JP2017228353A - 透明導電性フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】導電性繊維から構成される導電層を有する透明導電性フィルムであって、表裏において、導電特性の異方性が小さく、簡潔な回路形成を可能とする透明導電性フィルムを提供すること。
【解決手段】本発明の透明導電性フィルムは、第1の透明導電層と、透明基材と、第2の透明導電層とをこの順に備える透明導電性フィルムであって、該第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含み、該透明導電性フィルムの面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、該第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である。
【選択図】図1

Description

本発明は、透明導電性フィルムに関する。
従来、タッチセンサーの電極等に用いられる透明導電性フィルムとして、透明樹脂フィルム上にインジウム・スズ複合酸化物層(ITO層)等の金属酸化物層が形成された透明導電性フィルムが多用されている。しかし、金属酸化物層が形成された透明導電性フィルムは、屈曲により導電性が失われやすく、フレキシブルディスプレイなどの屈曲性が必要とされる用途には使用し難い。
屈曲性の問題を解決すべく、導電性繊維から構成される導電層を有する透明導電性フィルムが提案されている。しかしながら、導電性繊維から構成される導電層は、導電性繊維を含む材料を塗工(例えば、スロットダイ塗工、グラビア塗工等)することにより形成され得るところ、塗工装置の機械方向(MD)に該導電性繊維が配向する傾向にある。そのため、導電性繊維の配向方向では導電性が高く、配向方向に直交する方向では導電性が高くなる。
一方、タッチセンサーにおいては、2次元的な位置検出を可能とするため、表裏でそれぞれ直交する直線状の配線パターンが形成された透明導電性フィルムを用いることがある。このような透明導電性フィルムにおいて、導電層を導電繊維から形成する場合、配線パターンが導電性繊維の配向方向に対して平行である面と、配線パターンが該配向方向に直交する面とが形成される。このような透明導電性フィルムにおいては、表裏において、導電特性が異なる傾向にあり、導電特性を合わせようとすると、回路機構が複雑化するという問題がある。
特開2013−186706号公報 特開2012−027888号公報
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、導電性繊維から構成される導電層を有する透明導電性フィルムであって、表裏において、導電特性の異方性が小さく、簡潔な回路形成を可能とする透明導電性フィルムを提供することにある。
本発明の透明導電性フィルムは、第1の透明導電層と、透明基材と、第2の透明導電層とをこの順に備える透明導電性フィルムであって、該第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含み、該透明導電性フィルムの面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、該第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルムは、第1の透明導電層と、第1の透明基材と、第2の透明基材と、第2の透明導電層とをこの順に備える透明導電性フィルムであって、該第1の透明基材と該第2の透明基材とが、粘着剤層または接着剤層を介して積層され、該第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含み、該透明導電性フィルムの面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、該第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である。
1つの実施形態においては、上記導電性繊維が、金、白金、銀、銅および炭素からなる群より選ばれた1種以上により構成される。
1つの実施形態においては、上記第1の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A1の表面抵抗値をRA1、表面抵抗値が最大となる方向B1の表面抵抗値をRB1とし、上記第2の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A2の表面抵抗値RA2、表面抵抗値が最大となる方向B2の表面抵抗値をRB2としたとき、表面抵抗値RA1とRB1との関係が、1.2≦RB1/RA1≦5であり、かつ、表面抵抗値RA2とRB2との関係が、1.2≦RB2/RA2≦5である。
1つの実施形態においては、上記方向A1と、上記方向A2とのなす角が、70°〜110°である。
1つの実施形態においては、上記第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含む透明導電層形成用組成物の塗工層である。
1つの実施形態においては、上記第1の透明導電層および第2の透明導電層において、導電性繊維が配向しており、該第1の透明導電層における導電性繊維の配向方向と、該第2の透明導電層における導電性繊維の配向方向とのなす角が、70°〜110°である。
本発明によれば、導電性繊維から構成される導電層を有する透明導電性フィルムであって、表裏において、導電特性の異方性が小さく、簡潔な回路形成を可能とする透明導電性フィルムを提供することができる。
本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。 本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略分解斜視図である。 本発明の別の実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。 本発明において、表面抵抗値を測定する際の短冊状サンプルを説明する図である。
