JP2017531683A - 不眠症を治療するための組成物および方法 - Google Patents

不眠症を治療するための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

本発明において、(1R,2S)−2−(((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドなどの化合物は、強力なオレキシン受容体アンタゴニストであることが見いだされ、不眠症などの睡眠障害の治療および他の治療上の用途に用いることができる。

Description

本発明は、不眠症を治療するための組成物および方法に関する。本出願は、2014年10月23日に米国で出願された米国特許出願第62/067,443号明細書に基づく優先権を主張し、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
オレキシン受容体は、主に脳において見出されるGタンパク質共役受容体である。それらの内在性リガンド、オレキシン−Aおよびオレキシン−Bは、視床下部に局在化するニューロンによって発現される。オレキシン−Aは、33アミノ酸ペプチドであり、オレキシン−Bは、28アミノ酸からなる(Sakurai T.et al.,Cell,1998,92 573−585)。オレキシン受容体の2つのサブタイプ、オレキシン受容体1(以下、OX1と呼ぶ)およびオレキシン受容体2(以下、OX2と呼ぶ)があり、OX1は、オレキシン−Aに優先的に結合するが、OX2は、オレキシン−Aおよびオレキシン−Bの両方に結合する。オレキシンは、ラットにおいて食物の摂取を刺激し、オレキシンシグナル伝達が、摂食行動を制御するための中心的なフィードバック機構において役割を果たし得ることが示唆された(Sakurai et al.、前掲)。オレキシンが覚醒−睡眠状態をコントロールすることも観察された(Chemelli R.M.et al.,Cell,1999,98,437−451)。オレキシンはまた、オピオイド依存症およびニコチン依存症(S.L.Borgland et al.,Neuron,2006,49,598−601;C.J.Winrow et al.,Neuropharmacology,2010,58,185−194)ならびにエタノール依存症(J.R.Shoblock et al.,Psychopharmacology,2011,215,191−203)に関連する脳変化においても役割を果たし得る。オレキシンは、更に、いくつかのストレス反応において役割を果たすことが示唆された(T.Ida et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.,2000,270,318−323)。(1R,2S)−2−(((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミド(以下、化合物Aと呼ぶ)などの化合物は、強力なオレキシン受容体アンタゴニストであることが分かっており、不眠症などの睡眠障害の治療および他の治療上の用途に用いることができる。
化合物Aの式
Figure 2017531683
催眠剤に関して、毎夜1回で服用される医薬製剤中の有効活性成分(以下、APIと呼ぶ)の投与量が高すぎる場合、翌日に眠気が残存する可能性があるが、1回の投与量が不十分であると、たとえ患者が催眠剤により眠りに落ちることができたとしても、通常の睡眠時間中に患者に覚醒を引き起こし得る。そのため、副作用と効能との間のバランスのみを考慮するのと比較して、睡眠開始の容易さと残存眠気の回避との間の微妙なバランスを考慮して適切な投与量を設定するのは難しい。さらに、たとえ、不眠症のための特定の薬剤の投与量、APIの生理化学的特性、および薬剤の投与後の薬物動態学的(以下、PKと呼ぶ)プロファイルが知られていたとしても、そのような情報は、それぞれのAPIの作用メカニズム、投与ルート、吸収速度、血漿中での溶解度および安定性などの生理化学的特性、または他の因子を含む多くの因子によって影響を及ぼされる可能性が高いため、不眠症のための他のAPIに適用可能ではないであろう。実際に、残存眠気と催眠剤の特徴との関係は必ずしも一貫しているとは限らない(CNS Drugs 2004;18(5):297−328)。PKプロファイルと睡眠開始または残存眠気などの眠気効果との関係は、化合物Aについて依然として知られていない。
催眠剤の固体製剤を経口で投与することを含む、急速な睡眠開始および睡眠時間の全体にわたる睡眠の維持を達成するが、残存眠気および/または翌日の障害を回避するために不眠症を治療するためのより有効な方法の必要性が当技術分野に存在する。さらに、急速な睡眠開始および睡眠時間の全体にわたる睡眠の維持を達成するが、残存眠気および/または翌日の障害を回避するための、不眠症を治療するための医薬組成物であって、催眠剤および少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む医薬組成物の必要性が当技術分野に存在する。
本発明は、薬剤化合物Aの固形製剤を経口で投与することを含む、不眠症を治療する方法を提供することを目的とする。
さらに、治療有効量の化合物Aを含む医薬組成物を提供することが本発明の目的である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲の1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、約2mg〜約15mgの範囲の1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、約2mg〜約10mgの範囲の1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、約2、2.5、4、5、8、10、または15mgから選択される1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量投与後に、化合物Aの1mg当たり約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症の治療方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲の1日1回の投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与後に、化合物Aの1mg当たり約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成する。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与後に、5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成する。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与後に、16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成する。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与後に、23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を実現する。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回10mg量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与後に、36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を実現する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量投与後に、化合物Aの1mg当たり約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24)を達成する1日1回量である。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回の投与量の投与後に、17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を実現する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、化合物Aの1mg当たり約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)を達成する1日1回の投与量である。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、化合物Aの1mg当たり約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)を実現する1日1回量である。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、20ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を実現する。
さらなる実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲にわたる1日1回の投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度となる。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲の1日1回の投与量である。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、薬剤の1mg当たり約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成するための1日1回の投与量である。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿濃度(Cmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療上有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿濃度(Cmax)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、薬剤の1mg当たり約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる1日1回の投与量である。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、薬剤の1mg当たり約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)をもたらす1日1回の投与量である。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、薬剤の1mg当たり約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる1日1回の投与量である。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、20ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
さらなる実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与後に、311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する。
ある実施形態において、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲にわたる1日1回の投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度となる。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤および不眠症を治療するための有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;75rpm)を使用する溶出試験の開始から30分以内に、溶媒(0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸、900mL、37±0.5℃)中で85%以上の溶出率となる。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤および不眠症を治療するための有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を使用する溶出試験の開始から15分以内に、溶媒(0.1mol/L塩酸、900mL、37±0.5℃)中で85%以上の溶出率となる。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースを含む経口医薬製剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む経口医薬製剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む経口医薬製剤に関する。
本発明による方法は、入眠が容易であるが、残存眠気および/または翌日の障害を回避する、不眠症の治療のための潜在的用途を有する。
本発明による医薬組成物は、不眠症の治療のための経口固形製剤の潜在的用途を有する。
I.定義
