JP2017502930A - 組成物 - Google Patents
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Abstract
本発明は、抗痙攣剤及び/又は発作抑制剤としての使用のための、特に(例えば、若年性)てんかんの治療又は予防におけるジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。【選択図】図6
Description
本発明の分野
本発明は、抗痙攣剤(anticonvulsant)及び/又は発作抑制剤(seizure suppressant)としての、ジヌクレオシドポリフォスフェート(dinucleoside polyphosphate)(の類似体)及び他の化合物の使用に関し、より具体的には、てんかんの治療(又は予防、抑制(suppression)及び/又は軽減)のためのものであって、それゆえに抗てんかん剤(anti-epileptic agent)として作用するジヌクレオシドポリフォスフェート(の類似体)及び他の化合物の使用に関する。
本発明は、抗痙攣剤(anticonvulsant)及び/又は発作抑制剤(seizure suppressant)としての、ジヌクレオシドポリフォスフェート(dinucleoside polyphosphate)(の類似体)及び他の化合物の使用に関し、より具体的には、てんかんの治療(又は予防、抑制(suppression)及び/又は軽減)のためのものであって、それゆえに抗てんかん剤(anti-epileptic agent)として作用するジヌクレオシドポリフォスフェート(の類似体)及び他の化合物の使用に関する。
本発明に対する背景
てんかん(Epilepsy)は、発作に特徴づけられる、よく起こり且つ多様な慢性の神経障害(neurological disorder)の集合である。てんかん発作は、脳における異常な、過剰な(excessive)又は過同期性の(hypersynchronous)ニューロンの活動に起因する。世界中で約5千万の人々がてんかんを有し、ほぼ80%のてんかんが発展途上国において起こる。てんかんは、人々が年を取るにつれてより多くみられるようになる。
てんかん(Epilepsy)は、発作に特徴づけられる、よく起こり且つ多様な慢性の神経障害(neurological disorder)の集合である。てんかん発作は、脳における異常な、過剰な(excessive)又は過同期性の(hypersynchronous)ニューロンの活動に起因する。世界中で約5千万の人々がてんかんを有し、ほぼ80%のてんかんが発展途上国において起こる。てんかんは、人々が年を取るにつれてより多くみられるようになる。
てんかんは、薬物療法で通常制御されるが、治癒(cure)されない。しかしながら、てんかんを有する30%を超える人々が最も良い利用可能な薬物療法でも発作を制御(seizure control)していない。加えて、異なるてんかん症候群は、異なる薬物療法に応答し得、全てのてんかん症候群が薬理学的調節の影響を受けやすいわけではない。
本発明の概要
本発明は、(いくらかの)先行技術の問題を示し緩和し得る。
本発明は、(いくらかの)先行技術の問題を示し緩和し得る。
1つの態様では、本発明は、抗痙攣剤及び/又は発作抑制剤としての使用のための、より具体的にはてんかんの治療(又は予防又は軽減)のためのジヌクレオシドポリフォスフェート(類似体)、又はその医薬的に許容可能な塩を提供する。従って、本発明は、てんかんの治療における使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート(類似体)、又はその医薬的に許容可能な塩も提供する。
別の態様では、本発明は、有効量の、ジヌクレオシドポリフォスフェートポリフォスフェート(類似体)又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、痙攣(convulsion)及び/又は発作の治療、抑制又は予防方法を提供する。
本発明は、痙攣及び/又は発作の治療、抑制又は予防のための医薬の製造におけるジヌクレオシドポリフォスフェート(類似体)又はその医薬的に許容可能な塩の使用を更に提供する。
本発明の詳細な説明
本発明は、ジヌクレオシドポリフォスフェート類、ポリフォスフェートブリッジ(polyphosphate bridge)で結合された2つのヌクレオシド部分を含む化合物のファミリーを使用する。それらは、NpnNで表され得る(式中、Nは、ヌクレオシド部分を表し、pは、リン酸基を表し、nは、リン酸基の数である(例えば2〜7))。ジヌクレオシドポリフォスフェートの類似体は、ジヌクレオシドポリフォスフェートの構造をベースとする構造を有する化合物(通常は合成される)であり、構造の1以上の部分が改変されている。例えば核酸塩基、糖及び/又はリン酸骨格が、別の適切な部分により、修飾され、又は部分的もしくは完全に置換されてもよい。
本発明は、ジヌクレオシドポリフォスフェート類、ポリフォスフェートブリッジ(polyphosphate bridge)で結合された2つのヌクレオシド部分を含む化合物のファミリーを使用する。それらは、NpnNで表され得る(式中、Nは、ヌクレオシド部分を表し、pは、リン酸基を表し、nは、リン酸基の数である(例えば2〜7))。ジヌクレオシドポリフォスフェートの類似体は、ジヌクレオシドポリフォスフェートの構造をベースとする構造を有する化合物(通常は合成される)であり、構造の1以上の部分が改変されている。例えば核酸塩基、糖及び/又はリン酸骨格が、別の適切な部分により、修飾され、又は部分的もしくは完全に置換されてもよい。
例えば、1個以上のポリフォスフェート鎖オキソブリッジ(oxo-bridge)が異なるブリッジに置換されて、化合物のインビボ(in vivo)での生物学的半減期を増加させ得る。かかる類似体が、安定性及び/又は生体適合性をもたらすように設計され得る。これを達成するため、類似体は、生体系によるインビボでの分解に耐性である必要がある。例えば、類似体は、加水分解安定性、すなわち、(例えば1以上の種類のヌクレオチダーゼによる)特異的な酵素分解(enzyme cleavage)及び/又は非特異的な加水分解による分子の分解に対する抵抗性を向上させていてもよい。
好ましくは、化合物は、各リボース環の5´-位置に結合された2個以上のリン酸残基の鎖によって架橋された2個のアデノシン部分からなる天然に存在するプリン作動性リガンド(purinergic ligand)等のジアデノシンポリフォスフェートであり(例えば、ApnA型のもの;式中、nは、2〜7である)。具体的には、P1, P4-ジアデノシンテトラフォスフェート(Ap4A)及びP1, P5-ジアデノシンペンタフォスフェート(Ap5A)が予期される。クロム親和性細胞(chromaffin cell)の分泌顆粒(secretory granule)及びラット脳シナプス終末において内生的に(endogenously)高濃度に存在する。脱分極の状態では、ApnAは、Ca2+依存性の様式において放出され、神経伝達物質としてのその潜在的な役割が提案されている。しかしながら、長年よく知られているにもかかわらず、ApnAの純粋な機能は、特異的な酵素分解及び非特異的な加水分解の両方のために、明確にすることが困難であった。ApnA類似体は、特異的な酵素性分解及び非特異的加水分解の両方に関して、天然に存在するジアデノシンポリフォスフェートよりも安定であり得る。
好ましい化合物
好ましくは、本発明における使用のための(NPn N型の)ジヌクレオシドポリフォスフェート(その塩を含む)は、化学式(I)の化合物:
好ましくは、本発明における使用のための(NPn N型の)ジヌクレオシドポリフォスフェート(その塩を含む)は、化学式(I)の化合物:
又はその医薬的に許容可能な塩である、
式中、X、X'及びZは、
式中、X、X'及びZは、
(式中、R1及びR2は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、又は、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロキシアルキルから選択された非置換基から独立して選択され、且つ、nは、1、2、3、4、5及び6から選択される)から独立して選択され;
各Yは、=S及び=Oから独立して選択され;
B1及びB2は、更なる5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基に縮合されていなくてもよく又は縮合されてもよい5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基から独立して選択され、
S1及びS2は、結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン及び化学式(II)の部分:
各Yは、=S及び=Oから独立して選択され;
B1及びB2は、更なる5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基に縮合されていなくてもよく又は縮合されてもよい5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基から独立して選択され、
S1及びS2は、結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン及び化学式(II)の部分:
(式中、
- R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ又は
C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒド
ロキシアルキルから選択された非置換基を独立して示し;
- p及びqは、独立して、0、1、2又は3、好ましくは0、1又は2を示
し;且つ、
- [リンカー]は、
(i) -O-、-S-、-C=O-又は-NH-;
(ii) C1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレン又はC2〜4アルキニレン(エー
テル(-O-)、チオエーテル(-S-)、カルボニル(-C=O-)又はアミノ(-NH-)結
合を含んでもよく、又は、これにおいて終端してもよく、且つ、水素
、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6又はC1〜4アルキル、
C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、C1〜4ハロ
アルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキ
シアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択された
非置換基から選択された1以上の基で置換されてもよく(式中、R5及
