JP2017528162A5 - - Google Patents

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カゼインを含む組成物およびこれを作製する方法
本出願は、その全内容が参照により組み込まれている、2014年8月21日に出願された、米国仮出願第62/040,393号の優先権を主張するものである。
本発明は、ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、およびクリームのような食品への適用のための、乳製品代用品、これを製造する方法、ならびに動物由来成分非含有ミルクの脂肪およびタンパク質を含む組成物を対象とする。
世界の乳製品市場は、5000億ドルであり、平均年成長率は、4%であると推定されている。市場におけるかなりの割合が牛乳によるものであるが、植物ベースの代替品も、米国内で10億ドルを占め、推定7億ドルは、ラクトース非含有ミルクが占めると推定されている。牛乳は、4つの特殊なカゼインである、α−s1−カゼイン、α−s2−カゼイン、β−カゼイン、およびκ−カゼインを有することが公知である。哺乳動物ミルクまたは哺乳動物産生ミルクは、数千種の成分(例えば、全てのトリグリセリドが同定された場合)を含む、極めて複合的な流体である。哺乳動物ミルクまたは哺乳動物産生ミルクは、水、多種多様な異なる脂質、糖、様々な異なるタンパク質、ならびに様々な異なる無機塩および無機化合物を含む。(例えば、BolandおよびThompson(編)、「Milk Proteins from Expression to Food」、Academic Press、2014を参照されたい。)牛乳のような哺乳動物産生ミルクは、多くの人々により、理想的な栄養供給源であると考えられているが、哺乳動物ミルクまたは哺乳動物産生ミルクのアレルギー原性、ある特定の成分によるラクトース不耐症、個人的な好み、および乳製品製造業を低減することにより得られると考えられる環境的利益と関連する理由で、植物ベースのミルクまたはナッツベースのミルク、例えば、豆乳、アーモンドミルク、またはココナツミルクのような、哺乳動物ミルクまたは哺乳動物産生ミルク(例えば、牛乳)に対する多様なミルク代替品も求められている。
例えば、乳製品製造による廃水から生じる環境的影響は、地下水を汚染する潜在的可能性がある、かなりのレベルの硝酸塩を結果としてもたらしうる。地下水は、地表水の供給が限定的な、多くの市街地および農場のための主要な水供給源である。米国において、人口の半数は、完全または部分的に地下水に依拠し、同様の数字は、欧州についても得られる。(例えば、The Victoria State Government Department of Environment and Primary Industriesのウェブサイト、www.depi.vic.gov.au/agriculture−and−food/dairy/managing−effluent/dairy−effluent−protecting−groundwaterを参照されたい。)ミルク中の食品媒介病原体の存在は、酪農場環境内の汚染された供給源との直接的な接触および感染した動物の乳房からの分泌に起因する。ヒトにおける疾患の流行の由来を辿るとそれは、低温滅菌されていないミルクの摂取であることが突き止められ、さらにはまた低温滅菌されたミルクであることが突き止められている。ミルクおよび乳製品において遭遇する主な汚染物質は通例、殺虫剤の残留物、重金属、およびアフラトキシンM1を含む(Awasthiら、Indian J.Public Health、56:95−99、2012)。
豆乳、アーモンドミルク、またはココナツミルクのような、既存の乳成分含有のミルク代替品は、風味および機能のいずれにおいても劣っており;さらに、乳成分含有ミルクの産業的および文化的な重要性の大部分は、チーズ、ヨーグルト、クリーム、またはバターのような派生生成物におけるその有用性から生じる。乳成分非含有の植物ベースのミルクは、環境上および健康上の懸念を解決する(および人口の小さな割合に対して適切な風味を提供している)ものの、乳成分含有ミルクのために使用されるのと同じ工程にかけても、ほぼ例外なく、このような派生生成物を得ることができない。
BolandおよびThompson(編)、「Milk Proteins from Expression to Food」、Academic Press、2014 The Victoria State Government Department of Environment and Primary Industriesのウェブサイト、www.depi.vic.gov.au/agriculture−and−food/dairy/managing−effluent/dairy−effluent−protecting−groundwater Awasthiら、Indian J.Public Health、56:95−99、2012
したがって、必要とされているものは、所望の風味および効能特徴を有する、乳製品代用品または組成物、例えば、乳製品の風味を再現し、乳成分含有ミルクの派生物または下流における適用のために使用される能力を保持し、哺乳動物ミルクまたは哺乳動物産生ミルクと同様の栄養プロファイルを提供しながら、食品媒介病原体を最小限にし、生産時の環境的影響が小さい組成物である。
(発明の要旨)
本発明は、哺乳動物産生ミルク中の成分のサブセットだけを使用して、哺乳動物産生ミルクと同様の風味、同様の外見、同様の栄養価、同様の香り、および同様の口当たりを有する組成物を作出しうるという発見に基づく。
本明細書において、約0.3g/Lから約1.1g/Lのκ−カゼインタンパク質;約1.25g/Lから約4.9g/Lのβ−カゼインタンパク質;総最終濃度を約0重量%から約45重量%とする1つ以上の脂質;総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%とする1つ以上の風味化合物;総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%とする1つ以上の甘味剤;および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%とする灰分を含み、動物由来の成分を含まない組成物が提示される。
また、約0.3g/Lから約1.1g/Lのκ−カゼインタンパク質;約1.25g/Lから約4.9g/Lのβ−カゼインタンパク質;総最終濃度を約0重量%から約45重量%とする1つ以上の脂質;総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%とする1つ以上の風味化合物;総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%とする1つ以上の甘味剤;および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%とする灰分を含み、哺乳動物産生ミルク中で見出される少なくとも1つの成分を含まない;哺乳動物産生ミルク中に存在しない少なくとも1つの成分を含む;および/または哺乳動物産生ミルク中の少なくとも1つの成分の濃度と比較して高濃度または低濃度の少なくとも1つの成分を含む組成物も提示される。これらの組成物についての一部の実施形態において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中の1つ以上の成分の濃度と比較して高濃度の、カルシウム、リン酸塩、ビタミンB複合体、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKの群から選択される、少なくとも1つの成分を含む。これらの組成物についての一部の実施形態において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中で見出される少なくとも1つの成分であって、ラクトース、細菌、マイコバクテリア、アレルゲン、ウイルス、プリオン、酵母、成長ホルモン、白血球、抗生剤、重金属、免疫グロブリン、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、およびリパーゼの群から選択される成分を含まない。これらの組成物についての一部の実施形態において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中に存在しない少なくとも1つの成分であって、人工甘味料、植物由来の脂質、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の群から選択される成分を含む。
また、約0.3g/Lから約1.1g/Lのκ−カゼインタンパク質であって、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質;約1.25g/Lから約4.9g/Lのβ−カゼインタンパク質であって、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質;総最終濃度を約0重量%から約45重量%とする1つ以上の脂質;総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%とする1つ以上の風味化合物;総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%とする1つ以上の甘味剤;および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%とする灰分を含む組成物も提示される。
また、κ−カゼインタンパク質およびβ−カゼインタンパク質を含むミセルを含み、ミセルの直径が、約50nmから約350nmであり、κ−カゼインタンパク質およびβ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する組成物も提示される。これらの方法についての一部の実施形態において、組成物は、最終濃度を約2.0重量%から約6重量%とするミセルを含む。これらの組成物についての一部の実施形態において、ミセル中のβ−カゼインタンパク質のκ−カゼインタンパク質に対する比は、約3.5:1から約5.5:1(例えば、約4:1から約5:1)である。これらの方法についての一部の実施形態において、組成物は、総最終濃度を約0重量%から約45重量%とする1つ以上の脂質;総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%とする1つ以上の風味化合物;総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%とする1つ以上の甘味剤;および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%とする灰分をさらに含む。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物は、約0.27重量%から約0.75重量%のκ−カゼインタンパク質および約1.23重量%から約3.27重量%のβ−カゼインを含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の脂質の総最終濃度は、約0重量%から約4.5重量%である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の脂質は、ヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質からなる群から選択される。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物は、最終濃度を約1重量%から約28重量%とするヒマワリ油;最終濃度を約0.5重量%から約14重量%とするココナツ油;最終濃度を約0.05重量%から約1.0重量%とするトリブチリン;総最終濃度を約0.08重量%から約1.2重量%とするモノグリセリドおよびジグリセリド;総最終濃度を約0.02重量%から約0.28重量%とする遊離脂肪酸;ならびに総最終濃度を約0.02重量%から約0.3重量%とするリン脂質のうちの1つ以上を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、遊離脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つの脂肪酸を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、リン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、モノグリセリドおよびジグリセリドが、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである、または細菌由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンからなる群から選択される、少なくとも1つの風味化合物を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、サッカリドである。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、サッカリドは、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、およびタガトースからなる群から選択される。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、人工甘味料である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、人工甘味料は、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、およびP−4000の群から選択される。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、灰分は、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物のうちの1つ以上を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、灰分は、CaCl、KHPO、およびクエン酸Naのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、CaClの最終濃度は、約0.05g/Lから約0.2g/Lであり;KHPOの最終濃度は、約0.2g/Lから約0.4g/Lであり;クエン酸Naの最終濃度は、約0.1g/Lから約0.3g/Lである。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、κ−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのκ−カゼインタンパク質である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、β−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−カゼインタンパク質である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物は、最終濃度を約0.4重量%から約2.5重量%とするα−ラクトアルブミンタンパク質;および/または最終濃度を約2.5重量%から約4.5重量%とするβ−ラクトグロブリンタンパク質をさらに含む。本明細書において記載された方法のうちのいずれかについての一部の実施形態において、α−ラクトアルブミンタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのα−ラクトアルブミンタンパク質である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、β−ラクトグロブリンタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−ラクトグロブリンタンパク質である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物は、最終濃度を約11重量%から約16重量%とするα−S1−カゼインタンパク質;および/または最終濃度を約2重量%から約5重量%とするα−S2−カゼインタンパク質をさらに含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、α−S1−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのα−S1−カゼインタンパク質である;および/またはα−S2−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのα−S2−カゼインタンパク質である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物は、血清アルブミン、ラクトフェリン、およびトランスフェリンのうちの1つ以上をさらに含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、血清アルブミンタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスの血清アルブミンである;ラクトフェリンは、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのラクトフェリンである;および/またはトランスフェリンは、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのトランスフェリンタンパク質である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態は、1つ以上の色調補正剤をさらに含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の色調補正剤は、β−カロテンまたはアナトーである。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、組成物のpHは、約6.2から約7.2(例えば、約6.2から約6.8)である。
また、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルク;ならびにグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質の一方または両方を含む組成物も提示される。これらの方法についての一部の実施形態において、組成物中のグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の最終濃度は、0.02重量%から約3.0重量%である。これらの方法についての一部の実施形態において、組成物中のグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質の最終濃度は、0.02重量%から約3.0重量%である。これらの方法についての一部の実施形態において、組成物中のグリコシル化されていないおよび/または哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の最終濃度は、約0.02重量%から約0.6重量%であり;組成物中のグリコシル化されていないおよび/または哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質の最終濃度は、約0.02重量%から約2.5重量%である。
また、最終濃度を約3.6重量%から約5.4重量%とするκ−カゼインタンパク質;最終濃度を約16.3重量%から約24.5重量%とするβ−カゼインタンパク質;最終濃度を約35重量%から約40重量%とする甘味剤;最終濃度を約25重量%から約30重量%とする1つ以上の脂質;最終濃度を約5重量%から約7重量%とする灰分;および最終濃度を約2重量%から約5重量%とする水を含み、κ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないおよび/もしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する、ならびに/またはβ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないおよび/もしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する粉末組成物も提示される。
また、プロモーター;シグナル配列をコードする配列;ミルクタンパク質をコードする配列;および酵母終結配列を含み、プロモーターが、シグナル配列に作動可能に連結されおり、シグナル配列が、ミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されおり、末端配列が、ミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されている核酸も提示される。これらの核酸についての一部の実施形態において、プロモーターは、構成的プロモーターである。これらの核酸についての一部の実施形態において、プロモーターは、誘導的プロモーターである。これらの核酸についての一部の実施形態において、シグナル配列は、コードされたミルクタンパク質もしくは異なるミルクタンパク質に由来するシグナル配列である、または酵母接合因子に由来するシグナル配列である。これらの核酸についての一部の実施形態において、コードされたミルクタンパク質は、β−カゼイン、κ−カゼイン、α−S1−カゼイン、α−S2−カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、ラクトフェリン、またはトランスフェリンからなる群から選択される。これらの核酸についての一部の実施形態において、核酸は、細菌複製起点を含む。これらの核酸についての一部の実施形態において、核酸は、選択マーカーをさらに含む。これらの核酸についての一部の実施形態において、選択マーカーは、抗生剤耐性遺伝子である。
これらの核酸についての一部の実施形態は、さらなるプロモーター配列;シグナル配列をコードするさらなる配列;さらなるミルクタンパク質をコードする配列;およびさらなる酵母終結配列をさらに含み、さらなるプロモーター配列は、シグナル配列をコードするさらなる配列に作動可能に連結されおり、シグナル配列をコードする配列は、さらなるミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されおり、さらなるミルクタンパク質をコードする配列は、さらなる酵母終結配列に作動可能に連結されている。
また、本明細書において記載された核酸のうちのいずれかを含む宿主細胞も提示される。これらの宿主細胞についての一部の実施形態において、宿主細胞は、酵母株(例えば、クルイベロミセス属種(Kluyveromyces sp.)、ピキア属種(Pichia sp.)、サッカロミセス属種(Saccharomyces sp.)、テトラヒメナ属種(Tetrahymena sp.)、ヤロウィア属種(Yarrowia sp.)、ハンセヌラ属種(Hansenula sp.)、ブラストボトリス属種(Blastobotrys sp.)、カンジダ属種(Candida sp.)、ジゴサッカロミセス属種(Zygosaccharomyces sp.)、またはデバリオミセス属種(Debaryomyces sp.))である。
本明細書においてまた、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する組換えミルクタンパク質を作製する方法であって、本明細書において記載された宿主細胞のうちのいずれかを、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するミルクタンパク質の分泌を可能とするのに十分な条件下にて培養培地中で培養するステップ、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するミルクタンパク質を培養培地から採取するステップを含む方法も提示される。
また、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインおよびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインを含むミセルを作製する方法であって、本明細書で提示された宿主細胞のうちのいずれかを、宿主細胞からのミセルの放出を可能とするのに十分な条件下にて培養培地中で培養するステップを含み、宿主細胞が、β−カゼインをコードする配列およびκ−カゼインをコードする配列を含む核酸を含む方法も提示される。
また、哺乳動物産生ミルクに対し補充する方法であって、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルクを用意するステップ;ならびにミルクに、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質;グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質;ならびにグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質を含むミセルのうちの少なくとも1つを混合するステップを含む方法も提示される。
また、組成物を作製する方法であって、β−カゼインタンパク質およびカゼインκ−タンパク質を含むタンパク質混合物を含む、またはβ−カゼインタンパク質およびκ−カゼインタンパク質を含むミセルを含む液体を超音波処理するステップ;灰分を液体に混合するステップ;液体に、1つ以上の脂質、1つ以上の風味化合物、および1つ以上の色調補正剤の混合物を添加し、液体を超音波処理するステップ;および液体に、1つ以上の甘味剤を添加し、これにより、組成物を作製するステップを含む方法も提示される。これらの方法についての一部の実施形態において、β−カゼインタンパク質は、グリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する、および/またはκ−カゼインタンパク質は、グリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する。これらの方法についての一部の実施形態において、灰分は、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物のうちの1つ以上を含む。これらの方法についての一部の実施形態において、添加された灰分は、CaCl、KHPO、およびクエン酸Naのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)を含む。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の脂質は、ヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質のうちの少なくとも1つを含む。これらの方法についての一部の実施形態において、遊離脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つの脂肪酸を含む。これらの方法についての一部の実施形態において、リン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質である。これらの方法についての一部の実施形態において、モノグリセリドおよびジグリセリドは、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである、または細菌由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである。これらの方法についての一部の実施形態において、風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンからなる群から選択される、少なくとも1つの風味化合物を含む。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の色調補正剤は、β−カロテンまたはアナトーである。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、サッカリドである。これらの方法についての一部の実施形態において、サッカリドは、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、およびタガトースからなる群から選択される。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、人工甘味料である。これらの方法についての一部の実施形態において、人工甘味料は、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、およびP−4000からなる群から選択される。これらの方法についての一部の実施形態において、液体のpHは、約6.2および約7.4(例えば、約6.4から約6.8)の間である。これらの方法についての一部の実施形態において、β−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのβ−カゼインタンパク質である;および/またはκ−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのκ−カゼインタンパク質である。これらの方法についての一部の実施形態において、タンパク質混合物は、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、α−S1−カゼイン、α−S2−カゼイン、ラクトフェリン、トランスフェリン、および血清アルブミンの群から選択される1つ以上のタンパク質をさらに含む。
また、本明細書において記載された方法のうちのいずれかにより作製された組成物も提示される。
また、バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作る方法であって、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかを用意するステップ;および本明細書において記載された組成物のうちのいずれかを出発材料として使用して、バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作製するステップを含む方法も提示される。
また、(a)1つ以上のミルクタンパク質、1つ以上の脂肪、および1つ以上の風味化合物の混合物;ならびに(b)灰分および少なくとも1つの甘味剤の混合物を含むキットも提示される。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上のミルクタンパク質は、β−カゼイン、κ−カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、α−S1−カゼイン、α−S2−カゼイン、ラクトフェリン、トランスフェリン、および血清アルブミンの群から選択される。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上のミルクタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのミルクタンパク質である。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上の脂肪は、ヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質からなる群から選択される。これらのキットについての一部の実施形態において、遊離脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つの脂肪酸を含む。これらのキットについての一部の実施形態において、リン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質である。これらのキットについての一部の実施形態において、モノグリセリドおよびジグリセリドは、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである、または細菌由来のモノグリセリドおよびジグリセリドである。これらのキットについての一部の実施形態において、風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンからなる群から選択される、少なくとも1つの風味化合物を含む。これらのキットについての一部の実施形態において、(a)中の混合物は、1つ以上の色調補正剤をさらに含む。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上の色調補正剤は、β−カロテンまたはアナトーである。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、サッカリド(例えば、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、およびタガトースの群から選択されるサッカリド)である。これらのキットについての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、人工甘味料(例えば、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、およびP−4000の群から選択される人工甘味料)である。これらのキットのうちのいずれかについての一部の実施形態において、灰分は、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物のうちの1つ以上を含む。これらのキットについての一部の実施形態において、灰分は、CaCl、KHPO、およびクエン酸Naのうちの1つ以上(例えば、1つ、2つ、または3つ)を含む。これらのキットについての一部の実施形態は、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかを作るための指示書をさらに含む。
また、本明細書において記載された核酸のうちの少なくとも1つを含むキットも提示される。