本明細書において記載される本発明がより十分に理解されるために、以下の定義が本開示のために提供される。
用語「有効量」は、その必要性のあるヒト被験者において治療効果を達成することができる化合物Aの薬剤量を意味する。
用語「化合物Aの薬剤」は、(1R,2S)−2−(((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドまたは薬剤学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、多形体、遊離塩基、もしくはその任意の組み合わせを意味するものとする。
用語「ヒト被験者」は、正常で健康な男性もしくは女性のボランティア、および/または、不眠症又は不眠症を引き起こす任意の疾患もしくは障害の臨床上の徴候および症状を示す任意の個人を意味するものとする。
本明細書において使用される用語「不眠症」は、American Psychiatric Associationによって発行されたDiagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders,5th Edition(2013)(以下DSM−Vと呼ぶ)において定められるすべての記載を意味するものとする。DSM−Vは、以下のように不眠症の診断基準を列挙している。
A.主な訴えが、以下の症状の1つ(またはそれ以上)に関連する睡眠の量または質についての不満である。
1.入眠困難(小児では、介護者の介在がないと入眠困難の症状を呈する)。
2.頻繁な覚醒または覚醒後再入眠困難によって特徴付けられる睡眠維持障害(小児では、介護者の介在がないと再入眠困難の症状を呈する)。
3.再入眠することができない早朝覚醒。
B.睡眠障害が、社会、職業、教育、学業、行動、または他の重要な機能領域において臨床的に著しい苦痛または障害を引き起こす。
C.睡眠困難が1週間当たり少なくとも3夜起こる。
D.睡眠困難が少なくとも3か月間続く。
E.睡眠困難が十分な睡眠の機会にもかかわらず起こる。
F.不眠症が別の睡眠覚醒障害(たとえばナルコレプシー、呼吸関連睡眠障害、概日リズム睡眠覚醒障害、睡眠時随伴症)によってより適切に説明されるとは言えず、かつその過程中にのみ起こるものではない。
G.不眠症が、物質(たとえば乱用薬物、医薬)の生理学的作用に起因しない。
H.共存する精神障害および医学的状態が、不眠症の主な訴えを十分に説明するものではない。
不眠症は、入眠困難、睡眠維持困難、間欠的な覚醒状態、および/または早期覚醒を含む症状によって特徴付けられる睡眠障害を意味するが、これらには限定されない。この用語はまた、眠気、不安、集中力の低下、記憶障害、および過敏性などの日中症状を包含する。本発明の組成物による治療に適した不眠症のタイプは、短期間の不眠症および慢性不眠症を含むが、これらには限定されない。用語「短期間の不眠症」は、約2〜約4週間続く不眠症を指す。用語「慢性不眠症」は、少なくとも1か月以上にわたって続く不眠症を指す。
「生物学的同等性の」または「生物学的同等性」という表現は、当技術分野の用語であり、U.S Department of Health and Human Servicesによって発行され、「オレンジブック」として一般に知られているApproved Drug Products with Therapeutic Equivalence Evaluations,34th Editionに従って定義されるものとする。同じ原薬の異なる製剤の生物学的同等性は、薬剤吸収の速度および程度に関しての同等性に関する。試験製剤の吸収の程度および速度は、2つの製剤が生物学的同等性であるかどうかを決定するための基準製剤と比較される。標準的な生物学的同等性試験は、多くのボランティア、通常12〜24人の健康で正常な大人に、試験薬剤および基準薬剤の1回量を投与し、次いで薬剤の血液または血漿レベルをある期間にわたって測定することを含む、集中的な試験によるクロスオーバー形式で行われる。基準製剤との製剤の生物学的同等性を確立するための詳細なガイドラインは、FDA、ジェネリック医薬品部、生物学的同等性部門によって発行されている。
Cmax、AUC、またはTmaxなどのPKパラメーターに−20%/+25%以下の差異がある2つの製剤は、一般に「生物学的同等性である」と考えられる。標準的生物学的同等性に関する別のアプローチで、試験製品および基準製品に関する測定値の平均(母集団幾何平均値)の比について、90%信頼区間を計算する。BEを確立するために、計算した信頼区間は、製品平均の比について通常80〜125%の範囲内に入らなければならない。この一般的なアプローチに加えて、(1)薬物動態学的データの対数変換、(2)順序効果を評価する方法、および(3)外れ値データを評価する方法を含む他のアプローチが、生物学的同等性の確立に有用な場合がある。たとえば、上記(1)では、信頼区間は、対数変換PKパラメーターの平均値の差異について通常80〜125%の範囲内に入らなければならない。
用語「睡眠時間」は、被験者が睡眠にかける時間を指す。睡眠時間は、連続的であっても非連続的なものであってもよい。
「睡眠効率」は、被験者が就床時間中に得る睡眠時間の合計を指す。睡眠効率は、以下の式によって測定される:100*(睡眠時間の合計(TST)/就床時間の合計)。
語句「残存眠気」は、通常前夜の催眠剤の投与後の翌朝に、起床に際して患者が眠気または覚醒中鎮静を感じることを指す。「翌日の障害」は、運転を含む注意力を必要とする活動を害する患者の行動を指し、これは、翌朝に覚醒しているが、血液中の催眠剤のレベルが十分に高いままである場合に起こる。カロリンスカ眠気尺度(KSS)は、自覚的な眠気を評価するために使用される、多くのツールのうちの1つである。KSSは、もともと、眠気の一次元尺度を構成するように開発されたものであり、アルファおよびシータ脳波(EEG)活動ならびに緩徐眼球運動電気眼振(EOG)活動に対して検証された(Åkerstedt and Gillberg,1990)。残存眠気または翌日の障害の影響を評価するための他の自覚的試験は、エプワース眠気尺度(ESS)、スタンフォード眠気尺度(SSS)、および睡眠−覚醒活性目録(SWAI)が含まれる。それらの効果はまた、患者の記憶、患者の注意、情報処理、および精神運動機能を調査するための、当業者によるヒト被験者に対する多くの試験のうちの1つ以上を使用して評価することもでき、たとえば、数字符号置換検査(DSST)、精神運動覚醒検査(PVT)、選択反応時間検査(CRT)、睡眠潜時検査(SLT)、視覚アナログ検査(Visual Analog Test)(VAT)、符号コピー検査(Symbol Copying Test)(SCT)、臨界フリッカー融合閾値検査(Critical Flicker Fusion threshold test)(CFF)、単純反応時間検査(視覚または聴覚;SRT)、言語学習検査(Word Learning Test)(WLT)、臨界トラッキング検査(Critical Tracking Test)(CTT)、注意分割検査(Divided Attention Test)(DAT)、数字または文字末梢検査(digit or letter cancellation test)、睡眠ポリグラフ(PSG)測定による睡眠判定、持続的遂行能検査(CPT)、多発性睡眠潜時検査(MSLT)、迅速視覚情報処理検査(RVIP)、および他を含む。
用語「製剤」または「医薬製剤」は、患者および他の哺乳動物に対して原薬(有効活性成分(API))を投与するためのまたは投薬、投与、および薬の送達を容易にするための手段を意味するものとする。製剤は、投与ルートおよび適用部位の点から分類され、たとえば経口、局所、直腸、膣、静脈内、皮下、筋肉内、眼、鼻、耳、および吸入投与を含む。また、製剤は、固体、半固体、または液体などの物理的な形態の点から分類される。さらに、製剤は、第十六改正日本薬局方(JP16)の各条またはGeneral Chapter<1151>Pharmaceutical Dosage Forms of U.S.Pharmacopoeia−NF(37)(USP37)において記載されるように、それらの形態、機能、および特徴に基づいて細分され、錠剤、カプセル、または注入液を含むが、これらに限定されない。
用語「賦形剤」は、ビヒクル(たとえば水、カプセルシェルなど)、希釈剤、または治療剤などの薬剤を含む製剤もしくは医薬組成物を構成する構成成分として使用される、典型的に不活性の成分を意味するものとする。用語はまた、粘着性の機能(すなわち、バインダー)、崩壊させる機能(すなわち、崩壊剤)、潤滑機能(潤滑剤)、および/または他の機能(すなわち、溶媒、界面活性剤など)を組成物に与える一般的に不活性の成分を包含する。
用語「平均」は、幾何平均を指す。「平均Cmax」または「平均AUC」などの薬物動態学的パラメーターは、CmaxまたはAUCの幾何平均値を指す。
本出願において使用される用語の略語および定義のリストを以下に示す。
AUC:血漿濃度時間曲線下の面積
AUC(0−x):投薬後ゼロ時間からx時間後までの血漿濃度時間曲線下の面積
AUC(0−t):0時間から最終の定量化可能濃度の時間までの血漿濃度時間曲線下の面積
AUC(0−inf):ゼロ時間から無限大までの血漿濃度時間曲線下の面積
ANCOVA:共分散分析
CI:信頼区間
Cmax:最大薬剤濃度
Cx:投薬のx時間後の血漿濃度
CV:変動係数
DSST:精神運動機能検査
ECG:心電図
EEG:脳波図
EMG:筋電図
EOG:電気眼球図
KSS:カロリンスカ眠気尺度
LC−MS/MS:脂質クロマトグラフィー質量分析法/質量分析法
LPS:持続睡眠潜時、消灯から非覚醒の20連続エポックのPSG記録(エポック)の最初の30秒間まで測定した時間
LS:最小二乗
MAD:複数用量漸増
MTD:最大耐性量
PD:薬力学
PK:薬物動態
PSG:睡眠ポリグラフ、ポリソムノグラフィ
PVT:精神運動覚醒検査
REM:急速眼球運動
RT:反応時間
SE:睡眠効率、就床時間(分)で除したTSTに100を乗じる
SAD:単一用量漸増
SD:標準偏差
t1/2:最終排出半減期
tmax:薬剤投与後に最大(ピーク)濃度に達する時間
TST:睡眠時間の合計、就床時間(TIB)の急速眼球運動(REM)+ノンレム(NREM)睡眠の時間
WASO:睡眠開始後の覚醒、持続睡眠(LPS)の開始から点灯までの覚醒状態の時間
化合物Aの1mgカプセルおよび50mgカプセルの溶出プロファイルを示す。 化合物Aの1mg錠剤、2.5mg錠剤、5mg錠剤、10mg錠剤、および25mg錠剤の溶出プロファイルを示す。 条件Iで得られた化合物Aカプセルと錠剤との間の比較溶出プロファイルを示す。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療する方法であって、約1mg〜約15mgの量の化合物Aの1日1回量を経口投与することを含み、前記1回量が、容易な睡眠開始をもたらすが、残存眠気および/または翌日の障害を回避する方法に関する。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療する方法であって、約3.0ng/ml〜約108ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)を実現するために約1mg〜約15mgの量の化合物Aの1日1回量を経口投与することを含む方法に関する。1日1回量の投与は、約15.9ng*hr/ml〜約356.4ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約19.1ng*hr/ml〜約766.5ng*hr/mlの平均AUC(0−t);約19.8ng*hr/ml〜約796.5ng*hr/mlの平均AUC(0−inf);約12.7〜約60時間の平均t1/2を実現し、約1〜約3.25時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
別の実施形態では、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口投与することを含み、前記治療有効量が、化合物Aの1mg毎に約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)を実現するための1日1回の投与量である。1日1回量の投与は、化合物Aの1mg毎に約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24);化合物Aの1mg毎に約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)を実現し、化合物Aの1mg毎に約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)を達成する。
1日1回1mg量の化合物Aがヒト被験者に投与されたときに、約5.3ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);約17.2ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約19.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t);約19.8ng*hr/mlの平均AUC(0−inf);約12.7時間の平均t1/2;および約1時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
1日1回2.5mg量の化合物Aがヒト被験者に投与されたときに、約10ng/ml〜約18ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);約57ng*hr/ml〜約60ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約80ng*hr/ml〜約95ng*hr/mlの平均AUC(0−t);約80ng*hr/ml〜約103ng*hr/mlの平均AUC(0−inf);約30〜約37時間の平均t1/2;および約1〜2時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
