JP2017517390A6 - 自動式遠心分離を行うための装置、システム、および方法 - Google Patents

自動式遠心分離を行うための装置、システム、および方法 Download PDF

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Abstract

試料の自動式遠心処理のためのシステム、方法、およびデバイスが、提供される。一部の実施形態では、一体式流体処理カートリッジであって、遠心分離チャンバが、その側面を介して、マイクロ流体デバイスに流体的にインターフェースされ、一体式流体処理カートリッジは、遠心分離のために遠心分離機内に挿入されるように構成される、一体式流体処理カートリッジが、提供される。カートリッジインターフェイシング組立体が、遠心分離チャンバを出入りする流体の流れを制御すること、およびマイクロ流体デバイスに入る流体の流れを制御することなどのさまざまな流体処理ステップを行うために、また、任意選択により、マイクロ流体デバイスに抽出された流体のさらなる流体処理のために、一体式流体処理カートリッジとインターフェースするために使用され得る。一体式流体処理カートリッジは、上澄みを抽出する先の上澄みチャンバと、遠心分離チャンバ内に収集された懸濁液を希釈するための希釈剤チャンバとを含むことができる。
【選択図】図1

Description

[関連出願の相互参照]
本出願は、2014年、5月16日出願の表題が「APPARATUS, SYSTEM AND METHOD FOR PERFORMING AUTOMATED CENTRIFUGAL SEPARATION」である、米国特許仮出願第61/994,728号に対する優先権を主張するものであり、その内容全体は、参照によって本明細書に組み込まれる。
本開示は、流体の試料調製、遠心分離、およびマイクロ流体処理に関する。
分子技術を使用する全血試料内の病原体検出は、PCR阻害物質、干渉物質、および非標的核酸をほとんど有さない標的核酸の懸濁液を生み出す試料処理プロセスを必要とする。試料処理プロセスは、利用される増幅および検出技術に密接に結びつけられ、したがって、標的微生物の高感度の特異的な検出に不可欠である。たとえば、101CFU/mLオーダーの全血内の標的微生物細胞の数は、1010/mLオーダーの血液細胞をはるかに下回る。血液細胞は、したがって、大量のバックグラウンドDNA、PCR阻害物質、RNase、および蛍光消光物質の源である。さらに、死亡微生物およびそのような微生物からの核酸が、前回処理された感染からの試料内に存在することもある。これは、核酸に基づく病原体検出プラットフォームに厳しい機能的要件を課している。
全血試料に対して試料調製を行う既存の方法は、通常、以下のステップ:すなわち、(i)血液試料を、血液細胞および微生物細胞を標的微生物に対して選択的にまたは非選択的に溶解する何らかの手段にかけること、(ii)PCRに対する阻害物資および干渉物質の除去または不活性化および検出、ならびに(iii)非標的核酸の除去または標的微生物および生存微生物対死亡微生物に関する特異度を増大させるための強化された増幅および検出方法からなる。
これらのステップは、通常、別個にまたは組み合わせて、その後のプロセスの許容値特性にしたがって可変レベルの有効性を有して行われる。ほとんどの既存の病原体検出プラットフォームは、PCRまたはRT-PCRを使用する増幅および検出の前に標的核酸を抽出し、精製することに依存しており、低い病原体濃度を含む用途における自動化にはあまり適していない。
試料の自動化された遠心処理のためのシステム、方法、およびデバイスが、提供される。一部の実施形態では、一体式流体処理カートリッジが提供され、その中では遠心分離チャンバがその側面を介してマイクロ流体デバイスに流体的にインターフェースされており(interfacing:境界面接続)、一体式流体処理カートリッジは、遠心分離のために遠心分離機内に挿入されるように構成される。カートリッジインターフェイシング組立体は、さまざまな流体処理ステップ、たとえば、遠心分離チャンバを出入りする流体の流れを制御すること、およびマイクロ流体デバイスに入る流体の流れを制御することなどを行い、任意選択により、マイクロ流体デバイスに抽出された流体のさらなる流体処理のために、一体式流体処理カートリッジとインターフェースするために使用され得る。一体式流体処理カートリッジは、上澄みを抽出する先の上澄みチャンバと、遠心分離チャンバ内に収集された懸濁液を希釈するための希釈剤チャンバとを含むことができる。
したがって、一つの態様では、一体式流体処理カートリッジを使用して遠心分離およびマイクロ流体処理を行う方法であって、
一体式流体処理カートリッジは、
マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域が、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
マクロ流体遠心分離チャンバ内に沈殿物抽出ポートが設けられ、該沈殿物抽出ポートは、沈殿物をマイクロ流体デバイスに抽出するために、側面を介して前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通し、
前記方法は、
液体試料を前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に提供することと、
沈殿物が遠位領域内に収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
沈殿物の少なくとも一部分を含む濃縮された懸濁液が、前記沈殿物抽出ポートを通って流れて前記マイクロ流体デバイスに入るように、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイスに移送することと、
前記流体構成要素の一つ以上を前記外面を介して作動させることによって、濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス内で流体的に処理することとを含む、方法が提供される。
別の態様では、遠心分離およびマイクロ流体処理を行うためのシステムであって、
一体式流体処理カートリッジであって、
マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域が、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面が、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に沈殿物抽出ポートが設けられ、前記沈殿物抽出ポートは、沈殿物を前記マイクロ流体デバイスに抽出するために、前記側面を介して前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通する、一体式流体処理カートリッジと、
遠心分離デバイスであって、
ロータと、
前記ロータに枢動式に連結されたレセプタクルであって、前記一体式流体処理カートリッジを受け入れるように構成され、それにより、前記ロータが停止しているとき、前記外面は、前記ロータの回転軸に対して横方向にかつ外方向に方向付けられる、レセプタクルとを備える、遠心分離デバイスと、
前記ロータが停止しているとき、前記一体式流体処理カートリッジに取り外し可能にインターフェースされるように構成されたカートリッジインターフェイシング組立体と、
遠心分離デバイスおよびカートリッジインターフェイシング組立体と動作可能にインターフェースされる制御および処理ユニットであって、前記制御および処理ユニットが:
前記遠心分離デバイスを制御して、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離にかけるように、
前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、前記遠心分離デバイスが停止しているとき、前記カートリッジインターフェイシング組立体を前記一体式流体処理カートリッジにインターフェースするように、
前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記沈殿物抽出チャネルとの間に圧力差を働かせて、前記マイクロ流体デバイス上に、沈殿物の少なくとも一部分を含む濃縮された懸濁液を抽出し、濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス上で流体的に処理するように、
前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、一つ以上の前記流体構成要素を作動させて、濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス上で流体的に処理するように構成される、制御および処理ユニットとを備える、システムが提供される。
別の態様では、マクロ流体分離およびマイクロ流体処理を行うための一体式流体処理カートリッジであって、
マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域が、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面が、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に沈殿物抽出ポートが設けられ、前記沈殿物抽出ポートは、沈殿物を前記マイクロ流体デバイスに抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通する、一体式流体処理カートリッジが提供される。
別の態様では、マイクロ流体ダイアフラム弁であって、
表面内にポートが形成されたベース層と、
第1の表面および反対の第2の表面を有するマイクロ流体層であって、前記ベース層に設けられ、それにより、前記第2の表面が前記ベース層の前記表面に取り付けられ、
前記マイクロ流体層は、弁座開口と流体連通する横方向のマイクロ流体チャネルを備え、前記弁座開口は、前記ポートの上方に配置され、前記弁座開口は、前記マイクロ流体層を貫通して延びる、マイクロ流体層と、
前記マイクロ流体層の前記第2の表面に接着された膜であって、前記弁座開口を密封する膜と、
前記膜の外面と接触するように配置されたプランジャであって、それにより、内方に向けられた十分な力を前記プランジャに付加したとき、前記プランジャは、前記弁座開口内に受け入れられ、前記膜は、前記ポートに対するシールを形成する、プランジャとを備える、マイクロ流体ダイアフラム弁が提供される。
別の態様では、一体式流体処理カートリッジを使用して遠心分離を行う方法であって、
前記一体式流体処理カートリッジは、
マクロ流体遠心分離チャンバであって、マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域が、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成され、マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域内に上澄み抽出ポートが設けられる、マクロ流体遠心分離チャンバと、
上澄み供給ポートが中に形成された上澄みチャンバと、
内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられる、マイクロ流体デバイスとを備え、
前記上澄み抽出ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み供給ポートは、上澄みの大部分を前記マクロ流体遠心分離チャンバから前記上澄みチャンバ内に抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、
前記方法は、
液体試料を前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に提供することと、
沈殿物が遠位領域内に収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
上澄みが前記上澄み供給チャネルを通って流れるように、上澄みチャンバとマクロ流体遠心分離チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって上澄みを上澄みチャンバに移送することとを含む、方法が提供される。
本開示の機能的および有利な態様のさらなる理解は、以下の詳細な説明および図を参照することによって認識され得る。
諸実施形態が、次に、例としてのみ、図を参照して説明される。
一体式流体処理カートリッジによって自動化された遠心分離および洗浄を行うためのシステムの例を示す概略図である。 遠心分離および洗浄のための一体式流体処理カートリッジの例を示す異なる方向から見た図である。 遠心分離および洗浄のための一体式流体処理カートリッジの例を示す異なる方向から見た図である。 遠心分離および洗浄のための一体式流体処理カートリッジの例を示す異なる方向から見た図である。 遠心分離中に上澄みの抽出を行うのに適した一体式流体カートリッジの実施例を示す図である。 自動化された遠心分離および洗浄を行うための方法の例を示す流れ図である。 沈殿した粒子またはその懸濁液の抽出のためのポートを含む一体式流体処理カートリッジの実施形態例の正面図である。 沈殿した粒子、またはその懸濁液の抽出のためのポートを含む一体式流体処理カートリッジの実施形態例の正面図である。 濃縮されて精製された微生物細胞の懸濁液を得るために、試料を収集チューブから直接的に抽出し、その後遠心分離し、洗浄するように構成された一体式流体処理カートリッジの一例を示す図である。 細胞を保持するように意図されたフィルタを装備したチャネルの概略断面図である。 本開示の一実施形態例による、試料調製、電気溶解、および溶解液中に存在する核酸の多重分子検出の方法を説明する流れ図である。 本開示の一実施形態例による試料調製の方法を説明する流れ図である。 本開示の一実施形態例による試料調製および電気溶解の方法を説明する流れ図である。 本開示の一実施形態例による、試料調製、電気溶解、および任意選択によりその後のMALDI-TOF分析のためのタンパク質抽出の方法を説明する流れ図である。 分離され濃縮された微生物細胞を処理するために追加の流体構成要素が設けられる一体式流体処理カートリッジの一例の一部分の概略図である。 熱チャンバの実施形態例を示す図である。 熱チャンバの実施形態例を示す図である。 熱チャンバで使用するための加熱素子の例を示す図である。 熱チャンバの配列の実施形態例を示す図である。 熱チャンバの配列の実施形態例を示す図である。 正面および後部の側面を等角図から示す一体式流体処理カートリッジの一例を示す図である。 一体式流体処理カートリッジの例の分解図を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 複数の積層からなる一体式流体処理カートリッジの主要な層の詳細を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 弁および関連するプランジャの実施形態例を示す図である。 ポートおよび関連する空気移動機構の実施形態例の断面図である。 ポートおよび関連する空気移動機構の実施形態例の上から見た図である。 一体式流体処理カートリッジのレセプタクル内への挿入を示す図である。 実施形態例による吊り下げ式バケット遠心分離機を示す図である。 実施形態例による吊り下げ式バケット遠心分離機を示す図である。 カートリッジインターフェイシング組立体と、ロータ内に収容された一体式流体処理カートリッジとの係合を伴う実施形態例を示す図である。 カートリッジインターフェイシング組立体と、ロータ内に収容された一体式流体処理カートリッジとの係合を伴う実施形態例を示す図である。 弁プランジャを作動させるための代替実施形態例を示す図である。 弁プランジャを作動させるための代替実施形態例を示す図である。 弁プランジャを作動させるための代替実施形態例を示す図である。 弁プランジャを作動させるための代替実施形態例を示す図である。 弁プランジャを作動させるための代替実施形態例を示す図である。 一体式流体処理カートリッジを軌道動作によって渦撹拌するための機構の実施例を示す図である。 弁ラッチング機構の一例を示す図である。 弁ラッチング機構の一例を示す図である。 弁ラッチング機構の一例を示す図である。 レセプタクル内に支持された一体式流体処理カートリッジの実施例を示す図である。 カートリッジインターフェイシング組立体の実施例を示す図である。 カートリッジインターフェイシング組立体と一体式流体処理デバイスを支持するレセプタクルの係合を示す図である。 カートリッジインターフェイシング組立体と任意選択によって一体化することができる光学システムの一例を示す図である。
本開示のさまざまな実施形態および態様が、以下に論じる詳細を参照して説明される。以下の説明および図は、本開示を例示するものであり、本開示を限定すると解釈されるものではない。数多くの特有の詳細が、本開示のさまざまな実施形態の完全な理解をもたらすために説明される。しかし、特定の場合、本開示の実施形態の簡潔な論議を提供するために、良く知られているまたは従来の詳細は、説明されない。
本明細書では、用語「備える」および「備えている」は、包含的および制限のないものとして解釈され、排他的なものではない。特に、本明細書および特許請求の範囲において使用されるとき、用語「備える」および「備えている」ならびにその変形は、明示された特徴、ステップ、または構成要素が含まれることを意味する。これらの用語は、他の特徴、ステップ、または構成要素を排除するように解釈されるものではない。
本明細書では、用語「例示的」は、「例、事例、または例示として働く」ことを意味し、本明細書において開示する他の構成より好ましいまたは有利であるものと解釈されてはならない。
本明細書では、用語「約」および「およそ」は、特性、パラメータおよび寸法における変動などの、値の範囲の上限および下限内に存在し得る変動を含むものとする。別途明記されない限り、用語「約」および「およそ」は、プラスマイナス25パーセントまたはそれ未満を意味する。
別途明示されない限り、任意の明示された範囲またはグループは、範囲またはグループのありとあらゆる部材、ならびにその中に包含されるありとあらゆる可能性のある副範囲または副グループ、および同様にその中の任意の副範囲または副グループに対して参照する簡潔な方法とするものであることを理解されたい。別途明示されない限り、本開示は、副範囲または副グループのありとあらゆる特有の部材および組み合わせに関し、これらを明白に組み込む。
本明細書では、量またはパラメータと併用して使用されるとき、用語「オーダー」は、述べられた量またはパラメータのおよそ10分の1から10倍まで及ぶ範囲を指す。
別途定義されない限り、本明細書において使用するすべての技術的および科学的用語は、当業者に通常理解されるものと同じ意味を有するよう意図される。文脈などを通して別途示されない限り、本明細書では、以下の用語は、以下の意味を有するよう意図される:
本明細書では、語句「遠心分離」は、粒子状物質または固体材料を含む試料流体の遠心分離のプロセスを指し、それによってそのような粒子状物質または固体材料の沈殿が起こり、それによって沈殿物を生成する。語句「沈殿物」は、通常、遠心分離デバイスの遠位領域内に、遠心力の付加の後に収集される一つ以上の粒子を指す。沈殿物の一つの非限定的な例は、一つ以上の微生物細胞である。以下で詳細に説明するように、沈殿物は、遠心分離チャンバの底部表面において収集される必要はなく、その代わりに、遠心分離チャンバの底部の近く、または上澄みと緩衝液体の間のインターフェース面において形成することができる。
本明細書では、語句「洗浄」および「洗浄する」は、希釈剤(または洗浄液体/バッファ)を固体または懸濁試料に付加することと、(任意選択により沈殿物を再懸濁するために)希釈剤を試料と混合して懸濁液を得ることと、懸濁液を遠心分離にかけることとを伴うプロセスを指す。
本明細書では、用語「マイクロ流体チャネル」は、1mm未満の断面寸法を有する流体チャネルを指す。
本明細書では、用語「マイクロ流体デバイス」は、少なくとも一つのマイクロ流体チャネルを有する流体デバイスを指す。
本明細書では、用語「マクロ流体チャンバ」は、すべての寸法が1mmを超える流体チャンバまたはチャンバを指し、この場合チャンバの容積は、500マイクロリットルを超える。
[遠心分離および洗浄のため一体式の装置]
次に図1を参照すれば、自動化された遠心分離または洗浄を伴った自動化された遠心分離を行うための一例である一体式システム100の図が提供される。一例であるシステム100は、遠心分離のための一つ以上の一体式流体処理カートリッジ120を受け入れる遠心分離機110を含む。遠心分離機110は、電動ロータ114に連結され、一体式流体処理カートリッジ120を受け入れるように構成された、一つ以上のレセプタクル112を含む。カートリッジレセプタクル112は、たとえば、固定角タイプのものであり、または研究室の遠心分離機において一般的である揺動式バケットタイプのものでよい(たとえば、各々のレセプタクル112は、電動ロータ114に枢動式に連結されてよい)。
カートリッジインターフェイシング組立体(ユニット)130は、一体式流体処理カートリッジ120内の流体の流れを制御するために、電動ロータ114が停止しているとき、一体式流体処理カートリッジ120と取り外し可能に係合(またはインターフェース(interfacing:境界面接続))するように構成される。カートリッジインターフェイシング組立体と一体式流体カートリッジのインターフェースは、たとえば、カートリッジインターフェイシング組立体と一体式流体カートリッジ120との間の直接的インターフェースによって、またはたとえば遠心分離機110上の(たとえば電動ロータ114またはカートリッジレセプタクル112上の)インターフェース面(たとえば作動インターフェース面)を介して起こり得る。遠心分離機110およびカートリッジインターフェイシング組立体130は、制御および処理ユニット140によって制御される。
以下にさらに詳細を説明するように、各々の一体式流体処理カートリッジ120は、電動ロータ114の回転中の遠心分離のための遠心分離チャンバを含む。一部の実施形態では、遠心分離チャンバは、マイクロ流体チャンバでよい。以下に説明するさまざまな例の実施形態では、遠心分離チャンバは、500マイクロリットルを超える流体容積に対して遠心分離を行うことができるマクロ流体遠心分離チャンバである。
一体式流体処理カートリッジ120は、ポート、導管、弁、およびチャンバを含んで、マクロ流体遠心分離チャンバから上澄みを除去し、任意選択により、一体式流体処理カートリッジ120が遠心分離機110内に収容されている間、除去された上澄みをカートリッジ上に貯蔵することを可能にすることができる。一体式流体処理カートリッジ120はまた、ポート、導管、弁、およびチャンバを含んで、一体式流体処理カートリッジが遠心分離機110内に収容されている間、自動化された洗浄を可能にすることができる。
一体式流体処理カートリッジ120の実施形態例の図が図2AからCに示される。ここでは図2A、2Bおよび2Cは、それぞれ上面、正面、および背面の図を示す(図2Cは、デバイスの外側の側面を示す)。この実施形態では、一体式流体処理カートリッジ120は、マクロ流体遠心分離チャンバ200と、希釈剤チャンバ210と、上澄みチャンバ220とを含む。図示する実施形態例では、マクロ流体遠心分離チャンバ200は、円錐型または丸型の底部形状と、平滑な内面とを有し、それによって遠心分離中に沈殿した粒子状物質の吸収または捕集を最小限に抑える。遠心分離チャンバ200は、遠心分離機ロータ110内に、遠心力がチャンバの円錐または丸型の底部の方向に作用するように方向付けられる。希釈剤チャンバ210は、希釈液体を含み、その組成物は、最終媒体の要求事項に適合するように選択され、この最終媒体中には、その後の処理要求事項によって指定され得る粒子が再懸濁される。希釈剤チャンバ210は、残留を最小限にして洗浄液体を抽出することを可能にする円錐状のまたは狭窄された底部先端部を有することができる。一つ以上の追加の希釈剤チャンバが、必要とされる導管および弁と共に含まれて、種々の組成物の一つ以上の希釈液体を洗浄プロセスにおいて使用することを可能にすることができる。上澄みチャンバ220は、空でよく、または吸水材料などの吸収材料を含んでもよい。上澄みチャンバは、上澄みを収集するために使用されてよく、ならびに/または廃棄物チャンバとして使用されてもよい。
懸濁液の自動化された分離は、マクロ流体遠心分離チャンバ200内で、懸濁液内の粒子状材料の遠心沈殿を行い、その後上澄みをマクロ流体遠心分離チャンバ200から上澄みチャンバ220に流すことによって行われる。一回以上の洗浄が、希釈液体を希釈剤チャンバ210からマクロ流体遠心分離チャンバ200内に流し、任意選択により、希釈剤および残留上澄みを混合し、遠心分離を行い、上澄みをマクロ流体遠心分離チャンバ200から上澄みチャンバ220まで流すという追加の一連のステップによって行われ得る。以下に提供する追加の実施形態において説明するように、一体式流体処理カートリッジは、洗浄された試料のその後の処理および/アッセイのために、それだけに限定されないが、溶解チャンバおよび/または一つ以上のアッセイチャンバまたはウエルなどの追加の特徴および構成要素を含むことができる。
本開示の一部の実施形態例では、一体式流体処理カートリッジは、自動化された遠心分離、任意選択により、希釈/洗浄を閉構成において支援するように構成される。本開示では、用語「閉構成」は、流体処理中に液体の追加またはカートリッジからの除去を防止するカートリッジ構造を指す。その一方でさまざまな実施形態例は、ベントを使用し、空気(または他のガス)のカートリッジ内への注入または空気(または他のガス)のカートリッジからの排出を使用することができるが、ガス透過性膜または十分に小さい孔サイズのフィルタが、そのような空気路に置かれて、危険粒子または流体の流出および汚染物質または干渉物質の進入を防止し、または最小限に抑えることができる。
