置くことで十分に形成される。適切に冷却した後に、成形金型62は、プランジャアセンブリ(または上部金型)76を成形金型62の本体金型(または側面金型)72から取り外して開かれる。次に、ベアリングコンポーネント22は補強ロッド36を含んだ状態で、成形金型62のキャビティ114から取り出される。適切に洗浄された後に、別の補強ロッド36および別のプラスチック粉末112がキャビティ114に加えられ、2回目のベアリングコンポーネント22を製造するために処理過程が繰り返される。
【0090】
図14を参照すると、この発明のベアリングコンポーネント22は補強ロッド36にアクセスするためにベアリングコンポーネント22を露出させる第1のベアリングコンポーネント開口120および第2のベアリングコンポーネント開口122を含む。したがって、補強ロッド36はベアリングコンポーネント22の外側表面に限定的に露出されかつ接続された内側表面を有する。
【0091】
したがって、補強ロッド36は、補強ロッド36が挿入される開口120,122を介してベアリングコンポーネント22の外側表面に露出され、または成形過程の間に成形金型を用いて支柱を保持する方法によって露出されるので、ベアリングコンポーネント22は例えばガスプラズマ滅菌法などの主に表面を滅菌する技術によっては滅菌されない。
【0092】
ガスプラズマ滅菌法で滅菌されたベアリングコンポーネント22を用いるために、開口120,122をポリエチレン製のプラグで塞ぐ過程、または位置決め装置90,92をポリエチレンで作ってベアリングコンポーネント22が成形金型62(図12)から取り出された後は位置決め装置90,92を後退させない過程が実施される。
【0093】
図20を参照して、補強ロッド62を含むベアリングコンポーネント22を成形するための処理過程をより詳しく説明する。図20に示された処理過程のステップ120は、耐久性の材料からなるコンポーネントを提供する過程である。耐久性の材料は、例えばコバルト・クロム・モリブデン、ステンレス鋼、チタン、またはチタン合金の形態でよい。提供されるコンポーネントは例えば長寸の部材、例えばロッドの形態でよい。ロッドの形態のコンポーネントは、この発明で記載されたように、折り曲げられたロッドもしくは2つのほぼ直線状の部分を備えたロッドで2つの部分が互いに傾いたまたは同一直線上にない形態のロッドである。
【0094】
処理過程の第2のステップ122は、図20に示されたように、完全な関節形成術で用いるためのコンポーネントを製造するのに適した成形金型62を提供する過程である。
【0095】
処理過程の第3のステップ124は、補強コンポーネント36を成形金型62内の所望の位置に配置する過程である。処理過程の第4のステップ126は、成形可能な材料の粉末を成形金型内に配置する過程である。ベアリングコンポーネント22を製造するための処理過程の第5のステップ130は、補強コンポーネント36を成形可能な材料で実質的に取り囲む過程である。処理過程の第6のステップ131は、成形金型62を、したがって成形可能な材料を加熱および圧縮する過程である。処理過程の第7のステップ132は、成形可能な材料を冷却してベアリングコンポーネント22を形成する過程であり、処理過程の第8のステップ134は成形金型62からベアリングコンポーネント22を取り出す過程である。
【0096】
この発明の非直線形の補強コンポーネントを用いることにより、膝関節は、脛骨トレーと係合するインサートの中心線と大腿骨コンポーネントのカムと係合する上方の突起部の中心線とが同一平面上にない状態の突起部およびカム機構に対して、前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向に沿った増強された負荷容量を有することになる。インサートの中心線と突起部の中心線とが同一平面上にないそのような状態では、膝関節の運動性が改善される。
【0097】
そのほぼ全体の外側面がポリエチレンで包まれたインサートを備えた脛骨ベアリングインサートを提供することにより、脛骨ベアリングインサートが改善された強度を有し、かつガスプラズマ滅菌法によって滅菌できるようになる。
【0098】
脛骨ベアリングインサートに非直線状の補強コンポーネントを提供することにより、突起部を介した負荷伝達機構が最適になるように、非直線状の支持ロッド(補強コンポーネント)が脛骨ベアリングインサート内に適切に配置される。
【0099】
配向機構を含む非直線状の支持体を含む脛骨ベアリングインサートを提供することにより、脛骨ベアリングインサートを製造する間に支持体ロッド(非直線状の支持体)を脛骨ベアリングインサートに対して調整することができる。
【0100】
この発明およびその利点が詳細に説明されたが、様々な変更、置換、変形が特許請求の範囲によって定義されるこの発明の真髄および範囲から逸脱せずに可能であることが理解されなければならない。
