JP2017530213A - 低排出性エポキシ樹脂組成物用アミン - Google Patents

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Abstract

本発明は、エポキシ樹脂用硬化剤としての式(I)のアミンの使用、式(I)のアミンを含有するエポキシ樹脂用硬化剤、ならびに特に高硬度及び表面品質を有する低排出性室温硬化エポキシ樹脂コーティングとして使用することができる、得られるエポキシ樹脂組成物に関する。式(I)のアミンは、臭気が少なく、かつエポキシ樹脂組成物に対して非常に好結果の希釈剤である。これは、より特に、1,2−プロピレンジアミンおよびアルデヒドまたはケトンの還元アルキル化によって得られる。

Description

本発明は、アミン、エポキシ樹脂用硬化剤、エポキシ樹脂組成物および特にコーティング、カバーまたはペイントとしてのそれらの使用の分野に関する。
コーティングの目的のために適切なエポキシ樹脂組成物は、それらが周囲温度において効果的に加工可能であるように、極めて低い粘度を有するべきである。またそれらは、湿性および低温条件下でさえ、曇り、小斑点またはクレーターのない平坦な表面を形成しながら、崩壊することなく非常に迅速に硬化するべきである。最後に、完全に硬化されたコーティングは、可能な限り効果的に機械的応力に耐えるために、低い脆性とともに高い硬度を有するべきである。床上のトップカバーなどの光学的に要求の厳しい用途に関して、例えば、コーティングは、さらに、高い光沢および可能な限り低い光の影響下での黄色化の傾向を示すべきである。
エポキシ樹脂コーティング用の従来技術の硬化剤は、典型的に、ポリアミドとエポキシドとの、より特には、液体ビスフェノール樹脂との付加物を含んでなる。そのような付加物は、迅速な硬化を可能にするが、非常に高粘度である。このことは、管理可能な粘度を形成するために、硬化剤が慣習的に、相当な割合の未付加ポリアミンおよび/または希釈剤を含むことの理由である。未付加ポリアミンは、典型的に強烈な臭気を有し、そしてブラッシング作用(blushing effect)の発生増加の原因である。「ブラッシング作用」とは、曇り、小斑点、粗性および粘性などの硬化中に現れる表面欠陥であり、そしてアミンと空気からの二酸化炭素(CO)との間の塩形成(「ブラッシング」)によって引き起こされ、これは特に、大気湿度が高く、かつ低温である場合に生じる。希釈剤は、典型的に、ブラッシング作用を減少させ、そして表面品質およびコーティング脆性を高めるが、硬化時に樹脂マトリックスに組み込まれず、そして蒸発または拡散のプロセスによって放出され得る。しかしながら、最近、硬化後に放出可能な低含有量の物質を有する低排出性生成物に対する要望が益々増加している。したがって、低排出性エポキシ樹脂組成物に関して、例えば、ベンジルアルコールなどの希釈剤を少量のみ使用することが可能であるか、または全く使用しないことが可能である。
米国特許出願公開第2014/0107313号明細書および欧州特許第2752403号明細書には、エポキシ樹脂組成物の有効な希釈剤であり、かつブラッシング作用の傾向をほとんど有さないアミンが開示されている。しかしながら、得られるエポキシ樹脂組成物の硬化速度および/または黄色化に関しては、これらのアミンはなお改善の余地がある。
したがって、本発明の対象は、室温硬化エポキシ樹脂組成物の硬化剤に使用するための低臭気アミンを提供することであり、このアミンは、強い希釈効果を及ぼし、かつ良好な加工品質を有する低排出性エポキシ樹脂コーティングの入手を可能にし、これらのコーティングは、低温条件下でさえ十分な速度で硬化し、かつ硬度の高い、良好な表面品質の、低黄色化傾向のコーティングが生じる。
この対象は、請求項1に記載の式(I)のアミンによって達成される。式(I)のアミンは、臭気が低く、かつ驚くべきことに、ブラッシング作用または不適合性を引き起こすことなく、慣習的に使用されるエポキシ樹脂に高い希釈効果を及ぼす。これによって、驚くべきことに、高い最終硬度および光沢、さらには曇り、小斑点またはクレーターのない非粘性表面を有しながら、この表面は、驚くべきことに、光の影響下において実質的に黄色化を示さないが、例えば、8℃などの比較的低温においてさえ、驚くべきことに迅速に硬化する、優れた加工品質を有する低排出性エポキシ樹脂コーティングを入手することが可能となる。
式(I)のアミンは、特に、別の様式で希釈剤を使用しない場合に、コーティング用途には粘度が非常に高過ぎるであろう硬化剤の構成成分として使用することができる。式(I)のアミンは、さらなるアミンと一緒に、特にポリアミンとエポキサイドとのアミン官能性付加物と一緒に特に有利に使用することができる。そのような硬化剤は、驚くべきことに低粘性であり、かつ驚くべきことに迅速に硬化する。
本発明のさらなる態様は、さらなる独立請求項の主題である。本発明の特に好ましい実施形態は、従属請求項の主題である。
本発明の主題は、エポキシ樹脂用硬化剤としての式(I)
Figure 2017530213
(式中、
nは0または1または2または3であり、
Rは、水素基であるか、またはメチルもしくはフェニルであり、
Xは、それぞれ、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシおよびジアルキルアミノからなる群から選択される同一または異なる基であり、かつ
Yは、水素基または次式
Figure 2017530213
の基である)のアミンの使用である。
ポリアミド、ポリオールまたはポリエポキシドなどの「ポリ」で始まる物質名は、正式には各分子中に、その名前で現れる官能基を2個以上含有する物質を指す。
「第一級アミノ基」は、有機基に結合したNH基であり、そして「第二級アミノ基」は、2個の有機基に結合し、一緒になって環の一部であってもよいNH基である。
「アミン水素」とは、第一級および第二級アミノ基の水素原子を表す。
「アミン水素当量」は、硬化剤中またはアミン中に存在するアミン水素あたりの硬化剤またはアミンの重量分率である。
「組み込み不可能な希釈剤」とは、エポキシ樹脂に可溶性であり、かつその粘度を低下させる物質であって、エポキシ樹脂の硬化時に樹脂マトリックス中に共有結合的に組み込まれない物質を表す。
「粘度」とは、本明細書中、動的粘度またはせん断粘度を表し、これは、せん断応力とせん断率(速度勾配)との比によって定義され、作用例に記載のように決定される。
本明細書中、式中のダッシュ線は、それぞれの場合において、置換基と会合分子の残基との間の結合を表す。
「分子量」は、本明細書中、分子のモル量(モルあたりのグラム)であると理解される。「平均分子量」は、分子のオリゴマーまたはポリマー混合物の数平均Mであり、かつ標準としてのポリスチレンに対してゲル透過クロマトグラフィー(GPC)の手段によって慣習的に決定される。
「室温」は23℃の温度を示す。
好ましくは、nは0または1または2、より好ましくは、0または1である。これらのアミンは、特に低粘度エポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
nが0であるアミンが特に有効な希釈剤である。
nが1であるアミンが特に臭気が低く、かつ基Xによって、特に迅速な硬化および/または特に効果的な希釈を可能にし得る。
最も好ましくはnは0である。
好ましくは、Xは、それぞれの場合、1〜12個、より特に1〜4個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシおよびジアルキルアミノからなる群から選択される同一または異なる基である。より好ましくは、Xはメチルであるか、またはメトキシであるか、またはジメチルアミノである。
好ましくはYは水素基である。これらのアミンは、特に迅速な硬化を有する特に低粘度のエポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
好ましくは、Rは水素基であるか、またはメチルであり、そしてなお特に水素基である。これらのアミンは、特に低粘度のエポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
特に好ましくは、Yが水素基であり、かつnが0である式(I)のアミンである。これらのアミンは、特に簡単に入手可能であり、かつ非常に迅速に硬化する特に低粘度のエポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
さらに、特に好ましくは、Yが水素基であり、nが1であり、かつXがメトキシであるか、またはジメチルアミノである式(I)のアミンである。これらのアミンは、特に迅速な硬化を有するエポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。メトキシ基またはジメチルアミノ基は、好ましくは、パラ位にある。
式(I)の特に好ましいアミンは、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミン、N−(4−イソプロピルベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(4−tert−ブチルベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(4−メトキシ−ベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(1−フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミン、N−ベンズヒドリル−1,2−プロパンジアミン、N−(1−(4’−メチル)フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミンおよびN−(1(4’−メトキシ)フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミンからなる群から選択される。
これらの中でも、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンが特に好ましい。この場合、YおよびRは、それぞれ、水素基であり、かつnは0である。このアミンは、硬化の迅速な発展を有し、かつ驚くべきことに高い硬度を有し、湿性および低温条件下でさえいずれのブラッシュ関連表面欠陥もほとんど示さず、かつ驚くべきことに実質的に黄色化を示さない、特に低粘度の低臭気および低排出性エポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
またこれらの中で、N−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンも特に好ましい。この場合、YおよびRは、それぞれ、水素基であり、nは1であり、かつXは4位のメトキシ基である。このアミンは、湿性および低温条件下でさえブラッシュ関連表面欠陥を実質的に示さず、かつ驚くべきことに実質的に黄色化を示さない、非常に低い粘度、硬化の特に迅速な発展および高い硬度を有する低排出性および低臭気エポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
またこれらの中で、N−(4−ジメチルアミノ(ベンジル))−1,2−プロパンジアミンも特に好ましい。この場合、YおよびRは、それぞれ、水素基であり、nは1であり、かつXは4位のジメチルアミノ基である。このアミンは、湿性および低温条件下でさえブラッシュ関連表面欠陥を実質的に示さず、かつ驚くべきことに実質的に黄色化を示さない、非常に低い粘度、硬化の非常に特に迅速な発展および特に高い硬度を有する低排出性および低臭気エポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
式(I)のアミンは、好ましくは、少なくとも1種の式(II)のアルデヒドまたはケトンおよび水素による1,2−プロピレンジアミンの還元アルキル化から得られる。それによって得られる反応生成物は、高含有量の式(I)のアミンを有し、かつエポキシ樹脂用硬化剤としての使用に特に適切である。
Figure 2017530213
式(II)中、R、Xおよびnは、すでに記載された定義を有する。
