JP2017525645A - 炭素量子ドットのバンドギャップ・エンジニアリング - Google Patents

炭素量子ドットのバンドギャップ・エンジニアリング Download PDF

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Abstract

本開示の態様は、所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを次の各工程によって製造するための大規模化が可能な方法に関する:ある反応温度において炭素源を酸化剤に曝すこと(曝すことによって炭素量子ドットが形成する);および、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択すること。幾つかの態様において、この選択することは、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離すること;所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択すること;および、これらの工程の組み合わせ;のうちの少なくとも一つによって行われる。炭素量子ドットの所望のサイズは、あるサイズ範囲を含むことができる。本開示の方法はまた、所望のサイズを選択する前に、形成される炭素量子ドットを精製する工程を含むことができる。【選択図】図1

Description

関連出願
関連出願についてのクロス・リファレンス
[0001]本出願は米国仮特許出願62/014627号(2014年6月19日提出)についての優先権を主張する。加えて、本出願は国際特許出願PCT/US2014/036604号(2014年5月2日提出)と関連していて、この国際特許出願は米国仮特許出願61/818800号(2013年5月2日提出)についての優先権を主張している。上記出願のそれぞれの内容の全てが、参考文献として本明細書に取り込まれる。
連邦政府が後援する研究についての陳述
[0002]本発明は合衆国国防総省によって認められた認可番号FA9550−09−1−0581および認可番号FA9550−14−1−0111の下での政府の支援を受けて成されたものである。政府は本発明に一定の権利を有する。
本発明は、炭素量子ドットのバンドギャップの加工技術(バンドギャップ・エンジニアリング)に関する。
[0003]調整されたバンドギャップ(禁制帯)を有する炭素量子ドットを形成する現行の方法は、コスト、効率、反応条件、および大規模化の可能性の点で多くの限界をもっている。従って、所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを製造するためのより効率的な方法に対する必要性が存在する。
[0004]幾つかの態様において、本開示は所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを製造するための大規模化が可能な方法に関する。幾つかの態様において、本開示の方法は、ある反応温度において炭素源を酸化剤に曝す工程(曝露する工程)を含み、曝すことによって炭素量子ドットが形成する。本開示の方法はまた、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択する工程も含む。
[0005]幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズには、あるサイズ範囲が含まれる。幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズは、直径で約1nmから約200nmまで、直径で約1nmから約100nmまで、あるいは直径で約2nmから約80nmまでの範囲である。
[0006]幾つかの態様において、炭素量子ドットのサイズの選択は、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択することによって行われる。幾つかの態様において、選択される反応温度は、曝露する工程の間に一定のままにされる設定温度である。幾つかの態様において、選択される反応温度は、曝露する工程の間に徐々に増大または低下する温度勾配である。幾つかの態様において、選択される反応温度は、約25℃から約200℃まで、約50℃から約150℃まで、あるいは約100℃から約150℃までの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズは、選択される反応温度が増大するにつれて低下する。
[0007]幾つかの態様において、炭素量子ドットのサイズの選択は、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離することによって行われる。幾つかの態様において、その分離はろ過(例えば、クロスフロー限外ろ過)によって行われる。幾つかの態様において、ろ過は、異なる細孔サイズを有する複数の多孔質膜によって連続して行われる。幾つかの態様において、分離は透析または繰り返しの透析によって行われる。
[0008]幾つかの態様において、炭素量子ドットを製造するために用いられる炭素源には、(これらに限定はされないが)石炭、コークス、黒鉛、カーボンナノチューブ、活性炭、カーボンブラック、フラーレン、およびこれらの組み合わせが含まれる。幾つかの態様において、炭素源に曝される酸化剤には、硫酸、硝酸、およびこれらの組み合わせなどの酸が含まれる。
[0009]幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される炭素量子ドットを精製する工程も含む。幾つかの態様において、精製する工程には、(これらに限定はされないが)抽出、ろ過、蒸発、沈殿、透析、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0010]幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される炭素量子ドットの量子収率を高める工程も含む。幾つかの態様において、高めることは、炭素量子ドットの水熱処理、1種以上の塩基を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の水酸化物を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上のドーパントを用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の還元剤を用いる炭素量子ドットの処理、およびこれらの組み合わせによって行われる。
[0011]本開示の方法は、様々な所望のバンドギャップを有する様々なタイプの炭素量子ドットを製造するために利用することができる。幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットにはグラフェン量子ドットが含まれる。幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットは結晶質の六方晶構造を有する。幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットは光ルミネッセンス性のものである。幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットは複数の官能基で官能化されている。幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットは端部が官能化されている。
[0012]本開示の方法は、大規模化が可能なやり方で炭素量子ドットを製造するために用いることもできる。例えば、幾つかの態様において、本開示の方法によれば、約1gの炭素量子ドットから約10トンの炭素量子ドットまでの範囲の大量の炭素量子ドットが形成される。
[0013]図1はサイズの選択によって所望のバンドギャップを有する炭素量子ドット(CQD)を製造する方法の組立てを示す。 [0014]図2はグラフェン量子ドット(GQD)の製造とサイズ分離に関する図解とデータを示す。図2AはGQDの合成の概略図である。図2Bはクロスフロー限外ろ過を用いるGQDの分離の概略図である。GQD−S4.5(図2C)、GQD−S16(図2D)、GQD−S41(図2E)およびGQD−S70(図2F)を含めた、分離されたGQDの透過型電子顕微鏡検査(TEM)の画像も示されている。図2GはTEMによって測定されたGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70のサイズ分布の要約を示す。 [0015]図3は動的光散乱(DLS)によって得られた様々なサイズにおけるGQDの流体力学的な直径を示す。図2GにおけるTEMの凡例と一致させるために、凡例のサイズが挙げられている。しかし、実際のDLSの記録された平均のサイズはそれぞれ10±2.5nm、27±7.9nm、41±11nmおよび76±18nmである。 [0016]図4はGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70のダイレクト13Cパルス・マジックアングルスピニング核磁気共鳴(MASNMR)スペクトル(図4A)および交差偏光13C MAS NMRスペクトル(図4B)を示す。 [0017]図5は合成されたGQDに関する様々なデータを示す。図5AはGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70ならびに対照としてのAuのX線光電子分光分析(XPS)の外観を示す。