JP2017226604A - シート状パックキット - Google Patents
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Abstract
【課題】炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、また、粉末の保存安定性に優れ、粉末の溶け残りがなく、皮膚への刺激が低く、さらに、使用後のしっとり感に優れたパックを提供すること。【解決手段】 次の(A)〜(C);(A)有機酸を含有する酸性溶液(B)炭酸塩を含有する粉末(C)シート状基体を含み、使用時に、(A)〜(C)を接触させて、有機酸と炭酸塩の中和反応により発生した炭酸ガスを(C)に担持させるものであり、(A)の液面より上に形成される炭酸ガスの泡が中和反応後5分以内に消失することを特徴とするシート状パックキット。【選択図】なし
Description
本発明は、シート状パックキットに関し、更に詳細には、炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、かつ、使用感に優れたシート状パックキットに関する。
炭酸ガスは、血流を促進する効果が知られており、従来から、入浴剤やパック等の化粧品に利用されている。パック等の化粧品では、有機酸と炭酸塩を含有する粉末又は固形物を水溶液に添加し、炭酸ガスを発生させる手法がよく知られている。しかしながら、この手法では、粉末や固形物の保存安定性を確保するために炭酸塩である炭酸水素塩を多く配合することができず、その結果、炭酸ガスを高濃度で発生させることが難しかった。
そして、炭酸ガスを多く発生させるために、予め炭酸塩を高濃度で溶解させた溶液に、粉末や固形状の有機酸を加えて炭酸ガスを多量に発生させるという手法もあるが、この手法では、有機酸の溶け残りによる皮膚刺激が懸念されていた。そのため、有機酸の溶け残りをなくすために、予め有機酸を完全に溶解させた溶液と炭酸塩溶液とを混合させて炭酸ガスを発生させる手法もあるが、この手法は、液体同士を混合させるため、発泡の勢いが弱く、炭酸ガスの発生が見た目では判断し難いため、消費者が十分に満足するものではなかった。
このように、炭酸ガスの勢いが良く、皮膚刺激も起こらないような化粧料として、特許文献1には、固体の炭酸塩を含有するジェル組成物を肌に塗布して、次に、酸性溶液が含浸されたシート材を貼付する皮膚化粧料キットが公開されている。しかしながら、この皮膚化粧料キットは、皮膚上で中和反応をさせるため、上記ジェル組成物をムラなく肌に塗布しなければ、皮膚刺激が生じ易く、使用方法が容易ではなかった。
また、特許文献2には、特定のアルキルセルロースを含有する酸性溶液を、炭酸塩が担持されたシート状基材に含浸させて、炭酸ガスを多量に発生させる美容シートが公開されている。しかしながら、この美容シートは、炭酸ガスの泡が長時間保持されるため、シート状基材を肌に乗せて使用する際も泡が残り、使用感に十分優れたものではなかった。
本発明は上記実情に鑑みなされたものであり、炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、また、粉末の保存安定性に優れ、粉末の溶け残りがなく、皮膚への刺激が低く、さらに、使用後のしっとり感に優れたパックを提供することをその課題とするものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、炭酸塩を含有する粉末を、有機酸を含有する酸性溶液に加えると、有機酸と炭酸塩の中和反応による炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、粉末の溶け残りがなく、皮膚への刺激が低く、また、使用後のしっとり感にも優れることを見出した。さらに、本発明者らは、上記の手法をとることにより、有機酸と炭酸塩を粉末中に共存させる必要が無く、粉末の保存中に炭酸ガスが全く発生しないため、粉末の保存安定性も優れていることを見出した。
すなわち本発明は、次の(A)〜(C);
(A)有機酸を含有する酸性溶液
(B)炭酸塩を含有する粉末
(C)シート状基体
を含み、使用時に、(A)〜(C)を接触させて、有機酸と炭酸塩の中和反応により発生した炭酸ガスを(C)に担持させるものであり、(A)の液面より上に形成される炭酸ガスの泡が中和反応後5分以内に消失することを特徴とするシート状パックキットである。
(A)有機酸を含有する酸性溶液
(B)炭酸塩を含有する粉末
(C)シート状基体
