以下の詳細な説明では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が示される。しかし、当業者であれば、本発明がこれらの特定の詳細なしで実践されうることを理解するであろう。その他の場合、本発明を不明瞭にしないように、よく知られた方法、手順、構成要素は詳細に説明されていない。
本発明は、泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する方法を提供する。別の実施形態では、本発明は、(a)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する方法、(b)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する方法、および(c)尿失禁を患う被験者の(i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性失禁エピソード、および(v)尿意切迫エピソードの症状のうち少なくとも一つの発生を減少させる、または重症度を低下させる方法、(d)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する方法、(e)子宮析出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する方法、(f)弁失禁を治療、予防、抑制または阻害する方法、(g)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる方法、(h)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる方法、(i)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する方法、および(j)本開示のSARM化合物を投与する工程を含む、SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善する方法を提供する。
一つの実施形態では、泌尿器系障害の非限定的例には、尿失禁、腹圧性尿失禁、心因性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、膀胱機能不全によって起こる腹圧性尿失禁、過活動/過敏膀胱、夜尿、夜間頻尿、膀胱炎、尿路結石、前立腺障害、腎障害、または尿路感染症が含まれる。
泌尿器系障害には、排尿筋不安定または反射亢進から生じうる膀胱過活動が含まれる。トリガーには、膀胱の求心性末梢神経終末の活動の増加または中枢神経系および/または末梢神経節の抑制制御の減少が含まれうる。除神経による筋細胞興奮性の増加など、排尿筋構造または機能の変化も、この充填障害の発病に役割を果たす可能性がある。
一つの実施形態では、泌尿器系障害は、過活動/過敏膀胱、溢流性尿失禁、膀胱、尿道または中心/末梢神経系の機能不全によって起こる腹圧性尿失禁を含むがこれらに限定されない膀胱の疾患を指す。
一つの実施形態では、泌尿器系障害は、例えば、男性性機能不全および/または排尿症状によって特徴付けられる、男性骨盤領域に起こる異常な状態を指す「前立腺障害」を含むがこれに限定されない前立腺の障害を指す。この障害は、前立腺炎、良性前立腺肥大症および癌(例えば、前立腺の腺癌または癌)を含む前立腺のいくつかの一般的な疾患のように、泌尿生殖器炎症(例えば、平滑筋細胞の炎症)の形態で現れる場合がある。
一つの実施形態では、泌尿器系障害は、腎障害、腎臓の嚢胞性疾患、腎髄質の嚢胞性疾患、尿細管および間質に影響する全身性障害および疾患、ならびにその他の血管障害を指す。
一つの実施形態で、本発明は、被験者の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する方法であって、前記被験者に本発明のSARM化合物またはその光学異性体、医薬的に許容可能な塩、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを投与する工程を含む方法を提供する。
別の実施形態では、尿失禁には、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、心因性尿失禁またはそれらの組み合わせが含まれる。別の実施形態では、尿失禁は腹圧性尿失禁である。別の実施形態では、尿失禁は切迫性尿失禁である。別の実施形態では、尿失禁は反射性尿失禁である。別の実施形態では、尿失禁は溢流性尿失禁である。別の実施形態では、尿失禁は心因性尿失禁である。
便失禁は、直腸からの固体または液体便または粘液の不慮の通過である。括約筋の一つまたは両方の損傷は便失禁を起こす可能性がある。外側および内側肛門括約筋と呼ばれるこれらの筋肉が損傷するかまたは弱くなった場合、それらは肛門を閉じたままにして便が漏れないようにするために十分な強度を持たない可能性がある。外傷、出産傷害、癌手術、および痔疾手術が括約筋の傷害の潜在的原因である。
一つの実施形態では、本発明は、尿失禁を患う被験者の(i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる方法であって、本発明のSARM化合物またはその光学異性体、医薬的に許容可能な塩、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを投与する工程を含む方法を提供する。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する方法であって、本発明のSARM化合物またはその光学異性体、医薬的に許容可能な塩、水和物、またはそれらの任意の組み合わせを投与する工程を含む方法を提供する。
別の実施形態では、骨盤底障害には、膀胱瘤、膣脱、膣ヘルニア、直腸瘤、腸へルニア、尿管瘤、尿道瘤またはそれらの組み合わせが含まれる。別の実施形態では、骨盤底障害は膀胱脱である。別の実施形態では、骨盤底障害は膣脱である。別の実施形態では、骨盤底障害は膣ヘルニアである。別の実施形態では、骨盤底障害は直腸瘤である。別の実施形態では、骨盤底障害は腸ヘルニアである。別の実施形態では、骨盤底障害は尿管瘤である。別の実施形態では、骨盤底障害は尿道瘤である。
女性は、子宮摘出/卵巣摘出の後に日常的にエストロゲン補充を受けている。多くの女性は、認識されず治療されずに済まされるテストステロン欠乏症を発症し症状に悩まされる。子宮摘出/卵巣摘出後の女性に対するテストステロン補充療法は、性欲、性的快感、および幸福感に関して生活の質を改善できるだけでなく、エストロゲン補充もそうであるように、骨粗鬆症および尿失禁の予防にも寄与する。SARMは、テストステロンおよびその他のステロイドアンドロゲンの肝毒性または男性化副作用を伴わずに、子宮摘出/卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供できる。
一つの実施形態では、本発明は、子宮摘出後および卵巣摘出後の女性のアンドロゲンレベルを増加させる方法であって、本発明のSARM化合物またはその光学異性体、医薬的に許容可能な塩、水和物、それらの任意の組み合わせを投与する工程を含む方法を提供する。一つの実施形態では、本発明は、子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する方法を提供する。
一つの実施形態では、本発明の方法は、SUIに対して理学療法と併用して本発明のSARM化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、SUIに対して手術と併用して本発明のSARM化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、SUIに対して尿道スリングおよびその他の医療器具と併用して本発明のSARM化合物を投与する工程を含む。
選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)化合物
一つの実施形態では、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
Xは結合、O、CH2、NH、S、Se、PR、NOまたはNRであり、
GはOまたはSであり、
TはOH、OR、-NHCOCH3、またはNHCORであり、
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、 CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり、
R1はCH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3、またはCF2CF3であり、
R2はH、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、N(R)2、またはSRであり、
R3はH、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、Sn(R)3、またはR3であり、それが付属しているベンゼン環と共に以下の構造で示される縮合環系を形成する:
ZはNO2、CN、COR、COOH、またはCONHRであり、
YはCF3、 F、Br、Cl、I、CN、またはSn(R)3であり、
QはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
nは1〜4の整数であり、
mは1〜3の整数である。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IAのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここで
R2はH、F、Cl、Br、I、CH3、CF3、OH、CN、NO2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、アルキル、アリールアルキル、OR、NH2、NHR、N(R)2、またはSRであり、
R3はH、F、Cl、Br、I、CN、NO2、COR、COOH、CONHR、CF3、Sn(R)3、またはR3であり、それが付属しているベンゼン環と共に以下の構造で示される縮合環系を形成する:
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり、
ZはNO2、CN、COR、COOH、またはCONHRであり、
YはCF3、 F、Br、Cl、I、CN、またはSn(R)3であり、
QはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
nは1〜4の整数であり、
mは1〜3の整数である。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IIのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここで Xは結合、O、CH2、NH、Se、PR、またはNRであり、
GはOまたはSであり、
TはOH、OR、-NHCOCH3、またはNHCORであり、
ZはNO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり、
YはI、CF3、Br、Cl、またはSn(R)3であり、
QはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は
構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり、
R1はCH3、CF3、CH2CH3、またはCF2CF3である。
置換基Z、Yは、これらの置換基を持つ環(以下「A環」と呼ぶ)のいずれの位置にあってもよい。一つの実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にある。別の実施形態では、置換基YはA環のメタ位にある。別の実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にあり、置換基YはA環のメタ位にある。
置換基Qは、これらの置換基を持つ環(以下「B環」と呼ぶ)のいずれの位置にあってもよい。一つの実施形態では、置換基QはB環のパラ位にある。別の実施形態では、置換基QはCNであり、B環のパラ位にある。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IIAのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここで Zは、NO2、CN、COR、COOHまたはCONHRであり、
YはI、CF3、Br、Cl、またはSn(R)3であり、
QはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は
構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
および
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである。
置換基Z、Yは、これらの置換基を持つ環(以下「A環」と呼ぶ)のいずれの位置にあってもよい。一つの実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にある。別の実施形態では、置換基YはA環のメタ位にある。別の実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にあり、置換基YはA環のメタ位にある。
置換基Qは、これらの置換基を持つ環(以下「B環」と呼ぶ)のいずれの位置にあってもよい。一つの実施形態では、置換基QはB環のパラ位にある。別の実施形態では、置換基QはCNであり、B環のパラ位にある。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IIIのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここで
ZはNO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり、
YはCF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり、
QはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、 CHF2、 CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IVのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここで Xは結合、O、CH2、NH、S、Se、PR、NOまたはNRであり、
GはOまたはSであり、
R1はCH3、CH2F、CHF2、CF3、CH2CH3、またはCF2CF3であり、
TはOH、OR、-NHCOCH3、またはNHCORであり、
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、CHF2、 CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHであり、
Aは以下から選択される環であり、
Bは以下から選択される環であり、
ZはNO2、CN、COOH、COR、NHCORまたはCONHRであり、
YはCF3、F、I、Br、Cl、CN、C(R)3またはSn(R)3であり、
Q1およびQ2は独立的に、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN, C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRである、または
Q3およびQ4は互いに独立的に、水素、アルキル、ハロゲン、CF3、CN, C(R)3、Sn(R)3、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
W1はO、NH、NR、NOまたはSであり、
W2はNまたはNOである。
置換基Z、Yは、これらの置換基を持つ環(以下「A環」と呼ぶ)のいずれの位置にあってもよい。一つの実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にある。一つの実施形態では、置換基YはA環のメタ位にある。別の実施形態では、置換基ZはA環のパラ位にあり、置換基YはA環のメタ位にある。
本明細書で意図される場合、本発明の範囲内に含まれる化合物のその他の特定実施形態であって、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善するために有用な化合物は、式VまたはVIのSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
または
ここでQはCN、アルキル、ハロゲン、N(R)2、NHCOCH3、NHCOCF3、NHCOR、NHCONHR、NHCOOR、OCONHR、CONHR、NHCSCH3、NHCSCF3、NHCSR、NHSO2CH3、NHSO2R、OR、COR、OCOR、OSO2R、SO2RまたはSRであり、
またはQとそれが付属しているベンゼン環は構造A、BまたはCによって示される縮合環系であり:
Rはアルキル、ハロアルキル、ジハロアルキル、トリハロアルキル、CH2F、 CHF2、 CF3、CF2CF3、アリール、フェニル、ハロゲン、アルケニルまたはOHである。
一つの実施形態では、式VまたはVIのQはCNである。一つの実施形態では、式VまたはVIのQはハロゲンである。一つの実施形態では、式VまたはVIのQはFである。一つの実施形態では、式VまたはVIのQはClである。一つの実施形態では、式VまたはVIのQはNHCOCH3である。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式VIIの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
ここでZはClまたはCF3である。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式VIIIの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式IXの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式Xの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式XIの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式XIIの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式XIIIの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の化合物は、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善することに効果的な本発明の化合物は、式XIVの構造によって示されるSARM化合物、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせである。
一つの実施形態では、本発明の方法は、式I、IA、II、IIA、III、IV、V、VI、VII、VIII、IX、X、XI、XII、XIIIおよび/またはXIV(I〜XIV)の化合物の類似体を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の誘導体を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の異性体を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の代謝物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の医薬的に許容可能な塩を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の医薬製品を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の水和物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物のN-オキシドを投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の多形を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の結晶を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物のプロドラッグを投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物の類似体、誘導体、代謝物、異性体、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、多形、結晶またはプロドラッグのいずれかの組み合わせを投与する工程を含む。
