JP2017526521A - 溶射アセンブリおよび溶射アセンブリを用いる方法 - Google Patents

溶射アセンブリおよび溶射アセンブリを用いる方法 Download PDF

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Abstract

前駆材料を、基材本体に結合される積層された材料の層に変形させるための溶射アセンブリが提供される。プラズマトーチは、プラズマノズルからプラズマジェットを作製し、供給機構は、前駆材料を使用中のプラズマジェットに誘導し、開条件の時に供給オリフィスを提供可能である。供給機構は、移動する前駆材料を、プラズマトーチの周囲を方位角的に誘導するよう構成された分配チャンバー、前駆材料を分配チャンバーから偏向させて、前駆材料を使用中のプラズマジェットに誘導するよう構成された誘導チャンバーに誘導するよう構成された複数の偏向構造を具備する。

Description

本開示は、一般的に、採鉱、ボーリングまたは路面切削用の工具といった、溶射アセンブリ、および、排他的ではないが特に硬質層を鋼本体上に積層するための、溶射アセンブリを用いて材料を基材上に積層する方法に関する。
国際特許出願WO/2013/178550は、比較的硬い材料の層でコーティングされた鋼基材本体を含んでなる構成を作製する方法を開示している。当該方法は、鉄(Fe)、ケイ素(Si)および炭素(C)の源を含んでなる複数の顆粒を準備し、ここで、Fe、Siおよびの相対量は、Fe、SiおよびCの組み合わせが約1280℃以下の液相線温度を有するように選択されること;および、溶射アセンブリを用いて、顆粒を基材本体上に積層させることを含み得る。溶射プロセスは、顆粒を、少なくとも約1350℃の温度まで、少なくとも約100℃/秒の平均速度で加熱すること、および、その顆粒を、基材本体に接触した状態で、約1000℃未満まで、少なくとも約20度/秒の速度で冷却することを伴う。
融点が比較的低い材料を効率的に噴霧する装置および方法、溶射デバイスのための顆粒、ならびに、当該溶射デバイスを使用する方法を提供する必要がある。
第1の態様を見ると、前駆材料を、基材本体に結合される積層された材料の層に変形させるための溶射アセンブリが提供され;当該溶射アセンブリは、プラズマノズルからプラズマジェットを生成するためのプラズマトーチ、および、前駆材料を使用中のプラズマジェットに誘導するためであり、開条件の時に供給オリフィスを提供可能な供給機構を含んでなり;供給機構は、移動する前駆材料を、プラズマトーチの周囲を方位角的に誘導するよう構成された分配チャンバー、前駆材料を分配チャンバーから偏向させて、前駆材料を使用中のプラズマジェットに誘導するよう構成された誘導チャンバーに誘導するよう構成された複数の偏向構造を含んでなる。溶射アセンブリが組み立てられた状態である場合、溶射デバイスと呼ばれ得る。
組み立てられた状態および組み立てられていない状態の双方である溶射アセンブリに関して、様々な配置および組み合わせが想定され、その非限定的な例および非網羅的な例を以下で説明する。
いくつかの例示的な配置では、供給機構は、移動可能な誘導機構を含んでなり、また、誘導チャンバーが前駆材料を供給オリフィスに誘導可能であり、前駆材料は、当該供給オリフィスを通って誘導チャンバーから移動し、誘導機構の移動に対応してプラズマノズルから可変平均距離にあるプラズマジェットに入り得るよう構成され得る。
いくつかの例示的な配置では、偏向構造は、分配チャンバーから誘導チャンバーに延びる、互いに間隔のあいた突出物を含んでなり得る。
いくつかの例示的な配置では、前駆材料が誘導チャンバー内に偏向されて誘導チャンバー内で実質的に均一で方位角的に分配され得るように、偏向構造は配置され得る。
いくつかの例示的な配置では、溶射アセンブリは、一緒に結合されることが可能な要素を少なくとも2つ含んでなり得、1つの要素はプラズマトーチを含んでなり、もう一方の要素は、プラズマトーチを収容するための収容容器を含んでなり、これらの要素は、一緒に結合された時に供給機構が形成されるように、協働的に構成されている。
いくつかの例示的な配置では、供給機構は閉条件として配置され、この場合、前駆材料はプラズマジェットに入ることが阻止される。
いくつかの例示的な配置では、供給機構は、前駆材料の様々な部分が、プラズマ領域に収束していく複数の方向からプラズマジェットに同時に方向付けられ得るように、構成され得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導チャンバーの容積は、供給オリフィスに、より近接するにつれて、収束し得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導チャンバーは、内部および外部本体のそれぞれの内部および外部の円錐表面によって境界付けられ得、内部および外部円錐表面は、4〜10度で異なるそれぞれの円錐角度を定義する。
いくつかの例示的な配置では、供給オリフィスは、開条件で、使用中のプラズマジェットの軸線の周囲を方位角的に延びる、環状の形態を有し得る。
いくつかの例示的な配置では、溶射アセンブリは、プラズマ移行アーク(PTA)操作のためであり得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導機構は、機能的に配置されて供給オリフィスを通過した前駆材料の経路を変更し得る。
いくつかの例示的な配置では、プラズマトーチに対する供給オリフィスの位置、およびまたは、供給オリフィスのサイズおよびまたは形状は、誘導機構の配置に応じて様々であり得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導機構は、供給オリフィスに移動可能な境界を提供するように、供給オリフィスと境界を共にし得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導機構を、プラズマトーチに対して軸方向に移動し得、その軸線は、使用中のプラズマジェットの方向によって定義される。
いくつかの例示的な配置では、誘導機構は、プラズマトーチの周囲を方位角的に延びる、移動可能なスリーブを含んでなり得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導機構は、供給オリフィスが、供給オリフィスの対向する境界の間で1ミリメートル(mm)以下の軸方向の移動を提供し得るように配置され得、軸方向の移動は、使用中のプラズマジェットの方向に沿っている。
いくつかの例示的な配置では、供給機構は、誘導機構が誘導チャンバーの外部境界を提供し、プラズマトーチが誘導チャンバーの内部境界を提供するように構成され得る。
いくつかの例示的な配置では、供給オリフィスは、誘導機構の境界とプラズマトーチの間の隙間として提供され得る。
いくつかの例示的な配置では、誘導チャンバーは、溶射アセンブリが組み立てられた状態にある時に、プラズマトーチの周囲を方位角的に延び得る。
