JP2017227322A - 管継手、管継手を備えた搬送管、及び複数の搬送管を備えた製造ライン - Google Patents
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Abstract
Description
このような食品工場などにおいて、同じ製造ラインで複数種類の飲料や調味料等を製造することがあり、そのような場合、製造する製品に他の製品の原材料を混入させないために、製造する製品が変わる毎に製造ライン全体が洗浄されている。そして、製造ラインの各製造設備間を接続するステンレス配管の部分については、分解洗浄等を行うことによって着香の問題が生じることはないが、柔軟な搬送管の部分については、着香や原材料の残留の可能性があり、また、最近では食品アレルギーに対する対応などから、柔軟な搬送管は同一の製造ラインにおいて搬送する原材料毎に搬送管を使い分けることが行われていた。
このように、材料毎に使用する搬送管を使い分ける場合には、一旦製造設備から取り外してしまった搬送管を再び接続することが必要となるが、再び製造設備に接続する時にどの搬送管を接続するべきなのかがわかり難く、他の材料に用いる搬送管を接続してしまう可能性があった。
このような問題を解決するためには、搬送する材料等毎に搬送管の管体自体の色を変えて管理したり、柔軟な搬送管の端部に着色された識別テープを巻き付けておき、誤接続を防止する方法が公知であった。
さらに、このような課題を解決するために本発明に係る搬送管は、前記管継手と、前記柔軟性を有する管体とを備えたことを特徴とする。
また、このような課題を解決するために本発明に係る製造ラインは、複数の製造設備間が柔軟性を有する搬送管により連絡され、前記搬送管により流体物を搬送している製造ラインであって、前記製造設備間を連絡する前記搬送管として、前記搬送管を少なくとも一つは含む複数の搬送管を準備していることを特徴とする。
本発明の実施形態に係る管継手1、管継手1を備えた搬送管、及び複数の搬送管を備えた製造ラインは、食品工場や医薬品工場などの衛生管理が厳しい場所又は化粧品工場などの臭い移り管理が厳しい場所に配備される。
本発明の実施形態に係る管継手1として、主原料、副原料、油及び香料によりタレ等の製品を製造する食品工場の製造ラインに用いられる食品用ホース等の搬送管、及び搬送管の端部に固定される管継手(ホース継ぎ手)の例をあげて説明する。
本発明の実施形態に係る搬送管が使用されるタレ等を製造する製造ラインは、主原料に対して、副原料、香料、油等の各種原材料を調合してタレ等の製品を製造するものであり、同一の製造ラインにおいて原材料を異ならせることにより、複数種類のタレ等の製品を製造することができる。
また、第1タンク7乃至第3タンク7”との間の搬送管B,B’,及び充填を行う搬送管B”についても、製造する製品によって搬送管B,B’,B”を交換して用いられている。
管体2の接続端部に取り付けられる管継手として図2(a)に示す実施例の管継手1は、原材料を貯留するタンク7や材料を調合する調合タンク6等の製造設備に設けられた管接続部6a,7aに接続する継手本体部11と、継手本体部11に対して可撓性を有するホース等の管体2を取り付けるための弾性変形不能なスリーブ部材12と、を備えている。
継手本体部11は、例えばステンレス等の金属材料や硬質合成樹脂等の硬質材料からなり、可撓性を有する管体2の端部内周に挿入されるニップル部111と、ニップル部111の管体2に挿入する側とは反対側端部に連続して設けられ、製造設備の管接続部6a,7aに接続される接続部112と、を有している。接続部112は、ニップル部111に比較してやや大径の筒状部112aと、筒状部112aの端部に形成された大径の鍔状部112bと、を有するフランジ形状に形成されている。
また、ニップル部111の外周面の接続部側には、環状の係止リブ111bが一体的に形成されており、接続部112の筒状部112aの管体2側端部と環状の係止リブ111bとにより、後述するスリーブ部材12の端部内周面に形成された嵌合リブ部12aを嵌合係止するための嵌合溝111cが形成されている。
そして、スリーブ部材12の一端側の内周には、内周に突出する環状の嵌合リブ部12aを有しており、管体2をスリーブ部材12の他端側から挿入した際に管体2の接続端部がスリーブ部材12の一端側から突出するのを防止している。
また、スリーブ部材12の内周面には、管体2の外周面に対向する環状リブ部12b,12bが管体2の挿入方向に並んで複数設けられている。
なお、管体2の構成は限定されるものではなく、弾性を有するものであればよく、例えば、管体2の内部に補強線材22等を埋設するものなどして、保形性と耐圧性に優れたものを用いることもできる。
