JP2017523953A - 低置換度ポリミキシン及びその組成物 - Google Patents

低置換度ポリミキシン及びその組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、新規な低置換度ポリミキシン及びその組成物に関する。

Description

本発明は、新規な低置換度ポリミキシン及びその組成物に関する。
ポリミキシンは、バチルス・ポリミクサ(Bacillus polymyxa)によって産生される抗生物質として1947年に発見された。ポリミキシンは、ヘプタペプチド環及びN−末端アミド結合脂肪酸を含む抗菌性のデカペプチドである。今日、ポリミキシンB及びポリミキシンE(コリスチン)という2種類の市販ポリミキシン混合物が臨床で使用されている。どちらの混合物も、Goevaertsらによって非特許文献1に説明されているような、及びVan den Bosscheらによって非特許文献2に説明されているような種々の成分を含む。欧州薬局方によれば、コリスチンは77%を超えるポリミキシンE1、E2、E3、E1−i及びE1−7MOAを含む必要があり、但し副成分のポリミキシンE3、E1−i及びE1−7MOAの各々は10%未満でなければならない。
コリスチンに付随する毒性のため、上記混合物は1950年代にスルホメチル化によって改善された。スルホメチル化されたコリスチンは、コリスチメタン酸ナトリウム(Colistimethate sodium:CMS)と呼ばれ、コリスチンのプロドラッグであると考えられてきた。CMSは、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、アシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、クレブシエラ・ニューモニエ(Klebsiella pneumonia)、及び他のグラム陰性病原体等の多剤耐性生物に対する最終選択治療として今でも臨床で使用されている。長年にわたり、CMSの溶液はまた、緑膿菌に起因するコロニー形成や感染症に対処するため、嚢胞性線維症(CF)の患者の肺に噴霧により投与されてきた。
今日、抗生物質耐性病原体に起因する感染症の問題が増してきており、その結果、コリスチン等の製品の使用が増加している。
市販のCMS製品が様々なポリミキシンの誘導体の複雑な混合物を含有するという事実は、いくつかの不幸な結果を招く。その最たるものは、市販品の治療効果に関係する。CMSはひとたび体内に注入又は吸入されると、抗生物質のリザーバとみなされ得るため、腎クリアランスや代謝クリアランスの前に活性化化合物の治療レベルが達成されることが重要である。したがって、2つのスルホメチル置換基のみを有するスルホメチル化ポリミキシンは、分子量及び電荷に関して明確な製品をもたらす。
J Chromatogr A.2002 Nov 8;976(1−2):65−78 Talanta 2011 Feb 15;83(5):1521−9
そのため、本発明の目的は、抗菌薬として有用な、改善されたポリミキシン化合物を提供すること、及び、従来技術の製品の不都合な点を克服するか、又は少なくとも軽減することにある。
本発明は、ポリミキシンのポリペプチド部分におけるDAB残基又はDAP残基のγ−アミノ基に結合した合計2つのスルホメチル基を有するポリミキシンに関する。これらの化合物及びその組成物は細菌感染症の治療に用いることができる。
一態様において、本発明は、ポリミキシンE及びポリミキシンBよりも水溶性が高い新規なポリミキシンを提供する。更に別の態様において、本発明は市販CMSよりも水溶液中での安定性が高いスルホメチル化ポリミキシンを提供する。更に別の態様において、本発明は市販のCMSよりも均質なスルホメチル化ポリミキシンの混合物を提供する。最後に、本化合物、又は混合物あるいはそれらの組成物は、従来技術の、これまでのところ明確に定義されていないポリミキシン組成物よりも、改善されたポリミキシン投薬及び療法を提供する。
したがって、本発明は式(I)によって表される新規なポリミキシンを提供し、
式中、
は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基、又は
であり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、又は−CHであり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、又は−CH(CH)CHCHであり、
、R、R、R及びRの各々は−(CHCHNH又は−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
xは0又は1であり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つが−(CHCHN(CHSOM)である。
