JP2017529376A - 三環式ラクタム化合物の製造法 - Google Patents

三環式ラクタム化合物の製造法 Download PDF

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Abstract

構造を持つ、式Iで示される三環式ラクタム化合物の調製方法及びIの調製に有用な中間体が記載される。

Description

本発明は、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk、BTK)によって媒介される、炎症、免疫学的、及び癌を含む障害の処置に用いる化合物の調製に有用な中間体である三環式ラクタム化合物の製造法に、更に具体的にはBtk活性を阻害する化合物に関する。
ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk)は、チロシンキナーゼのTecファミリーのメンバーであり、初期B細胞発生ならびに成熟B細胞活性化、シグナル伝達、及び生存の調節因子である(T. Hunter, Cell 1987 50:823-829)。Btk活性の阻害は、アレルギー性疾患及び/又は自己免疫性及び/又は炎症性疾患、例えば:SLE、関節リウマチ(Whang et al (2014) Drug Discovery Today 19(8):1200-1204; Kim et al (2011) Bioorganic & Med. Chem. Letters 21:6258-6263)、多発性脈管炎、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、重症筋無力症、アトピー性皮膚炎、及び喘息(Di Paolo et al (2011) Nature Chem. Biol. 7(1):41-50; Liu (2011) Drug Metab. and Disposition 39(10):1840-1849; Liu et al (2011) Jour. of Pharm. and Exper. Ther. 338(1):154-163; Lou et al (2012) J. Med. Chem. 55(10):4539-4550; Xu D. et al (2012) Jour. Pharm. and Exp. Ther. 341(1):90-103)の処置に有用であることができる。加えて、Btkは、アポトーシスにおいてある役割を果たすことが報告されており(Islam and Smith Immunol. Rev. 2000 178:49);したがって、Btk活性の阻害は、癌、更にはB細胞リンパ腫、白血病、及び他の血液悪性腫瘍の治療に有用であることができる(US 7514444; Feldhahn et al. J. Exp. Med. 2005 201:1837)。
特定のBtk調節化合物は、三環式ラクタムのサブ構造モチーフ(substructural motif)を持つ(US 8618107; US 8729072; US 8716274; US 8722676)。これらの化合物の三環式ラクタム基は「H3結合ポケット」に結合する。H3ポケットに結合する基の修飾は、選択的Btk調節効果を与えることができる。
Di Paolo et al (2011) Nature Chem. Biol. 7(1):41-50に報告があるように、「この結合事象は、Btk中に、Apo構造(pdb 3P08)に対してのコンフォメーション変化を誘発し、キナーゼドメインのSrc様不活性コンフォメーションをもたらす。これは、突き出て溶媒に曝露される位置から埋没コンフォメーションへの、Y551の約18Åの再配列を含む。」この再配列と他のキナーゼがこのコンフォメーションをとり得ないことが、特定のBtk阻害剤に選択性を与える。
本発明は、下記の構造を持つ式I:
Figure 2017529376

