JP2017511459A - 蒸気生成器を含む装置及び該装置を制御する方法 - Google Patents

蒸気生成器を含む装置及び該装置を制御する方法 Download PDF

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Abstract

蒸気生成装置1及び該装置を制御する方法であって、蒸気生成装置1は、水容器5と、蒸気を生成するためのボイラ6と、ボイラ6における温度又は圧力を検出するためのボイラ6に接続されたセンサ14と、容器5からボイラ6へと水をポンピングするよう構成されたポンプ7と、センサ14からの信号を受信し、該信号に依存して前記ポンプ7の動作を制御するよう構成されたコントローラ15と、を有し、コントローラ15は、ボイラ6内の水の量を決定し、該決定された水の量が所定の値より少ない場合に、ボイラ6に水を供給するようポンプ7を制御するよう構成され、コントローラ15は、ボイラ6の温度又は圧力の所定の上昇に必要とされる少なくとも1つの時間間隔を測定することによって該水の量を決定し、該測定された時間間隔を所定の値と比較するよう構成される。

Description

本発明は、衣類用アイロンのような蒸気生成器を含む装置に関し、特に、蒸気生成器の改善された制御を持つ装置に関し、更に、斯かる装置を制御する方法に関する。
衣類用アイロン、衣類用スチーマ及び蒸気洗浄器のような装置は、水を蒸気に変換し、該蒸気が次いでアイロンの底板に供給され、底板における蒸気孔を通して、アイロンがけされている衣類へと出ていくような、ボイラを持つ蒸気生成システムを含む。水がボイラにおいて蒸気に変換され、該装置から放出されるときに、ボイラにおける水位が減少するため、ボイラへの水の供給が必要とされる。該装置内の水容器からボイラへと水をポンピングするため、ポンプが用いられても良い。該ポンプは、十分な水を必要なときにボイラに送るよう、自動的に制御されても良い。この機能を実現するため、ポンプのための制御信号を生成するために、ボイラにおける水位の正確な感知が必要とされる。このことは、ボイラにおける水位を直接に測定することによって為されても良いし、又はボイラにおける水温又は水圧を測定することによって間接的に為されても良い。
直接的なボイラ水位測定は、ボイラ内にセンサを内蔵する要件のため、更には電気的にセンサを離隔させる要件のため、しばしばより複雑で高価なものとなる。加えて、直接的な水位測定は、時間経過とともにセンサの表面にスケールが形成され、感知精度を悪化させ得るという欠点を持つ。
間接的なボイラ水位測定は、しばしば実装が簡便となるが、水位の決定が、限られたデータ測定点からプロットされた温度又は圧力変化の外挿にしばしば基づくため、より正確ではなくなり得る。欧州特許出願公開EP0843039は、間接的なボイラ測定及び温度又は圧力変化の斯かる外挿を利用する、蒸気生成器を持つ装置を開示している。当該開示においては、水位は、ボイラからの蒸気放出の間、所定の時間に亘ってボイラの圧力降下を測定することによって決定される。しかしながら、本開示においては、及び斯かる水位決定工程を利用する他の装置においては、蒸気出口弁が開いている間の温度低下が、弁の開き径、ボイラと蒸気出口孔との間の蒸気ホース長さ、該装置における蒸気出口孔の数、使用時の蒸気出口における可変背圧(例えば蒸気出口ホースの曲がり又は巻きによる蒸気出口経路の変化、及び/又は衣類により被覆されたアイロン底板の孔による)、弁開口の点におけるボイラにおいて達成されるピーク圧力、及び蒸気放出の間にボイラの冷却速度を低下させる加熱器に印加される圧力振幅の効果を含む、多くの因子により影響を受ける。それ故、蒸気放出の間のボイラの時間に対する温度低下の実際の線は曲線となり、蒸気放出の期間に亘って勾配が大きく変化する。このことは、斯かる変化する及び/又は曲線のプロットにおける、少数の点の測定及びこれらの幾つかの点からの直線の外挿が、ボイラ内の水位の算出を不正確にしてしまうことを意味する。このことはまた、蒸気放出の間の温度低下の速度が、ボイラにおける所与の体積の水に対して一定ではないことを意味する。
本発明の目的は、上述した問題を著しく軽減する又は克服する、蒸気生成器を含む装置及び該装置を制御する方法を提供することにある。
本発明は独立請求項により定義され、従属請求項は有利な実施例を定義する。
本発明の一態様は、水容器と、蒸気を生成するためのボイラと、前記ボイラの温度又は圧力を検出するための前記ボイラに接続された温度又は圧力センサと、前記容器から前記ボイラへと水をポンピングするよう構成されたポンプと、前記センサからの信号を受信し、前記信号に依存して前記ポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラと、を有する蒸気生成装置であって、前記コントローラは、前記ボイラ内の水の量を決定し、前記決定された水の量が所定の値より少ない場合に、前記ボイラに水を供給するよう前記ポンプを制御するよう構成された、蒸気生成装置において、前記コントローラは、前記ボイラの温度又は圧力の所定の上昇に必要とされる少なくとも1つの時間間隔を測定することによって前記水の量を決定し、前記測定された時間間隔を所定の値と比較するよう構成されたことを特徴とする、蒸気生成装置を提供する。
前記所定の時間値は、温度又は圧力の所定の上昇に到達するための1つ以上の既知の水の量についての時間間隔に対応していても良い。
前記装置は更に、蒸気が前記ボイラから放出されることを許容するための制御弁を有しても良く、前記コントローラは、前記制御弁が閉じられ、蒸気が前記ボイラから放出されることを防止されているときにのみ、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔を測定するよう構成されても良い。このことは、上昇する温度の速度の一貫した且つ正確な予測及び外挿のため、蒸気がボイラから放出されていない状態において時間間隔が測定されることを確実にする。このことはまた、より安定したボイラ状態、及びより一貫性のある反覆可能な温度又は圧力測定結果を確実にし、上述した既知の水位検出方法及び装置の問題を回避する。