本発明の一実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、2つのスルホメチル基は同じγ−アミノ基に結合している。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CHであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CHであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CHであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CHであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CHであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CH又はCHのいずれかであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CH又はCHのいずれかであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CH又はCHのいずれかであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CH又はCHのいずれかであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)で表されるポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
及びRは−CHCH(CH又はCHのいずれかであり、
、R、R及びRの各々は−CHCHNHであり、かつ
は−CHCHN(CHSOM)である。
ここで、Mは一価のカチオンである。
本発明の上記実施形態の別の態様によれば、Rは6−メチルオクタノイルである。
本発明の上記実施形態の別の態様によれば、Rは6−メチル−ヘプタノイルである。
本発明の更に別の実施形態によれば、式(I)のポリミキシンが提供され、式中、Rは脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であるか、又は
であり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、又は−CHであり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、又は−CH(CH)CHCHであり、
、R、R、R及びRの各々は−CHNH又は−CHN(CHSOM)のいずれかであり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つが−CHN(CHSOM)である。
本発明は更に、本発明による1種又は複数種のポリミキシンを含む医薬組成物を提供する。
本発明による組成物は、1種又は複数種の薬学的に許容される賦形剤を更に含んでもよい。
一実施形態によれば、本発明による医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える本発明によるポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本発明による医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本発明による医薬組成物は、HPLCで測定して80%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本発明による医薬組成物は、HPLCで測定して90%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本組成物は、HPLCで測定して50%を超える図1〜5の式で表される1種又は複数種のポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本組成物は、HPLCで測定して80%を超える図1〜5の式で表される1種又は複数種のポリミキシンを含む。
更に別の実施形態によれば、本組成物は、HPLCで測定して90%を超える図1〜5の式で表される1種又は複数種のポリミキシンを含む。
第1実施形態は、式(I)で表されるポリミキシンを対象とし、
式中、
は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基、又は
であり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、又は−CHであり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH又は−CHCHCHであり、
、R、R、R及びRの各々は−(CHCHNH又は−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
xは0又は1であり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つが−(CHCHN(CHSOM)である。
第1実施形態の第1の態様において、R1はヘプタノイル、メチルヘプタノイル、オクタノイル、メチルオクタノイル、ノナノイル、メチルノナノイル又はデカノイルである。