【0101】
この発明の具体的な実施態様は以下の通りである。
(A)第1の長骨と共に動作するための第1のコンポーネントと、
第2の長骨と共に動作するための第2のコンポーネントと、
上記第1のコンポーネントおよび上記第2のコンポーネントの間に配置されると共に上記第1のコンポーネントおよび上記第2のコンポーネントと共に動作するベアリングコンポーネントであって、上記ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントと、上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んで上記補強コンポーネントと密着して成形された高分子材料とを含み、上記高分子材料が主に表面を滅菌する技術によって滅菌され、上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の端部に隣接し、上記第2の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第2の端部に隣接し、上記第1の周縁領域は上記第1のコンポーネントと共に動作し、上記第2の周縁領域は上記第2のコンポーネントと共に動作する、上記ベアリングコンポーネントと
を有する、人工関節。
(1)主に表面を滅菌する技術がガスプラズマ噴射プロセスからなる、実施態様(A)記載の人工関節。
(2)高分子材料が補強コンポーネントの表面から垂直に少なくとも5mmの厚みで延在する、実施態様(A)記載の人工関節。
(3)高分子材料が補強コンポーネントの表面積の少なくとも99.5%にわたって補強コンポーネントを囲む、実施態様(A)記載の人工関節。
(4)補強コンポーネントが、第1の中心線を画定する第1の部分と、上記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分とを有する、実施態様(A)記載の人工関節。
(5)第2の中心線が第1の中心線と平行に離れて配置されている、実施態様(4)記載の人工関節。
【0102】
(6)高分子材料が架橋超高分子量ポリエチレンからなる、実施態様(A)記載の人工関節。
(7)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントを保持するための保持機構を画定する、実施態様(A)記載の人工関節。
(8)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントの第1の中心線および第2の中心線の少なくとも一方に対する向きを決めるための配向機構を画定する、実施態様(4)記載の人工関節。
(9)補強コンポーネントが、第1の部分に第1の凹部を、第2の部分に第2の凹部を各々画定し、上記第1の凹部および上記第2の凹部は高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されたときに上記補強コンポーネントを保持するように適合されている、実施態様(4)記載の人工関節。
(10)第1の凹部および第2の凹部が第1の中心線および第2の中心線の少なくとも一方と実質的に同軸となる向きで配置されている、実施態様(9)記載の人工関節。
【0103】
(11)補強コンポーネントが、第1の部分に第1の凹部および第2凹部を画定し、上記第1の凹部および上記第2の凹部は高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されたときに上記補強コンポーネントを保持するように適合されている、実施態様(4)記載の人工関節。
(12)第1の凹部および第2の凹部が第1の中心線および第2の中心線に対して実質的に垂直な向きで配置されている、実施態様(11)記載の人工関節。
(B)大腿骨に取り付けるための大腿骨コンポーネントと、
脛骨に取り付けるための脛骨トレーと、
上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーの間に配置されると共に上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーと共に動作するベアリングコンポーネントであって、上記ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントと、上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んで上記補強コンポーネントと密着して成形された高分子材料とを含み、上記高分子材料は主に表面を滅菌する技術によって滅菌され、上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の端部に隣接し、上記第2の周縁領域は上記第補強コンポーネントの上記第2の端部に隣接し、上記第1の周縁領域は上記大腿骨コンポーネントと共に動作し、上記第2の周縁領域は上記脛骨トレーと共に動作する、上記ベアリングコンポーネントと
