JP2017226760A - 水性顔料分散体及びインクジェット用インキ - Google Patents

水性顔料分散体及びインクジェット用インキ Download PDF

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Abstract

【課題】分散性に優れ、保存安定性が良好な水性顔料分散体を提供すること。また、印字濃度や発色性が高くなる水性顔料分散体を提供すること。【解決手段】前記課題は、顔料、顔料分散樹脂、塩基性化合物および水を含有する水性顔料分散体であって、核磁気共鳴分光法(NMR)を用いてCarr Purcell Meiboom Gill法によって求めた顔料1g当たりの横緩和時間T2が30ms/g以下であることを特徴とする水性顔料分散体によって解決される。【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散体及びインクジェット用インキに関する。
火災の危険性や変異原性などの毒性が皆無か、より低減できるという優れた特徴から、塗料、インキの如き着色剤を使用する業界では水性化指向が強い。
着色剤として使用される色材は染料と顔料とに大別されるが、色材として顔料を使用した場合、色材として染料を使用する場合と比較して、印刷物の耐水性、耐光性などの堅牢性が優れるという特徴がある。一方、顔料は染料に対し透明性が低く、発色性も低いという問題を抱えている。また、染料を使用した分散体は色材である染料を媒体中に溶解して使用するのに対し、顔料分散体は色材である顔料を媒体中に分散し使用される。従って、顔料分散体の製造方法では、染料に劣っている透明性や発色性を改善するため、顔料を微細に分散する分散工程が必須となる。
顔料を微細に分散する分散工程とは、凝集体として存在している顔料を一次粒子または一次粒子に近い状態まで磨砕または解砕する操作である。しかし、顔料を微細化すればするほど表面エネルギーの増大で分散状態の安定性が確保できないという問題がある。さらにこの方法では、顔料を一次粒子付近の100nm程度まで微細化するのが限界であり、さらなる微細化の要求には、対応するのが難しい。
顔料の微細化達成のためには、分散剤、分散機、分散メディアの材質、直径等の分散工程の最適化および分散方法のアプローチがある。その中で製造に関する方法として、分散メディアとしてガラス、鉄、セラミックス、ジルコニアなどの材質からなる直径0.3mmから1mm程度のビーズを使用する方法(特許文献1)、また、分散機のローター周速を低速にする、所謂マイルドに分散する方法(特許文献2、3)、また、顔料と分散剤を予め混練もしくは練肉し固形チップを作製する等の前処理工程を経由する分散方法(特許文献4〜6)が知られている。
しかし、特許文献1に記載されている様な微小なメディアでは、ビーズ1 個あたりの質量が小さくなり顔料との衝突の際に顔料に対する衝撃力が格段に弱くなる。そのため、乾燥凝集の強い顔料に対しては粉砕する力が不足し、粒度分布がブロードな分散体となることや、顔料を微粒子分散状態にできない。さらに、最終製品への粗大粒子の混入は、ノズルの閉塞につながるだけでなく、これを回避するため濾過を施すことにより、製品に含まれる顔料比率が変化するという問題が挙げられる。また、ビーズをメディアとするサンドミル等の分散機は、低粘度の分散液を用いて行われるため、顔料に強力なシアがかかりにくく、顔料の粗大粒子を粉砕するために長時間を要する。
また、特許文献2および3に記載されている、ローター周速を低速にするマイルドな分散方法では、個々のメディアの運動エネルギーが小さいため上記同様の問題があるだけでなく、所望の分散到達粒径まで長時間を要することになり、経済的ではない。
分散に長時間を要することにより、過剰な分散状態になったため顔料の凝集や、粘度上昇が懸念される。また、粘度上昇を防ぐために、分散剤を過剰に添加する方法もあるが、過剰な分散剤によって印刷物や塗工物の外観不良が懸念される。
また、特許文献4に記載されている、顔料と分散剤を予め混練する方法では、微粒子化が上述の方法よりも短時間で達成されたとしても、顔料の分散安定性が不十分であったため、保存安定性に問題があった。
特許文献5、6に記載されている、顔料と分散剤等を予め練肉し固形チップを作製する方法では、固形チップに水や有機溶剤を添加してハイスピードミキサーやホモジナイザー等で分散し分散体を得るため、多段階工程により時間がかかることや、固形チップを粉砕、溶解する工程を経るため樹脂被覆が十分ではなく保存安定性が悪かった。さらに遊離樹脂により粘度上昇等の不具合を生じやすかった。
上述のように、現在様々な分散手法の検討がなされているが、近年ますます強まる技術的な要望である、保存安定性が良好かつ高度に微細化された分散体という要求には応えられていない。
特開2009−024035号公報 特開2006−176722号公報 特開2006−188626号公報 特開2003−226832号公報 特開平6−157954号公報 特開2000−80299号公報
本発明が解決しようとする課題は、上述した従来技術では達しえない、分散性に優れ、保存安定性が良好な水性顔料分散体を提供することにある。また、印字濃度や発色性が高くなる水性顔料分散体を提供することにある。
顔料、顔料分散樹脂、塩基性化合物および水を含有する水性顔料分散体であって、核磁気共鳴分光法(NMR)を用いてCarr Purcell Meiboom Gill法によって求め、下記式1に基づいて換算した、顔料1g当たりの横緩和時間T2が30ms/g以下であることを特徴とする水性顔料分散体により解決することができる。
Figure 2017226760
顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着された顔料分散樹脂量の割合が25〜95質量%であることを特徴とする前記水性顔料分散体である。
顔料分散樹脂の酸価が30〜400mgKOH/gの範囲である前記水性顔料分散体である。
前記水性顔料分散体を含むインクジェット用インキである。
顔料および顔料分散樹脂を非水系溶媒中で分散し、非水系溶媒を除去した後、塩基性化合物および水と混合した後、超音波を照射する水性顔料分散体の製造方法である。
非水系溶媒が2種類以上含み、1種類の非水系溶媒がハンセンのSP値におけるδdが15〜17、δpが6〜8、δhが10〜12であることを特徴とする前記水性顔料分散体の製造方法である。
本発明によれば、分散性に優れ、保存安定性が良好な水性分散体を提供することができる。また、インクジェット用インキに用いた際に印字濃度が高くなる水性顔料分散体を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の水性顔料分散体とそれを構成する材料について説明する。
水性顔料分散体は水を主成分とする液媒体中に顔料を分散して成る液体であり、構成する基本材料は、水、顔料分散樹脂、塩基性化合物、および顔料である。
本発明の水性顔料分散体は、核磁気共鳴分光法NMRを用いてCarr Purcell Meiboom Gill法によって求めた25℃における、顔料1g当たりに換算した横緩和時間T2が30ms/g以下であることを特徴とする。