第1実施形態の第2の態様において、R1はヘプタノイル、6−メチルヘプタノイル、オクタノイル、(S)−6−メチルオクタノイル、7−メチルオクタノイル、3−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイル、ノナノイル、(8−メチルノナノイル又はデカノイルである。
第1実施形態の第3の態様において、上述したポリミキシンは、MがNa、K、1/2Mg2+、HN(C1−4アルキル) 、及びそれらの組合せからなる群から選択され、ここで、mは0〜4であり、nは0〜4であり、但しm+n=4であることを特徴とする。
第1実施形態の第4の態様において、xは1であり、MはH、Na又はKである。
第1実施形態の第5の態様において、xは1であり、MはNa又はKである。
第2実施形態は、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンを含む組成物を対象とし、
式中、
は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基、又は
であり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、又は−CHであり、
は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH又は−CHCHCHであり、
、R、R、R及びRの各々は−(CHCHNH又は−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
xは0又は1であり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つが−(CHCHN(CHSOM)である。
第2実施形態の第1の態様において、R1はヘプタノイル、メチルヘプタノイル、オクタノイル、メチルオクタノイル、3−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイル、ノナノイル、メチルノナノイル又はデカノイルである。
第2実施形態の第2の態様において、R1はヘプタノイル、6−メチルヘプタノイル、オクタノイル、(S)−6−メチルオクタノイル、3−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイル、7−メチルオクタノイル、ノナノイル、8−メチルノナノイル又はデカノイルである。
第2実施形態の第3の態様において、上述したポリミキシンは、MがNa、K、HN(C1−4アルキル) 、1/2Mg2+及びそれらの組合せからなる群から選択され、ここで、mは0〜4であり、nは0〜4であり、但しm+n=4であることを特徴とする。
第2実施形態の第4の態様において、xは1であり、MはH、Na又はKである。
第2実施形態の第5の態様において、xは1であり、MはNa又はKである。
第2実施形態の第6の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
第2実施形態の第7の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含み、xは1であり、MはNa又はKである。
第3実施形態は、式(I)で表されるポリミキシンを対象とし、
式中、
は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
は−CHCH(CH又は−CHであり、
は−CHCH(CHであり、
、R、R、R及びRの各々は−CHCHNH又は−CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSOM)である。
第3実施形態の第1の態様において、脂肪族C〜C10アシル基又は分岐鎖C〜C10アシル基は、任意にヒドロキシ基を含む。
第4実施形態は、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンを含む組成物を対象とし、
式中、
は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基であり、
は−CHCH(CH又は−CHであり、
は−CHCH(CHであり、
、R、R、R及びRの各々は−CHCHNH又は−CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
Mはカチオンであり、かつ
、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSOM)である。
第4実施形態の第1の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
第4実施形態の第2の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して80%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
第4実施形態の第3の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含み、グラム陰性菌に起因する感染症の治療に用いられる。
