JP2017512305A - マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計の自動化された動作のためのシステムおよび方法 - Google Patents

マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計の自動化された動作のためのシステムおよび方法 Download PDF

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Abstract

本開示は、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された同調のための方法およびシステムを提供する。ある実施形態では、複数のモードの中でもとりわけ、例えば、通気セルモード、反応セルモード(例えば、動的反応セルモード)、および衝突セルモード(例えば、運動エネルギー弁別モード)から選択される1つまたはそれを上回るモードにおいて、前記システムの同調を自動化する、「単一クリック」最適化方法が、マルチモードICP−MSシステムのために提供される。より高速、より効率的、かつより正確な同調を提供する、動的範囲最適化技法を含む、ワークフローおよび算出ルーチンが、提示される。

Description

(優先権)
本願は、“Systems and Methods for Automated Optimization of a Multi−Mode Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometer”と題された、2014年2月14日に出願された米国仮特許出願第61/940,349号に対する優先権および利益を主張するものであり、その内容の全体は、参照により本明細書中に援用される。
本発明は、概して、質量分析システムの同調に関する。特定の実施形態では、本発明は、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された同調に関する。
質量分析(MS)は、定量的および定質的用途の両方を有する、未知のサンプル物質の元素組成を判定するための分析技法である。例えば、MSは、未知の化合物を識別し、分子中の元素の同位体組成を判定し、その断片化を観察することによって、特定の化合物の構造を判定するためだけではなく、サンプル中の特定の化合物の量を定量化するためにも有用である。質量分析計は、典型的には、正荷電粒子のストリーム、すなわち、イオンストリームを形成するための多くの異なる利用可能な方法の1つを使用して、試験サンプルをイオン化することによって動作する。イオンストリームは、次いで、質量分化を受け(時間または空間において)、質量/電荷(m/z)比に従って、イオンストリーム内の異なる粒子集団を分離する。下流質量分析器は、着目分析データ、例えば、異なる粒子の集団の相対濃度、生成または断片イオンの質量/電荷比、および他の潜在的に有用な分析データを算出するために、質量分化された粒子集団の強度を検出することができる。
質量分析では、着目イオン(「検体イオン」)は、検体イオンと実質的に同一公称m/z比を有する、他の望ましくないイオン集団(「干渉イオン」)とイオンストリーム中に共存し得る。ある場合には、干渉イオンのm/z比は、同じではないが、質量分析器の分解能内にある、検体イオンのm/z比に十分に近く、それによって、質量分析器が2つのタイプのイオンを区別することを不能にするであろう。質量分析器の分解能の改善は、本タイプの干渉(一般に、「同重体」または「スペクトル干渉」と称される)に対処するためのアプローチの1つである。しかしながら、より高い分解能の質量分析器は、より低速の抽出率およびイオン信号のより高い損失を有し、より敏感な検出器を要求する傾向にある。達成可能分解能に関する限界にもまた、遭遇し得る。
スペクトル干渉を超えると、付加的非スペクトル干渉もまた、一般に、質量分析において遭遇される。これらは、粒子の中性準安定種に由来し、ある範囲の質量にわたって、背景増加をもたらし得る。本背景増加は、機器の検出限界に悪影響を及ぼす。イオンストリーム中のいくつかの一般的非スペクトル干渉として、光子、中性粒子、およびガス分子が挙げられる。
誘導結合プラズマ質量分析(ICP−MS)は、微量金属分析を行うための選択肢のうちの機器として世界中の実験室において支持されている。ICP−MS機器検出限界は、周期表の多くのものに対して10億分の1(ppb)レベルまたはそれを下回り、分析作業範囲は、9桁の大きさであって、生産性は、他の技法より優れており、同位体分析が、容易に達成されることができる。ICP−MS機器上で行われる大部分の分析は、定量的である。しかしながら、ICP−MSは、半定量的分析も同様に行い、例えば、80個の検出可能かつ区別可能な元素のいずれかに対する未知のサンプルを識別することができる。
ICP−MS分析では、サンプルが、エアロゾル液滴として、アルゴンプラズマの中に導入される。プラズマは、エアロゾルを乾燥させ、分子を解離させ、次いで、電子をその成分から除去し、それによって、単一荷電イオンを形成し、これは、質量分析計として知られる質量フィルタ処理デバイスの中に指向される。大部分の市販のICP−MSシステムは、質量範囲を高速走査する、四重極質量分析計を採用する。任意の所与の時間において、1つのみの質量/電荷比が、入口から出口へと質量分析計を通して通過することが可能にされる。質量分析計から退出すると、イオンは、検出器としての役割を果たす、電子増倍管の第1のダイノードに衝打する。イオンの衝撃は、一連の電子を放出し、これは、測定可能パルスとなるまで増幅される。測定されたパルスの強度は、特定の元素に対する較正曲線を構成する、標準と比較され、サンプル中のその元素の濃度を判定する。
大部分のICP−MS機器は、以下の構成要素、すなわち、噴霧器およびスプレーチャンバから成るサンプル導入システムと、イオン源としての役割を果たすアルゴンプラズマを発生させるためのICPトーチおよびRFコイルと、大気圧ICPイオン源を高真空質量分析計に連結するためのインターフェースと、イオン光学、四重極、および検出器のための高真空を提供する、真空システムと、質量分析計に先行し、達成可能検出限界を低下させ得る干渉を除去するために使用される、衝突/反応セルと、中性種および光子がイオンビームから廃棄されることを保証しながら、所望のイオンを四重極の中に誘導する、イオン光学と、その質量/電荷比(m/z)によってイオンを分類するための質量フィルタとして作用する、質量分析計と、四重極から退出する個々のイオンをカウントする、検出器と、機器制御の側面および最終濃度結果を得る際に使用するためのデータ取扱を制御する、データ取扱およびシステムコントローラとを含む。
誘導結合プラズマイオン源では、3つの同心管(典型的には、石英)を含む、トーチの端部が、無線周波数電流が供給される誘導コイルの中に設置される。アルゴンガス流が、次いで、トーチの2つの最外管間に導入されることができ、そこで、アルゴン原子は、誘導コイルの無線周波数磁場と相互作用し、電子をアルゴン原子から遊離させることができる。本作用は、わずかな割合のアルゴンイオンおよび自由電子を伴って、大部分がアルゴン原子から成る、超高温(おそらく10,000K)プラズマを生成する。検体サンプルは、次いで、例えば、噴霧される霧状の液体として、アルゴンプラズマを通して通過される。噴霧されたサンプルの液滴は、蒸発し、液体中に溶解された任意の固体は、原子に分解され、プラズマ中の超高温に起因して、その最も弱結合された電子が奪われ、単一荷電イオンを形成する。
したがって、ICPイオン源によって発生されたイオンストリームは、多くの場合、着目検体イオンに加え、高濃度のアルゴンおよびアルゴン系スペクトル干渉イオンを含有する。例えば、より一般的スペクトル干渉のいくつかとして、Ar+、ArO+、Ar2+、ArCl+、ArH+、およびMAr+が挙げられる(Mは、サンプルがイオン化のために懸濁された基質金属を示す)が、また、ClO+、MO+、および同等物等の他のスペクトル干渉も挙げられ得る。グロー放電およびエレクトロスプレーイオン源を含む、他のタイプのイオン源もまた、無視できない濃度のスペクトル干渉を生成し得る。スペクトル干渉は、例えば、源からのイオン抽出の間、MS内の他の源からも発生され得る(例えば、いったんICPの外側の真空圧を受けるときのプラズマの冷却に起因して、またはおそらく、サンプラもしくはスキマオリフィスとの相互作用に起因して)。サンプラまたはスキマの縁に存在する運動量境界も、スペクトル干渉の別の可能性として考えられる源を表す。
検体と干渉イオンを区別するための高分解能質量分析器以外に、イオンストリーム中のスペクトル干渉の影響を緩和する別の方法として、質量分析段階の上流の干渉イオンを選択的に排除することが挙げられる。1つのアプローチに従って、イオンストリームは、望ましくない干渉イオンと反応性である一方、検体イオンに対しては、多かれ少なかれ不活性のままである、選択されたガスで充填される、時として、反応セル(例えば、PerkinElmer, Inc.によって製造されるような動的反応セル(DRC))と称される、セルを通して通過されることができる。用語「DRC」および「DRCモード」は、本明細書では、用語「反応セル」および「反応セルモード」と同じ意味で使用される。イオンストリームが、DRC内において反応性ガスと衝突するにつれて、干渉イオンは、検体イオンと実質的に同一または類似のm/z比を有していない、生成イオンを形成する。生成イオンのm/z比が、検体のものと実質的に異なる場合、従来の質量フィルタ処理が、次いで、セルに適用され、検体イオン流の有意な中断を伴わずに、生成干渉イオンを排除することができる。したがって、イオンストリームは、バンドパス質量フィルタを受け、有意な割合において、検体イオンのみ質量分析段階に伝送することができる。干渉イオンを排除するためのDRCの使用は、例えば、米国特許第6,140,638号および第6,627,912号に説明されており、その内容全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
一般に、DRCは、着目検体に応じて、約1兆分の1またはそれを下回ってさえ、超低検出限界を提供することができる。同一同位体に対して、ある限定または制約が、DRCに課される。1つは、反応性ガスは、検体とではなく、干渉イオンとのみ反応性でなければならないため、DRCは、着目検体イオンに敏感であることである。異なる反応性ガスが、異なる検体に対して採用される必要があり得る。他の場合には、特定の検体に対して、既知の好適な反応性ガスが存在しない場合がある。一般に、単一反応性ガスを使用して、全スペクトル干渉に対処することは、不可能であり得る。
使用され得るセルのタイプの形態における別の潜在的制約も、DRCに課される。イオンの半径方向閉じ込めは、伸長ロッドセット内に半径方向RF場を形成することによって、セル内に提供される。本性質の閉じ込め場は、一般に、異なる順序であることができるが、一般に、四重極場、またはそうでなければ、六重極または八重極場等のあるより高次の場のいずれかである。しかしながら、DRCは、質量フィルタ処理が、生成干渉イオンを排除するために、衝突セル内に適用されるべき場合、四重極半径方向閉じ込め場の使用に制限され得る。四重極ロッドセットへの小DC電圧の印加は、印加される四重極RFと併せて、狭い同調可能範囲の外側にあるm/z比のイオンを不安定にし、それによって、イオンに対してある形態の質量フィルタを作成し得る。他のより高次の極に対する匹敵する技法は、四重極ロッドセットほど効果的ではない場合がある。したがって、DRCは、四重極場を伴うセルに制限され得る。
時として、衝突セルモード(例えば、PerkinElmer, Inc.によって製造されるような運動エネルギー弁別(KED))と称される、別のアプローチによると、イオンストリームは、衝突セルの内側において、実質的に不活性なガスと衝突され得る。用語「KED」および「KEDモード」は、本明細書では、用語「衝突セル」および「衝突セルモード」と同じ意味で使用される。検体および干渉イオンは両方とも、不活性ガスと衝突され、イオン中に平均的運動エネルギー損失を生じさせ得る。衝突に起因する運動エネルギー損失の量は、イオンの元素組成に関連する、イオンの衝突断面に関連する。2つまたはそれを上回る結合された原子から成る、多原子イオン(また、分子イオンとしても知られる)は、単一荷電原子のみから成る単原子イオンより大きい衝突断面を有する傾向にある。これは、多原子イオン中の2つまたはそれを上回る結合された原子間の原子間隔に起因する。その結果、不活性ガスは、優先的に、多原子原子と衝突し、平均して、同一m/z比の単原子において見られるであろうものより大きな運動エネルギー損失を生じさせ得る。衝突セルの下流端部に確立される好適なエネルギー障壁は、次いで、多原子干渉の有意な部分を捕捉し、下流質量分析器への伝送を防止することができる。
DRCと比較して、KEDは、不活性ガスの選択肢が、実質的に、特定の干渉および/または着目検体イオンに依存しないため、概して、より多様性かつ動作が単純であるという利点を有する。多くの場合、ヘリウムである、単一不活性ガスは、干渉および検体イオンの相対的衝突が前述のようである限り、異なるm/z比の多くの異なる多原子干渉を効果的に除去することができる。同時に、ある短所が、KEDと関連付けられ得る。特に、KEDは、エネルギー減少検体イオンのいくつかが、干渉イオンとともに捕捉され、質量分析状態に到達することを妨害されるであろうため、DRCより低いイオン感度を有し得る。同一低レベルのイオン(例えば、1兆分の1およびそれを下回る)は、したがって、KEDを使用して検出されることができない。例えば、検出限界は、DRCと比較して、KEDを使用すると10〜1000倍も低下し得る。
ある程度は、KEDもまた、衝突セル内で使用され得る、半径方向閉じ込め場の範囲が制限され得る。不活性ガスとの衝突は、ロッドセット内のイオンの半径方向散乱を生じさせる。六重極および八重極場を含む、より高次の閉じ込め場は、四重極場より深い半径方向電位井戸を提供することができ、したがって、より良好な半径方向閉じ込めを提供し得るため、好ましくあり得る。四重極場は、DRCと異なり、質量フィルタが、通常、生成干渉イオンを弁別するために利用されないため、厳密には、KEDに要求されない。KEDでは、下流エネルギー障壁は、検体イオンのものと比較したその平均運動エネルギーの観点から、干渉イオンを弁別する。利用可能なより高次の極の使用はまた、ビームの幅およびビーム内の個別のイオン集団のエネルギー分布等、イオンストリームの質に関する要件を緩和する傾向にあり、ひいては、質量分析計内の他のイオン光学要素に関する要件を緩和し、より多用途性を提供することができる。
IPC−MSシステムが、DRCまたはKEDモードのいずれでも動作していないとき、すなわち、通気セルモードで動作しているとき、これは、本明細書では、標準(STD)モードと称される。ユーザが、特定の用途のための最良モードを選択し、次いで、機器を用いて別の用途を行うとき、所望のモードを後に切り替えることができるように、標準(STD)、DRC、およびKED動作モード間で切替可能なICP−MSシステムを有することは、有益である。標準、DRC、およびKEDモード間で切替可能であるICP−MSシステムに関する情報は、米国特許第8,426,804号に説明されており、その文章は、参照することによってその全体として組み込まれる。例えば、衝突セルの上流に位置するイオン源および他のイオン光学要素を制御することによって、かつ質量分析器等の下流構成要素を制御し、好適なエネルギー障壁を確立することによって、四重極衝突セルは、KEDのために動作可能となることができる。したがって、質量分析計システム内の単一衝突セルは、DRCモード(反応モード)とKEDモード(衝突モード)の両方で動作することができ、システムはまた、動的反応セルを伴わずに、かつ運動エネルギー弁別を伴わずに、標準モード(STD)で動作することができる。これは、用途の柔軟性の増加をもたらす。
例えば、通気セルモード(例えば、標準「STD」モード)では、ICP-MSシステムのセルガスが、「オフ」にされ、システムは、非セル機器のように機能し、干渉補正を要求しない元素に対して、衝突セルモード(例えば、KED)または反応セルモード(例えば、DRC)に等しい感度のレベルを提供する。衝突セルモード(例えば、KED)では、非反応性ガスが、セルの中に導入され、より大きい直径を伴う干渉イオンと衝突し、運動エネルギー弁別(KED)を通して除去され得るように、その運動エネルギーを低下させる。反応セルモード(例えば、DRC)では、高反応性ガス(または複数のガス)が、セルの中に導入され、予測可能な化学反応を生成する。任意の副反応および結果として生じる新しい干渉は、着目元素のみが、分析四重極および検出器に通過されるように、走査四重極によって直ちに除去されることができる。
ICP−MSシステムの同調、すなわち、最適化が、機器の正確なおよび精密な動作を確実にするために、ルーチンベース、例えば、日常ベースで要求される。マルチモードICP−MSシステムのための同調手順は、設定が動作モードに応じて調節される必要があるため、複雑である。従来、これは、主に、手動手順であった。頻繁なモード切替は、頻繁な調節を要求し、特殊オペレータによって行われるべきより多くの労働を要求し、生産性を低下させる。
