JP2017506655A - 有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物 - Google Patents

有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物 Download PDF

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Abstract

本発明は、有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物に関する。特に、ゴシポール及びフェンホルミンによる併用治療は、ゴシポール及びフェンホルミンのみの単剤での治療より有意に高い抗がん活性を有することが確かめられた。それゆえ、相乗的な抗がん活性を有するゴシポール及びフェンホルミンを含有する本発明の医薬組成物をがん治療に好ましく使用することができる。【選択図】図5

Description

本発明は、有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有し、ひいては相乗的な抗がん活性を示すがん治療のための医薬組成物、それを用いてがんを治療する方法、並びにがん治療のためのキットに関する。
侵襲性のがん細胞表現型とは、種々の遺伝的及びエピジェネチックな変化により細胞内シグナル伝達経路の脱制御を生じたものである(非特許文献1)。また、全てのがん細胞に共有していることにアポトーシスプログラムが実行されないことがあり、正常なアポトーシス機構を欠失していることで適切なアポトーシスが消失されることががんの特徴である(非特許文献2)。化学療法、放射線療法、免疫療法を含む、ほとんどの現行のがん療法は、がん細胞のアポトーシスを間接的に誘導している。それゆえ、がん細胞において正常なアポトーシス機構を欠失していることでアポトーシスプログラムが実行されないことが、ひいては多くの場合、化学療法、放射線療法、又は免疫療法誘導性アポトーシスに対する耐性の増大に関連する。アポトーシスの欠失による、現行の治療プロトコールに対する様々な種類のヒトがんの初回耐性及び獲得耐性が、現行のがん療法の大きな問題となっている(非特許文献2、非特許文献3)。それに応じて、がん患者の生存率及び生活の質を向上させる新たな分子標的特異的抗がん療法を設計し、開発する方向にある現在及びこれからの取り組みとして、アポトーシスに対するがん細胞の耐性を特に標的とする方法を含む必要がある。これに関し、がん細胞内のアポトーシスを直接抑制するのに中心的な役割を果たす重要な負の調節因子を標的とすることは、新たに抗がん剤を設計するに当たりかなり期待される治療戦略となる。
種々のがん標的物質の試験ががんを攻撃するために進められている一方で、末期がんの場合、標的療法のほとんどががんを攻撃することよりも延命に使用されている。これらの試験の1つでは、種々のがんの代謝調節因子が抗がん治療に役立つことが示されている。本試験は基本として、がんに特異的な普遍的な代謝特性を標的としている。例えば、このことは、がん細胞がワールブルク効果のようにグルコースを二酸化炭素及び水に分解するよりむしろ乳酸発酵を好むことを意味する。そのため、解糖が遮断され、ワールブルク効果が減少すると、がん細胞は飢餓状態となり、ひいては増殖が困難となるか死滅する。
Bcl−2ファミリータンパク質は、アポトーシスの中心的な負の調節因子のクラスの1つとして知られている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。Bcl−2は、ファミリーの基本メンバーであり、がん遺伝子の産物として最初に単離された。Bcl−2ファミリーは現在、Bcl−2及びBcl−XL等の抗アポトーシス分子並びにBax、Bak、Bid、及びBad等のアポトーシス促進分子の両方を含む。Bcl−2及びBcl−XLは、染色体転座(t14、18)によって生じ、Bcl−2の過剰発現が誘導される非ホジキンリンパ腫を含む種々のヒトがん(例えば、乳がん、前立腺がん、結腸直腸がん、肺がん等)において過剰発現する。これは、種々のがん細胞型がBcl−2及び/又はBcl−XLのレベルの増加に応じて、がん細胞をがん細胞又は前がん細胞として定義し、アポトーシス経路の実行を試みるような別の細胞撹乱状態を維持することを示唆する。さらに、Bcl−2ファミリータンパク質発現の増加は、腫瘍細胞内の種々の経路から細胞死を誘導する放射線療法及びがん療法剤に対する耐性の発現の基準として認識される。Bcl−2及びBcl−XLは、腫瘍細胞の遊走及び浸潤、ひいては転移の役割を果たすと考えられる(非特許文献7、非特許文献8、非特許文献9、非特許文献10)。Bcl−2ファミリータンパク質は、新たな複製不可能な環境(例えば、転移領域)で存在するための機構を有する腫瘍細胞をもたらし、臨床的転移がんが広がる器官特異的パターンに寄与すると思われる(非特許文献11、非特許文献12)。Bcl−2及び/又はBcl−XL等の抗アポトーシスタンパク質は更に、例えば細胞表面のインテグリンの調節を通して細胞間の相互作用を調節すると考えられる(非特許文献13、非特許文献14、非特許文献15)。このため、細胞内のBcl−2及びBcl−XLを標的とした治療方法は、がん細胞の感受性を回復させ、がん細胞のアポトーシスに対する耐性に打ち勝つため広く試験されている(非特許文献4、非特許文献5、非特許文献6)。現在、固形腫瘍及び非固形腫瘍を治療するための第III相臨床試験がいくつかなされている進行中のBcl−2アンチセンス療法がある。