一つの実施形態では、本発明の方法は、式I〜XIVの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式Iの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IAの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IIAの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IIIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IVの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式Vの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式VIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式VIIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式VIIIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式IXの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式Xの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式XIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式XIIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式XIIIの化合物を投与する工程を含む。別の実施形態では、本発明の方法は、式XIVの化合物を投与する工程を含む。
本発明の化合物は、単独または医薬的組成物としてのいずれかで、(a)泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性失禁エピソード、および(v)尿意切迫エピソードの症状のうち少なくとも一つの発生を減少させる、または重症度を低下させるために有用である。
一つの実施形態では、本発明は泌尿器系障害の治療に関連する。従って、本発明は、(a)尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(b)骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、および/または(c)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性失禁エピソード、および(v)尿意切迫エピソードの症状のうち少なくとも一つの発生を減少させる、または重症度を低下させる方法であって、それが本明細書に記述された本発明の式I〜XIVの選択的アンドロゲン受容体調節剤、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせの治療有効量を被験者に投与することによって行われる方法を提供する。
本明細書で定義される場合、「異性体」という用語は、光学異性体および類似体、構造異性体および類似体、配座異性体および類似体などを含むがそれらに限定されない。本明細書で使用される場合、「異性体」という用語は、「異性体の品質および特性をすべて持つ「エナンチオマー」とも本明細書で呼ばれる場合がある。
一つの実施形態では、本発明は選択的アンドロゲン受容体調節剤のさまざまな光学異性体の使用を包含する。当業者であれば本発明の選択的アンドロゲン受容体調節剤が少なくとも一つのキラル中心を持つことを理解するであろう。従って、本発明の方法で使用される選択的アンドロゲン受容体調節剤は、光学活性体またはラセミ体で存在する、および単離される場合がある。一部の化合物は多形も呈する場合がある。本発明は、その形態が本明細書に記述のアンドロゲン関連状態の治療に有用な特性を有する、任意のラセミ体、光学活性体、もしくは立体異性体、またはそれらの任意の組み合わせを包含することを理解すべきである。一つの実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は純粋な(R)異性体である。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は純粋な(S)異性体である。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は(R)および(S)異性体の混合物である。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は(R)および(S)異性体を等量含むラセミ混合物である。(例えば、再結晶技術によるラセミ体の分割、光学活性開始物質からの合成、キラル合成、またはキラル固定相を使用したクロマトグラフィー分離による)光学活性体の製造方法は、当技術分野で良く知られている。
本発明は、有機酸または無機酸(例えば、クエン酸および塩酸)を用いたアミノ置換化合物の医薬的に許容可能な塩を含む。本発明は、本明細書に記述される化合物のアミノ置換基のN-オキシドも含む。医薬的に許容可能な塩は、無機塩基(例えば、水酸化ナトリウム)での処理によりフェノール化合物からも製造することができる。また、フェノール化合物のエステルは、脂肪族および芳香族カルボン酸から作ることができる(例えば、酢酸および安息香酸エステル)。
式I〜XIVの化合物の適切な医薬的に許容可能な塩は、無機酸からまたは有機酸から製造することができる。一つの実施形態では、本発明の化合物の無機塩の例は、硫酸水素塩、ホウ酸塩、臭化物、塩化物、ヘミ硫酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、2-ヒドロキシエチルスルホネート(ヒドロキシエタンスルホネート)、ヨウ素酸塩、ヨウ化物、イソチオネート、硝酸塩、過硫酸塩、リン酸塩、硫酸塩、スルファミン酸塩、スルファニル酸塩、スルホン酸(アルキルスルホン酸塩、アリールスルホン酸塩、ハロゲン置換アルキルスルホン酸塩、ハロゲン置換アリールスルホン酸塩)、スルホン酸塩およびチオシアン酸塩である。
一つの実施形態では、本発明の化合物の有機塩の例は、有機酸の脂肪族、脂環式、芳香族、芳香脂肪族、複素環、カルボキシルおよびスルホンクラスから選択することができ、その例は、酢酸塩、アルギニン、アスパラギン酸塩、アスコルビン酸塩、アジピン酸塩、 アントラニル酸塩、アルゲネート、アルカンカルボン酸塩、置換アルカンカルボン酸塩、アルギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、 酪酸塩、炭酸水素塩、酒石酸水素塩、クエン酸塩、カンホラート、カンファースルホン酸塩、シクロヘキシルスルファミン酸塩、シクロペンタンプロピオナート、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、クラブラン酸塩、ケイ皮酸塩、ジカルボン酸塩、ジグルコン酸塩、ドデシルスルホン酸塩、二塩酸塩、デカン酸塩、エナント酸塩、エタンスルホン酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストレート、エシレート、フマル酸塩、ギ酸塩、フッ化物、ガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、グリコール酸塩、グルカレイト、グルコヘプタン酸塩、グリセロリン酸塩、グルセプテート、グリコリルアルサニレート、グルタル酸塩、グルタミン酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヒドロキシマレイン酸塩、ヒドロキシカルボン酸、ヘキシルレゾルシネート、ヒドロキシ安息香酸塩、ヒドロキシナフトエート、フッ化水素酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、ラウリン酸塩、リンゴ塩酸、マレイン酸塩、メチレンビス(ベータ-オキシナフトエート)、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシレート、メタンスルホン酸塩、臭化メチル、硝酸メチル、メチルスルホン酸塩、マレイン酸1-カリウム、ムチン酸塩、モノカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、ナプシラート、N-メチルグルカミン、シュウ酸塩、オクタノン酸塩、オレイン酸塩、パモ酸塩、酢酸フェニル、ピクリン酸塩、安息香酸フェニル、ピバリン酸塩、プロピオン酸塩、フタル酸塩、酢酸フェニル、ペクチネート、フェニルプロピオン酸塩、パルミチン酸塩、パントテン酸塩、 ポリガラクツロ酸塩、ピルビン酸塩、キナ酸塩、サリチル酸塩、コハク酸塩、ステアリン酸塩、スルファニル酸塩、塩基性酢酸塩、酒石酸塩、テオフィリンアセテート、p-トルエンスルホン酸塩(トシレート)、トリフルオロ酢酸塩、テレフタル酸塩、タンニン酸塩、テオクル酸塩、トリハロアセテート、トリエチオダイド、トリカルボン酸塩、ウンデカン酸塩および吉草酸塩である。
一つの実施形態では、塩は、塩が不溶性の溶媒もしくは媒体中または水などの溶媒中、生成物の遊離塩基または遊離酸型を適切な酸または塩基の一つ以上の同等物と反応させることによるなどの、従来的手段によって形成することができるが、溶媒または媒体は真空中、または凍結乾燥により、または既存塩のイオンの別のイオンとの交換または適切なイオン交換樹脂により除去される。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の誘導体をさらに含む。「誘導体」という用語は、エーテル誘導体、酸誘導体、アミド誘導体、エステル誘導体などを含むがこれらに限定されない。さらに、本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の水和物をさらに含む。「水和物」という用語は、半水和物、一水和物、二水和物、三水和物などを含むがこれらに限定されない。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の代謝物をさらに含む。「代謝物」という用語は、代謝または代謝過程によって別の物質から産生される任意の物質を意味する。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の医薬製品をさらに含む。「医薬製品」という用語は、本明細書で定義される場合、医薬用途に適した組成物(医薬組成物)を意味する。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤のプロドラッグをさらに含む。「プロドラッグ」という用語は、加水分解、エステル化、エステル分解、活性化、塩形成などの反応によって、インビボで生物学的活性剤に変換されうる物質を意味する。
本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の結晶をさらに含む。さらに本発明は、選択的アンドロゲン受容体調節剤の多形を含む。「結晶」という用語は結晶状態の物質を意味する。「多形」という用語は、X線回折、IRスペクトル、融点などの特定の物理特性を持つ、物質の特定の結晶状態を指す。
本発明の一つの実施形態の、(a)被験者の泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)被験者の尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)被験者の骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善する方法であって、式I〜XIVの選択的アンドロゲン受容体調節剤、および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬的に許容可能な塩、医薬製品、水和物、N-オキシド、結晶、多形、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせを被験者に投与する工程を含む方法。一つの実施形態では、被験者は女性被験者である。別の実施形態では、被験者は男性被験者である。
「アルキル」基とは、直鎖、分岐鎖および環状アルキル基を含む、脂肪族飽和炭化水素を指す。一つの実施形態では、アルキル基は1〜12個の炭素を持つ。一つの実施形態では、アルキル基は1〜7個の炭素を持つ。別の実施形態では、アルキル基は1〜6個の炭素を持つ。別の実施形態では、アルキル基は1〜4個の炭素を持つ。アルキル基は、非置換または、ハロゲン、ヒドロキシ、アルコキシ、カルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシ、チオおよびチオアルキルから選択される一つ以上の基によって置換されうる。
「アリール」基は、少なくとも一つの炭素環芳香族基または複素環芳香族基を持つ芳香族基を指し、これは非置換またはハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルアミド、ジアルキルアミド、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、カルボキシまたはチオまたはチオアルキルから選択される一つ以上の基によって置換されうる。アリール環の非限定的例は、フェニル、ナフチル、ピラニル、ピロリル、ピラジニル、ピリミジル、ピラゾリル、ピリジニル、フラニル、チオフェニル、チアゾリル、イミダゾリル、イソキサゾリルなどである。
「アリールアルキル」または「アラルキル」基はアリールに結合したアリルを指すが、アルキルおよびアリールは上記に定義されている。アラルキル基の例はベンジル基である。
選択的アンドロゲン受容体調節剤の生物学的活性
本明細書に提供される選択的アンドロゲン受容体調節剤は、骨盤底筋である肛門挙筋で特にタンパク同化活性を持つ新しいクラスの化合物である。尿失禁の治療には筋力を増加させることを関与するので、本明細書でSARMは骨盤底障害および特にUIを治療するために使用される。本発明の化合物は、アンドロゲン受容体に対する非ステロイドリガンドの組織選択的筋肉同化活性プロファイルを持つ。さらに、本発明の化合物は非芳香族化、非男性化であり、ERおよびPRと一般的には交差反応性でない。
本明細書に意図されるように、適切に置換された本発明の選択的アンドロゲン受容体調節剤は、(a)被験者の泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する、(b)被験者の尿失禁(UI)を治療、予防、抑制または阻害する、(c)被験者の骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する、または(d)尿失禁を患う被験者の (i)平均1日排尿頻度、(ii)平均夜間排尿頻度、(iii)合計尿失禁エピソード、(iv)腹圧性尿失禁エピソード、および(v)尿意切迫の症状のうち少なくとも一つの発生を減少させるまたは重症度を低下させる、(e)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充を提供する、(f)子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(g)便失禁を治療、予防、抑制または阻害する、(h)骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる、(i)尿道括約筋のサイズ/強度を増加させる、(j)SUIを患う被験者の尿道内圧曲線を改善する、および(k)SUIを患う被験者の尿道閉鎖圧を改善するために有用である。
女性の尿道は長さが約4 cmである(これに対して男性は長さが22 cm)。これは膣前壁を支持する結合組織に埋め込まれている。尿道は、上皮内膜、海綿状粘膜下組織、中間平滑筋層、および外側弾性線維結合組織層から構成される。海綿状粘膜下組織は、適切な尿道閉塞圧を提供することを部分的に担当している豊富な血管網を含む。尿道平滑筋および弾性繊維結合組織は、粘膜下組織によって生成される閉塞圧を周方向に増強する。従って、後述する横紋筋性尿道括約筋を含む、尿道のすべての構造的構成要素がきつく適合する能力に寄与し尿漏出を予防する。
女性の尿道は、それを閉じたままにする4つの別々の組織叢から構成される。粘膜内層は尿路上皮の水分を保ち、尿道を柔軟に保つ。血管海綿状層は、粘膜密封機構で重要な粘液を生成する。中間筋層からの圧縮は、安静時尿道閉鎖機構の維持に役立つ。外側漿膜筋層は、筋層によって提供される閉鎖圧を増強する。
尿道の平滑筋は、いくつかの輪状線維のみによって縦および斜めに配列されている。神経支配はコリン作動性およびアルファ-アドレナリン作動性である。縦走筋は、排尿中の尿道の短縮および開放に寄与することができる。斜走線維および輪状線維は安静時の尿道閉鎖に寄与する。
横紋筋性尿道筋肉組織は複雑である。その構成要素およびそれらの配向は一般には意見が一致していない。随意的尿道括約筋は実際には、骨盤底内の一群の輪状筋線維および筋肉ループである。尿管の近位3分の2で顕著な最内層が、尿道括約筋である。より遠位では、尿道圧迫筋および尿道腟括約筋が主なものである。
これらの2つの筋肉は、尿道の遠位半分から遠位3分の1の前外側面から出て、その前面または腹面の上にアーチを形成する。これらの横紋筋は一つのユニットとして機能する。それらは主に遅筋線維から構成されているため、これらの筋肉は理想的には安静時尿道閉鎖を維持する役割を果たす。筋肉はおそらくは安静時尿道閉鎖を維持するが、それらは腹腔内圧の急性的増加例(例えば、咳をする、くしゃみをする、笑う)の間の随意的閉鎖および反射閉鎖に特異的に寄与することが知られている。肛門挙筋複合体の内側恥骨内臓部分も、類似の状況での能動的な膀胱頚部および尿道閉鎖の主な要因である。
尿道の後壁は骨盤内結合組織中に埋め込まれており、それによって支持されている。このエリアの骨盤内結合組織は、骨盤筋膜腱弓によって、肛門挙筋に対して腹側性および横方向に会陰膜に付着している。骨盤筋膜腱弓は結合組織の凝集であり、これは内閉鎖筋の筋膜と肛門挙筋群との接合部に沿って、恥骨の下部から両側性に坐骨棘の近くまで延長する。この組織は、尿道、膀胱頸部、および膀胱底に二次的サポートを提供する。
この組織の欠陥は膀胱瘤発症および尿道過可動をもたらす。このエリアおよび骨盤底全体に対する一次サポートは、肛門挙筋複合体であると考えられる。安静時、遅筋線維により媒介される一定の緊張度が、主な支持機構を構成すると考えらえる。尿道括約筋群と同様、肛門挙筋複合体の速筋線維は随意的保護反射中の尿流を急に止めるのを助ける。腹腔内圧の急性増加に伴い、これらの速筋線維の強制的収縮が骨盤底を上昇させ、結合組織平面を引き締めて、それによって骨盤内臓器を支持する。
膀胱頸部および前立腺が内尿道括約筋を含む男性の解剖学とは異なり、女性の内括約筋は解剖学的ではなくむしろ機能的である。膀胱頸部および近位尿道が女性の内括約筋を構成する。しかし、女性の外括約筋(すなわち、横紋筋性括約筋)が女性の尿道に最も顕著な効果を持つ。
女性の尿道は内括約筋および外括約筋を含む。内括約筋は明確な解剖学的存在というよりもより機能的な概念である。外括約筋は、ケーゲルエクササイズで強化される筋肉である。
一つの実施形態では、本明細書で使用される場合の泌尿器系障害の非限定的例には、尿失禁、腹圧性尿失禁、心因性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、膀胱機能不全によって起こる腹圧性尿失禁、過活動/過敏膀胱、夜尿、夜間頻尿、膀胱炎、尿路結石、前立腺障害、腎障害、または尿路感染症が含まれる。
一つの実施形態では、本明細書で使用される場合の尿失禁の非限定的例には、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、心因性尿失禁またはそれらの組み合わせが含まれる。
