JP2017510391A - 伸縮式駆動機構 - Google Patents

Abstract

回転可能なねじ付きの駆動部材と、駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが、フレームに対して非回転であるように構成され、かつ駆動部材とねじ係合されたナット部材を備える外側管アセンブリと、外ねじを有する伝達管と、伝達管の外ねじとねじ係合された駆動管とを備える伸縮式駆動アセンブリ。外側管アセンブリは、回転軸に対応して、ナット部材に対して非回転に結合された外側管部分を備え、外側管部分は、回転軸に直角な少なくとも１つの軸に対応して、ナット部材に対して枢動することができる。【選択図】図２Ｂ

Description

本発明は、一般に、伸縮式の駆動機構に関する。特定の態様では、本発明は、薬剤で充填されたカートリッジを受け入れ、その後に、カートリッジから用量を吐出するように適合されたモータ駆動の薬剤送達装置に組み込まれた駆動機構に関する。

本発明の開示においては、主として、個別に、または連続して行われる皮下薬剤送達による糖尿病の治療用として意図された薬剤送達装置に対して参照が行われるが、これは、本発明の例示的な使用に過ぎない。

薬剤で充填されたカートリッジを受け入れ、かつカートリッジから所望するサイズの個別の用量を吐出するように適合された最も一般的なタイプの耐久性のある薬剤送達装置は、手動手段により、または用量設定中に付勢されたばねにより駆動され、カートリッジは、初期の近位の位置を有し、かつピストンロッドにより遠位方向に移動される軸方向に変位可能なピストンを備えるタイプのものである。皮下薬剤送達は、カートリッジと流体連通状態に構成された注射針により行われる。装置は、ペン形状、またはより箱型のいわゆるドーザ（ｄｏｓｅｒ）の形態とすることができる。利便性、ユーザの使いやすさを改良するために、かつ例えば、吐出データを検出および記憶するなどさらなる機能を提供するために、薬剤送達装置は、例えば、米国特許第６，５１４，２３０号、および米国特許出願公開第２０１１／３０６９２７号で示されるものなど、通常、歯車機構を介してピストンロッドを駆動する電子的に制御されるモータの形態の電気的な駆動手段を備えてきた。

モータ駆動の薬剤送達装置は、多くの些細な定型化された作業が自動化され得るので、容易にいくつかの利益を顧客に与えるが、これらの装置は、従来の機械的な装置と比較して、幾分大きく、かつ／または長いことが多く、したがって、搬送し保管するのは実際的ではない。この問題に対処して、ＷＯ２００２／０３４３１５は、遠位方向に伸縮式に拡大されたとき、薬剤カートリッジ中に移動できる伸縮式のピストンロッドを含む駆動機構を備える概してペン形状の薬剤送達デバイスを開示する。ピストンロッドを駆動するためのモータは、装置の全長を低減するために、ピストンロッドに対して同軸にオフセットして配置される。さらにＷＯ９７／０００９１は、医療用注射装置に対する伸縮式の駆動機構を開示する。

伸縮式のピストンロッド設計は、小型の設計を得ることができるが、その設計は、複数の他の構成要素と相互作用するいくつかの移動する構成要素を含み、すべてが、限られた空間内に配置される。このような設計は、含まれる構成要素が過度に制約され、装置の動作不良を生じ、かつ／または生産コストが増加し、生産の歩留まりが低くなり得る機械設計となることが多い。

上記を考慮すると、本発明の目的は、費用効果の高い方法で、高度の信頼性を保証する伸縮式の駆動アセンブリを提供することである。さらなる目的は、このような駆動アセンブリを組み込むモータ駆動の薬剤送達装置を提供することである。

本発明の開示においては、上記の目的の１つまたは複数のものに対処する、または以下の開示から、ならびに例示的な実施形態の説明から明らかな目的に対処する実施形態および態様を述べるものとする。