第4実施形態の第4の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含み、Mは薬学的に許容されるカチオンから選択される。
第4実施形態の第5の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含み、Mは薬学的に許容される一価のカチオンから選択される。
第4実施形態の第6の態様において、脂肪族C〜C10アシル基又は分岐鎖C〜C10アシル基は、任意にヒドロキシ基を含む。
第5実施形態は、式(I)で表される少なくとも1種のポリミキシンを含む組成物を対象とし、
式中、
は6−メチルオクタノイル、6−メチルヘプタノイル又はオクタノイルであり、
は−CHCH(CH、又は−CHであり、
は−CHCH(CHであり、
、R、R、R及びRの各々は−CHCHNH又は−CHCHN(CHSONa)のいずれかであり、
、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSONa)である。
第5実施形態の第1の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
第5実施形態の第2の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して80%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含む。
第5実施形態の第3の態様において、上記医薬組成物は、HPLCで測定して50%を超える式(I)で表されるポリミキシンを含み、グラム陰性菌に起因する感染症の治療に用いられる。
PE1−(SM) の二ナトリウム塩の構造を示す。 PE1−(SM) の二ナトリウム塩の構造を示す。 PE1−(SM) の二ナトリウム塩の構造を示す。 PE1−(SM) の二ナトリウム塩の構造を示す。 PE1−(SM) の二ナトリウム塩の構造を示す。 PE1−(SM)10 1,3,5,8,9のクラマトグラムを示す。 90分後、pH9の非平衡条件下におけるPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の分解を示す。 3日後、pH8.0の非平衡条件下におけるPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の分解を示す。 3日後、pH7.0の非平衡条件下におけるPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の分解を示す。 3日後、pH6.5の非平衡条件下におけるPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の分解を示す。 3日後、pH6.0の非平衡条件下におけるPE1−(SM)10 1,3,5,8,9の分解を示す。 二置換ポリミキシンE1について得られたMSスペクトルを示す。m/z677.3[−2]及び1355.5[−1]がネガティブモードで得られた。 (上)2つのスルホメチル基を有する5つの個々のポリミキシン成分の存在を示すクロマトグラムを示す(215nmのUVシグナル)。(下)モノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1に一致する質量に対する抽出イオン電流(extracted ion current:EIC)を示す(677.62、1356.2、1378.06のm/z)。 モノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1の質量スペクトルを示す。
定義
本明細書及び添付の特許請求の範囲全体にわたり用いられる下記の用語は、下記の意味を有する:
本願で記述される用語「ポリミキシン」は、脂肪酸部分にアミド結合したペプチド部分を含む抗菌性化合物を指す。
本願で記述される用語「Dab残基」は、少なくとも1つのアミノ酸にアミド結合した2,4−ジアミノ酪酸化合物を指す。天然のポリミキシンは通常、6つのDab残基を含み、そのうち5つは遊離γ−アミノ基を含む。
本願で記述される用語「Dab」は、2,4−ジアミノブタン酸に由来するラジカルを指す。ここで、カルボニル炭素(すなわちα−炭素)に隣接する炭素原子はL体として表される立体化学を有する。L−Dabは、文献ではL−Dbuとも称される。
式(I)で表されるポリミキシンの6位にあるアミノ酸はD体を有する。すなわち、Rが結合するアミノ酸残基である。
本願で記述される用語「DAP残基」は、少なくとも1つのアミノ酸にアミド結合した2,3−ジアミノプロピオン酸化合物を指す。
本願で記述される用語「DAP」は、2,3−ジアミノプロピオン酸化合物を指す。
本願で記述される用語「スルホメチル」は、−CHSOM部分を指し、ここで、Mは下記に定義されるとおりである。スルホン酸(−SO)部分は酸性形態にあり得るが、生理環境(in vivo)では負の電荷を有することになり、M等の結合カチオンを有することになる。
本願で記述される用語「CMS」は、スルホメチル化コリスチンを含む組成物を指す。ケミカル・アブストラクツはそのような組成物に、CMSの番号8068−28−8を割り当てている。