前記コントローラは、蒸気が前記ボイラから放出された後、前記制御弁を閉じることに続いて、前記制御弁を閉じた後に所定の時間が経過した後に、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を開始するよう構成されても良い。前記所定の時間は、前記制御弁が開かれていた時間に依存しても良い。斯かる所定の時間は、1乃至5秒を有しても良い。このことは有利にも、以前の蒸気排出イベントの終了の後に、システムにおける熱慣性、及びセンサの応答時間を可能とする。このことは、該システムが、上述した工程を開始する前に、安定した熱状態に落ち着くことを可能とする。
前記コントローラは、前記制御弁が閉じられたことに続いて、前記ボイラ内の検出された温度又は圧力が閾値に到達したときに、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を開始するよう構成されても良い。このことは有利にも、測定が開始される前に、ボイラ内の温度及び/又は圧力が安定することを可能とし、より正確で信頼性高い測定を可能とする。測定が開始される閾値は閾値温度であっても良く、水の沸点における閾値又は該沸点よりも高い閾値であっても良く、120℃であっても良いし、123℃であっても良い。
前記コントローラは、前記ボイラの温度又は圧力の漸次的な上昇のための前記又はそれぞれの時間間隔が、所定の時間間隔よりも短い場合に、前記ポンプを動作させるよう構成されても良い。少ない量の水は所定の時間間隔閾値よりも迅速に加熱されるため、
このことは有利にも、ボイラにおける水位が所定の最小値を下回る場合に、より多くの水がボイラ内にいつ必要とされるかを示す。
前記コントローラは、所定の時間の間ポンプを動作させるよう構成されても良い。前記所定の時間は一定であっても良く、又はボイラに残っている決定された水の量に依存しても良い。固定されたポンプ時間は、より単純な制御方法に帰着するが、測定された残量に基づいてポンピングされるべき水の量を決定することは、ボイラ内の水位のより正確な制御を可能とする。
前記コントローラは、前記ポンプの動作の間又は前記ポンプの動作の後に、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための前記又はそれぞれの時間間隔を測定するよう構成されても良い。前記ポンプの動作の間又は前記ポンプの動作の後に決定された水位は、ポンプの次の動作を決定するために用いられても良い。
前記コントローラは、前記決定された水位が、ポンプ動作の時間に応じて上昇していない場合に、前記ポンプを停止するよう構成されても良い。このことは有利にも、水容器が空になっている場合の継続したポンピングを防止し、ポンプに対する潜在的な損傷を防止することを支援する。
前記コントローラは、マイクロプロセッサ又は1つ以上のメモリユニットを有しても良い。前記所定の値は、前記コントローラの前記メモリユニット内の1つ以上のルックアップテーブルに保存されていても良い前記ボイラ内の1つ以上の既知の水の量の漸次的な温度又は圧力上昇のための時間間隔を有しても良い。これらのことは、ボイラ内の既知の水の量についてのものに対する、漸次的な温度上昇のための測定された時間間隔をコントローラが決定するための、簡易参照を実現する。
前記コントローラは更に、前記センサからの温度又は圧力信号に依存して前記ボイラの動作を制御するよう構成されても良く、感知された温度又は圧力が所定の閾値に到達したときに前記ボイラが水を加熱するのを停止しても良い。このことは有利にも、過度の圧力という結果を伴うボイラの過熱を防止し、該装置に対する潜在的な損傷を防止することを支援する。
前記センサは、温度センサを有しても良く、サーミスタを有しても良く、負温度係数(NTC)サーミスタを有しても良い。該サーミスタは金属基板に装着されても良く、該金属基板はボイラに装着されても良い。該センサは、該ボイラの上端又は上部に装着されても良い。該センサは、該ボイラの外側面に装着されても良い。このことは有利にも、石灰化によるセンサの劣化を防止する。
前記装置は、上述したサーミスタを有しても良い2つよりも多い温度センサを有しても良い。各センサは、ボイラの上端又は上部に装着されても良いし、又は、1つが上端又は上部に装着され、他のものが該ボイラの別の部分に装着されても良い。このことは有利にも、加熱要素から少なくとも1つのセンサが離隔されることにより正確な温度測定を可能とし、加熱器の温度を直接に検出しないようにする。離隔された関係で温度センサを配置することは有利にも、ボイラにおける異なる点において検出された温度の比較を可能とすることにより、正確な温度測定の決定を可能とする。このことはまた、1つのセンサが加熱器の近くに配置されている場合に、水がないボイラの過度の過熱を検出することにより、又は、加熱器に近いセンサと加熱器から離れたセンサとにより感知された温度間の過度の差を検出することにより、空のボイラ状態の検出を可能とする。加熱器に近いセンサは、サーモスタットのような遮断装置を有しても良い。
代替としては、前記又はそれぞれのセンサは、圧力センサを有しても良い。既知の寸法の閉じた空間のボイラにおいては、温度と圧力とはよく相関するため、関数的に相互交換可能となり得る。
さらにここでは、蒸気生成装置を動作させる方法であって、前記装置は、水容器と、蒸気を生成するためのボイラと、前記ボイラの温度又は圧力を検出するための前記ボイラに接続された温度又は圧力センサと、前記容器から前記ボイラへと水をポンピングするよう構成されたポンプと、前記センサからの信号を受信し、前記信号に依存して前記ポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラと、を有し、前記方法は、前記ボイラ内の水の量を決定するステップと、前記決定された水の量が所定の値より少ない場合に、前記ボイラに水を供給するよう前記ポンプを制御すると、を有する方法において、前記方法は、前記ボイラにおける温度又は圧力の所定の上昇のための少なくとも1つの時間間隔を測定することによって前記水の量を決定するステップと、前記測定された時間間隔を所定の値と比較するステップと、を有することを特徴とする、方法が開示される。