Carr Purcell Meiboom Gill(CPMG)法は、磁気共鳴観測のスピンエコー法において、静磁場中の試料に対して、静磁場と垂直な方向に、90°パルスと180°パルスの2つの高周波磁場パルスを、位相を変えて印加することにより、応答信号(エコー信号)を検出する方法であり、液体のように緩和時間の比較的長い試料のT2測定に用いられる。(S. Meiboom and D. Gill,Rev.Sci.Instr:69,688(1954))
横緩和時間T2は、その緩和時間の短長により分散の良好度合を知ることができる。横緩和時間T2が、短い方が顔料粒子を束縛している水の量が多く比表面積も多いと言え、すなわち分散が良好である。
核磁気共鳴分光法(NMR)の測定方法は、実施例に記載した方法に基づくものである。
また、本発明の水性顔料分散体は、顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量が25〜95質量%であることが好ましい。顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量は50〜95質量%がより好ましく、70〜95質量%がさらに好ましい。
顔料に吸着した顔料分散樹脂が多いほど、水性顔料分散体の保存安定性が高くなる。また、インクジェット用インキに用いた際に、ヘイズが低くなり良好な印刷物になる。
吸着した顔料分散樹脂の測定方法は、実施例に記載した方法に基づくものである。
本発明に用いる顔料は、色相ないし構造について特に限定されるものではなく、例えば染付けレーキ系顔料、アゾ系顔料、イソインドリン系顔料、フタロシアニン系顔料および縮合多環系顔料、カーボンブラック等が挙げられる。
具体的には、本発明で使用することができる赤色系顔料としては、ピグメントレッド(以下PRと略す)1、PR3、PR5、PR21、PR48:1、PR48:2、PR48:3、PR49、PR50、PR52:1、PR53、PR57:1、PR81、PR83、PR88、PR90、PR114、PR122、PR144、PR146、PR147、PR148、PR150、PR154、PR166、PR167、PR168、PR169、PR170、PR172、PR173、PR174、PR177、PR178、PR179、PR185、PR187、PR193、PR194、PR214、PR242、PR254、PR255、PR269、PR272、ジブロモジケトピロロピロール等が挙げられる。
黄色系顔料としては、ピグメントイエロー(以下PYと略す)12、PY13、PY14、PY18、PY24、PY38、PY74、PY83、PY93、PY94、PY95、PY100、PY104、PY108、PY109、PY110、PY138、PY139、PY150、PY151、PY154、PY155、PY174、PY180、PY185等が挙げられる。
オレンジ系顔料としては、ピグメントオレンジ(以下POと略す)5、PO13、PO16、PO36、PO38、PO39、PO43、PO51、PO71等が挙げられる。
バイオレット系顔料としては、ピグメントバイオレット(以下PVと略す)1、PV2、PV3、PV4、PV12、PV19、PV23、PV27、PV39、PV50等が挙げられる。
シアン系顔料としては、ピグメントブルー(以下PBと略す)1、PB2、PB14、PB16、PB15:1、PB15:2、PB15:3、PB15:4、PB15:5、PB15:6、PB60、アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
グリーン系顔料としては、ピグメントグリーン(以下PGと略す)1、PG2、PG3、PG4、PG7、PG36、PG45、PG58、PG62等が挙げられる。
ブラック系顔料としては、ピグメントブラック(以下PBkと略す)1、PBk6、PBk7等が挙げられ、PBk6、PBk7はカーボンブラックであり、カーボンブラックとしては、No.33、40、45、52、900、2200B、2300、MA7、MA8、MCF88(以上、三菱化学社製)、RAVEN1255(コロンビアンカーボン社製)、REGAL330R、400R、660R、MOGUL L、ELFTEX415(以上、キャボット社製)、Nipex90、Nipex150T、Nipex 160IQ、Nipex 170IQ、Nipex 75、Printex 85、Printex 95、Printex 90、Printex 35、Printex U(以上、エボニックデグサ社製)等が挙げられる。
インクジェットインキに用いる際は、上記顔料から目的の色相に合うように顔料を選択して分散体を作製するが、上記以外の色の顔料を用いることもでき、その場合も含め、何れの顔料も各色インクにおいて単独でも、2つ以上の顔料を混合してもよい。勿論、本発明は、これらに限られるものではない。また、新たに製造された顔料も使用することが可能である。
本発明に用いる顔料分散樹脂は、カルボキシ基に基づく酸価が30〜400mgKOH/gの範囲にある樹脂で有れば、特に制限なく使用できる。そのような樹脂としては、例えば、ビニル系共重合体、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ロジン変性樹脂などが挙げられる。
本発明の製造方法において使用するビニル系共重合体としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体樹脂、スチレン−(無水)マレイン酸共重合体樹脂、含フッ素ビニル系共重合体樹脂などが挙げられる。また、本発明の製造方法において使用するポリエステル樹脂としては、例えば、飽和ポリエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂などが挙げられる。これらの樹脂は、適度な水溶性または水分散性を付与するための親水性基としてカルボキシ基を含有することが必須である。
カルボキシ基を有するビニル系共重合体は、カルボキシ基を有する重合性モノマーを含有する重合性モノマー組成物を共重合する方法によって容易に製造することができる。カルボキシ基を有する重合性モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、イタコン酸、(無水)マレイン酸、マレイン酸モノブチルの如きマレイン酸モノアルキル類、イタコン酸モノブチルの如きイタコン酸モノアルキル類などが挙げられる。
