JP2017529866A - 事象特異的な検出方法 - Google Patents

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Abstract

本開示は、組換えジャガイモ植物体から作られた食品製品を含む、組換えジャガイモ植物体において遺伝物質を同定するための方法に関する。本開示は、本明細書に記載されている方法において利用される、ヌクレオチドプライマーおよびプローブを含めた材料に関する。さらに、本開示は、遺伝子組換え事象の結果として生じる、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列それ自体、および前記接合部配列を検出する方法を提供する。一局面において、核酸試料における植物形質転換事象の存在を検出するための定量的PCR方法が提供される。

Description

関連出願への相互参照
この出願は、2014年10月10日に出願された米国仮特許出願第62/062,324号および2015年2月19日に出願された米国仮特許出願第62/118,320号(これら各々の全容は、全ての目的のためにその全体が参考として本明細書に援用される)に対する優先権の利益を主張する。
電子的に提出されたテキストファイルの説明
本明細書とともに電子的に提出されたテキストファイルの内容は、その全体が参考として本明細書に援用される:配列表のコンピュータで読み込み可能なフォーマットのコピー(ファイル名:JRSI_062_02US_SeqList_ST25.txt、記録日:2015年10月4日、ファイルサイズ:約26キロバイト)。
本開示は、組換えジャガイモ植物体から作られた食品製品を含む、組換えジャガイモ植物体において遺伝物質を同定するための方法に関する。さらに、本開示は、本明細書に記載されている方法において利用される、ヌクレオチドプライマー、プローブ、および天然には存在しないヌクレオチド接合部配列それ自体を含めた材料に関する。
ジャガイモは、世界で4番目に最も重要な食用作物であり、群を抜いて最も重要な野菜である。ジャガイモは現在、米国のほぼ全ての州で商業的に育てられている。年間のジャガイモ生産は米国では1800万トン、世界的には3億トンを超える。ジャガイモの人気は、主にその多用性および栄養価に由来する。ジャガイモは、生で、凍結または乾燥させて使用することもでき、穀粉、デンプンまたはアルコールに加工することもできる。ジャガイモは、複合炭水化物を含有し、カルシウム、ナイアシンおよびビタミンCが豊富である。
食品産業におけるジャガイモの品質は、以下の2つの重大な因子の影響を受ける:(1)ジャガイモは、揚げた時または焼いた時に急速に酸化されて発がん性生成物であるアクリルアミドを形成する非必須遊離アミノ酸であるアスパラギンを大量に含有すること、および(2)ジャガイモは、打撲を受けたジャガイモの損傷した色素体からポリフェノールオキシダーゼが漏出した時に起こる望ましくない事象である、酵素による褐変および変色を高度に受けやすいこと。細胞質では、この酵素によりフェノールが酸化され、次いでこれが急速に重合して濃い色素が生じる。塊茎は、リン酸化されたデンプンを大量に含有し、その一部は貯蔵中に分解されてグルコースおよびフルクトースが生じる。120℃を超える温度で加熱すると、これらの還元糖がアミノ酸と反応してアクリルアミドを含めたメイラード生成物を形成する。2種の酵素、水ジキナーゼ(water dikinase)R1およびホスホリラーゼ−L(R1およびPhL)がデンプンリン酸化に関与する。褐変はまた、デンプンのグルコースおよびフルクトースへの部分分解の結果として、非酵素的にも誘発される。
上述の2つの因子に対処するために、アクリルアミド含有量が少なく、打撲黒斑(black spot bruise)耐性が増大しており、還元糖のレベルが低下した塊茎を生じるジャガイモ植物体品種が現在開発されてきている(そのそれぞれが全体として本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,754,303号、「Potato Cultivar J3」;米国特許第8,710,311号、「Potato Cultivar F10」;米国特許第8,889,963号、「Potato Cultivar J55」;米国特許出願第14/072,487号、「Potato Cultivar E12」;および、疫病に対しても抵抗性である、米国特許第8,889,964号、「Potato Cultivar W8」)。これらの改変ジャガイモ植物体は、細菌由来の外来核酸をジャガイモに導入することを伴わずに、遺伝学的事象を導入することによって開発されてきた。
米国特許第8,754,303号明細書 米国特許第8,710,311号明細書 米国特許第8,889,963号明細書
しかし、これらの改変ジャガイモ植物体から作られた食品製品を含む、これらの改変ジャガイモ植物体において、導入された遺伝物質を同定するための方法および材料の重要な必要性が産業において存在する。具体的には、所与のジャガイモ、またはジャガイモ製品が、特定の導入された遺伝子形質転換事象を含有するかどうかを決定するための方法および材料が必要である。
本開示は、植物体における遺伝子形質転換事象を同定する方法を提供する。一部の実施形態では、植物体は、ジャガイモである。本明細書に記載されている方法は、植物の形質転換の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部を検出するために広範に適用可能である。一部の態様では、Agrobacterium媒介性ベクターを通じて起こる植物形質転換事象により、本方法によって検出することができる、独特の天然には存在しないヌクレオチド接合部配列が創出される。これらの形質転換事象は、任意の植物種において検出することができるが、例示されているある特定の実施形態では、本明細書で教示される方法は、8種のジャガイモ栽培品種における、天然には存在しないヌクレオチド接合部の検出を教示するものである。
一部の態様では、本開示は、ジャガイモ植物体のゲノムに対してネイティブである、挿入された核酸配列を含み、Agrobacterium DNA、ウイルス性マーカー、またはベクター骨格配列を含有しない形質転換されたジャガイモを検出することができる方法および材料を提供する。もっと正確に言えば、ジャガイモ品種(variety)のゲノムに挿入され、本明細書に記載されている方法の実施形態によって検出されるDNAは、ジャガイモに対してネイティブであるか、または野生ジャガイモに対してネイティブであるか、または有性生殖適合性の(sexually−compatible)ジャガイモ植物体に対してネイティブである、非コードポリヌクレオチドであり得る。これらの導入されたヌクレオチドは、打撲黒斑の発現、アスパラギンの蓄積、および還元糖の蓄積に関与する遺伝子がサイレンシングされるように機能する。したがって、これらの導入遺伝子により、形質転換されたジャガイモにおけるアクリルアミド含有量が少なくなる。さらに、本明細書で教示される方法により、疫病に対する抵抗性を付与する、ジャガイモに導入される遺伝子、および一部の態様ではコードするポリヌクレオチドを検出することができる。上述の挿入DNAにより、天然には見出されない、独特の天然には存在しないヌクレオチド接合部が創出される。
したがって、本明細書において教示される形質転換事象により、形質転換されたジャガイモにおける非天然ヌクレオチド「接合部」配列の創出が導かれる。これらの天然には存在しないヌクレオチド接合部は、特定の遺伝子形質転換事象の存在を示す診断薬の一種として使用することができる。上述の通り、本明細書で教示される方法は、ジャガイモに限定されない。もっと正確に言えば、本発明において利用した8種のジャガイモ栽培品種により、任意の植物種における、植物の形質転換の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部配列を検出する本方法の適用性が実証される。
本技法は、一意的に設計されたプライマーおよびプローブを含む特殊化された定量的PCR方法を利用することにより、これらの天然には存在しないヌクレオチド接合部を検出することができる。一部の態様では、本開示のプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列に結合する。一部の態様では、従来のPCRを利用する。他の態様では、リアルタイムPCRを利用する。一部の態様では、定量的PCR(qPCR)を利用する。
したがって、本開示は、PCR産物をリアルタイムで検出するための、2つの一般的な方法の利用を包含する:(1)あらゆる二本鎖DNAにインターカレートする非特異的蛍光色素、および(2)プローブとその相補配列がハイブリダイズした後にのみ検出することが可能になる、蛍光レポーターで標識されたオリゴヌクレオチドからなる配列特異的DNAプローブ。一部の態様では、天然には存在しないヌクレオチド接合部のみが、教示されるプライマーによって増幅され、したがって、非特異的染料によってか、または特異的なハイブリダイゼーションプローブを利用することによって検出することができる。
さらに、開示されている形質転換事象の結果として生じる、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列を創出することにより、天然には見出されない独特のヌクレオチド配列を創出した。これらの配列は、単離することができ、そのような分子を創出するために人間の手が介在しなければ天然には存在しないヌクレオチド分子を含む。さらに、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列に結合する、開示されているプローブ配列もまた、天然には見出されない新規のヌクレオチド分子である。したがって、本開示の態様は、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列分子自体、それと共に、穏やかなハイブリダイゼーション条件からストリンジェントなハイブリダイゼーション条件までの下で前記天然には存在しないヌクレオチド接合部配列に結合することが可能な他のヌクレオチド分子に関する。一部の態様では、穏やかなハイブリダイゼーション条件からストリンジェントなハイブリダイゼーション条件までの下で前記天然には存在しないヌクレオチド接合部配列に結合することが可能なヌクレオチド分子は、「ヌクレオチドプローブ」と称される。
したがって、本開示には、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9遺伝子形質転換事象を検出する代表的な方法が記載されている。本開示は、上述の形質転換事象の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部配列を検出する方法を提供する。これらの8例は、任意の植物種における、形質転換事象の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部配列の検出のより大きな属を可能にする種としての機能を果たす。
一実施形態では、核酸試料における植物形質転換事象の存在を検出するための定量的PCR方法であって、a)i)フォワードヌクレオチドプライマーとリバースヌクレオチドプライマーの対、ii)ヌクレオチドプローブ、およびiii)検出しようとする天然には存在しないヌクレオチド接合部を含む前記試料由来の標的ヌクレオチド配列を組み合わせるステップであり、ヌクレオチドプローブが、天然には存在しないヌクレオチド接合部、または天然には存在しないヌクレオチド接合部の存在を示す配列に結合するステップと、b)前記試料から標的ヌクレオチド配列を検出するステップとを含む定量的PCR方法が提供される。
一態様では、天然には存在しないヌクレオチド接合部は、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9、またはこれらの組合せからなる群より選択される植物形質転換事象の結果として生じる。一部の態様では、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列は、食品製品材料において見出される。特定の態様では、食品製品材料は、ジャガイモ食品製品材料である。
一態様では、標的ヌクレオチド配列は、配列番号1〜48からなる群より選択される、少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む。
一態様では、フォワードヌクレオチドプライマーとリバースヌクレオチドプライマーの対およびヌクレオチドプローブが、配列番号52〜90からなる群より選択される。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号52を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号53を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号54を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、E12事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号55を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号56を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号57を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、F10事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号58を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号59を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号60を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、J3事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号61を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号62を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号63を含み、ヌクレオチドプローブは、J55事象に存在する、天然には存在しないヌクレオチド接合部の存在を示す配列に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号64または67を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号65または68を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号66または69を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、V11事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号70を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号71を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号72を含み、ヌクレオチドプローブは、W8事象に存在する、天然には存在しないヌクレオチド接合部の存在を示す配列に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号73を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号74を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号75を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、X17事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号76を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号77を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号78を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、Y9事象の左側または右側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号79を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号80を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号81を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、pSIM1278に付随する内側のAGP/Asn1接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号82を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号83を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号84を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、pSIM1278に付随する内側の接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号85を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号86を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号87を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、pSIM1678に付随する内側の接合部に結合する。特定の態様では、ヌクレオチドプローブは、内側のVnt1ターミネーター/pAgp接合部に結合する。
一実施形態では、フォワードヌクレオチドプライマーは配列番号88を含み、リバースヌクレオチドプライマーは配列番号89を含み、ヌクレオチドプローブは配列番号90を含み、ヌクレオチドプローブは、天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する。
一実施形態では、ヌクレオチドプローブは、pSIM1678に付随する内側の接合部に結合する。
一実施形態では、pSIM1278またはpSIM1678に付随する天然には存在しない構築物特異的接合部配列が検出される。これらの実施形態では、表6「pSIM1278およびpSIM1678構築物接合部」および図5の両方に例示されている天然には存在しない接合部配列が検出される。
一実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、またはY9に関連する、天然には存在しない事象特異的接合部配列が検出される。これらの実施形態では、表6および図6の両方に例示されている天然には存在しない接合部配列が検出される。
一実施形態では、核酸試料は、ジャガイモ植物体、もしくはジャガイモ植物体の一部、またはジャガイモ由来食品製品、または、食品製品に利用される、ジャガイモに基づく成分に由来するものである。
一実施形態では、ジャガイモ植物体の一部は、ジャガイモの花、ジャガイモの花被片、ジャガイモの花弁、ジャガイモの萼片、ジャガイモの葯、ジャガイモの花粉、ジャガイモの種子、ジャガイモの葉、ジャガイモの葉柄、ジャガイモの茎、ジャガイモの根、ジャガイモの根茎、ジャガイモの匍匐枝、ジャガイモの塊茎、ジャガイモの苗条、ジャガイモの細胞、ジャガイモのプロトプラスト、ジャガイモ植物体組織、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つである。
一実施形態では、ジャガイモ由来食品製品は、ジャガイモ加工食品製品、ジャガイモ家畜飼料材料、フレンチフライ、ポテトチップ、乾燥ジャガイモ材料、ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモタンパク質、ジャガイモ粉(potation flour)、およびこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つである。
一実施形態では、核酸試料は、ジャガイモ由来食品製品に由来し、食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、Y9、またはこれらの組合せからなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を検出することが可能である。
一実施形態では、食品製品全体の20%未満、10%未満、5%未満、1%未満、および0.5%未満のレベルで形質転換事象を検出することが可能である。一実施形態では、食品製品全体の約0.1%から約5%までにわたるレベルで、または食品製品全体の約0.2%から約5.0%までにわたるレベルで、または食品製品全体の約0.1%から約10%までにわたるレベルで、形質転換事象を検出することが可能である。
一実施形態では、配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸接合部配列が提供される。
別の実施形態では、ジャガイモにpSIM1278および/またはpSIM1678を挿入することによって創出される天然には存在しないヌクレオチド接合部配列と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸接合部配列が提供される。一部の態様では、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列は、図5(構築物に特異的な接合部)および図6(事象特異的接合部)および表6に示されている。
別の実施形態では、配列番号1〜48からなる群より選択される、単離された天然には存在しない核酸接合部配列が提供される。一実施形態では、非天然ヌクレオチド接合部配列は表6に見出される。表6は、接合部配列が遺伝子挿入断片の「左側」または「右側」に含有されるか否かの表示も包含する。一部の態様では、これらの非天然ヌクレオチド接合部配列は、より長いヌクレオチド配列内に含まれる。例えば、表6中の配列は、30ヌクレオチド、40ヌクレオチド、50ヌクレオチド、60ヌクレオチド、70ヌクレオチド、80ヌクレオチド、90ヌクレオチド、100ヌクレオチド、200ヌクレオチド、300ヌクレオチド、400ヌクレオチド、500ヌクレオチド、またはそれ超の長さのヌクレオチドを含むヌクレオチド配列内に含まれる。
一実施形態では、配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と穏やかな条件下でハイブリダイズすることが可能な単離された天然には存在しない核酸配列が提供される。一実施形態では、配列番号1〜48からなる群より選択される核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な単離された天然には存在しない核酸配列が提供される。一部の態様では、配列番号1〜48とハイブリダイズすることが可能な上述の核酸配列は、ヌクレオチドプローブである。一部の態様では、ヌクレオチドプローブは、リアルタイムPCR用に構成されている。一部の態様では、プローブはレポーター分子で標識されている。
別の実施形態では、配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列が提供される。別の実施形態では、配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列が提供される。表7に記載されている通り、上述のプローブは、以下の、天然には存在しない、均等に特異的(even−specific)かつ構築物特異的ヌクレオチド接合部配列に結合することが可能である:54(E12)、57(F10)、60(J3)、63(J55)、66(V11)、69(V11)、72(W8)、75(X17)、78(Y9)、81(pSIM1278)、84(pSIM1278)、87(pSIM1678)、および90(pSIM1678)。
別の実施形態では、配列番号52〜90からなる群より選択される核酸と少なくとも75%、80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プライマーまたはプローブ配列が提供される。別の実施形態では、配列番号52〜90からなる群より選択される、単離された天然には存在しない核酸プライマーまたはプローブ配列が提供される。
上述の開示によるフォワードヌクレオチドプライマーおよびリバースヌクレオチドプライマーおよびヌクレオチドプローブを含むキットを、PCRおよびqPCR反応に利用する標準試薬と共に含むキットも本明細書で教示される。
さらに、一実施形態では、本開示は、アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子(fAsn1)の断片およびポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の3’−非翻訳配列をアンチセンス方向に含むDNAセグメントを2コピー含有する第1のサイレンシングカセットと、ジャガイモホスホリラーゼ−L(pPhL)遺伝子の断片およびジャガイモR1遺伝子の断片をアンチセンス方向に含むDNAセグメントを2コピー含有する第2のサイレンシングカセットとを含む、pSIM1278と称される植物ベクターを提供する。
pSIM1278ベクターは、植物の形質転換の前の植物DNAの維持を支持し、植物細胞の形質転換の際に植物細胞に移入されない、9,512bpの骨格領域と、形質転換の際に植物細胞のゲノムに安定に組み込まれるネイティブなDNAを含む、10,148bpのDNA挿入断片領域とを含む。
さらに、別の実施形態では、本開示は、Rpi−vnt1疫病抵抗性遺伝子(Vnt1)をセンス方向に含むDNAセグメントを1コピー含有する第1の発現カセットと、液胞酸性インベルターゼ(VInv)遺伝子の断片をアンチセンス方向に含むDNAセグメントを2コピー含有する第2のサイレンシングカセットを含む、pSIM1678と称される植物ベクターを提供する。
pSIM1678ベクターは、植物の形質転換の前の植物DNAの維持を支持し、植物細胞の形質転換の際に植物細胞に移入されない、9,512bpの骨格領域と、形質転換の際に植物細胞のゲノムに安定に組み込まれるネイティブなDNAを含む、9,090bpのDNA挿入断片領域とを含む。
本開示は、上述のDNA挿入断片領域が植物体に導入されたか否かを検出する方法を提供する。上述の通り、挿入されたDNAの領域により、独特の非天然ヌクレオチド接合部配列の形成が導かれる。これらの接合部配列は、本開示の他の箇所の中でも、表6、図5、および図6に見出すことができる。
さらに、本開示により、植物体への遺伝物質の導入にpSIM1278および/またはpSIM1678ベクターが利用されたか否かを検出することができる。一部の実施形態では、植物体は、ジャガイモである。しかし、本明細書に開示されている本方法および材料は、任意の適切な植物に導入された、教示される遺伝学的事象の存在を検出するために使用することができる。本方法は、植物体への遺伝物質の導入にpSIM1278ベクターおよび/またはpSIM1678ベクターが利用されたか否かを検出するために利用することができるので、本方法により、そのようなベクターを利用して植物体にDNAが導入された任意の植物体、または任意のジャガイモ植物体における形質転換を検出することができる。
実施形態では、方法は、バイオテクノロジーによるジャガイモ食品製品の事象特異的検出をもたらすために、DNA抽出が最適化されるように開発されたものである。
本明細書のある特定の実施形態では、教示される事象特異的または構築物特異的な検出プロトコールにおいて使用される全ての設備、試薬、および方法に関する詳細な説明が提示される。さらに、ある特定の態様では、教示されるPCR DNA抽出手順と、それと共にDNAの質についてのスクリーニングの再現性を裏付けるために、データが提示される。
PCRによる事象特異的、または構築物特異的な検出に関する教示される態様の一部では、リアルタイムPCRの全ての手順が、食品製品中の低レベル(0.2〜5.0%)のバイオテクノロジーによるジャガイモを検出可能であることの証拠と共に概説されている。
本開示の一態様では、植物DNAベクターのサイレンシングカセットのうちの1つまたは複数を発現するジャガイモ植物体品種は、以下の形質転換事象:E12(Russet Burbank)、J3(Atlantic)、J55(Atlantic)、F10(Ranger Russet)、W8(Russet Burbank)、V11(Snowden)、X17(Ranger Russet)、およびY9(Atlantic)からなる群より選択される。本開示は、上述の遺伝子形質転換事象のいずれかの存在を検出するために有用な方法および材料を教示する。これらの事象は、ジャガイモ植物体の一部を利用して検出することができる。
