JP2017503801A - 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法 - Google Patents

小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2017503801A
JP2017503801A JP2016544840A JP2016544840A JP2017503801A JP 2017503801 A JP2017503801 A JP 2017503801A JP 2016544840 A JP2016544840 A JP 2016544840A JP 2016544840 A JP2016544840 A JP 2016544840A JP 2017503801 A JP2017503801 A JP 2017503801A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ppm
nitric oxide
treatment
administered
gas
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2016544840A
Other languages
English (en)
Inventor
ジム ポテンツィアーノ,
ジム ポテンツィアーノ,
ロナルド ブロニッキ,
ロナルド ブロニッキ,
ジェームス バルダサーレ,
ジェームス バルダサーレ,
Original Assignee
イノ セラピューティックス エルエルシー
イノ セラピューティックス エルエルシー
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by イノ セラピューティックス エルエルシー, イノ セラピューティックス エルエルシー filed Critical イノ セラピューティックス エルエルシー
Publication of JP2017503801A publication Critical patent/JP2017503801A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K33/00Medicinal preparations containing inorganic active ingredients
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61KPREPARATIONS FOR MEDICAL, DENTAL OR TOILETRY PURPOSES
    • A61K9/00Medicinal preparations characterised by special physical form
    • A61K9/0012Galenical forms characterised by the site of application
    • A61K9/007Pulmonary tract; Aromatherapy
    • AHUMAN NECESSITIES
    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
    • A61PSPECIFIC THERAPEUTIC ACTIVITY OF CHEMICAL COMPOUNDS OR MEDICINAL PREPARATIONS
    • A61P11/00Drugs for disorders of the respiratory system

Landscapes

  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Animal Behavior & Ethology (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Pharmacology & Pharmacy (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Veterinary Medicine (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Public Health (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Epidemiology (AREA)
  • Pulmonology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Nuclear Medicine, Radiotherapy & Molecular Imaging (AREA)
  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)