特定の理論に限定することは望まないが、プラズマジェット内の温度は、プラズマノズルからの軸方向の距離によって変化しやすく、所定の前駆材料がプラズマジェットに入り得る、プラズマノズルからの適切な平均距離は、前駆材料の融点または共融相温度にある程度依存し得る。いくつかの例では、前駆材料は、粒子のそれぞれの集合体を含んでなる粉末または顆粒といった、顆粒化形態であり得る。前駆材料は、複数の異なる材料を含んでなり得、複数の異なる材料は、各顆粒、およびまたは、異なる顆粒内で組み合わせられ得る。
組み立てられた状態にある開示された溶射アセンブリを使用する方法(すなわち、開示される溶射デバイスを用いる方法)が提供され得、当該方法は、1300℃未満の温度で溶融可能な前駆材料を準備すること、および、その前駆材料を、流れる担体流体を用いて供給機構に導入すること;前駆材料がプラズマジェット内で溶融する際に溶射デバイスに接着しないようプラズマノズルから十分離れてプラズマジェットに入るように、移動可能な誘導機構を配置することを含む。
いくつかの例では、誘導機構は、プラズマトーチの周囲全体に延び、プラズマトーチに対して軸方向に移動可能なスリーブを含んでなり得、供給オリフィスは環状の軸方向の隙間として提供され得、その境目は、軸方向の隙間がスリーブの軸方向の移動に対応して可変であるように、スリーブの境目と境界を共にし;また、前駆材料は1000℃および1300℃の温度で溶融可能であり得;また、方法は、供給オリフィスの軸方向の隙間が0.2〜0.5mmであるようにスリーブを配置することを含み得る。
いくつかの例では、組み合わせた前駆材料は、約800℃または1000℃以上で溶融し得る。前駆材料の融点が低すぎる場合、材料がプラズマジェット内にあるうちに蒸発し、溶射プロセスで失われ得る可能性がある。いくつかの例では、(組み合わせた)前駆材料は、1300℃以下、1280℃未満または約1200℃以下の温度で溶融可能であり得る。
いくつかの例では、前駆材料は、硬質層の材料を鋼本体に積層するのに適切であり得、硬質層は少なくとも800HV10のビッカース硬度を有し;前駆材料は、鋼本体に溶射されることで、硬い材料に変形する。
いくつかの例では、前駆材料は、鉄(Fe)、ケイ素(Si)、炭素(C)の源、および、炭化金属材料を含んでなる粒子の組み合わせを含んでなり得、ここで、Fe、SiおよびCの相対量は、Fe、SiおよびCの組み合わせが、約1,300℃以下、1,280℃未満または約1,200℃以下の液相線温度を有するように選択される。
方法は、開示される例示的な溶射デバイスを、鋼を含んでなる、または、鋼からなる工具の本体上に材料を噴霧するために用いることを含む。例えば、工具本体は、路面破壊また採鉱用のピック、岩石へのボーリング用のドリルビットであり得る。いくつかの例では、工具本体は、使用の際に摩耗または腐敗する可能性のある他の工具または構成要素のためであり得る。通常、方法は、比較的硬質層を摩耗部分に積層することを含む。
いくつかの例では、前駆材料は、本体に含まれる鋼よりも実質的に硬度が大きい材料の硬層を積層するのに適切である。積層された材料は、使用される工具本体の腐食の速度およびまたは機械的摩耗を低減できる層を形成し得る。
図1は、組み立てられた状態で、使用中の例示的な溶射アセンブリの断面模式図である。 図2は、組み立てられた状態の例示的なプラズマ移行アーク(PTA)溶射アセンブリの側面模式図である。 図3は、使用中である図2に示す例示的プラズマ移行アーク溶射アセンブリの断面模式図A−Aである。 図4Aは、組み立てられた状態で閉条件の例示的溶射アセンブリの断面模式図である。 図4Bは、使用中で開条件の例示的溶射アセンブリである。 図5は、部分的に組み立てられていない状態の溶射アセンブリの要素を示す模式的な側面斜視図である。 図6は、例示的な溶射アセンブリの例示的な供給機構の一部分を示す模式的な側面斜視図である。 図7は、路面切削または採鉱のための例示的なピック工具を示し、それぞれ例示的な保護層が設けられている図である。 図8は、路面切削または採鉱のための例示的なピック工具を示し、それぞれ例示的な保護層が設けられている図である。 図9は、例示的な顆粒の硬度の数頻度の分布のグラフである。 図10は、第1および第2の複数の顆粒の例示的な組み合わせを複数示す写真である。 図11は、溶射アセンブリを用いて積層した例示的な材料の走査型電子顕微鏡写真(SEM)の画像である。
図1を参照すると、前駆材料60を、基材本体(図示せず)に結合される積層された材料の層に変形させるための、例示的な溶射アセンブリ10(組み立てられた状態で溶射デバイス10として示される)は;プラズマトーチ20および供給機構30を含んでなり、プラズマトーチ20がプラズマジェットをプラズマ領域50へ作製可能なように構成され、当該プラズマ領域は、プラズマジェットに占められ、および、使用中のプラズマノズル28から延びる。供給機構30は、前駆材料60をプラズマ領域50に誘導可能である。供給機構30は、開条件(図1で示す通り)では供給オリフィス70を提供可能であり、誘導チャンバー34および移動可能な誘導機構32を含んでなる。供給機構30は、誘導チャンバー34が前駆材料60を供給オリフィス70に誘導可能なように構成されており、前駆材料60は、当該供給オリフィスを通って誘導チャンバー34から移動して、誘導機構32の移動に対応してプラズマノズル28から可変平均距離にあるプラズマ領域50に入る。
供給オリフィス70の配置は、プラズマノズル28からそれぞれ異なる軸方向の平均距離を有するプラズマ領域50内の様々な区域のいずれか内に前駆材料60が選択的に供給され得るよう可変である(例示的な区域80が図1で例示される)。すなわち、前駆材料60は、プラズマジェットがプラズマノズル28を通って発射されるプラズマトーチ20の噴霧器端部12から、選択された軸方向の距離にある、プラズマ領域50の区域80に供給され得る。いくつかの例示的な配置では、縦軸線Lは、プラズマトーチ20、プラズマジェット(使用中)、プラズマノズル28、誘導機構32または供給機構30によって形成される噴霧オリフィス40、または、同軸状に配置されたこれら特徴のうち2つ以上の特徴の円筒状の軸線によって定義され得る。例えば、縦軸線は、噴霧オリフィス40およびプラズマトーチ20と同軸状であり得る。
図1で例示される具体的な例では、誘導機構32は、噴霧器端部12からつながる(depending from)、プラズマトーチ20の一部分を収容するよう構成された移動可能な収容ハウジングであり得る。ハウジング32は、プラズマトーチ20に対して軸方向に移動可能であり得、供給オリフィス70の配置は、噴霧オリフィス40を通って、使用中のプラズマジェット50と並列した、縦軸線Lに沿った収容ハウジング32の移動に応答して可変であり得る。供給オリフィス70が画定する領域は、収容ハウジング32の移動によって可変であり、供給オリフィス70の軸方向の長さは収容ハウジング32の移動によって可変である。例えば、供給オリフィス70は、0ミリメートルおよび0.5ミリメートルの間で可変であり得;0mmの距離は、図1には示されない溶射アセンブリ10の閉条件に対応し、このとき収容ハウジング32は、プラズマトーチ20に接触し、前駆材料60がプラズマジェットに供給されるのを防止する。この例では、供給オリフィス70は、プラズマ領域50の周囲全体を円周上に延びており、供給機構30は、前駆材料60を、プラズマ領域50の周囲全体で方位角的に延びる、収束した方向から、プラズマジェット50内に導入可能である。