で示される三環式ラクタム化合物、及びそれらの立体異性体、幾何異性体、互変異性体、並びに薬学的に許容し得る塩の製造法に関する。様々な置換基が本明細書中に定義される。
例示的な実施態様の詳細な記述
ここで、本発明のある実施態様について詳細に言及するが、それらの例は、付随する構造式及び化学式で図示する。本発明は、列挙する実施態様と併せて記載するが、それらは本発明をこれらの実施態様に限定することを意図するものではないことが理解されるだろう。逆に、本発明は、特許請求の範囲により定義される本発明の範囲内に含まれ得るすべての選択肢、変形例及び均等物を網羅することを意図するものである。当業者であれば、本発明の実施で使用されることもできる本明細書に記載されるものと類似及び等価な多くの方法及び材料を理解するであろう。本発明は、記載された方法及び材料に決して限定されない。定義された用語、用語の使用、記述された技術等を含め(それらに限定されないが)、一つ以上の組み入れられた文献、特許、及び類似物と本願に相違又は矛盾があるときは、本願のほうを優先する。特に明記しない限り、本明細書において使用されるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。本明細書に記載されるものと類似の又は等価な方法及び材料を本発明の実施又は試験において使用することができるが、好適な方法及び材料を以下に記載している。本明細書において言及されるすべての刊行物、特許出願、特許及び他の参考文献は、参照によってその全体が組み入れられる。特に別の定義がない限り、本出願において使用する命名法は、IUPAC系統的命名法に基づく。
定義
置換基の数を指す場合、用語「1個以上」は、1個の置換基から可能な最大数の置換基の範囲、すなわち、置換基による1個の水素の置換からすべての水素の置換までを指す。用語「置換基」は、親分子の水素原子を置換するある原子又は原子群を示す。用語「置換されている」は、特定の基が1個以上の置換基を有することを示す。任意の基が複数の置換基を有してもよく、そして、様々な可能な置換基が提供される場合、置換基は、独立して選択され、かつ同じである必要はない。用語「置換されていない」は、特定の基が置換基を有さないことを意味する。用語「場合により置換されている」は、特定の基が、置換されていないか、又は可能な置換基の群より独立して選択される1個以上の置換基によって置換されていることを意味する。置換基の数を指す場合、用語「1個以上」は、1個の置換基から可能な最大数の置換基、すなわち、置換基による1個の水素の置換からすべての水素の置換までを意味する。
用語「アルキル」は、本明細書で使用するとき、1〜12個の炭素原子(C-C12)の飽和直鎖又は分岐鎖状一価炭化水素基を指し、ここで、アルキル基は以下に述べる1個以上の置換基により場合により独立に置換されていてもよい。もう一つの実施態様では、アルキル基は1〜8個の炭素原子(C-C)、又は1〜6個の炭素原子(C-C)である。アルキル基の例は、メチル(Me、−CH)、エチル(Et、−CHCH)、1−プロピル(n−Pr、n−プロピル、−CHCHCH)、2−プロピル(i−Pr、i−プロピル、−CH(CH)、1−ブチル(n−Bu、n−ブチル、−CHCHCHCH)、2−メチル−1−プロピル(i−Bu、i−ブチル、−CHCH(CH)、2−ブチル(s−Bu、s−ブチル、−CH(CH)CHCH)、2−メチル−2−プロピル(t−Bu、t−ブチル、−C(CH)、1−ペンチル(n−ペンチル、−CHCHCHCHCH)、2−ペンチル(−CH(CH)CHCHCH)、3−ペンチル(−CH(CHCH)、2−メチル−2−ブチル(−C(CHCHCH)、3−メチル−2−ブチル(−CH(CH)CH(CH)、3−メチル−1−ブチル(−CHCHCH(CH)、2−メチル−1−ブチル(−CHCH(CH)CHCH)、1−ヘキシル(−CHCHCHCHCHCH)、2−ヘキシル(−CH(CH)CHCHCHCH)、3−ヘキシル(−CH(CHCH)(CHCHCH))、2−メチル−2−ペンチル(−C(CHCHCHCH)、3−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CH(CH)CHCH)、4−メチル−2−ペンチル(−CH(CH)CHCH(CH)、3−メチル−3−ペンチル(−C(CH)(CHCH)、2−メチル−3−ペンチル(−CH(CHCH)CH(CH)、2,3−ジメチル−2−ブチル(−C(CHCH(CH)、3,3−ジメチル−2−ブチル(−CH(CH)C(CH、1−ヘプチル、1−オクチル、等が含まれるが、これらに限定されない。
用語「キラル」は、その鏡像パートナーと重なり合わない特性を有する分子を指し、一方、用語「アキラル」は、その鏡像パートナーと重なり合う分子を指す。
用語「立体異性体」は、同一の化学組成を有するが、その原子又は基の空間配置が異なる化合物を指す。
「ジアステレオマー」は、2個以上の不斉中心を有し、そして、その分子が互いの鏡像ではない立体異性体を指す。ジアステレオマーは、例えば、融点、沸点、スペクトル特性等の異なる物性及び反応性を有する。ジアステレオマーの混合物は、電気泳動やクロマトグラフィー等の高分解能分析手順を用いて分離し得る。
