JP2017506189A - 車両のヘッドレストシステム - Google Patents

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Abstract

本発明は車両のヘッドレストシステムについて記載する。ヘッドレストシステムはヘッドレストロッドに連結されたヘッドレストクッションを備える。スイベル機構は旋回ロッド、ダンパーおよびバネを備える。ヘッドレストクッションの角運動は、ヘッドレストクッションに荷重が付加された際のダンパー動作によって制御され、ダンパー動作はヘッドレストクッションに付加された荷重の振幅および継続時間に基づく。本発明の別の実施形態は、可動アセンブリおよび固定アセンブリを備えるヘッドレストシステムについて記載する。可動アセンブリはスロット付ガイド板、平板およびスロット付ガイド柱部を備える。固定アセンブリはガイドロッド、および、直線状ガイド路を備える。可動アセンブリおよび固定アセンブリは直線状ダンピングユニットを用いて連結され、直線状ダンピングユニットはスロット付ガイド柱部の内部に配置される。【選択図】図2

Description

2014年2月20日に出願された、「HEAD RESTRAINT SYSTEM」と題されたインド仮出願番号586/MUM/2014において利益が主張されており、すべての目的においてその全体が参照により組み込まれる。
本発明は自動車分野に関し、より具体的には、車両のスイベル機構を備えるヘッドレストシステムに関する。
ヘッドレストを備える座席を有する車両は、動力車におけるむち打ち症(頸椎捻挫)を防止する一次的方法の1つとみなされる。良好に構成され、正確に位置合わせをされたヘッドレストは、後部衝突における頭部、脊柱、および首の損傷リスクを大幅に低減することになろう。ヘッドレストの配置、とりわけヘッドレストの高さ、および水平方向の距離、つまり、乗員の頭部からのヘッドレストの「セットバック(後退)」は、上記リスクおよび後部衝突によるむち打ち症の重症度に大きな影響を有しうる。前の座席の乗客の多くは、ヘッドレストを正しく調節することができない、または、防御する機能を持たないヘッドレストを使用している。むち打ち症は、正しく位置する良好なヘッドレストシステムで防ぐことができる。効果を発揮するためには、ヘッドレストは後頭部にできるだけ近接することが必須であり、また、ヘッドレストの頂部が頭部の頂部と同じ高さでなければならない。
一般に、2つのタイプ、すなわち、アクティブ(能動的)タイプおよびパッシブ(受動的)タイプのヘッドレストシステムが存在する。アクティブヘッドレストシステムは、その位置が人間工学的に乗員に適している、および、衝突の際の安全性を提供するように、それ自体に瞬時に順応するため、快適性が高い。パッシブヘッドレストシステムは固定されている。パッシブヘッドレストシステムは旋回の調整、または角度調節を提供するものではない。パッシブヘッドレストシステムにおいて、ヘッドレストは、後部衝突の際に首が曲がることを避けるように、頭部に極めて近接して配置される。上記は安全性を向上するが、結果として乗員の快適性を欠く。
したがって、受動的構成要素を使用してアクティブヘッドレストシステムのすべてのメリットを提供する、改良されたヘッドレストシステムの必要性が存在する(とりわけパッシブヘッドレストシステム)。さらに、改良されたヘッドレストシステムは、むち打ち症を防止できなければならない。
本発明の目的は、車両のヘッドレストシステムを提供することである。
本発明の実施形態は、スイベル機構を備えた車両のヘッドレストシステムを記載する。本発明に従ったヘッドレストシステムは、1つ以上のヘッドレストロッドに連結されたヘッドレストクッションを備える。車両の座席の背もたれの頂部に取り付けられたヘッドレストクッションに角運動を提供する前記スイベル機構は、1つ以上の旋回ロッド、1つ以上のダンパー、および1つ以上のバネを備える。ヘッドレストクッションの角運動は、ヘッドレストクッションに荷重が付加された際のダンパー(緩衝、減衰)動作によって制御される。ダンパー動作は、ヘッドレストクッションにかけられる荷重の振幅および継続時間に基づく。ヘッドレストロッドは背もたれの後側で旋回軸上に配置され、ヘッドレストシステムのスイベル機構を収容し、ここで、スイベル機構は、枢着部周囲でヘッドレストシステムの旋回を提供する。本発明に従ったヘッドレストシステムは、レトロフィット(据え付け式)システムである。
本発明の別の実施形態は、車両の反発性レトロフィットヘッドレストシステムを記載する。ヘッドレストシステムは可動アセンブリ(組立体)および固定アセンブリ(組立体)を備える。可動アセンブリは、少なくとも1つのスロット付ガイド板、少なくとも平板、および、少なくとも1つのスロット付ガイド柱部を備える。固定アセンブリは、少なくとも1つのガイドロッド、および、少なくとも1つの直線状ガイド路(案内路)を備える。可動アセンブリおよび固定アセンブリは、直線状ダンピングユニット(緩衝装置)を使用して連結され、直線状ダンピングユニットはスロット付ガイド柱部内部に配置される。スロット付ガイド板およびスロット付ガイド柱部は、平板の並進運動を補助するために、平板の後側で連結される。