重合性モノマー組成物中に含まれるカルボキシ基を有する重合性ビニルモノマー以外の重合性ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレンの如き芳香族ビニルモノマー類;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ブトキシメチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートの如き(メタ)アクリル酸エステル類;酢酸ビニル、安息香酸ビニル、バーサチック酸ビニル、プロピオン酸ビニルの如きビニルエステル類;(メタ)アクリロニトリルの如き重合性ニトリル類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレンまたはクロロトリフルオロエチレンの如きフッ素原子を有するビニルモノマー類;ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルカルバゾールの如き第3級アミノ基を有するモノマー類;2−(2’−ヒドロキシ−5−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−ヒドロシ−4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)ベンゾフェノン、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルメタクリレートの如き紫外線吸収性または酸化防止性を有するモノマー類;N−ビニルピロリドン、グリシジル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチル(メタ)アクリレート、1,3−ジオキソラン−2−オン−4−イルメチルビニルエーテル、ジアセトンアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドの如きN−アルコキシメチル(メタ)アクリルアミド類などの官能基を有するモノマー類;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシランの如き加水分解性アルコキシシラン基を有するモノマー類;2−ホスホオキシエチル(メタ)アクリレート、4−ホスホオキシブチル(メタ)アクリレートの如き燐酸基を有するモノマー類;分子末端に重合性不飽和基を1個有するマクロモノマー類などが挙げられる。
重合性ビニルモノマー組成物の重合方法は、懸濁重合、乳化重合、塊状重合、溶液重合など公知の各種重合方法が利用できるが、溶液重合が簡便なので好ましい。重合開始剤としては、公知の過酸化物やアゾ系化合物が使用できる。
本発明で使用するカルボキシ基を有するポリエステル樹脂は、カルボキシ基を有する化合物と水酸基を有する化合物とを、カルボキシ基が残存するように、溶融法、溶剤法などの公知の方法によって脱水縮合反応を行って製造することができる。
ポリエステル樹脂は、一塩基酸、二塩基酸、多塩基酸の如きカルボキシ基を有する化合物と、ジオール、ポリオールの如き水酸基を有する化合物とを適宜選択して脱水縮合させて得られるものであり、さらに、油脂類または脂肪酸類を使用したものがアルキッド樹脂となる。
本発明の製造方法で使用するポリエステル樹脂が有するカルボキシ基は、主に、ポリエステル樹脂を構成する二塩基酸または多塩基酸に由来する未反応のカルボキシ基である。
二塩基酸または多塩基酸としては、例えば、アジピン酸、(無水)コハク酸、セバシン酸、ダイマー酸、(無水)マレイン酸、(無水)フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロ(無水)フタル酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、(無水)トリメリット酸、(無水)ピロメリット酸などが挙げられる。
二塩基酸または多塩基酸以外に使用可能なカルボキシ基を有する化合物としては、例えば、テレフタル酸ジメチルの如き酸の低級アルキルエステル類;安息香酸、p−ターシャリブチル安息香酸、ロジン、水添ロジンの如き一塩基酸類;脂肪酸および油脂類;分子末端に1または2個のカルボキシ基を有するマクロモノマー類;5−ソジウムスルフォイソフタル酸およびそのジメチルエステル類などが挙げられる。
水酸基を有する化合物としては、例えば、エチレングリコール、ネオペンチルグリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,3−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,5−ペンタンジオール、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、水添ビスフェノールA、水添ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールの如きジオール類;グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ジグリセリン、ペンタエリスリトール、トリスヒドロキシエチルイソシアヌレートの如きポリオール類;「カージュラE−10」(シェル化学工業株式会社製の合成脂肪酸のグリシジルエステル)などのモノグリシジル化合物類、分子片末端に水酸基を2個有するマクロモノマー類などが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂を合成する際に、ひまし油、12−ヒドロキシステアリン酸などの水酸基を有する脂肪酸または油脂類;ジメチロールプロピオン酸、p−ヒドロキシ安息香酸、ε−カプロラクトンの如きカルボキシ基と水酸基とを有する化合物なども使用できる。
さらに、二塩基酸の一部をジイソシアネート化合物に代えることもできる。
本発明の製造方法で使用するカルボキシ基を有するポリエステル樹脂として、カルボキシ基を有する重合性モノマーをポリエステル樹脂にグラフトした変性ポリエステル樹脂も使用することができる。
カルボキシ基を有するポリウレタンは、水酸基を有するセグメントとして、ジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシ基および水酸基を有する化合物を使用することにより、容易に製造することができる。
本発明の製造方法で使用するカルボキシ基を有するポリウレタン樹脂は、カルボキシ基を導入する成分として、ジメチロールプロピオン酸の如きカルボキシ基および水酸基を有する化合物を含有するポリオール成分と、ポリイソシアネート成分とを反応させることによって、容易に製造することができる。
ポリオール成分としては、ポリエステルの製造方法において掲げたジオール成分のほか、必要に応じて、3官能以上のポリオール化合物を使用することもできる。
ポリイソシアネート成分には、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、水添4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、水添メタキシリレンジイソシアネート、粗製4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの如きジイソシアネート化合物のほか、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートの如きポリイソシアネート化合物も使用できる。
