JP6826048B2 - 配列特異的検出及び表現型決定 - Google Patents

配列特異的検出及び表現型決定 Download PDF

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Description

発明の背景
細胞レポーターシステムは、非標的生物との交差反応及び微生物干渉を示すことがある。例えば糞便試料中の大腸菌(E. coli)を検出するために腸内細菌科細菌(Enterobacteriaceae)のレポーターが使用される場合、肺炎桿菌(K. pneumoniae)のような腸内細菌科の他の種は、交差反応性シグナルを生成して偽陽性の結果をもたらすことがある。さらに試料中に存在し得る緑膿菌(P. aeruginosa)、アシネトバクター・バウマンニ(A.baumannii)、及びステノトロホモナス・マルトフィリア(S. maltophilia)などの他の細菌科の種は、微生物の干渉をもたらして偽陰性結果を与え得る。
抗菌剤感受性試験(AST)は、抗菌剤に対する微生物の応答を測定し、抗菌剤に対してその微生物が感受性であるか非感受性であるかを決定するために使用される。抗菌剤に対する微生物の応答は様々な機序(mechanism)によるものであり、そのすべてが同じ応答又は表現型を与える。例えば、カルバペネム耐性腸内細菌科微生物(CRE)において、カルバペネム系抗生物質に対する耐性は、異なる遺伝子又は遺伝子変異体(blaNDM-1、blaKPC、blaIMP、blaVIM、blaCMYなどを含む)によってコードされる種々のカルバペネマーゼに起因し、並びに非カルバペネマーゼβ−ラクタマーゼの過剰発現のようなカルバペネマーゼの欠如にもかかわらずカルバペネム非感受性表現型をもたらす状況、及びカルバペネムの細胞への取り込みの低下をもたらす突然変異(例えばポーリン突然変異(porin mutaions))に起因する可能性がある。
ASTは、共通の表現型応答を付与する種々な耐性機序を区別することができない。例えば、腸内細菌科微生物のメロペネムに対する応答を試験して、その腸内細菌科微生物がメロペネムに対して耐性であることが判明した場合、このアッセイから、この耐性がblaNDM-1又はblaKPCに起因するか又は他のカルバペネム耐性機序に起因するかどうかを決定することはできない。
微生物に抵抗性表現型を付与する機序に関する限定された情報を提供するために、ASTの拡張が開発されている。例えば、アモキシシリンを用いて腸内細菌科微物に対してAST検査を行う場合、その微生物がアモキシシリンに対して耐性であるが、β−ラクタマーゼ阻害剤であるクラブラン酸の存在下ではアムモシシリンに対して感受性であることが見出された場合、この結果は、β−ラクタマーゼがアモキシシリン耐性表現型に関係していることを示し得る。しかしこの技術は、β−ラクタマーゼの役割を示すのみであり、特異的なβ−ラクタマーゼの本体は示すものではない。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)などの核酸増幅技術は、生物に耐性表現型を付与し得る特異的遺伝子の存在を測定するために使用することができる。しかしこれらの技術は、生きた生物と生きていない生物とを区別することができず、偽陽性の結果を導き、また検出された遺伝子が発現しているかどうかを判定することができず、従って抗菌剤に対する生物の表現型応答を決定できず、従って一般的に抗菌剤感受性を決定することができない。
これらの制限のために、生物に表現型応答を付与する根底にある機序を決定する手段が必要である。ある表現型を付与する根底にある具体的な機序の本体は、疫学的分析及び他の関連する分析のための重要な情報となり得る。
(発明の概要)
抗菌剤感受性表現型の機序を決定するための方法が本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
少なくとも1つの抗菌剤に対して感受性でない少なくとも1つの微生物を含む試料を提供する工程;
前記試料に抗菌剤を接触させる工程であって、前記抗菌剤は1つ以上の微生物を死滅させるか、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めることができる、前記工程;
前記試料に、前記抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する少なくとも1つの特定核酸配列(specific nucleic acid sequence)を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物を接触させる工程であって、任意選択的に、オリゴヌクレオチド分子が核酸配列を阻害する、前記工程;及び
前記微生物が抗菌剤及びオリゴヌクレオチド分子と接触しているときに、微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、微生物の抗菌剤感受性表現型の機序を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、抗菌剤に対する抗菌剤感受性表現型の機序に関連しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、抗菌剤に対する抗菌剤感受性表現型の機序に関連していることを示す、前記工程。
他の方法、組成物、システム、培養物、分子、及びキットも、本明細書において同様に記載される。
また、抗菌剤感受性表現型の機序を決定するための方法も本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
少なくとも1つの抗菌剤に対して感受性でない少なくとも1つの微生物を含む試料を提供する工程であって、前記試料はさらに、1つ以上の微生物の生存能力を殺滅し、その増殖を阻害し、又はその生存能力を弱めることができる抗菌剤と、抗菌剤に対する感受性のない表現型に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物とを含む、前記工程;及び
微生物が抗菌剤及びオリゴヌクレオチド分子と接触しているときに、微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、微生物の非感受性表現型の機序を決定する工程であって、検出可能な指標の存在は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、抗菌剤に対する非感受性表現型の機序に関連しないことを示し、検出可能な指標の欠如は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、抗菌剤に対する非感受性表現型の機序に関連していることを示す、前記工程。
いくつかの態様において、化合物はPNA(ペプチド核酸)である。いくつかの態様において、化合物はペプチド−PNAである。いくつかの態様において、ペプチドはオリゴヌクレオチド分子の微生物への取り込みを促進する。いくつかの態様において、PNAは遺伝子の翻訳開始領域(TIR)を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAはβ−ラクタム耐性遺伝子又はバンコマイシン耐性遺伝子を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAは、blaKPC-3遺伝子、blaNDM-1遺伝子、blaSHV-18遺伝子、vanC遺伝子を標的とする。
また、非感受性表現型に関与する機序を決定するための方法が本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
カルバペネムに対して感受性でない腸内細菌科微生物を含む試料を提供する工程;
前記試料に腸内細菌科微生物を接触させる工程;
前記試料を、カルバペネム耐性に関連する遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチド分子と接触させる工程;
腸内細菌科微生物がカルバペネム及びオリゴヌクレオチド分子と接触しているとき、腸内細菌科微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、腸内細菌科微生物のカルバペネム非感受性の機序を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる遺伝子が、カルバペネム非感受性の機序に関連しないことを示し、検出可能な指標の欠如は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる遺伝子が、カルバペネム非感受性の機序に関連していることを示す、前記工程。
目的の生物の存在を決定するための方法が本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
目的の少なくとも1つの生物を含む可能性のある試料を提供する工程;
前記試料を、生物体の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物と接触させる工程であって、前記特定核酸配列が前記生物に対して固有である、前記工程;及び
前記生物が前記オリゴヌクレオチド分子と接触している場合に、前記生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて前記生物の存在を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、目的の生物が前記試料中に存在しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、目的の生物が前記試料中に存在し得ることを示す、前記工程。
また目的の生物の存在を決定するための方法が本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
目的の少なくとも1つの生物を含む可能性のある試料と、前記生物の生存活性に関連する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1種の化合物とを提供する工程であって、前記特定核酸配列は前記生物に対して固有である、前記工程;及び;
前記生物が前記オリゴヌクレオチド分子と接触している場合に、前記生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて前記生物の存在を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、目的の生物が前記試料中に存在しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、目的の生物が前記試料中に存在し得ることを示す、前記工程。
また目的の生物の存在を決定するための方法が本明細書に開示され、この方法は以下の工程を含む:
目的の少なくとも1つの生物を含む可能性のある試料を提供する工程;
前記試料の第1の部分に、生物の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物を接触させる工程であって、前記特定核酸配列は前記生物に固有である、前記工程;
前記生物がオリゴヌクレオチド分子と接触している場合に、前記生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて前記試料の第1の部分中の前記生物の存在を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、目的の生物が前記試料中に存在しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、目的の生物が前記試料中に存在し得ることを示す、前記工程;及び
前記生物に関連する生存活性の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、前記オリゴヌクレオチド分子を含まない試料の第2の部分における生物の存在を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、目的の生物が前記試料中に存在し得ることを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、目的の生物が前記試料中に存在しないことを示す、前記工程。
また、標的生物を検出するように設計されたアッセイにおいて、潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の量を低下させる方法が開示され、この方法は以下の工程を含む:
標的生物を検出するように設計されたアッセイにおいて、潜在的に交差反応性又は干渉性である少なくとも1つの生物を含む可能性のある試料を得る工程;
前記交差反応性又は干渉性である生物に、潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物を接触させる工程であって、前記特定核酸配列は前記生物に固有である、前記工程;及び
生物の生存能力を失わせる工程。
いくつかの態様において、潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の生存能力に関与する前記少なくとも1つの特定核酸配列は、murA遺伝子である。
本明細書に開示される全ての方法の特定の態様は、以下の通りである:
いくつかの態様において、化合物はPNA(ペプチド核酸)である。いくつかの態様において、化合物はペプチド−PNAである。いくつかの態様において、前記ペプチドは、微生物へのオリゴヌクレオチド分子の取り込みを促進する。いくつかの態様において、PNAは遺伝子の翻訳開始領域(TIR)を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAは、β−ラクタム耐性遺伝子又はバンコマイシン耐性遺伝子を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAは、blaKPC-3遺伝子、blaNDM-1遺伝子、blaSHV-18遺伝子、vanC遺伝子を標的とする。