A.透明導電性フィルムの全体構成
図1は、本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。図2は、本発明の1つの実施形態による透明導電性フィルムの概略分解斜視図である。この透明導電性フィルム100は、第1の透明導電層10と、透明基材20と、第2の透明導電層30とをこの順に備える。第1の透明導電層10および第2の透明導電層30は、導電性繊維を含む(図示せず)。
本発明の透明導電性フィルムにおいては、面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である。表面抵抗値RX1と表面抵抗値RY2とがこのような関係にあれば、表裏において、導電特性の異方性が小さく、簡潔な回路形成を可能とする透明導電性フィルムを提供することができる。表面抵抗値RX1と表面抵抗値RY2との関係は、0.9≦RX1/RY2≦1.1であることがより好ましく、0.95≦RX1/RY2≦1.05であることが好ましい。
1つの実施形態においては、第1の透明導電層10の上記方向Xは、第1の透明導電層10において表面抵抗値が最小となる方向A1に相当する。
図3は、本発明の別の実施形態による透明導電性フィルムの概略断面図である。この透明導電性フィルム200は、第1の透明導電層10と、第1の透明基材21と、第2の透明基材22と、第2の透明導電層30とをこの順に備える。第1の透明基材21と第2の透明基材22とは、任意の適切な粘着剤層または接着剤層を介して積層される(図示せず)。粘着剤層は、例えば、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤等から構成され得る。接着剤層は、例えば、アクリル系接着剤、エポキシ系接着剤、オキセタニル系接着剤、イソシアネート系接着剤、ポリビニルアルコール系接着剤、ゼラチン系接着剤、ラテックス系接着剤、ウレタン系接着剤、ポリエステル系接着剤等から構成され得る。
図3に示す透明導電性フィルムは、E項で後述するように、第1の透明導電層10において表面抵抗値が最小となる方向A1と第2の透明導電層30において表面抵抗値が最小となる方向A2との関係が容易に調整され得るという、製造上の利点を有する。また、第1の透明基材および第2の透明基材として光学軸を有する基材を用いる際には、両光学軸の関係を適切に調整することも可能となる。
図3に示す透明導電性フィルムおいても、表面抵抗値RX1と表面抵抗値RY2とは、上記関係を有する。
なお、本明細書において、所定方向における表面抵抗値とは、透明導電性フィルムから、該方向を長手方向とする短冊状フィルムを測定サンプルとして採取し、該短冊状フィルムの長手方向両端を測定点として抵抗値を測定し、該測定値(抵抗値)を測定サンプルの長さで除した後、測定サンプルの幅を掛けて算出した表面抵抗値を意味する。例えば、第1の導電層の方向A1の表面抵抗値RA1は、図4に示すように、透明導電性フィルム100から方向A1を長手方向とする短冊状フィルム110を切り出し、該短冊状フィルム110を測定サンプルとして抵抗値を測定し、該測定値(抵抗値)を長さLで除した後、幅Wを掛けて算出される。この場合、表面抵抗値RA1は、短冊状フィルム110の両端111、112を測定点とした抵抗値を長さで除した後、幅を掛けて算出した表面抵抗値である。
上記透明導電性フィルムの厚みは、好ましくは1μm〜100μmであり、より好ましくは5μm〜50μmである。
上記透明導電性フィルムの全光線透過率は、好ましくは80%以上であり、より好ましくは85%以上であり、特に好ましくは90%以上であり、最も好ましくは95%以上である。
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルムの表面(すなわち、第1の透明導電層側面)と裏面(すなわち、第2の透明導電性層側面)には、配線パターンが形成される。1つの実施形態においては、該配線パターンは、複数の線状配線が配列したパターンである。表面側の線状配線の配列方向と、裏側の線状配線の配列方向とのなす角度は、好ましくは80°〜100°である。
B.第1の透明導電層、第2の透明導電層
第1の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A1における表面抵抗値をRA1、表面抵抗値が最大となる方向B1における表面抵抗値をRB1としたとき、表面抵抗値RA1とRB1との関係は、好ましくは1.2≦RB1/RA1≦5であり、より好ましくは1.5≦RB1/RA1≦4.5である。また、第2の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A2における表面抵抗値RA2、表面抵抗値が最大となる方向B2における表面抵抗値をRB2としたとき、表面抵抗値RA2とRB2との関係は、好ましくは1.2≦RB2/RA2≦5であり、より好ましくは1.5≦RB2/RA2≦4.5である。好ましくは、RB1/RA1およびRB2/RA2が共に、上記関係を満足する。なお、1つの実施形態においては、方向A1と方向B1とのなす角および方向A2と方向B2のなす角は、それぞれ80°〜100°である。図2においては、方向A1と方向B1とが直交し、方向A2と方向B2とが直交する実施形態が示されている。
本発明によれば、上記表面抵抗値RX1と表面抵抗値RY2との関係を0.8≦RX1/RY2≦1.2とすることにより、第1の透明導電層および第2の透明導電層それぞれにおいては、導電特性の異方性が大きくなること(すなわち、表面抵抗値RA1、RB1、RA2、RB2が上記範囲となること)が許容される。このような特徴は、導電性繊維を含む透明導電層において、その電気的特性を制限することなく導電層を設計し得ることが可能となる点で、非常に有利である。