前記方法は、蒸気が前記ボイラから放出されることを許容するための制御弁が閉じられ、蒸気が前記ボイラから放出されることを防止されているときにのみ、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔を測定するステップを有しても良い。
前記方法は、蒸気が前記ボイラから放出された後、前記制御弁を閉じることに続いて、前記制御弁を閉じた後に所定の時間が経過した後に、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を開始するステップを有しても良い。斯かる所定の時間は、1乃至5秒を有しても良く、約3秒を有しても良い。
前記方法は、前記ボイラに残っている決定された水の量に依存して、所定の時間の間ポンプを動作させるステップを有しても良い。
前記測定された時間間隔を所定の値と比較するステップは、前記コントローラのメモリ内の1つ以上のルックアップテーブルに保存された前記ボイラ内の1つ以上の既知の水の量の漸次的な温度又は圧力上昇のための時間間隔と、測定された時間間隔を比較するステップを有しても良い。
前記方法は、前記センサからの温度又は圧力信号に依存して前記ボイラの動作を制御するステップと、感知された温度又は圧力が所定の閾値に到達したときに前記ボイラが水を加熱するのを停止するステップと、を有しても良い。
前記コントローラは、前記ボイラの温度又は圧力の所定の範囲内において、前記ボイラの温度又は圧力の漸次的な上昇のための1つ以上の時間間隔の測定を実行するよう構成されても良い。斯かる温度の範囲は、120℃乃至160℃を有しても良く、123℃乃至146℃を有しても良い。該ボイラは、該ボイラの温度の1つ以上の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を該コントローラが実行する温度の範囲が、該ボイラの内圧の所定の範囲に対応するよう、構成されても良い。斯かるボイラの内圧の所定の範囲は、1.5Barと6.5Barとの間を有しても良い。
前記装置の前記水容器は、加圧されていなくても良い。蒸気がポンプ及び/又は該容器に戻ることを防止するため、該ポンプとボイラとの間に一方向弁が備えられても良い。このことは有利にも、測定工程の間に漏れ出す蒸気に起因する不正確なボイラ制御を防止し、蒸気に晒すことを防止することによってポンプの損傷をも回避する。
時間間隔が測定される上昇温度の増分は、測定範囲に亘り一定の温度増分を有しても良いし、摂氏1度の増分を有しても良いが、本発明は単一の摂氏温度の増分に限定されることを意図されたものではない。
前記ボイラは、1つ以上の加熱要素を有しても良い。該ボイラの加熱要素は、該ボイラの内部にあっても良いし、又は外部にあっても良い。内部の要素は、より効率良くボイラ内の水を加熱し得るが、外部の要素は、水の沸騰による石灰化のような劣化を防止する点で有利である。
前記コントローラは、前記ボイラの温度又は圧力の上限閾値が到達されるまで、又は、前記制御弁を操作するアクチュエータ又はトリガが前記ボイラから蒸気を放出するよう動作させられるまで、前記ボイラの加熱動作の間に、前記ボイラの温度又は圧力の所定の漸次的な上昇のための1つ以上の時間間隔を測定するステップ、及び、前記ボイラ内の1つ以上の既知の量の水の漸次的な温度又は圧力の上昇のための所定の時間間隔と、前記測定された時間間隔を比較するステップを継続するよう構成されても良い。
前記コントローラは、感知された前記ボイラにおける温度又は圧力が所定の閾値温度を下回り、電力が前記ボイラに供給されている間に、前記ボイラにおける温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の前記又はそれぞれの測定を実行し、既知の水位の漸次的な温度又は圧力の上昇のための既知の時間間隔と、前記測定された時間間隔を比較するよう構成されても良い。
前記装置は、前記制御弁を作動させるよう動作可能な作動ボタン又はトリガを有しても良い。前記コントローラは、前記制御弁及び/又は作動ボタンの作動を検出するため、前記制御弁及び/又は作動ボタンに接続されていても良い。
前記装置は、衣類用蒸気アイロン機器を有しても良く、基部とハンドヘルド部とを有しても良い。前記ハンドヘルド部は、前記基部から前記ハンドヘルド部への電力及び蒸気の供給のため、前記基部に電気的に及び流体的に接続されていても良い。前記容器、ポンプ及びボイラは、前記基部に備えられていても良い。前記制御弁を作動させるよう動作可能な作動ボタンが、前記ハンドヘルド部に備えられていても良い。
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施例を参照しながら説明され明らかとなるであろう。
本発明の実施例は、添付図面を参照しながら、単に例として、以下に説明される。
本発明の第1の実施例による機器の模式的な図を示す。 ボイラ温度に対する、ボイラ内の所与の量の水のための時間のプロットを示すグラフを示す。 温度に対する、ボイラ内の或る範囲の量の水のための時間の複数のプロットを示すグラフを示す。 本発明の機器のコントローラのルックアップテーブルの第1の例を示す。 本発明の動作の方法を示すフロー図を示す。 本発明の機器のコントローラのルックアップテーブルの第2の例を示す。
ここで図1を参照すると、本発明の第1の実施例の機器が模式的に示されており、本実施例においては、該機器は蒸気アイロン1を有する。蒸気アイロン1は、本体2及び底板3を含む。蒸気アイロン1は、底板3における開口4を通して、アイロンがけされている衣類に蒸気を当てるよう構成される。
蒸気アイロン1は、水容器5及びボイラ6を含む。ポンプ7は、容器5からボイラ6へと水をポンピングするため備えられる。第1の導管8は、容器5をポンプ7へと流体連通させ、第2の導管9は、該ポンプをボイラ6へと流体連通させる。容器5は、加圧されていない容器である。ボイラ6は、閉じた容器又は殻部を有し、ボイラ6内の水を加熱して蒸気を生成するための加熱要素10を備える。該加熱要素は、ボイラ6内に配置されて示されているが、本発明の範囲内において同様に、ボイラ殻部の外側表面に配置されていても良い。第3の導管11は、底板3における開口4から放出されるべき、ボイラ6から蒸気アイロン1の本体2への蒸気の供給のため、ボイラ6を蒸気アイロン1の本体2に接続する。
