JP2017514904A - Her2陽性ガンの治療のための免疫療法および放射線療法の併用 - Google Patents

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Abstract

【課題】骨肉腫を患う被験体のニーズを満たす。【解決手段】本発明は、HER2/neu抗原を発現する腫瘍に対して免疫応答を誘発する方法、ならびに放射線療法と組み換え型弱毒化リステリア株ワクチンとを併用して、ヒトおよびイヌの被験体において上記腫瘍を治療し、該腫瘍のワクチンを接種する方法を提供する。【選択図】図30

Description

本発明は、HER2/neu抗原を発現する腫瘍に対して免疫応答を誘発する方法、ならびに放射線療法および組み換え型弱毒化リステリア株ワクチンを併用して、ヒトおよびイヌの被験体において当該腫瘍を治療し、該腫瘍のワクチンを接種する方法を提供する。
HER2/neu(これ以降、「Her−2」と呼ぶ。)は、チロシンキナーゼの上皮増殖因子受容体(EGFR)ファミリーのメンバーである185kDaの糖タンパク質であり、全ての乳ガンの25〜40%、並びに多くの骨ガン(骨肉腫―OSA)、卵巣ガン、肺ガン、膵臓ガン、脳および胃腸管のガンにおいて過剰発現する。Her−2を過剰発現するガンを有する患者は、Her−2に対して向けられた検出可能な体液性のCD8T細胞、およびCD4T細胞応答にさえも耐性を示す。
大型犬は、組織学的不均質性、侵攻性局所疾病、および早期の転移を含む小児科のOSAの数多くの態様を反復するOSAを自発的に発生する。診断では、95%の犬が微小転移性疾患を有し、切断術および化学療法にも関わらず、平均生存期間は10ヶ月であり、ほとんどの犬は進行性の転移性疾患により安楽死させられる。転移性骨肉腫を有するヒトの患者の全生存は、部位および転移巣の数にもよるが、10〜50%の範囲である。
腫瘍細胞を破壊するかまたは腫瘍/間質構造を変化させるために使用される放射線療法(RT)は、多くの種類のガンの治療の不可欠な部分である。しかしながら、OSAは放射線療法の標準要領に放射線抵抗性であるので、RTはOSAの治療には使用されていない。
最近では、RTが標的免疫療法との相乗作用を与えることできることが証明されている。例えば、RTは免疫原性細胞死を誘発するが、このとき腫瘍細胞は、免疫系による死細胞の排除に繋がるアポトーシス、ネクローシスおよび/または有糸分裂の破局からゆっくりと時間をかけて死ぬ。これは、順番に、免疫療法のための腫瘍抗原の潜在的な供給源として機能する。RTはまた、細胞死受容体、腫瘍関連抗原および接着分子の腫瘍細胞表面発現を調節するが、それは腫瘍細胞を免疫媒介死滅に対してより感染しやすくする。
本発明は、明確に定義された減衰機構を有しかつ抗生物質選択マーカーを欠いているLmddA−HER2/neuワクチンベクターを用いて生成される組み換え型リステリアワクチン(ADXS31−164)と併用した場合に放射線療法が骨肉腫および肺転移に対して特に有効であるというという驚くべき知見を以て、OSAを患う被験体のニーズを満たす。
一実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が、組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が、組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が、組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が、組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が、組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含む方法を提供する。
一実施形態では、被験体はヒトである。一実施形態では、ヒトの被験体は子どもである。別の実施形態では、ヒトの被験体は大人である。別の実施形態では、被験体はイヌ科の動物である。
別の実施形態では、融合ポリペプチドを被験体に投与することは、腫瘍内のエスケープ変異を防止する。
別の実施形態では、HER2/neuキメラ抗原は、マッピングされたヒトのMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含む。別の実施形態では、HER2/neuキメラ抗原は、マッピングされたイヌのMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含む。
一実施形態では、核酸分子はリステリアゲノムの中へと組み込まれる。別の実施形態では、核酸分子が組み換え型リステリアワクチン株の中のプラスミドの中にあり、かつプラスミドは、抗生物質選択がない場合に組み換え型リステリアワクチン株の中に安定して維持される。
一実施形態では、組み換え型リステリアは、actA病原性遺伝子を欠いている。一実施形態では、追加的なポリペプチドは、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片からなる群から選択される。一実施形態では、第2のオープンリーディングフレームによってコードされる代謝酵素は、アラニン・ラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素である。本発明のいくつかの実施形態では、組み換え型弱毒化リステリア株は、ADXS31−164である。
一実施形態では、組み換え型弱毒化リステリア株は、独立したアジュバントと共に投与され、アジュバントは、一実施形態では、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含む。
一実施形態では、ガンは骨肉腫(OSA)である。別の実施形態では、ガンまたは腫瘍は肺の転移性疾患である。一実施形態では、投与は組み換え型弱毒化リステリア株の少なくとも2回の投与を含む。一実施形態では、放射線療法の投与は、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含む。一実施形態では、放射線療法と本明細書に記載のADXS31−164の投与とを含む併用療法が本明細書に提供される。一実施形態では、放射線療法は、組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に施された。
別の実施形態では、被験体は、放射線療法および組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に、切断術を経験しなかった。別の実施形態では、本発明の方法はさらに、放射線療法および、被験体における再発または転移(一実施形態では肺の転移性疾患である)に続く組み換え型弱毒化リステリア株の投与を含む。
一実施形態では、本発明の方法は、被験体の全生存の上昇をもたらす。別の実施形態では、本発明の方法は、被験体における転移性疾患の遅延をもたらす。別の実施形態では、本発明の方法は、HER2/neuに特異的なT細胞応答の増加をもたらす。別の実施形態では、強化した免疫応答の誘発は、被験体の全生存の増加をもたらす。別の実施形態では、前記強化した免疫応答の誘発は、被験体における転移性疾患の遅延をもたらす。一実施形態では、転移性疾患は肺の転移性疾患である。別の実施形態では、強化免疫応答の誘発は、HER2/neuに特異的なT細胞応答の増加をもたらす。
本発明に関する主題は、本明細書の結論部分に特定的に指摘され、かつ明瞭に主張されている。しかしながら、本発明の構成および運用方法の両方については、その目的、特徴、および利点とともに、添付図面とともに読んだとき、以下の発明を実施するための形態を参照することによって最も良好に理解され得る。
ADXS31−164の構築。構造性のリステリアp60プロモータの制御下で、LmddA株内の染色体のdal−dat欠失の相補のために、バシラスサチリスdal遺伝子を寄生するpAdv164のプラスミドマップ。これは、Her2/neuの3つの断片:EC1(aa 40−170)、EC2(aa 359−518)およびICI(aa 679−808)の直接融合によって構造化された、切断LLO(1−441)のキメラ型ヒトHer2/neu遺伝子への融合も含有する。右側のベクターの概略図は、切断LLOに融合したヒトHER2/neuの2つの細胞外領域および1つの細胞内領域から構成されるキメラ型HER2/neu融合タンパク質を発現するpAdv164の詳細を示す。プラスミドはdal遺伝子の栄養要求性相補によって組み換え型dal/dat/actA−リステリア株(LmddA)内に維持される(実施例を参照)。 ADXS31−164の構築。抗LLO抗体でブロットしたTCA沈殿した細胞培養上清のウエスタンブロット解析によって、Lm−LLO−ChHer2(Lm−LLO−138)およびLmddA−LLO−ChHer2(ADXS31−164)内でtLLO−ChHer2の発現および分泌が検出された。〜104KDの差を示す帯はtLLO−ChHer2に対応する。内因性のLLOは、58KD帯として検出される。リステリア対照はChHer2発現を欠いている。 ADXS31−164の免疫原性特性。NT−2細胞を刺激薬として使用し、かつ3T3/neu細胞を標的として使用して、免疫化マウスからの脾細胞内でHER2/neuリステリアベースのワクチンによって引き出された細胞毒性T細胞応答を試験した。Lm−対照は、すべてのやり方で同一であるが、無関連の抗原(HPV16−E7)が発現される、LmddAバックグラウンドに基づく。各データ点は、3回のデータ±標準誤差の平均であった。*P値<0.001。 ADXS31−164の免疫原性特性。脾細胞によって免疫化FVB/Nマウスから細胞培地の中へと分泌されたIFN−γが、NT−2細胞によって処置されたマイトマイシンCを用いたインビトロの刺激の24時間後、ELISAによって測定された。各データ点は、3回のデータ±標準誤差の平均であった。*P値<0.001。 ADXS31−164の免疫原性特性。インビトロでのタンパク質の異なる領域からのペプチドを用いたインキュベーションに応答する、キメラワクチンを用いて免疫化したHLA−A2トランスジェニックマウスからの脾細胞によるIFN−γ分泌。図の凡例にリスト表示したように、組み換え型ChHer2タンパク質がポジティブコントロールとして使用され、無関連ペプチドまたはペプチドを含まない群がネガティブコントロールを構成要素とした。コインキュベーションの72時間後に採取した細胞培養上清を使用するELISAアッセイによって、IFN−γ分泌が検出された。各データ点は、3回のデータ±標準誤差の平均であった。*P値<0.001。 リステリア−ChHER2/neuワクチンのための腫瘍防止研究。HER2/neuトランスジェニックマウスに各々組み換え型リステリア−ChHer2または対照リステリアワクチンを6回注射した。生後6週で免疫化を開始し、21週目まで3週ごとに継続した。腫瘍の外観を毎週観察して、腫瘍を有しないマウスのパーセンテージで表現した。*p<0.05、1群当たりN=9。 脾臓中のTregの%で示したADXS31−164を用いた免疫化の効果。FVB/Nマウスに1×10NT−2細胞を用いて皮下で接種し、各々のワクチンを用いて一週間間隔で3回免疫化した。第2の免疫化の7日後、脾臓を採取した。免疫細胞の分離後、Tregの検出のためにこれらを抗CD3、CD4、CD25、およびFoxP3抗体によって染色した。代表的な実験からのTregのドットプロットは、異なる治療群の間での全CD3またはCD3CD4T細胞に対するパーセンテージとして表されるCD25/FoxP3T細胞の頻度を示す。 NT−2腫瘍内の腫瘍浸潤Tregの%で示したADXS31−164を用いた免疫化の効果。FVB/Nマウスに1×10NT−2細胞を用いて皮下で接種し、各々のワクチンを用いて1週間間隔で3回免疫化した。第2の免疫化の7日後に腫瘍を採取した。免疫細胞の分離後、Tregの検出のために、抗CD3、CD4、CD25、およびFoxP3抗体によってこれらを染色した。代表的な実験からのTregのドットプロット。データは、2つの独立した実験から得られた平均±SEMとして示す。 NT−2腫瘍内の腫瘍浸潤Tregの%で示したADXS31−164を用いた免疫化の効果。異なる投与群にわたって全CD3またはCD3CD4T細胞(左のパネル)、および腫瘍内のCD8/Treg比(右のパネル)に対するパーセンテージとして表される、CD25/FoxP3T細胞の頻度。データは、2つの独立した実験から得られた平均±SEMとして示す。 Balb/cマウスにADXS31−164または対照リステリアワクチンを用いて3回免疫化した。EMT6−Luc細胞(5,000)を麻酔をかけたマウスの頭蓋内に注射した。示された日にXenogen X−100 CCDカメラを使用してマウスのエクスビボ撮像を遂行した。 ADXS31−164を用いたワクチン接種は乳ガン細胞株の脳内での増殖を遅延することができる。ピクセルの輝度は、1秒当たり表面積1cm当たりの光子数としてグラフ表示され、平均放射輝度として提示される。 ADXS31−164を用いたワクチン接種は乳ガン細胞株の脳内での増殖を遅延することができる。ウエスタンブロットによって、抗HER2/neu抗体を使用して、EMT6−Luc細胞、4T1−Luc、およびNT−2細胞株によるHER2/neuの発現が検出された。J774.A2細胞、マウスのマクロファージ様細胞株をネガティブコントロールとして使用した。 ADXS31−164でワクチン接種し、続いて切断術および化学療法を施した最初の18のイヌ骨肉腫の患者を示す。 ADXS31−164の投与がA)拡張型心筋症の初期の証拠を生じないことを示す。B)シーケンシャル心筋トロポニンIレベルを、大多数のイヌについての研究機関を通して、正常範囲内にレベルが留まることを示す研究の過程で評価した。一時的に上昇した心筋トロポニンIレベルを有する一匹のイヌは、これらの値が緩やかに上昇した時点で注意をひかない心電図を有したことに留意すべきである(図26Dを参照)。 ADXS31−164に関連する、A)体温および、B)収縮期血圧の変化を示す。ベースラインおよびADXS31−164投与後2時間ごとの体温および収縮期血圧を記録した。各々のイヌに対する各々のワクチン接種でのパラメータが表示される。水平のバーは各々の時点における各々の投与群でのすべてのイヌの中央値を示す。*p<0.05、**p<0.005。 切断術および化学療法無しの原発性四肢骨肉腫の状況におけるADXS31−164および緩和放射線療法(RT)の組み合わせ(併用)による治療のスケジュールを示す。 上のパネル:骨肉腫と関連する上腕骨近位端の骨折の存在を示す放射線写真および2枚の骨プレートおよび髄内ピンを使用した骨折固定の後に撮影された放射線写真。下のパネル:組み入れ時、転移性疾患の証拠を示さない胸部のCTスキャン。また、放射線写真をベースライン時点および8回のADXS−31−164投与後に撮った。これらの放射線写真は、肺の転移性疾患の証拠を示さず、および骨肉腫の存在にも関わらず、骨折治癒を示す骨折部位を囲む骨カルスの存在を示す。 四肢骨肉腫を有する、四肢の切断術およびフォローアップ化学療法を受けたイヌで治療的に効果的な抗腫瘍免疫性を引き出すためにADXS31−164を発現するL.モノサイトゲネス組み換え型の安全性および有効性を評価するための試験段階I臨床試験のタイムライン。 ADXS−31−164投与に続く、治療に関連する有害事象を示す。 ADXS−31−164投与に続く、治療に関連する生存曲線を示す。試験に組み入れた時点で転移性疾患を有していないすべてのイヌを示す。四肢の切断術を受け、それに続いてカルボプラチン単独またはカルボプラチンに加えてアドリアマイシンを受けた対照群のイヌ。2匹のイヌは関係のない原因で死んだため(1匹のイヌは誤嚥性肺炎で死に、もう一匹は腎芽細胞腫で死んだ)、ワクチン群から打ち切りにされた。ワクチン接種した群 赤い線、対照群 黒い線。 AおよびBからなり、ヒト(A)およびイヌ(B)の患者での原発性および転移性骨肉腫(OSA)の放射線写真の画像を示す。両方の種で、原発病巣は骨幹端での増殖および溶解の区域(Aの中の矢印)によって特徴付けられる。 フェーズIの、HER2+骨肉腫(OSA)を有するイヌでのADXS31−164の安全性および有効性を評価するための3+3臨床試験の概略図である。自発性HER2+四肢OSAに罹患した個人所有のイヌが標準的である治療切断、およびフォローアップのカルボプラチン化学療法を受けた。最後のカルボプラチン投与の3週間後、2×10、5×10、1×10、または3.3×10CFUのいずれかのADXS31−164を用いてイヌに静脈内でワクチン接種した(3週間おきに3回のワクチン接種)。転移性疾患を防止するうえでのワクチンの有効性を決定するために、死ぬまで2か月ごとにイヌを再ステージングした。 A〜Cからなり、イヌの原発性骨肉腫におけるHER2/neu発現を示す。(A)悪性骨芽細胞および類骨沈着の病巣を示すイヌからの原発性OSAのH&E染色。(B)イヌの原発性OSAの免疫組織化学的評価は悪性骨芽細胞内のHER2/neu発現を示す。(C)HER2/neuの発現のばらつきを示す、5匹の個人所有のイヌからの原発性OSAサンプルのウエスタンブロット。ポジティブコントロールは:ヒトの乳ガン細胞株MCF−7、およびイヌの乳ガン細胞株CAMAC2。 A〜Dからなり、ベースラインおよびADXS31−164投与後24時間の時点での血液学的数値。各々の投与群内のすべてのイヌからの各々のワクチン接種前および後の値を平均した。*p<0.05、**p<0.005。白血球および好中球の計数(A〜B)では、ADXS31−164投与の24時間後に生じた一時的だが統計的に有意な増加を示し、また血小板およびリンパ球の一時的な減少が付随して起きた(C〜D)。 ADXS31−164は、生存と相関する白血球(WBC)、好中球、および単球の計数の増加を誘発した。WBC、好中球、および単球の数をベースラインおよびワクチン接種の24時間後に測定した。各々のワクチン接種に引き続いてパーセント増加を計算し、各々のイヌについて平均した。(A)生存(死または生)によって結果を表示した。(B)受容したADXS31−164投与量によって結果を表示した。水平のバーは群の中央値を表す。 ADXS31−164によって誘発されるHer−2に特異的なT細胞応答のIFN−γ ELISpotによる評価の結果を示す。 AおよびBからなり、Her−2に特異的な免疫性を刺激する繰返し「ブースター」ワクチン接種を示す。(A)患者289−003に対する結果を示す。(B)患者289−004に対する結果を示す。EC1、EC2、およびIC1はHER2/neuポリペプチドのペプチド断片を表す。 AおよびBからなり、Aは転移までの時間(TTM)、BはOSA特異的な生存についてのカプラン・マイヤー推定値である。 A〜Lからなり、ADXS31−164が転移性疾患の発生を防止することを示す。(AおよびB)カルボプラチン療法の3週間後(A)、および第3のADXS31−164ワクチンの3週間後(B)に撮った胸部放射線写真。右肺中葉内の前から存在する転移性結節のサイズの増加を示すが、残りの肺葉内ではさらなる転移性疾患の発生を欠いている。(CおよびD)ICGの投与に引き続いて近赤外光の下で蛍光を発する、胸腔鏡検査で識別される肺結節(C)。近赤外光の下で蛍光を示す転移巣切除のときに取り出した大幅な正常な外見の肺組織(差し込み図)(D)。(EおよびF)H&E染色した肺結節(E)および蛍光を発する正常な肺組織(F)の病理組織。封入された肺結節(E)および大幅に正常な外見の肺組織内の炎症の巣状地域(F)の著しい出血および壊死を示す。(GおよびH)組織内の最小限のCD3T細胞で肺結節を取り囲むCD3T細胞を示す低倍率(G)および高倍率(H)の肺結節の免疫組織化学。(IおよびJ)CD3T細胞の巣状滞留を示す、正常な外見の肺組織の低倍率(I)および高倍率(J)の免疫組織化学。(K)リンパ球によって包囲された有糸分裂像を有する大きい異常細胞を示す巣状肺炎の高倍率のH&E染色。(L)単核細胞によって取り囲まれた有糸分裂像を有する大きいビメンチン陽性細胞を示す肺炎の領域のビメンチン染色。 ADXS31−164は転移性疾患を遅延/防止し、自発性HER2+骨肉腫を有するイヌの全生存を長持ちさせる。ワクチン接種したイヌのカプラン−マイヤー生存率曲線を歴史的な対照群と比較して示す。対照群は、切断術を用いて治療され、フォローアップ化学療法を受けたがADXS31−164を受けていない、HER2+四肢OSAに罹患したイヌから成る。P<0.0001。ワクチン接種した群 赤い線、対照群 黒い線。 ADXS31−164がHER2/neuに対する耐性を破壊することを示す。第3のワクチンの3週間後(9週目)および2か月後(17週目)にPBMCをベースライン収集し、IFN−γ ELISpotによってHER2/neuの高度に保存されたIC1領域に対する応答について解析した。結果は、応答の早いもの、応答の遅いもの、および明らかな応答の無いものにイヌを分けて示した。適用外はこれらのイヌに対する17週目のサンプルがまだ評価されていないことを示す。 ADXS31−164が心臓の機能に有害な影響を及ぼすことが無いことを示す。心臓のパラメータLVID(拡張期)を各々のイヌについてベースライン、ワクチン接種時、およびその後2か月ごとに評価した。 ADXS31−164が心臓の機能に有害な影響を及ぼすことが無いことを示す。LVID(収縮期)を各々のイヌについてベースライン、ワクチン接種時、およびその後2か月ごとに評価した。 ADXS31−164が心臓の機能に有害な影響を及ぼすことが無いことを示す。短縮率を各々のイヌについてベースライン、ワクチン接種時、およびその後2か月ごとに評価した。 ADXS31−164が心臓の機能に有害な影響を及ぼすことが無いことを示す。心筋トロポニンIレベルを同じ時点で評価した。 ADXS31−164がHER2/neuの高度に保存された細胞内領域への免疫寛容を破壊することを示す。 放射線療法とADXS31−164療法の併用が、被験体386−002における原発性骨肉腫(OSA)の進行を遅延させることを示す。 放射線療法とADXS31−164療法の併用が、被験体385−005における原発性骨肉腫(OSA)の進行を遅延させることを示す。 放射線療法とADXS31−164療法の併用が、被験体386−003における原発性骨肉腫(OSA)の進行を遅延させることを示す。 放射線療法とADXS31−164療法の併用が、被験体386−007における原発性骨肉腫(OSA)の進行を遅延させることを示す。 一般的な活動を妨害する痛みを有する被験体における疼痛質問表の結果を示す。 歩行能力を妨害する痛みを有する被験体における疼痛質問表の結果を示す。 人生を楽しむことを妨害する痛みを有する被験体における疼痛質問表の結果を示す。 緩和放射線療法とADXS31−164療法の併用が、溶解を減少し、腫瘍の地固めを促進し、被験体の生存を延長する。マーキングされた皮質骨リモデリングおよび16Gyの放射線(2014年9月13日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年11月25日)に続く、溶解の減少を実証する遠位脛骨骨肉腫障害の側面(図29A)および前後方向(図29C)の放射線写真の視野である。 緩和放射線療法とADXS31−164療法の併用が、溶解を減少し、腫瘍の地固めを促進し、被験体の生存を延長する。16Gyの放射線(2014年7月16日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年10月13日)により治療される遠位脛骨骨肉腫障害の側面の放射線写真の視野である。橈骨遠位部内の腫れおよび骨の溶解における有意な減少に留意のこと(図29Bの2014年7月16日付けと2014年10月13日付けの放射線写真を比較のこと)。 緩和放射線療法とADXS31−164療法の併用が、溶解を減少し、腫瘍の地固めを促進し、被験体の生存を延長する。マーキングされた皮質骨リモデリングおよび16Gyの放射線(2014年9月13日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年11月25日)に続く、溶解の減少を実証する遠位脛骨骨肉腫障害の前後方向の放射線写真の視野である。 緩和放射線療法とADXS31−164療法の併用が、溶解を減少し、腫瘍の地固めを促進し、被験体の生存を延長する。16Gyの放射線(2014年7月16日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年10月13日)により治療される遠位脛骨骨肉腫障害の前後方向の放射線写真の視野である。遠位脛骨の内側部の増加した骨密度がある(図29Dの2014年7月16日付けと2014年10月13日付けの放射線写真を比較のこと)。図29Dの2014年10月13日付けの放射線写真に見られる橈骨遠位部の内側面の小さな最小限の変位骨折がある。 AおよびBからなり、放射線療法とADXS31−164の併用が、骨肉腫(OSA)を有するイヌの生存を延長することを示す。
図示の単純化および明瞭化のために図に示される要素は必ずしも実寸に比例していないことを理解されたい。例えば、一部の要素の寸法は、明瞭化のために他の要素に対して相対的に誇張されている場合がある。さらに、適切と考えられる場合には、参照番号は対応するかまたは類似する要素を示す図の間で繰り返される場合がある。
以下の発明を実施するための形態では、本発明の完全な理解を提供するために多数の具体的な詳細が示される。しかしながら、本発明はこれらの具体的な詳細を含まずに実施されてもよいことが当業者によって理解されるであろう。他の事例では、本発明を不明瞭にしないために周知の方法、手順、および構成成分は詳細には記述されていない。
一実施形態では、本発明は、被験体における腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、被験体における腫瘍増殖またはガンを防止する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、被験体におけるHer2−neu抗原の準優占エピトープに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、腫瘍特異的抗原を発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における腫瘍特異的抗原への耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、腫瘍特異抗原はHER2/neuである。
一実施形態では、本発明は、被験体内でHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、被験体内でHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを防止する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体内でHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型リステリアを投与するステップを含むような方法を提供する。
一実施形態では、組み換え型弱毒化リステリア株は、代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素は、組み換え型リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補する。
一実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを防止する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸分子が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
一実施形態では、放射線療法の投与は、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含む。
一実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、かつ放射線療法の投与が該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、かつ放射線療法の投与が該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、核酸が代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、かつ放射線療法の投与が該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、放射線療法の投与が該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むような方法を提供する。
一実施形態では、被験体はヒトである。一実施形態では、ヒトの被験体は子どもである。別の実施形態では、ヒトの被験体は大人である。
一実施形態では、本発明は、ヒトの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、ヒトの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを防止する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、ヒトの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うヒトの被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うヒトの被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うヒトの被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、被験体はイヌ科の動物である。一実施形態では、イヌ科の動物はイヌである。
一実施形態では、本発明は、イヌの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、イヌの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを防止する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、イヌの被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うイヌの被験体の生存を延長させる方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うイヌの被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患うイヌの被験体におけるHer2−neuへの耐性を破壊する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なアジュバントに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリアを投与するステップを含み、代謝酵素が組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補するような方法を提供する。
一実施形態では、本発明は、被験体における転移性疾患を遅延または転移性疾患を治療する方法を提供する。一実施形態では、転移性疾患は肺の転移性疾患である。
従って、一実施形態では、本発明は、腫瘍増殖またはガンを患う被験体における肺の転移性疾患を遅延する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含む方法を提供する。
別の実施形態では、本発明は、腫瘍増殖またはガンを患う被験体における肺の転移性疾患を治療する方法であって、放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合した腫瘍特異的抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含む方法を提供する。
一実施形態では、Her2−neu抗原を発現する腫瘍に対して防止、治療、生存を延長させ、転移性疾患を遅延させ、Her2−neuへの耐性を破壊し、およびワクチン接種し、免疫応答を誘発し、Her2−neu抗原の準優占エピトープに対する強化した免疫応答を引き出し、一方で変異回避を避けるための方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、本発明の融合ポリペプチドを被験体に投与することは、腫瘍内のエスケープ変異を防止する。別の実施形態では、変異回避を避けることは、エピトープ拡大に起因する。さらに別の実施形態では、変異回避は抗原のキメラ的な性質に起因する。
別の実施形態では、融合ポリペプチを含む特許請求される方法における使用のための免疫原性組成物が本明細書に提供され、融合ポリペプチドは追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含み、またHER2/neuを発現する腫瘍を有する被験体に融合タンパク質を投与することは腫瘍内のエスケープ変異を防止する。別の実施形態では、免疫原性組成物を含む特許請求される方法における使用のための組み換え型リステリアワクチン株が本明細書に提供される。
一実施形態では、組み換え型弱毒化リステリア株は、ワクチン株である。一実施形態では、本明細書で言及する核酸は、核酸分子である。
一実施形態では、本発明の方法における使用のための組み換え型弱毒化リステリア株は、代謝酵素をコードする第3のオープンリーディングフレームを含む核酸分子をさらに含み、代謝酵素は組み換え型リステリア株の染色体内の突然変異している内因性遺伝子を相補する。
別の実施形態では、核酸分子を含む組み換え型弱毒化リステリア株が本明細書に提供され、核酸分子はポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含み、ポリペプチドはHER2/neuキメラ抗原を含み、核酸分子は代謝酵素をコードする第2および第3のオープンリーディングフレームをさらに含み、それぞれ代謝酵素をコードし、代謝酵素は組み換え型リステリア株の染色体内の突然変異している内因性遺伝子を相補する。
一実施形態では、核酸分子はリステリアゲノムの中へと組み込まれる。別の実施形態では、核酸分子は組み換え型リステリアワクチン株内のプラスミドの中にある。さらに別の実施形態では、抗生物質選択が無いときにプラスミドは組み換え型リステリアワクチン株内で安定して維持される。別の実施形態では、プラスミドは組み換え型リステリア上に抗生物質抵抗性を与えない。別の実施形態では、組み換え型リステリア株は、弱毒化されている。別の実施形態では、組み換え型リステリアは、弱毒化栄養要求性株である。別の実施形態では、外来抗原の発現が本発明のうちの1つなどの細菌上に行使する高い代謝負担も、弱毒化の重要な機構である。
一実施形態では、弱毒化株はLmddAである。別の実施形態では、この株は、リステリアベースのワクチンの先天的特性である強いアジュバント効果を発揮する。このアジュバント効果の1つの兆候は、ヒトキメラ型HER2/neu以外の抗原を発現するリステリア、またはADXS−31−164(ヒトキメラ型HER2/neuを発現する)ワクチンのいずれかによって生じた腫瘍内のTregの数の5分の1への減少である(本明細書内の図5を参照)。別の実施形態では、恐らく免疫性応答の結果と同様に、異なる抗原(HPV16 E7)を発現するLmddAベクターは腫瘍内のTregの頻度の著しい減少とも関連付けられる。別の実施形態では、LmddAベクターは前立腺特異抗原(PSA)、ヒトパピローマウィルス(HPV)抗原(E6、E7)を発現する。別の実施形態では、HPV株はHPV16、HPV18、または当該技術分野で既知のいずれかの株である。
一実施形態では、弱毒化した栄養要求性リステリアワクチン株はADXS−31−164株である。ADXS−31−164は、リステリアワクチンベクターに基づき、これは病毒性遺伝子ActAの欠失に起因して弱毒化され、かつインビボおよびインビトロでのHER2/neu発現のためにdal遺伝子の相補によってプラスミドを保持する。一実施形態では、ADXS31−164はリステリオリシンO(LLO)の最初の441のアミノ酸を融合したキメラ型HER2/neuタンパク質を発現および分泌する。別の実施形態では、ADXS31−164は、耐性を破壊する能力を有する強くかつ抗原特異的な抗腫瘍応答をトランスジェニック動物内のHER2/neuに対して行使する(実施例を参照)。別の実施形態では、免疫化したマウスの脾臓からより迅速に除去されるので、ADXS31−164株は高度に弱毒化され、以前のリステリアワクチン世代より良好な安全性プロファイルを有する。別の実施形態では、トランスジェニック動物で、このワクチンの抗生剤耐性でかつより病毒性のバージョンであるLm−LLO−ChHer2よりも長い腫瘍発症の遅延を、ADXS31−164はもたらす(図3を参照)。一実施形態では、Lm−LLO−ChHer2株はLm−LLO−138である。
別の実施形態では、ADXS31−164株は高度に免疫原性であり、HER2/neuトランスジェニック動物内でHER2/neu自己抗原に対する耐性を破壊し、腫瘍形成を防止することができる。別の実施形態では、ADXS31−164は、腫瘍内の調節性T細胞(Treg)の著しい減少を生じる。別の実施形態では、LmddAワクチンで処理した腫瘍内のTregのより低い頻度は、腫瘍内のCD8/Treg比の増加をもたらし、LmddAワクチンを用いた免疫化後により好ましい腫瘍の微小環境を得ることができることを示唆する。別の実施形態では、このキメラ抗原の使用は、腫瘍が突然変異してこの新規な抗原を用いた治療に対する治療的に有効な応答から離れることを示すエスケープ変異をもたさない(実施例6を参照)。別の実施形態では、ADXS31−164を用いた末梢の免疫化は脳内の転移性乳ガン細胞株の増殖を遅延する(実施例7を参照)。