図1で示す例では、誘導チャンバー34は、プラズマトーチ20および収容ハウジング32の間で形成され、プラズマトーチ20の周囲を円周上に延びている。収容ハウジング32は、プラズマトーチの円錐外部表面23から離れて配置される円錐内部表面33を含んでなり、両者の間に誘導チャンバー34を形成する。収容ハウジング32およびプラズマトーチ20は、縦軸線Lに沿って実質的に同軸状である。いくつかの例では、収容ハウジング32の内部円錐表面33によって画定される円錐の角度は、プラズマトーチ20の円錐外部表面23が画定する角度よりも大きく、両者の間の誘導チャンバー34は、供給オリフィス70に近接するにつれてより狭くなり得る。
図2は、組み立てられた状態の例示的な溶射アセンブリ10の側面図である。当該溶射アセンブリは、プラズマトーチ20および移動可能な収容ハウジング32(この例での誘導機構)を含んでなり、収容されているプラズマトーチ20の一部分(図2では見えず)は、収容ハウジング32が形成する、協働的に構成された空洞内に、収容されている。入口オリフィス31Aは、顆粒状の前駆材料が供給機構に導入され、続いてプラズマトーチ20が作製するプラズマジェット(図示せず)に送られて、溶射アセンブリ10の噴霧器端部12で噴霧オリフィス40から発射されるプラズマおよび材料を含んでなるジェット90を作製するように提供される。
図3は、材料を基材100上に積層するためのプラズマ移行アーク(PTA)溶射アセンブリの操作を模式的に例示し、電位差が負電極24およびそれを囲う正電極29、ならびに、基材100の間に確立される。ここで示す具体的な例では、プラズマトーチ20の一部分は、移動可能な収容ハウジング32(この例での誘導機構)が形成する空洞内に配置され、収容ハウジング32の内部表面31が、プラズマトーチ20の外部表面23から離れて誘導チャンバー34を提供するように構成され、顆粒状の前駆材料60は、当該誘導チャンバーを通って開条件の供給機構30によって提供される供給オリフィス70に輸送され得、最終的に、使用中のパイロットプラズマ50Aおよび移行プラズマ50Bに輸送され得る。プラズマトーチ20および収容ハウジング32は、供給オリフィス70が、プラズマトーチ20のプラズマノズル28(「収縮ノズル」とも呼ばれ得る)の近くに配置されるように構成される。プラズマノズル28および噴霧オリフィス40は、収縮ノズル28の近くに作製されたパイロットプラズマ50Aが噴霧オリフィス40中に(または噴霧オリフィス40を通って)基材本体100に向かって発射されるように同軸状であり得る。
プラズマトーチ20は、タングステン(W)金属を含んでなり得る中央負電極24、および、負電極24の少なくとも部分的に囲い、負電極24が配置されるチャンバー27の少なくとも一部分を画定するプラズマノズル28を含んでなり得、負電極24およびプラズマノズル28は、その間にアークを発生可能なように構成されている。使用の際は、アルゴン(Ar)といった不活性ガス25が負電極24を通ってプラズマノズル28に向かって流れる。負電極24、プラズマノズル28およびチャンバー27は、不活性ガス25がイオン化され、プラズマノズル28の近くに作製されたパイロットプラズマジェット50Aが、チャンバー27から外側に向かって、噴霧オリフィス40内、そして基材100に向かって発射するよう構成される。溶射アセンブリが基材100に十分近く配置され、操作条件が達成される場合、移行プラズマジェット50Bが作製され、噴霧オリフィス40を超えて発射し、負電極24および基材100の間に延びる。パイロットプラズマジェット50A内の温度は約15000℃であり得、移行プラズマジェット50B内の温度は、約3000〜約4000℃であり得る。一般的に、プラズマジェット50A、50B内の温度は、プラズマノズル28からの様々な軸方向の距離である、プラズマジェットの様々な軸方向の位置で実質的に異なる。
一般的に、顆粒形態であり得る前駆材料60は、溶射操作によって基材100上に積層される材料に変形され得るよう選択されるであろう。使用の際には、前駆材料60は、溶射アセンブリに導入され、誘導チャンバー34に送られ、収束する経路に沿って供給オリフィス70、最終的にはプラズマジェット50Bに向かってさらに送られ得る。プラズマジェット50Bに収束していく顆粒60の流束は、通常調節可能である。本明細書で使用される顆粒の流束は、単位時間当たりに平面を通過する顆粒の数として表され得、顆粒の速度および空間的密度の側面も組込む。プラズマジェット50B内に発射される顆粒60の流束は、供給オリフィス70が画定する領域、担体ガス内での顆粒60の密度および顆粒60のプラズマジェット50Bに向かう速度によって影響される。顆粒60の速度は担体流体の流速および誘導チャンバー34の収束の構成によって調節され得る。
顆粒60がプラズマジェット50Bに発射される際、その温度が急激に上昇し、可能性として、基材100上に積層される所望の材料の必要に応じて前駆材料が相変化および化学反応を経ることを可能にする。材料のジェット90は、比較的高い速度で溶射アセンブリから基材100に発射され得る。材料が基材100に当たった時、材料は基材上に「ビシャッ」とぶつかる傾向にあり、冷却し始め、反応および相変化の動力学によって、基材100に付着された固体相の所望する材料を形成し得る。
顆粒の組成および機械的特性、担体流体の流速、担体流体内の顆粒の数密度、プラズマ内に発射される顆粒の流束、負電極および正電極ならびに基材の間の電位差、パイロットおよび移行プラズマアークの電流、不活性ガスの流速、プラズマトーチおよび供給オリフィスの周囲の顆粒の方位角的な分散、ならびに、誘導チャンバーの構成といったパラミーターを調節することが重要であろう。
図4Aおよび図4Bを参照すると、組み立てられた状態である例示的溶射アセンブリ(すなわち、溶射デバイス)は、収容ハウジング32(例示される例における移動可能な誘導機構)の位置を、Mが示す方向のうちの1つの方向に調節することで、図4Aで示す通りに閉条件に配置され得、または図4Bで示す通りに開条件に配置され得る。他の例示的な配置では、収容ハウジング32は、回転、およびまたは、並行といった、他の方向にも移動可能であり得る。収容ハウジング32は、プラズマノズル28に対して移動可能であり、その位置は、プラズマノズル28およびプラズマトーチ20の外部表面23に近接するように、または、プラズマノズル28およびプラズマトーチ20の外部表面23から離れるように調節が可能であり、こうして誘導チャンバー34の容積を減少または増大し、その結果、使用中のプラズマジェットへ向かう顆粒状の前駆材料の可能な流束を減少または増大する。溶射アセンブリには、この調節を行う調節機構(図示せず)が設けられ得る。