Abstract

本発明は、10ppm未満などの低濃度での一酸化窒素の投薬を使用した、小児における急性呼吸促迫症候群(ARDS)の治療を提供する。【選択図】図6

Description

本発明は、小児において急性呼吸促迫症候群を治療及び/又は防止するための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法に関する。
成人呼吸促迫症候群としてこれまで知られている急性呼吸促迫症候群(ARDS)は、十分な酸素が、肺及び血中へたどり着くのを防ぐ生死に関わる肺状態である。ARDSは、患者の肺への傷害、又は患者の肺における感染に起因し得る。
吸入一酸化窒素(iNO)は、ARDSを患う成人において、酸素化を一過的に改善させるが、死亡率を著しくは減少させない。ARDSを患う小児における転帰に対するiNOの影響は、ランダム化ノンクロスオーバー試験においてこれまで評価されていない。
本発明の1つ又は複数の実施態様は、低用量の吸入一酸化窒素(iNO)の投与によって、ARDSを患う小児を治療するか、又はARDSを発症する危険性のある小児においてARDSを防止する方法を対象とする。1つ又は複数の実施態様では、iNOの用量は、約10ppm未満、例えば約0.1ppmから約8ppmの範囲、又は約2ppmから約6ppmの範囲である。幾つかの実施態様では、NO用量は、約8ppm未満である。1つ又は複数の実施態様では、NO用量は、約5ppmである。
iNOは、比較的短期間の治療のために、例えば最大28日の治療期間で投与され得る。例示的な実施態様では、NOは、2日から2カ月の範囲の治療期間で投与される。
iNOは、患者の吸気、呼気又はその一部に投与され得る。1つ又は複数の実施態様では、iNOは、吸気の一部のみに投与され、例えば吸気の前半のみにiNOが投与される。
1つ又は複数の実施態様によれば、小児は、16歳未満であり得る。小児に関する例示的な年齢は、受胎後週数(post-conceptional age)44週から16歳までの範囲の年齢を含む。
1つ又は複数の実施態様では、小児は、NO投与中に、体外式膜型人工肺にかけられていない。
1つ又は複数の実施態様では、NOは、NO投与の開始の28日後に、小児が生存し、且つ人工呼吸器を用いない日数を増加させる。
また、ARDSを患うか又はARDSを発症する危険性のある小児における体外式膜型人工肺を用いない(ECMOを用いない)生存を増加させる方法であって、NOを含むガスを、10ppm未満のNOの用量でそれを必要とする小児へ投与することを含む方法を提供する。1つ又は複数の実施態様では、NO用量は、約0.1ppmから約8ppmまでの範囲、例えば約5ppmであり得る。
また、ARDSを患うか又はARDSを発症する危険性のある小児における人工呼吸器を用いない日数を増加させる方法であって、一酸化窒素(NO)を含むガスを、10ppm未満のNOの用量でそれを必要とする小児へ投与することを含む方法を提供する。1つ又は複数の実施態様では、NO用量は、約5ppmなどの約0.1ppmから約8ppmまでの範囲であり得る。
ARDSを患う成人に関する5ppmのiNO対プラセボの投与を調査する研究における対象全ての最終的な性質を示す。 本発明の1つ又は複数の例示的な実施態様によるAHRFを患う小児に関する5ppmのiNO対プラセボの投与を調査する研究における患者集団の概要を示す。 小児研究におけるAHRFに関する登録時の換気設定及びガス交換を示す。 小児研究におけるAHRFに関する患者のランダム化及び性質の概要を示す。 小児研究におけるAHRFに関するベースライン、4時間、12時間及び24時間時の酸素化指数を示す。 小児研究におけるAHRFに関する結果の概要を示す。
本発明は、吸入一酸化窒素(iNO)ガスを使用した小児におけるARDSの短期間の治療が、iNO療法の開始の28日後に、小児が人工呼吸器を用いない日数の増加をもたらしたという予期せぬ見解に向けられている。また、体外式膜型人工肺を用いない(ECMOを用いない)生存率が、プラセボを投与した小児よりもiNO療法で治療した小児において有意に高いことを予想外に見出した。成人においてARDSを治療するためのiNOの使用を調査するこれまでの研究は、死亡率の低減又は生存日数の増加及び呼吸補助なしのそれらの主要エンドポイントを満たさなかったため、ARDSを患う小児に関するiNO療法を調査する臨床研究が、研究療法を開始した28日後まで、患者が生存し、且つ抜管されたままの状態の日数に関して、統計学的有意性に達したことは驚くべきことであった。
したがって、本発明の1つ又は複数の実施態様は、iNOを使用した小児科ARDSの治療及び/又は防止を提供する。
定義
本明細書中で使用する場合、下記用語は、以下に記載する定義を有するべきである。
本明細書中で使用する場合、「治療用組成物」という用語は、患者へ送達される薬物を指す。「治療用組成物」という用語の使用は、薬物の食品医薬品局(FDA)の定義と一致して、疾患の診断、治癒、軽減、治療又は防止における使用を意図した物品である。かかる薬物は、窒素又はヘリウムなどの希釈剤又はキャリアガス中の一酸化窒素などの一酸化窒素を含むガスを含み得る。NO含有ガスは、ガスボンベから、又は投与の場所で、若しくは投与の場所付近で化学的にNOを発生するような、任意の公知の方法により供給され得る。NO含有ガスは、ボンベ又は他のガス供給源においてより高濃度で存在してもよく、使用前に、送達濃度へ希釈されてもよい。薬物は、薬物送達デバイスにより供給され得る。
デバイスの意味は、本明細書中で定義する場合、デバイスの食品医薬品局(FDA)の定義と一致する:デバイスは、構成部品又は付属品を含む、機器、装置、器具、機械、仕組み、移植片、in vitro試薬、又は他の類似若しくは関連した物品として定義され、それは:
・公式国民医薬品集、又は米国薬局方又はそれらに対する任意の補足で認識されるか、
・ヒト又は他の動物において、疾患若しくは他の状態の診断におけるか、又は疾患の治癒、軽減、治療若しくは防止における使用を対象としているか、あるいは
・ヒト若しくは他の動物の身体の構造又は任意の機能に影響を及ぼすと意図され、ヒト若しくは他の動物の身体内又は上で化学的作用を通じてその主要な本来の目的のいずれも達成せず、その主要な本来の目的のいずれかの達成のために代謝されることに左右されない。
本明細書中で使用する場合、デバイスは、一酸化窒素を含むガスを投与する一酸化窒素送達デバイスであり得る。適切な一酸化窒素送達デバイスとして、N.J.、ハンプトンにあるIkaria Inc.から入手可能なINOvent(登録商標)、INOmax(登録商標)DS及びINOmax DSIR(登録商標)送達デバイスが挙げられる。
本明細書中で使用する場合、「治療すること」という用語は、目的の疾患又は状態を有する患者(例えば、哺乳動物)における目的の疾患又は状態の治療を指し、例えば下記の1つ又は複数を含む:
(i)哺乳動物に生じる疾患又は状態を、特に、かかる哺乳動物が、その状態にかかりやすいが、それを有するとはまだ診断されていない場合に防止すること、
(ii)疾患又は状態を阻止すること(即ち、その発症を停止させること)、
(iii)疾患又は状態の程度を低減させること(即ち、疾患又は状態の退行を引き起こすこと)、あるいは
(iv)疾患又は状態に起因する症状を回復させること(即ち、基礎疾患又は状態に対処せずに痛みを緩和すること)。
本明細書中で使用する場合、「疾患」及び「状態」という用語は、交換可能に使用してもよく、あるいは特定の疾病又は状態が公知の原因物質を有し得ず(その結果、病因がいまだ解明されていない)、したがって、それがいまだ疾患として認識されず、望ましくない状態又は症候群としてのみ認識される(ここでは、症状の多かれ少なかれ特異的集合が、臨床医により同定されている)という点で異なってもよい。
本明細書中で使用する場合、「短期間の治療」は、最大約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、15、20若しくは25日、又は1カ月、2カ月若しくは3カ月の治療期間を指す。本明細書中に記載する治療は、ある特定の最小及び/又は最大治療期間を有し得る。最小治療期間は、約1、2、3、4、5、7、8、9、10、11、12、15、18若しくは24時間、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、28若しくは30日を含み得る。最大治療期間は、約12、18若しくは24時間、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、20、25、28若しくは30日、又は約2、4、6、8、10若しくは12週、又は約1、2、3、4、5若しくは6カ月を含み得る。
本明細書中で使用する場合、「慢性治療」は、3カ月よりも長い治療期間を指す。
本明細書中で使用する場合、「患者」という用語は、本発明の方法による治療が提供されるヒトを指す。
本明細書中で使用する場合、「対象」という用語は、「患者」と交換可能に使用される。
本明細書中で使用する場合、「小児」という用語は、18歳未満のヒトを指す。1つ又は複数の実施態様では、治療されるべき小児は、受胎後週数44週から16歳までの年齢であり得る。「受胎後週数」は、受胎日+暦月齢に関する乳児の月齢を指す。様々な実施態様では、小児に関する下限月齢範囲は、受胎後週数36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49若しくは50週、又は暦週齢1、2、3、4、5、6、7若しくは8週、又は暦月齢1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、15、18、21若しくは24カ月であり得る。「暦月齢」という用語は、出生日に関する月齢を指す。様々な実施態様では、小児に関する上限年齢範囲は、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2又は1歳であり得る。
本明細書中で使用する場合、「投与すること」という用語は、治療用組成物、デバイス又は他の作用物質を対象へ、移行、送達、導入又は輸送する任意の様式を指す。治療用組成物、デバイス又は他の作用物質の投与は、同時に、又は時間内に順次行われ得る。さらに、治療用組成物、デバイス又は他の作用物質(複数可)の投与は、同じか、又は異なる経路(複数可)によってもよい。
本明細書中で使用する場合、「有効量」という用語は、意図される効果又は生理学的転帰を引き起こすのに十分な期間、患者(例えば、哺乳動物)へ投与される場合のその量を指す。「有効量」を構成する治療用組成物の量は、状態及びその重篤性、投与様式、及び患者(例えば、治療されるべき哺乳動物の年齢)に応じて様々であるが、当業者の知識及びこの開示を考慮して、当業者により常套的に決定され得る。
例えば、一実施態様では、「有効量」という用語は、測定可能な結果を達成することができる量を指す。一実施態様では、「有効量」は、例えば、コントロール第2相又は第3相臨床試験において内科的治療を必要とするヒト対象へ投与される場合に、事前に規定された臨床的エンドポイントに対して統計学的に有意な有益性をもたらす量である。
本明細書中で使用する場合、「適応症」という用語は、肺疾患、急性肺傷害(ALI)、急性呼吸促迫症候群(ARDS)及び急性低酸素呼吸不全(AHRF)を含むが、それらに限定されない。ARDSは、内科的状態AHRFに関連し、ARDSは多くの場合、肺高血圧症(PH)などの灌流関連構成要素を有する。
ARDS及びALIは、当業者により、任意の許容される判断基準によって決定され得る。判断基準のかかる集合は、(1)胸部X線の状況に関する急性両側性浸潤物、(2)ARDSに関しては200未満、及び急性肺傷害(ALI)に関しては300未満の吸入酸素の分画に対する動脈血中の酸素の分圧の比(PaO/FiO又はPF比)、及び(3)楔型肺動脈カテーテル法を用いた左心房充満圧の評価又は臨床的評価に基づく心原性肺水腫を含む。通常、小児では、胸部X線写真及び心エコー図は、特に、小児における非心原性肺水腫の比較的低い発生率を前提として、左心房充満圧を評価するのに肺動脈カテーテル法に代用される。本明細書中に記載する疾患又は障害のいずれかを決定するのに使用される許容医療判断基準は、医学界における発展又は技術の進歩に起因して適応し得る。