特定の実施形態では、ジャガイモ植物体の任意の一部分を利用して、本明細書において教示される検出方法に組み入れるための遺伝物質を単離することができる。一部の態様では、教示される方法では、ジャガイモ植物体の胚、プロトプラスト、分裂組織細胞、カルス、花粉、葉、葯、雌ずい、子葉(cotyledon)、胚軸、根、根端、花、種子、葉柄、塊茎、芽、または茎を供給源材料として利用する。さらに、本開示は、ジャガイモ植物体から生産される任意の製品を供給源材料として利用する方法を提供する。一部の態様では、食品製品は、フレンチフライ、ポテトチップ、乾燥ジャガイモ材料、ジャガイモフレーク、またはジャガイモ顆粒である。
特定の態様では、4種の異なるジャガイモ品種(Russet Burbank、Ranger Russet、Atlantic、およびSnowden)をpSIM1278構築物で形質転換した。一部の実施形態では、これらのジャガイモは、「GEN1」または世代1または第1世代と称され、E12(Russet Burbank)、J3(Atlantic)、J55(Atlantic)、F10(Ranger Russet)、およびV11(Snowden)を含む。
別の態様では、Russet Burbank、Ranger Russet、およびAtlanticジャガイモ品種をpSIM1278構築物とpSIM1678構築物の両方で形質転換した。一部の実施形態では、これらのジャガイモは、「GEN2」または世代2または第2世代と称され、W8(Russet Burbank)、X17(Ranger Russet)、およびY9(Atlantic)を含む。
低アクリルアミド含有量および/または打撲黒斑耐性の増大を示した8つの事象を同定した:E12(Russet Burbank)、J3(Atlantic)、J55(Atlantic)、F10(Ranger Russet)、W8(Russet Burbank)、V11(Snowden)、X17(Ranger Russet)、およびY9(Atlantic)。W8事象、X17事象、およびY9事象は、疫病に対する抵抗性の増大も示した。これらの事象は全て、本明細書に開示されている事象特異的または構築物特異的な検出方法によって検出することができる。
本開示の一実施形態は、各形質転換事象を遺伝的に同定するための、構築物特異的および品種/事象特異的なプライマーおよびプローブおよびqPCR条件を教示する。
一態様では、本開示は、E12(Russet Burbank)、J3(Atlantic)、J55(Atlantic)、F10(Ranger Russet)、W8(Russet Burbank)、V11(Snowden)、X17(Ranger Russet)、およびY9(Atlantic)からなる群より選択される形質転換事象を同定するために利用するqPCR方法を教示する。
本開示の一実施形態は、試料を、1つまたは複数のトランスジェニック植物事象に由来する材料が存在するかしないかについて検査する方法であって、(a)試料中に、配列番号1〜48を有するヌクレオチド配列の1つ、1つ超、または全部を含む核酸が存在するかしないかを検出するステップと、(b)試料中に前記配列番号が存在するかしないかに基づいて、試料が、植物形質転換事象に由来する遺伝物質を含有するか否かを結論付けるステップとを含む方法を教示する。これらの配列は、形質転換事象の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部を示すものである。これらの非天然接合部配列は、とりわけ、表6において、遺伝子挿入断片の「左側」または「右側」に接合部配列が含有されるか否かの表示と共に概説されている。さらに、前記事象の視覚的な描写を、とりわけ、図5および図6に見出すことができる。
一部の態様では、試料中に核酸が存在するかしないかを、PCR増幅を使用して検出する。一部の態様では、リアルタイムPCR増幅を使用する。一部の態様では、教示される方法では、配列番号52〜90を有する、表7のプライマー/プローブセット、または前記プライマー/プローブセットのバリアントを利用する。一部の態様では、配列番号49〜51を使用して対照を検出する。
一部の実施形態では、試料は、事象E12に存在するpSIM1278の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象E12は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象F10に存在するpSIM1278の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象F10は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象J3に存在するpSIM1278の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象J3は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象J55に存在するpSIM1278の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象J55は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象V11に存在するpSIM1278の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象V11は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象W8に存在するpSIM1278の挿入断片領域およびpSIM1678の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象W8は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。さらなる実施形態では、事象W8は、内在性液胞酸性インベルターゼ遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、疫病抵抗性遺伝子Rpi−Vnt1を発現させるために有効なセンスジャガイモDNAとを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象X17に存在するpSIM1278の挿入断片領域およびpSIM1678の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象X17は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。さらなる実施形態では、事象X17は、内在性液胞酸性インベルターゼ遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、疫病抵抗性遺伝子Rpi−Vnt1を発現させるために有効なセンスジャガイモDNAとを含有する。
一部の実施形態では、試料は、事象Y9に存在するpSIM1278の挿入断片領域およびpSIM1678の挿入断片領域を含む。さらなる実施形態では、事象Y9は、内在性アスパラギンシンテターゼ−1遺伝子および内在性ポリフェノールオキシダーゼ−5遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、ホスホリラーゼ−L遺伝子およびジキナーゼR1遺伝子に対する内在性ジャガイモプロモーターの逆方向反復とを含有する。さらなる実施形態では、事象Y9は、内在性液胞酸性インベルターゼ遺伝子の発現を阻害するために有効なジャガイモDNAの逆方向反復と、それに加えて、疫病抵抗性遺伝子Rpi−Vnt1を発現させるために有効なセンスジャガイモDNAとを含有する。
一実施形態では、本開示は、5’末端が6−カルボキシフルオレセインで標識され、3’末端がBlack Hole Quenchers(商標)で標識されたヌクレオチドプローブを利用するqPCRプロトコールを提供する。しかし、任意のハイブリダイゼーションプローブおよび任意のレポーター分子を構築してよいことが当業者には理解されよう。
一部の実施形態では、PCR増幅の効率は、90%〜110%である。別の実施形態では、PCR増幅の直線性を、R値によって測定する。一部の実施形態では、R値は、0.98を超えるかまたはそれと等しい。一部の実施形態では、PCR増幅により、少なくとも24pgのジャガイモの葉のDNAを、60℃のアニーリング/伸長温度を使用して、34サイクルから35サイクルの間の増幅で検出することができる。一部の実施形態では、PCR増幅は頑強である。一部の実施形態では、PCR増幅の熱サイクル条件は、(a)最初の変性のために95℃で600秒間のPCRサイクルを1回;(b)45回のPCRサイクル:変性のために95℃で15秒間、次いで、アニーリング/伸長のために60℃で60秒間を含む。一部の実施形態では、熱サイクル条件は、(a)最初の変性のために95℃で600秒間のPCRサイクルを1回;(b)40回のPCRサイクル:変性のために95℃で15秒間、次いで、アニーリングのために60℃で15秒間、次いで、伸長のために72℃で10秒間を含む。
一部の実施形態では、試料は、花、花被片、花弁、萼片、葯、花粉、種子、葉、葉柄、茎、根、根茎、匍匐枝、塊茎もしくは苗条、もしくはその一部を含めた植物体もしくはその一部、植物細胞、植物プロトプラストおよび/または植物組織、および/または植物由来材料、好ましくは、加工食品もしくは飼料材料を含めた食品もしくは飼料材料を含む。一部の実施形態では、加工食品製品は、フレンチフライ、ポテトチップ、乾燥ジャガイモ材料、ジャガイモフレーク、ジャガイモタンパク質、ジャガイモ粉、およびジャガイモ顆粒からなる群より選択される。
一部の実施形態では、試料は食品製品を含む。さらなる実施形態では、食品製品は、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来する材料の混合物を含む。一部の実施形態では、材料は、ポテトフライ、ポテトチップ、ジャガイモフレーク、およびジャガイモの塊茎を含む。
一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモの塊茎および/またはポテトフライは、食品製品全体の約1%未満を構成する。一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモの塊茎および/またはポテトフライは、食品製品全体の約0.5%未満を構成する。一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモの塊茎および/またはポテトフライは、食品製品全体の約0.2%を構成する。
一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するポテトチップは、食品製品全体の約10%未満を構成する。一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するポテトチップは、食品製品全体の約5%を構成する。
一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモフレークは、食品製品全体の約15%未満を構成する。一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモフレークは、食品製品全体の約8%未満を構成する。一部の実施形態では、事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、および/またはY9に由来するジャガイモフレークは、食品製品全体の約2.5%を構成する。
本明細書では、配列番号1〜90から選択される配列を含む単離されたヌクレオチド配列が教示される。
本明細書では、試料を、1つまたは複数の形質転換植物事象に由来する材料が存在するかしないかの潜在性について検査するためのキットであって、1つ、1つ超、または全てのプライマー/プローブセット、または前記プライマー/プローブセットのバリアントを含むキットが教示される。本開示のキットは、前記キットの指示/使用説明書も含んでよい。
上記の例示的な態様および実施形態に加えて、以下の説明を考察することにより、さらなる態様および実施形態が明らかになろう。
図1は、pSIM1278形質転換ベクターを示す。左側のベクター骨格領域は、10,149bpの位置で始まり、19,660bpの位置で終わる、9,512bpの長さである。骨格DNAは、主に、植物の形質転換の前のDNA挿入断片の維持の支持をもたらす細菌DNAからなる。隣接境界配列を含めたDNA挿入断片領域(右側)は、10,148bpの長さである(1bpから10,148bpまで)。DNA挿入断片は、形質転換の際にジャガイモゲノムに安定に組み込まれた。
図2は、pSIM1278形質転換ベクターに挿入したDNA挿入断片内の2つのサイレンシングカセットの略図を提供する。各サイレンシングカセットは、スペーサーによって分離された、2コピーの2つの遺伝子断片を含有する。2コピーの、標的化された4つの遺伝子、すなわち、Asn−1、Ppo−5、PhlおよびR1の断片を含むDNAセグメントを、Proで示される、主に塊茎において活性である2つの収束プロモーターの間に逆方向反復として挿入した。結果として得られる、サイレンシングカセットを含有する植物体は、塊茎において、意図された標的遺伝子を動的にかつ勢いよくサイレンシングする、RNA分子の多様かつポリアデニル化されていないアレイを生じる。収束転写(convergent transcription)により、衝突転写(collisional transcription)がもたらされるので、RNA分子のサイズは、一般に、使用した2つのプロモーター間の距離よりも小さかった。
図3は、本発明のpSIM1678形質転換ベクターを示す。左側のベクター骨格領域は、9,091bpの位置で始まり、18,602bpの位置で終わる、9,512bpの長さである。骨格DNAは、主に植物の形質転換の前のDNA挿入断片の維持の支持をもたらす細菌DNAからなる。隣接境界配列を含めたDNA挿入断片領域(右側)は、9,090bpの長さである(1bpから9,090bpまで)。DNA挿入断片は、形質転換の際にジャガイモゲノムに安定に組み込まれた。
図4A〜Dは、ジャガイモ事象E12、F10、J3、およびJ55におけるDNA挿入断片の構造の図を示す。略語は、以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、AGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、GBS=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、ASN1=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子に由来するプローブ、fASN1=アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子の断片、fPPO5=ポリフェノールオキシダーゼ5(Ppo5)遺伝子の断片、pPHL=第2の逆方向反復カセットに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターの断片、PHL=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターに由来するプローブ、pRL=第2の逆方向反復カセットに使用される、水ジキナーゼR1遺伝子のプロモーターの断片、スペーサー=各逆方向反復のアーム間の配列、RV=制限酵素EcoRV、Hd=制限酵素Hind III、R1=制限酵素EcoRI、Sc=制限酵素ScaI。太い黒線は、DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用されるDNA挿入断片の種々の領域に対するプローブを示す。屈曲した矢印は、それぞれのプロモーターの転写開始部位を指す。白い矢じりは、各逆方向反復カセット内の所与の遺伝子またはプロモーター断片についての各鎖の方向(センスまたはアンチセンス)を示す。数字は、DNA挿入断片内のヌクレオチド位を示す。ヌクレオチド1位は、LBの後ろのAGPプロモーターの始まりである。表2は、DNA挿入断片の各エレメントに関するさらなる詳細を示す。栽培品種を以下の通り示す:図4A−F10挿入断片;図4B−E12挿入断片;図4C−J3挿入断片;図4D−J55挿入断片。 図4A〜Dは、ジャガイモ事象E12、F10、J3、およびJ55におけるDNA挿入断片の構造の図を示す。略語は、以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、AGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、GBS=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、ASN1=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子に由来するプローブ、fASN1=アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子の断片、fPPO5=ポリフェノールオキシダーゼ5(Ppo5)遺伝子の断片、pPHL=第2の逆方向反復カセットに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターの断片、PHL=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターに由来するプローブ、pRL=第2の逆方向反復カセットに使用される、水ジキナーゼR1遺伝子のプロモーターの断片、スペーサー=各逆方向反復のアーム間の配列、RV=制限酵素EcoRV、Hd=制限酵素Hind III、R1=制限酵素EcoRI、Sc=制限酵素ScaI。太い黒線は、DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用されるDNA挿入断片の種々の領域に対するプローブを示す。屈曲した矢印は、それぞれのプロモーターの転写開始部位を指す。白い矢じりは、各逆方向反復カセット内の所与の遺伝子またはプロモーター断片についての各鎖の方向(センスまたはアンチセンス)を示す。数字は、DNA挿入断片内のヌクレオチド位を示す。ヌクレオチド1位は、LBの後ろのAGPプロモーターの始まりである。表2は、DNA挿入断片の各エレメントに関するさらなる詳細を示す。栽培品種を以下の通り示す:図4A−F10挿入断片;図4B−E12挿入断片;図4C−J3挿入断片;図4D−J55挿入断片。 図4A〜Dは、ジャガイモ事象E12、F10、J3、およびJ55におけるDNA挿入断片の構造の図を示す。略語は、以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、AGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、GBS=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、ASN1=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子に由来するプローブ、fASN1=アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子の断片、fPPO5=ポリフェノールオキシダーゼ5(Ppo5)遺伝子の断片、pPHL=第2の逆方向反復カセットに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターの断片、PHL=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターに由来するプローブ、pRL=第2の逆方向反復カセットに使用される、水ジキナーゼR1遺伝子のプロモーターの断片、スペーサー=各逆方向反復のアーム間の配列、RV=制限酵素EcoRV、Hd=制限酵素Hind III、R1=制限酵素EcoRI、Sc=制限酵素ScaI。太い黒線は、DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用されるDNA挿入断片の種々の領域に対するプローブを示す。屈曲した矢印は、それぞれのプロモーターの転写開始部位を指す。白い矢じりは、各逆方向反復カセット内の所与の遺伝子またはプロモーター断片についての各鎖の方向(センスまたはアンチセンス)を示す。数字は、DNA挿入断片内のヌクレオチド位を示す。ヌクレオチド1位は、LBの後ろのAGPプロモーターの始まりである。表2は、DNA挿入断片の各エレメントに関するさらなる詳細を示す。栽培品種を以下の通り示す:図4A−F10挿入断片;図4B−E12挿入断片;図4C−J3挿入断片;図4D−J55挿入断片。 図4A〜Dは、ジャガイモ事象E12、F10、J3、およびJ55におけるDNA挿入断片の構造の図を示す。略語は、以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、AGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、GBS=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、ASN1=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子に由来するプローブ、fASN1=アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子の断片、fPPO5=ポリフェノールオキシダーゼ5(Ppo5)遺伝子の断片、pPHL=第2の逆方向反復カセットに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターの断片、PHL=DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターに由来するプローブ、pRL=第2の逆方向反復カセットに使用される、水ジキナーゼR1遺伝子のプロモーターの断片、スペーサー=各逆方向反復のアーム間の配列、RV=制限酵素EcoRV、Hd=制限酵素Hind III、R1=制限酵素EcoRI、Sc=制限酵素ScaI。太い黒線は、DNAゲルブロットハイブリダイゼーションに使用されるDNA挿入断片の種々の領域に対するプローブを示す。屈曲した矢印は、それぞれのプロモーターの転写開始部位を指す。白い矢じりは、各逆方向反復カセット内の所与の遺伝子またはプロモーター断片についての各鎖の方向(センスまたはアンチセンス)を示す。数字は、DNA挿入断片内のヌクレオチド位を示す。ヌクレオチド1位は、LBの後ろのAGPプロモーターの始まりである。表2は、DNA挿入断片の各エレメントに関するさらなる詳細を示す。栽培品種を以下の通り示す:図4A−F10挿入断片;図4B−E12挿入断片;図4C−J3挿入断片;図4D−J55挿入断片。
図5は、プラスミド構築物pSIM1278およびpSIM1678の挿入断片領域内の構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6の配列番号3〜16および配列番号42〜48に対応する。pSIM1278の挿入断片領域についての略語は以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、pAGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、pGbss=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、ASN=アスパラギンシンターゼ1(Asn1)遺伝子の断片、PPO=ポリフェノールオキシダーゼ5(Ppo5)遺伝子の断片、PHL=第2の逆方向反復カセットに使用される、ホスホリラーゼ−L遺伝子のプロモーターの断片、RL=第2の逆方向反復カセットに使用される、水ジキナーゼR1遺伝子のプロモーターの断片、赤い四角=各逆方向反復のアーム間のスペーサー配列。pSIM1678の挿入断片領域についての略語は以下の通りである:LB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した左境界(25塩基対の配列)、pAGP=ADPグルコースピロホスホリラーゼ遺伝子のプロモーター、pGbss=顆粒結合デンプン合成酵素遺伝子のプロモーター、RB=A.tumefaciens T−DNAの境界と類似した右境界(25塩基対の配列)、pVnt1=疫病抵抗性遺伝子Rpi−vnt1のネイティブなプロモーター、Vnt1=疫病(Phytophthora infestans)に対する抵抗性を付与する遺伝子、tVnt1=疫病抵抗性遺伝子Rpi−vnt1のネイティブなターミネーター、Inv=液胞酸性インベルターゼ遺伝子の断片。矢印は、各逆方向反復カセット内の所与の遺伝子またはプロモーター断片についての各鎖の方向(センスまたはアンチセンス)または所与のプロモーターについての転写の方向を示す。表2および表4は、各挿入断片領域の各エレメントに関するさらなる詳細を示す。
図6A〜Iは、Innate(商標)1.0挿入断片(pSIM1278)栽培品種E12、F10、V11、J3、J55、およびE56、ならびにInnate(商標)2.0挿入断片(pSIM1278およびpSIM1678)栽培品種W8、X17、およびY9についての事象特異的接合部および構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。挿入断片領域の上の数字は、事象特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。略語は、図5に記載の通りである。栽培品種挿入断片を以下の通り示す:図6A−E12の構造;図6B−F10の構造;図6C V11の構造;図6D−J3の構造;図6E−J55の構造;図6F−E56の構造;図6G W8の構造;図6H−X17の構造;図6I−Y9の構造。 図6A〜Iは、Innate(商標)1.0挿入断片(pSIM1278)栽培品種E12、F10、V11、J3、J55、およびE56、ならびにInnate(商標)2.0挿入断片(pSIM1278およびpSIM1678)栽培品種W8、X17、およびY9についての事象特異的接合部および構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。挿入断片領域の上の数字は、事象特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。略語は、図5に記載の通りである。栽培品種挿入断片を以下の通り示す:図6A−E12の構造;図6B−F10の構造;図6C V11の構造;図6D−J3の構造;図6E−J55の構造;図6F−E56の構造;図6G W8の構造;図6H−X17の構造;図6I−Y9の構造。 図6A〜Iは、Innate(商標)1.0挿入断片(pSIM1278)栽培品種E12、F10、V11、J3、J55、およびE56、ならびにInnate(商標)2.0挿入断片(pSIM1278およびpSIM1678)栽培品種W8、X17、およびY9についての事象特異的接合部および構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。挿入断片領域の上の数字は、事象特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。略語は、図5に記載の通りである。栽培品種挿入断片を以下の通り示す:図6A−E12の構造;図6B−F10の構造;図6C V11の構造;図6D−J3の構造;図6E−J55の構造;図6F−E56の構造;図6G W8の構造;図6H−X17の構造;図6I−Y9の構造。 図6A〜Iは、Innate(商標)1.0挿入断片(pSIM1278)栽培品種E12、F10、V11、J3、J55、およびE56、ならびにInnate(商標)2.0挿入断片(pSIM1278およびpSIM1678)栽培品種W8、X17、およびY9についての事象特異的接合部および構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。挿入断片領域の上の数字は、事象特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。略語は、図5に記載の通りである。栽培品種挿入断片を以下の通り示す:図6A−E12の構造;図6B−F10の構造;図6C V11の構造;図6D−J3の構造;図6E−J55の構造;図6F−E56の構造;図6G W8の構造;図6H−X17の構造;図6I−Y9の構造。 図6A〜Iは、Innate(商標)1.0挿入断片(pSIM1278)栽培品種E12、F10、V11、J3、J55、およびE56、ならびにInnate(商標)2.0挿入断片(pSIM1278およびpSIM1678)栽培品種W8、X17、およびY9についての事象特異的接合部および構築物特異的接合部を示す。挿入断片領域の下の数字は、構築物特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。挿入断片領域の上の数字は、事象特異的接合部を示し、表6に見出される配列番号に対応する。略語は、図5に記載の通りである。栽培品種挿入断片を以下の通り示す:図6A−E12の構造;図6B−F10の構造;図6C V11の構造;図6D−J3の構造;図6E−J55の構造;図6F−E56の構造;図6G W8の構造;図6H−X17の構造;図6I−Y9の構造。