を有する、膝の人工関節。
(13)主に表面を滅菌する技術がガスプラズマ噴射プロセスからなる、実施態様(B)記載の人工関節。
(14)高分子材料が補強コンポーネントの表面から垂直に少なくとも5mmの厚みで延在する、実施態様(B)記載の人工関節。
(15)高分子材料が補強コンポーネントの表面積の少なくとも99.5%にわたって補強コンポーネントを囲む、実施態様(B)記載の人工関節。
【0104】
(16)補強コンポーネントが、第1の中心線を画定する第1の部分と、上記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分と、を有する、実施態様(B)記載の人工関節。
(17)第2の中心線が第1の中心線と平行に離れて配置されている、実施態様(16)記載の人工関節。
(18)高分子材料が架橋超高分子量ポリエチレンからなる、実施態様(B)記載の膝の人工関節。
(19)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントを保持するための保持機構を画定する、実施態様(B)記載の膝の人工関節。
(20)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントの第1の中心線および第2の中心線の少なくとも一方に対する向きを決めるための配向機構を画定する、実施態様(16)記載の膝の人工関節。
【0105】
(21)補強コンポーネントが、第1の部分に第1の凹部を、第2の部分に第2の凹部を各々画定し、上記第1の凹部および上記第2の凹部は高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されたときに上記補強コンポーネントを保持するように適合されている、実施態様(16)記載の膝の人工関節。
(C)関節形成術に用いられる膝関節のベアリングコンポーネントであって、
上記ベアリングコンポーネントは、大腿骨コンポーネントおよび脛骨トレーの間に配置されて上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーと共に動作し、
上記ベアリングコンポーネントは、
第1の端部および第2の端部を備えた補強コンポーネントと、
上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んで上記補強コンポーネントと密着して成形されて、主に表面を滅菌する技術によって滅菌される高分子材料とを含み、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の部分に隣接し、上記第2の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第2の部分に隣接し、上記第1の周縁領域は上記大腿骨コンポーネントと共に動作し、上記第2の周縁領域は上記脛骨トレーと共に動作する、膝関節のベアリングコンポーネント。
(22)主に表面を滅菌する技術がガスプラズマ噴射プロセスからなる、実施態様(C)記載のベアリングコンポーネント。
(23)高分子材料が補強コンポーネントの表面積の少なくとも99.5%にわたって補強コンポーネントを囲む、実施態様(C)記載のベアリングコンポーネント。
(24)補強コンポーネントが、第1の中心線を画定する第1の部分と、上記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分とを有する、実施態様(C)記載のベアリングコンポーネント。
(25)高分子材料が架橋超高分子量ポリエチレンからなる、実施態様(C)記載のベアリングコンポーネント。
【0106】
(26)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントを保持するための保持機構を画定する、実施態様(C)記載のベアリングコンポーネント。
(27)補強コンポーネントが、高分子材料を上記補強コンポーネントに対して配置したときに上記補強コンポーネントの第1の中心線および第2の中心線の少なくとも一方に対する向きを決めるための配向機構を画定する、実施態様(24)記載のベアリングコンポーネント。
(28)補強コンポーネントが、第1の部分に第1の凹部を、第2の部分に第2の凹部を各々画定し、上記第1の凹部および上記第2の凹部は高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されたときに上記補強コンポーネントを保持するように適合されている、実施態様(24)記載のベアリングコンポーネント。