本明細書においてまた、1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、脂肪、炭水化物、および灰分を含む乳製品代用食品も提示される。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、食品は、非動物由来である。これらの代用食品についての一部の実施形態において、食品は、ミルク、バター、チーズ、カゼイン塩、ヨーグルト、およびクリームを含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、単離されたミルクタンパク質の成分は、カゼインおよびホエータンパク質を含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、カゼインタンパク質は、アルファ−s1−カゼイン、アルファ−s2−カゼイン、ベータ−カゼイン、およびカッパ−カゼインをさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、カゼインタンパク質は、アルファ−s1−カゼイン、ベータ−カゼイン、およびカッパ−カゼインをさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、カゼインタンパク質は、ミセル形成のための成分をさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、カゼインタンパク質は、pH4.0〜6.0において、凝固特性を呈する。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、カゼインタンパク質は、2.5%(w/v)以上であり、10%(w/v)以下である。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、ホエータンパク質は、ベータ−ラクトグロブリンおよびアルファ−ラクトアルブミンをさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、ホエータンパク質は、ポリマーマトリックスゲルを形成する。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、ホエータンパク質は、少なくとも0.1%(w/v)であり、1%(w/v)以下である。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、1つ以上のミルクタンパク質の成分は、微生物から単離されている。これらの乳製品代用食品のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上のミルクタンパク質の成分は、組換え微生物から単離されている。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、1つ以上のミルクタンパク質の成分は、真核微生物において合成されている。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、真核微生物は、酵母を含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、酵母は、クルイベロミセス属種、ピキア属種、サッカロミセス属種およびテトラヒメナ属種を含む。
これらの代用食品についての一部の実施形態において、脂肪は、トリグリセリドを含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、脂肪は、高オレイン酸油を含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、高オレイン酸油は、一価不飽和油、オレイン酸油、リノール酸油、リノレン酸油および飽和油のうちの1つ以上をさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、脂肪は、短鎖脂肪酸を含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、短鎖脂肪酸は、ブタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、およびデカン酸を含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、脂肪のうちの1つ以上は、エステル交換された脂肪酸を含んだ。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、脂肪のうちの1つ以上は、植物から単離されている。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、植物から単離された脂肪は、以下:ヒマワリ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ダイズ油、ラッカセイ油、クルミ油、アーモンド油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、ベニバナ油、亜麻油、ナツメヤシ油、ナツメヤシ核油、ナツメヤシ果実油、ココナツ油、ババス油、シアバター油、マンゴーバター油、ココアバター油、コムギ胚芽油およびコメヌカ油のうちの1つ以上から選択される。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、糖は、ガラクトース、スクロース、グルコース、果糖およびマルトースを含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、乳製品代用食品は、ラクトースを本質的に含有しない。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、灰分は、ミネラルを含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、ミネラルは、以下:ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄、銅、亜鉛、塩化物、マンガン、セレニウム、ヨウ素、レチノール、カロテン、ビタミン、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB12、チアミンおよびリボフラビンのうちの1つ以上をさらに含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、灰分は、アニオンを含む。これらの乳製品代用食品についての一部の実施形態において、ミネラルは、以下:リン酸塩、クエン酸塩、硫酸塩、炭酸塩、および塩化物のうちの1つ以上をさらに含む。
また、乳製品代用食品を作る方法であって、1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、エステル交換された脂肪、炭水化物および灰分を接触させるステップを含む方法も提示される。これらの方法についての一部の実施形態は、1つ以上のミルクタンパク質の成分を、下等真核生物から単離するステップをさらに含む。
また、乳製品代用生成物の風味プロファイルを変更する方法であって、ミルクタンパク質の成分、炭水化物、および灰分を含む混合物中の脂肪酸の組合せをモジュレートするステップを含む方法も提示される。これらの方法についての一部の実施形態において、モジュレートするステップは、3つのオレイン酸を含むトリグリセリドならびに酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を含む短鎖トリグリセリドを含む。これらの方法についての一部の実施形態において、モジュレートするステップは、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸を含む1つ以上の脂肪酸を、増大または減少させることを含む。これらの方法についての一部の実施形態において、乳製品代用生成物の風味プロファイルは、1つ以上の乳成分含有生成物の風味プロファイルを模倣する。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の乳成分含有食品の風味プロファイルは、牛乳、ヤギミルク、ダイズミルク、アーモンドミルクおよびココナツミルクを含む。これらの方法についての一部の実施形態において、風味プロファイルは、バター状、ナッツ風、甘い、酸味、フルーツ風、フローラル、苦い、木材風、土臭い、豆風、スパイシー、金属的、甘い、かび臭い、オイル風およびビネガー風から選択される、1つ以上の感覚印象を含む。
本明細書において、乳製品代用品を作製する方法およびこのための組成物が開示される。一部の実施形態において、乳製品代用食品のための方法および組成物であって、1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、脂肪、炭水化物および灰分を含む方法および組成物が提供される。ある特定の実施形態において、カゼインタンパク質およびホエータンパク質を含む乳製品代用組成物のための方法および組成物であって、動物生成物を本質的に含有せず、ホエータンパク質に対するカゼインタンパク質が、好ましい(w/v)比にある方法および組成物が提供される。ある特定の他の実施形態において、乳製品代用食品の風味プロファイルをモジュレートする方法であって、ミルクタンパク質の成分、脂肪、炭水化物、および灰分を含む混合物中の脂肪酸含量をモジュレートするステップを含む方法が提供される。モジュレートする好ましいステップは、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸を含む1つ以上の脂肪酸を、増大または減少させることを含む。さらなる実施形態において、本発明の方法および組成物は、所望の(w/v)比にある、ミルクタンパク質の成分および脂肪を提供する。
多様な態様において、本発明の方法および組成物は、それらの機能特徴および官能特性をなおも保持する乳製品代用品を提供する。一部の実施形態において、中心的な機能は、従来の乳成分含有生成物と同様の栄養プロファイルを達成すること、およびこの中心的な機能の全てではないにせよ、1つ以上を再現することでありうるがこれに限定されない。
他の実施形態において、中心的な機能は、従来の乳製品ベースの製品と同一または同様の感覚特徴であって、味、外見、ハンドリングおよび口当たり、所望の密度、構造、触感、弾性、弾力性、コアギュレーション、バインディング、リーブニング、エアレーション、発泡、クリーミーネス、および乳化を含むがこれらに限定されない感覚特徴を再現することでありうるがこれに限定されない。
好ましい方法および組成物は、ミルク、バター、チーズ、ヨーグルト、およびクリームのような乳製品代用生成物を提供する。本明細書において、(3.3%の)1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、(4.0%の)脂肪、(2.4%の)炭水化物および(0.7%の)灰分(w/v)を含む、乳成分非含有のミルク代用品のための配合が提示される。トリグリセリドレベルおよびトリグリセリドの脂肪酸組成をモジュレートすることを介して、脂肪含量を変化させることは、乳成分非含有のミルク代用品の風味プロファイルを増強する。
方法および乳製品代用組成物の利点は、抗生剤残留物、重金属、細菌および天然の乳成分含有生成物中で一般的に見出される偽和の低減または除去のほか、環境的影響の軽減も含む。
したがって、本発明のある特定の態様は、所望の風味特徴を有する、例えば、乳製品の風味を再現し、乳成分含有ミルクの下流における適用を保持しながら、食品媒介病原体を最小限にし、環境的影響が小さい、動物由来成分非含有の乳製品代用品を提供する。
本明細書において、そうでないことが規定されない限りにおいて、本発明との関連で使用される、学術用語および技術用語は、当業者により一般的に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によりそうでないことが要請されない限りにおいて、単数の用語は、複数を含むものとし、複数の用語は、単数を含むものとする。一般に、本明細書において記載された、乳製品加工、生化学、酵素学、分子細胞生物学、微生物学、遺伝学ならびにタンパク質化学および核酸化学およびハイブリダイゼーションとの関連で使用される術語法、ならびにこれらについての技法は、周知の術語法および技法であり、当技術分野において一般的に使用されている術語法および技法である。
本明細書において、本発明における使用のための方法および材料が記載されているが、当技術分野において公知の、他の適切な方法および材料もまた使用されうる。材料、方法、および例は、例示的なものであるに過ぎず、限定的であることが意図されるものではない。
本明細書において言及された、全ての刊行物、特許、特許出願、配列、データベース項目、および他の参考文献は、各個別の刊行物、特許、特許出願、配列、データベース項目、または他の参考文献が、参照により組み込まれることが、具体的におよび個別に指し示された場合と同じ程度に、参照により組み込まれる。利益相反の場合、定義を含む本明細書により管理する。
本発明の他の特長および利点は、以下の詳細な記載および図から明らかであり、特許請求の範囲から明らかである。
本明細書において使用された用語法および記載は、特定の実施形態だけについて記載することを目的とするものであり、本発明を限定することを意図するものではない。文脈がそうでないことを指し示さない限りにおいて、本明細書で使用される「ある(a)」、「ある(an)」、および「その」という単数形は、複数形もまた含むことが意図されうる。「・・・を含むこと」、「・・・を含む」、「・・・を有すること」、「・・・を有する」、「・・・を伴う」という用語、またはこれらの変化形は、「・・・を含むこと」という用語と同様に、包含的であることが意図される。
「単離された」RNA、DNAまたは混合されたポリマーとは、その天然の宿主細胞において、天然のポリヌクレオチドに、天然に随伴する、他の細胞内構成要素、例えば、それが天然において会合する、リボソーム、ポリメラーゼ、およびゲノム配列から実質的に分離されたポリマーである。
本明細書で使用される「単離された」有機分子(例えば、脂肪酸またはSCFA)とは、それが由来する宿主細胞の細胞内構成要素(膜脂質、染色体、タンパク質)から実質的に分離された有機分子である。タンパク質に関して本明細書で使用される「単離された」という用語は、タンパク質の調製物が、少なくとも60%純粋、例えば、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%を超えて純粋であることを指し示す。ある特定の単離された生体分子は、均質近くまで精製されうるが、この用語は、生体分子が、他の全ての化学物質から分離されていることを必要としない。
「ポリヌクレオチド」または「核酸分子」という用語は、少なくとも10塩基の長さの、ヌクレオチドのポリマー形態を指す。用語は、DNA分子(例えば、cDNAまたはゲノムのまたは合成DNA)およびRNA分子(例えば、mRNAまたは合成RNA)のほか、DNAまたはRNAの類似体であって、非天然のヌクレオチド類似体、非天然のヌクレオチド間結合、またはこれらの両方を含有する類似体も含む。核酸は、トポロジー的に任意のコンフォメーションでありうる。例えば、核酸は、一本鎖の場合もあり、二本鎖の場合もあり、環状の場合もある。
「SCFA」という用語は、短鎖脂肪酸の略号であり、「HOSO」という用語は、高オレイン酸ヒマワリ油の略号であり、「SCTG」は、短鎖トリグリセリドの略号である。
「ミルクタンパク質の成分」という用語は、それらのサブユニットを含み、多様な供給源に由来し、本明細書においてさらに規定される通りである、カゼイン、ホエーまたはカゼインおよびホエーの組合せのような、ミルク中に見出される、タンパク質またはタンパク質の同等物および変異体を指す。
「ミルクタンパク質」という用語は、哺乳動物産生ミルク中に見出されるタンパク質または哺乳動物産生ミルク中に見出されるタンパク質の配列と、少なくとも80%同一な(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、または少なくとも99%同一な)配列を有するタンパク質を意味する。ミルクタンパク質の非限定的な例は、β−カゼイン、κ−カゼイン、α−S1−カゼイン、α−S2−カゼイン、α−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、ラクトフェリン、トランスフェリン、および血清アルブミンを含む。さらなるミルクタンパク質は、当技術分野において公知である。
「カゼインタンパク質」という用語は、当技術分野において公知であり、哺乳動物産生ミルク中に存在し、ファミリー内の他のタンパク質と共に自己組織化して、ミセルを形成することおよび/または酸性のpHにおいて水溶液から析出することが可能な、タンパク質のファミリーを表す。カゼインタンパク質の非限定的な例は、β−カゼイン、κ−カゼイン、α−S1−カゼイン、およびα−S2−カゼインを含む。異なる哺乳動物に由来するカゼインタンパク質の配列の非限定的な例は、本明細書において提示される。他の哺乳動物カゼインのさらなる配列は、当技術分野において公知である。
「哺乳動物産生ミルク」という用語は、当技術分野において公知であり、哺乳動物により産生されたミルクを意味する。
「加工された哺乳動物産生ミルク」という用語は、乳製品製造業界において公知である1つ以上のステップ(例えば、ホモジナイゼーション、低温殺菌、放射線照射、または補充)を使用して加工された、哺乳動物産生ミルクを意味する。
「哺乳動物由来の成分」という用語は、哺乳動物の体内から得られた分子もしくは化合物(例えば、タンパク質、脂質、または核酸)または哺乳動物により産生された流体もしくは固体から得られた分子を意味する。
「ミルクの成分」または「ミルク成分」という用語は、哺乳動物産生ミルク中に存在する、分子、化合物、元素、またはイオンである。
「哺乳動物以外のグリコシル化パターン」という用語は、タンパク質における1つ以上のグリコシル化箇所の差違、ならびに/または哺乳動物以外の細胞(例えば、酵母細胞、昆虫細胞、または細菌細胞)において産生および翻訳後修飾されたタンパク質の1つ以上の箇所における、グリコシル化の量および/もしくはグリコシル化の種類の差違であって、基準タンパク質(例えば、哺乳動物の細胞、例えば、CHO細胞、MEK細胞、または哺乳動物の乳房細胞)において産生および翻訳後修飾された、同じタンパク質と比較した差違のうちの1つを意味する。
「脂質」という用語は、脂肪酸アシル基(例えば、飽和アシル鎖または不飽和アシル鎖)を含む、1つ以上の分子(例えば、生体分子)を意味する。例えば、脂質という用語は、油、リン脂質、遊離脂肪酸、リン脂質、モノグリセリド、ジグリセリド、およびトリグリセリドを含む。脂質の非限定的な例については、本明細書において記載されている。脂質のさらなる例は、当技術分野において公知である。
「植物由来の脂質」という用語は、植物(例えば、単子葉植物または双子葉植物)から得られた脂質および/またはこれにより産生された脂質を意味する。
「甘味剤」という用語は、組成物に添加された場合、ヒトのような哺乳動物により摂取されると甘味をもたらすサッカリド(例えば、単糖、二糖、または多糖)または人工甘味料(例えば、低分子による人工甘味料またはタンパク質による人工甘味料)を意味する。甘味剤の非限定的な例については、本明細書において記載されている。甘味剤のさらなる例は、当技術分野において公知である。
「灰分」という用語は、当技術分野において公知の用語であり、哺乳動物産生ミルク中に見出されうる、1つ以上のイオン、元素、ミネラル、および/または化合物を表す。哺乳動物産生ミルク中に見出されうる、非限定的なイオン、元素、ミネラル、および化合物は、本明細書において記載されている。哺乳動物産生ミルク中に見出されうる、さらなるイオン、元素、ミネラル、および化合物もまた、当技術分野において公知である。
「色調補正剤」または「着色剤」という用語は、組成物の色をモジュレートするように組成物に添加される、例えば、組成物の色が、哺乳動物産生ミルクとより類似して見えるようにする薬剤を意味する。色調補正剤または着色剤の非限定的な例は、β−カロテンおよびアナトーを含む。色調補正剤の他の例は、当技術分野において公知である。色調補正剤または着色剤は、植物から作製することもでき、植物から得ることもできる。
「ミセル」という用語は、組成物中に分散系として存在する、一般に(または大まかに)球形の超分子構造を意味する。ミセルは、例えば、帯電した外層からなる表面を有しうる。ミセルは、1つ以上の生体分子を封入しうる。例えば、ミセルは、2つ以上のタンパク質(例えば、β−カゼインタンパク質およびκ−カゼインタンパク質)を封入しうる。ミセルの直径は、約10nmおよび約350nmの間でありうる。ミセルについてのさらなる態様および特徴は、当技術分野において公知である。
「哺乳動物産生ミルク中の成分の濃度」という語句は、哺乳動物により産生されたミルク中の成分の濃度または同じ種の哺乳動物集団により産生されたミルク中の成分の平均値濃度を意味する。
本明細書で使用される「・・・を減弱させる」という用語は一般に、遺伝子配列または遺伝子配列の転写を制御する配列に対して施された、遺伝子産物の産生を低減もしくは阻害する、または遺伝子産物を非機能的とする突然変異、部分的もしくは完全な欠失、挿入、または他の変異を含む機能的欠失を指す。一部の場合において、機能的欠失は、ノックアウト突然変異として記載される。減弱はまた、核酸配列を変更すること、活性が低いプロモーターの制御下に遺伝子を置くこと、下方調節、干渉RNAを発現させること、目的の遺伝子をターゲティングするリボザイムもしくはアンチセンス配列による、または当技術分野において公知である他の任意の技法を介する、アミノ酸配列の変化も含む。一例において、生成物または反応物ではない組成物により引き起こされるフィードバック阻害または阻害(経路特異的ではないフィードバック)に対する特定の酵素の感受性を低下させて、酵素活性が化合物の存在により影響されないようにする。他の場合において、活性が低下するように変更された酵素は、減弱されたと称されうる。
欠失:核酸分子からの1つ以上のヌクレオチドの除去またはタンパク質からの1つ以上のアミノ酸の除去であって、両側の領域が併せて接続される除去である。
ノックアウト:その発現レベルまたは活性レベルが、ゼロへと低減された遺伝子である。一部の例において、遺伝子は、そのコード配列の一部または全部の欠失を介してノックアウトされる。他の例において、遺伝子は、1つ以上のヌクレオチドの、そのオープンリーディングフレームへの導入であって、ナンセンスのタンパク質産物または他の形で非機能的なタンパク質産物の翻訳を結果としてもたらす導入を介してノックアウトされる。
「合成ミルク代用品」という用語は、乳成分含有ミルクに類似する、これと同様である、同等である、またほぼ同一である組成物を指す。
「風味」という用語は、食品または飲料の味および/または香りを指す。
「組換え」という用語は、当技術分野において公知の用語である。核酸(例えば、遺伝子)に言及する場合、「組換え」という用語は、例えば、その天然の環境から除去された核酸、それが天然において見出される場合の核酸と接するまたは近位である核酸の全部または一部と会合しない核酸、天然において連結されていない核酸へと作動的に連結された核酸、または天然において発生しない核酸について記載するのに使用することができる。「組換え」という用語は、例えば、クローニングされたDNA単離物、または化学合成されたヌクレオチド類似体を含む核酸について記載するのに使用することができる。「組換え」が、タンパク質について記載するのに使用される場合、それは、例えば、天然においてタンパク質を産生する細胞の種または種類と比較して、異なる種または種類の細胞において産生されるタンパク質を指す場合がある。
本明細書で使用される、生物のゲノム内の内因性核酸配列(またはこの配列のコードされたタンパク質産物)は、異種配列が、その内因性核酸配列の発現が変更されるように、内因性核酸配列に隣接して置かれる場合、本明細書において、「組換え」とみなされる。この文脈において、異種配列とは、異種配列がそれ自体、内因性(同じ宿主細胞その子孫細胞に由来する)であれそうでないのであれ、または外因性(異なる宿主細胞またはこの子孫細胞に由来する)であれそうでないのであれ、天然において、内因性核酸配列と隣接しない配列である。例を目的として述べると、この遺伝子の発現パターンが変更されるように、プロモーター配列は、宿主細胞のゲノム内の遺伝子の天然のプロモーターに置換されうる(例えば、相同組換えにより)。この遺伝子は、ここで、天然においてそれを挟む配列のうちの少なくとも一部から分離されているため、「組換え」となる。
核酸は、それが、ゲノム内の対応する核酸に、天然においては発生しない任意の修飾を含有する場合もまた、「組換え」と考えられる。例えば、内因性コード配列は、それが、人工的に、例えば、人為的介入により導入された、挿入、欠失、または点突然変異を含有する場合、「組換え」と考えられる。「組換え核酸」はまた、非相同部位において、宿主細胞染色体へと組み込まれた核酸、およびエピソームとして存在する核酸構築物も含む。
核酸配列の文脈における「配列同一性パーセント」または「同一な」という用語は、最大の対応について配列決定された場合に、2つの配列において同じとなる残基を指す。配列同一性の比較の長さは、少なくとも約9ヌクレオチド、通例、少なくとも約20ヌクレオチド、より通例、少なくとも約24ヌクレオチド、典型的に、少なくとも約28ヌクレオチド、より典型的に、少なくとも約32ヌクレオチド、および好ましくは、少なくとも約36以上のヌクレオチドの連なりにわたりうる。多数の異なるアルゴリズムが当技術分野において公知であり、これらを使用して、ヌクレオチド配列の同一性を測定することができる。例えば、ポリヌクレオチド配列は、FASTA、Gap、またはWisconsin Package Version 10.0、Genetics Computer Group(GCG)、Madison、Wis中のプログラムであるBestfitを使用して比較されうる。FASTAは、クェリー配列および検索配列の間の最良の重複領域のアライメントおよび配列同一性パーセントをもたらす。例えば、Pearson、Methods Enzymol.、183:63−98、1990(参照により本明細書にその全体において組み込まれる)を参照されたい。例えば、核酸配列の間の配列同一性パーセントは、そのデフォルトパラメータ(ワードサイズ6を使用し、スコアリングマトリックスにNOPAM係数を使用する)によるFASTAを使用して決定される場合もあり、参照により本明細書に組み込まれる、GCG Version 6.1により提供される、そのデフォルトパラメータによるGapを使用して決定される場合もある。代替的に、配列は、コンピュータプログラムであるBLAST(Altschulら、J.Mol.Biol.、215:403−410、1990;GishおよびStates、Nature Genet.、3:266−272、1993;Maddenら、Meth.Enzymol.、266:131−141、1996;Altschulら、Nucleic Acids Res.、25:3389−3402、1997;ZhangおよびMadden、Genome Res.、7:649−656、1997)、とりわけ、blastpまたはtblastn(Altschulら、Nucleic Acids Res.、25:3389−3402、1997)を使用して比較されうる。
核酸またはこの断片に言及する場合の「実質的な相同性」または「実質的な類似性」という用語は、上記において論じられた、FASTA、BLASTまたはGapのような、配列同一性についての、任意の周知のアルゴリズムにより測定される通り、別の核酸(またはこの相補的な鎖)により、適切なヌクレオチドの挿入または欠失を伴って配列決定された場合、ヌクレオチド塩基のうちの、少なくとも約76%、80%、85%、好ましくは、少なくとも約90%において、ヌクレオチド配列の同一性が見られ、より好ましくは、少なくとも約95%、96%、97%、98%または99%において、ヌクレオチド配列の同一性が見られることを指し示す。
代替的に、核酸またはこの断片が、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下において、別の核酸、別の核酸鎖、またはこの相補鎖とハイブリダイズする場合にも、実質的な相同性または類似性は存在する。核酸ハイブリダイゼーション実験の文脈における、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」および「ストリンジェントな洗浄条件」は、多数の異なる物理的パラメータに依存する。核酸ハイブリダイゼーションは、当業者によりたやすく察知される通り、塩濃度、温度、溶媒、ハイブリダイズする分子種の塩基組成、相補的領域の長さ、およびハイブリダイズする核酸の間のヌクレオチド塩基のミスマッチの数のような条件により影響される。当業者は、これらのパラメータを、どのように変動させて、ハイブリダイゼーションの特定のストリンジェンシーを達成するのかについて熟知している。
一般に、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション」は、特定の条件のセットの下、特殊なDNAハイブリッド体の融点(Tm)を下回る約25℃において実施される。「ストリンジェントな洗浄」は、特定の条件のセットの下、特殊なDNAハイブリッド体のTmより約5℃低い温度において実施される。Tmとは、標的配列のうちの50%が、完全にマッチしたプローブとハイブリダイズする温度である。参照により本明細書に組み込まれる、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、9.51ページ、1989を参照されたい。本明細書における目的のために、「ストリンジェントな条件」は、液相ハイブリダイゼーションについて、6×SSC(ここで、20×SSCは、3.0MのNaClおよび0.3Mのクエン酸ナトリウムを含有する。)、1%のSDS中で65℃において8〜12時間にわたる水性ハイブリダイゼーション(すなわち、ホルムアミドを含有しない)に続く、0.2×SSC、0.1%のSDS中で65℃において20分間にわたる2回の洗浄として規定される。当業者により、65℃におけるハイブリダイゼーションは、ハイブリダイズしつつある配列の長さおよび同一性パーセントを含む、多数の因子に応じて、異なる速度で生じることが察知される。
本発明の核酸(また、ポリヌクレオチドとも称する)は、RNA、cDNA、ゲノムDNAのセンス鎖およびアンチセンス鎖の両方、ならびに上記の合成形態および上記の混合されたポリマーを含みうる。これらは、当業者によりたやすく察知される通り、化学的にまたは生化学的に修飾される場合もあり、非天然のヌクレオチド塩基または誘導体化されたヌクレオチド塩基を含有する場合もある。このような修飾は、例えば、標識、メチル化、天然のヌクレオチドのうちの1つ以上の、類似体による置換、非帯電性連結(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミダイト、カルバメートなど)、帯電性連結(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)のようなヌクレオチド間修飾、ペンダント部分(例えば、ポリペプチド)、挿入剤(例えば、アクリジン、ソラーレンなど)、キレート剤、アルキル化剤、および連結の修飾(例えば、アルファアノマー核酸など)を含む。修飾ヌクレオチドの例は、Malyshevら、Nature、509:385−388、2014;およびLiら、J.Am.Chem.Soc.、136:826−829、2014において記載されている。また、水素結合および他の化学的相互作用を介して、指定された配列に結合するそれらの能力において、ポリヌクレオチドを模倣する合成分子も含まれる。このような分子は、当技術分野において公知であり、例えば、ペプチド結合が、分子の骨格内のリン酸結合を置換する分子を含む。他の修飾は、例えば、リボース環が、架橋部分または「ロックト」核酸において見出される修飾のような他の構造を含有する類似体を含みうる。
核酸配列へと適用される場合の「突然変異させられた」という用語は、核酸配列内のヌクレオチドが、基準核酸配列と比較して、挿入される、欠失させられる、または変化させられうることを意味する。ある遺伝子座において、単一の変更がなされる(点突然変異)場合もあり、単一の遺伝子座において、複数のヌクレオチドが、挿入される、欠失させられる、または変化させられる場合もある。加えて、核酸配列内の任意の数の遺伝子座において、1つ以上の変更がなされる場合もある。核酸配列は、当技術分野において公知である、「エラー−プローンPCR」(PCR産物の全長に沿って、高率の点突然変異が得られるように、DNAポリメラーゼのコピー忠実度が低いPCR条件下において実施するための工程;例えば、Leungら、Technique、1:11−15、1989、およびCaldwellおよびJoyce、PCR Methods Applic.、2:28−33、1992を参照されたい。);および「オリゴヌクレオチド指向性突然変異誘発」(目的の、任意のクローニングされたDNAセグメント内の部位特異的突然変異の発生を可能とする工程;例えば、Reidhaar−OlsonおよびSauer、Science、241:53−57、1988を参照されたい。)のような、突然変異誘発法を含むがこれらに限定されない、任意の方法により突然変異させられうる。
本明細書で使用される「ベクター」という用語は、それが連結された別の核酸を運ぶことが可能な核酸分子を指すことが意図される。ベクターの1つの種類は、「プラスミド」であり、これは一般に、さらなるDNAセグメントがライゲーションされうる環状二本鎖DNAループを指すが、また、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)による増幅または環状プラスミドの、制限酵素による処理から生じる二本鎖分子のような、直鎖状の二本鎖分子も含む。他のベクターは、コスミド、細菌人工染色体(BAC)および酵母人工染色体(YAC)を含む。ベクターの別の種類は、ウイルスベクターであり、この場合、さらなるDNAセグメントは、ウイルスゲノムへとライゲーションされうる(下記において、より詳細に論じられる)。ある特定のベクターは、これらが導入される宿主細胞内の自律的複製が可能である(例えば、宿主細胞において機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞への導入時に、宿主細胞のゲノムへと組み込まれ、これにより、宿主ゲノムと共に複製されうる。なおさらに、ある特定の好ましいベクターは、これらが作動的に連結された遺伝子の発現を方向付けることが可能である。このようなベクターは、本明細書において、「組換え発現ベクター」(または単に、「発現ベクター」)と称される。
本明細書において記載された組換え遺伝子を発現させるため有用なプロモーターは、構成的プロモーターおよび誘導的/抑制的プロモーターの両方を含む。誘導的/抑制的プロモーターの例は、ガラクトース誘導性プロモーター(例えば、PLAC4−PBI)を含む。複数の組換え遺伝子が、操作された酵母において、発現させられる場合、異なる遺伝子は、異なるプロモーターにより制御される場合もあり、個別のオペロンにおける同一なプロモーターにより制御される場合もあり、2つ以上の遺伝子の発現が、オペロンの一部としての単一のプロモーターにより制御される場合もある。
「作動可能に連結された」発現制御配列という用語は、発現制御配列が、目的の遺伝子と隣接して、目的の遺伝子を制御する連結のほか、トランスにおいて、またはある距離をおいて作用して、目的の遺伝子を制御する発現制御配列も指す。