したがって、本発明の第１の態様によれば、細長い駆動部材、外側管アセンブリ、伝達管、および駆動管を備える駆動アセンブリが提供される。細長い駆動部材は、外ねじを備え、かつ回転軸を画定し、駆動部材は、フレームに対して軸方向にロックされるが自由に回転する構成となるように適合される。外側管アセンブリは、駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが、フレームに対して回転しない構成とされるように適合され、また駆動部材の外ねじとねじ係合するナット部材を備える。伝達管は、外ねじを備え、かつ駆動部材と同軸に、外側管アセンブリの内側に配置され、駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが回転せず、さらに外側管アセンブリに対して軸方向にロックされるが、自由に回転する。駆動管は、伝達管の外ねじとねじ係合され、また駆動部材と同軸に、かつ外側管アセンブリに対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように構成される。外側管アセンブリは、回転軸に対応して、ナット部材に対して回転しないように結合された外側管部分を備え、外側管部分は、例えば、回転軸に直角など、回転軸とは異なる少なくとも１つの軸に対応して、ナット部材に対して枢動することができる。

本発明のさらなる態様によれば、フレーム、細長い駆動部材、外側管アセンブリ、伝達管、および駆動管を備える駆動アセンブリが提供される。細長い駆動部材は、外ねじを備え、かつ回転軸を画定し、駆動部材は、フレームに対して軸方向にロックされるが、自由に回転するように構成される。外側管アセンブリは、駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが、フレームに対して回転しないように構成され、また駆動部材の外ねじとねじ係合するナット部材を備える。伝達管は、外ねじを備え、かつ駆動部材と同軸に、外側管アセンブリの内側に配置され、駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが回転でせず、さらに外側管アセンブリに対して軸方向にロックされるが、自由に回転する。駆動管は、伝達管の外ねじとねじ係合され、また駆動部材と同軸に、かつ外側管アセンブリに対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように構成される。外側管アセンブリは、回転軸に対応して、ナット部材に対して回転しないように結合された外側管部分を備え、外側管部分は、例えば、回転軸に直角など、回転軸とは異なる少なくとも１つの軸に対応して、ナット部材に対して枢動することができる。

この構成によれば、ナット自体および外側管アセンブリは、互いに対して、例えば、撓むまたは「揺動する」など、動くことができ、その構成は、なお、望ましい回転の伝達を提供し、これは、含まれる構成要素に対する許容差の制限が少なくてもよい費用効果の高い設計を可能にする。

例示的な実施形態では、外側管部分は、ベース部材および管ガイド部材を備えるアセンブリの形態であり、ベース部材はナット部材に結合され、またベース部材および管ガイド部材は、オルダム継手を介して互いに結合される。伝達管は、ベース部材に対して軸方向にロックされるが、自由に回転するように結合することができ、また駆動管は、管ガイド部材に対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように結合され得る。

駆動管は、いくつかの外側ガイド突起部を備えることができ、また管ガイド部材は、ガイド突起部を受け入れるように構成されたいくつかの内側ガイド溝を備えることができ、ガイド突起部は、それぞれ、軸方向に、かつ／または円周方向へと外側に湾曲した外側係合面を備え、これは、含まれる構成要素が、正確に位置合せされる必要性を低減する。

外側管アセンブリに対するより簡単な代替形態として、外側管部分は、ベース部材部分および管ガイド部材部分を備える単一の部材の形態とすることができ、ベース部材部分はナット部材に結合される。

さらなる態様では、上記で述べた駆動アセンブリを備える薬剤送達装置が提供され、装置は、薬剤で充填されたカートリッジを受け入れるように適合されたコンパートメントをさらに備え、カートリッジは、本体部分、軸方向に変位可能なピストン、および流れ導管と流体連通状態に構成されるように適合された遠位の出口部分を備える。駆動管は、装填されたカートリッジのピストンに直接または間接的に係合し、かつ軸方向に移動させて、それによりカートリッジから薬剤を吐出するように適合され、また電子的に制御される駆動機構が、細長い駆動部材を回転させるように提供される。駆動機構は、モータと、モータを制御するためのコントローラとを備えることができる。コントローラは、例えば、スマートフォンを用いる無線手段によるなど、装置が外部ソースと通信できるようにする受信器および／または送信器に関連付けられる、または備えることができる。このように、吐出された用量の記録を、スマートフォンに転送することができる、またはスマートフォンを使用して、事前設定された用量サイズを簡便に入力することもできる。