上記表面抵抗値RA1は、好ましくは20Ω/□〜500Ω/□であり、より好ましくは30Ω/□〜200Ω/□である。上記表面抵抗値RA2は、好ましくは20Ω/□〜500Ω/□であり、より好ましくは30Ω/□〜200Ω/□である。
上記表面抵抗値RB1は、好ましくは24Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは48Ω/□〜500Ω/□である。上記表面抵抗値RB2は、好ましくは24Ω/□〜1000Ω/□であり、より好ましくは48Ω/□〜500Ω/□である。
上記方向A1と、上記方向A2とのなす角は、好ましくは70°〜110°であり、より好ましくは80°〜100°であり、さらに好ましくは85°〜95°であり、特に好ましくは88°〜92°である。このような範囲であれば、第1の導電層および第2の導電層に直線状の配線パターンを形成し、第1の導電層の配線パターンと第2の導電層の配線パターンを直交させた際に、表裏ともに抵抗が低い配線パターンが形成された透明導電性フィルムを得ることができる。なお、図2においては、方向A1と方向A2とが直交する形態が示されている。
上記第1の透明導電層および第2の透明導電層の厚みは、好ましくは0.01μm〜10μmであり、より好ましくは0.05μm〜3μmであり、さらに好ましくは0.1μm〜1μmである。第1の透明導電層の厚みと第2の透明導電層の厚みとは、同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記第1の透明導電層および第2の透明導電層の全光線透過率は、好ましくは85%以上であり、より好ましくは90%以上であり、さらに好ましくは95%以上である。
上記のとおり、第1の透明導電層および第2の透明導電層は、導電性繊維を含む。
上記導電性繊維としては、本発明の効果が得られる限りにおいて任意の適切な導電性繊維が用いられ得る。導電性繊維とは、形状が針状または糸状であり、径が好ましくはナノメートルサイズの導電性物質をいう。導電性繊維は直線状であってもよく、曲線状であってもよい。導電性繊維で構成された透明導電層を用いれば、耐屈曲性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。また、導電性繊維で構成された透明導電層を用いれば、導電性ナノワイヤ同士が隙間を形成して網の目状となることにより、少量の導電性繊維であっても良好な電気伝導経路を形成することができ、電気抵抗の小さい透明導電性フィルムを得ることができる。さらに、導電性繊維が網の目状となることにより、網の目の隙間に開口部を形成して、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
1つの実施形態においては、導電性繊維は、金、白金、銀、銅および炭素からなる群より選ばれた1種以上により構成される。導電性繊維の具体例としては、上記金属から構成される金属ナノワイヤ、カーボンナノチューブを含む導電性繊維等が挙げられる。
上記導電性繊維の太さdと長さLとの比(アスペクト比:L/d)は、好ましくは10〜100,000であり、より好ましくは50〜100,000であり、特に好ましくは100〜10,000である。このようにアスペクト比の大きい導電性繊維を用いれば、導電性繊維が良好に交差して、少量の導電性繊維により高い導電性を発現させることができる。その結果、光透過率の高い透明導電性フィルムを得ることができる。なお、本明細書において、「導電性繊維の太さ」とは、導電性繊維の断面が円状である場合はその直径を意味し、楕円状である場合はその短径を意味し、多角形である場合は最も長い対角線を意味する。導電性繊維の太さおよび長さは、走査型電子顕微鏡または透過型電子顕微鏡によって確認することができる。
上記導電性繊維の太さは、好ましくは500nm未満であり、より好ましくは200nm未満であり、特に好ましくは10nm〜100nmであり、最も好ましくは10nm〜50nmである。このような範囲であれば、光透過率の高い透明導電層を形成することができる。
上記導電性繊維の長さは、好ましくは1μm〜1000μmであり、より好ましくは10μm〜500μmであり、特に好ましくは20μm〜100μmである。このような範囲であれば、導電性の高い透明導電性フィルムを得ることができる。
上記金属ナノワイヤの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。例えば溶液中で硝酸銀を還元する方法、前駆体表面にプローブの先端部から印可電圧又は電流を作用させ、プローブ先端部で金属ナノワイヤを引き出し、該金属ナノワイヤを連続的に形成する方法等が挙げられる。溶液中で硝酸銀を還元する方法においては、エチレングリコール等のポリオール、およびポリビニルピロリドンの存在下で、硝酸銀等の銀塩の液相還元することによりにより、銀ナノワイヤが合成され得る。均一サイズの銀ナノワイヤは、例えば、Xia, Y.etal., Chem.Mater.(2002)、14、4736−4745、Xia, Y.etal., Nano letters(2003)3(7)、955−960に記載される方法に準じて、大量生産が可能である。
上記カーボンナノチューブとしては、任意の適切なカーボンナノチューブが用いられ得る。例えば、いわゆる多層カーボンナノチューブ、二層カーボンナノチューブ、単層カーボンナノチューブ等が用いられる。なかでも、導電性が高い点から、単層カーボンナノチューブが好ましく用いられる。上記カーボンナノチューブの製造方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。好ましくは、アーク放電法で作製されたカーボンナノチューブが用いられる。アーク放電法で作製されたカーボンナノチューブは結晶性に優れるため好ましい。
上記導電性繊維を含む透明導電層(第1の透明導電層、第2の透明導電層)は、透明基材上に、上記導電性繊維を含む透明導電層形成用組成物を塗工することにより形成することができる。より具体的には、溶媒中に上記導電性繊維を分散させた分散液(透明導電層形成用組成物)を、上記透明基材上に塗布した後、塗布層を乾燥させて、透明導電層を形成することができる。
