本開示は、ウイルス蛋白を標的とすることから離れて宿主(対象)の先天性抗ウイルス性応答を標的とし増強することにウイルス処置の焦点をシフトさせる化合物、医薬組成物および方法を提供する。かかる化合物、医薬組成物および方法は、有効で、ウイルス耐性の出現にあまり感受性ではなく、より少数の副作用を引き起こし、一連の異なるウイルスに対して有効であるようである。
レチノイン酸誘導遺伝子1(RIG−I)経路は、RNAウイルス感染を含めたウイルス感染への先天性免疫応答の調節に密接に関係する。RIG−Iは、広範囲のRNAウイルスに対する免疫を引き起こすことに必須である細胞質性病原体認識受容体である。RIG−Iは、ウリジンまたは高分子U/Aモチーフのホモポリマー状伸張により特徴付けられるRNAウイルスゲノム内のモチーフに結合する二本鎖RNAヘリカーゼである。RNAへの結合は、自己抑制因子領域によるRIG−Iシグナリング抑制を取り除く立体構造変化を誘導し、かくして、RIG−Iがそのタンデムカスパーゼ活性化および漸増領域(CARD)を通じて下流にシグナルを伝えるのを可能とする。RIG−IシグナリングはそのNTPase活性に依存するが、ヘリカーゼ領域を必要としない。RIG−Iシグナリングは休止細胞においてサイレントであり、抑制因子領域は、ウイルス感染に応じてシグナリングを管理する、オン・オフ・スイッチとして機能する。
ある理論または特定の作用機序により拘束されることなく、RIG−Iシグナリングは、外部ミトコンドリア膜に存在する必須アダプタータンパク質のIPS−1(CaRdif、MAVおよびVISAとしても知られる)を介して伝達される。IPS−1は、I型インターフェロン(IFN)および感染を制御するウイルス応答性遺伝子の発現を誘導する転写因子であるIRF−3の下流活性化を刺激する高分子のシグナル複合体を回復する。直接的またはIRF−3を含めたRIG−I経路成分の調節を介してRIG−Iシグナリングを引き起こす化合物は、抗ウイルス薬または免疫調節剤として魅力的な治療適用を示す。
ある種の具体例において、高処理スクリーニングアプローチを用いて、RIG−I経路を調節する化合物を同定した。特定の具体例において、確認されたRIG−Iアゴニストリード化合物は、IRF−3を特異的に活性化することが実証された。さらなる具体例において、化合物は、以下の1を超える利点:アナログ開発およびSAR試験、薬物様生理化学的特性および/またはデング熱ウイルス(DNV)、ヒトコロナウイルス(SARSおよびMERS様の病原体)、インフルエンザA型ウイルス、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)および/またはC型肝炎ウイルス(HCV)を含めたウイルスに対する抗ウイルス活性に適当なインターフェロン活性化遺伝子の発現(細胞ベースのアッセイにおけるISG低細胞毒性)を誘導する、ことを有する。さらなる具体例において、化合物は、ヒトサイトメガロウイルスを含むdsDNAウイルスに対する抗ウイルス活性を示す。ある種の具体例において、化合物はこれらの特性をすべて示す。
開示された化合物は、新しいクラスの抗ウイルス性治療学を示す。本開示は、in vivoでの化合物の特定の作用機序により結び付かないが、化合物は先天性免疫の抗ウイルス性応答のそれらの調節で選択される。ある種の具体例において、調節はRIG−I経路の活性化である。本明細書に開示される化合物、医薬組成物および方法は機能して、ウイルス感染の実験モデルにおける1以上のウイルス蛋白、ウイルスRNAおよび感染性ウイルスを減少させる。
本明細書の開示は、式1:
[式中、Lは、NR2、O、S、C(=O)N、CR2R3CR2R3、CR2R3NR2、CR4=CR4、CR2R3O、CR2R3S、NR2CR2R3、NR2C(=O)、NS(O)t、OCR2R3、SCR2R3であり得;
Vは、(CR2R3)u、C(=O)CR2R3、CR2R3O、CR2R3OCR2R3、CR4=CR4、C≡C、C(=NR2)またはC(=O)であり;
QはNR2、O、S(O)tまたは結合であり得;
t=0、1、2;u=0〜3;
点線は、結合の存在または不存在を示し;R1はRa、OR2またはNR2R3であり得;
Raは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり得;R2およびR3は各々独立して、Ra、C(=O)RaまたはSO2Raであることができ、R2およびR3は、所望により置換された炭素環、複素炭素環、アリールまたはヘテロアリール環を形成することができ;R4は各々独立してR2、ORa、C(=O)Ra、C(=O)NR2R3、NR2R3、NRb(=O)Ra、SRa、SORa、SO2Ra、SO2NHRa、SO2NR2R3、NCORa、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり得;WおよびXは各々独立して、N、NRa、NR5、O、S、CR2R4またはCR4であり得;R5はRa、C(=O)Ra、(SO2Ra)であり得るか、または存在せず;Y1、Y2、Y3およびY4は各々独立して、CR4またはNであることができ;およびNR2R3は、限定されるものではないが、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンを含めた所望により置換された複素環またはヘテロアリール環を形成することができる。]
により表わされる化合物のクラスに関する。
ある具体例において、式1に関して、Y1はCR4またはNであり得る。例えば、Y1はCR4であり得る。
ある具体例において、式1に関して、Y2はCR4またはNであり得る。例えば、Y2はCR4であり得る。
ある具体例において、式1に関して、Y2はCR4またはNであり得る。例えば、Y3はCR4であり得る。
ある具体例において、式1に関して、Y1およびY2はCR4であり得、いくつかの例において、Y1およびY2は、以下に示されるごとく、R6により所望により置換された縮合複素環を形成することができる:
[式中、R
6は、H、CH
3、CH
2CH
3、Cl、Br、OH、OCH
3、SCH
3、NH
2、NHCH
3、N(CH
3)
2、SO
2NH
2、モルホリノ、CH
2C≡CHまたはNO
2であり得る。例えば、R
6はHまたはCH
3であり得る。]。
ある具体例において、式1に関して、Y3およびY4はCR4またはNであり得る。例えば、Y3およびY4はCR4であり得る。
ある具体例において、式1に関して、Y1、Y2、Y3およびY4はCR4であり得る。いくつかの例において、Y1、Y2、Y3およびY4はCHであり得る。いくつかの例において、Y1およびY2は、前記に示されるごとく、R6により所望により置換された縮合複素環を形成することができ、Y3およびY4はCHであり得る。
また、本開示は、式1A:
式1A
[式中、WはOまたはSであり得;R
1はR
a、OR
2またはNR
2R
3であり得る。R
1、R
2、R
3、R
4、R
aならびにVおよびWは、式1に関して前記に定義されたものであることができる。]により表わされる化合物のクラスに関する。ある具体例において、R
aは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり得;R
2およびR
3は各々独立して、R
a、COR
aまたはSO
2R
aであり得;R
4は各々独立して、R
2、OR
a、NR
2R
3、SR
a、SOR
a、SO
2R
a、SO
2NHR
a、NCOR
a、C(=O)R
a、CONR
2R
3、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり得;Vは、CR
2R
3、C(=O)、C(=O)CR
2R
3またはC(=N)R
2であり得;およびWはOまたはSであり得る。いくつかの例において、VはC=Oであり得、R
1は所望により置換されたアリール、または所望により置換されたヘテロアリールであり得る。例えば、R
1は所望により置換されたフェニル基であり得るか、またはR
1は所望により置換されたナフチルであり得る。
また、本開示は、式1B:
[式中、WはOまたはSであり得;およびR1はRaまたはNR2R3であり得る。R1、R2、R3、R4、R6、RaおよびVは、式1に関して前記に定義されたものである。]
により表わされる化合物のクラスに関する。いくつかの例において、VはC=Oであり得、およびR1は所望により置換されたアリール、または所望により置換されたヘテロアリールであり得る。例えば、R1は所望により置換されたフェニル基であり得るか、またはR1は所望により置換されたナフチルであり得る。
また、本開示は、式1C:
[式中、WはOまたはSであり得;およびR1はRa、OR2またはNR2R3であり得る。R1、R2、R3、R4、Ra、ならびにVおよびWは、式1に関して前記に定義されたものである。]により表わされる化合物のクラスに関する。ある具体例において、Raは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり得;R2およびR3は各々独立して、Ra、C(=O)RaまたはSO2Raであり得;R4は各々独立して、R2、ORa、NR2R3、SRa、SORa、SO2Ra、SO2NHRa、NCORa、C(=O)Ra、CONR2R3、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり得;Vは、CR2R3、C(=O)、C(=O)CR2R3またはC(=N)R2であり得;およびWはOまたはSであり得る。いくつかの例において、VはC=Oであり得、R1は所望により置換されたアリール、または所望により置換されたヘテロアリールであり得る。例えば、R1は所望により置換されたフェニル基であり得るか、またはR1は所望により置換されたナフチルであり得る。
注目する化合物のクラスは、化学式1A、1Bまたは1Cの化合物[式中、R4はHであり得;およびVはC=Oであり得る。]を含み得る。いくつかの具体例は、式1A、式、1Bまたは式1Cを有する化合物[式中、R1は所望により置換されたフェニルまたは所望により置換されたナフチルである。]を含み得る。種々の具体例は、式1A、式1Bまたは式1Cを有する化合物[式中、WがSであって、XがNである。]を有する化合物を含み得る。さらなる具体例は、式1A、式1Bまたは式1Cを有する化合物[式中、WがOであって、XはNである。]を有する化合物を含み得る。
また、本開示は、式2〜11のいずれか1つにより表わされる化合物のクラスを含む。
具体例は、式4を有する化合物[式中、R1は、少なくとも1つのハロゲンにより置換されたフェニル基、NR2R3により置換されたフェニル基、SO2NR2R3により置換されたフェニル基、CR2R3ORd、非置換のナフチル基、O(CR2R3)nRdにより置換されたナフチル基、NRa(CR2R3)nRd、NRa(CR2R3)nNR2R3、ピリジニル基およびフェニル基を含む二員環状構造、またはフェニル基およびジオキソラニル基を含む二員環状構造であり得;Raは各々独立して、Hまたは所望により置換されたヒドロカルビル(C1−C10)であり得;R2およびR3は各々独立して、Ra、CORa、(CH2)nOまたはSO2Raであり得;R4は各々独立して、Raであり得;Rdはフェニル基またはモルホリノであり得;R5はHまたはCH3であり得;R6はHまたはCH3であり得;およびnは1、2、3または4であり得る。]を含み得る。
式4を有する特定の具体例は、以下の化合物により表わすことができる。
具体例は、式5を有する化合物[式中、R1は、少なくとも1つのハロゲンにより置換されたフェニル基、NR2R3により置換されたフェニル基、SO2Rdにより置換されたフェニル基、O(CR2R3)nRdにより所望により置換されたナフチル基または非置換のナフチル基であり得;Raは各々独立して、Hまたは所望により置換されたC1−C10ヒドロカルビルであり得;R2、R3および各R4は独立してRaであり得、Rdは所望により置換されたフェニルまたは所望により置換されたモルホリノであり得;R5はHまたはCH3であり得;R6はHまたはCH3であり得、およびnは1、2、3または4であり得る。]を含み得る。
式4を有する特定の具体例は、以下の化合物により表わすことができる。
種々の具体例において、化合物は式:
[式中、R4は、Rd、SO2Rd、C(=O)Rd、NH C(=O)Rd、Re、ORcまたはCF3であり得、ここに、RcはHまたはC1−C10ヒドロカルビルであり得、Rdは置換された複素環、非置換の複素環または非置換の炭素環であり得、およびReは、置換されたヘテロアリールまたは置換されたフェニルであり得;およびnは1または2であり得る。]
により表わすことができる。特定の具体例において、R4は、CF3、ORc、または少なくとも1つのOCH3基により置換されたフェニル基であり得る。
加えて、式1Dのいくつかの具体例は、以下により表わされた化合物を含み得る。
[式中、R
4は、(i)C(=O)R
dであり得、R
dはピロリドニル基であるか、(ii)SO
2R
dであり得、R
dはピペリジニル基であるか、(iii)NHC(=O)R
dであり得、R
dはフェニル基またはフラニル基であるか、(iv)イミダゾリル基であり得るか、または(v)チアゾール基であり得る。]
さらに、式1Dのいくつかの具体例は、以下により表わされた化合物を含み得る。
[式中、XはNHまたはOであり得る。]
式1Dの具体例は、以下により表わされた化合物を含み得る。
ある具体例において、化合物は以下の式により表わすことができる。
[式中、R4は各々独立して、R2、ORa、NR2R3、SRa、SORa、SO2Ra、SO2NHRa、NCORa、C(=O)Ra、CONR2R3、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり得、n=1〜4であり得る。] いくつかの具体例において、R4は所望により置換されたヘテロアリールであり得る。加えて、R4は所望により置換されたヘテロアリールであり得、nは1であり得る。種々の具体例において、化合物は以下の式により表わすことができる。
いずれかの関連する構造的特徴に関して、ここに、Raは各々独立してH;C1−12またはC1−6ヒドロカルビルのごとき所望により置換されたヒドロカルビル;所望により置換されたフェニルを含めた所望により置換されたC6−12アリールのごとき所望により置換されたアリール基;所望により置換されたピリジニル、所望により置換されたフラニル、所望により置換されたチエニルなどのごとき所望により置換されたC2−12ヘテロアリールを含めた、所望により置換されたヘテロアリールであり得る。いくつかの具体例において、Raは各々独立して、Hまたは、式CaHa+1を有する直鎖または分岐鎖アルキル、または式CaHa−1を有するシクロアルキルを含めたC1−12アルキルであり得、ここに、aは、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12であり、例えば、式:CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11、C6H13、C7H15、C8H17、C9H19、C10H21などの直鎖または分岐鎖アルキル、または式:C3H5、C4H7、C5H9、C6H11、C7H13、C8H15、C9H17、C10H19などのシクロアルキルである。
Raに関して、いくつかの具体例において、アリール基は、ハロゲン、トリハロメチル、アルコキシ、アルキルアミノ、OH、CN、アルキルチオ、アリールチオ、スルホキシド、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、カルボン酸、ニトロまたはアシルアミノで置換することができる、
Raに関して、いくつかの具体例において、ヘテロアリール基は単一であり得るか、または縮合され得る。いくつかの具体例において、単一のヘテロアリール基はイミダゾールであり得る。いくつかの具体例において、縮合されたヘテロアリール基はベンゾイミダゾールであり得る。いくつかの具体例において、ヘテロアリール基は、ハロゲン、トリハロメチル、アルコキシ、アルキルアミノ、OH、CN、アルキルチオ、アリールチオ、スルホキシド、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、カルボン酸、ニトロまたはアシルアミノで置換することができる。いくつかの具体例において、アルキル基は、分岐鎖、環状または多環であることができる。
Raに関して、ヒドロカルビルは、アルキル、アルケニルまたはアルキニルであり得る。いくつかの具体例において、アルキル基は、ハロゲン、トリハロメチル、アルコキシ、アルキルアミノ、OH、CN、ヘテロアリール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホキシド、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、カルボン酸、ニトロまたはアシルアミノで置換することができる。いくつかの具体例において、ヘテロアリール基は、単一であり得るか、またはまたは縮合され得る。いくつかの具体例において、単一のヘテロアリール基はイミダゾールであり得る。いくつかの具体例において、縮合されたヘテロアリール基はベンゾイミダゾールであり得る。いくつかの具体例において、アルケニル基は分岐鎖、環状、多環であることができる。いくつかの具体例において、アルケニル基は、ハロゲン、トリハロメチル、アルコキシ、アルキルアミノ、OH、CN、ヘテロアリール、アルキルチオ、アリールチオ、スルホキシド、アリールスルホニル、アルキルスルホニル、カルボン酸、ニトロまたはアシルアミノで置換することができる。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、Rbは、H、またはCH3、C2H5、C3H7、シクロプロピル、CH=CH2、CH2CH=CH2、C≡CH、CH2C≡CHなどのごときC1−3ヒドロカルビルであり得る。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、Rcは、Hまたは、CH3、C2H5、C3H7、シクロプロピルなどのごときC1−3アルキルであり得る。いくつかの具体例において、RcはHであり得る。
式1、式2、式3または式4のごとき、本明細書におけるいずれかの関連する式または構造的表現に関して、R1はRa、OR2またはNR2R3であり得る。いくつかの具体例において、R1は所望により置換されたフェニルであり得る。いくつかの具体例において、R1は非置換のフェニルであり得る。いくつかの具体例において、R1は所望により置換されたナフチルであり得る。いくつかの具体例において、R1は非置換のナフチルであり得る。他の具体例において、R1は以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