あるICP−MSは、カスタマイズされた同調または最適化シーケンスがプログラムされることを可能にするが、これらのシーケンスは、問題が検出されるとき、単に、プログラムを停止させる、ICP−MSによって行われるステップの静的列挙である。したがって、ICP−MSは、そのようなプログラムが実行されているとき、技術者によって継続的に監視される必要があるであろう。
マルチモードICP−MSシステムのための改良された同調最適化手順の必要性がある。
米国特許第6,140,638号明細書 米国特許第6,627,912号明細書
本明細書に説明されるのは、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された同調のための方法およびシステムである。ある実施形態では、「単回クリック」最適化方法が、複数のモードの中でもとりわけ、例えば、通気セルモード(標準動作モード「STD」とも称される)、反応セルモード(動的反応セルモード「DRC」とも称される)、および衝突セルモード(運動エネルギー弁別モード「KED」とも称される)から選択される1つまたはそれを上回るモードにおけるシステムの同調を自動化する、マルチモードICP−MSシステムのために提供される。ここでは、「単回クリック」は、例えば、選択されるモードと、適用可能である場合、セルガスおよび/またはガス流率の選択肢とを規定する単純ユーザ入力のエントリに続いて、自動化された手順を起動する、単純ユーザ入力(例えば、キーストローク)を指す。この目的を達成するために、自動化された手順は、手順が始動された後、オペレータが、同調または最適化プロセスと相互作用またはそれに従事する要件を回避する。手順は、包括的自動化された体系的様式において、ICP−MSを同調するための方法を提供する。いくつかの実装では、システムは、1つまたはそれを上回る最小検出レベルまたは同調(最適化)手順の間に実施される性能査定のための基準としての検出レベルもしくは検出閾値を定義する。
より高速、より効率的、かつより正確な同調を提供する、動的範囲最適化技法を含む、ワークフローおよび算出ルーチンが、提示される。ルーチンは、複数のレベルにパーティション化されてもよい。所与の同調手順のために、ユーザ始動に続き、最適化ルーチンは、機器性能査定によって判定されるように、ICP−MSの同調成功が達成されるまで、1つのレベルから次のレベルに前進する。いくつかの実装では、自動化された最適化ルーチンは、最適機器性能のために所与のサブルーチンが稼働されるべき頻度(例えば、毎日、毎月、またはハードウェア変更があったとき)および/または課題/問題が所与のサブルーチンによって検出されるであろう予期される尤度を考慮する。
最適化手順の所与のレベルの終了時(および/または最適化手順の始動時)に判定されるように、性能要件を満たさない場合、システムは、自動化された同調の後続レベルに前進する結果となる。
ある実施形態では、本方法は、より完全な「フル」性能査定より少ないステップを含有する「クイック」性能査定の実装を伴う。「クイック」チェックが満足がいくものである場合、より完全な「フル」性能チェックが行われ、「クイック」チェックが満足がいかないものである場合、試験は、「失敗」と見なされ、さらなる調節が必要であることを示す。これは、失敗したチェックの識別を加速させる役割を果たし、その後、最適化の次のレベルが、さらなる調節のために行われなければならない。いくつかの実装では、「フル」性能査定は、「クイック」チェックと同一の基準/複数の基準を使用して、サンプルの繰り返し試験を採用する(例えば、所定の繰り返し回数稼働する)。
自動化されたワークフローのステップは、例えば、質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、四重極イオン偏向器(QID)の較正、四重極ロッドオフセット(QRO)、噴霧器ガス流最適化、セルロッドオフセット(CRO)最適化、セル入口/出口最適化、質量較正、および/または検出器最適化を含む。これらの手順はまた、例えば、既知の濃度における既知の検体を含有する検体含有標準溶液の使用を伴ってもよい。さらに、いくつかの実装では、自動ワークフローは、1つまたはそれを上回るステップを反復的に繰り返し、ICP−MSの性能を改善する、および/または一貫した動作を確実にする。
さらに、動的範囲最適化技法が、噴霧器ガス流最適化および/または四重極イオン偏向器(QID)(「オートレンズ」)較正における値の識別を捗らせるために提供される。以前、ユーザは、最適化された設定値が同調手順の間に見出されるであろう範囲を規定することが要求されていた。これは、時間がかかり、システムの詳細なユーザ知識を要求し、誤差をもたらすか、または、最適化された位置が規定された範囲内に見出されなかったときに、ユーザによる新しい範囲のエントリを要求した。動的範囲最適化は、ユーザ入力を要求しない。むしろ、初期範囲は、自動的に規定され、これは、最近傍最適化位置の周囲の所定の範囲であり得る。同調ルーチンは、自動的に規定された範囲を使用して行われる。最適化基準が本初期範囲内に満たされない場合、新しい範囲が識別され、例えば、前の範囲を改良された性能の方向に自動的にシフトさせることによって識別される。手順は、このように、前の範囲が最適化された値を含有していないことが見出されると、新しい範囲を識別し続ける。同調ステップは、最適化された値が試験された範囲内で識別されると完了する。
また、本明細書に提示されるのは、セルロッドオフセット(CRO)、四重極イオン偏向器(QID)(「オートレンズ」)、および/または複数の検体を使用して識別された強度の正規化を伴う自動化されたワークフロー内の他の設定の最適化のための改良された技法である。例えば、CROのための最適化された設定(位置)は、複数の検体毎に、ある範囲の偏向器電圧にわたって得られたパルス強度を正規化することによって識別される。複数の検体は、例えば、比較的に低質量の検体、中間質量の検体、およびより高い質量の検体を含んでもよい。パルス強度は、個別の検体に対する最大強度値によって正規化され、次いで、これらの正規化された値は、その個別の偏向器電圧によって乗算される。全検体間の最高値が、最良妥協点として識別され、最適化された設定値(例えば、CRO)を識別するために使用される。
また、本明細書に提示されるのは、最適化の間に使用されるべき検体溶液の変更の必要性を自動的に識別するための「スマートサンプリング」技法である。単一クリック最適化ルーチンの始動に先立って、オートサンプラに必要とされ得る検体溶液を装填することによって、ユーザが最適化プロセス全体を通して存在することが要求されず、それによって、オペレータ生産性を改善する。
一側面では、本発明は、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された最適化(同調)のためのシステムを対象とする。本システムは、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)と、プロセッサと、その上に命令を記憶する、非一過性コンピュータ可読媒体とを含む。命令は、実行されると、プロセッサに、ICP−MS上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信させ、ユーザデータ入力は、ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、例えば、動的反応セル「DRC」モード、および(c)衝突セルモード、例えば、運動エネルギー弁別「KED」モードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む。命令は、実行されると、さらにプロセッサに、ICP−MSに対する自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信させる。いくつかの実装では、ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、選択、またはユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード、マウス、もしくは任意の他のUIデバイスを介して送達される任意の他のユーザ入力を含む。命令は、実行されると、さらにプロセッサに、ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、自動化された最適化ルーチンを行うための信号をICP−MSに伝送させる。自動化された最適化ルーチンは、プロセッサによって定められたシーケンスにおいて行われる1つまたはそれを上回るステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含む。サブシーケンスは、第1の性能査定(例えば、「クイック」査定)を自動的に実施し、次いで、第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定(例えば、「フル」査定)を実施するステップを含む。逆に、第1の査定が満足のいかないものである場合、ルーチンは、サブシーケンスを終了し、性能査定が失敗したと識別し、第1の性能査定は、第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い。いくつかの実施形態では、「より少ないステップ」とは、同じステップおよび/またはより少ない一意のステップのより少ない定められた繰り返しを意味する。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、1つまたはそれを上回るレベルを含む。各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされる。逆に、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、ルーチンは、最適化を終了するようにプログラムされる。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含む。最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含み、動的範囲最適化サブシーケンスは、ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶された値(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶された)から判定される所定の初期範囲(例えば、以前に判定された最適化された値についての所定のサイズの範囲内)内の関連付けられた設定を調節することによって、関連付けられた最適化ステップを始動させるステップを含む。最適化基準が所定の初期範囲内で満たされない場合、ルーチンは、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続けるステップを含む。対応する設定は、次いで、後の使用のために記録される(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記録する)。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含む。最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含み、正規化サブルーチンは、複数の検体(例えば、比較的に低質量の第1の検体、比較的により大きい質量の第2の検体、および比較的にさらにより大きい質量の第3の検体)毎に、ある範囲の電圧にわたって、ICP-MSから判定されたパルス強度を正規化することによって、ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む。ルーチンは、次いで、正規化された値を使用して、最適化された設定を識別する。ある実施形態では、正規化サブルーチンは、個別の電圧における正規化された値を乗算し、結果から最良妥協点を識別し、それによって、最適化された設定を識別するステップを含む。
ある実施形態では、システムはさらに、オートサンプラを含み、自動化された最適化ルーチンは、スマートサンプリングサブルーチンを含む。サブルーチンは、(i)最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)第1の検体溶液が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、オートサンプラを介して、ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む。ある実施形態では、オートサンプラが接続されない場合、システムは、溶液変更が要求されるとき、メッセージを発生させる。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、電子画面)上への提示のために、自動化された最適化ルーチンにおいて行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、対応する1つまたはそれを上回るステップが自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、グラフィカルおよび/または英数字出力をグラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む。
ある実施形態では、最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む。
別の側面では、本発明は、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された最適化(同調)のための方法を対象とする。本方法は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信するステップを含み、ユーザデータ入力は、ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、例えば、動的反応セル「DRC」モード、および(c)衝突セルモード、例えば、運動エネルギー弁別「KED」モードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む。
本方法は、プロセッサによって、ICP−MSに対して自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信するステップを含む。いくつかの実装では、ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、選択、または、ユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード、マウス、もしくは任意の他のUIデバイスを介して送達される任意の他のユーザ入力を含む。
本方法は、ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、プロセッサによって、自動化された最適化ルーチンを行うための信号をICP-MSに伝送するステップを含み、自動化された最適化ルーチンは、プロセッサによって定められたシーケンスにおいて行われるステップを含む。
ある実施形態では、本方法はさらに、自動化された最適化ルーチンを行うステップを含む。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、自動化された最適化ルーチンの間、ICP−MSの1つまたはそれを上回る設定を自動的に調節するステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含む。サブシーケンスは、第1の性能査定(例えば、「クイック」査定)を自動的に実施し、次いで、第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定(例えば、「フル」査定)を実施するステップを含む。逆に、第1の査定が満足のいかないものである場合、サブシーケンスは、終了し、性能査定が失敗したと識別する。第1の性能査定は、第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、複数のレベルを含む。各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされる。逆に、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、ルーチンは、最適化を終了するようにプログラムされる。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含み、該最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含む。動的範囲最適化サブシーケンスは、ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶された値(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶された)から判定される所定の初期範囲(例えば、以前に判定された最適化された値についての所定のサイズの範囲内)内の関連付けられた設定を調節することによって、関連付けられた最適化ステップを始動させるステップを含む。最適化基準が所定の初期範囲内で満たされない場合、サブシーケンスは、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続けるステップを含む。対応する設定は、次いで、後の使用のために記録される(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記録する)。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含む。最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含む。正規化サブルーチンは、複数の検体(例えば、比較的に低質量の第1の検体、比較的により大きい質量の第2の検体、および比較的にさらにより大きい質量の第3の検体)毎に、ある範囲の電圧にわたって、ICP−MSから判定されたパルス強度を正規化することによって、ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む。正規化サブルーチンは、正規化された値を使用し、最適化された設定を識別する。ある実施形態では、正規化サブルーチンはさらに、個別の電圧における正規化された値を乗算し、結果から最良妥協点を識別し、それによって、最適化された設定を識別するステップを含む。