先述の、本発明の態様および他の特徴が、付随する図面と共に、以下の記述により説明されよう。
本発明の1つの実施形態に従ったスイベル機構を有するヘッドレストシステムの等角図である。 本発明の1つの実施形態に従ったスイベル機構を有するヘッドレストシステムの略図である。 本発明の1つの実施形態に従ったダンピングユニットを備えるヘッドレストシステムの等角図である。 本発明の1つの実施形態に従ったダンピングユニットを備えるヘッドレストシステムの垂直断面図である。 本発明の1つの実施形態に従った、荷重付加に応じてヘッドレストシステムによって移動された距離のグラフである。
本発明の実施形態が、付随する図面を参照して、ここに詳述される。ただし、本発明はそれらの実施形態に限定されない。本発明は本発明の範囲から逸脱することなく、様々な形態に修正されうる。よって、本発明の実施形態および図示される事例は、単に、本発明の当業者に対して、本発明をより明確に説明するために提供される。付随する図面において、同様の参照番号が同様の構成要素を示すために使用される。
本明細書は、一部の箇所で「an(単数の)」、「one(1つの)」または「some(複数の)」実施形態について言及しうる。これは、かかる言及のそれぞれが同一の実施形態であることを必ずしも示唆しておらず、または、特徴は単一の実施形態にのみ該当することを示唆するものでもない。異なる実施形態の単一の特徴が、他の実施形態を提供するために組み合される場合もある。
ここで使用されているように、特段の記載がない限り、「a」、「an」および「the」といった単数形は、複数形を含むことも意図されている。さらに、用語「include(含む)」「comprise(含む、備える)」、「including」および/または「comprising」は、本明細書で使用されるとき、記載される特徴、整数、手段、工程、要素および/または構成要素の存在を特定するが、1つ以上の他の特徴、整数、手段、工程、要素、構成要素および/またはグループの存在または追加を除外するものではないことが理解されよう。ここで使用されているように、用語「および/または」は、1つ以上の、関連して列挙される事項の、あらゆる、および、すべての組み合わせおよび取り合わせを含む。
特段の定めがない限り、ここで使用される(技術的および科学的用語を含む)すべての用語は、本開示が関連する当業者によって一般的に理解される意味と同じ意味を有する。さらに、一般に使用される辞書で定義されるような用語は、関連技術の文脈におけるそれらの意味と一致する意味を有すると解釈されるべきであり、特段の定めがない限り、理想化された、または極端な、正式な意味として解釈されないことが理解されるであろう。
本発明は、快適性及びむち打ち症に対する安全性を提供するヘッドレストシステムに関する。本発明において、ヘッドレストは、前方および後方に旋回(スイベル回転)可能であり、且つ、乗員が要求/快適性に応じて角度を調節可能であるように構成されている。スイベル機構は、旋回軸に配置されたバネおよびダンパーを有し、乗員が前方に傾くと、ヘッドレストが元の位置に戻る。ダンパーは、衝突による衝撃が発生した場合、ヘッドレストの動作を制限するように構成されている。上記は、むち打ち症を回避する一方で、頭部をクッションに置くなどの低荷重の場合には極めて低い抵抗を与え、ヘッドレストの動作を乗員に快適なものとする。本発明の様々な実施形態は、自動車の座席に組み込まれることが可能であり、且つ、安全性および快適性の両方の要件を満たすことができる。
図1は、本発明の1つの実施形態に従ったスイベル機構を有するヘッドレストシステムの等角図である。本発明の実施形態は、1つ以上のヘッドレストロッド002と連結するヘッドレストクッション001を有するヘッドレストシステムを示している。ヘッドレストロッド002は1つ以上の旋回ロッド003と連結される。旋回ロッド003はスイベル(旋回)機構004を収容するように構成される。本発明の一実施形態に従ったヘッドレストシステムは、むち打ち症に対する安全性、および快適性をもたらすパッシブヘッドレストシステムである。本発明の一実施形態に従ったヘッドレストシステムは、前方および後方に旋回可能に構成される。ヘッドレストの基準位置は、乗員の快適な角度に基づいて調節可能である。ヘッドレストシステムのさらなる動作は、乗員によって設定された基準位置に基づいている。
本発明の一実施形態に従ったスイベル機構004は、旋回ロッドに配置されるバネおよびダンパーを備える。旋回ロッドは車両座席の背もたれの後側で旋回される。旋回ロッドは回転され、ヘッドレストのスイベル機構を旋回軸周囲で収納する。これは、本発明のヘッドレストの垂直高さの調節を可能にする。ヘッドレストシステムは、乗員が前方に傾くと、基準位置に戻る。ダンパーは、衝突による衝撃が発生した場合、ヘッドレストシステムの動作を制限するように構成されている。これは、ユーザ/乗客のむち打ち症を回避する一方で、頭部をクッションに置くなどの低荷重の場合に極めて低い抵抗を与え、ヘッドレストの動作を乗員の快適なものとする。