いくつかの具体例において、R1は、以下であり得る。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、R2はRa、CORaまたはSO2Raであり得る。いくつかの具体例において、R2は、H、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピルなど)、シクロプロピル、ブチル、シクロブチルまたはその異性体、ペンチル、シクロペンチルまたはその異性体、ヘキシル、シクロヘキシルまたはその異性体などであり得る。いくつかの具体例において、R2はHであり得る。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、R3は、Ra、C(=O)RaまたはSO2Raであり得る。いくつかの具体例において、R3は、H、メチル、エチル、プロピル(例えば、n−プロピル、イソプロピルなど)、シクロプロピル、ブチル、シクロブチルまたはその異性体、ペンチル、シクロペンチルまたはその異性体、ヘキシル、シクロヘキシルまたはその異性体などであり得る。いくつかの具体例において、R3はHであり得る。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、R4は各々独立して、R2、ORa、C(=O)Ra、CO2Ra、OCORa、CONR2R3、NR2R3、NRbC(=O)Ra、SRa、SORa、SO2Ra、SO2NHRa、SO2NRaRb、NC(=O)Ra、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=O、ニトロまたはC2−5ヘテロアリールであり得る。いくつかの具体例において、R4はHであり得る。
一般的に、R5およびR7〜R22は、Hまたは、0〜6個の炭素原子およびO、N、S、F、Cl、BrおよびIから独立して選択された0〜5個のヘテロ原子を有する、および/または15g/mol〜300g/molの分子量を有する置換基のごときいずれかの置換基であり得る。R5およびR7〜R22のいずれかは、a)1以上のアルキル部分、ここに、それは所望により、b)C=C、C≡C、CO、CO2、CON、NCO2、OH、SH、O、S、N、N=C、F、Cl、Br、I、CN、NO2、CO2H、NH2のごとき1以上の官能基で置換されたか、またはそれらにより所望により連結している、ことを含むことができ;または、F、Cl、Br、I、NO2、CN、NH2、OH、COH、CO2Hなどのごときアルキル部分を有さない置換基であり得る。
本明細書におけるいずれかの関係する構造的特徴に関して、R5は、Ra、CORa、SO2Raであり得るか、または存在しなくてもよい。R5のいくつかの例は、Hまたは、CH3、C2H5、C7、シクロプロピルなどのごときC1−3アルキルを含み得る。いくつかの具体例において、R5はCH3であり得る。いくつかの具体例において、R5はHである。
前記のいずれかの関連する式または構造的表現に関して、R19のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R19は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R19はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R5のいくつかの例は、Rb、または以下に示すごとき、C(=O)Rb、CO2Rb、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CNまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R5は、H、CH3、CH2CH3、SO2NH2またはCH2C≡CHであり得る。いくつかの具体例において、R5は、H、CH3、CH2CH3、CH2CH2CH3、CH2CH=CH2またはCH2C≡CHであり得る。いくつかの具体例において、R5はCH2C≡CHである。いくつかの具体例において、R5はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R7のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R7は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R7はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R8のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R8は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R8はH、ClまたはBrであり得る。いくつかの具体例において、R8はClであり得る。いくつかの具体例において、R8はBrであり得る。いくつかの具体例において、R8はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R9のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R9は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R9はH、ClまたはSO2NH2であり得る。いくつかの具体例において、R9はHであり得る。いくつかの具体例において、R9はClであり得る。いくつかの具体例において、R9はSO2NH2であり得る。いくつかの具体例において、R9はHであり得る。
いくつかの具体例において、R8およびR9は、一緒に連結して、
を形成することができる。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R10のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R10は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R10はHまたはClであり得る。いくつかの具体例において、R10はHであり得る。いくつかの具体例において、R10はClであり得る。いくつかの具体例において、R8およびR10はClであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R11のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、CF3、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを含み得る。いくつかの具体例において、R11は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R11はHであり得る。
いくつかの具体例において、R7およびR11はHであり得る。いくつかの具体例において、R7、R9およびR11はHであり得る。いくつかの具体例において、R7、R10およびR11はHであり得る。いくつかの具体例において、R7、R8、R10およびR11はHであり得る。いくつかの具体例において、R7、R8、R9およびR11はHであり得る。いくつかの具体例において、R7、R8、R9、R10およびR11はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R15のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、BrまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R15は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R15はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R16のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R16は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R16はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R17のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R17は、H、CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R17はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R18のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R18は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R18はHであり得る。
いくつかの具体例において、R15、R16、R17およびR18はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R12のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R12は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R12はHまたはSO2NH2であり得る。いくつかの具体例において、R12はHであり得る。いくつかの具体例において、R12はSO2NH2であり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R13のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R13は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R13はHであり得る。
いくつかの具体例において、R12およびR13はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R20のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R20は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R20は、H、CH2CH3、OCH3、N(CH3)2、モルホリノまたはSCH3であり得る。いくつかの具体例において、R20はHであり得る。いくつかの具体例において、R20はCH2CH3であり得る。いくつかの具体例において、R20はOCH3であり得る。いくつかの具体例において、R20はCN(CH3)2であり得る。いくつかの具体例において、R20はモルホリノであり得る。いくつかの具体例において、R20はSCH3であり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R22のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R22は、H、CH3またはCH2CH3であり得る。いくつかの具体例において、R22はHであり得る。
いくつかの具体例において、R19およびR22はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R14のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを含み得る。いくつかの具体例において、R14は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R14はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R13の例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R13は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R13はHであり得る。
前記のいずれかの関連する式または構造の表現に関して、R12のいくつかの例は、Rb、ORb、SRb、C(=O)Rb、CO2Rb、OC(=O)Rb、NRbRc、C(=O)NRbRc、NRbC(=O)Rc、SO2NRbRc、CF3、CN、NO2、F、Cl、Br、IまたはC2−5ヘテロシクリルを含み得る。いくつかの具体例において、R12は、H、CH3、CH2CH3、Cl、Br、OH、OCH3、SCH3、NH2、NHCH3、N(CH3)2、SO2NH2、モルホリノ、CH2C≡CHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R12はHまたはNO2であり得る。いくつかの具体例において、R12はHであり得る。いくつかの具体例において、R12はNO2であり得る。
いくつかの具体例において、R14、R13およびR12はHであり得る。いくつかの具体例において、R13およびR12はHであり得る。
表1の化合物のリストにより示唆されるごとく、いくつかの例において、芳香族炭素原子に連結される置換基はHである。
本明細書に開示された化合物の特定の具体例は、表1に示される構造を有する。
立体化学が明確に示されない限りは、化合物のいずれの構造、式または名称も、その化合物の立体異性体のいずれかの立体異性体またはいずれかの混合物をいうことができる。
特記しない限りは、構造、式、名称または他の手段による本明細書における化合物へのいずれの参照も、ナトリウム、カリウムおよびアンモニウム塩のごとき医薬上許容される塩;エステルプロドラッグのごときプロドラッグ;多形体、溶媒和物(solvate)、水和物などのごとき代替的な固体形態;互変異性体;異性体;または、化合物が本明細書に記載されるごとく用いられる条件下で本明細書に記載された化合物に迅速に転換し得るいずれかの他の化学種を含む。
本明細書に用いられる用語「医薬上許容される塩」は、医学的判断の範囲内で、過度の毒性、炎症およびアレルギー反応なくして、対象の組織に接する使用に適し、かつ合理的なベネフィット/リスク比と釣り合っている医薬の塩をいう。医薬上許容される塩は、当該技術分野においてよく知られている。1つの具体例において、医薬上許容される塩は硫酸塩である。例えば、S. M. Bergeら describes pharmaceutically acceptable salts in J. Pharm. Sci., 1977, 66:1-19。
適当な医薬上許容される酸付加塩は、無機酸または有機酸から調製することができる。かかる無機酸の例は、塩化水素酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、炭酸、硫酸およびリン酸である。適切な有機酸は、脂肪族、環状脂肪族、芳香族、アリール脂肪族、複素環、カルボキシおよびスルホンのクラスの有機酸から選択でき、その例は、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グリコール酸、マレイン酸、エンボン酸(パモ酸)、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、2−ヒドロキシエタンスルホン酸、パントテン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、スルファニル酸、メシル酸、シクロヘキシルアミノスルホン酸、ステアリン酸、アルゲン酸、β−ヒドロキシ酪酸、マロン酸、カラクト酸およびガラクツロン酸である。また、医薬上許容される酸性/陰イオンの塩は、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、重炭酸塩、酒石酸水素塩、臭化物、エデト酸カルシウム、カンシル酸塩、炭酸塩、塩化物、クエン酸塩、二塩酸塩、エデト酸塩、エジシル酸塩、エストル酸塩、エシル酸塩、フマル酸塩、グリセプテート(glyceptate)、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリコリルアルサニレート、ヘキシルレゾルシネート、臭化水素酸塩、塩酸塩、ヒドロキシナフトエート、ヨウ化物、イセチオネート、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ムコ酸塩、ナプシレート(napsylate)、硝酸塩、パモン酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、ポリガラクツロ酸塩、サリチル酸塩、ステアリン酸塩、塩基性酢酸塩(subacetate)、琥珀酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、テオクル酸塩、トシル酸塩、およびトリエチオダイド(triethiodide)が含まれる。
適当な医薬上許容される塩基付加塩は、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛ならびに、N,N’−ジベンジルエチレン−ジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチルグルカミン、リジン、アルギニンおよびプロカインから作成された有機塩を含む。これらの塩のすべては、例えば、その開示された化合物を適当な酸または塩基で処理することにより、開示された化合物により表される対応する化合物から従来の手段により調製することができる。また、医薬上許容される塩基/カチオンの塩は、ジエタノールアミン、アンモニウム、エタノールアミン、ピペラジンおよびトリエタノールアミン塩を含む。
医薬上許容される塩とは、親化合物の活性を保持し、医薬用途に許容できるいずれの塩も含む。また、医薬上許容される塩は、酸、もう一つの塩、酸または塩に変換されるプロドラッグの投与の結果として、in vivoにて形成し得るいずれかの塩をいう。
プロドラッグは、エステル基またはいくらかの他の生物学上不安定な基の加水分解によるごとき、投与後に治療上活性な化合物に変換される化合物を含む。
「官能基」とは、同様の化学特性が異なる化合物において生じ、したがって、官能基が、有機化合物のファミリーの物理的および化学的特性を規定する場合は常に、同様の化学特性を有する原子または原子団をいう。
特記しない限りは、例えば、アルキル、アリールなどのごときいずれかの化合物または化学的構造の特徴(本明細書において集合的に「化合物」という)が、「所望により置換された」として参照される場合、その化合物は置換基を有することができない(それは「非置換」である場合)またはそれが1以上の置換基を含み得る(それは「置換された」である場合)。「置換基」なる用語は、当業者に知られた通常の意味を有する。いくつかの具体例において、置換基は、当該技術分野において知られた通常の有機部分であり得、それは、15g/mol〜50g/mol、15g/mol〜100g/mol、15g/mol〜150g/mol、15g/mol〜200g/mol、15g/mol〜300g/molまたは15g/mol〜500g/molの分子量(例えば、その置換基の原子の原子質量の合計)を有することができる。いくつかの具体例において、置換基は、0〜30個、0〜20個、0〜10個または0〜5個の炭素(C)原子;および/またはN、O、S、Si、F、Cl、BrもしくはIを含む0〜30個、0〜20個、0〜10個または0〜5個のヘテロ原子を含み、但し、置換基は、置換された化合物においてC、N、O、S、Si、F、Cl、BrまたはIを含む少なくとも1つの原子を含む。置換基の例として、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アシル、アシロキシ、アルキルカルボキシレート、チオール、アルキルチオ、シアノ、ハロ、チオカルボニル、O−カルバミル、N−カルバミル、O−チオカルバミル、N−チオカルバミル、C−アミド、N−アミド、S−スルホンアミド、N−スルホンアミド、イソシアナト、チオシアナト、イソチオシアナト、ニトロ、シリル、スルフェニル、スルフィニル、スルホニル、ハロアルキル、ハロアルコキシル、トリハロメタンスルホニル、トリハロメタンスルホンアミド、アミノなどを含む。便宜上、「分子量」なる用語は、たとえそれが完全な分子でなくても、分子の基または部分における原子の原子質量の合計を示す分子の基または部分に関して用いられる。