びR6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換のC1〜2アルキルを示
す))、あるいは
(iii) 水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6又はC1〜4アル
キル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、
C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4
ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択
された非置換基から選択された1以上の基で置換されてもよい、5〜7
員のヘテロシクリル、カルボシクリル又はアリール基(式中、R5及び
R6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換C1〜2アルキルを示す))
から独立して選択され;
Vは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Uは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Wは、0、1、2、3、4及び5から選択され;且つ
V+U+Wは、2〜7の整数である。
- R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ又は
C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒド
ロキシアルキルから選択された非置換基を独立して示し;
- p及びqは、独立して、0、1、2又は3、好ましくは0、1又は2を示
し;且つ、
- [リンカー]は、
(i) -O-、-S-、-C=O-又は-NH-;
(ii) C1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレン又はC2〜4アルキニレン(エー
テル(-O-)、チオエーテル(-S-)、カルボニル(-C=O-)又はアミノ(-NH-)結
合を含んでもよく、又は、これにおいて終端してもよく、且つ、水素
、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6又はC1〜4アルキル、
C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、C1〜4ハロ
アルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキ
シアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択された
非置換基から選択された1以上の基で置換されてもよく(式中、R5及
びR6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換のC1〜2アルキルを示
す))、あるいは
(iii) 水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6又はC1〜4アル
キル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、
C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4
ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択
された非置換基から選択された1以上の基で置換されてもよい、5〜7
員のヘテロシクリル、カルボシクリル又はアリール基(式中、R5及び
R6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換C1〜2アルキルを示す))
から独立して選択され;
Vは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Uは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Wは、0、1、2、3、4及び5から選択され;且つ
V+U+Wは、2〜7の整数である。
本明細書中で使用する場合、C1〜4アルキル基又は部分は、1〜4の炭素原子を含む直鎖又は分岐アルキル基又は部分である。C1〜4アルキル基の例としては、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、i-ブチル及びt-ブチルが挙げられる。
本明細書中で使用される場合、C2〜4アルケニル基又は部分は、-CH=CH2又は-CH2-CH=CH2、-CH2-CH2-CH=CH2、-CH2-CH=CH-CH3、-CH=C(CH3)-CH3及び-CH2-C(CH3)=CH2などの、適用可能な場合にはE又はZ立体化学(stereochemistry)のいずれかの少なくともひとつの2重結合を有し、且つ、2〜4の炭素原子を含む、直鎖もしくは分岐アルケニル基又は部分である。
本明細書中で使用される場合、C1〜6アルキレン基又は部分は、直鎖又は分岐アルキレン基又は部分、例えば、C1〜4アルキレン基又は部分である。例としては、メチレン、n-エチレン、n-プロピレン及び-C(CH3)2-基及び部分が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、C2〜6アルケニレン基又は部分は、直鎖又は分岐アルケニレン基又は部分、例えばC2〜4アルケニレン基又は部分である。例としては、-CH=CH-、-CH=CH-CH2-、-CH2-CH=CH-及び-CH=CH-CH=CH-が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、C2〜6アルキニレン基又は部分は、直鎖又は分岐アルキニレン基又は部分、例えばC2〜4アルキニレン基又は部分である。例としては、-C≡C-、-C≡C-CH2-及び-CH2-C≡C-が挙げられる。
本明細書中で使用される場合、ハロゲン原子は、塩素、フッ素、臭素又はヨウ素である。
本明細書中で使用される場合、C1〜4アルコキシ基又はC2〜4アルケニルオキシ基は、通常、それぞれ酸素原子に結合した前記C1〜4アルキル基又は前記C2〜4アルケニル基である。
ハロアルキル又はハロアルケニル基は、通常、1以上の前記ハロゲン原子によってそれぞれ置換された前記アルキル又はアルケニル基である。通常、1、2又は3個の前記ハロゲン原子によって置換される。好ましいハロアルキル基としては、-CX3(式中、Xは、前記ハロゲン原子、例えば塩素又はフッ素である)等のペルハロアルキル(perhaloalkyl)基が挙げられる。
好ましくは、本明細書中に使用される場合のC1〜4又はC1〜3ハロアルキル基は、C1〜3フルオロアルキル又はC1〜3クロロアルキル基、より好ましくはC1〜3フルオロアルキル基である。
本明細書中で使用される場合、C1〜4アミノアルキル基は、1個以上のアミノ基によって置換されたC1〜4アルキル基である。通常、それは1、2又は3個のアミノ基によって置換される。好ましくは、それはただ1つのアミノ基によって置換される。
本明細書中で使用される場合、C1〜4ヒドロキシアルキル基は、1個以上のヒドロキシ基によって置換されたC1〜4アルキル基である。通常、それは、1、2又は3個のヒドロキシ基によって置換される。好ましくは、それはただ1つのヒドロキシ基によって置換される。
本明細書中で使用される場合、C1〜4アシル基は、-C(=O)R基である(式中、Rは、前記C1〜4アルキル基である)。
本明細書中で使用される場合、5〜7員のヘテロシクリル基は、ヘテロアリール基を含み、その非芳香族の意味(non-aromatic meaning)において5、6又は7個の環原子を有し、且つ、1個以上の、例えば1又は2個の、S、N及びOから選択された、好ましくはOであるヘテロ原子を含む飽和又は非飽和の非芳香族部分に関する。かかる部分の実例は、テトラヒドロフラニル及びテトラヒドロピラニルである。例えば、複素環は、フラノース又はピラノース環であってもよい。
本明細書中で使用される場合、5〜7員の炭素‐窒素(carbon-nitrogen)ヘテロアリール基は、少なくとも1個の窒素原子、例えば1、2、3又は4の窒素原子を含む、5又は6員環等の単環(monocyclic)の5〜7員の芳香環である。5〜7員の炭素‐窒素ヘテロアリール基は、別の5〜7員の炭素‐窒素ヘテロアリール基に縮合されてもよい。
本明細書中で使用される場合、5〜7員のカルボシクリル(carbocyclyl)基は、5〜7の炭素原子を有する非芳香族の飽和又は非飽和炭化水素環である。好ましくは、それは、5〜7の炭素原子を有する飽和又は一価不飽和(mono-unsaturated)炭化水素環(すなわち、シクロアルキル部分又はシクロアルケニル部分)である。例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロペンテニル及びシクロヘキセニルが挙げられる。
本明細書中に使用される場合、5〜7員のアリール基は、5〜7個の炭素原子、例えばフェニルを有する、単環の5〜7員の芳香族炭化水素環である。
1つの態様では、X及びX'は、独立して、
である。しかしながら、いくつかの化合物では、X及びX'のいずれも
ではない。
1つの態様では、X及びX'は、独立して、
である。
1つの態様では、X及びX'は、独立して、
1つの態様では、X及びX'は、独立して、
である
(式中、R1及びR2のうちの少なくとも1つが、H、Cl、Br又はFである。
好ましくはR1及びR2の両方がHである。
好ましくはnは1、2又は3、好ましくは1又は2である)。
好ましくはX及びX'のうちの少なくとも1つは-O-ではない、すなわち、X及びX'の全てが-O-であるわけではない。
好ましくはX及びX'は、NH及び
(式中、R1及びR2のうちの少なくとも1つが、H、Cl、Br又はFである。
好ましくはR1及びR2の両方がHである。
好ましくはnは1、2又は3、好ましくは1又は2である)。
好ましくはX及びX'のうちの少なくとも1つは-O-ではない、すなわち、X及びX'の全てが-O-であるわけではない。
好ましくはX及びX'は、NH及び
(式中、R1及びR2は、両方ともHであり、且つnは1又は2である)
から独立して選択される。
から独立して選択される。
1つの態様では、少なくとも1つのYが=Sである。
1つの態様では、各Y基が=Sである。
1つの態様では、少なくとも1つのYが=Oである。
好ましくは各Y基が=Oである。
1つの態様では、各Y基が=Sである。
1つの態様では、少なくとも1つのYが=Oである。
好ましくは各Y基が=Oである。
1つの態様では、少なくとも1つのZは、
である。
1つの態様では、各Zが
である(式中、R1及びR2のうちの少なくとも1つがH、Cl、Br又はFである。
好ましくはR1及びR2の両方がHである)。従って、1つの態様では、Zが