ボイラ6から底板3への蒸気の供給を制御するため、制御弁12が備えられる。該弁は、図1に示されるように第3の導管に備えられても良いし、又は代替としては、アイロン1の本体2に備えられても良いし、又は代替としては、ボイラの本体6に備えられても良い。該アイロン1の本体2は、制御弁12を動作させるアクチュエータ13を含む。これによりユーザは、アクチュエータ13を押すことにより底板3を通して蒸気が放出されるよう制御することができる。
ボイラ6は、当該第1の実施例においては温度センサを有する、本体殻部の上面におけるセンサ14を含む。しかしながら、以下に説明されるように、本発明は温度センサの使用に限定されることを意図されたものではなく、代替として、本発明の範囲内において、圧力センサが備えられても良い。温度センサ14は好適には、例えばボイラ殻部に固定され、該ボイラ殻部と好適な熱的接触状態にある、NTCサーミスタである。有利にも、該サーミスタは、それ自体がボイラ殻部に装着された、金属基板(図示されていない)に装着される。このことは、ボイラ殻部とサーミスタとの間の非常に好適な熱伝導をもたらし、該サーミスタの応答における熱慣性及び遅延を低減させる。ボイラ殻部の上面に装着された温度センサは、ボイラ内の蒸気温度に関する、より一貫性のある温度計測が得られるため、有利である。温度センサ14が該殻部の底部にある場合、例えば、容器5から冷水がボイラ6にポンピングされるといつでも、該殻部の温度の大きな低下が検出されることとなり、ボイラ6内に残る蒸気の量及び温度の示唆を悪化させる。
蒸気アイロン1の動作を制御するためのコントローラ15が備えられ、該コントローラはマイクロプロセッサ及びメモリユニットを含む。コントローラ15は、加熱器10及びポンプ7に接続され、これら2つの構成要素の動作を制御する。コントローラ15は、温度センサ14からの温度信号を受信するため、温度センサ14に接続される。コントローラ15はまた、アクチュエータ13の動作によってユーザにより決定される、いつ制御弁12がオン又はオフであるかを決定するため、制御弁12に接続される。
蒸気アイロン1は、ボイラ6の加熱要素10、底板3における加熱要素(図示されていない)、ポンプ7及びコントローラ15を含む、アイロン1の種々の構成要素に電力供給するため、電源ケーブル(図示されていない)によって、家庭用電源のような外部電源に接続可能である。
コントローラ15は、センサ14から受信された温度信号に応じて、ボイラにおける水位が低い場合に、容器5からボイラ6へと水を供給するよう、ポンプ7の動作を制御するよう構成される。より具体的には、該コントローラは、アクチュエータ13が動作させられておらず、それ故蒸気が蒸気アイロン1により放出されていない期間の間に、ボイラの温度の上昇の速度を測定することにより、ボイラ6における未知の残りの水の量を決定する。該コントローラは、加熱器10が作動させられているときに、感知されたボイラの温度が所定の温度増分だけ上昇するために要する時間間隔を決定する。コントローラ15はこのとき、これら測定された時間値を、ボイラ6における所与の量の水についての、コントローラ15のメモリに保存された既知の時間間隔に対して比較し、斯かる既知の時間値に対する測定された時間値の比較を用いて、ボイラ6に残っている水の量が、ボイラ6が再充填される必要がある最小閾値を下回っているか否かを決定する。再充填が必要である場合、コントローラ15は適切な時間の間ポンプ7を動作させ、必要な量の水でボイラ6を再び満たす。
本発明の実施例においては、該コントローラは、ボイラ6の感知された温度における各摂氏温度の上昇のために要する時間を測定する。これら測定は、例えば、1.5Barと6.5Barとの間のボイラ6内の内圧に対応し得る、120℃と160℃との間のような、ボイラ6の所定の温度の範囲内で行われる。温度を上昇させるための時間測定は、制御弁12が閉じられており、従って蒸気がボイラ6から脱出しない又は放出されないときに実行される。
ボイラの容量は一定であり、該ボイラに供給される(例えば電源電圧からの)電力は一定であり、測定工程の間は制御弁12が閉じられているため、該ボイラ内の水温が症状する速度に影響を与え得る唯一の可変因子は、ボイラ6内の水の質量である。そのため、所与のボイラ6及び電力入力に対して、特定の容量の水について温度の漸次的な上昇のために要する所定の時間の正確な値が、算出され得る。漸次の温度上昇のための斯かる既知の時間間隔のプロットが、図2及び3に示されている。図2は、ボイラ6において加熱されている所与の水の量(例えば350ml)について、摂氏温度の上昇する温度増分(x軸)に対する、秒の時間(y軸)のグラフプロットを示している。図2においては、1本の線iとして示されている。図3は、時間に対する温度上昇のプロットの群を示し、各群は、ボイラ中の水の種々の量に対する、3つの試験プロットを有する。図3のグラフは、350ml(線i、ii及びiiiを有する群A)、300ml(線iv、v及びviを有する群B)、250ml(線vii、viii及びixを有する群C)、及び200ml(線x、xi及びxiiを有する群D)のボイラ中の水についてのプロットを有する。既知の水の体積についての上昇する直線状のプロット線に関連する当該データは、図4に示されるように、コントローラ15のメモリ中のルックアップテーブルにおいて参照データとして保存されている。図4におけるルックアップテーブルの例は、上述した温度範囲、即ち120℃の開始温度Tempと160℃の終了温度Tempとのなかのデータを示す。これらの開始温度と終了温度との間において、値は漸次的に上昇する温度値である。これらは図4には示されていない。その代わり、図4において1つのポインタ温度Tptrが示されており、該温度は、以下により詳細に説明されるように、本発明の制御工程に関連するものである。各温度値に対して、時間値は、各漸次的な温度値に到達するため、ボイラのなかのそれぞれの水の体積について秒で示される。該時間値は、開始温度においてゼロから開始する。図4において、終了温度値における時間は単に「n」と示されているが、これは異なる水の体積に関連する各ルックアップテーブルについて異なるからである。