を含み、使用時に、(A)〜(C)を接触させて、有機酸と炭酸塩の中和反応により発生した炭酸ガスを(C)に担持させるものであり、(A)の液面より上に形成される炭酸ガスの泡が中和反応後5分以内に消失することを特徴とするシート状パックキットである。
本発明のシート状パックキットは、炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、粉末の溶け残りがなく、皮膚への刺激が低く、また、使用後のしっとり感に優れたものである。さらに、本発明のシート状パックキットは、粉末の保存中に、炭酸ガスが発生することが全く無いので、粉末の保存安定性にも優れたものである。したがって、シート状パックとして皮膚用化粧料や医薬部外品等に利用することができるものである。
本発明のシート状パックキットは、(A)有機酸を含有する酸性溶液、(B)炭酸塩を含有する粉末および(C)シート状基体を含むものであり、(A)と(B)との接触により(A)の液面より上に形成される炭酸ガスの泡が、接触後5分以内に、好ましくは3分以内に、より好ましくは1分以内に消失し、(C)を肌に乗せる使用時には、泡が肌に付着しないものである。
上記(A)有機酸を含有する酸性溶液(以下、「酸性溶液(A)」ということがある)に含まれる有機酸としては、例えば、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸、安息香酸、サリチル酸、グリコール酸、アスコルビン酸などが挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。これらの中でも、使用者が誤って、上記(A)と上記(B)とを接触させて中和させる前にシートを使ったとしても、皮膚への刺激が少ないピロリドンカルボン酸や酒石酸が好ましい。これらの中でも、角質中の成分でありしっとり感がある、ピロリドンカルボン酸が特に好ましい。有機酸の含有量は、酸性溶液(A)の総量に対して、0.5〜10質量%(以下、単に%という)が好ましく、1〜5%がより好ましい。
上記酸性溶液(A)には、さらに増粘剤を配合してもよい。増粘剤を配合することにより、(C)シート状基体を貼付した時の液ダレを防止することができる。増粘剤としては、例えば、キサンタンガム、カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、アルギン酸等が挙げられるが、これらの中でも、酸性溶液中でも相溶性の高いキサンタンガムが好ましい。増粘剤の含有量は、酸性溶液(A)の総量に対して、0.01〜0.3%が好ましく、0.05〜0.2%がより好ましい。
上記酸性溶液(A)には、さらに多価アルコールを配合してもよい。多価アルコールを配合することにより、皮膚の保湿を向上することができる。多価アルコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキシレングリコール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等が挙げられる。これらの中でも、1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンが好ましく、グリセリンが特に好ましい。多価アルコールの含有量は、酸性溶液(A)の総量に対して、1〜30%が好ましく、5〜15%がより好ましい。
また、酸性溶液(A)のpHとしては、pHが2未満であると皮膚への刺激が懸念され、4を超えると発泡の勢いが劣るため、pHが2〜4が好ましく、2〜3がより好ましい。
さらに、酸性溶液(A)には、上記有機酸の他、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。このような任意成分としては、防腐剤、pH
調整剤、エモリエント剤、香料等が例示される。
調整剤、エモリエント剤、香料等が例示される。
なお、酸性溶液(A)には、界面活性剤及び/又は両親媒性物質を含有しないことが好ましい。これらを含有しないことによって、炭酸ガスの泡の消失を速くすることができる。
一方、(B)炭酸塩を含有する粉末(以下、「粉末(B)」ということがある)中に含まれる炭酸塩としては、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウムなどが挙げられ、これらを単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。これらの中でも、粉末の溶け残り防止や炭酸ガスの発生効果に優れることから、炭酸水素ナトリウムを単独で使用することが好ましい。
