JP2017510639A - レット症候群の治療 - Google Patents

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Abstract

【課題】レット症候群の患者の治療方法を提供する。【解決手段】レット症候群(RTT)、主に女性に影響を及ぼす小児期神経障害は、ガランタミンのヒドロキシ基がカルバメート基、カーボネート基又はエステル基により置換され、メトキシ基が2〜6個の炭素原子の別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基により置換されてもよく、N−メチル基が水素、1〜10個の炭素原子のアリール基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基、あるいは置換又は未置換のベンゾイルオキシ基により置換されてもよいガランタミン類似体の使用により治療される可能性がある。【選択図】なし

Description

本発明は、症候性患者における認知障害を低減するために、レット症候群患者の治療方法に関する。
レット症候群(RTT)は、主に女性に影響を与える小児期精神障害である。RTTは、社会相互作用の低下、精神遅滞、頭囲成長の低下、異常な運動能力、情緒障害、異常な呼吸(Katz、Barger−Sweeney 2012)等、自閉症からパーキンソン病に至るまで、多くの他の疾患に共通して観察される特徴を有する。RTTは、女児において約1:10,000の有病率を有する精神遅滞の第2の最も一般的な原因であり、関連する精神遅滞を伴う他の精神発達障害と同様に治療に対して耐性がある。
RTTは複雑な表現型及び特有の症状の発症を有する。通常、レット症候群の女児は、正常妊娠後、周産期の問題は殆ど報告されず、正常な期間で出産される。女児は退化時期が後続する生後6ケ月の間は比較的正常に成長する。一般にこの女児は、取得した手の技能と、話し言葉の喪失と、時には引きこもり又は自閉症に類似する極端な刺激感応性とを伴って、通常は6ケ月から2歳の間で発症する神経学的退化を医師に示す。退化後、擬安定段階があり、この段階で繰り返される手の動き(常同行動)等のRTTの特徴が度々出現する。
RTT女児は、一部の女児が体重過多ではあるが、身長、体重及び頭囲の成長が減少する。女児は種々の胃腸障害を持つが、成長の低下が栄養失調の作用であるかどうかは明らかではない。脳波と臨床癲癇の異常な記録値もまた10歳までの共通の特徴である。運動機能障害、脊椎変形及び呼吸器系の問題も一般的であり、後者の問題は多くの症例で致命的になりうる。その後の人生で多くのRTT女児は運動能力が低下し、硬直や擬死等のパーキンソン病の特徴が顕著になる。他の運動障害は歩行異常、振戦、ミオクローヌス、舞踏病及び重度の歯ぎしりを含む。退化段階中では、自閉症の特徴は、引きこもり、アイコンタクトの回避、視覚的刺激や聴覚的刺激に対する無関心、及び新しい状況への感性を含んで現れる。自閉症の特徴が生涯を通じて顕著になるか又は女児が高齢になるにしたがって減少するかどうかは明らかではない。
RTTの個人の認知機能及び情報処理能力については比較的に少ない情報しか知られておらず、認知の可能性についてはさらに少ない情報しか知られていない[Berger−Sweeney 2010]。認知機能の評価及び子供の発達レベルの評価はほとんど常に口頭又はジェスチャー応答に依存し、子供が物質世界について取得するという知識に焦点があてられる。RTTの女児に重度の運動障害を伴う顕著なコミュニケーション障害により、女児の認知能力を評価することが非常に困難となる。RTT個人の非常に制限された認知とコミュニケーション能力については多数の報告がなされているが、これらの能力が年齢とともに大幅に悪化するという兆候はほとんどなく、能力の発達は、退化の開始時、換言すれば典型的には6ケ月から18ケ月の間で停止するようになる。広汎性及び一般的な知能障害の所見とは対照的に、RTTの女児は社会的記憶の要素が完全であることを示す時間をかけて介護者との社会的相互作用が増加したという報告がある。見えなくなった物体の知識については、ほとんどのRTT女児は物体の永続性を示さないか又は低レベルの物体の永続性を示すが、多くの親は、女児が発達テストが示すより理解していることを示唆する中程度の認識能力や反応を示唆する逸話を報告している。