図2A〜2Cに示す実施形態例では、チャンバは、マイクロ流体デバイス205にインターフェースされ、マイクロ流体デバイス205は、チャンバ間の流体接続をもたらす内部流体チャネルを有する。以下に説明するさまざまな実施形態例では、マイクロ流体デバイス205は、一つ以上のマイクロ流体層を含み、内面および外面を有する。本実施形態例では、内面は、図2Aおよび2Bに示すように、マクロ流体遠心分離チャンバ、希釈剤チャンバ210、および上澄みチャンバ220の側面に取り付けられる。マイクロ流体デバイス205は、チャンバの壁を貫通して形成されたポート(穴、開口またはビア)を通してチャンバと流体連通する。マイクロ流体デバイス205は、チャンバを出入りする流体移動を可能にするために、チャンバとポートの間の流体の流れのための(マイクロ流体チャネルであることができる)チャネルを含む。マイクロ流体デバイス205はまた、流体の流れを制御するための一つ以上の弁を含むこともできる。流体の流れは、任意の適切な流れ機構によって生成され得る。一つの実施例では、一体式流体処理カートリッジ内の種々の場所間の流体の流れは、ガス移動によって誘発される流体移動のために、チャンバ間に圧力差を生成するガス(たとえば空気)移動デバイスとのインターフェースを使用して生成される。
一つの実施例では、チャンバ200、210、および220は、プラスチック材料(それだけに限定されないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PET、ポリスチレン、環状オレフィン、アクリル、ポリエチレン、ポリウレタン、PEFE、PEEK、PVCなど)から、個々にまたは組み合わせて、射出成形、鋳造、機械切削、3D印刷などの製作プロセスまたは当業者に知られている他の方法および材料を使用して形成され得る。形成プロセスに加えて、チャンバ200、210、または220の一部またはすべては、任意選択により、平滑な低結合表面を確実にするためにさらなる仕上げまたは表面処理を必要とし得る。そのような仕上げは、内面の機械的研磨または化学的コーティングなどのさまざまなプロセスを個々にまたは組み合わせて使用することによって実施されてよく、化学的コーティングは、シリコーン、非イオンシラン、表面を疎水性にする処理剤、表面を親水性にする処理剤、BSA、PEG、SAMまたは他の類似の化合物によって、浸漬コーテイングプロセス、スプレーコーティング、または当業者に知られている他の方法であり、使用されるプロセスの必要に応じてその後の硬化ステップを有するまたは有さないものである。チャンバは、背面を有するように形成されてよく、各々のチャンバは、その中に一つ以上のポートを有し、それによって、マイクロ流体デバイスの内面を介してマイクロ流体デバイス205の流体チャネルとインターフェースする。
全血(またはたとえば培地に付加された血液)内の病原体微生物細胞の検出を意図した一つの実施形態例では、遠心分離、希釈、および上澄みのチャンバの容積は、それぞれ、0.1から60mL、0.5から120mL、0.6から120mLの範囲であることができる。希釈および上澄みのチャンバのより好ましい範囲の例はそれぞれ、0.5から10mLの範囲、1.5から20mLの範囲、および1.5から20mLの範囲である。さまざまな実施例によれば、チャンバの表面形状およびサイズに応じて、その関連する穴、ポートおよびベントの直径は、0.1mmから3mmの範囲になるように選択され得る。さまざまな実施例によれば、導管の幅は、0.1から3mmの範囲で変動することができる。さまざまな実施例によれば、導管の高さは、0.025mmから1mmの範囲で変動することができる。
一つの実施例では、マイクロ流体デバイス205は、流体チャネル(導管)と、チャンバと、流体制御に使用され得る弁およびガス透過性インターフェース面などの、外部から作動され得る流体構成要素とを含む、複数層から形成された積層構造になり得る。
マイクロ流体デバイスは、多種多様な製作プロセスによって形成され得る。製作プロセスの非限定的な例は、射出成形、熱エンボス加工、マイクロ機械切削、打ち抜き、型抜き、ソフトリソグラフィ、レーザ切断、ウォータジェット切断、プロッティングカッタ(plotting cutter)または当業者に知られている他の方法を含む。層は、それだけに限定されないが、ポリカーボネート、PET、ポリプロピレン、PDMS、環状オレフィン、PMMA、フォトレジスト、シリコンウエハ、ガラス、アルミニウムなどのホイルなどの材料、または当業者に知られている他の材料によって作製され得る。
マイクロ流体デバイス205は、それを構成する層を、それだけに限定されないが、接着接合、熱接合、超音波接合、または当業者に知られている他の接合方法によって積層化することによって形成することができる。加えて、層の一部またはすべては、任意選択により、追加の特性を提供するために、表面処理を必要とすることができる。その追加の特性は、当業者に知られているように、試料内の化合物がデバイスの壁に接着することを防止するための低エネルギーの非結合性、強化された親水性または強化された疎水性、またはチャンバまたはチャネル内の流体の通過を容易にすること、または受動的な流体制御要素として作用することなどである。これらの特性は、それだけに限定されないが、シリコーン、シラン、PEG、BSAまたは当業者に知られている他の材料などの化合物による材料の化学的処理によって確立され得る。マイクロ流体デバイス205の内面は、チャンバの側面に接合されて、一体式流体処理カートリッジ120を形成することができる。一部の実施形態では、チャンバの背面は、同一平面上にあり、マイクロ流体デバイス205の内面は、平坦な面である。
代替の実施形態例では、マイクロ流体デバイス205の流体構成要素の一部またはすべては、チャンバと共に一体的に形成され、それによって側面を有する中間デバイスを形成し、マイクロ流体デバイス205のすべての残りの層は、側面と接合されて一体式流体処理カートリッジ120を形成することができる。
他の実施形態例では、上澄みチャンバおよび希釈剤チャンバ(またはその複数)の一つ以上が、一体式流体処理カートリッジに対して外部に設けられ、外部にインターフェースされ得る。たとえば、遠心分離チャンバの側面上に設けられたポートは、流体コネクタを含むことができ、この流体コネクタは、一つ以上の外部の希釈剤チャンバ、上澄みチャンバ、または他の外部の流体リザーバ(たとえば、外部溶解バッファ、外部試薬および/または外部増殖培地)との(直接的または間接的な)流体接続を形成するのに適している。一つの実施例では、一つ以上の外部チャンバが、カートリッジインターフェイシング組立体上に設けられてよく(たとえば、その中に収容されまたはその中に受け入れられてよく)、それにより、一つ以上の外部チャンバは、一体式流体処理カートリッジと取り外し可能に流体的にインターフェースされ得る。一つの実施例では、マクロ流体遠心分離チャンバ内のポートを、上記で説明したようにマイクロ流体デバイスと流体的にインターフェースさせることができ、マイクロ流体デバイスは、流体コネクタを含むことができ、それにより、マクロ流体遠心分離チャンバは、マイクロ流体デバイスを介して、外部チャンバと流体連通させられる。そのような実施形態例では、マイクロ流体デバイスは、任意選択により、マクロ流体遠心分離チャンバと外部チャンバの間の流体の流れを制限するための一つ以上の弁を含むことができる。
再度、図2Aから2Cに示す非限定的な実施形態例を参照すれば、希釈剤チャンバ210および上澄みチャンバ220は各々、マイクロ流体デバイス205を介して、希釈供給チャネル230および上澄み供給チャネル240のそれぞれを介してマクロ流体遠心分離チャンバ200に接続される。希釈剤供給チャネル230は、希釈剤を希釈剤チャンバ210からマクロ流体遠心分離チャンバ200に供給するために、マクロ流体遠心分離チャンバ200の側壁内に形成された希釈剤供給ポート252および希釈剤チャンバ210内に形成された希釈剤抽出ポート251に流体的に接続される。同様に、上澄み供給チャネル240は、上澄みをマクロ流体遠心分離チャンバ210から上澄みチャンバ220に抽出するために、上澄み抽出ポート256および上澄み供給ポート257に流体的に接続される。
図2AからCに示す実施形態例では、希釈剤チャンバ210および上澄みチャンバ220は、各々が (任意選択により開孔可能である)ベント270および275それぞれも含み、これらのベントは、マイクロ流体デバイス205内に収容され、一体式流体処理カートリッジの表面から大気圧に排気する。一つの実施例では、ベントの一つは、マイクロ流体デバイス205の外側側面からアクセス可能になり得る。別の実施例では、ベントの一つ以上は、それぞれのチャンバの側面からアクセス可能になることができ、この場合、ベントは、マイクロ流体デバイスに取り付けられない側面の一部分内に位置付けられる。別の実施例では、ベントの一つ以上は、(側面からではなく)ベントが中に位置付けられるそれぞれのチャンバの上面または下面からアクセス可能になり得る。チャンバ210および220はまた、ポート251および257それぞれも含み、他の部分では閉じられ得る。マクロ流体遠心分離チャンバ200はまた、ポート260と流体連通しており、ポート260は、マイクロ流体デバイス205内に収容され、一体式流体処理デバイスの表面からアクセス可能になり得る。マクロ流体遠心分離チャンバ200はまた、ポート256および252を含むこともでき、他の部分では閉じられ得る。
一つの実施例では、圧力差が、一体式流体処理デバイスのチャンバへの、およびそこからの液体移送をもたらすために、弁の連携された作動と共にかけられ得る。希釈剤供給チャネル230内の流れは、希釈剤制御弁250によって制御することができ、希釈剤制御弁250は、希釈剤供給チャネル230に沿った任意の位置に位置付けることができるが、優先的には希釈剤抽出ポート251の近位に位置付けることができる。上澄み供給チャネル240内の流れは、上澄み制御弁255によって制御することができ、上澄み制御弁255は、上澄み供給チャネル240に沿った任意の位置に位置付けることができるが、優先的には上澄み抽出ポート256の近位に位置付けることができる。弁250および255は、図2Cに示すように、マイクロ流体デバイス205の外面を介して作動され得る。
一つの実施例では、希釈剤チャンバ210からマクロ流体遠心分離チャンバ200への希釈剤の移送は、希釈剤制御弁250を選択的に開き、ポート260に希釈剤チャンバ210に対する負の差圧を選択的にかけることによって達成され得る。同様に、マクロ流体遠心分離チャンバ200から上澄みチャンバ220までの液体の移送は、上澄み制御弁255を選択的に開き、ポート260に上澄みチャンバ220に対する正の差圧を選択的にかけることによって達成され得る。したがって、一体式流体カートリッジ内の液体の移動は、マクロ流体遠心分離チャンバとさまざまなチャンバとの間の弁の選択的作動と組み合わせて、マクロ流体遠心分離チャンバ内のポート260に正または負のゲージ圧力を付加することによって制御され得る。
代替の実施形態では、ベント270および275は、空気移動デバイス(たとえばまたはガス移動デバイス)を係合することができるポートとして構成されてよく、ポート260は、エアベントとして構成されてよい。チャンバ210からチャンバ200までの液体の移送は、この場合、ポート270にチャンバ200に対する正の差圧をかけることによって行われてよく、チャンバ200からチャンバ220までの液体の移送は、ポート275にチャンバ200に対する負の差圧をかけることによって行われる。弁250および255は、これらのそれぞれの液体移送操作中に開いており、任意選択により、本明細書において説明する操作の他の理由またはモードに必要とされない場合は、一体式流体処理カートリッジから省かれてよい。
ポート260に流体的に接続された(および/または任意選択により、ポート270または275とインターフェースするように構成された)空気移動デバイス(ガス移動デバイス)は、たとえば、シリンジポンプ、蠕動ポンプ、ベローズポンプ、もしくは任意の他のポンプ、または接続されたポートを介してカートリッジから空気を制御可能に供給または除去することができる空気移動デバイスになり得る。以下に提供する実施形態例において説明する空気移動デバイスは、一体式流体処理カートリッジ120の種々の部分間に差圧を確立することによって液体の流れを誘発するために、空気または任意の他のガスを使用することができることが、理解されよう。たとえば、一部の実施形態では、ガス源が、液体の流れを制御するために加圧デバイス(たとえばポンプ)とインターフェースされ得る。
一部の実施形態では、弁を開放し、ポート260とベント270または275の間に差圧をかけることは、一体式流体処理カートリッジ120が停止しており、カートリッジインターフェイシング組立体130の制御下にあるときに行われる。カートリッジインターフェイシング組立体130は、一体式流体処理カートリッジ120が遠心分離デバイス内に収容されたときにマイクロ流体デバイス205の外面と選択的に係合することができ、これは、以下にさらに詳細に説明される。そのような場合、弁250および255は、カートリッジインターフェイシング組立体130が係合解除され、遠心分離機110が遠心分離を行っているとき、閉じた構成になるように構成され得る(そのような弁の例が、以下に提供される)。
追加の弁(図示せず)が、任意選択の混合操作中に流体が空気路に入ることを防止するために、ポート260とマクロ流体遠心分離チャンバ200の間の流体路上に設けられ得る。加えて、または代替策として、流体の通過を防止するガス透過性膜が、マクロ流体遠心分離チャンバ200とポート260の間の経路内に置かれて、流体がポート260に到達することを防止することができる。このガス透過性膜はまた、環境からまたは空気移動デバイスからの空中微生物の進入を防止するフィルタとして働くように構成されてもよい。代替的に、ポート260とマクロ流体遠心分離チャンバ200の間の経路は、高い流体抵抗を有するように設計することができ、それにより、一般的な状況下において、液体は、ポート260まで進むことが防止される。同様に、追加の弁、ガス透過性膜、または高い流体抵抗の導管が、チャンバ210とベント270の間およびチャンバ220とベント260の間に置かれて、カートリッジからの液体の流出および/またはこれらのポートを介する病原体および他の汚染物質の出入を防止することができる。
遠心分離ステップ中に通常、液体がチャンバ間を流れないことを確実にすることが重要である。ポート252および257が、遠心分離中にそれぞれチャンバ200および220内の液体の表面の上方にあり続け、弁255および250が開き続ける場合、チャンバ200および210からの液体は、チャネル240および230をそれぞれのチャンバ内の自由表面レベルまで満たすが、液体はチャンバ220および200内それぞれに流れ込むことはないことに留意されたい。したがって、一部の実施例では、弁255および250は、任意選択により、上記で説明した流体移送のモード、または操作の他の理由またはモードに必要とされない限り、カートリッジから省かれてよい。
一部の実施例では、弁255および250は、遠心分離中に液体がチャネル240および230それぞれに入ることを防止するために閉じられ得る。この場合、弁は、好ましくは、一つ以上のラッチング機構と共働するように構成され、それにより、この弁は、カートリッジインターフェイシング組立体130がカートリッジ120と係合されないときは閉じたままになっている。高い流体圧力がチャンバ200および210の遠位領域ならびにチャネル240および230内に発達し得るため、弁の一つ以上を遠心分離の前に閉じることが好ましくなり得ることが、留意される。たとえば、100psi、200psiもしくは400psiまたはそれ以上の範囲内の圧力が、高い遠心速度の結果として起こり得る。チャンバは、したがって、そのような圧力に耐えることができるように形成され得る。そのような圧力に耐えるためのチャンバの適切な材料および表面形状は、当業者に知られている。しかし、マイクロ流体デバイス205の構築のための一部の方法、たとえば、感圧接着剤で接合された積層体などは、これらの圧力を持ちこたえることができないことがある。したがって、かけられる遠心力に応じて、流体が、遠心分離中にチャンバを出て導管に入ることを防止するために、弁をチャンバの開口部に位置付けることが必要になり得る。そのような場合、遠心分離の前に液体を導管から排出することも好ましくなり得る。
ラッチング弁(たとえば、一体式ラッチング機構を有する弁またはラッチング機構によって作動されるように構成された弁)が使用されるとき、カートリッジインターフェイシング組立体130は、必要に応じてラッチング機構と能動的かつ選択的に係合して、カートリッジインターフェイシング組立体130が一体式流体処理カートリッジとインターフェースされたときに弁を開き、次いで、その後の遠心操作のためにカートリッジから係合解除する前に弁を閉じ、再度ラッチ留めするために使用され得る。一部の弁および関連するラッチング機構は、自己ラッチング式になるように構成されてよく、それにより、これらは、カートリッジインターフェイシング組立体の係合解除時に閉位置にラッチする。
適切なラッチング機構の非限定的な例は、弁を閉じてロックし、カートリッジインターフェイシング組立体によって解放されて弁を開くラチェットデバイス、または弁をばね力によって閉じた状態に保ち、その状態をカートリッジインターフェイシング組立体によって打ち勝つことで弁を開くばね負荷式組立体を含む。そのような機構および他のタイプの知られているラッチ機構は、目下の目的に合わせて当業者によって適応され得る。ラッチング機構は、カートリッジ120内に一体化することができ、または図1の遠心分離機110の一部として含まれるカートリッジレセプタクル112内に一体化することができる。
試料(たとえば、元の試料または事前処理された試料)は、多くの種々の実施形態および方法にしたがって一体式流体処理カートリッジ120内に導入され得る。一つの実施形態例では、一体式流体処理カートリッジ120は、試料を、カートリッジに、たとえば直接マクロ流体遠心分離チャンバ200内に導入するために開かれ得る取り外し可能な蓋またはキャップを含むことができ、この場合、取り外し可能なキャップまたは蓋は、(たとえば、Oリングまたは他の適切な機構によって)気密式にシール可能である。代替的に、蓋またはキャップは、開孔可能な膜を含むことができ、それによって針が膜を貫通し、試料をマクロ流体遠心分離チャンバ内に貯留させることを可能にする。そのような開孔可能な膜は、再シール可能でなければならず、また、シールをある程度まで、すなわち上記で説明した任意選択の液体移送の実施形態に必要とされる圧力をマイクロ流体遠心分離チャンバ内に維持することができる程度まで維持することができなければならない。あるいは、そのような開孔可能な膜は、カートリッジ120またはマイクロ流体デバイス205上の他所に設けられ、導管を装備して遠心チャンバに流れることを可能にすることができ、任意選択により、遮断弁を装備して、その後の操作中に流体または圧力の損失を防止することができる。
別の実施形態例では、試料は、最初、試料受け入れチャンバなどの一体式流体処理カートリッジ120内の別のチャンバ内に供給されてよく、ここで試料は、マクロ流体遠心分離チャンバ内に、本明細書において説明する弁調節および流れ作動方法によって制御可能に導入され得る。試料を一体式流体処理カートリッジ120内に導入するための別の代替の実施形態例が、図5に例示され、以下により詳細に説明される。
遠心分離および任意選択による洗浄操作に続いて、沈殿した試料は、取り外し可能な蓋またはキャップを開き、シリンジ、ピペット、または他のデバイスを使用して最終試料をマクロ流体遠心分離チャンバから吸引することによって、同じような形で除去され得る。同様に、開孔可能な膜が、蓋上に設けられて、針およびシリンジまたは他の吸引デバイスを使用する最終試料の除去を可能にすることができる。
マクロ流体遠心分離チャンバ200は、バッファ、希釈剤、洗剤、または他の特別に調剤された試料事前処理溶液で、試料の導入前に事前充填され得る。試料事前処理液体は、試料の一つ以上の不純物または他の成分を改変する一つ以上の成分または活性剤を含む溶液またはバッファになり得る。たとえば、試料事前処理溶液は、試料内に存在し得る不純物または他の成分の除去、不活性化、消化、または他の改変のために試料に対して作用することができる。別の実施形態では、必要とされる成分は、乾燥形態でチャンバ内に含まれ、これらの成分は、液体試料をマクロ流体遠心分離チャンバに導入したときにその液体試料内で溶解される。
他の実施形態例では、そのような事前処理液体は、最初、事前処理剤貯蔵チャンバなどの一体式処理カートリッジ120内の別のチャンバ内に供給されてよく、この場合事前処理液体は、本明細書において説明する弁調節および流れ作動方法によってマクロ流体遠心分離チャンバ内に制御可能に導入され得る。
さらなる実施形態では、試料事前処理溶液は、試料をカートリッジ内に導入する前に試料と事前混合され得る。試料事前処理液体の一例は、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、2013年11月26日出願の表題「APPARATUS AND METHOD FOR PRE-TREATMENT OF MICROBIAL SAMPLES」のPCT特許出願のPCT/CA2013/000992において説明されるような血液溶解液体である。
さらに別の実施形態例では、事前処理溶液は、本明細書の他所において説明するように、流体コネクタを介して一体式流体処理カートリッジに流体的にインターフェースされる外部チャンバから、マクロ流体遠心分離チャンバ内に導入され得る。
図1を再度参照すれば、制御および処理ユニット140の実装例が示される。制御および処理ユニット140は、一つ以上のプロセッサ145(たとえば、CPU/マイクロプロセッサ)と、バス142と、ランダムアクセスメモリ(RAM)および/または読み取り専用メモリ(ROM)を含むことができるメモリ155と、一つ以上の内部記憶デバイス150(たとえば、ハードディスクドライブ、コンパクトディスクドライブ、または内部フラッシュメモリ)と、電源180と、もう一つの通信インターフェース160と、外部記憶装置165と、ディスプレイ170と、さまざまな入力/出力デバイスおよび/またはインターフェース175(たとえば、受信機、送信機、スピーカ、ディスプレイ、出力ポート、キーボード、キーパッド、マウス、位置検出式スタイラス、位置検出式プローブ、フットスイッチなどのユーザ入力デバイス、および/または音声命令をとらえるためのマイクロホン)とを含むことができる。
各々の構成要素の一つのみが図1に示されているが、任意の数の各々の構成要素が、制御および処理ユニット140内に含まれ得る。たとえば、コンピュータは、通常、いくつかの異なるデータ記憶媒体を含む。さらに、バス142は、構成要素のすべて間の単一の接続として示されているが、バス142は、構成要素の二つまたはそれ以上をリンクする一つ以上の回路、デバイスまたは通信チャネルを表すことができる。たとえば、パーソナルコンピュータでは、バス142は、しばしば、マザーボードを含み、またはマザーボードである。
一つの実施形態では、制御および処理ユニット140は、汎用コンピュータまたは任意の他のハードウェア等価物でよく、または含むことができる。制御および処理ユニット140はまた、一つ以上の通信チャネルまたはインターフェースを介してプロセッサ145に接続された一つ以上の物理的デバイスとして実装され得る。たとえば、制御および処理ユニット140は、特定用途集積回路(ASIC)を使用して実装されてよい。代替的には、制御および処理ユニット140は、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせとして実装することができ、ここではソフトウェアは、プロセッサ内にメモリからまたはネットワーク接続を介してロードされる。
制御および処理ユニット140は、プロセッサにおいて実行されたとき、本開示に説明する一つ以上の方法をシステムに実行させる命令の組によってプログラムされ得る。制御および処理ユニット140は、図示するものよりさらに多くのまたは少ない構成要素を含むことができる。
コンピュータおよびコンピュータシステムを完全に機能させるという文脈で一部の実施形態を説明してきたが、当業者は、さまざまな実施形態を、プログラム製品として多様な形態で配布することができ、配布を実際にもたらすために使用される機械またはコンピュータ可読媒体の具体的なタイプに関わらず適用できることを理解するであろう。
コンピュータ可読媒体は、データ処理システムによって実行されたとき、システムにさまざまな方法を実行させるソフトウェアおよびデータを記憶するために使用され得る。実行可能なソフトウェアおよびデータは、たとえばROM、揮発性RAM、非揮発性メモリ、および/またはキャッシュを含むさまざまな場所において記憶され得る。このソフトウェアおよび/またはデータの一部分は、これらの記憶デバイスの任意の一つ内に記憶され得る。一般に、機械可読媒体は、情報を、機械(たとえば、コンピュータ、ネットワークデバイス、パーソナルデジタルアシスタント、製造ツール、一つ以上のプロセッサの組を備えた任意のデバイスなど)によってアクセス可能な形態で提供する(すなわち記憶および/または送信する)任意の機構を含む。
コンピュータ可読媒体の例は、それだけに限定されないが、とりわけ、揮発性および非揮発性メモリデバイス、読み取り専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリデバイス、フロッピおよび他の取り外し可能なディスク、磁気ディスク記憶媒体、光学記憶媒体(たとえばコンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイルディスク(DVD)など)などの記録可能および記録不能なタイプの媒体を含む。命令は、電気的、光学的、音響的または他の形態の伝搬信号、たとえば搬送波、赤外信号、デジタル信号などのためのデジタルおよびアナログ通信リンク内に埋め込まれ得る。
本開示の一部の態様は、少なくとも部分的にソフトウェアに埋め込まれ得る。すなわち、この技術は、コンピュータシステムまたは他のデータ処理システムにおいて、マイクロプロセッサなどのそのプロセッサに応答して行うことができ、このプロセッサは、たとえばROM、揮発性RAM、非揮発性メモリ、キャッシュ、磁気および光学ディスク、または遠隔記憶デバイスなどのメモリ内に含まれた一連の命令を実行する。さらに、命令は、コンパイルされリンクされたバージョンの形態でデータネットワークを介してコンピューティングデバイス内にダウンロードすることができる。代替的には、上記で論じたようなプロセスを実行するロジックは、大規模集積回路(LSI)、特定用途集積回路(ASIC)のような別個のハードウェア構成要素、または電気的に消去可能なプログラム可能な読み取り専用メモリ(EEPROM)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのファームウェアなどの追加のコンピュータおよび/または機械可読媒体内に実装され得る。