「ヒドロカルビル」は、当該技術分野において一般的に理解される最も広い意味を有し、それは、炭素および水素からなる部分を含み得る。いくつかの例は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールなど、およびそれらの組合せを含むことができ、それは、直鎖、分岐鎖、環状またはそれらの組合せであり得る。ヒドロカルビルは、その構造が持つことができるいずれかの数の他の部分(例えば、−CH3および−CH=CH2などのごとき他方の基に結合でき;−フェニル、−C≡C−などのごとき2つの他の基;またはいずれかの数の他の基)に結合でき、いくつかの具体例において、1〜35個の炭素原子を含有することができる。ヒドロカルビル基の例として、C1アルキル、C2アルキル、C2アルケニル、C2アルキニル、C3アルキル、C3アルケニル、C3アルキニル、C4アルキル、C4アルケニル、C4アルキニル、C5アルキル、C5アルケニル、C5アルキニル、C6アルキル、C6アルケニル、C6アルキニル、フェニルなどを含む。
「アルキル」は、当該技術分野において一般的に理解される最も広い意味を有し、それは、二重または三重結合を含有せず、かついずれの環状構造も有しない炭素および水素よりなる部分を含み得る。アルキルは、直鎖アルキル、分岐鎖アルキル、シクロアルキルまたはその組合せであることができ、いくつかの具体例において、1〜35個の炭素原子を含有することができる。いくつかの具体例において、アルキルは、メチル(−CH3)、エチル(−CH2CH3)、n−プロピル(−CH2CH2CH3)、n−ブチル(−CH2CH2CH2CH3)、n−ペンチル(−CH2CH2CH2CH2CH3)、n−ヘキシル(−CH2CH2CH2CH2CH2CH3)などのごときC1−10の直鎖アルキル;C3H7(例えば、イソ−プロピル)、C4H9(例えば、分岐鎖ブチル異性体)、C5H11(例えば、分岐鎖ペンチル異性体)、C6H13(例えば、分岐鎖ヘキシル異性体)、C7H15(例えば、分岐鎖ヘプチル異性体)などのごときC3−10分岐鎖アルキル;C3H5(例えば、シクロプロピル)、C4H7(例えば、シクロブチル、メチルシクロプロピルなどのごときシクロブチル異性体)、C5H9(例えば、シクロペンチル、メチルシクロブチル、ジメチルシクロプロピルなどのごときシクロペンチル異性体)、C6H11(例えば、シクロヘキシル異性体)、C7H13(例えば、シクロヘプチル異性体)などのごとき、C3−10シクロアルキル;デカヒドロナフチルおよびノルボルニルのごときC3−12ビシクロアルキル;などを含み得る。
「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」とは、各々、置換されたおよび非置換のアルキル、アルケニルおよびアルキニルをいう。アルキル基は、本明細書に定義されるごとく、所望により置換することができる。
置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニルとは、H、アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アルコキシアルキルアリール、アルキルアミノ、アリールアミノ、NH2、OH、CN、NO2、OCF3、CF3、F、1−アミジン、2−アミジン、アルキルカルボニル、モルホルニル、ピペリジニル、ジオキサニル、ピラニル、ヘテロアリール、フラニル、チオフェニル、テトラゾロ、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、チアジアゾリル、チアジアゾール S−オキシド、チアジアゾール S,S−ジオキシド、ピラゾロ、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジニル、ピリミジニル、キノリニル、イソキノリニル、SR、SOR、SO2R、CO2R、COR、CONR’R’’、CSNR’R’’およびSOnNR’R’’を含めた1〜5個の置換基で置換されたアルキル、アルケニルおよびアルキニルをいう。本明細書に用いたR、R’および R’’は、Ra、Rb、Rc、Rd、Re、R2またはR3のごとき本開示に記載されたR基を含み得る。
「アルキニル」とは、単独または組合せのいずれかにおいて、2〜20個の炭素原子を有し、かつ1以上の炭素−炭素三重結合を有して、いずれの環状構造も有しない直鎖または分岐鎖の炭化水素を含む官能基をいう。アルキニル基は、本明細書に定義されるごとく、所望により置換され得る。アルキニル基の例として、エチニル、プロピニル、ヒドロキシプロピニル、ブチニル、ブチン−1−イル、ブチン−2−イル、3−メチルブチン−1−イル、ペンチニル、ペンチン−1−イル、ヘキシニル、ヘキシン−2−イル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル、ウンデシニル、ドデシニル、トリデシニル、テトラデシニル、ペンタデシニル、ヘキサデシニル、ヘプタデシニル、オクタデシニル、ノナデシニル、エイコシニルなどを含む。
「アルキレン」とは、単独でまたは組合せにおいて、メチレン(−CH2−)のごとき2以上の位置にて結合した直鎖または分岐鎖の飽和炭化水素から誘導された飽和脂肪族基をいう。特記しない限りは、「アルキル」は「アルキレン」基を含み得る。
「アルキルカルボニル」または「アルカノイル」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、カルボニル基を介して親分子部分に結合したアルキル基を含む官能基をいう。アルキルカルボニル基の例として、メチルカルボニル、エチルカルボニルなどを含み得る。
「ヘテロアルキル」は、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、もっぱら単鎖により連結した1〜20個の原子を含有する直鎖、分岐鎖または環状炭化水素を含む官能基をいい、ここに、その鎖中の少なくとも1つの原子は炭素であり、かつその鎖中の少なくとも1つの原子は、O、S、Nまたはそれらのいずれかの組合せである。ヘテロアルキル基は、完全に飽和できるか、または1〜3個の不飽和度を含み得る。非炭素原子はヘテロアルキル基のいずれの内部位置でも存在でき、かつ例えば、−CH2−NH−OCH3のごとく、2個以内の非炭素原子が連続することができる。加えて、非炭素原子は所望により酸化することができ、窒素は所望により四級化することができる。ヘテロアルキル基の例として、モルホリン、アザノルボルナン、テトラヒドロフランなどを含み得る。
「アルキルオキシ」あるいは「アルコキシ」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、アルキルエーテル基を含む官能基をいう。アルコキシの例として、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシなどを含み得る。
「ヒドロキシ」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、官能基ヒドロキシル(−OH)をいう。
「カルボキシル」または「カルボキシ」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、官能基−C(=O)OH、または対応する「カルボキシレート」アニオン−C(=O)O−をいう。例として、ギ酸、酢酸、シュウ酸および安息香酸を含む。「O−カルボキシル」基とは、一般式RCOOを有するカルボキシル基をいい、ここに、Rは有機的な部分または基である。「C−カルボキシル」基とは、一般式COORを有するカルボキシル基をいい、ここに、Rは有機的な部分または基である。
「オキソ」は、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、官能基=Oをいう。
「炭素環」は、当該技術分野において一般的に理解される最も広い意味を有し、それは、環原子がすべて炭素である環または環系を含む。例として、フェニル、ナフチル、アントラセニル、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニルなど、およびそれらの組合せを含む。
「複素環」は、当該技術分野において一般的に理解される最も広い意味を有し、それは、少なくとも1つの環原子がN、O、Sなどのごとき炭素ではない環または環系を含む。例として、ヘテロアリール、シクロヘテロアルキル、シクロヘテロアルケニル、シクロヘテロアルキニル、環状ヘテロアルキルなど、およびそれらの組合せを含み得る。複素環系の例として、キノリン、テトラヒドロイソキノリン、テトラヒドロピラン、イミダゾール、チオフェン、ジヒドロベンゾフランなどを含み得る。
「シクロアルキル」、「炭素環状アルキル」および「炭素環アルキル」は、単独または組合せのいずれかにおいて、もっぱら炭素環構造中の炭素−炭素単結合で連結された3〜12個の炭素原子の非結合の環状分子の環状構造で置換されたまたは非置換の非芳香族炭化水素を含む官能基をいう。シクロアルキル基は、単環、二環または多環であり得、例えば、アリール、ヘテロアリール、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニルのごとき1〜3個のさらなる環状構造を所望により含むことができる。
「低級シクロアルキル」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、もっぱら炭素環構造中の炭素−炭素単結合で連結された3〜6個の炭素原子の非結合の環状分子の環状構造を持つ単環の置換されたまたは非置換の非芳香族炭化水素を含む官能基をいう。低級シクロアルキル基の例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルを含み得る。
「アリール基」は、当該技術分野において一般的に理解される最も広い意味を有し、それは、芳香環または芳香族環系を含み得る。アリール基は、単環、二環または多環であり得、それは、例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルケニルまたはヘテロアリールのごとき1〜3個のさらなる環状構造を所望により含み得る。「アリール」なる用語は、フェニル(ベンゼニル)、チオフェニル、インドリル、ナフチル、トリル、キシリル、アントラセニル、フェナントリル、アズレニル、ビフェニル、ナフタレニル、1−メチルナフタレニル、アセナフテニル、アセナフチレニル、アントラセニル、フルオレニル、フェナレニル、フェナントレニル、ベンゾ[a]アントラセニル、ベンゾ[c]フェナントレニル、クリセニル、フルオランテニル、ピレニル、テトラセニル(ナフタセニル)、トリフェニレニル、アンサンスレニル、ベンゾピレニル、ベンゾ[a]ピレニル、ベンゾ[e]フルオランテニル、ベンゾ[ghi]ペリレニル、ベンゾ[j]フルオランテニル、ベンゾ[k]フルオランテニル、コランニュレニル、コロレニル、ジコロニレニル、ヘリセニル、ヘプタセニル、ヘキサセニル、オバレニル、ペンタセニル、ピセニル、ペリレニル、テトラフェニレニルなどを含む。
加えて、「アリール」、「ヒドロカルビル アリール」または「アリール炭化水素」とは、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、3〜12個の炭素原子の結合環状分子の環状構造を持つ置換されたまたは非置換の芳香族炭化水素を含む官能基をいうことができる。置換されたアリール基は、H、低級アルキル、アリール、アルケニル、アルキニル、アリールアルキル、アルコキシ、アリールオキシ、アリールアルコキシ、アルコキシアルキルアリール、アルキルアミノ、アリールアミノ、NH2、OH、CN、NO2、OCF3、CF3、Br、Cl、F、1−アミジノ、2−アミジノ、アルキルカルボニル、モルホリノ、ピペリジニル、ジオキサニル、ピラニル、ヘテロアリール、フラニル、チオフェニル、テトラゾロ、チアゾール、イソチアゾロ、イミダゾロ、チアジアゾール、チアジアゾール S−オキシド、チアジアゾール S,S−ジオキシド、ピラゾロ、オキサゾール、イソキサゾール、ピリジニル、ピリミジニル、キノリン、イソキノリン、SR、SOR、SO2R、CO2R、COR、CONR’R’’、CSNR’R’’、SOnNR’R’’などを含めた1〜5個の置換基で置換されたアリールをいう。
「低級アリール」は、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、3〜10個の炭素原子の結合した環状分子の環状構造を持つ置換されたまたは非置換の芳香族炭化水素を含む官能基をいう。低級アリール基の例はフェニル基およびナフチルを含み得る。
「ヘテロアリール」は、単独でまたは組合せのいずれかにおいて、3〜12個の原子の結合した環状分子の環状構造を持つ置換されたまたは非置換の芳香族炭化水素を含む官能基をいい、ここに、環状構造中の少なくとも1つの原子は炭素であって、環状構造中の少なくとも1つの原子はO、S、Nまたはそのいずれかの組合せである。ヘテロアリール基は、単環、二環または多環であり得、例えば、アリール基、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニルのごとき1〜3個のさらなる環状構造を所望により含み得る。ヘテロアリール基の例として、アクリジニル、ベンジドリル、ベンズイミダゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾジオキシニル、ジヒドロベンゾジオキシニル、ベンゾジオキソリル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾフリル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾピラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾ[c]チオフェニル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾチエニル、カルバゾリル、クロモニル、シノリニル、ジヒドロシノリニル、クマリニル、ジベンゾフラニル、フロピリジニル、フリル、インドリジニル、インドリル、ジヒドロインドリル、イミダゾリル、インダゾリル、イソベンゾフリル、イソインドリル、イソインドリニル、ジヒドロイソインドリル、イソキノリル、ジヒドロイソキノリニル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、フェナントロリニル、フェナントリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピロリニル、ピロリル、ピロロピリジニル、キノリル、キノキサリニル、キナゾリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラゾロピリダジニル、テトラヒドロイソキノリニル、チオフェニル、チアゾリル、チアジアゾリル、チエノピリジニル、チエニル、チオフェニル、トリアゾリル、キサンテニルなどを含み得る。
本明細書に記載されたいくつかの具体例に関連したフェニル構造を以下に示す。以下に示されるごとく、この構造は非置換であり得るか、またはその構造が非置換の場合に、置換基が水素原子により通常占有されるいずれかの位置に独立して存在することができるように置換することができる。結合点が−|により示されない限りは、結合は、水素原子により通常占有されるいずれの位置でも生じ得る。
Raは各々独立して、H;所望により置換されたヒドロカルビル;所望により置換されたフェニルまたは所望により置換されたアリールのごとき所望により置換されたアリール;所望により置換されたピリジニル、所望により置換されたフリル、所望により置換されたチエニルなどのごとき所望により置換されたヘテロアリールであることができる。いくつかの具体例において、Raは各々独立して、H、または、式:CH3、C2H5、C3H7、C4H9、C5H11、C6H13、C7H15、C8H17、C9H19、C10H21などの直鎖または分岐鎖アルキルのごとき直鎖または分岐鎖アルキル、または式:C3H5、C4H7、C5H9、C6H11、C7H13、C8H15、C9H17、C10H19のシクロアルキルを含めたC1−12アルキルであり得る。
医薬組成物
他の具体例によれば、本開示は、本明細書に記載されたいずれか1つの化合物を含む医薬組成物を提供する。
医薬組成物は、本明細書に開示された化合物もしくは医薬上許容されるプロドラッグまたはそれらの塩と、ドラッグデリバリーの公知の方法により対象への送達に適する医薬上許容される担体とを組み合わせることにより形成することができる。結果的に、「医薬組成物」は、選択された様式の投与に適切な1以上の医薬上許容される担体、賦形剤または希釈剤と一緒に、本明細書に開示された少なくとも1つの化合物を含む。
本開示の化合物を含む医薬組成物は、処置される特定の適応に依存して種々の形態で処方することができ、それは、当業者には明らかであろう。本開示の1以上の化合物を含む医薬組成物の処方は、直接的な医薬品化学プロセスを使用できる。医薬組成物は、滅菌のごとき従来の製薬操作に付すことができ、および/または緩衝剤、保存剤、等張化剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤などのごとき従来の補助剤を含有することができる。
本開示の製剤の投与は、経口的、皮下、静脈内、脳内、鼻腔内、経皮的、腹腔内、筋肉内、肺内、髄腔内、腟内、直腸、眼内または他のいずれかの許容できる方法を含めた種々の方法で行なうことができる。ポンプ(例えば、皮下浸透圧ポンプ)または埋込みのごとき当該技術分野において公知の技術を用いて、ボーラス注射が許容できるが、その製剤は、注入により連続的に投与することができる。いくつかの例において、製剤は、溶液またはスプレーとして直接的に適用することができる。
医薬組成物の一例は、非経口投与用に設計された溶液である。また、多数のケースにおいて、製医薬溶液製剤は、即時の使用のために適当な液体形態で提供されるが、かかる非経口の製剤は、凍結または凍結乾燥形態で提供することができる。前者のケースにおいて、組成物は使用に先立って解凍されなければならない。凍結乾燥された調製物がそれらの液体の対応物より一般的に安定していることが当業者により認識されているので、後者の形態をしばしば用いて、広範囲の種々の貯蔵方法下で組成物に含有された活性化合物の安定性を増強する。かかる凍結乾燥された調製物は、注射用滅菌水または滅菌生理食塩水溶液のごとき1以上の適当な医薬上許容される希釈剤の添加により使用に先立って再構成される。