ポリウレタン樹脂の製造は、常法に従えばよい。例えば、イソシアネート基と反応しない不活性な有機溶剤溶液中で、室温または40〜100℃程度の温度で付加反応を行なうことが好ましい。その際、ジブチル錫ジラウレート等の公知の触媒を使用しても良い。
ポリウレタン樹脂を製造する際の反応系には、ジアミン、ポリアミン、N−メチルジエタノールアミンの如きN−アルキルジアルカノールアミン;ジヒドラジド化合物などの公知の鎖伸長剤も使用できる。なお、鎖伸長剤は、ポリウレタン樹脂の原料成分であり、ポリイソシアネートと反応してウレタン結合や尿素結合を生成させることにより鎖伸長させる、ポリオールやポリアミン等の化合物である。
また、本発明の製造方法で使用する顔料分散樹脂として、水酸基を有するビニル系共重合体またはポリエステル樹脂に、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水トリメリット酸の如き無水多塩基酸を付加反応せしめる方法によって得られるカルボキシ基を有する樹脂も使用することができる。
本発明で使用する顔料分散樹脂は、酸価が30〜400mgKOH/gとなる範囲が好ましく、55〜350mgKOH/gとなる範囲がより好ましい。
本発明の製造方法で使用する顔料分散樹脂は、カルボキシ基に加えて、水酸基を有するものが、より好ましい。樹脂に結合した水酸基は、焼き付け塗料、焼き付けインキ、捺染剤などに使用するとき、硬化剤と反応して、より強固な膜を形成することができる。
カルボキシ基および水酸基を有するビニル系共重合体は、カルボキシ基を有するビニル系共重合体を製造する際に使用した重合性モノマーと水酸基を有する重合性モノマーとを共重合する方法により、容易に製造することができる。
水酸基を有する重合性モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートの如き水酸基を有するアルキル(メタ)アクリレート;「プラクセルFM−2」、「プラクセルFA−2」(ダイセル化学工業株式会社製)に代表されるラクトン化合物を付加した(メタ)アクリルモノマー類;ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマー類;ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートモノマー類;ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテルの如き水酸基を有するアルキルビニルエーテル等が挙げられる。
カルボキシ基および水酸基を有するポリエステル樹脂は、ポリエステル樹脂の脱水縮合反応において、公知の方法に従って、水酸基が残存するように反応すればよい。残存する水酸基は、ジオール化合物、ポリオール化合物またはカルボン酸ポリオール化合物などに由来する未反応基である。
本発明の製造方法で使用するカルボキシ基を有するビニル系共重合体およびポリウレタン樹脂は、数平均分子量が5,000〜20,000の範囲にあるものが好ましい。
本発明の製造方法で使用するポリエステル樹脂は、分岐型であることがほとんどなので、線状のビニル系共重合体などの場合とは異なり、数平均分子量が小さい場合であっても質量平均分子量が大きいので、塗膜として充分なる強靭性を有する。従って、当該ポリエステル樹脂は、数平均分子量が1,000〜20,000の範囲にあるものが好ましく、質量平均分子量では、5,000〜100,000の範囲にあるものが好ましい。
以下は、インクジェット用インキ用の水性顔料分散体として好ましい分散剤に関して説明する。インキの分散性や保存安定性向上の観点から、下記の単量体A、単量体Bおよび単量体Cを共重合組成に含むコポリマー(共重合体)を分散剤として使用する事が好ましい。
単量体A:炭素数が10以上24以下のアルキル基の(メタ)アクリレートエステル
単量体B:スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレート
単量体C:(メタ)アクリル酸
前記単量体Aの好ましい具体例としては、例えば、デシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、テトラデシル(メタ)アクリレート、ペンタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、ヘプタデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。保存安定性をより向上させるためには、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレートを選択する事が特に好ましい。
前記単量体Bは、スチレン、α−メチルスチレンもしくはベンジル(メタ)アクリレートであるが、保存安定性をより向上させるためには、スチレンを選択することが好ましい。また、単量体B以外の芳香族基を有する単量体を併用してもよい。
前記単量体Cは、(メタ)アクリル酸であるが、更に(メタ)アクリル酸以外の酸性官能基を有する単量体を併用してもよい。この場合に使用できる酸性官能基を有する単量体としては、例えば、マレイン酸、マレイン酸ハーフエステル、イタコン酸、イタコン酸ハーフエステル、フマル酸、フマル酸ハーフエステル、ビニルスルホン酸、ビニルホスホン酸等が挙げられる。
さらに、前記単量体Aおよび単量体Bの質量比は、単量体A/単量体B=1/9〜9/1であることが好ましく、単量体A/単量体B=1/4〜4/1であることがさらに好ましい。また、コポリマー全量中の単量体A、B、Cの合計量の比率は、70〜100質量%が好ましい。
前記分散剤がインクジェット用インキ用水性顔料分散体として好ましい理由としては、インクジェット用インキとしてインクジェットヘッドノズル上での保湿性を確保しつつ、印刷基材上での速乾性や印字ムラを解消させるために、基材への浸透性が強く、且つ濡れ性の良好な(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数3〜6のアルカンジオール類が含有しても、安定な分散系が得られるためである。(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルや炭素数3〜6のアルカンジオール類は比較的疎水性が高いため、分散剤を溶解しやすく、顔料から分散剤を脱離させて分散性を低下させる懸念があるが、前記単量体A、B、Cを共重合組成に含むコポリマーである分散剤であれば、顔料に対して非常に強い相互作用を形成する事が出来るため、分散性を保持する事が可能である。
以下に単量体A、B、Cの効果について説明する。単量体A中にある、炭素数が10以上24以下のアルキル基は疎水性の高い構造であるため、分散剤の疎水性を高め、顔料との強い疎水性相互作用を形成する事が可能になる。また、単量体Bは芳香環を持つ構造であり、顔料へのπ電子相互作用による親和性が確保でき、分散性をよりいっそう高めることができる。単量体Cとして(メタ)アクリル酸を用いるのは、通常の分散剤と同様、イオン化した際の電荷反発のためである。顔料に吸着した分散剤が、(メタ)アクリル酸をイオン化した状態で有し、水性溶媒中で、顔料どうしの電荷反発が起こり、分散性が保たれるものと考えられる。これらの効果から、単量体A、B、Cを共重合組成に含むコポリマーである分散剤は、インクジェット用インキにおいて特に良好な分散性、保存安定性を発現させる事ができる。