1日1回5mg量の化合物Aがヒト被験者に投与されたときに、約19ng/ml〜約23ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);約95ng*hr/ml〜約110ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約128ng*hr/mlの平均AUC(0−t);約150ng*hr/mlの平均AUC(0−inf);約31時間の平均t1/2;および約1〜約2の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
1日1回10mg量の化合物Aがヒト被験者に投与されたときに、約30ng/ml〜約58ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);約160ng*hr/ml〜約190ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約280ng*hr/ml〜約510ng*hr/mlの平均AUC(0−t);約310ng*hr/ml〜約530ng*hr/mlの平均AUC(0−inf);約56〜約60時間の平均t1/2;および約1〜約3.25時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
ある実施形態において、化合物Aの1日1回1mg量がヒト被験者に投与されたときに、(1)5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
別の実施形態では、化合物Aの1日1回2.5mg量がヒト被験者に投与されたときに、(1)16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
別の実施形態では、化合物Aの1日1回5mg量がヒト被験者に投与されたときに、(1)23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.6時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
別の実施形態では、化合物Aの1日1回10mg量がヒト被験者に投与されたときに、(1)36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
ある実施形態において、1日1回2.5mg量が約14日間の期間にわたって投与されたときに、約15ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);約120ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約44時間の平均t1/2;および約2時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
ある実施形態において、1日1回5mg量が約14日間の期間にわたって投与されたときに、約24ng/mlの平均最大血漿濃度(Cmax);約190ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約46時間の平均t1/2;および約1時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
ある実施形態において、1日1回10mg量が約14日間の期間にわたって投与されたときに、約47ng/mlの平均最大血漿濃度(Cmax);約360ng*hr/mlの平均AUC(0−24);約55時間の平均t1/2;および約2時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)が達成される。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度をもたらす1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量の投与の8〜10時間後に約18ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度をもたらす1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約15ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度をもたらす1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約9.0ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度をもたらす1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約0.4ng/ml〜約9.0ng/mlの平均血漿化合物A濃度を達成する1日1回の投与量である。
ある実施形態において、不眠症を治療する方法を提供する本発明は、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、約2.5mg〜約10mgの範囲の1日1回の投与量であり、前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への1回量の投与から8時間で約1.8ng/ml〜約9.0ng/mlまたは9時間で約1.5ng/ml〜約5.0ng/mlまたは10時間で約2.0ng/ml〜約8.0ng/mlの平均血漿中化合物A濃度を達成する。
ある実施形態において、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が、約1mg〜約15mgの範囲の1回の投与量であり、前記1回の投与量が、容易な睡眠開始をもたらすが、残存眠気および/または翌日の障害を回避する。
本発明の製剤が、ヒト被験者への1回量投与後に1)約3.0ng/ml〜約108ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax);2)約15.9ng*hr/ml〜約356.4ng*hr/mlの平均AUC(0−24);3)約12.7〜約60時間の平均t1/2;および4)約1〜約3.25時間の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)を達成する。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト対象被験者への1回量投与後、化合物Aの1mg毎に約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約5.3ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約10ng/ml〜約18ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約19ng/ml〜約23ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約30ng/ml〜約58ng/mlの平均最大血漿中濃度(Cmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与後化合物Aの1mg毎に約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約17ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量の投与後に約57ng*hr/ml〜約60ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約95ng*hr/ml〜約110ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約160ng*hr/ml〜約190ng*hr/mlの平均AUC(0−24)となる。
さらなる実施形態では、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与後に約19.1ng*hr/ml〜約766.5ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
さらなる実施形態では、前記製剤が1mg〜15mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約19.1ng*hr/ml〜約766.5ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与後化合物Aの1mg毎に約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約19ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約80ng*hr/ml〜約95ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約128ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約280ng*hr/ml〜約510ng*hr/mlの平均AUC(0−t)となる。
さらなる実施形態では、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与後に約19.8ng*hr/ml〜約796.5ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が約1mg〜約15mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約19.8ng*hr/ml〜約796.5ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与後化合物Aの1mg毎に約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約19.8ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約80ng*hr/ml〜約103ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約150ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約310ng*hr/ml〜約530ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約18ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約15ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約9.0ng/ml以下の平均血漿化合物A濃度となる。
ある実施形態において、前記製剤が、ヒト被験者への1回量投与の8〜10時間後に約0.4ng/ml〜約9.0ng/mlの平均血漿化合物A濃度となる。
さらなる実施形態では、前記製剤が治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容されるキャリヤまたは賦形剤を含み、前記治療有効量が、約2.5mg〜約10mgの範囲の1日1回の投与量であり、前記1回の投与量が、ヒト被験者への1回量投与から8時間で約1.8ng/ml〜約9.0ng/mlまたは9時間で約1.5ng/ml〜約5.0ng/mlまたは10時間で約2.0ng/ml〜約8.0ng/mlの平均血漿中化合物A濃度を達成する。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約12.7時間の排出半減期(t1/2)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約30〜37時間の排出半減期(t1/2)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約31時間の排出半減期(t1/2)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約56〜60時間の排出半減期(t1/2)となる。
ある実施形態において、前記製剤が1mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約1時間の最大血漿濃度到達平均時間(tmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が2.5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約1〜約2時間の最大血漿濃度到達平均時間(tmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が5mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約1〜約2時間の最大血漿濃度到達平均時間(tmax)となる。
ある実施形態において、前記製剤が10mgの化合物Aを含み、ヒト被験者への1回量投与後に約1〜約3.25時間の最大血漿濃度到達平均時間(tmax)となる。