一つの実施形態では、本明細書で使用される場合の「骨盤底障害」の非限定的例には、膀胱瘤、膣脱、膣ヘルニア、直腸瘤、腸へルニア、尿管瘤、尿道瘤またはそれらの組み合わせが含まれる。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の泌尿器系障害を治療、予防、抑制、または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、泌尿器系障害には、尿失禁、腹圧性尿失禁、心因性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、膀胱機能不全によって起こる腹圧性尿失禁、過活動/過敏膀胱、夜尿、夜間頻尿、膀胱炎、尿路結石、前立腺障害、腎障害、尿路感染症またはそれらの任意の組み合わせが含まれる。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の尿失禁(UI)を治療、予防、抑制、または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、尿失禁は、腹圧性尿失禁、切迫性尿失禁、反射性尿失禁、溢流性尿失禁、神経因性尿失禁、心因性尿失禁またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の腹圧性尿失禁(SUI)を治療、予防、抑制、または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の骨盤底障害を治療、予防、抑制または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、骨盤底障害は、膀胱瘤、膣脱、膣ヘルニア、直腸瘤、腸へルニア、尿管瘤、尿道瘤またはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、尿失禁を患う被験者の発生を減少させる、または症状の重症度を低下させる方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、症状は、排尿の高い一日平均頻度、排尿の高い夜間平均頻度、尿失禁エピソード、腹圧性失禁エピソード、尿意切迫エピソードまたはそれらの任意の組み合わせである。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、子宮摘出後および卵巣摘出後の女性にアンドロゲン補充療法を提供する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、子宮摘出後および卵巣摘出後の女性の尿失禁を治療、予防、抑制、または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の便失禁を治療、予防、抑制、または阻害する方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の骨盤底の筋肉のサイズおよび/または重量を増加させる方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、筋肉は肛門挙筋を含む。別の実施形態では、筋肉は坐骨尾骨筋を含む。別の実施形態では、筋肉は尾骨(COC)筋を含む。別の実施形態では、筋肉は恥骨尾骨(Pc)筋を含む。別の実施形態では、筋肉は腸骨尾骨(IL)筋を含む。別の実施形態では、筋肉は肛門挙筋、座骨尾骨筋、尾骨筋(COC)、恥骨尾骨筋(Pc)、腸骨尾骨筋(IL)またはそれらの任意の組み合わせを含む。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
一つの実施形態では、本発明は、被験者の尿道括約筋のサイズおよび/または重量を増加させる方法であって、本発明によるSARM化合物の治療有効量を被験者に投与する工程を含む方法を対象とする。別の実施形態では、被験者は女性である。別の実施形態では、被験者は男性である。別の実施形態では、被験者は閉経後の女性である。別の実施形態では、被験者は子宮摘出後の女性である。別の実施形態では、被験者は卵巣摘出後の女性である。別の実施形態では、化合物は式IXの化合物である。別の実施形態では、化合物は式VIIIの化合物である。別の実施形態では、治療有効量は1日3 mgである。
ステロイドホルモンは、標的細胞の細胞膜を横切って直接拡散し、細胞内の細胞シグナル伝達受容体に結合する小さな疎水性分子の一例である。これらの受容体は構造的に関連しており、細胞内受容体スーパーファミリー(またはステロイドホルモン受容体スーパーファミリー)を構成する。ステロイドホルモン受容体には、プロゲステロン受容体、エストロゲン受容体、アンドロゲン受容体、グルココルチコイド受容体、およびミネラルコルチコイド受容体が含まれるがこれらに限定されない。一つの実施形態では、本発明はアンドロゲン受容体を対象とする。一つの実施形態では、本発明はアンドロゲン受容体作動薬を対象とする。一つの実施形態では、本発明はプロゲステロン受容体を対象とする。一つの実施形態では、本発明はプロゲステロン受容体拮抗薬を対象とする。
受容体へのリガンド結合に加えて、受容体をブロックしてリガンド結合を防ぐことができる。物質が受容体に結合する時、その物質の三次元構造は受容体の三次元構造によって作られる空間に、ボールとソケット式の構成でぴったりはまる。ボールがソケットにうまくはまるほど、よりしっかりと保持される。この現象は親和性と呼ばれる。物質の親和性が元のホルモンよりも大きい場合、それはホルモンと競合してより頻繁に結合部位に結合する。一旦結合すると、シグナルが受容体を通して細胞内に送られ、ある様式で細胞が応答しうる。これは活性化と呼ばれる。活性化されると、活性化された受容体は次に特定の遺伝子の転写を直接制御する。しかし、物質および受容体は、細胞を活性化するために、親和性以外の特定の属性を持つ場合がある。物質の原子と受容体の原子との間の化学結合が形成される場合がある。一部の場合、これは受容体の構成の変化につながり、これは活性化プロセス(シグナル伝達と呼ばれる)を開始するために十分である。
一つの実施形態では、受容体拮抗薬は受容体に結合しそれらを不活性化する物質である。一つの実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は、インビボで組織選択性を示し、同化(筋肉、骨など)組織のアンドロゲン受容体(AR)のシグナル伝達活性を、アンドロゲン性組織よりも大きな程度まで活性化する分子である。従って、一つの実施形態では、本発明の選択的アンドロゲン受容体調節剤は、ステロイドホルモン受容体への結合および活性化に有用である。一つの実施形態では、本発明のSARM化合物は、アンドロゲン受容体に結合する作動薬である。別の実施形態では、化合物はアンドロゲン受容体に対して高い親和性を持つ。
本発明の化合物がAR作動薬または拮抗薬であるかどうかを決定するアッセイは、当業者には良く知られている。例えば、AR作動活性は、去勢動物の前立腺および精嚢などのAR含有アンドロゲン性組織の重量の測定による成長を維持および/または刺激する、選択的アンドロゲン受容体調節剤の能力をモニターすることによって決定することができる。AR拮抗活性は、無処置動物のAR含有組織の成長を阻害する、または去勢動物のテストステロンの効果に対抗する、選択的アンドロゲン受容体調節剤の能力をモニターすることによって決定することができる。
アンドロゲン受容体(AR)は任意の種(例えば、哺乳類)のアンドロゲン受容体である。一つの実施形態では、アンドロゲン受容体はヒトのアンドロゲン受容体である。従って、別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤はヒトのアンドロゲン受容体に可逆的に結合する。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤は哺乳類のアンドロゲン受容体に可逆的に結合する。
本明細書で意図される場合、「選択的アンドロゲン受容体調節剤」(SARM)」という用語は、一つの実施形態では、インビボで組織選択性を示し、同化(筋肉、骨など)組織のアンドロゲン受容体(AR)のシグナル伝達活性を、アンドロゲン性組織よりも大きな程度まで活性化する分子を指す。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤はアンドロゲン受容体に選択的に結合する。別の実施形態では、選択的アンドロゲン受容体調節剤はアンドロゲン受容体を通して選択的にシグナル伝達に影響する。一つの実施形態では、SARMは部分作動薬である。つの実施形態では、SARMは組織選択的作動薬である、または一部の実施形態では、組織選択的拮抗薬である。
一つの実施形態では、本発明のSARMは、組織依存的に、アンドロゲン受容体に効果をもたらす。一つの実施形態では、本発明のSARMは、当技術分野で知られている、またはその他の実施形態で本明細書に記述される、ARトランス活性化アッセイを使用して決定される時、ARに対してIC50 またはEC50 を持つことになる。
本明細書で使用される場合、「治療する」という用語は障害軽減治療である。本明細書で使用される場合、「減少する」、「抑制する」および「阻害する」という用語は、低下または減少という一般的に理解された意味を持つ。本明細書で使用される場合、「進行」という用語は、範囲または重症度の増加、進行、成長または悪化することを意味する。本明細書で使用される場合、「再発」という用語は寛解後の疾患の再発を意味する。本明細書で使用される場合、「遅延する」という用語は、停止する、妨げる、遅くする、延期する、引きとめるまたは後退させることを意味する。
本明細書で使用される場合、「投与する」という用語は、被験者を本発明の化合物に接触させることを指す。本明細書で使用される場合、投与はインビトロで、すなわち、試験管内で、またはインビボで、すなわち、生命体、例えば、ヒトの細胞または組織の中で遂行することができる。一つの実施形態では、本発明は、本発明の化合物を被験者に投与することを包含する。
一つの実施形態では、本発明の化合物は被験者に週1回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に週2回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に週3回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に週4回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に週5回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に1日1回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に1日複数回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に週1回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に2週間に1回投与される。別の実施形態では、本発明の化合物は被験者に月1回投与される。
一つの実施形態では、本発明の方法は、唯一の有効成分として選択的アンドロゲン受容体調節剤を投与する工程を含む。しかし、本発明の範囲内には、泌尿器系障害を治療、予防、抑制または阻害する方法であって、選択的アンドロゲン受容体調節剤を一つ以上の治療薬と併用して投与する工程を含む方法も包含される。一つの実施形態では、本発明のSARMと併用される治療薬には、オキシブチニンおよびプロパンテリンなどの非選択的抗コリン薬、またはトルテロジン、トロスピウム、ソリフェナシン、ダリフェナシン、およびフェソテロジンなどの抗ムスカリン薬が含まれる。
一つの実施形態では、本発明のSARMと併用される治療薬には、フラボキサートおよびジシルコミンなどの筋弛緩薬(例えば、排尿筋を弛緩する)、またはonabotulinumtoxin Aなどのボツリヌス毒素が含まれる。
一つの実施形態では、本発明の方法は、本発明の選択的アンドロゲン受容体調節剤および/またはその類似体、誘導体、異性体、代謝物、医薬製品、水和物、N-オキシド、多形、結晶、プロドラッグまたはそれらの任意の組み合わせ、ならびに適切な担体または希釈剤を含む医薬組成物(または医薬製剤、本明細書では互換的に使用される)を投与する工程を含む。
医薬組成物:
本明細書で使用される場合、「医薬組成物」は、適切な希釈剤、保存剤、可溶化剤、乳化剤、補助剤および/または担体と併せた選択的アンドロゲン受容体調節剤の治療有効量を意味する。本明細書で使用される場合「治療有効量」とは、所与の病状および投与レジメンに対して治療効果を提供する量を指す。このような組成物は、液体または凍結乾燥または別の方法で乾燥された製剤であり、さまざまな緩衝内容物(例えば、Tris-HCI、酢酸塩、リン酸塩)、pHおよびイオン強度、表面への吸収を防ぐためのアルブミンまたはゼラチンなどの添加剤、洗剤(例えば、Tween 20(登録商標)、Tween 80(登録商標)、Pluronic F68(登録商標)、胆汁酸塩)、可溶化剤(例えば、グリセロール、ポリエチレングリセロール)、抗酸化剤(例えば、アスコルビン酸、ピロ亜硫酸ナトリウム)、保存剤(例えば、Thimerosal(登録商標)、ベンジルアルコール、パラベン)、増量剤または浸透張力調節剤(例えば、ラクトース、マンニトール)、ポリエチレングリコールなどのポリマーのタンパク質への共有結合、金属イオンとの錯形成、またはポリ乳酸、ポリグリコール酸、ヒドロゲルなどの高分子化合物の顆粒標品中もしくはその上への、またはリポソーム、マイクロエマルション、ミセル、単層もしくは多層小胞、赤血球ゴーストもしくはスフェロプラスト上への物質の組み込み)の希釈剤を含む。このような組成物は、物理的状態、可溶性、暗転性、インビボ放出速度、およびインビボクリアランス速度に影響することになる。制御または持続性放出組成物には、親油性デポー(例えば、脂肪酸、ワックス、オイル)中の製剤を含む。
本発明によって、ポリマー(例えば、ポロキサマーまたはポロキサミン)でコートされた微粒子組成物も包含される。本発明の組成物のその他の実施形態は、非経口、肺、鼻および口を含むさまざまな投与経路に対する微粒子形態、保護コーティング、プロテアーゼ阻害剤または透過促進剤を組み込む。一つの実施形態では、医薬組成物は、非経口的、癌近傍的、経粘膜的、経皮的、筋肉内、静脈内、皮内、皮下、腹腔内、脳室内、膣内、頭蓋内および腫瘍内に投与される。
さらに、本明細書で使用される「医薬的に許容可能な担体」は当業者には良く知られており、0.01〜0.1 Mおよび好ましくは0.05 Mのリン酸緩衝液または約0.8%生理食生理食塩水を含むがこれらに限定されない。さらに、このような医薬的に許容可能な担体は、水溶液または非水溶液、懸濁液およびエマルションでありうる。非水溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルなどの植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能有機エステルである。水性担体には、生理食塩水および緩衝媒体を含む、水、アルコール溶液/水溶液、エマルションまたは懸濁液が含まれる。
非経口賦形剤には、塩化ナトリウム溶液、リンゲル(登録商標)デキストロース、デキストロースおよび塩化ナトリウム、乳酸リンゲル(登録商標)および不揮発性油が含まれる。静脈内賦形剤には、液体および栄養補液、リンゲル(登録商標)デキストロースに基づくものなどの電解質補液などが含まれる。保存剤および、例えば、抗菌剤、抗酸化剤、collating剤、不活性ガスなどその他の添加剤も存在しうる。
ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールの共重合体、カルボキシメチルセルロース、デキストラン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドンまたはポリプロリンなど、水溶性ポリマーの共有結合によって修飾された化合物は、対応する非修飾化合物よりも静脈内注射後に顕著に長い血中半減期を示すことが知られている(Abuchowski et al., 1981; Newmark et al., 1982; and Katre et al., 1987)。このような修飾は、水溶液中の化合物の溶解性を増加し、凝集を排除し、化合物の物理的および化学的安定性を強化し、化合物の免疫原性および反応性を大きく減少させる可能性もある。結果として、望ましいインビボ生物学的活性が、非修飾化合物よりも少ない頻度または低い用量でのこのようなポリマー化合物の投与によって達成される可能性がある。
また別の実施形態では、医薬組成物は制御放出システムで送達することができる。例えば、薬剤は、静脈内注入、植込み型浸透圧ポンプ、経皮パッチ、リポソーム、またはその他の投与モードを使用して投与しうる。一つの実施形態では、ポンプを使用することができる(Langer, supra; Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980); Saudek et al., N. Engl. J. Med. 321:574 (1989)を参照)。別の実施形態では、高分子材料を使用できる。また別の実施形態では、制御放出システムを治療標的(例えば、脳)の近くに配置することができ、従って、全身用量のわずか何分の1かで済む(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, supra, vol. 2, pp. 115-138 (1984)を参照)。その他の制御放出システムがLangerによるレビューで考察されている(Science 249:1527-1533 (1990))。
医薬製剤は、選択的アンドロゲン受容体調節剤のみを含むことができ、または医薬的に許容可能な担体をさらに含むことができ、錠剤、粉末、カプセル、ペレット、溶液、懸濁液、エリキシル、エマルション、ゲル、クリームまたは直腸および尿道座薬を含む座薬など、固体または液体の形態でありうる。医薬的に許容可能な担体には、ガム、デンプン、糖、セルロース材料、およびそれらの混合物が含まれる。選択的アンドロゲン受容体調節剤を含有する医薬製剤は、例えば、ペレットの皮下移植により被験者に投与することができ、さらなる実施形態では、ペレットは、一定期間にわたって選択的アンドロゲン受容体調節剤の制御放出を提供する。製剤は、液体製剤の静脈内、動脈内、または筋肉内注射、液体または固体製剤の経口投与、または局所適用によっても投与することができる。投与は、直腸座薬または尿道座薬の使用によっても達成しうる。
本発明の医薬製剤は、既知の溶解、混合、造粒、または錠剤形成プロセスによって製造することができる。経口投与については、選択的アンドロゲン受容体調節剤またはそれらの生理学的に忍容性のある誘導体(塩、エステル、N-オキシドなど)がこの目的に対して慣習的な添加剤(賦形剤、安定剤、または不活性な希釈剤)と混合され、慣習的方法によって適切な投与形態(錠剤、コーティング錠、ハードまたはソフトゼラチンカプセル、水溶液、アルコール溶液または油性溶液など)に変換される。適切な不活性賦形剤の例は、結合剤(アカシア、コーンスターチ、ゼラチンなど)、崩壊剤(コーンスターチ、ジャガイモでんぷん、アルギン酸)、または滑沢剤(ステアリン酸またはステアリン酸マグネシウムなど)と組み合わせた従来的錠剤ベース(ラクトース、スクロース、またはコーンスターチなど)である。
適切な油性賦形剤または溶剤の例は、ヒマワリ油または魚肝油などの植物油または動物油である。製剤は、乾燥または湿式顆粒の両方としてもたらすことができる。非経口投与(皮下、静脈内、動脈内、または筋肉内注射)については、選択的アンドロゲン受容体調節剤またはそれらの生理学的に忍容性のある誘導体(塩、エステル、Nオキシドなど)が、望ましい場合はこの目的で慣習的かつ適切な物質(例えば可溶化剤またはその他の補助剤)と共に溶液、懸濁液、またはエマルションへと変換される。例としては、界面活性剤およびその他の医薬的に許容可能な補助剤の付加ありまたはなしでの滅菌液(水および油など)がある。例示的油は、例えば、ピーナッツ油、ダイズ油、または鉱油など、石油、動物、植物、または合成起源のものである。一般的に、水、生理食塩水、水性デキストロースおよび関連する糖溶液、ならびにプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールなどのグリコールが、特に注射用溶液に対して好ましい液体担体である。
活性成分を含む医薬組成物の製造は当技術分野ではよく知られている。このような組成物は、鼻咽頭に送達される活性成分のエアロゾルとしてまたは注射剤として、液体溶液または懸濁液のいずれかとして製造することができるが、注射前の液体の溶液、または懸濁液、液体に適した固体形態も製造することができる。製剤は乳化することもできる。活性有効成分は、医薬的に許容可能で有効成分と適合する賦形剤と混合されることがよくある。適切な賦形剤は、例えば、水、生理食塩水、デキストロース、グリセロール、エタノールなどまたはそれらの任意の組み合わせである。
有効成分は、中性化された医薬的に許容可能な塩の形態で組成物に製剤化することができる。医薬的に許容可能な塩には(ポリペプチドまたは抗体分子の遊離アミノ基と共に形成される)酸付加塩が含まれ、これは例えば、塩酸もしくはリン酸などの無機酸、または酢酸、シュウ酸、酒石酸、マンデル酸などの有機酸と共に形成される。遊離カルボキシ基から形成される塩は、例えば、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、カルシウム、または水酸化第二鉄などの無機塩基、およびイソプロピルアミン、トリメチルアミン、2-エチルアミノエタノール、ヒスチジン、プロカインなどの有機塩基からも派生しうる。
例えば、クリーム、ゲル、滴剤等を使用した体表面への局所投与については、選択的アンドロゲン受容体調節剤またはそれらの生理学的に忍容性のある誘導体(塩、エステル、Nオキシドなど)は、医薬担体を伴うまたは伴わない生理学的に許容可能な希釈剤中の溶液、懸濁液、またはエマルションとして製造され適用される。
別の実施形態では、活性化合物は、小胞、特にリポソームで送達することができる(Langer, Science 249:1527-1533 (1990); Treat et al., in Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer, Lopez- Berestein and Fidler (eds.), Liss, New York, pp. 353-365 (1989); Lopez-Berestein, ibid., pp. 317-327を参照、一般に同書を参照)。