還元アルキル化は、分子水素によって直接的に、または例えば、ギ酸などの他の試薬からの水素転移によって間接的に生じてもよい。好ましくは、分子水素が使用される。反応条件は、1,2−プロピレンジアミンの片方または両方のアミノ基が非常に高い選択性でアルキル化され、そしてベンゼン環が水素化されないように、有利に選択される。
反応は、好ましくは、40〜120℃の温度で、そして適切な触媒の存在下で実行される。炭素上パラジウム(Pd/C)、炭素上白金(Pt/C)、アダムス触媒またはレーニーニッケルが触媒として好ましく、より特に、炭素上パラジウムまたはレーニ―ニッケルが好ましい。
分子水素を使用する場合、操作は、好ましくは、5〜150バール、より特には10〜100バールの水素圧力下の加圧された装置において実行される。
記載された様式で還元アルキル化によって式(I)のアミンを調製することは、第一級アミノ基が非常に高い選択性でアルキル化されるのに対し、第二級アミノ基がほとんどさらにアルキル化されないため、エポキシ樹脂用硬化剤としての使用に特に有利である。したがって、記載された調製プロセスからの生成物は、記載された様式でエポキシ樹脂用硬化剤としてさらなる加工を必要とせずに使用することができる。
好ましい一実施形態において、1,2−プロピレンジアミンは、式(II)のアルデヒドまたはケトンと比較して約1/1の分子比において使用される。その場合、1,2−プロピレンジアミンは、好ましくは、反応後に蒸留によって除去された溶媒中に溶解する。この調製は特に経済的である。この様式で調製された式(I)のアミンは、モノアルキル化1,2−プロピレンジアミン(Yが水素基である式(I)のアミン)のみならず、特定フラクションのN,N’−ジアルキル化1,2−プロピレンジアミン(Yが次式
Figure 2017530213
の基である式(I)のアミン)および可能なさらなるアルキル化生成物も含む。
存在することが可能であるさらなるアルキル化生成物の例は、以下の式で示される。
Figure 2017530213
別の好ましい実施形態において、1,2−プロピレンジアミンは、式(II)のアルデヒドまたはケトンよりも化学量論的過剰量で使用される。1,2−プロピレンジアミンと式(II)のアルデヒドまたはケトンとのモル比は、好ましくは少なくとも2/1、より特には少なくとも3/1である。過剰量の1,2−プロピレンジアミンは、特に蒸留によって、還元前または好ましくは還元後に除去される。この様式で調製された式(I)のアミンは、特に高フラクションのモノアルキル化1,2−プロピレンジアミン、すなわち、Yが水素基である式(I)のアミンを有する。本発明による使用において、これは特に強い希釈効果のため、注目に値する。
さらなる好ましい実施形態において、1,2−プロピレンジアミンは、式(II)のアルデヒドまたはケトンと比較して化学量論的不足量で使用される。この場合の1,2−プロピレンジアミンと式(II)のアルデヒドまたはケトンとのモル比は、好ましくは1/1.1〜1/2、より特には1/1.2〜1/1.9、好ましくは1/1.3〜1/1.8である。ここで、1,2−プロピレンジアミンは、好ましくは、反応後に蒸留によって除去された溶媒に溶解する。この様式で調製された式(I)のアミンは、増加フラクションのN,N’−ジアルキル化1,2−プロピレンジアミンを有する。これは、そのアミン水素当量が比較的高く、同レベルのアミン水素の付加のために特に効果的な希釈を生じるという利点を有する。
式(II)のアルデヒドとしての適合性は、特にベンズアルデヒド、2−メチルベンズアルデヒド(o−トルアルデヒド)、3−メチルベンズアルデヒド(m−トルアルデヒド)、4−メチルベンズアルデヒド(p−トルアルデヒド)、2,5−ジメチルベンズアルデヒド、4−エチルベンズアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド(クミンアルデヒド)、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、2−メトキシベンズアルデヒド(o−アニスアルデヒド)、3−メトキシベンズアルデヒド(m−アニスアルデヒド)、4−メトキシベンズアルデヒド(アニスアルデヒド)、2,3−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4−ジメトキシベンズアルデヒド、2,5−ジメトキシベンズアルデヒド、3,4−ジメトキシベンズアルデヒド(べラトルアルデヒド)、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド、2,4,6−トリメチルベンズアルデヒド、2,4,5−トリメトキシベンズアルデヒド(アサロンアルデヒド)、2,4,6−トリメトキシベンズアルデヒド、3,4,5−トリメトキシベンズアルデヒドまたは4−ジメチルアミノベンズアルデヒドが有する。好ましくは、ベンズアルデヒド、4−イソプロピルベンズアルデヒド(クミンアルデヒド)、4−tert−ブチルベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒド(アニスアルデヒド)または4−ジメチルアミノベンズアルデヒドである。
式(II)のケトンとしての適合性は、特にアセトフェノン、ベンゾフェノン、2’−メチルアセトフェノン、3’−メチルアセトフェノン、4’−メチルアセトフェノン、2’−メトキシアセトフェノン、3’−メトキシアセトフェノン、4’−メトキシアセトフェノン、2’,4’−ジメチルアセトフェノン、2’,5’−ジメチルアセトフェノン、3’,4’−ジメチルアセトフェノン、3’,5’−ジメチルアセトフェノン、2’,4’−ジメトキシアセトフェノン、2’,5’−ジメトキシアセトフェノン、3’,4’−ジメトキシアセトフェノン、3’,5’−ジメトキシアセトフェノン、2’,4’,6’−トリメチルアセトフェノンまたは2’,4’,6’−トリメトキシアセトフェノンが有する。アセトフェノン、ベンゾフェノン、4’−メチルアセトフェノンまたは4’−メトキアセトフェノンが好ましい。アセトフェノンが特に好ましい。
式(II)のアルデヒドまたはケトンとして特に好ましいものは、ベンズアルデヒド、4−メトキシベンズアルデヒドまたは4−ジメチルアミノベンズアルデヒドである。
ベンズアルデヒドが最も好ましい。
一実施形態は、反応に、2種以上の異なる式(II)のアルデヒドまたはケトンの混合物、より特に、ベンズアルデヒドおよび4−メトキシベンズアルデヒドまたは4−ジメチルアミノベンズアルデヒドの混合物を使用する。
式(I)のアミンは、より好ましくは、上記の通り、1,2−プロピレンジアミンと少なくとも1種の式(II)のアルデヒドまたはケトンおよび水素との還元アルキル化からの反応生成物として使用され、1,2−プロピレンジアミンは、式(II)のアルデヒドまたはケトンのカルボニル基よりも化学量論的過剰量で使用され、そしてその過剰量は還元後の蒸留によって除去される。1,2−プロピレンジアミン分子の数およびカルボニル基の数の間の比率は、好ましくは少なくとも2/1、より特には少なくとも3/1、より好ましくは少なくとも4/1である。
特に好ましくは、反応生成物は蒸留によって精製される。この場合、反応生成物は蒸留されて、得られた蒸留物が使用される。
この種類の蒸留物は、硬化の迅速な発展を有し、かつ驚くべきことに高い硬度を有し、湿性および低温条件下でさえ実質的にブラッシュ関連表面欠陥を示さず、かつ驚くべきことに実質的に黄色化を示さない、非常に低粘度の低臭気および低排出性エポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。
この種類の蒸留物は、典型的に、N窒素上でアルキル化された本発明の生成物から主になり、かつ少量のN窒素上でアルキル化された生成物を含む。言い換えると、主にN−ベンジル−1,2−プロパンジアミンと、少量のN−ベンジル−1,2−プロパンジアミンからなるか、または主にN−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンと、少量のN−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンからなるか、または主にN−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1,2−プロパンジアミンと、少量のN−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1,2−プロパンジアミンからなる。
エポキシ樹脂用硬化剤において、式(I)のアミンは、好ましくはさらなるアミンおよび/または促進剤と組み合わせて使用される。
したがって、本発明のさらなる主題は、少なくとも1種の式(I)のアミンと、少なくとも1種のさらなるアミンおよび/または少なくとも1種の促進剤とを含んでなる、エポキシ樹脂用硬化剤である。さらなるアミンは、この場合、式(I)のアミンではない。この種類の硬化剤は、エポキシ樹脂に対して特に高い反応性を有する。
適切な促進剤は、アミノ基およびエポキシ基の間の反応を促進する物質、特に酸または加水分解して酸を形成することができる化合物、より特に有機酸、例えば、酢酸、安息香酸、サリチル酸、2−ニトロ安息香酸、乳酸、有機スルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸または4−ドデシルベンゼンスルホン酸、スルホン酸エステル、他の有機酸または無機酸、例えば、特にリン酸、あるいは上記の酸および酸エステルの混合物;第三級アミン、例えば、特に1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、ベンジルジメチルアミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、イミダゾール、例えば、特にN−メチルイミダゾール、N−ビニルイミダゾールまたは1,2−ジメチルイミダゾール、そのような第三級アミンの塩、第四級アンモニウム塩、例えば、特にベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、アミジン、例えば、特に1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデク−7−エン、グアニジン、例えば、特に1,1,3,3−テトラメチルグアニジン、フェノール、特にビスフェノール、フェノール樹脂、マンニッヒ塩基、例えば、特に2−(ジメチルアミノメチル)フェノール、2,4,6−トリス−(ジメチルアミノメチル)フェノールまたはフェノールのポリマー、ホルムアルデヒドおよびN,N−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、ホスファイト、例えば、特にジフェニルまたはトリフェニルホスファイト、またはメルカプト基を含有する化合物である。好ましい促進剤は、酸、第三級アミンまたはマンニッヒ塩基である。
最も好ましくは、サリチル酸または2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールまたはそれらの組み合わせである。
さらなるアミンとして特に適切であるものは、エポキシド基に対して反応性である、少なくとも2個、より特に少なくとも3個のアミン水素を有するポリアミンであり、より特に以下のポリアミンである。
−N窒素原子がアルキル化される、式(II)のアルデヒドまたはケトンによる1,2−プロピレンジアミンの還元アルキル化からの反応生成物、例えば、特にN−ベンジル−1,2−プロパンジアミン、N−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(4−(ジメチルアミノ)ベンジル)−1,2−プロパンジアミン、N−(1−フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミン、N−ベンズヒドリル−1,2−プロパンジアミン、N−(1−(4’−メチル)フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミンまたはN−(1−(4’−メトキシ)フェニルエチル)−1,2−プロパンジアミン;