(D) 第1の関節コンポーネントおよび第2の関節コンポーネントと共に動作するための、関節形成術で用いるための高分子材料製のベアリングコンポーネントの製造方法であって、
第1の端部および第2の端部を有する補強支持体を提供する過程と、
第1の成形部分および第2の成形部分を有し、関節形成術で用いるためのベアリングコンポーネントを製造するのに適合した成形金型を提供する過程であって、上記第1の成形部分は上記第1の関節コンポーネントと共に動作するための上記ベアリングコンポーネントの第1の表面を提供するように適合されていて、上記第2の成形部分は上記第2の関節コンポーネントと共に動作するための上記ベアリングコンポーネントの第2の表面を提供するように適合されていている、上記成形金型を提供する過程と、
上記補強支持体および上記成形金型と共に動作するための位置決め部材を提供する過程と、
上記第1の端部または上記第2の端部が上記第1の成形部分に配置されるようにして上記補強支持体を上記成形金型内の所望の位置に位置決めする過程と、
上記位置決め部材を上記補強支持体に密着させて上記補強支持体の上記所望の位置を保持する過程と、
上記成形金型内に成形可能な高分子材料を供給する過程と、
上記補強支持体を上記成形可能な高分子材料で実質的に囲む過程と、
上記成形金型を加熱しかつ加圧する過程と、
上記成形可能な高分子材料を冷却して上記ベアリングコンポーネントを形成し、かつ上記成形可能な高分子材料を冷却する間に上記成形金型に加えられている熱または圧力をより低い値に保持しながら上記補強支持体から上記位置決め部材を取り除いて、上記成形可能な高分子材料が上記位置決め部材によって占有されていた空間を代わって占有するようにする過程と、
上記ベアリングコンポーネントを上記成形金型から取り外す過程と、
を有する、関節形成術で用いるためのベアリングコンポーネントの製造方法。
【0107】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、非直線形の補強コンポーネントを用いることにより、膝関節は、脛骨トレーと係合するインサートの中心線と大腿骨コンポーネントのカムと係合する上方の突起部の中心線とが同一平面上にない状態の突起部およびカム機構に対して、前方及び/または後方への方向および内側及び/または外側への方向に沿った増強された負荷容量を有することになる効果があり、インサートの中心線と突起部の中心線とが同一平面上にないそのような状態では、膝関節の運動性が改善される効果がある。
【0108】
この発明によれば、そのほぼ全体の外側面がポリエチレンで包まれたインサートを備えた脛骨ベアリングインサートを提供することにより、脛骨ベアリングインサートが改善された強度を有し、かつガスプラズマ滅菌法によって滅菌できるようになる効果がある。
【0109】
この発明によれば、脛骨ベアリングインサートに非直線状の補強コンポーネントを提供することにより、突起部を介した負荷伝達機構が最適になるように、非直線状の支持ロッド(補強コンポーネント)が脛骨ベアリングインサート内に適切に配置される効果がある。
【0110】
この発明によれば、配向機構を含む非直線状の支持体を含む脛骨ベアリングインサートを提供することにより、脛骨ベアリングインサートを製造する間に支持体ロッド(非直線状の支持体)を脛骨ベアリングインサートに対して調整することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】膝の人工関節が伸ばされた状態の、大腿骨コンポーネントおよび脛骨ベアリングを備えた脛骨コンポーネントを示すこの発明のベアリングコンポーネントを含む膝の人工関節の斜視図である。
【図2】図1の膝の人工関節の前方から見た正面図である。
【図3】一点鎖線で描かれた骨に移植された図1および図2に示された膝の人工関節の側面図である。
【図4】脛骨プラトーから部分的に取り外されたプラスチック製のベアリングコンポーネントを示す図1の膝の人工関節の分解側面図である。
【図5】図1の膝の人工関節の後方から見た背面図である。
【図6】脛骨プラトーから部分的に取り外されたプラスチック製のベアリングコンポーネントを示す前方から見た図1の膝の人工関節の分解正面図である。
【図7】脛骨プラトーから部分的に取り外されたプラスチック製のベアリングコンポーネントを示す分解斜視図である。
【図8】脛骨プラトーから取り外されたプラスチック製のベアリングコンポーネントを示す図3の膝の人工関節の完全に分解された側面図である。
【図9】脛骨プラトーから取り外されたプラスチック製のベアリングコンポーネントを示す前方から見た膝の人工関節の完全に分解された正面図である。