医薬品での使用については、選択的アンドロゲン受容体調節剤の塩は医薬的に許容可能な塩となる。しかし、その他の塩が、本発明の化合物またはそれらの医薬的に許容可能な塩の製造に有用な可能性がある。本発明の化合物の適切な医薬的に許容可能な塩には、例えば、本発明の化合物を、塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酢酸、安息香酸、シュウ酸、クエン酸、酒石酸、炭酸またはリン酸などの医薬的に許容可能な酸の溶液と混合することによって形成されうる酸付加塩が含まれる。
一つの実施形態では、「約」という用語は、示された数または数の範囲からの0.0001〜5%の逸脱を指す。一つの実施形態では、「約」という用語は、示された数または数の範囲からの1〜10%の逸脱を指す。一つの実施形態では、「約」という用語は、示された数または数の範囲からの最大25%の逸脱を指す。
一部の実施形態では、「含む」という用語またはその文法形は、本発明の化合物などの示された活性薬剤の包含に加えて、製薬産業で知られているその他の活性薬剤、および医薬的に許容可能な担体、賦形剤、軟化薬、安定剤などの包含を指す。一部の実施形態では、「本質的に〜から構成される」という用語は、その唯一の有効成分が示された有効成分であるが、製剤の安定化、保存などのためにその他の化合物が含まれうるものの、これらは示された有効成分の治療効果には直接関与しない組成物を指す。一部の実施形態では、「本質的に〜から構成される」という用語は、示された有効成分の機構とは異なる機構によって治療効果を発揮する成分を指す場合がある。一部の実施形態では、「本質的に〜から構成される」という用語は、治療効果を発揮し、示された有効成分のクラスとは異なる化合物のクラスに属する成分を指す場合がある。一部の実施形態では、「本質的に〜から構成される」という用語は、異なる機構によって作用することにより治療効果を発揮し、示された有効成分のクラスとは異なる化合物のクラスに属する成分を指す場合があり、例えば本発明の実施形態を代表して、組成物中に存在するT細胞エピトープを含むポリペプチドは、B細胞エピトープを含むポリペプチドと特異的に組み合わされる場合がある。一部の実施形態では、「本質的に〜から構成される」という用語は、有効成分の放出を促進する成分を指す場合がある。一部の実施形態では、「〜から成る」という用語は、有効成分のよび医薬的に許容可能な担体または賦形剤を含む組成物を指す。
さらに、本明細書で使用される場合、「含む」という用語は、システムが列挙された要素を含むことを意味するが、随意的でありうるその他を除外しないことを意図する。「本質的に〜から構成される」という語句は、列挙された要素を含む方法を意味するが、方法の性能に本質的にかなりの効果を持ちうるその他の要素は除外することを意味する。従って「〜から構成される」とはその他の要素の痕跡以上を除外することを意味するものとする。これらの接続句のそれぞれによって定義される実施形態は本発明の範囲内である。
一つの実施形態では、本発明は組み合わせ製剤を提供する。一つの実施形態では、「組み合わせ製剤」という用語は、上記に定義された組み合わせパートナーは独立して、または組み合わせパートナーの識別量での異なる固定組み合わせの使用によって、すなわち同時に、共に、別々にまたは連続的に投薬できるという意味で、「部分のキット」を特に定義する。一部の実施形態では、部分のキットの部分は、その後、例えば、部分のキットの任意の部分に対して、同時にまたは経時的に時間をずらして、つまり異なる時点で、等しいまたは異なる時間間隔で投与できる。一部の実施形態では、組み合わせパートナーの合計量の割合を、組み合わせ製剤で投与することができる。一つの実施形態では、組み合わせ製剤は、当業者であれば容易に理解できるように、治療される患者部分集団のニーズまたは単一患者のニーズに対処するために異なる場合があり、このニーズは例えば、特定の疾患、疾患の重症度、年齢、性別、または体重のために異なるニーズでありうる。
一つの実施形態では、「一つ」または「1」は少なくとも一つを指す。一つの実施形態では、「2つ以上」という語句は任意の単位である可能性があり、これは特定の目的に適する。一つの実施形態では、「約」は示された用語からの+ 1%、または一部の実施形態では- 1%、または一部の実施形態では± 2.5%、または一部の実施形態では± 5%、または一部の実施形態では± 7.5%、または一部の実施形態では± 10%、または一部の実施形態では± 15%、または一部の実施形態では± 20%、または一部の実施形態では± 25%の逸脱を含む場合がある。
実施例1
骨盤底の筋肉を増加させるためのSARMの使用
上述のように、肛門挙筋の弱化および/または萎縮は骨盤底を不安定にし、腹腔内圧が一過性に上昇している間に尿道閉鎖を維持できないことにつながり、腹圧性尿失禁を生じる可能性がある。肛門挙筋、および尿道括約筋などの骨盤底のその他の筋肉は、アンドロゲンの同化作用に対して極めて敏感である[Hershberger et al., Myotrophic activity of 19-nortestosterone and other steroids determined by modified levator ani muscle method. Proc. Soc. Exp. Biol. Med. (1953) 83: 175-180; Ho et al., Anabolic effects of androgens on muscles of female pelvic floor and lower urinary tract. Curr. Opin. Obstet. Gynecol. (2004) 16: 405-409]。
インビボでDHTまたは式Xおよび式IXを用いた治療は、図1に示されるように肛門挙筋の肥大を誘発する。Sprague Dawleyラット(n=5; 体重200 g)が去勢され、14日間、賦形剤(白抜きバー)、3 mg/日の式X(点付きのバー)、式IX(斜線付きのバー)、不活性プロパンアミド化合物((R)-IX(グレーのバー)およびDHT(黒いバー)で皮下治療された。屠殺時、臓器を秤量し、未処理の臓器重量として示した。値は平均± S.D.として示されている。
ARは泌尿生殖器系の多くの構造に存在し、アンドロゲンは、排泄抑制能の維持または失禁に対する補償においてその他の有益な効果を持つ可能性がある。同様に、尿道平滑筋もSARMの使用によって強化される可能性が高い。
実施例2
非ステロイド組織選択的アンドロゲン受容体調節(SARM)は卵巣摘出メスマウスの骨盤底筋肉量および構造を改善する
アンドロゲン受容体(AR)は、筋肉、骨、内分泌および生殖器官の成長および発達に重要なリガンド活性化転写因子である。リガンド(すなわち、内分泌アンドロゲン)が存在しない場合、ARは熱ショックタンパク質(HSP)およびコリプレッサーとの相互関係を通して不活性複合体に維持される。リガンド(例えば、テストステロンまたはジヒドロテストステロン)結合すると、HSPはARから解離して、その立体構造の変化ならびにその後のARの二量化および核局在化をもたらす。AR二量体は、ホルモン応答遺伝子のプロモーター上のホルモン応答配列(HRE)に結合し、さまざまなコアクチベーターおよび一般転写因子を動員し、標的遺伝子の転写を誘導する。多くの組織が、ARを有する細胞を持ち、アンドロゲン応答性と見なされるが、ARの最も高い濃度を持つ組織の一つが肛門挙筋である。肛門挙筋はその他の骨盤底筋と共に、アンドロゲンの存在に応答し、ARを通してこれらのアンドロゲンはこれらの筋肉のサイズおよび重量を強力に増加させることができる。
骨盤底は横紋筋から構成され、これは膀胱、子宮、および直腸を支持している。骨盤底に特異的な筋肉には主に、肛門挙筋および坐骨尾骨筋(尾骨筋としても知られる)が含まれ、これは上述のように、ARの比較的高い発現を含むことが知られている。
この試験の目的は、骨盤底筋重量および遺伝子発現に対する選択的アンドロゲン受容体調節剤(SARM)の効果を評価することである。
材料および方法:
JAX labsから購入した生後6〜8週間のメスマウス(n=5〜7)を卵巣摘出(OVX)または偽手術した。OVXから20日後に、以下の表に示された治療を開始した。式IXおよびVIIIの化合物をDSMO/PEG 300(15:85)に溶解し、強制経口投与で投与した。合計除脂肪体重を評価するために、治療の開始時および終了時に体重およびMRI測定値を記録した。マウスを28日間治療した後に屠殺し、骨盤底筋を分離して秤量し、RNAおよびタンパク質抽出のために保存した。筋肉の異化および同化に関与する遺伝子の発現をmRNA解析によって測定した。薬剤の血清濃度をLC-MS/MSで測定した。JMP Pro(登録商標)を使用し、一元配置分散分析を用いて統計解析を実施した。
遺伝子発現試験:ホルマリン固定組織をFastPrep(登録商標)組織ホモジナイザーを使用してホモジナイズし、Qiagen(登録商標)RNA単離キットを使用してRNAを単離した。RNAを定量し、各サンプルからの1 μg RNAを使用して、Life Technologies(登録商標)社製cDNA合成キットを用いてcDNAを合成した。Life Technologies(登録商標)社製Taqmanプライマーおよびプローブを使用し、ABI-7900リアルタイムPCRマシンでリアルタイムrtPCRを行った。さまざまな遺伝子の発現がGAPDHに対して正規化された。
式IXの化合物および式VIIIの化合物の血漿抽出:サンプルを解凍した後、各サンプルからのマウス血清の100μLアリコートを、内部標準として式XIIIの化合物200 nMを含むアセトニトリル200μLと混合した。各サンプルを15秒間ボルテックスミキサーで十分撹拌した後、サンプルを10分間3000 rpmで遠心分離した。約200 μLの上清をLC-MS/MS分析用に分取した。
標準曲線の作成:式IXおよびVIIIの化合物の原液はDMSO中100 μMであった。対照マウス血清で1:50の希釈を行い、2 μMの200 μLを第一のマイクロ遠心管に加えた。対照マウス血清の100 μLを次の7本のマイクロ遠心管に加えた。遠心管1(2 μM)から100 μLを遠心管2に移し、ボルテックスミキサーで撹拌し、2倍希釈を遠心管7まで引き続き行った。内部標準として式XIIIの化合物200 nMを含むアセトニトリルの200 μLを各遠心管に加えた。ボルテックスミキサーで撹拌し遠心分離した後、200 μLをLC-MS/MS分析にかけた。各標準曲線の濃度は1 μM〜0.0078 μMの範囲であった。
LC-MS/MS分析:血清中の式IXおよびVIIIの化合物の分析は、Agilent 1100 HPLCおよびMDS/Sciex 4000 Q-Trap(商標)質量分析計から構成されるLC-MS/MSシステムを使用して実施された。C18ガードカラム(Phenomenex(商標)4.6mm IDホルダー付きカートリッジ)で保護されたC18分析カラム(Alltima(商標)、2.1 X 100 mm、3 μm)を使用して分離を達成した。移動相はチャンネルA(アセトニトリル95%+水5%+ギ酸0.1%)およびチャンネルC(水95%+アセトニトリル5%+ギ酸0.1%)から構成され、流速0.4 mL/分の均一濃度で供給された。式IXの化合物の合計実行時間は4.5分、注入容量は10μLであった。式VIIIの化合物の合計実行時間も4.5分であり、注入容量は10.0μLであった。多重反応モニタリング(MRM)スキャンは、式IXの化合物に対するカーテンガスは30、式VIIIの化合物に対しては25、衝突ガスは式IXの化合物に対しては中、式VIIIの化合物に対しては高、両方に対するネブライザーガスおよび補助ガスは60ならびにソース温度は550℃で行った。分子イオンは4200 Vのイオンスプレー電圧(IS)を使用して形成された(ネガティブモード)。質量対388.1/118.1(式IXの化合物)に対して、デクラスタリング電位(DP)、エントランス電位(EP)、衝突エネルギー(CE)、生成物イオン質量、およびセルイグジット電位(CXP)はそれぞれ-20.0、-10.0、-30.0、および-15.0の値で最適化された。質量対354.0/118.1(式VIIIの化合物)に対して、デクラスタリング電位(DP)、エントランス電位(EP)、衝突エネルギー(CE)、生成物イオン質量、およびセルイグジット電位(CXP)はそれぞれ-95.9、-9.94、-40.0、および-15.0の値で最適化された。
組織学:骨盤底筋をパラフィン包埋し、切片をコラーゲン(マッソントリクローム)およびエラスチン(ワンギーソン)に対して染色した。染色は、線維の長さおよび染色強度について病理で評価された。
結果:
尾骨(COC)筋(肛門挙筋の後方に位置する)および肛門挙筋(恥骨尾骨(Pc)筋+腸骨尾骨(IL)筋)は、支持および機能を提供する骨盤底の2つの重要な要素である。COCおよび肛門挙筋またはLA(Pc+IL)は挙筋板(levator plate)と関連して骨盤底を支持し、骨盤隔膜を形成する。この3つの筋肉タイプのうち最大のものはCOCであり、それにPcおよびILが続く。マウスでは、COC重量はPcとILを組み合わせた重量と等しいかまたはそれより大きい。
上述のように、これらの試験の目的は、骨盤底筋に対する2つのSARMの効果を調べることであった。SARMを用いて治療されたマウスの合計体重は中程度に増加したが、統計的に有意ではなかった(図4)。同様に、MRI測定値は、用量増加に伴って合計除脂肪体重の増加傾向を示した(図5)。しかし、体重と同様、除脂肪筋肉量のこの傾向は有意性に達しなかった。
マウスの骨盤底筋は小さく、非拡大下での可視化が難しい。解像度を改善するために、マウスの骨盤領域を屠殺後2日間ホルマリンに浸漬し、その後顕微鏡下で解剖して精密な重量測定を行った。COC、Pc、およびILを単離し、マイクログラムの分解能を持つ微量天秤を使用して秤量した。
3つの筋肉タイプのうち、COCは卵巣摘出(OVX)に対してより敏感であった。OVXは無処置マウスと比べてCOC重量を約50%減少させた(図6)。SARMは用量依存的にCOCを増加させ、0.0001という低いp値を達成した。PcはOVXによる減少がより控え目であった(図7)。それにもかかわらず、SARMはOVX対照と比べてPc筋の重量を有意に増加させた(p <0.05)。COC、PcおよびILの累積重量も、SARM治療ではOVXマウスと比べて有意に増加した(p <0.001)(図8)。
リアルタイムPCRによるCOCの選択された遺伝子の発現は、OVXが2つの異化遺伝子(ミオスタチンおよびFbxo32またはMAFbx)の発現を有意に増加させたことを実証した(図9)。SARMを用いた治療はこれらの遺伝子の発現の増加を逆転させ、それらの発現を無処置対照の発現まで戻し、SARMが筋肉の異化経路をブロックして筋肉重量および強度を増加させることを示している。
血清薬剤濃度はLC-MS/MSを使用して測定され、SARMの濃度の用量依存的増加を実証した(表1)。
マウスを最後の用量から24時間後に屠殺し、定常状態濃度を測定した。血清濃度が低かったにもかかわらず、式VIIIの化合物は式IXの化合物よりも、筋肉重量増加の性能が高かった。
結論:
これは、式IXおよびVIIIの化合物が、OVXによって減少する骨盤底筋の重量を増加させる能力を持つことを明確に示した最初の試験である。これらの非常に重要な骨盤筋のサイズのこの増加は、SUIを持つ女性の治療につながる可能性がある。
マウスのデータから、COCがエストロゲンによって影響される主な筋肉であると思われる。LA筋(Pc+IL)はCOCより小さく、循環エストロゲンによって最小限の影響を受ける。LAおよびCOC筋の両方が骨盤底構造の維持に重要なため、いずれか一つまたは両方の、どれであっても影響を受けたものの損失を補償することが必須である。p値は、骨盤筋の増加において、式VIIIの化合物が式IXの化合物よりも良い薬剤でありうることを示している。
要約:
目的:卵巣摘出されたメスマウスの骨盤底筋に対する非ステロイドSARMの効果を評価するため、および除脂肪体重を増加させることなく骨盤底筋を強化する用量を特定するため。
方法:生後6〜8週間のメスマウス(n=6〜8/群)を卵巣摘出(OVX)または偽手術した。OVXから1ヵ月後、血清ホルモンレベルがトラフになった時に、身体組成をMRIで測定し、賦形剤または2つのSARMの用量反応を用いて治療を開始した。治療から28日後に、身体組成を再び測定し、マウスを屠殺して骨盤底筋を秤量した。血清薬物濃度をLC-MS/MSで測定した。筋肉切片をコラーゲンおよびエラスチンに対して染色し、構造に対するSARMの効果を評価した。データは一元配置ANOVAに続いてテューキー検定で解析した。
結果:試験で使用されたSARMの用量は、体重または全除脂肪体重の有意な増加をもたらさなかった。卵巣摘出は、尾骨筋の重量を50%以上、腸骨尾骨筋は30%、骨盤底筋重量全体は50%、有意に減少させ、これらはすべてSARMによって無処置レベルまで回復した。骨盤底筋の増加は血清薬物濃度と直接相関していた。ミオスタチンおよびMuRF1などの異化遺伝子はSARMによって阻害された。組織学的試験は、骨盤底筋線維がSARM治療マウスでは肥大していたことを示している。
結論:SARMは骨盤筋重量および構造を増加させる能力を持ち、UIに対する潜在的治療オプションとなりうる。
実施例3
女性の腹圧性尿失禁(SUI)に対する治療薬としての式IXの化合物:
概念実証臨床試験
これは、SUIを持つ閉経後女性被験者における、式IXの化合物のS異性体(化合物IX)3 mgの効果を説明するための単一施設、概念実証実行性検証試験である。
主要目的:3日排尿日誌で評価される腹圧性失禁エピソード/日の回数に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
副次的目的:
・ 3日排尿日誌で評価した、排尿回数/日に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 3日排尿日誌で評価した、排尿あたりの尿容量に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 24時間パッド重量検査で評価した、SUIに対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 尿道内圧曲線(UPP)で評価した、SUIに対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 膀胱ストレス検査で評価した、SUIに対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ MESA尿に関する質問票(MESA Urinary Questionnaire)で評価した、患者報告の腹圧性尿失禁症状に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 患者の印象による重症度尺度(Patient Global Impression of Severity Scale、PGI-S)で評価した、腹圧性尿失禁重症度の患者報告の印象に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 患者の印象による改善の尺度(Patient Global Impression of Severity Scale、PGI-I)で評価した、患者報告の改善に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 尿に関する苦痛の質問票(Urinary Distress Inventory Questionnaire、UDI-6)で評価した、患者報告の泌尿生殖器に関する苦痛に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 失禁の影響に関する質問票Incontinence Impact Questionnaire、IIQ-7)で評価した、患者報告の日常生活への尿失禁の影響に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ 女性性機能障害指標質問票(Female Sexual Function Index Questionnaire、FSFI)の記入で示された、患者報告の性的機能に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
・ MRIで測定された骨盤底筋に対する化合物IXの12週間治療の効果を説明する。
安全性目的:SUIを持つ被験者の化合物IX 3 mgの1日1回経口投与の安全性プロファイルを説明する。
標的集団:SUIを持つ閉経後成人女性。
試験期間:12週間
被験者数/参加期間:最大被験者35人。各被験者は最大5ヵ月の試験参加を完了しうる。
製品使用の適応:化合物IXは、癌悪液質に関連する筋消耗に対する治療薬として試験されたが、現在は市販されていない。
製品使用の指示:被験者は、食物摂取に関係なく、1日あたり3 mgソフトゲルカプセル1錠を経口服用するよう指示される。
統計的考慮事項:これは概念実証実効性検証試験なので、検出力の計算は必要ない。従って、被験者30人が治療を完了するまで、選択/除外基準を満たす被験者最大35人が募集される。主要および副次的転帰尺度のベースラインと治療終了時との間の変化を調べるために、記述統計が実施される。主要有効性尺度は、腹圧性失禁エピソードの回数/日の減少となる。副次的有効性尺度には、1日あたりの排尿回数、排尿容量、24時間パッド重量、検証された質問票への回答、UPP測定値の変化、性的機能の変化、およびMRIで測定した骨盤底筋の変化が含まれることになる。安全性は、治療中に報告された有害事象の数およびタイプによって決定される。さまざまなインピュテーション方法が調査される場合がある。