いくつかの態様において、試料に、オリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物を接触させることは、微生物に、オリゴヌクレオチド分子を含むベクターを導入することを含む。
いくつかの態様においてオリゴヌクレオチド分子はCRISPR RNA(crRNA)である。いくつかの態様において、crRNAは微生物内内でCRISPR/Casシステムから発現される。いくつかの態様において、crRNAはblaNDM-1遺伝子又はblaSHV-18遺伝子又は転写体を標的とする。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド分子はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において化合物は、センス鎖とアンチセンス鎖を含む二本鎖RNA(dsRNA)であり、アンチセンス鎖はアンチセンス分子を含む。いくつかの態様においてdsRNAの各鎖は、8〜49ヌクレオチドの長さ(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、又は24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチドの長さ)であり、任意選択的に各鎖は3’T又はTTを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの鎖は、少なくとも1つの化学修飾されたヌクレオチドを含む。いくつかの態様において化学修飾されたヌクレオチドは、2’修飾ヌクレオチドである。いくつかの態様において2’修飾ヌクレオチドは、2’−メチル置換ヌクレオチド又は2’−アミノ置換ヌクレオチドである。
いくつかの態様において、特定核酸配列は、DNA配列又はmRNA配列である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標の存在は、微生物が生存可能であることを示す。いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標の欠如は、微生物が生存可能でないことを示す。
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法は、試料に、微生物中の抗菌剤に対する抗菌剤非感受性に関与する第2の特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む第2の化合物を接触させることをさらに含む。
いくつかの態様において、微生物は原核生物又は真核生物である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標は、微生物の増殖、微生物に関連するマーカー、又は微生物に関連する検出可能なシグナルである。
いくつかの態様において、本明細書に開示される方法は、レポーター分子が微生物中に入り、生存能力の検出可能な指標を提供するような条件下で、試料に、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を接触させることをさらに含む。いくつかの態様において、レポーターシステムは、リポソームに基づくレポーターシステム、ファージに基づくレポーターシステム、又は非複製性の形質導入粒子に基づくレポーターシステムである。
いくつかの態様において、少なくとも1つの微生物は、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む。
いくつかの態様において、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)が微生物内にレポーター核酸分子を挿入するような、かつ前記レポーター分子が生存能力の検出可能な指標を提供するような条件下で、試料にNRTPを接触させることをさらに含む方法が、本明細書にさらに開示される。
いくつかの態様において、NRTPは、
宿主細菌細胞と、
前記宿主細菌細胞内にあり、非機能性パッケージング開始部位配列を有するバクテリオファージゲノムを含む第1の核酸構築体(first nucleic acid construct)であって、ここで、前記非機能性パッケージング開始部位配列は、NRTP内へのバクテリオファージゲノムのパッケージングを防止する、前記第1の核酸構築体と、
前記宿主細菌細胞内にありかつ前記第1の核酸構築体から離れて存在し、レポーター遺伝子を有するレポーター核酸分子と、NRTPへの前記レポーター核酸分子のレプリコンのパッケージングを促進する機能性パッケージング開始部位配列とを含む第2の核酸構築体であって、ここで、前記第2の核酸構築体上の機能性の第2のパッケージング開始部位配列は、前記第1の核酸構築体上のバクテリオファージゲノム内の非機能性パッケージング開始部位配列を補完する、前記第2の核酸構築体と
を含む、細菌細胞パッケージングシステムから製造される。
いくつかの態様において、レポーター核酸分子は、発光分子をコードする遺伝子である。いくつかの態様において、遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子の存在又は欠如を検出することを含む。いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子が介在する反応の存在又は欠如を検出することを含む。他の態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子のコンフォメーション、活性、又は他の特性(例えば、蛍光、又は他の分子と結合するか又は相互作用をする能力)を検出することを含む。
いくつかの態様において、微生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、又はカンジダ属(Candida)の微生物である。
いくつかの態様において、微生物は、エシェリヒア属(Escherichia)、マイコバクテリア属(Mycobacterium)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、リステリア属(Listeria)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、リケッチア属(Rickettsia)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ゼノラブデス属(Xenorhabdus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ボルデテラ属(Bordetella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アエロモナス属(Aeromonas)、アクチノバチルス属(Actinobacillus)、パスツレラ属(Pasteurella)、ビブリオ属(Vibrio)、レジオネラ属(Legionella)、バチルス属(Bacillus)、カルトリクス属(Calothrix)、メタノコッカス属(Methanococcus)、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、クラミジア属(Chlamydia)、ナイセリア属(Neisseria)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、又はエルシニア属(Yersinia)のものである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤はβ−ラクタム又はバンコマイシンである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤は、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、アミノグリコシド、フルオロキノロン、リンコサミド、ポリミキシン、テトラサイクリン、マクロライド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、リファマイシン、又はグリコペプチドの群又はクラスのものである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤は、アンピシリン、アンピシリン−スルバクタム、ピペルシリン−タゾバクタム、オキサシリン、ペニシリン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフタロリンフォサミル、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、アミカシン、ゲンタマイシン、ゲンタマイシンシナジー、ストレプトマイシンシナジー、トブラマイシンシ、トブラマイシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、クリンダマイシン、コリスチン、ダプトマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、リネゾリド、ニトロフラントイン、キヌプリスチン−ダルホプリスチン、リファンピン、チゲサイクリン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、ホスホマイシン、セフォキシチン、テトラサイクリン、モキシフロキサシン、又はテディゾリドである。
特定の態様において、微生物は腸内細菌科のものであり、抗菌剤はカルバペネムである。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、微生物の増殖を観察することを含み、ここで、任意選択的に増殖は細胞培養を用いて観察される。
いくつかの態様において、化合物はさらにリポソームを含む。
いくつかの態様において、試料を抗菌剤と接触された後に、試料は化合物たお接触される。いくつかの態様において、試料は化合物と接触された後に、試料は抗菌剤と接触されるか、又は試料は化合物及び薬剤と同時に接触される。
いくつかの態様において、試料、化合物、及びレポーター核酸は、任意の順序で又は同時に互いに接触される。
また抗菌剤に感受性でない微生物に対する非感受性表現型の機序を決定するためのキットが本明細書に開示され、このキットは以下を含む:
1つ以上の微生物を死滅させるか、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めるcことができる抗菌剤;
抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む化合物;及び
微生物が抗菌剤及びオリゴヌクレオチド分子と接触している場合、微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、抗菌剤に対して感受性ではない微生物の非感受性表現型の機序を決定するために、抗菌剤及びオリゴヌクレオチド分子を使用するための説明書であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、オリゴヌクレオチド分子によって標的化された特定核酸配列が、抗菌剤に対する非感受性表現型の機序に関連しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、オリゴヌクレオチド分子によって標的化された特定核酸配列が、抗菌剤に対する非感受性表現型の機序に関連することを示す、前記説明書。
また目的の生物の存在を決定するためのキットが本明細書に開示され、このキットは以下を含む:
前記生物の生存能力に関与する特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む化合物であって、前記特定核酸配列が前記生物に固有である上記化合物;及び
前記生物がオリゴヌクレオチド分子と接触している場合、生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如基づいて生物の存在を決定するためにオリゴヌクレオチド分子を使用するための説明書であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、目的の生物が試料中に存在しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、目的の生物が試料中に存在し得ることを示す、前記説明書。
また少なくとも1つの抗菌剤に感受性ではない単離された微生物が本明細書に開示され、ここで抗菌剤は以下を含む:
1つ以上の微生物を死滅させるか、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めることができる抗菌剤;
抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物;及び
任意選択的に、レポーターは、マーカー、検出可能なシグナル、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子、又はレポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)である、レポーター。
また、本明細書に開示される微生物の製造方法であって、前記微生物に抗菌剤を接触させる工程と、前記微生物にオリゴヌクレオチド分子を含む化合物を接触させる工程と、前記微生物にレポーターを接触させる工程を含む、本明細書に開示される微生物の製造方法が本明細書に開示される。
また少なくとも1つの抗菌剤に感受性でない微生物を含むインビトロ細胞培養物が本明細書に開示され、この細胞培養物は以下をさらに含む:
1つ以上の微生物を死滅させるか、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めることができる抗菌剤;
前記抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物;及び