好ましくはR1及びR2の両方がHである)。従って、1つの態様では、Zが
であり、且つR1及びR2が両方ともHである。
好ましくはnは、1、2又は3であり、好ましくは1又は2である。
1つの態様では、少なくとも1つのZが-NH-である。
1つの態様では、各Zが-NH-である。
1つの態様では、少なくとも1つのZが-O-である。
好ましくは各Zが-O-である。
好ましくはnは、1、2又は3であり、好ましくは1又は2である。
1つの態様では、少なくとも1つのZが-NH-である。
1つの態様では、各Zが-NH-である。
1つの態様では、少なくとも1つのZが-O-である。
好ましくは各Zが-O-である。
B1及びB2は、好ましくは、プリン及びピリミジン核酸塩基、好ましくはアデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、1-メチルアデニン、7-メチルグアニン、2-N,N-ジメチルグアニン、5-メチルシトシン又は5,6-ジヒドロウラシルから独立して選択される。ウラシルは、N(すなわち、ウリジン構造)又はC (すなわち、プソイドウリジン構造)を介してS1又はS2に結合してもよい。
好ましくは、B1及びB2は、アデニン、グアニン、及びウラシルから独立して選択される。
好ましくはB1及びB2のうちの少なくとも1つはアデニンである。
従って、例えば、B1及びB2のうちの少なくとも一方がアデニンであり、且つB1及びB2のうちの他方がグアニンであってもよく、あるいは、B1及びB2のうちの少なくとも一方がアデニンであり、且つB1及びB2のうちの他方がウラシルであってもよい。
好ましくは、B1及びB2は、アデニン、グアニン、及びウラシルから独立して選択される。
好ましくはB1及びB2のうちの少なくとも1つはアデニンである。
従って、例えば、B1及びB2のうちの少なくとも一方がアデニンであり、且つB1及びB2のうちの他方がグアニンであってもよく、あるいは、B1及びB2のうちの少なくとも一方がアデニンであり、且つB1及びB2のうちの他方がウラシルであってもよい。
S1及びS2は、好ましくは、結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン及び化学式(III)又は(IV):
(式中、
-R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、又は、
C1-3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロ
キシアルキルから選択された非置換基を独立して示し、
-p及びqは、0又は1を独立して示し、
-Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し、且つ、
-A及びBは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、又は、C1〜4アルコキシ、
C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及び-NR5R6
基(式中、R5及びR6は、同じ又は異なり、水素又は非置換のC1〜2アルキ
ルを示す)から選択された非置換基を独立して示す);
-R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、又は、
C1-3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロ
キシアルキルから選択された非置換基を独立して示し、
-p及びqは、0又は1を独立して示し、
-Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し、且つ、
-A及びBは、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、又は、C1〜4アルコキシ、
C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及び-NR5R6
基(式中、R5及びR6は、同じ又は異なり、水素又は非置換のC1〜2アルキ
ルを示す)から選択された非置換基を独立して示す);
(式中、
-R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、シアノ、又は、C1〜3ハロアルキ
ル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロキシアルキルか
ら選択された非置換基を独立して示し;
-Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し、且つ、
-R7及びR8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6、ある
いは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニ
ルオキシ、C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル(haloalkenyl)、C1〜4
アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキ
ル-NR5R6基(式中、R5及びR6は、同じ又は異なり、水素又は非置換の
C1〜2アルキルを示す)から選択された非置換基を独立して示し;且つ
-p、q、r及びsは、0又は1を独立して示す)
の部分から独立して選択される。
-R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、シアノ、又は、C1〜3ハロアルキ
ル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロキシアルキルか
ら選択された非置換基を独立して示し;
-Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し、且つ、
-R7及びR8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6、ある
いは、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニ
ルオキシ、C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル(haloalkenyl)、C1〜4
アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキ
ル-NR5R6基(式中、R5及びR6は、同じ又は異なり、水素又は非置換の
C1〜2アルキルを示す)から選択された非置換基を独立して示し;且つ
-p、q、r及びsは、0又は1を独立して示す)
の部分から独立して選択される。
S1及びS2は、好ましくは、上記に提示された通りの化学式(III)又は(IV)の部分から独立して選択される(該式中、好ましくは、
-R1、R2、R3及びR4は、水素、フルオロ、クロル、又は非置換の
C1〜3アルキル、より好ましくは水素を独立して示し;
-Qは-O-を示し;
-A及びBは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、クロル、メトキシ、ホル
ミル又はNH2、より好ましくは水素又はヒドロキシルを独立して示し;且つ
-R7及びR8は、水素、ヒドロキシル、フルオロ、クロル、又はC1〜4アル
キル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル及びC1〜4アルキル-
NH2から選択される非置換基、より好ましくは水素、ヒドロキシルあるいは非置換のメチル、エチル、-CH2OH又は-CH2CH2OHを独立して示す)。
-R1、R2、R3及びR4は、水素、フルオロ、クロル、又は非置換の
C1〜3アルキル、より好ましくは水素を独立して示し;
-Qは-O-を示し;
-A及びBは、水素、ヒドロキシル、フルオロ、クロル、メトキシ、ホル
ミル又はNH2、より好ましくは水素又はヒドロキシルを独立して示し;且つ
-R7及びR8は、水素、ヒドロキシル、フルオロ、クロル、又はC1〜4アル
キル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル及びC1〜4アルキル-
NH2から選択される非置換基、より好ましくは水素、ヒドロキシルあるいは非置換のメチル、エチル、-CH2OH又は-CH2CH2OHを独立して示す)。
S1及びS2は、好ましくは、D-リボフラノース、2´-デオキシ-D-リボフラノース、3´-デオキシ-D-リボフラノース、L-アラビノフラノース(arabinofuranose)(化学式(III)の部分に相当)、及びその開環構造(ring opened form)(化学式(IV)の部分に相当)から独立して選択されてもよい。
1つの好ましい実施態様では、S1及びS2のうちの少なくとも1つが、D-リボフラノース、すなわち、化学式(III´)の部分(該式中、R1及びR2が水素であり、pが1であり、qは0であり、Qは-O-であり、且つA及びBはヒドロキシルである):
である。
S1及び/又はS2が開環構造である場合、開環は、好ましくはD-リボフラノース、2´-デオキシ-D-リボフラノース、3´-デオキシ-D-リボフラノース又はL-アラビノフラノース環の2´及び3´位置の間である。
1つの好ましい実施態様では、S1及びS2のうちの少なくとも1つは、D-リボフラノースの開環構造、例えば、化学式(IV)の部分である(該式中、R1及びR2は、水素であり、pは1であり、qは0であり、Qは-O-であり、rは1であり、sは1であり、且つR7及びR8は、それぞれ-CH2OHである)。
好ましくは、S1及びS2は同じである。従って、好ましくは、S1及びS2は、上述のように、両方ともD-リボフラノースであり、あるいは、両方ともD-リボフラノースの開環構造である。
V、U及びWの合計は、2、3、4、5、6又は7であってもよい。
好ましくは、V + U + Wは、4又は5である。
好ましくは、Uは、0、1又は2である。
好ましくは、Vは、2である。
好ましくは、Wは、2である。
好ましくは、V + U + Wは、4又は5である。
好ましくは、Uは、0、1又は2である。
好ましくは、Vは、2である。
好ましくは、Wは、2である。
好ましい実施態様では、Uは0である。従って、本発明中における使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェートは、好ましくは、化学式(I'):
(式中、全ての記号は上述の通りであり、Xは-O-ではなく、且つV + Wは2〜7の整数である)
の化合物である。
の化合物である。
従って、化学式(I')中におけるV及びWの合計は、2、3、4、5、6又は7であってもよい。好ましくは、V + Wは4又は5である。好ましくは、Vは2であり、及び/又はWは2又は3である。