ICP−MSがオートサンプラを採用する、ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)第1の検体溶液が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、オートサンプラを介して、ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む、スマートサンプリングサブルーチンを含む。
ある実施形態では、本方法は、プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、電子画面)上への提示のために、自動化された最適化ルーチンにおいて行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む。ある実施形態では、本方法は、対応する1つまたはそれを上回るステップが自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、グラフィカルおよび/または英数字出力をグラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む。
ある実施形態では、最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む。
別の側面では、本発明は、その上に記憶される命令を有する非一過性コンピュータ可読媒体を対象とし、命令は、プロセッサによって実行されると、プロセッサに、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信させる。ユーザデータ入力は、ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、例えば、動的反応セル「DRC」モード、および(c)衝突セルモード、例えば、運動エネルギー弁別「KED」モードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む。
命令は、実行されると、さらにプロセッサに、ICP−MSに対する自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信させる。いくつかの実装では、ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、選択、またはユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード、マウス、もしくは任意の他のUIデバイスを介して送達される任意の他のユーザ入力を含む。
命令は、実行されると、さらにプロセッサに、ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、自動化された最適化ルーチンを行うための信号をICP−MSに伝送させ、自動化された最適化ルーチンは、プロセッサによって定められたシーケンスにおいて行われる1つまたはそれを上回るステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含む。サブシーケンスは、第1の性能査定(例えば、「クイック」査定)を自動的に実施し、次いで、第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定(例えば、「フル」査定)を実施するステップを含む。逆に、第1の査定が満足のいかないものである場合、その後、サブシーケンスを終了し、性能査定が失敗したと識別する。第1の性能査定は、第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、複数のレベルを含む。各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされる。逆に、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、ルーチンは、最適化を終了するようにプログラムされる。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含む。最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含み、動的範囲最適化サブシーケンスは、ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶された値(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記憶された)から判定される所定の初期範囲(例えば、以前に判定された最適化された値についての所定のサイズの範囲内)内の関連付けられた設定を調節することによって、関連付けられた最適化ステップを始動させるステップを含む。最適化基準が所定の初期範囲内で満たされない場合、最適化サブシーケンスは、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続けるステップを含む。対応する設定は、次いで、後の使用のために記録される(例えば、非一過性コンピュータ可読媒体上に記録する)。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含む。最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含む。正規化サブルーチンは、複数の検体(例えば、比較的に低質量の第1の検体、比較的により大きい質量の第2の検体、および比較的にさらにより大きい質量の第3の検体)毎に、ある範囲の電圧にわたって、ICP−MSから判定されたパルス強度を正規化することによって、ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む。正規化サブルーチンは、次いで、正規化された値を使用して、最適化された設定を識別する。
ある実施形態では、正規化サブルーチンはさらに、個別の電圧における正規化された値を乗算し、結果から最良妥協点を識別し、それによって、最適化された設定を識別するステップを含む。
ICP−MSがオートサンプラを含む、ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、(i)最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)第1の検体溶液が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、オートサンプラを介して、ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む、スマートサンプリングサブルーチンを含む。
ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、電子画面)上への提示のために、自動化された最適化ルーチンにおいて行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチンは、対応する1つまたはそれを上回るステップが自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、グラフィカルおよび/または英数字出力をグラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む。
ある実施形態では、最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む。
本発明の所与の側面に関して説明される実施形態の要素は、本発明の別の側面の種々の実施形態において使用されてもよい。例えば、ある独立請求項に従属する従属請求項の特徴は、他の独立請求項のいずれかの装置および/または方法において使用されることができることが検討される。
本開示の前述および他の目的、側面、特徴、ならびに利点は、付随の図面と関連して検討される以下の説明を参照することによって、より明白になり、かつより深く理解されるであろう。
図1は、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムを表すブロック図である。 図2は、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動同調のためのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)の例証である。 図3は、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動同調のためのモードを選択および構成するための例示的GUIダイアログボックスを図示する。 図4は、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動同調のステータスを提示するための例示的GUIダイアログボックスを図示する。 図5Aは、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法(例えば、通気セル(STD)モード、反応セル(DRC)モード、および/または衝突セル(KED)モードにおいて使用される)のレベル−1最適化ルーチンのフロー図である。 図5Bは、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法(例えば、通気セル(STD)モード、反応セル(DRC)モード、および/または衝突セル(KED)モードにおいて使用される)のレベル−2最適化ルーチンのフロー図である。 図5Cは、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法(例えば、通気セル(STD)モード、反応セル(DRC)モード、および/または衝突セル(KED)モードにおいて使用される)のレベル−3最適化ルーチンのフロー図である。 図5Dは、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法(例えば、通気セル(STD)モード、反応セル(DRC)モード、および/または衝突セル(KED)モードにおいて使用される)のレベル−4最適化ルーチンのフロー図である。 図6は、本発明の例証的実施形態による、図5Aのレベル−1最適化ルーチンの間に提示される例示的GUIを図示する。 図7は、本発明の例証的実施形態による、図5Bのレベル−2最適化ルーチンの間に提示される例示的GUIを図示する。 図8は、本発明の例証的実施形態による、図5Cのレベル−3最適化ルーチンの間に提示される例示的GUIを図示する。 図9は、本発明の例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの動作モードを設定するための例示的GUIを図示する。 図10は、本発明の例証的実施形態による、反応セルモード(例えば、DRC)におけるマルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法のフロー図である。 図11は、本発明の例証的実施形態による、衝突セルモード(例えば、KED)におけるマルチモードICP−MSシステムの自動同調のために構成される例示的GUIを図示する。 図12は、本発明の別の例証的実施形態による、衝突セルモードにおけるマルチモードICP−MSシステムの自動同調のための方法のフロー図である。 図13は、本発明の例証的実施形態による、別のタイプのマルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法のフロー図である。 図14は、本発明のある実施形態による、マルチモードICP−MSシステムを同調するための例示的方法のフロー図を図示する。 図15は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムの自動化された最適化のための方法およびシステムにおいて使用するための例示的ネットワーク環境のブロック図である。 図16は、本発明の例証的実施形態において使用するための例示的コンピューティングデバイスおよび例示的モバイルコンピューティングデバイスのブロック図である。
請求された発明のシステム、デバイス、方法、およびプロセスは、本明細書に説明される実施形態からの情報を使用して開発される変形例および適応を包含することが考慮される。本明細書に説明されるシステム、デバイス、方法、ならびにプロセスの適応および/または修正は、当業者によって行われ得る。
物品、デバイス、およびシステムが、具体的構成要素を有する、含む、または備えるものとして説明される説明の全体を通して、もしくはプロセスおよび方法が、具体的ステップを有する、含む、または備えるものとして説明される説明の全体を通して、加えて、記載された構成要素から本質的に成る、または成る、本発明の物品、デバイス、およびシステムがあり、記載された処理ステップから本質的に成る、または成る、本発明によるプロセスおよび方法があることが考慮される。
ステップの順序またはある動作を行うための順序は、本発明が実行可能である限り重要ではないことを理解されたい。また、2つまたはそれを上回るステップもしくは動作は、同時に行われ得る。
例えば、背景技術の節で、任意の出版物の本明細書での記述は、出版物が本明細書で提示される請求項のうちのいずれかに関する従来技術としての機能を果たすという承認ではない。背景技術の節は、明確にする目的で提示され、任意の請求項に関する従来技術の説明として意図されるものではない。
図1は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステムを表すブロック図である。図1では、ICP−MSシステム102は、検体サンプル104を受容するためのサンプル導入システムを含む。検体サンプル104は、好ましくは、液体である、または液体中に分散されるが、いくつかの実施形態では、検体サンプルは、固体である。
いくつかの実施形態では、検体サンプル104は、例えば、蠕動ポンプ106によって、または検体サンプルを微細な液滴のエアロゾル110に変換するための噴霧器108への自己吸引を通して導入される。噴霧器108の実施例として、限定ではないが、同心、直交流、Babington、V−Groove、HEN(「高効率」)、およびMCN(「ミクロ同心」)噴霧器が挙げられ得る。
噴霧器108によって発生される微細な液滴110は、スプレーチャンバ112を通して通過され、あるサイズを下回る微細な液滴114のみ、ICPトーチ118およびRFコイル120によって発生される、典型的にはアルゴンから成る、プラズマ116に進入することを可能にしてもよい。プラズマ116への進入に応じて、微細な液滴114は、微細な液滴114がガスになるまで、乾燥および加熱される。加熱されたガス114の原子は、プラズマ116を通して進行し続けるにつれて、エネルギーをプラズマ116から吸収し、単一荷電イオンを形成する。荷電イオン124は、プラズマ116から退出し、イオンビーム124として、イオン光学アセンブリ128に指向される。
スプレーチャンバ112の実施例として、限定ではないが、ScottまたはCyclonicチャンバが挙げられる。プラズマガス(例えば、アルゴン)は、プラズマガス源125に結合される、ガス調整器122によって導入されてもよい。いくつかの実装では、ICPトーチ118は、RFコイル120によって囲まれる、一連の同心石英管を含む。いくつかの実施形態では、RFコイル120は、RF発生器126に結合され、それによってエネルギー供給される。
