JP2017522011A - 細胞の増殖非依存的検出 - Google Patents

細胞の増殖非依存的検出 Download PDF

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Abstract

細菌を含む微生物のような細胞の増殖非依存的検出のための、種々の方法、システム及び組成物が本願において開示される。細胞増殖から利益を得る細胞検出の方法論は存在しているが、本願で開示される方法、システム及び組成物は、細胞系検出をなお可能としつつも、細胞増殖非依存的である実施形態を実証する。

Description

関連出願の相互参照
本願は2014年6月13日に出願された米国仮出願第62/011,660の利益を主張するものであり、当該出願は全ての目的のために参照によりその全てが本明細書に組み込まれる。
配列表
本願は、ASCIIフォーマットで電子的に提出された配列表を含み、そのすべてが参照により本明細書に組み込まれる。2015年6月10に作成された前記ASCIIのコピーは、29449PCT_CRF_sequencelisting.txtと命名され、25キロバイトのサイズである。
研究室においては、細胞を用いる多くの研究が、しばしば、対数増殖を示す培養された細胞を用いて行われている。しかしながら自然界では、細胞はめったに対数増殖速度では存在せず、そしてしばしば定常状態で存在する。この現象は、臨床試料(clinical sample)が最適な増殖を支持する代謝状態で存在しない細胞を含むので、細胞の検出のための臨床診断の開発における重要な考慮事項である。いくつかの場合においては、細胞を検出することを意図するアッセイ条件下で増殖しない細胞が得られる。このように、臨床又は環境試料からの直接的な細胞の存在について試験する場合、しばしば、細胞増殖に非依存的に作動するアッセイを用いることが重要である。
細胞が実験室で単離され、そして培養される場合でさえ、単離された細胞の個々の株が種々の増殖特性を示すことができる状況がまだ存在する。そのような細胞が準最適な増殖を示す場合、これは、一般的に増殖を必要とするアッセイにより検出されない細胞をもたらすことができる。国際公開第2014/145899号の実施例9が、この状況を例示する(第80頁、第2行−第82頁、第33行、及び図26Bを参照のこと)。このアッセイにおいては、S.アウレウス(S.aureus)細胞がクリンダマイシンの存在下で増殖についてモニターされた。アッセイは、クリンダマイシンの存在下での細菌の増殖速度に基づいて決定を行う、クリンダマイシン感受性−対−耐性表現型を区別するために意図された。このアッセイにおいては、細菌の1つのクリンダマイシン耐性分離株は、その分離株が準最適増殖速度を示したので、クリンダマイシン感受性として誤解された。
このように、一般的に最小量の増殖又は最小増殖速度を必要とするアッセイは、アッセイの間、その必要とされる増殖特性を示さない標的細胞を検出することができない。
関連する特許出願は、すべての目的のために、その全体が参照により本明細書に組込まれる、2014年3月13日に出願されたPCT/US2014/026536号を包含する。
細胞増殖に非依存的に作動する細胞検出方法が、本明細書に開示されている。既存の細胞検出方法は細胞増殖の恩恵を受けるが、本明細書に開示される方法は、細胞増殖に無関係である実施形態を示している。
本明細書に開示される方法は一般的に増殖に無関係であり、これは、適切な増殖を支持しない代謝速度での細胞(例えば、臨床試料において遭遇する細胞)の検出のための、及び期待される増殖速度よりも遅い増殖での細胞株のための重要な特性であり得る。
細胞の増殖非依存的検出 (growth independent detection of cells)のための種々の方法、システム及び組成物が本明細書に開示される。
例えば、本明細書に開示される方法は、試料中の対象の微生物を検出するための増殖非依存的な方法を包含し、ここで前記方法は:
前記試料を複数の非複製性形質導入粒子(non-replicative transduction particles)(NRTPs)と接触させるステップ、その結果前記複数のNRTPsが試料中の1又は2以上の対象の微生物を形質導入し、ここで前記複数のNRTPsは、レポーター核酸配列を含み、そして前記1又は2以上の対象の微生物の増殖速度は対数増殖期(logarithmic phase)よりも低い;前記リポーター核酸配列の活性化のための条件を提供するステップ;及び、前記リポーター核酸配列によって産生されるシグナルを検出するステップ、ここで前記シグナルの存在は前記1又は2以上の対象の微生物の存在を示し、前記シグナルの不在は前記1又は2以上の対象の微生物の不在を示す、を含む。
さらなる例として、本明細書に開示される組成物は、複数の非複製形質導入粒子(NRTPs)及び1又は2以上の対象の微生物を含む試料又は細胞培養物(cell culture)を含むことができ、任意には、ここで前記複数のNRTPsはレポーター核酸配列を含み、そして前記1又は2以上の対象の微生物の増殖速度は対数増殖よりも低い。
本発明のそれらの及び他の特性、側面及び利点が、次の記載及び添付図面より、さらに良好に理解されるようになるであろう。
図1Aは、アッセイの終了時及びアッセイの開始時でのMRSAのコロニー形成単位(CFUs)数の比を要約し、ここでほとんどの試料は、4時間アッセイの間、最小の増殖(例えば、1−2の分裂)を示し、2つの試料は増殖の低下を示し(43及び60)、1つの試料は増殖なしを示し(51)、そして3つの試料は、1時間当たり0.4未満の分裂を示し(40.51及び81);図1Bは、試験されたすべての試料がバックグラウンドに対して陽性のシグナル(相対発光量 (relative light units);RLU)を生成したことを示す。 図2Aは、アッセイの終了時及びアッセイの開始時でのMRSAのCFU数の比を要約し、ここでほとんどの試料は、4時間アッセイの間、最小の増殖(例えば、1−2分裂)を示し、そして1つの試料(3037)は増殖の低下を示し;図2Bはすべての試料がバックグラウンドに対して、アッセイの間、陽性シグナル(RLU)を生成したことを示す。
特許請求の範囲及び明細書に使用される用語は、特にことわらない限り、下記に示されるように定義される。
本明細書において使用される場合、「レポーター核酸分子(reporter nucleic acid molecule)」又は「レポーター核酸配列(reporter nucleic acid sequence)」とは、シグナルを生成できるDNA又はRNA分子を含むヌクレオチド配列を意味する。レポーター核酸分子は、自然界に存在するか、又は人工又は合成分子であり得る。いくつかの実施形態によれば、レポーター核酸分子は、宿主細胞に対して外因性であり、そして外因性核酸分子、例えばプラスミド又はベクターの一部として宿主細胞中に導入され得る。特定の実施形態によれば、レポーター核酸分子は、細胞内の標的遺伝子に対して相補的であり得る。他の実施形態によれば、レポーター核酸分子は、レポーター分子(例えば、レポーター酵素、タンパク質)をコードするレポーター遺伝子を含む。いくつかの実施形態によれば、レポーター核酸分子は、「レポーターコンストラクト(reporter construct)」又は「核酸レポーターコンストラクト(nucleic acid reporter construct)」として言及され得る。
「レポーター分子(reporter molecule)」又は「レポーター(reporter)」とは、検出可能又は選択可能表現型を生物に付与する分子(例えば、核酸又はタンパク質)を意味する。例えば、検出可能表現型は、比色性、蛍光性又は発光性であり得る。レポーター分子は、発光反応を媒介する酵素(luxA、luxB、luxAB、luc、ruc、nluc)をコードする遺伝子、発色反応(colorimetric reactions)を媒介する酵素(lacZ、HRP)をコードする遺伝子、蛍光タンパク質(GFP、eGFP、YFP、RFP、CFP、BFP、mCherry、近赤外蛍光タンパク質)をコードする遺伝子、アフィニティーペプチド(His−tag、3X−FLAG)をコードする核酸分子、及び、選択可能なマーカー(ampC、tet(M)、CAT、erm)をコードする遺伝子から発現され得る。レポーター分子は、細胞中への核酸分子又は外因性配列(プラスミド)の成功した取り込みのためのマーカーとして使用される。レポーター分子はまた、本明細書に記載されるように、標的遺伝子、標的核酸分子、標的細胞内分子、又は細胞の存在を示すためにも使用され得る。他方では、レポーター分子は、核酸、例えばアプタマー又はリポザイムであり得る。
本発明のいくつかの側面によれば、レポーター核酸分子は、プロモーターに対して、操作可能に(operatively)連結される。本発明の他の側面によれば、プロモーターは、特定細胞(例えば、特定種)における(及び他の細胞においてではない)プロモーターの活性に基づいて、レポーターシステムの反応性及び交差反応性に寄与するよう選択されるか、又は設計され得る。特定の側面によれば、レポーター核酸分子は、複製の起点を含む。他の側面によれば、複製の起点の選択は、標的細胞内のレポーター核酸分子の複製が、特定細胞(例えば、特定種)における(及び他の細胞においてではない)複製の起点の活性に基づいて、レポーターシグナル生成に寄与するか、又はその生成のために必要とされる場合、同様にレポーターシステムの反応性及び交差反応性に寄与することができる。いくつかの実施形態によれば、レポーター核酸分子は、ウィルス複製の間、子孫ウィルス中にコンカテマーDNAとしてパッケージされ得るレプリコンを形成する。
「生存性の検出可能な指標(detectable indication of viability)」とは、観察され得、そして細胞が多かれ少なかれ、生存しているか、又はその生存性が、対照細胞と比較して(ここで、前記対照細胞は、異なった時点で同じ細胞であるか又は別々の細胞であり得る)、影響されているかどうかを示す細胞に関連するインジケーターを意味する。例としては、1又は2以上のシグナル、1又は2以上のレポーター、1又は2以上のマーカー、増殖又はその欠如、光(例えば、ルシフェラーゼにより放たれる光)又はその欠如、等を列挙することができる。
本明細書において使用される場合、「標的転写体(target transcript)」とは、DNA配列、又は標的遺伝子の転写の間に形成されるそれ、及び一次転写生成物のRNAプロセッシングの生成物であるmRNAを含む標的細胞により、自然界で形成されるmRNA分子のヌクレオチド配列の一部のことである。標的転写体はまた、細胞転写体又は天然に存在する転写体とも呼ばれる。