ゴシポールは、天然の粗綿実油(ゴシピウム属(Gossypium sp.:ワタ属))由来の2つのビフェノールを含む化合物である。男性避妊薬としてのゴシポールの臨床試験では、この化合物の長期投与の安全性が示されている(非特許文献16)。また最近では、ゴシポールに抗増殖作用があることがわかった(非特許文献17、非特許文献18、非特許文献19)。(−)−ゴシポール及びその誘導体がBcl−2及びBcl−XLの強力な阻害剤であり、強力な抗がん活性を有することが最近示された(特許文献1)。
フェンホルミンはメトホルミン等のビグアニド系薬剤であり、抗糖尿病薬として知られている。しかし、フェンホルミンを含むビグアニド系薬剤が、炭水化物代謝及び脂質代謝を生理学的に調節する重要な酵素であるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)を活性化させることにより、p53遺伝子欠損がんの治療に有効であることが知られているため、フェンホルミン剤の抗がん作用に対する研究が行われ、フェンホルミンの抗がん作用の可能性が例証されている(非特許文献20、非特許文献21)。フェンホルミン及びゴシポールのそれぞれの抗がん作用が知られているが、これらの薬剤の作用の相乗的な抗がん作用については未だ知られていない。
それゆえ、より強力な抗がん作用を示す物質の開発に対する研究の結果から、本発明者らは、ALDH阻害剤としてゴシポールと、ビグアニド系フェンホルミンとの組合せが他の物質とは異なりかなりの相乗的な抗がん作用を示すことを例証し、そうして本発明を完了した。
米国特許出願公開第2003/0008924号
Ponder, Nature 411:336 (2001) Lowe et al., Carcinogenesis 21:485 (2000) Nicholson, Nature 407:810 (2000) Adams et al., Science 281:1322 (1998) Reed, Adv. Pharmacol. 41:501 (1997) Reed et al., J. Cell. Biochem. 60:23 (1996) Amberger et al., Cancer Res. 58:149 (1998) Wick et al., FEBS Lett, 440:419 (1998) Mohanam et al., Cancer Res. 53:143 (1993) Pedersen et al., Cancer Res., 53:5158 (1993) Rubio, La Invest. 81:725 (2001) Fernandez et al., Cell Death Differ. 7:350 (2000) Reed, Nature 387:773 (1997) Frisch et al., Curr. Opin. Cell Biol. 9:701 (1997) Del Bufalo et al., FASEB J. 11:947 (1997) Wu, Drugs 38:333 (1989) Flack et al., J. Clin. Endocrinol. Metab. 76:1019 (1993) Bushunow et al., J. Neuro-Oncol., 43:79 (1999) Van Poznak et al., Breast Cancer Res. Treat. 66:239 (2001) Effect of phenformin on the proliferation of human tumor cell lines. Life Sciences, 2003 Dec 19: vol. 74 (issue 5): 643-650. Potentiation of antitumor effect of cyclosphamide and hydrazine sulfate by treatment with the antidiabetic agent, 1-phenylethylbiguanide (phenformin), Cancer Let. 1979 Oct; 7(6):357-61.