RTT女児の認知能力を検査し、重度の運動障害及びコミュニケーション障害を回避する試みにおいて、一部の研究では、眼の追跡を使用して意図的な視線を検討した。固定視線と意図的な視線とは特定の欲求を表現するコミュニケーション形式である。しかし、固定視線と物体を学習又は記憶する能力とを同一視することにはほとんど根拠がない。
呼吸の異常がRTTには共通している。呼吸器の異常は強制的な呼吸(過換気)の期間、呼吸の一時停止及び異常な心肺カップリングを含み、これらの症状は睡眠中よりも覚醒時により深刻であり、興奮やストレスと共に誇張されることがある。RTTでの死亡の1/4は突発的であり呼吸機能不全に関連していることがある。
RTT女児は、一般に10代で発症する癲癇発作(巣状、多病巣性、一般化eliptiform異常)及び非定型脳波(EEG)パターンの高い比率を示す。
RTT患者の脳波は、通常よりも一般的に小さいが、昇進系病理学的変化を示さない。一般的に、神経細胞萎縮、グリア萎縮、変性、グリオーシス又は脱髄は見られず、RTTが神経変性疾患でないことを示唆する。RTTの脳は一般的に小さな全脳体積と、新皮質、海馬及び視床下部には高密度に充填された小さな神経とを示す。樹状分枝及び背骨の密度は新皮質及び海馬で減少し、RTTの脳内の神経伝達や接続性の低下を示唆する。
多くの治療がRTTの個人に試みられてきたが、臨床的な改善は見出されていない。成長因子及び栄養補助食品はこれまでは臨床的には成功していないが、評価はされている。最近の試験はインスリン様成長因子−1(IGL1)を含むが、肯定的結果はまだ報告されていない。この破壊的疾患のための効果的な治療法を開発することが極めて必要である。
疾患者にみられる遺伝子の発見後、レット症候群に対する関心が高まっている。女児のRTTの症例の80%以上がメチル化CpG結合タンパク質2(MeCP2)をコード化するX連鎖遺伝子の突然変異によるものである。変異遺伝子の同定はまた、男性のMeCP2関連の重度の表現型の発見につながった。MeCP2は、転写抑制因子としての役割が最もよく研究されている多機能タンパク質である。最近では、多数の遺伝子の活性化におけるMeCP2の役割を強調する証拠もある。MeCP2は標的遺伝子を活性化するためにプロモータ領域と結合する。RTTにおける場合と同様に、MeCP2の突然変異は通常はメチル化及び安定抑制される多くの遺伝子の調節不全につながる。近年、MeCP2のためのいくつかの他の機能的役割は注目され、DNAの非プロモータ領域への結合を含んでより完全に特徴付けされ始めている。MeCP2は多数の機能的遺伝子を調整し、MeCP2によって調節されると考えられる遺伝子のリストは年々増加していることは明らかである。しかし、臨床RTT表現型を製造するのにMeCP2の突然変異の正確な役割は依然として不明である。脳由来神経栄養因子(BDNF)はMeCP2によって調整される遺伝子の一つである。
現在、変更されたMeCP2発現を伴う種々のマウスモデルが存在し、全てのモデルはRTT表現型の重要な症状を再現する。機能MeCP2タンパク質を欠く変異体雄マウスの行動表現型は、常同行動、運動、呼吸器、社会的障害、認知障害、体重の減少及び脳のサイズの減少等により特徴付けられるこれらの特徴に対して驚くほど類似する[Katz&Berger−Sweeney 2012]。RTT女児の遺伝子により厳密に類似する雌変異マウスは症状の可変重症度を示し、症状は雄に比べて発症までに長い時間を要し軽度である。変異体雄は最も深刻な影響を受けたRTTの女児を複製するために考えられたより一般的なモデルであるが、変異体雌が含まれる場合には、臨床効果のみが達成されるだろう。
RTTの女児に対して説明した最も一貫性のある神経科学的異常の一つは、前脳基底部におけるコリン作動性神経の喪失及びコリン作動性機能の低下である。アセチルコリン(ACh)は選択的注意、学習及び作動記憶を制御する成人期に不可欠な神経伝達物質である。AChはまた、認知のために必要な神経回路網の形成を制御するために皮質の発達における重要な時間ウインドウの間の必須の神経調節物質である。アセチルコリンは、前脳基底核に存在し且つ新皮質及び海馬に突出する神経細胞に主に由来する。コリン作動性神経伝達は、周産期中にコリンと栄養補給を介して向上可能である。授乳中の母親のコリンの補充は、適度に運動活動レベルを増加させ、Mecp21lox変異体雄の子孫の運動協調を向上する。認知障害は不変であった(Nag&Berger−Sweeney,2007)。
