JP2017502333A - 合成ダイヤモンド光学ミラー - Google Patents

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Abstract

高出力光学用途における使用のためのミラーであって、合成ダイヤモンド材料を含む支持プレート;および支持プレートの上に配置された反射コーティングを備え、反射コーティングは、反射コーティングを支持プレート中の合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層、結合層の上に配置された反射金属層、および反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層を含み、結合層および反射金属層は一緒に50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、反射金属層は5μm以下の厚さを有し、かつ支持プレートおよび反射コーティングは、ミラーがミラーの操作波長で少なくとも99%の反射率を有するように構成される、ミラー。

Description

本発明は、合成ダイヤモンド光学エレメント、特に合成ダイヤモンド光学ミラーに関する。特定の実施形態は、高出力レーザ用途などの高出力光学用途に適した光学的、熱的、および機械的特性を有する合成ダイヤモンド光学ミラーに関する。
有名なムーアの法則と一緒の過程を進み続けるために、EUV(極端UV)リソグラフィーの次世代は、主要な産業参加者によって尽力されている。EUVの発生は、複雑で非効率的なプロセスである。例えば、50WのEUVは、現在10.6μmの波長で20kWの赤外(IR)放射を使用して発生させている。効率は50%まで(すなわち、75WのEUV)改善することが期待されるが、これはなお250W以上までの目標値を満たさない。これは、さらにより高いIR出力が必要とされ(40〜50kW)、既存の光学レーザコンポーネント、例えば、ミラー、窓、およびレンズをさらにより多くの熱応力下に置くことを意味する。次世代EUVリソグラフィーのための典型的な光学システムは、多くのミラー(システム当たり数十のミラー)を備え、典型的には各ミラーは50mm以上の直径を有する。
今日まで、コーテッド銅ミラー、例えば、金コーテッド銅ミラーが用いられてきており、これは、実演者のシステムとしては適当であるが、生産システムとしては適当でないように思われる。したがって、このような高出力レーザシステムにおける使用に適する新規なミラーコンポーネントを提供する必要性がある。このようなミラーに対する基本的な技術上のニーズには、以下が含まれる:
− 高い平坦性
− 高い剛性
− 大面積(>50mm)
− 低い質量/密度−ミラーは、適応光学システムで調整されることが必要であるので、銅の密度/質量が課題である。
− ラムダが10.6μmである場合、ラムダ/10またはそれより良好なオーダの光学的許容範囲
− 熱レンズ化型効果(thermal lensing type effect)を避けるための低い熱膨張係数(CTE)
− 高い熱伝導率
− 高いレーザ誘起損傷閾値。
Claude A. Klein, "High-Power Laser-Mirror Faceplate Materials: Figures of Merit for Optical Distortion", SPIE Vol. 3151では、レーザミラーにおける熱レンズ化の問題が検討されている。潜在的反射鏡面プレート材料は、パルスまたは連続波レーザ環境におけるミラー材料候補の熱レンズ化性能の比較のためのゲージとしての性能指数を生成するために材料特性を使用して理論的観点から評価される。性能指数計算により、最悪から最良まで列挙された潜在的レーザミラー材料の以下の評価、すなわち、銅;モリブデン;ケイ素;炭化ケイ素;炭素−炭素(炭素繊維強化黒鉛);およびダイヤモンドが示される。銅は依然として、工業用CO2レーザ用のミラー材料として重要な役割を果たすが、熱レンズ化が課題となる場合に他の基板材料の性能に匹敵しないことが示される。モリブデンは、銅よりも魅力的にさせる物理的性質の組合せ、例えば、より低い熱的CTEを示し、機械加工および研磨することも容易である。2種のセラミックスである、ケイ素および炭化ケイ素は、高エネルギーレーザ用途にとって良い候補である。最後に、多結晶ダイヤモンドおよび炭素−炭素コンポジットは、両方ともそれらの熱的性質に基づく卓越した候補であることが示される。しかしながら、炭素−炭素コンポジット製作技術を冷やしたミラー構成に適合させる際に困難があった。さらに、ダイヤモンドは効率的な冷却を必要とする高熱負荷光学用途に特定の見込みを示す一方で、高エネルギーレーザミラーに対してダイヤモンドを使用することに関していくつかの問題がある。例えば、大面積ダイヤモンドコンポーネントは、製造するのに高価である。さらに、多結晶化学蒸着(CVD)ダイヤモンド材料は、高い熱伝導率および低い熱膨張係数とともに非常に硬く、剛性である利点を有する一方で、この材料は比較的低い靭性を有し、ミラー用途に必要とされる高精密表面仕上げに処理することが困難である。さらになお、特にコンポーネントが剥離問題をもたらす熱膨張係数の不一致を伴って高出力レーザに露光される場合、ダイヤモンド基板材料に反射コーティングを確実に結合させることは困難であり得る。加えて、例えば、曲面ミラーが必要とされる場合、多結晶CVDダイヤモンドを高い厚さおよび/または三次元形状に形成することは困難である。
本発明の実施形態の目的は、前述の問題の1つまたは複数に対処することである。
Kleinは、ダイヤモンドが反射光学部品を製造するための望ましい基板材料であることを示唆するが、Kleinは、以下を含めて、高出力光学用途に適したダイヤモンドベース反射光学部品を製作するためのいくつかの重要な要因に関してなんらの具体的指針を与えていないことは、背景技術の項から明らかである:
(1)Kleinは、ミラー支持プレートとして使用されるべきダイヤモンド材料の特定の性質および形態、ならびにダイヤモンドベースミラー支持プレートが製作される方法に関して沈黙している。ダイヤモンドベースミラーの機械的、熱的、および光学的要件は、ミラー支持プレートの幾何学的形態、用いられるダイヤモンド材料のタイプ、およびダイヤモンド材料の支持のされ方に依存している。
(2)Kleinは、ダイヤモンドベースミラー支持プレートの適切な表面特性、およびこれらの達成のされ方に関しても沈黙している。ダイヤモンド材料は、ミラー用途に必要とされる高精密表面仕上げ(例えば、低い表面粗さと組み合わせての、ならびに低い表面および下部表面結晶損傷と組み合わせての高い平坦性または精密な湾曲)に処理することが難しいことで有名である。これは、低い靭性と組み合わされたダイヤモンド材料の極端な硬さのためである。反射および散乱などの光学的特性は、ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面特性に依存する。さらに、反射コーティングとダイヤモンドベース支持プレートとの間の界面におけるダイヤモンドベースミラーの熱伝導率および熱障壁抵抗などの熱的特性も、ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面特性に依存する。このような特性は、例えば、反射光学部品のレーザ誘起損傷閾値に影響を与える。
(3)Kleinは、ダイヤモンドベースミラー支持プレートに適用される反射コーティングの性質およびそれがダイヤモンドベースミラー支持プレートに接着される方法に関しても沈黙している。様々な反射コーティングおよび結合方法が銅などの他のミラー支持プレート材料による使用について当技術分野で公知である一方で、ダイヤモンド材料は、ダイヤモンド表面の化学的不活性、およびダイヤモンド材料とダイヤモンド材料をコーティングするために用いられる材料との間の熱膨張係数の不一致をもたらすダイヤモンド材料の低い熱膨張係数のために、確実にコーティングすることは難しいことで有名である。これは、反射光学部品がコーティングの剥離を引き起こす熱誘起応力をもたらすコーテッド反射光学部品における熱膨張係数不一致を有して、高出力レーザに露光される場合に特に問題がある。したがって、ダイヤモンドベースミラー支持プレートを使用する場合、反射コーティングのタイプおよびコーティングがダイヤモンドベースミラー支持プレートに結合される方法は、工業的に有用な反射のレベル、好ましくは高いレーザ誘起損傷閾値を達成するように慎重に選択されなければならない。
本明細書は、次世代EUVリソグラフィーなどの工業用途に必要とされる機械的、光学的、および熱的特性を有するダイヤモンドベース反射光学部品を達成するために必要な様々な特徴の組合せについて記載することによってこれらの課題に対処する。合成ダイヤモンド材料、非ダイヤモンド支持材料、合成方法、コンポーネントの幾何学的形態、表面特性、所望の表面特性を達成する表面処理方法、反射コーティング、反射コーティングの結合方法、およびダイヤモンドベース反射光学部品内で吸収される熱の管理方法の様々な組合せを含めて、材料、合成方法、表面処理技術、ならびに所望の機械的、光学的、および熱的特性を達成する結合方法のいくつかの異なる組合せを用いるいくつかの異なる実施形態が本明細書に記載される。実施形態のすべては、ダイヤモンドベースミラー支持プレートおよび支持プレートの上に配置された反射コーティングの共通の特徴を共有し、ここで、材料、層厚さ、合成、表面処理、および結合方法の適切な組合せは、パルスレーザおよび/または連続波レーザ操作で高い反射率、および好ましくは、高いレーザ誘起損傷閾値を有するダイヤモンドベースミラーを与えるように選択される。
上記に照らして、本発明によれば、高出力光学用途における使用のためのミラーであって、
合成ダイヤモンド材料を含む支持プレート;および
支持プレートの上に配置された反射コーティング
を備え、
反射コーティングは、反射コーティングを支持プレート中の合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層、結合層の上に配置された反射金属層、および反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層を含み、
結合層および反射金属層は一緒に、50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、反射金属層は5μm以下の厚さを有し、かつ
支持プレートおよび反射コーティングは、ミラーが、ミラーの操作波長で少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%の反射率と、好ましくは以下の特性:
レーザ誘起損傷閾値が、100nsのパルス持続時間および1〜10Hzの範囲のパルス繰り返し周波数によって操作波長でパルスレーザを使用して測定された、少なくとも1Jcm-2、少なくとも2Jcm-2、少なくとも5Jcm-2、少なくとも10Jcm-2、少なくとも20Jcm-2、少なくとも30Jcm-2、少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、または少なくとも200Jcm-2である;および
レーザ誘起損傷閾値が、操作波長で連続波レーザを使用して測定された、少なくとも1MW/cm2、少なくとも5MW/cm2、少なくとも10MW/cm2、少なくとも20MW/cm2、少なくとも30MW/cm2、または少なくとも50MW/cm2である
の一方または両方を満たすレーザ誘起損傷閾値とを有するように構成される、ミラーが提供される。
操作波長は、10.6μm、1.06μm、532nm、355nm、または256nmであってもよく、10.6μmの波長が、多くの高出力工業用レーザ用途にとって特に一般的である。
炭化物形成材料の結合層は、反射コーティングと支持プレート中の合成ダイヤモンド材料との間に強い接着を与えて、特に高出力レーザ用途において高い熱負荷下に置かれる場合に、反射コーティングの剥離の問題を軽減する。
結合層および反射金属層は一緒に、50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、反射金属層は、層が高い反射率を達成するのに十分に厚い一方で、反射金属層で発生した熱が下にあるダイヤモンド支持プレートによって効率的に拡散されるのに十分に薄いように、5μm以下の厚さを有する。
反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層は、理想的には99%の反射率を十分に超えてまで、ミラーの反射率を増加させるのに役立つ。
ミラー構造、材料、および前述の特性を有するダイヤモンドベースミラーを達成する製作方法の詳細な例は、詳細な説明で示される。