好ましい実施態様では、各Yは、=Oであり、且つ各Zは-O-である。いくつかの化合物では、Xは
ではない。
より好ましい実施態様では、各Yは=Oであり、各Zは-O-であり、且つ、S1及びS2の両方が、上記に提示した通りの化学式(III)又は(IV)の部分である。好ましくは、S1及びS2の両方が同じであり、且つ両方とも、D-リボフラノース又はD-リボフラノースの開環構造である。従って、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、好ましくは、化学式(IA)又は(IB):
の化合物である。
好ましくは、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、化学式(IA)又は(IB)の化合物である(式中、V + Wは4又は5である)。より好ましくは、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、化学式(IA)又は(IB)の化合物である(式中、B1及びB2の少なくとも1つは、アデニンであり、あるいは、B1及びB2の一方がアデニンであり且つ他方がグアニンである)。
従って、より好ましい実施態様では、各Yは=Oであり且つ各Zは-O-であり、S1及びS2の両方が同じであり、且つ、両方ともD-リボフラノース又は両方ともD-リボフラノースの開環構造であり、且つ、B1及びB2は両方ともアデニンであり、あるいは、B1及びB2のうちの一方がアデニンであり且つ他方がグアニン又はウラシルである。従って、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、好ましくは化学式(IC)〜(IH):
のジヌクレオシドポリフォスフェート化合物であってもよい。
好ましくは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、化学式(IC)〜(IH)の化合物である(式中、V+Wは4又は5である)。従って、本発明の好ましい態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、Ap4A類似体、Ap5A類似体、Ap4G類似体、Ap5G類似体、Ap4U類似体及びAp5U類似体からなる群の中から選ばれる。
1つの実施態様では、V及びWは同じである。従って、化学式(I')及び(IA)〜 (IH)の上述の化合物では、V及びWは、それぞれ2であってもよい。更なる実施態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体 は、対称(symmetrical)であってもよい。
本発明の好ましい態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、AppCH2ppA、AppNHpppU、AジオールppCH2ppAジオール、AジオールppNHppAジオール、AppCH2ppG、AppNHppG、AジオールppCH2ppGジオール及びAジオールppNHppGジオール:
AppCH2ppA:
AppCH2ppA:
AppNHpppU:
AジオールppCH2ppAジオール:
AジオールppNHppAジオール:
AppCH2ppG:
AppNHppG:
AジオールppCH2ppGジオール:
AジオールppNHppGジオール:
からなる群の中から選ばれる。
本発明の更なる好ましい態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、AppCH2ppAである。
本願の実施例において実例で示されるように、上述のもの等のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、強力な(potent)抗てんかん作用を示す。
一般式(I)のジヌクレオシドポリフォスフェート及びそれらの調製法は、国際公開第WO 2006/082397号に記載されている。
機構
本発明者らは、どのようにAppCH2ppAが、下流のアデノシン産生を引き起こすために未知の(unknown)P2X/Y受容体に作用することにより、脳における組織保護特性(tissue protective property)を有するかを先に記載した。アデノシンは、次に、神経防護作用(neuroprotection)を引き起こすA1受容体に作用することが確かめられた(Melnik S, Wright M, Tanner JA, Tsintsadze T, Tsintsadze V, Miller AD, Lozovaya N (2006) Diadenosine polyphosphate analog controls postsynaptic excitation in CA3-CA1 synapses via a nitric oxide-dependent mechanism. J Pharmacol Exp Ther 318 (2):579-588. doi:10.1124/jpet.105.097642)。理論により拘束されることを望むものではないが、現在、生体外(図5)及びインビボ(図3及び4)の両方で観察された抗てんかん作用が、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体化合物の投与によって引き起こされたアデノシンの内因性産生(endogeneous production)に起因し得ると考えられる。提案された機構を図6に並べた。アデノシンの(外因性(exogeneous))投与が被験者(Boison D (2005) Adenosine and epilepsy: from therapeutic rationale to new therapeutic strategies. The Neuroscientist 11 (1):25-36. doi:10.1177/1073858404269112)におけるてんかんの治療のための戦略であり得ることを先に提案した。しかしながら、本発明者らは、現在、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体化合物を用いるアデノシンの内因性産生が、意外にも極めて強力な抗てんかん作用をもたらすことを見出している。
本発明者らは、どのようにAppCH2ppAが、下流のアデノシン産生を引き起こすために未知の(unknown)P2X/Y受容体に作用することにより、脳における組織保護特性(tissue protective property)を有するかを先に記載した。アデノシンは、次に、神経防護作用(neuroprotection)を引き起こすA1受容体に作用することが確かめられた(Melnik S, Wright M, Tanner JA, Tsintsadze T, Tsintsadze V, Miller AD, Lozovaya N (2006) Diadenosine polyphosphate analog controls postsynaptic excitation in CA3-CA1 synapses via a nitric oxide-dependent mechanism. J Pharmacol Exp Ther 318 (2):579-588. doi:10.1124/jpet.105.097642)。理論により拘束されることを望むものではないが、現在、生体外(図5)及びインビボ(図3及び4)の両方で観察された抗てんかん作用が、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体化合物の投与によって引き起こされたアデノシンの内因性産生(endogeneous production)に起因し得ると考えられる。提案された機構を図6に並べた。アデノシンの(外因性(exogeneous))投与が被験者(Boison D (2005) Adenosine and epilepsy: from therapeutic rationale to new therapeutic strategies. The Neuroscientist 11 (1):25-36. doi:10.1177/1073858404269112)におけるてんかんの治療のための戦略であり得ることを先に提案した。しかしながら、本発明者らは、現在、本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体化合物を用いるアデノシンの内因性産生が、意外にも極めて強力な抗てんかん作用をもたらすことを見出している。
従って、本発明の好ましい実施態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、若年性てんかん(juvenile epilepsy)等のてんかんの治療又は予防における使用のためのものである。特に、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、結節性硬化症(Tuberous Sclerosis Complex, TSC)等の薬物抵抗性てんかん症候群(pharmacoresistant epileptic syndrome)の治療における使用のためのものであってもよい。従って、1つの好ましい実施態様では、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、結節性硬化症(TSC)に関連する発作の治療又は予防における使用のためのものである。
本発明は、有効量の、(本明細書中に記載された)ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、てんかんを治療又は予防する方法にも関し、てんかんの治療又は予防のための医薬の製造における(本明細書中に記載された)ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩の使用にも関する。
用量
本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、好ましくは、約10〜500 nmol/kg、好ましくは12〜75 nmol/kg、より好ましくは25〜50 nmol/kgの量において投与される。従って、例えば、化合物は、6〜500 μg/kg、好ましくは10〜75 μg/kg、より好ましくは12〜50 μg/kgの量において投与されてもよい。
本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、好ましくは、約10〜500 nmol/kg、好ましくは12〜75 nmol/kg、より好ましくは25〜50 nmol/kgの量において投与される。従って、例えば、化合物は、6〜500 μg/kg、好ましくは10〜75 μg/kg、より好ましくは12〜50 μg/kgの量において投与されてもよい。
最適用量は、10〜100 nmol/kg等の10〜200 nmol/kgである。