本願で記述される用語「CMS E1」は、比較的純粋なポリミキシンE1(HPLCで80%超の純度)のスルホメチル化により形成された組成物を指す。
本願で記述される用語「コリスチン」は、ポリミキシンE1及びポリミキシンE2を含む組成物を指す。ケミカル・アブストラクツは、コリスチン用に番号1066−17−7を割り当てている。欧州薬局方によれば、コリスチンは77%を超えるポリミキシンE1、E2、E3、E1i及びE1−7MOAを含む必要があり、但し副成分のポリミキシンE3、E1−i及びE1−7MOAの各々は10%未満でなければならない。
本願で記述される用語「ポリミキシンE」は、「コリスチン」と互換的に使用される。
本願で記述される用語「ポリミキシンE1」は、CAS番号7722−44−3を有する化合物を指す。ポリミキシンE1はコリスチンAと互換的に使用される。
本願で記述される用語「ポリミキシンE2」は、CAS番号7239−48−7を有する化合物を指す。ポリミキシンE2はコリスチンBと互換的に使用される。
本願で記述される用語「スルホメチル化ポリミキシン」は、L−DAB残基のγ−アミノ基に結合した少なくとも1つのスルホメチル基を有するポリミキシンを指す。
用語「M」はカチオンであり、1又は2の正の荷電を含むカチオン種を指す。その例には、限定するものではないが、Li、Na、K、1/2Mg2+、HN(C1−4アルキル) が挙げられ、ここで、mは0〜4であり、nは0〜4であり、但しm+n=4である。
本願で記述される表現「脂肪族直鎖又は分岐鎖C6〜C10アシル基」は、合計で6〜10個の炭素原子を含む、カルボニル部分及び非カルボニル部分を有する置換基を指す。これは既知のポリミキシン化合物に見られるアシル基を含む。また、これはヘプタノイル、メチルヘプタノイル((S)−6−メチルヘプタノイルを含む)、オクタノイル、メチルオクタノイル((S)−6−メチルオクタノイル、7−メチルオクタノイルを含む)、ノナノイル、メチルノナノイル及びデカノイルを含むがこれらに限定するものではない。
本願で記述される用語「塩」又は「その塩」は、当業者に知られている任意の工程、例えばプロトン受容部分のプロトン化及び/又はプロトン供与部分の脱プロトン化によって調製可能な、カチオン及びアニオンを有する化合物を指す。あるいは、塩はカチオン/アニオンメタセシス又はカチオン/アニオン交換反応のいずれかによって調製可能である。
本願で記述される用語「HPLCで測定してX%を超える」は、本願の実施例に記載されているか、あるいはWO2014195405A1に記載されているHPLC法により得られるクロマトグラムにおける、関連するピークの相対積分面積として理解されるものとする。
本発明によれば、遊離γ−アミンを有する上記の構造のDab残基のいずれか、すなわちDab残基Dab1、Dab3、Dab5、Dab8又はDab9のいずれかに結合した2つのスルホメチル基を有する新規なポリミキシンが提供される。よって、式(I)はモノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンを包含するが、トリ−、テトラ−又はペンタ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンは包含しないことが意図される。
新規なポリミキシンの一例は、本願ではモノ(Nγ−ビス−スルホメチル)DabポリミキシンE1と称される。すなわち、式Iの置換基が6−メチルオクタノイルであるRで表され、R及びRが−CHCH(CHであり、R、R、R、及びRの各々が−CHCHNHであり、Rが−CHCHN(CHSOM)であり、MがNaである。そのような化合物の一例が図5に示されている。この化合物の略称はPE1−(SM) である。
モノビス−スルホメチル化ポリミキシンの他の例は、モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)DabポリミキシンE1、モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)DabポリミキシンE1、モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)DabポリミキシンE1、モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)DabポリミキシンE1であり、それぞれ、その二ナトリウム構造が図1〜4に示されている。
「−CHCHNH」という表現は、媒体のpHに応じて−CHCHNH又は−CHCHNH を包含するものとして理解される。
「−CHNH」という表現は、媒体のpHに応じて−CHNH又は−CHNH を包含するものとして理解される。
本願に記載のポリミキシンは、多くの分子種を包含する。例えば水溶液中では、電荷はpHに依存する。本願に記載のポリミキシン化合物は全ての薬学的に許容される塩及びそのイオンを包含する。それらのポリミキシンの中にはもちろん二ナトリウム塩がある。他の薬学的に許容される塩には、例えばカリウム塩、リチウム塩、及びアンモニウム塩(例えばHN(C1−4アルキル) 、ここでmは0〜4であり、nは0〜4であり、但しm+n=4である)、又はそれらの組合せも含まれる。