【図10】(a)はこの発明の人工関節のある実施の形態のためのベアリングコンポーネントと共に用いられる補強ロッドの平面図である。(b)は(a)の補強ロッドを矢印の向きから線10A−10Aに沿って見た図である。
【図11】この発明の人工関節のためのベアリングコンポーネントを製造するために用いられる成形用金型内に配置された図10(a)の補強ロッドの平面図である。
【図12】成形用金型をより詳細に示したこの発明の人工関節のためのベアリングコンポーネントを製造するために用いられる部分的に断面で示された成形用金型の中に配置された図10(a)の補強ロッドの平面図である。
【図13】図12の成形用金型の底面図である。
【図14】図12の成形用金型を用いて図10(a)の補強ロッドから製造されたベアリングコンポーネントの部分的に断面で示された平面図である。
【図15】(a)はこの発明の人工関節の他の実施の形態のベアリングコンポーネントに用いるための補強ロッドの平面図である。(b)は(a)の線15A−15Aに沿った補強ロッド矢視図である。
【図16】この発明の人工関節のためのベアリングコンポーネントを製造するのに用いられる成形金型内に配置された図15(a)の補強ロッドの平面図である。
【図17】成形金型をより詳細に示した、この発明の人工関節のためのベアリングコンポーネントを製造するのに用いられる部分的に断面で示された成形金型内に配置された図15(a)の補強ロッドの平面図である。
【図18】図16の成形金型の底面図である。
【図19】図16の成形金型を用いて図15(a)の補強ロッドから製造されたベアリングコンポーネントの平面図である。
【図20】図21の人工関節のコンポーネントを製造する方法の過程のフローチャートである。
【図21】人工関節が曲げられた状態の、図1および図2の人工関節の側面図である。
【図22】人工関節が曲げられた状態の、大腿骨コンポーネントおよび脛骨ベアリングを備えた脛骨コンポーネントを示すこの発明のベアリングコンポーネントを含む図1の膝の人工関節の斜視図である。
【図23】曲げられた状態の人工関節を示す図1および図2に示された人工関節の前方から見た正面図である。
【図24】曲げられた状態の人工関節を示す図1および図2に示された人工関節の後方から見た正面図である。
【符号の説明】
10 人工関節
12 第1のコンポーネント
14 大腿骨
16 脛骨トレー
20 脛骨
22 ベアリングコンポーネント
24 突起部
26 カム
30 大腿骨面
32 突起面
34 カム協働面
35 突起部協働面
36 第1のコンポーネント
40 接触面
42 外側面
44 中心回動軸
46 中心線
50 第1の中心線
52 第2の中心線
54 第1の部分
56 第2の部分
60 連結部分
62 成形金型
64 内側形成面
66 基部金型
70 関節面
72 本体金型
74 側面
76 プランジャアセンブリ
80 底部ベアリング面
82 回転シャフト
84 配向機構
86 第1の端部
90 第1の位置決め装置
92 第2の位置決め装置
94 第2の端部
100 配向機構
102 平坦部
104 第1の凹部
106 第2の凹部
110 凹部平坦部
112 プラスチック粉末
114 キャビティ
120 第1のベアリングコンポーネント開口
122 第2のベアリングコンポーネント開口
202 配向および配置機構
204 第1の凹部
206 第2の凹部
207 プラスチック粉末
208 内部キャビティ
222 ベアリングコンポーネント
224 突起部
236 補強コンポーネント
238 ピンキャビティ
250 第1の中心線
252 第2の中心線
254 第1の部分
256 第2の部分
260 連結部分
262 成形金型
264 内側成形面
266 基部金型
270 プランジャ
271 関節面
272 本体金型
274 湾曲した側面
280 底部ベアリング面
282 回転シャフト
286 第1の端部
290 第1のピン
292 第2のピン
294 第2の端部
Claims (22)
- 人工関節において、
第1の長骨と共に動作するための第1のコンポーネントと、
第2の長骨と共に動作するための第2のコンポーネントと、
上記第1のコンポーネントおよび上記第2のコンポーネントの間に配置可能であると共に上記第1のコンポーネントおよび上記第2のコンポーネントと共に動作可能であるベアリングコンポーネントであって、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えていて少なくとも2つのピン孔を備えた補強コンポーネントと、上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んで上記補強コンポーネントと密着して成形された高分子材料とを含み、これにより、上記ベアリングコンポーネントが、主に表面を滅菌する技術によって滅菌されることができるようになっており、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の端部に隣接し、上記第2の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第2の端部に隣接し、上記第1の周縁領域は上記第1のコンポーネントと共に動作可能であり、上記第2の周縁領域は上記第2のコンポーネントと共に動作可能である、