本発明の目的は、有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物を提供することである。
本発明の別の目的は、抗がん剤の調製にゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩の使用を提供することである。
本発明の更に別の目的は、治療有効量のゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を対象に投与することを含む、がんを治療する方法を提供することである。
本発明の更に別の目的は、がん治療のための医薬キットを提供することである。
これらの目的を達成するために、本発明は、がん治療に有効な成分としてゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を含有する医薬組成物を提供する。
本発明は、抗がん剤の調製のためのゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩の使用を更に提供する。
本発明は、治療有効量のゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を対象に投与することを含む、がんを治療する方法を更に提供する。
本発明は以下の別個の2つの成分、
a)ゴシポール又はその許容される塩と、
b)フェンホルミン又はその許容される塩と、
を含有するがん治療のための医薬キットを更に提供する。
本発明によると、単剤での治療に比べ、がん細胞株に対するアポトーシス作用がなく、又はALDHに対して阻害作用が弱いゴシポールとミトコンドリアの酸化的リン酸化を低下させるフェンホルミンとの併用治療はかなりの抗がん作用を示し、それゆえ、本発明の有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有する医薬組成物は、がん治療に有用であり得る。
ゴシポール処理によるがん細胞のATP産生の阻害を示す:初代小気道上皮細胞:正常肺上皮細胞(対照)。 0μM、0.1μM又は1μMのゴシポール処理によるがん細胞のATP産生の阻害を示す。 9種類の肺がん細胞株に対するSRB試験の結果を示すグラフである: 0:ゴシポール処理しない対照、−7:10−7M(0.1μM)のゴシポール処理、−6:10−6M(1μM)のゴシポール処理、−5:10−5M(10μM)のゴシポール処理、及び、−4:10−4M(100μM)のゴシポール処理。 A549肺がん細胞株における経時的な又は濃度による、ゴシポールによるAMPKのリン酸化を示す:p−AMPK(T172):リン酸化AMPK、AMPK:合計量のAMPK、及び、β−アクチン:対照。 0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポール処理と同時に10μM、50μM又は100μMのフェンホルミンで個別に処理したがん細胞株の増殖を示す:実線:A549/ATCC細胞株へのフェンホルミンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、破線:A549/ATCC細胞株へのフェンホルミン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、並びに、対照:ゴシポール及びフェンホルミンのいずれでも処理しないがん細胞。 0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポール処理と同時に10μM、50μM又は100μMのフェンホルミンで個別に処理したがん細胞株の増殖を示す:実線:NCI−H460細胞株へのフェンホルミンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、破線:NCI−H460細胞株へのフェンホルミン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、並びに、対照:ゴシポール及びフェンホルミンのいずれでも処理しないがん細胞。 0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポールで個別に処理すると同時に100μMのメトホルミンで処理したがん細胞株の増殖を示す:左のグラフの実線:A549/ATCC細胞株へのメトホルミンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、左のグラフの破線:A549/ATCC細胞株へのメトホルミン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、右のグラフの実線:NCI−H460細胞株へのメトホルミンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、右のグラフの破線:NCI−H460細胞株へのメトホルミン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、並びに、対照:ゴシポール及びメトホルミンのいずれでも処理しないがん細胞。 