上記炭酸塩の含有量は、酸性溶液(A)に含まれる有機酸の量によっても変わるが、(A)と(B)を混合した際、pH5〜7になることが望ましく、例えば、有機酸と炭酸塩を質量比で、10:3〜5:14、好ましくは、10:3〜5:6とすると、発泡の勢いが優れ、また、炭酸塩が酸性溶液(A)中で速やかに溶解するため貼付時の感触に優れたものとなる。
上記粉末(B)には、さらに油性成分を配合してもよい。油性成分としては、例えば、炭化水素油、エステル油、トリグリセライド油、シリコーン油、香料などが挙げられ、これらの中でも、使用後のベタつきを改善するため、シリコーン油が好ましい。
なお、粉末(B)に油性成分を配合すると、流動性が悪化するため、粉末(B)を酸性溶液(A)へ投入し難い場合がある。このような場合、流動性改善剤として溶解性の優れた無機塩を配合することが好ましい。流動性改善剤の無機塩としては、無水硫酸マグネシウム、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硝酸カリウム、硝酸ナトリウム、ポリリン酸ナトリウム等が好ましい。これらの中でも、流動性の改善と共に、溶解熱を発生させ、炭酸塩の溶解性も補助することができる、無水硫酸マグネシウムが特に好ましい。
上記粉末(B)には、さらに保湿成分を配合してもよい。保湿成分としては、例えば、アロエ抽出物、オウレン抽出物、カミツレ抽出物、カンゾウ抽出物、シコン抽出物、シソ抽出物、ショウキョウ抽出物、タイソウ抽出物、緑茶抽出物等の植物エキス類、ヒアルロン酸、ヒアルロン酸ナトリウム、コラーゲン、アスコルビン酸及びその塩、アミノ酸及びその塩、トコフェロール、酢酸トコフェロール、パントテン酸及びその塩、レチノール等が挙げられる。これらの中でも、コラーゲン、アミノ酸、ヒアルロン酸ナトリウムが好ましい。
また、粉末(B)には、上記炭酸塩の他、必要に応じて本発明の効果を損なわない範囲で任意成分を配合することができる。この任意成分としては、非イオン界面活性剤、無水ケイ酸、糖類等が例示される。
上記(C)シート状基体としては、織布、不織布、フィルムなどを使用することができる。その基材としては、コットン、キュプラレーヨン、ビスコースレーヨン、ビスコースレーヨン/PET(ラミネート)、レーヨン/PET、PET(潜在捲縮繊維)、レーヨン/エラストマー樹脂などが挙げられる。これらのうち、炭酸ガスが溶存した水溶液を多量に含浸させ得ることから、コットン、キュプラレーヨンを基材とする不織布が好適に用いられる。シート状基体は、貼付部位に応じて任意の形状に成型することができ、例えば、円形、楕円形、四角形、フェイスマスク形状などの形状に成型することができる。またシート状基体の厚みは、使用者の肌触りなどの観点から40〜80g/m2が好適である。
本発明のシート状パックキットは用時調製するものであり、使用時に、(A)有機酸を含有する酸性溶液、(B)炭酸塩を含有する粉末および(C)シート状基体を接触させて、有機酸及び炭酸塩の中和反応により炭酸ガスを発生させ、この炭酸ガスを(C)シート状基体に担持させる。これらを接触させる順番は特に限定されず、例えば、酸性溶液(A)と粉末(B)とを接触させて混合し、得られた混合溶液に(C)シート状基体を含浸させてもよい。または、予め(C)シート状基体に酸性溶液(A)を含浸させておき、使用時に、粉末(B)を接触させてもよい。
前記(A)〜(C)は、適当な容器ないし袋体などに入れて接触させればよいが、発生した炭酸ガスが漏出しないように封入することが好ましい。例えば、本発明のシート状パックキットの好適な態様として、さらに(D)袋体を含むものが挙げられる。(D)袋体を構成する材料としては特に制限されず、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等の合成樹脂フィルムの単層又は多層フィルム、これらにアルミなどの金属箔をラミネートしたり、金属蒸着したフィルムなどが挙げられる。
(D)袋体の開口部は、発生した炭酸ガスが漏出しないように、チャック、ジッパー等の封止手段を備えていることが好ましい。このような袋体に、酸性溶液(A)、粉末(B)および(C)シート状基体を入れ、開口部を適宜封止手段により封止し、有機酸と炭酸塩を反応させ炭酸ガスを発生させる。発生した炭酸ガスは酸性溶液(A)中に溶存し、これが(C)シート状基体に含浸されるため、炭酸ガスを高濃度で含有するシート状パックが得られる。また(A)〜(C)を接触させ、有機酸及び炭酸塩の反応後の炭酸ガスが溶存した酸性溶液(A)の温度は、皮膚刺激性や血流促進効果の観点から20〜40℃とすることが好適である。