本発明の方法及び組成物は、米国特許第6103275号に記載されるいずれかを含む、一酸化窒素のガス状形態、液体一酸化窒素組成物又は一酸化窒素の任意の医療上適用される有用な形態のいずれかを使用して治療されている任意の疾患又は障害を含む、様々な疾患及び障害を治療又は防止するのに使用され得る。
本明細書中で使用する場合、「組織」という用語は、損傷組織を含む任意の哺乳動物身体組織、望ましくはヒト身体組織を指す。身体組織は、本発明の教示によれば、筋肉組織、特に心臓組織、より詳細には、左心室壁心筋組織などの心筋組織であり得るが、それらに限定されない。
本明細書中で使用する場合、「損傷組織」という用語は、例えば損傷を受けた肺組織(pulmonary tissue)、特に損傷を受けた肺組織(lung tissue)を含む任意の損傷哺乳類身体組織を指す。
ガス及びガスの検出
吸入によるNOの安全且つ有効な投与方法は、当該技術分野で周知である。例えば、Zapol、米国特許第5570683号;Zapol等、米国特許第5904938号;Bathe等、米国特許第5558083号;Frostell等、1991、Circulation 83:2038−2047を参照されたい。吸入用のNOは市販されている(INOmax(登録商標)、Ikaria,Inc.、N.J.、ハンプトン)。これらの参照文献はそれぞれ、その全体が出典明示により援用される。本発明では、NO吸入は好ましくは、確立された医療業務に従う。
iNOは、満期新生児及び短期新生児における低酸素呼吸不全の治療用のINOmax(登録商標)として市販されている。例えば、その全体が出典明示により援用されるINOmax(登録商標)添付文書(www.inomax.com)を参照されたい。
吸入一酸化窒素は、窒素及び/又は他の不活性ガス中での希釈により使用のために配合されてもよく、酸素、空気及び/又は任意の他の適切なガス、又は所望の比での多重ガスの組合せと混合して投与されてもよい。
1つ又は複数の実施態様では、NOは、10ppm未満の用量で投与される。例示的な用量範囲は、約0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9又は9.5ppmの最小用量、及び約1、1.5、2、2.5、3、3.5、4、4.5、5、5.5、6、6.5、7、7.5、8、8.5、9、10、11、12、13、14、15、20、25、30、35、40、45又は50ppmの最大用量を含む。
一酸化窒素は、患者の吸気全体に投与されてもよく、又は患者の吸気の一部のみに関して投与されてもよい。1つ又は複数の実施態様では、NOは、最後の約10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%又は90%では投与されない(即ち、NOは、患者の吸気の開始時のみに投与される)。NO投与は、吸気及び呼気中のいかなる時点で開始及び終了させることができる。
1つ又は複数の実施態様では、一酸化窒素療法は、ARDSの治療及び/又はARDSの防止において早い段階で開始される。本明細書中に記載するように一酸化酸素を投与することにより、ARDS発症前又はARDS発症初期に一酸化窒素が投与されると、より大きな有益性を有し得ると考えられる。
幾つかの実施態様では、iNO投与は、ARDSを患う小児に関する体外式膜型人工肺(ECMO)療法に対する代替法として使用され得る。患者の呼吸及び/又は肺パラメーターは、ECMO療法が必要であるかどうかを決定するのに高頻度で検査され得る。例えば、患者のパラメーターは、数日当たり複数回(1日当たり2回、3回、4回等など)検査されてもよく、あるいは毎日又は数日毎に(2日毎、3日毎、4日毎等など)検査されてもよい。iNOはまた、ECMO療法に加えて投与されてもよい。
比較例1−成人ARDS研究
導入
吸入一酸化窒素(iNO)は、肺高血圧症の臨床的又は心エコー図根拠に関連付けられる低酸素呼吸不全を患う満期新生児及び短期新生児の治療に適応される血管拡張剤である。これらの患者において、iNOは、酸素化を改善して、体外式膜型人工肺療法の必要性を低減させている。NOは、細胞質グアニル酸シクラーゼに結合及び活性化して、それによりサイクリックグアノシン3’,5’−一リン酸(cGMP)の細胞内レベルを増加させる。このことは、次いで、血管平滑筋を弛緩させて、血管拡張を引き起こす。吸入NOは効率的なヘモグロビン除去の結果として、最小の全身血管系効果で、肺血管系を選択的に拡張させる。急性肺傷害(ALI)及び急性呼吸促迫症候群(ARDS)では、動脈血酸素の分圧(PaO)の増加が、より良好な換気された肺領域において肺血管拡張に続発して起きると考えられる。結果として、肺血流は、低い換気/灌流比を有する肺領域から離れて、正常な比を有する領域に向かって再分布される。
アルプロスタジル、アセチルシステイン、コルチコステロイド、界面活性剤、ダゾキシベン及びアシクロビルを含む多くの薬理学的治療が、ARDS患者において調査されてきた。2004年を通して完了した治験のメタ解析は、上述の治療のいずれを用いた場合にも、統計学的に有意な死亡率有益性を示さなかった。
研究
大規模なランダム化盲検プラセボコントロール研究を、46個のアメリカの病院の集中治療室(ICU)で実施して、中等度の急性肺傷害(ALI)を患う385名の患者において、低用量(5ppm)iNOの効率を評価した。この研究の主要エンドポイントは、生存日数及び呼吸補助なしであった。治療企図解析の結果により、吸入NO(iNO)は、それが、死亡率、生存日数及び呼吸補助なし、又は生存日数及び抜管に関する酸素化判断基準を満たすことに関連した場合、コントロール(窒素ガス)に対して有意な有益性を有さないことが明らかとなった。しかしながら、iNO治療は、48時間までに解決される治療の最初の24時間のうちに動脈血酸素の分圧(PaO)の有意な増加をもたらした(p<0.05)。
安全性の結果
最初の28日の研究期間に関する安全性の結果が報告されており、ここで簡潔に要約する。プラセボを付与した患者に関する666個の事象に対して、総計630個の有害事象(AE)が、iNOで治療した患者に関して報告された。呼吸器系AEは、プラセボ群における肺炎、気胸及び無呼吸のより高頻度に主に起因して、それぞれiNO及びプラセボを付与した患者の51%対61%で見られた。他のAEの頻度は、両群において類似していた。
患者
患者は、重篤な敗血症以外の原因に起因した、アメリカヨーロッパコンセンサス会議の判断基準の変更(PaO/吸入酸素濃度[FiO]比250mmHg以下)により規定される急性肺傷害(ALI)を有していた。ランダム化時の非肺系統不全の兆候及び敗血症誘導性ARDSを有する患者は排除した。同様に、患者が、昇圧剤支援を必要とする持続性低血圧症、重篤な敗血症を支持する血行動態的プロファイル、重篤な頭部外傷、重篤な熱傷、又はベースライン時の他の著しい臓器系機能不全の兆候を有した場合には、その患者を排除した。
治療
吸入プラセボガス(窒素)又は5ppmのiNO(INO Therapeutics Inc.、ルイジアナ、ポートアレン)のいずれかを付与するように、患者をランダムに割り当てた。患者、医療従事者及び研究者は全て、割り当てられた治療に対して知らされていなかった。吸入NOは、治療ガス(窒素又は100ppmバランス窒素でのNO)を人工呼吸器ガスと1:20でブレンドしたINOvent(登録商標)送達システム(Datex−Ohmeda、ウィスコンシン、マディソン)を介して投与して、人工呼吸器の吸気先端部分(inspiratory limb)において標的ppm値を達成した。
iNO送達システムを使用した患者には全て、機械的換気補助を付与した。下記判断基準のうち1つが満たされるまで、活性又はプラセボガスを用いて治療を続けた:[1]治験の終了(28日)、[2]死亡、又は[3]0.4以下のFiO及びHO5cm以下の呼気終末陽圧(PEEP)の人工呼吸器設定で治療ガスを用いない適当な酸素化(92%以上のパルスオキシメトリによる動脈血酸素飽和度[SpO]又は63mmHg以上のPaO)。治療ガスの減少は、治療ガス濃度が0%に達するか、又は酸素化判断基準が満たされなくなるまで、30分毎に20%の減衰で続いた(吸入NOに関して1ppmずつ徐々に減量した)。酸素化判断基準が満たされなかった場合、治療ガス濃度は、それらが再び達成されるまで徐々に増量させた。漸増設定の増分は、動脈血脱飽和(arterial desaturation)の度合いに基づいて、臨床医により決定された。
入院中に測定した呼吸パラメーター
ベースライン酸素化尺度として、PaO、COの動脈分圧(PaCO)、SpO、FiO、PEEP、PaO/FiO比、心拍数、1回換気量及び平均気道内圧が挙げられた。呼吸パラメーター(FiO、PEEP、及びPaO/FiO比)を、機械的換気中に12時間毎に症例報告書形式で記録した。
統計学的方法
ベースライン臨床的及び人口統計学的特徴における群間差を、カテゴリー変数に関してはFisherの正確検定及びカイ二乗検定を用いて、また連続変数に関してはウィルコクソンの順位和検定を用いて評価した。2群におけるベースライン酸素化及び呼吸/酸素化パラメーターは、ウィルコクソンの順位和検定を使用して比較した。FiO、PEEP及びPaO/FiO比の曲線下面積(AUC)は、台形の法則を使用して算出した。各々のAUCが標準的に分布されるという帰無仮説は、シャピロ・ウイルク検定を用いて拒絶された。ウィルコクソンの順位和検定を利用して、治療群間の各AUC中央値の差を評価した。0.05未満のp値は有意であるとみなした。
結果
人口統計学及びベースラインの特徴
本来の研究及び6カ月の経過観察における対象全ての最終的な性質を図1に示す。ベースラインの患者の特徴を表1に要約する。2つの治療群における患者は、全ての人口統計学的変数に関して十分適合させた。唯一の有意な群間差は、重量に関するものであった(それぞれ、iNO及びプラセボに関して、76.35±19.16kg[平均値±SD]対85.67±24.10kg;p=0.0489)。ARDS病因に関して、群間の有意な差は見られなかった。疾病の重篤性、併存症慢性呼吸状態(即ち、喘息、慢性閉塞性肺疾患、又は他の閉塞性若しくは拘束性肺疾患)の頻度、又は吸入コルチコステロイドの使用に関して、群間の差は見られなかった。より多くの対象が、iNO群において喫煙歴を有していた(26対17、p=0.41)。
ベースライン酸素化パラメーター
PaO、PaCO、SpO、FiO、PEEP、及びPaO/FiO比を含むベースライン酸素化パラメーターを表2に要約する。この解析に含まれる患者は重病であり、140.5±43.4(iNO)及び136.1±40.4(プラセボ)の平均ベースラインPaO/FiO比を有していた。SpOの臨床的に重要ではない差を除いて、ベースライン酸素化パラメーターに関して、有意な群間差は見られなかった。
ベースライン呼吸パラメーター
呼吸数、1回換気量及び平均気道内圧を含むベースライン呼吸パラメーターを表3に要約する。これらの測定のいずれに関しても群間で有意な差は見られなかった。
機械的換気中の呼吸パラメーター
酸素補給におけるベースラインパラメーター、PEEP、又はPaO/FiO比からの集合体の患者1人当たりの変化に関して、群間に有意な差は見られなかった。しかしながら、総FiOに関して機械的換気の全長にわたる曝露の持続期間(それぞれ、iNO及びプラセボ群に関して、6.3+4.5日対7.6+4.7日;p=0.151)、総PEEP(96.3+75.9対113.4+81.1mmHg、p=0.261)及び総PaO/FiO比(2637+1729対2950+1774、p=0.358)を算出する場合、iNO群は、3つの変数全てに対してあまり累積的ではない曝露を有していた(表4)
概要
多数の介入を評価する臨床試験は、ARDS患者において死亡率を減少させるのに有意な有益性を繰り返し実証することはできなかった。この臨床試験、並びにALI又はARDS患者における12個のランダム化コントロール試験のメタ解析は、死亡率を減少させるのにiNOの有意な有益性を示さなかった。
吸入NOは、ARDSを患う患者において短期死亡率を改善しなかった。