腹圧性尿失禁に関連する予備試験:化合物IXの使用に関連する詳細な臨床データが以下に記述されているが、SUIの治療に対する化合物IXの特定の調査を支持する前臨床および臨床データの両方がある。前臨床結果の中に、オスおよびメスラットモデルで化合物IXがアンドロゲン性および同化活性を持つというものがある。化合物IXは一貫して、メスラットの体重、特に筋肉を増加させることが観察されている。血清テストステロンの去勢レベル(メスで予測されるものに類似)を持つオスラットモデルで、化合物IXは無処置オスの約120%への肛門挙筋の肥大を誘導する能力を持つ。肛門挙筋肥大または腹圧性尿失禁に関するメスモデルのデータは現在ないので、これらの試験をまとめると化合物IXの予測効果の近似を提供する。第3相試験2件(G300504およびG300505)において、1日1回3 mgの化合物IXは、男性および女性の分別効果なしに、除脂肪体重の軽度の増加(約1.7%)をもたらす。これらの前臨床および臨床分析に基づくと、SUIを持つ女性の肛門挙筋の有意な成長/増容が見込まれ、これは関連症状の改善ももたらす可能性があり、従って本明細書に記述された試験の焦点である。
試験評価項目:
主要評価項目:ベースラインから第12週までの毎日の腹圧性尿失禁エピソードの頻度の変化。
副次的評価項目:
1. ベースラインから第12週までの毎日の排尿頻度の変化
2. ベースラインから第12週までの排尿あたりの尿容量の変化。
3. ベースラインから第12週までの24時間パッド重量の変化。
4. ベースラインから第12週までの最大尿道閉鎖圧測定値の変化。
5. (a)咳をする、および/または(b)ヴァルサルヴァ法を実施する間に評価した、ベースラインから第12週までの膀胱ストレス検査での尿漏出(はい/いいえ)の変化。
6. ベースラインから第12週までのMESA尿に関する質問票の腹圧性失禁セクションの合計スコアの変化。
7. ベースラインから第12週までの患者の印象による重症度尺度(PGI-S)の変化。
8. 第12週での患者の印象による改善の尺度(PGI-I)。
9. ベースラインから第12週までの尿に関する苦痛の質問票(UDI-6)の合計スコアの変化。
10.ベースラインから第12週までの失禁の影響に関する質問票(IIQ-7)の合計スコアの変化。
11.ベースラインから第12週までの女性性機能指標(FSFI)の合計スコアの変化ならびにリビドー、興奮、潤滑、オーガズム、満足度、および痛みのサブドメインスコアの変化。
12.MRIで測定した、ベースラインから第12週までの骨盤底筋の変化。定量アセスメントには、挙筋裂孔の面積、前後径および横径、ならびにその他の関連パラメータを含む場合がある。
閉経後とは、この試験の開始前に自然発生的、内科的または外科的閉経の発現を経験した、臨床的に確認された女性被験者として定義されるであろう。治療の持続性も、最後の用量から4週間後の検証測定値の評価によって調査される。被験者最大35人が本試験に登録される予定である。
実施例4
式VIIIの化合物の合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11℃に保った。撹拌後(3時間、室温(RT))、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出液をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103 ℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8° (c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53〜3.24 (m, 4H, CH2), 2.30〜2.20 (m, 1H, CH), 2.04〜1.72 (m, 3H, CH2およびCH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO- d6) δ 167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mLのブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:(融点107〜109 ℃)、1H NMR (300 MHz, DMSO- d6) δ 3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300〜2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5° (c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-(3-クロロ-4-シアノフェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(7.8 g、65.5 mmol)を、アルゴン雰囲気下、50 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(9.0 g、49.2 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(6.6 g、65.5 mol)を加え、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 4-アミノ-2-クロロベンゾニトリル(5.0 g、32.8 mmol)および100 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを100 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 150 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 100 mL)および塩水(300 mL)で逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをEtOAc/ヘキサン(50:50)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して7.7 g(49.4%)の標的化合物を褐色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.7 (s, 3H, CH3), 3.0 (s, 1H, OH), 3.7 (d, 1H, CH), 4.0 (d, 1H, CH), 7.5 (d, 1H, ArH), 7.7 (d, 1H, ArH), 8.0 (s, 1H, ArH), 8.8 (s, 1H, NH)。MS:342.1 (M+23)。融点129℃。
(S)-N-(3-クロロ-4-シアノフェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式VIIIの化合物)の合成。ブロモアミド(2.0 g、6.3 mmol)、無水K2CO3(2.6 g、18.9 mmol)の混合物を50 mLのアセトン中2時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる固体を50 mLの2-プロパノール中の4-シアノフェノール(1.1 g、9.5 mmol)および無水K2CO3(1.7 g、12.6 mmol)で処理し、3時間加熱還流して、減圧濃縮して固体を得た。残渣を100 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 100 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 100 mL)および塩水で逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると油状物質が得られ、これをEtOAc/ヘキサン(50:50)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。固体を CH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、1.4 g(61.6%)の (S)-N-(3-クロロ-4-シアノフェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.61 (s, 3H, CH3), 3.25 (s, 1H,OH), 4.06 (d, J = 9.15 Hz, 1H, CH), 4.50 (d, J = 9.15 Hz, 1H, CH), 6.97 - 6.99 (m, 2H, ArH), 7.53-7.59 (m, 4H, ArH), 7.97 (d, J = 2.01 Hz, 1H, ArH), 8.96 (s, 1H, NH)。計算質量:355.1, [M+Na]+ 378.0。融点:103〜105℃。
実施例5
無処置および去勢オスラットにおける式VIIIの化合物の前臨床同化作用およびアンドロゲン性薬理。
1日1回強制経口投与した式VIIIの化合物の同化およびアンドロゲン性効果を試験した。式VIIIの化合物のS異性体を合成し、本明細書に記述のように試験した。
材料および方法:
約200 g体重のオスSprague-DawleyラットをHarlan Bioproducts for Science(インディアナ州、インディアナポリス)から購入した。ラットは随意に利用可能な餌(7012C LM-485 Mouse/Rat Sterilizable Diet、Harlan Teklad、ワイオミング州、マジソン)および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。式VIIIの化合物の無処置ラットでの同化およびアンドロゲン活性の試験に加えて、急性的精巣摘出(ORX)ラットでの用量反応評価を行った。慢性的(9日間)ORXラットでの式VIIIの化合物の再生効果も同様に評価された。
適切な用量濃度の調製のために、この試験の試験物質を秤量し、PEG 300(Acros Organics、ニュージャージー州)で希釈した10% DMSO(Fisher)に溶解した。ラットは一かごあたり2〜3匹の群で飼育した。ラットは群あたり4〜5匹から成る7群のうちの一つに無作為に割り付けられた。対照群(無処置およびORX)には賦形剤を1日1回投与した。無処置群およびORX群の両方に、式VIIIの化合物を0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量で強制経口投与した。適切な場合には、ラットを試験の1日目に去勢した。式VIIIの化合物を用いた治療はORXから9日後に開始し、14日間、1日1回強制経口投与した。
ラットを麻酔(ケタミン/キシラジン、87:13 mg/kg)下で屠殺し、体重を記録した。さらに、腹側前立腺、精嚢、および肛門挙筋を除去して、個別に秤量し、体重に対して正規化し、無処置対照のパーセントとして表した。スチューデントのT検定を使用して個別の用量群を無処置対照群と比較した。有意性は先験的にP値 < 0.05として定義した。腹側前立腺および精嚢の重量はアンドロゲン活性の尺度として評価したのに対し、肛門挙筋重量は同化活性の尺度として評価した。腹大動脈から血液を採取して遠心分離し、血清ホルモンレベルの決定前に、血清を-80℃で冷凍した。血清黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を決定した。
結果:
アンドロゲン性(前立腺および精嚢)および同化性(肛門挙筋)組織の両方で、式VIIIの化合物の効力および有効性を評価するために無処置および去勢ラットの一連の用量反応試験が実施された。無処置ラットでは、式VIIIの化合物の治療は、前立腺と精嚢の両方の重量の減少をもたらした一方、肛門挙筋重量は有意に増加した。式VIIIの化合物治療後の肛門挙筋重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ107% ± 5%、103% ± 7%、97% ± 7%、103% ± 5%、118% ± 7%、および118% ± 7%であった。前立腺重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ103% ± 10%、99% ± 10%、58% ± 10%、58% ± 15%、65% ± 20%、および77% ± 23%であった。現在のアンドロゲン療法は、前立腺および乳房組織での増殖性アンドロゲン効果のために、一部の患者集団では禁忌であるため、これらの結果は重要である。しかし、これらの患者集団の多くの患者が、筋肉および骨のアンドロゲンの同化作用から利益を得る可能性がある。式VIIIの化合物は組織選択的同化作用を示したので、過去にアンドロゲンが禁忌であった患者群を治療することが可能となりうる。
去勢されたORX動物では、式VIIIの化合物治療後の前立腺重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ12% ± 2%、17% ± 6%、31% ± 3%、43% ± 15%、54% ± 17%、58% ± 10%、および73% ± 12%であった。同様に、精嚢重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ10% ± 2%、10% ± 3%、13% ± 4%、21% ± 6%、43% ± 8%、51% ± 9%、および69% ± 14%であった。無処置対照と比較した時、すべての用量群で肛門挙筋重量の有意な増加が見られた。肛門挙筋重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ40% ± 5%、52% ± 8%、67% ± 9%、98% ± 10%、103% ± 12%、105% ± 12%および110% ± 17%であった。
プロピオン酸テストステロン(TP)およびS-3-(4-アセチルアミノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチル-N-(4-ニトロ-3-トリフルオロメチルフェニル)プロピオンアミド(式XIIの化合物)は、肛門挙筋重量をそれぞれ104%および101%まで最大限に刺激した。これらのデータは、式VIIIの化合物が、TPまたは式 XIIの化合物のいずれかよりも大きな有効性および効力を呈したことを示している。全体として、これらのデータは、式VIIIの化合物がテストステロンの存在下または不在下で筋肉成長を刺激できる一方、前立腺に抗増殖作用をもたらすことを示している。これらのデータは、式VIIIの化合物が、サルコペニアまたは悪液質患者の筋肉量の損失を回復することを示している。さらに、式VIII の化合物の前立腺に対する抗増殖効果によって、現在アンドロゲンが禁忌の一部の患者集団が同化剤にアクセスすることを可能にするかもしれない。
同化率は去勢ラットの筋肉/前立腺重量を比較して得た。得られた値は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量後でそれぞれ、3.02、2.13、2.27、1.90、1.83および1.51であった。
式VIIIの化合物1 mg/日の投与を受けたラットは、無処置対照値の77% ± 23%の前立腺重量および118% ± 7%の肛門挙筋重量を示した。式VIIIの化合物は、精巣摘出後の前立腺重量を無処置対照の73 ± 12%に、肛門挙筋重量を無処置対照の110± 17%に維持した。式VIIIの化合物の派生用量0.1 mg/日は、肛門挙筋重量を100%まで回復するであろうが、このような用量は43 ± 15%の前立腺重量しか回復しないであろう。
実施例6
式IXの化合物の合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11ooに保った。撹拌後(3時間、RT)、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO- d6) δ 5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8°(c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO- d6) δ 4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53〜3.24 (m, 4H, CH2), 2.30〜2.20 (m, 1H, CH), 2.04〜1.72 (m, 3H, CH2およびCH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO- d6) δ 167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mL中のブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:融点107〜109 ℃; 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300-2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5°(c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(46.02 g、0.39 mol)を、アルゴン雰囲気下、300 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(51.13 g、0.28 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(39.14 g、0.39 mol)を加えて、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 5-アミノ-2-シアノベンゾトリウルオライド(40.0 g、0.21 mol)および400 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 400 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 300 mL)および塩水(300 mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをCH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g(73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.66 (s, 3H, CH3), 3.11 (s, 1H,OH), 3.63 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.99 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H, ArH), 9.04 (bs, 1H, NH)。計算質量:349.99, [M-H]- 349.0。融点:124〜126℃。
(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式IXの化合物)の合成。ブロモアミド((2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド、50 g、0.14 mol)、無水K2CO3(59.04 g、0.43 mol)、4-シアノフェノール(25.44 g、0.21 mol)の混合物を500 mLの2-プロパノール中、3時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる残渣を500 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 300 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 200 mL)および塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると油状物質が得られ、これを300 mLのエタノールおよび活性炭で処理した。反応混合物を1時間加熱還流し、高温混合物をCelite(登録商標)でろ過した。ろ液を減圧濃縮して油状物質を得た。この油状物質を、CH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製すると油状物質が得られ、これをCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、33.2 g(59.9%)の(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色の固体(綿のタイプ)として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.63 (s, 3H, CH3), 3.35 (s, 1H,OH), 4.07 (d, J = 9.04 Hz, 1H, CH), 4.51 (d, J = 9.04 Hz, 1H, CH), 6.97-6.99 (m, 2H, ArH), 7.57-7.60 (m, 2H, ArH), 7.81 (d, J = 8.55 Hz, 1H, ArH), 7.97 (dd, J = 1.95, 8.55 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 1.95 Hz, 1H, ArH), 9.13 (bs, 1H, NH)。計算質量:389.10, [M-H]- 388.1。融点:92〜94℃。