本発明のより良い理解のために、およびそれが実行に移され得る方法を示すために、これから本発明の実施形態が、添付の図面を参照して単に例として説明される。
一実施形態によるダイヤモンドベース高出力レーザミラー構造の概略図である。 ダイヤモンドベース高出力レーザミラー構造の代替の実施形態の概略図である。 ダイヤモンドベース高出力レーザミラー構造の別の実施形態の概略図である。 ダイヤモンドベース高出力レーザミラー構造のさらに別の実施形態の概略図である。 ダイヤモンドベース高出力レーザミラー構造を備える高出力レーザシステムの概略図である。
発明の項の概要で示されたように、本発明の実施形態は、高出力光学用途での使用のためのミラーであって、
合成ダイヤモンド材料を含む支持プレート;および
支持プレートの上に配置された反射コーティング
を備え、
反射コーティングは、反射コーティングを支持プレート中の合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層、結合層の上に配置された反射金属層、および反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層を含み、
結合層および反射金属層は一緒に、50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、反射金属層は5μm以下の厚さを有し、かつ
支持プレートおよび反射コーティングは、ミラーが、ミラーの操作波長で少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%の反射率と、好ましくは以下の特性:
レーザ誘起損傷閾値が、100nsのパルス持続時間および1〜10Hzの範囲のパルス繰り返し周波数によって操作波長でパルスレーザを使用して測定された、少なくとも1Jcm-2、少なくとも2Jcm-2、少なくとも5Jcm-2、少なくとも10Jcm-2、少なくとも20Jcm-2、少なくとも30Jcm-2、少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、または少なくとも200Jcm-2である;および
レーザ誘起損傷閾値が、操作波長で連続波レーザを使用して測定された、少なくとも1MW/cm2、5MW/cm2、10MW/cm2、20MW/cm2、30MW/cm2、または50MW/cm2である
の一方または両方を満たすレーザ誘起損傷閾値とを有するように構成される、ミラーを提供する。
基本的な3工程法が、本明細書で記載されるとおりの高出力レーザミラーを製作するために使用されてもよく、その方法は、
(i)多結晶ダイヤモンド材料を含む支持プレートを製作する工程と;
(ii)支持プレートの表面を高精密光学仕上げに処理する工程と;
(iii)反射コーティングを支持プレートの処理表面に適用する工程と
を含む。
実施形態は、前述の反射率およびレーザ誘起損傷閾値の特性を有するミラーを達成するために、いくつかの異なるミラー構造、材料、ならびに製作方法を用いる。発明の項の概要で概略されたとおりに、重要な考慮事項には、
(1)ミラー支持プレートとして使用されるべきダイヤモンド材料の特定の性質および形態ならびにダイヤモンドベースミラー支持プレートが製作される方法;
(2)ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面特性およびこれらが達成される方法;ならびに
(3)ダイヤモンドベースミラー支持プレートに適用される反射コーティングの性質およびそれがダイヤモンドベースミラー支持プレートに接着される方法
が含まれる。
以下の詳細な説明は、これらの考慮事項のそれぞれに対処するための様々な選択肢を示す。
ミラー支持プレート−材料および合成
ダイヤモンド材料を含むミラー支持プレートを提供するために3つの基本的な可能性、すなわち、
(1)合成ダイヤモンド材料の自立性プレート;
(2)支持基板上に配置された合成ダイヤモンド材料の層;または
(3)支持マトリックス材料を介して分布したダイヤモンド粒子を含むコンポジットダイヤモンドプレート
が存在する。
合成ダイヤモンド材料の自立性プレートは、単結晶HPHTまたはCVD合成ダイヤモンド材料または多結晶CVDダイヤモンドの形態で与えられてもよい。特定の高出力レーザ用途で必要とされる大面積ミラーの場合、多結晶CVDダイヤモンドプレートが好ましいが、大面積の単結晶CVDダイヤモンドプレートが、例えば、比較的に大面積の単結晶CVDダイヤモンド層がタイル状アレイに構成された複数の単結晶ダイヤモンド基板の上で成長されるタイル状基板手法を使用することによって与えられてもよい。
ミラー支持プレートが合成ダイヤモンド材料の自立性プレートの形態で与えられる場合、ダイヤモンド材料は、反射コーティングを支持し、製作、取付けの間、および使用中にミラーに与えられる熱的および機械的応力に耐えるように十分に機械的に頑強であるように製作されなければならない。例えば、可能性の1つは、よく相互成長したマイクロメートルスケールのダイヤモンド粒子を含む高品質多結晶CVDダイヤモンド材料の比較的厚いウェハを与えることである。比較的高い厚さは、いくつかの理由、すなわち、(i)ミラーを支持するバルク多結晶CVDダイヤモンド材料を与えること;(ii)ミラーが、より大きい範囲の幾何形状に製作されるのを可能にすること;(iii)より厚い多結晶CVDダイヤモンド材料の成長が、ミラーのためのさらなる機械的支持を与えるより大きなマイクロメートルスケールのダイヤモンド粒子のより良い相互成長をもたらし得ること;および(iv)高出力光学用途における使用の間に発生した熱を拡散するバルク多結晶CVDダイヤモンド材料を与えること、のために有用である。例えば、自立性合成ダイヤモンドプレートの厚さは、200μm以上、400μm以上、600μm以上、800μm以上、1mm以上、1.5mm以上、もしくは2mm以上、および/または3mm以下、2mm以下、もしくは1.5mm以下、ならびに/あるいはこれらの端点の任意の組合せにより規定される範囲内であってもよい。例えば、600μm〜1.5mmまたは800μm〜1mmの範囲の厚さが、機械的および熱的要件と費用との間の均衡を取って、多くの反射光学部品用途に好ましくあり得る。
さらに、比較的厚い自立性合成ダイヤモンド支持プレートを与えることに加えて、一部の高出力レーザ用途では、大面積を有する自立性合成ダイヤモンド支持プレートを与えることも有利である。幾何学的考慮事項に加えて、大面積のダイヤモンド支持プレートを与えることは、使用中に発生した熱がより大きい面積にわたって拡散されることを可能にすることによって熱的性能に影響を与え、これは局在加熱を減少させる。例えば、支持プレートは、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも50mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、または少なくとも140mmの最大線寸法を有してもよい。通常の状況である、支持プレートが平面図で円形状を有するように与えられる場合、最大線寸法は、支持プレートの直径に相当する。機械的、熱的、および光学的要件と費用との間の均衡を取ると、多くの光学用途にとって支持プレートは、少なくとも1963mm2、少なくとも2827mm2、少なくとも3848mm2、少なくとも5027mm2、少なくとも6362mm2、もしくは少なくとも7054mm2、および/または15394mm2以下、13273mm2以下、11310mm2以下、もしくは9503mm2以下(円形プレートの場合に少なくとも50mm、少なくとも60mm、少なくとも70mm、少なくとも80mm、少なくとも90mm、もしくは少なくとも100mm、および/または140mm以下、130mm以下、120mm以下、もしくは110mm以下の直径に相当する)、ならびに/あるいはこれらの端点の任意の組合せにより規定される範囲内の表面積(または支持プレートのコーティングされた反射側)を有してもよい。
よく相互成長したマイクロメートルスケールの多結晶CVD合成ダイヤモンド支持プレートを与えることによって、比較的に高い引張り破壊強度を有する頑強な支持プレートを達成することが可能である。例えば、多結晶CVD合成ダイヤモンド支持プレートは、200〜500μmの厚さについて≧760MPa×n;500〜750μmの厚さについて≧700MPa×n;750〜1000μmの厚さについて≧650MPa×n;1000〜1250μmの厚さについて≧600MPa×n;1250〜1500μmの厚さについて≧550MPa×n;1500〜1750μmの厚さについて≧500MPa×n;1750〜2000μmの厚さについて≧450MPa×n;または≧2000μの厚さについて≧400MPa×n(ここで、倍率nは、1.0、1.1、1.2,1.4、1.6、1.8、または2である)の引張りにおける作業表面に関する引張り破壊強度を有し得る。さらに、多結晶CVD合成ダイヤモンド支持プレートは、200〜500μmの厚さについて≧330MPa×n;500〜750μmの厚さについて≧300MPa×n;750〜1000μmの厚さについて≧275MPa×n;1000〜1250μmの厚さについて≧250MPa×n;1250〜1500μmの厚さについて≧225MPa×n;1500〜1750μmの厚さについて≧200MPa×n;1750×2000μmの厚さについて≧175MPa;または≧2000μmの厚さについて≧150MPa×n(ここで、倍率nは、1.0、1.1、1.2、1.4、1.6、1.8、または2である)の引張りにおける後部取付け表面に関する引張り破壊強度を有し得る。
上記に加えて、反射コーティングが適用されるダイヤモンド支持プレートの表面が、低いsp2炭素含有量および高い熱伝導率を有する良好な品質のダイヤモンド材料から形成されることを確実にすることも望ましい。この点で、初期段階核形成ダイヤモンド材料におけるsp2含有量ならびにボイドの数および容積は、通常はマイクロメートルスケール相互成長ダイヤモンド粒子を有する多結晶CVDダイヤモンド材料の後期段階成長よりも高いことが知られている。したがって、多結晶CVDダイヤモンドウェハの成長面でのまたはそれに近いダイヤモンド材料の熱伝導率は、通常は多結晶CVDダイヤモンドウェハの核形成面でのまたはそれに近いダイヤモンド材料の熱伝導率よりも高い。さらに、高出力ミラー用途の場合、最大熱伝導率を有するダイヤモンド材料が、使用中の反射表面で発生した熱をより効率的に拡散するように反射コーティングの近位に位置することを確実にすることが有利であり得ることが認められた。したがって、特定の実施形態によれば、ダイヤモンド支持プレートは、多結晶CVDダイヤモンドプレートの成長面側が反射コーティングの近位に位置し、多結晶CVDダイヤモンドプレートの核形成面側が反射コーティングの遠位に位置するように配向され、すなわち、反射コーティングはダイヤモンド支持プレートの核形成面側よりも成長面側に適用される。多結晶CVDダイヤモンド材料の粒度は成長の間に増加するので、ダイヤモンド支持プレートは、反射コーティングの近位に位置する多結晶CVDダイヤモンドプレートの表面が反射コーティングの遠位にある多結晶CVDダイヤモンドプレートの表面よりも大きいダイヤモンド粒子を含むように、配向される。
前述の手法に関する問題の1つは、多結晶CVDダイヤモンドプレートの成長面側が通常は成長したままの形態で非常に粗いことである。したがって、ミラー用途のための精密な平坦性または湾曲を有する平滑表面仕上げを与えるために、かなりの量の合成後表面処理が必要とされる。この表面処理は、時間がかかり、したがって、製作プロセスに経費を追加し得る。さらに、表面処理は、ダイヤモンド材料中に表面および下部表面結晶損傷を導入し得、これは、熱的および光学的特性に悪影響を与え得る。
対照的に、多結晶CVDダイヤモンドプレートの核形成面側は、平滑成長基板上で成長する場合、成長したままの形態で平滑で、粗さの低い表面仕上げを有する。したがって、反射コーティングが多結晶CVDダイヤモンド支持プレートの核形成面側に配置される場合、反射コーティングの適用前に所望の表面仕上げを達成するために、合成後表面処理はあまり、またはさらには、合成後表面処理はまったく必要とされなくてよい。これは、多結晶CVDダイヤモンド支持プレートのための合成後処理要件を低減させ、したがって、製作費用を低減させ、合成後処理により起因する表面および下部表面結晶損傷を低減させ得る。しかしながら、前に示されたように、核形成面ダイヤモンド材料は、より高いsp2炭素含有量、より高いボイド含有量、およびより低い熱伝導率を有する成長面ダイヤモンド材料よりも品質が不良である傾向があり、これは、この表面が反射コーティング層の近位に位置する場合に望ましくない。したがって、反射コーティングがダイヤモンド支持プレートの核形成面側に適用される場合、反射コーティングの適用前に最悪の品質の核形成面ダイヤモンド材料の少なくも一部を除去することが望ましい。例えば、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも200nm、もしくは少なくとも500nmおよび/または20μm以下、10μm以下、5μm以下、2μm以下、もしくは1μm以下の厚さを有する核形成面ダイヤモンド材料の薄い層は、それへの反射コーティングの適用前にダイヤモンド支持基板の核形成面側から除去されてもよい。代わりに、早期段階のダイヤモンド成長は、早期段階のダイヤモンド成長の品質を改善し、早期成長段階のダイヤモンド材料中のsp2炭素含有量を減少させるために制御され得る。これを達成するためにいくつかの方法が可能である。例えば、多結晶CVDダイヤモンド材料は、