本明細書において使用される場合、用語「転写体(transcript)」とは、DNA又はRNA鋳型配列又は遺伝子から転写される長さのヌクレオチド配列(DNA又はRNA)のことである。転写体は、RNA鋳型から転写されたcDNA配列、又はDNA鋳型から転写されたmRNA配列であり得る。転写体は、タンパク質コード又は非コードであり得る。転写体はまた、操作された核酸コンストラクトから転写され得る。
レポーター核酸分子由来の転写体は、「レポーター転写体(reporter transcript)」として言及され得る。レポーター転写体は、レポーター配列及びシス−抑制配列(cis-repressing sequence)を含むことができる。レポーター配列は、相補性の領域を形成する配列を有することができ、その結果、転写体は二本鎖を形成する2つの領域(例えば、分子間二本鎖領域)を含む。1つの領域は、「シス−抑制配列」として言及され得、そして標的転写体及び/又はレポーター配列の一部又はすべてに対して相補性を有する。転写体の第2の領域は、「レポーター配列(reporter sequence)」と呼ばれ、そしてシス−抑制配列に対して相補性を有することができる。相補性は、完全な相補性であるか、又は実質的な相補性であり得る。レポーター配列を有するシス−抑制配列の存在及び/又は結合は、レポーター転写体における分子配座を形成することができ、これは、レポーター分子のさらなる発現を阻止することができる。レポーター転写体は、二次構造、例えばヘアピン構造を形成することができ、結果的に、お互い相補的であるレポーター転写体内の領域がお互いに対してハイブリダイズすることができる。
「細胞中に導入する(Introducing into a cell)」とは、核酸分子又は外因性配列(例えば、プラスミド、ベクター、コンストラクト)について言及する場合、当業者により理解されるように、細胞中への摂取又は吸収の促進を意味する。核酸コンストラクト又は転写体の吸収又は摂取は、助けを受けない拡散又は活性細胞工程を通して、又は助剤又は装置により、例えばバクテリオファージ、ウィルス及び形質導入粒子を介して生じることができる。この用語の意味は、インビトロでの細胞に限定されず;核酸分子はまた、「細胞中に導入され(introduced into a cell)」、ここで前記細胞は生存生物の一部である。そのような場合、細胞中への導入は、生物への送達を包含するであろう。例えば、インビボ送達に関しては、本発明の核酸分子、コンストラクト又はベクターは、組織部位中に注入されるか、又は全身的に投与され得る。細胞中へのインビトロ導入は、当業界において知られている方法、例えばエレクトロポレーション及びリポフェクションを包含する。さらなるアプローチは、本明細書に記載されているか、又は当業界において知られている。
プラスミド(plasmid)とは、細胞内の染色体DNAとは、物理的に別であり、そしてその染色体DNAとは非依存的に複製できる小DNA分子である。細菌中で小さな環状二本鎖DNA分子として最も一般的に見出されるプラスミドは時々、古細菌及び真核生物に存在する。プラスミドは、適切な宿主内で自律的に複製できるレプリコンとしてみなされる。
「ベクター(vector)」とは、別の細胞中に外来性遺伝子材料を人工的に運ぶためのビークルとして使用される核酸分子であり、ここでそれは複製され、そして/又は発現され得る。
「ウィルス(virus)」とは、他の生物中の生存細胞内でのみ複製する小さな感染因子である。ウィルス粒子(ビリオンとして知られている)は、次の2又は3つの部分を含む:i)遺伝子情報を担持するDNA又はRNA分子のいずれかから製造される遺伝子材料;ii)それらの遺伝子を保護するタンパク質コート、iii)タンパク質コートを取り囲む脂質のエンベロープ。
「MRSA」とは、メチシリン低抗性スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)のことである。
「MSSA」とは、メチシリン感受性スタフィロコッカス・アウレウス(Methicillin Sensitive Staphylococcus aureus) のことである。
用語「改善する(ameliorating)」とは、疾患状態の治療、例えば予防、重症度又は進行の軽減、寛解又はその治癒における何れか治療的に有益な結果のことである。
用語「インサイチュ(in situ)」とは、例えば組織培養において増殖する、生存生物とは別の生存細胞増殖において生じる工程のことである。
用語「インビボ(in vivo)」とは、生存生物において生じる工程のことである。
用語「哺乳類(mammal)」とは、本明細書において使用される場合、ヒト及び非ヒトお両者を包含し、そしてヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ、及びブタを含むが、但しそれらだけには限定されない。
「G」、「C」、「A」及び「U」はそれぞれ、塩基としてグアニン、シトシン、アデニン及びウラシルを含むヌクレオチドを一般的に表す。「T」及び「dT」は、本明細書においては、交換可能的に使用され、そしてヌクレオチド塩基がチミン、例えばデオキシリボチミンである場合のデオキシリボヌクレオチドのことである。しかしながら、用語「リボヌクレオチド(ribonucleotide)」又は「ヌクレオチド(nucleotide)」、又は「デオキシリボヌクレオチド(deoxyribonucleotide)」はまた、さらに下記に詳細されるように、修飾されたヌクレオチド、又はサロゲート(surrogate)置換部分も言及することが理解されるであろう。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン及びウラシルが、そのような置換部分を担持するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対形成特性を実質的に変更しないで、他の部分により置換され得ることを十分に承知している。例えば、制限するものではないが、その塩基としてイノシンを含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン又はウラシルを含むヌクレオチドと塩基対形成することができる。従って、ウラシル、グアニン又はアデニンを含むヌクレオチドは、例えばイノシンを含むヌクレオチドにより、本発明のヌクレオチド配列において置換され得る。そのような置換部分を含む配列は、本発明の実施形態である。
本明細書において使用される場合、用語「相補的(complementary)」とは、第2ヌクレオチド配列に関連して第1ヌクレオチド配列を記載するために使用される場合、当業者により理解され得るように、第2ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと、ハイブリダイズし、そしてある条件下で二本鎖構造を形成する、第1又はヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの能力のことである。相補的配列はまた、お互い結合し、そして結合親和性により特徴付けられるものとしても記載される。
例えば、第1ヌクレオチド配列は、2つの配列が緊縮ハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする(例えば、アニーリングする)場合、第2ヌクレオチド配列に対して相補的であるとして記載され得る。ハイブリダイゼーション条件は、アニーリング及び/又は洗浄ステップのための温度、イオン強度、pH及び有機溶媒濃度を包含する。用語、緊縮ハイブリダイゼーション条件とは、第1ヌクレオチド配列がその標的配列、例えば第2ヌクレオチド配列に、優先的に、及び他の配列に、より低い程度、ハイブリダイズするか、又は全くハイブリダイズしない条件を意味する。堅縮ハイブリダイゼーション条件は、配列依存的であり、そして異なった環境パラメーター下で異なる。一般的に、緊縮ハイブリダイゼーション条件は、所定のイオン強度及びpHで、ヌクレオチド配列についての熱融点(Tm)よりも約5℃低くなるよう選択される。Tmは、第1ヌクレオチド配列の50%が好ましくは、適合された標的配列にハイブリダイズする温度(所定のイオン強度及びpH下で)である。核酸のハイブリダイゼーションについての広範なガイドは、例えばTijssen (1993) Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology --Hybridization with Nucleic Acid Probes part I, chap. 2, "Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays," Elsevier, N.Y. ("Tijssen")に見出される。他の条件、例えば生体内で遭遇されるような生理学的に関連した条件が適用され得る。当業者は、ハイブリダイズされたヌクレオチドの究極的用途に従って、2つの配列の相補性の試験のために最も適切な一連の条件を決定することができるであろう。
これは、第1及び第2ヌクレオチド配列の全長にわたって、第2又はヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドへの、第1ヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドの塩基対形成を包含する。そのような配列は、本明細書においては、お互いに関して、「完全に相補的(fully complementary)」として言及され得る。しかしながら、第1配列が本明細書において、第2配列に関して、「実質的に相補的(substantially complementary)」として言及される場合、2つの配列は完全に相補的であるか、又はそれらは、ハイブリダイゼーションに基づいて1又は2以上の、しかし一般的には、4、3又は2未満のミスマッチされた塩基対を形成することができ、ここでそれらは、それらの究極的用途に最も関連した条件下でハイブリダイズする能力を保持している。しかしながら、2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーションに基づいて、1又は2以上の一本鎖オーバーハングを形成するよう設計される場合、そのようなオーバーハングは、相補性の決定に関してミスマッチとして見なされるべきではない。例えば、21個の長さのヌクレオチドを有する1つのオリゴヌクレオチド及び23個の長さのヌクレオチドを有する別のオリゴヌクレオチドを含むdsRNA(ここで、より長いオリゴヌクレオチドに対して完全に相補的である21個のヌクレオチドの配列を含む)はまだ、本明細書に記載される目的のためには、「完全に相補的」として言及され得る。