表1は、研究群のベースラインの人口統計学的及び臨床的特徴の概要である。
表2は、研究群(プラセボ及び治療)のベースライン酸素化パラメーターの概要である。
表3は、研究群(プラセボ及び治療)のベースライン呼吸パラメーターの概要である。
表4は、ガス投与中の曝露パラメーターの持続期間の概要である。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
実施例1−小児科AHRF研究
要約
方法論
これは、急性低酸素呼吸不全(AHRF)を患う小児科対象における吸入一酸化窒素の安全性及び有効性の前向き多施設ランダム化二重盲検プラセボコントロール並行群研究であった。対象は、5ppmの吸入一酸化窒素又はプラセボのいずれかを付与するようにランダム化した。
対象数(計画及び解析)
総計350名の対象(治療群1つ当たり175名)を計画した。低登録のため(また、安全性の理由ではない)、治験は、55名の対象が登録されたら終了させた。研究集団の概要を図2に提供し、登録時の換気設定及びガス交換を図3に示す。
受け入れのための診断及び主な判断基準
挿管を必要とするAHRFを患う小児集中治療室(PICU)に入れられている小児科対象。
試験製品、用量及び投与様式
5ppmでの吸入用の一酸化窒素を、INOvent(登録商標)送達システムの盲検バージョンを使用して、機械的に換気した対象における人工呼吸器回路の吸気先端部分へ連続的に投与した。
治療の持続期間
対象に、28日目又は抜管(いずれか早く起きたほう)まで、100%治療ガス(一酸化窒素5ppm又はプラセボ[窒素ガス])を付与した。
参照療法、用量及び投与様式
100%グレード5窒素ガスで構成されるプラセボを、5ppm用量の一酸化窒素と等しい速度で、INOvent(登録商標)送達システムの盲検バージョンを使用して、機械的に換気した対象における人工呼吸器回路の吸気先端部分へ連続的に投与した。
概要−結論
有効性の結果:
完全有効性解析に代わって、有効性データを収集して、要約した。挿管の平均持続期間、PICU中の日数、並びに高頻度振動換気、体外式膜型人工肺、及び気胸の頻度は、プラセボ群に関するよりも一酸化窒素群に関して低かった一方で、酸素補給の持続期間及び退院時の人工呼吸器関連肺炎の頻度は、プラセボ群に関するよりも一酸化窒素群に関して高かった。
29名の患者にプラセボを付与して、26名の患者にiNOを付与した。患者ランダム化及び性質の概要を図4に示す。iNOにランダム化された2名の患者を、研究ガスの早期終結に起因して研究から撤回した。平均ベースライン酸素化指数(OI)は、それぞれ、プラセボ及びiNO群で25.6+/−14.9及び22.0+/−18.4であった(p=NS)。図5に示すように、4時間時ではiNO群においてベースライン値と比較した場合にOIのより大きな改善が見られ(それぞれ、プラセボ及びiNO群で26.1+/−19.5及び14.3+/−5.9、p=0.09)、それは、12時間時には有意となった(24.5+/−22.0対14.7+/−6.0、p=0.04)。24時間までに、群間の酸素化における有意な差は見られなかった(それぞれ、プラセボ及びiNO群で16.7+/−9.9及び15.2+/−10.8、p=0.53)。28日目に生存し、且つ人工呼吸器を用いない日数は、iNOにランダム化したものにおいてより多かった(9.1+/−9.5対14.2+/18.1日)(p=0.05)。28日目の生存は、iNO群では24名中22名、プラセボ群では29名中21名であり(p=0.07)、ECMOを用いない生存率は、iNOにランダム化したものにおいてより有意に高かった(24名中22名対29名中15名、p<0.01)。これらの結果を図6に示す。
安全性の結果:
吸入一酸化窒素を付与した対象は、プラセボを付与した対象よりも有害事象(AE)を受ける可能性が低く、プラセボ群中の21名の対象(72.4%)が93個のAEを報告し、一酸化窒素群の16名の対象(61.5%)が52個のAEを報告した。プラセボ群における2名の対象により報告される4個のAEは、治療と関係があると疑われた。AEに起因する治療の中断の頻度は、プラセボ群に関しては6.9%であり、一酸化窒素群に関しては3.9%であった。プラセボで治療した対象と比較して、一酸化窒素で治療した対象は、研究中により少ない重大AEを報告し(27.6%対3.9%)、より高い生存率を有した(72.4%対88.5%)。死亡なし、重度AE、重篤AE、又は治療の中断をもたらすAEは、研究治療に関連すると疑われた。メトヘモグロビンレベルのパーセントは、プラセボ及び一酸化窒素群の両方で正常範囲内であった。これらのレベルは、治療の中断を余儀なくさせたレベルを十分下回った。
結論:
吸入一酸化窒素5ppmの安全性プロファイルは、メトヘモグロビンレベル、AEの頻度、及び特に死亡率に関して、プラセボの安全性プロファイルと比べて勝るとも劣らないようである。吸入一酸化窒素の使用に関する重大な懸念は、この研究の結果からは発生せず、吸入一酸化窒素5ppmは安全であり、AHRFを患う小児に十分許容されるようである。
予想外に、iNOは、機械的換気(MV)の持続期間を短縮し、生存率を改善し、それらはともに、統計学的有意性に達した。ECMOを用いない生存率は、iNOにランダム化されたものにおいて有意に大きかった。これは、小児科ARDSにおける転帰に対するiNOの影響を評価するための最初のランダム化されたノンクロスオーバー研究であると考えられる。これまでの研究は、クロスオーバー設計を取り込んでおり、転帰の解析を除外しなかった。
研究の詳細
これは、小児科対象における急性低酸素呼吸不全(AHRF)の治療における吸入用の一酸化窒素の影響を評価するための前向き多施設ランダム化二重盲検プラセボコントロール第3相研究であった。研究集団は、男児及び女児の小児科対象で構成され、受胎後週数44週から16歳の年齢であり、彼らは、小児集中治療室(PICU)に入れられており、AHRFのため挿管を必要としていた。受け入れ/排除判断基準を以下の患者の欄に記載する。
標準換気管理及び離脱手順を使用した。換気管理は、呼気終末陽圧(PEEP)を使用した「開放肺アプローチ」に基づいて使用されて、肺容量及び限定的な1回換気量を増加させて、プラトー圧を低減させた。対象に、5ppmでの吸入用の一酸化窒素又はプラセボ(100%グレード5窒素ガス)を、INOvent(登録商標)送達システムの盲検バージョンを使用して、人工呼吸器回路の吸気先端部分へ付与した。28日目又は抜管(いずれか早く起きたほう)まで、対象を治療した。対象は、施設の標準治療に従って、自発呼吸試験を使用して毎日評価した。動脈血液ガス(ABG)、人工呼吸器設定、メトヘモグロビン、酸素化指数、収縮期血圧、拡張期血圧、小児死亡率リスク(PRISM)IIIスコア及び対象の体位(腹臥位又は仰臥位)を、研究中に指定回数で実施/記録した。選択した施設はまた、血漿サイトカインアッセイ、気管支肺胞洗浄液(BALF)アッセイ及び6カ月の経過観察評価を実施した。
患者
患者に関する受け入れ判断基準は下記の通りであった:
1. 受胎後週数44週から16歳まで
2. 酸素化指数(OI)≧12cmHO/mmHg(30分から4時間間隔で2回の別個の測定により決定されるような)
3. 少なくとも一側性浸潤物を示す最近の胸部X線(24時間以内)
4. 機械的に換気(経口又は鼻咽頭)<7日。
患者に関する排除判断基準は下記の通りであった:
1. 易免疫性
2. 骨髄移植を受けた
3. 活性な腫瘍学的状態
4. 持続性左右心臓内シャント
5. ここ14日以内に心臓血管手術
6. 喘息重積状態
7. かかりつけ医が全面的な支援を提供しない決定(無益性)
8. 研究開始前の24時間以内に吸入用の一酸化窒素による治療又は他の研究中の投薬を受けた
9. 慢性的に人工呼吸
10. 妊娠中。
研究設計及び評価のスケジュール
下記評価を、ベースライン時に行った:動脈血液ガス、人工呼吸器設定、メトヘモグロビン、腹臥位、PRISM IIIスコア、酸素化指数、収縮期及び拡張期血圧、気管支肺胞洗浄液アッセイ及び血漿サイトカイン。
下記評価を、療法の開始の4時間±1時後に行った:動脈血液ガス、人工呼吸器設定及びメトヘモグロビン。
下記評価を、療法の開始の12時間±2時間後に行った:動脈血液ガス及び人工呼吸器設定。
下記評価を、療法の開始の24時間±2時間後に行った:動脈血液ガス、人工呼吸器設定、メトヘモグロビン、収縮期及び拡張期血圧及び血漿サイトカイン。
下記評価を、療法の開始の48時間後に行った:気管支肺胞洗浄液アッセイ。
下記評価を、療法の開始の72時間後に行った:血漿サイトカイン。
下記評価を、療法の開始の5日後に行った:気管支肺胞洗浄液アッセイ。
下記評価を、療法の開始の7日後に行った:血漿サイトカイン。
腹臥位の体位を毎日評価して、24時間以内で8時間以上が腹臥位であるかどうかを決定した。
下記評価を、治療の最後に行った:血漿サイトカイン。
下記評価を、経過観察来診中に行った:肺機能試験(対象6歳未満)、バイタルサイン(呼吸数及びスポット酸素飽和度)及び胸部X線。
下記の場合に、抜管が認められた:
i. 10cmHO未満の圧補助
ii. .60未満のFiO
iii. 6cmHO未満のPEEP
iv. 一酸化窒素が、30分間中断されている。
抜管は、上記判断基準を満たした12時間以内に行われた。患者が上記判断基準を満たしたが、12時間以内に抜管されなかった場合、その理由(即ち、気道確保、手術、分泌物の排出等)を文書化した。
患者の性質