次に図3を参照すれば、図2A〜Cに示す一体式流体処理カートリッジ実施形態を使用して試料の自動化された遠心分離および洗浄を行う方法の例を説明する流れ図が提供される。本方法の例は、一つの非限定的な例のみを示すが、多種多様な他の方法(たとえば、上記で説明したような弁を必要としない方法、または遠心分離中に弁のラッチ作用を必要としない方法)を本開示の教示にしたがって使用できることが理解されよう。本実施形態例により、弁250および255は、カートリッジインターフェイシング組立体130の弁作動機構によって係合されないとき、閉構成にラッチされるように構成される。そのような弁の操作を説明する特有の実施形態例は、以下に詳細に説明される。
300において、試料は、最初、マクロ流体遠心分離チャンバ200内の取り外し可能な蓋またはキャップからの直接的な付加、または以下に提供する実施例において説明するような、一体式流体処理カートリッジ120とインターフェースされた試料チャンバからの抽出などの、本開示において説明するさまざまな方法の一つにしたがって、マクロ流体遠心分離チャンバ200に加えられる。この操作およびカートリッジ上の流体移送を必要としないその後の操作は、任意選択により、弁250および255が閉状態にある状態で行われて、試料が導管230および240に入ることを防止する。弁のこの閉状態は、カートリッジインターフェイシング組立体130を、弁が閉状態において能動的に作動されるように、または弁がラッチ式に閉じられるタイプのものである場合、作動機構が弁をラッチ式に閉じられた状態におくように制御することによって達成され得る。試料のマクロ流体遠心分離チャンバ200への付加の後、試料、および任意選択により、このステップ中に存在し得る、またはマクロ流体遠心分離チャンバ内に導入され得る事前処理液体が、305において示すように、任意選択により混合され得る。そのような混合は、たとえば、遠心分離機110の周期的またはランダムの回転動作、遠心分離機内に内蔵することができ、または遠心分離機110に取り外し可能に係合することができる振動機構、および/または一体式流体処理カートリッジ120などのさまざまな機構によってもたらされ得る。この動作は、たとえば1mmから10mmの範囲の軌道直径および60RPMから2000RPMの範囲内の軌道速度を有する軌道的なものになり得る。動作はまた、非円形または線形でもよく、カートリッジまたはカートリッジレセプタクルの一つの端部またはその近くにのみ適用することができ、カートリッジまたはカートリッジレセプタクルは、別の側では、反対側の端部においてまたはその近くでヒンジ機構上に支持される。混合はまた、一体式流体処理カートリッジを周期的に反転させるまたは部分的に反転させるための反転機構によって行われてもよい。混合機構は、カートリッジ、電動ロータ、または電動ロータ内に含まれるカートリッジレセプタクルと適切に係合されたカートリッジインターフェイシング組立体130内に一体化されて、周期的反転または部分的反転を、一体式流体カートリッジ、またはカートリッジを含むカートリッジレセプタクルに付与する。反転は、遠心分離チャンバが、その上面を下方向に向け、その軸を垂直にして方向付けられるようなもの、または、垂直から0から90度の範囲内の、垂直軸からの角度で配置されるようなものになり得る。
任意選択の混合に続いて、遠心沈殿310が行われ、それによって、一体式流体処理カートリッジ120は、遠心分離機110によって遠心分離にかけられ、それにより、マクロ流体遠心分離チャンバ200内の粒子状物質(たとえば微生物細胞などの細胞)が沈殿される。遠心分離は、カートリッジインターフェイシング組立体130の係合無しに行われ、それにより、遠心分離機110の電動ロータ114は、回転することができ、弁250および255は、閉構成にラッチされることが理解されよう。
沈殿に適した電動ロータ114の回転速度は、遠心分離される試料に関連付けられたいくつかのパラメータによって決まる。たとえば、試料処理溶液の支援の下で血液細胞の溶解後に血液試料から得られる微生物細胞の遠心分離に適したパラメータが、PCT特許出願のPCT/CA2013/000992に提供される。標的粒子状物質の特性、懸濁流体溶液の特性およびロータ表面形状の知識が当業者によって使用されて、粒子状物質の所望の沈殿をもたらすのに適切な速度および時間を決定することができる。代替的には、沈殿速度および時間は、実験的に決定され得る。一部の実施形態では、液体中の標的粒子状物質のすべてまたはほぼすべての沈殿が望まれ、沈殿パラメータは、すべてのそのような粒子が、遠心チャンバの上澄み抽出ポート256を超えた領域に到達すること、または任意選択により、遠心分離中に遠心チャンバ内の径方向に最も遠い範囲に到達することを可能にするように選択される。代替的には、サイズまたは密度の相違の結果として種々の沈殿係数を有する粒子状物質を含む懸濁された試料の場合、所望の範囲内の沈殿係数を有する粒子状物質の一部分を保持することが望ましくなり得、沈殿パラメータは、粒子状物質のそのような部分が、上澄み抽出ポート256を超えた遠心チャンバの領域内に入ることを可能にするように選択される。
遠心沈殿に続いて、結果として生じた上澄みの一部分が抽出される。315に示されるように、上澄みの抽出の前、電動ロータ114は、停止させられ、カートリッジインターフェイシング組立体130は、マイクロ流体デバイス205を介して一体式流体処理カートリッジ120に係合され、弁255が開かれる。カートリッジインターフェイシング組立体130はまた、320に示されるように、空気移動デバイスをポート260に係合させ、空気移動デバイスを作動させてマクロ流体遠心分離チャンバ200と排気された上澄みチャンバ220との間に正の圧力差を生成し、その結果、上澄みをマクロ流体遠心分離チャンバ200から上澄みチャンバ220に抽出する。こうして、空気移動によって誘発された上澄みの流れが、上澄み抽出ポート256および上澄み供給チャネル240内で起こる。それによってマクロ流体遠心分離チャンバ200から除去される上澄みの量は、空気の等価の量をマクロ流体遠心分離チャンバ内へと空気移動デバイスによって移動させることによって、少なくともほぼ制御され得る。代替的には、マクロ流体遠心分離チャンバ内への空気移動は、上澄みレベルが上澄み抽出ポート256に到達し、さらなる上澄みが除去できなくなるまで行われ得る。通常、この操作において移動されなければならない空気量は、遠心分離チャンバ内の既知の液体量から予め決定され得る。後者の場合、マイクロ流体遠心分離チャンバから除去される上澄みの量、またはマクロ流体遠心分離チャンバ内に保持される上澄みの量は、遠心チャンバ内の上澄み抽出ポート256の場所によって決定される。
洗浄および洗浄された沈殿物の再懸濁を伴う実施形態例では、上澄み抽出ポート256の場所に関するいくつかの考慮は、各々の洗浄後、または最終の粒子状物質再懸濁ステップ342後に必要とされる残留上澄みの量、および以下により詳細に論じる必要とされる洗浄希釈係数になり得る。上澄み抽出ポート256の適切な場所の別の考慮は、上澄みの抽出が、たとえば、沈殿した粒子状物質のすべてまたは一部分を再懸濁し得る上澄み抽出ポート256から出る流れに起因する流体力の結果、沈殿した粒子を妨害しないことである。
上澄み抽出に続いて、沈殿した粒子状物質は、342に示すような混合操作によって残留流体内に再懸濁され、図345に示すように、いかなる洗浄ステップも伴わずに収集され得る。本明細書では最終粒子状物質の懸濁液と呼ばれる、残留流体内に再懸濁された粒子の収集は、ピペットまたはシリンジによって、遠心チャンバ200上の開放可能なキャップまたは開孔可能な膜を介して行われ得る。代替の実施形態が以下に論じられ、そこでは、遠心チャンバ内の追加の開口部により、最終の粒子状物質懸濁液を、上記で論じた上澄みの除去に類似する形で除去することが可能になる。
一部の実施形態では、洗浄操作または一連の洗浄操作が必要とされ、そのため、325に示すように、希釈液体のある量が希釈剤チャンバ210からマクロ流体遠心分離チャンバ200に分注され得る。弁255が閉じられ、弁250が開かれて、マクロ流体遠心分離チャンバ200を希釈剤チャンバ210と流体連通させる。330に示されるように、希釈液体は、空気移動機構コネクタをポート260に係合させ、空気をマクロ流体遠心分離チャンバ200から制御可能に排出することによってマクロ流体遠心分離チャンバ200内に分注される。こうして、空気移動によって誘発された希釈液体の流れは、希釈供給チャネル230内に起こる。希釈供給チャネル230がマクロ流体遠心分離チャンバ200に入る希釈剤抽出ポート251の場所は、好ましくは、マクロ流体遠心分離チャンバ内に達成される液体レベルの最高範囲の上方に配置される。
希釈液体の分注に続いて、カートリッジインターフェイシング組立体130が、任意選択により、図332に示すように、混合操作の必要に応じて係合されて、沈殿した粒子状物質を再懸濁し、残留上澄みをマクロ流体遠心分離チャンバ200内の希釈液体と混合する。
任意選択の混合ステップに続いて、カートリッジインターフェイシング組立体は、335に示すように係合解除され、遠心沈殿が、310に示すように再度行われて粒子状材料を再沈殿させ、カートリッジインターフェイシング組立体は、315に説明するようにカートリッジと再係合される。320のように上澄みを除去した後、洗浄サイクルは、行われたとみなされる。単回の洗浄サイクルしか必要でない場合、沈殿した粒子状物質は、342に示すように残留流体内に再懸濁され、345に示すように濃縮された懸濁液として収集され得る。代替的には、1回以上の追加の洗浄サイクルが、325から335および310から320を1回以上反復することによって行われ得る。必要とされる洗浄サイクルの回数は、必要とされる希釈係数に関連付けられ得るパフォーマンス要求事項によって決定され得る。洗浄サイクル希釈係数DFは、図3のステップ320の後、遠心分離チャンバ内に残る上澄みの残留量(VR)、およびステップ330においてマクロ流体遠心分離チャンバ内に分注された希釈剤の量(VD)から、DF=(VD+VR)/VRにしたがって算出され得る。
上記で留意したように、一体式流体処理カートリッジ120のさまざまなチャンバ間の流路または導管は、弁によって制御可能に開閉される。弁の特有の例は、本明細書において提供する例の多くにおいて示されてきたが、弁は、それだけに限定されないが、ピンチ弁、ボール弁、ダイアフラム弁、ディスク弁、およびプラグ弁を含む、デバイス上の流体路またはポートに適合可能な任意の適切な機構を使用できることが理解されよう。特有の弁の実施例は、以下に提供される。
代替の実施形態では、一体式流体処理カートリッジ120のチャンバ間の流体移送は、遠心分離中に作動され得る。たとえば、そのような実施形態は、遠心的に誘発された圧力を使用して行われて、上澄みを上澄み抽出ポート256および上澄み供給チャネル240を通して上澄みチャンバ220に送り出す(express)ことができる。十分な時間が経過して、その間に弁255が開いた状態で遠心分離が起きた後、当初は上澄み抽出ポート256より高かった上澄み表面が上澄み抽出ポート256の底部のレベルに到達し、上澄み移送が完了する。弁255は、次いで、その後のプロセスステップのために閉じられ得る。
この実施形態に関して、上澄み供給チャネル240、上澄み供給ポート257および上澄みチャンバ220内の液体の自由表面はすべて、マクロ流体遠心分離チャンバ200内の上澄みの自由表面の最終遠心半径と等しい、またはこれより大きい遠心径方向位置を有さなければならない。そのような実施形態の実施例が図2Dに示され、ここでは、上澄みチャンバは、上澄み供給ポート257Aが、遠心分離中に上澄み抽出ポート256より大きい遠心半径を有するように、マクロ流体遠心分離チャンバ200の下方に配置される。この実施形態は、沈殿した粒子が、上澄みの抽出中に遠心力によって堅固に保持され、流出する上澄みの流れによって生成される流体力によって沈殿物を妨害するリスクを小さくする点で有益になり得る。これは、上澄み抽出ポート256をマクロ流体遠心分離チャンバ200内に低く置くことを可能にし、この位置は、前に説明したように、電動ロータ114が停止している間に上澄みが除去される場合より低い。上澄み抽出ポート256のより低い位置により、より少ない残留上澄み量が生成され、さらに高い洗浄効率性および高く濃縮された懸濁液もまた、達成され得る。
そのような実施形態では、弁255は、遠心分離中に制御可能に作動される。そのような制御可能な作動は、電動ロータ114内に収容された電磁石アクチュエータを使用して、電磁的に達成されてよく、電磁石アクチュエータは、制御装置(たとえば制御および処理ユニット140、または制御および処理ユニット140とインターフェース接続された電気制御装置)に、スリップリングなどの回転式インターフェイシング機構によって外部から接続される。他の実施形態では、弁は、遠心分離中に遠心分離機110上に位置する空気式作動機構を介して作動されてよく、この場合、空気式作動機構は、流体回転式継手によって外部の空気圧力源にインターフェースされる。
別の実施例では、一体式流体カートリッジは、遠心分離中にチャンバ間に差圧をかけることを可能にする機構を備えたレセプタクル内に、電動ロータを停止させる必要なく受け入れられる。そのような実施形態は、電動ロータを停止させ、一体式流体カートリッジをカートリッジインターフェイシング組立体と位置合わせするのに伴う時間を回避することによって全体的な処理時間を低減し、カートリッジインターフェイシングユニットを一体式流体カートリッジと位置合わせする必要性を回避するために有益になり得る。電動ロータは、チャネル内の遠心力を低減するために、チャンバ間に差圧をかける間(および弁の作動中)、その回転速度を低減するように制御され得る。光学的検出システムなどの他の非流体構成要素が、追加的に、または代替的に電動ロータと一体化され得ることが理解されよう。
たとえば、ポンプ機構が、電動ロータまたはレセプタクルと一体化されてよく、この場合、ポンプは、外部制御装置に(たとえば、電気スリップリングを介して)電気的にインターフェースされ、それにより、ポンプは、電動ロータの回転中に作動され制御され得る。ポンプは、高速の回転中に遠心力に耐えるように構築され方向付けられなければならない。代替的には、流体回転式継手を介してカートリッジとインターフェースされる外部空気移動ポンプ機構が、使用され得る(ここでは、この空気移動ポンプ機構は、任意選択により、一つ以上の弁を含む)。
図4Aおよび4Bは、追加の流路が、最終粒子(たとえば細胞)懸濁液を、遠心分離および洗浄に続くさらなる処理のためにマイクロ流体デバイスに移送するために設けられる実施形態例を示す。図4Aでは、沈殿物抽出チャネル282が設けられ、沈殿物抽出チャネル282は、マクロ流体遠心分離チャンバ200の遠位領域(たとえば、マクロ流体遠心分離チャンバの底部または遠位領域内の沈殿物の沈殿に関連付けられた別の場所)内に位置する沈殿物抽出ポート281を、マイクロ流体デバイスに接続し、沈殿物抽出制御弁280によって制御される。沈殿物抽出チャネル282は、たとえば、その後の収集または処理のためにマイクロ流体デバイス内の貯蔵チャンバに、または外部手段によって試料を収集するように設計された出口ポートに通じることができる。
代替的には、図4Bに示すように、沈殿物抽出ポート281は、マクロ流体遠心分離チャンバ200内に、マクロ流体遠心分離チャンバの底部の上方で上澄み抽出ポート256の下方にいくらか高さをずらして位置する。この実施形態例は、最終粒子懸濁液の上部分の除去を可能にする。
一つの実施例においては、沈殿物は、二つ以上のタイプの粒子を含むことができ、粒子の第1のサブセットは、粒子の第2のサブセットより大きいサイズを有することができる。一部の用途では、粒子の第2のセット(の少なくとも一部分)を粒子の第1のセットから分離することが望ましくなり得る。再懸濁ステップ342後に得られた懸濁液は、より高い沈殿速度を有する粒子の第1のセットが、沈殿物抽出ポート281の下方の位置に移動するように所定の長さの時間の間、所定の速度で遠心分離にかけられてよく、それにより、これらの粒子を有さない粒子懸濁液は、沈殿物抽出ポート281において除去され得る。
追加の開口部、弁、および流体導管が、遠心チャンバの遠位領域と、上澄み抽出ポート256との間に導入されてよく、それにより、これらの開口部を通る最も上側から最も下側までの一連の抽出が行われて、最終粒子懸濁液の各々それぞれのレベルから一連の粒子懸濁液を得ることができ、任意選択により、分留された懸濁液の抽出および任意選択の収集を可能にする。任意選択により、最終の粒子再懸濁ステップ342に続き、制御された遠心ステップが行われてよく、このステップでは、最も上側から最も下側の開口部までの一連の抽出は、増大していく粒子沈殿速度を有する粒子を含む一連の粒子懸濁液を生み出す。
別の実施形態では、沈殿物抽出ポート281は、微生物細胞などの分離された粒子を保持するように構成された緩衝液体のメニスカス(meniscus)のすぐ上方に配置され得る。この実施形態は、図5を参照して以下により詳細に論じられる。
本明細書において説明する実施形態例の多くは、上澄みチャンバおよび希釈剤チャンバを含む一体式流体処理カートリッジを使用するが、他の実施形態では、一体式流体処理カートリッジは、そのようなチャンバの一つ以上を含まなくてよいことが理解されよう。たとえば、一体式流体カートリッジは、上澄みチャンバおよび希釈剤チャンバの不存在下で、側面を介してマイクロ流体デバイスにインターフェースされるマクロ流体遠心分離チャンバを含むことができる。そのようなデバイスは、試料の遠心分離を行い、任意選択により、さらなる流体処理をその中で行うためにマイクロ流体デバイス内に沈殿物を抽出するために使用され得る。別の実施形態例では、一体式流体処理カートリッジは、希釈剤チャンバの不存在下で、マクロ流体遠心分離チャンバを含むことができ、マクロ流体遠心分離チャンバは、遠心分離後に沈殿物から上澄みを分離するために、マイクロ流体デバイスを介して、上澄みチャンバに流体的にインターフェースされる。そのような実施形態は、さらなる流体処理に関係する成分が上澄みである用途において有用になり得る。そのような実施形態では、上澄みチャンバは、上澄みをマイクロ流体デバイス内に抽出し、その中で任意選択の追加の流体処理を行うために、中に設けられたポートを通して、マイクロ流体デバイスに流体的にインターフェースされ得る。
一部の実施形態では、一体式流体処理カートリッジ120は、操作中に液体レベル、圧力、および/または液体の流れを検出するために一つ以上の一体式のセンサを含むことができる。そのような実施形態は、内部プロセス制御としてシステムパフォーマンスを検証するのに有用になり得る。一つの実施例では、一つ以上の電極が、一体式流体処理カートリッジ120内に存在するさまざまなチャンバの任意の一つ以上内に置かれ得る。たとえば、複数の電極が、種々の場所に、マクロ流体遠心分離チャンバ200の長手軸に沿って置かれてよく、電極は、所与の電極が液体と接触しているか否かを決定するために、基準電極または基準電圧に対して調べられてよく、それによってチャンバ内の別個の液体レベルの検出を可能にする。一つ以上の電極が、たとえば、上澄み抽出ポート256を通した上澄みの抽出後に保持される残留液体に関連付けられたメニスカスレベルの上方などの場所に位置付けられてよい。電極はまた、ポート260が液体によって汚染されるか否かに関する表示をもたらすために、ポート260に隣接して、またはすぐ下方に位置付けられてもよい。電極は、マクロ流体遠心分離チャンバ200内の所望のレベルに位置付けられて、試料および/または希釈剤の十分な量が存在することを示すことができる。基準電極は、マクロ流体遠心分離チャンバ内の十分低いところに置かれてよく、それにより、基準電極は、常に、マクロ流体遠心分離チャンバ内の残留流体内に沈められ、上記レベルは、さまざまな電極と基準電極の間の連続性または抵抗の測定によって検出され得る。
感知された電気信号は、流体移送中にカートリッジインターフェイシング組立体130がカートリッジ120またはレセプタクル112に係合されたときに監視され得る。電気信号はまた、遠心分離中にたとえば、電動ロータ114と共に回転し、光学信号を、回転しない固定された応答装置に送信する(また、任意選択によりそこから受信する)光学応答装置、(電動ロータ114と共に一方が回転する)無線トランスシーバの対、または電気スリップリングを介する制御および処理ユニット140への電気的接続などの多様な変換方法および機構の任意の一つにしたがって監視され得る。インピーダンス測定が、所与のチャンバ内の液体の一つ以上の側面を測定するまたは特徴付けるため、たとえば、マクロ流体遠心分離チャンバ200内の血液細胞の溶血を検証するために行われてもよい。追加的に、または代替的には、一つ以上の圧力センサが、一体式流体処理カートリッジ120内の圧力を電動遠心分離機の回転中に動的に調べるために、一体式流体処理カートリッジ120内に設けられ得る。
他の実施例では、液体レベル感知は、一体式流体処理カートリッジの画像を回転中に(十分に高速のフレームレートを有するカメラを使用して)得る外部の画像カメラを使用して達成されてよく、ここでは、画像カメラは、任意選択により、一体式流体処理カートリッジ120が所与の角度位置にあるときに定期的にフレームを得る(任意選択により、n>1である場合で、n回転あたり一つの画像を得る)ように同期化され、それによって、液体レベルおよび液体輸送の動的な追跡を可能にする。十分に明確な画像化を達成するために、ロータの回転速度を一時的に低減することが有益になり得る。他の実施形態例では、液体レベルは、一つ以上の光線(たとえば、集束されたまたは視準されたレーザ光線)をカートリッジ上に向け、反射された信号を監視して、光線が一体式流体処理カートリッジ内の液体と遭遇するときを決定することによって得られ得る。そのような光線は、任意選択により、液体レベルの検出のために一体式流体処理カートリッジのさまざまな領域をサンプリングするために走査され得る。
前述の液体レベル感知の実施形態例はまた、遠心分離中の上澄みまたは他の流体移送を上記で述べた実施形態例にしたがって監視するのに有用になり得、感知された液体レベルは、弁の閉鎖および/またはチャンバ間の差圧の付加を制御するために使用され得る。
図5の概略図例を参照すれば、一例である一体式流体処理カートリッジ500が描かれており、これは、たとえば、PCT特許出願のPCT/CA2013/000992に開示された方法にしたがって、濃縮された懸濁液を得るために液体中の粒子を自動式に分離および洗浄するのに適した要素を組み込む。一体式流体処理カートリッジの一例は、試料移送レセプタクル501と、マクロ流体遠心分離チャンバ502と、希釈剤チャンバ504と、上澄みチャンバ506とを含む。希釈剤チャンバ504は、洗浄バッファ流体505によって事前充填され、マクロ流体遠心分離チャンバ502に、遮断弁512を装備する導管510を介して流体的に接続され、大気へのベント515を含み、他の部分では閉じられる。上澄みチャンバ506は、マクロ流体遠心分離チャンバ502に、遮断弁513を装備する導管511を介して流体的に接続され、大気へのベント516を含み、他の部分では閉じられる。マクロ流体遠心分離チャンバ502は、円錐または丸型の底部形状と、遠心分離中に粒子(たとえば微生物細胞)の吸収または捕集を最小限に抑える平滑な内面とを有し、それぞれの導管に通じる開口部522、523、524、525、526以外は閉じられる。
一部の実施形態例では、マクロ流体遠心分離チャンバは、血液含有試料(たとえば、全血、血液培養試料、または他の血液含有試料)の処理のために使用され得る。そのような実施形態では、マクロ流体遠心分離チャンバは、事前処理流体503を含むことができ、事前処理流体503は、血液細胞の溶解のための活性剤と、微生物細胞の回収を支援し、標的核酸の完全性および回収を損ない得る細胞の圧縮負傷を最小限に抑えるための緩衝流体529とを含むことができる。
緩衝流体は、流体の残りの部分より高い密度のものであり、マクロ流体遠心分離チャンバの底部に重力および遠心力の下で沈着するように不水溶性である。試料移送レセプタクルは、レセプタクルの底部に装着された針507を装備する。針は、マクロ流体遠心分離チャンバ502に通じる、遮断弁509を装備する流体路508に接続される。開孔可能なキャップ521を備えた、たとえば、バキュティナ(Vacutainer)(登録商標)血液収集チューブ、または血液試料および増殖培地を含む血液培養チューブなどの試料チューブまたは容器520が、試料移送レセプタクル内に挿入されてよく、それにより、針507はキャップ521に孔を開け、こうして針および流路508を介したカートリッジへの試料流体の移送を可能にする。任意選択により、針507は、針を汚染から保護する開孔可能なフード508で覆われる。
一例である一体式流体処理カートリッジ500は、(以下に説明するベント以外は)閉じられたカートリッジであり、試料の挿入に続いて、カートリッジのチャンバおよび導管内の濃縮された懸濁液の分離および洗浄に必要とされる機能すべてを行い、すべての試薬および溶液をカートリッジ上のチャンバ内に貯蔵し、廃棄上澄みを含むすべての余分な液体をカートリッジ上のチャンバ内に保持する。ベントおよびポートの一つ以上は、デバイスの標的範囲内への微生物病原体の進入を防止するのに十分小さい孔サイズを有する空気透過性膜によって保護され得る。本実施形態例によれば、すべて余分な廃棄液体は、カートリッジ上に貯蔵され、ユーザに露出しない。こうして、閉じられたカートリッジは、ユーザを試料との直接接触から保護し、試料を、分離および洗浄プロセス中に外部の因子によって汚染されにくくするためのデバイスとなる。
上記で留意したように、自動化された分離および洗浄プロセスが、図3に全体的に説明される。カートリッジは、図1に全体的に説明するようなカートリッジインターフェイシング組立体を含む、必要なデバイスおよび機能を装備する機器内に挿入される。カートリッジインターフェイシング組立体は、カートリッジ弁509、512、513、および517の作動を含む必要な作用を行うのに必要とされるすべての構成要素と、正および負の両方のゲージ圧力をカートリッジ遠心分離チャンバにカートリッジポート518を介して付加することができる空気移動デバイスとを装備する。
試料を含む試料チューブ520は、カートリッジ500の試料移送レセプタクル501内に挿入され、こうしてチューブキャップ521を突き刺して、図3の300において示すように、マクロ流体遠心分離チャンバへの試料移送を行う。カートリッジインターフェイシング組立体は、カートリッジと、以下に詳細に説明するカートリッジレセプタクルを介して係合し、弁509が開かれ、弁512、513および517が閉じられるように作動され、こうして、試料チューブからの経路508を除く、マクロ流体遠心分離チャンバから出ているすべての流体路をシールする。