図3におけるプロットから、予測され得るとおり、200mlの水(群D)についてのプロットは、250ml(群C)についてのプロット線よりも、温度の上昇に時間を要さない(より緩やかなプロットの傾斜により示される)ことが分かり、更に250ml(群C)は300ml(群B)についてのプロット線よりも緩やかであり、また更に300ml(群B)は350mlの水(群A)についてのプロット線より緩やかである。
図5を参照すると、本発明のコントローラ15の論理処理が、フロー図として示されている。本発明の制御工程の時間測定は、制御弁12が閉じられているとき(即ち蒸気が底板3を通して放出され得ないとき)行われるため、該工程はステップS0において開始し、電子制御弁12が閉じられているか否かをコントローラ15が決定する第1のステップS1を有する。否であれば、該工程は、制御弁12が閉じられていることが決定されるまで、ステップS1の前に戻る。ステップS1において、制御弁12が閉じられていることが決定されると、該工程はステップS2に進む。
ステップS2において、センサ14により感知されるボイラ6の温度Tempが測定される。該工程は次いでステップS3に進み、該ステップS3において、測定された温度Tempが、ポインタ温度から1を減算した値(Tptr−1)よりも大きく、且つポインタ温度に1を加算した値(Tptr+1)よりも小さいか否かを決定する。当該ステップのための制御演算子は、[(Tptr−1)<Temp<(Tptr+1)]と表現され得る。ここで、ポインタ温度Tptrは、時間測定が記録されるべきx軸に沿った漸次的に上昇する温度であり、当該値は最初に、温度測定が為されるべき範囲の下端(例えば120℃)における値に設定される。測定された温度Tempが、(Tptr−1)と(Tptr+1)との間である場合、該工程はステップS4に進み、該ステップS4において、測定の工程の最初から計数した当該時点における時間測定tが捕捉される。測定された温度Tempが、(Tptr−1)と(Tptr+1)との間にない場合、該工程はステップS5に進み、該ステップS5において、ポインタ温度Tptrが1度だけ加算される。該工程はステップS2までループして戻り、ボイラ6の温度を再び検出する。
ステップS4の後、ステップS6において、コントローラ15は、測定された時間tが、再充填が必要となる水の体積の閾値における、対象となっているポインタ温度値(t@Tptr)についてルックアップテーブルにおける基準時間よりも短いか否かを、ルックアップテーブルから決定する。この制御演算子は、[t<t@Tptr?]と表現され得る。そうである場合、即ちボイラ6のなかの水が、水の最小閾値体積についての時間間隔よりも迅速に加熱された場合、ボイラ6のなかの水の体積は閾値を下回っており、該工程はステップS7に進み、該ステップS7において、コントローラ15は所定の時間の間ポンプ7を作動させ、ボイラ6を水で再び満たし、その後に該工程は最初にループして戻りステップS1から繰り返す。ポンプ7がボイラ6を再び満たすよう動作する時間は、既知のボイラ容積及びポンプが作動する最小閾値、並びにポンプの流体流量を含む既知のポンプ仕様に基づいて、予め決定される。
該コントローラが、ステップS6において、測定された時間tが、再充填が必要となる水の体積の閾値における、対象となっているポインタ温度値についてルックアップテーブルにおける基準時間よりも長いと決定した場合、ボイラ6を更なる水で満たす必要はなく、従って該工程は最初にループして戻りステップS1から繰り返す。該工程は次いで、以上に説明されたように継続し、ボイラ6における水が加熱され続けるにつれて、漸次的な温度上昇についての時間間隔を記録する。
ボイラ6における温度は、上限閾値を下回ったままとなるよう調整される。コントローラ15は、センサ14から温度信号を受信し、感知された温度が該上限閾値に到達すると、コントローラ15はボイラ6の加熱器10をスイッチオフする。以上に説明された工程は、加熱器10が作動させられ、ボイラにおける水を加熱しており、且つ制御弁12が閉じられている間に実行されることは、理解されるであろう。それ故、以上の制御工程のステップS2乃至S7は、閾値温度が到達される(次いで加熱器10がコントローラ15によりスイッチオフされる)まで、又は、アクチュエータ13がユーザによって動作させられる(これにより制御弁12が開かれて蒸気を放出する)まで、繰り返される。その後、全体の工程が、アクチュエータ13の解放ごとに、即ち蒸気放出イベントごとに、繰り返される。
本発明の実施例においては、コントローラ15は有利にも、正の応答が得られた後、ステップS2において温度測定Tempを為す前に、ステップS1の後の遅延時間td(図には示されていない)を含む。当該遅延tは、アクチュエータ13がユーザにより解放され、制御弁12が閉じ、底板3における開口4を通したボイラ6からの蒸気の放出を停止した瞬間からの時間遅延に対応する。当該遅延は、以前の蒸気放出イベントの終了後の、システムにおける熱慣性及びセンサ14の応答時間を可能とする。このことは、該システムが、上述した工程を開始する前に、安定した熱状態に落ち着くことを可能とする。斯かる遅延時間tdは、本発明の範囲内で変更され得るが、有利には約1乃至5秒であっても良く、約3秒であっても良い。斯かる実施例においては、以上に説明された制御工程は、アクチュエータの動作が所定の遅延時間tを越えた場合、アクチュエータ13の解放ごとに繰り返される。