図7は、Ranger Russet事象F10の塊茎、フライ、およびフレークに由来する食品混合物、ならびにAtlantic事象J3の塊茎およびチップに由来する食品混合物に対して実施したDNA単離の全てで、混合して商業品種食品製品にした、すり砕いたInnate(商標)食品製品を最低の百分率として増幅することができたことを例示する。F10フレークにおいて2.5%で1つの偽陰性が存在した。これらの結果から、開示されている方法により、qPCR試験において使用するのに十分な品質のDNAが生成されることが実証される。Innate(商標)は、J.R.Simplotにより利用されている商標であり、pSIM1278および/またはpSIM1678形質転換ベクターを用いて形質転換されたジャガイモ植物体および前記植物体から作られた食品製品を示す。
図8は、表1および表2に記載のDNA配列を利用する、プラスミドpSIM1278を構築するためのプロセスを例示する。出発ベクター、pCAMBIA1301は、最終的なpSIM1278骨格における複製起点を含有する。
図9は、pSIM1278におけるT−DNA発現カセットの構築を例示する。融合PCRを使用して、エレメント1A(pAgp−第1のコピー)、1B(pAgp−第2のコピー)、2(Asn1、Ppo5)、3(Ppo5、Asn1)、4(pGbss−第1のコピー)および7(スペーサー1、Ppo5、Asn1)を増幅した。エレメント5(PhL、R1)および6(スペーサー2、R1、PhL、pGbss)は、Blue Heron Biotechnology,Inc.(Bothell、WA)により、ジャガイモゲノム由来の配列に基づいて合成された。エレメント8、9、および10は、図に示されている構成要素をライゲーションすることによって作出した。最後に、3つの断片、10、11および6を所望の発現カセットにまたがるように創出した。これらの3つの断片をライゲーションし、図8に示されているKpnI−SacI制限部位に挿入してpSIM1278を作出した。
図10は、表3および表4に記載のDNA配列を利用する、プラスミドpSIM1678を構築するためのプロセスを例示する。出発ベクター、pSIM1278は、最終的なpSIM1678骨格を含有する。当業者は、実施例および図9および図10を利用して、任意のジャガイモ植物体を形質転換することができ、それは、今度は、本明細書で教示される方法に従って検出可能な天然には存在しないヌクレオチド接合部を含有する。
定義
以下の説明および表では、いくつもの用語が使用されている。そのような用語に与えられる範囲を含め、本明細書および特許請求の範囲の明瞭かつ一貫した理解をもたらすために以下の定義を提供する。
用語「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは複数のその実体を指す。例えば、「1つの(a)プライマー」とは、1つまたは複数のプライマーまたは少なくとも1つのプライマーを指す。そのように、用語「1つの(a)」(または「1つの(an)」)、「1つまたは複数の(one or more)」および「少なくとも1つの(at least one)」は、本明細書では互換的に使用される。さらに、不定冠詞「1つの(a)」または「1つの(an)」による「1つの要素(an element)」への言及は、文脈により、その要素がただ1つのみ存在することが明らかに必要とされている場合を除き、その要素が1つ超存在する可能性を除去するものではない。
本明細書で使用される場合、用語「対立遺伝子」は、1つの形質または特性に関する遺伝子の1つまたは複数の代替形態のいずれかである。二倍体の細胞または生物では、所与の遺伝子の2つの対立遺伝子は、相同染色体の対上の対応する遺伝子座を占有する。
本明細書で使用される場合、用語「アミノ酸配列」は、植物から単離された、植物に対してネイティブな、もしくは植物において天然に存在する、または、合成により作製されたものであるが内在性対応物の核酸配列を含む、オリゴペプチド、ペプチド、ポリペプチド、またはタンパク質およびその断片を包含する。
本明細書で使用される場合、用語「人工的に操作された(artificially manipulated)」は、操作されていない天然に存在する対応物と比較して異なる生物学的、生化学的、形態学的、または生理的表現型および/または遺伝子型を有する植物体または植物細胞が生じるように、植物体または植物細胞を、手によって、または機械的手段もしくは組換え手段によって、例えば、遺伝子工学技法によって、移動させる、配置する、操作する(operate)または制御することを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「無性繁殖」は、配偶子の融合を伴わない、葉挿し、茎挿し、根挿し、塊茎芽、匍匐枝、単一の植物細胞プロトプラスト、カルスなどから植物全体を作出することによって後代を生じさせることを意味する。
本明細書で使用される場合、用語「骨格」は、バイナリーベクターの、移入が意図されたDNA挿入断片配列以外の核酸配列を意味する。
本明細書で使用される場合、用語「戻し交配」は、育種家が、雑種後代をまた親の一方と交配すること、例えば、第1世代雑種FとF雑種の親遺伝子型の一方との交配を繰り返すプロセスである。
本明細書で使用される場合、用語「打撲黒斑」は、打撲を受けた塊茎組織に見出される黒斑が、細胞が傷害を受けた後に生成され、組織に褐色、灰色または黒色の外観を生じさせるメラニンと称される色素の結果である状態を説明する。メラニンは、細胞損傷の結果としてフェノール基質と適切な酵素が互いと接触すると形成される。損傷は、細胞の破壊である必要はない。しかし、通常、組織が強い衝撃を受けた場合、基質と酵素の混合は必ず起こるはずである。黒斑は、主に導管輪(vascular ring)の真下の髄周囲組織(perimedullary tissue)において起こるが、皮質組織の一部を含むほど大きい場合がある。
本明細書で使用される場合、用語「境界様配列」は、以下を意味する。「境界様」配列は、改変しようとする選択された植物種から、または改変しようとする植物種に対して有性生殖適合性の植物から単離され、Agrobacteriumの境界配列と同様に機能する。すなわち、本開示の境界様配列は、それが連結したポリヌクレオチドの組み込みを促進し、容易にするものである。本開示のDNA挿入断片は、境界様配列を含有することが好ましい。DNA挿入断片の境界様配列は、5〜100bpの長さ、10〜80bpの長さ、15〜75bpの長さ、15〜60bpの長さ、15〜50bpの長さ、15〜40bpの長さ、15〜30bpの長さ、16〜30bpの長さ、20〜30bpの長さ、21〜30bpの長さ、22〜30bpの長さ、23〜30bpの長さ、24〜30bpの長さ、25〜30bpの長さ、または26〜30bpの長さの間である。DNA挿入断片の左境界配列および右境界配列は、改変しようとする植物のゲノムから単離されたものであってよく、かつ/または、改変しようとする植物のゲノムに対してネイティブなものであってよい。DNA挿入断片の境界様配列は、任意の公知のAgrobacterium由来のT−DNAの境界配列とは、ヌクレオチド配列が同一でない。したがって、DNA挿入断片の境界様配列は、Agrobacterium tumefaciensまたはAgrobacterium rhizogenesなどのAgrobacterium種由来のT−DNAの境界配列とは異なるヌクレオチドを1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、またはそれ超有し得る。すなわち、DNA挿入断片の境界、または本開示の境界様配列は、Agrobacterium tumefaciensまたはAgrobacterium rhizogenesなどのAgrobacterium種由来のT−DNAの境界配列に対して少なくとも95%、少なくとも90%、少なくとも80%、少なくとも75%、少なくとも70%、少なくとも60%または少なくとも50%の配列同一性を有するが、100%の配列同一性は有さない。本明細書で使用される場合、「DNA挿入断片の境界」および「DNA挿入断片の境界様」という説明的用語は、交換可能である。境界様配列は、植物のゲノムから単離することができ、ヌクレオチド配列を別のヌクレオチド配列に組み込むことが可能な効率が変化するように改変するかまたは変異させることができる。他のポリヌクレオチド配列を本開示の境界様配列に付加するまたは組み入れることができる。したがって、DNA挿入断片の左境界またはDNA挿入断片の右境界は、5’多重クローニング部位および3’多重クローニング部位、または追加的な制限部位を有するように改変することができる。DNA挿入断片の境界配列は、付随的なベクターに由来する骨格DNAが植物のゲノムに組み込まれない可能性が増大するように改変することができる。
本明細書で使用される場合、「チップ(chip)」という用語は、ジャガイモの薄いスライスをカリカリという音をたてるようになるまで、じっくり揚げたかまたは焼いたものである。ポテトチップ(potato chip)は、一般には、前菜、付け合わせ、または軽食として出される。チップは、ポテトチップ(crisp)としても公知である。
本明細書で使用される場合、本記載および特許請求の範囲において使用される「含む(comprise)」という動詞およびその活用は、非限定的な意味で使用され、その単語の次に続く項目が含まれるが、具体的に言及されていない項目が除去されるものではないことを意味する。
本明細書で使用される場合、ある特定の要素「から本質的になる(consisting essentially of)」組成物は、それらの要素、ならびに、本発明の組成物の基本的かつ新規の特性に実質的に影響を及ぼさない要素の包含に限定される。したがって、組成物が本開示の基本的かつ新規の特性に影響を及ぼさない、すなわち、選択された植物種にも選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物にも由来するものではない外来DNAを含有しない限りは、その組成物は、「から本質的になる(consisting essentially of)」という言葉で特徴付けられる本発明の組成物の構成成分とみなすことができる。
本明細書で使用される場合、用語「子葉(cotyledon)」は、子葉(seed leaf)の一種である。子葉(cotyledon)は、種子の養分貯蔵組織を含有する。
本明細書で使用される場合、用語「縮重プライマー」は、類似しているが厳密な相同ではない配列とハイブリダイズした際の塩基ミスマッチに適応させることができる十分なヌクレオチド変動を含有するオリゴヌクレオチドである。
本明細書で使用される場合、用語「双子葉植物」または「双子葉類」は、胚に子葉(seed leaf)または子葉(cotyledon)を2つ有する顕花植物である。双子葉類の例としては、これだけに限定されないが、タバコ、トマト、ジャガイモ、サツマイモ、キャッサバ、アルファルファおよびダイズを含めたマメ科植物、ニンジン、イチゴ、レタス、オーク、カエデ、クルミ、バラ、ミント、カボチャ、ヒナギク、およびサボテンが挙げられる。
本明細書で使用される場合、本開示による用語「DNA挿入断片」は、植物のゲノムに挿入されるDNA挿入断片が、その植物に対してネイティブなポリヌクレオチド配列を含むか、またはその植物に対してネイティブな遺伝子エレメントを有することを意味する。一実施例では、例えば、本開示のジャガイモ品種J3のDNA挿入断片は、ジャガイモもしくは野生ジャガイモ、または有性生殖適合性のジャガイモ植物体に対してネイティブであり、形質転換の際に植物細胞のゲノムに安定に組み込まれ、打撲黒斑の発現、アスパラギンの蓄積、および老化により甘くなることに関与する遺伝子をサイレンシングする、10,147bpの非コードポリヌクレオチドである。DNA挿入断片は、2つの発現カセットを含み、pSIM1278形質転換ベクターと称される形質転換ベクターに挿入されることが好ましい。第1のカセットは、ADPグルコースピロホスホリラーゼ(Agp)遺伝子のAgpプロモーターと顆粒結合デンプン合成酵素(Gbss)遺伝子のGbssプロモーターの間に逆方向反復として配置された、アスパラギンシンテターゼ−1(Asn1)遺伝子とポリフェノールオキシダーゼ−5(Ppo5)遺伝子の両方の断片を含む。これらのプロモーターは、主に塊茎において活性である。第2のカセットの機能は、デンプン関連遺伝子ジキナーゼ−R1(R1)およびホスホリラーゼ−L(PhL)遺伝子のプロモーターをサイレンシングすることである。このカセットは、第1のカセットと同じAgpプロモーターおよびGbssプロモーターに作動可能に連結した、デンプン関連遺伝子ジキナーゼ−R1(R1)およびホスホリラーゼ−L(PhL)遺伝子のプロモーターの断片で構成される。これらの発現カセットは、選択された植物種に由来するか、または選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物に由来するDNAのみを含有する。
本明細書で使用される場合、用語「非天然ヌクレオチド接合部」または「天然には存在しないヌクレオチド接合部」は、天然には存在しないヌクレオチドの配列を指す。もっと正確に言えば、これらの配列は、遺伝子形質転換事象により形成される。上述の通り、本明細書に記載されている遺伝子形質転換事象は、ネイティブでないジャガイモDNAを含有しない発現カセットを用いて創出される。したがって、これらの非天然ヌクレオチド接合部は、ジャガイモヌクレオチドで構成されるが、これらのヌクレオチドは、天然には存在しないがジャガイモの遺伝子形質転換の間になされた人間による操作の結果生じた遺伝子配置にある。表6にこれらの接合部配列の実施形態を記載する。事象特異的接合部配列に関して、表6に、接合部の一方の側には形質転換されたジャガイモに由来するヌクレオチドが見出され、接合部の他方の側には形質転換事象を介して挿入されたヌクレオチドが見出されることを例示する。したがって、事象特異的接合部配列に関しては、非天然ヌクレオチド接合部は、挿入されたヌクレオチドとジャガイモ植物体のネイティブなヌクレオチドが合わさる境界を表す。表6には構築物接合部も例示する。これらの独特の接合部配列は、形質転換事象の全てに存在し、特定の事象に特異的なものではなく、pSIM1278構築物および/またはpSIM1678構築物を利用して形質転換を行った事象のいずれにも存在する。これらの接合部は、構築物内に含有される種々の遺伝子エレメントの配列、例えば、ASNおよびPPO(ASN/PPO)エレメントが一緒になる接合部を表す。これらの構築物特異的接合部は、図5を参照して容易に可視化される。
本明細書で使用される場合、用語「効率」は、リアルタイムPCRアッセイの特質を指す。理想的なqPCR(定量的PCR)反応の効率は、100%、傾き−3.32であり、これは、各サイクル中のPCR産物の完全な倍加と相関する。しかし、−3.1から−3.6の間の傾き、90%から110%の間の効率が一般に許容されるとみなされる(Commission, C. A.(2009年)。Definition of Minimum Performance Requirements for Analytical Methods of GMO Testing European Network of GMO Laboratories (ENGL)、(2008年10月)、1〜8頁)。効率は、反復検量線によって確立される。増幅効率は、検量線の対数線形部分の傾きから決定し、E=(10(−1/傾き)−1)100として算出する。(Bustin, S. A.ら(2009年)。The MIQE Guidelines: Minimum Information for Publication of Quantitative Real−Time PCR Experiments. Clinical Chemistry、55巻(4号)、1〜12頁、doi: 10.1373/clinchem. 2008.112797)。
本明細書で使用される場合、用語「胚」は、成熟種子中に含有される未成熟の植物体である。
本明細書で使用される場合、用語「事象」は、1つの植物細胞において起こり、次いでトランスジェニック植物全体を作出するために使用される、独特のDNA組換え事象を指す。植物細胞を、目的のDNA挿入断片を有するバイナリー形質転換ベクターを用いて形質転換する。形質転換された細胞はトランスジェニック植物まで再生し、得られたトランスジェニック植物のそれぞれは、独特の事象を表す。サザンブロットハイブリダイゼーションまたはPCRなどの分子技法を使用して、形質転換された事象のそれぞれを確認する。引き出された事象のそれぞれは、略語(例えば、J3)によって識別される。異なる事象は、細胞ゲノム内のDNA挿入断片のコピーの数、DNA挿入断片コピーの配置および/またはDNA挿入断片のゲノム内での位置に差異を有する。DNA挿入断片内の遺伝子の最適な発現および形質の表示をもたらす事象をさらに分析および試験することができる。
本明細書で使用される場合、核酸に関する用語「外来」は、核酸が、非植物生物に由来する、または形質転換しようとする植物体と同じ種ではない植物体に由来する、または、形質転換しようとする植物体と交配できない植物体に由来する、または標的植物体の種に属さないことを意味する。本開示によると、外来DNAまたはRNAは、真菌、細菌、ウイルス、哺乳動物、魚類または鳥類の遺伝子構造には天然に存在するが、形質転換しようとする植物体には天然に存在しない核酸を表す。したがって、外来核酸は、例えば、形質転換された植物によって自然に産生されないポリペプチドをコードする核酸である。外来核酸は、タンパク質産物をコードする必要はない。本開示によると、所望の遺伝子内植物(intragenic plant)は、そのゲノム内にいかなる外来核酸も組み込まれていない植物である。
本明細書で使用される場合、用語「フレーク」は、加熱調理し、すりつぶし、脱水して、熱水または牛乳を添加することによって再構成し、それによりマッシュポテトに非常に近いものを作製することができる、包装されたインスタント食品をもたらす工業プロセスを通じて創出されるジャガイモフレークを指す。
本明細書で使用される場合、用語「フライ」は、じっくり揚げた棒状のジャガイモである。フライは、揚げたジャガイモの細長い小片であり、熱い状態で出され、軟らかいかまたはカリカリであり、一般には昼食または夕食に付随して食されるか、または軽食として食される。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子」は、コード領域を指し、その領域の5’側または3’側のヌクレオチド配列を含まない。機能的な遺伝子は、プロモーターまたはターミネーターに作動可能に連結したコード領域である。遺伝子は、異なる種に由来するか同じ種に由来するかにかかわらず、種のゲノムに、形質転換または種々の育種方法を使用して導入することができる。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子変換された」または「変換」は、戻し交配技法によって、遺伝子工学によって、または変異によって、ある品種の所望の形態学的特性および生理的特性の基本的に全てを、当該品種に移入される1つまたは複数の遺伝子に加えて回復させる、戻し交配と称される植物育種技法によって開発された植物を指す。1つまたは複数の遺伝子座も移入することができる。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子再構成」は、遺伝物質の新しい組織化が導入される、in vivoおよびin vitroにおいて自然に起こり得る遺伝子エレメントの再会合を指す。例えば、異なる染色体の遺伝子座にあるポリヌクレオチドの一緒になったスプライシングが、in vivoにおいて植物発生および有性組換えのどちらの間にも自然に起こり得る。したがって、in vitroにおける非天然遺伝子改変技法による遺伝子エレメントの組換えは、同じくin vivoにおける有性組換えを通じて起こり得る組換え事象と類似している。
本明細書で使用される場合、用語「胚軸」は、子葉(cotyledon)と根の間の胚または実生の部分である。したがって、胚軸は、苗条と根の間の移行部とみなすことができる。
本明細書で使用される場合、用語「インフレーム」は、以下を意味する。ヌクレオチドトリプレット(コドン)が植物細胞において所望の組換えタンパク質の新生アミノ酸配列に翻訳される。具体的には、本開示は、第1の核酸が読み枠内で第2の核酸と連結しており、第1のヌクレオチド配列は遺伝子であり、第2のヌクレオチドはプロモーターまたは同様の調節エレメントであることを意図している。
本明細書で使用される場合、用語「組み込む」は、選択された植物種に由来する、または選択された植物と同じ種由来の植物に由来する、または選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物に由来する核酸配列を、選択された植物種の細胞のゲノムに挿入することを指す。「組み込み」とは、ネイティブな遺伝子エレメントのみを植物細胞ゲノムに組み入れることを指す。例えば相同組換えによってネイティブな遺伝子エレメントを組み込むために、本開示では、ネイティブでないDNAを、そのようなプロセスにおけるステップとして「使用」することができる。したがって、本開示では、特定のDNA分子の「使用」と特定のDNA分子の植物細胞ゲノムへの「組み込み」は区別される。
本明細書で使用される場合、用語「導入」は、感染、トランスフェクション、形質転換または形質導入を含めた方法によって核酸配列を細胞に挿入することを指す。
本明細書で使用される場合、用語「単離された」は、その通常のネイティブな環境から物理的に分離された任意の核酸または化合物を指す。単離された材料は、例えば溶媒、緩衝液、イオン、または他の構成成分を含有する適切な溶液中で維持することができ、精製された形態であっても精製されていない形態であってもよい。
本明細書で使用される場合、用語「疫病」は、ジャガイモ植物体の葉、茎、果実、および塊茎に感染し、それらを破壊し得る、卵菌Phytophthora infestansによって引き起こされる、「ジャガイモの疫病」としても公知のジャガイモの病害を指す。
本明細書で使用される場合、用語「リーダー」は、遺伝子に先行する(または遺伝子の5’側にある)、転写されるが翻訳はされない配列を指す。
本明細書で使用される場合、用語「検出のレベル」または「LOD」は、European Network of GMO Laboratoriesに従って単一の実験室による検証によって実証される、確実に検出することができるが、必ずしも定量化されない、試料中の分析物の最低の量または濃度である。
本明細書で使用される場合、用語「直線性」は、最適化されたリアルタイムPCRアッセイの特質を指し、線形回帰分析によって得られるR値によって決定され、R値は≧0.98であるべきである(Bustinら、2009年)。
本明細書で使用される場合、用語「遺伝子座」は、例えば、雄性不稔性、除草剤耐性、昆虫抵抗性、病害抵抗性、蝋様デンプン、脂肪酸代謝の改変、フィチン酸代謝の改変、炭水化物代謝の改変、およびタンパク質代謝の改変などの、1つまたは複数の形質を付与するものである。形質は、例えば、戻し交配、自然変異もしくは誘導された変異によって品種のゲノムに導入された天然に存在する遺伝子、または遺伝子形質転換技法によって導入された導入遺伝子により、付与され得る。遺伝子座は、単一の染色体上の位置に組み込まれた1つまたは複数の対立遺伝子を含み得る。
本明細書で使用される場合、用語「市場性のある収量」は、直径2インチから4インチの間である、収穫される全ての塊茎の重量である。市場性のある収量は、cwt(ハンドレッドウェイト)単位で測定され、cwt=100ポンドである。
本明細書で使用される場合、用語「単子葉植物」または「単子葉類(monocot)」は、胚に子葉(cotyledon)または子葉(seed leaf)を1つ有する顕花植物である。単子葉類の例としては、これだけに限定されないが、芝草、トウモロコシ、イネ、エンバク、コムギ、オオムギ、モロコシ、ラン、アヤメ、ユリ、タマネギ、およびヤシが挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「ネイティブ」な遺伝子エレメントとは、形質転換しようとする植物のゲノムに天然に存在する、それを起源とする、またはそれに属する核酸を指す。したがって、形質転換しようとする植物体もしくは植物種のゲノムから単離されたか、または、形質転換しようとする植物種に対して有性生殖適合性または交配可能である植物体もしくは種から単離された核酸、遺伝子、ポリヌクレオチド、DNA、RNA、mRNA、またはcDNA分子はいずれも、その植物種に対して「ネイティブ」である、すなわち、その植物種に固有である。言い換えれば、ネイティブな遺伝子エレメントとは、古典的な植物育種を通じて植物を改善するために植物育種家が利用可能な全ての遺伝物質を表す。本開示によると、ネイティブな核酸の任意のバリアントも「ネイティブ」とみなされる。この点において、「ネイティブ」な核酸は、植物またはその有性生殖適合性の種から単離し、得られるバリアントが、植物から単離された改変されていないネイティブな核酸と、ヌクレオチド配列が、99%またはそれ超、98%またはそれ超、97%またはそれ超、96%またはそれ超、95%またはそれ超、94%またはそれ超、93%またはそれ超、92%またはそれ超、91%またはそれ超、90%またはそれ超、89%またはそれ超、88%またはそれ超、87%またはそれ超、86%またはそれ超、85%またはそれ超、84%またはそれ超、83%またはそれ超、82%またはそれ超、81%またはそれ超、80%またはそれ超、79%またはそれ超、78%またはそれ超、77%またはそれ超、76%またはそれ超、75%またはそれ超、74%またはそれ超、73%またはそれ超、72%またはそれ超、71%またはそれ超、70%またはそれ超、69%またはそれ超、68%またはそれ超、67%またはそれ超、66%またはそれ超、65%またはそれ超、64%またはそれ超、63%またはそれ超、62%またはそれ超、61%またはそれ超、または60%またはそれ超、同様になるように、改変するかまたは変異させることもできる。ネイティブな核酸バリアントは、ヌクレオチド配列が、約60%未満、約55%未満、または約50%未満、同様であってもよい。植物から単離された「ネイティブ」な核酸は、その核酸から転写および翻訳される天然に存在するタンパク質産物のバリアントをコードしてもよい。したがって、ネイティブな核酸は、核酸を単離した植物において発現される改変されていないネイティブなタンパク質と、アミノ酸配列が、99%またはそれ超、98%またはそれ超、97%またはそれ超、96%またはそれ超、95%またはそれ超、94%またはそれ超、93%またはそれ超、92%またはそれ超、91%またはそれ超、90%またはそれ超、89%またはそれ超、88%またはそれ超、87%またはそれ超、86%またはそれ超、85%またはそれ超、84%またはそれ超、83%またはそれ超、82%またはそれ超、81%またはそれ超、80%またはそれ超、79%またはそれ超、78%またはそれ超、77%またはそれ超、76%またはそれ超、75%またはそれ超、74%またはそれ超、73%またはそれ超、72%またはそれ超、71%またはそれ超、70%またはそれ超、69%またはそれ超、68%またはそれ超、67%またはそれ超、66%またはそれ超、65%またはそれ超、64%またはそれ超、63%またはそれ超、62%またはそれ超、61%またはそれ超、または60%またはそれ超、同様であるタンパク質をコードしてもよい。
本明細書で使用される場合、用語「天然に存在する核酸」は、選択された植物種のゲノム内に見出され、DNA分子であってもRNA分子であってもよい。植物種のゲノム内に通常存在する制限部位の配列は、ベクターまたはオリゴヌクレオチドなどの外因性DNA分子に、その制限部位がそのゲノムから物理的に単離されていないにもかかわらず、工学的に操作して入れることができる。したがって、本開示では、制限酵素認識配列などのヌクレオチド配列を、その配列が選択された植物種のゲノムまたは形質転換しようとする選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物体において天然に存在する限りは、合成により創出することが可能になる。
本明細書で使用される場合、用語「作動可能に連結した」は、2つまたはそれ超の分子を、植物細胞においてそれらが組み合わさって適正に機能するように組み合わせることを意味する。例えば、プロモーターにより構造遺伝子の転写が制御される場合、そのプロモーターは、構造遺伝子に作動可能に連結している。