空気移動デバイスは、ポート518と、ポートと共にシールされた接続をもたらすコネクタを介して係合される。任意選択により、剛性または可撓性のチューブが、空気移動デバイスをコネクタに接続する。マクロ流体遠心分離チャンバ502への試料移送は、空気移動デバイスを操作して空気をマクロ流体遠心分離チャンバから抽出して、流体試料の流れを試料チューブ520からマクロ流体遠心分離チャンバ502内に流体路508を介して引き起こすことによって行われる。ポート518の入口523は、流体レベルの上方に、また、十分な空隙を流体レベルと入口523の間に有し、それによって流体が入口523に入りポート518まで流れないように配置されなければならない。空気移動によって活性化される流れは、試料の所定の量が、マクロ流体遠心分離チャンバ内に移送されるように制御されて行われる。
一つの実施形態では、流路508の入口522もまた、流体レベル上方の空隙内にあり、それにより、試料の所望の量の移送に続いて、ポート518を介する空気移動が逆転されて、少量の空気移動をマクロ流体遠心分離チャンバ内にもたらし、試料流体の流路508を空け、この残留試料を移動させて試料チューブ520内に戻すことができる。次いで、弁509は、閉じられ、試料チューブ520は、任意選択により、レセプタクル501から取り外される。
上記で留意されたように、試料事前処理流体は、試料移送プロセスの前に、チャンバ内に存在することができ、または代替的には、これは、事前処理流体チューブから試料に類似するやり方で移送されてよい。代替的には、事前処理流体貯蔵チャンバがカートリッジ上に設けられてよく、弁およびエアベントを備えた流路が事前処理流体をマクロ流体遠心分離チャンバに、以下に説明するような洗浄バッファのマクロ流体遠心分離チャンバへの移動に類似するやり方で移動させることを可能にするために設けられてよい。
試料のマクロ流体遠心分離チャンバ502への導入の後、試料および事前処理液体は、任意選択により、図3の305のように混合され得る。混合機構が設けられてよく、それによって、機器は、カートリッジの渦撹拌(vortexing)、振動、または周期的反転を行う。この操作は、弁がマクロ流体遠心分離チャンバ502から出現するすべての流体路を閉じた状態で行われる。弁がポート518に通じる流体路上に設けられて、混合中に流体が空気路に入ることを防止することができる。加えて、または代替的には、流体の通過を防止する空気透過性膜が、空気路内の、マクロ流体遠心分離チャンバとポート518の間に置かれて、流体がポート518に到達することを防止することができる。この膜はまた、微生物が環境からまたは空気移動デバイスから進入することを防止するための空気フィルタとして働くように構成され得る。代替的には、ポート518とマクロ流体遠心分離チャンバの入口開口部523との間の経路は、一般的な状況下で、流体が開口部523に入ることが防止され、またはポート518まで進むことが防止され得るように高い流体抵抗を有するように設計され得る。同様に、希釈剤チャンバ505および上澄みチャンバ506内それぞれのベント515および516は、空気透過性膜および/または高い流体抵抗を有する経路を装備して類似の目的を果たすことができる。
混合ステップ305に続いて、遠心沈殿ステップ310が行われ、それによって、カートリッジインターフェイシング組立体は、電動ロータ114から係合解除され、カートリッジ120は、マクロ流体遠心分離チャンバ内の粒子(たとえば、微生物細胞)が、緩衝液体上に、たとえば、PCT特許出願のPCT/CA2013/000992の方法にしたがって沈殿するように遠心分離にかけられ得る。遠心分離機は、角度遠心分離機または吊り下げバケット遠心分離機でよく、遠心パラメータは、PCT特許出願のPCT/CA2013/000992に提供された条件にしたがって選択され得る。
マクロ流体遠心容器内で流体にかけられた相対遠心力は、たとえば、1000から15,000g、またはたとえば2,000から12,000g、またはたとえば3000から10,000g、またはたとえば3,000から7,000g、またはたとえば5,000から10,000g、またはたとえば4,000から8,000gの範囲内でよい。生体試料からのバクテリアおよび真菌細胞の分離を伴う用途では、適切な相対遠心力(RCF)は、1000gから15000gの範囲内、より詳細には3000gから7000gの範囲内であることが見出されている。
図3の遠心沈殿ステップ310に続いて、遠心分離機ロータが停止され、カートリッジインターフェイシング組立体は、315のように電動ロータに再係合され、上澄み527のマクロ流体遠心分離チャンバから上澄みチャンバ506までの抽出が320のように行われ、それによって、標的沈殿物(たとえば、微生物細胞)を含む残留物528は、マクロ流体遠心分離チャンバ502の底部に保持される。この作用は、弁509、512、および517が閉じたられたままで弁513を開き、空気移動デバイスコネクタをポート518に係合させ、空気をマクロ流体遠心分離チャンバ内に制御可能に移動させることによって行われる。こうして空気移動によって誘発された上澄みの流れが流体路511内で起こり、その入口524は、上澄みの最低範囲の下方に置かれる。任意選択により、入口524は、マクロ流体遠心分離チャンバから送り出される上澄みの最低範囲に置かれ、こうして残留物528がマクロ遠心分離チャンバから抽出されることを防止する。
上澄み抽出ステップ320に続いて、洗浄バッファ分注ステップ325および330が行われ、それによって洗浄バッファがマクロ流体遠心分離チャンバ502内に分注される。この作用は、弁509、513および517を閉じたままで保ちながら弁512を開き、空気移動デバイスコネクタをポート518に係合させ、空気をマクロ流体遠心分離チャンバ520から制御可能に排出することによって行われる。こうして、空気移動によって誘発された洗浄バッファの流れが流体路510内で起こる。洗浄バッファ経路510の入口525は、好ましくは、マクロ流体遠心分離チャンバ内の流体レベルの最高範囲の上方に置かれる。
洗浄バッファ分注ステップ544に続いて、混合ステップ332が行われて、洗浄バッファとマクロ流体遠心分離チャンバ内の残留流体とを完全に混合する。これは、先に説明したようにカートリッジの渦撹拌、振動、または周期的反転によって行われ得る。
混合ステップ332に続いて、遠心沈殿ステップ310が収集された沈殿物(たとえば微生物細胞)を再沈殿させるために行われ、上澄みは、ステップ320のように遠心分離チャンバから除去される。
一連のステップ325から335および310から320は、集約的に洗浄サイクルを形成し、それによって細胞懸濁液は、洗浄バッファ内で希釈され、粒子が再沈殿され、上澄みが抽出される。洗浄サイクルは、複数回反復されて、十分に希釈された最終懸濁液(たとえば、汚染物および干渉物質が十分に希釈された微生物細胞懸濁液)を得る必要性に応じて複数の追加の洗浄サイクルをもたらすことができる。所望の希釈係数は、試料組成物およびその後の検出手順によって決まる。生体試料からのバクテリアおよび真菌細胞の分離、微生物細胞の電気溶解およびリボソームRNAのRT-PCR増幅による検出を伴う用途を意図する一つの実施形態では、希釈係数は、100から100000の範囲内で選択される。より好ましい範囲は、1000から500000である。血液試料からのバクテリアおよび真菌細胞の分離、微生物細胞の溶解、およびDNAのPCR増幅による検出を伴う別の実施形態では、希釈係数は、阻害物質耐性のポリメラーゼ酵素が、適切なアンプリコン(amplicon)検出スキームを伴って使用される前提で、1の小ささになることができる。全血内のDNA増幅および検出方法の実験的実施は、従来技術(たとえば、エル・エー・ニーリー(L.A.Neely)らの、Science translational medicine 5.182(2013年):182ra54-182ra54.)に報告されている。
最終上澄み抽出ステップ320に続いて、混合ステップ342が、沈殿した粒子(たとえば微生物細胞)を最終残留流体528内に再懸濁して最終懸濁液を生成するために行われる。
再混合ステップ342に続いて、最終懸濁液が、流体路510内の空気移動によって抽出される。最終懸濁液の量は、用途の性質によって決まる。たとえば、意図される用途が、全血または培養血液中の病原体微細物細胞の検出であるとき、最終細胞懸濁液の量は、10μLから500μLの範囲になるように選択され得る。より好ましい範囲は、20μLから120μL、または50から100μLである。最終細胞懸濁液の抽出中に弁517は、開かれ、弁509、512および513は、閉じられ、空気は、ポート518を通ってマクロ流体遠心分離チャンバ内に移動されて、流体を、流体経路516を介して開口部526の外に移動させる。図5に示されるように、開口部526は、最終懸濁液が全体的に、またはその懸濁液のほぼすべてが、緩衝流体529まったく排出することなく、マクロ流体遠心分離チャンバから排出されるように、緩衝流体529の上面に配置されている。代替的には、開口部526は、最終懸濁液および緩衝流体の一部分またはすべてが、マクロ流体遠心分離チャンバから流体路516を通って排出され得るように配置される。流体路516は、次の下流側のカートリッジ要素に通じ、このカートリッジ要素は、一部の実施形態では、チャンバ、またはカートリッジの外側でのさらなる処理のために最終懸濁液をカートリッジから取り出すことを可能にするように構成されたチャンバでよく、他の実施形態では、これは、懸濁液収集チャンバ、またはたとえば以下に説明するような電気溶解チャンバへの流路であってもよい。
[遠心分離ベースの一体式処理カートリッジと追加の流体処理要素との一体化]
以下に説明するように、本開示のさまざまな実施形態例では、一体式流体処理カートリッジ120のマイクロ流体デバイスは、最終残留懸濁液(または所望の場合上澄み)のさらなる処理を支援するために、さまざまな追加の流体構成要素、チャンバ、および特徴で補強され得る。
細胞が最終残留懸濁液内に存在する一つの実施形態例では、上澄みを抽出した後、細胞が再懸濁される。次いで、結果として生じた細胞懸濁液の細胞含有物が、上記で説明したように、沈殿物抽出ポートを通してマイクロ流体デバイスに移送され得る。細胞懸濁液は、次いで、幅広い範囲の細胞分析の任意のものにしたがって調べられ得る。一つの実施形態例では、結果として生じた細胞懸濁液は、少なくとも部分的に透明な光学窓によって形成された平坦なチャネルまたはチャンバに供給され得る。平坦なチャネルまたはチャンバ内に保持された細胞は、光学的に調べられ得る。
たとえば、保持された細胞は、顕微鏡の対物レンズを装備する光学画像化システムによって数えられおよび/または検査され得る。対物レンズは、移動機構上に装着されてチャンバの特定の量を走査することができる。
一つの実施形態例では、細胞は、顕微鏡対物レンズの視野内に位置付けられたゾーン内に位置付けられる。たとえば、細胞は、細胞特有のまたは細胞一般のコーティングなどの、細胞に接着するのに適した材料によってコーティングされた平坦な基板上に保持され得る。細胞はまた、誘電永動などの磁場によって焦点ゾーンに駆動され得る。
低細胞計数の調査を可能にするために、細胞は、マイクロ流体デバイス内に収容されたフィルタの表面上に保持され得る。これは、対物レンズの軸に沿って走査するための要求事項を解消または緩和する。細胞が顕微鏡検査のためにフィルタ上に保持される実施形態例が、図6に提示される。チャンバの厚さより小さい厚さを有するフィルタ61、たとえば膜フィルタが、マイクロ流体デバイスのチャネル内に固定され(ここでは、チャネルは、濃縮懸濁液を沈殿物抽出チャネルに供給するために、沈殿物抽出チャネルと流体連通している)、それにより、チャネルは、二つの部分62および63に分割され、それによって試料内の細胞を、濃縮された懸濁液が入口ポート64と出口ポート65の間に流されるときにフィルタによって保持することを可能にする。一つの実施例では、フィルタは、高密度ポリエチレン、またはポリカーボネート膜などの材料から作製され得る。図6内のチャネルの上側部分66は、薄い透明膜から作製されて光が対物レンズへ透過することを可能にする。
上記で説明したような微生物細胞の顕微鏡検査は、抗生物質感受性試験(AST)を行うために、特に、試料内の微生物細胞計数が小さい非富化試料の場合に使用され得る。一つの実施例によれば、生体試料は、最初、病原体微生物細胞の存在および固有性について、本開示に説明する方法または任意の他の適切な方法を使用して試験される。この決定は、しばしば、関連する医療現場の耐性記録を参照することによって、適切な抗生物質製剤の選択を一つまたはいくつかの候補に絞る。
ASTは、微生物細胞の増殖を十分に支援する適切な媒体でいずれも補強された試料の二つのアリコートを、培養機器によって提供された適切な温度条件の下で培養することによって開始される。抗生物質製剤が、アリコートの一つに加えられ、他方のアリコートは、対照試料として処理される。所定の培養期間が経過した後、二つのアリコートは、マイクロ流体デバイス部分内で処理される。こうして、比較的きれいな細胞懸濁液が、各々のアリコートに対して調製される。次いで、細胞は、上記で説明したようにフィルタリングされたチャンバ内に保持することによって顕微鏡を用いて検査されて、抗生物質製剤に露出された細胞が殺菌されているか(殺菌抗菌製剤の場合)または増殖に関連して阻害されているか(静的抗菌製剤の場合)を検証する。それによって、AST結果が決定される。それにしたがって、本実施形態例は、米国特許出願公開第2013/0217063号に引用されたAST方法を、少ない微生物計数(たとえば、1から100,000 CFU/mlの範囲)の場合まで拡張することを可能にすることができる。アリコートは、別個の一体式カートリッジ上で処理される試料アリコートでよく、または、アリコートは、自動化された遠心の後で得られ、したがってアリコートを分割し、その後単一の一体式流体カートリッジのマイクロ流体デバイス部分内で処理されることを可能にする濃縮された懸濁液のアリコートでよいことが理解されよう。
一部の実施形態では、濃縮された懸濁液をマイクロ流体デバイスに供給する前に流体プロセス中に達成される希釈の量は、懸濁された細胞をフィルタ詰まりを引き起こすことなくフィルタ上で保持することができるように十分に高くなるように選択され得る。適切な希釈レベル(または洗浄レベル)は、生体試料の組成物、希釈前の試料の事前処理の性質、およびフィルタの面積に基づいて決定され得る。
これは、たとえば、標的微生物細胞が全血中にある場合の特有の例を参照することによって例示され得る。たとえば、米国特許出願公開第2013/0171615号は、1M炭酸ナトリウムpH10.0+1%トリトンX-100の等量を使用して血液細胞を溶解することを教示している。提示されたデータによれば、2.5mLの処理された血液は、2.5cmの直径および0.45μmの孔サイズを有する膜フィルタを、大きく詰まらせることなく通過することができる。したがって、2.5x(0.4/25)2mL=0.6μLの未洗浄の溶解された血液試料のみが、40xの顕微鏡対物レンズの視野にほぼ対応する直径0.4mmを有するフィルタを通過することができる。しかし、100xによる血液破片の希釈を提供する洗浄手順は、事前処理ステップからの60μL細胞懸濁液のフィルタリングを可能にする。懸濁液の細胞含有物は、顕微鏡検査の前に追加の流体処理を受け得る。これらの追加の処理ステップは、たとえば、薬剤または他の化学薬剤に所定の期間露出すること、蛍光染料で染みを付けること、または適切なFISH(蛍光原位置ハイブリッド形成(Fluorescence in situ hybridization))試薬によって培養すること、および細胞増殖媒体の追加および任意選択の培養を含むことができる。この操作は、細胞をフィルタリングする前かつフィルタ上に保持した後に行われ得る。
代替の実施例では、マイクロ流体デバイスに抽出され、任意選択により上記で説明したようにその中でフィルタリングされた、濃縮された細胞懸濁液は、マトリックス支援レーザ脱離/イオン化(MALDI)マトリックス材料と混合され、その後、チャンバに流体的に供給することができ、このチャンバから、MALDI試料が、MALDI分析を行うために抽出され得る。一つの実施形態例では、マイクロ流体デバイスは、混合物を一つ以上のウエルに供給するように構成されてよく、これらのウエルは、マイクロ流体デバイスが、一つ以上のMALDI準備試料を提供するようにMALDIに適した基板(たとえば、金属基板)上に形成される。MALDI基板は、次いで、マイクロ流体デバイスから取り外され、既知のMALDI方法にしたがって処理され得る。代替的には、MALDI基板上に形成されたウエルは、開放されたウエルでもよく、またはマイクロ流体デバイスの一つ以上の剥がすことができる、または別の形で取り外すことができる層を取り外すことによって露出され得る。
以下に説明する非限定的な実施形態例は、マイクロ流体デバイスが、前述の実施形態にしたがって抽出された微生物細胞の溶解のための構成要素と、溶解液内に存在する核酸の分子検出を行うためのアッセイチャンバとを含む、一例である一体式流体処理カートリッジに関係する。
本明細書において提供する実施形態例の多くは、懸濁液内の細胞の精製および濃縮に関連するが、本明細書において説明する方法、システム、およびデバイスは、多種多様な関連する実施形態に適合され得ることが理解されよう。たとえば、一部の実施例では、上澄みは、一つ以上の組み入れられたアッセイを行うなどのさらなる流体処理のために抽出され、マイクロ流体デバイスに移動され得る。そのような実施形態は、洗浄ステップを伴わない。他の実施形態では、上澄みおよび残留試料の両方が得られてよく、一方または両方がさらなる処理のためにマイクロ流体デバイスに移送され得る。他の実施形態では、処理のために最初にマイクロ流体デバイスに移送された懸濁液などの流体は、その後、さらなる遠心分離のためにマクロ流体遠心分離チャンバに移送されて戻され得る。
説明する実施形態では、全血試料などの試料がカートリッジ内に挿入され、一連の操作が、カートリッジに対して、専用の機器によって行われて、図7AからDにまとめる機能を行う。
したがって、図7Aに示すように、対象の標的細胞を含む試料は、自動式の分離および洗浄プロセス530を経て、その後、電気溶解および処理531、次いでrRNAの逆転写532が続き、その後、cDNA(および/または任意選択によりgDNA)のPCR増幅533および標的増幅された核酸の多重検出534が続く。機器は、次いで、検出された信号を分析し、その結果をユーザに報告する537。試料の事前処理が、非微生物細胞(血液細胞など)の最初の選択的溶解、その後、図3に全体的に示す遠心分離および任意選択の洗浄サイクルによって行われて、細胞を濃縮し、血液破片を除去する。微生物細胞は、その後、再懸濁され、結果として生じた微生物細胞懸濁液535は、本明細書では、「最終細胞懸濁液」と呼ばれる。最終細胞懸濁液は、微生物細胞が溶解される電気溶解チャンバに進められ、それにより、標的核酸が解放され、電気的に処理される。結果として生じた微生物細胞溶解液536は、次いで、熱チャンバまたは複数の熱チャンバに進められ、ここで逆転写、PCR、およびPCR生成物の検出が、標的微生物の検出の必要に応じて行われる。本明細書において説明する一部の実施形態において提供されるカートリッジは、このプロセスの完全性を維持し、この場合全血試料などの試料がカートリッジに導入され、試料事前処理、遠心分離および洗浄、微生物細胞溶解、逆転写、PCR、および標的PCR生成物の検出に必要とされるすべての要素がカートリッジ内に存在し、カートリッジは、専用の機器を併用して、標的微生物の検出および任意選択により同定に至る全プロセスを行う。
代替の実施形態例は、このプロセスの一部を組み入れることができる。たとえば、カートリッジが事前処理および遠心分離および洗浄プロセス530に必要とされるすべての要素を組み込んだ結果、最終細胞懸濁液が生じ535、この最終細胞懸濁液をカートリッジから取り出し、図7Bのようにカートリッジの外部で処理することができる。
別の実施形態例では、カートリッジは、試料の事前処理、分離および洗浄プロセス530および微生物細胞電気溶解および処理531を組み入れて、溶解液536を生み出し、溶解液536をカートリッジから取り出し、図7Cに示すように外部で処理することができる。
上記で留意したように、一体式流体処理カートリッジ120は、遠心分離に適切な電動ロータによって支持されたレセプタクル内に挿入可能であり、一体式流体処理カートリッジは、一つ以上の流体的特徴(たとえば流体弁)、たとえばポート、流体路、ベント、およびポートを開閉して、空気移動によって誘発される流体移動のために空気移動デバイスとの接続を可能にする弁などを組み込むことができる。弁は、それだけに限定されないが、打ち抜き弁、ボール弁、ダイアフラム弁、ディスク弁、およびプラグ弁を含む、デバイス上の流体路またはポートと適合可能な任意の適切な機構を使用することができる。弁は、流体移動を制御し、および/または指示するために使用されて、電気溶解および処理ならびに/またはPCRサイクリング中に流体の蒸発を制御し、米国特許出願公開第2014/0004501号に説明されるように、過熱が電気溶解および処理チャンバ内で起こることを可能にすることができる。
前述の実施形態例は、試料マトリクスのような全血の処理に関するものであるが、本明細書において開示する方法およびデバイスは、多種多様な標本に適合されてよいことを理解されたい。適切な標本は、それだけに限定されないが、尿、唾液、脳脊髄液、綿棒採取された組織試料、膣試料、および生体起源の他の試料タイプ、および微生物細胞を含み得る非生体試料を含む。試料は、液体試料を(たとえば均質化などのプロセスを使用して)生成するために、固体または部分的固体の試料を処理することによって提供され得る。他の試料のタイプの例は、環境水試料、液体食品試料、および均質化された食品試料などの、微生物試料を含み得る他の液体試料を含む。最初の試料は、一体式流体処理カートリッジに導入する前に、試薬、バッファ、または他の媒体と組み合わせられ得る。
さらに、前述の実施形態例は、核酸の増幅および検出に関するものであるが、本明細書において開示する方法およびデバイスは、他の用途およびアッセイに適合されてよいことを理解されたい。たとえば、溶解液は、細胞内タンパク質を検出するために使用されてよく、または溶解液は、そのような目的のためにカートリッジから取り出されてよい。
追加的に、溶解液の処理は、たとえば、微生物の表現型同定のためのMALDI TOF質量分析などの他の用途に合わせて溶解液を調製するために行われてよい。そのような用途は、図7Dに示すような、必要とされるカートリッジ要素を用いたタンパク質可溶化ステップの組み入れを必要とし得る。そのようなタンパク質可溶化ステップの一例では、溶解液は、アセトニトリルなどの有機溶媒を含むチャンバ内に進められて、可能な限り多くのタンパク質を溶解する。次いで、カートリッジは、任意選択により、遠心分離にかけられて細胞壁分画を沈殿させ、上澄みは、チャンバに進められ、このチャンバは、タンパク質溶液をカートリッジからユーザによって取り出すことを可能にする。
図8および図5の概略図を参照すれば、カートリッジの一部の実施形態は、流体路516および開口部519を介してマクロ流体遠心分離チャンバ502に接続された細胞懸濁チャンバ560と、電気溶解チャンバ561と、溶解チャンバ562とを含む、電気溶解および処理操作のために提供された要素を含む。チャンバ560と561の間および561と562の間の流体路は、遮断弁565および566をそれぞれ含む。流体が、ポート518を介した空気移動によってこの経路を通って流れるようにするために、弁509、512、および513は、閉じられ、弁517、565、および566は開かれる。さらに、空気路およびベントが、溶解液チャンバ562の最も下流側範囲に設けられて、溶解液がチャンバ内に流れることを可能にしなければならない。細胞懸濁液、電気溶解、および溶解液のチャンバの幅および高さは、それぞれ、1mmから30mmおよび0.025mmから1mmの範囲内で選択され得る。
最終細胞懸濁液は、前に説明した抽出ステップ345によって細胞懸濁液チャンバ560に進められ、ここでこれは、電気溶解および処理プロセスの開始前に保持される。代替的には、カートリッジは、細胞懸濁液チャンバを含まず、事前処理された細胞懸濁液は、以下に説明するやり方で電気溶解チャンバ561に直接的に進められ得る。この抽出ステップ中に下流側の弁565、566、567および572は、開いて、流体がチャネル516を通って流れて保持チャンバ560に入ることを可能にする。抽出ステップ345の完了時、カートリッジインターフェイシング組立体120は、電気溶解操作に必要な操作を行う。ポート518に取り付けられた空気移動デバイスは、最終細胞懸濁液の一部分を電気溶解チャンバ561内に移動させてこのチャンバを満たすために使用される。弁565および566は、次いで、閉じられ、電気パルス列が、参照によって全体的に本明細書に組み込まれる、2013年1月25日出願の表題「METHOD AND DEVICES FOR ELECTRICAL SAMPLE PREPARATION」の米国特許出願公開第20140004501号に説明されるやり方で、電気溶解チャンバの電極上にかけられて、電気溶解チャンバ内で細胞懸濁液の微生物細胞溶解および処理をもたらして、微生物細胞溶解液を生成する536。
血液試料中の病原体微生物を検出するよう意図された一つの実施形態例では、洗浄流体は、0.1から1mM範囲内のイオン強度を有するように選択され、この強度は、必要とされる溶解効率内の電気溶解の満足のいく操作に適切なものである。電圧パルス列は、10kHzの周波数においておよそ300バイポーラ矩形パルスおよび等価増幅からなり、それにより、チャンバ内の磁場は、約10kV/cmとなる。細胞懸濁液は、およそ120℃を上回る温度まで短時間に過熱されて、真菌細胞を効果的に溶解する。電気チャンバを過剰に加圧することを回避するために、電気チャンバ温度は、パルス列中監視されて、チャンバを過剰に加圧することを回避する。これは、チャンバ上を進む温度依存電流を、米国特許出願公開第20140004501号の方法にしたがって監視することによって行われる。一つの実施形態では、これは、パルス列の約五つの最初のサイクルに対して平均化されたピーク電流を測定し、最大許容ピーク電流をこの最初の電流の約3倍に設定することによって達成される。ピーク電流が最大許容値に到達したとき、制御システムは、パルス増幅をその最初の値の約1/3に低下させる。