−さらなる脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族第一級ジアミン、特に2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,3−ペンタンジアミン(DAMP)、1,5−ペンタンジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(MPMD)、2−ブチル−2−エチル−1,5−ペンタンジアミン(C11−ネオジアミン)、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミン(TMD)、1,7−ヘプタンジアミン、1,8−オクタンジアミン、1,9−ノナンジアミン、1,10−デカンジアミン、1,11−ウンデカンジアミン、1,12−ドデカンジアミン、1,2−、1,3−または1,4−ジアミノシクロヘキサン、ビス−(4−アミノシクロヘキシル)メタン(H12−MDA)、ビス−(4−アミノ−3−メチルシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3−エチルシクロヘキシル)メタン、ビス−(4−アミノ−3,5−ジメチルシクロヘキシル)メタン、ビス(4−アミノ−3−エチル−5−メチルシクロヘキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン(イソホロンジアミンまたはIPDA)、2−もしくは4−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサンまたはそれらの混合物、1,3−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス−(アミノメチル)シクロヘキサン、2,5(2,6)−ビス−(アミノメチル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン(NBDA)、3(4)、8(9)−ビス(アミノメチル)トリシクロ[5.2.1.02、6]デカン、1,4−ジアミノ−2,2,6−トリメチルシクロヘキサン(TMCDA)、1,8−メンタンジアミン、3,9−ビス−(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3−ビス−(アミノメチル)ベンゼンまたは1,4−ビス−(アミノメチル)ベンゼン;
−脂肪族、脂環式またはアリール脂肪族第一級トリアミン、特に4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミン、1,3,5−トリス(アミノメチル)ベンゼン、1,3,5−トリス(アミノメチル)シクロヘキサン、トリス(2−アミノエチル)アミン、トリス(2−アミノプロピル)アミンまたはトリス(3−アミノプロピル)アミン;
−エーテル基を含有する脂肪族第一級ジアミンまたはトリアミン、特にビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−1,10−ジアミン、4,7−ジオキサデカン−2,9−ジアミン、4,9−ジオキサドデカン−1,12−ジアミン、5,8−ジオキサドデカン−3,10−ジアミン、4,7,10−トリオキサデカン−1,13−ジアミンまたはこれらのジアミンの高次オリゴマー、ビス(3−アミノプロピル)ポリテトラヒドロフランまたは他のポリテトラヒドロフランジアミン、特にJeffamine(登録商標)RFD−270(Huntsmanから)として入手可能である1,4−ジメチロールシクロヘキサンのプロポキシル化及びその後のアミノ化からの脂環式エーテル基含有ジアミン、あるいは典型的にポリオキシアルキレンジ−またはトリオールのアミノ化からの生成物を表し、かつ例えば、名称Jeffamine(登録商標)(Huntsmanから)で、名称Polyetheramine(BASFから)で、または名称PC Amine(登録商標)(Nitroilから)で入手可能であるポリオキシアルキレンジ−またはトリアミン。特に適切なポリオキシアルキレンジ−またはトリアミンは、Jeffamine(登録商標)D−230、Jeffamine(登録商標)D−400、Jeffamine(登録商標)D−2000、Jeffamine(登録商標)EDR−104、Jeffamine(登録商標)EDR−148、Jeffamine(登録商標)EDR−176、Jeffamine(登録商標)T−403、Jeffamine(登録商標)T−3000、Jeffamine(登録商標)T−5000、またはBASFもしくはNitroilからの相当するアミンである;
−2個の第一級脂肪族アミノ基を有する第二級アミノ基を含有するポリアミン、例えば、特に3−(2−アミノエチル)アミノプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン(BHMT)、ジエチレントリアミン(DETA)、トリエチレンテトラミン(TETA)、テトラエチレンペンタミン(TEPA)、ペンタエチレンヘキサミン(PEHA)、または5〜7個のエチレンアミン単位を有するポリエチレンポリアミンなどの直鎖ポリエチレンアミンの高級同族体(いわゆる「高級エチレンポリアミン」、HEPA)、少なくとも2個の第一級アミノ基を有する第一級ジアミンおよびポリアミンの多重シアノエチル化またはシアノブチル化およびその後の水素化による生成物、例えばジプロピレントリアミン(DPTA)、N−(2−アミノエチル)−1,3−プロパンジアミン(N3−アミン)、N,N’−ビス(3−アミノプロピル)エチレンジアミン(N4−アミン)、N,N’−ビス−(3−アミノプロピル)−1,4−ジアミノブタン、N5−(3−アミノプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、N3−(3−アミノペンチル)−1,3−ペンタンジアミン、N5−(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミンまたはN,N’−ビス−(3−アミノ−1−エチルプロピル)−2−メチル−1,5−ペンタンジアミン;
−1個または2個の第二級アミノ基を有するポリアミン、特にアルデヒドまたはケトンによる第一級脂肪族ポリアミンの還元アルキル化からの生成物、特にN−ベンジル−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N,N’−ジベンジル−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、N−2−エチルヘキシル−1,3−ビス−(アミノメチル)ベンゼン、N,N’−ビス(2−エチルヘキシル)−1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、または例えば、スチレン化MXDA(三菱ガス化学株式会社からGaskamine(登録商標)240として入手可能)などの部分的スチレン化ポリアミン;
−芳香族ポリアミン、例えば、特にm−およびp−フェニレンジアミン、4,4’−、2,4’および/または2,2’−ジアミノジフェニルメタン、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(MOCA)、2,4−および/または2,6−トリレンジアミン、3,5−ジメチルチオ−2,4−および−2,6−トリレンジアミンの混合物(AlbermarleからEthacure(登録商標)300として入手可能)、3,5−ジエチル−2,4−および−2,6−トリレンジアミン(DETDA)の混合物、3,3’,5,5’−テトラエチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−DEA)、3,3’,5,5’−テトラエチル−2,2’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−CDEA)、3,3’−ジイソプロピル−5,5’−ジメチル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−MIPA)、3,3’,5,5’−テトライソプロピル−4,4’−ジアミノジフェニルメタン(M−DIPA)、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(DDS)、4−アミノ−N−(4−アミノフェニル)ベンゼンスルホンアミド、5,5’−メチレンジアントラニル酸、ジメチル5,5’−メチレンジアントラニレート、1,3−プロピレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、1,4−ブチレン−ビス(4−アミノベンゾエート)、ポリテトラメチレンオキシド−ビス(4−アミノベンゾエート)(Air ProductsからVersalink(登録商標)として入手可能)、1,2−ビス(2−アミノフェニルチオ)エタン、2−メチルプロピル4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾエートまたはtert−ブチル(4−クロロ−3,5−ジアミノベンゾエート);
−上記のポリアミンとエポキシドまたはエポキシ樹脂との付加物、特に約2/1のモル比を有するジエポキシドとの付加物、約1/1のモル比を有するモノエポキシドとの付加物、またはアミンおよびエピクロロヒドリンとの反応生成物、より特にGaskamine(登録商標)328(三菱ガス化学株式会社から)として入手可能な1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼンの反応生成物;
−ポリアミドアミン、特に1価もしくは多価カルボン酸および/またはそのエステルもしくは無水物、特にダイマー脂肪酸と、化学量論的過剰量で使用される脂肪族、脂環式または芳香族ポリアミンとの反応生成物、より特に例えばDETAまたはTETAなどのポリアルキルアミン、より特に市販品として入手可能なポリアミドアミンであるVersamid(登録商標)100、125、140または150(Cognisから)、Aradur(登録商標)223、250または848(Huntsmanから)、Euretek(登録商標)3607または530(Huntsmanから)あるいはBeckopox(登録商標)EH 651、EH 654、EH 655、EH 661またはEH 663(Cytecから);あるいは
−マンニッヒ塩基としても記載されるフェナルカミン、特にフェノール、より特にカルダノールと、アルデヒド、より特にホルムアルデヒドとのマンニッヒ反応の反応生成物、特に市販品として入手可能なフェナルカミンであるCardolite(登録商標)NC−541、NC−557、NC−558、NC−566、Lite 2001、Lite 2002、NX−4943、NX−5607またはNX−5608(Cardoliteから)、Aradur(登録商標)3440、3441、3442または3460(Huntsmanから)、あるいはBeckopox(登録商標)EH 614、EH 621、EH 624、EH 628またはEH 629(Cytecから)。
さらなるアミンとして好ましくは、N窒素原子がアルキル化される、式(II)のアルデヒドまたはケトンによる1,2−プロピレンジアミンの還元アルキル化からの反応生成物、特にN−ベンジル−1,2−プロパンジアミンである。この種類のアミンは、相当するNアルキル化アミンを含んでなる反応生成物の構成成分として特に存在する。
さらなるアミンとして追加的に好ましくは、(i)エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種のポリアミンと、(ii)少なくとも1種のエポキシドとの付加物である。
そのような付加物のためのポリアミンとして好ましくは、エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する上記ポリアミン、またはより小さいポリアミン、例えば特にエチレンジアミン、異性体プロピレンジアミンまたは異性体ブチレンジアミンである。