基板を準備する工程と;
前記基板の表面にシードする工程と;
化学蒸着(CVD)技術を使用して前記表面上にダイヤモンド核形成層を成長させる工程と;
ダイヤモンド核形成層の上に多結晶CVDダイヤモンド材料のより厚い層を成長させる工程と
を含み、
以下の技術:
(a)シーディング工程のためにナノ結晶ダイヤモンド粉末を使用する技術であって、ナノ結晶ダイヤモンド粉末は200nm以下の平均粒径および500nm以下のD90粒径を有し、それにより、基板表面に形成される溝のサイズを減少させ、その結果として、より大きい播粒子を用いるシーディングプロセスと比較する場合、その上でのダイヤモンド成長の間のボイド形成を減少させる技術;
(b)ダイヤモンド核形成層を製作するために代替のCVDダイヤモンド成長および非ダイヤモンド炭素エッチング工程を使用する技術であって、化学蒸着により第1の厚さのダイヤモンド層を成長させる工程と、前記ダイヤモンド層の少なくとも一部をエッチングする工程と、前記ダイヤモンド層の厚さ全体が第2の厚さに到達するまで前記ダイヤモンド層を成長させ、前記ダイヤモンド層の少なくとも一部をエッチングする前記工程を繰り返す工程とを含み、前記ダイヤモンド層の少なくとも一部をエッチングする前記工程は、ダイヤモンド相を上回って非ダイヤモンド相を優先的にエッチングし、それにより、非ダイヤモンド相に対するダイヤモンド核形成層中のダイヤモンド相の割合を増加させる技術;
(c)シーディング後かつその上のダイヤモンド核形成層の成長の前に、基板表面に適用される成長前エッチング工程を使用する技術であって、結晶種は、シーディングの間に基板表面上に堆積され、成長前エッチング工程は、基板表面上の結晶種を上回って基板表面を優先的にエッチングし、基板表面を平滑にし、それにより、結晶種により与えられる核形成部位に対して基板表面上の鋭い溝エッジにより形成される核形成部位を減少させるように選択される化学を使用する工程を含む技術
の少なくとも1つを適用する工程をさらに含む方法論を使用して成長させてもよい。
前述の技術は、ボイド形成および非ダイヤモンド炭素相を減少させるために微細ナノ粒子シーディングを使用して基板の核形成密度を増加させ、溝を減少させること;非ダイヤモンド炭素を減少させ、粒度を増加させるために早期段階成長の間に代替の成長およびエッチング手順をしようすること;および早期段階成長の間に結晶ドメイン、その結果としてダイヤモンド粒度を増加させるために種に対して基板表面上の核形成を減少させるように選択される成長前エッチングを使用することを含む。有利には、これらの技術は、一緒に適用される2つまたは3つすべての技術と組み合わせて使用され得る。例えば、ナノ結晶粉末は、核形成密度を増加させ、ボイド形成および非ダイヤモンド炭素を減少させ、したがって、熱伝導率を増加させ得る一方で、核形成密度が高過ぎる場合、結晶ドメインサイズは、減少させ、熱伝導率を低下させるより多くの粒界をもたらし得る。したがって、技術(a)および技術(b)は、高いが制御された核形成が与えられることを可能にするように組み合わせて適用され、核形成密度対結晶ドメインサイズの最適化を可能にする一方でまた、ボイド形成、非ダイヤモンド炭素、および他の欠陥を低下させ得る。次いで、技術(b)が、多結晶CVDダイヤモンド成長の早期段階の間に非ダイヤモンド炭素の量をさらに減少させ、より高い品質のバルク多結晶CVDダイヤモンド成長相中に移動する前に核形成層の厚さを減少させるために使用されてもよい。
したがって、成長したままの多結晶CVDダイヤモンド材料の核形成面の合成後処理に対する必要性を回避し、または少なくとも低減させる、多結晶CVDダイヤモンドミラー支持プレートを達成するための合成方法が使用されてもよい。このような方法は、良好な品質の核形成面ダイヤモンド材料を達成するために上に記載されたものなどのシーディングおよび早期段階ダイヤモンド成長技術を使用して、非常に平坦で低い表面粗さの成長基板および早期段階ダイヤモンド成長の慎重な制御を用いてもよい。この場合、成長したままの多結晶CVDダイヤモンド材料の核形成面は、核形成面の表面処理に対する要件を、成長基板の除去後かつ反射コーティングの適用前に低減させ、またはなくすように十分に良く形成されてもよい。成長基板は、成長基板を横切って5mmの長さにわたって測定して、≦5μm、≦4μm、≦3μm、≦2μm、≦1μm、≦0.5μm、≦0.2μm、または≦0.1μmの表面平坦性を有してもよい。さらに、成長基板は、≦20nm、≦10nm、≦5nm、≦2nm、または≦1nmの表面粗さRaを有してもよい。このような成長基板は、例えば、タングステンまたはシリコンウェハなどの耐火金属基板を形成する炭化物から形成されてもよい。成長基板の成長面は、その上でのダイヤモンド成長前に高度の平坦性および低い表面粗さに処理される。前に記載されたとおりのシーディングおよび早期段階ダイヤモンド成長プロセスと組み合わせて使用される場合、低いsp2ダイヤモンド核形成面が、高度の平坦性および低い表面粗さを有して達成され得る。例えば、本明細書で記載されるとおりの多結晶CVD合成ダイヤモンド支持基板を製作する方法であって、
多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の層を成長基板上で成長させる工程であって、多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の層は核形成面および成長面を有し、核形成面は成長面よりも小さい粒子を含み、成長面の平均横方向粒度は10μm以上である、工程
を含み、
成長基板は、成長基板に横切って5mmの長さにわたって測定して≦5μmの表面平坦性および≦20nmの表面粗さRaを有し;
多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の成長は、成長基板の除去後に、多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の層の核形成面が
(a)成長面よりも小さいダイヤモンド粒子;
(b)10nm〜15μmの範囲の平均横方向粒度;ならびに
(c)以下の特性;
(1)8.0cm-1以下の半値全幅(full withdth half−maximum)を有する1332cm-1でのsp3炭素ピーク、
(2)633nmでのラマン励起源を使用する場合のバックグラウンド差引き後の、1332cm-1でのsp3炭素ピークの高さの20%以下である高さを有する1550cm-1でのsp2炭素ピーク;および
(3)1332cm-1でのsp3炭素ピークが、785nmでのラマン励起源を使用してのラマンスペクトルの局所バックグラウンド強度の10%以上であること
の1つまたは複数を示す処理核形成面に焦点を合わせたレーザにより発生したラマンシグナル
を有するように制御される、方法が提供されてもよい。
上記に関連して、ダイヤモンドミラー支持プレートを製作するためにどの合成経路が用いられるとしても、反射コーティングに最も近接して配置されるダイヤモンドミラー支持プレートの表面は、好ましくは、低いsp2炭素含有量、低いボイド含有量、および高い熱伝導率を有する高品質ダイヤモンド材料から形成されるべきであることに留意されたい。この点で、ラマン分光法は、局在領域におけるsp2炭素含有量を測定するための特に有用な技術であることがわかった。ラマン分光法は、典型的には500nm〜1000nmに光波長を使用し、これは、ダイヤモンドの表面に焦点を合わせる場合、およそ1μm3の表面体積を試料採取する。非ダイヤモンド炭素ピークは、1580cm-1−黒鉛;1350〜1580cm-1−ナノ結晶黒鉛;および1550〜1500cm-1−非晶質炭素および黒鉛相を含む。非sp3結合炭素が合成ダイヤモンド材料のラマンスペクトルおいて何らかの有意な程度に明らかである場合、その材料はより不良な熱伝導率を有することがわかった。したがって、好ましくは、sp2炭素含有量は、結合層および反射層との界面を形成するダイヤモンド材料の表面で材料のラマンスペクトルにおける何らの有意な非ダイヤモンド炭素ピークも示さないように十分に低い。
sp3ダイヤモンドラマンピークは、およそ1332cm-1にある。sp3ダイヤモンドラマンピークの幅は、ダイヤモンド材料の結晶品質を示すことが公知である。特定の実施形態によれば、反射コーティングがその上に適用されるダイヤモンド支持プレートの表面の領域に焦点を合わせたレーザにより発生したラマンシグナルは、8.0cm-1以下、7.0cm-1以下、6.0cm-1以下、5.0cm-1以下、4.0cm-1以下、3.0cm-1以下、2.5cm-1以下、または2.0cm-1以下の半値全幅を有する1332cm-1でのsp3炭素ピークを示す。
特定の実施形態によれば、反射コーティングがその上に適用されるダイヤモンド支持プレートの表面の領域に焦点を合わせたラマン励起源としてヘリウム−ネオンレーザ(633nm)を使用すると、バックグラウンド差引き後にほぼ1332cm-1にあるsp3ダイヤモンドラマンピークの高さの20%以下、10%以下、5%以下、1%以下、0.1%以下、0.01%以下、または0.001%以下であるほぼ1550cm-1でのsp2炭素ピークを有するダイヤモンドラマンスペクトルが生じる。sp2炭素の量は、sp2炭素などの不純物のためであるそのピークに対する局所バックグラウンドの高さに対しておよそ1332cm-1にあるsp3ダイヤモンドラマンピークの高さを測定することによって代わりに評価されてもよい。特定の実施形態によれば、反射コーティングがその上に適用されるダイヤモンド支持プレートの表面の領域に焦点を合わせた785nmでのラマン励起源を使用すると、ラマンスペクトルの局所バックグラウンド強度の10%以上、20%以上、30%以上、40%以上、50%以上、60%以上、または70%以上であるおよそ1332cm-1でのsp3炭素ピークを有するダイヤモンドラマンスペクトルが生じる。
ミラー支持プレートとしての使用に適した多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の好適な自立性ウェハは、Element Six Limitedから入手可能である。機械的等級、熱的等級、および光学的等級を含めて、様々な等級の多結晶CVD合成ダイヤモンド材料が入手可能である。ミラー支持プレートのために選択される多結晶CVD合成ダイヤモンド材料の特定等級は、特定用途に依存し、機械的、熱的、および光学的要件に応じて選択され得る。しかしながら、高出力レーザ用途の場合、局在加熱ならびに熱変形および損傷の問題を軽減するために高い熱伝導率を有する材料の等級を選択することが望ましい。したがって、任意選択により、少なくとも1000Wm-1-1、少なくとも1200Wm-1-1、少なくとも1400Wm-1-1、少なくとも1600Wm-1-1、少なくとも1800Wm-1-1、少なくとも1900Wm-1-1、少なくとも2000Wm-1-1、少なくとも2100Wm-1-1、または少なくとも2200Wm-1-1の熱伝導率を有する合成ダイヤモンド材料が選択される。単結晶合成ダイヤモンド材料も、Element Six Limitedから入手可能であり、これらの熱伝導率特性を満たし、またはそれを超えるが、これらは一般的に多結晶CVD合成ダイヤモンドウェハと比較してより小さいサイズで利用可能である。そうではあるが、前に示されたとおりに、単結晶CVDダイヤモンドコンポーネントのサイズを増加させる公知の経路の1つは、比較的大面積の単結晶CVDダイヤモンド層をタイル状アレイに構成された複数の単結晶ダイヤモンド基板の上で成長させるタイル状基板手法を使用することである。