イオン光学アセンブリ128は、プラズマ116へのインターフェースを提供する。いくつかの実装では、イオン光学アセンブリ128は、真空チャンバ130内に高真空環境を維持しながら、イオンビーム124の通過を可能にするためのオリフィスを有する、一連の逆円錐形を含む。真空環境は、イオンビーム124のイオンがイオン光学アセンブリ128と検出器132との間のガス分子と不注意に衝突するであろう機会を減少させる。いくつかの実装では、真空チャンバ130は、例えば、高真空環境を提供するようにともに動作する、ターボ分子ポンプおよび機械的粗引きポンプ等の1つまたはそれを上回る真空ポンプ133に結合される。いくつかの実装では、真空ポンプ133および/または別のポンプは、イオン光学アセンブリ128のインターフェース領域を真空化するために採用されてもよい。
いくつかの実施形態では、ICP−MSシステム102は、規定された質量範囲のイオンのみがセル140の中に通過することを可能にし、中性子および光子等の非イオン化物質の通過を防止する(または実質的に低減させる)、四重極イオン偏向器(QID)134を含む。QID134は、測定ドリフトを生じさせる、または着目検体イオンの検出限界を低下させ得る、非イオン化物質をフィルタ処理するように構成される。非イオン化物質は、検出器132によってイオンとして誤ってカウントされ得る。
いくつかの実装では、QID134は、イオン光学アセンブリ128から受信されたイオンビーム136の方向を転換し、ビーム138のイオン化部分(検体イオンを含む)をビームの非イオン化部分(例えば、中性子、光子、および他の非イオン化粒子)から分離させる(すなわち、フィルタ処理する)ように構成される、磁気または電磁源であり得る、いくつかのロッドを含む。代替として、ある実装では、オートレンズアセンブリが、採用される。
いくつかの実施形態では、ICP−MSシステム102は、1つまたはそれを上回る衝突および/または反応セルを含む。いくつかの実装では、衝突または反応セルは、汎用セル140として統合されてもよく、ICP−MSの選択される動作モードに応じて、反応セルチャンバまたは衝突セルチャンバのいずれかとして動作されてもよい。汎用セル140は、加圧されたガスをセルチャンバに提供し、イオンストリーム138内の干渉イオン種と反応する、1つまたはそれを上回るガス源141に結合してもよい。汎用セル140は、随意に、衝突モードにおけるICP−MSシステム102の動作の間等、励起され、高エネルギー検体イオン(着目イオン)を干渉性のより低いエネルギーイオンからさらに区別し得る、エネルギー障壁を含んでもよい。汎用セル140は、その内部間隔内に四重極ロッドセットを含んでもよい。四重極ロッドセットは、電圧源に連結され、四重極場を生成するために好適なRF電圧を受信してもよい。
ある実施形態では、セル140内におけるイオン化サンプルストリームと反応ガスストリームの接触に続き、結果として生じる生成ストリーム144は、検体イオン種の検出および/または定量化のために、質量分析器142および検出器132に指向される。
いくつかの実施形態では、ICP−MSシステム102は、四重極質量分析計142等の質量分析計を含み、質量別に単一荷電イオンを相互から分離する。測定毎に、四重極質量分析計142は、イオンの通過をイオンビーム144内の所与のイオンと関連付けられた1つのみの質量−電荷(m/z)比(例えば、事前に規定されたm/z比)に制限する。いくつかの実装では、飛行時間または磁気セクタ質量分析計が、採用されてもよい。四重極質量分析計142は、規定された電圧および周波数においてRF電力を提供する、RF発生器146と結合してもよい。四重極質量分析計142は、直流および交流両方の電場を採用し、イオンを分離してもよい。
四重極質量分析計142に続き、検出器132が、質量フィルタ処理されたイオン145を受信し、検出された検体イオン種の数に対応する電子信号を生成する。検出器132は、信号処理および増幅回路に結合し、測定された信号を処理してもよい。検出器132は、質量電荷毎に総信号をカウントし、これは、質量スペクトルを形成するように集計されてもよい。測定された強度値の大きさは、出力が元素または検体イオンの濃度に比例するスケールで提供されるように、較正標準に基づいてスケーリングされてもよい。
いくつかの実施形態では、ICP−MSシステム102は、1つまたはそれを上回るコントローラ100を含み、他の機能の中でもとりわけ、四重極質量フィルタ142の動作、ICPトーチ118およびRFコイル120によるプラズマ116の点火、真空チャンバ130の圧力調整、汎用セル140の動作、および/または四重極イオン偏向器134の動作を操作し監視する。コントローラ100は、自動化された最適化ルーチンのための命令105を含む、コンピュータ可読媒体103(記憶デバイス103として示される)に動作可能に接続してもよい。
図2は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステム102の自動化された最適化のための例示的グラフィカルユーザインターフェース(GUI)200を図示する。いくつかの実装では、GUI200は、インターフェース202を提供し、マルチモードICP−MSシステム102の自動化された最適化動作を構成および始動させる。インターフェース202は、グラフィカル入力ウィジェット204を含み、ユーザ入力を受信し、自動化された最適化ルーチンを始動させてもよい。
自動化された最適化ルーチンは、ICP−MSシステム102と関連付けられた1つまたはそれを上回る動作モードを同調、構成、および/または最適化してもよい。インターフェース202は、満足がいく感度、検出、または背景レベルが達成されるまで、動的かつ継続的に続行する、1つまたはそれを上回る所定の同調および/または最適化ルーチンを始動させてもよい。この目的を達成するために、インターフェース202は、ユーザが、単に、グラフィカル入力ウィジェット204上で「クリック」し、自動化された最適化ルーチンを始動させることを可能にするように構成されてもよい。
インターフェース202は、ユーザが、ICP−MSシステム102の所与の動作モードを選択および/または変更することを可能にする、入力206を含んでもよい。いくつかの実装では、モードは、通気セルモード、衝突セルモード(例えば、「KED」)、および反応セルモード(例えば、「DRC」)を含む。インターフェース202は、ウィジェット208を介して、選択された動作モードを表示してもよい。選択されたモードは、ウィジェット204が始動されるとき、最適化されるであろうモードに対応する。
モード間で切り替えるとき、インターフェース200は、ユーザに、選択されたモードのための構成設定を促してもよい。図3は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステム102の自動化された最適化のための1つまたはそれを上回るモードを選択および構成するための、例示的グラフィカルユーザインターフェース(GUI)300を図示する。いくつかの実装では、インターフェース300は、ダイアログボックスとして提示される。
インターフェース300は、1つまたはそれを上回る入力を含み、ユーザが、通気セルモードのための入力302(「STD302」として示される)、衝突モードのための入力304(「KED304」として示される)、および反応セルモードのための入力306(「DRC306」として示される)を含む、ICP−MSシステム102の動作モードを選択することを可能にする。
インターフェース300はさらに、ユーザが、個別の動作モードのための汎用セル140に対する適切なセルガス流率または流率の範囲を構成することを可能にしてもよい。示されるように、インターフェース300は、衝突セルモードのために、低流率のための入力308および高流率のための入力310を提供する。インターフェース300は、反応セルモードのために、流率入力312を提供してもよい。複数のガス源が利用可能ないくつかの実装では、グラフィカルユーザインターフェース300は、エンドユーザが、ガス源を選択することを可能にする。
図2に戻ると、インターフェース202は、補助パネル209を含み、ユーザが、同調および/または最適化ルーチンをカスタマイズすることを可能にしてもよい。ユーザは、例えば、オートサンプラを設定する、または手動最適化を使用することを選択する、スマートサンプリングを使用するかどうか選択する、ファイル場所を選択する、サンプル場所を設定する、およびガス流を定義することができる。
図2に示されるように、インターフェース200は、ユーザが、オートサンプラの使用または手動サンプリングの使用間で選択することを可能にする、入力214を含む。標準検体のオートサンプラまたは他の多目的サンプリングシステムを使用するとき、補助パネル209は、自動化された最適化ルーチンによって行われるべきサブルーチン(または同調/最適化されるべきICP−MSシステム102の構成要素)の候補リスト210を表示する。そのようなサブルーチンの実施例は、表1に提供される。コントローラ100は、いったん最小検出レベルまたは検出閾値が達成されると、これらのサブルーチンのうちの1つまたはそれを上回るものをスキップまたは省略してもよい。
提供される実施例は、単に、例証であることを理解されたい。他のルーチンも、機器の構成に応じて、採用されてもよい。例えば、いくつかの実装では、QID134ではなく、ICP−MSシステム102は、オートレンズアセンブリを具備し、類似または同一機能性を行ってもよい。この目的を達成するために、自動最適化および/または同調ルーチンは、限定ではないが、オートレンズアセンブリの動作を変動させるステップを含んでもよい。
依然として、図2を参照すると、手動サンプリングモードが選択されると、コントローラ100は、ユーザに、最適化ルーチンの間、個別の試験点において各最適化溶液を吸引するように促すように構成される。
図2に示されるように、インターフェース200は、1つまたはそれを上回るウィンドウ(222、224、226)を含み、自動化された最適化ルーチンのステータスおよび結果を表示する。現在のサブルーチンの命令およびステータス情報は、ウィンドウ222に表示される。サブルーチンのそれぞれの要約された結果および最適化基準は、同調および/または最適化プロセスのログとして、ウィンドウ224に表示される。所与のサブルーチンのために捕捉された測定のそれぞれのデータは、表またはグラフィカルプロットとして、ウィンドウ226に表示される。ウィンドウ222、224、226の出力は、ユーザによって規定され得る、1つまたはそれを上回るファイル内に記憶されてもよく、出力としてプリンタに伝送されてもよい。
例示的自動化された最適化ルーチンが、ここで説明される。
図5(図5A−5Dにわたって示される)は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステム102の自動化された最適化のための例示的ルーチン500のフロー図である。図5A−5Dにおけるルーチンは、通気セル(STD)モード、反応セル(DRC)モード、および/または衝突セル(KED)モードにおいて使用されてもよい。
表1に説明されるように、自動化された最適化ルーチン500は、ICPトーチ118の整合を最適化する、噴霧器108のガス流を最適化する、四重極質量フィルタ142、例えば、四重極ロッドオフセット(QRO)の動作を最適化する、QID134、例えば、セルロッドオフセット(CRO)の動作を最適化する、セル140、例えば、入口/出口フィルタ、メイクアップガス、ガス流の動作を最適化する、四重極質量フィルタ142を較正する、および/または検出器132を最適化してもよい。ルーチンは、層化レベルにパーティション化されてもよい。いくつかの実装におけるレベルの概要が、表2に提供される。
レベルはそれぞれ、その前および/または後に、測定の感度の評価チェックが行われ、それによって、ルーチンが、ユーザからの相互作用を伴わずに、サブルーチンのそれぞれに進むことを可能にしてもよい。サブルーチンが所定の基準を満たすことができないとき、またはICP-MSシステム102が較正標準溶液の事前に定義された測定値を満たすことができないとき、コントローラ100は、次のルーチンまたはレベルに進む。レベルは、所与のサブルーチンが稼働されるべき頻度またはサブシステムに関する課題が予期される尤度に基づいて、パーティション化されてもよい。
ここで図5Aに目を向けると、自動化された最適化ルーチン500が、グラフィカル入力ウィジェット204の選択に応じて、ステップ502に示されるように始動される。コントローラ100は、最初に、「クイック性能チェック504」として示される、予備評価チェックルーチン504を行ってもよい。用語「予備評価チェックルーチン」はまた、「クイック」性能査定も指す。
予備評価チェックルーチンは、機器タイプ毎に製造業者によって提供される感度対機器性能仕様を比較する、高速データ取得方法である。機器が仕様を満たす場合、「フル」性能チェックに進むであろう。機器が仕様を満たすことができない場合、レベル−1最適化に入るであろう。性能仕様の例示的基準は、表3に提供される。
表3に示されるように、予備評価チェックルーチン504は、ベリリウム(Be)、インジウム(115In)、ウラニウム(238U)等の1つまたはそれを上回る検体を評価してもよい。測定された信号強度値は、カウント/秒で提示される。ルーチン504は、測定された信号強度値と所定の閾値(すなわち、Bethreshod115Inthreshod、および238threshod)を比較するステップを含んでもよい。Be、115In、238Uの場合、これらの閾値は、それぞれ、4000、55000、および35000となり得る。
予備評価チェックルーチン504はまた、測定された信号間の関係に基づいてもよい。表3に示されるように、ルーチン504は、2つの測定間の比率(例えば、70Ce++140Ceまたは156CeO/140Ce)と所定の閾値(例えば、70Ce++ ratio_threshodまたは156CeOratio_threshod)を比較するステップを含んでもよい。70Ce++ ratio_threshodおよび156CeOratio_threshodは、パーセンテージ(例えば、それぞれ、3%および2.5%)で表されてもよい。他の元素、配合、および閾値レベルが、予備評価チェックルーチン504の一部として採用されてもよい。ある実施形態では、表3の評価チェックルーチンは、STDモードにおける動作に対してのみ行われる。ある実施形態では、表3の評価チェックルーチンまた、KEDモードおよび/またはDRCモードにおける動作に対してのみ行われる。KEDモードおよび/またはDRCモードにおける機器の動作に対して行われる付加的(または異なる)評価チェックルーチンが、存在してもよい。
いくつかの実装では、予備評価ルーチン504のための基準は、自動化された最適化ルーチンを構成するためにコントローラ100によって読み取られる、編集可能構成ファイル内に含まれる。構成ファイルは、ユーザによってアクセス可能な(例えば、遠隔またはローカルで)構成ファイルの集合から選択されてもよい。
自動化された最適化ルーチン500は、ICP−MSシステム102を開始するための手順を含んでもよい。いくつかの実装では、これらの手順は、装備されたガスおよび冷却システムを「オン」にし、装備されたガスの十分な圧力を検証し、トーチガス圧力を調整し、真空チャンバの圧力を調整し、プラズマを展開し、種々のサンプル接続ラインを事前洗浄し、サンプルおよび/または適切な標準溶液がICP−MSシステム102の中に装填されたことを検証するステップを含む。
依然として、図5Aを参照すると、コントローラ100が、ステップ504において、ICP−MSシステム102が所定の性能仕様を満たすと判定する場合、コントローラ100は、「フル性能チェック506」として示される、包括的評価チェックルーチン506を行ってもよい。いくつかの実装では、包括的評価チェックルーチン506は、予備評価チェックルーチン506の間に行われる測定を繰り返すステップを含んでもよい。いくつかの実装では、合格基準は、測定の標準偏差、平均、または個々の値が事前に定義された限界内であることに基づいてもよい。他の実装では、包括的評価チェックルーチン506は、予備評価チェックルーチン504において試験されていない1つまたはそれを上回る検体の評価を含む。例えば、いくつかの実装では、クイック性能チェックは、表3の評価チェックルーチンを20掃引で1往復行う一方、フル性能チェックは、表3の評価チェックルーチンを120掃引で5往復行う。いくつかの実施形態では、フル性能チェックは、表3におけるものに加え、ある基準、例えば、強度基準背景5<背景5閾値を含む。
ICP−MSシステム102が、包括的評価チェックルーチン506に合格する場合、自動化された最適化ルーチン500は、終了する(ステップ510)。用語「包括的評価チェックルーチン」は、「フル」性能査定を指すために同じ意味で使用される。包括的評価チェックルーチンのための基準および手順は、予備評価チェックルーチンのための基準および手順とともに、編集可能構成ファイル上に記憶されてもよい。
機器が、予備評価チェックルーチン504または包括的評価チェックルーチン506のいずれかの1つまたはそれを上回る所定の性能仕様を満たすことができない場合、コントローラ100は、いくつかの実装では、レベル−1最適化ルーチンを行う。
いくつかの実施形態では、レベル−1最適化は、ステップ508において、ICPトーチ118の最適化から開始する。最適化の一部として、コントローラ100は、ICPトーチ118がイオン光学アセンブリ128に対して調節されるように命令してもよい。