非経口のものは、必要に応じて、所望の純度を有するその化合物と、当該技術分野において典型的に使用される1以上の医薬上許容される担体、賦形剤または安定化剤(そのすべてのものを「賦形剤」という)、例えば、緩衝剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、非イオン性界面活性剤、酸化防止剤および/または他の様々な添加物とを混合することにより凍結乾燥された製剤または水溶液としての貯蔵のために調製することができる。
緩衝剤は、生理学的条件に接近する範囲にpHを維持するのに有用である。それらは、典型的には、2mM〜50mMの医薬組成物の範囲の濃度にて存在する。本開示での使用に適当な緩衝剤は、有機酸および無機酸の双方ならびにそれらの塩、例えば、クエン酸塩緩衝剤(例えば、クエン酸一ナトリウム−クエン酸二ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸三ナトリウム混合物、クエン酸−クエン酸一ナトリウム混合物など)、コハク酸塩緩衝剤(例えば、コハク酸−コハク酸一ナトリウム混合物、コハク酸−水酸化ナトリウム混合物、コハク酸−コハク酸二ナトリウム混合物など)、酒石酸塩緩衝剤(例えば、酒石酸−酒石酸ナトリウム混合物、酒石酸−酒石酸カリウム混合物、酒石酸−水酸化ナトリウム混合物など)、フマル酸塩緩衝剤(例えば、フマル酸−フマル酸一ナトリウム混合物、フマル酸−フマル酸二ナトリウム混合物、フマル酸一ナトリウム−フマル酸二ナトリウム混合物など)、グルコン酸塩緩衝剤(例えば、グルコン酸−グルコン酸ナトリウム混合物、グルコン酸−水酸化ナトリウム混合物、グルコン酸−グルコン酸カリウム混合物など)、シュウ酸塩緩衝剤(例えば、シュウ酸−シュウ酸ナトリウム混合物、シュウ酸−水酸化ナトリウム混合物、シュウ酸−シュウ酸カリウム混合物など)、乳酸塩緩衝剤(例えば、乳酸−乳酸ナトリウム混合物、乳酸−水酸化ナトリウム混合物、乳酸−乳酸カリウム混合物など)、および酢酸塩緩衝剤(例えば、酢酸−酢酸ナトリウム混合物、酢酸−水酸化ナトリウム混合物など)を含む。さらなる可能性は、リン酸塩緩衝液、ヒスチジン緩衝剤およびトリスのごときトリメチルアミン塩である。
保存剤を添加して、微生物の増殖を遅らせることができ、典型的には0.2%〜1%(w/v)の量で加えられる。本開示を含む使用に適当な保存剤は、フェノール、ベンジルアルコール、メタクレゾール、メチルパラベン、プロピルパラベン、オクタデシルジメチルベンジル塩化アンモニウム、ベンザルコニウムハロゲン化物(例えば、塩化、臭化またはヨウ化ベンザルコニウム)、塩化ヘキサメトニウム、メチルまたはプロピルパラベンのごときアルキルパラベン、カテコール、レゾルシノール、シクロヘキサノールおよび3−ペンタノールを含む。
等張化剤を添加して、液体組成物の等張性を保証でき、等張化剤は多価糖アルコール、好ましくは三価以上の糖アルコール、例えば、グリセリン、エリトリトール、アラビトール、キシリトール、ソルビトールおよびマンニトールを含む。多価アルコールは、他成分の相対量を考慮に入れて、0.1重量%〜25重量%、典型的には、1重量%から5重量%で存在することができる。
安定化剤とは、機能において、充填剤から、治療剤を可溶化するかまたは容器壁への付着もしくは変性を防ぐのを助ける添加剤までの範囲にあることができる広範囲のカテゴリーの賦形剤をいう。典型的な安定化剤は、多価糖アルコール(前記に列挙された);アルギニン、リジン、グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アラニン、オルニチン、L−ロイシン、2−フェニルアラニン、グルタミン酸、トレオニンなどのごときアミノ酸;イノシトールのごときシクリトールを含めた、ラクトース、トレハロース、スタキオース、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、リビトール、ミオイノシトール、ガラクチトール、グリセロールなどのごとき有機的糖または糖アルコール;ポリエチレングリコール;アミノ酸ポリマー;尿素、グルタチオン、チオクト酸、チオグリコール酸ナトリウム、チオグリセロール、アルファ−モノチオグリセロールおよびチオ硫酸ナトリウムのごときイオウ含有還元剤;低分子量ポリペプチド(すなわち、<10の残基);人血清アルブミン、ウシ血清アルブミン、ゼラチンまたは免疫グロブリンのごときタンパク質;ポリビニルピロリドンのごとき親水性ポリマー;キシロース、マンノース、フルクトースおよびグルコースのごとき単糖;ラクトース、マルトースおよびスクロースのごとき二糖;ラフィノースのごとき三糖、およびデキストランのごとき多糖であり得る。安定化剤は、典型的には、活性化合物重量に基づいて0.1〜10,000重量部の範囲で存在する。
さらなる様々な賦形剤は、充填剤(例えば、デンプン)、キレート化剤(例えば、EDTA)、酸化防止剤(例えば、アスコルビン酸、メチオニン、ビタミンE)および共溶媒を含む。
特定の具体例は、エタノール(<10%)、プロピレングリコール(<40%)、ポリエチレングリコール(PEG)300または400(<60%)、N−N−ジメチルアセトアミド(DMA、<30%)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP、<20%)、ジメチルスルホキシド(DMSO、<20%)共溶媒またはシクロデキストリン(<40%)の1以上を含むことができ、その具体例はpH3〜9を有する。
また、化合物は、例えば、コアセルベーション技術、または界面重合法、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチン、ポリ−(メタクリル酸メチル)マイクロカプセルにより調製されたマイクロカプセルにおいて、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)において、またはマクロエマルションにおいて捕捉することができる。かかる技術は、Lippincott Williams & Wilkins, A Wolters Kluwer Companyにより2005年に公表されたRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 第21版に開示されている。
in vivo投与に一般的に用いられる非経口製剤は無菌である。これは、例えば、滅菌濾過膜を介する濾過により容易に達成される。
一般的には、医薬組成物は、固体形態(顆粒剤、散剤または坐剤を含む)または液体形態(例えば、溶液、懸濁剤または乳剤)で構築することができる。化合物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリジンおよび/またはポリビニルアルコールのごとき補助剤と混合することができ、通常の投与のために錠剤化またはカプセル化できる。別法として、それらは、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、油(例えば、トウモロコシ油、落花生油、綿実油またはゴマ油)、トラガカントゴムおよび/または種々の緩衝剤に溶解することができる。他の補助剤および投与様式は、医薬技術分野においてよく知られている。担体または希釈剤は、単独またはワックスと共にモノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリルのごとき時間遅延物質、または当該技術分野によく知られた他の物質を含み得る。
化合物および組成物の経口投与は、開示された1つの意図した実施である。経口投与について、医薬組成物は、固体または液体形態、例えば、カプセル剤、錠剤、散剤、顆粒、懸濁剤、乳剤または溶液の形態であることができる。医薬組成物は、好ましくは所与の量の有効成分を含有する投与単位の形態で作製される。ヒトまたは他の対象に適当な一日量は対象および他の因子の条件に広範囲に依存して変更でき、ルーチン方法を用いて当業者ににより決定することができる。
経口投与用の固形投与形態は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含み得る。
かかる固形投与形態において、活性化合物は、スクロース、ラクトースまたはデンプンのごとき少なくとも1つの不活性希釈剤と混合することができる。また、かかる投与形態は、通常の実施であるとき、不活性希釈剤以外のさらなる物質、例えば、ステアリン酸マグネシウムのごとき滑沢剤を含み得る。また、カプセル剤、錠剤および丸剤の場合に、投与形態は緩衝剤を含み得る。加えて、錠剤および丸剤は腸溶性コーティングで調製することができる。バッカル投与について、医薬組成物は、通常の方法で処方された錠剤またはロゼンジの形態をとることができる。
経口投与用の液体投与形態は、水のごとき当該技術分野において一般的に用いられる不活性希釈剤を含有する、医薬上許容される乳剤、溶液、懸濁剤、シロップ剤およびエリキシル剤を含み得る。また、かかる医薬組成物は、湿潤、甘味、矯味および芳香剤のごとき補助剤を含み得る。
医薬組成物は、注射により、例えば、ボーラス注射または注入により非経口適用のために処方することができる。注射用製剤は、単位投与形態、例えば、ガラス製アンプルまたは複数用量の容器、例えば、グラスバイアルに存在し得る。注射用医薬組成物は、油性または水性ビヒクルにおける懸濁剤、溶液または乳剤のごとき形態をとることができ、酸化防止剤、緩衝剤、非イオン性界面活性剤、分散剤、等張化剤、懸濁化剤、安定化剤、保存剤、分散剤のごとき処方剤および/または他の種々の添加物を含有し得る。
また、多数の場合、液体形態で提供した医薬組成物は即時の使用に適切であり、かかる非経口製剤は、凍結または凍結乾燥された形態で提供し得る。前者の場合には、医薬組成物は使用に先立って解凍されなければならない。凍結乾燥された調製物がそれらの液体の対応物より一般的に安定していることが当業者により認識されるので、後者の形態をしばしば用いて、広範囲の種々の貯蔵方法下で医薬組成物に含有された化合物の安定性を増強する。非経口投与剤は、必要に応じて、所望の純度を有する化合物と、当該技術分野において使用される、1以上の医薬上許容される担体、賦形剤または安定化剤(そのすべてを「賦形剤」という)、例えば、酸化防止剤、緩衝剤、非イオン性界面活性剤、分散剤、等張化剤、懸濁化剤、安定化剤、保存剤、分散剤および/または他の種々の添加物とを混合することにより凍結乾燥製剤としての貯蔵のために調製することができる。かかる凍結乾燥された調製物は、注射または無菌の生理的食塩溶液用の無菌の発熱性物質除去水のごとき1以上の適当な医薬上許容される希釈剤の添加により使用に先立って再構成される。
吸入による投与(例えば、鼻または肺)について、医薬組成物は、加圧パックまたは噴霧器から、および/または適当な推進薬(例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素または他の適当な気体もしくは気体の混合物)を用いて、好都合にエアゾルスプレー形態で送達することができる。
化合物または組成物は、ラクトース、スクロース、デンプン粉末、アルカン酸のセルロースエステル、ステアリン酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、酸化マグネシウム、リン酸および硫酸のナトリウムおよびカルシウム塩、アラビアゴム、ゼラチン、アルギン酸ナトリウム、ポリビニル−ピロリジンおよび/またはポリビニルアルコールのごとき補助剤と混合でき、通常の投与のために錠剤化またはカプセル剤化することができる。別法として、それらは、生理食塩水、水、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、エタノール、油(例えば、トウモロコシ油、落花生油、綿実油またはゴマ油)、トラガカントゴムおよび/または種々の緩衝剤に溶解することができる。他の補助剤および投与様式は当該製薬技術分野において知られている。担体または希釈剤は、単独またはワックスと共にモノステアリン酸グリセリルもしくはジステアリン酸グリセリルのごとき時間遅延物質、または当該技術分野によく知られた他の物質を含み得る。
また、前記の製剤に加えて、医薬組成物は、デボー調製物として処方することができる。かかる長期作用型製剤は、埋込みまたは筋肉内注射により投与することができる。
また、化合物は、調製されたマイクロカプセルにおいて、例えば、コアセルベーション(技術または界面重合法、(例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ゼラチンまたはポリ−(メタクリル酸メチル)マイクロカプセル)により調製されたマイクロカプセルにおいて、コロイド状薬物送達システム(例えば、リポソーム、アルブミンミクロスフェア、マイクロエマルジョン、ナノ粒子およびナノカプセル)において、またはマクロエマルションにおいて捕捉することができる。かかる技術は、Lippincott Williams & Wilkins, A Wolters Kluwer Companyにより2005年に公表されたRemington, The Science and Practice of Pharmacy, 第21版に開示されている。
徐放性製剤の適当な例は、その化合物または組成物を含有する固体の疎水性ポリマーの半浸透性マトリックスを含み、そのマトリックスは、フィルムまたはマイクロカプセルのごとき適当な形態を有する。徐放性マトリックスの例として、ポリエステル、ヒドロゲル(例えば、ポリ(2−ヒドロキシエチルメタクリレート)またはポリ(ビニルアルコール))、ポリ乳酸、L−グルタミン酸およびL−グルタミン酸エチルの共重合体、非分解性エチレン酢酸ビニル、PROLEASE(登録商標)テクノロジー(マサチューセッツ州ケンブリッジ市アルカームズ)またはLUPRON DEPOT(登録商標)(乳酸−グリコール酸共重合体および酢酸リュープロレリンからなる注射用ミクロスフェア;イリノイ州アボットパーク市アボットラボラトリーズ)のごとき分解性乳酸−グリコール酸共重合体、ならびにポリ−D(−)−3−ヒドロキシ酪酸を含む。エチレン酢酸ビニルおよび乳酸−グリコール酸のごときポリマーは、100日以上のごとき長期間分子の放出を可能にするが、ある種のヒドロゲルはより短期間で化合物を放出する。
使用方法
本明細書に開示された医薬組成物は、対象のウイルス感染を処置するために用いることができ;ここに、ウイルス感染は、以下の科:アレナウイルス科、アルテリウイルス、アストロウイルス科、ビルナウイルス科、ブロモウイルス科、ブニヤウイルス科、カリシウイルス科、クロステロウイルス科、コモウイルス科、コロナウイルス科、シストウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科、フレキシウイルス科、ヘパドナウイルス科、ヘペウイルス、ヘルペスウイルス科、レビウイルス科、ルテオウイルス科、メソニウイルス科、モノネガウイルス目、モザイクウイルス、ニドウイルス目、ノダウイルス科、オルトミクソウイルス科、パピローマウイルス科、パラミクソウイルス科、ピコビルナウイルス科、ピコビルナウイルス、ピコルナウイルス科、ポティウイルス科、レオウイルス科、レトロウイルス科、ロニウイルス科、セキウイルス科、テヌイウイルス、トガウイルス科、トンブスウイルス科、トティウイルス科、およびティモウイルス科の1種からのウイルスにより引き起こされる。
より具体的な具体例によれば、医薬組成物を用いて、アルファイウイルス、バンジウイルス、ウシ下痢ウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス(DNV)、脳心筋炎ウイルス(EMCV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、HCV、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)、HIV、イルヘウスウイルス、インフルエンザウイルス(トリ分離株およびブタ分離株を含む)、ライノウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、日本脳炎ウイルス、ココベラウイルス、クンジンウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、跳躍病ウイルス、麻疹ウイルス、MERSコロナウイルス(MERS)、メタニューモウイルス、いずれかのモザイクウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス、ポリオウイルス、ポワッサンウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ロシオウイルス、SARS−コロナウイルス(SARS)、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、WNV、エボラウイルス、ニパウイルス、ラッサウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルスおよび黄熱病ウイルスの1種以上により引き起こされるウイルス感染を処置することができる。
ある具体例において、対象のウイルス感染を処置する方法は、構造:
を有する医薬組成物の治療上有効な量を対象に投与することを含み得る。いくつかの場合において、ウイルス感染はエボラウイルスにより引き起こされる。
多数のRNAウイルスは、生化学的経路、調節経路およびシグナリング経路を共有する。これらのウイルスは、インフルエンザウイルス(トリ分離株およびブタ分離株を含む)、ライノウイルス、ノロウイルス、DNV、RSV、WNV、HCV、パラインフルエンザウイルス、メタニューモウイルス、チクングニアウイルス、SARS、MERS、ポリオウイルス、麻疹ウイルス、黄熱病ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、日本脳炎ウイルス、セントルイス脳炎ウイルス、マレーバレーウイルス、ポワッサンウイルス、ロシオウイルス、跳躍病ウイルス、バンジウイルス、イルヘウスウイルス、ココベラウイルス、クンジンウイルス、アルファイウイルス、ウシ下痢ウイルス、いずれかのモザイクウイルス、HIV、エボラウイルス、ラッサウイルスおよびキャサヌール森林病ウイルスを含む。本明細書に開示された化合物、医薬組成物および方法を用いて、これらのウイルスを処置することができる。
in vitroでのWNV、ニパウイルス、ラッサウイルスおよびエボラウイルスに対する抗ウイルス活性は、フォーカス形成(focus-forming)アッセイにより測定される。これらのアッセイに用いられるウイルス株は、WNV−TX(WNV)、WNV−MAD(WNV)、NiV−Malaysia(Nipah)、LASV−Josiah(ラッサ熱)およびZEBOV−Mayinga(エボラ)を含む。ヒト臍静脈細胞(HUVEC)を含むヒト培養細胞は、組織培養プレートに蒔き、限定されるものではないが、2時間を含む期間に0.01〜0.5のMOIにてウイルスに感染させ、次いで、取り出される。化合物の希釈は、0.5%DMSO中で調製され、それを用いて、ウェル当たり0.001〜10μMの範囲の化合物の最終濃度にて細胞を処理する。ビヒクル対照ウェルは0.5%DMSOを含有し、それを用いて、薬物処理された細胞と比較する。薬物処置後のウイルス感染は、48〜96時間進行させた。次いで、ウイルス上清を収穫し、それを用いて、許容細胞の新しい単層を感染させる。新たな感染細胞を一晩(18〜24時間)培養し、それを用いて、当該技術分野において一般的に知られた方法を用いて、フォーカス形成アッセイによりその元来の上清における感染性ウイルスのレベルを測定する。