GQD−S4.5(図5B)、GQD−S16(図5C)、GQD−S41(図5D)およびGQD−S70(図5E)のC1s高解像度XPSスペクトルも示されている。図5Fは、図5B〜5Eからの様々な官能基におけるパーセント元素含有量の要約を示す。 [0018]図6はGQD−S4.5(図6A)、GQD−S16(図6B)、GQD−S41(図6C)およびGQD−S70(図6D)の固体状態のフーリエ変換赤外線(FTIR)スペクトルを示す。 [0019]図7はGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70のUV/vis(紫外/可視)吸収を示す。 [0020]図8はGQD−S4.5(図8A)、GQD−S16(図8B)、GQD−S41(図8C)およびGQD−S70(図8D)の2D(二次元)励起−発光等高線を示し、全てが水中での約80mg/LにおいてpH6でのものである。図8Eは図8A〜Dについての標準化した強度のスケールバーである。図8Fは365nmの励起UVランプの下でのGQDの溶液である。左から右へ、バイアルはそれぞれGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70の溶液を収容している。図8Gは光バンドギャップと(TEMによる)GQDのサイズ(または限外ろ過において用いた膜の細孔サイズ)との間の関係を比較している。 [0021]図9はNaOHまたはNaSで処理する前と後のGQD−S4.5の光ルミネッセンスの比較を示す。 [0022]図10はGQD−T150−7.6(図10A)、GQD−T130−25(図10B)、GQD−T110−27(図10C)、およびGQD−T50−54(図10D)、のC1s高解像度XPSスペクトルを示す。図10Eは、図10A〜Dからの様々な官能基におけるパーセント元素含有量の要約を示す。 [0023]図11はGQD−T150−7.6(図11A)、GQD−T130−25(図11B)、GQD−T110−27(図11C)、およびGQD−T50−54(図11D)を含めた、様々な温度において合成されたGQDのTEM画像を示す。TEM画像からの対応する平均の直径はそれぞれ7.6±1.8nm、25±5.0nm、27±3.8nmおよび54±7.2nmである。図11Eは図11A〜11DからのGQDのサイズ分布の要約を示す。 [0024]図12は様々な温度において合成されたGQDのマトリックス支援レーザー脱離/イオン化法マススペクトロメトリー(MALDI−MS)を示す。合成温度が(図において上から下へ)50℃から150℃まで上昇したときに、GQDの平均の直径は54±7.2nm、27±3.8nm、25±5.0nmおよび7.6±1.8nmであった。GQDのピークの対応する分子量はそれぞれ60、49、44および27kDであった。 [0025]図13は図2Gおよび図11Eの合成プロットを示す。GQD−T100−35はGQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70で構成されている。様々な温度において合成された全てのGQDを比較すると、GQD−T100−35は4.5nmと80nmの間のサイズの粒子を含んでいるが、しかし、それらの量は少ない。温度が増大すると、主要なピークはより小さな直径へ移行する、というのが主な傾向である。 [0026]図14はGQD−T50−54、GQD−T110−27、GQD−T130−25およびGQD−T150−7.6のダイレクト13CパルスMASNMRスペクトル(図14A)および交差偏光13C MAS NMRスペクトル(図14B)を示す。GQD−T110−27の交差偏光スペクトルは脂肪族の不純物による増大を示している。 [0027]図15はGQD−T150−7.6、GQD−T130−25、GQD−T110−27およびGQD−T50−54のUV/vis吸収を示す。 [0028]図16はGQD−T150−7.6(図16A)、GQD−T130−25(図16B)、GQD−T110−27(図16C)、およびGQD−T50−54(図16D)の2D励起−発光等高線を示す。標準化したスケールバーは図16Eに示されている。約pH6において濃度は約30mgLである。図16Fは365nmの励起UVランプの下でのGQDの溶液を示す。左から右までの溶液はGQD−T150−7.6、GQD−T130−25、GQD−T110−27およびGQD−T50−54である。図16Gは図16A〜Dからの300nmおよび320nmの励起波長におけるピーク強度の要約を示す。 [0029]図17は120℃において瀝青炭から合成されたGQDの発光スペクトル(345nmにおいて励起)を示す。挿入図は365nmのUVランプの下でのGQDの溶液を示す。 [0030]図18は1時間および6時間かけて130℃において合成されたGQDの発光スペクトルを示す。スペクトルは325nm(図18A)および365nm(図18B)において励起された。 [0031]図19は無煙炭および黒鉛のFTIR(図19A)、ラマン(図19B)、およびXRD(図19C)の各スペクトルを示す。ラマンスペクトルにおいて、無煙炭の1350cm−1における比較的大きなDピークは高い欠陥を示している。XRDスペクトルにおいて、無煙炭と黒鉛についての面間隔d(d-spacing)はそれぞれ0.346nmおよび0.337nmであった。無煙炭についての約26℃における比較的広いピークは、小さな結晶領域を示している。
[0032]以上の概括的な説明と以下の詳細な説明は両者とも例証的なものであって説明上のものであり、特許請求の範囲に記載された主題を限定するものではない、ということが理解されるべきである。本願明細書において、特に示さない限り、単数形の語を用いているときは複数形を含み、単数形の語は「少なくとも一つのもの」であることを意味し、そして「または」を用いているときは「および/または」を意味する。さらに、「含む」という用語ならびにその変形の用語を用いるとき、限定的ではない。また、「要素」または「構成要素」といった用語は、特に示さない限り、一つのユニットからなる要素または構成要素と一つよりも多いユニットを含む要素または構成要素の両方を包含する。
[0033]本明細書で用いられている各節の表題は構成上の目的のものであって、説明されている主題を限定するものと解釈されるべきではない。(これらに限定されるのではないが)特許、特許出願、記事、著作および論文を含めて本明細書中で挙げられている全ての文献または文献の一部は、それらの全体が何らかの目的でここに参考文献として明白に取り込まれる。包含される一つ以上の文献や同様の資料が本願における用語の定義と矛盾するやり方でその用語を定義している場合、本願に従うものである。
[0034]ゼロ次元(0D)または一次元(1D)のナノ構造の中に電子を閉じ込めることによって無機質のナノロッドおよび量子ドットのバンドギャップを調整することは、極めて重要な研究対象として注目されていて、光電池、生物医学および生物学での画像化、および発光源などの様々な分野において広い用途が見いだされている。これらの材料のバンド構造を調整する従来の方法としては様々な手段が挙げられ、例えば、Inナノアイランドのレーザー分子ビームエピタキシー成長、金のナノ粒子の超分子集成、CdTe量子ドットの上への圧縮シェルのエピタキシー堆積、シリコン量子ドットのプラズマ化学気相成長、およびMoS層のひずみ制御などがある。しかし、これらの方法は特殊で利用しにくい装置あるいは厳密な反応条件を必要とする。さらに、これらの方法は通常、費用がかさむものである。さらに、これらの方法によって生成される無機量子ドットは通常、有毒である。そのため、無機量子ドットの用途は限定されていた。
[0035]長く研究された無機量子ドットはしばしば狭い発光を示すが、発光性の炭素をベースとする量子ドット(CQD)は、高い生物適合性の点で優れた性能を示す場合があり、また光学的に安定している。CQDは最小限の毒性を有することが示されている。さらに、特定のバンドギャップを有するCQDを調製するための方法が開発された。例えば、様々な移動層の勾配溶離を伴ったクロマトグラフィーの使用、アミンを用いる粉砕黒鉛の切断、および調製されたCQDの元素ドーピングによって、特定のバンドギャップを有するCQDを製造する方法が開発された。しかし、複雑な分離技術、多段階の合成または高い試薬コストは、所望のバンドギャップを有するCQDの大規模な製造を制限している。従って、所望のバンドギャップを有するCQDを製造するための改善された方法に対する必要性が存在する。本開示の様々な態様は、これらの必要性に対処するものである。
[0036]幾つかの態様において、本開示は所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを製造するための大規模化が可能な方法を提供する。図1に示される幾つかの態様において、本開示の方法は、ある反応温度において炭素源を酸化剤に曝す工程(工程10)を含み、曝すことによって炭素量子ドットが形成する(工程12)。幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される量子ドットを精製する工程(工程14)も含む。幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される炭素量子ドットの所望のサイズを選択する工程(工程16)も含む。幾つかの態様において、炭素量子ドットのサイズの選択は、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離すること(工程18)、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択すること(工程20)、およびこれらの工程の組み合わせによって行われる。