別の実施形態では、骨肉腫を患い、かつ切断術、化学療法、およびADXS31−164を用いたワクチン接種を含む治療を提供されたイヌの被験体は、ADXS31−164を用いたワクチン接種を受けていない対照被験体と比較して長い生存期間が得られた(実施例9および10を参照)。別の実施形態では、骨肉腫を患い、かつ切断術、化学療法、およびADXS31−164を用いたワクチン接種を含む治療を提供されたイヌの被験体は、ADXS31−164を用いたワクチン接種を受けていない対照被験体と比較して転移の減少を示した(実施例10を参照)。別の実施形態では、骨肉腫を患い、かつ切断術、化学療法、およびADXS31−164を用いたワクチン接種を含む治療を提供されたイヌの被験体は、ADXS31−164を用いたワクチン接種を受けていない対照被験体と比較して誘発された特異的なT細胞応答の増加を示した(実施例10を参照)。別の実施形態では、骨肉腫を患い、かつ切断術、化学療法、およびADXS31−164を用いたワクチン接種に先立つ放射線療法を提供されたイヌの被験体は、放射線療法のみまたはADXS31−164を用いたワクチン接種のみを受けた対照被験体と比較して生存を延長させた(実施例11を参照)。別の実施形態では、骨肉腫を患い、かつ切断術、化学療法、およびADXS31−164を用いたワクチン接種に先立つ放射線療法を含む治療を提供されたイヌの被験体は、放射線療法のみまたはADXS31−164を用いたワクチン接種のみを受けた対照被験体と比較して転移の減少を示した(実施例11を参照)。
別の実施形態では、用語「ADXS31−164」、「Lm−ヒトキメラ型HER2/neu」、「Lm−huHer2−neu」、および「Lm−huHer2−neu」は、本明細書において、互いに同じ意味で使用される。
一実施形態では、骨肉腫細胞は放射線によって容易に死滅しないので、放射線療法は骨肉腫治療にはほとんど使用されない。一実施形態では、本明細書に例示したように、組み換え型の弱毒化した、抗生物質を含まないリステリアを発現するキメラ抗原は、ガンまたは固形腫瘍を防止および治療するために有用である。別の実施形態では、腫瘍はHER2/neu陽性腫瘍である。別の実施形態では、ガンはHER2を発現するガンである。別の実施形態では、ガンは乳ガン、中枢神経系(CNS)のガン、頭頸部ガン、骨肉腫(OSA)、イヌの骨肉腫、ユーイング肉腫(ES)、または当該技術分野で既知のいずれかのHER2/neuを発現するガンである。別の実施形態では、イヌの骨肉腫は四肢骨肉腫である。別の実施形態では、腫瘍は骨肉腫腫瘍、乳房腫瘍、頭頸部腫瘍、または当該技術分野で既知の任意の他の抗原を発現する腫瘍である。別の実施形態では、ガンまたは固形腫瘍は、再燃または転移性疾患の結果である。一実施形態では、転移性疾患は肺の転移性疾患である。
一実施形態では、本発明は転移を治療、防止、または遅延する方法を提供する。一実施形態では、本発明はOSAの転移を治療、防止、または遅延する方法を提供する。一実施形態では、転移は肺における。別の実施形態では、転移は別の組織にある。別の実施形態では、転移は骨内にあり、これは、一実施形態では、初期のOSAの部位の近位にあり、別の実施形態では、初期のOSAの部位の遠位にある。別の実施形態では、転移は腎臓にある。別の実施形態では、転移は心臓にある。別の実施形態では、転移は単離している。別の実施形態では、転移は単離した局所再発である。別の実施形態では、転移は他部位転移である。
別の実施形態では、キメラ型HER2/neuを発現する組み換え型リステリアは、HER2/neuを過剰発現する固形腫瘍に対する治療のための治療ワクチンとして有用である。別の実施形態では、本明細書に提供されるHER2/neuキメラ抗原は、HER2/neuを発現する腫瘍を治療するため、およびそのエスケープ変異を防止するのに有用である。別の実施形態では、「エスケープ変異」という用語は、治療に対する治療的に有効な応答から変異して離れる腫瘍を指す。
一実施形態では、本明細書に記載の組み換え型ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含む核酸分子であって、組み換え型リステリアワクチン株の中に常在する分子が本明細書に記載されている。別の実施形態では、本明細書に記載の核酸分子は、組み換え型リステリアに到達するために、リステリアを形質転換するように使用される。別の実施形態では、本明細書に記載の核酸は病毒性遺伝子を欠いている。別の実施形態では、リステリアゲノムの中へと組み込まれた核酸分子は、非機能性病毒性遺伝子を担持する。別の実施形態では、病毒性遺伝子は組み換え型リステリアのゲノム内で突然変異する。さらに別の実施形態では、核酸分子はリステリアゲノム内に存在する内因性の遺伝子を不活性化するために使用される。さらに別の実施形態では、病毒性遺伝子はactA遺伝子である。別の実施形態では、病毒性遺伝子はprfA遺伝子である。別の実施形態では、病毒性遺伝子はinlB遺伝子である。当業者であれば理解するとおり、病毒性遺伝子は、組み換え型リステリア内で病毒性と関連付けられる、当該技術分野で既知の任意の遺伝子とすることができる。
一実施形態では、代謝遺伝子、病毒性遺伝子、または両方はリステリア株の染色体を欠いている。別の実施形態では、代謝遺伝子、病毒性遺伝子、または両方はリステリア株の染色体および何らかのエピソームの遺伝要素を欠いている。「エピソーム」、「エピソーム性の」などの用語が、本明細書に提供されるリステリアの染色体の中に組み込まれないプラスミドベクターまたはその使用を指すことを当業者は理解するであろう。別の実施形態では、この用語は本明細書に提供されるリステリアの染色体の中に組み込まれるプラスミドベクターを指す。別の実施形態では、代謝遺伝子、病毒性遺伝子、または両方は、リステリア株のゲノムを欠いている。一実施形態では、代謝遺伝子、病毒性遺伝子、または両方は、染色体内で突然変異する。別の実施形態では、代謝遺伝子、病毒性遺伝子、または両方は染色体から欠失される。別の実施形態では、代謝遺伝子、病原性遺伝子、または両方は、染色体に不活性化される。
別の実施形態では、本明細書に提供される核酸およびプラスミドは、組み換え型リステリアに抗生物質抵抗性を与えない。
一実施形態では、「核酸分子」はプラスミドを指す。別の実施形態では、該用語は組み換え型ベクターを指す。別の実施形態では、該用語は非組み換え型ベクターを指す。別の実施形態では、該用語は組込み型ベクターを含むプラスミドを指す。別の実施形態では、組込み型ベクターは部位特異的な組込み型ベクターである。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の核酸分子は、当該技術分野で既知の任意のタイプのヌクレオチドで成り立っている。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、「代謝酵素」は、宿主細菌によって要求される栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、この用語は宿主細菌によって要求される栄養素の合成のために要求される酵素を指す。別の実施形態では、この用語は宿主細菌によって利用される栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、この用語は宿主細菌の増殖の保持のために要求される栄養素の合成に関与する酵素を指す。別の実施形態では、この酵素は栄養素の合成のために要求される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
「安定して維持される」とは、別の実施形態では、選択(例えば、抗生物質選択)無しで検出可能な損失無しでの、核酸分子またはプラスミドの10世代の間の維持を指す。別の実施形態では、維持期間は15世代である。別の実施形態では、維持期間は20世代である。別の実施形態では、維持期間は25世代である。別の実施形態では、維持期間は30世代である。別の実施形態では、維持期間は40世代である。別の実施形態では、維持期間は50世代である。別の実施形態では、維持期間は60世代である。別の実施形態では、維持期間は80世代である。別の実施形態では、維持期間は100世代である。別の実施形態では、維持期間は150世代である。別の実施形態では、維持期間は200世代である。別の実施形態では、維持期間は300世代である。別の実施形態では、維持期間は500世代である。別の実施形態では、維持期間は500世代を超えるものである。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、インビトロで(例えば、培養液内で)安定して維持される。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、インビボで安定して維持される。別の実施形態では、核酸分子またはプラスミドは、インビトロおよびインビトロの両方で安定して維持される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明は抗原を発現する組み換え型リステリア株を提供する。本発明は、HER2キメラタンパク質またはその断片に融合したリステリオリシン(LLO)タンパク質断片を含む組み換え型ポリペプチド、ワクチンおよびこれを含む免疫原性組成物、ならびに抗HER2免疫応答を誘発する方法およびこれを含むHER2を発現する腫瘍に対して治療およびワクチン接種する方法も提供する。
別の実施形態では、本発明の組み換え型リステリア株は動物宿主を通して継代されている。別の実施形態では、継代は株のワクチンベクターとしての有効性を最大化する。別の実施形態では、継代はリステリア株の免疫原性を安定化する。別の実施形態では、継代はリステリア株の病毒性を安定化する。別の実施形態では、継代はリステリア株の免疫原性を増加する。別の実施形態では、継代はリステリア株の病毒性を増加する。別の実施形態では、継代はリステリア株の不安定な亜系を除去する。別の実施形態では、継代はリステリア株の不安定な亜系の有病率を低下させる。別の実施形態では、リステリア株は抗原含有組み換え型ペプチドをコードする遺伝子のゲノム挿入を含有する。別の実施形態では、リステリア株は抗原含有組み換え型ペプチドをコードする遺伝子を含むプラスミドを担持する。別の実施形態では、当該技術分野で既知の任意の他の方法によって継代を遂行する。
一実施形態では、本明細書に提供されるポリペプチドは、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片から成る群から選択される追加的なポリペプチドを含む融合タンパク質であり、さらに追加的なポリペプチドは、HER2/neuキメラ抗原に融合している。別の実施形態では、追加的なポリペプチドは機能性である。別の実施形態では、追加的なポリペプチドの断片は免疫原性である。別の実施形態では、追加的なポリペプチドは免疫原性である。
別の実施形態では、本明細書に記載のポリペプチドは、非溶血性LLOタンパク質またはHER2/neuキメラ抗原に融合したN末端断片を含む融合タンパク質である。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の融合タンパク質は、リステリア生物体からのActA配列を含む。一実施形態では、ActAタンパク質およびその断片は抗原発現および免疫性をLLOと類似の様式で増強する。
本発明の方法および組成物の一実施形態では、融合タンパク質はHER2/neu抗原および追加的なポリペプチドを含む。別の実施形態では、HER2/neu抗原と融合した追加のポリペプチドは追加的なアジュバントポリペプチドと呼ばれる。一実施形態では、追加的なポリペプチドは非溶血性LLOタンパク質またはその断片である(本明細書に記載の実施例)。別の実施形態では、追加的なポリペプチドはPEST配列である。別の実施形態では、追加的なポリペプチドはActAタンパク質またはその断片である。
本発明の方法および組成物の追加的なポリペプチドは、別の実施形態ではリステリオリシン(LLO)ペプチドである。別の実施形態では、追加的なポリペプチドはActAペプチドである。別の実施形態では、追加的なポリペプチドはPEST配列ペプチドである。別の実施形態では、追加的なポリペプチドは抗原ペプチドの免疫原性を強化する能力を有する任意の他のペプチドである。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
HER2/neuキメラ抗原を含む融合タンパク質を、例えば、クローニングおよび適切な配列の制限、または以下に考察する方法による直接的な化学合成を含む任意の好適な方法で調製してもよい。あるいは、部分配列をクローニングし、適切な部分配列を適切な制限酵素を使用して分割してもよい。次いで断片を連結し、望ましいDNA配列を生産してもよい。一実施形態では、抗原をコードするDNAは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)などのDNA増幅法を使用して生産することができる。まず、未変性のDNAのいずれかの側の新しい末端の区分を別個に増幅する。1つの増幅した配列の5’末端はペプチドリンカーをコードし、一方でもう1つの増幅した配列の3’末端もペプチドリンカーをコードする。第1の断片の5’末端は第2の断片の3’末端の相補なので、2つの断片を(例えば、LMPアガロース上での部分的な精製後)第3のPCR反応での重複テンプレートとして使用することができる。増幅した配列は、コドン、開放部位のカルボキシ側上の区分(ここではアミノ配列を形成している)、リンカー、および開放部位のアミノ側上の配列(ここではカルボキシル配列を形成している)を含有することになる。抗原はプラスミドへと連結される。各々の方法は本発明の別個の実施形態を表す。
本発明の結果は、本発明の組成物の投与が腫瘍細胞を識別しかつ死滅させる抗原特異的なT細胞(例えば、細胞毒性T細胞)の形成を誘発するために有用性を有することを実証する(実施例が本明細書に含まれる)。
一実施形態では、本発明は、HER2キメラタンパク質に融合したまたはその断片に融合したLLOタンパク質のN末端断片を含む組み換え型ポリペプチドを提供する。一実施形態では、本発明は、HER2キメラタンパク質に融合したまたはその断片に融合したLLOタンパク質のN末端断片から構成される組み換え型ポリペプチドを提供する。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物のHER2キメラタンパク質はヒトHER2キメラタンパク質である。別の実施形態では、HER2タンパク質はマウスのHER2キメラタンパク質である。別の実施形態では、HER2タンパク質はラットのHER2キメラタンパク質である。別の実施形態では、HER2タンパク質は霊長類のHER2キメラタンパク質である。別の実施形態では、HER2タンパク質はイヌのHER2キメラタンパク質である。別の実施形態では、Her−2タンパク質は、当該技術分野で既知のヒトもしくは任意の他の動物種のHER2キメラタンパク質またはその組み合わせである。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、Her−2タンパク質は、「HER2/neu」、「Erbb2」、「v−erb−b2」、「c−erb−b2」、「neu」、または「cNeu」と称されるタンパク質である。別の実施形態では、用語「Her2−neu」、またはその文法的等価物も、「Her−2」、「Her−2タンパク質」、「HER2タンパク質」、または「HER2」として本明細書で言及される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、Her2−neuキメラタンパク質は、ガン遺伝子のMHCクラスIエピトープのクラスターを示すHER2/neu抗原の2つの細胞外および1つの細胞内の断片を寄生し、一方別の実施形態では、キメラタンパク質は、HER2/neu抗原の3つのH2Dqおよび少なくとも17のマッピングされたヒトMHCクラスIエピトープ(断片EC1、EC2、およびIC1)を寄生する(図1Aを参照)。別の実施形態では、キメラタンパク質は少なくとも13のマッピングされたヒトMHCクラスIエピトープ(断片EC2およびIC1)を寄生する。別の実施形態では、キメラタンパク質は少なくとも14のマッピングされたヒトMHCクラスIエピトープ(断片EC1およびIC1)を寄生する。別の実施形態では、キメラタンパク質は少なくとも9のマッピングされたヒトMHCクラスIエピトープ(断片EC1およびIC2)を寄生する。別の実施形態では、Her2−neuキメラタンパク質は非溶血性リステリオリシンO(LLO)に融合する。別の実施形態では、Her2−neuキメラタンパク質は切断リステリオリシンO(tLLO)に融合する。別の実施形態では、Her2−neuキメラタンパク質はリステリア−モノサイトゲネスリステリオリシンO(LLO)タンパク質の最初の441のアミノ酸に融合し、リステリア・モノサイトゲネス弱毒化栄養要求性株LmddAによって発現および分泌される。別の実施形態では、キメラ型HER2/neu抗原/LLO融合タンパク質を発現する本明細書に提供される弱毒化栄養要求性株からの融合タンパク質tLLO−ChHer2の発現および分泌は、インビトロで8時間増殖した後TCA沈殿させた細胞培養上清内のLm−LLO−ChHer2のものと同等である(図1Bを参照)。
一実施形態では、無処置の動物、または無関連のリステリアワクチンを注射したマウスではCTL活性は検出されなかった(図2A)。一方で別の実施形態では、本明細書に提供される弱毒化栄養要求性株(ADXS31−164)は、野生型FVB/Nマウスからの脾細胞によるIFN−γの分泌を刺激することができる(図2B)。
別の実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物の代謝酵素はアミノ酸代謝酵素であり、一方で別の実施形態では、代謝酵素はアラニン・ラセマーゼ酵素である。別の実施形態では、代謝酵素はD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素である。別の実施形態では、代謝酵素は組み換え型リステリア株内で細胞壁合成のために使用されるアミノ酸の形成に触媒作用を及ぼし、一方で別の実施形態では、代謝酵素はアラニン・ラセマーゼ酵素である。
別の実施形態では、代謝酵素をコードする遺伝子は、リステリアp60プロモータの制御下で発現する。別の実施形態では、inlA(インターナリンをコードする)プロモータが使用される。別の実施形態では、hlyプロモータが使用される。別の実施形態では、actAプロモータが使用される。別の実施形態では、インテグラーゼ遺伝子は任意の他のグラム陽性プロモータの制御下で発現される。別の実施形態では、代謝酵素をコードする遺伝子は、リステリア内で機能する任意の他のプロモータの制御下で発現する。遺伝子の発現を駆動するために他のプロモータまたはポリシストロニック発現カセットが使用されてもよいことを当業者は理解するであろう。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、HER2/neuキメラタンパク質は、配列番号:1に示される以下の核酸配列によってコードされる。
gagacccacctggacatgctccgccacctctaccagggctgccaggtggtgcagggaaacctggaactcacctacctgcccaccaatgccagcctgtccttcctgcaggatatccaggaggtgcagggctacgtgctcatcgctcacaaccaagtgaggcaggtcccactgcagaggctgcggattgtgcgaggcacccagctctttgaggacaactatgccctggccgtgctagacaatggagacccgctgaacaataccacccctgtcacaggggcctccccaggaggcctgcgggagctgcagcttcgaagcctcacagagatcttgaaaggaggggtcttgatccagcggaacccccagctctgctaccaggacacgattttgtggaagaatatccaggagtttgctggctgcaagaagatctttgggagcctggcatttctgccggagagctttgatggggacccagcctccaacactgccccgctccagccagagcagctccaagtgtttgagactctggaagagatcacaggttacctatacatctcagcatggccggacagcctgcctgacctcagcgtcttccagaacctgcaagtaatccggggacgaattctgcacaatggcgcctactcgctgaccctgcaagggctgggcatcagctggctggggctgcgctcactgagggaactgggcagtggactggccctcatccaccataacacccacctctgcttcgtgcacacggtgccctgggaccagctctttcggaacccgcaccaagctctgctccacactgccaaccggccagaggacgagtgtgtgggcgagggcctggcctgccaccagctgtgcgcccgagggcagcagaagatccggaagtacacgatgcggagactgctgcaggaaacggagctggtggagccgctgacacctagcggagcgatgcccaaccaggcgcagatgcggatcctgaaagagacggagctgaggaaggtgaaggtgcttggatctggcgcttttggcacagtctacaagggcatctggatccctgatggggagaatgtgaaaattccagtggccatcaaagtgttgagggaaaacacatcccccaaagccaacaaagaaatcttagacgaagcatacgtgatggctggtgtgggctccccatatgtctcccgccttctgggcatctgcctgacatccacggtgcagctggtgacacagcttatgccctatggctgcctcttagactaa(配列番号:1)。
別の実施形態では、HER2キメラタンパク質は次の配列を有する。
E T H L D M L R H L Y Q G C Q V V Q G N L E L T Y L P T N A S L S F L Q D I Q E V Q G Y V L I A H N Q V R Q V P L Q R L R I V R G T Q L F E D N Y A L A V L D N G D P L N N T T P V T G A S P G G L R E L Q L R S L T E I L K G G V L I Q R N P Q L C Y Q D T I L W K N I Q E F A G C K K I F G S L A F L P E S F D G D P A S N T A P L Q P E Q L Q V F E T L E E I T G Y L Y I S A W P D S L P D L S V F Q N L Q V I R G R I L H N G A Y S L T L Q G L G I S W L G L R S L R E L G S G L A L I H H N T H L C F V H T V P W D Q L F R N P H Q A L L H T A N R P E D E C V G E G L A C H Q L C A R G Q Q K I R K Y T M R R L L Q E T E L V E P L T P S G A M P N Q A Q M R I L K E T E L R K V K V L G S G A F G T V Y K G I W I P D G E N V K I P V A I K V L R E N T S P K A N K E I L D E A Y V M A G V G S P Y V S R L L G I C L T S T V Q L V T Q L M P Y G C L L D(配列番号:2)。
以下の表1は、ヒトとイヌとのそれぞれHer−2 ECおよびIC断片アミノ酸配列の間の同一性パーセント(%)を示す。
別の実施形態では、ヒトHER2/neu EC1断片をコードするアミノ酸配列は(配列番号:69)で示される:
SLSFLQDIQEVQGYVLIAHNQVRQVPLQRLRIVRGTQLFEDNYALAVLDNGDPLNNTTPVTGASPGGLRELQLRSLTEILKGGVLIQRNPQLCYQDTILWKDIFHKNNQLALTLIDTNRSRACHPCSPMCK(配列番号:69)。
別の実施形態では、イヌのher2/neu EC1断片をコードするアミノ酸配列が(配列番号:70)で示される:
SLSFLQDIQEVQGYVLIAHSQVRQIPLQRLRIVRGTQLFEDNYALAVLDNGDPLEGGIPAPGAAPGGLRELQLRSLTEILKGGVLIQRSPQLCHQDTILWKDVFHKNNQLALTLIDTNRSRACPPCSPACK(配列番号:70)。
別の実施形態では、ヒトher2/neu EC2断片をコードするアミノ酸配列が(配列番号:71)で示される:
TAPLQPEQLQVFETLEEITGYLYISAWPDSLPDLSVFQNLQVIRGRILHNGAYSLTLQGLGISWLGLRSLRELGS(配列番号:71)。
別の実施形態では、イヌのher2/neu EC2断片をコードするアミノ酸配列が(配列番号:72)で示される:
TAPLQPEQLRVFEALEEITGYLYISAWPDSLPNLSVFQNLRVIRGRVLHDGAYSLTLQGLGISWLGLRSLRELGS (配列番号:72)。
別の実施形態では、ヒトher2/neu IC1断片をコードするアミノ酸配列が(配列番号:73)で示される:
NQAQMRILKETELRKVKVLGSGAFGTVYKGIWIPDGENVKIPVAIKVLRENTSPKANKEILDEAYVMAGVGSPYVSRLLGICLTSTVQLVTQLMPYGCLLDHVRENRGRLGSQDLLNWCMQIAKGMSYLED(配列番号:73)。
別の実施形態では、イヌのher2/neu IC1断片をコードするアミノ酸配列が(配列番号:74)で示される:
NQAQMRILKETELRKVKVLGSGAFGTVYKGIWIPDGENVKIPVAIKVLRENTSPKANKEILDEAYVMAGVGSPYVSRLLGICLTSTVQLVTQLMPYGCLLDHVRENRGRLGSQDLLNWCMQIAKGMSYLED(配列番号:74)。
一実施形態では、ヒトのHER2 EC1断片のアミノ酸配列(配列番号:69)は、イヌのHER2 EC1断片のアミノ酸配列(配列番号:70)と89%の同一性を有する。別の実施形態では、ヒトのHER2 EC2断片のアミノ酸配列(配列番号:71)は、イヌのHER2 EC2断片のアミノ酸配列(配列番号:72)と93%の同一性を有する。別の実施形態では、ヒトのHER2 IC1断片のアミノ酸配列(配列番号:73)は、イヌのHER2 IC1断片のアミノ酸配列(配列番号:74)と98%の同一性を有する。
一実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物のHER2キメラタンパク質またはその断片は、そのシグナル配列を含まない。別の実施形態では、シグナル配列の高い疎水性により、シグナル配列の削除はHER2断片がリステリア内で順調に発現できるようにする。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物のHER2キメラタンパク質の断片は、その膜貫通領域(TM)を含まない。一実施形態では、TMの高い疎水性により、TMの削除はHER2断片がリステリア内で順調に発現できるようにする。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、ラットのHER2/neu遺伝子の核酸配列は、CCGGAATCGCGGGCACCCAAGTGTGTACCGGCACAGACATGAAGTTGCGGCTCCCTGCCAGTCCTGAGACCCACCTGGACATGCTCCGCCACCTGTACCAGGGCTGTCAGGTAGTGCAGGGCAACTTGGAGCTTACCTACGTGCCTGCCAATGCCAGCCTCTCATTCCTGCAGGACATCCAGGAAGTTCAGGGTTACATGCTCATCGCTCACAACCAGGTGAAGCGCGTCCCACTGCAAAGGCTGCGCATCGTGAGAGGGACCCAGCTCTTTGAGGACAAGTATGCCCTGGCTGTGCTAGACAACCGAGATCCTCAGGACAATGTCGCCGCCTCCACCCCAGGCAGAACCCCAGAGGGGCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGTCTCACAGAGATCCTGAAGGGAGGAGTTTTGATCCGTGGGAACCCTCAGCTCTGCTACCAGGACATGGTTTTGTGGAAGGACGTCTTCCGCAAGAATAACCAACTGGCTCCTGTCGATATAGACACCAATCGTTCCCGGGCCTGTCCACCTTGTGCCCCCGCCTGCAAAGACAATCACTGTTGGGGTGAGAGTCCGGAAGACTGTCAGATCTTGACTGGCACCATCTGTACCAGTGGTTGTGCCCGGTGCAAGGGCCGGCTGCCCACTGACTGCTGCCATGAGCAGTGTGCCGCAGGCTGCACGGGCCCCAAGCATTCTGACTGCCTGGCCTGCCTCCACTTCAATCATAGTGGTATCTGTGAGCTGCACTGCCCAGCCCTCGTCACCTACAACACAGACACCTTTGAGTCCATGCACAACCCTGAGGGTCGCTACACCTTTGGTGCCAGCTGCGTGACCACCTGCCCCTACAACTACCTGTCTACGGAAGTGGGATCCTGCACTCTGGTGTGTCCCCCGAATAACCAAGAGGTCACAGCTGAGGACGGAACACAGCGTTGTGAGAAATGCAGCAAGCCCTGTGCTCGAGTGTGCTATGGTCTGGGCATGGAGCACCTTCGAGGGGCGAGGGCCATCACCAGTGACAATGTCCAGGAGTTTGATGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTTTGCCGGAGAGCTTTGATGGGGACCCCTCCTCCGGCATTGCTCCGCTGAGGCCTGAGCAGCTCCAAGTGTTCGAAACCCTGGAGGAGATCACAGGTTACCTGTACATCTCAGCATGGCCAGACAGTCTCCGTGACCTCAGTGTCTTCCAGAACCTTCGAATCATTCGGGGACGGATTCTCCACGATGGCGCGTACTCATTGACACTGCAAGGCCTGGGGATCCACTCGCTGGGGCTGCGCTCACTGCGGGAGCTGGGCAGTGGATTGGCTCTGATTCACCGCAACGCCCATCTCTGCTTTGTACACACTGTACCTTGGGACCAGCTCTTCCGGAACCCACATCAGGCCCTGCTCCACAGTGGGAACCGGCCGGAAGAGGATTGTGGTCTCGAGGGCTTGGTCTGTAACTCACTGTGTGCCCACGGGCACTGCTGGGGGCCAGGGCCCACCCAGTGTGTCAACTGCAGTCATTTCCTTCGGGGCCAGGAGTGTGTGGAGGAGTGCCGAGTATGGAAGGGGCTCCCCCGGGAGTATGTGAGTGACAAGCGCTGTCTGCCGTGTCACCCCGAGTGTCAGCCTCAAAACAGCTCAGAGACCTGCTTTGGATCGGAGGCTGATCAGTGTGCAGCCTGCGCCCACTACAAGGACTCGTCCTCCTGTGTGGCTCGCTGCCCCAGTGGTGTGAAACCGGACCTCTCCTACATGCCCATCTGGAAGTACCCGGATGAGGAGGGCATATGCCAGCCGTGCCCCATCAACTGCACCCACTCCTGTGTGGATCTGGATGAACGAGGCTGCCCAGCAGAGCAGAGAGCCAGCCCGGTGACATTCATCATTGCAACTGTAGTGGGCGTCCTGCTGTTCCTGATCTTAGTGGTGGTCGTTGGAATCCTAATCAAACGAAGGAGACAGAAGATCCGGAAGTATACGATGCGTAGGCTGCTGCAGGAAACTGAGTTAGTGGAGCCGCTGACGCCCAGCGGAGCAATGCCCAACCAGGCTCAGATGCGGATCCTAAAAGAGACGGAGCTAAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCAGGAGCTTTTGGCACTGTCTACAAGGGCATCTGGATCCCAGATGGGGAGAATGTGAAAATCCCCGTGGCTATCAAGGTGTTGAGAGAAAACACATCTCCTAAAGCCAACAAAGAAATTCTAGATGAAGCGTATGTGATGGCTGGTGTGGGTTCTCCGTATGTGTCCCGCCTCCTGGGCATCTGCCTGACATCCACAGTACAGCTGGTGACACAGCTTATGCCCTACGGCTGCCTTCTGGACCATGTCCGAGAACACCGAGGTCGCCTAGGCTCCCAGGACCTGCTCAACTGGTGTGTTCAGATTGCCAAGGGGATGAGCTACCTGGAGGACGTGCGGCTTGTACACAGGGACCTGGCTGCCCGGAATGTGCTAGTCAAGAGTCCCAACCACGTCAAGATTACAGATTTCGGGCTGGCTCGGCTGCTGGACATTGATGAGACAGAGTACCATGCAGATGGGGGCAAGGTGCCCATCAAATGGATGGCATTGGAATCTATTCTCAGACGCCGGTTCACCCATCAGAGTGATGTGTGGAGCTATGGAGTGACTGTGTGGGAGCTGATGACTTTTGGGGCCAAACCTTACGATGGAATCCCAGCCCGGGAGATCCCTGATTTGCTGGAGAAGGGAGAACGCCTACCTCAGCCTCCAATCTGCACCATTGATGTCTACATGATTATGGTCAAATGTTGGATGATTGACTCTGAATGTCGCCCGAGATTCCGGGAGTTGGTGTCAGAATTTTCACGTATGGCGAGGGACCCCCAGCGTTTTGTGGTCATCCAGAACGAGGACTTGGGCCCATCCAGCCCCATGGACAGTACCTTCTACCGTTCACTGCTGGAAGATGATGACATGGGTGACCTGGTAGACGCTGAAGAGTATCTGGTGCCCCAGCAGGGATTCTTCTCCCCGGACCCTACCCCAGGCACTGGGAGCACAGCCCATAGAAGGCACCGCAGCTCGTCCACCAGGAGTGGAGGTGGTGAGCTGACACTGGGCCTGGAGCCCTCGGAAGAAGGGCCCCCCAGATCTCCACTGGCTCCCTCGGAAGGGGCTGGCTCCGATGTGTTTGATGGTGACCTGGCAATGGGGGTAACCAAAGGGCTGCAGAGCCTCTCTCCACATGACCTCAGCCCTCTACAGCGGTACAGCGAGGACCCCACATTACCTCTGCCCCCCGAGACTGATGGCTATGTTGCTCCCCTGGCCTGCAGCCCCCAGCCCGAGTATGTGAACCAATCAGAGGTTCAGCCTCAGCCTCCTTTAACCCCAGAGGGTCCTCTGCCTCCTGTCCGGCCTGCTGGTGCTACTCTAGAAAGACCCAAGACTCTCTCTCCTGGGAAGAATGGGGTTGTCAAAGACGTTTTTGCCTTCGGGGGTGCTGTGGAGAACCCTGAATACTTAGTACCGAGAGAAGGCACTGCCTCTCCGCCCCACCCTTCTCCTGCCTTCAGCCCAGCCTTTGACAACCTCTATTACTGGGACCAGAACTCATCGGAGCAGGGGCCTCCACCAAGTAACTTTGAAGGGACCCCCACTGCAGAGAACCCTGAGTACCTAGGCCTGGATGTACCTGTA(配列番号:45)である。
一実施形態では、ラットのHER2/neu EC1断片をコードする核酸配列は、CCCAGGCAGAACCCCAGAGGGGCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGTCTCACAGAGATCCTGAAGGGAGGAGTTTTGATCCGTGGGAACCCTCAGCTCTGCTACCAGGACATGGTTTTGTGGAAGGACGTCTTCCGCAAGAATAACCAACTGGCTCCTGTCGATATAGACACCAATCGTTCCCGGGCCTGTCCACCTTGTGCCCCCGCCTGCAAAGACAATCACTGTTGGGGTGAGAGTCCGGAAGACTGTCAGATCTTGACTGGCACCATCTGTACCAGTGGTTGTGCCCGGTGCAAGGGCCGGCTGCCCACTGACTGCTGCCATGAGCAGTGTGCCGCAGGCTGCACGGGCCCCAAGCA(配列番号:46)である。
別の実施形態では、ラットのHER2/neu EC2断片をコードする核酸配列は、GGTCACAGCTGAGGACGGAACACAGCGTTGTGAGAAATGCAGCAAGCCCTGTGCTCGAGTGTGCTATGGTCTGGGCATGGAGCACCTTCGAGGGGCGAGGGCCATCACCAGTGACAATGTCCAGGAGTTTGATGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTTTGCCGGAGAGCTTTGATGGGGACCCCTCCTCCGGCATTGCTCCGCTGAGGCCTGAGCAGCTCCAAGTGTTCGAAACCCTGGAGGAGATCACAGGTTACCTGTACATCTCAGCATGGCCAGACAGTCTCCGTGACCTCAGTGTCTTCCAGAACCTTCGAATCATTCGGGGACGGATTCTCCACGATGGCGCGTACTCATTGACACTGCAAGGCCTGGGGATCCACTCGCTGGGGCTGCGCTCACTGCGGGAGCTGGGCAGTGGATTGGCTCTGATTCACCGCAACGCCCATCTCTGCTTTGTACACACTGTACCTTGGGACCAGCTCTTCCGGAACCCACATCAGGCCCTGCTCCACAGTGGGAACCGGCCGGAAGAGGATTGTGGTCTCGAGGGCTTGGTCTGTAACTCACTGTGTGCCCACGGGCACTGCTGGGGGCCAGGGCCCACCCA(配列番号:47)である。