レポーター、任意選択的に、レポーターは、マーカー、検出可能シグナル、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子、又はレポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)である上記レポーター。
また、細胞培養物の製造方法であって、培養物に抗菌剤を接触させる工程と、培養物にオリゴヌクレオチド分子を含む化合物を接触させる工程と、及び培養物にレポーターを接触させる工程とを、上記方法が本明細書に開示される。
また本明細書には、以下を含む単離された生物が開示される:
生物の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物であって、前記特定核酸配列は前記生物に固有である、前記化合物;及び
レポーター、任意選択的にレポーターは、マーカー、検出可能シグナル、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子、又はレポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)である。
本明細書にはまた、単離された生物の製造方法であって、前記生物にオリゴヌクレオチド分子を含む化合物を接触させる工程と、前記生物にレポーターを接触させる工程とを、含む、前記方法が開示される。
本明細書にはまた、生物を含むインビトロ細胞培養物が開示され、この生物は以下をさらに含む:
生物の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物であって、前記特定核酸配列は前記生物に固有である前記化合物;及び
レポーター、任意選択的にレポーターは、マーカー、検出可能シグナル、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子、又はレポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)である前記レポーター。
本明細書にはまた、インビトロ細胞培養物の製造方法であって、前記培養物にオリゴヌクレオチド分子を含む化合物を接触させる工程と、前記培養物にレポーターを接触させる工程とを含む、前記方法が開示される。
本明細書に開示される全てのキット及び全ての単離された微生物の具体的な態様は、以下の通りである:
いくつかの態様において、化合物はPNA(ペプチド核酸)である。いくつかの態様において、化合物はペプチド−PNAである。いくつかの態様において、ペプチドは、オリゴヌクレオチド分子の微生物への取り込みを促進する。いくつかの態様において、PNAは遺伝子の翻訳開始領域(TIR)を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAは、β−ラクタム耐性遺伝子又はバンコマイシン耐性遺伝子を標的とする。いくつかの態様において、ペプチド−PNAは、blaKPC-3遺伝子、blaNDM-1遺伝子、blaSHV-18遺伝子、vanC遺伝子を標的とする。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド分子はCRISPR RNA(crRNA)である。いくつかの態様において、crRNAは微生物内内でCRISPR/Casシステムから発現される。いくつかの態様において、crRNAはblaNDM-1遺伝子又はblaSHV-18遺伝子又は転写体を標的とする。
いくつかの態様において、オリゴヌクレオチド分子はアンチセンスオリゴヌクレオチドである。
いくつかの態様において化合物は、センス鎖とアンチセンス鎖とを含む二本鎖RNA(dsRNA)であり、アンチセンス鎖はアンチセンス分子を含む。いくつかの態様においてdsRNAの各鎖は、8〜49ヌクレオチドの長さ(例えば、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30ヌクレオチドの長さ)であり、任意選択的に各鎖は3’T又はTTを含む。いくつかの態様において、少なくとも1つの鎖は、少なくとも1つの化学修飾ヌクレオチドを含む。いくつかの態様において化学修飾されたヌクレオチドは、2’修飾ヌクレオチドである。いくつかの態様において2’修飾ヌクレオチドは、2’−メチル置換ヌクレオチド又は2’−アミノ置換ヌクレオチドである。
いくつかの態様において、特定核酸配列は、DNA配列又はmRNA配列である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標の存在は、微生物が生存可能であることを示す。いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標の欠如は、微生物が生存可能でないことを示す。
いくつかの態様において、微生物は原核生物又は真核生物である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標は、微生物の増殖、微生物に関連するマーカー、又は微生物に関連する検出可能シグナルである。
いくつかの態様において、少なくとも1つの微生物は、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む。
いくつかの態様において、キットは、レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)をさらに含む。
いくつかの態様においてNRTPは、
宿主細菌細胞と、
前記宿主細菌細胞内にあり、非機能性パッケージング開始部位配列を有するバクテリオファージゲノムを含む第1の核酸構築体であって、前記非機能性パッケージング開始部位配列は、NRTP内へのバクテリオファージゲノムのパッケージングを防止する、前記第1の核酸構築体と、
前記宿主細菌細胞内にありかつ前記第1の核酸構築体から離れて存在し、レポーター遺伝子を有するレポーター核酸分子と、NRTPへの前記レポーター核酸分子のレプリコンのパッケージングを促進する機能性パッケージング開始部位配列とを含む第2の核酸構築体であって、ここで、第2の核酸構築体上の機能性の第2のパッケージング開始部位配列は、前記第1の核酸構築体上のバクテリオファージゲノム内の非機能性パッケージング開始部位配列を補完する、前記第2の核酸構築体と
を含む、細菌細胞パッケージングシステムから製造される。
いくつかの態様において、レポーター核酸分子は、発光分子をコードする遺伝子である。いくつかの態様において、遺伝子はルシフェラーゼ遺伝子である。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子の存在又は欠如を検出することを含む。いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子が介在する反応の存在又は欠如を検出することを含む。他の態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、レポーター分子のコンフォメーション、活性、又は他の特性(例えば、蛍光、又は他の分子と結合するか又は相互作用をする能力)を検出することを含む。
いくつかの態様において、微生物は、腸内細菌科(Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属(Enterococcus)、又はカンジダ属(Candida)のものである。
いくつかの態様において、微生物は、エシェリヒア属(Escherichia)、マイコバクテリア属(Mycobacterium)、ブドウ球菌属(Staphylococcus)、リステリア属(Listeria)、クロストリジウム属(Clostridium)、ストレプトコッカス属(Streptococcus)、ヘリコバクター属(Helicobacter)、リケッチア属(Rickettsia)、ヘモフィルス属(Haemophilus)、ゼノラブデス属(Xenorhabdus)、アシネトバクター属(Acinetobacter)、ボルデテラ属(Bordetella)、シュードモナス属(Pseudomonas)、アエロモナス属(Aeromonas)、アクチノバチルス属(Actinobacillus)、パスツレラ属(Pasteurella)、ビブリオ属(Vibrio)、レジオネラ属(Legionella)、バチルス属(Bacillus)、カルトリクス属(Calothrix)、メタノコッカス属(Methanococcus)、ステノトロホモナス属(Stenotrophomonas)、クラミジア属(Chlamydia)、ナイセリア属(Neisseria)、サルモネラ属(Salmonella)、シゲラ属(Shigella)、カンピロバクター属(Campylobacter)、又はエルシニア属(Yersinia)のものである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤はβ−ラクタム又はバンコマイシンである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤は、ペニシリン、セファロスポリン、カルバペネム、アミノグリコシド、フルオロキノロン、リンコサミド、ポリミキシン、テトラサイクリン、マクロライド、オキサゾリジノン、ストレプトグラミン、リファマイシン、又はグリコペプチドの群又はクラスのものである。
いくつかの実施態様において、抗菌剤は、アンピシリン、アンピシリン−スルバクタム、ピペラシリン−タゾバクタム、オキサシリン、ペニシリン、セファゾリン、セフェピム、セフォタキシム、セフタジジム、セフトリアキソン、セフタロリンフォサミル、エルタペネム、イミペネム、メロペネム、アミカシン、ゲンタマイシン、ゲンタマイシンシナジー、ストレプトマイシンシナジー、トトブラマイシン、シプロフロキサシン、レボフロキサシン、クリンダマイシン、コリスチン、ダプトマイシン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、リネゾリド、ニトロフラントイン、キヌプリスチン−ダルホプリスチン、リファンピン、チゲサイクリン、トリメトプリム−スルファメトキサゾール、ホスホマイシン、セフォキシチン、テトラサイクリン、モキシフロキサシン、又はテディゾリドである。
特定の態様において、微生物は腸内細菌科のものであり、抗菌剤はカルバペネムである。
いくつかの態様において、生存能力の検出可能な指標を検出することは、微生物の増殖を観察することを含み、ここで、任意選択的に増殖は細胞培養を用いて観察される。
いくつかの態様において、化合物はさらにリポソームを含む。
また本明細書には、腸内細菌科におけるカルバペネム非感受性に関与する遺伝子の発現を阻害するためのペプチド核酸(PNA)分子であって、配列番号2又は配列番号3のヌクレオチド配列を含む、PNA分子が開示される。
また本明細書には、腸内細菌科におけるバンコマイシン非感受性に関与する遺伝子の発現を阻害するためのPNA)分子であって、配列番号6のヌクレオチド配列を含む、PNA分子が開示される。
また本明細書には、カンジダにおける内部転写されたスペーサー領域の発現を阻害するためのアンチセンス分子であって、配列番号7、配列番号8、又は配列番号9のヌクレオチド配列を含む、アンチセンス分子が開示される。
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明及び添付図面を参照してよりよく理解されるであろう。
大腸菌(E. coli)の増殖に対する大腸菌特異的ペプチド−PNAの作用を示す。 肺炎桿菌(K. pneumoniae)の増殖に対する大腸菌特異的ペプチド−PNAの作用を示す。 腸内細菌科の発光レポーターを使用する、大腸菌及び肺炎桿菌からの発光シグナルに対する大腸菌特異的ペプチド−PNAの作用を示す。 大腸菌1289011、1289012、1289014、及び1289018についての典型的なメロペネム/ペプチド−PNAディスク拡散結果の例を示す。 ペプチドPNA細胞レポーターASTアッセイの結果の例を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与え、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。 CRISPR Cas9細胞レポーターASTアッセイの結果の例を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与え、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。 VRE細胞レポーターアッセイの結果の例を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与え、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。 各種を標的とする2’−OMe修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を製造するために使用することができるITS2配列のリストを含む。 カンジダ属菌種の同定に使用されるAONの組み合わせについてのアッセイ構成を示す。
(発明の詳細な説明)
特許請求の範囲及び明細書で使用される用語は、特に明記しない限り、以下に示すように定義される。
本明細書中で使用される「レポーター核酸分子」は、DNA又はRNA分子を含むヌクレオチド配列をいう。レポーター核酸分子は、天然に存在していても、人工又は合成の分子であってもよい。いくつかの実施態様において、レポーター核酸分子は宿主細胞に対して外因性であり、外来性核酸分子の一部(例えばプラスミド又はベクター)として宿主細胞に導入され得る。他の実施態様において、レポーター核酸分子は、レポーター分子(例えば、レポーター酵素、タンパク質)をコードするレポーター遺伝子を含む。いくつかの実施態様において、レポーター核酸分子は、「レポーター構築体」又は「核酸レポーター構築体」と呼ばれる。