[0037]本明細書で後にさらに詳しく説明するように、様々な反応温度において様々な炭素源を様々な酸化剤に曝すことによって様々な量とタイプの炭素量子ドットを形成するために、様々な方法を利用することができる。さらに、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択するために、様々な方法を利用することができる。
[0038]酸化剤
[0039]炭素量子ドットを形成するために、様々な酸化剤を利用することができる。幾つかの態様において、酸化剤には酸が含まれる。幾つかの態様において、酸には、(これらに限定はされないが)硫酸、硝酸、リン酸、次亜リン酸、発煙硫酸、塩化水素酸、オレウム、硫酸中の三酸化硫黄、クロロスルホン酸、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0040]幾つかの態様において、炭素量子ドットを形成するために利用される酸化剤は硫酸と硝酸の混合物である。幾つかの態様において、酸化剤は硝酸である。幾つかの態様において、酸化剤は硝酸だけからなる。幾つかの態様において、酸化剤には、(これらに限定はされないが)過マンガン酸カリウム、過マンガン酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、次亜リン酸、硝酸、硫酸、過酸化水素、およびこれらの組み合わせが含まれる。幾つかの態様において、酸化剤は過マンガン酸カリウム、硫酸および次亜リン酸の混合物である。幾つかの態様において、酸化剤は20%の発煙硫酸を含む。幾つかの態様において、酸化剤は98%の硫酸を含む。幾つかの態様において、酸化剤は硝酸ナトリウムと硝酸の組み合わせである。追加の酸化剤の利用も想定することができる。
[0041]炭素源
[0042]本開示の方法は、炭素量子ドットを形成するために、様々なタイプの炭素源を利用することができる。例えば、幾つかの態様において、炭素源には、(これらに限定はされないが)石炭、コークス、黒鉛、カーボンナノチューブ、活性炭、カーボンブラック、フラーレン、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0043]幾つかの態様において、炭素源は石炭を含む。炭素量子ドットを形成するための炭素源として、様々なタイプの石炭を利用することができる。例えば、幾つかの態様において、石炭には、(これらに限定はされないが)無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、変性瀝青炭、アスファルテン、アスファルト、泥炭、亜炭、ボイラー用炭、石化油(petrified oil)、およびこれらの組み合わせが含まれる。幾つかの態様において、炭素源は無煙炭を含む。幾つかの態様において、炭素源は瀝青炭を含む。炭素源として追加の石炭の使用も想定することができる。
[0044]幾つかの態様において、炭素源はコークスを含む。幾つかの態様において、コークスはピッチから製造される。幾つかの態様において、コークスは瀝青炭から製造される。幾つかの態様において、コークスはピッチと瀝青炭から製造される。幾つかの態様において、炭素源はコークスと石炭の組み合わせである。追加の炭素源の使用も想定することができる。
[0045]酸化剤への炭素源の曝露
[0046]炭素源を酸化剤に曝す(曝露する)ために、様々な方法を利用することができる。幾つかの態様において、曝すことは、酸化剤を含む溶液の中で行われる。幾つかの態様において、曝すことは、酸化剤の存在下で炭素源を音波処理することを含む。幾つかの態様において、曝すことは、酸化剤の存在下で炭素源を攪拌することを含む。幾つかの態様において、曝すことは、酸化剤の存在下で、ある反応温度において炭素源を加熱することを含む。幾つかの態様において、反応温度は少なくとも約100℃である。幾つかの態様において、反応温度は約100℃から約150℃までの範囲である。
[0047]炭素源を、様々な長さの時間にわたって酸化剤に曝すことができる。例えば、幾つかの態様において、曝すことは、約1分から約48時間まで行われる。幾つかの態様において、曝すことは、約1時間から約24時間まで行われる。幾つかの態様において、曝すことは、約15時間から約24時間まで行われる。
[0048]幾つかの態様において、2つ以上の酸化剤を連続したやり方で炭素源に曝すことができる。例えば、幾つかの態様において、第一の酸化剤が炭素源と混合される。その後、第二の酸化剤が炭素源と混合される。幾つかの態様において、第一の酸化剤は硫酸であり、第二の酸化剤は硝酸である。
[0049]幾つかの態様において、単一の酸化剤が炭素源に曝される。幾つかの態様において、単一の酸化剤は硝酸である。炭素源を酸化剤に曝すための追加の方法も想定することができる。
[0050]形成される炭素量子ドット
[0051]本開示の方法は、様々なタイプの炭素量子ドットを形成するために用いることができる。本開示のさらなる態様は、形成される炭素量子ドットに関する。
[0052]幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは原初の(pristine)形態になっている。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは非官能化されている。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは複数の官能基で官能化されている。幾つかの態様において、官能基には、(これらに限定はされないが)非晶質炭素、酸素基、カルボニル基、カルボキシル基、芳香族基、アルカン基、アルケン基、ケトン基、エステル、アミン、アミド、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0053]幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは複数の官能基で端部が官能化されている。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットには、それらの端部上にある酸素の付加物が含まれる。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットには、それらの端部上にある非晶質炭素の付加物が含まれる。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットにはグラフェン量子ドットが含まれる。
[0054]本開示の炭素量子ドットは様々な層を含むことができる。例えば、幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは単一の層を有する。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは複数の層を有する。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットはおよそ2つの層からおよそ4つの層までを有する。
[0055]本開示の炭素量子ドットは様々な構造を含むことができる。例えば、幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは結晶質の六方晶構造を有する。
[0056]本開示の炭素量子ドットはまた、様々な特性を有することもできる。例えば、幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは光ルミネッセンス性のものである。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは、人間の目に見えるスペクトルの領域から光を放射する。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは、人間の目に見えるスペクトルの青色−緑色の領域(2.9eV)からオレンジ色−赤色の領域(2.05eV)までの光を放射する。
[0057]本開示の炭素量子ドットはまた、様々な分子量を有することもできる。例えば、幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは約20kDから約100kDまでの範囲の分子量を含む。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは約25kDから約75kDまでの範囲の分子量を含む。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは約40kDから約60kDまでの範囲の分子量を含む。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは約60kDの分子量を有する。
[0058]本開示の炭素量子ドットはまた、様々なサイズを有することもできる。例えば、幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは、直径で約1nmから直径で約200nmまでの範囲のサイズを含む。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは、直径で約2nmから直径で約80nmまでの範囲のサイズを含む。幾つかの態様において、本開示の炭素量子ドットは、直径で約2nmから直径で約65nmまでの範囲のサイズを含む。