先ず、図2(a)に示すように、スリーブ部材12の内周面に沿って管体2の接続端部を挿入し、管体2の接続端部がスリーブ部材12の嵌合リブ部12aに当接するまで挿入する。
そして、管体2の接続端部を挿入したスリーブ部材12に対して、継手本体部11のニップル部111を挿入する。このとき、ニップル部111は管体2の内径と略同じ寸法、もしくは若干大きい外径を備えているので、ニップル部111に対して、比較的小さい力で管体2が挿入されたスリーブ部材12を挿入することができる。
なお、このとき、スリーブ部材12及び継手本体部11との間の適宜の場所には、図示しないシール材が配置されており、スリーブ部材12と管体2及び継手本体部11とのシールを行っている。
例えば、図3(a)に示す実施例の管継手1は、流体物を示す情報として少なくともスリーブ部材12の外周面全体が、搬送管Aにより搬送する材料を連想させる色に着色されたスリーブ部材12dを挿着した例である。例えば、醤油を搬送する搬送管Aの管継手1のスリーブ部材12を紫色に着色して、スリーブ部材12の色を見るだけで搬送管Aにより搬送される材料が認識できるように構成されている。
なお、スリーブ部材12に対する着色は、食品衛生上の問題がなく耐摩耗性に優れた有色メッキ、特に真空蒸着・イオンプレーティング・スパッタリング等の乾式メッキが望ましく、特に多色が得られる窒化チタンを使ったイオンプレーティングにより行うことが望ましい。
さらに、図3(c)に示す実施例の管継手1は、流体物を示す情報として少なくともスリーブ部材12の外周面が、有色メッキ等により着色されるとともに材料名等の文字が施されたスリーブ部材12fを挿着した例である。具体的には、青の着色をした管継手1のスリーブ部材12に対して「水用」の文字を刻印したものである。
また、その他の例として図示しないが、流体物を示す情報としてスリーブ部材12の一部を単色や複数色で着色したり、単色や複数色の模様を施したり、図示されない文字や絵や記号等を施したり変更可能である。
また、スリーブ部材12の外周面に表示することにより、比較的着色や刻印等の製造が容易であり、継手部本体及びスリーブ部材12は、共通して使用することができるので製造コストを抑えることができる。
図4に示す第二実施例の管継手3は、図4(a)に示すように、製造設備に設けられた管接続部に接続され、管体4の接続端部に挿入するニップル部311を有する継手本体部31と、管体4が移動自在に挿入されると共に継手本体部31に対して螺合することで往復動自在に設けられる袋ナット部材32と、継手本体部31のニップル部311の外周に配置されて管体4の接続端部が挿入される弾性変形可能な締め付けスリーブ33と、を備えている。
その後、図4(c)に示すように、袋ナット部材32の螺合部32aと継手本体部31の螺合部31aとの螺合により、袋ナット部材32を継手本体部31に近づけ、両者間に配置された締め付けスリーブ33を縮径して管体4を締め付けることで、管継手3に管体4を接続するものである。
また、図4(a)(b)(c)に示す例では、継手本体部31の接続部31bをネジ形状に形成しているが、その他の例として継手本体部31の接続部31bを図2(a)(b)に示したフランジ形状に変更することも可能である。
なお、接続部の詳細な構成については、特開2011−52772号公報に記載されている。
すなわち、袋ナット部材32は、搬送される流体物毎に異なる情報が表示されたものを予め複数種類用意しておき、継手本体部31から袋ナット部材32を取り外すことで、袋ナット部材32と共に流体物の情報が取り替え可能な交換部品となり、この際に管体4の交換も可能となる。このため、図5の管継手3は、図3の管継手1と異なり、管体4が寿命で使用不能となっても管継手3が再使用できるとともに、袋ナット部材32を取り替えることで、他の流体物が搬送される管体4に再使用できる。
図5(a)に示す第二実施例の管継手3は、流体物を示す情報として少なくとも袋ナット部材32の外周面が、管体4により搬送する材料を連想させる色に有色メッキ等で着色された袋ナット部材32dを挿着した例である。
図5(b)に示す第二実施例の管継手3は、流体物を示す情報として少なくとも袋ナット部材32の外周面に、管体4により搬送する材料の名称等が刻印等で施された袋ナット部材32eを挿着した例である。
図5(c)に示す第二実施例の管継手3は、流体物を示す情報として少なくとも袋ナット部材32の外周面が、有色メッキ等により着色されるとともに材料名等の文字が施された袋ナット部材32fを挿着した例である。
また、その他の例として図示しないが、流体物を示す情報として袋ナット部材32の一部を単色や複数色で着色したり、単色や複数色の模様を施したり、図示されない文字や絵や記号等を施したり変更可能である。