そのような付加物のためのエポキシドとして好ましくは、ジエポキシド、例えば特にビスフェノールAまたはFあるいはA/Fジグリシジルエーテル、ポリ−1,2−プロピレンオキシドジグリシジルエーテルまたはモノエポキシドである。特に好ましくは、芳香族モノエポキシド、特にクレシルグリシジルエーテル、tert−ブチルフェニルグリシジルエーテルまたはカルダノールのグリシジルエーテルである。特に好ましくは、クレシルグリシジルエーテルである。適切なクレシルグリシジルエーテルは全ての異性体クレシルグリシジルエーテルまたはそれらの混合物であり、より特に市販品として入手可能な種類、例えば特にAraldite(登録商標)DY−K(Huntsmanから)、Polypox(商標)R6(Dowから)、Heloxy(商標)KR(Hexionから)またはErisys(登録商標)GE−10(CVC Spec.Chem.から)である。
付加物は、好ましくは、ポリアミドの初期充填物に計量したエポキシドをゆっくり添加することによって調製され、この時、温度は、好ましくは40〜120℃、より好ましくは50〜110℃の範囲に維持される。
そのような付加物は、エポキシ樹脂用硬化剤として優れた特性、より特に低温でさえ迅速な硬化速度およびブラッシング作用に対して比較的顕著ではない傾向を示す。それらは優れた品質のフィルムを生じるが、それらの粘性の観点から、それらが希釈された場合のみコーティング用途に適切である。式(I)のアミンとの組み合わせによって、付加物は、顕著な特性を有する低排出性エポキシ樹脂コーティング用硬化剤を入手可能にする範囲まで希釈される。
好ましい付加物は、(i)エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種のポリアミンと、(ii)少なくとも1種の芳香族モノエポキシドとの付加物であって、これらの反応物が約1/1のモル比で反応するものである。反応の間、ポリアミンは過剰量で存在していてもよく、そして反応後に蒸留によって除去され得る。
この種類の付加物に関して、ポリアミンは、好ましくは、エチレンジアミン、1,2−プロピレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、1,4−ブチレンジアミン、1,3−ブチレンジアミン、1,2−ブチレンジアミン、2,3−ブチレンジアミン、2−メチル−1,3−プロパンジアミン、DAMP、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジアミン、1,5−ペンタンジアミン、MPMD、1,6−ヘキサンジアミン、2,5−ジメチル−1,6−ヘキサンジアミン、TMD、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、IPDA、2−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサンおよび4−メチル−1,3−ジアミノシクロヘキサンおよびそれらの混合物、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,3−ビス(アミノメチル)ベンゼン、ビス(2−アミノエチル)エーテル、3,6−ジオキサオクタン−1,8−ジアミン、DETA、TETA、DPTA、N3−アミン、N4−アミンおよびBHMTからなる群から選択される。
この種類の付加物のための芳香族モノエポキシドは、好ましくクレシルグリシジルエーテルである。
特に好ましくは、1,2−プロピレンジアミンとクレシルグリシジルエーテルとの付加物であって、過剰量の1,2−プロピレンジアミンを用いて調製され、そしてその後、過剰量は蒸留によって除去されるものである。
さらに特に好ましくは、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンとクレシルグリシジルエーテルとの付加物であって、過剰量の1,5−ジアミノ−2−メチルペンタンを用いて調製され、そしてその後、過剰量は蒸留によって除去されるか、またはわずかに過剰量のクレシルグリシジルエーテルを用いて調製されるものである。
さらに特に好ましくは、2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミンとクレシルグリシジルエーテルとの付加物であって、わずかに過剰量の2,2(4),4−トリメチルヘキサメチレンジアミンを用いて調製されるものである。
「過剰量」という用語は、これらの特に好ましい付加物の場合、反応基ではなく、ポリアミン分子およびクレシルグリシジルエーテルの間のモル比に関する。
これらの特に好ましい付加物は、比較的低粘度であり、慣習的なエポキシ樹脂組成物に対して特に高い適合性および反応性を示し、ブラッシング作用に対する傾向を実質的に有さず、かつ高光沢および高硬度の完全硬化フィルムの製造を可能にする。しかしながら、希釈剤の添加がない場合、これらの付加物も、エポキシ樹脂用硬化剤としては非常に粘度が高い。
さらに、さらなるアミンとして好ましいものは、エーテル基含有脂肪族第一級ジ−またはトリアミン、より特に200〜500g/モルの範囲の平均分子量を有するポリオキシアルキレンジ−またはトリアミン、特にJeffamine(登録商標)D−230またはJeffamine(登録商標)T−403(両方ともHuntsmanから)、あるいは1,4−ジメチロールシクロヘキサンのプロポキシル化及びその後のアミノ化からの脂環式エーテル基含有ジアミン、特にJeffamine(登録商標)RFD−270(Huntsmanから)である。この種類のアミンは、いわゆる「フリージング」がなく高い最終硬度まで信頼可能に硬化し、かつ硬化後に低脆性であるエポキシ樹脂組成物の入手を可能にする。「フリージング」は、それによって、硬度の初期の良好な発展の後、エポキシ樹脂組成物が、所与の温度において予想された最終硬度まで硬化することができず、その代わりに硬化は比較的低い硬度で残る現象を示す。そのような作用は、特に低硬化温度において生じる。
本発明の硬化剤は、好ましくは1〜95重量%、好ましくは2〜80重量%、より好ましくは5〜60重量%、より特に5〜40重量%の式(I)のアミンを含んでなる。この種類の硬化剤は、低粘度であることが注目に値し、かつ高い硬化速度を有し、ブラッシング作用に対する傾向がほとんどなく、かつ高い硬度を有するエポキシ樹脂コーティングの入手を可能にする。
硬化剤は、典型的に、N窒素上でアルキル化された生成物の特定フラクションを含んでなり、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンの場合、例えば、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンの特定の分率を含んでなる。
エポキシ樹脂用の1つの特に好ましい硬化剤は、
−少なくとも1種の式(I)のアミン、
−(i)エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種のポリアミンと、(ii)少なくとも1種の芳香族モノエポキシドとの少なくとも1種の付加物、および
−少なくとも1種のエーテル基含有脂肪族第一級ジ−またはトリアミン
を含んでなる。
本明細書の式(I)のアミン、付加物およびエーテル基含有ジ−またはトリアミンは、より特に、硬化剤中の全アミン水素の
10〜40%が、式(I)のアミンに由来し、
15〜75%が、付加物に由来し、そして
15〜60%が、エーテル基含有ジ−またはトリアミンに由来するような量で存在する。
この種類の硬化剤は、低粘度を有し、かつブラッシング作用がない状態で迅速かつ大量に硬化し、実質的に黄色化のない高光沢および高硬度の完全硬化フィルムを形成する。
エポキシ樹脂用の別の特に好ましい硬化剤は、
−少なくとも1種の式(I)のアミン、
−(i)エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種のポリアミンと、(ii)少なくとも1種の芳香族モノエポキシドとの少なくとも1種の付加物、および
−任意に少なくとも1種のさらなるアミン
を含んでなる。
本明細書の式(I)のアミン、付加物およびさらなるアミンは、より特に、硬化剤中の全アミン水素の
10〜80%が、式(I)のアミンに由来し、
20〜80%が、付加物に由来し、そして
0〜40%が、少なくとも1種のさらなるアミンに由来するような量で存在する。
この種類の硬化剤は、低粘度を有し、かつブラッシング作用がない状態で特に迅速かつ大量に硬化し、実質的に黄色化のない高光沢および高硬度の完全硬化フィルムを形成する。
硬化剤は、好ましくは、主として1,2−プロピレンジアミンを含まない。より特に、1重量%未満、より好ましくは0.1重量%未満の1,2−プロピレンジアミンを含有する。
さらに好ましくは、硬化剤は、主として120g/モル未満、より特に150g/モル未満の分子量を有するアミンを含まない。硬化剤は、好ましくは、2重量%未満、より特に1重量%未満の120g/モル未満、より特に150g/モル未満の分子量を有するアミンを含有する。
この種類の硬化剤は、特に中毒学的および臭気の利点を有し、そして特に魅力的な表面を有するコーティングの入手を可能にする。
硬化剤はさらに、少なくとも1種の組み込み不可能な希釈剤、特にキシレン、2−メトキシエタノール、ジメトキシエタノール、2−エトキシエタノール、2−プロポキシエタノール、2−イソプロポキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−フェノキシエタノール、2−ベンジルオキシエタノール、ベンジルアルコール、エチレングリコール、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールジフェニルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジ−n−ブチリルエーテル、プロピレングリコールブチルエーテル、プロピレングリコールフェニルエーテル、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジ−n−ブチルエーテル、N−メチルピロリドン、ジフェニルメタン、ジイソプロピルナフタリン、石油留分、例えばSolvesso(登録商標)グレード(Exxonから)、アルキルフェノール、例えばtert−ブチルフェノール、ノニルフェノール、ドデシルフェノールおよび8,11,14−ペンタデカトリエニルフェノール(カシューナッツ殻油からのCardanol、例えばCardolite Corp.,USAからCardolite NC−700として入手可能)、スチレン化フェノール、ビスフェノール、芳香族炭化水素樹脂、特にフェノール基を含むもの、アルコキシル化フェノール、特にエトキシル化フェノールまたはプロポキシル化フェノール、より特に2−フェノキシエタノール、アジペート、セバケート、フタレート、ベンゾエート、有機リン酸エステルまたはスルホン酸エステルまたはスルホンアミドを含んでなってよい。好ましくは、ベンジルアルコール、ドデシルフェノール、tert−ブチルフェノール、スチレン化フェノールまたはフェノール基を含有する芳香族炭化水素樹脂、より特にNovares(商標)グレードLS500、LX200、LA300またはLA700(Ruetgersから)である。
硬化剤は、好ましくは、組み込み不可能な希釈剤を全く含有しないか、または低濃度でのみ含有する。好ましくは、5重量%以下の組み込み不可能な希釈剤を含有する。
硬化剤は、エポキシド基に対して反応性であるさらなる物質を含んでなってもよく、例としては、ヘキシルアミンまたはベンジルアミンなどのモノアミン、あるいはメルカプト基を含有する化合物、より特に以下のものである。
−液体メルカプタン末端ポリスルフィドポリマー、商品名Thiokol(登録商標)(Morton Thiokolから;例えば、SPI SuppliesまたはToray Fine Chemicalsから入手可能)で知られているもの、特にタイプLP−3、LP−33、LP−980、LP−23、LP−55、LP−56、LP−12、LP−31、LP−32またはLP−2;またさらには、商品名Thioplast(登録商標)(Akzo Nobelから)で知られているもの、より特にタイプG10、G112、G131、G1、G12、G21、G22、G44またはG4;