別の実施形態では、ラットのHER2/neu IC1断片をコードする核酸配列は、CGCCCAGCGGAGCAATGCCCAACCAGGCTCAGATGCGGATCCTAAAAGAGACGGAGCTAAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCAGGAGCTTTTGGCACTGTCTACAAGGGCATCTGGATCCCAGATGGGGAGAATGTGAAAATCCCCGTGGCTATCAAGGTGTTGAGAGAAAACACATCTCCTAAAGCCAACAAAGAAATTCTAGATGAAGCGTATGTGATGGCTGGTGTGGGTTCTCCGTATGTGTCCCGCCTCCTGGGCATCTGCCTGACATCCACAGTACAGCTGGTGACACAGCTTATGCCCTACGGCTGCCTTCTGGACCATGTCCGAGAACACCGAGGTCGCCTAGGCTCCCAGGACCTGCTCAACTGGTGTGTTCAGATTGCCAAGGGGATGAGCTACCTGGAGGACGTGCGGCTTGTACACAGGGACCTGGCTGCCCGGAATGTGCTAGTCAAGAGTCCCAACCACGTCAAGATTACAGATTTCGGGCTGGCTCGGCTGCTGGACATTGATGAGACAGAGTACCATGCAGATGGGGGCAAGGTGCCCATCAAATGGATGGCATTGGAATCTATTCTCAGACGCCGGTTCACCCATCAGAGTGATGTGTGGAGCTATGGAGTGACTGTGTGGGAGCTGATGACTTTTGGGGCCAAACCTTACGATGGAATCCCAGCCCGGGAGATCCCTGATTTGCTGGAGAAGGGAGAACGCCTACCTCAGCCTCCAATCTGCACCATTGATGTCTACATGATTATGGTCAAATGTTGGATGATTGACTCTGAATGTCGCCCGAGATTCCGGGAGTTGGTGTCAGAATTTTCACGTATGGCGAGGGACCCCCAGCGTTTTGTGGTCATCCAGAACGAGGACTTGGGCCCATCCAGCCCCATGGACAGTACCTTCTACCGTTCACTGCTGGAA(配列番号:48)である。
一実施形態では、ヒトのHER2/neu遺伝子の核酸配列は、ATGGAGCTGGCGGCCTTGTGCCGCTGGGGGCTCCTCCTCGCCCTCTTGCCCCCCGGAGCCGCGAGCACCCAAGTGTGCACCGGCACAGACATGAAGCTGCGGCTCCCTGCCAGTCCCGAGACCCACCTGGACATGCTCCGCCACCTCTACCAGGGCTGCCAGGTGGTGCAGGGAAACCTGGAACTCACCTACCTGCCCACCAATGCCAGCCTGTCCTTCCTGCAGGATATCCAGGAGGTGCAGGGCTACGTGCTCATCGCTCACAACCAAGTGAGGCAGGTCCCACTGCAGAGGCTGCGGATTGTGCGAGGCACCCAGCTCTTTGAGGACAACTATGCCCTGGCCGTGCTAGACAATGGAGACCCGCTGAACAATACCACCCCTGTCACAGGGGCCTCCCCAGGAGGCCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGCCTCACAGAGATCTTGAAAGGAGGGGTCTTGATCCAGCGGAACCCCCAGCTCTGCTACCAGGACACGATTTTGTGGAAGGACATCTTCCACAAGAACAACCAGCTGGCTCTCACACTGATAGACACCAACCGCTCTCGGGCCTGCCACCCCTGTTCTCCGATGTGTAAGGGCTCCCGCTGCTGGGGAGAGAGTTCTGAGGATTGTCAGAGCCTGACGCGCACTGTCTGTGCCGGTGGCTGTGCCCGCTGCAAGGGGCCACTGCCCACTGACTGCTGCCATGAGCAGTGTGCTGCCGGCTGCACGGGCCCCAAGCACTCTGACTGCCTGGCCTGCCTCCACTTCAACCACAGTGGCATCTGTGAGCTGCACTGCCCAGCCCTGGTCACCTACAACACAGACACGTTTGAGTCCATGCCCAATCCCGAGGGCCGGTATACATTCGGCGCCAGCTGTGTGACTGCCTGTCCCTACAACTACCTTTCTACGGACGTGGGATCCTGCACCCTCGTCTGCCCCCTGCACAACCAAGAGGTGACAGCAGAGGATGGAACACAGCGGTGTGAGAAGTGCAGCAAGCCCTGTGCCCGAGTGTGCTATGGTCTGGGCATGGAGCACTTGCGAGAGGTGAGGGCAGTTACCAGTGCCAATATCCAGGAGTTTGCTGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTCTGCCGGAGAGCTTTGATGGGGACCCAGCCTCCAACACTGCCCCGCTCCAGCCAGAGCAGCTCCAAGTGTTTGAGACTCTGGAAGAGATCACAGGTTACCTATACATCTCAGCATGGCCGGACAGCCTGCCTGACCTCAGCGTCTTCCAGAACCTGCAAGTAATCCGGGGACGAATTCTGCACAATGGCGCCTACTCGCTGACCCTGCAAGGGCTGGGCATCAGCTGGCTGGGGCTGCGCTCACTGAGGGAACTGGGCAGTGGACTGGCCCTCATCCACCATAACACCCACCTCTGCTTCGTGCACACGGTGCCCTGGGACCAGCTCTTTCGGAACCCGCACCAAGCTCTGCTCCACACTGCCAACCGGCCAGAGGACGAGTGTGTGGGCGAGGGCCTGGCCTGCCACCAGCTGTGCGCCCGAGGGCACTGCTGGGGTCCAGGGCCCACCCAGTGTGTCAACTGCAGCCAGTTCCTTCGGGGCCAGGAGTGCGTGGAGGAATGCCGAGTACTGCAGGGGCTCCCCAGGGAGTATGTGAATGCCAGGCACTGTTTGCCGTGCCACCCTGAGTGTCAGCCCCAGAATGGCTCAGTGACCTGTTTTGGACCGGAGGCTGACCAGTGTGTGGCCTGTGCCCACTATAAGGACCCTCCCTTCTGCGTGGCCCGCTGCCCCAGCGGTGTGAAACCTGACCTCTCCTACATGCCCATCTGGAAGTTTCCAGATGAGGAGGGCGCATGCCAGCCTTGCCCCATCAACTGCACCCACTCCTGTGTGGACCTGGATGACAAGGGCTGCCCCGCCGAGCAGAGAGCCAGCCCTCTGACGTCCATCGTCTCTGCGGTGGTTGGCATTCTGCTGGTCGTGGTCTTGGGGGTGGTCTTTGGGATCCTCATCAAGCGACGGCAGCAGAAGATCCGGAAGTACACGATGCGGAGACTGCTGCAGGAAACGGAGCTGGTGGAGCCGCTGACACCTAGCGGAGCGATGCCCAACCAGGCGCAGATGCGGATCCTGAAAGAGACGGAGCTGAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCTGGCGCTTTTGGCACAGTCTACAAGGGCATCTGGATCCCTGATGGGGAGAATGTGAAAATTCCAGTGGCCATCAAAGTGTTGAGGGAAAACACATCCCCCAAAGCCAACAAAGAAATCTTAGACGAAGCATACGTGATGGCTGGTGTGGGCTCCCCATATGTCTCCCGCCTTCTGGGCATCTGCCTGACATCCACGGTGCAGCTGGTGACACAGCTTATGCCCTATGGCTGCCTCTTAGACCATGTCCGGGAAAACCGCGGACGCCTGGGCTCCCAGGACCTGCTGAACTGGTGTATGCAGATTGCCAAGGGGATGAGCTACCTGGAGGATGTGCGGCTCGTACACAGGGACTTGGCCGCTCGGAACGTGCTGGTCAAGAGTCCCAACCATGTCAAAATTACAGACTTCGGGCTGGCTCGGCTGCTGGACATTGACGAGACAGAGTACCATGCAGATGGGGGCAAGGTGCCCATCAAGTGGATGGCGCTGGAGTCCATTCTCCGCCGGCGGTTCACCCACCAGAGTGATGTGTGGAGTTATGGTGTGACTGTGTGGGAGCTGATGACTTTTGGGGCCAAACCTTACGATGGGATCCCAGCCCGGGAGATCCCTGACCTGCTGGAAAAGGGGGAGCGGCTGCCCCAGCCCCCCATCTGCACCATTGATGTCTACATGATCATGGTCAAATGTTGGATGATTGACTCTGAATGTCGGCCAAGATTCCGGGAGTTGGTGTCTGAATTCTCCCGCATGGCCAGGGACCCCCAGCGCTTTGTGGTCATCCAGAATGAGGACTTGGGCCCAGCCAGTCCCTTGGACAGCACCTTCTACCGCTCACTGCTGGAGGACGATGACATGGGGGACCTGGTGGATGCTGAGGAGTATCTGGTACCCCAGCAGGGCTTCTTCTGTCCAGACCCTGCCCCGGGCGCTGGGGGCATGGTCCACCACAGGCACCGCAGCTCATCTACCAGGAGTGGCGGTGGGGACCTGACACTAGGGCTGGAGCCCTCTGAAGAGGAGGCCCCCAGGTCTCCACTGGCACCCTCCGAAGGGGCTGGCTCCGATGTATTTGATGGTGACCTGGGAATGGGGGCAGCCAAGGGGCTGCAAAGCCTCCCCACACATGACCCCAGCCCTCTACAGCGGTACAGTGAGGACCCCACAGTACCCCTGCCCTCTGAGACTGATGGCTACGTTGCCCCCCTGACCTGCAGCCCCCAGCCTGAATATGTGAACCAGCCAGATGTTCGGCCCCAGCCCCCTTCGCCCCGAGAGGGCCCTCTGCCTGCTGCCCGACCTGCTGGTGCCACTCTGGAAAGGGCCAAGACTCTCTCCCCAGGGAAGAATGGGGTCGTCAAAGACGTTTTTGCCTTTGGGGGTGCCGTGGAGAACCCCGAGTACTTGACACCCCAGGGAGGAGCTGCCCCTCAGCCCCACCCTCCTCCTGCCTTCAGCCCAGCCTTCGACAACCTCTATTACTGGGACCAGGACCCACCAGAGCGGGGGGCTCCACCCAGCACCTTCAAAGGGACACCTACGGCAGAGAACCCAGAGTACCTGGGTCTGGACGTGCCAGTGTGAACCAGAAGGCCAAGTCCGCAGAAGCCCTGA(配列番号:49)である。
別の実施形態では、ヒトHER2/neu EC1断片をコードする核酸配列は、ヒトのEC1領域の120〜510bpにわたるキメラ内に組み入れられ、(配列番号:50)で示される。
GAGACCCACCTGGACATGCTCCGCCACCTCTACCAGGGCTGCCAGGTGGTGCAGGGAAACCTGGAACTCACCTACCTGCCCACCAATGCCAGCCTGTCCTTCCTGCAGGATATCCAGGAGGTGCAGGGCTACGTGCTCATCGCTCACAACCAAGTGAGGCAGGTCCCACTGCAGAGGCTGCGGATTGTGCGAGGCACCCAGCTCTTTGAGGACAACTATGCCCTGGCCGTGCTAGACAATGGAGACCCGCTGAACAATACCACCCCTGTCACAGGGGCCTCCCCAGGAGGCCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGCCTCACAGAGATCTTGAAAGGAGGGGTCTTGATCCAGCGGAACCCCCAGCTCTGCTACCAGGACACGATTTTGTGGAAG(配列番号:50)。
一実施形態では、完全なEC1ヒトHER2/neu断片は(ヒトのHER2/neu遺伝子の58〜979bp)にわたり、(配列番号:54)で示される。
GCCGCGAGCACCCAAGTGTGCACCGGCACAGACATGAAGCTGCGGCTCCCTGCCAGTCCCGAGACCCACCTGGACATGCTCCGCCACCTCTACCAGGGCTGCCAGGTGGTGCAGGGAAACCTGGAACTCACCTACCTGCCCACCAATGCCAGCCTGTCCTTCCTGCAGGATATCCAGGAGGTGCAGGGCTACGTGCTCATCGCTCACAACCAAGTGAGGCAGGTCCCACTGCAGAGGCTGCGGATTGTGCGAGGCACCCAGCTCTTTGAGGACAACTATGCCCTGGCCGTGCTAGACAATGGAGACCCGCTGAACAATACCACCCCTGTCACAGGGGCCTCCCCAGGAGGCCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGCCTCACAGAGATCTTGAAAGGAGGGGTCTTGATCCAGCGGAACCCCCAGCTCTGCTACCAGGACACGATTTTGTGGAAGGACATCTTCCACAAGAACAACCAGCTGGCTCTCACACTGATAGACACCAACCGCTCTCGGGCCTGCCACCCCTGTTCTCCGATGTGTAAGGGCTCCCGCTGCTGGGGAGAGAGTTCTGAGGATTGTCAGAGCCTGACGCGCACTGTCTGTGCCGGTGGCTGTGCCCGCTGCAAGGGGCCACTGCCCACTGACTGCTGCCATGAGCAGTGTGCTGCCGGCTGCACGGGCCCCAAGCACTCTGACTGCCTGGCCTGCCTCCACTTCAACCACAGTGGCATCTGTGAGCTGCACTGCCCAGCCCTGGTCACCTACAACACAGACACGTTTGAGTCCATGCCCAATCCCGAGGGCCGGTATACATTCGGCGCCAGCTGTGTGACTGCCTGTCCCTACAACTACCTTTCTACGGACGTGGGATCCTGCACCCTCGTCTGCCCCCTGCACAACCAAGAGGTGACAGCAGAGGAT(配列番号:54)。
別の実施形態では、ヒトのHER2/neu EC2断片をコードする核酸配列は、ヒトのHER2/neu EC2断片の1077〜1554bpにわたるキメラ内に組み入れられかつ50bpの延長部を含み、(配列番号:51)で示される。
AATATCCAGGAGTTTGCTGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTCTGCCGGAGAGCTTTGATGGGGACCCAGCCTCCAACACTGCCCCGCTCCAGCCAGAGCAGCTCCAAGTGTTTGAGACTCTGGAAGAGATCACAGGTTACCTATACATCTCAGCATGGCCGGACAGCCTGCCTGACCTCAGCGTCTTCCAGAACCTGCAAGTAATCCGGGGACGAATTCTGCACAATGGCGCCTACTCGCTGACCCTGCAAGGGCTGGGCATCAGCTGGCTGGGGCTGCGCTCACTGAGGGAACTGGGCAGTGGACTGGCCCTCATCCACCATAACACCCACCTCTGCTTCGTGCACACGGTGCCCTGGGACCAGCTCTTTCGGAACCCGCACCAAGCTCTGCTCCACACTGCCAACCGGCCAGAGGACGAGTGTGTGGGCGAGGGCCTGGCCTGCCACCAGCTGTGCGCCCGAGGG(配列番号:51)。
一実施形態では、完全なEC2ヒトHER2/neu断片はヒトのHER2/neu遺伝子の907〜1504bpにわたり、(配列番号:55)で示される。
TACCTTTCTACGGACGTGGGATCCTGCACCCTCGTCTGCCCCCTGCACAACCAAGAGGTGACAGCAGAGGATGGAACACAGCGGTGTGAGAAGTGCAGCAAGCCCTGTGCCCGAGTGTGCTATGGTCTGGGCATGGAGCACTTGCGAGAGGTGAGGGCAGTTACCAGTGCCAATATCCAGGAGTTTGCTGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTCTGCCGGAGAGCTTTGATGGGGACCCAGCCTCCAACACTGCCCCGCTCCAGCCAGAGCAGCTCCAAGTGTTTGAGACTCTGGAAGAGATCACAGGTTACCTATACATCTCAGCATGGCCGGACAGCCTGCCTGACCTCAGCGTCTTCCAGAACCTGCAAGTAATCCGGGGACGAATTCTGCACAATGGCGCCTACTCGCTGACCCTGCAAGGGCTGGGCATCAGCTGGCTGGGGCTGCGCTCACTGAGGGAACTGGGCAGTGGACTGGCCCTCATCCACCATAACACCCACCTCTGCTTCGTGCACACGGTGCCCTGGGACCAGCTCTTTCGGAACCCGCACCAAGCTCTGCTCCACACTGCCAACCGGCCAGAG(配列番号:55)。
別の実施形態では、ヒトのHER2/neu IC1断片をコードする核酸配列は(配列番号:52)で示されるキメラ内に組み入れられる。
CAGCAGAAGATCCGGAAGTACACGATGCGGAGACTGCTGCAGGAAACGGAGCTGGTGGAGCCGCTGACACCTAGCGGAGCGATGCCCAACCAGGCGCAGATGCGGATCCTGAAAGAGACGGAGCTGAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCTGGCGCTTTTGGCACAGTCTACAAGGGCATCTGGATCCCTGATGGGGAGAATGTGAAAATTCCAGTGGCCATCAAAGTGTTGAGGGAAAACACATCCCCCAAAGCCAACAAAGAAATCTTAGACGAAGCATACGTGATGGCTGGTGTGGGCTCCCCATATGTCTCCCGCCTTCTGGGCATCTGCCTGACATCCACGGTGCAGCTGGTGACACAGCTTATGCCCTATGGCTGCCTCTTAGACT(配列番号:52)。
別の実施形態では、完全なヒトのHER2/neu IC1断片をコードする核酸配列は、ヒトのHER2/neu遺伝子の2034〜3243にわたり、(配列番号:56)で示される。
CAGCAGAAGATCCGGAAGTACACGATGCGGAGACTGCTGCAGGAAACGGAGCTGGTGGAGCCGCTGACACCTAGCGGAGCGATGCCCAACCAGGCGCAGATGCGGATCCTGAAAGAGACGGAGCTGAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCTGGCGCTTTTGGCACAGTCTACAAGGGCATCTGGATCCCTGATGGGGAGAATGTGAAAATTCCAGTGGCCATCAAAGTGTTGAGGGAAAACACATCCCCCAAAGCCAACAAAGAAATCTTAGACGAAGCATACGTGATGGCTGGTGTGGGCTCCCCATATGTCTCCCGCCTTCTGGGCATCTGCCTGACATCCACGGTGCAGCTGGTGACACAGCTTATGCCCTATGGCTGCCTCTTAGACCATGTCCGGGAAAACCGCGGACGCCTGGGCTCCCAGGACCTGCTGAACTGGTGTATGCAGATTGCCAAGGGGATGAGCTACCTGGAGGATGTGCGGCTCGTACACAGGGACTTGGCCGCTCGGAACGTGCTGGTCAAGAGTCCCAACCATGTCAAAATTACAGACTTCGGGCTGGCTCGGCTGCTGGACATTGACGAGACAGAGTACCATGCAGATGGGGGCAAGGTGCCCATCAAGTGGATGGCGCTGGAGTCCATTCTCCGCCGGCGGTTCACCCACCAGAGTGATGTGTGGAGTTATGGTGTGACTGTGTGGGAGCTGATGACTTTTGGGGCCAAACCTTACGATGGGATCCCAGCCCGGGAGATCCCTGACCTGCTGGAAAAGGGGGAGCGGCTGCCCCAGCCCCCCATCTGCACCATTGATGTCTACATGATCATGGTCAAATGTTGGATGATTGACTCTGAATGTCGGCCAAGATTCCGGGAGTTGGTGTCTGAATTCTCCCGCATGGCCAGGGACCCCCAGCGCTTTGTGGTCATCCAGAATGAGGACTTGGGCCCAGCCAGTCCCTTGGACAGCACCTTCTACCGCTCACTGCTGGAGGACGATGACATGGGGGACCTGGTGGATGCTGAGGAGTATCTGGTACCCCAGCAGGGCTTCTTCTGTCCAGACCCTGCCCCGGGCGCTGGGGGCATGGTCCACCACAGGCACCGCAGCTCATCTACCAGGAGTGGCGGTGGGGACCTGACACTAGGGCTGGAGCCCTCTGAAGAGGAGGCCCCCAGGTCTCCACTGGCACCCTCCGAAGGGGCT(配列番号:56)。
一実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物で利用されるLLOは、リステリアLLOである。一実施形態では、LLOが由来するリステリアはリステリア・モノサイトゲネス(LM)である。別の実施形態では、リステリアはリステリア・イバノビである。別の実施形態では、リステリアはリステリア・ウェルシメリである。別の実施形態では、リステリアはリステリア・シーリゲリである。別の実施形態では、LLOタンパク質は、非リステリア系LLOタンパク質である。別の実施形態では、LLOタンパク質は、合成LLOタンパク質である。別の実施形態では、これは組み換え型LLOタンパク質である。
一実施形態では、LLOタンパク質は、(配列番号:3)に示される以下の核酸配列によってコードされる。
atgaaaaaaataatgctagtttttattacacttatattagttagtctaccaattgcgcaacaaactgaagcaaaggatgcatctgcattcaataaagaaaattcaatttcatccatggcaccaccagcatctccgcctgcaagtcctaagacgccaatcgaaaagaaacacgcggatgaaatcgataagtatatacaaggattggattacaataaaaacaatgtattagtataccacggagatgcagtgacaaatgtgccgccaagaaaaggttacaaagatggaaatgaatatattgttgtggagaaaaagaagaaatccatcaatcaaaataatgcagacattcaagttgtgaatgcaatttcgagcctaacctatccaggtgctctcgtaaaagcgaattcggaattagtagaaaatcaaccagatgttctccctgtaaaacgtgattcattaacactcagcattgatttgccaggtatgactaatcaagacaataaaatagttgtaaaaaatgccactaaatcaaacgttaacaacgcagtaaatacattagtggaaagatggaatgaaaaatatgctcaagcttatccaaatgtaagtgcaaaaattgattatgatgacgaaatggcttacagtgaatcacaattaattgcgaaatttggtacagcatttaaagctgtaaataatagcttgaatgtaaacttcggcgcaatcagtgaagggaaaatgcaagaagaagtcattagttttaaacaaatttactataacgtgaatgttaatgaacctacaagaccttccagatttttcggcaaagctgttactaaagagcagttgcaagcgcttggagtgaatgcagaaaatcctcctgcatatatctcaagtgtggcgtatggccgtcaagtttatttgaaattatcaactaattcccatagtactaaagtaaaagctgcttttgatgctgccgtaagcggaaaatctgtctcaggtgatgtagaactaacaaatatcatcaaaaattcttccttcaaagccgtaatttacggaggttccgcaaaagatgaagttcaaatcatcgacggcaacctcggagacttacgcgatattttgaaaaaaggcgctacttttaatcgagaaacaccaggagttcccattgcttatacaacaaacttcctaaaagacaatgaattagctgttattaaaaacaactcagaatatattgaaacaacttcaaaagcttatacagatggaaaaattaacatcgatcactctggaggatacgttgctcaattcaacatttcttgggatgaagtaaattatgat(配列番号:3)。
別の実施形態では、LLOタンパク質は、配列番号:4を含む。
M K K I M L V F I T L I L V S L P I A Q Q T E A K D A S A F N K E N S I S S M A P P A S P P A S P K T P I E K K H A D E I D K Y I Q G L D Y N K N N V L V Y H G D A V T N V P P R K G Y K D G N E Y I V V E K K K K S I N Q N N A D I Q V V N A I S S L T Y P G A L V K A N S E L V E N Q P D V L P V K R D S L T L S I D L P G M T N Q D N K I V V K N A T K S N V N N A V N T L V E R W N E K Y A Q A Y P N V S A K I D Y D D E M A Y S E S Q L I A K F G T A F K A V N N S L N V N F G A I S E G K M Q E E V I S F K Q I Y Y N V N V N E P T R P S R F F G K A V T K E Q L Q A L G V N A E N P P A Y I S S V A Y G R Q V Y L K L S T N S H S T K V K A A F D A A V S G K S V S G D V E L T N I I K N S S F K A V I Y G G S A K D E V Q I I D G N L G D L R D I L K K G A T F N R E T P G V P I A Y T T N F L K D N E L A V I K N N S E Y I E T T S K A Y T D G K I N I D H S G G Y V A Q F N I S W D E V N Y D (配列番号:4)。
この配列に対応するタンパク質の最初の25個のアミノ酸はシグナル配列であり、また細菌によって分泌されるときにLLOから分割される。したがって、この実施形態では、全長の活性LLOタンパク質は504残基長である。別の実施形態では、LLOタンパク質は、遺伝子銀行受入番号DQ054588、DQ054589、AY878649、U25452、またはU25452で示される配列を有する。別の実施形態では、LLOタンパク質は、LLOタンパク質の変異体である。別の実施形態では、LLOタンパク質は、LLOタンパク質の相同体である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、「切断LLO」または「tLLO」は、PESTドメインを含むLLOの断片を指す。別の実施形態では、この用語は、アミノ末端において活性化ドメインを含有せず、シスチン484を含まないLLO断片を指す。別の実施形態では、LLO断片はPEST配列から構成される。別の実施形態では、LLO断片はPEST配列を含む。別の実施形態では、LLO断片は529アミノ酸全長LLOタンパク質の最初のおよそ400〜441アミノ酸から構成される。別の実施形態では、LLO断片はLLOタンパク質の非溶血性の形態である。
本発明の方法および組成物の別の実施形態では、本発明の方法および組成物の核酸配列によってコードされたポリペプチドは、キメラ型HER2/neu抗原および追加的なポリペプチドを含む融合タンパク質であり、一方で別の実施形態では、融合タンパク質は、とりわけリステリア・モノサイトゲネス非溶血性LLOタンパク質を含む(実施例が本明細書に含まれる)。
一実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜25から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜50から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜75から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜100から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜125から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜150から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜175から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜200から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜225から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜250から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜275から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜300から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜325から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜350から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜375から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜400から構成される。別の実施形態では、LLO断片はおよそ残基1〜425から構成される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物の融合タンパク質は、LLOタンパク質由来または別の生物体(例えば、原核生物生命体など)由来のいずれかの、PEST配列を含む。
別の実施形態では、PESTアミノ酸配列は、別の実施形態では、配列番号:5〜9から選択される配列を有する。別の実施形態では、PEST配列はリステリア・モノサイトゲネスActAタンパク質由来のPEST配列である。別の実施形態では、PEST配列は、KTEEQPSEVNTGPR(配列番号:5)、KASVTDTSEGDLDSSMQSADESTPQPLK(配列番号:6)、KNEEVNASDFPPPPTDEELR(配列番号:7)、またはRGGIPTSEEFSSLNSGDFTDDENSETTEEEIDR(配列番号:8)である。別の実施形態では、PEST配列は、ストレプトコッカス種のストレプトリジンOタンパク質由来である。別の実施形態では、PEST配列は、ストレプトコッカス・ピオゲネスストレプトリジンO、例えば、アミノ酸35〜51においてKQNTASTETTTTNEQPK(配列番号:9)由来である。別の実施形態では、PEST配列は、ストレプトコッカス・エクイシミリスストレプトリジンO、例えば、アミノ酸38〜54においてKQNTANTETTTTNEQPK(配列番号:10)由来である。別の実施形態では、PEST配列は、原核生物に由来する別のPESTアミノ酸配列である。別の実施形態では、PEST配列は、当該技術分野で既知の任意の他のPEST配列である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、リステリア・モノサイトゲネスのPEST配列への抗原の融合は媒介した細胞および抗原の抗腫瘍免疫性を強化した。したがって、他の原核生物に由来する他のPEST配列への抗原の融合は、抗原の免疫原性も強化する。他の原核生物のPEST配列を、例えば、リステリア・モノサイトゲネスについてRechsteinerおよびRogers(1996,Trends Biochem.Sci.21:267−271)に記述されているものなどの方法に従って同定することができる。あるいは、この方法に基づいて他の原核生物由来のPESTアミノ酸配列を同定することもできる。PESTアミノ酸配列を含むことが期待される他の原核生物は、他のリステリア種を含むが、これに限定されない。別の実施形態では、PEST配列は抗原タンパク質の中に埋め込まれる。したがって、別の実施形態では、「融合」は、抗原の一方の端部にリンクしているかまたは抗原の中に埋め込まれるかのどちらかで、抗原とPESTアミノ酸配列との両方を含む抗原タンパク質を指す。
別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドを含むワクチンが本明細書に提供される。別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドから構成されるワクチンが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドをコードするヌクレオチド分子が本明細書に提供される。別の実施形態では、ヌクレオチド分子を含むワクチンが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドをコードするヌクレオチド分子が本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオチド分子によってコードされる組み換え型ポリペプチドが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオチド分子または組み換え型ポリペプチドを含むワクチンが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオチド分子または組み換え型ポリペプチドを含む免疫原性組成物が本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオチド分子または組み換え型ポリペプチドを含むベクターが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のヌクレオチド分子を含むリステリアの組み換え型形態が本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のリステリアの組み換え型の形態を含むワクチンが本明細書に提供される。
別の実施形態では、本発明のリステリアの組み換え型形態のカルチャーが本明細書に提供される。
一実施形態では、本発明の方法で使用するためのワクチンまたは組成物は組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを、本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で含む。一実施形態では、本発明で使用するためのワクチンまたは組成物は本発明の組み換え型リステリア・モノサイトゲネスから、本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で構成される。別の実施形態では、本発明の方法で使用するためのワクチンまたは組成物は本発明の組み換え型リステリア・モノサイトゲネスから、本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で本質的に構成される。一実施形態では、「含む」という用語は組み換え型リステリア・モノサイトゲネスをワクチンまたは組成物の中に含むこと、ならびに当該技術分野で既知である場合がある他のワクチン、組成物、または処置を含むことを指す。別の実施形態では、「本質的に含む」という用語は、機能的な構成成分は組み換え型リステリア・モノサイトゲネスであるが、しかしながらワクチンの他の構成成分が含まれる場合があるワクチンを指し、他の構成成分はワクチンの治療的な効果に直接的に関与せず、例えば、組み換え型リステリア・モノサイトゲネスの効果を促進する(例えば、安定する、保存する、等々)構成成分を指す場合がある。別の実施形態では、「含む」という用語は、組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを含有するワクチンを指す。
一実施形態では、被験体におけるHER2を発現する腫瘍からの転移性疾患の起因を妨げるまたは遅延する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に記述される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、本発明の方法は組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で投与するステップを含む。一実施形態では、本発明の方法は本発明の組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で投与するステップを含む。別の実施形態では、本発明の方法は本発明の組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを本明細書に記述されるような任意の形態または実施形態で投与するステップを本質的に含む。一実施形態では、「含む」という用語は方法の中に組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを投与するステップを含むこと、ならびに当該技術分野で既知である場合がある他の方法または処置を含むことを指す。別の実施形態では、「本質的に〜からなる」という用語は、その機能的な構成要素が組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを投与することであるが、しかしながらこの方法の他のステップを含んでもよく、そのステップは、方法の治療的な効果に直接的に関与せず、例えば、組み換え型リステリア・モノサイトゲネスの投与の効果を促進するステップを指す場合がある、方法を指す。一実施形態では、「〜からなる」という用語は、追加的なステップを含まずに組み換え型リステリア・モノサイトゲネスを投与する方法を指す。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物のリステリアはリステリア・モノサイトゲネスである。別の実施形態では、リステリアはリステリア・イバノビである。別の実施形態では、リステリアはリステリア・ウェルシメリである。別の実施形態では、リステリアはリステリア・シーリゲリである。各々のタイプのリステリアは本発明の別個の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明の方法および組成物のリステリア株はADXS31−164株である。別の実施形態では、ADXS31−164は、野生型FVB/Nマウスからの脾細胞によってIFN−γの分泌を刺激する。さらに、本明細書に提示されたデータは、ADXS31−164が抗HER2/neuに特異的な免疫応答を標的化した抗原の異なるドメインに位置するヒトエピトープへと引き出すことができることを示す。