コリン作動性機能障害はRTTの中で最も一貫して文書化された神経科学異常であるが、生体アミン、グルタミン酸、サブスタンスP及び成長因子、特にBDNFの異常はすべて報告されている。どの神経科学的変化が一次的であり且つどの神経科学的変化が二次的であるかは不明のままである。RTTの動物モデルでは、グルタミン酸欠乏はコリン作動異常に先行し且つ神経の完全性の低下にも先行する[Ward 2009 PHID:19012748]。
RTTのMecp2R168X及びMecp2Jマウスモデルは、レット症候群におけるガランタミンのnーブチルカルバメートの有効性を試験するための優れた動物モデルである。R168Xはヒトにおける最も一般的な点変異であり、Mecp2Jマウスモデルは機能的欠失突然変異である。これらのマウスモデルはヒトの条件をよく連想させる表現型を示す[Stearns 2007PMID:17383101]。前述したように[Stearns 2007 PMID:17383101において]、一連の行動及び生理的タスクで雄と雌の両方の変異マウスを使用することにより、ガラタミンのn−ブチルカルバメートの有効性の評価を含め、この化合物の前臨床の可能性の評価を急性及び慢性の投与スキームで可能とし、RTTに関連する表現型を改善する。RTTでの前臨床試験のための推奨ガイドライン[Katz 2012 PMID:23115203]は、方法論、プロトコル及び厳格な基準の概要を説明し、RTTのマウスモデルにおける前臨床実験が臨床的成功となる可能性があることを確実にする。
ガラタミンは以下の構造を有する。
ガラタミンは、軽度から中程度のアルツハイマー病の患者の治療に認証されている。これは16mg/日から24mg/日の投与量で投与される。
特許文献1はアルツハイマー病の治療におけるガランタミン、既知のコリンエステラーゼ阻害剤の使用を記載している。特許文献2は、同様の目的のためにガランタミン及びリコラミンの類似体の使用を記載している。特許文献3は、ニコチン性受容体の調節と、アルツハイマー病及びパーキンソン病の進行の治療及び遅延と、神経変性疾患に対する神経保護とに関して、ガラタミン及びリコラミンの類似体の効果を説明している。これらの特許の付与時点で、アルツハイマー病は、認知症によって明らかになり、その根本的な原因が理解され始めた状態であることが理解される。これら従来の特許に記載の治療は、認知症に関わる要因に対処している。すなわち、そのアステリック調節によって、アセチルコリンエステラーゼの作用により生じる神経伝達物質アセチルコリンの利用可能性の低下並びに機能を向上させるためのアステリック調整によるニコチン性受容体の間接的な刺激を制限するように、アセチルコリンエステラーゼの活性を低減する。
米国特許第4,663,318号公報 国際公開第WO8808708号 米国特許第6,670,356号公報
本発明の第一の態様によれば、レット症候群の患者の治療方法であって、ヒドロキシ基がカルバメート基、カーボネート基又はエステル基により置換され、メトキシ基が2〜6個の炭素原子の別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素原子を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基により置換されてもよく、N−メチル基が水素、1〜10個の炭素原子のアリール基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基、あるいは置換又は未置換のベンゾイルオキシ基により置換されてもよいガランタミン類似体の治療的に許容される投与量を患者に投与することを備える治療方法が提供される。
上記目的を達成するため、本発明に係る治療方法は、
レット症候群患者の治療方法であって、
ヒドロキシ基がカルバメート基、カーボネート基又はエステル基により置換され、メトキシ基が2〜6個の炭素原子の別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基により任意に置換され、N−メチル基が水素、1〜10個の炭素原子のアリール基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基、あるいは置換又は未置換のベンゾイルオキシ基により任意に置換されるガランタミン類似体の治療的に効果的な投与量を必要とする患者に投与する投与ステップを含む。