「相補的(complementary)」配列はまた、本明細書において使用される場合、ハイブリダイズするそれらの能力に関する上記要件が満たされる限りにおいて、非ワトソン−クリック塩基対及び/又は非天然及び修飾されたヌクレオチドから形成された塩基対を含むことができるか、又はそれらから完全に形成され得る。そのような非ワトソン−クリック塩基対は、G:U Wobble又はHoogstein 塩基対を包含するが、但しそれだけには限定されない。
用語「相補的(complementary)」、完全に相補的(fully complementary)]及び「実質的に相補的(substantially complementary)」とは、dsRNAの2つの鎖間、又はdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間、単鎖RNA配列又は単鎖DNA配列の相補鎖間での塩基マッチングに関して、それらの使用の内容から理解され得るように、使用され得る。
本明細書において使用される場合、「二本鎖構造(duplex structure)」は、2つの逆平行で且つ実質的に相補的な核酸配列を含む。2つの転写体間、転写体内の2つの領域間、又は転写体と標的配列との間の核酸コンストラクト中の相補的配列は、「二本鎖構造」を形成することができる。一般的に、各鎖のヌクレオチドの大部分は、リボヌクレオチドであるが、しかし本明細書に詳細に記載されるように、各鎖又は両鎖はまた、少なくとも1つの非リボヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチド及び/又は修飾されたヌクレオチドを含むことができる。二本鎖構造を形成する2本の鎖は、1つの大きなRNA分子の異なった部分であり得るか、又はそれらは別のRNA分子であり得る。二本の鎖が1つの大きな分子の一部であり、そしてしたがって、1つの鎖の3′末端と、二本鎖構造を形成するそれぞれの他の鎖の5′末端との間でヌクレオチドの中断されていない鎖により連結される場合、その連結するRNA鎖は、「ヘアピンループ(hairpin loop)」として言及される。二本の鎖が1つの鎖の3′末端と、二本鎖構造を形成するそれぞれの他の鎖の5′末端との間でヌクレオチドの中断されていない鎖以外の手段により共有結合される場合、その連結構造は、「リンカー(linker)」として言及される。RNA鎖は、同じか又は異なった数のヌクレオチドを有することができる。最大数の塩基対は、二本鎖の最も短い鎖中のヌクレオチドの数−二本鎖に存在する任意のオーバーハングである。一般的に、二本鎖構造は、15〜30、又は25〜30、又は18〜25、又は19〜24、又は19〜21、又は19、20又は21個の長さの塩基対である。1つの実施形態によれば、二本鎖は19個の長さの塩基対である。別の実施形態によれば、二本鎖は21個の長さの塩基対である。2つの異なったsiRNAが組合して使用される場合、二本鎖の長さは、同一であっても、又は異なっていても良い。
本明細書において使用される場合、用語「相補性の領域(region of complementarity)」とは、本明細書に定義されるように、1つの配列、例えば標的配列に対して実質的に相補的であるアンチセンス鎖上の領域を意味する。相補性の領域が標的配列に対して完全に相補的でない場合、ミスマッチは末端領域において最も許容され、そして存在するなら、一般的に、末端領域に、例えば5′及び/又は3′末端の6、5、4、又は2個のヌクレオチド内に存在する。
複数の核酸又はポリペプチド配列における用語、%「同一性(identity)」とは、下記に記載される配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTN及びBLASTN、又は当業者に利用できる他のアルゴリズム)の1つを用いて、又は目視検査により測定されるように、最大の一致のために比較され、そして整列される場合、同じであるヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定された%を有する複数の配列又はサブ配列を意味する。用途に依存して、%「同一性」は、比較される配列の領域にわたって、例えば機能的ドメインにわたって存在することができるか、又は他方では、比較されるべき2つの配列の完全な長さにわたって存在することができる。
配列に比較に関しては、典型的には、1つの配列が、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを用いる場合、試験及び参照配列が、コンピューターに入力され、必要なら、サブ配列座標が企画され、そして配列アルゴリズムプログラムパラメーターが企画される。次に、配列比較アルゴリズムが、企画されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列についての%配列同一性を計算する。
比較のための配列の最適なアラインメントは、例えばSmith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981)の局所相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970)の相同性アラインメントアルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444(1988)の類似性方法についての調査により、それらのアルゴリズム(GAP, BESTFIT, FASTA, andTFASTA in the Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.)のコンピューター処理された実施により、又は目視検査(一般的には、Ausubel et al., 下記を参照のこと)により実施され得る。
%配列同一性及び配列類似性を決定するために適切であるアルゴリズムの1つの例は、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990)に記載されるBLASTアルゴリズムである。BLAST分析を実施するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通して公開されている。
用語「十分な量」(sufficient amount)とは、所望する効果を生成するのに十分な量、例えば細胞から検出可能なシグナルを生成するのに十分な量のことである。
用語「治療的有効量(therapeutically effective amount)」とは、疾患の症状を改善するのに有効な量である。治療的有効量は、予防が治療として考慮される場合、「予防的有効量(prophaylactically effective mount)」であり得る。
本明細書及び請求の範囲において使用される場合、単数形「a」、「an」及び「the」は、特にことわらない限り、複数の対象を包含することは、注意されるべきである。
ウィルスの溶原性及び溶菌性サイクル
ウィルスは、宿主細胞において溶原性及び溶菌性サイクルを受ける。溶原性サイクルが採用される場合、ファージ染色体が細菌染色体中に組み込まれるか、又はそれは、宿主において安定したプラスミドとしてそれ自体確立することができ、ここでそれは残存することができる。溶原菌の溶菌サイクルが誘発される場合、ファージゲノムが、細菌染色体から切除され、そして溶菌サイクルが開始し、細胞の溶解及びファージ粒子の放出で絶頂に達する。溶菌サイクルは、宿主の溶解により放される新規ファージ粒子の生成を導く。
特定の溶原性ファージが、溶解活性を示すことができ、そしてこの傾向は、種々の宿主細菌と共に変化することができる。この現象をS.アウレウス(S.aureus)ファージの溶解活性が、プラークアッセイを通して試験された(表1)。ファージψ11は、10種の臨床MRSA単離物のうち10種の単離物に対する溶解活性を示し、そしてψ80αは、10種の臨床MRSA単離物のうち6種の単離物に対して溶解活性を示した。従って、ファージの天然の溶原性サイクルに依存するレポーターアッセイは、溶解活性を示すことが予測され得る。
さらに、ウィルス系レポーターアッセイ、例えばファージ系レポーターは、宿主系及びプロファージ由来のファージ抵抗性機構により引き起こされるファージ宿主範囲の制限のために、制限された反応性(すなわち、分析包含性)に悩まされる。それらの抵抗性機能は、ファージDNA及び機能の劣化又は他方では、阻害をもたらすことができる天然ファージ核酸を標的とする。そのような抵抗機構は、ファージ由来の配列を標的とするファージDNA及びCRISPRシステムを切断する制限シスムを含む。
溶解活性及びファージ抵抗性の両者は、レポーターファージに基づくアッセイに対して阻害的であり得る。溶解活性は、検出可能シグナルを生成するその能力下で、細胞を破壊するか又は他方では、阻害することによりシグナルを阻害することができ、そして従って、検出可能シグナルの量を低めるか、又は検出可能シグナルの生成を防ぐことにより、検出の限界に影響を及ぼすことができる。ファージ抵抗性機能は、ファージの宿主範囲を制限し、そしてファージ系レポーターの包含性を制限し、同様に、検出可能シグナルの量を低めるか、又は検出可能シグナルの生成を防ぐことにより、検出の限界に影響を及ぼす。レポーターファージへのファージDNAの組み込みにより引き起こされる溶解活性及びファージ抵抗性の両者は、それらのファージレポーターを組み込むアッセイにおいて偽陰性結果を導くことができる。
非複製形質導入粒子(NRTPs)、非複製形質導入粒子(NRTP)の生成方法、及び関連するアッセイ
「形質導入粒子(transduction porticle)」とは、細胞中に非ウィルス核酸分子を送達できるウィルスのことである。前記ウィルスは、バクテリオファージ、アデノウィルスなどであり得る。
「非複製形質導入粒子(non-replicative transduction particle)」とは、細胞中に非ウィルス核酸分子を送達できるが、しかし形質導入粒子中にそれ自体の複製されたウィルスゲノムをパッケージしないウィルスのことである。前記ウィルスは、バクテリオファージ、アデノウィルスなどであり得る。