「レポーター分子」又は「レポーター」は、生物に検出可能又は選択可能な表現型を付与する分子(例えば核酸由来又はアミノ酸由来)をいう。検出可能な表現型は、例えば、発色性、蛍光性、又は発光性であり得る。レポーター分子は、発光反応を仲介する酵素(luxA、luxB、luxAB、luc、ruc、nluc)をコードするレポーター遺伝子、比色反応を仲介する酵素(lacZ、HRP)をコードする遺伝子、蛍光タンパク質(GFP、eGFP、YFP、RFP、CFP、BFP、mCherry、近赤外蛍光タンパク質)をコードする遺伝子、親和性ペプチド(His−tag、3X−FLAG)をコードする核酸分子、及び選択マーカー(ampC、tet(M)、CAT、erm)をコードする遺伝子から、発現することができる。レポーター分子は、細胞内への核酸分子又は外来配列(プラスミド)の取り込みを成功させるためのマーカーとして使用することができる。レポーター分子はまた、標的遺伝子、標的核酸分子、標的細胞内分子、又は細胞の存在を示すために使用してもよい。レポーター分子は、細胞の生存能力を示すために使用することもできる。あるいは、レポーター分子は核酸、例えばアプタマー又はリボザイムでもよい。
いくつかの態様において、レポーター核酸分子は、プロモーターに機能できる形で結合している。他の態様において、プロモーターは、他の細胞ではなく特定の細胞(例えば特定の種)におけるプロモーターの活性に基づくレポーターシステムの反応性及び交差反応性に寄与するように選択又は設計することができる。特定の態様において、レポーター核酸分子は複製開始点を含む。他の態様において、標的細胞内のレポーター核酸分子の複製が、他の細胞ではなく特定の細胞(例えば特定の種)における複製開始点の活性に基づいてレポーターシグナル生成に寄与するか又はレポーターシグナル生成に必要とされる場合、複製開始点の選択は、レポーターシステムの反応性及び交差反応性に同様に寄与し得る。いくつかの実施態様においてレポーター核酸分子は、ウイルス複製中に子孫ウイルス中にパッケージングされ得るレプリコン(例えばコンカテマーDNAとして)を形成する。他の態様においてレポーター核酸分子は、レポーターシステムの反応性及び交差反応性に同様に寄与し得るレポーター遺伝子の転写又は翻訳に影響を及ぼす因子(例えば、特異的リボソーム結合部位、コドン使用)を含む。
本明細書で使用される「転写体 (transcript)」という用語は、DNA又はRNA鋳型配列又は遺伝子から転写されたある長さのヌクレオチド配列(DNA又はRNA)を指す。転写体は、RNA鋳型から転写されたcDNA配列、又はDNA鋳型から転写されたmRNA配列でもよい。転写体は、タンパク質コード性又は非コード性でもよい。転写体はまた、遺伝子操作された核酸構築体から転写され得る。
本明細書中で使用される「標的転写体(target transcript)」は、標的遺伝子の転写中に形成されるものを含む標的細胞によって天然に形成されるDNA配列又はmRNA、及び一次転写産物のRNAプロセッシングの生成物であるmRNAの、ヌクレオチド配列の一部をいう。標的転写体は、細胞性転写体又は天然に存在する転写体と呼ぶこともできる。
核酸分子又は外来配列(例えば、プラスミド、ベクター、構築体)を指す場合、「細胞に導入する」とは、当業者に理解されるように、細胞への取り込み又は吸収を促進することを意味する。核酸構築体又は転写体の吸収又は取り込みは、支援されない拡散性又は活性な細胞プロセスを介して、又はバクテリオファージ、ウイルス、形質導入粒子、リポソーム、ポリマー、ウイルス様粒子、及び弾道手段の使用を介する補助物質又はデバイスによって行われる。この用語の意味は、インビトロの細胞に限定されない。核酸分子はまた「細胞に導入され」てもよく、ここで細胞は生きている生物の一部である。そのような場合、細胞への導入には生物への送達が含まれる。例えばインビボ送達のために、核酸分子、構築体、又はベクターを組織部位に注射するか、又は全身的に投与することができる。細胞へのインビトロ導入法には、形質転換、エレクトロポレーション、形質導入、及びリポフェクションなどの当該分野で公知の方法が含まれる。さらなるアプローチは、本明細書に記載されているか、又は当技術分野で公知である。
「抗菌剤感受性表現型の機序(mechanism for the antimicrobial susceptibility phenotype)」とは、抗菌剤に対して微生物に耐性又は感受性を付与することに関与する1つ以上の機序(例えば、1つ以上の遺伝子、mRNA及び/又はタンパク質)を指す。
本明細書中で使用される用語「分子」は、特に限定されないが、小分子、ペプチド、タンパク質、糖、ヌクレオチド、核酸、脂質などを含む任意の化合物を意味し、そのような化合物は天然又は合成であり得る。
「オリゴヌクレオチド分子」は、特定の標的核酸配列に結合する核酸を含む分子を指す。オリゴヌクレオチド分子は、一本鎖分子、二本鎖分子、アンチセンス分子、二本鎖RNA、PNA、CRISPR RNA、DNAiなどを含む。典型的にはオリゴヌクレオチド分子は、標的核酸配列(例えばDNA又はRNA)に特異的に結合する。特定核酸配列へのオリゴヌクレオチド分子の結合は、典型的には、例えば核酸配列の発現の低下を介して、核酸配列の阻害をもたらす。特定核酸配列へのオリゴヌクレオチド分子の結合は、核酸配列の遮断又は破壊をもたらし得る。
「アンチセンス分子」は、DNA又はRNAに特異的に結合して遺伝子発現を阻害するアンチセンス活性を示す分子を指す。アンチセンス分子は一般に、その標的DNA又はRNAに対する相補的配列を有する核酸オリゴマーを含む。アンチセンス分子の例には、アンチセンスオリゴヌクレオチド(DNA又はRNA)、ペプチド核酸(PNA)、及びホスホロジアミダートモルホリノ(PMO)オリゴマーが含まれる。
「抗菌剤」は、1つ以上の微生物を死滅させ、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めることができる化合物を指す。抗菌剤には、抗生物質、抗真菌剤、抗原虫剤、抗ウイルス剤、及び他の化合物が含まれる。
「生存能力の検出可能な指標(detectable indication of viability)」とは、観察することができ、例えば対照細胞と比較した場合に、細胞が多かれ少なかれ生存可能であるか、又は生存能力が影響を受けるかどうかを示す、細胞に関連する指標であり、ここで対照細胞は、異なる事典の同じ細胞でも別の細胞でもよい。例としては、1つ以上のシグナル、1つ以上のレポーター、1つ以上のマーカー、その増殖又は欠如、光(例えば、ルシフェラーゼによって放出される光)又はその欠如などが含まれる。
ウイルスに基づくレポーター又はバクテリオファージに基づくレポーターは、レポーター遺伝子がそのゲノムに挿入されるように改変されたウイルス又はバクテリオファージをそれぞれ指すことができる。
「形質導入粒子」は、非ウイルス核酸分子を細胞に送達することができるウイルスを指す。ウイルスは、バクテリオファージ、アデノウイルスなどでもよい。形質導入粒子レポーターは、ウイルス又はバクテリオファージに基づくレポーターと同義であり得る。
「非複製性形質導入粒子(non-replicative transduction particle)」(NRTP)は、非ウイルス核酸分子を細胞に送達することができるウイルスを意味するが、それ自身の複製ウイルスゲノムを形質導入粒子にパッケージングしない。ウイルスは、バクテリオファージ、アデノウイルスなどでもよい。NRTP及びその作製方法は、2014年3月13日に出願されたPCT/US2014/026536号に詳細に記載されている。
「プラスミド」は、細胞内の染色体DNAとは物理的に離れており、染色体DNAとは独立して複製することができる小さなDNA分子である。最も一般的には細菌中の小さな円形の二本鎖DNA分子として見出され、プラスミドは古細菌及び真核生物に存在することがある。プラスミドはレプリコンと考えられ、適切な宿主内で自律的に複製することができる。
「ベクター」は、遺伝物質を細胞に運ぶためのビヒクルとして使用することができる核酸を含む分子であり、そこで、組み込み、複製、及び/又は発現されることができる。
「ウイルス」は、他の生物の生きた細胞の中でしか複製しない小さな感染性の物質である。ウイルス粒子(ビリオンとして知られている)は、2つ又は3つの部分を含む:i)遺伝情報を運ぶDNA又はRNA分子のいずれかから作られた遺伝物質。ii)この核酸を保護するタンパク質コート;ある場合には、iii)タンパク質コートを取り囲む脂質のエンベロープ。細菌に感染するウイルスに言及する場合、「ウイルス」、「ファージ」、及び「バクテリオファージ」という用語は、本明細書において互換的に使用される。
「特異的結合(Specific binding)」とは、環境中の他の分子との結合よりも優先して、2つの分子が互いに結合する能力を指す。典型的には「特異的結合」は、反応における偶発的な結合より、少なくとも2倍、より典型的には少なくとも10倍、しばしば少なくとも100倍又はそれ以上のものを識別する。典型的には、解離定数によって定量される特異的結合反応の親和性(affinity)又は結合活性(avidity)は、約10-7M又はそれ以上(例えば、約10-8M、10-9M又はそれ以上)の強さである。
「改善する(ameliorating)」という用語は、疾患状態の治療、例えばその予防、重症度又は進行の軽減、寛解又は治癒を含む、治療上有益な結果を指す。
用語「イン・サイチュ(in situ)」とは、生きている生物とは別に増殖している生きた細胞、例えば組織培養中で生育している細胞内で起きるプロセスを指す。
「インビボ」という用語は、生体内で起きるプロセスを指す。
本明細書で使用される用語「哺乳動物」は、ヒト及び非ヒトの両方を含み、特に限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、イヌ、ネコ、マウス、ウシ、ウマ、及びブタを含む。
「微生物」という用語は、古細菌(Archaea)ドメイン、真正細菌(Bacteria )ドメイン、及び真核細胞(Eucarya)ドメイン由来の原核及び真核微生物種を意味し、後者は、酵母及び糸状菌、原生動物、藻類、又は高等原生生物(Protista)を含む。用語「微生物細胞」及び「微生物(microbe)」は、用語微生物(microorganism)と互換的に使用される。
「マーカー」という用語は、特に限定されないが、脂質、リポタンパク質、タンパク質、サイトカイン、ケモカイン、成長因子、ペプチド、核酸、遺伝子、及びオリゴヌクレオチドを、それらの関連複合体、代謝産物、突然変異体、変種、多型体、修飾物、断片、サブユニット、分解産物、要素、及び他の分析物、又は試料由来の測定値を含む。マーカーはまた、突然変異したタンパク質、突然変異した核酸、コピー数の変化、及び/又は転写変異体を含み得る。
「試料」という用語は、静脈穿刺、排泄、射精、マッサージ、生検、針吸引物、洗浄試料、掻爬、外科的切開、拭き取り、又は介入若しくは当技術分野で公知の他の手段を含む手段によって、環境又は被験者から採取された体液の、単細胞、又は複数の細胞、又は細胞の断片、又はアリコートを含むことができる。
「被験体」という用語は、インビボ、エクスビボ、又はインビトロの、細胞、組織、又は生物、ヒト又は非ヒト(男性又は女性)を包含する。
「G」、「C」、「A」、及び「U」は、それぞれ一般にグアニン、シトシン、アデニン、及びウラシルを塩基として含むヌクレオチドを表す。「T」及び「dT」は、本明細書では互換的に用いられ、核酸塩基がチミンであるデオキシリボヌクレオチド、例えばデオキシリボチミンをいう。しかし用語「リボヌクレオチド」又は「ヌクレオチド」又は「デオキシリボヌクレオチド」はまた、以下でさらに詳細に説明するように、修飾ヌクレオチド又は代用置換部分を指すことができることを理解されたい。当業者は、グアニン、シトシン、アデニン、及びウラシルが、そのような置換部分を有するヌクレオチドを含むオリゴヌクレオチドの塩基対合特性を実質的に変えることなく、他の部分によって置換され得ることを十分に承知している。例えば、特に限定されないが、イノシンをその塩基として含むヌクレオチドは、アデニン、シトシン、又はウラシルを含むヌクレオチドと塩基対を形成し得る。従ってウラシル、グアニン、又はアデニンを含むヌクレオチドは、ヌクレオチド配列において、例えばイノシンを含むヌクレオチドによって置換することができる。そのような置換部分を含む配列は、実施態様である。
本明細書中で使用される用語「相補的」は、当業者に理解されるように、第2のヌクレオチド配列と比較して第1のヌクレオチド配列を説明する時、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドが、ある条件下で、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとハイブリダイズし2本鎖構造を形成する能力を指す。相補的配列はまた、互いに結合するものとしても記載され、結合親和性により特徴付けられる。
例えば、2つの配列がストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズする(例えばアニールする)場合、第1のヌクレオチド配列は第2のヌクレオチド配列に対して相補的であると記述することができる。ハイブリダイゼーション条件には、アニーリング及び/又は洗浄工程のための温度、イオン強度、pH、及び有機溶媒濃度が含まれる。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件という用語は、第1のヌクレオチド配列が、その標的配列、例えば第2のヌクレオチド配列に優先的にハイブリダイズし、その他の配列には、より低い程度でしかハイブリダイズしないか又は全くハイブリダイズしない条件を指す。ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は配列依存性であり、異なる環境パラメータの下では異なる。
一般に、ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、規定されたイオン強度及びpHでのヌクレオチド配列の熱融点(Tm)より約5℃低くなるように選択される。Tmは、完全に一致した標的配列に、第1のヌクレオチド配列の50%が(規定されたイオン強度及びpHの下で)ハイブリダイズする温度である。核酸のハイブリダイゼーションに関する広範な指針は、例えば、Tijssen(1993)Laboratory Techniques in Biochemistry and Molecular Biology--Hybridization with Nucleic Acid Probes part I, chap. 2, “Overview of principles of hybridization and the strategy of nucleic acid probe assays,” Elsevier, N.Y. (“Tijssen”) に見いだされる。生体内で遭遇する可能性のある生理学的に関連する状態などの他の状態も該当することがある。当業者は、ハイブリダイズしたヌクレオチドの最終用途に従って、2つの配列の相補性の試験に最も適切な条件のセットを決定することができるであろう。