「発現制御配列」または「調節配列」という用語は、互換的に使用され、本明細書で使用される場合、それらが作動可能に連結されたコード配列の発現に影響を及ぼすのに必要なポリヌクレオチド配列を指す。発現制御配列とは、核酸配列の転写、転写後のイベント、および翻訳を制御する配列である。発現制御配列は、適切な転写開始配列、転写終結配列、プロモーター配列およびエンハンサー配列;スプライシングシグナルおよびポリアデニル化シグナルのような、効果的なRNAプロセシングのためのシグナル;細胞質mRNAを安定化させる配列;翻訳効率を増強する配列(例えば、リボソーム結合性部位);タンパク質の安定性を増強する配列;および所望の場合、タンパク質の分泌を増強する配列を含む。このような制御配列の性格は、宿主生物に応じて異なり、原核生物において、このような制御配列は一般に、プロモーター、リボソーム結合性部位、および転写終結配列を含む。「制御配列」という用語は、最小限において、それらの存在が発現に不可欠な全ての成分を含むことが意図され、また、それらの存在が有利な、さらなる構成要素、例えば、リーダー配列および融合パートナー配列も含みうる。
「トランスフェクトする」、「トランスフェクション」、「トランスフェクトすること」などの用語は、高等真核生物細胞および下等真核生物細胞の両方である、真核生物細胞への、異種核酸の導入を指す。歴史的に、酵母細胞または真菌細胞への核酸の導入について記載するのに、「形質転換」という用語が使用されるが、本明細書において、酵母細胞および真菌細胞を含む、任意の真核生物細胞への核酸の導入を指すのに、「トランスフェクション」という用語が使用される。
本明細書で使用される「組換え宿主細胞」(「発現宿主細胞」、「発現宿主系」、「発現系」または単に、「宿主細胞」)という用語は、組換えベクターが導入された細胞を指すことが意図される。このような用語は、特定の対象細胞だけでなく、このような細胞の子孫細胞も指すことが意図されることを理解されたい。突然変異または環境的影響に起因して、ある特定の修飾が、後続世代において生じるため、このような子孫細胞は、実のところ、親細胞と同一ではありえないが、やはり、本明細書で使用される「宿主細胞」という用語の範囲内に含まれる。組換え宿主細胞は、単離細胞の場合もあり、培養物において増殖させられた細胞株の場合もあり、生存組織内または生存生物内に存在する細胞の場合もある。好ましい宿主細胞は、酵母および真菌である。
「酵母および繊維状真菌」という用語は、クルイベロミセス・ラクチス(Kluyveromyces lactis)、クルイベロミセス・マルクシアヌス(Kluyveromyces marxianus)のような、任意のクルイベロミセス属種、サッカロミセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)のようなサッカロミセス属種、ピキア・パストリス(Pichia pastoris)、ピキア・フィンランディカ(Pichia finlandica)、ピキア・トレハロフィラ(Pichia trehalophila)、ピキア・コクラメ(Pichia koclamae)、ピキア・メンブラネファシエンス(Pichia membranaefaciens)、ピキア・ミヌータ(Pichia minuta)(オガテ・ミヌータ(Ogataea minuta)、ピキア・リンドネリ(Pichia lindneri))、ピキア・オプンチエ(Pichia opuntiae)、ピキア・テルモトレランス(Pichia thermotolerans)、ピキア・サリクタリア(Pichia salictaria)、ピキア・グエルクウム(Pichia guercuum)、ピキア・ピジペリ(Pichia pijperi)、ピキア・スチプチス(Pichia stiptis)、ピキア・メタノリカ(Pichia methanolica)のようなピキア属種、ハンセヌラ・ポリモルファ(Hansenula polymorpha)、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、アスペルギルス・ニヅランス(Aspergillus nidulans)、アスペルギルス・ニゲル(Aspergillus niger)、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae)のような、任意のアスペルギルス属種(Aspergillus sp.)、トリコデルマ・レエセイ(Trichoderma reesei)、クリソスポリウム・ルクノウェンセ(Chrysosporium lucknowense)、フサリウム属種(Fusarium sp.)である、フサリウム・グラミネウム(Fusarium gramineum)、フサリウム・ベネナツム(Fusarium venenatum)、フィスコミトレラ・パテンス(Physcomitrella patens)、およびネウロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)を含むがこれらに限定されない。
本明細書で使用される「主に」という用語またはこの変化形は、例えば、a)脂肪の文脈において、脂肪酸組成の総量と比べた、特定の脂肪酸組成の量;b)タンパク質の文脈において、タンパク質組成(例えば、α−カゼイン、β−カゼイン、およびκ−カゼイン)の総量と比べた、特定のタンパク質組成(例えば、β−カゼイン)の量を意味することが理解される。
「約(about)」、「約(aproximately)」、または「・・・と同様の」という用語は、当業者により決定された特定の値について、許容可能な誤差の範囲内にあることを意味するが、これは、値がどのようにして測定または決定されるのかに部分的に依存する場合もあり、測定系の限界に依存する場合もある。下記において記載される全ての範囲および量はおおよそのものであり、本発明を限定することが意図されるものではないことを理解されたい。範囲および数が使用される場合、これらは、統計学的な範囲または測定の誤差もしくはばらつきを含むように、近似的でありうる。一部の実施形態において、例えば、測定値は、±10%でありうる。
「・・・を本質的に含有しない」という語句は、指し示される成分が、存在する場合、組成物の特性に寄与しない、または寄与しても最小限に過ぎない量において存在することを指し示すように使用される。組成物が、特定の成分を本質的に含有しない、多様な実施形態において、成分は、機能的な量未満において存在する。多様な実施形態において、成分は、微量において存在しうる。特定の限界は、成分の性質に応じて変動するが、例えば、10重量%未満、9重量%未満、8重量%未満、7重量%未満、6重量%未満、5重量%未満、4重量%未満、3重量%未満、2重量%未満、1重量%未満、または0.5重量%未満から選択されうる。
本明細書で使用される、ラクトースのような特定の炭水化物「を本質的に含有しない」という用語は、食品組成が、炭水化物残留物を実質的に欠いていることを指し示すのに使用される。純度との関係で表現される場合、「・・・を本質的に含有しない」とは、炭水化物残留物の量が、10%を超えないことを意味し、好ましくは、5%を下回る、より好ましくは、1%を下回る、最も好ましくは、0.5%を下回ることを意味し、この場合、百分率は、重量パーセントまたはモルパーセントである。こうして、本発明に従う食品組成物中の炭水化物残留物の実質的に全ては、例えば、ラクトースを含有しない。
そうでないことが指し示されない限りにおいて、含有物の百分率(%)とは、総重量%を指す。
そうでないことが指し示されない限りにおいて、「配列番号」という一般的な形式下に、本明細書において記載された全ての配列についての例として述べると、「配列番号1を含む核酸」とは、少なくともその一部が、(i)配列番号1の配列、または(ii)配列番号1と相補的な配列を有する核酸を指す。2つの間の選択は、文脈により決まる。例えば、核酸が、プローブとして使用される場合、2つの間の選択は、プローブが、所望の標的と相補的であることの必要性により決まる。
合成ミルク代用品を作製する例示的な工程を表す流れ図を表す図である。 例示的なミルクタンパク質の成分の沈殿物を描示する写真を表す図である。 例示的なミルクタンパク質の成分のペレットを描示する写真を表す図である。 ミルクタンパク質の成分を視覚化する銀染色用のSDS−PAGEゲルについての画像を表す図である。 実施例6において記載される、OSTシグナル配列、天然のα−ラクトアルブミンシグナル配列、およびα接合因子シグナル配列により媒介される、α−ラクトアルブミンの分泌レベルを示す、SYPRO Rubyにより染色されたSDS−PAGEゲルを示す図である。 天然のα−ラクトアルブミンシグナルペプチドまたはOST1シグナルペプチドを使用する、野生型の酵母細胞またはα−ラクトアルブミンを発現させる酵母細胞によるα−ラクトアルブミンの分泌のレベル(実施例6において記載される、ELISAアッセイにより決定された)を示す図である。 実施例6において(SDS−PAGEを使用して)記載される、野生型酵母細胞およびベクターを含む酵母細胞による、β−ラクトグロブリンの分泌のレベルを示す図である。 実施例6において記載される、野生型酵母細胞およびベクターを含む酵母細胞からのβ−ラクトグロブリンの分泌のレベルを示すウェスタンブロットを示す図である。 実施例6において記載される、野生型酵母細胞およびベクターを含む酵母細胞により産生された、β−カゼインの分泌のレベルおよびα−S1−カゼインの分泌のレベルを示すグラフを示す図である。 実施例7において記載される工程内のステップを示す概略を示す図である。 本明細書において記載された方法により作られた組成物についての画像を示す図である。
本発明は、哺乳動物産生ミルク中に存在する少数の成分だけが、哺乳動物産生ミルクの触感および味をもたらすという発見、ならびに哺乳動物産生ミルクと比較して同様の味、香り、および口当たりを有する組成物の開発に基づく。この発見に照らして、本明細書において、このような組成物、組成物を作る方法、ならびにこれらの組成物およびこれらの組成物を作るために有用な混合物を含むキットが提示される。
本明細書において提示された組成物は、哺乳動物産生ミルクと比較して、同様の味、口当たり、香り、および栄養価を有するが、哺乳動物産生ミルクの成分であって、所望されないと考えられうる成分(例えば、アレルゲン、ラクトース、抗生剤、ホルモン(例えば、ストレスホルモンおよび/または成長ホルモン)、重金属、細菌(例えば、E.コリー(E.coli))、ウイルス、およびプリオン)のうちの1つ以上を欠く組成物を提供する。本明細書において提示された組成物はまた、哺乳動物産生ミルクと比較して、改善された保管寿命も有し、哺乳動物産生ミルクと比較して、改善された香りプロファイルも有しうる。
本明細書においてまた、1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、脂肪、炭水化物および灰分を含む乳製品代用食品のための方法および組成物も提示される。ある特定の態様において、方法および組成物は、ミルクまたはミルク様のタンパク質同等物を含む。好ましくは、ミルクタンパク質の成分は、不純物を本質的に含有しない。一部の実施形態において、ミルクタンパク質の成分は、微生物に由来するまたは微生物により産生されたカゼイン、ホエーまたはこれらの組合せを含む。より好ましくは、1つ以上のミルクタンパク質の成分をコードする、操作された核酸配列を導入する方法が提示される。なおより好ましくは、ミルクタンパク質の成分は、動物由来ではない。他の好ましい実施形態において、組換えミルクタンパク質の成分は、同じリン酸基を発現させるまたはカゼインタンパク質へと接合したリン酸基および/もしくは炭水化物基を欠くように修飾されている。哺乳動物産生ミルク中に存在する同じタンパク質と同じリン酸基を有する、組換えβ−カゼインおよびκ−カゼインを有することにより、組換えβ−カゼインおよび組換えκ−カゼインは、ミセルを形成することが可能である。
本発明の方法および技法は一般に、そうでないことが指し示されない限りにおいて、当技術分野において周知の従来の方法および多様な、一般的な参考文献およびより特殊な参考文献において記載されている従来の方法であって、本明細書を通して引用され、論じられている方法に従い実施される。例えば、Sambrookら、「Molecular Cloning:A Laboratory Manual」、2版、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1989;Ausubelら、「Current Protocols in Molecular Biology」、Greene Publishing Associates、1992、および2002年までの増補);HarlowおよびLane、「Antibodies:A Laboratory Manual」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、Cold Spring Harbor、N.Y.、1990;TaylorおよびDrickamer、「Introduction to Glycobiology」、Oxford Univ.、Press、2003;「Worthington Enzyme Manual」、Worthington Biochemical Corp.、Freehold、N.J.;「Handbook of Biochemistry:Section A Proteins」、I巻、CRC Press、1976;「Handbook of Biochemistry:Section A Proteins」、II巻、CRC Press、1976;「Essentials of Glycobiology」、Cold Spring Harbor Laboratory Press、1999を参照されたい。
方法および組成物のうちのいずれかにおける使用のための、例示的な材料および方法が下記に記載されるが、任意の組合せにおいて使用されうる。方法および組成物のうちのいずれかにおいて使用されうる、さらなる材料および方法は、当技術分野においてもまた公知である。
カゼインタンパク質
カゼインタンパク質は、哺乳動物のミルク中に見出される、様々な異なるタンパク質を含む。カゼインタンパク質の非限定的な例は、β−カゼイン、κ−カゼイン、α−S2−カゼイン、およびα−S1−カゼインを含む。
乳成分含有生成物の製造における使用のために、哺乳動物または哺乳動物産生ミルクからカゼインタンパク質を得ることへの代替法として、本発明は、組換えカゼインタンパク質を作製するための方法および組成物を提供する。本発明の多様な態様において、同様の可溶性および同様の濁度、ならびに多様な食品への組込みに適する熱安定性を有する非動物由来のカゼインのための方法および組成物が提供される。好ましくは、非動物由来のカゼインは、優れた可溶性および同様の濁度ならびに多様な乳製品代用生成物への組込みに適する熱安定性を有する。加えて、タンパク質のさらに特徴づけると、このような熱処理時における凝集または沈殿が低度であるまたは見られないこと、および低温殺菌、濃縮などのような手順に適することが含まれる。
ミルク中の非動物由来のカゼインの機能の差違は、液体の粘性;熱に耐えるタンパク質の能力;ミセルを形成するタンパク質の能力;ならびに異なるミネラルおよびビタミンを保つタンパク質の能力との関係で特徴づけられうる。
β−カゼイン
Greenbergら(J.Biol.Chem.、259:5132−5138、1984)により決定されたヒトβ−カゼインの一次構造は、アミノ末端の近傍に位置する、特殊なセリル残基およびトレオニル残基におけるリン酸化部位を伴う、リン酸化タンパク質であることが示された。ヒトβ−カゼインおよびウシβ−カゼインの比較は、47%の同一性を示した。
β−カゼインタンパク質の非限定的な例は、配列番号25、27、29、31、33、35、36、38、40、42、44、および46である。β−カゼインタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号26、28、30、32、34、37、39、41、43、45、47、および144である。β−カゼインタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するβ−カゼインタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−カゼインタンパク質でありうる。異なるβ−カゼインタンパク質および異なるβ−カゼインタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
β−カゼインタンパク質はまた、野生型β−カゼインタンパク質(例えば、配列番号25、27、29、31、33、35、36、38、40、42、44、または46)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。β−カゼインタンパク質をコードする核酸は、野生型β−カゼインタンパク質(例えば、配列番号25、27、29、31、33、35、36、38、40、42、44、または46)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
遺伝子操作された細菌細胞からβ−カゼインを単離するための公知の方法は典型的に、溶解させた細胞または分画した細胞に由来する上清からβ−カゼインを沈殿させるステップを伴う。例えば、Simonsら、Protein Eng.、6:763−770(1993)は、遺伝子操作されたE.コリーを使用して、ウシβ−カゼインを発現させた。細菌のペリプラズム腔に蓄積されたタンパク質は、浸透圧ショックにより、細胞懸濁液へと放出された。懸濁液の遠心分離後、ペレット中のβ−カゼインは、冷水中に再懸濁させられ、洗浄され、再度遠心分離された。上清中に存在するβ−カゼインは、酢酸を伴う酸性化により沈殿させられ、濾過され、HPLCによりさらに精製された。同様に、Hanssonら、Protein Express.Purif.4:373−381、1993も、遺伝子操作されたE.コリーを使用して、β−カゼインを発現させた。細胞溶解物中に存在するβ−カゼインは、硫酸アンモニウムにより沈殿させられ、エタノールアミンおよび6Mの尿素中に溶存し、イオン交換クロマトグラフィーによりさらに精製された。例えば、米国特許第6,121,421号を参照されたい。
加えてまた、酵母において組換えにより作製されたβ−カゼインを単離するための方法であって、公知の技法より単純であり、より有効な方法も公知である(Choiら、J.Agric.Food Chem.、49(4):1761−1766、2001)。ピキア・パストリスにおけるグリコシル化されたウシβ−カゼイン(L70S/P71S)の発現および精製は、ウシβ−カゼインの大部分は、P.パストリスにおいて、高度にグリコシル化されず、その分子量は、33.6kDであると推定されるという観察を結果としてもたらした。グリコシル化されたウシβ−カゼインは通常、天然のウシβ−カゼインと同程度にリン酸化されていた。
κ−カゼイン
カッパ−カゼインは、リン酸化およびグリコシル化の両方がなされている。ヒトκ−カゼインの配列は、Brignonら(Fed.Eur.Biol.Soc.Lett.、188:48−54、1985)により決定された。例えば、米国特許第5,710,044号を参照されたい。
κ−カゼインタンパク質の非限定的な例は、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、および23である。κ−カゼインタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号2、4、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24、および148である。κ−カゼインタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するκ−カゼインタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのκ−カゼインタンパク質でありうる。異なるκ−カゼインタンパク質および異なるκ−カゼインタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
κ−カゼインタンパク質はまた、野生型κ−カゼインタンパク質(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、または23)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。κ−カゼインタンパク質をコードする核酸は、野生型κ−カゼインタンパク質(例えば、配列番号1、3、5、7、9、11、13、15、17、19、21、または23)と少なくとも50%(例えば、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
α−S1−カゼイン
α−S1−カゼインタンパク質の非限定的な例は、配列番号48、50、52、54、56、57、59、61、63、64、66、68、70、72、74、および76である。α−S1−カゼインタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号49、51、53、55、58、60、62、65、67、69、71、73、75、77、および147である。α−S1−カゼインタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するα−S1−カゼインタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのα−S1−カゼインタンパク質でありうる。異なるα−S1−カゼインタンパク質および異なるα−S1−カゼインタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
α−S1−カゼインタンパク質はまた、野生型α−S1−カゼインタンパク質(例えば、配列番号48、50、52、54、56、57、59、61、63、64、66、68、70、72、74、または76)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。α−S1−カゼインタンパク質をコードする核酸は、野生型α−S1−カゼインタンパク質(例えば、配列番号48、50、52、54、56、57、59、61、63、64、66、68、70、72、74、または76)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
α−S2−カゼイン
α−S2−カゼインタンパク質の非限定的な例は、配列番号78、80、82、84、86、88、および90である。α−S2−カゼインタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号79、81、83、85、87、89、91、145、および146である。α−S2−カゼインタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するα−S2−カゼインタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのα−S2−カゼインタンパク質でありうる。異なるα−S2−カゼインタンパク質および異なるα−S2−カゼインタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
α−S2−カゼインタンパク質はまた、野生型α−S2−カゼインタンパク質(例えば、配列番号78、80、82、84、86、88、または90)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。α−S2−カゼインタンパク質をコードする核酸は、野生型α−S2−カゼインタンパク質(例えば、配列番号78、80、82、84、86、88、または90)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
カゼインタンパク質を含むミセル
牛乳において、カゼインまたはカゼインミセルは通例、懸濁液中の混合物全体のうちの2.5%を占める。十分なカゼインが存在しない場合、ミルクの最適な挙動に極めて重要なミセルが形成されない。過量のタンパク質は、適正に溶けない結果として、所望されない混合物をもたらす。カゼインミセルは、水および塩(主に、カルシウムおよびリン)を含みうる。カゼインミセルは、遠心分離により容易に分離され、除去される。ホエーからの分離は、酸によりカゼインを沈殿させて、pHを約4.6へと低下させることにより、容易になされる。
一部の実施形態において、ミセルは、β−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)およびκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)を含みうる。一部の例において、ミセル中のβ−カゼインタンパク質のκ−カゼインタンパク質に対する比は、約2.0:1から約5.5:1、2.0:1から約5.0:1、2.0:1から約4.5:1、約2.0:1から約4.0:1、約2.0:1から約3.5:1、約2.0:1から約3.0:1、約2.0:1から約2.5:1、約2.5:1から約5.0:1、約2.5:1から約4.5:1、約2.5:1から約4.0:1、約2.5:1から約3.5:1、約2.5:1から約3.0:1、3.0:1から約5.0:1、約3.0:1から約4.5:1、約3.0:1から約4.0:1、約3.0:1から約3.5:1、約3.5:1から約5.0:1、約3.5:1から約4.5:1、約3.5:1から約4.0:1、約4.0:1から約5.0:1、約4.0:1から約4.5:1、または約4.5:1から約5.0:1である。
一部の例において、ミセルの直径(またはミセルの集団の平均直径)は、約20nmから約350nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、約140nm、約120nm、約100nm、約80nm、約60nm、もしくは約40nm;約40nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、約140nm、約120nm、約100nm、約80nm、もしくは約60nm;約60nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、約140nm、約120nm、もしくは約100nm;約80nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、約140nm、約120nm、もしくは約100nm;約100nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、約140nm、もしくは約120nm;約120nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、約160nm、もしくは約140nm;約140nmから約350nm、約340nm、約320nm,約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、約180nm、もしくは約160nm;約160nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、約200nm、もしくは約180nm;約180nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、約220nm、もしくは約200nm;約200nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、約240nm、もしくは約220nm;約220nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、約260nm、もしくは約240nm;約240nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、約280nm、もしくは約260nm;約260nmから約350nm、約340nm、約320nm、約300nm、もしくは約280nm;約280nmから約350nm、約340nm、約320nm、もしくは約300nm;約300nmから約350nmもしくは約325nm;または約325nmから約350nmである。
ホエータンパク質
ホエーは一般に、チーズの副生成物として公知であり、また、ミルクアレルギーの1つの原因であることも公知である。典型的なホエー組成は、β−ラクトグロブリン、α−ラクトアルブミン、血清アルブミン、免疫グロブリン、ラクトフェリン、およびトランスフェリンの混合物を含む。ホエータンパク質は、リンを含有せず、低pHにおいて、カゼインタンパク質が溶けなくなるのに対し、なおも溶けている。一実施形態において、β−ラクトグロブリンおよびα−ラクトアルブミンを含む、ホエータンパク質のえり抜きの組合せは、ミルクタンパク質の成分または組成物の主成分または少なくとも一部として使用される。異なるホエータンパク質の非限定的な例は、下記において提示される。
α−ラクトアルブミン
α−ラクトアルブミンタンパク質の非限定的な例は、配列番号92、94、96、および98である。α−ラクトアルブミンタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号93、95、97、99、および157である。α−ラクトアルブミンタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するα−ラクトアルブミンタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのα−ラクトアルブミンタンパク質でありうる。異なるα−ラクトアルブミンタンパク質および異なるα−ラクトアルブミンタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
α−ラクトアルブミンタンパク質はまた、野生型α−ラクトアルブミンタンパク質(例えば、配列番号92、94、96、または98)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。α−ラクトアルブミンタンパク質をコードする核酸は、野生型α−ラクトアルブミンタンパク質(例えば、配列番号92、94、96、または98)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
β−ラクトグロブリン
β−ラクトグロブリンタンパク質の非限定的な例は、配列番号100、102、104、および106である。β−ラクトグロブリンタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号101、103、105、107、および143である。β−ラクトグロブリンタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するβ−ラクトグロブリンタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−ラクトグロブリンタンパク質でありうる。異なるβ−ラクトグロブリンタンパク質および異なるβ−ラクトグロブリンタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
β−ラクトグロブリンタンパク質はまた、野生型β−ラクトグロブリンタンパク質(例えば、配列番号100、102、104、または106)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。β−ラクトグロブリンタンパク質をコードする核酸は、野生型β−ラクトグロブリンタンパク質(例えば、配列番号100、102、104、または106)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
ラクトフェリン
ラクトフェリンタンパク質の非限定的な例は、配列番号108、110、112、および114である。ラクトフェリンタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号109、111、113、および115である。ラクトフェリンタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するラクトフェリンタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのラクトフェリンタンパク質でありうる。異なるラクトフェリンタンパク質および異なるラクトフェリンタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
ラクトフェリンタンパク質はまた、野生型ラクトフェリンタンパク質(例えば、配列番号108、110、112、または114)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。ラクトフェリンタンパク質をコードする核酸は、野生型ラクトフェリンタンパク質(例えば、配列番号108、110、112、または114)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
トランスフェリン
トランスフェリンタンパク質の非限定的な例は、配列番号116および118である。トランスフェリンタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号117および119である。トランスフェリンタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来するトランスフェリンタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのトランスフェリンタンパク質でありうる。異なるトランスフェリンタンパク質および異なるトランスフェリンタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
トランスフェリンタンパク質はまた、野生型トランスフェリンタンパク質(例えば、配列番号116または118)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。トランスフェリンタンパク質をコードする核酸は、野生型トランスフェリンタンパク質(例えば、配列番号116または118)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
血清アルブミン
血清アルブミンタンパク質の非限定的な例は、配列番号120、122、124、および126である。血清アルブミンタンパク質をコードする核酸配列の非限定的な例は、配列番号121、123、125、および127である。血清アルブミンタンパク質は、任意の哺乳動物種に由来する血清アルブミンタンパク質、例えば、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスの血清アルブミンタンパク質でありうる。異なる血清アルブミンタンパク質および異なる血清アルブミンタンパク質をコードする核酸のさらなる配列は、当技術分野において公知である。