上記溶媒としては、水、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、エーテル系溶媒、炭化水素系溶媒、芳香族系溶媒等が挙げられる。環境負荷低減の観点から、水を用いることが好ましい。
上記透明導電層形成用組成物中の導電性繊維の分散濃度は、好ましくは0.1重量%〜1重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電層を形成することができる。
上記透明導電層形成用組成物は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。上記添加剤としては、例えば、金属ナノワイヤの腐食を防止する腐食防止剤、金属ナノワイヤの凝集を防止する界面活性剤等が挙げられる。使用される添加剤の種類、数および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
上記透明導電層形成用組成物の塗布方法としては、任意の適切な方法が採用され得る。塗布方法としては、例えば、スプレーコート、バーコート、ロールコート、ダイコート、インクジェットコート、スクリーンコート、ディップコート、凸版印刷法、凹版印刷法、グラビア印刷法等が挙げられる。塗布層の乾燥方法としては、任意の適切な乾燥方法(例えば、自然乾燥、送風乾燥、加熱乾燥)が採用され得る。例えば、加熱乾燥の場合には、乾燥温度は代表的には100℃〜200℃であり、乾燥時間は代表的には1〜10分である。
上記透明導電層(第1の透明導電層、第2の透明導電層)における導電性繊維の含有割合は、金属ナノワイヤを含む透明導電層の全重量に対して、好ましくは30重量%〜100重量%であり、より好ましくは30重量%〜96重量%であり、さらに好ましくは43重量%〜88重量%である。このような範囲であれば、導電性および光透過性に優れる透明導電性フィルムを得ることができる。
上記透明導電層(第1の透明導電層、第2の透明導電層)は、バインダー樹脂をさらに含み得る。該バインダー樹脂により、導電性繊維(特に金属ナノワイヤ)を保護することができる。
上記バインダー樹脂を含む透明導電層(第1の透明導電層、第2の透明導電層)は、上記透明導電層形成用組成物にバインダー樹脂またはバインダー樹脂前駆体を含有させて、該組成物により形成してもよく、導電性繊維を含む透明導電層形成用組成物を塗布、乾燥させた後、樹脂組成物(バインダー樹脂またはバインダー樹脂前駆体を含む組成物)をさらに塗布して形成してもよい。
上記バインダー樹脂としては、任意の適切な樹脂が用いられ得る。該樹脂としては、例えば、アクリル系樹脂;ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂;ポリスチレン、ポリビニルトルエン、ポリビニルキシレン、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド等の芳香族系樹脂;ポリウレタン系樹脂;エポキシ系樹脂;ポリオレフィン系樹脂;アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体(ABS);セルロース;シリコン系樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリアセテート;ポリノルボルネン;合成ゴム;フッ素系樹脂等が挙げられる。好ましくは、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)、ネオペンチルグリコールジアクリレート(NPGDA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)等の多官能アクリレートから構成される硬化型樹脂(好ましくは紫外線硬化型樹脂)が用いられる。
C.透明基材
上記透明基材、第1の透明基材および第2の透明基材を構成する材料は、任意の適切な材料が用いられ得る。具体的には、例えば、フィルムやプラスチックス基材などの高分子基材が好ましく用いられる。透明基材の平滑性および導電層形成用組成物に対する濡れ性に優れ、また、ロールによる連続生産により生産性を大幅に向上させ得るからである。なお、本発明の透明導電性フィルムが、第1の透明基材と第2の透明基材を備える場合、第1の透明基材と第2の透明基材の構成材料は、同じであってもよく、異なっていてもよい。
上記透明基材、第1の透明基材および第2の透明基材を構成する材料は、代表的には熱可塑性樹脂を主成分とする高分子フィルムである。熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエステル系樹脂;ポリノルボルネン等のシクロオレフィン系樹脂;アクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;セルロース系樹脂等が挙げられる。なかでも好ましくは、ポリエステル系樹脂、シクロオレフィン系樹脂またはアクリル系樹脂である。これらの樹脂は、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮蔽性などに優れる。上記熱可塑性樹脂は、単独で、または2種以上組み合わせて用いてもよい。また、偏光板に用いられるような光学フィルム、例えば、低位相差基材、高位相差基材、位相差板、輝度向上フィルム等を基材として用いることも可能である。
上記透明基材の総厚みは、好ましくは5μm〜200μmであり、より好ましくは10μm〜150μmである。「透明基材の総厚み」とは、本発明の透明導電性フィルムが、第1の透明基材と第2の透明基材を備える場合、第1の透明基材の厚みと第2の透明基材の厚みとの和を意味する。図1に示す透明基材を備える透明導電性フィルムにおいては、該透明基材の厚みが、「透明基材の総厚み」に相当する。第1の透明基材と第2の透明基材とは、同じ厚みであってもよく、異なる厚みであってもよい。