図2は、本発明の一実施形態に従ったスイベル機構を有するヘッドレストシステムの略図である。図2は、旋回ロッド003とスイベル機構004の連結を図示している。本発明の実施形態によると、バネ005およびダンパー006のアセンブリは、バネおよびダンパーに対して荷重が付加されると、すなわち、乗員が頭部をヘッドレストクッション001に置くと、ヘッドレストシステムの角運動を可能にするように、旋回ロッド003内部に収容される。
ダンパー006は、強度および荷重付加の継続時間に比例する抵抗を提供する。荷重は、乗員の頭部の重さと考えられる。衝撃荷重が発生すると、ダンパーは極めて大きい抵抗力を発揮し、ヘッドレストが旋回することを阻止する。バネ005は、各旋回の後、ヘッドレストの基準位置への復帰に役立つ。軽い押圧の場合、すなわち、乗員がヘッドレスに頭部を置いている場合、ダンパーは、ヘッドレストクッションの容易な移動を可能にする、極めて小さな抵抗力を与える。同様に、より大きな衝撃の場合には、ダンパーは、荷重すなわち乗員の頭部に伝達される莫大なエネルギーを吸収することにより、突然の動作を制限する。
図3および図4は、本発明の別の実施形態に従ったダンピングユニットを備えるヘッドレストシステムの等角図である。本発明の該実施形態に従ったヘッドレストシステムは、図4に示されるように、可動アセンブリ12Aおよび固定アセンブリ11Aを備える。可動アセンブリ12Aは、少なくとも1つのスロット付ガイド板103、少なくとも1つの平板102、少なくとも1つのスロット付ガイド柱部101、および、直線状ダンピングユニット104を備える。同様に、ヘッドレストシステムの固定アセンブリ11Aは、少なくとも1つのガイドロッド106、および、少なくとも1つの直線状ガイド路105を備える。本発明に準じたヘッドレストシステムの可動アセンブリ12Aおよび固定アセンブリ11Aは、少なくとも1つの直線状ダンピングユニット104を用いて連結される。ヘッドレストシステムは、構成/発明の要件に応じて、可動アセンブリ12Aおよび固定アセンブリ11Aの組を2以上有してもよい。
スロット付ガイド板103は、長方形のスロット(溝)を有する扁平な板である。スロット付ガイド板103は、並進運動を補助するために、平板102の後側の底部に配置される。平板102は、本発明の一実施形態に従ったヘッドレストシステムの前端である。スロット付ガイド柱部101は、平板102に後方で溶接される。直線状ダンピングユニット104は、可動アセンブリ12Aの動作を制御するダンパーを備える。ダンパーは円形ダンパー、回転式ダンパー、直線状ダンパー、または本分野で知られる他の形式のダンパーを含むがそれに限定されない。
ヘッドレストシステムの固定アセンブリ11Aの1以上のガイドロッド106は、直線状ガイド路105に溶接されている。ガイドロッド106は、本発明の1つの実施形態に従ったヘッドレストシステム全体を保持する。ヘッドレストシステムの構成によると、単数のガイドロッド106、または複数のガイドロッド106が、直線状ガイド路105に溶接/付着される。直線状ダンピングユニット104は直線状ガイド路105に連結され、平板102の動作を制御する。直線状ガイド路105は、直線状ダンピングユニット104の前後運動を可能にするように構成されている。
図3は、スロット付ガイド板103および直線状ガイド路105などのガイド部材、ならびに、ガイドロッド106などの各支持部材の斜視図である。
図3の平板102および直線状ダンピングユニット104が通常の動作位置にあるとする。衝突、特に、後部衝突の際、乗員は、質量慣性(mass inertia)によりヘッドレストの平板102に対して強く押される。慣性前進力が発生すると、直線状ガイド路105によって直線状ダンパー装置104の移動が制限され、乗員のむち打ち症の影響を回避する。
荷重が付加されるとき、2つの直線状スロットによって包囲された直線状ガイド路のガイド部は、直線状ダンパー装置104を押圧することにより、平板102を移動させる。平面102の後側に取り付けられるとともにガイド路の固定アセンブリに取り付けられた直線状ダンパー装置104は、通常の動作位置から圧縮位置に移動すると緊張する。緊張が解除されるとき、ダンパー装置104は、平板102を通常/基準位置に戻す。
図5は、本発明の一実施形態に従った、ヘッドレストシステムの荷重付加に応じた移動距離のグラフである。
例えば、車両の初期走行速度を100km/時、および頭部の質量(Head)を5Kgとする。衝撃のタイミング(時間)を0.01秒、およびスイベル機構のバネのバネ定数を5N/mmとする。
初期速度はゼロ,U=0 ms−1であり、衝撃後、走行時間0.01秒および距離5mmとする。
初期速度の計算が以下に説明される。