血清アルブミンタンパク質はまた、野生型血清アルブミンタンパク質(例えば、配列番号20、122、124、または126)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質でもありうる。血清アルブミンタンパク質をコードする核酸は、野生型血清アルブミンタンパク質(例えば、配列番号20、122、124、または126)と少なくとも80%(例えば、少なくとも85%、少なくとも90%、少なくとも91%、少なくとも92%、少なくとも93%、少なくとも94%、少なくとも95%、少なくとも96%、少なくとも97%、少なくとも98%、少なくとも99%、または少なくとも99.5%)同一なタンパク質をコードしうる。
哺乳動物産生ミルク中の脂質
乳脂肪は、約400種の異なる脂肪酸を含有し、このために、全ての天然脂肪のうちで最も複合的となっている。乳脂肪酸は、2つの供給源である、ウシの飼料およびウシのルーメン内の微生物活性に、ほぼ等しく由来し、牛乳中の脂質は、乳脂肪球において、水中油エマルジョンとして主に存在する。脂肪は、全ての天然の乳成分含有生成物中に存在し、風味、口当たりおよび粘稠度のような感覚特徴にとって、極めて重要である。加えて、脂肪は、栄養および健康利益も供給する。
乳脂肪は主に、トリグリセリド(約98%)からなるが、他のミルク脂質は、ジアシルグリセロール(脂質画分のうちの約2%)、コレステロール(0.5%未満)、リン脂質(約1%)および遊離脂肪酸(FFA)(約0.1%)である(Jensen RG、Newburg DS、「Bovine milk lipids、Handbook of milk composition」、Jensen RG London:Academic Press;1995、543−75)。加えて、微量のエーテル脂質、炭化水素、脂溶性ビタミン、風味化合物および飼料により導入される化合物も含まれる(Lindmark Mansson H.、「Food & Nutrition Research 2008」、DOI:10.3402/fnr.v52i0.1821)。
乳脂肪トリグリセリドは、400種を超える異なる脂肪酸から合成されており、このために、全ての天然脂肪のうちで最も複合的となっている。ミルク中のほぼ全ての脂肪酸は、微量で存在し、1%以上のレベルであるのは、約15種の酸に限られる。多くの因子が、牛乳脂質の量および脂肪酸組成のばらつきと関連する。それらは、動物由来である、すなわち、遺伝学(品種および選択)、泌乳期、乳腺炎およびルーメン内の発酵と関連する場合もあり、飼料関連因子の場合もある、すなわち、食物繊維およびエネルギーの摂取、食物脂肪、ならびに季節的影響および地域的影響と関連する場合もある。乳脂肪中の脂肪酸は、反芻動物間で普遍的であると考えられるパターンに従い、トリグリセリド内に配置されている。ヤギにおける不飽和脂肪酸(例えば、オレイン酸およびリノレン酸)のパーセントは、牛乳について見出される平均と異ならない。ヤギの乳脂肪およびウシの乳脂肪の間の主な差違は、特殊な短鎖脂肪酸間の百分率分布である。ヤギは、感知可能な程度に高比率の、カプリン酸、カプリル酸およびカプロン酸を有する。これらの特殊な脂肪酸の量が多いことは、ヤギのミルクと関連する特徴的な風味および匂いの一因をなす(John C.Bruhn、FST、UC Davis、Davis、CA 95616−8598;www.drinc.ucdavis.edu/goat1.htm;www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2596709/#_ffn_sectitle;Food Nutr Res.2008;52:10.3402/fnr.v52i0.1821、2008年6月11日、オンライン公開、doi:10.3402/fnr.v52i0.1821を参照されたい。)。
乳脂肪酸は、2つの供給源である、ウシの飼料およびウシのルーメン内の微生物活性に、ほぼ等しく由来する。ウシの乳腺内の脂肪酸合成系は、4〜16炭素の長さの、偶数個の炭素を伴う脂肪酸を産生し、モルベースおよび重量ベースにおいて、それぞれ、脂肪酸のうちの約60および45%を占める。乳腺におけるこのデノボ合成は、酢酸塩およびβ−ヒドロキシ酪酸に由来する約半分の16:0酸と併せた、4:0から14:0酸の合成である。酢酸塩および酪酸は、飼料成分の発酵により、ルーメン内で生成する。酪酸は、ルーメン上皮を介する吸収時に、β−ヒドロキシ酪酸へと転換される。
主に18:0酸であるが、中鎖脂肪酸および長鎖脂肪酸は、乳腺内で非飽和化されて、対応する一価飽和酸を形成しうる。
脂肪酸は、トリアシルグリセロール分子の3つの位置において、ランダムにはエステル化されない(MacGibbon AHK、Taylor MW、「Composition and structure of bovine milk lipidsAdvanced dairy chemistry」、Fox PFMcSweeney PLHNew York:Springer;2006、1−42)。短鎖酸である、酪酸(4:0)およびカプロン酸(6:0)は、sn−3において、ほぼ完全にエステル化されている。中鎖脂肪酸(8:0〜14:0)のほか、16:0も、sn−1位およびsn−2位において、優先的にエステル化されている。ステアリン酸(18:0)が、sn−1位に選択的に置かれているのに対し、オレイン酸(18:1)は、sn−1位およびsn−3位に対する優先性を示す(Lindmark、2008)。
脂肪成分を、選択された脂肪酸プロファイルになるように配合したミルク代替物は存在するが、このようなトリグリセリドは、植物油において見出されるトリグリセリドのような、長鎖の一価不飽和脂肪酸であるトリグリセリドへとエステル交換されていない。米国特許出願第20140147548号は、中鎖トリグリセリド、具体的には、脂肪酸である、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸およびラウリン脂肪酸またはこれらの組合せを添加することによる、若齢動物のためのミルク代替物について開示している。
本組成物中の脂質
組成物のうちのいずれかにおける脂質または本明細書において記載された方法のうちのいずれかにおいて使用される脂質は、1つ以上の脂肪、1つ以上の油、1つ以上のモノグリセリド、ジグリセリド、および/またはトリグリセリド、1つ以上の遊離脂肪酸、および1つ以上のリン脂質を含みうる。例示的な油、モノグリセリド、ジグリセリド、遊離脂肪酸、およびリン脂質は、下記において記載される。脂肪、油、モノグリセリド、ジグリセリド、トリグリセリド、遊離脂肪酸、およびリン脂質のさらなる例は、当技術分野において公知である。

本組成物または本方法において使用される油は、例えば、植物由来の油を含みうる。植物ベースの油の非限定的な例は、ヒマワリ油、ココナツ油、ラッカセイ油、トウモロコシ油、綿実油、オリーブ油、ナツメヤシ油、ナタネ油、ベニバナ油、ゴマ油、ダイズ油、アーモンド油、ビーチナッツ油、ブラジルナッツ油、カシューナッツ油、ヘーゼルナッツ油、マカデミアナッツ油、モンゴンゴナッツ油、ペカン油、松果油、ピスタチオナッツ油、クルミ油、およびアボガド油を含む。
モノグリセリドおよびジグリセリド
本発明において使用されうる、モノグリセリドおよびジグリセリドは、植物由来のモノグリセリドおよびジグリセリドでありうる。例えば、モノグリセリドおよびジグリセリドは、ヒマワリ、ココナツ、ラッカセイ、綿実、オリーブ、ナツメヤシ、ナタネ、ベニバナ、ゴマ、ダイズ、アーモンド、ビーチナッツ、ブラジルナッツ、カシューナッツ、ヘーゼルナッツ、マカデミアナッツ、モンゴンゴナッツ、ペカン、松果、ピスタチオ、クルミ、およびアボガドに由来しうる。モノグリセリドおよびジグリセリドは、本明細書において列挙された遊離脂肪酸のうちのいずれかのアシル鎖を含みうる。モノグリセリドおよびジグリセリドのさらなる例は、当技術分野において公知である。
遊離脂肪酸
本明細書において記載された組成物は、1つ以上の遊離脂肪酸の使用を含むことが可能であり、本明細書において記載された方法は、1つ以上の遊離脂肪酸の使用を含みうる。遊離脂肪酸の非限定的な例は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸を含む。脂肪酸のさらなる例は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α−リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、オメガ−3脂肪酸、およびオメガ−6脂肪酸を含む。一部の例において、遊離脂肪酸は、飽和脂肪酸である。一部の例において、遊離脂肪酸は、不飽和脂肪酸である。一部の実施形態において、遊離脂肪酸は、哺乳動物に由来しないまたは哺乳動物により産生されない。遊離脂肪酸のさらなる例は、当技術分野において公知である。
リン脂質
本明細書において記載された組成物および本明細書において記載された方法は、1つ以上のリン脂質の使用を含みうる。リン脂質の非限定的な例は、レシチンリン脂質(例えば、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、ナタネレシチンリン脂質、コメヌカレシチンリン脂質、およびトウモロコシレシチンリン脂質)を含む。一部の実施形態において、リン脂質は、哺乳動物に由来しないまたは哺乳動物により産生されない。リン脂質のさらなる態様は、当技術分野において公知である。
風味化合物
本明細書において記載された組成物または方法のうちのいずれかは、1つ以上の異なる風味化合物の使用を含みうるまたはこれらを含む。風味化合物の非限定的な例は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンを含む。風味化合物のさらなる例は、人工風味、例えば、チョコレートフレーバリング、コーヒーフレーバリング、ストロベリーフレーバリング、アーモンドフレーバリング、ヘーゼルナッツフレーバリング、バニラフレーバリング、グリーンティーフレーバリング、アイリッシュクリームフレーバリング、およびココナツフレーバリングを含む。風味化合物のさらなる例は、当技術分野において公知である。
灰分
本明細書において記載された組成物または方法のうちのいずれかは、灰分の使用を含みうるまたはこれらを含む。灰分は、例えば、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、塩化物、リン酸塩、マグネシウム、鉄、モリブデン、マンガン、銅、チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビタミンB6(ピリドキシン)、ビタミンB12(コバラミン)、ビタミンC、葉酸塩、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKのうちの1つ以上(2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20)を含みうる。一部の例において、灰分は、CaCl、KHPO、およびクエン酸Naのうちの1つ以上(2つまたは3つ)を含む。灰分は、粉末として提供される場合もあり、溶液として提供される場合もある。灰分中のさらなる成分および灰分についてのさらなる態様は、当技術分野において公知である。一部の実施形態において、灰分は、哺乳動物に由来しないまたは哺乳動物により産生されない。
色調補正剤
様々な異なる色調補正剤は、当技術分野において公知である。例えば、色調補正剤は、植物(例えば、単子葉植物または双子葉植物)から得られた化合物でありうる。一部の例において、色調補正剤は、合成化合物である。一部の例において、色調補正剤は、哺乳動物または哺乳動物細胞から得られないまたはこれにより産生されない。色調補正剤の非限定的な例は、β−カロテンおよびアナトーを含む。
甘味剤
甘味剤は、サッカリド(例えば、単糖、二糖、または多糖)または人工甘味料でありうる。サッカリドである甘味剤の非限定的な例は、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、およびタガトースを含む。本明細書において記載された組成物または方法のうちのいずれかにおいて甘味剤として使用されうるサッカリドのさらなる例は、当技術分野において公知である。
人工甘味料である甘味剤の非限定的な例は、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、およびP−4000を含む。本明細書において記載された組成物または方法のうちのいずれかにおいて甘味剤として使用されうる、さらなる人工甘味料は、当技術分野において公知である。
組成物
本明細書において、約0.3g/Lから約1.1g/L(例えば、約0.3g/Lから約1.0g/L、約0.3g/Lから約0.9g/L、約0.3g/Lから約0.8g/L、約0.3g/Lから約0.7g/L、約0.3g/Lから約0.6g/L、約0.3g/Lから約0.5g/L、約0.3g/Lから約0.4g/L、約0.4g/Lから約1.1g/L、約0.4g/Lから約1.0g/L、約0.4g/Lから約0.9g/L、約0.4g/Lから約0.8g/L、約0.4g/Lから約0.7g/L、約0.4g/Lから約0.6g/L、約0.4g/Lから約0.5g/L、約0.5g/Lから約1.1g/L、約0.5g/Lから約1.0g/L、約0.5g/Lから約0.9g/L、約0.5g/Lから約0.8g/L、約0.5g/Lから約0.7g/L、約0.5g/Lから約0.6g/L、約0.6g/Lから約1.1g/L、約0.6g/Lから約1.0g/L、約0.6g/Lから約0.9g/L、約0.6g/Lから約0.8g/L、約0.6g/Lから約0.7g/L、約0.7g/Lから約1.1g/L、約0.7g/Lから約1.0g/L、約0.7g/Lから約0.9g/L、約0.7g/Lから約0.8g/L、約0.8g/Lから約1.1g/L、約0.8g/Lから約1.0g/L、約0.8g/Lから約0.9g/L、約0.9g/Lから約1.1g/L、約0.9g/Lから約1.0g/L、約1.0g/Lから約1.1g/L、または約0.27重量%から約0.75重量%)のκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);約1.25g/Lから約4.9g/L(例えば、約1.25g/Lから約4.6g/L、約1.25g/Lから約4.4g/L、約1.25g/Lから約4.2g/L、約1.25g/Lから約4.0g/L、約1.25g/Lから約3.8g/L、約1.25g/Lから約3.6g/L、約1.25g/Lから約3.4g/L、約1.25g/Lから約3.2g/L、約1.25g/Lから約3.0g/L、約1.25g/Lから約2.8g/L、約1.25g/Lから約2.6g/L、約1.25g/Lから約2.4g/L、約1.25g/Lから約2.2g/L、約1.25g/Lから約2.0g/L、約1.25g/Lから約1.8g/L、約1.25g/Lから約1.6g/L、約1.25g/Lから約1.4g/L、約1.4g/Lから約4.9g/L、約1.4g/Lから約4.6g/L、約1.4g/Lから約4.4g/L、約1.4g/Lから約4.2g/L、約1.4g/Lから約4.0g/L、約1.4g/Lから約3.8g/L、約1.4g/Lから約3.6g/L、約1.4g/Lから約3.4g/L、約1.4g/Lから約3.2g/L、約1.4g/Lから約3.0g/L、約1.4g/Lから約2.8g/L、約1.4g/Lから約2.6g/L、約1.4g/Lから約2.4g/L、約1.4g/Lから約2.2g/L、約1.4g/Lから約2.0g/L、約1.4g/Lから約1.8g/L、約1.4g/Lから約1.6g/L、約1.6g/Lから約4.9g/L、約1.6g/Lから約4.6g/L、約1.6g/Lから約4.4g/L、約1.6g/Lから約4.2g/L、約1.6g/Lから約4.0g/L、約1.6g/Lから約3.8g/L、約1.6g/Lから約3.6g/L、約1.6g/Lから約3.4g/L、約1.6g/Lから約3.2g/L、約1.6g/Lから約3.0g/L、約1.6g/Lから約2.8g/L、約1.6g/Lから約2.6g/L、約1.6g/Lから約2.4g/L、約1.6g/Lから約2.2g/L、約1.6g/Lから約2.0g/L、約1.6g/Lから約1.8g/L、約1.8g/Lから約4.9g/L、約1.8g/Lから約4.6g/L、約1.8g/Lから約4.4g/L、約1.8g/Lから約4.2g/L、約1.8g/Lから約4.0g/L、約1.8g/Lから約3.8g/L、約1.8g/Lから約3.6g/L、約1.8g/Lから約3.4g/L、約1.8g/Lから約3.2g/L、約1.8g/Lから約3.0g/L、約1.8g/Lから約2.8g/L、約1.8g/Lから約2.6g/L、約1.8g/Lから約2.4g/L、約1.8g/Lから約2.2g/L、約1.8g/Lから約2.0g/L、約2.0g/Lから約4.9g/L、約2.0g/Lから約4.6g/L、約2.0g/Lから約4.4g/L、約2.0g/Lから約4.2g/L、約2.0g/Lから約4.0g/L、約2.0g/Lから約3.8g/L、約2.0g/Lから約3.6g/L、約2.0g/Lから約3.4g/L、約2.0g/Lから約3.2g/L、約2.0g/Lから約3.0g/L、約2.0g/Lから約2.8g/L、約2.0g/Lから約2.6g/L、約2.0g/Lから約2.4g/L、約2.0g/Lから約2.2g/L、約2.2g/Lから約4.9g/L、約2.2g/Lから約4.6g/L、約2.2g/Lから約4.4g/L、約2.2g/Lから約4.2g/L、約2.2g/Lから約4.0g/L、約2.2g/Lから約3.8g/L、約2.2g/Lから約3.6g/L、約2.2g/Lから約3.4g/L、約2.2g/Lから約3.2g/L、約2.2g/Lから約3.0g/L、約2.2g/Lから約2.8g/L、約2.2g/Lから約2.6g/L、約2.2g/Lから約2.4g/L、約2.4g/Lから約4.9g/L、約2.4g/Lから約4.6g/L、約2.4g/Lから約4.4g/L、約2.4g/Lから約4.2g/L、約2.4g/Lから約4.0g/L、約2.4g/Lから約3.8g/L、約2.4g/Lから約3.6g/L、約2.4g/Lから約3.4g/L、約2.4g/Lから約3.2g/L、約2.4g/Lから約3.0g/L、約2.4g/Lから約2.8g/L、約2.4g/Lから約2.6g/L、約2.6g/Lから約4.9g/L、約2.6g/Lから約4.6g/L、約2.6g/Lから約4.4g/L、約2.6g/Lから約4.2g/L、約2.6g/Lから約4.0g/L、約2.6g/Lから約3.8g/L、約2.6g/Lから約3.6g/L、約2.6g/Lから約3.4g/L、約2.6g/Lから約3.2g/L、約2.6g/Lから約3.0g/L、約2.6g/Lから約2.8g/L、約2.8g/Lから約4.9g/L、約2.8g/Lから約4.6g/L、約2.8g/Lから約4.4g/L、約2.8g/Lから約4.2g/L、約2.8g/Lから約4.0g/L、約2.8g/Lから約3.8g/L、約2.8g/Lから約3.6g/L、約2.8g/Lから約3.4g/L、約2.8g/Lから約3.2g/L、約2.8g/Lから約3.0g/L、約3.0g/Lから約4.9g/L、約3.0g/Lから約4.6g/L、約3.0g/Lから約4.4g/L、約3.0g/Lから約4.2g/L、約3.0g/Lから約4.0g/L、約3.0g/Lから約3.8g/L、約3.0g/Lから約3.6g/L、約3.0g/Lから約3.4g/L、約3.0g/Lから約3.2g/L、約3.2g/Lから約4.9g/L、約3.2g/Lから約4.6g/L、約3.2g/Lから約4.4g/L、約3.2g/Lから約4.2g/L、約3.2g/Lから約4.0g/L、約3.2g/Lから約3.8g/L、約3.2g/Lから約3.6g/L、約3.2g/Lから約3.4g/L、約3.4g/Lから約4.9g/L、約3.4g/Lから約4.6g/L、約3.4g/Lから約4.4g/L、約3.4g/Lから約4.2g/L、約3.4g/Lから約4.0g/L、約3.4g/Lから約3.8g/L、約3.4g/Lから約3.6g/L、約3.6g/Lから約4.9g/L、約3.6g/Lから約4.6g/L、約3.6g/Lから約4.4g/L、約3.6g/Lから約4.2g/L、約3.6g/Lから約4.0g/L、約3.6g/Lから約3.8g/L、約3.8g/Lから約4.9g/L、約3.8g/Lから約4.6g/L、約3.8g/Lから約4.4g/L、約3.8g/Lから約4.2g/L、約3.8g/Lから約4.0g/L、約4.0g/Lから約4.9g/L、約4.0g/Lから約4.6g/L、約4.0g/Lから約4.4g/L、約4.0g/Lから約4.2g/L、約4.2g/Lから約4.9g/L、約4.2g/Lから約4.6g/L、約4.2g/Lから約4.4g/L、約4.4g/Lから約4.9g/L、約4.4g/Lから約4.6g/L、約4.6g/Lから約4.9g/Lまたは約1.23重量%から約3.27重量%)のβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);総最終濃度を約0重量%から約45重量%(例えば、0重量%;約0重量%から約4.5重量%;約0.5重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、約2重量%、もしくは約1重量%;約1.0重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、約3重量%、もしくは約2重量%;約2重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約5重量%、約4重量%、もしくは約3重量%;約3重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約5重量%、もしくは約4重量%;約4重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、もしくは約5重量%;約5重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、約8重量%、もしくは約6重量%;約6重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、約10重量%、もしくは約8重量%;約8重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、約15重量%、もしくは約10重量%;約10重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、約20重量%、もしくは約15重量%;約15重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、約25重量%、もしくは約20重量%;約20重量%から約40重量%、約35重量%、約30重量%、もしくは約25重量%;約25重量%から約40重量%、約35重量%、もしくは約30重量%;約30重量%から約40重量%、もしくは約35重量%;または約35重量%から約40重量%)とする、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか);総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%(例えば、約0.1重量%から約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.5重量%、約1.0重量%、もしくは約0.5重量%;約0.5重量%から約6重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.5重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、
約2.0重量%、もしくは約1.5重量%;約1.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、もしくは約2.0重量%;約2.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、もしくは約2.5重量%;約2.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、もしくは約3.0重量%;約3.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、もしくは約3.5重量%;約3.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、もしくは約4.0重量%;約4.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%;約4.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、もしくは約5.0重量%;約5.0重量%から約6.0重量%、もしくは約5.5重量%;または約5.5重量%から約6.0重量%)とする、1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか);総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%(例えば、約0.1重量%から約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.5重量%、約1.0重量%、もしくは約0.5重量%;約0.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、約1.5重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、約2.0重量%、もしくは約1.5重量%;約1.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、約2.5重量%、もしくは約2.0重量%;約2.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、もしくは約2.5重量%;約2.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、もしくは約3.0重量%;約3.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、もしくは約3.5重量%;約3.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、もしくは約4.0重量%;約4.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、もしくは約4.5重量%、約4.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、もしくは約5.0重量%;約5.0重量%から約6.0重量%、もしくは約5.5重量%;または約5.5重量%から約6.0重量%)とする、1つ以上の甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上甘味剤のうちのいずれか);および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%(例えば、約0.15重量%から約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、約0.4重量%、約0.3重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、約0.4重量%、もしくは約0.3重量%;約0.3重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、もしくは約0.4重量%;約0.4重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、もしくは約0.5重量%;約0.5重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、もしくは約0.6重量%;約0.6重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、約0.9重量%、もしくは約0.8重量%;約0.8重量%から約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、約1.0重量%、もしくは約0.9重量%;約0.9重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、約1.1重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、約1.2重量%、もしくは約1.1重量%;約1.1重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、約1.3重量%、もしくは約1.2重量%;約1.2重量%から約1.5重量%、約1.4重量%、もしくは約1.3重量%;約1.3重量%から約1.5重量%、もしくは約1.4重量%;または約1.4重量%から約1.5重量%)とする灰分を含み、動物由来の成分を含まない組成物が提示される。
また、約0.3g/Lから約1.1g/L(例えば、上記の段落において記載された約0.3g/Lから約1.1g/Lの部分範囲のうちのいずれか)のκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);約1.25g/Lから約4.9g/L(例えば、上記の段落において記載された約1.25g/Lから約4.9g/Lの部分範囲のうちのいずれか)のβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);総最終濃度を約0重量%から約45重量%(例えば、上記の段落において記載された約0重量%から約45重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか);総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%(例えば、上記の段落において記載された約0.01重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか);総最終濃度を約0.1重量%から約6重量%(例えば、本節において記載された約0.1重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上の甘味剤のうちのいずれか);および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%(例えば、上記の段落において記載された約0.15重量%から約1.5重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする灰分(例えば、本明細書において記載された例示的な灰分のうちのいずれか)を含み、哺乳動物産生ミルク中で見出される少なくとも1つの成分を含まない;哺乳動物産生ミルク中に存在しない少なくとも1つの成分を含む;および/または哺乳動物産生ミルク中の少なくとも1つの成分の濃度と比較して高濃度または低濃度の少なくとも1つの成分を含む組成物も提示される。これらの組成物の一部の例において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中の1つ以上の成分の濃度と比較して高濃度の、カルシウム、リン酸塩、ビタミンB複合体、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、およびビタミンKの群から選択される、少なくとも1つの成分を含む。これらの組成物についての一部の実施形態において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中で見出される少なくとも1つの成分であって、ラクトース、細菌、マイコバクテリア、アレルゲン、ウイルス、プリオン、酵母、成長ホルモン、白血球、抗生剤、重金属、免疫グロブリン、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、およびリパーゼの群から選択される成分を含まない。これらの組成物の一部の例において、組成物は、哺乳動物産生ミルク中に存在しない少なくとも1つの成分であって、人工甘味料、植物由来の脂質、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の群から選択される成分を含む。
また、約0.3g/Lから約1.1g/L(例えば、本節において記載された約0.3g/Lから約1.1g/Lの部分範囲のうちのいずれか)のκ−カゼインタンパク質であって、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);約1.25g/Lから約4.9g/L(例えば、本節において記載された約1.25g/Lから約4.9g/Lの部分範囲のうちのいずれか)のβ−カゼインタンパク質であって、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);総最終濃度を約0重量%から約45重量%(例えば、本節において記載された約0重量%から約45重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか);総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%(例えば、本節において記載された約0.01重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか);総最終濃度を1つ以上の甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上の甘味剤のうちのいずれか)とする約0.1重量%から約6重量%(例えば、本節において記載された約0.1重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか);および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%(例えば、本節において記載された約0.15重量%から約1.5重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする灰分(例えば、本明細書において記載された灰分のうちのいずれか)を含む組成物も提示される。