55名の対象を登録して、治療に対してランダム化した。治療企図集団は、プラセボによる治療に対してランダム化された30名の対象、及び一酸化窒素5ppmによる治療に対してランダム化された25名の対象で構成された。本来はプラセボを付与するようにランダム化された1名の対象に、誤って一酸化窒素を付与した。この対象は、治験全体にわたって、一酸化窒素による治療を継続させた。したがって、安全性集団は、プラセボを付与した29名の対象、及び一酸化窒素を投与した26名の対象で構成された。
登録した55名の対象のうち、プラセボ群における21名(72.4%)及び一酸化窒素群における21名(80.8%)は、28日の研究を完了させたか、又は首尾よく抜管された。残りの対象のうち、プラセボ群における8名(27.6%)及び一酸化窒素群における2名(7.7%)は死亡し、一酸化窒素群における3名の対象は、死亡以外の理由で治療を中断した。対象の転帰を表5に要約する。
Figure 2017503801
有効性の評価
人口統計学及び他のベースラインの特徴
研究集団のベースラインの特徴を表6に要約する。
Figure 2017503801
研究集団の病歴を表7に要約する。
Figure 2017503801
併用コルチコステロイド投薬を表8に要約する。
Figure 2017503801
有効性の結果及び個々の患者データの作表
完全有効性解析は実施しなかった。しかしながら、有効性データを収集して、要約した。表9に示すように、挿管の平均日数、PICUにおける日数、及び高頻度振動換気(HFOV)の頻度、体外式膜型人工肺(ECMO)、及び気胸は、プラセボ群の場合よりも一酸化窒素群の場合に低かったのに対して、酸素補給の平均日数、及び退院時のVAPの頻度は、プラセボ群に関してよりも一酸化窒素群に関して高かった。生存率は、プラセボ群に関しては72.4%であり、一酸化窒素群に関しては88.5%であった。
Figure 2017503801
安全性評価
曝露の程度
治療の平均持続期間は、両方の治療群における対象に関して13日であった(表10)。プラセボ群からの1名の対象、及び一酸化窒素を付与した1名の対象は、彼らの研究薬物終了日時が未知であったため、この表から排除したことに留意されたい。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
有害事象
プラセボを付与した29名の対象のうち21名(72.4%)において93個のAEが報告された。総計52個のAEが、一酸化窒素を付与した26名の対象のうち16名(61.5%)において報告された。4個のAE(プラセボ群における2名の対象において報告された)が、治療との関係を有することが疑われた。
プラセボを付与した29名の対象のうち8名(27.6%)において21個の重大有害事象(SAE)が報告され、一酸化窒素を付与した26名の対象のうち1名(3.9%)において2個のSAEが報告された。プラセボを付与した10名の対象(34.5%)において27個の重篤AEが報告され、一酸化窒素を付与した2名の対象(7.7%)において4個の重篤AEが報告された。プラセボを付与した2名の対象(6.9%)において報告された2個のAE、及び一酸化窒素を付与した1名の対象(3.9%)において報告された2個のAEは、研究治療の中断をもたらした。重大AEも重篤AEも、研究治療に関連すると疑われなかった。AEの全体的な概要を表12に提示する。
Figure 2017503801
最も高頻度に報告されるAEは、プラセボ群に関しては低カリウム血症及び気胸であり、一酸化窒素群に関しては、徐脈及び低血圧症であった。AE全てを表14に提示する。いずれかの治療群における3名又はそれ以上の対象で起きる有害事象を表13に要約する。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
プラセボ群における2名の対象において報告された4個のAEは、研究治療に関連すると疑われた(1名の対象が、興奮及び高脂血症を有し、別の対象が、高アンモニア血症及びC反応性タンパク質の増加を有した)。これらは全て、穏やかな非重大AEであり、高アンモニア血症を除いた全てが、研究の終わりまでに解決された(表15を参照)。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
死亡、他の重大有害事象、及び他の著しい有害事象
研究又は経過観察期間中に、11名の対象が死亡した。プラセボによる治療中に8名が死亡し、一酸化窒素による治療中に2名が死亡し、一酸化窒素による治療後の経過観察期間中に1名が死亡した。死亡した対象は全て、表16で同定される。死亡した4名の対象は、「死亡」が転帰である列挙されるAEを有さず、これらの対象のうち1名は、治療期間後に死亡した。死亡が転帰であるAEの概要を表17に提供する。死亡が転帰であるAEはいずれも、研究治療に関連されると疑われた(表18)。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
プラセボを付与した29名の対象のうち8名(27.6%)において21個のSAEが報告され、一酸化窒素を付与した26名の対象のうち1名(3.9%)において2個のSAEが報告された。SAEを患う対象は全て、表19で同定する。SAEは、いずれかの治療群において1名よりも多い対象により報告されず(表20)、SAEは、研究治療との疑わしい関係を有さなかった(表21)。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
プラセボを付与した29名の対象のうち2名(6.9%)において報告された2個のAE、及び一酸化窒素を付与した26名の対象のうち1名(3.9%)において報告された2個のAEは、研究治療の中断をもたらした。1個又は複数のAEのため、研究治療が中断された対象は全て、表22で同定する。治療中断をもたらしたAEは、いずれかの治療群において、1名よりも多い対象により報告されず(表23)、いずれも、研究治療との疑わしい関係を有さなかった(表24)。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
臨床検査室評価
メトヘモグロビンレベルのパーセントは、ベースライン時、並びに4時間及び24時間時に得られた。メトヘモグロビンレベルのパーセントは、プラセボ及び一酸化窒素群の両方において正常範囲内であった。これらのレベルは、治療の中断を余儀なくさせたレベルを十分下回った。メトヘモグロビンレベルのパーセントを表25に要約する。
Figure 2017503801
バイタルサイン、身体所見、及び安全性に関連した他の観察
平均収縮期及び拡張期血圧は、両群において24時間時に、ベースラインからわずかに増加した。ベースライン時及び24時間時の両方で計った収縮期及び拡張期血圧に関する記述統計学を表26に要約する。
Figure 2017503801
ベースライン時に計ったPRISM IIIワークシート値(収縮期血圧、温度、心拍数、瞳孔反応性、グラスゴー昏睡尺度、pH、二酸化炭素圧[pCO]、総二酸化炭素、酸素の分圧[PaO]、グルコース、カリウム、血中尿素窒素、クレアチニン、白血球数、血小板数、プロトロンビン時間、及び部分トロンボプラスチン時間)に関する記述統計学を表27に概要する。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
呼吸値に関する記述統計学を表28に要約する。酸素状態は、スクリーニング時のみで決定した。HFOVカテゴリーにおける呼吸値は、ベースライン、4時間、12時間及び24時間時に得た。従来の機械的換気[CMV]及びABGのカテゴリーにおける呼吸値は、ベースライン、4時間、12時間、24時間時、及び抜管時に得た。
胸部X線を実施した6名の対象のうち、4名(13.8%)(その全てがプラセボ群に存在していた)は、慢性の変化/持続性浸潤物の兆候を有していた。
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
Figure 2017503801
論述及び全体的な結論
吸入一酸化窒素を付与した対象は、プラセボを付与した対象よりもAEを受ける可能性が低く、プラセボ群における21名の対象(72.4%)が、93個のAEを報告し、一酸化窒素群における16名の対象(61.5%)が、52個のAEを報告した。プラセボ群における2名の対象により報告された4個のAEは、治療に対する関係を有すると疑われた。
AEに起因した治療の中断の頻度は、プラセボ群に関しては6.9%、一酸化窒素群に関しては3.9%であった。プラセボで治療した対象と比較して、一酸化窒素で治療した対象は、研究中にわずかな重大AEを報告しており(27.6%対3.9%)、より高い生存率を有した(72.4%対88.5%)。死亡なし、重大AE、重篤AE、又は治療の中断をもたらすAEは、研究治療に関連すると疑われた。
一酸化窒素5ppmを吸入した対象に関するメトヘモグロビンレベルのパーセントは、研究中のほとんどの時点で、プラセボ群における対象に関するメトヘモグロビンレベルのパーセントに等しいか、又はそれ未満であり、吸入一酸化窒素が、十分許容され、この研究で使用される低用量で、高レベルのメトヘモグロビンに関連付けられる可能性は低いことを示した。
吸入一酸化窒素5ppmの安全性プロファイルは、メトヘモグロビンレベル、AEの頻度、及び特に死亡率に関して、プラセボの安全性プロファイルと比べて勝るとも劣らないようである。吸入一酸化窒素の使用に関する重大な懸念は、この研究の結果からは発生せず、吸入一酸化窒素5ppmは安全であり、急性低酸素呼吸不全を患う小児により十分許容されるようである。