いくつかの実装では、コントローラ100は、ルーチンの一部として、シンプレックス線形プログラミングアルゴリズムを採用する。シンプレックスアルゴリズムは、検体、例えば、インジウム(115In)の測定の相対的標準偏差(RSD)を使用して、ICPトーチ118の整合を調節する。アルゴリズムは、RSDを5%以内に調節してもよく、これは、シンプレックスアルゴリズムによって得られた最も高い3つの点が相互に5%以内であることを確実にする。
本方法を用いると、トーチ整合ルーチン508は、失敗しない。コントローラ100は、最も高い3つの点のうちの最高点に対応する位置(例えば、X−Y位置)を最適化された位置として選択する(ステップ514)。
いくつかの実装では、機器の感度が1000cps等の開始閾値を下回る場合(ステップ512)、ワークフローは、ハードウェアまたはサンプル導入のいずれかに注意を要するという仮定に基づいて、終了するであろう(ステップ516)。例えば、トーチが始動していない、またはオートサンプラが指定されたトレイに適切に装填されていない。
図6は、例証的実施形態による、マルチモードICP−MSシステム102の自動同調および/または最適化動作の間に提示される、例示的グラフィカルユーザインターフェース(GUI)200を図示する。具体的には、インターフェース200は、レベル−1最適化ルーチン内のトーチ整合ルーチン508の間のICP−MSシステム102の例示的ステータスを図示する。
示されるように、インターフェース200は、1つまたはそれを上回るウィンドウ(例えば、222、224、および226)を含み、自動化された最適化ルーチンの結果およびステータスを表示する。ウィンドウ222は、トーチ整合ルーチン508が現在稼働中であることを示す。ウィンドウ222はまた、「STD性能チェック602」として示される予備および/または包括的評価チェックルーチン504および506を含む、行われたサブルーチンを示す。
ウィンドウ224は、自動化された最適化ルーチンのログを表示する。示されるように、ウィンドウ224は、現在稼働中のルーチンの名称610、最適化の設定612、方法ファイル614、および最適化基準/複数の基準616を表示する。表4は、トーチ整合ルーチン508が正常に行われたウィンドウ224の例示的出力を図示する。
表4に示されるように、ウィンドウ224は、ミリメートル(mm)単位におけるICPトーチ118(またはイオン光学アセンブリ128)のX−Y位置(「垂直」および「水平」設定に対応する)の調節と、試験検体(例えば、「In115」として示されるインジウム(115In))の測定された強度とを表す。ここでは、測定された値は、52504.51カウント/秒であって、これは、測定された強度値が1000カウント/秒(cps)より高いという基準を満たす。ウィンドウ226は、各サンプリングから取得されたデータを表示する。
ここで図4に目を向けると、例証的実施形態によるマルチモードICP−MSシステムの自動同調のステータスを提示するための例示的進行ウィンドウ400が、図示される。ダイアログボックス400は、自動化された最適化ルーチンのステータスに関連するグラフィカルおよびテキスト情報を表示する。ダイアログボックス400は、取得ステップ(1つまたはそれを上回る測定を含んでもよい)のステータス406と、走査群のステータス408と、同調モードのステータス410とを報告してもよい。自動化されたルーチンの現在のステップの進行バー402およびテキストディスプレイ404が、提供される。
いくつかの実装では、ダイアログボックス400は、ユーザが、自動化された最適化ルーチンの間、コマンドを差し挟むことを可能にする、入力を含む。例えば、入力412、414、416、418は、ユーザが、それぞれ、時間遅延をスキップする、現在の測定をスキップする、現在の測定後停止する、および自動化された最適化ルーチンを直ちに停止する(ルーチン内の失敗基準に応じて)ことを可能にする。
図5Aに戻ると、コントローラ100はまた、ICPトーチ最適化508に続き、レベル-1最適化ルーチンの一部として、四重極イオン偏向器(QID)134を最適化および/または同調させてもよい。
いくつかの実装では、QID較正ルーチン518は、動的範囲最適化(ステップ518)を採用する。本特徴は、QID134の四重極ロッドのために最後に使用された電圧範囲を読み出す。この目的を達成するために、ユーザは、最適化された設定が使用されるであろう範囲を規定する必要はない。むしろ、ルーチンが、これらの初期電圧を使用して、動作ウィンドウを作成し、次いで、最適化された値が電圧範囲内となるまで、ウィンドウを拡張および/またはシフトさせる(ステップ520)。同調ステップは、最適化された値が試験された範囲内で識別されると完了される。QID較正ルーチン518の例示的出力は、表5に提供される。
表5に示されるように、例えば、コントローラ100は、0.5電圧ずつ−17〜−7に電圧範囲を変動させてもよい。QIDは、検体、例えば、リチウム(Li)、マグネシウム(24Mg)、インジウム(115In)、セリウム(140Ce)、鉛(208Pb)、およびウラニウム(238U)を使用して、最適化されてもよい。
いくつかの実施形態では、ICP−MSシステムは、オートレンズアセンブリを最適化および/または同調させてもよい。オートレンズは、DC電圧源に結合され、選択された出口電位(−40V〜−18V等)を維持してもよい。オートレンズを伴うICP−MSの実施例は、国際出願第PCT/US2011/026463号に説明されており、参照することによって本明細書に組み込まれる。
四重極イオン偏向器(QID)134の同調に続き、コントローラ100は、噴霧器ガス流最適化ルーチン522において、噴霧器108のガス流を最適化してもよい。ルーチン522はまた、動的範囲最適化(524)を使用してもよい。
いくつかの実装では、コントローラ100は、以前から既知の最適化された噴霧器ガス流の周囲に動的ウィンドウを作成する。例えば、動的範囲は、1分あたり±0.2ミリメートル(ml/分)範囲を作成する。コントローラ100は、次いで、噴霧器ガス流のための基準(例えば、156CeO/140Ce<閾値)に基づいて最適化された値を見出すために、流動を調節する。機器が、基準を満たすことができない、または動的範囲の終端上に最適化された値を見出す場合、コントローラ100は、ウィンドウをシフトさせ、再最適化する。
レベル−1最適化後(または噴霧器ガス流最適化ルーチン522に続き)、コントローラ100は、「クイック性能チェック526」として示される、予備評価チェック504を行い、性能基準が満たされたかどうかを判定してもよい。基準が満たされる場合、「フル性能チェック528」として示される、包括的評価チェックルーチン506を稼働し、両基準が充足される場合、ワークフローを終了するであろう(ステップ530)。ルーチン526および528のいずれかに対する基準が満たされない場合、コントローラ100は、レベル−2最適化を始動させる(ステップ532)。
レベル−2最適化は、例えば、セルロッドオフセット(CRO)ならびにセル入口および出口を含む、汎用セル140のための一連の最適化である。最適化は、セル140のパラメータを最適化後、レベル−1最適化において行われるルーチンを繰り返してもよい。
図5Bに目を向けると、ACロッドオフセット最適化532(「ACロッドオフセット532」として示される)が、最初に、ルーチンにおいて行われる。ACロッドオフセット532は、いくつかの実装では、セルロッドオフセット(CRO)532とも称される。最適化532は、最適化点判定方法および基準動作の緩和を含んでもよく、両方法は、最適化が定義された基準を満たさなかった場合、ワークフローが継続することを可能にする。最適化ルーチン532の例示的出力は、表6に提供される。
ACロッドオフセットおよび/またはCRO532のための最適化点を見出すために、コントローラ100は、比較的に低、中、および高質量(例えば、それぞれ、Be、115In、および238U)の検体間の平衡点を判定する。平衡点は、測定において使用される個別の検出器電圧により各測定された検体の強度を正規化することによって判定されてもよい。全正規化された値間の最高計算値は、測定された質量間の最良妥協点として選択され、本点に対応する電圧設定は、最適化された設定値として使用される(ステップ534)。
いくつかの実装では、コントローラ100は、ある配合基準(例えば、Ce++/Ce+)を採用し、最適化点を見出してもよい。コントローラ100はまた、背景基準を採用し、最良最適化点を判定してもよい。
緩和動作の一部として、コントローラ100は、計算から、閾値(例えば、50cps)を下回って測定されたいかなる検体も除外してもよい。1つを上回る基準が失敗した場合、最適化点は、合格した検体最適化のみを採用するであろう。本動作は、最適化ルーチンが、ルーチンの実行の間に停止することを防止する。マルチモードICP−MSシステムの自動同調のレベル−2最適化の間に提示される例示的GUIは、図7に図示される。
依然として、図5Bを参照すると、セル入口/出口最適化536は、CRO最適化532に従う。セル入口/出口は、差圧開口(DPA)と称され得る。セル入口/出口最適化ルーチンの例示的出力は、表7に提供される。いくつかの実装では、最適化536は、ベリリウム(Be)、インジウム(115In)、ウラニウム(238U)、測定された検体の背景基準を使用する。最適化点は、検体および背景基準の全部または一部が除外され得る、セルロッドオフセット最適化に関連して説明されるように、基準動作の緩和を使用して判定されてもよい。
いったんCROならびにセル入口および出口最適化が完了されると、コントローラ100は、レベル−1最適化において前に実行された1つまたはそれを上回るサブルーチンを繰り返してもよい。例えば、コントローラ100は、QID(ステップ538)および噴霧器ガス流(ステップ540)を再最適化してもよい。これらの最適化538および540後、コントローラ100は、予備および/または包括的評価チェックルーチン(ステップ542および544)を行う。測定が、性能仕様に失敗する場合、コントローラ100は、レベル−3最適化に進む(ステップ546)。
ここで図5Cに目を向けると、レベル−3最適化ルーチンが、質量較正最適化から開始する(ステップ546)。いくつかの実装では、本最適化は、重心判定アルゴリズムを採用する。質量較正ルーチンの出力の実施例は、表8に提供される。
重心判定アルゴリズムは、最適化速度を改善することが見出されている。典型的には、既存の最適化技法は、いくつかの実装では、1試行あたり150秒かかり得るが、重心判定は、20秒かかる。
質量較正後、「クイック性能548」として示される、予備評価チェックルーチン504が、最適化(ステップ552)を継続するか、または「STD性能フル550」として示される、包括的評価チェックルーチン506を行うかどうかを判定するために行われる。図8は、例証的実施形態による、図5Cのレベル−3最適化ルーチンの間に提示される例示的GUIを図示する。
評価チェックルーチン548または550のいずれかが失敗する場合、最適化は、継続し、アルゴリズムは、レベル−1、レベル−2、およびレベル−3最適化ルーチンを繰り返し、それによって、レベル−1最適化におけるトーチ整合ルーチンからワークフローを開始する(ステップ554)。ルーチンは、繰り返しの回数のカウンタを維持し、包括的評価チェックルーチン506が合格するまで、または繰り返しの回数が行われるまで、所定の回数の反復に対してルーチンを行う。ルーチンが繰り返しの回数を超えた後(ステップ556)、ワークフローは、レベル−4最適化に移動する(ステップ558)。
ここで図5Dを参照すると、検出器132が、較正される(ステップ558)。いくつかの実装では、検出器最適化ルーチン558は、パルスおよびアナログ段階の両方に対する電圧を最適化し、検出器性能を改善することによって達成されてもよい。検出器最適化ルーチン558の例示的出力は、表9に提供される。
最適化(ステップ558)が失敗する場合、最適化は、終了する(ステップ560)。最適化(ステップ558)が合格する場合、コントローラ100は、「STD性能クイック562」として示される、予備評価チェックルーチン504を行う。本段階では、性能チェックが失敗する場合、コントローラ100はまた、アルゴリズムを終了するであろう(ステップ560)。性能チェック562が合格する場合、コントローラ100は、「STD性能フル564」として示される、包括的評価チェックルーチン506を行うであろう。
ある実施形態では、コントローラ100は、反応セルモード(例えば、DRC)で動作しているマルチモードICP−MSシステム102を最適化および/または同調させるように構成される。反応セルモードの最適化が、ここで論じられる。
反応セルモードの最適化は、図5A−5Dに関連して説明されるように、自動化された最適化ルーチン500に続いて行われる。標準モードの最適化は、KEDおよびDRCの二次モードの感度を決める。この目的を達成するために、コントローラ100は、自動化された最適化ルーチン500、次いで、反応セル最適化ルーチン1000(図10に示される)を実行する。ある実施形態では、他のモードが設定の間に選択される場合、アルゴリズムは、STDモードワークフローを完了および/または終了し、以下のシーケンス:STD、DRC、次いで、KEDに基づいて、次の動作モードに入る。
図2に戻ると、インターフェース202は、ユーザが、ICP−MSシステム102の所与の動作モード(例えば、通気セルモード、反応セルモード、および衝突セルモード)のための自動化された最適化ルーチンを選択することを可能にする、入力206を含む。反応セルモード(DRCモードとして示される)の選択に応じて、インターフェース202は、ユーザに、反応セルモードの動作構成を促す。構成は、反応セル(例えば、セル140)のための反応性ガスの流率を含んでもよい。図9は、そのような入力902を受信するための例示的GUI200を図示する。
ここで図10に目を向けると、例証的実施形態による、反応セルモードにおけるマルチモードICP−MSシステムの自動同調のための方法1000のフロー図が、図示される。
通気セル(例えば、STD)モードと同様に、最適化が開始する(ステップ502)と、コントローラ100は、「DRC性能クイック1002」として示される、予備評価チェックルーチンを行う。反応セルモード(例えば、DRC)のための予備評価チェックルーチン1002の例示的基準/複数の基準は、表10に提供される。ルーチン1002は、試験検体として鉄(56Fe)を使用してもよい。
ルーチンが合格する場合、コントローラ100は、「DRC性能長期1004」として示される、DRCモードのための包括的評価チェックルーチンを行う。評価チェックルーチン1004および1006は、ユーザ規定された流率902で行われる。一実施形態では、クイック性能チェックは、表9の評価チェックルーチンを20掃引で1往復(1回)行う一方、フル性能チェックは、表9の評価チェックルーチンを60掃引で5往復行う。他の所定の往復および/または掃引回数が、定められてもよい。
図10に示されるように、機器が、評価チェックルーチン1004または1006のいずれかに失敗する場合、反応セルのCROが、最適化される(ステップ1006)。最適化1006は、セル140内のロッドに供給される電圧またはエネルギーレベルを変動させるステップを含んでもよい。ルーチン1006は、検体、例えば、鉄(56Fe)に対する最大測定信号を選択してもよい。いったんCROに対する電圧が判定されると、ルーチンは、DRC四重極ロッドオフセット(「DRC QRO」)をDRC CROからの電圧オフセット(例えば、±7ボルト)として確立する(ステップ1008)。すなわち、QROの上限および下限電圧は、セルロッド電圧の中心オフセットからのオフセット(例えば、+7Vおよび−7V)だけ正および負にされる。
図に示されるように、DRC CRO最適化に続いて、コントローラ100は、DRCセル入口/出口電圧最適化を行う(ステップ1010)。いくつかの実装では、最適化1010は、(i)感度の最大降下を計算するための一次導関数アルゴリズムを行い、次いで、(ii)オフセット電圧(例えば、−2ボルト)だけ電圧を調節する。オフセットは、正しい最適化が選択されることを確実にする。
いくつかの実装では、コントローラ100が、電圧セル入口および電圧が変化したと判定する場合、コントローラ100は、ステップ1012および1014として示される、セルロッドオフセットおよび四重極セルオフセットルーチン1006、1008を繰り返す。続いて、コントローラ100は、「DRC性能クイック1016」および「DRC性能フル1018」として示される、評価チェックルーチン1002および1004を行う。評価チェックルーチン1016または1018のいずれかが失敗する場合、反応セルモードの最適化もまた、失敗する。
ある実施形態では、コントローラ100は、衝突セルモード(例えば、KED)で動作しているマルチモードICP−MSシステム102を最適化および/または同調させるように構成される。衝突セルモードの最適化が、ここで論じられる。
前述のように、標準モードの最適化は、KEDの二次モードの感度を決める。この目的を達成するために、コントローラ100は、自動化された最適化ルーチン500、次いで、衝突セル最適化ルーチン1200を実行してもよい(図12に示される)。