電気パルス列の完了時、弁565および566は、開かれ、さらなる量の事前処理された細胞懸濁液が、電気溶解チャンバ内に同じやり方で移動され、こうして等価の量の微生物細胞溶解液を流体路568を介して溶解液チャンバ562内に移動させる。そのように移動された量は、全電気チャンバ容積または任意選択により電気チャンバ容積の一部分に等価になることができ、前者は、微生物細胞溶解液の全体量を移動させ、後者は、微生物細胞溶解液の一部分を流体路568およびチャンバ562内に移動させる。弁565および566は、再度閉じられ、電気パルス列が、電気チャンバにかけられる。事前処理された細胞懸濁液のさらなる量は、同じようにして、電気溶解チャンバ内に移動され、電気溶解にかけられ、その後、チャンバ562内に移動される。細胞懸濁液の全量、または代替的にはその一部分の電気溶解時、微生物細胞溶解液の残りは、先に説明したように空気移動によって溶解液チャンバ562内に進められる。溶解液チャンバ562から出ている流体路569は、図7Cのような溶解液試料の取り出しのためのポートで終端することができ、または、さらなる処理に必要とされるさらなる導管、弁、およびチャンバまで通じることができる。
本明細書において説明する電気溶解方法は、溶解方法の一例にすぎず、他の溶解方法が、ビーズビーティング(bead beating)、(任意選択により、ビーズビーティング(bead beating)、および化学溶解を伴った)超音波溶解などの他の溶解方法が、代替策として使用されてよいことが理解されよう。
[逆転写、PCRおよび多重検出]
図8の概略図を参照すれば、カートリッジの一部の実施形態は、rRNAのcDNAへの逆転写およびPCR増幅および増幅されたcDNAおよび/またはgDNA生成物の検出のために設けられた要素を含む。gDNA検出のみに意図された一部の実施形態は、逆転写に必要とされる要素を含まない。これらの要素は、溶解液チャンバ562から熱チャンバまたは熱チャンバ563の配列までの流体路569と、熱チャンバまたは熱チャンバの配列からエアベント571までの経路570と、任意選択により、流体路569内の弁567と、任意選択により経路570内の弁572とを含む。好ましくは、熱チャンバまたは熱チャンバの配列は、必要とされる逆転写試薬、PCR試薬、およびプライマを乾燥形態で含み、これらの試薬は、逆転写およびPCRプロセスに必要なすべての成分をそれぞれ含む。一つの実施形態では、逆転写およびDNAポリメラーゼ酵素ならびに適切な保存料を含むマスター混合溶液が、乾燥形態で熱チャンバの壁上に分配される。逆転写およびDNAポリメラーゼ酵素ならびに適切な保存料を含むマスター混合溶液は、乾燥形態で熱チャンバの壁上に分配される。
各々の熱チャンバに選定された標的微生物細胞に全般的に特異的であるリバースおよびフォーワードプライマもまた、乾燥形態で熱チャンバの壁上に堆積される。別の実施形態では、溶解液チャンバが、これらの試薬の一部を乾燥形態で含むことができる。一つの実施形態例では、マスター混合溶液は、乾燥形態で、溶解液チャンバ562の壁上に堆積され得る。一つの実施形態では、マスター混合溶液の乾燥は、チャンバ表面上の凍結乾燥によって達成され得る。代替的には、マスター混合物は、凍結乾燥されたビーズの形態で乾燥され、チャンバ内に貯蔵され得る。別の実施形態では、マスター混合物は、表面上で空気乾燥または真空乾燥される前に、適切な安定化剤によって補強される。この乾燥方法の例示的な実施は、米国特許第8,900,856号に提供されている。
溶解液への露出時、試薬は、一部の実施形態では、乾燥試薬上の流体の流れ、乾燥試薬と接触している溶解流体の撹拌、乾燥試薬を含む流体チャンバの加熱、またはこれらの機構の何らかの組み合わせによって補助されて、容易に溶解するように製剤される。別の実施形態では、液体試薬がカートリッジ内の隣接するチャンバ内に貯蔵されてよく、流体経路および流れ制御要素がそのような液体試薬を溶解チャンバ、熱チャンバ内、または流体路内に移送して溶解液と組み合わせるために設けられる。
[熱チャンバの例]
一部の実施形態では、熱チャンバは、図9AからEに示すように構築される。これらのチャンバの高さおよび直径は、それぞれ、0.025mmから3mmおよび0.1から5mmの範囲になるように選択され得る。図9Aは、熱チャンバ580の実施形態の断面図を示し、ここでは583は、上部カバー層またはフィルムであり、584は、チャンバの側部を形成する層であり、585は、底部層である。平面図内のチャンバは、図9Cに示すように円形でよく、代替的には、正方形、矩形、または複数の辺のものでよい。チャンバ580の上部層583は、蛍光励起に必要な波長の光学的伝送および増幅されたPCR生成物からの蛍光信号の測定に適した透明材料から構築される。代替的には、底部層が、この目的のためのそのような材料から構築され得る。このようにして、PCR増幅生成物は、熱サイクルプロセスにおいてリアルタイムで監視され、または適切な間隔で検出され得る。経路581および582は、チャンバを出入りする流体の流れのために必要に応じて設けられる。これらは、側壁層584の全高さのものでよく、または図9Aに示すように、これらの一方または両方は、層584の高さの一部分になることができる。
別の実施形態では、流出路587が、図9Bに示すように、底部層586に隣接する層内に形成され、底部層586は、カートリッジの作用圧力における流体の通過を阻止する空気透過性膜である。そのような構造は、流体充填中に空気をチャンバから除去し、または気泡の発生を最小限に抑えるために使用され得る。チャンバ563の配列の場合などのような二つ以上の熱チャンバが設けられるとき、個々のチャンバの入口は、経路、分岐、および相互接続のネットワークを介して流体路569に流体的に接続され得る。
代替的には、図9Dでは断面図、図9Eでは平面図で示されるように、流体路569は、熱チャンバ596の配列の上方のチャンバ595に通じることができる。底部空洞598が、経路570に接続する複数のネットワークされた経路の代替策として設けられてもよい。この場合、熱チャンバの底部は、空洞598および経路570内への流体の移動を防止する空気透過層または膜でよい。
図9Cに示す加熱素子590は、チャンバの上面、底面、または側面に、またはこれらのいくつかの組み合わせにおいて設けられる。加熱素子590は、電流が供給されたとき、ジュール熱によって熱を生成する、ワイヤ、リボン、またはストリップなどの抵抗加熱素子であってもよい。非限定的な材料の例は、ニクロム(Nichrome)、カンタル(Kanthal)、カーボン、銅、またはプラチナである。代替的には、加熱体は、エッチングされた金属ホイル、薄膜、または印刷されたフィルムから形成され得る。そのような加熱素子は、チャンバの底部層、上部層、または側部層を形成することができ、またはこれらの層の一つ以上の上にまたはこれに隣接して置かれてもよい。
一部の実施形態では、高いまたは中程度の高さの抵抗の熱係数を有する材料または構成が、加熱素子590を形成するために使用され、それにより、加熱体温度を監視することができ、それによって一部の実施形態が加熱体温度の能動フィードバック制御を使用することを可能にする。
他の実施形態では、加熱素子は、一体式流体処理カートリッジ120の外部にあることができる。外部加熱体の例は、抵抗加熱体、放射加熱体、対流加熱体、誘導加熱体、またはペルティエ(Peltier)加熱体を含む。
熱サイクルを可能にするために、能動的または受動的冷却機構が導入され得る。冷却方法は、それだけに限定されないが、ヒートシンクによる外部受動的冷却または熱電対(ペルティエ)冷却体、空気または他の流体対流を使用する能動的冷却を含む。一部の実施形態は、一体式の受動的冷却を有し、この受動的冷却では、壁、上部および/または底部層、またはチャンバ表面の一つ以上に隣接する層の材料は、熱特性を有し、この熱特性により、加熱が除去され、チャンバの温度がヒートシンク材料の温度を上回るとき、熱をチャンバから離れるように迅速に導き、隣接する材料によって吸収することが可能になる。これは、高い熱容量を有する外部ヒートシンクまたは能動的に冷却される外部ヒートシンクを提供することによって補助され得る。
溶解液を熱チャンバ内または熱チャンバの配列563内に移動させるために、図5のポート518に接続された空気移動デバイスが使用されて、弁509、512および513が閉じ、弁517、565、566、および572が開いた状態で空気をマクロ流体遠心分離チャンバ内に移動させることができ、それによって溶解液を溶解液チャンバから熱チャンバに移動させる。代替の実施形態では、エアベント571はまた、ポートとして構成されてもよく、それによってシリンジポンプ、蠕動ポンプ、ベローズポンプなどの空気移動デバイス、または空気を制御可能に供給するまたは除去することができる任意の他の空気移動デバイスまたは圧力供給源の接続を可能にする。空気移動デバイスは、ポートとのシールされた接続をもたらすカートリッジインターフェイシング組立体130上のコネクタを介してポート571と係合される。任意選択により、剛性または可撓性チューブが、空気移動デバイスをコネクタに接続して、空気移動デバイスがカートリッジインターフェイシング組立体から遠隔になることを可能にする。この実施形態は、空気をポート571を介して排出することによって、図8のチャンバおよび導管内の液体をポート571の方向に移動させることを可能にする。マクロ流体遠心分離チャンバ502からの経路内の弁517、565、566、567および572は、開かれなければならず、マクロ流体遠心分離チャンバは、利用可能な経路の一つを介して大気に排気されなければならない。代替的には、遮断弁によって制御されるエアベントまたは複数のエアベントが、さまざまな位置において流体路に沿って供給されて、ポート571からの空気排出を可能にして流体を移送することができる。流体移動のこの方法は、任意選択により、次の流体移送作用の一つ以上に適用され得る:事前処理された細胞懸濁液のマクロ流体遠心分離チャンバからの抽出、細胞懸濁液の電気溶解チャンバ内への移送、溶解液の溶解液チャンバ内への移送、および溶解液の熱チャンバへの移送。
[RT-PCRを熱チャンバ内で行う]
逆転写試薬および必要とされるプライマを含むマスター混合物が、乾燥形態で溶解液チャンバ内に設けられる上記で説明した実施形態では、逆転写ステップは、そのチャンバ内で行われ得る。それにより、溶解液中の乾燥試薬の溶解に続いて、溶解液チャンバは、熱チャンバに関して上記で説明したやり方に類似するやり方で、およびその実施形態によって、逆転写プロトコルにしたがって加熱される。逆転写に続いて、逆転写生成物(cDNA)を含む溶液は、熱チャンバに、マスター混合物のPCR成分と共に移送される。乾燥形態で各々の熱チャンバ内に貯蔵されるフォーワードプライマは、液体培地内に解放され、熱サイクルが、所定の一連の温度および滞留時間にしたがって行われる。
代替的には、乾燥試薬は、溶解液チャンバ内の溶解液中に溶解され、直接的に熱チャンバ内に導入される。局所的に乾燥されたリバースおよびフォーワードプライマは、それによって、溶解液中に解放され、逆転写およびPCR増幅が行われる。
任意選択により、ポート571は、真空を熱チャンバにかけるために使用されて、空気を熱チャンバから排出し、液体がチャンバ内に引き入れられたときに気泡がチャンバ内に閉じ込められることを最小限に抑える。PCRの開始前、弁567および572は、閉じられて、流体の移動を防止し、および/または熱サイクル中に熱チャンバ内に存在する残留空気が膨張することを防止することができる。任意選択により、熱サイクルの前、熱チャンバは、弁567を閉じ、正圧をポート571にかけることによって圧力下に置かれ得る。正圧は、熱サイクルプロセス中に弁ポート571にかけられ続けてよく、または代替的に弁572を含む実施形態では、弁は、ポート571における正圧がかけられた後、および熱サイクルの前に閉じられてよい。正圧をかけることにより、熱チャンバ内の蒸発圧力は増大し、熱サイクルの温度上昇部分の間、気泡の創出および増殖が阻害される。代替の実施形態では、圧力は、マクロ流体遠心分離チャンバのポート518を介した空気移動によってかけられ得る。
熱チャンバ内の標的DNA分子の増幅は、光学システムによって監視され得る。一つの実施形態例では、LEDなどの光源が使用されてよく、この光源は、PCRマスター混合物において使用される染料の励起バンドに対応する波長範囲内で発光し、染料の蛍光発光スペクトル内に延びる波長内では全くまたはほとんど発光を有さない。波長選択的鏡を通過した後のLEDからの光は、熱チャンバ内でアンプリコン(amplicon)を照明する。熱チャンバ内に含まれた蛍光染料は、チャンバ温度に依存する強度で特徴的なスペクトル内で発光する。波長選択的鏡から反射された後の発光は、検出器配列上で画像化される。波長選択的鏡は、発光光線内の散在した励起光の寄与を大きく減衰させる。熱チャンバ配列の画像化は、PCR反応の温度サイクル手順において事前に選択された期間の間行われる。任意選択により、熱サイクルの終了時、熱配列の温度は、適切な速度で走査され、チャンバからの蛍光信号は、選択された時間間隔で記録される。このプロセスは、溶融分析をアンプリコン(amplicon)上で行うように意図される。
光学システムの実施例が、図19に提示される。システムは、LED 410を含み、その光は、レンズの組み合わせ411によって収集され、実質的に視準され、ローパスフィルタ412を通過することによってフィルタリングされて、蛍光染料の発光スペクトルと重複するスペクトルの部分を減衰させる。ダイクロイック鏡413から反射し、顕微鏡対物レンズ414を通過した後、視準された光線は、熱チャンバ配列745を照明する。対物レンズの倍率は、熱チャンバ配列745のサイズにしたがって選択され得る。たとえば、熱チャンバが15mm×15mmの空間寸法を覆う場合、1×から1.5×の範囲の倍率を有する標準的な顕微鏡対物レンズが選択され得る。熱チャンバから出現する蛍光発光は、前記対物レンズによって収集され、ダイクロイック鏡413によるフィルタリングを受けた後、発光フィルタ415によってさらにフィルタリングされる。このフィルタリング作用は、さらに、励起源から生じる信号を減衰させ、熱チャンバからの蛍光信号のほとんどを通過する。励起フィルタを通って送られた光は、レンズ組み合わせ416によって、CCDまたはCMOSセンサの形態でよい光検出器417の配列上に画像化される。
本明細書において提供する例の多くは、マイクロ流体デバイス内で溶解を行うことによって得られた溶解液上でRT-PCRを行うことに関するものであるが、入れ子になったPCRなどの、溶解液中に存在するDNAのPCRなどの他のアッセイが行われてよいことが理解されよう。さらに、電気化学的感知、および当技術分野で知られている核磁気共鳴による感知などの、光学検出以外の他の検出モダリティが使用されてよいことが理解されよう。
[一体式分子アッセイマイクロ流体デバイスの例を備えた一体式流体処理カートリッジ]
図10Aは、全血試料中の微生物の同定のための一例である一体式カートリッジ700を示し、このカートリッジは、バキュティナ(Vacutainer)タイプの血液試料チューブからの試料の引き出し、試料の事前処理、遠心分離および洗浄、電気溶解および処理、逆転写、PCRならびに標的PCR増幅された生成物の検出を組み込む。
一例である一体式カートリッジ700は、三つの構成要素を有して示され、第1の構成要素698は、試料移送レセプタクル702と、マクロ流体遠心分離チャンバ703と、希釈剤チャンバ704と、上澄みチャンバ795とを備える。第1の構成要素698は、デバイスの形態および機能と適合可能な材料から製作された単一のプラスチック成形された部分になり得る。代替的には、第1の構成要素698は、デバイスの材料、形態、および機能と一致する手段によって成形または形成されたプラスチック部分である副構成要素の組立体になり得る。この点に関して、材料は、カートリッジがさらされる高い遠心力に耐えるのに十分な強さのものであるように選択されなければならず、材料は、使用される流体と適合可能でなければならず、分子用途の場合、その後のプロセスを妨害する汚染物質を事前処理された細胞懸濁液に導入してはならない。第1の構成要素698を製作することができる材料の非限定的な例は、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリエチレン、PET、ポリスチレン、環状オレフィンコポリマ、またはこれらの材料の一部の変形体である。
第2の構成要素699は、構成要素698の側面上に装着されたマイクロ流体デバイスであり、構成要素698内のチャンバを接続する流路および弁と、電気溶解、逆転写およびPCRのための構成要素とを備える。第2の構成要素699は、穴、チャンネルおよびチャンバ、ならびに電気溶解および加熱操作のための電気構成要素が中に形成されたいくつかの層から構成された積層体である。
層は、機械切削され、打ち抜き加工され、エンボス加工され、または成形されて必要な特徴を形成することができる。各々の層は、単一の副層または複数の副層から構成されてよく、複数の副層の各々は、接着接合、熱接合、超音波接合、または当業者に知られている他の方法によって積層された前記副層の機能に基づいて先に挙げられた種々の材料または同じ材料のものである。提示された層および副層は、論じている実施形態の理解を容易にする目的だけでグループ化されている。分子処理を伴う本実施例では、材料は、流体と適合されなければならず、粒子増幅が行われる場合、材料は、そのような増幅(たとえばRT-PCR)を阻害し、標的微生物の検出を妨害する物質を導入してはならず、非標的検体(たとえば、非標的微生物細胞)または核酸で汚染されてはならない。材料は、標的分子、反応物質、および試薬成分を、プロセスを妨害する程度まで吸収してはならない。プラスチック材料およびプラスチックフィルム材料の例は、それだけに限定されないが、ポリカーボネート、ポリプロピレン、PET、および環状オレフィンを含む。
チャンバ開口部710は、洗浄バッファおよび事前処理流体を希釈剤チャンバおよびマクロ流体遠心分離チャンバそれぞれに分注した後、膜シール、ホイルシール、またはキャップ697でシールされ得る。シールまたはキャップは、熱シーリング、接着接合、超音波接合と適合可能な方法および材料を使用して接合され得る。代替的には、チャンバは、これらの液体の分注前にシールされてよく、代替のポートが、これらの液体を分注する目的で設けられてよく、これらのポートは、分注操作に続いてシールされてよい。キャップ697が成形され、エンボス加工され、機械切削され、またはラピッドプロトタイプされ(rapid prototyped)てよく、ポリカーボネート、ポリスチレン、PET、ポリエステル、またはその形態および機能に適切な他の材料から構築されてよい。
図10Bは、一体式カートリッジ700の分解図を提供し、各々の構成要素の主要要素を示す、図10CからKに分割された層の積み重ねを示す。第1の構成要素698内のチャンバの各々は、上側の積層された層699内にすべてある流体路、ベント、弁、および注入ポートとの接続のために、それぞれのチャンバから第1の構成要素698の上部平面731まで通じる穴を有する。上側の積層された層699はまた、先に説明したような、電気溶解、逆転写、PCRおよびPCR生成物の検出のための要素すべても含む。
希釈剤チャンバ704は、層731内の穴707の対および層732内の流体導管709を介してマクロ流体遠心分離チャンバ703に流体的に接続され、この経路を通る流れは、弁720によって制御され、その弁の膜は、732の上部面上にある。上澄みチャンバ705は、層731内の穴708の対および732内の流体導管710を介してマクロ流体遠心分離チャンバ703に流体的に接続され、この導管を通る流体の流れは、弁721によって制御され、その弁の膜は、732の上面にある。
希釈剤チャンバ704および上澄みチャンバ705各々はまた、層731内に穴706を有し、穴706はそれぞれ、中間層内の相補的な穴を介して上側層737上のベント740まで通じる。マクロ流体遠心分離チャンバ703は、層731内に、上側層737上の空気注入ポート741に通じる穴711を有する。731内の穴712の対および732内の流体導管714は、試料移送レセプタクル702内の針と構成要素698内のマクロ流体遠心分離チャンバ703との間に流体接続をもたらし、流体導管714内の流れは、弁719によって制御され、その弁の膜は、732の上面にある。
上記で説明する試料の遠心分離および洗浄プロセスは、ポート741を介した空気移動およびさまざまな弁の選択的開閉を介して一体式カートリッジ700上で実施することができる。試料流体は、試料移送レセプタクル702内に挿入された試料チューブ520から層732内の経路714を介するように向けられ得る。その後、遠心分離の後、マクロ流体遠心分離チャンバ703からの上澄みは、層732内の導管710を介して上澄みチャンバ705に向けられてよく、希釈液体は、希釈剤チャンバ704から層732内の経路709を介してマクロ流体遠心分離チャンバ703に向けられ得る。上記で説明した遠心分離および洗浄プロセスの完了に続いて、層732の上面上に位置付けられた膜を有する弁722が開かれ、マクロ流体遠心分離チャンバ703内の最終細胞懸濁液は、層731内の穴713を介して層732内の収集チャンバ/導管715に移動される。
図示する例示となる実施形態では、残留細胞懸濁液のマクロ流体遠心分離チャンバへのおよびそこからの移動は、ポート741を出入りする空気移動によって、ポート741に接続された空気移動ポンプを介して起こる。残留細胞懸濁液の懸濁液チャンバ715への移動に続いて、流体のその後の移動が、層737内のポート743を通る空気移動によって、ポート743に接続された空気移動ポンプを介して起こる。代替の実施形態では、流体移動は、ポート741を通る空気移動によって活性化され続け、ポート743はベントを形成する。
懸濁液チャンバ715は、介在する層733および734を貫通する穴を介して、層736内の流体路723に接続され、その後、736の上面上に位置付けられた弁724を通って電気溶解チャンバ716に、735上の介在する穴を通って接続される。溶解チャンバ面は、全体的に参照によって本明細書に組み込まれる、2012年4月16日出願の表題「CELL CONCENTRATION,CAPTURE AND LYSIS DEVICES AND MTHODS OF USE THEREOF」の米国特許出願公開第20120190040号、および米国特許出願公開第20140004501号に説明されるように表面強化された酸化電極から構築され、これらの電極は、介在する層を通って、カートリッジの上面上に露出した層737内の端子747に電気的に接続される。電極とそれぞれの端子(接点)の間の電気接続は、ワイヤ接続、層間の導電要素の接続、または導電要素を層間に挟むことによって行われ得る。
層734内の溶解チャンバ716は、層736内の弁725を通って流体路および溶解液チャンバ717に流体的に接続される。乾燥形態の試薬が、任意選択により、チャンバ717の上部または底部面上に堆積される。溶解液チャンバ717は、層735内の流体導管726に接続され、流体導管726は、層736内の弁727、および層736内の流体路および熱チャンバ728のネットワークに通じる。
チャンバ728の底部表面は、任意選択により、空気透過性膜層718でよく、それにより、液体ではなく空気またはガスが膜を通って、ポート743に通じる層733内の経路742まで流れることを可能にする。材料の例は、多孔性PTFE膜または他の材料である。736の上面は、たとえばPCR試薬中の蛍光染料の励起および発光スペクトルに対して光学的に透明である膜であり、この膜は、弁724および725の膜材料として働くために十分に薄いものである。この目的のための材料の例は、それだけに限定されないが、ポリカーボネート、環状オレフィン、PETまたは他の膜フィルムを含む。蛍光検出を伴う用途では、チャンバ側部および底部層に使用される材料は、自己蛍光発光を最小限に抑えるように選択されなければならず、そうでなければ、PCR信号検出を妨害することがある。通常白であるPTFE膜の場合、層735は、不透明になることができ、チャンバ728の底部を構成する特徴部729は、チャンバの中心内の下にある白い膜の画像化を妨げるが、各々のチャンバ728の外縁の周りの空気の通過は可能にする。
乾燥試薬は、任意選択により、熱チャンバ728の上部または底部表面上に堆積される。
層736内の熱チャンバ728の上面は、抵抗加熱体744の配列を、層736内の熱チャンバの配列と合致するパターンで有する層737の底部表面737bと接触する。代替的には、抵抗加熱体は、熱チャンバの上面上に直接的に施され、または印刷されてよい。抵抗加熱体は、光学信号が通過することを可能にしながら、各々のチャンバを加熱するように構成される。たとえば、個々のチャンバ加熱体は、745によって示すように透明な内側領域を光学伝送のためにそのままにして、チャンバの外縁の近くでは円形トレースの形態になることができる。
同様に、737b上の抵抗加熱体748は、溶解液チャンバ717の上面に接触し、またはあてられて、任意選択により、そのチャンバの加熱を可能にすることができる。抵抗加熱体は、機器(たとえば制御および処理ユニット140)による露出した端子746への接続を介して電力供給され、監視される。
層734、735、736、737およびまたは738は、熱特性を有することができ、この熱特性により、PCR熱サイクルの冷却段階中に熱チャンバからの熱の消散を可能にする。代替的には、たとえば、アルミニウムホイル層などの特性を有する層が、熱チャンバ、たとえば層738のすぐそばに置かれて、冷却の目的で熱を消散させることができる。この層は、穴および切り欠きを有して、説明した流体および空気路の妨害を防止しなければならない。
こうして、懸濁液チャンバ715内の細胞懸濁液は、ポート743に至る通路内のすべての弁を開き、空気を流体路からこのポートを通して空気移動ポンプを介して排出することによって溶解チャンバ716内に引き入れられる。この作用のために、マクロ流体遠心分離チャンバへの弁722もまた開き、大気への経路が、マクロ流体遠心分離チャンバから、たとえばポート741を介してもたらされる。代替的には、マクロ流体遠心分離チャンバから大気への経路は、(弁が開いた状態で)流体路の一つを介して洗浄ベントまたは廃棄物ベント740までになることができる。
電気溶解を伴う本実施例では、細胞懸濁液は、細胞懸濁液の一部分をチャンバ716内に間欠的に流し、弁724および725を閉じ、前に説明したようにバイポラーパルスの電気列をかけることによって、電気的に溶解され、処理される。本実施例によれば、電気溶解は、すべての懸濁液を一度に処理する必要を回避するために、連続的に行われ、それによって必要とされる電流を低減する。弁724および725は、次いで開かれ、細胞懸濁液のさらなる量が、チャンバ716内に進められ、それによって先に溶解された細胞懸濁液をチャンバ717まで移動させる。チャンバ716の容積、または任意選択により、全体チャンバ容積の一部分に等しい量が、チャンバ内へと各々のその後電気溶解ステップにおいて進められて、細胞懸濁液のすべてが一連の溶解ステップ中に溶解されることを確実にすることができる。