種々のNRTP、種々のNRTPの製造方法、及びNRTPの使用方法は、その全体を、引用により本明細書に組み込まれる、2014年3月13日に出願されたPCT/US2014/026536号に記載されている。そのようなNRTP生成方法の例は、溶原化ウィルスを用いる破壊/相補性システムを包含し、ここでウィルスパッケージング機械により認識されるDNAの配列が破壊され(例えば、突然変異、欠失、挿入、等により)、そしてその破壊はレポータープラスミドにより補完される。それらのシステムにおいては、溶原化されたウィルスの溶菌サイクルが誘発される場合、そのシステムはウィルス粒子を生成するが、しかしそのウィルスは、ウィルスDNAの代わりにプラスミドDNAを担持する。
いくつかの側面によれば、生存細胞内の遺伝子プロモーターを標的化する内因性又は生来の誘導物質と共に使用するためのレポーター分子としてのNRTPの使用方法に関する。いくつかの実施形態によれば、前記方法は、レポーターとしてNRTPの使用を言及し、ここで前記NRTPは、標的細胞内の標的遺伝子の発現を制御するプロモーターに対して操作可能に連結されるレポーター遺伝子を含む。レポーター遺伝子を含むNRTPが標的細胞中に導入される場合、レポーター遺伝子の発現は、例えばレポーター核酸分子における標的遺伝子プロモーターの導入を介して可能になる。特定の側面によれば、レポーター核酸配列は、構成プロモーターに対して操作可能に連結される。いくつかの側面によれば、その構成プロモーターは、S.アウレウス(S.aureus)clpB プロモーターである。
いくつかの実施形態によれば、コンストラクト(NRTPを包含する)は、レポーター遺伝子を含むことができるレポーター核酸配列を含む。レポーター遺伝子は、レポーター分子をコードすることができ、そしてレポーター分子は、検出可能な (detectable)マーカー又は選択可能な (selectable)マーカーであり得る。特定の実施形態によれば、レポーター遺伝子は、細胞において発現される場合、検出可能シグナルを生成するレポーター分子をコードする。
特定の実施形態によれば、レポーター核酸配列は、マーカー、例えば検出可能又は選択可能マーカーをコードする。用語「マーカー(marker or markers)」とは、脂質、リポタンパク質、タンパク質、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、ペプチド、核酸、遺伝子、オリゴヌクレオチド、並びにそれらの関連する複合体、代謝物、突然変異、変異体、多型、変形、断片、サブユニット、分解生成物、要素、及び他の分析物又は試料由来の測定物を包含するが、但しそれらだけには限定されない。マーカーはまた、突然変異誘発されたタンパク質、突然変異誘発された核酸、コピー数の変動、及び/又は転写変異体も含むことができる。
特定の実施形態によれば、レポーター分子は、蛍光レポーター分子、例えば緑色蛍光タンパク質(GFP)、増強GFP、黄色蛍光タンパク質(YFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)又はmCherry、及び近赤外蛍光タンパク質であり得るが、しかしそれらだけには限定されない。
他の実施形態によれば、レポーター分子は、酸素媒介発光反応(luxA、luxB、luxAB、 luc、 ruc、 nluc、等)であり得る。レポーター分子は、細菌ルシフェラーゼ、真核生物ルシフェラーゼ、比色検出のために適切な酵素(lacZ、 HPR)、免疫検出のために適切なタンパク質、例えば親和性ペプチド(His−標識、3X−FLAG)、アプタマーとして機能するか、又は酵素活性(リボザイム)を示す核酸、又は選択可能マーカー、例えば抗生物質耐性遺伝子(ampC、tat(M)、 CAT、erm)を包含することができる。当業界において知られている他のレポーター分子は、標的核酸又は細胞を検出するためのシグナルを生成するために使用され得る。
他の側面によれば、レポーター分子は、核酸分子を含む。いくつかの側面によれば、レポーター分子は、特異的結合活性を有するか、又は酵素活性(例えば、アプタザイム、DNAザイム、リボザイム)を示すアプタマーである。
細胞レポーター核酸配列の送達は、種々の手段、例えばエレクトロポレーション、化学的、バイオリスティック、及びガラスビーズ形質転換、形質導入、トランスフェクション、ベクター、接合、例えば核酸送達ビークル、例えばバクテリオファージ、ウィルス、スフェロプラスト、リポソーム、ウィルス様粒子、脂質-DNA複合体、リポプレックス、ポリマー-DNA複合体、ポリプレックス、等を介しての送達(但し、それらだけには限定されない)により達成され得る。
いくつかの側面によれば、本明細書に開示される方法、システム及び組成物は、例えばシグナルを生成するために、脂肪アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬と接触して試料を含む。脂肪アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬の例は、トリデカナール(tridecanal)、及び当業界において知られている他の類似する脂肪アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬を包含することができる。種々の炭素鎖長の脂肪アルデヒド、例えばヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、デカノール、ドデカノール、及び/又はテトラデカナールが適切である。
いくつかの側面によれば、レポーター核酸配列は、シグナルを生成することができる。特定の側面によれば、シグナルは、発光シグナルである。いくつかの側面によれば、シグナルは、シグナルにより放される相対発光量(RLU)で測定され得る。レポーター核酸配列からシグナルを検出する種々の装置が当業界において知られている。発光を検出するための装置は、光電子増倍管、フォトダイオード、及び/又はアバランシェ(avalanche)フォトダイオードを包含する。検出は、単に、一定の面積又は体積から光シグナルを収集し、そして/又は一定の面積又は体積をイメージングすることにより達成され得る。
いくつかの側面によれば、シグナルは、バックグラウンド閾値よりも大きく、ここで前記バックグラウンド閾値は、平均バックグラウンドシグナル・プラス・0〜3x、0x、lx、2x、又は3x平均バックグラウンドシグナルの標準偏差、から計算される。
いくつかの側面によれば、10000〜1、1000〜10、1000〜100、100〜1、10,000、1,000、500、400、300、200、100、90、80、70、60、50、40、30、20、10、9、8、7、6、5、4又は3コロニー形成単位(CFU)以下の検出限界(limit of detection)(LoD)で検出され得る。いくつかの側面によれば、シグナルは、5CFU以下のLoDで検出され得るか、又は3CFU以下のLoDで検出され得るか、又は2CFU以下のLoDで検出され得るか、又は1CFU以下のLoDで検出され得る。
特定の側面によれば、細胞を検出するために、所定のNRTPを用いる方法の感度又は特異性は、2014年3月13日に出願されたPCT/US2014/026536号に記載されるようにして、決定され得る。
いくつかの側面によれば、方法は、標準的細胞培養系アッセイ(standardcellculture-basedassay)に関して、少なくとも80〜100、80〜90、90〜100、85〜95、90〜95、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の検出特異性を生成する。
いくつかの側面によれば、方法は、標準的細胞培養系アッセイに関して、少なくとも80〜100、80〜90、90〜100、85〜95、90〜95、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の検出感度を生成する。
いくつかの側面によれば、方法は、標準的細胞培養系アッセイに関して、少なくとも80〜100、80〜90、90〜100、85〜95、90〜95、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99又は100%の検出感度を達成する。
細胞及び試料
本明細書に開示される細胞は、原核生物及び真核生物を包含することができる。いくつかの側面によれば、細胞は微生物であり得る。用語「微生物(microorganism)」とは、古細菌、細菌及び真核生物ドメインからの原核及び真核微生物種を意味し、後者は、酵母及び糸状菌、原生動物、藻類又は高等原生生物を包含する。用語「微生物細胞(microbial cells)」及び「微生物(microbes)」は、用語「微生物(microorganism)」と交換可能的に使用される。微生物は、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(Methicillin Resistant Staphylococcus aureus)(MRSA)細胞、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス属菌(Staphylococcus spp.)、腸内細菌科菌(Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属菌(Enterococcus spp.)、ストレプトコッカス属菌(Streptococcus spp.)、アシネトバクター属菌(Acinetobacter spp.)、シュードモナス属菌(Pseudomonas spp.)、ステノトロフォモナス属菌(Stenotrophomonas spp.)又はマイコバクテリウム属菌(Mycobacterium spp.)を含むことができる。
用語「試料(sample)」とは、静脈穿刺、排泄、射精、マッサージ、生検、針吸引、洗浄液試料、スクレーピング、外科的切開、スワブ、又は当業界において知られている介入又は他の手段を包含する手段により、環境又は対象から採取される、単一細胞又は複数細胞、又は体液のアリコートを包含することができる。いくつかの側面によれば、試料は、臨床試料、例えば臨床の場、例えば病院における対象から入手された試料を含むことができる。いくつかの側面によれば、試料は、鼻腔用スワブの試料、直腸スワブの試料、血液試料、陽性血液培養試料 (positive blood culture sample)、皮膚/軟組織試料、気管支肺胞洗浄の試料(bronchoalveolar lavage sample)、痰試料、便試料、尿試料、及び/又は単離された微生物である。
