以下、添付の図面を参照して本発明の実施例について説明する。
図6は、本発明の一実施例に係る変調器の断面図である。
図6に示すように、本発明の実施例に係る変調器は、第1基板39及び第2基板35がその外側を構成しており、第1及び2基板35,39は透明な材質で構成されることが好ましい。第1基板39と第2基板35との間には、第1電極38及び第2電極36が設けられており、第1電極38と第2電極36との間には液晶部37が設けられている。
第1電極38及び第2電極36のいずれか一方は、共通電極の機能を有し、他方は、分割された電極の機能を有し、分割された各電極にはそれぞれ異なる電位の電圧が印加されてもよく、そのために、互いに分割された各電極は絶縁状態になることが好ましい。
第1電極38及び第2電極36は透明電極であり、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)又はZnOのような透明導電性無機物質で構成されてもよい。
図6で、第1電極38が共通電極であり、第2電極36が分割された電極である場合、第2電極36の中心に配置された電極を中心電極20と定義し、その外側に配置された電極を外側電極16,17,18,19,21,22,23,24と定義することができる。
ただし、第2電極36が共通電極であり、第1電極38が分割された電極であっても構わなく、第1及び第2電極36,38の両方とも分割された電極であっても構わない。
図7は、中心電極20と、外側電極16,17,18,19,21,22,23,24が配置された状態を平面図の形態で示している。
上記の中心電極及び外側電極は相互分離されて絶縁され、外側電極も複数個に分離されて相互絶縁されることが好ましい。ここで、中心電極20と外側電極16,17,18,19,21,22,23,24には異なった電圧が印加されて駆動されることが好ましい。中心電極20を中心にして、外側電極16,17,18,19,21,22,23,24を中心電極20の周囲に配置することができる
上記の変調器の各電極の配置の形態は、同心円の上下を切り、その外周は横長の長方形にすることが好ましいが、これは、プロジェクタから出るイメージの形態及びスクリーンの形態に対応付けるためであり、電源を供給するためのコネクタの連結の容易性のためでもある。中心電極20は、光の入射角度が最も小さい部分であり、外側電極16,17,18,19,21,22,23,24は、光の入射角度が相対的に大きい部分である。
一方、中心電極20の両側には複数の外側電極16,17,18,19,21,22,23,24が配置され、これらは、中心電極20を基準にして対称形態となることが好ましい。特に、中心電極20から同一距離だけ離れている外側電極には同一電圧が印加されることが好ましいが、これは、中心電極20から右側に第1距離だけ離れている外側電極(例えば、21で表示された外側電極)及び左側に第1距離だけ離れている外側電極(例えば、19で表示された外側電極)に入射する光の傾斜角が同一であり得るためである。
中心電極20を基準に互いに対称であると共に、中心電極20から同一距離だけ離れている各外側電極、すなわち、16と24、17と23、18と22、19と21で表示された外側電極がそれぞれ対として配置され、各対の外側電極にはそれぞれ同一電圧が印加されることが好ましい。そのために、各対の外側電極は電気的に連結されて構成されてもよい。
一方、中心電極20に印加される電圧は、外側電極16,17,18,19,21,22,23,24に印加される電圧よりも低いことが好ましく、外側電極においても、外側へ行くほど印加電圧が高く形成されることが好ましい。
図8は、本発明の一実施例に係る変調器において印加電圧によって変わる液晶パターンを示している。
印加電圧が高い場合には位相遅延(retardance)が少なく、印加電圧が相対的に低い場合には位相遅延が大きくなるが、図8(a)では、高い印加電圧によって第1及び第2電極36,38間の高い電位差による液晶の配列状態が現れ、図8(b)では、相対的に低い印加電圧によって第1及び第2電極36,38間の低い電位差による液晶の配列状態が現れることを示している。