「鏡像異性体」は、互いの重ねることができない鏡像である、化合物の2つの立体異性体を指す。
本明細書において使用される立体化学の定義及び規定は、一般に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York; 及び Eliel, E. and Wilen, S., "Stereochemistry of Organic Compounds", John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994 に従う。本発明の化合物は、不斉又はキラル中心を含有してもよく、それ故、異なる立体異性形で存在し得る。ジアステレオマー、鏡像異性体及びアトロプ異性体を非限定的に含む本発明の化合物の全ての立体異性形、並びにラセミ混合物等のその混合物が、本発明の一部を形成することが意図される。多くの有機化合物は、光学活性形で存在する、すなわち、平面偏光の平面を回転させる能力を有する。光学活性な化合物を記載する際に、接頭文字のD及びL、又はR及びSが、そのキラル中心に関して分子の絶対配置を記述するために使用される。接頭文字d及びl又は(+)及び(−)は、化合物による平面偏光面の回転の符号を指すために用いられ、(−)又はlは、その化合物が左旋性であることを意味する。接頭文字(+)又はdが付けられた化合物は右旋性である。所与の化学構造について、これら立体異性体は、互いの鏡像であることを除いて同一である。特定の立体異性体を鏡像異性体と称してもよく、そして、このような異性体の混合物は、鏡像異性体混合物と呼ばれることが多い。鏡像異性体の50:50混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体と称され、これは、化学的な反応又はプロセスにおいて立体選択又は立体特異性が存在しない場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」及び「ラセミ体」は、光学活性を有しない、2つの鏡像異性体種の等モル混合物を指す。
用語「互変異性体」又は「互変異性型」は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能である、異なるエネルギーの構造異性体を指す。例えば、プロトン互変異性体(プロトトロピック互変異性体としても知られている)は、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化等のプロトンの移動による相互変換を含む。原子価互変異性体は、いくつかの結合電子の再構成による相互変換を含む。
本明細書で使用される語句「薬学的に許容し得る塩」は、本発明の化合物の薬学的に許容し得る有機又は無機塩を指す。塩の例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩(「メシレート」)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容し得る塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン又は他の対イオン等の別の分子の介在を含んでもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定させる任意の有機又は無機部分であってもよい。更に、薬学的に許容し得る塩は、その構造内に2個以上の荷電原子を有していてもよい。複数の荷電原子が薬学的に許容し得る塩の一部である場合、複数の対イオンを有することができる。故に、薬学的に許容し得る塩は、1個以上の荷電原子及び/又は1個以上の対イオンを有することができる。
本発明の化合物が塩基である場合、望ましい薬学的に許容し得る塩は当該技術分野において使用可能な任意の好適な方法、例えば、遊離塩基を塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、メタンスルホン酸、リン酸等の無機酸、又は、酢酸、マレイン酸、コハク酸、マンデル酸、フマル酸、マロン酸、ピルビン酸、シュウ酸、グリコール酸、サリチル酸、グルクロン酸又はガラクツロン酸等のピラノシジル酸、クエン酸又は酒石酸等のα−ヒドロキシ酸、アスパラギン酸又はグルタミン酸等のアミノ酸、安息香酸又はケイ皮酸等の芳香族酸、p−トルエンスルホン酸又はエタンスルホン酸等のスルホン酸等の有機酸等で処理することで調製し得る。
本発明の化合物が酸である場合、望ましい薬学的に許容し得る塩は任意の好適な方法、例えば、遊離酸を例えば(第一級、第二級、又は第三級)アミン、アルカリ金属水酸化物又はアルカリ土類金属水酸化物等の無機又は有機塩基で処理することで調製し得る。適切な塩類の具体例には、グリシン及びアルギニン等のアミノ酸、アンモニア、第一級、第二級及び第三級アミン、ピペリジン、モルホリン及びピペラジン等の環状アミンから誘導される有機塩類、並びにナトリウム、カルシウム、カリウム、マグネシウム、マンガン、鉄、銅、亜鉛、アルミニウム、及びリチウムから誘導される無機塩類が含まれるが、これに限定されない。