−メルカプタン末端ポリオキシアルキレンエーテル、例えば、ポリオキシアルキレンジオールまたは−トリオールのいずれかと、エピクロロヒドリンまたはアルキレンオキシドとの反応、続いて硫化水素ナトリウムとの反応により入手可能;
−ポリオキシアルキレン誘導体の形態のメルカプタン末端化合物、商品名Capcure(登録商標)(Cognisから)で知られているもの、特にタイプWR−8、LOFまたは3−800;
−チオカルボン酸のポリエステル、例えば、ペンタエリトリトールテトラメルカプトアセテート、トリメチロールプロパントリメルカプトアセテート、グリコールジメルカプトアセテート、ペンタエリトリトールテトラ(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリ(3−メルカプトプロピオネート)またはグリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、あるいはポリオキシアルキレンジオールまたはトリオール、エトキシ化トリメチロールプロパンまたはポリエステルジオールと、チオカルボン酸、例えば、チオグリコール酸または2−もしくは3−メルカプトプロピオン酸とのエステル化生成物;あるいは
−メルカプト基を有するさらなる化合物、例えば、特に2,4,6−トリメルカプト−1,3,5−トリアジン、2,2’−(エチレンジオキシ)−ジエタンチオール(トリエチレングリコールジメルカプタン)またはエタンジチオール。
本発明のさらなる主題は、
−少なくとも1種のエポキシ樹脂を含んでなる樹脂成分と、
−少なくとも1種の上記式(I)のアミンを含んでなる硬化剤成分と
を含んでなるエポキシ樹脂組成物である。
硬化剤成分は、好ましくは、上記の通り、少なくとも1種の式(I)のアミンと、少なくとも1種のさらなるアミンおよび/または少なくとも1種の促進剤を含んでなる硬化剤を含んでなる。
エポキシ樹脂としての適合性は、慣習的な工業用エポキシ樹脂が有する。これらは既知の様式で、例えば、相当するオレフィンの酸化から、またはエピクロロヒドリンと、相当するポリオール、ポリフェノールもしくはアミンとの反応から得られる。
エポキシ樹脂として特に適切であるものは、液体ポリエポキシ樹脂と呼ばれるものであり、以後、「液体樹脂」と記載される。これらは、25℃未満のガラス転移温度を有する。
同様にエポキシ樹脂として可能であるものは、25℃より高いガラス転移温度を有し、かつ25℃で注入可能である粉末へと粉砕可能である固体樹脂と呼ばれるものである。
適切なエポキシ樹脂は、特に芳香族エポキシ樹脂、より特に以下のグリシジル化生成物である。
−ビスフェノールA、ビスフェノールFまたはビスフェノールA/F(ここでAはアセトンを表し、Fはホルムアルデヒドを表し、これらは、これらのビスフェノールの調製において反応物として機能する)。ビスフェノールFの場合、位置異性体も存在し得、より特に2,4’−または2,2’−ヒドロキシフェニルメタンから誘導される。
−ジヒドロキシベンゼン誘導体、例えばレゾルシノール、ヒドロキノンまたはピロカテコール;
−さらなるビスフェノールまたはポリフェノール、例えば、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン(ビスフェノールC)、ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3,5−ジブロモ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−tert−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン(ビスフェノールB)、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、3,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、2,4−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−メチルブタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−シクロヘキサン(ビスフェノールZ)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMC)、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、1,4−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン)(ビスフェノールP)、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン)(ビスフェノールM)、4,4’−ジヒドロキシジフェニルフェニル(DOD)、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、ビス(2−ヒドロキシナフト−1−イル)メタン、ビス−(4−ヒドロキシナフト−1−イル)メタン、1,5−ジヒドロキシナフタリン、トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)エーテルまたはビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン;
−酸性条件下で得られるフェノールとホルムアルデヒドとの縮合生成物、例えば、フェノールノボラックまたはクレゾールノボラック(ビスフェノールFノボラックとしても知られている);
−芳香族アミン、例えばアニリン、トルイジン、4−アミノフェノール、4,4’−メチレンジフェニルジアミン、4,4’−メチレンジフェニルジ−(N−メチル)アミン、4,4’−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンP)または4,4’−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン(ビスアニリンM)。
さらに適切なエポキシ樹脂は、脂肪族または脂環式ポリエポキシドであり、より特に以下のものである。
−飽和または不飽和、分枝状または非分枝状、環式または開鎖二官能性、三官能性もしくは四官能性C〜C30アルコール、特に、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキサンジオール、オクタンジオール、ポリプロピレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、ネオペンチルグリコール、ジブロモネオペンチルグリコール、ヒマシ油、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリトリトール、ソルビトールもしくはグリセロールまたはアルコキシル化グリセロールまたはアルコキシル化トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル;
−水素化ビスフェノールA、FもしくはA/F液体樹脂、または水素化ビスフェノールA、FもしくはA/Fのグリシジル化生成物;
−アミドまたは複素環式窒素塩基のN−グリシジル誘導体、例えば、トリグリシジルグリシアヌレートもしくはトリグリシジルイソシアヌレート、またはエピクロロヒドリンとヒダントインとの反応生成物;
−オレフィン、例えば、特にビニルシクロヘキセン、ジシクロペンタジエン、シクロヘキサジエン、シクロドデカジエジエン、シクロドデカトリエンイソプレン、1,5−ヘキサジエン、ブタジエン、ポリブタジエンまたはジビニルベンゼンの酸化からのエポキシ樹脂。
樹脂成分中の好ましいエポキシ樹脂は、ビスフェノールに基づく液体樹脂であり、より特に、例えばDow、HuntsmanまたはMomentiveから市販品として入手可能である種類のビスフェノールA、FまたはA/Fのジグリシジルエ―テルである。これらの液体樹脂は、エポキシ樹脂に関して低粘度を有し、そして硬化状態でコーティングとして良好な特性を示す。これらは、固体ビスフェノールA樹脂またはビスフェノールFノボラックのフラクションを含み得る。
樹脂成分は、活性希釈剤、より特に、少なくとも1個のエポキシド基を有する反応性希釈剤を含んでなってもよい。反応性希釈剤として特に適切であるものは、一価もしくは多価フェノールまたは脂肪族もしくは脂環式アルコールのグリシジルエーテル、例えば、特に、上記のジオールもしくはポリオールのポリグリシジルエーテル、またはさらに、フェニルグリシジルエーテル、クレシルグリシジルエーテル、ベンジルグリシジルエーテル、p−n−ブチルフェニルグリシジルエーテル、p−tert−ブチルフェニルグリシジルエーテル、ノニルフェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、ヘキシルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、または天然アルコールのグリシジルエーテル、例えば、特にC〜C10アルキルグリシジルエーテルまたはC12〜C14アルキルグリシジルエーテルである。エポキシ樹脂に反応性希釈剤を添加することは、粘度の減少、および/またはガラス転移温度および/または機械値の低下をもたらす。
エポキシ樹脂組成物は、任意にさらなる成分、特に、エポキシ樹脂組成物に慣習的に使用される補助剤および添加剤を含んでなり、例としては以下の通りである。
−溶剤、希釈剤、フィルム形成助剤または増量剤、例えば上記の組み込み不可能な希釈剤;
−上記の反応性希釈剤、特にエポキシド基を含有する反応性希釈剤、エポキシ化大豆油または亜麻仁油、アセトアセテート基を含有する化合物、特にアセトアセチル化ポリオール、ブチロラクトン、カーボネート、アルデヒドなど、さらには反応性基を含有するイソシアネートまたはシリコーン;
−ポリマー、特にポリアミド、ポリスルフィド、ポリビニルホルマル(PVF)、ポリビニルブチラル(PVB)、ポリウレタン(PU)、カルボキシル基を有するポリマー、ポリアミド、ブタジエン−アクリロニトリルコポリマー、スチレン−アクリロニトリルコポリマー、ブタジエン−スチレンコポリマー、不飽和モノマーのホモポリマーまたはコポリマー、特にエチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン、イソプレン、酢酸ビニルまたはアルキル(メタ)アクリレートを含む基からのもの、特にクロロスルホン化ポリエチレンまたはフッ素含有ポリマー、スルホンアミド変性メラミンまたは精製Montanワックス;
−無機または有機充填剤、特に粉末または沈殿炭酸カルシウムであって、脂肪酸、より特にステアレートのコーティングを有するか、もしくは有さないもの、バライト(重晶石)、タルク、細粉石英、ケイ砂、鉄雲母、ドロマイト、ウォラストナイト、カオリン、雲母(ケイ酸アルミニウムカリウム)、モレキュラーシーブ、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、シリカ、セメント、石膏、フライアッシュ、カーボンブラック、グラファイト、金属粉末、例えばアルミニウム、銅、鉄、亜鉛、銀または鋼、PVC粉末または中空ビーズ;
−繊維、特にガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、セラミック繊維またはプラスチック繊維、例えばポリアミド繊維もしくはポリエチレン繊維;
−顔料、例えば二酸化チタンおよび/または酸化鉄;
−上記の促進剤;
−レオロジー調整剤、特に増粘剤または沈降防止剤;
−接着促進剤、特に有機アルコキシシラン;
−酸化、熱、光またはUV照射に対する安定剤;