別の実施形態では、本発明はHER2キメラタンパク質またはその断片をコードするヌクレオチド分子を含むリステリアの組み換え型形態を提供する。
一実施形態では、融合タンパク質の2つの分子(LLO、ActA断片またはPEST配列および抗原)は、直接的に結合する。別の実施形態では、2つの分子は1つ以上のアミノ酸から構成される短いスペーサペプチドによって結合される。一実施形態では、スペーサは、タンパク質を結合すること、またはこれらの間の何らかの最低限の距離もしくは他の空間的関係を保持すること以外には特異的な生物活性を有しない。別の実施形態では、スペーサの構成アミノ酸は、フォールディング、正味荷電、または疎水性などの分子のいくつかの特性に影響を与えるように選択される。別の実施形態では、タンパク質の2つの分子(LLO断片および抗原)は別個に合成される、または非融合される。別の実施形態では、タンパク質の2つの分子は同じ核酸から別個に合成される。さらに別の実施形態では、2つの分子は別個の核酸から個別に合成される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本明細書に提供される組み換え型ポリペプチドをコードする核酸は、シグナルペプチドまたは配列もコードする。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の融合タンパク質はLLOからのLLOシグナル配列を含む。一実施形態では、異種抗原は、リステルアシグナル配列(例えば、溶血素シグナル配列またはActAシグナル配列)などのシグナル配列の使用を通して発現される場合がある。代替的には、例えば、融合タンパク質を作り出すことなく外来遺伝子をL.モノサイトゲネスプロモータから下流で発現することができる。別の実施形態では、シグナルペプチドは、細菌性(リステリア性または非リステリア性)である。一実施形態では、シグナルペプチドは、細菌に対してネイティブである。別の実施形態では、シグナルペプチドは、細菌に対して外来である。別の実施形態では、シグナルペプチドは、secA1シグナルペプチドなどのリステリア・モノサイトゲネスからのシグナルペプチドである。別の実施形態では、シグナルペプチドは、ラクトコッカス・ラクティスからのUsp45シグナルペプチド、またはバチルス・アントラシスからの保護抗原シグナルペプチドである。別の実施形態では、シグナルペプチドは、p60シグナルペプチドなどの、リステリア・モノサイトゲネスからのsecA2シグナルペプチドである。さらに、組み換え型核酸分子は、任意選択的にp60またはその断片をコードする第3のポリヌクレオチド配列を含む。別の実施形態では、シグナルペプチドは、バシラスサチリスTatシグナルペプチドなどのTatシグナルペプチド(例えば、PhoD)である。一実施形態では、シグナルペプチドは、組み換え型ポリペプチドをコードする同一の翻訳リーディングフレームである。
別の実施形態では、被験体内に抗HER2免疫応答を誘発する方法であって、HER2キメラタンパク質に融合したまたはその断片に融合したLLOタンパク質のN末端断片を含む組み換え型ポリペプチドをコードする組み換え型ヌクレオチドを被験体に投与することを含む方法が本明細書に提供され、これによって抗HER2免疫応答を被験体内に誘発する。
一実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍に強化した免疫応答を引き出す方法が本明細書に提供され、一方で別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与することを含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質に対する準優占エピトープに対する免疫応答を含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質のいくつかの準優占エピトープに対する免疫応答を含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質の少なくとも1〜5個の準優占エピトープに対する免疫応答を含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質の少なくとも1〜10個の準優占エピトープに対する免疫応答を含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質の少なくとも1〜17個の準優占エピトープに対する免疫応答を含む。別の実施形態では、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2タンパク質の少なくとも17個の準優占エピトープに対する免疫応答を含む。
小さい断片リステリアベースのワクチンまたはトラスツズマブ(HER2/neu抗原の細胞外領域に位置するエピトープに対するモノクローナル抗体)によってこれらの腫瘍が標的化されたとき、ガン遺伝子タンパク質HER2/neu内での点突然変異またはアミノ酸欠失が耐性腫瘍細胞の処置を媒介することが報告されている。ガン遺伝子のMHCクラスIエピトープのクラスターを示すHER2/neu抗原の2つの細胞外断片および1つの細胞内断片を寄生するキメラ型HER2/neuベースの組成物が本明細書に記述される。HER2/neu抗原の3個のH2Dqおよび少なくとも17個のマッピングされたヒトのMHCクラスIエピトープを寄生する、このキメラタンパク質は、リステリア・モノサイトゲネスリステリオリシンOタンパク質の最初の441のアミノ酸に融合し、リステリア・モノサイトゲネス弱毒化株LmddAによって発現および分泌した。
以前の報告は、HER2/neuトランスジェニックマウスにHER2/neu抗原の小さい断片(その各々がHER2/neuガン遺伝子の1つのH2Dqエピトープのみを寄生する)を発現し、分離して分泌するリステリアベースのワクチンを用いて免疫化したとき、HER2/neu過剰発現腫瘍は各々のワクチンによって標的化されたHER2/neu抗原のこれらのエピトープでの突然変異に起因してエスケープする可能性があることを示している(Singh R,Paterson Y.Immunoediting sculpts tumor epitopes during immunotherapy.Cancer Res 2007;67:1887−92を参照)。キメラ型ワクチン内にHER2/neuタンパク質の3つ以上のエピトープが組み込まれたとき、これらの腫瘍の選択を除去し、エスケープ変異によってエスケープすることができるという予期しない結果が本明細書で実証された。新規のHER2/neuキメラ型リステリアワクチンを用いた免疫化は、点突然変異またはアミノ酸欠失と関連付けられる可能性があるいかなるエスケープ変異もHER2/neu抗原内にもたらさない(本明細書の実施例4を参照)。
一実施形態では、HER2キメラタンパク質またはキメラタンパク質を発現する組み換え型ポリペプチドを発現するためにリステリアワクチン株を改変する方法が本明細書に提供され、この方法は核酸分子を用いたリステリア株の形質転換を含む。別の実施形態では、核酸分子はポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含み、ポリペプチドはHER2/neuキメラ抗原を含む。別の実施形態では、核酸分子は代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含み、前記代謝酵素は組み換え型リステリア株の染色体内で突然変異している内因性遺伝子を相補し、それによってHER2キメラタンパク質を発現するためにリステリアワクチン株を改変する。
一実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物はさらにアジュバントを含み、一実施形態では、これは独立したアジュバントであり、一方で別の実施形態では、アジュバントまたは独立したアジュバントは、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含む。別の実施形態では、アジュバントはアルミニウムアジュバント、フロイントアジュバント、MPL、エマルション、SBAS2、免疫刺激性サイトカインをコードするヌクレオチド分子、細菌マイトジェン、または細菌毒素である。
一実施形態では、「アジュバント」は抗原に対する免疫応答を増強および/または所望の免疫応答に向けてそれを調節する成分である。一実施形態では、アジュバントは免疫アジュバントであって、一実施形態では、特定のワクチン抗原と組み合わせて使用(併用)される場合に抗原特異的免疫応答を加速、延長、または増強するように作用する物質である。
一実施形態では、「独立」アジュバントは、独立しているアジュバントであって、一実施形態では、一実施形態ではHER2/neuである腫瘍特異的抗原との融合ポリペプチドに存在する本発明の「追加的なアジュバントポリペプチド」と同一ではない。
一実施形態では、本発明では、リステリア・モノサイトゲネスdelta−actA mutant(Brundage et al,1993,Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,90:11890−11894)、L.モノサイトゲネスdelta−plcA(Camilli et al、1991、J.Exp.Med.,173:751−754)、またはdelta−ActA、delta INL−b(Brockstedt et 5 al,2004、PNAS、101:13832−13837)などの弱毒化リステリア株が使用される。別の実施形態では、弱毒化リステリア株は、本明細書の開示を装備するとき当業者であれば理解するとおり、1つ以上の弱毒化突然変異を導入することによって構築される。かかる株の例としては、芳香族アミノ酸に対する栄養要求性のリステリア株(Alexander et al,1993,Infection and Immunity 10 61:2245−2248)およびリポタイコ酸の形成のための突然変異体(Abachin et al,2002,Mol.Microbiol.43:1−14)、および病毒性遺伝子を欠くことによって弱毒化されるもの(本明細書に含まれる実施例を参照)が挙げられるが、これに限定されない。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物の核酸分子は、プロモータ/調節配列に動作可能にリンクする。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の第1のオープンリーディングフレームは、プロモータ/調節配列に動作可能にリンクする。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の第2のオープンリーディングフレームは、プロモータ/調節配列に動作可能にリンクする。別の実施形態では、本発明の方法および組成物の第3のオープンリーディングフレームは、プロモータ/調節配列に動作可能にリンクする。別の実施形態では、オープンリーディングフレームの各々は、プロモータ/調節配列に動作可能にリンクする。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
本開示および本明細書に提供される方法が装備されたとき、異なる転写プロモータ、停止剤、キャリアベクター、または特異的な遺伝子配列(例えば、市販のクローニングベクター内のもの)を本発明の方法および組成物内で順調に使用することができることを当業者は容易に理解するであろう。本発明で意図されるように、これらの機能性は、例えば、pUCシリーズとして知られる市販のベクターで提供される。別の実施形態では、非必須DNA配列(例えば、抗生物質抵抗性遺伝子)は除去される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。別の実施形態では、本発明で市販のプラスミドが使用される。かかるプラスミドは、例えば、インビトロジェン(Invitrogen)(米国カリフォルニア州ラホヤ)、ストラタジーン(Stratagene)(カリフォルニア州ラホヤ)、クロンテック(Clontech)(カリフォルニア州パロアルト)などの様々な供給元から入手可能であり、または当該技術分野で周知の方法を使用して構築することができる。
別の実施形態では、pCR2.1(インビトロジェン,米国カリフォルニア州ラホヤ)などの、原核生物の複製起点およびプロモータ/調節要素を有する原核生物発現ベクターであるプラスミドは、原核生物内での本発明のポリペプチドの発現を容易にするために使用される。別の実施形態では、外来ヌクレオチド配列は、プラスミドのサイズを減少しかつその中に定置することができるカセットのサイズを増加するために除去される。
かかる方法は当該技術分野で周知であり、また例えば、Sambrook et al.(1989, Molecular Cloning:A Laboratory Manual、Cold Spring Harbor Laboratory Press,New York)およびAusubei et al.(1997, Current Protocols in Molecular Biology,Green & Wiley,New York)に記述されている。
抗生物質抵抗性遺伝子は、分子生物学およびワクチン調製で一般的に採用される従来の選択およびクローニングプロセスで使用される。本発明で企図される抗生物質抵抗性遺伝子としては、アンピシリン、ペニシリン、メチシリン、ストレプトマイシン、エリスロマイシン、カナマイシン、テトラサイクリン、クロラムフェニコール(CAT)、ネオマイシン、ハイグロマイシン、ゲンタマイシンおよび当該技術分野で周知の他のものに抵抗を与える遺伝子産物が挙げられるがこれらに限定されない。各々の遺伝子は本発明の別個の実施形態を表す。
細菌を形質転換する方法は当該技術分野で周知であり、塩化カルシウムコンピテント細胞に基づく方法、エレクトロポレーション法、バクテリオファージ媒介形質導入、化学的、および物理的な形質転換技術(de Boer et al, 1989, Cell 56:641−649; Miller et al, 1995, FASEB J., 9:190−199; Sambrook et al.1989, Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, New York; Ausubel et al., 1997, Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York; Gerhardt et al., eds., 1994, Methods for General and Molecular Bacteriology, American Society for Microbiology, Washington, DC; Miller, 1992, A Short Course in Bacterial Genetics, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y.)。別の実施形態では、本発明のリステリアワクチン株はエレクトロポレーションにより形質転換される。各々の方法は本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、遺伝物質および/またはプラスミドを細菌の中へと導入するために結合が使用される。結合のための方法は当該技術分野で周知であり、また例えば、Nikodinovic J et al.(A second generation snp−derived [2]Escherichia coli−Streptomyces [3]shuttle expression vector that is generally transferable by conjugation.Plasmid.2006 Nov;56(3):223−7)およびAuchtung JM et al (Regulation of a Bacillus subtilis mobile genetic element by intercellular signaling and the global DNA damage response.Proc Natl Acad Sci U S A. 2005 Aug 30;102 (35):12554−9)に記述されている。各々の方法は本発明の別個の実施形態を表す。
一実施形態では、「形質転換」という用語は、「形質移入」いう用語と同じ意味で使用され、プラスミドまたは他の異種DNA分子を取り上げるために細菌細胞を改変することを指す。別の実施形態では、「形質転換」は、プラスミドまたは他の異種DNA分子の遺伝子を発現するために細菌細胞を改変することを指す。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
本発明で有用なプラスミドおよび他の発現ベクターは、本明細書のいずれかに記述され、プロモータ/調節配列、グラム陰性およびグラム陽性細菌に対する複製の起点、融合タンパク質をコードする孤立核酸、および分離されたアミノ酸代謝遺伝子をコードする核酸などの特徴を含むことができる。さらに、融合タンパク質およびアミノ酸代謝遺伝子をコードする孤立核酸は、かかる孤立核酸の発現を駆動するのに好適なプロモータを有する。細菌系で発現を駆動するために有用であるプロモータは当該技術分野で周知であり、またバクテリオファージλ、pBR322のβラクタマーゼ遺伝子のblaプロモータ、およびpBR325のクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子のCATプロモータを含む。原核生物プロモータのさらなる例として、5 バクテリオファージλの主要な右および左のプロモータ(PLおよびPR)、trp、recA、lacZ、lad、および[2]E. coli[3]のgalプロモータ、αアミラーゼ(Ulmanen et al, 1985. J. Bacteriol. 162:176−182)およびB. subtilisのS28特異的プロモータ(Gilman et al, 1984 Gene 32:11− 20)、Bacillusのバクテリオファージのプロモータ(Gryczan, 1982, In: The Molecular Biology of the Bacilli, Academic Press, Inc., New York)およびストレプトミセスプロモータ(Ward et al, 1986, Mol. Gen. Genet. 203:468−478)が挙げられる。本発明において企図される追加的な原核生物プロモータは、例えば、(1987, J. Ind. Microbiol.1:277−282); Cenatiempo, (1986, Biochimie, 68:505−516); and Gottesman, (1984, Ann.Rev. Genet.18:415−442)に概説されている。本発明で企図されるプロモータ/調節要素のさらなる実施例としては、リステリアのprfAプロモータ、リステリア のhlyプロモータ、リステリアのp60プロモータ、およびリステリアのActAプロモータ(GenBank受入番号NC_003210)またはその断片が挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物のプラスミドは、融合タンパク質をコードする遺伝子を含む。別の実施形態では、部分配列はクローニングされ、また適切な部分配列は適切な制限酵素を使用して分割される。別の実施形態では、次いで断片は連結され、望ましいDNA配列が生産される。別の実施形態では、抗原をコードするDNAは、例えば、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)などのDNA増幅法を使用して生産される。まず、未変性のDNAのいずれかの側の新しい末端の区分を別個に増幅する。1つの増幅した配列の5’末端はペプチドリンカーをコードし、一方でもう1つの増幅した配列の3’末端もペプチドリンカーをコードする。第1の断片の5’末端は第2の断片の3’末端の相補なので、2つの断片を(例えば、LMPアガロース上での部分的な精製後)第3のPCR反応での重複テンプレートとして使用することができる。増幅した配列は、コドン、開放部位のカルボキシ側上の区分(ここではアミノ配列を形成している)、リンカー、および開放部位のアミノ側上の配列(ここではカルボキシル配列を形成している)を含有することになる。抗原はプラスミドへと連結される。各々の方法は本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明は臨床用途のためのファージベースの染色体組込系をさらに含む。d−アラニンラセマーゼ(しかしこれに限定されない)を含む必須酵素のための栄養要求性宿主株は、例えばLmdal(−)dat(−)を使用されることになる。別の実施形態では、「ファージ治癒ステップ」を避けるためにPSAベースのファージ組込系を使用した(Lauer,et al.,2002 J Bacteriol,184:4177−4186)。別の実施形態では、これは組込まれた遺伝子を維持するための抗生物質による継続的な選択を要求する。したがって、別の実施形態では、本発明は、抗生物質を用いた選択を要求しないファージベースの染色体組込系の確立を可能にする。別の方法で、栄養要求性宿主株を相補することになる。
別の実施形態では、組み換え型DNA法を使用して本発明の組み換え型タンパク質を合成した。一実施形態では、これは、融合タンパク質をコードするDNA配列を作り出すことと、特定のプロモータ/調節要素の制御下で本発明のプラスミドなどの発現カセット内にDNAを定置することと、タンパク質を発現することと、に関与する。別の実施形態では、本発明の融合タンパク質(例えば、非溶血性LLO/抗原)をコードするDNAは、任意の好適な方法によって調製され、この方法としては、例えば、適切な配列のクローニングおよび制限、またはNarangらのホスホトリエステル法(1979, Meth. Enzymol. 68:90−99);Brownらのホスホジエステル法 (1979, Meth. Enzymol 68:109−151)、Beaucageらのジエチルホスホラミダイト法 (1981, Tetra. Lett., 22:15 1859−1862)、および米国特許 第4,458,066号の固定法などの方法による直接化学合成が挙げられる。
別の実施形態では、一本鎖のオリゴヌクレオチドを生産するために化学合成が使用される。様々な実施形態では、一本鎖をテンプレートとして使用して、相補的な配列を用いたハイブリダイゼーションによって、またはDNAポリメラーゼを用いた重合によって、この一本鎖のオリゴヌクレオチドを二本鎖のDNAへと変換する。DNAの化学合成が約100個の塩基の配列に限られ一方で、より短い配列の連結によってより長い配列を得ることができることを当業者は認識するであろう。別の実施形態では、部分配列はクローニングされ、また適切な部分配列は適切な制限酵素を使用して分割される。次いで断片は連結され、望ましいDNA配列が生産される。
別の実施形態では、本発明の融合タンパク質または組み換え型タンパク質をコードするDNAは、ポリメラーゼ連鎖反応法(PCR)などのDNA増幅法を使用してクローニングされる。したがって、非溶血性LLOに対する遺伝子は、クローニングを容易にするために、好適な制限部位を含むセンスプライマーと、例えば、同一でない制限部位などの別の制限部位を含むアンチセンスプライマーとを使用して増幅されたPCRである。抗原をコードする孤立核酸に対しても同じことを繰り返す。非溶血性LLOおよび抗原配列の連結、ならびにプラスミドまたはベクターの中への挿入は抗原の末端に結合する非溶血性LLOをコードするベクターを生産する。2つの分子は、直接的か、または制限部位によって導入された短いスペーサによってかのいずれかで結合する。
別の実施形態では、分子は1つ以上のアミノ酸から構成されるペプチドスペーサによって分離され、一般的にスペーサはタンパク質を結合することまたはこれらの間のなんらかの最少距離もしくは他の空間関係を保持すること以外には特定の生物活性を有しない。別の実施形態では、スペーサの構成アミノ酸は、フォールディング、正味荷電、または疎水性などの分子のいくつかの特性に影響を与えるように選択される。別の実施形態では、融合タンパク質または組み換え型タンパク質をコードする核酸配列は、大腸菌、リステリアなどの他の細菌宿主、酵母、および様々なより高度な真核生物細胞(COS、CHOおよびHeLa細胞株、ならびに骨髄腫細胞株などの)を含む様々な宿主細胞へと形質転換される 組み換え型融合タンパク質遺伝子は、各々の宿主に対して適切な発現対照配列に動作可能にリンクする。プロモータ/調節配列は、本明細書のいずれかに詳細に記述される。別の実施形態では、プラスミドは、追加的なプロモータ調節要素、ならびにリボソーム結合部位および転写終結シグナルをさらに含む。真核生物細胞については、対照配列は、例えば、免疫グロブリン遺伝子、SV40、サイトメガロウイルス、等々に由来するプロモータおよびエンハンサー、およびポリアデニレーション配列を含む。別の実施形態では、配列はスプライスドナーおよびアクセプター配列を含む。
一実施形態では、「動作可能にリンクする」という用語は並置を指し、そのように記述される構成成分はそれらの意図される様式で機能することができるようにする関係にある。コード配列に「動作可能にリンクする」対照配列は、コード配列の発現が対照配列に対応する条件の下で達成されるようなやり方で連結される。
別の実施形態では、プラスミドを含む栄養要求性細菌を選択するために、形質転換した栄養要求性細菌をアミノ酸代謝遺伝子の発現を選択する培地上で増殖する。別の実施形態では、D−グルタミン酸合成のための栄養要求性の細菌は、D−グルタミン酸合成のための遺伝子を含むプラスミドを用いて形質転換され、また栄養要求性細菌はD−グルタミン酸無しで増殖することになり、一方でD−グルタミン酸合成のためにプラスミドを用いて形質転換されていない栄養要求性細菌、またはタンパク質をコードするプラスミドを発現していない栄養要求性細菌は、増殖しないことになる。別の実施形態では、D−アラニン合成のための栄養要求性の細菌は、プラスミドがD−アラニン合成のためのアミノ酸代謝酵素をコードする孤立核酸を含む場合、本発明のプラスミドを形質転換し、かつ発現するときD−アラニン無しで増殖することになる。必要な増殖因子、サプリメント、アミノ酸、ビタミン、抗生物質、およびこれに類するものを含んでいる、または欠いている適切な培地を作成するためのかかる方法は当該技術分野で既知であり、また市販されている(ベクトン・ディッキンソン(Becton−Dickinson),米国ニュージャージー州フランクリン・レイクス)。各々の方法は本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明のプラスミドを含む栄養要求性細菌が一旦選択されると、この細菌は適切な培地上で選択的な圧力の存在の中で繁殖する。かかる繁殖は、栄養要求性因子を有しない培地内での細菌の増殖を含む。栄養要求性細菌内でのアミノ酸代謝酵素を発現するプラスミドの存在は、細菌とともにプラスミドの複製を確保し、したがって継続的にプラスミドが規制する細菌を選択する。本開示および本明細書の方法を備えるとき、プラスミドを含む栄養要求性細菌が増殖する培地の体積を調節することによって、当業者は、リステリアワクチンベクターの生産を容易にスケールアップすることができる。
別の実施形態では、他の栄養要求性株および相補系が本発明の使用に採用されことを当業者は理解するであろう。
一実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍の増殖を妨げる方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に記述される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍に強化した免疫応答を引き出す方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に記述される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。さらに別の実施形態では、HER2/neuを発現する腫瘍に対する免疫応答はHER2/neuタンパク質の少なくとも1つの準優占エピトープへの免疫応答を含む。
一実施形態では、HER2/neuを発現する腫瘍の治療でのエスケープ変異を防止する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を前記被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、被験体におけるHER2/neu抗原を発現する腫瘍の発症を防止する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
一実施形態では、腫瘍内の調節性T細胞の頻度を低下させる方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
一実施形態では、腫瘍内の骨髄系由来抑制細胞の頻度を低下させる方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、骨髄系由来抑制細胞の頻度を低下させる方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
一実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍の形成を防止する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍から起因する転移性疾患の形成を防止する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍から来る転移性疾患を治療する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
一実施形態では、本発明の組成物を投与する方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、本発明のワクチンを投与する方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドまたは組み換え型ヌクレオチドを投与する方法が本明細書に提供される。別の実施形態では、本発明の組成物、ワクチン、組み換え型ポリペプチド、または組み換え型ヌクレオチドを投与するステップを、弱毒化組み換え型形態のリステリアを含む組成物、ワクチン、組み換え型ヌクレオチド、またはこれを発現する組み換え型ポリペプチドを用いて、各々その独自の個別の実施形態の中で遂行する。別の実施形態では、異なる弱毒化細菌ベクターを用いて投与を遂行する。別の実施形態では、DNAワクチン(例えば、ネイキッドDNAワクチン)を用いて投与を遂行する。別の実施形態では、本発明の組み換え型ポリペプチドの投与は、タンパク質を遺伝子組み換えによって生産し、次いで組み換え型タンパク質を被験体に投与することによって遂行される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物によって引き出される免疫応答はCD8T細胞媒介性応答を含む。別の実施形態では、免疫応答は主としてCD8T細胞媒介性応答から構成される。別の実施形態では、免疫応答の唯一検出可能な構成成分は、CD8T細胞媒介性応答である。
別の実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物によって引き出される免疫応答はCD4T細胞媒介性応答を含む。別の実施形態では、免疫応答は主としてCD4T細胞媒介性応答から構成される。別の実施形態では、免疫応答の唯一検出可能な構成成分は、CD4T細胞媒介性応答である。別の実施形態では、CD4T細胞媒介性応答は抗原に対する測定可能な抗体応答に付随して起こる。別の実施形態では、CD4T細胞媒介性応答は抗原に対する測定可能な抗体応答に付随しない。
別の実施形態では、本発明は被験体内に抗原の準優占CD8T細胞エピトープに対してCD8T細胞媒介性免疫応答を誘発する方法を提供し、この方法は(a)Her2−neuキメラ抗原またはその断片をコードするヌクレオチド分子をLLOタンパク質のN末端断片をコードするヌクレオチド分子に融合してこれによってLLO−抗原融合タンパク質をコードする組み換え型ヌクレオチドを生成するステップと、(b)組み換え型ヌクレオチドまたはLLO−抗原融合を被験体に投与するステップとを含み、これによってCD8T細胞媒介性免疫応答を抗原の準優占CD8T細胞エピトープに対して誘発する。
一実施形態では、腫瘍内のCD8/調節性T細胞の比を増加する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本発明の組み換え型ポリペプチド、組み換え型リステリア、または組み換え型ベクターを含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、腫瘍内の調節性T細胞の頻度を低下させる方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、この方法は本明細書に提供される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
別の実施形態では、本明細書に提供される方法および組成物によって引き出された免疫応答は少なくとも1つの抗原の準優占エピトープへの免疫応答を含む。別の実施形態では、免疫応答は準優占エピトープへの免疫応答を含まない。別の実施形態では、免疫応答は少なくとも1つの準優占エピトープへの免疫応答から構成される。別の実施形態では、ただ1つの測定可能な免疫応答の構成成分は少なくとも1つの準優占エピトープへの免疫応答である。各々のタイプの免疫応答は本発明の別個の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明の方法は被験体におけるHER2/発現腫瘍またはガンに対する耐性を破壊し、また別の実施形態では、当該方法は本明細書に記述される組み換え型リステリアワクチン株を含む組成物を被験体に投与するステップを含む。
免疫応答を測定する方法は当該技術分野で周知であり、例えば、腫瘍増殖の抑制の測定、フローサイトメトリー、標的細胞溶解アッセイ(例えば、クロム遊離アッセイ)、四量体の使用、および他のものが挙げられる。各々の方法は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明は被験体内でHer−2を発現する腫瘍の増殖を妨げる方法を提供し、また別の実施形態では、当該方法は、被験体に、放射線療法と併用して、HER2キメラタンパク質またはその断片に融合したLLOタンパク質のN末端断片を含む組み換え型ポリペプチド、あるいは組み換え型ポリペプチドをコードする組み換え型ヌクレオチドを投与するステップを含み、被験体は、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答を搭載し、これによって被験体内でHER2を発現する腫瘍の増殖を妨げる。
別の実施形態では、本発明は、被験体内でHer−2を発現する腫瘍から発する転移性疾患を遅延または阻害する方法を提供し、また別の実施形態では、当該方法は、被験体に、放射線療法と併用して、HER2キメラタンパク質はまたその断片に融合したLLOタンパク質のN末端断片を含む組み換え型ポリペプチド、もしくは組み換え型ポリペプチドをコードする組み換え型ヌクレオチドを投与するステップを含み、被験体は、HER2を発現する腫瘍に対する免疫応答を搭載し、これによって被験体内でHER2を発現する腫瘍から発する転移性疾患を遅延または阻害する。
別の実施形態では、本発明はHER2キメラタンパク質の抗原性を改善する方法を提供し、また別の実施形態では、方法はLLOタンパク質のN末端断片をHer−2タンパク質またはその断片をコードするヌクレオチドにコードするヌクレオチドを融合して組み換え型ポリペプチドを作り出すステップを含み、これによってHER2キメラタンパク質の抗原性を改善する。
別の実施形態では、HER2キメラタンパク質の抗原性を改善する方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、方法は組み換え型ヌクレオチドを発現するためにリステリア株を改変することを含む。別の実施形態では、組み換え型ヌクレオチドを発現するために異なる細菌ベクターが使用される。別の実施形態では、細菌ベクターは弱毒化される。別の実施形態では、DNAワクチン(例えば、ネイキッドDNAワクチン)は組み換え型ヌクレオチドを発現するために使用される。別の実施形態では、ヌクレオチドによってコードされたLLO−HER2キメラ融合ペプチドの投与は、タンパク質を遺伝子組み換えによって生産し、次いで組み換え型タンパク質を被験体に投与することによって遂行される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明は腫瘍の「エピトープ拡大」を誘発する方法を提供する。別の実施形態では、本明細書に提供される組成物および方法を使用する免疫化は、本発明のワクチン内で搬送される抗原以外の抗原を持つ他の腫瘍の上へのエピトープ拡大を誘発する。