上記透明基材、第1の透明基材および第2の透明基材の全光線透過率は、好ましくは30%以上であり、より好ましくは35%以上であり、さらに好ましくは40%以上である。
D.その他の層
上記透明導電性フィルムは、必要に応じて、任意の適切なその他の層を備え得る。上記その他の層としては、例えば、ハードコート層、アンチグレア層、反射防止層、カラーフィルター層等が挙げられる。
E.透明導電性フィルムの製造方法
1つの実施形態においては、上記透明導電性フィルムは、上記透明基材の両面に、透明導電層形成用組を塗工して製造される。この製造方法は、透明基材の一方の面に所定の塗工方向で透明導電層形成用組成物を塗工して第1の透明導電層を形成すること、および、透明基材の他方の面に、透明導電層形成用組成物を塗工して第2の透明導電層を形成することを含む。透明導電層形成用組成物、該組成物の塗工方法等は、上記B項で説明したとおりである。第1の透明導電層形成時の塗工方向と、第2の透明導電層形成時の塗工方向とのなす角は、好ましくは70°〜110°であり、より好ましくは80°〜100°であり、さらに好ましくは85°〜95°であり、特に好ましくは88°〜92°である。なお、塗工方向とは、塗工時の機械方向(MD)に相当する方向である。
別の実施形態においては、上記透明導電性フィルムは、以下の工程を含む製造方法により製造され得る;
・第1の透明基材上に透明導電層形成用組成物を塗工して得られた第1の積層体(第1の透明基材と第1の透明導電層との積層体)と、第2の透明基材上に透明導電層形成用組成物を塗工して得られた第2の積層体(第2の透明基材と第2の透明導電層との積層体)とを形成する工程;
・第1の透明基材と第2の透明基材とを任意の適切な接着剤または粘着剤を介して貼り合せることにより、上記第1の積層体と第2の積層体とを積層する工程。
このような製造方法によれば、塗工により透明導電層を形成した後にロール状に巻き取られた第1の積層体および第2の積層体をそれぞれ送り出しながら、第1の積層体の塗工方向と第2の積層体の塗工方向とがなす角を適切に調整して、第1の積層体と第2の積層体とを積層すること(いわゆるロールトゥシート加工)が可能となる。したがって、当該製造方法によれば、第1の透明導電層において表面抵抗値が最小となる方向A1と第2の透明導電層において表面抵抗値が最小となる方向A2とのなす角が適切に調整された透明導電性フィルムを容易に得ることができる。
透明導電層形成用組成物を塗工して得られた透明導電層(第1の透明導電層、第2の透明導電層)においては、導電性繊維が配向している。該第1の透明導電層における導電性繊維の配向方向と、該第2の透明導電層における導電性繊維の配向方向とのなす角は、好ましくは70°〜110°であり、より好ましくは80°〜100°であり、さらに好ましくは85°〜95°であり、特に好ましくは88°〜92°である。このような範囲であれば、第1の透明導電層および第2の透明導電層に直線状の配線パターンを形成し、第1の透明導電層の配線パターンと第2の透明導電層の配線パターンを直交させた際に、表裏ともに抵抗が低い透明導電性フィルムを得ることができる。なお、導電性繊維の配向方向は、透明導電層形成時の塗工方向およびMDに相当する。通常、導電性繊維の配向方向は、透明導電層において表面抵抗値が最小となる方向Aにも相当する。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例になんら限定されるものではない。実施例における評価方法は以下のとおりである。
(1)表面抵抗値
透明導電性フィルムから、測定する方向を長辺とする短冊状サンプル(長さ100mm×幅10mm)を切り出し、測定対象の透明導電層の両端部5mmの範囲に銀ペーストを塗布し、2点間の抵抗値を三和電気計器社製の商品名「デジタルマルチメータCD800a」を用いて計測した。測定された抵抗値を、短冊状サンプルの長さで除し、さらに、幅を掛けることにより、表面抵抗値を算出した。
<製造例1>銀ナノワイヤの合成および銀ナノワイヤ分散液(樹脂層形成用組成物(N))の調製
硝酸銀1.5g、形態調整剤としてのポリビニルピロリドンK−90(ナカライテスク社製、平均分子量:360,000)5.8g、食塩(NaCl)0.04g及びエチレングリコール(180ml)を、環流器及び攪拌機が付いたフラスコに添加し、攪拌しつつ溶解した後、温度をエチレングリコールの沸点近傍である170℃まで昇温し、60分間反応させた。反応終了後、室温下で放置して冷却した。次いで、上記のようにして得られた銀ナノワイヤを含む反応混合物に、該反応混合物の体積が5倍になるまでアセトンを加えた後、該反応混合物を遠心分離した(2000rpm、20分)。この作業を数回繰返し、銀ナノワイヤを得た。得られた銀ナノワイヤは、直径が10nm〜60nmであり、長さは1μm〜50μmであった。なお、銀ナノワイヤのサイズは、日立ハイテクノロジーズ社製の走査型電子顕微鏡「S−4800」を用い、該顕微鏡により無作為に抽出した30個の金属ナノワイヤを観察して長さおよび直径を測定した。純水中に、該銀ナノワイヤ(濃度:0.2重量%)、およびペンタエチレングリコールモノドデシルエーテル(濃度:0.1重量%)を分散させ、銀ナノワイヤ分散液(透明導電層形成用組成物)を調製した。
<実施例1>