−難燃剤、特に、水酸化アルミニウム(ATH)、水酸化マグネシウム(MDH)、三酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ホウ酸(B(OH))、ホウ酸亜鉛、リン酸亜鉛、ホウ酸メラミン、シアヌル酸メラミン、ポリリン酸アンモニウム、リン酸メラミン、ピロリン酸メラミン、ポリ臭素化ジフェニルオキシドまたはジフェニルエーテル、ホスフェート、例えば特に、ジフェニルクレジルホスフェート、レゾルシノールビス(ジフェニルホスフェート)、レゾルシノールジホスフェートオリゴマー、テトラフェニル−レゾルシノール−ジホスフェート、エチレンジアミンジホスフェートまたはビスフェノールA−ビス(ジフェニルホスフェート)、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(クロロプロピル)ホスフェートまたはトリス(ジクロロイソプロピル)ホスフェート、トリス−[3−ブロモ−2,2−ビス(ブロモメチル)プロピル]ホスフェート、テトラブロモ−ビスフェノールA、ビスフェノールAのビス(2,3−ジブロモプロピルエーテル)、臭素化エポキシ樹脂、エチレンビス(テトラブロモフタルイミド)、エチレンビス(ジブロモノルボルナンジカルボキシイミド)、1,2−ビス(トリブロモフェノキシ)エタン、トリス(2,3−ジブロモプロピル)イソシアヌレート、トリブロモフェノール、ヘキサブロモシクロドデカン、ビス(ヘキサクロロシクロペンタジエノ)シクロオクタンまたは塩素化パラフィン;
−界面活性剤、特に湿潤剤、フローコントロール剤、脱気剤または消泡剤;
−殺生物剤、例えば殺藻剤、殺菌剤または真菌増殖阻害剤。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、さらなる補助剤および添加剤、特に湿潤剤、フローコントロール剤、消泡剤、安定剤、顔料および/または促進剤、特にサリチル酸および/または2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールを含んでなる。
エポキシ樹脂組成物は、好ましくは、組み込み不可能な希釈剤を含有しないか、または少量のみを含有し、好ましくは5重量%以下、特2重量%以下の希釈剤を含有する。
エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基に対して反応性である基の数とエポキシ基の数との比率は、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.7〜1.2の範囲にある。
エポキシ樹脂組成物中に存在するアミン水素、および存在する場合、エポキシ基に対して反応性である他の基は、その環が開放する時、エポキシド基と反応する(付加反応)。これらの反応の結果として、組成物は重合し、最終的に硬化する。当業者は、第一級アミノ基がエポキシド基に対して2官能性であり、したがって、第一級アミノ基がエポキシド基に対して反応性である2つの基と見なされることを承知している。
エポキシ樹脂組成物の2成分は、それぞれの容器にそれぞれ貯蔵される。樹脂成分または硬化剤成分の一部として、エポキシ樹脂組成物のさらなる成分が存在することができるが、エポキシド基に対して反応性であるさらなる成分は、好ましくは硬化剤成分の一部である。樹脂成分または硬化剤成分の貯蔵に適切な容器は、特にドラム、ホボック(Hobbock)、ポーチ、バケツ、缶、カートリッジまたはチューブである。成分は貯蔵可能であり、つまりこれらは、これらの使用について、関連する特性を大きく変化させることなく、使用するまで数ヶ月〜1年以上保管することができる。エポキシ樹脂組成物を使用するために、樹脂成分および硬化剤成分は、適用の直前または適用の間に混合される。2つの成分の混合比は、好ましくはエポキシド基に対して反応性である硬化剤成分の基が、上記の通り樹脂成分のエポキシド基に対して適切であるように選択される。重量部で、樹脂成分と硬化剤成分との混合比は通常1:10〜10:1の範囲である。
2成分の混合は、適切な方法を使用して行われる。これは、連続的に、またはバッチ式に行うことができる。混合が適用の前に行われる場合は、成分の混合と適用との間にあまり長い時間が経過すると、例えば、基材へのゆっくりした又は不完全な接着などの乱れを生じるため、あまり長い時間が経過しないことを確実にしなければならない。混合は、特に周囲温度で行われ、これは典型的には約5〜50℃の範囲、好ましくは約10〜30℃の範囲である。
2成分の混合によって、同時に、上記の通り化学反応により硬化が開始する。硬化は特に周囲温度で生じる。これは、与えられる条件下でほとんど完了するまで、典型的には数日〜数週間まで延長される。この持続は、温度、成分の反応性およびこれらの化学量論、ならびに促進剤の存在次第である。
したがって、本発明のさらなる主題は、本明細書に記載されるエポキシ樹脂組成物の硬化から得られる硬化組成物でもある。
エポキシ樹脂組成物の適用は、少なくとも1種の基材に行われ、以下のものが特に適切である。
−ガラス、ガラスセラミックス、コンクリート、モルタル、レンガ、タイル、石膏、または自然石、例えば花崗岩もしくは大理石;
−金属または合金、例えばアルミニウム、鉄、鉄鋼または非鉄金属、あるいは表面強化金属または合金、例えば亜鉛メッキもしくはクロムメッキ金属;
−皮革、繊維、紙、木材、樹脂、例えばフェノール、メラミンまたはエポキシ樹脂と結合された木質材料、例えば樹脂−繊維複合材料または他のポリマー複合材料;
−プラスチック、特に硬質または軟質PVC、ABS、ポリカーボネート(PC)、ポリアミド(PA)、ポリエステル、PMMA、エポキシ樹脂、PU、POM、PO、PE、PP、EPMまたはEPDM(任意に、プラズマ、コロナまたは火炎により表面処理されている);
−繊維強化プラスチック、例えば炭素繊維強化プラスチック(CRP)、ガラス繊維強化プラスチック(GRP)またはシート成形化合物(SMC);
−コーティングされた基材、例えば粉末コーティングされた金属または合金;
−ペイントまたはワニス。
必要であれば、基材は、エポキシ樹脂組成物の適用前に前処理されてもよい。このような前処理には、特に物理的および/または化学的クリーニング技術、例えば研磨、サンドブラスト、ショットブラスト、ブラッシングおよび/またはブローイングなどが含まれ、さらには洗浄剤または溶剤による処理、あるいは接着促進剤、接着促進剤溶液またはプライマーの適用が含まれる。
記載のエポキシ樹脂組成物は、遷移複合材料(複合材)用の繊維複合マトリックス、例えば特にCRPまたはGRP、あるいは封入化合物、シーラント、接着剤、カバー、コーティング、ペイント、ワニス、シール、下塗りコートまたはプライマーとして有利に使用可能である。
特に、これは、封入化合物、例えは電気用封入剤として、または接着剤として、特にボディワーク接着剤、サンドイッチ素子接着剤、風力発電所のロータブレード用半シェル接着剤、ブリッジ素子接着剤またはアンカー接着剤として使用することができる。
また特に、建築および産業用途のカバー、コーティング、ペイント、ワニス、シール、下塗りコートまたはプライマーとして、より特に、オフィス、工業館、体育館もしくは冷蔵室などのインテリア用の床カバーまたは床コーティングとして、あるいはバルコニー、テラス、駐車場デッキ、橋または屋根用の屋外セグメントとして、コンクリート、セメント、金属、プラスチックまたは木材用の保護コーティングとして、木造構造物、車両、ローディングエリア、タンク、サイロ、シャフト、パイプサーキット、パイプライン、機械または鉄鋼構造物、例えば、船舶、桟橋、海上プラットフォーム、水門、水力発電所、水路、スイミングプール、風力発電所、橋梁、煙突、クレーンまたはシートパイルなどの表面のシール保護コーティング用に使用することもできる。
特に、さらには、アンダーコート、タイコート、腐食プライマーとして、または表面疎水性化のために使用することができる。
特に、完全に、または部分的に硬化されたエポキシ樹脂組成物が、コーティング、カバーまたはペイントとして使用される場合、さらなるコーティング、カバーまたはペイントを適用してもよく、その場合、このさらなる層は、同様にエポキシ樹脂組成物を含んでなり得るか、または異なる材料、特にポリウレタンコーティングもしくはポリ尿素コーティングを含んでなり得る。
記載のエポキシ樹脂組成物は、コーティングとして特に有利に使用可能である。
したがって本発明の更なる主題は、上記のエポキシ樹脂組成物を含んでなるコーティングである。
これに関連して、コーティングとは、二次元的に適用される全ての種類のカバー、特に上記のペイント、ワニス、シール、下塗りコートまたはプライマー、あるいは特に重防腐制御用を含む床カバーまたは保護コーティングを意味する。記載されたエポキシ樹脂組成物は、例えば、Emicode(EC1 Plus)、AgBB、DIBt、Der Blaue Engel、AFSSET、RTS(M1)およびUS Green Building Council(LEED)によるエコ品質シールを有する低排出性コーティングで特に有利に使用される。
コーティングとして、エポキシ樹脂組成物は、それが低粘度および良好なレベリング性との液体一貫性を有するコーティング法で有利に使用され、特に、主に平坦な表面への自己レベリングまたはチキソトロープコーティングとして適用される。本出願に関連して、樹脂および硬化剤成分の混合直後のエポキシ樹脂組成物の粘度は、20℃で測定すると、好ましくは300〜4000mPa・sの範囲、好ましくは300〜2000mPa・sの範囲、より好ましくは300〜1500mPa・sの範囲である。作業時間の間、混合された組成物は、典型的には周囲温度で、基材に典型的に約50μm〜約5mmの層厚の薄フィルムとして二次元的に適用される。適用は、特に、コーティングされる基材上に組成物を注出し、次いで、それを補助器、例えばドクターブレードまたは歯付き適用器を用いて均一に広げることによって達成される。適用はまた、例えば鋼上の防食コーティングとして、ブラシまたはローラーを用いて、あるいはスプレー適用によって行ってもよい。
硬化は、典型的に、非常に広範囲の基材に対して有効な接着性を示す、高硬度のほぼ透明、光沢および非粘着性のフィルムの展開によって達成される。
エポキシ樹脂組成物の使用によって、記載のエポキシ樹脂組成物の硬化からの硬化された組成物を含んでなる物品が得られる。本明細書の硬化された組成物は、特にコーティングの形態で存在する。
記載のエポキシ樹脂組成物は、有利な特性によって区別される。これは、非常に低い粘度および臭気を有し、湿潤低温条件でさえ非常に迅速に硬化し、そして取り込み不可能な希釈剤のフラクションが少ないか、または全く使用されず、かつ特に揮発性の強臭気アミンを使用しない場合でさえ、ブラッシング作用がほとんどない。コーティングとしての二次元用途において、得られるフィルムは、透明、非粘着性、非常に硬質であり、かつ高表面品質のものであり、光の影響下で黄色化が実質的にない。記載のエポキシ樹脂組成物によって特に入手可能であるものは、多数のエコ品質シールの条件を満たし、かつ同時に、操作安全性、加工特性および使用特性に関する厳格な必要条件を満たす低排出性エポキシ樹脂生成物である。
本発明のさらなる主題は、上記式(I)のアミンの添加によるエポキシ樹脂用硬化剤および/またはエポキシ樹脂の希釈方法である。本明細書のエポキシ樹脂用硬化剤は、特に、上記のとおり、付加物またはポリアミドアミンまたはマンニッヒ塩基を含んでなる。本明細書のエポキシ樹脂は、上記のエポキシ樹脂を表す。
記載された本発明をより詳細に説明することが意図された作用例が以下に示される。もちろん、本発明は、これらの記載された作用例に限定されるものではない。
「AHEW」はアミン水素当量を表す。
「EEW」はエポキシド当量を表す。
「標準状態」は、23±1℃の温度および50±5%の相対大気湿度を意味する。「SC」は「標準状態」を表す。
測定法の説明
赤外線スペクトル(FT−IR)は、未希釈のフィルムとして、ZnSe結晶を有する水平ATR測定ユニットを取り付けたPerkin−ElmerからのFT−IR装置1600で測定した。吸収バンドを、波数(cm−1)で示す(測定範囲:4000〜650cm−1)。
H−NMRスペクトルは、Bruker Ascend 400分光計において400.14MHzで測定した。化学シフトδを、テトラメチルシラン(TMS)に対するppmで示す。真のカップリングパターンと擬似カップリングパターンとの間で区別はされない。
ガスクロマトグラム(GC)は、15℃/分の加熱速度において60〜320℃の温度範囲、および320℃で10分の滞留時間で測定した。インジェクタ温度は250℃であった。1.5ml/分のガスフロー速度で、Zebron ZB−5(L=30m、ID=0.25mm、dj=0.5μm)を使用した。検出は炎イオン化(FID)を使用して行なわれた。