本明細書に開示された方法は、対象(ヒト、哺乳動物、放し飼い集団、獣医学的動物(イヌ、ネコ、爬虫類、トリなど)、家畜(farm animal)および家畜(livestock)(ウマ、ウシ、ヤギ、ブタ、ニワトリなど)および研究動物(サル、ラット、マウス、魚など)を本明細書で開示された医薬組成物で処置することを含む。対象の処置は、治療有効量を送達することを含む。治療有効量は、有効量、予防的処置、および/または治療処置を提供する量を含む。
「有効量」は、対象に所望の生理的変化を生じるのに必要な化合物の量である。有効量は、研究目的のためにしばしば投与される。本明細書に開示された有効量は、ウイルス感染の存在または活性を低下、抑制または消失させる、および/またはウイルス感染の望ましくない副作用を低下、抑制または消失させる。例えば、有効量の結果、対象またはアッセイ中のウイルスタンパク質の低下、対象またはアッセイ中のウイルスRNAの低下、および/または細胞培養中に存在するウイルスの低下を生じさせることができる。
「予防的処置」は、ウイルス感染の兆候または症状を示さない対象、または処置がさらなるウイルス感染を発生させるリスクを縮小、予防または減少させる目的で与えられるようなウイルス感染の早期の兆候または症状のみを示す対象に与えられる処置を含む。かくして、予防的処置はウイルス感染に対する予防的な処置として機能する。また、予防的処置は、本明細書に別記されるごときワクチンを含み得る。予防的処置の結果、対象におけるウイルス蛋白またはRNAの増加の欠如および/またはウイルス感染の臨床的指標の増加の欠如、例えば、HCVの症例での食欲不振、疲労、発熱、筋肉痛、悪心および/または腹痛;WNVの症例での発熱および/または頭痛;およびRSVの症例での咳、うっ血、発熱、咽喉痛および/または頭痛の減少を生じる。予防的処置は、ウイルス感染の兆候が存在するか拘わらずいずれの対象にも与えることができる。いくつかの具体例において、予防的処置は旅行前に与えることができる。
「治療的処置」は、ウイルス感染の兆候または症状を示している対象に与えられる処置を含み、ウイルス感染の兆候または症状を縮小または消失させる目的で対象に与えられる。治療的処置は、ウイルスの存在または活性を低下、抑制または消失することができるか、またはウイルスの副作用を低下、抑制または消失することができる。治療的処置は、対象におけるウイルス蛋白またはRNAの減少および/またはウイルス感染の臨床的指標の減少、例えば、HCVの症例での食欲不振、疲労、発熱、筋肉痛、悪心および/または腹痛;WNVの症例での発熱および/または頭痛;ならびにRSVの症例での咳、うっ血、発熱、チアノーゼ、咽喉痛および/または頭痛の減少を生じる。
投与について、治療有効量(本明細書では、用量ともいう)は、最初はインビトロアッセイ、および/または動物モデル試験の結果に基づいて推定することができる。例えば、用量は、動物モデルにおいて処方して、特定の標的に対して細胞培養で測定したIC50を含む循環濃度範囲に達することができる。かかる情報を用いて、注目する対象における有用な用量をより正確に決定することができる。
特定の対象に投与される実際の用量は、標的、体重、状態の重症度、ウイルス感染の型、従前または同時の治療的介入、対象の特発性疾患、および投与経路を含めた身体的および生理的な因子のごときパラメーターを考慮して、医師、獣医師または研究者により決定することができる。
医薬組成物は、ウイルス感染の処置のために、1または複数の別々の組成物の投与を含む臨床的に安全で有効な方法で対象の静脈内に投与することができる。例えば、1日当たり0.05mg/kg〜5.0mg/kgを1または複数の用量で対象に投与することができる(例えば、0.05mg/kgの毎日1回(QD)、0.10mg/kgのQD、0.50mg/kgのQD、1.0mg/kgのQD、1.5mg/kgのQD、2.0mg/kgのQD、2.5mg/kgのQD、3.0mg/kgのQD、0.75mg/kgの毎日2回(BID)、1.5mg/kgのBIDまたは2.0mg/kgのBIDの用量)。ある種の抗ウイルス効能について、化合物の合計1日用量は、60分のQD、BID、または1日3回(TID)静脈内注入投与により、表1の化合物の0.05〜3.0、0.1〜3.0、0.5〜3.0、1.0〜3.0、1.5〜3.0、2.0〜3.0、2.5〜3.0、および0.5〜3.0mg/kg/日の合計1日用量の投与を含めた、1日1回〜3回で対象に静脈内投与する0.05mg/kg〜3.0mg/kgであり得る。1つの特定の例において、抗ウイルス性医薬組成物は、例えば、1.5mg/kg、3.0mg/kg、4.0mg/kgの92〜98%wt/wtの表1の化合物を含む組成物の合計一日用量で対象にQDまたはBIDにて静脈内投与できる。
さらなる有用な用量は、しばしば、0.1〜5μg/kgまたは0.5〜1μg/kgの範囲であり得る。他の例において、用量は、1μg/kg、5μg/kg、10μg/kg、15μg/kg、20μg/kg、25μg/kg、30μg/kg、35μg/kg、40μg/kg、45μg/kg、50μg/kg、55μg/kg、60μg/kg、65μg/kg、70μg/kg、75μg/kg、80μg/kg、85μg/kg、90μg/kg、95μg/kg、100μg/kg、150μg/kg、200μg/kg、250μg/kg、350μg/kg、400μg/kg、450μg/kg、500μg/kg、550μg/kg、600μg/kg、650μg/kg、700μg/kg、750μg/kg、800μg/kg、850μg/kg、900μg/kg、950μg/kg、1000μg/kg、0.1〜5mg/kg、または0.5〜1mg/kgを含み得る。他の例において、用量は、1mg/kg、5mg/kg、10mg/kg、15mg/kg、20mg/kg、25mg/kg、30mg/kg、35mg/kg、40mg/kg、45mg/kg、50mg/kg、55mg/kg、60mg/kg、65mg/kg、70mg/kg、75mg/kg、80mg/kg、85mg/kg、90mg/kg、95mg/kg、100mg/kg、150mg/kg、200mg/kg、250mg/kg、350mg/kg、400mg/kg、450mg/kg、500mg/kg、550mg/kg、600mg/kg、650mg/kg、700mg/kg、750mg/kg、800mg/kg、850mg/kg、900mg/kg、950mg/kg、1000mg/kg、またはそれを超えるものを含み得る。
治療有効量は、処置計画の過程中に単一または複数の用量を投与することにより達成することができる(例えば、毎日、2日毎、3日毎、4日毎、5日毎、6日毎、毎週、2週毎、3週毎、毎月、2ヵ月毎、3ヵ月毎、4ヵ月毎、5ヵ月毎、6ヵ月毎、7ヵ月毎、8ヵ月毎、9ヵ月毎、10ヵ月毎、11ヵ月毎、または毎年)。
本開示の医薬組成物の投与は、経口、皮下、静脈内、大脳内、経鼻的、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、髄腔内、経膣、直腸内、眼内またはいずれかの他の許容できる様式を含めた種々の方法で行うことができる。医薬組成物は、ボーラス注射が許容できるが、ポンプ(例えば、皮下浸透圧ポンプ)または埋込みのごとき当該技術分野においてよく知られた技術を用いて、注入によって連続的に投与することができる。いくつかの例において、医薬組成物は溶液またはスプレーとして直接的に塗布することができる。
特定の具体例は、対象の疾患を治療および/または予防する目的で、本明細書に記載されたいずれかの1またはそれを超える化合物を含む医薬組成物を提供する。さらなる具体例は、単独でまたは抗原と組み合わせた医薬組成物を提供する。したがって、いくつかの具体例において、医薬組成物はワクチンとして用いることができる。
本開示は、補助剤としての化合物の使用を提供する。
本明細書に開示された化合物、医薬組成物および方法は、現在開発または使用中の他の療法と相加的または相乗的であり得る。例えば、リバビリンとインターフェロン−αは、併用する場合に、HCV感染症の効果的な処置を提供する。併用におけるそれらの有効性は、単独で用いた場合のいずれの薬物製品の効力も超えることができる。本開示の医薬組成物は、単独で、またはインターフェロン、リバビリンおよび/またはウイルス標的(ウイルスプロテアーゼ、ウイルスポリメラーゼ、および/またはウイルス複製複合体の集合体)と宿主標的(ウイルスプロセシングに必要な宿主プロテアーゼ、NS5Aのごときウイルス標的のリン酸化に必要な宿主キナーゼ、およびウイルス内部のリボソーム進入部位、すなわちIRESを効率的に利用するのに必要な宿主因子の阻害物質)の双方に対して開発されている種々の低分子と組み合わせてまたは共同して投与することができる。
本明細書に開示された医薬組成物は、アダマンタン阻害剤、ノイラミニダーゼ阻害剤、αインターフェロン、非ヌクレオシドまたはヌクレオシドポリメラーゼ阻害剤、NS5A阻害剤、抗ヒスタミン剤、プロテアーゼ阻害剤、ヘリカーゼ阻害剤、P7阻害剤、進入阻害剤、IRES阻害剤、免疫促進剤、HCV複製阻害剤、シクロフィリンA阻害剤、A3アデノシンアゴニストおよび/またはマイクロRNA抑制剤と組み合せてまたは共同して用いることができる。
本明細書に開示された医薬組成物と組み合わせてまたは共同して投与できるサイトカインとして、インターロイキン(IL)−2、IL−12、IL−23、IL−27、またはIFN−γを含む。
本明細書に開示された医薬組成物と組み合わせてまたは共同して可能な投与に利用できるか利用できるであろう新たなHCV薬として、ACH−1625(Achillion);グリコシル化インターフェロン(Alios Biopharma);ANA598、ANA773(Anadys Pharm);ATI−0810(Arisyn Therapeutics);AVL−181(Avila Therapeutics);LOCTERON(登録商標)(Biolex);CTS−1027(Conatus);SD−101(Dynavax Technologies);クレミゾール(Eiger Biopharmaceuticals);GS−9190(Gilead Sciences);GI−5005(GlobalImmune BioPharma);レシキモド/R−848(Graceway Pharmaceuticals);アルブインターフェロンアルファ−2b(Human Genome Sciences);IDX−184、IDX−320、IDX−375(Idenix);IMO−2125(Idera Pharmaceuticals);INX−189(Inhibitex);ITCA−638(Intarcia Therapeutics);ITMN−191/RG7227(Intermune);ITX−5061、ITX−4520(iTherx Pharmaceuticals);MB11362(Metabasis Therapeutics);バビツキシマブ(Peregrine Pharmaceuticals);PSI−7977、RG7128、PSI−938(Pharmasset);PHX1766(Phenomix);ニタゾキサニド/ALINIA(登録商標)(Romark Laboratories);SP−30(Samaritan Pharmaceuticals);SCV−07(SciClone);SCY−635(Scynexis);TT−033(Tacere Therapeutics);ビラミジン/タリバビリン(Valeant Pharmaceuticals);テラプレビル、VCH−759、VCH−916、VCH−222、VX−500、VX−813(Vertex Pharmaceuticals);およびPEG−INFラムダ(Zymogenetics)を含む。
本明細書に開示された医薬組成物と組み合わせてまたは共同して可能な投与に利用できるか利用できるであろう新たなインフルエンザ薬およびWNV薬として、ノイラミニダーゼ阻害剤(ペラミビル、ラニナミビル);ノイラミニダーゼ阻害剤、リバビリン、およびアマンタジン(ADS−8902)の3剤療法;ポリメラーゼ阻害剤(ファビピラビル);逆転写酵素阻害剤(ANX−201);吸入キトサン(ANX−211);進入/結合阻害剤(Binding Site Mimetic,Flucide);進入阻害剤、(Fludase);融合阻害剤(WNV用MGAWN1);宿主細胞阻害剤(lantibiotics);RNAゲノム切断(RNAi、RNアーゼL);免疫促進剤(インターフェロン、Alferon−LDO;ニューロキニン1アゴニスト、Homspera、WNV用インターフェロンAlferon N);およびTG21を含む。
医薬組成物と組み合わせてまたは共同して可能な投与に利用できるインフルエンザおよび/または肝炎の治療のための他の薬は、PEGインターフェロン アルファ−2a(Pegasys)、PEGインターフェロン アルファ−2b(Peg−Intron)、リバビリン(Copegus;Rebetol)、オセルタミビル(Tamiflu)、ザナミビル(Relenza)、アマンタジンおよびリマンタジンを含む。
これらの薬剤は、同時にまたはもう一つの治療スケジュールのいずれかにより、同じ医薬組成物の一部として組込むことができるか、または開示の化合物とは別々に投与することができる。
化合物または医薬組成物は、ワクチン開発を可能にするために他の化合物または医薬組成物と相加的または相乗的であることができる。抗ウイルス性および免疫増強特性により、化合物を用いて予防的または治療的ワクチン接種に影響することができる。化合物は、有効である他のワクチン成分と同時にまたは組み合わせて投与する必要はない。化合物のワクチン適用は、ウイルス感染の処置に限定されず、化合物によって誘発される免疫応答の一般的な性質により、すべての治療的および予防的ワクチン適用を包含することができる。
「ワクチン」は、個体の免疫応答を誘導するために用いる免疫原性調製物である。ワクチンは免疫原性である1を超える成分を有することができる。ワクチンは予防的および/または治療的な目的に用いることができる。ワクチンは必ずしもウイルス感染を予防する必要はない。理論に拘束されることなく、本開示のワクチンは、ワクチンが本明細書で記載のように投与される場合に、ウイルス感染がより少ない量で起こる(全く感染しない場合を含む)ような、またはウイルス感染の生物学的または生理的な効果が改善されるような方法で、個体の免疫応答に影響することができる。本明細書に用いたワクチンは、脊椎動物を含めた対象のウイルス感染を処置する目的で、単独でまたは抗原と組み合わせて化合物を含む医薬組成物を含む調製物を含む。
本開示は、補助剤としての化合物および医薬組成物の使用を提供する。補助剤は、もう一つの投与された治療薬の有益な効果を、増強、強化および/または促進する。特定の具体例において、「補助剤」なる用語は、免疫系に対する他の薬剤の効果を改変する化合物をいう。また、この機能を所有する補助剤は、無機または有機化学薬品、高分子、またはある種の死滅細菌の全細胞であり得、これらは抗原に対する免疫応答を増強する。補助剤をワクチン中に含有させて、供給された抗原に対するレシピエントの免疫応答を増強し得る。
当業者に理解されているように、ワクチンはウイルス、細菌感染、癌などに対するものであり得、弱毒生ワクチン(LAIV)、不活化ワクチン(IIV;死滅ウイルスワクチン)、サブユニット(スプリットワクチン);サブビリオンワクチン;精製タンパク質ワクチン;またはDNAワクチンの1または複数を含むことができる。適当な補助剤として、水/油エマルション、非イオン性コポリマー補助剤、例えば、CRL 1005(Optivax; Vaxcel Inc.,Norcross,Ga.)、リン酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムと水酸化マグネシウムの水性懸濁液、菌体内毒素、ポリヌクレオチド、高分子電解質、親油性補助剤、およびN−アセチル−ノル−ムラミル(muranyl)−L−アラニル−D−イソグルタミン、N−アセチル−ムラミル−(6−O−ステアロイル)−L−アラニル−D−イソグルタミン、またはN−グリコール−ムラミル−LalphaAbu−D−イソグルタミン(Ciba−Geigy Ltd.)のごとき合成ムラミルジペプチド(ノルMDP)アナログの1または複数を含む。
さらに、本発明は、ウイルス感染症に対する療法およびワクチンの開発、真核生物における自然免疫応答の改変の研究などを含めた複数の適用におけるin vitroでの化合物および医薬組成物の使用および応用を含む。化合物および医薬組成物の開示は、動物モデルにおいても用いることができる。化合物および医薬組成物のかかるin vitroおよび動物のin vivoでの使用の結果は、例えば、ヒトにおけるそれらのin vivo使用を提供し、またはそれらはヒトの療法または予防的使用と無関係に価値があり得る。
以下の実施例は、特定の具体例の開示を示すために含まれる。当業者ならば、本開示に徴して、多数の変更が本明細書に開示された特定の具体例になすことができ、依然として、開示の精神および範囲から逸脱することなく、同様または類似する結果を得ることができることを認識するであろう。例えば、以下の実施例は、開示の化合物を試験するin vitro方法を提供する。他のin vitroおよび/またはin vivoでのウイルス感染モデルは、DNV、ウシ下痢症ウイルス、WNVおよびGBV−Cウイルスのごときフラビウイルス、RSV、SARSおよびHCV複製系のごとき他のRNAウイルスを含む。さらに、ウイルス複製に対して十分ないずれの適当な培養細胞も、抗ウイルス性アッセイ中に利用することができる。
実験例
実施例1.一般的合成方法
本開示の化合物は、当業者によく知られている合成方法と一緒に、以下に記載された方法により調製し得る。実施例に用いた出発原料は商業的に入手可能か、または当該技術分野における公知のルーチン方法により調製し得る(例えば、COMPENDIUM OF ORGANIC SYNTHETIC METHODS Vol.I〜VI(Wiley−Interscience発行)のごとき標準参考書に開示された方法)。好ましい方法として、以下に記載されたものを含む。
以下のいずれの合成順序でも、いずれかの関係する分子に対して感受性の高いまたは反応性の基を保護することが必要および/または望ましいかもしれない。これは、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Chemistry、John Wiley & Sons, 1981; T. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1991, ならびにT. W. GreeneおよびP. G. M. Wuts, Protective Groups in Organic Chemistry, John Wiley & Sons, 1999に記載されたもののごとき従来の保護基により達成することができる。
