JP2017226735A - イミノ二酢酸を側鎖に有する親水性高分子及びその使用 - Google Patents
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Abstract
Description
〔1〕ポリ(エチレン)セグメントとポリ[ジ(カルボキシメチル)アミノメチルスチレン]セグメントを含んでなるブロック共重合体。
〔2〕〔1〕に記載のブロック共重合体であって、該共重合体が次式Iで表される。
式I:
Aは、非置換又は置換C1−C12アルコキシを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基、式R1R2CH−基を表し、ここで、R1及びR2は独立してC1−C4アルコキシ又はR1とR2は一緒になって−OCH2CH2O−、−O(CH2)3O−若しくは−O(CH2)4O−を表し、
Lは、式
結合、−(CH2)cS−、−CO(CH2)cS−、−(CH2)cNH−、−(CH2)cCO−、−CO−、−OCOO−、−CONH−からなる群より選ばれる連結基であり、
で表される基から選ばれ、
式中のジ(カルボキシメチル)アミノ基はnの総数の中の少なくとも1個存在し、存在しない場合には、該アミノ基は、H、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であることができ、YはH、SH又はS(C=S)−Phであり、Phは1又は2個のメチルまたはメトキシで置換されていてもよいフェニルを表し、
bは2〜6の整数であり、
cは1〜5の整数であり、
mは2〜10,000の整数を表し、
nは2〜500の整数を表す。
なお、上記のLの定義において、方向性がある場合には、記載されている方向性を以って式I中に存在するものと、理解されている。以下、式I以外においても同じ。
〔3〕〔1〕又は〔2〕に記載の共重合体と多価金属イオンとの錯体。
〔4〕多価金属イオンが、Ga(III)、Gd(III)、Cu(II)、Fe(II)、Mn(II)及びZn(II)イオンからなる群より選ばれる、1種又は2種位以上のイオンである、〔3〕に記載の錯体。
〔5〕〔1〕又は〔2〕に記載の共重合体の前記ジ(カルボキシメチル)基とフェニルボロン酸とのエステル形成複合体。
〔6〕〔3〕〜〔5〕のいずれかに記載の錯体又は複合体であって、水性媒体中で平均粒径がナノメートルサイズの粒子として存在する、錯体又は複合体。
〔7〕〔4〕に記載の錯体であって、金属イオンがFe(II)である錯体を有効成分として含んでなる腫瘍増殖抑制用製剤。
〔8〕〔5〕に記載の複合体を有効成分として含んでなる、中性子捕捉療法で使用するための腫瘍増殖抑制用製剤。
で表されるブロック共重合体(特に、Xが塩素である場合、以下、PEG−PCMSと略記する)と式:
〔3〕〜〔6〕に記載の錯体は、〔2〕について説明したように、図1に示されるようなキレート化を介して水性媒体中で平均粒径がナノメートルサイズの粒子として存在するものが好ましい。したがって、かようなキレート化を生じるような割合で、該共重合体と金属イオンが含まれておれば、その割合は限定されるものでないが、しかし、該共重合体中の総ジ(カルボキシメチル)アミノ基対金属イオンが、一般的には、4:1、好ましくは3:1、より好ましくは2:1となるように該共重合体と金属イオンを含む。一方、複合体は、ジ(カルボキシメチル)アミノ基対フェニルボロン酸が、それぞれ、1〜2:2〜1の割合で含まれ、少なくともハーフエステル結合を形成した状態にあることが望ましい。
ルスチレン](PAAMS)セグメントの連結基の記載は省略されているが、より適切には、それらのセグメント間にパラキシリレンが存在するものと理解されたい。
50mLナス型フラスコにPEG−b−PECAMSの700mgをDMF20mLに溶解させ、水酸化ナトリウム0.5g、水10mLを加えて室温で4日間反応させた。反応混合物を上記と同様に水に対して透析後、凍結乾燥によってポリマーを得た。図4に得られたポリマーのDMSO−d6溶液の1H−NMRスペクトルを示す。
実施例3で合成したPEG−b−PAAMSの50mgおよびFeCl2の12mgを10mLの水に溶解させ、10分間攪拌し、上記と同様に水に対して透析を行った。図5に動的光散乱測定結果を示す。粒径57nmの粒子が得られた。
Ga(III)、In(III)、Gd(III)、Cu(II)、Fe(II)、F
e(III)に対するPEG−b−PAAMSの複合ナノ粒子化を行った(PEG−b−PAAMS:金属イオン塩化物20mM、金属イオン:キレート分子=2:1で混合後37℃で1時間攪拌し、上記と同様に水に対して透析を行った。)。図6に得られた溶液の写真を示す。
実施例5で作製した金属イオン内封ナノ粒子(In(III)、Fe(III)を除く)の安定性を10%血清存在下で2日間攪拌し。動的光散乱測定を行ったところ、血清存在下でも粒径は殆ど変化せず、散乱強度の低下もみられなく、極めて安定であった(図7参照)。
実施例5で行ったと同様の方法で金属イオンをMn(II)、Zn(II)で行ったところ、粒径45−50nmの金属内包粒子が得られた(図8参照)。