典型的には、ヒドロキシル基を置換するために使用される基はアルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素原子を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基である。エステル基及びカルバメート基は特に有用である。一般に、ガランタミンのメトキシ基及びメチル基は変更されない。2〜8個の炭素原子を有するモノアルキルカルバメートは特に有用である。
一つの特に有用な化合物は以下の構造を有するガランタミンのn−ブチルカルバメート誘導体である。
ガランタミンのn−ブチルカルバメートのIC50は、ガランタミンの3.97x10-7Mと比較すると10.9x10−7Mである。
この化合物は、Han他のBioorg.& Medicinal Chemistry Letters 1, 11 579−580(1991)においてコリンエステラーゼ阻害剤として記載された。
ブチルカルバメートは、悪影響に関してガランタミと異なった。(Han他、Eur J Med Chem 1992,27,673)ガランタミンで治療された動物において5mg/kgで現れた運動性の低下は、類似体の30mg/kgまで観察されなかった。n−ブチルカルバメートの50〜100mg/kgの投与量では、マウスは4時間後にまだ早い心拍でよろめいてバランスが取れていなかったが、24時間で回復した。100mg/kgまでは致死性はなかった。ガランタミンのLD50は10mg/kgである。10、15及び20mg/kgのガランタミンを腹腔内注射されたマウスは、それぞれ平均8分、6分及び4分で発作を起こす(Fonck他、J Neurosci 2003、23、7、2582)。
以下に示すように、ガランタミンのn−ブチルカルバメートはヒト結腸直腸がん由来のCaCo−2細胞の層のインビトロ透過性に基づいて80%の経口バイオアベイラビリティを有すると予測される。
肝ミクロソームのインビトロ製造において、ガランタミンのn−ブチルカルバメートの半減期は60分より長かった。
動物及びインビトロ研究に基づき、ガランタミンのn−ブチルカルバメートは、良好な耐容性があり、安全であり、経口で生物学的に利用可能であり、血漿中で安定しており、ガランタミンよりも低い投与量で学習を強化するのに有効であると考えられる。これは、ニコチン受容体上のガランタミンの正のアロステリック調節部位を介して神経細胞の電気生理学的活性を増強する。
本発明による治療のための患者の診断は臨床検査や遺伝子検査により行うことができる。
RTTはMECP2遺伝子の遺伝的欠陥に常に関連し、治療は臨床症状が表示されない場合でも突然変異を有すると判定された患者に対して有用である可能性がある。
本発明の治療における使用に適した組成物は、典型的には、化合物の活性及び半減期に依存する活性化合物を0.1〜40mg含有する錠剤、カプセル剤又はロゼンジ等の経口投与に適する。ブチルカルバメートを使用する組成物は、典型的には、例えば投与量当たり1〜10mg、2〜25mg又は5〜40mの範囲を含むだろう。
経口剤形は、例えばポリビニルピロリドン等の胃液に溶解する薬学的に許容されるポリマーでコーティングし、次いで粒子の大きさを変更し、コーティングの厚さの程度が異なる粒子が異なる時間に放出されるように錠剤、カプセル剤又はロゼンジに特定のサイズの粒子の特定の比率を組み込むことにより、血流への放出を遅延するように活性化合物の粒子がコーティングされた徐放性製剤であってもよい。この場合、コーティング技術は、活性化合物の殆どが投与の12時間以内に放出される結果をもたらすことが望ましい。別の適用手段は例えば経皮パッチを含んでもよく、この場合、目的は1時間当たり0.01〜10mgの速度で投与量の投与を提供することである。
要望に応じて、他の剤形を使用してもよい。例えば経鼻又は非経口投与は、血液脳関門の通過を補助する製剤を含む。
経鼻又は非経口治療投与の目的のため、本発明の活性化合物を溶液又は懸濁液に組み込んでもよい。これらの製剤は、典型的には、例えばその重量の0.5と約30%の間である活性化合物の少なくとも0.1%を含む。経鼻又は非経口投与単位が活性化合物の0.1〜10mgを含むように本発明による好ましい組成物及び製剤を調製する。
