JP2017529376A - 三環式ラクタム化合物の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
ここで、本発明のある実施態様について詳細に言及するが、それらの例は、付随する構造式及び化学式で図示する。本発明は、列挙する実施態様と併せて記載するが、それらは本発明をこれらの実施態様に限定することを意図するものではないことが理解されるだろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれ得るすべての選択肢、変形例及び均等物を網羅することを意図するものである。当業者であれば、本発明の実施で使用されることもできる本明細書に記載されるものと類似及び等価な多くの方法及び材料を理解するであろう。本発明は、記載された方法及び材料に決して限定されない。定義された用語、用語の使用、記述された技術等を含め(それらに限定されないが)、一つ以上の組み入れられた文献、特許、及び類似物と本願に相違又は矛盾があるときは、本願のほうを優先する。特に明記しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似の又は等価な方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載している。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照によってその全体が組み入れられる。特に別の定義がない限り、本出願において使用する命名法は、IUPAC系統的命名法に基づく。
置換基の数を指す場合、用語「1個以上」は、1個の置換基から可能な最大数の置換基の範囲、すなわち、置換基による1個の水素の置換からすべての水素の置換までを指す。用語「置換基」は、親分子の水素原子を置換するある原子又は原子群を示す。用語「置換されている」は、特定の基が1個以上の置換基を有することを示す。任意の基が複数の置換基を有してもよく、そして、様々な可能な置換基が提供される場合、置換基は、独立して選択され、かつ同じである必要はない。用語「置換されていない」は、特定の基が置換基を有さないことを意味する。用語「場合により置換されている」は、特定の基が、置換されていないか、又は可能な置換基の群より独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていることを意味する。置換基の数を指す場合、用語「1個以上」は、1個の置換基から可能な最大数の置換基、すなわち、置換基による1個の水素の置換からすべての水素の置換までを意味する。
を有する。
で示される三環式ラクタム化合物の調製方法であって、中間体1と中間体2:
[式中、
R1は、H及びC1-C6アルキルより選択され;
R2は、独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;
R3は、独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;
R4は、H、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、1又は2、又は4である]とを反応させて、式Iを形成することを含み、ここで、式Iの三環式ラクタム化合物、中間体1及び中間体2はすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及びそれらの塩を含む、調製方法である。
(a)アルコール3と保護試薬との反応によって、N−保護中間体4:
を形成する工程;
(b)4の酸化により、酸化N−保護中間体5:
を形成する工程;及び
(c)5の脱保護により、1を形成する工程を含む方法によって調製される[式中、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である]。
スキーム1は、アルコール1aを出発物質とする中間体1の合成を示す。R1は、H及びC1-C6アルキルより選択され;R2は独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;mは1又は2である。1aのアミンの保護によりアミン保護アルコール1bを与える。保護基(PG)は、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、及びフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を含む。1bの酸化はアミン保護ケトン1cを与える。1cの脱保護は、塩酸塩のような塩を含む中間体1を与える。塩形は扱いやすさ、精製、副生物の分離、及び安定性等の利点を持ち得る。例となる中間体1は以下:
を含む。
スキーム2は、中間体1と中間体2の環化による式Iで示される三環式ラクタム化合物の合成を示す。R1はH及びC1-C6アルキルより選択され;R2は独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;R3は独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;R4はH、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;mは1又は2;及びnは1又は2、である。2のアミンはBoc、CBz、Alloc又はFmocで保護されていてもよく、環化後に除去されR4がHである化合物Iを形成する。中間体1と中間体2の環化はピロリジン、ピペリジン、又はモルホリン等の第二級アミン試薬の存在下で行われ得る。環化は、2のシッフ塩基又はエナミン中間体(中間体1と反応する)の形成を進行し得る。中間体1のR4がBocのとき、環化生成物Iをトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、又は酢酸等の酸性試薬で処理してBoc基を除去し、R4がHである非保護三環式ラクタムIを形成してもよい。
実施例1
tert−ブチル 2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート
ピペリジン−2−イルメタノール(2.5kg、21.7mol)をMeOH(12.5L)に溶解した。ジ−tert−ブチルジカルボナート(CAS Reg. No. 24424-99-5、Sigma-Aldrich #205249、Boc2O、3.8kg、21.7mol)を0〜5℃で1時間かけて滴下した。混合物を20〜25℃に温め、その温度で16時間撹拌した。反応完了後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(DCM、12.5L)に溶解し、1N HCl(12.5L)及び7% NaHCO3(12.5L)で洗浄した。その溶液を減圧下で濃縮した。残留物であるtert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(8.61kg、収率92%)を得て、更なる精製なしに次の工程で用いた。特徴付けデータはMolander, G. A. (2005) Tetrahedron, 61:2631-2643と一致した。1H-NMR(400 MHz、CDCl3) δ ppm 4.22-4.35 (m, 1H), 3.86-4.01 (m, 1H), 3.72-3.85 (m, 1H), 3.55-3.66 (m, 1H), 2.86 (br t, J=12.2, 1H), 2.42 (br s, 1H), 1.65-1.79 (m, 1H), 1.53-1.65 (m, 4H), 1.36-1.52 (m, 1H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz,CDCl3) δppm 156.2, 79.7, 61.5, 52.5, 39.9, 28.4, 25.2, 25.1, 19.5; IR (neat): 3204, 3016, 2926, 1694, 1472 cm-1.