「溶媒和物」は、1個以上の溶媒分子と本発明の化合物との会合又は複合体を指す。溶媒和物を形成する溶媒の例として、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、DMSO、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンが挙げられるが、これらに限定されない。用語「水和物」は、溶媒分子が水である複合体を指す。
本明細書で使用される語句「薬学的に許容し得る塩」は、本発明の化合物の薬学的に許容し得る有機又は無機塩を指す。塩の例として、硫酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、シュウ酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、硝酸塩、重硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、オレイン酸塩、タンニン酸塩、パントテン酸塩、酒石酸水素塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩(「メシレート」)、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩及びパモ酸塩(すなわち、1,1’−メチレン−ビス−(2−ヒドロキシ−3−ナフトエ酸塩))が挙げられるが、これらに限定されない。薬学的に許容し得る塩は、酢酸イオン、コハク酸イオン又は他の対イオン等の別の分子の介在を含んでもよい。対イオンは、親化合物の電荷を安定させる任意の有機又は無機部分であってもよい。更に、薬学的に許容し得る塩は、その構造内に2個以上の荷電原子を有していてもよい。複数の荷電原子が薬学的に許容し得る塩の一部である場合、複数の対イオンを有することができる。故に、薬学的に許容し得る塩は、1個以上の荷電原子及び/又は1個以上の対イオンを有することができる。
用語「本発明の化合物(compound of this invention)」、「本発明の化合物(compounds of the present invention)」、及び「式Iの化合物(compounds of Formula I)」は式Iの化合物並びにその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容し得る塩及びプロドラッグを含む。
式Iの化合物を含む、本明細書において示される式又は構造はいずれも、それらの水和物、溶媒和化合物、及び多形体とそれらの混合物をも意味する。
式Iの化合物を含む、本明細書において示される式Iの化合物を含む式又は構造はいずれも、その化合物の非同位体標識型及び同位体標識型をも意味する。同位体標識化合物は本明細書中の式によって提示される構造を持つが、1個以上の原子が選択された原子質量又は質量数を有する原子に置き換わっている。本発明の化合物に導入されることができる同位体の例は、水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素及び塩素の同位体であり、例えば、2H(ジュウテリウム、D)、3H(トリチウム)、11C、13C、14C、15N、18F、31P、32P、35S、36Cl、及び125Iであるが、これらに限定されない。種々の同位体標識された本発明の化合物において、例えば、3H、13C、及び14C等の放射性又は安定同位体が導入されている。これらの同位体標識された化合物は代謝研究、反応速度的研究、薬剤又は基質組織分布アッセイを含む陽電子射出断層撮影(PET)又は単一光子放射型コンピュータ断層撮影法(SPECT)等の検出又は画像診断法、又は患者の放射線治療に有用であり得る。ジュウテリウム標識又は置換された本発明の治療化合物は、分布、代謝、及び排泄(ADME)に関連して改良された薬物代謝・薬物動態(DMPK)特性を持ち得る。重水素等のより重い同位体で置換すると、例えばインビボにおける半減期の延長又は必要投与量の低減等、より高い代謝安定性から得られるある種の治療上の利点を与え得る。18F標識化合物はPET又はSPECT研究に有用であり得る。本発明の同位体標識化合物とそのプロドラッグは、一般的に、非同位体標識試薬を入手しやすい同位体標識試薬で置換して、後述するスキーム又は実施例及び調製に開示されている手順を行うことにより、調製することができる。更に、より重い同位体、特にジュウテリウム(すなわち、H又はD)、で置換すると、より高い代謝安定性から得られるある種の治療上の利点、例えばインビボにおける半減期の延長又は必要投与量の低減、又は治療係数の向上等をもたらし得る。この文脈において、重水素は、式Iの化合物の置換基とみなされると理解される。このような、殊に重水素のような、より重い同位体の濃度は同位体濃縮係数によって定義し得る。本発明の化合物において、特定の同位体と明示されていない原子はその原子の任意の安定同位体を意味する。特に断りのない限り、ある位置が「H」又は「水素」と具体的に示されるときは、その位置には水素がその天然存在度同位体比で存在すると理解される。したがって、本発明の化合物では、重水素(D)として具体的に示された原子は重水素を表すことが意図される。
三環式ラクタム化合物の調製方法
本発明は、式I:
Figure 2017529376