実施例7
式IXの化合物の無処置およびORXラットでのアンドロゲンおよび同化活性
材料および方法:
約200 gのオスSprague-DawleyラットをHarlan Bioproducts for Science(インディアナ州、インディアナポリス)から購入した。ラットは随意に利用可能な餌(7012C LM-485 Mouse/Rat Sterilizable Diet、Harlan Teklad、ワイオミング州、マジソン)および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。式IXの化合物の無処置ラットでの同化およびアンドロゲン活性が評価され、急性的精巣摘出(ORX)ラットでの用量反応も評価された。慢性的(9日)ORXラットでの式IXの化合物の再生効果も評価された。
適切な用量濃度の調製のために、本化合物を秤量し、PEG 300(Acros Organics、ニュージャージー州)で希釈した10% DMSO(Fisher)に溶解した。ラットは一かごあたり2〜3匹の群で飼育した。無処置およびORXラットは群あたり4〜5匹から成る7群のうちの一つに無作為に割り付けられた。対照群(無処置およびORX)には賦形剤を1日1回投与した。無処置群およびORX群の両方に、式IXの化合物を0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量で強制経口投与した。
去勢ラット(試験の1日目)が、用量反応評価のために、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量群(4〜5匹/群)に無作為に割り付けられた。投薬はORXから9日後に開始し、14日間、1日1回強制経口投与した。14日間の投薬レジメン後、ラットを麻酔(ケタミン/キシラジン、87:13 mg/kg)下で屠殺し、体重を記録した。さらに、腹側前立腺、精嚢、および肛門挙筋を除去して、個別に秤量し、体重に対して正規化し、無処置対照のパーセントとして表した。スチューデントのT検定を使用して個別の用量群を無処置対照群と比較した。有意性は先験的にP値 < 0.05として定義した。アンドロゲン活性の尺度として、腹側前立腺および精嚢の重量を評価したのに対し、肛門挙筋重量は同化活性の尺度として評価した。腹大動脈から血液を採取して遠心分離し、血清ホルモンレベルの決定前に、血清を-80℃で冷凍した。血清黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を決定した。
結果:
無処置ラットでは、式IXの化合物治療後の前立腺重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ111% ± 21%、88% ± 15%、77% ± 17%、71% ± 16%、71% ± 10%、および87% ± 13%であった。同様に、精嚢重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ94% ± 9%、77% ± 11%、80% ± 9%、73% ± 12%、77% ± 10%、および88% ± 14%に減少した。しかし、無処置対照と比較した時、すべての用量群の偽手術ラットの肛門挙筋重量の有意な増加が見られた。肛門挙筋重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量に対応する無処置対照のそれぞれ120% ± 12%、116% ± 7%、128% ± 7%、134% ± 7%、125% ± 9%、および146% ± 17%であった。
式IXの化合物は精巣摘出後の前立腺重量を部分的に維持した。賦形剤で治療されたORX対照の前立腺重量は、無処置対照の5% ± 1%に減少した。0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量で、式IXの化合物は前立腺重量を無処置対照のそれぞれ8% ± 2%、20% ± 5%、51% ± 19%、56% ± 9%、80% ± 28%、および74 ± 12.5%に維持した。去勢対照では、精嚢重量は無処置対照の13% ± 2%に減少した。式IXの化合物は、ORXラットの精嚢重量を部分的に維持した。薬剤治療されたラットの精嚢重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ12% ± 4%、17% ± 5%、35% ± 10%、61% ± 15%、70% ± 14%、および80% ± 6%であった。ORX対照では、肛門挙筋重量は無処置対照の55% ± 7%に減少した。我々は、式IXの化合物で治療されたラットの肛門挙筋に同化効果を観察した。式IXの化合物は、用量> 0.1 mg/日で、肛門挙筋重量を完全に維持した。用量> 0.1 mg/日は、無処置対照で観察されたものと比較して、肛門挙筋重量の有意な増加をもたらした。無処置対照のパーセントとしての肛門挙筋は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量群に対して、それぞれ59% ± 6%、85% ± 9%、112% ± 10%、122% ± 16%、127 ± 12%、および129.66 ± 2%であった。EmaxおよびED50値は、WinNonlin(登録商標)の非線形回帰分析により、各組織で決定された。Emax値は、前立腺、精嚢、および肛門挙筋に対して、それぞれ83% ± 25%、85% ± 11%、および131% ± 2%であった。前立腺、精嚢、および肛門挙筋のED50は、それぞれ0.09 ± 0.07、0.17 ± 0.05、および0.02 ± 0.01 mg/日であった。
実施例8
式Xの化合物の合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11℃に保った。撹拌後(3時間、RT)、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103 ℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8°(c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53-3.24 (m, 4H, CH2), 2.30-2.20 (m, 1H, CH), 2.04-1.72 (m, 3H, CH2 and CH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mL中のブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:(融点107〜109 ℃)、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300-2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5°(c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(46.02 g、0.39 mol)を、アルゴン雰囲気下、300 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(51.13 g、0.28 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(39.14 g、0.39 mol)を加えて、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 5-アミノ-2-シアノベンゾトリウルオライド(40.0 g、0.21 mol)および400 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 400 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 300 mL)および塩水(300 mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをCH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g(73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.66 (s, 3H, CH3), 3.11 (s, 1H,OH), 3.63 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.99 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H, ArH), 9.04 (bs, 1H, NH)。計算質量:349.99, [M-H]- 349.0。融点:124〜126℃。
(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-フルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式Xの化合物)の合成。ブロモアミド((2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド、50 g、0.14 mol)、無水K2CO3(59.04 g、0.43 mol)、4-フルオロフェノール(18.83 g、0.17 mol)の混合物を500 mLの2-ブタノン中、3時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる残渣を500 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 300 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 200 mL)および塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると油状物質が得られ、これを300 mLのエタノールおよび活性炭で処理した。反応混合物を1時間加熱還流し、高温混合物をCelite(登録商標)でろ過した。ろ液を減圧濃縮して油状物質を得た。この油状物質を、CH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製すると油状物質が得られ、これをCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、40.2 g(75.2%)の(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-フルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色の固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.60 (s, 3H, CH3), 3.41 (s, 1H, OH), 3.96 (d, J = 9.0 Hz, CH), 4.45 (d, J = 9.0 Hz, CH), 6.85-6.90 (m, 2H, ArH), 6.97-7.03 (m, 2H, ArH), 7.82 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.98 (dd, J = 8.4, 2.1 Hz, 1H, ArH), 8.11 (d, J = 2.1 Hz, ArH), 9.14 (bs, 1H, NH); 計算質量:382.1 [M - H] - ; 融点 143〜144℃。
実施例9
式XIの化合物の合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11℃に保った。撹拌後(3時間、RT)、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103 ℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8°(c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53-3.24 (m, 4H, CH2), 2.30-2.20 (m, 1H, CH), 2.04-1.72 (m, 3H, CH2 and CH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mL中のブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:(融点107〜109 ℃)、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300-2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5°(c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(46.02 g、0.39 mol)を、アルゴン雰囲気下、300 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(51.13 g、0.28 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(39.14 g、0.39 mol)を加えて、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 5-アミノ-2-シアノベンゾトリウルオライド(40.0 g、0.21 mol)および400 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 400 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 300 mL)および塩水(300 mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをCH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g(73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.66 (s, 3H, CH3), 3.11 (s, 1H,OH), 3.63 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.99 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H, ArH), 9.04 (bs, 1H, NH)。計算質量:349.99, [M-H]- 349.0。融点:124〜126℃。
(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-クロロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式XIの化合物)の合成。ブロモアミド((2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド、50 g、0.14 mol)、無水K2CO3(59.04 g、0.43 mol)、4-クロロフェノール(21.60 g、0.17 mol)の混合物を500 mLの2-ブタノン中、3時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる残渣を500 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 300 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 200 mL)および塩水で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると油状物質が得られ、これを300 mLのエタノールおよび活性炭で処理した。反応混合物を1時間加熱還流し、高温混合物をCelite(登録商標)でろ過した。ろ液を減圧濃縮して油状物質を得た。この油状物質を、CH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製すると油状物質が得られ、これをCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、40.86 g(73.2%)の(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-クロロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色の固体(綿のタイプ)として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.63 (s, 3H, CH3), 3.35 (s, 1H, OH), 4.07 (d, J = 9.04 Hz, 1H, CH), 4.51 (d, J = 9.0 Hz, 1H, CH), 6.97-6.99 (m, 2H, ArH), 7.57-7.60 (m, 2H, ArH), 7.81 (d, J = 8.5 Hz, 1H, ArH), 7.97 (dd, J = 2.0, 8.5 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.0 Hz, 1H, ArH), 9.13 (bs, 1H, NH); 計算質量: 398.1 [M - H] -。
実施例10
式XおよびXIの化合物の無処置およびORXラットでのアンドロゲンおよび同化活性
動物。90〜100 g体重の未熟なオスSprague-DawleyラットをHarlan Biosciences(インディアナ州、インディアナポリス)から購入した。ラットは随意に利用可能な餌および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。
試験デザイン。ラットは治療群に無作為に分配された。薬剤治療開始の1日前に、ラットをかごから個別に取し出して、体重を測り、ケタミン/キシラジンの腹腔内用量(87/13 mg/kg、約1 mL/kg)で麻酔した。適切に麻酔された時(すなわち、足指をつまんでも反応しない)、識別目的でラットの耳にマークを付けた。次にラットを滅菌パッドの上に置き、腹部および陰嚢をベタダインおよび70%アルコールで洗浄した。陰嚢正中切開で精巣を除去したが、各精巣の外科的除去の前に滅菌縫合を使用して精巣上部組織を結紮した。手術創部位を滅菌ステンレススチール創傷クリップで閉じ、この部位をベタダインで消毒した。ラットを滅菌パッド上で(立てるようになるまで)回復させてから、かごに戻した。
24時間後、ラットをケタミン/キシラジンで再麻酔し、アルゼット浸透圧ポンプ(モデル2002)を肩甲骨領域の皮下に配置した。この場合、肩甲骨領域を剃毛して消毒し(ベタダインおよびアルコール)、滅菌した外科用メスを使用して小さく切開した(1 cm)。浸透圧ポンプを挿入し、滅菌ステンレススチール創傷クリップで創傷を閉じた。ラットを回復させ、かごに戻した。浸透圧ポンプには、ポリエチレングリコール300(PEG300)に溶解した適切な治療薬が含まれた。浸透圧ポンプは、移植1日前に適切な溶液で満たされた。ラットは、薬剤治療に対する急性毒性(例えば、嗜眠、粗い毛並み)がないかどうか1日1回モニターされた。
14日の薬剤治療後、ラットをケタミン/キシラジンで麻酔した。次に麻酔下、ラットを瀉血により屠殺した。腹部大動脈の穿刺により血液サンプルを採取し、全血球分析のために提出した。血液の一部を別の管に入れて、12,000gで1分間遠心分離し、血漿層を取り出して-20℃で冷凍した。 腹側前立腺、精嚢、肛門挙筋、肝臓、腎臓、膵臓、肺、および心臓を取り出し、付着組織を取り除いて秤量し、10%中性緩衝ホルマリンを含むバイアルに入れた。保存組織を組織病理学分析に出した。
データ解析については、すべての器官の重量を体重に対して正規化し、単一因子ANOVAで統計学的有意差について解析した。前立腺および精嚢の重量はアンドロゲン活性評価の指標として使用し、肛門挙筋重量は同化活性を評価するために使用した。
式Xの化合物の結合親和性は3.3 ±0.08 nMである。式XIの化合物の結合親和性は3.4 ±0.08 nMである。
式Xの化合物のアンドロゲンおよび同化活性を、投与から14日後の去勢ラットモデルで調べた。