本発明で用いる塩基性化合物としては、例えば、アンモニア水、ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アミンメチルプロパノール等の各種有機アミンや、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等の無機アルカリ剤、有機酸や鉱酸等を使用することができる。 塩基性化合物でpH調整することで、上記したような顔料分散樹脂は、水性液媒体中に、分散又は溶解される。
本発明で用いる水は、種々のイオンを含有する一般の水ではなく、イオン交換水(脱イオン水)を使用するのが好ましい。
水の他に、水と混和可能な水溶性溶剤やその他の添加剤を加えてもよい。
例えば、消泡剤、防腐剤、界面活性剤、色素誘導体、その他の色素等を加えることができる。これらは、顔料の分散性を妨げないものであればよく特に限定されないが、水に溶解するものであることが好ましい。分散助剤を用いることにより、顔料の分散性を高め、分散後の顔料の再凝集をより効果的に防止することができる。
消泡剤としては、アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤が好ましい。アセチレングリコール系界面活性剤および/またはアセチレンアルコール系界面活性剤としては、2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよび2,4,7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオールのアルキレンオキシド付加物、2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールおよび2,4−ジメチル−5−デシン−4−オールのアルキレンオキシド付加物から選ばれた1種以上が好ましい。
防腐剤は、記録液への黴や細菌の発生を防止する目的で添加し、デヒドロ酢酸ナトリウム、安息香酸ナトリウム、ソジウムピリジンチオン−1−オキサイド、ジンクピリジンチオン−1−オキサイド、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン、1−ベンズイソチアゾリン−3−オンのアミン塩等が用いられる。これらは、記録液中に0.05〜1.0質量%の範囲で含まれることが好ましい。
界面活性剤には、アニオン性、カチオン性、ノニオン性、両性の界面活性剤や高分子界面活性剤を用いることができる。必要に応じて2種以上を併用しても良い。
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸塩、ナフタレンスルホン酸フォルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセロールボレイト脂肪酸エステル、ポリオキシエチレングリセロール脂肪酸エステル等が挙げられる。
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、第4級アンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、アルキルイミダゾリウム塩等が挙げられる。
ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル、ポリオキシエチレンオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン等が挙げられる。
両性の界面活性剤としては、アルキルベタイン、アルキルアミンオキサイド、ホスファジルコリン等が挙げられる。
高分子界面活性剤としては、アクリル系水溶性樹脂、スチレン/アクリル系水溶性樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂等が挙げられる。
界面活性剤を添加する場合の配合量は、添加顔料の全量を基準(100質量%)として、好ましくは0.1〜55質量%、更に好ましくは0.1〜45質量%である。
本発明の水性顔料分散体には、更に、色素誘導体などの添加剤を含めてもよい。色素誘導体としては、有機顔料を基本骨格とし、分子内に酸性を付与する置換基や、塩基性を付与する置換基を導入した化合物が好適である。有機顔料の誘導体を添加することにより、分散対象となる顔料に吸着して極性を与えることで、分散剤や樹脂との相互作用から分散効果を与えると考えられる。また、顔料の結晶安定化や、分散安定化に寄与する効果が期待できる。
具体的には、市販品の例として、EFKA-6745、6750(EFKA Additive社製)、BYK-Synergist2100(ビックケミー・ジャパン社製)、ソルスパース5000、12000、22000(以上、日本ルーブリゾール社製)などが挙げられる。
また、繊維素誘導体、ゴム誘導体または/およびタンパク誘導体も、合成樹脂に準じて同様の性能を有するものを選択して使用することができる。これらの合成樹脂は、特にエポキシ樹脂および(メタ)アクリル樹脂が好適に使用される。
上記エポキシ樹脂は、分子中にエポキシ基を1個以上含むエポキサイドをいい、本発明では硬化剤で架橋されていない、溶解性のあるものが好ましい。エポキサイドとしてはビスフェノール系、ノボラック系、アルキルフェノール系、レゾルシン系、ポリグリコール系、エステル系、N−グリシジルアミンなどのグリシジル型や、環状脂肪族エポキサイド等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル樹脂は、アクリル酸、メタクリル酸およびそれらのエステルのモノマーから選ばれる単体あるいは混合物の共重合体であり、これらは、更にスチレン、酢酸ビニル、無水マレイン酸等のラジカル重合性のモノマーとの共重合体であってもよい。
本発明の水性顔料分散体は、顔料を顔料分散樹脂により非水系溶媒下で分散する工程(a)、非水系溶媒を除去する工程(b)、塩基性化合物および水を加えて混合撹拌する工程(c)、超音波を照射する工程(d)によって得られる。
<工程(a)>
工程(a)において、顔料と顔料分散樹脂を非水系溶媒下で分散する。この時分散機として混練機を、分散メディアとして水溶性無機塩を使用する。従来の衝突力による顔料分散ではなく、ずり応力を利用し分散することによって、微分散をすると共に顔料への顔料分散樹脂の吸着を強める効果がある。分散の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅が狭く、シャープな粒度分布をもつ顔料分散体が得られる。
混練機としては、例えば、ニーダー、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター等が挙げられる。
非水系溶媒は、水溶性無機塩を実質的に溶解しないものである必要がある。