Claims (21)

  1. 小児における急性呼吸促迫症候群(ARDS)の治療における使用のための一酸化窒素(NO)を含むガスであって、NOは、10ppm未満のNOの用量でそれを必要とする小児へ投与される、ガス。
  2. NOが、約0.1ppmから約8ppmの範囲の用量で投与される、請求項1に記載のガス。
  3. NOが、約2ppmから約6ppmの範囲の用量で投与される、請求項1に記載のガス。
  4. NOが、約8ppm未満の用量で投与される、請求項1に記載のガス。
  5. NOが、約5ppmの用量で投与される、請求項1に記載のガス。
  6. NOが、最大28日の治療期間で投与される、請求項1から5の何れか一項に記載のガス。
  7. NOが、2日から2カ月の範囲の治療期間で投与される、請求項1から5の何れか一項に記載のガス。
  8. NOが、吸気の一部のみに投与される、請求項1から7の何れか一項に記載のガス。
  9. NOが、吸気の後半には投与されない、請求項1から8の何れか一項に記載のガス。
  10. 小児が、16歳未満である、請求項1から9の何れか一項に記載のガス。
  11. 小児が、NO投与中に体外式膜型人工肺にかけられていない、請求項1から10の何れか一項に記載のガス。
  12. NOの投与が、NO投与の開始の28日後に、小児が生存し、且つ人工呼吸器を用いない日数を増加させる、請求項1から11の何れか一項に記載のガス。
  13. 請求項1から12の何れか一項に記載のガスを送達するためのNO送達システム。
  14. 前記NO送達システムが、10ppm未満のNOの用量でNOを投与する、請求項13に記載のシステム。
  15. 前記NO送達システムが、約5ppmのNOの用量でNOを投与する、請求項13に記載のシステム。
  16. 急性呼吸促迫症候群(ARDS)を患うか又はARDSを発症する危険性のある小児における体外式膜型人工肺を用いない(ECMOを用いない)生存を増加させる方法であって、一酸化窒素(NO)を含むガスを、10ppm未満のNOの用量でそれを必要とする小児へ投与することを含む、方法。
  17. NOが、約0.1ppmから約8ppmの範囲の用量で投与される、請求項16に記載の方法。
  18. NOが、約5ppmの用量で投与される、請求項16に記載の方法。
  19. 急性呼吸促迫症候群(ARDS)を患うか又はARDSを発症する危険性のある小児における人工呼吸器を用いない日数を増加させる方法であって、一酸化窒素(NO)を含むガスを、10ppm未満のNOの用量でそれを必要とする小児へ投与することを含む、方法。
  20. NOが、約0.1ppmから約8ppmの範囲の用量で投与される、請求項19に記載の方法。
  21. NOが、約5ppmの用量で投与される、請求項19に記載の方法。
JP2016544840A 2014-01-10 2015-01-09 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法 Pending JP2017503801A (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201461925925P 2014-01-10 2014-01-10
US61/925,925 2014-01-10
US14/593,085 2015-01-09
US14/593,085 US9381212B2 (en) 2014-01-10 2015-01-09 Methods of using inhaled nitric oxide gas for treatment of acute respiratory distress syndrome in children
PCT/US2015/010839 WO2015106115A1 (en) 2014-01-10 2015-01-09 Methods of using inhaled nitric oxide gas for treatment of acute respiratory distress syndrome in children