本開示の化合物またはそれらの医薬上許容される塩は、以下に記載された反応図式により調製することができる。これらの方法は、本発明の範囲内のさらなる化合物の合成を達成するために、通常の技術の化学者に知られている方法で変更または適合できる。かかる変更は実施例2および3に記載される本発明の典型的な化合物を合成するために成された。他の方法で示されない限りは、反応図式中の置換基は前記のごとく定義される。製品の単離および精製は、通常の技術の化学者に知られている標準手順により達成される。
反応図式、方法および実施例に用いた種々の記号、肩文字および添字が、表示の利便性および/またはそれらが反応図式に導入された順序を反映するために用いられ、添付した請求項における記号、肩文字または添字に必ずしも対応することは意図されないことを当業者ならば理解するであろう。反応図式は、本発明の化合物の合成に有用である方法の代表である。それらは決して本開示の範囲を拘束するものでははない。
N−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル)アセトアミドの合成:
0.6gの商業的に入手可能な5−アジド−2−メチル−1,3−ベンゾチアゾールおよび5gの酢酸を100℃にて20分間加熱した。残渣の蒸発およびカラムクロマトグラフィー精製は、0.43gのN−(4−ヒドロキシ−2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−5−イル)アセトアミドを与えた。
5−アミノ−2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−4−オールの合成:
0.4gのアセトアミドを2mLの濃HClで処理した。蒸発は、ジHCl塩として0.38gの5−アミノ−2−メチル−1,3−ベンゾチアゾール−4−オールを提供した。
7−メチル[1,3]チアゾロ[5,4−g][1,3]ベンゾキサゾール−2−アミンの合成:
5mLの3:4のメタノール:0℃に冷やされた水溶液の溶液に、部分的に0.08mL臭素に続いて0.12gのKCNを添加した。臭素色がなくなった場合に、臭化シアン溶液を20mLの水中の0.38gのアミン・ジヒドロクロリドおよび0.252gの炭酸水素ナトリウムに添加し、反応物を一晩静置した。その反応物を濾過し、濾液を炭酸水素ナトリウムで処理し、真空下で濃縮した。残渣をエタノールに溶解させ、溶液を濾過した。濾液を残渣に濃縮し、クロマトグラフィーにより精製して、0.14の7−メチル[1,3]チアゾロ[5,4−g][1,3]ベンゾキサゾール−2−アミンを得た。
実施例2.N−(7−メチル[1,3]チアゾロ[5,4−g][1,3]ベンゾキサゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミドの合成
酸塩化物カップリングを行なった:
2.5mLの乾燥ピリジン中の0.15gの7−メチル[1,3]チアゾロ[5,4−g][1,3]ベンゾキサゾール−2−アミンの懸濁液に、0.078mLのチオフェン−2−カルボニル塩化物を添加した。その反応物を80℃にて5時間撹拌し、次いで、室温まで冷やした。4mLの水を添加し、沈殿物を濾別し、水で洗浄し乾燥させて、0.154gのN−(7−メチル[1,3]チアゾロ[5,4−g][1,3]ベンゾキサゾール−2−イル)チオフェン−2−カルボキサミドを得た。
実施例3.N−[6−(ピロリジン−1−スルホニル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル]ナフタレン−2−カルボキシアミドの合成
N−[6−(ピロリジン−1−スルホニル)−1、3−ベンゾチアゾール−2−イル]ナフタレン−2−カルボキシアミドの合成に用いた中間体6−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンを以下に記載のごとく合成した:
商業的に入手可能な4−(ピロリジン−1−イルスルホニル)アニリン(1.0g)およびチオシアン酸アンモニウム(1.01g)の混合物を25mL酢酸に懸濁させ、90℃に加熱した。その混合物を15℃に冷やし、液体臭素(0.22mL)を滴加した。その反応物を室温にて一晩撹拌し,次いで濾過した。濾液をは真空下で濃縮し、残渣を水性炭酸水素ナトリウムの水溶液に添加し、1時間撹拌した。沈殿物を濾別し、水およびエーテルで洗浄し、乾燥させて、0.7gの6−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンを得た。
0.1gの6−(ピロリジン−1−イルスルホニル)−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンを2mL乾燥ピリジンに溶解させ、2−ナフトイル塩化物(0.067g)を加え、、混合物を80℃にて5時間撹拌した。室温に冷却後、混合物を0.7mLの水に添加し、沈殿物を水およびエーテルで洗浄し、乾燥させて、0.091gの[6−(ピロリジン−1−スルホニル)−1、3−ベンゾチアゾール−2−イル]ナフタレン−2−カルボキシアミド:
を得た。
実施例4.構造活性相関(SAR)研究を用いた抗ウイルス活性および薬理学的性質
この実施例は、抗ウイルス作用について化合物の最適化を記載する。第1に、低分子アナログ誘導体セットを用いて、構造のクラスを規定する。次いで、この第1の段階において同定した活性アナログを用いて、さらなる最適化(第2段階)のためサブセットの構造的クラスを規定する。
第2段階は、構造多様性を創製し、誘導体の拡張のためのコア変異体を評価することに集中する。構造的誘導体は、1以上の細胞株または末梢血単核細胞におけるIRF−3転座アッセイ、抗ウイルス活性および細胞毒性を含めた生物活性につき試験される。有効性の改善および低細胞毒性を示す、最適化された分子を、in vitroでの毒物学および吸収、分布、代謝および排泄(ADME)のさらなる測定により特徴付ける。また、それらの作用機序および抗ウイルス活性の幅も研究する。
リード化合物のアナログ構造を設計するために、薬物様特性、代謝不安定性および毒性可能性を分析する。リピンスキー法則により測定した薬物様特性および関連する生理化学的特性は生物学的利用能の主要な指標である。代謝および毒物学的傾向を示唆する構造的特徴は、安定性の限定、半減期の低下、反応性中間体または特異体質毒性を示すことができ、したがって、除去されるだろう。
化合物は、HCV 2A、RSV、DNV2型およびインフルエンザウイルスA型株を含めたウイルスに対する強力なin vitroでの抗ウイルス活性について試験する。ウイルス蛋白およびRNAのレベルは、本明細書に記載したアッセイを用いた薬物処置後に、評価する。アナログ設計は、ピコモル〜ナノモルの効力を持つリード化合物を同定することに目的とし、それは、前臨床開発リード化合物がそれらのin vitroでの毒物学的およびADME特性、およびさらなる機序的試験につき特徴付けられることを支持するのに適当である。
in vitroでの薬理学試験を行って、腸透過性、代謝安定性および毒性の1以上のアッセイにおいて最も有望なアナログの能力を測定する。鍵となるin vitroの特性付け試験は、血漿タンパク結合;ヒトおよびモデル生物体内の血清、血漿および全血安定性;腸透過性;固有クリアランス;ヒトEther-a-go-go(hERG)チャネル阻害;および遺伝毒性を含み得る。
各アナログにつき、HPLC−または、HPLC質量分析−ベースの分析方法を用いて、種々のテスト系における薬物および代謝産物の濃度を評価する。特定の分析方法は各分子につき最適化されるが、逆相クロマトグラフィーを単独または四極子質量分析法と組み合わせて用いて、いくつかのリード分子の同定および純度を特徴付けることができる。最初に、哺乳類種(例えば、マウス、カニクイザル(cynomolgus macaque)およびヒト)からの血清、血漿および全血の濃度増加における経時的な薬物安定性をHPLCにより評価し、半減期を決定する。
顕著な代謝産物は質量分析により特徴付けた。ヒト血漿タンパク結合は、平衡透析法を用いる分割分析により評価した。腸透過性モデリングについて、頂端膜側から側底膜側の流れをヒト上皮細胞系TC7において評価する。肝クリアランスは、ヒト肝臓ミクロソーム中の培養中に親化合物の消失割合を測定することにより、最も有望なアナログのサブセットにつき見積る。前記のごとき、特定の代謝産物は、単離し特徴付けることができる。
in vitroの毒物学研究を行い、リードアナログの潜在的な心臓毒性および遺伝学的毒性を評価する。自動パッチクランプを用いて、ヒトKv11.1遺伝子を遺伝子導入的に発現する組換えチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞株中のhERGチャネル電流に対する各化合物の影響を評価する。hERGチャネル上の分子についてのIC50を決定するために、30倍の最大の血清中濃度または各化合物の溶解度の限界のより低濃度を評価する。化合物のサブセットは、ネズミチフス菌株TA98およびTA100中の復帰突然変異を誘導するか、または培養物中のCHO細胞の小核形成を促進するそれらの能力につき、一連の濃度にわたり評価する。
実施例5.生物活性
この実施例は、RIG−I経路の活性化を含めた先天性免疫応答を活性化する化合物を同定するために用いる方法を記載する。本明細書に記載された他の化合物は同様にこの実施例に記載された方法により評価することができ、他の細胞型も用いることができる。
RIG−Iシグナル経路応答性プロモーター(IFNβ、ISG56またはISG54プロモーター)と結合したシフェラーゼレポーター遺伝子で安定して遺伝子導入された培養Huh細胞を蒔き、一晩増殖させた。次いで、化合物1を添加し、細胞を化合物1の存在下、18〜20時間増殖させた。安定したGloルシフェラーゼ基質(Promega)を添加し、ルミネセンスをルミノメーター(Berthold)で読んだ。
図1Aは、本明細書に記載された表1の化合物1が、IFNβ(「IFNβ−LUC−」左)、ISG56(「ISG56−LUC」、中央)およびISG54(「ISG54−LUC」、右)用のプロモーターに結合したルシフェラーゼレポーター遺伝子の用量依存的誘導を示すことにより、確認されたことを示す。加えて、化合物1は非特異性プロモーター(β−アクチン−LUC、図1B)を誘導しなかった。
免疫蛍光細胞化学アッセイを用いて、IRF−3活性化および核への転座を決定した。培養ヒトHeLa細胞を培地中で希釈した、増加する量の化合物またはDMSOの同等量で20時間処理した。陽性対照ウェルは、同等の時間、100HA/mLセンダイウイルスで同等の時間感染させた。IRF−3は、IRF−3に特異的なポリクローナルのウサギ血清、およびDYLIGHT(登録商標)(Pierce Biotechnology, Inc., Rockford, IL)488にコンジュゲートした二次抗体を用いて検出した。
免疫蛍光細胞化学アッセイを用いて、NFκB活性化を決定した。また、先天性免疫応答はNFκB転写因子の活性化に依存する。培養ヒトHeLa細胞は、培地中で希釈した増加する量の化合物またはDMSOの同等量で20時間処理した。陽性対照ウェルは、100HA/mLセンダイウイルスで同等の時間感染させた。NFκBは、NFκBのp65サブユニットに特異的なモノクローナルのマウス抗体、およびDyLight 488にコンジュゲートした二次抗体を用いて検出した。
本明細書に記載されたIRF−3およびNFκBの免疫蛍光アッセイの定量化を以下のとおり行った:化合物で処理し、IRF−3またはNFκBのいずれかにつき染色した培養ヒト細胞を含有する96ウェルプレートは、ARRAYSCAN(登録商標)機器およびソフトウェア(Cellomics)を用いて、走査し定量した。転写因子の活性化は、細胞質の強度につき標準化した増加した核強度、または核の細胞質の差異により証明した。化合物1は、IRF−3(図1C)およびNFκB(図1D)につき、核−細胞質の差異の用量依存的な増加を示す。
先天性免疫の遺伝子発現のためのアッセイは、HeLa細胞、PH5CH8細胞およびHUVEC初代細胞を含む細胞型において行った。遺伝子発現は、初代血液単核細胞、ヒトマクロファージ、THP−1細胞、Huh 7細胞、A549細胞、MRC5細胞、ラット脾細胞、ラット胸腺細胞、マウスマクロファージ、マウス脾細胞およびマウス胸腺細胞を含めた細胞タイプにおいて同様にアッセイすることができる。他の注目する遺伝子の発現は、本明細書に記載されたごとくアッセイすることができる。
培養HeLa細胞は、20μM、10μM、5μMの化合物またはDMSO対照で処理し、24時間以内で培養した。培養PH5CH8細胞は、10μM、5μM、1μMまたはDMSO対照で処理し、24時間以内で培養した。初代HUVEC細胞を解凍し、ウェル当たり2.4×104細胞にて6−ウェルプレートに蒔き、典型的には、48時間毎に新鮮な培地で交換し、培養中5日間80%密集まで増殖させた。化合物は、10μM、1μMまたはDMSO対照で添加し、24時間以内で培養した。遺伝子発現は、後記のごとくアッセイした。
細胞を収穫し、RNAは、製造者指示によりQIAshredderカラムおよびRNeasy Mini Kit(Qiagen)を用いて単離した。逆転写を行い、cDNAテンプレートは、定量的リアルタイムPCRに用いた。PCR反応は、商業的に入手可能な確認されたTaqMan遺伝子発現アッセイ(Applied Biosystems/Life Technologies)を用いて、製造者指示により行った。遺伝子発現レベルは、比較発現分析(ΔΔCt)を用いて測定した。
図2A〜2Cは、表1の化合物1および2による遺伝子発現の誘導を示す。図2Aは、10μMの化合物1(灰色;OAS1のみ)または10μMの化合物2(黒色;IFIT2およびOAS1の双方を示す)で処置後の4〜24時間の経時的なHeLa細胞中のIFIT2(左)およびOAS1(右)の遺伝子発現レベルを示す。図2Bは、10μMの化合物1(CPD 1)または化合物2(CPD 2)で処理したPH5CH8細胞(黒塗りバー)およびHeLa細胞(黒色チェックされたバー)中のIFIT2の遺伝子発現レベルを示す。図2Cは、1μMの化合物1(CPD 1)または1μMの化合物2(CPD 2)で処理した初代HUVEC細胞中のIFIT2(左)、OAS1(中央)およびMxA(右)の遺伝子発現レベルを示す。
図3A〜3Bは、表1の化合物3および化合物7による遺伝子発現の誘導を示す。図3Aは、IFIT2遺伝子発現が5μMの化合物3または化合物7により誘導されたことを示す。図3Bは、化合物3がマウスマクロファージ細胞中で先天性免疫遺伝子発現を誘導したことを示す。
実施例6.化合物1のEx vivoでの免疫刺激活性
初代免疫細胞中の表1の化合物1の活性をアッセイして、化合物1が免疫応答を刺激するかどうか決定した。培養されたヒト初代樹状細胞は、0、1または10μMの化合物1で24時間処理した。処理したウェルからの上清を単離し、サイトカインタンパク質のレベルにつき試験した。サイトカインは、磁気ビーズにコンジュゲートした特異抗体、およびストレプトアビジン/フィコエリトリンと反応する二次抗体を用いて蛍光性シグナルを生成することにより検出した。当該技術分野において知られた同様の技術、例えば、ELISAを用いて、蛍光タンパク質生成を測定し得るが、結合したビーズを検出し、MAGPIX(登録商標)(Luminex Corp.)機器を用いて定量した。
図4は、表1の化合物1(μM単位で示される濃度)で処理した樹状細胞によりケモカインIL−8、MCP−1、MIP−1αおよびMIP−1βの誘導を示す。LPSはケモカイン発現の陽性対照誘導物質として示される。
サイトカイン分泌を測定することができる他の細胞として、例えば、ヒト辺縁血液単核細胞、ヒトマクロファージ、マウスマクロファージ、マウス脾細胞、ラット胸腺細胞およびラット脾細胞を含む。
実施例7.in vitroの抗ウイルス活性
さらに、最適化された分子の抗ウイルス活性の幅を特徴付けるために、細胞培養感染モデルを用いて、新興公衆衛生関連のインフルエンザウイルス、HCV、DNV、RSVおよびWNVの種々の菌種を含む種々のウイルスを分析する。この試験は、感染に先立つ2〜24時間前の化合物での細胞の処理、または感染後8時間以内の細胞の処理を含む。ウイルス産生および細胞ISG発現を経時的に評価して、リード構造クラスからの代表的化合物の抗ウイルス性効果を分析する。IFNβを含めた公知の抗ウイルス性処置を陽性対照として用いる。
ウイルス産生は、焦点成形またはプラークアッセイにより測定する。平行実験において、ウイルスRNAおよび細胞ISG発現はqPCRおよび免疫ブロット分析により測定する。これらの実験は、ウイルス対策の設定において、ウイルス感染中に化合物シグナリング作用を確認し、かつウイルスの種々の株に対する先天性免疫の抗ウイルスプログラムを指示する化合物作用を評価するように設計されている。各化合物の詳細な用量応答分析は、前処置および後処置の感染モデルの双方のための対照細胞と比較して、50%(IC50)および90%(IC90)だけウイルス産生を抑制する有効量を決定するための各ウイルス感染系で行う。
本発明の化合物は、B型肝炎ウイルス(HBV)、HCV H77(遺伝子型1a)、HVV JFH1(遺伝子型2a)、インフルエンザA/PR/8/34(H1N1のマウス適合ウイルス)、インフルエンザA/WSN/33(H1N1のマウス適合神経毒性ウイルス)、インフルエンザA/TX/36/91(H1N1 循環ウイルス)、インフルエンザA/Udorn/72(H3N2)、WNV TX02(系統1)WNV MAD78(系統2)RSV、ヒトコロナウイルスOC43(SARS様病原体)およびDNV2型を含めたウイルスに対するin vitroのモデルを用いて試験される。
本開示の典型的な化合物の抗ウイルス活性は、実施例8〜11において以下に示す。
実施例8.呼吸器合胞体ウイルスに対するin vitro活性
HeLa細胞は、6ウェル・プレート中で1ウェル当たり4×105個の細胞にて前日に蒔いた。翌日、培地は、0.1のMOIにてFBSを含まない培地中でRSVに置き換えた。ウイルス結合を37℃にて2時間生じさせた。2時間後、細胞を暖かい完全培地で洗い、10μM、5μM、1μMまたはDMSO対照の濃度変更にて、薬物を含有する培地に置き換えた。細胞を48時間37℃培養器に配置した。
ウイルス検出および力価測定のために、HeLa細胞を8×103個の細胞にて96−ウェルプレート中に蒔き、その24時間後、ウイルス上清を採取した。48時間の培養後、感染したプレートからのウイルス上清を収集し、その上清を1/10の最終希釈にて用いて、これらの細胞を感染させた。細胞は37℃培養器にて24時間配置した。