顔料分散時に非水系溶媒を2種類以上含み、1種類がハンセンのSP値におけるδdが15〜17、δpが6〜8、δhが10〜12である非水系溶媒(A)を用いることで、顔料への顔料分散樹脂の吸着がより効率的になる。
非水系溶媒(A)としては、例えば、プロピレングリコールモノエチルエーテル、乳酸ブチル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、イソプロピルグリコール、エチレングリコールモノ−tert−ブチルエーテル、プロピオンアルデヒド、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
それ以外の非水系溶媒は、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリン、2−メチルペンタン−2,4−ジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール、2、3−ブタジエン−1−オール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、モノアセチン、ジアセチン、トリアセチン、トリプロピオニン、トリブチリンおよび2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が用いられる。
本発明に用いる非水系溶媒の量は特に限定されないが、顔料100質量部に対し、5〜1,000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることがより好ましい。また、非水系溶媒(A)の量は特に限定されないが、全非水系溶媒100質量部に対し、2〜80質量部用いることが好ましく、10〜50質量部用いることがより好ましい。
水溶性無機塩は、その名称の如く水溶性を示す無機塩であればよく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で限定されない。好ましい例として、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等が挙げられる。価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いることが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2,000質量部用いることが好ましく、300〜1,000質量部用いることがより好ましい。
分散メディアである水溶性無機塩は様々な径のものがあるため、特に限定はされないが、20μm以下のものを用いることが好ましい。メディア径を小さくするほど、顔料はより微分散される。
混練時の温度は特に限定されないが、40〜90℃が好ましく、60〜80℃がより好ましい。温度を低くするほど、顔料はより微細に分散される。
<工程(b)>
工程(a)を行った後、工程(b)により非水系溶媒を除去する。またこの時メディアも同時に分離する。工程(a)の終了後、混練機から顔料分散体を取り出し、水を投入して撹拌を行う。この時、メディアである水溶性無機塩は溶解するため除去できる。加える水の分量は、懸濁液を得るのに充分な量であればよく、特に限定されない。例えば、工程(a)の質量の3〜10,000倍の質量の水を加えて混合撹拌する。このときの混合撹拌条件は特に限定されない。
撹拌した後、顔料と顔料分散樹脂をそれ以外と分離することで非水系溶媒を除去することができる。分離方法は特に限定するものではないが、濾過により濾液を除去する方法が簡便である。
<工程(c)>
工程(b)を行った後、水および塩基性化合物を加えて混合撹拌する。混合撹拌方法としては、均一に分散できる方法であれば特に制限はない。例えば、撹拌翼、ディゾルバー、ホモミキサー、超音波ホモジナイザーなどが挙げられる。このような処理は、2つ以上を組み合わせて行ってもよい。混合撹拌の条件は特に限定されない。必要に応じて加温してもよい。例えば、温度25〜90℃で行うことができる。工程(c)において、水の他に、水と混和可能な水溶性溶剤やその他の添加剤を加えてもよい。例えば、界面活性剤、色素誘導体、その他の色素等を加えることができる。これらは、顔料の分散性を妨げないものであればよく特に限定されない。
<工程(d)>
工程(c)を行った後、超音波を照射することで顔料の分散性を高め、分散後の顔料の再凝集を効果的に防止することができる。用いられる超音波照射装置は16kHz以上の超音波を印加できる機能を有することが好ましく、より好ましくは20〜25kHzの超音波を印加できる機能を有する、例えば、超音波ホモジナイザー、超音波洗浄機などが挙げられる。超音波照射装置を使用する条件は特に限定されないが、水性分散体の温度が上がりすぎると熱凝集が起こるため、液温を1〜80℃とすることが好ましく、5〜40℃がより好ましい。温度の制御方法は、分散液温度の制御、分散液を温度制御する温度調整槽の温度制御等をすることによって行うことができる。また、処理時間は、分散液量や超音波印加条件によって異なるので、粘度や分散粒度が飽和する時間を目安として行えばよい。
次に、本発明の水性顔料分散体をインクジェット用インキに適用する場合について説明する。インクジェット用インキは、上記説明の水性顔料分散体に、インクジェット用インキとしての適性を保持するために、浸透剤、防腐剤およびキレート剤を混合することにより、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックインキを製造できる。
浸透剤は、被印刷体が紙のような浸透性のある材料の場合に、紙へのインキの浸透を早め見掛けの乾燥性を早くする目的で添加し、ジエチレングリコールモノブチルエーテル等のグリコールエーテル、アルキレングリコール、ポリエチレングリコールモノラウリルエーテル、ラウリル硫酸ナトリウム、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム等が挙げられる。これらは、記録液の0.1〜5質量%、好ましくは0.5〜4質量%の範囲で用いられる。浸透剤は上記使用量で十分な効果があり、これよりも多いと印字の滲み、紙抜け(プリントスルー)を起こし好ましくない。
キレート剤は、記録液中の金属イオンを封鎖するものであり、ノズル部での金属の析出や記録液中での不溶解性物の析出等を防止するものであり、エチレンジアミンテトラアセティックアシド、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのナトリウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのジアンモニウム塩、エチレンジアミンテトラアセティックアシドのテトラアンモニウム塩等が用いられる。これらは、記録液中に0.005〜0.5質量%の範囲で用いられる。
水と混合して使用される水溶性溶剤としては、グリコール類、グリコールエーテル類、ジオール類が良く、中でも(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル、炭素数3〜6のアルカンジオールが効果的である。これらの溶剤は基材への浸透が非常に速い。コート紙、アート紙や塩化ビニルシートといった溶媒の吸収性の低い基材に対しても、浸透が速い。そのため、印字の際の乾燥が速く、正確な印字を実現することができる。