用語「対象(subject)」とは、インビボ、エクスビボ、又はインビトロ、男性又は女性にかかわらず、細胞、組織、又は生物、ヒト又は非ヒトを包含する。
抗微生物剤
「抗微生物剤(antimicrobial agent)」とは、1又は2以上の微生物を殺害し、その増殖を阻害し、又は他方では、その微生物の生存能力を損なう化合物を意味する。抗微生物剤は、抗生物質、抗真菌剤、抗原虫薬、抗ウィルス薬、及び他の化合物を包含する。
抗微生物剤は、セフォキシチン(cefoxitin)、β-ラクタム、広域スペクトルβ−ラクタム(extended-spectrum β-lactam)、アミオノグリコシド(Aminoglycoside)、アンサマイシン(Ansamycin)、カルバセフェム(Carbacephem)、カルバペネム(Carbapenems)、任意の世代のセファロスポリン(Cephalosporin)、グリコペプチド(Glycopeptide)、リンコサミド(Lincosamide)、リポペプチド(Lipopeptide)、マクロライド(Macrolide)、モノバクタム(Monobactam)、ニトロフラン(Nitrofuran)、オキサゾリドノン(Oxazolidonone)、ペニシリン(Penicillin)、ポリペプチド(Polypeptide)、キノリン(Quinolone)、フルオロキノリン(Fluoroquinolone)、ストレプトグラミン(Streptogramin)、スルフォンアミド(Sulfonamide)、テトラサイクリン(Tetracycline)、リファンピシン(Rifampicin)、マイコバクテリアの抗生剤、クロラムフェニコール(Chloramphenicol)、及び/又はムピロシン(Mupirocin)を包含することができる。
いくつかの側面によれば、本明細書に開示される方法、システム及び組成物は、試料と接触しての抗微生物剤、及び目的の微生物が抗微生物剤に対して感受性であるか又は非感受性であるかどうかを決定するために、NRTPのレポーター核酸配列により生成されるシグナルの検出を包含することができる。特定の側面によれば、抗微生物剤は抗生物質である。
いくつかの側面によれば、本明細書に開示される方法、システム及び組成物は、試料と接触しての抗微生物剤の予定された濃度の変更、及び抗微生物剤に対する目的の1又は2以上の微生物の最小阻害濃度を決定するためのシグナルの量の決定を包含することができる。特定の側面によれば、抗微生物剤は抗生物質である。
細胞増殖
本明細書に開示される方法、システム及び組成物は典型的には、対象由来の試料における1又は2以上の細胞の検出のための増殖非依存的方法、システム及び組成物である。例えば、本明細書に記載される方法は、目的の対象から試料を単離するか、又は入手し、そして増殖にもかかわらず、試料中に存在するか又は存在しない目的の細胞又は細胞組を検出するために、試料(又は試料を含む培養物)と、本明細書に記載されるNRTPとを直接的に接触することを包含することができる。
増殖を決定するための種々の方法、例えば試料の光学密度の上昇性を測定することにより、細胞のバルク増殖を検出する方法、及び/又は試料中の個別の細胞の増殖を測定する方法、例えば顕微鏡、自動顕微鏡、及び/又は固体培地上の細菌のコロニーの存在を検出するために固体培地上の生物の従来の培養法が当業界において知られている。
種々の培養条件が、増殖非依存性態様で、例えば細胞複製速度にかかわらず、転写し、そして翻訳する細胞の能力を支持する1又は2以上の栄養製剤下で細胞を検出するために使用され得る。いくつかの側面によれば、培養条件は、限定された栄養条件、例えばRoswell Park Memorial Institute(RPMI) 培地 (Fisher Scientific Company, LLC)により提供されるそれらの条件を包含する。いくつかの側面によれば、培養条件は、それらが天然の環境下で細胞の代謝状態を模倣するよう選択される。いくつかの側面によれば、培養条件は、その天然の環境下でその状態に類似するか、又は同一である状態下にある試料の使用に制限されるか、又はその使用を包含する。
いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖速度は、対数増殖期以下である。いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖速度は、1時間当たり、0.05、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、1、2又は3分裂以下である。いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖速度は、4時間当たり、1細胞分裂以下、4時間当たり、2細胞分裂以下、4時間当たり、3細胞分裂以下、4時間当たり、4細胞分裂以下、4時間当たり、5細胞分裂以下、4時間当たり、6細胞分裂以下、4時間当たり、7細胞分裂以下、4時間当たり、8細胞分裂以下、4時間当たり、9細胞分裂以下、又は4時間当たり、10細胞分裂以下である。いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖速度は、特に、微生物又は微生物集団がメチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)であるか、又はそれを含む場合、1時間当たり、0.1分裂以下であり得る。
いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖は、定常期(stationary phase)、定常期以下、又は定常期以上であるが、しかし対数期以下として特徴づけられ得る。いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団は、全く増殖を受けないか又は検出できる増殖を受けることができない。いくつかの側面によれば、いくつかの側面によれば、微生物又は微生物集団の増殖は、陰性 (negative)であるか(例えば、より高い細胞死が細胞分裂以上に発生する)、又は恒常性 (homeostatic)である(例えば、細胞死及び分裂が比較的等しい)。
下記実施例は、本発明を実施するための特定の実施形態である。実施例は、例示的目的のためにのみ提供され、そしていずれの手段によっても、本発明の範囲を限定するものではない。使用される数字(例えば、量、温度、等)に関して正確さを確保するために努力がなされてきたが、しかしいくつかの実験誤差及び偏差はもちろん、許容されるべきである。
本発明の実施は、特にことわらない限り、当業者の範囲内で、タンパク質化学、生化学、組み換えDNA技法及び薬理学の従来の方法を用いるであろう。そのような技法は、文献に十分に説明されている。例えば、次の文献を参照のこと:T.E. Creighton, Proteins: Structures and Molecular Properties (W.H.Freeman and Company, 1993); A.L. Lehninger, Biochemistry (Worth Publishers, Inc., currentaddition); Sambrook, et al., Molecular Cloning: A Laboratory Manual (2nd Edition, 1989);Methods In Enzymology (S. Colowick and N. Kaplan eds., Academic Press, Inc.);Remington Pharmaceutical Sciences, 18th Edition (Easton, Pennsylvania: Mack Publishing Company, 1990); Carey and Sundberg Advanced Organic Chemistry 3rd Ed. (Plenum Press) Vols A and B(1992)。
実施例1:欠失/補完パッケージングシステム
以下は、非複製形質導入粒子を生成するための欠失/補完ベースのパッケージングシステムの設計及び構成の例である。
パッケージングシステムを開発するために使用される材料が下記に列挙される。
細菌株:
RN4220は、NCTC8325の非溶原性誘導体であり、そしてE.コリ(E.Coli)DNAのための効果的受容体である制限欠損S.アウレウス株である。それは、最初に、Kreiswirth, B.N. et al., The toxic shock syndrome exotoxin structural gene is not detectably transmitted by a prophage. Nature, 1983. 305(5936): p. 709-712に記載されている。
RN10616は、バクテリオファージψ80αによりRN4220を溶原化することにより誘導される。Ubeda, C. et al., Specificity of staphylococcal phage and SaPI DNA packaging as revealed by integrase and terminase mutations. Molecular Microbiology, 2009. 72(1): p. 98-108を参照のこと。
ST24は、RN10616における溶原化されたバクテリオファージψ80αから小ターミナーゼ遺伝子tenSの欠失に由来する。Ubeda, C. et al., Specificity of staphylococcal phage and SaPI DNA packaging as revealed by integrase and terminase mutations. Molecular Microbiology, 2009. 72(1): p. 98-108を参照のこと。
ベクター:
本発明のいくつかの実施形態によれば、カセットのためのプラスミド源として使用され得るプラスミドの例は、Charpentier, E., et al., Novel Cassette-Based Shuttle Vector System for Gram-Positive Bacteria. Appl. Environ. Microbiol., 2004. 70(10): p. 6076-6085に記載されている。