ある実施形態において、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療上有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、(1)5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、(1)16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療上有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、(1)23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿濃度(Cmax);(2)95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.6時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)を達成する。
別の実施形態では、本発明は、治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤を提供し、前記治療上有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、(1)36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大血漿中濃度(Cmax);(2)159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24);(3)284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t);(4)311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf);および/または(5)1.0時間の約80%〜約125%の範囲内の最大血漿中濃度到達平均時間(tmax)を達成する。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療するための薬剤学的に許容される賦形剤および有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置)を使用する溶出試験の開始から45分以内に、85%以上の溶出率をもたらす。溶媒(900mL、37±0.5℃)は、0.1mol/L塩酸または0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸から選択される。パドル速度は、50rpmまたは75rpmから選択される。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療するための医薬として許容される賦形剤および有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従うApparatus 2(Paddle Apparatus)を使用する溶出試験の開始から30分以内に、85%以上の溶出率をもたらす。溶媒(900mL、37±0.5℃)は、0.1mol/L塩酸または0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸から選択される。パドル速度は、50rpmまたは75rpmから選択される。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療するための薬剤学的に許容される賦形剤および有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶解試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置)を使用する溶出試験の開始から15分以内に、85%以上の溶出率をもたらす。溶媒(900mL、37±0.5℃)は、0.1mol/L塩酸または0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸から選択される。パドル速度は、50rpmまたは75rpmから選択される。
ある実施形態において、本発明は、不眠症を治療するための薬剤学的に許容される賦形剤および有効量の化合物Aを含む経口医薬製剤に関し、製剤が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を使用する溶解試験の開始から15分以内に、溶媒(pH1.2、900mL、37±0.5℃)中で85%以上の溶出率をもたらす。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースを含む経口医薬製剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む経口医薬製剤に関する。
ある実施形態において、本発明は、薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む経口医薬製剤に関する。
本発明では、化合物Aは、遊離塩基、薬剤学的に許容される塩、水和物、溶媒和化合物、多形体、またはこれらの任意の組み合わせの形態であってもよい。
薬剤学的に許容される塩は、無機酸塩(たとえば硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩、ヒドロフルオリド、ヒドロクロリド、臭化水素酸塩、ヒドロヨージド(hydriodide));有機カルボン酸塩(たとえば酢酸塩、蓚酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩、クエン酸塩);有機スルホン酸塩(たとえばメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩);アミノ酸塩(たとえばアスパラギン酸塩、グルタミン酸塩);第四級アミン塩;アルカリ金属塩(たとえばナトリウム塩、カリウム塩);およびアルカリ土類金属塩(たとえばマグネシウム塩、カルシウム塩)を含んでいてもよいが、これらに限定されない。
本発明の不眠症を治療する方法は、本発明の教示に従って投与される場合の不眠症の治療のための治療有効量の化合物Aを含有する。有効量は、0.5mg〜100mg、1mg〜15mg、2mg〜15mg、または2mg〜10mgの範囲の1日1回の投与量である。
製剤
本発明の製剤は、本発明の教示に従って投与される場合の不眠症の治療のための治療上有効量の化合物Aを含有する。製剤中の有効量の単位投与量は、0.5mg〜100mg、1mg〜15mg、2mg〜15mgであるか、または2mg、2.5mg、4mg、5mg、8mg、10mg、もしくは15mgから選択される。単位投与量は、製剤のタイプまたは1回の投与量に対する製剤の数によって限定されない。
本発明における製剤は、薬剤学的に許容される賦形剤と一緒に化合物Aを含む1つ以上の医薬組成物であってもよい。
本明細書において使用される用語「組成物」は、特定の量の特定の成分を含む製造物または特定の量の特定の成分の組み合わせによって直接もしくは間接的にもたらされた任意の製造物を含む。医薬組成物に関するそのような用語は、活性成分およびキャリヤからなる不活性成分を含む製造物を含み、任意の2つ以上の成分の組み合わせ、複合体形成、もしくは凝集または解離、1つ以上の成分の他の種類の反応もしくは相互作用によって直接または間接的にもたらされるすべての製造物を含むことが意図される。したがって、本発明の医薬組成物は、薬剤学的に許容されるキャリヤと本発明の化合物とを混合することによって調製されるすべての組成物を含む。用語「薬剤学的に許容される」は、キャリヤ、希釈剤、またはビヒクルが、調製物の他の成分と互換性がなければならないことおよび服用者に対して無毒でなければならないことを意味するために使用される。
製剤は、前述のものに限定されず、好ましくは固体製剤;より好ましくは経口固体製剤;さらに好ましくは即放性経口製剤である。
製剤からの化合物Aの溶出率は、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度)を使用する溶出試験の開始から45分以内に、好ましくは30分以内に、より好ましくは15分以内に85%を超える。溶媒(900mL、37±0.5℃)は、0.1mol/L塩酸または0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸から選択される。パドル速度は、50rpmまたは75rpmから選択される。
本発明における用語「即放性」は、製剤からの化合物Aの溶出率が、JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を使用する溶出試験の開始から15分以内に、溶媒(pH1.2、900mL、37±0.5℃)中で80%を超える、好ましくは85%を超える溶出プロファイルを意味するものとする。
固体製剤は、カプセル、顆粒剤、ロゼンジ、ペレット剤、丸剤、粉剤、懸濁剤、錠剤、好ましくはカプセル、顆粒剤、ペレット剤、丸剤、錠剤を含む。
本発明の医薬組成物は、当技術分野において一般に知られている標準的な技術および製造プロセスを使用して調製されてもよい。たとえば第十六改正日本薬局方の各条またはGeneral Chapter<1151>Pharmaceutical Dosage Forms of U.S.Pharmacopoeia−NF(37)を参照されたい。
本発明の固体製剤のための医薬組成物が調製されてもよく、たとえば、粉剤は、構成成分を乾式混合することによって調製される。たとえば、化合物A、1つ以上の希釈剤、1つ以上の任意選択の賦形剤(たとえば、結合剤および/または崩壊剤、ならびに他のさらなる任意選択の賦形剤)は、互いに混合される。混合前の混合物の構成成分または混合物自体を、メッシュのふるい、たとえば400〜700μmメッシュのふるいに通過させてもよい。潤滑剤は、これもふるいにかけられてよいが、次いで、混合物に追加され、混合は、均一な混合物が顆粒剤として得られるまで継続される。次いで、混合物は、圧縮されて錠剤になる。あるいは、湿式造粒技術を用いることができる。たとえば、活性成分および賦形剤は、たとえば造粒機を使用することによって互いに混合され、粉体混合物は少量の精製水により造粒される。結果として生じた湿性顆粒を乾燥させ、顆粒剤として得るために製粉機を通過させる。さらに、崩壊剤および潤滑剤を製粉された顆粒に追加し、混合後、結果として生じた均一な混合物は圧縮されて錠剤になる。あるいは、カプセルシェルなどのビヒクルは、カプセルとして得るために粉剤または顆粒剤が充填される。構成成分の追加の順序と、錠剤への圧縮前のそれらのふるい分けおよび混合等の、乾式混合技術および湿式造粒技術の変更は、当技術分野においてよく知られている原則に従って実施されてもよいことが理解されよう。
錠剤または顆粒剤を製造する場合、必要に応じて、それは水性のフィルムで、たとえばスプレーコーティングによってコーティングされてもよい。
本明細書において使用される希釈剤の例は、ラクトース、コーンスターチ、および結晶セルロースなどを含む。本明細書において使用される結合剤の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロースなどを含む。本明細書において使用される崩壊剤の例は、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウムなどを含む。本明細書において使用される潤滑剤の例は、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムなどを含む。本明細書において使用される着色料の例は、酸化チタンなどを含む。本明細書において使用されるコーティング剤の例は、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒプロメロース、メチルセルロースなどを含む。しかしながら、言うまでもなく、上記の薬剤の例はそれらに限定されない。
以下の実施例は、本発明の様々な態様を具体的に例示する。それらは、請求項を限定するようには決して解釈されないものとする。
実施例1
1回量治験(001治験)
これは、ランダム二重盲検プラセボおよびアクティブコントロールの逐次単回投与治験であった。治験は、2つのパート、パートA(健常者)およびパートB(原発性不眠症を有する以外は健康な被験者)からなった。
この治験の主目的は、10mgゾルピデムおよびプラセボと比較して、健常者に対して午前中に投与した化合物Aの1回の経口投与量の安全性および忍容性を評価することと、睡眠時間のおよそ30分前の夜に化合物Aの1回の経口投与後に原発性不眠症を有する被験者における用量反応に関して選択した薬力学的(PD)パラメーター(たとえば睡眠ポリグラフで定められた睡眠測定値)を評価することとであった。
第2の目的は、原発性不眠症を有する以外は健康な被験者における化合物Aの1回の経口投与量の安全性および忍容性を評価することと、健常者および原発性不眠症を有する被験者における単回経口投与後の化合物Aの薬物動態(PK)を判断することとであった。
治験の両方のパートは、2つの相、プレランダム化相およびランダム化相を有した。プレランダム化相は21日間続き、スクリーニング期間(−21日目〜−3日目)およびベースライン期間(−2日目〜−1日目)からなり、この間にそれぞれの被験者の治験適格性を決定し、ベースライン評価を−2日目に行った。ランダム化相では、被験者は、化合物Aの単回経口投与もしくは化合物Aに対応するプラセボ(パートA)および/またはゾルピデムもしくはゾルピデムに対応するプラセボ(パートB)を受けるようにランダム化した。
特にそれぞれパートAおよびパートBについて64人および60人の被験者を登録するために、およそ160人の健常者および250人の原発性不眠症を有する以外は健康な被験者をスクリーニングすることを計画した。160人の健常者および281人の原発性不眠症を有する以外は健康な被験者を実際にスクリーニングし、それぞれパートAおよびBに64人および58人の被験者を登録した。