式X の化合物は、オス去勢ラットで組織選択的薬理効果を示し、アンドロゲン性組織(すなわち、前立腺および精嚢)と比べて同化組織(すなわち、肛門挙筋)の有効性がより高かった(表2)。式Xの化合物は、前立腺(1.0 mg/日の用量では無処置の8.7± 1.39%)および精嚢(1.0 mg/日の用量では無処置の10.7± 0.91%)で薬理活性をほとんど示さず、これらの組織ではそれが弱い部分作動薬として働くことを示している。重要なことに、式Xの化合物は1.0 mg/日の用量で有効性の高い同化活性を示し、無処置ラットで観察された重量の75.2± 9.51%に肛門挙筋を戻した。
式XIの化合物のアンドロゲンおよび同化活性を、投与から14日後の去勢ラットモデルで調べた。
図2に示されるように、賦形剤で治療された去勢ラットの前立腺、精嚢、および肛門挙筋の重量は、内因性アンドロゲン生産の抑制のために有意に減少した。アンドロゲンおよび同化ステロイドである、プロピオン酸テストステロンの外部投与は、去勢ラットの前立腺、精嚢、および肛門挙筋の重量を用量依存性に増加させた。式XIの化合物を用いた治療は、前立腺、精嚢および肛門挙筋の重量に用量依存性の増加をもたらした。プロピオン酸テストステロンと比べて、式XIの化合物は、前立腺および精嚢の重量の増加において、より低い効力および内活性を示したが、肛門挙筋重量の増加においてはより大きな効力および内活性を示した。特に、0.3 mg/日と低い用量の式XIの化合物で、去勢ラットの肛門挙筋重量を無処置ラットと同じレベルに維持することができた。従って、式XIの化合物は、強力な非ステロイド同化剤であり、プロピオン酸テストステロンよりもアンドロゲン作用が低いが同化活性は高い。
実施例11
式XIIの化合物の(S)エナンチオマーの合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸の合成。機械攪拌器および不活性雰囲気用引入れ口付きの72 Lのフラスコを冷却浴中にセットした。フラスコをアルゴン気流下に置き、5000 g(43.4 mole)のD-プロリン[ICNロット番号7150E、≧99%]、11.9 Lの4 N NaOH、および12 Lのアセトンを充填した。混合物を氷浴上、5℃まで冷却した。12.0 Lのアセトン中の塩化メタクリロイル[Aldrichロット番号12706HO、98+%]4548.8 g(43.5 mole)の溶液を調製した。この塩化メタクリロイル溶液および11.9 Lの4 N NaOHを、72 Lフラスコの反応混合物に同時に加えた。添加中、温度は10℃未満に維持され、反応混合物のpHは10以上に維持された。pHは、溶液のpHに応じて4 N NaOHをよりゆっくりとまたはより急速に添加することによって維持した。添加時間は約2時間40分であった。添加完了後、反応混合物を一晩撹拌して室温まで温度を上昇させた。
アセトンをロータリーエバポレーターで除去し、水性混合物をt-ブチルメチルエーテル(28.0 L)で抽出した。次に混合物を濃HCl(6568.1 g)でpH2未満まで酸性化した。生成物は、塩化メチレンへの抽出(3 × 20 L)によって単離した。抽出液をロータリーエバポレーターで濃縮した。t-ブチルメチルエーテル(10 L)を加え、ロータリーエバポレーターで濃縮して溶媒交換を行った。さらなるt-ブチルメチルエーテル(10 L)を加えて、生成物を沈殿させた。ロータリーエバポレーター浴に氷を入れて、生成物を結晶化させた。結晶生成物を集め、ろ過して単離した。50℃の真空オーブンで乾燥した後の重量は4422.2 gであった(収率55.6%)。
(3R,8R)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオンの合成。機械攪拌器、不活性雰囲気用の引入れ口、および冷却能力を持った50 Lのフラスコをセットした。フラスコをアンドロゲン雰囲気下に置き、4410.0 g(24.1 mole)の(2R)-1-メタクリロイルピロリジン-2-カルボン酸および8.8 LのDMFを充填した。次に、NBS(6409.6 g、36.0 mole)を2時間7分かけてゆっくりと加えた。反応混合物を少なくとも8時間撹拌した。水(20.0 L)を加えて生成物を沈殿させた。生成物を少なくとも4時間撹拌して結晶化させた。結晶生成物を集め、ろ過して単離した。50℃の真空オーブンで乾燥した後の重量は5532.1 gであった(収率87.7%)。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸の合成。機械攪拌器、不活性雰囲気用の引入れ口、および加熱能力を持った50 Lのフラスコをセットした。フラスコをアルゴン雰囲気下に置き、5472.3 g(20.8 mole)の(3R,8R)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオンおよび14.175 Lの脱イオン水および14,118.4 gの48% HBrを充填した。反応混合物を102℃で6時間加熱し、31℃まで放置冷却した。塩水(20 L)を反応混合液に加え、生成物を6 x 20.4 Lのt-ブチルメチルエーテルで抽出した。有機相を合わせ、ロータリーエバポレーターで濃縮した。トルエン(4.0 L)をロータリーエバポレーターに充填した。生成物をトルエン蒸留で乾燥した。混合物をロータリーエバポレーターで濃縮した。生成物を100℃まで加熱して溶解して、生成物をトルエン(45.0 L)から再結晶した。フラスコを氷上で冷却し、生成物を結晶化させた。結晶生成物をろ過収集して、トルエン(3.4 L)で洗浄した。50℃の真空オーブンで乾燥した後の重量は3107.0 gであった(収率81.3%)。
N-[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。機械攪拌器、不活性雰囲気用の引入れ口、および冷却能力を持った50 Lのフラスコをセットした。フラスコをアンドロゲン雰囲気下に置き、2961.5 g(16.2 mole)の(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸および9.0 LのTHFを充填した。フラスコを氷上で5℃未満に冷却した。6.0 LのTHFに溶解した塩化チオニル(1200 mL、16.4 mole)を付加ロートで反応フラスコにゆっくりと加えた。反応フラスコの温度は10℃以下に維持した。添加時間は1時間10分であった。反応混合物をさらに2時間50分撹拌した。次に6.0 L THF中の2359.4 g(11.4 mole)の4-ニトロ-3-トリフルオロメチルアニリン(Aldrich、98%)および3.83 Lのトリエチルアミンの溶液を、3時間5分かけて加えた。反応フラスコの温度は10℃以下に維持した。氷浴を取り除き、反応混合物を30分間撹拌した。加熱マントルで、反応混合物を15時間10分の間50℃に加熱した。TLCで分析して反応が完了した後、反応混合物を30℃未満に冷却し、7.5 Lの脱イオン水を加えた、水相を除去して、第二の水洗浄(7.5 L)を行なった。次に有機相を、pHが7より大きくなるまで10%炭酸水素塩(8.1 L)で3回洗浄した。
溶媒をロータリーエバポレーターで除去した。トルエン(3.0 L)を加えてから、ロータリーエバポレーターで除去し、粗生成物を乾燥した。生成物を2.0 Lのトルエンに65℃で溶解した。冷却すると生成物は結晶化した。結晶生成物を集め、ろ過して単離した。湿った濾塊を1.0 Lのトルエンで洗浄した。50℃の真空オーブンで乾燥した後の重量は3751.0 gであった(収率70.3%)。
S-3-(4-アセチルアミノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチル-N-(4-ニトロ-3-トリフルオロメチルフェニル) プロパンアミド(式XIIの化合物)の合成。機械攪拌器、不活性雰囲気用の引入れ口、および冷却能力を持った22 Lのフラスコをセットした。フラスコをアルゴン雰囲気下に置き、1002.8 g(2.70 mole)のN-[4-ニトロ-3-(トリフルオロメチルフェニル)フェニル]-(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド、4.0 LのTHF、および454.2 g(3.00 mole)の4-アセトアミドフェノール(Aldrich、98%)を充填した。撹拌しながら、フラスコに1769.9 gの炭酸セシウム(Aldrich、99%)を入れた。フラスコを加熱して少なくとも8時間還流させ、反応はTLC[シリカゲル、ジクロロメタン/ヘキサン3:1、エポキシドRf=0.5]でモニターした。反応が完了した時、フラスコを室温まで放置冷却した。
水を加えて炭酸塩を溶解し、相分離を助けるために酢酸エチルを加えた。水相を分離して廃棄した。有機相を水の第二部分で洗浄した。有機相をロータリーエバポレーターに移して溶媒を除去した。エタノールをロータリーエバポレーターフラスコに入れ、エタノールの一部を除去してすべての酢酸エチルを除去することによって、溶媒をエタノールに交換した。エタノール溶液を水に加えて生成物を沈殿させた。粗生成物をろ過収集し、水で洗浄した。結晶化のために生成物をロータリーエバポレーターに戻した。ロータリーエバポレーターフラスコに酢酸エチルを入れて、溶媒を酢酸エチルに交換した。酢酸エチルを真空下で除去し、生成物を乾燥した。最小量の酢酸エチルを加えて60℃で生成物を溶解した。t-ブチルメチルエーテルを加えて生成物を結晶化させた。冷却後、生成物をろ過収集し、t-ブチルメチルエーテルで洗浄した。湿った濾塊をロータリーエバポレーターに戻し、エタノールを入れた。エタノールへの溶媒交換で、残存t-ブチルメチルエーテルを除去した。エタノール溶液を水中にろ過すると、生成物が再結晶した。撹拌後、生成物をろ過収集し、水で洗浄した。50℃の真空オーブンで乾燥した後の重量は52%であった。
1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 10.62 (s, 1H, NH), 9.75 (s, 1H, NH), 8.56 (d, J = 1.9 Hz, 1H, ArH), 8.36 (dd, J = 9.1 Hz, J = 1.9 Hz, 1H, ArH), 8.18 (d, J = 9.1 Hz, 1H, ArH), 7.45-7.42 (m, 2H, ArH), 6.85-6.82 (m, 2H, ArH), 6.25 (s, 1H, OH), 4.17 (d, J = 9.5 Hz, 1H, CHHa), 3.94 (d, J = 9.5 Hz, 1H, CHHb), 1.98 (s, 3H, Me), 1.43 (s, 3H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 174.6 (C=O), 167.7, 154.2, 143.3, 141.6, 132.8, 127.4, 123.0, 122.7 (q, J = 33.0 Hz), 122.1 (q, J = 271.5 Hz), 120.1, 118.3 (q, J = 6.0 Hz), 114.6, 74.9, 73.8, 23.8, 23.0。
実施例12
無処置および去勢オスラットにおける式XIIの化合物の前臨床同化作用およびアンドロゲン性薬理。
オスSprague-DawleyラットをHarlan Bio sciences(インディアナ州、インディアナポリス)。ラットは随意に利用可能な餌および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。すべての動物試験が審査され承認された。体重が187〜214 gの未成熟オスSprague-Dawleyをラット5匹の9群に無作為に配分した。薬剤治療開始の1日前に、群4〜6および群7〜9は陰嚢正中切開でそれぞれ片側または両側精巣摘出を受けた。群1〜3は手術を受けなかった。ラットに投与した薬剤はすべて、ポリエチレングリコール300(PEG 300)の溶液として新しく調製した。群4〜7は賦形剤のみ(すなわち、PEG 300)を用いて治療を受けた。群3、6および9のラットは、皮下浸透圧ポンプ(モデル2002、Durect Corporation、カリフォルニア州、パロアルト)でプロピオン酸テストステロン(TP、0.5 mg/日)を投与された。群2、5、および8のラットは、皮下浸透圧ポンプで式XIIの化合物(0.5 mg/日)を投与された。14日の薬剤治療後、ラットを秤量し、麻酔して屠殺した。腹側前立腺、精嚢、および肛門挙筋を取り出して秤量した。浸透圧ポンプもラットから取り出し、ポンプ動作が正しいことをチェックした。すべての器官の重量を体重に対して正規化し、アルファ値セットを先験的にp < 0.05に設定し、単一因子ANOVAを使用して群間の統計的有意差について解析した。前立腺および精嚢の重量はアンドロゲン活性評価の指標として使用し、肛門挙筋重量は同化活性を評価するために使用した。該当する場合、全血球計算値または血清化学プロファイリングからのパラメーターの統計解析を、アルファ値を先験的にp<0.05にセットして、単一因子ANOVAで実施した。
結果:
無処置ラットの表3に示されるように、式XIIの化合物は、前立腺のサイズを、対照ラットで観察されたサイズの79%に減少させ、精嚢または肛門挙筋のサイズに統計的に有意な変化はなかった。式XIIの化合物は、前立腺および精嚢のサイズを、未治療の片側精巣摘出ラットで観察されたサイズのそれぞれ75%および79%に減少させ、肛門挙筋のサイズを108%に増加させた。これらの知見は、式XIIの化合物が前立腺および精嚢の部分作動薬として、および肛門挙筋の完全作動薬として働くことを示している。有害薬理効果は観察されなかった。
実施例13
式XIIIの化合物の(S)エナンチオマーの合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11℃に保った。撹拌後(3時間、RT)、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103 ℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8°(c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53〜3.24 (m, 4H, CH2), 2.30〜2.20 (m, 1H, CH), 2.04〜1.72 (m, 3H, CH2およびCH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mL中のブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:(融点107〜109 ℃)、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300-2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5°(c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(46.02 g、0.39 mol)を、アルゴン雰囲気下、300 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(51.13 g、0.28 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(39.14 g、0.39 mol)を添加し、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 5-アミノ-2-シアノベンゾトリウルオライド(40.0 g、0.21 mol)および400 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 400 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 300 mL)および塩水(300 mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをCH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g(73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.66 (s, 3H, CH3), 3.11 (s, 1H,OH), 3.63 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.99 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H, ArH), 9.04 (bs, 1H, NH)。計算質量:349.99, [M-H]- 349.0。融点:124〜126℃。
(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノ-3-フルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式XIIIの化合物)の合成。ブロモアミド(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(2.0 g、5.70 mmol)および無水K2CO3(2.4 g、17.1 mmol)の混合物を50 mLのアセトン中、2時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる固体を50 mLの2-プロパノール中の2-フルオロ-4-ヒドロキシベンゾニトリル(1.2 g、8.5 mmol)および無水K2CO3(1.6 g、11.4 mmol)で処理し、3時間加熱還流して、減圧濃縮して固体を得た。残渣を100 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 100 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 100 mL)および塩水で逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮して得られた油状物質をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、0.5 g(23%)の(S)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-3-(4-シアノ-3-フルオロフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.63 (s, 3H, CH3), 3.34 (bs, 1H,OH), 4.08 (d, J = 9.17 Hz, 1H, CH), 4.50 (d, J = 9.17 Hz, 1H, CH), 6.74 - 6.82 (m, 2H, ArH), 7.50-7.55 (m, 1H, ArH), 7.81 (d, J = 8.50 Hz, 1H, ArH), 7.97 (q, J = 2.03, 8.50 Hz, 1H, ArH), 8.11 (d, J = 2.03 Hz, 1H, ArH), 9.12 (s, 1H, NH)。計算質量:407.1, [M+Na]+ 430.0. 融点:124〜125℃。
実施例14
無処置および去勢オスラットにおける式XIIIの化合物の前臨床同化作用およびアンドロゲン性薬理。
1日1回強制経口投与した式XIIIの化合物の同化およびアンドロゲン性効果を試験した。本化合物のS異性体(式XIIIの化合物)を合成し、本明細書に記述のように試験した。
材料および方法:
約200 gのオスSprague-DawleyラットをHarlan Bioproducts for Science(インディアナ州、インディアナポリス)から購入した。ラットは随意に利用可能な餌(7012C LM-485 Mouse/Rat Sterilizable Diet、Harlan Teklad、ワイオミング州、マジソン)および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。
適切な用量濃度の調製のために、この試験の試験物質を秤量し、PEG 300(Acros Organics、ニュージャージー州)で希釈した10% DMSO(Fisher)に溶解した。ラットは一かごあたり2〜3匹の群で飼育した。ラットは群あたり4〜5匹から成る7群のうちの一つに無作為に割り付けられた。対照群(無処置およびORX)には賦形剤を1日1回投与した。無処置群およびORX群の両方に、式XIIIの化合物を0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量で強制経口投与した。適切な場合には、ラットを試験の1日目に去勢した。式XIIIの化合物を用いた治療はORXから9日後に開始し、14日間、1日1回強制経口投与した。
ラットを麻酔(ケタミン/キシラジン、87:13 mg/kg)下で屠殺し、体重を記録した。さらに、腹側前立腺、精嚢、および肛門挙筋を除去して、個別に秤量し、体重に対して正規化し、無処置対照のパーセントとして表した。スチューデントのT検定を使用して個別の用量群を無処置対照群と比較した。有意性は先験的にP値 < 0.05として定義した。腹側前立腺および精嚢の重量はアンドロゲン活性の尺度として評価したのに対し、肛門挙筋重量は同化活性の尺度として評価した。腹大動脈から血液を採取して遠心分離し、血清ホルモンレベルの決定前に、血清を-80℃で冷凍した。血清黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を決定した。