[0059]本開示の炭素量子ドットはまた、様々な量子収率を有することもできる。例えば、幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率は1%未満で0.1%よりも大きい。幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率は1%と10%の間である。幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率は50%程度まで高くてもよい。幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率はほぼ100%であってもよい。
[0060]望ましい炭素量子ドットのサイズを選択すること
[0061]本開示の方法はまた、炭素量子ドットの所望のサイズを選択する1つ以上の工程も含むことができる。幾つかの態様において、その所望のサイズには、あるサイズの範囲が含まれる。幾つかの態様において、所望のサイズには狭いサイズ範囲が含まれる。幾つかの態様において、所望のサイズには複数のサイズが含まれる。幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズには、約55nmから約85nmまで、約45nmから約65nmまで、約30nmから約50nmまで、約20nmから約35nmまで、約20nmから約30nmまで、約10nmから約20nmまで、約5nmから約10nmまで、約2nmから約6nmまで、約2nmから約4nmまで、あるいは約1nmから約3nmまでの範囲の直径が含まれる。
[0062]本開示では、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択するために、様々な方法を利用することができる。例えば、幾つかの態様において、選択することには、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離すること、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択すること、およびこれらの工程の組み合わせのうちの少なくとも一つが含まれうる。
[0063]温度の選択
[0064]幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズは、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択することによって選択される。幾つかの態様において、選択される反応温度は、曝露する工程の間に一定のままにされる設定温度である。幾つかの態様において、選択される反応温度は温度の勾配である。例えば、幾つかの態様において、温度勾配は曝露する工程の間に徐々に増大する。幾つかの態様において、温度勾配は曝露する工程の間に徐々に低下する。
[0065]幾つかの態様において、選択される反応温度は約25℃から約200℃までの範囲である。幾つかの態様において、選択される反応温度は約50℃から約150℃までの範囲である。幾つかの態様において、選択される反応温度は約100℃から約150℃までの範囲である。
[0066]幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズは、選択される反応温度が増大するにつれて低下する。例えば、選択される反応温度が約50℃である場合の幾つかの態様において、その選択される反応温度によって約45nmから約65nmまでの範囲の直径を有する炭素量子ドットが生成する。選択される反応温度が約110℃である場合の幾つかの態様において、その選択される反応温度によって約20nmから約35nmまでの範囲の直径を有する炭素量子ドットが生成する。選択される反応温度が約130℃である場合の幾つかの態様において、その選択される反応温度によって約20nmから約30nmまでの範囲の直径を有する炭素量子ドットが生成する。選択される反応温度が約150℃である場合の幾つかの態様において、その選択される反応温度によって約5nmから約10nmまでの範囲の直径を有する炭素量子ドットが生成する。
[0067]幾つかの態様において、炭素量子ドットの官能化の程度は、選択される反応温度が増大するにつれて増大する。例えば、幾つかの態様において、反応温度が増大するにつれて炭素量子ドットはより多く酸化される。幾つかの態様において、選択される反応温度が増大するにつれて炭素量子ドットのバンドギャップも増大する。
[0068]分離
[0069]幾つかの態様において、炭素量子ドットの所望のサイズは、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離することによって選択される。本明細書で後にさらに詳しく説明するように、様々な分離方法を利用することができる。
[0070]幾つかの態様において、その分離はろ過によって行われる。幾つかの態様において、ろ過には、(これらに限定はされないが)マクロろ過、ミクロろ過、限外ろ過、クロスフローろ過、クロスフロー限外ろ過、透析、膜ろ過、およびこれらの工程の組み合わせが含まれる。幾つかの態様において、ろ過はクロスフロー限外ろ過などのクロスフローろ過によって行われる。
[0071]幾つかの態様において、ろ過は多孔質膜によって行われる。幾つかの態様において、多孔質膜は約1kDから約100kDまでの範囲の細孔サイズを有する。幾つかの態様において、細孔サイズは約1kDから約50kDまでの範囲である。幾つかの態様において、細孔サイズは約3kDから約30kDまでの範囲である。
[0072]幾つかの態様において、ろ過は複数の多孔質膜によって連続して行われる。例えば、幾つかの態様において、形成される炭素量子ドットを含む溶液が第一の多孔質膜によってろ過される。次いで、そのろ過された溶液は第二の多孔質膜によってろ過される。その後、そのろ過された溶液は第三の多孔質膜によってろ過される。幾つかの態様において、連続のろ過工程において利用される多孔質膜は、異なる細孔サイズを有する。幾つかの態様において、連続のろ過工程において利用される多孔質膜は、連続して増大する細孔サイズを有する。例えば、幾つかの態様において、第一、第二および第三の多孔質膜はそれぞれ、約3kD、10kDおよび30kDの細孔サイズを有する。
[0073]ろ過は様々な条件の下で行うことができる。例えば、幾つかの態様において、ろ過は、約0.1気圧から約10気圧までの範囲の膜横断圧力において行われる。幾つかの態様において、ろ過は、約0.5気圧から約2気圧までの範囲の膜間差圧において行われる。幾つかの態様において、ろ過は約1気圧において行われる。
[0074]炭素量子ドットの精製
[0075]幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される炭素量子ドットを精製する工程も含む(例えば、溶液中の酸化剤からの精製)。幾つかの態様において、精製は、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択する工程の前に、その工程の間に、あるいはその工程の後に行われる。幾つかの態様において、精製する工程には、(これらに限定はされないが)抽出、ろ過、蒸発、沈殿、透析、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0076]幾つかの態様において、精製する工程は、形成される炭素量子ドットを含む溶液を中和すること、溶液をろ過すること、および溶液を透析することを含む。幾つかの態様において、精製する工程は、形成される炭素量子ドットを含む溶液を透析することを含む。幾つかの態様において、精製する工程は、形成される炭素量子ドットを反応混合物(例えば、溶液)から抽出することを含む。幾つかの態様において、抽出は、酢酸エチルまたは2−ブタノール、または酢酸エチルと2−ブタノールの組み合わせなどの有機溶媒を利用する。形成される炭素量子ドットを精製する追加の方法も想定することができる。
[0077]炭素量子ドットの量子収率の向上
[0078]幾つかの態様において、本開示の方法はまた、形成される炭素量子ドットの量子収率を高める工程も含む。幾つかの態様において、その高める工程は、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択する工程の前に、その工程の間に、あるいはその工程の後に行われる。
[0079]炭素量子ドットの量子収率を高めるために、様々な方法を利用することができる。典型的な方法には、(これらに限定はされないが)炭素量子ドットの水熱処理、1種以上の塩基(例えば、水酸化ナトリウム)を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の水酸化物を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上のドーパント(例えば、NaHPO)を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の還元剤を用いる炭素量子ドットの処理、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0080]幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率の向上は、炭素量子ドットの水熱処理によって行われる。幾つかの態様において、水熱処理は、炭素量子ドットを水中で水酸化物によって処理し、それによりそれらの量子収率を増大させることを含む。幾つかの態様において、炭素量子ドットの水熱処理は、容器(例えば、密閉した容器)の中で加圧下で100℃を超える温度(例えば、約180℃ないし200℃の温度)において、炭素量子ドットを水で処理することを含む。