本明細書で使用される場合、用語「植物」は、これだけに限定されないが、被子植物および裸子植物、例えば、ジャガイモ、トマト、タバコ、アルファルファ、レタス、ニンジン、イチゴ、サトウダイコン、キャッサバ、サツマイモ、ダイズ、トウモロコシ、芝草、コムギ、イネ、オオムギ、モロコシ、エンバク、オーク、ユーカリ、クルミ、およびヤシなどを含む。したがって、植物は、単子葉類であっても双子葉類であってもよい。単語「植物」は、本明細書で使用される場合、有性生殖によって生じたか無性生殖によって生じたかにかかわらず、植物細胞、種子、植物後代、むかご、および、これらのいずれかの後裔、例えば、挿し木または種子なども包含する。植物細胞は、懸濁培養物、カルス、胚、分裂組織領域、カルス組織、葉、根、苗条、配偶体、胞子体、花粉、種子および小胞子を含む。植物は、成熟度が種々の段階であってよく、液体または固体培養物中で生育させることもでき、鉢、温室または圃場において土壌または適切な培地で生育させることもできる。植物における導入されたリーダー、トレーラーまたは遺伝子配列の発現は一過性であっても恒久的であってもよい。「選択された植物種」は、これだけに限定されないが、これらの「植物」の任意の1つの種であってよい。
本明細書で使用される場合、用語「植物体の一部」(またはジャガイモ植物体、またはその一部)は、これだけに限定されないが、プロトプラスト、葉、茎、根、根端、葯、雌ずい、種子、胚、花粉、胚珠、子葉(cotyledon)、胚軸、花、塊茎、芽、組織、葉柄、細胞、分裂組織細胞などを含む。
本明細書で使用される場合、用語「植物種」は、少なくともいくらかの有性生殖適合性を示す、種々の公式に名付けられた植物種に属する植物の群である。
本明細書で使用される場合、用語「植物の形質転換」および「細胞培養」は、植物細胞を遺伝子改変し、維持、さらなる生育、および/またはさらなる発達のために適切な植物培養培地に移すプロセスを広範に指す。
本明細書で使用される場合、用語「的確な育種」は、選択された植物種から、または選択された植物と同じ種の別の植物から、または選択された植物種に対して有性生殖適合性の種から単離されたネイティブな遺伝子および調節エレメントなどの核酸を、個々の植物細胞に安定に導入し、その後、これらの遺伝子改変された植物細胞を植物全体に再生させることによって植物を改善することを指す。未知または外来の核酸は植物のゲノムに恒久的には組み入れられないので、本発明の技術では、従来の植物育種によっても利用可能である同じ遺伝物質を使用する。
本明細書で使用される場合、用語「プライマー」は、目的の核酸配列とアニーリングするオリゴヌクレオチドである。プライマーは、核酸合成の開始点としての機能を果たす。このプロセスを触媒する酵素であるDNAポリメラーゼにより、新しいヌクレオチドがDNAプライマーの3’末端に付加され、逆の鎖がコピーされる。例えば、目的のDNA配列と相補的なフォワードプライマーおよびリバースプライマーをポリメラーゼ連鎖反応(PCR)アッセイにおいて使用して、目的のDNA領域を増幅する。
本明細書で使用される場合、用語「プローブ」は、放射性標識、ビオチン、ジゴキシゲニンまたはフルオレセインなどの検出可能な分子で標識されたオリゴヌクレオチドであり、目的の核酸配列と相補的である。例えば、5’末端が6−FAM(6−カルボキシフルオレセイン)で標識され、3’末端がBHQ1(Black Hole Quenchers(商標)1)で標識されたプローブをリアルタイムPCRにおいて使用して目的の核酸配列を検出する。しかし、プローブという用語は、より一般的に、プローブにr標識が付着しているかどうかに関係なく、天然には存在しないヌクレオチド接合部配列に結合することが可能なヌクレオチド配列を指すためにも使用することができる。
本明細書で使用される場合、用語「後代」は、2つのジャガイモ植物体の交配から生じたFジャガイモ植物体を含み、後代は、これだけに限定されないが、その後の、反復親系統とのF、F、F、F、F、F、F、F、およびF10世代の交配をさらに含む。
本明細書で使用される場合、用語「定量的形質遺伝子座」(QTL)とは、通常は継続的に分布する、数値で表すことが可能な形質をいくらかの程度まで制御する遺伝子座を指す。
本明細書で使用される場合、用語「組換え」は、遺伝子をクローニングすることができ、DNAについて配列決定することができ、タンパク質産物を産生させることができる種々の技術を広範に説明する。本明細書で使用される場合、この用語はまた、植物宿主系の細胞に遺伝子を移入した後に産生されたタンパク質も説明する。
本明細書で使用される場合、用語「再生」は、組織培養物からの植物の発達を指す。
本明細書で使用される場合、用語「調節配列」は、植物系における目的の遺伝子の転写または結果として得られるRNAの翻訳を増大させ、かつ/または最大にするために発現ベクターに含めることができる、当業者には標準であり公知の配列を指す。それらとしては、これだけに限定されないが、プロモーター、ペプチド移出シグナル配列、イントロン、ポリアデニル化、および転写終結部位が挙げられる。植物における発現レベルが上昇するように核酸構築物を改変する方法も当技術分野で公知である(例えば、Rogersら、J. Biol. Chem. 260巻、3731〜38頁、1985年;Cornejoら、Plant Mol. Biol. 23巻:567:81、1993年を参照されたい)。タンパク質の転写の速度に影響を及ぼすための植物系の工学的操作では、正または負に作用する配列、エンハンサーおよびサイレンサーなどの調節配列、ならびにクロマチン構造を含めた、当技術分野で公知の様々な因子が影響を及ぼし得る。本開示は、目的のタンパク質を発現させるために植物を工学的操作するのに利用することができる、これらの因子の少なくとも1つを提供する。本開示の調節配列は、ネイティブな遺伝子エレメントである、すなわち、選択された改変しようとする植物種から単離されたものである。
本明細書で使用される場合、用語「選択マーカー」は、一般には、抗生物質、除草剤または毒性化合物に対するある種の抵抗性を付与するタンパク質をコードする遺伝子であり、形質転換事象を同定するために使用される。選択マーカーの例としては、ストレプトマイシン抵抗性をコードするストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼ(spt)遺伝子、マンノース−6−リン酸をフルクトース−6リン酸に変換するホスホマンノースイソメラーゼ(pmi)遺伝子;カナマイシンおよびジェネテシン抵抗性をコードするネオマイシンホスホトランスフェラーゼ(nptII)遺伝子、ハイグロマイシンに対する抵抗性をコードするハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ(hptまたはaphiv)遺伝子、スルホニル尿素型除草剤に対する抵抗性をコードするアセト乳酸合成酵素(als)遺伝子、ホスフィノトリシンまたはバスタ(basta)などの、グルタミン合成酵素の作用が阻害されるように作用する除草剤に対する抵抗性をコードする遺伝子(例えば、bar遺伝子)、または当技術分野で公知の他の同様の遺伝子が挙げられる。
本明細書で使用される場合、用語「センス抑制」は、トランスジェニック植物において、内在性遺伝子の発現を、その遺伝子の全部または一部の1つまたは複数の追加的なコピーを発現させることによって低減させることである。
本明細書で使用される場合、用語「比重」は、密度の表現であり、ジャガイモ品質の尺度である。塊茎の比重およびデンプン含有量および乾物または総固形物の百分率の間には高い相関がある。比重が高いほど、加工製品の回収率が高くなり、かつ、品質がより良好になる。
用語「ストリンジェントな条件」は、本明細書で使用される場合、特異的なハイブリッドが形成されるが、非特異的なハイブリッドは形成されないか、または形成される可能性がはるかに低くなる条件を指す。例えば、ストリンジェントな条件は、天然には存在しないヌクレオチド接合部のDNAに対する相同性が高い(90%もしくはそれ超、または95%もしくはそれ超)DNA(例えば、プローブ)−例えば、表6の配列に対する相同性が高い配列を有するプローブ配列−が前記配列とハイブリダイズするような条件であり得る。ストリンジェントな条件とは、完全なハイブリッドの融解温度(Tm)よりも約5℃〜約30℃(複数の態様では、約10℃〜約25℃)低い温度でハイブリダイゼーションが起こるような条件を指し得る。例えば、J. Sambrookら、Molecular Cloning、A Laboratory Manual、第2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press(1989年)(特に、§11.45、「Conditions for Hybridization of Oligonucleotide Probes」に記載されている条件)に記載されている条件を、ストリンジェントな条件として使用することができる。したがって、2つの核酸配列が実質的に相同であるという指標は、その2つの分子がストリンジェントな条件下で互いとハイブリダイズすることである。ストリンジェントな条件は、配列依存的であり、異なる環境パラメータの下では異なる。一般に、ストリンジェントな条件は、定義済みのイオン強度およびpHにおいて、特定の配列の熱的融点(T)よりも約5℃〜20℃低くなるように選択される。Tは、所与のDNA配列の全ての分子の50%がハイブリダイズして2本鎖になり、50%が1本鎖として存在する、摂氏での温度と定義される。
本明細書で使用される場合、用語「T−DNA様」配列は、選択された植物種から、または選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物から単離された核酸配列であり、Agrobacterium種T−DNAと少なくとも75%、80%、85%、90%、または95%であるが100%ではない配列同一性を共有する。T−DNA様配列は、それぞれが、ヌクレオチド配列を別のポリヌクレオチドに組み込むことが可能な1つまたは複数の境界または境界様配列を含有してよい。
本明細書で使用される場合、用語「総収量」は、収穫された塊茎全ての総重量を指す。
本明細書で使用される場合、用語「トレーラー」は、遺伝子の後に続く(または遺伝子の3’側にある)、転写されるが翻訳はされない配列を指す。
本明細書で使用される場合、用語「転写されたDNA」は、遺伝子と、その遺伝子に付随する非翻訳リーダー配列およびトレーラー配列の両方を含むDNAである。遺伝子は、前述のプロモーターの作用により、単一のmRNAとして転写される。
本明細書で使用される場合、用語「植物細胞の形質転換」は、DNAが植物細胞のゲノムに安定に組み込まれるプロセスである。「安定に」とは、細胞ゲノムにおける、および細胞ゲノムによるポリヌクレオチドの恒久的な、または一過性ではない保持および/または発現を指す。したがって、安定に組み込まれたポリヌクレオチドは、形質転換された細胞ゲノム内の定着物(fixture)であり、細胞または得られた形質転換された植物の連続的な後代を通じて複製および繁殖させることができるポリヌクレオチドである。形質転換は、当技術分野で周知の種々の方法を使用して、天然の条件下で行うこともでき、人工的な条件下で行うこともできる。形質転換は、Agrobacterium媒介形質転換プロトコール、ウイルス感染、ウィスカー、電気穿孔、熱ショック、リポフェクション、ポリエチレングリコール処理、微量注入、および微粒子銃(particle bombardment)を含めた、原核生物または真核生物宿主細胞に核酸配列を挿入するための任意の公知の方法に依拠するものであってよい。
本明細書で使用される場合、用語「導入遺伝子」は、宿主ゲノムに挿入される遺伝子である。
本明細書で使用される場合、用語「トランスジェニック植物」は、少なくとも1つの導入遺伝子を含有する、遺伝子改変された植物である。
本明細書で使用される場合、用語「塊茎」は、栄養分を貯蔵するために大きくなる、改変された植物構造の一種を指す。塊茎は、植物が、冬または乾燥した数カ月に生き残るため、次の生育時期中の再生育のためのエネルギーおよび栄養分をもたらすため、および無性生殖の手段として、使用される。塊茎は、茎または根に由来し得る。ジャガイモは、茎の塊茎である。
本明細書で使用される場合、用語「バリアント」は、特定の遺伝子またはタンパク質の標準または所与のヌクレオチド配列またはアミノ酸配列から逸脱したヌクレオチド配列またはアミノ酸配列を意味するものと理解される。用語「アイソフォーム」、「アイソタイプ」および「類似体」も、ヌクレオチドまたはアミノ酸配列の「バリアント」形態を指す。1つまたは複数のアミノ酸の付加、除去もしくは置換、またはヌクレオチド配列の変化により変更されたアミノ酸配列は、「バリアント」配列とみなすことができる。バリアントは、置換アミノ酸が同様の構造的または化学的性質を有する「保存的」変化、例えば、ロイシンのイソロイシンでの置き換えを有してよい。バリアントは、「非保存的」変化、例えば、グリシンのトリプトファンでの置き換えを有してよい。類似の軽微な変動は、アミノ酸の欠失または挿入、またはその両方を含んでもよい。どのアミノ酸残基を置換する、挿入する、または欠失させることができるかの決定の手引きは、Vector NTI Suite(InforMax、MD)ソフトウェアなどの、当技術分野で周知のコンピュータプログラムを使用して見出すことができる。
本明細書で使用される場合、用語「つるの成熟度」は、植物の、炭水化物の利用および光合成を続ける能力を指す。つるの成熟度は、1〜5のスケールにスコア化され、ここで、1=枯れたつるであり、5=まだ開花する緑色のつるである。
Innate(商標)技術
ジャガイモは、四倍体であり、高度にヘテロ接合性であり、かつ近交弱勢に対して感受性であるので、ジャガイモ植物体のゲノムへの望ましい形質の挿入には特定の難しさがある。したがって、従来の育種を使用すると、加工中のアクリルアミドの生成が少なく、N−ニトロソ−N−(3−ケト−1,2−ブタンジオール)−3’−ニトロチラミン(Wangら、Arch Toxicol、70巻:10〜5頁、1995年)、5−ヒドロキシメチル−2−フルフラール(Janzowskiら、Food Chem Toxicol、38巻:801〜9頁、2000年)、および変異原性を有する他のメイラード反応生成物(Shibamoto、Prog Clin Biol Res、304巻:359〜76頁、1989年)を含めた有害なメイラード反応生成物が少ないトランスジェニックジャガイモ植物体を効率的に開発することが非常に難しい。
加工の変化、デキストロースの低減、ならびにアスパラギナーゼ、クエン酸塩、および競合アミノ酸などの添加物を通じてアクリルアミドを低減するためのいくつかの方法が試験されており、研究が進行中である。ジャガイモ産業全体を通して加工の変化を実行するために必要な資本支出は、数百万ドルかかる。支出に加えて、これらの加工の変化には、アスパラギナーゼまたはクエン酸塩などの添加物に付随する潜在的に負のフレーバーを含めた重大な欠点がある。一般には、フライ製造者は、フレンチフライの加工中、所望の黄金色を発生させるためにデキストロースを添加するが、デキストロースはまた、メイラード反応によるアクリルアミドの形成も増加させる。ただ単に加工からデキストロースを取り除くことによってアクリルアミドの有意な減少が起こるが、そうすると、特徴的な黄金色をいくつかの他のやり方(例えば、アナトーのような着色料を添加することによってなど)で発生させなければならない。代替の着色料を使用することにより、これらの褐色化反応によって発生する典型的なフレーバーが存在しなくなる。アスパラギンのような反応物を減少させるために添加物を使用することに伴う別の難題は、凍結貯蔵中に水分移行が起こり、その結果、アスパラギンが表面に戻ってアクリルアミドが増加することである。最後に、ジャガイモが打撲を受けた後に起こる黒変が、フレンチフライおよびチップの加工における品質および回収率に影響を及ぼす。損傷し、打撲を受けたジャガイモは、不要な部分を切り取らなければならないか、または加工前に拒絶され、その結果、品質の問題または経済的損失が生じる。
Innate(商標)技術についての記載では、植物体を創出するために全てが共に機能する植物生物システムが概略されている。これらは、形質同定、ベクターの設計、Agrobacteriumへのベクターの組み入れ、レシピエントジャガイモ品種の選択、植物の形質転換、および新しいジャガイモが予測DNA挿入断片を含有することの確認を含む。Innate(商標)法により、非コードDNAをジャガイモに挿入して、植物に対して厄介なものではない所望の形質を伴う新しいジャガイモ事象を生じさせることが可能になる。
本開示の「ネイティブな技術」戦略は、ジャガイモの農業特性および栄養価を改善するというジャガイモ産業の必要性に、打撲黒斑の原因であるポリフェノールオキシダーゼ−5(Ppo5)の発現、アクリルアミド形成における前駆物質であるアスパラギンの蓄積の原因であるアスパラギンシンテターゼ−1(Asn1)の発現、ならびに/または、通常はアスパラギンなどのアミノ酸と反応し、アクリルアミドを含めた毒性メイラード生成物を形成する還元糖の蓄積に関連する酵素であるホスホリラーゼ−Lおよびジキナーゼ−R1の発現を低減させることによって対処するものである。
塊茎におけるこれらの遺伝子の部分的なまたは完全なサイレンシングにより、アクリルアミドが生成する潜在性が低下する。本開示のInnate(商標)技術の使用により、商業的に有益なジャガイモ植物体品種のゲノムに、ジャガイモを、ジャガイモ植物体またはジャガイモ植物体に対して有性生殖適合性である植物体から得られた、非コード調節領域を含む遺伝物質である「ネイティブな」遺伝物質のみを用いて形質転換することにより、いかなる外来遺伝物質も植物のゲノムに組み込むことなく望ましい形質を組み入れることが可能になる。
望ましい形質としては、衝撃に誘導される打撲黒斑に対する高い耐性、アクリルアミドを含めた毒性メイラード生成物の蓄積の減少を結果として伴う、アクリルアミド前駆物質アスパラギンの形成の減少および還元糖の蓄積の減少、品質の改善、ならびに食品の色の制御が挙げられる。これらの望ましい形質を既存のジャガイモ品種に組み入れることは従来の育種によっては実現不可能である。なぜなら、ジャガイモは、四倍体であり、高度にヘテロ接合性であり、かつ近交弱勢に対して感受性であるからである。
本開示において使用する非コードジャガイモ植物体DNA挿入断片配列は、ジャガイモ植物体ゲノムに対してネイティブであり、いかなるAgrobacterium DNAも含有しない。DNA挿入断片は、2つの発現カセットを含み、pSIM1278形質転換ベクターと称される形質転換ベクターに挿入されることが好ましい(米国特許第8,754,303号、「Potato Cultivar J3」;米国特許第8,710,311号、「Potato Cultivar F10」;米国特許第8,889,963号、「Potato Cultivar J55」;および米国特許出願第14/072,487号、「Potato Cultivar E12」;および、pSIM1678ベクターも有する、米国特許第8,889,964号、「Potato Cultivar W8」に記載されている。これらの特許および出願のそれぞれが、全体として参照により本明細書に組み込まれる)。
第1のカセットは、ADPグルコースピロホスホリラーゼ(Agp)遺伝子のAgpプロモーターと顆粒結合デンプン合成酵素(Gbss)遺伝子のGbssプロモーターの間に逆方向反復として配置された、アスパラギンシンテターゼ−1(Asn1)遺伝子とポリフェノールオキシダーゼ−5(Ppo5)遺伝子の両方の断片を含む。これらのプロモーターは、主に塊茎において活性である。
第2のカセットの機能は、デンプン関連遺伝子ジキナーゼ−R1(R1)およびホスホリラーゼ−L(PhL)遺伝子のプロモーターをサイレンシングすることである。このカセットは、第1のカセットと同じAgpプロモーターおよびGbssプロモーターに作動可能に連結した、デンプン関連遺伝子ジキナーゼ−R1(R1)およびホスホリラーゼ−L(PhL)遺伝子のプロモーターの断片で構成される。これらの発現カセットは外来DNAを含有せず、選択された植物種または選択された植物種に対して有性生殖適合性の植物に由来するDNAのみからなる。
第2のDNA挿入断片は、Rpi−vnt1発現カセットおよび植物液胞インベルターゼ遺伝子、VInvに対するサイレンシングカセットを含む、pSIM1678と称される形質転換ベクター(その全体が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第8,889,964号、「Potato Cultivar W8」に記載されている)によってもたらされる。Rpi−vnt1遺伝子カセットは、疫病に対する広範な抵抗性を付与する、そのネイティブなプロモーター配列およびターミネーター配列によって調節されるVNT1タンパク質コード領域からなり、一方、サイレンシングカセットは、対向する植物プロモーター、pGbssおよびpAgpで挟まれた、ジャガイモVInv遺伝子由来の配列の逆方向反復からなる。第1のカセットの機能は、疫病に対する抵抗性を付与することであり、一方、第2のカセットの機能は、液胞インベルターゼ遺伝子をサイレンシングし、それにより、グルコースおよびフルクトースを減少させることである。
ネイティブなDNAを用いた標的化された遺伝子サイレンシングにより、ジャガイモ事象の塊茎における標的化された遺伝子のRNA転写物のレベルが低下する。一般に、挿入DNAは、発現させると、サイズが一様でなく、プロセシングされていない転写物が生じるサイレンシングカセットを含有する。これらの転写物により、通常アスパラギンシンテターゼのような酵素をコードするmRNAの分解が誘発される。この結果、標的化された「サイレンシングされる」酵素のレベルがはるかに低下する。
Asn1およびPpo5遺伝子サイレンシングは、さらにデンプン関連遺伝子であるキナーゼ−R1(R1)およびホスホリラーゼ−L(PhL)を阻害せずに、アクリルアミド形成を2分の1〜4分の1有意に低減させるのに十分である。
したがって、ジャガイモ事象の塊茎には、揚げた時または焼いた時のアクリルアミド形成の低減に関連する、遊離のアミドアミノ酸アスパラギンおよびグルタミンの比率の低下を含めた、高度に望ましい形質が組み入れられる。具体的には、本開示のジャガイモ品種は、遊離のアスパラギン含有量が2分の1〜4分の1よりも大きく減少することを特徴とする。さらに、本開示のジャガイモ品種は、貯蔵中の、デンプンの還元糖グルコースおよびフルクトースへの分解の遅延を示す。デンプンから糖への変換を損なうことにより、さらに、老化により甘くなることおよびアクリルアミド形成が低減され、熱により誘導される褐変が限定される。さらに、事象W8、X17、およびY9はまた、事象J3、F10、J55、およびE12に存在するpSIM1278ベクターに加えたpSIM1678ベクターの追加的な利用の結果として生じる、疫病に対する抵抗性も示す。
したがって、本開示のジャガイモ品種は、熱による加工の際にそれらの塊茎で生成されるアクリルアミドが有意に少なく、いかなる潜在的に有害な外来遺伝子も保有しないので、ジャガイモ産業および食品市場において非常に価値がある。
上記の有利な特性を組み合わせたジャガイモ品種をもたらす研究は、大部分は経験的なものである。この研究には、時間、労働、および資金の大きな投資が必要である。ジャガイモ栽培品種の開発は、多くの場合、温室から商業的使用までに、8年またはそれ超に至るまでかかり得る。育種は、最も重要な特性を後代に組み入れるために優れた親を慎重に選択することから始まる。通常、ただ1回の交配では所望の形質の全ては出現しないので、育種は累積的でなければならない。
現在の育種技法では、親クローンの制御された受粉が続けられている。一般には、後に雌親を受粉させるのに使用するために花粉をゼラチンカプセル中に収集する。雑種種子を温室内で播種し、何千もの個々の実生から塊茎を収穫し、保持する。翌年、得られた実生のそれぞれから1つ〜4つの塊茎を、ウイルスおよび病害の蔓延を回避するための細心の注意が払われている圃場に植える。この1年目の実生作物から、選択プロセスを生き延びた各雑種個体に由来するいくつかの「種子」塊茎を翌年の植え付けのために保持する。2年目の後、塊茎の商業的使用への適合性を決定するための密度測定およびフライ試験用に試料を取得する。次いで、この点に関して選択プロセスを生き延びた植物を、より包括的な一連のフライ試験および密度決定のために、3年目に体積を拡大して植える。開発の4年目の段階で、残存している選択物を、いくつかの州における圃場試験に供して、異なる生育条件に対するそれらの順応性を決定する。最終的に、優れた品質を有する品種を他の農場に移し、種子を商業規模まで増加させる。一般に、この時までに、新しい改善されたジャガイモ栽培品種を開発するための試みにおいて、植え付け、収穫および試験で8年またはそれ超が投じられている。
特定のタンパク質産物をコードする遺伝子の単離および特徴付けを可能にする分子生物学的技法の出現に伴い、植物生物学の分野の科学者は、植物の形質を特異的に変更するために、植物のゲノムを工学的操作して、外来遺伝子、または追加的なもしくは改変されたバージョンのネイティブなもしくは内在性の遺伝子(おそらく異なるプロモーターによって駆動される)を含有させ、発現させることに強い関心を寄せた。そのような外来の追加的なおよび/または改変された遺伝子は、本明細書では、「導入遺伝子」と総称する。ここ15〜20年にわたって、トランスジェニック植物を作製するための方法がいくつか開発されており、本開示は、特定の実施形態では、特許請求された品種または系統の形質転換されたバージョンにも関する。
植物の形質転換には、植物細胞において機能する発現ベクターの構築が伴う。そのようなベクターは、調節エレメント(例えば、プロモーター)の制御下にある、またはそれに作動可能に連結した遺伝子を含むDNAを含む。発現ベクターは、1つまたは複数のそのような作動可能に連結した遺伝子/調節エレメントの組合せを含有してよい。ベクター(複数可)は、プラスミドの形態であってよく、ジャガイモ植物体の遺伝物質(複数可)に導入遺伝子を組み入れるための下記の形質転換方法を使用して形質転換されたジャガイモ植物体をもたらすために、単独で、または他のプラスミドと組み合わせて使用することができる。
従来の植物育種は、一般には、新しい改善された特性を有する品種を創出するために、植物染色体のランダムな組換えに依拠する。標準的な周知の技法によると、遺伝子および調節エレメントを含む遺伝子「発現カセット」を、Agrobacteriumから単離されたトランスファーDNA(「T−DNA」)の境界の内側に挿入し、植物のゲノムに組み込む。T−DNA材料のAgrobacterium媒介性移入は、一般には、以下の標準の手順を含む:(1)in vitroにおいて、そのうちの少なくとも1つは、形質転換を選択するための発現カセットを生成するための外来起源のものである、遺伝子エレメントを組換えること(2)この発現カセットを、多くの場合、外来DNAを含有する少なくとも1つの他の発現カセットと共に、通常はT−DNAの境界配列で挟まれたAgrobacterium DNAの数百の塩基対からなるバイナリーベクターのT−DNA領域に挿入すること、(3)T−DNAの境界の間に位置する配列を、多くの場合、Agrobacterium由来の追加的なバイナリーベクター配列の一部または全部と共に植物細胞に移入すること、ならびに、(4)収量の増加、生育力(vigor)の改善、病害および昆虫に対する抵抗性の増強、またはストレス下で生存する能力の増大などの所望の形質を示す、安定に形質転換された植物細胞を選択すること。
したがって、遺伝子工学の方法は、ウイルス、細菌および植物に由来する、プロモーターおよびターミネーターなどの調節エレメント、ならびに新規形質の発現に関与する遺伝子または形質転換体を同定および選択するためのマーカーとして機能する遺伝子を含めた外来の非内在性核酸の導入に依拠し得る。マーカー遺伝子は、一般には、細菌性供給源に由来し、抗生物質または除草剤抵抗性を付与するものである。古典的な育種方法は労力を要し、時間がかかるものであり、一般には、新品種の示す改善は比較的わずかである。
「アンチセンス」技術では、ネイティブな遺伝子の配列を逆にして、トランスジェニック植物における遺伝子の発現をサイレンシングする。
ジャガイモ形質転換のための発現ベクター:マーカー遺伝子
発現ベクターは、調節エレメント(例えばプロモーター)に作動可能に連結した少なくとも1つの遺伝子マーカーを含み、それにより、マーカーを含有する形質転換された細胞を、負の選択、すなわち、選択マーカー遺伝子を含有しない細胞の成長を阻害することによって、または、正の選択、すなわち、遺伝子マーカーによりコードされる産物をスクリーニングすることによってのいずれかで回収することが可能になる。植物の形質転換のために一般に使用される多くの選択マーカー遺伝子が形質転換の技術分野で周知であり、それらとして、例えば、抗生物質もしくは除草剤であり得る選択的な化学薬剤を代謝により解毒する酵素をコードする遺伝子、または、阻害剤に対して非感受性の変更された標的をコードする遺伝子が挙げられる。正の選択方法もいくつか当技術分野で公知である。
植物の形質転換のために一般に使用される選択マーカー遺伝子の1つは、植物調節シグナルの制御下にあると、カナマイシンに対する抵抗性を付与する、ネオマイシンホスホトランスフェラーゼII(nptII)遺伝子である。Fraleyら、Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.、80巻:4803頁(1983年)。別の一般に使用される選択マーカー遺伝子は、抗生物質ハイグロマイシンに対する抵抗性を付与するハイグロマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子である。Vanden Elzenら、Plant Mol. Biol.、5巻:299頁(1985年)。