本願に記載のポリミキシンは、感染性疾患の、特にグラム陰性菌に起因する感染症の治療又は予防に用いられてもよく、上記グラム陰性菌は、限定するものではないが、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、クレムシエラ・ニューモニエ(Klemsiella pneumonia)、及びアシネトバクター・バウマニ(Acinetobacter baumannii)、大腸菌(Eschericia coli)、及びエンテロバクター・アエロゲネス(Enterobacter aerogenes)等である。一態様によれば、本発明はグラム陰性菌感染症の治療における、有効量の本願に記載の任意の組成物を含む医薬組成物の使用を含む。
本化合物は、治療上有効量で投与され得る。「治療上有効量」は、その化合物が感染症を治療するのに十分な量を意味する。当業者は、特定の患者の適切な1日投与量は、治療される疾患及びその重症度、採用する組成物、その患者の年齢、体重、性別及び食事、ならびに関与する医師の好みや経験などの要因によって変動し得ることを認識するであろう。
本発明による組成物は、ヒトでの使用のために投与されてもよいし、動物薬として投与されてもよい。本願に記載の組成物は、それを必要とする患者に、皮下、吸入、経口、非経口又は局所経路などの様々な経路で投与することができる。組成物は当業者に周知の任意の形態とすることができ、これらには例えば錠剤、カプセル、粉末、顆粒、トローチ剤、クリーム、又は滅菌注射液や懸濁液などの液体製剤が含まれる。
一態様において、上記組成物は静脈内点滴又は注射による投与に有用である。静脈内用又は注射用製剤は、当業者に周知の方法に従って調製され得る。例えば、本願に記載の化合物を注射用水に溶解し、次に濾過滅菌し、さらに上記濾過済み組成物を適切なバイアルに移すことができる。
一態様によれば、上記組成物は凍結乾燥される。凍結乾燥粉末は、使用前に、例えば注射による投与前に、又は(例えばネブライザーや他の適切な吸入器を用いた)吸入による投与前に、例えば注射用水で再構成される。そのため、別の態様によれば、上記組成物は吸入による投与用に製剤化される。本願に記載の化合物は、保存剤、緩衝剤、及び抗酸化剤、又は希釈剤を含むがこれらに限定されない1種又は複数種の薬学的に許容される賦形剤を含んでいてもよい。好適な希釈剤には、例えば注射用水、0.9%NaCl、0.9%NaCl中5%のデキストロース、水中5%のデキストロース、0.45%NaCl中5%のデキストロース、0.225%NaCl中5%のデキストロース、及び乳酸加リンガー液が挙げられる。
本願に記載の化合物はさらに、1種又は複数種の追加の抗菌薬と共に投与されてもよい。本願に記載の化合物は、別の抗菌薬と併用される時、その1種又は複数種の他の抗菌薬と同時に、別々に、又は連続的に投与されてもよい。
本発明は、例示の目的で下記において更に説明される。本発明の範囲は下記の実施例の範囲によって何らかの形で限定されることが理解されるものとする。
実施例
本開示は下記の実験の部によりサポートされ、裏付けられるが、それらに限定されるものではない。
実施例1:
出発材料。
単離ポリミキシンE1硫酸塩(3.5g)及びヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(11.3g)の45%w/w水溶液を混合し、撹拌しながら60℃に加温した。続いて、2M NaOHを何度か添加することによりpHを7.0〜7.5に維持した。18時間後、混合物を周囲温度まで冷却し、200mLのメタノール/アセトニトリル 1/1 v/v中での沈殿により、粗生成物を白色固体として得た。
上記生成物を脱塩し、下記の手順により精製した:C18カラム6μ 例えばPhenomenex(登録商標)X Bridge Prep Shield 10×250mm又は同様のものを洗浄し、5%MeCN(無塩)で平衡化した。そのカラムをWaters Delta Prep HPLCシステム、150mL/分最大流に装着した。検出器は、280nmに調整された5a Waters2487であった。230mg PE1−(SM)10 1,3,5,8,9の9mL 5%MeCN溶液と1mL 2M NaClの混合物をカラムに装填し、流量は6〜8mL/分とした。
カラムを溶出させ、6〜8mL/分の5%MeCNで脱塩させて、PE1−(SM)10 1,3,5,8,9画分を回収した。この手順の間、いくらかの分解がカラム上で生じたが、最初と最後を除外することで高純度が維持される。最初の画分(Head Fraction)、約(ca.)35mLを、450mLの100%MeCN中に直接回収し、更に550mLの100%MeCNを加えてから、2L洋梨型蒸発フラスコ内で97:3のMeCN:HOの溶液を真空蒸発させた。