また、κ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)およびβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)を含むミセルを含み、ミセルの直径が、約50nmから約350nm(例えば、本明細書において記載されたミセルの直径の部分範囲のうちのいずれか)であり、κ−カゼインタンパク質およびβ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する組成物も提示される。一部の実施形態において、組成物は、最終濃度を約2.0重量%から約6重量%(例えば、約2.0重量%から約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、もしくは約2.5重量%;約2.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、もしくは約3.0重量%;約3.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、もしくは約3.5重量%;約3.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、もしくは約3.5重量%;約3.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、もしくは約4.0重量%;約4.5重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、約4.5重量%、もしくは約4.0重量%;約4.0重量%から約6.0重量%、約5.5重量%、約5.0重量%、もしくは約4.5重量%;約4.5重量%から約5.5重量%、もしくは約5.0重量%;約5.0重量%から約6.0重量%もしくは約5.5重量%;または約5.5重量%から約6.0重量%)とするミセルを含む。これらの組成物についての一部の実施形態において、ミセル中のβ−カゼインタンパク質のκ−カゼインタンパク質に対する比は、約2.0:1から約5.5:1(例えば、本明細書においてミセルについて記載された比である約2.0:1から約5.5:1の部分範囲のうちのいずれか)である。一部の実施形態において、これらの組成物は、総最終濃度を約0重量%から約45重量%(例えば、本節において記載された約0重量%から約45重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか);総最終濃度を約0.01重量%から約6重量%(例えば、本節において記載された0.01重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする、1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか);総最終濃度を1つ以上の甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上甘味剤のうちのいずれか)とする約0.1重量%から約6重量%(例えば、本節において記載された約0.1重量%から約6重量%の部分範囲のうちのいずれか);および総最終濃度を約0.15重量%から約1.5重量%(例えば、本節において記載された約0.15重量%から約1.5重量%の部分範囲のうちのいずれか)とする灰分(例えば、本明細書において記載された灰分のうちのいずれか)をさらに含む。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の脂質は、ヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質からなる群から選択される。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかの一部の例は、最終濃度を約1重量%から約28重量%(例えば、約1重量%から約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、約12重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約4重量%、もしくは約2重量%;約2重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、約12重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、もしくは約4重量%;約4重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、約12重量%、約10重量%、約8重量%、もしくは約6重量%;約6重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、約12重量%、約10重量%、もしくは約8重量%;約8重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、約12重量%、もしくは約10重量%;約10重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、約14重量%、もしくは約12重量%;約12重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、約16重量%、もしくは約14重量%;約14重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%、もしくは約16重量%;約16重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、約20重量%、約18重量%;約18重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%、もしくは約20重量%;約20重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%、約22重量%;約22重量%から約28重量%、約26重量%、約24重量%;約24重量%から約28重量%、もしくは約26重量%;または約28重量%から約30重量%)とするヒマワリ油;最終濃度を約0.5重量%から約14重量%(例えば、約0.5重量%から約12重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約4重量%、約2重量%、もしくは約1重量%;約1重量%から約14重量%、約12重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、約4重量%、もしくは約2重量%;約2重量%から約12重量%、約10重量%、約8重量%、約6重量%、もしくは約4重量%;約4重量%から約14重量%、約12重量%、約10重量%、約8重量%、もしくは約6重量%;約6重量%から約14重量%、約12重量%、約10重量%、もしくは約8重量%;約8重量%から約14重量%、約12重量%、もしくは約10重量%;約10重量%から約14重量%もしくは約12重量%;または約12重量%から約14重量%)とするココナツ油;最終濃度を約0.05重量%から約1.0重量%(例えば、約0.05重量%から約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、約0.4重量%、約0.3重量%、もしくは約0.2重量%の間;0.1重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、約0.4重量%、約0.3重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、約0.6重量%、約0.5重量%、もしくは約0.4重量%;約0.4重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、約0.6重量%、もしくは約0.5重量%;約0.5重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、約0.7重量%、もしくは約0.6重量%;約0.6重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、約0.8重量%、もしくは約0.7重量%;約0.7重量%から約1.0重量%、約0.9重量%、もしくは約0.8重量%;約0.8重量%から約1.0重量%、もしくは約0.9重量%;または約0.9重量%から約1.0重量%)とするトリブチリン;総最終濃度を約0.08重量%から約1.2重量%(例えば、0.08重量%から約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、もしくは約0.4重量%;約0.4重量%から約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、もしくは約0.6重量%;約0.6重量%から約1.2重量%、約1.0重量%、もしくは約0.8重量%;約0.8重量%から約1.2重量%もしくは約1.0重量%;または約1.0重量%から約1.2重量%)とするモノグリセリドおよびジグリセリド(例えば、本明細書において記載された1つ以上のモノグリセリドまたはジグリセリドのうちのいずれか);ならびに総最終濃度を約0.02重量%から約0.28重量%とする遊離脂肪酸;ならびに総最終濃度を約0.02重量%から約0.3重量%(例えば、約0.02重量%から約0.25重量%、約0.20重量%、約0.15重量%、もしくは約0.10重量%;約0.05重量%から約0.3重量%、約0.25重量%、約0.20重量%、約0.15重量%、もしくは約0.10重量%;約0.10重量%から約0.30重量%、約0.25重量%、約0.20重量%、もしくは約0.15重量%;約0.15重量%から約0.30重量%、約0.25重量%、もしくは約0.20重量%;約0.20重量%から約0.30重量%もしくは約0.25重量%;または約0.25重量%から約0.30重量%)とするリン脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上のリン脂質のうちのいずれか)のうちの1つ以上をさらに含む。
組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、遊離脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、または4つ)の脂肪酸を含む。組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、リン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンの群から選択される、少なくとも1つの風味化合物を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、サッカリド(例えば、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、またはタガトース)である。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、1つ以上の甘味剤は、人工甘味料(例えば、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、またはP−4000)である。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、灰分は、1つ以上(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ)のカルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物を含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、灰分は、1つ以上(例えば、2つまたは3つ)のCaCl、KHPO、およびクエン酸Naを含む。本明細書において記載された組成物についての一部の実施形態は、最終濃度を約0.05g/Lから約0.2g/L(例えば、約0.05g/Lから約0.15g/L、約0.05g/Lから約0.10g/L、約0.10g/Lから約0.20g/L、約0.10g/Lから約0.15g/L、または約0.15g/Lから約0.2g/L)とするCaCl;最終濃度を約0.2g/Lから約0.4g/L(例えば、約0.2g/Lから約0.35g/L、約0.2g/Lから約0.30g/L、約0.2g/Lから約0.25g/L、約0.25g/Lから約0.4g/L、約0.25g/Lから約0.30g/L、約0.30g/Lから約0.40g/L、または約0.30g/Lから約0.35g/L、または約0.35g/Lから約0.40g/L)とするKHPO;および/または最終濃度を約0.1g/Lから約0.3g/L(例えば、0.1g/Lから約0.25g/L、約0.1g/Lから約0.20g/L、約0.1g/Lから約0.15g/L、約0.15g/Lから約0.30g/L、約0.15g/Lから約0.25g/L、約0.15g/Lから約0.20g/L、約0.20g/Lから約0.30g/L、約0.20g/Lから約0.25g/L、または約0.25g/Lから約0.30g/L)とするクエン酸Naを含む。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかにおいて、κ−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのκ−カゼインタンパク質でありうる。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかにおいて、β−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−カゼインタンパク質でありうる。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、最終濃度を約0.4重量%から約2.5重量%(例えば、約0.4重量%から約2.0重量%、約1.5重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約2.5重量%、約2.0重量%、もしくは約1.5重量%;約1.5重量%から約2.5重量%もしくは2.0重量%;または約2.0重量%から約2.5重量%とするα−ラクトアルブミンタンパク質(例えば、本明細書において記載されたα−ラクトアルブミンタンパク質のうちのいずれか))、および/または最終濃度を約2.5重量%から約4.5重量%とするβ−ラクトグロブリンタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−ラクトグロブリンタンパク質のうちのいずれか)をさらに含みうる。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、α−ラクトアルブミンタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのα−ラクトアルブミンタンパク質でありうる。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態において、β−ラクトグロブリンタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのβ−ラクトグロブリンタンパク質でありうる。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の実施形態は、最終濃度を約11重量%から約16重量%(例えば、約11重量%から約15重量%、約14重量%、約13重量%、もしくは約12重量%;約12重量%から約16重量%、約15重量%、約14重量%、もしくは約13重量%;約13重量%から約16重量%、約15重量%、もしくは約14重量%;約14重量%から約16重量%もしくは15重量%;または約15重量%から約16重量%)とするα−S1−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたα−S1−カゼインタンパク質のうちのいずれか);および/または最終濃度を約2重量%から約5重量%(例えば、約2重量%から約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、約3.0重量%、もしくは約2.5重量%;約2.5重量%から約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、約3.5重量%、もしくは約3.0重量%;約3.0重量%から約5.0重量%、約4.5重量%、約4.0重量%、もしくは約3.5重量%;約3.5重量%から約5重量%、約4.5重量%、もしくは約4.0重量%;約4.0重量%から約5.0重量%もしくは約4.5重量%;または約4.5重量%から約5.0重量%)とするα−S2−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたα−S2−カゼインタンパク質のうちのいずれか)をさらに含む。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、α−S1−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのα−S1−カゼインタンパク質でありうる;および/またはα−S2−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのα−S2−カゼインタンパク質でありうる。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかの一部の例は、1つ以上(例えば、2つまたは3つ)の血清アルブミン(例えば、本明細書において記載された血清アルブミンタンパク質のうちのいずれか)、ラクトフェリン(例えば、本明細書において記載されたラクトフェリンタンパク質のうちのいずれか)、およびトランスフェリン(例えば、本明細書において記載されたトランスフェリンタンパク質のうちのいずれか)をさらに含む。本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、血清アルブミンは、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスの血清アルブミンでありうる;ラクトフェリンは、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのラクトフェリンでありうる;および/またはトランスフェリンは、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのトランスフェリンタンパク質でありうる。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかについての一部の例において、組成物は、1つ以上の色調補正剤(例えば、本明細書において記載された着色剤のうちのいずれか、例えば、β−カロテンまたはアナトー)をさらに含む。
本明細書において記載された組成物のうちのいずれかのpHは、約6.2から約7.2(例えば、約6.2から約7.0、約6.2から約6.8、約6.2から約6.6、約6.2から約6.4、約6.4から約7.2、約6.4から約7.0、約6.4から約6.8、約6.4から約6.6、約6.6から約7.2、約6.6から約7.0、約6.6から約6.8、約6.8から約7.2、約6.8から約7.0、または約7.0から約7.2)でありうる。
多様な実施形態において、ミルクタンパク質の成分は、乾燥重量または総重量により、約0.5%の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約6%のミルクタンパク質を含む。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0.5〜2.5%、約1〜2%、約2〜3%、または約4〜10%のタンパク質を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約10〜15%のタンパク質を含みうる。
野生型カゼインに対する実質的な相同性を伴うカゼイン、カゼインの変異体、突然変異体を含む、広範にわたるカゼインが、発現し、ミルクタンパク質の成分として組み込まれる。
乾燥組成物
また、最終濃度を約3.6重量%から約5.4重量%(例えば、約3.6重量%から約5.2重量%、約5.0重量%、約4.8重量%、約4.6重量%、約4.4重量%、約4.2重量%、約4.0重量%、もしくは約3.8重量%;約3.8重量%から約5.4重量%、約5.2重量%、約5.0重量%、約4.8重量%、約4.6重量%、約4.4重量%、約4.2重量%、もしくは約4.0重量%;約4.0重量%から約5.4重量%、約5.2重量%、約5.0重量%、約4.8重量%、約4.6重量%、約4.4重量%、もしくは約4.2重量%;約4.2重量%から約5.2重量%、約5.2重量%、約5.0重量%、約4.8重量%、約4.6重量%、もしくは約4.4重量%;約4.8重量%から約5.4重量%、約5.2重量%、もしくは約5.0重量%;約5.0重量%から約5.4重量%もしくは約5.2重量%;または約5.2重量%から約5.4重量%)とするκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたα−カゼインタンパク質のうちのいずれか);最終濃度を約16.3重量%から約24.5重量%;16.3重量%から約22重量%、約20重量%、もしくは約18重量%;約18重量%から約24.5重量%、約22重量%、もしくは約20重量%;約20重量%から約24.5重量%から約22重量%;または約22重量%から約24.5重量%)とするβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);最終濃度を約35重量%から約40重量%(例えば、約35重量%から約39重量%、約38重量%、約37重量%、もしくは約36重量%;約36重量%から約40重量%、約39重量%、約38重量%、もしくは約37重量%;約37重量%から約40重量%、約39重量%、もしくは約38重量%;約38重量%から約40重量%もしくは39重量%;または約39重量%から約40重量%)とする甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上甘味剤のうちのいずれか);最終濃度を約25重量%から約30重量%(例えば、約25重量%から約29重量%、約28重量%、約27重量%、もしくは約26重量%;約26重量%から約30重量%、約29重量%、約28重量%、もしくは約27重量%;約27重量%から約30重量%、約29重量%、もしくは約28重量%;約28重量%から約30重量%もしくは約29重量%;または約29重量%から約30重量%)とする1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか);最終濃度を約5重量%から約7重量%(例えば、約5重量%から約6.5重量%、約6.0重量%、もしくは約5.5重量%;約5.5重量%から約7.0重量%、約6.5重量%、もしくは約6.0重量%;約6.0重量%から約7.0重量%もしくは約6.5重量%;または約6.5重量%から約7.0重量%)とする灰分(例えば、本明細書において記載された灰分のうちのいずれか);および最終濃度を約2重量%から約5重量%(例えば、約2重量%から約4重量%もしくは約3重量%;約3重量%から約5重量%もしくは約4重量%;または約4重量%から約5重量%)とする水を含み、κ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないおよび/もしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する、ならびに/またはβ−カゼインタンパク質が、グリコシル化されていないおよび/もしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する粉末組成物も提示される。
粉末組成物のうちのいずれも、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかにおける成分のうちのいずれをも含有しうる。(例えば、本明細書において記載された、色合わせ剤、α−S1−カゼインタンパク質、α−S2−カゼインタンパク質、α−ラクトアルブミンタンパク質、β−ラクトグロブリンタンパク質、ラクトフェリンタンパク質、トランスフェリンタンパク質、および血清アルブミンタンパク質のうちのいずれかの1つ以上を、各成分、それぞれについて、本明細書において記載された濃度のうちのいずれかにおいて含有しうる。)
成分補充されたミルク組成物
本明細書においてまた、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルク;および1つ以上(例えば、2つまたは3つ)のグリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質;グリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質;またはグリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質およびグリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質を含むミセルを含む組成物も提示される。
一部の例において、組成物は、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルクおよびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質を含む。一部の例において、組成物は、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルクおよびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質を含む。他の例において、組成物は、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルクならびにグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質を含むミセルを含む。
一部の例において、組成物中のグリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の最終濃度またはグリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質の最終濃度は、0.02重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、約0.2重量%、もしくは約0.1重量%;約0.1重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、もしくは約0.4重量%;約0.8重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、もしくは約1.2重量%;約1.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、もしくは約1.4重量%;約1.4重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、もしくは約1.6重量%;約1.6重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、もしくは約1.8重量%;約1.8重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、もしくは約2.0重量%;約2.0重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、もしくは約2.2重量%;約2.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、もしくは約2.4重量%;約2.4重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、もしくは約2.6重量%;約2.6重量%から約3.0重量%もしくは約2.8重量%;または約2.8重量%から約3.0重量%(最終組成物に対して)である。
一部の組成物において、組成物中のグリコシル化されていないおよび/または哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質の最終濃度は、約0.02重量%から約0.6重量%(例えば、約0.02重量%から約0.5重量%、約0.02重量%から約0.4重量%、約0.02重量%から約0.3重量%、約0.02重量%から約0.2重量%、約0.02重量%から約0.1重量%、約0.1重量%から約0.5重量%、約0.1重量%から約0.4重量%、約0.1重量%から約0.3重量%、約0.1重量%から約0.2重量%、約0.2重量%から約0.5重量%、約0.2重量%から約0.4重量%、約0.2重量%から約0.3重量%、約0.3重量%から約0.5重量%、約0.3重量%から約0.4重量%、または約0.4重量%から約0.5重量%)であり;組成物中のグリコシル化されていないおよび/または哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質の最終濃度は、約0.02重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、もしくは約0.4重量%;約0.4重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、もしくは約0.6重量%;約0.6重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、もしくは約0.8重量%;約0.8重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、もしくは約1.2重量%;約1.2重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、もしくは約1.4重量%;約1.4重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、もしくは約1.6重量%;約1.6重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、もしくは約1.8重量%;約1.8重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、もしくは約2.0重量%;約1.8重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、もしくは約2.0重量%;約2.0重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、もしくは約2.2重量%;約2.2重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、もしくは約2.4重量%;約2.4重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、約2.8重量%、もしくは約2.6重量%;約2.6重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、約3.0重量%、もしくは約2.8重量%;約2.8重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、約3.2重量%、もしくは約3.0重量%;約3.0重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、約3.4重量%、もしくは約3.2重量%;約3.2重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、約3.6重量%、もしくは約3.4重量%;約3.4重量%から約4.0重量%、約3.8重量%、もしくは約3.6重量%;約3.6重量%から約4.0重量%もしくは約3.8重量%;または約3.8重量%から約4.0重量%である。
一部の例において、組成物中のグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質を含むミセルの最終濃度は、0.02重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、約0.2重量%、もしくは約0.1重量%;約0.1重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、約0.4重量%、もしくは約0.2重量%;約0.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、約1.0重量%、約0.8重量%、約0.6重量%、もしくは約0.4重量%;約0.8重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、約1.2重量%、もしくは約1.0重量%;約1.0重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、約1.4重量%、もしくは約1.2重量%;約1.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、約1.6重量%、もしくは約1.4重量%;約1.4重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、約1.8重量%、もしくは約1.6重量%;約1.6重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、約2.0重量%、もしくは約1.8重量%;約1.8重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、約2.2重量%、もしくは約2.0重量%;約2.0重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、約2.4重量%、もしくは約2.2重量%;約2.2重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、約2.6重量%、もしくは約2.4重量%;約2.4重量%から約3.0重量%、約2.8重量%、もしくは約2.6重量%;約2.6重量%から約3.0重量%もしくは約2.8重量%;または約2.8重量%から約3.0重量%(最終組成物に対して)である。
核酸およびベクター
また、プロモーター(例えば、酵母プロモーター、細菌プロモーター、または哺乳動物プロモーター);シグナル配列をコードする配列;ミルクタンパク質をコードする配列(例えば、本明細書において記載された例示的な配列のうちのいずれか);および酵母終結配列を含み、プロモーターが、シグナル配列に作動可能に連結されており、シグナル配列が、ミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されており、末端配列が、ミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されている核酸(例えば、ベクター)も提示される。これらの核酸の一部の例において、プロモーターは、構成的プロモーターまたは誘導的プロモーターである。プロモーターの非限定的な例については、本明細書において記載されている。これらの核酸において使用されうるさらなるプロモーターは、当技術分野において公知である。