グリコールエーテル類の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノペンチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノプロピルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、テトラエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられる。
ジオール類の具体例としては、プロピレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール等が挙げられる。
この中でも効果が高いのは、プロピレングリコール、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオールである。これらの溶剤は単独で使用しても良く、複数を混合して使用することもできる。
さらに印刷する基材の種類によっては、その溶解性の向上を目的に、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−エチルピロリドン、N−メチルオキサゾリジノン、N−エチルオキサゾリジノンなどの水溶性の含窒素複素環化合物を添加することもできる。上記したような水溶性溶剤のインキ中における含有量は、一般的には、インキの全質量の3〜60質量%の範囲であり、より好ましくは3〜50質量%の範囲である。また、水の含有量としては、インキの全質量の10〜90質量%、更に好ましくは、30〜80質量%の範囲である。
以下に、本発明を実施例に基づいて説明するが、本発明はこれによって限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、特に断りの無い限り、「部」、「%」は、それぞれ「質量部」、「質量%」を意味する。最初に、実施例および比較例で用いた顔料分散樹脂、顔料、色素誘導体およびインクジェット用インキ作製に使用した水溶性溶剤について説明する。なお、顔料分散樹脂の質量平均分子量は、RI検出器を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)で測定した。装置としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)を用い、分離カラムを2本直列に繋ぎ、両方の充填剤には「TSK−GEL SUPER HZM−N」を使用し、オーブン温度40℃、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)溶液を用い、流速0.35ml/minで測定した。サンプルは1質量%の上記溶離液からなる溶剤に溶解し、20μl注入した。分子量はいずれもポリスチレン換算値である。酸価はJIS K 0070記載の方法で測定した。
[顔料分散樹脂]
(合成例1:樹脂A)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルエチルケトン93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ラウリルメタクリレート35.0部、スチレン35.0部、アクリル酸30.0部、および重合開始剤としてV−601(和光純薬工業社製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬工業社製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、樹脂Aの溶液を得た。樹脂Aの質量平均分子量は約16000、酸価233.5mgKOH/gであった。
(合成例2:樹脂B)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルエチルケトン93.4部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を110℃に加熱して、ペンタデシルメタクリレート30.0部、スチレン30.0部、アクリル酸40.0部、および重合開始剤としてV−601(和光純薬工業社製)6.0部の混合物を2時間かけて滴下し、重合反応を行った。滴下終了後、さらに110℃で3時間反応させた後、V−601(和光純薬工業社製)0.6部を添加し、さらに110℃で1時間反応を続けて、樹脂Bの溶液を得た。樹脂Bの質量平均分子量は約16000、酸価211.4mgKOH/gであった。
顔料分散樹脂CおよびDは、以下の製品を用いた。
樹脂C:スチレンアクリル樹脂、酸価110〜120mgKOH/g。星光PMC株式会社製「X−1」
樹脂D:カルボキシ基含有ポリマー変性物、酸価60mgKOH/g。共栄社化学株式会社製「フローレンG700」
[顔料]
以下、実施例または比較例に用いた顔料を列挙する。
・PB15:3:トーヨーカラー社製「LIONOL BLUE 7919」
・PR122:DIC社製「FASTOGEN Super Magenta RGT」
・PR146:クラリアント社製「パーマネントカーミンFBB02JP」
・PR150:東京色材工業社製「トーシキレッド150」
・PR269:山陽色素社製「Permanent Carmine 3810」
・PY14:DIC社製「SYMULER FAST YELLOW 4400」
・PY74:山陽色素社製「FAST YELLOW 7413」
・PV19:クラリアント社製「INKJET MAGENTA E5B02」
・PBk7:オリオン・エンジニアドカーボンズ社製「Printex85」
[色素誘導体]
以下、実施例または比較例に用いた色素誘導体を表1に列挙する。
Figure 2017226760
[水溶性溶剤]
インクジェット用インキ作製時の実施例および比較例で用いた水溶性溶剤およびその記号を列挙する。
・1,2−HD:1,2−ヘキサンジオール
・PG:プロピレングリコール
・1,3−PD:1,3−プロパンジオール
次に、インクジェット用インキに好適な水性顔料分散体の製造例について説明する。
<水性顔料分散体aの作製>
[実施例1−1]
(水性顔料分散体a101の作製)
PR122(DIC社製「FASTOGEN Super Magenta RGT」)98部、色素誘導体a 2部、樹脂A30部、プロピレングリコールモノエチルエーテル50部、エチレングリコール200部および分散メディアとして塩化ナトリウム500部をステンレス製3Lニーダー(井上製作所社製)に仕込み、80℃で2時間分散した。分散して得られた混合物を水5,000部に投入し、ハイスピードミキサーで約30分間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して非水系溶媒および分散メディアである塩化ナトリウムを除き、水性顔料分散体a101を得た。
[実施例1−2〜36、比較例1−37〜45]