0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポール処理と同時に1μM、10μM又は50μMのシスプラチンで個別に処理したがん細胞株の増殖を示す:実線:A549/ATCC細胞株へのシスプラチンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、破線:A549/ATCC細胞株へのシスプラチン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、並びに、対照:ゴシポール及びシスプラチンのいずれでも処理しないがん細胞。 1μM、10μM又は50μMのシスプラチン処理と同時に0.1μM、0.5μM、1μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポールで個別に処理したがん細胞株の増殖を示す:実線:NCI−H460細胞株へのシスプラチンの単剤処理におけるがん細胞の増殖曲線、破線:NCI−H460細胞株へのシスプラチン及びゴシポールの併用処理におけるがん細胞の増殖曲線、並びに、対照:ゴシポール及びシスプラチンのいずれでも処理しないがん細胞。 ゴシポール及び/又はフェンホルミンを投与した腫瘍担持マウスにおいて評価した腫瘍サイズ及び腫瘍減少効果を示す。 100mg/kgのフェンホルミン及び10mg/kgのゴシポールを同時処理したマウス群及び対照の腫瘍サイズを示す。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明は、有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物を提供する。
ゴシポールは式1:
の化合物又はその誘導体であり得るが、本発明はそれらに限定されない。
フェンホルミンは式2:
の化合物又はその誘導体であり得るが、本発明はそれらに限定されない。
医薬組成物はゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を含み得るが、本発明はそれらに限定されない。
ゴシポールの濃度は、0.1nM〜100μMであってよいが、それらに限定されない。
フェンホルミンの濃度は、1μM〜200μMであってもよいが、それらに限定されない。
がんは、子宮がん、乳がん、胃がん、脳腫瘍、直腸がん、結腸がん、肺がん、皮膚がん、血液腫瘍、及び肝がんからなる群から選択されるいずれか1つであってよく、好ましくは肺がん、最も好ましくは小細胞肺がんである。しかし、本発明の医薬組成物は、がん細胞の特定の代謝を標的としているため、いかなる種類のがんにも適用することができ、それゆえ本発明は上記に挙げる例に限定されない。
がん治療のための医薬組成物は、フェンホルミン及びゴシポールを同時に放出することができるか、又は最初にフェンホルミン若しくはゴシポールのいずれかを放出することができる。
本明細書全体を通して、「医薬組成物」という用語は特に他に定義されない限り、1回で服用又は投与される経口薬又は注射液等の単回用量型に加えて、投与時に2回以上に分けた複数の単位剤形を包含すると解釈するものとする。例えば、「ゴシポール及びフェンホルミンを含有する医薬組成物」は、両方の有効成分を含む単剤単位剤形に加えて、それぞれの有効成分を含む2つの単位剤形を含むと解釈されるものとする。また、「ゴシポール及びフェンホルミンを含有する医薬組成物」という用語は、両方の有効成分を含む単剤単位剤形を同時に投与し、それらの放出にタイムラグがあるように調製したときであっても、又は2つの単位剤形を同時に投与するか、若しくは所定の時間間隔内で投与するときであっても、生体内でそれぞれの単位剤形と一緒に含まれる2つの有効成分の間で相乗的な作用を生じる単剤又は2つの単位剤形を包含し得るものであり、したがって「有効成分としてゴシポール及びフェンホルミンを含有するがん治療のための医薬組成物」の範囲に含まれる。両方の有効成分を同時に又はタイムラグをもって放出又は治療(又は投与)することができる。したがって、有効成分としてゴシポール及びフェンホルミン、又はそれらの薬学的に許容される塩を含有するがん治療のための医薬組成物は、同時の併用治療(又は放出)を可能にする単一の併用医薬組成物又はタイムラグのある併用治療(又は放出)を可能にする医薬組成物であり得る。
本明細書全体を通して、「タイムラグ放出又はタイムラグ投与」という用語は、個々に服用され、又は投与される有効成分が同時ではなく、連続して吸収されるように、薬剤を放出又は投与することを指す。このような「タイムラグ放出又はタイムラグ投与」は、2つの成分が、個々の有効成分をそれぞれの単一の配合物に調製するときであっても少なくとも1つの成分のタイムラグ放出を可能にするよう設計される1つの剤形又は配合物若しくは用量単位に含まれ、それにより成分は同時に服用され又は投与されても、タイムラグの作用を示す併用配合物を実現し得る。また、「タイムラグ投与」は2つの有効成分を一定の間隔にて投与する方法も含み得る。