パートAについては、64人の健常者を、化合物Aまたはプラセボを受けるように段階的用量増加方式で逐次コホートに登録し、性別によって層別化した。それぞれのコホートは、6人の化合物A治療被験者および2人のプラセボ治療被験者を含んでいた。治験薬はすべて、試験投与に従って、1つ以上の化合物Aのカプセルまたは化合物Aの対応プラセボカプセルを使用し、単回投与した。スクリーニング後、被験者は、−2日目にベースライン工程およびランダム化を受けた。被験者は、1日目に、一晩の絶食後の午前中、点灯の1時間後に投与した。PK血液サンプルは、事前に指定された時点に収集し、PD評価を実施した。被験者は、1日目投薬前および投薬後の2〜12時間にかけて2時間ごと、および2〜6日目の毎朝、評価を行った。
これらの評価は、日中の眠気、注意力のレベル、および集中能力を判断するためにカロリンスカ眠気尺度(KSS)、精神運動機能検査(DSST)、および精神運動覚醒検査(PVT)を含んでいた。起床時間アンケートは、1日目〜6日目の毎朝、PD評価後に行った。昼寝の時刻および時間は1日目および2日目に記録した。安全性は、治験の全体にわたってモニターした。
パートAの投与量は、化合物A1mg、2.5mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、および200mgとした。次のより高い投与量レベルへの増量は、1)最新の完了コホートからの安全性、忍容性(検査室および心電図[ECG]を含む)、および利用可能なPKデータを盲検方式で調査し、かつ2)利用可能なデータが次の投与量への増量を支持するまでは行わなかった。
パートBについては、58人の原発性不眠症を有する以外は健康な被験者を3つのコホートにランダム化し、性別によって層別化した。パートBもアクティブコントロール(ゾルピデム)および対応プラセボを含んでいた。それぞれのコホートに、化合物A/ゾルピデム対応プラセボ群におよそ12人の被験者、ゾルピデム/化合物A対応プラセボ群におよそ4人の被験者、および化合物A対応プラセボ/ゾルピデム対応プラセボ群におよそ4人の被験者がいた。パートBの投与は、睡眠時間の30分前の夜に行った。パートBの開始投与量は、パートAで安全であり、かつ十分に忍容性があることが決定された3つの投与量レベルとした。パートBにおけるその次の投与量レベルは、パートBにおける第1のコホートのPDの結果と、パートAにおける少なくとも3つの完了した、より高い投与量のコホートからのPDおよび安全性の結果とに基づいて決定した。パートBにおける各コホートは、少なくとも2つの群に分割し、各群の投与は最低2日間ずらした。
最初のスクリーニング検査後、適格な被験者は、スクリーニング/ベースラインPSGを行うためにスクリーニング期間中に2日間、外来診療所に戻るようにスケジュール化した。これらの2日間は、最初のスクリーニング検査の少なくとも3日後、かつ−7日目〜−6日目(±2日間)の期間内に行った。第1のPSGは、睡眠時無呼吸および睡眠時周期性四肢運動(PLMS)をスクリーニングするために使用し、第1のベースラインPSGとする。第2のPSGは、第2のベースラインPSGとして使用した。特定のPSG変数は、被験者がPSG組み入れ基準を満たすかどうかを決定するために使用し、これらの2つのPSG由来のPSG変数の平均をこのPD測定のベースラインとして使用した。PSG組み入れ基準を満たした被験者は、さらなるベースライン工程およびランダム化のために−1日目に外来診療所に戻った。被験者は1日目には昼寝をさせなかった。1日目の夜、最低3時間の絶食後、試験薬を、スクリーニング期間中の第1のPSGに関する睡眠日誌から計算される被験者の習慣的な就寝時刻(消灯時刻)の30分前に投与した。PK血液サンプルは、事前に指定された時点で収集し、PD評価を実施した。PSGは、1日目の投与後に記録した。被験者は、1日目〜6日目の毎朝、さらなるPD評価を行った。これらの評価は、日中の眠気、注意力のレベル、および集中力を判断するためにKSS、DSST、およびPVTを含んでいた。KSSおよびDSSTはまた、1日目の投薬の5分前および投薬の25分後、消灯時刻の直前にも行った。起床時間アンケートは、1日目〜6日目に、点灯の15分以内のPD評価後に行った。昼寝の時刻および時間を2日目に記録した。
薬物動態:
パートAの被験者について、化合物Aの血漿中濃度の決定のための血液サンプルは、1日目投与前および化合物Aの経口投与の0.25(15分)、0.5(30分)、1、2、3、4、5、6、9、12、24、48、72、96、120、168、および240時間後に収集したが、最初の3つのコホート(1、2.5、および5mg化合物A群)においては72時間まで収集した。PKサンプルは、最初の12時間は留置静脈カテーテルを介して優先的に、その後、直接静脈穿刺によって収集した。
パートBの被験者について、化合物Aの血漿濃度の測定のための血液サンプルは、1日目投与前および投与の0.5、9、12、24、36、60、84、108、156、および228時間後に直接静脈穿刺によって得た。
化合物Aについて計算したノンコンパートメント血漿PKパラメーター(許可されるデータとして)は、Cmax(最大薬剤濃度);tmax(薬剤投与後に最大(ピーク)濃度に達する時間);AUC(0−24h)(ゼロ時間から24時間までの濃度×時間曲線下面積);AUC(0−t)(0時間から最終の測定可能濃度の時間までの濃度×時間曲線下面積);AUC(0−inf)(ゼロ時間から無限大までの濃度×時間曲線下面積);t1/2(最終排出半減期);CL/F(血管外投与後の薬剤の見かけ上の全身クリアランス);およびV/F(見かけ上の分布容積)を含んでいたが、これらに限定されない。
化合物Aの血漿濃度は、検証した液体クロマトグラフィー質量分析/質量分析(LC−MS/MS)アッセイを使用して測定した。
パートAの被験者に関する化合物AのPKパラメーターを表1に要約した。パートBにおいて、濃度−時間プロファイルは、パートAにおけるそれらの対応する投与群にほぼ類似した。
Figure 2017531683
薬力学:
パートA被験者は、1日目投与の30分前から開始して、次いで投与後の12時間に2時間ごと、および2〜6日目に点灯の30分後から開始して、KSS、DSST、およびPVTを行った。起床時間アンケートは、PD評価後の1〜6日目の午前中に行った。
パートAでは、眠気の測定値(KSS、DSST、PVT)は、一般的な用量反応相関を示した。これらの測定値に対する薬力学的応答は、Cmaxと一致して、投与の2時間後に全般的に最大であった。効果の時間は投与量と相関した、すなわち、効果は投与量が高いほど長かった。
パートB被験者は、KSS、DSST、およびPVTを、点灯から15分以内に、具体的にはその順序で1日目〜6日目まで毎朝行い、その後は起床時間アンケートを行った。KSSおよびDSSTはまた、1日目の投与の5分前および投与の25分後(消灯時刻の直前)に行った。
更に、PSGは、スクリーニング期間中、−7および−6日目(±2日間)ならびに1日目の投与後に実施した。脳波図(EEG)、電気眼球図(EOG)、筋電図(EMG)、ECG、脚電極、および呼吸器機能(気流、呼吸努力、および酸素飽和度)の測定値からなる8時間診断PSGを、−7日目(±2日間)の第1のPSGの直前の3夜の睡眠日誌から決定される被験者の習慣的な就寝時刻から開始して実施した。この夜間のPSG変数は、睡眠時無呼吸およびPLMSをスクリーニングするために使用した。−6日目(±2)および1日目の投与後、標準的なPSG(すなわち、脚電極も酸素飽和度以外の呼吸器機能の測定値も含まない)を実施した。スクリーニング期間中に行ったこれら2回のPSGからの特定のPSG変数は、被験者がPSG組み入れ基準を満たすかどうかを決定するために使用した。スクリーニング期間中に行ったこれら2回のPSG由来のPSG変数の平均は、ベースラインPSG値として使用した。PSG LPS、TST、SE、およびWASOなどの重要なPDパラメーターは、すべてのPSG記録から得た。
ポリソムノグラフィーの結果は、化合物Aの暫定的な効能を示した。2.5および10mg投与量では、LPSはベースラインと比較して約30分間低下し、25mgでは、LPSはベースラインと比較しておよそ45分間低下した。2.5および10mg投与量では、WASOは、ベースラインと比較しておよそ30分間低下し、25mgでは、WASOは、ベースラインと比較して45分間超低下した。ゾルピデムと比較して、化合物Aの2.5および10mg投与は、LPSおよびWASOに対して同様の程度の効果を示した。ベースラインと比較して、SEは、化合物Aの2.5mg投与について11%、10mg投与について13%、および25mg投与について18%改善した。これは、プラセボ治療について3%およびゾルピデムについて13%のSEにおけるベースラインからの変化と同等であった。25mgの化合物Aの単回投与後、SEはおよそ90%まで増加した。しかしながら、PD評価は、この投与を受けた何人かの個人が翌日の残存眠気の測定でベースラインから増加していることを示していた。
化合物A、ゾルピデム、またはプラセボのいずれの投与でもKSS、DSST、またはPVTにおいて臨床的に有意な翌日効果はなかった。
実施例2
反復漸増投与治験(002治験)
これは、単一施設でのランダム化二重盲検プラセボコントロールの逐次反復投与治験とした。
この治験の主目的は、健康な成人の被験者において14日間、毎日1回夜に反復経口投与した後の化合物Aの安全性、忍容性、および薬物動態(PK)を評価することであった。更に、この治験の目的は、予想される治療量と比較した、安全域を提供するための化合物Aの最大耐性量(MTD)または十分に高い忍容性のある投与量を同定することである。
合計48人の健康な成人の被験者(18〜55歳)を、段階的用量増加方式で逐次6つのコホートのうちの1つに登録することとし、14日間、習慣的な就寝時刻の30分前かつ3時間の絶食後の夜に化合物Aまたは化合物A対応プラセボを投与されるようにランダム化した。それぞれのコホートは、6人の化合物A治療被験者および2人のプラセボ治療被験者を含むようにした。血液サンプルは、事前に指定された時間でPK分析のために収集し、PD評価を行った。
治験は、2つの相、即ち、プレランダム化相およびランダム化相を有していた。プレランダム化相は最長21日間続き、スクリーニング期間(−21日目〜−3日目)およびベースライン期間(−2日目〜−1日目)からなり、この間にそれぞれの被験者の治験適格性を決定し、ベースライン評価を−2日目に行った。ランダム化相(1〜28日目)は3つの期間からなっていた:被験者がランダム化され、化合物Aまたは化合物A対応プラセボを毎日経口投与された治療期間(1〜14日目)、入院患者経過観察期間(15〜19日目)、及びPKおよび安全性評価を行った外来患者経過観察期間(20〜28日目)。
被験者はすべて、投薬と就寝時刻間の急性の眠気、ならびに翌日の残存眠気と注意力および集中力のレベルとを判断するためのカロリンスカ眠気尺度(KSS)、精神運動機能検査(DSST)、および精神運動覚醒検査(PVT)を含むPD評価を行った。更に、起床時間アンケートは、前夜の睡眠の質を判断するために毎日行った。
この治験の開始投与量は、実施例1の治験の結果に基づくものとした。次のより高い投与量レベルへの増量は、最新の完了コホートからの安全性と、忍容性(検査室および心電図[ECG]を含む)と、利用可能なPKデータと、利用可能なデータが次の投与量への増量を支持するまでは行わなかった。
化合物Aの血漿濃度の決定のための血液サンプルは、1日目の投与前および投与の0.5(30分)、1、1.5、2、3、4、5、6、8、10、および12時間後;2〜13日:投与前;14日目:投与前および投与の0.5(30分)、1、1.5、2、3、4、5、6、8、10、および12時間後;15日目:14日目の投与の24時間後;16〜19日目:14日目の投与の36、60、84、および108時間後;21、24、26、28日目:14日目の投与の156、228、276、および324時間後のできるだけ近い時間、に収集した。化合物Aの血漿中濃度は、実施例1に記載された方法と同じ方法で測定し、上記のノンコンパートメント血漿PKパラメーターを化合物Aについて算出した。
PD効果は、KSS、DSST、およびPVTに対する投与後および翌日の作用を評価することによって、かつ起床時間アンケートでの睡眠の質に関する自己報告によって判断した。KSS、DSST、およびPVTは、習慣的な就寝時刻の15分前に−1日目から開始して実施した;1〜15日目は習慣的な起床時間の15分後以内および習慣的な起床時間の1、2、4、8、および12時間後、ならびに1〜14日目は投与の15分前および投与の15分後とした。24時間のホルター心電図の記録は、−2日目の就寝時刻の30分前および14日目の投与の直前に開始した。これらの記録からの抽出を使って、HPQT分析を含むECG分析を行った。起床時間アンケートは、1日目〜19日目に行った。
KSS、PVT、およびDSSTは、眠気に対する化合物Aの急性の効果を判断するため、各治療日において投与前および投与後の夜に行った。この間、毎日投与の15分前のKSS、DSST、およびPVTの値を、その日の投与の15分後の値に対するベースラインとした(毎日のベースライン)。KSS、PVT、およびDSSTはまた、翌日の残存眠気に対する化合物Aの効果を判断するために、昼間時間から続く夜の各投与の間を通して行った。この間、1日目に習慣的な起床時間の15分ならびに1、2、4、8、および12時間後に取った評価は、2日目〜15日目の習慣的な起床時間後の対応する時刻に取った評価のベースラインとした(時間対応ベースライン)。起床時間アンケートは、1日目〜19日目の午前中に行った。1日目の投与前の値は、ベースラインとして使用した。それぞれの時点のベースラインからの変化におけるプラセボと化合物Aの各投与のとの間の差異を95%の信頼区間(CI)で計算した。潜在的用量反応および時間的傾向を、許容されるデータとして調査した。