好ましくは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、上述の好ましい類似体のうちの1つである。特に、本発明は、てんかんの治療における使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体に関し、好ましくは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体が、AppCH2ppA、AppNHpppU、AジオールppCH2ppAジオール、AジオールppNHppAジオール、AppCH2ppG、AppNHppG、AジオールppCH2ppGジオール及びAジオールppNHppGジオールからなる群の中から選ばれ;より好ましくは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体がAppCH2ppAである。
てんかんの治療のために使用される場合、AppCH2ppA、AppNHpppU、AジオールppCH2ppAジオール、AジオールppNHppAジオール、AppCH2ppG、AppNHppG、AジオールppCH2ppGジオール及びAジオールppNHppGジオールからなる群の中から選ばれた化合物は、好ましくは、医薬的に許容可能なビヒクルとともに投与される。(治療を必要とする被験体へ)投与される化合物の用量は、約10〜100 nmol/kg、好ましくは12〜75 nmol/kg、より好ましくは25〜50 nmol/kgであってもよい。従って、例えば、化合物は、6〜500 μg/kg、好ましくは10〜75 μg/kg、より好ましくは12〜50 μg/kgの量において投与されてもよい。
例えば、典型的な約70 kgのヒトについて、投与される化合物の量は、約0.7及び約35 μmolの間、より好ましくは約0.8及び約5 μmolの間、更により好ましくは約1及び約3.5 μmolの間であってもよい。
本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、様々な用量剤形において投与されてもよい。従って、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、例えば、錠剤、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液剤、分散性粉剤又は顆粒剤として経口で投与してもよい。ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、皮下、(注射により)経皮性、静脈内、筋肉内、胸骨内(intrasternally)のいずれかに又は点滴(infusion)技術により非経口で投与されてもよい。ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、例えば、坐剤の剤形において直腸に、又は(例えば、パッチ、マイクロニードル又はイオン導入(iontophoretic)の経皮送達デバイスを用いて)局所に投与されてもよい。医師が、各特定の患者のための必要な投与経路を決定することができるだろう。好ましくは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、静脈内に又は皮下注射により投与される。
組成物
好ましくは、組成物は、皮下注射のために製剤化される。
好ましくは、組成物は、皮下注射のために製剤化される。
ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体の剤形は、まさにその剤(exact agent)の性質、医薬的又は獣医学的用途が意図されているか等の因子によって決まるだろう。本発明における使用のための剤は、同時に行われる、別々の又は逐次の使用(sequential use)のために製剤化されてもよい。
ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、通常、医薬的に許容可能な賦形剤(担体又は希釈剤等)とともに、本発明における投与のために製剤化される。医薬担体又は希釈剤は、例えば、等張液であってもよい。例えば、固形経口剤形(solid oral form)は、活性化合物とともに、希釈剤(例えば、ラクトース、デキストロース、サッカロース、セルロース、コーンスターチ又はポテトスターチ)、滑沢剤(例えば、シリカ、タルク、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウムもしくはステアリン酸カルシウム、及び/又はポリエチレングリコール)、結合剤(例えば、デンプン、アラビアゴム、ゼラチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はポリビニルピロリドン)、凝集阻害剤(disaggregating agent)(例えば、デンプン、アルギン酸、アルギネート(alginate)又はデンプングリコール酸ナトリウム)、飽和剤(effervescing mixture)、染料、甘味料、湿潤剤(レシチン、ポリソルベート、ラウリルサルファート(laurylsulphate))、及び、通例、医薬製剤に使用される非毒性且つ薬理学的に不活性の物質を含んでもよい。かかる医薬品は、例えば、混合、造粒、打錠、糖衣がけ、又はフィルムコーティング工程により、既知の方法において製造してもよい。
経口投与のための分散液(Liquid dispersion)は、シロップ、エマルション又は懸濁液剤であってもよい。シロップは、担体として、例えば、サッカロース、あるいは、グリセリン及び/又はマンニトール及び/又はソルビトールを含むサッカロースでもよい。
懸濁液剤及びエマルションは、担体として、例えば、天然ガム、寒天、アルギン酸ナトリウム、ペクチン、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、又はポリビニルアルコールを含んでもよい。筋肉注射のための懸濁液剤又は液剤は、活性化合物とともに、医薬的に許容可能な担体、例えば、滅菌水、オリーブオイル、オレイン酸エチル、グリコール(例えば、プロピレングリコール)、及び必要に応じて、適当量の塩酸リドカインを含んでもよい。
経口投与のための剤形は、制御放出剤形として製剤化されてもよく、例えば、それらは、大腸における制御放出のために製剤化されてもよい。
静脈内投与又は点滴のための液剤は、担体として、例えば、滅菌水を含んでもよく、又は好ましくはそれらは、無菌性の、水性の、等張食塩水液(isotonic saline solution)の剤形であってもよい。
本発明のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、類似体の送達及び/又は標的指向性(targeting)を改善するために、ナノ粒子担体中において投与されてもよく、又はナノ粒子担体と組み合わせて投与されてもよい。それらは、局所及び/又は経皮製剤において、例えば、経皮パッチ又はデバイスにおいて局所的に及び/又は経皮的に送達されてもよい。
別の可能性のある投与の方式は、(例えばボーラス(bolus)としての)髄腔内及び/又は脳へのものである。
ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体の用量は、様々なパラメータ、特に、使用される物質、治療される予定の患者の年齢、体重及び状態、投与経路、並びに必要な投薬計画に従って、決定されてもよい。
また一方、医師は、いかなる個別の患者のためにも必要な投与経路及び用量を決定することができるだろう。通常の1日用量は、治療される予定の個体の年齢、体重及び状態、(例えば、てんかん(eplilepsy)の)状態の種類及び重症度並びに投与の頻度及び経路に従って、体重1kg当たり約6〜1000 μgである。1日投与量レベル(Daily dosage level)は、例えば、6〜500 μg/kg、好ましくは約10〜100 μg/kg、より好ましくは12〜75 μg/kgであってもよい。
本明細書中に記載されたジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、単独で又は組み合わせにおいて投与されてもよい。それらは、てんかんの治療のための別の剤等、例えば、カルバマゼピン、クロラゼパート(clorazepate)、クロナゼパム、エトスクシミド、フェルバメート、ホスフェニトイン、ガバペンチン、ラコサミド、ラモトリジン、レベチラセタム、オクスカルバゼピン(oxcarbazepine)、フェノバルビタール、フェニトイン、プレガバリン、プリミドン、チアガビン(tiagabine)、トピラマート(topiramate)、バルプロ酸セミナトリウム(valproate semisodium)、バルプロ酸(valproic acid)、及びゾニサミド等の別の薬理活性剤(pharmacologically active agent)と併用して投与されてもよい。剤の組み合わせは、同時に行われる、別々の又は逐次の使用のために製剤化されてもよい。
経皮送達デバイス
化合物は、経皮送達のためのデバイス中において又は経皮送達のためのデバイスによって投与されてもよく、従って、該デバイスは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩を含む。かかる身体的送達デバイス(physical delivery device)が、皮膚バリア(skin barrier)中へ又は皮膚バリアを超えて対象の化合物の輸送を促進し得る。
化合物は、経皮送達のためのデバイス中において又は経皮送達のためのデバイスによって投与されてもよく、従って、該デバイスは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩を含む。かかる身体的送達デバイス(physical delivery device)が、皮膚バリア(skin barrier)中へ又は皮膚バリアを超えて対象の化合物の輸送を促進し得る。
デバイスは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体を含み、医薬的に許容可能な賦形剤を含んでもよいパッチ(patch)の形態であってもよい。ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体は、例えば、パッチ上のゲル及び/又は接着性担体(adhesive carrier)中に溶解されてもよい。
別の方法として、(パッチであってもよく、パッチでなくてもよい)デバイスは、マイクロニードルを例えば配列して含んでもよい。マイクロニードルは、通常、大きさが1ミクロンしかなく、それらは、例えば、神経に達することなく、皮膚の上層を貫き得る。従って、マイクロニードルの使用は、皮膚バリアを超える巨大分子(macromolecule)の輸送を促進し得る。マイクロニードルは、皮膚の外層を容易に貫くのに十分な程とがっていて且つロバスト(robust)であってもよい。それらが皮膚層の内部でより深く神経細胞を刺激しないような長さに起因して、治療剤の送達は無痛であり得る。更に、送達される化合物は時間をかけて徐々に放出されるため、マイクロニードルの使用は、該化合物の徐放性をもたらし得る。