本明細書全体を通して、「許容される塩」という用語は、特定の化合物の生物学的作用を保持する塩を指すことを意図し、薬学的に許容される塩は当業者に広く知られているものである。
医薬組成物において、ゴシポール及びフェンホルミンをそのまま使用することができるが、それらの誘導体は溶解度及び安定性を考慮して調製することができる。
本発明の医薬組成物は更に抗がん剤を含み得るが、本発明はそれらに限定されない。
抗がん剤は、ナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、ニロチニブ、セマクサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカム・アルバム(Viscum album)、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、アミノレブリン酸メチル、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム−キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシル、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトール、ロイコボリン、トレチノイン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、及びカルムスチンから選択される少なくとも1つの薬剤であってよいが、それらに限定されない。
その一方で、本発明の医薬組成物は、上記の有効成分以外の1種又は複数種の薬学的に許容される担体を含み得る。本明細書において使用される場合、「薬学的に許容される担体」という用語は、好適な剤形での投与のための医薬組成物の配合に有用であり、使用条件下において非毒性及び非感受性であり、このような担体の特定の含量比が標準的な薬務及び有効成分の溶解度、化学特性又は選択された投与経路により決定され得る医薬添加剤を指す。また、本発明の医薬組成物は、薬学的に許容される添加剤を更に含むことができ、その薬学的に許容される添加剤の例として、デンプン、糊化デンプン、微晶質セルロース、ラクトース、ポピドン、コロイド状二酸化ケイ素、リン酸水素カルシウム、ラクトース、マンニトール、タフィー、アラビアガム、アルファデンプン、コーンスターチ、セルロース粉末、ヒドロキシプロピルセルロース、オパドライ、デンプングリコール酸ナトリウム、カルナバ蝋、合成ケイ酸アルミニウム、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、スクロース、デキストロース、ソルビトール、及びタルクを挙げることができる。本発明による薬学的に許容される添加剤を、組成物に対して0.1重量部〜90重量部含むことができるが、本発明はそれらに限定されない。
本発明の医薬組成物を実際の臨床投与の種々の経口及び非経口形態において投与することができ、調製において、通例使用される希釈剤又は賦形剤、例えば充填剤、増粘剤、結合剤、湿潤剤、分散剤、界面活性剤等とともに配合することができる。固形経口配合物の例として、錠剤、丸薬、粉末、顆粒、及びカプセルを挙げることができ、このような固形調製物を、少なくとも1つの賦形剤、例えばデンプン、炭酸カルシウム、スクロース、ラクトース又はゼラチンをプエラリア抽出物と混合することより配合することができる。また、単純な賦形剤よりむしろ、潤沢剤、例えばステアリン酸マグネシウムタルクを使用することができる。液状経口配合物は、懸濁液、内服用液体、乳濁液及びシロップであってよく、種々の賦形剤、例えば湿潤剤、甘味剤、香味剤、及び防腐剤、更に頻繁に使用される単純な希釈剤、例えば水又は流動パラフィンを含有することができる。非経口配合物の例として滅菌水溶液、非水性溶媒、懸濁液、乳濁液、凍結乾燥剤、及び坐剤を挙げることができる。非水性溶媒又は懸濁剤として、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、例えばオリーブ油又は注射用エステル、例えばオレイン酸エチルを使用することができる。坐剤の基材として、ウイテプゾール、マクロゴール、ツイーン61、カカオバター、ラウリン脂肪又はグリセロゼラチンを使用することができる。
本発明の医薬組成物を所望の方法により経口又は非経口投与することができ、非経口投与において、皮膚、腹腔内、直腸内、皮下、静脈内、筋肉内又は心内注射用の局所使用を用いることができる。本発明の医薬組成物の用量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与回数、投与経路、排泄率、及び疾患の重症度に応じて異なり得る。