[0081]幾つかの態様において、炭素量子ドットの量子収率の向上は、1種以上の還元剤を用いる炭素量子ドットの処理によって行われる。幾つかの態様において、還元剤には、(これらに限定はされないが)ヒドラジン、ホウ水素化ナトリウム、熱、光、硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、およびこれらの組み合わせが含まれる。
[0082]幾つかの態様において、向上させる工程により、炭素量子ドットの量子収率は少なくとも約50%、少なくとも約100%、少なくとも約200%、あるいは少なくとも約500%高まる。幾つかの態様において、向上させる工程により、炭素量子ドットの量子収率は少なくとも約50%高まる。幾つかの態様において、向上させる工程により、炭素量子ドットの量子収率は約0.1%から約50%まで高まる。
[0083]利点
[0084]炭素量子ドットの所望のサイズを選択することにより、本開示の方法は、形成される炭素量子ドットのバンドギャップを調整するために利用することができる。従って、本開示の方法は、所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを製造するために利用することができる。例えば、幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約0.5eVから約5eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約1eVから約5eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約1eVから約5eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約0.5eVから約3eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約1eVから約3eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約2eVから約3eVまでの範囲である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約1.5eV未満である。幾つかの態様において、炭素量子ドットのバンドギャップは約3eV未満である。
[0085]さらに、本開示の方法は、所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを大規模化が可能なやり方で形成するために利用することができる。例えば、幾つかの態様において、本開示の方法によれば、炭素量子ドットをまとまった量で(大量に)形成することができる。幾つかの態様において、まとまった量とは、約1gの炭素量子ドットから約10トンの炭素量子ドットまでの範囲である。幾つかの態様において、まとまった量とは、約1gよりも多い炭素量子ドットである。幾つかの態様において、まとまった量とは、約500gよりも多い炭素量子ドットである。幾つかの態様において、まとまった量とは、約1kgよりも多い炭素量子ドットである。
[0086]さらなる態様
[0087]本開示のさらなる態様およびそれらの態様についての裏付けを与える実験結果について以下で論及を行う。しかし、以下の開示は例示の目的だけのためのものであり、特許請求の範囲の主題の範囲をいかなる形でも限定する意図はないことを出願人は特筆しておく。
[0088]実施例1.石炭由来のグラフェン量子ドットのバンドギャップ・エンジニアリング
[0089]本実施例において、無煙炭から合成した光ルミネッセンス性のグラフェン量子ドット(GQD)のバンドギャップを、次の二つのうちのいずれかのやり方でGQDのサイズを制御することによって加工した:化学的な酸化処理とクロスフロー限外ろ過による分離、あるいは、比較的小さなGQDにするために連続的に高温を用いる容易な1工程の化学合成。これらの方法を用いて、調整されたサイズとバンドギャップを有するGQDを合成した。これらのGQDは、サイズ、官能価および欠陥に応じて、青色−緑色(2.9eV)からオレンジ色−赤色(2.05eV)までの光を放射する。これらの所見は、石炭由来のGQDの性質についての深い洞察をもたらし、また、所望のバンドギャップを有するGQDの製造のための大規模化が可能な方法を実証する。
[0090]最初の取り組みとして、膜の細孔サイズを変化させることによってGQDをサイズに応じて分離するために、クロスフロー限外ろ過を用いてGQDを迅速に精製した。このようなクロスフロー限外ろ過は、工業用水や都市の水の浄化および食品の分離のための極めて大きな規模の工業プロセスにおいて用いられる。精製したGQDの発光波長は、量子の閉じ込め効果によって、それらのサイズと官能価および欠陥に依存する。
[0091]第二の取り組みとして、出願人は、限外ろ過を用いる代わりに、酸化のプロセスの反応温度を制御することによってGQDのバンドギャップを加工し、その結果、可視スペクトルをカバーする蛍光特性を有する、温度によって定まるサイズのGQDを合成した。温度が高いほどGQDは小さくなり、このことにより、酸化の切断によってドメインサイズを制御しうる容易さが強調される。
[0092]最初の反応のプロトコルとして、酸化の化学反応とクロスフロー限外ろ過の処理を用いて、様々なサイズのGQDを調製した。図2Aに示すように、最初に原料の無煙炭を硫酸と硝酸の混合溶媒中に分散させ、次いで、定まった温度において24時間加熱し、それにより透明な溶液を生成した。精製した後、約1気圧の膜間差圧(TMP)において連続して3kD、10kDおよび30kDの細孔サイズの膜を用いて、GQDの溶液をクロスフロー装置(図2B)で処理した。
[0093]図2C〜Fは、分離した後のGQDの透過型電子顕微鏡検査(TEM)の画像およびそれらの対応するサイズを示す。TEMおよび動的光散乱(DLS)の分析から得られた流体力学的な直径をそれぞれ、図2Gおよび図3に要約する。
[0094]図2Gにおけるサイズの分布は、約150個の粒子のサンプルサイズについてTEMの画像から統計的に平均化したものである。流体力学的な直径の分布は、バルク溶液中の光の散乱から計算した。精製処理の後、TEMの画像によって、4.5±1.2nm、16±3.3nm、41±6.4nmおよび70±15nmの平均サイズを有するGQDが得られたことが判明した。対応する流体力学的な直径はそれぞれ、10±2.5nm、27±7.9nm、41±11nmおよび76±18nmであった。DLSの分析においてサイズが大きくなったのは、GQDの周りの水和層のためである。対応するGQDのバッチはGQDs−Sxで示していて、ここで「S」は「分離したこと」を意味し、また「x」はTEMの画像からの平均の直径を示す。
[0095]材料について研究するために、マジックアングルスピニング(MAS)を採用する2つの固体状態のNMRの実験を用いた(ダイレクト13CパルスおよびH−13C交差偏光(CP))。後者は、プロトンに富む材料の特徴づけを行うために通常は十分なものである。しかしながら、(おそらくはプロトンが不足している大きな領域を有する)ここで調査する材料のために、ダイレクト13Cパルスの手法も用いた。
[0096]各々のタイプの実験について、それぞれのGQDのサンプルについての少なくとも定性的な情報を得るために、単一のセットのパラメーターを用いてサーベイスペクトルを得た(図4)。各々の実験において、芳香族基とアルケン基からの約130ppmにおける最大ピークを有する顕著なバンドが明らかになった。多くはカルボニル基からのものであると思われる約170ppmにおける信号も、大部分のスペクトルにおいて明白である。各々のサンプルについて、芳香族またはアルケンおよびカルボニルの信号の相対強度は、ダイレクト13CパルスとCPスペクトルとでは明らかに異なっている。定量的な説明を試みるためには、複数の接触時間において得られるCPスペクトルと複数の緩和の遅れを用いて得られるダイレクト13Cパルスのスペクトルが必要であろう。それにもかかわらず、これらのサーベイスペクトルから、GQDのサイズが増大するにつれて、(ダイレクト13Cパルスのスペクトルから明らかなように)ケトンおよびカルボキシの官能基を含めた、かなり広範囲の様々なカルボニル環境が生成することが明らかである。しかし、比較的大きなGQDにおけるカルボニル基は、最も小さなGQDと同様に、交差偏光しないことを、CPスペクトルは示している。
[0097]GQDが大きくなるにつれて、カルボニル基の相対含有量は小さくなる。同様に、GQDが大きくなるにつれて、ピーク強度に及ぼす隣接するプロトンの影響は小さくなる。これらの結果は、石炭由来のGQDの酸化した黒鉛構造と矛盾しない。
[0098]GQDの化学的な構造を、X線光電子分光分析(XPS)およびフーリエ変換赤外線分析(FTIR)によってさらに確認した。様々なサイズのGQDのXPSによる調査結果は(図5A)、GQDが主に炭素と酸素からなることを示している。図5B〜Eに示すように、GQDの高解像度C1sXPSスペクトルは、288.8eVおよび286.6eVのそれぞれにおけるCOOHピークとC−Oピークの存在を示している。これらの官能基の相対的な豊富さは図5Fに要約されている。カルボニルに対する芳香族(またはアルケン)の相対的比率についての量的な評価は、NMRの実験におけるほどには説明されていない。図6A〜Dに示すFTIRスペクトルにおいて、小さなGQDにおける約2980cm−1においてC−H伸長モードが現われているが、それらの官能性はGQDのサイズが大きくなるにつれて検出されなくなる。これは、GQDが大きくなるにつれて、端部でのC−Hの伸長の豊富さが低下するためである。カルボニルの伸長は明らかに認められるが、しかし、サンプルどうしの間の相対的な強度を確認することは困難である。