締め付けスリーブ34の内周面には、管体4の外周面に向けて突出するシール部材34aが設けられている。
また、図6(a)(b)に示す例では、継手本体部31の接続部31cをフランジ形状に形成しているが、その他の例として継手本体部31の接続部31cを図4(a)(b)(c)に示したネジ形状に変更することも可能である。
なお、接続部の詳細な構成については、特許第5557221号公報に記載されている。
特許第5557221号公報に記載されたものと相違点は、継手本体部31の外周面又は袋ナット部材32の外周面のいずれか一方、もしくは継手本体部31の外周面及び袋ナット部材32の両方に亘って、識別リング35を着脱自在に取り付けている。
すなわち、識別リング35は、搬送される流体物毎に異なる情報が表示されたものを予め複数種類用意しておき、継手本体部31から袋ナット部材32及び識別リング35を取り外すことで、識別リング35と共に流体物の情報が取り替え可能な交換部品となり、この際に管体4の交換も可能となる。このため、図7の管継手3は、図3の管継手1と異なり、管体4が寿命で使用不能となっても管継手3が再使用できるとともに、識別リング35を取り替えることで、他の流体物が搬送される管体4に再使用できる。
図6及び図7に示す例では、継手本体部31の外周面に形成される凹部312に対し、識別リング35を着脱自在に嵌合している。
また、その他の例として図示しないが、袋ナット部材32の外周面に形成される凹部に対し、識別リング35を着脱自在に嵌合したり、継手本体部31の外周面及び袋ナット部材32の両方に亘って形成される凹部に対し、識別リング35を着脱自在に嵌合したり変更可能である。
図7(b)に示す第三実施例の管継手3は、流体物を示す情報として少なくとも外周面全体が、例えば赤色などの中間色に着色された識別リング35eを挿着した例である。
図7(c)に示す第三実施例の管継手3は、流体物を示す情報として少なくとも外周面全体が、例えば青色や黒色などの濃色に着色された識別リング35fを挿着される例である。
また、その他の例として図示しないが、流体物を示す情報として識別リング35の一部を単色や複数色で着色したり、単色や複数色の模様を施したり、文字や絵や記号等を施したり変更可能である。
したがって、フレキシブルホースの端部に識別テープ等を巻き付ける従来のものに比べ、長時間に亘って使用しても脱落して製造ラインに異物混入のおそれがなく安全性に優れる。
この場合には、流体物を示す情報の交換が極めて容易であり、交換作業の短縮化が図れて作業性に優れるとともに、稼働中において交換部品(袋ナット部材32,識別リング35)の脱落を確実に防止できるため、更なる安全性の向上が図れる。
さらに、継手本体部31に対する着脱自在な交換部品として識別リング35を用いた場合には、製造コストの低減化が図れる。
さらに、本発明の実施形態に係る製造ラインにおいては、準備している搬送管として全て本発明の実施形態に係る搬送管を用いてもよいし、特に混入することが許されない流体物を搬送する搬送管だけに本発明の実施形態に係る搬送管を用いてもよい。
6:調合タンク 6a:管接続部
7:タンク 7a:管接続部
11,31:継手本体部 111,311:ニップル部
111a:環状リブ 111b:係止リブ
111c:嵌合溝 112,31b,31c:接続部
112a:筒状部 112b:鍔状部
12:スリーブ部材 12a:嵌合リブ部
12b:環状リブ部 22:補強線材
31a:螺合部 32:袋ナット部材
32a:螺合部 33,34:締め付けスリーブ
35:識別リング A,B:搬送管
Claims (7)
- 柔軟性を有する管体の接続端部に固定される管継手であって、
前記管体により搬送される流体物を示す情報が表示されていることを特徴とする管継手。 - 前記流体物を示す情報が着色により表示されていることを特徴とする請求項1に記載の管継手。
- 前記流体物を示す情報が刻印により表示されていることを特徴とする請求項1または2に記載の管継手。
- 前記流体物を示す情報が、継手本体部に対して着脱自在な交換部品に表示されることを特徴とする請求項1、2または3に記載の管継手。
- 請求項1ないし4のいずれかに記載の管継手と、前記柔軟性を有する管体とを備えたことを特徴とする搬送管。
- 前記柔軟性を有する管体が、透明もしくは半透明であることを特徴とする請求項5に記載の搬送管。
- 複数の製造設備間が柔軟性を有する搬送管により連絡され、前記搬送管により流体物を搬送している製造ラインであって、
前記製造設備間を連絡する前記搬送管として、請求項5または6に記載の搬送管を少なくとも一つは含む複数の搬送管を準備していることを特徴とする製造ライン。
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