別の実施形態では、優占エピトープまたは準優占エピトープは、治療される被験体内でそれぞれ優占または準優占である。別の実施形態では、優占エピトープまたは準優占エピトープは、治療される母集団内でそれぞれ優占または準優占である。
一実施形態では、エピトープ拡大によって被験体における腫瘍増殖またはガンに対する準優占エピトープに対する強化した免疫応答を防止する、治療する、抑制する、阻害する、誘発する、または引き出す方法が本明細書に提供され、また別の実施形態では、前記ガンは本発明の組成物内に含まれる抗原またはその断片の発現と関連付けられる。別の実施形態では、方法は前記被験体に本発明の組み換え型ポリペプチド、組み換え型リステリア、または組み換え型ベクターを含む組成物を投与することを含む。さらに別の実施形態では、被験体は抗原を発現するガンまたは抗原を発現する腫瘍に対する免疫応答を搭載し、これによって被験体における腫瘍増殖またはガンを治療、抑制、または阻害する。
一実施形態では、「優占CD8T細胞エピトープ」は、ワクチン接種、タンパク質もしくは病原体による感染または悪性増殖、またはタンパク質を含有するガン細胞によって引き出される、30%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、これによって引き出される35%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、40%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、45%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、50%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、55%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、60%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、65%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、70%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、75%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、80%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、85%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、90%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、95%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、96%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、97%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、98%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。
一実施形態では、「準優占CD8T細胞エピトープ」は、ワクチン接種、タンパク質もしくは病原体による感染または悪性増殖、またはタンパク質を含有するガン細胞によって引き出される、30%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、28%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、26%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、24%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、22%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、20%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、18%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、16%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、14%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、12%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、10%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、8%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、6%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、5%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、4%を超える抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、3%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、2%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、1%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。別の実施形態では、この用語は、0.5%より少ない抗原特異的なCD8T細胞によって識別されるエピトープを指す。
各々のタイプの優占エピトープおよび準優占エピトープは、本発明の別個の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明の方法および組成物での抗原は被験体の非腫瘍細胞上で検出可能なレベルで発現される。別の実施形態では、抗原は被験体の非腫瘍細胞の少なくともある特定のパーセンテージ(例えば、0.01%、0.03%、0.1%、0.3%、1%、2%、3%、または5%)の検出可能なレベルで発現される。一実施形態では、「非腫瘍細胞」は腫瘍の本体の外側の細胞を指す。別の実施形態では、「非腫瘍細胞」は非悪性細胞を指す。別の実施形態では、「非腫瘍細胞」は形質転換されていない細胞を指す。別の実施形態では、非腫瘍細胞は体細胞である。別の実施形態では、非腫瘍細胞は生殖細胞である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、「検出可能なレベル」は標準的なアッセイ使用するときに検出可能なレベルを指す。一実施形態では、アッセイは免疫学的アッセイである。一実施形態では、アッセイは酵素結合免疫測定法(ELISA)である。別の実施形態では、アッセイはウエスタンブロットである。別の実施形態では、アッセイはFACSである。当該技術分野において利用可能である任意の他のアッセイを本明細書に提供される方法において使用することができることが当業者によって理解されるべきである。別の実施形態では、検出可能なレベルは特定のアッセイのバックグラウンドレベルに対して決定される。これらの技法の各々を遂行するための方法は当業者に周知であり、各々の技法は本発明の別個の実施形態を表す。
一実施形態では、組み換え型の抗原を発現するリステリア・モノサイトゲネスを用いたワクチン接種はエピトープ拡大を誘発する。別の実施形態では、LLO−抗原融合を用いたワクチン接種は、Her2の状況の外側でさえも、エピトープ拡大を同様に誘発する。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明は被験体内でHER2を発現する腫瘍の増殖を妨げる方法を提供し、被験体にHER2キメラ抗原に融合したLLOタンパク質のN末端断片を含む組み換え型ポリペプチドを投与することを含み、抗原は1つ以上の準優占CD8T細胞エピトープを有し、被験体は抗原を発現する腫瘍に対する免疫応答を搭載し、これによって被験体内でHER2を発現する腫瘍の増殖を妨げる。別の実施形態では、抗原は優占CD8T細胞エピトープのうちのいずれも含有しない。別の実施形態では、被験体内でのHER2を発現する腫瘍の増殖を妨げる方法が本明細書に提供され、この方法は本明細書に提供される組み換え型ポリペプチドをコードする組み換え型ヌクレオチドを含むリステリアの組み換え型形態を被験体に投与することを含む。
別の実施形態では、本発明はガンを有する宿主内に細胞毒性T細胞の形成を誘発するための方法を提供し、該方法は宿主に本発明の組成物を投与するステップを含み、これによってガンを有する宿主内の細胞毒性T細胞の形成を誘発する。
別の実施形態では、本発明は、ガンの発生率を低下させる方法を提供し、該方法は、本発明の組成物を投与するステップを含む。別の実施形態では、本発明は、ガンを軽快する方法を提供し、該方法は本発明の組成物を投与するステップを含む。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、組成物を被験体の細胞にエクスビボで投与し、別の実施形態では、組成物をドナーの細胞にエクスビボで投与し、別の実施形態では、組成物をドナーの細胞にインビボで投与し、次いで被験体に移入した。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明の方法で治療されるガンは乳ガンである。別の実施形態では、このガンはHer2を含有するガンである。別の実施形態では、このガンはメラノーマである。別の実施形態では、このガンは膵臓ガンである。別の実施形態では、このガンは卵巣ガンである。別の実施形態では、このガンは胃ガンである。別の実施形態では、このガンは膵臓のガンの病巣である。別の実施形態では、このガンは肺腺ガンである。別の実施形態では、このガンは結腸直腸腺ガンである。別の実施形態では、このガンは肺扁平上皮腺ガンである。別の実施形態では、このガンは胃腺ガンである。別の実施形態では、このガンは卵巣表面の上皮性新生物(例えば、その良性の、増殖性の、または悪性の変種)である。別の実施形態では、このガンは口腔扁平上皮ガンである。別の実施形態では、このガンは非小細胞性肺ガンである。別の実施形態では、このガンはCNSガンである。別の実施形態では、このガンは子宮内膜ガンである。別の実施形態では、このガンは膀胱ガンである。別の実施形態では、このガンは中皮腫である。別の実施形態では、このガンは悪性中皮腫(MM)である。別の実施形態では、このガンは頭頸部ガンである。別の実施形態では、このガンは前立腺ガンである。
一実施形態では、このガンは骨肉腫であり、一方で一実施形態では、ガン骨腫瘍である。一実施形態では、この骨肉腫は次のサブタイプのいずれか1つである:骨芽細胞性、軟骨芽細胞性、線維芽細胞性OSA、毛細血管拡張性OSA、小細胞性OSA、低悪性度OSA、骨膜性OSA、二次OSA、高悪性度OSA、または骨外性OSA。
別の実施形態では、このガンはHER2/neuを発現する骨肉腫である。一実施形態では、この骨肉腫はイヌの骨肉腫である。別の実施形態では、この骨肉腫は限局性骨肉腫である。別の実施形態では、この骨肉腫は転移性骨肉腫である。別の実施形態では、この骨肉腫は高悪性度骨肉腫である。別の実施形態では、この骨肉腫はイヌの四肢骨肉腫である。別の実施形態では、ガンは肺の転移性疾患である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
本発明の方法の別の実施形態では、被験体は抗原を発現する腫瘍または標的抗原に対して免疫応答を搭載し、これによって抗腫瘍効果を媒介する。
別の実施形態では、本発明はガンを治療するために免疫原性組成物を提供し、この組成物はHER2キメラタンパク質への切断LLOの融合を含む。別の実施形態では、免疫原性組成物は融合を発現するリステリア株をさらに含む。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。別の実施形態では、本発明はガンを治療するために免疫原性組成物を提供し、この組成物はHER2キメラタンパク質を発現するリステリア株を含む。
別の実施形態では、本発明のリステリアの組み換え型を含む免疫原性組成物が本明細書に提供される。
一実施形態では、本発明の治療プロトコルは治療的である。別の実施形態では、プロトコルは予防的である。別の実施形態では、当業者であれば理解するとおり、本発明のワクチンは、家族性の遺伝子または人々がこれらのタイプの病気にかかりやすくする他の状況の原因で、乳ガンまたは他のタイプのHER2含有腫瘍などのガンのリスクがある人々を保護するために使用される。別の実施形態では、ワクチンは、外科手術による腫瘍増殖の減量術、従来の化学療法、または放射線治療の後のガン免疫療法として使用される。別の実施形態では、ワクチンは、放射線治療および、外科手術または従来の化学療法のいずれか一方または両方と併用される。かかる治療に続いて、本発明のワクチンを投与し、これによってワクチンの腫瘍抗原に対するCTL応答が残りの転移を破壊し、ガンからの寛解を長持ちさせる。別の実施形態では、ワクチンは、外科手術、従来の化学療法、放射線治療、またはそれらの任意の組み合わせと併用されてガン免疫療法として使用される。別の実施形態では、切断術を受けることができない被験体にかかる併用療法が使用される。別の実施形態では、切断術を受けることができない原発性骨肉腫を有する被験体にかかる併用療法が使用される。別の実施形態では、本発明のワクチンは、それまでに定着した腫瘍の増殖に効果を持ち、既存の腫瘍細胞を死滅させるために使用される。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、上述の方法のいずれかで利用されるワクチンおよび免疫原性組成物は、本発明のワクチンおよび免疫原性組成物の特徴のいずれかを有する。各々の特徴は本発明の別個の実施形態を表す。組成物および本発明の使用の文脈で記述される組成物は、免疫原性組成物およびその逆と称されてもよいことを理解すべきである。
本発明によって投与範囲の様々な実施形態が企図される。一実施形態では、ワクチンベクターの場合は、投与量は0.4LD50/回の範囲である。別の実施形態では、投与量は約0.4〜4.9LD50/回である。別の実施形態では、投与量は約0.5〜0.59LD50/回である。別の実施形態では、投与量は約0.6〜0.69LD50/回である。別の実施形態では、投与量は約0.7〜0.79LD50/回である。別の実施形態では、投与量は約0.8LD50/回である。別の実施形態では、投与量は0.4LD50/回〜0.8のLD50/回である。
別の実施形態では、投与量は細菌数10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1.5×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数2×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数4×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数6×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1.5×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数2×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数4×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数6×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1.5×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数2×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数5×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数6×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1.5×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数2×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数5×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数6×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×1010個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数1.5×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数2×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数5×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数6×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数8×1011個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数5.0×10個/回である。別の実施形態では、投与量は細菌数3.3×10個/回である。別の実施形態では、本明細書に提供される方法で使用するための組成物の投与量はリステリア3.3×10個/回を含む。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明のワクチンまたは免疫原性組成物を被験体に単独で投与する。別の実施形態では、本発明のワクチンまたは免疫原性組成物を別のガン療法と一緒に投与し、一方で一実施形態では放射線療法である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明の方法および組成物の組み換え型リステリアは、HER2キメラ抗原またはLLO−HER2キメラ抗原融合をコードする構築体を用いて安定して形質転換される。一実施形態では、構築体はさらなるサブクローニングを容易にするためにポリリンカーを含有する。組み換え型リステリアを生産するためのいくつかの技法が既知である。
一実施形態では、構築体または核酸分子は相同的組み換えを使用してリステリアの染色体の中へと組込まれる。相同的組み換えのための技法は周知であり、また例えば以下の文献に記述されている。Baloglu S、Boyle SM,et al.(Immune responses of mice to vaccinia virus recombinants expressing either Listeria monocytogenes partial listeriolysin or Brucella abortus ribosomal L7/L12 protein.Vet Microbiol 2005, 109(1−2):11−7);およびJiang LL, Song HH, et al. (Characterization of a mutant Listeria monocytogenes strain expressing green fluorescent protein.Acta Biochim Biophys Sin (Shanghai) 2005, 37(1):19−24) 別の実施形態では、相同的組み換えを米国特許第6,855,320号に記述されるように実施した。この場合、E7を発現する組み換え型リステリア・モノサイトゲネス株は、hlyプロモータの制御下で、また遺伝子生成物の分泌を確保するためにhlyシグナル配列を含むことによって、E7遺伝子の染色体組込によって作成され、Lm−AZ/E7と称される組み換え型を得る。別の実施形態では、温度感受性プラスミドは、組み換え型を選択するために使用される。各々の技法は本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、構築体または核酸分子はトランスポゾン挿入を使用してリステリア染色体の中へと組込まれる。トランスポゾン挿入の技法は当該技術分野で周知であり、とりわけ以下のSunらの文献 DP−L967の構造における(Infection and Immunity 1990, 58: 3770−3778)に記載されている。トランスポゾン突然変異生成は、別の実施形態では、安定したゲノム挿入変異体を形成することができるという有利点を有するが、外来性遺伝子が挿入されるゲノム内の位置が未知であるという不利点を有する。
別の実施形態では、構築体または核酸分子は、ファージ組み込み部位を使用してリステリアの染色体の中へと組込まれる(Lauer P, Chow MY et al,Construction,characterization,and use of two Listeria monocytogenes site−specific phage integration vectors.J Bacteriol 2002;184(15): 4177−86)。この方法のある特定の実施形態では、異種遺伝子を、ゲノム内の任意の適切な部位であってもよい、対応する付着部位(例えば、comKまたはarg tRNA遺伝子の3’末端)の中へとインサートするために、バクテリオファージ(例えば、U153またはPSAリステリオファージ)のインテグラーゼ遺伝子および付着部位が使用される。別の実施形態では、内因性のプロファージは構築体または異種遺伝子組込の前に利用された付着部位から回復した。別の実施形態では、この方法は結果として単一コピー組み込み体をもたらす。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、様々なプロモータのうちの1つが、これを含有する抗原または融合タンパク質を発現するために使用される。一実施形態では、リステリア・モノサイトゲネスプロモータが使用され、例えば、リステリアのタンパク質溶血素、actA、ホスホチジルイノシトールに特異的なホスホリパーゼ、ホスホリパーゼC、およびメタロプロテアーゼをそれぞれコードする遺伝子hly、actA、plca、plcB、およびmplのためのプロモータである。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明の方法および組成物は、本発明のHER2キメラタンパク質またはLLO配列の相同体を利用する。別の実施形態では、本発明の方法および組成物はヒト以外の哺乳類のHER2キメラタンパク質を利用する。「相同性」、「相同の」等々という用語は、いずれかのタンパク質またはペプチドに関するとき、一実施形態では、最大パーセントの相同性を達成するため、配列同一性の部分としていかなる保存的置換も考慮せずに、必要に応じて配列をアラインしギャップを導入した後の対応する未変性ポリペプチドの残基と同一の候補配列中のアミノ酸残基のパーセンテージを指す。アラインメントのための方法およびコンピュータープログラムは当該技術分野で周知である。
別の実施形態では、「相同性」という用語は、いずれかの核酸配列を参照するとき、対応する未変性核酸配列のヌクレオチドと同一である候補配列中のヌクレオチドのパーセンテージを同様に示す。
別の実施形態では、本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする孤立核酸を本発明は提供する。一実施形態では、孤立核酸は少なくとも65%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも75%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも85%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも90%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも95%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも97%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。別の実施形態では、孤立核酸は少なくとも99%の相同性を本発明のシグナルペプチドもしくは組み換え型ポリペプチドまたは融合タンパク質をコードする核酸と共有する配列を含む。
一実施形態では、当該技術分野において適切に記述される方法によって、相同性は配列アライメントに対してコンピューターアルゴリズムによって決定される。例えば、核酸配列相同性のコンピューターアルゴリズム解析は入手可能な任意の数のソフトウェアパッケージの利用を含む場合があり、これらは、例えば、BLAST、DOMAIN、BEAUTY(BLAST増強アラインメントユーティリティ)、GENPEPT、およびTREMBLパッケージなどである。
別の実施形態では、「相同性」は本明細書に提供される配列(核酸またはアミノ酸配列)から選択された配列との同一性が65%より大きいことを指す。別の実施形態では、「相同性」は本明細書に提供される配列から選択された配列との同一性が70%より大きいことを指す。別の実施形態では、同一性は75%より大きい。別の実施形態では、同一性は78%より大きい。別の実施形態では、同一性は80%より大きい。別の実施形態では、同一性は82%より大きい。別の実施形態では、同一性は83%より大きい。別の実施形態では、同一性は85%より大きい。別の実施形態では、同一性は87%より大きい。別の実施形態では、同一性は88%より大きい。別の実施形態では、同一性は90%より大きい。別の実施形態では、同一性は92%より大きい。別の実施形態では、同一性は93%より大きい。別の実施形態では、同一性は95%より大きい。別の実施形態では、同一性は96%より大きい。別の実施形態では、同一性は97%より大きい。別の実施形態では、同一性は98%より大きい。別の実施形態では、同一性は99%より大きい。別の実施形態では、同一性は100%である。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
別の実施形態では、相同性は、候補配列ハイブリダイゼーションの決定を介し決定され、その方法は当業者によりよく記述されている(例えば、“Nucleic Acid Hybridization” Hames, B. D., and Higgins S. J., Eds.(1985); Sambrook et al., 2001, Molecular Cloning, A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, N.Y.; and Ausubel et al., 1989, Current Protocols in Molecular Biology, Green Publishing Associates and Wiley Interscience, N.Yを参照)。例えば、ハイブリダイゼーションの方法は、未変性カスパーゼペプチドをコードするDNAの補体に対して中程度からストリンジェントな条件下で実行される場合がある。例えば、ハイブリダイゼーション条件は、10〜20%のホルムアミド、5×SSC(150mMのNaCl、15mMのクエン酸三ナトリウム)、50mMのリン酸ナトリウム(pH7.6)、5×デンハート液、10%の硫酸デキストラン、および20μg/mLの変性断片化サケ精子DNAを含む溶液中42℃にて一晩のインキュベーションである。
本発明の一実施形態では、「核酸」は少なくとも2つの塩基−糖−リン酸塩の組合せのストリングを指す。一実施形態では、この用語はDNAおよびRNAを含む。一実施形態では、「ヌクレオチド」は核酸高分子の単量体単位を指す。一実施形態では、RNAは、tRNA(転移RNA)、snRNA(核内低分子RNA)、rRNA(リボソームRNA)、mRNA(メッセンジャーRNA)、アンチセンスRNA、阻害的低分子RNA(siRNA)、マイクロRNA(miRNA)、およびリボザイムの形態をとる。siRNAおよびmiRNAの使用が記述される(Caudy AA et al,Genes & Devel 16:2491−96およびそこに引用された参考文献)。DNAは、プラスミドDNA、ウイルスDNA、線状DNA、もしくは染色体DNAの形態、またはこれらの群の誘導体であってもよい。さらに、DNAおよびRNAのこれらの形態は、1本鎖、2本鎖、3本鎖、または4本鎖であってもよい。別の実施形態では、この用語は他の種類のバックボーンであるが同一の塩基を含有する人工核酸も含む。一実施形態では、この人工核酸はPNA(ペプチド核酸)である。PNAはペプチドバックボーンおよびヌクレオチド塩基を含有し、一実施形態では、DNAおよびRNA分子に結合することができる。別の実施形態では、このヌクレオチドはオキセタン修飾される。別の実施形態では、ヌクレオチドは1つ以上のホスホジエステル結合をホスホロチオエート結合で置き換えることによって修飾される。別の実施形態では、人工核酸は当該技術分野で既知の未変性の核酸のリン酸バックボーンの任意の他の変異体を含有する。ホスホロチオエート核酸およびPNAの使用は、当業者に既知であり、また例えば、Neilsen PE,Curr Opin Struct Biol 9:353−57、およびRaz NK et al Biochem Biophys Res Commun.297:1075−84に記述される。核酸の生産および使用は、当業者には既知であり、また例えば、Molecular Cloning,(2001),Sambrook and Russell, eds.およびMethods in Enzymology:Methods for molecular cloning in eukaryotic cells(2003)Purchio and G. C. Fareedに記述される。各々の核酸誘導体は、本発明の別個の実施形態を表す。
本明細書に列挙された任意のアミノ酸配列に対するタンパク質および/またはペプチド相同性は、一実施形態では、免疫ブロット解析を含む当該技術分野において適切に記述される方法によって、または確立された方法を介して利用可能な任意の数のソフトウェアパッケージを利用したアミノ酸配列のコンピューターアルゴリズム解析を介して決定される。これらのパッケージのうちのいくつかはFASTA、BLAST、MPsrch、またはScanpsパッケージを含んでもよく、また例えば、スミス−ウォーターマンアルゴリズムの使用、および/または解析のための広範囲/局所的もしくはBLOCKSアラインメントを採用してもよい。各々の相同性を決定する方法は、本発明の別個の実施形態を表す。
別の実施形態では、本発明は、発明の方法を実施するうえで利用される試薬を含むキットを提供する。別の実施形態では、本発明は、本発明の組成物、ツール、または器具を含むキットを提供する。
一実施形態では、「接触させる」または「投与する」という用語は本発明の組成物にガン細胞または腫瘍を直接的に接触させることを指す。別の実施形態では、この用語は、本発明の組成物にガン細胞または腫瘍を間接的に接触させることを指す。別の実施形態では、本発明の方法は、被験体に本発明の組成物を接触させ、その後、これによって化合物が体内を循環する当該技術分野で既知の拡散または任意の他の能動輸送もしくは受動輸送プロセスによって、組成物がガン細胞または腫瘍に接触させられる方法を含む。
別の実施形態では、本発明の方法は本発明の組成物の少なくとも単回投与を含んでもよく、別の実施形態では、本発明の方法は本発明の組成物の複数の投与を含んでもよい。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明は、組み換え型リステリアが1回だけ投与される方法を提供する。別の実施形態では、リステリアは2回投与される。別の実施形態では、リステリアは3回投与される。別の実施形態では、リステリアは4回投与される。別の実施形態では、リステリアは5回以上投与される。別の実施形態では、リステリアは複数回投与される。別の実施形態では、リステリアは一定の間隔で施され、一方一実施形態では、毎日、隔週、3週間毎、または毎月であってもよい。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、本発明は、放射線療法が1回だけ施される方法を提供する。別の実施形態では、放射線療法は2回施される。別の実施形態では、放射線療法は3回施される。別の実施形態では、放射線療法は4回施される。別の実施形態では、放射線療法は5回以上施される。別の実施形態では、放射線療法は複数回施される。別の実施形態では、放射線療法は一定の間隔で施され、一方一実施形態では、毎日、隔週、3週間毎、または毎月であってもよい。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
一実施形態では、放射線療法は、組み換え型弱毒化リステリアの投与よりも前に施される。別の実施形態では、放射線療法は、組み換え型弱毒化リステリアの最初の投与よりも前に2回施される。別の実施形態では、放射線療法は、組み換え型弱毒化リステリアの最初の投与よりも前に3回施される。
別の実施形態では、組み換え型弱毒化リステリアは、放射線療法の実施よりも前に投与される。別の実施形態では、組み換え型弱毒化リステリアは、放射線療法の最初の実施よりも前に2回投与される。別の実施形態では、組み換え型弱毒化リステリアは、放射線療法の最初の実施よりも前に3回投与される。
別の実施形態では、「遺伝子」および「組み換え型遺伝子」という用語は、本発明のポリペプチドをコードするオープンリーディングフレームを含む核酸分子を指す。かかる自然の対立遺伝子変異は、典型的には所与の遺伝子のヌクレオチド配列中に1〜5%の変異を生じる。数多くの異なる個体または生物体の中の対象となる遺伝子を配列決定することによって、代替的な対立遺伝子を同定することができる。これはハイブリダイゼーションプローブを使用して、様々な個体または生物体中の同一の遺伝子座を識別するために、容易に実行することができる。自然の対立遺伝子変異の結果であり、また機能活性を変更しない、ありとあらゆるかかるヌクレオチドの変種および結果として得られるアミノ酸多型もしくは変種が本発明の範囲内であることが意図される。
医薬組成物
用語「免疫原性組成物」、「組成物」および「医薬組成物」は、同じ意味で使用してもよいことが当業者により理解されるであろう。本明細書にさらに提供されるように、かかる組成物の投与が免疫応答を強化する、またはTエフェクター細胞に対する調節性T細胞の比を増加するもしくは抗腫瘍免疫応答を引き出すことも理解されるべきである。
一実施形態では、本明細書に提供される免疫原性組成物は、本明細書に提供される組み換え型リステリアを含む。
一実施形態では、「併用療法」は、本明細書の組み換え型リステリアを含む組成物の投与と併せて、または先立って施される本明細書に記載の放射線療法の組み合わせを指す。
別の実施形態では、非経口的に、ガン近傍に、経粘膜的に、経皮的に、筋肉内に、静脈内に、皮内に、皮下に、腹腔内に、脳室内に、頭蓋内に、腟内に、または腫瘍内になどの当業者に既知の任意の方法によって、本発明のワクチンおよび組成物を含有する医薬組成物を被験体に投与する。
本明細書に提供される方法および組成物の別の実施形態では、ワクチンまたは組成物は経口で投与され、したがってこれは経口投与に好適な形態、すなわち固形調製物または液状調製物で処方される。好適な固形の経口剤形としては、錠剤、カプセル、丸薬、顆粒、ペレット、およびこれに類するものが挙げられる。好適な液状の経口剤形としては、溶液、懸濁液、分散剤、エマルション、オイル、およびこれに類するものが挙げられる。本発明の別の実施形態では、活性成分はカプセルで処方される。この実施形態によると、本発明の組成物は活性化合物および不活性担体または希釈剤に加えて、硬いゼラチンカプセルを含む。
別の実施形態では、ワクチンまたは組成物は、液状調製物の静脈内、動脈内、または筋肉内注射によって投与される。好適な液体剤形としては、溶液、懸濁液、分散剤、エマルション、オイルおよびこれに類するものが挙げられる。
一実施形態では、医薬組成物は静脈内に投与され、したがって静脈内投与に好適な形態で処方される。別の実施形態では、医薬組成物は動脈内に投与され、したがって動脈内投与に好適な形態で処方される。別の実施形態では、医薬組成物は筋肉内に投与され、したがって筋肉内投与に好適な形態で処方される。
一実施形態では、腫瘍退行を達成するために、第1の処置の過程にすぐ引き続いて、または数日、数週間、または数か月の間隔の後、本発明の組成物の繰返し投与(ブースター投与量)を行ってもよい。別の実施形態では、腫瘍増殖の抑制を達成するために、第1の処置の過程にすぐ引き続いて、または数日、数週間、または数か月の間隔の後、繰返し投与を行ってもよい。撮像技法、血清腫瘍マーカーの解析、生検、または腫瘍に伴う症状の存在、不在、または寛解などの診断方法を含む当該技術分野で既知の任意の技法によって評価を決定してもよい。
一実施形態では、意図した抗腫瘍応答を達成するため、被験体に1〜2週間毎、2〜3週間毎、3〜4週間毎、4〜5週間毎、6〜7週間毎、7〜8週間毎、8〜9週間毎、または9〜10週間毎にブースター投与量を投与する。一実施形態では、意図した抗腫瘍応答を達成するため、被験体に1〜2ヶ月毎、2〜3ヶ月毎、3〜4ヶ月毎、4〜5ヶ月毎、6〜7ヶ月毎、8〜9ヶ月毎、または9〜10ヶ月毎にブースター投与量を投与する。
一実施形態では、「治療する」という用語は疾患を治癒することを指す。別の実施形態では、「治療する」とは疾患を防止することを指す。別の実施形態では、「治療する」とは疾患の発生率を低下させることを指す。別の実施形態では、「治療する」とは疾患の症状を軽快することを指す。別の実施形態では、「治療する」とは患者のパフォーマンスのない生存率または全体的な生存率が増加することを指す。別の実施形態では、「治療する」とは疾患の進行を安定させることを指す。別の実施形態では、「治療する」とは寛解を誘発することを指す。別の実施形態では、「治療する」とは疾患の進行を減速することを指す。別の実施形態では、「低下させる」、「抑制する」、および「阻害する」という用語は、より少なくすることまたは減らすことを指す。各々の可能性は別個の本発明の実施形態を表す。
本明細書で使用される時、「約」という用語は定量的な用語プラスまたはマイナス5%を意味し、別の実施形態ではプラスまたはマイナス10%を意味し、別の実施形態ではプラスまたはマイナス15%を意味し、別の実施形態ではプラスまたはマイナス20%を意味する。