[0099]クロスフロー限外ろ過によるGQDの分離の有効性について、分離したGQDの光学物性を調査することによって、さらに評価を行った。図7はGQDの紫外−可視吸収性を示す。比較的大きなGQDは、長い波長において吸収する傾向があるが、一方、小さなGQDの吸収は青色にシフトする。大きなGQDの広い吸収は、電子状態の複雑さのためである。
[00100]図8A〜EはGQDの2D(二次元)励起−発光等高線を示す。365nmのUV光の下で、これらの量子ドットの溶液は緑色(約2.4eV)からオレンジ色−赤色(約1.9eV)までの領域の可視スペクトルの大部分にわたる光を放射する(図8F)。バンドギャップとサイズまたは分子量の区切りとの間の相互関係は図8Gに要約されている。予想した通り、GQDのサイズが4.5nmから70nmに増大すると、ピークの発光は約520nmから620nmまで赤色にシフトし、これは量子の閉じ込め効果によるものである。GQDのサイズが4.5nmから70nmまで増大すると、対照基準としてキニーネ硫酸塩を用いた場合、これらのGQDは1.1%、0.89%、0.65%および0.38%の様々な蛍光性量子の収率を示す。
[00101]サイズが増大するにつれて量子収率が低下することは、蛍光性がGQDにおける欠陥による影響を受けることを示唆していて、その理由は、より大きなGQDは酸化によって誘起される単位面積当りの欠陥の位置が少なくなり、そのために発光性が低下するためである。これらのGQDの低い量子収率は、公表されたデータに近似している。
[00102]前に報告したように、塩基中での単純な水熱処理によって量子収率が改善する。例えば、0.2MのNaOH水溶液の中でGQD−S4.5を加熱すると、量子収率は空気またはアルゴンの中でそれぞれ8.1%または10%まで上昇する(図9)。同様の改善は、1MのNaS水溶液の中で100℃において1日間GQDを処理したときにも認められた。例えば、GQD−S4.5の量子収率は、NaSで処理した後に約5倍に増大した(図9)。
[00103]分離技術によって、制御されたサイズのGQDを効率的に製造することができる。例えば、GQD−S4.5、GQD−S16、GQD−S41およびGQD−S70の相対的な収率はそれぞれ、8%、30%、52%および10%であった。これは、無煙炭から出発した場合には重量で1.6%、6%、10%および2%の収率となる。従って、GQDの全体的な収率は約20%である。
[00104]GQDのサンプルのサイズを調整するために用いられた第二の方法は、分離ではなく、直接的な合成技術によるものであった。クロスフロー限外ろ過を用いずに単一の工程で、サイズが区別されたGQDを製造するためのこの簡単な方法は、反応温度を制御することに基づく。様々な温度において24時間にわたって合成したGQDをGQD−Tx−yと表わし、ここで「T」は「温度」を意味し、「x」は合成温度を示し、そして「y」はTEMで得られたサイズを意味する。温度が高いと、より多く酸化されて、GQDは刻まれてより小さなサイズとなり、バンドギャップは広がることになる。GQDのサイズの変化をTEM画像で示し(図11)、これにおいて、GQDの平均の直径は、合成温度が50℃から110℃、130℃および150℃まで上昇したときにそれぞれ、54±7.2nm、27±3.8nm、25±5.0nmおよび7.6±1.8nmである。MALDI−MSによって測定すると、GQDのピークの対応する分子量は60、49、44および27kDであった(図12)。
[00105]予想した通り、100℃において調製したクロスフロー限外ろ過したGQDについてTEMによって決定した直径は、様々な温度において合成したGQDの範囲に良好に当てはまった。このことは、図2Gと図11Eを合成したプロットにすると、より明白になる(図13)。GQD上の官能価の比率も合成温度とともに変化する。
[00106]クロスフロー限外ろ過によって分離した13C MAS NMR GQDと同様に、様々な温度において合成したこれらのGQDは主に、約170ppmと約130ppmのそれぞれにおいて、カルボニル基および芳香族基またはアルケン基の存在を示している(図14)。合成温度を150℃まで上昇させると、より均一な構造が生じ、芳香族またはアルケンおよびカルボニルの信号は著しく鋭くなる。ダイレクト13Cパルススペクトルと交差偏光スペクトルとの間の相違は、GQD−T110−27について特に顕著である。ダイレクト13Cパルスの実験において、脂肪族炭素は明らかに極めて長い13Cスピン格子緩和時間を有し、従って、極めて弱い信号を示す。H−13C交差偏光の実験において、ずっと短いHスピン格子緩和時間は、様々な−O−C(sp)および−O−C(sp)−O−の環境からのこれらの脂肪族不純物をずっと容易に検出することを可能にする。
[00107]図10A〜Eに示すように、合成温度が50℃から150℃まで上昇すると、COOHの官能基のパーセントが約4%から約22%まで増大し、一方、C−C結合の含有量は約93%から約65%まで低下することを、高解像度C1sXPSスペクトルは示している。NMRスペクトルの対応する変化(170ppm近くでの比較的強い信号および低下した芳香族またはアルケンの強度)は、XPSの結果と定性的に一致する。しかしながら、非カルボキシルC−Oの含有量は、全温度範囲を通して一定のままである。
[00108]出願人は、様々な温度において合成したGQDのUV可視吸収および2D励起発光について、さらに実験を行った。様々な温度において合成したGQDの吸収スペクトル(図15)は、クロスフロー限外ろ過によって調製したGQDのスペクトルに近似している。比較的高い合成温度において、吸収曲線の勾配は低い波長領域にある。低い合成温度において、吸収は可視領域にわたって広くなる傾向がある。
[00109]出願人は、GQDの発光特性を分析することによって、反応温度によるGQDのバンドギャップの制御について、さらに研究した。図16A〜Eに示すように、温度が50℃から150℃まで上昇すると発光のピークは約580nmから約420nmまでシフトするが、これらはそれぞれ、オレンジ色−赤色および青色−緑色の発光色に相当する。この最大の励起はまた、温度が150℃から50℃まで低下すると約320nmから約300nmまでシフトする。最大の励起のこの赤色のシフトは、比較的低い合成温度においてバンドギャップが狭くなるためである。バンドギャップの変化は図16Fにおいて視覚化されていて、365nmの励起UVランプの下でGQDの溶液は青色−緑色からオレンジ色−赤色まで発光する。GQDのバンドギャップの加工における温度の影響は図16Gに要約されている。励起波長が300nmから320nmまで変化するとき、発光の最大値の明白な変化は生じない。バンドギャップの急な増大は130℃から150℃までで観察される。
[00110]図10Eに要約されるように、比較的高い温度においてCOOHの含有量は増大し、そしてC−Cの含有量は減少する。理論によって拘束されるつもりはないが、GQDの調整可能なバンドギャップは、サイズの影響と官能基の影響の両者に帰することができると考えられる。
[00111]瀝青炭における比較的小さな黒鉛構造のために、青色の発光を伴うGQDを瀝青炭から直接合成することは容易であろう。図17に示すように、120℃において瀝青炭から抽出されたGQDは、365nmのUVランプの下で青色の光を放射する。
[00112]130℃において様々な反応時間を用いて合成したGQDの特性を調査することによって、GQDのバンドギャップの調整に及ぼす反応時間の影響についての評価も行った。図18に示すように、1時間および6時間かけて反応させたGQDのピークの発光は明らかな変化を示さず、このことは、反応時間は発光の最大値には顕著に影響しないことを示している。むしろ、温度は、GQDのバンドギャップの調整における決定要因である。さらに、生成物の欠陥とともに黒鉛における領域のサイズ(図19)を比較すると、石炭由来のGQDのバンドギャップを容易に制御できることは、石炭の中の本来的に小さな2D結晶領域のサイズによるものである。
[00113]要約すると、制御されるバンドギャップを有するGQDを得るために、出願人は2つのやり方を開発した。一方は、GQDをサイズによって分離するためにクロスフロー限外ろ過を用いることであり、他方は、最終的なGQDのサイズに影響する反応温度を直接制御することによるものである。これらのGQDは、サイズと官能性に応じて、緑色からオレンジ色−赤色までの光ルミネッセンスを発揮する。調整可能な発光と蛍光性の量子の収率は、石炭から得られるGQDの光ルミネッセンスは固有状態の発光と欠陥状態の発光に由来することを示している。
[00114]実施例1.1.材料
[00115]無煙炭(Fisher Scientific、カタログ番号S98806)、瀝青炭(Fisher Scientific、カタログ番号S98809)、黒鉛(Sigma-Aldrich、カタログ番号332461、B150mm、フレーク)、HSO(95〜98%、Sigma-Aldrich)、およびHNO(70%、Sigma-Aldrich)を(特に言及しない限り、入手したままで)用いた。GQDを精製するために、ポリテトラフルオロエチレンの膜(Sartorius、ロット番号11806−47−N)および透析バッグ(Membrane Filtration Products, Inc.、製品番号1−0150−45)を用いた。クロスフロー限外ろ過装置はSpectrum Labs Krosflo, Research IIi TFF装置であった。限外ろ過膜は、変性ポリエーテルスルホンで作られた中空の膜であった。限外ろ過膜はSpectrum Lab(製品番号D02−Exxx−05−S)からも購入した。