溶解は、細胞懸濁液のすべての量が、チャンバ716内に進められ、結果として生じた溶解液が、チャンバ717内に進められた後で完了する。チャンバ717内の溶解液は、チャンバの底面または上面上に任意選択によって置かれた試薬を溶かす。溶かすプロセスは、任意選択により、流体の温度を加熱体748によって施与されたおよそ40℃に上昇させることによって支援され得る。任意選択により、溶解流体は、溶解液チャンバ717、電気溶解チャンバ716、および細胞懸濁液チャンバ715を備える流路、およびこれらの間の流路、流路内の穴および弁を通って、空気をポート743から交互に注入および排出することによって前後に進められ得る。この動作は、乾燥試薬を溶かすことを促進することもでき、また、テイラー(Taylor)分散によって流体の横方向および長手方向の混合を促進して、試薬成分および標的核酸に対する溶液の均質性を増大させる。
溶解試薬溶液は、次いで、空気をポート743から引き出すことによって熱チャンバを通過する。経路742内の透過性膜718の出口において生成された負圧は、空気および気泡のチャンバからの排出を促進する。弁727は、次いで閉じられ、正圧が、任意選択により、ポート743にかけられる。チャンバの表面の一つ以上に存在する乾燥試薬は、溶けてプライマ、および任意選択により、RT-PCRに必要な他の成分をもたらす。RT-PCR熱プロトコルが、次いで、加熱体744および先に説明した冷却方法を使用して開始される。
任意選択により、弁は、ベント743に通じる経路内に置かれ、この弁は、RT-PCR加熱および熱サイクルの開始前、弁727と共に閉じられる。
代替の実施形態では、溶解チャンバ716からの経路は、カートリッジ構成要素698内に形成された溶解液チャンバに通じる。このチャンバ内に置かれた凍結乾燥されたビーズは、RTおよび/またはPCRのための必要とされる試薬の一部またはすべてを含む。このチャンバの容積は、ビーズを含むのに十分な寸法のものであり、溶解液の所望の量を含むのに十分な容積のものである。凍結乾燥された試薬は、次いで、溶かされ、その溶液は、任意選択により、混合されて混合物の溶解および均一性を促進させる。追加の量が、任意選択により、この溶解液チャンバ内に提供されてよく、それにより、溶液は、カートリッジの渦撹拌によって効果的に混合され得る。
弁の作動および空気移動圧力の付加は、一体式流体処理カートリッジ120が遠心分離機110内に収容されている間、すべてのプロセスステップにわたって行われ得る。しかし、他の実施形態では、システムは、遠心分離のためのロータとして構成されない、一つ以上の一体式流体処理カートリッジ120を受け入れるための別個のハウジングを含むことができるが、弁を作動させ、一体式流体処理カートリッジ内の流体の流れを制御するための適切なカートリッジインターフェイシング機構は含む。この別個のハウジングは、アッセイステップ中にまたは遠心後および洗浄後に行われる他のステップ中に一体式流体処理カートリッジ120のマイクロ流体デバイス内の流体の作動を制御するために使用されてよく、それによって、遠心分離機110は、第1の一体式流体処理カートリッジのその後の処理中に追加の一体式流体処理カートリッジを自由に処理することができる。
弁722、721、720、および724が、レセプタクルおよびカートリッジインターフェイシング組立体130内の係合前に閉じられる実施形態では、捕捉プランジャ739が、層738によってカートリッジ内に含まれ保持される。弁操作のさらなる詳細は、以下に説明される。この実施形態の一例は、チャンバ703、704、または705内に保持された流体が移動して、カートリッジ700の輸送中に構成要素699内へと、互いの間に流体路710、709、714、または715を介して流れることを防止するものである。
[弁の例]
図10に示す一体式流体処理カートリッジは、一例として、図11AからCに詳述するようなダイアフラム弁を使用する。
図11Aは、外部プランジャ605を膜ダイアフラム601上にあてることによって閉じられるダイアフラム弁を示し、それによって圧力をポート(穴)603の円周上にある膜601にかけ、ポート603をシールして、流体路600内の流れを防止する。図11Bは、開状態にある弁を示し、ここでは、外部圧力はプランジャ605上に下方向にかけられていない。図11Cは、シーリング圧力ゾーン606を示すダイアフラム弁の平面図を示す。図示する実施形態では、プランジャ605は、カートリッジ上に作用するアクチュエータの構成要素として設けられ得る。代替的には、プランジャは、一体式流体処理カートリッジの構成要素でよく、ここでは、プランジャは、弁ポケットを覆う膜によって弁ポケット内に捕捉的に保持される。この場合、捕捉プランジャは、外部アクチュエータによって作動され、外部アクチュエータは、弁を閉じるのに必要な力を供給し、図1の電動ロータの一部であるカートリッジレセプタクルによって、または図1のカートリッジインターフェイシング組立体130によって提供される。
横方向マイクロ流体チャネルが中に形成されたマイクロ流体層602は、一緒になって流路600を形成する弁ベース層615に接合され、この場合マイクロ流体層は、横方向マイクロ流体チャネルと流体連通する弁座開口618を含み、弁座開口は、ポート603の上方に配置され、マイクロ流体層602を通って延びる。任意選択により、マイクロ流体層602は、複数の層から構成することができ、複数の層は、弁座開口(弁空洞)618を除いて、流体路の上壁および底壁を含むことができ、この場合上面は、膜ダイアフラムである。膜ダイアフラム601は、層602に接合され、弁座開口内の流体路600の上面を提供する。弁膜ダイアフラム601は、任意選択により、層602と外側層604の間にさらに挟まれ得る。膜ダイアフラムはまた、任意選択により、層602、601および604の一部またはすべてが、接合が必要とされない単一の部分であるように、たとえば、成形、マイクロ機械切削、エンボス加工または当業者に知られている他の方法によって製造されてもよい。プランジャ605の後退、またはプランジャ605が弁にあてられる力の十分な緩和により、図11Bに示されるように、流体が流体路600の間をこれに沿って流れることが可能になる。弁の表面形状および膜材料は、閉鎖力下で膜が破れないように当業者によって選択され得る。追加的に、図示する実施形態では、弁プランジャは、ポート603の周りにシールを形成するのに十分な領域をもたらすように十分大きくなければならない。これは、最小でも、ポート603の直径のおよそ2倍になり得る。
図11Aの実施形態では、プランジャ605に力をかけない場合、膜は、ポート603をシールせず、流体は、図11Bに示すように流体路600に沿って流れることができる。この実施形態は、流体路が作動前、またはカートリッジインターフェイシング組立体を係合する前に閉じられる必要がない場合に許容可能である。多くの状況において、一体式流体処理カートリッジ内の弁の一部またはすべては、アクチュエータ機構の不存在下では閉じられることが必要である。たとえば、図10Dの弁720、721、722、および719を、カートリッジの取り扱い、輸送、および保管中に閉じて、マクロ流体遠心分離チャンバ703および希釈剤チャンバ704内に事前に装填された流体が、カートリッジ試料調製操作の開始前に他のチャンバまたは流路に進むことを防止することが望まれ得る。
図11Dは、外部アクチュエータを適用することなく閉じられるという特徴が付加されたダイアフラム弁の別の実施形態を示す。この場合、外側膜611とダイアフラム膜601の間に置かれた捕捉内部プランジャ613が提供される。捕捉内部プランジャは、外側膜611および/または膜601に接合され得る。膜611は、膜層601に接合されてよく、または601と611の間に追加層が存在してもよい。膜611は、任意選択により、被覆層604によって挟まれ得る。捕捉プランジャ613は、弁膜601が閉位置にあるときに層602の最上位の上方に延びるように寸法設定され、膜は、弁座開口618内で、反応性圧縮圧力を捕捉プランジャ613に供給するのに十分な引張応力下にあるように適用され、この反応性圧縮圧力は、ポート603を膜ダイアフラム601と共にシールするのに十分なものである。この実施形態は、カートリッジのチャンバ間またはチャンバとカートリッジのマイクロ流体バックプレーンの間に液体移送を伴うことなく、カートリッジを、輸送し、保管し、取り扱うことを可能にする。これは、たとえば、事前処理流体が遠心分離チャンバ内に存在するとき、または洗浄希釈剤溶液が希釈剤チャンバ内に存在するときに特に有用である。
一つの例示的な方法では、膜は、単軸または双軸の張力下に置かれ、捕捉プランジャの上方に置かれ、張力が維持される間、所定位置に接合されまたは挟まれる。
弁を開いて流路600内の流れを可能にするために、弁プランジャアクチュエータが、カートリッジの外部に提供され、膜を切断し、したがって、膜内で張力を十分解放して、捕捉プランジャ613と弁ベース層615の間の圧力を和らげることができる。この装置は、カートリッジインターフェイシング組立体130の構成要素として設けられてよく、またはカートリッジレセプタクルは、遠心分離機110の一部として設けられてよく、それによって一体式流体処理カートリッジ120が遠心分離機110内に装填されたとき、ロボティックな駆動を可能にする。
一つの実施形態例では、弁プランジャアクチュエータ612は、カッタ616をプランジャアクチュエータ612の周縁上に有し、カッタ616は、プランジャ613と弁座開口618の間の空隙内の膜との係合時、図11Fに示すように適切な力を加えることで膜を切断する。カッタ616は、捕捉プランジャ613の全周縁を囲むように延びて膜を完全に切断することができ、またはカッタ616は、周縁を部分的に囲むように延びて図11Eに示すように膜611の一部分を、切断線614によって切断してもよい。後者の実施形態では、膜の張力を部分的に解放することができ、それにより、プランジャ613は、捕捉されたままであるが、プランジャ613と弁ベース615の間の圧力は、流体が流体路600の間をこれに沿って流れることを可能にするのに十分な程度和らげられる。
代替の実施形態では、膜611上の張力は、単軸であり、膜611は、張力下で膜のその部分だけ、単軸膜応力を横断する方向に切断される。こうして、弁プランジャ圧力は、和らげられるが、プランジャは依然として捕捉されている。上記のさまざまな実施形態において説明したやり方で弁プランジャ圧力を和らげた後、弁閉鎖部は、弁プランジャアクチュエータ表面617を捕捉弁プランジャ613にあてることによって復活される。弁プランジャに十分な力をかけることにより、図11Fに示されるように、捕捉プランジャ613はダイアフラムおよび弁ベースに再度係合され、ポート603は、再シールされる。プランジャの後退は、弁圧力を和らげ、図11Gに示されるように、流れが経路600内に起こることを可能にする。
図11Hおよび11Iは、ダイアフラム弁の二つの代替的な実施を示す。図11Hでは、横方向マイクロ流体チャネルは、マイクロ流体層の全高にわたって延びない。図11Iでは、第2の膜は、第1の膜に接合される代わりに、上部層607に接合される。
図10に示す実施形態では、弁膜601の厚さ例は、0.025から0.25mm、好ましくは、0.075から0.125mmであり、流体路600の高さの例は、0.025から0.5mm、好ましくは0.1から0.25mmであり、幅の例は、0.1から4mmである。弁座開口618の直径の例は、2から8mmであり、好ましくは3から6mmであり、ポート603の直径の例は、0.1から3mm、好ましくは1から2mmである。膜611の例は、0.025から0.2mmの間の厚さのアルミニウムホイルである。
[ポートの例]
図10Bに示す一体式流体処理カートリッジの一例は、空気移動ポート741および743を有し、それによって、空気移動デバイスとの接続を可能にして、前に論じたように流体を一体式流体処理カートリッジ700内で移動させる。図10Bに示す実施形態例によれば、ポートは、チューブまたは他の空気路によって空気移動デバイスに接続された取り外し可能な空気ノズルヘッド630と係合および係合解除される。空気ノズルは、カートリッジインターフェイシング組立体130内に一体化されてよく、それにより、カートリッジポート741および743は、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジと係合されたときに係合および係合解除され得る。
図12および12Bは、そのようなポート631およびそのポートに間欠的に係合し、係合解除することができる空気ノズルヘッド630の実施形態を示す。ノズルヘッドは、直接的に、または剛性もしくは可撓性のチューブを介して空気移動デバイスに接続された空気路633と、ノズル632とを有する。任意選択により、ノズル632は、傾斜した縁を有し、空気ノズルヘッドは、面シール634を有する。面シール634は、ゴムでよく、またはポート631の面642とのシールを得ることができる他の軟質材料でよい。
ポート631は、積層639内に形成された穴636を含み、この場合穴636は、層641内の空気路638に接続される。任意選択により、層間の層640は、空気透過性膜637を有する。また、ポート穴636は、任意選択により、層639に接合され、またはこの層と任意選択の上部層643の間に挟まれる膜635によってシールされ得る。
空気ノズルヘッド630は、シール635を空気ノズル632(または別の適切な打ち抜きデバイスによって)によって打ち抜き、空気ノズルヘッド面のシール634をポートの面642と接触させ、必要な圧力をかけてシール634の面とポートの面642のインターフェース面をシールすることによってポートと係合される。空気ノズル632は、この作用中に穴636と位置合わせし、その中に入る。任意選択により、膜635は、省かれてよく、それにより、前述の打ち抜き動作は必要とされない。そのような場合、空気ノズルヘッドの本体からの空気ノズル延長部632が、任意選択により省かれてよく、空気路633は、空気ノズルヘッドとポートの係合中に穴635と位置合わせされ得る。
別の実施形態では、十分な力がかけられ、使用される材料がこれらの状態下でシールを可能にする場合、面シール634は、省かれてよく、シールは、空気ノズルヘッドの本体の面とポートの面642の間に確立されてよい。膜635は、金属ホイル、たとえばアルミニウムホイルでよく、またはプラスチック膜、たとえばポリカーボネート、ポリイミド、PET、ポリプロピレン、環状オレフィン、または他の材料のものに成り得る。任意選択の膜635は、コネクタノズルとの最初の係合前にシールをポートにもたらす働きをして、液体または汚染物質のポート内への進入を防止する。任意選択の空気透過性膜637は、流体が経路638から空気ノズルヘッド内に進むことを防止する働きをし、任意選択により、空気移動操作によって注入されたまたは排出された空気をフィルタリングする。こうして、一体式流体処理カートリッジ120は、そうでない場合にポートを介してカートリッジに入ることがある空中の汚染物質または干渉物質から保護され、空中微生物細胞は、ポートを通ってカートリッジに出入することが防止される。この目的のために、およそ0.4ミクロン以下の孔サイズを有する膜または他のフィルタが、要素637に対して使用され得る。
[エアベントの例]
エアベントは、流体の流れが、カートリッジ内のさまざまな場所にある別の形でシールされた通路およびチャンバに出入りすることを支援するために設けられる。たとえば、図5の実施形態では、大気へのベント518を提供することにより、大気圧を上澄みチャンバ506内で達成することができ、それにより、流体の流れを促進する正の差圧が、空気移動デバイスによって遠心チャンバ502内のポート518を介して正圧をかけることにより、導管511に沿って得られ得る。エアベントの一つの実施形態例の構造は、図12のポートに類似する。任意選択の開孔可能な膜635が含まれるとき、ベントは、開孔針を装備する針ヘッドによって膜に孔を開けることによって有効化されて、空気の通過を可能にする。
[機器/システム]
上記で説明したように、ベンチトップ機器として提供され得るシステム100は、電動ロータを有する遠心分離機を含む。電動ロータは、広い範囲の標的微生物を流体媒質内に沈殿させるためなどの、所与の適用範囲または用途に必要な遠心沈殿力をもたらすのに必要な速度を可能にする。
沈殿は、一体式流体処理カートリッジ120のマクロ流体遠心分離チャンバ200内で起こり、当業者は、既知の沈殿係数を有する粒子(たとえば微生物細胞または他の細胞)を沈殿させるのに必要なロータ速度、ロータ半径、カートリッジ表面形状、および遠心分離時間の間の関係を決定することができる。沈殿係数は、標的微生物を対象の流体内で、一般的に利用可能なベンチトップ遠心分離機および回収を測定するための既知の方法を使用して遠心分離にかけることによって、実験的に決定され得る。
遠心分離機は、固定角タイプのものでよく、または揺動式バケットタイプのものでよく、遠心分離機パラメータは、それにしたがって調整される。
遠心分離機の実施形態例が、図13Bに平面図で、図13Cに側面図で示される。図13BおよびCの実施形態は、ロータ801と、ヒンジピン803上で揺動する二つのカートリッジレセプタクル802と、駆動モータおよびシャフト組立体804とを備えた揺動式バケットの遠心分離機を示す。前に説明したカートリッジは、レセプタクル内に置かれ、図3に説明する遠心分離および洗浄プロセス内の適切なステップにおいて遠心分離にかけられる。全速力の遠心回転下で、カートリッジレセプタクルは、揺動して、レセプタクル802上に作用する遠心力によって水平位置805を占め、回転が停止するときに鉛直の向き807に復帰する。
図10に示すようなカートリッジ実施形態700などの一体式流体処理カートリッジを受け入れ、カートリッジ700に必要なインターフェイシング要素を提供するカートリッジレセプタクルの実施形態例が、図13Aに示される。この実施形態例では、カートリッジは、図示するように上部から挿入され、また、電気接点、流体ポート、弁アクチュエータ、および光学モジュール構成要素を含むことができる、レセプタクル上のインターフェイシング要素と係合されるようにレセプタクル内に固定される。これらのインターフェイシング要素は、次に、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジレセプタクルと係合するときにカートリッジインターフェイシング組立体120上の対合要素と係合し、それにより、カートリッジインターフェイシング組立体は、必要に応じてさまざまな要素を制御可能に作動させまたは有効化することができる。代替的には、一部またはすべてのインターフェイシング要素に関して、アクセス穴および領域が設けられて、カートリッジインターフェイシング組立体上に存在するこれらのインターフェイシング要素がカートリッジと直接的にインターフェースすることを可能にすることができる。一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル上のインターフェイシング要素は、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジレセプタクルと係合した後でのみカートリッジと係合される。こうして、カートリッジレセプタクル上の中間インターフェイシング要素を介して直接的にまたは間接的に、中央の制御および処理ユニット140によって制御されるカートリッジインターフェイシング組立体130は、カートリッジ上に作用して本明細書において説明し予想するさまざまな実施形態に関連して説明するさまざまな機能的操作を行う。
図14Aおよび14Bに概略的に示すように、ここでは810として概略的に示すカートリッジインターフェイシング組立体は、位置814にもっていかれ、カートリッジレセプタクル810の面と係合させることができる。図14Aは、電動ロータ801およびカートリッジインターフェイシング組立体810の平面図であり、カートリッジインターフェイシング組立体810が、遠心分離中に後退されてロータおよび揺動式バケットの経路の外に出る位置811を示す。遠心が止まったとき、遠心分離機ロータは、回転位置812までもっていかれ、それにより、カートリッジインターフェイシング組立体810は、カートリッジおよびカートリッジレセプタクルと係合する位置にもっていかれ得る。このロータの位置決め動作は、遠心分離機駆動モータによって、直接的に位置センサと連動して、または回転するロータを所定位置で停止させるブレーキング機構を設けることによって行われ得る。代替的には、電動位置決めホイルが、遠心分離が停止した後でロータまたはロータシャフトと係合し、ロータを必要とされる位置まで駆動することができる。位置センサが提供されて、ロータの位置決めを支援することができる。
カートリッジインターフェイシング組立体810は、適所に移動し、さまざまな動作のために、カートリッジレセプタクル、任意選択により、直接カートリッジと係合しなければならない。カートリッジインターフェイシング組立体130は、並進ステージおよび/または回転ステージに固定されてよく、これらのステージは、カートリッジインターフェイシング組立体130に、カートリッジの面に対して横方向の位置に移動し、カートリッジレセプタクルと係合するのに必要な並進および/または回転動作を与える。カートリッジインターフェイシング組立体130は、レセプタクルと、これをラッチし、剛性または半剛性に保持することによって係合することができ、またはレセプタクルと接触し、これを固定された止め具またはブラケットに係合させることができ、それによって揺動作用を防止し、カートリッジレセプタクルを所定位置にロックする。カートリッジインターフェイシング組立体は、一体式流体処理カートリッジのさまざまな実施形態に関して本明細書において説明するプロセスに必要なさまざまな作用を行うのに必要なさまざまなインターフェイシング要素を含む。これは、電気コネクタまたは接点、アクチュエータ、流体コネクタ、ポンプ、空気移動デバイス、光学デバイス、および必要とされる電気的、機械的、流体的、および光学的操作を行うことを可能にする他のデバイスを含むことができる。カートリッジレセプタクル上に供給されるこれらのデバイスおよび構成要素およびインターフェイシング要素の一部の例が、以下に説明される。これらは、一般的なデバイスを表すよう意図され、さまざまな実施形態に対して本明細書において説明する機能を行うのに必要とされる要素が以下に提供されるが、これは限定的または完全なものではない。追加および代替のデバイス、構成要素、および要素は、当業者によって決定されてよい。
多重接点電気コネクタ、または多重電気コネクタが使用されて、電力をさまざまなカートリッジ端子に供給し、電気信号をいくつかの端子から送信および/または受信して、逆転写およびPCRのために加熱素子に電力供給し、前に説明した手段によって温度を検出し、電力を電気溶解要素に供給することができる。電気接続は、カートリッジインターフェイシング組立体130がカートリッジと係合されたときに、カートリッジインターフェイシング組立体130上の多重接点コネクタとカートリッジ端子との間に直接的に、レセプタクル内の開口部を介して行うことができる。代替的には、電気接続は、カートリッジ端子とレセプタクル内の多重接点コネクタとの間に、カートリッジインターフェイシング組立体130とレセプタクルとの係合時に行うことができ、カートリッジインターフェイシング組立体130上のコネクタは、カートリッジレセプタクル上のそれぞれの接点またはコネクタと電気接触する。そのような電気接続は、たとえば、ポゴピン、ばねクリップコネクタ、接触プローブ、カードコネクタ、PADコネクタ、板ばね接点/コネクタ、圧縮コネクタ、円筒ばね接点、ばねフィンガ接点、または当業者に知られている他のそのような電気接点になり得る。
カートリッジインターフェイシング組立体130は、一つ以上の空気ノズルヘッド630を含むことができ、空気ノズルヘッド630は、直接的にカートリッジ上のカートリッジポート631と、図12の実施形態に関連して説明するように、または他の等価の実施形態に必要とされ得るように係合する。カートリッジインターフェイシング組立体130は、空気移動デバイスを含み、または可撓性チューブを介して、機器内の別の固定された場所内に装着された空気移動デバイスに接続される。空気移動デバイスは、シリンジポンプ、蠕動ポンプになり得る。代替的には、レセプタクルは、空気ノズルヘッドを含むことができ、カートリッジインターフェイシング組立体130は、このノズルヘッドと係合して、これをカートリッジと係合させ、必要とされる空気移動をもたらす。一部の実施形態では、複数の空気ノズルヘッドが、空気移動を追加のカートリッジポート内で可能にするために存在することができる。ベント針も同様に、カートリッジインターフェイシング組立体130上に存在することができ、直接的にカートリッジと係合することができ、または代替的には、カートリッジレセプタクル内に装着され、カートリッジインターフェイシング組立体130による作動時にカートリッジと係合することができる。
[弁アクチュエータ]
図11Aに示すように、先に説明した弁作動機構の例は、圧力を直接的にダイアフラム601にかけるために、または圧力をカートリッジ組立体内の中間捕捉プランジャ(たとえば613)にかけるためにアクチュエータプランジャを必要とする。このアクチュエータプランジャは、一部の実施形態では、カートリッジレセプタクル内に、カートリッジインターフェイシング組立体130によって係合され作動されることを可能にするやり方で装着されて、必要とされるカートリッジ弁作用、ならびにカートリッジをカートリッジレセプタクル内に挿入することを可能にするために必要とされ得るような作用をもたらす。図15は、カートリッジおよびカートリッジレセプタクル壁の概略切断図によって、カートリッジ作動機構の実施形態例を提供する。
図15AからEでは、カートリッジ820内の弁の概略断面図が、カートリッジレセプタクル822内に装着されたアクチュエータピンの関連する実施形態例において示される。弁は、開いた状態にある。図15AからBは、弁を開いた状態で示し、図15CからEは、弁を閉じた状態で示す。
図15Aでは、穴が、カートリッジレセプタクルの壁822内に弁と位置合わせして設けられ、この穴は、カートリッジインターフェイシング組立体130(図示せず)上のアクチュエータ上に装着されたピン819が、カートリッジ上の捕捉されたプランジャ825に力をかけ、それによって弁を閉じるためのアクセスをもたらしており、これは、図11に対して前に説明している。代替的には、一部の実施形態では、捕捉されたプランジャは、省かれ、ピン819は、弁ダイアフラム821と直接的に接触することができ、それによって弁を閉じる。アクチュエータプランジャの後退は、ダイアフラムから圧力を和らげ、流体は、上記で説明したように、カートリッジポートに接続された空気移動デバイスによって流路に沿って適切な差圧をかけることで流され得る。