本発明の医薬組成物の用量は、患者の体重、年齢、性別、健康状態、食事、投与回数、投与経路、排泄率、及び疾患の重症度に応じて異なってよく、プエラリア抽出物の量に対して0.0001mg/kg〜100mg/kg、好ましくは0.001mg/kg〜10mg/kgを1日1回又は6回投与することができる。
がん患者の治療のため、本発明の医薬組成物を個別に又は手術、ホルモン治療、薬物治療、及び生物学的反応調節剤と組み合わせて使用することができる。
本発明を適用することができる対象は、哺乳類動物、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳類動物、最も好ましいのはヒトであってよい。
また、本発明は抗がん剤の調製のためのゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩の使用を提供する。
がんは、子宮がん、乳がん、胃がん、脳腫瘍、直腸がん、結腸がん、肺がん、皮膚がん、血液腫瘍、及び肝がんからなる群から選択されるいずれか1つであってよく、好ましくは肺がん、最も好ましくは小細胞肺がんである。しかし、本発明の医薬組成物は、がん細胞の特定の代謝を標的としているため、いかなる種類のがんにも適用することができ、それゆえ、本発明は上記に挙げる例に限定されない。
また、本発明は治療有効量のゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容可能な塩を対象に投与することを含む、がんを治療する方法を提供する。
本明細書において使用される場合、「治療有効量」という用語は、がん細胞を抑制するのに十分な量を指す。
対象は、治療するがんを有する患者、好ましくはヒトであってよいが、本発明はそれに限定されない。
がんは、子宮がん、乳がん、胃がん、脳腫瘍、直腸がん、結腸がん、肺がん、皮膚がん、血液腫瘍、及び肝がんからなる群から選択されるいずれか1つであってよく、好ましくは肺がん、最も好ましくは小細胞肺がんである。しかし、本発明の医薬組成物は、がん細胞の特定の代謝を標的とするため、いかなる種類のがんにも適用することができ、それゆえ本発明は上記に挙げる例に限定されない。
本明細書全体を通して、本明細書において使用される場合、「がん治療」という用語は、がんの進行を遅らせる又は遮断することを指す。がん治療はがんの症状の処置及び/又は緩和を含む。
本明細書全体を通して、本明細書において使用される場合、「治療有効量」という用語は、治療効果を対象に与えるのに十分な量を指す。それゆえ、治療有効量のゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩はがん対象に投与したときにがんを治療するのに十分な量であり得る。
本明細書全体を通して、本明細書において使用される場合、「対象」又は「患者」という用語は、哺乳類動物、好ましくはヒト又は非ヒト哺乳類動物、最も好ましくはヒトであり得る。
また、本発明は、以下の構成要素:
a)ゴシポール又はその許容される塩と、
b)フェンホルミン又はその許容される塩と、
からなる別個の2つの成分を含有する、がん治療のための医薬キットを提供する。
がんは、子宮がん、乳がん、胃がん、脳腫瘍、直腸がん、結腸がん、肺がん、皮膚がん、血液腫瘍、及び肝がんからなる群から選択されるいずれか1つであってよく、好ましくは肺がん、最も好ましくは小細胞肺がんである。しかし、本発明の医薬組成物は、がん細胞の特定の代謝を標的とするため、いかなる種類のがんにも適用することができ、それゆえ本発明は上記に挙げる例に限定されない。
パーツキットのa)成分及びb)成分を、1つ又は複数の容器に充填することができ、各構成要素は各容器に充填されてキットに含まれる。好適な同包物及び説明書をキットとともに提供する。
キットは、第1の単位剤形にゴシポール又はその許容される塩及び第2の単位剤形にフェンホルミン又はその許容される塩を含むことができる。
以下に、本発明の理解を助けるため、本発明を実施例及び比較実施例を参照して詳細に説明する。しかし、以下の実施例及び比較実施例は単に本発明の説明を例示的に示すために提供され、したがって本発明の範囲はそれらに限定されない。本発明の実施例及び比較実施例は、当業者に本発明をより十分に説明するために提供される。
<実施例1> ゴシポールの抗がん活性の試験
<1−1> がん細胞におけるエネルギー産生阻害の試験
がん細胞のエネルギー産生がALDHであるゴシポールにより阻害されるかどうかを試験するため、非小細胞肺がん(NSCLC)細胞株、例えばA549細胞株、H460細胞株、Hop−92細胞株、及びH23細胞株に1μMのゴシポールで1時間処理した後、ATPアッセイキット(Biovision;#K354−100)を用いてATPレベルを測定した。対照として正常な肺上皮細胞を使用した。