したがって、図7及び図8のような構造において、中心電極20から外側電極16,17,18,19,21,22,23,24に行くほど高い電圧を印加すれば、中心電極20に対応する液晶部37には、図8(b)のような液晶配列状態が形成され、外側電極16,17,18,19,21,22,23,24に対応する液晶部37には、図8(a)のような液晶配列状態が形成され得る。例えば、中心電極20に5Vを印加し、外側電極において、参照番号19及び21には5.2V、18及び22には5.4V、17及び23には5.6V、16及び24には5.8Vを印加する方式で制御することによって、変調器30の外側部分に比べて変調器30の中心部分における位相遅延を増大させ、これによって、外側部分と中心部分における光路差による位相遅延を、従来に比べて減少させることができる。
図9には、図7に示した電極に印加される電圧を最適化した結果としての光路差及び位相遅延を示すグラフである。
ここで、(A)は、従来技術による光路差変化グラフであり、(B)は、本発明による位相変化グラフである。
(B)は、変調器に印加される電圧を区間によって調節して最適の円偏光を発生させる場合の位相遅延を示している。
(B)のグラフを見ると、電極が分離された区間に対応するように位相遅延曲線は鋸歯の形状になっているが、鋸歯の形状において上昇する勾配は、(A)における各区間に対応する光路差の勾配に対応してもよい。
図9の(B)曲線を見ると、入射角が増加するにもかかわらず、位相遅延が一定の範囲内で変化しているが、これは、入射角の増加によって光路差が増加し、このような光路差の増加がそのまま位相遅延の増加につながる従来技術とは格別な違いである。
すなわち、(A)の場合、電極に同一電圧が印加される状態で入射角が増加するにつれて光路差も連続して増加する形態を見せている。一方、(B)で、位相遅延が急に低くなる部分は、相互分離して絶縁された中心電極と外側電極との間又は外側電極とさらに外側にある外側電極との間を意味する。このように位相遅延が一定レベルを超えないことは、上述したように、電極の位置(中心又は外側)によって印加電圧をそれぞれ異ならせたためである。
(B)に示されている鋸歯状の曲線において、上昇する曲線の勾配は、光路差計算式(数式1)による勾配であり、電極が分離された境界線において位相遅延値がほぼ垂直に減少し、その最低点で上記の勾配による上昇がなされるが、その次の境界で下降するパターンを反復する。
これを最適化するためには、電極の大きさ及び許容クロストークを勘案してそれぞれ電極の区間を定めた後に、各区間におけるクロストーク平均値を減算するように電圧を変更すればよく、区間を6つに分割すると、図9の(B)のような鋸歯状のグラフを得ることができる。
光路差/位相遅延によるクロストークの影響は、それぞれの曲線において面積の比率で表すことができる。(A)曲線の下の空間の面積と(B)曲線の下の空間の面積の比率を計算すれば、おおよそ(B)曲線の下の空間の面積が(A)曲線の下の空間の面積に比べて減少して、既存の方法に比べて顕著に減少したことが分かる。
図10は、本発明の一実施例に係る変調器の部分断面図である。
図10に示すように、互いに分離された電極に異なった電圧が印加され得るように、相互分離された電極の間には絶縁のために間隔tを設定し、その間隔の大きさは、変調器を透過する光束の影響が最小化するように数μm〜数十μmに設定することができる。
図11は、本発明の動作による光の移動経路を示す図である。
プロジェクタから出た光は拡散され、変調器30に入射し得る。このとき、変調器30における第2電極36の中心電極20から外側電極(16〜19、21〜24)に向かって印加電圧が高まるように設定することが好ましい。このように中心と外側における印加電圧が異なるため、第2電極36と第1電極38間の電位差は、中心から外側に行くにつれて大きくなる。
上述したように、電位差が小さいと、液晶部37の位相遅延量が大きくなり、電位差が大きいと、液晶部37の位相遅延量が小さくなり得る。これによって、中央部分に入射する光と外側部分に入射する光の経路は電位差によって変わらないが、それらに印加される電位差は、このような光経路差による位相遅延を補償するように用いられるため、実質的に、外側部分の液晶部を通過する光は、液晶部の中央部分を通過する光と位相差を有しなくなる。
以下では、上述したような変調器を適用できる立体映像装置について説明する。以下に詳しく説明する立体映像装置は、従来に比べて向上した明るさを提供する立体映像装置に関する。
図12は、立体映像装置において光の移動を示す側面図である。
図12に示すように、プロジェクタ内の映像を発生させる画像面5から出る光は、プロジェクションレンズ6を経て光分割器7で2つの偏光成分を有する光に分割される。すなわち、S−偏光及びP−偏光の成分を有する光は、光分割器7で反射及び透過される。