薬剤送達装置は、ユーザが、吐出すべき薬剤の用量を設定することができる設定手段を備えることができる。設定手段は、例えば、１つまたは複数のユーザ入力キー、またはＰＣもしくはスマートフォンなど外部ソースからの設定入力を受け取るように適合された上記で述べた有線もしくは無線受信器などの設定装置の形態とすることができる。

本明細書で使用される場合、「薬剤」という用語は、液体、溶液、ゲル、または微細懸濁液など、制御された方法でカニューレもしくは中空の針などの送達手段を通過できる任意の流動性のある薬剤を包含することを意味し、１つまたは複数の薬作用物質を含む。代表的な薬剤は、ペプチド（例えば、インスリン、インスリンを含む薬剤、ＧＬＰ−１を含む薬剤、ならびにそれらの誘導体）などの医薬品、タンパク質、およびホルモン、生物学的に誘導された、もしくは活性作用物質、ホルモンおよび遺伝子ベースの作用物質、栄養的な製剤、ならびに固体（調合された）もしくは液体の形態の他の物質を含む。例示的な実施形態の説明では、インスリンを含む薬剤の使用に対して参照が行われるが、これは、その類似体、ならびに１つまたは複数の他の薬剤との組合せを含む。

以下で、本発明の例示的な実施形態が、図面を参照してさらに述べられる。

従来の伸縮式駆動アセンブリの横断面図である。 部分的に延ばされた状態にある図１Ａの駆動アセンブリを示す図である。 さらなる伸縮式駆動アセンブリの横断面図である。 部分的に延ばされた状態にある図２Ａの駆動アセンブリを示す図である。 図２Ａの駆動アセンブリの外観図である。 図３で示された駆動アセンブリの構成要素の分解図である。 モータ駆動の薬剤送達装置を示す図である。 図５で示された薬剤送達装置の構成要素の分解図である。

図では、同様の構造は、主として、同様の参照数字により識別される。

以下で、「上側」および「下側」、「右」および「左」、「水平」および「垂直」などの用語、または同様の相対的表現が使用される場合、これらのものは、添付図を参照するだけのものであり、必ずしも実際の使用状況を指すものではない。示された図は、概略図であり、したがって、様々な構造の構成ならびにその相対的な寸法は、例示目的に限って提供されるように意図されている。部材または要素という用語が所与の構成要素に対して使用される場合、概して、述べられた実施形態において、その構成要素は単一の構成要素であることを示すが、同じ部材または要素が、代替的に、いくつかの下位の構成要素を含むことができ、したがって、述べられた構成要素の２つ以上のものを、例えば、単一の射出成形された部分として製作されるなど、単一の構成要素として提供することもできる。用語「アセンブリ」は、述べられた構成要素が、必ずしも、所与の組立手順中に単一の、または機能的なアセンブリを提供するように組み立てられることを示唆するものではなく、機能的により密接に関連するものとして、共にグループ化された構成要素を記述するために使用されるに過ぎない。

本発明の例示的な実施形態の記述を参照する前に、このような機構の概略的な動作原理をよりよく理解するために、従来の伸縮式駆動アセンブリを述べるものとする。

より具体的には、図１Ａは、ねじ付きの主ねじ２、ねじ付きの近位部分４を有する外側管３、遠位の自由端６および近位のねじ付き部分７を有する内側駆動管５、および外側にねじが付けられた伝達管８を備える伸縮式駆動アセンブリ１を示す。動作状態では、アセンブリは、フレーム（図示せず）に取り付けられる。主ねじは、軸方向ならびに回転するｚ軸を画定する。