ベアリングコンポーネントと、
を有し、
上記補強コンポーネントの上記少なくとも2つのピン孔は、上記高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されるときに上記補強コンポーネントを保持することができるようになるよう、上記補強コンポーネントの長手方向に離間していて、互いに対して角度をなしている、人工関節。 - 膝のための人工関節において、
大腿骨に取り付けるための大腿骨コンポーネントと、
脛骨に取り付けるための脛骨トレーと、
上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーの間に配置可能であると共に上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーと共に動作するベアリングコンポーネントであって、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の端部および第2の端部を備えていて少なくとも2つのピン孔を備えた補強コンポーネントと、上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んで上記補強コンポーネントと密着して成形された高分子材料とを含み、これにより、上記ベアリングコンポーネントは、主に表面を滅菌する技術によって滅菌されることができるようになっており、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の端部に隣接し、上記第2の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第2の端部に隣接し、上記第1の周縁領域は上記大腿骨コンポーネントと共に動作可能であり、上記第2の周縁領域は上記脛骨トレーと共に動作可能である、
ベアリングコンポーネントと、
を有し、
上記補強コンポーネントの上記少なくとも2つのピン孔は、上記高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されるときに上記補強コンポーネントを保持することができるようになるよう、上記補強コンポーネントの長手方向に離間していて、互いに対して角度をなしている、人工関節。 - 前記少なくとも2つのピン孔は、前記補強コンポーネントを横方向に貫通しており、互いに対して直角に設けられている、請求項1または2記載の人工関節。
- 主に表面を滅菌する前記技術が、ガスプラズマ噴射プロセスを含む、請求項1〜3のいずれか記載の人工関節。
- 前記高分子材料が、前記補強コンポーネントの表面から垂直に少なくとも5mmの厚みで延在する、請求項1〜4のいずれか記載の人工関節。
- 前記高分子材料が、前記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99.5%にわたって前記補強コンポーネントを囲む、請求項1〜5のいずれか記載の人工関節。
- 前記補強コンポーネントが、第1の中心線を画定する第1の部分と、前記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分とを有する、請求項1〜6のいずれか記載の人工関節。
- 前記第2の中心線が、前記第1の中心線と平行に、かつ離れて配置されている、請求項7記載の人工関節。
- 前記高分子材料が、架橋超高分子量ポリエチレンを含む、請求項1〜8のいずれか記載の人工関節。
- 前記少なくとも2つのピン孔が、前記第1の中心線および前記第2の中心線に対して実質的に垂直な向きで配置されている、請求項7または8記載の人工関節。
- 膝関節形成術に用いられるベアリングコンポーネントであって、
上記ベアリングコンポーネントは、大腿骨コンポーネントおよび脛骨トレーの間に配置可能で、上記大腿骨コンポーネントおよび上記脛骨トレーと共に動作し、
上記ベアリングコンポーネントは、
第1の端部および第2の端部を備えていて少なくとも2つのピン孔を備えた補強コンポーネントと、
上記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99%を囲んでいて、これにより上記補強コンポーネントが主に表面を滅菌する技術によって滅菌されることができるようにしている高分子材料と、