これは、第1及び第2のヌクレオチド配列の全長にわたって、第1のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドと、第2のヌクレオチド配列を含むオリゴヌクレオチド又はポリヌクレオチドとの塩基対形成を含む。本明細書においてこのような配列は、互いに「完全に相補的」と称することができる。しかし本明細書において、第1の配列が第2の配列に対して「実質的に相補的」と称される場合、2つの配列は完全に相補的であり得るか、又は、これらの最終用途に最も適した条件下でハイブリダイズする能力を保持しながら、ハイブリダイゼーションの際に1つ以上の、しかし一般的には4、3、又は2以下のミスマッチ塩基対を形成する。しかし2つのオリゴヌクレオチドが、ハイブリダイゼーションの際に1つ以上の一本鎖オーバーハングを形成するように設計されている場合、相補性の決定に関してそのようなオーバーハングをミスマッチと見なしてはならない。例えば、長さが21ヌクレオチドの1つのオリゴヌクレオチドと長さが23ヌクレオチドのもう1つのオリゴヌクレオチドを含むdsRNA(より長いオリゴヌクレオチドは、短いオリゴヌクレオチドと完全に相補的な21ヌクレオチドの配列を含む)も、本明細書に記載の目的において「完全に相補的」と称することができる。
本明細書で使用される「相補的」配列はまた、ハイブリダイズする能力に関する上記要件が満たされている限り、非ワトソン−クリック塩基対及び/又は非天然及び修飾ヌクレオチドから形成される塩基対を、含むか又はそれらから完全に形成されてもよい。そのような非ワトソン−クリック塩基対には、特に限定されないが、G:Uウォブル(Wobble)又はフーグシュタイン(Hoogstein)塩基対形成が含まれる。
本明細書において「相補的」、「完全に相補的」、及び「実質的に相補的」という用語は、これらの使用の文脈から理解されるように、dsRNAの2本の鎖の間、又はdsRNAのアンチセンス鎖と標的配列との間、一本鎖RNA配列又は一本鎖DNA配列の相補鎖の間の塩基の一致に関して使用することができる。
本明細書で使用される「二本鎖構造」は、2つの逆平行の及び実質的に相補的な核酸配列を含む。2つの転写体の間、転写体内の2つの領域の間、又は転写体と標的配列との間の核酸構築体中の相補配列は、「二本鎖構造」を形成することができる。一般に、各鎖のヌクレオチドの大部分はリボヌクレオチドであるが、本明細書に詳細に記載されているように、それぞれの鎖又は両方の鎖は、少なくとも1つの非リボヌクレオチド、例えばデオキシリボヌクレオチド、及び/又は修飾ヌクレオチドを含むこともできる。二本鎖構造を形成する2つの鎖は、1つのより大きなRNA分子の異なる部分であってもよく、又はこれらは別々のRNA分子であってもよい。2つの鎖が1つのより大きな分子の一部であり、従って、二本鎖構造を形成する一方の鎖の3’末端とそれぞれの他の鎖の5’末端との間にヌクレオチドの中断されない鎖によって連結されている場合、連結しているRNA鎖は「ヘアピンループ」と呼ばれる。2つの鎖が、二本鎖構造を形成する一方の鎖の3 ’末端とそれぞれの他の鎖の5’末端との間にヌクレオチドの中断の中断されない鎖以外の手段によって共有結合している場合、連結している構造は「リンカー」と呼ばれる.RNA鎖は、同じか又は異なる数のヌクレオチドを有し得る。塩基対の最大数は、二本鎖の最短鎖中のヌクレオチド数から、2本鎖に存在するオーバーハングを差し引いた数である。一般に、二本鎖構造は、長さが15〜30、又は25〜30、又は18〜25、又は19〜24、又は19〜21、又は19、20、又は21塩基対である。ある実施態様において、二本鎖は19塩基対の長さである。別の実施態様において、二本鎖は21塩基対の長さである。2つの異なるsiRNAを組み合わせて使用する場合、二本鎖の長さは同一であっても異なっていてもよい。
本明細書で使用される用語「相補性の領域」は、本明細書で定義されるように、配列、例えば標的配列に実質的に相補的なアンチセンス鎖上の領域を指す。相補性の領域が標的配列と完全に相補的でない場合、ミスマッチは末端領域において最も許容され、そして存在する場合は、一般に末端領域内で、例えば5’及び/又は3’末端の例えば、6、5、4、3、又は2ヌクレオチド以内にある。
2つ以上の核酸又はポリペプチド配列の文脈においてパーセント「同一性」という用語は、後述の配列比較アルゴリズム(例えば、BLASTP及びBLASTN又は当業者に利用可能な他のアルゴリズム)の1つ又は目視検査を使用して測定して、最大の一致について比較又は整列された場合、同一であるヌクレオチド又はアミノ酸残基の特定のパーセンテージを有する2つ以上の配列又は部分配列をいう。用途に応じて、パーセント「同一性」は、比較される配列の領域、例えば機能ドメイン上に存在し得るか、あるいは比較される2つの配列の全長にわたって存在し得る。
配列比較のために、典型的には1つの配列は、試験配列が比較される参照配列として作用する。配列比較アルゴリズムを使用する場合、試験配列及び参照配列をコンピュータに入力し、必要に応じて部分配列座標を指定し、配列アルゴリズムプログラムのパラメータを指定する。次に配列比較アルゴリズムは、指定されたプログラムパラメーターに基づいて、参照配列に対する試験配列のパーセント配列同一性を計算する。
比較のための配列の最適な整列は、例えば、Smith & Waterman, Adv. Appl. Math. 2:482 (1981) の局所的相同性アルゴリズムにより、Needleman & Wunsch, J. Mol. Biol. 48:443 (1970) の相同性整列アルゴリズムにより、Pearson & Lipman, Proc. Nat'l. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988) の類似性検索法により、これらのアルゴリズムのコンピューターによる実行(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr., Madison, Wis.中のGAP、BESTFIT、FASTA、及びTFASTA)、又は目視検査(一般的には、Ausubelら、以下参照)により行うことができる。
パーセント配列同一性及び配列類似性を決定するために適切なアルゴリズムの1つの例は、Altschul et al., J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990) に記載されているBLASTアルゴリズムである。BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information(www.ncbi.nlm.nih.gov/)を通じて公に入手可能である。
「十分な量」という用語は、所望の効果を生成するのに充分な量、例えば細胞から検出可能なシグナルを生成するのに十分な量を意味する。
「治療有効量」という用語は、疾患の症状を改善するのに有効な量である。治療有効量は、予防が治療とみなされ得るため「予防有効量」であり得る。
単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈上他に明確に指示されない限り、複数の指示対象を含むことに留意されたい。
NRTP及びレポーターアッセイ
非複製性形質導入粒子(NRTP)及びNRTPを製造する方法は、国際公開第2014/160418号パンフレット及びUS2015/0104787号に記載されている。いくつかの実施態様においてNRTPは、破壊/補完に基づく方法を用いて細菌細胞パッケージングシステムで製造される。この非複製性形質導入粒子パッケージングシステムは、ウイルス/ファージ製造中にそこからゲノムパッケージングが開始される要素として、ウイルス/ファージパッケージング機序によって認識されるウイルス/バクテリオファージのゲノムの成分中に、突然変異、サイレント突然変異、挿入、又は欠失を導入することに基づく。そのような要素の例としては、pac型バクテリオファージのpac部位配列及びcos型バクテリオファージのcos部位配列が挙げられる。
これらのパッケージング開始部位はしばしば、ウイルス/バクテリオファージ製造に必須である遺伝子のコード領域内に見出されるため、突然変異、サイレント突然変異、挿入、又は欠失が導入されると、ウイルス/ファージパッケージング機序によってpac部位がもはやパッケージング開始部位として認識されない。同時に、サイレント突然変異の場合、突然変異は、その部位がコードされている遺伝子を破壊しない。パッケージング部位配列を非機能性にすることにより、突然変異したウイルス/バクテリオファージは溶解サイクルを受けることができるが、そのゲノムDNAをそのパッケージングユニットにパッケージングすることはできない。
非機能性パッケージング開始部位配列を有するウイルス/ファージゲノムを用いて溶原化された宿主細菌細胞中に、プラスミドDNAのような外因性レポーター核酸分子を導入することができる。外因性レポーター核酸分子は、天然の機能性パッケージング開始部位配列を含むことができ、パッケージング開始部位配列をコードする遺伝子が破壊される場合、外因性レポーター核酸分子は対応する未変性の機能遺伝子も含む。外因性レポーター核酸分子は宿主細菌細胞に導入され、細胞内で複製され得る。突然変異したウイルス/バクテリオファージが溶解サイクルを受けているとき、発現されたウイルス/ファージパッケージング機序は、機能性パッケージング開始部位配列を有する外因性レポーター核酸分子を、ウイルスパッケージングユニット中にパッケージングする。ウイルス/ファージゲノムは、そのパッケージング開始部位配列が破壊されているため、パッケージングユニットにパッケージングされない。
従って、本発明は、細胞への導入のためにNRTP内にレポーター核酸分子をパッケージングするための細菌細胞パッケージングシステムの使用を企図し、このパッケージングシステムは、
宿主細菌細胞と、
前記宿主細菌細胞内にあり、非機能性パッケージング開始部位配列を有するバクテリオファージゲノムを含む第1の核酸構築体であって、ここで、前記非機能性パッケージング開始部位配列は、NRTP内へのバクテリオファージゲノムのパッケージングを防止する、前記第1の核酸構築体と、
前記宿主細菌細胞内にありかつ前記第1の核酸構築体から離れて存在し、レポーター遺伝子を有するレポーター核酸分子と、NRTPへの前記レポーター核酸分子のレプリコンのパッケージングを促進する機能性パッケージング開始部位配列とを含む第2の核酸構築体であって、ここで、前記第2の核酸構築体上の機能性の第2のパッケージング開始部位配列は、前記第1の核酸構築体上のバクテリオファージゲノム内の非機能性パッケージング開始部位配列を補完する、前記第2の核酸構築体とを、含む。
いくつかの実施態様において、構築体(NRTPを含む)は、レポーター遺伝子を含むレポーター核酸分子を含む。レポーター遺伝子はレポーター分子をコードすることができ、レポーター分子は検出可能マーカー又は選択マーカーであり得る。特定の実施態様において、レポーター遺伝子は、細胞内で発現された場合に検出可能なシグナルを製造するレポーター分子をコードする。
特定の実施態様においてレポーター分子は、特に限定されないが、緑色蛍光タンパク質(GFP)、増強GFP、黄色蛍光タンパク質(YFP)、シアン蛍光タンパク質(CFP)、青色蛍光タンパク質(BFP)、赤色蛍光タンパク質(RFP)又はmCherry、ならびに近赤外蛍光タンパク質などの蛍光性レポーター分子でもよい。
他の実施態様において、レポーター分子は、発光反応を仲介する酵素(luxA、luxB、luxAB、luc、ruc、nlucなど)であり得る。レポーター分子は、細菌ルシフェラーゼ、真核生物ルシフェラーゼ、比色検出に適した酵素(lacZ、HRP)、免疫検出に適したタンパク質、例えば親和性ペプチド(Hisタグ、3X−FLAG)、アプタマーとして機能するか又は酵素活性(リボザイム)を示す核酸、又は抗生物質耐性遺伝子(ampC、tet(M)、CAT、erm)などの選択可能なマーカーでもよい。当技術分野で公知の他のレポーター分子を、標的核酸又は細胞を検出するためのシグナルを生成するために使用することができる。
他の態様において、レポーター分子は核酸分子を含む。いくつかの態様において、レポーター分子は、特異的結合活性を有するか又は酵素活性(例えば、アプタザイム、DNAzyme、リボザイム)を示すアプタマーである。
標的細胞内酵素によってケージ化することができないケージ化基質分子を使用する生存細胞内の細胞内酵素を検出するためのシステムが開示される。
細胞レポーター核酸分子の送達は、エレクトロポレーション、化学的、遺伝子銃、及びガラスビーズ形質転換、形質導入、トランスフェクション、ベクター、結合を含む種々の手段、特に限定されないが、バクテリオファージ、ウイルス、スフェロプラスト、リポソーム、ウイルス様粒子、脂質−DNA複合体、リポプレックス、ポリマー−DNA複合体、ポリプレックスなどを含む核酸送達ビヒクルを介する送達を含む手段により行われる。
オリゴヌクレオチド分子及び抗菌剤感受性機序の決定
本明細書には、生物の本体、及び生物に抗菌剤耐性又は感受性を付与する機序を決定するための方法が開示される。これらの方法は、生物の生存能力及び/又は選択可能な又は生存可能なマーカー/シグナルを生成する能力に連結された生物の特定の機能を抑制することにより、細胞−レポーターシステム中の生物の特定の株及び種から生成されるシグナル、生存能力、及び/又は増殖を抑制することを含む。