図2に戻ると、インターフェース202は、ユーザが、ICP−MSシステム102の所与の動作モード(例えば、通気セルモード、反応セルモード、および衝突セルモード)のための同調および/または最適化ルーチンを選択することを可能にする、入力206を含む。衝突セルモード(KEDモードとして示される)の選択に応じて、インターフェース202は、ユーザに、衝突セルモードの動作構成を促す。構成は、低流率および高流率を含む、衝突セル(例えば、セル140)のためのガスの流率範囲を含んでもよい。図9は、そのような入力1102および1104を受信するための例示的GUI200を図示する。手動サンプリングが選択される場合、GUI200は、ユーザに、サンプリングされた溶液を吸引するように促してもよい。図11は、そのようなプロンプトの実施例1106を図示する。
ここで図12に目を向けると、例証的実施形態による、衝突セル(例えば、KED)モードにおけるマルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法のフロー図が、図示される。例えば、ウィジェット204を介して、コマンドを受信し、衝突セルモードにおける自動化された最適化動作を始動させると、コントローラ100は、図5A−5Dに関連して説明されるように、自動化された最適化ルーチン500を実行してもよい。「スマート同調1001」として示される、自動化された最適化ルーチン500の実行に続き、コントローラ100は、次いで、衝突セル最適化ルーチン1200を実行してもよい。
いくつかの実装では、KED最適化は、セル140に対して高ガス流でガスを動作させるときの、所定の閾値(例えば、0.5%)未満の検体比率(例えば、51ClO/59Co)を維持しながらの所与の検体、例えば、コバルト(59Co)の最大化に基づく(ステップ1206および1208)。最適化は、基準の緩和動作を採用し、自動化されたワークフローが、比率が閾値(例えば、0.5%)を上回ると判定される場合でも継続することを可能にしてもよい(ステップ1216および1218)。
依然として、図12を参照すると、コントローラ100は、最初に、「KED性能クイック1202」として示される、KEDモードのための予備評価チェックルーチンに続いて、「KED性能フル1204」として示される、包括的評価チェックルーチンを行う。予備ルーチンは、ある検体比率、例えば、51ClO/59Coの高ガス流比率に基づいてもよい。予備評価チェックルーチンの基準の実施例は、表11に提供される。包括的ルーチンは、合格または失敗を判定するための低および高両方のガス流仕様だけではなく、付加的検体および検体比率、例えば、高流率における59Co、高流率における78Ar2、高流率における51ClO、高流率における156CeO/140Ce、および低流率における51ClO/59COを使用してもよい。包括的チェックルーチンの基準の実施例は、表12に提供される。
評価ルーチン1202および/または1204が、合格しない場合、コントローラ100は、KEDセル入口電圧最適化を行う(ステップ1206)。KED最適化1206は、図10に関連して説明されるような類似最適化および緩和動作を行ってもよい。KEDセル入口最適化(ステップ1206)に続いて、コントローラ100は、「セル出口1208」として示される、KEDセル出口電圧最適化ルーチン1208を行う。ルーチンはまた、緩和基準を採用してもよい(ステップ1218)。セル入口に±2ボルトを上回る変化が存在する場合、KED QID較正ルーチンが、行われる(ステップ1210)。
続いて、コントローラ100は、「KED性能クイック1212」および「KED性能フル1214」として示される、評価チェックルーチン1202および1204を再度行う。評価チェックルーチン1212または1214のいずれかが失敗する場合、衝突セルモードの最適化もまた、失敗する。
ここで図13に目を向けると、代替実施形態による、セル機器を伴うマルチモードICP−MSシステムの自動最適化のための方法のフロー図が、図示される。本実施形態では、QIDではなく、ICP−MSは、オートレンズを具備する。
図5Aに関連して説明されるように、レベル−1最適化を行うとき、コントローラ100は、オートレンズチェックを行ってもよい(ステップ1304)。失敗する場合、範囲調節が、行われる(ステップ1306)。合格する場合、コントローラ100は、性能チェッククイックを行い(ステップ528)、レベル−2最適化が続く。
図14は、ある実施形態による、マルチモードICP−MSシステム102を同調させるための例示的方法1400のフロー図を図示する。方法1400は、コンピューティングデバイスのプロセッサによって、マルチモードICP−MSシステム102上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信するステップを含み、ユーザデータ入力は、ICP−MS102が動作されるべき1つまたはそれを上回る選択される動作モードの識別を含む(ステップ1402)。いくつかの実装では、1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、例えば、動的反応セル「DRC」モード、および(c)衝突セルモード、例えば、運動エネルギー弁別「KED」モードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む。
本方法は、プロセッサによって、ICP−MS102に対する自動化された最適化ルーチン500を始動させるためのユーザ入力204を受信するステップを含む。いくつかの実装では、ルーチンを始動させるためのユーザ入力204は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、選択、またはユーザインターフェースデバイス、例えば、キーボード、マウス、もしくは任意の他のUIデバイスを介して送達される、任意の他のユーザ入力を含む(ステップ1404)。
本方法は、ルーチンを始動させるためのユーザ入力204の受信に続いて、プロセッサによって、自動化された最適化ルーチン(例えば、ルーチン500、1000、1200)を行うための信号をICP−MS102に伝送するステップを含み、自動化された最適化ルーチン500は、プロセッサによって定められたシーケンス内で行われるステップを含む(1406)。自動化された最適化ルーチンは、図5A−5Dに関連してフロー図に説明されるように、(i)ICPトーチ116を質量分析計に対して調節/整合させる、(ii)QID134を較正し、その四重極ロッドオフセット(QRO)を最適化する、(iii)噴霧器108のガス流を最適化する、(iv)セルロッドオフセット(CRO)ならびにセル140の入口および/または出口オフセットを最適化する、(v)質量フィルタ142を較正する、および(vi)検出器132を最適化してもよい。
自動化された最適化ルーチン500を行うとき、自動化された最適化ルーチン500は、ICP−MS性能査定サブシーケンス504および/または506を含んでもよい。サブシーケンスは、第1の性能査定(例えば、「クイック」査定)を自動的に実施し504、次いで、第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定(例えば、「フル」査定)を実施する506ステップを含む。逆に、第1の査定504が満足がいかないものである場合、サブシーケンスは、終了し、性能査定が失敗したと識別する。第1の性能査定504は、第2の性能査定506より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い。ある実施形態では、自動化された最適化ルーチン500は、複数のレベルを含む。各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされる。逆に、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、ルーチンは、最適化を終了するようにプログラムされる。
ある実施形態では、コントローラ100は、ユーザに、ICP−MSの最適化をカスタマイズする柔軟性を提供する。図2に戻って参照すると、インターフェース200は、ユーザが、自動化された最適化ルーチンをカスタマイズすることを可能にする入力を含んでもよい。
図に示されるように、補助パネル209は、ユーザが、オートサンプラ場所(「A/Sloc.」212として示される)、すなわち、サブルーチン毎の溶液を有するトレイ位置を規定することを可能にする、入力212を含む。
補助パネル209は、手動サンプリングモードで動作時、2つの順次機能が同一溶液を使用するとき、それを検出および判定する、入力216を含む。そのような順次機能が検出されると、コントローラ100は、サンプルの吸引をスキップする、またはそれを要求しなくてもよい。
補助パネル209は、ユーザが、蠕動ポンプ106の動作パラメータ、例えば、サンプル噴出時間(例えば、秒単位)、サンプル噴出速度(すなわち、RPM単位におけるポンプ速度)、読取遅延時間(例えば、秒単位)、読取遅延速度(例えば、RPM単位)、分析速度(例えば、RPM単位)、洗浄時間(例えば、秒単位)、および洗浄速度(例えば、RPM単位)を構成または確認することを可能にする、インターフェース218を含む。サンプル噴出時間は、取得期間の開始を規定する。サンプル噴出速度は、ポンプの動作速度を規定する。読取遅延時間は、噴出サイクルの終了とデータ取得の開始との間を規定する。読取遅延速度は、読取遅延サイクルの間のポンプレートを規定する。分析速度は、分析の判定の間のポンプレートを示す。洗浄時間は、各データ取得の完了に続く濯ぎ時間を規定する。洗浄速度は、洗浄サイクルの間のポンプ速度を規定する。
補助パネル209は、ユーザが、任意の非成功最適化動作に続いて、ICP−MSを直ちに停止することを可能にする、入力220を含む。
簡潔な概観では、ここで図15を参照すると、例示的クラウドコンピューティング環境1500のブロック図が示され、説明されている。クラウドコンピューティング環境1500は、1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1502a、1502b、1502c(集合的に1502)を含んでもよい。各リソースプロバイダ1502は、コンピューティングリソースを含んでもよい。いくつかの実装では、コンピューティングリソースは、データを処理するために使用される任意のハードウェアおよび/またはソフトウェアを含んでもよい。例えば、コンピューティングリソースは、アルゴリズム、コンピュータプログラム、および/またはコンピュータアプリケーションを実行することが可能なハードウェアならびに/もしくはソフトウェアを含んでもよい。いくつかの実装では、例示的なコンピューティングリソースは、記憶および検索能力を伴うアプリケーションサーバおよび/またはデータベースを含んでもよい。各リソースプロバイダ1502は、クラウドコンピューティング環境1500内の任意の他のリソースプロバイダ1502に接続されてもよい。いくつかの実装では、リソースプロバイダ1502は、コンピュータネットワーク1508を経由して接続されてもよい。各リソースプロバイダ1502は、コンピュータネットワーク1508を経由して1つまたはそれを上回るコンピュータデバイス1504a、1504b、1504c(集合的に1504)に接続されてもよい。
クラウドコンピューティング環境1500は、リソースマネージャ1506を含んでもよい。リソースマネージャ1506は、コンピュータネットワーク1508を経由してリソースプロバイダ1502およびコンピュータデバイス1504に接続されてもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1506は、1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1502による、1つまたはそれを上回るコンピュータデバイス1504へのコンピューティングリソースの提供を促進してもよい。リソースマネージャ1506は、特定のコンピュータデバイス1504からコンピューティングリソースの要求を受信してもよい。リソースマネージャ1506は、コンピュータデバイス1504によって要求されるコンピューティングリソースを提供することが可能な1つまたはそれを上回るリソースプロバイダ1502を識別してもよい。リソースマネージャ1506は、コンピューティングリソースを提供するリソースプロバイダ1502を選択してもよい。リソースマネージャ1506は、リソースプロバイダ1502と特定のコンピュータデバイス1504との間の接続を促進してもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1506は、特定のリソースプロバイダ1502と特定のコンピュータデバイス1504との間の接続を確立してもよい。いくつかの実装では、リソースマネージャ1506は、要求されたコンピューティングリソースを伴う特定のリソースプロバイダ1502に特定のコンピュータデバイス1504をリダイレクトしてもよい。
図16は、本開示で説明される方法およびシステムで使用されることができる、コンピュータデバイス1600およびモバイルコンピュータデバイス1650の実施例を示す。コンピュータデバイス1600は、ラップトップ、デスクトップ、ワークステーション、携帯情報端末、サーバ、ブレードサーバ、メインフレーム、および他の適切なコンピュータ等の種々の形態のデジタルコンピュータを表すことを目的としている。モバイルコンピュータデバイス1650は、携帯情報端末、携帯電話、スマートフォン、および他の類似コンピュータデバイス等の種々の形態のモバイルデバイスを表すことを意図している。ここで示される構成要素、それらの接続および関係、ならびにそれらの機能は、実施例であるように意図されているにすぎず、限定的となるように意図されていない。
コンピュータデバイス1600は、プロセッサ1602と、メモリ1604と、記憶デバイス1606と、メモリ1604および複数の高速拡張ポート1610に接続する高速インターフェース1608と、低速拡張ポート1614および記憶デバイス1606に接続する低速インターフェース1612とを含む。プロセッサ1602、メモリ1604、記憶デバイス1606、高速インターフェース1608、高速拡張ポート1610、および低速インターフェース1612のそれぞれは、種々のバスを使用して相互接続されてもよく、共通マザーボード上に、または適宜他の様式で搭載されてもよい。プロセッサ1602は、高速インターフェース1608に連結されたディスプレイ1616等の外部入出力デバイス上のGUIのためにグラフィカル情報を表示するように、メモリ1604の中に、または記憶デバイス1606上に記憶された命令を含む、コンピュータデバイス1600内で実行するための命令を処理することができる。他の実装では、複数のメモリおよびタイプのメモリとともに、複数のプロセッサおよび/または複数のバスが適宜使用されてもよい。また、複数のコンピュータデバイスが接続されてもよく、各デバイスは、(例えば、サーババンク、ブレードサーバ群、またはマルチプロセッサシステムとして)必要な動作の部分を提供する。
メモリ1604は、コンピュータデバイス1600内に情報を記憶する。いくつかの実装では、メモリ1604は、1つまたは複数の揮発性メモリユニットである。いくつかの実装では、メモリ1604は、1つまたは複数の不揮発性メモリユニットである。メモリ1604はまた、磁気または光ディスク等の別の形態のコンピュータ可読媒体であってもよい。
記憶デバイス1606は、コンピュータデバイス1600用の大容量記憶装置を提供することが可能である。いくつかの実装では、記憶デバイス1606は、フロッピー(登録商標)ディスクデバイス、ハードディスクデバイス、光ディスクデバイス、またはテープデバイス、フラッシュメモリもしくは他の類似ソリッドステートメモリデバイス、または記憶領域ネットワークもしくは他の構成にデバイスを含むデバイスのアレイ等のコンピュータ可読媒体であってもよいか、またはそれを含有してもよい。命令を情報キャリアに記憶することができる。命令は、1つまたはそれを上回る処理デバイス(例えば、プロセッサ1602)によって実行されたとき、本明細書で説明される方法のうちのいずれか等の1つまたはそれを上回る方法を行ってもよい。命令はまた、コンピュータまたは機械可読媒体(例えば、メモリ1604、記憶デバイス1606、またはプロセッサ1602上のメモリ)等の1つまたはそれを上回る記憶デバイスによって記憶することもできる。
高速インターフェース1608が、コンピュータデバイス1600の帯域幅集中動作を管理する一方で、低速インターフェース1612は、より低帯域幅集中動作を管理する。そのような機能の割付は、実施例にすぎない。いくつかの実装では、高速インターフェース1608は、メモリ1604、(例えば、グラフィックスプロセッサまたはアクセラレータを通して)ディスプレイ1616、および種々の拡張カード(図示せず)を受け入れ得る高速拡張ポート4510に連結される。本実装では、低速インターフェース1612は、記憶デバイス4506および低速拡張ポート4514に連結される。種々の通信ポート(例えば、USB、Bluetooth(登録商標)、Ethernet(登録商標)、無線Ethernet(登録商標))を含み得る、低速拡張ポート1614は、キーボード、ポインティングデバイス、スキャナ、または、例えば、ネットワークアダプタを通したスイッチまたはルータ等のネットワーキングデバイス等の1つまたはそれを上回る入出力デバイスに連結されてもよい。