「被験体」という用語は、症状もしくはその後遺症に対するまたはその症状になりやすいことに対する療法を必要とする、成人のヒト、またはヒトの子ども、ティーンエージャー、もしくは青年を含むことができ、これはイヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ラット、およびマウスなどのヒト以外の哺乳類を包含してもよいことを当業者は理解するべきである。この用語が家畜を包含してもよいことも理解されるであろう。「被験体」という用語は、あらゆる点で正常な個体を除外しない。
一実施形態では、「被験体」という用語は切断術を行うことができないイヌ科の動物も包含する。別の実施形態では、「被験体」という用語は外科手術を行うことができないヒトも包含する。別の実施形態では、「被験体」という用語は切断術を行うことができないヒトも包含する。
治療の目的については、[哺乳類」という用語は哺乳類と分類されたあらゆる動物を指し、ヒト、飼育動物および家畜物、ならびに動物園の動物、スポーツ用の動物、または愛玩用動物(イヌを含むイヌ科の動物、およびウマ、ネコ、ウシ、ブタ、ヒツジ等々など)を含むがこれに限定されないことを当業者は理解するであろう。
腫瘍の治療に関して「治療的に有効な量」とは、以下の効果のうちの1つ以上を引き起こす能力を有する量を指す。(1)増殖の減速および完全な増殖停止を含むある程度の腫瘍増殖の阻害、(2)腫瘍細胞の数の減少、(3)腫瘍サイズの減少、(4)周辺器官への腫瘍細胞の浸潤の阻害(すなわち、減少、減速、または完全な停止)、(5)転移の阻害(すなわち、減少、減速、または完全な停止)、(6)腫瘍の退行もしくは拒絶をもたらす場合があるが、必ずしもそうでなくてもよい、抗腫瘍免疫応答の強化、および/または(7)障害に関連した1つ以上の症状のある程度の軽減。腫瘍の治療の目的については、本明細書に提供されるワクチンの「治療的に有効な量」は、経験的におよび習慣的な様式で決定される場合がある。
一実施形態では、本発明の方法における使用のための組成物は代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含み、前記代謝酵素は前記組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補する。別の実施形態では、代謝酵素は、前記組み換え型弱毒化リステリア株の染色体を欠いている内因性の遺伝子を相補する。
一実施形態では、「変異した(mutated)」または「変異体(mutant)」は欠失について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は不活性化について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は切断について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は添加について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は置換について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は未熟終止コドンの挿入について説明する。別の実施形態では、「変異した」または「変異体」は遺伝子の発現を妨害する遺伝子内の1つまたは複数の核酸の変更について説明する。
一実施形態では、「放射線療法(radiation therapy)」または「放射線療法(radiotherapy)」は、腫瘍細胞を制御または根絶するガン治療の一部としての電離放射線の医学的使用を指す。放射線療法は、治癒的、アジュバント、または対症療法のために使用されてもよい。放射線療法の適切な型として、従来の体外照射療法、定位放射線治療(例えば、アクセス(Axesse)、サイバーナイフ、ガンマナイフ、ノバリス、Primatom、シナジー、X−ナイフ、トモセラピーまたはトリロジー)、強度変調放射線療法、重粒子線がん治療、(例えば、陽子線治療)、密封小線源治療、放射性同位元素の送達、術中照射、オージェ療法、強度変調回転放射線治療(VMAT)、仮想シミュレーション、三次元原体照射療法、および強度変調放射線療法等が挙げられる。このリストは限定を意味するものではないことが理解されるべきである。
一実施形態では、放射線療法は、高エネルギー放射線を使用することによって、腫瘍を縮小し、がん細胞を死滅させる。一実施形態では、X線、ガンマ線、荷電粒子は、ガン治療に使用することができる放射線の種類である。一実施形態では、放射線療法はガン細胞を、それらのDNAに直接損傷を与えることまたは順番にDNAに損傷を与えることができる細胞内の遊離基を生成することにより死滅させる。
一実施形態では、放射線は、体外の機械によって送達することができ(定位体外照射療法)、または別の実施形態では、ガン細胞の近くの体内に配置された放射性物質から発せられるものであってよい(内部放射線療法(近接照射療法とも呼ばれる))。
一実施形態では、全身放射線療法は、ガン細胞を死滅させるために血液中を移動する放射性ヨウ素などの放射性物質を使用する。
一実施形態では、本発明は、骨肉腫等の放射線不感受性ガンを、より短い放射線治療時間しか必要とないので通常放射線治療に関連する副作用を軽快するレジメンでの組み換え型リステリアの投与等の免疫療法と標準的な放射線との組み合わせ(併用)により同時に治療する方法を提供する。
一実施形態では、放射線は、AECL、サイラトロン80、バリアン社製リニアック4またはバリアン社製リニアックなどの標準的な超高圧機器を伴う標準的な技術により本発明に従い投与される。一実施形態では、放射線ポータルの最大サイズは300cmを超えてはならない。一実施形態では、適切な用量は、治療体の面積に応じた特定の用量で、約15Gyないし35Gyである。従って、脊髄への用量は約35Gyであろうが、両側の腎臓への用量は約15Gy、肝臓全体への用量は20Gyであろう。治療の中断は、放射線療法への患者の耐性を考慮した臨床医の裁量である。
別の実施形態では、併用療法における放射線量が順次に投与される。別の実施形態では、併用療法における放射線量が、本明細書に例示した通り(実施例11を参照)、連続した日に投与される。別の実施形態では、本明細書の実施例に例証した通り(実施例11を参照)、ADXS31−164の複数回投与(最大8回)の実施が3週間に一度行われたのに先立ち、併用療法における8Gyの放射線量が連日、合計16Gy投与される。別の実施形態では、本明細書の実施例に例証した通り(実施例11を参照)、最高3.3×のADXS31−164の複数回投与(最大8回)が3週間に一度行われたのに先立ち、併用療法における8Gyの放射線量が連日、合計16Gy投与される。別の実施形態では、本明細書の実施例に例証した通り(実施例11を参照)、3.3×のADXS31−164の複数回投与(最大8回)3週間に一度行われたのに先立ち、併用療法における8Gyの放射線量が連日、合計16Gy投与される。
別の実施形態では、本明細書の実施例に例証した通り(実施例11を参照)、3.3×10のADXS31−164の複数回投与(最大8回)の実施が3週間毎に一度行われたのに先立つ、併用療法における8Gyの放射線量は連日であり、合計16Gyの用量である。
一実施形態では、本明細書に提供されるADXS31−164の複数回投与は、1〜8、8〜15、15〜25、または意図された治療目標を達成するために必要な数である。
一実施形態では、本明細書に提供される併用療法のために投与される総放射線量は70〜80Gyの範囲である。別の実施形態では、本明細書に提供される併用療法のために投与される総放射線量は10〜26Gyの範囲である。別の実施形態では、10〜26Gyの範囲の放射線量が順次に投与される。一実施形態では、シーケンスは、毎時、毎日、毎週または隔週であってもよい。一実施形態では、70〜80Gyの範囲の放射線量が順次に投与される。別の実施形態では、10〜26Gyの範囲の放射線量が投与される。別の実施形態では、放射線量は大人の男性につき、約α/β=5.4Gy、μ=1.73 Gy−1である。
一実施形態では、併用療法の一部として本発明に記載の放射線治療は緩和的放射線療法である。一実施形態では、放射線療法は、緩和目的で与えられてもよい。一実施形態では、対症療法は、症状を緩和し、ガンまたは腫瘍によって引き起こされる苦痛を軽減することを意図している。別の実施形態では、併用療法の一部として本明細書に記載される放射線療法は、ガンまたは腫瘍を治療することを意味する。
以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態をより完全に例示するために提示される。しかしながら、これらは本発明の幅広い範囲を制限するものとはけっして理解するべきでない。
実施例
材料および方法
オリゴヌクレオチドは、インビトロジェン(米国カリフォルニア州カールスバッド)によって合成され、またDNA配列決定は、ジーンウィズ・インコーポレーテッド(Genewiz Inc)(米国ニュージャージー州サウス・プレインフィールド)によって行われた。フローサイトメトリー試薬は、ベクトン・ディッキンソン・バイオサイエンス(Becton Dickinson Biosciences)(BD,米国カリフォルニア州サンディエゴ)から購入した。細胞培養培地、補助剤および他のすべての試薬は、示されない限りシグマ(Sigma)(米国ミズーリ州セントルイス)から入手した。HER2/neu HLA−A2ペプチドは、EZバイオラボ(EZbiolabs)(米国インディアナ州ウエストフィールド)によって合成された。完全なRPMI 1640(C−RPMI)培地は、2mMグルタミン、0.1mM非必須アミノ酸、および1mMのピルビン酸ナトリウム、10%ウシ胎児血清、ペニシリン/ストレプトマイシン、Hepes(25mM)を含有した。多クローン性の抗LLO抗体が以前に記述され、抗HER2/neu抗体はシグマから購入した。
マウスおよび細胞株
すべての動物実験は、ペンシルバニア大学またはラトガース大学において、IACUCによって認可されたプロトコルに従って実施した。FVB/Nマウスは、ジャクソン・ラボラトリーズ(Jackson laboratories)(米国メーン州バー・ハーバー)から購入した。ラットHER2/neu腫瘍性タンパク質を過剰発現するFVB/N HER2/neuトランスジェニックマウスは、ペンシルバニア大学の動物コア施設で収容および飼育された。NT−2腫瘍細胞株は高いレベルのラットHER2/neuタンパク質を発現し、これはこれらのマウスの自然発生的な乳腺腫瘍に由来し、以前記述したように増殖した。DHFR−G8(3T3/neu)細胞はATCCから得られ、ATCCの推奨に従って増殖した。EMT6−Luc細胞株は、John Ohlfest博士(ミネソタ大学,米国ミネソタ州)からの寛大な供与物であり、また完全なC−RPMI培地中で増殖した。生物発光の作業は、ペンシルバニア大学(米国ペンシルバニア州フィラデルフィア)の小動物イメージング施設(Small Animal Imaging Facility:SAIF)によるガイダンスに従って実行された。
リステリア構築体および抗原発現
HER2/neu−pGEM7Zは、親切にもUniversity of PennsylvaniaのMark Greene博士によって提供され、これはpGEM7Zプラスミド(Promega、米国ウィスコンシン州Madison)へとクローニングされた全長のヒトHER2/neu(hHer2)遺伝子を含んでいた。このプラスミドは、PCRによってpfx DNAポリメラーゼ(インビトロジェン)および表2に示されるオリゴを使用して、hHer−2/neuの3つの区分、すなわちEC1、EC2、およびIC1を増幅するためのテンプレートとして使用された。
Her−2/neuキメラ構築体はSOEing PCR法およびテンプレートとしての各々の別個のhHer−2/neu区分による直接融合によって生成された。プライマーを表3に示す。
ChHer2遺伝子は、XhoIおよびSpeI制限酵素を使用してpAdv138から切り離され、Lmddシャトルベクター、pAdv134で、LLOの切断非溶血性断片を用いてインフレームでクローニングされた。インサート、LLO、およびhlyプロモータの配列はDNAシークエンシング解析によって確認された。このプラスミドは電子コンピテントActA、dal、dat突然変異体リステリア・モノサイトゲネス株、LmddAへと電気穿孔され、ストレプトマイシン(250μg/mL)を含有するブレインハートインフージョン(BHI)寒天培養基プレート上で陽性クローンが選択された。いくつかの実験では、hHer2/neu(Lm−hHer2)断片を発現する類似のリステリア株が比較の目的で使用された。これらは以前に記述した。すべての研究で、無関連リステリア構築体(Lm対照)が、免疫系でリステリアの抗原と無関係な効果を説明するために含まれる。Lm対照は、ADXS31−164と同一のリステリアプラットフォームに基づくが、HPV16−E7またはNY−ESO−1などの異なる抗原を発現した。融合タンパク質のリステリアからの発現および分泌が試験された。各々の構築体はインビボで2回継代された。
細胞毒性アッセイ
3〜5匹のFVB/Nマウスの群が、1×10コロニー形成単位(CFU)のLm−LLO−ChHer2、ADXS31−164、Lm−hHer2 ICI、またはLm対照(無関連抗原を発現する)を用いて一週間間隔で3回免疫化されるか、または無処置のままとされた。NT−2細胞をインビトロで増殖させ、トリプシンで取り出し、マイトマイシンC(血清を含まないC−RPMI媒体中250μg/mL)で37℃にて45分間処置した。5回洗浄した後、これらを免疫化した動物または無処置の動物から採取した脾細胞を用いて1:5の比(刺激薬:レスポンダー)で5日間、37℃および5%CO2で共インキュベートした。標的として3T3/neu(DHFR−G8)細胞のラベルが付いているユーロピウムを使用して、前述した方法により、標準的な細胞毒性アッセイを実施した。4時間のインキュベーションの後、分光光度計(パーキンエルマー(Perkin Elmer),Victor2)を590nmにて使用して、死滅した標的細胞から放出されたユーロピウムを測定した。特異的な溶解のパーセントが(実験群での溶解−自然発生的溶解)/(最大溶解−自然発生的溶解)として定義された。
免疫化マウスからの脾細胞によるインターフェロン−γ分泌
3〜5匹のFVB/NまたはHLA−A2トランスジェニックマウスの群が、1×10CFUのADXS31−164、陰性リステリア対照(無関連抗原を発現する)を用いて一週間間隔で3回免疫化されるか、または無処置のままとされた。最後の免疫化の一週間後、FVB/Nマウスからの脾細胞が分離され、5×10細胞/ウェルにて24ウェルプレートでマイトマイシンCで処置したNT−2細胞の存在下でC−RPMI培地中で共培養された。HLA−A2トランスジェニックマウスからの脾細胞は、1μMのHLA−A2特異的なペプチドまたは1μg/mLの組み換え型Hisタグ付きChHer2タンパク質(大腸菌内で生産され、ニッケルベースのアフィニティークロマトグラフィーシステムによって精製された)の存在下でインキュベートされた。上清からのサンプルが24時間または72時間後に得られ、インターフェロン−γ(IFN−γ)の存在について、製造業者の推奨に従ってマウスIFN−γ酵素にリンクした免疫吸着剤アッセイ(ELISA)キットを使用して試験した。
INF−γ ELISpotアッセイ
各々の表示された時点での凍結保存したPBMCを解凍し、37℃で一晩置き、次いで計数した。キメラ型ワクチン、および組み換え型ヒトIL−2(インビトロジェン,米国メリーランド州フレドリック)の中に存在するHER2/NeuのEC1、EC2、およびIC1ドメインを代表する重複ヒトHER2/Neuペプチド(5アミノ酸によって11merが重複する)の2.5μMのプールを用いて細胞を5日間にわたって刺激した。細胞を採取し、1×のPBS中で2回洗浄し、計数した。製造業者のプロトコルに従って市販のイヌのIFN−γ ELISpotアッセイキット(R&Dシステムズ社(R&D Systems),米国ミネソタ州ミネアポリス)を使用して、IFN−γ ELISpotアッセイを遂行した。簡潔に述べると、0.8−2×10の刺激された細胞を2.5μMのEC1、EC2、またはIC1ペプチドプールプラスIL−2を用いて、またはIL−2を単独で用いてインキュベートした(バックグラウンド計数を決定するため)。すべてのアッセイを2回ずつ遂行した。製造業者の取扱い説明書に従ってプレートを発色させた。CTL−Immunospotアナライザー(C.T.L社,米国オハイオ州シェーカーハイツ)を使用してスポットを計数した。刺激していないウェルで計数したスポットの数を2回差し引くことによってスポットの数を正規化した。
Her2トランスジェニック動物での腫瘍研究
生後6週間のFVB/NラットHER2/neuトランスジェニックマウス(9〜14/群)に5×10CFUのLm−LLO−ChHer2、ADXS31−164、またはLm対照を6回免疫化した。これらを、自然発生的な乳腺腫瘍の出現について週に2回観察し、これらは最高52週間まで電子カリパスを使用して測定された。平均直径が1cmのサイズに達したとき、エスケープした腫瘍を切り離し、RNAlater内で−20℃にて保存した。これらの腫瘍のエスケープ上のHER2/neuタンパク質内の突然変異の効果を決定するために、ゲノムDNA分離キットを使用してゲノムDNAを抽出し、配列決定した。
脾臓および腫瘍内の調節性T細胞へのADXS31−164の効果
マウスに1×10NT−2細胞を皮下(s.c.)で移植した。7日目、14日目、および21日目に、これらに1×10CFUのADXS31−164、LmddA対照で免疫化、または無処置のままにした。28日目に腫瘍および脾臓を抽出し、FACS解析によってCD3/CD4/FoxP3Tregの存在について試験した。簡潔に述べると、C−RPMI培地中で2枚のガラススライドの間で脾臓を均質化することによって脾細胞を分離した。滅菌したカミソリの刃を使用して腫瘍を細かく刻み、PBS中にDNase(12U/mL)およびコラゲナーゼ(2mg/mL)を含有するバッファーを用いて消化した。室温にて撹拌しながら60分間インキュベーションした後で、細胞を激しいピペッティングによって分離した。赤血球をRBC溶解バッファーによって溶解し、続いて10%FBSを含有する完全なRPMI−1640培地を用いて数回洗浄した。ナイロンメッシュを通した濾過の後、腫瘍細胞および脾細胞をFACSバッファー(2%FBS/PBS)中で再懸濁し、抗CD3−PerCP−Cy5.5、CD4−FITC、CD25−APC抗体を用いて染色し、続いて抗Foxp3−PEを用いて透過処理および染色した。4色FACSキャリバー(BD)を使用してフローサイトメトリー解析を実施し、cell questソフトウェア(BD)を使用してデータを解析した。
統計的解析
生存データに対して対数順位χ二乗検定を使用し、CTLおよびELISAアッセイに対してスチューデントのt検定を使用し、これらを3回行った。これらの解析では、0.05未満(*印をつけた)のp値は統計的に有意であると考えられる。Prismソフトウェア、V.4.0a(2006)またはSPSSソフトウェア、V.15.0(2006)のいずれかを用いてすべての統計的な解析が行われた。別段の記載がない限り、すべてのFVB/NラットHER2/neuトランスジェニック研究のために、群あたり8〜14匹のマウスを使用し、すべての野生型FVB/N研究のために、群あたり少なくとも8匹のマウスを使用した。HER2/neuトランスジェニックマウスモデルの長期腫瘍研究を除いて、すべての研究を少なくとも1回は繰り返した。
実施例1:
Her−2断片に融合されたLLO断片を分泌するL.モノサイトゲネス株の発生:ADXS31−164の構築。
キメラHER2/neu遺伝子(ChHer2)の構築については前述した。簡潔に述べると、ChHer2遺伝子は、SOEing PCR法によって、HER2/neuタンパク質の2つの細胞外断片(aa40〜170およびaa359〜433)と1つの細胞内断片(aa678〜808)との直接融合によって生成された。キメラタンパク質は、タンパク質の既知のヒトMHCクラスIエピトープのほとんどを有する。ChHer2遺伝子は、プラスミド、pAdv138(これは構築体Lm−LLO−ChHer2に使用される)から切り離され、LmddAシャトルプラスミドへとクローニングされ、結果としてプラスミドpAdv164が得られる(図1A)。これらの2つのプラスミドバックボーンの間には2つの大きい違いがある。1)組み換え型細菌のインビトロでの選択のためにpAdv138はクロラムフェニコール耐性マーカー(cat)を使用しているが、pAdv164はバシラスサチリスからのD−アラニン・ラセマーゼ遺伝子(dal)を寄生し、これはdal−dat遺伝子を欠いているLmddA株内でインビトロでの選択のためおよびインビボでのプラスミド保持のために代謝相補経路を使用する。このワクチンプラットフォームは、FDAによる改変リステリアワクチン株の抗生物質抵抗性についての憂慮に対処するために設計および開発された。2)pAdv138とは異なり、これはインビボでのLmdd株の相補に必要ないので、プラスミド(以下の配列および図1Aを参照)中でpAdv164はprfA遺伝子のコピーを寄生しない。LmddAワクチン株も、actA遺伝子(リステリア細胞内移動、および細胞から細胞への拡散を担当する)を欠いているので、このバックボーンに由来する組み換え型ワクチン株は、その親株であるLmddに由来するものより病毒性が100倍少ない。LmddAベースのワクチンは、免疫化マウスの脾臓からのLmddベースのワクチンよりもずっと速く(48時間未満の間に)除去される。この株からの融合タンパク質tLLO−ChHer2の発現および分泌は、インビトロで8時間増殖したTCA沈殿した細胞培養上清の中のLm−LLO−ChHer2のもの(図1B)と同等であり、ウエスタンブロット解析を使用して約104KDの帯域として抗LLO抗体によって検出される。ネガティブコントロールとしてtLLOのみを発現するリステリアバックボーン株が使用される。
pAdv164配列(7075塩基対)(図1を参照):
cggagtgtatactggcttactatgttggcactgatgagggtgtcagtgaagtgcttcatgtggcaggagaaaaaaggctgcaccggtgcgtcagcagaatatgtgatacaggatatattccgcttcctcgctcactgactcgctacgctcggtcgttcgactgcggcgagcggaaatggcttacgaacggggcggagatttcctggaagatgccaggaagatacttaacagggaagtgagagggccgcggcaaagccgtttttccataggctccgcccccctgacaagcatcacgaaatctgacgctcaaatcagtggtggcgaaacccgacaggactataaagataccaggcgtttccccctggcggctccctcgtgcgctctcctgttcctgcctttcggtttaccggtgtcattccgctgttatggccgcgtttgtctcattccacgcctgacactcagttccgggtaggcagttcgctccaagctggactgtatgcacgaaccccccgttcagtccgaccgctgcgccttatccggtaactatcgtcttgagtccaacccggaaagacatgcaaaagcaccactggcagcagccactggtaattgatttagaggagttagtcttgaagtcatgcgccggttaaggctaaactgaaaggacaagttttggtgactgcgctcctccaagccagttacctcggttcaaagagttggtagctcagagaaccttcgaaaaaccgccctgcaaggcggttttttcgttttcagagcaagagattacgcgcagaccaaaacgatctcaagaagatcatcttattaatcagataaaatatttctagccctcctttgattagtatattcctatcttaaagttacttttatgtggaggcattaacatttgttaatgacgtcaaaaggatagcaagactagaataaagctataaagcaagcatataatattgcgtttcatctttagaagcgaatttcgccaatattataattatcaaaagagaggggtggcaaacggtatttggcattattaggttaaaaaatgtagaaggagagtgaaacccatgaaaaaaataatgctagtttttattacacttatattagttagtctaccaattgcgcaacaaactgaagcaaaggatgcatctgcattcaataaagaaaattcaatttcatccatggcaccaccagcatctccgcctgcaagtcctaagacgccaatcgaaaagaaacacgcggatgaaatcgataagtatatacaaggattggattacaataaaaacaatgtattagtataccacggagatgcagtgacaaatgtgccgccaagaaaaggttacaaagatggaaatgaatatattgttgtggagaaaaagaagaaatccatcaatcaaaataatgcagacattcaagttgtgaatgcaatttcgagcctaacctatccaggtgctctcgtaaaagcgaattcggaattagtagaaaatcaaccagatgttctccctgtaaaacgtgattcattaacactcagcattgatttgccaggtatgactaatcaagacaataaaatagttgtaaaaaatgccactaaatcaaacgttaacaacgcagtaaatacattagtggaaagatggaatgaaaaatatgctcaagcttatccaaatgtaagtgcaaaaattgattatgatgacgaaatggcttacagtgaatcacaattaattgcgaaatttggtacagcatttaaagctgtaaataatagcttgaatgtaaacttcggcgcaatcagtgaagggaaaatgcaagaagaagtcattagttttaaacaaatttactataacgtgaatgttaatgaacctacaagaccttccagatttttcggcaaagctgttactaaagagcagttgcaagcgcttggagtgaatgcagaaaatcctcctgcatatatctcaagtgtggcgtatggccgtcaagtttatttgaaattatcaactaattcccatagtactaaagtaaaagctgcttttgatgctgccgtaagcggaaaatctgtctcaggtgatgtagaactaacaaatatcatcaaaaattcttccttcaaagccgtaatttacggaggttccgcaaaagatgaagttcaaatcatcgacggcaacctcggagacttacgcgatattttgaaaaaaggcgctacttttaatcgagaaacaccaggagttcccattgcttatacaacaaacttcctaaaagacaatgaattagctgttattaaaaacaactcagaatatattgaaacaacttcaaaagcttatacagatggaaaaattaacatcgatcactctggaggatacgttgctcaattcaacatttcttgggatgaagtaaattatgatctcgagacccacctggacatgctccgccacctctaccagggctgccaggtggtgcagggaaacctggaactcacctacctgcccaccaatgccagcctgtccttcctgcaggatatccaggaggtgcagggctacgtgctcatcgctcacaaccaagtgaggcaggtcccactgcagaggctgcggattgtgcgaggcacccagctctttgaggacaactatgccctggccgtgctagacaatggagacccgctgaacaataccacccctgtcacaggggcctccccaggaggcctgcgggagctgcagcttcgaagcctcacagagatcttgaaaggaggggtcttgatccagcggaacccccagctctgctaccaggacacgattttgtggaagaatatccaggagtttgctggctgcaagaagatctttgggagcctggcatttctgccggagagctttgatggggacccagcctccaacactgccccgctccagccagagcagctccaagtgtttgagactctggaagagatcacaggttacctatacatctcagcatggccggacagcctgcctgacctcagcgtcttccagaacctgcaagtaatccggggacgaattctgcacaatggcgcctactcgctgaccctgcaagggctgggcatcagctggctggggctgcgctcactgagggaactgggcagtggactggccctcatccaccataacacccacctctgcttcgtgcacacggtgccctgggaccagctctttcggaacccgcaccaagctctgctccacactgccaaccggccagaggacgagtgtgtgggcgagggcctggcctgccaccagctgtgcgcccgagggcagcagaagatccggaagtacacgatgcggagactgctgcaggaaacggagctggtggagccgctgacacctagcggagcgatgcccaaccaggcgcagatgcggatcctgaaagagacggagctgaggaaggtgaaggtgcttggatctggcgcttttggcacagtctacaagggcatctggatccctgatggggagaatgtgaaaattccagtggccatcaaagtgttgagggaaaacacatcccccaaagccaacaaagaaatcttagacgaagcatacgtgatggctggtgtgggctccccatatgtctcccgccttctgggcatctgcctgacatccacggtgcagctggtgacacagcttatgccctatggctgcctcttagactaatctagacccgggccactaactcaacgctagtagtggatttaatcccaaatgagccaacagaaccagaaccagaaacagaacaagtaacattggagttagaaatggaagaagaaaaaagcaatgatttcgtgtgaataatgcacgaaatcattgcttatttttttaaaaagcgatatactagatataacgaaacaacgaactgaataaagaatacaaaaaaagagccacgaccagttaaagcctgagaaactttaactgcgagccttaattgattaccaccaatcaattaaagaagtcgagacccaaaatttggtaaagtatttaattactttattaatcagatacttaaatatctgtaaacccattatatcgggtttttgaggggatttcaagtctttaagaagataccaggcaatcaattaagaaaaacttagttgattgccttttttgttgtgattcaactttgatcgtagcttctaactaattaattttcgtaagaaaggagaacagctgaatgaatatcccttttgttgtagaaactgtgcttcatgacggcttgttaaagtacaaatttaaaaatagtaaaattcgctcaatcactaccaagccaggtaaaagtaaaggggctatttttgcgtatcgctcaaaaaaaagcatgattggcggacgtggcgttgttctgacttccgaagaagcgattcacgaaaatcaagatacatttacgcattggacaccaaacgtttatcgttatggtacgtatgcagacgaaaaccgttcatacactaaaggacattctgaaaacaatttaagacaaatcaataccttctttattgattttgatattcacacggaaaaagaaactatttcagcaagcgatattttaacaacagctattgatttaggttttatgcctacgttaattatcaaatctgataaaggttatcaagcatattttgttttagaaacgccagtctatgtgacttcaaaatcagaatttaaatctgtcaaagcagccaaaataatctcgcaaaatatccgagaatattttggaaagtctttgccagttgatctaacgtgcaatcattttgggattgctcgtataccaagaacggacaatgtagaattttttgatcccaattaccgttattctttcaaagaatggcaagattggtctttcaaacaaacagataataagggctttactcgttcaagtctaacggttttaagcggtacagaaggcaaaaaacaagtagatgaaccctggtttaatctcttattgcacgaaacgaaattttcaggagaaaagggtttagtagggcgcaatagcgttatgtttaccctctctttagcctactttagttcaggctattcaatcgaaacgtgcgaatataatatgtttgagtttaataatcgattagatcaacccttagaagaaaaagaagtaatcaaaattgt
tagaagtgcctattcagaaaactatcaaggggctaatagggaatacattaccattctttgcaaagcttgggtatcaagtgatttaaccagtaaagatttatttgtccgtcaagggtggtttaaattcaagaaaaaaagaagcgaacgtcaacgtgttcatttgtcagaatggaaagaagatttaatggcttatattagcgaaaaaagcgatgtatacaagccttatttagcgacgaccaaaaaagagattagagaagtgctaggcattcctgaacggacattagataaattgctgaaggtactgaaggcgaatcaggaaattttctttaagattaaaccaggaagaaatggtggcattcaacttgctagtgttaaatcattgttgctatcgatcattaaattaaaaaaagaagaacgagaaagctatataaaggcgctgacagcttcgtttaatttagaacgtacatttattcaagaaactctaaacaaattggcagaacgccccaaaacggacccacaactcgatttgtttagctacgatacaggctgaaaataaaacccgcactatgccattacatttatatctatgatacgtgtttgtttttctttgctggctagcttaattgcttatatttacctgcaataaaggatttcttacttccattatactcccattttccaaaaacatacggggaacacgggaacttattgtacaggccacctcatagttaatggtttcgagccttcctgcaatctcatccatggaaatatattcatccccctgccggcctattaatgtgacttttgtgcccggcggatattcctgatccagctccaccataaattggtccatgcaaattcggccggcaattttcaggcgttttcccttcacaaggatgtcggtccctttcaattttcggagccagccgtccgcatagcctacaggcaccgtcccgatccatgtgtctttttccgctgtgtactcggctccgtagctgacgctctcgccttttctgatcagtttgacatgtgacagtgtcgaatgcagggtaaatgccggacgcagctgaaacggtatctcgtccgacatgtcagcagacgggcgaaggccatacatgccgatgccgaatctgactgcattaaaaaagccttttttcagccggagtccagcggcgctgttcgcgcagtggaccattagattctttaacggcagcggagcaatcagctctttaaagcgctcaaactgcattaagaaatagcctctttctttttcatccgctgtcgcaaaatgggtaaatacccctttgcactttaaacgagggttgcggtcaagaattgccatcacgttctgaacttcttcctctgtttttacaccaagtctgttcatccccgtatcgaccttcagatgaaaatgaagagaaccttttttcgtgtggcgggctgcctcctgaagccattcaacagaataacctgttaaggtcacgtcatactcagcagcgattgccacatactccgggggaaccgcgccaagcaccaatataggcgccttcaatccctttttgcgcagtgaaatcgcttcatccaaaatggccacggccaagcatgaagcacctgcgtcaagagcagcctttgctgtttctgcatcaccatgcccgtaggcgtttgctttcacaactgccatcaagtggacatgttcaccgatatgttttttcatattgctgacattttcctttatcgcggacaagtcaatttccgcccacgtatctctgtaaaaaggttttgtgctcatggaaaactcctctcttttttcagaaaatcccagtacgtaattaagtatttgagaattaattttatattgattaatactaagtttacccagttttcacctaaaaaacaaatgatgagataatagctccaaaggctaaagaggactataccaactatttgttaattaa(配列番号:53)。
実施例2:
ADXS31−164は、LM−LLO−ChHER2と同じく免疫原性である。
抗HER2/neuに特異的な細胞毒性T細胞を発生するうえでのADXS31−164の免疫原性の特性が、標準的なCTLアッセイでLm−LLO−ChHer2ワクチンのものと比較された。両方のワクチンは、3T3/neu標的細胞によって発現されるHER2/neu抗原に対して強いが同等の細胞毒性T細胞応答を引き出す。したがって、LLOに対してHer2に融合された細胞内断片のみを発現するリステリアを用いて免疫化されたマウスは、より多くのMHCクラスIエピトープを含有するキメラより低い溶解活性を示す。無処置の動物、または無関連リステリアワクチンを注射したマウスではCTL活性は検出されなかった(図2A)。ADXS31−164は、野生型FVB/Nマウスからの脾細胞によってIFN−γの分泌を刺激することもできる(図2B)。これはマイトマイシンCで処理されたNT−2細胞と共培養されたこれらの細胞のカルチャー上清の中で検出され、これらは高いレベルのHER2/neu抗原(図5C)を発現する。