デバイスは、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体の医薬的に許容可能な塩を含むイオン導入の(経皮)送達デバイス(又はパッチ)であり得る。かかるデバイスは、イオン導入(iontophoresis)、又は電動薬物投与(electromotive drug administration, EMDA)を利用して、皮膚を通り抜けて又は皮膚内へジヌクレオシドポリフォスフェート類似体(及び任意の他の対象の化合物)を移動させ又は送達し得る。かかるデバイスは、皮膚を通り抜けて効率的な対象の化合物の非侵襲性の送達を可能にする。従って、それは、例えば、電界によって駆動される場合に、化合物を拡散的に(皮膚内へ又は又は皮膚を通り抜けて)流れさせ得る。デバイスは、例えば、Zecuity(商標)パッチマシーン(patch machine)(片頭痛のために使用されるが、本発明の化合物を含んでもよい)と同様に、携帯用のものであってもよく、且つ/又は皮膚又は体に取り付け可能なものであってもよい。
イオン導入の経皮送達デバイスにおける使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体の好ましい塩は、上述の通りである。
ナノ粒子(複数可)
ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩は、ナノ粒子担体及び医薬的に許容可能な賦形剤と組み合わされてもよく(例えば、これらに結合され、これらの内部にあり、これらを含み、これらと会合(associate)し又はこれらとともに製剤化され又はこれらの内部に封入(encapculate)されてもよく)、あるいはかかる類似体(又は塩)を含む(ナノ)粒子であってもよい。
ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体又はその医薬的に許容可能な塩は、ナノ粒子担体及び医薬的に許容可能な賦形剤と組み合わされてもよく(例えば、これらに結合され、これらの内部にあり、これらを含み、これらと会合(associate)し又はこれらとともに製剤化され又はこれらの内部に封入(encapculate)されてもよく)、あるいはかかる類似体(又は塩)を含む(ナノ)粒子であってもよい。
適切な例となるナノ粒子担体システムは、脂質ベースの(又は脂質を含む)ナノ粒子、ポリマーベースの(又はポリマーを含む)ナノ粒子、無機ナノ粒子及びバイオコンジュゲート(bioconjugate)である。化合物は、概ね球状であってもよい脂質(二重)層(複数可)の中心部(core)/該脂質(二重)層)上又は該脂質(二重)層の内部に配置されてもよい。粒子は、例えば、脂質及び/又はポリマーを含む多数の(例えば、同心の(concentric)及び/又は球状の(spherical))層を有してもよい。粒子は、自己組織化(self-assemble)可能であってもよい。これらは、以下により詳細に考察する。
本明細書中に挙げられた全ての刊行物及び特許出願は、本発明が関連する分野における当業者のレベルを示す。全ての刊行物及び特許出願は、各個別の刊行物又は特許出願が参照することにより具体的且つ個別に組み込まれるとした場合と同程度に、参照によって本明細書中に組み込まれる。
上述の発明は、理解のための説明及び例示の目的で少し詳しく説明されているが、若干の変更及び改良が、添付された特許請求の範囲の範囲内において実行されてもよいことは、当業者には明らかだろう。
以下の実施例は、本発明を説明する:
実施例
Ap4A類似体合成。AppCH2ppAを、HPLCによる高純度精製(rigorous purification)を用いて(Wright et al., 2003, 2004 and 2006)、先に記載されたLysU-媒介性生合成過程の進行(development)を利用して調製した(Melnik et al., 2006, WO 2006/0823297)。
Ap4A類似体合成。AppCH2ppAを、HPLCによる高純度精製(rigorous purification)を用いて(Wright et al., 2003, 2004 and 2006)、先に記載されたLysU-媒介性生合成過程の進行(development)を利用して調製した(Melnik et al., 2006, WO 2006/0823297)。
インビボでの記録及びデータ解析。本研究は、動物飼育のためのInstitut National de la Sante et de la Recherche Medicaleガイドラインに従った。全ての実験を、C57Bl6 Tsc1wt雌及びTsc1mut/wt雄Tsc1mut/wtの繁殖(breeding)から生まれた近交系(inbred)C57Bl6系統の両方の性別のTsc1mut/wt (Tsc1+/-)マウスの出生後P9〜P20日において行った。
手術を、イソフルラン麻酔下で行った。手短には、動物の頭(skull)から皮膚及び骨膜を取り除いた。頭を、1つ又2つの脳半球(hemisphere)からの体性感覚皮質の上の4〜9 mm2の窓を除いて、接着剤(glue)及び歯科用セメントで覆った。2つのプラスチック棒(plastic bar)を、仔マウスの頭(pups head)の鼻骨及び後頭骨へ歯科用セメントにより固定した。手術後、動物を暖め、麻酔からの回復のために1時間放置した。記録の間、頭を、取り付けられた棒によって定位固定装置のフレームに固定し、動物を、コットンネスト(cotton nest)で囲み、熱パッドを用いて加温した(36.6℃〜37.7℃)。塩化銀参照電極を、小脳又は視覚野(visual cortex)に配置した。
脳波記録(Electroencephalography, EEG)を、麻酔されていない、頭部を固定されたTsc1+/-及びコントロールTsc1wtマウスにおいて行った。16部位の直線(16-site linear)シリコンプローブ(記録部位の間の100 μmの離間距離(separation distance), Neuronexus Technologies, MI)を、体性感覚皮質にPaxinos and Franklin atlas (2001)を用いて座標: AP=2〜2.5 mm、L=2〜3 mm; 1.2〜1.5 mm深さに配置して、海馬の全ての層及びCA1領域において円柱の活動(columnar activity)を記録(trace)した。16チャネル増幅器(A-M systems, Inc)を用いて、信号を増幅して(x100) 3 kHzでフィルタにかけ、10 kHzでデジタル化し、Axoscope software (Molecular Devices, Sunnyvale, CA, USA)を用いてPCのハードディスクにセーブした。記録をオフラインでClampfit and MATLAB softwareを用いて解析した。10回の実験において、食塩水(200 μL) n=3又はAppCH2ppA (30又は 100 μM) n=7を腹腔内に注射した(腹腔内)。記録後、シリコンプローブの位置を、固定された脳からの100 μm冠状断面における電極のDiI染色により視覚的に確認した。本発明者らは、てんかん性放電が、多棘波(multiple spike)の群においてみられ、該多棘波の振幅が少なくとも20秒間持続する期間内に少なくとも2回、バックグランド活動(background activity)を超える場合に、マルチユニット活動(multiunit activity)がてんかん性放電において生じたと考えた。各放電の第1及び最後の棘波(spike)を用いて、その開始及び終了をそれぞれ規定した。各放電について振幅を、放電の最も大きな棘波の振幅として規定した。EEG記録の間、動物を、視覚的に観察して、各エレクトログラフの(electrographic)てんかん性放電との行動の相関性(behavioral correlate)を決定した。EEGデータ解析のために生データを、MATLAB解析環境において、カスタム開発されたプログラムのパッケージソフトを用いて前処理した。広帯域信号を1000 Hzにダウンサンプリングして、局所場(local field)の電位信号について用いた。局所場の電位を、特注された、MATLABをベースとするプログラムによって解析した。各記録部位の概算の解剖学的位置を、脳内の物理的な深さ(physical depth)及びそれぞれの層の深さの、年齢を適合させた(age-matched)対応する組織学的評価によって推定した。
動物切片の調製。野生型及びTsc1+/-マウス(P14〜P16)を、エーテルを用いて麻酔し、欧州指令86/609/EEC要件に従って断頭術(decapitation)により犠死させた。脳を迅速に取り去り、酸素添加した(oxygenated)氷のように冷たい生理食塩水緩衝液(saline buffer)中に配置した。横方向に(Transverse)300 μm-厚さの冠状切片(coronal slice)を、95% O2及び5%のCO2で酸素添加した氷のように冷たい保護溶液(protecting solution)中においてビブラトーム(vibratome)(Leica VT1000S; Leica Microsystems Inc., Deerfield, IL)を用いて切り取った。記録より前に、切片を、125 NaCl、3.5 KCl、1 CaCl2、2 MgCl2、1.25 NaH2PO4、26 NaHCO3、及び10グルコースを(mMで)含み、pH 7.3で平衡化され、95% O2及び 5% CO2添加の室温の(22〜25℃)人工脳脊髄液(artificial cerebrospinal fluid, ACSF)溶液中で、少なくとも1時間インキュベートし、回復させた。