溶液又は懸濁液は、以下の成分、すなわち注射用蒸留水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒等の滅菌希釈剤と、ベンジルアルコール又はメチルパラベン等の抗菌剤と、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム等の抗酸化剤と、エチレン−ジアミン四酢酸等のキーレート剤と、酢酸等の緩衝液と、塩化ナトリウム又はデキストロース等の張性調整用クエン酸塩又はリン酸塩及び薬剤とを含んでもよい。非経口の複数回投与バイアルはガラス又はプラスチックであってもよい。
活性成分の投与における典型的な投与速度は、使用される化合物の性質に依存し、静脈内投与では、患者の体調及び他の投薬法に基づいて一日当たり及び体重の1kg当たり0.01〜2.0mgの範囲である。
活性成分/mlの0.1〜5mgの濃度における鼻内又は脳室内投与のための液体製剤。本発明の化合物はまた、0.1〜10mg/日で放出する経皮システムによって投与できる。経皮投与システムは、例えばジメチルスルホキシドやオクタン酸等のカルボン酸である浸透促進剤、及び例えばミリスチン酸イソプロピル等の柔軟剤を含むヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸共重合体である現実的でリアルなポリアクリレートと共に使用される場合、塩の遊離塩基として0.1〜30mgの活性物質を含有する保持層からなっていてもよい。例えば0.35mmの厚さを有する金属コーティングされたシリコナイズポリエチレンパッチ等の活性成分不透過性外側層を被覆として使用できる。接着剤層を生成するために、例えば有機溶媒中のジメチルアミノメタアクリレート/メタクリル酸共重合体を使用できる。
特定の患者に対する特定の投与量の決定は、患者を治療する医師の判断の問題になる。しかし、適切な投与量は、低投与量で開始し、応答が不十分であった場合に増加することによって決定されてもよい。上述したように、これらの投与量は、0.2〜10mg又は1〜50mg等、典型的な0.2〜100mgよりもかなり低くてもよい。
認知障害は、RTT及びRTTの動物モデルで改善に特に耐性がある。マウスにおける認知能力を増強するガランタミンブチルカルバメートの能力とニコチン性受容体を刺激する可能性とのRTTでの低減を考慮すると[Yasui 2011]、この障害における認知障害を改善する可能性がある。ニコチン性受容体の増強作用は、ドーパミン、グルタミン酸、及びGABAを含む多くの異なる神経伝達物質の放出を促進する。ドーパミン作動性神経伝達がRTTで減少すること及びGABA作動性ニューロンにおけるMeCP2の異常な機能だけでは、ほとんどのRTT症状を再現することを考慮すると、ガランタミンブチルカルバメートの投与では、コリン作動性経路、ドーパミン作動性経路及びGABA作動性経路におけるシナプス機能を高めることにより、RTTの女児の臨床転帰を改善する可能性がある。
ニコチン性受容体の増強作用は、ドーパミン、グルタミン酸、及びGABAなどの多くの異なる神経伝達物質の放出を促進する。ドーパミン作動性神経伝達がRTTで減少すること及びGABA作動性ニューロンにおけるMeCP2の異常な機能のみがほとんどのRTT症状を再現することを考慮すると、ガランタミンブチルカルバメートの投与では、コリン作動性経路、ドーパミン作動性経路及びGABA作動性経路におけるシナプス機能を高めることにより、RTTの女児の臨床転帰を改善する可能性がある。
本発明の治療における使用に適した組成物は、典型的には、化合物の活性及び半減期に依存する活性化合物を0.1〜40mg含有する錠剤、カプセル剤、又はロゼンジ等の経口投与に適する。ブチルカルバメートを使用する組成物は、典型的には、例えば投与量当たり1〜10mg、2〜25mg、又は5〜40mgの範囲を含むだろう。
経口剤形は、例えばポリビニルピロリドン等の胃液に溶解する薬学的に許容されるポリマーでコーティングし、次いで粒子の大きさを変更し、コーティングの厚さの程度が異なる粒子が異なる時間に放出されるように錠剤、カプセル剤又はロゼンジに特定のサイズの粒子の特定の比率を組み込むことにより、血流への放出を遅延するように活性化合物の粒子がコーティングされた徐放性製剤であってもよい。別の適用手段は例えば経皮パッチを含んでもよく、この場合、目的は1時間当たり0.01〜10mgの速度で投与量の投与を提供することである。