[00116]実施例1.2.クロスフロー限外ろ過のためのGQDの調製
[00117]典型的な手順において、225mLの硫酸と75mLの硝酸の混合溶媒に6gの無煙炭を分散させた。この溶液を2時間にわたって音波処理し(Cole Parmer、モデル08849−00)、次いで、100℃で1日間加熱した。熱酸化した後、透明な褐色ないし赤色の溶液を得た。次いで、溶液を氷水浴の中で冷却し、そして脱イオン水(DI水)で3倍に希釈した。その後、溶液を1000ダルトン(Dalton)の透析バッグの中でDI水に対して3日間にわたって透析した。
[00118]実施例1.3.クロスフロー限外ろ過によるGQDの分離
[00119]図2Bに示すように、調製したままのGQDをクロスフロー限外ろ過を用いて分離した。限外ろ過は、細孔サイズがそれぞれ3キロダルトン(kD)、10kDおよび30kDの3つの異なる膜を通して連続して行った。これらの膜の膜間差圧(TMP)は約1気圧であった。流量は、実験の全体を通して約50〜100mL/分で一定に維持された。
[00120]細孔サイズとTMPが増大するにつれて、GQDの透過性は増大した。従って、適切な膜のサイズとTMP値を利用することによって、様々なサイズ分布を有するGQDが得られた。透過物が褐色から無色に変化したときに膜を取り替えた。各々の分離のバッチは1〜2時間を要した。
[00121]実施例1.4.様々な温度におけるGQDの調製
[00122]典型的な手順において、225mLの硫酸と75mLの硝酸の混合溶媒に3gの無煙炭を分散させた。この溶液を2時間にわたって音波処理し(Cole Parmer、モデル08849−00)、次いで、様々な温度(50〜150℃)で1日間加熱した。熱酸化した後、透明な褐色ないし赤色の溶液を得た。次いで、溶液を氷水浴の中で冷却し、そしてDI水で3倍に希釈した。その後、溶液を1000ダルトンの透析バッグの中でDI水に対して3日間にわたって透析した。
[00123]実施例1.5.NaOH処理によって量子収率を改善させること
[00124]典型的な手順において、0.2Mの水性NaOHの中に1mg/mLのGQDを含む15mLの溶液を調製し、密閉したテフロン(登録商標)のオートクレーブに移し、そして180℃まで1日間加熱した。室温まで冷却した後、溶液を1000ダルトンの透析バッグに移し、そしてDI水に対して3日間にわたって透析した。
[00125]実施例1.6.Na S処理によって量子収率を改善させること
[00126]典型的な手順において、1MのNaSの中に1mg/mLのGQDを含む15mLの水溶液を丸底フラスコの中で調製した。溶液を窒素の下で100℃まで1日間加熱した。室温まで冷却した後、溶液を1000ダルトンの透析バッグに移し、そしてDI水に対して3日間にわたって透析した。
[00127]実施例1.7.サンプルの特徴づけ
[00128]CフラットTEMグリットの上に直接に移したGQDについて、2100F電解放出銃TEMを用いて透過型電子顕微鏡検査(TEM)の画像を撮った。25℃において2の屈折率を用いてMalvern Zen 3600ゼータサイザー(Zetasizer)において動的光散乱を行った。PHI Quantera SXM走査型X線マイクロプローブにおいて45°の取出し角と100μmのビームサイズを用いて、X線光電子分光分析(XPS)スペクトルを測定した。調査のためのパスエネルギーは、高解像度の走査を行うために140eVおよび26eVであった。走査を行う前に、サンプルの表面上に(Denton Desk Vスパッタ装置で)2nmのAu層をスパッタした。レニショーラマン顕微鏡で室温において514nmのレーザー励起を用いて、ラマン顕微鏡検査を行った。Bruker Autoflex MalDI ToF装置においてマススペクトロメトリー(質量分析)を行った。Shimadzu UV-2450紫外−可視分光光度計において紫外−可視(UV)スペクトルを記録した。HORIBA JovinYvon Fluorolog 3において定常状態のスペクトルを得た。MCT/B検出器を備えたNicolet FTIR顕微鏡において固体状態のFTIRスペクトルを得た。4mmのローターのために設計された標準的なブロードバンドMASプローブを備えたBruker Advance III 4.7 T分光計(50.3MHz13C、200.1MHz H)において、13Cの核磁気共鳴(NMR)を行った。12kHzのMAS、90°のパルス、20.5ミリ秒のFID、10秒の緩和遅れ、および様々な数の走査(GQD−S4.5について1440、GQD−S16について1600、GQD−S41について3400、GQD−S70について3280、GQD−T150−7.6について9024、GQD−T130−25について16928、GQD−T110−27について8096、およびGQD−T50−54について6328)を用いて、ダイレクト13Cパルススペクトルを得た。このとき、50Hz(1ppm)のライン拡張によって各々のFIDを加工した。7.6kHzのMAS、1ミリ秒の接触時間、32.8ミリ秒のFID、5秒の緩和遅れ、および様々な数の走査(GQD−S4.5、GQD−S41、GQD−S70の各々について10600、およびGQD−S16について10400、GQD−T150−7.6について30632、GQD−T130−25について32600、GQD−T110−27について14000、およびGQD−T50−54について17000)を用いて、H−13CCPスペクトルを得た。このとき、50Hzのライン拡張によって各々のFIDを加工した。GQD−T150−7.6およびGQD−T130−25については、入手できるサンプルの量が限られていることを補うために、より多くの走査を行った。
[00129]実施例1.8.膜間差圧についての式
[00130]膜間差圧を計算するために用いられた式は次の通りである:
[00131]上の式において、P、P、およびP はそれぞれ、供給物、保持物および透過物における圧力である。クロスフローろ過において用いられたTMPの値は、約1atm(1気圧)で一定に維持された。
[00132]実施例1.9.量子収率の計算
[00133]量子収率を計算するために用いられた式は次の通りである:
[00134]上の式において、ΦおよびΦ はそれぞれ、サンプルおよび対照物の量子収率である。サンプルおよび対照物の積算強度(面積)はそれぞれ、IおよびIである。AおよびA はそれぞれ、サンプルおよび対照の溶液の吸光度であり、nおよびn は屈折率である。
[00135]実施例1.10.XRDの面間隔dの計算
[00136]XRDの面間隔dを計算するために用いられた式は次の通りである:
[00137]上の式において、dは面間隔d、θはXRDのピーク、そしてλはX線の波長(銅源、λ=0.154059nm)である。この式は無煙炭および黒鉛の(002)結晶構造の面間隔dを計算するために用いることができる。
[00138]実施例1.11.流体力学的な直径の計算
[00139]図3に示す流体力学的な直径を計算するために次の式が用いられた:
[00140]実施例2.グラフェン量子ドットを製造するための別の方法
[00141]本実施例はグラフェン量子ドットを合成することができる追加の方法を提供する。これは硝酸だけを使用することを含む。それはまた、反応が完了した後に蒸発による硝酸の除去を用いることを含む。それはまた、酢酸エチルまたは酢酸エチルと2−ブタノールの混合物を用いて酸性溶液からGQDを抽出し、次いで、有機溶媒を蒸発させることを含む。
[00142]実施例2.1.混合した酸の中で無煙炭からGQDを合成するための手順
[00143]濃縮した硫酸(60mL)と硝酸(40mL)の中に2.5gの無煙炭を懸濁させた。次いで、反応物を攪拌し、100℃で15時間加熱した。溶液を室温まで冷却し、そして200mLの冷水を入れたビーカーの中にゆっくり注いだ。次いで、反応混合物をシンター(sinter:珪華)に通してろ過することによって、黒い固形物を除去した。次に、150mLの2−ブタノール/酢酸エチル(v/v、60/40)を用いて150mLのろ液を抽出した。MgSOによって有機物層を乾燥させ、そしてシンターに通してろ過した。回転蒸発を用いて溶液を濃縮させることによって、固体のGQDを得た。最後に、GQDの固形物を真空オーブンの中で60℃にて15時間乾燥させた。このGQDの固形物(21%の収率)は水に部分的に可溶性であった。前に説明したようにして、クロスフローろ過によってサイズの選択を行うことができる。
[00144]実施例2.2.硝酸の中で無煙炭からGQDを合成するための手順
[00145]攪拌棒を備えた丸底フラスコに5gの無煙炭を添加し、そして90mLの70%HNOと混合させた。分散した石炭を加熱して17時間攪拌しながら還流し、そして室温まで冷却させた。溶液をシンターに通してろ過し、そして回転蒸発を用いてHNOを除去した。グラフェン量子ドットの乾燥した赤色ないし褐色の粉末を44%の収率で得た。前に説明したようにして、クロスフローろ過によってサイズの選択を行うことができる。
[00146]実施例2.3.硝酸の中で瀝青炭からGQDを合成するための手順
[00147]瀝青炭(4.0g)に濃硝酸(100mL)を加えた。次いで、懸濁液を還流において18時間加熱した。室温まで冷却した後、3mLのアリコート(aliquot)を脱イオン水で2倍に希釈し、そして酢酸エチル(5つの4mLの部分)を用いて抽出した。硫酸ナトリウムを用いて有機物層を乾燥させ、そして減圧下で濃縮させた。次いで、濃縮した溶液をヘキサンに加えることによってオレンジ色の固体を沈殿させ、これをさらに真空下で24時間乾燥させることによって50mgの生成物を得た(すなわち、推定で38%の収率)。あるいは、濃縮した溶液を真空下(0.1mmHg)で60℃に加熱することによって乾燥させて、42%の固体の生成物を得ることができる。前に説明したようにして、クロスフローろ過によってサイズの選択を行うことができる。