脳切片からの電気生理学的記録。切片を、記録室(recording chamber)に移動させ、酸素添加した記録ACSFを用いて3 ml/分でかん流させた。ニューロンを、赤外線微分干渉(infrared differential interference contrast, IR-DIC)顕微鏡を用いて視覚化した。全細胞のパッチクランプ記録を、EPC-9増幅器及びPatch Master software (HEKA Elektronik, Germany)、又は、Multiclamp 700B増幅器(Molecular Devices, USA)及びオーダーメードのIgorProをベースとするソフトウェアのいずれかを用いて室温で行い、3〜10 kHzでフィルタにかけた。パッチピペット(Patch pipette)を、ボロシリケイト(borosilicate)ガラス毛管(World Precision Instruments, Sarasota, USA)から引き(pull)、パッチピペットは、以下の組成(mMで)の内液(internal solution): 130 K-グルコネート、10 Na-グルコネート、4 NaCl、4 MgATP、4 クレアチンリン酸、10 HEPES、及び0.3 GTP (pH 7.3、KOH添加)を満たした場合、4〜6.5 MΩの抵抗を有した。ビオシチン(Biocytin)(最終濃度0.3〜0.5%)をピペット溶液(pipette solution)に加えて、記録を得たニューロンを標識した。5-mVパルスに応答する初期の容量性過渡電流(initial capacitive transient)の振幅から推定された直列抵抗(series resistance)は、8〜24 MΩであった。それは、補正されておらず(compensate)、各実験の間、測定された。直列抵抗が15%を越えて変化した場合、実験を終了した。自発性EPSCを、30分間、-80 mV (GABA作動性電流(GABAergic current)についての逆転電位)で記録した。全ての記録を、いかなるてんかん誘発薬剤(pro-epileptic pharmacological drug)も必要とすることなく、通常のACSF (1 mM Mg2+)中で行った。電位のサンプリングバイアス(potential sampling bias)を最小にするため、各条件について少なくとも3つの出産(delivery)からの仔マウスを研究した。
てんかんのマウス海馬切片モデル。スライスを、調製し、先に記載された通りに使用した(Melnik S, Wright M, Tanner JA, Tsintsadze T, Tsintsadze V, Miller AD, Lozovaya N (2006) Diadenosine polyphosphate analog controls postsynaptic excitation in CA3-CA1 synapses via a nitric oxide-dependent mechanism. J Pharmacol Exp Ther 318 (2):579-588. doi:10.1124/jpet.105.097642)。
実施例1
インビボでのデータ-結節性硬化症のマウスモデルにおけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
結節性硬化症(TSC)は、TSC1又はTSC2腫瘍抑制遺伝子のいずれかにおいて優性突然変異により引き起こされ、奇形の脳病変(malformative brain lesion)の存在、すなわち、薬物抵抗性てんかんの発生の一因となると考えられる皮質結節(cortical tuber)の存在を特徴とする。Tuberlessヘテロ接合体Tsc1+/-マウスは、出生後の早い時期に(<P20)、再発性の、刺激によるものでない(unprovoked)発作を示す。発作は、新皮質の顆粒層(granular layer)中において皮質内で(intra-cortically)生じる。このモデルにおいて生じる重度のてんかんの詳細を示す(図1及び2)。
インビボでのデータ-結節性硬化症のマウスモデルにおけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
結節性硬化症(TSC)は、TSC1又はTSC2腫瘍抑制遺伝子のいずれかにおいて優性突然変異により引き起こされ、奇形の脳病変(malformative brain lesion)の存在、すなわち、薬物抵抗性てんかんの発生の一因となると考えられる皮質結節(cortical tuber)の存在を特徴とする。Tuberlessヘテロ接合体Tsc1+/-マウスは、出生後の早い時期に(<P20)、再発性の、刺激によるものでない(unprovoked)発作を示す。発作は、新皮質の顆粒層(granular layer)中において皮質内で(intra-cortically)生じる。このモデルにおいて生じる重度のてんかんの詳細を示す(図1及び2)。
安定な、合成のジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、AppCH2ppAを、Tsc1+/-マウスへ腹腔内(i.p.)注射によって100mMの用量で(200ml中) (20nmol; 1000nmol/kg動物体重又は0.84mg/kg動物体重)投与した場合、基本的に完全な抗てんかん作用があった(図3)。AppCH2ppAの30mMの用量(200ml中) (6nmol; 300nmol/kg動物体重又は0.25 mg/kg動物体重)を用いて実験を繰り返した場合(図4)、てんかんへの効果は、部分的であった。
実施例2
生体外でのデータ-マウス皮質切片におけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
野生型及びTsc1+/-マウス(P14〜P16)を麻酔し、それらの脳を迅速に取り去り、酸素添加した氷のように冷たい生理食塩水緩衝液に配置した。記録より前に、切片を、人工脳脊髄液(ACSF)中でインキュベートした。AppCH2ppA投与の効果を、生体外での切片への投与後(post slice administration)に測定した。処理されていない切片を、コントロールの比較のために調べた(図5)。切片の製作品(work)は、動物全体における場合と同様に、AppCH2ppAが個々の皮質ニューロンへの生体外での電気的刺激(electrical impulse)のような発作を抑制することを実例によって示す。
生体外でのデータ-マウス皮質切片におけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
野生型及びTsc1+/-マウス(P14〜P16)を麻酔し、それらの脳を迅速に取り去り、酸素添加した氷のように冷たい生理食塩水緩衝液に配置した。記録より前に、切片を、人工脳脊髄液(ACSF)中でインキュベートした。AppCH2ppA投与の効果を、生体外での切片への投与後(post slice administration)に測定した。処理されていない切片を、コントロールの比較のために調べた(図5)。切片の製作品(work)は、動物全体における場合と同様に、AppCH2ppAが個々の皮質ニューロンへの生体外での電気的刺激(electrical impulse)のような発作を抑制することを実例によって示す。
実施例3
生体外でのデータ-マウス海馬切片中におけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
切片を、先に記載された通りに調製した(Melnik S, Wright M, Tanner JA, Tsintsadze T, Tsintsadze V, Miller AD, Lozovaya N (2006) Diadenosine polyphosphate analog controls postsynaptic excitation in CA3-CA1 synapses via a nitric oxide-dependent mechanism. J Pharmacol Exp Ther 318 (2):579-588. doi:10.1124/jpet.105.097642)。かん流液におけるピクロトキシンの付加(100 μM)及びMg2+の除去は、5〜10秒間持続する自発性てんかん様事象(spontaneous epileptiform event)を誘導した(図7)。これらの事象は、当初、ピクロトキシンかん流の開始後、最初の数分において低い割合でみられ、割合を徐々に増加させ、20〜30分以内に約6〜8つの事象/5分の安定状態の頻度(plateau frequency)に達した。ピクロトキシン及びMg2+のない(Mg2+ free)細胞外溶液の継続的な存在下では、この割合における突発(bursting)は、少なくとも2時間継続した。AppCH2ppA投与の効果を、生体外での切片への投与後に測定した(図8及び9a)。重要なことには、安定な、合成の類似体AppNHppAが完全に不活性であり、並びに他の類似体が中間的な効能であることを見出した(図9b〜d)。
生体外でのデータ-マウス海馬切片中におけるAppCH2ppAの抗てんかん作用活性
切片を、先に記載された通りに調製した(Melnik S, Wright M, Tanner JA, Tsintsadze T, Tsintsadze V, Miller AD, Lozovaya N (2006) Diadenosine polyphosphate analog controls postsynaptic excitation in CA3-CA1 synapses via a nitric oxide-dependent mechanism. J Pharmacol Exp Ther 318 (2):579-588. doi:10.1124/jpet.105.097642)。かん流液におけるピクロトキシンの付加(100 μM)及びMg2+の除去は、5〜10秒間持続する自発性てんかん様事象(spontaneous epileptiform event)を誘導した(図7)。これらの事象は、当初、ピクロトキシンかん流の開始後、最初の数分において低い割合でみられ、割合を徐々に増加させ、20〜30分以内に約6〜8つの事象/5分の安定状態の頻度(plateau frequency)に達した。ピクロトキシン及びMg2+のない(Mg2+ free)細胞外溶液の継続的な存在下では、この割合における突発(bursting)は、少なくとも2時間継続した。AppCH2ppA投与の効果を、生体外での切片への投与後に測定した(図8及び9a)。重要なことには、安定な、合成の類似体AppNHppAが完全に不活性であり、並びに他の類似体が中間的な効能であることを見出した(図9b〜d)。
上述の明細書中で言及された全ての刊行物は、参照することによって本明細書中に組み込まれる。本発明の上述の方法及び系の様々な改良及び変形は、本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、当業者に明白であろう。本発明は、具体的な好ましい実施態様に関連して記載されているが、請求項に記載された本発明が、かかる具体的な実施態様に過度に限定されると理解されるべきではない。実際には、化学、生物学又は関連分野における当業者に明白である、本発明を実施するための記載された方法の様々な改良は、以下の請求項の範囲内であることが意図されている。
Claims (27)
- 抗痙攣剤及び/又は発作抑制剤としての使用のための、ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩。
- 前記ジヌクレオチドポリフォスフェート類似体が、化学式(I):
(式中、X、X'及びZは、
各Yは、=S及び=Oから独立して選択され、
B1及びB2は、更なる5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基に縮合されていなくてもよく又は縮合されてもよい5〜7員の炭素-窒素ヘテロアリール基から独立して選択され、