以下の遺伝子銀行受託番号が、カセット配列のために使用され得る:
・配列番号1(S.アウレウスpT181プラスミド起源又は複製コピー数変異体pT181cop−623repC)
・M21136 (tetA(M))
・配列番号2 (PcipBプロモーター配列)
・配列番号3(ψ11小ターミナーゼ(terS) 遺伝子配列)
・L09137 (amp Co1E1 ori)
・X06758 (luxAB)
・M62650 (転写終結)
terS欠失:terSノックアウト株ST24の構成が、ψ11小ターミナーゼ遺伝子のコード配列のほとんどを除去するインフレーム欠失をもたらす対立遺伝子交換ベースの方法により達成され得る。この方法の詳細は、Ubeda, C. et al., Specificity of staphylococcal phage and SaPI DNA packaging as revealed by integrase and terminase mutations. Molecular Microbiology, 2009. 72(1): p. 98-108に記載されている。
terSノックアウト株の典型的な配列は、配列番号4(下記配列列挙に示される)で示される。配列番号4は、ψ80αterS欠失及び補完を示すRN10616ゲノム配列遺伝子座である。
ベクター構成:GW80A0001ベクターは、E.コリ/S.アルレウスシャトルベクターである。そのベクターは、複数のS.アウレウス(pT181cop−623repC)及びE.コリ(ColElori)起点、それぞれ、E.コリ及びS.アウレウスにおける選択のためのアンピシリン(amp)及びテトラサイクリン(tet(M))耐性のための選択マーカー、それ自体のプロモーターを含むψ11小ターミナーゼ(terS)遺伝子配列、構成S.アウレウスPclpBプロモーターに対して操作可能に連結されるVibrio harveyiからのlexA及びluxB遺伝子、及び転写終結配列(TT)を含む。
得られるベクター(pGW80A0001、配列番号5)は、当業者に知られている種々の態様で構成され得る。1つの例によれば、tet(M)カセット及びluxAB遺伝子が、公的に入手できるpCN36及びpCN58ベクター(Charpentier, E., et al.)からのPCR増幅により入手され得る。PclpBは、S.アウレウスRN4220からのPCR増幅により得られ、そしてterSは、RN10616からのPCR増幅により得られる。ベクター骨格は、公的に入手できるベクターpCN48(Charpentier, E., et al.)からermC遺伝子を除くことにより得られ、そして最終ベクターpGW80A0001の種々の成分が、適切に設計された制限酵素ベースのクローニングを通して、このベクター骨格上にアセンブリーされ得る。
欠失/補完パッケージングシステム:このパッケージングシステムは、GW24株を生成するために、ベクターpGW80A0001により補完されたterSノックアウト株ST24を含むことができる。当業者に知られているように、このシステムを構成する態様は、ベクターpGW80A0001によりST24を形質転換することにより達成され得る。ベクターpGW80A0001は、5μg/mlのテトラサイクリンの存在下で形質転換体を増殖することにより、その形質転換されたST24の培養物に維持され得る。
形質導入粒子の担持プラスミドDNAの生成:非複製形質導入粒子を担持するベクターpGW80A0001を、E.コリにおいて最初に示され、そして現在、溶原化された細菌からプロファージを得るための標準技法であるチオマイシンC−誘発方法を通して、GW24から生成することができる。Otsuji, N. et al., Induction of Phage Formation in the Lysogenic Escherichia coli K -12 by Mitomycin C. Nature, 1959.184(4692): p. 1079-1080を参照のこと。このプロファージ誘発方法は、ψ80α溶菌サイクルの誘発をもたらし、ここでプロファージは、GW24ゲノムから切除し、ファージ構造要素を生成し、そして子孫ファージ粒子にpGW80A0001コンカテマーDNAをパッケージングする。次に、得られる細胞溶解物を収集し、そしてこれは、非複製形質導入粒子を含み、それぞれは、pGW80A0001 DNAの線状コンカタマーを担持するバクテリオファージ、ψ80α粒子から成る。
実施例2:非複製形質導入粒子系レポーターシステム
上記非複製形質導入粒子を、レポーター分子(例えば、luxAB)の発現を介して、生存細菌の存在を検出するためにレポーターシステムに使用することができる。この形質導入粒子が形質導入粒子の宿主範囲内の細胞中にレポーターベクター(例えば、pGW80A0001)を導入する場合、プロモーター(例えば、PclpB)が細胞転写機械により認識される細胞は、この細胞内のレポーター分子の発現を駆動することができる。
S.アウレウス細胞の存在を検出するためのレポーターとしての非複製形質導入粒子の官能性を試験するために、種々のMSSA/MRSAレポーターアッセイを開発した。1つの実施形態によれば、非複製形質導入粒子が、S.アウレウス特異的バクテリオファージから開発され、そして構成プロモーターの制御下での細菌ルシフェラーゼ遺伝子luxABが組み込まれた。非複製形質導入粒子がレポーター核酸を、S.アウレウス中に送達する場合、構成プロモーターは、生存S.アウレウスの存在を報告するために適切なluxABを発現した。
さらに、抗生物質セフォキシチンを、S.アウレウス細胞を含む試料に、形質導入粒子の添加の前、同時に、又は添加の後、添加した。細胞がセフォキシチンに対して表現型的に抵抗性でない場合(すなわち、MRSAではない場合)、発光が低められるか、又は排除され、このことは、細胞がMSSAであることを示唆する。しかしながら、細胞がセフォキシチンに対して表現型的に抵抗性である場合(すなわち、MRSAである場合)、高められた又は検出可能発光が観察され、このことは、細胞がMRSAであることを示唆する。
実施例3:細胞の増殖依存性検出
例として、標的細胞を検出する能力に対する細胞複製の影響を評価するための試験を実施した。
実施例1に記載されるような(また、PCT/US2014/026536号、実施例2も参照のこと)S.アウレウス形質導入粒子及びアッセイを、MRSAを検出するためのアッセイに使用した。形質導入粒子は、発光反応により放される相対発光量(RLU)を測定する光電子増倍管を用いてモニターされる発光反応を媒介できる細菌ルシフェラーゼの生存S.アウレウス細胞における生成を引き起こす。MRSAについて試験する場合、アッセイはセフォキシチンを使用し、結果的に、MSSAは発光シグナルを生成しないが、ところがMRSAはアッセイにおいて発光シグナルを生成する。手短に言えば、スタフィロコーカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)における抗微生物耐性についてのネットワーク(NARSA)から得られたMRSAの臨床単離物の培養物を、Roswell Park Memorial Institute (RPMI) 培地 (Fisher Scientific Company, LLC)における培養の制限された栄養条件下で調製し、制限された代謝活性を示す、すなわち天然の環境下で細胞の代謝状態を模倣する細胞を含む細胞培養物を生成した。細胞培養物を、OD600=0.1に標準化し、そして試料を接種するために使用した。試料を、実施例2を記載される形質導入粒子試薬(また、PCT/US2014/026536号、実施例7を参照のこと)及びセフォキシチンと共に混合し、そして37℃で4時間インキュベートし、次に、脂肪アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬(トリテカナール)の添加の後、発光の生成について試験した。発光アッセイの実施の他に、各試料における細菌の量を、TSB寒天の各試料のアリコートをプレートし、そして各時点で試料における総CFUとして列挙される各試料と共に18−24時間のインキュベーションの後、得られるコロニーを列挙することにより、形質導入粒子の添加/インキュベーションの前、及びインキュベーションの後/基質の添加の前、定量化した。
図1は、試験から得られたデータを要約する。図1aは、アッセイの後(t=4h)及び前(t=oh)、CFUの割合を要約する。図1bは、図1aに要約される試料から生成されるシグナルを要約し、ここで約200RLUでの点線は、平均バックグラウンドシグナル・3×標準偏差から計算されたバックグラウンド閾値である。
結果は、アッセイが標的細胞を検出するために細菌増殖を必要としなかったことを示す。アッセイの間の細菌増殖の分析は、MRSAにおけるシグナル生成物の連続した上昇にもかかわらず、アッセイの間、増殖はほとんどか又はまったく存在しなかったことを示した。示されるように、図1aは、アッセイの最後及びアッセイの開始でのMRSAのCFU計数の割合を要約し、ここでほとんどの試料は、4時間のアッセイの間、最小の増殖を示し(例えば、1−2分裂)、そして2つの試料は、増殖の低下を示し(48及び60)、1つの試料は増殖なしを示し、そして3つの試料は、1時間当たり0.4分裂以下を示した(40、51及び81)。図1bに示されるように、すべての試料は、アッセイの間、陽性シグナルを生成した。ほとんど〜まったくの増殖を示さなかったにもかかわらず、試験されたすべての試料は、バックグラウンドに対して陽性のシグナル(RLU)を生成した。
実施例4:臨床試料からの細胞の増殖非依存的検出
例として、試験を実施し、直接的に臨床試料からの標的細胞を検出する能力に対する細胞の影響性を評価した。
実施例1に記載されるような(また、PCT/US2014/026536号、実施例2も参照のこと)S.アウレウス形質導入粒子及びアッセイを、MRSAを検出するためのアッセイに使用した。形質導入粒子は、発光反応により放される相対発光量(RLU)を測定する光電子増倍管を用いてモニターされる発光反応を媒介できる細菌ルシフェラーゼの生存S.アウレウス細胞による生成を引き起こす。MRSAについて試験する場合、アッセイはセフォキシチンを使用し、結果的に、MSSAは発光シグナルを生成しないが、ところがMRSAはアッセイにおいて発光シグナルを生成する。手短に言及すれば、MRSA監視のために病院施設による患者から採取された鼻腔スワブ試料を、形質導入粒子アッセイを用いて、MRSAの存在について試験した。試料を、実施例2を記載される形質導入粒子試薬(また、PCT/US2014/026536号、実施例7を参照のこと)及びセフォキシチンと共に混合し、そして37℃で4時間インキュベートし、次に、脂肪アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬(トリテカナール)の添加の後、発光の生成について試験した。発光アッセイの実施の他に、各試料における細菌の量を、TSB寒天の各試料のアリコートをプレートし、そして各時点で試料における総CFUとして列挙される各試料と共に18−24時間のインキュベーションの後、得られるコロニーを列挙することにより、形質導入粒子の添加/インキュベーションの前、及びインキュベーションの後/基質の添加の前、定量化した。