突然の衝撃の後、車両の速度が100km/時から50km/時に減少したと仮定する。

減衰係数を算出する。
減衰係数C=6500Nsm−1
力および移動距離が、ヘッドレストシステムによって移動された距離に対して算出される。力および移動距離のグラフが図5に示されている。


ここでは、
Fi=衝撃力
M=体重
C=減衰係数
K=バネ定数
X=直線距離
とする。
グラフから、ヘッドレストシステムによって移動された距離は、付加される力が増加するにつれ、次第に減少することが明らかである。
車両用ヘッドレストシステムの発明が、付随する図面に図示される本発明の実施形態に関連して記載されてきたが、これらに限定されるものではない。本発明の範囲および主旨から逸脱することなく、様々な代替、修正および変更がなされうる。

Claims (12)

  1. スイベル機構を備える車両のヘッドレストシステムであって、
    1以上のヘッドレストロッドに接続されたヘッドレストクッションを備え、
    前記車両の座席の背もたれの頂部に取り付けられた前記ヘッドレストクッションに角運動を提供するための前記スイベル機構は、1つ以上の旋回ロッド、1以上のダンパーおよび1以上のバネを備え、
    前記ヘッドレストクッションの角運動は、前記ヘッドレストクッションへの荷重付加時の前記ダンパー動作によって制御され、前記ダンパー動作は、前記ヘッドレストクッションに適用される荷重の強度および継続時間に基づいていることを特徴とするヘッドレストシステム。
  2. 前記ヘッドレストロッドは、前記ヘッドレストシステムの前記スイベル機構を収容するように、前記背もたれの後側で旋回軸上に配置され、前記スイベル機構は、旋回軸周囲で前記ヘッドレストシステムの旋回を提供することを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストシステム。
  3. 前記ダンパーは、衝撃荷重に対して高い抵抗を提供し、且つ、非衝撃荷重に対して低い抵抗を提供することを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストシステム。
  4. 前記ヘッドレストクッションの前記角運動は、前方および後方の動作を可能とすることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストシステム。
  5. 前記ヘッドレストクッションに適用される荷重は、前記バネの伸長および収縮のうちの1つを作動させ、前記バネの伸長および収縮は、前記ヘッドレストクッションの基準位置への復帰を可能にすることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストシステム。
  6. 前記ヘッドレストシステムはレトロフィットシステムであることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレストシステム。
  7. 少なくとも1つのスロット付ガイド板、少なくとも1つの平板、および、少なくとも1つのスロット付ガイド柱部を備える可動アセンブリと、
    少なくとも1つのガイドロッド、および、少なくとも1つの直線状ガイド路を備える固定アセンブリを備え、
    前記可動アセンブリおよび前記固定アセンブリは、直線状ダンピングユニットを用いて連結され、前記直線状ダンピングユニットは前記スロット付ガイド柱部の内部に配置されていることを特徴とする車両のヘッドレストシステム。
  8. 前記スロット付ガイド板および前記スロット付ガイド柱部は、前記平板の並進運動を補助するように前記平板の後側で連結されることを特徴とする請求項7に記載のヘッドレストシステム。
  9. 前記少なくとも1つのガイドロッドは、直線状ガイド路に連結され、前記直線状ガイド路は前記可動アセンブリの動作を可能にすることを特徴とする請求項7に記載のヘッドレストシステム。
  10. 前記可動アセンブリおよび前記固定アセンブリは、前記車両のヘッドレストシステムに一体化され、前記少なくとも1つのガイドロッドは、前記ヘッドレストシステムを保持することを特徴とする請求項7に記載のヘッドレストシステム。
  11. 前記直線状ダンピングユニットは、前記平板に付加された荷重に基づいて、前記平板および前記直線状ガイド路の並進運動を制御することを特徴とする請求項7に記載のヘッドレストシステム。
  12. 前記ヘッドレストシステムはレトロフィットシステムであることを特徴とする請求項7に記載のヘッドレストシステム。
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