反射されたS−偏光成分を有する光は、反射部材9により反射された後、半波長リタ−ダ8を通りながらP−偏光を有する光となり、変調器13を経てスクリーン11に収束される。このとき、変調器13は、図6及び図7と関連して上述した変調器を用いることができる。
変調器13は、電気的な信号によって偏光状態を変えることができる。また、上述したように、中心電極と外側電極にそれぞれ異なった電位差を発生させ、クロストークを低減させてもよい。
一方、光分割器7を透過したP−偏光成分の光は、変調器12を透過してスクリーン11に到達する。したがって、画像面5から出た、偏光方向の混在している光は、一つのP−偏光状態として変調器12,13で駆動された後、スクリーン11へ進行する。
このとき、反射光の発散原点は反射光画像面10であり、これは、透過光の画像面5とd1の距離差を有し得る。このため、スクリーン11上における透過及び反射された光の大きさ、すなわち、高さはそれぞれd4及びd5であって互いにずれるため、そのままでは使用し難い。
図12において、光分割器7で反射及び透過された光の光軸がスクリーン11上でなす角度をθ1とする。θ1値が非常に小さいか、又は光分割器7からスクリーン11までの距離d3が光分割器7から反射部材9までの距離d2に比べて非常に長い場合には、透過された光の画像面5と反射光画像面10との間隔は、近似的に、光分割器7から反射部材9までの距離d2と同一である。このような差によって、スクリーン11上において、光分割器7によって透過された光の大きさd4は、反射された光の大きさd5より小さくなる。
基本的に、透過された光と反射された光のスクリーン11上における大きさは同一であることが好ましいことは、上述したとおりである。
図13は、光分割器7を透過した光のスクリーン11上における高さd4を、透過光の光路にレンズ14を設けて像の大きさを増加させ、反射した光によるスクリーン11上における高さd5に整合する方法である。
この方法は一見簡単そうに見えるが、光分割器7とスクリーン11との距離d3にしたがってレンズ14の倍率を変えなければならず、各劇場の条件によって多種のレンズを準備し、それぞれの距離d3に対応付ける必要がある。また、ズームレンズを用いてレンズの種類を減らしてもよいが、透過率、大きさ及び価格などの要因からズームレンズの個別レンズを2個乃至3個に制限しなければならず、それぞれのプロジェクションシステムに対応してズ−ム位置を調節するとしても多種のズームレンズが必要である。
このため、レンズ14の設計、製作及びメンテナンスに多い労力がかかる。
他の短所としては、レンズの14の曲率及びレンズの材質が限定されているため、レンズ14の口径、すなわち、有効直径も制限される。これは、プロジェクションレンズ6から出る光の発散角が大きい場合は実質的に使用し難いことを意味し、したがって、発散角が比較的小さい映像システムにのみ適用可能である。
図14は、図13のレンズ14の代わりに、所定の曲率を有する鏡のような反射部材15を用いる方法であるが、この場合、反射部材15の曲率は約5Kmとなって製作不可な実情であり、製作するとしても、反射部材15の光軸と反射光の光軸の差が大きく発生するため収差も大きくなり、焦点調節も容易でない。このため、スクリーン11で映像が歪み、実質的に使用し難い。
一方、偏光光を分離した後、再び同じ方向に合わせる技術の他の例は、図15のとおりである。
図15において、P−偏光及びS−偏光が混在している光が、プリズムのような光学部材17,19の間に設けられた光分割器18によって、P−偏光は透過され、S−偏光は反射される。また、他の光学部材16,17の間に設けられた光分割器21によって、P−偏光は透過され、S−偏光は反射される。反射されたS−偏光の光は、半波長リタ−ダ20,22によってそれぞれP−偏光に変換される。
図15の構成によれば、P−偏光の光は理論的に全て透過されるが、S−偏光の光は、入射光の直径を基準とすれば、二分割して反射される。この技術は、ランプなどの光源から出た光の偏光を特定の偏光(例えば、P−偏光)に整列して液晶表示装置に活用するために用いる。
以下では、上述したような光路差の問題を効率的に解決できる立体映像装置を提案する。
図16は、本発明の一側面において、基礎となる立体映像装置において光の移動を示す側面図である。
図16に示すように、本発明の一実施例に係る立体映像装置は、入射光を偏光成分によって反射又は透過させる光分割器34,35と、光分割器34,35の外部に設けられ、光分割器34,35を取り囲むように配置されたプリズム23,24,25と、光分割器34,35により反射された光をスクリーン33の方向に再反射させる反射部材26,27とを備えることができる。