ヒトMHCクラスIエピトープのADXS31−164を用いた免疫化後の適切な処置および提示は、HLA−A2マウスで試験された。免疫化したHLA−A2トランスジェニックからの脾細胞は、マッピングされたHLA−A2で制限されたエピトープに対応するペプチドと72時間共インキュベートされ、このペプチドはHER2/neu分子の細胞外(HLYQGCQVV 配列番号:11またはKIFGSLAFL 配列番号:12)、または細胞内(RLLQETELV 配列番号:13)HER2/neu分子のドメインに位置する(図2C)。組み換え型ChHer2タンパク質は、ポジティブコントロール、および無関連ペプチド、またはネガティブコントロールとしてペプチドなしで使用された。この実験からのデータは、ADXS31−164が抗HER2/neuに特異的な免疫応答を標的化した抗原の異なるドメインに位置するヒトエピトープへと引き出すことができることを示す。
実施例3:
ADXS31−164は、自然発生的な乳腺腫瘍の発症の防止には、LM−LLO−ChHER2より有効である。
ADXS31−164の抗腫瘍効果が、Lm−LLO−ChHer2とHER2/neuトランスジェニック動物のそれにおいて比較され、この動物は生後20〜25週間で増殖の遅い自然発生的な乳腺腫瘍を発生した。無関連リステリア対照ワクチンを用いて免疫化されたすべての動物は、21〜25週の間に乳房の腫瘍を発生し、33週の前に犠牲にされた。対照的に、リステリア−HER2/neu組み換え型ワクチンは、乳腺腫瘍の形成の著しい遅延を生じた。45週には、50%を超えるADXS31−164をワクチン接種したマウス(9匹中5匹)は、まだ腫瘍がなく、これはLm−LLO−ChHer2を用いて免疫化したマウスの25%と比較される。52週には、ADXS31−164を用いて免疫化した8匹中2匹のマウスは、まだ腫瘍を有しないままであったが、一方で他の実験的な群からのマウスはすべて、すでにこれらの疾患に屈服していた(図3)。これらの結果は、ADXS31−164はより弱毒化しているにもかかわらず、HER2/neuトランスジェニック動物の自然発生的な乳腺腫瘍の発症の防止ではLm−LLO−ChHer2より有効であることを示す。
実施例4:
ADXS31−164を用いた免疫化の際のHER2/NEU遺伝子での突然変異。
HER2/neuのMHCクラスIエピトープ内の突然変異は、小さい分量のワクチンまたはトラスツズマブ(ハーセプチン)、HER2/neuの細胞外領域でエピトープを標的化するモノクローナル抗体、を用いた免疫化の際にエスケープした腫瘍を担当すると考えられてきた。これを評価するために、トランスジェニック動物内のエスケープした腫瘍からゲノム材料が抽出され、キメラワクチンまたは対照ワクチンを用いて免疫化した腫瘍内のneu遺伝子の対応する断片を配列決定した。代替的なエスケープ機構を示唆するいかなるワクチン接種した腫瘍サンプルのHer−2/neu遺伝子の中にも突然変異は観察されなかった(データ示さず)。
実施例5:
ADXS31−164は、腫瘍内の調節性T細胞の著しい減少を生じる。
脾臓および腫瘍内での調節性T細胞の頻度に対するADXS31−164の効果を解明するために、マウスにNT−2腫瘍細胞を移植した。3回の免疫化の後、脾細胞および腫瘍内のリンパ球が分離され、Tregのために染色した。これらは、CD3/CD4/CD25/FoxP3細胞と定義されたが、別個に解析したとき、FoxP3マーカーまたはCD25マーカーのいずれかを用いて同等の結果が得られた。この結果は、無関連リステリアワクチンまたは無処置の動物と比較して、ADXS31−164を用いた免疫化は、脾臓内のTregの頻度については効果を有しないことを示した(図4を参照)。対照的に、リステリアワクチンを用いた免疫化は、腫瘍内のTregの存在に少なからぬ影響を生じた(図5A)。処理されていない腫瘍ではすべてのCD3T細胞の平均で19.0%がTregであったが、この頻度は、無関連ワクチンについては4.2%、ADXS31−164ついては3.4%にそれぞれ減少し、腫瘍内のTregの頻度が5分の1に減少した(図5B)。いずれかのLmddAワクチンで処置したマウスでの腫瘍内のTregの頻度の減少は、腫瘍のサイズの差異には貢献しなかった。代表的実験では、ADXS31−164を用いて免疫化したマウスからの腫瘍(平均直径(mm)±SD:6.71±0.43、n=5)は、未処置マウス(8.69±0.98、n=5、p<0.01)、または無関連ワクチン(8.41±1.47、n=5、p=0.04)で処置されたマウスからの腫瘍より著しくより小さかったが、一方で後者のこれら2つの群の比較は腫瘍サイズでは統計的な有意さを示さなかった(p=0.73)。LmddAワクチンで処置した腫瘍内のTregのより低い頻度は、腫瘍内のCD8/Treg比の増加をもたらし、LmddAワクチンを用いた免疫化後により好ましい腫瘍の微小環境を得ることができることを示唆する。しかしながら、標的抗原HER2/neu(ADXS31−164)を発現するワクチンのみが腫瘍増殖を低下させることができ、Tregの減少は腫瘍内で抗原特異的な応答が存在するときのみ効果を有することを示す。
実施例6:
HER−2キメラを発現するリステリアワクチンによってエスケープ変異が導入されない。
Lm−LLO−138、LmddA164、および無関連ワクチンLm−LLO−NYなどの異なるワクチンを用いて免疫化したマウスの腫瘍サンプルを採取した。これらのサンプルからDNAを精製し、HER2/neu領域に対応するDNA断片、IC1、EC1、およびEC2を増幅し、何らかの免疫エスケープ変異があるかどうかを決定するために配列決定した。CLUSTALWを使用して各々のDNAからの配列のアラインメントを遂行した。解析の結果腫瘍から採取したDNA配列内には突然変異がないことを示した。参照配列は、以下に記載する:
EC2のアラインメント(975−1029bpのHER2/neu)
GGTCACAGCTGAGGACGGAACACAGCGTTGTGAGAAATGCAGCAAGCCCTGTGCT(配列番号:14)
CGAGTGTGCTATGGTCTGGGCATGGAGCACCTTCGAGGGGCGAGGGCCATCACCAGTGAC(配列番号:15)
AATGTCCAGGAGTTTGATGGCTGCAAGAAGATCTTTGGGAGCCTGGCATTTTTGCCGGAG(配列番号:16)
AGCTTTGATGGGGACCCCTCCTCCGGCATTGCTCCGCTGAGGCCTGAGCAGCTCCAAGTG(配列番号:17)
TTCGAAACCCTGGAGGAGATCACAGGTTACCTGTACATCTCAGCATGGCCAGACAGTCTC(配列番号:18)
CGTGACCTCAGTGTCTTCCAGAACCTTCGAATCATTCGGGGACGGATTCTCCACGATGGC(配列番号:19)
GCGTACTCATTGACACTGCAAGGCCTGGGGATCCACTCGCTGGGGCTGCGCTCACTGCGG(配列番号:20)
GAGCTGGGCAGTGGATTGGCTCTGATTCACCGCAACGCCCATCTCTGCTTTGTACACACT(配列番号:21)
GTACCTTGGGACCAGCTCTTCCGGAACCCACATCAGGCCCTGCTCCACAGTGGGAACCGG(配列番号:22)
CCGGAAGAGGATTGTGGTCTCGAGGGCTTGGTCTGTAACTCACTGTGTGCCCACGGGCAC(配列番号:23)
TGCTGGGGGCCAGGGCCCACCCAGTGTGTCAACTGCAGTCATTTCCTTCGGGGCCAGGAG(配列番号:24)
IC1のアラインメント(2114−3042bpのHER2/neu)
CGCCCAGCGGAGCAATGCCCAACCAGGCTCAGATGCGGATCCTAAAAGAGACGGAGC(配列番号:25)
TAAGGAAGGTGAAGGTGCTTGGATCAGGAGCTTTTGGCACTGTCTACAAGGGCATCTGGA(配列番号:26)
TCCCAGATGGGGAGAATGTGAAAATCCCCGTGGCTATCAAGGTGTTGAGAGAAAACACAT(配列番号:27)
CTCCTAAAGCCAACAAAGAAATTCTAGATGAAGCGTATGTGATGGCTGGTGTGGGTTCTC(配列番号:28)
CGTATGTGTCCCGCCTCCTGGGCATCTGCCTGACATCCACAGTACAGCTGGTGACACAGC(配列番号:29)
TTATGCCCTACGGCTGCCTTCTGGACCATGTCCGAGAACACCGAGGTCGCCTAGGCTCCC(配列番号:30)
AGGACCTGCTCAACTGGTGTGTTCAGATTGCCAAGGGGATGAGCTACCTGGAGGACGTGC(配列番号:31)
GGCTTGTACACAGGGACCTGGCTGCCCGGAATGTGCTAGTCAAGAGTCCCAACCACGTCA(配列番号:32)
AGATTACAGATTTCGGGCTGGCTCGGCTGCTGGACATTGATGAGACAGAGTACCATGCAG(配列番号:33)
ATGGGGGCAAGGTGCCCATCAAATGGATGGCATTGGAATCTATTCTCAGACGCCGGTTCA(配列番号:34)
CCCATCAGAGTGATGTGTGGAGCTATGGAGTGACTGTGTGGGAGCTGATGACTTTTGGGG(配列番号:35)
CCAAACCTTACGATGGAATCCCAGCCCGGGAGATCCCTGATTTGCTGGAGAAGGGAGAA(配列番号:36)
CGCCTACCTCAGCCTCCAATCTGCACCATTGATGTCTACATGATTATGGTCAAATGTT(配列番号:37)
GGATGATTGACTCTGAATGTCGCCCGAGATTCCGGGAGTTGGTGTCAGAATTTT(配列番号:38)
CACGTATGGCGAGGGACCCCCAGCGTTTTGTGGTCATCCAGAACGAGGACTT(配列番号:39)
EC1のアラインメント(399−758bpのHER2/neu)
CCCAGGCAGAACCCCAGAGGGGCTGCGGGAGCTGCAGCTTCGAAGTCTCACAGAGATCCT(配列番号:40)
GAAGGGAGGAGTTTTGATCCGTGGGAACCCTCAGCTCTGCTACCAGGACATGGTTTTGTG(配列番号:41)
CCGGGCCTGTCCACCTTGTGCCCCCGCCTGCAAAGACAATCACTGTTGGGGTGAGAGTCC(配列番号:42)
GGAAGACTGTCAGATCTTGACTGGCACCATCTGTACCAGTGGTTGTGCCCGGTGCAAGGG(配列番号:43)
CCGGCTGCCCACTGACTGCTGCCATGAGCAGTGTGCCGCAGGCTGCACGGGCCCCAAGCA(配列番号:44)
実施例7:
ADXS31−164を用いた末梢の免疫化は転移性乳ガン細胞株の脳内での増殖を遅延することができる。
ADXS31−164または無関連Lm対照ワクチンを用いてマウスに腹腔内で免疫化し、次いでルシフェラーゼおよび低いレベルのHER2/neuを発現するEMT6−Luc腫瘍細胞を5,000頭蓋内に移植した(図6C)。麻酔をかけたマウスのエクスビボでの撮像によって接種後の異なる時点で腫瘍をモニターした。腫瘍接種後8日目に、すべての対照動物で腫瘍が検出されたが、ADXS31−164群のマウスではいかなる検出可能な腫瘍を示すものもなかった(図6Aおよび図6B)。ADXS31−164はこれらの腫瘍の発症を明らかに遅延することができ、腫瘍接種後11日目にはネガティブコントロール群のマウスはすべてその腫瘍によって死んだが、ADXS31−164群のマウスはすべてまだ生存しており、腫瘍増殖の小さい兆候を示すのみであった。これらの結果は、ADXS31−164の末梢投与を用いて得られた免疫応答が中枢神経系に到達することができる可能性があり、かつLmddAベースのワクチンがCNS腫瘍の治療のための使用の可能性を有する場合があることを強く示唆する。
実施例8:
ADXS31−164を用いた免疫化によるイヌの骨肉腫の治療。
イヌの骨肉腫は、10歳を超える大型犬の主要な死亡原因である長骨(下肢骨)のガンである。標準的な治療は、診断直後の切断術と、後に続く化学療法である。しかしながら、常にガンは肺に転移する。化学療法を用いたイヌは約18か月生存した。これに対して、治療しないイヌは6〜12か月であった。骨肉腫の最大50%においてHER2抗原が存在すると考えられる。ADXS31−164は、この抗原を発現する細胞を攻撃する免疫を作り出し、ヒトの乳ガンを治療するために開発されてきた。
骨肉腫の組織学的な診断、および悪性細胞によるHER2/neu発現の証拠を有するイヌは、組み入れの対象である。
イヌの骨肉腫の試験
第1のレジメンでは、四肢を切断し、化学療法治療のラウンドがその後に続いた。3投与のHer−2ワクチンをこれに続いて投与し、6か月間隔でブースターするか、またはブースターなしとした。
すべてのイヌは4週間のカルボプラチン療法を受けた。最後のカルボプラチン投与の4週間後、イヌはADXS−HER2を3週間に1回、合計3回の投与を受けた。群1(3匹のイヌ)は投与当たり1×10CFUを受け、群2(3匹のイヌ)は各々投与当たり5×10CFUを受け、群3(3匹のイヌ)は投与当たり1×10CFUを受けた。潜在的用量制限毒性の場合、さらに多くのデータを収集するために追加的なイヌが群に追加される。したがって初期の研究では9〜18匹のイヌが治療される場合がある。
第2のレジメンでは、化学療法の前(1か月前)にワクチンを1投与しかせず合計4投与であることを除いて、第1のレジメンと同様のものを繰り返した。
さらに、両方のレジメンで、化学療法の1か月後に1投与のみを投与した。
実施例9:
HER2/NEUを過剰発現するイヌの骨肉腫を有する愛玩犬でのADXS−cHER2の安全性を評価するフェーズ1投与量エスカレーション研究。
骨肉腫を有するイヌで腫瘍特異的な免疫性を安全かつ効果的に刺激することができる、ヒトHER2/neu組み換え型ワクチンを発現するL.モノサイトゲネス投与を決定するために試験段階I投与量エスカレーション研究を遂行した。OSAの疑いまたは確認されたOSAに起因する四肢の切断術のためにPennVetに提示されたすべてのイヌの腫瘍を、定期的に採取し、OSAの診断を確認するために病理組織的に評価した。加えて、すべてのイヌからの腫瘍の断面を、腫瘍がHER2/neuを発現するかどうかを決定するためにIHCおよびウエスタンブロット解析によって評価した。OSAの組織学的な診断、および悪性細胞によるHER2/neu発現の証拠を有するイヌのみが組み入れ対象である。外科手術で取った腫瘍組織の単一細胞懸濁液を凍結保存し、抗腫瘍免疫性を決定するためにクロム遊離アッセイで自己腫瘍標的として使用した。
四肢OSAを有し、かつHer2−neuの発現を確認した最高18匹の個人所有のイヌが組み入れられた(図7)。組み入れ時(最後のカルボプラチン処置後3週間)に、すべてのイヌは全血算定(CBC)、化学スクリーニング(CS)、および尿検査(UA)を含む基本的な臨床検査、ならびに心エコー図および心臓に特異的なトロポニンI(cTnI)レベルの測定による心臓機能のベースライン評価を受けた。胸部放射線写真を取って、肺の転移が存在するかどうかを決定した。肺の転移の兆候が見られないイヌのみにこの研究に含まれる資格がある。組み入れ時に、抗腫瘍免疫性のベースラインレベルを評価するために末梢血単核細胞(PBMC)を収集した(抗腫瘍免疫性の評価を参照)。さらに、これらがすでにカルボプラチンによって免疫抑制されていないことを確認する目的で、ベースライン免疫機能性を評価するために血液を取った。機能的に無傷な免疫系を有するイヌのみにリステリアワクチンを受ける資格がある。
Lm組み換え型投与およびデータ取得
すべてのイヌに単一のLm−huHer−2/neu組み換え型ワクチンを使用してワクチン接種した。第1のLm−huHer2−neuワクチンを最後のカルボプラチン投与の3週間後に与え、この後3週間に1度、合計3投与だけ与えた(図7)。
群1(3匹のイヌ)はADXS31−164(Lm−huHer2)ワクチンを投与当たり1×10CFUで受け、群2(3匹のイヌ)は各々投与当たり5×10CFUで受け、群3(3匹のイヌ)は投与当たり1×10CFUで受け、投与当たり3.3×10CFUで受けた(1匹のイヌ)。組み換え型Lmは30分間にわたる遅い静脈内点滴で投与された。群1のために選択された投与量は、マウスでキメラ型huHer2/neu組み換え型に対して確立された安全な投与量である。ヒトではLm−LLO−E7に対する非毒性投与量はマウスで確立されたものよりも1−log(10倍)多いだけであり、この投与量はこのパイロット試験の群3で評価された投与量である。
Lm投与の時点で、全身的な悪影響の兆候についてイヌをモニターした。点滴の間の、ECGによって心拍数および心リズムをモニターし、呼吸数を記録した。さらに、超音波の使用およびトロポニンIレベルの測定によって心臓障害をモニターした(図8)。点滴後48時間にわたってイヌを注意深くモニターした。ミニミッター・レスピロニクス社(MiniMitter Respironics)製のVital Sense連続体温監視システム(発明者らの獣医臨床試験センター(VCIC)で日常的に使用されている)を使用して中核体温を点滴後12時間未満の間連続的にモニターした。脈拍の数、リズム、および質、ならびに呼吸数および呼吸努力をモニターし、最初の6時間は1時間ごとに記録し、次いでそれ以後は4時間ごとに記録し、血圧および体温も同様にした(図9)。免疫刺激と一致したすべての症状に留意され、必要に応じて激しい反応を制御するために液体、鎮痛薬、制吐薬、および抗ヒスタミン薬を使用した。すべてのイヌを1日に6回観察し、不快症状、昏睡、吐き気、嘔吐、および下痢を含む組み換え型剤の毒性的な影響のあらゆる兆候を記録した。全身的投与後のLmの除去を評価する培養のために、最初のADXS31−164ワクチンの24、48、および72時間後に血液サンプルを採取した。
抗腫瘍免疫性の評価
最後のカルボプラチン投与に続く3週間、イヌは定期的な臨床検査ならびにCBC、CS、UA、およびcTnIレベルを含むベースライン血液検査を受けた。抗腫瘍免疫性のベースライン評価のためにこの時点でPBMCを取った。各々のワクチン接種の時点および最後のワクチン接種の3週間後に繰返し免疫評価を遂行した。以下に概要を示すように、CFSE増殖、サイトカイン産生(ELISpotおよびqRT−PCR)、およびCTLアッセイによって、HER2/neuに特異的なT細胞応答についてPBMCを自己腫瘍標的に対して解析した(図12)。
結果
今日までに、発明者らは16匹のイヌで合計41件のADXS31−164の点滴を遂行した。
ADXS31−164投与量は、1×10、5×10、1×10、および3.3×10CFUからの範囲であった。
ワクチン投与のための標準作業手順
ADXS31−164の投与のための標準作業手順を開発した。ワクチン接種の1時間前に患者は筋肉内注射を介しての2mg/kgのジフェンヒドラミンと、ゆっくりとした静注として0.2mg/kgのオンダンセトロンとを受けた。ワクチンを−80℃に保持し、患者の傍で解凍した。これを200mLの0.9%NaCl中で30分間にわたって投与した。次いで点滴ラインを30mLのプラズマライト(Plasmalyte)でフラッシングした。アモキシシリンの3日間の過程(ワクチン接種後72時間に開始)、および細胞の増殖および修復を助ける肝臓補助剤(S−アデノシル−メチオニン)の7日間の過程付きでイヌを家庭に帰した。
研究の主要評価項目は、ADXS31−164の最大許容投与量を決定することであった。
最大3.3×10までの投与量は、体重が25kg〜67kgのイヌでは良好に許容された。報告されたすべての副作用は、グレードIの毒性で、最大耐量にはまだ達していなかった。副作用はワクチン投与の2〜4時間以内に常套的に生じた。高熱は通常、等張液を維持速度(4mL/kg/時間)で2〜4時間にわたって静脈内に送達することによって解消された。体温が104.7°F以上に達した2つの事例では、カルプロフェンの単一の皮下注射が1〜2時間以内に正常体温を誘発した。吐き気および嘔吐は通常自己限定的であったが、場合によってはいくつかのエピソードが注記され、1mg/kgのセレニアを投与し、これはさらなる吐き気および嘔吐の防止に大変効果的であった。合計5匹のイヌがワクチン投与の48時間以内に中程度の肝臓酵素のグレードI上昇を発生し、これはワクチン接種の1週間後までに解消された。
リステリアの除去
ワクチン接種した16匹のイヌすべてに対して血液培養を遂行した後、今日までワクチン接種後24時間の時点でいずれのイヌの末梢循環内でも検出可能なリステリアは無かった。ワクチン接種したイヌの尿および排泄物内へのリステリアの排出は評価しなかった。
研究の副次的評価項目は、無増悪生存および全生存である。四肢の切断術およびカルボプラチンの4投与後ADXS31−164を投与した場合に、骨肉腫を有するイヌでの統計的に有意な全生存優位性が観察された。最初の2つの投与群(6匹のイヌ)からの早期の結果は、飼い主が試験に参加しないことを選択したが生存ついて追跡された6匹のイヌと比較して、ADXS31−164を受けたイヌにおける有意な生存優位性を示す(p=0.003)(図13)。ワクチン接種していないイヌの平均生存時間は239.5日である。ワクチン接種したイヌに対する平均生存時間にはまだ達していない。治療を意図する群の中のすべてのイヌが解析に含まれる場合、これは真実となる。
結論として、心臓血管系、造血系、肝臓系、または腎臓系で有意な短期または長期の副作用の証拠はない。さらに、最小限の残余疾患の存在下でのADXS31−164の投与は転移性疾患を遅延/防止することができ、HER2/neuが陽性の骨肉腫を有するイヌの全生存を長くすることができる。
実施例10:
自然発生的なイヌの骨肉腫(OSA)のモデルでADXS31−164を評価するフェーズ1臨床試験。
ワクチン製造業者
ADXS31−164の設計および生成。簡潔に述べると、リステリア・モノサイトゲネス(Lm)のdal dat actA突然変異体株を、キメラ型ヒトHER2/neu構築体を担持するpADVプラスミドを用いて形質移入する。この構築体はヒトHER2/neu分子の2つの細胞外領域(EC1およびEC2)と1つの細胞内領域(IC1)とを含有し、この分子はHLA−A2で制限された免疫優性エピトープの大部分を含有し、切断リステリオリシンO構築体と融合した。伝達プラスミドは、桿菌p60dal遺伝子およびも含有し、これは栄養要求性相補を介して突然変異体Lmの中に維持される。細菌耐性カセットはない。ワクチンはヴィバロジクス社(Vibalogics GmbH)(ドイツ国クックスハーフェン)によって製造され、使用前は−80℃で保存された。
病理組織学、病期分類、および免疫組織化学
すべての原発性四肢骨肉腫腫瘍の病理組織学的評価が有資格獣医病理学者(J.E.)によって遂行された。腫瘍は組織学的な特徴に基づいて、骨芽細胞性、軟骨芽細胞性、線維芽細胞性、および毛細血管拡張性として記述された。原発性腫瘍は、有糸分裂指数、核多形性、ならびにマトリクスおよび壊死が存在する量に基づいてスコアリングされた。組織学的スコアはグレード(I、II、またはIII)へと変換された。
HER2/neu染色については、ホルマリン固定し、脱灰し、パラフィン包埋した組織の5マイクロメートル厚の連続切片を負電荷を帯びたガラススライド上に搭載した。切片を20分間80℃で加熱し、Pro Par(透明剤)内に浸し、エタノール中で再水和した。切片のクエン酸ナトリウムバッファー(pHが9.0付近)内での煮沸によって抗原の回収を遂行した。3%の過酸化水素を使用して内因性ペルオキシダーゼを閉鎖した。ウサギの抗ヒトHER2/neu抗体(Neu(c−18):sc−284,サンタクルーズ・バイオテクノロジー社(Santa Cruz Biotecnology))またはウサギのIgGアイソタイプを用いて染色を遂行した(ユニバーサルネガティブコントロール血清NC498,バイオケア・メディカル社(Biocare Medical))。ユニバーサル・ストレプトアビジン−ビオチン2システム(DAKO/LSAB2,HRP)を使用して結合抗体を検出した。組織を3,3’−ジアミノベンジジン溶液(DAKO)を用いて染色し、ヘマトキシリンを用いて対比染色した。ニコン(Nikon)E600無限遠補正正立顕微鏡を使用してスライドを見た。画像解析のためにニコンDigital SightシリーズDS−Fi1カラーカメラおよびNIS−Element BR3.0を使用して明るい視野画像が得られた。有資格獣医病理学者(J.E.)によって、HER2/neuを染色している新生細胞のパーセンテージ(<10%=1、10%〜50%=2、>50%=3)およびHER2/neu染色の強度(弱=1、中=2、強=3)に基づいて組織切片を評価し、HER2/neu正陽性のためにスコアリングした。スコアは各々の組織切片に対して10hpf以内で解析された細胞に基づいた。HER2/neu染色およびHER2/neu染色強度に対して陽性の腫瘍細胞のパーセンテージに対して与えられた2つの別個のスコアを掛け算することによって、組み合わせられたHER2/neuスコアが得られた。HER2/neuに陽性となる染色が腫瘍細胞の10%以上であるイヌのみが、試験の組み入れ対象であった。
資格の基準および臨床試験設計
HER2/neu陽性OSAの病理組織学的および免疫組織化学的診断を有し、四肢の切断術または四肢の温存のいずれかの手術によって原発性腫瘍の除去を受けたイヌで、アジュバント化学療法として3週間毎に1度(または骨髄抑制が生じた場合は4週間毎に1度)の300mg/m2のカルボプラチンの4回の投与を受けたイヌはスクリーニングのために資格を有する。最後のカルボプラチン処置の3週間後イヌをスクリーニングした。詳細な身体検査、全血算定(CBC)、化学スクリーニング(CS)、および尿検査(UA)を遂行して、全体的な健康状態を決定した。フローサイトメトリーの好中球酸化バーストアッセイおよびマイトジェン誘発性のリンパ球増殖アッセイをそれぞれ使用して、基本的に先天的および適応性の免疫機能を試験した。ベースラインの心臓の状態を心電図記録法、心エコー図、および血清心筋トロポニンIレベルによって評価した。肺の転移性疾患の存在を決定するために胸部放射線写真を遂行した(図14Bを参照)。先天的および適応性免疫が無傷であり、心臓の疾患を受けている兆候のない、かつ肺の転移性疾患の兆候のない、全身的に健康であることが見いだされたイヌのみが、組み入れ対象である。研究の過程の間に死んだイヌは検視を受けた。転移性疾患の存在および場所を記録し、転移性病巣内でのHER2/neu発現を評価するために病理組織的および免疫組織化学的検査を遂行した。
免疫解析
好中球酸化バーストアッセイ。ナトリウムヘパリン抗凝固剤処置血液中の赤血球を0.83%NH4Clを使用して溶解し、残った白血球を1×PBS中で2回洗浄した。15μg/mLのジヒドロローダミン123(DHR−123,モレキュラープローブ社(Molecular Probes),米国ニューヨーク州グランドアイランド)を用いて血球を標識し、3nMの13−酢酸12−ミリスチン酸ホルボール(PMA,シグマ社,米国ミズーリ州セントルイス)を用いて37℃にて30分間活性化した。フローサイトメトリー解析の前に、血球を氷上に15分間定置した。血球をFACSCanto(登録商標)血球計算器(BDバイオサイエンス社(BD Biosciences),米国カリフォルニア州サンノゼ)の上に取得し、FloJoソフトウェア(トゥリースター社(Treestar),米国カリフォルニア州サンカルロス)を使用して解析した。
リンパ球増殖アッセイ.密度遠心分離によって末梢血単核細胞(PBMC)をナトリウムヘパリン抗凝固剤処置全血から分離した。PBMCを、1×PBS中で2回洗浄され、計数した。血球を5μMのCFSEを用いて標識し、1.25μMのコンカナバリンAを用いて37℃にて5日間刺激した。細胞を採取し、FACSバッファー内で2回洗浄し、APC結合ラット抗イヌCD4およびPE結合ラット抗イヌCD8抗体(セロテック社(Serotec),米国ノースカロライナ州ラレー)を用いて標識し、フローサイトメトリーによって解析した。免疫機能の解析のために、ポジティブコントロールとして健康なコロニー犬(IACUC #804197)から取った末梢血液を使用した。
T細胞サブセット解析。各々のワクチン接種の前にベースラインにおいて、再ステージングにおいて、およびその後2か月毎に採取したPBMCをCD4およびCD8 T細胞サブセットについて解析した。簡潔に述べると、凍結保存した細胞を解凍し、FACSバッファー(1×PBS、0.2%のBSA fraction V、および4mMのアジ化ナトリウム)内で2回洗浄し、その後、マウス抗イヌCD3、PE標識したラット抗イヌCD8、またはAlexa標識した抗イヌCD4(セロテック社,米国ノースカロライナ州ラレー)を用いて表面染色した。フローサイトメトリーの取得の直前に細胞を生体染色色素7−ADDとともにインキュベートした。CD4T細胞数およびCD8T細胞数の合計をフローサイトメトリーのパーセンテージから計算し、Cell Dyn 3700CS血液分析器を使用してリンパ球計数の合計を決定した。
ワクチン投与
ワクチン接種の前に、それぞれ吐き気およびアナフィラキシーを防止するために、イヌに、5HT3拮抗薬オンダンセトロン(0.2mg/kg)を静脈内投与し、H1受容体遮断薬、ジフェンヒドラミン(2mg/kg)を筋肉内投与した。標準的な3+3臨床試験設計が採用された。ADXS31−164を以下の投与で投与した。群1(2×10CFU)、群2(5×10CFU)、群3(1×10CFU)および群4(3.3×10CFU)。ADXS31−164を100mLの0.9%のNaCl(群1および群2)、ならびに200mLの0.9%のNaCl(群3および群4)内に希釈し、30分にわたり静脈内で投与した。点滴後一時間ごとに体温、脈拍、呼吸数、心拍数および心リズム(EKGによる)ならびに血圧をモニターした。体温が103°Fを超えた場合、イヌに静脈内でプラズマライトを4mL/kg/時間で体温が103°Fより低くなるまで与えた。イヌを1時間ごとに昏睡、吐き気、または嘔吐の兆候についてモニターした。血液学的パラメータまたは生化学的パラメータに何らかの変化がないかを評価するためにワクチン接種の24時間後および1週間後に血液サンプルを抜き出し、ワクチン接種の24時間後に血液培養を遂行して血流中の生細菌の持続性を決定した。すべてのイヌはワクチン接種後72時間にアモキシシリンおよびS−アデノシルメチオニン(SAMe)の短い過程を受け、残っているリステリアをすべて死滅させ、肝臓に抗酸化剤酸サポートを提供した。
初回シリーズの最後のワクチン接種後少なくとも5か月転移性疾患のないイヌの飼い主は、1×10CFUの標準的な投与量でブースターワクチンを受けるオプションの提案を受けた。ブースターワクチンを記述されているように投与し、点滴後イヌを上述のようにモニターした。
毒性
毒性を、獣医がん臨床研究グループの有害事象共通用語基準(VCOG−CTCAE)に従ってグレード付けした。各々のワクチン接種のとき、最後のワクチン接種後3週間、およびその後死ぬまで2か月毎に、連続心電図、心エコー図、およびベースラインにおける血清心筋トロポニンIレベルを通して心毒性の評価を遂行した。評価したパラメータとしては左室内径短縮率(LVFS)、ならびに左室拡張末期径(LVIDd)および左室収縮末期径(LVIDs)が挙げられる。イヌの間でからだの大きさの範囲が幅広いことを考慮してLVIDdおよびLVIDsを体重で正規化した。
ELISpot解析
各々の表示された時点での凍結保存したPBMCを解凍し、37℃で一晩置き、次いで計数した。キメラ型ワクチン、および組み換え型ヒトIL−2(インビトロジェン,米国メリーランド州フレドリック)の中に存在するHER2/NeuのEC1、EC2、およびIC1ドメインを代表する重複ヒトHER2/Neuペプチド(5アミノ酸によって11merが重複する)の2.5μMのプールを用いて細胞を5日間にわたって刺激した。細胞を採取し、1×のPBS中で2回洗浄し、計数した。製造業者のプロトコルに従って市販のイヌのIFN−γ ELISpotアッセイキット(R&Dシステムズ社,米国ミネソタ州ミネアポリス)を使用して、IFN−γ ELISpotアッセイを遂行した。簡潔に述べると、0.8−2×10の刺激された細胞を2.5μMのEC1、EC2、またはIC1ペプチドプールプラスIL−2を用いて、またはIL−2を単独で用いてインキュベートした(バックグラウンド計数を決定するため)。すべてのアッセイを2回ずつ遂行した。製造業者の取扱い説明書に従ってプレートを発色させた。CTL−Immunospotアナライザー(C.T.L社、米国オハイオ州シェーカーハイツ)を使用してスポットを計数した。
一次および二次転帰の測定
転移の時期(TTM)は切断術と転移性疾患発生との間の時間として計算される。切断術と死との間の時間としてOSAに特異的な生存を計算した。無関係な原因で死んだ患者は、その死の時点で打ち切った。
結果
資格種特異の基準を満たした18匹のイヌをこのフェーズI臨床試験に組み入れた。年齢、品種、性別、腫瘍の場所、サブタイプ、グレード、およびHER2/neuの状態を記録した(表4)。標準的な3+3臨床試験設計が採用された。ADXS31−164を以下の投与量で投与した。群1:2×10CFU(n=3)、群2:5×10CFU(n=3)、群3:1×10CFU(n=9)、および群4:3×10CFU(n=3)。スクリーニングの時点で識別された既存の肺の転移性疾患を有する5匹の追加的なイヌも、思いやりのあるケアとしてADXS31−164を受容した(表4)。これらのイヌのうち4匹はその原発性腫瘍からの新生細胞の>50%で強いHER2/neu染色を有した。スクリーニングの際にこれらのイヌのうち3匹は複数の肺の転移性結節を有し、2匹のイヌは単一の転移性結節を有した。複数の肺結節を有するイヌは、疾患の進行の前に各々1つのワクチンを受容し、代替的な治療のために研究から離脱した。単一の結節を有する2匹のイヌは、各々3つのワクチンの全過程を受容した。既存の転移性疾患を有するイヌは1×10CFU(n=3)または3×10CFU(n=2)のいずれかのADXS31−164を受容した(表5)。
図15はフェーズ1臨床試験のタイムラインの概略図を示し、切断およびフォローアップの化学療法に続いて3つのワクチン接種を投与した。
結果
安全性および毒性=23匹のワクチン接種したイヌすべてに対して安全性が評価された。すべてのイヌはADXS31−164投与に対して十分な耐性があり、ワクチン接種の日に一時的な低グレードの毒性のみが観察された(表6)。投与量に関わらずすべての群で、ADXS31−164の投与の4時間後に体温の統計的に有意な増加が生じた(図9A)。低血圧はいかなる時点でもまたはいずれの投与量でも観察されなかった(図9B)。8匹/18匹のイヌ(既存の転移性疾患のない)、および3匹/5匹のイヌ(既存の転移性疾患を有する)は、ワクチン接種の4時間以内に>103°Fの熱を発生し、その時点で静脈内に液体を与えられた。3匹のイヌは体温を下げるために単一投与の非ステロイド抗炎症薬を受容した。すべての事例で、さらなる介入なしに発熱は解消した。投与量に関わらず、ワクチン接種の4時間以内に、治療的な介入を必要としない一時的な昏睡、吐き気、ならびに嘔吐が発生した。2匹のイヌでは、ワクチン接種のすぐ後で一時的な単一のまたは二段の心室性期外収縮が識別された。既存の転移性疾患を有する1匹のイヌは、ワクチン接種の2時間以内に心室頻拍を発生した。リドカイン、プロカインアミド、ソタロール、および副腎皮質ステロイドを用いた治療はあまり効果が無かったが、しかしながら不整脈は72時間以内に解消された。ADXS31−164の24時間後に、一時的ではあったが、白血球および好中球の計数の統計的に有意な増加が生じ、血小板およびリンパ球の一時的減少が付随して起きた(図17)。ADXS31−164投与量と血液学的変化の程度との間に相関はなかったが、生存したイヌと死亡したイヌとの白血球、好中球、および単球の程度の応答の間には有意な差があった(図18A〜図18F)。肝臓酵素の血清濃度の中程度の一時的な増加がおよそ半分のイヌで、肝臓指向性リステリアによって発生した中程度の炎症と一致して生じた(表6)。末梢血液で識別されたすべての変化は無症候性であり、一週間以内のADXS31−164投与で解消された。いずれのイヌでも腎臓の機能では有意な変更は記載されなかった。19匹/23匹のイヌはADXS31−164投与の24時間後に血液培養を遂行し、高度に弱毒化したLmddA株の急速な除去と一致してすべて陰性であった。
HER2/neuを標的化したモノクローナル抗体が心臓毒性を生じると仮定して、心筋トロポニンI、短縮率(%)、ベースラインにおけるLVIDdおよびLVIDsを含む、心臓障害のバイオマーカーおよび機能障害の心エコー測定を、各々のワクチン接種の前およびその後2か月ごとに評価した。いずれかのワクチン接種したイヌで、心筋トロポニンI、短縮率、LVIDdまたはLVIDsの有意でない、持続的な変化が識別された(図26A〜図26D)。群3の中の1匹のイヌは各々のワクチン接種の時点で血清心筋トロポニンIの段階的な増加を示したが、これは心エコーの機能障害の兆候に付随して起きたものではなかった。値は最後のワクチン接種に続いてベースラインに戻り、繰り返し評価では上昇しなかった。
図25(A〜D)に示すように、臨床試験を通して、短縮率、左室収縮末期径(LVIDs)、および拡張期のLVID(LVIDd)とともに心筋トロポニンIのレベルを測定し、ADXS31−164の投与に続く長期または短期の心臓毒性の兆候はなかった。
最低限の治療に関連する有害事象を示すデータを提供する下表6が臨床試験の間に報告された。
結論:ADSX31−164の毒性のグレードは、低くかつ一時的であった。
ADXS31−164への免疫応答
図18に提示する結果は、イヌの生存が予測されるワクチンを受容したイヌでのADXS31−164への早期の免疫応答を実証する。図18は、ADXS31−164が生存と相関するWBC、好中球、および単球の計数の増加を誘発したことを示し、これは血小板およびリンパ球の一時的な減少に付随して起こる(図17)。
ADXS31−164の免疫応答を誘発および維持する能力、および特にHER2/Neuに特異的なT細胞免疫性を誘発する能力を臨床試験の間に評価した。免疫応答を評価し、ADXS31−164によってHER2/Neuに特異的なT細胞応答が誘発されるかどうかを決定するために、HER2/Neuに特異的なT細胞数をIFN−γ ELISpotによって評価した。ベースライン(カルボプラチンの3週間後)において、ワクチン接種ごと、およびその後2か月に一度サンプルを取った。図19はELISpotアッセイの結果を示す。