図4Aで示す閉条件では、誘導チャンバー34内にあり得る顆粒状の前駆材料(図示せず)は、誘導チャンバー34を出て噴霧オリフィス40およびプラズマ領域(図示せず)に向かって移動することはできない。図4Aで示す例において、このことは、収容ハウジング32の位置を、収容ハウジング32の内部表面33の少なくとも一部分が、噴霧オリフィス40の近くでプラズマトーチ20の外部表面23の少なくとも一部分に接するように調節し、両者の間の隙間を実質的にゼロにすることで、達成され得る。図4Aで示す具体例では、収容ハウジング32の内部表面33および噴霧オリフィス40の近くのプラズマトーチ20の外部表面23は、両者とも実質的に円錐の形状であり、それぞれ多少異なる円錐角度を画定し、前者の角度は、後者の角度よりも角度2θ度分大きい。いくつかの例では、2θは、約7.4度およびθは3.7度であり得る。すなわち、誘導チャンバー34は、噴霧オリフィス40に向かって収束し得る。閉条件では、これらの互いに収束する円錐状の表面33、23は、噴霧オリフィス40の近くで互いに接し得る。供給機構が図4Bで示すように開条件である場合、噴霧オリフィス40に向かって狭まっていく誘導チャンバー34のあり得る効果は、前駆材料の流束を加速し集中させることであり得る。
図4Bで示す開条件では、内部表面33が、プラズマトーチ20の対応する外部表面23からさらに離れるような位置に収容ハウジング32を調節されている。こうして、供給オリフィス70は、噴霧オリフィス40およびプラズマ領域(図示せず)の近くで、これらの表面23、33の間に、両者の間が一番狭い隙間で提供される。供給オリフィス70によって前駆材料が誘導チャンバー34から出てプラズマ領域に通過することが可能になり、プラズマ領域で、プラズマジェットが使用されて存在する(PTAデバイスでは、これは移行プラズマである)。示す例では、供給オリフィス70は一般的に円筒の形状であり、プラズマトーチ20と同軸状である。使用中のプラズマ領域に到達する前駆材料の流束は、このように収容ハウジング32をプラズマトーチ20に対して軸方向に動かし、収容ハウジング32の内部表面33の一部分によって形成される供給オリフィス70の下端部の位置を変えて供給オリフィス70の領域および軸方向の隙間を変化させることで、調節され得る。
いくつかの例では、Arガスといった流体の担体媒体を用いて前駆材料を溶射アセンブリに持続的に導入し得、当該媒体中で、前駆材料は分散および懸濁され得る。前駆材料および担体流体は、前駆材料を誘導チャンバー34内で方位角的に分散させ、よって使用中の噴霧オリフィス40およびプラズマジェットの周囲を方位角的に分散させる供給機構によって分配され得る。遮蔽ガスチャンバー39は、プラズマジェットおよび噴霧される材料を空気中の酸素から遮蔽するために、使用中のプラズマジェットを囲う複数のオリフィスを介してガスを提供する。
図5および図6を参照すると、例示的な溶射アセンブリは、第1、第2、第3および第4の要素20、120、130、140を含んでなり、第1の要素は、プラズマトーチ20からなる。第1の要素20は、上部ハウジング空洞122を含んでなる第2の要素120に、プラズマトーチ20の取付け端部12Aからつながるねじ式取付け機構によって、取付け可能であり得る。第3の要素130は、プラズマトーチ20の反対側の噴霧器端部12を収容する下部ハウジング空洞132を含んでなり得、また、第2の要素120の一部分124を収容するよう構成され得る。すなわち、第2の要素120の一部分124は、内側ではプラズマトーチ20、外側では下部ハウジング空洞132の間で「サンドイッチ」されて挟まれ得る。冷却機構および遮蔽ガス供給機構を含んでなる第4の要素140は、第3の要素130の一部分を収容し、プラズマトーチ20の噴霧器端部12を囲うように構成され得る。
供給機構は、組み立てられた時に第1、第2および第3の要素20、120、130の特定の特徴を含んでなり得、前駆材料は、これら要素の間で連通する隙間によって形成されるチャネル、およびまたは、チャンバーを通って送られる。例えば、第2の要素120は、円周方向チャネルを含んでなり得、これは、第3の要素130のハウジング空洞132内に収容された場合に分配チャンバー36の一部分を画定し、分配チャンバー36の境界を形成する。分配チャンバー36は、前駆材料をプラズマトーチ20の周囲を通常方位角的に誘導することが可能である。第2のハウジング120から突出する放線状の突出物の形態で、分配チャンバー36に隣接し、プラズマトーチ20の周囲に方位角的に配置された互いに間隔のあいた複数の偏向構造38は、循環する前駆材料60Cを偏向チャネル37内へ偏向させ、偏向した前駆材料62を通常は軸方向で誘導チャンバーに誘導する。第3の要素130は、前駆材料および担体流体を分配チャンバー36に導入する入口オリフィス31A、および、可能性のある再利用のために、担体流体および可能性としていくつかの前駆材料が溶射アセンブリから出るのを可能にする出口オリフィス31Bを含んでなり得る。
使用の際、前駆材料60Aおよび担体流体を分配チャンバー36に導入し得、分配チャンバー36内で循環前駆材料60Cとして循環するよう誘導し得る。分配チャンバー36内で循環する前駆材料60Cの効果は、前駆材料60Cを、プラズマトーチ20の周囲で(方位角的に)実質的に均一に分配することであろう。いくつかの循環前駆材料60Cは、偏向構造38の側面にぶつかって、通常偏向チャネル37内の軸方向経路62に沿って、誘導チャンバー(図5および図6で図示されず)に送られる。偏向構造38、および、それによる偏向チャネル38がプラズマトーチ20の周囲全体を規則的な間隔で配置される場合、前駆材料顆粒60Cは同様に規則的な間隔で誘導チャンバーに導入されるであろう。誘導チャンバーで円周方向に均一な前駆材料の流束は、偏向構造38の幅および数に依存し、偏向構造38の数が多く密集しているほど、前駆材料はより均一に誘導チャンバー内に分配されるであろう。
図7を参照すると、採鉱のための例示的なピック工具400は、鋼基部405および鋼基材405に融着された表面硬化層406を含んでなる。表面硬化層は、鋼基材405に、開示される溶射デバイスによって積層され得る。ピック工具400は、打点404を有し、鋼基部405に結合された超硬質合金チップ402を含んでなり得る。いくつかの例では、チップ402は、PCD材料または炭化ケイ素結合ダイアモンド材料といったダイアモンド材料を含んでなり得る。表面硬化層406は、超硬質合金チップ402の周りに配置されて鋼基材405を使用の際の摩耗から保護し得る。石炭またはカリを含んでなる岩石構成物、例えば、岩石材料を粉砕する使用の際に、表面硬化層は鋼基部405の摩耗を減少し、ピック工具400の早い段階での欠損の可能性を実質的に低減するであろう。
図8を参照すると、路面切削のための例示的ピック工具500は、孔を設けた鋼ホルダー505、および、孔に焼嵌めまたはプレス嵌めした超硬質合金基部502に結合された衝突チップ504を含んでなる。表面硬化層506は、鋼ホルダー505に融着され得、孔の周りに配置されて鋼ホルダー本体505を使用の際の摩耗から保護し得る。表面硬化層は、鋼ホルダー505上に、プラズマ移行アーク(TPA)溶射を利用して、開示する溶射デバイスを用いて積層され得る。衝突チップ504は、セメント炭化タングステン基材に結合されたPCD構造を含んでなり得る。
溶射デバイスの非限定的な実施例、および、鋼本体上に比較的硬い材料の層を積層するための当該デバイスの使用を以下で詳しく説明する。200kgの合計質量を有する第1の複数の顆粒を、以下のように調製した:
a.混合:0.8ミクロンの平均粒径を有する144kgの炭化タングステン(WC)、約1ミクロンの平均粒径を有する30kgの鉄(Fe)粉末、1〜2ミクロンの平均粒径を有する15kgの炭化クロム(Cr)粉末、6kgのケイ素(Si)粉末および4kgのパラフィンワックスを、粉砕媒体としてアルコール、および、800kgの合計質量を有する複数のセメント炭化タングステンボールを用いたアトリタ製粉機(attritor mill)で粉末を一緒に3時間粉砕することで混合し、前駆材料スラリーを得た。スラリーを乾燥させて混合粉末を得、および凝集体を粉砕してゆるい粉末を得た。
b.第1の顆粒化:粉末を結合材料と一緒に回転ドラム内で回転させることで顆粒化し、ふるいにかけて、約75〜約225ミクロンの平均サイズを有する複数の顆粒を得、複数の「未完成の」顆粒(すなわち、結合材料によってまとまっている粉末粒子を含んでなる顆粒)を得た。
c.予備加熱処理:未完成の顆粒を黒鉛の箱に配置し、1020℃の温度まで加熱した。この温度は、材料の液体相焼結が実質的に一切起こらないよう十分低く、かつ、実質的に全ての結合材料が取り除かれるよう十分高く、粉末の固体相焼結が取り扱いに十分な強度を顆粒に提供するのに十分な温度であった。
d.第2の顆粒化:加熱処理のあと、顆粒をふるいにかけて約75〜225ミクロンの直径を有する複数の顆粒を選択した。
e.焼結加熱処理:選択した顆粒を次いで黒鉛の箱の中に置き、真空下の1160℃で、45分焼結し、顆粒の実質的な液体相焼結を可能にし、焼結顆粒を得た。焼結プロセスの間、一定の量の炭化クロム(Cr)が分解するであろう一方で、比較的少量のWCのみが結合材料に溶解し得る。特定の仮説に限定することは望まないが、可能性として、実質的に全ての炭化クロム(Cr)が液体結合材料に溶解し得、鉄族金属(FeまたはCoといった)、CrおよびCを含んでなる混合炭化化合物材料の結晶化が、材料の固化の際に起こり得る。溶解したWCの量は、およそ5〜8質量%であり、最大およそ1.5〜2.5原子%に対応し、これは、結合材料の溶融温度に実質的に影響を及ぼさないであろう。顆粒が実際よりも実質的に多くの鉄を含有した場合、顆粒の実質的な溶融は高くなり、焼結加熱処理の終わりには、鉄ベース材料の硬くて大きい集合体がもたらされ、集合体を粉砕して第1の複数の顆粒を得るのは大変困難であっただろう。しかし、顆粒に存在する鉄が少なすぎる場合、材料の十分な液体相焼結が起こらず、顆粒は十分な強度を欠けていただろう。例えば、複数の鉄に富んだ顆粒をさらに導入する必要性を避けて、溶射プロセスに関して、たった一組の複数の顆粒を提供および使用しようとした場合、顆粒は、この実施例で使用される15質量%の代わりに、約69質量%の鉄を含んでなる必要があり、顆粒化が実行不可能なほど困難になり得る鉄ベースの硬い本体になっていただろう。
f.第3の顆粒化:焼結顆粒をアルゴン(Ar)雰囲気の50barの圧力下で熱間静水圧加圧(HIP)し、圧縮された本体を得た。圧縮された本体を次いで粉砕し、約60〜180ミクロンのサイズを有する顆粒を、ふるいにかけて選択し、第1の複数の顆粒を得た。
第1の複数の顆粒(「第1の顆粒」とも呼ばれ得る)は鉄が実質的に欠けており、本体が鋼を含んでなっていても、当該顆粒を基材本体上に上手く溶射および融着するのには実行可能ではなかっただろう。顆粒が噴霧される鋼板に存在するFeを用いて、Feを含んでなる追加の顆粒を導入することなく鉄が欠けた第1の顆粒を基材上に噴霧することは理論上可能ではあり得るが、それに必要なエネルギーは多大であるだろう。
第1の顆粒のサイズ分布は、d(10)値が90ミクロン、中央値サイズ(d(50))が141ミクロン、d(90)サイズが221ミクロンであるようなサイズ分布であった(すなわち、10%、50%および90%の顆粒は、直径サイズで、それぞれ90、141および221ミクロン以下であった)。5つの顆粒サンプルを、破壊動力試験のために無作為に選択した。各顆粒を硬いステージ上に置き、硬い板を一定の速度で顆粒に対してゆっくり押し、50ミリニュートン(mN)の小さな力から最大2000ニュートン(N)の力で増大させながら、顆粒が壊れるまで圧縮した。顆粒の機械的特性は、顆粒のサイズ次第であり得るため、試験した顆粒は、125〜160ミクロンの直径サイズを有していた。および141±14ミクロンの平均直径であった。顆粒の破壊荷重が6.0±2.3ニュートン(N)と測定され、顆粒の圧縮強度は402.6±187.9メガパスカル(MPa)であり、これは、顆粒の荷重変形を考慮した。ビッカース硬度H(HV10)の関数として、顆粒の数頻度N分布を図10に示す。顆粒を製造するのに用いる方法は、比較的硬く、高密度で強い顆粒を製作するのに成功した。
水による微粒化を利用して調製した市販のFe顆粒からなる第2の複数の顆粒(具体的には、Hoganas(商標)ABC 100.30を使用)を準備し、ふるいにかけて約60〜180ミクロンのサイズ範囲にある顆粒を抽出した。第2の複数のFe顆粒の圧縮強度は、水による微粒化のために形状が不規則であったため、測定しなかった(第2の顆粒がガス微粒化によって作製されていたら、当該顆粒はより球状であり、その圧縮強度を測定し得た;第2の複数の顆粒の流動性もある程度向上しただろう)。
第1および第2の顆粒を75:25の質量比で一緒に混合し、約35質量パーセントのFeを全体で含んでなる、組み合わせた複数の顆粒を得た。図11は、第1の複数の顆粒200および第2の複数の顆粒の組み合わせの顕微鏡写真である。第1および第2の複数の顆粒のそれぞれの組成を表1に示す。混合した顆粒は、一方で溶接しやすく、もう一方では堅固である良好なバランスを有し、溶射するのに適切であった。
次いで、図4Aおよび図4Bを参照して説明した種類の例示的なプラズマ移行アーク(PTA)溶射デバイスを用いて、組み合わせた顆粒を鋼板に噴霧し、こうして、比較的硬くて耐摩耗性である材料の層を鋼板上に積層した。鋼板は長さ100ミリメートル(mm)、幅60mmおよび厚さ10mmであった。プラズマトーチ20に対する収容ハウジング32の軸方向の位置は、供給オリフィス70が、収容ハウジング32およびプラズマトーチ20の間に0.2mm〜0.4mmの軸方向の隙間を画定するように調節された。PTA溶射デバイスの他の操作パラメーターを表2にまとめた。
積層された層の厚さは約3ミリメートル(mm)であり、1000±100ビッカース単位の硬度であった。層のミクロ構造を示す顕微鏡写真を、図12に示す。マトリックス304内の樹状のη相である炭化物の相302、小さな炭化タングステン(WC)粒子およびナノ規模の髭結晶およびナノ規模のディスクの形態である、η相炭化物の沈殿したナノ粒子で補強した鉄(Fe)ベースのマトリックスを含んでなる。