蒸留プロセスはビュッヒ(Buechi)15Rotavapor(登録商標)で実施した。94:6共沸混合物が蒸留除去され、2L真空蒸留フラスコ内に水非含有PE1−(SM)10 1,3,5,8,9残留物が形成された。この残留物を3×8mL 100%MeOH(無水)で取り出し、50mL真空蒸発フラスコに注いで1〜2mLのMeOH−PE1−(SM)10 1,3,5,8,9懸濁液となるまで真空蒸発させた。15mLの100%MeCNを加え、20溶液/懸濁液を35℃のウォーターバスで真空蒸発させて更に乾燥させた。この手順の間、圧力は70〜60Torr(9330〜8000Pa)から20〜15Torr(2670〜2000Pa)まで低下させた。真空を維持したまま、35℃ウォーターバス中でゆっくりと回転させながら、更なる真空乾燥を30分間行った。PE1−(SM)10 1,3,5,8,9物質の収量は150mgであった。
実施例2
モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)ポリミキシンE1を含む混合物の製造。
スルホメチル化ポリミキシンがコリスチンに分解すると、ヒドロキシメタンスルホン酸塩が遊離する。ヒドロキシメタンスルホン酸塩は容易に元のスルホメチル化分子を再生成するため、この工程は可逆性である。
この研究の目的は、ナノ濾過を用いてヒドロキシメタンスルホン酸塩を継続的に除去することによる非平衡条件下でのスルホメチル化ポリミキシンの分解を調べることであった。
実験は、2LのRO水中10mM PE1−(SM)10 1,3,5,8,9で設定し、この溶液の体積は、RO水を頻繁に添加することにより濾過ユニット内で一定に保った。ナノ濾過ユニットは3bar(300kPa)の圧力下、40Cで毎日のキャンペーンで運転し、毎回約5lの廃液を除去した。pHは0.1M HClで8.0、7.0、6.5及び6.0に安定するまで調整した。結果を図6〜11に示す。
ポリミキシンのジ−スルホメチル化はMSデータで確認される。図12は、ネガティブモードで得られたMSスペクトル、m/z677.3[−2]及び1355.5[−1]を示す。
実施例3:低置換度コリスチンの合成。
硫酸コリスチン(1.0g、0.71mmol)を20mlの水に溶解させた。45%ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.847g、2.841mmol)及びNaHCO(0.12g、1.40mmol)を加えた。この透明な溶液を25℃で12時間撹拌した。100mlのアセトニトリル及びメタノール(50:50)をゆっくり添加することにより生成物を沈殿させた。生成物を白色粉末として単離した。
実施例4a:低置換度ポリミキシンE1の合成。
ポリミキシンE1(1.0g、0.71mmol)を20mlの水に溶解させた。45%ヒドロキシメタンスルホン酸ナトリウム(0.847g、2.841mmol)及びNaHCO(0.12g、1.40mmol)を加えた。この透明な溶液を25℃で12時間撹拌した。100mlのアセトニトリル及びメタノール(50:50)をゆっくり添加することにより生成物を沈殿させた。生成物を白色粉末として単離した。
実施例4b:低置換度ポリミキシンE1のクロマトグラフィー及びMS。
実施例4aで製造したモノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1を質量分析(ネガティブモードのMS)及びUVコンパチブル法で分析した。ここで、分離はpH6.6で行った。図13の上は、2つのスルホメチル基を有する5つの個々のポリミキシン成分の存在を示すクロマトグラムを示す(215nmのUVシグナル)。図13の下は、モノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1に一致する質量に対する抽出イオン電流(EIC)を示す(677.62、1356.2、1378.06のm/z)。
図14は、モノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1の個々の質量スペクトルを示す。677のm/zはモノ(ビス−スルホメチル化)ポリミキシンE1の[M+2H]2+に一致し、1356は[M+H]+に一致し、1378は[M+Na]+に一致する。
実施例5:MIC
約93%のモノ(Nγ−ビス−スルホメチル)ポリミキシンE1を含む試料を、気管支敗血症菌(Bordetella bronchiseptica)、ATCC4617に対するMIC分析に供した。微生物力価は611μg/gであることが測定された。
MICアッセイ
試験生物を振とうフラスコ内で約16時間、250rpmで、緑膿菌については34℃、クレブシエラ・バウマニ(Klebsiella baumannii)及びアシネトバクター・バウマニについては37℃で培養した。これらを後期対数まで再培養し、使用濃度に希釈し、グリセロールと共に−75℃で凍結させた。使用した培地はミューラー・ヒントンブロスであった。
試料は、5mgの化合物を1mlのミューラー・ヒントンブロスに溶解させることにより調製した。試料を希釈してウェルに添加し、試験生物を添加して、クレブシエラ・バウマニ及びアシネトバクター・バウマニについては振とうしながら37℃で、緑膿菌については振とうせずに34℃で、約16時間インキュベーションした後、増殖の阻害をOD600によって測定した。結果を表1に示す。
実施例6:本発明の化合物の毒性
KIM−1(腎臓損傷分子−1)を急性尿細管壊死のバイオマーカーとして用いて、腎臓毒性を測定した。