前述の説明は、ミラー支持プレートとしての使用のための適切な自立性合成ダイヤモンドプレートの詳細な検討を与える一方で、前に示されたように、非ダイヤモンド支持基板上に配置された合成ダイヤモンド材料の層を含むミラー支持プレートを与え、または支持材料と配置された合成ダイヤモンド材料(例えば、ダイヤモンド粒子)を含むコンポジットダイヤモンド支持プレートを与えることも可能である。このようなコンポジット溶液は、合成ダイヤモンド材料と、非ダイヤモンド支持材料および反射コーティングとを組み合わせる。このようなコンポジットミラー支持プレートの利点の1つは、ダイヤモンド材料の有利な熱的特性の多くを、少なくともある程度保持する一方で、より低い費用、大面積、および任意選択により、高出力レーザ用途に適した曲面ミラー構成も達成することも可能であることである。
上記に照らして、特定の構成によれば、合成ダイヤモンド材料は、支持材料内に配置されて、反射コーティングがその上に配置されるダイヤモンドコンポジット支持プレートを形成してもよい。例えば、ダイヤモンドコンポジット支持プレートは、多結晶CVDダイヤモンドウェハと比較される場合、良好な熱的特性を有する一方でまた大面積および三次元形状に、より容易に形成可能であるケイ素結合ダイヤモンド(ScD)から形成されていてもよい。
代わりに、多結晶CVDダイヤモンド材料は、支持材料から形成された支持基板上に配置された多結晶CVDダイヤモンド層の形態で提供されてもよい。この溶液は、比較的厚い自立性多結晶CVDダイヤモンドミラー支持プレートとは対照的に提供される多結晶CVDダイヤモンド材料の大面積の薄いコーティングを可能にする。
有用な構成の1つは、この層状化基板手法をダイヤモンドコンポジット材料の使用と組み合わせることである。例えば、ミラー支持プレートは、精密光学仕上げに表面処理され、反射コーティングでコーティングされている多結晶CVDダイヤモンドコーティングを有するScDから形成され得る。この点で、多結晶CVDダイヤモンド材料でコーティングされたScDは、電子デバイス基板のためのヒートスプレッダ(heat spreader)として以前に提案されてきた(例えば、WO2004/034466を参照されたい)。ここでは、このようなコンポジット材料構造は、精密光学仕上げに研磨され、反射コーティングでコーティングされて、高出力レーザ用途に適したミラーを形成してもよいことが提案されている。
上記に対する代替として、他の支持基板が、多結晶CVDダイヤモンド材料でコーティングされるか、またはそれに結合され、精密光学仕上げに研磨され、反射コーティングでコーティングされて、高出力レーザ用途に適したミラーを形成してもよいことも想定される。好適な支持基板の例には、炭化ケイ素、ケイ素、および熱分解黒鉛(TPG)が含まれる。
ケイ素結合ダイヤモンド(ScD)支持プレートの製作方法は、当技術分野で公知である。例えば、WO99/12866、WO00/18702、WO02/42240、WO2004/089850号、およびWO2009/013713を参照されたい。多結晶CVDダイヤモンドコーティングを有するScD材料を含むコンポジット支持基板の製作方法は、WO2004/034466に記載されている。多結晶CVDダイヤモンドコーティングは、典型的にはダイヤモンド成長前に支持基板にシードして、ケイ素、炭化ケイ素、または熱分解黒鉛の支持基板上で直接成長させることもできる。これらの方法は当業者に公知である。基板は、通常は所望の費用および合成ダイヤモンド材料の品質を得るために選択された温度およびガス組成によってCVDダイヤモンド成長の間600〜1200℃の範囲の成長温度で維持される。
これらの基板にコーティングし、ダイヤモンド材料の処理後に有用なミラーを得るための特別な考慮事項はあまりよく知られていない。ダイヤモンドフィルムと基板との間の熱膨張の不一致は、成長温度から室温に冷やされた後でダイヤモンドの表面形態に影響すると考えられる必要がある。基板の剛性は、その厚さおよび/またはその幾何形状を変化させることによって調整され得る。冷却直後の形状変化は、基板と合成ダイヤモンド層との剛比(ダイヤモンド層の厚さに依存する)および所与の熱膨張係数を有する基板のための成長温度に依存する。コンポジットミラーの最終形状は、ダイヤモンドコーティング前の成長基板の形状、ダイヤモンド成長後の冷却直後の何らかの形状変化、および何らかの成長後処理によって影響され得る。
成長基板の厚さは、通常2mmから20mmの間である。成長基板の最大線寸法は、通常少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、または少なくとも140mmである。基板の表面プロファイルは、ダイヤモンドコーティングが基板に十分接着されているダイヤモンドコーテッド基板を製作することが望ましい場合にダイヤモンド層の基板への接着を補助するために、少なくとも15nm、少なくとも25nm、少なくとも50nm、少なくとも100nm、少なくとも200nm、少なくとも500nm、または少なくとも1マイクロメートルの表面粗さRaを有しもよい。
ダイヤモンドに対して熱膨張係数の比較的低い差を有する材料から作られた、厚い成長基板、およびその上で成長させた合成ダイヤモンド材料の薄い層の場合、基板は比較的剛性である。この場合、基板を多結晶CVDダイヤモンド材料でコーティングした後、明確に規定された表面プロファイルを得ることが可能である。例えば、表面プロファイルは、平滑目標表面プロファイル(例えば、平坦な、または精密に湾曲した)から二乗平均偏差を有してもよく、前記二乗平均偏差は、10マイクロメートル以下、8マイクロメートル以下、6マイクロメートル以下、4マイクロメートル以下、2マイクロメートル以下、または1マイクロメートル以下である。ダイヤモンドに対して膨張係数の比較的高い差を有する材料から任意選択により作られた、薄い成長基板、およびその上で成長させた合成ダイヤモンド材料の厚い層の場合、基板は、比較的に変形可能である。したがって、ダイヤモンドコーテッド基板の形状は、熱的に誘起された変形、続いて、ダイヤモンド成長温度からの冷却によって支配され、ダイヤモンドコーテッド基板の表面プロファイルは、最終コンポジットミラーについて目標表面プロファイルとはかなり異なり得る。したがって、このようなダイヤモンドコーテッド基板は、反射コーティングの適用前に所望の表面プロファイルを得るためにかなりの合成後表面処理を必要とし得る。
上に記載されたとおりに支持プレート材料上に直接CVDダイヤモンドを成長させて、ダイヤモンドコーテッドミラー支持プレートを形成することの代替として、多結晶CVDダイヤモンド材料を支持プレートに結合させてミラー支持プレートを形成することも可能であることがここでさらに提案される。結合は、ろう付けまたははんだ付け接合を含んでもよい。ダイヤモンドおよび支持材料は、任意選択により両方とも結合前に金属化され得る。ダイヤモンドを他の材料に接合するための好適なろう付けの例には、TiCuSilまたはAu−Taなどの活性炭化物形成剤(carbide former)が含まれる。はんだにはInSnが含まれる。はんだの場合、ダイヤモンド材料は、通常ははんだ付け前に金属化される。コンポジットミラーの最終形状は、基板の材料および幾何形状、ならびにダイヤモンドの厚さによって影響される。さらに、コンポジットミラーの最終形状は、結合プロセスの間に適用される温度によって影響され得、これは、ダイヤモンドと支持材料との間の膨張係数不一致による熱変形のレベルを決定するからである。接合材料の厚さも、潜在的に、厚い柔軟層を与えて、全変形を低減させ、または薄い、最小限に柔軟な層を与えて、コンポジット基板の形状全体に対して1成分部分の剛性を強制することによって、コンポジットの最終形状に影響を与え得る。
ミラー支持プレートが上に記載された選択肢の1つまたは複数によって一旦製作されると、ミラー支持プレートの表面は、次の項で記載されるとおりに高精密光学仕上げに処理され得る。
ミラー支持プレート−合成後処理および表面特性
高い反射率および少ない光学ビーム収差または光散乱を有する高い反射光学部品性能を得るために、ミラー支持プレートの表面は、平滑目標プロファイルに非常に精密に処理されてもよい。例えば、支持プレートは、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、または少なくとも140mmの最大線寸法、および100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、または5nm以下の平滑目標表面プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有してもよい。さらに、支持プレートの表面プロファイルは、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、3nm以下、または1nm以下の表面粗さRaを有してもよい。適用要件に依存して、平滑目標表面プロファイルは、完全に平坦、凸状、または凹状の面であってもよい。用語「表面粗さRa」(「中心線平均」または「c.l.a」と称されることもある)は、例えば、英国規格BS 1134パート1およびパート2に従って0.08mmの長さにわたって触針式粗さ計によって測定された平均線からの表面プロファイルの絶対偏差の算術平均を指す。
ダイヤモンド材料は、それらの高い硬さおよび低い靭性のために処理することが難しいことで有名であることに留意されたい。いずれの処理方法も、ダイヤモンドベース支持プレートの極端な硬さを克服するのに十分に攻撃的でなければならない一方で、同時にその脆い性質および低い靭性によって材料の巨視的破砕を引き起こす、材料に対する大きい度合いの応力または熱ショックを与えてはならない。さらに、高出力光学用途の場合、顕微鏡スケールでの表面および下部表面損傷、例えば、微視亀裂発生は、例えば、光学散乱、光吸収の増加、熱伝導率の低下、およびレーザ誘起損傷閾値の低下を含めて、このような表面および下部表面損傷に起因し得る機能特性の低下を避けるために最小限にされることが重要である。
多工程表面処理技術が、ダイヤモンドベースミラー支持プレートを本明細書で記載されるとおりの高出力レーザミラー用途の高度の精密さに処理するために用いられてもよい。この方法は、
(a)平滑目標表面プロファイルから第1の二乗平均偏差内の第1の表面プロファイルを有するようにダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面を形成する工程であって、前記第1の二乗平均偏差は5μm以下である工程と;
(b)ダイヤモンドベースミラー支持プレートの前記表面を分析して、前記表面上の複数の突出領域を検出する工程と;
(c)ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面上の突出領域だけにわたって選択的に処理して、平滑目標表面プロファイルからの第2の二乗平均偏差内の第2の表面プロファイルを形成する工程であって、前記第2の二乗平均偏差は、100nm未満、80nm未満、60nm未満、40nm未満、20nm未満、15nm未満、10nm未満、または5nm未満である工程と
を含む。
前述の方法は、信頼でき、一貫性があり、時間効率が良く、費用効果的な仕方で平滑目標表面プロファイルから有意に1μm未満の二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有するようにダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面を処理することは非常に困難であるという所見に基づく。典型的には、ダイヤモンド材料は、ラッピングおよび研磨技術を使用して処理されるが、これらのそれぞれは、1つの表面全体を同時に処理する。しかしながら、ますます微細な研磨粒子を使用して、より精密な表面仕上げに向うことができる一方で、ダイヤモンドベースミラー支持プレートのチッピング、亀裂、および/または熱誘起反りは、高精密目標表面プロファイルが、何日もの処理の後でさえも、達成されるという保証はないことを意味する。
上記に照らして、可能性の1つは、ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面を分析して、目標プロファイルからの偏差を検出し、次いで、差別的な標的処理が所望の表面プロファイルを得るために用いられるように、表面全体というよりはむしろ、個別の領域を選択的に処理することである。このような方法は、個別の選択領域の処理は、より少ないエネルギー、より低い適用力を必要とし、あまり熱を発生させないので、高精密表面仕上げの達成においてより制御可能であり、信頼でき、一貫している。この方法論は、ダイヤモンドベースミラー支持プレートのための高精密表面仕上げの達成への、信頼でき、一貫性があり、時間効率が良く、費用効果的な経路を与えることがわかった。