図2は、MRSAについて陽性であった4種の臨床試料から得られたデータを要約する。図2aは、アッセイの後(t=4h)及び前(t=oh)、CFUの割合を要約する。図2bは、図2aに要約される4種の臨床試料から生成されるシグナルを要約し、ここで約200RLUでの点線は、平均バックグラウンドシグナル・3×標準偏差から計算されたバックグラウンド閾値である。
結果は、アッセイが標的細胞を検出するために細菌増殖を必要としなかったことを示す。アッセイの間の細菌増殖の分析は、MRSAにおけるシグナル生成物の連続した上昇にもかかわらず、アッセイの間、増殖はほとんどか又はまったく存在しなかったことを示した。示されるように、図2aは、アッセイの最後及びアッセイの開始でのMRSAのCFU計数の割合を要約し、ここでほとんどの試料は、4時間のアッセイの間、最小の増殖を示し(例えば、1−2分裂)、そして1つの試料(3037)は、増殖の低下を示した。図2bに示されるように、すべての試料は、アッセイの間、陽性シグナルを生成した。ほとんど〜まったくの増殖を示さなかったにもかかわらず、試験されたすべての試料は、バックグラウンドに対して陽性のシグナル(RLU)を生成した。
好ましい実施形態及び種々の代替的実施形態に関連して、本発明は特に示され及び記載されたが、形式及び詳細における種々の変更が、本発明の精神と範囲から離れることなく本発明においてなされ得ることが、関連技術分野における当業者によって理解され得る。
本出願明細書中において引用された全ての参考文献、発行された特許及び特許出願は全ての目的のために、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
配列
配列番号1
S.アウレウスpT181プラスミド由来又は複製コピー数バリアントpT181cop−623repC
配列番号2
S.アウレウスPclpBプロモーター配列
配列番号3
天然terS遺伝子を含む配列
配列番号4
φ30αterS欠失及び補完を示す、RN10616ゲノム配列座。tertS=カッコで括られたテキスト、欠失=下線、補完=太字
配列番号5
pGW80A0001完全配列

Claims (48)

  1. 試料中の対象の微生物を検出するための増殖非依存的な方法であって:
    前記試料を複数の非複製性形質導入粒子(NRTPs)と接触させ、その結果前記複数のNRTPsが試料中の1又は2以上の対象の微生物を形質導入するステップ、ここで前記複数のNRTPsは、レポーター核酸配列を含み、そして前記1又は2以上の対象の微生物の増殖速度は対数増殖期よりも低い;
    前記リポーター核酸配列の活性化のための条件を提供するステップ;及び、
    前記リポーター核酸配列によって産生されるシグナルを検出するステップ、ここで前記シグナルの存在は前記1又は2以上の対象の微生物の存在を示し、前記シグナルの不在は前記1又は2以上の対象の微生物の不在を示す、
    を含む、前記方法。
  2. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度は1時間当たり0.1分裂未満であり、前記1又は2以上の目的の微生物は、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)である、請求項1に記載の方法。
  3. 抗微生物剤を前記試料に提供し、そして
    前記リポーター核酸配列によって産生されるシグナルを検出して、前記1又は2以上の目的の微生物が前記抗微生物剤に感受性か又は非感受性かを決定すること
    をさらに含む、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記1又は2以上の目的の微生物が定常期にあるか、あるいは
    前記1又は2以上の目的の微生物が増殖をしていない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、1時間当たり、0.1〜5分裂以下、0.1〜3分裂以下、0.1〜1分裂以下、0.5〜1分裂以下、0.1分裂以下、0.2分裂以下、0.3分裂以下、0.4分裂以下、0.5分裂以下、1分裂以下、2分裂以下、又は3分裂以下である、請求項1、3又は4に記載の方法。
  6. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、4時間当たり、0〜10細胞分裂以下、1〜9細胞分裂以下、2〜8細胞分裂以下、3〜7細胞分裂以下、4〜6細胞分裂以下、1細胞分裂以下、2細胞分裂以下、3細胞分裂以下、4細胞分裂以下、5細胞分裂以下、6細胞分裂以下、7細胞分裂以下、8細胞分裂以下、9細胞分裂以下、又は10細胞分裂以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、陰性であるか又は恒常性である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)細胞、スタフィロコッカス・アウレウス(Staphylococcus aureus)、スタフィロコッカス属菌(Staphylococcus spp.)、腸内細菌科菌(Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属菌(Enterococcus spp.)、ストレプトコッカス属菌(Streptococcus spp.)、アシネトバクター属菌(Acinetobacter spp.)、シュードモナス属菌(Pseudomonas spp.)、ステノトロフォモナス属菌(Stenotrophomonas spp.)又はマイコバクテリウム属菌(Mycobacterium spp.)を含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記試料が臨床試料である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 前記試料は、鼻腔用スワブの試料、直腸スワブの試料、血液試料、陽性血液培養試料、皮膚/軟組織試料、気管支肺胞洗浄の試料、痰試料、便試料、尿試料、及び/又は単離された微生物の試料である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記シグナルが発光シグナルであるか、又は
    前記検出ステップが、前記シグナルによって放出される相対発光量(RLU)を測定することを含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記提供ステップが、前記試料を脂肪族アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬(fatty aldehyde bacterial luciferase substrate reagent)と接触させることを含み、ここで場合により、前記試薬はトリデカナールである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 前記シグナルがバックグラウンド閾値よりも大きく、ここで前記バックグラウンド閾値は、平均バックグラウンドシグナル・プラス・0〜3x、0x、lx、2x、又は3x平均バックグラウンドシグナルの標準偏差、から計算される、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記抗微生物剤が、セフォキシチン(cefoxitin)、β-ラクタム、広域スペクトルβ−ラクタム(extended-spectrum β-lactam)、アミオノグリコシド(Aminoglycoside)、アンサマイシン(Ansamycin)、カルバセフェム(Carbacephem)、カルバペネム(Carbapenems)、任意の世代のセファロスポリン(Cephalosporin)、グリコペプチド(Glycopeptide)、リンコサミド(Lincosamide)、リポペプチド(Lipopeptide)、マクロライド(Macrolide)、モノバクタム(Monobactam)、ニトロフラン(Nitrofuran)、オキサゾリドノン(Oxazolidonone)、ペニシリン(Penicillin)、ポリペプチド(Polypeptide)、キノリン(Quinolone)、フルオロキノリン(Fluoroquinolone)、ストレプトグラミン(Streptogramin)、スルフォンアミド(Sulfonamide)、テトラサイクリン(Tetracycline)、リファンピシン(Rifampicin)、マイコバクテリアの抗生剤、クロラムフェニコール(Chloramphenicol)、及び/又はムピロシン(Mupirocin)である、請求項3に記載の方法。
  15. 前記レポーター核酸配列がルシフェラーゼ遺伝子であり、場合により、前記ルシフェラーゼ遺伝子がluxAB、luc、ruc、又はnlucである、請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記レポーター核酸配列が構成的プロモーターに操作可能に連結され、場合により前記構成的プロモーターはS.アウレウス (aureus)clpBプロモーターである、請求項1〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 前記方法が、標準的細胞培養系アッセイに関して、少なくとも80〜100、80〜90、80〜95、90〜95、80、85、90、95、96、97、98、99%の検出特異性を生ずる、請求項1〜16のいずれか1項に記載の方法。