化合物Aカプセルおよび化合物A対応プラセボカプセルは、2.5mg、10mg、および50mgの強度で有効であった。全ての治験薬は、試験投与に従って、1つ以上の化合物Aのカプセルまたは化合物Aの対応プラセボカプセルを使用し、1日量として投与した。
薬物動態
1日目および14日目のPKパラメーターをそれぞれ表2および表3に要約した。
Figure 2017531683
Figure 2017531683
投与量で標準化したデータのグラフによる評価に基づいて、Cmaxは、1日目および14日目の評価の両方について投与量に比例してとは言えないまでも増加した。投与量で標準化したデータに基づいて、AUC(0−24h)は、1日目の投与量に比例してとは言えないまでも増加したが、14日目の評価に基づいて投与量にほぼ比例して増加した。2.5および5mg投与量の終末相半減期は、類似しており、平均しておよそ45時間であった。10mg以上の投与量では、平均終末相半減期は、14日目の投薬の最終日からおよそ55時間であった。蓄積は、終末相半減期によって予測されたものよりも低かった。蓄積に基づいて、有効半減期は、2.5〜25mgの範囲の投与量について16.9〜24.7時間の範囲であり、50および75mg投与量についてそれぞれ28.0および39.3時間であった。
薬力学
翌日の残存眠気に対する影響:KSS、PVT、およびDSSTによって測定されるように翌日の残存眠気の深さおよび時間の両方において用量相関の増加があった。2.5mgおよび5mg投与群では、プラセボとの有意な差異はなく、いずれの治療日の起床時間に関するいずれの時刻で、いずれの評価でも翌日の残存眠気群において増加を示した。プラセボとのわずかな差異が、2日目〜4日目にKSSで起床時間後の2時間以内の時点で10mg投与群において観察された。25mg投与群では、翌日の残存眠気の増加はより一貫しており、10mg投与群よりもわずかに大きかった。影響は、さらに、起床時間後の2時間以内の時点に限られたが、KSSで、また、PVT LapseおよびPVT Mean RRTである程度まで観察された。プラセボとの差異は最も一貫しており、すべての他の治療と比較して2日目および15日目でより大きかった。50mgおよび75mg投与群では、眠気のすべての評価で一貫しており、プラセボと比較的大きい差異があった。これらの差異は、起床時間後の2時間以内の時点でより大きかったが、起床時間の4時間および8時間後に、特にPVT Mean RRTで観察された。起床時間から12時間では、いずれの日、いずれの投与群の、眠気のいずれの測定値についてもプラセボとの差異はなかった。翌日の残存眠気が観察された投与群(すなわち、10mg以上)について、眠気は、5〜15日目に対して2〜4日目で比較的より大きかった。治療日にわたって眠気が低減するこのパターンは、血漿中の化合物Aの蓄積にもかかわらず全般的に観察された。
睡眠の質の尺度が、プラセボおよび化合物A群の両方において、他日と比較して2日目、とりわけ15日目に「安眠できない」または「非常に安眠できない」睡眠を報告する被験者がより多い傾向を示したことを除いて、起床時間アンケートの項目のいずれも、いずれの投与群またはプラセボ群においても、夜間の睡眠において規則正しい変化のパターンを示さなかった。
薬物動態 − 薬力学
翌日の残存眠気のPK−PDの調査分析については、1日目の夜の投与の8、9、および10時間後の母集団PKモデル由来の化合物Aの血漿中濃度は、それぞれ2日目の朝の起床時間の15分、1時間、および2時間後のKSS、PVT Lapse、およびDSSTのベースラインからの変化に関係していた。すべての時点で、KSSおよびPVT Lapseの両方が、化合物Aの濃度の増加と共にベースラインから一層増加することが観察された。午前の覚醒の1〜2時間後に相当する、投与9〜10時間後の30ng/mL未満の濃度(25mg未満の投与量で発生する)は、KSS、PVT Lapse、またはDSSTでベースラインからの最小限の変化または変化なしと相関していた。
実施例3
錠剤対カプセル製剤の相対的バイオアベイラビリティのクロスオーバー治験(005治験)
単一施設オープンラベルランダム化クロスオーバー治験を、2.5、10、および25mgのカプセル製剤中の化合物Aの単回経口投与と比較した錠剤中の化合物Aの単回固体経口投与のバイオアベイラビリティを健康な成人の被験者において評価するために行った。治験の別の目的は、健康な成人の被験者における2.5、10、および25mgの化合物Aの錠剤の安全性および忍容性を評価することであった。およそ36人の被験者が、3つのコホートのうちの1つ(コホート当たりおよそ12人の被験者)に無作為に割り当てられ、1:1の比で、無作為な順序で、カプセル製剤としての化合物Aの単回投与および錠剤としての化合物Aの単回投与の両方を受けた。投与量は、2.5mg、10mg、および25mgとした。
治験は、2つの相、即ちプレランダム化相およびランダム化相を有していた。プレランダム化相は最長21日間続き、スクリーニング期間およびベースライン期間Aを含み、この間に適格性を確認し、第1の製剤の投与前のベースライン評価を行った。ランダム化相は、ベースライン期間Bによって隔てられる2つの治療期間(AおよびB)からなっていた。治療期間Aの第1日に、被験者は、第1の製剤の単回経口投与を受けた。第1の製剤投与後、薬物動態(PK)および安全性評価を、治療期間Aを通じて得、被験者は、20日間のウォッシュアウトを完了した。第2の製剤の投与前に、被験者はベースライン期間B評価を完了した。次いで、被験者は、治療期間Bに移り、第2の製剤の単回経口投与を受けた。薬物動態および安全性評価は、治療期間Bを通じて得た。
化合物Aの血漿中濃度の決定のための血液サンプルは、以下の時間に収集した:治療期間A(1日目〜15日目):投与前および投与後0.5(30分)、1、1.5、2、3、4、5、6、8、12、24、48、72、120、168、240、および336時間後;治療期間B(22日目〜36日目):投与前および投与後0.5(30分)、1、1.5、2、3、4、5、6、8、12、24、48、72、120、168、240、および336時間後。
化合物Aの血漿中濃度は、検証した液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS/MS)アッセイを使用して測定した。
化合物Aについて以下の血漿PKパラメーターを計算するためにノンコンパートメント法を用いた:投与後ゼロ時間から8時間後までの血漿中濃度時間曲線下の面積(AUC(0−8))、投与後ゼロ時間から72時間後までの血漿中濃度時間曲線下の面積(AUC(0−72))、0時間から最終定量化可能濃度の時間までの血漿中濃度時間曲線下の面積(AUC(0−t))、0時間から無限時間までの血漿中濃度時間曲線下の面積(AUC(0−inf))、最高観測血漿中濃度(Cmax)、最終排出相半減期(t1/2)、吸収ラグタイム(tlag)、および薬剤投与後の最大(ピーク)血漿濃度到達時間(tmax)。主要なPKパラメーターは、AUC(0−inf)およびCmaxとした。化合物Aの個々のPKパラメーターは、製剤(錠剤またはカプセル)および投与量(2.5、10、または25mg)ごとにデータリストに示した。tmaxおよびtlag以外のPKパラメーターは、次の記述統計、即ち、被験者の数、平均、SD、変動係数、幾何平均、中央値、最小値、および最大値を用いて製剤および投与量ごとに要約した。パラメーターtmaxおよびtlagは、次の記述統計、即ち、中央値、最小値、最大値、および中央値点推定の90%信頼区間(CI)を用いて製剤および投与量ごとに要約した。化合物Aの自然対数(ln)変換PKパラメーター(AUC(0−inf)、Cmax、AUC(0−8)、AUC(0−72)、およびAUC(0−t))は、固定効果として順序、治療期間、および製剤ならびに変量効果として順序内にネストされた被験者を用いる混合効果モデルにより、投与量ごとに別々に比較した。最小二乗幾何(LS)平均値の比(試験として錠剤/基準としてカプセル製剤)および対応する90%CIは、LS平均差の累乗および対応する90%CIによって計算した。
化合物AのPKパラメーターを表4に要約した。
Figure 2017531683
すべての投与量レベルにわたるAUC(0−8)、AUC(0−72)、AUC(0−t)、およびAUC(0−inf)における製剤間の差異(治療B[カプセル]と比較した治療A[錠剤])はそれぞれ13%未満であった。すべての投与量レベルにわたるCmaxにおける錠剤とカプセル製剤との間の差異は、それぞれ16%未満であった。中央値tmaxは、すべての投与量レベルにわたって錠剤およびカプセル製剤の両方の投与の1〜1.5時間後に観察された。錠剤(治療A)と比較したカプセル製剤(治療B)の中央値tmaxにおける30分間の遅れの傾向は、より高い投与量で観察された。いずれの投与量レベル、いずれの製剤でも吸収ラグは観察されなかった。
全体として、結果は、錠剤投与後の化合物Aの吸収の速度およびその程度の両方が、試験したすべての強度について基準カプセルと同等であることを示している。導き出されたPKパラメーターにおけるばらつきも、カプセル治療と比較して錠剤について類似していた。これらの結果は、2.5、10、および25mgの強度の錠剤の相対的バイオアベイラビリティが、カプセルの対応する強度に類似するという結論を支持する。したがって、錠剤への臨床的な移行は、カプセルに関する投与量調節を伴うことなくなすことができる。
実施例4(201治験)
これは、不眠症を有する被験者における多施設ランダム化二重盲検アダプティブデザイン用量−反応治験とした。被験者は、化合物A(1mg、2.5mg、5mg、10mg、15mg、および25mg)の6つの投与量のうちの1つまたはプラセボにランダム化した。
治験の主目的は以下のとおりとした:
1.2日目および3日目の投与後の睡眠効率(SE)のベースラインからの変化および午前の起床時間の1時間後のカロリンスカ眠気尺度(KSS)でのベースラインからの変化を組み込む複合効用関数を使用し、化合物Aの6つの投与量の効果をプラセボと比較することによって、治療の初期の慢性不眠症を有する被験者における効能を最大限にし、かつ翌日の残存眠気を最小限にする化合物Aの投与量を同定すること。
2.治療の初期の効能を最大限にし、かつ翌日の残存眠気を最小限にする投与量が、治療の終了時に、治療を容認できないレベルの翌日の残存眠気と相関しないことを確認するために、慢性不眠症を有する被験者において、15日目および16日目の午前の起床時間の1時間後のKSSについて、化合物Aの6つの投与量の効果をプラセボと比較すること。
治験のさらなる目的は、以下を評価することであった:
1.治療の初期の効能:
全般的:1日目および2日目の投与後の平均SEに対するベースライン時の平均SEからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠誘発:1日目および2日目の投与後の平均LPSに対するベースライン時の平均持続睡眠潜時(LPS)からの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠の維持:1日目および2日目の投与後の平均WASOに対するベースライン時の平均睡眠開始後覚醒(WASO)からの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
2.治療の終了時の効能:全般的:14日目および15日目の投与後の平均SEに対するベースライン時の平均SEからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠誘発:14日目および15日目の投薬後の平均LPSに対するベースライン時の平均LPSからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠の維持:14日目および15日目の投薬後の平均WASOに対するベースライン時の平均WASOからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
3.治療の初期〜終了までの効能の潜在的慣れ:
全般的:1日目および2日目の投与後の平均SEに対するベースライン時の平均SEからの変化 対 14日目および15日目の投与後の平均SEに対するベースライン時の平均SEからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠誘発:1日目および2日目の投与後の平均LPSに対するベースライン時の平均LPSからの変化 対 14日目および15日目の投与後の平均LPSに対するベースライン時の平均LPSからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
睡眠の維持:1日目および2日目の投与後の平均WASOに対するベースライン時の平均WASOからの変化 対 14日目および15日目の投薬後の平均WASOに対するベースライン時の平均WASOからの変化についてプラセボと化合物Aの各投与レベルとを比較する。
合計616人の被験者をスクリーニングし、これらの被験者のうちの291人を治験のためにランダム化した;プラセボに56人、1mgに32人、2.5mgに27人、5mgに38人、10mgに32人、15mgに56人、および25mgに50人。291人の被験者は、最大の解析被験者集団、安全性解析被験者集団、およびPD解析被験者集団に含めた。計画された治療レジメンを完了した被験者は、有効成分投与群(すべての投与量にわたりほぼ等しい、90〜100%)に222人およびプラセボ群に51人(91.1%)であった。