初期表面調製および選択的処理後の最終表面に必要とされる精密さの厳密なレベルは、処理の様々な段階で表面を生成するために使用される特定の処理技術、および特定の最終用途のための精密さの必要レベルにある程度依存する。例えば、初期表面プロファイルは、3μm以下、1μm以下、500nm以下、100nm以下、50nm以下、20nm以下、または10nm以下である、平滑目標プロファイルからの二乗平均偏差を有するように調製されてもよい。この初期表面プロファイルの二乗平均偏差はまた、5nm以上、10nm以上、または15nm以上であってもよい。選択的処理後の最終表面プロファイルは、100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、または5nm以下である、平滑目標プロファイルからの二乗平均偏差を有するように調製されてもよい。
上記検討において、表面プロファイルの平坦性は、平滑目標プロファイルからの二乗平均偏差によって規定されてきた。光学用途において、平坦性は、操作または参照波長λによってしばしば規定される。例えば、特定の光学用途の場合、λ/10以下またはより好ましくはλ/20以下の平坦性仕様が望ましい(すなわち、λ=532nmの場合60nm以下またはより好ましくは30nm以下)。このレベルの平坦性は、例えば、ラッピングおよび研磨のための最適取付け、低温および低圧研磨を介したおよび/または熱変形の原因となる平坦ではない研磨砥石車の使用を介した熱的歪みの制御、ならびに/または上に記載されたとおりの研磨後に再びまた選択的に処理される突出領域の研磨後特定を含む、非標準的処理を必要とする。化学機械研磨(CMP)などの新しい低温表面処理技術も有用であり得る。
高度の平坦性または精密に規定された湾曲に加えて低い表面粗さを有する表面仕上げを与えることも望ましくあり得る。実際には、特定の選択的処理技術が、顕微鏡的表面粗さの増加をもたらし得ることがわかった。すなわち、巨視的平坦性または湾曲は選択的処理により改善される一方で、顕微鏡的粗さは、選択的処理の適用前の初期調製表面に対して選択的表面処理により実際に増加する。したがって、低い表面粗さがより高度の平坦性または精密に規定された湾曲と組み合わせて望ましい場合、非常に低い表面粗さを有するように初期表面を調製することが有利である。したがって、選択的処理による粗さの小さい増加にもかかわらず、ダイヤモンドベースミラー支持プレートは、反射光学部品用途のために比較的低い粗さ表面をなお保持する。さらになお、超硬質材料の表面粗さを過度には増加させない選択的処理技術を適用することは有利である。初期表面が既に特定の平坦性または湾曲内にあることを確実にすることによって、最終表面プロファイルを得るための選択的処理のレベルは、より低く、したがって、表面粗さの増加はより低くすることができる。厳密な表面粗さは、用いられる特定の表面処理技術および特定の最終用途に望ましい表面粗さに依存する。例えば、選択的処理後、ダイヤモンドベース材料の表面は、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、3nm以下、または1nm以下の表面粗さRaを有し得る。
本明細書に記載の表面処理法は、信頼性、一貫性、時間効率、経費有効性のある方法で、ダイヤモンドをベースとする物質の大きな面積に亘って、高度に平坦であるか正確に規定された曲がった面を生じることができる。
選択的表面処理の適用前に初期表面プロファイルを生成するために、いくつかの異なる表面処理技術が使用されてもよい。処理技術には、直接成長;切削;ラッピング;研磨;化学機械研磨;融除(ablating);放電加工;およびエッチングの1つまたは複数が含まれる。
特定の成長プロセスの場合、選択的処理のために開始表面として機能する十分に明確に規定された表面を生成することが可能である一方で、実際には成長したままのダイヤモンドベース材料は、通常は切削され、ラッピングされ、次いで、研磨されて、選択的処理が次いで適用される表面を生成する。
切削は、電子ビーム切削などの他の切削技術が使用され得るが、通常はレーザを使用して行われる。さらになお、ダイヤモンドベース材料が導電性である場合、それは放電加工を使用して切削されてもよい。
次いで、近似的な表面プロファイルを生成するためにラッピングが行われる。標準的なラッピングプロセスでは、ダイヤモンドベース材料は回転可能な処理砥石車(processing wheel)に取り付けられる。分散媒内に超硬質研磨粒子(例えば、ダイヤモンドグリット)を含む研磨スラリーが、上から処理砥石車の表面上に滴下される。一般的には、研磨スラリーは、処理砥石車上にその中央領域に近くに滴下され、研磨スラリーは使用中の処理砥石車の回転中に処理砥石車を横切って放射状に外側へ移動する。かなりの量の材料がダイヤモンド支持プレートの表面から除去されることになる粗いラッピングプロセスの場合、超硬質研磨粒子はサイズで比較的大きくても、例えば、1μm超の粒径を有してもよい。これらの研磨粒子は、処理砥石車の表面内の細孔よりも大きく、したがって、処理砥石車の表面と界面領域内の超硬質材料の表面との間を回転して、ダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面微視亀裂発生およびダイヤモンドミラー支持プレートの表面からの材料の除去を生じさせる。
前述のラッピング構成に関する1つの問題は、ラッピングプロセスが、処理されるダイヤモンドベースミラー支持プレートの表面に過度の損傷を引き起こすことなく材料処理の高い速度を達成するように制御することが困難であり得ることである。さらに前述のラッピング構成に関する別の問題は、ラッピングプロセスが、大面積ミラー支持プレートにわたって一様な処理を得るように制御することが困難であるということである。この問題を解決するために、使用中に研磨スラリーが処理砥石車の下から処理砥石車の表面上に供給ポートを介して供給されるように、その表面に配置された複数の供給ポートを与えるように適合させた処理プレートを与えることが可能である。複数の供給ポートは、研磨スラリーの少なくとも一部が処理砥石車の表面と処理されるミラー支持プレートの表面との間の界面領域中に供給ポートから直接供給されるように、処理砥石車の表面にわたって放射状に分布させることができる。
驚くべきことに、材料処理のより高い速度が、処理砥石車の表面がそこに配置された1つまたは複数の供給ポートを有し、研磨スラリーが、より標準的なラッピング構成で行われるように上から処理砥石車の表面上に滴下されるよりもむしろ、処理砥石車の下から処理砥石車の表面上にミラー支持プレートの処理の間に供給ポートを介して供給されるラッピング構成を使用してはるかにより制御可能な仕方で達成され得ることがわかった。特に上面供給手法と比較する場合の大きなミラー支持プレートについても、より良好な表面仕上げが達成される。
ラッピング後、ダイヤモンドベースミラー支持プレートは、研磨することができ、これは、低い表面粗さが必要とされる場合に特に望ましい。研磨は、研磨材料が樹脂結合によってなどで研磨砥石車に固定されている二体表面処理技術である。研磨はまた、ダイヤモンドが含浸されている鉄または鋼砥石車を使用して達成されてもよく、これはスケイフ(scaife)研磨として知られている。スケイフ研磨は一般的に自由なダイヤモンド研磨粒子を用いるが、これらは、鉄または鋼砥石車内の細孔と比べて小さいサイズのものであり、したがって、砥石車中に埋め込まれ/固定されており、このようにして、まさしく三体のラッピングプロセスと対照的に二体処理をもたらす。乾燥研磨技術がダイヤモンドベース材料に用いられる場合、これは、ダイヤモンドベース支持材料の熱応力および反りを導入し得るかなりの量の熱を発生させ得る。したがって、精密に規定された表面平坦性または湾曲が本発明の実施形態によって望まれる場合に熱発生を軽減し、このような熱的反りを避けるために、例えば、低圧研磨技術を用いることによって、研磨パラメータが制御されてもよい。追加的に、または代替として、研磨砥石車は、研磨中に発生した熱誘起応力を補償するように成形されてもよい。例えば、処理ミラー支持プレートが研磨後に除去される場合、熱誘起応力が研磨ミラー支持プレートを平坦な構成とするように、わずかな湾曲が研磨砥石車に導入されてもよい。代替としてさらに、化学機械研磨技術などのより低い温度の湿式研磨技術が、所望の平滑目標プロファイルとは別に、ミラー支持プレートの熱誘起応力および反りを避けるために用いられてもよい。化学機械処理(CMP)技術は、研磨グリット粒子と、処理されるダイヤモンド材料の表面と反応して表面の化学組成を変化させ、それを除去するのにより容易にさせる化学成分とを含むCMPスラリーを用いる、機械的および化学的処理機構を合わせ持つものである。
代替として、または前述のラッピングおよび研磨技術に加えて、ダイヤモンドベース支持プレートは、例えば、水素、酸素、アルゴン(または他の不活性ガス)、および塩素(または他のハロゲン化物)の1種または複数種を含む適切なガス化学を使用するプラズマエッチングなどのエッチング技術を使用して処理されてもよい。低い表面粗さのダイヤモンド表面仕上げを得るためのエッチング技術の一例は、WO2008/090511に記載されている。
例えば、上に記載されたとおりのラッピングおよび研磨によってダイヤモンドベース支持プレートを調製した後、表面は、前記表面上の任意の突出領域を検出するために分析され得る。例えば、平坦性および粗さを測定する光学工業規格法は、632.8nmでの干渉分光法による。この方法は、前記表面上の任意の突出領域を検出するように支持プレートの表面のトポグラフィーマップを作成するためにも使用され得る。
上に記載されたとおりに突出領域を検出後、これらの突出領域は、再びまた選択的に処理され得る。選択処理は、レーザビームなどの集束ビーム、電子ビーム、または集束イオンビーム;標的放電;マスクドエッチング;またはミラー支持プレートの表面上の突出領域のみの上で選択的処理が行われるように、処理されるミラー支持プレートの表面よりも面積でより小さい機械もしくは化学機械研磨パッド、の1つによって行われてもよい。
前に記載されたように、選択的処理技術は、表面平坦性の改善またはより精密に規定された湾曲をもたらし得る一方で、それらは特定の用途にとって望ましくない顕微鏡的表面粗さの増加ももたらし得る。この問題を軽減する方法は、非常に低い表面粗さを有する初期表面プロファイルを提供することおよび表面粗さが特定の用途のための必要な粗さ仕様を超えて増加しないように選択的処理を制御することを含めて、前に記載されている。高い平坦性または精密に規定された湾曲と組み合わせて低い粗さ表面を得るための代替または追加の選択肢は、所望の平坦性または湾曲要件内に表面を保持しながら、表面粗さを減少させるために選択的処理後の超硬質材料の表面にさらなる非選択的表面処理技術を適用することを含む。この最終処理段階は、選択的処理により生成した巨視的表面プロファイルから有意な偏差を生じさせることなく、表面粗さを減少させる光研磨工程を含んでもよい。必要ならば、選択的表面処理および完全表面処理の2つ以上の反復を、高い平坦性または精密に規定された湾曲と組み合わせて所望のレベルの低い粗さを得るために行うことができる。
上記表面処理技術が行われた後、清浄工程がまた適用されてもよい。例えば、酸洗浄がまた、処理表面から任意の金属、樹脂、または非ダイヤモンド炭素を除去するために適用されてもよい。
支持プレートが上に記載されたとおりの高精密光学仕上げに一旦処理されると、それは、次の項で記載されるとおりの反射コーティングでコーティングされてもよい。
反射コーティング
反射コーティングは、操作波長で光の大部分を反射する表面を与えることが必要とされる。例えば、反射コーティングは、ミラーの操作波長で少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%の反射率を有するように構成されてもよく、ここで、操作波長は、10.6μm;1.06μm;532nm;355nm;または266nmの1つから選択される。さらに、エネルギーの少ない割合が一般的に使用中に吸収され、温度の大きな増加をもたらすと仮定すると、コーティングは、反射コーティングの剥離を避けるために熱的に安定である結合によって、下にあるダイヤモンドコンポジット支持基板に十分に接着されなければならない。好適なコーティングの例には、金などの金属コーティングが含まれる。このような金属コーティングが下にあるダイヤモンドベース材料に十分に接着されることを確実にするために、反射コーティングは、炭化物形成層、任意選択によるバリヤ層、および反射層を含む多層コーティングから形成され得る。このような多層コーティングの一例は、チタン−白金−金多層構造を含む。