図15Bは、レセプタクルの壁822内に捕捉され、任意選択によりピンを後退させるばねを装備するピン818の例を示す。こうして、カートリッジは、妨害無しにレセプタクル内に容易に挿入することができ、弁は、アクチュエータピン819がその上に作動していないときは開位置にある。弁は、アクチュエータピン819、または他の類似の要素が、圧縮力をピン818に対して軸方向にかけ、それにより、ピンが、捕捉プランジャ825または任意選択により直接弁ダイアフラム812と接触させられ、これに圧力をかけるときに閉じられる。
図15Cは、カートリッジレセプタクルの壁内に捕捉され、任意選択により、事前圧縮されたばね836を装備するピン835を示し、事前圧縮されたばね836は、ピン835上に作用して、圧縮力を捕捉プランジャ825にまたは代替的には直接弁ダイアフラム821にかけることによって弁を閉じる。ばねの事前圧縮は、任意選択により、一体式流体処理カートリッジおよびレセプタクルの遠心分離中を含む、これが必要とされるすべての状態下で弁を閉じた状態で保つのに十分なものでなければならない。こうして、外部からの作動がない状態下では、弁はラッチされて閉じられる。外部からの作動は、アクチュエータによってカートリッジインターフェイシング組立体130上にもたらされて、ピン835を後退させ、ダイアフラム弁上の圧縮力を解放して弁を開き、流体を流れさせる。そのような作動はまた、任意選択により、ピン835を後退させてカートリッジをレセプタクル内に挿入するための隙間を可能にすることができる。そのような作動は、ピン835を、ばね836によってもたらされたばね力に反して後退させなければならず、いくつかの方法で達成され得る。カートリッジインターフェイシング組立体130は、把持機構を含んで、ピン835のヘッドを把持し、ピンを軸方向にかつカートリッジから離れる方向に引っ張ることができる。代替的には、レバー機構837が、カートリッジレセプタクルの表面、およびピンのヘッドの下面を支承することができ、作動されたとき、ピンのヘッドを持ち上げ、それによってピンを上記の目的のために後退させることができる。この実施形態は、弁がラッチされて閉じられることを可能にし、それにより、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジレセプタクルから係合解除されたとき、閉鎖が維持される。こうして、遠心分離中に流体は、そのように作動された弁を通って流れることが防止される。ばね力は、高速遠心分離中に弁内に起こり得る大きな流体圧力下での弁からの漏出を防止するのに十分なものでなければならないことに留意されたい。
図15Dでは、レセプタクル壁は、ねじ切りされた穴またはねじ823を含むねじ切りされたインサートを含み、ねじ823の端面は、弁ダイアフラム821と直接的に接触させられ、または図示するようにカートリッジ上の捕捉プランジャ825と接触させられ得る。十分な量の圧力に付加時、ダイアフラム弁は閉じられる。ねじ823は、後退されて弁を開き、カートリッジの挿入のための隙間を与えることができる。任意選択により、接触ピンが、別個の構成要素として設けられ、弁およびねじの中間のレセプタクルの壁内に装着され、任意選択により、ピンがねじ823によって係合され作動されるときにピンの回転を防止するようなやり方でキー留めされ得る。この実施形態はまた、弁がラッチされて閉じられることも可能にし、それにより、カートリッジインターフェイシング組立体130がカートリッジレセプタクルから係合解除されたとき、閉鎖が維持される。こうして、遠心分離中に、流体が、そのように作動された弁を通って流れることが防止される。弁作動力は、高速の遠心分離中に弁内に起こり得る大きな流体圧力下での弁からの漏出を防止するのに十分なものでなければならないことに留意されたい。
図15Eは、ヒンジピン828を備えたレバー826がレセプタクル壁内またはそれ上に装着される別の実施形態例を提供する。レバー826は、任意選択により、事前圧縮されたばね827を装備し、事前圧縮されたばね827は、十分な力をレバーにかけ、それにより、レバーは、捕捉プランジャ821との接触を維持し、弁を閉じる。一部の代替の実施形態では、プランジャは、任意選択により、弁力から圧力を解放するように作用する後退ばねを装備することができることに留意されたい。
弁は、カートリッジインターフェイシング組立体上のアクチュエータ832によって作用されて、レバー826の反時計周りの回転を引き起こすことができる。そのようにする際、アクチュエータは、ばね力に打ち勝ち、プランジャ825にかけられた力を解放する。圧力は、こうして、弁から解放されて流体の流れを可能にする。レバーがアクチュエータによって解放されたとき、レバーは、ばね827によって支援されて弁閉鎖位置をとる。この力は、停止時、および任意選択により遠心分離機の操作中に漏出のない弁の閉鎖を維持するのに十分でなければならない。別の実施形態では、レバー826の質量中心830は、優先的には、遠心力が方向831にある遠心回転下で、レバーが遭遇する遠心力が、プランジャ825上に、弁にかけられた力をさらに増大するように作用する圧縮反応力を作り出すように配置される。このやり方で生成された追加の弁閉鎖力は、高速遠心速度において受け得る高い流体圧力下であっても弁をシールするのに必要とされる支援をもたらすことができる。この実施形態に関しては、ばね827の閉鎖力は、遠心力がばね力を超える遠心速度まで弁を漏出なく閉じるだけで十分である。
図15に示す実施形態のすべてにおいて、カートリッジ上の捕捉プランジャを圧迫する表面は、任意選択により、図11に示すようなカッタ616を装備することができる。説明する作動を行うアクチュエータは、ソレノイド、油圧式に作動されるピストン、サーボ、DCモータ、およびステッパモータを含む、多くの異なる形態の一つ以上をとることができる。線形アクチュエータは、アクチュエータピン819および832を直接的に組み込むことができ、またはこれらは、アクチュエータピン819および832またはレバー837を含む中間機構を介して作用することができ、またはこれらは、アクチュエータねじ823と同様に線形動作から回転動作に変換する中間機構を通して作用することができる。たとえば、サーボ、DCモータ、およびステッパモータなどの回転アクチュエータは、アクチュエータねじ823と係合し、必要に応じて回転させ、係合解除することを可能にする係合機構を組み込んで、アクチュエータばね823上に直接的に作用することができる。そのような回転アクチュエータはまた、アクチュエータピン819およびレバー826および837を、カム、レバー、または回転動作を線形動作に変換する他の機構などの中間機構を介して線形作動させるために使用されてもよい。
[混合]
一体式流体処理カートリッジ内のチャンバ内での流体を混合するための実施形態例が提供される。周期的なカートリッジ反転が効果的な混合方法であり、それによって、カートリッジは、一回の反転混合サイクルにおいて、直立位置から完全に反転された位置または部分的に反転された位置に回転され、次いで、最初の直立位置に戻る。揺動式バケットレセプタクルは、揺動経路を、図15AおよびB内の位置815によって示すような反転位置まで延長することによってこの作用を可能にする。たとえば、カートリッジインターフェイシング組立体130は、位置813をカートリッジレセプタクルの側部にとり、揺動経路を自由にしたままでレセプタクルを係合させることによってこの動作を作動させるために使用することができる。一つの実施形態では、周期的揺動作用は、アームを使用して作動させることができ、このアームは、カートリッジレセプタクルと係合し、レセプタクルを、その動作範囲内で、DCモータ、ステッパモータ、ソレノイドまたはサーボを介して移動させる。代替的には、ギアインターフェース面がカートリッジインターフェイシング組立体130上の回転駆動デバイスとレセプタクルとの間に設けられ得る。
カートリッジを渦撹拌することによってカートリッジ内で流体混合(たとえば流体撹拌)を可能にする実施形態が、次に、説明される。たとえば、渦撹拌は、ベースの平面内におけるカートリッジのベース(図14Bの816)の軌道的移動でよい。たとえば、軌道は、5mmでよく、軌道速度は1000rpmでよい。この作用は、カートリッジレセプタクルの底部を、カートリッジインターフェイシング組立体上のモータ駆動される回転式要素と係合させることによって行われ得る。回転式要素は、カートリッジレセプタクルの底部上の特徴部と接触するカム、または、カートリッジの底部に係合されるオフセットピンを備えたディスクになり得る。たとえば、図16は、回転式要素850を備えたカートリッジレセプタクル802の底面図を示す。回転式要素850とレセプタクル816の間の偏心係合点852は、回転式要素850の回転851の中心からずらされ、それにより、回転式要素850が回転するにつれて、カートリッジレセプタクルの底部816は、円形軌道853を辿る。したがって、5mm直径の半径の場合、係合点は、回転式要素の回転の中心から2.5mmずらされる。回転式要素とカートリッジレセプタクルの間の係合は、ブッシング、ベアリング、または他の回転しない接合部によって行われ得る。代替的には、偏心的に駆動される回転式要素は、カートリッジレセプタクルの底部と、摩擦または他の手段に係合によって接触させることができ、それにより、カートリッジの底部は、所望の軌道内で回転され得る。カートリッジの底部が、このように軌道を回る間、カートリッジレセプタクルの上部は、この動作が起こることを可能にするのに十分な自由度を有さなければならない。ヒンジ803の周りのレセプタクル802の揺動動作(図14Bの806に示す)は、ロータ半径の方向の軌道的動作の成分に自由度を与える。軌道的動作の相補的な成分は、ロータ円周方向であり、そのような動作を可能にするヒンジ(図13Aの803)を設けることによって達成することができる。たとえば、揺動式レセプタクルヒンジ803は、レセプタクルのそれぞれの側壁上の縦方向の長穴内に係合されてよく、それによってカートリッジの必要なロッキング動作を可能にし、このロッキング動作は、カートリッジベースにおける軌道的移動の円周方向成分に適合する。代替的には、カートリッジレセプタクルの底部に付与された渦撹拌動作は、径方向に線形でよく、それによってカートリッジレセプタクルヒンジによってもたらされた揺動作用に適合する交互の揺動動作806を引き起こす。そのような作用は、回転要素850によって生み出されてよく、回転要素850内には、動作の横方向成分が、カートリッジレセプタクルを備えた、または回転式要素それ自体内の係合機構内の摺動機構によって解放される。代替的には、これは、カムまたはレバーなどの一部の他の回転動作から線形動作の機構によって、または線形アクチュエータによる作動によって生み出され得る。
[カートリッジレセプタクルおよびカートリッジインターフェイシング組立体の例]
カートリッジレセプタクル900の実施形態例が、図18Aに提供される。図18Bは、カートリッジインターフェイシング組立体950の実施形態例を提供し、カートリッジインターフェイシング組立体950は、図18Cに示すように、ロボット式に制御される並進段階(図示せず)によって適所に並進され、電動ロータ951が、カートリッジインターフェイシング組立体の係合の位置合わせ要求事項に適合する回転位置で停止し、カートリッジレセプタクルが縦方向位置をとるときに、カートリッジレセプタクルと係合することができる。カートリッジインターフェイシング組立体は、カートリッジレセプタクルと係合する位置に並進されたとき、カートリッジレセプタクルを押さえ付けて、カートリッジレセプタクルを対向する側(図示せず)の止め具に係合させ、それにより、カートリッジレセプタクルは、揺動してカートリッジインターフェイシング組立体から離れることが制限され、カートリッジレセプタクルは、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジレセプタクルと係合するときに堅固に保持される。代替的には、カートリッジインターフェイシング組立体は、カートリッジレセプタクルを固定し、これを係合のための位置に保持することができる機構を含むことができる。
一例であるカートリッジレセプタクル900は、ロータピンと係合するヒンジレセプタクル901を備えた揺動式レセプタクルである。試料カートリッジ904は、カートリッジレセプタクル内に挿入されて示される。レセプタクルは、さらに、アクチュエータピン902を含み、アクチュエータピン902は、図17A内の935として(断面図で)示すレセプタクル壁内に捕捉されて保持され、事前圧縮されたばね930と、カートリッジレセプタクルの表面から突起するヘッド931とを装備する。このアクチュエータピンの実施形態は、図15Cのラッチされ閉じられた実施形態であり、この実施形態は、カートリッジインターフェイシング組立体が係合されず、アクチュエータレバーが作動されないとき、すべての弁をばね力によって閉じて保つ。突起するヘッド931は、933においてヒンジ固定されカートリッジインターフェイシング組立体950の正面937内に装着された、レバー932との係合を可能にする。
図17Aは、カートリッジレセプタクル900と係合された位置にあるカートリッジインターフェイシング組立体950を示しており、ここでは、レバーは、カートリッジレセプタクルから突起するアクチュエータピンヘッド931と係合している。図17Aのレバー位置では、アクチュエータピンは、非作動位置のままであり、アクチュエータピン902は、事前圧縮されたばね930のみによって、弁936に対して作用され、弁ダイアフラムは、閉位置にある。レバーは、切り欠き付き特徴を有し、それによって、カートリッジインターフェイシング組立体が、カートリッジレセプタクルに近接近させられるときに、レバーを突起するヘッド931に係合させることを可能にする。たとえば、レバーは、カートリッジインターフェイシング組立体がカートリッジレセプタクルに近づくにつれて図17Aの位置になるように時計周りに回転されてよく、それにより、切欠部付き特徴942は、図17Cに示すように、突起するヘッド931の狭小化された領域940と係合する。図17Bは、作動された位置にあるレバーを示しており、レバーは、ヒンジ933周りのレバー932の時計周り方向の回転によって弁936を開き、それにより、レバー切欠部942は、アクチュエータピンヘッド931の広くされた上部分941と接触し、それによってアクチュエータピン902は、隆起し、こうして弁936上の圧力を解放する。
カートリッジレセプタクルは、さらに、空気ノズルヘッド959が直接的に(図10の)カートリッジポート741および743に係合するためのアクセス穴904を含む。空気ノズルピンが、任意選択により、カートリッジインターフェイシング組立体上にばね装着されて、空気ノズル959のシーリング面がカートリッジポートと接触し、圧縮力を前記面とポートの間にかけることを可能にする。流体移送中ポートにかけられた圧力に耐えるシールを繰り返し行うことができるように十分な力がかけられることを確実にする、ばね硬度および任意選択のばねの必然性が規定される。電気溶解接触ピン952がカートリッジ電気溶解端子747と電気接触するためのアクセス穴905が設けられる。そのような電気接触ピンは、しっかりとした接触を確実にするためにばね負荷式ポゴピンになり得る。電気接点906の配列が、カートリッジインターフェイシング組立体上の端子またはピン953の対合配列との接続のために、カートリッジレセプタクル表面上に設けられる。接点906は、カートリッジレセプタクル内の端子に電気的に接続され、端子は、カートリッジレセプタクル内へのカートリッジの挿入時、これらが試料カートリッジ上の接点746と電気接触するようにばね負荷され、または別の形で構成される。この電気接続は、カートリッジ加熱体が電力供給され、監視される手段をもたらす。カートリッジはまた、アクセス穴910も有し、それによって、カートリッジインターフェイシング組立体の係合時、カートリッジインターフェイシング組立体950上の任意選択のベント開孔ピンが、カートリッジベント上の任意選択のベント膜シールに到達し、これを突き刺すことを可能にする。カートリッジレセプタクル900はまた、アクセス穴908も有して、画像装置954またはカートリッジインターフェイシング組立体950上に装着された他の光学モジュールが、PCRチャンバ配列909の光学窓に光学的にアクセスすることを可能にする。
カートリッジインターフェイシング組立体950は、カムシャフト955が、弁レバー932の一つと各々が位置合わせされた、複数の個々のカム956を装備する状態で示される。図示するカムシャフトは、回転位置に制御可能にカムシャフトを配置することができるベルトおよびプーリ957ならびにステッパモータ958によって駆動され、この回転位置は、カムローブがそれぞれのレバーアーム932と接触し、上記で説明したように弁を開くようにレバーを作動させる位置である。各々のカムは、一つ以上のローブを有して、一つ以上の回転位置内におけるそのそれぞれのレバーの活性化をそれぞれ可能にする。このようにして、弁は、個々にまたはグループとして作動され得る。たとえば、図5の実施形態を参照すれば、上澄みの遠心チャンバからの抽出中に弁509、512、および517は、閉じられたままでなければならず、上澄み弁513は、正のゲージ圧力が遠心チャンバポート518にかけられるとき開かれなければならない。マイクロ流体バックプレーン内の残りの弁は、任意選択により、この操作中に閉じられたままでよい。こうして、カートリッジ上の上澄み弁に関連付けられたカムシャフト955上の単一のカムは、カートリッジインターフェイシング組立体上のそれぞれのレバーを作動させて、空気圧力が遠心チャンバポートに供給されるときに前記弁を開き、その間、他のすべての弁は、作動されず、閉じられたままである。別の操作においては、たとえば、図8を参照すれば、弁517、565、566、567および572は、開いて、ポート571から排出された空気によって、流体を溶解チャンバ562からPCR配列563まで引き出さなければならない。こうして、カートリッジ実施形態上に存在する場合、これらの弁のすべてに対応するカムローブは、それぞれの弁レバーと接触して、これらの弁のすべてを同じ回転位置において開き、それによって弁の同時の開放をもたらさなければならない。したがって、個々のカムは、一つ以上のローブを有して、カートリッジプロセスによって必要とされるとき、それぞれの弁を単独で、または他の弁と一緒に作動させることを可能にすることができる。一部の状況では、二つ以上のカムシャフトを有して複雑な弁プロセスに対応することが必要になり得る。
上記で説明した特有の実施形態は、例として示されており、これらの実施形態が、さまざまな改変形態および代替の形態を許容できることを理解されたい。さらに、特許請求の範囲は、開示する特定の形態に限定されるようには意図されず、それよりも、本開示の趣旨および範囲内に含まれるすべての改変形態、等価物、および代替策を含むよう意図されることを理解されたい。
100 システム
110 遠心分離機
112 レセプタクル
114、801、951 電動ロータ
120、500、700 一体式流体処理カートリッジ
130、810、950 カートリッジインターフェイシング組立体
140 制御および処理ユニット
200、502、703 マクロ流体遠心分離チャンバ
205 マイクロ流体デバイス
210、504、704 希釈剤チャンバ
220、506、705 上澄みチャンバ
230 希釈剤供給チャネル
240 上澄み供給チャネル
250 希釈剤制御弁
251 希釈剤抽出ポート
252 希釈剤供給ポート
255 上澄み制御弁
256 上澄み抽出ポート
257、257A 上澄み供給ポート
260 ポート
280 沈殿物抽出制御弁
281 沈殿物抽出ポート
282 沈殿物抽出チャネル
501、702 試料移送レセプタクル
509、512、513、517 カートリッジ弁
527 上澄み
528 残留物
529 緩衝流体
601 膜ダイアフラム
602 マイクロ流体層
604 外側層
603 ポート
605 外部プランジャ
611 外側膜
613 捕捉的内部プランジャ
615 弁ベース層
616 カッタ
618 弁座開口
634 シール
635 膜
820 カートリッジ
802、822、900 カートリッジレセプタクル
821 弁ダイアフラム
825 捕捉されたプランジャ
904 試料カートリッジ
936 弁

Claims (36)

  1. 一体式流体処理カートリッジを使用して遠心分離およびマイクロ流体処理を行う方法であって、
    前記一体式流体処理カートリッジは、
    マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域は、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
    内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に沈殿物抽出ポートが設けられ、該沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記マイクロ流体デバイスに抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通し、
    前記方法は、
    液体試料を前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に提供することと、
    前記沈殿物が前記遠位領域内に収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
    前記沈殿物の少なくとも一部分を含む濃縮された懸濁液が、前記沈殿物抽出ポートを通って流れて前記マイクロ流体デバイスに入るように、圧力差を前記マイクロ流体デバイスの前記沈殿物抽出チャネルと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間にかけ、それによって前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイスに移送することと、
    前記流体構成要素の一つ以上を前記外面を介して作動させることによって、前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス内で流体的に処理することとを含む、方法。
  2. 前記遠心分離デバイスは、ロータに枢動式に連結されたレセプタクルを備え、前記方法は、さらに、
    前記圧力差を前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記沈殿物抽出チャネルとの間にかけ、前記一つ以上の流体構成要素を前記外面を介して作動させるように構成されたカートリッジインターフェイシング組立体を提供することと、
    前記一体式流体処理カートリッジの遠心分離の前に、前記ロータが停止しているとき、前記外面が前記ロータの回転軸に対して横方向に外方向に方向付けられるように、前記一体式流体処理カートリッジを前記レセプタクル内に挿入することと、
    遠心分離の後、前記カートリッジインターフェイシング組立体を前記一体式流体処理カートリッジにインターフェースすることとを含み、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスとの間の前記圧力差は、前記カートリッジインターフェイシング組立体によってかけられ、
    前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス内で流体的に処理することは、前記流体構成要素の一つ以上を前記カートリッジインターフェイシング組立体によって作動させることによって行われる、請求項1に記載の方法。
  3. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、その近位領域内にガス透過性ベントを備え、前記カートリッジインターフェイシング組立体を前記一体式流体処理カートリッジにインターフェースすることは、前記ガス透過性バントをガス移動機構にインターフェースすることを含み、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスとの間の前記圧力差は、前記ガス移動機構を作動させることによってかけられる、請求項2に記載の方法。
  4. 前記マイクロ流体デバイスは、前記沈殿物抽出ポートを通る流体の流れを制御するように構成された弁を備え、前記弁は、前記外面を介して作動されるように構成され、前記弁は、前記カートリッジインターフェイシング組立体が前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされないとき、閉状態にラッチされるように構成され、前記方法は、さらに、
    前記圧力差を前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスとの間にかけながら、前記弁を前記カートリッジインターフェイシング組立体によって作動させて前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス内に流すことを含む、請求項2に記載の方法。
  5. 前記一体式流体処理カートリッジおよび前記レセプタクルの一方は、さらに、遠心分離中に前記弁を閉位置にラッチするための弁ラッチを備え、前記弁を作動させる前記ステップは、前記弁ラッチを作動させることによって少なくとも部分的に行われる、請求項4に記載の方法。
  6. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、緩衝液体を含み、該緩衝液体は、遠心力の付加の下で前記沈殿物を収集するために、液体インターフェース面を前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に形成するように構成され、
    前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、上澄み供給ポートを有する上澄みチャンバを備え、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に上澄み抽出ポートが設けられ、該上澄み抽出ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み供給ポートは、上澄みの大部分を前記マクロ流体遠心分離チャンバから前記上澄みチャンバ内に抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバデバイスが重力に対して直立状態に方向付けられたとき、前記液体インターフェース面の上方に位置付けられ、それにより、前記上澄みの残留量は、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に保持され、