コンピュータデバイス1600は、図に示されるように、いくつかの異なる形態で実装されてもよい。例えば、標準サーバ1620として、またはそのようなサーバ群の中で複数回実装されてもよい。加えて、それは、ラップトップコンピュータ1622等のパーソナルコンピュータで実装されてもよい。それはまた、ラックサーバシステム1624の一部として実装されてもよい。代替として、コンピュータデバイス1600からの構成要素は、モバイルコンピュータデバイス1650等のモバイルデバイス(図示せず)の中の他の構成要素と組み合わせられてもよい。そのようなデバイスのそれぞれは、コンピュータデバイス1600およびモバイルコンピュータデバイス1650のうちの1つまたはそれを上回るものを含有してもよく、システム全体が、相互に通信する複数のコンピュータデバイスで構成されてもよい。
モバイルコンピュータデバイス1650は、いくつかある構成要素の中でもとりわけ、プロセッサ1652と、メモリ1164と、ディスプレイ1654等の入出力デバイスと、通信インターフェース1666と、送受信機1668とを含む。モバイルコンピュータデバイス1650はまた、付加的な記憶装置を提供するように、マイクロドライブまたは他のデバイス等の記憶デバイスを提供されてもよい。プロセッサ1652、メモリ1664、ディスプレイ1654、通信インターフェース1666、および送受信機1668のそれぞれは、種々のバスを使用して相互接続され、構成要素のうちのいくつかは、共通マザーボード上に、または適宜他の様式で搭載されてもよい。
プロセッサ1652は、メモリ1664に記憶された命令を含む、命令をモバイルコンピュータデバイス1650内で実行することができる。プロセッサ1652は、別個かつ複数のアナログおよびデジタルプロセッサを含む、チップのチップセットとして実装されてもよい。プロセッサ1652は、例えば、ユーザインターフェースの制御、モバイルコンピュータデバイス1650によって実行されるアプリケーション、およびモバイルコンピュータデバイス1650による無線通信等のモバイルコンピュータデバイス1650の他の構成要素の協調を提供してもよい。
プロセッサ1652は、制御インターフェース1658およびディスプレイ1654に連結されたディスプレイインターフェース1656を通して、ユーザと通信してもよい。ディスプレイ1654は、例えば、TFT(薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ)ディスプレイ、またはOLED(有機発光ダイオード)ディスプレイ、もしくは他の適切なディスプレイ技術であってもよい。ディスプレイインターフェース1656は、グラフィカルおよび他の情報をユーザに提示するようにディスプレイ1654を駆動するための適切な回路を備えてもよい。制御インターフェース1658は、ユーザからコマンドを受信し、それらをプロセッサ1652に提出するために変換してもよい。加えて、外部インターフェース1662が、他のデバイスとのモバイルコンピュータデバイス1650の近距離通信を可能にするよう、プロセッサ1652との通信を提供してもよい。外部インターフェース1662は、例えば、いくつかの実装では有線通信、または他の実装では無線通信を提供してもよく、複数のインターフェースも使用されてもよい。
メモリ1664は、モバイルコンピュータデバイス1650内に情報を記憶する。メモリ1664は、1つまたは複数のコンピュータ可読媒体、1つまたは複数の揮発性メモリユニット、もしくは1つまたは複数の不揮発性メモリユニットのうちの1つまたはそれを上回るものとして実装することができる。拡張メモリ1674もまた、提供され、例えば、SIMM(シングルインラインメモリモジュール)カードインターフェースを含み得る、拡張インターフェース1672を通してモバイルコンピュータデバイス1650に接続されてもよい。拡張メモリ1674は、モバイルコンピュータデバイス1650用の余分な記憶空間を提供してもよく、またはモバイルコンピュータデバイス1650用のアプリケーションもしくは他の情報も記憶してもよい。具体的には、拡張メモリ1674は、上記で説明されるプロセスを実行または補完する命令を含んでもよく、かつ安全情報も含んでもよい。したがって、例えば、拡張メモリ1674は、モバイルコンピュータデバイス1650用のセキュリティモジュールとして提供されてもよく、かつモバイルコンピュータデバイス1650の安全な使用を可能にする命令でプログラムされてもよい。加えて、ハッキング不可能な様式でSIMMカード上に識別情報を置くこと等の付加的な情報とともに、安全なアプリケーションがSIMMカードを介して提供されてもよい。
メモリは、例えば、以下で議論されるようなフラッシュメモリおよび/またはNVRAMメモリ(不揮発性ランダムアクセスメモリ)を含んでもよい。いくつかの実装では、命令は、情報キャリアに記憶され、1つまたはそれを上回る処理デバイス(例えば、プロセッサ1652)によって実行されたとき、上記で説明されるもの等の1つまたはそれを上回る方法を行う。命令はまた、1つまたはそれを上回るコンピュータまたは機械可読媒体(例えば、メモリ1664、拡張メモリ1674、またはプロセッサ1652上のメモリ)等の1つまたはそれを上回る記憶デバイスによって記憶されてもよい。いくつかの実装では、命令は、例えば、送受信機1668または外部インターフェース1662を経由して、伝搬信号の中で受信することができる。
モバイルコンピュータデバイス1650は、必要な場合、デジタル信号処理回路を含み得る、通信インターフェース1666を通して無線で通信してもよい。通信インターフェース1666は、とりわけ、GSM(登録商標)音声電話(グローバルシステムフォーモバイルコミュニケーション)、SMS(ショートメッセージサービス)、EMS(拡張メッセージングサービス)、またはMMSメッセージング(マルチメディアメッセージングサービス)、CDMA(符号分割多重アクセス)、TDMA(時分割多重アクセス)、PDC(パーソナルデジタルセルラー)、WCDMA(登録商標)(広帯域符号分割多重アクセス)、CDMA2000、またはGPRS(汎用パケット無線サービス)等の種々のモードまたはプロトコルの下で通信を提供してもよい。そのような通信は、例えば、高周波を使用して、送受信機1668を通して起こってもよい。加えて、短距離通信が、Bluetooth(登録商標)、Wi−FiTM、または他の送受信機(図示せず)等を使用して起こってもよい。加えて、GPS(全地球測位システム)受信機モジュール1670が、モバイルコンピュータデバイス1650上で作動するアプリケーションによって適宜使用され得る、付加的なナビゲーションおよび場所関連無線データをモバイルコンピュータデバイス1650に提供してもよい。
モバイルコンピュータデバイス1650はまた、ユーザから口頭の情報を受信し、それを使用可能なデジタル情報に変換し得る、音声コーデック1660を使用して、聞こえるように通信してもよい。音声コーデック1660は、同様に、例えば、モバイルコンピュータデバイス1650のハンドセットの中で、スピーカ等を通してユーザのための可聴音を生成してもよい。そのような音は、音声電話からの音を含んでもよく、録音された音(例えば、ボイスメッセージ、音楽ファイル等)を含んでもよく、また、モバイルコンピュータデバイス1650上で動作するアプリケーションによって生成される音を含んでもよい。
モバイルコンピュータデバイス1650は、図に示されるように、いくつかの異なる形態で実装されてもよい。例えば、それは、携帯電話1680として実装されてもよい。それはまた、スマートフォン1682、携帯情報端末、または他の類似モバイルデバイスの一部として実装されてもよい。
本明細書で説明されるシステムおよび技法の種々の実装は、デジタル電子回路、集積回路、特別に設計されたASIC(特定用途向け集積回路)、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、および/またはそれらの組み合わせで実現することができる。これらの種々の実装は、専用または汎用であり、記憶システム、少なくとも1つの入力デバイス、および少なくとも1つの出力デバイスからデータおよび命令を受信し、かつそこへデータおよび命令を伝送するように連結され得る、少なくとも1つのプログラマブルプロセッサを含む、プログラマブルシステム上で実行可能および/または解釈可能である1つまたはそれを上回るコンピュータプログラムでの実装を含むことができる。
これらのコンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、またはコードとしても知られている)は、プログラマブルプロセッサ用の機械命令を含み、高次手続および/またはオブジェクト指向プログラミング言語で、および/またはアセンブリ/機械言語で実装することができる。本明細書で使用されるように、機械可読媒体およびコンピュータ可読媒体という用語は、機械可読信号として機械命令を受信する機械可読媒体を含む、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意のコンピュータプログラム製品、装置、および/またはデバイス(例えば、磁気ディスク、光ディスク、メモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD))を指す。機械可読信号という用語は、機械命令および/またはデータをプログラマブルプロセッサに提供するために使用される、任意の信号を指す。
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書で説明されるシステムおよび技法は、ユーザに情報を表示するための表示デバイス(例えば、CRT(陰極線管)またはLCD(液晶ディスプレイ)モニタ)と、それによってユーザが入力をコンピュータに提供することができるキーボードおよびポインティングデバイス(例えば、マウスまたはトラックボール)とを有する、コンピュータ上で実装することができる。他の種類のデバイスも、ユーザとの相互作用を提供するために使用することができ、例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、または触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、発話、または触覚入力を含む、任意の形態で受信することができる。
本明細書で説明されるシステムおよび技法は、(例えば、データサーバとしての)バックエンド構成要素を含む、またはミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)を含む、またはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェースを有するクライアントコンピュータ、またはそれを通してユーザが本明細書で説明されるシステムおよび技法の実施形態と相互作用することができるウェブブラウザ)を含む、もしくはそのようなバックエンド、ミドルウェア、またはフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピュータシステムで実装することができる。本システムの構成要素は、任意の形態または媒体のデジタルデータ通信(例えば、通信ネットワーク)によって相互接続することができる。通信ネットワークの実施例は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、およびインターネットを含む。
コンピュータシステムは、クライアントおよびサーバを含むことができる。クライアントおよびサーバは、概して、相互から遠隔にあり、典型的には、通信ネットワークを通して相互作用する。クライアントおよびサーバの関係は、それぞれのコンピュータ上で作動し、相互にクライアント・サーバ関係を有する、コンピュータプログラムによって生じる。
本発明は、具体的な好ましい実施形態を参照して、具体的に示され、説明されているが、添付の請求項によって定義されるような本発明の精神および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の種々の変更がその中で行われ得ることが、当業者によって理解されるべきである。

Claims (41)

  1. マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された最適化(同調)のためのシステムであって、前記システムは、
    マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)と、
    プロセッサおよび命令をその上に記憶する非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、実行されると、前記プロセッサに、
    前記ICP−MS上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信することであって、前記ユーザデータ入力は、前記ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む、ことと、
    前記ICP−MSに対する自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信することと、
    前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、前記自動化された最適化ルーチンを行うための信号を前記ICP−MSに伝送することであって、前記自動化された最適化ルーチンは、前記プロセッサによって定められたシーケンス内で行われる複数のステップを含む、ことと
    を行わせる、プロセッサおよび非一過性コンピュータ可読媒体と
    を備える、システム。
  2. 前記1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、および(c)衝突セルモードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む、請求項1に記載のシステム。
  3. 前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、および選択から成る群から選択される、少なくとも1つのアクションを含む、請求項1または2に記載のシステム。
  4. 前記自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含み、前記サブシーケンスは、第1の性能査定を自動的に実施し、次いで、前記第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定を実施し、逆に、前記第1の査定が満足のいかないものである場合、前記サブシーケンスを終了し、前記性能査定が失敗したと識別するステップを含み、前記第1の性能査定は、前記第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  5. 前記自動化された最適化ルーチンは、複数のレベルを備え、各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、前記ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、前記所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされ、逆に、前記所与のレベルにおける前記先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、前記ルーチンは、前記最適化を終了するようにプログラムされる、請求項4に記載のシステム。
  6. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  7. 前記自動化された最適化ルーチンは、
    (i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含み、
    前記動的範囲最適化サブシーケンスは、前記ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶される値から判定される所定の初期範囲内の関連付けられた設定を調節することによって前記関連付けられた最適化ステップを始動させ、最適化基準が前記所定の初期範囲内で満たされない場合、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、前記最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続け、次いで、後の使用のために前記対応する設定を記録するステップを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  8. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含み、前記正規化サブルーチンは、複数の検体毎に、ある範囲の電圧にわたって、前記ICP−MSから判定されたパルス強度を正規化し、次いで、前記正規化された値を使用して、前記最適化された設定を識別することによって、前記ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  9. 前記正規化サブルーチンはさらに、前記個別の電圧における前記正規化された値を乗算し、前記結果から最良妥協点を識別し、それによって、前記最適化された設定を識別するステップを含む、請求項8に記載のシステム。