で示される三環式ラクタム化合物の合成の工程、方法、試薬、及び中間体を含む。
例示的な式Iの化合物は、BTK阻害剤の調製に有用な、3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オン(CAS Reg. No. 1346672-96-5)であり、下記構造:
Figure 2017529376

を有する。
3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オンの調製は、US 8618107 (compound 118d, Figure 5); US 8729072 (compound 101g, Figure 1); US 8716274 (compound 112d, Figure 12); 及びUS 8722676 (compound 120d)に記載されており、これらは明示的に参照により組み入れられる。
式Iの三環式ラクタム化合物及びその調製のための中間体は、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及びそれらの薬学的に許容し得る塩を含む。
式Iの三環式ラクタム化合物は、2−カルボニル環状アミン化合物1と1,3ケト−ラクタム化合物2との環化によって調製し得る。
本発明の一つの態様は、下記構造を持つ式I:
Figure 2017529376

で示される三環式ラクタム化合物の調製方法であって、中間体1と中間体2:
Figure 2017529376

[式中、
は、H及びC-Cアルキルより選択され;
は、独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;
は、独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;
は、H、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;
mは、1又は2であり;そして
nは、1又は2、又は4である]とを反応させて、式Iを形成することを含み、ここで、式Iの三環式ラクタム化合物、中間体1及び中間体2はすべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及びそれらの塩を含む、調製方法である。
例示的な実施態様において、中間体1は、アルコール中間体3:
Figure 2017529376

の酸化によって調製される。
例示的な実施態様において、中間体1は、
(a)アルコール3と保護試薬との反応によって、N−保護中間体4:
Figure 2017529376

を形成する工程;
(b)4の酸化により、酸化N−保護中間体5:
Figure 2017529376

を形成する工程;及び
(c)5の脱保護により、1を形成する工程を含む方法によって調製される[式中、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である]。
例示的な実施態様において、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
例示的な実施態様において、Rは、Hである。
例示的な実施態様において、Rは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である。
例示的な実施態様において、mは、1である。
例示的な実施態様において、mは、2である。
例示的な実施態様において、mは、2であり、nは、2であり、そして各R及びRは、Hである。
例示的な実施態様において、中間体1は、塩である。
例示的な実施態様において、方法は、ピロリジンを中間体1と中間体2との反応に加えることを更に含む。
例示的な実施態様において、方法は、中間体1と中間体2との反応の後にトリフルオロ酢酸を加えることにより、式I[RがHである]の三環式ラクタム化合物が形成されることを更に含む。
例示的な実施態様において、中間体1は、ピペリジン−2−カルボアルデヒド塩酸塩である。
例示的な実施態様において、中間体2は、tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラートである。
例示的な実施態様において、式Iの三環式ラクタム化合物は、3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オンである。
本発明の化合物は、不斉又はキラル中心を含有してもよく、それ故、異なる立体異性形で存在することができる。ジアステレオマー、鏡像異性体及びアトロプ異性体を非限定的に含む本発明の化合物の全ての立体異性形、並びにラセミ混合物等のその混合物が、本発明の一部を形成することが意図される。更に、本発明は、全ての幾何及び位置異性体を包含する。本明細書中で示される構造において、特定のキラル原子の立体化学が指定されていない場合は、すべての立体異性体が企図され、本発明の化合物として含められる。立体化学が実線の楔又は破線により具体的に示され、特定の立体配置を表す場合は、そのように立体異性体が特定され、定義される。
本発明の化合物は、非溶媒和形態、ならびに、水、エタノール等の薬学的に許容し得る溶媒による溶媒和形態で存在してもよく、本発明は、溶媒和形態と非溶媒和形態の両方を包含することが意図される。
また、本発明の化合物は、様々な互変異性型で存在してもよく、すべてのそのような形態が本発明の範囲内に包含される。用語「互変異性体」又は「互変異性型」は、低いエネルギー障壁によって相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体をさす。例として、プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても公知)には、ケト−エノール及びイミン−エナミン異性化等のプロトンの移動による相互変換が含まれる。原子価互変異性体は、一部の結合電子の再編成による相互変換を含む。
本発明は、また、1個以上の原子が、天然に通常見出される原子質量又は質量数と異なる原子質量又は質量数を有する原子により置き換わっていること以外は、本明細書において列挙したものと同一である同位体標識化合物を包含する。
本発明は、炎症、免疫学的、及び癌を含む、ブルトン型チロシンキナーゼ(Btk、BTK)よって媒介される障害を処置するための化合物の調製に有用な中間体である、三環式ラクタム化合物の製造法、更に具体的にはBtk活性を阻害する化合物に関する。調製された化合物は、WO2011/140488、WO2013/067274及びWO2013/067277に記載された化合物を非限定的に含み、これらは参照により本明細書に組み入れられる。本発明の工程は、工業規模生産用のより高価でない試薬を用いて、高い収率をよりコスト効果のある方法で提供するので、従来技術で用いられてきた先行する方法の改良法である。
本発明の化合物の調製のための出発物質と試薬は一般的にSigma-Aldrich Chemical (Milwaukee, WI)のような商業的供給源から入手可能であるか、又は当業者に公知の方法により容易に製法される(例えば、Louis F. Fieser and Mary Fieser, Reagents for Organic Synthesis, v. 1-19, Wiley, N.Y. (1967-1999 ed.)、又は(Beilstein オンラインデータベースを介しても入手可能である)補遺を含むBeilsteins Handbuch der organischen Chemie, 4, Aufl. ed. Springer-Verlag, Berlinに一般に記載された方法によって調製される等)。
以下のスキーム1及びスキーム2は、式Iの化合物合成のための化学反応、工程、方法、及びある種の中間体と試薬を図示する。
Figure 2017529376