S1及びS2は、結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン及び化学式(II):
- R1、R2、R3及びR4は、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、又は、
C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロ
キシアルキルから選択された非置換基を独立して示し;
- p及びqは、独立して、0、1、2又は3、好ましくは0、1又は2を示し;
且つ、
- [リンカー]は、
(i) -O-、-S-、-C=O-又は-NH-;
(ii) C1〜4アルキレン、C2〜4アルケニレン又はC2〜4アルキニレン(エー
テル(-O-)、チオエーテル(-S-)、カルボニル(-C=O-)又はアミノ(-NH-)結
合を含んでもよく、又は、これにおいて終端してもよく、且つ、水素
、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6、又は、C1〜4アルキル、
C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、C1〜4ハロ
アルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキ
シアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択された
非置換基から選択された1個以上の基で置換されてもよく(式中、R5及
びR6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換のC1〜2アルキルを示す
))、あるいは
(iii) 水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6、又は、C1〜4
アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ
、C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、
C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基か
ら選択された非置換基から選択された1個以上の基で置換されてもよい
、5〜7員のヘテロシクリル、カルボシクリル又はアリール基(式中、
R5及びR6は、同じ又は異なり、且つ水素又は非置換のC1〜2アルキル
を示す))
の部分から独立して選択され、
Vは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Uは、0、1、2、3、4及び5から選択され;
Wは、0、1、2、3、4及び5から選択され;且つ
V+U+Wは、2〜7の整数である)。 - B1及びB2がプリン及びピリミジン核酸塩基から独立して選択される、請求項2に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- B1及びB2は、アデニン、グアニン、チミン、シトシン、ウラシル、ヒポキサンチン、キサンチン、1-メチルアデニン、7-メチルグアニン、2-N,N-ジメチルグアニン、5-メチルシトシン及び5,6-ジヒドロウラシルから独立して選択される、請求項3に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- B1及びB2のうちの少なくとも1つがアデニンである、請求項4に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- S1及びS2が、結合、C1〜6アルキレン、C2〜6アルケニレン、C2〜6アルキニレン及び化学式(III)又は(IV):
R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、又は、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロキシアルキルから選択される非置換基を示し;
p及びqは、独立して、0又は1を示し;
Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し;且つ、
A及びBは、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、又は、C1〜4アルコキシ、C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及び-NR5R6基から選択される非置換基を示す(式中R5及びR6は、同じ又は異なり、且つ、水素又は非置換のC1〜2アルキルを示す);
R1、R2、R3及びR4は、独立して、水素、ハロゲン、シアノ、又は、C1〜3ハロアルキル、C1〜3アルキル、C1〜4アミノアルキル及びC1〜4ヒドロキシアルキルから選択される非置換基を示し;
Qは、-O-、-S-、-C=O-、-NH-又はCH2を示し;且つ
R7及びR8は、独立して、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、シアノ、-NR5R6、又は、C1〜4アルキル、C2〜4アルケニル、C1〜4アルコキシ、C2〜4アルケニルオキシ、C1〜4ハロアルキル、C2〜4ハロアルケニル、C1〜4アミノアルキル、C1〜4ヒドロキシアルキル、C1〜4アシル及びC1〜4アルキル-NR5R6基から選択される非置換基を示し(式中、R5及びR6は、同じ又は異なり、且つ、水素又は非置換のC1〜2アルキルを示す);かつ、
p、q、r及びsは、独立して、0又は1を示す)の部分から独立して選択される、請求項2〜5のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。 - S1及びS2が、独立して、D-リボフラノース、2´-デオキシ-D-リボフラノース、3´-デオキシ-D-リボフラノース又はL-アラビノフラノースに相当する化学式(III)の部分、あるいは、D-リボフラノース、2´-デオキシ-D-リボフラノース、3´-デオキシ-D-リボフラノース又はL-アラビノフラノースの開環構造に相当する化学式(IV)の部分から選択される、請求項6に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- S1及びS2が同じである、請求項2〜7のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- S1及び/又はS2が、それぞれD-リボフラノース又は開環したD-リボフラノースである、請求項8に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 少なくとも1つのX又はX'部分が-O-ではない、請求項2〜9のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 請求項2〜10のうちのいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体であって、X及びX'が、独立して、NH及び
- 各Yが=Oであり、かつ、各Zが-O-である、請求項2〜11のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 前記ジヌクレオチドポリフォスフェート類似体が化学式(I'):
- V+Wが4又は5である、請求項13に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- Vが2である、請求項14に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- Wが2又は3である、請求項14又は15に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 前記ジヌクレオシド類似体が、AppCH2ppA、AppNHpppU、AジオールppCH2ppAジオール、AジオールppNHppAジオール、AジオールppNHppAジオール、AppCH2ppG、AppNHppG、AジオールppCH2ppGジオール及びAジオールppNHppGジオールからなる群の中から選ばれたAp4A又はAp4G類似体である、先行する請求項のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 前記ジヌクレオシド類似体がAppCH2ppAである、請求項17に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- てんかん、特に若年性てんかんの治療、予防又は抑制における、先行する請求項のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 結節性硬化症(TSC)に関連する発作の前記治療又は予防における使用のための請求項19に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 前記ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体が6〜500 μg/kgの量において投与される、先行する請求項のいずれか1項に記載の、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 前記ジヌクレオシドポリフォスフェート類似体が別の医薬活性剤と併用して投与される、先行する請求項のいずれか1項に記載の使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
- 有効量の、請求項1〜18のいずれか1項に規定された通りのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、痙攣及び/又は発作の治療、抑制又は予防方法。
- 有効量の、請求項1〜18のいずれか1項に規定された通りのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩を投与することを含む、てんかんの治療又は予防方法。
- 痙攣及び/又は発作の治療、抑制又は予防のための医薬の製造における、請求項1〜18のいずれか1項に規定された通りのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
- てんかんの治療又は予防のための医薬の製造における請求項1〜18のいずれか1項に規定された通りのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体、又はその医薬的に許容可能な塩の使用。
- 実施例のいずれか1つを参照して本明細書中に実質的に記載された通りの、使用のためのジヌクレオシドポリフォスフェート類似体。
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