主ねじ２は、いくつかの手段によりｚ軸に関してその近位端で回転駆動され、かつ３つの構成要素と相互作用する、すなわち、フレーム（図示せず）とのｚ軸平行移動ロック、外側管の近位のねじ付き部分４とのねじインターフェース、および伝達管８との摺動回転ロックインターフェースである。主ねじが回転すると、フレームに対して摺動回転ロックインターフェースを有する外側管は、主ねじのピッチおよび回転速度で決められる速度でｚ軸に沿って平行移動する。伝達管８は、３つのインターフェースを有する、すなわち、主ねじとの摺動回転ロックインターフェース、外側管とのｚ軸平行移動ロック９、および駆動管の近位のねじ付き部分７とのねじインターフェースである。主ねじが回転すると、摺動回転ロックは、伝達管に、同じ速度で回転するように強制する。伝達管が回転すると、外側管に対して摺動回転ロックインターフェースを有する内側駆動管は、外側管の平行移動速度に加えて、ピッチおよび回転速度により決められる速度でｚ軸に沿って平行移動する。示されているように、主ねじが回転したとき、外側管は、遠位方向に移動し、また内側管は、外側管の外へと遠位方向に「伸縮される」、これは図１Ｂで示されている。

伸縮式駆動アセンブリの適正な機能のために、すべてのインターフェースは、内側管が前方に駆動されると、比較的長い距離に沿って自由に平行移動し、かつ／または回転し続ける必要があり、そのためには、構成要素が可動性を確実に維持するように、構成要素に対する小さな許容差が必要になり得る。さらに、構成要素間の隙間を最小化することにより、伸縮式駆動アセンブリの寸法を可能な限り小さく保つことが望ましい可能性がある。これは、さらに小さな構成要素の許容差が必要になり得る。これらの問題に対処するために、本発明の実施形態は、構成要素間でさらなる自由度を可能にする特別な運動学的継手を提供する。

本発明の例示的な実施形態を参照すると、図２Ａは、ねじ付きの主ねじ１２０、外側管アセンブリ、内側駆動管１５０、および伝達管１８０を備える伸縮式駆動アセンブリ１００を開示する。構成要素は、基本的に上記で述べた従来設計のものと同じ機能的関係を有するが、外側管部材を置き換える外側管アセンブリは、示された実施形態で、概してリング形状のオルダム継手部材１６０を介してベース部材１４０に結合されるガイド管１３０、ならびにベース部材に収容されるナット部材１７０の形態の４つの部材を備える。図２Ｂは、図１Ｂで示された状態に対応する部分的に伸縮された状態にある伸縮式駆動アセンブリ１００を示す。

図２Ａ、図３、および図４を参照すると以下では、伸縮式駆動アセンブリ１００の個々の構成要素のより詳細な記述が与えられる。より具体的には、主ねじ１２０は、外側のねじ山１２１と、入力シャフトとして働き、かつ例えば、歯車などの駆動部材を取り付けることのできる１対の対向する平坦な面を有する近位端１２２と、フレーム部材の対応する座に係合するように適合された部分的に球形な表面部分１２３とを備える。ねじ山の長さに沿って、伝達管１８０上の対向する内側面に係合し、それにより、その間に摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された２つの対向する共面の摺動面１２４が提供される。

ナット部材１７０は、ベース部材の対応する座１４２に係合するように適合された部分的に球形な表面部分１７２と、ベース部材の対応するヒンジ座１４３に係合するように適合された１対の対向する半径方向に突き出た丸いヒンジピン１７３と、主ねじの外ねじ１２１に係合するように適合された内側ねじとを備え、ｚ軸に回転ロックを提供するピンは、なお、ナット部材が、ピンにより画定されるヒンジ軸に対応して枢動できるようにする（通常、数度の回転）。代替的に、ナット部材がベース部材で「カルダン的に」動くことを可能にするようにさらなるヒンジを提供することもできる。

ベース部材１４０は、オルダム継手部材上の、１対の近位方向に突き出たフック部分１６４上の対応する面に係合し、それによりそれらの間に１対の摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された１対の対向する共面の摺動面１４４と、伝達管上の近位のフランジ部分１８５を把持し、かつ係合し、それによりｚ軸平行移動ロックを提供するように適合された１対の対向する遠位方向に突き出たフック部分１４５と、フレーム部材に形成された対応するガイドスロットに係合し、それによりそれらの間にスプライン摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された１対の軸方向に延びる対向するガイド突起部１４６とをさらに備える。ガイド突起部の外側面は、含まれる構成要素が正確に位置合せされる必要性を低減するために、軸方向および／または円周方向に湾曲させることができる。対向するフック部分１４５は、対向する摺動面１４４に対して、９０度オフセットされる。