スキーム1は、アルコール1aを出発物質とする中間体1の合成を示す。Rは、H及びC-Cアルキルより選択され;Rは独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;mは1又は2である。1aのアミンの保護によりアミン保護アルコール1bを与える。保護基(PG)は、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、及びフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)を含む。1bの酸化はアミン保護ケトン1cを与える。1cの脱保護は、塩酸塩のような塩を含む中間体1を与える。塩形は扱いやすさ、精製、副生物の分離、及び安定性等の利点を持ち得る。例となる中間体1は以下:
Figure 2017529376

を含む。
Figure 2017529376

スキーム2は、中間体1と中間体2の環化による式Iで示される三環式ラクタム化合物の合成を示す。RはH及びC-Cアルキルより選択され;Rは独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;Rは独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;RはH、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;mは1又は2;及びnは1又は2、である。2のアミンはBoc、CBz、Alloc又はFmocで保護されていてもよく、環化後に除去されRがHである化合物Iを形成する。中間体1と中間体2の環化はピロリジン、ピペリジン、又はモルホリン等の第二級アミン試薬の存在下で行われ得る。環化は、2のシッフ塩基又はエナミン中間体(中間体1と反応する)の形成を進行し得る。中間体1のRがBocのとき、環化生成物Iをトリフルオロ酢酸、トリクロロ酢酸、又は酢酸等の酸性試薬で処理してBoc基を除去し、RがHである非保護三環式ラクタムIを形成してもよい。
例示的中間体2は、以下:
Figure 2017529376

を含む。
実施例
実施例1
tert−ブチル 2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2017529376

ピペリジン−2−イルメタノール(2.5kg、21.7mol)をMeOH(12.5L)に溶解した。ジ−tert−ブチルジカルボナート(CAS Reg. No. 24424-99-5、Sigma-Aldrich #205249、BocO、3.8kg、21.7mol)を0〜5℃で1時間かけて滴下した。混合物を20〜25℃に温め、その温度で16時間撹拌した。反応完了後、混合物を減圧下で濃縮した。残留物をジクロロメタン(DCM、12.5L)に溶解し、1N HCl(12.5L)及び7% NaHCO(12.5L)で洗浄した。その溶液を減圧下で濃縮した。残留物であるtert−ブチル2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(8.61kg、収率92%)を得て、更なる精製なしに次の工程で用いた。特徴付けデータはMolander, G. A. (2005) Tetrahedron, 61:2631-2643と一致した。1H-NMR(400 MHz、CDCl3) δ ppm 4.22-4.35 (m, 1H), 3.86-4.01 (m, 1H), 3.72-3.85 (m, 1H), 3.55-3.66 (m, 1H), 2.86 (br t, J=12.2, 1H), 2.42 (br s, 1H), 1.65-1.79 (m, 1H), 1.53-1.65 (m, 4H), 1.36-1.52 (m, 1H), 1.46 (s, 9H); 13C NMR (100 MHz,CDCl3) δppm 156.2, 79.7, 61.5, 52.5, 39.9, 28.4, 25.2, 25.1, 19.5; IR (neat): 3204, 3016, 2926, 1694, 1472 cm-1.
実施例2
tert−ブチル 2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラート
Figure 2017529376