このように本発明のシート状パックキットは、使用時に有機酸と炭酸塩の反応により炭酸ガスを勢いよく発生させて、シート状基体に、高濃度の炭酸ガスが溶存した溶液を含浸させることが可能である。したがって、このシート状パックを貼付することにより、高濃度の炭酸ガスによる優れた血流促進効果が得られるとともに、皮膚への刺激が低く、しっとり感に優れた効果が発揮され得る。
本発明のシート状パックキットの好ましい態様として次の構成が例示される。
酸性溶液(A):15〜40質量部
粉末(B):0.1〜4質量部
シート状基体(C):2.8質量部
酸性溶液(A):15〜40質量部
粉末(B):0.1〜4質量部
シート状基体(C):2.8質量部
以下、実施例等を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
実 施 例 1
コットンを基材とする不織布をシート状基体として、フェイスマスクの形状に成型した(厚み:60g/m2、重量2.8g)。表1に示す組成に従い、粉末状の炭酸塩を、有機酸が溶解した酸性溶液中へ投入して、炭酸ガスを発生させ、その液をシート状基体に含浸させた(発明品1)。下記評価基準により、発泡の勢い、泡の消失性および粉末の溶け残りを評価した。また、粉末の保存安定性として、分包した粉末を50℃で30日間保存し、下記評価基準により、分包袋の膨らみの変化から炭酸ガスの発生の様子を評価した。結果を表5に示す。
コットンを基材とする不織布をシート状基体として、フェイスマスクの形状に成型した(厚み:60g/m2、重量2.8g)。表1に示す組成に従い、粉末状の炭酸塩を、有機酸が溶解した酸性溶液中へ投入して、炭酸ガスを発生させ、その液をシート状基体に含浸させた(発明品1)。下記評価基準により、発泡の勢い、泡の消失性および粉末の溶け残りを評価した。また、粉末の保存安定性として、分包した粉末を50℃で30日間保存し、下記評価基準により、分包袋の膨らみの変化から炭酸ガスの発生の様子を評価した。結果を表5に示す。
[ 評価基準 ]
(発泡の勢い)
◎:音を立てて勢いよく発泡する
○:音を立てないが発泡する
△:僅かに発泡する
×:発泡がほとんどしない
(発泡の勢い)
◎:音を立てて勢いよく発泡する
○:音を立てないが発泡する
△:僅かに発泡する
×:発泡がほとんどしない
(泡の消失性)
◎:液面より上に形成される泡が30秒以内に消失する
○:液面より上に形成される泡が1分以内に消失する
△:液面より上に形成される泡が3分以内に消失する
×:液面より上に形成される泡が3分を越えても残存する
(−:泡が発生しないため、評価せず)
◎:液面より上に形成される泡が30秒以内に消失する
○:液面より上に形成される泡が1分以内に消失する
△:液面より上に形成される泡が3分以内に消失する
×:液面より上に形成される泡が3分を越えても残存する
(−:泡が発生しないため、評価せず)
(粉末の溶け残り)
◎:粉末の溶け残りがない
○:粉末の溶け残りが少ない
△:粉末の溶け残りがやや多い
×:粉末の溶け残りが多い
(−:粉末を使用していないため評価せず)
◎:粉末の溶け残りがない
○:粉末の溶け残りが少ない
△:粉末の溶け残りがやや多い
×:粉末の溶け残りが多い
(−:粉末を使用していないため評価せず)
(粉末の保存安定性)
◎:分包袋が全く膨らまない
○:分包袋がごく僅かに膨らむ
△:分包袋が少し膨らむ
×:分包袋が大きく膨らむ
(−:粉末を使用していないため評価せず)
◎:分包袋が全く膨らまない
○:分包袋がごく僅かに膨らむ
△:分包袋が少し膨らむ
×:分包袋が大きく膨らむ
(−:粉末を使用していないため評価せず)
比 較 例 1
表2に示す組成に従い、粉末状の炭酸塩及び有機酸を混合した1剤を、水溶液中に投入し、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体に含浸させた(比較品1)。実施例1と同様に、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶け残り、粉末の保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
表2に示す組成に従い、粉末状の炭酸塩及び有機酸を混合した1剤を、水溶液中に投入し、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体に含浸させた(比較品1)。実施例1と同様に、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶け残り、粉末の保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