治験は、2つの相、即ち、プレランダム化相およびランダム化相を有した。プレランダム相は最長21日間続き、スクリーニング期間(−21〜−2日目)およびベースライン期間(−1日目)からなっていた。ベースライン期間後、適格な被験者はすべて、治療期間(1〜15日目)中の15夜にわたり、化合物Aまたはプラセボを受けるように二重盲検方式でランダム化した。次いで、被験者はすべて、反跳性不眠症評価期間(16〜18日目)中の2夜(16〜17日目)にわたり、単純盲検方式でプラセボを受けた。被験者は、経過観察期間(19〜30日目)中に治験薬を受けなかった。被験者はすべて、スクリーニング工程のために外来診療所に来た。スクリーニング期間中、被験者は、毎日睡眠日誌を記入した。睡眠ポリグラフによる睡眠は、−9日目〜−3日目に2夜連続にわたり、スクリーニング期間中に測定した。8時間睡眠ポリグラフ(PSG)は、第1のPSGの夜の前に7日間記入された睡眠日誌での返答から計算した習慣的な就寝時刻の中央値で開始した。これらの記録は、適格性スクリーニングPSGおよびベースラインPSGの両方として供した。被験者は、スクリーニング/ベースラインPSGの夜の間に外来診療所を出ることができた。
被験者はすべて、ベースライン期間工程のために−1日目に外来診療所に戻った。被験者は3日目まで外来診療所に残った。1日目の午前の評価により、KSS、精神運動機能検査(DSST)、および反応時間指標(RTI)のベースライン値が与えられたた。起床時間の6時間後の評価により、覚醒時機能検査(Waking Function Battery)(WFB)および情緒状態短縮版(Profile of Mood States−Brief)(POMS−B)のベースライン値が与えられた。次いで、被験者は、それからの15日間にわたり、化合物Aの6つの投与量のうちの1つまたはプラセボを受けるようにランダム化された。治験薬は、化合物A対応プラセボまたは化合物Aの1mg、2.5mg、5mg、もしくは10mgを含有し、かつスクリーニング期間中に被験者の睡眠日誌の返答から計算された習慣的な就寝時刻の中央値の30分前に摂取されることとする錠剤とした。スクリーニングおよびベースラインPSGの夜に使用されるのと同じ就寝時刻で開始する8時間PSGは、最初の2回の治療の夜(1および2日目)に記録した。睡眠日誌は、継続して外来診療所で毎日記入され、不眠症重症度(ISI)、翌日に残る影響(KSS、DSST、およびRTI)の評価は、被験者が外来診療所に滞在している間に行った。外来診療所滞在中、特定の治験日において、被験者が覚醒後の午前中かつ投与の直前のトラフ値であるときに化合物Aの血漿中濃度を評価した。
被験者は、その予想される自らが選択した就寝時刻の30分前に継続して化合物Aまたはプラセボを服用し、治療期間中、在宅時に毎日睡眠日誌を継続して記入した。治療期間の14日目に被験者は外来診療所に戻った。被験者は、18日目までの4夜およびその間の日中、外来診療所に残った。8時間PSGは、外来診療所で毎晩記録し、3〜13日目に記入された睡眠日誌での返答から計算した習慣的な就寝時刻の中央値で開始した。睡眠日誌は、継続して外来診療所で毎日記入され、ISI、KSS、DSST、RTIは、昼間の時間に事前に指定された時刻で行った。
治療期間が終了した後、被験者はすべて、外来診療所で過ごした最後の2夜に単純盲検方式でプラセボを受けた(16および17日目)。これらの2夜に、反跳性不眠症を判断するため、14および15日目と同じ就寝時刻で開始する8時間PSGを記録した(反跳性不眠症評価期間)。
治療期間中、化合物Aの血漿中濃度のための血液サンプルは、外来診療所での各晩(1日目以外)の投与前の30分以内に、および外来診療所で過ごす各晩後の午前の起床時間から1時間以内に得た。化合物Aの血漿中濃度は、検証された液体クロマトグラフィー−タンデム質量分析(LC−MS/MS)アッセイを使用して測定した。
KSSは、事前に指定された時刻で翌日に残る影響を測定するために使用した。この試験で、被験者は、KSS、9ポイント口頭アンカー尺度(9−point verbally anchored scale)を使用して被験者の眠気を評価する。分類およびスコアは、「非常に機敏」(スコア=1)から、「機敏」(3)、「機敏でもなく眠くもない」(5)、「眠いが、起き続けていることに問題はない」(7)、「非常に眠い − 眠気に抵抗している」(9)までの範囲である。KSSについての重要な評価パラメーターは、1〜9のスコアとした。
統計的検定はすべて、プライマリーエンドポイントに使用するベイズ法を除いて5%の有意水準に基づくものとした。統計的手法および分析の詳細は、統計解析計画書(SAP)および治験総括報告書の本文に明示した。
安全性解析対象集団は、少なくとも単回試験薬を受け、かつ少なくとも1回の投与後の安全性評価を行った被験者群とした。最大解析対象集団(FAS)は、少なくとも単回試験薬を受け、かつ少なくとも単回投与後の主要な効能測定を行った、ランダム化された被験者群とした。PK解析対象集団は、少なくとも化合物Aの単回投与を受け、かつ少なくとも1つの定量化可能な化合物A濃度を有したランダム化された被験者群とした。PD解析対象集団は、少なくとも1つのPDパラメーターを導き出すのに十分なPDデータを有する被験者群とした。PK/PD解析対象集団は、少なくとも化合物Aの単回またはプラセボを受け、かつ少なくとも1つの定量化可能濃度の化合物A濃度を有するランダム化された被験者群(有効成分被験者)であって、少なくとも1回の投与後のPD評価を有する被験者群とした。
1日目および2日目の平均SEのベースラインからの変化における少なくとも6%のプラセボとの差異は、臨床的に有意な最小の差異(CSD)と考えられた。
各投与量は、KSSを使用して翌日の残存眠気について判断した。4単位未満の2日目および3日目の起床時間の1時間後のKSSにおけるベースラインからの変化の平均差を効用関数に組み込んだ。プラセボと比較したこの投与量での15日目および16日目の起床時間の1時間後のKSSにおけるベースラインからの変化の平均差が4単位未満であった場合、化合物Aの投与量は、15日目および16日目に許容され得るKSSを有すると考えられた。運用上、15日目および16日目について許容され得るKSSは、4単位未満(プラセボと比較したこの投与量での起床時間の1時間後のKSSにおけるベースラインからの変化の平均差のもの)である90%信頼区間(CI)の下方の境界として定義した。
効用関数:投与量での効用は、SEおよびKSSの両方の関数であり、各エンドポイントについて1次元成分を指定し、次いでそれらを乗算することによって構成された。十分な効用はPr(効用>1)として定義した。
最大効用用量(dUmax):最大効用スコア、すなわち、上記の効用で判断される効能および残存眠気の最良の組み合わせをもたらした投与量である。
PK/PD解析対象集団は、化合物A濃度と選択されたPDパラメーターとの関係を評価するために使用した。化合物Aへの暴露と選択したPDエンドポイント(たとえばKSS、DSST、RTI)との関係をグラフで調査し、母集団PK/PDモデリングを続けることができた。投与前(トラフ値)および午前の起床時間から1時間以内の化合物Aの血漿中濃度と選択したPDパラメーターとの関係は、Nonmemバージョン7.2以降を使用して分析した。
結果
SEにおけるベースラインからの変化について要約した統計を表5に示す。すべての化合物のすべての投与量が、1/2日目の平均のベースラインからの変化についてプラセボに対して統計的に有意であった。化合物A 2.5mg以上の投与量は、14/15日目の平均のベースラインからの変化についてプラセボに対して統計的に有意であった。14/15日目と比較した1/2日目の平均のベースラインからの変化に関し、SEにおける増加または減少の統計的な証拠はなく、治療の効果が失われていないことを示した。
表5において、「ベースライン」は、ランダム化の−9〜−3日以内のスクリーニングPSG1および2の平均として定義した。「LS Means Diff」は、プラセボと各化合物A投与量との間のLS平均間の差異を指し、「95%CI」は、LS Means Diffの95%CIを意味する。「p値」は、共変数としてベースラインを用いる共分散分析(ANCOVA)を使用して分析した。
Figure 2017531683
起床時間の1時間後のKSSにおけるベースラインからの変化について要約した統計を表6に示す。プラセボと化合物A 1mg〜15mgとの間のLS平均差は、2/3日目の平均で統計的に有意ではなかった。プラセボと化合物Aの25mgとの間のLS平均差のみが、2/3日目の平均で統計的に有意であり(LS平均差0.47;P=0.0393)、被験者が、自らをプラセボ被験者よりも悪化していると評価したことを示した。起床時間の1時間後の15/16日目の平均についても同様であった。2/3日目の両方の平均に関する起床時間の2時間後の評価は、化合物A 15mgおよび25mgについて統計的有意性を示し、15/16日目の平均は、化合物Aの25mgについて統計的に有意であった。統計的有意差は、起床時間の15分後の時点で見られなかった。
表6において、「ベースライン」は、1日目の対応時刻値(time−matched value)として定義した。「LS Means Diff」は、プラセボと各化合物A投与量との間のLS平均間の差異を指し、「95%CI」は、LS Means Diffの95%CIを意味する。「p値」は、共変数としてベースラインを用いる共分散分析(ANCOVA)を使用して分析した。
Figure 2017531683
LPSにおけるベースラインからの変化について要約した統計を表7に示す。非正規分布の結果として、データは、対数変換し、事前に指定されるようにANCOVAを使用して分析した。プラセボと化合物Aの1mgとの間の幾何平均比は、1/2日目の平均のベースラインからの変化について統計的に有意ではなかった。プラセボと他のすべての活性化合物Aとの間の幾何平均比は、1/2日目の平均のベースラインからの変化について統計的有意性の証拠を示した。14/15日目の平均のベースラインからの変化についても類似する結果が示された。化合物A 10mgは、14/15日目と比較して、1/2日目の平均のベースラインからの変化の統計的な差異を示し、長期間にわたりLPSがさらに改善されたことを示した。化合物A 10mg以外の他のすべての投与量で、14/15日目と比較した1/2日目の平均のベースラインからの変化において、LPSにおける増加または減少の他の統計的な証拠はなかった。
表7において、「ベースライン」は、ランダム化の−9〜−3日以内のスクリーニングPSG1および2の平均として定義した。「p値」は、共変数としてベースラインを用いる共分散分析(ANCOVA)を使用して分析した。
Figure 2017531683
WASOにおけるベースラインからの変化について要約した統計を表8に示す。10mg以上のすべての化合物Aの投与量は、1/2日目の平均のベースラインからの変化についてプラセボに対して統計的に有意であった。化合物Aの15mg以上の投与量は、14/15日目の平均のベースラインからの変化についてプラセボに対して統計的に有意であった。14/15日目と比較した1/2日目の平均のベースラインからの変化間のWASOにおける増加または減少の統計的な証拠はなかった。
表8において、「ベースライン」は、ランダム化の−9〜−3日以内のスクリーニングPSG1および2の平均として定義した。「LS Means Diff」は、プラセボと各化合物Aの投与量との間のLS平均間の差異を指し、「95%CI」は、LS Means Diffの95%CIを意味する。「p値」は、共変数としてベースラインを用いる共分散分析(ANCOVA)を使用して分析した。
Figure 2017531683
化合物AのPKは、中心コンパートメントからの排除を有する2コンパートメントモデルによって最も良く説明された。化合物Aの見かけ上のクリアランスは、投与量および時間に依存せず、PKにおいて線形性を示した。化合物AのPD効果の尺度は、KSS、RTI、DSST、WFB(RTI、高速視覚処理[RVP]、および空間スパン[SSP])、POMS、メラトニンレベル、ならびにDLMOを含んでいた。LPSのベースラインからの変化における高いばらつきおよび非正規分布により、化合物AのPKパラメーターとLPSとの間の濃度−反応相関を確実にモデル化することが可能ではなかった。それにもかかわらず、より高い血漿中濃度の化合物Aは、およそ10ng/mLまでのLPSにおける、より大きい減少と相関した。この知見は、効能の結果と一致し、LPSは2.5mg以上の投与量で減少した。この濃度を超えると、相関は、漸近線に達するように思われ、睡眠開始に関して、化合物Aのより高い濃度が明確なさらなる有益性はないことを示した。モデル化した場合、WASOデータは、最大観察濃度(Cmax)との対数線形関係によって最も良く説明された。WASOの暴露−反応相関は、Cmaxでの化合物Aのより高い濃度がWASOにおけるより大きい減少と相関するといった、Cmaxと対数線形相関を示した。翌日の残存眠気評価(KSS、DSST、およびRTI)に関するPK/PD分析は、対応時刻の化合物Aの血漿中濃度とのいかなる明確な相関を示さなかった。しかしながら、化合物Aの血漿中濃度が覚醒から1時間後に20ng/mLよりも大きかった被験者は、KSSでのわずかに大きい増加および眠気のAEのより高い発生率を有した。この濃度は、10mgを超える投与量を受けるほとんどの被験者で達すると予測される。
実施例5(製剤)
実施例1、2、および3に使用したカプセルは、化合物A原薬のそれぞれ1mg、2.5mg、10mg、または50mgを含有するサイズ2のヒプロメロースカプセルからなる。25mgの化合物A原薬を含有するサイズ2のヒプロメロースカプセルからなる化合物A 25mgカプセルも溶出評価のためにのみ調製する。プラセボは、10mgの結晶セルロースを含有するサイズ2のヒプロメロースカプセルからなる。