HER2/neuに特異的な免疫応答。HER2/neuのヒトEC1、EC2、およびIC1ドメインに対する免疫学的応答(それぞれ89%、93%、および98%の同一性をイヌのHER2/neuと共有する)をそれぞれ4/18、6/18、および1/18のイヌでベースラインにおいて検出した。1つ以上のHER2/neuドメインに対する誘発されたIFN−γ応答が7匹のイヌで第3のADXS31−164ワクチン接種の3週間後に検出された(表7)。これらのイヌのうちの5匹は高度に保存されたIC1ドメインに対して免疫応答を発生した。5匹の追加的なイヌは2か月後IC1ドメインに対してIFN−γ応答を発生した。3匹の追加的なイヌは、再燃の時点でEC2単独、EC2およびIC1、またはEC1、EC2、およびEC3の何れかに対してIFN−γ応答を発生した(イヌ001、002、および017)。初期のワクチン接種の一連の間にHER2/neuに対して免疫学的応答を発生した3匹のイヌは、15〜17か月にわたってIFN−γ ELISpotによって評価された。HER2/Neuに特異的なIFN−γ応答は維持されなかったが、この期間中、イヌは転移性疾患がないままだった。10匹のイヌが追加的なブースターワクチン接種を受け、6匹の評価可能なもののうち、2匹のイヌは、ブースターワクチン接種の2か月後、HER2/neuに特異的なIFN−γ応答の検出可能な増加を有した。再燃した8匹のイヌのうち、5匹はADXS31−164後3週間、HER2/neuに特異的なIFN−γ応答の増加がなかった。
ブースターワクチン接種。組み入れ時に転移性疾患を有しない18匹のイヌ中の10匹に、初期の一連のワクチンの後5〜10か月の間に単一のブースターワクチンを投与した。これらのイヌのうちの4匹は、第1のブースターワクチンの後4〜15か月の間に与えられる追加的なブースターワクチンを受容した。ブースターワクチン接種の時点で、初期の一連のワクチン接種と類似のグレードの低い一時的な副作用に気付いた。
図20(AおよびB)は、繰返しブースターワクチン接種もHER2に特異的な免疫を刺激することを示している。動物289−003に対しては6か月および10か月に、動物289−004に対しては8か月に繰返しブースターワクチン接種を投与した。
臨床的転帰。ワクチン接種した群の中の8匹/18匹のイヌが再燃し、4匹は肺の転移性疾患を有し、4匹は骨転移を有した。骨転移を有する2匹のイヌは肺の転移へと進行した。仙骨に骨病巣を有する1匹のイヌは、誤嚥性肺炎で死に、孤立性肺結節を有する1匹のイヌは腎芽細胞腫で死んだが、骨および肺の病巣からのそれぞれの検視標本を転移性骨肉腫の病理組織学的な確認のために利用することができなかった。これらの2匹のイヌはOSAに特異的な生存解析から打ち切られた。再燃したイヌは主任臨床医の自由裁量で異なる救援化学療法および放射線療法を受けた。骨転移を有する4匹のイヌは、鎮痛薬のみを用いて処置するか(1匹のイヌ)、緩和放射線を単独で用いて処置するか(1匹のイヌ)、または化学療法と併用して(2匹のイヌ)処置した。2匹のイヌにはアドリアマイシンを投与し、1匹のイヌには肺の転移性疾患の治療のためにパラディアを投与した。ワクチン接種したイヌに対するOSAに特異的な平均生存期間にはまだ到達していない。TTMおよびOSAに特異的な生存に対するカプラン−マイヤー生存率曲線を図21に示す。ワクチン接種したイヌに対する1年および2年の全生存率は、それぞれ71.4%および57%である。ワクチン接種の2か月以内にHER2/neuに特異的なIFN−γ応答を発生した12匹のイヌのうち、9匹がまだ生存している(3匹のイヌ>900日、1匹のイヌ>700日、3匹のイヌ>400日、および2匹のイヌ>300日、7匹は今日まで腫瘍が無いままである(表7))。図24に提示される結果は、ADXS31−164がHER2/Neuへの耐性を破壊することを実証する。これはOSAの治療ならびに他のHER2/Neu腫瘍および/またはガンに対して有意である場合がある。
剖検所見。6匹中18匹のイヌは研究期間中に死亡し、これらのイヌのうち4匹で剖検を遂行した。3匹のイヌは、肺(3匹のイヌ)、骨(2匹のイヌ)、縦隔(1匹のイヌ)、および腎臓(1匹のイヌ)が関与するグレードIIおよびグレードIIIの多巣性転移性骨肉腫を有することが見出された。大きい進行性の腎腫瘤のために安楽死させた1匹のイヌは、腎芽細胞腫を有することが見出された。このイヌは単一の肺結節も有したが、これは残念ながら病理組織検査による評価はされなかった。
ADXS31−164の投与に続く生存、生存の延長、腫瘍進行
スクリーニング時に複数の転移性肺結節を有し、思いやりのあるケアとして治療された3匹のイヌは、疾患の進行の前に各々1つのワクチンを受容し、研究から除外された。スクリーニング時に孤立性転移性肺結節を提示した2匹のイヌは3つのワクチンすべてを受容した(表徴および腫瘍特徴については表5を参照)。ワクチン接種にもかかわらずこれらのイヌのうちの1匹で進行性の肺転移性疾患が発生した。既存の肺結節の大きさが3週間ごとに倍になっていたのにもかかわらず、第2のイヌではいかなる追加的な肺の病巣も発生しなかった(図22Aおよび図22B)。最後のワクチン接種の1週間後、CTスキャンは追加的な転移性病巣が無いことを確認し、そのイヌは転移巣切除術を受けた。外科手術の前に、腫瘍境界および炎症の区域を検出するために使用される染料であるインドシアニングリーン(ICG)を静脈内投与し、外科手術では近赤外光の下で肺結節および孤立性結節の近くの健康に見える肺実質のいくつかの他の区域で蛍光が見られた(図22Cおよび図22D)。肺結節の病理組織検査では、出血および壊死の大きい区域を有し、厚い線維性被膜によって取り囲まれた転移性OSAを明らかにした(図22E)。IHCは、結節自体の中にごくわずかなT細胞を有する線維性被膜の周りのCD3T細胞の蓄積を示した(図22Gおよび図22H)。近赤外光蛍光によって識別される他の区域はT細胞浸潤の焦点地域を示す(図22F、図22I、および図22J)。T細胞は、異常に大きいビメンチン陽性細胞を包囲して目立つ有糸分裂像を用いて示される(図22Kおよび図22L)。これらの所見は単一の転移性肉腫細胞が肺の中の腫瘍に特異的なT細胞によって効果的に標的化される場合があり、ADXS31−164がこれによって肺の転移性疾患を防止する、可能な機構を提供する場合があることを示唆する。このイヌは外科手術から良好に回復し、広い範囲に及ぶ侵攻性のHER2/neu+転移性疾患が皮下組織(骨芽細胞性、グレードIIおよび軟骨芽細胞性、グレードIII)、縦隔(骨芽細胞、グレードII)、および横隔膜(骨芽細胞、グレードIII)に発生する前5か月間にわたって肺の転移性疾患が無いままであった。結果は、HER2/neuに特異的なT細胞応答の誘導にもかかわらず、腫瘍外での副作用が識別されず、したがってHER2/neuに特異的なT細胞の誘導はHER2/neu陽性の転移性細胞の除去および疾患の再燃からの長期の保護を担当することを示す。これはHER2/Neuに特異的なT細胞増幅のタイミングによってサポートされ、これは数多くのイヌが転移性疾患を発生するとき、また巣状T細胞の病理組織学的所見によってワクチン接種および転移巣切除術に続いて1匹のイヌの肺実質の中で応答するとき、5匹のイヌでは診断のおよそ8か月後に発生した。
図22および図23に提示される結果は、ADXS31−164の投与が自然発生的なHER2+骨肉腫を有するイヌの転移性疾患を遅延および/または防止し、かつ全生存を長くすることを実証する。両方の図で見ることができるように、ワクチンを受容しているイヌは、有意に延長された生存時間を有し、一方でこれらのワクチンを受容しているイヌに対する平均生存期間にはまだ達していない。
発明者らの研究は転移性疾患を防止するうえでのこのアプローチの有効性を実証するが、ADXS31−164を用いたワクチン接種は、思いやりのあるケアに基づき治療を受けた5匹のイヌでは既存の大きい肺の転移性疾患の退行を誘発することができなかった。1匹のイヌでは、これはT細胞が転移性病巣を包囲する線維性被膜に浸透することができないこと、またはこれらの細胞が定着した腫瘍微小環境内で生存することと関連付けられると思われた(図22C)。しかしながら、この同じイヌで、周囲の大きい活動的に分割している間葉細胞を浸潤し、転移性OSA細胞となると言われているT細胞の焦点地域は大幅に正常な肺実質内で識別され、また予想に反してこのイヌの転移巣切除術の後はさらなる肺の転移性疾患は発生しなかった。これらを考え合わせると、これらのデータは、転移性OSA細胞をFAS/FASL媒介アポトーシスに敏感にする場合があるその有能な先天的な免疫応答、および微小転移性肺疾患を除去するHER2/Neuに特異的なT細胞の形態の適応性免疫応答を誘発する能力を通してADXS31−164が肺の転移性疾患を防止していることを示唆する。
結論:
本願出願時において、12匹中18匹のイヌは肺の転移性疾患を発生しておらず、最低限の残留疾患の設定で投与するときADXS31−164が自然発生HER2+骨肉腫を患う被験体における転移性疾患を防止することを実証していた。ワクチン接種したイヌは、履歴的なHER2/Neu+対照群と比較して、全生存の統計的に有意な増加を示した。HER2/Neu+対照のイヌ(n=11)での平均生存期間は、316日(p=0.032)であり、ADSX31−164処置されたイヌでの平均生存期間はまだ達していない。さらに、結果はADXS31−164がHER2/Neuの高度に保存されたIC1ドメインに対する末梢耐性を破壊することを示している(図26)。ADXS31−164投与の24時間以内の白血球の増加の程度は(図18)は、生存と相関し、ワクチンに応答するため転帰がイヌの免疫系の能力に部分的に依存することを示唆する。重要なことに、この研究は自発性OSAに罹患したイヌに最高3×10CFUまでのADXS31−164の投与が安全であり、投与時に単に一時的な低いグレードの副作用のみを発生することを示している。さらに、肺の転移性疾患の防止は、部分的にCD3T細胞が媒介する肺内の顕微鏡的な転移性疾患の除去と関連付けられる場合がある。この研究は小児科のOSAおよびHER2/Neuを発現する他のヒトのガンのために重要な意味合いを有する。
さらに、ここで発明者らはイヌでの最高3.3×10^9 CFUまでの投与量でのADXS31−164の投与が安全であること、HER2/neuに特異的な免疫性を誘発するにもかかわらず、短期または長期の心毒性につながらないことを示した。標的上で、心毒性を含む腫瘍外での副作用は、多数のHER2/neuに特異的なT細胞の投与と、またはトラスツズマブがアントラサイクリンとの同時使用時とに関連付けられてきた。発明者らは、あらゆる潜在的な心毒性のリスクを低下させるためにドキソルビシンを用いない標準的な化学療法プロトコルを採用した。
発明者らの研究は、OSAに罹患したイヌでADXS31−164が肺の転移性疾患を防止することができることを実証した。これらの結果は安全性およびかつてないほどの生存時間をOSAに罹患したイヌで実証し、小児骨肉腫および乳ガンを含むHER2/neuを発現する腫瘍を有する患者内の転移性疾患を防止する、ADXS31−164の能力を調査する道筋を固めるものである。
実施例11:
イヌならびにヒトの骨肉腫(OSA)および肺の転移性疾患の治療のためのADXS31−164および放射線療法の併用。
肺の転移性疾患を防止し、自然に起こる四肢骨肉腫を有するイヌにおける全生存を延長させるために緩和放射線と組み合わせて使用(併用)される、ヒトキメラ型HER2/neu構造(ADXS31−164)を発現する組み換え型リステリア・モノサイトゲネスについて説明する。イヌとヒト骨肉腫の間の類似性を考えると、本願出願人は、この組み合わせは、ヒト疾患のための有効な治療法であると考えている。
材料および方法
ワクチン調製
ADXS31−164の構成の詳細を前述した。ADXS31−164株を調製し、−70℃の冷凍庫で1mlのアリコートとして保存した。注射の前に、ワクチン株を37℃で2〜3分解凍し、次いでリン酸緩衝生理食塩水で2回洗浄し、5×10コロニー形成単位(CFU)/mlの最終濃度でのPBSで再懸濁した。この懸濁液200μlを各イヌに腹腔内に免疫した。
放射線療法および免疫療法
病理組織学的に確認され、治験未経験であり、HER2+四肢骨肉腫であり、心疾患または転移性疾患の証拠のない10匹の全身健康なイヌが組み入れられた。全てのイヌは、連日2つの画分で16Gyの放射線治療を受け、続いて最初の8回のADXS31−164の静脈内投与(用量あたり3.3×10^9 CFU)を3週間毎に一度受けた。リステリアベースのワクチンでの免疫化を3週間毎に行った(例えば、7日目、28日目、49日目、70日目、91日目、112日目、133日目、および154日目)(図10)。免疫解析をまた、免疫化の日にも行った。
4日目と5日目、8Gyの体外照射療法をシーメンス社(Siemens)の6MVの線形加速器を用いて送達した。放射線療法を、全身麻酔下で行った。腫瘍を3週間毎に臨床的に、およびベースライン時、4回目のワクチン投与時(70日目)、ならびに8回目のワクチン投与(154日目)時にX線検査で評価した。この時点で、肺の転移性疾患の存在を決定するために胸部放射線写真を遂行した。
骨肉腫の診断を確認するために、組み入れ時に骨生検を行った。全血算定(CBC)、化学スクリーニング(CS)、尿検査(UA)、心電図(EKG)/心エコー図/心筋トロポニンIの血清濃度(cTnl)および患肢と胸部の放射線写真を、その後安楽死まで0日目、70日目、および133日目および2ヶ月毎に行った。安楽死の日、全血算定(CBC)、化学スクリーニング(CS)、尿検査(UA)、免疫解析、心電図(EKG)/心エコー図/心筋トロポニンIの血清濃度(cTnl);および剖検を行った。
各々の表示された時点でのELISpotアッセイ凍結保存したPBMCを解凍し、37℃で一晩置き、次いで計数した。キメラ型ワクチン、および組み換え型ヒトIL−2(インビトロジェン,米国メリーランド州フレドリック)の中に存在するHER2/NeuのEC1、EC2、およびIC1ドメインを代表する重複ヒトHER2/Neuペプチド(5アミノ酸によって11merが重複する)の2.0μMのプールを用いて細胞を5日間にわたって刺激した。細胞を採取し、1×のPBS中で2回洗浄し、計数した。製造業者のプロトコルに従って市販のイヌのIFN−γ ELISpotアッセイキット(R&Dシステムズ社,米国ミネソタ州ミネアポリス)を使用して、IFN−γ ELISpotアッセイを遂行した。簡潔に述べると、0.1−3×10の刺激された細胞を2.5μMのEC1、EC2、またはIC1ペプチドプールプラスIL−2を用いて、またはIL−2を単独で用いてインキュベートした(バックグラウンド計数を決定するため)。すべてのアッセイを2回ずつ遂行した。製造業者の取扱い説明書に従ってプレートを発色させた。CTL−Immunospotアナライザー(C.T.L社、米国オハイオ州シェーカーハイツ)を使用してスポットを計数した。
結果
本明細書で上述したよう、我々は自然に起こる骨肉腫を有するイヌにおけるアジュバント療法としてADXS31−164の使用を評価した。ADXS31−164を、2日連続で16Gyの放射線療法を施した後に、自然に起こる四肢骨肉腫を有するイヌに投与した。最高8用量のADXS31−164を投与した。この研究は、ADXS31−164の3.3×10CFUの反復投与が安全であることを示した。
抗腫瘍性免疫(特にHER−2/neu特異的T細胞の生成)を促進し、原発性腫瘍の進行を遅延させ、肺の転移性疾患を防止/遅延させる放射線療法およびADXS31−164の間の潜在的な相乗効果を次いで調査した。
図10は、治療プロトコルを示している。試験に組み入れるために0日目にイヌをスクリーンした。スクリーニングは、基本的な血液検査の評価、尿検査、心機能評価、胸部および患肢の放射線写真および骨肉腫の診断を確認するための骨生検を含む。組み入れ後2日間連続で緩和放射線を照射した。ADXS31−164の複数回投与(最大8回)を、単に一時的な低いグレードの副作用のみを伴う緩和放射線療法の後、3週間毎に1度受けた。胸部および四肢の放射線写真を70日目および154日目で繰り返した。跛行スコアは、2人の有資格獣医病理学整形外科医により、各時点での各イヌを撮影したビデオのそれらの評価に基づき、各時点で各イヌに割り当てられた。イヌの飼い主は、生活の質に対する飼い主の認識が記録される有効性が認められた疼痛質問表に記入した(図28)。10匹中5匹のイヌはまだ生きており、3匹は腫瘍の進行または肺の転移性疾患の証拠は無い。本明細書を書いている時点では、平均生存期間は285日であり、これは放射線療法単体で達成される136日の平均生存期間と比べて優っている。一人の患者において、2枚の骨プレートおよび髄内ピンにより安定化された上腕骨近位端の病的骨折で試験組み入れのために提示し、放射線写真は骨折治癒の証拠を示し、放射線療法およびADXS31−164投与の3ヶ月後の肺の転移性疾患の証拠を示さない(図11)。
さらに、結果は、緩和放射線療法とADXS31−164療法との組み合わせ(併用)は、溶解を減少し、腫瘍の地固めを促進し、被験体の生存を延長することを示す(図29A〜Dおよび図30A〜B)。マーキングされた皮質骨リモデリングおよび16Gyの放射線(2014年9月13日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年11月25日)に続く、溶解の減少を実証する遠位脛骨骨肉腫障害の側面(図29A)および前後方向(図29C)の放射線写真の視野である。16Gyの放射線(2014年7月16日に開始し2日連続で8Gyとして与えられる)ならびにADXS31−164の3回の投与(2014年10月13日)により治療される遠位脛骨骨肉腫障害の側面(図29B)および前後方向(図29D)の放射線写真の視野である。橈骨遠位部内の腫れおよび骨の溶解における有意な減少に留意のこと(図29Bの2014年7月16日付けと2014年10月13日付けの放射線写真を比較のこと)。遠位脛骨の内側部の増加した骨密度がある(図29Dの2014年7月16日付けと2014年10月13日付けの放射線写真を比較のこと)。図29Dの2014年10月13日付けの放射線写真に見られる橈骨遠位部の内側面の小さな最小限の変位骨折がある。従って、ADXS31−164は、化学療法なしで使用されても、転移性疾患を防止するための切断術および化学療法よりも前に放射線と組み合わせて潜在的にネオアジュバント設定において使用されてもよい。
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示され記述されてきたが、今では当業者には数多くの修正、置換、変更、および均等物が生じるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨に含まれるかかるすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。

Claims (89)

  1. 被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを治療する方法であって、
    放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含みかつ代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含むような核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含み、
    前記代謝酵素が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、
    前記放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記HER2/neuキメラ抗原が、配列番号:2に示される配列によりコードされることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記被験体が、ヒトの大人または子どもであることを特徴とする請求項1〜2に記載の方法。
  4. 前記被験体が、イヌであることを特徴とする請求項1〜2に記載の方法。
  5. 前記HER2/neuキメラ抗原が、マッピングされたヒトMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
  6. 前記HER2/neuキメラ抗原が、イヌMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
  7. 前記核酸分子が、前記リステリアゲノムに組み込まれることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  8. 前記核酸分子が前記組み換え型弱毒化リステリア株の中のプラスミドの中にあり、かつ前記プラスミドが、抗生物質選択がない場合に前記組み換え型弱毒化リステリア株の中に安定して維持されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記組み換え型リステリアが、前記actA病毒性遺伝子内に欠失を含むことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
  10. 前記追加的なポリペプチドが、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記第2のオープンリーディングフレームによってコードされる前記代謝酵素が、アラニン・ラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記放射線療法が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に施されることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
  13. 前記放射線療法が、2日連続で各々8Gy、合計16Gyにて施されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、ADXS31−164であることを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、1回の投与あたり3.3×10CFUの用量で複数回投与されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
  16. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、3週ごとに1回ないし最大で8回投与されることを特徴とする請求項15に記載の方法。
  17. ブースター処理を施すステップをさらに含むことを特徴とする請求項15〜16に記載の方法。
  18. 前記ブースター処理を2ヶ月ごとに施すことを特徴とする請求項17に記載の方法。
  19. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、独立したアジュバントと共に投与され、
    前記アジュバントが、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記腫瘍増殖またはガンが、再燃または転移であることを特徴とする請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記ガンが、骨肉腫であることを特徴とする請求項1〜20に記載の方法。
  22. 前記転移が、肺の転移性疾患であることを特徴とする請求項21に記載の方法。
  23. 被験体におけるHER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンに対する強化した免疫応答を引き出す方法であって、
    放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームを含みかつ代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームをさらに含むような核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含み、
    前記代謝酵素が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、
    前記放射線療法の投与が、前記放射線療法の少なくとも2回の投与を含むことを特徴とする方法。
  24. 前記HER2/neuキメラ抗原が、配列番号:2に示される配列によりコードされることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  25. 前記被験体が、ヒトの大人または子どもであることを特徴とする請求項23〜24に記載の方法。
  26. 前記被験体が、イヌであることを特徴とする請求項23に記載の方法。
  27. 前記HER2/neuキメラ抗原が、マッピングされたヒトMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項23〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記HER2/neuキメラ抗原が、イヌMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項23または26のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記核酸分子が、前記リステリアゲノムに組み込まれることを特徴とする請求項23〜28のいずれか一項に記載の方法。
  30. 前記核酸分子が、前記組み換え型リステリア株の中のプラスミドの中にあり、かつ前記プラスミドが、抗生物質選択がない場合に前記組み換え型弱毒化リステリア株の中に安定して維持されることを特徴とする請求項23〜29のいずれか一項に記載の方法。
  31. 前記組み換え型リステリアが、前記actA病毒性遺伝子内に欠失を含むことを特徴とする請求項23〜30のいずれか一項に記載の方法。
  32. 前記追加的なポリペプチドが、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項23〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. 前記第2のオープンリーディングフレームによってコードされる前記代謝酵素が、アラニン・ラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素であることを特徴とする請求項23〜32のいずれか一項に記載の方法。
  34. 前記放射線療法が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に施されることを特徴とする請求項23〜33のいずれか一項に記載の方法。
  35. 前記放射線療法が、2日連続で各々8Gy、合計16Gyにて施されることを特徴とする請求項23〜34のいずれか一項に記載の方法。
  36. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、ADXS31−164であることを特徴とする請求項23〜35のいずれか一項に記載の方法。
  37. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、1回の投与あたり3.3×10CFUの用量で複数回投与されることを特徴とする請求項23〜36に記載の方法。
  38. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、3週ごとに1回ないし最大で8回投与されることを特徴とする請求項37に記載の方法。
  39. ブースター処理を施すステップをさらに含むことを特徴とする請求項37〜38に記載の方法。
  40. 前記ブースター処理を2ヶ月ごとに施すことを特徴とする請求項39に記載の方法。
  41. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、独立したアジュバントと共に投与され、
    前記アジュバントが、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項23〜40のいずれか一項に記載の方法。
  42. 前記腫瘍増殖またはガンが、再燃または転移であることを特徴とする請求項23〜41のいずれか一項に記載の方法。
  43. 前記ガンが、骨肉腫であることを特徴とする請求項23〜42のいずれか一項に記載の方法。
  44. 前記転移が、肺の転移性疾患であることを特徴とする請求項43に記載の方法。
  45. 前記強化免疫応答を引き出すステップが、結果としてHER2/neuに特異的なT細胞応答の増加をもたらすことを特徴とする請求項23〜44のいずれか一項に記載の方法。
  46. HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体の生存を延長させる方法であって、
    放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含み、
    前記代謝酵素が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、
    前記放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むことを特徴とする方法。
  47. 前記HER2/neuキメラ抗原が、配列番号:2に示される配列によりコードされることを特徴とする請求法46に記載の方法。
  48. 前記ヒトの被験体が、大人または子どもであることを特徴とする請求項46または47に記載の方法。
  49. 前記被験体が、イヌであることを特徴とする請求項46または47に記載の方法。
  50. 前記HER2/neuキメラ抗原が、マッピングされたヒトMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むヒトキメラ型HER2/neuであることを特徴とする請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法。
  51. 前記HER2/neuキメラ抗原が、イヌMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項46に記載の方法。
  52. 前記核酸分子が、前記リステリアゲノムに組み込まれることを特徴とする請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。
  53. 前記核酸分子が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の中のプラスミドの中にあり、かつ前記プラスミドが、抗生物質選択がない場合に前記組み換え型弱毒化リステリア株の中に安定して維持されることを特徴とする請求項46〜51のいずれか一項に記載の方法。
  54. 前記組み換え型リステリアが、前記actA病毒性遺伝子内に欠失を含むことを特徴とする請求項46〜53のいずれか一項に記載の方法。
  55. 前記追加的なポリペプチドが、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項46〜54のいずれか一項に記載の方法。
  56. 前記第2のオープンリーディングフレームによってコードされる前記代謝酵素が、アラニン・ラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素であることを特徴とする請求項46〜55のいずれか一項に記載の方法。
  57. 前記放射線療法が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に施されることを特徴とする請求項46〜56のいずれか一項に記載の方法。
  58. 前記放射線療法を2日連続で各々8Gy、合計16Gyにて施されることを特徴とする請求項46〜57のいずれか一項に記載の方法。
  59. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、ADXS31−164であることを特徴とする請求項46〜58のいずれか一項に記載の方法。
  60. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、1回の投与あたり3.3×10CFUの用量で複数回投与される、請求項46〜59のいずれか一項に記載の方法。
  61. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、3週ごとに1回ないし最大で8回投与されることを特徴とする請求項60に記載の方法。
  62. ブースター処理を施すステップをさらに含むことを特徴とする請求項60〜61に記載の方法。
  63. 前記ブースター処理を2ヶ月ごとに施すことを特徴とする請求項62に記載の方法。
  64. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、独立したアジュバントと共に投与され、
    前記アジュバントが、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項46〜63のいずれか一項に記載の方法。
  65. 前記腫瘍増殖またはガンが、再燃または転移であることを特徴とする請求項46〜64のいずれか一項に記載の方法。
  66. 前記ガンが、骨肉腫であることを特徴とする請求項46〜65のいずれか一項に記載の方法。
  67. 前記転移が、肺の転移性疾患であることを特徴とする請求項65に記載の方法。
  68. HER2/neuを発現する腫瘍増殖またはガンを患う被験体における転移性疾患を遅延する方法であって、
    放射線療法と併用して、追加的なポリペプチドに融合したHER2/neuキメラ抗原を含む融合ポリペプチドをコードする第1のオープンリーディングフレームおよび代謝酵素をコードする第2のオープンリーディングフレームを含む核酸を含む組み換え型弱毒化リステリア株を投与するステップを含み、
    前記代謝酵素が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の前記染色体内の突然変異した内因性遺伝子を相補し、
    前記放射線療法の投与が、該放射線療法の少なくとも2回の投与を含むことを特徴とする方法。
  69. 前記HER2/neuキメラ抗原が、配列番号:2に示される配列によりコードされることを特徴とする請求法68に記載の方法。
  70. 前記ヒトの被験体が、大人または子どもであることを特徴とする請求項68または69に記載の方法。
  71. 前記被験体が、イヌであることを特徴とする請求項68または69に記載の方法。
  72. 前記HER2/neuキメラ抗原が、マッピングされたヒトMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項68〜71のいずれか一項に記載の方法。
  73. 前記HER2/neuキメラ抗原が、イヌMHCクラスIエピトープのうちの少なくとも5、9、13、14、または17を含むことを特徴とする請求項68に記載の方法。
  74. 前記核酸分子が、前記リステリアゲノムに組み込まれることを特徴とする請求項68〜73のいずれか一項に記載の方法。
  75. 前記核酸分子が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の中のプラスミドの中にあり、かつ前記プラスミドが、抗生物質選択がない場合に前記組み換え型リステリア株の中に安定して維持されることを特徴とする請求項68〜73のいずれか一項に記載の方法。
  76. 前記組み換え型リステリアが、前記actA病毒性遺伝子内に欠失を含むことを特徴とする請求項68〜75のいずれか一項に記載の方法。
  77. 前記追加的なポリペプチドが、a)非溶血性LLOタンパク質もしくはN末端断片、b)PEST配列、またはc)ActA断片からなる群から選択されることを特徴とする請求項68〜76のいずれか一項に記載の方法。
  78. 前記第2のオープンリーディングフレームによってコードされる前記代謝酵素が、アラニン・ラセマーゼ酵素またはD−アミノ酸トランスフェラーゼ酵素であることを特徴とする請求項68〜77のいずれか一項に記載の方法。
  79. 前記放射線療法が、前記組み換え型弱毒化リステリア株の投与よりも前に施されることを特徴とする請求項68〜78のいずれか一項に記載の方法。
  80. 前記放射線療法を2日連続で各々8Gy、合計16Gyにて施されることを特徴とする請求項68〜79のいずれか一項に記載の方法。
  81. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、ADXS31−164であることを特徴とする請求項68〜80のいずれか一項に記載の方法。
  82. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、1回の投与あたり3.3×10CFUの用量で複数回投与されることを特徴とする請求項68〜81のいずれか一項に記載の方法。
  83. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、3週ごとに1回ないし最大で8回投与されることを特徴とする請求項82に記載の方法。
  84. ブースター処理を施すステップをさらに含むことを特徴とする請求項82または83に記載の方法。
  85. 前記ブースター処理を2ヶ月ごとに施すことを特徴とする請求項84に記載の方法。
  86. 前記組み換え型弱毒化リステリア株が、独立したアジュバントと共に投与され、
    前記アジュバントが、顆粒球性/マクロファージコロニー刺激因子(GM−CSF)タンパク質、GM−CSFタンパク質をコードするヌクレオチド分子、サポニンQS21、モノホスホリルリピドA、またはメチル化されていないCpG含有オリゴヌクレオチドを含むことを特徴とする請求項68〜85のいずれか一項に記載の方法。
  87. 前記腫瘍増殖またはガンが、再燃または転移であることを特徴とする請求項68〜86のいずれか一項に記載の方法。
  88. 前記ガンが、骨肉腫であることを特徴とする請求項68〜87に記載の方法。
  89. 前記転移が、肺の転移性疾患であることを特徴とする請求項88に記載の方法。
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