オルダム継手部材１６０は、継手部材をベース部材に軸方向にロックするように適合された、内側を向いたフック縁部を備える上記で述べたフック部分１６４と、フック部分１６４に対して９０度オフセットして配置され、かつガイド管上の１対の近位方向に突き出たフック部分１３６上の対応する面に係合して、それらの間で摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された１対の対向する横断的な外側隆起構造１６６とを備える。回転ロックをさらに提供するために、オルダム継手部材は、ベース部材フック部分１４５を受け入れるように適合された１対の対向する切欠き１６５と、フック部分１６４の１対の対向する遠位方向を向いた延長部１６７とを備え、その延長部は、ガイド管の１対の対応する切欠き１３７に受け入れられるように適合される。

ガイド管１３０は、上記で述べたフック部分１３６および切欠き１６５，ならびに内側駆動管１５０上に形成された対応する近位のガイド突起部１５２に係合し、それによりそれらの間にスプライン摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された１対の軸方向に延びる対向するガイド溝１３２を備える。ガイド突起部の外側面は、含まれる構成要素が正確に位置合せされる必要性を低減するために、軸方向および／または円周方向に湾曲させることができる。

伝達管１８０は、内側駆動管上の対応する近位の内ねじ１５１（図２Ａを参照のこと）に係合するように適合された外ねじ１８１と、主ねじ摺動面に係合する上記で述べた内側面を提供する１対の対向する共面の壁部分１８４と、ベース部材フック部分１４５により軸方向にロックされて保持される上記で述べた近位のフランジ部分１８５と、主ねじを支持するように適合された１対の対向する内側軸方向に方向付けられた突起部１８６（図２Ａを参照のこと）とを備える。

内側駆動管１５０は、上記で述べた内ねじ１５１、およびガイド突起部１５２、ならびに伝達管を支持するように適合された１対の対向する内側軸方向を向いた突起部１５６を備える。

示されるように、述べられた伸縮式駆動アセンブリ１００は、アセンブリの伝達効率を妨げることなく、駆動アセンブリの高められた柔軟性をそれぞれが提供する２つの別個の機構を備える。より具体的には、ベース部材１４０またはガイド管１３０とのオルダム継手部材１６０の組み合わされたインターフェースは、ガイド管が、ベース部材の回転するｚ軸に直角な平面内で動くことができるように提供するが、ベース部材とガイド管の間の回転ロックも提供する。したがって、ナット部材とベース部材の間で形成されるヒンジは、ナット部材と、したがって主ねじとが、ヒンジ軸に対応して枢動できるようにするが、ナット部材とベース部材の間の回転ロックも提供する。２つの機構は、別個のものであり、かつ独立しているので、第１の代替的な実施形態では、ベース部材およびガイド部材は、単一の要素として形成され得るが、同様に第２の代替の実施形態では、ベース部材、オルダム継手部材、およびガイド管は、単一の要素として形成することができる。

図５および図６を参照すると、モータ駆動の「箱型の」薬剤送達装置２００が述べられ、装置は、円筒形の本体部分と、遠位の針が貫通可能な隔壁を有する遠位の出口部分と、近位の開放端部分と、吐出機構（以下を参照のこと）の一部を形成するピストン駆動体がピストンに係合できるようにする近位面を有する軸方向に変位可能なピストンとを備える薬物カートリッジを受け入れるように適合される。カートリッジは、例えば、インスリン、ＧＬＰ−１、または成長ホルモン製剤の形態の薬剤を含むことができる。カートリッジは、針ハブ取付台の形態の遠位の結合手段を備えることができる。