tert−ブチル 2−(ヒドロキシメチル)ピペリジン−1−カルボキシラート(1.0kg、4.6mol)、2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジニルオキシフリーラジカルである、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO、Sigma-Aldrich#214000、CAS Reg No. 2564-83-2、Geisslmeir,David; et al. (2005) Monatsh. Chem 136(9), 1591-1599、1.45g、9.29mmol)、NaBr(48g、0.46mol)及びNaHCO(0.98kg、11.6mol)をHO(5L)及びDCM(5L)中で0〜5℃に冷却した。10% NaOCl(6.22kg、8.36mol)を0〜5℃で滴下した。添加後、混合物を0〜5℃で30分間撹拌した。反応完了後、有機層を分離し他のリアクターに入れた。10% NaSOを、KI−デンプン紙が陰性になるまでその有機層に滴下した。その有機層を分離し、濾過し、水とブラインで洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を減圧下で除去した。0.8kgのtert−ブチル 2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラートを橙色の油状物として得た。(アッセイ収率80%)。1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 9.59 (br s, 1H), 4.38-4.71 (m, 1H), 3.78-4.10 (brm, 1H), 2.73-3.82 (brm, 1H), 2.11-2.21 (m, 1H), 1.57-1.71(m, 3H), 1.30-1.71 (m, 10H), 1.26 (brs, 1H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ ppm 201.3, 158.6, 80.3, 75.1, 65.3, 61.5, 60.6, 43.0, 41.9, 28.4, 28.3, 25.3, 24.7, 23.5, 20.9, 19.2; IR (neat) 2983, 1694, 1681, 1210 cm-1
実施例3
2−ホルミルピペリジニウムクロリド
Figure 2017529376

IPAc(5L)中のtert−ブチル2−ホルミルピペリジン−1−カルボキシラート(1kg、4.7mol)溶液をIPAc(7L)中のHCl(0.17kg、9.4mol)溶液に0〜5℃で30分間で滴下した。混合物を0〜5℃で30分間撹拌した。反応完了後、得られた混合物を濾過した。沈殿物をIPAc(2L)で洗浄し、減圧下20〜25℃で24時間乾燥した。沈殿物を減圧下20〜25℃で24時間乾燥した。630gの生成物、2−ホルミルピペリジニウムクロリドを白色粉末として得た。(収率90%)1H-NMR (400 MHz, D2O) δ ppm 4.95-5.09 (m, 1H), 3.29-3.44 (m, 1H), 2.85-3.06 (m, 2H), 1.73-2.04 (m, 3H), 1.37-1.66 (m, 3H); 13CNMR (100 MHz, D2O) δppm 88.6, 60.5, 44.6, 23.6, 21.9, 21.0; IR (Neat) 2939, 2720, 1525, 1448, 1344, 1250, 1124, 1082, 1053, 1021 cm-1; LCMS, m/z 113.1 (131.1)
実施例4
tert−ブチル 1−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−2(1H)−カルボキシラート
Figure 2017529376

tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラート(CAS Reg. No. 845267-78-9;別名1−ピペリジンカルボン酸2,4−ジオキソ−1,1−ジメチルエチルエステル)は、2,4−ピペリジンジオン(CAS Reg. No. 50607-30-2)及びジ−tert−ブチルジカルボナートから調製、又はFerrer, Manel et al (2013) Tetrahedron Letters, 54(36):4821-4825; Tanaka et al (2011) Tetrahedron Letters, 52(39):5036-5038; EP 2526945; EP 2380890; WO 2012035078; WO 2012058193に記載の方法で調製する。
tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラート(1kg、4.7mol)をDCM(15L)に溶解した。4Aモレキュラーシーブ(MS、1.5kg)を加えた。混合物を0〜5℃に冷却した。ピロリジン(1.4kg、19.7mol)を0〜5℃で加え、30分間撹拌した。実施例3で得た2−ホルミルピペリジニウムクロリド(1kg、6.6mol)を0〜5℃で2時間かけて少しずつ加えた。混合物を0〜5℃で2時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を水(2×10L)で洗浄した。生成物のtert−ブチル 1−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−2(1H)−カルボキシラートを含有する有機層を次の工程に繰り越した。(アッセイ収率68%)H-NMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.27(br, 1H), 4.08 (t, 2H , J = 6Hz), 3.79 (t, 2H, J = 6Hz), 2.77 (t, 4H, J = 6 Hz), 1.94-2.07 (m, 2H), 1.78-1.90 (m, 2H), 1.56 (s, 9H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δppm 162.9, 154.0, 136.4, 130.9, 114.2, 103.4, 82.1, 45.0, 43.1, 28.2, 23.4, 23.2, 21.4, 20.8; IR (Neat) 2941, 1698, 1684, 1486.35, 1457, 1417, 1396, 1370, 1333, 1316, 1269, 1256, 1158, 1140, 1100, 1044, 940, 857, 828, 776, 762, 715 cm-1; LCMS, m/z 290.1 (235.0)
実施例5
3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オン
Figure 2017529376