感染の24時間後に、細胞をPBSで2回洗い、メタノール/アセトン溶液で固定した。固定後に、細胞をPBSで2回洗い、1時間ブロッキング緩衝液(PBS中の10%ウマ血清、1g/mLのBSAおよび0.1%トリトン100X)に置き換えた。ブロッキング緩衝液は、室温で2時間1/2000希釈の一次抗体を含有する結合用緩衝液と置き換えた。一次抗体はRSVに対するマウス単クローン抗体であった。細胞は、PBSで2回洗い、1/3000希釈のAlexa Fluor−488ヤギ抗マウスの二次抗体を含有する結合用緩衝液と置き換え、ヘキスト核染色を室温にて1時間行った。細胞をPBSで2回洗い、PBSはすべてのウェルに添加した。その96−ウェルプレートを密閉し、ウイルス感染力に関連した蛍光活性をArray Scan instrument (Thermo-Fischer)を用いる免疫蛍光アッセイにより決定した。
化合物での処置は、感染に先立ってなすことができる。この方法の変更において、化合物はウイルスでの感染に先立って変化する時点で添加した。記載されたように、ウイルス検出および力価測定は、記載のごとく行った。
図5は、実施例8のプロトコールを用いて行った実験結果を示し、RSVに対する抗ウイルス活性を示した選択化合物の抗ウイルス活性を示す。+++=70%を超える感染抑制、++=50%を超える感染抑制、+=30%を超える感染抑制、−=30%未満の抑制。
実施例9.インフルエンザウイルスに対するin vitroの活性。
H292細胞のインフルエンザA型/Udorn/72感染。RPMI1640+10%FCS中の2×106個のH292細胞を、最終濃度の0.5%DMSO中の2μM化合物2で6時間処理した。化合物含有培地を吸引し、0.1のMOIのA/Udorn/72を含有する1X MEMに置き換え、CO2恒温培養器中の37℃に置いた。感染2時間後、ウイルス含有培地を吸引し、1ug/mLTPCK処理トリプシン、2μM化合物2、0.5%のDMSOを含有する1X MEMに置き換えた。細胞は37℃のCO2恒温培養器に18時間置いた。感染20時間後、ウイルス上清を収集し、MDCK細胞で力価測定した。
HEK293細胞のインフルエンザA型/Udorn/72感染。5×105個のHEK293細胞を1X MEM中の0.2のMOIのA/Udorn/72で感染させた。感染2時間後、ウイルス含有培地を吸引し、1μg/mLのTPCKで処理したトリプシン、10μM化合物2、0.5%DMSOを含有する1X MEMに置き換えた。細胞を37℃のCO2恒温培養器に18時間戻した。感染20時間後、ウイルス上清を収集し、MDCK細胞で力価測定した。
MDCK細胞における力価測定。10μLの感染した上清を2μg/mLのTPCKトリプシンの存在下、2×106個のMDCK細胞に添加し、37℃のCO2恒温培養器に置いた。8時間後、上清を除去し、細胞を固定し、インフルエンザNPタンパク質に特異的なFITC結合抗体で染色した。焦点数はmARRAYSCAN機器およびソフトウェア(Cellomics)を用いて定量した。
実施例化合物の抗ウイルス活性を評価するために記載された実施例9のプロトコールを行なうことができる。図6は、インフルエンザA型ウイルスUdorn/72に対する実施例化合物の抗ウイルス活性を示す。表1の化合物3、化合物7、化合物9および化合物10の濃度増加でのHEK293細胞の処理の結果、用量依存的抑制のウイルス感染を生じさせた(%未処理陰性対照として示す)。計算されたIC50値をが示す。表2は、表1からの選択された化合物の計算されたIC50値を示す。
実施例10、デング熱ウイルスに対するin vitroの活性
培養ヒトHuh 7細胞を、6ウェルの組織培養プレート中で1ウェル当たり4×105個の細胞にて蒔き、24時間増殖させた。細胞を2時間0.1の感染多重度(MOI)にてDNV2型株で感染させ、次いで、除去した。化合物の希釈液は0.5%DMSO中で調製され、それを用いて、ウェル当り0.001〜10μMの範囲にある最終濃度の化合物で細胞を処理した。0.5%DMSOで処理したビヒクル対照ウェルを用いて、薬物処置した細胞に比較した。複製は、48時間進行させた。ウイルス上清を収集し、それを用いて、96−ウェルプレート中で1ウェル当り8×103個の細胞で蒔いた24時間後に、ウイルス上清を収集したベロ細胞のごとき許容細胞の新しい単層を感染させた。
その新しい感染細胞を24時間培養し、それを用いて、ウイルス蛋白の免疫蛍光染色により元来の上清中で伝染性ウイルスのレベルを測定した。細胞を氷冷した1:1のメタノールおよびアセトン溶液で固定し、DNV融合タンパク質につき染色した。DNV融合タンパク質に対する一次マウス単クローン抗体(ミリポア)を1:2000希釈で用いた。Alexa Fluor488色素(Invitrogen)およびHoescht色素(核染色)に結合した二次ヤギ抗マウス抗体を1:3000で用いて、DNVタンパク質および細胞核を検出した。二次抗体インキュベーション後、単層を洗い、Cellomics ARRAYSCAN HCS機器を用いて、画像化および定量のために100μLのPBS中に残した。
図7は、デング熱ウイルス(DNV)2型に対する、表1の化合物5および化合物20の抗ウイルス活性を示す。増加する量の化合物での処置は、ウイルスにより感染において用量依存的な減少を示した。
図8は、デング熱ウイルス2型に対する典型的な化合物の抗ウイルス活性を示す。表1の化合物8、化合物3、化合物5、化合物6、化合物7、化合物9および化合物10の増加する濃度でのHuh7細胞の処理の結果、ウイルス感染の用量依存的抑制を生じさせた(%未処理陰性対照を示す)。計算したIC50値を示す。
表3は、デング熱ウイルス2型(DV2)および/またはデング熱ウイルス4型(DV4)に対する選択した化合物の計算したIC50値を示す。
実施例11.ヒトコロナウイルスに対するin vitroの活性
MRC5細胞は前日に6-ウェルプレートを蒔き、24時間増殖させた。細胞は2時間ヒトコロナウイルスOC43(HCoV−OC43)で感染させ、次いで、取り出した。化合物の希釈液を0.5%DMSO中で調製し、0.5%DMSO中で調製し、それを用いて、ウェル当り0.001〜10μMの範囲にある最終濃度の化合物で細胞を処理した。0.5%DMSOで処理したビヒクル対照ウェルを用いて、薬物処置した細胞に比較した。複製は、5日間進行させた。ウイルス上清を収集し、それを用いて、96−ウェルプレート中で蒔いた24時間後に、ウイルス上清を、すなわち、感染4日後に、収集したHuh 7細胞のごとき許容細胞の新しい単層を感染させた。
その新しい感染細胞を48時間培養し、それを用いて、ウイルス蛋白の免疫蛍光染色により元来の上清中で伝染性ウイルスのレベルを測定した。細胞を氷冷した1:1のメタノールおよびアセトン溶液で固定し、HCoV−OC43核タンパク質につき染色した。HCoV−OC43核タンパク質に対する一次マウス単クローン抗体(ミリポア)を1:1000希釈で用いた。Alexa Fluor488色素(Invitrogen)およびHoescht色素(核染色)に結合した二次ヤギ抗マウス抗体を1:3000で用いて、OC43タンパク質および細胞核を検出した。二次抗体インキュベーション後、単層を洗い、Cellomics ARRAYSCAN HCS機器を用いて、画像化および定量のために100μLのPBS中に残した。
図9は、ヒトコロナウイルスOC43に対する典型的な化合物の抗ウイルス活性を示す。
表1の化合物3、化合物5、化合物6および化合物7の増加する濃度での処置の結果、ウイルス感染の用量依存的抑制を生じさせた(%未処理陰性対照を示す)。計算したIC50値を示す。
表4は、ヒトコロナウイルスOC43に対する選択した化合物の計算したIC50値を示す。
実施例12.化合物のin vivoでの薬物動態学および毒物学的特性。
本明細書に記載した化合物のin vivoの薬物動態学的(PK)プロフィールおよび認容性/毒性をin vivoでのそれらの抗ウイルス活性のさらなる特徴付けを行うために評価する。
逆相HPLC−MS/MS検出方法は。マウス血漿中の各化合物の濃度を測定するために用いる。PKプロファイリングに先立って、各化合物についての最初の経口および静脈内製剤は、水溶解度および少数の貯蔵方法での安定性を最大化することに大部分は集中する限定された製剤成分スクリーニングを用いて開発している。当該技術分野において知られているいずれかの分析方法を用いて、製剤効率を測定できる。ある製剤を以下の3つの力価測定戦略:
・力価測定1:pH(pH3〜9)、緩衝剤および浸透圧調整
・力価測定2:溶解度を高めるためのエタノール(<10%)、プロピレングリコール(<40%)、ポリエチレングリコール(PEG)300または400(<60%)共溶媒の添加
・力価測定3:N−N−ジメチルアセトアミド(DMA(<30%))、N−メチル−2−ピロリドン(NMP(<20%))および/またはジメチルスルホキシド(DMSO(<20%))共溶媒またはさらに溶解度を改善すために必要なシクロデキストリン(<40%)の添加。
実施例13.化合物のin vivoでの抗ウイルス活性
in vitroでの抗ウイルス性、機序的、ADMEおよび毒物学研究における適切な性能を示す化合物について、予備的マウスPK試験を行った。各化合物は、一晩の絶食後に経口ガバージ(<10ml/kg)またはi.vボーラス注射(<5ml/kg)により動物に単回用量として投与する。各時点で3匹の動物をサンプリングできるように、複数の動物に各用量群に投薬する。血液サンプルは、投薬前、ならびに投薬後5、15および30分、ならびに1、2、4、8および24時後に後眼窩静脈叢により収集する。薬物濃度は従前に開発された生物分析方法により測定する。PKパラメーターはWinNonlinソフトウェアを用いて評価する。
さらに、試験的PK研究における性能に基づいて、化合物は、抗ウイルス性モデルにおけるそれらの特性付けに先立ってマウスにおける予備的認容性および毒性につき評価する。認容性研究は2つの段階:最大認容用量を決定するための初回用量の段階的拡大段階(MTD、第1相)(5日間の休薬期間により分けられた5用量以内)に続く、急性毒性を評価するためのMTDの7回の毎日投与(第2相)において行う。全用量は、経口ガバージにより投与する。実施例実験において、各性別の5匹の動物を第1段階における試験に配置し、第2段階における投与群当りの性別当り15匹の動物とした。研究エンドポイントは、MTD、身体検査、臨床観察、血液学、血清化学および動物体重の決定を含む。全体の病理学は、すべての動物に対して、死亡、死に臨んで安楽死させたか、または実験の意図した終局にて判明したかどうかで行った。毒物学的試験は主として、性質において主として試験的であり、早期の毒物学的エンドポイントを提供し、および抗ウイルス性動物モデルに対するリード候補物の選択を駆動することが意図される。
前記のPKと認容性の試験を完了する実施例方法を表5に示す。化合物の薬理学的性質をより正確に測定するために異なる投与経路のごとく、これらの方法は、変更および/または採用し得る。
図10は、試験的研究からの結果を示す。経口(PO)または静脈内(IV)経路を介する表1の化合物3の投与の結果、処置後250分以内に得た血清試料中の検出可能なレベルの化合物を生じさせた(図10A)。表1の化合物3および化合物7の処置4時間後に、肺組織に検出可能な化合物が存在した(図10B)。
望ましいPK特性、認容性、抗ウイルスの能力および/または先天性免疫活性化活性を示す本開示の実施例化合物を、感染の前臨床マウスモデルにおいてさらなる評価のために選択する。
ウイルスの標準的負荷、例えば、WNV−TXの100pfuまたはインフルエンザウイルスの1,000pfu負荷後の各化合物による血清ウイルス負荷の50%および90%の抑制(EC50およびEC90)のための有効用量の決定は、これらの実験のデザインに組み入れる。血清中のウイルス定量化および/または目的組織は、プラークアッセイ、TCID50アッセイ、フォーカス形成アッセイ、HAアッセイまたはBCAアッセイのごときウイルス蛋白定量化、qPCRを介するごときウイルスRNA定量化、および/またはELISAによるごとき抗原定量化を含めた確立しているアッセイ方法により決定する。
化合物の作用は、ウイルス病原性、ウイルス複製およびウイルス拡散を制限するそれらの能力を評価するために決定されたEC50およびEC90を含む2用量レベルでのウイルス負荷試験にて試験する。マウスは、単独または、感染前12時間または感染後24時間に始まり、続いて、毎日、薬物の決定された血漿半減期に付される化合物処理と組合せて、ある範囲の負荷用量(例えば、10〜1,000pfuのウイルス)にわたる罹患率および死亡率にモニターする。また、化合物の用量応答分析および感染の時間経過研究は、1)血清ウイルス負荷を限定する、2)ウイルス複製および標的器官における拡散を限定する、および3)ウイルス病原性に対して保護するための化合物の効力を評価するために行う。
in vivoおよび確立されているマウス感染モデルにおける薬物の有効用量を規定するための試験を表6に記載するが、このリストは、完全を意図せず、その化合物は、いずれのウイルス感染に対する効力についてのいずれのマウスモデルにおいても試験できる。
マウスWNVモデル.WNVに対する化合物の効力は、ウイルスの皮下または頭蓋内(神経侵襲)感染後に分析できる。化合物は、2用量レベル+プラセーボ対照群での全感染経過にわたり経口ガバージまたはIP投与により毎日投与する。動物は、毎日の臨床観察、死亡率、体重および体温を含めた試験エンドポイントに評価する。ウイルス力価は、血清、リンパ節、脾臓および/または脳中で測定する。化合物処置−対−対照の動物における感染中の種々の時点の遺伝子およびサイトカイン発現をアッセイすることができる。
マウス・インフルエンザモデル.ウイルス感染は、インフルエンザウイルス株A/WSN/33およびA/Udorn/72の非手術鼻腔内または気管挿管により行う。これらのインフルエンザウイルス株は2つの異なるサブタイプ(H1N1およびH3N2)であり、C57Bl/6マウスにおける病原性特性および臨床症状の変化を示す。化合物は、2用量レベル+プラセーボ対照群での全感染経過(≧ 2週間)にわたり経口ガバージまたはIP投与により毎日投与する。動物は、毎日の臨床観察、死亡率、体重および体温を含めた試験エンドポイントにつき評価する。ウイルス力価は、血清、心臓、肺、腎臓、肝臓および/または脳中で測定する。化合物処置−対−対照の動物における感染中の種々の時点の遺伝子およびサイトカイン発現をアッセイすることができる。
マウスRSVモデル.ウイルス感染は、細胞変性効果を引き起こさない用量でのRSV A2long株の非手術鼻腔内または気管挿管により行う。化合物は、2用量レベルまたはプラセーボ対照群での≧ 3週間経口ガバージまたはIP投与により毎日投与する。動物は、毎日の臨床観察、死亡率、体重および体温を含めた試験エンドポイントにつき評価する。ウイルス力価は、血清、血液、心臓、肺、腎臓、肝臓および/または脳中で測定する。遺伝子およびサイトカイン発現、ならびに増加した免疫細胞集団カウントをアッセイすることができる。
マウスDNVモデル.ウイルス感染はDNV2型株の腹腔内注射により行う。2用量レベル+プラセーボ対照群での全感染経過にわたり経口ガバージまたはIP投与により毎日投与する。動物は、毎日の臨床観察、死亡率、体重および体温を含めた試験エンドポイントにつき評価する。ウイルス力価は、血清、血液、心臓、肺、腎臓、肝臓および/または脳中で測定する。化合物処置−対−対照の動物における感染中の種々の時点の遺伝子およびサイトカイン発現をアッセイすることができる。
マウス肝炎ウイルス1型(MHV−1)コロナウイルスモデル.ウイルス感染はMHV−1の非手術鼻腔内挿管により行う。化合物は、2用量レベル+プラセーボ対照群での全感染経過(≧ 1週間)にわたり経口ガバージまたはIP投与により毎日投与する。動物は、毎日の臨床観察、死亡率、体重および体温を含めた試験エンドポイントにつき評価する。ウイルス力価は、血清、心臓、肺、腎臓、肝臓および/または脳中で測定する。化合物処置−対−対照の動物における感染中の種々の時点の遺伝子およびサイトカイン発現をアッセイすることができる。
図11は、マウス肝炎ウイルス1型(MHV−1)コロナウイルスモデルを用いて行った試験を示す。表1の化合物3での処理の結果、MHV−1での致死性負荷後に体重減少(A)および増加した生存(B)を含めた病理学的症状の減少を生じた。(C)ウイルスは化合物3で処理した動物の肺において減少した。
実施例化合物の抗ウイルス活性を表7に記載する。
実施例14.in vivoでの補助活性
本開示の化合物の補助活性の幅を特徴付けるために、ワクチン接種の動物モデルならびにワクチン接種+保護を用いる。試験は、
試験は、単独でまたは抗原と組み合わせて化合物でのラットおよびマウスを含めた動物のプライミング、次いでの補助効果の評価を含む。
補助剤効果は、増強された免疫の体液性および細胞性応答の改変についてのアッセイにより測定する。体液性応答は、ワクチン接種後ならびに/または血清のための血液収集および抗体クラス(IgM、IgG、IgAまたはIgE)および/もしくはIgG抗体のためのIgG1、IgG2a、IgG2b、IgG2c、IgG3を含めたアイソタイプの相対濃度の決定によるブースト後の離散時間で経時的に評価する。さらに、生成された抗体の親和性および結合性も決定する。また、ワクチン調製物が化合物および抗原の組合せを含む例において、生成された抗体の中和活性を決定する。
化合物により誘導された、細胞媒介免疫応答は、抗体での末梢血単核細胞、リンパ節、脾細胞または他の二次リンパ器官のex vivoの刺激、その後のいくつかの時間での血清中のサイトカインまたはケモカイン生成の測定を含む分野で確立している方法により測定する。測定されたサイトカインは、IFNガンマおよびTNFアルファを含めたTh1型サイトカイン、IL−4、IL−10、IL−5およびIL−13のサイトカインを含めたTh2型サイトカイン、およびIL−17、IL−21およびIL−23を含めたTh17サイトカインを含む。また、化合物により誘発されたケモカインは、RANTES、IP−10、MIP1a、MIP1bおよびIL−8を含めて測定する。また、サイトカインのT細胞抗原特異的生成は、蛍光的に標識された特異抗体で染色した細胞内サイトカインおよびフローサイトメトリー、またはELISPOTにより測定することができる。双方のCD4+およびCD8+T細胞集団の双方を試験する。
また、細胞レベルの補助活性の測定は、フローサイトメトリーによる表面マーカーの活性化のイムノフェノタイピングにより決定する。また、CD8T細胞の抗原特異性応答は、パーフォリン、細胞表面マーカー発現またはチミジン取込み反応を含む増殖アッセイの細胞内サイトカイン染色により評価する。
これらの実験は、プライム−ブーストスキームの異なる組合せにおける化合物の補助活性を有効にし、先天性免疫抗ウイルスプログラムに対する化合物誘導効果がワクチン調製物中の抗原に固定された適応性免疫応答をどのように形成するかを評価するように設計する。
前記の各化合物の詳細な免疫応答分析は、その特定の抗原および化合物製剤について相互に関連することを決めるために、各選択された抗原で行なう。これらの結果は、保護試験をガイドし、ここに、選択された感染剤からの選択された最適な化合物および所望の抗原製剤の組合せでワクチン接種およびブーストした動物は、動物の疾患または致死を生じることが知られている感染剤の用量で後に負荷される。ワクチン接種により与えられた保護は、臨床症状および生存のモニタリングにより典型的に測定する。
実施例15.エボラウイルスに対する表1の化合物12の抗ウイルス活性.