93%モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)ポリミキシンE1又はCMSを含む混合物でマウスを5日間処置し、毒性の臨床兆候及びKIM−1の尿中濃度をモニタリングした。5日間の処置中にマウスは毒性の臨床兆候を示さなかった。尿中のKIM−1レベルはビヒクル処置と比較して僅かな増加を示した。マウスの尿中のKIM−1の正常な範囲は456〜8048pg/mlであることが、ELISAキットの説明書に記載されている。
この混合物を乾燥粉末として受け取り、注射直前にバイアル中で滅菌生理食塩水に溶解させ、表1に記載の濃度にした。
5日間にわたって1日1回、表1に示す用量に一致する0.2ml量でマウスを頸部において皮下処置した。投薬は28gの平均体重を基準とした。
2回目の投薬から24時間後及び5回目の投薬から4時間後に尿試料を採取した。試料は、KIM−1濃度について解析されるまで−80℃で保管された。
尿試料を解凍し、2000gで5分間遠心し、50倍に希釈してから、Quantikine ELISAマウスTIM−1/KIM−1/HAVCRイムノアッセイキットの説明書に従ってELISAを行った。
試験した混合物は全て、体重及び臨床スコアで決定したように、マウスでの忍容性が良好であった。93%モノ(Nγ−ビス−スルホメチル)ポリミキシンE1を含む混合物を注射したマウスの群では、注射部位の皮膚で厚化が見られた。しかし、観察された尿中KIM−1レベルの増加は極僅かであり、有意ではなかった。
実施例6:モノビス−スルホメチル化ポリミキシンE1のin vivo活性
緑膿菌(PAX11045株)の肺感染のマウスモデルを、ポリミキシンE1、CMS E1及びモノビス−スルホメチル化ポリミキシンE1の腹膜投与で処置した。CFUは、非処置群のマウスを除く22時間後の肺組織におけるコロニー形成単位の算出数である。臨床スコアは表3に示すように、各時点での観察に基づく。

Claims (10)

  1. 式(I)によって表されるポリミキシンであって、

    式中、
    は脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基、又は

    であり、
    は−CH(CH、−CHCH(CH、−CH(CH)CHCH、又は−CHであり、
    は−CH(CH、−CHCH(CH、又は−CH(CH)CHCHであり、
    、R、R、R及びRの各々は−(CHCHNH又は−(CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、
    xは0又は1であり、
    Mはカチオンであり、かつ
    、R、R、R及びRのうちの1つのみが−(CHCHN(CHSOM)である、ポリミキシン。
  2. が脂肪族直鎖又は分岐鎖C〜C10アシル基である、請求項1に記載のポリミキシン。
  3. がヘプタノイル、6−メチルヘプタノイル、オクタノイル、(S)−6−メチルオクタノイル、3−ヒドロキシ−6−メチルオクタノイル、7−メチルオクタノイル、ノナノイル、8−メチルノナノイル又はデカノイルである、請求項2に記載のポリミキシン。
  4. 、R、R、R及びRの各々が−CHCHNH又は−CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、Mがカチオンであり、かつR、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSOM)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリミキシン。
  5. 、R、R、R及びRの各々が−CHCHNH又は−CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、Mが薬学的に許容される一価のカチオンであり、かつR、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSOM)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリミキシン。
  6. 、R、R、R及びRの各々が−CHCHNH又は−CHCHN(CHSOM)のいずれかであり、MがNaであり、かつR、R、R、R及びRのうちの1つのみが−CHCHN(CHSOM)である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のポリミキシン。
  7. HPLCで測定して50%を超える請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリミキシンを含む組成物。
  8. HPLCで測定して80%を超える請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリミキシンを含む組成物。
  9. HPLCで測定して90%を超える請求項1〜6のいずれか一項に記載のポリミキシンを含む組成物。
  10. グラム陰性菌に起因する感染症の治療に用いるための、請求項7〜9のいずれか一項に記載の組成物。
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