また、ゴシポールの濃度によるATPレベルの変化を検討するため、A549細胞株を0μM、0.1μM又は1μMのゴシポールで1時間処理した後、ATPレベルを測定した。
結果として、がん細胞株において増加したATP産生レベル(1×10細胞当たり1nmol〜6nmol)はゴシポールにより阻害され(図1)、ATP産生の阻害はゴシポールの濃度に依存すること(図2)が示された。
<1−2> がん細胞増殖阻害の試験
がん細胞株増殖の阻害に対するゴシポールの効果を試験するためにSRB解析を行った。特に、肺がん細胞株、例えばA549/ATCC、HOP−62、HOP−92、NCI−H23、NCI−H460又はNCI−H522細胞株の倍化時間に従い、5000個から40000個の細胞を96ウェルマイクロタイタープレートの1ウェル当たりに播種し、増殖させた。24時間後、細胞を1ウェル当たり0μM、0.1μM、1μM、10μM又は100μMのゴシポール100mlで処理し、37℃にて48時間インキュベーションした。続いて、付着した細胞株のそれぞれに50mlの50%冷(4℃)トリクロロ酢酸(TCA)を添加し、懸濁した細胞株のそれぞれに50mlの80%TCAを添加し、細胞を固定した。プレートを4℃にて1時間〜3時間インキュベーションした後、プレートのTCA溶液を廃棄し、次いでプレートを蒸留水で5回洗浄した。プレートを室温にておよそ12時間〜24時間乾燥させた後、固定した細胞を100mlのスルホローダミンB(SRB)を用いて室温にて5分間染色した。染色後、プレートを1%氷酢酸で3回洗浄し、室温にておよそ12時間〜24時間乾燥させた。SRB染料を10mMのトリズマ塩基を用いて溶解させ、吸光度を515nmにて測定した。がん細胞の抑制に対するゴシポールの効果を50%発育阻止(GI50)として表した。
結果として、肺がん細胞株の増殖が阻害されたゴシポールのGI50濃度は5μMであったことが示された(図3)。
<1−3> ゴシポールの処理時間又は濃度によるがん細胞増殖阻害に対するゴシポールの効果
ゴシポールの処理時間又は濃度による抗がん作用を試験するため、A549肺がん細胞株を1μMのゴシポールで0時間、8時間、16時間又は24時間処理した後、がん細胞の分裂に重要なタンパク質であるAMP活性化プロテインキナーゼ(AMPK)のリン酸化をウエスタンブロッティングにより解析した。
また、0μM、0.1μM、0.5μM又は1μMのゴシポールで個々に24時間処理した後のAMPKリン酸化もウエスタンブロッティングにより解析した。
結果としてAMPKリン酸化がゴシポールの処理時間及び濃度に応じて増加したことが認められた(図4)。結果として、ゴシポールががん細胞の増殖を阻害することを示す重要な証拠となる、がん細胞の分裂に絶対的に必要となる生合成をゴシポールが阻害したことが示された。
<実施例2> ゴシポール及びフェンホルミンの同時処理による抗がん作用の試験
がん細胞株A549/ATCC及びNCI−H460を0.1μM、0.5μM、1.0μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポールの単剤で処理し、10μM、50μM又は100μMのフェンホルミンと組み合わせて処理した後、それぞれ実施例<1−2>と同様にSRB解析を行った。
結果として、ゴシポール単剤での処理において、がん細胞の増殖はほとんど阻害されなかったが、フェンホルミン及びゴシポールの併用処理において、がん細胞の増殖はゴシポールの単剤での処理においてがん細胞の増殖が阻害される濃度(GI50)である、5μMよりかなり低い濃度にて阻害されたことが認められた(図5及び図6)。それに応じて、がん細胞の増殖の阻害に対するフェンホルミン及びゴシポールの併用処理の相乗効果が確かめられた。
<実施例3> 動物モデルにおけるゴシポール及びフェンホルミンの併用処理による抗がん作用の試験
A549−ルシフェラーゼ細胞を0.12%トリプシン及び0.008%EDTA(T/E)で処理し、それらの細胞をプレートから剥がし、冷PBSを用いて洗浄した後、6週齢の雌のBalb/c−ヌードマウスに2×10細胞/匹/100μlのPBSにて注射した。1ヶ月後、腫瘍サイズが100mmに達したとき、マウスをグループ(それぞれ5匹のマウス)に分けた後、マウスにフェンホルミンを100mg/kg/100μlのPBSにて及び/又はゴシポールを0mg、5mg若しくは10mg/kg/100μlのPBS(40%EtOH)にて1週間に5回経口投与した。腫瘍サイズを1週間に2回測定した。
結果として、ゴシポール及びフェンホルミンのそれぞれを用いて処理したマウスと比べ、ゴシポール及びフェンホルミンを同時処理したマウスの腫瘍サイズはかなりの低下したことが示された(図10及び図11)。
<比較実施例1> ゴシポール及び様々なビグアニド系化合物の併用処理による抗がん作用の試験