要望に応じて、他の剤形を使用してもよい。例えば経鼻又は非経口は、血液脳関門の通過を補助する製剤を含む。
経鼻又は非経口治療投与の目的のため、本発明の活性化合物を溶液又は懸濁液に組み込んでもよい。これらの製剤は、典型的には、例えばその重量の0.5と約30%の間である活性化合物の少なくとも0.1%を含む。経鼻又は非経口投与単位が活性化合物の0.1〜10mgを含むように本発明による好ましい組成物及び製剤を調製する。
溶液又は懸濁液は、以下の成分、すなわち注射用蒸留水、食塩水、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール又は他の合成溶媒等の滅菌希釈剤と、ベンジルアルコール又はメチルパラベン等の抗菌剤と、アスコルビン酸又は亜硫酸水素ナトリウム等の抗酸化剤と、エチレン−ジアミン四酢酸等のキーレート剤と、酢酸等の緩衝液と、塩化ナトリウム又はデキストロース等の張性調整用クエン酸塩又はリン酸塩及び薬剤とを含んでもよい。非経口の複数回投与バイアルはガラス又はプラスチックであってもよい。
活性成分の投与における典型的な投与速度は、使用される化合物の性質に依存し、静脈内投与では、患者の体調及び他の投薬法に基づいて一日当たり及び体重の1kg当たり0.01〜2.0mgの範囲である。
活性成分/mlの0.1〜5mgの濃度における鼻内又は脳室内投与のための液体製剤。本発明の化合物はまた、0.1〜10mg/日で放出する経皮システムによって投与することができる。経皮投与システムは、例えばdimenylスルホキシドやオクタン酸等のカルボン酸である浸透促進剤、及び例えばミリスチン酸イソプロピル等の柔軟剤を含むヘキシル/酢酸ビニル/アクリル酸共重合体である現実的でリアルなポリアクリレートと共に使用される場合、塩の遊離塩基として0.1〜30mgの活性物質を含有する保持層からなっていてもよい。例えば0.35mmの厚さを有する金属コーティングされたシリコナイズポリエチレンパッチ等の活性成分不透過性外側層を被覆として使用できる。接着剤層を生成するために、例えば有機溶媒中のジメチルアミノメタアクリレート/メタクリル酸共重合体を使用できる。
特定の患者に対する特定の投与量の決定は、患者を治療する医師の判断の問題になる。しかし、適切な投与量は、低投与量で開始し、な応答が不十分であった場合に増加することによって決定されてもよい。上述したように、これらの投与量は、患者が成人でない場合に体重に合わせた適切な調整を行い、0.2〜10mg又は1〜50mg等、典型的な0.2〜100mgよりもかなり低くてもよい。
RTTのMecp2R168X及びMecp2Jマウスモデルは、レット症候群におけるガランタミンのnーブチルカルバメートの有効性を試験するための優れた動物モデルである。R168Xはヒトにおける最も一般的な点変異であり、Mecp2Jマウスモデルは欠失突然変異である。これらのマウスモデルはヒトの条件をよく連想させる表現型を示す[Stearns 2007PMID:17383101]。前述したように[Stearns 2007 PMID:17383101において]、一連の行動及び生理的タスクで雄と雌の両方の変異マウスを使用することにより、ガラタミンのn−ブチルカルバメートの有効性の評価を含め、この化合物の前臨床の可能性の評価を急性及び慢性の投与スキームで可能とし、RTTに関連する表現型を改善する。RTTでの前臨床試験のための推奨ガイドライン[Katz 2012 PMID:23115203]は、方法論、プロトコル及び厳格な基準の概要を説明し、RTTのマウスモデルにおける前臨床実験が臨床的成功となる可能性があることを確実にする。
ガランタミンのn−ブチルカルバメートは、非常に高い投与量(50及び100mg/kg)の時に心機能及び運動機能に悪影響を与える。これらの負の副作用は、心臓の異常と顕著な運動の障害を持っているRTTの女児に特に有害である可能性がある。コリン作動性システム(ガランタミンのnブチルカルバメートによって調節された)は、運動機能と呼吸機能との両方に悪影響を与えるため、薬物治療に応答して運動や呼吸機能を監視した。新規物体認識作業が、雌のMecp2マウスが大きな障害を示す最も一貫した作業の一つであるため、薬物治療に応答して認知機能を評価するために、このタスクを使用した(Stearns他の2007 Neuroscience 146:907−921 PMID 17383101;Katz,Berger−Sweeney他の2012 Disease Model Mech 5:733−45.PMID 23115203)。