例えば、金属基板上への金属のコーティングと対照的に、高出力レーザシステムの要求に適切に耐性がある金属フィルムによるダイヤモンド支持プレートのコーティングは、例えば、単純な蒸発よりもより特殊化した技術を必要とする。強い結合が、ダイヤモンドと金属との間に形成される必要がある。典型的には、これは、マグネトロンスパッタリングなどのエネルギー的方法、または蒸発などのあまりエネルギー的でない方法、続いて、結合反応を引き起こすのに十分に高い温度でのアニールサイクルによって堆積される、タングステン、クロム、またはチタンなどの炭化物形成金属を使用して行うことができる。次いで、他の金属のその後の層が、最終金属の必要厚さが適用されるまで、必要に応じて、金属拡散を減少させる中間層を使用して、適当な技術によって堆積され得る。
電磁スペクトルの赤外領域における最適反射のために、最終外側金属コーティングは、通常AuまたはAgの1つから選択される。ほぼ10マイクロメートルの波長でのそれらの剥き出しの元の状態で98%を超える反射率を達成するためにも使用される他の金属には、Al、Mo、Cu、Ni、Rh、およびWが含まれる。しかしながら、これらの金属のいずれも、99%の反射率を有意には超えて達成することができない。
典型的には、このようにして、反射コーティングは、ダイヤモンド支持プレートに近接した、かつダイヤモンド支持プレートへの強い結合を与えるように選択された材料から形成された結合層;およびダイヤモンド支持プレートの遠位の、かつミラーの操作波長で高度の反射率を与えるように選択された材料から形成された反射層を含めて、少なくとも2つのコーティング層を含む。任意選択により、バリヤ層がまた、金属拡散を減少させるために結合層と反射層との間に設けられもよい。このようなバリヤ層の一例は、白金である。これらの層のすべては、金属であってもよい。さらに、誘電体コーティングを、反射金属層の上に設けて、反射率をさらに増加させることができる。
反射金属層は、5μm以下の厚さを有し、3μm以下、1μm以下、500nm以下、または300nm以下、および50nm以上、100nm以上、150nm以上、または200nm以上の厚さを有してもよい。さらに、反射層は、Au、Ag、Al、Mo、Cu、Ni、Rh、またはWから形成されてもよい。タングステンが反射層に使用される場合、これはまた、支持プレート中の合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層を形成してもよい。そうでなければ、異なる材料が、結合層および反射層のために選択される。反射コーティングが厚過ぎる場合、ミラー支持基板にダイヤモンド材料を与える利点は減少する。これが、下にあるダイヤモンド支持基板が精密光学表面仕上げに処理されるべき理由である。すなわち、厚い反射コーティングがダイヤモンドミラー支持プレートに適用され、処理されて、ダイヤモンドミラー支持プレートの表面プロファイルにおける非一様性を補償し得る一方で、このような厚い反射コーティングは、本発明の実施形態の重要な機能的目標であるミラーの熱的性能を低下させる。
結合層の炭化物形成材料は、通常はW、Cr、またはTiなどの炭化物形成金属材料である。結合層は、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下、および10nm以上、20nm以上、または50nm以上の厚さを有してもよい。この層の厚さは、下にある合成ダイヤモンド支持プレートに強い結合を与えるように選択されるが、支持プレート中に反射金属層からの熱流に過度のバリヤを与えないように十分に薄い。
反射コーティングは、結合層と反射金属層との間に設けられた任意選択によるバリヤ層(例えば、白金)をさらに含んでもよい。存在する場合、バリヤ層は、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下の厚さを有してもよい。バリヤ層は、結合層と反射金属層との間の拡散および有害反応を防止するのに十分に厚く作られてもよいが、合成ダイヤモンド支持プレート中への効率的な熱拡散を可能とするのに十分に薄い。
高出力レーザミラー用途のためのコーティング層の典型的な厚さは、以下のとおりである:50〜250nm厚さの結合層(例えば、CrまたはTiなどの炭化物形成金属);0〜250nm厚さの任意選択によるバリヤ層(例えば、白金、これはTi結合層と組み合わせて特に有用であるが、より安定であるCr結合層には必要とされない);および高い反射率およびいずれかの下にある層からの光学的独立を得るための少なくとも100nmまたは200nm〜500nm厚さ(金属に依存する)の最終反射金属層(例えば、AuまたはAg)。コーティングは、熱がダイヤモンド材料により効率的に拡散されることを確実にするために、コーティング内で使用中に発生した熱が、下にあるダイヤモンド材料から相当に間隔があくほどは厚くあるべきではない。
薄い金属層は、下にあるダイヤモンド支持プレートに対して共形であり、したがって、その形態および平坦性を複製するように作製され得る一方で、もっぱら反射率の理由のために必要であるよりもわずかにより厚い金属コーティングを堆積させることが望ましくあり得る。例えば、Auの最終金属層に関して、200nmは、99%の反射率を確実にするのに十分であり;500nm超が堆積される場合、これは、磁気粘弾性流体研磨、選択的機械研磨、またはイオンビーム成形(ion beam figuring)などの手段により選択的に処理されて、ポテンシャルラムダ/2フォームエラーまたはそれより良好なものを達成する一方で、依然として、上の、例えば、200nmを超える厚さの高反射率Au層を残すことができる。これは、ダイヤモンド支持基板におけるフォームエラーに対するわずかな改善を行うための有用な技術である。Auコーティングの粗さはまた、光学的に必要なものより厚いコーティングおよび/または高品質の層堆積および/または改善された光学特性をもたらすための堆積後処理、の一部の組合せによって下にあるダイヤモンド支持プレートと比較して改善され得る。したがって、この手法を使用すると、支持プレートのものよりも低い表面粗さを有する反射コーティングおよびまたは支持プレートのものよりも低い平滑目標プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有する反射コーティングを得ることが可能である。
下にあるダイヤモンド支持基板上に配置された平坦で、反射性の平滑な金属層に関して、誘電体コーティングが追加されてもよい。誘電体コーティングは、特に層の下のAgに対して、金属表面を環境劣化から保護する役割と、反射率を少なくとも99%、潜在的には少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%に反射率を改善する役割との二重の役割を有し得る。したがって、好ましくは、反射コーティングは、少なくとも1つの金属層および金属層の上に配置された1つまたは複数の誘電体層を含み、各誘電体層は、ミラーの操作波長の4分の1に等しい厚さを有する。例えば、反射コーティングは、結合層、任意選択によるバリヤ層、反射金属層、および1つまたは複数の誘電体層を含んでもよい。
誘電体材料の1つまたは複数の層は、20μm以下、15μm以下、10μm以下、または5μm以下、および0.5μm以上、1μm以上、または2μm以上の全厚さを有してもよい。一部の熱が誘電体層で発生する一方で、熱の大部分は、反射金属層で発生し、したがって、誘電体層は、ミラー内の良好な熱拡散性能を保持しながら、反射金属層よりもいくらか厚く作ることができる。誘電体材料の1つまたは複数の層は、ThF4、YbF3、BaF2、ZnSe、および/またはZnSの1種または複数種から形成される。
ほぼ10マイクロメートルの操作波長での用途に適した誘電体構造には、Plassおよび共同研究者(Laser Damage Studies of Metal Mirrors and ZnSe Optics by Long Pulse and TEA CO, Lasers at 10.6μm, W Plass, R Krupka, A Giessen, H E Reedy, M Kennedy and D Ristau: Proc SPIE Vol 2114 (1994))により検討されたとおりの、ThF4とZnSeの対、またはZnSとGeの対の4分の1波長スタックが含まれる。米国特許第6,020,992号にも、光学スタック構造を製作するための種々な材料が開示されている。これらは主に反射防止コーティングとしての使用について米国特許第6,020,992号に開示されているけれども、同じ材料を適切な層構造を有する高度反射コーティングに使用することもできる。
反射金属層上に配置された誘電体層は、低いインデックスのフッ化物、例えば、ThF4、BaF2、またはYbF3から形成されてもよい。2つ以上の誘電体層が設けられる場合、第1の層は、低いインデックスのフッ化物から形成されてもよく、第2の層は、ZnS、ZnSe、またはGeから形成されてもよい。複数スタック対の誘電体層、例えば、1、2、3、または4対の層が設けられてもよく、2対が好ましい。
より多くのこれらの4分の1波長の対は、より高い反射率パーセントを理論的にもたらすが、しばしば、これは、コーティング内の粗さおよび損傷の増加により相殺され、散乱の増加によるより不良な光学性能、より低い損傷閾値、理論反射率からのずれ、または一部の上記の組合せをもたらす。さらに、前に示されたとおりに、反射コーティングの厚さの増加は、熱的性能の低下をもたらし得る。
最終ミラー構成
本明細書で記載されるとおりの方法は、高い反射率、十分な機械的強度、および例えば、高出力光学用途のための高いレーザ誘起損傷閾値を達成するための良好な熱的性能を有するいくつかの異なるミラー構成を製作するために適用され得る。
図1は、自立性多結晶CVDダイヤモンド支持プレートに基づくミラー構成を例証する。このミラー構成は、およそ0.8mm厚さである多結晶CVDダイヤモンド支持プレート2を備える。多結晶CVDダイヤモンド層2は、高度の平坦性および低い表面粗さに処理される表面4を有する。さらに、表面4を形成するダイヤモンド材料は、低濃度の非ダイヤモンドsp2炭素、低濃度のボイド、低濃度の表面および下部表面結晶損傷を含み、したがって、高い熱伝導率を有するダイヤモンド表面を与える。
チタン結合層6は、多結晶CVDダイヤモンド支持プレート2の表面4上に配置され、かつそれに結合される。チタン結合層6は、厚さで50〜250nmであり、マグネトロンスパッタリングなどのエネルギー的方法、または蒸発などのあまりエネルギー的でない方法、続いて、多結晶CVDダイヤモンド支持プレート2の表面4と結合反応を引き起こすのに十分に高い温度でのアニールサイクルによって堆積されてもよい。
例えば、0〜250nmの範囲の厚さを有する白金の、任意選択によるバリヤ層8は、チタン結合層6上に堆積される。およそ200nmの厚さを有するAuまたはAgの金属反射コーティング10は、結合層6および任意選択によるバリヤ層8の上に堆積される。最後に、誘電体スタック12が、金属反射コーティングの上に形成される。誘電体スタックは、2対のラムダ/4誘電体層を含んでもよい。誘電体スタックにおける使用のための好適な材料には、ThF4、YbF3、BaF2、ZnSe、および/またはZnSの組合せが含まれる。
図2は、多結晶CVDダイヤモンドコーテッド支持プレートに基づく別のミラー構成を例証する。このミラー構成は、非ダイヤモンド支持基板20上に配置された多結晶CVDダイヤモンド22の比較的薄いコーティング(例えば、およそ100マイクロメートル厚さ)を有する非ダイヤモンド支持基板20から形成された支持プレートを備える。非ダイヤモンド支持基板20は、炭化ケイ素、ケイ素、熱分解黒鉛(TPG)、またはケイ素結合ダイヤモンド(ScD)から形成されてもよい。前に記載された例におけるように、多結晶CVDダイヤモンドは、高度の平坦性および低い表面粗さに処理される表面26を含む。さらに、表面26を形成するダイヤモンド材料は、低濃度の非ダイヤモンドsp2炭素、低濃度のボイド、低濃度の表面および下部表面結晶損傷を含み、したがって、高い熱伝導率を有するダイヤモンド表面を与える。
次いで、支持プレートは、図1で例証されるとおりにコーティングされて、チタン結合層28、任意選択による白金バリヤ層30、AuまたはAgの金属反射層32、および誘電体スタック34を含む。
図3は、コンポジットダイヤモンド支持プレート36に基づく別のミラー構造を例証する。コンポジット支持プレート36は、非ダイヤモンド支持材料40に埋め込まれたダイヤモンド結晶38を含む。ダイヤモンドコンポジット支持プレートは、良好な熱的特性を有する一方で、また、多結晶CVDダイヤモンド基板と比較する場合、大面積および三次元形状により容易に形成され得るケイ素結合ダイヤモンド(ScD)から形成されてもよい。ダイヤモンドコンポジット支持プレート36は、高度の平坦性および低い表面粗さに処理されている表面を含む。次いで、支持プレートは、図1に例証されるのと同様の仕方でコーティングされて、結合層42、任意選択による白金バリヤ層44、AuまたはAgの金属反射層46、および誘電体スタック48を含む。