相乗的な抗がん作用がゴシポール及びフェンホルミンの併用処理によってのみ生じるかどうかを試験するため、がん細胞株A549/ATCC及びNCI−H460を0.1μM、0.5μM、1.0μM、5μM、10μM又は50μMのゴシポールでそれぞれ単剤で処理し、ミトコンドリアの酸化的リン酸化のインヒビターの中でフェンホルミンが含まれるビグアニド系グループであり、抗がん作用を有することが知られているメトホルミンを100μM組み合わせて処理した後、各サンプルのがん細胞増殖を阻害する効果を、上記と同じ方法により試験した。
結果として、100μMのメトホルミンとゴシポールとの併用処理は、ゴシポールの単剤での処理と有意な差を示さず、ゴシポール及びフェンホルミンの併用処理と異なり、相乗効果がないことが認められた(図7)。それゆえ、ゴシポールと組み合わせて相乗的な抗がん作用を有する物質は、フェンホルミン系物質であると考えられる。
<比較実施例2> ゴシポール及び従来の抗がん剤の併用処理による抗がん作用の試験
臨床において抗がん剤として使用される市販のシスプラチンを単独又はゴシポールと組み合わせて処理した後に、相乗的な抗がん作用を試験した。
結果として、1μM、10μM又は50μMのシスプラチンをゴシポールと組み合わせて処理したが、ゴシポール単剤での処理による抗がん活性と有意な差はなく、したがって相乗効果が示されないことが確認された(図8及び図9)。

Claims (11)

  1. 有効成分としてゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を含有する、がん治療のための医薬組成物。
  2. 前記ゴシポールが式1:
    の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  3. 前記フェンホルミンが式2:
    の化合物である、請求項1に記載の組成物。
  4. 前記ゴシポールが0.1nM〜100μMの濃度であり、前記フェンホルミンが1μM〜200μMの濃度である、請求項1に記載の組成物。
  5. 前記がんが子宮がん、乳がん、胃がん、脳腫瘍、直腸がん、結腸がん、肺がん、皮膚がん、血液腫瘍、及び肝がんからなる群から選択されるいずれか1つである、請求項1に記載の組成物。
  6. フェンホルミン及びゴシポールを同時に放出する、請求項1に記載の組成物。
  7. 抗がん剤を更に含む、請求項1に記載の組成物。
  8. 前記抗がん剤がナイトロジェンマスタード、イマチニブ、オキサリプラチン、リツキシマブ、エルロチニブ、ネラチニブ、ラパチニブ、ゲフィチニブ、バンデタニブ、ニロチニブ、セマクサニブ、ボスチニブ、アキシチニブ、セジラニブ、レスタウルチニブ、トラスツズマブ、ゲフィチニブ、ボルテゾミブ、スニチニブ、カルボプラチン、ソラフェニブ、ベバシズマブ、シスプラチン、セツキシマブ、ビスカム・アルバム、アスパラギナーゼ、トレチノイン、ヒドロキシカルバミド、ダサチニブ、エストラムスチン、ゲムツズマブオゾガマイシン、イブリツモマブチウキセタン、ヘプタプラチン、アミノレブリン酸メチル、アムサクリン、アレムツズマブ、プロカルバジン、アルプロスタジル、硝酸ホルミウム−キトサン、ゲムシタビン、ドキシフルリジン、ペメトレキセド、テガフール、カペシタビン、ギメラシル、オテラシル、アザシチジン、メトトレキサート、ウラシル、シタラビン、フルオロウラシル、フルダラビン、エノシタビン、フルタミド、デシタビン、メルカプトプリン、チオグアニン、クラドリビン、カルモフール、ラルチトレキセド、ドセタキセル、パクリタキセル、イリノテカン、ベロテカン、トポテカン、ビノレルビン、エトポシド、ビンクリスチン、ビンブラスチン、テニポシド、ドキソルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、マイトマイシン、ブレオマイシン、ダウノルビシン、ダクチノマイシン、ピラルビシン、アクラルビシン、ペプロマイシン、テムシロリムス、テモゾロミド、ブスルファン、イホスファミド、シクロホスファミド、メルファラン、アルトレタミン、ダカルバジン、チオテパ、ニムスチン、クロラムブシル、ミトラクトール、ロイコボリン、トレチノイン、エキセメスタン、アミノグルテチミド、アナグレリド、ナベルビン、ファドロゾール、タモキシフェン、トレミフェン、テストラクトン、アナストロゾール、レトロゾール、ボロゾール、ビカルタミド、ロムスチン、及びカルムスチンから選択される少なくとも1つの薬剤である、請求項7に記載の組成物。
  9. 抗がん剤の調製のためのゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩の使用。
  10. 治療有効量のゴシポール及びフェンホルミン又はそれらの許容される塩を対象に投与することを含む、がんを治療する方法。
  11. a)ゴシポール又はその許容される塩と、
    b)フェンホルミン又はその許容される塩と、
    からなる別個の2つの成分を含む、がん治療のための医薬キット。
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