図2及び3から、時間プロットに対する上昇する温度は略直線状であり、従って数個の近接して離隔された温度増分/時間測定(例えば摂氏1度の増分)のみからグラフのプロットの上昇勾配を正確に算出することが可能であり、これら測定からの外挿により既知のボイラ仕様及び電源についての所与の温度増分によって所与の量の水が加熱されるために要する所定の時間間隔を正確に算出することが可能である。該直線状のプロットは、所与の(一定の)水の体積についての、ボイラ6の閉じた環境内における(時間測定は蒸気出口弁が閉じられているときに行われるため)水の熱容量及び比熱に関連し、該熱容量及び比熱を表す。ここで、該直線性はこれらの一定の因子に関連し、このことは本発明の方法及び装置の正確で予測可能な水体積予測を可能とする。温度に対する時間のプロットの線、及びボイラ内の水の加熱速度が、工程開始点温度のどちらの側の温度範囲に亘っても略一定であるため、このことはまた、測定範囲内のどのボイラ温度において時間間隔測定が開始されるかは重要ではないことを意味する。当該プロット線の直線性は、例えば、蒸気がボイラから放出されている間の時間に亘って蒸気生成装置のボイラの減少する温度又は圧力の測定が実行される他の方法よりも、本発明の体積決定の方法を、著しく正確なものとする。このことは、時間に対する、蒸気放出の間の温度低下のプロットは、あまり直線状ではなく、より曲線状/放物線状であり、そのため数個の近接して離隔された初期測定からの外挿が不正確となるためである。また、蒸気放出の間の温度低下は、蒸気開口を覆う衣類による底板における背圧、蒸気放出を開始するために弁が開かれた時点におけるボイラ内のピーク圧力及び温度、並びに弁開口径/サイズの度合いといった、幾つかの変数によって影響される。それ故、斯かる変数は、蒸気放出の間に測定された温度又は圧力の低下に基づくボイラ内の水の体積の予測を、不正確なものとする。
本発明の装置及び方法におけるルックアップテーブルの使用は、温度に対する実際の上昇時間のプロット線に存在し得る僅かな非直線性を補償する。また、本発明の方法及び装置は、上述したもののような他の工程又はシステムにおける変数により影響を受けない。ルックアップテーブルの使用はまた、異なる電源電圧、例えば異なる国における異なる電源電圧が、異なる電源について既知の水の体積についての所与のボイラ仕様に対して更なる予めプログラムされた時間間隔及び温度上昇データをコントローラのメモリに含ませることにより、容易に考慮に入れられ得ることを意味する。コントローラはこのとき、該機器とともに利用されている検出された電源電圧に依存して、関連するルックアップテーブルのデータを参照しても良い。
以上に説明された本発明の実施例は、固定された基部内に水容器5、ポンプ7及びボイラ6が備えられた衣類用蒸気アイロン機器を有しても良く、アイロンの本体2及び底板3は該機器全体のうちのハンドヘルド要素である。斯かる実施例においては、該基部は、電源供給部に接続され、アイロン本体2は、ボイラ6から底板3へと蒸気を供給するための蒸気供給配管によって、及び、該基部から該底板内の加熱要素への電力の供給のための電源ケーブルによって、該基部に接続され得る。アクチュエータ13は、本体2に備えられても良いが、制御弁12は、本体2のなかに備えられても良いし、又は基部のなかに備えられても良い。
本発明の代替実施例においては、コントローラ15は、ステップS3において、測定された温度Tempが、(Tptr−1)と(Tptr+1)との間にあると決定された場合、ステップS4において、コントローラ15が、時間計測カウンタをゼロに設定し(即ちt=0)、次いでTprtより高い所定の漸次的な温度上昇(例えば摂氏1度)が生じるために要する時間の計測を開始するよう、構成されても良い。即ち、該制御システムは、測定された温度TempがTprtより高い所定の漸次的な温度上昇に到達するまで、温度Tempの測定を実行しループする。該温度上昇が達成されると、当該上昇を達成するための時間tが捕捉される。次いで、コントローラ15は、ステップS6において、該測定された時間tを用いて、特定のTptrについて関連するルックアップテーブルを参照し、該測定された時間tが、ルックアップテーブルにおける基準時間よりも長いか短いか比較する。斯かるルックアップテーブルは、単に例として図6に示され、所与のTptr温度からの漸次的な温度上昇(図6の表においてはTptr=摂氏135度として示されている)により、或る範囲の体積の水(例えば50ml、100ml、150ml、200ml、…等)を加熱するための、種々の時間値を保存していても良い。例えば、測定値tが6.2秒である場合、コントローラ15は、図6のルックアップテーブルの例を用いて、ボイラ6における水位が150乃至200mlであることを決定する。ボイラ6において保持されるべき目標水位(コントローラ又は動作プログラム命令において予め設定されていても良い)に基づいて、コントローラ15はステップS6において、ポンプ7を作動させるべきか否かの決定を為し、作動すべきである場合にはどれだけの長さの間作動させるかの決定を為す。本発明の動作の一態様においては、ポンプ7は、1つの固定された動作の時間間隔のみを持っていても良い。しかしながら、本発明の範囲内で、ポンプ7は、可変の動作の態様を持っていても良く、例えば推定された水位と目標水位との間の差に基づくものであっても良い可変のポンピング時間を持っても良く、コントローラ15がこのとき、ボイラ6を所定のレベルにまで満たすのにどれだけの水が必要とされるかの決定に依存した、必要とされる時間の間、ポンプ7を動作させても良い。
以上に説明された実施例の代替の動作においては、ステップS6において、コントローラ15は、再充填が必要となる水の体積の下限閾値における、ポインタ温度値についての基準時間よりも、測定された時間tが短いか否かのみを決定するのではなく、既知の水の体積の範囲について、対応するポインタ温度Tptrにおける、複数の保存されたルックアップテーブル時間値の時間値(t@Tptr)と、測定された時間tを比較しても良い。当該代替実施例においては、該コントローラは、ボイラ内の水の体積が再充填のための最小値を下回っているか否かのみならず、ボイラ6内の水の実際の体積を決定しても良い。それ故、ボイラ内に残っている水の実際の体積が決定されると、コントローラ15は、ボイラ6を満たすためにボイラ6へとポンピングされる必要がある水の体積を決定しても良く、それ故ボイラ6を満たすための適切な時間の間ポンプ7を動作させても良い。ボイラ6を再び満たすためにポンプ7が動作する時間は、既知のボイラの総容積、及び各ルックアップテーブルに関連する種々の既知の値、並びにポンプの流体流量を含む既知のポンプの仕様に基づいて、予め決定されていても良い。