本明細書において記載されたベクターのうちのいずれかにおけるシグナル配列は、コードされたミルクタンパク質もしくは異なるミルクタンパク質に由来するシグナル配列、または酵母接合因子に由来するシグナル配列(例えば、任意のアルファ接合因子)でありうる。一部の例において、コードされたミルクタンパク質は、β−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、κ−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S1−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S1−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S2−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S2−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−ラクトアルブミン(例えば、本明細書において記載されたα−ラクトアルブミンタンパク質のうちのいずれか)、β−ラクトグロブリン(例えば、本明細書において記載されたβ−ラクトグロブリンタンパク質のうちのいずれか)、ラクトフェリン(例えば、本明細書において記載されたラクトフェリンタンパク質のうちのいずれか)、またはトランスフェリン(例えば、本明細書において記載されたトランスフェリンタンパク質のうちのいずれか)の群から選択される。本ベクターにおいて使用されうるさらなるシグナル配列は、当技術分野において公知である。
本明細書において記載された核酸のうちのいずれかは、細菌複製起点をさらに含みうる。本明細書において記載された核酸のうちのいずれかは、選択マーカー(例えば、抗生剤耐性遺伝子)をさらに含みうる。細菌複製起点の配列は、当技術分野において公知である。抗生剤耐性遺伝子の非限定的な例については、本明細書において記載されている。耐性遺伝子のさらなる例は、当技術分野において公知である。
終結配列の非限定的な例は、本明細書において記載されている。終結配列のさらなる例は、当技術分野において公知である。
本明細書において提示された核酸についての一部実施形態は、さらなるプロモーター配列(例えば、本明細書において記載された例示的なプロモーターのうちのいずれか);シグナル配列をコードするさらなる配列(例えば、本明細書において記載された例示的なシグナル配列のうちのいずれか);さらなるミルクタンパク質をコードする配列(例えば、本明細書において記載されたミルクタンパク質をコードする例示的な配列のうちのいずれか);およびさらなる酵母終結配列(例えば、本明細書において記載された例示的な酵母終結配列のうちのいずれか)をさらに含み、さらなるプロモーター配列は、シグナル配列をコードするさらなる配列に作動可能に連結されており、シグナル配列をコードする配列は、さらなるミルクタンパク質をコードする配列に作動可能に連結されており、さらなるミルクタンパク質をコードする配列は、さらなる酵母終結配列に作動可能に連結されている。さらなるミルクタンパク質は、例えば、β−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、κ−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S1−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S1−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S2−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S2−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−ラクトアルブミン(例えば、本明細書において記載されたα−ラクトアルブミンタンパク質のうちのいずれか)、β−ラクトグロブリン(例えば、本明細書において記載されたβ−ラクトグロブリンタンパク質のうちのいずれか)、ラクトフェリン(例えば、本明細書において記載されたラクトフェリンタンパク質のうちのいずれか)、またはトランスフェリン(例えば、本明細書において記載されたトランスフェリンタンパク質のうちのいずれか)でありうる。一部の実施形態において、核酸は、β−カゼインをコードする配列およびκ−カゼインをコードする配列を含む。プロモーターおよびさらなるプロモーターは、同じ場合もあり、異なる場合もある。酵母終結配列およびさらなる酵母終結配列は、同じ場合もあり、異なる場合もある。シグナル配列およびさらなるシグナル配列は、同じ場合もあり、異なる場合もある。
本発明はまた、カゼインポリペプチドまたはホエーポリペプチドをコードする、単離されたDNA配列を含有するベクターおよびベクターを含む宿主細胞も包摂する。ベクターは、カゼインをコードするヌクレオチド配列であって、プロモーター、アルファ接合因子、またはこの変異体をコードするヌクレオチド配列、細菌耐性マーカーをコードするヌクレオチド配列および転写ターミネーターに作動可能に連結されているヌクレオチド配列を含む、単離されたDNA配列をさらに含みうる。カゼインタンパク質またはホエータンパク質をコードする遺伝子の発現のために用いられる適切なプロモーターのうちの1つ以上は、宿主細胞において機能的であり、その遺伝子によりコードされる産物の発現を誘発することが可能な、任意のプロモーターでありうる。適切なプロモーターは、例えば、PLAC4−PBI、T7、Ptac、Pgal、λPL、λPR、bla、spa、Adh、CYC、TDH3、ADH1およびCLB1を含む。
細胞への核酸の導入
核酸(例えば、本明細書において記載された核酸のうちのいずれか)を細胞へと導入して、宿主細胞を作出する方法は、当技術分野において周知である。核酸を細胞へと導入するのに使用しうる技法の非限定的な例は、リン酸カルシウムトランスフェクション、デンドリマートランスフェクション、リポソームトランスフェクション(例えば、カチオンリポソームトランスフェクション)、カチオンポリマートランスフェクション、エレクトロポレーション、細胞スクィージング、ソノポレーション、光トランスフェクション、プロトプラスト融合、インペルフェクション(impalefection)、ハイドロダイナミック送達、遺伝子銃、マグネトフェクション、およびウイルスによる形質導入を含む。
当業者は、当技術分野における、核酸を細胞へと導入するためのある特定の技法が、異なる種類の宿主細胞により良好に働くという知見に基づき、核酸を細胞へと導入するのに適する1つ以上の技法を選択することが可能である。核酸を酵母細胞へと導入するための例示的な方法は、Kawaiら、Bioeng.Bugs、1:395−403、2010において記載されている。
宿主細胞
本明細書においてまた、本明細書において記載された核酸(例えば、ベクター)のうちのいずれかを含む宿主細胞も提示される。一部の例において、本明細書において記載された核酸は、宿主細胞のゲノム(例えば、染色体)内に安定的に組み込まれる。他の例において、本明細書において記載された核酸は、宿主細胞のゲノム内に安定的に組み込まれない。
一部の実施形態において、宿主細胞は、酵母株または細菌株である。一部の実施形態において、宿主細胞は、例えば、クルイベロミセス属種、ピキア属種、サッカロミセス属種、テトラヒメナ属種、ヤロウィア属種、ハンセヌラ属種、ブラストボトリス属種、カンジダ属種、ジゴサッカロミセス属種、およびデバリオミセス属種の群から選択される酵母株でありうる。宿主細胞として使用されうる酵母株の、さらなる非限定的な例は、クルイベロミセス・ラクチス、クルイベロミセス・マルクシアヌス、サッカロミセス・セレビシエ、およびピキア・パストリスである。宿主細胞として使用されうる酵母株のさらなる種は、当技術分野において公知である。
一部の例において、宿主細胞は、例えば、テトラヒメナ・テルモフィラ(Tetrahymena thermophila)、T.ヘゲウィスキ(T.hegewischi)、T.ヒペラングラリス(T.hyperangularis)、T.マラッケンシス(T.malaccensis)、T.ピグメントーサ(T.pigmentosa)、T.ピリフォルミス(T.pyriformis)、およびT.ボラックス(T.vorax)のような原虫でありうる。
本明細書において提示された宿主細胞のうちのいずれかにおいて、それらを組換え発現させることにより、ミルクタンパク質の成分を単離することは、本発明の目的である。
組換えミルクタンパク質を作製する方法およびミセルを作る方法
また、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する組換えミルクタンパク質(例えば、本明細書において記載された1つ以上のミルクタンパク質のうちのいずれか)を作製する方法であって、本明細書において記載された宿主細胞のうちのいずれかを、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するミルクタンパク質の分泌を可能とするのに十分な条件下にて培養培地中で培養するステップ;およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するミルクタンパク質を培養培地から採取するステップを含む方法も提供される。これらの方法における使用に適する培養培地は、当技術分野において公知である。ミルクタンパク質の分泌を可能とするのに十分な培養条件もまた、当技術分野において公知である。これらの方法において使用される宿主細胞は、本明細書において記載された宿主細胞のうちのいずれかでありうる。宿主細胞は、本明細書において記載された核酸のうちのいずれかを含みうる。作製される組換えミルクタンパク質は、β−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、κ−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S1−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S1カゼインのうちのいずれか)、α−S2−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S2−カゼインのうちのいずれか)、α−ラクトアルブミン(例えば、本明細書において記載されたα−ラクトアルブミンタンパク質のうちのいずれか)、β−ラクトグロブリン(例えば、本明細書において記載されたβ−ラクトグロブリンタンパク質のうちのいずれか)、ラクトフェリン(例えば、本明細書において記載されたラクトフェリンタンパク質のうちのいずれか)、トランスフェリン(例えば、本明細書において記載されたトランスフェリンタンパク質のうちのいずれか)、および血清アルブミン(例えば、本明細書において記載された血清アルブミンタンパク質のうちのいずれか)のうちの1つ以上でありうる。これらの方法のうちの一部は、組換えミルクタンパク質を、培養培地から単離する(例えば、精製する)ステップをさらに含む。組換えミルクタンパク質を、液体から単離する(例えば、精製する)方法は、当技術分野において周知である。組換えミルクタンパク質を単離する(例えば、精製する)ための例示的な方法は、Imafidonら、Crit.Rev.Food Sci.Nutrition、37:663−669、1997において記載されている。
また、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)を含むミセルを作製する方法であって、本明細書において記載された宿主細胞のうちのいずれかを、宿主細胞からのミセルの放出を可能とするのに十分な条件下にて培養培地中で培養するステップであり、宿主細胞が、β−カゼインをコードする配列およびκ−カゼインをコードする配列を含む核酸を含むステップ;およびミセルを培養培地から採取するステップを含む方法も提供される。これらの方法における使用に適する培養培地は、当技術分野において公知である。これらの方法において使用される宿主細胞は、本明細書において記載された宿主細胞のうちのいずれかでありうる。宿主細胞は、本明細書において記載された核酸のうちのいずれかを含みうる。作製されるミセルは、本明細書において記載されたミセルのうちのいずれかでありうる。(および本明細書において記載されたミセルの物理的特徴のうちのいずれかを有しうる。)これらの方法のうちの一部は、ミセルを培養培地から単離する(例えば、精製する)ステップをさらに含む。ミセルを液体から単離する(例えば、精製する)方法は、当技術分野において周知である(例えば、超遠心分離)。
酵母宿主細胞を培養することについての例示的な詳細は、Idirisら、Appl.Microbiol.Biotechnol.86:403−417、2010;Zhangら、Biotechnol.Bioprocess.Eng.、5:275−287、2000;Zhu、Biotechnol.Adv.、30:1158−1170、2012;Liら、MAbs、2:466−477、2010において記載されている。
多様な種類の乳製品代用生成物への適用のために、1つ以上の異なる形態のカゼインを発現させることは、本発明の目的である。α−s1−カゼイン、α−s2−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインのようなカゼインサブユニットは、1つ以上のアミノ酸変化により異なる。ある特定の実施形態において、方法および組成物は、α−s1−カゼイン、α−s2−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインのようなウシカゼインの組込みを含む。他の実施形態において、方法および組成物は、β−カゼインおよびκ−カゼインのようなヒトカゼインの組込みを含む。米国特許第5,942,274号を参照されたい。代替的な実施形態において、カゼインは、ウシ、ヒト、バッファロー、ラクダ、ヤギ、ヒツジ、ウマ、イルカ、クジラ、シロイワヤギおよびブタを含むがこれらに限定されない、以下の1つ以上の供給源から選択される。
また、ミルクタンパク質の成分を作製するための方法であって、例えば、実施例1において記載される通りに、本発明のプラスミドまたは構築物を使用するステップを含みうる方法も提供される。この方法は、目的のプラスミドを調製するステップ、プラスミドを、適切な宿主細胞へと挿入するステップ、目的のタンパク質が発現するように、宿主細胞を、適切な時間にわたり、適切な条件下において培養するステップ、および次いでタンパク質を精製するステップを含む。
タンパク質は、それらの分子量に基づいて、例えば、サイズ除外クロマトグラフィー、膜を介する限外濾過、または密度遠心分離により分離されうる。一部の実施形態において、タンパク質は、それらの表面電荷に基づき、例えば、等電点沈殿、アニオン交換クロマトグラフィー、またはカチオン交換クロマトグラフィーにより分離されうる。タンパク質はまた、それらの可溶性に基づいて、例えば、硫酸アンモニウム沈殿、等電点沈殿、界面活性剤、洗浄剤または溶媒抽出によっても分離されうる。タンパク質はまた、例えば、疎水性相互作用クロマトグラフィー、反応性色素、またはヒドロキシアパタイトを使用して、それらの別の分子へのアフィニティーによっても分離されうる。アフィニティークロマトグラフィーはまた、タンパク質に対する特殊な結合アフィニティーを有する抗体、Hisタグ付けされた組換えタンパク質のためのニッケルNTA、糖タンパク質上の糖部分に結合するレクチン、またはタンパク質に特異的に結合する他の分子を使用するステップも含みうる。
一般に、最適のpHにおける遠心分離は、>95%の精製効率をもたらす。天然のカゼインタンパク質およびホエータンパク質の等電点は、公知である。天然において、pHは、ウシα−s1−カゼインについて4.91であり、ウシα−s2−カゼインについてpH4.1であり、ウシβ−カゼインについてpH4.5であり、ウシκ−カゼインについてpH4.1であり、ウシα−ラクトアルブミンについてpH4.2であり、およびウシβ−ラクトグロブリンについてpH5.2である。組換えにより作製されたカゼインおよびホエーは、そのリン酸基および糖基との関係において異なりうる。タンパク質精製のための他の方法は、任意の潜在的細菌または汚染物質を除去する膜濾過に続いて、タンパク質を単離するための凍結乾燥を含む。
好ましくは、方法および組成物は、ミルクタンパク質の成分1kg当たり1,000ドル、500ドル、10ドル、1.0ドル、0.10ドル、0.010ドルまたは0.0010ドルを上回らないまたはこれを下回る作製費用を提供する。より好ましい実施形態において、費用は、ミルクタンパク質の成分1kg当たり0.009ドル、0.007ドル、0.006ドル、0.005ドルを下回る。
哺乳動物産生ミルクに対し補充する方法
本明細書においてまた、哺乳動物産生ミルクに対し補充する方法であって、哺乳動物産生ミルクまたは加工された哺乳動物産生ミルクを用意するステップ;ならびにミルクに、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか);ならびにグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、およびグリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有するκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたカゼインタンパク質のうちのいずれか)を含むミセル(例えば、本明細書において記載されたミセルのうちのいずれか)のうちの少なくとも1つを混合するステップを含む方法も提示される。
β−カゼインタンパク質、κ−カゼインタンパク質、およびミセルのうちの1つ以上は、本明細書の「成分補充されたミルク組成物」と題する節において記載された、組成物中のβ−カゼインタンパク質、κ−カゼインタンパク質、およびミセルの例示的な最終濃度のうちのいずれかを達成するように、ミルクに混合することができる。混合する方法は、当技術分野において周知である。当業者が察知しうる通り、本明細書において記載されたさらなる成分もまた、ミルクに混合することができる(例えば、限定せずに述べると、本明細書において記載された任意の成分)。
組成物を作る方法
また、組成物を作製する方法であって、β−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)およびカゼインκタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)を含むタンパク質混合物を含む、またはβ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)およびκ−カゼインタンパク質(例えば、本明細書において記載されたκ−カゼインタンパク質のうちのいずれか)を含むミセルを含む液体を超音波処理するステップ;灰分(例えば、本明細書において記載された灰分のうちのいずれか)を、液体に混合するステップ;液体に、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の液体のうちのいずれか)、1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか)、および1つ以上の色調補正剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上の色調補正剤のうちのいずれか)の混合物を添加し、液体を超音波処理するステップ;ならびに液体に、1つ以上の甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上の甘味剤のうちのいずれか)を添加し、これにより、組成物を作製するステップを含む方法も提供される。
これらの方法についての一部の例において、β−カゼインタンパク質は、グリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する、および/またはκ−カゼインタンパク質は、グリコシル化されていないもしくは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する。これらの方法についての一部の例において、灰分は、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物のうちの1つ以上を含む。これらの方法のうちのいずれかについての一部の例において、添加された灰分は、1つ以上(例えば、2つまたは3つ)のCaCl、KHPO、およびクエン酸Naを含む。
これらの方法についての一部の例において、1つ以上の脂質は、少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、または7つ)のヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質を含む。これらの方法についての一部の例において、遊離脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つの脂肪酸を含む。これらの方法についての一部の例において、リン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質である。これらの方法についての一部の実施形態において、風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンの群から選択される、少なくとも1つ(例えば、2つ、3つ、4つ、5つ、または6つ)の風味化合物を含む。
これらの方法についての一部の例において、1つ以上の色調補正剤は、β−カロテンまたはアナトーである。これらの方法についての一部の実施形態において、1つ以上の甘味剤は、サッカリド(例えば、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、またはタガトース)または人工甘味料(例えば、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、またはP−4000)である。
結果として得られる組成物のpHは、約pH6.2および約pH7.4の間(例えば、約6.2から約7.2;約6.2から約7.0、約6.2から約6.8、約6.2から約6.6、約6.2から約6.4、約6.4から約7.2、約6.4から約7.0、約6.4から約6.8、約6.4から約6.6、約6.6から約7.2、約6.6から約7.0、約6.6から約6.8、約6.8から約7.2、約6.8から約7.0、または約7.0から約7.2)でありうる。
これらの方法のうちのいずれかにおいて、β−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのβ−カゼインタンパク質でありうる;および/またはκ−カゼインタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、もしくはケナガマンモスのκ−カゼインタンパク質でありうる。
これらの方法についての一部の実施形態において、タンパク質混合物は、α−ラクトアルブミン(例えば、本明細書において記載されたα−ラクトアルブミンタンパク質のうちのいずれか)、β−ラクトグロブリン(例えば、本明細書において記載されたβ−ラクトグロブリンタンパク質のうちのいずれか)、α−S1−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S1−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、α−S2−カゼイン(例えば、本明細書において記載されたα−S2−カゼインタンパク質のうちのいずれか)、ラクトフェリン(例えば、本明細書において記載されたラクトフェリンタンパク質のうちのいずれか)、トランスフェリン(例えば、本明細書において記載されたトランスフェリンタンパク質のうちのいずれか)、および血清アルブミン(例えば、本明細書において記載された血清アルブミンタンパク質のうちのいずれか)の群から選択される、1つ以上のタンパク質をさらに含む。
当業者が察知しうる通り、これらの方法において使用される各成分の量は、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかを作製するために計算されうる。
バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作る方法
本明細書においてまた、バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作る方法であって、本明細書において提示された組成物のうちのいずれかを用意するステップ;および本明細書において提示された組成物のうちのいずれかを出発材料として使用して、バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作製するステップを含む方法も提示される。
バター、チーズ、カゼイン塩、またはヨーグルトを作るための方法は、当技術分野において周知である。例えば、Scott、「Cheesemaking Practice」、Kluwer Academic/Plenum Publishers、New York、NY、1998;米国特許第4,360,535号(クリームを作る方法について記載している);U.S285,878(バターを作る方法について記載していた)を参照されたい。
キット
また、(a)1つ以上のミルクタンパク質(例えば、本明細書において記載されたミルクタンパク質のうちのいずれかであって、本明細書において記載されたβ−カゼインタンパク質、κ−カゼインタンパク質、α−S1−タンパク質、α−S2−タンパク質、α−ラクトアルブミンタンパク質、β−ラクトグロブリンタンパク質、ラクトフェリンタンパク質、トランスフェリンタンパク質、および血清アルブミンタンパク質のうちのいずれかを含むミルクタンパク質)、1つ以上の脂質(例えば、本明細書において記載された1つ以上の脂質のうちのいずれか)、および1つ以上の風味化合物(例えば、本明細書において記載された1つ以上の風味化合物のうちのいずれか)の混合物;ならびに(b)灰分の混合物(例えば、本明細書において記載された灰分のうちのいずれか)および少なくとも1つの甘味剤(例えば、本明細書において記載された1つ以上の甘味剤のうちのいずれか)を含むキットも提示される。これらのキットの一部の例において、1つ以上のミルクタンパク質は、ウシ、ヒト、ヒツジ、ヤギ、バッファロー、ラクダ、ウマ、ロバ、キツネザル、パンダ、モルモット、リス、クマ、マカクザル、ゴリラ、チンパンジー、シロイワヤギ、サル、類人猿、ネコ、イヌ、ワラビー、ラット、マウス、ゾウ、フクロネズミ、ウサギ、クジラ、ヒヒ、テナガザル、オランウータン、マンドリル、ブタ、オオカミ、キツネ、ライオン、トラ、ハリモグラ、またはケナガマンモスのミルクタンパク質である。
これらのキットの一部の例において、1つ以上の脂肪は、ヒマワリ油、ココナツ油、トリブチリン、モノグリセリドおよびジグリセリド、遊離脂肪酸、ならびにリン脂質の群から選択される。キットにおいて存在する脂肪酸は、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸の群から選択される、少なくとも1つの脂肪酸を含みうる。キットにおけるリン脂質は、ダイズレシチンリン脂質、ヒマワリレシチンリン脂質、コットンレシチンリン脂質、またはナタネレシチンリン脂質でありうる。
キットにおける風味化合物は、δ−デカラクトン、酪酸エチル、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、およびδ−ウンデカラクトンからなる群から選択される、少なくとも1つの風味化合物を含みうる。
キットについての一部の実施形態において、(a)中の混合物は、1つ以上の色調補正剤(例えば、本明細書において記載された色調補正剤のうちのいずれか、例えば、β−カロテンまたはアナトー)をさらに含む。
キットの一部の例において、1つ以上の甘味剤は、サッカリド(例えば、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン、またはタガトース)または人工甘味料(例えば、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、またはP−4000)である。
キットは、カルシウム、リン、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、および塩化物のうちの1つ以上を含む灰分を含みうる。一部の例において、キットにおける灰分は、1つ以上(例えば、2つまたは3つ)のCaCl、KHPO、およびクエン酸Naを含む。
キットについての一部の実施形態において、(a)中の混合物は、遮光性および気密性のパッケージ(例えば、金属箔、例えば、アルミニウム箔)により提供される、および/または(b)中の混合物は、気密性パッケージ(例えば、シーリングされたプラスチック製バッグ)により提供される。
キットの一部の例は、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかを作るための指示書をさらに含む。
本明細書においてまた、少なくとも1つの、本明細書において記載された核酸を含むキットも提示される。
風味プロファイルのモジュレーティング
「フィード(feed)」、「バーニー(barny)」、または「不潔」のような感覚印象は、ウシにより摂取された食物およびこの周辺環境における匂いから吸収された風味の説明として記載される。他の感覚印象は、多数の細菌の増殖に起因する微生物作用により生じる。また、化学的変化も、酵素の作用、金属(銅のような)との接触、または日光または強い蛍光への曝露を介して生じうる。品質管理責任者は常に、ミルクおよび他の乳成分含有食品中のオフ風味を回避するように努めている。したがって、多様な乳成分含有生成物の、所望されない風味および匂いを低減する、消失させるなおまたは遮蔽することは、本発明の目的である。
本発明のある特定の好ましい態様において、脂肪含量を変化させることにより、多様な乳製品代用生成物の風味および匂いを変更することができる。例えば、酪酸含量を増大させることにより、乳成分非含有チーズの風味プロファイルを、パルメザンチーズと同様の風味プロファイルへと変化させることができる。他の実施形態において、カプロン酸、カプリン酸、および/またはカプリル酸のようなトリグリセリドをモジュレートすることは、ヤギチーズと同様の風味プロファイルを結果としてもたらす。したがって、脂肪酸成分の比により、トリグリセリドをモジュレートすることは、多様な所望の乳成分含有食品の風味プロファイルに相似するようにファインチューニングされうる、異なる風味プロファイルをもたらす。
同様に、方法および組成物は、乳製品代用生成物へと組み込まれる多様なトリグリセリドをモジュレートすることにより、1つ以上の所望されない香りを最小限にする。
ある特定の態様において、風味プロファイルは、合成短鎖トリグリセリドを、植物ベースの油、例えば、ヒマワリ油と、所望の組合せにより組み合わせて組み込むことによりモジュレートされる。例えば、[C18 C18 C6]および[C18 C6 C18]の混合物は、[C18 C4 C4]および[C18 C10 C10]の混合物と異なる風味プロファイルをもたらす。
乳製品代用生成物
本発明の方法および組成物を使用して、多種多様な乳製品代用生成物が作られうる。このような生成物は、限定せずに述べると、ミルク、全ミルク、バターミルク、スキムミルク、乳児用調整粉乳、コンデンスミルク、粉乳、無糖練乳、バター、澄ましバター、クリームおよび多様な種類のチーズを含む。
乳製品代用生成物はまた、乳成分含有生成物への代替物として、アイスクリーム、フローズンカスタード、フローズンヨーグルト、クッキー、ケーキ、カッテージチーズ、クリームチーズ、クレームフレーシュ、カードおよびヨーグルトを含む、多様な食品への適用へも組み込まれうる。
ある特定の態様において、本発明は、乳製品代用生成物中のミルクタンパク質の成分のために、α−s1−カゼイン、α−s2−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインから選択される、カゼインの1つ以上のサブユニットを提供する。カゼインサブユニットのえり抜きの組合せは、ミルクタンパク質の成分の主要部分または少なくとも一部として使用される。好ましい実施形態において、カゼイン組成は、以下の量のカゼインサブユニットを、約12〜15g/Lのα−s1−カゼイン、約3〜4g/Lのα−s2−カゼイン、約9〜11g/Lのβ−カゼインおよび約2〜4g/Lのκ−カゼインが、合成乳製品中の総カゼインを表すように含む。
多様な実施形態において、カゼイン組成は、乾燥重量または総重量により、約0.5%の約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%、約6%のタンパク質を含みうる。一部の実施形態において、カゼイン組成は、乾燥重量または総重量により、約0.5〜2.5%、約1〜2%、約2〜3%、または約4〜10%のカゼインタンパク質を含みうる。特定の実施形態において、カゼイン組成は、乾燥重量または総重量により、約1.5〜10%のタンパク質を含みうる。
ある特定の態様において、乳製品代用生成物についての方法および組成は本質的に、1つ以上の血清タンパク質を含有しない。血清タンパク質は、典型的に、他のタンパク質の中でも、酵素、ホルモン、増殖因子、栄養物質輸送体および耐病性因子を含む。さらなる実施形態において、乳製品代用生成物についての方法および組成は、所望されない免疫応答を誘導しうる、1つ以上の免疫グロブリンを本質的に含有しない。
一部の実施形態において、ホエー組成は、乾燥重量または総重量により、約0.001%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%のホエータンパク質を含みうる。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0.1〜1%、約1〜2%、約2〜3%、または約0.1〜2.3%のタンパク質を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約10〜15%のタンパク質を含みうる。
多様な実施形態において、炭水化物が、乳製品代用生成物へと組み込まれる。これらの炭水化物は、生成物の風味プロファイルに、穏やかな甘さをもたらし、加えて、迅速に作用するエネルギー供給源および栄養供給源としても働く。炭水化物は、ガラクトース、スクロース、グルコース、果糖およびマルトースのような糖を含むがこれらに限定されない。糖の乳成分非含有供給源は、サトウキビならびにセロリ、バシル、蜂蜜、サクランボウ、トウモロコシ、スピナッチ、プラム、キーウイおよびエンドウのような他の植物を含むがこれらに限定されない。
ラクトース不耐症は、多くのミルク摂取者に一般的である。したがって、好ましい実施形態において、ラクトースのような炭水化物は、乳製品代用組成物から除外される。好ましい実施形態において、乳製品代用組成物についての方法および組成は本質的に、ラクトースを含有しない。