また、反射部材26,27の後には、スクリーンへ向かう光を他の偏光成分に(例えば、S−偏光の光をP−偏光に)変換させる半波長リタ−ダ28,31、及び変換された光を変調する(例えば、線偏光を円偏光に変調する)変調器29,32が設けられてもよい。このとき、変調器29,32は、図6及び図7と関連して上述した構造を有することができる。
光分割器34,35は、傾斜して配置される2つの光分割器で構成することができる。便宜上、第1光分割器34及び第2光分割器35と定義する。第1光分割器34と第2光分割器35は、それらの間に一定の角度をおいて配置されてもよい。
第1光分割器34に入射されたP−偏光の光は第1光分割器34を透過し、S−偏光の光は下方に反射される。第2光分割器35に入射されたP−偏光の光は第2光分割器35を透過し、S−偏光の光は上方に反射される。
一方、プリズム23,24,25は複数の単位プリズムであり、その内部に光分割器34,35が配置されてもよい。特に、第1単位プリズム23と第2単位プリズム24との間の境界面(接合面)には、第1光分割器34がコーティング処理されて配置され、第3単位プリズム25と第2単位プリズム24との間の境界面(接合面)にも第2光分割器35がコーティング処理されて配置されてもよい。
光分割器34,35に入射する光は、その入射前にプリズム23,25の入射面を通過して光分割器34,35に入射する。そして、光分割器34,35によって反射又は透過される光は、プリズム23,24,25の出射面を通過して出射される。ここで、第1光分割器34により反射された光は、第1単位プリズム23の入射面及び第2単位プリズム24の出射面に干渉を与えないようにし、第2光分割器35により反射された光は、第3単位プリズム25の入射面及び第2単位プリズム24の出射面に干渉を与えないようにしなければならない。そのために、第2単位プリズム24の2辺がなす角θ1は、90°よりも小さく形成されることが好ましい。
また、第1単位プリズム23の入射面と第1光分割器34により反射された光とがなす角θ2、及び第3単位プリズム25の入射面と第2光分割器35により反射された光とがなす角θ2は、少なくとも0.1°以上でなければならない。
一方、第1光分割器34により反射された光が第1単位プリズム23を通過する場合、屈折して更なる収差が発生しないように、第1単位プリズム23の出射面は平板として機能することが好ましい。そして、この条件は、第2光分割器35により反射された光が第3単位プリズム25を通過する場合にも適用されてもよい。
そのために、第1単位プリズム23の入射面と出射面とがなす角θ3と、第2単位プリズム24の2辺がなす角θ1は、同一値にすることが好ましい(θ1=θ3)。そして、第2単位プリズム25の入射面と出射面とがなす角θ3と第2単位プリズム24の2辺がなす角θ1も、同一値にすることが好ましい(θ1=θ3)。
このような構成下で、光分割器34,35を透過する光は、第1変調器30を通過してスクリーン33に投射され得る。また、光分割器34,35によって反射された光は、第2及び第3変調器29,32を通過して、スクリーン33に投射され、透過経路を経た光とスクリーン33上で重なり得る。
図17及び図18は、本発明の一実施例においてプリズムが分離された状態と結合された状態をそれぞれ示す図である。
すなわち、図17は、プリズムを構成する各単位プリズムが分離された場合を示し、図18は、各単位プリズムが接合された場合を示している。
図17において、単位プリズムを製作するとき、2辺のなす角θ5,θ6,θ7が形成される。これらの角を定義すると、第1及び第3単位プリズム23,25の場合、入射面と接合面(第2単位プリズムと接合される面)との間に形成される角度を意味する。第2単位プリズム24の場合、出射面以外の2つの接合面(第1単位プリズムと接する面及び第3単位プリズムと接する面)の間に形成される角度を意味する。
これらの角度は理論値に比べて、所定の公差δを有してもよい。光学材料を用いて単位プリズムをそれぞれ製作する場合、加工の精密度を上げても微小な誤差が発生しうるためである。
したがって、図18のように、第1単位プリズム23の入射面と第3単位プリズム25の入射面とがなす角θ8の理論的角度は180°でなければならないが、第1単位プリズム23における角θ7、第2単位プリズム24における角θ6、及び第3単位プリズム25における角θ5の和である実際角度が180°±δ゜になってもよい。