本発明の一実施例においては、該コントローラは、ボイラ内のより正確な水位制御を提供するため、ポンプの動作の間又はポンプの動作の後に、ボイラ温度の漸次的な上昇のための時間間隔を測定するよう構成されても良い。斯かる実施例においては、該コントローラは、動作の方法の一部として、時間測定の反復的なループを実行する。そのため、図5を参照すると、制御弁12が閉じるたびに温度上昇のための時間の1回の測定を実行するのみならず、処理ループは、ポンプが作動させられるステップS7から、ステップS2へとループして戻り、温度及び時間の測定工程を繰り返しても良い。
本発明の斯かる代替の装置及び方法においては、該コントローラは、ステップS7におけるポンプ作動ステップの前後に温度を測定することにより、容器5が空となるときを検出するよう構成されても良い。ボイラ内の感知された温度に変化(又は上昇)がない場合には、容器が空であるために容器5からボイラへポンプによって水が送られておらず、従ってボイラ内の水位が上昇していないことを示唆している。容器が空であるときにポンプの継続的な動作(損傷を引き起こし得るか又は過剰な水をポンプに送り得る)を防止するため、ポンプの動作の後のボイラ温度に変化(又は上昇)が検出されないことにより示唆される、ポンプの動作の後にボイラ内の水位が上昇していないことが決定された場合には、コントローラ15がポンプを停止するよう構成されても良い。
以上に加えて、本発明の斯かる装置及び方法においては、ポンプの動作の前後におけるボイラ温度の漸次的な上昇のための時間間隔の測定により、コントローラが、ボイラ内の水位を決定することが可能であり、また現在の水位を該コントローラのメモリに保存しても良い。該水位は次いで、ボイラを次に再充填するとき、即ち、必要な量の水でボイラを満たすための次のポンプ動作において必要とされるポンプ動作の間の、ポンプの次の動作を決定するために用いられても良い。
以上に説明された実施例においては、ボイラ6の殻部に単一のセンサ14が備えられている。しかしながら、本発明の代替の実施例においては、ボイラの殻部に2つの温度センサが備えられても良い。これらセンサは、いずれもボイラ殻部の上面の異なる位置に配置されても良く、コントローラ15は、双方のセンサから信号を受信し、2つの値を平均してボイラ温度のより正確な計測値を得ても良い。代替としては、一方のセンサがボイラ殻部の上端に装着され、他方がボイラ殻部の側壁に装着されても良い。ここでもまた、コントローラ15は、双方のセンサから信号を受信し、2つの値を平均してボイラ温度のより正確な計測値を得ても良い。
空のボイラ状態(即ちボイラに水がない)においては、蒸気が生成されることができず、それ故センサは蒸気の温度を測定せず、ボイラの殻部の温度を測定することとなる。2つのセンサの使用は、空のボイラ状態を検出し、過熱を防止するために利用される。斯かる場合には、第1のセンサは、好適にはボイラ殻部の上端のような、加熱器10から離れた場所に配置され、それにより加熱器の温度により影響を受けないようにし、ボイラ内の蒸気の温度を測定するために利用される。それ故、第1のセンサ(図1における参照番号14のような)は、底部における加熱器の温度には敏感ではない。第2のセンサ(図示されていない)は、ボイラの底部の近く又は底部において備えられ、該底部における過熱を検出できるようにする。斯かる実施例においては、第2のセンサは、サーモスタットのような遮断装置であっても良く、第2のセンサの位置における検出された温度が所定の値を超える場合(水がない場合に加熱器10が高温にまで加熱していることを示唆している)に、加熱器10が停止されることを可能としても良い。代替としては、コントローラが、感知された第1及び第2のセンサの温度を比較しても良く、これら2つの値の差が所定の値を上回る場合は、空のボイラ状態を示唆している。このことは、水がない場合には加熱器が高温にまで加熱し、それが第2のセンサにより検出され、一方では蒸気がないことが第1のセンサが加熱された蒸気に晒されないことを意味し、従って予測されるよりも低い温度を検出するためである。斯かる状況においては、該コントローラは、該装置に対する損傷を回避するため加熱器10の動作を停止するよう構成されても良い。
以上に説明された実施例においては、センサ14は、温度センサを有する。しかしながら、本発明の範囲内において、該センサは代替として圧力センサを有しても良い。以上に説明された実施例のもののような閉じたボイラ系においては、温度と圧力とは良く相関し、関数的に相互交換可能であり得る。斯かる代替の実施例においては、該装置の動作は、測定された温度に関連するセンサ信号が言及された箇所において、該言及がボイラ内の圧力に関連するセンサ信号に置き換えられるべきである点を除いて、以上に説明されたとおりとなる。上述したように、1.5乃至6.5Barのようなボイラ圧力の範囲内で時間測定が為されても良く、図4に示されたようなルックアップテーブルが、既知の水の体積に対する斯かる範囲内の所定のボイラ圧力に到達するまでに要する既知の時間間隔を保存していても良い。斯かる装置を動作させる斯かる代替の装置及び方法も、既知のシステムに対して以上に説明された利点を提供する。
以上に説明された本発明の実施例は蒸気アイロン1であったが、本発明は斯かる機器に限定されることを意図されたものではなく、例えば衣類用スチーマ、壁紙スチーマ、蒸気オーブン、又は例えば床を洗浄するための蒸気洗浄装置のような、他の形態の蒸気生成装置を有しても良い。
「有する(comprising)」なる語は他の要素又はステップを除外するものではなく、「1つの(a又はan)」なる不定冠詞は複数を除外するものではないことは、理解されるであろう。特定の手段が相互に異なる従属請求項に列挙されているという単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に利用されることができないことを示すものではない。請求項におけるいずれの参照記号も、請求の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。