いくつかの実施態様において、生物の特定の株及び種から生成されるシグナル、生存能力、及び/又は増殖の抑制は、非標的生物におけるDNA又はRNAの標的化によって達成される。これらの非標的生物のシグナル、生存能力、及び/又は増殖を抑制する目的のためのレポーターアッセイの標的ではない生物における核酸分子の標的化は、株及特異的び種特異的な分子が設計によって標的とされるオリゴヌクレオチド制御を用いて達成することができる。この意味において「標的化」は、相補的な配列を介して標的核酸にハイブリダイズすることができる分子を用いて達成される。
本明細書に開示される例示的な標的は、本出願に記載された非限定的な例であり、これらの例を超えて、遺伝子、転写体、非コードRNAなどを含むオリゴヌクレオチド分子が結合することができる任意の配列標的に拡張することができる。オリゴヌクレオチド分子は、異なる配列を標的とする複数のオリゴヌクレオチド分子を単一のアッセイに組み込むことによって、単一の配列又は複数の配列を標的とするために使用され得る。このように、アッセイは、単一遺伝子、異なる遺伝子、又は単一遺伝子の異なる変異体を標的とすることができる。
オリゴヌクレオチド分子は、特に限定されないが、核酸オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣物、DNAマイナーグルーブ結合ポリアミド、PNA、LNA、ホスホロチオエート、2’−メトキシ−、2’−メトキシエトキシ−、モルホリノ、ホスホラミデート等を含む任意のタイプであり得る。
オリゴヌクレオチド分子の送達は、分子の外因的な添加又はそのイン・サイチュ(in situ)発現を介して達成され得る。外因性送達は、ペプチドへの分子の結合、又は、特に限定されないが、リポソームによる送達などを含む他の手段によって促進される。標的生物内でオリゴヌクレオチドを発現するように設計された核酸によって仲介されるイン・サイチュ(in situ)発現は、標的生物中に核酸を送達する任意の手段、例えばエレクトロポレーション、化学的、遺伝子銃、及びガラスビーズ形質転換、形質導入、トランスフェクション、ベクター、結合を含む種々の手段、特に限定されないが、バクテリオファージ、ウイルス、スフェロプラスト、リポソーム、ウイルス様粒子、脂質−DNA複合体、リポプレックス、ポリマー−DNA複合体、ポリプレックスなどを含む核酸送達ビヒクルを介する送達を含む手段により行われる。
細胞レポーター核酸分子の送達は、エレクトロポレーション、化学的、遺伝子銃、及びガラスビーズ形質転換、形質導入、トランスフェクション、ベクター、結合を含む種々の手段、特に限定されないが、バクテリオファージ、ウイルス、スフェロプラスト、リポソーム、ウイルス様粒子、脂質−DNA複合体、リポプレックス、ポリマー−DNA複合体、ポリプレックスなどを含む核酸送達ビヒクルを介する送達を含む手段により行われる。
アンチセンスRNA制御は、アンチセンスRNAが別のRNA分子に結合するプロセスを介して自然界で起こる(1)。アンチセンスオリゴヌクレオチド、ペプチド核酸(PNA)(2)、及びホスホロジアミデートモルホリノ(PMO)オリゴマーは、細胞内核酸標的に結合するように設計されている。例えば、天然のアンチセンスRNA調節(3〜5)と類似の様式で細胞内の遺伝子発現を調節するために、PNAが使用されている。アンチセンス分子は、特に限定されないが、オリゴヌクレオチド、オリゴヌクレオチド類似体、オリゴヌクレオチド模倣物、DNAマイナーグルーブ結合ポリアミド、PNA、LNA、ホスホロチオエート、2’−メトキシ−、2’−メトキシエトキシ−、モルホリノ、ホスホラミデートなどを含む任意のタイプであり得る。アンチセンス分子の送達は、特に限定されないが、リポソームによる送達、ペプチドへの結合、アンチセンス分子を転写するように設計されたDNA送達ビヒクルを介する送達などにより促進され得る。ペプチド−PNAペプチドに結合したPNAである。ペプチド−PNAは、細菌中のRNA分子を標的とするために使用されており、ここでペプチドは細菌への分子の取り込みを促進するように設計されている(6)。
アンチセンス分子は、細菌の特定の菌株及び種を標的とするように設計することができる(7)。目的の細菌のゲノムを分析することにより、標的化が細菌の1つの種に特異的であり他の種には特異的ではないような方法で、必須遺伝子を標的とするアンチセンス分子標的のセットを同定することができる。このようにして、アンチセンス分子は、細菌の個々の種を抑制するように調整することができる。
オリゴヌクレオチド及びオリゴマーは、リポソーム及びペプチドへの結合を含む、細胞への取り込みを促進する様々な機序を介して、細胞内に送達することができる。ペプチド−PNAはペプチドに結合したPNAである。ペプチドが細菌中への分子の取り込みを促進するように設計されるように、ペプチド−PNAが細菌中のRNA分子を標的とするために使用されている(Good, L. and P.E. Nielsen、国際公開第2002/0279467号)。
アンチセンス分子は、細菌の特定の株及び種を標的とするように設計することができる(Mondhe, M., et al., Species-Selective Killing of Bacteria by Antimicrobial Peptide-PNAs. PLoS ONE, 2014. 9(2): p. e89082)。目的の細菌のゲノムを分析することにより、標的化が細菌の1つの種に特異的であり他の種には特異的ではない方法で、必須遺伝子を標的とするアンチセンス分子標的のセットを同定することができる。このようにして、アンチセンス分子は、細菌の特定の個々の種を抑制するように調整することができる。
ある実施態様において、抗菌剤耐性機序の発現などの標的表現型の発現をノックダウンするように、システムが設計される。オリゴヌクレオチド分子は、耐性遺伝子の転写体を標的とするように設計することができ、その結果、通常抗菌性化合物に対して耐性である微生物が、標的化オリゴヌクレオチドへの暴露により、その化合物に対して感受性になる。
外因性オリゴヌクレオチドを使用することに加えて、標的化オリゴヌクレオチドは、標的生物に送達されたDNAからインビボで製造され得る。この実施態様においてDNAは、目的の転写体を標的とするように設計されたアンチセンスRNA分子を転写するように設計される。
別の実施態様において、RNA干渉(RNAi)を用いることができる:最も典型的にはRNA誘発サイレンシング複合体(RISC)を標的にしてmRNAに結合してこれを分解することにより、二本鎖RNA断片(dsRNA、低分子干渉RNA(siRNA)とも呼ばれる)が、触媒的に仲介される遺伝子サイレンシングを引き起こすプロセス。mRNA又はDNAへのdsRNA分子鎖のアニーリングは、細胞内のリボヌクレアーゼにより、又はアンチセンス化合物自体による標的RNAの切断により、二本鎖RNA、ハイブリッドRNA/DNA二本鎖、又は前駆体tRNAに似ている二本鎖RNAの迅速な分解をもたらし得る。
RNAi経路は多くの真核生物中に見出され、長い二本鎖RNA(dsRNA)分子をsiRNAと呼ばれる約20ヌクレオチドの短い二本鎖断片に切断する酵素Dicerによって開始される。各siRNAは巻き戻されて、2本の一本鎖RNA(ssRNA)、すなわちパッセンジャー鎖とガイド鎖になる。パッセンジャー鎖は分解され、ガイド鎖はRNA誘導サイレンシング複合体(RISC)に組み込まれる。転写後遺伝子サイレンシングでは、ガイド鎖塩基はメッセンジャーRNA分子中の相補的配列と対合し、RISC複合体の触媒成分であるアルゴノート(Argonaute)と呼ばれるタンパク質によって、切断が誘導される。
オリゴヌクレオチドと標的転写体との相互作用は、両方の転写体(例えば「キッシング複合体(kissing complex)」)間の、又はループと一本鎖(ss)領域間の塩基対形成に依存し得る。ある場合には、キッシング複合体の形成は、相互作用の所望の作用を仲介するのに十分であり、他の場合には、1次接触物の増殖は相互作用を引き起こし、所望の作用をもたらす。
標的オリゴヌクレオチドのインビボ産生を使用する別の実施態様は、外来DNAに対する防御として細菌中に見出された規則的な間隔をもってクラスター化された短鎖反復回文配列(clustered, regularly interspaced, short palindromic repeats)(CRISPR)/CRISPR関連(Cas)システムに基づく(8)。CRISPR/Casシステムは、転写されCRISPR RNA(crRNA)にプロセシングされた標的配列を組み込むことによって、目的のDNA配列を標的とするように設計することができる。このシステムはまた、トランス活性化低分子RNA(tracrRNA)を発現し、Cas9、tracrRNA、及びcrRNAにより形成される複合体は、Cas9エンドヌクレアーゼが、crRNAによって標的とされる標的DNA配列に二本鎖切断を形成することを可能にする。この実施態様において、crRNAオリゴヌクレオチドはセンス方向又はアンチセンス方向に設計することができ、転写体を標的とする代わりにこのシステムはDNAを標的とし、従って染色体内で又はエピソーム的にコードされる生物特異的DNA配列又は抗生物質耐性遺伝子を標的とするように設計される。
微生物感染症に対する治療薬を開発する目的で、上記技術と同様の技術が当該分野で使用されている(9〜10)。本明細書にさらに記載されるように、これらの技術は、細菌検出システムを可能にする目的で、及び抗菌剤耐性又は感受性表現型に連結した特異的機序を決定する目的で使用される。
耐性遺伝子の特異的DNA又はRNA配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を設計することにより、表現型に連結している特異的機序を決定することができる。例えば、微生物が問題の抗菌剤に耐性であると判定され、オリゴヌクレオチド分子の存在下では同じ抗菌剤に対して感受性であると判定された場合、この結果は、オリゴヌクレオチド分子が標的とするように設計された特異的抗菌性遺伝子が、抗菌剤耐性表現型に連結していることを示している。
実施例1
腸内細菌科微生物のレポーター中の大腸菌由来シグナルの排除
この実施例では、腸内細菌科微生物のレポーターシステムを、大腸菌を標的とするペプチド−PNAと共に使用した。ペプチド−PNAを使用しない場合、腸内細菌科のレポーターシステムは、腸内細菌科(肺炎桿菌と大腸菌の両方を含む)からの検出可能なシグナルを生成する。ペプチド−PNAを添加すると、腸内細菌科のレポーターシステムは、大腸菌を除く腸内細菌科微生物からシグナルを生成した。このシステムは、オリゴヌクレオチドの有無にかかわらず使用することができ、標的生物の存在は、ペプチド−PNAが無い場合シグナルが存在し、ペプチド−PNAがある場合にはシグナルが存在しないという結果によって決定することができる。あるいは、大腸菌及び肺炎桿菌の両方を含み得る試料では、オリゴヌクレオチドの存在下でのアッセイの実行は、肺炎桿菌が試料中に存在するかどうかの決定を可能にする。この例では、肺炎桿菌のみを含む試料は、大腸菌も試料中に存在するか否かにかかわらずシグナルを生成し、一方大腸菌のみを含む試料はシグナルを生成しない。このようにして、ペプチド−PNAを使用して、種特異的細菌検出を達成することができる。
ペプチド−PNAは、(7)に従って大腸菌の必須遺伝子を標的とするように設計された。簡単に説明すると、目的の種に存在する必須遺伝子相同体を同定するために、大腸菌及び肺炎桿菌のゲノムを分析した。この分析から、各遺伝子の翻訳開始領域(TIR)のリスト、すなわちゲノム中のTIRの20塩基対(開始コドンに対して−10〜+10塩基)を集めた。遺伝子ホモログ由来の20塩基対のTIRを整列させ、種間の塩基対ミスマッチの数を決定した。TIR内の領域を標的とする9〜12bpのアンチセンス配列を用いて、PNAを設計した。PNA/DNA二本鎖の予測された熱安定性が決定され、2塩基対を超えるミスマッチのカットオフを用いて、標的種内のPNAの可能な結合部位のゲノム解析を行った。
この解析から、各PNAの潜在的結合部位は、例えば1つのPNAが1つの種のホモログに結合するが、他の1つの種のホモログに結合するが他の種のホモログには結合せず、その逆も真である、遺伝子相同体について同定することができる。murA遺伝子を標的とする大腸菌特異的PNAは、配列番号1に記載の配列であることが確認された。従って、この配列を標的とするペプチド−PNAは、大腸菌murAに結合するが肺炎桿菌murAには結合しないと予測される。
このペプチドは細菌細胞へのPNAの浸透を促進することが証明されているため、(11)に従ってペプチドKFFKFFKFFK(配列番号10)にPNAを結合させた。すなわち大腸菌murA標的化ペプチド−PNAの配列は以下の通りである:KFFKFFKFFK−eg−ccatttagtt(murA PNA)(ここで、egは[2−[2−(Fmoc−アミノ)エトキシ]エトキシ]酢酸から得られるエチレングリコールリンカーである)。
大腸菌及び肺炎桿菌の増殖に対するmurA PNAの作用
大腸菌及び肺炎桿菌の増殖に対するmurA PNAの作用を調べた。murA PNAの存在下で大腸菌及び肺炎桿菌を培養した場合、大腸菌の増殖は弱められたが、肺炎桿菌の増殖は弱められなかった。
大腸菌及び肺炎桿菌の分離株をLB中で37℃で一晩増殖させ、翌日1:100希釈で新鮮なLBに継代培養し、600nmでの光学密度(OD600)が0.2になるまで増殖させた。各細菌種の約104CFUの各菌株の接種材料を、50μLのLB又は4.5μMの最終濃度のmurA PNAを含むLBを含むマイクロプレートの別々のウェルに添加した。PNA処理細胞及びPNA未処理細胞の増殖を評価するために、OD600の読み取り値を8時間にわたって測定した。
図1は、大腸菌の増殖実験の結果を示す。PNAの存在下では、大腸菌の増殖が弱められた。図2は、肺炎桿菌の増殖実験の結果を示す。PNAの存在下で、肺炎桿菌の増殖は弱められなかった。これらの結果は、murA PNAが大腸菌の増殖を特異的に阻害し、肺炎桿菌の増殖を阻害しないことを示す。
大腸菌及び肺炎桿菌を試験する際の腸内細菌科微生物のレポーターの発光に対するmurA PNAの作用:
大腸菌及び肺炎桿菌の分離株をLB中で37℃にて一晩増殖させ、翌日1:100希釈で新鮮なLBに継代培養し、OD600が0.2になるまで増殖させた。各細菌種の約104CFUの各菌株の接種材料を、50μLのLB又は4.5μMの最終濃度のmurA PNAを含むLBを含むマイクロプレートの別々のウェルに添加した。次に、PCT/US2014/026536号の実施例1に記載されているように、全てのウェルに100uLの腸内細菌科微生物の発光レポーター非複製性形質導入粒子を加え、試料を30℃で2時間インキュベートした。インキュベーション時間後、プレートを、Molecular Devices SpectraMax L マイクロプレートルミノメーターを用いて発光についてアッセイし、発光測定値を読み取りながら、トリデカナールの溶液を各ウェルに注入した。
図3は、大腸菌及び肺炎桿菌に対する発光実験の結果を示す。PNAの存在下では、大腸菌によって生成された発光シグナルは弱められたが、肺炎桿菌によって生成された発光シグナルは弱められなかった。これらの結果は、murA PNAが大腸菌からのシグナル生成を特異的に阻害し、肺炎桿菌からのシグナル生成を阻害せず、腸内細菌科微生物のレポーターシステム及び大腸菌特異的ペプチドを用いて大腸菌と肺炎桿菌とを区別する能力を証明している。
実施例2
ペプチド−PNAを用いたAST抗菌ディスク拡散試験によるCRE表現型に連結した特異的カルバペネマーゼの測定
この実施例では、CRE表現型に連結した特異的機序を決定するために、CRE株にペプチド−PNAを添加してAST抗菌ディスク拡散試験を行った。ペプチド−PNAを使用しない場合、CREはカルバペネム耐性の結果を示す。特定のカルバペネマーゼ遺伝子を標的とするように設計されたペプチド−PNAを添加し、AST結果がカルバペネム感受性(CSE)表現型に変化する場合、これはペプチド−PNAによって標的とされるカルバペネマーゼ遺伝子が、CRE表現型に連結した機序であることを示す。このようにして、ペプチド−PNAを用いて、細菌の抗菌剤耐性表現型に連結した特異的機序を決定することができる。
ペプチド−PNAは、大腸菌のblaKPC-3及びblaNDM-1転写体を標的とするように設計される。簡単に説明すると、blaKPC-3及びblaNDM-1遺伝子をそれぞれ発現する大腸菌の2つの臨床分離株である大腸菌1289012及び大腸菌1289014における標的遺伝子の遺伝子配列を分析して、各遺伝子についてTIRの配列を同定する(表1、配列番号11及び12)。TIR内の領域を標的とする9〜12bpのアンチセンス配列を用いて、潜在的なPNAを設計する。この分析から、blaKPC-3(配列番号2)及びblaNDM-1(配列番号3)遺伝子を標的とするための、PNAの潜在的結合部位を同定することができる。
ペプチドKFFKFFKFFKは、細菌細胞へのPNA浸透を容易にすることが証明されているため、(11)に従って、PNAをこのペプチドに結合させる。
AST試験ディスク拡散試験:
ディスク拡散試験は、CLSI−M02(12)に従って行われ、M100−S22(13)に従って解釈される。簡単に説明すると、各細菌をメロペネムに対する感受性について試験するために、ミューラー・ヒントン寒天培地(MHA)プレートを細菌培養物の懸濁液に浸漬した滅菌綿棒を使用して、0.5マクファーランド(McFarland)標準で接種して、MHAの全表面がカバーされるようにした。接種したプレートの表面に10μgのメロペネムディスクを適用し、35℃にて周囲空気中で16〜18時間インキュベートする。メロペネムディスクの周りの阻害ゾーンの直径が23mm以上の場合、細菌株はメロペネムに対して感受性であり、ゾーン直径が19mm以下である場合、メロペネムに対して耐性であると判定される。
大腸菌1289012,1289014、CSEでありカルバペネマーゼを発現しない対照大腸菌1289018、及びCREでありVIMカルバペネマーゼを発現する対照株である大腸菌1289011を、ディスク拡散法によりメロペネム耐性について試験する。図4の第2行は、大腸菌株の典型的なメロペネムディスク拡散結果を示し、ここで1289011,1289012、及び1289014はCREであり、1289018はCSEである。
メロペネム耐性表現型に連結した特異的な機序を決定するために、blaKPC-3−及びblaNDM-1−ペプチド−PNAを含む10μgのメロペネムディスクを用いて、ディスク拡散試験を行う。ペプチド−PNAが、大腸菌株におけるメロペネム耐性に連結した特定のカルバペネマーゼを阻害する場合、観察されるゾーン直径は、メロペネムのみを含むディスクに暴露された場合の株のゾーン直径と比較して、低下している。
図4は、大腸菌1289011,1289012,1289014、及び1289018についての典型的なメロペネム/ペプチド−PNAディスク拡散結果を示す。図において、401は、MHA及び寒天の表面上で増殖した細菌のローン(lawn)を含むシャーレの上面図を示し、402は、401の表面上に置かれたディスクを示し、403は、ディスク402の内容物に起因する細菌のローン上に生じるゾーンの直径を示す。
図の一番上の行は、ペプチド−PNA単独では大腸菌株に対して阻害作用を有さないことを証明している。第3行は、1289011はゾーン径が≧23mmであるためCREであることを証明し、CRE表現型に連結した機序は、blaKPC-3ペプチド−PNAの存在下でゾーンの直径がメロペネム単独の場合と比較して低下していないため、blaKPC-3ではないこと証明し、1289012はゾーン直径が低下しているため、blaKPC-3がCRE表現型に連結した機序であるCREであることを証明し、1289014はゾーン直径が低下していないためCREであり、CRE表現型に連結した機序はblaKPC-3ではないことを証明している。第4行は、1289011はゾーン直径が≧23mmであるためCREであり、CRE表現型に連結した機序は、blaNDM-1ペプチド−PNAの存在下で、ゾーンの直径がメロペネム単独の場合と比較して低下していないためblaNDM-1ではなく、1289012はゾーン直径が低下していないためCREであり、CREの表現型に連結した機序はblaNDM-1ではなく、1289014はゾーン直径が低下しているためCREであり、blaNDM-1はCRE表現型に連結した機序であることを証明している。
これらの結果から、大腸菌の各株のカルバペネム耐性に連結した根底にある機序は、1289012ではblaKPC-3、1289014ではblaNDM-1、1289011ではblaKPC-3でもblaNDM-1でもないと判定することができる。
実施例3
ペプチド−PNAを用いたAST細胞レポーター試験によるCRE表現型に連結した特異的カルバペネマーゼの測定
この例では、実施例2に記載されたAST技術が、細胞レポーターアッセイに基づくAST試験に拡張される。PCT/US2014/026536号の実施例1に記載されている腸内細菌科の細胞レポーターを用い、アッセイを以下のように行う。簡単に説明すると、大腸菌1289011,1289012,1289014、及び1289018の培養物を調製し、50μLのLBを含むマイクロウェルプレートのウェルに接種試料50μLを接種して、各ウェルが104CFUの細菌の各株を受けるようにする。ウェルのセットは追加の添加物を含まず、別のウェルのセットは5μg/mLのメロペネムを含み、別のウェルのセットは5μg/mLのメロペネムとblaKPC-3−ペプチド−PNAを含み、別のウェルのセットは5μg/mLのメロペネムとblaNDM-1ペプチド−PNAを含み、別の2セットのウェルはそれぞれblaKPC-3又はblaNDM-1ペプチド−PNAのみを含む。またすべてのウェルには腸内細菌科のレポーター100μLも加える。次に、試料を30℃で2時間インキュベートし、次に試料を実施例1に記載したように発光についてアッセイする。
図5は、細胞レポーターASTアッセイの結果を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与え、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。
第1列は、腸内細菌科のレポーターが全ての大腸菌株について陽性シグナルを与えることを示す。第5列は、ペプチド−PNAが大腸菌株のいずれにおいても陽性結果を阻害しないことを証明している。第2列は、1289018以外の大腸菌株のすべてがメロペネムの存在下で陽性シグナルを与え続けるため、1289018を除いて大腸菌株の全てがCREであることを証明している。第3列は、1289011及び1289014は、メロペネム及びblaKPC-3ペプチド−PNAの存在下では陽性シグナルを生成し続けるためCREであり、CRE表現型に連結した機序はblaKPC-3ではないことを証明し、1289012は、メロペネム及びblaKPC-3ペプチド−PNAの存在下で、もはや陽性シグナルを生成しないためCREであり、blaKPC-3はCRE表現型に連結した機序であることを証明している。第4列は、1289011及び1289012は、メロペネム及びblaNDM-1ペプチド−PNAの存在下では陽性シグナルを生成し続けるため、CREであり、CRE表現型に連結した機序はblaNDM-1ではなく、1289014は、メロペネム及びblaNDM-1ペプチド−PNAの存在下では、もはや陽性シグナルを生成しないためCREであり、blaNDM-1はCRE表現型に連結した機序であることを証明している。
これらの結果から、大腸菌の各株のカルバペネム耐性表現型に連結した機序は、1289012ではblaKPC-3であり、1289014ではblaNDM-1であり、1289011ではblaKPC-3及びblaNDM-1のいずれでもないと決定することができる。
実施例4
CRISPR/Cas9を用いたAST細胞レポーター試験による非感受性表現型に連結した特異的β−ラクタマーゼの測定
この実施例では、実施例3に記載のAST技術を改変して、プラスミドにコードされたβ−ラクタマーゼ遺伝子を標的とするように設計されたCRISPR/Cas9システムを用いて、CRE表現型に連結した特異的β−ラクタマーゼを測定する。
PCT/US2014/026536号の実施例1に記載の腸内細菌科微生物の細胞レポーターは、それぞれカルバペネム耐性及び伸長β−ラクタム耐性遺伝子であるblaNDM-1及びblaSHV-18遺伝子(表1、配列番号11及び13)を標的とする配列を担持するCRISPR遺伝子座を有する単一ガイド[14]CRISPR/Cas9システムを担持するレポータープラスミドを用いる設計されている。レポータープラスミドpGWP10001は、cas9遺伝子、PL(tetO-1)プロモーターの制御下にあるtracrRNA、及びCRISPRクローニング部位を含むように改変され、CRISPR遺伝子座はblaNDM-1(配列番号4)及びblaSHV-18(配列番号5)遺伝子を標的とするように設計され、それぞれをpGWP10001/CRISPR/Cas9ベクターにクローニングして、blaNDM-1とblaSHV-18遺伝子を同時に標的とするレポータープラスミドを作製する。
前記ベクターを使用して、各プラスミドを担持する非複製性形質導入粒子を生成し、これらは、β−ラクタム非感受性の原因となる機序を決定するためのレポーターシステムにおいて使用される。簡単に説明すると、大腸菌1289018(blaNDM-1、blaSHV-18陰性)、1289023(blaNDM-1陽性)、1289027(blaSHV陽性)、及び1289011(blaVIM陽性)の培養物を調製し、これらを使用して、50μLのLBを含有するマイクロウェルプレートに50μLの接種物を加えて、各ウェルに104CFUの細菌の各株が入いるようにする。これらのウェルに、100μLの以下のものを加える:ウェルのセットは5μg/mLのメロペネムとblaNDM-1標的化NRTPを含み、別のセットのウェルは5μg/mLのメロペネムとblaSHV-18−NRTPを含み、別のセットのウェルは5μg/mLのセフタジジムとblaNDM-1標的化NRTPを含み、別のセットのウェルは5μg/mLのセフタジジムとblaSHV-18−NRTPを含む。次に、試料を30℃で2時間インキュベートし、次に試料を、実施例1で記載されたように発光についてアッセイする。
図6は、細胞レポーターASTアッセイの結果を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与えたことを示し、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。
第1行は、NRTPがアッセイに含まれているかどうかにかかわらず、1289018株がメロペネムとセフタジジムによって阻害され、従ってblaNDM-1及びblaSHV-18のいずれも担持しない可能性があることを示す。第2行は、1289023株がblaNDM-1標的化NRTPの存在下でのみβ−ラクタムによって阻害され、従ってblaNDM-1遺伝子を有する可能性があることを示す。第3行は、1289027株がメロペネムの存在下で阻害され、そしてblaSHV-18標的化NRTPの存在下でのみ、セフタジジムの存在下でのみ阻害され、従ってblaSHV-18遺伝子を担持する可能性があることを示す。第4行は、アッセイにNRTPが含まれているにもかかわらず、1289011株はβ−ラクタムのいずれによっても阻害されず、従って、blaNDM-1のみによっては仲介されないカルバペネム耐性機序を担持する可能性があることを示す。
これらの結果から、1289023株のβ−ラクタム耐性表現型に連結した機序は、blaNDM-1であり、1289027株ではblaSHV-18であると判定することができる。
実施例5
バンコマイシン耐性腸球菌アッセイ
別の実施態様において、バンコマイシン耐性腸球菌(VRE)の検出のためのアッセイを開発することができる。
VREは、vanA及びvanB遺伝子を含む耐性遺伝子を介してバンコマイシン耐性を獲得した腸球菌属菌種からなる。腸球菌属菌種は、他のバンコマイシン耐性遺伝子を担持し、他のバンコマイシン耐性表現型(VanC−1、vanC−2、及びvanC−3を含む遺伝子によってコードされるVanC表現型)を発現するが、そのような生物はVREとはみなされない。