このような公差が発生すると、第1単位プリズム23の入射面と第3単位プリズム25の入射面とが離れたり、又は重なることがあり、これは、この部分を通過する光に影響を与え、スクリーンで具現される画像の画質低下をもたらしうる。
プロジェクタからスクリーンまでの距離がLであり、上述したように重なったり離れた距離をΔとすれば、Δは、次のように表現することができる。
例えば、L=25m、δ=3’(秒)である場合にはΔ≒22mmとなり、実質的に使用し難くなる。
この公差3’は現在可能な精密加工の程度であり、例えば、δ=1’と超精密加工しても、画面のずれが7mm程度となり、使用し難くなる。
そこで、これを改善するために、本発明の好適な実施例では、図19のように、基板36を第1単位プリズム25の入射面と第3単位プリズム23の入射面にわたって配置することを提案する。
図19は、本発明の一実施例において、プリズムに基板が付着された状態を示す図である。
基板36は、光が透過する透明な光学部材で構成され、平板状にすることが好ましい。基板36は、第1単位プリズム23の入射面及び第3単位プリズム25の入射面との間に形成された隙間を覆うことによって、当該隙間に光が直接進入することを防止し、その隙間における光エネルギーの損失を防止する。ここで、光エネルギーの損失とは、光の散乱、乱反射、屈折、消滅などのように、予期せぬ光の進行経路の変化を意味する。
そして、基板36の屈折率は、プリズム23,24,25の屈折率と同一又は類似であることが好ましい。これは、基板36とプリズム23,24,25間の更なる屈折を防止するためである。したがって、基板36を通過した光は、第1及び第3単位プリズム23,25に入射した後、光分割器34,35に入射してその偏光成分によって光分割器34,35により反射されたり光分割器34,35を透過したりする。
基板36が第1単位プリズム23の入射面と第3単位プリズム25の入射面に配置されるように別の接着層37を形成し、基板36を安定して位置させることができる。
接着層37を構成する物質は、第1及び第3単位プリズム23,25の屈折率及び基板36の屈折率と同一又は類似の屈折率を有する透明な接着物質を使用することによって、収差の発生を抑制することが好ましい。
図20は、図19によるプリズム、基板及び透過経路のレンズが適用された立体映像装置において光の移動を示す側面図である。
図20は、図16のようなシステムにおいて、透過光によるイメージの大きさd6と反射光によるイメージの大きさd7との差を最小化する方法を示している。
図20による実施例では、透過光によるイメージを拡大し、反射光のイメージの大きさと同一に具現することを提案する。そのために、光分割器34,35及び第2単位プリズム24を透過した光の経路上にレンズ37を配置し、透過光によるイメージの大きさを調節する。
図21は、図16のようなシステムにおいて透過光によるイメージの大きさd6と反射光によるイメージの大きさd7との差が発生した場合、この差をなくすための他の方法を示している。
図21による実施例では、反射光によるイメージを縮小し、透過光のイメージの大きさと同一に具現することを提案する。そのために、反射光の経路上に、単純な鏡のような反射部材の代わりに、反射部材とプリズムを同時に具備する反射部材−プリズムアセンブリ38,39を配置している。これによって、光分割器34,35により反射され、第1及び第3単位プリズム23,25を通過した光は、反射部材−プリズムアセンブリ38,39を通過してそのイメージの大きさが、図16の状態に比べて縮小し、透過光によるイメージの大きさと同一になり得る。
図22は、図16、図18、図19、図20に比べて光効率を一層増加させることができる方法を提示する。
図22で、各単位プリズムを接合する場合、点線で表示した円の部分には各単位プリズムの頂点が集まる。特に、第1単位プリズム23の入射面と第3単位プリズム25の入射面とが接合される境界上に微小な離隔空間が形成されうるが、この離隔空間の大きさをt1と定義する。t1は、通常、0.1mm〜0.2mmである。この場合、この離隔空間を透過する光は散乱し、光の損失が発生する。
このような光損失を防止するために、本実施例では、基板36の前に屈折部材40,41を配置することを提案する。屈折部材40,41を、便宜上、第1屈折部材40、第2屈折部材41と区別して定義すると、第1屈折部材40と第2屈折部材41との相互配置角度は180°(平面状態)ではなく、それ以上又はそれ以下になることが好ましい。すなわち、第1屈折部材40の入射面と第2屈折部材41の入射面との相互配置角度は180°よりも小さいことが好ましく、第1屈折部材40の出射面と第2屈折部材41の出射面との相互配置角度は180°よりも大きいことが好ましい。