tert−ブチル 2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラート
tert−ブチル 2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(1.0kg、4.6mol)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカルである、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO、Sigma-Aldrich#214000、CAS Reg No. 2564-83-2、Geisslmeir,David; et al. (2005) Monatsh. Chem 136(9), 1591-1599、1.45g、9.29mmol)、NaBr(48g、0.46mol)及びNaHCO3(0.98kg、11.6mol)をH2O(5L)及びDCM(5L)中で0〜5℃に冷却した。10% NaOCl(6.22kg、8.36mol)を0〜5℃で滴下した。添加後、混合物を0〜5℃で30分間撹拌した。反応完了後、有機層を分離し他のリアクターに入れた。10% Na2SO3を、KI−デンプン紙が陰性になるまでその有機層に滴下した。その有機層を分離し、濾過し、水とブラインで洗浄し、Na2SO4で乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。0.8kgのtert−ブチル 2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラートを橙色の油状物として得た。(アッセイ収率80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 9.59 (br s, 1H), 4.38-4.71 (m, 1H), 3.78-4.10 (brm, 1H), 2.73-3.82 (brm, 1H), 2.11-2.21 (m, 1H), 1.57-1.71(m, 3H), 1.30-1.71 (m, 10H), 1.26 (brs, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ ppm 201.3, 158.6, 80.3, 75.1, 65.3, 61.5, 60.6, 43.0, 41.9, 28.4, 28.3, 25.3, 24.7, 23.5, 20.9, 19.2; IR (neat) 2983, 1694, 1681, 1210 cm-1
2−ホルミルピペリジニウムクロリド
IPAc(5L)中のtert−ブチル2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラート(1kg、4.7mol)溶液をIPAc(7L)中のHCl(0.17kg、9.4mol)溶液に0〜5℃で30分間で滴下した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌した。反応完了後、得られた混合物を濾過した。沈殿物をIPAc(2L)で洗浄し、減圧下20〜25℃で24時間乾燥した。沈殿物を減圧下20〜25℃で24時間乾燥した。630gの生成物、2−ホルミルピペリジニウムクロリドを白色粉末として得た。(収率90%)1H-NMR (400 MHz, D2O) δ ppm 4.95-5.09 (m, 1H), 3.29-3.44 (m, 1H), 2.85-3.06 (m, 2H), 1.73-2.04 (m, 3H), 1.37-1.66 (m, 3H); 13CNMR (100 MHz, D2O) δppm 88.6, 60.5, 44.6, 23.6, 21.9, 21.0; IR (Neat) 2939, 2720, 1525, 1448, 1344, 1250, 1124, 1082, 1053, 1021 cm-1; LCMS, m/z 113.1 (131.1)
tert−ブチル 1−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−2(1H)−カルボキシラート
tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラート(CAS Reg. No. 845267-78-9;別名1−ピペリジンカルボン酸2,4−ジオキソ−1,1−ジメチルエチルエステル)は、2,4−ピペリジンジオン(CAS Reg. No. 50607-30-2)及びジ−tert−ブチルジカルボナートから調製、又はFerrer, Manel et al (2013) Tetrahedron Letters, 54(36):4821-4825; Tanaka et al (2011) Tetrahedron Letters, 52(39):5036-5038; EP 2526945; EP 2380890; WO 2012035078; WO 2012058193に記載の方法で調製する。
3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オン
DCM中の実施例4で得た粗tert−ブチル 1−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−2(1H)−カルボキシラート(出発物質;tert−ブチル2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラート1kg)を、0〜5℃に冷却した。TFA(2.7kg、28mol)を0〜5℃で滴下し20〜25℃で2時間撹拌した。混合物をH2O(2×10L)、1N HCl(5L)及び7% NaHCO3(10L)で洗浄した。沈殿物が形成された。混合物を濾過し有機層を減圧下で濃縮した。得られた混合物を合わせ、エタノール(1.5L)中で5時間還流した。混合物を20〜25℃に自然に冷ました。沈殿物を濾過し、エタノール(0.5L)で洗浄した。減圧下40〜45℃で24時間乾燥し、生成物3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オン 500gをオフホワイトの粉末として得た。(収率56%)1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.22 (s, 1H), 5.59 (br, 1H), 3.80 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.57 (td, 2H, J1 = 6 Hz, J2 = 2 Hz), 2.72-2.81 (m, 4H), 1.92-2.02 (m, 2H), 1.77-1.86 (m, 2H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δ ppm 167.2, 134.5, 130.0, 113.1, 102.1, 43.1, 41.0, 23.5, 23.3, 21.0, 21.0
Claims (16)
- 下記の構造を持つ、式I:
で示される三環式ラクタム化合物の調製方法であって、中間体1と中間体2:
R1は、H及びC1-C6アルキルより選択され;
R2は、独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;
R3は、独立にH、F、Cl、C1-C6アルキル、又はフェニルより選択され;
R4は、H、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、1又は2]との反応によって、式Iを形成することを含み、ここで、式Iの三環式ラクタム化合物、中間体1及び中間体2は、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及びそれらの塩を含む、調製方法。 - PGが、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項3記載の方法。
- R1が、Hである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- R4が、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- mが、1である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- mが、2である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
- mが、2であり、nが、2であり、そして各R2及びR3が、Hである、請求項8記載の方法。
- 中間体1が、塩である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
- ピロリジンを中間体1と中間体2との反応に加えることを更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 中間体1と中間体2との反応の後にトリフルオロ酢酸を加えることにより式I[式中、R4がHである]の三環式ラクタム化合物を形成することを更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 中間体1が、ピペリジン−2−カルボアルデヒド塩酸塩である、請求項1〜12いずれか一項に記載の方法。
- 中間体2が、tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラートである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
- 式Iの三環式ラクタム化合物が、3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 本明細書で上述した発明。
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