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019146708A Division JP2020002144A (ja) 2014-01-10 2019-08-08 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2017503801A true JP2017503801A (ja) 2017-02-02

Family

ID=53520405

Family Applications (2)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2016544840A Pending JP2017503801A (ja) 2014-01-10 2015-01-09 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法
JP2019146708A Pending JP2020002144A (ja) 2014-01-10 2019-08-08 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法

Family Applications After (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019146708A Pending JP2020002144A (ja) 2014-01-10 2019-08-08 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法

Country Status (6)

Country Link
US (3) US9381212B2 (ja)
JP (2) JP2017503801A (ja)
CN (1) CN106456666A (ja)
AU (3) AU2015204616B2 (ja)
CA (1) CA2936490C (ja)
WO (1) WO2015106115A1 (ja)

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2015106115A1 (en) * 2014-01-10 2015-07-16 Ino Therapeutics Llc Methods of using inhaled nitric oxide gas for treatment of acute respiratory distress syndrome in children
CA3054656A1 (en) 2017-02-27 2018-08-30 Third Pole, Inc. Systems and methods for generating nitric oxide
KR20190125991A (ko) 2017-02-27 2019-11-07 써드 폴, 아이엔씨. 산화질소의 이동식 생성을 위한 시스템 및 방법
MX2020010523A (es) 2017-02-27 2021-02-09 Third Pole Inc Sistemas y metodos para generar oxido nitrico.
SG11202000893QA (en) * 2017-08-30 2020-02-27 Bellerophon Pulse Tech Llc Use of inhaled nitric oxide for the treatment of pulmonary hypertension associated with lung disease
JP2022533628A (ja) 2019-05-15 2022-07-25 サード ポール,インコーポレイテッド 一酸化窒素生成用電極
JP2022532654A (ja) 2019-05-15 2022-07-15 サード ポール,インコーポレイテッド 一酸化窒素を生成するシステム及び方法
CN111135406B (zh) * 2020-01-10 2023-08-08 宁波戴维医疗器械股份有限公司 一种高频呼吸机
WO2021142472A1 (en) 2020-01-11 2021-07-15 Third Pole, Inc. Systems and methods for nitric oxide generation with humidity control
JP2023526790A (ja) * 2020-05-21 2023-06-23 アイポイント ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド Tie-2の活性化物質による急性呼吸窮迫症候群の処置方法
EP4167920A4 (en) 2020-06-18 2024-06-12 Third Pole Inc SYSTEMS AND METHODS FOR PREVENTING AND TREATING INFECTIONS WITH NITRIC OXIDE
WO2023049873A1 (en) 2021-09-23 2023-03-30 Third Pole, Inc. Systems and methods for delivering nitric oxide
FR3127408B1 (fr) 2021-09-29 2024-05-10 Inosystems Chariot hospitalier de transport de bouteille de gaz, notamment de NO médical
FR3131538A1 (fr) 2022-01-05 2023-07-07 Inosystems Dispositif de délivrance de NO avec système de dosage d’urgence
FR3137841B1 (fr) 2022-07-18 2024-06-14 Inosystems Dispositif de délivrance de NO avec système de dosage d’urgence
EP4209243A1 (fr) 2022-01-05 2023-07-12 Inosystems Dispositif de délivrance de no avec système de dosage d'urgence
FR3132025A1 (fr) 2022-01-24 2023-07-28 Inosystems Cartouche de stockage d’un mélange NO/azote et installation de fourniture de gaz associée
FR3138773A1 (fr) 2022-08-11 2024-02-16 Inosystems Installation de fourniture de gaz comprenant un ventilateur médical et un dispositif de délivrance de NO avec un système de dosage d’urgence

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6164276A (en) * 1997-05-16 2000-12-26 Datex-Ohmeda, Inc. Accurate dose nitric oxide pulse delivery device with monitoring and alarms
US20030131848A1 (en) * 1999-11-24 2003-07-17 Alex Stenzler Method and apparatus for delivery of inhaled nitric oxide to spontaneous-breathing and mechanically-ventilated patients
JP2009508637A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 イノ セラピューティックス リミテッド ライアビリティ カンパニー 医薬品ガスを患者に投与するシステム及び方法
JP2010509353A (ja) * 2006-11-07 2010-03-25 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション 血管作動性酸素運搬体に誘導される血管収縮の減弱
JP2011010865A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Ikaria Holdings Inc 肺高血圧の臨床的または超音波心臓検査上の証拠を伴う低酸素性呼吸器不全に罹った満期産およびほぼ満期産の新生児を治療する方法