を含み、
上記ベアリングコンポーネントは、第1の周縁領域および第2の周縁領域を画定し、上記第1の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第1の端部に隣接し、上記第2の周縁領域は上記補強コンポーネントの上記第2の端部に隣接し、上記第1の周縁領域は上記大腿骨コンポーネントと共に動作可能であり、上記第2の周縁領域は上記脛骨トレーと共に動作可能であり、
上記補強コンポーネントの上記少なくとも2つのピン孔は、上記高分子材料が上記補強コンポーネントに対して配置されるときに上記補強コンポーネントを保持することができるようになるよう、上記補強コンポーネントの長手方向に離間して、互いに対して角度をなしている、ベアリングコンポーネント。 - 主に表面を滅菌する前記技術が、ガスプラズマ噴射プロセスを含む、請求項11記載のベアリングコンポーネント。
- 前記高分子材料が、前記補強コンポーネントの表面積の少なくとも99.5%にわたって前記補強コンポーネントを囲む、請求項11または12記載のベアリングコンポーネント。
- 前記補強コンポーネントが、第1の中心線を画定する第1の部分と、前記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分とを有する、請求項11〜13のいずれか記載のベアリングコンポーネント。
- 前記高分子材料が、架橋超高分子量ポリエチレンを含む、請求項11〜14のいずれか記載のベアリングコンポーネント。
- 前記少なくとも2つのピン孔が、前記第1の中心線および前記第2の中心線に対して実質的に垂直な向きで配置されている、請求項14記載のベアリングコンポーネント。
- 第1の関節コンポーネントおよび第2の関節コンポーネントと共に動作するための、関節形成術で用いるための高分子材料製のベアリングコンポーネントの製造方法であって、
第1の端部および第2の端部を有する補強支持体を提供する過程と、
第1の成形部分および第2の成形部分を有し、関節形成術で用いるための上記ベアリングコンポーネントを製造するように構成された成形金型を提供する過程であって、上記第1の成形部分は上記ベアリングコンポーネントに上記第1の関節コンポーネントと共に動作するための第1の表面を提供するように構成されていて、上記第2の成形部分は上記ベアリングコンポーネントに上記第2の関節コンポーネントと共に動作するための第2の表面を提供するように構成されている、成形金型を提供する過程と、
上記補強支持体および上記成形金型と共に動作するための少なくとも2つのピン部材を提供する過程と、
上記第1の端部または上記第2の端部が上記第1の成形部分に配置されるようにして、上記補強支持体を上記成形金型内の所望の位置に位置決めする過程と、
上記少なくとも2つのピン部材を、これらピン部材が上記補強支持体の長手方向に離間して、互いに対して角度をなすように上記補強支持体に挿入して、上記補強支持体の上記所望の位置を保持する過程と、
上記成形金型内に成形可能な高分子材料を供給する過程と、
上記補強支持体を上記成形可能な高分子材料で実質的に囲む過程と、
上記成形可能な高分子材料を加熱しかつ加圧する過程と、
上記成形可能な高分子材料を冷却して上記ベアリングコンポーネントを形成する過程であって、上記成形可能な高分子材料を冷却して上記ベアリングコンポーネントを形成する間に、上記成形可能な高分子材料に加えられている熱または圧力をより低い値に保持しながら上記補強支持体から上記少なくとも2つのピン部材を取り除いて、上記成形可能な高分子材料が上記少なくとも2つのピン部材によって占有されていた空間を代わって占有するようにする、過程と、
上記ベアリングコンポーネントを上記成形金型から取り外す過程と、
上記ベアリングコンポーネントを、ガスプラズマ滅菌法を用いて滅菌する過程と、
を有する、製造方法。 - 補強支持体を提供する前記過程が、非直線状の補強支持体を提供することを含む、請求項17に記載の方法。
- 補強支持体を提供する前記過程が、第1の中心線を画定する第1の部分と、前記第1の中心線と同一直線上にない第2の中心線を画定する第2の部分とを有する補強支持体を提供することを含む、請求項17または18に記載の方法。
- 位置決めする前記過程が、前記補強支持体を前記成形金型の内側壁から間隔を置いて配置することを含む、請求項17〜19のいずれか記載の方法。
- 前記補強コンポーネントが、非直線状である、請求項1〜10のいずれか記載の人工関 節。
- 前記補強コンポーネントが、非直線状である、請求項11〜16のいずれか記載のベアリングコンポーネント。
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