抗生物質に対する抵抗性を付与する、細菌起源の追加的な選択マーカー遺伝子としては、ゲンタマイシンアセチルトランスフェラーゼ、ストレプトマイシンホスホトランスフェラーゼおよびアミノグリコシド−3’−アデニルトランスフェラーゼ、ブレオマイシン抵抗性決定因子が挙げられる。Hayfordら、Plant Physiol. 86巻:1216頁(1988年)、Jonesら、Mol. Gen. Genet.、210巻:86頁(1987年)、Svabら、Plant Mol. Biol. 14巻:197頁(1990年)Hilleら、Plant Mol. Biol. 7巻:171頁(1986年)。他の選択マーカー遺伝子は、グリホサート、グルホシネートまたはブロモキシニルなどの除草剤に対する抵抗性を付与するものである。Comaiら、Nature 317巻:741〜744頁(1985年)、Gordon−Kammら、Plant Cell 2巻:603〜618頁(1990年)およびStalkerら、Science 242巻:419〜423頁(1988年)。
植物の形質転換のための、細菌起源ではない選択マーカー遺伝子としては、例えば、マウスジヒドロ葉酸レダクターゼ、植物5−エノールピルビルシキミ酸−3−リン酸シンターゼおよび植物アセト乳酸シンターゼが挙げられる。Eichholtzら、Somatic Cell Mol. Genet. 13巻:67頁(1987年)、Shahら、Science 233巻:478頁(1986年)、Charestら、Plant Cell Rep. 8巻:643頁(1990年)。
植物の形質転換のための別のクラスのマーカー遺伝子は、形質転換された細胞を、抗生物質などの毒性物質に対する抵抗性について直接遺伝子選択するのではなく、形質転換されたと推定される植物細胞のスクリーニングを必要とする。これらの遺伝子は、遺伝子発現を調査するために遺伝子または遺伝子調節配列と融合することができるので、特定の組織における遺伝子の空間的な発現パターンを定量化または可視化するために特に有用であり、しばしばレポーター遺伝子と称される。形質転換されたと推定される細胞をスクリーニングするために一般に使用される遺伝子としては、ベータ−グルクロニダーゼ(GUS)、ベータ−ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼおよびクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼが挙げられる。Jefferson、R. A.、Plant Mol. Biol. Rep. 5巻:387頁(1987年)、Teeriら、EMBO J. 8巻:343頁(1989年)、Konczら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 84巻:131頁(1987年)、DeBlockら、EMBO J. 3巻:1681頁(1984年)。
植物組織の破壊を必要としない、GUS活性を可視化するためのin vivo方法が利用可能である。Molecular Probes publication 2908、IMAGENE GREEN、1〜4頁(1993年)およびNalewayら、J. Cell Biol. 115巻:151a頁(1991年)。しかし、これらのGUS活性を可視化するためのin vivo方法は、低感度、高蛍光バックグラウンドおよび選択マーカーとしてのルシフェラーゼ遺伝子の使用に付随する限定が原因で、形質転換された細胞の回収に有用であることは証明されていない。
一部の態様では、緑色蛍光タンパク質(GFP)をコードする遺伝子が、原核細胞および真核細胞における遺伝子発現についてのマーカーとして利用されている。Chalfieら、Science 263巻:802頁(1994年)。GFPおよびGFPの変異体を、スクリーニング可能なマーカーとして使用することができる。
ジャガイモ形質転換のための発現ベクター:プロモーター
発現ベクターに含まれる遺伝子は、調節エレメント、例えば、プロモーターを含むヌクレオチド配列によって駆動されなければならない。他の調節エレメントと同様に、単独で、またはプロモーターと組み合わせて使用することができるいくつかの型のプロモーターが形質転換の技術分野において周知である。
本明細書で使用される場合、「プロモーター」とは、転写の開始の上流にあり、転写を開始するためのRNAポリメラーゼおよび他のタンパク質の認識および結合に関与するDNAの領域への言及を含む。「植物プロモーター」は、植物細胞における転写を開始することが可能なプロモーターである。発生制御下にあるプロモーターの例としては、葉、根、種子、繊維、木部道管、仮道管、または厚膜組織などのある特定の組織における転写を優先的に開始するプロモーターが挙げられる。そのようなプロモーターを「組織優先的(tissue−preferred)」と称する。ある特定の組織においてのみ転写を開始するプロモーターを「組織特異的」と称する。「細胞型」特異的プロモーターは、1つまたは複数の器官におけるある特定の細胞型、例えば、根または葉における維管束細胞(vascular cell)における発現を主に駆動する。「誘導性」プロモーターは、環境制御下にあるプロモーターである。誘導性プロモーターによる転写に影響を及ぼす可能性がある環境条件の例としては、嫌気条件または光の存在が挙げられる。組織特異的プロモーター、組織優先的プロモーター、細胞型特異的プロモーター、および誘導性プロモーターは、「非構成的な」プロモーターのクラスを構成する。「構成的」プロモーターは、大抵の環境条件下で活性なプロモーターである。
A.誘導性プロモーター
誘導性プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結する。任意選択で、誘導性プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結しているシグナル配列をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結する。誘導性プロモーターを用いると、誘導剤に応答して転写の速度が上昇する。
任意の誘導性プロモーターを本開示において使用することができる。Wardら、Plant Mol. Biol. 22巻:361〜366頁(1993年)を参照されたい。例示的な誘導性プロモーターとしては、これだけに限定されないが、銅に応答する、ACEI系由来のもの(Mettら、PNAS 90巻:4567〜4571頁(1993年));ベンゼンスルホンアミド除草剤緩和剤(benzenesulfonamide herbicide safener)に応答する、トウモロコシ由来のIn2遺伝子(Hersheyら、Mol. Gen Genetics 227巻:229〜237頁(1991年)およびGatzら、Mol. Gen. Genetics 243巻:32〜38頁(1994年))、または、Tn10由来のTetリプレッサー(Gatzら、Mol. Gen. Genetics 227巻:229〜237頁(1991年))が挙げられる。特に好ましい誘導性プロモーターは、植物が通常応答しない誘導剤に応答するプロモーターである。例示的な誘導性プロモーターは、ステロイドホルモン遺伝子に由来する誘導性プロモーターであり、その転写活性は糖質コルチコステロイドホルモンによって誘導される。Schenaら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 88巻:0421頁(1991年)。
B.構成的プロモーター
構成的プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結するか、または構成的プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結しているシグナル配列をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結している。
多くの異なる構成的プロモーターを本開示において利用することができる。例示的な構成的プロモーターとしては、これだけに限定されないが、CaMV由来の35Sプロモーターなどの、植物ウイルスに由来するプロモーター(Odellら、Nature 313巻:810〜812頁(1985年))ならびに、イネアクチン(McElroyら、Plant Cell 2巻:163〜171頁(1990年));ユビキチン(Christensenら、Plant Mol. Biol. 12巻:619〜632頁(1989年)およびChristensenら、Plant Mol. Biol. 18巻:675〜689頁(1992年));pEMU(Lastら、Theor. Appl. Genet. 81巻:581〜588頁(1991年));MAS(Veltenら、EMBO J. 3巻:2723〜2730頁(1984年))およびトウモロコシH3ヒストン(Lepetitら、Mol. Gen. Genetics 231巻:276〜285頁(1992年)およびAtanassovaら、Plant Journal 2巻(3号):291〜300頁(1992年))のような遺伝子に由来するプロモーターが挙げられる。
Brassica napus ALS3構造遺伝子に対して5’側にある、ALSプロモーター、Xbal/Ncol断片(または前記Xbal/Ncol断片に対するヌクレオチド配列類似性)は、特に有用な構成的プロモーターである。PCT出願第WO96/30530号。
C.組織特異的または組織優先的プロモーター
組織特異的プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結する。任意選択で、組織特異的プロモーターは、ジャガイモにおいて発現させる遺伝子に作動可能に連結しているシグナル配列をコードするヌクレオチド配列に作動可能に連結する。組織特異的プロモーターに作動可能に連結した目的の遺伝子を用いて形質転換した植物は、特定の組織において排他的にまたは優先的に、導入遺伝子のタンパク質産物を産生する。
任意の組織特異的または組織優先的プロモーターを本開示において利用することができる。例示的な組織特異的または組織優先的プロモーターとしては、これだけに限定されないが、ファゼオリン遺伝子に由来するものなどの根優先的プロモーター(Muraiら、Science 23巻:476〜482頁(1983年)およびSengupta−Gopalanら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA 82巻:3320〜3324頁(1985年));cabまたはルビスコに由来するものなどの葉特異的かつ光誘導性プロモーター(Simpsonら、EMBO J. 4巻(11号):2723〜2729頁(1985年)およびTimkoら、Nature 318巻:579〜582頁(1985年));LAT52に由来するものなどの葯特異的プロモーター(Twellら、Mol. Gen. Genetics 217巻:240〜245頁(1989年));Zm13に由来するものなどの花粉特異的プロモーター(Guerreroら、Mol. Gen. Genetics 244巻:161〜168頁(1993年))、または、apgに由来するものなどの小胞子優先的プロモーター(Twellら、Sex. Plant Reprod. 6巻:217〜224頁(1993年))が挙げられる。
タンパク質を細胞内区画に標的化するためのシグナル配列
導入遺伝子によって産生されるタンパク質の、葉緑体、液胞、ペルオキシソーム、グリオキシソーム、細胞壁もしくはミトコンドリアなどの細胞内区画への輸送またはアポプラスト内への分泌は、目的のタンパク質をコードする遺伝子の5’領域および/または3’領域にシグナル配列をコードするヌクレオチド配列を作動可能に連結することによって達成される。構造遺伝子の5’末端および/または3’末端の標的化配列により、タンパク質合成およびプロセシングの間に、コードされるタンパク質がどこに最終的に区画化されるかを決定することができる。
シグナル配列が存在することにより、ポリペプチドが、細胞内細胞小器官もしくは細胞内区画に、またはアポプラストへの分泌に導かれる。多くのシグナル配列が当技術分野で公知である。例えば、Beckerら、Plant Mol. Biol. 20巻:49頁(1992年);Close, P. S.、Master’s Thesis、Iowa State University(1993年);Knox, C.ら、Plant Mol. Biol. 9巻:3〜17頁(1987年);Lernerら、Plant Physiol. 91巻:124〜129頁(1989年);Frontesら、Plant Cell 3巻:483〜496頁(1991年);Matsuokaら、Proc. Natl. Acad. Sci. 88巻:834頁(1991年);Gouldら、J. Cell. Biol. 108巻:1657頁(1989年);Creissenら、Plant J. 2巻:129頁(1991年);Kalderonら、Cell 39巻:499〜509頁(1984年);Steifelら、Plant Cell 2巻:785〜793頁(1990年)を参照されたい。
Solanum属の分類学
Solanaceae科は、トマト(Solanum lycopersicum、Lycopersicon esculentumとも称される)、ナス(Solanum melogena)、タバコ(Nicotiana tabacum)、コショウ(Capsicum annuum)およびジャガイモ(Solanum tuberosum)などの、いくつかの周知の栽培作物を含有する。Solanum属の中で、1,000種超が認識されている。ジャガイモは、商業用ジャガイモ圃場とその周辺に一般に見出される雑草を含めた、塊茎を持たないSolanum(トマト、ナスなど)種とは交雑しない(Love、1994年)。
Solanum属は、いくつかの下位区分(subsection)に分けられ、そのうち下位区分potatoeは、塊茎を持つ全てのジャガイモを含有する。下位区分potatoeは、系(series)に分けられ、そのうちtuberosaが本文書に関連する。系tuberosaの中では、野生ジャガイモおよび栽培ジャガイモがおよそ54種見出される。これらのうちの1つがS.tuberosumである。
S.tuberosumは、2つの亜種:tuberosumおよびandigenaに分けられる。亜種tuberosumは、例えば北アメリカおよびヨーロッパにおいて作物として広範に使用されている栽培ジャガイモである。亜種andigenaも栽培種であるが、栽培は中南米に限られている(Hanneman、1994年)。
米国における野生ジャガイモ
米国の領土内で生育しており、その標本が遺伝子バンク内に存在する野生ジャガイモ種は2つのみであり、それらは、四倍体種S.fendleri(最近、S.stoloniferumとして再分類されたが、Inter−genebank Potato Databaseを含めた一部の供給源では、今でもS.fendleriの名称が使用されている)および二倍体種S.jamesiiである(Bambergら、2003年;IPD、2011年Bambergおよびdel Rio、2011年a;Bambergおよびdel Rio、2011年b;Spoonerら、2004年)。Love(1994年)により、第3の種、S.pinnatisectumも米国におけるネイティブな種であることが報告された。しかし、Spoonerら(2004年)により、以前S.pinnatisectumだと思われていたものが実際にはS.jamesiiであったということが決定された。10年を超える圃場での研究および既存の記録の評価を通じて、Bambergら(2003年)およびSpoonerら(2004年)により、米国には、これらの2つの種、S.fendleriおよびS.jamesiiのみが存在することが確立された。これらの研究者はまた、以前に記録された位置を検証することも試み、このプロセスを通じて、現在分かっているこれらの種の位置の地図が更新され、記録された各個体群についての緯経度位置(Bambergら、2003年)および分布地図(Spoonerら、2004年)がもたらされた。これらの種は、大部分が、大多数の商業生産領域とは十分に隔離された高度5,000〜10,000フィートの乾燥林、低木林砂漠、および砂地に存在する(Bambergおよびdel Rio、2011年a)。
郡レベルでは、商業生産のために使用されるエーカー数と野生種の存在はいくらか重複するが、米国における大多数のジャガイモ生産は、野生ジャガイモ帯域におけるものではない。しかし、少数の野生ジャガイモ植物体がジャガイモ圃場の近くで生育し得る可能性がある(Love、1994年)。Spoonerら(2004年)は、米国におけるS.jamesiiの生息地として、標高4,500〜9,400フィートの、山腹の巨礫の間、砂質の沖積河川の底部、踏み分け道または道路に沿った砂利、沖積谷の肥沃有機質土壌、砂質の休閑地、草地、ビャクシン−低木松の低木林砂漠、オーク雑木林、針葉樹および落葉性の森林を記載している。Spoonerらは、S.fendleriの生息地も同様であり、標高4700〜11,200フィートであることを記載している。
ジャガイモの遺伝学
Solanum属における基本的な染色体数は、12である。S.tuberosum subsp.tuberosumは二倍体(2n=2×=24)または四倍体(2n=4×=48)であり得る。二倍体の範囲は南米の一部に限られているが、四倍体は、世界中で最も一般的に栽培されている。ジャガイモにおける四倍性がどのように生じたかは不明である。栽培されているS.tuberosum subsp.tuberosumは、同質四倍体(二倍体種の染色体の倍加)または異質四倍体(2つの関連する種間の二倍体雑種の染色体の倍加)のいずれかであり得る。
二倍体種はほぼ全てが自家不和合性であるが、栽培されている四倍体S.tuberosum subsp.tuberosumは自家受粉(自殖)可能である。Plaisted(1980年)により、圃場条件下では、四倍体S.tuberosumについては自殖の可能性が最も高く、種子の80〜100パーセントが自殖によって形成されることが示された。ConnerおよびDale(1996年)は、ニュージーランド、英国およびスウェーデンにおいて実施された、遺伝子改変されたジャガイモを用いたいくつかの圃場実験から、外交配データを収集した。各試験において、受容植物を遺伝子改変された植物から20メートル超離した場合には、外交配率はゼロであった。Solanum種の多くは稔性であるが、多数の四倍体の栽培されているS.tuberosum subsp.tuberosum栽培品種では稔性が低下していると思われる。
ジャガイモ品種
ジャガイモ品種の開発には何年もかかる。新品種の樹立の決定は、市場におけるニーズ、潜在的な消費者の許容性、および害虫耐性または抵抗性などの多くの因子に基づく。ジャガイモ品種は、トウモロコシ(field corn)またはダイズなどのいくつかの他の作物と比較して導入および中止の頻度が高くない。ジャガイモはクローン的に繁殖するので、他家受粉に起因する品種間希釈(varietal dilution)のリスクが低下する。
本開示において使用するジャガイモ事象は、4つのジャガイモ品種を起源とする。
Russet Burbankは、事象E12およびW8の親品種である。この品種は、1870年代の初めにLuther Burbankにより開発された。植物体は生育が良く、季節全体を通してつるが生育し続ける。茎は厚く、顕著に曲がっており、細かい斑点がある。小葉は、幅は長い〜中程度であり、色は薄い〜中程度の緑色である。花はわずかであり、白色であり、稔性ではない。栽培品種は、そうか病(common scab)に対して耐性であるが、FusariumおよびVerticilliumによる立ち枯れ病、葉巻病ならびに網状壊死(net necrosis)ならびにYウイルスにかかりやすい。植物が、こぶ、尖った先端および亜鈴状を有さない塊茎を生成するためには、土壌水分が高く均一であり、窒素肥沃度が制御された条件が必要である。植物がストレスにさらされると塊茎にゼリーエンド(Jelly−end)およびシュガーエンド(sugar−end)が発生する。生成する塊茎は大きく、皮は褐色であり、果肉は白色であり、良好な長期間貯蔵特性を示し、優れたベーキングおよび加工品質の標準的なものである。この品種は、不稔性であり、北西部および中西部において、特にフレンチフライの生産用として広範に育てられている。
Ranger Russetは、事象F10およびX17の親品種である。この完全な季節品種は、1991年に公開された。Ranger Russetは、Russet Burbankよりも、Verticilliumによる立ち枯れ病、XウイルスおよびYウイルス、葉巻病ならびに網状壊死、ならびにFusariumによる乾腐病に対する抵抗性が高い。Ranger Russetは、空胴病に対する抵抗性が高い。植物体は、大きく、立性〜開帳性である。茎は、厚く、緑色であり、たくさんの日光の下では薄茶色がかった〜薄紫色になる。葉は、大きく、広く、中程度に緑色である。花は、豊富であり、生育可能な花粉を生じる。芽は、緑色で基部および小花柄が赤みがかった紫色であり、短い軟毛の量は中程度である。花冠は、中程度の大きさであり、赤紫色であり、葯は鮮やかな黄色である。Ranger Russetは、長く、わずかに平らであり、フレンチフライへのベーキングおよび加工によく適した、品質が良好で比重の高い塊茎を高収量で生成する。塊茎は、そうか病および打撲黒斑にかかりやすい。Ranger Russetは、Russet Burbankよりも早く成熟し、中期貯蔵用品種であるとみなされる。この品種は稔性であり、主に北西部において、特にフレンチフライの生産用として育てられている。
Atlanticは、事象J3およびJ55およびY9の親品種である。植物体は、中程度の大きさであり、厚く立性の茎、および、わずかに膨らんだ低密度に軟毛に覆われた節を有する。葉は、鮮やかな中程度の緑色であり、平滑であり、中程度に軟毛に覆われており、顕著な翼(wing)、大きな非対称的な初生小葉ならびに多数の二次小葉および三次小葉を伴う。花は、大量であり、緑色の、突き錐状の軟毛に覆われたがく裂片(calyx lobe)、淡いラベンダー色の花冠、オレンジ色の葯、および豊富な生育可能な花粉を伴う。栽培品種は、そうか病およびVerticilliumによる立ち枯れ病に対して耐性であり、ピンクアイ(pinkeye)に対して抵抗性であり、ジャガイモシストセンチュウのRace A、Xウイルス、塊茎の網状壊死に対して高度に抵抗性であり、打撲黒斑に対していくらかの抵抗性を示す。塊茎は、特に温暖な、乾燥した季節の砂土においては、内部熱壊死(internal heat necrosis)にかかりやすい。一部の生育地域では、直径が大きな塊茎(直径>4インチ)の空胴病は重篤になり得る。塊茎は、卵形〜円形であり、軽い〜重い鱗片状の網状の皮、中程度に浅い芽、および白色の果肉を伴う。塊茎休眠は中程度の長さである。Atlanticは、高収量の潜在性、高比重および均一な塊茎のサイズおよび形状を有し、圃場からまたは非常に短期の貯蔵からのチップ生成用の標準品種である(Webbら、1978年)。この品種は、稔性であり、主に北東部および南東部において、特にチップの生産用として育てられている。
Snowdenは、事象V11の親品種である。Snowden(W 855)は、1970年代の後期に、ウィスコンシンにおいてWischipとB5141−6の交配から選択され、1990年に名付けられた。UW−Lelah Starks Potato Breeding Farm、Rhinelander、WIにおいてDr.Stan PeloquinおよびMr.Donald Kichefskiにより選択および初期試験が行われた。つるは大きな立性であり、中程度である。葉は、淡緑色であり、閉じている。花は、白色であり、黄色の葯を伴い、生育が止まる傾向がある。雄性不稔性が一般的であり、果実はめったに発達しない。芽は中程度であり、頂端で深く、均一に分布している。塊茎は白色の果肉を有するが、皮は淡褐色であり、わずかに網状である。塊茎は、均一で、丸く、わずかに平らであり、一貫して直径2.5〜3.5インチである。Snowdenは、夏疫病(early blight)および疫病ならびにそうか病にかかりやすく、コロラドハムシを誘引する。この品種は、空胴病および中心部の褐変(brown center)に対して耐性である。Snowdenの収量はAtlanticよりもわずかに少ないかそれと同等である。Snowdenは現在North Central Regional Trialsにおける標準物である。Snowdenは、華氏45度での貯蔵から出してリコンディショニングせずにチップ生成される以外は、Atlanticと非常によく似ている。Snowdenは、チップの生産のために使用される。
ジャガイモ形質転換の方法
生物学的な植物形質転換プロトコールおよび物理的な植物形質転換プロトコールを含めた、植物を形質転換するための多数の方法が開発されてきた。例えば、Mikiら、「Procedures for Introducing Foreign DNA into Plants」、Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology、Glick, B. R.およびThompson, J. E.編(CRC Press, Inc. Boca Raton、1993年)、67〜88頁を参照されたい。さらに、植物細胞または組織の形質転換および植物の再生のための発現ベクターおよびin vitro培養方法が利用可能である。例えば、Gruberら、「Vectors for Plant Transformation」、Methods in Plant Molecular Biology and Biotechnology、Glick, B. R.およびThompson, J. E.編(CRC Press, Inc.、Boca Raton、1993年)、89〜119頁を参照されたい。
A.Agrobacterium媒介形質転換
植物に発現ベクターを導入するための1つの方法は、Agrobacteriumの天然の形質転換系に基づく。例えば、Horschら、Science 227巻:1229頁(1985年)を参照されたい。A.tumefaciensおよびA.rhizogenesは、植物細胞を遺伝的に形質転換する、植物病原性土壌細菌である。それぞれA.tumefaciensおよびA.rhizogenesのTiプラスミドおよびRiプラスミドは、植物体の遺伝子形質転換に関与する遺伝子を保有する。例えば、Kado, C. I.、Crit. Rev. Plant Sci. 10巻:1頁(1991年)を参照されたい。Agrobacteriumベクター系およびAgrobacterium媒介性遺伝子移入の方法の説明は、Gruberら、上記、Mikiら、上記およびMoloneyら、Plant Cell Reports 8巻:238頁(1989年)によりもたらされる。1996年10月8日に発行された米国特許第5,563,055号(TownsendおよびThomas)も参照されたい。Agrobacterium媒介性形質転換およびAgrobacteriumと共に使用する目的で設計された特定のDNA送達プラスミドを管理する多数の特許、例えば、全てその全体が本明細書に参照により組み込まれる、US4536475、EP0265556、EP0270822、WO8504899、WO8603516、US5591616、EP0604662、EP0672752、WO8603776、WO9209696、WO9419930、WO9967357、US4399216、WO8303259、US5731179、EP068730、WO9516031、US5693512、US6051757およびEP904362A1が存在する。
Agrobacterium媒介性植物形質転換には、第1のステップとして、プラスミドにクローニングされたDNA断片を生きているAgrobacterium細胞内に入れ、次いで、それらを、その後、個々の植物細胞の形質転換に使用することを伴う。したがって、Agrobacterium媒介性植物形質転換は、間接的な植物の形質転換方法である。
Agrobacterium媒介形質転換は、遺伝子操作された、Agrobacterium属に属する土壌細菌の使用によって達成される。いくつかのAgrobacterium種は、任意の所望のDNA片を多くの植物種内に運搬するように遺伝子操作することができる、「T−DNA」として公知の特定のDNAの移入を媒介する。T−DNA媒介性病因のプロセスを特徴付ける主要な事象は、ビルレンス遺伝子の誘導、T−DNAのプロセシングおよび移入である。このプロセスは、多くの総説の主題である(Ream、1989年;HowardおよびCitovsky、1990年;Kado、1991年;HooykaasおよびSchilperoort、1992年;Winnans、1992年;Zambryski、1992年;Gelvin、1993年;BinnsおよびHowitz、1994年;HooykaasおよびBeijersbergen、1994年;LesslおよびLanka、1994年;ZupanおよびZambryski、1995年)。