透明基材としてPET基材(三菱樹脂株式会社製、商品名「T602」、厚み:50μm)を用いた。この透明基材上にバーコーター(第一理科社製、製品名「バーコーター No.15」)を用いて製造例1で調整した銀ナノワイヤ分散液を塗布し、120℃の送風乾燥機内で2分間乾燥させて、銀ナノワイヤを含む第1の透明導電層を形成した。透明基材の、第1の透明導電層とは他方の面に、バーコーターを用いて製造例1で調整した銀ナノワイヤ分散液を塗布し、120℃の送風乾燥機内で2分間乾燥させて、銀ナノワイヤを含む第2の透明導電層を形成した。第2の透明導電層を形成する際の上記分散液の塗工方向は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に直交する方向とした。上記のようにして、第1の透明導電層、透明基材、第2の透明導電層をこの順に備える透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.4Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.3Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.92の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1に直交し)、方向A2における表面抵抗値RA2は、42.9Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、82.0Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.91の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と方向A2を選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RA2(第2の透明導電層の上記方向A1に直交する方向(方向A2)の表面抵抗値)とは、RA1/RA2=1.01の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と方向B2を選択したとき、表面抵抗値RB1と表面抵抗値RB2とは、RB1/RB2=1.02の関係を有していた。
<実施例2>
実施例1と同様の方法で、第1の透明基材(PET基材、三菱樹脂株式会社製、商品名「T602」、厚み:50μm)に銀ナノワイヤを含む第1の透明導電層を形成して第1の積層体を得た。また、実施例1と同様の方法で、第2の透明基材(PET基材、三菱樹脂株式会社製、商品名「T602」、厚み:50μm)に銀ナノワイヤを含む第2の透明導電層を形成して第2の積層体を得た。
第1の積層体と第2の積層体とをアクリル系粘着剤を用いて貼り合せ、第1の透明導電層、第1の透明基材、第2の透明基材および第2の透明導電層をこの順に備える透明導電性フィルムを得た。このとき、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向と、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向とが直交するようにして、積層した。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.0Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.93の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1に直交し)、方向A2における表面抵抗値RA2は、43.3Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、83.5Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.93の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と方向A2を選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RA2(第2の透明導電層の上記方向A1に直交する方向(方向A2)の表面抵抗値)とは、RA1/RA2=1.00の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と方向B2を選択したとき、表面抵抗値RB1と表面抵抗値RB2とは、RB1/RB2=0.99の関係を有していた。
<実施例3>
第1の透明導電層を形成する際の塗工方向と、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向とのなす角が70°となるようにして、第1の積層体と第2の積層体を貼り合せたこと以外は、実施例2と同様にして、透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.0Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.93の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1となす角が70°であり)、方向A2における表面抵抗値RA2は、43.3Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、83.5Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.93の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と、第2の透明導電層において方向A1と直交する方向Y2−iとを選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−i(第2の透明導電層の方向Y2−iにおける表面抵抗値)とは、RA1/RY2−i=0.83の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と、第2の透明導電層において方向B1と直交する方向Y2−iiとを選択したとき、表面抵抗値RB1(第1の透明導電層の方向B1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−ii(第2の透明導電層の方向Y2−iiにおける表面抵抗値)とは、RB1/RY2−ii=1.16の関係を有していた。
<実施例4>