一部の実施形態において、炭水化物組成は、乾燥重量または総重量により、約1%、約1.5%、約2%、約2.5%、約3%、約3.5%、約4%、約4.5%、約5%の炭水化物を含みうる。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約1〜3%、約2〜4%、または約10〜30%の炭水化物を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約2〜5%の炭水化物を含みうる。
灰分は、カゼインミセルの構造および安定性に寄与している。灰分は、ミルクまたはクリームであるエマルジョンを一体に保つことために重要である。灰分中に存在するカルシウムおよびリン酸は、脂肪球およびカゼインミセルと相互作用して、乳化された混合物を維持する。
灰分はまた、ミルクの口当たり、粘稠度のような感覚特徴にも影響を及ぼし、一定の程度まで、ミルクの風味にも影響を及ぼす。
一部の実施形態において、灰分組成は、乾燥重量または総重量により、約0.1%、約0.2%、約0.3%、約0.4%、約0.5%、約0.6%、約0.7%、約0.8%、約0.9%、約1%、約2%のまたは約3%の灰分を含みうる。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0.1〜0.3%、約0.5〜0.7%、約0.7〜1%、または約1〜2%の灰分を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0.6−0.8%のタンパク質を含みうる。
多様な動物由来成分非含有乳製品のためのさらなる含有物は、ビタミン、香味剤、天然甘味料または人工甘味料、着色剤、塩、pH調整剤、結合剤、緩衝剤、安定化剤、必須アミノ酸、アンチケーキング剤、消泡剤、およびこれらの混合物を含む。
一部の実施形態において、残りの含有物組成は、乾燥重量または総重量により、約0%、約0.01%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%のまたは約5%の添加物を含みうる。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0.001〜0.01%、約0.01〜1%、約0.01〜2%、または約1〜5%の添加物を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約0〜10%の添加物を含みうる。
一部の態様において、本発明は、脂肪を伴う乳製品代用品のための方法および組成物であって、トリグリセリド含量のレベルを変化させるステップを含む方法および組成物を提供する。好ましい実施形態において、多様な植物供給源から単離されたトリグリセリドが、ミルクタンパク質の成分、炭水化物および灰分と共に組み込まれる。植物において単離され、乳製品代用品においてエステル交換された脂肪酸を、天然の乳成分含有生成物において見出される脂肪酸の百分率に相似するようにモジュレートすること、および/または発生する天然において見出されない、改善された風味を伴う、新規の風味プロファイルを開発することは、本発明の目的である。一部の実施形態において、酪酸、カプリン酸、カプリル酸、カプロン酸およびラウリン酸を含むがこれらに限定されない、特殊な短鎖から中鎖の脂肪酸をモジュレートすること乳製品代用品において、所望の風味プロファイルをもたらす。
一部の実施形態において、合成ミルク中の脂肪組成は、乾燥重量または総重量により、約0%、約1%、約2%、約3%、約3.5%、約4%の脂肪を含む。一部の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約1〜2%、約2〜3%、約3〜4%の脂肪を含みうる。特定の実施形態において、組成は、乾燥重量または総重量により、約3〜4%の脂肪を含みうる。代替的な実施形態において、クリーム中の脂肪組成は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%なおまたは60%を含みうる。好ましくは、クリーム中の脂肪組成は、典型的に、約40から約50%である。
一部の態様において、短鎖トリグリセリドは、エステル交換された脂肪酸エステルを作製するように、長鎖油と組み合わされる。好ましくは、長鎖油は、ヒマワリ油、トウモロコシ油、オリーブ油、ダイズ油、ラッカセイ油、クルミ油、アーモンド油、ゴマ油、綿実油、キャノーラ油、ベニバナ油、亜麻油、ナツメヤシ油、ナツメヤシ核油、ナツメヤシ果実油、ココナツ油、ババス油、シアバター油、マンゴーバター油、ココアバター油、コムギ胚芽油およびコメヌカ油から選択される。より好ましくは、長鎖油は、オレイン酸を400%過剰発現させる、操作されたヒマワリ品種による長鎖油を含む。
長鎖油はまた、風味プロファイルにも寄与し、例えば、所望の最終生成物の全体的な風味プロファイルから、鋭さおよび芳醇さを低減、さらには除去する。
一部の実施形態において、乳製品代用品の脂肪成分は、高オレイン酸ヒマワリ油(実施例2)のような長鎖油へとエステル交換された、えり抜きのトリグリセリドを含む。同じ4つの短鎖脂肪酸は、ミルクおよびチーズのような派生生成物に、ロバストネスおよびリッチネスのような、それらの特定の風味を与えることが想定される。トリグリセリドおよび長鎖油の多様な組合せは、多数の異なる風味プロファイルを創出するように組み込まれる。一実施形態において、3つのオレイン酸を伴うトリグリセリド、ならびにこの場合、1つの酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を伴う合成短鎖トリグリセリドは、所望の合成「乳脂肪」トリグリセリドをもたらす。さらなる実施形態は、わずかに異なる風味プロファイルをチューニングするように、多様な短鎖トリグリセリド、例えば、ヘキサン酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸および酪酸を含む短鎖トリグリセリド;ヘキサン酸およびデカン酸を含む短鎖トリグリセリドを組み込むことを含む。したがって、方法および組成物は、合成短鎖トリグリセリドの、ヒマワリ油トリグリセリドとの多様な組合せであって、異なる風味プロファイルを結果としてもたらす組合せを提供する。
合成ミルク
本発明の微生物由来のタンパク質を含む合成ミルク配合物についての例示的な実施形態は、実施例4において例示される。例えば、本配合物は、ウシカゼインの4つのサブユニット全て:α−s1−カゼイン、α−s2−カゼイン、β−カゼインおよびκ−カゼインならびに2つのホエータンパク質であるα−ラクトアルブミンおよびβ−ラクトグロブリンを、配合物中の主要なミルクタンパク質の成分として組み込む。例示的な合成ミルク配合物は、図1において示される通り、植物ベースのエステル交換された脂肪をさらに含む。さらなる成分は、炭水化物および灰分を含む。結果として得られるミルク代用品は、天然のミルク様に見え、機能し、天然のミルク様の味がし、匂いがし、天然のミルク様に感じられる特徴を呈する。本発明の鍵となる様相のうちの1つとして、合成ミルクのための配合を改変することは、油含量、すなわち、異なる風味のミルクを模倣するように添加されるトリグリセリドの種類をモジュレートすることにより、フレーバリングのような異なる感覚印象を呈しうる。
Young W.Park、「Bioactive Components in Milk and Dairy Products」、Technology & Engineering、60ページ、2009において記載されている通り、ステロールは、ミルク中の総脂質の副次的な画分であり、主要なステロールは、コレステロールである(脂肪100g当たり300mg、牛乳100mL当たり10mgと同等)(Parkら、Small Rumin.Res.、68:88−113、2007)。ヤギミルクは、他のミルクより含有するコレステロールが少ないが、一般に牛乳より多い量の総脂肪を含有することが示されている。Posatiら、1976、「Composition of Foods」、「Agric.Handbook」、8−1号、ARS、USDA、Washington、D.C.、1976を参照されたい;Jenness、J.Dairy Sci.、63:1605−1630、1980;およびJuarezら、Intl.Dairy Fed.Bull.、202号、54−67ページ、1986は、ヤギミルクのパルミチン酸画分およびオレイン酸画分が、牛乳より大きいことを示している。コレステロール含量は、異なる品種間において大きく変動し、ヤギミルク中の大半のコレステロールは、遊離状態であり、エステル形態にあるのは、脂肪100g当たり52mgと、わずかな割合のみであった。例えば、Aroraら、Ind.J.Dairy Sci.、29:191を参照されたい。
ある特定の実施形態において、本発明の方法および組成物は、油含量、すなわち、トリグリセリドの種類をモジュレートすることにより、乳成分含有ミルクと比較して、コレステロールが少ない、またはコレステロール非含有であるまたは同じコレステロール含量を有する合成乳製品を提供する。他の実施形態において、乳製品代用品中の飽和脂肪および不飽和脂肪の量もまた、乳成分含有ミルクと比較して、少なくとも少量または同量の脂肪へとモジュレートされる。好ましい実施形態において、本発明の合成乳製品は、飽和脂肪が極めて低量であるが、乳成分含有ミルク様の匂いおよび味がする。ミルクにおいて、典型的に、飽和脂肪酸である長鎖脂肪酸は、本発明の好ましい実施形態において、代わりに、オレイン酸のような一価不飽和酸である。
本発明は、各成分が、配合工程を介して組み合わせる前に、個別に滅菌されうるので、低温殺菌を必要としないことがある、または少なくともそれを最小限に留める。本発明の他の実施形態において、本発明の合成乳製品は、低温殺菌を経る場合がある。
天然のミルクの場合と同様、ホモジナイゼーションは、本発明の方法および組成物について任意選択である。単体の液体飲料として販売される場合、本発明の合成乳製品は、ホモジナイズされた形態により販売されうる。
本発明のミルク代用品と乳成分含有ミルクとの間の差違は、風味、栄養価および保管安定性を含む。フレーバリングは、所望の感覚印象が得られるように、トリグリセリドのほか、穏やかさもしくは鋭さを付与しうる、他の天然風味もしくは人工風味またはウシ、ヤギ、ココナツ、アーモンドもしくはダイズのような異なる香りに基づき調整されうる。
合成チーズ
本発明の他の態様において、1つ以上の単離されたミルクタンパク質の成分、脂肪、炭水化物および灰分を含む方法および組成物であって、多様な種類のチーズ生成物を作製する方法および組成物が提供される。一般に、チーズは、本発明のミルクタンパク質の成分から作られる。1つ以上の感覚印象は、トリグリセリドをモジュレートすることを介して、チーズ生成物へと組み込まれる。したがって、顕著に異なる外見、香り、味および触感と共に、所望の官能特徴を伴うチーズが作製されうる。一部のチーズ品種については、トリグリセリドをモジュレートすることに加えて、1つ以上の細菌が、発酵生成物および乳酸、二酸化炭素、アルコール、アルデヒドおよびケトンのような副生成物が生成する発酵のために、チーズ作製工程において利用されている。チーズの種類は、リコッタおよびモッツアレラのようなホエーチーズ、ハバーティおよびマンステルを含むセミソフトチーズ、スイスおよびヤールスバーグのようなミディアム−ハードチーズ、チェダーのようなハードチーズならびにブリーおよびカマンベールのような熟成ソフトチーズを含む。
合成クリーム
直接使用可能なクリーム代用品は、好ましくは、約50から90重量%の水、およびより好ましくは、約65から80重量%の水を含み、ベースを水中に分散させるものとする。代用品クリームのためのベースは、約22から87重量%の炭水化物(より好ましくは、約30から64%)、約12から70重量%の粒子状脂肪(最も好ましくは、約28から60%)、および約0.4から8重量%の選択された乳化剤またはこの群(最も好ましくは、約1から4%)を含有すると有利である(全ての百分率は、ベースの総重量を100%として使用して算出される)。
好ましい実施形態において、本発明の生成物は、水性エマルジョンにおいて安定である。本明細書で使用される、乾燥させた、液体の、脂肪を含有する乳成分非含有食品は、以下:再構成されたエマルジョンの安定性、白色化能力、オイリングまたは油分離、フェザリング−沈殿の最低限の基準が満たされた場合に、「安定」であるという。米国特許第4,310,561号を参照されたい。
合成バター
市販のバターは、80〜82%の乳脂肪、16〜17%の水、および1〜2%の脂肪以外のミルク固体(場合によって、カードと称する)である。
本明細書において提示される乳製品代用生成物または組成物の利点
本発明の所望の利点は、エネルギー効率が従来の乳製品の8倍であり、水効率が260倍であるように、性質が環境的なことである。他の環境的利点は、1L当たり約1000Lであると推定される、従来のミルク作製より少ない水使用、および耕作地、牧草地を典型的に必要とする従来のミルク作製のための土地使用の軽減、従来のミルク作製から排出される、年間6000億kgの二酸化炭素を低減する能力を含む。本発明はまた、飼料、作業、労務、動物および販売の費用の低減または廃棄ももたらす。飼料費を実質的に8分の1に低減することが好ましい。
食品の安全性における利点は、抗生剤残留物、重金属、細菌、偽和物の低減または除去を含む。したがって、本発明のある特定の態様は、細菌非含有であり、低温殺菌または低温出荷を必要としないが、保管寿命が長く、それらの従来の乳製品の対応物と同一であるまたは少なくとも酷似する、味特性、外見特性、ハンドリング特性および口当たり特性のような、多数の特徴を呈する動物由来成分非含有ミルクを提供する。好ましくは、乳製品代用生成物は、ブルセラ(Brucella)属、カンピロバクター(Camplyobacter)属、リステリア(Listeria)属、マイコバクテリウム(Mycobacterium)属、サルモネラ(Salmonella)属、シゲラ(Shigella)属、エルシニア(Yersinia)属、ジアルジア(Giardia)属のような細菌およびノロウイルスを本質的に含有せず、こうして、摂取に安全である。さらなる利点は、低温殺菌および/またはホモジナイゼーションが最小限である、または行わないことを含む。より好ましくは、乳製品代用品は、生産および販売のための、比較的長期にわたる(例えば、少なくとも3週間および好ましくはより長期にわたる)保管において安定である。なおより好ましくは、乳製品代用生成物は、環境的影響が小さい。
下記において、例示のための実施例の適用に言及しながら、本発明のいくつかの態様が記載される。本発明の完全な理解をもたらすように、多数の具体的な詳細、関係、および方法が明示されることを理解されたい。しかし、当業者は、本発明が、具体的な詳細のうちの1つ以上を伴わずに実施される場合もあり、他の方法により実施される場合もあることをたやすく認識する。
[実施例1]
ベクター
ウシα−S1カゼイン(UniProt受託番号P02662)、ウシα−2カゼイン(UniProt受託番号P02663)、ウシβ−カゼイン(UniProt受託番号P02666)、ウシκ−カゼイン(UniProt受託番号P02668)、ウシα−ラクトアルブミン(UniProt受託番号B6V3I5)およびウシβ−ラクトグロブリン(UniProt受託番号P02754)のタンパク質配列は、Uniprot.orgにおいて得、以下の変化により変更した:N末端からの15または21残基のシグナルペプチドの除去;DNAの5’末端へのXhoI(CTC GAG)エンドヌクレアーゼ認識配列およびKEX エンドペプチダーゼ認識配列(AAA AGA)の付加;およびDNAの3’末端へのSalI(GTC GAC)エンドヌクレアーゼ認識配列の付加。4つのカゼインの配列を、上記において示された順序において組み合わせ、以下のDNAフレーズ:
Figure 2017528162
によって、各配列を分離することにより、さらなる組合せ配列を製作した。
[配列中、下線が付されていないセグメントは、適切な翻訳後スペーシングおよびKEXプロテアーゼへのアクセス可能性のための(GS)リンカー配列をコードし、下線が付されたセグメントは、翻訳後にタンパク質を切り離す、KEXエンドペプチダーゼ配列をコードする。]上記の通り、カセットの全体を、pKLAC2(New England Biolabs、Beverly、MA)へのライゲーションのために、5’末端においてXhoIにおよび3’末端においてSalIに隣接させる。DNAは、Gen9、Inc.(Cambridge、MA)またはIDT(Coralville、IA)が合成した。使用されるプラスミドは、とりわけ、複数のクローニング部位である、Lacプロモーター、アセトアミドベースのレポーター遺伝子、および外因性タンパク質を分泌させるための融合タンパク質として使用されるアルファ−接合因子遺伝子を有していた。
酵母へのトランスフェクション
酵母のトランスフェクションは、0.5mLのコンピテント細胞の試験管であって、25%のグリセロールを含有する試験管を、氷上において融解させ、0.62mLの酵母へのトランスフェクション試薬を添加することにより達成した。次いで、混合物を、30℃で30分間にわたり加熱し、37℃において、1時間にわたり熱ショックにかけた。次いで、細胞を、7000rpmにおいてペレット化させ、1.0mLのYPGal培地により、2回にわたり洗浄した。次いで、細胞混合物を、滅菌の培養用試験管へと移し、300rpmの定速において振とうしながら、30℃で3時間にわたりインキュベートした。次いで、細胞混合物を、滅菌の1.5mLマイクロ遠心管へと移し、細胞を、7000rpmにおいて、2分間にわたりペレット化させ、1倍濃度の滅菌PBS 1mL中に再懸濁させた。10、50および100μLの細胞懸濁液を、各々が50μLの滅菌脱塩水を含有する、別個の、未使用の滅菌1.5mLマイクロ遠心管に入れた。遠心管を、短時間にわたり混合し、選択のために5mMのアセトアミドを含有する、個別の酵母カーボンベースの寒天(YCB Agar)プレートへと塗布した。次いで、プレートを、コロニーが形成されるまで、30℃で4日間にわたり、反転させてインキュベートした。次いで、15個の個別のコロニーを、5mMのアセトアミドを含有する、未使用のYCB Agarプレートへと画線播種し、30℃で2日間にわたりインキュベートした。
2つの鍵となるホエータンパク質である、アルファ−ラクトアルブミンおよびベータ−ラクトグロブリンをコードするDNAは、社内においてデザインし、IDTによる合成を委託し、販売元により供給されたプロトコールに従い、New England Biolabsキット(カタログ番号E1000S)によるコンピテントなK.ラクティス(K.lactis)細胞にトランスフェクトした。
ハイスループットのトランスフェクト細胞の選択
各YCB Agarプレートからのコロニーが十分に増殖したら、30枚のプレートの各々を、ベクタープラスミドの組込みの成功について調べた。これに続いて、各プレートを、ベクターの複数の構成要素を伴う特別な細胞について調べる、PCR解析を行った。単離されたら、産生が最高度である個別の培養物を、スケールアップのために使用した。この工程は、コロニーにおいて、本発明者らにより操作されたプラスミドが高コピー数となるように、選択圧の濃度を徐々に上昇させて反復しうる。
5回にわたるトランスフェクションイベントを実施し、窒素非含有の酵母カーボンベースの培地からなる、5枚の個別のプレートに播種した。(したがって、これらのプレートにおいて観察される、任意の増殖は、外因性DNAそれ自体の取込みでなくとも、プラスミドの取込みの成功を示唆する。)これらの5枚のプレートのうち、100%が、陽性の増殖を示した。5枚のプレートからの、30個の個別のコロニーを、スケールアップのために選択した。各コロニーを、個別のYCB寒天プレートにおいて増殖させて、容易な特徴づけおよび管理を可能とする、ホモ接合性培養プレートを創出した。3日間にわたる増殖期間の後、タンパク質の発現について調べるように、各プレートに由来する単一のコロニーを、まず、2mlのYPGal培地を含有する、10mlのガラス製の培養用試験管に添加した。2日間にわたる増殖期間の後、タンパク質の発現について点検するように、細胞を、ペレット化させ、上清を、SDS PAGEゲルにおける泳動にかけた。最良のタンパク質発現をもたらした株を、10ml、100ml、500mlの培養容器へとスケールアップし、最終的に、1Lの培養容器へとスケールアップした。各ホエータンパク質から、2リットルの培養物を増殖させた。総量から約1グラムのタンパク質が採取されたことは、収率/生産性が0.5g/Lと最適化されていないことを示唆する。
1Lの振とうフラスコ培養物によるスケールアップ
培養物を、スケールアップし、継代比を、少なくとも1:10として、1L振とうフラスコに播種する。播種の前に、接種フラスコの内容物を、アセトアミドを補充しない産生培地中、24時間にわたり増殖させる。流加培養による産生試行の開始日において、反応槽に、標的出発容量の90%をチャージし、試行温度まで加熱する。差し当たり、反応槽の加熱と関連するエネルギー費用を節減するために、温度を、30℃に設定する。さらなるパラメータは、工程最適化フェーズにおいて探索することができる。反応槽が30℃に達したら、蠕動ポンプを使用して、接種フラスコの内容物を、反応槽に、滴下しながら添加する。反応槽を、販売元により供給されているソフトウェアを使用して、標的pHに維持する。反応槽のpHの測定および溶存したガスの測定のための二重の点検として、細胞によるグルコース使用および電解質使用の量を定量化するために、反応槽の培養液から、毎日2回、試料を採取する。各測定の後、当初、標的グルコース濃度を10%に維持するように、ボーラスによりグルコースを添加するが、これもまた、工程の開発時に変更することができる。細胞が最大密度に達したら、本発明者らのpKLAC2プラスミドに対するプロモーターを誘発する、ガラクトースを添加することにより、タンパク質の産生を誘発する。ガラクトースは、試行の終点まで補充する。試行の最適の長さもまた、工程の開発時に決定しうるが、5日間の流加培養として設定する。全試行の後、酵母細胞を、反応槽から除去し、タンパク質を、下記に論じられる通りに精製する。
カゼインタンパク質の精製
以下のカゼインタンパク質:α−s1カゼイン、α−s2カゼイン、およびβ−カゼインは、元来疎水性であり、酵母から分泌され、水と接触すると、析出する。反応槽培地からの精製は、培地の表面からのタンパク質の回収に続き、純粋なタンパク質を単離するための乾燥を伴う。カッパ−カゼインは、元来親水性であり、κ−カゼインの精製は、溶液のpHを4.6へと変化させるのに続いて、10,000rcfにおける遠心分離を伴う。カゼインカセットの組合せも、κ−カゼインと同様に働く。
ホエータンパク質の精製
アルファ−ラクトアルブミン:アルファ−ラクトアルブミンの等電点は、4.2である。バイオリアクターの培養液のpHを、4.2へと低下させると、タンパク質の可溶性は、その最低となる。これは、タンパク質を、溶液から引き出し、遠心分離による回収を可能とする。ベータ−ラクトグロブリン:アルファ−ラクトアルブミンの精製と同様に、溶液のpHを、ベータ−ラクトグロブリンの等電点である5.2へと低下させる。これは、タンパク質の電荷を中和し、14,000rcfにおける遠心分離によるその回収を可能とする。
タンパク質の精製
酵母細胞をペレット化させるのに、2Lの培養培地を、フロア型遠心分離機内、3,000gにおいてスピニングする。ペレットを、廃棄し、上清を、新規の槽へと移し、溶液のpHを、アルファ−ラクトアルブミンについては、4.2へと低下させ、ベータ−ラクトグロブリンについては、5.2へと低下させる(図2A)。これに続き、振とうフラスコ内、35℃において、30分間にわたる、上清のインキュベーション、フロア型遠心分離機内、14,000gにおける遠心分離を施して、タンパク質混合物をペレット化させる(図2B)。
タンパク質の特徴づけ
遠心分離によるタンパク質の分離の後、タンパク質の発現について点検するように、固体ペレットおよび上清溶液を、14%のSDA−PAGEゲル上において泳動させる。14kDaおよび18kDaにおいて、陽性のバンドが観察されたが(図3)、これらは、それぞれ、ウシ由来のアルファ−ラクトアルブミンおよびベータ−ラクトグロブリンのサイズと相関する。一次配列、グリコシル化およびリン酸化に関する同等性を確認するために、さらなる特徴づけを行う。
[実施例2]
トリグリセリドの合成
乳脂肪トリグリセリドは、短鎖トリグリセリドを、カスタムで操作されたヒマワリの変異体であって、表1に記載された、以下の比:
Figure 2017528162
www.sunflowernsa.com/uploads/resources/51/warner_.pdf
の脂肪酸エステルを発現させる変異体に由来する油である、高オレイン酸ヒマワリ油へとエステル交換することにより作った。
短鎖トリグリセリドの調製
ミルクおよびクリームにおける、リッチ風味の主因をなす短鎖脂肪酸は、4および10の間の偶数の炭素を伴う分子であり、表2に記載された以下の比:
Figure 2017528162
www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC2596709/pdf/FNR−52−1821.pdf
により混合する。
Figure 2017528162
表3における画分は、ウシのミルク中のこれらの種の相対存在度に基づくが、より良好な味の生成物をデザインすること、およびバッファローまたはヤギのような他の種のミルクをデザインすることの両方のために、工程の開発時に変更することができる。上記において示された質量比における短鎖脂肪酸を、凝縮反応において生成する水を除去するため、エステル化反応のために一般に使用される、ディーン−スタークウォータートラップにおいて、トルエン、パラトルエンスルホン酸、およびグリセロールと組み合わせる。反応は、ウォータートラップに流入する水のレベルが、30分間を超えて変化しないことが観察されるまで、ドラフトにおいて、数時間にわたり実行する。槽を、冷却し、混合物を、反応フラスコから取り出す。混合物を、5%の炭酸ナトリウム溶液により、2回にわたり洗浄し、淡水により5回にわたり洗浄する。分液ロートおいて形成されるエマルジョンを破壊するために、塩水(水中に10%のNaCl溶液)を、定期的に添加する。食品汚染の可能性を最小限にするために、短鎖トリグリセリド、水、トルエン、および不純物の、洗浄された混合物を、十分過剰に乾燥するまで、90℃および54ミリバールの雰囲気下にあるロータリーエバポレーター内において1時間乾燥させる。
エステル交換
短鎖トリグリセリド混合物を、1:8の容量比において、高オレイン酸ヒマワリ油と組み合わせる。エステル交換を触媒するために、油混合物の質量のうちの1%と等しい質量のナトリウムメトキシドを添加し、反応槽を、不活性のアルゴン雰囲気下において、6時間にわたり、持続的に攪拌しながら、65℃へと加熱する。反応をクェンチングするのに、5%の酢酸混合物を添加し、次いで、油を、5回にわたり、脱塩水により洗浄し、>90℃において、1時間にわたり、ロータリーエバポレーター内において乾燥させる。最終の乳脂肪は、滅菌性を確実にするように、オートクレーブ処理するので、上記で記載したミルクまたはクリームにおける使用に適する。
[実施例3]
ミルクの配合
1つの非限定的なミルク組成物の配合について、下記に記載する。
Figure 2017528162
表4に従い、ミルクの配合を、ミルク1リットル当たり、以下の手順を介して達成する。26グラムのカゼイン、3.5グラムのホエーおよび5グラムの灰分を組合せ、十分に混合する。40mLのトリグリセリドを、融解させ、55℃へと加熱する。タンパク質混合物を、トリグリセリドへと、ゆっくり注ぎ、高速において、5分間にわたり、ボルテックスする。この間、3.5グラムのホエーおよび24グラムのガラクトースを、850mLの脱塩水に添加し、混合物を、37℃へと加熱する。トリグリセリド/タンパク質/灰分の混合物を、Waring製の市販のブレンダーへと移し、低速においてブレンドする。ホエー/ガラクトース/水の混合物を、ブレンダーへとゆっくり注ぎ、ブレンダーにキャップを取り付ける。混合物を、高速において、10分間にわたりブレンドする。1000mLの最終容量まで、脱塩水を添加する。ミルクは、任意選択により、既存の方法を使用して、ホモジナイズすることができる。上記のプロトコールは、クリームまたは任意のミルク配合物に応じて、固体の比を変更することにより、変更しうるが、本発明者らによる予備的な調査研究は、タンパク質混合物中に灰分が存在し、かなりの比率のホエーが分離することが、エマルジョンの品質に大きな影響を及ぼしうることを示唆する。
[実施例4]
合成ミルク配合物
予備的な概念実証として、鍵となるミルクの成分を組み換えて、ミルクを形成しうるのかどうかを決定するために、乾燥食品グレードの精製されたカゼインおよび調査研究グレードのホエーを購入した。アイリッシュクリームは、地域の供給元から得、純粋脂肪は、クリームを、14,000gにおいて遠心分離することにより、クリームから単離した。最後に、使用された全てのミネラルを、Sigma Aldrichから購入された。
用語:
Cルー=混合物の温度を37℃に維持しながら、カゼインタンパク質および脂肪を併せて混合することにより作られるルーである。
Wルー=混合物の温度を37℃に維持しながら、ホエータンパク質および脂肪を併せて混合することにより作られるルーである。
CWルー=まず、カゼインタンパク質およびホエータンパク質を、混合物中に併せて混合し、脂肪を添加し、37℃において混合することにより作られるルーである。
Figure 2017528162
口当たりの不良(例えば、水っぽさ)は、ホエータンパク質の欠如に起因したと仮定される。
Figure 2017528162
口当たりの不良は、カゼインによるミセル形成が不良なためであり、Caの添加は、ミセルの再形成を可能とすると仮定される。
Figure 2017528162
味を改善するため、異なる糖を、異なる濃度において、上記の混合物に添加した。
Figure 2017528162
天然において見出されるイオン環境を再創出するように、牛乳中に見出される全てのさらなるイオンを組み込んだ。
出典:R.Rosmaninho、L.F.Melo、Journal of Food Engineering、73(2006)379−387
Figure 2017528162
最終的な結果として、おそらくイオン環境が、ミルク中に存在する固体がくっつき合うのを妨げ溶液の全体的な屈折率を増大させたために、明白色の液体が得られた。味は優れていたが、口当たりは平均的であった。(例えば、ある特定の量のチョーキネスが、液体中に観察された。)表9に記載した、正確なミネラル組成は、優れた口当たりをもたらしうる。
乳脂肪の合成
合成乳脂肪は、短鎖脂肪酸を、高オレイン酸ヒマワリ油トリグリセリドにおいて存在する、長鎖脂肪酸間でエステル交換することにより作る。使用された4つの短鎖は、
40%のC4:酪酸:ミルク、とりわけ、ヤギ、ヒツジおよびバッファローのミルク、バター、パルメザンチーズにおいて見出され、嫌気性発酵(結腸内の発酵および体臭を含む)の生成物として見出される。酪酸は、不快な臭気および刺激性の味、ほのかに甘い後味を有する(エーテルと同様の)。酪酸は、ヒト吐瀉物中に存在し、その主要な特徴的臭気となる;
26%のC6:カプロン酸:無色の油状の液体であり、脂肪様、チーズ様、蝋様の匂い、およびヤギまたは他のバーンヤード動物の匂いと同様な匂いを伴う;
11%のC8:カプリル酸:油状の液体である。水中の可溶性が最小限であり、わずかに不快な酸敗様の臭気および味を伴う;
22%のC10:カプリン酸:風味についてあまり語られていないが、炭素鎖が長くなるほど、得られる風味は弱まる。カプリン酸は、ココナツ油中に存在するので、他の脂肪酸ほど乳脂肪の風味そのものというわけではない、
であった。
反復は、牛乳中の総脂肪酸含量のうちの2.9%に存在する、ラウリン酸(C12)を含む(Beare−Rogers,J.、Dieffenbacher,A.、Holm,J.V.(2001)、「Lexicon of lipid nutrition(IUPAC Technical Report)」、Pure and Applied Chemistry、73(4):685−744、doi:10.1351/pac200173040685)。
Yuら、「The modificaiton an analysis of vegetable oil for cheese making」、J.Am.Oil Chem.Soc.、77:911(2000)において記載されている以下の手順は、下記で指定される量の4分の1の量において踏まれている。
乳脂肪試料について見出される同じ比[上記を参照されたい]の、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、およびカプリン酸(Sigma Chemical Co.、St.Louis、MO)ならびに合計7.26モル、21.42gのp−トルエンスルホン酸(Sigma Chemical Co.)、2.305モルのグリセロール(Sigma Chemical Co.)、および458mLのトルエン(Fisher Scientific)の混合物を、ディーン−スタークウォータートラップにより、6時間にわたり潅流させた。トラップへと水が滴下しなくなったら、反応は、完了したと考えた。SCTGは、5%の炭酸ナトリウム溶液により1回洗浄し、水により何回かにわたり洗浄した。次いで、SCTGは、水およびトルエンを除去するように、ロータリーエバポレーター内、85℃において加熱した。
乳脂肪の百分率と同じ百分率のSCFAを有する脂肪を作製するために、市販の供給元および天然の供給源の両方に由来するSCTGを、SCTG/HOSO比を1:8.82として、HOSO(Trisun 80、RBD;AC Humko、Memphis、TN)とエステル交換する。また、市販の供給元に由来するSCTGも、乳脂肪中のレベルの120%と等しいレベルのSCFAを有する脂肪を作製するのに、SCTG/HOSO比を1:7.19として、エステル交換する。ナトリウムメトキシド(Aldrich Chemical Company、St.、Louis、MO)は、総油重量のうちの0.5%において、触媒として使用する。反応は、65℃の窒素下において、6時間にわたり攪拌しながら実行した。次に、触媒を中和するように、5%の酢酸(Fisher Scientific)を添加し、次いで、油を、蒸留水により、何回かにわたり洗浄し、ロータリーエバポレーター上、90℃において、30分間にわたり乾燥させる。
パイロットスケールの持続型脱臭器であって、Smouse(Smouse、T.H.、「A Laboratory Continuous Deodorizer」、inform、8:1176−1181(1997))により記載されている脱臭器と同様の脱臭器を、エステル交換された油を脱臭するのに使用する。油の流量は、600mL/時であり、カラムの温度は、180℃であり、圧力は、0.5Torrであり、蒸気量は、12.6mL/時である。風味を確認するのに、脱臭された油の各バッチを味見する。脱臭された油は、チーズを作るために使用されるまで、4℃で保管する。
[実施例5]
脂肪酸のモジュレーション