(水性顔料分散体a102〜145の作製)
表2に示す顔料、色素誘導体、顔料分散樹脂、非水系溶媒を変更する以外は、実施例1−1と同様にして水性顔料分散体a102〜145を得た。
Figure 2017226760

<水性顔料分散体bの作製>
[実施例2−1]
(水性顔料分散体b201の作製)
以下に示す化合物を配合し、直径4cmの歯付ディスクを備えたディソルバー中で、70℃、1,000rpmで60分間撹拌した後、フィルターで加圧濾過し、超音波ホモジナイザーで液温25℃に保ちながら10分間超音波照射(24kHz)を行い、顔料濃度13%の水性顔料分散体b201を得た。
・水性顔料分散体a101: 26部
・ジメチルアミノエタノール: 1.1部
・水: 72.9部
[実施例2−2〜36、比較例2−37〜45]
表3に示す塩基性化合物、配合組成を変更した以外は、実施例2−1と同様にして水性顔料分散体b202〜245をそれぞれ作製した。
実施例2−1〜36および比較例2−37〜45で得られた水性顔料分散体bの顔料1g当りの横緩和時間T2、顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量、粘度、保存安定性を以下の方法でそれぞれ評価した。表3に評価結果を示す。
<水性顔料分散体の顔料1g当りの横緩和時間T2>
水性顔料分散体bの25℃における横緩和時間T2を核磁気共鳴分光法(NMR)(RUFUTO社製「パルスNMR方式粒子界面特性評価装置Acorn Area」)を用いて、Carr Purcell Meiboom Gill法によって求め、顔料1g当りに換算した。換算方法は、以下の(式1)に基づいた。他の測定条件は、装置の標準の設定値を用いた。
Figure 2017226760
<顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量>
作製した水性顔料分散体bを、超遠心分離機を用いて77,000rpmで20時間遠心分離した。その後上澄み液を採取し、固形分を測定して、上澄み液中の樹脂量を算出した。顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量(樹脂吸着率)は、以下の(式2)に従い算出した。
Figure 2017226760
<粘度>
水性顔料分散体bの粘度をE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)およびR24ローターを用いて、25℃において回転数100rpmという条件で測定した。
<保存安定性>
45℃のオーブンで、7日間加熱した後の粘度を測定し、経時粘度とした。加熱前に測定した初期粘度および経時粘度の値から、以下の式で経時粘度変化率を算出した。[経時粘度変化率]=|([初期粘度]−[経時粘度])/[初期粘度]|×100(%)
また、以下の基準で経時粘度変化率を評価した。
○:経時粘度変化率が10%未満(良好)
△:経時粘度変化率が10%以上30%未満(実施可能)
×:経時粘度変化率が30%以上(不良)
Figure 2017226760
表3の結果から明らかなように、本発明の水性顔料分散体は、粘度および保存安定性に優れることがわかる。これは、比較例の水性顔料分散体に比べ、実施例の水性顔料分散体の顔料1g当りの横緩和時間T2が短く、顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着した顔料分散樹脂量が多いことに起因している。
<インクジェット用インキの作製>
[実施例3−1]
(インクジェット用インキ301)
以下に示す化合物を均一になるようにディスパーで攪拌混合し、インクジェット用インキ301を得た。
・水性顔料分散体b201: 25.0部
・1,3−プロパンジオール:15.0部
・水: 60.0部
[実施例3−2〜36、比較例3−37〜45]
(インクジェット用インキ302〜345の製造)
水性顔料分散体bの種類と配合量を表4に記載したように変更する以外は、実施例3−1と同様にして、インクジェット用インキ302〜345をそれぞれ得た。
実施例3−1〜36および比較例3−37〜45で得られたインクジェット用インキの保存安定性、印字濃度、吐出性を以下の方法でそれぞれ評価した。ヘイズ値はヘイズメーター(光透過率20%)で測定した。ヘイズ値は値が低いほど良好であり、分散性が良いと言える。表4に評価結果を示す。
<保存安定性>
インクジェット用インキを70℃の恒温機に7日間保存、経時促進させた後、経時前後でのインクジェット用インキの粘度の値から経時粘度変化率(=|([経時前粘度]−[経時後粘度])/[経時前粘度]|×100(%))を算出し、以下の基準で評価した。
○:経時粘度変化率が10%未満(良好)
△:経時粘度変化率が10%以上30%未満(実施可能)
×:経時粘度変化率が30%以上(不良)
インクジェット用インキの粘度はE型粘度計(東機産業社製「ELD型粘度計」)およびR24ローターを用いて、25℃において回転数100rpmという条件で測定した。
<印字濃度>
インクジェット用インキをインクジェットプリンター(エプソン社製「PM−750C」)のカートリッジに詰めて、コート紙(王子製紙製OKトップコート+、米坪104.7g/m2)に印刷した。印刷したサンプルをルーペで観察し、ドットのつながりや色のムラを評価した。印刷品質が良好なものは○、ある程度良好なものは△、良好でないものは×とした。
<吐出性>
インクジェット用インキを連続吐出させ、打ち出された液滴の状態を観察した。吐出不良がないものは○、やや見られるものは△、多いものは×とした。
Figure 2017226760
表4の結果から明らかなように、比較例に比べ実施例のいずれもが保存安定性、印字濃度、吐出性、ヘイズ値の面で良好であった。

Claims (6)

  1. 顔料、顔料分散樹脂、塩基性化合物および水を含有する水性顔料分散体であって、核磁気共鳴分光法(NMR)を用いてCarr Purcell Meiboom Gill法によって求め、下記式1に基づいて換算した、顔料1g当たりの横緩和時間T2が30ms/g以下であることを特徴とする水性顔料分散体。
    Figure 2017226760
  2. 顔料分散樹脂全量に対する顔料に吸着された顔料分散樹脂量の割合が25〜95質量%であることを特徴とする請求項1記載の水性顔料分散体。
  3. 顔料分散樹脂の酸価が30〜400mgKOH/gの範囲である請求項1または2記載の水性顔料分散体。
  4. 請求項1〜3いずれか記載の水性顔料分散体を含むインクジェット用インキ。
  5. 顔料および顔料分散樹脂を非水系溶媒中で分散し、非水系溶媒を除去した後、塩基性化合物および水と混合した後、超音波を照射する水性顔料分散体の製造方法。
  6. 非水系溶媒が2種類以上を含み、1種類の非水系溶媒がハンセンのSP値におけるδdが15〜17、δpが6〜8、δhが10〜12であることを特徴とする請求項5記載の水性顔料分散体の製造方法。
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