積層した層の耐摩耗性を、ASTM G65試験を用いて測定し、8、10および15質量パーセント(%)のコバルト(Co)を含んでなる、異なる3グレードのコバルトで固めた炭化タングステン(Co−WC)材料の耐摩耗性と比較した。この試験では、上記のグレードの超硬質合金をそれぞれ含んでなる3つの機械工具挿入物を用いて上記の実施例における鋼板上に積層された材料の層を機械にかけた。8質量パーセントのCoを含んでなる工具を積層された層に適用した場合、実質的に同一の体積の材料(約3.8立方ミリメートル)が、工具および層の双方から除去され、上記の実施例の通りに積層した材料の耐摩耗性は、このグレードの超硬質合金材料に匹敵したこと示す。10および15質量パーセント(%)のコバルト(Co)を含んでなる超硬質合金グレードから除去された体積はそれぞれ9.1mmおよび12.2mmであり、層に含まれた材料がこれらのグレードよりも顕著に耐摩耗性が高いことを示した。
第2の実施例では、鉄(Fe)の相対含量を、上記の第1の実施例の15質量%に対して20質量%に増大させ、第2の実施例の顆粒を作製するのに用いた前駆材料は、20質量%のFe、13質量%の炭化クロム(Cr)、3質量%のSiおよび約64質量%のWC粒子を含んでなっていた。第2の実施例の第1の顆粒を製造して溶射するのは可能であったが、焼結加熱処理工程で作製した焼結集合体を粉砕するのは実質的により困難であった。
第3の実施例では、鉄(Fe)の相対含量を、上記の第1の実施例の15質量%に対して10質量%に減少させ、第2の実施例の顆粒を作製するのに用いた前駆材料は、10質量%のFe、6.67質量%のCr、3質量%のSiおよび約80質量%のWC粒子を含んでなっていた。焼結加熱処理で作製した焼結集合体を粉砕するのは比較的より容易ではあったが、顆粒の密度を達成するのは実質的により困難であった。
第4の実施例では、第1の実施例で説明した第1および第2の顆粒を60:40(第1の実施例の75:25に対して)の比で組み合わせ、実質的により大きな量のFeが、溶射された、組み合わせた前駆材料に含まれていた。これは、積層された層が実質的により柔らかくなることがわかった。
第5の実施例では、第1の実施例で説明した第1および第2の顆粒を90:10(第1の実施例の75:25に対して)の比で組み合わせ、実質的により少ない大きな量のFeが、溶射された、組み合わせた前駆材料に含まれていた。いくつかの場合では、積層された層が実質的により柔らかくなるのにつながり得る。しかし、基材の正確な組成および積層される材料に接触して溶融し得る程度である。
いくつかの例では、鋼基材は比較的小さいおよびまたは薄く、鋼に損害を与える可能性を回避または低減するために、溶射プロセスに適用するべき力は比較的低いレベルであり得る。そのような場合、鋼から溶融した鉄族金属は、噴霧された材料と反応させるのに利用可能である可能性は低く、比較的高い割合の第2の複数の顆粒(鉄族金属を含んでなる)が用いられるだろう。
他の例では、鋼基材は比較的大きく、よって溶射プロセスで比較的高いレベルの力を適用することが可能であり得る。そのような場合、より大きな力は基材上に形成される鋼から溶融した鉄族金属のフィルムをもたらし得、噴霧された材料と反応させるのに利用可能であり得る。より大きな基材が、より大きな溶射力による増大した加熱によって顕著に歪められる可能性もより低い。そのような場合、比較的低い割合の第2の複数の顆粒(鉄族金属を含んでなる)が用いられ得る。
一般的に、第1および第2の複数の顆粒の組み合わせで、第2の複数の顆粒が、FeまたはCoといった鉄族金属を含んでなるまたは当該鉄族金属からなるものは、コーティングされる基材の形状、サイズおよび組成によって調節され得る。基材表面で利用可能な溶融鉄族金属が多過ぎる場合、コーティングは十分硬くない可能性がある。例えば、過剰な鉄族金属は、鉄族金属を含んでなるまたは鉄族金属からなる顆粒の割合が高すぎる場合、およびまたは、基材の溶融が過剰に大きい溶射力のために生じ過ぎる場合に、起こり得る。
開示される例示的な配置、顆粒および方法のうち、少なくとも特定の可能性のある様々な態様を簡潔に考察する。
いくつかの例では、溶射アセンブリを用いて変形した前駆材料を基材上に噴霧し、材料の層をその上に積層し得、ここで、層は、基材とは実質的に異なる特性を有する材料を含んでなり得る。例えば、層は、鋼を含んでなり得る基材よりも硬く、または、より高い耐摩耗性を有し得る。例えば、顆粒は、化学元素、化合物、セラミック粒子または合金を含んでなり得、そのうちの少なくともいくつかは、使用中のプラズマ内に発射され、比較的短い期間プラズマ内の非常に高い温度にさらされて、プラズマジェットによって基材表面に輸送され、比較的早急に実質的により低い温度まで冷却される際に、互いに化学反応または相変化を起こし得る。プラズマ内に発射された時、顆粒内での化学反応および相変化は早急に生じ始め得、その結果、顆粒および積層された材料とは実質的に異なる特徴を有する1または複数の中間材料がプラズマトーチおよび基材の間に生じることにつながり得る。
開示される特定の例示的な溶射アセンブリは、前駆または中間材料が噴霧オリフィスに付着し、および、可能性として噴霧オリフィスを遮断する可能性が低下または実質的に除去される態様を有し得る。この可能性は、前駆または中間材料が比較的低い温度で少なくとも部分的に溶融した状態になる傾向があり得る場合に、より大きくなるだろう。よって、開示される例示的な溶射アセンブリは、比較的低い共融温度(すなわち、構成材料の具体的な質量比に対応した比較的低い最低融点)を有する前駆材料の組み合わせを含んでなる顆粒との使用に適切である態様を有するであろう。いくつかの例では、噴霧オリフィスが付着した材料によって遮断または変形する可能性は、誘導チャンバーおよび供給オリフィスを調節し、よって、プラズマに入る前駆材料顆粒の流束を制御することで、低下または除去され得る。いくつかの例では、これは、収容ハウジングを、プラズマトーチに対して軸方向およびまたは放射状に動かすことで、達成され得る。よって、開示される溶射アセンブリは、そのような材料を噴霧するのに使用される場合、その作動寿命が長くなり得る。
開示される特定の例示的な溶射アセンブリは、たとえばプラズマ内の高温度で起こり得る所望されない酸化または可能性として他の化学反応による、前駆材料の特定の構成成分の劣化の可能性が低下した態様を有し得る。例えば、プラズマ内の高温度にさらされた結果、粒子のサイズが顕著に小さくなるといった、炭化タングステン(WC)粒子の劣化の可能性が実質的に低下され得る。
特定の理論に限定することは望まないが、例えば収容ハウジングを動かすことによる供給オリフィスの調節は、プラズマ内の前駆材料顆粒の流束の軸方向の位置を修正する効果を有し得る。例えば、前駆材料が、比較的低い温度で溶融した状態になりやすい構成成分を含む場合、または、前駆材料の劣化の可能性を低下させるために、前駆材料顆粒のより大きな割合(または実質的にすべて)が、比較的より低い温度を有するプラズマの領域に方向付けられるように、供給オリフィスを調節し得る。
さらに、開示される例示的な顆粒の分配機構は、顆粒が、誘導チャンバー内続いてプラズマジェットの周囲で方位角的に十分均一に分配されることによって、噴霧オリフィスが付着した材料によって遮断または変形する可能性を低下させる態様も有するだろう。