実施例3および4に使用した錠剤の構成成分および組成を表9に示す。
Figure 2017531683
通常の湿式造粒方法を化合物Aフィルムコーティング錠剤の製造に使用した。化合物Aフィルムコーティング錠剤は、混合、湿式造粒、乾燥、篩過、潤滑、錠剤化、およびフィルムコーティング工程によって製造した。化合物A、ラクトース一水和物、および低置換度ヒドロキシプロピルセルロースはミキサーを使用して混合した。混合物は、ミキサーを使用して、適切な量のヒドロキシプロピルセルロースの水溶液を徐々に添加することにより湿式で造粒した。湿性顆粒は、ドライヤーを使用して乾燥させた。乾燥顆粒は、ふるい分け製粉機を使用して、1.0mmのふるいを通過させる。低置換度ヒドロキシプロピルセルロースおよびステアリン酸マグネシウムは、顆粒剤の収率に応じて秤量した。顆粒、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、およびステアリン酸マグネシウムは、ミキサー中で互いに滑沢化する。1錠の錠剤と等価な滑沢化顆粒は、打錠機を使用して圧縮し、両凸の錠剤にした。素錠は、Opadry REDの水性懸濁剤を噴霧することによりコーティング機を使用してコーティングした。
試験例
実施例5において調製した化合物Aカプセルおよび錠剤の溶出試験は、JP 6.10、USP<711>、およびPh.Eur2.9.3に従って装置 2(パドル装置)を使用して実行した。カプセルおよび錠剤は、75rpmのパドル回転速度で0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/Lの900mLの塩酸中で試験した(条件I)。さらに、錠剤は、50rpmのパドル回転速度で0.1mol/Lの900mLの塩酸中で試験した(条件II)。螺旋状のワイヤーのおもりをカプセルの試験で使用した。一定分量の媒体を、サンプル溶液を作製するために決められた時点でフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を通して取り出した。標準溶液は、標準濃度レベルのサンプル溶液に対応する化合物A濃度を有するように調製した。放出される化合物Aの量は、クロマトグラフィーで決定し、標準溶液と比較した。溶出条件およびHPLC条件を表10に示す。試験は6つのカプセル/錠剤で実施し、それらの平均値をそれぞれの場合で示した。条件Iで得られた化合物Aの1mgおよび50mgカプセルの溶出プロファイルを図1および表11に示す。条件IIで得られた化合物A 1mg、2.5mg、5mg、10mg、および25mg錠剤の溶出プロファイルを図2および表12に示す。条件Iで得られた化合物Aカプセルと錠剤との間の比較溶出プロファイルを図3および表13に示す。カプセルと錠剤との間の差異は溶出プロファイルで観察され、これはカプセルの分解のためのラグタイムによるものであった。
Figure 2017531683
Figure 2017531683
Figure 2017531683
Figure 2017531683

Claims (49)

  1. 不眠症を治療する方法であって、治療有効量の化合物Aを有する製剤を経口で投与することを含み、前記治療有効量が、ヒト被験者への投与後に、化合物Aの1mg当たり約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均Cmaxを達成する1日1回の投与量であり、前記化合物Aが、以下の式
    Figure 2017531683
    によって表される(1R,2S)−2−(((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドである、方法。
  2. 前記1日1回の投与量が約1mg〜約15mgの範囲である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項1に記載の方法。
  4. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項1に記載の方法。
  5. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均最大Cmaxを達成する、請求項1に記載の方法。
  7. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24)を達成する1日1回の投与量である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項1に記載の方法。
  9. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項1に記載の方法。
  11. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)を達成する1日1回の投与量である、請求項1に記載の方法。
  13. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項1に記載の方法。
  15. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項1に記載の方法。
  17. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)を達成する1日1回の投与量である、請求項1に記載の方法。
  18. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、20ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項1に記載の方法。
  19. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項1に記載の方法。
  21. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項1に記載の方法。
  22. 前記1日1回の投与量が、ヒト被験者への単回投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度となる、請求項1に記載の方法。
  23. 治療有効量の化合物Aおよび少なくとも1つの薬剤学的に許容される賦形剤を含む、不眠症を治療するための経口製剤であって、前記治療有効量が、ヒト被験者への投与後に、化合物Aの1mg当たり約3.0ng/ml〜約7.2ng/mlの平均Cmaxを達成する1日1回の投与量であり、前記化合物Aが、以下の式
    Figure 2017531683
    によって表される(1R,2S)−2−(((2,4−ジメチルピリミジン−5−イル)オキシ)メチル)−2−(3−フルオロフェニル)−N−(5−フルオロピリジン−2−イル)シクロプロパンカルボキサミドである、経口製剤。
  24. 前記1日1回の投与量が約1mg〜約15mgの範囲である、請求項23に記載の製剤。
  25. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、5.3ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項23に記載の製剤。
  26. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、16ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項23に記載の製剤。
  27. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1回の投与量が、23ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項23に記載の製剤。
  28. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、36ng/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均Cmaxを達成する、請求項23に記載の製剤。
  29. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約15.9ng*hr/ml〜約23.8ng*hr/mlの平均AUC(0−24)を達成する1日1回の投与量である、請求項23に記載の製剤。
  30. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、17ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  31. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、57ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  32. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、95ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  33. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、159ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−24)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  34. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約19.1ng*hr/ml〜約51.1ng*hr/mlの平均AUC(0−t)を達成する1日1回の投与量である、請求項23に記載の製剤。
  35. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、19ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  36. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  37. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、128ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  38. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、284ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−t)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  39. 前記治療有効量が、化合物Aの1mg当たり約19.8ng*hr/ml〜約53.1ng*hr/mlの平均AUC(0−inf)を達成する1日1回の投与量である、請求項23に記載の製剤。
  40. 前記治療有効量が1日1回1mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、20ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  41. 前記治療有効量が1日1回2.5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、80ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  42. 前記治療有効量が1日1回5mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、149ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  43. 前記治療有効量が1日1回10mgの投与量であり、前記1日1回の投与量が、311ng*hr/mlの約80%〜約125%の範囲内の平均AUC(0−inf)を達成する、請求項23に記載の製剤。
  44. 前記1日の投与量が、ヒト被験者への単回投与の8〜10時間後に約20ng/ml以下の平均血漿中化合物A濃度となる、請求項23に記載の製剤。
  45. JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;75rpm)を使用する溶出試験の開始から30分以内に、溶媒(0.5%ポリソルベート80を含有する0.1mol/L塩酸、900mL、37±0.5℃)中で85%以上の溶出率となる、請求項23に記載の製剤。
  46. JP16の6.10溶出試験法またはUSP37の<711>溶出における即放性製剤についての手順に従う装置 2(パドル装置、パドル速度;50rpm)を使用する溶出試験の開始から15分以内に、溶解媒体(0.1mol/L塩酸、900mL、37±0.5℃)中で85%以上の溶出率となる、請求項23に記載の製剤。
  47. 薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースを含む、請求項23に記載の製剤。
  48. 薬剤学的に許容される賦形剤として低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項23に記載の製剤。
  49. 薬剤学的に許容される賦形剤としてラクトースおよび低置換度ヒドロキシプロピルセルロースを含む、請求項23に記載の製剤。
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