  10. 前記システムはさらに、オートサンプラを備え、前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)前記第1の検体溶液が中止され、前記第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、前記オートサンプラを介して、前記ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、前記第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む、スマートサンプリングサブルーチンを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  11. 前記自動化された最適化ルーチンは、前記プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース(例えば、電子画面)上への提示のために、前記自動化された最適化ルーチンにおいて行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  12. 前記自動化された最適化ルーチンは、前記対応する1つまたはそれを上回るステップが前記自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、前記グラフィカルおよび/または英数字出力を前記グラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む、請求項11に記載のシステム。
  13. 前記最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む、前記請求項のいずれか1つに記載のシステム。
  14. マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)の自動化された最適化(同調)のための方法であって、前記方法は、
    コンピューティングデバイスのプロセッサによって、マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信するステップであって、前記ユーザデータ入力は、前記ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む、ステップと、
    前記プロセッサによって、前記ICP−MSに対して自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信するステップと、
    前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、前記プロセッサによって、前記自動化された最適化ルーチンを行うための信号を前記ICP−MSに伝送するステップであって、前記自動化された最適化ルーチンは、前記プロセッサによって定められたシーケンス内で行われる複数のステップを含む、ステップと
    を含む、方法。
  15. 前記1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、および(c)衝突セルモードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、および選択から成る群から選択される、少なくとも1つのアクションを含む、請求項14または15に記載の方法。
  17. 前記自動化された最適化ルーチンを行うステップをさらに含む、請求項14−16のいずれか1つに記載の方法。
  18. 前記自動化された最適化ルーチンを行うステップは、前記自動化された最適化ルーチンの間、前記ICP−MSの1つまたはそれを上回る設定を自動的に調節するステップを含む、請求項17に記載の方法。
  19. 前記自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含み、前記サブシーケンスは、第1の性能査定を自動的に実施し、次いで、前記第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定を実施し、逆に、前記第1の査定が満足のいかないものである場合、前記サブシーケンスを終了し、前記性能査定が失敗したと識別するステップを含み、前記第1の性能査定は、前記第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い、請求項14−18のいずれか1つに記載の方法。
  20. 前記自動化された最適化ルーチンは、複数のレベルを備え、各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、前記ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、前記所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされ、逆に、前記所与のレベルにおける前記先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、前記ルーチンは、前記最適化を終了するようにプログラムされる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む、請求項14−20のいずれか1つに記載の方法。
  22. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含み、前記動的範囲最適化サブシーケンスは、前記ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶される値から判定される所定の初期範囲内の関連付けられた設定を調節することによって、前記関連付けられた最適化ステップを始動させ、最適化基準が前記所定の初期範囲内で満たされない場合、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、前記最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続け、次いで、後の使用のために前記対応する設定を記録するステップとを含む、請求項14−21のいずれか1つに記載の方法。
  23. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含み、前記正規化サブルーチンは、複数の検体毎に、ある範囲の電圧にわたって、前記ICP−MSから判定されたパルス強度を正規化し、次いで、前記正規化された値を使用して、前記最適化された設定を識別することによって、前記ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む、請求項14−22のいずれか1つに記載の方法。
  24. 前記正規化サブルーチンはさらに、前記個別の電圧における前記正規化された値を乗算し、前記結果から最良妥協点を識別し、それによって、前記最適化された設定を識別するステップを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記ICP−MSは、オートサンプラを備え、前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)前記第1の検体溶液が中止され、前記第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、前記オートサンプラを介して、前記ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、前記第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む、スマートサンプリングサブルーチンを含む、請求項14−24のいずれか1つに記載の方法。
  26. 前記プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース上への提示のために、前記自動化された最適化ルーチン内で行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む、請求項14−25のいずれか1つに記載の方法。
  27. 前記対応する1つまたはそれを上回るステップが前記自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、前記グラフィカルおよび/または英数字出力を前記グラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む、請求項14−27のいずれか1つに記載の方法。
  29. その上に記憶される命令を有する非一過性コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、プロセッサによって実行されると、前記プロセッサに、
    マルチモード誘導結合プラズマ質量分析計(ICP−MS)上で行われるべき最適化に関するユーザデータ入力を受信することであって、前記ユーザデータ入力は、前記ICP−MSが動作されるべき1つまたはそれを上回る選択された動作モードの識別を含む、ことと、
    前記ICP−MSに対する自動化された最適化ルーチンを始動させるためのユーザ入力を受信することと、
    前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力の受信に続き、前記自動化された最適化ルーチンを行うための信号を前記ICP−MSに伝送することであって、前記自動化された最適化ルーチンは、前記プロセッサによって定められたシーケンス内で行われる複数のステップを含む、ことと
    を行わせる、非一過性コンピュータ可読媒体。
  30. 前記1つまたはそれを上回るモードは、(a)通気セルモード、(b)反応セルモード、および(c)衝突セルモードのうちの1つ、2つ、または全3つを含む、請求項29に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  31. 前記ルーチンを始動させるためのユーザ入力は、グラフィカルユーザインターフェースウィジェットの「単回クリック」、キーストローク、スワイプ、および選択から成る群から選択される、少なくとも1つのアクションを含む、請求項29または30に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  32. 前記自動化された最適化ルーチンは、ICP−MS性能査定サブシーケンスを含み、前記サブシーケンスは、第1の性能査定を自動的に実施し、次いで、前記第1の査定が満足のいくものである場合、第2の性能査定を実施し、逆に、前記第1の査定が満足のいかないものである場合、前記サブシーケンスを終了し、前記性能査定が失敗したと識別するステップを含み、前記第1の性能査定は、前記第2の性能査定より少ないステップを含有し、実施するためにかかる時間が短い、請求項29−31のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  33. 前記自動化された最適化ルーチンは、複数のレベルを備え、各レベルは、それと関連付けられたステップを有し、前記ルーチンは、所与のレベルにおける先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、失敗したと識別される場合、前記所与のレベルから後続レベルに進むようにプログラムされ、逆に、前記所与のレベルにおける前記先行ステップの完了時に行われる性能査定サブシーケンスが、満足がいくものと識別される場合、前記ルーチンは、前記最適化を終了するようにプログラムされる、請求項32に記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  34. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記質量分析計に対するトーチ(誘導結合プラズマ)の調節/整合、(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正、(iii)四重極ロッドオフセット(QRO)、(iv)噴霧器ガス流最適化、(v)セルロッドオフセット(CRO)最適化、(vi)セル入口および/または出口最適化、(vii)質量較正、および(viii)検出器最適化から成る群から選択される1つまたはそれを上回るステップを含む、請求項29−33のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  35. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)噴霧器ガス流最適化ステップ、および(ii)四重極イオン偏向器(QID)の較正ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた動的範囲最適化サブシーケンスを含み、前記動的範囲最適化サブシーケンスは、前記ICP−MSの前の最適化において識別された設定の記憶される値から判定される所定の初期範囲内(例えば、以前に判定された最適化された値についての所定のサイズの範囲内)の関連付けられた設定を調節することによって、前記関連付けられた最適化ステップを始動させ、最適化基準が前記所定の初期範囲内で満たされない場合、改良された性能の方向における新しい範囲を自動的に識別し、前記最適化基準が満たされるまで、後続の新しい範囲を識別し続け、次いで、後の使用のために前記対応する設定を記録するステップを含む、請求項29−34のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  36. 前記自動化された最適化ルーチンは、(i)セルロッドオフセット(CRO)ステップ、および(ii)セル入口/出口ステップの一方または両方を含み、前記最適化ルーチンは、ステップ(i)および/または(ii)と関連付けられた正規化サブルーチンを含み、前記正規化サブルーチンは、複数の検体毎に、ある範囲の電圧にわたって、前記ICP−MSから判定されたパルス強度を正規化し、次いで、前記正規化された値を使用して、前記最適化された設定を識別することによって、前記ステップと関連付けられた最適化された設定を識別するステップを含む、請求項29−35のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  37. 前記正規化サブルーチンはさらに、前記個別の電圧における前記正規化された値を乗算し、前記結果から最良妥協点を識別し、それによって、前記最適化された設定を識別するステップを含む、請求項29−36のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  38. 前記ICP−MSは、オートサンプラを備え、前記自動化された最適化ルーチンは、(i)前記最適化ルーチンの間、第1の検体溶液の使用が中止され、第2の検体溶液の使用が始動されるべき場合、そのときを識別するステップと、(ii)前記第1の検体溶液が中止され、前記第2の検体溶液の使用が始動されるべきとの識別に応じて、信号を伝送し、前記オートサンプラを介して、前記ICP−MSの最適化ルーチンにおいて、前記第2の検体溶液の自動化された導入を始動させるステップとを含む、スマートサンプリングサブルーチンを含む、請求項29−37のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  39. 前記自動化された最適化ルーチンは、前記プロセッサによって、グラフィカルユーザインターフェース上への提示のために、前記自動化された最適化ルーチン内で行われている1つまたはそれを上回るステップを表すグラフィカルおよび/または英数字出力をレンダリングするステップを含む、請求項29−38のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  40. 前記自動化された最適化ルーチンは、前記対応する1つまたはそれを上回るステップが前記自動化された最適化ルーチンの間に行われるにつれて、前記グラフィカルおよび/または英数字出力を前記グラフィカルユーザインターフェース上にリアルタイムで表示するステップを含む、請求項29−39のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。
  41. 前記最適化に関するユーザデータ入力はさらに、セルガス流率のインジケーションを含む、請求項29−40のいずれか1つに記載の非一過性コンピュータ可読媒体。

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