Claims (15)

  1. 水容器と、蒸気を生成するためのボイラと、前記ボイラにおける温度又は圧力を検出するための前記ボイラに接続されたセンサと、前記容器から前記ボイラへと水をポンピングするよう構成されたポンプと、前記センサからの信号を受信し、前記信号に依存して前記ポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラと、を有する蒸気生成装置であって、前記コントローラは、前記ボイラ内の水の量を決定し、前記決定された水の量が所定の値より少ない場合に、前記ボイラに水を供給するよう前記ポンプを制御するよう構成された、蒸気生成装置において、前記コントローラは、前記ボイラにおける温度又は圧力の所定の上昇に必要とされる少なくとも1つの時間間隔を測定することによって前記水の量を決定し、前記測定された時間間隔を所定の値と比較するよう構成されたことを特徴とする、蒸気生成装置。
  2. 前記所定の時間値は、温度又は圧力の所定の上昇に到達するための1つ以上の既知の水の量についての時間間隔に対応する、請求項1に記載の蒸気生成装置。
  3. 蒸気が前記ボイラから放出されることを許容するための制御弁を更に有し、前記コントローラは、前記制御弁が閉じられ、蒸気が前記ボイラから放出されることを防止されているときにのみ、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔を測定するよう構成された、請求項1又は2に記載の蒸気生成装置。
  4. 前記コントローラは、蒸気が前記ボイラから放出された後、前記制御弁を閉じることに続いて、前記制御弁を閉じた後に所定の時間が経過した後に、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を開始するよう構成された、請求項3に記載の蒸気生成装置。
  5. 前記コントローラは、前記ボイラの温度又は圧力の漸次的な上昇のための前記測定された時間間隔が、所定の時間間隔よりも短い場合に、前記ポンプを動作させるよう構成された、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の蒸気生成装置。
  6. 前記コントローラは、決定された前記ボイラに残っている水の量に依存して、所定の時間の間、前記ポンプを動作させるよう構成された、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の蒸気生成装置。
  7. 前記所定の値は、前記コントローラの前記メモリユニット内の1つ以上のルックアップテーブルに保存された前記ボイラ内の1つ以上の既知の水の量の漸次的な温度又は圧力上昇のための時間間隔を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の蒸気生成装置。
  8. 前記コントローラは更に、前記センサからの温度又は圧力信号に依存して前記ボイラの動作を制御するよう構成され、感知された温度又は圧力が所定の閾値に到達したときに前記ボイラが水を加熱するのを停止する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の蒸気生成装置。
  9. 前記センサは、金属基板に装着されたサーミスタを有し、前記金属基板は、前記ボイラに装着された、請求項1乃至8のいずれか一項に記載の蒸気生成装置。
  10. 蒸気生成装置を動作させる方法であって、前記装置は、水容器と、蒸気を生成するためのボイラと、前記ボイラの温度又は圧力を検出するための前記ボイラに接続されたセンサと、前記容器から前記ボイラへと水をポンピングするよう構成されたポンプと、前記センサからの信号を受信し、前記信号に依存して前記ポンプの動作を制御するよう構成されたコントローラと、を有し、前記方法は、前記ボイラ内の水の量を決定するステップと、前記決定された水の量が所定の値より少ない場合に、前記ボイラに水を供給するよう前記ポンプを制御すると、を有する方法において、前記方法は、前記ボイラにおける温度又は圧力の所定の上昇のための少なくとも1つの時間間隔を測定することによって前記水の量を決定するステップと、前記測定された時間間隔を所定の値と比較するステップと、を有することを特徴とする、方法。
  11. 蒸気が前記ボイラから放出されることを許容するための制御弁が閉じられ、蒸気が前記ボイラから放出されることを防止されているときにのみ、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔を測定するステップを有する、請求項10に記載の方法。
  12. 蒸気が前記ボイラから放出された後、前記制御弁を閉じることに続いて、前記制御弁を閉じた後に所定の時間が経過した後に、ボイラ温度又は圧力の漸次的な上昇のための時間間隔の測定を開始するステップを有する、請求項11に記載の方法。
  13. 前記ボイラに残っている決定された水の量に依存して、所定の時間の間ポンプを動作させるステップを有する、請求項10乃至12のいずれか一項に記載の方法。
  14. 前記測定された時間間隔を所定の値と比較するステップは、前記コントローラのメモリ内の1つ以上のルックアップテーブルに保存された前記ボイラ内の1つ以上の既知の水の量の漸次的な温度又は圧力上昇のための時間間隔と、測定された時間間隔を比較するステップを有する、請求項10乃至13のいずれか一項に記載の方法。
  15. 前記センサからの温度又は圧力信号に依存して前記ボイラの動作を制御するステップと、感知された温度又は圧力が所定の閾値に到達したときに前記ボイラが水を加熱するのを停止するステップと、を有する、請求項10乃至14のいずれか一項に記載の方法。
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