より具体的には、ペン装置は、キャップ部分２０１と、上側ハウジング部材２２０および下側ハウジング部材２３０により形成される主部分２０２とを備え、ハウジング部材は、薬剤吐出機構および関連するコントローラ電子装置２３３が配置される近位の駆動アセンブリ部分と、再充電可能なエネルギー源２３１（電池）が配置される遠位部分とを有する内部を形成する。遠位部分は、遠位の開口部２４２を介して薬剤で充填された透明なカートリッジを受け入れるように適合された前面装填式のカートリッジホルダコンパートメント２３２をさらに備え、受け入れられたカートリッジは、ハウジング部材に取り付けられたカートリッジホルダロッキングアセンブリ２４０により定位置に保持される。ばねで作動される、軸方向に移動可能なカートリッジ付勢部材（図示せず）は、カートリッジホルダコンパートメント内で近位に配置される。対応するカートリッジ付勢部材は、ＥＰ出願第１４１５９９１３．４号で述べられている。

上側ハウジング部材は、ユーザがそれを通してディスプレイ（図示せず）を観察できる窓部２２１と、ユーザ入力キーとを備える。示された実施形態では、１対の用量設定入力キー２２５、２２６は、ディスプレイに示された薬剤の望ましい用量を手動で設定するように働き、次いで、遠位に配置された放出ボタン２２７が作動したとき、その用量を吐出することができる。側面開口部２２８は、例えば、ＵＳＢなどの電気的なコネクタを挿入可能にし、コネクタは電池に充電を提供し、ならびに例えば、ＰＣなどの外部装置との間でデータ送信を可能にする。さらにコントローラ電子装置は、受信器および／または送信器と関連付ける、または備えることができ、装置が、例えば、Ｂｌｕｅｔｏｏｔｈ，ＮＦＣ、またはＷｉ−Ｆｉなどの無線手段により外部ソースと通信できるようにする。このように、吐出された用量の記録を、ＰＣまたはスマートフォンに転送することもでき、あるいはスマートフォンを、事前設定された用量サイズを簡便に入力するために使用することもできる。

薬剤吐出機構は、フレーム部材２５０と、モータおよび歯車アセンブリ２６０と、上記で述べた伸縮式駆動アセンブリ１００とを備え、内側駆動管１５０は、装填されたカートリッジのピストンの近位の自由面と係合するように適合された遠位部分１５１を備える。本発明の一部を形成するものではないが、駆動管遠位部分は、例えば、ＷＯ２０１３／１４４１５２で開示されるように、近接検出を用いるなど、駆動管とピストンの間の接触を検出するための電子的なセンサ手段を備えることができる。代替的に、例えば、電流を監視することによるなど、モータに対する負荷を監視することにより、接触を検出することもできる。フレーム部材２５０は、ベースプレート部分２５１と、モータおよび歯車アセンブリを受け入れるように適合された短い第１の管状の支持体２５２と、伸縮式駆動アセンブリを受け入れるように適合された、より長い同軸に配置された第２の管状の支持体２５３とを備える。モータおよび歯車アセンブリの回転する出力シャフト２６１は、取り付けられたとき、ベースプレート部分の第１の開口部を通って突き出し、かつ伸縮式駆動アセンブリの入力シャフトは、ベースプレートの第２の開口部を通して突き出し、２つのシャフトは、出力または入力シャフト上に取り付けられた１対の伝達歯車２６５、２６６により回転するように結合される。第２の管状の支持体は、ベース部材のガイド突起部１４６と係合し、それによりフレームとベース部材の間で、またガイド管との間で摺動回転ロックインターフェースを提供するように適合された１対の対向するガイド溝２５６を備える。