    前記沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記残留量内に再懸濁させた後で前記残留量の少なくとも一部分を抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通し、前記沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバが前記直立状態に方向付けられたとき、前記上澄み抽出ポートと前記液体インターフェース面との間に配置され、
    前記方法は、さらに、前記圧力差を前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスの前記沈殿物抽出チャネルとの間にかけて前記濃縮された懸濁液を抽出する前に、
    前記上澄みが、前記上澄み抽出ポートを通り、前記上澄み供給チャネルを通り、前記上澄み供給ポートを通って流れるように、前記上澄みチャンバと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって前記上澄みを前記上澄みチャンバに移送することと、
    前記一体式流体処理カートリッジを撹拌して前記沈殿物を前記残留量内に再懸濁させることとを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
  7. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、希釈剤供給抽出ポートを有する希釈剤チャンバを備え、
    希釈剤供給ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記希釈剤供給ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの希釈剤供給チャネルと流体連通し、前記希釈剤抽出ポートは、希釈剤を前記希釈剤チャンバから前記上澄みチャンバ内に供給するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記希釈剤供給チャネルと流体連通し、
    前記方法は、さらに、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスの前記上澄みチャンバとの間に前記圧力差をかけて前記上澄みを抽出した後:
    希釈剤が、前記希釈剤抽出ポートを通り、前記希釈剤供給チャネルを通り、前記希釈剤供給ポートを通って流れるように、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記希釈剤チャンバとの圧力差を間にかけ、それによって希釈剤を前記マクロ流体遠心分離チャンバに移送することと、
    前記一体式流体処理カートリッジを撹拌して前記沈殿物を前記希釈剤内に再懸濁することと、
    前記沈殿物が前記遠位領域内で収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを前記遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
    前記上澄みが、前記上澄み抽出ポートを通り、前記上澄み供給チャネルを通り、前記上澄み供給ポートを通って流れるように、圧力差を前記上澄みチャンバと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間にかけ、それによって前記上澄みを前記上澄みチャンバに移送することと、
    前記一体式流体処理カートリッジを撹拌して前記沈殿物を前記残留量内に再懸濁させることとを含む、請求項6に記載の方法。
  8. 遠心分離およびマイクロ流体処理を行うためのシステムであって、
    一体式流体処理カートリッジであって、
    マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域は、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
    内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
    沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記マイクロ流体デバイスに抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通する、一体式流体処理カートリッジと、
    遠心分離デバイスであって、
    ロータと、
    前記ロータに枢動的に連結されたレセプタクルであって、前記一体式流体処理カートリッジを受け入れるように構成され、それにより、前記ロータが停止しているとき、前記外面は、前記ロータの回転軸に対して横方向にかつ外方向に方向付けられる、レセプタクルとを備える、遠心部分離デバイスと、
    前記ロータが停止しているとき、前記一体式流体処理カートリッジに取り外し可能にインターフェースされるように構成されたカートリッジインターフェイシング組立体と、
    前記遠心分離デバイスおよび前記カートリッジインターフェイシング組立体と動作可能にインターフェースされる制御および処理ユニットであって、前記制御および処理ユニットは、
    前記遠心分離デバイスを制御して、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離にかけるように、
    前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、前記遠心分離デバイスが停止しているとき、前記カートリッジインターフェイシング組立体を前記一体式流体処理カートリッジにインターフェースするように、
    前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記沈殿物抽出チャネルとの間に圧力差を働かせて、前記マイクロ流体デバイス上に、前記沈殿物の少なくとも一部分を含む濃縮された懸濁液を抽出し、前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス上で流体的に処理するように、
    前記カートリッジインターフェイシング組立体を制御して、前記一つ以上の流体構成要素を作動させて前記濃縮された懸濁液を前記マイクロ流体デバイス上で流体的に処理するように構成される、制御および処理ユニットとを備える、システム。
  9. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、その近位領域内にガス透過性ベントを備え、前記カートリッジインターフェイシング組立体は、前記マクロ流体遠心分離チャンバを出入りする液体の前記流れを制御するために、前記ガス透過性ベントをガス移動機構にインターフェースするように構成される、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記マイクロ流体デバイスは、前記沈殿物抽出ポートを通る流体の流れを制御するように構成された弁を備え、前記弁は、前記外面を介して作動されるように構成され、前記弁は、前記カートリッジインターフェイシング組立体が、前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされないとき、閉状態にラッチされるように構成される、請求項8に記載のシステム。
  11. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、遠心分離中に前記弁を閉位置にラッチするために弁ラッチを備え、前記カートリッジインターフェイシング組立体は、前記一体式流体処理カートリッジにインターフェースされたとき、前記弁ラッチの操作を制御するように構成される、請求項10に記載のシステム。
  12. 前記レセプタクルは、さらに、遠心分離中に前記弁を閉位置にラッチするための弁ラッチを備え、前記カートリッジインターフェイシング組立体は、前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされたとき、前記弁ラッチの操作を制御するように構成される、請求項10に記載のシステム。
  13. 前記カートリッジインターフェイシング組立体は、前記一体式流体処理カートリッジが前記レセプタクル内に受け入れられたとき、弁ラッチ組立体を前記一体式流体処理カートリッジに取り外し可能に係合するように構成され、前記弁ラッチ組立体は、遠心分離中に前記弁を閉位置にラッチするための弁ラッチを備え、前記カートリッジインターフェイシング組立体は、前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされたとき、前記弁ラッチの操作を制御するように構成される、請求項10に記載のシステム。
  14. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、緩衝液体を含み、該緩衝液体は、遠心力の付加の下で前記沈殿物を収集するために、液体インターフェース面を前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に形成するように構成され、
    前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、上澄み供給ポートを有する上澄みチャンバを備え、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に上澄み抽出ポートが設けられ、該上澄み抽出ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み供給ポートは、上澄みの大部分を前記マクロ流体遠心分離チャンバから前記上澄みチャンバ内に抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバが重力に対して直立状態に方向付けられたとき、前記液体インターフェース面の上方に位置付けられ、それにより、前記上澄みの残留量は、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に保持され、
    前記沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記残留量内に再懸濁させた後で前記残留量の少なくとも一部分を抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通し、前記沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバが前記直立状態に方向付けられたとき、前記上澄み抽出ポートと前記液体インターフェース面との間に配置される、請求項8から13のいずれか一項に記載のシステム。
  15. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、希釈剤抽出ポートを有する希釈剤チャンバを備え、
    希釈剤供給ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記希釈剤供給ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの希釈剤供給チャネルと流体連通し、前記希釈剤抽出ポートは、希釈剤を前記希釈剤チャンバから前記上澄みチャンバ内に供給するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記希釈剤供給チャネルと流体連通する、請求項14に記載のシステム。
  16. マクロ流体分離およびマイクロ流体処理を行うための一体式流体処理カートリッジであって、
    マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域は、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成される、マクロ流体遠心分離チャンバと、
    内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられ、前記マイクロ流体デバイスは、前記外面を介して作動されるように構成された一つ以上の流体構成要素を備える、マイクロ流体デバイスとを備え、
    沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に設けられ、前記沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記マイクロ流体デバイスに抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物抽出チャネルと流体連通する、一体式流体処理カートリッジ。
  17. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、緩衝液体を含み、該緩衝液体は、遠心力の付加の下で前記沈殿物を収集するために、液体インターフェース面を前記マクロ流体遠心チャンバの前記遠位領域内に形成するように構成され、
    前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、上澄み供給チャネルポートを有する上澄みチャンバを備え、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に上澄み抽出ポートが設けられ、該上澄み抽出ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み供給ポートは、上澄みの大部分を前記マクロ流体遠心分離チャンバから前記上澄みチャンバ内に抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバが、重力に対して直立状態に方向付けられたとき、前記液体インターフェース面の上方に位置付けられ、それにより、前記上澄みの残留量は、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に保持され、
    前記沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記沈殿物抽出ポートは、前記沈殿物を前記残留量内に再懸濁させた後で前記残留量の少なくとも一部分を抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの沈殿物供給チャネルと流体連通し、前記沈殿物抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバが、前記直立状態に方向付けられたとき、前記上澄み抽出ポートと前記液体インターフェース面との間に配置される、請求項16に記載の一体式流体処理カートリッジ。
  18. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、希釈剤抽出ポートを有する希釈剤チャンバを備え、
    希釈剤供給ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記希釈剤供給ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの希釈剤供給チャネルと流体連通し、前記希釈剤抽出ポートは、希釈剤を前記希釈剤チャンバから前記上澄みチャンバ内に供給するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記希釈剤供給チャネルと流体連通する、請求項17に記載の一体式流体処理カートリッジ。
  19. 前記マイクロ流体デバイスは、前記沈殿物抽出ポートを通る流体の流れを制御するように構成された弁を備え、前記弁は、前記外面を介して作動されるように構成される、請求項16に記載の一体式流体処理カートリッジ。
  20. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、遠心分離中に前記弁を閉位置にラッチするための弁ラッチを備える、請求項19に記載の一体式流体処理カートリッジ。
  21. 前記マクロ流体遠心分離チャンバは、さらに、流体処理中に前記マクロ流体遠心分離チャンバ内で液体レベルを監視するために一つ以上の液体レベル感知電極を備える、請求項16から20のいずれか一項に記載の一体式流体処理カートリッジ。
  22. マイクロ流体ダイアフラム弁であって、
    表面内にポートが形成されたベース層と、
    第1の表面および反対の第2の表面を有するマイクロ流体層であって、前記ベース層上に設けられ、それにより、前記第2の表面は、前記ベース層の前記表面に取り付けられ、
    前記マイクロ流体層は、弁座開口と流体連通する横方向のマイクロ流体チャネルを備え、前記弁座開口は、前記ポートの上方に配置され、前記弁座開口は、前記マイクロ流体層を貫通して延びる、マイクロ流体層と、
    前記マイクロ流体層の前記第2の表面に接着された膜であって、前記弁座開口を密封する、膜と、
    前記膜の外面と接触するように配置されたプランジャであって、それにより、内方に向けられた十分な力を前記プランジャに付加したとき、前記プランジャは、前記弁座開口内に受け入れられ、前記膜は前記ポートに対するシールを形成する、プランジャとを備える、マイクロ流体ダイアフラム弁。
  23. 前記横方向マイクロ流体チャネルの少なくとも一部分は、前記マイクロ流体層を通って延び、前記膜は、さらに、前記横方向マイクロ流体チャネルの少なくとも前記一部分を密封する、請求項22に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  24. 前記横方向マイクロ流体チャネルの少なくとも一部分は、前記第1の表面と前記第2の表面の間に位置する、請求項22に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  25. 前記プランジャは、前記膜の前記外面に接着される、請求項22から24のいずれか一項に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  26. 前記弁座開口は、第1の弁座開口であり、前記マイクロ流体ダイアフラム弁は、さらに、
    追加の弁座開口が中に形成された追加の層であって、前記マイクロ流体層上に設けられ、それにより、前記追加の弁座開口は、前記第1の弁座開口と位置合わせされ、前記膜の一部分は、前記追加の層と前記マイクロ流体層の間に位置する、追加の層を備える、請求項22から25のいずれか一項に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  27. 前記膜は、第1の膜であり、前記マイクロ流体ダイアフラム弁は、さらに、第2の膜を備え、前記第2の膜の一部分は、前記追加の層と前記マイクロ流体層の間に位置し、前記第2の膜は、前記第1の弁座開口を密封し、それにより、前記プランジャは、前記第1の膜と前記第2の膜の間に捕捉的に位置する、請求項26に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  28. 前記膜は、第1の膜であり、前記マイクロ流体ダイアフラム弁は、さらに、第2の膜を備え、前記第2の膜は、前記追加の層の外面に接着され、それにより、前記第2の膜は、前記追加の弁座開口を密封し、前記プランジャは、前記第1の膜と前記第2の膜の間に捕捉的に位置する、請求項26に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  29. 前記第2の膜は、前記プランジャへの力の付加の不存在下で、前記シールを維持するのに十分な圧縮力をもたらすように構成される、請求項27または28に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁。
  30. 装置であって、
    請求項27から29のいずれか一項に記載のマイクロ流体ダイアフラム弁と、
    前記第2の膜に押し付けられたとき、前記第2の膜の少なくとも一部分を切断するように構成された切削工具とを備える、装置。
  31. 前記切削工具は、さらに、前記マイクロ流体ダイアフラム弁を封止するために前記プランジャに力を付加するように構成される、請求項30に記載の装置。
  32. 一体式流体処理カートリッジを使用して遠心分離を行う方法であって、
    前記一体式流体処理カートリッジは、
    マクロ流体遠心分離チャンバであって、前記マクロ流体遠心分離チャンバの遠位領域は、遠心力の付加の下で沈殿物を収集するように構成され、上澄み抽出ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバの前記遠位領域内に設けられる、マクロ流体遠心分離チャンバと、
    上澄み供給ポートが中に形成された上澄みチャンバと、
    内面および外面を有するマイクロ流体デバイスであって、前記内面は、前記マクロ流体遠心分離チャンバの側面に取り付けられる、マイクロ流体デバイスとを備え、
    前記上澄み抽出ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの上澄み供給チャネルと流体連通し、前記上澄み供給ポートは、上澄みの大部分を前記マクロ流体遠心分離チャンバから前記上澄みチャンバ内に抽出するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記上澄み供給チャネルと流体連通し、
    前記方法は、
    液体試料を前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に提供することと、
    前記沈殿物が前記遠位領域内に収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
    前記上澄みが前記上澄み供給チャネルを通って流れるように、前記上澄みチャンバと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって前記上澄みを前記上澄みチャンバに移送することとを含む、方法。
  33. 前記遠心分離デバイスは、ロータに枢動式に連結されたレセプタクルを備え、前記方法は、さらに、
    前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースするように構成されたカートリッジインターフェース組立体を提供することと、
    前記一体式流体処理カートリッジの遠心分離前に前記一体式流体処理カートリッジを前記レセプタクル内に挿入することと、
    遠心分離後に前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされるように、前記カートリッジインターフェイシング組立体を並進させることと、
    前記カートリッジインターフェイシング組立体を作動させて前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記上澄みチャンバとの間に前記圧力差をかけて前記上澄みを前記マイクロ流体内に流すこととを含む、請求項32に記載の方法。
  34. 前記マイクロ流体デバイスは、前記上澄み供給チャネルを通る前記上澄みの流体の流れを制御するように構成された上澄み制御弁を備え、前記上澄み制御弁は、前記外面を介して作動するように構成され、前記上澄み制御弁は、前記カートリッジインターフェイシング組立体が前記一体式流体処理カートリッジとインターフェースされないとき、閉状態にラッチされるように構成され、前記方法は、さらに、
    前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記上澄みチャンバとの間に前記圧力差をかけながら、前記カートリッジインターフェイシング組立体によって前記上澄み制御弁を開いて、前記マイクロ流体デバイス内に前記上澄みを流すこととを含む、請求項33に記載の方法。
  35. 前記一体式流体処理カートリッジおよび前記レセプタクルの一方は、さらに、遠心分離中に前記上澄み制御弁を閉位置にラッチするための上澄み弁ラッチを備え、前記上澄み制御弁を開く前記ステップは、前記上澄み弁ラッチを作動させることによって少なくとも部分的に行われる、請求項34に記載の方法。
  36. 前記一体式流体処理カートリッジは、さらに、希釈剤供給抽出ポートを有する希釈剤チャンバを備え、
    希釈剤供給ポートは、前記マクロ流体遠心分離チャンバ内に設けられ、前記希釈剤供給ポートは、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの希釈剤供給チャネルと流体連通し、前記希釈剤抽出ポートは、希釈剤を前記希釈剤チャンバから前記上澄みチャンバ内に供給するために、前記側面を介して、前記マイクロ流体デバイスの前記希釈剤供給チャネルと流体連通し、
    前記方法は、さらに、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記マイクロ流体デバイスの前記上澄みチャンバとの間に前記圧力差をかけて前記上澄みを抽出した後:
    希釈剤が、前記希釈剤抽出ポートを通り、前記希釈剤供給チャネルを通り、前記希釈剤供給ポートを通って流れるように、前記マクロ流体遠心分離チャンバと前記希釈剤チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって希釈剤を前記マクロ流体遠心分離チャンバに移送することと、
    前記一体式流体処理カートリッジを撹拌して前記沈殿物を前記希釈剤内に再懸濁することと、
    前記沈殿物が前記遠位領域内で収集されるように、前記一体式流体処理カートリッジを前記遠心分離デバイスによって遠心分離にかけることと、
    前記上澄みが、前記上澄み抽出ポートを通り、前記上澄み供給チャネルを通り、前記上澄み供給ポートを通って流れるように、前記上澄みチャンバと前記マクロ流体遠心分離チャンバとの間に圧力差をかけ、それによって前記上澄みを前記上澄みチャンバに移送することとを含む、請求項35に記載の方法。
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