開示される溶射アセンブリの他の態様は、比較的長い期間にわたる材料積層の均一性の向上、操作中のプラズマおよびパイロット電流の減少を含み、比較的薄い層(4〜5mm)を積層し、パラメーターを所望の通りに変えることが可能になり得;および、粉末のプラズマジェットへの送達の増大した速度(単位時間あたりの質量の観点から)を含み、単一操作で最大7〜8mmの層を積層することが実行可能になり得る。開示された例示的顆粒を用いた、開示される例示的な溶射アセンブリおよび溶射またはレーザークラッディング方法は、断面の寸法が少なくとも約30センチメートル(cm)である比較的大きい本体、およびまたは、比較的複雑な形状を有する本体が、排他的ではないが、特に摩擦または腐敗による摩耗からの保護のために、保護材料で比較的効率よくコーティングされ得る態様を有するだろう。比較的均一な厚さおよび質を有するコーティングを提供することが可能になるだろう。
開示される円周方向分配チャンバー、偏向構造、誘導チャンバーおよび調節可能な供給オリフィスを含んでなる、開示される例示的な溶射アセンブリは、実質的に、オリフィスが遮断される可能性が低下し、材料が基材上に効果的に積層される可能性が増大する態様を有するだろう。
開示される例示的な方法は、本体上に密接に溶接された、かなり効果的な表面硬化構造をもたらす態様を有し得、および開示される本体は、使用の際に改善された摩耗の遅延を有し得る。
摩耗保護層を溶射積層するために用いられる特定の前駆材料は、組み合わされると、約1,300℃以下、1,280℃未満または約1,200℃以下の比較的低い融点(低い液相線温度)を有し得、当該材料を溶射することがより困難になり、その効率を低下し得る。各組の複数の顆粒が異なる組成または他の特徴を含んでなる、複数の顆粒を2組以上の形態で前駆材料を準備することは、顆粒の組成ならびに融点および流動挙動といった特定の特性を、溶射デバイスの供給機構内で挙動が向上するように選択するのを可能にする態様を有し得る。さらに、または代替的に、このことは、顆粒の製造の効率または容易性を向上する態様を有し得る。
溶射を用いて特定の本体上に積層されることが可能な摩耗保護材料の一例は、鉄(Fe)、クロム(Cr)、ケイ素(Si)および炭素(C)といった鉄族金属を含んでなり、その前駆材料は、約1,300℃以下、1,280℃未満または約1,200℃以下の共融相温度を有し得る。それぞれが約1,300℃以下、1,280℃未満または約1,200℃以下の共融相温度を示す材料の組み合わせを含んでなる材料の層を熱的に積層するために、複数の顆粒の単一の組を用いる場合、鉄族金属の量は比較的高くあり得、可能性として顆粒の製造の課題を増やし得る。鉄族の高すぎる含量は、組み合わされた前駆材料が、顆粒の製造において早過ぎる段階で溶融し得る可能性を増大し得、このことによって、結果として得られる、固化した鉄族金属によってまとまった強硬な固化集合体を粉砕することが大変難しくなる。プラズマジェットに最終的に送られる必要がある鉄族金属よりも実質的に少ない鉄族金属を含んでなる第1の複数の顆粒は、この可能性を実質的に低下し、加熱処理した前駆材料を顆粒化するのを容易にし得る。しかし、第1の複数の顆粒を作製するのに用いられる組成が含有する鉄族金属の量が低すぎる場合、顆粒の製造の段階で調製された材料の集合体の強度は小さくなりすぎ、十分強靭な顆粒を達成するのは困難であろう。第1の複数の顆粒が、少なすぎる鉄族金属を用いて作製される場合、顆粒の製造はより容易になり、およびまたは、より効率的になり得る。鉄族金属の不足は、鉄族金属を含んでなるまたは鉄族金属からなる第2の複数の顆粒を、互いに接触して溶融可能な複数の顆粒の双方またはすべての組が、プラズマに存在するように、溶射デバイスの供給機構に導入することで埋め合わせられ得る。第2の複数の組は、適切なサイズの、市販の鉄族金属の粒子からなり得る。
前駆粒子または顆粒が十分大きい場合、前駆材料は、供給機構をより均一および予測どおりに流動する傾向があり得、粒子がかどまたは小さなスペースにたまる可能性を低減するだろう。粒子または顆粒が大きすぎる場合、供給機構の様々なオリフィス、チャネル、およびチャンバーを通過し得ず、遮断につながり得る。2組以上の複数の顆粒のサイズ分布および平均サイズが実質的に異なる場合、顆粒は異なる流動の特徴を有し得、その結果、供給機構を例えば類似した速度では通過し得ず、プラズマジェットに到達する顆粒の相対量は、所望の通りではない、または、不規則であり得る。
本明細書で使用する特定の用語および概念を簡潔に以下で説明する。
本明細書では、溶射プロセスは、材料の層で本体をコーティングすることを含み、ここで、前駆材料(コーティング前駆物または「供給原料」とも呼ばれ得る)を加熱することで作製された溶融相材料を表面上に噴霧し、こうしてコーティング材料を本体の表面上に積層させる。供給原料材料は、様々な方法で加熱され得、例えばプラズマまたはアーク、または、化学的手段である。一般的に、溶射は、可能性として、約20ミクロン〜数mmの比較的厚いコーティング(プロセスおよび供給原料による)を、比較的大きな領域にわたって高い積層速度で提供し得る。前駆材料は顆粒形態であり得、溶融または半溶融状態まで加熱され得、溶融または半溶融材料の細かく分割された(「微粒化」とも呼ぶ)小滴は、コーティングされる本体に向かって加速される。コーティングは、複数の平坦化粒子として固化した、ラメラ(lamella)と呼ばれ得る、本体上の小滴の蓄積から生じるだろう。様々な操作パラメーターが、コーティングの特性に影響を与えやすく、例えば、前駆材料の組成、形態および物理的特性、プラズマガスの組成および流速、入力されるエネルギー、トーチおよび基材の間の距離(オフセット距離とも呼ばれ得る)および基材の冷却が挙げられる。
アークプラズマ溶射方法では、プラズマトーチから発せられる高温度のプラズマジェットが、正電極および負電極の間を通過する適切なガスのアーク放電およびイオン化によって作製され得る。プラズマ内の温度は様々であり得、約10000℃を超えるだろう。前駆材料を含んでなる供給原料は、粉末または顆粒の形態であり得、および、供給機構によってアークプラズマへ送られ得る。タングステン電極は、プラズマトーチのチャンバー内に配置され得、不活性ガスは、電極を通過して収縮ノズルのオリフィスを通って流れるように押し出され得、オリフィスを通って延びるプラズマジェットを作製し得る。遮蔽ガスは、収縮ノズルを囲うように導入され、プラズマジェットを周囲環境から保護し得る。供給原料顆粒は、アルゴン(Ar)といった不活性担体ガス内で分散されて提供され得、および、プラズマジェットに誘導され得る。他の溶射方法には、爆発溶射、ワイヤアーク溶射、フレーム溶射および高速フレームコーティング溶射(HVOF)が包含される。
プラズマ移行アーク(PTA)プロセスでは、「パイロットアーク」は、中央電極および銅を含んでなる水で冷却された周囲のノズルの間で作製され得、「移行アーク」は電極およびコーティングされる本体の間に作製され得る。プラズマアークの比較的高い密度は、パイロットアークを通過するアルゴン(Ar)ガスのイオン化によってPTAプロセスで達成され得、当該ガスは、溶射操作の間、通常ずっと燃え続ける。移行型アークの温度は、「スロットリング(絞る)」ことで上昇して約8000〜18000℃の温度を有するプラズの柱を取得し得、移行型アークプラズマジェットは、本体が鋼といった金属を含んでなる場合、本体の表面領域が溶融するのを引き起こし得る。アーク点火デバイスは、ガスが収縮ノズルを流れる際にパイロットプラズマ(「非移行型アーク」とも呼ばれ得る)が生じるように、収縮ノズルの近くで負電極および正電極の間にスパークを生じさせるために用いられるだろう。パイロットアークは、負電極および基材の間に抵抗が小さい経路を形成し、次に続く移行型アークの発生を促す。PTA操作パラメーターを調節して、約1〜少なくとも約3mmの厚さを有する層を、トーチ、粉末および適用によって1時間あたり1〜13キログラム(kg/h)の速度で提供し得る。