植物のAgrobacterium媒介性遺伝子形質転換には、いくつかのステップが伴う。Agrobacteriumおよび植物細胞をまず互いと接触させる第1のステップは、一般に、「接種」と称される。接種ステップの後、通常、Agrobacteriumおよび植物細胞/組織を、成長およびT−DNA移入に適した条件下で数時間〜数日またはそれ超の期間にわたって一緒に成長させる。このステップは、「共培養(co−culture)」と称される。共培養およびT−DNA送達の後、多くの場合、植物細胞を殺菌剤および/または静菌剤で処理してAgrobacteriumを死滅させる。これを非トランスジェニック植物細胞に対してトランスジェニック植物細胞の優先的な成長を促進する任意の選択的薬剤の非存在下で行う場合には、一般には、「遅延」ステップと称される。トランスジェニック植物細胞に有利な選択圧力の存在下で行う場合には、これは、「選択」ステップと称される。「遅延」を使用する場合には、その後に1つまたは複数の「選択」ステップを行う。感染(接種および共培養)プロセス後のAgrobacterium細胞の成長は望ましくないので、「遅延」ステップおよび「選択」ステップはどちらも、一般に、残りのあらゆるAgrobacterium細胞を死滅させるための殺菌剤および/または静菌剤を含む。
Agrobacterium媒介形質転換によって作製されたトランスジェニック植物は、一般に、微小粒子媒介性遺伝子形質転換と比較して単純な組み込みパターンを含有するが、コピー数および挿入パターンは広範に変動する(Jonesら、1987年;Jorgensenら、1987年)。さらに、単一の植物遺伝子型内でさえ、使用される外植片および形質転換系の型に基づいて、異なるパターンのT−DNA組み込みが可能である(Greveldingら、1993年)。T−DNAコピー数を調節する因子は十分には理解されていない。
付随する実施例には形質転換の特定のInnate(商標)方法論が記載されている。しかし、植物体のAgrobacterium媒介性植物形質転換の上述の「一般的な」方法によっても、教示される方法によって検出することができる天然には存在しないヌクレオチド接合部配列を作製する。
B.直接遺伝子移入
DNAを使用する直接的な植物形質転換方法も報告されている。これらのうち歴史的に最初に報告されたものは、植物細胞を含有する溶液に印加される電流を利用する電気穿孔である(M. E. Frommら、Nature、319巻、791頁(1986年);H. Jonesら、Plant Mol. Biol.、13巻、501頁(1989年)およびH. Yangら、Plant Cell Reports、7巻、421頁(1988年)。
「微粒子銃(biolistic bombardment)」と称される、別の直接的な方法では、通常はタングステンまたは金の超微細粒子を使用し、それにDNAをコーティングし、次いで、粒子が、厚い細胞壁、膜および核エンベロープを含めた植物細胞を貫通するのに十分であるが、それらの少なくとも一部は死滅させない力で植物組織の表面に噴霧する(US5,204,253、US5,015,580)。
第3の直接的な方法では、文字通り細胞および細胞の核エンベロープをも突き刺す、鋭い、多孔質または中空の針様突起からなる金属またはセラミックの繊維状の形態を使用する。炭化ケイ素ウィスカーおよびホウ酸アルミニウムウィスカーの両方が、植物の形質転換のため(Mizunoら、2004年;Petolinoら、2000年;US5302523、米国特許出願第20040197909号)ならびに細菌および動物の形質転換のためにも(Kaeplerら、1992年;Raloff、1990年;Wang、1995年)使用されている。他の方法が報告されており、追加的な方法が確実に開発されるであろう。本明細書において教示される方法により、任意の植物の形質転換方法の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部を検出することができる。
ジャガイモ育種
前述の形質転換の方法は、一般には、トランスジェニック品種を作製するために使用される。次いで、新しいトランスジェニック品種を作製するために、トランスジェニック品種を別の(形質転換されていないまたは形質転換された)品種と交配することができる。あるいは、前述の形質転換技法を使用して特定のジャガイモ系統に工学的操作により導入された遺伝形質を、植物体育種の技術分野で周知である従来の戻し交配技法を使用して、別の系統に移動させることができる。例えば、戻し交配手法を使用して、工学的に操作された形質を、公共の非優良品種から優良品種に、または、ゲノム内に外来遺伝子を含有する品種からその遺伝子を含有しない品種(複数可)に、移動させることができる。本明細書で使用される場合、「交配」とは、文脈に応じて、単純なXとYの交配または戻し交配のプロセスを指し得る。
ジャガイモ植物体という用語が本開示に関して使用される場合、この用語は、その品種の遺伝子変換された植物体、または1つもしくは複数の付加価値遺伝子(例えば、除草剤抵抗性もしくは害虫抵抗性など)が組み入れられたトランスジェニック派生物などの、問題の事象の本質的な際立った特性を保持する派生品種も包含することが当業者には理解されよう。戻し交配方法を本開示と共に使用して、特性を改善するまたは当該品種に導入することができる。用語「戻し交配」とは、本明細書で使用される場合、雑種後代をまた反復親と交配することを1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回またはそれ超、繰り返すことを指す。1つまたは複数の所望の特性について遺伝子(複数可)を寄与する親ジャガイモ植物体は、一回親(nonrecurrent parent)またはドナー親と称される。この用語法は、一回親は戻し交配プロトコールにおいて1回使用され、したがって、反復しないという事実を指す。一回親由来の遺伝子(複数可)が移入される親ジャガイモ植物体は、戻し交配プロトコールにおいて数ラウンド使用されるので、反復親として公知である。典型的な戻し交配プロトコールでは、目的の元の品種(反復親)を、移入させる目的の遺伝子(複数可)を有する第2の品種(一回親)と交配する。次いで、この交配から得られた後代を再度反復親と交配し、一回親から移入された1つまたは複数の遺伝子に加えて、反復親の所望の形態学的特性および生理的特性の基本的に全てが、変換された植物において回復するジャガイモ植物体が得られるまでこのプロセスを繰り返す。
適切な反復親の選択は、戻し交配手順を成功させるための重要なステップである。戻し交配プロトコールの目的は、元の品種の1つまたは複数の形質または特性を変更または置換することである。これを達成するために、反復品種の1つまたは複数の遺伝子を、一回親に由来する所望の遺伝子(複数可)を用いて改変するか、置換するか、またはそれを補充すると同時に、残りの所望の遺伝子の基本的に全て、したがって、元の品種の所望の生理的および形態学的な構成を保持する。特定の一回親の選択は、戻し交配の目的に左右される。主要な目的のうちの1つは、いくつかの商業的に望ましい、農業的に重要な形質を植物体に付加することである。正確な戻し交配プロトコールは、適切な試験プロトコールを決定するために変更または付加される特性または形質に左右される。戻し交配方法は、移入される特性が優性対立遺伝子である場合には簡易化されるが、劣性対立遺伝子も移入することができる。この場合、所望の特性が首尾よく移入されたか否かを決定するために、後代の試験を導入することが必要な場合がある。
同様に、導入遺伝子は、以下のものなどの当業者に周知の種々の確立された組換え方法のいずれかを用いて植物体に導入することができる:Gressel、1985年、Biotechnologically Conferring Herbicide Resistance in Crops: The Present Realities、In Molecular Form and Function of the Plant Genome、L. van Vloten−Doting、(編)、Plenum Press、New York;Huttner, S. L.ら、1992年、Revising Oversight of Genetically Modified Plants、Bio/Technology;Klee, H.ら、1989年、Plant Gene Vectors and Genetic Transformation: Plant Transformation Systems Based on the use of Agrobacterium tumefaciens、Cell Culture and Somatic Cell Genetics of Plants;Koncz, C.ら、1986年、The Promoter of T.sub.L−DNA Gene 5 Controls the Tissue−Specific Expression of Chimeric Genes Carried by a Novel Type of Agrobacterium Binary Vector;Molecular and General Genetics;Lawson, C.ら、1990年、Engineering Resistance to Mixed Virus Infection in a Commercial Potato Cultivar: Resistance to Potato Virus X and Potato Virus Y in Transgenic Russet Burbank、Bio/Technology;Mitsky, T. A.ら、1996年、Plants Resistant to Infection by PLRV. 米国特許第5,510,253号;Newell, C. A.ら、1991年、Agrobacterium−Mediated Transformation of Solanum tuberosum L. Cv. Russet Burbank、Plant Cell Reports;Perlak, F. J.ら、1993年、Genetically Improved Potatoes: Protection from Damage by Colorado Potato Beetles、Plant Molecular Biology、これらの全てがこの目的に関して参照により本明細書に組み込まれる。
新品種の開発において決まっては選択されないが、戻し交配および遺伝子工学技法によって改善することができる多くの形質が同定されている。これらの形質は、トランスジェニックであってもトランスジェニックでなくてもよく、これらの形質の例としては、これだけに限定されないが、除草剤抵抗性;細菌、真菌またはウイルスによる病害に対する抵抗性;昆虫抵抗性;デンプンおよび他の炭水化物の濃度の均一性または上昇;栄養品質の増強;塊茎が打撲を受ける傾向の減少;およびデンプンが糖に変換される速度の低下が挙げられる。これらの遺伝子は、一般に、核を通じて遺伝する。
寄託情報
以下の寄託情報は、ただ単に、実施例および特許請求された方法において使用される代表的な植物材料を提示するために含まれる。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種J3の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は、2013年5月23日であった。ATCC受託番号は、PTA−120371である。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,754,303号、「Potato Cultivar J3」を参照されたい。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種F10の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は、2013年5月23日であった。ATCC受託番号は、PTA−120373である。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,710,311号、「Potato Cultivar F10」を参照されたい。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種W8の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は、2014年3月11日であった。ATCC受託番号は、PTA−121079である。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,889,964号、「Potato Cultivar W8」を参照されたい。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種J55の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は、2013年9月25日であった。ATCC受託番号は、PTA−120601である。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,889,963号、「Potato Cultivar J55」を参照されたい。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種E12の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は2013年5月23日であった。ATCC受託番号は、PTA−120372である。参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第14/072,487、「Potato Cultivar E12」号を参照されたい。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種X17の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は2015年6月17日であった。ATCC受託番号はPTA−122248である。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種Y9の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は2015年6月17日であった。ATCC受託番号はPTA−122247である。
上に開示されているJ.R.Simplot Companyの独自のジャガイモ栽培品種V11の塊茎は、American Type Culture Collection(ATCC)、10801 University Boulevard、Manassas、Va.20110への寄託がなされた。寄託日は、であった。ATCC受託番号は、である。
(実施例1)
pSIM1278形質転換ベクター骨格
プラスミドpSIM1278は、ジャガイモを形質転換するために使用される、19.7kbのバイナリー形質転換ベクターである。この実施例では、遺伝子エレメントの供給源、骨格およびT−DNA配列のクローニングステップ、ならびにプラスミド内のエレメントの順序を示す。
プラスミド骨格(図1および表1)は、2つのよく特徴付けられた細菌の複製起点を含有する。pVS1(pVS1 StaおよびRep)はAgrobacteriumにおけるプラスミドの維持を可能にし、pBR322(pBR322 bomおよびori)は、Escherichia coliにおけるプラスミドの維持を可能にするものである。Agrobacterium DNAオーバードライブ配列により、RBにおける切断が増強され、そしてE.coli nptII遺伝子は、細菌性カナマイシン選択マーカーである。骨格は、Ranger Russetジャガイモポリユビキチン(Ubi7)プロモーターとRanger Russetジャガイモポリユビキチン(Ubi3)ターミネーターで挟まれたAgrobacteriumイソペンテニルトランスフェラーゼ(ipt)遺伝子を含む発現カセットを含有する。iptカセットは、宿主植物へのプラスミド骨格DNAの組み込みに対する選択に使用するためのスクリーニング可能な表現型である。形質転換された植物組織において存在する場合、iptの過剰発現により植物ホルモンであるサイトカイニンが過剰産生され、その結果、生育が妨げられる表現型を有し、葉が異常であり、根付くことができない植物が生じる。
骨格部分は植物細胞に移入されない。骨格の種々のエレメントを表1に記載する。
(実施例2)
pSIM1278形質転換ベクターT−DNA
pSIM1278に使用する、隣接境界配列を含めたpSIM1278 DNA挿入断片領域は、長さが1bpから10,148bpまでの10,148bpである。pSIM1278 DNA挿入断片は、ネイティブなDNAのみからなり、ジャガイモゲノム内に安定に組み込まれる。pSIM1278 DNA挿入断片またはその機能性部分は、ベクターpSIM1278の、本発明のジャガイモ植物体品種に組み込まれる唯一の遺伝物質である。
pSIM1278 DNA挿入断片は、図1(ベクター骨格領域と共に)、図2、図5、および以下の表2に記載されている。LB配列およびRB配列(各25bp)を、Agrobacterium tumefaciens由来のT−DNAの境界と類似し、同様に機能するように、合成により設計した。GenBank Accession AY566555を、境界領域についてのDNAの供給源が明白になるように修正した。遺伝子エレメント5および10と記載されているASN1は、Chawlaら、2012年ではStAst1と称されている。
プラスミドpSIM1278 T−DNAは、2つの発現カセットを含有する:
第1のカセット(エレメント4〜12、表2)は、形質転換されたジャガイモ品種におけるAsn1およびPpo5を下方制御するものである。第1のカセットは、2つの同一の405bpのAsn1の断片および2つの同一の144bpのPpo5の断片で構成される。Asn1の断片およびPpo5の断片は、非コード157bp Ranger Russetジャガイモヌクレオチドスペーサーエレメントによって分離された逆方向反復として配置する。Asn1断片およびPpo5断片は、主に塊茎において活性である2つのジャガイモ収束プロモーター;ADPグルコースピロホスホリラーゼ(Agp)遺伝子のAgpプロモーターと顆粒結合デンプン合成酵素(Gbss)遺伝子のGbssプロモーターの間に配置する。これらのプロモーターにより、逆方向反復の発現が駆動されて二本鎖RNAが生成し、Asn1およびPpo5が下方制御される。
第2のカセット(エレメント14〜21、表2)は、形質転換されたジャガイモ品種におけるPhLおよびR1を下方制御するものである。第2のカセットは、2つの同一の509bpのPhLプロモーター領域(pPhL)の断片および2つの同一の532bpのR1プロモーター領域(pR1)の断片で構成される。pPhL断片およびpR1断片は、Ranger Russetジャガイモポリユビキチン遺伝子の非コード258bp断片によって分離された逆方向反復として配置する。第1のカセットと同様に、pPhL断片およびpR1断片は、ジャガイモAgpプロモーターとGbssプロモーターの間に配置され、それらによって転写される。
したがって、表1および表2から見ることができるように、pSIM1278プラスミドは、ジャガイモ植物体を形質転換するために設計されたバイナリーベクターである。ベクター骨格は、E.coliおよびAgrobacteriumの両方における複製のための配列を、ベクター骨格DNAを有する植物を除去するためのスクリーニング用のiptマーカーと共に含有する。T−DNA領域は、LB配列とRB配列で挟まれた2つの発現カセットからなる。宿主植物組織にpSIM1278ベクターを含有するAgrobacteriumを接種すると、pSIM1278のT−DNA領域が宿主ゲノム内に移入される。
本開示のジャガイモ系統を創出するために使用した、表2に記載されているDNA挿入断片は、隣接する遺伝子を活性化せず、ジャガイモ植物体品種の表現型に悪影響を及ぼさない。
(実施例3)
pSIM1678形質転換ベクター骨格
プラスミドpSIM1678は、ジャガイモを形質転換するために使用される、18.6kbのバイナリー形質転換ベクターである。この実施例では、遺伝子エレメントの供給源、骨格およびT−DNA配列のクローニングステップ、ならびにプラスミド内のエレメントの順序を示す。
プラスミド骨格(図3;表3)は、2つのよく特徴付けられた細菌の複製起点を含有する。pVS1(pVS1 StaおよびRep)はAgrobacteriumにおけるプラスミドの維持を可能にし、pBR322(pBR322 bomおよびori)は、Escherichia coliにおけるプラスミドの維持を可能にするものである。Agrobacterium DNAオーバードライブ配列により、RBにおける切断が増強され、そしてE.coli nptII遺伝子は、細菌性カナマイシン選択マーカーである。骨格は、Ranger Russetジャガイモポリユビキチン(Ubi7)プロモーターとRanger Russetジャガイモポリユビキチン(Ubi3)ターミネーターで挟まれたAgrobacteriumイソペンテニルトランスフェラーゼ(ipt)遺伝子を含む発現カセットを含有する(GarbarinoおよびBelknap、1994年)。iptカセットは、宿主植物へのプラスミド骨格DNAの組み込みに対する選択に使用するためのスクリーニング可能な表現型である。形質転換された植物組織において存在する場合、iptの過剰発現により植物ホルモンであるサイトカイニンが過剰産生され、その結果、生育が妨げられる表現型を有し、葉が異常であり、根付くことができない植物が生じる。
骨格部分は植物細胞に移入されない。骨格の種々のエレメントは、表3に記載されている。
(実施例4)
pSIM1678形質転換ベクターT−DNA
pSIM1678において使用する、隣接境界配列を含めたpSIM1678 DNA挿入断片領域は、9,090bpの長さである(1bpから9,090bpまで)。pSIM1678 DNA挿入断片は、ネイティブなDNAのみからなり、ジャガイモゲノム内に安定に組み込まれる。pSIM1678 DNA挿入断片またはその機能性部分は、本発明のジャガイモ植物体品種に組み込まれるベクターpSIM1678の唯一の遺伝物質である。
pSIM1678 DNA挿入断片は、図3(ベクター骨格領域と共に)、図5、および以下の表4に記載されている。表4では、LB配列およびRB配列(各25−bp)を、Agrobacterium tumefaciens由来のT−DNAの境界と類似し、同様に機能するように、合成により設計した。GenBank Accession AY566555を、境界領域についてのDNAの供給源が明白になるように修正した。
プラスミドpSIM1678 T−DNAは、1−bpから9,090−bpまでであり、2つの発現カセットを含有する(図3):
第1のカセット(エレメント4〜6、表4)は、Solanum venturiiに由来する2,626bpのRpi−vnt1(Vnt1)遺伝子を含有する。遺伝子産物VNT1は、ジャガイモをPhytophthora infestansによる疫病感染から保護する植物免疫応答に関与するR−タンパク質である。この遺伝子は、ネイティブなVnt1プロモーターpVnt1、およびターミネーターtVnt1の下で発現する。
第2のカセット(エレメント8〜14、表4)は、形質転換されたジャガイモ品種における液胞インベルターゼ(VInv)の下方制御を結果としてもたらす。第2のカセットは、分離された逆方向反復として配置された2つのVInvの断片(エレメント10および12、表4)で構成される。VInv断片は、主に塊茎において活性である2つのジャガイモ収束プロモーター;ADPグルコースピロホスホリラーゼ(Agp)遺伝子のAgpプロモーターと顆粒結合デンプン合成酵素(Gbss)遺伝子のGbssプロモーターの間に配置する。これらのプロモーターにより、逆方向反復の発現が駆動されて二本鎖RNAが生成し、VInvが下方制御される。
したがって、表3および表4から見ることができるように、pSIM1678プラスミドは、ジャガイモ植物体を形質転換するために設計されたバイナリーベクターである。ベクター骨格は、E.coliおよびAgrobacteriumの両方における複製のための配列を、ベクター骨格DNAを有する植物を除去するためのスクリーニング用のiptマーカーと共に含有する。T−DNA領域は、LB配列とRB配列で挟まれた2つの発現カセットからなる。宿主植物組織にpSIM1678ベクターを有するAgrobacteriumを接種すると、pSIM1678のT−DNA領域が宿主ゲノム内に移入される。
(実施例5)
Agrobacterium株およびトランスフェクション
C58由来のAgrobacterium株AGL1は、強毒性プラスミドpTiBo542のトランスファーDNAを正確に欠失させることによって開発された(Lazoら、1991年)。一般的な組換え遺伝子(recA)にトランスポゾンを挿入することにより、pSIM1278などの組換えプラスミドベクターが安定化する(図1)。AGL1は、カルベニシリンおよびリファンピシンに対する抵抗性を示し、チメンチンを使用する形質転換されたジャガイモ組織から除去される。選択後、植物は、抗生物質およびAgrobacteriumのどちらも含まず、ジャガイモ由来の発現カセットが植物のゲノム内に挿入されている。
ストックの植物体を、3%スクロースおよび2g/lのゲルライトを含有する、半分の強度のM516(Phytotechnology)培地(繁殖培地)40mlを伴うマゼンタボックス(magenta box)中で維持した。4週齢の植物体から4〜6mmのジャガイモ節間セグメントを切り取り、pSIM1278を有するAgrobacterium AGL1株を感染させ、3%スクロースおよび6g/lの寒天を含有する組織培養培地(共栽培培地)に移した。2日後、感染外植片を、3%スクロース、6g/lの寒天および150mg/lのチメンチンを含有するM404(Phytotechnology)培地に移してAgrobacteriumを除去した(ホルモンを含まない培地)。この方法の詳細は、Richaelら(2008年)に記載されている。
1カ月後、感染外植片を、いかなる合成ホルモンも欠く新鮮な培地に移し、Percival生育チャンバー中、24℃、16時間の光周期の下でインキュベートし、そこで感染外植片の苗条形成を開始させた。多くの苗条がipt遺伝子を発現し、サイトカイニン過剰産生表現型を示した。これらの苗条は、さらなる分析については検討されなかった。PCR遺伝子型決定により、残りの苗条の約0.3〜1.5%が、P−DNAの少なくとも一部を含有するがipt遺伝子を欠くことが実証された。したがって、形質転換された植物を選択するためにマーカーは使用しなかった。iptに基づく、マーカーを用いない植物の形質転換に関する詳細は、Richaelら(2008年)により公開されている。
Agrobacteriumを除去するプロセスは外植片への感染後2日目に開始した。この目的のために、組織を、生きているAgrobacteriumを含まないことが証明されるまで、抗生物質チメンチン(150mg/L)に供した。証明は、形質転換された事象の茎断片を栄養ブロス−酵母抽出物(NBY培地)上、28℃で2週間インキュベートすることによって得た(2回繰り返した)。97 CFR Part 340に従って、生きているAgrobacteriumを含まない場合にのみ、形質転換された植物を圃場に移し、植えた。
Russet Burbank W8事象は、異なるプラスミドを用いた2つの別々の形質転換に由来する挿入断片を含有する。第1の挿入断片、プラスミドpSIM1278は、塊茎における最大4つのジャガイモ遺伝子、Asn1、Ppo5、R1、およびPhLをサイレンシングするために設計された逆方向反復からなる2つのカセットを含有する。同様に、第2のプラスミド、pSIM1678は、塊茎におけるVInv遺伝子をサイレンシングするための逆方向反復からなるカセットを含有するが、同時に、ネイティブなジャガイモプロモーター下にあるRpi−vnt1遺伝子のコピーも含有する。
ジャガイモ植物体品種を、組み込まれたDNA挿入断片配列の構造およびコピー数を決定するため、およびベクター骨格配列が存在しないことを確認するために、DNAゲルブロット分析によって分析した。
さらに、分子特徴付けを使用してDNA挿入断片を挟む接合部の配列を決定し、挿入DNAの安定性を示した。
接合部の配列決定情報により、遺伝子内ジャガイモ植物体品種についての特異的PCR試験を開発するための基礎がもたらされた。したがって、形質転換事象を受けた植物種のDNAの配列決定を行い、形質転換事象の結果として生じた天然には存在しないヌクレオチド接合部を同定することは当業者の技術レベルの範囲内であるので、開示されている方法は、他の植物種、および他のジャガイモ栽培品種に対して広範に適用可能である。そこで、前記当業者は、前記天然には存在しない接合部配列に結合する適切なプローブおよびそのような配列を増幅するために最適化されたプライマーを開発することが可能である。
(実施例6)
ベクター骨格DNAが存在しないことの証拠
多くの市販のトランスジェニック作物とは異なり、本開示のジャガイモ栽培品種は、ベクター骨格DNAなどの、形質転換のために使用されたAgrobacterium由来のDNA配列を含まないことが以下の3つの異なる方法によって確認された:1)第1に、Agrobacteriumから植物細胞へのipt遺伝子発現カセットを含む骨格DNAの偶発的移入により、ipt遺伝子発現、したがって、サイトカイニン型ホルモンであるイソペンテニルアデノシンの形成が誘発されるので、負の選択が可能なイソペンテニルイソメラーゼ(ipt)マーカー遺伝子がベクター骨格内に存在するかしないかを決定した。2)次いで、第1のスクリーニング方法を通過した形質転換されたジャガイモ植物体に対して、サザンブロットハイブリダイゼーションを使用して骨格DNAが存在しないことを確認した。そして、3)次いで、PCRを設計して、DNA挿入断片境界領域とDNA挿入断片を挟む隣接骨格DNAまたは骨格DNA内の領域との間の接合部を示す断片を増幅した。この方法の有効性を、pSIM1278 DNAを陽性対照として使用することによって確認した。本開示のジャガイモ栽培品種は、ベクター骨格DNAの存在を示すPCRバンドを生じなかった。