カートリッジホルダロッキングアセンブリ２４０は、受入れ開口部２４２と、１対の対向する可撓性のあるカートリッジホルダアーム２４４とを有するハウジング２４１を備え、各アームは、把持肩部２４５を備える。作動部材として働くハウジングは、装置の主部分上に取り付けられ、受入れ開口部の中心を通る軸に対応して、例えば、９０度回転するように適合され、作動部材の前後回転は、把持肩部の、閉じた位置または開口位置への出入の動きを制御する。示された実施形態では、把持肩部２４５は、Ｎｏｖｏ Ｎｏｒｄｉｓｋ Ａ／Ｓ社、デンマークにより製作され、かつ販売されるＰｅｎｆｉｌｌ（登録商標）で提供され、米国特許第５，６９３，０２７号で述べられるように、円周方向に離間された複数の把持歯部を備えて、カートリッジハブ取付台を把持するように意図された複数の間隙を提供する。作動部材は、主ハウジングと同一面になるように回転され、カートリッジホルダアームがその動作する閉じた保持位置に後退される動作位置と、作動部材が主ハウジングと非同一面となるように回転され、カートリッジホルダアームが開放された装填位置へと延ばされ、カートリッジを取り外し、新しいものと交換できるようにする装填／非装填位置とを有する。示された実施形態では、作動部材に対するカートリッジホルダアームの動きは、対応するアームガイドトラック２４６に受け入れられるハウジングガイド突起部により制御される。把持肩部は、部分的に挿入されたカートリッジを把持し、カートリッジを、付勢手段の力に抗して完全に挿入される位置へと近位方向に移動させるように適合され得る。上記で述べたタイプの前面装填式のカートリッジホルダアセンブリは、ＷＯ２０１３／１２４１１９で開示される。

新しいカートリッジが挿入されたとき、駆動吐出手段は、近位に位置するピストンを有する新しいカートリッジが挿入可能である状態にある必要がある、すなわち、駆動管１５０は、後退されている必要がある。これは、モータで駆動管を後退させるために、ユーザが入力キーを動作させることにより手動で、またはロッキングアセンブリもしくは挿入されたカートリッジにより動作されるスイッチ手段により自動的に行うことができる。例えば、スイッチは、付勢部材により動作されるように構成することができ、スイッチは、付勢部材が、初期の非装填の遠位位置にある場合の初期の第１の状態と、付勢部材が作動位置へと近位方向に移動した場合の作動された第２の状態とを有する。付勢部材は、挿入されたカートリッジの近位部分に係合し、それにより、遠位方向への付勢力を加えるように適合され、かつカートリッジホルダロッキングアセンブリが、閉じた状態から開放状態へと作動された場合、受入れ開口部を通して少なくとも部分的に装填されたカートリッジを移動するように適合される。このような機構では、カートリッジが装填され、定位置にロックされたので、スイッチ手段が、第１の状態から第２の状態に作動されたとき、後退した駆動管１５０は、遠位方向に移動して、装填されたカートリッジのピストンに係合し、また駆動管は、スイッチ手段が第２の状態から第１の状態へと作動されたとき後退され、装填されたカートリッジが開放され、遠位方向に移動する。対応するスイッチ機構は、ＥＰ出願第１４１５９９１３．４号に述べられている。

ユーザがカートリッジ（完全にまたは部分的に空であり得る）を取り外したいと望むとき、ユーザは、作動部材をその装填／非装填位置へと回転し、それにより、カートリッジホルダの把持肩部は、その開放位置へと移動され、これは、付勢部材の遠位方向に向けられた付勢力によりカートリッジを近位方向に押すことができる。カートリッジがカートリッジホルダから「飛び出す」、または摺動して外れるのを阻止するために、わずかな摩擦が、カートリッジホルダと装填されたカートリッジの間で提供され得る。付勢部材は、ばねにより遠位方向に移動されるので、付勢部材は、カートリッジスイッチの係合を解除する。閉じた状態から開放状態へのカートリッジスイッチの作動は、２つのアクションが行われたと想定され得ることを装置コントローラに知らせる、すなわち（ｉ）カートリッジホルダが開いていること、および（ｉｉ）挿入されたカートリッジが、付勢部材により遠位方向に押されており、これは、駆動管の、図２Ａに対応するその完全に後退した位置へと後退を開始することである。ピストン管を後退させるには、何らかの時間がかかるので、ユーザは、ピストン管が完全に後退される前に、通常、カートリッジを取り外すことになるが、すべての位置におけるピストン管は、カートリッジホルダの完全に内側に位置するので、意図されない損傷に対して保護される。通常の使用状況中ではピストン管は、ユーザが新しいカートリッジを挿入するとき、完全に後退されるものと想定されるが、新しいカートリッジの挿入が、「速すぎる」のを阻止するために、ユーザは、例えば、音声信号などで、装置がカートリッジを受け入れる用意ができたことを示す信号を待つように指示され得る。