3つのオレイン酸を伴うヒマワリ油トリグリセリドを、合成乳製品の混合物中の脂肪組成の一部として、1つの酪酸、1つのヘキサン酸、および1つのオクタン酸を含有する、4つの短鎖脂肪酸によりエステル交換する。この脂肪のアレイまたは組合せは、天然の乳成分含有ミルクと比較した、そのリッチ風味をもたらす、合成乳脂肪を結果としてもたらすことが予測される。1つ以上のトリグリセリドの組成を制御する能力は、合成乳成分含有生成物の風味プロファイルを増強するまたは変化させる可能性が高い。したがって、バター状、ナッツ風、甘い、酸味、フルーツ風、フローラル、苦い、木材風、土臭い、豆風、スパイシー、金属的、甘い、かび臭い、オイル風およびビネガー風の感覚印象と関連する複数の芳香族化合物を含むがこれらに限定されない、長鎖および短鎖のマトリックスは、風味プロファイルに寄与しうる。加えて、対応する乳成分含有生成物と比べた、クリーミーネスのような触感の増大、溶融特徴または溶融耐性の改善および伸縮能力の増大を呈することもある。
[実施例6]
組換えによるミルクタンパク質の産生
アルファ−ラクトアルブミン、β−ラクトグロブリン、α−S1−カゼイン、α−S2−カゼイン、β−カゼイン、およびκ−カゼインは、組換え酵母株(ピキア・パストリス)株において産生させた。酵母におけるグリコシル化酵素は、哺乳動物細胞と異なるので、酵母により産生されるタンパク質は、グリコシル化されていないまたは哺乳動物以外のグリコシル化パターンを有する。産生されたタンパク質は、本明細書において記載された組成物のうちのいずれかにおける成分として使用することができる。
プラスミド
各タンパク質を発現させるために、プラスミドを構築した。各プラスミドは、以下の構成要素:発現させる各タンパク質の誘導的プロモーター(例えば、AOX1プロモーター)または構成的プロモーター(GAPプロモーターまたはPGKプロモーター);発現させる各タンパク質のシグナルペプチドをコードする配列であって、天然のウシタンパク質配列に由来する配列または酵母タンパク質配列(アルファ接合因子またはOST1)に由来する配列;発現させるミルクタンパク質をコードする配列;発現させる各タンパク質の酵母転写ターミネーター配列(例えば、AOX1、AOD、またはCYC1);E.コリーにおけるプラスミドの複製を可能とする、pUC19に由来する細菌複製起点;および抗生剤による、細菌および酵母における選択を可能とする、選択マーカーカセット(例えば、kanRまたはzeocinR)を含んだ。
異なるタンパク質を作製するのに使用される異なるプラスミドを、下記の表10に列挙する。
Figure 2017528162
Figure 2017528162
Figure 2017528162
次いで、これらのプラスミドを発現させるために、野生型のP.パストリスへと組み込んだ。タンパク質の産生は、SDS−PAGE、ELISA、およびウェスタンブロットにより検出した。
アルファ−ラクトアルブミン
株の構築
ウシアルファ−ラクトアルブミン(bvLAA)の発現を、天然のLAAシグナルペプチド(pJAG−nat−LAA)、全長アルファ接合因子シグナルペプチド(pJAG−aMF−LAA)、またはOST1シグナルペプチド(pJAG−OST−LAA)と共に、メタノール誘導性プロモーターであるPAOX1の制御下に置く、3つのプラスミドを創出した。
形質転換の前に、20μgの各プラスミドを、制限酵素であるSacIによる消化を介して直鎖化した。次いで、消化されたプラスミドを、エタノール沈殿により濃縮し、10μlの蒸留水中に再懸濁させた。
コンピテントなピキア・パストリス細胞は、以下の通りに調製した。P.パストリスの培養物を、YPD培地(10g/Lの酵母抽出物、20g/Lのペプトン、20g/Lのデキストロース)において、対数期(OD600を約1.0とする)まで増殖させた。1.5mLのアリコートを、遠心分離により採取し、次いで、YPD+20mMのHEPES(pH8):1Mの酢酸リチウムの1:1混合物1mL中に再懸濁させた。1Mのジチオトレイトール10μLを添加した後、細胞を、300rpmのシェーカー内、30℃において、15分間にわたりインキュベートした。細胞を、遠心分離によりペレット化させ、1Mの氷冷ソルビトール1mLにより、3回にわたり洗浄した。最終的な洗浄の後、細胞を、1Mのソルビトール50μL中に再懸濁させた。
細胞を、冷却された2mmのエレクトロポレーションキュベットにおいて、直鎖化されたプラスミドDNAと組み合わせ、1.5kVのパルス(25μF、200Ω)にかけた。細胞を、YPD:1Mのソルビトールを1:1とする低温の200μLを伴う培養用試験管へと移し、30℃(300rpm)において、2時間にわたり回収した。最後に、細胞は、ゼオシンを含有するYPD寒天プレートへと播種し、30℃で2日間にわたり増殖させた。
タンパク質の発現
コロニーを寒天プレートから選び取り、1%のBMD(0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、1.1%のグルコース)750μL中、30℃、300rpmにより増殖させた。48時間後、900μLの培養物を使用して、750μLのBMM2(0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、1%のメタノール)に接種した。24時間後、150μLのBMM10(BMM10:0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、5%のメタノール)、および試料を、さらに1日後における解析のために採取した。
解析
タンパク質の発現は、遠心分離されて、細胞塊を除去された培養物の試料において解析した。次いで、清明化させた上清を、SDS−PAGE、ELISA、およびウェスタンブロットにより査定した。
SDS−PAGEを介して、総タンパク質を視覚化するため、細胞非含有上清を、SDS−PAGE試料緩衝液により処理し、煮沸し、10%のポリアクリルアミドゲル上において泳動させた。ゲルは、SYPRO Ruby色素(Life Technologies)により染色した。結果として得られたゲルは、OST1または天然のラクトアルブミンシグナルペプチドを使用して、α−ラクトアルブミンの分泌が生じることを示す(図4)。
ELISAを介してタンパク質の力価を測定するため、各試料25μLずつを、半分の面積の96ウェルマイクロ滴定プレートに入れ、4℃において、一晩にわたり結合させた。試料を取り出した後、結合表面を、各ウェルをトリス緩衝生理食塩液(50mMのトリス、pH7.6、150mMのNaCl)中に溶存させた1%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)により満たし、室温において1時間にわたりインキュベートすることを介して、ブロッキングした。次いで、試料を、1%のBSA/TBS+0.1%(v/v)のTween−20により希釈された一次抗体中で、1.5時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる3回にわたる洗浄の後、試料を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる、3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(TMB Single Solution、Life Technologies)を添加し、650nmにおける吸光度を測定した。結果として得られたデータは、α−ラクトアルブミンが、天然のα−ラクトアルブミンシグナルペプチドまたはOST1シグナルペプチドを使用して分泌された(図5)ことを示す。
ウェスタンブロットを介して試料を解析するため、一容量の試料を、等容量のSDS−PAGE試料緩衝液と組み合わせ、10%のポリアクリルアミドゲル上において泳動させた。タンパク質を、ニトロセルロース膜へと転写し、これを、1%のBSA/TBSにより、1時間にわたり処理することを介してブロッキングした。1%のBSA/TBS+Tweenにより希釈された一次抗体と共に、1.5時間にわたりインキュベートしたで、ブロットを、TBS+Tweenにより、3回にわたり洗浄した。次いで、ブロットを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる、3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(1−Step Ultra TMB Blotting Solution、Thermo Fisher)を添加した。染色が完了した後、ブロットを、蒸留水により洗浄した。
ベータ−ラクトグロブリン
株の構築
ウシベータ−ラクトグロブリン(bvLGB)の発現を、メタノール誘導性プロモーター(pLH37内のPAOX1)または2つの構成的プロモーター(pLH44内のPGAP、またはpLH45内のPPGK)のうちの1つの制御下に置いて、3つのプラスミドをアセンブルした。
形質転換の前に、20μgのpLH37を、制限酵素であるSacIによる消化を介して直鎖化した。同じ量のpLH44およびpLH45を、酵素であるApaLIにより直鎖化した。次いで、消化されたプラスミドを、エタノール沈殿により濃縮し、10μlの蒸留水中に再懸濁させた。
コンピテントなピキア・パストリス細胞は、以下の通りに調製した。P.パストリスの培養物を、YPD培地(10g/Lの酵母抽出物、20g/Lのペプトン、20g/Lのデキストロース)において、対数期(OD600を約1.0とする)まで増殖させた。1.5mLのアリコートを、遠心分離により採取し、次いで、YPD+20mMのHEPES(pH8):1Mの酢酸リチウムの1:1混合物1mL中に再懸濁させた。1Mのジチオトレイトール10μLを添加した後、細胞を、300rpmのシェーカー内、30℃において、15分間にわたりインキュベートした。細胞を、遠心分離によりペレット化させ、1Mの氷冷ソルビトール1mLにより、3回にわたり洗浄した。最終的な洗浄の後、細胞を、1Mのソルビトール50μL中に再懸濁させた。
細胞を、冷却された2mmのエレクトロポレーションキュベットにおいて、直鎖化されたプラスミドDNAと組み合わせ、1.5kVのパルス(25μF、200Ω)にかけた。細胞を、YPD:1Mのソルビトールを1:1とする低温の200μLを伴う培養用試験管へと移し、30℃(300rpm)において、2時間にわたり回収した。最後に、細胞は、ゼオシンを含有するYPD寒天プレートへと播種し、30℃で2日間にわたり増殖させた。
タンパク質の発現
メタノール誘導性プロモーター(pLH37)を含有するプラスミドにより形質転換されたクローンにおける発現について査定するため、個別のクローンを、1%のBMD(0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、1.1%のグルコース)750μL中、30℃、300rpmにより増殖させた。48時間後、900μLの培養物を使用して、750μLのBMM2(0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、1%のメタノール)に接種した。24時間後、150μLのBMM10(BMM10:0.2Mのリン酸カリウム緩衝液、13.4g/lの酵母窒素ベース、0.4mg/mlのビオチン、5%のメタノール)、および試料を、さらに1日後における解析のために採取した。
構成的発現(pLH44またはpLH45)を支援するプラスミドにより形質転換されたクローンにおける発現について査定するため、個別のクローンを、300rpmにおいて振とうしながら、PG培地(20g/Lのペプトン、2%のグリセロール)中、30℃において一晩にわたり増殖させた。培養物を、最小限硫酸塩培地中、1:10に希釈した。
Figure 2017528162
48時間後、試料を、解析のために採取した。
解析
タンパク質の発現は、遠心分離されて、細胞塊を除去された培養物の試料において解析した。次いで、清明化させた上清を、ELISAおよびウェスタンブロットにより査定した。
ELISAを介してタンパク質の力価を測定するため、各試料25μLずつを、ハーフエリア96ウェルマイクロ滴定プレートに入れ、4℃において、一晩にわたり結合させた。試料を取り出した後、結合表面を、各ウェルをトリス緩衝生理食塩液(50mMのトリス、pH7.6、150mMのNaCl)中に溶存させた1%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)により満たし、室温において1時間にわたりインキュベートすることを介してブロッキングした。次いで、試料を、1%のBSA/TBS+0.1%(v/v)のTween−20により希釈された一次抗体中で、1.5時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる3回にわたる洗浄の後、試料を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる、3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(TMB Single Solution、Life Technologies)を添加し、650nmにおける吸光度を測定した。結果として得られたデータは、β−ラクトグロブリンの分泌を示す(図6)。
ウェスタンブロットを介して試料を解析するため、一容量の試料を、等容量のSDS−PAGE試料緩衝液と組み合わせ、10%のポリアクリルアミドゲル上において泳動させた。タンパク質を、ニトロセルロース膜へと転写し、これを、1%のBSA/TBSにより、1時間にわたり処理することを介してブロッキングした。1%のBSA/TBS+Tweenにより希釈された一次抗体と共に、1.5時間にわたりインキュベートした後、ブロットを、TBS+Tweenにより、3回にわたり洗浄した。次いで、ブロットを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(1−Step Ultra TMB Blotting Solution、Thermo Fisher)を添加した。染色が完了した後、ブロットを、蒸留水により洗浄した。結果として得られたウェスタンブロットは、β−ラクトグロブリンが、組換え酵母から分泌されたことを示す(図7)。
ウシカゼイン
1つのプラスミドにおいて、α−S1−カゼインの発現を、β−カゼインの発現と共に支援し、別のプラスミドにおいて、α−S2−カゼインの発現を、カッパ−カゼインの発現と共に支援する、二重発現プラスミドを構築した。これらの対形成は、流体ミルク中のα−S1:α−S2:β:κのモル比は、約5.5:1.5:4.0:1.5であり、したがって、同様のコピー数のα−S1−カゼインおよびベータ−カゼイン、ならびに同様のコピー数のα−S2−カゼインおよびカッパ−カゼインを有することが所望であるために選び出された。
ベータ−カゼインおよびα−S2−カゼインを、それらのそれぞれのプラスミドにおいて、PGAP構成的プロモーターの制御下に置く一方、α−S1−カゼインおよびκ−カゼインを、PPGK構成的プロモーターの制御下に置いた。
タンパク質を、分泌経路へと方向付けるために、タンパク質を、それらの天然のシグナルペプチド(pLH46およびpLH47)、またはOST1シグナルペプチド(pLH48およびpLH49)と共に発現させた。加えて、1つのタンパク質を、その天然のシグナルペプチドと共に発現させ、他のタンパク質を、OST1シグナルペプチドと共に発現させるプラスミド:
pLH0050:OST1−ベータ、天然−α−S1
pLH0051:天然−β、OST1−α−S1
pLH0054:OST1−α−S2、天然−κ
pLH0055:天然−α−S2、OST1−κ
も作った。
4つのカゼインタンパク質全てを発現させる株を作出するため、まず酵母細胞を、ベータ−カゼインおよびα−S1−カゼインをコードするプラスミドにより形質転換した。形質転換の前に、各プラスミド20μgずつを、酵素であるApaLIにより直鎖化した。次いで、消化されたプラスミドを、エタノール沈殿により濃縮し、10μlの蒸留水中に再懸濁させた。
コンピテントなピキア・パストリス細胞は、以下の通りに調製した。P.パストリスの培養物を、YPD培地(10g/Lの酵母抽出物、20g/Lのペプトン、20g/Lのデキストロース)において、対数期(OD600を約1.0とする)まで増殖させた。1.5mLのアリコートを、遠心分離により採取し、次いで、YPD+20mMのHEPES(pH8):1Mの酢酸リチウムの1:1混合物1mL中に再懸濁させた。1Mのジチオトレイトール10μLを添加した後、細胞を、300rpmのシェーカー内、30℃において、15分間にわたりインキュベートした。細胞を、遠心分離によりペレット化させ、1Mの氷冷ソルビトール1mLにより、3回にわたり洗浄した。最終的な洗浄の後、細胞を、1Mのソルビトール50μL中に再懸濁させた。
細胞を、冷却された2mmのエレクトロポレーションキュベットにおいて、直鎖化されたプラスミドDNAと組み合わせ、1.5kVのパルス(25μF、200Ω)にかけた。細胞を、YPD:1Mのソルビトールを1:1とする低温の200μLを伴う培養用試験管へと移し、30℃(300rpm)において、2時間にわたり回収した。最後に、細胞を、ゼオシンを含有するPG寒天(20g/Lのペプトン、2%(v/v)のグリセロール、2%の寒天)プレートへと播種し、30℃において2日間にわたり増殖させた。
次いで、上記で記載した手順を使用して、ベータ+アルファS1プレートに由来する6つのクローンを、培養物において増殖させ、DNAの取込みについてコンピテントとした。次いで、それらを、直鎖化されたアルファS2+カッパプラスミドにより形質転換し、G418を含有するPGプレート上、30℃において、2日間にわたり増殖させた。
発現
ウシカゼインタンパク質の産生について査定するため、カゼインを発現させる5つのクローンおよび野生型酵母による陰性対照を、PG培地(20g/Lのペプトン、2%のグリセロール)中、30℃において、300rpmにより振とうしながら、一晩にわたり増殖させた。カゼインを発現させるクローンの5つ全ては、アルファS2−およびκ−カゼインを、それぞれの天然のカゼインシグナルペプチドと共に発現させた。クローンであるsLH115、116、117、および118は、β−カゼインおよびα−S1−カゼインを、それぞれの天然のシグナルペプチドと共に発現させ;クローンであるsLH122は、ベータ−カゼインおよびα−S1−カゼインを、OST1シグナルペプチドと共に発現させた。培養物を、最小限硫酸塩培地中、1:10に希釈した。
Figure 2017528162
48時間後、試料を、解析のために採取した。
解析
タンパク質の発現は、遠心分離されて、細胞塊を除去された培養物の試料において解析した。次いで、清明化させた上清を、ELISAおよびウェスタンブロットにより査定した。
ELISAを介してタンパク質の力価を測定するため、各試料25μLずつを、ハーフエリア96ウェルマイクロ滴定プレートに入れ、4℃において、一晩にわたり結合させた。試料を取り出した後、結合表面を、各ウェルをトリス緩衝生理食塩液(50mMのトリス、pH7.6、150mMのNaCl)中に溶存させた1%(w/v)のウシ血清アルブミン(BSA)により満たし、室温において1時間にわたりインキュベートすることを介してブロッキングした。次いで、試料を、1%のBSA/TBS+0.1%(v/v)のTween−20により希釈された一次抗体中で、1.5時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる3回にわたる洗浄の後、試料を、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる、3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(TMB Single Solution、Life Technologies)を添加し、650nmにおける吸光度を測定した。ELISAデータは、異なる酵母株が、α−S1カゼインおよびβ−カゼインを、培養培地へと分泌しうることを示す(図8)。
ウェスタンブロットを介して試料を解析するため、一容量の試料を、等容量のSDS−PAGE試料緩衝液と組み合わせ、10%のポリアクリルアミドゲル上において泳動させた。タンパク質を、ニトロセルロース膜へと転写し、これを、1%のBSA/TBSにより、1時間にわたり処理することを介してブロッキングした。1%のBSA/TBS+Tweenにより希釈された一次抗体と共に、1.5時間にわたりインキュベートした後、ブロットを、TBS+Tweenにより、3回にわたり洗浄した。次いで、ブロットを、西洋ワサビペルオキシダーゼ(HRP)とコンジュゲートさせた二次抗体と共に、さらに1時間にわたりインキュベートした。TBS+Tweenによる3回にわたる最終的な洗浄の後、発色基質(1−Step Ultra TMB Blotting Solution、Thermo Fisher)を添加した。染色が完了した後、ブロットを、蒸留水により洗浄した。
本実施例におけるデータは、本明細書において記載された、異なる発現ベクターを使用して、異なるミルクタンパク質を分泌するトランスジェニック酵母株を作出しうることを示す。
[実施例7]
組成物を作る方法
下記に記載する具体的な方法を使用して、本明細書において記載された例示的な組成物を作出した。この方法の概略は、図9に示される。
乳製品を調製するため、ミキサー、攪拌プレート、および超音波処理装置のような実験室装置を利用する。大スケールにおける作製のためには、標準的な流体ミルク加工装置を使用するものとする。
図9が示す通り、この組成物を作る方法には、3つの主要な構成要素がある。これらのステップは、
A.タンパク質溶液の調製
B.油混合物の調製
C.ミルク固体の再構成
を含む。
ステップAにおいて、粉末化されたミセル状のカゼインタンパク質およびホエータンパク質を、組み合わせ、ブレンドし(ステップ1)、その後、脱塩(DI)水と混合して(ステップ2)、タンパク質溶液1を得る。典型的に、これは、2.8%の粉末化されたミセル状のカゼイン、0.7%の粉末化されたホエータンパク質、および85.5%の水をこの溶液中に含有する。混合槽には、水の蒸発を防止するように、覆いを施す。この混合は、ミキサー、攪拌プレート、または超音波処理装置により、十分な時間(約30分間)実施する。この混合時間は、全てのタンパク質が、確実に水中に分散するようにする。混合速度は、タンパク質を分散させ、溶液中の空気の閉込めを回避するのに十分な力をもたらす、中速として最適化されている。水含量は、他の含有物の使用に従い調整することができる。
ステップ3において、水中のCaCl、KHPO、およびクエン酸Naの個別の溶液は、天然の牛乳と同様のミネラルプロファイルを調製するのに活用される、ミネラル供給源である。典型的な場合、CaCl溶液の濃度は、0.1g/mLであり、KHPOの濃度は、0.27g/mLであり、クエン酸Na溶液の濃度は、0.21g/mlのクエン酸Naである。KHPOを、クエン酸Na溶液と共に調製するのに使用される水は通例、KHPOの完全な溶解を確実にするために、温熱水である。タンパク質溶液1の混合時に、0.015%のCaClを、ゆっくりと添加する(ステップ4)。使用されるCaCl溶液の容量は、必要とされるCaClの重量パーセントに従い調整する。混合は、タンパク質およびCa2+イオンの間の完全な相互作用を可能とするように、約30分間にわたり持続する。その後、0.27%のKHPOおよび0.21%のクエン酸Naを、5つの部分に分け、各部分を、5から10分間の間隔により、ゆっくりと、混合液に添加する(ステップ5)。0.085%のCaClを、4つの部分に分け、各部分を、5〜10分間の間隔により、ゆっくりと、混合液に添加する(ステップ6)。混合は、タンパク質溶液2を得るように、少なくとも30分間、好ましくは、1〜2時間にわたり持続する。
工程Bにおいて、低速による混合が、異なる油含有物の均質な混合を達成するのに十分である。油混合物1を調製するために下記において使用される各成分のパーセントは、総油混合物1の重量に基づく。まず、65%のヒマワリ油、29%のココナツ油、および2%のトリブチリンを、併せて混合して、油塩基を形成する(ステップ7)。ヒマワリ油およびココナツ油を脱臭して、望ましくない香りを防止する。ヒマワリ油、ココナツ油、およびトリブチリンの組合せは、天然のミルクと同様の脂肪酸プロファイルを模倣しうる。油ベースの含有物およびこの含量は、異なる必要(異なる種類の生成物)に従い調整することができる。香り混合物は、ヒマワリ油中の異なる香り成分を混合することにより調製する(ステップ8)。香りを模倣するのに使用される化合物は、酪酸エチル、δ−デカラクトン、2−フリルメチルケトン、2,3−ペンタンジオン、γ−ウンデカラクトン、δ−ウンデカラクトン、アセトイン、フルフリルアルコール、フルフラール、2−メチルフルフラール、および2−メチルピラジンを含有するがこれらに限定されない。これらの含量は、異なる適用および好みにより調整することができる。2.5%のモノグリセリドおよびジグリセリド、0.6%の遊離脂肪酸、0.5%のリン脂質、および0.4%の香り混合物を添加して、混合により、油混合物1を調製する(ステップ9)。典型的な場合、遊離脂肪酸は、0.15%の酪酸および0.45%のヘキサン酸を含有する。ダイズレシチンを、リン脂質供給源として使用する。ダイズレシチンは、たやすく入手可能であり、廉価である。β−カロテン溶液は、ヒマワリ油中の1g当たりの濃度を0.5mgとして調製する(ステップ10)。4%の油混合物1および0.06%のβ−カロテン溶液を併せて混合して、油混合物2を得る(ステップ11)。β−カロテンの使用を調整して、ミルクの異なる色レベルを達成する。油混合物1の使用はまた、異なる乳製品適用に従っても調整することができる。
工程Cにおいて、油混合物2を、タンパク質溶液2に、ゆっくり添加し、完全に混合して、生成混合物1を調製する(ステップ12)。混合は、ミキサーまたは超音波処理装置により実施することができる。典型的な場合、油混合物2およびタンパク質溶液2を、中速から高速下において混合して、確実に油が水溶液中に均一に分散するようにする。その後、超音波処理を適用して、油球を、より小さなサイズへと分解し、これにより、溶液中のそれらの安定性を増大させる。混合時に、溶液中に気泡が閉込められないようにすることが必要である。少なくとも20分間にわたる混合を用いて、油混合物2を、水溶液に加えて攪拌し、完全に分散させる。4%のマルトース溶液を、生成混合物1に添加し、さらに30分間にわたり継続して混合して、生成混合物2を得た(ステップ13)。甘さは、異なる適用に応じて、糖含量により調整することができる。また、糖の供給源も、必要に応じて調整することができる。最終の総重量を100%にするのに、追加のDI水が必要な場合がある。
集中的なホモジナイゼーション、低温殺菌、および滅菌は、この工程に含まれない。しかし、スケールアップ作製のために、工程Cにおいて、生成混合物を調製するには、これらのステップを適用することが必要となる。
使用された装置
ミキサー:IKA−Labortechnik RW16 Basic、速度レベル(4−6)
チップ型超音波処理装置:Qsonica Model CL−188、振幅:70%
水浴型超音波処理装置:Bransonic Model 1510R−MT
[実施例8]
例示的な配合物
全ミルク、クリーム、高タンパク質ミルク、脂肪非含有ミルク、および糖非含有ミルクと同様の味プロファイルおよび触感プロファイルを有する、例示的な配合組成物は、下記の表11〜15に提示される。
当技術分野において察知されうる通り、表11〜15に列挙された組成物は、実施例7において記載された工程に必要な改変を施すことにより作られる。
Figure 2017528162
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[実施例9]
例示的な組成物
本明細書において記載された方法により作られる例示的な組成物は、図10に示される。図10における組成物は、哺乳動物産生ミルクと見た目(色)、粘性、発泡特性、風味、および栄養価が同様である。図10に示された組成物は、哺乳動物由来のタンパク質を含む。

Claims (23)

  1. (i)野生型哺乳動物β−ラクトグロブリンタンパク質アミノ酸配列に少なくとも80%同一である配列を含む組換えβ−ラクトグロブリンタンパク、(ii)灰分、及びiii)任意選択的に、一又は複数の脂質を含む、乳製品代用食品組成物であって、
    前記組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質は、風味、外見、ハンドリング、口当たり、密度、構造、触感、弾性、弾力性、コアギュレーション、バインディング、リーブニング、エアレーション、発泡、クリーミーネス、及び乳化からなる群から選択される乳製品の一又は複数の特性を、前記乳製品代用食品組成物に付与し、
    前記食品組成物は、(i)における前記組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質以外の他のミルクタンパク質を何ら含まない、
    乳製品代用食品組成物。
  2. 組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質が、真菌細胞又は細菌細胞において産生されたものである、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  3. 真菌細胞は、サッカロミセス、クルイベロミセス、ピキア、テトラヒメナ、ヤロウィア、ハンセヌラ、ブラストボトリス、ジゴサッカロミセス、デバリオミセス、アスペルギルス、カンジダ、トリコデルマ、又はフザリウムからなる群から選択される属から選択される、請求項2に記載の乳製品代用食品組成物。
  4. β−ラクトグロブリンタンパク質が、真菌細胞又は細菌細胞から分泌されたものである、請求項2に記載の乳製品代用食品組成物。
  5. 組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質が、非哺乳動物のグリコシル化パターン及び/又は非哺乳動物リン酸化パターンを持たない、請求項2に記載の乳製品代用食品組成物。
  6. 動物由来の化合物を含まない、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  7. 哺乳動物産生ミルクから単離された化合物を何ら含まない、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  8. 0.5重量%〜15重量%の組換えβ−ラクトグロブリンを含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  9. 複数のミセルを含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  10. 物由来油、物由来モノグリセリド、物由来ジグリセリド、物由来トリグリセリド、物由来遊離脂肪酸、及び物由来リン脂質からなる群から選択される一又は複数の脂質を含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  11. 一又は複数の甘味剤を含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  12. 一又は複数のサッカリドをさらに含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  13. 一又は複数の甘味料が、グルコース、マンノース、マルトース、果糖、ガラクトース、ラクトース、スクロース、モナチン及びタガトースからなる群から選択されるサッカリドである、請求項11に記載の乳製品代用食品組成物。
  14. 一又は複数の甘味料が、ステビア、アスパルテーム、チクロ、サッカリン、スクラロース、モグロシド、ブラゼイン、クルクリン、エリトリトール、グリチルリチン、イヌリン、イソマルト、ラクチトール、マビンリン、マリチトール、マンニトール、ミラクリン、モナチン、モネリン、オスラジン、ペンタジン、ソルビトール、タウマチン、キシリトール、アセスルファムカリウム、アドバンテーム、アリテーム、アスパルテーム−アセスルファム、シクラミン酸ナトリウム、ズルシン、グルシン、ネオヘスペリジンジヒドロカルコン、ネオテーム、およびP−4000からなる群から選択される人工甘味料である、請求項11に記載の乳製品代用食品組成物。
  15. 灰分が、カルシウム、リン、リン酸塩、カリウム、ナトリウム、クエン酸塩、硫酸塩、炭酸塩、塩化物、マグネシウム、鉄、銅、亜鉛、マンガン、セレニウム、ヨウ素、レチノール、カロテン、ビタミン類、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンB12、チアミン及びリボフラビン、又はその塩のうちの一又は複数を含む、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  16. 灰分が、組成物中において約0.15%w/w〜約2%w/w、又は約5%w/w〜約7%w/wの最終濃度を有する、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  17. 代用アイスクリーム組成物、代用ミルク組成物、代用ヨーグルト組成物、代用クリーム組成物、代用チーズ組成物、代用フローズンカスタード組成物、代用クリームフレッシュ組成物、代用カード組成物、代用カッテージチーズ組成物、代用クリームチーズ組成物、代用カゼイン塩組成物からなる群から選択される、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  18. 粉末組成物である、請求項1に記載の乳製品代用食品組成物。
  19. 野生型哺乳動物β−ラクトグロブリンは、野生型ウシβ−ラクトグロブリンである、請求項1〜18のいずれか一項に記載の乳製品代用食品組成物。
  20. (i)野生型哺乳動物β−ラクトグロブリンタンパク質のアミノ酸配列に少なくとも80%同一である配列を含む組換えβ−ラクトブロブリンタンパク質、
    (ii)灰分、及び
    (iii)任意選択的に、一又は複数の脂質
    を含む粉末食品組成物であって、
    前記粉末食品組成物は、(i)における前記組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質以外の他のミルクタンパク質を何ら含まず、
    前記粉末食品組成物の再構成により、0.5重量%〜15重量%の前記組換えβ−ラクトグロブリンタンパク質を含み、風味、外見、ハンドリング、口当たり、密度、構造、触感、弾性、弾力性、コアギュレーション、バインディング、リーブニング、エアレーション、発泡、クリーミーネス、及び乳化からなる群から選択される牛乳を用いて製造された乳製品の特性に実質的に類似した一又は複数の特性を有する乳製品代用食品組成物が製造される、
    粉末食品組成物。
  21. 乳児用調整粉乳である、請求項20に記載の粉末食品組成物。
  22. 野生型哺乳動物β−ラクトグロブリンは、野生型ウシβ−ラクトグロブリンである、請求項21に記載の粉末食品組成物。
  23. 約5%w/w〜約7%w/wの灰分を含む、請求項21に記載の粉末食品組成物。
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