屈折部材40,41を平板の光学部材を曲げて作ったものと仮定した場合、その曲げ角度は、入射面の立場では180°より小さく、出射面の立場では180°より大きいともいえる。第1屈折部材40と第2屈折部材41との連結部は、隙間がなくてもよく、微小な隙間t2を有してもよい。
このような構成下で光が屈折部材40,41に入射すると、連結部で光が上下方向に傾斜して分離され、第1単位プリズム23の入射面と第3単位プリズム25の入射面とが接合される境界上の離隔空間t1に光が入ることが防止される。これについて詳しく説明すると、連結部で分離された光は屈折部材40,41の出射面で方向を変えて、分離された状態で平行を維持するが、このとき、間隔はt3を維持でき、t3の間隔は、離隔空間であるt1より大きいため、離隔空間による光エネルギー損失を防止することができる。
ここで、t2が発生するとしても数十μmと具現可能なため、光の損失が現実的にはないといえる。
以下では、本発明の他の側面として、全反射を用いて明るさを改善した立体映像装置を説明する。
図21と関連して上述した実施例において、反射部材−プリズムアセンブリ38,39、例えば、ミラー−プリズム組立体において、ミラーは、一般に、プリズムの表面にアルミニウム又は銀をコートして生成する。
図23は、アルミニウムと銀の可視光線領域における反射率を示している。すなわち、入射する光の波長が400nm〜700nmである場合における反射率を示している。
図23を参照すると、銀の反射率がアルミニウムの反射率に比べて約5%高いが、表面にコ−ティングをする場合には、銀がアルミニウムに比べて酸化による腐食がよく発生しうる。このため、一般に、反射部材−プリズムアセンブリ又はミラー−プリズム組立体38,39のミラーにはアルミニウムが使われている。しかし、プリズムの表面にコ−ティングを施す過程自体が高い費用を要し、反射による光損失も発生しうるという短所がある。
かかる短所を改善するために、本発明の一側面では、全反射を用いて反射効率を極大化させる方法を提案する。
図24は、本発明の実施例に係る立体映像装置を例示する図である。
説明の便宜のために、1個の偏光光分割器(PBS)によって光が二分割される場合を図示しているが、図21などで上述したように、1つの光が3つ以上の経路に分割されてスクリーンに映される場合にも適用可能であることは勿論である。
図24を参照すると、PBS2により反射された光は、2つの屈折面と1つの反射面を有するプリズム形態の全反射ミラー10を通過してスクリーンに向かって照射される。このような全反射ミラーは、ミラー面に入射する光の入射角と関連している。
図25は、入射角による反射率を例示する図である。特に、図25では、プリズムの材質がBK7である場合を例示する。
図25を参照すると、全反射される角度、すなわち、臨界角(critical angle)は約41.2゜であることが分かる。したがって、図24で最小入射角θ1と最大入射角θ2がこの臨界角よりも大きいと、全反射が起きる。また、プリズムに反射される光が上記臨界角以上の入射角を有すると、図25のように、反射率は100%となり、従来のアルミニウムの反射率91.8%に比べて顕著に高い反射率が得られ、上記反射光の明るさを改善することができる。
このような方式は、上述した2重光又は3重光立体映像装置において反射部材−プリズムアセンブリに適用されて明るさを改善させ、全体映像自体の明るさを向上させることができる。
図26には、本発明の実施例に係る多重分割立体映像表示装置を例示する。特に、図26は、PBS11,12によって光が3分割された場合を仮定する。
図26を参照すると、プロジェクタ1から出た光がPBS11,12によって分割されて、S−偏光の光は反射され、P−偏光の光は透過される。ここで、プリズム形態の全反射ミラー13,14に上記反射されたS−偏光の光が入射する最小入射角θ3及びθ5、そして最大入射角θ4及びθ6が臨界角以上であれば、全ての光は全反射され、反射効率100%を達成することができる。
本発明を、本発明の特徴から逸脱しない範囲で他の特定の形態で具体化できるということは、当業者にとって明らかである。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付する請求項の合理的解釈によって決定しなければならず、本発明の同等範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。