この実施例では、腸球菌細胞レポーターを、バンコマイシン及びvanC−2遺伝子発現を標的とするアンチセンス分子と組み合わせて用いる。このアッセイは、VREの検出を可能にし、及びバンコマイシン感受性腸球菌(VSE)と、vanA又はvanB遺伝子ではなくvanC−2遺伝子を発現する腸球菌との識別を可能にする。腸球菌レポーターは、腸球菌属菌種に検出可能なシグナルを生成させるように設計されている。ペプチド−PNAは、vanC−2転写体を標的とするように設計されている。vanC−2遺伝子(表1、配列番号14)を発現する臨床分離株であるイー・カゼイリフラブス(E. casseliflavus)1279015中の標的遺伝子の遺伝子配列を分析して、その遺伝子のTIRの配列を同定する。TIR内の領域を標的とする9〜12bpのアンチセンス配列を用いて、潜在的なPNAを設計する。この分析から、vanC−2遺伝子(配列番号6)を標的とするために、PNAの潜在的結合部位を同定することができる。
簡単に説明すると、VSEフェカリス菌(E. faecalis)1259012、vanA−陽性VREフェカリス菌(E. faecalis)1259016,VSEフェシウム菌(E. faecium)1269011、vanB−陽性VREフェシウム菌(E. faecium)1269014、及びvanC−2陽性バンコマイシン非感受性イー・カゼイリフラブス(E. casseliflavus)1279015の培養物を調製し、これらを使用して、50μLのLBを含有するマイクロウェルプレートのウェルに50μLの接種物を接種して、各ウェルに104CFU の各細菌株が入るようにした。ウェルのセットは追加の添加物を含まず、別のセットのウェルは5μg/mLのバンコマイシンを含み、別のセットのウェルは5μg/mLのバンコマイシンとvanC−2ペプチド−PNAを含む。またすべてのウェルに腸球菌レポーター100μLも与える。次に、試料を37℃で2時間インキュベートし、次に試料を実施例1に記載のように発光についてアッセイする。
図7は、細胞レポーターアッセイの結果を示し、+はレポーターアッセイが陽性結果を与えたこと示し、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。
第1列は、腸球菌レポーターが腸球菌属菌種の全てについて陽性シグナルを与えることを示す。第4列は、ペプチド−PNAがいずれの菌株においても陽性結果を阻害しないことを証明する。第2列は、van遺伝子を発現する全ての菌株が、陽性シグナルを与え続け、一方、van遺伝子を持たない菌株は陽性シグナルを与えないことを示す。第3列は、vanA又はvanB遺伝子を発現する菌株のみが陽性シグナルを与え続けていることを示している。
従って、これらの結果は、腸球菌レポーターをバンコマイシンとvanC−2遺伝子発現を標的とするアンチセンス分子とを組み合わせたそのようなアッセイが、VREを検出するために使用できることを証明する。
実施例6
カンジダレポーターアッセイ
別の実施態様において、カンジダの同定のための菌学的アッセイを開発することができる。
酵母細胞に検出可能マーカー又は選択マーカーを生成させるように設計された酵母レポーターシステムは、種特異的配列を標的とするアンチセンス分子と組み合わせて適用される。システムが標的種を含む試料に適用される場合、アンチセンス分子は、標的細胞のシグナル、生存能力、及び/又は増殖の抑制を引き起こす。
レポータープラスミドは、GAL1プロモーターの制御下に融合ブイ・ハーベイ(V. harveyi)細菌ルシフェラーゼを含む大腸菌/酵母ベクターpLG5に基づいている(15,16)。前記種特異的アンチセンス分子は、酵母内の内部転写スペーサー(ITS)領域内の配列を標的とするように設計されている。ITSは、rRNA成熟中にそこからITSが切除される転写体上のリボソームRNA(rRNA)配列の間に位置する非機能性RNAのセグメントからなる。カンジダ属菌種の内部転写されたスペーサー領域2(ITS2)は、カンジダ(17)の異なる種を同定するために使用できる配列特異性を示し、アンチセンス分子によるrRNA成熟の破壊は殺真菌作用を示す(18)。図8は、各種を標的とする2’−OMe修飾アンチセンスオリゴヌクレオチド(AON)を製造するために使用されるITS2配列のリストを含む。
それぞれの種を標的とするためのアンチセンス配列は、それぞれの種についてITS2配列間の配列整列を行うことによって設計される。整列データに基づいてそれぞれの種に固有の9〜12bpの配列が選択され、これらの配列候補は潜在的に交差反応性の生物のライブラリーからのゲノムデータ全体について相同性について分析される。この分析から、各標的種に特有の配列候補を選択することができる。
この分析に基づいて、カンジダ・アルビカンス(Candida albicans)、カンジダ・トロピカリス(Candida tropicalis)、及びカンジダ・パラプシロシス(Candida parapsilosis)(それぞれ配列番号7,8、及び9)についてAON配列を設計した。
簡単に説明すると、カンジダ・アルビカンス5120012、カンジダ・トロピカリス5160014、及びカンジダ・パラプシローシス5150013を、インタクトな細胞形質転換(16)を介してレポータープラスミド及びAONで形質転換する。試料を24時間インキュベートし、実施例1(19)に記載されたように使用して発光についてアッセイする。
図9は、カンジダ属菌種の同定に使用されるAONの組み合わせについてのアッセイの構成を示す。細胞レポーターアッセイの結果が示され、+はレポーターアッセイが陽性結果を与えたことを示し、−はレポーターアッセイが陰性結果を与えたことを示す。
第1列は、レポーターがアッセイで試験した全ての生物に対して陽性シグナルを与えることを示す。第2〜5列は、特定の種を標的とするAONがアッセイに含まれる場合、これらの種を含む試料がアッセイにおいて陰性の結果を与える一方、その種を標的とするAONがアッセイに存在しない種を含む試料が、陽性の結果を与えることを示す。
従って、これらの結果は、種特異的ITS2由来配列を標的とするアンチセンスオリゴヌクレオチド分子を酵母レポーターと組み合わせたこのようなアッセイを用いると、カンジダの特定の種を検出することができることを証明する。
本発明は、好ましい実施態様及び様々な代替実施態様を参照して具体的に示され、記載されているが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、形態と詳細の種々の変更が可能であることを理解するであろう。
参考文献

Claims (12)

  1. 抗菌剤感受性表現型の機序を決定するための方法であって、
    − 少なくとも1つの抗菌剤に対して感受性でない少なくとも1つの微生物を含む試料を提供する工程と;
    − 前記試料に抗菌剤を接触させる工程であって、前記抗菌剤は1つ以上の微生物を死滅させるか、その増殖を阻害するか、又はその生存能力を弱めることができる、前記工程と;
    − 前記少なくとも1つの微生物を、前記抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物と接触させる工程と、
    − レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)が微生物内に前記レポーター核酸分子を挿入し、かつ前記レポーター分子が生存能力の検出可能な指標を提供するような条件下で、前記試料をNRTPと接触させる工程と;
    − 前記微生物が前記抗菌剤及び前記オリゴヌクレオチド分子と接触しているときに、微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、微生物の抗菌剤感受性表現型の機序を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、前記オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、前記抗菌剤に対する抗菌剤感受性表現型の機序に関連しないことを示し、生存能力の検出可能な指標の欠如は、前記オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる特定核酸配列が、前記抗菌剤に対する抗菌剤感受性表現型の機序に関連していることを示す、前記工程と
    を含む、方法。
  2. 非感受性表現型に関与する機序を決定するための方法であって、
    − カルバペネムに対して感受性でない腸内細菌科微生物を含む試料を提供する工程と;
    − 前記試料をカルバペネムと接触させる工程と;
    − 前記腸内細菌科微生物を、カルバペネム耐性に関連する遺伝子を標的とするオリゴヌクレオチド分子と接触させる工程と;
    − レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)が腸内細菌科微生物内に前記レポーター核酸分子を挿入し、かつ前記レポーター分子が生存能力の検出可能な指標を提供するような条件下で、前記試料をNRTPと接触させる工程と;
    − 前記腸内細菌科微生物がカルバペネム及びオリゴヌクレオチド分子と接触しているとき、前記腸内細菌科微生物に関連する生存能力の検出可能な指標の存在又は欠如に基づいて、前記腸内細菌科微生物のカルバペネム非感受性の機序を決定する工程であって、生存能力の検出可能な指標の存在は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる遺伝子が、カルバペネム非感受性の機序に関連しないことを示し、検出可能な指標の欠如は、オリゴヌクレオチド分子によって標的とされる遺伝子が、カルバペネム非感受性の機序に関連していることを示す、前記工程と
    を含む、方法。
  3. 標的生物の生存能力の検出可能な指標を検出するように設計されたアッセイにおいて、潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の量を低下させる方法であって、
    − 標的生物の生存能力の検出可能な指標を検出するように設計された前記アッセイにおいて、潜在的に交差反応性又は干渉性である少なくとも1つの生物を含む試料を提供する工程と;
    − 前記交差反応性又は干渉性である生物を、潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の生存能力に関与する少なくとも1つの特定核酸配列を標的とするオリゴヌクレオチド分子を含む少なくとも1つの化合物と接触させる工程であって、潜在的に交差反応性又は干渉性の前記特定核酸配列は前記生物に固有であり、前記潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の生存能力を失わせる、前記工程と;
    − レポーター分子をコードするレポーター核酸分子を含む非複製性形質導入粒子(NRTP)が標的生物内に前記レポーター核酸分子を挿入し、かつ前記レポーター分子が標的生物の生存能力の検出可能な指標を提供するような条件下で、前記試料をNRTPと接触させる工程と
    − レポーター分子が介在する反応の存在又は欠如を検出することにより標的生物の生存能力の検出可能な指標を検出する工程と;
    を含む、前記方法。
  4. 前記標的生物が腸内細菌科の生物である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記潜在的に交差反応性又は干渉性である生物の生存能力に関与する前記少なくとも1つの特定核酸配列がmurA遺伝子である、請求項3又は4に記載の方法。
  6. 前記抗菌剤に対する非感受性表現型に関与する前記少なくとも1つの特定核酸配列が、blaKPC-3遺伝子、blaNDM-1遺伝子、blaSHV-18遺伝子、及びvanC遺伝子からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  7. 前記微生物が、腸内細菌科(family Enterobacteriaceae)、エンテロコッカス属(genus Enterococcus)、又はカンジダ属(genus Candida)の微生物である、請求項1又は6に記載の方法。
  8. 前記抗菌剤がβ−ラクタム又はバンコマイシンである、請求項1、6、及び7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記オリゴヌクレオチド分子が配列番号2又は配列番号3からなる群より選択される、あるいは、前記オリゴヌクレオチド分子が配列番号4又は及び配列番号5を含むCRISPR/Casシステムである、請求項2に記載の方法。
  10. 前記レポーター核酸分子が発光分子をコードする遺伝子である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 前記NRTPは、
    宿主細菌細胞と、
    前記宿主細菌細胞内にあり、非機能性パッケージング開始部位配列を有するバクテリオファージゲノムを含む第1の核酸構築体であって、ここで、前記非機能性パッケージング開始部位配列は、NRTP内へのバクテリオファージゲノムのパッケージングを防止する、前記第1の核酸構築体と、
    前記宿主細菌細胞内にあり、かつ前記第1の核酸構築体から離れて存在し、レポーター遺伝子を有するレポーター核酸分子と、NRTPへの前記レポーター核酸分子のレプリコンのパッケージングを促進する機能性パッケージング開始部位配列とを含む第2の核酸構築体であって、ここで、第2の核酸構築体上の機能性の第2のパッケージング開始部位配列は、前記第1の核酸構築体上のバクテリオファージゲノム内の非機能性パッケージング開始部位配列を補完する、前記第2の核酸構築体と、
    を含む細菌細胞パッケージングシステムから製造される、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 前記化合物が、ペプチド核酸(PNA)、ペプチド−PNA、CRISPR RNA(crRNA)、アンチセンスオリゴヌクレオチド、及び二本鎖RNA(dsRNA)からなる群より選択される、請求項1、3〜8、10、及び11のいずれか1項に記載の方法。
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