図4は、薄い多結晶CVDダイヤモンドコーティング52がその上に製作されたコンポジットダイヤモンド支持プレート50に基づく別のミラー構成を例証する。コンポジットダイヤモンド支持プレート50は、前に記載され、図3で例証されたとおりにScDから形成されてもよい。多結晶CVDダイヤモンド材料でコーティングされたScDは、電子デバイス基板のためのヒートスプレッダとして前に提案されている(例えば、WO2004/034466を参照されたい)。ここで、このようなコンポジット材料構造は、精密光学仕上げに研磨され、反射コーティングでコーティングされて、高出力レーザ用途に適したミラーを形成することが提案されている。支持プレートは、前の実施例と同様の仕方でコーティングされて、チタン結合層54、任意選択による白金バリヤ層56、AuまたはAgの金属反射層58、および誘電体スタック60が含まれてもよい。
前述のミラー材料および構成は、高い反射率および高いレーザ誘起損傷閾値を有する高出力レーザミラーを与え得る。例えば、このようなミラーは、ミラーの操作波長で少なくとも99%、少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%の反射率と、好ましくは、以下の特性:
レーザ誘起損傷閾値が、100nsのパルス持続時間および1〜10Hzの範囲のパルス繰り返し周波数によって前記操作波長でパルスレーザを使用して測定された、少なくとも1Jcm-2、少なくとも2Jcm-2、少なくとも5Jcm-2、少なくとも10Jcm-2、少なくとも20Jcm-2、少なくとも30Jcm-2、少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、または少なくとも200Jcm-2であること;ならびに
レーザ誘起損傷閾値が、前記操作波長で連続波レーザを使用して測定された、少なくとも1MW/cm2、少なくとも5MW/cm2、少なくとも10MW/cm2、少なくとも20MW/cm2、少なくとも30MW/cm2、または少なくとも50MW/cm2であること
の一方または両方を満たすレーザ誘起損傷閾値とを有し得る。
高出力光学用途
本明細書で記載されるとおりのダイヤモンドミラーは、電磁スペクトルの赤外、可視、および/または紫外領域における操作波長でのそれらの高いレーザ誘起損傷閾値、ならびに非ダイヤモンド代替品と比較する場合、相当に低下した熱レンズ化をもたらすそれらの熱安定性のために高出力光学システムにおける使用に適する。したがって、本発明の別の態様によれば、
本明細書で記載されるとおりのミラー62;および
連続波またはパルス出力のいずれかとして少なくとも20kW、少なくとも25kW、少なくとも30kW、少なくとも35kW、少なくとも40kW、少なくとも45kW、または少なくとも50kWの出力で光66を発生させ、電磁スペクトルの赤外、可視、または紫外領域における操作波長で前記光をミラー62に向けて伝送するように構成された光源64(例えば、レーザ)
を備える、図5に例証されるとおりの光学システムが提供される。
操作波長は、例えば、10.6μm、1.06μm、532nm、355nm、または266nmであってもよく、10.6μmの波長が、多くの高出力工業用レーザ用途に特に一般的である。
上記との関連で、記載された光学システムの操作出力は、1MW/cm2の連続波レーザ誘起損傷閾値よりもかなり低いことが留意される。しかしながら、長い操作寿命を有する光学エレメントを与えるために、光学エレメントのレーザ誘起損傷閾値は、光学システムの操作出力よりもかなり高くあるべきであることが留意されるべきである。
本明細書で記載されるとおりのダイヤモンドミラー構成の利点は、0.2kW/cm2〜10kW/cm2の範囲などの、使用におけるより低い平均出力密度のためにさえも実現され得る。これらの平均出力密度は、ダイヤモンド解決策と比較して既存材料の比較的不良な性能のために既存システムにおいて反射波面の歪みを生じさせ得る。これらは、比較的に低い平均出力レベルであるけれども、時間平均出力密度の空間ピークは、例えば、システムを介して伝播されるガウスビームプロファイル(「トップハット」ビームプロファイルよりはむしろ)のために、少なくとも1桁より大きくあり得る。ピーク瞬間出力密度は、典型的には10:1から1000:1の間である「オフ」時間対「オン」時間の比を有して、多くのkHzでの一連のパルスとして送達される出力のために、なお数桁高くあり得る。したがって、レーザ誘起損傷が課題でないとしても、反射波面の品質はなお、従来のミラー材料を使用して悪影響を与えられ得、この場合、ダイヤモンドベース構成は、なお有利であり得る。さらになお、反射光学部品がその中で動くことが必要とされる動的レーザミラーシステムも、それらのより軽い質量およびいかなる歪みもなく精密な仕方で動くことをより容易にするより高い剛性のために、ダイヤモンドミラー構成の使用において利点を見出す。
図5に例証されるとおりのダイヤモンドベースミラー62は、光学システム内に取り付けられ、冷却されて、ミラー内で吸収された熱を管理することができる。例えば、ヒートシンク68は、ミラー62と熱的に接触して、例えば、ミラーの裏面を介してまたはミラーの周辺端部の周りに設けることができる。このようなミラーアセンブリは、流体冷却されて、使用中のミラー内で吸収された熱をさらに管理することができる。
要約すると、本明細書で記載されるミラーは、高出力レーザシステムにおけるダイヤモンドミラーのためのパラメータの重要な組合せを含むと考えられる。したがって、本発明は、ミラー構造を必要とする高出力レーザシステムのための実施可能な技術であると考えられる。
本発明は、特に実施形態を参照して示され、かつ説明されてきたが、形態および詳細における様々な変化が、添付の特許請求の範囲により規定されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが当業者に理解される。
本発明は、特に実施形態を参照して示され、かつ説明されてきたが、形態および詳細における様々な変化が、添付の特許請求の範囲により規定されるとおりの本発明の範囲から逸脱することなくなされてもよいことが当業者に理解される。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕高出力光学用途における使用のためのミラーであって、
合成ダイヤモンド材料を含む支持プレート;および
前記支持プレートの上に配置された反射コーティング
を備え、
前記反射コーティングは、前記反射コーティングを前記支持プレート中の前記合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層、前記結合層の上に配置された反射金属層、および前記反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層を含み、
前記結合層および前記反射金属層は一緒に、50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、前記反射金属層は5μm以下の厚さを有し、かつ
前記支持プレートおよび前記反射コーティングは、ミラーが、ミラーの操作波長で少なくとも99%の反射率を有するように構成される、ミラー。
〔2〕前記反射金属層の厚さが、3μm以下、1μm以下、500nm以下、または300nm以下である、前記〔1〕に記載のミラー。
〔3〕前記反射金属層の厚さが、50nm以上、100nm以上、150nm以上、または200nm以上である、前記〔1〕または〔2〕に記載のミラー。
〔4〕前記反射金属層が、Au、Ag、Al、Mo、Cu、Ni、Rh、またはWから形成される、前記〔1〕から〔3〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔5〕前記結合層の前記炭化物形成材料が、炭化物形成金属材料である、前記〔1〕から〔4〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔6〕前記炭化物形成金属材料が、W、Cr、またはTiである、前記〔5〕に記載のミラー。
〔7〕結合層および前記反射金属層が、異なる材料から形成される、前記〔1〕から〔6〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔8〕前記結合層が、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下の厚さを有する、前記〔1〕から〔7〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔9〕前記結合層の厚さが、10nm以上、20nm以上、または50nm以上である、前記〔8〕に記載のミラー。
〔10〕前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、20μm以下、15μm以下、10μm以下、または5μm以下の全厚さを有する、前記〔1〕から〔9〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔11〕前記誘電体材料の1つまたは複数の層の全厚さが、0.5μm以上、1μm以上、または2μm以上である、前記〔10〕に記載のミラー。
〔12〕前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、前記反射金属層の上に配置された2つ以上の誘電体層のスタックを含み、各誘電体層は、前記ミラーの前記操作波長の4分の1に等しい厚さを有する、前記〔1〕から〔11〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔13〕前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、ThF 4 、YbF 3 、BaF 2 、ZnSe、および/またはZnSの1種または複数から形成される、前記〔1〕から〔12〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔14〕前記反射コーティングが、前記結合層と前記反射金属層との間に設けられたバリヤ層をさらに含む、前記〔1〕から〔13〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔15〕前記バリヤ層が、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下の厚さを有する、前記〔14〕に記載のミラー。
〔16〕前記バリヤ層が、白金から形成される、前記〔15〕に記載のミラー。
〔17〕前記支持プレートが、合成ダイヤモンド材料の自立性プレートを含む、前記〔1〕から〔16〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔18〕前記支持プレートが、合成ダイヤモンド材料の層がその上に配置される非ダイヤモンド支持基板を含む、前記〔1〕から〔16〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔19〕前記支持プレートが、ダイヤモンドコンポジット支持プレートを形成するために支持材料内に配置された合成ダイヤモンド材料を含む、前記〔1〕から〔16〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔20〕前記ダイヤモンドコンポジット支持プレートが、その上に配置された合成ダイヤモンド材料の層を含む、前記〔19〕に記載のミラー。
〔21〕前記反射コーティングがその上に配置される前記支持プレートの表面が、低いsp2炭素含有量を有する合成ダイヤモンド材料を含み、それにより、前記表面に焦点を合わせたレーザにより発生したラマンシグナルは、以下の特性:
(a)8.0cm -1 以下の半値全幅を有する1332cm -1 でのsp3炭素ピーク、
(b)633nmでのラマン励起源を使用する場合のバックグラウンド差引き後の、1332cm -1 でのsp3炭素ピークの高さの20%以下である高さを有する1550cm -1 でのsp2炭素ピーク;および
(c)1332cm -1 でのsp3炭素ピークが、785nmでのラマン励起源を使用してのラマンスペクトルの局所バックグラウンド強度の10%以上であること