第1の透明導電層を形成する際の塗工方向と、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向とのなす角が110°となるようにして、第1の積層体と第2の積層体を貼り合せたこと以外は、実施例2と同様にして、透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.0Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.93の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1となす角が110°であり)、方向A2における表面抵抗値RA2は、43.3Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、83.5Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.93の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と、第2の透明導電層において方向A1と直交する方向Y2−iiiとを選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−iii(第2の透明導電層の方向Y2−iiiにおける表面抵抗値)とは、RA1/RY2−iii=0.83の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と、第2の透明導電層において方向B1と直交する方向Y2−ivとを選択したとき、表面抵抗値RB1(第1の透明導電層の方向B1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−iv(第2の透明導電層の方向Y2−ivにおける表面抵抗値)とは、RB1/RY2−iv=1.16の関係を有していた。
<比較例1>
第2の透明導電層を形成する際の上記分散液の塗工方向を、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行となるようにしたこと以外は、実施例1と同様にして、透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、41.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、82.2Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=2.00の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1と平行であり)、方向A2における表面抵抗値RA2は、41.0Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、82.2Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=2.01の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と、第2の透明導電層において方向A1と直交する方向Y2−vとを選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−v(第2の透明導電層の方向Y2−vにおける表面抵抗値)とは、RA1/RY2−v=0.50の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と、第2の透明導電層において方向B1と直交する方向Y2−viとを選択したとき、表面抵抗値RB1(第1の透明導電層の方向B1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−vi(第2の透明導電層の方向Y2−viにおける表面抵抗値)とは、RB1/RY2−vi=2.00の関係を有していた。
<比較例2>
第1の透明導電層を形成する際の塗工方向と、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向とのなす角が0°となるようにして、第1の積層体と第2の積層体を貼り合せたこと以外は、実施例2と同様にして、透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.0Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.93の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1と平行であり)、方向A2における表面抵抗値RA2は、43.3Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、83.5Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.93の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と、第2の透明導電層において方向A1と直交する方向Y2−viiとを選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−vii(第2の透明導電層の方向Y2−viiにおける表面抵抗値)とは、RA1/RY2−vii=0.52の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と、第2の透明導電層において方向B1と直交する方向Y2−viiiとを選択したとき、表面抵抗値RB1(第1の透明導電層の方向B1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−viii(第2の透明導電層の方向Y2−viiiにおける表面抵抗値)とは、RB1/RY2−viii=1.92の関係を有していた。
<比較例3>