[00148]さらに詳しく説明しなくても、当業者であれば、本明細書の説明を用いて本発明を最大限に利用することができると考える。ここで説明した態様は例示のものであると解釈され、この開示の残りのものをいかなるやり方でも制限しないと解釈されるべきである。好ましい態様が示され、そして説明されたが、それらの多くの変形や修正が、本発明の精神と教示から逸脱することなく当業者によって成され得る。従って、保護の範囲は上で示した記載によっては制限されず、それは特許請求の範囲によってのみ制限され、その保護の範囲には特許請求の範囲の主題の全ての同等物も含まれる。ここで挙げた全ての特許、特許出願および刊行物の開示は、本明細書で示したものと一致してそれを補足する手順上の詳細またはその他の詳細を提供する限り、本明細書に参考文献として取り込まれる。

Claims (55)

  1. 所望のバンドギャップを有する炭素量子ドットを製造するための大規模化が可能な方法であって、この方法は、
    ある反応温度において炭素源を酸化剤に曝して、炭素量子ドットを形成させる工程と、
    所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択する工程と、
    を含み、この選択する工程は、形成された所望のサイズの炭素量子ドットを形成された他の炭素量子ドットから分離すること、形成された所望のサイズの炭素量子ドットを生成する反応温度を選択すること、および、これらの組み合わせ、のうちの少なくとも一つを含む、前記方法。
  2. 曝す工程が、酸化剤の存在下で炭素源を音波処理することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 曝す工程が、酸化剤の存在下で、ある反応温度において炭素源を加熱することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 反応温度は少なくとも約100℃である、請求項3に記載の方法。
  5. 反応温度は約100℃から約150℃までの範囲である、請求項3に記載の方法。
  6. 炭素源は、石炭、コークス、黒鉛、カーボンナノチューブ、活性炭、カーボンブラック、フラーレン、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 炭素源には石炭が含まれる、請求項1に記載の方法。
  8. 石炭は、無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、変性瀝青炭、アスファルテン、アスファルト、泥炭、亜炭、ボイラー用炭、石化油、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 炭素源には無煙炭が含まれる、請求項1に記載の方法。
  10. 炭素源には瀝青炭が含まれる、請求項1に記載の方法。
  11. 酸化剤には酸が含まれる、請求項1に記載の方法。
  12. 酸は、硫酸、硝酸、リン酸、次亜リン酸、発煙硫酸、塩化水素酸、オレウム、クロロスルホン酸、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 酸化剤は硫酸と硝酸の混合物である、請求項1に記載の方法。
  14. 酸化剤には硝酸が含まれる、請求項1に記載の方法。
  15. 形成される炭素量子ドットを精製する工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  16. 精製する工程が、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを選択する工程の前に行われる、請求項15に記載の方法。
  17. 精製する工程が、抽出、ろ過、蒸発、沈殿、透析、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
  18. 精製する工程が、形成される炭素量子ドットを反応混合物から抽出することを含む、請求項15に記載の方法。
  19. 精製する工程が、
    形成される炭素量子ドットを含む溶液を中和すること、
    溶液をろ過すること、および
    溶液を透析すること、
    を含む、請求項15に記載の方法。
  20. 炭素量子ドットの量子収率を高める工程をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  21. 高める工程が、炭素量子ドットの水熱処理、1種以上の塩基を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の水酸化物を用いる炭素量子ドットの処理、1種以上のドーパントを用いる炭素量子ドットの処理、1種以上の還元剤を用いる炭素量子ドットの処理、およびこれらの組み合わせによって行われる、請求項20に記載の方法。
  22. 高める工程が、炭素量子ドットの水熱処理によって行われる、請求項20に記載の方法。
  23. 高める工程が、1種以上の還元剤を用いる炭素量子ドットの処理によって行われる、請求項20に記載の方法。
  24. 還元剤は、ヒドラジン、ホウ水素化ナトリウム、熱、光、硫黄、硫化ナトリウム、硫化水素ナトリウム、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
  25. 選択する工程が、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを生成する反応温度を選択することを含む、請求項1に記載の方法。
  26. 選択される反応温度は、曝露する工程の間に一定のままにされる設定温度である、請求項25に記載の方法。
  27. 選択される反応温度は約25℃から約200℃までの範囲である、請求項25に記載の方法。
  28. 選択される反応温度は約50℃から約150℃までの範囲である、請求項25に記載の方法。
  29. 選択される反応温度は約100℃から約150℃までの範囲である、請求項25に記載の方法。
  30. 炭素量子ドットの所望のサイズは、選択される反応温度が増大するにつれて低下する、請求項25に記載の方法。
  31. 選択する工程が、所望のサイズの形成される炭素量子ドットを他の形成される炭素量子ドットから分離することを含む、請求項1に記載の方法。
  32. 分離することにはろ過が含まれる、請求項31に記載の方法。
  33. ろ過は、マクロろ過、ミクロろ過、限外ろ過、クロスフローろ過、クロスフロー限外ろ過、膜ろ過、透析、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
  34. ろ過は多孔質膜によって行われる、請求項32に記載の方法。
  35. 多孔質膜は約1kDから約100kDまでの範囲の細孔サイズを有する、請求項34に記載の方法。
  36. ろ過は複数の多孔質膜によって連続して行われる、請求項32に記載の方法。
  37. 多孔質膜は異なる細孔サイズを有する、請求項36に記載の方法。
  38. 炭素量子ドットの所望のサイズには、あるサイズ範囲が含まれる、請求項1に記載の方法。
  39. 炭素量子ドットの所望のサイズは、直径で約1nmから直径で約200nmまでの範囲である、請求項1に記載の方法。
  40. 炭素量子ドットの所望のサイズは、直径で約1nmから直径で約100nmまでの範囲である、請求項1に記載の方法。
  41. 炭素量子ドットの所望のサイズは、直径で約2nmから直径で約80nmまでの範囲である、請求項1に記載の方法。
  42. 炭素量子ドットにはグラフェン量子ドットが含まれる、請求項1に記載の方法。
  43. 炭素量子ドットは複数の官能基で官能化されている、請求項1に記載の方法。
  44. 官能基は、非晶質炭素、酸素基、カルボニル基、カルボキシル基、芳香族基、アルカン基、アルケン基、ケトン基、エステル、アミン、アミド、およびこれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項43に記載の方法。
  45. 炭素量子ドットは複数の官能基で端部が官能化されている、請求項1に記載の方法。
  46. 炭素量子ドットは単一の層を有する、請求項1に記載の方法。
  47. 炭素量子ドットは複数の層を有する、請求項1に記載の方法。
  48. 炭素量子ドットはおよそ2つの層からおよそ4つの層までを有する、請求項47に記載の方法。
  49. 炭素量子ドットは結晶質の六方晶構造を有する、請求項1に記載の方法。
  50. 炭素量子ドットは光ルミネッセンス性のものである、請求項1に記載の方法。
  51. 炭素量子ドットは約0.5eVから約3eVまでの範囲のバンドギャップを有する、請求項1に記載の方法。
  52. 炭素量子ドットは約2eVから約3eVまでの範囲のバンドギャップを有する、請求項1に記載の方法。
  53. この方法によって、炭素量子ドットがまとまった量で形成される、請求項1に記載の方法。
  54. まとまった量とは、約1kgよりも多い炭素量子ドットである、請求項53に記載の方法。
  55. まとまった量とは、約1gの炭素量子ドットから約10トンの炭素量子ドットまでの範囲である、請求項53に記載の方法。
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