比較的高い粘度(150mPa・sより高い)を有する試料の粘度は、サーモスタット制御された円錐/平板粘度計Rheotec RC30(円錐直径:50mm、円錐角度:1°、円錐先端/平板距離:0.05mm、せん断速度10秒−1)で測定した。
低粘度試料(150mPa・s未満)の粘度は、サーモスタット制御された円錐/平板粘度計Anton Paar Physica MCR 300(円錐直径:25mm、円錐角度:2°、円錐先端/平板距離:0.05mm、せん断速度100秒−1)で測定した。
アミン数は、滴定(クリスタルバイオレットに対して酢酸中0.1NのHClOを用いて)により決定した。
Figure 2017530213
EP付加物1は、窒素雰囲気下、116.0gの1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(InvistaからのDytek(登録商標)A)を最初に導入し、この初期充填物を70℃まで加熱し、次いで、強力に攪拌しながら、200.2gのAraldite(商標)DY−Kをゆっくり添加することによって調製した。反応混合物の温度は70〜80℃であった。80℃で1時間後、反応混合物を冷却した。
EP付加物2は、窒素雰囲気下、4.65kgの1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(InvistaからのDytek(登録商標)A)を最初に導入し、この初期充填物を70℃まで加熱し、次いで、強力に攪拌しながら、1.83kgのAraldite(商標)DY−Kをゆっくり添加することによって調製した。反応混合物の温度は70〜80℃であった。80℃で1時間後、反応混合物を冷却し、そして揮発性成分を、薄フィルムエバポレーター(0.5〜1ミリバール、ジャケット温度160℃)を使用して、蒸留によって除去した。
EP付加物3は、窒素雰囲気下、4.15kgの1,2−プロピレンジアミンを最初に導入し、この初期充填物を70℃まで加熱し、次いで、強力に攪拌しながら、2.93kgのAraldite(商標)DY−Kをゆっくり添加することによって調製した。反応混合物の温度は70〜80℃であった。80℃で1時間後、反応混合物を冷却し、そして揮発性成分を、薄フィルムエバポレーター(0.5〜1ミリバール、ジャケット温度115℃)を使用して、蒸留によって除去した。
式(I)のアミンの調製
アミン1:N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンを含んでなる反応混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに22.1g(0.3モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、500mlのイソプロパノール中31.8g(0.3モル)のベンズアルデヒドの溶液をゆっくり滴下して添加し、続いて、30分以上攪拌した。その後、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、85バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、65℃の減圧下で水素化溶液を濃縮した。これによって、20℃で19mPa・sの粘度および573.7mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
FT−IR:3026,2956,2818,1601,1494,1452,1373,1115,1073,1028,826,732,696.
アミン1A:N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンを含んでなる反応混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに444.8g(6モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、1500mlのイソプロパノール中212.2g(2モル)のベンズアルデヒドの溶液をゆっくり滴下して添加し、その後2時間攪拌を続けた。続いて、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、90バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、ロータリーエバポレーター上65℃で水素化溶液を濃縮し、未反応の1,2−プロパンジアミンおよびイソプロパノールを除去した。これによって、574mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
アミン1D:N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンおよびN−ベンジル−1,2−プロパンジアミンの混合物
上記の通り調製した300gのアミン1Aを減圧下80℃で蒸留し、そして0.08〜0.09バールにおいて60〜63℃の蒸気温度を有する237.5gの蒸留物を回収した。これによって、20℃で8.5mPa・sの粘度、682mg KOH/gのアミン数および>97%のGCによって決定された純度(滞留時間8.73〜8.83分)を有する無色の液体が得られた。H−NMRによると、N−ベンジル−1,2−プロパンジアミンとN−ベンジル−1,2−プロパンジアミンとの比率は、約2/1であった。
H−NMR(CDCl):7.23−7.30(m,5H,Ar−H),3.75(m,2H,Ar−CH),2.9−2.5(m,3H,−CH−;CHCH),1.32(b,3H,NHおよびNH),1.03(t,3H,CH).
FT−IR:3361,3229,3025,2956,2817,1601,1494,1452,1372,1115,1027,824,732.
アミン2:N、N’−ジベンジル−1,2−プロピレンジアミンを含んでなる反応混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに7.4g(0.1モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、17.0g(0.16モル)のベンズアルデヒドをゆっくり滴下して添加し、続いて30分間攪拌し、そして反応混合物を300mlのイソプロパノールに溶解した。この溶液を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、85バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、65℃の減圧下で水素化溶液を濃縮した。これによって、20℃で41mPa・sの粘度および492.3mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
FT−IR:3026,2959,2802,1602,1494,1452,1373,1155,1115,1067,1027,824,732,696.
アミン3:N−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,2−プロパンジアミンを含んでなる反応混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに14.8g(0.2モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、450mlのイソプロパノールおよび50mlの酢酸エチル中の29.8g(0.2モル)の4−ジメチルアミノベンズアルデヒドの溶液をゆっくり滴下して添加し、続いて30分間攪拌した。その後、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、85バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、65℃の減圧下で水素化溶液を濃縮した。これによって、20℃で16mPa・sの粘度および667.4mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
FT−IR:2954,2917,2878,2798,1614,1519,1443,1340,1222,1161,1130,1059,946,802,685.
アミン3D:N−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,2−プロパンジアミンおよびN−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,2−プロパンジアミンの混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに88.94g(1.2モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、800mlのイソプロパノール中44.75g(0.3モル)の4−ジメチルアミノベンズアルデヒドの溶液をゆっくり滴下して添加し、その後2時間攪拌を続けた。続いて、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、90バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、ロータリーエバポレーター上65℃で水素化溶液を濃縮し、未反応の1,2−プロピレンジアミンおよびイソプロパノールを除去した。そのようにして得られた反応混合物は、667g KOH/gのアミン数を有する透明で黄色がかった液体であった。
この反応混合物53gを115℃の減圧下で蒸留し、そして0.02バールにおいて96〜98℃の蒸気温度で41.9gの蒸留物を回収した。これによって、20℃で25mPa・sの粘度、811.5mg KOH/gのアミン数および>97%のGCによって決定された純度(滞留時間12.21分および12.29分)を有する無色の液体が得られた。これを以後、アミン3Dとして使用した。GCによると、N−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,2−プロパンジアミンとN−(4−ジメチルアミノベンジル)−1,2−プロパンジアミンとの比率は、約4/1であった。
H−NMR(CDCl):7.18(d,2H,Ar−H),6.70(d,2H,Ar−H),3.69(d,2H,Ar−CH),2.96および2.65(2xm,3H,−CH−;CHCH),2.92(s,6H,N−(CH),1.33(b,3H,NHおよびNH),1.03(t,3H,CHCH).
FT−IR:3299,2954,2798,1613,1564,1505,1442,1341,1221,1161,1128,1059,945,802.
アミン4:N−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンを含んでなる反応混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに14.8g(0.2モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、500mlのイソプロパノール中の27.2g(0.2モル)の4−メトキシベンズアルデヒド(すなわち、アニスアルデヒド)の溶液をゆっくり滴下して添加し、続いて30分間攪拌した。反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、85℃の温度において5ml/分のフロー速度で、85バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、65℃の減圧下で水素化溶液を濃縮した。これによって、20℃で39mPa・sの粘度および501.2mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
FT−IR:2955,2906,2833,1610,1584,1510,1455,1441,1300,1242,1173,1105,1033,811,702.