第1の透明導電層を形成する際の塗工方向と、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向とのなす角が45°となるようにして、第1の積層体と第2の積層体を貼り合せたこと以外は、実施例2と同様にして、透明導電性フィルムを得た。
(第1の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA1、表面抵抗値RB1、RB1/RA1
第1の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A1は、第1の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり、方向A1における表面抵抗値RA1は、43.1Ω/□であった。
第1の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B1は、方向A1と直交する方向であり、方向B1における表面抵抗値RB1は、83.0Ω/□であった。したがって、第1の透明導電層においては、表面抵抗値RA1と表面抵抗値RB1とは、RB1/RA1=1.93の関係を有していた。
(第2の透明導電層の表面抵抗値:表面抵抗値RA2、表面抵抗値RB2、RB2/RA2
第2の透明導電層の表面抵抗値が最小となる方向A2は、第2の透明導電層を形成する際の塗工方向に対して平行であり(すなわち、上記方向A1となす角が45°であり)、方向A2における表面抵抗値RA2は、43.3Ω/□であった。
第2の透明導電層の表面抵抗値が最大となる方向B2は、方向A2と直交する方向であり、方向B2における表面抵抗値RB2は、83.5Ω/□であった。したがって、第2の透明導電層においては、表面抵抗値RA2と表面抵抗値RB2とは、RB2/RA2=1.93の関係を有していた。
(RX1/RY2
互いに直交する方向として、方向A1と、第2の透明導電層において方向A1と直交する方向Y2−ixとを選択したとき、表面抵抗値RA1(第1の透明導電層の方向A1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−ix(第2の透明導電層の方向Y2−ixにおける表面抵抗値)とは、RA1/RY2−ix=0.69の関係を有していた。
互いに直交する方向として、方向B1と、第2の透明導電層において方向B1と直交する方向Y2−vxとを選択したとき、表面抵抗値RB1(第1の透明導電層の方向B1における表面抵抗値)と表面抵抗値RY2−vx(第2の透明導電層の方向Y2−vxにおける表面抵抗値)とは、RB1/RY2−vx=1.33の関係を有していた。
本発明の透明導電性フィルムは、表示素子等の電子機器に用いられ得る。
10 第1の透明導電層
20 透明基材
21 第1の透明基材
22 第2の透明基材
30 第2の透明導電性層
100、200 透明導電性フィルム

Claims (7)

  1. 第1の透明導電層と、透明基材と、第2の透明導電層とをこの順に備える透明導電性フィルムであって、
    該第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含み、
    該透明導電性フィルムの面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、
    該第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である、
    透明導電性フィルム。
  2. 第1の透明導電層と、第1の透明基材と、第2の透明基材と、第2の透明導電層とをこの順に備える透明導電性フィルムであって、
    該第1の透明基材と該第2の透明基材とが、粘着剤層または接着剤層を介して積層され、
    該第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含み、
    該透明導電性フィルムの面内の所定の一方向を方向X、該方向Xに直交する方向を方向Yとしたとき、
    該第1の透明導電層の方向Xにおける表面抵抗値RX1と、該第2の透明導電層の方向Yにおける表面抵抗値RY2との関係が、0.8≦RX1/RY2≦1.2である、
    透明導電性フィルム。
  3. 前記導電性繊維が、金、白金、銀、銅および炭素からなる群より選ばれた1種以上により構成される、請求項1または2に記載の透明導電性フィルム。
  4. 前記第1の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A1の表面抵抗値をRA1、表面抵抗値が最大となる方向B1の表面抵抗値をRB1とし、
    前記第2の透明導電層において、表面抵抗値が最小となる方向A2の表面抵抗値RA2、表面抵抗値が最大となる方向B2の表面抵抗値をRB2としたとき、
    表面抵抗値RA1とRB1との関係が、1.2≦RB1/RA1≦5であり、かつ、
    表面抵抗値RA2とRB2との関係が、1.2≦RB2/RA2≦5である、
    請求項1から3のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  5. 前記方向A1と、前記方向A2とのなす角が、70°〜110°である、請求項4に記載の透明導電性フィルム。
  6. 前記第1の透明導電層および第2の透明導電層が、導電性繊維を含む透明導電層形成用組成物の塗工層である、請求項1から5のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
  7. 前記第1の透明導電層および第2の透明導電層において、導電性繊維が配向しており、
    該第1の透明導電層における導電性繊維の配向方向と、該第2の透明導電層における導電性繊維の配向方向とのなす角が、70°〜110°である、請求項1から6のいずれかに記載の透明導電性フィルム。
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