表3に示す組成に従い、粉末状の有機酸を、炭酸塩を溶解させた塩基性溶液中に投入し、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体に含浸させた(比較品2)。実施例1と同様に、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶け残り、粉末の保存安定性を評価した。結果を表5に示す。
表4に示す組成に従い、有機酸を溶解させた酸性溶液を、炭酸塩を溶解させた塩基性溶液中に投入し、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体に含浸させた(比較品3)。実施例1と同様に、発泡の勢い及び泡の消失性を評価した。結果を表5に示す。
発明品1及び比較品1〜3の結果から明らかなように、発明品1は、発泡の勢いがよく、泡が速く消失し、粉末の溶け残りが少なく、また、粉末の保存安定性に優れていた。従って、有機酸を含有する酸性溶液へ、炭酸塩を含有する粉末を投入することにより、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶解性及び粉末の保存安定性の全てを同時に満たすことが確認された。
実 施 例 2
表6に示す組成に従い、粉末(B)を酸性溶液(A)中へ投入して、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体(C)に含浸させた(発明品2〜11)。実施例1と同様に、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶け残り、粉末の保存安定性を評価した。また、専門パネラー5名が下記基準により、皮膚刺激(中和後の皮膚刺激)、しっとり感、液ダレ、粉末の流動性を評価した。さらに、粉末(B)を酸性溶液(A)中へ投入する前の、酸性溶液(A)自体の皮膚刺激(中和前の皮膚刺激)も評価した。結果を併せて表6に示す。
表6に示す組成に従い、粉末(B)を酸性溶液(A)中へ投入して、炭酸ガスを発生させ、その液を上記同様のシート状基体(C)に含浸させた(発明品2〜11)。実施例1と同様に、発泡の勢い、泡の消失性、粉末の溶け残り、粉末の保存安定性を評価した。また、専門パネラー5名が下記基準により、皮膚刺激(中和後の皮膚刺激)、しっとり感、液ダレ、粉末の流動性を評価した。さらに、粉末(B)を酸性溶液(A)中へ投入する前の、酸性溶液(A)自体の皮膚刺激(中和前の皮膚刺激)も評価した。結果を併せて表6に示す。
[ 評価基準 ]
(中和後の皮膚刺激)
◎:皮膚刺激がない
○:皮膚刺激が少ない
△:皮膚刺激がややある
×:皮膚刺激がある
(中和後の皮膚刺激)
◎:皮膚刺激がない
○:皮膚刺激が少ない
△:皮膚刺激がややある
×:皮膚刺激がある
(中和前の皮膚刺激)
◎:皮膚刺激がない
○:皮膚刺激が少ない
△:皮膚刺激がややある
×:皮膚刺激がある
◎:皮膚刺激がない
○:皮膚刺激が少ない
△:皮膚刺激がややある
×:皮膚刺激がある
(しっとり感)
◎:しっとりする
○:ややしっとりする
△:あまりしっとりしない
×:しっとりしない
◎:しっとりする
○:ややしっとりする
△:あまりしっとりしない
×:しっとりしない
(液ダレ)
◎:全く液ダレしない
○:ごく僅かに液ダレする
△:少し液だれする
×:かなり液ダレする
◎:全く液ダレしない
○:ごく僅かに液ダレする
△:少し液だれする
×:かなり液ダレする
(粉末の流動性)
◎:流動性がよい
○:流動性がややよい
△:流動性がやや悪い
×:流動性が悪い
◎:流動性がよい
○:流動性がややよい
△:流動性がやや悪い
×:流動性が悪い
発明品2〜11の結果から明らかなように、炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡が速く消失し、粉末の溶け残りがなく、粉末の保存の安定性に優れ、皮膚への刺激が低く、また、使用後のしっとり感にも優れることが確認された。
参 考 例 1
泡の消失試験:
50mL容ビーカーに、上記発明品6の酸性溶液30.0gを入れ、この酸性溶液中に、発明品6の粉末0.82gを投入し、炭酸ガスを発生させた。液面より上に形成される泡の消失の様子を、粉末投入直後、30秒後、1分後、3分後および5分後について観察した。結果を図1〜5に示す。