の1つまたは複数を示す、前記〔1〕から〔20〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔22〕前記合成ダイヤモンド材料が、少なくとも1000Wm -1 -1 、少なくとも1200Wm -1 -1 、少なくとも1400Wm -1 -1 、少なくとも1600Wm -1 -1 、少なくとも1800Wm -1 -1 、少なくとも1900Wm -1 -1 、少なくとも2000Wm -1 -1 、少なくとも2100Wm -1 -1 、または少なくとも2200Wm -1 -1 の熱伝導率を有する、前記〔1〕から〔21〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔23〕前記支持プレートが、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、または少なくとも140mmの最大線寸法を有する、前記〔1〕から〔22〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔24〕前記支持プレートが、平滑目標表面プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有し、前記二乗平均偏差は、100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、または5nm以下である、前記〔1〕から〔23〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔25〕前記平滑目標表面プロファイルが、平坦な面、凸状の面、または凹状の面である、前記〔24〕に記載のミラー。
〔26〕前記支持プレートが、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、3nm以下、または1nm以下の表面粗さR a を有する表面プロファイルを有する、前記〔1〕から〔25〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔27〕前記反射コーティングが、前記支持プレートのものよりも低い表面粗さを有する、前記〔1〕から〔26〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔28〕前記反射コーティングが、前記支持プレートのものよりも低い平滑目標表面プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有する、前記〔1〕から〔27〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔29〕前記ミラーの前記反射率が、前記ミラーの前記操作波長で少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%である、前記〔1〕から〔28〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔30〕前記操作波長が、10.6μm、1.06μm、532nm、355nm、または266nmの1つである、前記〔1〕から〔29〕までのいずれか1項に記載のミラー。
〔31〕前記ミラーが、以下の特性:
レーザ誘起損傷閾値が、100nsのパルス持続時間および1〜10Hzの範囲のパルス繰り返し周波数によって前記操作波長でパルスレーザを使用して測定された、少なくとも1Jcm -2 、少なくとも2Jcm -2 、少なくとも5Jcm -2 、少なくとも10Jcm -2 、少なくとも20Jcm -2 、少なくとも30Jcm -2 、少なくとも50Jcm -2 、少なくとも75Jcm -2 、少なくとも100Jcm -2 、少なくとも150Jcm -2 、または少なくとも200Jcm -2 である;および
前記レーザ誘起損傷閾値が、前記操作波長で連続波レーザを使用して測定された、少なくとも1MW/cm 2 、少なくとも5MW/cm 2 、少なくとも10MW/cm 2 、少なくとも20MW/cm 2 、少なくとも30MW/cm 2 、または少なくとも50MW/cm 2 である
の一方または両方を満たす前記レーザ誘起損傷閾値を有するように、前記支持プレートおよび前記反射コーティングが構成される、前記〔1〕から〔30〕までのいずれか1項に記載のミラー。

Claims (31)

  1. 高出力光学用途における使用のためのミラーであって、
    合成ダイヤモンド材料を含む支持プレート;および
    前記支持プレートの上に配置された反射コーティング
    を備え、
    前記反射コーティングは、前記反射コーティングを前記支持プレート中の前記合成ダイヤモンド材料に結合する炭化物形成材料の結合層、前記結合層の上に配置された反射金属層、および前記反射金属層の上に配置された誘電体材料の1つまたは複数の層を含み、
    前記結合層および前記反射金属層は一緒に、50nm〜10μmの範囲の全厚さを有し、前記反射金属層は5μm以下の厚さを有し、かつ
    前記支持プレートおよび前記反射コーティングは、ミラーが、ミラーの操作波長で少なくとも99%の反射率を有するように構成される、ミラー。
  2. 前記反射金属層の厚さが、3μm以下、1μm以下、500nm以下、または300nm以下である、請求項1に記載のミラー。
  3. 前記反射金属層の厚さが、50nm以上、100nm以上、150nm以上、または200nm以上である、請求項1または2に記載のミラー。
  4. 前記反射金属層が、Au、Ag、Al、Mo、Cu、Ni、Rh、またはWから形成される、請求項1から3までのいずれか1項に記載のミラー。
  5. 前記結合層の前記炭化物形成材料が、炭化物形成金属材料である、請求項1から4までのいずれか1項に記載のミラー。
  6. 前記炭化物形成金属材料が、W、Cr、またはTiである、請求項5に記載のミラー。
  7. 結合層および前記反射金属層が、異なる材料から形成される、請求項1から6までのいずれか1項に記載のミラー。
  8. 前記結合層が、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下の厚さを有する、請求項1から7までのいずれか1項に記載のミラー。
  9. 前記結合層の厚さが、10nm以上、20nm以上、または50nm以上である、請求項8に記載のミラー。
  10. 前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、20μm以下、15μm以下、10μm以下、または5μm以下の全厚さを有する、請求項1から9までのいずれか1項に記載のミラー。
  11. 前記誘電体材料の1つまたは複数の層の全厚さが、0.5μm以上、1μm以上、または2μm以上である、請求項10に記載のミラー。
  12. 前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、前記反射金属層の上に配置された2つ以上の誘電体層のスタックを含み、各誘電体層は、前記ミラーの前記操作波長の4分の1に等しい厚さを有する、請求項1から11までのいずれか1項に記載のミラー。
  13. 前記誘電体材料の1つまたは複数の層が、ThF4、YbF3、BaF2、ZnSe、および/またはZnSの1種または複数から形成される、請求項1から12までのいずれか1項に記載のミラー。
  14. 前記反射コーティングが、前記結合層と前記反射金属層との間に設けられたバリヤ層をさらに含む、請求項1から13までのいずれか1項に記載のミラー。
  15. 前記バリヤ層が、500nm以下、250nm以下、150nm以下、または100nm以下の厚さを有する、請求項14に記載のミラー。
  16. 前記バリヤ層が、白金から形成される、請求項15に記載のミラー。
  17. 前記支持プレートが、合成ダイヤモンド材料の自立性プレートを含む、請求項1から16までのいずれか1項に記載のミラー。
  18. 前記支持プレートが、合成ダイヤモンド材料の層がその上に配置される非ダイヤモンド支持基板を含む、請求項1から16までのいずれか1項に記載のミラー。
  19. 前記支持プレートが、ダイヤモンドコンポジット支持プレートを形成するために支持材料内に配置された合成ダイヤモンド材料を含む、請求項1から16までのいずれか1項に記載のミラー。
  20. 前記ダイヤモンドコンポジット支持プレートが、その上に配置された合成ダイヤモンド材料の層を含む、請求項19に記載のミラー。
  21. 前記反射コーティングがその上に配置される前記支持プレートの表面が、低いsp2炭素含有量を有する合成ダイヤモンド材料を含み、それにより、前記表面に焦点を合わせたレーザにより発生したラマンシグナルは、以下の特性:
    (a)8.0cm-1以下の半値全幅を有する1332cm-1でのsp3炭素ピーク、
    (b)633nmでのラマン励起源を使用する場合のバックグラウンド差引き後の、1332cm-1でのsp3炭素ピークの高さの20%以下である高さを有する1550cm-1でのsp2炭素ピーク;および
    (c)1332cm-1でのsp3炭素ピークが、785nmでのラマン励起源を使用してのラマンスペクトルの局所バックグラウンド強度の10%以上であること
    の1つまたは複数を示す、請求項1から20までのいずれか1項に記載のミラー。
  22. 前記合成ダイヤモンド材料が、少なくとも1000Wm-1-1、少なくとも1200Wm-1-1、少なくとも1400Wm-1-1、少なくとも1600Wm-1-1、少なくとも1800Wm-1-1、少なくとも1900Wm-1-1、少なくとも2000Wm-1-1、少なくとも2100Wm-1-1、または少なくとも2200Wm-1-1の熱伝導率を有する、請求項1から21までのいずれか1項に記載のミラー。
  23. 前記支持プレートが、少なくとも3mm、少なくとも5mm、少なくとも10mm、少なくとも20mm、少なくとも40mm、少なくとも60mm、少なくとも80mm、少なくとも100mm、少なくとも120mm、または少なくとも140mmの最大線寸法を有する、請求項1から22までのいずれか1項に記載のミラー。
  24. 前記支持プレートが、平滑目標表面プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有し、前記二乗平均偏差は、100nm以下、80nm以下、60nm以下、40nm以下、20nm以下、15nm以下、10nm以下、または5nm以下である、請求項1から23までのいずれか1項に記載のミラー。
  25. 前記平滑目標表面プロファイルが、平坦な面、凸状の面、または凹状の面である、請求項24に記載のミラー。
  26. 前記支持プレートが、20nm以下、15nm以下、10nm以下、5nm以下、3nm以下、または1nm以下の表面粗さRaを有する表面プロファイルを有する、請求項1から25までのいずれか1項に記載のミラー。
  27. 前記反射コーティングが、前記支持プレートのものよりも低い表面粗さを有する、請求項1から26までのいずれか1項に記載のミラー。
  28. 前記反射コーティングが、前記支持プレートのものよりも低い平滑目標表面プロファイルからの二乗平均偏差を有する表面プロファイルを有する、請求項1から27までのいずれか1項に記載のミラー。
  29. 前記ミラーの前記反射率が、前記ミラーの前記操作波長で少なくとも99.2%、少なくとも99.4%、少なくとも99.6%、少なくとも99.7%、または少なくとも99.8%である、請求項1から28までのいずれか1項に記載のミラー。
  30. 前記操作波長が、10.6μm、1.06μm、532nm、355nm、または266nmの1つである、請求項1から29までのいずれか1項に記載のミラー。
  31. 前記ミラーが、以下の特性:
    レーザ誘起損傷閾値が、100nsのパルス持続時間および1〜10Hzの範囲のパルス繰り返し周波数によって前記操作波長でパルスレーザを使用して測定された、少なくとも1Jcm-2、少なくとも2Jcm-2、少なくとも5Jcm-2、少なくとも10Jcm-2、少なくとも20Jcm-2、少なくとも30Jcm-2、少なくとも50Jcm-2、少なくとも75Jcm-2、少なくとも100Jcm-2、少なくとも150Jcm-2、または少なくとも200Jcm-2である;および
    前記レーザ誘起損傷閾値が、前記操作波長で連続波レーザを使用して測定された、少なくとも1MW/cm2、少なくとも5MW/cm2、少なくとも10MW/cm2、少なくとも20MW/cm2、少なくとも30MW/cm2、または少なくとも50MW/cm2である
    の一方または両方を満たす前記レーザ誘起損傷閾値を有するように、前記支持プレートおよび前記反射コーティングが構成される、請求項1から30までのいずれか1項に記載のミラー。
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