DCM中の実施例4で得た粗tert−ブチル 1−オキソ−3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−2(1H)−カルボキシラート(出発物質;tert−ブチル2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラート1kg)を、0〜5℃に冷却した。TFA(2.7kg、28mol)を0〜5℃で滴下し20〜25℃で2時間撹拌した。混合物をHO(2×10L)、1N HCl(5L)及び7% NaHCO(10L)で洗浄した。沈殿物が形成された。混合物を濾過し有機層を減圧下で濃縮した。得られた混合物を合わせ、エタノール(1.5L)中で5時間還流した。混合物を20〜25℃に自然に冷ました。沈殿物を濾過し、エタノール(0.5L)で洗浄した。減圧下40〜45℃で24時間乾燥し、生成物3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オン 500gをオフホワイトの粉末として得た。(収率56%)1HNMR (400 MHz, CDCl3) δ ppm 6.22 (s, 1H), 5.59 (br, 1H), 3.80 (t, 2H, J = 6 Hz), 3.57 (td, 2H, J1 = 6 Hz, J2 = 2 Hz), 2.72-2.81 (m, 4H), 1.92-2.02 (m, 2H), 1.77-1.86 (m, 2H); 13CNMR (100 MHz, CDCl3) δ ppm 167.2, 134.5, 130.0, 113.1, 102.1, 43.1, 41.0, 23.5, 23.3, 21.0, 21.0
上記の発明は、明瞭な理解を目的として、図示及び例示によって詳細に記載されているが、これら説明と例は、本発明の範囲を限定するものと解釈するべきではない。したがって、すべての好適な変形及び等価物はすべて以下に述べる請求項に定義される本発明の範囲に含まれるものと考えられる。本明細書において引用されたすべての特許及び科学文献は、参照によりその全体が明示的に含まれる。

Claims (16)

  1. 下記の構造を持つ、式I:
    Figure 2017529376

    で示される三環式ラクタム化合物の調製方法であって、中間体1と中間体2:
    Figure 2017529376
    [式中、
    は、H及びC-Cアルキルより選択され;
    は、独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;
    は、独立にH、F、Cl、C-Cアルキル、又はフェニルより選択され;
    は、H、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)より選択され;
    mは、1又は2であり;そして
    nは、1又は2]との反応によって、式Iを形成することを含み、ここで、式Iの三環式ラクタム化合物、中間体1及び中間体2は、すべての立体異性体、幾何異性体、互変異性体、及びそれらの塩を含む、調製方法。
  2. 中間体1が、アルコール中間体3:
    Figure 2017529376

    の酸化によって調製される、請求項1記載の方法。
  3. 中間体1が、
    (a)アルコール3を保護試薬と反応させて、N−保護中間体4:
    Figure 2017529376

    を形成する工程;
    (b)4の酸化により、酸化N−保護中間体5:
    Figure 2017529376

    を形成する工程;及び
    (c)5の脱保護により、中間体1を形成する工程
    [式中、PGは、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBz)、アリルオキシカルボニル(Alloc)、又はフルオレニルメチルオキシカルボニル(Fmoc)である]を含む方法によって調製される、請求項1又は2に記載の方法。
  4. PGが、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項3記載の方法。
  5. が、Hである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. が、tert−ブチルオキシカルボニル(Boc)である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
  7. mが、1である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. mが、2である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. mが、2であり、nが、2であり、そして各R及びRが、Hである、請求項8記載の方法。
  10. 中間体1が、塩である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. ピロリジンを中間体1と中間体2との反応に加えることを更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 中間体1と中間体2との反応の後にトリフルオロ酢酸を加えることにより式I[式中、RがHである]の三環式ラクタム化合物を形成することを更に含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 中間体1が、ピペリジン−2−カルボアルデヒド塩酸塩である、請求項1〜12いずれか一項に記載の方法。
  14. 中間体2が、tert−ブチル 2,4−ジオキソピペリジン−1−カルボキシラートである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 式Iの三環式ラクタム化合物が、3,4,6,7,8,9−ヘキサヒドロピリド[3,4−b]インドリジン−1(2H)−オンである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 本明細書で上述した発明。
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