(実施例7)
挿入DNAの安定性
DNA挿入断片の安定性を、元の形質転換体において、および繁殖させた植物材料において再度、DNAゲルブロットハイブリダイゼーションおよび形質評価の両方を使用して評価した。これらの試験は、遺伝子内事象が、組み入れられた形質を一貫した信頼できる様式で発現することを確実にするために行った。不安定性は、希少な組換え事象によって誘発される可能性もあり、メチル化によって引き起こされる可能性もある。ジャガイモは、通常クローン的に繁殖するので、有性繁殖する作物に対する標準的な評価は直接適用可能でなく、後の世代を定義するために種子ではなく塊茎を使用した。DNAブロットハイブリダイゼーションの結果から、多世代において一貫したバンドが存在することが実証され、したがって、安定性が示された。世代1および世代2の塊茎種子における形質の有効性を確認することにより、安定性についてのさらなる証拠を得た。
元の形質転換された材料(G0)では、in vitroにおいて繁殖させ、土壌に植えられたことのない植物体の葉からDNAを抽出し、評価することにより、DNA挿入断片安定性が実証された。世代1(G1)の分析については、各遺伝子内品種から繁殖させた植物体2つと、各対照由来の植物体1つを温室内に植え、各植物体から収穫された塊茎のうちの1つを植えて、G1植物体からの葉を得、DNAを単離し、G1世代を評価するために使用した。この世代からの塊茎を再度植え、生じたG2植物体の葉によりその世代の特徴付けを可能にした。
挿入断片の構造は、W8ジャガイモの3世代にわたって(G0〜G3)単離されたゲノムDNAのサザンブロット分析を使用して安定であることが示され、一方、表現型の安定性は、第2世代の圃場で生育させた塊茎におけるポリフェノールオキシダーゼ活性を測定することによって評価した。この方法では、ジャガイモの切断面にカテコールを塗布した後、PPOサイレンシングの視覚的な証拠が示される。これらの試験は、W8における所望の遺伝子変化が多数のクローンサイクルにわたって安定なままであり、同時に形質が維持されることを確実にするために行った。
DNA挿入断片の安定性を、サザンブロットを使用して3つの連続的なクローン世代(G1、G2、およびG3)を元の形質転換体(G0)と比較することによって評価した。安定なDNA挿入断片は、同じ構造を維持し、したがって、多世代の植物体にわたって同じ消化パターンを生じることが予測される。W8事象における挿入断片の安定性を試験するために、pSIM1278およびpSIM1678の両方に由来する挿入断片の領域にハイブリダイズする2種のプローブ(GBS1およびAGP)、ならびにpSIM1678挿入断片に特異的な2種のプローブ(INVおよびVNT1)を使用して、その消化パターンを比較した。これらのプローブがハイブリダイズするDNA配列は、ジャガイモゲノム内およびDNA挿入断片(複数可)内に含有されるので、サザンブロットでは内在性バンドおよび挿入断片特異的バンドの両方が予測される。
全てのゲノムDNA試料を制限酵素EcoRVで消化し、AGPまたはGBS1のいずれかに特異的なプローブとハイブリダイズさせた。EcoRVは、両方の挿入断片の内部を消化して、pSIM1278挿入断片において予測サイズ(例えば、2.3kb)の内側のバンドを伴う独特のバンディングのパターンをもたらすので、これらの試験に選択した。W8の全ての試料の間で、バンディングのパターンは、どちらのプローブについても互いに同一であった。Russet Burbank対照に存在する複数のバンドはW8でも見られるが、W8は、pSIM1278挿入断片およびpSIM1678挿入断片に対応するバンドも含有する。これらのバンドは、同様に、分析したW8の全ての世代の間で一貫しており、これにより、両方の挿入断片の遺伝学的安定性が示される。
第2の分析は、pSIM1678挿入断片に特異的な2種のプローブを使用して実施した。この分析のために、ゲノムDNA試料を制限酵素XbaIで消化し、VNT1プローブおよびINVプローブとハイブリダイズした。XbaIは、pSIM1678を内部で消化し、既知サイズ(例えば、INVプローブについては4.6kb)のバンドを生じるので、これらの試験の制限酵素として選択した。再度、内在性バンドおよび挿入断片特異的バンドの両方が検出され、分析した3世代の間で一貫したバンディングのパターンが伴った。遺伝学的および表現型解析により、pSIM1278およびpSIM1678の両方の形質転換によって生じる挿入が3世代にわたって安定であることが示された。3世代にわたって実証された安定性を考慮すると、安定性は、その後の栄養繁殖のサイクルの間、維持される可能性がある。
(実施例8)
接合部の分析および品種特異的検出
DNA挿入断片/隣接植物DNA接合部について、アダプターライゲーション媒介性PCR(Adapter Ligation−Mediated PCR)または熱非対称インターレースPCR(Thermal Asymmetric Interlaced PCR)のいずれかを使用して配列決定した。
接合部配列を使用して、本開示のジャガイモ栽培品種に対するプライマーを設計し、これらのプライマーを品種特異的なPCRに基づく検出方法に適用した。
プライマーを使用して、品種特異的DNA断片を増幅することができ、それにより、前記品種に対する系統特異的な試験方法がもたらされる。開発した方法を、圃場において植物体および塊茎をモニターし、貯蔵して塊茎または加工食品製品中に遺伝子内材料が存在しないことを確認するため、および有機種子の純度を確実にするために使用した。
(実施例9)
遺伝子サイレンシングの有効性および組織特異性
遺伝子サイレンシング法を使用して、ネイティブなAsn1、Ppo5、PhL、R1およびVInvタンパク質の活性を低下させ、タンパク質量ではなく転写レベルを評価して、新表現型の形質を分子レベルでの変化と関連付けた。
葉および茎におけるASN(アスパラギン)形成に関与するAsn1遺伝子の強力なサイレンシングは生育に悪影響を及ぼす可能性があるので、塊茎および匍匐枝において、塊茎特異的および匍匐枝特異的プロモーターであり、光合成的に活性な組織および根における活性ははるかに低いAgpプロモーターおよびGbssプロモーターを使用して遺伝子サイレンシングを駆動した。植物体品種と、それと共にそれらの形質転換されていない対応物の、様々な組織において標的化された5つの遺伝子の転写レベルをノーザンブロット分析によって決定した。
W8事象を作出するためにRusset Burbankに導入した3つの遺伝子サイレンシングカセットのうちの2つは、RNAi媒介性サイレンシングに関してそれらの標的転写物のサイレンシングにおいて非常に有効であった。これらの2つの構築物により、W8の塊茎におけるAsn1、Ppo5、およびVInvが有効にサイレンシングされた。塊茎に対するサイレンシングの特異性により、RNAi機構によって生じたsiRNAの他の組織への拡散はあったとしてもわずかである、または、それらのレベルがそれらの組織においてRNAi応答を引き起こすには不十分であることが示される。塊茎の外側でのサイレンシングの唯一の証拠は、花において低レベルのAsn1が観察されたが、それでも、変化の大きさは塊茎におけるものよりもはるかに低いことであった。PhLおよびR1を用いたプロモーターサイレンシング戦略の影響は最低限のものであり、これは、同じpSIM1278構築物を含有する他の事象と一致した(CollingeおよびClark、2013年)。
いくつかの遺伝子内ジャガイモ栽培品種の特定の組織において下方制御された転写物レベルの要約を表5に示す。表5中の各文字(A、P、L、R)は、サイレンシングが確認されたが、サイレンシングの量は遺伝子および組織に応じて変動したことを示す。
(実施例10)
ジャガイモ植物体葉組織からのDNA単離
ジャガイモ植物体葉組織3gからDNAを抽出し、液体窒素中ですり砕き、抽出緩衝液(0.35Mのソルビトール、0.1Mのトリス−HCl、pH8.0、0.5MのEDTA、pH8.0)20mlと混合した。試料を、3,000rpmで5分にわたってペレット化し、抽出緩衝液2mlですすいだ。ペレットを抽出緩衝液4mlおよび100mg/mlのRNase A、4μl中に再懸濁させた。核溶解緩衝液(1Mのトリス−HCl、pH8.0、0.5MのEDTA、pH8.0、5MのNaCl、20mg/mlのCTAB)4ミリリットルおよび5%サルコシル1.6mlを各試料に添加した。試料を混合し、65℃で20分間、撹拌しながらインキュベートした。試料を、等体積のクロロホルム:イソアミルアルコール(24:1)と共に振とうし、3,000rpmで5分間遠心分離した。水相を保持し、クロロホルム抽出ステップを2〜3回繰り返した。DNAを等体積のイソプロピルアルコール中に沈殿させ、3,000rpmで10分にわたってペレット化した。ペレットを70%エタノールですすぎ、乾燥させ、TEに再懸濁させた。
(実施例11)
高収量の、CTABに基づくDNA抽出方法
ジャガイモおよびジャガイモ製品は、PCR、特にqPCRに干渉する可能性がある多糖を高レベルで含有する。したがって、高品質のDNAをもたらす方法を用いてDNA単離を実施すること、およびqPCRを、多糖などのPCR阻害物質による干渉が妨げられるように設計されたマスターミックスを使用して実施することが推奨される。これらの要件を満たすために、臭化セチルトリメチルアンモニウム(CTAB)単離法およびQuantaから入手可能なPerfeCTa(登録商標)qPCR ToughMix(登録商標)(実施例16)を使用する。ジャガイモの葉材料から抽出したDNAに関して試験した、事象特異的プライマーを使用したこれらのPCR方法では、高いPCR効率、良好な直線性、標的特異性、および頑強性がもたらされた。
抽出方法のプロトコール
1.CTAB緩衝液(1Mのトリス−HCl、pH8.0、0.5MのEDTA、pH8.0、5MのNaClおよび20mg/mlのCTAB)を日ごとに新しく作製し、65℃まで予め加熱する。
2.チップおよび塊茎に10mLのCTABを添加する/フレークおよびフライに30mLのCTAB緩衝液を添加する。
葉に1mLのCTABを添加する。
3.出発材料を以下の量で適切なチューブに添加する:
フレーク:3g
凍結乾燥したフライ:3g(新鮮なフライを使用する場合は6g)
チップ(チップをすり砕いて滑らかなペーストにする):1g
凍結乾燥した塊茎:1g
凍結乾燥した葉(すり砕いて微細な粉末にする):0.5g
4.1ml当たり3μLのプロテイナーゼKを各チューブに添加し、混合して凝集塊を除去する。
5.インキュベーター中、65℃、210rpmで振とうしながら2〜3時間インキュベートする(塊茎および葉については45分間で十分である)
6.試料を14,000rpmで40分間遠心分離する(塊茎については20分間、葉については10分間で十分である)
7.上清をきれいなチューブに移し、氷上で20分間インキュベートする
8.等体積の氷冷クロロホルムを添加する
9.任意選択:PhytoPure DNA抽出樹脂(GE Healthcare Life Sciences)200μLを出発材料1gごとに添加する。樹脂は、均一性を確実にするために使用する前にボルテックスする。
10.試料を室温で勢いよく混合する。
11.試料を14,000rpmで40分間遠心分離する(塊茎については20分間、葉については10分間で申し分ない)
12.上部の水相をきれいなチューブに移す。
13.界面がきれいになるまでクロロホルム抽出を繰り返す(追加的な樹脂は必要ない)。
14.3Mの酢酸Na(pH5.3)を1/10体積で添加する
15.等体積のイソプロパノールを添加する。
16.DNAが沈殿するまでチューブを反転させる(4℃で一晩が最適である)
17.14,000rpmで20分間遠心分離してDNAをペレット化する(葉については5分間で十分である)。この時点で、いくつかの試料では明白なペレットができない可能性がある。この場合、上部の透明な層を慎重にピペットで取り除き、下部の濃い層を残し、これを、ステップ19の間にペレット化する。
18.氷冷70%エタノールでペレットを洗浄する。
19.ペレットを14,000rpmで5〜10分間遠心分離する。
20.ペレットを、10分間またはペレットの端が透明に見えるまで風乾する。
21.DNAをTE緩衝液200〜400μL中に再懸濁させる。
22.RNaseを20μg/mlの濃度まで添加する。37℃で30分間インキュベートする。
23.5体積のQiagen緩衝液PBをDNAに添加する。カラム当たりのDNAは10μgを超えないようにする。
24.DNA/PB溶液を、カラムを通してスピンさせる。
25.緩衝液AW2またはPEで2回洗浄する
26.カラムを14,000rpmで2分間スピンさせてカラムを乾燥する。
27.適量のTE(50μL)をカラムに適用し、65℃で5分間静置した後、溶出させる。
28.特に定量的分析を実施する場合には、DNA濃度を蛍光インターカレート色素(例えば、Qubit High−sensitivity)を使用して測定するべきであり、試料を段階希釈分析によってPCR阻害物質について試験するべきである。
(実施例12)
QIAamp Fast DNA Stool Mini Kitを使用した、塊茎、フレーク、チップ、およびフライからのDNA単離
以下のプロトコールを行ってDNAを単離した。この技法を使用して単離したDNA試料は、前の節に記載のCTABに基づく方法よりも純度が低く、収量が少ない傾向がある。PCR阻害物質が存在するので、DNAの品質が任意の定量的分析に関して十分であることを確実にするために注意を払わなければならない。任意のマトリクスに特異的な指示を太字にする。
およそ300mgのフレーク、チップ、またはフライ組織を秤量し、1.7mlのQiagen InhibitEX Buffer(緩衝液は予め加熱していかなる沈殿物も再溶解させる)を含有する2.0mlの微量遠心チューブに入れる。凍結乾燥した塊茎については、1.2mlのInhibitEX Buffer中150mgの組織を使用する。フライ材料およびフレーク材料については、別々に溶解させ、単一のカラムの下流で合わせる、2つの300mg試料が必要である。チップ試料については、任意選択で、2つの試料を溶解させ、合わせて収量を増加させることができる。
30〜60秒間ボルテックスすることによって徹底的に混合する。
フレーク試料、チップ試料、および塊茎試料を加熱ブロック(好ましい)またはウォーターバス中、95℃±5℃で30分間インキュベートする。フライ試料については、その代わりに70℃で30分間インキュベートする。
チューブを、微量遠心機中、14,000rpmで5分間遠心分離する。
各チューブから上清600〜650μlを個々の2.0mlの微量遠心チューブに移し、Qiagen Kitで提供されるプロテイナーゼKを25μl添加する。
ボルテックスすることによって徹底的に混合する。
緩衝液ALを600〜650μl各チューブに添加し、ボルテックスすることによって混合する。
試料を70℃で10分間インキュベートする。
95〜100%エタノール(キットでは提供されない)600〜650μlを添加し、ボルテックスすることによって混合する。
真空マニホールドまたは21,000×gでのパルス遠心分離を使用して、溶液650μlを一度にQiaAmp Spin Columnを通過させる。フライ材料およびフレーク材料については、単一のカラムに対して溶液に値する2本のチューブを通過させて濃縮する。最終的に14,000rpmで1分間スピンさせて全ての緩衝液を除去するべきである。
真空マニホールドまたは14,000rpmで1分間の遠心分離を使用して、カラムを500μlの緩衝液AW1で1回、500μlの緩衝液AW2で1回洗浄する。
カラムを2mlの採取チューブに移動し、14,000rpmで3分間遠心分離し、フロースルーを廃棄する。
カラムを新しい1.7mlの微量遠心チューブに移し、塊茎およびチップについては50μlのTE、またはフライおよびフレーク試料については30μlのTIをピペットで直接膜の上にのせる。
室温で3分間インキュベートする。
14,000rpmで1分間遠心分離してDNAを溶出する。
DNA(−20℃で貯蔵する)を定量化およびQAする。全ての試料について(OD260/OD280)および(OD230/OD260)比を記録すべきである。蛍光インターカレート色素(例えば、Life TechnologiesからのQubit dsDNA HS Assay Kit)を使用してDNA濃度を測定するべきであり、特に定量的分析を実施する場合には試料を段階希釈分析によってPCR阻害物質について試験するべきである。
(実施例13)
ジャガイモ事象におけるDNA挿入断片および天然には存在しない接合部配列の分子特徴付け
全てのジャガイモ事象を、組み込まれたDNA挿入断片配列の構造およびコピー数を決定するため、およびベクター骨格配列が存在しないことを確認するために、DNAゲルブロット分析によって分析した。これらの試験は、事象の特徴付けおよびバイオセーフティ評価の一部として行った。分子特徴付けを使用してDNA挿入断片を挟む接合部の配列を決定し、挿入DNAの安定性を示した。接合部の配列決定情報により、全ての事象についての事象特異的PCR試験を開発するための基礎がもたらされた(表6)。
図5には、pSIM1278およびpSIM1678のDNA挿入断片領域について、構築物特異的な天然には存在しない接合部のそれぞれが存在するところに表6の配列番号が示されており、図6A〜Iには、E12事象、F10事象、J3事象、J55事象、V11事象、W8事象、X17事象、およびY9事象について、それぞれ構築物特異的および事象特異的な天然には存在しない接合部が存在するところに表6の配列番号が示されている。
表6に関して、最初の2つの配列(配列番号1および2)は、ジャガイモゲノムの一部ではない25ヌクレオチドの合成配列である、挿入断片のはるか外側の端に存在する接合部を表す。これらは左境界と右境界の両方に存在する。これらは表6にLB合成/LBジャガイモおよびRB合成/RBジャガイモとして含まれる。
さらに、表6は、ボールド体および強調表示された字体で、1)染色体DNAと挿入断片の境界配列の両方に配列が共通する、染色体DNAに対する配列マイクロホモロジーも提供する。これらは、配列内のそれらが存在する場所に太字および強調表示された字体で列挙されている。表6は、2)接合部位間に存在する介在配列も提供する。これらの配列には下線が引かれており、接合部の各側面に15bpの配列が残されている。
ジャガイモ事象E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9におけるDNA挿入断片の構造の図を図4および図6に示す。
事象E12およびF10は、1コピーを含有する(「コピー」は、少なくともAsn1/Ppo5遺伝子サイレンシングカセットが存在することを意味する)。事象J3およびJ55は2コピーを含有する。コピー数の多い事象と1コピーしか有さない事象との間で、サイレンシング活性の程度および持続性に差異はなかった。
事象J55は、逆方向反復として位置づけられた2つの連結したDNA挿入断片を含有した(図4および図6)。Lechtenbergら(2003年)は、細菌T−DNAを用いて、第2の遺伝子コピーが縦列配置または逆方向配置のいずれで存在しても、サイレンシングはもたらされないことを示した。したがって、J55における逆方向の連結したDNA挿入断片コピーはサイレンシングには寄与しない可能性があり、したがって、標的化された遺伝子のサイレンシングは、収束プロモーターの間に位置づけられた逆方向反復に基づいて意図された通りに機能する。
事象W8を作製するためのpSIM1278およびpSIM1678によるRusset Burbankの形質転換に付随する挿入断片の遺伝学的および構造的特徴付けから、どちらの形質転換によっても各プラスミドに対して単一の組み込み部位がもたらされることが示された。pSIM1278の形質転換に由来するDNAの構造は、元の挿入断片の構造と比較して複雑であった。挿入DNAは、形質転換の間に再構成を受けたと思われ、その結果、Asn1/Ppo5サイレンシングカセットの縦列反復、その後に、ほぼ完全なpSIM1278構築物、ならびに、pR1/pPhlサイレンシングカセットの重複およびPhl配列が介在するGbssプロモーターの縦列重複を含有する逆方向反復からなる構造がもたらされた(図6)。
この構造は、予測よりも複雑であるが、重複したサイレンシングカセットは、インタクトであり、組織特異的プロモーターの制御下に残る。この構造は、産物の安全性または形質の有効性に負の影響を及ぼさない。
W8は、組み込みの単一の遺伝子座に存在する、単一コピーのpSIM1678由来のDNAも含有する(図6)。pSIM1678のDNA挿入断片は、ほぼインタクトなDNA挿入断片を含有し、T−DNA左境界全体およびRpi−vnt1プロモーターの137−bpが除去される330−bpの欠失を伴う。この、プロモーターの小さな欠失は、遺伝子の疫病抵抗性を付与する能力には影響を及ぼさない。また、Rpi−vnt1遺伝子に関連するRNA発現はRT−PCRを使用して実証されている。
挿入断片は、時々、植物のゲノムまたはDNA挿入断片に由来する短いDNA配列で挟まれる。これらの挿入は、組み込みプロセスの一部であると思われ、ある程度高い頻度で生じる(Windelsら、2003年)。そのような配列を有する事象の例としては、J55の2つのDNA挿入断片間の49−bpの配列が挙げられる。GenBankを使用したこの短いDNA配列のblast検索では、S.tuberosumに由来する公知の配列と部分的にマッチし、これにより、植物のゲノムまたはDNA挿入断片のいずれを起源とする可能性が最も高いことが確認される。
移入されるDNA挿入断片の大多数は、境界付近の短い欠失によって示される通り、左境界配列と右境界配列の間の完全な距離よりも短い。そのような欠失はまた、T−DNA組み込みにも関連し二本鎖切断修復に起因するという仮説が立てられた(Gheysenら、1991年)。2つのサイレンシングカセットの機能活性を損なわない短い欠失は、例えば、事象F10において見出された(右境界における38−bpの欠失)。
(実施例14)
qPCRプライマーおよびプローブの開発
目的の事象(ジャガイモゲノム隣接領域)またはpSIM1278構築物もしくはpSIM1678構築物自体の接合部のいずれかに特異的であるゲノムの領域を増幅するために、事象特異的なプライマーを設計した。これらのプライマーにより、標的特異的な蛍光プローブが結合するとリアルタイム検出および産物の定量化が可能になる領域内の70〜200塩基対の領域が増幅される。
各蛍光プローブの5’末端を6−FAM(6−カルボキシフルオレセイン)部分で標識し、3’末端をBHQ1(Black Hole Quenchers(商標)1)部分で標識する。6−FAMによる蛍光は、同じオリゴヌクレオチド上にBHQ1が存在することによってクエンチされる。PCRの間、増幅される標的鎖とアニーリングしたプローブは、Taq DNAポリメラーゼの5’から3’へのヌクレアーゼ活性によって切断され、その結果、6−FAM部分とBHQ1部分が分離する。したがって、BHQ1による6−FAMのクエンチは消失し、それにより、6−FAM蛍光が放出される。プローブは、熱安定性および特異性を増大させるためにロックド核酸(LNA)プローブとして設計される(Petersen, M.およびWengel, J.(2003年)、LNA: A versatile tool for therapeutics and genomics. Trends in Biotechnology. doi: 10.1016/S0167−7799 (02) 00038−0)。
内在性対照として、Solanum tuberosum由来のアデニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(APRT)に特異的なプライマーおよび二重標識した(FAMおよびTAMまたはBHQ1)プローブを使用してAPRTを増幅する。APRTは、リアルタイムPCRを使用した、ジャガイモにおける種々の生物的および非生物的ストレス試験の間の安定性に基づいて選択した(Nicot, N.、Hausman, J.−F.、Hoffmann, L.およびEvers, D.(2005年)、Housekeeping gene selection for real−time RT−PCR normalization in potato during biotic and abiotic stress.、Journal of Experimental Botany、56巻(421号)、2907〜14頁、doi: 10.1093/jxb/eri285)。しかし、任意の適切な対照遺伝子を利用することができる。
APRT対照または各事象に特異的な二重標識したプローブとフォワードプライマーおよびリバースプライマーが共に表7に列挙されている。
(実施例15)
アッセイの効率および直線性
最適化されたqPCRアッセイの特質のうち2つは、PCR効率が高いこと(E)および相関係数Rによって測定される検量線が直線的であることである。理想的なqPCR反応の効率は、100%、傾き−3.32であり、これは、各サイクル中のPCR産物の完全な倍加と相関する。しかし、−3.1から−3.6の間の傾き、90%から110%の間の効率が一般に許容されるとみなされる(Commission, C. A.(2009年)、Definition of Minimum Performance Requirements for Analytical Methods of GMO Testing European Network of GMO Laboratories (ENGL)、(2008年10月)、1〜8頁)。効率は、反復検量線によって確立される。増幅効率は、検量線の対数線形部分の傾きから決定し、E=(10(−1/傾き)−1)100として算出し(Bustin, S. A.ら、(2009年)。The MIQE Guidelines: Minimum Information for Publication of Quantitative Real−Time PCR Experiments. Clinical Chemistry、55巻(4号)、1〜12頁、doi: 10.1373/clinchem. 2008.112797)、R値は、線形回帰分析によって決定し、≧0.98であるべきである(Bustinら、2009年)。
表8は、各事象特異的および構築物特異的qPCRアッセイの効率および直線性を示す。
各アッセイで、推奨される範囲である90〜110%の間の高い効率、および0.98を超えるかまたはそれと等しいR値が実証される。
60℃の複合アニーリング/伸長温度を使用して葉のDNAに対して実施したアッセイからのデータを示す。
(実施例16)
ジャガイモの葉のDNAにおけるアッセイの検出のレベル(LOD)
European Network of GMO Laboratoriesに従って、「検出の限界とは、単一の実験室による検証によって実証される、確実に検出することができるが、必ずしも定量化されない、試料中の分析物の最低の量または濃度である(limit of detection is the lowest amount or concentration of analyte in a sample, which can be reliably detected, but not necessarily quantified, as demonstrated by single−laboratory validation)」(Commission、2009年)。LODは、分析物を少なくとも95%の確率で検出し、生じる偽陰性結果は≦5%であるべきである。報告された各アッセイでは、全標的DNAの少なくとも24pgを95%超の確率で確実に検出することができた。LODは、使用するDNAの供給源に応じて変動する。なぜなら、ジャガイモに基づく食品製品から単離されたDNAにおいて頻繁に見られる通り、DNAは、断片化されるかまたは阻害物質、特に多糖を含有する可能性があるからである。PCR反応に十分なDNAが使用されれば、定性的分析および定量的分析は<0.1%のGMOに達し得る。
表9は、各事象特異的および構築物特異的qPCRアッセイの検出のレベルを示す。各アッセイでは、34サイクルから35サイクルの間に、少なくとも24pgのジャガイモの葉のDNAが確実に増幅された。60℃のアニーリング/伸長温度を使用して実施したアッセイからのデータを示す。
(実施例17)
事象特異的qPCRアッセイの頑強性
方法の頑強性とは、その方法の、アッセイの実験条件の小さな変化による影響を受けないままである能力の尺度である。例えば、PCRアッセイは、異なるサーマルサイクラーモデルで、異なる使用者によって、および温度プロファイルまたはDNAポリメラーゼに小さな偏差を伴って、実行できるものであるべきである。アッセイは、これらの条件下で±30%を超えて逸脱すべきではないことが一般に認められている(Commission、2009年)。58℃から61℃までの4度の複合アニーリング/伸長温度範囲にわたって各アッセイの効率および直線性を決定した(表10)。アッセイのさらなる頑強性は、異なる使用者、サーマルサイクラーおよびポリメラーゼを使用して外の研究室で実施されるアッセイを外部で検証することによって決定される。