Family Cites Families (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5570683A (en) 1990-12-05 1996-11-05 The General Hospital Corporation Methods and devices for treating pulmonary vasoconstriction and asthma
US5558083A (en) 1993-11-22 1996-09-24 Ohmeda Inc. Nitric oxide delivery system
US6063407A (en) 1995-02-16 2000-05-16 The General Hospital Corporation Treatment of vascular thrombosis and restenosis with inhaled nitric oxide
US5732693A (en) 1996-10-02 1998-03-31 Ohmeda Inc. Pause control of nitric oxide therapy
US5752504A (en) 1996-12-13 1998-05-19 Ohmeda Inc. System for monitoring therapy during calibration
US6125846A (en) 1997-05-16 2000-10-03 Datex-Ohmeda, Inc. Purge system for nitric oxide administration apparatus
US6103275A (en) 1998-06-10 2000-08-15 Nitric Oxide Solutions Systems and methods for topical treatment with nitric oxide
JP2011000865A (ja) 2009-06-22 2011-01-06 Dainippon Printing Co Ltd 保護層転写シート
CA2779766C (en) 2011-01-06 2018-02-20 Duncan P. Bathe Gas delivery device and system
WO2015106115A1 (en) * 2014-01-10 2015-07-16 Ino Therapeutics Llc Methods of using inhaled nitric oxide gas for treatment of acute respiratory distress syndrome in children

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6164276A (en) * 1997-05-16 2000-12-26 Datex-Ohmeda, Inc. Accurate dose nitric oxide pulse delivery device with monitoring and alarms
US20030131848A1 (en) * 1999-11-24 2003-07-17 Alex Stenzler Method and apparatus for delivery of inhaled nitric oxide to spontaneous-breathing and mechanically-ventilated patients
JP2009508637A (ja) * 2005-09-21 2009-03-05 イノ セラピューティックス リミテッド ライアビリティ カンパニー 医薬品ガスを患者に投与するシステム及び方法
JP2010509353A (ja) * 2006-11-07 2010-03-25 ザ ジェネラル ホスピタル コーポレイション 血管作動性酸素運搬体に誘導される血管収縮の減弱
JP2011010865A (ja) * 2009-06-30 2011-01-20 Ikaria Holdings Inc 肺高血圧の臨床的または超音波心臓検査上の証拠を伴う低酸素性呼吸器不全に罹った満期産およびほぼ満期産の新生児を治療する方法

Non-Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
CHEST, 1996, VOL.109, NO.6, PP.1545-1549, JPN6019039141, ISSN: 0004131679 *
REAM R S: "LOW-DOSE INHALED NITRIC OXIDE IMPROVES THE OXYGENATION AND VENTILATION OF INFANTS 以下備考", CRITICAL CARE MEDICINE, vol. VOL:27, NR:5, JPN5017000085, May 1999 (1999-05-01), US, pages 989 - 996, ISSN: 0004131677 *
TANG S F: "RANDOMISED TRIAL OF THREE DOSES OF INHALED NITRIC OXIDE IN ACUTE RESPIRATORY DISTRESS SYNDROME", ARCHIVES OF DISEASE IN CHILDHOOD, vol. VOL:79, NR:5, JPN5017000086, November 1998 (1998-11-01), GB, pages 415 - 418, ISSN: 0004131678 *

Also Published As

Publication number Publication date
US9381212B2 (en) 2016-07-05
US20150196587A1 (en) 2015-07-16
US20190183926A1 (en) 2019-06-20
US10201564B2 (en) 2019-02-12
AU2020202392A1 (en) 2020-05-07
CA2936490A1 (en) 2015-07-16
AU2022201053A1 (en) 2022-04-07
CA2936490C (en) 2022-10-04
WO2015106115A1 (en) 2015-07-16
AU2022201053B2 (en) 2023-04-13
US20160271169A1 (en) 2016-09-22
CN106456666A (zh) 2017-02-22
US10391120B2 (en) 2019-08-27
AU2015204616B2 (en) 2020-04-02
AU2020202392B2 (en) 2021-12-02
AU2015204616A1 (en) 2016-07-21
JP2020002144A (ja) 2020-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020002144A (ja) 小児における急性呼吸促迫症候群の治療のための吸入一酸化窒素ガスを使用する方法
Shah et al. Recombinant human DNase I in cystic fibrosis patients with severe pulmonary disease: a short-term, double-blind study followed by six months open-label treatment
JP2019089775A (ja) 高濃度の一酸化窒素の投与法
US20230158064A1 (en) USE OF INHALED NITRIC OXIDE (iNO) FOR TREATMENT OF INFECTION, INCLUDING INFECTION WITH SARS-CoV2 AND TREATMENT OF COVID-19
Han et al. Minimally invasive surfactant administration for the treatment of neonatal respiratory distress syndrome: a multicenter randomized study in China
US20220387455A1 (en) Treatment of moderate to severe influenza
Laghlam et al. Effects of prone positioning on respiratory mechanics and oxygenation in critically ill patients with COVID-19 requiring venovenous extracorporeal membrane oxygenation
Alfano et al. Awaiting a cure for COVID-19: therapeutic approach in patients with different severity levels of COVID-19
JP2001055337A (ja) ヘリウムと酸素からなる二元系ガス混合物およびその使用
US20230033881A1 (en) Methods of using inhaled nitric oxide gas for treatment of acute respiratory distress syndrome in children
Desai et al. Perioperative management of patients with post Covid rhino-orbito-cerebral mucormycosis: Perspective observational study
RU2600833C1 (ru) Способ лечения хронической обструктивной болезни легких
RU2806575C1 (ru) Способ лечения гиперкапнической дыхательной недостаточности с признаками вторичной легочной артериальной гипертензии
RU211905U1 (ru) Устройство дыхательного контура при терапии для аппаратов производства, доставки и мониторинга газовой смеси с оксидом азота
Nieto et al. Case Report: Prone Positioning and Nasal High Flow Oxygen Therapy-An Alternative Strategy to Invasive and Non-Invasive Ventilation in a Case of Severe Acute Respiratory Distress Syndrome
Arabi et al. Supplemental Online Content
CN117897138A (zh) 呼吸系统病症的治疗
Kamenshchikov et al. Assessment of continuous low-dose and high-dose burst of inhaled nitric oxide in spontaneously breathing COVID-19 patients: A randomized controlled trial
Mazouri et al. COMPARISON OF THE EFFECT OF SILDENAFIL AND TADALAFIL ON PULMONARY HYPERTENSION ASSOCIATED WITH HEMODYNAMICALLY SIGNIFICANT PDAS TREATMENT OF PULMONARY HYPERTENSION IN HS-PDA PATIENTS
Praphruetkit et al. Non-Invasive Ventilation in Emergency Patients with Respiratory Distress: A Randomized Controlled Trial.
Widmar When cure is care: diagnosis and management of pulmonary arterial hypertension
Pedro et al. Treating acute exacerbations of chronic bronchitis
Alfano et al. Le Infezioni in Medicina, n. 1, 11-21, 2022
Abd-Hay et al. Invasive and Noninvasive Mechanical Ventilation For Acute Exacerbations Of Chronic Obstructive Pulmonary Disease: A Comparative Study.
Wiedemann et al. Partial Liquid Ventilation in Adult Patients with the Acute Respiratory Distress Syndrome

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20171018

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20171220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180828

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20181128

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190409

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20190808

C60 Trial request (containing other claim documents, opposition documents)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C60

Effective date: 20190808

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20190819

C21 Notice of transfer of a case for reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C21

Effective date: 20190820

A912 Re-examination (zenchi) completed and case transferred to appeal board

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A912

Effective date: 20191011

C211 Notice of termination of reconsideration by examiners before appeal proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C211

Effective date: 20191023

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20200630

C22 Notice of designation (change) of administrative judge

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C22

Effective date: 20201013

C23 Notice of termination of proceedings

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C23

Effective date: 20201104

C03 Trial/appeal decision taken

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C03

Effective date: 20201208

C30A Notification sent

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: C3012

Effective date: 20201208