泡の消失試験:
50mL容ビーカーに、上記発明品6の酸性溶液30.0gを入れ、この酸性溶液中に、発明品6の粉末0.82gを投入し、炭酸ガスを発生させた。液面より上に形成される泡の消失の様子を、粉末投入直後、30秒後、1分後、3分後および5分後について観察した。結果を図1〜5に示す。
一方、ステアロキシヒドロキシプロピルメチルセルロース(サンジェロース60L、大同化成工業社製)0.1%およびクエン酸1.5%を含有する酸性溶液30.0gを50mL容ビーカーに入れ、この酸性溶液中に、炭酸水素ナトリウム0.6gを投入し、炭酸ガスを発生させた(比較品4)。上記同様、液面より上に形成される泡の消失の様子を、粉末投入直後、30秒後、1分後、3分後および5分後について観察した。結果を図1〜5に示す。
本発明のシート状パックキットは、炭酸ガスの発泡の勢いがよく、泡の消失が速く、粉末の溶け残りがなく、粉末の保存安定性に優れ、皮膚への刺激が低く、使用後のしっとり感に優れたものである。したがって、シート状パックとして皮膚用化粧料や医薬部外品等に利用可能なものである。
以 上
以 上
Claims (9)
- 次の(A)〜(C);
(A)有機酸を含有する酸性溶液
(B)炭酸塩を含有する粉末
(C)シート状基体
を含み、使用時に、(A)〜(C)を接触させて、有機酸と炭酸塩の中和反応により発生した炭酸ガスを(C)に担持させるものであり、(A)の液面より上に形成される炭酸ガスの泡が中和反応後5分以内に消失することを特徴とするシート状パックキット。 - 前記有機酸が、リンゴ酸、コハク酸、アジピン酸、酒石酸、クエン酸、ピロリドンカルボン酸及びアスコルビン酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載のシート状パックキット。
- 前記(A)中に、前記有機酸を0.5〜10質量%含有する請求項1又は2記載のシート状パックキット。
- さらに前記(A)中に、多価アルコール及び/又は増粘剤を含有する請求項1〜3のいずれかの項記載のシート状パックキット。
- さらに前記(A)中に、界面活性剤及び/又は両親媒性物質を含有しない請求項1〜4のいずれかの項記載のシート状パックキット。
- 前記(B)中に含まれる炭酸塩が、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、セスキ炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム及び炭酸カリウムよりなる群から選ばれる1種又は2種以上である請求項1〜5のいずれかの項記載のシート状パックキット。
- さらに前記(B)中に、油性成分及び/又は香料を含有する請求項1〜6のいずれかの項記載のシート状パックキット。
- さらに前記(B)中に、無機塩を含有する請求項1〜7のいずれかの項記載のシート状パックキット。
- さらに(D)袋体を含み、使用時に、(D)袋体中に前記(A)、前記(B)及び前記(C)を封入し、有機酸及び炭酸塩の反応により発生した炭酸ガスを前記(A)中に溶存させて、炭酸ガスが溶存した溶液を前記(C)に含浸させるものである請求項1〜8のいずれかの項記載のシート状パックキット。
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
FR3111795A1 (fr) * | 2019-09-25 | 2021-12-31 | L'oreal | Kit de soin pour les matières kératiniques |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004217675A (ja) * | 1997-11-07 | 2004-08-05 | Medion Research Laboratories Inc | 二酸化炭素含有粘性組成物 |
WO2013129414A1 (ja) * | 2012-02-29 | 2013-09-06 | 株式会社メディオン・リサーチ・ラボラトリーズ | 二酸化炭素を発生する美容シート製品 |
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2016
- 2016-06-20 JP JP2016121794A patent/JP2017226604A/ja active Pending
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