運動活性は、上述の方法を用いて監視した(Shaevitz他の2013 Genes Brain Behav.12(7):732−40.doi:10.1111/gbb.12070)。MECP2変異体雄(1〜3ケ月齢)及び雌(3〜6ケ月齢)、並びに年齢適合対照例は、0.1〜20mg/kgの範囲の投与量での薬物(又は賦形剤:食塩水の20%DMSO)投与前の1時間及び薬物投与後の12時間(腹腔内注射を受けた1組のマウス及び強制経口投与を受けた1組のマウス)監視した。活性は、フォトビーム活性システム(San Diego Instruments,San Diego,CA,USA)を用いて12時間暗サイクルにわたって測定した。マウスは3×8のフォトビームアレイを備えた長方形のアリーナ内部のケージ(47×25×21cm)に個別に入れた。12時間を超える1時間あたりの歩行によるビーム遮断(隣接する2つのビーム)及び微細運動によるビーム遮断(繰り返し単一ビーム)の平均値を比較した。[各投与量及び各投与経路においてN=2マウス/群;賦形剤対照例の場合、N=6WT/群;N=6Mecp2/群]。データは、分散の反復測定分析を用いて分析した。
呼吸機能は、薬物投与前30分間及び薬物投与後1時間、プレチスモグラフ(EMKA Technologies社)で監視した(腹腔内注射を受けた1組のマウス及び強制経口投与を受けた1組のマウス)。[各投与量及び各投与経路においてN=2マウス/群;賦形剤対照例の場合、N=6WT/群;N=6Mecp2/群]。データは、分散の反復測定分析を用いて分析した。
運動又は呼吸器の機能を損なわなかった薬剤の投与量は、その後安全性であり且つ忍容性が良好であるとされた。
認知機能は、上述した方法(Schaevitz他 2013)を用いて、新規物体認識(NOR)タスクを使用して評価された。RTTが女児に最も多いという状況から、ベストプラクティスは、薬の前臨床試験が(Katz,Berger−Sweeney他 2012 Disease Model Mech 5:733−45.PMID:23115203)雌のモデルでの結果を重視すべきであることを示唆しているため、雌マウスを試験した。新規の物体記憶は、3つのセッションで評価された。このタスクは、見慣れている物体対見慣れていない物体を探査するためにマウスの生来の傾向に依存している。試験は、オープンフィールドアリーナで行った。トレーニングの24時間前に、マウスを10分間アリーナに慣れさせた。トレーニングの90分前に、マウスに薬物又は賦形剤対照例(0.1、0.5、1.0、2.5及び5.0 mg/kgの腹腔内投与)を投与した。トレーニング中に、マウスには、2つの同一のレゴ物体(A+A)を探査するために10分与えた。短期及び長期の物体記憶は、マウスが見慣れている物体(A)又は新規の物体(B又はC)を探査するために10分与えられる2つの後続のセッション(トレーニング終了後24時間)で評価された。見慣れている物体及び新規の物体の探査の期間(マウスの鼻又は前足が物体に物理的に触れるか、あるいは物体の1cm以内に接近すると定義する)が測定された。各セッションにおいて新規の物体及び見慣れている物体の双方を探査する合計時間にわたり、新規の物体を探査するのに費やされた時間量は物体の記憶を測定するのに使用された。[0.1、0.5及び1.0のN=6/投与量;2.5及び5.0mg/kgのN=1/投与量;賦形剤対照例の場合、N=6WT及びN=6Mecp2マウス]。各投与量で試験したマウスの数が少ないことを仮定すると、Mecp2又は対照例の群及び賦形剤対照例又は薬剤処置されたMecp2マウスの群にマウスを組み合わせ、NORタスクを学んだ群と学ばなかった群との間で差があるかどうかを決定するためにカイ2乗分析を使用してデータを分析した。
結果