アミン4D:N−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンおよびN−(4−メトキシベンジル)−1,2−プロパンジアミンの混合物
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに148.3g(2モル)の1,2−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、800mlのイソプロパノール中54.4g(0.4モル)の4−メトキシベンズアルデヒド(すなわち、アニスアルデヒド)の溶液をゆっくり滴下して添加し、その後2時間攪拌を続けた。続いて、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、90℃の温度において5ml/分のフロー速度で、90バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、ロータリーエバポレーター上65℃で水素化溶液を濃縮し、未反応の1,2−プロピレンジアミンおよびイソプロパノールを除去した。そのようにして得られた反応混合物は、560g KOH/gのアミン数を有する透明で、わずかに黄色がかった液体であった。
この反応混合物40gを110℃の減圧下で蒸留し、そして0.02バールにおいて89〜95℃の蒸気温度で29.6gの蒸留物を回収した。これによって、20℃で23mPa・sの粘度、575mg KOH/gのアミン数および>97%のGCによって決定された純度(滞留時間10.85〜10.95分)を有する無色の液体が得られた。これを以後、アミン4Dとして使用した。
H−NMR(CDCl):7.22(d,2H,Ar−H),6.85(d,2H,Ar−H),3.78(s,3H,OCH),3.71(d,2H,Ar−CH),2.9−2.5(m,3H,−CH−;CHCH),1.32(b,3H,NHおよびNH),1.04(t,3H,CHCH).
FT−IR:3367,3298,2955,2924,2832,1610,1584,1509,1461,1299,1248,1173,1033,811.
アミン5:N−ベンジル−1,3−プロパンジアミンを含んでなる反応混合物(比較)
室温、窒素雰囲気下で、丸底フラスコに148.3g(2モル)の1,3−プロパンジアミンを充填した。強力に撹拌しながら、800mlのイソプロパノール中42.4g(0.4モル)のベンズアルデヒドの溶液をゆっくり滴下して添加し、続いてさらに2時間攪拌した。続いて、反応混合物を、Pd/C固定床触媒を備えた連続水素添加装置上で、90℃の温度において5ml/分のフロー速度で、90バールの水素圧力下で水素化した。反応を監視するために、IR分光分析法を使用して、約1665cm−1におけるアミンバンドが消滅するかどうかを確認した。その時点で、ロータリーエバポレーター上65℃で水素化溶液を濃縮し、未反応の1,3−プロパンジアミンおよびイソプロパノールを除去した。これによって、569mg KOH/gのアミン数を有する透明でわずかに黄色がかった液体が得られた。
アミン5D:N−ベンジル−1,3−プロパンジアミン(比較)
上記の通り調製した30gのアミン5を減圧下90℃で蒸留し、そして0.06バールにおいて68〜73℃の蒸気温度を有する20.3gの蒸留物を回収した。これによって、20℃で10.8mPa・sの粘度、682mg KOH/gのアミン数および>97%のGCによって決定された純度(滞留時間9.39〜9.46分)を有する無色の液体が得られた。
調製されたアミンのブラッシング
表1のそれぞれのアミン1gを、直径4cmのオープンディッシュに置き、そして標準状態下で貯蔵した。それぞれの試料に関して、アミンは、開始時に透明な液体として存在した。16時間後および48時間後、それぞれの試料の外観を評価した。加えて、72時間後に試料の重量増加を決定した。
Figure 2017530213
硬化剤およびエポキシ樹脂組成物の製造
それぞれの試料に関して、表2〜6に明示された成分を、遠心混合器(SpeedMixer(商標)DAC 150,FlackTek Inc.)を使用して、硬化剤成分の記載された量(重量部)において混合し、そして混合物を、湿分の不在下で貯蔵した。
同様に、表2〜6に明示された樹脂成分の成分を処理し、そして貯蔵した。
その後、遠心混合器を使用して、それぞれの組成物の2成分を均質液体へと処理し、そしてこの液体を次の通り即座に試験した。
混合の10分後、20℃での粘度を確認した(「粘度(10’)」)。
ガラスプレートの上に500μmのフィルム厚で第1のフィルムをドローダウンし、これを標準状態で貯蔵/硬化した。このフィルム上で、Koenig硬度(Koenigの振り子硬度(pendulum hardness)、DIN EN ISO 1522に従って測定)を、1日後(「Koenig硬度(1d SC)」)、2日後(「Koenig硬度(2d SC)」)、4日後(「Koenig硬度(4d SC)」)、7日後(「Koenig硬度(7d SC)」)および14日後(「Koenig硬度(14d SC)」)に決定した。14日後にフィルムの外観を評価した(表中に「外観(SC)」として示される)。表中で「美しい」と示されたフィルムは透明であり、かつ構造のない光沢性かつ非粘着性表面を有した。「構造」とは、表面上のいずれかの種類のマーキングまたはパターンを示す。
ガラスプレートの上に500μmのフィルム厚で第2のフィルムをドローダウンし、そしてこのフィルムを適用直後に、8℃および80%相対湿度において7日間、その後、標準状態で3週間、貯蔵または硬化した。適用の24時間後に、ポリプロピレンのボトルキャップを、湿らせたスポンジをその下にして、フィルム上に置いた。さらに24時間後、スポンジとキャップを取り除き、フィルムの新たな別の場所に置いた。これを、24時間後に再び取り除き、新たな場所に置いた。これを合計4回行った。この後、これらのフィルムの外観を、外観(SC)に関して記載された方法と同じ方法で評価した(表中で「外観(8°/80%)」として示される)。それぞれの試料に関して、湿らせたスポンジおよび/または適用されたキャップの結果としてのフィルム中の目視できるマークの数も報告する。この方法で硬化されたフィルムにおいて、それぞれの試料においてKoenig硬度を8℃および80%の相対湿度で7日間後(「Koenig硬度(7d 8°/80%)」)、次いで、SC下でさらに2日間後(「Koenig硬度(+2d SC)」)、SC下で7日間後(「Koenig硬度(+7d SC)」)およびSC下で14日間後(「Koenig硬度(+14d SC)」)またはSC下で3週間後(「Koenig硬度(+3w SC)」)に再び決定した。
黄色化は、ガラスプレートの上に500μmのフィルム厚でさらなるフィルムをドローダウンし、そしてこのフィルムを4週間、標準状態で貯蔵または硬化し、次いで、フィルムの半分をアルミニウム箔で被覆し、そしてこのフィルムを実験室で日光に暴露することによって決定した。3カ月後、アルミニウム箔を取り外し、そしてフィルムの被覆された部分と被覆されていない部分との間の観察された色差による黄色化を視覚的に評価した。ここで、「ゼロ」は知覚可能な色差がないことを意味し、「小」はわずかな色差を意味し、「中」は明らかな色差を意味し、そして「大」は重大な色差を意味する。
黄色化のために使用されるさらなる基準は、耐候試験器での暴露後の色変化であった。この目的のため、ガラスプレートの上に500μmのフィルム厚でさらなるフィルムをドローダウンし、そしてこのフィルムを2週間、標準状態で貯蔵または硬化し、その後、Q−SUN Daylight−Q光学フィルターおよびキセノンランプを備えたQ−Sun Xenon Xe−1耐候試験器において、340nmおよび65℃の温度において72時間、0.51W/mの光度で暴露した(Q−Sun(72時間))。その後、Silicon Photoelectric Diode Detector,Light Source A,Color Space Measurement Interface CIE Lを備えたShenzen 3NH Technology Co.LTDからのNH310比色計を使用して、相当する未暴露のフィルムと比較して、そのようにして暴露されたフィルムの色差ΔEを決定した。ここで、0.5〜1.5のΔE値は少しの色差、1.5〜3のΔE値は顕著な色差、3〜6のΔE値は明らかに可視の色差、そして6以上のΔE値は大きい色差を表す。
結果を表2〜6に報告する。
エポキシ樹脂組成物Ex−1〜Ex−18は本発明の実施例である。エポキシ樹脂組成物Ref−1〜Ref−10は比較例である。
Figure 2017530213
Figure 2017530213
Figure 2017530213
Figure 2017530213
Figure 2017530213

Claims (15)

  1. エポキシ樹脂用硬化剤としての式(I)
    Figure 2017530213
    (式中、
    nは0または1または2または3であり、
    Rは、水素基であるか、またはメチルもしくはフェニルであり、
    Xは、それぞれ、1〜18個の炭素原子を有するアルキル、アルコキシおよびジアルキルアミノからなる群から選択される同一または異なる基であり、かつ
    Yは、水素基または次式
    Figure 2017530213
    の基である)のアミンの使用。
  2. Rが水素基であるか、またはメチルであることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
  3. Yが水素基であり、かつnが0であることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の使用。
  4. YおよびRが、それぞれ、水素基であり、かつnが0であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の使用。
  5. Yが水素基であり、nが1であり、かつXがメトキシであるか、またはジメチルアミノであることを特徴とする、請求項1および2のいずれか一項に記載の使用。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種の式(I)のアミンを含む、少なくとも1種の式(II)
    Figure 2017530213
    のアルデヒドまたはケトンおよび水素による1,2−プロピレンジアミンの還元アルキル化からの反応生成物の、エポキシ樹脂用硬化剤としての使用。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種の式(I)のアミンと、少なくとも1種のさらなるアミンおよび/または少なくとも1種の促進剤とを含む、エポキシ樹脂用硬化剤。
  8. 前記促進剤が、サリチル酸または2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノールあるいはそれらの組合せであることを特徴とする、請求項7に記載の硬化剤。
  9. 前記さらなるアミンが、(i)エポキシド基に対して反応性である、少なくとも3個のアミン水素を有する少なくとも1種のポリアミンと、(ii)少なくとも1種のエポキシドとの少なくとも1種の付加物を含むことを特徴とする、請求項7および8のいずれか一項に記載の硬化剤。
  10. 1〜95重量%の式(I)のアミンが存在することを特徴とする、請求項7〜9のいずれか一項に記載の硬化剤。
  11. 5重量%以下の取り込み不可能な希釈剤を含有することを特徴とする、請求項7〜10のいずれか一項に記載の硬化剤。
  12. −少なくとも1種のエポキシ樹脂を含む樹脂成分と、
    −請求項1〜5のいずれか一項に記載の少なくとも1種の式(I)のアミンを含む硬化剤成分と
    を含む、エポキシ樹脂組成物。
  13. 請求項12に記載のエポキシ樹脂組成物を含むコーティング。
  14. 請求項12および13のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物の硬化から得られる、硬化組成物。
  15. 請求項1〜4のいずれか一項に記載の式(I)のアミンを添加することを特徴とする、エポキシ樹脂用硬化剤および/またはエポキシ樹脂の希釈方法。
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