本明細書で用いられる表面硬化構造は、限定はしないが、基材に結合されて基材を摩耗または腐敗耐性から保護する層といった構造である。表面硬化構造は、基材よりも実質的に優れた摩耗耐性を示し、基材に冶金学的に融着され得る。

Claims (20)

  1. 基材本体に結合される積層された材料の層に前駆材料を変形させるための溶射アセンブリであって;
    プラズマノズルからプラズマジェットを生成するためのプラズマトーチ、および
    前記前駆材料を使用中の前記プラズマジェットに誘導するためであり、開条件の時に供給オリフィスを提供可能な供給機構を含んでなり;
    前記供給機構は、
    移動する前駆材料を、前記プラズマトーチの周囲を方位角的に誘導するよう構成された分配チャンバー、
    前記前駆材料を前記分配チャンバーから偏向させて、前記前駆材料を使用中のプラズマジェットに誘導するよう構成された誘導チャンバーに誘導するよう構成された複数の偏向構造を含んでなる、前記溶射アセンブリ。
  2. 前記供給機構が移動可能な誘導機構を含んでなり、また、前記誘導チャンバーが前記前駆材料を前記供給オリフィスに誘導可能であり、前記前駆材料は、前記供給オリフィスを通って前記誘導チャンバーから移動し、前記誘導機構の移動に対応して前記プラズマノズルから可変平均距離にある前記プラズマジェットに入り得るよう構成される、請求項1に記載の溶射アセンブリ。
  3. 前記偏向構造が、前記分配チャンバーから前記誘導チャンバーに延びる、互いに間隔のあいた突出物を含んでなる、請求項1または請求項2に記載の溶射アセンブリ。
  4. 前記前駆材料が前記誘導チャンバー内に偏向されて前記誘導チャンバー内で実質的に均一で方位角的に分配され得るように前記偏向構造が配置される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  5. 一緒に結合されることが可能な要素を少なくとも2つ含んでなり、1つの要素は前記プラズマトーチを含んでなり、もう一方の要素は、前記プラズマトーチを収容するための収容容器を含んでなり;これらの前記要素は、一緒に結合された時に前記供給機構が形成されるように、協働的に構成される、請求項1〜4のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  6. 前記供給機構が閉条件として配置され得、ここで、前駆材料は前記プラズマジェットに入ることが阻止される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  7. 前記前駆材料の様々な部分が、前記プラズマジェットに収束していく複数の方向から前記プラズマ領域に同時に方向付けられ得るよう、前記供給機構が構成され得る、請求項1〜6のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  8. 前記誘導チャンバーの容積が、前記供給オリフィスに、より近接するにつれて収束する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  9. 前記誘導チャンバーが内部および外部本体のそれぞれの内部および外部の円錐表面によって境界付けられ、前記内部および外部の円錐表面は、4〜10度で異なるそれぞれの円錐角度を定義する、請求項1〜8のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  10. 前記供給オリフィスが、開条件で、使用中の前記プラズマジェットの軸線の周囲を方位角的に延びる、環状の形態を有する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  11. プラズマ移行アーク(PTA)操作のための請求項1〜10のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  12. 前記誘導機構が機能的に配置されて前記供給オリフィスを通過した前駆材料の経路を変更し得る、請求項2〜11のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  13. 前記プラズマトーチに対する前記供給オリフィスの位置、ならびにまたは、前記供給オリフィスのサイズおよびもしくは形状が、前記誘導機構の配置に応じて様々であり得る、請求項2〜12のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  14. 前記誘導機構が、前記供給オリフィスに移動可能な境界を提供するように前記供給オリフィスと境界を共にする、請求項2〜13のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  15. 前記誘導機構を前記プラズマトーチに対して軸方向に移動し得、その軸線は、使用中の前記プラズマジェットの方向によって定義される、請求項2〜14のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  16. 前記誘導機構が、前記プラズマトーチの周囲を方位角的に延びる移動可能なスリーブを含んでなる、請求項2〜15のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  17. 前記供給オリフィスの対向する境界の間で1ミリメートル(mm)以下の軸方向の移動を前記供給オリフィスが提供し得るように前記誘導機構が配置され得、前記軸方向の移動は、使用中の前記プラズマジェットの方向に沿っている、請求項2〜16のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  18. 前記誘導機構が前記誘導チャンバーの外部境界を提供し、前記プラズマトーチが前記誘導チャンバーの内部境界を提供するように前記供給機構が構成される、請求項2〜17のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  19. 前記供給オリフィスが、前記誘導機構の境界と前記プラズマトーチの間の隙間として提供される、請求項2〜18のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
  20. 前記誘導チャンバーが、前記溶射アセンブリが組み立てられた状態にある時に、前記プラズマトーチの周囲を方位角的に延びる、請求項2〜19のいずれか一項に記載の溶射アセンブリ。
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