結果:
アンドロゲン性(前立腺および精嚢)および同化性(肛門挙筋)組織の両方で、式XIIIの化合物の効力および有効性を評価するために無処置および去勢ラットの一連の用量反応試験が実施された。無処置ラットでは、式XIIIの化合物の治療は、前立腺と精嚢の両方の重量の減少をもたらした一方、肛門挙筋重量は有意に増加した。式XIIIの化合物治療後の肛門挙筋重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ116% ± 7%、134% ± 8%、134% ± 21%、134% ±11%、142% ± 10%、および147% ± 10%であった。前立腺重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ98% ± 21%、99% ± 8%、85% ± 18%、98% ± 22%、126% ± 17%、および126% ± 17%であった。同様に、精嚢重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ115% ± 12%、109% ± 17%、106% ± 13%、121% ± 11%、157% ± 5%、および136% ± 3%であった。現在のアンドロゲン療法は、前立腺および乳房組織での増殖性アンドロゲン効果のために、一部の患者集団では禁忌であるため、これらの結果は重要である。しかし、これらの患者集団の多くの患者が、筋肉および骨のアンドロゲンの同化作用から利益を得る可能性がある。式XIIIの化合物は組織選択的同化作用を示したので、過去にアンドロゲンが禁忌であった患者群を治療することが可能となりうる。
去勢されたORX動物では、式XIIIの化合物治療後の前立腺重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ24% ± 4%、37% ± 9%、50% ± 11%、88% ± 16%、132% ± 16%、および118 ± 12%であった。同様に、精嚢重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ15% ± 2%、25% ± 9%、67% ± 20%、113% ± 6%、155% ± 16%、および160% ± 7%であった。無処置対照と比較した時、すべての用量群で肛門挙筋重量の有意な増加が見られた。肛門挙筋重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量に対応する無処置対照のそれぞれ71% ± 4%、101% ± 15%、125% ± 20%、126% ± 14%、151 ± 9%、および143 ± 17%であった。一つの予想外の知見は、わずか0.03 mg/日の投与で肛門挙筋重量を完全に回復することができたということである。
プロピオン酸テストステロン(TP)およびS-3-(4-アセチルアミノフェノキシ)-2-ヒドロキシ-2-メチル-N-(4-ニトロ-3-トリフルオロメチルフェニル)プロピオンアミド(式XIIの化合物)の同等の投与は、肛門挙筋重量をそれぞれ104%および101%まで最大限に刺激し、式XIIIの化合物の有意に強化された有効性および効力を示している。まとめると、これらのデータは、式XIIIの化合物が失われた筋量を回復させることを示しており、これは一部の実施形態では、サルコペニアもしくは悪液質、またはその他の消耗病もしくは障害を持つ患者に貴重な用途がある。さらに、式XIII の化合物の前立腺に対する抗増殖効果によって、現在アンドロゲンが禁忌の一部の患者集団が同化剤にアクセスすることを可能にするかもしれない。Emax値が取得され、前立腺、精嚢、および肛門挙筋に対して、それぞれ147% ± 10%、188% ± 135%、および147% ± 10%であった。前立腺、精嚢、および肛門挙筋のED50は、それぞれ0.21 ± 0.04、0.2 ± 0.04、および0.03 ± 0.01 mg/日であった。
実施例15
式XIVの化合物の(S)エナンチオマーの合成
(2R)-1-メタクリロリルピロリジン-2-カルボン酸。D-プロリン(14.93 g、0.13 mol)を71 mLの2 N NaOHに溶解し氷浴中で冷却した。結果として生じるアルカリ溶液をアセトン(71 mL)で希釈した。塩化メタクリロイル(13.56 g, 0.13 mol)のアセトン溶液(71 mL)および2 N NaOH(71 mL)を、氷浴中D-プロリン水溶液に40分かけて同時に加えた。塩化メタクリロイルの添加中、混合物のpHは10〜11℃に保った。撹拌後(3時間、RT)、真空下35〜45℃の温度で混合物を蒸発させてアセトンを除去した。結果として生じる溶液をエチルエーテルで洗浄し、濃HClでpH 2まで酸性化した。酸性混合物をNaClで飽和し、EtOAcで抽出した(100 mL x 3)。合わせた抽出物をNa2SO4で乾燥して、Celite(登録商標)でろ過し、真空下で蒸発させて無色の油として粗生成物を得た。エチルエーテルおよびヘキサンからの油の再結晶で、16.2 g(68%)の目的化合物を無色結晶(融点102〜103 ℃)として得た。この化合物のNMRスペクトルは表題化合物の2つの回転異性体の存在を示した。第一の回転異性体に対して1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 5.28 (s)および5.15 (s)、第二の回転異性体に対して5.15 (s)および5.03 (s)(両方の回転異性体に対して合計2H、ビニル CH2)、第一の回転異性体に対して4.48〜4.44、第二の回転異性体に対して4.24〜4.20 (m)(両方の回転異性体に対して合計1H、キラル中心のCH)、3.57〜3.38 (m, 2H, CH2)、2.27〜2.12 (1H, CH)、1.97〜1.72 (m, 6H, CH2, CH, Me)。13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 主な回転異性体173.3, 169.1, 140.9, 116.4, 58.3, 48.7, 28.9, 24.7, 19.5: 少量の回転異性体174.0, 170.0, 141.6, 115.2, 60.3, 45.9, 31.0, 22.3, 19.7; IR (KBr) 3437 (OH), 1737 (C=O), 1647 (CO, COOH), 1584, 1508, 1459, 1369, 1348, 1178 cm-1; [α]D 26 +80.8°(c = 1, MeOH)。C9H13NO3に対する分析計算: C 59.00, H 7.15, N 7.65。得られた結果:C 59.13, H 7.19, N 7.61。
(3R,8aR)-3-ブロモメチル-3-メチル-テトラヒドロ-ピロロ[2,1-c][1,4]オキサジン-1,4-ジオン。DMF100 mL中のNBS溶液(23.5 g、0.132 mol)を、アルゴン雰囲気中、室温でDMF70 mL中の(メチル-アクリロイル)-ピロリジン(16.1 g、88 mmol)の撹拌溶液に滴下し、結果として生じた混合物を3日間撹拌した。溶媒を真空除去すると、黄色固体が析出した。固体を水中に懸濁し、室温で一晩撹拌し、ろ過して乾燥すると18.6 g(81%)(約34%に乾燥した時は重量が少ない)の表題化合物が黄色固体として得られた:融点152〜154℃、1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 4.69 (dd, J = 9.6 Hz, J = 6.7 Hz, 1H, キラル中心のCH), 4.02 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHa), 3.86 (d, J = 11.4 Hz, 1H, CHHb), 3.53〜3.24 (m, 4H, CH2), 2.30〜2.20 (m, 1H, CH), 2.04〜1.72 (m, 3H, CH2およびCH), 1.56 (s, 2H, Me); 13C NMR (75 MHz, DMSO-d6) δ 167.3, 163.1, 83.9, 57.2, 45.4, 37.8, 29.0, 22.9, 21.6; IR (KBr) 3474, 1745 (C=O), 1687 (C=O), 1448, 1377, 1360, 1308, 1227, 1159, 1062cm-1; [α]D 26 +124.5 °(c = 1.3, クロロホルム)。C9H12BrNO3に対する分析計算: C 41.24, H 4.61, N 5.34。得られた結果:C 41.46, H 4.64, N 5.32。
(2R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸。24% HBrの300 mL中のブロモラクトン(18.5 g、71 mmol)混合物を、1時間加熱還流した。結果として生じる液体を塩水(200 mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた抽出液を飽和NaHCO3で洗浄した(100 mL x 4)。水溶液を濃HClでpH = 1まで酸性化し、次に、酢酸エチルで抽出した(100 mL x 4)。合わせた有機溶液を Na2SO4で乾燥し、Celite(登録商標)でろ過して、真空蒸発させて乾燥した。トルエンで再結晶させると10.2 g(86%)の目的化合物が無色結晶として得られた:融点107〜109 ℃; 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 3.63 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHa), 3.52 (d, J = 10.1 Hz, 1H, CHHb), 1.35 (s, 3H, Me); IR (KBr) 3434 (OH), 3300-2500 (COOH), 1730 (C=O), 1449, 1421, 1380, 1292, 1193, 1085 cm-1; [α]D 26 +10.5°(c = 2.6, MeOH); C4H7BrO3に対する分析計算: C 26.25, H 3.86。得られた結果:C 26.28, H 3.75。
(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドの合成。塩化チオニル(46.02 g、0.39 mol)を、アルゴン雰囲気下、300 mLのTHF中(R)-3-ブロモ-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパン酸(51.13 g、0.28 mol)冷却溶液(4℃未満)に滴下した。結果として生じる混合物を同じ条件下で3時間撹拌した。これにEt3N(39.14 g、0.39 mol)を添加し、同じ条件下で20分間撹拌した。20分後、 5-アミノ-2-シアノベンゾトリウルオライド(40.0 g、0.21 mol)および400 mLのTHFを加えた後、混合物を室温で一晩撹拌した。溶媒を減圧除去すると固体が得られ、これを300 mLのH2Oで処理して、EtOAcで抽出した(2 × 400 mL)。合わせた有機抽出液を飽和NaHCO3溶液(2 × 300 mL)および塩水(300 mL)で洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮すると固体が得られ、これをCH2Cl2/EtOAc(80:20)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得た。この固体をCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、55.8 g(73.9%)の(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを淡黄色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.66 (s, 3H, CH3), 3.11 (s, 1H,OH), 3.63 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 4.05 (d, J = 10.8 Hz, 1H, CH2), 7.85 (d, J = 8.4 Hz, 1H, ArH), 7.99 (dd, J = 2.1, 8.4 Hz, 1H, ArH), 8.12 (d, J = 2.1 Hz, 1H, ArH), 9.04 (bs, 1H, NH)。計算質量:349.99, [M-H]- 349.0。融点:124〜126℃。
(S)-3-(4-クロロ-3-フルオロフェノキシ)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(式XIVの化合物)の合成。ブロモアミド(2R)-3-ブロモ-N-[4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミド(2.0 g、5.70 mmol)および無水K2CO3(2.4 g、17.1 mmol)の混合物を、2時間加熱還流し、減圧濃縮して固体を得た。結果として生じる固体を50 mLの2-プロパノール中の4-クロロ-3-フルオロフェノール(1.3 g、8.5 mmol)および無水K2CO3(1.6 g、11.4 mmol)で処理し、3時間加熱還流して、減圧濃縮して固体を得た。残渣を100 mLのH2Oで処理し、EtOAcで抽出した(2 × 100 mL)。合わせたEtOAc抽出液を10% NaOH(4 × 100 mL)および塩水で逐次洗浄した。有機相をMgSO4で乾燥し、減圧濃縮して得られた油状物質をEtOAc//ヘキサン(50:50)を使用したカラムクロマトグラフィーで精製して固体を得て、これをCH2Cl2/ヘキサンから再結晶して、1.7 g(70.5%)の(S)-3-(4-クロロ-3-フルオロフェノキシ)-N-(4-シアノ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-2-ヒドロキシ-2-メチルプロパンアミドを無色固体として得た。
1H NMR (CDCl3/TMS) δ 1.60 (s, 3H, CH3), 3.28 (s, 1H, OH), 3.98 (d, J = 9.05 Hz, 1H, CH), 6.64 - 6.76 (m, 2H, ArH), 7.30 (d, J = 8.67 Hz, 1H, ArH), 7.81 (d, J = 8.52 Hz, 1H, ArH), 7.96 (q, J = 2.07, 8.52 Hz, 1H, ArH), 8.10 (d, J = 2.07 Hz, 1H, ArH), 9.10 (s, 1H, NH)。計算質量:[M-H]- 414.9。融点:132〜134℃。
実施例16
無処置および去勢オスラットにおける式XIVの化合物の前臨床同化作用およびアンドロゲン性薬理。
1日1回強制経口投与した式XIVの化合物の同化およびアンドロゲン性効果を試験した。式XIVの化合物のS異性体を合成し、本明細書に記述のように試験した。
材料および方法:
約200 gのオスSprague-DawleyラットをHarlan Bioproducts for Science(インディアナ州、インディアナポリス)から購入した。ラットは随意に利用可能な餌(7012C LM-485 Mouse/Rat Sterilizable Diet、Harlan Teklad、ワイオミング州、マジソン)および水と共に12時間明暗サイクルに維持した。式XIVの化合物の同化およびアンドロゲン活性を、無処置ラット、急性的精巣摘出(ORX)ラットおよび慢性的(9日)ORXラットで調べた。
適切な用量濃度の調製のために、この試験の試験物質を秤量し、PEG 300(Acros Organics、ニュージャージー州)で希釈した10% DMSO(Fisher)に溶解した。ラットは一かごあたり2〜3匹の群で飼育した。ラットは群あたり4〜5匹から成る7群のうちの一つに無作為に割り付けられた。対照群(無処置およびORX)には賦形剤を1日1回投与した。無処置群およびORX群の両方に、式XIVの化合物を0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量で強制経口投与した。適切な場合には、ラットを試験の1日目に去勢した。式XIVの化合物を用いた治療はORXから9日後に開始し、14日間、1日1回強制経口投与した。
ラットを麻酔(ケタミン/キシラジン、87:13 mg/kg)下で屠殺し、体重を記録した。さらに、腹側前立腺、精嚢、および肛門挙筋を除去して、個別に秤量し、体重に対して正規化し、無処置対照のパーセントとして表した。スチューデントのT検定を使用して個別の用量群を無処置対照群と比較した。有意性は先験的にP値 < 0.05として定義した。腹側前立腺および精嚢の重量はアンドロゲン活性の尺度として評価したのに対し、肛門挙筋重量は同化活性の尺度として評価した。腹大動脈から血液を採取して遠心分離し、血清ホルモンレベルの決定前に、血清を-80℃で冷凍した。血清黄体形成ホルモン(LH)および卵胞刺激ホルモン(FSH)濃度を決定した。
結果:
アンドロゲン性(前立腺および精嚢)および同化性(肛門挙筋)組織の両方で、式XIVの化合物の効力および有効性を評価するために無処置および去勢ラットの一連の用量反応試験が実施された。無処置ラットでは、式XIVの化合物の治療は、前立腺と精嚢の両方の重量の減少をもたらした一方、肛門挙筋重量は有意に増加した。式XIVの化合物治療後の肛門挙筋重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ100% ± 10%、98% ± 7%、110% ± 5%、110% ± 5%、125% ± 10%、および129% ± 10%であった。前立腺重量は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ117% ± 20%、98% ± 15%、82% ± 20%、62% ± 5%、107% ± 30%、および110% ± 14%であった。現在のアンドロゲン療法は、前立腺および乳房組織での増殖性アンドロゲン効果のために、一部の患者集団では禁忌であるため、これらの結果は重要である。しかし、これらの患者集団の多くの患者が、筋肉および骨のアンドロゲンの同化作用から利益を得る可能性がある。式XIVの化合物は組織選択的同化作用を示したので、過去にアンドロゲンが禁忌であった患者群を治療することが可能となりうる。
去勢されたORX動物では、式XIVの化合物治療後の前立腺重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ10% ± 3%、12% ± 3%、26% ± 7%、39% ± 6%、60% ± 14%、88% ± 16%、および123% ± 22%であった。同様に、精嚢重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1 mg/日の用量後、無処置対照のそれぞれ11% ± 1%、11% ± 1%、11% ± 1%、27% ± 14%、58% ± 18%、86% ± 12%、および100% ± 8%であった。無処置対照と比較した時、すべての用量群で肛門挙筋重量の有意な増加が見られた。肛門挙筋重量は、0、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75、および1.0 mg/日の用量に対応する無処置対照のそれぞれ48% ± 8%、50% ± 5%、62% ± 6%、89% ± 10%、118% ± 6%、134% ± 8%、および129% ± 14%であった。
式XIVの化合物は、0.01、0.03、0.1、0.3、0.75および1 mg/日の用量後、それぞれ4.10、2.39、2.28、1.97、1.53、1.05の去勢ラットの同化筋肉/前立腺比を示した。
式XIVの化合物の1 mg/日後の薬理結果は、前立腺重量が無処置対照の110% ± 14%であり、肛門挙筋は無処置対照の129% ± 10%であったことを示した。式XIVの化合物は、精巣摘出後の前立腺重量を無処置対照の123 ± 22%に、肛門挙筋重量を無処置対照の129± 14%に維持した。0.1 mg/日〜0.3 mg/日の範囲の式XIVの化合物は、肛門挙筋重量の100%を回復した一方、前立腺重量は39〜60%が回復した。
実施例17
本発明の化合物の前臨床同化およびアンドロゲン性薬理。
図3に報告されるように、式VIII〜XIVに対する上述のハーシュバーガーアッセイは、 化合物H-1、H-2、H-3、およびH-4についても実施され、ある場合はAR結合データと共に表4に示されている。報告E
max値はWin Non-Lin(登録商標)で計算した。E
maxに対するAUCのプロットは、さまざまな肛門挙筋有効性がSARM化合物で可能なことを示している。
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示され記述されてきたが、当業者であれば数多くの修正、置換、変更、および同等物を思いつくであろう。従って、添付の請求項はこのような修正および変更すべてを本発明の真の精神の範囲内に入るものとして包含することが意図されることを理解すべきである。