例示的な実施形態の上記の説明では、様々な構成要素に対して前述の機能を提供する様々な構造および手段が、当業者である読者に本発明の概念が明らかになる程度に述べられてきた。様々な構成要素に対する詳細な構成および仕様は、本明細書で提示された方針に沿って当業者により実施される通常の設計手順の対象であると考えられる。

Claims (9)

1. フレーム（２５０）と、
   外ねじ（１２１）を備え、かつ回転軸を画定する細長い駆動部材（１２０）であり、前記フレームに対して軸方向にロックされるが、自由に回転するように構成された駆動部材（１２０）と、
   前記駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが、前記フレームに対して回転しないように構成される外側管アセンブリであり、前記駆動部材の外ねじとねじ係合されるナット部材（１７０）を備える外側管アセンブリと、
   外ねじ（１８１）を備える伝達管（１８０）であり、
   前記駆動部材と同軸に、かつ前記外側管アセンブリの内側に配置され、
   前記駆動部材に対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように構成され、かつ
   前記外側管アセンブリに対して軸方向にロックされるが、自由に回転するように構成される、伝達管（１８０）と、
   前記伝達管の外ねじとねじ係合される駆動管（１５０）であり、
   前記駆動部材と同軸に配置され、かつ
   前記外側管アセンブリに対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように構成される、駆動管（１５０）とを備え、
   前記外側管アセンブリが、前記回転軸に対応して、前記ナット部材に対して回転しないように結合される外側管部分（１３０、１４０、１６０）を備え、前記外側管部分は、前記回転軸に直角な少なくとも１つの軸に対応して、前記ナット部材に対して枢動することができる、駆動アセンブリ（１００）。
2. 前記外側管部分は、ベース部材（１４０）および管ガイド部材（１３０）を備えるアセンブリの形態をしており、
   前記ベース部材は、前記ナット部材に結合され、かつ
   前記ベース部材および前記管ガイド部材は、オルダム継手（１６０）を介して互いに結合される、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
3. 前記伝達管（１８０）が、前記ベース部材に対して軸方向にロックして結合されるが、自由に回転する、請求項２に記載の駆動アセンブリ。
4. 前記駆動管（１５０）は、前記管ガイド部材に対して軸方向に移動可能であるが、回転しないように結合される、請求項２または３に記載の駆動アセンブリ。
5. 前記駆動管（１５０）は、いくつかの外側ガイド突起部（１５２）を備え、また前記管ガイド部材（１３０）は、前記ガイド突起部を受け入れるように構成されたいくつかの内側ガイド溝（１３２）を備え、また
   前記ガイド突起部は、それぞれ、前記軸方向に外側に向けて湾曲した外側係合面を備える、請求項４に記載の駆動アセンブリ。
6. 前記外側管部分は、ベース部材部分および管ガイド部材部分を備える単一の部材の形態をしており、前記ベース部材部分は、前記ナット部材に結合される、請求項１に記載の駆動アセンブリ。
7. 薬剤で充填されたカートリッジを受け入れるように適合されたコンパートメント（２３２）であり、前記カートリッジが、本体部分、軸方向に変位可能なピストン、および流れ導管と流体連通状態に構成されるように適合された遠位の出口部分を備える、コンパートメント（２３２）と、
   前記細長い駆動部材を回転させるように適合された電子的に制御される駆動手段（２６０）とをさらに備え、
   前記駆動管が、装填されたカートリッジの前記ピストンに直接または間接的に係合し、かつ軸方向に移動させて、それにより前記カートリッジから薬剤を吐出するように適合されている、請求項１から６のいずれか一項に記載の駆動アセンブリ（１００）を備える、薬剤送達装置（２００）。
8. ユーザに、吐出される薬剤の用量を設定できるようにする設定手段（２２５、２２６）をさらに備える、請求項７に記載の薬剤送達装置。
9. 前記コンパートメントは、薬剤で充填されたカートリッジを、近位方向に受け入れることを可能にする遠位の開口部を備える、請求項７または８に記載の薬剤送達装置。

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