  18. 前記方法が、標準的細胞培養系アッセイに関して、少なくとも80〜100、80〜90、80〜95、90〜95、80、85、90、95、96、97、98、99%の検出感度を達成する、請求項1〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記方法は、標準的細胞培養系アッセイに関して、少なくとも95%の検出特異性、及び少なくとも90%の検出感度を達成する、請求項1〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記標準的細胞培養系アッセイの細胞は対数増殖期にある、請求項17〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)細胞である、請求項1〜20のいずれか1項に記載の方法。
  22. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン感受性スタフィロコッカス・アウレウス(MSSA)細胞である、請求項1及び3〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記レポーター核酸配列は、検出可能なマーカー又は選択可能なマーカーをコードする、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 前記レポーター核酸配列は、発光反応を媒介する酵素(luxA、luxB、luxAB、luc、ruc、nluc)をコードする遺伝子、発色反応(colorimetric reactions)を媒介する酵素(lacZ、HRP)をコードする遺伝子、蛍光タンパク質(GFP、eGFP、YFP、RFP、CFP、BFP、mCherry、近赤外蛍光タンパク質)をコードする遺伝子、アフィニティーペプチド(His−tag、3X−FLAG)をコードする核酸分子、及び、選択可能なマーカー(ampC、tet(M)、CAT、erm)をコードする遺伝子から成る群から選択される、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. 前記レポーター核酸配列は、構成的プロモーターに操作可能に連結される、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. 前記シグナルは、1〜1000コロニー形成単位(CFU)以下、10〜100CFU以下、100〜1000CFU以下、10CFU以下、100CFU以下、1,000CFU以下の検出限界(LoD)で検出され得る、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. 前記シグナルが、1〜5CFU以下、2〜4CFU以下、3〜5CFU以下、又は5CFU以下のLoDで検出され得るか、あるいは前記シグナルが3CFU以下のLoDで検出され得るか、あるいは前記シグナルが2CFU以下のLoDで検出され得るか、あるいは前記シグナルが1CFU以下のLoDで検出され得る、請求項26に記載の方法。
  28. あらかじめ決められた濃度の抗生剤を前記試料に提供し、そしてシグナルの存在又は不在を検出して、前記1又は2以上の目的の微生物が、前記抗生剤に対して抵抗性であるか、又は感受性であるかを決定することをさらに含む、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 種々のあらかじめ決められた濃度の抗生剤を前記試料に提供し、そしてシグナル量を検出して、前記抗生剤における前記1又は2以上の目的の微生物の最小阻害濃度を決定することをさらに含む、請求項1〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 複数の非複製性形質導入粒子(NRTPs)と、1又は2以上の目的の微生物とを含む、試料又は細胞培養物であって、場合により、前記複数のNRTPsは、レポーター核酸配列を含み、そして前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度は対数増殖期よりも低い、前記試料又は細胞培養物。
  31. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度は1時間当たり0.1分裂未満であり、前記1又は2以上の目的の微生物は、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)である、請求項30に記載の試料又は細胞培養物。
  32. 抗微生物剤をさらに含む、請求項30又は31に記載の試料又は細胞培養物。
  33. 前記1又は2以上の目的の微生物が定常期にあるか、あるいは
    前記1又は2以上の目的の微生物が増殖をしていない、請求項30〜32のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  34. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、1時間当たり、0.1〜5分裂以下、0.1〜3分裂以下、0.1〜1分裂以下、0.5〜1分裂以下、0.1分裂以下、0.2分裂以下、0.3分裂以下、0.4分裂以下、0.5分裂以下、1分裂以下、2分裂以下、又は3分裂以下である、請求項30〜33のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  35. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、4時間当たり、0〜10細胞分裂以下、1〜9細胞分裂以下、2〜8細胞分裂以下、3〜7細胞分裂以下、4〜6細胞分裂以下、1細胞分裂以下、2細胞分裂以下、3細胞分裂以下、4細胞分裂以下、5細胞分裂以下、6細胞分裂以下、7細胞分裂以下、8細胞分裂以下、9細胞分裂以下、又は10細胞分裂以下である、請求項30〜34のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  36. 前記1又は2以上の目的の微生物の増殖速度が、陰性であるか又は恒常性である、請求項30〜35のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  37. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)細胞、スタフィロコッカス・アウレウス、スタフィロコッカス属菌、腸内細菌科菌、エンテロコッカス属菌、ストレプトコッカス属菌、アシネトバクター属菌、シュードモナス属菌、ステノトロフォモナス属菌又はマイコバクテリウム属菌を含む、請求項30〜36のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  38. 前記試料が臨床試料である、請求項30〜37のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  39. 前記試料は、鼻腔用スワブの試料、直腸スワブの試料、血液試料、陽性血液培養試料、皮膚/軟組織試料、気管支肺胞洗浄の試料、痰試料、便試料、尿試料、及び/又は単離された微生物の試料である、請求項30〜38のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  40. 脂肪族アルデヒド細菌ルシフェラーゼ基質試薬をさらに含み、ここで場合により、前記試薬はトリデカナールである、請求項30〜39のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  41. 前記抗微生物剤が、セフォキシチン、β-ラクタム、広域スペクトルβ−ラクタム、アミオノグリコシド、アンサマイシン、カルバセフェム、カルバペネム、任意の世代のセファロスポリン、グリコペプチド、リンコサミド、リポペプチド、マクロライド、モノバクタム、ニトロフラン、オキサゾリドノン、ペニシリン、ポリペプチド、キノリン、フルオロキノリン、ストレプトグラミン、スルフォンアミド、テトラサイクリン、リファンピシン、マイコバクテリアの抗生剤、クロラムフェニコール、及び/又はムピロシンである、請求項32に記載の試料又は細胞培養物。
  42. 前記レポーター核酸配列がルシフェラーゼ遺伝子であり、場合により、前記ルシフェラーゼ遺伝子がluxAB、luc、ruc、又はnlucである、請求項30〜41のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  43. 前記レポーター核酸配列が構成的プロモーターに操作可能に連結され、場合により前記構成的プロモーターはS.アウレウスclpBプロモーターである、請求項30〜42のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  44. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン抵抗性スタフィロコッカス・アウレウス(MRSA)細胞である、請求項30〜43のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  45. 前記1又は2以上の目的の微生物が、メチシリン感受性スタフィロコッカス・アウレウス(MSSA)細胞である、請求項30〜44のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  46. 前記レポーター核酸配列は、検出可能な又は選択可能なマーカーをコードする、請求項30〜45のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  47. 前記レポーター核酸配列は、発光反応を媒介する酵素(luxA、luxB、luxAB、luc、ruc、nluc)をコードする遺伝子、発色反応を媒介する酵素(lacZ、HRP)をコードする遺伝子、蛍光タンパク質(GFP、eGFP、YFP、RFP、CFP、BFP、mCherry、近赤外蛍光タンパク質)をコードする遺伝子、アフィニティーペプチド(His−tag、3X−FLAG)をコードする核酸分子、及び、選択可能なマーカー(ampC、tet(M)、CAT、erm)をコードする遺伝子から成る群から選択される、請求項30〜46のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
  48. 前記レポーター核酸配列は、構成的プロモーターに操作可能に連結される、請求項30〜47のいずれか1項に記載の試料又は細胞培養物。
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