表1の化合物12のin vitro効力は、エボラウイルス(EBOV)に対して試験した。図12に示すごとく、化合物12はin vitroにてEBOC力価において2ログを超える減少を示した。対照力価(pfu/mL)は5を超えたが、化合物12を用いる試験力価は3.5未満であった。
実施例16.表1の化合物8の抗ウイルス効果.
図13は、FFU/ml単位でのDENV−2に対する表1の化合物8の用量応答活性を示す。
実施例の具体例
1. 式:
[式中、R4は、Rd、SO2Rd、C(=O)Rd、NH C(=O)Rd、Re、ORcまたはCF3であり、ここに、RcはHまたはC1−C10ヒドロカルビルであり、Rdは置換された複素環、非置換の複素環または非置換の炭素環であり、およびReは、置換されたヘテロアリールまたは置換されたフェニルであり;およびnは1または2である。]
により表わされる化合物。
2.式:
[式中、R4は、
(i) C(=O)Rdであって、Rdはピロリドニル基である、
(ii) SO2Rdであって、Rdはピペリジニル基である、
(iii) NHC(=O)Rdであって、Rdはフェニル基またはフラニル基である、
(iv) イミダゾリル基、または
(v)チアゾリル基である。]
により表わされる具体例1に記載の化合物。
3.式:
[式中、XはNHまたはOである。]
により表わされる具体例1に記載の化合物。
4.R4がCF3、ORc、または少なくとも1つのOCH3基により置換されたフェニル基である具体例1に記載の化合物。
5.式:
により表わされる具体例1に記載の化合物。
6.式:
[式中、Lは、NR2、O、S、C(=O)N、CR2R3CR2R3、CR2R3NR2、CR4=CR4、CR2R3O、CR2R3S、NR2CR2R3、NR2C(=O)、NS(O)t、OCR2R3、SCR2R3であり;
Vは、(CR2R3)u、C(=O)CR2R3、CR2R3O、CR2R3OCR2R3、CR4=CR4、C≡C、C(=NR2)またはC(=O)であり;
Qは、NR2、O、S(O)tまたは結合であり;
t=0、1、2;u=0〜3;
ここに、点線は、結合の存在または不存在を示し;
R1はRa、OR2またはNR2R3であり;
Raは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり;
R2およびR3は各々独立して、Ra、C(=O)Ra、SO2Ra、またはR2およびR3は所望により置換された炭素環、複素炭素環、アリールもしくはヘテロアリール環を形成し;
R4は各々独立して、R2、ORa、C(=O)Ra、C(=O)NR2R3、NR2R3、NRb(=O)Ra、SRa、SORa、SO2Ra、SO2NHRa、SO2NR2R3、NCORa、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=O、ニトロであるか、または2つのR4基は、所望により置換された炭素環、複素炭素環、アリールまたはヘテロアリール環を形成し;
WおよびXは各々独立して、N、NRa、NR5、O、S、CR2R4またはCR4であり;
R5は、Ra、C(=O)Ra、SO2Raであるか、または存在しない;
Y1、Y2、Y3およびY4は各々独立して、CR4またはNであり;および
NR2R3は、ピロリジン、ピペリジン、モルホリンおよびピペラジンを含めた、所望により置換された複素環またはヘテロアリール環を形成し得る。]
により表わされる化合物。
7.式1Aまたは1C:
式1A
式1C
[式中、式1Aおよび式1Cの各々において、
R
1はR
a、OR
2またはNR
2R
3であり;
R
aは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり;
R
2およびR
3は各々独立して、R
a、C(=O)R
aまたはSO
2R
aであり;
R
4は各々独立して、R
2、OR
a、NR
2R
3、SR
a、SOR
a、SO
2R
a、SO
2NHR
a、NCOR
a、C(=O)R
a、CONR
2R
3、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり;
Vは、CR
2R
3、C(=O)、C(=O)CR
2R
3またはC(=N)R
2であり;および
Wは、OまたはSである。]
により表わされる構造を有する具体例6に記載の化合物。
8.式1B:
式1B
[式中、R
1はR
a、OR
2またはNR
2R
3であり;
R
aは各々独立して、H、所望により置換されたヒドロカルビル、所望により置換されたアリール、所望により置換されたヘテロアリールであり;
R
2およびR
3は各々独立して、R
a、C(=O)R
aまたはSO
2R
aであり;
R
4は各々独立して、R
2、OR
a、NR
2R
3、SR
a、SOR
a、SO
2R
a、SO
2NHR
a、NCOR
a、C(=O)R
a、CONR
2R
3、ハロゲン、トリハロメチル、CN、S=Oまたはニトロであり;
R
6はHまたはCH
3であり、
Vは、CR
2R
3、C(=O)、C(=O)CR
2R
3またはC=NR
2であり;および
WはOまたはSである。]
により表わされる構造を有する具体例6に記載の化合物。
9.R4がHであり;およびVはC=Oである具体例7または8に記載の化合物。
10.R1が所望により置換されたフェニルまたは所望により置換されたナフチルである具体例7、8および9のいずれか1記載の化合物。
11.WがSであって、XがNである具体例6〜10のいずれか1記載の化合物。
12.WがOであって、XがNである具体例6〜10のいずれか1記載の化合物。
13.式:
[式中、R1は、少なくとも1つのハロゲンにより置換されたフェニル基、NR2R3により置換されたフェニル基、SO2NR2R3により置換されたフェニル基、CR2R3ORd、非置換のナフチル基、O(CR2R3)nRdにより置換されたナフチル基、NRa(CR2R3)nRd、NRa(CR2R3)nNR2R3、ピリジニル基およびフェニル基を含む二員環状構造、またはフェニル基およびジオキソラニル基を含む二員環状構造であり;
Raは各々独立して、Hまたは所望により置換されたヒドロカルビル(C1−C10)であり;
R2およびR3は各々独立して、Ra、CORa、(CH2)nOまたはSO2Raであり;
R4は各々独立してRaあり、
Rdはフェニルまたはモルホリノであり、
R5はHまたはCH3であり;
R6はHまたはCH3であり;および
nは1、2、3、または4である。]
により表わされる具体例6〜11のいずれか1記載の化合物。
14.式:
により表わされる具体例13に記載の化合物。
15.式:
[式中、R1は、少なくとも1つのハロゲンにより置換されたフェニル基、NR2R3により置換されたフェニル基、SO2Rdにより置換されたフェニル基、O(CR2R3)nRdにより所望により置換されたナフチル基または非置換のナフチル基であり、
Raは各々独立して、Hまたは所望により置換されたC1−C10ヒドロカルビルであり;
R2、R3およびR4は各々独立してRaであり、
Rdは所望により置換されたフェニルまたは所望により置換されたモルホリノであり;
R5はHまたはCH3であり;
R6はHまたはCH3であり、および
nは1、2、3、または4である。]
により表わされる具体例5〜9および11のいずれか1記載の化合物。
16.式:
により表わされる具体例15に記載の化合物。
17.具体例1〜16のいずれか1記載の化合物を含む医薬組成物。
18.治療上有効量の具体例17に記載の医薬組成物を対象に投与し、それにより対象のウイルス感染を治療することを含む、対象におけるウイルス感染を治療する方法。
19.治療上有効量の具体例17に記載の医薬組成物を対象に投与することを含む、対象におけるウイルス感染を予防する方法。
20.ウイルス感染が、1以上の以下の科:アレナウイルス科、アルテリウイルス、アストロウイルス科、ビルナウイルス科、ブロモウイルス科、ブニヤウイルス科、カリシウイルス科、クロステロウイルス科、コモウイルス科、コロナウイルス科、シストウイルス科、フィロウイルス科、フラビウイルス科、フレキシウイルス科、ヘパドナウイルス科、ヘペウイルス、ヘルペスウイルス科、レビウイルス科、ルテオウイルス科、メソニウイルス科、モノネガウイルス目、モザイクウイルス、ニドウイルス目、ノダウイルス科、オルトミクソウイルス科、パピローマウイルス科、パラミクソウイルス科、ピコビルナウイルス科、ピコビルナウイルス、ピコルナウイルス科、ポティウイルス科、レオウイルス科、レトロウイルス科、ロニウイルス科、セキウイルス科、テヌイウイルス、トガウイルス科、トンブスウイルス科、トティウイルス科、およびティモウイルス科からのウイルスにより引き起こされる具体例18または具体例19に記載の方法。
21.ウイルス感染が、アルファイウイルス、バンジウイルス、ウシ下痢ウイルス、チクングニアウイルス、デングウイルス(DNV)、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、ヒトサイトメガロウイルス(hCMV)、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、イルヘウスウイルス、インフルエンザウイルス(トリ分離株およびブタ分離株を含む)、ライノウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス、日本脳炎ウイルス、ココベラウイルス、クンジンウイルス、キャサヌール森林病ウイルス、跳躍病ウイルス、麻疹ウイルス、MERSコロナウイルス(MERS)、メタニューモウイルス、いずれかのモザイクウイルス、マレー渓谷脳炎ウイルス、パラインフルエンザウイルス、ポリオウイルス、ポワッサンウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、ロシオウイルス、SARS−コロナウイルス(SARS)、セントルイス脳炎ウイルス、ダニ媒介脳炎ウイルス、西ナイルウイルス(WNV)、エボラウイルス、ニパウイルス、ラッサウイルス、タカリベウイルス、フニンウイルスおよび黄熱病ウイルスにより引き起こされる具体例18または具体例19に記載の方法。
22.療法に使用される具体例17に記載の医薬組成物。
23.医薬組成物が、予防または治療用ワクチンのための補助剤として投与されることを特徴とする具体例22に記載の使用のための医薬組成物。
24.具体例1〜16のいずれか1記載の化合物を細胞に投与することを含むことを特徴とする、真核細胞中の先天性免疫応答の調節方法。
25.細胞がin vivoでのものであることを特徴とする具体例24に記載の方法。
26.細胞がin vitroでのものである具体例25に記載の方法。
27.構造:
を有する医薬組成物の治療上有効量を対象に投与することを含むことを特徴とする、対象におけるウイルス感染を治療する方法。
当業者により理解されるように、本明細書に開示された具体例は、その特に言及された要素、工程、成分(ingredient)または成分(component)を含むか、それより実質的になるか、またはそれよりなることができる。かくして、「含む(include)」または「含んでいる(including)」なる用語は、「含むか、それより実質的になるか、またはそれよりなる」ことを示すものと解釈されるべきである。本明細書に用いた、「含む(comprise)」または「含む(comprises)」なる移行句は、限定されるものではないが、主要な量においてさえもの、特定されていない要素、工程、成分(ingredient)または成分(component)を含み、その包含を可能とする。「よりなる」なる移行句は、特定されないいずれの要素、工程、成分(ingredient)または成分(component)も除外する。「実質的に〜よりなる」なる移行句は、具体例の範囲を特定の要素、工程、成分(ingredient)または成分(component)に、または実質的に具体例に影響しないものに制限する。本明細書に用いた不可欠な効果は、対象におけるウイルス感染を治療する;対象またはアッセイにおけるウイルス蛋白を低減する;対象またはアッセイにおけるウイルスRNAを低減するか、または細胞培養中のウイルスを低減するための開示された化合物または組成物の化合物の能力において、統計的に有意な低減を引き起こすであろう。
特記しない限りは、本願明細書および特許請求の範囲に用いた、成分、分子量のごとき特性、反応条件などの量を示すすべての数は、「約」なる用語により、すべての例において修飾されるものと理解されるべきである。したがって、特記しない限りは、本明細書および添付された特許請求の範囲に記載された数値パラメーターは、本開示により得ようとする所望の特性に依存して変化できる近似値である。少なくとも、および請求項の範囲に等価物の教示の適用を限定する試みとしてではなくして、各数値パラメーターは、少なくとも報告された有効数字の数に照らして、および通常の丸め技術の適用により解釈されるべきである。さらなる明瞭さが必要な場合には、「約」なる用語は、言及された数値または数値範囲と共に用いる場合に、当業者により合理的に与えられた意味を有し、すなわち、言及された値または範囲を超えるまたはそれ未満のもの、言及された値の±20%;言及された値の±19%;言及された値の±18%;言及された値の±17%;言及された値の±16%;言及された値の±15%;言及された値の±14%;言及された値の±13%;言及された値の±12%;言及された値の±11%;言及された値の±10%;言及された値の±9%;言及された値の±8%;言及された値の±7%;言及された値の±6%;言及された値の±5%;言及された値の±4%;言及された値の±3%;言及された値の±2%;または言及された値の±1%の範囲内を示す。
広範囲の本開示を記載する数値範囲および数値パラメーターが、近似であることにもかかわらず、特定の例において示された数値は、できるだけ正確に報告される。しかしながら、いずれの数値も、それぞれの試験測定において判明した標準偏差に必ず起因するある種の誤差を本質的に含有する。
「ある(a)」「ある(an)」「その」なる用語および本開示の記載の文脈(特に、以下の請求項の文脈中)において用いる同様の参照対象は、本明細書に特記しないまたは明確に文脈により否定されない限りは、単数および複数の双方をカバーすると解釈されるべきである。本明細書の数値範囲の列挙は、その範囲内の別々の各値に個々に参照される略式方法として機能すると単に意図される。本明細書に特記しない限りは、個々の各値は、それが本明細書に個々に示されたかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載されたすべての方法は、本明細書に示されるか、または文脈により明確に否定されない限りは、いずれの適当な順序においても行うことができる。本明細書に提供されたいずれのおよびすべての例、または例示的言語(例えば、「のごとき」)の使用も、本開示を良好に示すことを単に意図し、特許請求された開示の範囲に対する限定を提出しない。本開示の実施に必須の特許請求しないいずれかの要素を示すとして解釈されるべき、本明細書における言語はない。
本明細書に示された本開示の代替的要素または具体例の分類は、限定として解釈されるべきではない。群メンバーの各々は、個々に、または本明細書に見出される群または他の要素と組み合わせて、参照および特許請求することができる。群の1以上のメンバーは、便宜および/または特許性の理由のために、ある群に含むことができるか、またはある群から削除することができると予想される。いずれかのかかる包含または削除が生じる場合、本明細書は、変更された群を含み、かくして、追加した請求項に用いられるすべてのマーカッシュ群の記載を満たすとみなされる。
本開示のある種の具体例は、開示の実行のために発明者に知られた最良のモードを含めて、本明細書に記載されている。もちろん、これらの記載された具体例に対する変更は、先の記載を読むに際して当業者に明らかになるであろう。本発明者は、必要に応じて、当業者がかかる変更を使用することを期待し、本発明者らは、本開示が、特に本明細書に記載された以外のもので実施されることを意図する。したがって、本開示は、適用法令により可能になるように本明細書に追加された特許請求の範囲に示された主題の変更および等価物のすべてを含む。さらに、本明細書に示されるかまたは文脈により明確に否定されない限りは、すべての可能な変更における前記の要素のいずれの組合せも、本開示により包含される。
多数の参照が、本明細書の全体にわたって、出版物、特許および/または特許出願(集合的に「参考文献」)になされている。引用された各参考文献は、それらの特定の引用された教示につき、ここに出典明示して個々に本明細書の一部とみなす。
終わりに、本明細書に開示された本開示の具体例が本開示の原則の例証となると理解されるべきである。使用し得る他の変更は、本開示の範囲内である。かくして、限定されるものではないが例示の方法により、本開示の代替的配置は、本明細書の教示に従い利用し得る。したがって、示されるごとく、本開示は、正確に示され記載されるものに、制限されない。