歩行運動及び微細運動の動きは、試験薬の投与量のいずれでも大きく変更されなかった。Mecp2の雄の歩行運動が野生型マウスに比べかなり低下することを以前に示した(Schaevitz他 2013)。Mecp2の雌でも野生型よりはかなり低かったが、低下はより軽度であった。薬剤(0.1〜20mg/kgの腹腔内投与又は強制経口投与)の投与量は、雄と雌のMecp2マウスのいずれにおいても運動活性を損なわなかった。また、薬剤の同一の投与量及び投与経路は呼吸活動に影響を及ぼさなかった。従って、薬物は、雄と雌のMecp2マウス並びに対照例において、0.1〜20mg/kgの投与量で安全であり許容された。
新規の物体認識タスクデータに対して、賦形剤を投与された全ての野生型及びMecp2の雌のマトリックスと、薬物有りのMecp2の雌及び薬物無しのMecp2の雌(全ての投与量が組み合わされた)を比較する第2のマトリックスとを作成した。マウスは、新規の物体タスクを学習した(0.5のチャンスレベルを超える物体認識スコアを持つ)マウスと新規の物体タスクを学習しなかった(0.5以下のチャンスレベルの物体認識スコアを持つ)マウスとの2つのカテゴリに分類された。この条件で以下の2つの質問をした
1)Mecp2の雌(賦形剤投与)はタスク上のWT対照例よりも大きく悪化した行為を示すか。
NORスコア≦0.5 NORスコア>0.5
Mecp2 83% 17%
WT 33% 67%
野生型マウスはNORタスクを学習したが、Mecp2マウスは本タスクを学習しなかった[カイ2乗、(df=1、N=12)=6.75、p=0.0094]。
2)ガランタミンのn−ブチルカルバメートはタスク上のMecp2マウスの行為を改善するか。
NORスコア≦0.5 NORスコア>0.5
Mecp2 83% 17%
(賦形剤)
Mecp2 65% 35%
(薬物)
ガランタミンのn−ブチルカルバメートで治療されたMecp2マウスは、賦形剤を注射したMecp2マウスよりも非常に適切にNORタスクを学習した[カイ2乗、(df=1、N=12)=4.592、p=0.0321)。
従って、上述したデータは、ガランタミンのn−ブチルカルバメートが新規の物体及び歩行活動又は呼吸器の機能を損なわない投与量でRTT症候群の雌のマウスモデルにおける新規物体に対する記憶及び認知能力を改善することを示している。

Claims (9)

  1. レット症候群患者の治療方法であって、
    ヒドロキシ基がカルバメート基、カーボネート基又はエステル基により置換され、メトキシ基が2〜6個の炭素原子の別のアルコキシ基、ヒドロキシ基、水素、アルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基により任意に置換され、N−メチル基が水素、1〜10個の炭素原子のアリール基、ベンジル基、シクロプロピルメチル基、あるいは置換又は未置換のベンゾイルオキシ基により任意に置換されるガランタミン類似体の治療的に効果的な投与量を必要とする患者に投与する投与ステップを含む治療方法。
  2. ガランタミンのヒドロキシル基は、アルカノイルオキシ基、2〜10個の炭素原子、ベンゾイルオキシ基、置換ベンゾイルオキシ基、1〜10個の炭素原子のカーボネート基、あるいはアルキル基又はアリール基が1〜10個の炭素を含むモノアルキルカルバメート、ジアルキルカルバメート又はアリールカルバメート等のカルバメート基により置換される請求項1に記載の治療方法。
  3. ガランタミンのヒドロキシ基は、2〜8個の炭素原子のモノアルキルカルバメート基により置換される請求項1に記載の治療方法。
  4. ガランタミンのヒドロキシ基は、n−ブチルカルバメート基により置換される請求項3に記載の治療方法。
  5. ガランタミンのメトキシ基及びメチル基は変更されない請求項1に記載の治療方法。
  6. ガランタミンのメトキシ基及びメチル基は変更されない請求項4に記載の治療方法。
  7. ガランタミン類似体の投与量は0.2〜100mgである請求項1に記載の治療方法。
  8. n−ブチルカルバメートは、投与量当たり1〜10mg、2〜25mg又は5〜40mgの投与量で投与される請求項4に記載の治療方法。
  9. ガランタミン類似体は、ガランタミン類似体の粒子が胃液に溶解する薬学的に許容されるポリマーでコーティングすることにより血流への放出を遅延するようにコーティングされた経口剤形として投与される請求項1乃至8のいずれか1項に記載の治療方法。
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