PEG−b−PAAMSの100mg、フェニルボロン酸100mg、活性化したモレキュラーシーブ100mg、脱水DMF10mLを30mLフラスコにとり、80℃、1日反応させた。反応後モレキュラーシーブをろ別し、ろ液をSpectra/Por(登録商標) Dialysis Membrane(nominal flat width=45mm,diameter=29mm,vol/length=6.4mL/cm,MWCO=3,500)の透析バッグにいれ、水に対して透析したのち凍結乾燥した。収量75mg。得られたポリマーの1H−NMRを図9に示す。2mg/mL水溶液を作製し、IPC−MSによりホウ素濃度を測定したところ500ppmであった。動的光散乱測定によりこのポリマーは水中で会合しており、37nmの粒径であった(図10参照)。
96穴プレートに1x104のHepG2細胞を播種し、0.5mg/mL及び1.0mg/mLとなるようPEG−b−PAAMSホウ素錯合体を添加し、24時間インキュベートした後EST溶液を添加、2時間後に450nmのUV吸収を測定しコントロールと比較したところいずれも80%以上の生存率を確認した(図11参照)。
サンプル群(1群6匹):
1 PBS
2 実施例1で作製したポリマー(PEG−b−PAAMS)のPBS溶液(25mg
/mL)
3 実施例2で作製したポリマー(PEG−b−PECAMS)のDMSO溶液をPB
Sに対して透析した溶液(25mg/mL)
Balb/Cマウス皮下に1x106個のColon−26細胞を投与し7日後に実施例4で作製したFe(II)含有ナノ粒子を尾静脈から投与した(7.75mg/mL,100μL,31mg/Kg−BW,0,3,6日三回投与)。Fe(II)を有する粒子は有意に腫瘍増殖抑制効果を示し、顕著な体重減少を示さなかった(図14,15参照)。また、コントロールに対して高い延命効果を示した(図16参照)。
96穴マイクロプレートに104/ウェルのHeLa細胞を播種し、24時間培養した後、培養液を除き、下記試料を加え、24時間培養した。その後WST測定により細胞生存率を求めた。図17に示すようにこの条件下ではポリマーおよびFe(II)含有ナノ粒子も全く細胞毒性を示さないことが確認された。
試料
1 PEG−b−PAAMS(10mg/mL、100mg/mL溶液を血清で10倍希
釈)
2 PEG−b−PAAMS(5mg/mL、100mg/mL溶液を血清で20倍希釈
)
3 実施例11で用いたFe(II)含有ナノ粒子(1.55mg/mL、上記動物実験
で使用した溶液を血清で5倍希釈)
96穴マイクロプレートに104/ウェルのHeLa細胞を播種し、24時間培養した後、培養液を除き、下記試料を加え、24時間培養した。その後WST測定により細胞生存率を求めた。図18に示すようにH2O2単独では3x103mol/L下で全く細胞毒性を示さないのに対し、Fe(II)含有ナノ粒子共存下で著しい細胞毒性を示し、効果を示した。共存試験ではFe(II)含有ナノ粒子(1.55mg/mL、上記動物実験で使用した溶液を血清で5倍希釈)
Claims (8)
- ポリ(エチレン)セグメントとポリ[ジ(カルボキシメチル)アミノメチルスチレン]セグメントを含んでなるブロック共重合体。
- 請求項1に記載のブロック共重合体であって、該共重合体が次式Iで表される。
式I:
Aは、非置換又は置換C1−C12アルコキシを表し、置換されている場合の置換基は、ホルミル基、式R1R2CH−基を表し、ここで、R1及びR2は独立してC1−C4アルコキシ又はR1とR2は一緒になって−OCH2CH2O−、−O(CH2)3O−若しくは−O(CH2)4O−を表し、
Lは、式
結合、−(CH2)cS−、−CO(CH2)cS−、−(CH2)cNH−、−(CH2)cCO−、−CO−、−OCOO−、−CONH−からなる群より選ばれる連結基であり、
で表される基から選ばれ、
式中のジ(カルボキシメチル)アミノ基はnの総数の中の少なくとも1個存在し、存在しない場合には、該アミノ基は、H、ハロゲン原子またはヒドロキシ基であることができ、YはH、SH又はS(C=S)−Phであり、Phは1又は2個のメチルまたはメトキシで置換されていてもよいフェニルを表し、
bは2〜6の整数であり、
cは1〜5の整数であり、
mは2〜10,000の整数を表し、
nは2〜500の整数を表す。 - 請求項1又は請求項2に記載の共重合体と多価金属イオンとの錯体。
- 多価金属イオンが、Ga(III)、Gd(III)、Cu(II)、Fe(II)、Mn(II)及びZn(II)イオンからなる群より選ばれる、1種又は2種位以上のイオンである、請求項3に記載の錯体。
- 請求項1又は請求項2に記載の共重合体の前記ジ(カルボキシメチル)基とフェニルボロン酸とのエステル形成複合体。
- 請求項3〜5のいずれかに記載の錯体又は複合体であって、水性媒体中で平均粒径がナノメートルサイズの粒子として存在する、錯体又は複合体。
- 請求項4に記載の錯体であって、金属イオンがFe(II)である錯体を有効成分として含んでなる腫瘍増殖抑制用製剤。
- 請求項5に記載の複合体を有効成分として含んでなる、中性子捕捉療法で使用するための腫瘍増殖抑制用製剤。
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CN113289015B (zh) * | 2021-05-13 | 2023-02-21 | 华中科技大学 | 调节光敏剂聚集程度的方法、纳米配位聚合物及其制备方法和应用 |
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