表10は、4度の複合アニーリング/伸長温度範囲にわたる各アッセイの効率および直線性を示す。58℃でのF10を例外として、アッセイの全てが、範囲全体にわたって、90〜110%の効率および≧0.98のR値で良好に実施された。
(実施例18)
系統特異的なプライマーおよびプローブの特異性
各プライマーおよびプローブセットの特異性を、各事象(E12、F10、J3、J55、W8、V11、X17、およびY9)に由来するDNAを3つのDNA濃度(25ng、250pg、および50pg)で用い、各商業品種(Atlantic、Ranger Russet、BurbankおよびSnowden)のDNAを25ngで使用して、qPCRを実施することによって評価した。
E12、J3、J55、W8、V11、X17、およびY9を検出するために使用したプライマーでは、試験した濃度のいずれにおいても偽陽性または陰性は示されなかった。
F10のために使用したプライマーでは、39サイクル後に単一の技術的代表25ngのE12試料が増幅され、偽陽性率は2.3%であり、これは、5%許容範囲内である。
pSIM1278構築物のために使用したプライマーでは、41サイクル後に2つの異なる野生型品種から単一の技術的な代表が増幅された。このアッセイを改善するために、PCRサイクルパラメータを調整し、試料を再度試験した。新しいパラメータでは、pSIM1278またはpSIM1678について偽陽性は生じなかった。
事象(E12、F10、J3、J55、W8、V11、X17、およびY9)および構築物(pSIM1278およびpSIM1678)についてのqPCR反応の設定およびqPCRサイクル条件を表11〜13に示す。
記載されている方法により、全てのInnate(商標)事象(GEN1およびGEN2を含める)に共通するpSIM1278構築物を検出するためのqPCRを使用し、凍結乾燥したInnate(商標)参照材料から導かれた検量線を使用して、ジャガイモおよびジャガイモ製品中のInnate(商標)製品を検出することが可能になる。さらに、各事象を、定性的に、<0.1%GMOの検出限界で一意的に検出するプライマーおよびプローブのセットがもたらされた。
さらに、記載されている方法により、全てのGEN2 Innate(商標)事象(すなわち、W8、X17、およびY9)に共通するpSIM1678構築物を検出するためのqPCRを使用し、凍結乾燥したInnate(商標)参照材料から導かれた検量線を使用して、ジャガイモおよびジャガイモ製品中のInnate(商標)製品を検出することが可能になる。
(実施例19)
食品混合物における方法の内部検証
開発したDNA単離方法を検査するために、いくつかの食品混合物を調製した。本発明者らの内部検査は、Atlantic J3(チップ品種)またはRanger Russet F10(フライ品種)のいずれかの食品マトリクス全てからのDNAの単離に焦点を合わせた。集合的に、これらの2つの事象は、考察される全てのマトリクス(塊茎、フライ、チップ、およびフレーク)を包含する。表14に記載されている通り、すり砕いたInnate(商標)の食品製品を、商業品種の食品製品中に混合した。全ての事象に同様の結果が予測される。
各食品混合物に対して、実施例12に記載の通りQiagenのQIAamp Fast DNA Stool Mini Kitを使用して、2〜3回の独立したDNA単離を実施した。表15は、600mgのフライ、フレークまたはチップ混合物、または300mgの塊茎からの全体的なDNA濃度および収量を示す。
qPCRに使用するDNAの品質が十分なものであることを確実にするために、各DNA単離を、適切なセットのプライマーおよびプローブを用いて3連で行った。各DNA単離物2μlを各反応に使用し、内在性参照遺伝子であるAPRTを陽性対照として使用した。
DNA単離方法により、その後の上記の食品製品のそれぞれにおけるqPCR分析に使用するのに十分な濃度および収量のDNAが生じた。その後のqPCR分析からの結果は、図7に見出すことができる。
参照による組み込み
本明細書において引用されている全ての参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、および特許出願は、あらゆる目的に関してそれらの全体が参照により組み込まれる。しかし、本明細書において引用されている参考文献、論文、刊行物、特許、特許公報、および特許出願のいずれに対する言及も、それらが有効な先行技術を構成するまたは世界の任意の国における共通の一般知識の一部を形成することの承認またはいかなる形態の示唆でもなく、そのように取られるべきではない。
上記の説明は、単に例示的な実施形態および実施例を表すものであることが理解されるべきである。読者の利便性のために、上記の説明は、本開示の原理を教示する全ての可能性のある実施形態、実施例のうちの限られた数の代表的な例に焦点を合わせている。説明は、全ての可能性のある変形またはさらには記載されるそれらの変形の組合せを徹底的に列挙しようとはしていない。本開示の特定の部分に関しては代替実施形態が示されていない場合があること、または別の記載されていない代替実施形態が一部に関して利用可能であり得ることは、それらの代替実施形態の権利放棄とみなされるべきではない。それらの記載されていない実施形態の多くは、本開示の原理の適用の差異ではなく、技術および材料の差異を伴うことが当業者には理解されよう。したがって、本開示は、以下の特許請求の範囲に記載されている範囲および等価物未満に限定されるものではない。
(項目1)
核酸試料における植物形質転換事象の存在を検出するための定量的PCR方法であって、
a)i)フォワードヌクレオチドプライマーとリバースヌクレオチドプライマーの対、ii)ヌクレオチドプローブ、およびiii)検出しようとする天然には存在しないヌクレオチド接合部を含む上記試料由来の標的ヌクレオチド配列を組み合わせるステップであって、ここで
上記ヌクレオチドプローブは、上記天然には存在しないヌクレオチド接合部、または上記天然には存在しないヌクレオチド接合部の存在を示す配列に結合する、ステップと、
b)上記試料から上記標的ヌクレオチド配列を検出するステップと
を含む、方法。
(項目2)
上記天然には存在しないヌクレオチド接合部が、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、Y9、またはこれらの組合せからなる群より選択される植物形質転換事象の結果として生じたものである、項目1に記載の方法。
(項目3)
上記標的ヌクレオチド配列が、配列番号1〜48からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む、項目1に記載の方法。
(項目4)
フォワードヌクレオチドプライマーとリバースヌクレオチドプライマーの上記対および上記ヌクレオチドプローブが、配列番号52〜90からなる群より選択される、項目1に記載の方法。
(項目5)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号52を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号53を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号54を含む、項目1に記載の方法。
(項目6)
上記ヌクレオチドプローブが、E12事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目7)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号55を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号56を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号57を含む、項目1に記載の方法。
(項目8)
上記ヌクレオチドプローブが、F10事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目9)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号58を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号59を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号60を含む、項目1に記載の方法。
(項目10)
上記ヌクレオチドプローブが、J3事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目11)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号61を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号62を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号63を含む、項目1に記載の方法。
(項目12)
上記ヌクレオチドプローブが、J55事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目13)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号64または67を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号65または68を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号66または69を含む、項目1に記載の方法。
(項目14)
上記ヌクレオチドプローブが、V11事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目15)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号70を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号71を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号72を含む、項目1に記載の方法。
(項目16)
上記ヌクレオチドプローブが、W8事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目17)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号73を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号74を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号75を含む、項目1に記載の方法。
(項目18)
上記ヌクレオチドプローブが、X17事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目19)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号76を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号77を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号78を含む、項目1に記載の方法。
(項目20)
上記ヌクレオチドプローブが、Y9事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目21)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号79または82を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号80または83を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号81または84を含む、項目1に記載の方法。
(項目22)
上記ヌクレオチドプローブが、pSIM1278に付随する、内側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目23)
上記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号85または88を含み、上記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号86または89を含み、上記ヌクレオチドプローブが配列番号87または90を含む、項目1に記載の方法。
(項目24)
上記ヌクレオチドプローブが、pSIM1678に付随する、内側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、項目1に記載の方法。
(項目25)
上記核酸試料が、ジャガイモ植物体、もしくはジャガイモ植物体の一部、またはジャガイモ由来食品製品に由来するものである、項目1に記載の方法。
(項目26)
上記核酸試料が、ジャガイモの花、ジャガイモの花被片、ジャガイモの花弁、ジャガイモの萼片、ジャガイモの葯、ジャガイモの花粉、ジャガイモの種子、ジャガイモの葉、ジャガイモの葉柄、ジャガイモの茎、ジャガイモの根、ジャガイモの根茎、ジャガイモの匍匐枝、ジャガイモの塊茎、ジャガイモの苗条、ジャガイモの細胞、ジャガイモのプロトプラスト、ジャガイモ植物体組織、およびこれらの組合せからなる群より選択されるジャガイモ植物体の一部に由来するものである、項目1に記載の方法。
(項目27)
上記核酸試料が、ジャガイモ加工食品製品、ジャガイモ家畜飼料材料、フレンチフライ、ポテトチップ、乾燥ジャガイモ材料、ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモタンパク質粉末、ジャガイモデンプン、ジャガイモ粉、インスタントジャガイモ製品、およびこれらの組合せからなる群より選択されるジャガイモ由来食品製品に由来するものである、項目1に記載の方法。
(項目28)
上記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、上記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を検出することが可能である、項目1に記載の方法。
(項目29)
上記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、上記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を上記食品製品全体の1%未満のレベルで検出することが可能である、項目1に記載の方法。
(項目30)
上記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、上記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を上記食品製品全体の約0.1%〜約5%にわたるレベルで検出することが可能である、項目1に記載の方法。
(項目31)
配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と少なくとも85%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
(項目32)
配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、項目31に記載の単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
(項目33)
配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と100%の配列相同性を共有する、項目31に記載の単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
(項目34)
配列番号1〜48からなる群より選択される核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
(項目35)
配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と少なくとも85%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
(項目36)
配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、項目35に記載の単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
(項目37)
配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と100%の配列相同性を共有する、項目35に記載の単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
(項目38)
配列番号52〜90からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プライマーまたはプローブ配列。
(項目39)
項目38に記載の核酸プライマーまたはプローブ配列を含むキット。

Claims (38)

  1. 核酸試料における植物形質転換事象の存在を検出するための定量的PCR方法であって、
    a)配列番号52〜90からなる群より選択される、i)フォワードヌクレオチドプライマーとリバースヌクレオチドプライマーの対およびii)ヌクレオチドプローブ、ならびにiii)検出しようとする天然には存在しないヌクレオチド接合部を含む前記試料由来の標的ヌクレオチド配列を組み合わせるステップであって、ここで
    前記ヌクレオチドプローブは、前記天然には存在しないヌクレオチド接合部、または前記天然には存在しないヌクレオチド接合部の存在を示す配列に結合する、ステップと、
    b)前記試料から前記標的ヌクレオチド配列を検出するステップと
    を含む、方法。
  2. 前記天然には存在しないヌクレオチド接合部が、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、Y9、またはこれらの組合せからなる群より選択される植物形質転換事象の結果として生じたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標的ヌクレオチド配列が、配列番号1〜48からなる群より選択される少なくとも1つのヌクレオチド配列を含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号52を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号53を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号54を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記ヌクレオチドプローブが、E12事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  6. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号55を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号56を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号57を含む、請求項1に記載の方法。
  7. 前記ヌクレオチドプローブが、F10事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  8. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号58を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号59を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号60を含む、請求項1に記載の方法。
  9. 前記ヌクレオチドプローブが、J3事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  10. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号61を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号62を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号63を含む、請求項1に記載の方法。
  11. 前記ヌクレオチドプローブが、J55事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  12. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号64または67を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号65または68を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号66または69を含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記ヌクレオチドプローブが、V11事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  14. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号70を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号71を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号72を含む、請求項1に記載の方法。
  15. 前記ヌクレオチドプローブが、W8事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  16. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号73を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号74を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号75を含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記ヌクレオチドプローブが、X17事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  18. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号76を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号77を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号78を含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記ヌクレオチドプローブが、Y9事象の、左側または右側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  20. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号79または82を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号80または83を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号81または84を含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記ヌクレオチドプローブが、pSIM1278に付随する、内側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  22. 前記フォワードヌクレオチドプライマーが配列番号85または88を含み、前記リバースヌクレオチドプライマーが配列番号86または89を含み、前記ヌクレオチドプローブが配列番号87または90を含む、請求項1に記載の方法。
  23. 前記ヌクレオチドプローブが、pSIM1678に付随する、内側の天然には存在しないヌクレオチド接合部に結合する、請求項1に記載の方法。
  24. 前記核酸試料が、ジャガイモ植物体、もしくはジャガイモ植物体の一部、またはジャガイモ由来食品製品に由来するものである、請求項1に記載の方法。
  25. 前記核酸試料が、ジャガイモの花、ジャガイモの花被片、ジャガイモの花弁、ジャガイモの萼片、ジャガイモの葯、ジャガイモの花粉、ジャガイモの種子、ジャガイモの葉、ジャガイモの葉柄、ジャガイモの茎、ジャガイモの根、ジャガイモの根茎、ジャガイモの匍匐枝、ジャガイモの塊茎、ジャガイモの苗条、ジャガイモの細胞、ジャガイモのプロトプラスト、ジャガイモ植物体組織、およびこれらの組合せからなる群より選択されるジャガイモ植物体の一部に由来するものである、請求項1に記載の方法。
  26. 前記核酸試料が、ジャガイモ加工食品製品、ジャガイモ家畜飼料材料、フレンチフライ、ポテトチップ、乾燥ジャガイモ材料、ジャガイモフレーク、ジャガイモ顆粒、ジャガイモタンパク質粉末、ジャガイモデンプン、ジャガイモ粉、インスタントジャガイモ製品、およびこれらの組合せからなる群より選択されるジャガイモ由来食品製品に由来するものである、請求項1に記載の方法。
  27. 前記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、前記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
  28. 前記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、前記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を前記食品製品全体の1%未満のレベルで検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
  29. 前記核酸試料が、ジャガイモ由来食品製品に由来し、前記食品製品において、E12、F10、J3、J55、V11、W8、X17、およびY9からなる群より選択される少なくとも1つの植物形質転換事象の存在を前記食品製品全体の約0.1%〜約5%にわたるレベルで検出することが可能である、請求項1に記載の方法。
  30. 配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と少なくとも85%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
  31. 配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、請求項30に記載の単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
  32. 配列番号1〜48からなる群より選択される核酸と100%の配列相同性を共有する、請求項30に記載の単離された天然には存在しない核酸接合部配列。
  33. 配列番号1〜48からなる群より選択される核酸とストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることが可能な、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
  34. 配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と少なくとも85%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
  35. 配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、請求項34に記載の単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
  36. 配列番号54、57、60、63、66、69、72、75、78、81、84、87、および90からなる群より選択される核酸と100%の配列相同性を共有する、請求項34に記載の単離された天然には存在しない核酸プローブ配列。
  37. 配列番号52〜90からなる群より選択される核酸と少なくとも95%の配列相同性を共有する、単離された天然には存在しない核酸プライマーまたはプローブ配列。
  38. 請求項37に記載の核酸プライマーまたはプローブ配列を含むキット。
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